第1試合

「いつかはグラビアで一番になってやる・・・」
そう言って控え室で準備するのは、2003旭川ビールキャンペーンガールの村神恵梨だった。
久しぶりの大型新人で、謎の男も注目するほどで、デビュー前にはプロレス技や受け身の練習を相当積んできたみたいで、恵梨の表情からもそれが伺えた・・・。
白い胸元の開いたワンピース水着に、白いリングシューズに着替えてウォーミングアップをしていく恵梨。
一方、この恵梨が今夜地下リングデビューとなるが、その対戦相手として選ばれたのが、前回の大会に続いてだが、局山えりだった。
えりも恵梨との対戦に、名前が同じと言うところからも少し気合いの入り方が違っていた。
白い競泳水着のようなワンピース水着に着替えて、試合の時間を待つえり。
そして試合の時間が近づくと、黒服が控え室に呼びに行った。
『時間だ・・・』
その黒服に対して、えりが問いかけた。
「ねぇ・・・今夜の私の相手って、新人のデビューなんでしょ?・・・だったら潰してもいいのかしら?」
そのえりの問いかけに、黒服が呟いた。
『それが地下プロレスってもんだろ・・・でも相手も相当練習してきたらしいぞ?』
その言葉を聞いて、えりはリングに向かっていくのであった。
一方、恵梨の方も黒服に問いかけていた・・・。
「すいません・・・。地下プロレスって言っても、ギブアップとかスリーカウントも有効なんですよね?」
笑みを浮かべながら黒服に問いかけると、黒服が答えた。
『デビュー戦だから知らないだろうが、ギブアップを取った方がアピールにはなるな・・・。』
その黒服の言葉を聞いて、恵梨もリングに向かっていくのであった。
大歓声に包まれる会場内に、遂にデビュー戦の恵梨が姿を現せると、その体格から表情、全てに対して歓声が飛んでいた。
一方、キャリアのあるえりがリングに登場すると、こちらも大歓声が飛んでいた。
第1試合から盛り上がりを見せる地下リング。
そんな中、リングアナがコールの準備をしていった。
『それでは第53回大会オープニングマッチ・・・第1試合を行います!』
気合いの入った声でコールを始めていくリングアナ。
『青コーナー〜、今夜がデビュー戦の2003キャンギャルっ!・・・村神〜恵梨〜っ!』
そのコールに、コーナーから飛び出して観客に笑顔でアピールしていく恵梨。
『赤コーナー〜、グラビア部隊のリーダー〜、局山〜えり〜っ!』
一方、コールに対してコーナーで観客席に一礼すると、トップロープを掴んで柔軟体操のような身体を動かしていくえり。
『村神恵梨、169・87・59・85・・・・・・局山えり、168・92・58・85〜っ!』
2人の身体のサイズが紹介されると、身長では負けていない恵梨に対し、胸の大きさは負けていないえり。
早くも期待の高まる中、地下リングにゴングが鳴り響いていった・・・。
『カァーン!!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す恵梨。
一方、えりは冷静に恵梨の動きを見ながら距離を置いて様子を見ていた。
すると、2人の視線が合わさると、少しずつリング中央に向かっていく恵梨とえり。
「地下プロレスなんて出てきて、少しは練習してきたのかしら?」
えりが先に問いかけると、恵梨が言い返した。
「ちゃんと練習してきましたよ・・・私だって有名になりたいし・・・」
その恵梨の言葉に、いきなりえりが張り手を入れていった。
バシィィィ・・・・・
「痛っ・・・・・」
思わず叩かれた頬に手を当てていく恵梨。しかし、恵梨も負けずに張り手を返していった。
バシィィィィ・・・・
「いいわよ、だったら始めましょうか?」
叩かれたえりが叫び声をあげると、いきなり恵梨をロープに振ってから、返ってきた所をラリアットを叩き込んでいった。
バシィィィ・・・・・
「ぐふっ・・・・・」
喉元に腕を叩き込まれて、恵梨が口から涎の飛沫を飛ばしながら倒れると、そのままゴロゴロとリング下に落ちていった。
その恵梨の様子に、えりがリング上から両手を挙げて叩きながら、観客を煽っていった。
喉元を押さえてリングに戻ろうとする恵梨。しかしロープ越しに定番の攻めを見せようとするえりに、恵梨はリングに戻る事が出来ずに間合いを計っていた。
すると、えりの隙を見てリングに転がりながら戻っていく恵梨。しかし、えりにストンピングで蹴られていくと、苦痛の表情を浮かべていった。
グイッ・・・
「立ちなさいよ・・・」
そしてえりが髪を掴んで起こしていくと、ヘッドロックで締め上げるえり。
だが、一応はバックドロップの反撃を予想して、えりはサイドヘッドロックで締め上げて、反撃を警戒していた。
グイッ・・・
「くっ・・・ううっ・・・・」
締め上げられて恵梨が苦しむと、えりがそのまま走り込んでブルドッキングヘッドロックで恵梨の首にダメージを与えていった。
これには恵梨が両足をバタバタしながら苦しむと、早くもえりが仰向け状態した恵梨をフォールしていった。
『ワン・・・・ツー・・・・・ス・・・』
初めて受けたフォールに戸惑いながらも、恵梨が肩を浮かせて返すと、そのまま上半身だけ起こしてから、座らせた体制でのスリーパーで恵梨を攻め込むえり。
グイッ・・・
「うぐぐっ・・・」
これには堪らず手を伸ばしてロープに逃げようとする恵梨。
だが、えりが執拗に締め上げてスタミナを奪おうとすると、恵梨もヒップを少しずつ動かして、ロープへの距離を縮めていった。
グイッ・・・・・
『ブレークっ・・・』
すると、恵梨の手がロープを掴んで、レフリーがえりに放すように指示していった。
レフリーが一旦えりを離していくと、恵梨が喉元を押さえて立ち上がっていった。
すると、今度は打撃の得意でないはずのえりが、いきなり掌打で距離を縮めながら牽制すると、驚いてガードしていくと、続けてミドルキックを叩き込んでいった。
バシッ・・・バシッ・・・
恵梨の脇腹に蹴りが決まると、恵梨の表情が苦悶に歪んでいった。
「ほらほらっ・・・打撃だって出来なきゃね・・・」
更に、えりがハイキックを狙って出していくと、これには恵梨が意外な反撃を見せていった。
グイィィィ・・・・・
「な、何ですってぇぇ・・・・・」
えりが驚くのも無理はない。恵梨が蹴り足をキャッチしてドラゴンスクリューでえりの身体を捻って倒していった。
更に、倒したえりの足を掴んだまま、アキレス腱固めを極めていく恵梨。
グググッ・・・・
「ぐわああぁぁぁぁ・・・・・くっ・・・・・」
意外な反撃の前に、悲鳴をあげてロープに手を伸ばすえり。
すると、えりの手がロープに届いてレフリーが恵梨に放すように指示すると、恵梨が放してから立ち上がっていった。
一方、意外な恵梨の技の前に驚きを隠せないえりだったが、起きあがると警戒しているかのように、距離を置いていった。
すると、恵梨がタックルを狙うように素振りを見せていくと、えりも反応して打撃のようなスタイルになると、ジャブを出して牽制していった。
すると、恵梨もジャブに合わせてフォームは綺麗ではないが、ローキックを出して返すと、えりもローキックで返していった。
「もらった!」
そのえりのローキックに、恵梨が笑みを浮かべてタックルを合わせると、見事にえりの蹴り足を捉えて倒していった。
仰向け状態のえり。そのえりに上から乗るようにして、更にサイドポジションを取ろうと狙う恵梨。
これにはえりがロープに逃げようとすると、恵梨が腕を狙っていった。
グイッ・・・
「きゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
いきなりリングに響き渡るえりの悲鳴。そう、えりの腕をガッチリと恵梨が捉えて、チキンウイングアームロックを極めていった。
またも意外な技に観客たちも驚くが、仕掛けられたえりは激痛に悲鳴をあげて、両足をジタバタさせて逃げようと必死だった。
すると、えりの足がロープに届いてレフリーが放させていった。
『ブレークっ・・・・』
そのレフリーの指示に放していくと、恵梨が立ち上がって距離を置いていった。
そして技から解放されたえりも立ち上がるが、恵梨の意外なプロレス技に、まだ凄い技を出してくるかも知れないと、警戒し始めていた。
だが、恵梨が続けてドロップキックを放っていくと、えりのバストを抉るように決まっていった。
グシュ・・・
「ぐはあっ・・・・」
堪らず大の字に倒れ込むえり。
すると、恵梨が急いでえりの両足をキャッチすると、そのまま足4の字固めを仕掛けていった。
グイッ・・・・
「きゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・・・くっ・・・・ううっ・・・・」
両足に走る激痛にまた悲鳴をあげるえり。意外な攻めを見せる恵梨に対しても、観客席からは歓声が送られていった。
「ギブッ?・・・ギバーップ?」
苦しむえりに対して、恵梨がギブアップを迫るが、意地になってえりも耐えていくと、恵梨は両手をバンバンとマットに叩き付けてアピールしていった。
「くうっ・・・」
必死になってロープに逃げようとするえり。しかしロープになかなか届かなくて、額から汗を流しながら耐えていた。
しばらく恵梨が攻めていくと、ギブアップしないえりから技を解くと、続けて逃げようとするえりの足を掴んでから、スピニングトーホールドで攻めだしていった。
「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
珍しい技の前に、えりが絶叫して悲鳴をあげていくと、恵梨がギブアップを狙って攻めていった。
何度も足を回すようにして攻め込む恵梨。これにはえりがマットを叩いて必死に耐えていた。この徹底した恵梨の足殺しの前に、次第に足へダメージを増やしていくえり。
更に、恵梨が技を解いてからロープに走ると、勢いをつけてえりに対してギロチンドロップを叩き込んでいった。
グシュ・・・・
「ぐわああぁぁぁぁぁ・・・・・ああっ・・・・」
太股が喉元に炸裂すると、えりが両手で喉元を押さえながらジタバタして藻掻き苦しんでいった。
グイッ・・・
すると、恵梨が髪を掴んでえりの身体を起こしていくと、ここで一方的だった試合の流れを変えようと、えりが恵梨の股間へパンチを叩き込んでいった。
バキッ・・・
「んぐぐっ・・・・・・ううっ・・・」
完全に恵梨の恥骨を直撃したようなパンチに、恵梨は激しい激痛にフラフラしていくと、えりが一気にDDTで脳天から恵梨をマットに突き刺していった。
バキッ・・・・
更に、その仰向けに倒れていく恵梨に、えりがフォールしていった。
バンッ・・・・バンッ・・・・
「うわっ!」
しかしカウント2で恵梨が肩を浮かせると、えりが悔しそうにして立ち上がると、恵梨を起こしてからボディスラムで背中から叩き付けていった。
バシィィィィィィ・・・・
悲鳴こそあげないが、恵梨が苦悶の表情で倒れ込むと、えりがお返しとばかりに足を掴んでいった。
すると、先程の足攻めに対するお返しとばかりに、恵梨の足へ一気にアキレス腱固めを極めていった。
グイッ・・・
「いやああぁぁぁぁぁぁ・・・・・痛いぃぃぃぃぃ・・・・・イヤぁぁぁぁぁ・・・・・」
足に走る激痛に、恵梨が絶叫して痛がっていくと、えりも仕留めようとばかりに極めていった。
だが、額から汗を流しながらも恵梨がヒールキックを出していくと、えりが技を解いて転がるようにして距離を置いていった。
そして、恵梨も起きあがってロープ近くで睨み合うと、恵梨がえりの身体をロープに押し込んでいった。
すると、ロープに押し込んだ反動を利用して、恵梨がフロントスープレックスでえりの身体を投げつけていった。
バシィィィ・・・・
この時、恵梨はえりの身体を投げながら反転させて、綺麗に背中側を落としていくと言う高等テクニックを見せていたが、観客は今夜デビューしたばかりの恵梨の細かい点については注目していなかった。
更に、叩き付けてから連続で、腕を取りにいくとまたもチキンウイングアームロックで腕を攻めていった。
グイッ・・・・
「ぐわあああぁぁ・・・・くっ・・・」
またも意外な技からの攻めに、えりが焦りだしていた。
しかしこれも、何とかロープに逃げる事に成功すると、えりも焦りだしてからか、立ち上がり様に恵梨の顔面へサミング攻撃を仕掛けていった。
極悪な反則でもある目へのサミング攻撃。これが恵梨の目近くに当たると、突然の反則攻撃の前に恵梨が絶叫して悲鳴をあげてフラフラしていった。
更に、恵梨の髪を掴んでロープに恵梨の目の部分を押しつけて、擦り付けていくえり。
ギュ・・ギュギュ・・・
「きゃあああぁぁぁぁ・・・・・熱いぃぃぃ・・・・は、反則ぅぅぅ・・・レフリーぃぃぃぃ・・・・・」
必死にレフリーに反則のアピールをして叫ぶ恵梨。
えりも反則攻撃で反撃するのは珍しいが、それだけ恵梨の実力に焦りだしている証拠だろうか?
だが、えりの反則にレフリーが反則の注意をすると、放された恵梨も顔面を押さえてフラフラしていた。
ドシュ・・・
その恵梨のお腹へ、容赦なく喧嘩キックを叩き込むえり。その一撃に、恵梨は悲鳴をあげて倒れ込んでいった。
更に、苦しむ恵梨のお腹にニードロップを叩き込むと、恵梨は口から涎の飛沫を上げて苦しんでいった。
そして、腕を狙われたお返しとばかりに腕拉ぎ逆十字固めを極めていくえり。
グイッ・・・・
「ぐわああぁぁぁぁぁ・・・・・ああああぁぁ・ぁ・・・・・・」
お腹への攻めに続けての腕攻めに、恵梨がジタバタして藻掻いていくと、レフリーもギブアップの確認を急いだ。
しかし恵梨がギブアップせず、必死に耐えてロープに逃げようと身体を動かしていった。
またもロープに逃げる恵梨。仕方なくえりが技を解くと、レフリーが離す中で両者が立ち上がっていくと、レフリーが続行を促した。
まだ目を気にしている恵梨。一方、恵梨の出方を警戒するえり。
すると、恵梨が距離を詰めてエルボースマッシュで攻め込むと、えりがロープに弾かれていった。
だが、えりも負けずにエルボースマッシュを返していくと、さすがに上手いえりだけあって、恵梨は口の中を切ってしまった。
「甘いのよ!」
その恵梨に対して、えりが叫ぶとロープに走り込んでから勢いを付けると、恵梨の顔面にラリアットを狙うが・・・・。
「負けないわぁぁぁぁぁ・・・」
恵梨が絶叫すると、ラリアット狙いのえりの腕を取って脇固めに切り返していった。
リング中央での逆転技。これはえりもまさかと思っていた為に、完全に極まっていた。
必死に試合を終わらせようと極めていく恵梨。
すると・・・。
バンバン・・・・
『カンカンカンカン・・・』
そう、えりが観念してかマットを叩くと、ギブアップしていったのだった。
ここで恵梨の勝利が決まると、一斉に観客席から大歓声が起きていった。
全身汗だくで、白いワンピース水着も汗で湿らせての勝利の恵梨。
一方、ギブアップして負けたえりも仕方ないと言う表情で立ち上がると、勝利した恵梨を見つめた。
『勝者、村神恵梨っ!』
勝利者のコールを受ける恵梨だが、対戦相手のえりを見ると、近づいて握手を求めていった。
「・・あ、ありがとうございました・・・・。す、凄く強くて驚きました・・・・」
その恵梨の言葉に、えりも返す。
「強いのは村神さんの方よ。あんなに技を出せるなんて、やっぱり練習してきたのね・・・」
ガッチリと恵梨の手を握りしめながら握手に応じるえり。
すると、恵梨がえりの手を高々とあげて観客にアピールすると、笑みを浮かべて一礼してからリングを降りていくのであった。
打撃に関しては問題があるにしろ、プロレス技はまだ色々と出しそうな恵梨。これからが楽しみな選手の誕生だった。



第2試合

「久しぶりの地下リングね・・・まぁ、ここの御陰で歌手にもなれたし・・・」
そう、久しぶりの地下リングと言っていたのは、あの肩瀬那奈であった。打撃を得意として、スポーツ全般を得意とするタレントで、最近では歌まで歌う予定になっていた。
そして今夜、この那奈と闘うのは、デビュー戦であの爆乳タレントの根元晴美を倒した左藤めぐみだった。
意外な強さを発揮しためぐみに対して、地下プロレスが用意したのは格闘系の相手だった。
めぐみも当然の事だから、対戦相手が肩瀬那奈と聞いて、緊張をしている様子だったが、ここで勝てばと言う野心が出ているようだった。
そしてリングに向かっていくめぐみと那奈。
めぐみは白いスポーツビキニ姿、那奈は黒いスポーツビキニと対照的なリングコスチュームだった。
リングに上がると、早くもコーナーにヒザ蹴り、そしてパンチと打撃のウォーミングアップをしていく那奈。
一方、その那奈の姿を見て、打撃に警戒しなくてはと思いながら、どうやったら勝てるかと考えるめぐみ。
そしてリングアナがリングに現れると、その2人をコールしていった・・・。
『第2試合・・・新人と格闘が得意なモデル出身タレント対決〜っ・・・青コーナー、左藤〜めぐみ〜っ!』
そのコールに、コーナーから歩き出して手を挙げて観客にアピールするめぐみ。
『赤コーナー、肩瀬〜那奈〜っ!』
一方、那奈もめぐみを睨み付けながらコーナーから歩き出すと、観客に一礼していった。
163pに上から82、57、83と言うめぐみに対して、172pに上から86、59、87の那奈。
9pの身長差は大きいように見えたが、めぐみは怯むことなく堂々と振る舞っていた。
しかし内心は、那奈の打撃の威嚇に少々怯えている様にも見えるが・・・。
そしてゴングが鳴らされていった・・・。
『カァーン!』
リングに響くゴングの音。そのゴングと同時にめぐみが奇襲的にドロップキックで襲いかかるが、那奈が叩き落としていくと、リングに倒れるめぐみに早くも蹴りを出していった。
バシィィィ・・・
めぐみの足に決まる那奈の蹴り。しかしめぐみが転がりながら立ち上がると、距離を置いて構えていった。
すると、那奈がローキックを出していくと、めぐみは怯えるように距離を置いて逃げていった。
「逃げるんじゃね〜よ!」
更に那奈がローキックを狙うが、めぐみが距離を置いていくのに腹を立てて、めぐみに叫び声をあげていた。
だが、那奈が次第にめぐみを追い込んでいくと、めぐみはコーナーに追いつめられていた・・・。
背中にコーナーの感触を受けるとめぐみは驚くが、目の前からは那奈が固めた拳をめぐみのボディへ怒濤のラッシュをかけて押し出てきた。
グシュ・・・バシッ・・・グシュ・・・
「うぐっ・・・ううっ・・・あうっ・・・」
容赦なくめぐみのお腹、胸などへパンチが決まっていくと、更には那奈が首相撲からヒザ蹴りを狙っていった。
しかし、めぐみも那奈にタックルのように抱きつくと、那奈も嫌がるようにコーナーに押し込んでいった。
縺れ合う2人だが、レフリーがここは動きが止まっても試合が面白くならないと判断して、めぐみと那奈を離していった。
またリング中央で距離を置くめぐみと那奈。
しかしボディへのパンチ攻撃にめぐみは少々ダメージを受けているようで、時折苦しそうな表情を浮かべていた。
すると、今度は那奈が掌打で牽制していくと、めぐみも合わせてタックルのように抱きつきにいくが、これは那奈が読んでいたのか上手く潰していった。
まるで四つん這いのように俯せになるめぐみ。そしてめぐみの身体を上から押さえ込むかのような那奈。
すると、那奈の片足が宙に浮かんでいった。そう、総合格闘技的にめぐみの脳天にヒザ蹴りを叩き込もうとしていたのだった。
しかし、めぐみも両手を出してガードしようとすると、那奈がヒザ蹴りを叩き込んでいった。
バキィィィ・・・・
音を立てて決まっていく那奈のヒザ蹴り。
しかしめぐみが頭部へのダメージを少なくしようと、手でガードするが手には確実にダメージが蓄積され、まして頭部へも衝撃でダメージは受けていた。
だが耐えるめぐみは、ヒザを上げて不安定な状態になった那奈を、上手く倒していくとサイドポジションを取る形で、横四方固めの体制になっていった。
これには冷静に那奈も両足で身体を動かしていくと、めぐみもここからどうしようかと考えていた。
経験不足から、せっかく有利なポジションを取れる位置ながら取ることの出来ないめぐみ。
そのめぐみの動きに、那奈は少しずつポジションを動かしてロープを目指した。
すると、那奈の足がロープに掛かってレフリーが離れるように指示して、2人は立ち上がっていくのだった。
内心、もっと寝技で行けるのではと思っていためぐみだったが、那奈にロープに逃げられて悔しく思うと同時に、練習をもっとしなくてはと思うのであった。
距離を置いて構える2人。だが、立ち上がっては那奈は打撃で勝負に出るのは当然で、距離を詰めながら掌打を叩き込んでいった。
堪らずロープに詰まるめぐみ。そのめぐみの顔面に容赦なく那奈の掌打が叩き込まれると、その端正な顔を歪めながら必死に耐えていた。
すると、耐えるめぐみの喉元に腕を押し込んでいく那奈。そう、スタンディング状態でのギロチンチョークで喉を押しつぶしていったのだった。
トップロープに腕を乗せ、身体を反らされるようにしてギロチンチョークに苦しむめぐみ。
那奈もこれで試合を決めようと思っているのか、グイグイと揺さぶるように押し込んでいた。
レフリーもめぐみの様子を見ると、めぐみは涙ぐみながらロープブレークと目で訴えていると、観客席からも声が飛んだ。
『レフリー何処見てるんだよ!・・・ロープだろ、ロープ!』
その言葉に、レフリーが急いで那奈に離すように指示していった。
「ゲホッ・・ゲホッ・・・・ううっ・・・・ケホッ・・・・」
那奈のギロチンチョーク地獄から逃れためぐみだったが、喉元を押さえて激しく咳き込んでいた。
そのめぐみに対して、那奈が距離を置いてから構えると、咳き込むめぐみに構わずミドルキックを脇腹に叩き込んでいった。
バシィィィ・・・・
「ぐぶうっ・・・・・」
脇腹を蹴られて座り込むめぐみ。今の一撃は相当効いていたのか、お腹を押さえてリング下に転がり落ちていった。
そのめぐみをリング上から見つめる那奈。
めぐみもフラつきながら立ち上がると、リング上の那奈を見つめてからスタミナ回復の為か、リング上に戻らずに息を整えていた・・・。
そしてリングに戻るめぐみだが、那奈がロープを潜ろうとする瞬間を狙っているようだった。
だが、これにはレフリーが那奈を離していくと、めぐみがリングに戻って試合が続行されていった。
ロープ近くで那奈から発せられるプレッシャーに潰されそうな感のあるめぐみ。
だが、必死に前に出ようと構えていくが、那奈のローキックが容赦なくめぐみの白い足へ叩き込まれていった。
倒れそうになりながらも、必死に耐えようとするめぐみ。
だが、地下プロレスのリングでは演技ではないプロレス技・打撃技が容赦なくめぐみの足を襲うと、少しずつ紫色に変色していくのであった。
那奈もローキックでダウンを奪ってから寝技で仕留めようと考えてか、あえてローキックを打ち込んでいくと、次第にめぐみの表情が泣き顔に近くなってきていた。
そのめぐみの表情を見て、那奈ももう少しで倒れると思いっきりローキックを叩き込むと、遂にめぐみが倒れ込んでいった。
仰向けのように倒れ込むめぐみ。そのめぐみに対して馬乗りを狙おうと那奈が飛びかかると、めぐみは咄嗟に向かってる那奈への恐怖心からか、両足を出して那奈の脇腹あたりを挟み込んでいった。
まるで総合格闘技で言うガードポジションのような格好になっていく2人。
意識して出した訳ではないが、めぐみの格闘技のセンスも見えるような展開だった。
この体制に、那奈は長い腕から繰り出すパンチを叩き込んでいくと、またもめぐみは不利な体勢になろうとしていた。
バシッ・・・
「うぐっ・・・」
遂に那奈のパンチが襲いかかると、時折めぐみの悲痛な叫びがリングに漏れだしていった・・・。
何とか両足で挟み込んで致命的なダメージは逃れるめぐみだが、何発も入れられていくとさすがにキツイ状態だった。
バシッ・・・
しかしそんな事を考える暇もなく、めぐみのお腹などへパンチが叩き込まれていった。
すると、めぐみは那奈の殴るタイミングを見て、一か八かの賭けに出た・・・。
シュ・・・
那奈のパンチが繰り出された瞬間、上手くめぐみの両足が腕に絡まるかのような体制になっていく・・・。
グッ・・・・
「えっ・・・」
そう、那奈が不思議に思った瞬間、バランスを崩した那奈の身体がマットに倒されると、一気にめぐみの腕拉ぎ逆十字固めが極まっていった・・・。
グイッ・・・・
「くっ・・・・ううっ・・・・」
いきなりの逆転技に、那奈は腕に走る激痛に耐え、めぐみはこれで決めなくてはと思いっきり極めようとしていった。
だが、那奈もまだ完全に肘を伸ばされていなかったので、耐えようとするが二本の腕と一本の腕の力では勝負にならなかった・・・。
グイッ・・・・
「ぎゃあああぁぁぁぁ・・・・・」
ここで肘が完全に伸びきると、那奈の腕には激痛が走ると同時に、めぐみの足を叩く那奈のもう一方の手。
そう、完全に技が決まったので那奈は潔くタップしたのだった。
『カンカンカンカン!』
ここでゴングが打ち鳴らされると、めぐみの勝利が決まっていった。
『勝者、左藤めぐみ!』
そのコールに驚く勝者であるめぐみ。
本人も驚く中、起きていくめぐみはレフリーに腕を挙げられていった。
しかしローキックのダメージで蹴られた足が痛々しかったが、そのめぐみに那奈が近づいていった。
「私の負けだわ・・・。あんな返し技で来るなんて思いもしなかった・・・」
その那奈の言葉に、自分が勝った事に驚いている様子のめぐみも返した。
「で・・・でも私も・・・何か思わずああいう展開になっちゃって・・・」
そのめぐみの言葉に、負けた那奈もめぐみの腕を挙げると、2戦目にして意外な技で切り返して勝利しためぐみを讃えていった。
「あ、ありがとうございました・・・肩瀬先輩っ・・・」
その那奈に思わず御礼の言葉を言うめぐみ。
そのリング上の2人の姿に、観客席からは拍手が送られていくのであった・・・・。


第3試合

地下プロレスにしてはクリーンファイトが続いていったが、次の試合はそんな流れにはならない組み合わせになっていった・・・。
「久しぶりの地下プロレス・・・。でもここでアピールしなきゃ・・・」
そう、控え室で白いビキニ姿になって試合の準備をしていたのは、あの真鍋かおりだった。
最近、テレビなどでの活躍も少なくなっていたかおりが、また再起を賭けてか地下リングへの登場だった。
プロレスなのにビキニとは不利との声もあるが、見事なボディをアピールする為、敢えてビキニ姿になったようだった。
そのかおりの対戦相手として控え室で準備しているのは、かおりと同じくIQレスラーとして地下プロレスでは位置する、あの菊河怜だった。
「生意気よね・・・いいわ、相手じゃないことを身体に教え込んであげなくっちゃね・・・・」
早くも怜はやる気だったが、リングコスチュームはかおりと違い、競泳水着のような黒い水着だった。
そして、試合の時間が近づくと2人はリングに向かっていった・・・。
早くも大歓声に包まれていくリング上。そのリングに怜とかおりが上がると、早くも睨み合っていた。
「何よ、そのビキニは?・・・地下プロレスを舐めてるわけ?」
早くも挑発していく怜。
「あらごめんなさい・・・。着たくてもビキニが着れない誰かさんと違いますから・・・」
怜の挑発に、逆に挑発するように応えていくかおり。
しかしリングアナとレフリーが離していくと、2人は睨み合いながらもコーナーに散っていった。
『第3試合・・・高学歴タレント対決〜っ・・・青コーナー〜、真鍋〜かおり〜っ!』
そのコールに、かおりはビキニに包まれた84pのバストを揺らすようにして、腕を挙げて観客に久しぶりの地下リング登場をアピールした。
『赤コーナー〜、菊河〜怜〜っ!』
そして、怜はコールを受けると観客にアピールするように一礼すると、コーナーからかおりを睨み付けていった。
たしかに、上から84・55・80のかおりに比べて、80・58・83の怜では水着姿だとかおりに分があるようだったが、敢えて怜もビキニではなく、競泳水着みたいにしたのには何かあるようだった。
『カァーン!!』
早くもゴングが鳴り響くと、いきなりかおりが奇襲攻撃的にコーナーの怜に飛び蹴りを放っていった。
しかしこれには怜も避けて、かおりがコーナーポストを蹴るように自爆すると、怜が手招きするようにリング中央で不気味な笑みを浮かべた。
すると、かおりが構えて近づくと、怜と距離を置いて睨み合っていった。
なかなか手をお互いに出さない2人。
最近実力を上げてきている怜も、かおりの構えに警戒している様子だったが、かおりも久しぶりの地下リングと言う事もあり、怜に対して踏み込めないでいた。
すると、突然にかおりが打撃で勝負と言うのかジャブみたいなショートパンチを出していくと、怜も合わせるようにローキックで返していった。
だが、それはかおりの誘いだったのか、怜のローキックにタックルのように抱きついていくと、早くもグラウンドでの展開になっていった。
怜が下になって、かおりが上から押さえるような格好だが、その状態から動かない2人。
しばらく様子を見ていたが、かおりがサイドポジションを取っていくと、またも組み付いて横四方のような体制になっていった。
ここからヒザなどか、それとも顔面パンチかと言う場面でも、怜は冷静にかおりの動きを伺っている様子だったが、かおりも怜の冷静さに驚いていたが、先の動きをお互いが読もうとするような展開だった。
(ふん・・・久しぶり真鍋を地下リングで虐めてあげるわ・・・)
下になっている怜は、かおりをどう虐めようと考えていた・・・。
(今夜・・・菊河に勝てばいいアピールになるわね・・・)
一方、かおりも怜を倒して自分自身のアピールの為の踏み台にしようと考えているようで、横四方の形から押さえ込んでいた。
お互いの息づかいが解る距離に、相手の体温と緊張からか、汗を流していく怜とかおり。
その流れ出る汗が素肌を光らせていた・・・。
なかなか攻め出さない2人に対して、観客達も黙って試合の行方を見守った。
すると、かおりが腕を狙って仕掛けると、怜は合わせるように自らの両手をガッチリフックして腕を伸ばされないようにすると、かおりが足を掛けるようにし力ずくで腕を引っ張ろうとした。
だが、怜が冷静に周りを見てロープに足を伸ばすと、レフリーがここでかおりを止めていった。

レフリーに止められて技を解いて立ち上がるかおり。立ち上がるとビキニを直していた。
一方、そのかおりを見つめながら立ち上がる怜。かおりの意外にある力に驚いている様子だった。
その2人をレフリーが試合続行を促すと、今度は怜が突然のハイキックを放つが、かおりが避けてインローで怜の内股を蹴り抜いていった。
バシィィィ・・・・
この一撃に苦悶の表情を浮かべる怜。ハイキックを避けられてショックを受けているようだった。
だが、かおりが一気に距離を詰めると、動きの鈍った怜にミドルキックを放っていった。
グシュ・・・
「うぐっ・・・・」
怜のくびれたウエストにかおりの勢いあるミドルが決まると、怜がウップとばかりに動きを止めて、続けてかおりの掌打を顔面に打ち込まれていった。
バシッ・・・バシッ・・・
容赦なくかおりが掌打を叩き込むと、怜は必死にガードしながらもコーナーに追い込まれてしまった。
だが、苦し紛れに怜もヒザ蹴りをかおりに返すと、油断したのかかおりのお腹を鋭いヒザが抉り込んだ。
グシュ・・・
「ぐふうっ・・・・ううっ・・・・あふっ・・・・」
この一撃にかおりの動きが鈍くなると、必死に打ち込む掌打を怜が掴むと、更に首相撲に押さえてからヒザ蹴りをボディに叩き込んでいった。
意外な逆転劇に歓声がおきると、リング上では怜のヒザ蹴り地獄が始まっていった。
この怜の攻めに、かおりがお腹を押さえて座り込むと、怜は容赦なくバックをとってスリーパーで絞めてから、一気に倒れ込んでのアナコンダスリーパーを仕掛けていった。
グググッ・・・
「うぐぐっ・・・ううっ・・・」
お腹への痛みから、力も満足に入らないかおりは、このまま落とされてたまるかと必死になって逃げようと藻掻くと、何とかロープに逃げてスリーパーから逃れる事が出来た。
レフリーが離してから続行になるが、怜が一気に詰め寄るとお返しとばかりに掌底を叩きつけていった。
バシッ・・バシッ・・・
これにはかおりが苦しくなると、一気に身体を沈めてタックルでロープに押し込むと、怜は勢いに負けてリング下に転落してしまった。怜が落ちるのと同時に、かおりも縺れ合うように落ちていくと、今度は場外での闘いが始まっていった。
フラついて起きあがる怜とかおり。
すると、先手を打ったのはかおりの方で、意地になって怜の髪を掴むと、鉄柵に振って叩き付けていった。
ガッシャーン・・・・
豪快な音と共に鉄柵に寄りかかるように倒れ込む怜。背中には鉄柵からの衝撃で激痛が走っていた。
更に、かおりが走り込んで怜の顔面に蹴りを入れようとすると、これには慌てて怜が避けていった。
だが、悪いことには怜の方が上手か、襲いかかるかおりに対して、下から突き上げるような蹴りを出してから、動きを止めてから立ち上がると、一気にリングサイドのパイプ椅子を掴んでいった。
「き、汚いわよ・・・」
その怜に対してかおりが叫ぶ。
「何を汚いですって・・・それは貴方の顔の事?」
そう言うと、怜は構わずかおりのヒップにパイプ椅子を叩き付けると、続けて脳天にも叩き付けていった。
ガッシャーン!
「うわああぁぁ・・・・・・」
たまらずダウンするかおり。怜の反則攻撃に為す術も無い様子で、倒れ込んでも髪を掴まれて起こされていった。
「ほらほらっ・・・これはどうだぁぁぁ・・・」
更に怜の手にあるパイプ椅子の角が、かおりのお腹を抉っていった。
「ぐふうっ・・・・うっ・・・ううっ・・・・」
パイプ椅子の角が食い込む程の衝撃に、かおりは完全に動きを止めて座り込んで苦悶の表情を浮かべていた。
「ふんっ・・・胸が少し大きいからって・・・調子に乗れないようにしてあげるわ・・・」
その苦しむかおりの背後から、怜の手が伸びていくと、かおりのビキニブラジャーの背中のホックを鷲掴みにしていった。
「なっ・・・何するのよ・・・や・・・やめて・・・・」
お腹へのダメージで動きが鈍いかおりが嫌がるが、構わず怜はビキニを剥ぎ取っていった・・・。
ブチッ・・・
「いやああぁぁぁぁぁ・・・・・」
反射的に胸を隠そうとするかおり。怜の手にはかおりから剥ぎ取ったビキニブラジャーがあった。
グイッ・・・・
「うぐぐっ・・・・うっ・・・・・」
更にかおりの首に剥ぎ取ったビキニを巻き付けて首を絞めていく怜。
「ほらほらっ・・・負けを認めればいいんだよ・・・・ほらっ!」
更に左右に揺さぶる怜。その残酷な反則の前に必死になって逃れようとするかおり。
もう見事な84pの乳房を揺らしながら逃れようとしていた。
「ふふっ・・・その自慢の大きなオッパイをお客さんに触ってもらったら?・・・真鍋さん?」
すると、そのかおりの胸に注目した怜は、首を絞めたまま動きの鈍るかおりの胸を、リングサイドの観客席に突き出すようにしてアピールしていった。
グニュ・・・
「ああんっ・・・・やめてよ・・・やめてぇぇぇぇ・・・・・」
すると、観客席からは手が伸びてきて、突き出されたかおりの乳房を揉み始めると、かおりは絶叫して悲鳴をあげていった。
モミッ・・・モミモミッ・・・
容赦なく揉まれていくかおりの乳房。観客たちもこれはラッキーとばかりに揉んでいった。
しばらくこの展開が続くと、今度は怜がグッタリするかおりをリングに戻していくと、トップレス状態のかおりのバストへ蹴りを入れると、かおりは一瞬息を詰まらせるようにして棒立ち状態になってしまった。
そのかおりの顔面に、怜は打撃スタイルになると掌打を打ち込んでから首相撲に持ち込んでいった。
これにはかおりも逃れようとするが、場外でのビキニ剥ぎからの反則のダメージが逃げれないでいた。
すると、怜のヒザ蹴りがかおりのボディを抉っていくのであった。
グシュ・・・バシッ・・・
「うぐっ・・・ううっ・・・・ぐはあっ・・・」
怜の鋭いヒザ蹴りの前に、かおりは苦悶の表情を浮かべて座り込むと、そのままお腹を押さえて倒れ込んでしまった。
(撮影とか多いから・・・疲れてるのかしら・・・そろそろ決めるか?)
そのかおりを見て怜がニヤリと笑みを浮かべると、その座り込むかおりの喉元に容赦なく腕を捻り込むと、一気にチョークスリーパーで絞めていった。
ググッ・・・グイグイッ・・・
「うぐぐっ・・・・ううっ・・・・くっ・・・」
突然のチョークスリーパーの展開に、かおりは次第に頸動脈を絞められて意識を失いかけていた・・・。
『落とせっ・・・落とせっ・・・落とせっ・・・』
ここで観客席からは大きな落とせコールがおきると、怜も一気に絞めあげていった・・・。
すると、怜の腕を外そうとしていたかおりの手がダラリと力なく下がっていった。
『カンカンカンカン・・・』
ここで大きなゴングの音が乱打されると、怜の勝利が決まっていった。
だが、怜は失神状態のかおりを放すと、何とビキニショーツまで剥ぎ取っていった。
ズルッ・・・・
観客たちも怜の行為に歓声をあげたが、失神して全裸にされていくかおりは、そのままグッタリと仰向けにされると続けて両足首を掴まれていった。
「ふふふっ・・・これは恥ずかしいわよね・・・」
怜がニヤリとすると、そのまま足を掴んで引いていくと、まるでマングリ返しのようにして、失神したかおりを大開脚状態にして晒し者にしていった。
『うわっ・・・真鍋のアソコが丸見えじゃん!』
『菊河っ・・・サービスしてくれてありがとう!』
観客席からの声に、怜が手を挙げて応えるが、意識を戻していくかおりは涙を浮かべていた。
『勝者・・・菊河怜っ!』
そしてレフリーから勝利者コールを受けると、意識を戻してきたかおりに剥ぎ取ったビキニショーツを投げていった。
「そんな臭いビキニなんて返してやるよ・・・・」
その言葉に、かおりもマイクを要求していった。
「こんな試合で私に勝ったなんて思わないでよね・・・・だったら・・・・」
言葉の途中で考える様子のかおり。
「だったらって何だよ・・・」
怜も言い返す。
「だったら・・・・次回大会でデスマッチで勝負しろ!・・・邪魔の入らない方式で・・・そして負けた方は辱められるって言うのはどうだぁぁぁ・・・・・」
かおりの必死のアピールに、怜がニヤリとしていった。
「別にいいわよ・・・私のストレス発散にまた協力してもらうから・・・覚悟しなさいよ・・・」
そう言い放つと、怜は早々と控え室に戻っていった。
ガチャ・・・
「ふんっ・・・今夜もいいストレス発散になったわ・・・地下プロレス最高っ!」
かおりに完全に勝利した怜は気分が良い様子だったが、試合的にはかおりも力が発揮できず、残念な結果に終わってしまっていた。
果たして、次回大会で2人のデスマッチは実現するのか?



第4試合

「今夜は負けないよ・・・絶対にあのチビを地獄に突き落としてやるから・・・・」
控え室で早くもやる気十分なのは、あの左藤江梨子だった。
そう、今夜の江梨子の相手は、身長差とキャリアの差がありながら、まさかの敗北をしてしまった澤松綾子とのリマッチだった。
今夜の試合、江梨子が地下プロレス側に直訴して実現したが、逆に綾子にしてみれば処刑宣告みたいなものだった。
「お、大きさが違うのに・・・どうしよう・・・・」
その綾子は、控え室で試合が始まる前から緊張していた。
たしかに、デビュー戦では痛めつけながらも、まさかの逆転劇で江梨子から勝利したが、今度はそうもいかない展開。
そして、運命の試合の時間が近づいていた・・・。
大歓声の包まれるリング。そこへ登場した江梨子と綾子だったが、江梨子は黒いワンピース水着で、綾子は白いスポーツビキニだった。
身長差25p。誰が見てもマッチメークに問題があるだろうと思われたが、ここは地下プロレス。そんな事は関係なかった。
『第4試合・・・完全決着失神KOマッチ・・・・』
そのコールに大歓声がおきるが、リングサイドでも謎の男に対して参謀格の男が囁いた。
『こういう場合・・・小柄な美少女が虐められる方が客受けが良いでしょう?』
その言葉にニヤリとしていく謎の男。
その美少女こと綾子は、その完全失神KOマッチと言う言葉に、怯えた様子で落ち着きを無くしていた。
『青コーナー・・・身長148p〜上から81・・59・・80・・・澤松綾子〜っ!』
そのコールにコーナーで江梨子を見つめる綾子。
「まずいよ・・・この前の試合の事で・・・」
その綾子を同じく睨み付ける江梨子がコールを受けていった。
『赤コーナー・・・身長173p〜上から88・・58・・88・・・左藤江梨子〜っ!』
コールを受けるといきなり反対コーナーの綾子に詰め寄って威嚇していく江梨子。
だがゴングの前だからとレフリーが制止していくと、江梨子は舌打ちしながら自分のコーナーに戻っていった。
江梨子は素直に戻っていったが、今の行為は綾子に対してプレッシャーを与えるのは十分だった。
『カァーン!!』
早くもゴングが鳴らされていくと、誰の目から見ても明らかな身長差のある試合が始まっていった。
距離を取ろうとする綾子。
一方、江梨子も距離を置くがリーチの差など有利な為、自分の距離で闘えると内心はニヤリとしていた。
シュ・・・
まずは江梨子がローキックのように足を出すが、綾子がバックステップで避けていった。
すると、今度はミドルキックを出していく江梨子だが、綾子相手ではハイキックみたいになっていった。
しかしこれも綾子が両腕でブロックしてガードすると、勢いでフラフラはするが、腕だけのダメージで済んでいる様子だった。
意外な流れになりそうなこの試合だが、ここで綾子が攻めに出ようとしていた。
バシィィィ・・・・
綾子が勢いをつけてドロップキックを叩き込むと、その揃えられた両足が江梨子の太股に決まっていった。
しかし・・・。
「何だよそのドロップキック・・・打点が低いんだよ!・・・そうか、オマエがチビだからか・・・ハハハッ・・・・」
ドロップキックを受けた江梨子は余裕で言い返すと、まるで綾子を挑発しているようでもあった。
チビと言う言葉に頭に来たのか、更に飛び込んでエルボースマッシュを江梨子の身体に叩き込んでいく綾子。
これには江梨子がロープまで下がるが、逆に上から綾子の頬に余裕のエルボースマッシュを叩き込むと、一発で綾子がフラついてしまった。
頬を押さえてフラフラする綾子。
だが、江梨子は休む間も与えずに首相撲に捉えると、一気にヒザ蹴りを綾子の胸などへ叩き込んでいった。
グシュ・・・バキッ・・・
「うぐっ・・・うわああぁぁぁ・・・・・いやあぁぁぁぁぁ・・・・」
必死にガードしようとするが、ヒザを勢いよく叩き込まれて悲鳴をあげる綾子。
その悲鳴をあげる綾子も、何とかヒザから逃れようと江梨子に抱きつくようしていくと、上から江梨子が頭を叩くような攻めを見せていった。
バシッ・・バシッ・・
「放せって言ってるだろ・・・おらっ!」
抱きつかれている事を嫌がる江梨子。だが離れればまた打撃の餌食と思い、綾子も必死に抱きついていた。
そうして縺れているうちに、ロープ際で倒れ込む2人。
更にそのまま縺れ合ってリング下に落ちていくと、落ちる時に綾子が江梨子の身体に潰されてダメージを受けていた。
「ぐふうっ・・・」
身体の大きな江梨子に潰される形の綾子が苦悶の表情を浮かべると、江梨子は構わず起こしてからリングに戻していった。
そして、フォールのない試合にも関わらず、綾子の上に覆い被さるようにしていった。
「うっ・・くっ・・・・んんっ・・・・」
その江梨子に対して、綾子も何とか逃げ出そうと必死にブリッジなどをして返そうとするが、江梨子は殴りつける訳でもなく覆い被さっていた。
実は、これは綾子を徹底して痛めつけようと考えた江梨子が、こうして覆い被さる事によって綾子のスタミナを奪おうと考えたからだった。
その江梨子の考え通り、綾子のスポーツビキニは汗で湿りだし、白い肌には汗が浮かんできていた。
その綾子に対して馬乗り状態になっていく江梨子が、ちょうど自分のヒップの位置に綾子のお腹があるからと、少しヒップを浮かしてからヒップドロップで押しつぶしていった。
グシュ・・・・
「ぐぶうぅぅぅぅぅ・・・・うううっ・・・ぐるじい・・・・」
お腹へのヒップドロップに対して、綾子は苦悶の表情で横を向いていくと、続けて江梨子が綾子の身体を俯せにすると、一気にキャメルクラッチを決めていった。
グイッ・・・
容赦ない江梨子の攻め。綾子は身体をCの字にされる格好で藻掻き苦しむが、ギブアップの存在しない試合ルールなのでギブアップも出来ず、綾子からすれば地獄の時間だった。
普通だったら、綾子はもうギブアップ状態だろうが、ギブアップも出来ない綾子。
一方、江梨子もそれを知っていて虐めていくと言う残酷な展開。レフリーが一応は綾子の様子を見ているが、止めることはなかった。
ジタバタと足を動かして苦しむ綾子。その江梨子の攻めに対して観客席からは大歓声がおきていた。
「ふん・・・あまり早く終わらせてもつまらないわね・・・」
江梨子が簡単には終わらせないとばかりに、綾子の顎から手を放すと、綾子はグッタリと俯せになって倒れているのであった。
グイッ・・・
「あうっ・・・・」
すると、フラフラの綾子の髪を鷲掴みにして起こすと、江梨子が綾子の顔面をロープに押しつけて、擦り付けるサミング攻撃をしていった。
ギュ・・ギュ・・・
「ぎゃあああぁぁぁ・・・目がぁぁぁ・・・目がぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
そう、江梨子は綾子の目が当たるようにして押しつけていたから、綾子はゴムとの摩擦で地獄の痛みに藻掻き苦しんでいた。
更に、ロープへの擦り付けから解放すると、休む間もなくボディスラムの連発で綾子の小さい身体をマットに叩き付けていく江梨子。
バシィィィ・・・バシィィィ・・・
「ほらほら、もっと虐めてやるから覚悟しろ!」
江梨子が綾子の苦しむ様を喜ぶように、投げては起こして投げての連続で虐めていった。
「ううっ・・・うわっ・・・・ああんっ・・・・うっ・・・ううっ・・・き、気持ち悪い・・・ウップッ・・・」
何度も投げられて、綾子は次第に嘔吐感に襲われていた。
「吐くんじゃないよ・・・ほらっ!」
その綾子に対して、投げるのを止めた江梨子は、トップロープとセカンドロープに両足を掛けるようにして、綾子を逆さ吊りにしていった。
両手をダラリとして逆さ吊りにされていく小柄な美少女。その表情は苦しみと、これから行われる処刑技に怯えていた。
「いくぞぉぉぉぉ・・・・」
江梨子が腕をあげてアピールすると、反対のロープに走って勢いを付けると、一気に逆さ吊り状態の綾子のお腹へキチンシンクを叩き込んでいった・・・。
グシュゥゥゥゥ・・・・・
「グエエェェェェェェェェェェ・・・・・・」
この江梨子の一撃に、綾子はマットに激しく反吐を吐き散らしていくと、両腕をダラリと下げてピクピクしていた。
その綾子の様子をレフリーがチェックすると、まだ綾子の意識がある事が確認されて、続行が告げられていった。
すると、江梨子は逆さ吊り状態の綾子の開かれた股間に注目すると、ビキニショーツに包まれている大事な部分に、何と手刀を叩き込んでいった。
バキッ・・
「うぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
この残酷な一撃に、綾子は絶叫して悲鳴をあげていった。
「あらあらっ・・・効いたみたいね・・・だったら・・・」
苦しむ綾子の姿に、江梨子が更に叩き込むと、またもリング上に綾子の悲鳴が響き渡っていった。
「きゃああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・ああっ・・・あっ・・・・」
口をパクパクして苦しむ綾子。恥骨へのダメージも大きいものだろうし、何より大事な部分への攻撃は、綾子にとって精神的にも大きなダメージとなっていった。
「ふふふっ・・・」
江梨子が不気味な笑みを浮かべると、まさかの逆転負けの恨みを晴らすべく、綾子を起こしていった。
すると、コーナーに押し込んでいくと、身長差を利用して腕を喉元に押し込む、スタンディングのギロチンチョークを仕掛けていった。
グイッ・・・
「うぐっ・・・ううっ・・・んんっ・・・・」
背中にはコーナーポスト。前からは江梨子のギロチンチョーク。
もう綾子は地獄の苦しみの中、藻掻くようにして逃れようとしていた。だが江梨子が逃げる事を許さず、容赦なく綾子の喉元を押しつぶしていった。
(し・・・失神すれば・・・終わるの・・・)
綾子が薄れゆく意識の中、失神すれば試合は終わると思い出す。しかし、現実は綾子にって残酷なものであった。
まさに失神するかしないかの刹那、江梨子の腕から力が抜けて、綾子はグッタリとマットに倒れ込んでいった。
ほとんど失神状態と思える状態だが、綾子が呻き声をあげると、レフリーは続行の指示をしていった。
「うっ・・・ううっ・・・・・」
その綾子を見て、江梨子がニヤリとしていった。
「地獄の時間は終わらないんだよ・・・チビっ!」
その江梨子の言葉に続いて、綾子は無理矢理に起こされていくと、江梨子の強烈なヒザ蹴りを胸に受けて座り込んでいった。
グイッ・・・
「ああっ・・・・」
更に、その座り込む綾子の両足首を江梨子が掴むと、リング中央に引いていった・・・。
すると、股裂き状態にしてから、仰向け状態で怯える綾子の白いビキニショーツに守られた股間に、爪先を使って電気アンマのように刺激を与えていく江梨子。
グググッ・・・・
「ううっ・・・・ううんっ・・・・んはっ・・・んんっ・・・・・」
この意地悪な江梨子の攻めの前に、綾子は顔を赤らめて必死に秘部への刺激を耐えようとしていた。
「ほらほらっ・・・感じてるのかしら?」
更に江梨子の刺激が続くと、綾子は必死に声を漏らさないように耐えていた・・・。
「ううっ・・・ひっ・・ひどい・・・プロレスの勝負なんでしょ・・・・」
綾子が股間への刺激に耐えながら、江梨子に必死に言い放つ。すると・・・。
「プロレスって言うなら・・・覚悟しなよ!・・・おらっ!」
江梨子が叫ぶと、いきなり綾子の股間に当てられていた江梨子の爪先が離れた瞬間・・・。
グシュ・・・
「あぎゃあああぁぁぁ・・・・・・ああっ・・・あっ・・・・」
そう、江梨子は離した爪先を、綾子のビキニショーツだけに守られた秘部目掛けて思いっきり叩き込んだのだった。
この反則には綾子は口をパクパクして、股間を両手で押さえてリングに転げていた。
口からは涎を垂れ流す綾子。まさに残酷な攻めだった。
「ふふふっ・・・急所攻撃は立派なプロレスの技よ・・・まぁ、反則だけどね!」
更に股間を押さえ込んで俯せ状態の綾子に、江梨子のストンピング攻撃が容赦なく襲いかかっていった。
バシッ・・・グシュ・・・バシッ・・・
「ひいっ・・・ああっ・・・・うぎゃ!」
そう、ただ蹴りこむだけでなく、俯せ状態の綾子の両足首を持つ江梨子が、その股間の秘部を狙って爪先をグリグリと捻り込んでいくのであった。
グググッ・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・・・やめてぇぇぇぇ・・・・こんなの・・・・プロレスじゃあないでしょう!」
必死になって泣き叫ぶ綾子。しかしプロレスでは無いのは事実。だが地下プロレスでは関係ない攻撃だった。
しばらく江梨子の残酷な股間責めが続くと、綾子はグッタリとしてしまった。
その綾子のヒップに足を乗せてポージングしていく江梨子。
「ハハハッ・・・この前は股間を攻めてくれたからねぇ・・・今度は私がお返しする番だよ!」
すると、グッタリする綾子の脇腹をサッカーボールキックで蹴りまくると、そのまま場外に綾子を落としていった。
リング下でグッタリとする綾子。
だが江梨子の攻めは終わらなかった・・・。
グイッ・・・
「ほらほらっ・・・誰が寝ていいって言ったんだよ!」
意識も朦朧とさせている綾子を抱え上げると、今度はまるで子供にオシッコをさせるように抱え上げると、綾子の両足が開かれていった。
そして、近くにある鉄柵を跨ぐと、一気に綾子の股間が鉄柵の上部に激突するようにと、江梨子が叩き付けていった。
グシュ・・・
「うぎゃあああああぁぁぁぁぁ・・・・・あん・・・・」
この強烈に残酷な一撃に、ついに綾子は失神してしまった。
江梨子が放すとグッタリとリングサイドに崩れ落ちていく綾子の小さな身体。
その綾子の姿を見て、観客席からは驚きの声が上がっていた・・・。
『うわぁ・・残酷だよなぁ・・・。澤松の股間、赤いシミが出来てるじゃん!』
『アソコが壊されたのかなぁ・・・もったいないなぁ・・・』
観客席から綾子への同情にも近い声が上がり出すと、レフリーが綾子の様子をチェックしていく。
すると、江梨子が試合を止められる前にとチェーンを綾子の首に巻き付けると、リング上から引いて絞首刑で処刑していった・・・。
意識を失っている綾子は、首に掛かるチェーンを食い込ませながら口からは泡を噴き出すと、ここでレフリーが試合を止めていった。
『カンカンカンカン・・・』
まるで公開殺人かと思われた壮絶なフィニッシュシーン。江梨子がチェーンを放すと綾子はリング下にグッタリと横になっていった。
リング上ではガッツポーズをしていく江梨子。
そして、リング下では西川綾子が綾子の様子を診ると、急いで担架が要請されて医務室に運ばれていった。
完全失神KO状態で担架に乗せられて運ばれていく綾子。
前回の試合のリベンジとばかりに痛めつけていった江梨子だったが、あまりにも残酷な形で幕を閉じていったのであった。



第5試合

「格闘技だけじゃ、食べていけないしね・・・」
控え室で白いスポーツビキニに、オープンフィンガーグローブ姿で試合を待つのは、あの女性格闘家の尻無里子だった。
150pくらいの身長だが、打撃から投げ、関節と様々な技で格闘技界では有名所であった。
ただ、いくら女子格闘家として強くても、世間での女子格闘技に対する見方は冷たく、当然だがファイトマネーも少なかった。
だいたいの格闘家は、格闘技だけでは食べていけないと、他の職業を持っていたが、今回はあるルートから地下格闘技と言う事でブッキングされたものだった。
だが、この格闘家とアイドルが試合をしたら、いくら何でもと言う訳で、里子の相手として選ばれたのは、あのレスリング界では有名な、山木美憂が選ばれていった。
美憂は、以前地下リングで試合もしたことがあったが、最近ではレスリングに復帰と言うニュースが伝わっていたが、またも地下リングに上がる事となっていった。
「今夜の相手はあの尻無さんね・・・。勝つわ・・・打撃だって練習したし・・・」
打撃を練習してきたと言う美憂。しかし本人も打撃で勝負出来るとは思っていないようで、タックルから寝技で仕留めようと考えていた。
美憂は、レスリングの選手だったが今回は、何と白い特製の競泳用水着に、ヒザにはサポーターを着けていた。
153pに89pと言うグラビアアイドル級のバスト。しかし鍛えられたアスリートだから、そんな事は関係なかった。
そして時間が迫ると、里子と美憂はリングに向かって歩き出していった・・・。
すると、金網がリングを囲んでいる金網デスマッチルールと思われたが、これは急遽オクタゴンに似せる為の演出だった。
美憂の手にもオープンフィンガーグローブが着けられると、口にはマウスピースが入れられていった。
『それでは、本日の第5試合・・・アスリート特別格闘技マッチを行います!・・・なお、この試合はKO決着ルールとなります!』
そのルール説明に、里子と美憂の顔に緊張が走る。
『青コーナー〜・・・レスリング〜山木〜美憂〜っ!』
そして、美憂がコールを受けていくと、コーナーから早くも里子を睨み付けていた。
『赤コーナー〜・・・総合格闘技〜尻無〜里子〜っ!』
そして、睨まれた里子もコールを受けると、反対コーナーの美憂に詰め寄っていった。
これにはレフリーが離していくと、美憂も里子も睨み合って離れようとしなかった。
しかし、レフリーが無理矢理に離していくと、ここでゴングが鳴らされていった・・・。
『カァーン!!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す両者。
意外な始まりだが、里子は打撃の構えのようにして、美憂はレスリングのように低姿勢で構えていた。
すると、里子がミドルキックを放つと、美憂も避けていくが顔に当たりそうになると、美憂も腕を挙げて打撃のように構えた。
その美憂に近づく里子が、今度は下からとローキックを放つと、美憂は反応出来ずに良い音のローキックを受けていった。
バシィィィ・・・・
「くっ・・・・・」
足へ決まるローキックに顔を歪ませる美憂。
この一撃に、里子も打撃で勝負しようとしてか、左右のジャブで美憂を牽制すると、一気に美憂のお家芸のタックルを仕掛けていった。
だが、さすがは美憂で里子のタックルを切ると、サイドポジションからミドルキックを叩き込むと、里子の脇腹に決まっていった。
鍛えられた美憂の蹴りだけに、蹴りの重さには里子も驚くが、続けて里子が抱きつくように組み付くと、美憂も縺れ合うようにコーナーに向かった。
すると、コーナーに美憂を押しつける形になっていく2人。
既に額からは汗を流していたが、睨み合いはするが、声は発しない里子と美憂。
だが、コーナーで膠着していると、里子がコーナーに押しつけたまま、美憂の脇腹にパンチを叩き込むと、美憂が殴られる事に嫌がるように押し返していく。
すると、力では美憂の方が上なのか、里子が押し戻されると、一気にスープレックス状態で美憂の投げが決まっていった。
バシィィィ・・・・
「ぐっ・・・・」
思わず声を漏らす里子。
その里子に続けてサイドポジションを奪いにいく美憂だが、里子も下から組み付くようにしていった。
打撃のないレスリングだけあって、練習したとは言え美憂はここからヒザ蹴りを出さずに里子を組み付けていただけだった。
更に、サイドヘッドロックのように寝ている状態からヘッドロックを絞めるが、里子も苦しいからと美憂の顔面へパンチを入れていった。
すると、美憂が顔面へのパンチを嫌がって、一旦離れると立ち上がって蹴りを入れようとしていった。
だが里子も打撃に反応すると、美憂の足へタックルを仕掛けるが、これには美憂が反応してフックを返すと、里子も距離を置いて構えていった。
またもリングで睨み合う展開になると、里子が積極的にローキックで攻めていった。
バシッ・・・バシッ・・・
「くっ・・・・うっ・・・・」
時折、足に叩き込まれるローキックに苦悶の表情を浮かべる美憂。
苦し紛れにタックルを狙うと、待ってましたとばかりに里子のカウンターのヒザ蹴りが顔面に炸裂していった。
バキィィィ・・・・
「ぐわああぁ・・・・・」
これには美憂が悲鳴をあげると、動きの止まった美憂の顔面に里子のパンチが炸裂していった。
バシッ・・バシッ・・・
続けて叩き込まれる顔面へのパンチに、美憂がフラつきながらガードしようと距離を置いていこうとした。
しかし、その逃げようとする美憂の腕に里子が飛びつき腕拉ぎ逆十字固めを仕掛けると、美憂が驚いてマットに里子を叩き付けた。
力ずくで里子を振り解いた美憂だが、今の無理な体勢での投げに、美憂は左腕にダメージを負ってしまっていた。
その美憂に、今度はマットに転がった里子が足を絡ませていくと、美憂を倒していった。
すると、美憂の足へ裏アキレス腱固めを仕掛けると、美憂の悲鳴が金網リングの中に響き渡っていった。
「ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
流石は総合格闘技のスペシャリスト。関節技のないレスリングの美憂にしてみれば、まさに拷問状態だった。
「どう、これがサブミッションの怖さよ・・・。貴方の足から壊してあげるわね・・・・ふふふっ・・・」
完全に決まった技に酔っているのか、里子が不気味な笑みを浮かべて極めていくと、美憂は激しくマットを叩いて悲鳴をあげていった。
「ああっ・・・あ、足が・・・足が壊れるぅぅぅぅ・・・・やめてぇぇぇぇ・・・・イヤアァァァァ・・・・・」
まさに美憂の足の筋肉が破壊されるかと言う瞬間、里子が技を解いていった・・・。
すると、美憂は足を押さえるように倒れているが、横に立つ里子に目を向けていった。
「ふふふっ・・・覚悟してよね・・・私だってここのファイトマネーは魅力だし・・・」
里子が不気味な笑みを浮かべると、倒れている美憂に馬乗りになっていった。
バキッ・・・バシッ・・・
「うぐっ・・・ううっ・・・・」
そして、定番のマウントパンチとばかりに美憂の顔面に落とされていく里子の拳。
薄いオープンフィンガーグローブに包まれた里子の拳が叩き込まれると、鈍い音と共に美憂の身体もビクンと反応していた。
顔面を殴られてはと美憂が必死に藻掻くと、今度は俯せ状態になっていった。
顔を殴られないように、カメの状態になる美憂。
しかし、今度は里子が美憂のノーガードの脇腹を殴りつけると、鈍い音と共に美憂の両足がバタバタと動き出した。
だが、顔面はイヤだとばかりに脇腹はノーガードにしていると、里子の拳が容赦なく叩き込まれていった。
その容赦ないパンチの前に、遂に美憂は脇腹をガードしようとすると、待ってましたとばかりに里子の拳が美憂の顔面を襲いだした。
バキッ・・・バシッ・・・バシッ・・・
音を立てて決まっていく顔面へのパンチ。
次第に美憂の鼻から激しく出血が始まると、マットにポタポタと血が垂れだしていた。
逃げようとしても、腕と足にダメージを受けている美憂は、もう負けを覚悟してか抵抗が少なくなっていった・・。
その美憂に、まさにトドメとばかりに里子のチョークスリーパーが決まると、ジワリジワリと美憂を落としにかかっていった。
喉元に食い込む里子の腕を掴んでいく美憂だが、自らの血で滑って逃げられなかった・・・・。
そして・・・
『カンカンカンカン・・・』
美憂の身体から力が抜けると、失神を確認したと同時にゴングが鳴らされていった。
この瞬間、里子の地下プロレスデビュー戦が終わりを告げたが、レフリーに手を挙げられていく里子は、観客からの声援に、表の格闘技では味わうことの出来ない何かを掴んだようだった。
そして、負けた美憂は失神状態のまま、黒服たちに担架で運ばれていくのであった。
ガチャ・・・
控え室に戻った里子がファイトマネーを見て驚きの表情を浮かべた・・・。
「こ、こんなに貰えるの・・・」
そう、里子の為に用意されたファイトマネーが100万円の札束が用意されていて、当然本人の手元にそのまま届けられる事になるので、里子も驚いていた。
表のファイトマネーの何十倍であろうか、里子は今後もこのリングに上がる決意を固めていくのであった。



第6試合

『今まで散々暴れていたが、今夜はどうなるかな?』
謎の男がニヤリと笑みを浮かべながら金網リングを見つめていた・・・。
そう、今夜この地下リングに久しぶりに登場する、末広涼子の事を言っていたのだった。
フランス地下プロレスで鍛えられて、その凶暴性をプッツンした性格と共に発揮して、まして技術の無さはフランス地下プロレスでの打たれ強さで乗り越えて、数々のアイドルを地下プロレスで虐め抜いた涼子。
しかし、シングル戦は37回大会以来なので、ブランクは大きく、そして仕事とプライベートでも上手くいった時期もあったのか、体つきも少しふっくら見えている涼子が、控え室では白いスポーツビキニに着替えて試合を待っていた。
「久しぶりの地下プロレス・・・。そろそろ私も地下プロレスから引退しようかな・・・」
一時期のプッツンした性格もなりを潜めていたのか、涼子は以前の涼子と違い、まさにアイドル的に静かな性格に戻っているようで、まさに生け贄にされるかも知れない状態だった。
そして・・・。
「今夜の獲物は誰・・・?」
そう、あの暴走するチリ人妻ことアリータ・アルバラードだった。
大池栄子を壮絶な凶器攻撃でドミネートして、地下プロレスのヘビー級チャンピオンにもなっていたアリータ。
このアリータが今夜の涼子の対戦相手だった。
早くも金網リングにアリータがニヤニヤしながら登場すると、観客席からはブーイングが飛んでいた。
黒いワンピース水着に、リングシューズには何かを隠していそうな雰囲気のアリータ。
一方、白いスポーツビキニ姿の涼子は、金網に囲まれたリングに向かって歩き出していたが、以前のような鍛えられた腹筋が、少し脂肪のついた普通の女の子みたいなお腹が印象的だった。
緊張してる様子の涼子。久しぶりの復帰戦が、あのチリ人妻のアリータとの対戦。
ニュースなどで噂は聞いている相手だけに、地下プロレスでまさか対戦するとはと感じていた。
そのリングに、リングアナが登場すると、早くもコールを始めていった・・・。
『第6試合・・・特別金網デスマッチルール・・・青コーナー〜・・・久しぶりの凶暴アイドル〜・・・末広〜涼子〜っ!』
そのコールにコーナーでお辞儀をしていく涼子。
その様子に、観客席からは涼子が凶暴アイドルとコールされても、普通のアイドルに見えていた・・・。
『赤コーナー〜、ご存じ日本人を馬鹿にする凶暴チリ人妻〜アリータ〜アルバラード〜っ!』
そのコールに、観客席からは一斉にブーイングが起きていた。
「うるさいよ!・・・だったら今夜はこのクソガキっを血の海に沈めてやるワ!」
金網の中で叫び出すアリータ。
対する涼子も、以前のように凶暴な感じではなく、アリータの威嚇に驚いているようにも見えていた。
T160B80W58H86の身体を白いスポーツビキニに包む涼子。
対戦相手のアリータの動きを見つめながらゴングの時を待っていた・・・。
「デ・・・デスマッチ・・・・」
これから行われるデスマッチに恐怖心をおぼえているのか、涼子の顔に緊張が走っていた・・・。
そう、実は今までフランス地下プロレスから戻ってからの涼子の暴れっぷりは、地下プロレス側が催眠術のように、涼子の新たな売り込みの為だったとも言われていたので、普通のアイドルの女の子に戻ったようにも見えていた。
『カァーン!!』
そんな中、金網リングにはゴングが鳴り響くと、コーナーからは意外にも涼子が飛び出した。
まずは先手を取らなくてはと、アリータのバスト目掛けてドロップキックを叩き込んでいった。
バシィィィ・・・
「イタッぁぁぁ・・・・・」
自慢の商売道具とも言える胸を蹴りこまれ、ロープまでフラついていくアリータ。
フォームの綺麗なドロップキックを出した涼子は立ち上がると、そのままエルボースマッシュをアリータに叩き込んでから、ロープに勢い良く振っていった。
「この野郎っぅぅぅ・・・・」
涼子の気勢があげられると、アリータは振られるままにロープに走っていくと、勢いよく戻ってきて涼子のフライングラリアットを受けていた。
バキィィィ・・・・
「ぐふっ・・・・」
軽量の涼子だが、勢いあるフライングラリアットは効いたのかアリータが倒れ込んだ。
意外な展開のこの金網デスマッチ。涼子のクリーンファイトに観客達もイメージチェンジかと思っていたが、当の涼子はベビーフェイスとして地下プロレスで闘いたかったらしい・・・。
バキッ・・・
更に、涼子が飛び上がるとアリータの胸にエルボードロップを叩き込むと、そのまま条件反射的にフォールしていった。
股を開いて体制を有利にフォールする涼子。しかし金網デスマッチなのでフォールはなかった。
仕方なく、涼子はアリータをマットに座らせる体制でスリーパーでスタミナを奪う作戦に出ると、アリータも涼子の腕を掴んでいった。
すると、アリータの馬鹿力で涼子のスリーパーが解かれていくと、涼子はそのアリータの力に驚きの表情を浮かべた。
その涼子の表情を見て、黒服たちが囁いていた・・・。
『可哀相に・・・・あの凶暴さも催眠術だったらしいぜ・・・末広も・・・。スーパーアイドルも用無しになったら餌食かい・・・』
立ち上がる涼子とアリータ。
「ジャパニーズアクトレス?・・・だったら地下リングのやられ役にしてあげるヨ・・・」
アリータがニヤリとすると、勢いよく距離を詰めての爪先蹴りを涼子のお腹へ叩き込んだ。
グシュ・・・
「ぐぼっ・・・・うううっ・・・・」
いきなりのアリータの爪先蹴りにお腹を押さえて座り込む涼子。
意外なシーンだったが、今までは鍛えたり打たれ強さも自然についていたが、最近はブランクからも普通の女の子に戻っていたのだった。
「ほらほらっ・・・最初の元気は何処へ行った?」
アリータがニヤリとすると、座り込む涼子を起こしていった。
今度はコーナーに涼子を押し込んでいくと、勢いあるヒザ蹴りを涼子のお腹へ叩き込んでいった。
グシュ・・・
「ぶぐうっ・・・・ううっ・・・うっ・・・・」
この一撃に、涼子はまたもお腹を押さえて苦悶の表情を浮かべて座り込もうとした・・・。
だが、アリータが今度は座り込む事を許さず、涼子をコーナーに磔のようにすると、お腹へ続けてパンチを叩き込んでいった。
バシッ・・・バシッ・・・
「ぐぶっ・・・ごふっ・・・うぐっ・・・」
お腹を殴られるたびに、涼子の口からは悲鳴が漏れていくと、次第に口から涎を垂れ流していた。
この光景に、何で涼子がここまで追い込まれるのかと、観客たちも不思議な表情を浮かべて金網の中での試合を見つめていた。
だが、涼子も必死に蹴りを出して抵抗すると、偶然にもアリータのお腹に決まったのか、アリータの動きが鈍りだした。
すると、涼子がコーナーから飛び出すと、クロスチョップをアリータの喉元に叩き込んでから、背後に回ってバックドロップを叩き込んでいった。
バシィィィ・・・・
反撃に出た涼子。だが反則などではなく、クリーンなプロレス技だった。
倒れ込むアリータに、涼子が素早く飛びつくと、そのまま足4の字固めを極めていった。
グイッ・・・・
「ぐわああぁぁぁぁ・・・・・くっ・・・・畜生ぅぅぅ・・・・」
アリータは自分の両足に流れる激痛に、悔しさからか叫びだしていた。
当然だが、涼子はこれでギブアップしてくれとばかりに締め上げると、アリータは苦し紛れに身体を反転させると、涼子に反撃していった。
グイッ・・・・
「イタタタタタッ・・・・・痛いっ・・・」
今度は自分の足へ激痛が走り、必死になって技を解こうとする涼子。
何とか技を解くと、アリータも涼子も足を痛がるようにして立ち上がっていた。
すると、大柄なアリータが気勢をあげて涼子にボディアタックを仕掛けていった。
「うおおぉぉぉぉぉぉ・・・・・」
「うわあっ・・・イタアァァァ・・・・・」
堪らず吹き飛ばされる涼子は、そのまま転がり倒れると、続けてアリータのジャンピングニードロップを胸に叩き込まれていった。
バキッ・・・
「ぎゃあああぁぁぁぁぁ・・・・・・・」
容赦ないニードロップに、涼子は胸を押さえてゴロゴロとリング上を転がり痛がっていた。
この一撃に、涼子は大きなダメージを受けてしまうが、金網デスマッチ。ここは弱気になったら即負けである。
グイッ・・・
「逃げるなよ・・・コラッ!」
アリータがその涼子を捕まえると、立ち上がらせてから顔面にヘッドバッドを叩き込んで、一気にボディスラムで背中からマットに叩き付けていった。
更に、倒れた涼子に馬乗りになると、そのまま顔面へパンチを落としていった。
バキッ・・・バキッ・・バキッ・・・
「うわっ・・・ああんっ・・・ああっ・・・」
堪らず顔面をガードしようとする涼子。だがアリータの重いパンチが確実に涼子の顔を痛めつけていった。
必死に両足を広げてブリッジ体制で逃げようとする涼子。
だが、普通のアイドルと違い下半身が重いアリータ相手では、跳ね返せずに顔面を殴られて悲鳴をあげていた。
次第に涼子の鼻から鼻血が噴き出すと、アリータは自らのリングシューズから何かを取り出していった。
「うふふふっ・・・今から楽しいショーの始まりヨ・・・」
アリータが不気味な笑みを浮かべると、手にした棒状の凶器を額に叩き付けると、今度は涼子の額が割れて流血していった。
「ぎゃあああぁぁぁ・・・・・やめてぇぇぇぇぇ・・・・」
流石に額を割られては、絶叫して苦しむ涼子。たしかに、以前の涼子だったら平然としていただろう状況だが、今は普通のアイドルの為、流血戦は当然悲惨であり、本人にもショックな展開だった。
ジタバタしていく涼子だが、逃げようとして俯せ状態になっていくと、アリータは待ってましたとキャメルクラッチ状態から、額にまたも凶器を突き立てた。
グサッ・・・
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
またもリングに響き渡る涼子の悲鳴。その悲鳴と共に涼子の顔面が赤く染まっていった。
その涼子の首に、今度は紐を巻き付けると、そのままキャメルクラッチのようにしてアリータが引き始めると、涼子は真っ赤に染まる顔を苦悶に歪ませて、時折舌を出したりして藻掻いていった。
アリータはまさに殺すような勢いで攻めていくと、涼子は必死にこの苦しさから逃れようとしていた。
アリータの残忍な攻めに、観客席からも涼子に対する同情の声も出ていった・・・。
そしてアリータが紐を放すと、激しく咳き込みながら苦しむ涼子の姿があった。
苦しさから立ち上がれない涼子に対して、アリータは観客に向かって何かを手にしてアピールしていった。
すると、倒れている涼子を起こしてから、両腕をトップロープとセカンドロープに絡ませて動きを止めていくと、涼子の赤く染まりだしたスポーツビキニのブラジャーをまくり上げると、涼子の80pと言われる綺麗な乳房が露わになっていった。
「やっ・・・やめてよ・・・・何するの・・・・」
藻掻く涼子だが、アリータは構わず何かを手にしていた。そう、葉巻とライターだった。
ボッ・・・・
「ふふふっ・・・いい味だわ・・・ハバナ産の葉巻はね・・・・」
アリータが笑みを浮かべながら葉巻を吸い出すと、片手で涼子の乳房の乳首を摘みだした。
「あっ・・・・」
思わず声を漏らす涼子。
クリクリ・・・
「カワイイ乳首ねっ・・・可愛がってあげるわよ!」
すると、アリータは吸っていた葉巻を手にすると、その火のつく先端を涼子の乳首に近づけていった。
その展開に、観客席からも残酷過ぎると声が上がるが、当の涼子も怯えだした。
「えっ・・・な、何するの・・・や、やめて・・・お願い・・・それは・・・やめてぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・・」
全身を震わせて怯え出す涼子。しかし確実に涼子の乳首を狙って葉巻の先端が近づいていった・・・。
ジュ・・・
「うぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・」
そして涼子の叫び声が会場内に響き渡ると、アリータの持つ葉巻が涼子の乳首に押しつけられていた。
そしてアリータが葉巻を放すと、涼子はあまりの衝撃に失神寸前になっていた。
地下プロレスでも始めてであろう残酷な攻め。この攻めの前に観客達も声を失っていた・・・。
更にアリータは、葉巻を投げ捨てると、失神寸前の涼子をロープから放すと、コーナーに逆さ吊りにさていった。
両足をトップロープに引っかけると、逆さ吊りにしてからビキニショーツを脱がせていくと、涼子の大事な部分も丸出しにしていった。
だが、もう抵抗も出来ない涼子。すると、アリータが何かを用意し始めていた。
その何かとは、電動バイブレーターのような物で、形はそのままであった。
コードが伸びていたが、そのバイブを容赦なく涼子の秘部に挿入していくアリータ。
クニュ・・・
「ううっ・・・・うっ・・・・・」
呻き声のような声を漏らす涼子。
アリータに握られたバイブがスッポリと秘部に入れられていくと、ここでアリータがスイッチを入れた・・・。
カチッ・・・
「うぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
その瞬間、涼子は断末魔の悲鳴のように叫ぶと、白目を剥いて失神してしまった。
そう、そのスイッチはバイブから強烈な電撃が流れるようになる、性的拷問の器具だったのだ。
その失神した涼子の姿に、レフリーがゴングの要請をすると、ここでリング内にゴングが鳴り響いていった。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが鳴らされたが、アリータはまだ暴れたり無い様子で、失神した涼子のお腹を徹底的にヒザ蹴りで蹴りこむと、涼子の身体がビクンビクンとなるようにしていくのと同時に、口からは反吐がマットに向けて吐き散らかされていった。
あまりに残酷な光景に、観客席からもアリータを止めろと言う声が上がり出すと、急いで黒服たちがアリータを止めていった。
「放すのよ・・・小さい物しか持ってない日本人の男たち・・・放せ!」
アリータが藻掻くが、黒服たちが無理矢理にリング外に出していくと、続けて涼子も担架に乗せられて医務室に運ばれていった。
トップヒールから、意外な展開になってズタボロにされてしまった涼子。今後はアイドル地下レスラーとして活躍するのであろうか涼子だが、当然だが軍団も無くなるわけで、今後はアイドルたちのターゲットになる可能性も出てきていた。



第7試合

「本当、生意気よねぇ・・・今夜は身体に教育してあげなくっちゃね・・・・」
そう言って控え室で準備していたのは、あの大池栄子だった。
そして、試合を終えた筈の左藤江梨子も試合の準備をしていると、2人はあの黄色いタクシーの社長、野多から何やら言われていた。
「ふふふっ・・・今夜はあの河村に、この世界・・・いやウチの事務所の怖さを教え込んでやれ・・・。幸い、謹慎中って言ってあるし、ケガをさせてもいいし、虐めまくってもいいしな・・・・」
その野多の言葉に、栄子と江梨子はニヤリとしていった。
一方、半強制的に地下リングに出される事になった河村亜紀は、無理矢理に白いビキニ姿に白いリングシューズと言う格好にされ、嫌がる中をリングに向かって連れて行かれていた。
「イヤよ・・・何で私が・・・制裁みたいな・・・」
始まる前から怯えた様子の亜紀。しかし両腕を黒服に掴まれてリングに上げられていった。
先程までは金網戦が続いたが、金網が取られて普通の地下リングになっていたが、コーナーに立つ亜紀の姿が哀れにも見えていた。
その亜紀の待つリングに、黒い胸元の開いたワンピース水着姿の栄子と江梨子が姿を現していった。
そして、選手が揃うと特別レフリーとして、何と野多社長がレフリーの格好になっていた。
『第7試合・・・黄色いタクシー特別マッチ・・・時間無制限変則マッチ!』
そのコールに、観客たちも驚きの表情を浮かべていたが、リングアナのコールが続いていった。
『青コーナー・・・河村〜亜紀〜っ!』
そのコールに、白いビキニ姿の亜紀が寂しげな表情を浮かべてコーナーに立っていた。
『赤コーナー・・・大池〜栄子〜っ!・・・左藤〜江梨子〜っ!』
そのコールに、栄子と江梨子が笑みを浮かべていたが、栄子がマイクを要求していった。
「カチッ・・・・」
マイクの音が入ると、栄子が反対コーナーの亜紀に詰め寄っていった。
「オマエさぁ・・・自分の人気とか解ってるわけ?・・・今夜は、それを身体に叩き込んでやるから・・・覚悟しろ?」
その栄子の言葉に続いて、江梨子も言い出す。
「あのさぁ・・・何か勘違いしてるわけ?・・・バラエティでもプロレスもイヤだとか言って、私たちだけだし、身体張るのは水着だけ?・・・甘いのよねぇぇ・・・」
更に栄子が続けた。
「私が弱肉強食って言うのを教えてあげるわ・・・その可愛いビキニを引きちぎって・・・ストリップもいいかもね・・・」
その2人の言葉に、亜紀は何も言い返さなかったが、もう既にドミネートマッチだと言う事は解りきっていた。
「・・・・・・・」
2人の圧力・・・そして恐怖心に黙り込む亜紀。
すると、野多社長がゴングを要請していった。
『カァーン!!』
そしてゴングが鳴らされると、まずは栄子が亜紀に迫っていった。
体格的にも亜紀が不利なのは明らかだったが、亜紀も距離を置くようにして睨み合った。
栄子もプロレスの実力は凄いものだが、亜紀も地下プロレスではジュニアヘビー級としては弱くはない実力の持ち主だった。
バンッ・・・
いきなり踏み込む音がリングに響くと、亜紀と栄子が組み合って、力を比べ合っているような展開になっていった。
だが、当然の事ながら亜紀がロープに押されていくと、いきなり亜紀のバストに向かって栄子の水平チョップが炸裂していった。
バシィィィ・・・・
「ぐうっ・・・・・」
自慢の胸を攻められて、苦悶の表情を浮かべる亜紀。
しかし、負けずに蹴りを出していくと、栄子が怒りだしていった。
「生意気なんだよぉぉぉぉ・・・・」
栄子の叫び声と共に、亜紀はヘアーホイップでマットに倒されていくと、またもバストに対してストンピングを叩き込まれていった。
グシュ・・・バシッ・・・
「あんっ・・・イタッ・・・ああっ・・・・」
胸を蹴りこまれて悶える亜紀。
その頃、コーナーでは江梨子に野多社長が耳打ちしていた・・・。
(いいか・・・簡単に試合を終わらすんじゃないぞ・・・。アイツにはタップリと地獄を見せてやれ!)
その野多社長の言葉に江梨子も頷く。
すると、コーナーから江梨子が栄子にタッチを求めていった。
「栄子っ・・・タッチ・・・タッチよ!」
その江梨子の言葉に、栄子が亜紀を倒したままタッチに行くと、江梨子が囁いた。
「栄子っ・・社長から徹底的に痛めつけて、簡単には終わらすなって・・・」
その江梨子の言葉に、栄子もニヤリとしていった。
「いいわよ、許可が出たなら怖い物はないわね。アイツ、何かムカつくからやっちゃおうよ!」
すると、江梨子がリングに入って、亜紀も立ち上がって江梨子を見つめた。
バシィィィ・・・
いきなり江梨子の強烈な張り手が亜紀の頬を襲うと、亜紀の目に涙が浮かびだした。
だが、負けずにと身長差も気にせずに張り手を返すと、またも江梨子が張り手を入れていった。
バシィィィ・・・
江梨子の反撃に、亜紀の動きが鈍っていくと、更に江梨子が左右の張り手で亜紀をロープに追い込んでいった。
必死になってガードしようとする亜紀だが、もう涙目状態なのは観客からも見えていた。
グイッ・・・
「あうっ・・・・」
更に江梨子は亜紀の髪を鷲掴みにすると、そのままヘアーホイップでマットに叩き付けてから、亜紀のバストを踏み付けていった。
グイグイッ・・・
「ああっ・・・イヤッ・・・痛いぃぃ・・・・ああんっ・・・・」
堪らず両足をジタバタして、手は江梨子の足に添えながら悲鳴をあげる亜紀。
その光景に、コーナーでは栄子が観客を煽るように両手を頭上に挙げると、拍手を煽っていった。
すると、栄子がコーナーでヒザを出すと、江梨子が亜紀を起こしてコーナーに連れて行くと、その栄子のヒザに顔面を叩き付けていった。
バキィィィ・・・・
「ぎゃああぁぁぁ・・・・・」
またもリングに響き渡る亜紀の悲鳴。
亜紀は顔面への衝撃に、グッタリとしてコーナーに寄りかかるようにして座り込んでいった。
額をコーナーに押しつけて座り込む亜紀。
だが、そんな事には構わず、栄子が江梨子とタッチすると、亜紀の背中に容赦なくストンピングを叩き込むと、亜紀は両手でロープを掴みながら悲鳴をあげていた。
ドカッ・・・バシッ・・・
「いやあぁぁぁ・・・・・・んああぁぁぁぁ・・・・・」
背中を蹴りこまれる度に、自慢の86pのEカップのバストを揺らしながら悲鳴をあげる亜紀。
グイッ・・・
更に亜紀の髪を掴むと、リングに倒していく栄子。
そして、倒れた亜紀を俯せにすると、一気にキャメルクラッチを仕掛けていった。
グググッ・・・
「うぐぐっ・・・ううっ・・・」
顎に手を掛けられて反らされている亜紀は、満足に悲鳴をあげる事も出来ず、ただ両足をジタバタさせるだけだった。
その亜紀に向かって、今度は江梨子が乱入していくと、栄子と合図をしてから揺れる胸に対して、ノーガードキックを叩き込んでいった。
バシィィィ・・・・
あまりの衝撃に、亜紀は一瞬呼吸も出来ずに苦悶の表情を浮かべると、栄子は放さずに江梨子に蹴りを要求した。
バシィィィ・・・・
更にもう一発蹴りが決まると、栄子が放した瞬間に亜紀はグッタリとマットに倒れた状態になっていった。
すると、栄子が江梨子に合図をすると、仰向けにしてから亜紀をコーナーポスト近くに寝かせた状態にすると、2人は場外に降りていった。
「ふふふっ・・・これは痛そうよね・・・江梨子!」
そう言うと、栄子と江梨子が亜紀の足を片方ずつ掴むと、股間を鉄柱に叩き付ける準備をしていった。
これには亜紀も怯え出す。
「ひ、酷い・・・やめて・・・2人で急所攻撃だなんて・・・」
その亜紀に向かって栄子がニヤリとしながら言い放つ。
「プロレス的な反則、いいでしょう?・・・女だからって恥骨直撃は効くわよ・・・亜紀っ!」
すると、栄子と江梨子の身体に力が入って、そして亜紀の足が引かれていった・・・。
ゴッキーン!!
「ふぎゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・」
次の瞬間、亜紀の股間が鉄柱に叩き付けられていった。そして亜紀は変な悲鳴をあげていくが、栄子と江梨子は構わず股間を叩き付けていく。
ゴッキーン!!
「うぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
このあまりに残酷な亜紀への仕打ちに、観客席からはブーイングがおきていった。
『やめろよ〜!亜紀ちゃんが可哀相だぁぁぁ・・・・』
『ブスのクセに調子に乗るなぁぁぁぁ・・・・大池ぇぇぇぇ・・・いや、オバキュー!』
色々な罵声の中、栄子はそれも応援の一種と思ってか、ニヤリとしながらリングに戻っていった。
すると、意識を朦朧とさせているような亜紀を起こすと、トップロープとセカンドロープに両腕を絡ませてから、逃げることの出来ない亜紀に対してお腹へパンチを叩き込んでいった。
バシッ・・・
「ぐふっ・・・」
栄子の拳がめり込むと、亜紀は咳き込みながら苦しんでいた。
更に、エプロンサイドから江梨子が迫ると、亜紀のビキニブラジャーのホックを外すと、トップレス状態にしていくのであった。
「いやっ・・・やめて・・・・」
トップレス状態にされて、必死になって逃げようとする亜紀。しかし栄子と江梨子がそれを許さなかった。
背後からは江梨子が亜紀の首に剥ぎ取ったビキニを巻き付けて、前からはお腹へパンチを続けて叩き込む栄子。
まさに地獄状態の亜紀。
「そうだ・・・江梨子さぁ・・・亜紀の胸って結構いい形してるでしょ?・・・だから・・・」
その言葉に、江梨子が驚きの表情を浮かべるが、栄子の言うようにと亜紀をロープから放していく。
すると、リング内の栄子が亜紀の髪と腕を掴むと、亜紀の胸がトップロープに当たるようにして押しつけていった。
グニュ・・・
「ううっ・・・・いやっ・・やめて・・・お願い・・・」
ロープに胸を押し当てられ、これから何をされるのか悟った亜紀は、栄子に向かってやめてくださいとばかりに哀願していった。
しかし・・・。
ギュギュギュ・・・・・
「うぎゃああああぁぁぁぁぁ・・・・・・・胸が・・・胸が焼けちゃうぅぅぅぅぅ・・・・許してぇぇぇぇぇぇ・・・・」
そう、栄子が思いっきり亜紀の乳房をロープに押しつけていくと、一気に擦り付けていったのだった。
ワイヤーを覆うゴムが容赦なく亜紀の柔肌を襲っていく・・・。
その摩擦熱の前に、亜紀の白い乳房には何本もの太いロープの痕が浮かび上がっていた。
「江梨子、今度はさぁ・・・蹴りの練習しようよ!」
栄子がニヤリとしていくと、コーナーに亜紀を押し込んでから、江梨子に背後から固定させていった。
「ううっ・・・・」
江梨子に背後から固定されて、逃げることが出来ない亜紀。
その亜紀に、栄子が反対コーナーに向かうと、一気に走り込んでから、亜紀のお腹へ串刺しのニーアタックを叩き込んでいった。
グシュ・・・・
「ぐぶっ・・・オエえぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・」
栄子のヒザが亜紀のお腹に食い込むと、一瞬間を置いてから亜紀の口から激しく反吐が噴き出していった。
目の前に反吐を吐き出す亜紀は、江梨子に背後から固定されてダウンする事も出来ず、虚ろな目で前を見ていた。
「ふふふっ・・・もう一発叩き込んであげようか?」
足元の反吐にも構わず、栄子は亜紀の髪を掴んで言い放つと、亜紀は虚ろな目をしながら言い返した。
「ううっ・・・勝手にすれば・・・いいでしょ・・・。垂れパイの大池さん・・・」
そう言うと、栄子の表情が変わっていった。
「なっ・・何ですって・・・この売れないグラビアタレントのクセに!」
そう言うと、コーナーの亜紀のお腹目掛けてヒザ蹴りを何度も叩き込むと、亜紀は口から反吐が出なくなると、胃液のような物を垂れ流していた。
「ねぇ・・・栄子さぁ・・・ももういいんじゃないの?」
流石の江梨子もやりすぎじゃあないかと思うと、栄子にそろそろ止めようと言い出した。
だが、栄子の気が済んでいないのか、狂気を帯びた栄子の攻めは続けられていった。
このリング上の光景に、観客達は大きなブーイングを出すが、レフリーも野多社長だし試合は止まる気配は無かった。
だが、その一方で次の試合に出る予定の長谷河京子と、セコンドにつくはずだった秦野浩子の耳に、会場からのブーイングなどの声が聞こえていた。
「ねぇ・・何か凄いブーイングみたいだけど・・・」
浩子が気にし始めると、京子と共に会場内を見に行った。
すると、リング上では失神状態の亜紀が痛めつけられて、それを見つめる観客達からは試合を止めろとばかりにブーイングが起きている光景が広がっていた。
「ねぇ・・・京子・・・」
浩子がリング上の残酷な光景に、京子にどうしようかと言い出すと、既に京子はリングサイドに向かっていた。
更には亜紀は全裸状態で倒されると、レフリーのはずの野多社長が亜紀の顔面を踏み付けながら言い出した。
「いいか・・・俺様に逆らったらどうなるか・・・ペッ・・・」
亜紀の身体に唾まで吐きかける野多社長。
その行為に、観客席は暴動寸前みたいな状態になっていると、突然リング上にひとつの影が入っていった・・。
バキッ・・・
「ぐわああぁぁぁぁ・・・・・」
突然股間を押さえ込んで倒れ込んで悶絶する野多社長。
そう、背後から京子が股間へ前蹴りを叩き込んだのだった。
「何だよ、オマエは!」
その京子に対して栄子が言い放つ。
「オマエって・・・こんな酷い事をしていいと思ってるの?・・・シングルならシングルで仕方ないけど、3対1なんて酷すぎるでしょ!」
目の前の栄子に言い放つ京子だが、江梨子は黙ったまま様子を見ていた。
「関係ないんだよ・・・この世界は弱肉強食・・・。それならオマエもブチ殺してやろうか?」
今度は京子に毒づく栄子。
その隙に、浩子が全裸状態の亜紀をリング下に降ろしていくと、京子は黒服にマイクを要求していった。
「大池さん・・・だったら次の大会で試合で決着をつけない?」
その京子のマイクアピールに対して、栄子も返した。
「何でアンタと試合なんかしなきゃいけないのよ・・・。だいたい、私に勝てると思っている訳?」
あくまで強気な栄子。
その2人の間に、不穏な空気が立ちこめていくと、ここで股間蹴りに悶絶していた野多社長がフラつきながら立ち上がると、京子に言い放っていった。
「ううっ・・・だったら・・・次回大会で最高の決着の場を作ってやるから・・・いいか、逃げるなよ!・・・まぁ、その前に今夜はウチの矢幡との試合だろう・・・それを見てからだっ!」
野多社長も必死になりながら京子に言い放つと、今大会で京子が試合相手として予定していた、矢幡悦子との試合を見てからだと言う感じで言い放つと、栄子と江梨子に肩を借りながらリングを降りると、控え室に引き揚げていった。
この状態に、謎の男は指示を出していくと、ノーコンテスト無効試合扱いにされていった。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの乱打される中、京子は今夜の試合の為にと控え室に戻っていくのであった・・・。
果たして、今夜の黄色いタクシー軍団との一戦、京子はどう出るのか・・・。



第8試合

急遽試合順が変わった事で、ここで準備されていったのは、あの沖菜恵にジュニアヘビー級タイトルを挑戦させてほしいと言い続けている太谷みつほだった。
格闘技好きなみつほは、今まで強い相手と試合がしたいと言い続けていたが、不甲斐ない相手を当てられたりすると、その度にリングで暴れていたが、今夜は大物が相手と聞いて、みつほもやる気を出していた・・・。
そう・・・その対戦相手とは・・・。
「遂に認めてくれたんだ・・・。あの藤原さんと試合なんて・・・」
そう、控え室で喜びの表情を浮かべているみつほの対戦相手は、久しぶりの登場だが藤原紀華だった。
最近は売れている為とは言え、地下リング登場が少なくなっていた紀華だったが、復帰戦みたいなもので、みつほとのカードが組まれたのだった。
やる気のあるみつほは、白いスポーツビキニに足にはレガースを着ける気合いの入れようだった。
一方、久しぶりの地下リング登場の紀華は、みつほと同じく白い水着だったが、競泳水着みたいな水着だった。
「久しぶりの地下プロレスのリング・・・」
紀華も久しぶりの地下リングに緊張している様子だったが、試合の時間となってリングに向かう紀華とみつほ。
紀華がリングに上がると、競泳水着タイプとは言え、T171B88W60H89のサイズの身体は見事なラインを作り出していた。
また、そのスタイルの良さに観客達も見とれている様子だった。
一方、スレンダータイプのみつほは、T158B80W56H81の身体をスポーツビキニと言う格好だが、鍛えられている腹筋が注目されていた。
そこへ、リングアナが登場して早くもコールを始めていった・・・。
『第8試合・・・太谷みつほのチャレンジマッチ!・・・青コーナー〜太谷〜みつほ〜っ!』
チャレンジマッチと言われる試合だが、みつほは臆することなくコーナーから踏み出すと、観客達に一礼をしていった。
『赤コーナー〜藤原〜紀華〜っ!』
そして紀華がコールを受けると、貫禄のある堂々とした振る舞いで観客席に頭を下げると、コーナーに戻ってみつほを睨み付けた。
レフリーがボディチェックをする為にリング中央に招くと、レフリーのチェックの最中にも紀華とみつほは視線を合わせて睨み合っていた。
身長差もあるし、肉付きにも差がある2人。しかしみつほも大物食いを狙っているようだった。
そして、ボディチェックが終わると、2人は握手を交わしてから各のコーナーに戻っていった・・・。
『カァーン!!』
すると丁度良いタイミングでゴングが鳴らされると、みつほがコーナーから勢いよく飛び出していった。
だが、紀華はゆっくりとコーナーから歩き出すと、2人は距離を置いて構えていた。
紀華からすると、久しぶりの感触と試合感を取り戻すのと、みつほの出方を探る感じのスタートだった。
だが、一方のみつほは紀華の実力を知っているので、果敢にも踏み込んでローキックを叩き込んでいった。
バシィィ・・・
みつほのローキックに、驚いた表情を浮かべる紀華。
ジュニア体型のみつほが、意外に効くローキックを打ってきた事にだろうか・・・。
更にみつほが距離を置くと、またもローキックで攻めていくと、紀華もローキックを返していった。
バシィィィ・・・・
「んあっ・・・・」
初めて味わう強烈なローキックの洗礼に、みつほはフラつくが構えて距離を置こうとしていた。
すると、紀華が一気に左右の大振りな掌底でみつほの顔面に襲いかかると、みつほは必死にガードを上げて対応するが、そのみつほの反応に紀華が時折ボディにも打ち込むと、決まる度にみつほが苦悶の表情を浮かべていった。
必死にローキックを返そうとするみつほ。だが体格差と勢いからコーナーに追い込まれると、首相撲を決められてから、一気にヒザ蹴りを叩き込まれていった。
バキッ・・・
「ぐふっ・・・」
早くも胸へのヒザ蹴りの前にダウン寸前になるみつほ。だがここで倒れてはと踏ん張ると、蹴りに来る紀華のヒザをキャッチすると、倒しに掛かっていった。
当然、紀華も倒れないように踏ん張ると、その縺れ合う状態にレフリーが割ってはいると、距離を置くためとブレークを命じていった。
『ブレークっ!』
そのレフリーの指示に紀華が離れると、みつほはビキニを直す仕草をしてから構えていった。
すると、今度はみつほが果敢にもタックルを狙っていくと、紀華も冷静にタックルを潰すと、まるで闘牛士のようにみつほの勢いを流していった。
二度三度狙っていくみつほ。しかし紀華がその度に流していくと、意外な展開になっていった。
バシィィィ・・・・
「イタアァァァ・・・・・」
いきなりリングに響く紀華の悲鳴。そう、みつほがタックルと見せかけて低空のドロップキックを紀華のヒザに叩き込んだのだった。
ヒザを気にしてフラつく紀華。その紀華に対してみつほは立ち上がると、続けてドロップキックを放つと、倒れ込む紀華を見つめた。その意外な展開に対して、観客席からも拍手がおきていた。
そして、立ち上がる紀華に対して、みつほが勢いよく飛び込んでからのタックルを仕掛けると、今度は紀華を倒す事が出来た。
仰向け状態に倒れる紀華に対して、マウントポジションを取ろうとするみつほ。
だが、紀華も簡単に許さずにみつほの脇腹に対して両足で挟み込むと、ガードポジションを取っていった。
その紀華の出方に対して、みつほもヒザをマットに着けていくと、紀華の次の出方を見ていた。
だが、この対応は、下から身体を両足で挟み込み、そして下半身を浮かせている紀華のスタミナを奪っていくのには有効だった。
だが、それは紀華のブランクと最近のトレーニング不足から気にしている所でもあり、一気にみつほを倒しに掛かると、倒れたみつほに覆い被さろうとしていった。
だが、体制を入れ替えられたからと、みつほもロープに手を伸ばすと、ここでレフリーがロープブレークを命じていった。
レフリーの指示に立ち上がるみつほ。一方、少し息が上がっている様子の紀華。
『ファイト!』
しかしレフリーの続行の指示がされると、みつほは距離を詰めていった。
すると、素早いミドルキックをみつほが放つと、それが紀華の脇腹を抉った。
バシィィィ・・・
「うっ・・・・」
みつほの蹴りに、動きが止まる紀華。
すると、みつほが一気に身長差も関係なしとばかりに紀華の両頬に掌打を叩き込むと、意外だがコーナーまで追い込んでいった。
バキッ・・・バシッ・・・
音を立てて決まるみつほの掌打に堪らずガードしていく紀華。
時折紀華もヒザ蹴りで反撃をするが、今度は十字受けみたいにしてみつほがガードすると、逆にコーナーへの串刺しのニーアタックを入れていった。
グシュ・・・
「うぐうっ・・・」
このみつほの鋭い一撃に、紀華が苦悶の表情を浮かべてコーナーに座り込むと、みつほは構わず紀華の顔面に蹴りを叩き込んでいった。
バシィィィ・・・・・
「いやああぁ・・・・・」
堪らず悲鳴をあげて倒れ込む紀華は、そのまま転がるようにしてリング下に落ちていった。
リング下で顔面を押さえて痛がる紀華。ジュニア体型とは言え、紀華と違い芸能活動も少ないみつほは、トレーニングに当てられる時間も多いのか、蹴りも意外な威力を持っているようだった。
リング下でインターバルをとる紀華だが、立ち上がると叩かれた顔などを気にしながらリングサイドを歩いては、リング上のみつほを見つめた。
既に白い水着にも汗が浮かび上がっているみつほと紀華。
そしてみつほの出方を伺いながら紀華がエプロンサイドに上がると、みつほはロープ越しには手を出さず、そのまま紀華がリングに戻るのを見つめていた。
そして距離を置くみつほと紀華。今度は紀華が試合の主導権を握ろうと、先に体格をいかして掌打で牽制してから、ローキックを叩き込んでいくと、みつほも痛そうな表情を浮かべて退いていった。
すると、勝負を賭けたように踏み込んでハイキックを叩き込むと、これはみつほが間一髪避けると、そのままタックルのように組み付いていった。
だが、これには紀華も上手く反応してフロントスリーパーに捉えると、そのまま締め上げていった。
グググッ・・・
紀華に首筋を締められて、みつほが逃げようとして押していくと、紀華も踏ん張るようにして極めていった。
ここで試合が終わるかと誰もが思う中、みつほは必死に左右に振ったりして逃げようとすると、汗のせいで紀華の腕が滑ると、ヒザ蹴りから脱出していった。
この瞬間、みつほの根性に観客たちから拍手が出ていった。
しかし、今の踏ん張りでみつほもスタミナを使っているようで、呼吸が荒くなっていた。
そのみつほに休む間も与えないようにと、紀華も踏ん張って掌打を叩き込むと、みつほも打ち返して壮絶な掌打合戦が始まっていった。
バシッ・・・バシィィィ・・・
お互いが退かないと、みつほは口の中を切ったのか、口から血を滴らせていた。
だが退かずに掌打を返していくみつほ。何としても紀華に勝利したいと言う表れだろうか。
すると、みつほの拳が水着に包まれた紀華の乳房を抉ると、一瞬呼吸が苦しくなって動きの鈍る紀華。
グシュ・・・
「うぐっ・・・」
その紀華に対して、みつほのローキックからミドルキックが決まっていくと、紀華が堪らずガードしようと必死になった。
バシィィィ・・・・
更に足を狙って、身長差をカバーしようと崩しにかかるようにして、みつほはローキック狙いで攻めていくと、紀華がフラつくながらロープ近くに逃げていった。
すると、そのバランスを崩した紀華の顔面へ、踏み込んでの強烈なハイキックを叩き込むみつほ。
バシィィィ・・・・
「ぶへえっ・・・・ああっ・・・」
口から涎の飛沫を飛ばしながら倒れ込む紀華。今の一撃は相当効いている様子で、倒れてからロープに手を伸ばすが、立ち上がれない様子だった。
続けてみつほが紀華を俯せにしていくと、背中に座り込んでから一気に顎に手を掛けて、キャメルクラッチで攻め立てた。
グググッ・・・
「うぐぐっ・・・・」
両足をバタバタさせて苦しむ紀華。ブランクがあるとは言え、格下と思われた相手から攻められて、紀華自身も悔しい思いをしているはずであった。
「ギブ?・・・ギブアップ?」
そして攻め込むみつほは、紀華の顎を揺さぶりながらギブアップを促すが、紀華は必死になって耐えていた。
みつほが攻め込むが、紀華も必死になってロープに逃げようと、身体を動かしていくと、何とかロープに逃げる事が出来た。
『ブレークっ!』
レフリーの指示でみつほが放すと、紀華は息を荒げてマットに倒れていた。
みつほが立ち上がると、その倒れている紀華に向かって構えていた。
しかし立ち上がらない紀華に対して、背中に容赦なくストンピングを叩き込むと、今度は両足を掴んでインディアンデスロックを仕掛けていった。
だが、これには紀華が必死になってロープに逃げ込むと、またもブレークの指示がレフリーから発せられていった。
仕方なくみつほが放すと、紀華は堪らずリング下に逃げるように降りていくと、近くにあったミネラルウォーターのペットボトルを手にすると、それを口に入れていった。
相当辛そうな表情を浮かべている紀華。久しぶりの地下プロレスのリング登場だが、紀華の珍しいシーンに観客たちもまさかと思い出していた。
一方みつほもリング上で、口の中を気にしてか黒服にペットボトルを要求すると、その水で口の中をさっぱりさせていた。
水を飲むことにより、紀華の身体からは大量の汗が流れ出すと、その汗がスポットライトでキラキラと輝いて見えていた。
そして時間が経っていくと、紀華もタイミングを見てリングインすると、みつほと向かい合っていった。
だが、明らかに紀華の表情には疲労の色が見えていたが、みつほは汗は流しているが、紀華ほどの疲れは見せていなかった。
その紀華の疲れを見てか、みつほは軽いフットワークから、ジャブ気味にパンチを放つと、紀華も負けじとローキックから反撃していった。
バキッ・・・バシィィィ・・・・
お互いが引かずにパンチ・キックとやり合うと、今度は紀華が踏み込んでの掌打をみつほの顔面に叩き込んでいった。
バキィィィ・・・・
「んわっ・・・・・」
その一撃に、みつほは鼻から大量の出血をして倒れ込むと、紀華も追い込むようにストンピングで追い込んでいった。
だが、流血するみつほも意地になって下から紀華の蹴り足に両足を絡ませていくと、バランスを崩して倒してからヒールホールドでガッチリと固めていった。
グイッ・・・
「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
堪らず悲鳴をあげて痛がる紀華。まさかの反撃に驚いて、急いでロープに手を伸ばすが、今度はなかなか届かなかった。
すると、みつほが一気に放すと、今度は足を掴んでから一気に反転して、エグイ角度の逆片エビ固めを極めていった。
グググッ・・・
「うわあぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・ああっ・・・・」
紀華の長い脚がみつほの首に巻き付くようにして、みつほに極められていく。
すると、全身に流れる激痛に紀華の悲鳴がリングに響き渡ると、レフリーも紀華の痛がりようにギブアップの確認をしていった。
だが、紀華は必死になって耐えると、みつほも攻めていく。
そろそろ勝負をと思うみつほも、これでフィニッシュとばかりに攻め込むが、紀華が意地になって歯を食いしばると、汗で滑ってみつほが技を解いてしまった・・・。
すると、紀華が激しく呼吸をしながら俯せ状態で苦しむと、みつほは勝負はあったと余裕の表情を浮かべだした。
この光景に、観客達もみつほの勝利かと思い出すと、みつほもそんな観客に向かってアピールすると、紀華の髪の毛を鷲掴みにして起こしていった。
だが、身体の大きさではみつほより大きいため、簡単には起こせないと、紀華が膝をつく状態に起こされていった。
(あ・・あの藤原紀華先輩を・・・倒せる・・・)
苦しそうな表情で目の前にヒザをつく紀華を見て、みつほも自分の強さに酔ってきたのか、ここで空いている手を握りしめると、フラフラ状態の紀華の額に叩き付けていった。
バキィィィ・・・・
「んあああぁ・・・・」
額を殴られて、悲鳴をあげる紀華。
しかし下からみつほのお腹にパンチを入れると、みつほも苦悶の表情を浮かべていた。
だが、腹筋を鍛えていると言う自信からも耐えると、またも殴りつけていくと、紀華も殴り返すが、もうダウン寸前と言う感じだった。
すると、みつほも油断している様子から、紀華が意外な行動に出た。
(意外とやるじゃないの・・・この娘。・・・でも詰めが甘いわね・・・だったら・・・)
紀華が何かを狙っている様子だったが、みつほは髪を掴んだまま観客にアピールしていくと、何かを仕掛けようとした。
だが、そのみつほの動きより先に、紀華が立ち上がりざまに、油断していたみつほの顎を下から強烈に掌打のアッパーで打ち抜いていった・・・・。
バキィィィィ・・・・・
「ぶふうぅぅぅぅぅぅぅ・・・・・・」
次の瞬間、みつほの口から血飛沫が舞い上がると、そのまま大の字になってダウンしていった。
仰向け状態で倒れているみつほ。完全に決まったようで、みつほの身体がピクピクとしていると、紀華がゆっくりとみつほの身体に覆い被さると、フォールしていった。
『ワン・・・ツー・・・・スリ・・・・・』
しかし、意識を朦朧とさせても肩を上げていくみつほ。
この動きには紀華も観客達も驚いていた。だが、紀華は容赦しなかった。続けてスタミナが切れる前にと倒れ込むみつほに、覆い被さった状態から、一気に首固めを極めていった。
グイッ・・・
みつほの後頭部を両手で押さえて、まるでみつほが自らの胸を見る形に首を極められると、みつほは身体に力を入れられずに藻掻き苦しむが、逃げられないとばかりにタップしていった。
『カンカンカンカン・・・』
ここでレフリーがゴングを要請すると、みつほのギブアップにより紀華の勝利が決まっていった。
しかし、試合が終わっても紀華は苦しそうにして立ち上がれず、みつほも首を痛めたのか首をしばらく押さえ込むと、フラフラしながらも立ち上がっていった。
『ただ今の試合、藤原紀華の首固めにより、藤原紀華の勝ちとなりました!』
勝利のコールが響くが、まだ立ち上がれない紀華。
その光景に、観客達は試合に負けても、ここまで紀華を追いつめたみつほに対しても歓声が上がっていった。
そして、紀華も立ち上がると、そのみつほの腕を掴んで高々と挙げると、観客席に向かって拍手を要求していった。
沢山の拍手の中、紀華に対してみつほが頭を下げると、紀華が一言呟いた。
「いい試合だったわ・・・。強いのね、太谷さん。・・・ジュニアヘビー級タイトル・・・挑戦出来るといいね・・・」
その紀華の言葉に、みつほは笑みを浮かべて答えた。
「あ、ありがとうございました・・・。今日の試合でまた練習しなきゃいけない所が見えてきました。・・・絶対・・・絶対にベルトを獲りにいきます・・・」
こうして、みつほのチャレンジマッチは終わりを告げていった。
果たして、みつほのジュニアヘビー級タイトルへの挑戦は実現するのか?



第9試合

「必ず・・・試合を速攻で決めてアピールしてあげるわ・・・」
控え室で、試合を待っていたのは長谷河京子だった。
先程の河村亜紀への黄色いタクシー軍団の制裁に対して、秦野浩子と乱入、そして今夜黄色いタクシー軍団の一員との対決と言う事で、京子としては大池栄子との試合に対する布石としての意味合いがある、重要な試合でもあった。
白い競泳用水着に白いリングシューズ姿で、早くも準備を整えると、スポーツドリンクを口に入れて時間を待った。
そして、京子と闘うのは黄色いタクシーの中でも、ヒール的ではないが巨乳グラビアアイドルとして売りだしている矢幡悦子だった。
「いいか・・・この試合はなぁ、うちにとって大事な試合だ。解っているな?」
控え室では、早くも野多社長に激を飛ばされる悦子の姿があった。
胸元の開いた黒いスポーツビキニ姿の悦子は、社長に言われてはと聞き入っていた。
そして時間となると、悦子は控え室からリングに向かっていったが、野多社長が誰かに携帯電話で連絡をしていた・・・。
「・・・うむ・・・そうだ・・。矢幡じゃあ荷が重いかも知れないからな・・・保険の意味もあるし・・・」
そんな中、試合の時間が迫ると京子もリングに向かうと、早くも黄色いタクシー軍団の一員である悦子を睨み付けていた。
T163B89W59H87と言う見事な身体つきの悦子。
一方、白い水着にT166B80W55H82を包み込む京子。
そこへリングアナからコールを始めていった・・・。
『第9試合を行います!・・・青コーナー〜・・・矢幡〜悦子〜っ!』
そのコールに、手を挙げてアピールする悦子だが、久しぶりの地下プロレスのリングに緊張している様子だった。
まして、大池栄子や河村亜紀の争いなどとは無縁だったが、同じ事務所と言う事で試合に出されていたのだから。
『赤コーナー〜・・・長谷河〜京子〜っ!』
そしてコールを受けると、悦子を見つめながら手を挙げていく京子。
そしてレフリーがボディチェックをするためと、リング中央に招くと、2人はレフリーを挟んで睨み合っていた。
沈黙の中、観客席からは歓声が上がるが、京子も悦子も黙ったままボディチェックを受けていた。
ボディチェックが終わると、2人は無言のままコーナーに戻ると、ゴングを待った。
『カァーン!!』
そしてゴングが鳴り響くと、京子と悦子がコーナーから出ていった・・・。
打撃系の選手のように構える京子。
一方、プロレススタイルで普通に近づく悦子。最近は地下プロレスにも出ていなかったので、悦子は京子のファイトスタイルを知らないのか、あまりにも無防備だった・・・その瞬間!
バシィィィ・・・・
「イタぁぁぁぁぁ・・・・」
そう、悦子が悲鳴をあげたのは、京子の鋭いローキックがヒザに叩き付けられたからだった。
「何よ、そんな事で悲鳴なんて上げないでよ!」
更に京子が、大池との関係からも怒っているのか、鋭いローキックを続けて叩き込んでいくと、悦子は悲鳴をあげてリングを逃げ回っていった。
その逃げ回る悦子に、京子が踏み込むと一気にミドルキックで脇腹を抉ると、悦子は苦悶の表情で脇腹を押さえて座り込んでしまった。
早くも勝負があった感のあるこの試合。
しかし京子は髪を掴んで起こしていくと、悦子と組み合っていった。
すると、悦子がプロレス的にヘッドロックで締め上げるが、京子は待ってましたとばかりに身体を密着させると、悦子にバックドロップで反撃し、後頭部からマットに叩き付けていった。
バシィィィィィ・・・・・・
この一撃に悦子が大の字状態でダウンしていると、続けて俯せ状態にして、急角度のキャメルクラッチで痛めつけていく京子。
完全にペースを握られて、悦子は堪らずギブアップしていった。
『カンカンカンカン・・・』
あまりにも速攻過ぎたこの試合。京子は立ち上がると、リングアナにマイクを要求していった。
「ちょっと・・・野多社長見てた?・・・こんな久しぶりにリングに上がる娘なんて出さないで、次回大会は大池栄子とシングル組んでよね!」
京子には珍しく感情を表してのマイクアピールに、野多社長がリングサイドに姿を現していった・・・。
「ふふふっ・・・オマエにウチの大池と闘う資格があればな・・・・ふふっ・・」
その野多社長の言葉にマイクを握る京子。しかし京子の背後から、何と栄子が乱入していった・・・。
バシィィィィ・・・・・
「あうっ・・・・」
「おらおらおらぁぁぁ・・・・・」
栄子の奇襲攻撃に倒れ込む京子。更に倒れた京子にストンピングを叩き込むと、他にも根元晴美まで乱入して、京子をストンピングで蹴りこんでいった。
2人かがりで蹴りこまれる京子。更には野多社長までリングに上がっていくと、そこには3人掛かりのリンチ現場と化していたリングがあった。
無惨にも全身を蹴りこまれていく京子。仲間の浩子はセコンドとして付いていなかった為、誰も救出に来なかったが、そこに意外にも堀越紀子が乱入してきた。
「何時までも汚い真似ばっかりするなよ!」
その声と共に、栄子を投げ飛ばすと、続けて晴美まで倒していく紀子。
すると、浩子まで会場に姿を現して、野多社長を蹴散らして京子を救い出していった。
「オマエさぁ・・・次の大会でヒーヒー言わしてやるよ・・・・」
青コーナー側に集まる黄色いタクシー軍団の栄子がマイクで叫ぶと、反対コーナーでも京子などが集まって、マイクを握った。
「いいわよ・・・。格闘技の番組で一緒だからって・・・容赦しないわ!」
その京子のアピールに観客達が歓声をあげると、紀子とも浩子たちがガッチリ握手すると、壕プロ軍団とも共闘かと言う図式になっていく地下プロレスのリング上。
「だったら次の試合・・・特別試合で勝負だよ!」
栄子は絶叫すると、マイクをマットに叩き付けてからリングを後にした。
その栄子たちの引き揚げるのを見て、京子たちも引き揚げていくのであったが、意外な展開になってきた地下プロレスであった。


第10試合

「何で14のガキと闘わなきゃいけないのよぉぉぉ・・・・」
控え室で怒りだしているのは、あの榎元加奈子だった。久しぶりの地下リングだが、今夜の対戦相手が、あの櫻木睦子と聞いて怒っている様子だった。
だが、地下プロレスでカードが組まれれば、それは断るわけにいかないので、加奈子は最近大きくなったと言われる胸を強調してか、胸の谷間を見せるかのような黒いワンピース水着を着て準備していた。
そして、今夜加奈子と闘う睦子も、別の控え室で準備をしていった。
前回、いきなり米蔵涼子と闘わされて、地下プロレスの恐怖を知った筈だったが、まだ地下プロレスはこんな物ではないとばかりに、加奈子との試合が組まれていった。
「今夜は、あの榎元加奈子さん・・・・。噂だと凶暴なファイトスタイルとか・・・どうしよう・・・」
白い競泳水着に着替えて、試合の時間が近づくと怯えた様な表情を浮かべる睦子。
ガチャ・・・
『時間だ・・・』
しかし黒服が向かえに来ると、睦子はリングに向かうのであった。
薄暗い廊下を歩いて、会場へと入ると、既にリング上では加奈子が腕組みをして睦子を待ちかまえていた。
睦子がキョロキョロと観客席などへ視線を移すと、反対コーナーからは加奈子が叫んでいた。
「今夜は覚悟しろよ・・・クソガキっ!」
その加奈子の挑発に黙って反応しない睦子。だが、その反応が加奈子を更に怒らせていった。
「何シカトしてるんだよ・・・ゴングが鳴ったら覚悟しろよ!」
だが、今度は睦子がコーナーに向かうようにして下を向くと、加奈子と視線が合わないようにしていった。
そんな中、リングアナがコールを始めていった・・・。
『第10試合・・・青コーナー〜・・・櫻木〜睦子〜っ!』
そのコールに、緊張した様子で手を挙げていく睦子。しかし足元は震えているようであった。
『赤コーナー〜・・・榎元〜加奈子〜っ!』
そして加奈子がコールされると、余裕を持ってコーナーからガッツポーズをしてアピールしていく加奈子。
早くも試合の展開は見えていたが、レフリーがいきなりゴングの要請をしていった。
『カァーン!!』
そしてゴングの音と同時に、睦子と加奈子がコーナーから飛び出していった。
T157B78W56H80の加奈子と、T156B76W58H80の睦子。体格的にはあまり変わらないように見えたが、キャリアでは加奈子が全然上であった。
距離を置いて睨み合う睦子と加奈子。
「来いよ!・・・クソガキっ・・・」
距離を置きながらも挑発していく加奈子。
「く・・・クソガキじゃあないです・・・」
その加奈子の挑発に言い返す睦子。そのリング上の展開に歓声がおきていた。
すると、加奈子が手を伸ばしていくと、睦子も嫌がるように抵抗して、水平チョップを加奈子の胸板に叩き込んだ。
バシッ・・・
「ぐっ・・・何よ、上等じゃないの?」
一瞬動きが止まった感じの加奈子。しかしすぐに怒りの表情に顔を変えると、逆に睦子の胸の近くの水着を握りしめると、片方の手で張り手を入れていった。
バシィィィ・・・・
「ぶふうっ・・・・・・」
口から涎の飛沫を上げてフラつく睦子。流石は貫禄の差であろうか?
すると、睦子も必死になって加奈子にタックルのように抱きつくと、スープレックスを狙ったのか投げようとするが、加奈子が足を絡めて倒れ込んでいった。
縺れて倒れ込む加奈子と睦子。すると、加奈子が睦子の腕をキャッチして、羽折固めを極めていった。
グイッ・・・・
「痛いぃぃぃ・・・・イタっ・・・・・」
堪らず悲鳴をあげる睦子。しかし加奈子はニヤリとしてから放すと、立ち上がり様に睦子にストンピングを叩き込むと、髪を鷲掴みにして起こしていった。
だが、睦子もお腹へパンチを入れたりして抵抗するが、そのパンチの抵抗すら加奈子の怒りを増していく元になっていった。
「生意気ねっ・・・」
加奈子がポツリと呟くと、そのままヘッドバッドを叩き込んでいった。
ゴキィィィィ・・・・・
「ひぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・あ、頭がぁぁぁぁ・・・・・」
初めて味わうヘッドバッドに、睦子は両手で頭を押さえて転がるように痛がっていった。
仕掛けた加奈子も苦しそうだったが、睦子の苦しむ様子に喜ぶようにして、ストンピングで追い込んでいった。
バシッ・・・バシッ・・・
「はうっ・・・・ううっ・・・・いやんっ・・・ああっ・・・」
加奈子のストンピングの前に悶え苦しむ睦子。だが、加奈子の攻めはこんな物では済まなかった。
グイッ・・・
「いくよぉぉぉぉ・・・・、このガキが泣き叫ぶ所でも見るんだよ!」
観客席にアピールするように睦子の髪を掴んで起こしていく加奈子。
そして、フラつく睦子の顔面をトップロープに押しつけると、そのままサミング攻撃のようにして、目の部分を擦り付けていった。
ギュギュ・・・ギュ・・・・
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・・熱いよぉぉぉぉぉ・・・・熱いぃぃぃぃぃ・・・・」
ロープを使った残酷なサミング攻撃に、睦子は絶叫して悲鳴をあげていた。
だが、その睦子の悲鳴に酔うようにして加奈子が攻めると、下を向く睦子のお腹へニーリフトを叩き込んだ。
ボフッ・・・
「ぐぶうっ・・・・・・ぶふっ・・・ぶっ・・・・」
加奈子のヒザの一撃に、睦子はその場に崩れ落ちると、ゲホゲホと咳き込みながら苦しんだ。
もう涙の浮かんでいる睦子の瞳。
「ほらほらっ・・・泣くのはまだ早いんじゃないのかしら・・・ふふっ・・・」
更に睦子を首投げで投げると、マットに座らせる体制の睦子に、首筋を爪を立てて握り締めてショルダークローで痛めつけていく加奈子。
グググッ・・・
「ぎゃああああぁぁぁぁぁ・・・・痛いぃぃぃぃ・・・・・いやああぁぁぁぁぁ・・・・・」
リング上では、加奈子に虐められて悲鳴をあげていく睦子。
「ほらほらっ・・・このまま失神させてやろうか・・・」
更に睦子を怯えさせるように囁く加奈子。
その加奈子の言葉に睦子は恐怖心を抱くと、両手をジタバタと振り出すと、偶然にも加奈子の水着に指が引っかかると、加奈子の決して大きくない乳房が胸の谷間から飛び出してしまった・・・。
「なっ・・・何するんだよぉぉぉぉ・・・・」
当然だが、気にしている胸を出されて怒り出す加奈子。
その加奈子の怒りを大きくするように、観客席からは笑い声まで飛び出していった。
『いいよぉぉぉ・・・櫻木っ!榎元の貧乳を拝ませてくれてありがとう・・・・ハハハハッ・・・・』
その観客席の笑い声に、加奈子は顔を赤らめて怒りだしていった・・・。
「オマエ・・・覚悟しろよ・・・」
すると、座り込む睦子を蹴飛ばしてリング下に落としていく加奈子。
そして、リング下に倒れる睦子の背中に、近くから持ち出したパイプ椅子を叩き付けると、動きの鈍くなった所を踏ん張ってのボディスラムで背中から叩き付けていった。
バシィィィ・・・・
「ひいぃぃぃぃ・・・・・」
リング下で背中の痛みに苦しむ睦子。だが、加奈子はエプロンサイドに上がると、素早く睦子の無防備なお腹へフットスタンプを叩き込んでいった。
グシュゥゥゥゥ・・・・
「オエェェェェェェ・・・・・・・」
この加奈子の一撃に、睦子は口から反吐を噴き上げると、ピクピクと身体を痙攣させていた。
「あらあら、アイドルちゃんがゲロなんて吐いちゃだめでしょ・・・仕方ないわねぇ・・・・」
ニヤニヤしながらペットボトルを握りしめる加奈子。そして睦子の顔面などに水を掛けると、睦子の吐き出した反吐などを洗い流していった。
水を掛けられて、その小さな胸などを隠していた白い競泳水着も透けてくると、睦子の胸には乳首らしい突起が浮かんできていた。
だが、フットスタンプのダメージで、そんな事も気にする事が出来ない睦子。
「ほらほらっ・・・今度はこうよ・・・」
すると、睦子を起こしてヘッドロックで攻める加奈子。
だが、ヘッドロックが目的ではなく、睦子の額を前に向かせると、そのまま走り込んで鉄柱攻撃をしていく加奈子。
ゴキィィィ・・・・
「ぎゃああああぁぁぁぁぁ・・・・・・」
額を鉄柱に叩き付けられて、大きな悲鳴をあげる睦子。
「ほらほらっ・・・もっとしてほしいんだろ?」
バキッ・・・バキッ・・・
「ぎゃあああぁぁぁぁ・・・・・いやあああぁぁぁ・・・・・」
更に鉄柱に顔面を叩き付けていくと、睦子の額が割れて少しずつ血が流れ出していた。
初めて味わう流血戦。
「ああっ・・・お、おでこが・・・あ、熱い・・・熱いぃぃぃ・・・」
割られた額を気にする睦子。そして手を当てると、自ら流した血が付着して、驚いて悲鳴をまたあげていた。
更に、何かを手にする加奈子。
そう、手には栓抜きのような物を持っていた。その栓抜きを睦子の傷口に叩き付けていく加奈子。
ガッ・・ガッ・・・
「いやああぁぁぁ・・・・・やめてぇぇぇぇぇ・・・・許してぇぇぇぇ・・・・・」
もう泣きながら悲鳴をあげていく睦子。次第に額から流れ落ちる血が、白い水着を赤く染めていった。
「ほらほらっ・・・赤い水着に染め直してやるよ・・・」
その加奈子の言葉に、もう睦子はギブアップを宣言していった・・・。
「ギブ・・・ギブアップです・・・もうやめてぇぇぇぇぇ・・・いやあぁぁぁぁぁ・・・・・」
だが、加奈子の口から出た言葉は・・・。
「甘いんだよ、場外でギブアップなんかあるか・・・ほらほらほらぁぁぁ・・・」
すると、その絶望感に襲われる睦子の首に、近くに置いてあった金属製チェーンを巻き付けると、それをリング上に上がってからトップロープに通していった。
ググッ・・・
「ううっ・・・ぐっ・・・・」
首に掛かるチェーンの苦しさに、睦子が藻掻くが加奈子が続けていくと、リング上から加奈子がチェーンを引いて完全な絞首刑の形となっていった。
グイッ・・・グググッ・・・
「うぐぐっ・・・ううっ・・・・」
泣きながらチェーンを掴んでいく睦子。リング下で倒れた状態から、膝をつく状態みたいになって藻掻き苦しんでいた。
「ほらほらっ・・・失神させてやるぅぅぅぅぅぅ・・・・・」
更にリング上からチェーンを引いていく加奈子。すると、ここで14歳の睦子には危険とばかりにレフリーが試合を止めていった。
『カンカンカンカン・・・』
突然のゴングの乱打に、加奈子は納得のいかない表情を浮かべると、リング下でグッタリとする睦子に近づいた。
「何だよ、だったらお返しだ・・・そらっ!」
すると、加奈子は半失神状態の睦子の水着の肩紐を掴むと、無理矢理に睦子の水着を脱がしていった。
そして、まだ発育途中の睦子の乳房を露わにすると、倒して乳房を踏み付けて観客席にガッツポーズをしていく加奈子。
「こんなガキのヌードで楽しむヤツは居るのかよ!・・・けっ、笑わしてくれるよ、まったく!」
すると、加奈子は睦子を虐め飽きたのか、そのまま花道に向かって歩き出すと、そのまま引き揚げていった。
一方、睦子は黒服たちによって担架が用意されると、その担架に乗せられて運ばれるが、額の傷は残らないようにと、リングドクターの西川綾子が応急処置をしながら運んでいった・・・。



第11試合

意外な試合が続く中、ここで今夜末広涼子を痛めつけた、今や地下プロレス界のトップヒールに近い存在、あのアリータ・アルバラードの保持するチャンピオンベルトに次回大会に挑戦する為、その挑戦者決定戦とも言える試合が組まれていった。
「私意外に誰が挑戦出来るって言うのよ・・・まったく・・・」
そう言って控え室で黒い競泳水着に着替えているのは、あの谷野アリーネだった。
T173B90W60H90の迫力ボディを水着に包むと、早くも試合の時間を楽しみにするような表情で待つアリーネ。
一方、そのアリーネと今夜闘うのは、あの売れ出している米蔵涼子だった。
「私だってタイトルが欲しいのよ・・・絶対にチャンスを活かすわ・・・」
T168B84W58H85と言う、元モデルの美しいプロポーションの涼子が、白い競泳水着に着替えて試合の準備をすると、気合いを入れるように打撃技のウォーミングアップをしていった。
ガチャ・・・・
そして各の控え室に黒服が迎えに行くと、気合い十分の涼子とアリーネが歩き出していった。
リング上に上がると、早くも睨み合う涼子とアリーネ。
その2人のいるリングに、リングアナよりこの試合についての説明が始まった・・・。
『第11試合について説明致します。この試合は次回大会で地下プロレスヘビー級タイトル挑戦者を決定するもので、勝者は次回大会で、現王者のアリータ・アルバラードに挑戦していただきます!』
そのコールに観客席が盛り上がると、続けてコールが始まった。
『では・・・第11試合・・・青コーナー〜、米蔵〜涼子〜っ!』
コールを受けると、長い髪を揺らしながら観客席に向かって頭を下げていく涼子。
『赤コーナー〜、谷野アリーネ〜っ!』
そしてアリーネがコールを受けると、観客席に向かってガッツポーズのようにしてアピールしていった。
レフリーによるボディチェックがされていくと、その間も睨み合う2人。
そして、チェックが終わるとコーナーに戻っていく涼子とアリーネ。
当然だが、試合に勝ちたいという気迫が2人の背中から伝わるような緊張感の漂うリング上。
そして・・・
『カァーン!!』
試合の開始を告げるゴングが鳴らされると、コーナーから涼子とアリーネが飛び出していった。
リング中央で、距離を置いて睨み合う2人。
お互いが相手の出方を見守るように手を出さない両者。
だが、最初に手を出したのはアリーネの方だった。
自慢の長い脚を利用してローキックを出していくと、涼子はギリギリで避けていった。
すると、今度は涼子がローキックを返すと、アリーネは避けずに足を浮かせると、涼子のローキックを受けていった。
バシィィィ・・・・
予想以上に威力のある涼子のローキックに、内心は驚くアリーネ。
だが、すぐにアリーネのボディブローが涼子のボディを抉り込むと、鍛えている腹筋だったがダメージを受けて退いていく涼子。
その隙を突いてアリーネが前に出ると、涼子も苦し紛れにタックルを仕掛けていくが、アリーネの腰も重く、倒すことが出来ずに抱き合う形でロープに縺れていった。
すると、お互いが手を出さない展開にレフリーが両者を分けると、アリーネと涼子が距離を置いて構えていった。
試合開始から緊張が続く試合展開。
今度は涼子が奇襲的にドロップキックを放つと、上手くアリーネのお腹に命中すると、アリーネは油断していたのか、お腹を押さえて倒れ込んだ。
そのアリーネに、涼子はストンピングで追い込んでいくと、アリーネも負けずに上手く足を絡めてカニ挟みのようにして涼子を俯せに倒していった。
バタッ・・・
「うっ・・・・」
その倒れた涼子の両足を押さえると、インディアンデスロックで攻め立てるアリーネ。
「ううっ・・・くうぅぅぅぅぅ・・・・・」
両足に走る激痛に、必死に耐えながらロープを目指す涼子。
グイッ・・・
『ロープ・・・ブレークっ!』
レフリーが涼子の手がロープを掴むと、アリーネにブレークを命じた。
すると、アリーネが技を解くと、そのまま立ち上がっていった。
涼子も立ち上がり様に、アリーネの必殺の打撃を受けるのではと警戒しながら立ち上がるが、アリーネは何も手を出さずにいると、またも距離を置いていく涼子とアリーネ。
すると、今度はアリーネが踏み込んでから涼子の頬に掌打を叩き込むと、涼子の口から赤い飛沫が飛んでいった・・・。
この一撃に、涼子の口の中が切れたらしいが、涼子は怯むどころか、逆に逆襲に転じていった。
「何するのよ・・・上等じゃないの!」
そう、大声で叫ぶとアリーネの頬に掌打を叩き込むと、続けて左右の掌打を放っていく涼子。
だが、打撃の得意なアリーネも負けずに返すと、ここで美女同士の激しい掌打合戦が始まっていった。
バシィィ・・・バシィィィ・・・・
お互いが引くことなく叩き合う凄まじい展開に、観客達も黙ったままリング上の展開を見守っていた。
すると、涼子の手数が少なくなると、アリーネが勝負を賭けてのミドルキックを叩き込むと、涼子の身体がくの字に折れると、アリーネが更にハイキックで顔面でダウンを奪おうとすると、今度は涼子が無意識にか、蹴り足をキャッチするとドラゴンスクリューでアリーネを倒していった。
「イタアァァァァ・・・・・・」
足を捻られて倒されるアリーネは悲鳴をあげると、倒れてヒザを気にしていたが、涼子が足を狙って膝十字固めを極めていった。
意外な技だが、これにはドラゴンスクリューに続いての足殺しの技に、アリーネは苦悶の表情を浮かべてロープに手を伸ばしていった。
だが、なかなか手が届かないと、アリーネは汗を流しながら必死に手の伸ばしていった。
グイッ・・・
『ブレークっ!』
レフリーがアリーネのロープブレークで急いで涼子に放すように指示すると、涼子は放していくが、少し疲れたような表情も見せていた。
だが、アリーネも少し苦しそうな表情を浮かべると、この試合の激しさが観客にも伝わってきていた。
今度は相手の出方を伺おうとしてか、アリーネも涼子も先に手を出さずに睨み合う展開になると、観客達も黙ってリング上の試合の行方を見守った。
打撃で勝負をかけたいアリーネ。しかしドラゴンスクリューに続いての足関節のダメージで、踏み込みに影響が出るからと待ちの姿勢になっていた。
一方、アリーネが打撃で行けないと思っているのに対し、涼子は打撃を警戒して踏み込めずにいた。
相手の様子をお互いが見る展開に、観客達も黙ったままの状態が続くと、涼子もアリーネもどうしようかと考えていた。
しばらくその展開が続くと、アリーネが仕掛けていった・・・。
蹴りを出すと軸足が狙われたらと思ってか、踏み込んでの掌打を涼子の顔面に打ち込むと、完全に涼子の顔面を捉えていった。
バキィィィィ・・・・・
「んあっ・・・・・」
アリーネの一撃に足元をフラつかせる涼子。しかし、根性のある涼子も反撃に出た。
「何するのよ・・・このぉぉぉ・・・・」
今度は逆に、涼子のフックのような掌打がアリーネの頬を襲うと、アリーネも掌打を打ち返しての掌打合戦になっていった。
凄まじい女の執念と言うか、激しい打ち合いにまたも観客席が盛り上がると、アリーネが得意の打撃を出そうと、組み付くと首相撲の状態になってから、膝を引きつけてから一気にヒザ蹴りを涼子の胸へ叩き込んでいった。
バキッ・・・
その一撃に涼子が座り込むようにダウンすると、アリーネは構わず涼子の髪を掴んで起こしていった。
すると、下から涼子も腹へのパンチで反撃に出ると、アリーネの表情が苦悶に歪んでいった。
更にその隙を突いて、涼子がタックル気味にアリーネを倒すと、一気にマウントポジションを取ろうと涼子の身体が動いていった。
だが、アリーネも負けずに下から涼子の脇腹あたりを両足で挟むと、次の出方を考えていた。
そのアリーネに対して、涼子は足を取ろうとすると、バランスが崩れそうになってアリーネの反撃を受けていった。
足を取ろうとする涼子が動いた瞬間、アリーネが倒していくと、俯せ状態の涼子に覆い被さろうとした・・・。
そのアリーネの動きに、バックは取られたらダメだとばかりに涼子が藻掻くと、ロープに手を伸ばしてレフリーによって離されていった。
立ち上がるアリーネと涼子だが、試合開始からの緊張感の連続で、2人の身体は汗で光り輝いていた・・・。
距離を置くと、今度は涼子が挑発するように、アリーネの足へローキックを叩き込むと、アリーネも苦痛の表情で受けていた。
更に涼子がローキックを出すと、同時にアリーネがジャブ気味の掌打で返すシーンも出ると、またも会場が盛り上がっていった。
すると、涼子が狙ったようにアッパー気味に、アリーネの顎を掌打で打ち抜くと、その一撃にアリーネが両膝をガクガクとすると、ダウンしていった・・・。
マットに倒れてしまったアリーネが、急いで立ち上がろうとするが、涼子の掌打が相当効いている様子で、逆に涼子のヘッドシザースを受けてしまった。
グイッ・・・・
「どう・・・ギブ?・・・ギブアップする?」
涼子の太股が容赦なくアリーネの首を締め付けると、アリーネは身体を動かして苦しんでいた。
「ノ・・・ノォォォォ・・・・・」
苦悶の表情で耐えていくアリーネ。この苦しさから逃れようと、下半身を浮かせてロープに逃げようと必死の様子だった。
『ブレーク!』
何とかロープに逃げ延びたアリーネ。しかしレフリーのブレークの指示に、涼子が立ち上がってもアリーネは立ち上がれなかった。
スタミナ切れをおこしているのか、立ち上がらないアリーネを見て、レフリーも試合の続行を促すと、涼子がリングに座る形のアリーネの胸にミドルキックを叩き込むと、アリーネがグッタリと倒れ込んでいった。
バシィィィィ・・・・・
「ぶふっ・・・」
更に、アリーネを起こしていくと背後を取ってのバックドロップ。
涼子も勝負を賭けたのか、一気に攻め立てると、アリーネが大の字で倒れてしまった。
「レフリーぃぃ・・フォール!」
そのアリーネに、涼子が覆い被さると、レフリーにカウントの要求をしていく涼子。
『ワン・・・・ツー・・・・ス・・・・』
しかしアリーネが肩を浮かしていくと、レフリーのカウントが止まって試合続行となっていった。
だが、明らかに辛そうなアリーネ。
レフリーの指示に立ち上がりはしたが、肩で呼吸をするような感じに涼子は掌打で攻め立てた。
バシッ・・・・バシッ・・・・
ロープに追い込まれてサンドバック状態のように叩かれていくアリーネ。
ガードしようと腕を上げると、涼子が空いたお腹へヒザ蹴りを叩き込んでいった。
グシュ・・・・
「うぐうっ・・・・ううっ・・・・」
涼子の鋭いヒザ蹴りがアリーネのお腹を抉ると、これには悶絶していくアリーネ。
口から涎を垂らし流すシーンには、観客達も驚いていた。
「そろそろ終わりにしてあげるわね・・・・」
そのアリーネを起こしていく涼子は、これで勝負とばかりにコブラツイストを仕掛けると、アリーネの絶叫する悲鳴がリングに響き渡った。
グイッ・・・
「ぎゃああああぁぁぁぁ・・・・・イタいぃぃぃぃ・・・・・いやああぁぁぁぁ・・・・・」
首を激しく振って悲鳴をあげていくアリーネ。
「ほらほらっ・・・ギブアップしなさいよ!」
そのアリーネを追い込むように涼子が締め上げると、ここでアリーネがギブアップした。
「ギィ・・・ギブアップ!」
その瞬間、レフリーが涼子の身体を叩いて試合を止めていった・・・。
『カンカンカンカン・・・・』
涼子が技を解くと、アリーネがぐったりとマットに崩れ落ちていった・・・。
そして、勝利した涼子も白い水着を汗で湿らせながら、辛そうな表情を浮かべてロープに寄りかかっていった。
『ただ今の試合、米蔵涼子の勝利となりました!・・・次回大会で、ヘビー級タイトルに挑戦する権利を得ました!』
そのコールに、観客席からは拍手がおきるが、涼子は笑みを浮かべて観客に一礼すると、倒れているアリーネの手を取ると、起こしてから手を高く持ち上げると、観客に向かってアリーネの善戦を讃えていった・・・。
その瞬間、激闘を繰り広げたアリーネと涼子の表情が笑みに変わっていった。



第12試合

『この世界で売りたいなら、地下プロレスに出ることだな・・・』
そう、都内某所で芸能関係者から、恐怖の地下プロレスの誘いを受けていたのは、まだ15歳の新人アイドルの横山加奈子だった。
「プ、プロレス・・・。そんなこと・・・私・・・・」
プロレスと聞いて驚く加奈子。更に地下プロレスなどと、聞き慣れない言葉に戸惑っていると、関係者から説明が始まっていった・・・・。
「タレントが・・・プロレス?」
説明を受けてから驚きの表情を浮かべる加奈子。しかしもう断ることも出来ず、都内某所での地下プロレスへ出る為の最低限の練習を受ける事になっていった・・・。
そして試合当日、新人としては破格のセミファイナルへの登場となったが、それはデビュー戦の対戦者が大物だからだった・・・。
緊張しながら白いワンピース水着に着替えていく加奈子。
人前で水着なんてと思いながらも、時間だからと加奈子がリングに向かっていった・・・。
15歳の新人アイドルの加奈子のリングインに、早くも観客達が興奮していくと、加奈子は恥ずかしそうにコーナーに寄りかかった。
T161B74W60H84と言う身体を白い水着に包み、緊張した様子で対戦相手を待つ加奈子。
その加奈子の前に、遂に姿を現した対戦相手。
そう、その相手とは極悪ファイトで暴れまくる、あの山口誉子だった。
新人のデビュー戦の相手と聞いて、始まる前から不機嫌な様子の誉子。
「今夜の生け贄ちゃんは誰かしら?・・・新人の相手なんか腹が立って仕方ないんだよ!」
花道から声をあげながらリングに向かう誉子。
その姿に既に加奈子は緊張し、また怯えだしていた・・・。
黒い水着姿の誉子がリングインすると、まるで加奈子を威嚇するようにしてコーナーに歩き出していた。
コーナーに誉子の威圧感で押し込まれていく加奈子。もうこの試合の展開は観客達にも見えているかのようだった。
リングアナがリングに登場すると、誉子は自分のコーナーのコーナーポストのカバーを外していくと、金具を早くも剥き出しにしていった。
スポットライトの光に鈍い輝きを放つコーナーの金具。
『第12試合・・・15歳の新人アイドルのデビュー戦を行います!』
そのコールに、早くも歓声に包まれていくリング。
『青コーナー〜、今夜デビューの新人〜っ、横山〜加奈子〜っ!』
そのコールに、加奈子は緊張しながらも観客席に向かって手を挙げると、深々と頭を下げていった。
『赤コーナー〜、今夜の地下プロレスの教育役〜、山口〜誉子〜っ!』
逆に、不機嫌そうにコーナーから加奈子を睨み付けていく誉子。
「何が教育役だ、仕方なく相手をしてやるんだからな!」
自分へのコールに怒り出す誉子。その様子に反対コーナーでは、その様子を見て加奈子が怯えていた。
だが、もう地下プロレスのリングに上がっていると言うことは、逃げることは出来ない場所にいると言う事だった。
『カァーン!!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、誉子が不気味な笑みを浮かべていった・・・。
同時に、加奈子は困った表情をしながらコーナーから歩き出すと、レフリーが2人にファイトとばかりに促していった。
すると、誉子がニヤリとしながら、加奈子に向かって手招きするようにして挑発した。
その誉子の挑発に、加奈子は困った表情をしていると、誉子が詰め寄っていった・・・。
「ほらほらっ・・・練習してきたなら何か仕掛けてみなよ・・・ほらっ!」
ノーガード状態で目の前に立たれて、加奈子が困惑の表情を浮かべていた。
(ど・・どうしよう・・・こ、怖いよ・・・)
言葉も出せずに困る加奈子。
「ほらっ・・・何とかしてみな・・・ほらっ・・・」
余裕の表情の誉子が詰め寄ると、加奈子が動き出した。
バシィィィ・・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・・」
悲鳴みたいな気勢をあげて、必死になって誉子の93pの巨乳に対してエルボースマッシュを叩き込む加奈子。
しかし、誉子はニヤリとしているだけだった。
「どうしたのよ・・・これで倒せると思ってるの・・・」
誉子が呆れ顔で加奈子に言い放つと、今度は加奈子が必死になって蹴りを出していくと、誉子の手が動いていった。
バシィィィ・・・・・
「ぶふうっ・・・・うっ・・・」
そう、加奈子の頬に張り手を叩き込むと、加奈子の動きが止まるのと同時に、口からは涎が垂れ流れていった。
少し涙目のようにも見える加奈子の瞳。
その光景に観客席から歓声がおきると、誉子は続けて張り手を左右から叩き込むと、加奈子は一気にコーナーに追い込まれていった。
誉子の張り手を防ぐことも出来ず、ただ叩かれて悲鳴をあげるだけだった。
バシッ・・・バシッ・・・
「ぶふっ・・・・んふっ・・・」
続けて叩き込まれる張り手の前に、加奈子は泣きそうな表情で追いつめられていった。
グイッ・・・
「この娘を痛めつけるぞぉぉぉ・・・・いいかぁぁぁぁぁ・・・・」
まるで加奈子を脅すかのように、観客席に向かって叫ぶ誉子。加奈子は髪を掴まれて動けないで、誉子の言葉に怯えるだけであった。
(い、痛めつけるって・・・もう十分痛いのに・・・)
すると、誉子の両腕に力が入ると、一気にコーナーの加奈子をヘアーホイップでリング中央に投げつけていった。
バシィィィ・・・・・・
「きゃあああぁぁぁぁぁ・・・・・か、髪が抜けちゃうよぉぉぉぉ・・・・」
投げられた加奈子が髪を気にして悲鳴をあげると、誉子が走り込んで加奈子の胸にストンピングを叩き込んでいった。
バシッ・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・・・・・」
今度は胸を押さえてジタバタ藻掻き苦しむ加奈子。
更に、誉子が成長途中の加奈子の胸を、水着の上からグイグイと踏み付けていくと、加奈子は両足をバタバタさせて黄色い声で悲鳴をあげていった。
しばらく胸を踏み付けて痛めつけていた誉子だが、加奈子を胸踏みから解放してからから、距離を置いて手招きして挑発していった。
「コホッ・・コホッ・・・」
その誉子に、苦しそうに咳き込む加奈子が立ち上がるが、どうして良いのか解らない様子で、困惑していた。
だが、その加奈子を押し出すように、またドミネーションを期待してか観客席から歓声が飛んでいった。
『加奈子ちゃ〜ん、何かプロレス技出して見せてよ〜っ!』
『山口〜、早く虐め抜いてやれよ!・・・そんなガキに時間を掛けるなよ!』
そんな観客席からの声に、加奈子は驚きながらも懸命に誉子にドロップキックを叩き込んでいくと、誉子は倒れずにニヤリとしていた。
だが、加奈子も数少ない自分が出せるプロレス技と、一生懸命ドロップキックを起きては打ち込むが、誉子には効いてはいなかった。
白い水着を汗ばみながら、加奈子が懸命に攻めていくが、次第に絶望感に近い気持ちが加奈子を襲いだしていた。
そんな中、今度は誉子が加奈子の腕を掴むと、近くのロープに振っ返ってきた所を、誉子の強烈なラリアットが加奈子の細い首を襲っていった。
バキィィィ・・・・
「ぶふうぅぅぅぅ・・・・・」
口から涎の飛沫を上げて、加奈子の身体が人形のようにマットに叩き付けられると、その衝撃に加奈子は一瞬意識を失いかけていた。
バシッ・・・
しかし、気を失うことも許さないとばかりに、誉子が頬を軽く数回叩くと、加奈子の意識を戻していった。
「ううっ・・・・」
そして、意識を戻された加奈子が天井を見上げる展開になるが、視界には突然に誉子の太股が見えた・・・。
バシィィィィ・・・・
「グボベえぇぇぇ・・・・・・」
そう、加奈子の喉元に誉子の強烈なギロチンドロップが叩き込まれると、加奈子は喉元を押さえてジタバタとリング内を藻掻き苦しんでいった。
グイッ・・・・
「ほらほらっ・・・アンタの苦しむ表情をお客さんに見せてあげなくちゃね・・・・」
苦しむ加奈子の髪を掴んで、誉子が無理矢理に起こしていくと、涙目状態の加奈子が観客達に晒されていった・・・。
更に、トップロープとセカンドロープを利用して、誉子が加奈子を腕を絡めて、磔状態にしていった。
だが、今回は観客席側に加奈子の身体が向くようにすると、まさに残酷な美少女の処刑ショーでも始めるかのようであった。
誉子がリングサイドから、ペットボトルを持ってエプロンサイドに上がると、ロープに固定されて怯える加奈子を見て不気味な笑みを浮かべていた。
「や・・・やめて・・・ください・・・・・ロープ使うなんて反則です・・・お願い・・・・」
誉子に反則ですから止めてくださいと哀願する加奈子。
しかしその言葉が誉子の残酷な心に火を付けていった・・・。
「誰が反則だなんて言うんだよ・・・ガキのクセに私に意見するって言うの・・・生意気ね!」
その誉子の言葉に加奈子の足元が震えだしていた。
「そ、そんな・・・意見だなんて・・・・ぐへっ!!」
そう、怯える加奈子のお腹へ誉子がパンチを打ち込むと、加奈子の柔らかいお腹に拳がめり込み、そして苦悶の表情を浮かべていった。
その光景に、観客席からは歓声がおきると、続けて加奈子のお腹へ誉子の拳が叩き込まれていった。
バシッ・・・ボシュ・・・バシッ・・・
「ぐぶうっ・・・うげっ・・・おげっ・・・んんっ・・・・」
逃げることも避けることも出来ず、ただお腹を殴られ続けていく加奈子。もう目からは涙が流れ出していた。
レフリーも見て見ぬ振りの様子で、加奈子を助ける者などいるはずもなく、観客達も加奈子へのドミネーションに酔いだしていた。
グシュ・・・
「おらあぁぁぁぁ・・・・・」
「グエエェェェェェ・・・・」
誉子の叫び声と、加奈子の悲鳴が交錯する瞬間、誉子の強烈なヒザ蹴りが加奈子の胃袋を直撃していった。
その瞬間、加奈子の口からは反吐が吐き出されて観客席の方向へ飛び散っていった・・・。
試合の前に食事をしてはいけないなど教えられてなかった加奈子は、夕食を済ませていたようで、デビュー戦から反吐吐きを経験させられて、精神的にはショックだった。
この光景に、リングサイドの観客達は驚いていたが、周囲に漂う加奈子の吐き出した吐瀉物の酸っぱい臭いに残酷感を感じていた。
グッタリしてロープに磔にされている加奈子。だが、誉子のドミネートは終わりにはならなかった。
グイッ・・・
「あうっ・・・・」
ロープから解放された加奈子だったが、お腹を両手で押さえて泣き出していた。
しかし、誉子の容赦ないヘアーホイップでマットに倒されると、続けて髪を掴まれて起こされると、続けて顔面をマットに叩き付ける荒技・フェイスバスターを喰らう加奈子。
バキィィィィ・・・・・・
「ひいぃぃぃぃぃぃぃ・・・・・・・」
加奈子の悲鳴がマットに響き渡ると、加奈子は俯せ状態で顔を押さえて悲鳴をあげていた。
その様子に満足していないとばかりにパフォーマンスを見せる誉子。
そして、俯せ状態の加奈子のヒップにストンピングを叩き込むと、今度は加奈子の水着の股間の部分に爪先でグイグイと刺激を与えていった。
「ああんっ・・・イヤッ・・・そ、そこは・・・ああっ・・・」
誉子の股間責めに対して、変な声をあげて苦しむ加奈子。
「あらあらっ、お客さんの前で感じてる訳かしら?・・・イヤらしい娘ね・・・」
すると、呆れ顔の誉子が一気に爪先を離すと、一気に蹴りこんでいった。
グシュ・・・
「うぎゃあああああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・」
この残酷な誉子の股間への一撃に、加奈子が絶叫して悲鳴をあげていった。
もう股間を押さえてグッタリする加奈子。その加奈子の横顔を踏みしめて誉子がアピールしていくと、まだ加奈子の意識があるからとレフリーも黙って試合を見つめていた。
グイッ・・・
「あうっ・・・」
またも誉子に無理矢理に起こされていく加奈子。
だが、今度はリング下に振られて落とされていくと、リング下でグッタリと倒れ込む加奈子。
その加奈子を見て、誉子がニヤリとすると、脇腹にフットスタンプを叩き込んでいった。
エプロンサイドからのフットスタンプに、加奈子はまたも口から胃液を吐きだしていくと、ゲホゲホと激しく咳き込んでいた。
「ふふっ・・・地下プロレスの厳しさが解ったかしら・・・お嬢ちゃん・・・」
その加奈子を起こしてから、誉子が一気に近くの鉄柱に額を叩き付けていくと、加奈子の額が少し割れたのか、血が滲み出ていった・・・。
バキィィィィィ・・・・・・
「ぎゃあああぁぁぁ・・・・・・」
またも加奈子の悲鳴がリングサイドにに響くと、観客席も加奈子の悲鳴に酔っていた。
鉄柱に抱きつくように座り込む加奈子だが、背後から誉子がチェーンを持ち出して首に巻き付けると、そのまま嫌がる加奈子に構わず、リングに上がって鉄柱に引っかけると、そのままリング上からチェーンを引いて絞首刑にしていった。
グググッ・・・・
「うぐぐっ・・・・ううっ・・・・・んんっ・・・・・んあっ・・・・・・」
首に巻き付けられたチェーンが引かれていくと、首を絞められて加奈子が両手で必死に逃れようとジタバタしていった。
だが、そんな加奈子の抵抗も構わずチェーンを引く誉子の残酷な攻めの前に、遂に加奈子の手がダラリと下がっていった・・・。
そう、頸動脈を絞められたか、加奈子は無惨にも失神KO状態となっていったのだった。
『カンカンカンカン・・・』
加奈子の失神した様子に、レフリーがゴングを要請すると、ここで加奈子の残酷なデビュー戦が終わりを告げていった。
誉子がチェーンを放すと、加奈子がリング下でグッタリと倒れ込んでいた。
俯せ状態で、足を開いた状態の加奈子を観客達が見つめると、白い水着の股間の部分が、赤く染まっているのに観客の1人が気づいた・・・。
『あれ・・・横山の股間・・・赤くなってないか?』
『もしかして・・・山口が加奈子ちゃんの処女を奪ったりして?』
そんな声が飛び交う中、失神状態の加奈子は担架に乗せられて医務室に運ばれていくのであった・・・。
そして対戦相手の誉子も、もう少し暴れたかったのか、リング上で観客にアピールしてから引き揚げていった。



第13試合

「今夜の防衛して、また私の存在感をアピールしてあげなくっちゃね・・・」
そう、控え室で呟いていたのは、あの現ジュニアヘビー級チャンピオンの沖菜恵だった。
白いスポーツビキニに白いリングシューズ。ビキニの間から見えるお腹が何とも言えない感じの恵だったが、その恵の今夜の挑戦者は、あの若手グラビアアイドルの市河由衣であった。
由衣は、今夜のタイトル戦に自分の全てを叩き付けようと考えているようで、当然だがベルト奪取も考えていた。
控え室で白い胸元の開いたワンピース水着に着替えて、試合の時間を待っていた。
ガチャ・・・
そして試合の時間が迫ると、2人は控え室から出てリングに向かっていった。
余裕の表情の恵。そして緊張している様子の由衣。
その2人が花道に姿を現すと、早くも大歓声に包まれていく会場内。
リングインすると、早くも156pに84pと、意外に豊満な身体を持つ恵が身体を動かしていった。
対して、胸元を開かせた水着の由衣は、時折観客席に向かうようにして、ロープを掴んで柔軟運動などをしていくと、時折観客席からは、グラビアで見せる83pの胸の谷間の生のシーンに対して、歓声がおきていた。
身長差では2p由衣が上で、胸の大きさはサイズ上では恵が1p上であった。
そして、各のコーナーに恵と由衣が収まると、リングアナがリングインして、コールを始めていった・・・。
『第13試合・・・本日のメインイベント〜っ!時間無制限一本勝負〜っジュニアヘビー級タイトルマッチを行います!』
そのコールに、会場内が沸き上がっていくと、続けてコールが続けられていった。
『青コーナー〜、挑戦者〜、市河〜由衣〜っ!』
そのコールに、由衣が自信を持っている表情でコーナーで観客に向かって一礼する由衣。
『赤コーナー〜、ジュニアヘビー級チャンピオン〜、沖菜〜恵〜っ!』
そして恵がコールされると、コーナーから歩き出して手を振ってから、四方の観客席に向かって頭を下げていく恵。続けてボディチェックとなって、リング中央に歩き出す由衣と恵。
レフリーが2人のボディチェックを始めると、その間にも由衣と恵が睨み合っていた。
言葉こそ交わさない2人。しかし恵としては由衣が挑戦者に選ばれた事に不満を感じている様子でもあった。
そして、その気持ちを持つのは恵だけでなく、リングサイドで黙って見つめている太谷みつほも同感であった。
この大会で藤原紀華に対して善戦して、評価の上がったみつほだが、まだジュニアのベルトに挑戦が出来るかは不明の状態で、そこへ由衣が挑戦すると聞いて、試合が終わっても帰らずに、ジュニアヘビー級タイトルマッチを見ようと席を用意してもらっていた。
ボディチェックが終わると、ゴングを待つようにコーナーに寄りかかる恵と由衣。
そして・・・。
『カァーン!!』
ゴングの音がリング上に響き渡ると、いきなり由衣が奇襲とも言える飛び込みでコーナーの恵に、串刺しドロップキックを叩き込んでいった。
バシィィィ・・・・・
「ぐふっ・・・・」
堪らずコーナーに座り込んでいく恵。
「立てよぉぉぉ・・・おらっ!」
更に調子に乗って由衣が恵の顔面にストンピングを叩き込むと、走って反対コーナーに登ると、観客に向かって両手を広げてアピールしていった。
座りながらも、恵の目にはコーナーで調子に乗る由衣の姿が写っていた。
(何よ・・・あんな技で調子に乗って・・・)
恵が呆れ顔を浮かべると、フラつくようにして立ち上がっていった。
すると、由衣が飛び込んでフライングラリアットを叩き込むと、またも恵が倒されていった。
「フォール・・・レフリーオーケー?」
恵が倒れると、由衣が足を抱え込んでフォールの体制にいくと、恵がカウントが入る前から肩を上げていった。
すると、マットに座らせるようにして、由衣が恵にスリーパーを仕掛けると、恵がロープに逃げていく。
『ブレークっっ!』
レフリーが放すように指示すると、由衣が放していった。
すると、恵も立ち上がると向かい合ってから、いきなり張り手を入れていく恵。
だが、由衣も負けずに張り手を返すと、そのまま必殺技のヒザ蹴りを叩き込んでいった。
グシュ・・・・
「うぐっ・・・」
思わず動きを止めてしまう恵。
その恵の様子に由衣がパイルドライバーでも狙おうとしてか、下を向かせていくと、恵も負けずに踏ん張ると、リバースのブレンバスターで切り返していった。
バシィィィィ・・・
「ぐはあぁぁぁ・・・・」
まさかの返し技に、由衣は背中からマットに叩き付けられて苦しむと、恵がそのまま反転してから腕を取りに行った。
「い、イヤあぁぁぁ・・・・・」
思わず悲鳴をあげて逃げようとする由衣。
だが、恵が逃がさずに羽折り固めで腕を極めていった。
ググッ・・・・
「詰めが甘いのよ・・・市河さん・・」
技を極めながら呟く恵。
その恵の技に悲鳴をあげていく由衣。
「イタあぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・痛いっ・・・」
両足を動かして必死になってロープを目指す由衣だが、何とかロープに逃げると、レフリーが放させていった。
レフリーによって、技を放されて、距離を置いていく恵と由衣。
だが、由衣の腕にはダメージが残った状態だが、我慢して恵との距離を置いていった。
すると、懸命にローキックからミドルキックと、慣れない打撃技で攻めていく由衣。
その様子に、恵はガードしながらも由衣が腕にダメージがあると読んで、打撃技の合間にタックルで倒していった。
あっさりと倒された由衣。恵が上に乗りかかると、ダメージのある様子の腕を狙うと、一気に腕拉ぎ逆十字固めを仕掛けていった。
だが、由衣も自らの手をフックすると、伸ばされないようにと両手を掴んでいるが、恵が両足で由衣の胸などを踵蹴りしながら仕掛けると、遂に由衣の腕が伸びきってしまった・・・。
グググッ・・・
「うわああぁぁぁぁぁぁ・・・・ああああっ・・・・」
関節を極めるのではなく、恵は伸ばす形にして試合を決めようとしないと、由衣は悲鳴をあげてロープに逃げようとしていた。
何とかロープに逃げる事が出来た由衣。しかし確実に恵に追い込まれていた・・・。
立ち上がる由衣に、恵が一言言い放った。
「市河さん・・・貴方にはチャンピオンになる資格がないんじゃないの?・・・もう少しプロレスの練習した方がいいんじゃないの?」
その恵の言葉に、由衣は腹を立てた様子だった。
何故なら、今まで原宿系女子プロレスなどでも、表のドラマでプロレスをしているのだから、自信はあったはずだった。
「わ、私だってドラマでプロレスだってしたし・・・」
しかし、更に恵の言葉が続く。
「ドラマでプロレス?・・・女優なら演じてみなさいよ・・・女優としてもダメなのね・・・」
その言葉に、由衣がキレたように喧嘩キックで恵に飛びかかると、恵が蹴り足をすくい上げると、そのままアキレス腱固めで攻め込んだ。
ググッ・・・
「うわああぁぁぁぁ・・・・・」
早くも由衣の悲鳴が響き渡るが、確実に恵のペースになりつつあるリング上。
更に、技を解く恵が足を痛がる由衣の膝に、容赦なくストンピングを叩き込むと、由衣は足へのダメージから立ち上がれなくなっていた。
そして、由衣の痛めつけた膝を更に痛めつける為にと、恵が足を持ってから、セカンドロープに由衣の足首を乗せると、その由衣の足を跨いで、一気にヒップドロップで足殺しに出ていった。
グシュ・・・
「うぎゃああああぁぁ・・・・・足がぁぁぁぁぁ・・・・・・」
完全に足殺しを狙う恵。その非情なまでの攻めに絶叫していく由衣。
更に、恵が由衣の痛めた足を狙って、足4の字固めで責めていくと、由衣は激痛に絶叫していった。
まさに格が違うとでも言いたいような恵の試合展開。
そして、足4の字固めを解いて起こしていくと、由衣も意地になってヒザ蹴りで活路を見出そうと、恵のお腹へヒザ蹴りを叩き込んでいった・・・。
だが、これは恵がガードすると、ニヤリと笑っていった。
「甘いわよ・・・もっと上手く仕掛けなさいよ・・・」
その恵の言葉に由衣が驚くと、逆に恵の膝が由衣の胃袋を抉っていった・・・。
ドシュ・・・
「ぐぶっ・・・・・」
その瞬間、由衣の胃袋からは内容物が逆流していき、由衣は必死に込み上げる物を飲み込んでいった。
必死な由衣だが、恵は続けて抱え上げると、何とブレンバスターの体制で投げようとすると、一気に頭部から落下するノーザンライトボムを仕掛けていった。
バキィィィィィ・・・・・・
この一撃に、由衣は半失神状態でマットに倒れていると、恵が観客にアピールしていった。
すると、リングサイドから試合を見ていたみつほの姿を見ると、まさにアピールするようにトップロープに上がる恵。
そして、まるで見ていろとばかりに指を指すと、一気にマットに倒れている由衣のお腹へニードロップを叩き込んでいった。
グシュ・・・・
「ぶべえぇぇぇぇ・・・・・・・」
今度は豪快に口から反吐を吐き散らしていく由衣。
もうこの一撃で試合は決まっていたが、恵が更に起こしていくと、卍固めを仕掛けていった。
グイッ・・・
「んああっ・・・ああっ・・・・」
卍固めを仕掛けられて逃げることも出来ず、涙を流していく由衣。だが反撃する力はニードロップのダメージなどで残されてはいなかった・・・。
もう拷問状態の展開だが、レフリーが由衣にギブアップの確認をすると、由衣は遂にギブアップしていった・・・。
「ギ・・・ギブアップ・・・ギブアッ〜プっ!」
その瞬間、恵の防衛が決まり、そして由衣の敗北が決まった瞬間でもあった。
『カンカンカンカン!』
ゴングが鳴らされていくと、恵が由衣の放すと由衣がグッタリとマットに倒れ込んだ。
『ただ今の試合、卍固めにより沖菜恵の勝利となりました!・・また、ジュニアヘビー級タイトル防衛に成功しました!』
このコールに、恵はレフリーに手を挙げられていくが、リングサイドにいたみつほがリングに上がっていった。
「ちょっと・・・こんな試合で防衛ですって?・・・次は私に挑戦させてくださいよ!」
突然のみつほの挑戦。
この展開に観客席も盛り上がると、恵がマイクを要求していった。
「いいわよ・・・だったら次回大会でどうかしら?」
恵もみつほのアピールに応えると、会場内からは拍手が起きて、ここに次回のタイトルマッチが決定していった。
だが、みつほも最近成長している由衣があっさり負けたことに驚いていたが、遂に回ってきたチャンスを活かそうと気合いを入れていくのであった・・・。
こうして、53回目の大会は終わりを告げていった・・・。

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