第1試合

前回の凄惨な金網オクタゴンでの試合から3日後、普通のプロレスのリングでの地下プロレスを見たいとの声に押され、短期間で次の大会が組まれていった。
基本的には金網大会に出なかった者を出す予定だったが、果たして・・・。
そんな中、第1試合が始まろうとしていた。
『第51回大会・・・第1試合を行います!・・・青コーナー・・・戸向美奈子〜っ!』
まずリングに出てきたのは、あの90センチのバストを揺らしながら登場の美奈子だった。白い胸元の開いたワンピース水着姿に、膝にはサポーターをしていた。
『赤コーナー・・・江川〜有美〜っ!』
そして今夜、美奈子の対戦相手としてリングに上がったのは、かつて同じバラエティ番組にも出ていた有美だった。
美奈子と違うが、黒い競泳水着を着てのリングインだったが、早くも反対コーナーの美奈子を睨み付けていた。
グラビアで活躍している美奈子。一方、バラエティでは台湾まで行ってプロレスまでさせられていた有美。
しかし現在の活動を見れば、有美は落ち目のタレントで、美奈子はグラビアでは活躍する売れっ子。当然だか、有美としては面白くないから地下リングでプロレス対決と考えていったのだった。
美奈子は番組では笑っていただけであったが、有美はプロレス特訓まで受けていたので、プロレスの基礎などはシッカリと仕込まれていたのであった。そして、その時の憂さを晴らすかの如く、有美は美奈子の目の前に立っていた。
「え・・江川さん・・・何で・・・」
有美の鋭い視線に美奈子が呟く・・・。
「何でって・・・アンタだけ特別待遇でさぁ・・・私たちは台湾でプロレス?・・・それに色々とさせられたりね・・・」
その有美の言葉に、美奈子が返す。
「そ・・・そんなぁ・・・美奈子には関係ないし・・・・」
「そういう所が腹が立つのよ・・・今夜は覚悟してよね!」
そう、有美は美奈子と違い、ライオネル飛鳥から直伝のプロレス修行を受けていたのであった。
『今夜の大会は、地下プロレス特別ルールで、スリーカウント・ギブアップ等のルールで行われます!』
ルールの説明がされたが、この地下プロレスルールだと場外カウントはなし、反則は5秒と言われるが、確かなルールではないようでもあった。
白い水着に156センチの身長で、90・58・85の身体を包み込んでいる美奈子。
一方、黒い水着に163センチ、上から85・60・88と言う身体の有美。
体格的には有美が上回っていたが、美奈子も地下プロレスの経験は有美より上であった。
『カァーン!!』
そしてゴングが鳴り響くと、美奈子と有美は勢いよくコーナーから飛び出すと、距離を置いて睨み合っていった。
バンッ・・・
そして2人の踏み込む音が響き渡ると、美奈子と有美が組み合って押し合っていった。
だが、力では有美が上回っているのか、ロープ際まで美奈子を押し込んでいくと、頬に張り手を入れていった。
バシィィィィ・・・・
「来いよ・・・コラァァァ・・・・!」
美奈子に張り手を入れると、距離を置いて挑発していく有美。一方、頬に手を当てて有美を見つめる美奈子。
すると、美奈子が有美に近づくと、いきなり張り手を見舞っていった。
バシィィィィ・・・・・
すると、有美も黙ったまま美奈子の頬に張り手を入れると、お互いが激しい張り手合戦になっていった。
パシッ・・・パシッ・・・
お互いの頬が赤くなるのも構わず、2人は相手の頬を張っていったが、美奈子がいきなりタックルのように組み付いて倒していった。
バンッ・・バンッ・・・
「ワン・・・ツー・・・」
レフリーがいきなりカウントを入れ始めると、有美は肩を浮かせて驚いていた。そう、美奈子はフォールを狙ったのだった。
フォールに失敗したからと、美奈子は立ち上がると、エルボードロップを有美に叩き込もうとするが、これには有美が場外に転がり逃げた。
「何よ・・・プロレス修行したって言うなら逃げないでよね!」
リング上から挑発していく美奈子。
「何よ・・・これもインサイドワークって言うのよ・・・この胸だけアイドルっ!」
有美も場外で美奈子を睨み付けると、リングに戻ろうとしていた。
だが美奈子も有美のリングインを狙っている様子で、飛びかかろうと言う姿勢が丸見えだった。
有美がサードロープを掴んでリングインしようとすると、エプロンサイドに登った所を美奈子がドロップキックで場外に叩き落としていった。これには苦悶の表情を浮かべる有美。場外に落ちて打ち付けた腰を押さえながら苦しんでいた。
そして有美がまたリングに戻ろうとエプロンサイドに上がると、美奈子が有美の髪を鷲掴みにしてコーナーに連れて行くと、コーナーポストに有美の顔面を叩き付けていった。
バキッ・・・
「ぎゃあああああぁぁぁ・・・・・・」
悲鳴をあげる有美。しかしリング下には落ちずにいた。すると、お返しとばかりに美奈子の髪を掴むと、反対コーナーに連れて行って顔面をコーナーポストに叩き付けていった。
バシィィィ・・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・・」
悲鳴をあげて痛がる美奈子。美奈子が悲鳴をあげると、有美がトップロープに上がって怯んだ美奈子の背中にエルボーを落としていった。
バキィィィィィ・・・・
「きゃああああぁぁぁぁ・・・・・」
またも美奈子の悲鳴がリングに響くと、美奈子は背中に手を回してリング上を倒れて、そしてのたうち回った。
「おらっ・・おらっ・・おらっ・・・」
有美が気勢をあげて美奈子の顔面へストンピングを叩き込むと、美奈子は顔面を押さえて悲鳴をあげていった。
更に、美奈子の両足を抱え込んで逆エビ固めを決めていく有美。
グイッ・・・・
「痛いぃぃぃぃ・・・・・ぎゃああああああぁぁぁぁ・・・・・・・・イタアァァァァ・・・・・・」
激しくマットを叩いて藻掻き苦しむ美奈子。有美もギブアップ狙いのようにして、美奈子の背骨を軋ませていった。
必死になってロープに手を伸ばす美奈子。その必死に伸ばそうとする手がロープにもう少しだったが、水着から胸がこぼれ落ちるのももう少しと言った所だった。
『ロープ・・・ロープ・・・・』
しかし美奈子の手がロープに届くと、有美が仕方ないとばかりに技を解いていった。
「ハァ・・・ハァ・・・・くっ・・・・」
苦しそうな美奈子。しかし立ち上がろうとすると、腰を狙ってストンピングを入れていく有美。
バシッ・・・バシッ・・・
「うぐっ・・・イタッ・・・・ああん・・・・」
蹴られる度に悲鳴をあげて逃げまどう美奈子。
「ふん・・・大した事ないわねぇ・・・」
逆に余裕の表情で手招きして美奈子を誘い込む有美。
腰に手を回して、痛そうにしながら立ち上がる美奈子だが、顔は苦痛に歪んでいた。
その苦しみながらも立ち上がった美奈子に、またも有美のプロレス技が炸裂していった。
バシィィィィィ・・・・・・
「ぶぎいぃぃぃぃぃ・・・・・」
そう、有美の勢いのあるラリアットを顔面に受けて、変な悲鳴をあげて倒れ込む美奈子。
その美奈子の自慢の胸に、有美が勢いを付けてエルボードロップを落としていった。
グニュゥゥゥゥゥ・・・・・・
「ぎゃあああぁぁぁぁ・・・・・・・」
自慢の胸を有美の肘に抉られて、その痛さに悲鳴をあげていく美奈子。
「何よ・・・特別扱いされてると違うわねぇ・・・・かかってきなよ!」
逆に余裕の表情で倒れている美奈子に手招きしていく有美。まるでプロレス技を叩き込んでこいと言う姿勢だった。
「くっ・・・くっそ〜っ!」
美奈子は有美の余裕の態度に、頭に来たのかマットに叩いて起きあがると、有美に向かって飛びかかっていった。
バキッ・・・
「おらあああぁぁぁ・・・・・」
まるでプロレスの試合そのままの様に、美奈子が気勢をあげて有美の頬にエルボースマッシュを叩き込むと、有美は一瞬フラつくが、ニヤリとしていった。
「いやあああぁぁぁぁぁ・・・・・・」
更に悲鳴みたいな声をあげて美奈子が有美に蹴りを入れていくと、有美のお腹に当たって少し苦悶の表情を浮かべていった。
しかし、有美も今の一発には頭に来たのか、いきなり美奈子の髪の毛を鷲掴みにすると、一気に顔面をマットに叩き付けるフェイスクラッシャーを叩き込んだ。
バキィィィィ・・・・・
「うぎゃあああぁぁぁぁ・・・・・顔がぁぁぁ・・・顔がぁぁぁぁ・・・・」
泣きそうな悲鳴で苦しむ美奈子。その倒れて顔面を押さえる美奈子の腰に、有美がニヤリとすると、ヒップドロップを叩き込んで、続けてキャメルクラッチを決めていった。
グイグイッ・・・・
「ううっ・・・・あふっ・・・・・ううんっ・・・・・」
口を押さえられて悲鳴も上げられず、美奈子が有美の手を掴んで苦しんでいた。
「ほらほらっ・・どうしたのよ・・・ほらっ!」
更に揺さぶりかけていく有美。
そして有美が放すと、美奈子はマットにグッタリと倒れ込んで、苦しそうに呼吸をしていた。
その美奈子から距離を取る有美。その倒れている美奈子の姿に、何かを狙うようにロープに走り込むと、助走をつけてから美奈子の無防備な脇腹に低空ドロップキックを叩き込んでいった。
バシィィィィ・・・・・
「グボオッ・・・・・」
これには美奈子の表情が変わると、一気にリング下に転がり落ちていった。
「ケホッ・・ケホッ・・・苦しい・・・・」
リング下に落ちた美奈子は、口から涎のようなものを垂れ流しながら涙目になっていると、対する有美はコーナーポストに上がって観客に両手を広げてアピールしていた。
「どっちが強いか解ったでしょ?・・・どんどんいくわよ!」
その有美のアピールに歓声が沸き上がるが、美奈子はどうやって有美を攻めるか考えていた。
だが、方やプロレス修行として基本を習っていたのに対し、美奈子は地下プロレスで適応していったが、基本は習っていない状態だったので、技は出せるがキツイものがあった。
仕方なくリングに上がろうとすると、その美奈子の顔面へ有美が喧嘩キックを叩き込んで、またリング下に落としていった。
またもリング下に転がり落ちる美奈子は、顔面を押さえながらフラフラしながら立ち上がると、またリングに戻ろうとしていった。
すると、今度は有美が美奈子の髪を掴んで、顔面をロープに擦り付けて痛めつけていった。
ギュ・・ギュギュ・・・・ギュ・・・・
「いやあああぁぁぁ・・・・・・顔が焼けちゃうぅぅぅぅ・・・・やめてぇぇぇぇ・・・・」
美奈子が泣き叫んでいくのも無理はない。番組での因縁からか有美が思いっきり美奈子の顔をロープに擦り付けるので、そのワイヤーを覆っているゴムとの間で、美奈子の顔には摩擦熱からの激痛が走っていたからだ。
その美奈子に、ロープ越しにヘアーホイップでリング内に入れていく有美。美奈子は投げられてから顔を押さえて苦しんでいた。
グイッ・・・
「ほらほらっ・・・苦しむ顔をもっとしてくれなきゃ・・・ダメでしょ?」
更に有美が美奈子にヘッドシザースに捉えると、グイグイと太股で締め上げて、更には髪を掴んでグイグイして痛めつけていった。
「ううっ・・・んぐぐっ・・・苦しい・・・・ああっ・・・・んんんっ・・・・」
両足をバタンバタンさせて藻掻き苦しむ美奈子。しかし有美が逃げれないようにと締め上げた。
しばらく美奈子を痛めつけると、有美は立ち上がって距離を置いていった。
「うううっ・・・・痛い・・・」
堪らずフラフラになりながらも立ち上がる美奈子。しかし有美が走り込んでのボディアタックから畳みかけるようにして、フォールでカウントを取っていった。
『ワン・・・ツー・・・・ス・・・・』
フラフラの美奈子だから、当然の事ながらポッチャリの有美のフォールを返せるはずがなかったが、ここは有美がスリーカウントギリギリで美奈子の肩を浮かせてから、試合を続けていった。
美奈子にとっては地獄の時間になるのか、有美が試合を止める気がないので続いていった。
グッタリする美奈子。しかし有美は許さずに美奈子の90センチのバスト目掛けてニードロップを何度も落としていった。
グニュ・・・グニュ・・・
「ひぐうっ・・・ひいぃぃぃ・・・・」
自慢のバストを膝で押しつぶされて、その激痛に喘ぐ美奈子。
有美のニーが叩き込まれる度に、美奈子の乳房が水着の胸の谷間から、飛び出しそうな勢いだった。
「ほらほらっ・・・大した事ないわねぇ・・・・いくわよ!」
更に、有美は美奈子を虐めようと両足首を掴むと、一気に股裂き状態のようにして、美奈子の水着の布地にだけ守られた股間へ爪先でグイグイと電気アンマのようにして刺激を与えていった。
ググッ・・・ググッ・・・ググッ・・・
「ああんっ・・・・あああっ・・・・ああっ・・・・ああっ・・・・」
敏感な部分に刺激を与えれて、思わず喘ぎ出す美奈子。
「ふふふっ・・・ソコでのし上がってきたクセに・・・この変態娘っ!」
更に有美の目つきが鋭くなると、美奈子の股間へ更なる刺激を与えていくのであった。
ググッ・・ググッ・・・
「ううんっ・・・いやあっ・・・ああんっ・・・ああっ・・・」
その嫌がる美奈子に、有美は踵を浮かせて一気に股間へ踵を落とすと、美奈子に悲鳴をあげさせていった。
グキッ・・・
「うぎゃあああああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・」
すると、美奈子の足首を放してから、髪を掴んで起こしていった。
有美に髪を掴まれて起こされても、美奈子は股間への激痛に股に手を当てて半泣き状態だった。
だが、有美はそんな事は構わずに、バックを取ると受け身が取れない状態の美奈子に、勢いのあるバックドロップを仕掛けていった。
バシィィィ・・・・
後頭部から思いっきりマットに叩き付けられていく美奈子。この一撃で半失神状態のようだったが、有美は構わず起こしていった。
「立つんだよ・・・・」
すると、またも美奈子に容赦なくバックドロップを炸裂させていった。
バシィィィィィィ・・・・・・
これには失神寸前の美奈子だが、その叩き付けた体制のままバックドロップホールドのようにして、有美がフォールしていった。
『ワン・・・ツー・・・・ス・・・・』
しかし、またもレフリーのカウントが決まる直前に有美がフォールの体制を崩していった。
四肢を脱力させるような格好の美奈子。もう試合続行は難しいように見えたが、有美はまだいじめ抜くつもりのようだった。
「ふん、こんな物は脱いじゃえば?」
そう言うと、美奈子の水着の肩紐を外して、腰の部分まで脱がすとトップレス状態にしていく有美。
すると、美奈子の90センチのバストが露わになっていった。
もう意識も朦朧とする美奈子だったが、有美はそのままトップレス状態の美奈子をリング下に落とすと、髪を掴んでフラフラする状態のまま観客席に迫った。
髪と腕を掴んで美奈子の動きを封じている有美。そのまま観客席に行くと、叫び声をあげた。
「ほらほらっ・・・・このホルスタインのオッパイの感触・・・楽しんでいいわよ!」
すると、その有美の呼びかけに観客席から美奈子の乳房に向かって手が伸びてくると、容赦なく美奈子のバストを揉んだり触っていった。
「ううっ・・・や・・やめて・・・触らないで・・・いやっ・・やめて・・・お願い・・・・」
必死に嫌がる美奈子。しかし観客たちの手の勢いは変わらず、美奈子の胸を揉みまくっていった。
その悲鳴をあげる美奈子の背後では、動きを封じている有美がニヤニヤしながら観客たちを見つめていた。
だが、その有美の視線にある物が目に入ってきた。そう、金属チェーンだった。
「ふっ・・・そろそろ仕上げにいくか!」
有美が叫び声をあげると、いきなり観客たちから美奈子を離すと、リングサイドに連れて行ってから、金属チェーンを美奈子の首に巻き付けていった。
嫌がる美奈子。首に巻かれたチェーンに手を回して逃げようとするが、有美がそれを許さずにエプロンサイドに上がると、トップロープに乗せてから、リング上から一気にチェーンを引きだした。
グググッ・・・・
「うううっ・・・・ううっ・・・・・」
呻き声の様な苦痛の声をあげる美奈子。まるで観客席からは絞首刑のようだった。
「ほらほらっ・・・子豚の処刑だぁぁぁ・・・・おらあぁぁぁぁぁ・・・・」
有美もリング上で、全身の力を使ってチェーンを引いていくと、美奈子の首は無惨にもチェーンによって締め上げられていった。
グググッ・・・・
あまりの残酷な責めの前に、美奈子は口から泡ブクのような物を噴き出し始めていた。
その様子に、レフリーが危険と判断して、ゴングを要請するのであった。
『カンカンカンカン・・・・』
会場に乱打されていくゴングの音。ここで試合は終わりを告げるが、有美がグイグイとチェーンを引いていくと、美奈子は白目を剥いて完全に失神してしまった。
その美奈子虐めに夢中の有美を、レフリーが止めていくと、ここで美奈子の地獄の時間は終わりを告げていった。
『勝者・・・江川有美っ!』
そのコールに続いて、有美はレフリーから手を挙げられて勝利を告げられていた。
だが、その有美はリング下でトップレス姿で担架に乗せられていく美奈子を見て、一言呟いた。
「ふん・・・特別扱いって言っても・・・地下リングじゃあ関係ないわね・・・・」
こうして、第1試合が終わりを告げていった・・・・。



第2試合

『君も女優として頑張っているそうだけど・・・今のままじゃあマズイだろ?』
そう言われて黙るのは、今の芸能界での地位を気にしていた鷹田万由子だった。
東大出身タレントと言われ、一時期は色々と顔を出してはいたが、それだけで生き残れるほど芸能界は甘くはなく、その現実を身に感じていた。
その黙り込んで考える万由子に、芸能プロデューサーがある誘いを掛けた。
『ふふふっ・・・まぁ、君さえよければ・・・地下プロレスって言う手もあるんだがな?』
その地下プロレスと初めて聞く言葉に、万由子が驚いていた。
「ち・・・地下プロレス?」
そう言えば、万由子は留学していた時に三流雑誌で読んだ様な気がしていたが、その夢のような世界が今まさに自らの身に降りかかろうとしていた。
『そうだ・・・。其処に出ればある程度のケガは覚悟だが、芸能界での地位はある程度は約束される・・・』
しばらく説明を聞くと、万由子は嫌々ではあったが地下プロレスへ出る事を決めていった・・・。
出場は2週間後と言われ、一応は最低限のプロレス技術を学ぶため、指定されて都内某所でトレーニングをしていく万由子。
ギギッ・・・ギギッ・・・
バシッ・・・バシッ・・・
バーベルを持ったり、サンドバックを叩いたり蹴ったりと、色々と練習していく万由子だったが、もう年齢も31。
それに、今までそれと言った運動経験もなく、教えていた地下プロレスの専属コーチ達も万由子の試合の流れが見えているかの様な表情を浮かべていた・・・・。
(可哀相に・・・まっ・・餌食だな・・・・)
そうしているうちに、2週間が過ぎていき試合当日となってしまった・・・。
「こ、今夜ね・・・試合の日は・・・」
緊張しながら都内某所の地下プロレス会場に案内されると、控え室に向かって準備していった。
『今夜の第2試合が君の試合の順番だ。まぁ、デビュー戦になる訳だが、最初は女性タレント同士の試合だ・・・』
その案内役の黒服の言葉に、万由子は緊張しながら聞き返した。
「そ・・・それって・・・男性と女性の試合も?」
その質問に黒服が答える。
『ふふふっ・・・何時かわかるだろうが、ゴシップ記事などで事務所に損害を与えたりしたら、もう地下プロレス行き決定って感じで、巨漢レスラーの餌食になるしかないしな・・・』
その言葉に信じられないと言う表情を浮かべる万由子。
黒服が控え室から出ると、準備されていた白いワンピース水着に着替えていく万由子。
「水着なんて久しぶりね・・・人前で水着になるなんてないし・・・」
そして水着に続いて、膝と肘にサポーターを着けて、上着を羽織ると時間を待った。
その万由子の今夜の対戦相手だが、万由子には知らされていなかったが、対戦相手には知らされていた。
「ふん、同じ大学出たからって一緒にしてもらいたくないわ・・・・人気だって私の方が上だし・・・」
そう、万由子の対戦相手は、金網オクタゴンの試合で河村ひかるを全裸処刑にした菊河怜だった。
あの試合から3日しか経っていなかったが、相手が万由子と聞いて自ら希望してきたようだった。
怜も控え室で着替えていくと、金網戦の時の様にスポーツビキニ。それも今回は黒色のものを着込んでいた。
それにリングシューズ。まるで白いワンピース水着の万由子とは対照的だった。
ガチャ・・・・
『時間だ・・・』
そして各の控え室に黒服が試合の時間を告げに行くと、怜と万由子は控え室からリングに向かって歩き出していった。
長い廊下から、扉を開けてリングのあるホールに出ると、そこは観客たちの歓声に満ちた狂気の世界だった。
この状況に万由子は、改めて自分がとんでも無い世界に足を踏み込んだ事を認識したが、もう仕方ないとリングに向かって歩いていった。
水着だけだと恥ずかしいと、まずは上はジャージみたいなものを着ていたが、リングインするともう大歓声に包まれていた。
一方、余裕の表情でリングに向かっていくのは、怜の方だった。
「私の試合の相手って・・・菊河さん?」
怜がリングインするのを見て、万由子が驚きの表情をしていた。
たしかに、怜は同じ大学出身と言う事もあって知っていたが、今や後輩である怜の方が人気・実力とも上だった事に焦りもあった。
「今夜はヨロシクお願いします・・・先輩っ!」
その万由子にまずは牽制するように言い放つ怜。更に・・・。
「早くそんなジャージなんて脱いだらどうですか?・・・試合が始まればストリップかも知れないけど・・・ハハハッ・・・」
まるで先輩格の万由子を馬鹿にするように笑い出す怜。これも怜のインサイドワークなのかも知れない。
「何よ・・・ストリップだなんて・・・」
ちょっと頭にきてムッとした表情を浮かべる万由子。
「すいませんでした・・・・ストリップなんかしても、30越えた先輩のストリップなんて誰も見たくないですよね?」
その万由子を更に怒らすような事を言い出す怜。
「ちょっと・・・馬鹿にするのもいい加減にしなさいよ・・・・怜ちゃんだからと思ったけど・・・今夜は容赦しないわよ・・・」
「いいわよ・・・どっちがここじゃあ先輩か・・・身体に教え込んであげるわね・・・・」
もうリングアナのコールの前から試合が始まっているかの様なリング上。
そのリング上に、リングアナが現れると、早くもコールを始めていった・・・。
『第2試合・・・・青コーナー・・・今夜がデビュー戦〜っ・・・鷹田〜万由子〜っ!』
そのコールに、万由子は観客席に一礼してからジャージを脱いで、水着姿になっていった。
『赤コーナー・・・地下プロレス界のIQレスラーになるか〜・・・菊河〜怜〜っ!』
そのコールにニヤリとしていく怜。更に、リングアナから説明がされていった。
『今回の試合は、ハンデとして菊河選手は3日前の金網戦に続いての参戦です。デビューする鷹田選手の31と言う年齢からスタミナのハンデとして考えてください・・・』
そのコールに、万由子は恥ずかしそうに下を向くが、怜が大笑いしていった。
「大変ね・・・その歳で地下プロレスデビューとは・・・ケガしないように気をつけてよね?」
その怜の挑発に、万由子は黙ったまま鋭い視線でコーナーから怜を見つめていった。
『カァーン・・・・』
そしてゴングが鳴ると、まずはゆっくりとコーナーから出て様子を見る万由子。対して怜も冷静になって距離を置いていった。
怜が手を伸ばしていくと、万由子がそれに応じる振りをして、いきなり怜に喧嘩キックを叩き込むと、腕を掴んでロープに振っていった。
「このやろうぉぉぉぉ・・・・」
まるで女子プロレスそのままのような絶叫で、万由子が怜をロープに振ると、返ってきた所をラリアットを叩き込んでいった。
バキィィィ・・・・
これには怜がマットに倒れ込むと、万由子が続けて髪を掴んで起こすと、張り手を入れてから練習してきたのか、ヘッドロックに捉えて締め上げていった。
しかし普通のデビュー戦と違うのは、万由子もバックドロップの反撃を気にして、サイドヘッドロックで絞めていて、怜ばバックドロップにいけないようにしていた。
流石に締められては怜もダメージを与えられて、万由子をロープに振っていこうとするが、万由子も踏ん張って締めていた。
グググッ・・・
「ほらっ・・・菊河っ・・・ギブ?・・・ギバーップ?」
大きな声で練習してきたヘッドロックを極めながら、怜にギブアップを促す万由子。しかし怜がギブアップするはずもなく、脱出のタイミングを計っていた。
しかし・・・
「ぎゃ!」
いきなり万由子が絶叫して怜を放していくと、万由子はお尻を押さえながら反則のアピールをしていった。
そう、怜がヘッドロックから逃げるために万由子の肛門に指を立てたのだった。
「ちょっと・・・反則でしょ?・・・レフリー?」
万由子がアピールするが、レフリーは続行の促した。
「わかったかしら?・・・これが地下プロレス・・・これくらいは反則じゃないのよ!」
逆にニヤニヤしながら距離を置いていく怜。
万由子は仕方なく気を取り直すと、気勢をあげてドロップキックを放っていった。
バシィィィ・・・・
しかし打点も良かったのだが、怜がインパクトの瞬間に身体を動かすと、万由子はリングに転がるが怜は立ったままでニヤリとしていた。
「くっ・・・なに余裕ぶってんのよぉぉぉぉ・・・・」
これには万由子のプライドが許さなかったのか、立ち上がるとエルボースマッシュを怜の顔面に叩き込んでいった。
バキィィィィ・・・・
万由子の肘が怜の頬を抉ると、怜の口から血が垂れていった・・・・。
怜の口の中に広がる鉄の味。その出血が怜のスイッチを切り替えていった・・・。
バキィィィィ・・・・・
「エルボーって言うのはこういうんだよ!」
お返しとばかりに万由子の顔面にエルボーを叩き込むと、倒れた万由子が立ち上がるのを待って、立ち上がった瞬間に顔面へ強烈なドロップキックを叩き込む怜。
これには万由子が顔面を押さえながらリング下に転がっていった。
万由子がリング下に落ちると、コーナーに登って怜がアピールしていった。
「三十路女を虐めてやるぞぉぉ・・・・」
その怜の雄叫びに、観客席が盛り上がっていった。
怜が観客にアピールしている隙に、万由子がリングに上がっていくと、コーナーの怜に近づいた。
その万由子に気が付く怜だが、万由子がサードロープに乗りかかると、一気にデッドリードライブでマットに怜の背中から激しく叩き付けていった。
バシィィィィィ・・・・・
「イッタアァァァァァ・・・・・・・」
激しい怜の悲鳴がリング上に響くと、万由子もバランスを崩してリングに転がっていった。
怜は背中を強打したためか、呼吸すら苦しそうだったが、万由子が素早くフォールの体制に入っていった。
『ワン・・・・・・・・・・ツー・・・・・・・・・・・・』
しかし、異様に遅いカウントの為に怜が肩を上げると、万由子がレフリーに抗議していった。
「何よ、今のカウントの入れ方!・・・インチキじゃないの?」
ムキになってレフリーに抗議する万由子だが、怜もフラつきながらも起きあがると、ロープに走って助走をつけて、一気に万由子の腰に喧嘩キックを叩き込んだ。
バシィィィ・・・・・
「痛いっ・・・・」
堪らずマットに転がるように倒れる万由子。
「立つんだよ・・・よくも生意気な真似しやがって・・・・」
その万由子を無理矢理に立たせると、怜がフロントスリーパーで締め上げた。
グググッ・・・
「ううっ・・・苦しい・・・・何よ・・・・・」
怜の攻めの前に、万由子が逃げようとするが、怜が上手く締め上げていった。
更に、DDTで万由子の脳天をマットに突き刺すと、万由子を一瞬意識を失うように大の字になって倒れてしまった。
その万由子を見て、怜は虐めてやろうとわざとらしいフライングボディプレスでお腹を押しつぶすようにして、万由子を痛めつけていった。
バシィィィ・・・・・
「グフウッ・・・・・ううっ・・・・」
軽量の怜だが、倒れた万由子も腹筋が強い訳でもなく、その苦しみ方は凄かった。
だが、怜が調子に乗ってもう一発ボディプレスを出そうとすると、万由子は怜の動きに合わせて膝を立てていった。
グシュ・・・
「グボッ・・・・うううっ・・・・うぐぐっ・・・・」
そう、その万由子の膝が怜の柔らかいお腹を抉ると、怜はお腹を押さえてマットを転がるようにして苦しんでいった。
口からは胃液のような物まで垂れ流している怜。完全に油断していたのか、万由子の反撃が成功していた。
だが、万由子もスタミナが切れかかっているのか、怜が苦しんでいる隣で倒れたまま呼吸を整えようとしているようだった。
「畜生・・・・生意気な事を・・・」
フラフラはしていたが、怜が先になんとか立ち上がると、倒れている万由子の顔面へ容赦なくストンピングを叩き込んでいき、82センチのバストを踏み付けて観客にアピールしていった。
すると、ロープに走り込んで勢いをつけると、一気に倒れている万由子のお腹へフットスタンプを叩き込んでいくが、これは万由子が必死な表情を浮かべて逃げて自爆になった。
だが、怜が避けられて腹を立てると、万由子は急いで立ち上がっていった。
しかし肩で息をするほどスタミナが切れかかっているようで、立ち上がった後が続かなかった。
「息が上がってるんじゃないの?・・・先輩っ?」
サディスティックな視線と笑みを浮かべて、怜が万由子に迫る。
「ハァ・・・ハァ・・・・何よ・・・まだ勝負はわからないわよ・・・・」
強気の姿勢を見せたいが、身体は正直で息は荒れている万由子。
ボシュ・・・
その万由子のお腹へ、いきなり怜のボディブローが決まると、万由子は身体をくの字にするようにロープに寄りかかった。
「あらあら・・・腹筋鍛えてるのかしら?」
更にミドルキックで脇腹を抉っていくと、万由子は口から涎を垂らしながらロープに掴まって、必死にダウンしないように踏ん張っていた。
しかし、意地になってパンチを出していく万由子。
「馬鹿にしないでよ!」
だが、怜が避けてカウンターのヒザ蹴りを入れると、今度は万由子の動きが止まって、お腹を押さえて座り込んでいった・・・。
グシュ・・・
「グボッ・・・・ぐええええっ・・・グエッ・・・」
手を口に当てていく万由子。その指の間からは異臭を放つ反吐のような物が溢れ出していた。
グイッ・・・・
「誰が吐いていいって言ったのよ・・・」
その万由子の髪を掴んでコーナーに無理矢理に連れて行く怜。更に、万由子の顔面をコーナーポストに叩き付けてから、コーナーに寄りかからせていった。
またも炸裂していくお腹へのパンチ攻撃。小刻みに怜の拳が万由子のお腹へ決まっていくと、万由子は口から胃液のような物を垂らして苦しんでいた。
もう涙ぐんでコーナーで倒れないように必死にしている万由子。その姿に観客たちは興奮していった。
女優としての演技ではない本物の苦しみ。まさに万由子は女優としての演技ではないプロレスに、追い込まれていった。
そして、怜が距離を取ってから一気に走り込んで、万由子のお腹を狙ってドロップキックを放つと、串刺しドロップキックとなって万由子の内臓を押しつぶすと、またも胃液みたな物を吐き出しながら、万由子はお腹を押さえて走り込むようにしてリングに倒れ込んだ。
グシュ・・・
「オエェェェェェ・・・・・・・」
そして倒れ込むと、顔と膝だけで四つん這いのような格好になる万由子。
普通のプロレスならば、ここでゴングが鳴らされる所であろうが、ここは地下プロレス。そんな事はなかった。
そして、突き出されるような格好の万由子の89センチの以外とムッチリしているヒップに、怜の蹴りが炸裂していった。
ビシッ・・・
「ひいっ・・・・・」
ヒップを蹴られて悲鳴をあげて逃げようとする万由子。しかし立つことも出来ずにヒップをまた蹴られると、泣き叫ぶように悲鳴をあげていた。
「ふふふっ・・・そろそろ決めてあげようかしら?」
すると、万由子の両足首を掴んで開かせていくと、万由子は俯せ状態のようにして、下半身だけは浮かばされて股裂き状態になっていった。
その、万由子の水着の布地だけに守られた股間へ、何と怜が爪先で刺激を与えていったのだった。
グイグイ・・・グイグイ・・・
「ああんっ・・・・ああっ・・・や・・・やだ・・・やめて・・・ああん・・・・」
この股間責めには万由子は顔を赤らめて許しを乞うが、怜がやめるはずもなかった。
「何よ、感じてるのかしら・・・ほらほらっ・・・もう濡れてたら変態さんね・・・」
しかし、怜もお腹へのダメージもあるからと勝負に出た。
もう動けない万由子を起こすと、踏ん張って万由子を抱え上げると、思いっきり膝を万由子の股間へ叩き込むアトミックドロップを放つと、次の瞬間には万由子は絶叫して失神してしまった。
そう、怜の膝が完全に万由子の敏感な部分に命中して、恥骨から脳天へ思いっきり・・・そう、今まで万由子が体験した事のないような衝撃に一発で気を失ったのだった。
怜に放されてグッタリと意識を失ってマットに倒れる万由子。
その姿に、レフリーがゴングを要請していった。
『カンカンカンカン・・・』
そのゴングに、怜は万由子の顔面を踏み付けて観客にアピールしていった。
一方、無惨にも失神KOされた万由子は、そのまま医務室に運ばれていくのであった。
『勝者・・・菊河怜っ!』
そのコールに、怜は観客席に一礼をすると、そのまま控え室に戻っていったのだった。
最近、調子に乗っている怜。この快進撃は何時まで続くのか?


第3試合

「今度はプロレス?!・・・ナンでもイイケド、相手は血祭りオーケー?」
またも地下プロレスで暴れようとしているのは、あのガイヤだった。
前回の大会で暴れ足りないのか、またも前回の疲れも癒えぬような状態で、自らプロレスルールで乗り込んできたのだった。
「ダイエットにイイよ・・・格闘技は!」
170以上の長身に、75sに絞ってきた身体。また、体重を絞った分だけ動きも良くなっているようで、外人特有のパワーも加わり今回の試合は強烈な試合になる事は間違いなかった。
早くも控え室でプロレススタイルのように、ワンピース水着に着替えるガイヤだったが、まさに血を見る展開を期待してか、赤い水着に赤いリングシューズだった。
そして今夜、このガイヤの相手に選ばれたのは、あの地下プロレスでも活躍していた河村亜紀だった。
小柄で胸が大きく、グラビアで売れっ子だった亜紀がまさに生け贄のような役回りにされたかと言うと、今回は芸能界を一部報道で休業と言われているが、同じ事務所の大池栄子に嫉妬しているとの事で、何と事務所の野多社長自ら裏から手を回してのカードだった。
そうとも知らず、亜紀は地下プロレスの控え室で準備していった。・・・そう、まだ対戦相手も知らされずに・・・。
白い胸元の開いたワンピース水着。そして白いリングシューズ。まさに生け贄にされる亜紀には似合いのリングコスチュームだった。
亜紀は黙々と柔軟運動などで試合の時間を待っていたが、裏では野多社長がニヤニヤしながら謎の男たちと話し合っていた。
『今回は無理を聞いてもらってすいませんねぇ・・・』
『まぁいいでしょう・・・いつも大事なタレントさんを地下プロレスに出させてもらって・・・』
謎の男も、流石に黄色いタクシーの社長の頼みとあっては、断る事も出来ない様子だった。
『頼みますよ・・・河村が最近生意気になってきたから・・・ヤキを入れる意味でも、血みどろの試合を・・・』
『・・・まぁ、血みどろだけで済めばいいけどな・・・・何でも、今夜の対戦相手のガイヤは相当暴れたいと言っているらしいからな・・・』
そういう裏での話がある事も知らず、亜紀はリングに向かっていった・・・。
リングに向かう亜紀の姿に、観客席からは歓声が上がっていた。
その歓声に応えるように、笑顔を振りまく亜紀だが、観客席では手元のパンフにガイヤの名前を見て、亜紀のやられっぷりを期待する歓声をあげている観客たちの考えなど、亜紀は知る由もなかった。
早くも自分のコーナーに寄りかかって、対戦相手を待つ亜紀。
その亜紀の耳に、いきなり凄まじい叫び声が聞こえてきた・・・。
「ブッ殺すよ!」
そう、ガイヤが叫びながらリングに向かって走り込んできたのだった。
手にはチェーンを持って振り回して、まるでその姿は女版・ブルーザー・フロディだった。
「な、何よ・・・対戦相手って・・・・」
リング上から驚きの表情でガイヤを見つめる亜紀。流石にガイヤの姿に怯えていたが、試合前からそれではと思い、必死に睨み返していた。
しばらくすると、ガイヤが自らのコーナーポストにチェーンを置くと、レフリーのボディチェックを受けていた。
そして、リングアナがマイクを持って登場すると、早くも歓声の中をコールを始めていった。
『第3試合・・・青コーナー・・・遂に現れた恐怖のドミネーター・・・ガイヤ〜っ!』
そのコールにガイヤが不満そうに叫んでいった。
「ナンで赤着てるのに赤じゃナイの?」
しかしリングアナが困りながらも、反対コーナーの亜紀のコールを始めていった。
『赤コーナー・・・今夜はヒーローになるか・・・それとも生け贄にされるか?・・・河村〜亜紀〜っ!』
そのコールに、笑顔も見せずにガイヤを睨み付けていく亜紀。
ガイヤも臨戦態勢になると、緊張の中をゴングの音が響き渡った。
『カァーン!!』
そのゴングの音と共に、ガイヤが亜紀に向かって走り込んでいった。
「いやあっ・・・・」
いきなり亜紀が悲鳴と同時に避けると、ガイヤは赤コーナーのコーナーポストに激突して怒り出していった。
「避けるの良くナイヨ!」
その勢いに、赤コーナーから伝った衝撃でリングが揺れていた。ガイヤの恐るべきパワーに驚きの表情を浮かべる亜紀。
170数pと157pの亜紀。体格差は歴然だった・・・。
すると、今度はガイヤが落ち着いた表情で両手を広げると、亜紀に少しずつ迫っていって、亜紀をリング内で追い込んでいった。
亜紀も地下リングは慣れているのか、ガイヤの動きを見ながら距離を取っていた。
しかし特製リングとは言え、7メートルしかないリング内。亜紀の捕まるのも時間の問題だった。
すると、亜紀がプロレスルールと知ってリング下に逃げると、ガイヤを焦らしていった。
「オマエッ・・・逃げないで闘えヨッ!」
リング上から亜紀を挑発するガイヤ。
しかし亜紀は黙ったままニヤニヤしながらリングサイドを歩き回っていた。
その姿は、まるでガイヤを馬鹿にしたように、インサイドワークもプロレスには必要なのよと言うようでもあった。
しかし、亜紀が頑張っても観客たちが逃げる亜紀にブーイングを浴びせていった・・・。
『おいおい・・・逃げてばかりじゃ試合にならないぞ!』
『早くリングに戻れよ、胸だけアイドル!』
その罵声の嵐に、亜紀は追いつめられていったが、実はこのブーイングも野多社長が糸を引いていたものだった。
仕方なく亜紀がリング内に戻ると、ガイヤがニヤリとリングサイドの野多社長に目配りをしていった。
だが、そんな事に気が付く余裕もない亜紀。
すると、いきなり亜紀が走り込むと、ドロップキックを叩き込んでいった。
バシィィィィ・・・・
「おらああぁぁぁ・・・・」
気勢をあげて技を出すが、ガイヤの巨体に跳ね返されてリングに倒れ込む亜紀。
ガイヤが倒れない事に、亜紀は急いで転がるように距離を取ると、立ち上がって続けてロープに走り込んでいった。
「今度はどうだぁぁぁ・・・・」
今度は亜紀が必死になってジャンピングニーパッドを繰り出すと、これはガイヤが亜紀の膝をキャッチするようにして、逆にマットに背中から叩き付けていった。
バシィィィィ・・・・・
「痛いぃぃぃ・・・・くうっ・・・・」
背中を痛打して苦しむ亜紀。しかし普通のアイドル相手の地下プロレスならまだしも、今夜はガイヤが相手だったので、その痛みも我慢して立ち上がると、ファイティングポーズを取っていった。
「今度はナニする?・・・おチビちゃん!」
まるで亜紀を馬鹿にしたように、頭を撫でながら言い放つガイヤ。
これには亜紀が怒り出すが、これこそガイヤの頭脳プレーと言えるのか、亜紀を怒らせる為の戦略だったのだ。
亜紀としては何とかガイヤを倒したいと考えて、ロープに走り込んでいくと、一気に滑り込むようにスライディングしてのカニ挟みを出していく亜紀。
グイッ・・・
しかし、ガイヤが以外とバランスを取ったのか、倒れないと一言言いだした。
「ハハハッ・・・覚悟しろヨ!」
そう言うと、亜紀が驚きの表情を浮かべる間に、倒せなかった亜紀にガイヤが倒れ込むようにして、エルボーを叩き込んでいった。
グシュ・・・
「グボッ・・・ぐううううっ・・・・・」
倒れ込みながら放たれたガイヤの肘が、亜紀のお腹に決まると亜紀は苦悶の表情を浮かべて苦しんでいった。
「立つよ・・・」
だが、ガイヤは容赦しなかった。いきなり苦しむ亜紀の髪の毛を掴むと、いきなりヘアーホイップの連続で亜紀の身体わマットに叩き付けていくのであった。
バシィィィン・・・バシィィィン・・・・
「ひいぃぃぃ・・・・・痛いぃぃぃぃ・・・・・・いやああぁぁぁぁ・・・・・」
ガイヤに豪快に叩き付けられる度に、亜紀の悲鳴がリングに響き渡ると、観客席からは歓声が沸き起こっていった。
すると、リングに亜紀を座らせる格好にして、ガイヤがショルダークローで亜紀を痛めつけていった。
ギュ・・・ギュ・・・
「ぎゃああああぁぁぁ・・・・・・・・痛いぃぃぃぃ・・・・いやああぁぁぁぁぁ・・・・・・」
ガイヤの爪が亜紀の肩口に食い込むと、その激痛に亜紀が絶叫して苦しんでいた。
「ハハハッ・・・いい叫び声ダネ・・・・イイよ!」
ガイヤは亜紀の悲鳴に満足気に笑顔を浮かべると、そのまま立たせていった。
バキッ・・・
「ふぎっ・・・」
更に立たせた亜紀のヒップにヒザ蹴りを入れて倒していくガイヤ。
すると、今度は倒した亜紀の背中に座り出すと、いきなりキャメルクラッチを極めていくガイヤ。
「んぐぐっ・・・んんっ・・・」
ガイヤに背中を反らされていき、その苦しみに藻掻く亜紀。
だが、ガイヤがニヤリとすると、顎にあった手で、亜紀の鼻に指を入れて豚鼻キャメルクラッチを仕掛けていった。
「ホラホラ・・・ブタだよ、ブタっ!」
ガイヤが意地悪く亜紀を責めていくと、亜紀はジタバタしながら藻掻き苦しんでいた。
「フガッ・・・ふががっ・・・・がっ・・・・」
ジタバタする亜紀。その姿に観客席からは笑いもおきていた。
すると、ガイヤが腰を浮かすと、一気にヒップドロップを亜紀の腰に叩き込むと、亜紀が絶叫して苦しんでいった。
すると、グッタリする亜紀に立ち上がってから、背後から俯せ状態だからと股間へ爪先でグイグイと刺激を与えると、亜紀は変な声を漏らしてしまった・・・。
「ああっ・・・・」
その声に、ガイヤが笑いながら言い出した。
「変態ネッ・・・・こんな所で感じてるヨ・・・コイツ!」
そのガイヤの叫びに観客席から笑いが漏れると、亜紀は恥ずかしさから顔を赤らめていた。
そして、ガイヤが余裕の表情で亜紀の髪を掴んで起こすと、今度はヘッドロックで締め上げていった。
だが、すぐに亜紀が反応してバックドロップで反撃しようとするが、体格が違いすぎて投げられずにスタミナを消耗する結果になっていった。
その亜紀の動きに、ガイヤがそのままコーナーに走り込んで、亜紀の脳天をコーナーに叩き付けて倒していった。
ゴキッ・・・
「きゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・・・あん・・・・」
またもガイヤに痛めつけられて大の字になって倒れ込む亜紀。
その亜紀のお腹に座り込むガイヤ。
「ううっ・・・ぐるじ・・・い・・・・うぶっ・・・」
ガイヤに座られて呼吸も苦しい亜紀だが、その亜紀の水着にいきなりガイヤの手が伸びていった。
グイッ・・・
「な、何するのよ・・・・やめて・・・水着剥ぎなんて卑怯よ!」
激しく抵抗する亜紀だが、ガイヤの怪力の前には亜紀の抵抗は無力のようで、亜紀の水着の肩紐が外されていくと、亜紀の86pの見事な乳房が露わになっていった。
ガイヤが抵抗する亜紀の髪を掴んで、後頭部をマットに叩き付けて黙らせると、亜紀の白い水着を胸の下辺りまで脱がせていった。
その度にプルプルと揺れていく亜紀の形の良い乳房。その乳房の動きに観客たちは興奮して歓声をあげていた。
「結構イイオッパイしてるネ、オマエ!」
まるで亜紀の乳房を見て喜んでいるようなガイヤ。しかし、何も手を出さなくともお腹の上に座られているだけで、確実に亜紀のスタミナを奪っているのは事実だった。
すると、今度はガイヤが立ち上がると亜紀も起こしていき、髪と腕を捻って捕まえると、そのまま白い乳房をトップロープに押し当てていった。
グニュ・・・
「いやああぁぁぁ・・・・・む、胸は・・・胸はやめてぇぇぇ・・・・・」
ガイヤの怪力に、自慢のバストをロープに押し当てられると、無惨にもひしゃげていく亜紀の乳房。
その痛さに亜紀が悲鳴をあげるが、ガイヤはその亜紀の悲鳴を喜ぶようにロープに擦り付けていった。
ギュ・・ギュギュ・・・・
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・オッパイが焼けちゃうから止めてぇぇぇ・・・・お願いぃぃぃぃ・・・・・・」
亜紀が絶叫するが、ガイヤは更に亜紀の乳房をロープに擦り付けていくと、ロープのゴムとの摩擦熱で亜紀の柔肌が傷つけられていった。
何度も胸を擦り付けられると、亜紀の白い乳房には何本ものロープとの擦れた痕が浮き上がり、そこから血が滲み出ていた。
更に、ガイヤは亜紀の両腕をトップロープとセカンドロープに絡めて動けなくすると、拳を握りしめていった。
お腹の辺りまで水着を脱がされて、傷つけられたバストを揺らしながら怯え出す亜紀。
しかし、ガイヤはそんな亜紀の事など構わずに、亜紀の柔らかいお腹を殴りつけていった。
グニュ・・・・
「グボッ・・・・・」
ガイヤの拳が亜紀のお腹に抉り込まれると、亜紀は激しく咳き込んでいった。
「腹筋キタエてないネ・・・ダメだよ、オマエ!」
更にガイヤは亜紀のお腹へパンチを続けて叩き込んでいくと、亜紀は口から涎を垂らしながら涙目で悲鳴をあげていった。
「グボッ・・・ぐえぇぇぇぇ・・・・オエッ・・・・やめ・・・やめて・・・・ウエッ・・・・・」
次第に胃液の様なものまで垂れ流していく亜紀。その残酷なまでのガイヤの攻めに、観客席からは大きな拍手と歓声がおきていた。
すると、ガイヤが反対側のロープに走り込むと、勢いをつけて亜紀のお腹へヒザ蹴りを叩き込むと、亜紀の表情が険しくなった・・・。
グシュ・・・
「うっ・・・・」
その亜紀の表情が、一瞬間を置いてから頬が膨らんできた・・・。
ベチャベチャ・・・・
「オエェェェェェ・・・・・・ウエッ・・・・」
そう、ガイヤの膝頭が亜紀の胃袋に直撃した形になり、亜紀は胃の内容物を全てリングに吐き出してしまった。
そしてグッタリと下を向いていく亜紀。もう半失神状態のようだった。
しかしガイヤも試合を止めないし、観客達が更に歓声をあげると、それに押されるようにガイヤが亜紀の髪を掴んで吐瀉物のない方向へヘアーホイップで投げつけていった。
バシィィィィィ・・・・・
まるで人形が投げられるかのような亜紀の姿。
その亜紀の首に、今度はガイヤの太い股が絡まっていくと、何とヘッドシザースを極めていくガイヤ。
グググッ・・・・
次第に締め付けられていく亜紀の首。その苦しみに亜紀が全身を痙攣させるが如く動いていった。
しかし当然だが、逃げられる筈もなく、亜紀は失神寸前まで追い込まれていった・・・。
「まだまだ満足してナイヨ!」
すると、レフリーがガイヤに合図をすると失神させてはマズイとばかりに、ガイヤが技を解いて亜紀の意識は失わさせないようにしていった。
そして、亜紀をリング下に転がり落とすと、ガイヤはリング上で観客に向かってアピールしていった。
「ワタシ、強いのワカッタかしら?・・・ドンドン暴れるヨ!」
そのガイヤの叫びに歓声が沸き上がるが、リング下ではフラフラ状態の亜紀が、脱がされた水着を必死に直していって、傷つけられた自慢の86pのバストを隠していった。
だが、亜紀が倒れている間はガイヤはアピールしていたが、フラフラしながらも立ち上がる亜紀の姿に、更に虐めてやろうとリング下に降りていった。
口から涎を垂らしている亜紀。しかしそんな事には構わずガイヤが髪を掴むと、謎の男に自分の存在感をアピールするかのように、本部の長机の上に亜紀の顔面を叩き付けていくガイヤ。
バキッ・・・バキッ・・・
「ふぎっ・・・ぎゃあああぁぁぁぁ・・・・・・」
亜紀が泣き叫んでいくと、その可愛らしい顔が机に叩き付けられた衝撃で、鼻から大量の血が溢れ出していった。
「ハハハッ・・・・赤い化粧も似合ってるネ!」
その亜紀の顔に、自らの顔も近づけてニヤニヤしていくガイヤ。もう完全に馬鹿にしている様子だった。
だが、ここで亜紀が以外な反撃に出ていった。
「ううっ・・・・ば・・馬鹿にしないでよ!」
そう、いきなり背の高さに関係なくガイヤが顔を近づけたから、亜紀が思いっきりガイヤの顔面、それも鼻っ面にヘッドバッドを叩き込んだ。
バキィィィィィ・・・・・・
「ギャアアアアアアア・・・・・・・ナニするんだよぉぉぉぉ・・・・」
いきなりガイヤが顔面を両手で覆いながら悲鳴をあげると、その指の間から大量の血が溢れ出した。
そう、亜紀の必死な反撃でガイヤも鼻から大量の血を流していったのだった。
更に、亜紀は近くに見えたパイプ椅子を掴んでいくと、泣きそうな表情でガイヤに椅子攻撃を仕掛けていった。
バキィィィ・・・・バキィィィィ・・・・・
「ギャアッ!・・・・痛いよ・・・・ナニするんだヨ!・・・・覚悟しろ!」
色々言いながらも、ガイヤも初めての自らの流血戦に慌てている様子だった。
だが、試合の流れからもダメージは亜紀の方が上で、椅子を叩き付ける勢いも次第になくなっていくと、逆にガイヤにパイプ椅子を奪われてしまった。
「覚悟するヨ・・・オマエ!」
すると、奪い取った椅子の角の部分を亜紀のお腹に叩き付けていくガイヤ。
グシュ・・・
「ウエェェェェェェェェ・・・・・・・・・オエッ・・・ぐるじい・・・・・ううっ・・・」
これには亜紀はお腹を押さえて座り込むと、今度は亜紀の脳天にパイプ椅子を叩き付けていった。
バキィィィィィ・・・・・・
「ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
亜紀が絶叫していくと、ガイヤの叩き付けた椅子は座る部分が抜けてしまい、壊れてしまった。
グッタリとリング下に倒れていく亜紀。
「プロレスって・・・鉄柱攻撃もアリだよネ?」
すると、ガイヤが亜紀を起こしていき、髪を掴んだまま鉄柱に額から叩き付けていった。
ゴッキーン・・・
「ひいぃぃぃぃぃぃぃ・・・・・」
すると、亜紀は悲鳴と共に額を割られて、今度は鼻にも加わり大流血戦となっていった。
そんな事には構わず更に叩き付けていくガイヤ。
その残酷な責めの前に、亜紀は白い水着を自ら流している血で赤く染めていった・・・。
「そろそろ仕上げネ・・・・フフフッ・・・」
すると、亜紀を鉄柱に叩き付けるのを止めて、コーナーに試合前に置いたチェーンを持って、それを亜紀の首に巻き付けていった。
「ううううっ・・・・や・・・やめて・・・ああ・・・・」
呻き声のような悲鳴をあげる亜紀。
だが、ガイヤはリング上に上がると、トップロープに引っかけてリング上から亜紀の首を締め付けていった。
グググッ・・・・
「うぐぐぐっ・・・ううっ・・・・」
首を絞められて呼吸も苦しくなり、亜紀は流血しながらも必死にガイヤの引くチェーンを握っていった。
しかしガイヤの怪力の前に、次第に絞首刑状態にされていった。
流石に残酷な期待をしている観客たちからも、亜紀への同情の声が上がっていた・・・。
『あ・・・亜紀ちゃんが殺されちゃうよ・・・』
『もういいんじゃないの?・・・殺人ショーなんて見たくないぞ・・・』
そんな声の中、亜紀は失神状態に追いこまれてチェーンを握っていた手がダラリと落ちていくと、その瞬間にゴングが打ち鳴らされていった。
『カンカンカンカン・・・・』
ゴングの音にレフリーや黒服たちがガイヤを止めていくと、チェーンから手が外れて、場外の亜紀も地獄の時間から解放されていった。
リング下では無惨にも、舌を出して大流血状態で倒れている亜紀の姿。
股間からは異臭を放つ液体まで垂れ流されていた・・・。
この結果に、野多社長も少々やり過ぎかと思っていたが、亜紀への制裁が終わった事にニヤリとしていた。
『ただ今の試合、危険な状態になったので没収試合と言う事で、ノーコンテスト判定です!』
そのコールに、ガイヤがリング上で自らの勝利を確信していただけに、怒り出していた。
「ナンでノーコンテスト?!・・・ナットクいかないヨ!」
すると、怒り狂うガイヤはリング下の亜紀に向かっていくと、失神状態も関係なく水着を完全に剥ぎ取って、何と怪力からセカンドロープとサードロープに両足を絡めていくと、観客から見えるようにと全裸逆さ吊り処刑にしていった。
リング下に向かって両腕をダラリと垂らして失神している亜紀。
もう完全な見せ物状態だったが、ガイヤはこれに納得したのか、悠々と控え室に引き揚げていった。
そしてガイヤが引き揚げるのを確認すると、黒服たちが逆さ吊り状態の亜紀を担架に乗せると、急いで医務室に運んでいくのであった。
またも暴れまくったガイヤ。格闘技ルールからプロレスルール。まさに恐ろしい存在になりつつあった。
更に困った事に、シェイプアップして筋肉を増やしたのか、力は増してスタミナも増えているように見えたが、次なるガイヤの標的は誰になるのか?



第4試合

「格闘技の試合もいいけど、プロレスルールも出なくちゃマズイもんね・・・」
そう言って笑顔を浮かべているのは、あの長谷河京子だった。
前回のオクタゴンの中での格闘技試合では、あの本物の格闘技にも出た桜場敦子を破るという大金星をあげると言う快挙を成し遂げて、前回の激闘から3日と言う短期間で試合に出ようとしていた。
まだ身体にはダメージが残っていると思われたが、そこはチャレンジ精神からか、早くも水着に着替えて試合に備えていた。
スラリとしたスレンダーな身体を、白い競泳水着に包み込んで、足にはレガースを着けていた。そのレガースは黒色だったので、余計にプロレスルールとは言え格闘技色が濃くなって見えていた。
そして、その京子と今夜対戦するのは、同じくオクタゴンの中で試合をしたばかりの、河村ひかるであった。
ひかるは、前回の試合で菊河怜にまさかのドミネート処刑を受けて、心身共に弱り切っていたが、その弱気な部分を吹き飛ばそうとまたもプロレスルールで参戦してきたのだった。
ボクシングを得意とするひかる。しかし吊り上げられてのサンドバック処刑のダメージは完全には無くなってはいない様子だった。
ひかるは、スポーツビキニに手にはオープンフィンガーグローブを着けて、プロレスルールとは言え顔面へのパンチを出せるようにしていた。
そして時間になると、2人は各の控え室からリングを目指して歩き出していた。そう、ひかるは前回の試合の憂さを晴らすために、京子は更に自らの格闘センスを磨くためにと・・・。
早くも歓声に包まれていくリング。その上に上がる2人の姿に、観客たちの視線は釘付けとなっていった。
『おい・・・河村のお腹・・・』
そう、観客たちが驚いていたのは、3日前の激闘の為に、脇腹などには痣が見えていた・・・。
一方、京子の方も白い足などに痣のような物が浮かんでいたが、疲れを見せないようにしていた。流石はモデルをしていただけあって、ステージでの振る舞い方は慣れているようだった・・・。
『第4試合・・・青コーナー・・・身長150p〜バスト83〜・・・河村〜ひかる〜っ!』
そのコールに、ひかるは京子を威嚇するように青コーナーのコーナーポストを殴りつけていった。
そのひかるを見ても、構わず腕を動かして柔軟をして試合に備えた。
『赤コーナー・・・身長166p〜バスト80〜・・・長谷河〜京子〜っ!』
そのコールに両腕を挙げて観客にアピールする京子。
身長は低いがバストの大きなひかる。逆に胸は小振りでもスレンダー美人の京子。
ひかるのボクシングか、京子の格闘技センスかと観客たちも注目する中、レフリーがボディチェックをしていった。
その間、京子を睨み付けていくひかる。そのひかるに、京子も負けずに睨み返すが、睨み方はひかるの方が似合っていた。
そして両方のコーナーに戻される京子とひかる。
『カァーン!!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、ひかるは顔面ガードの構えで前に出ていった。
一方、京子もキックボクサーのような構えから、ひかるとの距離を取っていた。
リング中央で睨み合う展開になると、観客たちも珍しく黙ったままリング上での展開を見守っていった。
16pの身長差はあるが、その小ささを利用するようにひかるが踏み込んでジャブを出すと、京子はガードするが痛そうな表情を浮かべた。するとひかるはまた距離を置くと、ガードしていった。
だが、今度は京子のローキックがひかるの足に襲いかかると、ひかるが足を浮かせてダメージを少なくしていった。
プロレスルールの大会で、まるで格闘技戦のような緊張感。
そのリング上で、今度はひかるがダッシュして京子との間合いを詰めると、京子の身体に頭を押しつけるようにして、左右のボディへのパンチを出していった。
バシッ・・バシッ・・
確実に京子の脇腹を抉るひかるの拳。その拳が脂肪の少ない京子の身体を抉ると、衝撃が肋骨を通して激痛となって京子に襲いかかった。
堪らず逃げようとする京子だが、ひかるは頭を着けたまま押し込んでいくと、京子をロープまで押していった。
すると観客席から歓声が沸き起こり、ひかるに対する声援まで出ていた。
だが、京子もひかるの首に腕を巻き付けると、フロントネックロックで締め上げた。
グググッ・・・・
「ううっ・・・」「くっ・・・」
お互い苦しい展開になると、ひかるが力を抜いた瞬間、上手く京子がヒザ蹴りを出すと、ひかるのボディを京子のヒザが抉り込んだ。
グシュ・・・・
「ぎゃあああぁぁぁ・・・・・あああっ・・・・ああっ・・・・」
そのヒザ蹴りが、ひかるの前回の試合でダメージのあった部分に当たったのか、ひかるが異常な痛がり方をしてダウンして、そして転がり苦しんでいた。
そのひかるの姿を見て、京子が距離を置いていくと、レフリーがひかるの様子見ていた。
しかしひかるが立ち上がると、鋭い目つきで京子を睨み付けていた。
『ファイト!』
レフリーが試合の続行を告げると、ひかるが京子に迫っていった。
すると、今度は京子が警戒して、ひかるに前蹴りで距離を開けていくと、その京子の爪先がひかるのボディへ突き刺さった。
グシュ・・・
「ウゲッ・・・・」
堪らず口から涎の飛沫をあげていくひかる。フラフラしていくと、京子は一瞬躊躇いを見せるが、踏み込んで顔面へのハイキックを叩き込んでいった。
バシィィィィ・・・・・
その一撃に、一瞬意識を失うような感覚になったひかるが倒れ込むと、京子がストンピングで追い込んでいった。
バシッ・・・バシッ・・・
蹴られる度に全身をビクンビクンとするひかるの身体。
その様子に、京子は蹴りこむのをやめると、一気にひかるの両足を抱え込んでいった。
そして、反転してひかるの身体に逆エビ固めを極めていった。
グイッ・・・
「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・」
小さな身体のひかるが、長身の京子に逆エビを掛けられていくと、簡単に京子のヒップがひかるの頭上に来ていた。
その為に、ひかるの身体はまるで真っ二つに折れるような格好になっていた。
「ギブ・・・ギブする?」
仕掛けている京子も、ひかるの様子を気にしているようで、いつものひかるではなく、ダメージのある様子だったので攻めるのに戸惑っているのが観客にも分かっていた。
その様子を、観客席の後ろの方から見つめる一つの影・・・。
そう、その影はあの米蔵涼子だった。涼子は、怜の試合のセコンドの為に来るはずが、スケジュールの調整ミスから遅れてしまい、急いで来たのだった。
「何よ・・・あれって長谷河?」
涼子がリング上に注目する中、リング上では京子がひかるを追い込んでいた。
しかし京子が技を解くと、ひかるは俯せ状態でグッタリとしていった。まさに今の逆エビ固めでスタミナを奪われた、いや前回の試合のダメージなどが一気に出てきたような感じだった。
そのひかるに、京子は戸惑いながらもキャメルクラッチを仕掛けると、ひかるの身体が無惨にも反らされていった。
グググッ・・・・
京子の手がひかるの顎に掛かって、グイグイと容赦なく反らせていくと、ひかるは意識を半分失った形でギブアップしていった・・・。
「ギ・・・・ギブ・・・・ギブアップ・・・・・」
その瞬間、レフリーが京子を止めると、ここで京子の勝利が告げられていった。
『勝者・・・長谷河京子っ!』
そのコールと共に、レフリーに腕を挙げられていく京子だが、金網での試合の事も知っているだけにひかるを気遣っていった。
「か、河村さん・・・大丈夫?」
しかし、その京子の背後から高笑いする声がリング上に木霊した。
「ハハハッ・・・・なに甘い事を言ってるのよ・・・このリング上じゃあね、負けたら終わりなのよ!」
そう、そうトップロープを掴みながら言い放つのは、涼子だった。
上はTシャツ、下はジャージ姿ではあったが、見事な身体のラインが目立っていた。
「何よ・・・関係ないでしょ・・・・」
京子が振り向くと、涼子の姿に少々驚いていた。
「そんな事ないわ・・・私が少し居ない間に人気が出てるみたいだけどね・・・」
そう言うと、そのままリングに入っていく涼子。
すると、リングアナに何かを言い出すと、リングアナがマイクを握りだした。
『ここで、特別エキビションマッチとして、米蔵涼子さんに負けた河村ひかるとプロレス勝負をしてもらいます!』
そのコールに、観客たちは驚くが、涼子がいきなり俯せでグッタリするひかるの髪を掴んで起こしていくと、ボディスラムでマットに叩き付けて、続けてサッカーボールキックの連発からリング下に落としていった。
当然だが、試合など出来る筈もないひかるは、無惨にもリング下に転がり落とされていった。
すると、お腹を押さえるひかるに、涼子がエプロンサイドからニヤリと笑みを浮かべると、そのままお腹へフットスタンプを落としていった。
グシュ・・・・
「グボベッ・・・・・」
その圧力に無惨にもひかるが口から胃液を噴き上げると、続けて髪を掴んで起こしていった。
しかしフラフラ状態のひかる。
すると、ひかるのビキニを剥いでトップレスにしていくと、無理矢理にフルネルソン状態で揺さぶり掛けていった。
これには83pと言われるひかるの乳房がプルプルと揺れていた。
更に、髪を鷲掴みにしてから鉄柱に額を叩き付けていくと、ひかるの悲鳴と共に額が割れて流血していった。
ゴッキィィィィ・・・・・
「ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・」
完全にドミネート状態に追い込まれ、額を割られて悲鳴をあげるひかる。
何度も叩き付けられると、早くも額から流れ落ちる血に、ひかるの白い身体が赤く染まっていった。
その光景を見ていた京子は、あまりに酷い涼子のやり方に怒り出すと、リング下に降りていくと、ひかるを痛めつける涼子に蹴りを入れていった。
バキィィィィ・・・・・
「何すんのよ!」
グッタリするひかるを放して怒り出す涼子。
「何って・・・こんな理不尽な試合・・・私は認めないわ!」
京子の表情が怒りに満ちていた。
「ふん、こんな事で怒るなんて・・・いいわね、格闘技好きのお嬢様!」
その一言に、京子が怒り出すが流血状態のひかるを気遣うと、黒服たちにひかるを託していった。
「何よ・・・私に喧嘩売るって言うの?・・・格闘技の番組に出てるからって調子に乗るんじゃね〜よ、タコっ!」
その涼子の言葉に、京子も言い返す。
「喧嘩?・・・いいわよ、だったらリング上で試合で決めましょう・・・」
その京子の申し出に、ニヤリとする涼子が言い返す。
「いいわよ・・・あとで泣きっ面になっても知らないわよ・・・」
そう言うと、京子に構わず控え室に戻っていく涼子。
そして、リング下には怒りに燃える京子の姿があった。果たして、この2人の直接対決に発展するのか、それはまだこの時点では解らない事であった。



第5試合

「あんなので試合なんて言えないわ・・・」
不機嫌そうに控え室に戻るのは、試合後の河村ひかると無理矢理の試合で登場した米蔵涼子だった。
当然、ひかるとの試合とは言えるものではなかったが、このまま今夜は試合をしたいと申し出ていた。
当然、売れっ子女優が試合をしたいと言うなら、急遽試合を組むくらいは問題のない地下プロレス。そこで、急いで涼子の対戦相手を捜していった・・・。
ガチャ・・・
「し、試合ですか・・・」
そう、涼子の対戦相手として選ばれたのは、あの原宿系女子プロレスと言うドラマでも活躍した、グラビアアイドルの市河由衣であった。
由衣としても、ドラマやグラビアなどへの進出が多いが、それ以上に何がと言われるとキツイ状況であった。
そこで、各界の実力者も多く観戦している地下プロレスからの誘いは断る事も出来ず、出場を決めていった。
早くも控え室で、胸元の開いた白いワンピース水着に着替えて身体を動かしていく涼子。
一方、急な話でビキニにしか準備出来ずに、ピンク色のビキニに着替える由衣。
この2人が試合の準備をしている事も知らず、観客たちが注目していると、突然に会場の頭上から巨大なスクリーンが降りてきていた。
『フフフッ・・・少し早いがスクリーンを使った解説もするか・・・』
謎の男が笑みを浮かべるのは、特製の巨大スクリーンに次の試合が映し出されると言う演出だった。
観客たちが驚きの中、注目していくとそこに突然にタレント2人が映し出された・・・。
『おおっ・・・・また米蔵が試合かぁ?』
『えっ・・・対戦相手が市河由衣?』
そんな声の中、スクリーンには涼子と由衣のプロフィールが映し出されていった。
米蔵涼子の身長が168pに、上から84・58・85と言うボディサイズが映し出されると、続いて由衣のプロフィールも出でいった。158pの身長、そして上から83・55・80と言うサイズを。
しかしビキニ姿でスクリーンに映し出される由衣は、83と言うより大きなバストと言う印象を観客に与えていた。
そして一瞬間を置くと、花道から涼子と由衣が同時に登場してきた。
サードロープを握りしめてリングインする由衣。
そして、その由衣の姿を見てセカンドロープに手を伸ばしてリングインする涼子。
この日、2試合目にもかかわらず、涼子は自信ありげにコーナーでコールを待っていった。
一方、由衣も涼子とは反対コーナーに行って、涼子と同じくコールを待っていた。
すると、リングアナがマイクを握って上がって来ると、2人のコールを始めていった。
『第5試合・・・特別試合を行います・・・・青コーナー・・原女などのプロレスアイドル〜・・・市河〜由衣〜っ!』
そのコールに、ビキニ姿の由衣は観客に笑みを浮かべてアピールすると、対戦相手の涼子を睨み付けていった。
『赤コーナー・・・モデルから女優へ・・・米蔵〜涼子〜っ!』
逆に、自らのコールの中をコーナーで余裕げに由衣を見つめる涼子。早くも試合は始まっているようだった。
黒い競泳タイプの水着姿の涼子。続けての試合と言うのに、妙に落ち着きを見せて反対コーナーの由衣を睨み付けていると、由衣が涼子に迫っていった。
「余裕ぶってるんじゃね〜よ!」
いきなり目の前で叫び声をあげる由衣に、涼子も言い返した。
「だったら勝ってみろよ、グラビアアイドルちゃん・・・」
その言葉に、由衣が頬を膨らませて怒ると、涼子が挑発するように続けた。
「ふん、プロレスだって言うのにビキニなんて着やがって・・・・。全裸にして恥かかせてやるよ!」
不気味な笑みを浮かべる涼子だが、由衣も負けていなかった。
「ふん、ゴングが鳴ればわかるわよ・・・」
今にも取っ組み合いを始めそうな2人だが、レフリーが距離を置かせてからゴングの要請をしていった。
『カァーン!!』
そしてゴングの音が響き渡ると、由衣と涼子はリング中央に出ていって、睨み合う展開にしていった。
すると、由衣が片手を伸ばして力比べを誘う形になっていくと、涼子がそれに応じるように手を伸ばしていった。
バシッ・・・
「おらっ!」
しかし、由衣が手を伸ばす涼子の脇腹に蹴りを入れると、一気に腕を取ってロープに振っていった。
由衣に飛ばされるようにして涼子がロープから戻ってくると、由衣が気勢と共にドロップキックを叩き込んでいった。
バシィィィィ・・・・・
「おりゃあああぁぁぁ・・・・・・」
更に倒れた涼子をフォールするが、これには涼子が馬鹿にするなとばかりに、カウントが入る前に肩をあげていった。
続けて、リングに座るような格好の涼子にスリーパーで締め上げると、これには涼子がロープに足を伸ばしてブレークとなっていった。
レフリーが2人を離すと、またも睨み合っていく涼子と由衣。
そして今度は、由衣が練習したのか、タックルのような仕草で涼子に仕掛けようとすると、涼子は同時に蹴りを合わせようとしていた。
そのタックルを仕掛けようと背中を丸める由衣だが、その姿勢がビキニから零れそうな83pのバストを強調しているようだった。
だが、水着の事など気にせずに由衣がタックルを仕掛けると、逆に涼子がフロントネックロックのようにして潰していった。
更に、そのまま勢いをつけたまま変形フェイスバスターのように由衣の顔面をマットに叩き付けると、由衣の悲鳴がリングに響いていった。
バキィィィ・・・・
「いやああぁぁぁ・・・・・顔がぁぁぁぁ・・・・」
更に、涼子は痛がる由衣の両肩を掴んで、俯せ状態で苦しむ由衣の脳天にヒザ蹴りを叩き込もうと腰を浮かせると、ヒザを折り曲げて脳天へのヒザ蹴りの体制に持っていった。
しかし、レフリーが涼子のヒザを叩くと、格闘技戦ならアレだが、プロレスルールで一発で終わらせるなと止めていった。
すると、涼子が立ち上がって俯せ状態の由衣の背中にストンピングを叩き込んでいった。
バキッ・・・バシッ・・・バシッ・・・
「あんっ・・・ああっ・・・痛いっ・・・いやっ・・・あん・・・」
蹴られる度に、由衣は悲鳴と共に、自慢のバストを潰されていった。
マットに押しつけられてひしゃげていく由衣のビキニに包まれた乳房。16歳にしてEカップと言う見事な美乳の持ち主だったが、涼子にはそんな事は関係なかった。
そして、由衣の両手首を掴む涼子は、一気にサーフボードストレッチに移行すると、由衣の背中に足の裏を押しつけて、由衣を苦しめていった。
グググッ・・・・
「ううんっ・・・・ううっ・・・・ぐわああぁぁぁ・・・・・ああぁっ・・・・」
可愛らしい由衣の表情が、苦痛に歪んでいく。
その光景に、観客たちから歓声が沸き起こると、涼子はニヤリと笑みを浮かべた。
涼子が揺さぶるように技を極めていくと、プルプルと揺れているビキニに包まれた由衣の乳房。
そして涼子が技を解くと、由衣はグッタリと俯せ状態で倒れ込んだ。
だが、由衣も意地になって反撃を試みようと、横に立つ涼子の足に足絡みで倒しにかかるが、これは涼子に踏ん張られてしまった。
「生意気ね・・・」
涼子が呟く。そして、その体制から倒れ込むように由衣にエルボードロップを叩き込む涼子。
グシュ・・・
その涼子の肘が、容赦なく由衣のバストに決まると、由衣は大きな悲鳴をあげてジタバタとリング上を藻掻いていった。
「あらあら、自慢のオッパイが潰れたかしら?」
その苦しむ由衣に嫌味のように言い放つ涼子。
「ううっ・・・ち、畜生っ!」
有効な攻撃も出せず、馬鹿にもされて由衣は頭に来ていた。しかし、これも涼子の女優として、地下プロレスのレスラーとしてのインサイドワークの巧さだった。相手を怒らせて、自らはヒールを演ずる。まさに由衣も観客たちも乗せられていた。
胸を押さえてフラつきながら立ち上がる由衣。だが涼子は続けてロープに押し込んでいくと、その由衣のバストへ水平チョップをアピールするように打ち込んでいった。
グニュ・・・バシッ・・・
「ああんっ・・・・ああっ・・・・・」
胸にチョップが打ち込まれるたびに、またも由衣の悲痛な叫び声がリングに響いていた。
だが、さすがの涼子も調子に乗ってくると油断していたのか、由衣の以外な反撃を許してしまった・・・。
ゴキッ・・・
「んぐううっ・・・ううっ・・・・・」
そう、胸を攻められて痛がっていた由衣が、お返しとばかりに涼子の股間へ前蹴りを叩き込んだのだった。
「どう?・・・人の胸ばっかり攻めるから、お返しよ!」
由衣が叫ぶ、目の前には股間を押さえて座り込む涼子の姿があった・・・。
グイッ・・・
「あうっ・・・・」
「ほらほらっ・・・立つのよ・・・先輩っ・・・」
苦しむ涼子だが、由衣が髪を掴んで立たせると、そのままトップロープに顔面を擦り付けて痛めつけていった。
ギュ・・・ギュギュ・・・
「ぐわああぁぁぁ・・・・・ああん・・・・・・」
女優の命とも言える顔を、由衣の顔面ロープ擦りに悲鳴をあげる涼子。ゴムとの摩擦が容赦なく顔面を襲っていた。
更に、涼子が怯んだところを一気にチョークスリーパーで締め上げていく由衣。
グイッ・・・・
「んぐぐっ・・・・んんっ・・・」
由衣の腕が喉元を締め上げると、涼子は焦ったのか両手を振るようにしてロープに逃げていった。
『ブレーク・・・ロープ・・ロープ・・・』
涼子の手がロープを掴むと、レフリーが由衣に放すように指示した。
すると、今度は由衣が反対側のロープに走り出すと、フラつきながら立っている涼子の顔面を狙って、ジャンピングニーパッドを叩き込んでいった。
バキィィィィ・・・・・その一撃に、涼子は倒れながらリング下に落ちてしまった。
だが、試合序盤の涼子の攻めで由衣もスタミナを消耗していて、リング下に落ちた涼子を見てはいたが、深追いはしなかった。
「ハァ・・ハァ・・・」
息を荒くしてリング上から涼子を見つめる由衣。
一方、涼子は股間への一撃に頭に来たのか、リング下で何かをリングシューズに仕込んでいた・・・。
ただ、それはレフリーは見ていたが黙っていて、由衣は涼子の手の動きは見ていなかった。
そして、涼子がフラついてリングに上がろうとすると、由衣が駆け寄ってロープ越しに涼子の髪を掴んだ。
だが、涼子が逆に掴みかかった。
「舐めるんじゃないわよ、このクソガキっ!」
すると、由衣の髪を鷲掴みにしてコーナーまで連れて行くと、コーナーポストに顔面を打ち付けてフラつかせていった。
更に涼子がコーナーに由衣の顔面を叩き付けてから、トップロープに上がっていった。
すると、由衣はそうとも知らずに起きあがると、涼子の姿のない事に驚いていると、トップロープの涼子が叫んだ。
「こっちよ、胸だけアイドルさん!」
その言葉に声の方向を向く由衣。しかし、その由衣の表情が驚きに変わっていくのであった・・・。
バキィィィィ・・・・・・
「いやあああぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
そう、由衣が涼子の方を向いた瞬間、トップロープから涼子が顔面目掛けてミサイルキックを叩き込んだのだった。
その涼子のミサイルキックの破壊力に、由衣は数回転がりながらリングに倒れ込んだ。
あまりの衝撃に、由衣は一瞬意識を朦朧とさせてしまい、俯せになって倒れ込んでいた。
「ほらほらっ・・・今度は楽しい時間にしてあげるわね・・・ふふふっ・・・」
すると、涼子が由衣をリング下に蹴りこんで落としていくと、髪を掴んで起こしていった。
「いくぞぉぉぉぉ・・・・・」
突然に大きな声をあげて由衣を鉄柵に振っていく涼子。
ガッシャーン・・・・
背中から鉄柵に叩き付けられて、グッタリと鉄柵に寄りかかるように座り込む由衣。
グイッ・・・
「ああっ・・・痛いっ・・・ううっ・・・・」
今度は座り込む由衣の顔面を、涼子はリングシューズでグリグリと踏み付けて痛めつけると、由衣は何も出来ずに悲鳴をあげるだけだった。
更に、顔面からビキニの布地を踏み付けると、グイグイと足で踏み付けていった。
自慢の胸を踏み付けられて、由衣は悔しさと痛さに涙目になっていた。
「きゃあああぁぁぁ・・・・・・・」
そう、由衣がいきなり絶叫したのは、偶然のような表情をして涼子が由衣のビキニブラジャーを脱がせたからだった。
「あらあら、ビキニでプロレスって言うなら覚悟しておかなくっちゃ・・・それに、よくホックとか補強しなきゃダメなのよ・・・由衣ちゃん?」
すると、83pのバストをプルプルと揺らす由衣を起こして、背後に回ってフルネルソンに固めていった。
「ほらほらっ、せっかく上等なオッパイを持ってるなら、ファンサービスも必要よ!」
更に涼子がトップレス状態の由衣を、まるで観客席に向けて晒し者にする涼子。
『うわっ・・・柔らかそうな由衣ちゃんのオッパイ・・・』
『触りてぇ・・・・』
観客席から溜息が漏れると、涼子が観客に向かって言い出した。
「いいのよ、この娘の胸くらい触ったって・・・」
平気で凄い事を言い出す涼子。
「何よ、やめて・・・そんな事イヤッ・・・絶対にイヤよ!」
抵抗するが、涼子に羽交い締めにされているから逃げられない由衣。
すると、観客席から手が伸びてきて由衣の胸を触りだしていった。
グニュ・・・ムニュ・・・
「ああっ・・・いや・・・やめてよ・・・触らないで!」
嫌がる由衣だが、そんな事は構わずに次々と由衣の胸目掛けて殺到する観客たち。
16歳の見事な乳房。本来ならば犯罪のはずのこの行為も、非合法の地下プロレスでは許されるのだから恐ろしい。
まして、ただの16歳とは違い、グラビアアイドルの市河由衣の乳房である。観客たちからすると、運の良い話だった。
この行為に、涼子に対する声援が飛んでいった。
胸を出したなら、今度は下もと言う観客達の心理。しかしまだ由衣は激しく抵抗していた。
しばらく観客たちの玩具とされた由衣だったが、涼子が試合を決めようとリング上に上げていった・・・。
トップレス状態でリングに上げられていく由衣だが、もう全身を汗だく状態になっていた。
観客たちから胸を揉まれまくって、そこから逃げようと抵抗して、体力を以外に使っていたのだった。
リングに上げると、涼子は容赦なくバックを取ると、一気にバックドロップで由衣をマットに叩き付けていった。
バシィィィィ・・・・・
後頭部から叩き付けられた由衣は倒れて苦しむが、涼子は構わずもう一発バックドロップで由衣をマットに叩き付けていった。
大技2発の威力に、由衣は朦朧として仰向けに倒れ込んでいた。
だが、由衣への攻めはこれで終わりはしなかった・・・。
「ふふふっ・・・お腹は鍛えてるのかしら?」
そう、涼子がトップロープに上がると、倒れている由衣のお腹目掛けて飛び込んで、フットスタンプを叩き込んだのだった。
グシュゥゥゥゥ・・・・・
「ホゲエエェェェェェェ・・・・・・・・」
この残酷な一撃に、由衣は大量の反吐を口から噴き上げると、ピクピクしながら失神してしまった。
体格で勝る涼子が、トップロープから飛び上がってのフットスタンプ。この技の威力は凄まじいものだった。
失神状態の由衣。ここでゴングが鳴らされていった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音に、自らの勝利に気をよくした涼子は、失神状態の由衣の身体にリング下からバケツに入った水を掛けて、吐き出した反吐を洗い流すと、濡れた由衣をトップロープとセカンドロープに両足を絡めて、逆さ吊りの晒し者にしていった・・・、それも観客席側に顔などが見えるように・・・。
グッタリと両手を垂らして、逆さ吊りの由衣。形のよい胸は重力に関係なく張りを保っていて、ここでも胸の形の良さを強調していた。
だが、涼子の怖さはまだ続いていた。その由衣のビキニショーツに、リングシューズからカッターのような物を出して当てていくと、容赦なくビキニショーツを切り裂いていった。
無惨にも、失神させられて逆さ吊り、そして全裸処刑にされていく由衣。まだ生え揃っていないアンダーヘアーまで露わにされて、16歳の女の子にとっては拷問のような時間だった。
「あらあら、毛の処理はちゃんとしているようね・・・・」
涼子がニヤリとすると、続けて由衣の秘部に指を入れていった・・・。
クニュ・・・・
「綺麗なアソコね・・・由衣ちゃんのは・・・」
そして由衣の秘部から涼子が指を抜くと、その指に絡みつく液体を観客にアピールして、ガッツポーズをしてリングを降りていった。
『勝者・・・レフリーストップで米蔵涼子!』
一方、全裸処刑の由衣は、黒服たちがロープから放してから、担架に乗せられて運ばれていくのであった。
強烈な涼子の試合の数々。菊河怜といい、恐ろしい成長を遂げていくのであった・・・。



第6試合

「ち、地下プロレス?」
都内某所で地下プロレスの誘いを受けて驚いていたのは、最近グラビアに出始めていた熊多曜子だった。
当然、プロレスと聞いて思いつくのは痛い、苦しいなどだろうが、この地下プロレスからの誘いは、ある意味タレントにとっては登竜門と言うか、仕方のないものだった。
たしかに、バラエティなどでアイドルがプロレスをする時代だが、この地下プロレスは意味が違う物だった。
「そ、それに出なくては・・・ダメなんですか?」
曜子は地下プロレスの話に、少し怯えている様子だったが、事務所サイドからも圧力があって結局は出る事になっていった。
それから、グラビアの撮影が無いときは、地下プロレス側の選んだトレーナーなどによってプロレスの基礎を学ばされていたが、遂にデビュー戦が決まっていくのであった。
「デビュー戦ですか?・・・誰と試合を?」
曜子は驚くが、対戦相手は体格的に曜子より劣る、あの榎元加奈子と聞かされた。
加奈子と言うと、地下プロレスにも出ていたが、貧乳・激辛トークのヒールキャラでもあったが、曜子はそんな事も知らず、日程を聞いていくのであった。
そして今夜、第6試合と言う場所で、曜子は地下プロレスデビューとなっていった。
控え室では、早くも補強された黄色いビキニに着替えて、リングシューズを履いていく曜子。
実際、ビキニは不利ではあるが、グラビア系と言う事と、巨乳を強調するためにもビキニにされていた。
だが、本当は加奈子の貧乳意識に対して、闘争心を出させようと言う意味も含められていたが、そんな事を知る由もなかった。
一方、久しぶりの地下プロレスに登場の加奈子。
今夜の対戦相手が熊多曜子と聞いて、自分もグラビアで水着でアピールしたがファンから相手にされなかった事に、苛立ちをおぼえていた。
「ふん、何が熊多だよ!・・・ただ胸が大きいからってグラビアに引っ張られてるって?・・・地下プロレスのリングじゃあ、そんな事は関係無いって事を教え込まなきゃね・・・・」
早くも対抗意識からか、曜子と同じくビキニに着替えている加奈子。一説には、少しバストのサイズが増えたと言われているが、定かではなかった。
そして、観客たちが見守る中、巨大スクリーンには次の対戦カードが映し出されていった。
『第6試合 グラビアクイーンの地下プロレス挑戦!・・・熊多曜子 対 榎元加奈子』
続けて、2人のサイズが映し出されていった。
『熊多曜子・・・164p、92−58−88   榎元加奈子・・・157p、75−56−80』
そのデータに観客たちが歓声をあげると、遂に花道から曜子が現れていった・・・。
初めての地下プロレス参戦にしては、落ち着いた様子の曜子。歓声に包まれてリングに上がっていった。
青コーナーに陣取って、柔軟体操のように身体を動かしていく曜子。
その度に、ビキニに包まれた92pのバストが揺れて観客たちの目を引いていた。
続けて加奈子がリングに登場すると、いきなり曜子を睨み付けてからリングアナに迫っていった。
グイッ・・・
『何するんだ!』『貸せよ!』
そう、リングアナから無理矢理にマイクを奪い取ると、突然曜子に向かって叫びだした。
「おいおい・・・ちょっと胸が私より大きいからって、調子に乗ってるんじゃないわよ!」
そのマイクアピールに、観客たちが大笑いしていった。
『貧乳〜っ!オマエなんか今夜はやられればいいんだよ!』
『榎元〜っ、オマエはお呼びじゃないんだよ!』
そのブーイングの声に、加奈子が叫んでいった。
「だったら、お前らの好きな熊多かっ?・・・今夜はリング上で辱めてやるからな!」
その加奈子のアピールに、曜子も言い返した。
「どうぞ・・・私だって簡単には負けませんから・・・先輩っ!」
早くも曜子も臨戦態勢になっていくと、リングアナがコールを始めていった。
『第6試合・・・青コーナー〜本日がデビュー戦・・・熊多〜曜子〜っ!・・・・赤コーナー〜久しぶりに登場〜榎元〜加奈子〜っ!』
試合の始まる前からやる気十分の2人。
そしてゴングが打ち鳴らされていった・・・。
『カァーン!!』
ゴングの音と共に距離を置いていく2人だが、誰の目から見ても曜子の方が体格もよく、勝負になるのか心配なカードだった。
リング中央を中心に、回り込む2人だが、曜子のビキニに包まれたバストを揺れていたが、加奈子の方はピタッっとしたままだった。
その曜子に対して、いきなり加奈子も揺れる胸に腹を立てて、踏み込んで張り手を叩き込んでいった。
バシィィィィ・・・・
「イタッ・・・・」
思わず痛がる曜子。芸能界に入ってこんな張り手を受けたのは初めてであろうか・・・。
しかし、曜子も女の意地で張り手を返した。
バシィィィィ・・・・
「何するのよぉぉ・・・・」
曜子が叫びながら張り手を入れると、加奈子がフラフラしながらもロープに走り込むと、地下プロレスの経験では上と勢いをつけたエルボーを曜子の胸に叩き込んでいった。
グニュ・・・
「ぐわああぁ・・・・・・」
胸を抉り込まれて悲鳴をあげる曜子。だが、加奈子の勢いを受けて自らもロープに走り込むと、逆にエルボーを加奈子の顔面に叩き込んでいった。
グキィィィ・・・・
「ぐっ・・・何するんだよ、胸だけ女っ!」
頬を抉られた加奈子だが、倒れるどころか踏ん張ると、曜子を睨み付けて言い返していった。
「む、胸だけじゃないわよ!」
加奈子の言葉に言い返す曜子。更に水平チョップを加奈子の胸板に入れていくと、続けて首に腕を絡ませて首投げでマットに叩き付けると、続けて背後から座った状態の加奈子にスリーパーで締め上げていく曜子。
グイッ・・・・
練習した成果が出て自信を持ち始める曜子だが、反対に加奈子は意外な曜子のプロレスセンスに驚いていた。
『ブレーク・・・ブレーク・・・』
加奈子がサードロープに足を伸ばすと、レフリーが曜子に放すように指示すると、曜子は加奈子の顎から腕を放していった。
そして立ち上がり際に、加奈子の骨の浮き出たような背中に蹴りを入れていった。
バシィィィィ・・・・・
「うっ・・・ぐううぅぅぅ・・・・」
この蹴りに加奈子は一瞬息を止められるような感覚に襲われ、グッタリと倒れ込んで苦しんでいた。
しかし、試合を簡単に終わってはとレフリーが割って入って、追い込もうとする曜子を加奈子から離していった。
「な、何でよ・・・プロレスなら蹴ったりしていいんでしょ?」
レフリーに噛み付く曜子だが、レフリーが曜子に対してカウントを入れ始めると、曜子も黙って距離を置いていった。
そのレフリーは、倒れている加奈子に立つように指示していった・・・。
『榎元っ・・・続行オーケー?・・・ファイト!・・・シッカリナ・・キョウキダッテイイゾ・・・』
小声でレフリーが加奈子に呟くと、加奈子の目がレフリーと合わさっていった。
加奈子がフラつきながら立ち上がると、曜子も近づいていった。
そして、曜子の勢いあるラリアットが炸裂すると、加奈子は口から涎の飛沫をあげて倒れると、続けて曜子の逆エビ固めが極まっていった。
グイグイッ・・・
「ギブ?・・・・ギブする?・・・・細い背骨が折れちゃうよ!」
曜子が険しい表情で加奈子にギブアップを迫る中、加奈子は背骨への激痛に絶叫しながらロープに手を伸ばしていた。
グググッ・・・・
「ほらっ・・・ギブ?ギバーップ?」
逆に加奈子を追い込んでいく曜子。以外に良い動きに、観客たちから歓声が送られる程だった。
しかし、レフリーが曜子の見ていない隙に、加奈子の手をロープに伸ばさせると、ブレークを命じていった。
『ブレーク・・・ロープ・・・』
その指示に曜子が加奈子を放すが、観客たちからはブーイングが飛んだ。
背中を押さえて痛がる加奈子。
だが、その痛めつけた背中に対して曜子がストンピングを叩き込むと、加奈子は堪らずリング下に転がるようにして落ちていった。
デビュー戦から以外にいい動きで加奈子を追い込む曜子。リング上からリング下の加奈子を見つめていたが、加奈子も場外カウントがないからと背中の痛みを和らげようとコールドスプレーなどを手渡されて、背中を気にしていた。
そしてリングに上がっていく加奈子。エプロンサイドに立つと、リング内の曜子と睨み合っていた。
だが、曜子はロープを潜る瞬間を狙う事はせず、ロープから距離を置いていくと、加奈子をリング内に招いていった。
この辺が、まだデビュー戦でプロレス的な攻撃が出来ない曜子なのだろうか。
加奈子がリングに入ると、曜子は距離を縮めていくと、加奈子が先制のローキックみたいな蹴りを曜子に叩き込んだ。
バシィィ・・・
加奈子の蹴りが決まると、曜子が痛がるが組み付こうと加奈子に迫った。
すると、組み合った瞬間に曜子のフロントスープレックスが決まると、加奈子に炸裂して悲鳴をあげさせていった。
バシィィィ・・・
「ぐわあぁぁぁぁ・・・・・くっ・・・・」
続けて、加奈子の細い腕を極めにかかろうとして、アームロックを狙う曜子。
だが、加奈子が急いでロープに足を伸ばして、レフリーにアピールしてブレークで逃げていった。
明らかに曜子の優勢な試合だが、まだ加奈子の目は死んではいなかった。
お互いが立ち上がると、今度は曜子が慣れない打撃技だが、掌打を加奈子に放っていった。
シュ・・・
しかし加奈子も距離を取ってガードすると、前蹴りを出して距離を置こうとしていった。
だが、曜子に当たるも勢いに押されて、加奈子自身が倒れると、曜子が走り込んでエルボードロップを叩き込んでいった。
グシュ・・・
「グボッ・・・ケホッ・・ケホッ・・・」
胸に曜子の肘が食い込むと、加奈子は苦しそうに咳き込んでいった。
すると、またもリング下に逃げていく加奈子。
『素直に負けちゃえよ、加奈子っ!』
『そうだ、そうだ!ガリガリ女なんてブチ殺せ!』
追い込まれていく加奈子に対して、観客からも追い込むような言葉が浴びせられていく中、加奈子は何かを握りしめてリングに戻っていった。
またもロープ越しに睨み合うと、今度は曜子が捕まえに飛び込んだ。
プシュウゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・
「ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・目がぁぁぁ・・・目がぁぁぁぁ・・・・」
そう、先簿とリング下で使ったコールドスプレーを曜子の顔面に吹き付けたのだった。
これには曜子が顔面を押さえて七転八倒とも言える状態でリング上で藻掻き苦しんでいた。
「甘いんだよ、地下プロレスを舐めるんじゃね〜よ、タコッ!」
苦しむ曜子に余裕で近づくと、加奈子はお腹を狙ってストンピングを叩き込んでいった。
グシュ・・・バシッ・・・グシュ・・・
「グボッ・・・ううっ・・・・苦しい・・・・あああっ・・・・」
お腹を蹴られて、目潰しに続いて無防備なお腹への蹴りで藻掻く曜子。
完全に試合の流れが変わっていったが、これは明らかな反則だったが、何故かレフリーは注意もしなかった。
更に、曜子を蹴りこみながらリング下に落としていくと、髪を掴んで鉄柱に顔面を叩き付けていった。
バキィィィ・・・・
「ぎゃああああぁぁぁぁ・・・・・痛いぃぃぃぃ・・・・・」
グッタリと鉄柱を抱えるようにして座り込んでいく曜子。
更に、まだ目つぶし状態の曜子を無理矢理に連れて行くと、鉄柵にお腹が当たるようにして、曜子を鉄柵に乗せていった。
すると、加奈子が近くのパイプ椅子で曜子の背中を叩き付けていくと、またも曜子の悲鳴が響き渡った。
目つぶし状態で、どんな攻撃がくるか分からず、インパクトの瞬間に痛さと恐怖に襲われていく曜子。
更に、加奈子は自らが軽量だからと長机の上に立つと、鉄柵に乗せられている曜子の背中にフットスタンプを叩き込むと、曜子のくびれたボディに鉄柵の細い鉄パイプの部分が食い込んでいった。
グニュ・・・
「グボッ・・・ウエエェェェェェェ・・・・・・」
いきなりお腹を細いパイプで押しつぶされて、曜子は堪らず観客席側に反吐を吐き出してしまい、グッタリとしていった。
近くの観客は、曜子の反吐の異臭に表情を変えるが、続けて加奈子が近くのマイクコードを掴むと、曜子の首に巻き付けていった。
そして、リング上に上がってマイクコードをトップロープに掛けて引いていくと、曜子は苦しみながらリングサイドに歩かされていった。
首に食い込むマイクコードに、曜子は苦悶の表情で掴んで苦しさから逃げようとする。
しかしリング上から引いていく加奈子の前に、呼吸も満足に出来ずに藻掻いていた。
この状態に、レフリーがニヤリとするとゴングの要請をしていった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音と共に、加奈子を止めていくレフリー。
『ただ今の試合、レフリーストップで榎元加奈子の勝利です!』
このアナウンスに、観客たちがブーイングを上げていく。
そして、負けにされた曜子も納得のいかない表情でレフリーに迫っていった。
「何でよ・・・こんな反則が許されるわけ?・・・コードにスプレー?反則でしょ、何なのよ!」
胸を揺らしながら怒る曜子。
「うるさいわねぇ・・・負けは負けなの、オッパイちゃん?」
その曜子を挑発するように腕組みしながら加奈子が言い放つ。
「ふざけないでよ・・・だったら反則の出来ないルールでやれば、アンタの弱さがみんなに分かるわよ!」
曜子も負けずに時折咳き込みながら言い返す。
「ふん、そんなに私と闘いたければ、もっと経験を積むことね・・・ふふふっ・・・」
怒る曜子を横目に、加奈子は笑みを浮かべてリングを去っていった。
だが、引き揚げる加奈子に対して観客席からは物が投げられて、加奈子は急いで控え室に戻るのであった・・・。
一方、練習してきたプロレス技を出して優勢だった曜子は、汚い反則の前に負けてしまって、次回の試合ではもっと練習してから上がろうと決めていくのであった。
しかし、後々にこの試合は、ノーコンテスト扱いで、無効試合と記されるのであった。



第7試合

「地下プロレス?・・・何よソレ?」
都内某所で地下プロレスの誘いを受けて、またも淫靡な世界に足を踏み込もうとしているのは、あの「帝王のブランチ」などに出たり、体力系のスポーツ番組に出て活躍していた水野祐子だった。
当然、地下プロレスとしては新たなタレントの発掘は大変なもので、体力のあるタレントが目を付けられるのは当然の成り行きでもあった。
体力は自信のある祐子だが、格闘技の経験などはあるわけもなく、当然だったが短期集中のプロレストレーニングを受けていくのであった。
その期間、仕事のない日を入れても1週間足らずだったが、祐子はタレント同士のプロレス。それも番組などに比べてギャラも多いと言う事から、相当気合いを入れての登場となっていった。
そして試合当日、第7試合と言う舞台を用意され、祐子は控え室で鍛えていると言う身体を見せつけるような、白いスポーツビキニにリングシューズと言う格好に着替えて時間を待った。
「ここで活躍すれば・・・仕事も増えるわね・・・」
最近体力系の番組だけが活躍の場。更に他の方面にも出るため、祐子は地下プロレスに気合いを入れるが、対戦相手を聞いて驚いていた。
「えっ・・・この人って元素晴らしいギャルの・・・」
そう、祐子の元に届けられた対戦相手の資料には、黄色いRQ時代のコスチュームの須野内美帆子が載っていた。
最近格闘技戦も視野に入れて地下プロレスで頑張る美帆子。
たしかに祐子としてはデビュー戦からキツイ展開が予想されたが、祐子はタレント同士で年齢も下、まして体力には自信があるからと気合いを入れた。
一方、美帆子の方はと言うと、控え室で祐子のデビュー戦相手と聞いて、体力には自信を持っているだろうと予想していた。
「たしか・・・前にテレビで体力には自信があるような事を言っていたわね・・・いいわ、力だけじゃあないって事を教えてあげなくっちゃね!」
美帆子も、偶然なのか黄色いスポーツビキニに着替えて、リングシューズとレガースを着けると、試合の時間を待っていった。
その2人の元に、黒服が試合の時間を告げに来ると、気合いの入った2人がリングに向かって歩き出していった・・・。
ガチャ・・・
美帆子にとってはいつもの花道への廊下。祐子にとっては初めての地下プロレスのリングに向かう道。
そして、両開きのドアが開くと、遂に地下プロレスの会場になっていった。
正直、タレントだから大勢の目の前に立つのは慣れているはずの祐子だが、この雰囲気はスタジオなどでは体験できないものであった。まして、リング上では残酷なタレント同士の闘いが始まり、緊張だけでなく身体へもダメージを受けるわけだから・・・。
ギュ・・・
初めて握る地下プロレスのロープを潜ると、遂にリングインする祐子。
そして反対コーナーには、早くも美帆子がコーナーに寄りかかるようにして祐子を見つめていた。
2人の間には、言葉は無かったが視線が激しく激突していた。
祐子としては、美帆子に対して体力勝負で行こうと・・・。
美帆子は、経験の差から地下プロレスは技術も大事と言いたげな表情をしていた・・・。
すると、大型スクリーンに2人の対戦カードが映し出されていった・・・。
『第7試合 須野内美帆子(26 165・83ー58ー85)対 水野祐子(20 160・85−59−80)』
そのスクリーンに映し出されるカード表に、歓声が沸き起こると、リングアナがコールを始めていった。
『第7試合・・・青コーナー・・本日がデビュー戦〜、水野〜祐子〜っ!』
そのコールに少々緊張気味の祐子が歓声に応えるように腕を挙げていった。
『赤コーナー・・須野内〜美帆子〜っ!』
そして美帆子がコールされると、観客に向かって一礼すると、コーナーから祐子を見つめていった。
『カァーン!』
そして早くもゴングが打ち鳴らされると、いきなり祐子が走り込んでいった。
「うりゃあああああぁぁぁぁ・・・・・・」
気勢をあげてコーナーの美帆子に飛びヒザ蹴りを出していく祐子。
だが、祐子が体力任せで仕掛けてくる事を予想していた美帆子が避けると、コーナーに自爆していく祐子。
しかし、祐子は怯むどころか、反転すると美帆子目掛けて左右のパンチを出して突進してくると、これには美帆子が両腕でガードしていった。
力では祐子が上なのか、美帆子がロープに押し込まれていくと、ここでレフリーがブレークを命じていった。
これには興奮している祐子が納得行かない様子だったが、一旦距離を置いていった。
バシィィィ・・・
すると、今度は美帆子から仕掛けていった。鋭いローキックが祐子のヒザを叩くと、祐子の表情が苦痛に歪む。
だが、美帆子は一発打つと離れて、また構えてからローキックを打ち込んでいった。
この美帆子の攻めに苦しみながらも、祐子が一気に距離を詰めると、相撲のように組み合ってから投げようとしていく。
しかし美帆子も踏ん張るが、力任せに、そうまるでフロントスープレックスのように投げていくと、2人は転がってリングに倒れ込んでいった。
すると、祐子が美帆子の腕を狙っていくが、ここは美帆子の長い脚がロープに掛かってレフリーが止めていった。
またもロープに逃げられて苛つき出す祐子。
「これがプロレスルールなのよ・・・」
美帆子がニヤリと呟く。
しかし、祐子は構わず走り込むが、今度は美帆子の前蹴りが祐子の腹筋を抉っていった。
グシュ・・・
「ぐふうっ・・・ううっ・・・・」
流石は鍛えているだけはある祐子。美帆子の前蹴りに苦悶の表情を浮かべるが、お腹を押さえて距離を置いて構えた。
だが、今の一撃は効いている筈だったが、祐子は美帆子に悟られないように表情を変えないように努力した。
「効いてるくせに・・・我慢しているのね・・・」
そんな祐子の心の中を見透かしたように、美帆子が言い放つ。
「き・・効いてなんかないわ・・・そんな蹴り!」
祐子も強がって言い返すと、真似して前蹴りを出していくが、逆に美帆子にキャッチされて、一気にアキレス腱固めを極められて悲鳴をあげていった。
「ぎゃあああああああぁぁ・・・・・痛いっ・・・痛いぃぃぃぃぃぃぃ・・・・」
初めて受けるアキレス腱固め。それもヤラセのない地下プロレスだから祐子が痛いのも当然だった。
必死に逃げようと藻掻く祐子。だが、美帆子が技を解くと、距離を置いて手招きしていった。
「くっ・・・馬鹿にしないでよね!」
美帆子の挑発に頭に来たのか、祐子が立ち上がるとダッシュしていった。
バシィィィ・・・・
「イタッ・・・・」
しかし、またも美帆子のローキックが決まると動きの止まっていく祐子。
バシィィィ・・・・
まるで祐子の足を狙っている美帆子。次第に祐子の白い足が赤く腫れていった。
普通のアイドルだったらダウンしていく状態だろうが、祐子は意地で立ち上がると、フラつきながらも美帆子に向かっていった。
その祐子に、美帆子が首相撲を決めようと近づくと、逆に祐子が力任せに美帆子の身体を持ち上げようとしていった。
まるでボディスラムの体制に見えたが、足元がフラフラしているのが観客にも見えてわかった。
だが、何とかボディスラムを決めると、続けて美帆子のお腹にニードロップを決めていった。
グシュ・・・
「グブッ・・・・・」
祐子の膝が突き刺さると、美帆子の表情も苦悶に歪むが、祐子は続けて馬乗りになっていくと、喧嘩殺法とでも言うのか、顔面へパンチを落としていった。
バキッ・・・バシッ・・・
「ほらほらっ・・・以外と力がないくせに・・・調子に乗らないでよね!」
今度は祐子が調子に乗っていくが、美帆子も自慢の顔を殴られながらも、両腕でガードしながらも、腕の間から祐子の動きを伺っていた。
すると、祐子の腰が浮いた瞬間、美帆子の脚が動き出した・・・。
グイッ・・・
「ぎゃあああぁぁぁ・・・・何するのよ!」
そう、祐子が悲鳴をあげたのは、美帆子が殴りつける祐子の腕をキャッチして腕拉ぎ逆十字固めに切り返したからだった。
「力だけじゃないの、わかる?」
容赦なく腕を捻りあげる美帆子。
「イタッ・・・イタタタタタタッ・・・・・」
腕を極められた祐子も、必死にロープに足を伸ばすと、偶然にもロープに掛かってレフリーが止めていった。
足も痛み、そして腕も関節を極められた痛みを我慢する祐子だが、次第に焦りの色が出ていった・・・。
すると、今度は美帆子が近づくと、祐子の顔面目掛けて掌打を打ち込むと、打撃の練習はしていなかった祐子は無惨にも左右の頬などに決められて、口から涎の飛沫のようなものを飛ばしながらフラフラしていった。
更に、美帆子のヒザ蹴りがボディに突き刺さると、ダウンこそしなかったが、祐子はコーナーまで追いつめられてしまった。
だが、何とか反撃を狙っている視線はまだ健在で、体力系タレントの意地だろうか?
更に美帆子が蹴りを出すと、祐子も堪らずタックルのように組み付いていった。
この祐子の組み付きに、美帆子もフロントネックロックで締め上げると、祐子の表情が苦痛に歪んでいった。
だか、上から思いっきり締め上げていく美帆子。
「くうっ・・・うううっ・・・・」
呻き声みたいな声をあげて、祐子が苦しむがギブアップしないので容赦なく美帆子が締め上げる。
すると、苦し紛れに祐子が美帆子を持ち上げていくと、そのままロープに押しつけるようにして、リング下に落としていった。
祐子は何とかリング上に残ったが、美帆子は転落して腕を打ち付けて痛がっていた。
だが、リング上の祐子もダメージが大きく、美帆子を追いかける事はしなかった。
そして美帆子がリングに戻ると、祐子も構えて距離を置いていった。
だが、試合開始の時に比べて、祐子は前に出ると言うより、美帆子との距離を保のに必死の様だった。
バシィィィ・・・・
「ひいっ・・・・・」
だが、美帆子のローキックが容赦なく決まり出すと、祐子は悲鳴をあげてリング内を逃げていった。
遂に祐子の足が悲鳴を上げだしたのか、祐子もローキックを露骨に嫌がって逃げるが、美帆子がその祐子の足をローキックで攻めていった。
バシィィィ・・・バシィィィィ・・・・バシィィィィ・・・・
「ぐうっ・・・うううっ・・・・」
遂に我慢が出来なくなって、祐子が座り込んで痛がると、ノーガードの顔面へ美帆子の蹴りが決まっていった。
バキィィィィ・・・・・・
この一撃に、祐子は意識を一瞬失うようにマットに崩れ落ちていった。
無惨にも崩れ落ちる祐子のだが、自分の頬に壁があるの?とばかりに事態を飲み込めていなかった。
まぁ、これも初めての地下プロレスでの試合だから仕方のない事だったが、祐子は立ち上がろうと踏ん張っていった。
だが、身体に力が入らないようだった。
グイッ・・・
「地下プロレスの怖さ・・・教えてあげようか?」
美帆子が遂に仕留めにかかったのか、フラフラしている祐子の髪を掴むと、一気にパイルドライバーの体制になっていった。
そして、容赦なく脳天からマットに叩き付けると、グッタリした祐子に覆い被さっていった。
『ワン・・・ツー・・・ス・・・・』
フォールの体制になる美帆子だったが、祐子が意地で肩をあげると、レフリーのカウントは止まっていった。
すると、今度は美帆子が祐子をリングに座らせるようにしてから、背中に強烈な蹴りを入れていった。
バシッ・・・・
「ぐうぅぅぅぅ・・・・・・」
涙目になって蹴りの痛みを堪える祐子。
バシィィィィィ・・・・・
「ぐはあぁぁぁぁ・・・・・あん・・・・」
しかし、続けて決まる顔面への蹴りの前に、祐子は完全にノックアウト状態でダウンしていった。
「ハァ・・ハァ・・・何よ・・・この差は・・・・」
ダウンしている祐子。美帆子との差に驚きを隠せなかったが、練習をしていなくともリングに上がってしまえば、リング上で待つのは勝利か、無惨な敗北かだった・・・。
ドシュ・・・
「ぐぶうっ・・・・ううっ・・・・」
更に、祐子の脇腹に美帆子の蹴りが入ると、堪らず祐子は俯せ状態になっていった。
だが、これこそ美帆子の狙い通りの展開。俯せにして背後から覆い被さると、一気にチョークスリーパーを仕掛けていった。
グググッ・・・
「うううっ・・・・ぐっ・・・」
頸動脈を締め付けられて、祐子が苦しさから逃れようと美帆子の腕を掴んでいく。
「どう・・・意識が無くなる前にギブアップしたら・・・落とすわよ・・・」
祐子の耳元で囁く美帆子。
だが、祐子はギブアップとは言わず、何とか逃げようと藻掻いていたが、結局は無駄な努力だった。
しばらく粘る祐子だったが、美帆子の腕にかかっていた手が、ダラリと力なくマットに落ちていった。
『カンカンカンカン・・・』
その祐子の失神を確認すると、素早くレフリーがゴングの要請をして試合を止めていった。
この瞬間、美帆子の勝利が決まっていったが、初めての地下リングで善戦した祐子にも注目が集まった。
『勝者・・・須野内美帆子っ!』
そのコールに、美帆子はレフリーから腕をあげられて笑みを浮かべるが、足元には失神している祐子の姿があった。
「ううっ・・・」
しかし、祐子も意識を取り戻していくと、その祐子の腕を美帆子が握ると、起こしてから共に腕を挙げて祐子の健闘を讃えていくのであった。
「立派だったわよ・・・痛かった?私の蹴り?」
美帆子がフラつく祐子に問いかける。
「は・・はい・・・こ、今夜は・・・ありがとうございました・・・。負けましたけど・・・今度は勝てるように頑張ります・・・」
美帆子の問いかけに、祐子も応えていくと、その光景に観客たちが大歓声を送るのであった。
地下プロレスにしては珍しい、クリーンな展開で終わった第7試合。
そして美帆子と祐子は共にリングを降りて控え室に戻るのであった・・・。



第8試合

「そうね・・・女子プロレスラーを演じればいいのね・・・」
地下プロレスへの新人が多いこの大会。遂に若手女優では人気のある武内結子にも声が掛かっていた。
女優でもある結子は、この話に女優としての演技の幅を拡げるためにも、ギャラもそうだしと色々と思う所もあるが、地下プロレス出場を決めていった。
だが、格闘の経験などあるはずもない結子だが、地下プロレス側のプロレストレーニングの申し出に喜んで出ていって、以外な事だったがプロレスの練習で実力を着けていった。
その結子のプロレスのセンスに、対戦相手を誰にするか検討されたが、対戦相手は現・地下プロレスジュニアヘビー級チャンピオンの沖菜 恵に決まっていった。
当然、ノンタイトル戦だが、これは結子にとっては女優としてもライバルでもあるし、凄い組み合わせだった。
この事は、当然だが沖菜恵にも伝えられて、女優としてはライバルだが、地下プロレスでは新人の結子とのカードに少々不満気味だったが、受けて立っていった。
試合当日、早くも結子が都内某所の地下プロレス会場を訪れると、黒服たちが控え室に導き入れていった。
結子としても緊張はしていた。タレント同士、誰もが思う地下プロレスのイメージでは、怖いのは当然だった。
まして、結子は恵と違い水着のグラビアなど殆どないので、人前で水着姿になる事にも抵抗があるみたいだった。
普段の格好の結子。しかし控え室に通されると、黒服から数着の水着を出されて選ぶように言われた。
「こ、これで試合って言うか・・・プロレスをするんですか?」
結子の目の前に出されたのは、ビキニに競泳用水着、それにワンピース水着などだが、流石にビキニだけはと結子は感じていた。
『そうだ・・・まぁ、君の場合は水着グラビアもないし、抵抗があるだろうけどな・・・』
黒服が言うと、結子が恥ずかしそうに言い返した。
「そうですか・・・だったら、着替えるから出ていってもらえますか?」
その結子の言葉に、黒服は控え室から出ていくのであった。
結子はそれから、目の前の水着を見てから考えて、競泳用水着を着てみるが、少し股間の部分がハイレグになっていて恥ずかしくなり、仕方なく白いワンピース水着に着替えていった。
その頃、違う控え室には沖菜恵が到着して、落ち着いた様子でピンク色の胸元の少し開いたワンピース水着に着替えると、リングシューズを履いて試合の時間を待った。
流石は歴戦の地下プロレスラーでもある恵。新人相手と言うことで、以外と落ち着いている様子でもあった。
相手は武内結子。そう知ってはいても、やはり負けたらと言う緊張はあるのか、控え室の中で身体を動かしている恵。
そして、試合の時間が迫ると黒服たちが呼びに来た。
『時間だ・・・』
その呼び出しに、恵は慣れていたが、結子は緊張した表情で控え室を出るのであった。果たして、自分が練習したプロレス特訓は通用するのであろうかと・・・。
歓声に包まれる中、2人がリングに登場すると、早くも観客たちは興奮している様子だった。
そして大型スクリーンには対戦カードが映し出されいた。
『第8試合 沖菜 恵(23 156・84−59−85)vs 武内結子(22 162・80−60−82)』
観客がスクリーンを見つめている時、恵はコーナーで水着のフィット感を確かめるようにして、胸元などを気にしていた。
一方、人前で水着なんて着慣れていない結子も、股間の部分など少し気にしている様子だったが、リング上で注目が集まるからと我慢しているようだった。
そしてリングアナがコールを始めていった・・・。
『第8試合・・・青コーナー〜今夜地下プロレスデビュー〜・・・女優〜武内〜結子〜っ!』
そのコールに、少し緊張しながらも歓声に手を挙げて応える結子。
『赤コーナー〜現・ジュニアヘビーチャンピオン・・・沖菜〜恵〜っ!』
そのコールに、堂々とした表情で結子を睨み付けてから、観客の歓声に応えていく恵。
そしてレフリーが、2人のボディチェックとルール説明をする為にリング中央に招き寄せた。
レフリーが恵と結子のリングシューズなど、一応は凶器など無いか調べていると、恵と結子は睨み合っていた。
「プロレスの練習、ちゃんとしてきたの?」
恵の口が開く。
「もちろんしてきましたよ、先輩。・・・受け身も覚えてきたし・・・」
結子も観客の目もあるから、堂々と言い返すが、内心は緊張している事は当然だった。
レフリーのチェックが終わると、各のコーナーに戻る恵と結子。そしてゴングが鳴らされていった。
『カァーン!!』
ゴングと同時に近づく恵と結子。しかし手が届くか届かないか辺りで距離を置くと、睨み合っていった。
「おりゃあ!」
いきなり結子が大声で叫ぶと、恵の腕を掴んでロープに振っていった。
以外な展開に恵がロープに走って戻ってくると、結子がドロップキックを出していった。
バシィィィ・・・・
「うぐっ・・・・・」
以外と打点の高い結子のドロップキック。デビュー戦で最初の技であったが、綺麗なフォームに観客たちも驚いていた。
更に、起きあがる恵の顔面へタイミングを合わせてドロップキックを叩き込むと、これには恵が顔面を押さえてリング下に転がり落ちていった。
「ハイハイハイハイ・・・」
リング上では、観客たちを煽るように両手を挙げては叩く結子の姿があった。
さすがは女優だけあって、魅せる展開を考えているようだったが、リング下の恵は驚いていた。
まさかこんな展開から始まるなんて・・・。
そしてリングに戻る恵だが、ロープ越しに髪を掴まれて痛がるが、トップロープとセカンドロープの間から、結子のお腹へパンチを恵が叩き込むと、結子は油断したのかガクンとヒザを折ると、動きを止めてしまった。
「腹筋は鍛えてるのかしら・・・ねっ!」
すると、恵がヘッドバッドを叩き込んで、結子を痛めつけていった。
バキッ・・・
「ぎゃあ!」
これには結子が悲鳴をあげて、フラフラしてリング内を動き回ると、今度は恵がトップロープに上がって、その結子を呼んでいった。
「コッチよ、武内っ!」
その言葉に手を顔から放して恵の方向を結子が見ると、視界に広がる恵の両足の裏・・・。
バキィィィィィ・・・・・・
「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・」
勢い良く顔面にミサイルキックを受けて、結子が悲鳴をあげながらリングに倒れ込むと、早くも恵がフォールの体制に入っていった。
『ワン・・・ツー・・・・』
しかしカウント2で結子が肩を上げると、恵が横四方固めの体制に移行していった。
だが、顔面への痛みからも結子がロープに足を伸ばすと、レフリーが離していった。
『ブレーク!』
そのレフリーの指示に、恵が起きあがって離れると、結子も警戒しながら立ち上がっていった。
すると、今度はリング中央でガッチリと組み合うと、力比べのように押し合っていく恵と結子。
だが、ここは小柄ながらいい筋肉をしている恵が押していこうとすると、結子が気勢をあげて恵のお腹へ蹴りを入れていった。
バシッ・・
「うりゃあああぁぁ!」
その結子の蹴りに、一瞬動きが止まる恵だが、お返しとばかりに結子の顔面へエルボースマッシュを入れると、結子がフラつくが勢いを付けて恵の頬にエルボースマッシュを叩き込んでいった。
バキィィィ・・・・
「痛っ・・・痛いわねぇぇ・・・・」
この一撃に怒った恵がもう一発エルボースマッシュを叩き込むと、結子の目にも涙が浮かんでいた。
「痛ぅぅぅ・・・・・何するのよ!」
今度は結子が張り手を叩き込むと、恵も張り手で応戦して、リング上では張り手合戦となっていった。
すると、結子がロープに走って助走を付けると、恵にボディアタックを仕掛けていった。
だが、これは恵が空中の結子のお腹へボディブローを叩き込んで自爆させていった。
バシィィィィ・・・・
「うげえぇぇぇぇ・・・・ううっ・・・・」
折角の反撃も、恵のボディへのパンチに崩された結子は、お腹を押さえて俯せ状態で苦しむと、恵が構わず背中へストンピングを叩き込んで追い込むと、顔面へもサッカーボールキックを叩き込んでいった。
バキィィィ・・・・
「ぎゃああぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
これには結子が絶叫して、顔面を押さえたままリング上をジタバタするように藻掻き苦しんでいった。
更に、恵が結子のショートヘアーを握りしめると、一気に顔面をマットに叩き付けるフェイスバスターを決めていった。
バキィィ・・・・
「痛いぃぃぃぃぃぃ・・・・・」
またもリングに響き渡る結子の絶叫する悲鳴。
グイッ・・
「ほらほらっ・・・まだ試合の最中よ・・・立ちなさいよ・・・」
その顔面を押さえて痛がる結子の髪を掴んで、恵が無理矢理に起こしていくと、結子は顔面を押さえたまま悲鳴をあげていた。
グシュ・・・
「グペッ・・・・」
その結子のお腹へ、またも恵がヒザ蹴りを叩き込むと、結子はお腹を押さえてヒザを着いていった。
この展開に、恵が圧勝かと歓声が起きるが、次の瞬間に結子が反撃に出るのであった。
ゴキィィィ・・・・
「ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
そう、悲鳴をあげたのは恵の方で、結子が油断した恵の股間へアッパーで反撃したのであった。
完全に油断していたのか、恵は恥骨に結子の拳骨が当たったのか、脳天に突き抜けるような衝撃に倒れ込んでいった。
「顔ばっかり狙わないでよね・・・・お返しよ!」
その恵を横目に、結子が顔を気にしながら立ち上がると、お返しとばかりに後頭部から背中へストンピングを叩き込んでいった。
バシッ・・・バシッ・・・
そして恵が痛がる素振りを見せると、髪を掴んで起こしてから、一気にロープに振ってからラリアットを叩き込んでいった。
バキィィィィ・・・・・
しかし首へ完全に決まるラリアットと言うより、腕と言うか拳を叩き付けるような感じのラリアットだったので、恵が転がるようにマットに倒れ込んだ。
仰向けに倒れる恵。その恵を見て、結子が胸へストンピングを叩き込むと、恵は胸への激痛に悶え苦しんでいた。
更に、その恵の首に足を絡めていくと、首4の字固めを極めて揺さぶっていった。
グイッ・・・
「どう、ギブする?」
恵の髪を掴んでギブアップを促す結子。
「ぐっ・・・誰がギブアップなんかするもんですか!」
しかし足をバタつかせはするが、恵が耐えていく。
すると、結子が腰を浮かせたりして極めていくと、恵の表情が険しくなっていった。
しかし、恵も苦し紛れに反則を出していった・・・。
ガブッ・・・そう、恵が結子の足を噛み付いたのだった。
「ぎゃあ!」
結子が悲鳴をあげると、恵は力の緩む結子の技から脱出すると、転がるようにして距離を置いていった。
「何するのよぉぉ・・・・噛み付くなんて信じられない!」
一方、噛み付かれた結子は痛そうな表情をしながら立ち上がると、恵を追いかけていった。
しかし恵がリング下に逃げ込むと、結子は追いかけずにリング上から恵の行方を見つめた。
さすがに恵も、結子のプロレスセンスに驚いている様子だったが、攻め方を変えてみようとしていた・・・。
リングに転がるように上がり込む恵。
その恵にストンピングを叩き込んでから起こしていく結子。
すると、恵が気勢をあげて結子をロープに振ろうとした・・・。
「この野郎っ〜っ!」
恵の絶叫する声と共に、結子がロープに振られようとすると、恵がロープに振らずに勢いをつけて結子のお腹へヒザ蹴りを叩き込んでいった。
グシュ・・・・
「ぐふうっ・・・・・ううっ・・・・く、苦しい・・・・ううっ・・・・」
呻き声のように苦しむ結子。もうお腹を押さえて座り込んでしまった。
「地下プロレスは厳しいの・・・いい?」
その結子の髪を掴むと、恵が一気にフェイスバスターで顔面をマットに叩き付けて、更にキャメルクラッチで締め上げた。
グググッ・・・・
「ううっ・・・ううんっ・・・・んんっ・・・・」
口を押さえられて、顔面などへの攻めに続いてだから苦しむ結子。
しばらく攻め続けると、恵が結子の顔から手を放した・・・・。
グッタリする結子。今の攻めは効いているようで、結子は俯せ状態で苦しそうに息をしていた。
すると、恵は背中にヒップドロップを叩き込んでから、結子を起こしていった。
「ケホッ・・・ケホッ・・・・ううっ・・・・・」
恵のヒップから繰り出されたヒップドロップの威力に、結子は咳き込みながら立たされると、恵の左右の掌打を受けてコーナーに追いつめられていった。
続けての技の連発に、結子はガードするのが精一杯の状態にされていった。やはり、経験からだろうか・・・。
恵は、コーナーに追いつめた結子の顔面を狙っての左右の掌打を出していくと、結子のは顔をガードしようと必死に構えた。
数発が決まると、結子は口の中を切ってしまい血飛沫をあげると、白いワンピース水着に血を滴らしていった。
次第に鼻血も出てくるが、結子としては打撃に対しては練習不足からどうしていいか解らなかった。
だが、恵の本当の狙いは違う所にあった・・・。
ドシュ・・・・
「もらった!」
「ウゲェェェェェ・・・・・うううっ・・・・」
そう、顔面を狙ってガードを上にさせると、結子の意識が上にいっている所へ、コーナーへの突き刺すように前蹴りを叩き込んだのだった。
その蹴りに胃袋を押しつぶされた感覚に襲われた結子は、お腹を押さえたまま前のめりにダウンしていった。
顔と胸部などと、膝だけで俯せになる結子。無惨にもヒップを押し上げた格好になって、観客からはイヤらしくも見えた。
すると、無理矢理にリング中央に結子を連れて行く恵。
連れて行かれる結子は、お腹へのダメージから苦悶の表情をしながら、ただ恵に連れて行かれるままにされていた。
そして、リング中央で結子のバックを取る恵。
結子も、直感的にバックドロップ狙いを察するが、お腹へのダメージから返せないでいると、先に恵がバックドロップを炸裂させていった。
バキィィィィィ・・・・・
「ぎゃああぁぁぁぁぁ・・・・・」
後頭部からマットに叩き付けられて、意識を朦朧とさせていく結子。
しかし恵は容赦せず、そのまま起こすと続けてバックドロップを決めていった。
バシィィィィィ・・・・・
「うぐうっ・・・・ううっ・・・・・」
完全に天井を見つめてピクリともしない結子。恵のヘソで投げるようなバックドロップが効いていたのだった。
「レフリーカウントっ!」
そして恵がフォールの体制になると、レフリーが急いでカウントを入れていった。
『ワン・・・・ツー・・・・・スリ・・・・・・』
レフリーの手が正に、マットに着こうとして瞬間・・・結子の絶叫する声がリングに響いていった。
「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・」
何と、恵の身体をブリッジで返して、何とか逃げたのだった。
しかし、もう全身汗だくでスタミナ切れに見える結子。
「しぶといわね・・・・だったらこれで決めてあげるわ・・・・」
さすがの恵も結子の粘りに驚いた様子だが、続けて立ち上がると結子の左足を掴んでアピールしていった。
「逆エビ固めで仕留めるぞぉぉぉ・・・・」
その恵のアピールに、歓声が沸き起こっていった。
一方、朦朧とする意識の中で、結子も恵の逆エビ固めを警戒した・・・。
そして恵が結子の足を捻って逆エビ固めを仕掛けると、結子も必死な表情で両手をマットに広げて、耐えようとしていった。
だが、恵が叫んだ!
「掛かったなっ・・・だから甘いのよ!」
「ぎゃああああああぁぁぁぁ・・・・・・」
そう、逆エビ固めを仕掛けると見せて、恵が飛び上がるようにして結子の左足を抱え込んで、一気にアキレス腱固めを極めていった。
完全に裏をかかれた結子は、防ぐことも出来ずにマットを叩いていくのであった・・・。
「ギブ・・・ギブアップ・・・・ギブぅぅぅぅぅぅ・・・・・・・・」
そして結子がギブアップと叫んでいくと、ここでレフリーが止めていった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
恵が上手い方法で勝ったこの試合。恵としては打撃で勝負した方が簡単だったかも知れないが、プロレス技で敢えて勝負して自らの技術を上げようとしたのだった。
『勝者・・・・沖菜恵っ!』
そのコールに、恵が笑顔で歓声に応えると、足元で苦しむ結子の腕を取って起こしていった。
「以外とやるじゃないの・・・プロレス技は結構効いたわよ・・・」
フラフラの結子に恵が笑顔で話しかける。
「ハァ・・ハァ・・・あ、ありがとう・・・ございました・・・。最後、アレは騙されましたよ・・・」
フラフラの結子、恵の言葉に笑顔で返すと、恵が結子の腕も挙げて観客に一礼していった。
『いいぞぉぉぉ・・・・流石はジュニアチャンピオン!』
『武内もよくやったぞぉぉぉ・・・次も頑張れよ!』
珍しくクリーンな反応の観客たち。
これも、恵と結子のクリーンスタイルに対する反応なのだろうか・・・。



第9試合

「チビを虐めるのって最高ねっ・・・」
そう、またも不気味な笑みを浮かべているのは、あの左藤江梨子だった。
テレビでは絶対に見せることのない素顔。それが解放される狂気の場所、それが地下プロレス・・・。
その江梨子が今夜闘う相手は、今夜が地下プロレスデビュー戦となり、グラビアなどで活躍させてもらうため、つまりは売り込みの意味も込めての参戦の澤松綾子だった。
身長が148p、上から81・59・80と言う身体で、19歳の綾子。
今夜闘う相手の江梨子とは、25pの身長差があり、試合と言うよりは虐められる為にリングに上がると言っても過言ではなかった。
しかしその綾子も、一応はプロレスの練習はしていたみたいで、肘やヒザを赤くしていた。
控え室では、その綾子が緊張した表情で白いスポーツビキニに着替えていた。
静かな控え室。これからリングの上で、タレント同士が激闘すると聞いて、それが自分の身におこる事だから、一層綾子は不安になっていた。
まして、対戦相手は左藤江梨子・・・。
「ど・・どうしよう・・・。左藤さんったらあの大きな身体の・・・」
綾子自身、自分の小柄な身体を気にしていたが、もう決められた事で逃げることも出来なかった。
一方、その綾子の対戦相手の江梨子は、自らの身体を自慢するかのように、黒いビキニに着替えて時間を待っていた。
早くもスクリーンには、次の試合を期待する観客の為にと、スクリーンに試合カードが映し出されていった。
『第9試合   左藤江梨子(173p)vs澤松綾子(148p)』
このカードを見て、観客たちは早くも江梨子のワンサイドな試合、そして残酷な展開を想像して歓声をあげだしていた。
そんな中、控え室からリングに向かう二つの影・・・。そう、江梨子と綾子だった。
緊張の中、小柄な綾子がリングインすると、早くも青コーナーに向かっていった。
一方、余裕の表情でガッツポーズを取りながら観客にアピール、そしてリングインしていく江梨子。
流石は数々の激闘を地下リングで繰り広げていただけはあった。
その江梨子が、リングインすると早くも綾子に迫っていった。
「本当に小さいわねぇ・・・可愛いわよ、虐めてあげるわ!」
そう言いながら、綾子の頭を撫でていく江梨子だが、綾子もこれには怒っていた。
「馬鹿にしてないでください・・・。小さくても関係ありません!」
その綾子の言葉に、江梨子がニヤリとしていく。
「ふふん・・・いいわよ、忘れないことね・・・。このリングではどういう意味を持つか!」
試合前から険悪になってくると、レフリーが2人の間に割って入って、各のコーナーに割っていくのであった。
トップロープに余裕で腕を乗せる江梨子。逆にただ寄りかかる綾子。
『第9試合・・・青コーナー〜今夜がデビュー戦・・・澤松〜綾子〜っ!』
そのコールに、綾子は観客に向かって一礼すると、コーナーに戻っていった。
『赤コーナー〜黄色いタクシー所属〜左藤〜江梨子〜っ!』
そして江梨子がコールされると、コーナーポストに上がって観客にアピールしていく江梨子。
歓声が沸き起こる中、遂にゴングが打ち鳴らされていくのであった・・・。
『カァーン!』
そのゴングの音と同時に、綾子がコーナーから飛び出すと、スピードで負けてはいけないと走り回るが、江梨子も負けずに行く手を阻むと、張り手を出していった。
バシィィィィ・・・・
「ぶふうっ・・・・・・」
早くも頬に張り手を受けると、フラフラしながら離れていく綾子。
しかし、綾子がキッと睨み返すと、そのままドロップキックを叩き込んでいった。
バシィィィ・・・・
完全に決まったドロップキック。しかし江梨子が余裕で跳ね返すと、綾子はマットに転がり落ちた。
グイッ・・・
「ほらほらっ・・・効かないんだよ、オマエの技なんて!」
倒れた綾子を江梨子が起こしていくと、体格の差を利用して、軽々と綾子の身体を持ち上げて、ボディスラムでマットに叩き付けていった。
バッシーン!!
「きゃあああぁぁぁぁぁ・・・・・」
背中から叩き付けられて、絶叫する綾子。
更に、江梨子がストンピングで綾子の顔面、胸、お腹と蹴りこむと、その度に小さな身体を動かして藻掻き苦しむ綾子。
グイッ・・・
「ああっ・・・・」
苦しむ綾子だが、江梨子が髪の毛を鷲掴みにして起こしていくと、お腹へパンチを入れていった。
グシュ・・・
「ぐふうっ・・・・ううっ・・・・」
江梨子の拳が柔らかい綾子のお腹へ叩き込まれると、その衝撃に内臓を圧迫されて綾子は口から涎を垂らしていった・・・。
「ほらほらっ・・・もっと痛めつけてあげるから、覚悟しなよ!」
更に江梨子は綾子をコーナーに押し込んでいくと、前蹴りでお腹を抉っていった。
グシュ・・・・
「ぐわああぁぁぁぁ・・・・・ゴヘッ・・・コホッ・・・・」
その江梨子の蹴りに、綾子はお腹を押さえたまま前のめりにマットに倒れ込むと、俯せ状態で苦しんでいた。
「ふふふっ・・・本当、こういう娘を虐めるのって最高よねぇ・・・・」
まるで綾子の苦しむ様に、快感を覚えているかのような江梨子。
だが、綾子もまだ試合は始まったばかりと、いきなり起きあがるとタックルを仕掛けて組み付いていった。
しかし江梨子が踏ん張って倒れないと、何とか足を掛けたりして倒そうとしていく。
必死になって倒しに行く綾子だが、江梨子が倒れないと、逆にコーナーに押し込まれていった。
「生意気ねっ・・・少し痛い目に遭わせてあげるわ!」
すると、コーナーの綾子の顔面目掛けて江梨子の左右の張り手が決まっていくと、堪らず綾子がガードしようとするが、顔を防ごうとすると、今度は脇腹へ掌打が決まっていくなど、確実に綾子の身体にダメージを与えていく江梨子。
この江梨子の攻めに、綾子も必死にパンチを返そうとするが、江梨子とのリーチの差から届かずにいると、逆に顔面へ打撃を受けて口の中を切っていった。
グイッ・・・
「ふん・・・だったらお仕置きだね・・・澤松っ!」
すると、江梨子は綾子の髪を掴んでから、一気にロープに顔面を擦り付けていった。
ギュギュ・・・ギュ・・・・
「ぎゃああああぁぁぁぁ・・・・・顔が焼けちゃうぅぅぅ・・・・やめてぇぇぇ・・・・・」
絶叫して苦しむ綾子。だが江梨子はニヤニヤしながら虐めていった。
更にロープに擦り付けていく江梨子の前に、綾子は絶叫して泣き叫ぶだけであった。
そして江梨子が放すと、綾子は顔面を両手で押さえながら転がるように藻掻き苦しんでいった。
その苦しむ綾子の脇で、江梨子は観客にアピールするように両手を広げていくと、続けて綾子のお腹へストンピングを叩き込むと、お腹を押さえて苦しむ綾子の両足を掴んでいった。
「ふふふっ・・・覚悟しなさいよ・・・」
江梨子が不気味に呟くと、そのまま逆さ吊りのようにして、コーナーに連れて行くと、逆さ吊り状態で綾子をコーナーに押さえ込んだ。
ドシュ・・ドシュ・・・
「おらっ・・・おらっ・・・」
気勢をあげて綾子のお腹をトゥーキックで蹴りこむ江梨子。
「ぐふうっ・・・グエッ・・・・オエッ・・・・ああっ・・・・ぐふっ・・・・」
江梨子に蹴りこまれる度に、綾子は可愛らしい表情を苦痛に歪めて、時折嘔吐感に苦しむようにしていた。
更に、江梨子が反対コーナーに歩いていくと、一気に走り込んで逆さ吊り状態の綾子のお腹へ両足を揃えてドロップキックを叩き込んでいった。
グシュ・・・・
「グボォォォォォ・・・・・」
勢いよく江梨子の両足が綾子のお腹を抉ると、次の瞬間に綾子の口からは激しく反吐が吐き出されていくと、逆さ吊りのまま綾子は無惨にも両手をグッタリとしてヒクヒクとしていた。
「ふふふっ・・・次はねぇ・・・」
すると、その綾子をコーナーから放していくと、リング下に降ろしていく江梨子。
グイッ・・・
綾子の髪を掴んでリング下を連れまわすと、突然近くにあった2リットルのペットボトルを手にして、綾子の顔面に中身の水を掛けていった。
ビチャビチャ・・・
水を掛けられて、綾子は全身を濡らしていくが、吐き出していた反吐なども洗い流していた・・・。
すると、江梨子は綾子の口の中にペットボトルを差し込むと、ペットボトルを振るようにして綾子の口の中に大量の水を押し流していった。
「グボッ・・・・ゴボゴボ・・・・グボッ・・・・」
たまらず水を吐き出していく綾子。しかしお腹の中に水が確実に入り込むのであった・・・。
「今度はこうだよ!」
そして江梨子が叫ぶと、小柄な綾子の身体を軽々と持ち上げて、アルゼンチンバックブリーカーで揺さぶりかけていった。
グイグイッ・・・・
「ぎゃああああぁぁぁぁぁ・・・・・背骨が折れるぅぅぅぅぅ・・・・・」
絶叫して苦しむ綾子。江梨子は攻めながらも、綾子の背骨が軋む音を楽しむのであった。
そして暫く痛めつけると、江梨子が綾子をリング上に投げるようにしてあげていった。
リング上では、投げつけられた綾子が背中を押さえながら苦しんでいると、江梨子もリング上に上がっていってから、その綾子に蹴りを入れてから起こしていくと、トップロープとセカンドロープに無理矢理に腕を絡ませると、サンドバック状態にしてからパンチ・キックで顔面、胸、お腹を攻め込んでいった。
バキッ・・・バシッ・・・ボシュ・・・
「ぐふうっ・・・・グエッ・・・・んああぁぁ・・・・・」
殴られて、蹴りこまれて悲鳴をあげていく綾子。
「ふん・・・少しは抵抗してみなさいよ・・・」
完全にグロッキー状態の綾子に呆れ顔の江梨子。そろそろ仕上げに行こうと考えているみたいだが、ロープに絡ませている綾子の腕を外すと、江梨子は放していった。
「うううっ・・・」
堪らずリングに崩れ落ちていく綾子の身体。
すると、江梨子が仰向け状態にすると、綾子に言い放っていった。
「そろそろ決めてあげるわ・・・覚悟しなさいよね!」
そう言うと、仰向け状態の綾子のお腹を跨いでいった。
「ううっ・・・な、何するの・・・・」
不気味な笑みを浮かべる江梨子に、綾子が怯えて問いかける。
しかし、江梨子は応えようともせずに、一気に無防備な綾子のお腹へヒップドロップを叩き込んでいった。
グシュゥゥゥ・・・・・
「ぶげえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・・・」
この一撃に、綾子が絶叫しながら口からは胃液と水の混ざり合ったものを噴き上げると、ピクピクしていた。
だが、まだ失神していないからと試合も止められず、江梨子も攻める事を止めようとはしなかったので、観客たちも歓声をあげてリング上を見つめた。
すると、江梨子が近くのトップロープに上がっていくと、綾子に言い放っていった。
「覚悟しなっ・・これで内臓破裂かもね?」
その言葉の後に、江梨子が一気にトップロープから綾子のお腹目掛けてヒップドロップを放つと、意識を朦朧としていた綾子がヒザをあげて動いた。
「いっ・・イヤあぁぁぁ・・・・・・」
内臓破裂と言う言葉に恐怖心を抱いた綾子が、ヒップドロップ狙いの江梨子の股間目掛けてヒザを上げると、その膝頭が丁度江梨子の恥骨を直撃したのであった。
グシュ・・・・・
「んぎゃああああああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・」
そう、その一撃に江梨子は絶叫して白目を剥いてしまった・・・。
それもその筈、女として大事な部分へ強烈なヒザ蹴りを受けたのと同じなのだから・・・。
マットにゴロリと転がっていく江梨子。
その様子に、綾子も膝を痛めたが踏ん張るようにして、白目を剥く江梨子に覆い被さっていった。
観客の誰もが驚く中、リング上ではレフリーのカウントが入っていった・・・。
『ワン・・・ツー・・・・スリー・・・・』
その瞬間、誰もが想像もしなかった結果で試合は終わりを告げたのであった。
『カンカンカンカン・・・』
綾子自身も驚く試合結果だが、綾子もほとんど痛めつけられる展開だったので、グッタリとして倒れたままであった。
『勝者・・・澤松綾子っ!』
そのコールに、レフリーに支えられて起きあがると、観客に向かって一礼はしてリングを降りていく綾子。
しかし試合のダメージから、黒服に支えられて引き揚げるのであった。
一方、江梨子は股間への強烈なカウンターによって白目を剥いて倒れている為に、ドクターチェックをされて担架で運ばれていった。あれだけ一方的に試合を進めていた筈の江梨子だったが、一瞬の油断か何かはわからないが、綾子の以外な反撃に負けてしまったのであった。
今回は偶然とも言える展開で勝つことが出来た綾子。しかし次回はどうなるのか?


第10試合

「久しぶりのリングね・・・アイドル相手なら余裕よ・・・今夜は相手の娘には悪いけど、インパクトのある試合をするわ!」
控え室でそう黒服に言っているのは、あの谷野アリーネだった。
早くもT173B90W60H90の身体を、白いスポーツビキニに包み込むアリーネ。
褐色の肌が、また白い水着に良く似合っていた。
そして今夜、このアリーネの久しぶりの地下リングの相手となるのは、シングルだと簡単に試合が終わるからと、2人が選ばれていった。
「に、2対1なんて・・・・でも怖い・・・」
そう言うのは、あの小倉夕子だった。
そして夕子と今夜一緒にリングに上がるのは、大代美和だった。
美和は、グラビアアイドルとして小柄ながらGカップバストを武器に活躍するグラドルで、同じくグラビアで活躍する夕子と共にリングに上がる事が決まっていった。
「が、頑張ろうよ・・・夕子ちゃん・・・」
不安がる夕子を勇気づける美和。
だが、体格からも経験からも今夜のこの試合、グラビアアイドルタッグに勝ち目はないことは確実だった。
だが、試合の時間が迫ると、2人はリングに向かって歩き出していった。
夕子は白いワンピース水着。美和はGカップバストを強調するような黒いビキニだった。
早くもリングでは、アリーネがコーナーで待ちかまえていたが、2人は目を合わせないようにリングインすると、コーナーでコールの時を待っていた。
『第10試合を行います!・・・特別変則マッチ・・・青コーナー・・・小倉夕子〜っ!・・・大代〜美和〜っ!』
早くも始まるコールに、夕子と美和はガッツポーズを取ってアピールしていった。
『赤コーナー・・・谷野〜アリーネ〜っ!』
そしてニヤリとして夕子と美和を睨んでいくアリーネ。
異様な雰囲気の中、試合開始のゴングが鳴らされようとしていた・・・。
「まずは私から行くわ・・・」
青コーナーでは夕子が美和に自分が先に出ると言って、美和をコーナーに戻していった。
「まずはロリちゃんからね・・・いいわよ、かかっておいで!」
アリーネも既に臨戦態勢に入ると、手にはオープンフィンガーグローブを着けていった。
『カァーン!!』
そしてゴングが鳴らされると、いきなりアリーネが突進して夕子をコーナーまで押し込んでいった。
「きゃ!」
思わず悲鳴をあげる夕子だが、アリーネが左手で顎を固定すると、右拳で夕子のお腹にパンチを入れていった。
グシュ・・グシュ・・・グシュ・・・
「グブッ・・・ごへっ・・・・ううっ・・・・」
いきなりの腹パンチのラッシュに、夕子は堪らず泣き出しそうな表情でコーナーに崩れ落ちていくと、アリーネが一気に距離を置いてから、観客に向かってアピールしていった。
すると、お腹を押さえて立ち上がった夕子が、考え込むようにして構えると、アリーネに向かって歩き出していった。
バキィィィ・・・・
「ひいぃぃぃぃ・・・・」
しかし、アリーネは容赦せずに夕子のヒザにローキックを叩き込むと、夕子の動きを止めていった。
悲鳴をあげて痛がる夕子。
「まだ試合は始まったばかりなのに、何よ・・・」
攻めるアリーネは、夕子の不甲斐なさに頭に来たのか、ムッとした表情で構えたまま夕子に近づくと、ローキックから続けてヒザ蹴りを胸に入れていった。
グシュ・・・・
「ぐううぅぅぅぅ・・・・・・・」
これには堪らず胸を押さえて座り込む夕子。もう一方的な展開だったが、コーナーの美和もアリーネの強さに驚いていた。
「何よ、こんな弱いのと闘わせようって言うの・・・だったら考えがあるわ・・・」
アリーネとしては、強い相手との試合を組んで欲しかったのか、夕子の不甲斐なさに腹を立てると、座り込んで悲鳴をあげる夕子の顔面へ強烈な蹴りを入れていった。
バキィィィィ・・・・・
「ぎゃあああぁぁぁぁぁ・・・・・・あんっ・・・・」
この顔面蹴りに大の字になってピクピクする夕子。早くも鼻から大量の鼻血を流していた。
すると、続けて休みも入れずに飛び上がると、ギロチンドロップを夕子の喉元に叩き込むと、夕子の身体がバウンドする程の衝撃だった。
この展開に、観客たちも驚いているが、早くも美和を出すように叫びだしていた。
『小倉なんて引っ込め・・・今度は大代の番だぁぁ・・・・』
『Gカップバストを滅茶苦茶にしてやれ、谷野っ!』
この歓声に押されるように、アリーネが余裕の表情で夕子の髪を掴むと、起こしてから美和の待つ青コーナーに連れて行って、コーナーポストに顔面を叩き付けていった。
バシィィィィ・・・・・・
「ひいぃぃぃぃ・・・・・・」
もう意識を失い掛けているのか、夕子はその場にグッタリとしていった。
「ゆ、夕子ちゃん・・・・」
その夕子の姿に驚きを隠せない美和。しかし変則マッチだから今度は出なくてはいけなかった。
パシッ・・・
一応はタッチをして、美和が怯えた表情でリングに入ると、黒服たちが夕子に気付け薬で意識を戻させて、鼻には脱脂綿を詰め込んで応急処置をしていった。
美和が構えていると、アリーネがニヤリとしてからローキックを繰り出していった・・・。
しかし、これには美和が避けると、間合いが計れずにアリーネに近づけないで悩んでいた。
すると、美和が一気に間合いを詰めてから、アリーネに向かってガムシャラにチョップ攻撃で攻め込むと、アリーネが逆にカウンター気味のヒザ蹴りをお腹に入れていった。
グニュ・・
「ぐぶうっ・・・・・」
その一撃に動きの止まる美和。口から涎を垂れ流していると、アリーネが続けて攻めていった。
「何よ、腹筋が弱いのね!」
一言言うと、続けてエルボーを顔面に入れると、髪を掴んでフェイスクラッシャーで美和を痛めつけていった。
バキィィィィ・・・・・
「ぎゃああああああぁぁぁ・・・・・顔がぁぁぁ・・・顔がぁぁぁ・・・・」
両手で顔面を押さえて藻掻き苦しむ美和。早くもアリーネの力の前にやられ始めていた。
俯せ状態で苦しむ美和。その美和の背中にアリーネが座り込むと、一気に顎に手を掛けて引いてキャメルクラッチで痛めつけていった。
グイグイ・・・
「んぐぐっ・・・・んぐっ・・・・・」
小柄な美和の身体が、容赦なく反らされていくと、美和の瞳には涙が浮かんでいた。
しかしそんな事には構わず、アリーネがグイグイと揺さぶると、美和はギブアップしたかったが、口が開けられずに地獄の責めに苦しんだ。
その苦しむ美和を放して、今度は起こしてからボディスラムの連発で投げ飛ばしていくアリーネ。
小柄な美和の身体が何度も持ち上げられてはマットに叩き付けられて悲鳴をあげていく。
その様に、観客たちは歓声をあげていた。
6連発を受けたか、美和は投げられて内臓をシェイクされたのか、嘔吐感に苦しんでお腹を押さえると、アリーネがロープに走っていった。
そして、無防備な美和の顔面にヒップドロップを落とすと、今度は美和が両足をジタバタして藻掻き苦しんでいった。
「ふふふっ・・・その柔らかいお腹も潰してあげるわ!」
すると、がら空きになったお腹へニードロップを叩き込むアリーネ。
グシュ・・・・
「ぶぎゅぎゃああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
アリーネのヒザが美和のお腹を抉ると、次の瞬間には美和の悲鳴がリングに響いていった。
更に、美和を起こしてから両腕をロープに絡ませて磔状態にしていくと、容赦なく美和のビキニを剥ぎ取って、自慢のGカップバストを露わにしていった。
ビキニショーツ一枚の状態で磔状態にされていくグラビアアイドルの美和。
目も虚ろになった状態だったが、アリーネは指の骨を鳴らしていった・・・。
ポキッ・・ポキッ・・・
「覚悟しなさいよ・・・恨みはないけど強烈な印象を与えてあげたいから・・・」
すると、無防備状態の美和のGカップバストへ、容赦ないアリーネのパンチ攻撃が加えられていった。
グニュ・・・グシュ・・・ブニュゥゥゥ・・・・
「ひぃぃぃぃ・・・・・んあああぁぁぁ・・・・・・ぎゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
無惨にも、上下左右とプルプルと変形して歪んでいく美和の乳房。
殴られるたびに美和の悲鳴がリング上に響き渡った。
更にグッタリしても許さずに、美和の乳房が殴りつけられていくと、次第に乳房が内出血をおこしたのか変色していった。
すると、アリーネが一旦攻めるのを止めて、距離を置いていった。
グシュゥゥゥゥ・・・・・・
「グエェェェェェェェェ・・・・・・・」
すると、踏み込んでのアリーネの勢いあるミドルキックが美和のお腹を抉ると、一瞬の間のあと、美和の口から激しく反吐が噴き出されてマットに吐き出されていった・・・。
自慢の胸を殴りつけられ、お腹への蹴りで地獄の苦しみを受けている美和は、もう泣きながら哀願した・・・。
「ぶうっ・・・ゆ・・ゆる・・じて・・・く・・ら・・・グエッ・・・・」
しかし哀願する美和のお腹へ、またも蹴りが入ると、美和は胃液を垂らしながら泣き出していた。
「おっ・・・おっ・・・おね・・・が・・い・・・し・・・まず・・・ゆる・・・じて・・・・くら・・・はい・・・・」
泣きながら許しを乞う美和。
しかしアリーネは試合を止める気はなく、蹴る体制にはいっていたその時・・・。
ゴキィィィィ・・・・・・
「ぐわあああぁぁぁぁぁ・・・・・・」
突然アリーネが悲鳴をあげると、そう夕子がリング下から試合用のゴングを持ち出して、背後からアリーネの脳天に一撃を加えたのだった。
夕子の必死な抵抗だったが、アリーネもフラフラしながら夕子に振り向いた・・・。
「ううっ・・・・オマエ・・・覚悟はいいんだな・・・・」
アリーネは完全に頭に来たのか、今の一撃で脳天から流血し始めていたが、そんな事は構わず夕子に突進すると、ヒザ蹴りをお腹に叩き込んでいった。
グシュ・・・・
「グベエエェェェェ・・・・・・・」
アリーネの怒りの一撃に、夕子は口から激しく反吐を噴き上げながら倒れ込むと、アリーネが徹底して夕子のお腹に爪先で蹴りこんでいった。
グシュ・・・グシュ・・・
「グエッ・・・オエェェェェ・・・・・ぐわあぁぁぁ・・・・・」
続けてお腹を蹴りこまれて、夕子は遂に血反吐まで吐き出していた。
「ゆ・・・夕子ちゃんが・・・死んじゃうよ・・・・」
ロープに固定されている美和が、泣きながら夕子のドミネートを止めてくれるように哀願する。
しかしレフリーも止めようとせず、夕子はただ人形のようにお腹を蹴りこまれては、口から血反吐を吐き出すのであった。
『うわっ・・・小倉が血反吐吐いてるけど、大丈夫なのか?』
『これ以上やったら本当に死んじゃうぞ・・・小倉・・・』
観客席も、アリーネのあまりに残酷な攻めに騒ぎ出すと、その雰囲気に謎の男がゴングの要請をしていった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
そのゴングの音に、完全に失神してしまった夕子はグッタリしていたが、美和はロープに固定されているだけであった。
「ふん、だったらコイツもだな・・・」
アリーネが呟くと、ロープに固定している美和のビキニショーツに守られた股間の部分に、爪先で思いっきり蹴り上げたのであった。
バキィィィィ・・・・
「ひぎいぃぃぃぃぃぃぃ・・・・・」
その、女として大事な部分を思いっきり蹴りこまれた美和は、絶叫と同時に失神してしまうのであった。
あまりに力の差のありすぎたこの試合。果たして、このグラビアアイドル2人を処刑したアリーネを倒せるグラビア系アイドルはいるのであろうか・・・。



第11試合

「たしか・・・深多恭子ちゃんって言ったら、体重もありそうだし・・・力もありそうだし・・・」
控え室で呟くのは、あの秦野浩子だった。
最近活躍の場があまり無い浩子。今夜はあの女優としても活躍してきているアイドルの深多恭子との試合が組まれていた。
細身の浩子としては、あのムッチリ系の恭子との試合では、力では不利だと感じていて、プロレス的な恭子に対して、打撃を中心とした格闘技スタイルで勝負に出ようと考えていた。
だが、まだ3日前の伊藤美咲との試合で失神KOは効いているようで、スタミナ的に不利なのは否めなかった。
一方、久しぶりの地下プロレス出場になる恭子は、少し緊張している様子だったが、控え室では白色のワンピース水着に着替えて試合に備えていた。
ワンピース水着とは言え、胸の谷間が少し覗くような水着で、本人も少し気にしているようであった。
そして、早くも観客たちがスクリーンの試合カードを見て歓声をあげていると、その中を浩子と恭子がリングに向かって歩き出していった・・・。
白いワンピース水着で、86pとは言え以外と大きな胸を揺らすようにリングに向かう恭子。
一方、黄色いワンピース水着でリングに向かう浩子。
痩せ型の浩子と太めの恭子。この組み合わせの試合が行われるリンク゛上は、色々な意味の視線が集中していた。
そんな中、リングアナが登場して試合のコールを始めていった・・・。
『第11試合・・・青コーナー・・・ムッチリ系アイドル〜深多〜恭子〜っ!』
そのコールに、ちょっと恥ずかしそうにしながら手を挙げていく恭子。
『赤コーナー・・・スレンダー系女優〜・・・秦野〜浩子〜っ!』
そのコールに、笑顔で観客に対して手を振りまくる浩子。最近活躍の場が無いから、思いっきりアピールしているようでもあった。
すると、レフリーが2人をリング中央に招くと、一応はボディチェックをしていった。
だが、その間も浩子と恭子が睨み合うと、無言のまま時間が過ぎていった・・・。
そして各のコーナーに分けられていくと、ゴングを待っていく2人。
『フカきょん〜、そんなガリガリ女は倒してやれ!』
『浩子〜っ、先輩の意地を見せてみろよ!』
色々な歓声の飛び交う中、遂にゴングが鳴らされていった・・・。
『カァーン!!』
ゴングと同時にゆっくりとコーナーから歩き出す2人。だが浩子は構えた状態で恭子に近づいていった。
格闘技戦のように構える浩子。
一方、プロレス的と言うか構えもせずに浩子に迫る恭子。余裕なのか試合慣れがないせいかはわからないでいた。
すると、無防備な恭子に対して浩子が先制のローキックでヒザを蹴りこんでいった。
バシィィィ・・・・・
「イタッ・・・・・」
思わず恭子の表情が苦痛に歪む。しかし浩子は構わず反対側の足にもローキックを叩き込んで距離を取っていった。
まずは浩子が攻め始めたこの試合。
だが、今の蹴りに恭子が怒り出した・・・。
「痛いっ・・・恭子はぁぁ・・・こういうの嫌い・・・・」
思わずムッとする恭子。だが浩子に距離は取られていた。
堪らず、恭子が左右の張り手で浩子に襲いかかると、浩子は両手でシッカリとガードしながら退いていくと、背中にはロープが当たっていった。
ギュ・・・
「リングは狭いんだから・・・逃げられないですよ!」
恭子が浩子に言い放つと、次の瞬間には浩子の頬に掌打のような張り手が炸裂していった。
バシィィィィ・・・・・
「ぶふうっ・・・・・・・・」
一発の張り手にフラつく浩子。体重差が出ているのか・・・。
だが、浩子も負けずに直線的な掌打を恭子の顔面に叩き付けると、恭子も痛そうな表情を浮かべた。
すると、負けずにローキックを叩き込んで、恭子に対して反撃する浩子だが、恭子も黙って蹴られているだけではなかった。
ロープに押し込んだ浩子に対して、押し込むようにして組み付くと、力尽くで投げるようにマットに倒していった。
バシィィィ・・・・・
音を立てて倒れていく2人。
だが、恭子は地下プロレスが久しぶりなので、この後にどう攻めて良いか解らずに、困っている様子だった。
一方、浩子は長い脚を伸ばしてロープにつけると、レフリーがブレークとばかりに恭子も起こし離していった。
またも構えていく両者。しかし恭子は蹴られた足が痛そうだった。
浩子も真っ正面から挑むと危険と見て、サイドに回って蹴りを出そうとすると、恭子も反応して構えていった。
今度は、浩子がミドルキックを出していくと、恭子が痛そうな表情でキャッチすると、力尽くで倒していった。
「倒したら、恭子だって・・・」
その倒れた浩子に対して、恭子が片足を掴みながらストンピングを叩き込むと、浩子が必死に逃げようとロープに手を伸ばしていった。
浩子がロープに逃げると、レフリーが恭子を止めて離していくと、浩子が驚いた表情をしていた。
たしかに、力と体格では恭子が上回るので、捕まったら最後と思っているのであろうか?
だが、距離を置けば浩子が有利か、ローキックで恭子のヒザ、時折内側のインローキックまで繰り出して攻めていくと、次第に恭子の表情が苦悶に満ちてきていた。
だが、恭子もローキックの痛みに耐えられなくなり、突然に浩子に突進すると、自慢の太い二の腕を振り回すようにして、ラリアットで奇襲とも言える攻めを見せていった。
バキィィィィ・・・・・・
突然の攻撃に、浩子は恭子の腕を喉元に受けて転がり倒れると、そのまま場外まで落ちてしまった。
リング上の恭子、、蹴られ続けていたのでヒザを気にしていたが、浩子も今のラリアット一発で大きなダメージを受けたのか、首を気にしながら場外で様子を見ていた。
そして、恭子の隙を見て浩子がリングインすると、恭子が組み付いていく。
その恭子の突進に、浩子は為す術もなく組み付かれて、そのままボディスラムでマットに背中から叩き付けられてしまった。
バシィィィ・・・・
「きゃ!」
思わず悲鳴をあげる浩子。
更に、恭子の26.5の足がストンピングとして浩子に襲いかかった。
バシッ・・・バシッ・・・バシッ・・・
「ぐえっ・・・イタっ・・・・ぐふっ・・・んんっ・・・」
恭子に蹴りこまれて苦悶の表情を浮かべ、悲鳴をあげていく浩子だが、力技で攻められると恭子に勝ち目はないように見えた。
更に、恭子が座り込むようにして、浩子の首に太い太股で締め上げるようにして、首4の字固めで浩子を攻め上げると、浩子が両足をジタバタしながら苦しんでいった。
だが、またも浩子の足がロープに伸びると、レフリーが恭子に放すように指示すると、浩子は咳き込みながら苦痛から解放されていった。
だが、恭子はロープブレークされたと言って諦めた訳ではなく、続けて喧嘩キックから、細い浩子に対してブレンバスターで投げていった。
バキィィィィ・・・・・
この大技に、グッタリする浩子だが恭子が続けてフォールしていく。
『ワン・・・・ツー・・・・ス・・・・』
レフリーの手がマットを叩いていくが、浩子が何とか肩を上げていった。
すると、今度はマットに座らせた状態の浩子の首に、腕を絡ませてのスリーパーホールドで締め上げる恭子。
「ううっ・・・・くうっ・・・・んんっ・・・・・」
またもロープを頼りに、必死に手を伸ばしていく浩子。だが今度はロープに届く距離ではなかった。
レフリーがギブアップの確認をするが、苦悶の表情の浩子が汗だくになりながらロープに足を伸ばすと、フラフラしながら立ち上がっていった。
一方、恭子も立ち上がるが、絞め技などでスタミナを使っていたのか、汗を大量に流していた。
向かい合う2人だが、浩子が距離を置くようにしていくと、恭子は間合いを詰めていった。
すると、浩子が手を伸ばすようにして掌打を出すと、恭子は驚いて避けようと必死だった。
その避けようとする恭子に、浩子が続けてローキックからミドルキックと繰り出すと、その浩子の細い足が恭子の脇腹を抉っていった。
バシィィィ・・・・
この一撃に動きの止まる恭子。お腹への蹴りは効いているのか、お腹を押さえだしてしまった。
だが、浩子も辛そうな表情を浮かべていると、恭子への攻めが止まってしまった。
すると、苦しそうな両者だが、恭子が苦しそうながらも、浩子に歩み寄ると、顔面へエルボースマッシュを出してから、フラつく浩子にDDTを叩き込んだ。
グシャアァァァ・・・・
「ふぎっ!」
変な悲鳴をあげてマットに倒れる浩子。その浩子に、恭子がフラつきながらフォールしていった。
さすがに重量級アイドルの恭子のDDTと来たら、誰もが浩子のフォール負けと思われたが、これも浩子がギリギリ肩を浮かせて逃げていった。
更に、恭子がボディプレスで倒れている浩子を押しつぶすと、フォールをしていくがまたも浩子が返していった。
以外な粘りを見せる浩子。
だが、攻める恭子も浩子のローキックのダメージでヒザがきつくなっていて、なるべく寝技で勝負したかったが、関節技をあまり知らずに焦りだしていた。
フラつきながら立ち上がる恭子。
一方、浩子も一旦はリング下に逃げていくと、息を整えるようにしてリング上を見つめていた。
しばらくして、浩子がリングインすると、恭子と距離を置いて睨み合っていった。
すると、いきなり恭子が張り手を出していくと、浩子も黙ったまま張り手を返すと、いきなり張り手合戦になってビシバシ相手の頬を張りまくっていった。
ビシッ・・・ビシッ・・・バシッ・・・バシッ・・・
お互いが口の中を切るような激しさの中、リングサイドの観客には時折聞こえる両者の呻き声みたいな漏れる声が聞こえた。
次第に、血が噴き出るように見えると、浩子がヒザ蹴りを恭子のお腹に抉り込むと、突然のヒザ蹴りに恭子の柔らかいお腹に、浩子のヒザが抉り込んだ。
グシュ・・・・
「うぐうぅぅぅぅ・・・・お、お腹・・・狙うなんて・・・・」
お腹を押さえて座り込んでいく恭子。完全に張り手で顔に意識が集中していた時、お腹への鋭い蹴りに苦悶の表情を浮かべていた。
すると、今度は浩子が狙ったように恭子のバスト目掛けて蹴りを出すと、86pの迫力ある恭子のバストへ浩子の蹴り足が決まっていった。
グニュゥゥゥ・・・・バシィィィ・・・・
「ひいぃぃぃ・・・・ぎゃあああぁぁぁぁ・・・・」
蹴られる度に、悲鳴をあげていく恭子。攻められると以外と弱い一面を見せていた。
その恭子に、浩子がチャンスとばかりに後頭部に蹴りを決めていくと、恭子は一瞬意識を飛ばしかけて倒れ込んでいった。
俯せ状態で、自慢の胸をマットに押しつけてダウンする恭子。
その恭子を浩子が仰向けにしていくと、ヒザが痛いと知って、ヒザ十字固めを極めていくと、いきなり恭子が叫びだした。
「ギブ・・・ギブアップぅぅぅぅ・・・・ギブするから許してぇぇぇ・・・・いやああぁぁぁぁ・・・・・」
いきなり恭子がギブアップを宣言すると、レフリーも観客も、技を仕掛けた浩子でさえ驚きの表情を浮かべる中、ここで浩子の勝利が決まっていった。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音が木霊する中、浩子が技を解くとレフリーに手を挙げられて、勝利を告げられていった。
『勝者・・・秦野浩子っ!』
そのコールにいつもの浩子のスマイルが戻ってくるが、負けた恭子はヒザを押さえて痛がっていた。
力からすると恭子有利説が多かったが、ゴングがなったら浩子の効果的なローキックのせいで、結局は浩子の勝利に終わったのであった。
負けた恭子は、痛めた膝をアイシングしながら控え室に戻っていったが、黒服に肩を借りるほどのダメージを受けているようであった。



第12試合

そしてメインイベントが迫ると、控え室では緊張が走っていた・・・。
「何で金網戦から3日でタイトルマッチなんて組まれないといけないのよ!」
そう、そう言って怒っていたのは現地下プロレスヘビー級チャンピオンの大池栄子だった。
今回は、あの金網格闘技戦の傷も癒えないままのこの大会で、事もあろうにタイトルマッチわ組まれてしまったのだった。
実は、その裏には所属事務所の社長の野多社長が、プロレスラーとの恋愛報道や、色々にインタビューなどでの勝ってな振る舞いに対して、制裁を加える為にと手を回して、今回は最狂の挑戦者まで用意していたのであった・・・。
そう、その挑戦者とはあの狂ったチリ人妻こと、アリータ・アルバラードだった。
「今夜はベルトをもらうよ・・・絶対・・・」
早くも臨戦態勢とも言える両者。
そして、そんな雰囲気の両者がリングに向かって歩き出していった・・・。
栄子は、テレビ番組でプロレスをした時のように、黄色いスポーツタイプのセパレーツ水着、アリータは黒いワンピース水着を着てのリング登場であった。
当然だが、栄子の身体には3日前の金網格闘技戦の傷跡が残っていたが、それを見て観客たちも同情すらしていたが、野多社長は更に手を打っていた。
『ふふふっ・・・ウチの栄子の事だから勝つかもしれないからなぁ・・・。まぁ、これで完全だろう・・・』
そう、野多社長は何とレフリーにまで手を出していたのだった。
『それでは・・・』
早くもリングアナウンサーがコールを始めると、栄子アリータは睨み合っていた。
『第12試合・・・地下プロレスヘビー級タイトルマッチ・・・青コーナー〜挑戦者、アリータ〜アルバラード〜っ!』
そのコールに、ニヤニヤしながら観客席に向かってガッツポーズをとるアリータ。
『赤コーナー・・・チャンピオン〜っ・・・大池〜栄子〜っ!』
そのコールに、いつもの自信に満ちた表情ではなく、普通な感じの栄子。やはり前回の試合のダメージの影響だろうか?
コールに続いて、レフリーによるボディチェックが始まるが、アリータのチェックは早々に終わったが、栄子のボディチェックは厳重とも言えるチェック体制だった。
「何でよ・・・アイツだって良く見なさいよ!」
早くもレフリーに熱くなる栄子。
『レフリーに抗議かっ?反則負けにするぞ!』
突然レフリーも逆ギレして言い放つと、栄子も睨み付けていくが、レフリーが栄子の胸を触りだした。
「何するんだよ、この変態レフリー!」
当然だが、栄子がレフリーに怒り出すと、レフリーが言い返した。
『その膨らみの中に何かあったらどうするんだよ!』
その言葉に栄子も呆れるが、アリータの方は水着の中やリングシューズの中には凶器を隠していた。
レフリーが栄子とアリータを各のコーナーに離すと、そこでゴングの要請をしていった。
『カァーン!!』
そしてゴングが鳴らされると、栄子は早く試合を終わらせようとコーナーから飛び出した。
すると、アリータも拳を固めて臨戦態勢で応じると、栄子も構えたままジャブからストレートと顔面狙いの攻めに出た。
バシッ・・・バシッ・・・
「負けないよ!」
アリータも負けずに殴り返すと、栄子にもアリータにも顔面へパンチが決まっていった。
すると、レフリーが割って入って栄子に注意していった。
『ストップ・・・顔面へのパンチは反則だっ!』
そのレフリーの言葉に、栄子が怒りだした。
「何よ、この女だって私の顔を殴ったでしょう?」
その栄子の抗議に、レフリーが言い返した。
『レフリーに対して侮辱か?・・・反則取るぞ!』
その言葉に、栄子は呆れ顔で離れると、顔面へのパンチを止めて、逆に慣れないローキックで攻めると、タックルから倒していった。
以外だがアリータが倒されると、早くも横四方固めのようにアリータの身体をコントロールしていくと、反撃したいアリータだが、まだ技術的には栄子に分があるようで、藻掻くだけであった。
そして、一気に馬乗り状態から抱きつくようにしてから、アリータの首筋に腕をねじ込んで、ギロチンチョークをきめていった。
グググッ・・・
「ウググッ・・・うぐ・・・・・」
栄子の腕が押しつけられると、アリータがジタバタと藻掻き出すが、栄子が早期決着を狙ってギブアップを狙った。
しかし、レフリーが栄子を背後から離していった。
「何するのよ、邪魔しないでよね!」
当然だが、栄子が怒り出していた。だがレフリーが言い返す。
『今の技、喉を押しつぶして殺しかねないからオマエはダメだ・・・反則っ!』
その言葉に栄子がレフリーに詰め寄ると、喉を押さえて苦しんでいたアリータが立ち上がって、レフリーに気を取られている栄子の首筋にクロー攻撃で締め上げた。
グググッ・・・
「うううっ・・・くっ・・・苦しい・・・・・」
突然のクロー攻撃に藻掻き苦しむ栄子。レフリーの露骨なやり方に、観客たちもブーイングを送るがリング上では関係なかった。
更に、コーナーに連れて行くと、コーナーポストのカバーがレフリーによって外されて金具が剥き出しになっているコーナーに、アリータが栄子の顔面を叩き付けていった。
バキィィィ・・・・
「イタあぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
これには悲鳴をあげる栄子。レフリーまでグルなのでアリータに手も足も出ない状態だったが、悪いことにスタミナ面で栄子は動きが鈍りだしてもいた。
更にアリータが金具に向かって栄子の額を叩き付けると、遂には栄子の額が割れだして血が流れ出した。
必死で藻掻く栄子だが、アリータが起こすと一気にバックドロップで投げ飛ばしていった。
バシィィィィ・・・
「ふぎいぃぃぃ・・・・・・」
変な悲鳴をあげて、後頭部を押さえて藻掻く栄子。
すると、仰向け状態に倒れている栄子のお腹に狙いを付けると、アリータが飛び上がってのヒップドロップを叩き付けていった。
グシュ・・・・
「ぐぶうっ・・・・・・」
飛んできたからと力むが、流石は体重もあるアリータ。その圧力に大きなダメージを受けて苦しむ栄子。
更に、もう一度立ち上がってヒップドロップを叩き込むと、今度は栄子の口から悲鳴と共に胃液のような物で噴き上がった。
「ホゲエェェェェェ・・・・・・・」
その苦しむ栄子を見て、リングサイドの野多社長はグラスを傾けながら呟いた・・・。
『ふふふっ・・・もっと滅茶苦茶に痛めつけてやれ・・・アリータ・・・』
その言葉が聞こえてはいないが、アリータは苦しむ栄子のお腹を徹底的にストンピングで蹴りこみ、更には踵で押しつぶしてダメージを与えていった。
「ハハハッ・・・ジャパニーズガールも終わりね!」
アリータが高笑いしながら痛めつけると、栄子はジタバタとして藻掻き苦しんでいった。
「ぐわあぁぁぁぁ・・・・・あああああぁぁぁ・・・・・・」
その苦しむ栄子だが、何か反撃しようにも、ダメージで反撃も出来ない状態になっていた。
「もっと苦しめてあげるよ・・・大池っ・・・」
すると、アリータが場外からパイプ椅子を持ってくる、仰向けの栄子の首筋にパイプ椅子を押しつけると、まるで断頭台のように栄子の首に椅子を押しつけて苦しめていった。
グググッ・・・・
「んぐぐっ・・・んんっ・・・・んぐぐっ・・・うぐぐっ・・・・」
アリータの押しつけるパイプ椅子を必死になって押し返そうとする栄子。しかしアリータの力は凄まじく、次第に舌を出したりして藻掻いていた。
さすがに殺してはいけないと、アリータが放していくが、もう栄子は虫の息状態で、ヒクヒクしているように感じだった。
レフリーもニヤニヤしながら栄子の苦しむ様子を見ていたが、アリータが更に痛めつけようと、栄子を起こしてトップロープとセカンドロープに両腕を絡めていくと、水着の上を剥ぎ取っていった。
水着が剥ぎ取られると、栄子の91pのEカップバストが露わになっていった。
だが、栄子はもうグッタリしていると、アリータが残忍な凶器・・・そう鉄の爪を手に着けていった。
鉄製の長い爪が三本ついている鉄の爪。その爪が鈍い光を輝かせていた。
その爪を、栄子の目の前に差し出すと、アリータがニヤニヤしながら言い放っていった。
「オマエの自慢のオッパイを傷つけてやるから覚悟しろ!」
その言葉に、栄子が怯えだしていた。
「な、何よ・・ソレ・・・反則・・・反則よ!・・・や・・やめて・・・お願い・・・・」
地下プロレスでも初めての凶器を前に、さすがの栄子も怯えていた。
だが・・・・」
シュ・・・・サクッ・・・・
「うぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・」
栄子の叫び声がリングに響くと、アリータの鉄の爪が栄子の乳房を切り裂いていった。
三本の傷跡が浮かび上がると、一瞬間を置いて傷口から血が溢れ出してきた。
まるで皮一枚を切り裂いているようだったが、栄子に対しては傷よりも精神的に恐怖を与えていた・・・。
更にアリータが左右の乳房を傷つけていくと、栄子の白い大きな巨乳が傷つけられて、同時に栄子は狂ったように泣き叫んでいた。
更に、鉄の爪の他に錐のようなものを出すと、それで栄子の乳首を突いていくアリータ。
ブスッ・・・
「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・」
一段と大きな叫び声で泣き叫ぶ栄子。それもそのはず、乳首を錐のようなもので貫通されては、泣き叫ぶのは当然であった。
もうこうなっては、タイトルもなにもあったものではなく、この痛みから逃れられるのならと栄子が叫んだ。
「ギブ・・・ギブアップ!・・・もう私の負けでいいから助けて!」
その必死の叫びに、レフリーがゴングの要請をしていった。
『カンカンカンカン・・・』
ここで栄子の負けが決まると、アリータは錐を抜くどころか、手前に引いて真っ二つにしていく残忍性を見せていった。
ブチッ・・・・
「ひぎゃああああぁぁぁぁぁ・・・・・・・・あん・・・・・」
乳首を裂かれて、断末魔の叫びのように叫び声をあげた栄子は、ガクッと頭を下にして失神してしまった・・・。
あまりに残酷なドミネート。それもレフリーまでグルと言う前代未聞の処刑劇。
この結果に、野多社長はニヤニヤすると、呟いた。
『いい気味だぜ・・・・こういうのを見てると、亜紀を今度は俺様がドミネートしてやりたいくらいだぜ・・・ふふふっ・・・』
そんな中、栄子は担架に乗せられて医務室に運び出されるが、アリータはタイトル戦と言う事で、ヘビー級ベルトを腰に巻かれてガッツポーズをして観客にアピールしていくのであった・・・。
こうして、51回目の大会は幕を降ろしたが、ヒールとして名高いはずの大池栄子が残酷な攻めで失神に追い込まれると言う、波乱含みで大会は終わると言う結果になっていった。
その後、栄子については身体的ダメージが大きく、3週間の療養が必要となり、仕事が終わると直行で帰る日々が続いたという・・・。

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