そして47回目の地下プロレス大会。
しかし、今回はいつもと違う雰囲気であった・・・。そう、表の世界で格闘技が流行っていると言う事で、地下プロレス流の残酷な格闘技大会が始まろうとしていた。
いつものリングと違い、金網に囲まれているリングだが、ロープが一本もないまるでオクタゴンのようであった。ただ、四角と言う事を除いて・・・。
そのリングを見つめて試合の時間を待つ観客たちには、今夜初めての格闘技戦のルールなどが配られていった・・・。

『地下リング・特別格闘技戦ルール』
・試合を行う者は、白いスポーツビキニを着用(血が出た場合の判断の為)、手にはオープンフィンガーグローブ、そして口の中にはマウスピースをするものとする。
・顔面へのパンチ・蹴りは有効。しかしあらゆる凶器の使用と、目と鼻、そして耳への攻撃は禁止とする。
・レフリーを置くが、勝敗は失神またはKOのみとする。マウスピースを吐き出した場合、レフリーは流れを見て戻させる。
・金網を利用する攻撃は有効とする。
・倒れている相手に対しては、顔面への膝蹴りも有効とする。
・判定、ラウンド制はなし。
・その他


そのルールに観客たちも驚いていた。そんな中、遂に第1試合の為の選手がリングに上がっていった。
「ほ、本当かよ・・・」
観客席が騒ぎ出すのも無理はない。リングに上がったのはあの人気アイドルの松浦亜矢だった。
緊張した表情でリングインすると、早くもコーナーで対戦相手を待っていった。
その亜矢の前に、姿を現したのは前回の大会で亜矢を痛めつけた、あの極悪ヒールの山口誉子だった。
「こ・・殺されるぞ・・・亜矢ちゃん・・・」
観客たちも驚く中、リングアナによるコールが始まっていった。
『それでは第47回大会第1試合・・・青コーナー・・・身長155センチ〜・・・バスト83センチ・・・松浦亜矢っ!』
そのコールに少し恥ずかしそうに舌を出して観客にアピールする亜矢。
『赤コーナー・・・身長168センチ、バスト93センチ〜、山口誉子っ!』
そのコールに余裕でガッツポーズを決めてアピールしていく誉子。
そしてレフリーがリング中央に2人を呼んでルールの説明をすると、誉子がいきなり挑発した。
「ふん・・・よく逃げ出さなかったわね・・・今夜はタップリと可愛がってやるよ・・・」
その誉子の言葉に、亜矢が言い返す。
「今夜は凶器もないし・・・アヤヤだって負けません!」
その言葉に誉子が返す。
「その言葉・・・忘れるなよ・・・ブチ殺す!」
そして両コーナーに戻ると、ゴングが鳴っていった・・・。
『カァーン!』
そのゴングの音と同時に、亜矢と誉子がコーナーから歩き出すと構えていった。
一定の距離を置く両者。しかし誉子が不慣れだがローキックを出すが亜矢が避けていった。
今度は亜矢が素早いローキックを出すと、誉子は敢えて受けていった。
バシィィィィ・・・・
亜矢のローが入ると、いい音が聞こえてくるがダメージはなさそうであった。
そして、誉子が一気に走り込んで亜矢にパンチを出していった。
だが、亜矢が誉子のパンチを避けてタックルに行くと、誉子の腰を両手でクラッチ(抱えて)して倒そうとしていった。
「ふんっ・・・甘いんだよ・・・」
だが、亜矢もタックルなん不慣れで、まして体格差から誉子に押さえられると、背中にパンチを落とされていった。
バシッ・・バシバシッ・・・バシッ・・・
「ううっ・・・うっ・・・」
必死に誉子の腰を掴んで倒そうとする亜矢だが、背中をボコボコに殴られて表情が険しくなっていた。
「ふんっ・・・だったらこうしてやるよ・・・おらっ!」
今度は亜矢の身体を誉子が抱え込み、スープレックスのように投げ飛ばすと、背中から叩き付けられて亜矢の顔が苦悶に歪む。
しかし倒れていては危険と亜矢が立ち上がると、誉子へ対して構えていった。
そして、突然亜矢が走り出すと、誉子に向かって必殺技でもある桃色レッグラリアートを叩き込んでいった・・・。
バキィィィ・・・・
「うわあぁぁ・・・・・あんっ・・・」
しかし、悲鳴をあげたのは亜矢の方で、誉子が両手で叩き落としていった。
「そんな技が効くかよ・・・馬鹿っ!」
更に誉子がサッカーボールキックを倒れた亜矢のお腹へ入れていくと、亜矢の白い肌を抉っていった。
バシッ・・
「うぐっ・・・ううっ・・・」
そのお腹への蹴りに、亜矢はお腹を押さえてグッタリしてしまった。
普通の格闘技ならばレフリーが止めるであろうが、ここ地下プロレスの格闘技戦。当然の事ながら誉子へ残酷な期待をする観客たち。
すると、誉子が亜矢を攻めずに観客に両手を挙げて煽るようにアピールしていった。
だが、亜矢も必死になって立ち上がるとタックルを素早く決めて誉子を倒していった。
バシィィ・・・
しかし倒したが誉子が上手く両足で亜矢のウエストを挟み込むと、ガードポジションを取っていった。
これには戸惑う亜矢。ただのプロレスならば亜矢も観客を盛り上げれたと思うが、殺伐とした格闘技戦ではあまりに可哀相であった。
下から胴締めとも言える反撃に亜矢が口をパクパクしながら苦しそうな表情を浮かべていったが、誉子は時折下から顔面へパンチを出していった。
更に、一瞬の隙を突いて誉子が足を放すと、一気に亜矢の喉元に蹴りを叩き込んで倒していった。
バキィィィィ・・・・
「うぎゃ!」
変な悲鳴をあげて大の字になる亜矢。
「ふふふっ・・・」
逆に不気味な笑みを浮かべて立ち上がる誉子。
すると、亜矢のヒップに蹴りを入れて俯せ状態にすると、ヒップを突き上げるようにしていった。
咳き込みながらヒップを突き上げるようにして俯せ状態の亜矢。
「16だってねぇ・・・でも容赦しないわよ・・・」
そう言うと、誉子が亜矢の股間へ狙いを定めたのか、勢い良く踏み込んで亜矢の股間へ爪先蹴りを叩き込んでいった。
グシュ・・・
「ふぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
この残酷な誉子の一撃に亜矢が激しい悲鳴をあげてのたうち回っていった。
股間を押さえて涙を浮かべる亜矢。
しかし、誉子が笑みを浮かべながら亜矢の股間へ爪先蹴りを入れていった。
グシュ・・・
「ぎゃああああぁぁぁぁぁ・・・・・やめてぇぇぇぇぇ・・・大事な所がぁぁぁ・・・・」
亜矢が早くも泣き叫ぶと、観客たちは大歓声をあげていた。
「うわっ・・亜矢ちゃんのビキニの股間の所が赤く染まってるぞ?」
「もしかして・・・処女膜破れたかな?・・・残酷だなぁ・・・」
その股間を押さえて動けない亜矢を、誉子が髪を掴んで起こしていった。
すると、金網に押しつけるようにして、亜矢の顔面を殴りだしていった。
バキッ・・バシッ・・・バシュ・・・
「ううっ・・・んあっ・・・はぐっ・・・」
必死にガードしようとする亜矢だが、体格からも誉子に一方的に殴られる展開になっていった・・・。
更に、誉子が強烈なヒザ蹴りを下からお腹へ叩き込むと、一瞬間を置いて亜矢の口からマウスピースと共に反吐がマットに吐き出されていった・・・。
ベチャベチャ・・・・
「オエェェェェェェェ・・・・・うえっ・・・」
ヒザを付いてお腹を押さえて吐いている亜矢。
しかしレフリーが止める所が、誉子を制すると反吐の中からマウスピースを水で洗い流すと、亜矢の口の中に入れていった。
「ううっ・・・もっ・・もう・・・出来ません・・・」
亜矢がレフリーに試合を止めてくれるように哀願する。しかし無情にもレフリーが続行の合図をしていった。
「何よ・・・さっきの威勢は何処へ行ったのかしら・・・」
意地悪く誉子がニヤリとしながら亜矢の顔面を殴りつけると、亜矢の鼻から大量の鼻血が溢れ出していった。
その鼻から流れ出す血が、亜矢の白いスポーツビキニブラジャーを赤く染めていった。
堪らず亜矢が金網に背中を付けるようにして座り込むが、誉子が構わず全身を蹴りこんでいった。
バキッ・・バシッ・・・バシッ・・
「ああんっ・・・いやっ・・・もう・・許して・・・・」
必死にガードしようとするが、亜矢は全身を蹴りまくられてグッタリしていった。
更に、誉子が亜矢の両足首を掴むと、もう抵抗も出来ないような亜矢をリング中央に連れて行くと、馬乗りになっていった。
亜矢はこの体制に、顔面を潰されると思って必死に残りの力を振り絞るように、汗だくになりながらブリッジなどで返そうとした。
しかし誉子がそれを許さなかった。
バキッ・・バキッ・・・
「うぎっ・・ぎゃ・・・ああっ・・・」
いきなり亜矢の顔面に容赦なく落とされていく誉子の拳。
その度に亜矢の顔から血飛沫が飛び散っていた。
「あらあらっ・・・あんまり顔を傷つけると芸能活動に支障が出るわね・・・」
ピクピクしている亜矢の顔面を殴るのをやめると、誉子が今度はお腹を殴りつけていった。
グニュ・・グシュ・・ボシュ・・・
「ふぐっ・・・んぐっ・・・んんっ・・・」
今度はお腹を殴られて、マウスピースを吐き出そうとする亜矢。
この展開に、リングドクターの西川彩子がレフリーに合図していった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ここでレフリーが誉子を止めると、意識の朦朧としている亜矢がヒクヒクしていた。
『ここで、危険と判断してドクターストップと言う処置にします!』
たしかに、突然の処置だったが誰も亜矢のボロボロの姿を見て文句を言う者はいなかった。
「ふんっ・・・相手が悪かったわ・・・・もつと強いのとやらしてよね・・・」
誉子はリングに倒れ込む亜矢を蹴りこんでからリングを後にしていった・・・。
そして、亜矢は係によって担架に乗せられて退場していった。
だが、この試合を見て笑っている者が1人いた。そう、五藤真希だった。
「ハハハッ・・いい気味よ・・・売れてると思って調子に乗るからね・・・細工したらズバリだったわ・・・はははっ・・・」
第1試合から凄惨な展開になってしまったが、次の試合はいったい?



そして次の試合が始まろうとしていた。
金網に囲まれたリングに登場してきたのは、あの現地下プロレスヘビー級チャンピオンの大池栄子だった。
さすがは格闘技番組の司会などをしているだけあって、堂々とした登場に観客たちも歓声をあげていた。
91pの爆乳をスポーツビキニに包みながらリングインしていく栄子。早くもマウスピースを口の中に入れて臨戦態勢になっていった。
その栄子の対戦相手としてリングに姿を現したのは、何とジュニアヘビー級チャンピオンの乙羽だった。
打撃の不得意な乙羽だったが、金網リングに入れられるとは残酷なマッチメークでもあった。
その乙羽が驚いていると、栄子がマイクを握って叫んでいった。
「ねえ・・・何で私がこんなトロいのと試合しなきゃいけないわけ?」
そのアピールに観客たちが騒ぎ出した。
「だいたい、こんなプロレスのゲストでも何にも知らないんでしょ・・・この胸だけアイドルちゃんは・・・」
更に栄子の毒舌が続くと、乙羽も返した。
「胸だけって・・・それは大池さんも同じじゃないんですか?」
その乙羽のアピールに、観客たちが興奮していった。
『いいぞぉぉぉ・・・もっと言い返してやれっ!』
『大池っ、馬鹿にされてるぞ・・・ブチ殺せよ!』
そして栄子が怒りだした。
「何ですって・・・丁度いいわ・・・金網リングは失神決着つて聞いてるから・・・覚悟しなっ!」
その言葉に、乙羽は驚きながら返す。
「し、失神決着の試合だなんて聞いてないから帰ります・・・」
しかし、黒服たちが乙羽を逃げれないようにすると、マウスピースを口の中に無理矢理に入れていった。
『第2試合・・・青コーナー、身長157p〜バスト89〜、乙羽〜っ!』
そのコールに乙羽は出口のない金網の中で動揺しているようであった。
『赤コーナー、身長166p〜バスト91〜、大池〜栄子〜っ!』
そのコールに、栄子は観客を煽るように腕を振りながらアピールしていった。
『カァーン・・・』
そしてゴングが鳴らされていくと、やる気十分の栄子が乙羽に迫っていった。
オープンフィンガーグローブを着けて、緊張した表情の乙羽が構える。
プロレスと違う格闘技戦なので乙羽の動きから緊張感が見られるが、栄子は構わず踏み込んで顔面へストレートパンチを叩き込んだ・・・。
バキィィィィィ・・・・・
「ふぎゃああぁぁぁぁ・・・・・・・」
プロレス的な構えだったので顔面へ完全にパンチを受けてしまい、変な悲鳴をあげてフラつく乙羽。早くも鼻からは鼻血が噴き出して、その白いスポーツビキニのブラジャーを赤く染めていった。
「倒れないなんて生意気ねっ!・・・喰らえっ!」
更に無表情の栄子が乙羽の顔面を徹底的に殴りつけていくと、次第に乙羽の顔が腫れだしていった。
堪らず乙羽がその場に倒れ込むと、今度は栄子が脇腹にヒザ蹴りを入れると、ニヤリとしていった。
「これだからプロレスしか知らないヤツはダメなんだよ・・・・覚悟しなっ!」
すると、脇腹を押さえて涙ぐむ乙羽の頭部へ蹴りを入れていった。
バキィィィィ・・・・
「いやあぁぁ・・・・あうっ・・・」
この一撃に血飛沫をあげて大の字になる乙羽。更に栄子の踵蹴りが乙羽の顔面を襲うと、最初の頭部への蹴りで意識を朦朧とさせているようで、レフリーが試合を止めていった。
『カンカンカンカン!』
レフリーがエキサイトする栄子を止めていくと、失神状態の乙羽から離していった。
急いでリングドクターの彩子が金網に入ると、乙羽の様子を診ていた。
氷の入った袋などで乙羽の顔を冷やしたり、様子を診ていると乙羽が意識を戻していった。
「ふんっ・・・これでプロレスと格闘技のどちらが強いか判った?・・・頭のトロい乙羽さん?」
更に勝敗が決したと言うのに栄子が意識を戻した乙羽に言い放つ。
「ううっ・・・は、初めてのルールだし・・・私だって・・・・」
乙羽が涙ぐみながら栄子に言い返す。
「だったら証明してみなよ・・・何時でもいいわよ・・・私はねっ・・・・」
そう言うと、栄子はレフリーに手を挙げられてコールを受けていった。
第1試合は残酷な展開だったが、第2試合はあまりに圧倒的な秒殺劇に観客も盛り上がっていった。



第3試合となると、残酷な試合が続いていて観客たちも驚いていたが、そんな中を2人の選手がリングに入っていった。
そう、今度は左藤珠緒と河村ひかるがリングインしていった。
以前からも因縁のある2人。それが失神決着の残酷な格闘技戦で闘う事になっていった・・・。
早くも黙り込む2人。しかしひかるはボクシングの経験があり、当然の事だが有利だった。
対して、珠緒はアクション女優としても活躍した経験があるが、今は静かな司会などしかしていないので不利である。
その2人がオープンフィンガーグローブを着けて睨み合うと、早くもリングアナのコールが始まっていった。
『第3試合・・・青コーナー、身長157p〜バスト83p〜・・・左藤〜珠緒っ!』
そのコールに珠緒がコーナーを数発殴り出すと、ひかるに挑発するようにパンチのポーズを出していった。
『赤コーナー、身長150p〜バスト83p〜っ・・・河村ひかるっ!』
そしてコールされると珠緒の所まで歩き出すひかる。
「ボコボコにしてあげるわよ・・・」
ひかるが冷たい視線で言い放つ。
「すれば・・・出来ればね・・・」
ひかるの挑発に内心はボクシング経験のあるひかるに対して恐怖心もあるが、珠緒が言い返す。
始まる前から危険な2人をレフリーが制していくと、各のコーナーに戻っていった。
そしてマウスピースを口の中に入れていくと、ゴングが鳴らされていった・・・。
『カァーン・・・・』
そのゴングの音と共にひかると珠緒がコーナーから飛び出す。
そして距離を取りながらジャブを出していくひかる。
しかし珠緒も上手く手を前に出してガードすると、様子を見ていた。
お互いが手を出さない展開が続くと、観客たちが騒ぎ出す。
『おい、さっさと殴り合えよ・・・』
『どうした・・・怖いならリングを降りるかぁ・・・』
しかし2人はジリジリと間を詰めていた・・・。
早くもひかると珠緒の額からは汗が流れ落ちていたが、そんな事も気にせずに構える2人。
その時、汗がマットに落ちた瞬間にひかるが踏み込んだ。
シュ・・・
ひかるがジャブを繰り出すと、同時に珠緒が反応して素早く身を低くすると、同時に水面蹴りを出していった。
バシィィィ・・・
「ぐっ・・・」
その素早い珠緒の水面蹴りにひかるが体制を崩すと、歓声の中を珠緒が蹴りを入れていった。
バシッ・・・
しかしひかるもガードしながら立ち上がると、一気に珠緒との距離を詰めていった。
バシッ・・バシッ・・・
「ぐふっ・・・ううっ・・・くっ・・・」
そのひかるのボディへの左右のパンチが珠緒の生腹を抉ると、珠緒の顔が険しくなっていった。
しかし珠緒も苦し紛れにヒザ蹴りをひかるのお腹へ入れると、またも距離を置いていった。
この攻防に観客たちが盛り上がる。そして当の2人は汗を流しだしていて、白いスポーツビキニは汗ばんでいった。
すると、今度は珠緒が踏み込むとひかるの顔面へストレートパンチを出すと、ひかるが驚いたのかガードしたが金網に押し込まれていった。
そのひかるに、今度は珠緒が首相撲からヒザ蹴りを入れていくと、ひかるはガードするが確実にダメージを受けていた。
その珠緒の攻めにひかるが抱きつくように組み付くと、今度はボクシングのように抱き合ったまま珠緒の脇腹にパンチを入れていった。
「効いてないのよ・・・」
珠緒が目の前のひかるに言い放つ。
「ふんっ・・・その顔を潰してあげるわよ・・・」
ひかるも言い返す。
その瞬間、珠緒が一気にひかるを投げていくと、倒れていった。
縺れ合って倒れると、珠緒が上になる展開になっていった。
馬乗り状態にされると、体重からもひかるが苦しそうだったが、下からパンチを出して反撃していった。
だが、珠緒に対して有効打が出ず、逆に珠緒が上から殴りつけると言う展開になってきた。
バシッ・・バキッ・・・バシッ・・・
無言のまま、冷たい視線でひかるを殴りつける珠緒。
一方、必死で返そうとするひかるは殴られて、早くも鼻から血を流していた。
しかし珠緒は鼻血の流れ出すひかるの鼻を狙っていくと、ひかるも苦し紛れにジタバタして返そうとしていた。
だが珠緒が上手く誘導したのか、ひかるが俯せ状態になると、今度はひかるが顔面をガードする体制になっていった。
そのひかるの様子に、珠緒が背後から顔面を殴り出すと、ガードしているからと脇腹にパンチを入れていった。
ボコッ・・・ボコッ・・・
「うぐっ・・・ううっ・・・」
殴られるたびに、ボディへ叩き込まれる音と共に、ひかるの呻き声のような悲鳴が漏れていった。
無駄な脂肪がついていないからか、珠緒の拳が直接肋骨を直撃しているような感じであった。
ひかるが亀の状態になっていると、一気に珠緒が立ち上がるとひかるのヒップに蹴りを入れていった。
バシィィィ・・・
「立ちなさいよ・・・ほらっ!」
以外な展開だが、珠緒が強きに言い放つ。
その言葉にひかるが立ち上がろうとするが、今度は顔面へ蹴りが炸裂していった。
バキッ・・・
「ほらほらっ・・・」
今度は堪らず顔面を押さえて苦しむひかる。口からマウスピースが顔を出していた。
更に珠緒がひかるのヒップに蹴りを何発も入れていくと、次第に水着のない部分の白い肌が内出血をしているようであった。
だが珠緒に蹴り続けられて苦しいひかるは、一気に仰向け状態になると、寝たまま足を向けて珠緒に向き合った。
しかし珠緒の攻めは続いていった。
バシッ・・バシッ・・・
寝ている状態のひかるの太股、内股などへ容赦なく蹴りを入れていくと、ひかるの白い足が内出血をおこして赤くなっていった。
だがひかるも反撃の機会を伺っているようで、珠緒の出方を見ていた。
そして睨み合いが続くと、レフリーがひかるに立ち上がるように指示していった。
レフリーの指示でひかるが立ち上がるが、足への蹴りのダメージがあるのか痛そうであった。
しかし、珠緒へジャブからパンチの連打で距離を詰めていくひかる。
今度は珠緒もヒザを出してから距離を取ろうとするが、ひかるが接近しながら金網に押し込んでいった。
そして、金網に押しつけた珠緒のボディへひかるが頭を付けたまま左右のパンチを打ち込むと、珠緒の表情が険しくなっていく・・・。
しかし珠緒も意地になって背中へハンマーパンチを落としていくと、更に殴りつけていくひかるの首を絞めて、フロントネックロックを極めていった。
グイッ・・・
これには苦しいひかる。しかし藻掻くように珠緒のお腹へパンチを入れていくが、珠緒もお腹へのダメージに苦しみながらも締め上げていった。
鼻血をマットに垂らしながら、ひかるが必死に逃れようとするが、珠緒も渾身の力を入れて締め上げていった。
しかし、ひかるが苦しみながらも下を向かされていると、そこへ珠緒の爪先が見えた。
バンッ・・・
「あうぅぅぅ・・・・・」
そう、いきなり珠緒が悲鳴をあげるのも無理はなく、爪先を踵で踏みつぶしていったのだった。
その瞬間、珠緒が力を緩めるとひかるが脱出して距離を取っていった。
鼻から血を流しながらも構えていくひかる。
爪先へのダメージでフラつきながらも構える珠緒。試合はまだ解らない状態だった。
そして、ひかると珠緒がお互い殴りつけようとした瞬間、珠緒がストレートパンチを繰り出した時に、ひかるが踏み込みを止めると、珠緒のパンチが空を切る・・・。
ボコッ・・・
その次の瞬間、ひかるのアッパーが珠緒の顎を捉えると、珠緒の口からマウスピースが勢い良く飛び出していった・・・。
だが足をガクガクさせながらも珠緒が構えていくと、ひかるが容赦なく踏み込んで左右のジャブで珠緒の顔面を殴りつけていった。
バシッ・・・ボシュ・・・
「ぶふっ・・・うぐっ・・・」
口の中を切ったのか、珠緒が血飛沫をあげながら顔を歪ませていく。
「ほらほらっ・・・どんどん殴ってあげるわよ!」
ひかるが不気味な笑みを浮かべると、珠緒を金網に追い込んで殴りつけていった。
必死にガードしようとする珠緒。しかし勢いに乗ったひかるの猛攻を止められなかった・・・。
顔面を容赦なく殴られていくと、珠緒の口や鼻から流れ出す血が白いスポーツビキニを赤く染めていった。
その光景に、マウスピースを拾ったレフリーが試合を止めると、珠緒の口の中にマウスピースを入れていった。
だが、ひかるがレフリーに抗議するが、ルールだとレフリーは取り合わなかった。
そして気を取り直して続行が告げられると、フラつく珠緒にひかるが襲いかかった。
だが、今度は踏み込んでくるひかるのお腹へ珠緒が渾身のトラースキックを叩き込むと、ひかるの顔が苦悶に歪んでダウンしてしまった・・・。
グシュ・・・
「うぐっ・・・ううううっ・・・・」
珠緒が反撃してくるとは思わなかったひかるが油断したのか、お腹を押さえて座り込んでいった。
口からはマウスピースが顔を出していた。
だが、攻撃した珠緒もフラついていた。
観客たちが盛り上がる中、フラつく珠緒も勝負をかけようとひかるに近づくと、ヒザ蹴りを顔面へ叩き込もうとしていった。
しかし・・・。
バキッ・・・
「ふぎいっ・・・・」
そう、珠緒の股間へひかるが苦し紛れのアッパーを叩き込んでいった。
これには珠緒が股間を押さえたまま藻掻き苦しんでいると、ひかるも苦しそうだったが、馬乗りになっていった。
だが珠緒はガードどころか股間を押さえて涙ぐむと、構わずひかるがチョークスリーパーで落としにかかっていった。
グイグイッ・・・
「んぐぐっ・・・・んんっ・・・・」
頸動脈を締め上げられて、珠緒が股間の痛みを我慢しているのか、ひかるの腕を必死に掴んでいくが、ひかるが締め上げていった。
お互いが顔面を血に染めて、因縁の対決を闘い合うが、遂にひかるの腕にかかった珠緒の腕がダラリと力無くマットに垂れ下がっていった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
珠緒の失神状態に、レフリーが試合を止めていくと、ひかるの勝利が告げられていった。
『ただ今の試合、チョークスリーパーにより河村ひかるの勝利です!』
このコールに、ひかるもグッタリとマットに座り込むと、レフリーに手を挙げられていった。
だが、立つことが出来ないひかるの姿から、お互いが死力を尽くした試合だったと言う事が観客にも伝わっていた・・・。



そして第4試合になろうとしてたが、この第4試合には外国から招聘されたとんでも無いファイターがやってきていた。
「ワタシ、お金・・・大好き・・・」
そう、極秘にチリから来日させられたアリータ・アルバラードだった。
このアリータは結構詐欺とも言える手で一躍有名になったが、地下プロレスで極悪なヒールとしてならとブッキングされたのだった。
インタビューで腕っ節も強いと言っていただけあって、格闘技にも自信を持っているようであった。
「ふふふっ・・・地下プロレスに出てもらうが、君のデビュー戦は格闘技戦だ・・・」
さっそくルールの調整などがされていくと、アリータが質問していった。
「プロレスは知らないけど、格闘技戦って相手を殴って蹴って倒せばいいんでしょ・・・」
その質問に黒服が答えた。
「まぁ・・・存在をアピールするなら痛めつけて観客に残酷なイメージを作らせたりした方がいいなぁ・・・」
その言葉に、アリータが一呼吸置いて聞き出す。
「いいわ・・・ジャパニーズのタレントだかボコボコにして血の海に沈めてあげる・・・それより、ファイトマネーは大丈夫?」
その言葉に黒服が一瞬笑みを浮かべた。
「ふふふっ・・・ファイトマネーは大丈夫・・・あとは君の試合を見せてもらわないと・・・・」
こうして、アリータの地下格闘技戦デビューは決まっていった。
そして、アリータの日本デビューの生け贄とも言える対戦相手は・・・。
「まぁ、君もグラビアばかりでは仕方なかろう・・・この話は受けるね・・・」
そう、そう言って説得されていたのはグラビアアイドルの中根霞だった。
白い肌に87pの大きな胸。当然グラビア界でも人気はあったが、それ以外の活躍がなかった・・・。
「か・・格闘技なんて・・・地下プロレスだって・・・怖いし・・・もう出来れば・・・」
そう、以前も霞は地下プロレスで痛い目に何度か会っていて、出来ればと思っていた。
しかし、無理矢理とでも言うようなやり方で霞の格闘技戦参戦も決められていった・・・。
控え室で無理矢理に白いスポーツビキニを着させられて、手にはオープンフィンガーグローブを着けて、足は素足にされていた。
「か、格闘技戦だなんて・・・私・・・無理です・・・」
「今さら泣き言はダメだぞ・・・試合も組まれたから違約金も出さなきゃ・・・それに大物たちを怒らしたらグラビアも引退か?」
もう脅迫に近い形でリングに向かわされる霞。
その悲壮感漂う霞がリングに向かい歩き出すと、対戦相手の知らされていない観客たちは盛り上がっていった。
『カワイイよぉぉぉ・・・・頑張れぇぇぇ・・・・』
『霞ちゃ〜ん、ケガすんなよぉぉぉ・・・・』
そんな歓声の中、金網リングに泣きそうな表情で入っていく霞。
そして・・・。
「ブチ殺してくるわ・・・日本人女を!」
そう言って控え室から勢いよく飛び出してリングインしていくアリータ。その姿に観客からブーイングがおきていった。
『おい、アイツ・・・あの詐欺野郎だっ・・・』
『ブー・・・ブー・・・帰れっ・・・お前なんて帰れっ!』
早くもヒールとして迎えられたアリータ。その光景に黒服たちはニヤリとするが、アリータは怒りだしていった。
『第4試合は特別国際戦でもあります・・・青コーナー・・・チリから来た刺客っ・・・アリータ〜アルバラード〜っ!』
そのコールに両手で観客にアピールするアリータ。しかし観客席からは帰れコールとブーイングがおきていた。
『赤コーナー・・・美少女グラビアアイドル〜っ・・・身長164p〜バスト87〜・・・中根〜霞〜っ!』
そのコールに、悲壮感漂う霞はコーナーで動かなかった。しかし観客からは大歓声がおきていた。
そしてレフリーによってマウスピースが口の中に入れられると、特別ルールが告げられていった。
『この試合は、安全確保の為にマウスピースが口から飛び出した場合、レフリーによって口の中に戻されるものとします!』
そのコールが終わると、さっそくゴングが鳴らされていった。
『カァーン・・・』
そのゴングの音と同時にコーナーから霞に襲いかかるアリータ。
だが、霞は見よう見まねで構えはするが、アリータが飛び込んでくると何も出来なかった。
ドカッ・・・ガッシャーン・・・
「うぐうぅぅぅ・・・・うううっ・・・」
そう、いきなりアリータの飛び蹴りが霞のバストに炸裂すると、霞と吹き飛ばされて金網に背中から叩き付けられて倒れ込んだ。
四つん這い状態になる霞が立ち上がろうとすると、アリータが更に近くに行って霞の顔面へ早くもパンチを落として殴りつけていった。
しかし霞も反射的に殴られる事は嫌がってアリータの足を掴んで組み付くと、今度はアリータのヒザ蹴りが霞の顔面を襲っていった。
バキッ・・・
「きゃああぁぁぁ・・・・・あんっ・・・・」
これにはアリータの足を放して倒れ込む霞。
「ふふふっ・・・日本の男のアソコは小さいけど、アンタの胸は大きいね・・・ほらっ!」
そして、アリータが霞のバストに注目すると、白いスポーツビキニに包まれた87pのバストを踵で踏み付けていった。
グニュ・・グニュ・・・クイッ・・・
「ああっ・・・やめて・・・ひ・・ひどい・・・ああんっ・・・」
自慢のバストを踏み付けられて苦しむ霞。
「ハハハッ・・・感じてるのかこの女っ・・・」
だがアリータは意地悪くニヤニヤしながら観客にアピールしていった。格闘技戦よりプロレスと言う展開だったが、観客たちも騒ぎ出した。
『ふざけるなぁ・・・この売春婦っ!・・・霞ちゃんを虐めるのはやめろぉぉぉ・・・・』
『お前なんかチリに帰れっ!』
『帰れっ・・帰れっ・・帰れっ・・・』
この大きなブーイングにアリータが更に怒り出すと、霞のバストから足を離して距離を取っていった。
そして霞に手招きをしてかかってこいとばかりに促していった・・・。
フラつきながら霞が立ち上がると、今度はアリータが一気に距離を詰めて顔面へパンチを入れると、霞の口からマウスピースがマットに飛び散っていった。
更に、金網に霞の身体を押し込むと、髪を掴んでバストへ下からヒザ蹴りを叩き込んでいった。
「いやあぁぁぁ・・・・ああっ・・・うぐっ・・・うううっ・・・・」
蹴りこまれる度に悲鳴をあげる霞。足元がフラフラしていたが、アリータが以外な怪力で霞のダウンを許さなかった。
しかしここで、レフリーがルールだからとアリータを止めると、霞の口の中にマウスピースを入れていった。
そのレフリーに試合を止めて下さいとも言えるように、目で哀願するような霞。
しかしレフリーは構わず続行の指示を出していった・・・。
すると、今度はアリータのサイドキックが霞のお腹を抉ると、霞はお腹を押さえて棒立ち状態になっていった。
「遊びじゃないんだよ・・・」
その霞に、アリータが叫びながらキチンシンクを叩き込むと、あまりに強烈なキチンシンクの前に胃袋を圧迫された霞は、無惨にもマウスピースを吐き出すと同時に、マットに大量の反吐を吐き出していった。
ベチャベチャ・・・
「うううっ・・・・くる・・しい・・・」
ヒザをついてお腹を押さえて苦しんでいる霞。
しかし、顔面の位置が低くなったからとアリータがミドルキックで霞の顔面を蹴り上げると、大の字になって倒れた霞の顔面が真っ赤に染まっていった。
そう、鼻から大量が血が溢れ出していった。
顔面を押さえて苦しむ霞。しかしアリータが髪を掴んで起こしていくと、張り手を何発も霞の頬に入れていった。
パシッ・・パシッ・・パシパシッ・・・・
「ふぐっ・・・ぶふっ・・・ふぐうっ・・・うんっ・・・」
無惨にも血飛沫をあげながら痛めつけられていく霞。
「ハハハッ・・・少しはお客さんも楽しませないとね・・・」
アリータがそう言うと、いきなり霞のスポーツビキニのブラジャーを剥ぎ取っていった。
ブルンっ・・・
「イヤッ・・・水着剥ぎなんて・・・反則でしょ・・・・・」
霞が涙ぐみながら言い返す。
「ふん、そのカワイイオッパイを殴ってやるよ・・・ほらっ!」
すると、ビキニをまくり上げられて見事な87pの白い乳房をアリータに殴られていく霞。
グニュ・・グニュ・・・
「いやあぁぁぁぁぁ・・・・やめてぇぇぇぇ・・・・ああああ・・・」
金網に押しつけられて、自慢のバストを殴りつけられて泣き叫んでいく霞。もう格闘技戦と言うよりは残酷なショーとなっていった。
次第に霞の白い乳房が内出血をおこして所々どす黒くなると、今度はアリータが霞を四つん這いにさせていくと、ビキニショーツまで脱がしにいった。
完全には脱がさないが、霞の白いヒップが露わになると、今度は強烈な蹴りを何発も入れていくと、その度に霞の身体がビクンビクンと動きながら、口からはもう泣き声みたいな悲鳴が漏れていた・・・。
マットにグッタリと俯せになっている霞。普通の格闘技戦ならばレフリーストップは当然の状態だが、失神KOがルールの地下格闘技戦。霞を助ける者はいなかった・・・。
「ふふふっ・・・早いけどインパクトは十分ねっ・・・それなら・・・」
すると、意識も朦朧とさせている霞の髪を掴んでアリータが起こすと、何とネックハンキングツリーで吊り上げていった。
これには苦しみから逃れようと霞も必死にアリータの腕を掴むが、霞の両足はマットから離れたままだった・・・。
「ふふふっ・・・顎じゃなくて頸動脈を絞めてやれば・・・アンタ・・・死ぬよ・・・」
アリータは意識を朦朧とさせる霞を脅すように言うと、霞は恐怖のあまりに失禁していった・・・。
ジョワ〜・・・・
霞の足を伝ってマットに水たまりを作っていくと、アリータが揺さぶっていった・・・。
そして、霞が掴んでいたアリータの腕から、霞の両手がダラリと垂れ下がると、レフリーが急いで試合を止めていった。
『ただ今の試合、中根霞の失神によりアリータ・アルバラードの勝利とします!』
このコールに、観客たちが一斉にブーイングをおこしていった。
更には、金網に囲まれたリングに向かって物まで投げつけていく始末。これには黒服たちも困り果てて、数名をリングに向かわせると、アリータを急いで控え室に引き揚げさせた・・・。
また、無惨にも失神させられた霞は、リングドクターの彩子に応急処置を受けて担架で運ばれていった・・・。
そして控え室では・・・。
「何よ・・・私の勝ちなのにあのブーイング・・・許さないよ・・・・」
アリータが観客のブーイングを怒っていると、黒服が札束を差し出していった。
その途端、いきなり黙ってニヤニヤするアリータ。
「オーケー・・オーケー・・・これだけ貰えればいいね・・・次もまたカワイイ猫ちゃんを虐めてアゲル・・・オーケー?」
こうして、アリータの地下デビューが終わりを告げていった。
ただ、観客席の騒ぎは収まりがつかず、急遽観客たちにアンケートが配られていった。
『・・・地下格闘技戦で見たいカードは?』
『・・・アリータと対戦させたい相手は?』
『・・・KO失神ルールをどう思うか?』
そのアンケートに、観客たちも黙りだして黙々と書き出していったが、黒服たちは急いで次の試合の準備を始めていった。



そして遂にメインイベントになるが、ここまで凄まじい試合が続くと、次はどんな試合かと観客たちも注目していった。
そして・・・。
『選手・・・入場っ!』
そのコールに同時に2人の姿がリングに向かっていくが、その2人とは前回の大会でバトルロイヤルにも出ていた藤原紀華と桜場敦子であった。
早くも睨み合いながら金網リングに入っていく2人。
「売れてるからって・・・格闘技ルールなら私に勝てるわけないでしょ・・・」
早くも挑発していく敦子。
「さあ・・・それはどうかしら・・・」
対する紀華もサラリと返すと、敦子は早くも睨み付けて臨戦態勢に入っていった。
「早くやりましょうよ・・・・その顔をボコボコにしてあげるわ・・・」
余裕そうの紀華に言い放つ敦子。
そうした中、リングアナがマイクを握っていくと、選手紹介から始まっていった。
『それでは、本日のメインイベント〜っ!・・・青コーナー・・・格闘技からヌードまでこなすマルチタレント〜っ・・・桜場〜敦子〜っ!』
そのコールに、敦子は紀華を睨みながらガッツポーズを取っていった。
『赤コーナー・・・格闘技を愛する国際派女優〜っ・・・藤原〜紀華〜っ!』
そしてコールされて観客に頭を下げていく紀華。
更に、リングサイドには紀華と敦子のサイズなどが表示されていった。
『・・・藤原紀華・T171B88W60H89・・・桜場敦子・T162B93W58H87・・・』
そして各のコーナーでマウスピースを口に入れて、ミネラルウォーターのボトルを口にする紀華と敦子。
『カァーン!』
そしてゴングが鳴らされていくと、紀華と敦子が睨み合いながら距離を詰めていった。
まずは敦子がジャブのように手を出すと、紀華は構わずローキックで敦子の足を攻めていった。
バシッ・・・
紀華のローキックが決まると、敦子の表情が険しくなるがジャブを出して牽制していった。
すると、いきなり敦子が突進して紀華の顔面へパンチを入れていった。
バシッ・・バシッ・・
これには驚いた紀華だが、冷静に首相撲からヒザ蹴りで敦子のGカップバストを蹴りこむと、今度は敦子が蹴り足をキャッチして倒しに行った。
バッシーン・・・
これには紀華がバランスを崩されて倒れると、紀華が下になる体制になると、すかさず敦子がマウントポジションを取ろうとしていった。
顔面へのパンチから体制を取ろうとすると、今度は紀華が敦子の伸ばした腕をキャッチして、下から腕を極めにいった。
これには敦子が驚いて、紀華のお腹に座る形で警戒していった。
早くも試合開始から攻防が繰り広げられていくと、早くも額から汗が流れたり、背中にも汗が流れ出していた。
紀華も手を出さないが、敦子もそのままの状態を維持していった。
だが、これには敦子としては、わざと紀華のお腹に座って手を出さないのは、自分の体重だけで紀華から少しずつスタミナを奪おうと考えていたのだった。
だが、それは紀華も考えているので、時折ブリッジで返そうとするが、その度に敦子のパンチが紀華のバストなどを襲った。
そして、紀華が返そうとした時、敦子も俯せの体制に持っていくと、今度は敦子が紀華の背中に座る形になっていった。
すると、容赦なく紀華の側頭部を殴りつけていく敦子。
バキッ・・バシッ・・・
「ぐっ・・・くっ・・・」
その度に、紀華が必死に側頭部に腕を回してガードするが、背後からの敦子のパンチが的確に紀華にダメージを与えていった。
更に敦子がスリーパーを狙い出すと、今度は紀華が後頭部を敦子の顔面へ叩き付けていった・・・。
バキィィィ・・・・・
「ぐわあぁぁぁぁ・・・・」
敦子が悲鳴をあげると、鼻から大量の血が溢れ出して激痛によって敦子が紀華から離れていった。
紀華も急いで構えていくと、敦子は鼻から流れ出る血をスポーツビキニに垂らしながら構えていった。だが鼻血が出た事によって、敦子は呼吸するのもきつそうだった。
そして、紀華がハイキックを出して牽制すると、敦子は鼻血のダメージからガードするだけだった。
更に、紀華がパンチで勝負に出ると、敦子も得意の打撃から反撃に出ていった。
容赦なく顔面に決まっていく紀華と敦子のパンチ。
バキッ・・ボコッ・・・バキッ・・・
この壮絶な女優同士の殴り合いに観客も盛り上がるが、紀華も鼻から血を垂らし始めていた。
だが止まらない殴り合い。紀華も敦子も意地になって相手の髪を鷲掴みにしながら殴りつけていった。
しばらくこの展開が続くと、敦子のスタミナが切れてきたのか、殴るパンチの数が減ってきていた・・・。
「スタミナ切れねっ・・・ほらっ!」
そこへ紀華の強烈なヒザ蹴りが顔面へ炸裂すると、敦子の身体がマットに崩れ落ちていった・・・。
だが敦子が手は出そうとするが、更に紀華が顔面へ蹴りを入れて、半失神状態のような敦子に馬乗りになっていくと、構わず顔面へパンチや肘を落としていった。
バキッ・・グシュ・・バキッ・・・
一方的に殴られていく敦子。顔面へのヒザ蹴りが効いているようで、もう残酷ショーの展開だった。
更に紀華がハンマーパンチで敦子の鼻を狙い出すと、敦子の顔は血と涙と涎でグチャグチャになっていった。
血塗れのマウスピースも口から吐き出しそうな敦子だが、もう意識もないのであろうか・・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ここでレフリーが敦子の状態を危険と判断して試合を止めると、紀華の勝利が告げられていった。
紀華が立ち上がると、敦子は失神状態になったのでドクターがマウスピースを口から取り出して意識を取り戻させていった。
そこで紀華がマイクを握ると、観客に向かってアピールしていった。
「喧嘩だか格闘技だか知らないけど・・・私は絶対にチャンピオンになるわ!」
そう言い放つと、マイクをマットに投げつけて金網リングを後にしていった。
この言葉の裏には、今夜リングに上がっていた大池栄子のヘビー級タイトルも視野に入れての事だろうか・・・?

遂に地下プロレス界でも始まりだした格闘技戦。
次に格闘技戦に挑むのは一体・・・?








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