第1試合

遂に50回目の大会を迎えた地下プロレスの会場。
いつものようにこの国の政治家から有力者など多くの者が残酷な見せ物を楽しみにするように集まっていた。
ただ、今回はリングはなく、その代わりに八角形の金網で出来たオクタゴンと呼ばれる闘技場が置かれていた。そのオクタゴンの周りには花道以外にはテーブルが置かれ、そこで金髪のバニーガールたちからビールやウイスキーを受け取ると、今や遅しとオクタゴンに視線を集めていた。
その頃、控え室では・・・。

「いやっ・・・こんな格好させて・・・イヤ・・・」
そう、泣きそうな表情で暴れているのはあの小倉夕子だった。白いスポーツビキニ姿にされていて、手にはオープンフィンガーグローブを着けられていた。
「オマエに選択する権利はないんだよ。黙ってリング上で痛めつけられれば、また写真集とか出せるんだぜ・・・ふふふっ・・・」
黒服からは死刑宣告とも取れる言葉をかけられていたが、無理矢理にオクタゴンへ運ばれていった。
ガチャーン・・・
早くもオクタゴンに入れられてしまう夕子。そして対戦相手はまだ姿を現していなかった。
「や・・やだよ・・・こんな金網の中で・・・」
早くも足を震わせて怯えている夕子。その夕子の姿に観客席からは残酷に満ちた歓声が飛んでいった・・・。
『今夜は生きて帰れると思うなよ〜っ!』
『そんな事いったら小便チビっちゃうからやめろよ!』
色々な言葉に夕子の恐怖心は更に大きくなるのであった。
その光景を見て、謎の男が笑みを浮かべていった・・・。
『ふふふっ・・・あの恐怖に怯えた表情・・・最高のキャラクターだなぁ・・・。あのロリ顔がボコボコにされていくなんてなぁ・・・。水着も白にしたのは正解だ・・・血が飛び散るのが良くわかるしなぁ・・・』
その言葉に参謀格の男が答えた。
『さすがに50回目の記念大会。地下プロレスに相応しい残酷な大会にしていきたいですね・・・』
そして、遂に鈍い光を放つオクタゴンの中へ、今夜の夕子の対戦相手が姿を現していった。
「オマエか、ガリガリのロリコンアイドルのくせに・・・」
そう、その言葉を言い放つのは滝本秀明だった。
「お、男の人と・・・こんなデスマッチ・・・こ、殺されちゃう・・・」
早くも怯えている夕子だが、そんな事は構わずにリングアナのコールが始まっていった。
『今夜の特別大会第1試合〜、小倉夕子〜対、滝本〜秀明っ!』
そのコールに滝本はニヤリとしながら金網を殴りだしていったが、夕子は金網に背中を押しつけて震えだしていた。
『今夜の特別ルールは、全選手共通で手にはオープンフィンガーグローブ、口の中にはマウスピースをつけていただき、凶器は一切使用禁止とします。ただし、金網オクタゴンの中のものは使用可能で、金網を利用してもOKです。また、レフリーはオクタゴン内に入りますが、ギブアップはこの試合になく、レフリーが危険と判断した場合、またはリングドクターが危険と判断した場合にゴングが鳴らされて試合は止められる方式になります!』
そのルール説明に観客席が興奮していく。
その中を・・・
カァーン!!
遂にゴングが鳴らされると、滝本が腕を振りながら威嚇するように夕子に迫った。
その滝本の姿に夕子が怯えた表情で構えるが、いきなり滝本のサイドキックがお腹を抉っていった。
グシュ・・
「ぐふっ・・・ううっ・・・」
フラつくが、必死に痛みを堪えて構えていく夕子。
「よく構えてられるぜ・・・おらっ!」
更に滝本がミドルキックを夕子の脇腹に炸裂させると、今度は苦悶の表情を浮かべて夕子が座り込んでしまった。
グイッ・・・
「寝るのは早いんだよ・・・立てよ・・・」
その夕子の髪を掴んで起こそうとする滝本。しかし夕子も抵抗を見せて腕を振り出すと、その手が偶然にも滝本の股間を捉えていった。
グシュ・・・
「うぐぐっ・・・・うううっ・・・・く・・・クソ・・・ガキッ・・・」
偶然の一撃だったが、夕子の手が滝本の股間を襲った事には変わりなく、夕子は立ち上がったが滝本は股間を押さえてうずくまってしまった。
その滝本の姿を見て、夕子はレフリーに詰め寄った。
「こ・・これなら・・・試合は終わりでしょ・・・終わりでしょ、ねぇ?」
しかしレフリーは滝本の様子を見るが黙っていると、そのレフリーに夕子が再び詰め寄った。
夕子は必死にレフリーに試合を止めてくれるように懇願するが、レフリーは聞き入れなかった。
しかし、その夕子の背後には滝本が復活して迫っている事に気が付いていないようだった。
ググッ・・・
「うぐうっ・・・ううっ・・・」
その夕子を背後から首を締め上げていく滝本。
「よくも大事な所を殴ってくれたなぁ・・・覚悟しろよ・・・」
その滝本の言葉に恐怖する夕子。
「ううっ・・・く、苦しい・・・は・・・放して・・・」
口から涎を垂れ流しながら夕子が苦しむ。
バキッ・・
「放してやるよ・・・オラッ!」
そう言うと、滝本が夕子のヒップにヒザ蹴りを入れて倒すと、背中にストンピングを連続して入れていった。
バキッ・・・バシッ・・バキッ・・・
夕子のスポーツビキニに覆われていない背中の部分などを狙って蹴りこむ滝本。その蹴られた部分が内出血してか、夕子の白い肌を変色させていた。
悲鳴をあげてのたうちまわる夕子だが、またも滝本に起こされていくと、次にされるであろう攻撃に備えてガードを固めていった。
「何してんだよ・・・この野郎っ!」
すると、滝本が何でも有りのオクタゴンの闘いで、いきなりブレンバスターの体制に持ち込んでいった。
夕子の首に巻き付ける腕と、片手ではビキニショーツを掴んでいく滝本。
一方、夕子も投げられまいと重心を落とすようにして必死の抵抗を見せていた。
その夕子の抵抗に、滝本はニヤリとすると、ヒザ蹴りをお腹へ入れて力を抜かさせると、一気にブレンバスターで投げ飛ばしていった。
「きゃああああああぁぁぁ・・・・・ぐふっ!」
そして夕子の大きな悲鳴があがると、次の瞬間には綺麗な滝本のブレンバスターで投げられていった。
更に、その投げた直後に滝本が体制を入れ替えると、倒れている夕子に馬乗りの体制になっていった。
「や・・やめて・・・酷い事は・・・」
滝本が拳を振り上げていく姿を見て、馬乗りにされて固定されている夕子が手を伸ばすようにして防ごうとする。
しかし、滝本の拳が容赦なく夕子の顔面に落とされていった・・・。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・・
「ぶふっ・・・ぐうっ・・・んがっ・・・ああんっ・・・」
次々と容赦なく叩き込まれる顔面パンチに夕子は両足をジタバタして抵抗するが、無惨にも鼻から大量に血を流しながら泣き叫んでいった。
マットに後頭部がついた状態でのパンチはとても危険である。この行為についてレフリーが試合は止めなかったが、滝本に注意を与えていった。
(※立った状態で殴られると、頭が振られて衝撃が少しは逃げるが、マットに固定されての顔面パンチは脳にも障害を残すかも知れないと専門書ではとても危険と書いてあった)
滝本は立ち上がると、夕子もフラフラしながら立ち上がっていった。
今度は滝本はすぐに殴り出さずに夕子を見ていると、夕子は鼻から流す鼻血で白いビキニを赤く染めていくのであった。
その夕子の姿に、滝本はビキニの間から見える腹に注目すると、今度はボディブローを打ち込んで金網に追い込んでいった。
「ぐふっ・・ごぺっ・・・」
苦悶の表情で金網に背中を押しつけられて藻掻く夕子。
更に、滝本が強烈なアッパーを顎に炸裂させると、夕子は真上を向くようにして一瞬身体を浮かせたようになると、口から勢いよく血塗れのマウスピースを吐き出して倒れ込んでいった。
時折身体をピクンピクンとさせる夕子。と同時に、夕子の顔の近くに血塗れのマウスピースが転がり落ちていった。
「よ〜し、トドメを刺してやるか・・・覚悟しろよ!」
そう言うと、滝本が意識も絶え絶えの夕子の無防備の腹を狙ってサッカーボールキックを狙っていった・・・瞬間・・・。
「やめてえぇぇぇ・・・・それ以上やったら死んじゃうよ!」
そう、金網を掴んで滝本に叫び声をあげたのは、またも鈴本あみであった。
当然、今まで地下リングで多くの試合に出されていたあみだけに、この大会も見に来ていたのであった。
「何だよ、まだ居たのかよ・・・この世界に?・・・写真集出してもそれっきりの売れないアイドルのクセに・・・」
そう言うと、まるであみに見せつけるように夕子のお腹へ蹴りを入れていった。
グシュ・・・
「グボオォォォォォォ・・・・・・ウエッ・・ウエッ・・」
容赦ない滝本の蹴りの前に、夕子は金網近くで口から激しく反吐を吐き出してピクピクしていった。
「ゆ、夕子ちゃん・・・」
その地獄の光景にあみが叫ぶと、滝本は更にはレフリーが試合を止めない事をいいことに、髪を掴んで金網に夕子の顔面を叩き付けていった。
ガッシャーン・・・ガッシャーン・・・
まるであみへの当てつけと言うか、見せつけのように金網に夕子の額を叩き付けていく滝本。
次第に夕子の額も割れて流血していくと、その流れ出る血が金網に当たる衝撃に、あみの顔にも血飛沫が飛んでくる程であった。
夕子は抵抗する事も出来ず、ただ残酷ショーの生け贄にされていくが、あみは叫ぶが観客席はこの残酷ショーの雰囲気に酔っているようで、誰も止めようとしなかった。
しかし顔面を叩き付けられている夕子は、大流血に加えて股間からは異臭を放つ液体まで垂れ流す状態で、もう試合続行は危険な状態になっていた。
カンカンカンカン・・・・
ここで謎の男の指示で、ゴングが鳴らされて試合は止められていった。
「ゆ、夕子ちゃん・・・た、担架・・・担架は?」
あみは試合に関係ないが、金網を掴んだまま担架を要請するが、同時にリングドクターの西川彩子の指示で黒服たちが担架をオクタゴンに入れていった。
素早く夕子を運び出す黒服たち。そして運び出される夕子に歓声で見送る観客達。
『勝者・・滝本秀明っ!』
短いアナウンスが滝本の勝利を告げると、滝本は軽く観客席に向かって手を上げると、早々とオクタゴンを後にしていった。

控え室へ向かう滝本だが、その滝本に迫るひとつの影。
「滝本くん・・・ちょっと・・・」
そう、その声はあみだった。
「何だよ・・・もうオマエとの関係は終わりなんだよ・・・・それとも、アイツみたいに残酷ショーの生け贄にされたいか?」
追いかけてくるあみに凄む滝本。
その滝本に、あみは黙って見つめるだけであった。
「ふん・・・そんな根性もないくせに、俺様に意見するなんて100年早いんだよ!」
その黙り込むあみに一言言い放って控え室に消えていく滝本。
こうして、第50回大会は始まっていったのであった・・・。



第2試合

「日本の女をブッ潰してお金もらえるなら最高ねっ!」
控え室で大声で笑い出しているのはあの大物ヒールとも言える、チリ人のアリータ・アルバラードだった。
またも地下リングに参戦してきたこの女の目的は、ズバリ金。
マスコミにも宣言していた腕っ節が強いからと、地下プロレスに参戦2戦目にして格闘技戦とも言えるバーリトゥードマッチにまで顔を出してきたのだった。
そのアリータと金網オクタゴンで闘わされる為に選ばれたのは、あの平川綾だった。
格闘技戦と聞き、以前の太谷みつほとの格闘技マッチと同じように考えたのか、以外にもやる気を見せている綾。
控え室で早くも白いスポーツビキニを身につけて、手にはオープンフィンガーグローブを着けてその時を待った。
そして時間が来ると、綾が狂喜に満ちた会場の中に足を進めていった。
白いスポーツビキニ姿の綾が花道に姿を現すと、観客席からは興奮したような歓声がおおく沸きおこっていった。
何度も地下リングには上がっている綾だが、これには少々驚いているようであった。
いつもと違う金網で出来ているオクタゴン。その中へ、遂に綾が足を入れていった。
ガチャ・・・
綾のオクタゴン入場と同じく、反対側からもアリータが入っていったが、その事に気が付かない綾。
歓声が更に大きくなる事に綾が振り向くと、そこにト仁王立ちでニヤニヤするアリータの姿があった。
「だ、誰よ・・・」
薄気味悪い笑みを浮かべるアリータに、綾が問いかける。
「フフフッ・・・今夜はオマエが生け贄ネッ・・・覚悟しな!」
早くも挑発とも言える言葉で綾を威嚇していくアリータ。
「あ・・あなた・・・あのチリ人妻ね・・・ワイドショーで見たわ!」
綾が何気ない言葉をかけた途端、アリータの表情が変わっていった。
「何よ・・偉そうなこと言わないで!・・・今夜は腹が立ったわ!ブチ殺してあげる!」
さすがにチリ人妻と言われて腹を立てたのか、アリータが激怒したように近くの金網を殴り出すと、レフリーが合図をしていった。
『第2試合・・・日本のアイドル〜、平川〜綾〜っ!・・・・・肉体を使って地下リングにも参戦〜っ!・・・アリータ〜アルバラード〜っ!』
そのリングアナのコールも構わず、早くも睨み合いを始める綾とアリータ。
一応、2人は口にマウスピースを入れると、レフリーが確認してゴングとなった。
『カァーン・・・』
早くもゴングが打ち鳴らされると、アリータが飛び出すように綾に向かっていった。
しかし、綾も冷静に殴り合いに持ち込まずに、向かってくるアリータにタックルを仕掛けていく。
ガッチリとクラッチ(相手の背中の部分で自らの手を組む)して、倒しにかかる綾だが、アリータも以外と腰が重いのか、綾が倒そうとするが倒せなかった。
逆に、アリータがガラ空きの綾の脇腹にパンチを炸裂させていった。
バシュ・・バシュ・・
「うぐっ・・ううっ・・・」
早くも綾の表情が苦悶に歪む。いくらアリータにタックルの体制を決めていても、逆にアリータの重いパンチを脇腹に入れられては苦しいはずであった。
綾が藻掻くように身体を左右に振るようにして、アリータを倒しにかかろうとするが、以外にも身体のバランスの良いアリータ。
逆に仕掛けているはずの綾がスタミナを消耗してきたのか、露出している肌からは大量の汗が流れ落ちていた。
そしてニヤリとして綾の様子を見ているアリータ。
「ハハハッ・・・ジャパニーズは力が無いネッ!」
そして今度はアリータが綾の両脇に腕を差し込むと、一気に金網に押しつけていった。
ガッチャーン・・・
金網に叩き付けられる綾。叩き付けられた衝撃に綾の表情が苦悶に歪むが、アリータは続けてヒザ蹴りをお腹へ入れていった。
グシュ・・・
「グボッ・・・ぐうううっ・・・・」
この突き上げるようなアリータのヒザ蹴りに、綾は口から涎を垂れ流しながら下を向いて苦しんでいた。
倒れてはいけない。その思いで綾がダウンこそしなかったが、確実にダメージは受けていた。
「カモーン・・・」
すると、アリータがボクシングのように構えて金網に押しつけていた綾の顔面へパンチを放っていった。
バシッ・・・バシッ・・・
容赦なく綾の頬を襲っていくアリータのオープンフィンガーグローブに包まれた拳。
綾も必死に反撃しようと手を出すが、喧嘩慣れなのかアリータのパンチが確実に綾にダメージを与えていた。
次第に殴られた衝撃で、綾は口の中に広がる血の味を感じていく。
「そろそろ口の中も切れたかしら?」
アリータがニヤリと苦しむ綾の顔を覗き込む。
「何よ・・・この淫売っ!」
だが綾も意地があるので油断したアリータの顔面へパンチを入れていった。
バキッ・・・
「ぐふっ・・・」
以外にも、その綾のパンチがアリータの鼻を直撃すると、鼻からは激しく鼻血が溢れ出したのであった。
この綾の意地の反撃に観客席も盛り上がっていった。
だが、今の一撃がアリータの残忍性に火を付けてしまったようで、一瞬にして目つきが変わっていった・・・。
「し・・死にたいか・・・」
アリータが呟く。
「何よ・・・」
その凄みの効いた一言に綾は驚くが、地下リングなら当たり前と果敢にもドロップキックを放っていった。
しかし・・・。
「甘いんだよ・・・馬〜鹿っ!!」
「あふっ・・・」
そう、アリータがドロップキックを放ってきた綾の両足を叩き落とすと、綾は無惨にもリングに倒れ込んだ。
ドシュ・・・
「グボオォォォォ・・・・・・」
更に、アリータが倒れた綾のお腹に爪先蹴りを叩き込むと、血塗れになったマウスピースを勢いよく吐き出す綾。
「グエッ・・グエッ・・ぐ・・ぐる・・じい・・・・ううっ・・・んっ・・・」
この一撃にはお腹を押さえて苦しむ綾。普通の格闘技だったら試合が止められる程のダメージと言う事は、誰の目から見ても明らかだったが、ここは地下リング。そんな常識は通用しなかった。
「うううっ・・・」
呻き声みたいな声を発して四つん這いになって立ち上がろうとする綾。
「何だよ・・・逃がさないよ!」
その綾の姿に、アリータは突き上がる綾のヒップに蹴りを入れていくと、綾は無惨にも俯せ状態で倒れてしまった。
しかし、アリータがここで綾を攻めるのをやめると、距離を置いてニヤニヤして見つめていた。
(アリータ・・・簡単に終わらせたらファイトマネーを下げるぞ・・・)
そう、金網越しにアリータに黒服の1人が囁いていたのだった。
「解ってる、解ってる・・・もっとお客さん楽しませるから・・・」
まるで金の為と、綾を痛めつけることに喜びを感じているようなアリータ。
「ううっ・・・」
余裕の表情のアリータに少し恐怖感を覚えつつ、綾がフラフラしながら構えていく。
「ソレ・・・口に入れるネッ!」
その綾にアリータが血塗れになったマウスピースを投げ渡すと、綾は口の中にマウスピースを入れていくが、これはアリータが血塗れのマウスピースを吐き出させようと考えての演出だったのだ。
しかし、苦しくとも金網に囲まれたオクタゴンから逃げることも出来ない綾は、息を荒げてはいるがアリータとの距離を置いていたが、アリータがまたも踏み込んでいった。
「覚悟するネッ!・・・おらっ!」
奇声をあげて綾の顔面にストレートパンチを叩き込むアリータ。
バキィィィィ・・・・
その一撃にダウンしそうになるが、必死に殴り返す綾。しかし背中には金網を背負ってしまった・・・。
「逃げ場はないネッ・・・覚悟するよ!」
アリータが不気味な笑みを浮かべると、金網に背中をつけている綾の脇腹にボディブローを叩き込むと、続けて胃袋を押しつぶすかのようなボディへのパンチで追い込んでいった。
ボスッ・・ドシュ・・・グシュ・・・
「うぐっ・・・グボッ・・・うげっ・・・あがっ・・・」
殴られるたびに苦悶の表情で金網に叩き付けられていく綾。次第にスポーツビキニの間から見えていた健康的なお腹にはアリータの攻めによって所々に内出血のようなものが見られた。
もう意識も絶え絶えなのか、アリータのサンドバック状態の綾だったが、アリータも綾を倒れないように上手く下から突き上げるようなボディパンチで攻めていた。
「これで決めてアゲルねっ!・・・バイバイ・・・ジャパニーズガール!!」
すると、アリータが距離を置いてダウン寸前の綾を見つめると、顎に渾身の力を込めたアッパーを叩き込んだ。
グシャアァァァァ・・・・・
「ぶぐへえぇぇぇぇ・・・・・・・」
この一撃に綾は口から血塗れのマウスピースを吐き出すと、金網の中を飛んでいった。
同時に、血飛沫をあげながら綾はまるで糸の切れた操り人形みたいに倒れていったのだった。
完全に失神状態で金網近くに倒れる綾。
だが、アリータが興奮しているのか完全失神状態の綾のお腹へ蹴りを叩き込むと、綾は無意識の中で口から反吐を吐きだしていくのであった。
この危険な状態を察知したレフリーが急いでゴングを要請すると、会場内にゴングが乱打されていった。
カンカンカンカン・・・・
ゴングが鳴っても綾を蹴りこむアリータ。
そのアリータを羽交い締めにしてレフリーが止めるが、まだ暴れる様子に金網内に黒服たちが入って止めていった。
『勝者・・・アリータ・・・アルバラード!』
そのコールに冷静さを取り戻したアリータがガッツポーズを取ると、近くの黒服に呟いた。
「コレで・・・ギャラ多くなるね?」
そのアリータの言葉に、近くの黒服たちは呆れ顔を浮かべるのであった。
一方、完全失神状態の綾はリングドクターの西川彩子が様子を診てから、急いで医務室に担架に乗せられて運ばれていくのであった。
またも金網の中でその狂気性を発揮したアリータ。次のこの外道女の獲物になるのは誰か?



第3試合

「ふ〜ん、地下格闘技って言うのがあるんだ?」
マネージャーから地下プロレスの事を聞かされて都内某所で答えていたのは、あのくびれクイーンこと元AV女優の草薙純だった。
当然、マネージャーから地下プロレスの話が出たと言うことは、純に対して地下リング出場の要請が来たと言う事だった。
当の純は地下プロレスなんかと言っても、自分の所へ話が来るくらいだから、キャットファイトみたいな延長だろうと甘く考えて、地下プロレス、それも格闘技戦のバーリトゥード大会に出る事になっていった・・・。
そして軽い運動などをして当日を迎えた純。
「ここが・・・試合会場・・・」
純が都内にある、指定された場所に来ると、そのままリムジンが迎えに来た。
その場所から純は、血戦が繰り広げられるであろう地下プロレスの会場のある場所まで連れて行かれるのであった。
地下の薄気味悪い控え室に通されると、さっそく白いスポーツビキニに着替えさせられていった。
そして係である黒服が今夜のルールを告げるのであった。
「えっ・・・喧嘩?・・・相手を失神させれば勝ちなの?・・・それって・・・」
初めて聞かされるルールに驚く純。正直、ふざけ合ってのキャットファイトショーと思っていた甘い気持ちが壊れていくのが自分でも解っていた。
「そうだ・・・今夜はデビュー戦になるわけだが、プロレス技など要らないから相手を徹底して殴って蹴って、絞め落とせばいいんだ・・・・」
その説明に驚く純だが、ファイトマネーが1試合で100万円と提示され、事務所を通さずに本人に直接渡され、更に勝利すれば200万円が上乗せされると聞いて、やる気を出していった。
その純の対戦相手は、今や爆発的に人気の出ているカリスマAV女優こと、見竹涼子だった。
今まで、プロレスルールでの試合は体験していた涼子。しかし今回は金網に囲まれたオクタゴンの中で初のバーリトゥードを経験する事となった。
「過去のAV女優ね・・・相手にとって不足はないわ・・・」
涼子もAVで活躍する一方、撮影などでのイライラを爆発させる場所として地下リングを選んだみたいで、すでに闘志を燃やしている感じであった。
お互いが白いスポーツビキニに着替えると、早くもオクタゴンの中へ歩き出していった。
既に2試合が終わっており、白いオクタゴンのマット上には反吐の吐き出された跡のようなものや、血などが垂れていた。
金網に囲まれたリングに入っていく2人は、お互いが鋭い視線で睨み合っていた。
『第3試合・・・・草薙〜純〜っ!・・・見竹〜涼子〜っ!』
手短なリングアナのコールに、会場が沸き上がっていく。
だが、ゴングが鳴らされるかと思った瞬間、特別ルールが告げられていった。
『この試合は特別ルールとして、顔面へのパンチは禁止で張り手・掌打のみとさせていただきます。また、首から下へのパンチ等の打撃は認められています。・・・勝敗は失神KOの予定でしたが、ギブアップ決着にします!』
その説明に観客席からブーイングが上がると、更に続けられた。
『見竹涼子については、まだ作品の撮影などがあり、顔への傷が多くつくと問題が起き、また草薙純についても表のプロレス会場に行く機会が多いため、このルールとしました!』
観客に対しての説明がされている中、オクタゴンの中では涼子と純が睨み合っていた。
「何がカリスマ女優よ・・・ただのヤリマンなだけじゃないの?」
純が挑発するように言い放つ。
「やだやだ・・・いつまでも未練がましく芸能界に復帰なんて考えてるんじゃないの?」
その純に言い返していく涼子。
「アンタだってアイドル並みのルックスとか言われてるけど、ホントに自信があるならAVなんかしないでしょ?・・・まぁ、それなりの顔って事なのよ・・・」
「何よ・・・アンタより綺麗よ・・・私は!・・・身体だって上物だし・・・ふふふっ・・・」
涼子が自らのバストをスポーツビキニの上から揉み始めると、純を挑発していった。
「90pの何カップか知らないけど・・・私の方が上よ・・・」
すると、純まで自らのバストを水着の上から揉んで挑発していった。
この展開に試合は始まらないのに観客席からは歓声が上がっていた。
「ほらっ・・・私は95pなのよ・・・それでウエストは52p・・・わかるかしら?」
更に純がビキニを下からまくり上げると、95pの自慢のバストを露わにして涼子に迫った。
「何よ・・・私だって90pって言っても貴方と違って美乳なの・・・ふふふっ・・・」
まさに女の意地の張り合いのような展開のオクタゴン内。
その2人に割ってはいるようにレフリーが試合開始を告げようとしていった。
「おい・・・あとは試合でやってくれ・・・」
そのレフリーの言葉に涼子も純も自らの乳房を水着に収めると、少し距離を置いてゴングに備えていった。
カァーン・・・
ゴングが鳴らされると、まるで相手の様子を見るように構えたまま距離を置く。
試合前の罵り合いがウソの様な展開だが、純も初めての地下リングでの試合で様子を見ているようで、涼子も純の出方に警戒しているようであった。
その展開でまず手を出したのは、純の方で95pの胸を揺らしながらローキックを放っていった。
ローキックと言ってもフォームも綺麗ではないが、勢い的なローキックだった。
その純のローキックを受けていく涼子。
バシッ・・・
まるで純の実力を試して受けたような涼子。
(何よ・・・大した事ないわね・・・)
逆に涼子がローキックを純のヒザ裏目掛けて、刈るように蹴りこむと、純の身体がガクンとバランスを崩していった。
「んぎゃ・・・」
思わず悲鳴をあげる純。
「何がんぎゃよ・・・ここは地下リングなのよ!」
更にタックル気味に組み付いて純を金網に押しつけていく涼子。
ガッシャーン・・・・
「くっ・・・何よ・・・負けないわよ!」
金網に背中を押しつけられて、思わず痛そうな表情を浮かべる純だが、下を向いている涼子の背中にエルボーを落としていった。
ガスッ・・ガスッ・・
今度は意外な反撃を受けて顔が歪む涼子。
だが、そのまま以外な力で純を投げるようにして倒していく涼子。倒された純も抵抗を見せるが、地下リングを甘く見ていたのか寝技の対抗策がないようで、藻掻いているだけのように見えていた。
逆に、地下プロレス参戦歴は純より上の涼子が横四方の体制になって純を押さえ込んでいた。
「違う寝技だけが得意のようね・・・草薙さん?」
涼子が呟くと、続けて純のくびれたウエストを狙うようにヒザ蹴りを叩き込んでいった。
ボシュ・・・グシュ・・・
「うぐうっ・・・くっ・・・」
さすがに涼子の勢いあるヒザ蹴りの威力に苦悶の表情で悲鳴をあげる純。
更に、涼子が馬乗り状態を狙って乗りかかると、純からマウントポジションを奪っていった。
52pと言う細い純のウエスト。そのウエストを馬乗り状態でも太股を使って完全に固定していく涼子。
更に、お腹に座り込んでいるので純は呼吸も苦しそうで、馬乗り状態にされているだけでスタミナを奪われていった。
次第に汗だくになっていく純。しかし以外な反撃に出ていった。
「何よ・・・この淫乱っ!」
馬乗り状態で上になっている涼子のビキニを掴んでいくと、一気にまくり上げて乳房を露わにしていくのであった。
90pの綺麗な乳房が露わになるが、アイドルなら悲鳴をあげる展開だろうが、さすがはトップAV女優だけあって、何喰わぬ顔で言い返した。
「何すんのよ、だったらお仕置きねっ!」
その言葉に続いて、純のお腹の上に乗っていた涼子のヒップが浮かぶと、ヒップドロップで純の細いお腹を押しつぶしていった。
グシュ・・・・
「グボオォォォォ・・・・・ウエッ・・ウエッ・・・」
この涼子の攻めに純は咳き込んで動きが止まってしまった。
「どう?・・・苦しかったかしらねぇ・・・ふふふっ・・・」
涼子の不気味な笑みが更なる残酷な展開を呼ぼうとしていたが、純は腹筋を鍛えていなかったのか、口から涎を垂れ流していた。
その純の姿に涼子が立ち上がると、純の髪を掴んで起こしていった。
「くっ・・・何よ・・・負けないわ・・・・ううっ・・・」
苦しそうな純。だが涼子は容赦しなかった。
「負けないって言うなら・・・リングで証明しなくちゃいけないのよ・・・ビデオの販売本数も一緒なの・・・」
その言葉に続いて勢いのよいキチンシンクで純のお腹を抉っていく涼子。
ガッシャーン・・・・
「ウゲエエェェェェェ・・・・・オエェェ・・・くる・・しい・・・」
金網に背中から叩き付けられるようにしてマットに倒れ込む純。
倒れてからお腹を押さえて藻掻き苦しんでいた。
当然、いくら苦しもうともレフリーが試合を止める事はないし、涼子もそのつもりはなかった。
「ほらほら・・・どうなのよ・・・草薙さん?」
更に金網近くに倒れている純のお腹を踵で潰していく涼子。涼子の踵が容赦なく純の内臓を圧迫してダメージを与えていった。
涼子は金網を掴んでバランスを取りながら純を痛めつけていく。
「うううっ・・・つ・・・潰れる・・・・ううっ・・・」
一方的に痛めつけられて、地下リングの怖さを身をもって知っていく事になった純。しかしギブアップの言葉は口から出てこなかった。
「立つのよ・・・アンタの自慢の胸でも見せてあげたら・・・」
更にマットに座らせる体制から純のビキニを剥ぎ取っていく涼子。
無惨にも純の95pのバストが飛び出していった。純は悲惨だったが、観客たちは95pのバストが露わになった事に興奮しているようであった。
「ギブしなさいよ・・・ほらっ!」
トップレスの純の顔面を金網に擦り付けていく涼子。
「ううっ・・・痛いっ・・痛いぃぃぃ・・・・いやああぁぁ・・・・・」
悲鳴をあげる純だが、95pの自慢のバストまで金網に押しつけられて悲鳴をあげていた。
観客席からは純の乳房が金網の間から搾り出されるように見えて、一層残酷感を煽っていた。
金網を掴んで悲鳴をあげる純。だが、涼子が一気に放してから距離を置くと、何と純の後頭部にドロップキックを放ったのだった。
ガッシャーン・・・・
「んがあっ・・・・んぐっ・・・・・」
この残酷なドロップキック攻撃に、純は顔面を思いっきり金網に叩き付けられて脳震盪状態になったのか、気を失ってしまった。
「大したことないわねぇ・・・・だったらご開帳の処刑ねっ・・・」
その失神状態の純に、涼子が近づくと一気にビキニショーツを剥ぎ取って全裸状態にしていった。
そして、まんぐり返し状態で純を開脚処刑にしていくと、無惨にも純の大事な秘部はご開帳状態で観客席から視線を集めていた。
この展開に、純はもうギブアップも出来る状態ではないとレフリーが試合を止めていった。
カンカンカンカン・・・・
『ただ今の試合、レフリーストップで見竹涼子の勝利とします!』
そのコールに、涼子はレフリーに止められて腕をあげられていった。
一方、純は担架に運ばれて医務室に連れて行かれるのであった・・・。
そして控え室では、試合を終えて汗だくの涼子がいた。
「ふん・・・AVの何処が悪いのよ・・・調子に乗ってるアイドルだか何だかなんてみんなまとめてリング上で全裸処刑にしてやるわ・・・・」
純を全裸処刑にした涼子だったが、更にはアイドルたちをリング上で全裸にしていこうと考えていた涼子。
その光景を見た謎の男が呟く。
「ふふふっ・・・今夜は金網オクタゴンの試合・・・そろそろ残酷な期待を満たしてくれる試合も見たい所だなぁ・・・」
その謎の男の言葉に、参謀格の男が返した。
「期待に添えるカードがまだまだ出てきますよ・・・ご安心を・・・」
果たして、次の試合は・・・。



第4試合

「女優として売れたいなら、ただ闘うだげしゃあな・・パフォーマンスも大事だぞ・・・」
黒服に言われて控え室で考え込んでいるのは、あの長谷河京子だった。
白いスポーツビキニ姿であったが、くびれたウエストは色気もあったが、何分胸は小振りだった為にブラジャーに迫力がなかった。
しかし、巨乳ブームの中でも美乳路線とも言えるのか、女優として売り出していた京子には関係ないことだったが、格闘番組も担当していたりと、この地下リングに上がる伏線はいくらでもあったから、遂に金網オクタゴンの試合にまで呼び出されていた。
「また・・・地下プロレス・・・それもオープンフィンガーグローブって事は・・・何でも有り・・・」
白いスポーツビキニ姿の自分自身に驚いている京子だったが、パフォーマンスと聞いて何か考えている様子だった。
「時間だ・・・」
黒服の呼び出しに、京子が金網のオクタゴンに向かって歩いていくが、スポーツビキニの上には黒いTシャツを着込んでいた。
ガチャーン・・・
そして不気味な雰囲気の中、観客たちからの歓声の中をオクタゴンに入っていく京子。
さすがに金網に囲まれて、ロープも無い不気味な八角形の闘技場には緊張している様子だった。
「あ・・相手は・・・タレントって聞いたけど・・・」
京子は今夜の対戦相手を気にしている様子だったが、まだ姿を現さない京子の対戦相手。
すると、ガウンに身を包んだ対戦相手らしい選手がオクタゴンに近づいてきた。
「な・・何よ・・・誰あれ?」
京子もそのオクタゴンに近づく対戦相手に注目すると、突然にフードを外して素顔を露わにしていった。
「えっ・・・」
「そうよ・・・私じゃあ不満な訳?・・・売れっ子女優さんの長谷河さん?」
そう、その声の主はあの桜場敦子だった。
タレントとして、そして女優として、格闘家として色々な方面に活躍の場を求めていたが、どれもこれといった活躍もなく表舞台から消えていく敦子。
今夜はそのイライラする気持ちを京子に当てていこうと考えているようだった。
『それでは・・・第4試合・・・長谷河京子〜っ!・・・・・桜場〜敦子〜っ!』
そのコールに敦子は早くも93pGカップのバストを揺らしながらウォーミングアップをしていた。
逆に、京子は着ていたTシャツをアピールするように脱ぎ出すと、何とTシャツの下にTシャツを着ていて、金網の外に投げてアピールしていった。
早くも京子に対する歓声が沸き上がると、その歓声を面白くないと思っている敦子の表情が険しくなっていった。
身長では3p京子が上回っているが、バストでは敦子が13p、それに体格でも敦子が上回っていた。
その両者にレフリーがボディチェックをするが、レフリーが敦子の耳元で呟いた。
「・・・桜場・・・今夜の試合は長谷河のボディを徹底的に殴りまくって、蹴って反吐を吐かせてやれ・・・簡単に終わらすなよ・・」
そのレフリーの言葉に敦子がニヤリとしていくと、オープンフィンガーグローブを直していた。
そして、レフリーがマウスピースを口に入れさせると、ゴングが要請されていった。
カァーン・・・
ゴングの音と同時に構えた2人がオクタゴン中央で睨み合うと、まずは京子がファーストコンタクトをローキックで決めていった。
バシィィィ・・・
京子の細い足が敦子の足に炸裂すると、オクタゴンの中に衝撃音が響いていた。
だが敦子も構えを崩さずに京子の出方を見ていると、京子が更に素早いジャブで敦子を牽制していった。
これには敦子が上半身を左右に揺らすウィービングとでも言うのかボクシングの動きで避けると、時折ジャブで応戦していった。
だが京子もこれはガードして、またも距離を置いていった。
意外な展開に観客たちも静かに試合の行方を見守っていた。
両者が動くと、敦子は大きな胸が揺れているが、京子の方はスポーツビキニにフィットしていた。
今度は京子が踏み込んでのハイキックを叩き込むが、これも敦子が左腕でガードすると、右手でバスト目掛けてパンチを出していった。
蹴った瞬間にカウンターを合わされ、京子が尻餅をつくように倒れると、敦子は深追いせずにおちょくるように手招きしていた。
「どうしたの・・・そんな遅い蹴りなんて当たらないわよ・・・」
挑発する敦子を見て、京子は警戒しながら起きあがると、胸にパンチを入れられた事に怒っているようだった。
また距離を置いて構えていく敦子と京子。
その距離を先に詰めたのは敦子の方で、素早いジャブで牽制しながらタックルで組み付きにいくが、これには京子が反応してヒザ蹴りを合わせていった。
グニュ・・・
「うぐっ・・・・くっ・・・」
そのヒザ蹴りがカウンターで敦子のバストを抉ると、そのダメージで勢いが減るが敦子が組み付いて金網に京子を押しつけていった。
京子の白い素肌に食い込む金網。その京子は冷静に敦子の出方を探っているようだった。
逆に、金網に京子を押さえつける敦子もバストの痛みを耐えているようで、次の出方を考えているようだった。
しばらくその展開から動きが無くなると、観客席から一斉に歓声があがっていった。
『おらっ・・・格闘技知ってるなら何とかしろよ!・・・桜場っ!』
『そんな売れないタレントに負けるなよ!ハセキョー・・・』
様々な声の中、動き出したのは京子だった。
冷静に敦子が組み付いている上から、細い腕を敦子の首に巻き付けていく京子・・・。
グググッ・・・グッ・・・
「うぐっ・・・」
「うりゃあああぁぁぁぁ・・・・・」
そう、一気に敦子に対してフロントネックロックで締め上げていく京子。
一方、京子の腕が食い込んで苦悶の表情を浮かべる敦子。意外な反撃に驚いている様子だった。
渾身の力で締め上げる京子。だが効き目は完全ではなく、まだ敦子が逃げようとする余裕もあった。
「うっ・・・くっ・・くそっ!」
だが、フロントネックロックを極められている敦子が組み付くと、何と京子を持ち上げて金網に叩き付けていった。
カッシャーン・・・
金網に叩き付けられる京子。その衝撃で技の極め具合が解かれると、今度は敦子が反撃に出た。
バシッ・・バシッ・・
「くっ・・・この生意気なガリガリ女っ!」
金網に京子を押しつけて敦子が得意の打撃で勝負をかけていった。
まずは京子の顔面にフックを叩き込むと、京子はガードしようとするが顔面を殴られて左右に顔を振っていた。
殴られるたびに京子の顔が苦痛に歪む。更には口から涎の飛沫を飛ばしていた。
何とか反撃しようと殴り返すが、インファイトは敦子の方へ分があるようだった。
金網に背を向けては不利と、何とか回り込もうと藻掻く京子。
「ガリガリですって・・・このゴシップ女っ!」
必死に金網際から逃げて距離を置いていく京子だが、顔面へのフックは効いているようだった。
その端正な顔を少し赤く腫らしているようだった。
今度は距離を置いて息を整えようとする京子。だが敦子が一気に距離を詰めて、得意のパンチで圧倒していった。
ガッシャーン・・・
「あうっ・・・ぐふっ・・・」
またも金網に詰まる京子。敦子のパンチの前に苦痛の声を漏らしていた。
しかし意地になって敦子に殴り返していくと、以外に敦子にも効いていた。
だが、殴られて下を向いた敦子の目には、京子のビキニブラジャーとショーツの間に見えるお腹が入ってきた。
(腹筋は弱そうね・・・ふふっ・・・)
ボスッ・・・
「ふぐうっ・・・ううっ・・・」
突然、顔面狙いから強烈な音を立てて決まるボディブローが京子のお腹を抉ると、京子の身体が一瞬ビクンとして金網に押しつけられていった。
「ふふっ・・・苦しそうね・・・いい表情じゃないの・・・いくわよ・・・ほらっ!」
ボシュ・・グシュ・・・
「ふぐっ・・・んぐぐっ・・・ホゲッ・・・あがっ・・・」
敦子は京子のバストに頭部を押しつけると、下を向いたまま京子の脇腹を左右から殴りつけていった。
続けて決まっていく敦子の拳が京子の細いお腹を抉っていくと、確実に京子の内臓へもダメージを与えていった。
「これはどうかしら・・・・長谷河さん?」
敦子が不気味な笑みを浮かべると、勢いをつけてヒザ蹴りを京子のボディへ炸裂させた。
ボシュ・・・
「ウゲッ・・・うううっ・・・うっ・・ううっ・・・・・」
この一撃には、京子は口からマウスピースを吐き出しながら、お腹を押さえて座り込んでしまった。
苦悶の表情で口をパクパクしながら、もう闘えないような表情の京子。普通の格闘技戦だったら確実にレフリーが止めている状態だった。
「ほらほらっ・・・これはお口に入れなきゃダメでしょ・・・長谷河さん?」
片手で京子の髪を掴んでマットに座らすと、片手に京子の吐き出したマウスピースを掴んで口に入れていく敦子。
「むぐっ・・・んぐぐっ・・・んはっ・・・」
無理矢理に口にマウスピースを入れられて、苦しそうに咳き込む京子。
そして、敦子が京子の髪を掴んだまま、マットに顔面を叩き付けていくフェイスクラッシャーで痛めつけると、京子は両手で顔面を押さえて悲鳴をあげていった。
ドシュ・・・
「ぐふうっ・・・・」
更に敦子のヒップドロップが京子の細いウエストを押しつぶしていくと、敦子はキャメルクラッチの体制になっていった。
京子の顎に掛けられた手が少しずつ引かれていくと、京子の身体が反らされていき、更には京子の身体には激痛が走っていった。
敦子のキャメルクラッチに京子が両足をジタバタさせて藻掻くが、敦子が容赦なく上半身を反らせていった。
しかし・・・。
「んぐぐっ・・・なっ・・何するのよ・・・やめてよぉぉぉ・・・」
いきなり京子の大きな声がオクタゴンに響く。そう、敦子が片手で髪を掴んでいくが、空いた手で京子の乳房をビキニの上から揉み出したのだった。
スポーツビキニだから簡単には脱げないが、敦子がニヤリとしながら揉み始めていった。
「ふふふっ・・・さっきはゴシップだ何だって好き放題言ってくれたクセに・・・」
その敦子の言葉に京子も言い返す。
「何よ・・・こんなの反則でしょ・・・やめなさいよ・・・ちょっと!」
必死になって藻掻く京子だが、敦子が更に両手で脇の下からバスト揉みをすると、京子の悲鳴も大きくなっていった。
「あらっ・・・だったらもっといい事してあげなきゃね・・・」
抵抗する京子のビキニの下から、敦子は手を入れていくと、今度は乳首に指を這わせて責めていった。
ビクンッ・・・
今度は直に乳首を触られて身体をビクンと反応させてしまう京子。
「ああっ・・・やめて・・・こんなの反則でしょ・・レ、レフリー・・・」
敦子の責めにレフリーに助けを求める京子。しかし・・・。
『ただ今の桜場選手の責めは、凶器を使用していないので反則にはなりません!』
無情にも京子の耳には、リングアナのアナウンスの声が聞こえていた。
と同時に、観客たちは金網オクタゴンの中で繰り広げられる敦子のエロ責めに興奮していった。
「ほらほらっ・・・乳首が固くなってるんじゃないの?・・・オクタゴンの中で感じてるなんて・・・変態さんね・・・」
ニヤニヤしながら京子の乳首を責めていく敦子。
「か・・感じてなんかいないわ・・・やめなさいよ・・・」
必死で藻掻く京子だが、敦子はそう簡単には逃がさなかった。
全身を汗まみれにして藻掻く京子を見て、敦子はニヤリとすると次の瞬間に、京子を放して一気に仰向け状態にすると、素早く横四方固めの体制にもっていった。
京子のバストには敦子の顔が。そして肩口と股間に回されている敦子の手。
クニュ・・・
「ひいっ・・・・やめてぇぇ・・・やめてよぉぉぉ・・・・」
今度は京子のビキニショーツと太股の間から指を入れて、京子の敏感な部分を責めていく敦子。
更に調子に乗る敦子は余裕と感じてか、京子の唇に自らの唇を重ねていった・・・。
チュ・・・
「んんっ・・・ちょっ・・ちょっと・・・・何するのよ!」
さすがにキスまでされては京子が怒って、ジタバタ身体を動かしていくと、偶然にも敦子の顔面にヘッドバッドのような形で京子の顔が当たってしまった・・・。
バキッ・・・・
「んがっ・・・イタッ・・・イタタタタタッ・・・・」
この偶然な一撃に敦子が堪らず顔面を押さえて京子から離れていくが、京子もスタミナ切れをおこしているのか、フラフラしながら立ち上がっていった。
「な、なんでリングでこんな事されなきゃいけないのよ・・・冗談じゃないわ・・・」
フラつく京子だが、まだファイティングポーズをとるとガードを固めて敦子との距離を測っていった。
「上等じゃないの・・・もうお遊びは終わりね・・・覚悟しなっ!」
一方、顔面への一撃に腹を立てたのか、敦子も構えながら京子との距離を縮めていった。
バシッ・・・
まずは敦子のジャブが京子へ放たれるが、同時に京子のローキックが敦子の足を捉えていった。
これには敦子も痛そうな表情を浮かべていった。逆に、敦子のジャブは擦る程度だったのか、京子は続けてお返しのジャブからフックで返していった。
だが、敦子がガードしてアッパーを狙うが、京子が十字受けでガードすると、ヒザで敦子に攻め立てた。
グシュ・・・
「ぐふっ・・・くっ・・・」
京子のヒザ蹴りに一瞬動きの止まる敦子。だが意地になって殴り返すと、京子の頬にフックが力強く炸裂していった。
バシィィィ・・・・
更に、敦子のボディフックまで飛び出すと、京子の顔が苦悶に歪んでいった。
「ふふふっ・・・効いているわね・・・」
敦子がニヤリとしていくと、京子の身体に頭を押しつけて左右のボディへのパンチで攻め立てた。
ボシュ・・ボシュ・・・
京子の細いウエストを破壊するかのような敦子のパンチ攻撃。しかし京子も苦悶の表情を浮かべながらも、倒れまいと必死になって敦子の背中へ肘を落としていった。
ドシュ・・・バキッ・・・
意外な京子の肘打ちに敦子も苦しむが、そのまま殴りつけるのを止めて組み付いて、京子の身体を持ち上げていった。
そして次の瞬間、京子を背中から金網に叩き付けて投げていくと、倒れ込む京子の顔面にストンピングを狙っていった。
逃げるのに必死な京子は、次第に動きの鈍っていった。
「覚悟しなさいね・・・壊してあげるわ・・・」
倒れている京子に、一言呟くと敦子がマウントポジションを奪って一気に勝負に出ていった。
バキッ・・ボシュ・・
「んぐっ・・・ぶぐっ・・・あがっ・・・」
次々と顔面へ決まっていく敦子のパンチに、京子は藻掻いていくが、次第に顔が赤く腫れていった。
鼻血を流し始めるが、京子の下半身が少しずつ動いていた・・・。
「ほらほらっ・・・女優は廃業かしら・・・顔が潰れちゃうかもね・・・ほらっ!」
だが敦子の顔面パンチは容赦ないもので、苦しむ京子の顔は無惨にも血に染まっていった。
だが・・・
「ほらっ・・・これでも・・・・なっ・・何よ!」
そう、敦子が余裕で殴りつけていくと、その一瞬を突いて京子の長い脚が敦子の腕に絡みついていった・・・。
グイッ・・・
「よくも・・・よくも顔を殴ってくれたわね・・・・」
そう、下から京子が逆転の腕拉ぎを狙っていたのだった。
腕を極められて焦り出す敦子。しかし京子が完全に極めていた。
腕拉ぎ逆十字固めによって今度は敦子の腕から悲鳴があがった。そう、関節が逆になるような感じで、敦子へ激痛を与えていた。
しかし敦子もギブアップのない試合とは言え、ギブアップとも何も言わずに耐えていくが、京子も顔を殴られていたので容赦なく極めていた。
何とか立ち上がろうとしていた敦子だったが、京子の足に倒されて、遂に完全に決まってしまった。
グググッ・・・
「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
これには敦子が両足をジタバタして、更に大きな悲鳴をあげて苦しんでいた。
「ギブ・・・ギブアップすれば許してあげるわよ・・・・どう・・・関節は壊したくないから・・・どうなの?」
敦子の腕を極めていく京子が問いかける。しかし京子の問いに敦子は返事をしなかった。
その敦子の態度に、京子は容赦なく腰を浮かせていくと、敦子の肘関節が変な方向に曲がろうとしていた・・・。
「ぎゃああああああぁぁぁ・・・・・負けるかぁぁぁ・・・畜生ぅぅぅぅぅ・・・・・・・」
決してギブアップとも、泣き叫ぶ訳でもない敦子。
そのオクタゴンの中の様子に、レフリーもドクターも敦子の腕が壊れてはと目で合図をしていった・・・。
カンカンカンカン・・・・
突然にオクタゴンに鳴り響くゴングの音。そう、敦子の肘が破壊されては表の世界でも不都合がと考えて、ドクターとレフリーが止めていった。
このゴングに驚く京子だが敦子を放していった。すると、敦子は腕を押さえて倒れ込んでいた。
素早く応急処置が施されると、敦子は担架に乗せられていった。
一方、京子は鼻から血を流してはいたが、立ち上がるとレフリーに腕を高々と上げられていた。
『ただ今の試合、ドクターストップで長谷河京子の勝利とします!』
そのコールにキョトンとする京子。
だが、その京子の耳に敦子の言葉が入ってきた。
「こ・・これで勝ったと思うなよ・・・次はデスマッチで勝負だ、長谷河っ!・・・オマエのボディを攻めて血反吐を吐かさせてやる!」
まるで負け惜しみにも見える敦子の言葉。その言葉を聞いて、京子は黙ったままオクタゴンから出ていくのであった。
意外な逆転で勝利した京子。オクタゴンから出て花道を引きあげる京子に、観客席からは拍手が沸き起こるのであった。



第5試合

そして次の試合になろうとしていたが、控え室では以外なタレントが準備していた。
「何がキモイだ・・・あの整形チビっ!格闘技は身体と頭が必要って事を教え込んであげるわ・・・今夜・・・」
そう、足を組んで椅子に座って呟くのは、あの菊河怜だった。
その怜が今夜格闘技戦ルールで対戦するのは、ボクシングスタイルを得意としている河村ひかるであった。
ひかるも別の控え室で水着に着替えていたが、150pの身長に83pのEカップのバストがビキニブラジャーを膨らませていた。
「ふん・・・あの私の言った事の何処がいけないのよ・・・いいわ、あの東大だか灯台出身だの言っているあのバカをボコボコにしてあげるわ・・・」
ひかるも既にやる気十分のようで、怜とのオクタゴンでの過酷な試合を今や遅しと待っている様子だった。
その2人の元に黒服が試合の時間を告げに来ると、2人は不気味な雰囲気の金網オクタゴンに向かって歩き出していった。
166pにバスト80pとひかるに比べるとスレンダーな怜。その怜が白いスポーツビキニに身を包んで、手にはオープンフィンガーグローブを着けて歩いてくると、それだけで歓声が沸きおこっていった。
まずは金網の入り口が開けられると、怜がオクタゴンの中に入って身体を動かしていった。
そして、ひかるが登場すると、小柄な身体ながら83pのバストで、ましてボクシングを得意とするだけあって、花道でシャドーボクシングのようにパンチを繰り出しながら金網オクタゴンに入っていくひかる。
既に臨戦態勢の怜とひかる。
レフリーが2人のボディチェックをしていくと、ひかるが怜に問いかけた。
「ねぇ・・・どうせなら・・・ギブアップルールにしない?」
そのひかるの問いかけに、怜も答える。
「何でもいいわよ・・・どうせ貴方が負けるんだから・・・」
その怜の挑発とも言える言葉に、顔をムッとしながらひかるも言い返す。
「そう、だったら敗者全裸吊り上げ拷問デスマッチ方式は?」
「何よ・・全裸吊り上げって?」
怜も観客も初めて聞くルールだったが、ひかるが続けた。
「ギブアップしたら・・・アンタを全裸にして・・・両腕にロープをつけて吊り上げて・・・ボクシングのサンドバックになってもらうのよ・・・」
そのひかるの言葉に、実は練習してきて自信のある怜は答えた。
「いいわよ・・・敗者全裸吊り上げ拷問デスマッチルール・・・面白そう・・・」
その怜の自信ある言葉に、格闘技戦だとひかるも自信をもって自らの勝利を信じていた。
2人のやり取りから、レフリーが謎の男にルールの変更を言い出すと、謎の男は頷いてルール変更を了解していった。
そして、2人が金網近くに離れていくと、リングアナのコールが始まっていった。
『第5試合・・・本人たちの申し出により敗者全裸吊り上げ拷問デスマッチルール・・・格闘技戦・・・菊河〜怜〜っ!・・・河村〜ひかる〜っ!』
そのコールに早くも睨み合う2人。しかし普通に考えたら、身長差では16p上の怜が有利と考えられるが、格闘技経験と言うか、ボクシングを得意とするひかるとの格闘技戦だと、怜に勝ち目は薄いのではと考えられていたが、怜の目には自信があるようだった。
その試合展開の見えないようなマッチメーク。しかし、ゴングがオクタゴンの中に鳴り響いていった。
カァーン・・・・
そのゴングの音と共にひかるがボクシングスタイルのように構えて、怜に距離を詰めていった。
逆に、怜は金網を背にしていたが、まるで回り込むように歩き出すと、両手を前に出したガードの様な格好でひかるとの間合いを計っていた。
シュ・・・
早くもひかるの素早いジャブが怜の手に当たると音を立てていた。
そしてひかるの素早いパンチの前に、以外にも冷静な怜。
上手く金網オクタゴンの中を回り込んでいく怜。ひかるも怜の自信ある態度に警戒してか、ジャブを出していくだけであった。
顔面を狙ってのジャブだが、ひかるはガラ空きの怜のボディに注目すると、顔へジャブを繰り出しながらもボディを狙っていた。
「ふんっ・・・ボディがガラ空きよっ・・・喰らえっ!」
ひかるが勢い良く踏み込むと、その狙っていた怜のボディへパンチを繰り出していった・・・。
「甘い・・・こんな単純な誘いに乗るなんて・・・!」
そう、怜はガードで逃げ回っていたが、ボディをアピールして狙わせていたのだった。
そのエサにひかるが引っかかってボディへ踏み込んでパンチを放ってきたので、怜は待ってましたと首相撲から顔面へヒザ蹴りを入れていった。
バキィィィ・・・・
怜のカウンターのヒザ蹴りがひかるの顔面、頬を抉っていくと、ひかるの口の中にはマウスピースがあったが切れたようで、鉄の味が広がっていった。一瞬ガクガクとするひかるだが、ガードを固めて距離を置いていった。
そのひかるの姿にニヤリと挑発する怜。
「ボクシングが得意なんでしょう?・・・まぁ、背の高さが致命的ねっ・・・河村さん・・・」
まるで挑発するように怜が呟く。
その言葉に腹を立てるひかるだが、怜の以外なカウンターのヒザ蹴りの威力に驚いていた。
自信を持って踏み込んだパンチも逆にやられ、背の高さの差も気になる所。
このカウンターのヒザ蹴りは身体へのダメージ以外にも、ひかるを精神的にも追い込んでいた。
「くっ・・・」
今度はカウンターを警戒してジャブは出しても、有効打になるようなパンチを出せないひかる。
逆に、間合いを取っていた怜が動き出していった。
グシュ・・・
「ぐふうっ・・・」
「おりゃああぁぁぁ・・・・なんてね・・・」
そう、ひかるのお腹を今度は怜の前蹴りが抉っていった。
この一撃にひかるが苦悶の表情を浮かべると、怜が続けてハイキックを顔面に炸裂させると、ひかるを豪快にダウンさせていった。
ダウンしていくひかるだが、続けて攻められる事に反応して、顔面だけはガードしていった。
「甘いのよ・・・顔を隠したってココはガラ空きなんだよ!」
その怜の叫び声が響くと、ひかるのお腹へ爪先蹴りが決まっていった・・・。
バシュ・・・
「グブッ・・・ぐぐぐっ・・・うううっ・・・」
この一撃にひかるは涙ぐみながらお腹を押さえて丸まりながら苦しんでいた。
「どう・・・生意気な事を言うからいけないのよ・・・」
怜が一言呟くと、そのひかるの顔を踏み付けていった。
しかし、この踏み付けにはひかるも頭に来たのか、意地になって怜の足に組み付くと、上手く倒していった。
その倒した怜の足を掴んで、ひかるが反撃とばかりにアキレス腱固めを極めていくと、怜に言い放った。
グッ・・・
「わ、私がパンチだけと思ったら大間違いよ!」
そのひかるの言葉にニヤリとする怜。しかしアキレス腱固めが極まっているので相当痛いはずのはずだった・・・。
だが・・・。
「だから頭が悪いって言うの・・・・これでも喰らいなさい!」
そう、身長差を利用して怜がヒールキックをひかるに叩き込んでいった。
バキッ・・・バシッ・・・
これには苦悶の表情を浮かべるひかる。身長差を計算してひかるにこの技を出させたのか、焦ったひかるのミスだったのか?
ひかるも必死に極めていくが、白い腕には怜のヒールキックで赤く痣のように所々浮かび上がっていた。
ボクシングテクを駆使したいひかるとしては、これ以上の腕へのダメージは避けたいところで、仕方なく極めた技を解くと、転がるように距離を取っていった。
素早く立ち上がるひかる。怜も立ち上がると構えていった。
額から汗を流している怜。だが、ひかるはそれ以上に汗を大量に流していて、肩で息をしているようでスタミナを相当消耗している様子だった。
そのひかるのスタミナ切れを見て怜が動いた。
バシッ・・・バシッ・・・
踏み込んでひかるのヒザ関節を狙ってのローキック。まさに戦略を作り上げているかのような怜のIQ戦略。
これにはひかるが苦しそうな表情を浮かべるが、フックなどのパンチ攻撃で返していく。
しかしスタミナ切れと、ダメージから威力がいつもの半分くらいなのか、怜に当たっても怜は怯むことなく蹴り続けていた。
以外な展開だが、今回の試合でひかるがスタミナ切れをおこしているのは、怜が相手と聞いて余裕と考えてランニングなどの走り込みなどを怠っていたのが原因だった。
そのうち、ひかるのヒザが悲鳴をあげたのか、ガクガクとヒザを折り曲げて倒れ込むひかる。
バシィィィィィ・・・・
「サッカーブームも終わったけどね、私だってCM出てたのよぉぉぉ・・・・ほらぁぁぁ・・・・!」
すると、倒れたひかるの脇腹に思いっきり蹴りを叩き込む怜。
その次の瞬間、完全に力を抜いていたひかるのお腹に怜の足がのめり込み、そしてひかるの口からは胃液が溢れ出していった。
「ごぶべっ・・・ごぺっ・・・・・」
苦しそうにお腹を押さえて丸まりながら胃液を吐きだしていくひかる。
もう試合が続行出来る状態ではないのは目に見えているが、観客たちはオクタゴンでの大会とあって残酷なシーンを期待している者が多く、このひかるのリンチとも言える試合展開は盛り上がりを見せていた。
「ほらほらっ・・・もっと苦しませてあげるわ!」
苦しみ藻掻くひかるが、仰向けのようになった瞬間を狙ってか、怜が飛び上がってのフットスタンプをひかるのお腹に叩き込むと、またもひかるは地獄の苦しみに泣き喘いでいた。
「ギブするの?・・・アンタが気持ち悪いとか言うから悪いんだよ・・・・それに、ワンパターンな攻めじゃあ解るって言うの・・・」
その怜の言葉にひかるは黙り込んだまま、苦悶の表情を浮かべていた。
そのひかるに絡みつくようにチョークスリーパーを狙う怜。
必死に逃げようとするひかるだが、もう逃げる力も残されていないのか、無惨にも怜の細い腕がひかるの喉元に食い込んでいった・・・。
グググッ・・・・
ギブアップこそしないが、ひかるの負けは明らかだった。だがレフリーも試合を止めず、観客たちは怜に残酷な期待をして歓声をあげていた。
『落とせ、落とせ、落とせ、落とせ、落とせ・・・』
『河村を全裸処刑にしてやれぇぇ・・・・いいぞぉぉぉ、菊河っ!』
その時、レフリーがひかるの異変に気が付いた。そう、ひかるが失神してしまったのだった。
カンカンカンカン・・・
レフリーが合図をすると、そこでゴングが乱打されていった。
『勝者、菊河〜怜っ!』
その勝利者コールを聞いて興奮している怜がひかるの喉から腕を離すと、ゆっくりと立ち上がって笑みを浮かべた。
「ふん・・・気持ち悪いのは整形疑惑のその身体じゃないのかしら?・・・今から身体検査ねっ・・・」
怜が呟くと、ひかるの腕には手錠のようなものが装着されて、更には黒服たちがスポーツビキニを脱がせていった。
少しずつ持ち上げられていくひかるの身体。そうしているうちにひかるは意識を取り戻していった。
「ううっ・・・ううっ・・・・ま・・負けたのね・・・ううっ・・・・」
全裸状態で吊し上げられていくひかるは、自らの状態を理解して涙していった。
まるで全裸状態でサンドバックのような体制のひかる。
更に残酷なのは、ひかるの爪先が着くか着かないかのような高さに吊り上げて、ひかるに腹筋に力を入れさせないように工夫がされていった。
『これより、敗者の河村ひかる選手に罰ゲームが行われます!』
ひかるは残酷な死刑宣告とも言えるアナウンスに怯え出す。
「覚悟しなさいよ・・・」
怜がひかるに言い放つと、黒服から拷問時間は10分以内にしてくれと言われていた。
「10分あれば十分よ・・・ふふふっ・・・」
その怜の姿に、必死に足をマットに着けて力を入れようとするひかる。
「この胸・・・いくら掛けたのかしら・・・河村さん?」
これから何をされるのか・・・更には全裸状態の恥ずかしさから顔を赤らめたひかるに問いかける怜。
その怜の手がひかるの83pEカップの乳房を揉み出していた。
「シリコンかしら?・・・まぁ、最近はシリコンじゃないわよねぇ・・・・河村さ・・・ん!」
ブニュ・・・
「ふぐうっ・・・」
その瞬間、怜の拳がひかるの乳房を抉り込むと、ひかるは激痛を感じて悲鳴をあげた。
「ふふふっ・・・気持ちいいわよ・・・この作り物のオッパイ!」
怜が意地悪く言い放つと、更にひかるの両胸を殴りつけていった。
グニュ・・グニュ・・・
「いやあっ・・・痛いっ・・・ひぃ・・・んああぁぁぁぁぁ・・・・いやああぁぁぁぁぁ・・・・」
もうサンドバック状態で泣き叫んでいくひかる。自慢の乳房を責められているのだから仕方ない事ではあったが、怜の残酷な攻めに観客たちは歓声をあげるのと同時に、驚きでもあるようだった。
殴られるたびに無惨にも上下左右構わずひしゃげていくひかるの乳房。
白い乳房が赤く内出血をおこしたような状態になると、怜はいったん距離を置いていった。
すると、勢いをつけてひかるのお腹へサイドキックを思いっきり叩き込んでいった。
グシュ・・・
「ブベエェェェェェェ・・・・・・オエッ・・・」
その怜のサイドキックが決まると、ひかるは口からまたも胃液を吐き散らしていった。
「汚いわねぇ・・・ま、私の蹴りだって映画の撮影で練習しただけあって威力あるみたいね・・・」
口から胃液を垂れ流すひかるの様子に、怜は満足そうにニヤニヤとしていた。
だが、その怜の耳に信じられない一言が入ってきた。
「うっ・・・こ・・こんな蹴り・・・た、大した・・・事・・・ないわ・・・・」
何とひかるが挑発するような一言を発すると、怜の顔つきが変わっていった。
「ちょっと・・・殺されたいの?」
「そ・・・そんな・・・蹴りで・・・し・・死なないわ・・・」
ボロボロの状態になりながらも意地になるひかるだが、怜が突然に黒服に言い出した。
「残りの時間はもういいわ・・・ただし、ちょっと最後に一発決めるから、手伝ってよ・・・」
すると、黒服2人が怜に言われるようにひかるの両足を広げて開脚状態にしていった。
「な・・・何するのよ・・・やめてよ・・・ねぇ・・・」
黒服2人に開脚状態にされて、ひかるはご開帳状態で観客たちに大事な部分まで覗かれていた。
「そうよ・・・私のサンドバックになるんだから・・・仕上げは・・・」
怜が距離を置いてひかるに言い放つと、一気に踏み込んで前蹴りのようにして、ひかるの股間を蹴り上げた。
バキィィィィィ・・・・・
「ふぎいいぃぃぃぃぃ・・・・・・・・」
そう、怜の蹴り足がひかるの秘部を叩き潰すかのように蹴り上げると、その衝撃がひかるの恥骨から脳天に突き抜けていった。
と同時にひかるは悲鳴と共に白目を剥いて失神してしまった。
ジョワ〜っ・・・・
更に、ひかるの股間から黄色い異臭を放つ液体が太股を伝って流れ落ちていくと、黒服たちはひかるを吊し上げから解放していった。
そして担架に乗せられて運ばれていくが、怜はそのひかるにガッツポーズをして勝ち誇っていくのであった。
まさに怜のワンサイドとも言える試合。まさにIQ格闘技に目覚めた瞬間か、それともひかるの闘志を燃えさせる結果になるプロローグなのか?
それは今の時点では解らなかった・・・。




第6試合

「最近暴れまくりやがって・・・・ましてヘビー級チャンピオンだ・・・」
謎の男が試合結果のファイルに目を通しながら呟くのは、最近の大池栄子の地下リングでの活躍についてだった。
壕プロとの抗争劇、ヘビー級ベルトの奪取、それとリング上でのやりたい放題の行動に何か手を打とうと考えていた。
そんな時、今回の金網オクタゴンでの何でも有りの試合があると聞き、栄子を金網の中で処刑してやろうと考えてマッチメークが考えられていったのだった・・・。
そうとも知らず、栄子は試合の準備をしていた。
「今夜は金網の中でバーリトゥード・・・面白いわね、誰が相手でも文句はないわね・・・あんまり弱い娘が相手だとつまらないけどね・・・」
早くも白いスポーツビキニに着替えた栄子は、鏡の前でブラに収めた91pの大きなバストの具合を見ていた。
さすがは格闘番組に出ているだけあって、肘と膝には白いサポーターをしていたが、手に着けるオープンフィンガーグローブの違和感には戸惑っているようであった。
「これって・・・口に入れると気持ち悪くなるのよね、私っ・・・・」
更には、マウスピースを口に入れたりするが、自分の口にフィットしないのか、お湯で温めて自分で型を取る種類のマウスピースなどを試して準備していた。
だが、その栄子を地獄に落とすべく呼ばれていたのは、数々の小柄系アイドルを地獄に突き落としていった北王光司だった。
「久しぶりに活きのいいヤツが相手か・・・ふふふっ・・・グラビア系を痛めつけるのは堪らないぜぇぇ・・・ぐふふっ・・・」
控え室で白いスパッツに履き替えて時間を待つ北王。シッカリと股間にはファウルカップを入れていた。
第5試合の菊河怜と河村ひかるの試合が終わり、ひかるの拷問ショーが始まると栄子は時間だと告げられて、控え室を出ていった。
そして会場に栄子が歩いていくと、全裸状態で失神して担架で運ばれていくひかるの姿が目に入っていった。
「凄い・・・けっこうやるのねぇ・・・地下プロレスの何でも有りって・・・」
ひかるの姿に、今夜が自分が誰かアイドルをああしてやると思いながら金網オクタゴンに入っていく栄子。
白いスポーツビキニ姿の栄子に歓声がおきるが、まだ栄子は今夜自分の身に降りかかる悲劇を予想することすら出来なかった。
金網の張り具合を見たり、マットの固さを見て凶器の代わりに出来ないかなど考える栄子。
だが、栄子が気が付かないうちに北王が姿を現していった・・・。
「へへへっ・・・今夜は覚悟しろよ・・・」
その北王の言葉に、同じ金網オクタゴンに居る北王を見て驚く栄子。
「えっ・・・ちょっと・・・特別レフリーって訳?」
まだ今夜対戦相手が北王だと言う事を理解していない栄子。
「違うんだよ・・・オマエを叩き潰すために今夜は来たんだ・・・大池っ!」
「・・・・・・・」
北王の言葉に、栄子は今夜自分はとんでもない相手と試合をさせられると理解したのか、いつもの強気な表情が引いているようであった。
(まぁ・・・いいわ・・・適当に試合が始まったら技を掛けられてギブアップすれば・・・)
だが、さすがは栄子で試合が始まったらギブアップして逃げればいいと考え出すが、リングアナからのアナウンスに耳を疑った。
『それでは、第6試合を行います!・・・大池栄子っ!・・北王光司っ!・・・完全決着ルールでオクタゴン内で好き放題してもらい、勝負が一方的かつ危険な状態になるまで試合は続けられます!』
そのアナウンスに栄子の表情が変わっていった。
「ちょ・・ちょっと・・・そんなルール聞いてないわよ・・・だったら私・・・帰るわ・・・」
恐怖のルールに栄子が怯えだして、金網オクタゴンの入り口から逃げようと手を掛けた瞬間・・・。
ガチャ・・・
そう、黒服によって南京錠が掛けられて、これで逃げることは出来なくなってしまった。
「何よ・・・だったら・・・」
次に栄子は金網オクタゴンの上からならば逃げられると考えて、北王の動きに注意しながら距離を測っていた。
「ふふふっ・・・逃げられないぜぇ・・・今夜はなぁ・・・オマエが生け贄になるんだよ・・・・」
そう言いながら指を鳴らして距離を詰めていく北王。
だが、次の瞬間に栄子が走り出した・・・。
カァーン!
ゴングも同時に鳴らされると、栄子が必死になって金網を掴むと、金網から逃げ出そうと登りだしていった。
『大池っ、逃げてるんじゃね〜よ!』
『オマエもたまにはボロボロにされてみろ!・・・自業自得なんだよ、乳でか女っ!』
逃げようとする栄子に観客席からブーイングと罵声が浴びせられるが、栄子はそんな言葉も関係なく逃げる事に必死だった。
だが・・・。
グイッ・・・
「ああっ・・・いやっ、放してよ・・・やめてぇぇ・・・・」
以外と可愛らしい表情で必死に逃げようとする栄子だが、北王が足首を掴むと引いていった。
金網最上段に手が掛かっている栄子も必死だが、北王の怪力の前には次第に金網を握りしめる手が痺れだしているようだった。
「おらっ!」
その栄子を一気に引っ張ってオクタゴンの中に叩き落としていく北王。
ドカッ・・・・
「いやああぁぁ・・・・・ちっ・・・」
無理矢理にオクタゴンの中に落とされて、栄子は転落して衝撃でダメージを受けているようだっだが、北王は容赦なく髪を鷲掴みにしていった。
普通のアイドルだったら泣き出しているかも知れない状況だが、何と栄子は強気にも北王にパンチを出していった。
バシッ・・バシッ・・・
無言で殴りつけていく栄子。そのパンチが北王のボディに炸裂するが、ダメージどころか逆に栄子の拳を痛める結果になっていった。
「蚊でも刺してるのかなぁ・・・・へへへっ・・・大きな胸をした蚊だぜっ!」
余裕の表情の北王。その手に握られた栄子の髪を引っ張ったりしていくと、栄子は激痛に悲鳴をあげた。
「やめてよ・・・髪を攻めるなんて・・・痛いっ・・痛いじゃないの・・・・・・」
だが、苦しむ栄子の表情を楽しむかのように金網に顔面を叩き付けていった。
ガッシャーン・・・
オクタゴンに鳴り響く栄子が叩き付けられる激しい音。
「ぎゃああああぁぁぁぁぁ・・・・・」
と同時に栄子が激しい悲鳴が響き渡ると、北王が何度も栄子の顔面を金網に叩き付けていった。
必死に金網を掴んで叩き付けられる衝撃から逃れようとする栄子。だが抵抗しても北王の怪力には無力であった。
その栄子が今度は金網に背中から押しつけられる形になると、北王がパンチを叩き込む体制になっていった。
その北王の動きに栄子がガードの構えをするが、北王のオープンフィンガーグローブに包まれた拳が栄子のバストに襲いかかった。
グニュウゥゥゥ・・・・・・グニュ・・・
「ああんっ・・・・うううっ・・・痛いっ・・・ひ・・酷いわ・・・」
自慢の91pのバストを殴りつけられ、その激痛と衝撃にフラつく栄子。その追いつめられていく栄子の姿に観客たちが興奮している様子でもあった。
グシュ・・・
「ウゲッ・・・・」
更には、胸に意識を集中していた栄子の無防備なお腹へパンチが叩き込まれると、栄子は堪らず口から涎の飛沫を飛ばしていった。
ヒザをガクガクとさせて倒れ込みそうになるが、それは北王が押さえて倒れないようにしていくと、続けてお腹へパンチが決まっていった。
バシッ・・・ボシュ・・・グシュ・・・
「うぐっ・・・グホッ・・・がはっ・・・・」
殴られるたびに、悲痛な声を漏らしていく栄子。いつもの強気な姿勢は何処へもなく、もう涙目で耐えるのが精一杯のように見えていた。
殴られていく栄子の背中が金網に食い込んでいく。
その光景に金網近くの観客はもう興奮して大騒ぎだった。いつもはヒール的な活躍をしている栄子のドミネーションマッチとも言える展開。たしかに北王の前ではただの獲物でしかなかった・・・。
しかし、北王の前に非力な栄子だが、お腹をグリグリと押しつぶされながらも、いきなり北王の股間を狙ってヒザ蹴りを出していった。
バキッ・・・
「んぐっ・・・・」
その瞬間、オクタゴンの中に変な音が響くと、それは栄子のヒザと北王の股間に入れられていたファウルカップの当たる音だった。だが、以外にも苦痛の声を漏らしたのは栄子の方で、北王も直接急所を潰されなくとも、その圧力に苦悶の表情を浮かべて栄子を放していった・・・。
「な、何よ・・・何か入ってるわよ・・・・」
ヒザを気にしながら距離を置いていく栄子。反則をアピールして試合を止めてもらおうと考えているみたいだった。
一方、北王は距離を置いて股間のファウルカップの位置を直してから構えていくと、栄子が観客席に向かってアピールしていった。
「ちょっとぉぉぉ・・・これって反則でしょ?・・・こんな試合認められないわ!」
全身を使ってアピールしていく懸命な栄子。だが観客席からは以外な反応が返ってきた。
『ゴチャゴチャ言わずに痛めつけられればいいんだよ!・・・巨乳女っ!』
『いいからオマエは自慢のオッパイを殴られて泣けばいいんだよ!』
まさに、唯一の救いの手かと考えていた栄子の作戦も、観客席の反応からレフリーも誰も試合を止めようとする者など居ない現実となっていった。
「覚悟しろよ・・・生意気な事をしやがって・・・・」
北王が栄子に向かって呟く・・・。
「何よ・・・」
北王の言葉に怯えるように金網近くに下がる栄子。
ガシャ・・・
その栄子の背中に金網が無情にも当たると、その瞬間に逃げられないと栄子に絶望感が襲いかかってきた。
そして、北王の巨体が栄子に無言の圧力をかけて金網に追い込むと、栄子も必死に構えていた。
「な・・・何よ・・・やめてよ・・・・来ないで・・・・」
涙目で怯えた表情の栄子。もういつもの狩る方から狩られる方へなっていく絶望感が大きくなっていた。
しかし、その栄子の顎を思いっきり掴んでいく北王。
「覚悟しろ・・・・おらっ!」
グシュ・・・
「ぐぶっ・・・」
栄子のお腹に強烈なボディブローが炸裂すると、更に栄子の内臓を抉るようにグリグリと拳を押しつけていった。
まるで下から押し上げるようにして栄子を責めていくと、栄子の口から涎のようなものが垂れていった。
口をパクパクする栄子。だが北王の拳がお腹から離れると、栄子が油断した・・・とその瞬間・・・。
バシュ・・・
「グボベェェェ・・・・・・オエッ・・・・」
離れた拳に油断した栄子のお腹へ、離した拳を思いっきり叩き込んでいく北王。
その腹パンチに栄子は涎ではなく口から反吐のような物を吐き出していった。
「汚い女だぜ・・・吐き出しやがって・・・」
北王はそんな栄子を放すと、栄子は金網に背中をつけながら倒れ込んでいった。その金網近くに倒れている栄子は、お腹へのダメージが大きいのかお腹を押さえたままうずくまっていた。
グイッ・・・
しかし北王の攻めは止まらず、栄子の髪を掴んでマットに座らせる格好にすると、ビキニブラジャーを掴んでいった。
「いやっ・・・やめてよ・・・脱がしなんて聞いてないわ・・・・」
この北王の行為に怯え出す栄子だか、観客席からはまたも北王を後押しする言葉が連発されていった。
『いいぞぉぉ・・・汚い胸をだしてやれ!』
『顔も胸も潰せぇぇぇ・・・・やっちゃえぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・・』
その観客席からの言葉も手伝って、北王は一気に栄子のビキニを剥ぎ取っていくと、91pのバストが露わになっていった。
普通のビキニではないから脱がしづらいスポーツビキニだが、北王の怪力の前には関係ないようで、栄子はビキニショーツ一枚と肘と膝のサポーターだけの姿になっていた。
その栄子を、自慢の胸を責めようと北王が腕と髪を掴んでいくと、立たせた状態から金網に胸を押しつけていった。
グニュ・・・グニュウゥゥゥ・・・・・・
「いやあああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・痛いぃぃぃ・・・・やめてぇぇぇぇ・・・・」
さすがに自慢の胸を金網に押しつけられて、激痛に泣き叫ぶ栄子。観客席からは金網から搾り出されるような栄子の胸に歓声があがっていた。
更に、そのまま胸を金網に押しつけたまま横に引きずっていく北王。
「うぎゃああああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・やめてぇぇぇぇ・・・・・」
逃げたくとも栄子の力では北王から逃げることなど出来ず、ただ痛めつけられていくだけであった。
次第に栄子の金網に擦られていく胸が変色していった。紫色のようになって痣が出来ていくと、観客達も絶叫して叫んでいった。
もう興奮状態の観客席。それに歓声に酔っているのか北王もやる気だった。
今度は胸ではなく、金網の支柱になっている部分に栄子の額を叩き付けていく北王。
バキィィィィ・・・・・
「うぎゃああああぁぁぁ・・・・・・」
またもオクタゴンの中に響き渡る栄子の絶叫する悲鳴。
何度も叩き付けられていくと、栄子の額が割れて流血し始めていくと、金網に顔面を押しつけて残酷感を煽っていった。
久しぶりに額から流れ落ちる栄子の血。それに珍しい栄子の泣き叫ぶ場面に観客もオクタゴンに集中していくと、北王が押しつけていた栄子の顔面を金網から離すと、一気に叩きつけていった。
ガッシャーン・・・・ガッシャーン・・・・
「ぎゃあああぁぁぁぁぁ・・・・・・いやああああぁぁぁぁ・・・・・・」
泣き叫ぶ栄子。その額から流れ落ちる血が金網に叩き付けられた衝撃で、観客席にも飛び散っていった。
金網を掴んで泣き叫ぶ栄子だが、北王はそんな事は構わずにマットの上に倒していった。
「ううっ・・・も・・・もう・・・やめて・・・お願い・・・・・」
栄子が額の傷口を気にしながら北王に哀願するが、北王は黙ったまま近づくと、飛び上がるようにお腹へストンピングを叩き込んでいった。
グシュ・・・グシュ・・・
「グボッ・・・・ぐええぇぇぇぇぇぇ・・・・・ブボッ・・・・・」
肉感のある栄子のお腹が蹴られる度にひしゃげていく。更に口からは血反吐のような物が吐き出されると、次第に栄子の反応が悪くなっていった。
ピクピクしていく栄子に、遂に北王がトドメを刺そうとしているのか、栄子の両足首を掴むと逆さ吊りにしていった。
「うううっ・・・・ううっ・・・・」
呻き声みたいな声を発している栄子。栄子の額から流れ落ちる血などがマットを赤く染めていく。
「ふふふっ・・・・」
北王がニヤリとすると、まずは栄子をマットに落としていった。
無惨に血塗れ状態で倒れ込まされる栄子。ここまでの展開でも、失神しなかった栄子も凄いが、今回の責めも残酷感は凄かった。
「ここまで失神しなかったのは褒めてやるぜ・・・・ただし、次の技は耐えられないだろうがなっ・・・」
その北王の言葉に怯える栄子。
「やめてよ・・・もう・・・やめて・・・ああっ・・・」
そう、無理矢理にアルゼンチンバックブリーカーを栄子に仕掛けると、栄子は無惨にも両手両足を揺さぶられながら激痛な悲鳴をあげていった。
「おらおらっ・・・背骨が折れて人生終わりにするかぁぁ・・・・おらっ!」
北王が更に揺さぶると、北王の大きな手に顎を掴まれて悲鳴も上げられずに苦しみ藻掻いていた。
更に顎と足を弓なりにされていくと、栄子は強烈な痛みに意識を失いかけていた。
「そろそろトドメにしてやるぜ・・・アイドル背骨骨折っていう見出しが出るかもなっ・・・」
その北王の揺さぶりに栄子は遂に失神してしまうが、同時に白いビキニショーツからは黄色い異臭を放つ液体が溢れ出していた。
カンカンカンカン・・・・
栄子の失禁シーンにゴングが打ち鳴らされると、北王は栄子をマットに落としていった。
完全に失神状態にされてしまった栄子。北王はその栄子のバストを踏み付けてアピールすると、観客席の間から歓声に包まれて退場していった。
一方、栄子は担架で運ばれていくが、その栄子の姿を見つめる男の姿があった。
そう、所属事務所の社長の乃田社長だった。
「最近は恋愛騒動から事務所内同士のデスマッチなんかしやがって・・・河村亜紀や恵美まで痛めつけるから、制裁にはいいだろう・・・・」
そう、今回の栄子のドミネーションマッチの仕掛け人は社長だったのだ。
多くの関係からなるこの地下プロレス。この後も凄まじい試合が続いていくことだろう・・・。



第7試合

「地下プロレス?・・・それってプロレスの事?」
都内某所、黒服と話していたのは女優の伊藤美咲だった。売り出している裏で、やはりと言うか美咲の所へも地下プロレスからの誘いが来ていた。
「でも私・・・プロレスラーじゃないし・・・」
内心はリングで暴れてやりたいと思う美咲だが、プロレスラーと闘わされたら身が持たないと拒み出すと、黒服が答えた。
「大丈夫・・・君の相手はタレントだし、女同士の試合を組むからどう?・・・日頃のストレス発散にもいいし・・・」
その言葉に、美咲は地下プロレス出場を決めていくのであった。
それから、撮影がない日などを選んで、プロレスや格闘技の為の練習が行われていた。
ただし、女優としての生活に支障が出ないように、まずは受け身から始まって、打撃から投げ、それに関節と言う感じに練習を積んでいったのであった。
その美咲の地下リングデビュー戦は、何と金網オクタゴンの中での総合格闘技試合と決まっていった。
「いいわよ・・・まだ私、ロープに飛んだりって出来ないから・・・」
そして・・・。
「今夜の相手って・・・秦野さんね・・・いいわよ・・・女優としても潰しておかなくっちゃ・・・・」
デビュー戦の相手を知らされて、美咲は浩子の写真を見つめると握りつぶしてゴミ箱に投げつけていくのであった。
一方、金網オクタゴンの中での格闘技戦で伊藤美咲と試合を組まれた浩子は、女優でもスレンダー系美人と言う事もあり、初めてのオクタゴンでの試合も力の差はあまりないと受けていった。もっとも、断れるものではないが・・・。
「オクタゴンでの格闘技戦・・・」
金網の中での闘い。相手はデビュー戦となる美咲相手でも練習しなくてはと浩子はランニングでスタミナをつけたり、打撃や関節を練習していったが、果たして試合はどうなるのか・・・。
そして控え室では大池栄子が泣き叫んでいる時、美咲と浩子は白いスポーツビキニに身を包んで準備していた。
手にはオープンフィンガーグローブ。浩子にしても美咲にしても慣れない感覚。
まして、美咲は今夜が地下リングのデビュー戦だったから浩子以上のプレッシャーだろう。
そして今夜、美咲がデビュー戦となる金網オクタゴンの中での大池栄子と北王光司の死闘が終わると、控え室からオクタゴンに向かって歩き出す美咲と浩子。
スラッとしたスレンダーなボディに白いスポーツビキニ。しかし眼光は鋭い美咲。
そう、内心は同じ女優でもある浩子を倒すのと同時に、日頃のストレスを発散しようと燃えているようであった。
逆に、浩子はいつもの黄色い声のイメージではなく、静かにオクタゴンに歩き出していた。
2人が花道を歩いてくると、早くも観客たちが騒ぎ出していった。
ガッチャーン・・・・・
金網の、地獄の入り口になるのか入り込むと、金属同士の高い音が会場内に響いていった。
『第7試合〜っ・・・秦野〜浩子〜っ!・・・伊藤〜美咲〜っ!』
そのコールに2人は観客席に向かって腕を挙げてアピールしていった。特に、浩子は最近は芸能界を干されてしまったと雑誌で騒がれるほどにメディアに出ていなかったので、アピールの為にも必死なのかもしれなかった。
そしてマウスピースを口の中に入れると、軽く身体を動かしてゴングを待っていく美咲と浩子。
T168B80W56H82と言う浩子の身体。対して美咲もT171B83W57H87とスレンダーボディで、お互いが痩せた体型同士の死闘になる事は確実だった。
カァーン・・・
その緊張感漂うオクタゴンにゴングが響くと、いきなり浩子が構えて美咲に近づいていった。
だが、美咲が意外だが踏み込んでのストレートパンチで牽制すると、当たらなくても浩子は驚いて避けてガードしていった。
更に、美咲のローキックからミドルキックと浩子に襲いかかると、音を立てて脇腹に蹴りが決まった。
バシィィィ・・・・
「ぐふっ・・・」
以外と威力のある美咲のミドルキックに、浩子は顔を強張らせて距離を置いていった。
その浩子の表情に美咲は緊張が解れてきたのか、更に左右のジャブで浩子を追い込むと、ヒザを狙っていった。
しかし、これには試合の経験では上回る浩子が距離を詰めて、抱えるようにして倒れ込んでいった。
上手く浩子が上になる展開だが、浩子は何もせずに殴る構えを見せるだけだった。
一方、下の体制の美咲もガードするが、いくら軽量とは言え浩子がお腹の上に座っていると言う事は、呼吸もしづらくなってスタミナを削られていった。
浩子が出方を探るように美咲の手を掴むと、美咲もブリッジなどで逃げようとしていた。
バキィィィ・・・・
「イタッ・・・」
しかし浩子が許さず、顔面へパンチを落とすと美咲の悲鳴が響いた。
顔面に落とされる浩子のパンチに、美咲は全身を震わすように痛がっていた。
だが、美咲が意外な行動に出た・・・。
「ふん・・・この・・・貧乳のくせに・・・」
浩子を女として挑発するかの様な美咲の言葉に、浩子は顔を赤らめて怒っていった。
「なっ・・何よ!・・・何が貧乳よ!余計なお世話よ!」
実は巨乳ブームの時にも胸の事を言われ傷ついていた浩子は、貧乳と言う言葉に異常に反応していた。
「あら・・・そんなに怒ったりして・・・気にしてるのかしら・・・」
その美咲の言葉に浩子が怒って顔面へパンチを落としていくと、思わず上半身を乗り出す浩子に美咲が待ってましたと半身状態のようにブリッジの体制に持っていき、浩子を倒してマウントポジション状態から逃げることに成功していった。
素早く立ち上がる浩子と美咲。だが、浩子が胸の事を言われて怒っているのか、ムキになってジャブからフックと殴りつけていった。
だが、立ち上がった状態なので美咲も負けていなかった。殴りつけてくる浩子にパンチで応戦すると、殴るのに夢中な浩子の脇腹を抉るようにミドルキックを炸裂させていった。
バシィィィィィ・・・・
「ぐっ・・・ううっ・・・」
美咲の蹴りの威力に動きが止まる浩子。だが、美咲はその瞬間を逃さずに、一気にパンチを浩子の頬に入れていった。
バシッ・・・バキッ・・・
「ほらほらっ・・・どんどんいくわよ!」
その美咲の勢いに浩子はガードするのが精一杯だが、次第に金網に背中を押しつけられていった。
ガシャ・・・
浩子の背中に食い込む金網。その金網の痛さに浩子は我慢しながら、反撃するチャンスを伺っていた。
だが、反撃どころか浩子のお腹へ下から抉り込むように美咲のヒザ蹴りが炸裂していった。
グシュ・・・・
「グボッ・・・ぐうううっ・・・・」
肉付きも悪い浩子の身体。まさに美咲のヒザが浩子の内臓を金網との間で破壊する勢いで決まると、浩子の動きが止まってしまった。
その浩子は口から涎みたいなものを垂らすと、前のめりに美咲に抱きつくように倒れ込んだ。
しかし、ダウンする事を美咲が許さずに、そのまま金網に背中から叩き付けていくと、左腕をギロチンチョークのようにして金網に浩子を押しつけて、更に呼吸をしづらくしてスタミナを奪っていって、右手は腰の辺りで引いて殴る体制になっていった。
「グッ・・・グエェェェェ・・・・ぐ・・ぐる・・・じい・・・」
容赦なく金網に喉に腕を押しつけられて苦しめられている浩子。逃げようとするが、美咲のヒザ蹴りのダメージで力が出せずに逃げられないでいた。
その浩子のお腹に、遂に残酷な腹パンチ攻めが始まっていった・・・。
ボシュ・・・
「ぐぶうっ・・・・ううっ・・・・」
そう、美咲のオープンフィンガーグローブに包まれた拳が浩子のお腹に炸裂すると、浩子の顔が歪んでいった。
ボシュ・・ボシュ・・・
続けて叩き付けられていく美咲の拳。その度に浩子の顔は苦痛に歪んでいった。
「ああっ・・・・あがあっ・・・あがっ・・・」
たまらず口からマウスピースを吐き出す浩子。そのマウスピースが涎の糸を引きながらマットに落ちていった・・・。
「ふふふっ・・・苦しむ顔も素敵ね・・・何だかクセになりそう・・・」
美咲も段々と表情を変えていた・・・。
そう、ドラマなどでは絶対に見せない、対戦相手を痛めつける事に快感を覚えたのか自らの行為に酔っている様子だった。
美咲の対戦相手に選ばれた浩子も決して弱くはなかったが、美咲の以外にも上手かったヒザ蹴りが効いているようだった。
「それじゃあ・・・・もっと苦しめてあげるわね・・・秦野さん?」
すると、美咲のヒザが折られてヒザ蹴りの体制になっていった。
グシャアッ・・・
「オゲエェェェ・・・・・ウエッ・・・・」
美咲が勢い良くヒザ蹴りを浩子のお腹に決めると、まるで胃袋を押しつぶされた感覚と同時に、浩子は口から勢いよく胃液を吐き散らしていった。
オクタゴンの中に漂う酸っぱいような臭い。そう、それは浩子の口から吐き出された胃液から発せられていた。
もうフラフラしている浩子に、美咲が叫んだ。
「プロレスって金網使った攻撃もいいのよね?」
その言葉に続いて、浩子の髪を掴むと胃液が飛び散っていない方向に走り出して、勢いよく浩子の顔面を金網に叩き付けていった。
ガッシャーン・・・
「うぎゃあああああああああぁぁぁぁ・・・・・・・」
オクタゴンに響く浩子の悲鳴。その悲鳴に続けて浩子はグッタリと金網近くに座り込んでいった。
だが、金網を掴む浩子の顔面を更に何度も金網に叩き付けていく残忍な美咲。
バシッ・・・ガッシャーン・・・ガッシャーン・・・
「いやあっ・・・痛いっ・・・ひいぃぃぃ・・・・やめてぇぇぇぇ・・・・」
座った状態で金網を掴んで、顔面を叩き付けられて泣き叫ぶ浩子。
「何だか変な気分になっちゃうわ・・・最高っ!」
浩子の悲鳴に美咲がニヤニヤしながら浩子を痛めつけていった。
その浩子は鼻から血を流し初めていたが、その流れ出す血が白いスポーツビキニを赤く染めていった。
「立つのよ・・・」
「あうっ・・・」
そして、美咲は浩子の髪を掴んで起こしていくと、力任せにボディスラムでマットに叩き付けていった。
更に、仰向け状態の浩子のお腹へ揃えた足を叩き込むフットスタンプを炸裂させていった。
グシャ・・・・
「グベエェェェ・・・・・・」
その瞬間、浩子の口から血反吐のような物が噴き上がっていった。
まるで美咲の両足とマットに内臓を押しつぶされたような浩子。もう身体をピクピクさせて試合続行不能のようだった。
だが、美咲はドミネートに酔っているのか、ヒクヒクしている浩子に馬乗りになると、顔面へ容赦なくパンチを落としていった。
バキッ・・・バシッ・・・バキッ・・・
「ぶぎっ・・・・ぐばっ・・・・げへっ・・・」
美咲のパンチを防ぐことも出来ずに、顔面を容赦なく殴られる浩子は、あまりの衝撃に股間から黄色い異臭を放つ液体を垂れ流すと、そのまま失神してしまった。
カンカンカンカン・・・・
浩子の失禁KOにレフリーがゴングを要請すると、美咲は構わず立ち上がるとストンピングを叩き込んで痛めつけていった。
その様子にリングドクターの西川彩子が急いでオクタゴンに入ると、蹴り続ける美咲を止めようとした。だが・・・
バキィィィィ・・・
「うるさいんだよ・・・邪魔しないでよ!」
止めようとした白衣姿の彩子にハイキックを炸裂させると、一発で彩子をKOしてしまった美咲。
レフリーが更に暴れる美咲を止めていくと、ここで美咲の暴走も終わっていった。
一方、浩子は意識を戻すとフラフラして立ち上がっていった。
『ただ今の試合、伊藤美咲のKO勝ちです!』
そのアナウンスに、観客席は歓声をあげて勝利者の美咲を讃えていった。
一方、負けた浩子は鼻血を拭いながら金網に寄りかかって美咲を睨み付けていた。
「何よ、負けたんだから黙って泣いてればいいのよ・・・貧乳ちゃんは・・・」
まるで挑発するかの様な美咲の言葉。
「何よ・・・偶然勝ったくせに・・・」
浩子が睨んでいくと、美咲が言い返した。
「いいわよ・・・何度でもやってやるわ・・・プロレスでも何でもね・・・クセになっちゃうかもね・・・」
そう言うと、浩子に構わず金網オクタゴンから引き揚げていった。
そしてオクタゴンの中では、倒された彩子に気遣う浩子の姿があった・・・。
いきなりの衝撃地下リングデビューを果たした伊藤美咲。次に登場する時はどんな事になるのだろうか?



第8試合

「地下リングで活躍すれば・・・また売れ出すかも・・・」
そう言って控え室で水着に着替えているのは、あのワンワンギャルやRQ、キャンギャルなどを経験して女優を目指す須野内美帆子だった。
T165B83W58H85と言う見事な身体を持っていたが、今ひとつ売れていない美帆子。地下プロレスで再起を賭けるのは当然かも知れないが、それには大物と闘わなくてはいけなかった。
そこで、美帆子は格闘技戦に向けて練習して、対戦相手を以外な大物を指定していった。
そう、その相手とは黄色いタクシー軍団でも長身で力強い左藤江梨子だった。
T173B88W58H88と言う外人顔負けのような体格。その身体をスポーツビキニに着替えても、胸の谷間が上の方では見えてしまう程の身体の持ち主だった。
「須野内美帆子?・・・ああっ・・・あの売れてない人ねっ・・・いいわ、今夜も楽しめそう!」
早くも笑みを浮かべて今夜の金網オクタゴンでの試合を楽しみにする様子の江梨子。
だが、今夜の大会はあの大池栄子も地獄に突き落とされたり、意外な展開になる可能性もあったが、江梨子は栄子が病院送り状態な事は知らなかった。
歓声に包まれたオクタゴン。
その中に、今まさに女豹と化そうとする2人のタレントが入っていった。
早くも睨み合う美帆子と江梨子。身長差では8pも違い、バストの大きさも江梨子が当然上回っていた。
白いスポーツビキニが良く似合う美帆子。
一方、江梨子も巨乳ではあるが、黄色いタクシー軍団の中ではスレンダーな体型に見えた。
緊張の走るオクタゴンの中。さっそくリングアナのコールが始まっていった。
『第8試合・・・須野内〜美帆子〜っ!・・・左藤〜江梨子〜っ!』
そのコールに緊張が走るが、江梨子は無言のまま美帆子を睨み付けた。
逆に、美帆子も負けじと睨み返すと、レフリーが2人の距離を置かせていくと、合図がされていった。
カァーン!
ゴングの音と同時に距離を詰めると、いきなり美帆子のローキックが出されていった。
バシィィィ・・・・
しかし江梨子も負けじとローキック返すが、打撃は上手くない様子だった。
美帆子が続けてローキックで攻めると、江梨子は長い手でパンチを出していった。
バキッ・・・
江梨子のパンチが美帆子の顔面に決まると、フラつくが蹴り返す美帆子。
そして一旦距離を置くと、早くも美帆子の口から血が垂れていた。
そして観客たちも静まったままオクタゴンの中の以外な闘いの行方を見守っていた。
以外な美帆子の打撃の前に、江梨子も距離を置いて冷静に試合を進めようとしていたが、美帆子が挑発するように踏み込んでパンチを打ち込んだ。
バシッ・・・バシッ・・・
以外な展開だが、美帆子の放つパンチが江梨子の顔面を捉えると、江梨子の鼻から血が噴き出していった。
その美帆子の突進を止めようと江梨子もヒザを出すが、美帆子が上手く距離を離して構えていった。
試合のペースを美帆子が掴んでいくと、江梨子が焦りだしていた。
慣れない金網の中での試合。それも格闘技戦というのも江梨子の焦る所で、逆に美帆子は売り残るために必死だったから、試合形式なんて関係なかった。
「ちっ・・・私が負けるわけないのに・・・」
観客からも江梨子が焦っているのがわかっていた。
「どうしたの左藤さん?・・・試合は始まったばかりよ!」
逆に試合の流れを掴んで落ち着きを見せているのが、美帆子の方であった。
焦る江梨子は、身長差からハイキックで活路を見いだそうと美帆子にハイキックを放っていった・・・。
シュ・・・・
「えっ!」
しかし、江梨子は自らの蹴り足が空を切るのに驚くと、避けた美帆子が素早いタックルで組み付いてくるのが見えた。
バシィィィ・・・・
そして組み付いてきた美帆子にタックルを決められて、倒されていく江梨子。
だが、倒れた後に流れるように美帆子が横四方の体制になっていくと、そのまま江梨子を押さえ込んでいった。
これには焦ってジタバタしていく江梨子だが、美帆子が冷静に押さえつけていった。
すると、美帆子のヒザが浮かび上がると、一気に江梨子の無防備な脇腹に突き刺さっていった。
バキィィィ・・・・
「んがああぁぁぁ・・・・・あああっ・・・・」
これには苦悶の表情と、悲鳴をあげていく江梨子。いつもにない珍しいシーンでもあった。
更に美帆子のヒザが突き刺さると、江梨子は悲鳴をあげて藻掻き苦しんでいった。
体制を入れ替えようとする江梨子だが、不用意に俯せの状態になると、待ってましたとばかりに美帆子が背後から覆い被さっていった。
グイッ・・・
そして、江梨子の喉に喰いこんでいく美帆子の腕。
そう、チョークスリーパーが決まっていったのだった。
「うぐぐっ・・・くっ・・・ううんっ・・・・」
美帆子のチョークスリーパーの前に藻掻く江梨子。頸動脈を絞められて意識が遠のいてきているようだった。
「ゆっくりと眠らしてあげるわ・・・」
その江梨子の耳元でやさしく言葉をかける美帆子。
レフリーも江梨子の様子に注目すると、江梨子の抵抗が無くなっていった。
そう、落ちてしまったのだった。
江梨子が失神した事でレフリーがゴングの要請をすると、オクタゴンにはゴングの音が響き渡っていった。
カンカンカンカン・・・・
以外な結末を迎えたが、レフリーは勝者として美帆子の腕をあげていた。
たしかに、最近は勝ち込んでいる江梨子だったが、逆に初の金網オクタゴンの中での格闘技戦で、慣れないとは言え油断だったのであろうか?
一方、美帆子は後がない崖っぷちと言うとオーバーだが、グラビア以外ではVシネくらいしか活躍の場がないため、ある意味必死だったのであろう。
色々な事情が交錯する地下リング。次の試合は一体どうなるのであろうか?




第9試合

数々の凄まじい試合が続いていく初の金網オクタゴンでの格闘技戦大会。
そこへ、意外なタレントが呼ばれていたのだった・・・。
この大会の数週間前・・・。
「ち・・・地下プロレスって・・・・私・・・」
そう、都内某所で試合のオファーを受けていたのは、あの天然ボケキャラの山田もえだった。
「そう・・・芸能界で売れ残る為には、ここで闘うと将来がある程度は保障はされる・・・ファイトマネーも多額だしなぁ・・」
その言葉に、もえが断ろうとするが、事務所側が説得すると言う事で、もえの地下リング参戦は決まっていった。
ただ、今回もえの地下リングデビューの為に用意された場所は、金網オクタゴンでの格闘技戦だった。
パシッ・・パシッ・・・
「えいっ・・・えいっ・・・」
一応はサンドバックを叩いたり、蹴ったり練習するもえ。
しかし、今回のもえのデビュー戦は対戦相手の強さを強調するための噛ませ犬的な役目の為、練習も適当に受け身程度とサンドバックでの自主練習だけだった。
一方、総合格闘系に出ろと言われ、事務所の大先輩の和多秋子に言われて格闘技系の練習をしているのは、あの深多恭子だった。
「そ、総合なんて・・・恭子・・・そういうの・・・イヤです・・・」
だが、嫌がる恭子も先輩の言うことには仕方なく、泣く泣くオクタゴンへ向かうこととなっていった。
しかし、今まで地下リングに参戦した事もある恭子。
その大きな足といい、太い腕といい普通のアイドルからすると脅威だったが、当のもえは対戦相手も聞かされず、試合当日を迎えていった。
早くも160pに上から82・58・83と以外な体格のもえは、白いスポーツビキニに着替えると、ビキニのフィット感を確かめるように鏡の前に立っていた。
それと、初めて着けるオープンフィンガーグローブ。これには緊張した様子だったが、対戦相手は同じ女性タレントと聞いて、更にウソではあるが、罵り合いをすれば試合は終わるような事を言われ、信用していたもえ。
逆に、人前でスポーツビキニとは言えビキニ姿になるのには抵抗のある恭子は、身長166で上から86・62・88と言われているが、ビキニの間から見える生腹はプニプニ感は否めなかった。
「こんな格好・・・イヤだぁ・・・」
恭子は太っていると言う言葉にコンプレックスを持っているのか、試合開始前から苛ついている様子だった。
そして時間になってお互いがオクタゴンの中で顔を合わせていった・・・・。
『それでは第9試合・・・山田〜もえ〜っ!・・・深多〜恭子っ!』
そのリングアナのコールに初めての金網オクタゴンに緊張気味の恭子と、初めての地下プロレスの雰囲気に驚きを隠せないもえ。
しかし、もえはとんでも無い行動に出ていった・・・。
「ちょっと・・・試合の前に一言言いますけど・・・深多さん!何よそのプニプニした身体?」
その言葉に、観客席は盛り上がっていった。
だが、恭子が言い返す。
「か・・・関係ないじゃないですか・・・・そんな事・・・・」
「ふ〜ん、そんな身体じゃあスタミナ切れて終わりね・・・・・・・」
もえは言われた通りに相手を罵って、更に試合を終わらせようとしていたが、現実は違う物だった・・・・。
「ひ・・・酷い事いう人・・・恭子・・・嫌いです・・・・」
涙目の恭子がもえに言い返す。その言葉に、もえは涙ぐんでいる様子に勝ったと思い、これで終わりだと思いこんでいた。
「これで終わりね・・・私の勝ちよ・・・」
「ゴングが鳴ったら・・・覚悟してください・・・・恭子・・・本当に頭に来てる・・・」
笑顔のもえ。逆に俯いて呟く恭子。
その緊張が続くオクタゴンにゴングが鳴り響いていった。
カァーン!!
ゴングの音に驚くもえ。
「ちょっ・・ちょっと・・・試合は終わりでしょ?」
しかし誰からも返事はなく、目の前では恭子が迫っていった。
「調子のいい事・・・言わないでください・・・・」
完全に怒っている恭子が迫ると、次の瞬間に恭子のパンチがもえの顔面に炸裂していった。
バキィィィィ・・・・
「ぐふうっ・・・・いっ・・痛いじゃないの・・・」
もえの頬にパンチが決まると、もえはフラフラして顔を押さえた。
しかし、恭子は黙ったままもえに近づくと、至近距離からラリアットを叩き込むと、もえの身体は吹き飛ばされて金網に叩き付けられるように倒れ込んだ。
「ゴホッ・・ゴホッ・・・く、苦しい・・・・」
喉を押さえて苦しむもえ。しかし恭子が倒れているもえのお腹へストンピングを叩き込むと、もえは身体をジタバタさせて藻掻き苦しんでいった。
「グエッ・・・オエッ・・・グフッ・・・・」
だが、恭子の攻めは勢いを増していって、フラフラのもえを起こすと、DDTで脳天からマットに叩き付けていった。
バキィィィ・・・・
この一撃に身体をピクピクさせていくもえ。
「大した事ないじゃないの・・・口だけのようね・・・・」
恭子はそのもえの首に狙いをつけると、一気に飛び上がって太股の部分でギロチンドロップを叩き込んでいった。
バシィィィィィ・・・・
「ぶへえぇぇぇぇぇ・・・・・」
恭子の太股が炸裂した瞬間、もえの口からはマウスピースが顔を出していった。
その倒れているもえに、続けて恭子のニードロップがお腹に炸裂すると、恭子のヒザがもえの生腹を抉っていった。
ググッ・・・
「ごぼばあぁぁぁぁぁ・・・・・・・」
堪らず恭子のニードロップに口からマウスピースと共に反吐を噴き上げるもえ。
もう試合続行はどうかと思われたが、恭子の勢いが止まらず、倒れているもえの髪を掴んで起こすと、ボディスラムでマットに叩きつけてから、無理矢理に金網に寄りかからせるようにして座らせていった。
「恭子のぉぉ・・・足が大きいって言うなら・・・これでも喰らってください!」
そういうと、後頭部を金網に固定された感じのもえの顔面に、いきおいのいいドロップキックが炸裂していった。
カッシャーン・・・・・
「ぶぎゃあ!」
その強烈な恭子の金網に叩き付ける顔面ドロップキックにもえは変な悲鳴をあげて倒れ込んでいった。
もう鼻から血を垂れ流しているもえ。更に、俯せ状態のもえの馬乗りになって、恭子が後頭部を何発も殴りつけていった。
もえは意識を朦朧とさせていて、危険状態と言う事でレフリーが恭子を止めていくが、恭子はエキサイトしてかもえを殴りつけていった。
カンカンカンカン・・・
ゴングが打ち鳴らされるオクタゴン内。
「まっ・・まだっ・・満足してないのに止めないでよ・・・・ちょっと・・・・お願いっ・・・・」
暴れる恭子だが、レフリーと黒服たちによって止められていった。
一方、生け贄とも言える役回りのもえは完全失神状態になって、更には口からは胃液などを垂れ流して、鼻からは血を垂らしていた。
無惨にも担架に乗せられて運ばれるもえ。
その光景に、謎の男が呟いた。
「あの深多はいい身体をしてるが、打撃は不慣れのようだな・・・叩き合いになったら逆に倒されるかもな・・・」
その言葉に、参謀格の男が呟いた。
「でしたら・・・今度は深多の対戦相手には打撃系の相手がいいでしょうか?・・・あの深多が血塗れになってマットに這いつくばるシーンは見物かも知れませんね・・・」
こうして、第9試合は終わりを告げていった。



第10試合

「格闘技が好きだって言ってたけど、また例の地下プロレス・・・あそこで格闘技大会があるけど・・・」
またも地下プロレスからの、それも格闘技ということで誘われているのは、あのアイドルの太谷みつほだった。
みつほは、日頃からも格闘技が好きで観戦したり雑誌を見たりしていて、本人も腹筋を毎日200回はこなすと言われている程で、当然だがタレント同士の格闘技マッチならと試合の件を受けていた。
だが、そのみつほの対戦相手を誰にしようかと候補にあがったのが、前ジュニアヘビー王者だった乙羽だった。
乙羽は格闘技戦とは無縁で、前も大池栄子と格闘技戦をやってKOされた経験があるくらいだったが、脱水着宣言をしてからの仕事の事などをちらつかされて、仕方なく受ける事にしたみたいだった。
ただし、打撃は上手くないというより、張り手程度にストンピングのいわゆるプロレスでの打撃の乙羽の打撃センスでは、格闘技戦はきついのではと見られていた。
そして、あの深多恭子が金網の中で暴れている時に、みつほと乙羽は準備していた。
白いスポーツビキニに身を包むみつほ。スレンダー系の身体に決して大きくないが、胸の膨らみも丁度良いような感じで、早くも鏡の前で構えたりしてウォーミングアップしていた。それにしても、ビキニの間から覗く腹筋が見事だった。
逆に、乙羽は売りでもある大きな胸をビキニに隠すと、いくらスポーツビキニとは言え胸の谷間が少し見える程だった。
だが、みつほと違ってお腹はプニプニ感がわかる程で、ムッチリ系と言う感じだった。
当然、こんなスポーツビキニにオープンフィンガーグローブ姿の自分に乙羽は緊張しているようだった。
「か、格闘技戦・・・」
しかし乙羽には選択の余地はなかった。何故なら、CDを出したりバラエティに出たりと水着以外の仕事で軌道に乗りたい所で、この地下プロレスからの誘いは断れなかった。
ガチャ・・・
『時間だっ・・・』
その乙羽とみつほの元に黒服が来ると、試合の時間を告げていった。
緊張した表情で乙羽がオクタゴンに向かうが、違う花道を進むみつほはある程度自信を持っている様子だった。
お互いが金網の中に入ると視線を合わせていった・・・。
「ブッ潰してあげる!」
早くも挑発するようにみつほが手を伸ばして乙羽に言い放った。
「えっ・・・そんな・・・格闘技の試合って言っても・・・」
そのみつほの挑発に、いつもボケた答えを返す乙羽。
だが、みつほは金網を掴んで飛び跳ねたりしてウォームアップをしていると、乙羽も困惑した表情でストレッチなどをしていた。
『第10試合・・・前ジュニアヘビー級チャンピオン・・・乙羽〜っ!・・・・・・格闘好きアイドル〜っ・・太谷〜みつほ〜っ!』
そのコールに腕を挙げて観客の声に応える2人。
白いスポーツビキニだが、みつほは158pに80・56・81とスレンダーな身体に白い水着が似合っていたが、乙羽は157pに89pの自慢の胸、ウエストは59pと公称されているが、水着が食い込んでいるのかお腹の質感はタップリって言う感じだった。
スレンダー系とムッチリ系の試合が始まろうとすると、観客席から色々と声があがった。
『太谷〜っ!・・・その乙羽の胸を殴り潰してやれ!』
『そのプニプニなお腹を蹴って殴って反吐でも吐かせてやれ!』
早くも乙羽が倒される事を期待する観客たち。しかし乙羽にも声援は飛んでいた。
『10分は持てよ、10分は!』
『普通のビキニで闘ってよ、乙羽ちゃん!』
声援と言っても、残酷な期待をする声で、これも乙羽を追い込んでいった。
「ど・・・どうしよう・・・こんな・・・はずじゃ・・・・」
焦り出す乙羽だが、金網に囲まれて試合が終わるまでは出る事は出来なかった。まして目の前にいる対戦相手のみつほはやる気満々で既に構えていた。
そんな中で、ゴングが打ち鳴らされていった。
『カァーン!!』
プロレス的にフラフラっとオクタゴン中央に歩き出す乙羽。
逆に素早く間合いを詰めると、軽いジャブからローキックのコンビネーションで攻め込むみつほ。
バシィィィ・・・・
ファーストコンタクトはみつほのローで、一瞬乙羽がフラついていった。
だが、乙羽も圧力を掛けるようにして組み合うと、そのまま金網まで一気に押していった。
ガッシャーン・・・
音を立ててみつほの背中が金網に叩き付けられると、乙羽も必死に押しつけてから、何度も身体で金網にみつほを押しつけていった。
バキィィ・・・・
「痛いっ・・・・・」
だがみつほが間合いが詰まったからとヘッドバッドを乙羽の顔面に叩き込むと、乙羽が悲鳴をあげて力を抜いてしまった。
「甘いんだよ・・・」
その隙を突いてみつほが逃げると、また距離を置いて構えていった。
バシッ・・・
「っう・・・・」
すると、乙羽のヒザを狙ってローキックを出していくみつほ。
更にローキックで攻め続けると、乙羽はどうしていいかわからずにタックルで反撃しようとした。
だが、その乙羽のタックルを潰そうとみつほがフロントチョークで捉えていくと、一気に乙羽が苦しい状態になっていった。
みつほの腕の筋肉が浮かび上がっていく・・・そう、締め上げているのだ。
だが、乙羽もこのまま終わるわけではなく、何とみつほの細い身体を抱え込むと、首を極められたまま持ち上げていった。
そして力任せに金網にみつほを叩き付けると、これにはみつほも放していった。
首にダメージが残る乙羽が倒れたみつほにサッカーボールキックで追い込もうとすると、みつほも素早く蹴り足に組み付いていった。
みつほが組み付いていくと、乙羽が倒れないようにと上から後頭部にパンチを落としていくと、みつほも倒そうと必死になっていった。
だが、以外と粘る乙羽に一旦転がるようにして距離を置くと、素早く立ち上がって構えていった。
乙羽も短い攻防でダメージを負ったのか、少し苦しそうな表情だが構えていた。
「息があがってるんじゃないの?」
みつほが余裕の表情でステップを踏むと、距離を詰めたりしてジャブを放って乙羽を牽制した。
これに対して乙羽は何も出来ないようで、必死に顔にパンチを入れられないようにガードを固めた。
すると、待ってましたとばかりにみつほのミドルキックが乙羽の脇腹に炸裂すると、乙羽の腕の間から苦悶の表情が浮かんでいるのがみつほにも見えた。
「グボッ・・・・・」
その苦しむ乙羽だが、倒れる前にと前のめりになりながらみつほに抱きつこうとすると、みつほは首相撲に捉えてから下から突き上げるようなヒザ蹴りを叩き込んでいった。
グシュ・・・
「ぐふっ・・・・うううっ・・・苦しい・・・・」
胃袋を抉られた感覚の乙羽は、その苦しさに口からマウスピースを吐き出しそうになりながら耐えていた。
「苦しいのかしら・・・少しはお客さんにも楽しんでもらわなきゃね・・・」
みつほが呟くと、フラフラしている乙羽の髪を掴んでいって、一気に近くの金網に顔面から叩き付けていった。
ガッシャーン・・・・
「いやあああああぁぁぁ・・・・・・・」
オクタゴンの中に乙羽の黄色い悲鳴が響き渡ると、金網を掴んでいく乙羽の背中にみつほの飛び蹴りが炸裂していった。
バキィィィ・・・・
「うぎゃあああぁぁぁぁ・・・・あんっ・・・・」
これには堪らず座り込む乙羽。その苦悶の表情を見た金網越しの観客たちは興奮している様子だった。
「ほらほらっ、こんなので終わり?・・・ほら!」
その乙羽に怒った口調で髪を掴んで起こしていくみつほ。
「何よ・・・そんな言い方ないでしょ!」
その言葉に続いて、カンガルーキックでみつほの股間に蹴りを放つ乙羽。
ガッ・・・
「甘いのよ・・・プロレス好きなの?・・・ここは格闘技のリング・・・金網オクタゴンって言うのを忘れたの?」
そう、みつほは乙羽の反撃を警戒して股間への蹴りをキャッチすると、転がしてアキレス腱固めで切り返していった。
グイッ・・・
「いやああああぁぁぁ・・・・・・痛いぃぃ・・・・いやああああぁぁぁ・・・・」
またもオクタゴンに響き渡る乙羽の悲鳴。
だが、完全にみつほは極めることなく放すと、先に立ち上がって構えていった。
逆に、乙羽は足の痛みに耐えながら立ち上がるが、足元はフラついていた。
バシィィィィ・・・・
「ひいぃぃぃ・・・・」
その立ち上がる乙羽の痛めた足へ容赦なくローキックを放つみつほ。その足が当たると鈍い音が響いていった。
更にみつほのローキックが乙羽の足に襲いかかると、乙羽も苦し紛れに抱きつくように胴タックル気味にみつほに抱きついていった。
以外な展開だが、みつほに組み付いた乙羽は、そのまま金網にみつほの背中を押しつけると、何とベアハッグでみつほの背骨を攻め立てた。
グググッ・・・
以外な乙羽の反撃に、みつほは苦痛の表情を浮かべるが、乙羽の足にダメージがなければ、プロレスのリングならばギブアップも奪えたかも知れないが、足にダメージがあって踏ん張りの効かない乙羽では、少しずつのダメージしか与える事が出来なかった。だが、そのまま苦しんでいるだけのみつほではなかった。
「何するのよ・・・」
そう、みつほは腕を上にあげていくと、Yの字みたいな両腕を上げていった。
バキィィィィィィ・・・・・
「ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
そう、乙羽の悲鳴が響き渡る中、みつほのモンゴリアンチョップが乙羽の首筋に炸裂していった。
だが乙羽もみつほを逃がさず、みつほも何発もモンゴリアンチョップを叩き込むと、乙羽が堪らず投げるようにしてマットに背中から落としていった。
バシィィィィ・・・・
これには背中を痛打して、一瞬呼吸が出来なくなるみつほ。体重差があるのは明らかだが、乙羽が何とかマウントポジションを奪っていった。
だが下になっても以外に冷静な様子のみつほ。
上になった乙羽もプロレスならばフォールかも知れないが、格闘技戦は不得意なので何をしていいか解らず、浅い知識からみつほの顔面へ拳を叩き付けていく乙羽。
バキッ・・・バシッ・・・
顔面へ落とされるパンチに無言でガードしようとするみつほ。耐えるみつほもそうだが、乙羽も顔面へのパンチの仕方が様になってはいなかった。
みつほもブリッジなどで返そうとするが、乙羽もバランスを取ったり、その体重で返せずにいた。
特に一カ所を徹底して殴るわけでもない乙羽。だが偶然かみつほの口の中が切れるくらいは殴っているようだった。
口中に広がっていく鉄の味。その感覚にみつほが返す機会を狙っていた。
だが、乙羽が思いっきり腕を引くと、みつほの顔面に叩き付けていくが、その当たった場所が額だった為に、逆に薄い特製オープンフィンガーグローブの為に乙羽自身が拳を痛めてしまった。
「きゃあああぁぁぁ・・・手・・手が・・・」
「イタッ・・・・ふふふっ・・・・お馬鹿さんね・・・」
悲鳴をあげる乙羽。逆にニヤリと不気味な笑みを浮かべるみつほ。
その瞬間・・・。
ゴロン・・・・
「うらああぁぁぁ・・・・・」
みつほの気勢と共に、乙羽を返して倒していくみつほ。
そして今度はみつほが立ち上がると蹴りこんでいった。
バシッ・・バシィィィ・・・・
「イタッ・・・痛いっ・・・いやあっ・・・・」
堪らず顔を隠すように倒れると、四つん這いになってしまう乙羽。
「逃げるんじゃね〜よ・・・覚悟を決めなよ!」
その四つん這いで逃げる乙羽に覆い被さるように乗りかかると、みつほは徹底して顔面へパンチを入れていった。
バキッ・・・バシッ・・・
「ぶふっ・・・痛いっ・・・ああっ・・・ぐふっ・・・」
さすがに顔面への容赦ないパンチ攻撃には半泣き状態で逃げようと必死になる乙羽。
すると、みつほは顔面のガードを完全に無くそうと、乙羽の自慢のバストを左右から殴りつけていった。
グニュウゥゥゥ・・・・・バシッ・・・・
「ひいっ・・・・ああっ・・・やめて・・・胸は・・・やめて・・・」
このみつほの胸攻めには乙羽は悲鳴をあげて嫌がると、胸を隠すようにマットに俯せ状態で脇を固めると、胸を守っていった。
しかし、これはみつほが顔面を開けさせるための罠だった・・・。
バキッ・・・・バキッ・・・バキッ・・・・
「引っかかったな・・・・この豚っ!」
もう完全に熱くなっているみつほは、渾身の力を込めて乙羽の顔面を左右から殴りつけていくと、音を立てて決まっていく顔面パンチ。
「ぐふっ・・・んがっ・・・ああっ・・・・イヤッ・・・・」
上半身を反らせるようにして悲鳴をあげて顔面へのパンチを嫌がる乙羽。
だが、徹底して顔面へパンチを入れていくと、血塗れのマットに更に乙羽の口から飛び出した血塗れのマウスピースが転がり落ちていった。
バキッ・・・・バキッ・・・・
「いやっ・・・もうやだ・・・・グスッ・・・ぶふっ・・・たす・・・けて・・・」
もう戦意喪失状態になっている乙羽。もう口からも、鼻からも大量に血を垂れ流していた。
その滴り落ちる赤い血が、無惨にも乙羽の純白のスポーツビキニを赤く染めていくのであった。
レフリーも止めないからとみつほが顔面へ、そして脇腹などへもパンチを入れて試合を決めようとしていた。
もう倒れたままサンドバック状態にされていく乙羽。泣き出しているから血だけでなく、涙と涎、そして血の混じった鼻水などで可愛らしい顔をグチャグチャにしていた。
殴りつけていくみつほの手にも返り血が飛び散っている程の乙羽の出血。
マットの上にポタポタと垂れている様子に、観客たちも言葉を失うが、謎の男が指示を出していった。
『もう少ししたら試合を止めろ・・・乙羽はまだ商品価値が高い・・・プロレスなら出来るしなぁ・・・今回は失敗だったか・・・』
しかし、試合を止める前にみつほが一気にチョークスリーパーで締め上げていった。
グググッ・・・・
「んぐぐっ・・・・んんっ・・・・」
無惨にも顔を血塗れにしながら藻掻く乙羽。口からは赤い泡ブクのように血を噴き出しながら藻掻くが、殴られたダメージとみつほの絞め技の前に意識を失っていった・・・・。
カンカンカンカン・・・・
乙羽が失神した事でレフリーが試合を止めて、続けてゴングが打ち鳴らされた。
『勝者・・・太谷みつほ!』
そのコールに、レフリーに腕を挙げられていくみつほ。
白い水着と肌に返り血わ浴びて、笑みも浮かべずにレフリーに腕をあげられているが、この勝利に不満の様子だった。
そのみつほが、いきなりマイクを要求していった。
「今夜は試合に勝たせてもらいましたけど・・・このオクタゴンで実績を上げたんだから・・・・私にもジュニアヘビーのベルトに挑戦させてください〜っ!」
そう絶叫しながらマイクをマットに叩き付けていくみつほ。
今までチャンスが無かった分、今回はその気持ちが出たのであろうか・・・。
だが、以外にも観客席からは大歓声がおきて、みつほの挑戦を讃えているようでもあった・・・。



第11試合

「格闘技戦なんて・・・出来ないよ・・・どうしよう・・・・」
またも無理矢理に地下リングに上げられていくのは、あの鈴本あみ。
今大会で滝本の暴れっぷりを見ていたが、まさか自分がオクタゴンに入れられる事になるなど、夢にも思っていなかった。
たまたま会場に姿を現したからと試合を決められてしまうのは、別に仕事もなく少々のケガならば問題ないと判断されたからだった。
早くも白いスポーツビキニに着替えていくが、小振りの胸に幼いような体型から、スポーツビキニとは言え可哀相なあみ。
T158B80W58H82の身体に白いスポーツビキニが似合うのは、これから金網の中で血に染められると思う想像からだろうか?
「うっ・・うぐぐっ・・・」
次にマウスピースを口に入れるが、あみは気分を悪くしたのか嘔吐感に苦しんでいた。
「こ・・・これを口に入れて試合を・・・吐きそう・・・」
しかし、お湯に入れて柔らかくしてから口に入れて合わせていくと、あみは何とか嘔吐感からは解放されていた。
普通のマウスピースは1人ずつに合わせてあるが、あみは急遽試合が決まった為に汎用の安いマウスピースだから仕方なかった。
そして、次はオープンフィンガーグローブだが、特製の薄いグローブに驚きながら着けていた。
すると・・・
ガチャ・・・
「鈴本っ・・・時間だ・・・」
黒服が試合の時間を告げると、緊張の中をあみはオクタゴンへ歩かされていった。
真っ暗な会場の中を、あみの身体だけをスポットライトが追いかけると、オクタゴンの中に光りがあみを誘っていった。
あみがオクタゴンに入ると、次の瞬間に会場全体が薄暗いながら明るくなると、そこにはあみの今夜の対戦相手が立っていた。
「えっ・・・・」
そう、あみの表情が変わるのも仕方がない。そこに立っていたのは芸能界でも恐妻として有名で、最近ではダイエットに苦労していたガイヤだった。
「コンヤのアイテ、オマエなぁ!」
怪しい日本語であみに言い放つと、早くも身体を動かしていた。
それにしても体格が違いすぎた。173pの身長に、上から110・85・110と言う巨体に、体重は80s近いと言うものだった。
脂肪に包まれてはいるが、元はモデルで外人と言う事で、力は凄いものだった。
この見るからに残酷な期待が出来るマッチメークに早くも観客席が沸き上がっていった。
「ビビッテるんじゃネ〜よ・・・」
怯えているあみに迫るガイヤだが、レフリーが制止してリングアナにコールの要請をしていった。
『第11試合・・・鈴本〜あみ〜っ!・・・今夜戦慄のデビュー戦、ガイヤ〜っ!』
そのコールに続いて、いきなりゴングが鳴らされていくオクタゴン!
カァーン!
そのゴングの音と共に、あみはいきなり陸上部の経験から走り出すと、ガイヤの周りを動いて捕まらないようにと必死になっていた。
だが相手のガイヤは動かずにニヤニヤしながらあみの動きを目で追っていた。
「な、何よ・・・その余裕は・・・」
動き回るあみだが、当然スタミナを消耗していく事になると、動きを止めていった。
「ナニよ、もうバテバテ?」
まるで挑発するようなガイヤ。
「な、何よ・・・まだまだ体力は余裕よ・・・若いんだから・・・・」
そのあみの何気ない一言が、ガイヤの怒りに火を付けてしまったようだった。
「ナンですって・・・トシの事を言うなよ!」
ガイヤは怒ったようにして、あみをプレッシャーを与えつつ金網に追い込んでいった。
「な、何よ・・・こ・・・このデブオバサン!」
ここで、事もあろうにあみはデブとオバサンと言う暴言を吐くと、続けてドロップキックをガイヤのお腹へ炸裂させていった。
バシィィィ・・・・・
「えっ・・・何よ・・・この感触?」
そう、ガイヤのお腹の脂肪に跳ね返されてマットに倒れ込むあみ。
「ハハハッ・・・チビ女がムリしやがって・・・・」
そのあみのお腹へお返しとばかりに踵で蹴りこもうとするガイヤ。
しかしこれはあみが間一髪逃げていった。マットの上を転がるように逃げまどうあみだが、素早く立ち上がって構えていった。
焦るあみだが、金網オクタゴンの中では逃げることも出来ず、ただガイヤの動きを見守る展開しか選択肢はなかった。
すると、少しずつプレッシャーを与えるようにガイヤがあみに迫ると、あみは素早く動いて距離を置いていった。
「ニゲテばかりじゃ、勝負にナラナイよ!」
逃げまどうあみに怒り出すガイヤ。
だが、あみも逃げてばかりではなく、ガイヤのスタミナを奪おうと考えていた。
距離を詰めようと両手を広げるガイヤを苛つかせるかのように、あみは何度も逃げていった。
(あの巨体・・・だったらスタミナは続かないはず・・・)
あみの考えるように、次第に苛ついてくるガイヤ。それもそのはず、スタミナ切れを起こしているようだった。
全身汗だくになっていくガイヤ。対照的にうっすらと素肌に汗が浮かんだ様子のあみ。
すると、あみが背後に回り込むと、ガイヤに攻めだしていった。
バシィィィ・・・・
「グワアアァァ・・・・」
ガイヤの悲鳴が響く。そう、あみも伊達に地下プロレスでのキャリアが長い訳ではなく、的確なローキックをガイヤの膝裏に入れていったのだった。
蹴られて怒るガイヤ。しかしあみは素早く逃げて距離を取っていった。
バシィィ・・・
「ウグッ・・・・くうっ・・・」
またもあみのローキックがガイヤを襲うと、白いガイヤの足が内出血を起こしていった・・・。
何度も決まっていくあみのローキック。
決して破壊力は大きくないが、何度も叩き付けられてガイヤにダメージを与えていた。
金網オクタゴンの中を動き回るあみの姿に、ガイヤは腹を立てて、観客たちは以外な展開にブーイングをガイヤに送っていった。
だが動き回るあみの身体を捕まえられないガイヤ。次第に焦りだしてもいた。
バシッ・・・バシッ・・・
今度は背後に回ったあみが、ガイヤの背中にミドルキックを叩き込むと、ガイヤは怒りだした。
「ズルイよ・・・こんな試合・・・堂々と闘ってミロよ!」
だがガイヤの叫びに応える事もなくあみは離れては蹴って、離れては殴りつけたりとガイヤに確実にダメージを与えていった。
あみも地下プロレスに何度も出て地獄を見てきただけあって、少しは技術的に進歩があったのだろう・・・。
しかし・・・。
「フザケルナヨ・・・・」
意地になったガイヤは、両腕を使ってブンブンと振り回すようにしてパンチを出すと、あみも構えながらも近づけなくなってしまった。
だが、大振りの目立つガイヤのパンチを見て、あみが素早いダッシュ力を使ってタックルを仕掛けていった。
さすがは痩せるためだったと言われてはいるが、陸上競技をしていただけはあるあみの動き。
ガシッ・・・
しかし、普通のアイドル相手ならばテイクダウンを奪えたであろうが、体重差は倍近くもあるガイヤ相手では、まるであみのタックルが通用しなかった。
「ナニよこのタックル?・・・冗談じゃナイワ!」
驚くあみだが、そのあみの身体を上から掴んでいくガイヤ。
「えっ・・・何で・・・あのタイミングでタックルが決まったのに・・・」
驚くあみだが、ガイヤの怪力の前にまるでパワーボムの体制のように逆さ吊りにされていった。
両足をジタバタするあみだが、ガイヤがここで急角度のパワーボムであみをマットに叩き付けていった。
バシィィィィ・・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・・あんっ・・・・」
後頭部から叩き付けられてあみは意識を失いかけるが、そんな事には構わずガイヤの狂拳が襲いかかった。
バキッ・・・バキッ・・・
まるでマングリ返しのような格好のあみに、上から畳みかけるようにして顔面へパンチを落としていくガイヤ。
しかし、顔面を殴られて痛がるあみが、何と殴りつけてくるガイヤの腕に両足を絡ませると、何と腕拉ぎ逆十字固めを極めていった。
グイッ・・・
「もらったああぁぁぁ・・・・・」
以外な反撃に、あみは絶叫して試合を決めてやると叫んでいった。
「イタタタタッ・・・ナニするのよ・・・このクソガキッ!」
肘の関節を極められて苦しむガイヤ。
だが、強引に力任せに持ち上げると、変形パワーボムのようにしてあみを叩き付けていった。
さすがにこの一撃にはあみが技を解いてしまうと、ガイヤも反撃に出ようとしていった。
だが、腕と足へのダメージに一旦はスタミナ回復とばかりに距離を置いて腕と足を気にしていた。
しかしあみの方は、変形とは言えパワーボムを二度も受けた事によって、大きなダメージを受けていた。
「うううっ・・・い・・・痛いよ・・・・ナニよ・・・あの怪力っ・・・・」
倒れたまま苦しむあみ。
その間にも、ガイヤはフラついてはいたが、倒れているあみに迫った。
「ブッ殺してヤルヨ!」
そのガイヤの言葉に続いて、倒れるあみの無防備な脇腹に爪先蹴りが突き刺さっていった。
グシュ・・・
「グボッ・・・ぐえええぇぇ・・・・・」
ガイヤの強烈な爪先蹴りの洗礼に、あみは口をパクパクして藻掻き苦しんでいった。
ギュ・・・
「オキルよ・・・ほらッ!」
今度は苦しむあみの髪を鷲掴みにすると、近くの金網に近づいていった・・・。
ガッシャーン・・・・
「ぎゃああああぁぁぁぁ・・・・・」
あみの絶叫する悲鳴が響き渡ると、観客席も盛り上がっていった。
そう、あみの顔面を思いっきり金網にガイヤが叩き付けていったのだった。
必死に金網を掴んで勢いを無くそうとするあみだが、ガイヤが続けて金網に顔面を叩き付けていった。
ガッシャーン・・・ガッシャーン・・・・
「いやああぁぁ・・・・・許してぇぇぇ・・・・痛いぃぃぃぃ・・・・」
あみの悲鳴が響き渡るオクタゴン。その光景にガイヤを後押しするように歓声が起きていった。
『もっと痛めつけてやれ〜!』
『売れないアイドルは地下リングで処刑だぁぁぁ・・・ヘアヌード、ヘアヌードだぁぁぁ・・・』
だが、歓声も関係なくガイヤはあみを金網に叩き付けて反撃出来ないようにすると、ボディスラムのようにして背中から叩き付けていった。
更に、太い太股を叩き付けるようにあみの喉元にギロチンドロップを叩き込むガイヤ。
その技に続いて、ガイヤは両足を使ってヘッドシザースであみの首を締め上げると、あみは両手両足をジタバタして藻掻き苦しんでいった。
「むぐぐっ・・・んんぐっ・・・んんっ・・・」
ガイヤの強烈なヘッドシザース攻撃。その威力の前にあみは呼吸も満足に出来ずにジタバタするが、ガイヤは自分の技の威力も解らずに容赦なく締め上げた。
すると、あみの力が抜けていき半失神状態になってしまった・・・。
「カンタンには終わらせナイヨ!」
するとガイヤも技を解いて、あみを失神までは追い込まず、ニヤニヤすると試合の序盤でのあみの攻めへのお返しを考えていた。
「丁度いい重さネッ・・・スズ本っ!」
すると、グッタリして倒れているあみを起こすと、抱え上げるように持ち上げていった。
そう、観客からはあみにオシッコをさせるようにな体制にしていた。
「お客サンも期待してるね・・・・オマエの残酷なシーンを・・・覚悟シナ!」
ガイヤが半失神状態のあみの耳元で囁く。そう、まるでこれから行われようとしているあみへのドミネート・・・死刑執行を告げる宣告文みたいなものであった・・・。
バキィィィィィィ・・・・・
「ふぎいぃぃぃぃぃぃぃ・・・・・・」
すると突然、あみのビキニショーツだけに守られていた股間を自らの膝に叩き込むガイヤ。
ガイヤの堅い膝があみの股間へ食い込んでいった・・・。そう、それは同時に恥骨などから脳天に衝撃が伝わり、あみは地獄の責めに悲鳴をあげた。
だが、ガイヤはあみを放そうとせず、あみを再び持ち上げていくと、股間めがけてアトミックドロップを叩き込んでいった。
バキィィィィ・・・・・
「ぎゃあああああぁぁぁぁ・・・・・・・・やめてぇぇぇ・・・・壊れちゃうぅぅぅ・・・・」
そう、あみが泣き叫ぶのも無理はない。あみの女性としても大事な股間を何度も膝に叩き付けるという荒技に、あみは地獄の苦しみを与えられていた。
これも、軽量のあみの身体と、怪力のガイヤの組み合わせだから見れた光景だろう・・・。
まだ続いていくガイヤのあみの股間への残酷な攻め。何度も叩き付けられていくと、あみはあまりの衝撃に白いはずのビキニショーツの股間付近を黄色く変色させていった。
「汚いヨッ・・・この娘っ・・・」
その失禁してしまったあみに、汚いと罵声を浴びせてガイヤが放すと、あみの身体がマットに転がり倒れた。
四肢を脱力して倒れているあみ。観客たちも初めて見る残酷なシーンに言葉を失うが、ガイヤは続けて倒れるあみのビキニを剥ぎ取りだした。
無惨にも小振りなバストが露わになっていくと、更にビキニショーツまで脱がせていった。
まるでヘアヌード写真にでもされるようなあみ。一糸まとわぬその姿に、観客たちが叫んでいった。
「ううっ・・・ゆ・・ゆる・・・して・・・く・・・だ・・・さい・・・」
全裸状態で倒れているあみ。まだ失神はしていないようで、微かな意識の中でガイヤに許してくれるように哀願した。
『あみちゃんのアソコが見えないよぉぉぉ・・・・ガイヤ〜、オシッコポーズよろしく!』
観客席からは更に残酷な期待をする観客たちの声が飛ぶと、ガイヤが歓声の通りにあみをまた、オシッコポーズのように抱え上げていった。
今度はアソコを見せると言う言葉に、あみの秘部がパックリと開かれたように見えて、観客席からも見事にあみの秘裂が見えていた。
「ハハハッ・・・これでヘアヌードになってもダイジョウブね・・・・」
そのガイヤの笑い声の前に、ただ大事な所までご開帳状態で晒し者にされていくあみ。失神していればまだ良いのだが、意識があったから更に残酷だった。
『カンカンカンカン・・・・』
この状態に、ガイヤも膝へのダメージもあると考えられて試合は止められていった。
『ただ今の試合、ガイヤの勝利とします!』
そのコールに歓声が沸き上がると、ガイヤは最後にとアトミックドロップを叩き込んでいった。
バキィィィィィ・・・・・
「ぐぎゃあぁぁぁぁぁぁ・・・・・あん・・・・」
今度は直接大事な所に衝撃を受けて、あみは白目を剥いて失神してしまった・・・。
無惨にマットに横たわるあみ。
逆にガイヤはニヤリとして観客に向かってガッツポーズをしていった・・・。
スタミナと技術にまだ課題の残るガイヤ。しかし恐ろしいヒールが誕生する予感がしていた・・・。



第12試合

プロ対アマ。このファンの疑問を解消させるべく、遂に地下プロレスのリングでプロレスラーとアマレスラーが闘う事が決まっていった。
まずは、アマレス代表として選ばれたのが、あの世界大会も制した経験のある山木美憂だった。
153センチの身長だが、鍛え上げられたその身体は、まるで総合格闘技の選手かと思うほどの見事なものだったが、全盛期は過ぎているのか、また試合勘にはまだ疑問符も残るのも確かだった。
そしてプロレスラー代表として選ばれたのが、あのアイドルレスラーの納見佳代だった。
美憂より身長は高く164センチ。体重は58sで、美憂の48sより10s重かった。
だが、美憂も打撃有りのルールは初めてのように、佳代も金網戦は初めてで、まして総合格闘技戦なんてものは考えた事もない程だった。まして、佳代の場合はタッグを組んでいた沸沢美帆とのシングル戦で、顔を徹底的に殴られて一ヶ月間休場と言う事もあったくらいに、打撃に対しては難のあるレスラーだった。
今回の試合は、美憂は格闘技アスリートとして、また旦那が格闘技界を引退して、金銭的問題からも地下リングに上がる決意をし、一方の佳代はプロレスラー代表として、またファイトマネーだけでは少ないからと、多額のファイトマネーを求めての参戦だった。そして、お互いが白いスポーツビキニに着替え、それに手にはオープンフィンガーグローブをはめると、試合の時間を待った。
各の控え室では、緊張する様子の佳代と、逆にレスリング世界大会でトップクラス、いや王者として何度も君臨した事のある美憂の余裕の表情が対照的ではあったが、試合の時間が告げられて金網オクタゴンに向かっていった。
白いスポーツビキニに包まれた佳代がまずは花道に姿を現すと、歓声が一斉に沸き上がっていった。
『おっ・・・プロレスラーの納見ちゃんだ!』
『いいぞぉぉ・・・・久しぶりにやられる所が見たいなぁ!』
そう、歓声を聞いて佳代には金網の悪夢が戻ってくるようであった・・・。
31回大会ではアブドーラ・ザ・ブッチーに血反吐を吐かされる失神KO。45回大会ではスケートの岡崎友美に金網で倒された経験があり、唯一地下リングでの勝ちと言えば、30回大会でのアイドルの河村亜紀に勝利しただけであった。
その佳代が、緊張した表情で金網オクタゴンに入ると、早くも観客たちの視線は佳代の全身に向けられた。
上から80・66・90と言う身体を白いスポーツビキニに包むと、プロレスラーだけあって適度の脂肪と言う事か、腹筋は割れてはいなかったが、プロレスラーだけあってスタミナの点ではトレーニングを積んできたようである。
その佳代の対戦相手は誰かと期待する観客たちの前に、遂に美憂が姿を現していった・・・。
焼けた褐色の素肌に白いスポーツビキニ。そして堂々と花道を金網オクタゴンに向かう美憂。
上から89・58・85のボディと、割れた腹筋といい鍛え上げられた筋肉に観客たちも息を呑んだ。
そして、観客たちに手を挙げてからオクタゴンに入ると、今夜の対戦相手の佳代を睨み付けていた。
無言で睨み合う2人。
だが、美憂が緊張している佳代に一言言い放った・・・。
「プロレスラーだからって、金網の中で何でも有りなら関係ないからね・・・」
その一言に佳代もプロレスラーの意地で言い返す。
「いいわよ・・・ゴングが鳴ればわかるから・・・」
その佳代の言葉に薄ら笑いを浮かべる美憂。
「ふふふっ・・・いいわよ、だったらゴングが鳴ったら虐めてあげるわ・・・アイドルレスラーの納見さんを!」
すると、女としても馬鹿にするように佳代の胸に手を当ててニヤリとしていく美憂。既に挑発していく所は、アマレスラーと言うより、プロレスラーのような振る舞いだった。
だが、佳代の反応も凄まじかった・・・。
バシィィィィ・・・
いきなり張り手を入れていく佳代。しかし美憂はニヤリとしてそのまま金網近くに引いていった・・・。
『第12試合・・・プロレスとアマレスの直接対決・・・・』
そのコールに歓声が起きるが、続けて名前が呼ばれていった・・・。
『プロレスラー・・・・納見〜佳代〜っ!』
表のプロレスのリングならば手を振ったりして歓声に応える所だろうが、佳代は臨戦態勢と言う感じで美憂を睨み付けていた。
『アマレス〜っ・・・山木〜美憂〜っ!』
一方、美憂もコールされても佳代を睨み付けていくと、この試合が激しくなることを観客たちに予感させていった。
『カァーン・・・』
遂に運命のゴングが鳴らされていった。
自信を持って試合に臨む美憂。逆に金網戦に緊張しながらも気合いを入れていく佳代。
だが、ファーストコンタクトはいきなり美憂が素早いタックルを狙って佳代に飛びついていったが、これには佳代も反応して潰すようにして逃げていった。
普段は口に入れることもないマウスピース。これにも佳代は違和感を憶えていたが、美憂は当然アマレスラーだったので、これも初体験だった。呼吸にも影響が出ているようだったが、試合は始まったばかりであった。
タックルを失敗して距離を置く美憂。逆に腕を前に出してタックルを警戒している様子の佳代。
そしてオクタゴンの中を回るようにして睨み合う2人。
だが、美憂が自信を持って佳代にタックルで組み付いていくと、今度は佳代の胴に組み付いて自らの身体を押しつけていった・・・。
これには必死に倒れてはいけないと佳代が踏ん張るが、美憂の勢いに金網に背中を押しつけられていった。
カッシャーン・・・・
「もらったわ・・・」
美憂がタックルの体制で下を向きながら呟いた。
そして、その言葉の通りにしようと倒しにかかるが、ここで佳代が金網を両手で掴んで耐えていた。
だが、その佳代が金網を掴んでいる事を下を向いているから気が付かない美憂は、必死に倒そうとしていった。
美憂が力を入れるたびに、その全身の筋肉が浮かび上がるが、佳代もプロレスラーの意地で必死に倒れないように踏ん張った。
美憂も意地になって倒そうとするが、逆にスタミナを消耗する結果になり、背中などから汗を流し始めていた。
すると、佳代が一気に美憂の首に腕を巻き付けてのフロントネックロックを仕掛けると、美憂は首への痛みも関係なく、一気に倒しにいった。
バシィィィ・・・・
遂に佳代がマットに転がるように倒れるが、美憂の首は絞めたままだった。
だが、首を極められながらも美憂が佳代を仰向けの体制のようにすると、上から乗るようにしていった。
そして、両足を開いて下半身を浮かせていくと、ガラ空きになった佳代のボディへ慣れないながらも拳を叩き付けていった。
ボシュ・・ボシュ・・・
「うっ・・・くっ・・・・」
プロレスではなく、本気の勝負でのパンチ。これには佳代も苦悶の表情を浮かべたが、打撃の上手くない美憂のパンチなので耐えているようだった。
佳代の様子に美憂がパンチを打ち込むと、首に巻き付けられていた佳代の腕から力が抜けると、一気に顔面狙いのパンチを出していく美憂。
しかし、佳代が両足で美憂の身体を挟み込むと、総合格闘技で言うガードポジションのようにして美憂との距離を置いた。
お腹を両足で挟まれて、初めての体験であるガードポジションの体制にどう攻めるか考える美憂。
逆に佳代もガードポジションは取れたが、この後をどうしようか考えていた。
佳代と美憂の額からは汗が流れていくが、試合の動きが止まって観客たちからも苛立つ声が上がっていった。
『どうした、どうした〜っ!・・・納見っ、プロらしくやれよ!』
『山木〜っ、その筋肉は見せかけかよ、そんなアイドルレスラーやっちまえ!』
観客の声が気になり出す佳代と美憂。
そして、美憂が佳代のお腹にパンチを出し始めた。
バシッ・・・バシッ・・・
ハンマーパンチのようにパンチを繰り出す美憂。
逆に、お腹を殴られて苦悶の表情を浮かべるが、まだ腰の入ったパンチではないので、ダメージが少ない佳代。
続けてパンチを受けていくとダメージが大きくなると考えて、挟んだ美憂の身体を揺さぶりかけるようにして倒そうとした。
だが、美憂もレスリング選手だけあって、その辺のボディコントロールは見事で、逆に足を掴んで反転を狙った。
しかし、佳代もその動きに反応して、美憂の顔面へ蹴りを入れると、音を立てて美憂の顔面に佳代の足が炸裂した。
バシィィィィ・・・・
「ぶふっ・・・・・うううっ・・・」
初めて受ける顔面への蹴り。その衝撃に美憂が佳代の足を放してしまうと、堪らず顔面を押さえて転がっていった。
口の中に広がる鉄の味。そう、マウスピースをしていたが口の中を切ったようだった。
佳代も美憂が離れたから立ち上がると、美憂も立ち上がって構えていった。
レスリングのクセか顔を前に出すように構える美憂。だが、佳代もこれは誘っていると思い構えたままだった。
しかし、佳代が警戒していたが美憂の素早いタックルが佳代に決まると、一瞬宙に浮いた感覚からマットに背中から叩き付けられる佳代。
バシィィィ・・・・
内心驚く佳代だが、続けて美憂が横四方固めのようにサイドポジションを取っていくと、押さえ込んでいった。
自分よりも体重が重い佳代を押さえ込む美憂だが、10sの差は大きいようで、大量の汗を流し始めていた。
佳代も時折ブリッジで返そうとするが、そこはレスリングのテクニックでは上の美憂が許さなかった。
だが、ここからが問題で、関節技を練習したとは言え、引退状態の美憂の関節技では現役女子プロレスラーの佳代には苦しかった。
腕などを取りに行くが、佳代も抵抗して簡単には腕を取らせに行かないと、美憂が一気に馬乗り状態を狙っていった。
その美憂の動きに佳代も逃げようとするが、美憂が上手く馬乗り状態になっていった。
すると、佳代の顔面へパンチを落とそうとするが、佳代も両腕でガッチリガードしていく。そのガードの上らか殴りつける美憂。
バキッ・・・バキッ・・・
殴られても顔面へは決まっていないので、佳代も反撃するチャンスを伺っている様子だが、時折見せるブリッジがスタミナを消耗させていた。
だが、殴りつけてくる美憂の腕を一瞬の返しで、腕拉ぎに切り返す佳代。表のプロレスでは見せない素早さだった。
グイッ・・・・
「うわあっ・・・・くっ・・・・」
これには関節を一瞬極められて悲鳴をあげて逃げようとする美憂。
何とか汗で滑って腕が抜けると、転がるように美憂が逃げていった。同じく、佳代も転がりながら立ち上がると、今度は一気に走り込んで立ち上がろうとする美憂の顔面へドロップキックを叩き込んでいった。
バシィィィィィ・・・・・
「ぶふうっ・・・・あうっ・・・」
顔面にドロップキックを受けた美憂は、跳ね飛ばされるように後頭部から金網に叩き付けられると、一瞬意識を飛ばしたようにグッタリと倒れ込む。
更に佳代が攻め込もうとすると、美憂は這うようにして佳代の足に絡みついていった。
だか、上から側頭部などにパンチを叩き込む佳代。
バシッ・・・バシッ・・・
音を立てて美憂の顔に決まっていくが、美憂も倒そうと必死になっていた。
バシィィィィ・・・・
何とか美憂が佳代の足を掬うようにして倒すと、足関節技で極めにいこうとするが、佳代がまたも両足を美憂の首に絡めると、ヘッドシザースのようにして倒して首を極めていった。
グイッ・・・
「ぐぐっ・・・んぐぐっ・・・・」
両足をバタつかせて苦しむ美憂。更に佳代が首4の字固めに移行して痛めつけていった。
佳代も真剣な表情で攻め続けると、美憂は腰を浮かせたりして逃げようと必死になっていった。
だが、体重差が効いているのか、佳代の首4の字から逃げることが出来なかった。
更に、佳代は首4の字に極められて逃げられない美憂の顔面へ拳を、そうハンマーパンチのようにして殴りつけていった。
バキッ・・・バシッ・・・バキッ・・・
容赦なく叩き付けられていく佳代の拳。その拳が確実に美憂の顔面にダメージを与えると、美憂の逃げようとする動きが激しくなっていった。
しかし佳代の両足がガッチリと喉元に食い込んでいて、美憂は逃げられずにただ顔面を殴られて藻掻くだけだった。
次第に美憂の顔には痣のようなものが浮かび上がってくるが、それよりも佳代の首4の字のダメージでスタミナを大分消耗していた。
美憂の抵抗する力が抜けてくると、佳代は一気に技を解いて立ち上がると、元レスリングの女王のプライドを真っ向から壊すように手招きをしてタックルを誘っていった。
「来いよ・・・レスリングがお上手な山木さん?」
佳代が鋭い目つきで手招きする。
「な・・・何ですって・・・馬鹿にしないでよ・・・」
さすがにレスリングを馬鹿にされ、美憂は頭に血が昇ったのか自慢のタックルにいった・・・。
しかし・・・。
グシュ・・・・
そう、佳代の首4の字固めのダメージでスタミナを消耗していて、まして現役を退いていた美憂は、スタミナ面に問題が当然あった訳で、アイドル相手の地下プロレスデビューならば良かったのだが、現役女子プロレスラーではスタミナ面ではきつかった。
そこでスタミナ不足で動きの鈍った美憂のタックルは佳代に見切られてしまい、勢いよく飛び込んだが佳代のカウンターのキチンシンクがお腹を抉っていった。
次の瞬間、美憂の表情が変わっていくと、口から勢い良く反吐がマットに吐き出されていった。
「ウエえぇぇぇぇぇ・・・・・・オエッ・・・・・」
数歩歩くようにして、美憂はお腹を押さえながら倒れ込むと、佳代は美憂を許さずに髪を掴んでいった。
「えっ・・・」
思わず驚く美憂。
その美憂の身体を背後から抱え上げる佳代。それは更にダメージを与えようとバックドロップだった。
バシィィィィ・・・・・
レスリングでも投げはあるが、お腹へのダメージに続けてのバックドロップ。受け身を取る事も出来ずに強い衝撃に意識を朦朧とさせていく美憂。
普通のプロレスならば即レフリーストップであろうが、ここは地下プロレス。
金網オクタゴンの周りで試合を見ている観客たちはエキサイトして、試合を止めるどころか更なる残酷シーンを期待して歓声をあげていった。
『納見〜っ・・・チャンス、チャンス!・・・元レスリングの女王をボコボコにしてやれ!』
『金網に顔面・・・顔面叩き付けて額を割ってやれ!流血戦・・流血戦に追い込んでやれ!』
その歓声に後押しされるように、佳代がニヤリとすると、美憂の髪を鷲掴みにして起こしていった。
だが、膝をついて意識を朦朧とさせる美憂は、口から涎を垂らしながら抵抗出来ない状態だった。
「立つのよ・・・」
更に佳代が起こそうとすると、美憂も意地になって佳代のお腹へパンチを入れていった。
しかし、それは佳代な一面を出す結果になってしまった・・・。
「ナニよそれ?・・・抵抗するなんて生意気ねっ・・・だったらアンタが狙ってきたお腹を潰してあげるわ!」
その佳代の言葉に恐怖を憶える美憂。
だが、次の瞬間に佳代の爪先蹴りが美憂のお腹に突き刺さっていった。
グブッ・・・
「ぐええぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・・」
またも口から勢いよく胃液を噴き出しながらマットに倒れて苦しむ美憂。
お腹を押さえて、俯せ状態で顔面と膝だけでヒップを突き上げるようにして苦しむ美憂。
もうレスリングの女王の貫禄も失せ、今はただ金網オクタゴンで痛めつけられていく生け贄のような状態だった。
「まだ元気があるようね・・・」
更に、美憂の動きを止めようと佳代が俯せの美憂を逆さ吊りのように持ち上げると、パイルドライバーでマットに脳天から叩き付けた。
グシャ・・・・
変な音を立てて倒れ込んでいく美憂の身体。ピクピク痙攣しているようだったが、当然だがアイドルではなくアスリートの地下リング挑戦なので、ここで試合は止められずに続けられていった。
仰向け状態の美憂に佳代がトドメを刺すべく馬乗りになっていくと、抵抗出来ない美憂の顔面を殴り始めていった。
バシッ・・・バキッ・・・バシッ・・・
容赦なく叩き込まれる拳に、美憂は堪らず血塗れのマウスピースを口から吐き出してマットに落としていった。
美憂の口から落ちていくマウスピースは、ネト〜っと血と涎、そして胃液などが混じり込んだ液体が、糸を引くようにしながら口からマットへと落ちていったのだった。
もう抵抗も出来ない美憂。半失神状態だったが佳代が殴りつけると、鼻からも激しく出血していった。
そして、もう失神状態に追い込まれた美憂を俯せにしてから、一気にプロレス技のキャメルクラッチで締め上げる佳代。
無惨にも意識を失った美憂の身体が折れんばかりに、佳代が美憂の上半身を反らしていった。
その状態に、これ以上の続行は危険と見てレフリーが試合を止めていった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
そのゴングの音に佳代は技を解くと、美憂はグッタリとマットに頬をつけて失神していた。
一方、勝利した佳代は失神して倒れる美憂の姿に、自らの地下リングでの勝利を驚くのであった。
『ただ今の試合、勝者・・・納見佳代っ!』
勝利者コールを受けて金網オクタゴンから控え室に戻っていく佳代。
逆に、担架に乗せられて医務室に運ばれていく美憂。
誰が見てもレスリングの美憂が有利と見られていたこの試合。アイドルレスラーと馬鹿にされていた佳代がまさかの完勝と言う結果で終わりを告げたのであった・・・。



第13試合

とある都内某所で、あのタレントの逸見えみりが叫んでいた。
「冗談じゃないわよ!何で私が司会降ろされてさぁ・・・あんなのが続きの番組で司会な訳?」
そう、そう言うのも深夜番組「素晴らしい!」の司会を降ろされてしまったえみりだったが、その後釜番組の司会として居座った
白石美穂に腹を立てての暴言であった。
えみりの友人も同意しながらえみりの話を聞いていると、タレント仲間でもたまに話が出る地下プロレスの話になっていった。
「ち・・地下プロレス?・・・ナニよそれ?」
えみりは半分冗談だと思い笑いながら聞いていると、その友人が言い出した。
「えみり知ってる?その地下プロレスって多額のファイトマネーでノールールで闘わされる格闘技で、多くのアイドルが無理矢理に近い形で出されてるんだって・・・。ただね、秘密は絶対に守られているらしくって、この国の偉い人からお金持ち、芸能関係者まで色々でね・・・」
その話を聞いたえみりは、早速地下プロレスに興味を持ちだした・・・。
「そう・・・いい事を聞いたわ・・・ありがとう・・・」
それから、えみりは何人ものタレント仲間と飲みに行って地下プロレスへの出場を希望していった。
それからしばらくしたある日、えみりの元に一本の電話が入った・・・。
ガチャ・・・
「もしもし・・・」
『逸見えみりか?』
男の声に驚くえみり。最初は誰と思ったが・・・。
『最近、地下プロレスに興味を持っているそうだが・・・』
その地下プロレスと言う言葉に驚くえみりだが、相手から地下プロレスの話を出してきたのだからと、思い切って言い出した。
「持ってるわよ・・・そこに出さしてくれるの?・・・どうせなら、あの白石美穂とデスマッチで闘わせてよ!」
そのえみりの申し出に、理由を聞いてくる相手。
「だって・・・・・」
それからしばらく、えみりは美穂に対する嫉妬心と嫉みの心のうちを吐き出していった。
『いいだろう・・・君は喧嘩が得意そうだから用意する・・・。白石は地下プロレスと言っても嫌がるだろうから、拉致してでも君と闘わせてやろう・・・・』
こうして、えみりと美穂の金網戦は決まっていった・・・。
その金網戦の場所・・・それは、より喧嘩に近いやり方にしようとオクタゴンの中での総合格闘技方式にしようと、メインイベントで行われることなった。
そして、えみりは白いスポーツビキニに着替えて、手にはオープンフィンガーグローブを着けて試合の時間を待っていた。
「何よコレ・・・まぁ、これでアイツをボコボコにブチのめしてやれるんならいいわ・・・」
えみりが美穂との対戦を待っている時、一方の美穂は都内某所で黒服たちによって拉致に近い形で連行されていった・・・。
「なっ・・・何するのよ・・・・やめてよ・・・・警察呼びますよ!」
抵抗する美穂に、黒服の一人がクロロホルムを湿らせた布を顔に押し当てて静かにさせていった。
「ううっ・・・・うっ・・・ん・・・・」
それから、美穂が目を覚ましたのは、地下プロレスの会場の控え室だった。
「ど・・何処よ・・・ここは・・・・」
意識を取り戻す美穂。だが残酷な現実を知らされていった。
『ココか・・・ここは地下プロレスの会場だ・・・』
黒服が笑みを浮かべながら美穂に説明していった・・・。
「な、何で・・・私がプロレスなんて・・・・で・・・出来ない・・・そんな事・・・・」
嫌がる美穂だが、黒服が脅しかけるように言い返した。
『覚悟した方がいいな・・・断れば集団リンチでも、輪姦されるかもな・・・・ビデオ付きなっ・・・』
その言葉に怯える美穂。
『まずは着替えてもらおう・・・その服がダメになったら困るだろう・・・ホラッ・・・』
美穂の前には、事前に美穂の身体のサイズに合わせた白いスポーツビキニと、オープンフィンガーグローブが置かれた。
「い、イヤです・・・・こんなの・・・何で私が・・・・」
更に嫌がる美穂。だが黒服たちが控え室に入ってくると、無理矢理に着替えさせていった・・・。
「やめて・・・触らないで・・・・き、着替えるから出ていってよ!」
結局、黒服たちの脅しに屈した形の美穂は、水着に着替えていくのであった。当然、その模様もビデオに撮影はされていた。
「これでいいの?」
水着に着替えた美穂は、リングシューズも履かされると、口にはマウスピースを入れられて連れて行かれた・・・。
両腕を掴まれて、まさに強制連行と言う感じの美穂。
「やめて・・・放して・・・・何でなの・・・・私が・・・・」
しかし美穂の身体は金網に囲まれたオクタゴンへ近づいていった・・・。
そして花道へのドアが開かれると、そこには狂喜に満ちた地下プロレス会場だったが、無理矢理に連れてこられる美穂の姿に歓声が更に高まっていった。
『いいぞぉぉぉぉ・・・・・』
『早く始めろ〜っ!』
その歓声に怯える美穂。しかしそれも仕方ない事だった。無理矢理に連れてこられて水着にされて、今から金網の中で喧嘩まがいの事をさせられようと言うのだから。
金網オクタゴンの中に入れられていく美穂。
「な、何よ・・・・これ・・・」
金網に囲まれているオクタゴンに立つ美穂だが、何が何だか解らずに怯えている様子だった。
だが、その美穂に声を掛ける者がいた・・・そう、えみりだった。
「ハハハッ・・・・やっと来たわね。今夜は覚悟しな・・・・白石っ!」
そのえみりの言葉に驚く美穂。
「えっ・・・・逸見さん・・・・」
だが、えみりも悪意に満ちた言葉を返した。
「何が逸見さんだよ・・・この性悪女っ・・・・その身体で司会になったんでしょう?」
その言葉に、美穂が考えるようにしてから言い返す。
「何よ・・・それって人気とか色々と関係して・・・・」
その美穂の言葉にえみりが怒り出した。
「何よソレ・・・・私が人気ないからって言うの・・・・いいわ、ここなら思いっきりアンタを苦しめてあげれるからね・・・・」
手を組んで関節を鳴らして威嚇していくえみり。
「そ・・・そんな・・・・」
目の前のえみり。そして周りの歓声に包まれたオクタゴン。もう美穂は何が何だか解らなくなっていた。
だが、無情にもリングアナがコールが始まっていった・・・。
『第13試合・・・因縁の対決!・・・・深夜番組降板劇の恨みを金網オクタゴンで返すことが出来るか?・・・逸見〜、えみり〜っ!・・・・突然の地下格闘技参戦っ・・・そして今夜は無事に帰れる事が出来るか〜・・・白石〜美穂〜っ!』
そのコールに周りを見て怯えている様子の美穂だが、えみりが近づいて言い出した。
「今夜は覚悟しろよ・・・オマエに血反吐吐かせて全裸にして晒し者にしてやるよ・・・」
その言葉に、美穂も言い返した。
「なっ・・何よ・・・そんな事しか言えないから降板されるのよ・・・。だいたい、それって貴方の勝手な言い分でしょ?」
その言葉にえみりが一瞬黙ると、鋭い目つきのまま美穂に言い放った。
「裏で何してるかわからないもんね・・・特にアンタみたいなのは?・・・・いいわ、ゴングが鳴ったら覚悟しなっ!」
そう言うと、美穂の肩を押してから距離を置いていった。
そしてレフリーが美穂にルール説明をするが、その間もえみりは視線を反らすことなく睨み付けていた・・・。
『カァーン・・・』
遂に美穂の今夜の運命を決めるゴングが鳴らされると、えみりが突然走り出して美穂に飛び蹴りを放っていった。
グシュ・・・ガッシャーン・・・・
「いやああぁぁぁ・・・・・・あんっ・・・」
いきなりのえみりの飛び蹴りを肩口に受けて、体制を崩して金網に背中から叩き付けられて悲鳴をあげる美穂。
グイッ・・
「誰が寝ててイイって言ったよ?・・・・ほらっ!」
更に美穂の髪を掴んで起こしていくえみり。だが美穂も抵抗していった。
バシッ・・・
「やめてよ・・・放してよ・・・」
だがえみりは構わず髪を掴んでオクタゴンの中を引き吊り回すと、金網に顔面から叩き付けていった。
ガッシャーン・・・・
「きゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・」
顔面を叩き付けられた衝撃に、大きな悲鳴をあげて痛がる美穂。
「何がキャアアア・・・だよ・・・ボケッ!」
その美穂に、構わずエルボーを肩口に落として痛めつけるえみり。
グシュ・・・
「ぐふっ・・・」
金網を掴んだまま、膝をついて痛がる美穂。その苦悶の表情はリングサイドの観客からよく見えて、益々えみりに対する期待の歓声が大きくなっていった。
「ほらほらっ・・・今度は何がイイかしら・・・白石さん?」
その美穂に悪意に満ちた表情で近づくえみり。しかし、美穂も意地になって反撃に出た。
バシッ・・・・
「何よ・・・調子に乗らないでよね!」
そう、近づくえみりのお腹へパンチを入れると、動きの鈍った所で立ち上がって張り手を入れていった。
バシィィィ・・・・
しかしえみりは悲鳴をあげる所か、逆にニヤリと美穂を見つめていった。
「いいわよ・・・そういう必死の表情で反撃するって・・・」
そのえみりの言葉に美穂が驚いていた。
「な、何よ・・・その余裕は・・・余裕ぶらないでよね!」
更に蹴りを入れていくが、これにはえみりが股間へ蹴りを入れていった。
バキッ・・・
「ふぎいぃぃぃぃ・・・・・うううっ・・・・うううっ・・・・」
まさに恥骨直撃のような衝撃に、美穂は身体を動かす事も出来ずに倒れると、股間を押さえて苦悶の表情を浮かべていた。
「使い物にならなくなったら大変ね・・・白石さん?」
オクタゴンの中で股間を押さえて倒れる美穂に言い放つと、えみりが股裂き状態にしていくと、痛がる美穂の股間へ踵を押し当てていった・・。
グイッ・・・
「ほらほらっ・・・オマエの大事なオマ○コをぶっ壊してやろうか?」
遂に出てきたえみりの怖さ。
「や・・やめて・・・そ・・・そんな酷いこと・・・やめて・・・」
しかし、えみりの踵が浮き上がると美穂の股間へ叩き付けられていった。
バキッ・・・
「ひぎいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・・・・あうっ・・あうっ・・・」
口から悲鳴と共に涎を垂れ流していく美穂。あまりの衝撃に口をパクパクして苦しんでいた。
「ふふふっ・・・・ソコを使ってレギュラーの座を取ったのかしらねぇ・・・・白石さん?」
股間を押さえる美穂に語りかけるように言い出すえみりは、その苦しむ美穂を見つめてニヤリとしていった。
「ううっ・・・・そ・・そんな・・こと・・・言っても・・・・」
美穂が苦しみながらつぶやき出す・・・。
「そんなこと?」
「そう・・・番組って・・・言うのは・・・・人気があれば出れる・・・それだけでしょ・・・」
涙ぐみながら言い出す美穂の言葉に、えみりは更に怒りまくっていくのであった。
「何よ・・・その言いぐさ・・・・」
えみりの視線が鋭くなると、今度は倒れている美穂の無防備なお腹へ、えみりの爪先蹴りが炸裂していった。
グシュ・・・・
「うっ・・・ウベエェェェェ・・・・・・」
一瞬間を置いて、美穂の口から激しく反吐が飛び出ると、マットの上に異臭を放つ物体を撒き散らしていた。
「あらあらっ・・・汚いわねぇ・・・・美人だ何だと言われも結局は同じなのよねぇ・・・ふふふっ・・・」
更に、その美穂の両足首を掴んで引きずると、反吐の臭いから逃げるようにしてからえみりが顔面を踏み付けていった。
グリグリッ・・・・
「ほらほらっ・・・綺麗な顔が台無しねぇ・・・・ふふふっ・・・」
サティスティックな笑みを浮かべるえみり。
グイッ・・・
「立つのよ・・・寝てちゃつまらないでしょ・・・・」
そして髪を掴んで美穂を起こすと、首を引きつけてからヒザ蹴りを何度も叩き込むえみり。
グシュ・・・バシッ・・・
「ぐふうっ・・・・んぐうっ・・・あああっ・・・・」
苦しむ美穂。口からは涎を垂れ流していた。
バキィィィィ・・・・・
「ひいいぃぃぃぃぃぃ・・・・」
更にえみりが美穂の顔面をマットに叩き付けるフェイスバスターを放つと、美穂は顔面を押さえてジタバタ藻掻き苦しんでいた。
グイッ・・・
「立つんだよ・・・」
更に美穂を立たせていくえみり。その立たされていく美穂の顔は、今の一撃に鼻から大量の鼻血が溢れ出していた。
もう戦意喪失・・・もとより闘う意思のなかった美穂は、大量の鼻血が出た事で更に悲惨な状態になっていった。
「おらおらっ・・・もっと泣き叫んでみな!」
その美穂に対して蹴りまくって更に追い込んでいくえみり。
バシッ・・・バキッ・・・バシッ・・・
「ううっ・・・ああんっ・・・いやっ・・・やめて・・・・」
全身を蹴りまくられて藻掻き苦しむ美穂。
だが、仕上げとばかりにえみりが馬乗りになっていくと、美穂の顔面へ容赦ない顔面パンチを落としていくのであった。
バキッ・・・バシッ・・・バキッ・・・
完全に逃げられない美穂。逆に構わず鼻などを殴りつけていくえみり。
次第に血飛沫が飛び散る凄惨なシーンになっていくと、美穂も藻掻いていたが抵抗が少なくなっていった。
赤い美穂の返り血に染まっていくえみりの拳のオープンフィンガーグローブ。特製の白色の為に血が滲むのがよくわかった。
もう意識を朦朧とさせている美穂のやられ方に、観客たちも声を失っていた・・・。
しかし、ここで危険な状態になるまえにとレフリーがえみりを止めていくと、ここでえみりのレフリーストップ勝ちが決まっていった。
「な、何よ・・・まだ満足してないわよ!・・・ちょっと・・・放してよ!」
えみりはまだ暴れ足りないのか、レフリーに文句を言い放つが、そのえみりのヒップの下には半失神状態の美穂の姿があった。
「いいわ・・・だったら・・・」
すると、意識を失いかけている美穂の血に染まったスポーツビキニのブラを脱がせていった・・・。
えみりが容赦なく脱がせていくと、美穂は83センチと言われている美乳を露わにさせてマットに横たわっていた。
『カンカンカンカン・・・・』
少し遅れてのゴングの音。
すると、えみりはトップレス状態で横たわる美穂の顔面を踏み付けると、観客に向かってガッツポーズをしてから金網オクタゴンから出ていった・・・。
「ふん・・・調子に乗るからいけないんだよ・・・」
そのえみりの足元で、涙を流す血塗れの美穂。
「な・・・何で・・・私・・が・・・・」
こうして、因縁の対決は終わっていったが、突然地下リングに上げられた美穂が悲惨な結果に終わった試合でもあった。
えみりは満足気だったが、医務室に連れて行かれた美穂の前に黒服が現れた。
『悲惨な結果になったが・・・・ここでの話は黙っている方が徳だぞ・・・。』
その黒服の言葉に黙り込む美穂。顔には痣などが浮かび上がっていた。
『このリングでは、各界の大物が多く見に来ている・・・。ここでの事を言い出したら、それこそ芸能界・・・いや明日の空気が吸えない事にもなるかもな?・・・事故と見せかけたりして・・・まぁ、君が其処まで頭の悪い子とは思えないし・・・』
まるで脅迫のような黒服の言葉。
その言葉の前に、美穂は黙ってベッドに横になっているのであった・・・。
こうして、金網オクタゴンでの大会は終わりを告げていくのであった・・・。

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