第1試合

「恵美、遂に試合だねっ!」
そう言って大池栄子に肩を叩かれるのは、あの黄色いタクシー軍団の恵美だった。
そして恵美が初めてのリングでの試合、そうデビュー戦の為に対抗戦のリングに向かっていった。
さすがはグラビア系だけあって、自らの94センチのバストを見せつけるように黒いビキニ姿でのリングインだった。
リングに上がると余裕でコーナーで相手を待っていく恵美。
そして一方、恵美のこの日の相手となるのは、同じくデビュー戦となる酒丼彩名だった。
「わ、私だって・・・少しは事務所の為に・・・」
緊張した表情で白いワンピース水着になった彩名だが、今回は対抗戦が数戦予定されていて、彩名には堀越紀子がアドバイスしていた。
「彩名ちゃん、ここのリングは怖いからねっ・・それだけは忘れないで・・・」
その言葉を聞いて紀子に勝利する事を約束してからリングに向かう彩名。
そして、初めて上がるプロレスのリングに緊張している彩名は、紀子などとの練習をした事で少しは自信もあったのか、コーナーに向かっていった。
「何よ、貧乳が相手なの?」
いきなり反対コーナーから彩名に言い放つ恵美。
「何よ、今日の相手は貴方なの?」
貧乳と言われカチンときた彩名が、恵美を鋭い視線で睨んでいった。
「ふん、何よ・・・本当の事を言ったのが気に入らないの?」
更に言い出す恵美。
「何よ、胸しか売りが無いんでしょ?可愛くないクセに・・・」
彩名も負けずに言い返す。その言葉に恵美も機嫌を悪くしてやる気を出していった。
「ゴチャゴチャ言ってないで、試合が始まったらブッ殺してやるわ!」
恵美が指を指して言い出す。
「ふん、よく吠える豚ちゃんねっ・・・」
舌を出して挑発していく彩名。
その早くも熱くなるリングの周りに、セコンドとして大池栄子と、堀越紀子のこれまた因縁の2人がセコンドとして姿を現していった。
「それでは本日の第1試合を行います!」
いきなり始まるリングアナのコールに、歓声が沸き上がると、その歓声に初めてリングに上がった彩名に緊張が走る。
「ふふふっ・・・何よ、もう緊張してるの?」
その彩名の様子に恵美が言い放つ。
「ふん、ゴングが楽しみなのよ!」
強がって言い返す彩名。しかし続けてコールが始まっていった・・・。
「青コーナー、遂に登場〜、黄色いタクシー所属〜っ!・・・T158B94W60H86〜、恵美〜っ!」
そのコールに観客達にアピールするように自らのバストを揺らしていく恵美。
「赤コーナー、壕プロ所属〜、美少女タレントがリングデビュー、T168B80W58H80〜、酒丼〜彩名〜っ!」
そのコールに、緊張した表情で腕を上げていく彩名。更に試合方式の説明が続いていった。
「なお、この試合は対抗戦の為、スリーカウントなしの完全KOルールで行います!」
その説明に驚く彩名。
「プロレスなんでしょ!」
しかし恵美は喜んでいた。彩名を叩き潰せると思って・・・。
「何よ、これで完全にデスマッチみたいなもんでしょ!・・・ビビッてるんじゃないわよ!」
怯える彩名に言い放つ恵美。その恵美の言葉に続いてゴングが鳴らされていった。
「カァーン!」
そのゴングの音にコーナーから勢いよく飛び出す恵美と彩名。
そして睨み合うと、いきなりリング中央でガッチリと組み合っていく2人。
意外な流れだったが、これには身長差からか、彩名が恵美を押していった。
「どうしたのよ、いくわよ!」
恵美をロープ際に押し込んで呟く彩名。
「ふん、だから?」
しかし余裕の姿勢の恵美。
グシュ・・「何よ、馬鹿にしてるの!」
余裕の恵美に怒った彩名が長身を活かして恵美の脇腹にヒザ蹴りを叩き込んでいった。
その一撃に恵美の表情が険しくなるが、彩名は構わず首投げで恵美をマットに投げ飛ばしていった。
バシィィィ・・・「おらあぁぁぁぁ・・・」
気勢をあげて恵美を攻める彩名。しかし恵美は痛そうな顔をしていた。
そして彩名が立ち上がって距離を取ると、今度は思いっきり走り込んでのドロップキックを恵美の顔面に炸裂させた。
バキィィィ・・・「ぐふうっ・・・」
これには大の字になって倒れていく恵美。さすがに顔面への蹴りは効いているようで、顔を押さえていた。
グイッ・・「立ちなさいよ!」
黄色い声をあげて恵美の髪を掴んで起こしていく彩名。しかし恵美も負けてはいなかった。
バキッ・・「調子に乗ってるんじゃね〜よっ!」
いきなり彩名の股間へグーパンチを叩き込む恵美。その一撃に悶絶しながら倒れ込む彩名。
「ふふふっ・・・これが地下プロの怖さなんだよ・・・」
更に恵美は、その倒れている彩名の顔面へ徹底したストンピングを入れていくのであった。
バキッ・・バシッ・・バシュ・・「うぐっ・・うぐぐっ・・あうっ・・ああんっ・・」
蹴られる度に身体を動かして藻掻き苦しむ彩名。
しかし、藻掻き苦しむ彩名だったが攻める恵美の足へ自らの足を絡めていくと、そのまま倒していった。
「うわあぁぁぁぁぁぁ・・・・」
絶叫しながら恵美の足へアキレス腱固めを仕掛けていく彩名。
グイッ・・・「ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
これには絶叫して悲鳴をあげて痛がっていく恵美。流石に関節技はキツイようである。
その様子を黙って腕組みしてリングサイドから見つめる大池栄子。そして堀越紀子も黙って彩名の試合運びを見ていた。
しかし、恵美が以外にもロープに逃げると、レフリーがロープブレークを命じていった。
「何よ、ロープに逃げてるんじゃないわよ!」
叫びながら恵美を放していく彩名。しかし恵美は足を痛そうにしていたが、立ち上がって構えていった。
「ほら、来てみなさいよ!」
彩名がニヤニヤしながら手招きしていくと、恵美は初めての自分の試合からか、熱くなってタックルのように彩名に向かっていった。
「ふん、胸が大きくて邪魔してるんじゃないの?」
その恵美に上から叩くように倒していく彩名。その彩名の叩き技に倒れ込む恵美。
「くっ・・貧乳のアンタに言われたくないわ!」
俯せ状態になる恵美が言い返す。しかし彩名が意外な動きで恵美に襲いかかっていった。
「今度はこうよ!」
俯せ状態の恵美に対して、横四方のような体制からヒザ蹴りを脇腹に叩き込む彩名。
グシュ・・グシュ・・「ぐふっ・・ごほっ・・」
勢いある彩名の膝の威力に、咳き込みながら苦しむ恵美。
「どうなのよ、苦しいんじゃないの?」
彩名が更に叫ぶと、恵美は苦しみながらも一気に四つん這い状態になって彩名を跳ね返していった。
しかし彩名も一気に勝負を決めようとしてか、立ち上がると恵美に蹴りを入れ始めていった。
バシッ・・バシッ・・「ほらほらっ・・以外と口だけなのねっ!」
調子に乗って恵美を蹴りまくる彩名。しかし恵美も蹴られながらもリング下に転がり落ちていった。
リング下に落ちた拍子に、94センチのバストがビキニから飛び出してしまうと、慌てる事もなくビキニを直していく恵美。
「ハハハッ・・汚い胸出して・・・。ただ大きいだけじゃないの!」
リング上から高笑いして恵美のビキニから飛び出した胸を笑い出す彩名。
その彩名の笑い声に、恵美の視線が鋭くなっていた。
そして彩名はリング上で観客にアピールしながら歩き回ると、恵美はその隙をついてその巨乳が作り出す巨大な胸の谷間に何かを隠し入れていった。
そしてリング上に戻っていく恵美。
「ふん、勝負よっ・・・」
まるでボクシングのようにして恵美を挑発する彩名。
その彩名に無言で近づく恵美。しかし彩名が先に仕掛けていった。
バシッ・・「ほらっ・・・どうなのよ!」
近づく恵美にローキックを入れていく彩名。しかし見よう見まねのローキックはあまり効いていなかったようだった。
逆に、恵美が一気に距離を詰めていくと、無理矢理に近い形で彩名にヘッドロックを仕掛けていった。
「おらあぁぁぁぁ・・・・大した事ないんじゃないの、貧乳ちゃん!」
恵美が叫びながら締め上げると、彩名も練習した通りにバックドロップなどで返そうとするが、恵美が上手くサイドヘッドロックに移行していった。
「くっ・・何よ、こんな技っ!」
強がっているが、本当は苦しくなってきている彩名。
しかし、その彩名を更に痛めつけるために、恵美が胸元に手を入れていった。
バキッ・・・「ぎゃああぁぁぁぁ・・・・・」
いきなり彩名が大声で悲鳴をあげると、恵美が何かを握りながら彩名の額に叩き付けていったのだった。
しかし観客からは拳で殴っているように見えていた。しかし恵美は胸の谷間に凶器を隠していたのだった。
「レフリー、何か持ってるよ!」
彩名が泣きそうな声で叫ぶと、レフリーが恵美にチェックを入れるが、上手く胸の谷間に凶器を戻していく恵美。
「凶器?・・・言いがかりはやめてよねっ!」
恵美が逆にレフリーに言い返すと、レフリーも離れていった。
すると、恵美がまた目を盗むようにして凶器を出すと、彩名の額を殴りつけていった。
バキッ・・・「うぎゃあぁぁぁぁ・・・・レフリー!何処みてるのよ!」
彩名が叫ぶと、今度は上手くリング下に凶器を投げていく恵美。
「凶器?・・・ねぇ、何処に持ってるのよ!・・・言ってみなよ、レフリー?」
凶器を使っていても堂々と自らの反則を否定していく恵美。
しかしレフリーがチェックすると彩名を放させると、恵美をチェックするが何も出はしなかった。
「ファイっ!」
そして続行となると、彩名は額への痛さからか、フラフラしていた。
逆に、恵美がニヤニヤしながら彩名に近づくと、いきなり至近距離からのラリアットを彩名の胸板に叩き込んでいった。
バシィィィィ・・・「ぐふうっ・・・」
その一撃に藻掻くようにリング下に落ちていく彩名。
「フフフッ・・・本当の勝負はこれからよっ・・・」
恵美が喜ぶようにしてリング下に降りると、倒れている彩名を捕まえていった。
そして、ヘッドロックのようにしてリング下を観客にアピールするように歩き出した。
「何よ・・・やめてよ・・・放しなさいよ・・・汚い胸が邪魔なのよぉぉ・・・」
彩名がまだ叫んでいたが、恵美は構わなかった。
「お客さんの皆さん!・・・今からこの貧乳女の泣き叫ぶのでも見てねっ!」
その言葉に観客が歓声をあげると、彩名も叫んだ。
「何よ、アンタなんかにっ!」
しかし次の瞬間、恵美は彩名の髪を鷲掴みにしてから一気に顔面を鉄柱に叩き付けていった。
ゴッチーン!・・・「ぐふうっ・・・んんっ・・・」
初めて受ける鉄柱攻撃に、意識を朦朧とさせていく彩名。
「ほらほらっ・・・今の気分はどうなのかしら?」
更に鉄柱攻撃をしていく恵美。そして彩名の額が割れて血が流れ出していった。
「うううっ・・・頭が痛いっ・・・ああんっ・・・」
堪らず鉄柱近くに座り込む彩名。しかし恵美は彩名の額の傷口に噛み付いていった。
ガブッ・・「うぎゃあああぁぁぁぁ・・・・いやあぁぁぁぁぁぁ・・・・」
噛み付かれて泣き叫ぶ彩名。次第に出血する血の量が多くなっていた。
「美味いわよ、アンタの血っ!」
口の周りを彩名の血に染めながらニヤニヤする恵美。次第に彩名の白い水着も赤く染まりだしていた。
「ううっ・・ちっ、畜生っ!」
しかし彩名も顔面を血に染めながらも、恵美に殴り返していくが、目に血が入って狙いが定まらないのか、恵美にダメージを与える事が出来ないようだった。
「ふん、生意気な真似しやがって・・・お仕置きしてやるよ!」
彩名を放すと、恵美がリングサイドからパイプ椅子を持ってきていた。
そうとも知らずに彩名はフラフラして、四つん這い状態で逃げようとしていた。
しかし、恵美がパイプ椅子を持って戻ってきていた。
「何なんだよ、逃げるんじゃないよ!」
そして遂に、恵美が持ってきたパイプ椅子の角で彩名の頭を殴りつけていった。
バキッ・・「ぎゃああぁぁぁぁぁ・・・・・」
その一撃に彩名が大きな悲鳴と共に大の字に倒れ込んでいった。
バキッ・・バキッ・・「ほらほらっ・・苦しいのか?・・・ほれっ!」
更に無防備状態の彩名の額にパイプ椅子で襲いかかる恵美。次第に彩名の出血量が増えていった。
だが、必死に抵抗していく彩名。しかし流血している為に次第にスタミナも切れてきたのか、動きが鈍くなっていた。
その彩名を今度はリング上に戻していく恵美。リング上で完全に倒そうと考えていたのだ。
「うううっ・・・」
呻き声のような悲鳴をあげて倒れている彩名。
「ほらほらっ・・・どうしたんだよ・・・いくよ!」
更に恵美が、彩名をパイルドライバーの体制にしていくと、彩名の額から流れ出る血がマットを赤く染めていった。
バキィィ・・「おらあぁぁぁぁ・・・」
恵美が叫びながら彩名の脳天からマットに叩き付けていった。
「ふぎいぃぃぃぃぃぃ・・・・」
変な悲鳴をあげてピクピクしていく彩名。受け身も出来ずに首に大きなダメージを受けたようだった。
普通だったらレフリーが止めてもいい状態だったが、完全決着ルールの為にレフリーもまだ生命の危険が迫っていると思わず、黙っていた。
その光景に、リングサイドの紀子が叫んだ。
「もういいでしょ、これで終わりにしてよ!」
その言葉と共に紀子の手からは白いタオルがリングに投げられるが、今度は栄子が叫んだ。
「恵美、その生意気な貧乳にトドメを刺してあげなっ!」
その言葉に、恵美が頷いていった。
そして、ピクピクしている彩名を俯せ状態にすると、恵美が何と顔面にヒップドロップを叩き込んでいった。
バキィィィィ・・・「ふぎゃああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
断末魔の悲鳴とも言うのか、彩名は大きな悲鳴をあげてピクピクして失神寸前になると、恵美がそのまま彩名の顔面に座ったまま腰を動かしていった。
グイッ・・グイッ・・「ふふふっ・・・これで決まりだねっ!」
その恵美の言葉と共に、彩名のピクピクしていた手足の動きが止まっていった・・・。
「カンカンカンカン!」
彩名が完全に失神状態になったと言うことで、大きなゴングの音が会場内に響き渡っていった。
「勝者、恵美っ!」
そして恵美の勝利が告げられると、そこにはガッツポーズでデビュー戦で勝利を収めた恵美と、逆にデビュー戦から血塗れ失神KOと言う無惨な彩名の姿があった。
そして、恵美は栄子と共に引き上げるが、一方では紀子が栄子たちを睨みながら彩名の身体のダメージを気遣うのであった。
遂にデビューした恵美。黄色いタクシーからまた強烈なキャラが登場していったのだった。

第2試合

「私だって・・・黄色いタクシーの売れっ子よっ!」
控え室でビキニに着替えながら呟くのは河村亜紀だった。
この対抗戦が始まってから活躍もなかった亜紀だったが、これで活躍しないとグラビア以外にも深夜番組などが多いのを気にしていて、更に売れればと考えていた。
そして恵美の試合が終わるのを待っていたのであった。
一方、酒丼彩名が必死な試合をしている時に、控え室ではあの平川綾が黄色いビキニに着替えて出番を待っていた。
「今日こそは・・・絶対に・・・勝ってやる・・・」
まだ誰が相手とも知らず、対抗戦に意欲を燃やす綾。今までは痛めつけられたり、逆に前回の試合ではクリーンファイトで勝利したりと、壕プロ勢の中では頑張っていたのも事実だった。
そして、試合の時間が迫ってきてお互いがリングに向かっていった・・・。
「今日の相手って・・・」
最初に対戦相手となる亜紀を見つけたのは、綾の方だった。
「何よ、今日は勝ちは貰ったわね・・・」
逆に亜紀も綾の姿を見ると、試合に勝った気分になっていた。しかし、亜紀が思っている以上に綾は強くなっていたのも事実だった。
しかし、亜紀が意外な要求をしていった。
「平川さん、どうせ対抗戦を楽しみに見ているお客さんの為にもさぁ・・・。特別な試合にしない?」
その言葉に綾が言い返す。
「特別って?・・・何をするって言うの?」
その綾の言葉に、亜紀が返した。
「ふふふっ、お互いがビキニ着てるなら話は早いわ!・・・敗者水着剥ぎデスマッチよっ!」
その言葉に、綾が驚きの表情を見せると、観客からは亜紀の提案を押すように歓声がおきていった。
その歓声を聞いて、リングアナが謎の男の指示を受けてコールを始めていった。
「それでは第2試合、対抗戦の第2弾を行います!・・・特別試合〜、敗者水着剥ぎデスマッチ〜、時間無制限一本勝負!・・・青コーナー、黄色いタクシー所属〜、T157B86W58H83〜、河村〜亜紀〜っ!」
そのコールに、黒いビキニに包んだバストを揺らしながらアピールしていく亜紀。
「赤コーナー、壕プロ所属〜、T163B85W59H82〜、平川〜綾〜っ!」
そして綾もコールに黄色いビキニ姿で観客にアピールしていった。
そしてコーナーでお互いが鋭い視線を相手に向けて試合開始を待つ2人。
それもその筈、いきなり決まっていった敗者水着剥ぎデスマッチに真剣になるのも当然だった。
「カァーン!」
そしてゴングが鳴ると、亜紀も綾もコーナーから出ずに睨み合っていた。
「今日はヘアヌードになってもらうわよ、平川さん?」
亜紀がコーナーから早くも挑発的な言葉を投げかけていった。
「どうだか?・・・私だって負けないわ!」
綾も負けずに言い返す。その言葉に亜紀の表情が険しくなっていった。
「だったら・・・」
亜紀が綾に向かってリング中央へ歩き出すと、綾も同時に亜紀に向かって歩き出した。
そしてリング中央で睨み合っていく2人。
「何よ、生意気ねっ・・・」
亜紀が睨み付ける。
「どっちがよ、アンタに言われたくないわ!」
綾も何時になく険しい表情になっていた。
パシッ・・「何ですって・・・ほらっ!」
いきなり亜紀が綾の頬に張り手を入れていく。
「くっ・・・何するのよぉぉぉ・・・」
張り手を喰らって頭に来たのか、綾も亜紀の頬に激しく張り手を返していった。
バシィィィィ・・・「ぶふっ・・・何よ、ほらぁぁぁ・・・」
亜紀も痛さに耐えながら返す。しかし綾も負けずに返すから激しい張り手合戦になっていった。
パシッ・・パシッ・・パシッ・・
「何よぉぉぉぉぉ・・・・」
「生意気なんだよぉぉぉ・・・」
もうアイドルと言う事を忘れ、女としての本能だけで罵り合っているような展開に、観客達も驚きの表情で見守った。
激しい張り手合戦が続いていくと、お互いの綺麗な肌が赤くなっていった。
更に髪の毛を掴み合うと、まずは綾がヘアーホイップで亜紀をリングに倒していった。
しかし、亜紀もスグに立ち上がって低空タックルから綾を倒していくと、腕を早くも取りにいこうとするが、綾も簡単に腕を取らせずにいた。
さらに縺れると、綾の足がロープに伸びていった。
「ブレークっ!」
熱くなる2人の間に入っていくレフリー。そのブレークの言葉に2人は離れて立ち上がっていった。
そしてお互いの動きを見ながら牽制しあう亜紀と綾。時折ローキックだかジャブだかを出していたが、今度は積極的に近づいてはいかなかった。
「ふん、どうしたのよ・・・いくわ・・あうっ!」
そう、亜紀が綾に掴みかかろうとした瞬間、綾もドロップキックを仕掛けてそれが亜紀の顔面を直撃したのだった。
バキィィィ・・・「うぐぐっ・・・」
その一撃に悲鳴をあげて倒れ込む亜紀。偶然とは言え亜紀はダメージを負ってしまったようだった。
「まだよ、ほらほらっ・・・」
更に顔面を押さえて立ち上がる亜紀に背後から髪を掴んで、思いっきり亜紀の顔面をマットに叩き付けるフェイスクラッシャーを仕掛けていく綾。
バシィィィ・・・・「んああぁぁぁぁぁ・・・・・・」
これには悲鳴をあげてジタバタして苦しむ亜紀。
続けて綾がキャメルクラッチで亜紀を攻めていくと、亜紀が両足をバタバタして苦しんでいた。
「ギブ、ギブアップ?・・・河村っ?」
レフリーが苦悶の表情の亜紀にギブアップか問いかけると、亜紀は手でノーのサインを送っていった。
「ほらほらっ・・・背中が折れちゃうカモよ!」
更に綾が亜紀の背中を痛めつけるようにグイグイと揺さぶると、亜紀の顔に苦痛が浮かんでいった。
しかし、亜紀も凄い反撃に出ていった。
ガブッ・・・「イタタタッ・・・何するのよぉぉぉ・・・」
いきなり叫び出す綾。そう、亜紀が顎の近くで動いていた綾の手に噛み付いたのだった。
その痛さに力を緩める綾から一気に逃げ出す亜紀。
しかし綾も逃がさないと追いかけて蹴り出すと、亜紀がリング下に転がるように逃げていった。
「何よ、逃げてるんじゃないわよ!」
リング上から亜紀に激しく言い放つ綾。
「ふん、逃げてるって言うんじゃないの、息を整えるって言って欲しいわ!」
綾の言葉に逆に言い返す亜紀。
そして綾の隙を突いてリングに戻ると、亜紀は構えるようにして距離を置いていった。
距離が詰まっていくと、今度は亜紀がスライディングタックルのように仕掛けるが、綾が上手く飛び上がって避けるが、亜紀は着地した瞬間の綾の両足に自らの足を絡めて倒していった。
バシィィ・・・「いやあぁぁぁ・・・くっ・・・」
倒されて悔しがる綾。しかし亜紀の身体が綾の身体に絡まっていった。
「もらったわ、捕まえればコッチのものよ!」
倒した綾の両足を素早くデスロックに極めると、いきなりブリッジのようにして鎌固めを極めていく亜紀。完全に亜紀の鎌固めが決まると、亜紀は86センチのバストを揺らしながら極めていった。
「ほらほら、ギブするの?」
グイグイと綾を痛めつけてギブアップを迫る亜紀。しかし綾も汗を流しながらも耐えていた。
「ノ、ノゥー・・・絶対にギブしないわ!」
さすがに水着も懸かっていて、簡単にはギブアップをするはずもない綾。それは亜紀も同じだった。
しかし、今度は逃げようと必死な綾が腕を動かすと、何と亜紀のビキニのヒモを掴み始めていった。
グイッ・・「なっ、何するんだよ、クソ女っ!」
テレビなどでは絶対に言わないような暴言を吐きながら怒る亜紀。そして綾が引っ張ると亜紀のビキニブラジャーが外れて86センチの白い綺麗な乳房が露わになっていった。
その亜紀のトップレスシーンに歓声が起きると、亜紀が技を解いていった。
その大きな胸を揺らしながら怒る亜紀。綾もフラついてはいるが立ち上がると、亜紀の胸を覆っていたビキニは綾の手にあった。
「返しなさいよ・・・その水着っ!」
亜紀が手を伸ばして綾に水着を返すように迫る。
「返してですって?・・・・ほらっ!」
亜紀の手がビキニに届こうかと言う瞬間、綾が思いっきり亜紀から剥ぎ取ったビキニブラジャーを観客席に投げ込んでいった。
「なっ・・・何するのよ・・・・」
その行為に怒る亜紀。そしてリング下では男性客達が亜紀のビキニに殺到していた。
「何って・・・別に・・・」
綾も負けずに言い返す。しかし、亜紀が思いっきり踏み込んで綾の顔面へストレートパンチを入れていった。
バキッ・・・「ぐふっ・・・痛いっ、このっ!」
いきなり殴られて口の中を切った綾。殴り返そうと綾も向かっていった瞬間・・・。
「お返しだよ!」
いきなり亜紀の叫び声がリングに響くと、今度は綾のビキニを思いっきり握りしめていった。
グイッ・・「何よぉぉ・・やめてよぉぉぉ・・・」
必死にビキニを掴んで脱がされないようにと抵抗していく綾。
しかし、亜紀が思いっきり引っ張ると、綾の黄色いビキニブラジャーが剥ぎ取られていった。ビキニが脱がされて露わになった綾の85センチのバスト。
最近サイズアップしたばかりの綺麗な乳房が露わになって観客席は騒がしくなっていった。
「ほら、これはサービスよっ!」
更に亜紀が剥ぎ取った綾のビキニをお返しとばかりに観客席に投げ込むと、その綾のビキニにも男性客が殺到していった。
そしてリング上ではトップレスのアイドル2人の姿があったが、亜紀は開き直ったのか堂々としていたが、綾は恥ずかしそうにしていた。
「ふふふっ、恥ずかしがっちゃって・・・カワイイわねっ・・・」
まるで馬鹿にしたように綾に言い出す亜紀。
「ううっ・・・まだまだよ、試合はこれからっ!」
亜紀の言葉に必死になって向かっていく綾。そう、トップレス状態で2人がリング上で髪を掴んだりしていった。
「ほらっ、何をするって言うのよ!」
亜紀が綾のお腹を殴り出す。
グシュ・・「うっ・・なっ、何よぉぉぉぉ・・・」
その一撃に苦悶の表情を浮かべる綾。しかし直ぐに亜紀のお腹へパンチを入れていった。
「ぐふっ・・ううっ・・・何よぉぉぉぉ・・・ほらぁぁぁぁぁ・・・」
亜紀も苦しそうだったが、もう意地になって綾のバストへエルボーを入れると、続けてDDTを狙って首に腕を巻き付けた。
しかし、綾も意地があるのか、その亜紀に首を極められながらも持ち上げていった。
そしてそのまま、コーナーに走り込んでいくと亜紀の背中をコーナーに叩き付けていったのだった。以外に力があった綾。
バシィィィ・・・「うわあぁぁぁぁぁ・・・あん・・・」
その一撃に一瞬息を詰まらせる亜紀。そしてそのままコーナーに座り込んでいった。
「立ちなさいよ!」
その亜紀の髪を掴んで起こしていく綾。更に首投げから座らせた状態にすると、ビキニを剥ぎ取られた事に怒ってか、綾が背後から亜紀の両乳房を掴んでいった。
グイッ・・「イタあぁぁぁぁぁぁ・・・・何よぉぉぉ・・・・」
涙目になって叫ぶ亜紀。そう、女の弱点でもある乳房を思いっきり掴まれて悲鳴をあげていく亜紀。
「ほらほら、よくも水着を剥いでくれたわねっ!」
更にグイグイと亜紀のバストを握りつぶしていく綾。対抗戦を越えたような綾の気迫に観客達も驚いていた。
しかし、亜紀もバストへの激痛に怒り出すと、いきなり後頭部を綾の鼻っ柱に当てていった。
バキッ・・・「ふぎぃぃぃ・・・」
いきなり思いっきり後頭部を鼻に叩き付けられ、綾は悲鳴をあげて倒れ込んだ。
「このうっ、よくも大事なオッパイを・・・許さないからねっ!」
鼻に衝撃を受けて激しく鼻血を流して倒れる綾に、亜紀が馬乗り状態からお返しとばかりに綾の成長したバストを握りつぶしていった。
グニュュュュュ・・・・「うわあぁぁぁぁぁぁぁ・・・・痛いぃぃぃ・・・・」
亜紀の仕打ちに両足をジタバタしながら悲鳴をあげる綾。
「何よ、サイズ誤魔化してるんじゃないの?」
意地悪い言葉を綾に言い放ちながら、亜紀は更に綾のバストへバストクローとも言える技を出していった。
「ううっ・・・だったらお返しよぉぉぉぉぉ・・・・」
しかし綾も負けなかった。下から亜紀のバストを握り出すと、爪を亜紀の白い乳房に立てていった。
グググッ・・・「ぎゃああぁぁぁ・・・痛いじゃないのぉぉぉ・・・」
その爪による激痛に堪らず亜紀が綾のバストを放してから倒れるように離れていった。
そして距離を置いて睨み合う亜紀と綾。もう両者の白い筈の乳房が赤く変色したり、爪によって傷つけられていた。
女の意地とでも言える展開に、2人とも肩で息をしているくらいスタミナを消耗しているようだった。
しかし、2人とも対抗戦からか、女の意地から来るものかは解らないが、吸い寄せられるようにしてリング中央に歩き出した。
そして、無言のまま睨み合っていく、手が届く距離だったが睨み合っていた。
お互いが胸も出したままで、その展開に観客達も黙って成り行きを見守った。
バシィィィ・・・バシィィィィ・・・
リングに響くお互いの頬を叩く張り手の音。そう、お互いが意地になって張り手を打ち出していった。
何も言わずに目だけで相手に何かを訴えるような2人。次第に張り手の威力も強烈になっていくと、亜紀も綾も口の中はボロボロになったのか、血が流れていた。
「おらあぁぁぁ・・・」
沈黙を破るように亜紀のアッパーが綾の顎を抉る。
ボゴッ・・「ぐふうっ・・・」
口から血飛沫をあげてフラつく綾。しかし綾も負けじと亜紀の鳩尾にパンチを入れた。
グシュ・・「グハッ・・・ううっ・・」
その一撃に堪らず膝を落とす亜紀。口からは涎を垂れ流していた。
更に追い込もうとする綾だったが、亜紀も負けなかった。
バキッ・・・「ふぎぃぃ・・・ううっ・・」
そう、今度は亜紀が下から綾の股間へアッパーを入れると、綾が倒れ込んでいった。
更に亜紀が股間を押さえる綾の両足を掴むと、そのまま電気アンマの体制で綾の股間へ刺激を与えていった。
グイグイグイッ・・・・「あふっ・・・ああんっ・・・いやあっ・・・」
最初は耐えていた綾だったが、亜紀が時折爪先でビキニショーツの上から綾の秘部へ刺激を与えていくと、綾は変な声をあげていった。
だが、綾も反撃をと考えて、その自らの股間を襲う亜紀の足首を掴むと、いきなり捻るようにして極めていった。
グイッ・・「ぎゃああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
いきなり悲鳴をあげる亜紀。その力が抜けた瞬間に綾が立ち上がると、一気に足を痛がる亜紀の顔面へ蹴りを入れていった。
バシィィィィ・・・「ぐはぁぁぁぁぁぁ・・・・」
その一撃に意識を朦朧とさせて倒れ込む亜紀。しかし綾は鼻血を流しながら逃がしはしなかった。
「甘いんだよ、まだだよ!」
倒れて苦しむ亜紀のお腹へ、踵で容赦ないストンピングを入れていった。
グシュ・・グシュ・・「ボベェ・・ウゲェェェ・・・」
その綾の残酷な攻めに、亜紀は胃袋を押し潰されるような感覚に、嘔吐感から口から反吐を吐き出していった。
鼻血を垂れ流す綾に、反吐を口から垂らしている亜紀。凄まじい凄惨な試合になってきていた。
「立ちなっ・・・」
綾が亜紀の髪を掴んで起こすと、亜紀も負けじと立ち上がっていった。
そして、今度はノーガード状態で綾が殴りだしていった。
バキッ・・「ぐふっ・・・何なんだよっ!・・・おらっ!」
バキッ・・「がはっ・・・ま、負けるかぁぁぁぁ・・・!」
お互いが商売道具でもある筈の顔を殴り合うと、次第に血飛沫をあげながらの凄惨な殴り合いになっていった。
どちらも負けないと言う執念からか、時折倒れそうになるが倒れなかった。
逆に、2人の足元には飛び散った血飛沫の跡が生々しく増えていった。
この凄惨な試合の行方に、さすがの謎の男も黒服達に指示を与えていった。
「カンカンカンカン!」
激しく乱打されていくゴングの音。そう、謎の男が綾も亜紀もお互いにグラビア系でもあると言う理由から、これ以上殴り合わせては傷物になってしばらくの間はグラビアに出れなくなってはと言う事から、試合を没収試合としてしまったのだった。
「何よ、まだ出来るわよ!」
綾が血だらけの顔で必死に叫ぶ。
「コッチだって、アンタなんか潰してあげるわよ!」
黒服に制止されるが藻掻いて綾に悪態をつく亜紀。
対抗戦から、個人的抗争に発展しそうな綾と亜紀。しかし黒服達が2人を離していった。
混乱するリング上。その光景の中、リングアナが試合結果と言うのか、アナウンスを流していった。
「ただ今の試合、お互いがグラビアでも活躍しているとして、これ以上闘わせては表の世界で不味くなる恐れがあるため、没収試合としてノーコンテストとします!」
そのコールに、観客達も騒ぎ出していくが、謎の男がリングに上がっていった。
「この試合、次回この2人が闘う時は、もっと過酷なルールのデスマッチで闘わせるので、今日の所はこれで収めてください!」
その一言に、観客達は納得するが、綾と亜紀はまだ興奮していて、お互いが罵り合っていった。
しかし、無理矢理とも言えるが、綾と亜紀は控え室に戻されて行くのであった。
これで1勝1分けの展開になっていったのだった・・・。

第3試合

「クリーンファイトばっかりではいけないのねっ・・・」
そう、白いビキニに着替えて試合の時を待つのは、今日がデビュー2戦目の矢幡悦子だった。
前回は平川綾と対抗戦と思えないような試合をして、観客たちを驚かせた悦子だったが、その後おなじ事務所の大池栄子から何でも有りと教えられ、今回は気合いを入れていた。
しかし今回の対抗戦は、試合相手は解らないでいたので、悦子もリングに上がるまでは対戦相手は解らないでいた。
そして、第2試合の河村亜紀と平川綾の試合が終わると、悦子はビキニに包んだバストを揺らしながらリングに向かっていった。
そして観客達の期待する中、早くも対戦相手を待つようにコーナーで待つ悦子。
「誰なのよ、今夜の私の相手は?」
悦子が対戦相手はと花道を見ると、突然に歓声が沸き起こっていった・・・。
そう、歓声に包まれて登場したのは、あの壕プロの中でもまだ地下プロレスに出ていなかった、あの深多恭子だった。
Tシャツにジーンズ姿のまるでストリートファイトデスマッチの様な格好でリングに上がっていく恭子。
「何なのよ、その格好?」
早くも悦子が恭子に詰め寄る。
「何なのって・・・貴方だってプロレスって言うのなら、ビキニなんて着ないでよね!」
以外な事に、今日がリングに初めて上がる恭子も挑発するように言い返していった。
実は、恭子の自信の裏には豚多恭子と揶揄されていた事もあって、和多秋子からも肉体改造と言う事で、あの数々のアスリートを鍛え直したケビン川崎の元でトレーニングを積んでいたのだった。
また、その時に出会った野球選手の清腹に喧嘩テクニックまで遊びのようにして学んでいたのであった。
恭子としては、前回の黄色いタクシー軍団のリンチとも言える試合を見ていて、内心は許せないと言う思いがあった。
そして悦子に対しても、恨みはないが、同じ事務所のメンバーと言う事で早くも潰そうと考えていた。
「第3試合を行います!・・・対抗戦第3試合〜、青コーナー、黄色いタクシー軍団所属〜、T163B89W59H87〜、矢幡〜悦子〜っ!」
そのコールに恭子に指を指しながらアピールしていく悦子。デビュー2戦目にしてプロレスラーみたいな仕草まで覚えているようだった。
「赤コーナー、壕プロ所属〜っ、T163〜、BWHは秘密〜っ!・・・深多〜恭子〜っ!」
そのコールに観客からブーイングが起きていった。
「何が秘密だぁぁ・・・豚だから言うのが恥ずかしいのか!」
その罵声に恭子の表情が変わっていった。
「ぶ、豚さんじゃあありません・・・恭子はぁぁ・・・・」
必死に観客席に向かって叫ぶ恭子。
しかし、観客席からは更に恭子に向かって罵声が飛んだ。
「豚多、豚多っ!・・・豚多っ!豚多っ!豚多っ!・・・」
早くも会場内に豚多コールが響いていくと、悦子も調子に乗って言い放った。
「そう言うこと、豚ちゃんさぁ、早く試合を始めない?」
腕組みして恭子を挑発していく悦子。
「きょ・・恭子はぁ・・・豚じゃ・・・豚じゅあないもん・・・」
豚多コールに恭子は試合開始前から涙目になっていた。
「カァーン!」
そしてゴングが鳴らされると、悦子はコーナーに向いて膝を動かしていると、恭子が一直線に悦子に走り出していった。
「何処見てるの、いくわよぉぉぉぉ・・・・・」
その恭子の声に驚いて振り返る悦子。
「えっ・・・何よぉぉぉ・・・」
いきなりデビュー戦から飛び出して来るとは思わなかった悦子が避けていく。
バシィィィィ・・・「ああんっ・・・何で避けるのよぉぉぉ・・・」
勢いあるニーアタックを狙った恭子だったが、悦子が避けてコーナーに自爆していった。
しかし、悦子はその威力に驚いていた。コーナーに激突すると、左右のロープが揺れていく程の威力だったからだった。
「な、何・・あの破壊力・・・」
自爆して痛がる恭子を見て驚く悦子。逆に恭子は立ち上がると、悦子に向かっていった。
「何よ、当たらなきゃ意味がないのよ!」
向かってくる恭子に、悦子も叫びながらタックルのように組み付きに行くと、両腕を恭子の腰に回すが、倒すことが出来なかった。
逆に、腰が重いのか恭子が余裕で言い返していった。
「何してるのよ・・・こうしてやるぅぅぅ・・・」
その恭子の言葉に続いて、下を向いて組み付いている悦子を抱えると、恭子が変形サイドスープレックスで投げていった。
バシィィィ・・・「イタアァァァァ・・・・」
背中からマットに叩き付けられて悲鳴をあげる悦子。更に恭子が喧嘩殺法か悦子に馬乗りになっていった。
「さっきは勝手な事を言って・・・容赦しないわよ!」
そして悦子の顔面へパンチを叩き込む恭子。さすがに大事な顔を殴られて悲鳴をあげて逃げようと悦子が藻掻いていた。
しかし、これにはレフリーが反則だと注意していくと、恭子は一旦離されていった。
恭子が離れると、悦子も立ち上がって距離を取って構えていった。
そしてレフリーの続行の指示に、今度は悦子が仕掛けていった。
「負けるかぁぁぁぁ・・・おらあぁぁぁ・・・」
気勢をあげて恭子にドロップキックを叩き込む悦子。その一撃に恭子はフラつきながらロープに飛ぶと、その勢いを使って倒れた悦子にストンピングを入れていった。
バシィィ・・「ぐふっ・・何よ、何でぇぇ・・・」
いきなりの反撃に信じられないと言う表情を浮かべる悦子。
「何でって、アンタ達が悪いんでしょぉぉぉぉ・・・」
更に強烈なストンピングを悦子の顔面からバスト、更にはお腹へなど容赦なく入れていく恭子。そのパワーの前に悦子が苦しんでいた。
これだけ蹴られていくと、悦子もマズイと思ってリング下に降りていくと、恭子はリング上から悦子を挑発していった。
「ちょっとおぉぉぉ・・、試合はリングの上なんでしょう?」
その恭子の言葉に構わず悦子がリング下で呼吸を整えていった。
「ふん、リング下だって立派な試合をする場所なのよ!」
その悦子の言葉を聞いた恭子が、だったら私もとリング下に降り出すと、これに驚いた悦子が逃げ出した。
「待ってよ、ここでもいいんでしょ!」
追いかける恭子。しかし悦子もリング下ではとある事を思いついた。
「いいわよ・・・だったらコレはどうかしら!」
いきなりリングサイドにあるパイプ椅子を持ち出すと、追いかけるのに夢中な恭子のお腹へパイプ椅子の角で一撃を加えていった。
グシュゥゥゥ・・・「グボッ・・うううっ・・ひ、卑怯よ・・・」
その一撃にお腹を押さえて座り込む恭子。その顔は苦悶の表情になっていた。
「リング下だったらいいのよ!・・・ほらっ!」
更に座っている恭子の背中にもパイプ椅子を叩き付けていく悦子。
バキィィィ・・・・「いやあぁぁぁぁぁ・・・背中が痛いぃぃぃぃ・・・」
泣きそうな表情で恭子が苦しむが、悦子は構わず蹴りを入れたりして攻めていった。
そして苦しみながら倒れ込む恭子の喉にパイプ椅子を当てて痛めつけていく悦子。
「ほらほら、場外って何でもいいのよ!・・・苦しいでしょ?」
恭子の力強さに驚いていた悦子が、流石は黄色いタクシー軍団だけあって、反則ファイトも練習していたようだった?
これには鍛える事の出来ない喉を椅子の金属に潰されるようにして、恭子は呻き声みたいな声を出しながら藻掻いていた。
「んんんっ・・・んんうっ・・・んわっ・・・ああっ・・」
その恭子を更に痛めつけていく悦子。
「ほらほら、プロレスなら水着でも着てきなさいよ!」
更に椅子を放すと、悦子が恭子のTシャツを掴みながら起こしていった。
しかし、これには恭子も負けずに返していった。
「何よ、だったら貴方だってビキニなんて着ないでよねっ!」
そう言うと、悦子にエルボースマッシュを仕掛けていく恭子。
バキッ・・・「ぐふうっ・・ううっ・・・こ、このっ!」
顔面にエルボーの反撃を受けて、痛がる悦子も恭子のバストへエルボーを入れると、恭子も苦痛の表情を浮かべていった。
そして縺れ合うようにしてリングに戻っていく恭子と悦子。
そして立ち上がっていくと、いきなり悦子がその場からラリアットを恭子の喉元に叩き込んでいった。
バシィィ・・・「ぐふっ・・・」
恭子の苦しそうな声が飛ぶ。悦子の勢いはないがラリアットに苦悶の表情を浮かべている恭子。悦子が更に攻めようとした瞬間・・・。
バキィィィィ・・・「痛いじゃないのぉぉ・・・」
お返しとばかりに悦子の喉元に太い腕を叩き込むラリアットで倒していく恭子。
「ぐへぇぇぇぇ・・・ウエッ・・・ゴヘッ・・」
喉を押さえて両足をジタバタして藻掻く悦子。いきなりの恭子の以外なラリアットに受け身も出来なかったみたいだった。
「容赦しないわよ・・・」
恭子の重い言葉が響く・・・。そんな中、恭子が悦子の髪を掴んで起こすと、今度はコーナーに連れて行ってコーナーポストに顔面を叩き付け始めていった。
バシィィ・・バシィィ・・「ぎゃああぁぁぁ・・・いやあぁぁぁぁ・・・」
勢いよく顔面をコーナーに叩き付けられて意識を朦朧とさせて悲鳴をあげる悦子。
「冗談じゃないわ、この前の玲子ちゃんはもっと酷い事されたんだから!」
更に、恭子が悦子の顔面をコーナーに叩き付けると、堪らず悦子が倒れ込んでいった。
そして懸命に四つん這い状態でフラフラ立ち上がろうとすると、恭子がロープに走って助走を付けていった。
バキィィィィ・・・「おらあぁぁぁぁぁぁ・・・・」
気勢をあげて悦子の顔面へ思いっきり助走のついた蹴りを入れていった。
その蹴りは、まるで足の裏に全体重を掛けるようなもので、次の瞬間に悦子は大の字になって倒れ込んでいった。
「いやあぁぁぁぁぁぁ・・・・ああんっ・・・」
その藻掻くように痛がる悦子の両足首を掴む恭子。そのままコーナーの近くに連れて行った。
「ううっ・・何よ・・・」
コーナー近くに倒れる悦子が、トップロープから攻撃を受けたら堪らないと、フラフラしながらも立ち上がっていった。と、その次の瞬間・・・。
「こっちよぉぉ・・・おらあぁぁぁ・・・」
恭子の叫び声がリングに響く。その瞬間、悦子が振り返るように恭子の声の方を向いた瞬間・・・。
バキィィィ・・・「ぐへぇぇぇぇ・・・・ああんっ・・・」
そう、振り向いた瞬間に、悦子の89センチのバストに炸裂していく恭子のドロップキック。しかし恭子の足はアイドルとしては大きな26.5センチと言われる足で、それが揃えられてのドロップキックだから、悦子は堪らなかった。
更に、コーナー近くと言う事で、悦子は背中から思いっきりコーナーに叩き付けられるようにして、グッタリとコーナーに座り込んでいった。
「苦しいでしょ・・・でもまだよ、何が黄色いタクシーよっ・・・」
いつものホンワリしている恭子からは想像も出来ない言葉を吐きながら、恭子が悦子に詰め寄る。
そして、コーナーに座り込む悦子の髪を掴むと、一気に両肩に抱え上げていく恭子。
そう、アルゼンチンバックブリーカーを仕掛けていったのだった。
グイグイ・・・グイグイッ・・・・「ほらほらっ・・・背中折っちゃおうか?」
激しい口調で悦子に言い放つ恭子。更に大きな身体を揺さぶりながら、悦子を苦しめていった。
「ああっ・・・ああんっ・・・んあっ・・・ううんっ・・・」
豪快な恭子の技に、揺さぶられながら悦子が悲鳴をあげていった。
しばらく痛めつけていくと、悦子はギブアップこそしなかったが、もうフラフラで試合続行も出来るのかと言う様子だった。
そして恭子が悦子をマットに落とすと、動けない悦子に恭子が迫る。
「覚悟しなさいよ・・・・」
その恭子の言葉に驚く悦子。
「ううっ・・・何よ・・・」
フラつきながら立ち上がる悦子。
バキィィィィ・・・「ふぎゃああぁぁぁぁ・・・・」
そのフラついて立ち上がる悦子の喉元に、強烈な恭子のラリアットが炸裂していった。
太い恭子の腕が悦子の喉に食い込むと、その衝撃に悦子は意識を朦朧とさせて大の字となっていた。
「まだよ・・・こんな技だけで終わらないでくれる?・・・壕プロの怖さを教えてあげるわ・・・・」
そう恭子が呟くと、近くのコーナーに登り始めていった。
「うっ・・うぐっ・・・な、何・・するの・・・・」
倒れながら呟く悦子。しかし恭子がニヤリとしながらトップロープでアピールしていた。
「ふふっ、こういうこと・・・・思いっきり吐きまくってよねっ!」
その言葉に続いて、恭子の身体が一気に落ちていった。
そう、トップロープから勢い良くフットスタンプが悦子のお腹へ炸裂していったのだった。
グシャアアァァァ・・・「ゴブッ・・ホゲエェェェェェェェェ・・・・」
恭子の揃えられた両足が悦子の柔らかいお腹にめり込むと、次の瞬間一瞬だけ強張った悦子の表情。しかし、次の瞬間に激しく口から反吐を吐き上げていった。
ピクピクと身体を痙攣させるようにして、ビキニ姿の悦子が倒れている光景に、それを仕掛けた恭子の怖さに観客達が沈黙する。
「苦しいの?・・・恭子がもっと苦しめてあげる・・・」
更に笑みを浮かべる恭子が、もう試合続行不可能と思う悦子に対して、ビキニに包まれたバストにストンピングを叩き込んで追い込んでいった。
蹴られる度にひしゃげていく悦子のバスト。そして身体を動かして藻掻く悦子の姿に、観客達も次第に驚きだしていった。
そして、遂に恭子がトドメを刺そうとしていった。
「これで眠らせてあげるわ!」
そう意識を朦朧とさせる悦子に言い放つ恭子が、一気に両足を抱え上げると、力づくで一気に逆エビ固めを仕掛けていった。
グイッ・・「んああぁぁぁぁぁ・・・・いやあぁぁぁ・・・・」
口から胃液を垂れ流しながら、悦子が激しく藻掻き苦しむと、恭子は更に締め上げていった。
「背骨を折ってあげるわよぉぉぉ・・・ほらぁぁぁぁぁぁ・・・・」
その言葉に続いて、悦子の背骨がCの字になっていくと、同時に強烈な激痛が悦子の全身へ襲いかかった。
「んぎあぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・もうダメェェェェェ・・・・ギブ、ギブアップぅぅぅ・・・」
これには泣きながらマットを叩いてギブアップの意思表示をする悦子。
「カンカンカンカン!」
その悦子のギブアップの意思表示に、レフリーが急いで試合を止めるが、恭子は放さなかった。
「なに甘いこと言ってるのよ、まだでしょ!」
更に締め上げる恭子。レフリーも恭子を止めにかかるが、悦子はあまりの激痛に失禁してしまっていた。
観客の目に露わになっている、悦子のビキニショーツの股間の部分から黄色い染みのようになってから、次第に垂れ流れていく黄色い液体。
そして恭子が放すと、悦子はグッタリと失神状態で俯せになって倒れ込んでいた・・・。
「ふん、だったらこれは宣戦布告の意味・・・私の決意の表れよ・・・」
そう言うと、失神状態の悦子のビキニブラジャーの背中のヒモの結び目を解くと、無理矢理に悦子をトップレス状態にしていった。
更に、小便にまみれたビキニショーツまで脱がしていくと、恭子が観客席に投げ込んでいった。
そして、恭子がガッツポーズを決めながらレフリーに連れて行かれた。
「勝者、深多恭子っ!」
そのコールに、恭子はリングを降りて引き上げていくのであった・・・。
一方、悦子は黒服達によってタオルを身体に掛けられると、担架に乗せられて引き上げていった。
これで1勝1敗1引き分けとなった対抗戦。
しかし、壕プロ側の最終兵器の深多恭子が出てきたと言うことは、壕プロ側に残された協力な選手は堀越紀子だけとなってしまった。
となると、次の試合は大盛玲子となるが、一方の黄色いタクシー側はまだ左藤江梨子、大野愛、五十嵐理沙などが残っていた・・・。
果たして、次の試合のカードは如何に?


第4試合

「今日こそは・・・何をしたって勝たなきゃ・・・」
控え室でそう言って準備しているのは、あの大盛玲子だった。
白いスポーツビキニに着替え、あとは出番を待つだけだったが、対抗戦では何時も痛めつけられるばかりで、何とか勝ちたいが、キャリアといい体格でも負けていて、勝てる状況ではなかった・・・。
一方、黄色いタクシー側はと言うと、左藤江梨子は仕事でいなかったため、大野愛が試合に出る事になっていった・・・。
「ふん、どうせ大池先輩が堀越とだから、私は大盛のチビねっ・・・」
早くも自信タップリの表情で黒いビキニに着替えると、出番を待っていった。
そして玲子と愛に黒服が時間を告げに来ていた・・・。
「出番だっ・・・」
そう言われて、愛は堂々と控え室から出ていくが、玲子の方はと言うと、表情は暗かった・・・。
しかし、いきなり玲子の肩を誰かが叩いた。
「な、何ですか・・・・えっ・・」
悲壮の決意でリングに向かおうとしていた玲子だったが、そんな瞬間に声を掛けた相手の顔を見た瞬間、驚いていった。
「玲子っ、何よ泣きそうな顔しちゃって・・・・」
そう、以外な言葉を投げたのは、あの壕プロ所属で今まで対抗戦には無関心だった優花だった。
「ゆ、優花さん・・・・」
涙ぐみながら優花に抱きつく玲子。
「聞いたわ・・・いつも大変のようね・・・。解った、今回は私が代わりにリングに上がるわ・・・。そして・・・壕プロの怖さを教え込んであげるわ・・・」
優花がそう言うと、早くも黒いビキニ姿でリングに向かっていった。
「遅いわねぇ・・・あのチビっ!」
早くもコーナーで不機嫌そうに玲子と思っている愛が待っている。
観客達も壕プロ側が出てこない様子にブーイングが飛んでいた。
「逃げてるんじゃねぇ〜ぞっ!」「おらおら、早く大盛なんだろ、ブチ殺されろ!」
早くも対抗戦の中でも、ドミネーションマッチになると期待する観客が玲子の登場を待っているようだった。
しかし、そんな期待の中から花道に現れていったのは、優花だった。
「えっ・・優花だぁぁ・・・」「本当かよっ!」
優花の登場に騒ぎ出す観客席。
そして次第に優花コールが巻き起こると、愛が怒っていった。
「な、何で・・・大盛のチビが相手なんでしょ!」
その叫ぶ愛に優花がリング下から言い放つ。
「誰が相手でもいいんでしょ!・・・私も壕プロ所属なのよ!」
優花が叫ぶと、リングに上がっていった。
お互いが黒ビキニになってリング中央で睨み合うと、優花が口を開いた。
「ねぇ・・・どうせだったら強烈なデスマッチしない?」
さすがは末広軍団で鍛えただけあった優花。その提案も凄いものだった。
一方、愛は先日の柔道マッチでは仲島礼香を一方的に痛めつけたりと、自信を持っていたのか勢いにつられて引き受けていった。
「いいわよ、だったら何デスマッチがいいのよ!」
体格で勝っていると言う事もあり、愛が自信ありげに腕組みをしながら言い出した。
「ふん、だったら・・・有刺鉄線は可哀相だから、電流爆破デスマッチはどうかしら?」
薄ら笑いを浮かべて愛に言い出す優花。その言葉に、謎の男が黒服に指示を与えていった。
(ふん、どうせ準備なんか出来やしないわ・・・)
突然の申し出に、内心は恐怖があったがハッタリも必要と、愛が優花に答えていく。
「いいわよ、ただし準備が出来ればいいけどね・・・」
その愛の言葉に、優花がリングサイドの謎の男を見ると、謎の男がマイクを握った。
「解った、その条件はすぐに整えよう!」
その言葉に、優花はニヤリとするが、愛は驚いていた・・・。
そして準備が整えられると、リング内には優花と愛、そしてレフリーだけとなってしまった。
「それでは対抗戦第4試合、完全KO電流爆破デスマッチを行います!」
そのアナウンスに観客席が盛り上がっていく。
「青コーナー、壕プロ所属〜、T157B87W59H85〜、優花〜っ!」
そのコールに、ジッとして愛を睨み付けていく優花。
「赤コーナー、黄色いタクシー所属〜、T165B88W60H86〜、大野〜愛〜っ!」
そしてコールを受けて、指を立てて更に、舌まで出して優花を挑発する愛。
その姿を見て、優花が一言言い放った。
「若いわね・・・」
その瞬間、リングを囲むロープに絡められた電線に、電気が流されていった。
そして、更にロープに取り付けられた無数の爆弾から安全装置が取り外されていった。
「カァーン!」
そしてゴングが鳴ると、リング中央に歩き出す2人。リング中央で睨み合うと、まずはお互いが睨み合うだけの展開になっていった。
無言のまま睨み合う2人。しかし身長からも愛の方が大きいが、優花も迫力のバストで両者とも迫力十分の展開だった。
グイッ・・「調子に乗ってるなよ・・・」
いきなり体格に勝る愛が優花の髪を鷲掴みにして言い放つ。しかし優花も負けていない。
グイッ・・「どっちがだよ、グラビア以外で能なしのお前がさぁ・・・」
その優花の言葉が心に響く愛。しかし言い返す。
「はぁ?・・水着を卒業とか言ってさぁ、その汚い胸を出さないようにするためなの?」
その愛の言葉に、優花がニヤリとしていった。
「はいはい・・・どっちが汚い胸かねぇ・・・大野さん?」
その馬鹿にしたような優花の言い方に、愛が怒るとヒザ蹴りを優花に入れていった。
しかし、優花が上手くブロックすると、いきなり言い返す。
「甘いのよ、ほらっ!」
逆に愛の股間へヒザ蹴りを入れる優花。流石は反則テクニックでは愛が勝てる筈がなかった。
バキッ・・「ぐぎゃ!」
その股間への一撃に動きが止まる愛。しかし優花は止まらなかった。
「ほらほらっ・・・どんどんいくよ!」
その愛の首に腕を回すと、一気にDDTで脳天をマットに叩き付けていった。
バシィィィィ・・・「ぐわあぁぁ・・・何よ、こんな技・・・」
大の字状態になった愛だったが、フラつきながらも立ち上がっていった。
しかし、その一瞬を逃さない優花。一気にタックル気味に組み付くと、ロープの方向に愛を押していった。
「喰らいなっ!」
その優花の叫び声に続いて、愛の身体がロープに吸い込まれるように押されていった。
「えっ・・いやあぁぁぁぁぁぁ・・・・」
優花に押されて、ロープに触れると言う事を覚悟した愛が絶叫するが、愛の身体がロープに接触した瞬間・・・。
バァーーーーーーーーンッ!
凄まじい音と衝撃が愛の身体を包むと、愛が初めて味わう衝撃と電気の刺激に悲鳴をあげた。
「ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
その悲鳴と共に、俯せになって倒れ込む愛。
しかし、愛は苦しむ時間も与えられず、優花のストンピングの餌食になっていった。
「おらおら、まだなんだよ、誰が寝ていいって言ったよ、ほらっ!」
初めて味わう衝撃に意識を朦朧とさせている愛だったが、更に優花の非情の攻めが続いていった。
続けて愛の身体には、優花のヒップドロップが加えられるが、愛もまだ闘えない程のダメージではなかった。
「くっ・・・負けるかよぉぉぉ・・・」
愛も意地になると、突然に起きあがって優花の顔面にラリアットを叩き込んだ。
バキィィィ・・・「ぐふっ・・・うっ・・き、効かないんだよ!」
しかし逆にキチンシンクを叩き込んでいく優花。
グシュ・・・「うげっ・・・な、何でよ・・・・」
意外な打たれ強さの優花に驚いていく愛。
しかし、その愛に続けて優花の残酷な仕打ちが待っていた。
「何が黄色いタクシーよっ、まずはお前から血祭りにあげてやるから・・・覚悟しなっ!」
その言葉に愛が驚くと、優花が愛を起こしてから一気にロープに愛を振っていった。
ババァァァァァァーーーーーーーーーーーーン!!
凄まじい爆発する音と、硝煙にまみれて悲鳴をあげて藻掻く愛。
「いやああぁぁぁぁ・・・・ああんっ・・・」
グッタリと愛が倒れ込むと、優花が続けて髪を掴んでいった。
「ほらほらっ・・・アンタの今までのやってきた事に比べれば甘いでしょ・・・おらっ!」
更に愛のお腹へニードロップを叩き込むと、一気にキャメルクラッチで愛を追い込んでいった。
グイグイッ・・「ぐふっ・・んんっ・・・んあっ・・・」
時折足をバタつかせて苦しむ愛。しかし優花の攻めは続いていった。
ガブッ・・「うぎゃあああぁぁぁぁ・・・・・」
そう、優花が愛の額を噛み付くと、愛は大声で悲鳴をあげていった。
更に、腕を喉にまわしてスリーパーのようにしていくと、優花が失神させようと攻め始めていった。
グググッ・・・「うぐっ・・・んぐぐっ・・・」
これには柔道の経験からも、愛が焦りだして藻掻くが、優花は逃げられないように締め上げていた。
そしてグッタリする愛を苦しみから解放すると、髪を掴んで起こしていった。
「ふふふっ・・・喰らいなっ!」
その優花の言葉と共に、愛の身体が背中から激しくロープに振られていく。そして・・・。
バァーーーーーーーーーーーン!
またも激しく愛の身体を包み込む硝煙と爆音。
「ひぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・あんっ・・・」
その被爆した愛は、背中に軽く火傷をしていたみたいだったが、グッタリと俯せになって倒れていった。
しかし、優花の恐怖はこれからだった。
「誰が寝ていいって言ったのよ・・・ほらほらっ・・・」
続けてグッタリしている愛を引きずると、そのまま顔面をサードロープに乗せるようにしていった。
バァーーーーーーーーン!
「ぐわああぁぁぁ・・・・・んがっ・・・・」
今度は顔面に爆破の衝撃と、電流の威力を味わって悶絶していく愛。
「カワイイわねっ・・・その悲鳴・・・・いいわっ・・・」
愛の泣き叫ぶ様に笑みを浮かべていく優花。
「やっ・・・やめて・・・・ああっ・・・」
初めて味わった爆破の威力と、電流の衝撃に意識も朦朧としている愛は、優花に攻めることをやめてくれと哀願していく状態になっていた。
しかし、優花が愛の背中のビキニのヒモを解いていくと、愛のバストが観客の目にも露わになっていった。
「何よ・・・今までうちの事務所の仲間に色々としてくれたんでしょ?」
段々と優花の怖い部分が出てくると、トップレスになった愛を起こしていった。
「ううっ・・・ああんっ・・・」
そう、愛が悲鳴をあげると、愛の身体をまるで弧を描くように投げていく見事なバックドロップで後頭部からマットに叩き付けていった。
柔道の経験から受け身が上手い筈の愛だが、電流爆破のダメージから思いっきり叩き付けられて、意識を朦朧とさせていた。
更に、グッタリする愛を起こしていくと、またも背後から抱えていく優花。
愛は意識を朦朧としていて両腕をダラリと下げていた。
「地獄の始まりよ・・・大野っ!」
優花が呟いた瞬間、またも愛の身体が投げられていくと、後頭部から激しく落ちていくのであった。
バシィィィィ・・・「ふぎいぃぃ・・・ううんっ・・」
大の字になって倒れた愛。その身体が小刻みに痙攣しているようにも見えた。
「これって貴方みたいな筋肉がついてそうなのには効きそうね・・・」
優花がトドメとばかりに、愛の両足を抱え込むと、ガッチリと反転させての逆エビ固めに極めていった。
グイッ・・・「ああんっ・・・ああっ・・・いやあぁぁぁぁぁ・・・」
背中を反らされていき、トップレス状態のバストをマットに押しつけながら苦悶の表情の愛。
「おらおらっ・・・ギブしなっ!」
優花が険しい表情でガッチリと技を極めていくと、自らのビキニの間の胸の谷間に汗を流しながら攻めていった。
「ああっ・・・しない・・・ギブなんてしないっ・・・」
必死にロープに手を伸ばしたい愛だが、電流の流れるこの試合ではそれも出来なく、ただ逆エビ固めの苦痛に耐えるだけだった。
「ほらほら・・・だったら折ってあげようか?」
更に締め上げる優花。少しずつ愛の背中がCの字になってくると、それに合わせて愛への激痛は激しいものとなって全身を襲っていった。
「ぎゃああぁぁぁぁぁ・・・・・・・」
マットを叩きながら必死に耐えるが、もう口からは涎を流して、大きな声で絶叫するほど愛は追いつめられていた。
「強情なのねっ・・・いいわ、これで終わらせてあげる!」
ギブアップせずに耐える愛に、優花が自らの身体を上下させるようにして愛の背中を反り返していくと、それと同時に愛へ激しい激痛が流れていった・・・。
「うぎゃああぁぁぁぁぁぁ・・・・ダメェェェ・・・ギブぅぅぅ・・・ギブアップぅぅぅ・・・許してぇぇぇぇ・・・・」
これには耐えられず、愛が激しくマットを叩いてギブアップした。
しかし、優花が揺さぶりかけていくと、愛は泣きながらギブアップを連呼していった。
「ギブ、ギブって言ってるのにぃぃ・・・いやあぁぁぁぁぁぁ・・・・」
いつもの強気な姿勢と違い、もう泣きながらギブアップを哀願する愛。
「ふふふっ・・・おらあぁぁぁぁぁぁ・・・」
更に優花が締め上げると、遂に愛があまりの激痛に失神してしまった。
「ゆ、優花・・・お前の勝ちだっ!」
急いでレフリーが優花を離すと、愛はダラリと俯せの体制で失神していた。
「勝者、優花っ!」
そのコールに、優花が当たり前と言う表情で失神している愛に近づくと、後頭部を踏み付けていった。
一方、愛は完全に失神していて口から涎を流しながら意識を失っていた。
遂に2勝1敗1分けになった壕プロ軍団。今夜だけはいつもと違うようだった。
そして、遂に次は因縁の大池栄子と堀越紀子の試合を残すのみとなっていくのであった・・・。

第5試合

「今夜こそ・・・」
そう言って因縁の抗争に終止符を打つべく、水着に身を包んでリングに向かうのは、壕プロの堀越紀子だった。
当然、相手はあの大池栄子。テレビ番組のプロレスからの因縁で、ついには地下プロレスで相対する事となっていったこの2人。
そして、大池栄子も水着姿でリングに向かっていくと、早くも両コーナーに別れてリング上で睨み合っていった。
「よく逃げ出さないで来たわね・・・」
いきなり紀子を挑発する栄子。
「・・・・・・」
しかし紀子が黙ったまま睨み付けていた。
「ふふふっ・・・豚は人間の言葉が解らないのかしら?」
栄子が更に言い出す。しかし紀子は黙っていた。
そこの張りつめる空気の中、リングアナがリングに上がっていった。
「それでは、今夜のメインイベントを行います!」
その言葉に、会場から拍手が興っていった。
「第5試合、因縁の大将戦っ・・・時間無制限、完全失神デスマッチを行います!」
その言葉に、栄子と紀子は表情を変えずに相手を睨んでいた。
「青コーナー、壕プロ所属〜っ、堀越〜紀子〜っ!」
そのコールに、コーナーで腕をあげる紀子。
「赤コーナー、黄色いタクシー所属〜っ、大池〜栄子〜っ!」
逆に、グラビア系として紀子を挑発するように、自らのバストを揺らしていく栄子。
栄子も紀子も今日は競泳水着みたいな水着を着ていたが、白色のものだった。
「なお、この試合は場内にある刃物以外のものは凶器として使用可能です!」
その言葉に栄子がニヤリとしていくと、紀子も黙って栄子を睨み付けていった。
「カァーン!」
そこへゴングが鳴らされていくと、栄子と紀子が黙ってリング中央に出ていった。
そして、手が届く距離になると、いきなり紀子が栄子の頬に張り手を入れていった。
バシィィィ・・・「くっ・・何なんだよ・・・おらぁぁぁ・・・」
しかし栄子も紀子の頬に張り返すと、紀子も張り手を返していった。
バシィィィ・・・「上等だよっ・・・胸だけのタレントさん!」
遂に紀子も口を開くと、激しく張り手を入れ合う2人。
しかし、栄子が大振りのラリアットをいきなり狙うと、紀子が上手く避けてタックル気味に倒していった。
そして、倒れた栄子の上になると、馬乗り状態から顔面へ早くもパンチを入れていった。
しかし、栄子もブリッジで紀子のバランスを崩すと、リング下に逃げていった。
紀子がリング上から睨みだすと、栄子はリング下で周りを見ながら歩き出した。
そう、凶器の使用も許されているこの試合。当然の事だったがヒールっぽい栄子は何かを探しているようだった。
しかし、その栄子の元に以外だったが紀子が走り込んでいった。
「逃げてるんじゃね〜よっ!」
そう、以外な事だがトップロープとセカンドロープの間からリング下の栄子に、紀子がプランチャーを放ったのだった。
バシィィィ・・・「ぐはぁぁぁぁ・・・」
いきなりの予想外の紀子の攻撃に、リング下で倒れていく栄子。
更に、紀子が栄子を起こして鉄柵に振っていくと、栄子は豪快に倒れ込んでいった。
ガッシャーン!
鉄柵の崩れるような音と共に倒れた栄子が苦悶の表情を浮かべると、紀子はそのまま走り込んでいった。
「喰らえぇぇぇ・・・」
その紀子の絶叫する言葉と共に、勢いのある喧嘩キックが栄子の顔面に炸裂すると、流石の栄子も悲鳴をあげてグッタリしていった。
その栄子の姿に紀子がニヤリとすると、リング上に栄子を上げていった。
「立つのよ!」
紀子が栄子をリングに入れていくと、栄子は顔面を押さえて倒れ込んでいた。
しかし、いきなり紀子の鳩尾に肘打ちを喰らわすと、怯む紀子に一気にDDTを炸裂させていった。
バシィィィ・・・「ぐはっ・・・・」
堪らず倒れる紀子。しかし栄子もダメージが残っているのか、フラついてから紀子を捕まえに行く。
バキィィィ・・・「何するんだよぉぉぉ・・・」
しかし倒れた状態からも紀子が蹴りこんで反撃する。
「ふん、大人しく寝てればいいんだよ!」
しかし栄子もローキック気味に紀子の太股に蹴りを入れて牽制していく。
バシッ・・・「効かないんだよ・・・お前の蹴りなんか!」
蹴られる紀子も強がっていくと、栄子も意地になって蹴りこむ。
次第に内出血をおこしていく紀子の太股。赤くなっていくが、紀子の強気の姿勢は変わらなかった。
そして立ち上がった状態から、いきなり相撲のように組み合う2人。
お互いに意地を張ってはいるが、汗が流れ出て呼吸も荒くなっていた。
更にお互いが投げ飛ばそうと踏ん張るが、これもお互いの意地の張り合いとなってなかなか投げが決まらなかった。
しかし、ここで上手く攻めたのは紀子の方で、投げる事に執着する栄子にヒザ蹴りを入れると、力が緩んだ瞬間を見逃さずに変形のスープレックスで投げ飛ばしていった。
流石はブレンバスターが得意技の紀子。栄子が倒れると続けて腕を取りに行くが、栄子も取らせまいと逃げていく。
しかし、栄子が起きあがると、その瞬間を狙っていたように紀子のラリアットが炸裂していった。
バシィィィ・・・「どうだぁぁぁぁ・・・・」
紀子の叫び声と共に、栄子が大の字になって倒れ込む。
「ぐはぁぁぁぁぁ・・・・」
しかし、続けて栄子の91pの自慢の巨乳にニードロップが突き刺さると、栄子は胸を押さえてリング上で藻掻き苦しんでいった。
グイッ・・・
更に紀子が栄子を起こしていくと、突然に組み合っていった。
そう、必殺技のブレンバスターの体制だった。
「覚悟しなさいよね・・・・」
「ううっ・・・何よ・・・」
しかし、次の瞬間には栄子の身体は宙に浮かんで、垂直状態に上げられていった。
バシィィィィィ・・・・
マットが揺れるような衝撃。そう、栄子の身体がマットに思いっきり叩き付けられた瞬間であった。
一瞬、そのあまりの衝撃に息を詰まらせる栄子。
更に、紀子がブレンバスターの体制に持っていくと、以外な怪力から栄子の身体を投げていった。
バシィィィィ・・・・
またも炸裂する紀子の必殺ブレンバスター。
これにはヒクヒクするように栄子が苦悶の表情で倒れていた。
「いくよぉぉぉ・・・・」
ここでいきなり叫ぶ紀子が、グッタリする栄子を今度はパイルドライバーを仕掛けようとしていった。
グッタリした栄子が下を向かされて、力無く技を掛けられようとしていた。
観客達もこのまま紀子が勝つのかと思われた瞬間・・・。
バキッ・・・
リング上に変な鈍い音が響いた。
その瞬間、紀子が苦悶の表情を浮かべて倒れ込んでいった。そう、栄子が思いっきり後頭部を紀子の股間に叩き付けて反撃したのだった。
頭蓋骨と恥骨が当たったのでこれはキツイはず。
「甘いんだよ、これからが本当の勝負なんだよ、豚っ!」
栄子が意地悪そうな視線で紀子を見下したように言い放つと、紀子は涙目になって股間を押さえて苦しんでいた。
「こ、こんな事しか・・・できないクセに・・・」
しかしそんな言葉も栄子には心地よい言葉に聞こえていた。
「ハハハハッ・・・弱いのが悪いんだよ・・・おらっ!」
その言葉と共に、紀子の額にストンピングを叩き込む栄子。
しかし、その言葉に紀子も怒ったのか、無言のまま立ち上がると、栄子の顔面にラリアットを叩き込んでいった。
バキィィィ・・・「ぐふうっ・・・・や、やりやがったなっ!」
次の瞬間、紀子の腕が栄子の鼻っ柱を直撃したのか、大量の鼻血が栄子の鼻から溢れ出ていった。
早くも大きな胸で膨らんだ白い水着を赤く染めていく栄子。
一方、紀子は続けて喧嘩キックをお腹へ入れていくと、栄子も意地になって蹴り足を捕まえていった。
しかし、次の瞬間・・・。
バキィィィ・・・「まだまだっ!」
いきなり紀子が叫ぶと、飛び上がっての顔面への飛び蹴りを入れていった。
この予想外の攻撃に、栄子が倒れ込む。
これにはチャンスが来たと、紀子がロープに走り込むと、一気にスライディングキックでリング下に落としていくと、栄子はグッタリしたままリング下に落ちていった。
リング下でグッタリと倒れ込んでいる栄子。
「今日は容赦しないわよ!」
紀子も近くの長机を用意すると、その上にボディスラムのようにして栄子を叩き付けていった。
そして、紀子が高さのある場所からブレンバスターを狙おうとすると、観客の誰もがこれで決まりと思っていった。
「ぐっ・・この豚ぁぁぁ・・・甘いんだよ!」
しかし強引とも言えるやり方で、勝利出来ると油断した紀子の隙を突いて、栄子がボディスラムのように股間に手を回してから、一気に逆さ状態から机に脳天から紀子を叩き付けていく栄子。
バキィィィィ・・・・
場内に凄い音が響くと、真っ二つになった机の残骸と共に、紀子がグッタリして意識を朦朧とさせていた。
更に、近くにあるパイプ椅子に目を付けると、何と額に椅子の金属で出来た角で殴りつけていく残忍な栄子。
バキィィィ・・・バキィィィ・・・
鈍い激突する音が響くと、一瞬間を置くようにして紀子の悲鳴が響いていった。
「んんっ・・あああああぁぁぁぁ・・・・」
観客がその声に紀子に注目すると、額が割れて血が流れ出ていった。
更にその傷口を噛み付いて追い込んでいく栄子。
その噛み付きに藻掻くように逃げようとする紀子。しかし白い水着は赤く染まっていくのであった。
グイッ・・偶然にも紀子の手が髪を掴むと、栄子も堪らず放していくが、鼻血を流している栄子。そして額を割られた紀子。凄まじい試合に発展していったのだった・・・。
そして距離を取るが、場外では凶器が多く、当然の事ながら栄子に有利で、やはり近くにあったパイプ椅子で殴りかかっていった。
ガッシャーン!
しかし、紀子も負けずに近くのパイプ椅子を持つと、殴りかかる栄子に反撃していった。
お互いが持つパイプ椅子の金属の激突する音が場内に響いていくと、観客達も盛り上がっていった。
一歩も引かない両者。しかし動けば動くほど、2人の水着は流れ出る血で赤くなっていった。
だが、何度もムキになって叩き合うが、栄子の方が一枚上手だった・・・。
ドカッ・・・グシュ・・・
「グボオッ・・・ううっ・・・」
いきなり紀子のお腹へ喧嘩キックを入れると、パイプ椅子の叩き合いに意識を集中していた紀子は柔らかくなった腹筋を抉るようにされて、苦悶の表情で跪いていった。
バキィィィィ・・・
更に、続けて紀子の後頭部に栄子の勢いのある蹴りが入ると、まるで延髄蹴りみたいになって、紀子は意識を失ったように倒れ込んだ。
「いくぞぉぉぉぉ・・・・」
いきなり叫ぶ栄子。
そして倒れている紀子を起こしていくと、鉄柱に思いっきり額から叩き付けていった。
バキィィィィ・・・・「ううっ・・・ううっ・・・んっ・・・」
堪らず鉄柱近くに倒れ込む紀子。額からの流血は更に酷くなっていった。
しかし、対抗戦と言う意識からか、身体は立ち上がろうとしていた。
「ふふふっ・・・いい根性してるねぇ・・・だけど終わりだよ・・・」
栄子がニヤリとすると、紀子の首に何処から持ってきたのか、長いチェーンを巻き付けていった。
そして、チェーンをトップロープに乗せると、リング下で正座のようにさせた紀子を絞首刑のように、リング上からチェーンを引っ張り上げていった。
グッ・・・「うぐっ・・・ううっ・・・・・」
顔面をまるで赤ペンキをかけられたみたいに血を流し、目の部分だけが白く浮き出るかのような紀子は、首を締め上げられてチェーンを懸命に持っていく。
しかし、リング上から渾身の力でチェーンを引く残忍な栄子の前に、次第に意識を失いかけていった。
「ほらほらっ・・・殺してやるよぉぉ・・・豚ぁぁぁぁ・・・」
ニヤニヤしながら紀子を絞首刑にしていく栄子。
紀子もチェーンを掴んで必死に抵抗していたが、次第にその手がダラリと下がっていくと、完全に首に巻かれたチェーンだけで引き上げられようとしていた。
「カンカンカンカン!」
そのあまりに危険かつ残酷な展開に、黒服達が急いでゴングを鳴らしていった。
しかし、試合終了のゴングが鳴り響いても、栄子はチェーンを掴んでいくと、黒服達によって止められていくのであった。
そしてリング下では完全に失神して、舌をダラリと出して倒れ込む紀子。
その状態に黒服達がタオルを紀子の口に入れて、急いで担架で運んでいくのであった。
一方、栄子は勝ち誇るようにリング上でガッツポーズをすると、リングアナのコールが耳に入ってきた。
「ただ今の試合、12分26秒、堀越選手が完全に失神状態になった為、大池選手の勝ちとなります!」
そのコールに、更に勝ち誇るような栄子。しかし、リングアナが続けた。
「これを持ちまして、今夜の対抗戦は全て終了しましたが、2勝2敗1分で引き分けとなりました!」
そのコールに、栄子が怒り出す。
「何でなんだよ、堀越の豚を血の海に沈めて失神までさせたって言うのに・・・」
しかし、5試合の成績からすると、当然の事だった。
その後、不機嫌なまま栄子がリングを降りていくと、控え室に消えていった。
たしかに栄子の暴れ方は凄いものだったが、優花や深多恭子の登場で、紀子の仇を恭子が取りに行けば解らない状況でもあった。
またも因縁が深くなりそうな対抗戦。因縁の抗争に終止符が打たれるのは何時か?

inserted by FC2 system