第56回大会

第1試合

強烈なデスマッチの大会が終わってから数日後、今度は地下プロレスでもプロレス的な大会が開催されていった。
今回の大会では、特別ルールが指定されない限り、地下プロレス特別ルールだった。
スリーカウント・ギブアップ・レフリーストップ・反則などもレフリーによりジャッジされるルール・・・。
そのルールのリングに、今夜も色々な思惑に釣られた選手たちが上がっていくのであった。
早くも観客たちが興奮する中、まずリングインしたのは前回の大会でプレデビューを果たした高木千佳子だった。
白い競泳水着に165pと言う長身を包んでリングインしていく千佳子。
先回はデビュー戦ではなかったが、今夜は正式にデビューすると言う事で、緊張している様子だった。
その千佳子の対戦相手は、こちらも今夜がデビュー戦となるタレントだった・・・。
「何で私がプロレスなのよ・・・ふざけないでよね・・・・」
控え室で怒っているのは、あのプロレス入りが噂されていた大盛かほりだった。
黒い競泳水着に身を包んで、黒服たちなどと口論していた。
芸能活動をする上で、仕事がなかなか取れないからと、プロレスではなく地下プロレスの誘いに乗ったかほりだったが、いざ練習などを積んでから試合の時になると、苛ついてる様子だった。
だが、説得されてリングに向かって歩き出していった。
リング上ではそのかほりを待っている千佳子の姿があったが、コーナーに立つ千佳子に対して声援が送られていた。
そのリングに上がっていくかほりは、コーナーで待つ千佳子を睨み付けていた。
「何よ、今夜の私の相手ってお天気お姉さんなの・・・そう、そうだったの・・・」
独り言のように呟いてコーナーに向かうかほり。
白いリンコスの千佳子に対して、黒いリンコスのかほり。対照的なリンコスであった。
身長が160p、83・58・85と言う身体で、元深夜番組でレギュラーまで持っていたかほり。
しかし最近ではパッとした活躍もなく、話題に上がっていたと言うとプロレス入りかと言う事だった。
ここで、リングアナがコールを始めていった・・・。
『第55回大会を開始します・・・第1試合〜特別プロレスルール〜青コーナー〜今夜がデビュー戦〜、高木〜千佳子〜っ!』
そのコールに笑顔で観客に頭を下げる千佳子。
『赤コーナー〜、同じく今夜がデビュー戦〜っ・・・大盛〜かほり〜っ!』
かほりもコールされると、観客席に向かって頭をさげていった。
レフリーがボディチェックをするからとリング中央に招き寄せると、千佳子とかほりが睨み合っていた。
しかし、千佳子は鋭い視線ではなく見つめている感じだったが、かほりの方は鋭い視線で千佳子を睨み付けた。
「アンタなんかに負けないから・・・」
早くもかほりが挑発すると、千佳子は黙っていた。
「何よ、ちょっと綺麗だからって簡単にレギュラーなんか決まって・・・」
続けてかほりが挑発すると、千佳子も口を開いた。
「そんな事、関係ないじゃないですか・・・」
バシィィィィ・・・・
「生意気なのよ・・・」
次の瞬間、かほりの張り手が千佳子の頬を襲うと、千佳子が頬を押さえてかほりを見つめた。
「なっ・・何するんですか・・・ゴング、ゴングはまだでしょ・・・・」
「甘いのよ、リングに立ったら勝負は始まってるのよ!」
今度は千佳子の髪を鷲掴みにして、ヘアーホイップでマットに投げつけていくかほり。
ここで、レフリーの判断からゴングが要請されていった。
『カァーン!』
マットに倒れた千佳子にストンピングで攻め込むかほり。
「痛いっ・・・ひ、卑怯よ・・・・」
蹴られて悲鳴をあげていく千佳子。
「何が卑怯なのよ、プロレスなんでしょ!」
構わず蹴りこむかほり。
堪らず千佳子が転がるようにしてリング下に逃げていくと、かほりは深追いせずに両手を頭上に挙げて拍手するようにして観客を煽っていった。
しかし、試合開始のかほりの奇襲とも言える張り手などに対して、ブーイングがリング上のかほりに送られていった。
そのブーイングに怒り出すかほり。
「何で私にブーイングされなきゃいけないのよ!・・・これってプロレスなんだから何でも有りでしょ!」
ロープを掴んで観客席に叫び出すかほり。
その光景を見ながら、その反対側の面から転がるようにリングインする千佳子。
千佳子がリングインすると、かほりも向かっていった。
すると、今度は千佳子が反撃とばかりに近づくかほりの胸にドロップキックを叩き込むと、続けて立ち上がるかほりの顔面にドロップキックを叩き込んでいった。
バシィィィ・・・・
「痛いぃぃぃ・・・・・イタッ・・・・」
堪らず倒れたまま顔面を押さえて痛がるかほり。
「わ、私だって・・・・」
千佳子も必死にかほりの髪を掴んで起こすと、胸に水平チョップを数発叩き込んでから、ロープに振っていった。
ロープから戻るかほりが千佳子に向かって走ってくると、千佳子が勢いのあるドロップキックを叩き込んでいった。
バシィィィ・・
またも倒れ込むかほり。続けて千佳子が倒れたかほりの足を掴むと、何とアキレス腱固めを極めていった。
「イタあぁぁぁぁぁぁ・・・」
堪らずマットを叩いて悲鳴をあげるかほり。レフリーもギブアップの確認をしていった。
「誰がギブなんかするかぁぁぁ・・・・こんな技でぇぇ・・・・」
かほりはレフリーの問いかけにノーを主張して、必死にロープに手を伸ばしていった。
ヒールキックでの抵抗はしないかほり。まだ経験がなくロープに逃げることしか頭に浮かばないようだった。
何とかロープに逃げるかほり。レフリーもロープを握ったのを確認してブレークを命じていった。
千佳子が技を解いて立ち上がると、立ち上がろうとするかほりにヘッドロックを仕掛けていった。
グググッ・・・
堪らずかほりがロープに手を伸ばすと、千佳子が逃げられてはとリング中央の方へ連れて行った。
「イタタタタタッ・・・・」
思わず悲鳴をあげるかほり。
すると、かほりも千佳子のお腹へ拳を叩き付けると、一瞬力が抜けた千佳子をロープに振っていった。
ロープから戻る千佳子にお返しとばかりにドロップキックを叩き込むが、形が上手くいかずにお腹へ蹴りが決まっていった。
だが、受けた千佳子はお腹を押さえ込んで藻掻いていた。
「うううっ・・・・くっ・・・・お、お腹が・・・・・」
その苦しむ千佳子を見て、顔面へストンピングを叩き込むと、続けて首4の字固めで締め上げるかほり。
「ほらっ・・・痛いならギブしなよ、ギブアップする?」
時折腰を浮かしてギブアップを迫るかほり。
だが、千佳子も必死に耐えるが、ジリジリとスタミナを奪われていった・・・。
千佳子とかほりの全身からは、早くも大粒の汗が流れ出していた。
しばらくしてから、かほりが技を解いていくと、倒れている千佳子の髪を掴んで起こしていった。
苦悶の表情を浮かべる千佳子。その千佳子の胸に容赦なくかほりのニーリフトが叩き付けられると、千佳子は悲鳴と共に大の字になって倒れていった。
ボシュ・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・・・・ああっ・・・・」
両足をバタバタさせて苦しむ千佳子。
胸への膝の衝撃に苦しむ千佳子だが、かほりもこの後の攻め方を考えていた・・・。
仕方なく、倒れているからと千佳子の胸を狙ってのニードロップを叩き込むと、今度は千佳子が絶叫するように悲鳴をあげると、転がりながらリング下にエスケープしていった。
今度はかほりもリング下に降りていくと、倒れて苦しむ千佳子を起こしていった。
「いくぞぉぉぉぉぉぉ・・・・・・」
かほりが突然絶叫すると、千佳子の髪と腕を掴んで、一気に観客席に向かって振っていった。
「きゃあああああぁぁぁぁ・・・・・・・・あああんっ・・・・」
堪らず観客席に叩き付けられていく千佳子。
無惨にも観客席の間に倒れ込んでいる千佳子だったが、周りの観客も千佳子の汗ばむ水着姿を目の前にして、起こしてあげる振りをして、身体を触っていくのであった。
だが、そんな事も気にする事が出来ない千佳子は、フラフラしながら立ち上がっていくと、続けてかほりが走り込んでのラリアットを叩き込んでいった。
バシィィィィ・・・・
「ぶふうぅぅぅ・・・・・・・」
口から涎の飛沫をあげながらリング下で大の字状態の千佳子。
「ホラホラッ・・・決着はリングの上で着けるのよ・・・・」
更に追い込むようにして、かほりが髪を掴んで起こしてから千佳子をリングに上げていくと、転がりながらリングインする千佳子。
その千佳子に、一気にキャメルクラッチで攻め立てていくかほり。
グググッ・・・グイッ・・・
「ああっ・・・あうっ・・・ううっ・・・・ぐる・・じい・・・・ああんっ・・・」
上半身を反らされて藻掻き苦しむ千佳子。
もうグロッキー状態の千佳子を見て、かほりが余裕を出してか、千佳子の鼻の穴に指を入れての鼻フック状態で攻めていった・・・。
「フガフガッ・・・フガッ・・・・」
鼻への痛みと無様な表情を観客に見られる恥ずかしさから、必死に逃れようとする千佳子。
しかし、地下プロレスルールでもレフリーが注意を与えていった。
「ちっ・・・」
仕方ないと言う表情でかほりが放すと、千佳子を倒したまま立ち上がって距離を取っていった。
フラフラしながら千佳子が立ち上がると、レフリーがチェックをしていくと、続行が告げられていった。
だが、レフリーが続行を告げた瞬間、かほりが走り出してラリアットを狙っていった。
すると、フラついて足元がシッカリしなかった千佳子が倒れそうになると、ラリアットが不発に終わっていった。
だが、千佳子も必死にラリアットから逃れたからと、かほりが驚く中にお返しとばかりにラリアットを叩き込んでいった。
バシィィィ・・・
技自体の威力は大きくなかったが、かほりにとってこの状態で切り替えされたショックが大きそうだった。
その呆然とするかほりに、千佳子が続けてバックからチョークスリーパーを狙っていくと、かほりも抵抗していった。
首を締め上げられて苦しいが、かほりも後頭部を千佳子の顔面に叩き付けていった。
ゴキッ・・
「ぐっ・・・・」
攻めている千佳子の表情が険しくなると、次の瞬間に鼻から激しく出血していく千佳子。
だが、千佳子が放さないで締め上げていくと、かほりも必死にロープに逃げようとしていた。
かほりの焼けた肌にも、そして自らの白い肌、そして白い水着をも鼻からの出血で赤くしながらも千佳子が絞めていく。
だが、かほりが何とかロープに逃げていくと、レフリーがロープブレークを命じていった。
フラつきながらも千佳子を見つめるかほり。
一方、大量の鼻血に呼吸が乱れだしている千佳子。
かほりとしては、また自分のペースを握りたいが、千佳子も鼻血からの呼吸の乱れにスタミナが切れだしていた・・・。
すると、かほりが千佳子に向かっていくと、逆に千佳子が気勢をあげて低空ドロップキックをかほりの膝に叩き込んでいった。
バシッ・・・
「痛いぃぃぃぃ・・・・・」
堪らず膝を押さえて倒れ込むかほり。
そのかほりを見て何かを狙っている様子の千佳子だが、かほりも膝への痛みに腹を立てて起きあがろうとマットに膝をついていった。
その瞬間、千佳子が走り込んでいくと、そのかほりの膝の上に乗って一気に顔面へ膝を叩き込む、何とシャイニングウィザードをかほりに叩き込んでいった。
バキィィィィ・・・・・
これにはガードも出来ず、何が起きたか理解できないままマットに大の字になっていくかほり。
そのかほりにフラつきながらもフォールしていく千佳子。
バンッ・・・バンッ・・・・バンッ・・・・
『カンカンカンカン・・・・』
ここでレフリーのカウントが三つはいると、何と劇的な逆転で千佳子が勝利していった・・・。
大量の鼻血を流しながらも、笑顔でデビュー戦を勝利した千佳子。
レフリーに手を高々と挙げられて笑顔で歓声に応えていた。
一方、負けたかほりは天井を見上げたままだったが、歓声を受けていた千佳子が手の伸ばすと、かほりを起こしていった。
その千佳子に対して、かほりも黒服からタオルを受け取ると、千佳子の鼻に押し当てて鼻血を止めようとするのであった。
「最初は悪かったわね・・・凄いわよ。今度闘う時は負けないから・・・」
かほりは、この千佳子の実力を認めたのか、一言呟くと千佳子の腕を高々と挙げていくのであった。
千佳子のデビュー戦はこうして終わっていくのであった・・・。



第2試合

観客の注目する中、次にリングインしてきたのは久しぶりの地下プロレスのリングに立つ、あの河村ひかるだった。
白いスポーツビキニに身を包んで、手にはオープンフィンガーグローブをしていた。
プロレスルールでも手に装着していれば、顔面パンチも問題なく出来ると言う事で、ひかるとしては得意のボクシング戦法でいこうと言う現れにも見えていた。
そのひかるの対戦相手としてリングに上がるのは、あのアイドルでありながらキャットファイターと言う肩書きを持つ、羽柴真由美だった。
初めての地下プロレスのリングに登場と言うのに、堂々としたリングインに歓声が上がっていった。
身長153p、上から85・58・85の身体をひかると同じく白いスポーツビキニに身を包んで、早くもひかるを睨み付けていた。
ひかるは真由美より小柄の150p、上からB83・54・77だったが、真由美に対して早くも睨み付けていくひかる。
ここでリングアナがコールを始めていった。
『第2試合・・・地下プロレスルール〜青コーナー〜久しぶりのリング復帰〜っ・・・河村〜ひかる〜っ!』
コールを受けると観客に一礼して、コーナーを殴りつけていくひかる。真由美に対する威嚇の意味もあるのであろうか。
『赤コーナー〜、本日が地下リングデビュー〜・・・羽柴〜真由美〜っ!』
真由美もコールを受けると、コーナーに寄りかかってボディチェックを待っていた。
リング中央に招かれて、ひかると真由美がボディチェックを受けると、真由美がレフリーに問いかけた。
「ちょっと、あのグローブって反則じゃないんですか?」
その真由美の言葉に、ひかるが言い返した。
「何言ってるのよ、グローブしてればプロレスルールでも顔面有りなのよ、そんな事も知らないの?」
早くも2人の闘いが始まっているリング上。
凶器のチェックが終わると、ここで両コーナーに別れていくひかると真由美。
打撃でいきたいひかる。そして絞め技で落としにいきたい真由美。
その2人の作戦の中、ゴングが鳴っていった。
『カァーン!』
ゴングと同時に、真由美がいきなりひかるに向かって仕掛けていくと、ひかるも上手くコーナーから逃げて構えていった。
奇襲とも言えるダッシュが失敗して、真由美が一度構えてひかると向かい合っていった。
今度は、ひかるが牽制するようにジャブを放っていくと、それに合わせてタックルを狙う真由美。
だが、ひかるがタックルは上手くガードしてサイドに逃げると、真由美がすぐに構えてパンチを警戒していった。
まるで格闘技戦のような流れに観客たちも黙ってリング上の試合を見守った。
またも真由美がタックルを仕掛けると、今度は小柄ながらも上手く潰していくひかる。四つん這い状態のように真由美が倒れると、上から両足を大きく開いてバランスを取りながら真由美の出方を伺うひかる。
真由美もこの次の手をどうするか迷っていると、ひかるが膝蹴りを脳天に叩き込んでいった。
ゴキッ・・・
いきなり脳天への膝蹴りに、真由美が一瞬意識を朦朧とさせるが、一気に身体を動かして逃げていった。
ひかるも深追いせずに立ち上がると、ボクシングのように構えていった。
試合開始から、真由美は打撃に対する恐怖心がある為、タックルで勝負を仕掛けようとしていたが、逆に潰されたショックで精神的に動揺は隠せなかった。
だが、打撃で勝負してもボクシングの得意なひかるに勝てるはずもなく、自分の得意な組み技からと言う事でタックルの機会を狙っていた。
上手く自分の距離を取れたとばかりに真由美がタックルを仕掛けると、今度はひかるが真由美の顔面にパンチを合わせて叩き込むと、一瞬真由美の動きが鈍くなると、ひかるが一気に鼻を狙ってかパンチを小刻みに叩き込んでいった。
打撃を嫌がるように逃げる真由美。
しかし逃がさないとばかりにひかるが顔面へパンチを入れていくと、真由美がロープに詰まった。
だが、ここでレフリーが止めていった。
一応、ロープと言う事でひかると真由美を離していくと、早くも真由美の鼻が赤くなっていた。
『ファイト!』
レフリーが続行を告げると、真由美が顔面ガードを固めてひかるに迫っていった。
ボシュ・・・
「うぐっ・・・・」
すると、強烈なボディブローが真由美の脇腹を抉ると、真由美の口が開いていった。
だが顔面ガードを下げない真由美に、続けてひかるの左右のボディへのパンチが音を立てて炸裂していった。
堪らず抱きつくようにひかるに組み付く真由美。
そのまま投げにいこうとすると、近くのロープを掴んでいくひかる。
ここでレフリーがまたも離していった。
「何で試合を止めるのよ・・・」
レフリーに怒り出す真由美。たしかにチャンスだったが、冷静にロープに手を伸ばしたひかるが上手かった。
レフリーに説明を受けて試合に戻る真由美だが、既にペースはひかるに流れていた。
顔面ガードを固めて組みつきに出る真由美に、ひかるがボディへのパンチでガードを下げさせようとする、真由美もお腹へのダメージからガードを下げて苦悶の表情を浮かべだした。
バキッ・・・
「ぐっ・・・・」
その瞬間をひかるは逃さなかった。
構わず顔面へ拳を叩き込むと、今度は激しく鼻血が噴き出していく真由美。
大量の鼻血が流れ出すと、白いスポーツビキニを赤く染め出していた。
『ストップ・・・ストップ・・・』
突然の真由美の大流血に、レフリーが試合を止めてドクターチェックの要請をしていくと、リングサイドからリングドクターの西川綾子がリングインして真由美の様子を診ていた。
ひかるはコーナーに戻され、真由美は鼻から流れる血をタオルで拭かれると、鼻骨骨折ではないかとチェックを受けていた。
少し殴られた衝撃で涙目になる真由美だが、レフリーに続行を訴えていた。
西川が真由美の鼻を押すと、骨折の疑いがなくただの鼻血と判断され、試合が続行されていった。
『ファイト!』
レフリーがコールすると、ひかるがまたも構えたままリング中央に出ていくと、真由美が果敢にも突進してタックルを仕掛けていった。
真由美のタックルに合わせて組み付くようにフロントスリーパーでキャッチするひかる。
ボクシング以外にも総合対策もしていたのか、ひかるの動きに拍手がおきる中を真由美が倒しに行くと、ひかるが体制を変えようと変形フェイスバスターのように真由美をマットに叩き付けていった。
白いマットに真由美の鼻から垂れていく血が落ちていく中、ひかるが上から押さえにいった。
だが、真由美も寝技ならと体制を一気に変えていくと、ひかるを下の状態にしてから顔面へ張り手を叩き込んでいった。
バシッ・・バシッ・・・
真由美の張り手に下からボディシザースで対抗するひかる。
距離を置かれてしまい、真由美が張り手を出せなくなると、ボディシザースで呼吸が苦しくなるが、ひかるの脇腹へチョップを叩き込んでいった。
腹筋を鍛えているひかるでも、何度も叩かれていくのは嫌なようで、ボディシザースを仕掛けたまま反転しようとすると、真由美が逆にバックを取ってスリーパーを狙っていった。
だが、これもひかるがロープに手を伸ばすと、プロレスルールなのでレフリーが離していった。
これらは真由美も焦りだしていた。寝技で仕留めようと考えているのに、ロープに逃げられてしまうリングでの闘い。
更に、激しく動いたので鼻から血が溢れていて、呼吸も苦しくなってスタミナ面でも真由美は追いつめられていた。
レフリーが両者を離すと、いきなり真由美がタックルを仕掛けていった。
だが、逆にひかるがカウンターの膝蹴りを顔面に叩き込むと、鈍い音がリング上に響いていった・・・。
ゴキッ・・・・
ひかるの膝が完全に真由美の顔面を捉えていたが、真由美はダウンするようにひかるの身体に抱きついていった。
しかし、ひかるは組まれる事を嫌がって離すと、真由美の顔面に容赦ない顔面パンチを叩き込んでいった。
立ち上がる真由美。しかし足元はフラフラしていた・・・。
コーナーに逃げていく真由美だが、殴られるたびにマットに血飛沫が飛び散っていった。
時折反撃しようとするが、真由美の顔面が血に染まっていくだけだった・・・。
コーナーに追い込まれた真由美に、ひかるは膝蹴りで串刺しのようにしてお腹を蹴りこんだ。
「グボッ・・・ぐううっ・・・」
ひかるの鋭い膝蹴りに、真由美がコーナーについに崩れ落ちていくと、更にひかるの顔面への喧嘩キックが炸裂していった。
その一撃に、意識を朦朧とさせた真由美がコーナーで倒れ込むと、ここでレフリーが試合を止めていった。
『カンカンカンカン・・・』
そのゴングの音に、鋭い視線のひかるが反応して、レフリーに試合終了の確認を取っていた。
一方、真由美は鼻から溢れ出る血を拭いながらも、レフリーに詰め寄った。
「な、何で試合を止めるんですか・・・私はまだ出来ます!」
だが、打撃で一方的になった状態を見て、これ以上続けて真由美にアクシデントが発生したらと言う配慮からだったのだ。
レフリーが説明するが、真由美は納得していない様子だが、ひかるが詰め寄った・・・。
「何言ってるのよアンタ、試合が終わったんでしょう。そんな元気があるなら試合中に出してよね・・・」
そのひかるの一言に、真由美が涙を浮かべて言い返す。
「なっ・・何よ、だったら今度は負けないわよ・・・そんなパンチにやられないから・・・」
真由美がそう吐き捨てると、フラフラしながらリングを後にしていった。
「ふん、総合の経験あるって言うアイドルって聞いたのにね・・・」
ひかるも久々の地下リング復帰だったが、こういう試合結果に満足していない様子でリングを降りていくのであった・・・。



第3試合

観客の注目の中、次の試合の為のリングアナのコールが始まっていった。
『第3試合・・・懐かしのアイドル対決〜っ・・・選手入場っ!』
その懐かしの・・・と言う響きに観客達が注目する中、緊張した様子で花道を歩いてくる影があった。
そう、あの巨乳と愛くるしい笑顔で人気だった、川合奈保子がリングに向かって歩いてきた。
青いワンピース水着で、胸元は適度に開いて胸の谷間を強調しているようにも見えるリンコス。
今回、新たな企画マッチと言う事で、芸能活動を休んでいた奈保子も地下プロレスに招聘されたのだった。
短いプロレストレーニングを受けて、今まさにリングインしていく奈保子。
40歳になる奈保子だが、水着姿もさすがに様になっていた。
その奈保子の対戦相手に注目が集まる中、リングに向かって歩いてきたのはあの、河島直美だった。
直美は地下プロレス経験があったが、またも呼ばれた事に今度こそ相手を叩き潰そうと考えていた。
それも、相手は奈保子。プロレスラーでもないただのタレント・・・。直美の視線が鋭くなっていった。
リング上では奈保子がリングインしてくる直美の姿に驚いていたが、地下プロレスに呼ばれた時点からタレント同士が闘う見世物だと聞いていたので、どう試合を組み立てていけばいいのか、女優らしく考えていた。
直美は黒いワンピース水着で黒一色で統一されたリンコス。まるでヒールのイメージであった。
黙ったままコーナーに寄りかかる直美。43歳とは思えない見事な水着姿に観客達の視線も自然に集まりだしていた。
『青コーナー〜っ・・・川合〜奈保子〜っ!』
そのコールに、コーナーから数歩歩み出て観客席に一礼していく奈保子。
身長が159pに、上から85.60.80と言うボディを健康的な水着に包んでの奈保子。
『赤コーナー〜っ・・・河島〜直美〜っ!』
一方、堂々と観客席に頭を下げると、早くも奈保子を睨み付けていく直美。
158pに上から82、58、84の身体で、体格的にはお互いがあまり変わらないようだった。
レフリーが2人をリング中央に招いてボディチェックが行われると、奈保子も直美を見つめていた。
ボディチェックが終わると、2人がコーナーに戻ってからゴングが鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングが鳴り響くと、奈保子は緊張した様子でコーナーから歩み出ると、直美は笑みを浮かべてコーナーに寄りかかっていた。
リング中央で直美の出方を伺う奈保子。
だが、直美がそのままコーナーに寄りかかったまま奈保子を見ていた。
その様子にレフリーが直美に注意を与えていった。
『河島っ・・ファイト!』
その注意に構わず足を上げたりして柔軟体操のようにして身体を動かす直美。
その直美の様子に、奈保子が一気にコーナーに走り込むと、気勢をあげてエルボースマッシュを叩き込んでいった。
「いくわよぉぉぉぉ・・・・・」
奈保子のエルボーの連打にフラつく直美だが、待ってましたと奈保子のお腹へパンチを入れると、初めて受けるお腹へ強烈なパンチに奈保子の動きが鈍っていった。
「ふん、甘いんだよぉぉぉぉ・・・・おらあぁぁぁぁ・・・」
続けて直美が髪を掴んでヘアーホイップで奈保子をマットに叩き付けると、座った状態になった奈保子の背中にストンピングを叩き込んでいった。
「ああっ・・・くうっ・・・・痛いっ・・・・」
背中を蹴りこまれて、奈保子は呼吸が止まるような辛さの中で必死に耐えるが、直美が続けて髪を掴んで起こすと、ロープ近くに連れて行った。
グイッ・・・
「きゃあああぁぁぁぁ・・・・・」
すると、今度は直美が奈保子の顔面をロープに押しつけると、そのまま擦り付けての摩擦で攻め立てた。
ゴムとの摩擦で大きな悲鳴をあげていく奈保子。
顔面への攻めに必死に直美に組み付くと、ここで大技のバックドロップで反撃していった。
バシィィィ・・・・
「ぐわっ・・・・」
これには直美が堪らず大の字状態になって天井を見上げていると、奈保子が続けてフォールしていった。
だが、カウント2で直美が返すと、続けてマットに座らせる体制にしてからスリーパーで奈保子が締め上げた。
流石に苦しいのか、ロープに足を伸ばしていく直美。
『ブレークっ・・・・』
奈保子も必死に絞めていたが、レフリーが直美の足がロープに届いたのを確認して放すように命じていった。
レフリーの指示で放してから立ち上がる奈保子。
直美もゆっくりと立ち上がると、突然奈保子の頬に張り手を叩き込んでいった。
バシィィィ・・・
「ッタ・・・・な、なによ・・・・」
思わず涙目になって頬を押さえる奈保子。
「何よって、ここは戦場なのよ・・・ほらっ!」
更に奈保子のお腹へ喧嘩キックを叩き込む直美。
ボシュ・・・
「ぐぶうっ・・・・」
堪らず座り込んでお腹を押さえる奈保子。
「ほらほらっ、休んでる暇はないでしょ!」
座り込む奈保子を起こしていくと、一気にロープに振ってラリアットで倒していく直美。
首を押さえて苦しむ奈保子に、続けてストンピングで全身を蹴りこんでいくと、直美がロープに走って勢いをつけると、低空ドロップキックで奈保子の脇腹を蹴りこんでリング下に落としていった。
リング下で脇腹を押さえて苦しむ奈保子。
その奈保子を見て、直美もリング下に降りていくと髪を掴んでいった。
「いくぞぉぉぉぉ・・・・」
観客に向かって叫ぶと、起こした奈保子を観客席に向かって振っていった。
ガシャーン・・・・・
しかし鉄柵があるから奈保子は鉄柵に叩き付けられる形となって倒れ込んだ。
両腕を鉄柵に乗せる形でグッタリして座り込む奈保子。
その奈保子の顔面を踏み付けて直美が観客にアピールしていくと、一斉に直美に対してブーイングが送られていった。
「何よ、凄い腹が立つわね・・・今夜の観客っ!」
そのブーイングの嵐に直美が奈保子を追い込みながら、観客席を見渡していた。
すると、奈保子の顔面から足を離して、いっきに 観客席に乱入すると、テーブルの上のワインを手にしていった。
「安いワインねっ・・・でも使えるわ・・・」
ワインにはうるさい直美が、ワインボトルを手にすると、一気に口に含んでいった。
プシュウゥゥゥゥゥ・・・・・
「きゃあああぁぁぁぁ・・・・」
いきなり奈保子の顔面にワインを吹きかける直美。奈保子が悲鳴をあげるのも構わず、今度はボトルの中身を奈保子の頭からかけていった。
青いワンピース水着が濡れていく奈保子。その奈保子を起こすと、今度は顔面にパンチを叩き込む直美。
バキッ・・・バキッ・・・
「ぐうっ・・・痛いっ・・・」
フラフラしながらも、必死に顔をガードしようとする奈保子。
顔面に気を取られていると、今度は直美が股間へ前蹴りを叩き込んでいった。
「ふぐうぅぅぅ・・・・・」
変な悲鳴をあげて股間を押さえて座り込んで、初めて味わうような脳天まで貫ける衝撃に、立ち上がれない奈保子。
「ほらほらっ・・・貴方、胸が大きいって言われてるわよね・・・脱がしてあげましょうか・・・」
リング下で座り込む奈保子の水着の肩紐を掴んでいく直美。
「やっ・・やめてください・・・・プロレスって聞いてたのに、脱がされるなんて聞いてないし・・・」
股間からの衝撃で身体がまだ完全に動けない奈保子は、水着剥ぎの恐怖に必死に抵抗していった。
だが直美は水着を剥がずに、そのまま奈保子をリング上に上げていくと、続けてストンピングを叩き込んでいった。
蹴り続けられて悲鳴をあげる奈保子も、何とか直美に反撃したいと考えていたが、なかなかチャンスが回ってこなかった。
グイッ・・・
「立ちなさいよ・・・・」
直美が起こしていくと、観客に向かってアピールするように手を挙げていった。
奈保子も苦しかったが、この直美のアピールの一瞬の隙を見逃さなかった。
「わ、私だって・・・」
一言呟くと、突然に直美のバックから上手く腕を絡ませて前屈みになっていくと、逆さ押さえ込みを仕掛けていった。
「何よぉぉ・・・・くうっ・・・・」
突然の奈保子の反撃に戸惑う直美。だが、確実に両肩がマットに着いていた。
『ワン・・・ツー・・・・スリーィィィィ・・・・』
レフリーも観客も驚く中、レフリーの手が三回力強く叩かれていった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ここで試合終了を知らせるゴングが乱打されると、奈保子も驚いた様子だったが、直美から離れていった。
勝利した奈保子がグッタリとマットに倒れ込むと、茫然自失のようにマットに座り込む直美。
「な、何よ・・・こんなの有り?」
レフリーにアピールする直美だが、カウントは入ったので奈保子の勝利は決まっていた。
すると、直美が怒ったように立ち上がって倒れている奈保子のお腹を徹底的にストンピングで蹴りこむと、馬乗り状態になって殴りかかっていった。
試合結果に納得のいかない様子だが、急いでレフリーと黒服たちが直美を止めていった。
『カンカンカンカン・・・』
更にゴングが乱打されると、奈保子はグッタリしたままだったが、直美は納得のいかない表情を浮かべて控え室に戻っていった。
そして、レフリーによって起こされていく奈保子は、手を高々と挙げられて勝利を喜んでいった・・・。
『勝者・・・川合奈保子っ!』
まさかの逆転勝ちの奈保子だったが、まだプロレスに戸惑っている感じは大きかった。



第4試合

「バラエティの延長なんでしょ?・・・プロレスって言うと痛そうだけど・・・仕方ないわね・・・」
そう言って赤いワンピース水着に着替えて出番を待つのは、80年代人気のアイドルだった大葉久美子だった。
現在43歳になるが、バラエティなどに時折出てくるくらいで、現在は仕事が少ないのが現実だった。
かつての栄光・・・。その久美子の元に地下プロレスからの誘いの手が伸び、今回は久美子にはバラエティのように言い聞かせ、軽いプロレスの練習を受けさせてこの日を迎えたのであった。
かつて、表のバラエティ番組で同じくらいの年齢の女性タレントが、男性お笑いタレントと爆破デスマッチもやっていたと聞かされ、久美子も緊張しながら出番を待った。
黒服が出番だと告げると、緊張しながらもリングに向かっていく久美子。
すると、バラエティだと思っていたのが、一瞬にして異様な雰囲気の地下プロレス会場に驚くのであった。
「な、何よ・・・ホントにバラエティなの・・・」
久美子が驚きながらリングインすると、反対コーナーには早くも久美子を待っている対戦相手が立っていた。
「オバサン・・・遅いんだよ、待ちくたびれたよ!」
そう、挑発するように腕組みしながら言い放つのは、巨乳グラビアアイドルの根元晴美だった。
身長153p、上からB80、W58、H83の久美子と比べ、年齢も若く地下プロレスではヒールファイトの得意な晴美。
久美子もそのT164B103W60H88と言う晴美の迫力ボディに圧倒されていたが、晴美も肉体を見せつけるように胸元の開いたワンピース水着で試合に臨んでいた。
「ほ、本当にバラエティなんですか?」
久美子はリングサイドの黒服に問いかけるが、黒服は黙ったままであった。
緊張の高まる中、リングアナによってコールが始まっていくのであった・・・。
『第4試合〜っ・・・青コーナー〜懐かしのアイドルの緊急参戦〜っ!大葉〜久美子〜っ!』
そのコールに驚いて周りを見渡す久美子。しかし試合の流れは誰もが期待しているのか、声援が送られていた。
『赤コーナー〜グラビア界から地下プロレス〜へ参戦中〜根元〜晴美〜っ!』
そのコールに一気に久美子に近づいて腕を挙げてアピールしていく晴美。
「おばさん、覚悟しなっ!」
「お、おばさん・・・そんな事・・・言うことないでしょ、失礼ねっ・・・」
体格差と年齢差、だが久美子もタレントの先輩として言い返すが、既に地下プロレスと聞き慣れない言葉に怯えだしていた。
(ち、地下プロレスって・・・大物プロデューサーとかが・・・金儲けの為にアイドルとか闘わせるって言う・・・噂は聞いてたけど・・・・)
久美子は内心怯えだしていると、突然ゴングが鳴らされていった。
『カァーン!』
「何処見てるんだよ!」
晴美が叫びながら突進してくると、久美子にラリアットでコーナーに押し込んでいった。
「きゃあああぁぁぁ・・・・・」
堪らず悲鳴をあげてコーナーに座り込む久美子。
「おらおらっ・・・おらっ・・・」
その久美子の顔面を踏み付けて痛めつけていく晴美。トップロープを掴んで完全に逃がさない体制だった。
リング上に響き渡る久美子の悲鳴。
だが、久美子の手がロープを掴んでいるからと、レフリーが晴美を離していった。
顔を押さえながら立ち上がる久美子だが、晴美が顔面パンチでコーナーに追い込むと、続けて髪を掴んでから膝蹴りをボディへ叩き込んでいった。
「ぶぐうっ・・・・・ぐふっ・・ぐふっ・・・」
変な悲鳴をあげて胸を押さえて座り込む久美子。晴美の強烈な膝蹴りに咳き込んでいた。
「何よ、全然手応えもないし、ホント使えないオバサンね・・・・」
苦しむ久美子に挑発的に言い放つ晴美だが、久美子は苦しくて立ち上がる事が出来なかった。
グイッ・・・
「あうっ・・・」
苦悶の表情の久美子を起こすと、膝を出してココナッツクラッシュで顔面を叩き付けていく晴美。
バキッ・・・
「きゃあああぁぁぁ・・・・・ああああっ・・・・痛いぃぃぃ・・・・」
顔面を押さえて藻掻き苦しむ久美子。
その顔面を押さえている手の上から、晴美の豪快なギロチンドロップが炸裂していった。
バシィィィ・・・
「ひいぃぃぃぃ・・・・・・」
両足をバタバタと激しく動かして藻掻く久美子。
「おらっ・・・」
だがそんな久美子をまだ許さずに、晴美が俯せ状態にしていくと、口を押さえての拷問キャメルクラッチで攻め込んでいった。
グググッ・・・
「んぐぐっ・・・んぐっ・・んぐ・・んっ・・・ぷぅ・・・」
上半身を反らされて、あまりの激痛にギブアップと言いたい久美子。
しかし晴美がギブアップで簡単に終わらせてはと、口が開けられないようにして攻めていった。
「んぐっ・・んぐっ・・んっ・・ぷぅぅぅ・・・・」
必死にギブアップを訴える久美子だが、レフリーもギブアップの言葉になっていないからと試合を止めなかった。
次第に久美子の瞳から涙が流れ出すと、晴美が顔面を掻きむしってから技を解いていった。
技を解かれても、腰などへのダメージが大きくグッタリと動かない久美子。
「腰が痛いのかなぁ・・・ふふっ・・・」
すると、立ち上がった晴美が久美子の腰を狙ってストンピングを叩き込むと、久美子の大きな悲鳴がリング上に響き渡った。
バシッ・・・バシッ・・・
「ぎゃああぁぁ・・・・痛いぃぃぃ・・・・やめてぇぇぇぇ・・・・」
しばらく攻めていくと、久美子がグッタリと俯せになっていた・・・。
グイッ・・・
「そろそろトドメだよ、これ以上虐めても仕方ないからね・・・・」
晴美は久美子の弱さに呆れたのか、仕方ないとばかりに起こしていくと、観客席に向かってフィニッシュ宣言をしていった。
力のある晴美は一気に組み合うと、久美子の身体を垂直に高々と上げていく垂直落下式ブレンバスター、それも垂直状態で久美子の身体を固定していった・・・。
バシィィィィィ・・・・・・
「ぎゃああぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
そして豪快に背中から叩き付けると、久美子がピクピクと痙攣しているようにマットに横たわっていた。
「レフリー、フォールっ!」
その半失神状態の久美子の顔面を踏み付けてレフリーにカウントを要求する晴美。もう一方的な試合展開に観客達も驚いていると、レフリーも驚きながらカウントを入れていった。
だが、ここで試合が決まると思われた瞬間、晴美がスリーカウントギリギリで久美子を俯せにして試合を終わらせないと、半失神状態から失神に追い込もうと、続けてパイルドライバーの体制になっていった。
晴美に抱え上げられて、久美子がグッタリと逆さ吊り状態にされていく・・・。
観客達も注目する中、晴美が無表情のまま久美子の脳天をマットに突き刺していった・・・。
バキッ・・・
「ふぐうっ・・・・・」
変な悲鳴をあげる久美子は、晴美に放されると四肢を脱力させて失神していった・・・。
この状態にレフリーが年齢の事などを考えてレフリーストップと言う事で、ゴングを要請していったのだった。
『カンカンカンカン・・・・』
レフリーストップ裁定に、納得のいかない晴美が続けて失神している久美子の全身にストンピングを叩き込むと、黒服たちが急いで晴美を止めていった。
「ちょっとぉぉぉぉ・・・こんな試合する為に今夜、ここに来たわけじゃないのよ!」
試合内容と相手に対しても納得のいかない晴美は絶叫すると、勝ち名乗りも受けずに控え室に戻っていった。
一方、無惨にも失神させられた久美子は、黒服によって担架で運ばれていくのであった・・・。
更に凶暴化していく晴美。
しかし、晴美の暴れ様を見つめている影が会場の隅にあったことを、晴美は知らないでいた・・・。



第5試合

大歓声に包まれていく地下プロレスのリング。
そのリングに次に現れたのは、雑誌などのグラビアで大活躍の猪上和香だった。
緊張しながらリングインする和香。グラビアで活躍しているだけあって、白いビキニが印象的だった。
リングインする和香の胸元に観客たちの視線が集中していたが、今や伝説のアメリカの大女優のモンローと同じ身体のサイズと言うのも売りであった。
グラビアで売り出した裏の取引と言う事で、地下プロレス参戦を強要された和香は、プロレスのトレーニングを真面目に積んできたらしく、少しは自信の程を見せていた・・・。
その和香の地下プロレスデビュー戦の相手として登場してきたのは、何と巨乳アイドルとして叩き潰してやるとばかりに左藤江梨子が黒いビキニ姿でリングインしてきていた。
早くも鋭い視線で睨み付けている江梨子。和香もその視線に気が付いていたが合わすことはしなかった。
T173B88W58H88の江梨子と、T165B90W61H90の和香。
大型グラビアアイドル同士の対決に、観客たちも色々と期待して歓声をあげていると、リングサイドには暴れたりないのかセコンドとして根元晴美が姿を見せていた。
『それでは、第5試合を行います・・・グラビアアイドルのビキニプロレスマッチ〜っ・・・青コーナー、猪上〜和香〜っ!』
コールされると笑顔を浮かべて観客に頭を下げる和香。
『赤コーナー、左藤〜江梨子〜っ!』
一方、江梨子はコーナーで腕組みをして和香を睨み付けていると、軽く腕を挙げてアピールしていった。
『なお、グラビア系対決の為に完全決着ルールで行います!』
完全決着ルールと言う過酷な説明に、和香は少し動揺するが、当然ながら今更逃げ出すことも出来ない地下プロレスのリング上。
それと、和香は芸能界に殴り込もうと希望を持っていたので、完全決着でも何でも頑張らなくてはと考えていた。
一方、対戦相手の江梨子は晴美に何か耳打ちしていたが、和香は内容までは解らないまま試合が開始されていった。
『カァーン!』
ゴングが鳴らされると、元気良く自慢の巨乳を揺らしながら和香がコーナーから飛び出すと、江梨子も相手の出方を伺うようにコーナーから歩み出た。
まずは距離を置いて睨み合う中、いきなり組み合って押し合う和香と江梨子。
ビキニ姿同士と言うだけあって、下を向く2人の胸がビキニから飛び出るのではないかと言うくらい揺れていた。
意外にも力強い和香に内心は驚く江梨子。
また、和香も頑張っているが江梨子の身体の大きさなどに驚きながらのファイトだった。
しかし、江梨子の身体をロープに押し込んでいく和香。
江梨子の背中がロープに押しつけられていくと、レフリーが和香にブレークを命じていった。
『ブレークっ・・・ブレークっ・・・』
レフリーの指示に和香が力を緩めると、江梨子も手を放すが突然、和香の頬に張り手を入れていった。
バシィィ・・・
「甘いんだよ、おらっ!」
江梨子の張り手に頬を押さえて数歩さがる和香。
「っ・・・・・」
初めて受けるプロレスのリング上での痛み。その痛みに内心驚いてプロレスのリングで闘っていると言う事を実感する和香。
距離を置いて睨み合うと、今度は和香が気勢をあげて練習を積んできた技を出すべく、ドロップキックから放っていった。
バシッ・・・
意外と打点の高いドロップキックで、江梨子の胸を蹴り上げた和香。堪らず江梨子が倒れると、続けて髪を掴んで起こしていった。
「いくぞぉぉぉ・・・・」
すると、観客にアピールしてから和香が江梨子の身体をロープに振ると、ロープから返ってきた江梨子の顔面にジャンピングニーパッドを叩き込んでいった。
バキィィィ・・・・
「ぐわぁ・・・・イタッ・・・・」
堪らず顔面を押さえて倒れる江梨子に、和香が続けて両足を抱え込んでの逆エビ固めを極めていった。
グググッ・・・
懸命に技を極めていく和香。
逆に、柔らかいとは言え背骨がミシミシと軋む江梨子。
苦しいが悲鳴を上げずに耐える江梨子。何とかロープに逃げようと手を伸ばしていた。
すると、リングサイドから晴美がリング内に乱入して、技を仕掛けて無防備の和香の顔面にラリアットを叩き込んでいった。
「ず、ずるい・・・何するのよ、関係ないでしょ・・・」
倒れ込んでいく和香。江梨子に仕掛けていた技が解かれてしまい、フラついて立ち上がると晴美に詰め寄った。
だが、晴美は和香を相手にする事もなくリング下に逃げていった。
グイッ・・・
「アンタの相手は私だろ・・・」
晴美をリング上から睨み付ける和香の髪を掴んでいく江梨子。
「何よ、放してよ・・・・」
髪を掴まれて抵抗する和香。だが、無理矢理に江梨子がヘッドロックで締めつけていく。
グググッ・・・
「ううっ・・・ま、負けない・・・」
すると、和香がヘッドロックに極められていると身体を密着させていき、一気に江梨子の身体を投げていくバックドロップで反撃していった。
完全に油断していたのか、デビュー戦の和香がバックドロップを仕掛けてくるとはと後頭部を叩き付けられて一瞬意識を飛ばして大の字になる江梨子。
一方、和香が立ち上がっていくと倒れている江梨子を見て、走り込んでから自慢の巨乳にエルボードロップを落としていった。
グニュ・・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・・・・」
和香の肘が鋭く突き刺さると、さすがの江梨子も絶叫して胸を押さえて藻掻いていた。
その苦しむ江梨子を追い込もうと、和香が座り込むと首4の字固めで江梨子を苦しめる和香。
ググググググッ・・・
「うぐぐっ・・・・くっ・・・・・」
和香に締め上げられて顔を紅潮させていく江梨子。まさかの和香の攻めの連続に驚いていた。
レフリーも江梨子の様子をチェックしていると、突然に和香が叫んでいった。
「何よ、邪魔しないでよ・・・ちょっと・・・グボッ・・・・・」
そう、晴美がまた乱入すると、和香のお腹へストンピングを入れて逃げていくのであった。
お腹を蹴られて技を解いてしまう和香。口を押さえて苦しそうに咳き込んでいった。
「ふん、結構やるじゃないの・・・だったらいいわよ、ふふふっ・・・・」
フラついてはいたが、江梨子が余裕を見せるようにして立ち上がると、手招きして和香を挑発していった。
「な、何よ・・・ズルイ事ばかりしてるくせに・・・・」
お腹を押さえながらも立ち上がる和香が、江梨子を睨みながら言い返していた。
すると、距離を詰める江梨子がローキックで攻めると、和香がフラついていった。
更に、フラついた和香の脇腹にミドルキックを叩き込むと、和香は苦悶の表情を浮かべて動きが止まってしまった。
「ふん、これからのプロレスは打撃技だって大事なのよ・・・ほらっ!」
更に顔面へハイキックを叩き込むと、和香は悲鳴をあげてマットに崩れ落ちていった。
顔を押さえて倒れている和香。
すると、リングサイドからまたも晴美が乱入すると、グッタリしている和香を俯せにして、キャメルクラッチに極めていった。
グググッ・・・
「ううっ・・・うううんっ・・・・」
両足をバタバタさせて藻掻く和香。その和香を見て江梨子がニヤニヤしながら近づいていった。
会場からはブーイングと歓声が飛んでいたが、その中を江梨子が無防備にキャメルクラッチを喰らっている和香の自慢のバストへ、ノーガードキックを叩き込んでいった。
グシュ・・
「ふがあぁぁぁ・・・・・」
変な悲鳴をあげる和香。更に、晴美が髪を掴んで口を開ける状態で固定していった。
「いっ・・いやっ・・・・やめてぇぇぇ・・・・こんなの反則じゃないのぉぉぉ・・・・」
和香が叫んでいるが、江梨子が構わず胸に蹴りを入れていくと、和香が絶叫して藻掻いていった。
「イタあぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
グッタリしている和香を見て、晴美がリング下に逃げていくと、江梨子は続けて俯せで倒れる和香の顔面へ蹴りを数発入れると、コーナーポストに登ってガッツポーズを決めて観客にアピールしていった。
更に、フラフラしながら立ち上がろうとする和香に蹴りを入れて、また俯せにしていくと一気にキャメルクラッチの体制にもっていってから、背中のビキニブラジャーの結び目を解くと、一気に和香をトップレス状態にしていった。
「いやあぁぁぁぁ・・・・・」
必死に胸を隠そうとするが、胸に気を取られている隙に江梨子が剥ぎ取ったビキニを和香の首に巻き付けていった。
グググッ・・・
「うぐぐぐっ・・・ぐるしぃ・・・・・・」
首を絞められていき、呼吸も出来ずに藻掻き苦しむ和香。
「ほらほらっ・・・苦しみなっ・・・おらっ・・・・」
更に首にビキニを巻き付けてキャメルクラッチみたいに反らしていく江梨子。
胸を隠していた和香の手が、苦しさから首に巻かれたビキニの方へ移動して、見事な90pのバストがプルンプルンと揺れていた。
口から涎を垂れ流し始める和香。レフリーも和香の胸の揺れに注目していて江梨子の反則カウントを入れていかないと、和香が失神状態に追い込まれていった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ここでゴングの要請がされていくと、激しくゴングが打ち鳴らされていった。
江梨子がビキニを放すと、和香が舌を出してマットに横たわっていた。
この試合結果に、リングアナが急いで本部裁定を説明していった。
『ただ今の試合、左藤江梨子の反則が明らかなので、猪上和香の反則勝ちとします!』
そのコールに納得しているのか、江梨子も何も言わなかったが、グッタリしている和香に対して晴美と一緒にストンピングを叩き込んでから、控え室に引き揚げていくのであった・・・。
一方、和香は失神したまま黒服によって担架で運ばれていくのであった・・・。



第6試合

「今夜は誰が相手だろう・・・」
前回の大会で電撃的デビューを果たした長沢奈央。その奈央がまた地下リングに向かっていた。
今回は特製の白い競泳タイプのワンピース水着に、白いリングシューズと言う格好でリングインしていった。
飛び技を上手く出したりと、意外性のタレントの登場だったが、前回はジュニア体型の市河由衣が相手だったが、今回は・・・。
奈央が早くもリングインしてコーナーで対戦相手を待っていると、その注目の対戦相手がリングインしていった。
「今夜はよろしくね・・・・」
笑顔でリングインしてくるのは、あの局山えりであった。
T168B92W58H85の身体を奈央と同じく白色のワンピース水着で登場していったが、グラビア系と言う事もあり、胸の谷間が強調されたタイプのワンピース水着だった。
えりの登場に奈央も緊張した様子だったが、先輩と言う事で一礼して コーナーでリングアナのコールを待っていた。
『第6試合〜っ・・・青コーナー〜・・・長沢〜奈央〜っ!』
リングアナにコールを受けると、奈央がコーナーから数歩出てから観客席に向かって頭を下げていった。
『赤コーナー〜・・・局山〜えり〜っ!』
一方、えりも久しぶりの地下リングだったが余裕の笑顔で観客に頭を下げていった。
T166B86W58H86の奈央、T168B92W58H85のえり。
グラビア系ナイスバディ対決とも言えるこの試合。早くも観客達の視線が2人の水着姿に釘付けとなっていた。
その2人が、レフリーにリング中央に招かれるとボディチェックを受けていたが、2人は視線を合わせながら待っていた。
チェックが終わると、2人は手を合わせてから各コーナーに別れると、そこでゴングが鳴っていった。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出していくえりと奈央。
まずは距離を取っていくが、突然奈央がその場で飛び上がってのローリングソバットを繰り出していった。
だが、えりも冷静にガードしていくと、逆に奈央の腕を掴んでロープに振っていった。
しかし、奈央もロープに腕を絡めて戻らずロープに寄りかかると、少しずつえりとの距離を縮めていった。
お互いが間合いを取っていると、いきなり奈央が水面蹴りを出していく。
突然の水面蹴りにえりも飛び上がって避けていくと、逆に低空ドロップキックで反撃していった。
バシッ・・・
えりの一撃が奈央の胸に決まると、奈央が苦しそうに倒れていった。
その奈央へストンピングで追い込んでいくえり。
バシッ・・バシッ・・・
蹴りこまれてロープへ逃げていく奈央。レフリーが奈央の手がロープに掛かったのを確認すると、えりを離していった・・・。
奈央は立ち上がると、今度はロープに走って助走をつけていくと、一気にフライングクロスチョップをえりのバストへ炸裂させていった。
えりも驚きながらフラつくと、続けてローリングソバットがえりのお腹を抉っていった。
グシュ・・・
「ぐふっ・・・・」
堪らずお腹を押さえて座り込むえり。
すると、髪を掴んでからアピールすると、首投げからえりをマットに座らせた状態にすると、スリーパーで締め上げていった。
顎を締め上げられて手を伸ばして逃げようとするえり。
だが、奈央もガッチリとスリーパーを極めて締め上げていった。確実にえりのスタミナを奪っていく奈央のスリーパー。
えりも必死に汗を流しながらロープに逃げようとしていた。
何とかロープに足を伸ばすえり。ここでレフリーがブレークを命じていった。
レフリーに言われて技を解いていく奈央。えりも顎の辺りを気にしながら立ち上がると、今度は奈央がドロップキックを叩き込んでリング下に落としていった。
「きゃあああぁぁ・・・・・・」
悲鳴をあげてリング下に転落するえり。
リング下で痛がるえりを見ている奈央が、反対側のロープに走っていくと、一気にリング下のえりに向かって何かを仕掛けようとしていった。
リング下のえりも立ち上がると、走り込んでくる奈央に警戒していたが、奈央はロープの所で一気に反転すると、両手を頭上に挙げて観客に向かってアピールしていった。
すると、えりがリングに戻っていくが、奈央が距離を置いて見ていた。
リングに戻るえりだが、奈央がまた走り出すと、いきなりフライングレックラリアートをえりに叩き込んでいった。
バキィィィィィ・・・・
「んああぁぁぁ・・・・ああっ・・・」
大技をまた受けて、えりが苦しみながら倒れていくと、奈央はロープに走り込んでから、倒れているえりのお腹へセントーンを落としていった。
奈央のヒップが叩き込まれて藻掻き苦しむえり。
「ゴホッ・・ゴホッ・・・・くっ・・・・」
激しく咳き込みながら俯せ状態で苦しむえり。
すると、俯せ状態のえりの足を自らの足でフックすると、背中を叩いてからえりの腕を掴んでから、一気にロメロスペシャルを仕掛けていく奈央。
いきなり大技が出て驚く中、えりの身体が宙に浮かび上がっていた。
全身に響く技の苦痛に、えりが首を横に振って悲鳴をあげていった。
「きゃあああぁぁぁぁ・・・・痛いぃぃぃぃ・・・・あああああああっ・・・・・」
悲鳴をあげるえりをギブアップさせようと、奈央も必死に持ち上げていた。
技を仕掛けている奈央も、力を入れていると全身から汗が噴き出てきて、白い水着が汗ばんでいた。
耐えているえりに、奈央の方が疲れてきたのか技を解いていくと、えりはグッタリとマットに倒れ込んでいった。
だが、奈央も初めて使った大技にスタミナを使ったのか、立ち上がるが呼吸を整えるようにロープに寄りかかった。
すると、えりがフラつきながら立ち上がると、奈央も立ち上がったえりに近づいた。
バシィィィ・・・・
「くうっ・・・・」
突然水平チョップをえりの喉元に叩き込む奈央。
すると、えりも負けじと水平チョップを奈央の喉元に叩き込むと、水平チョップ合戦になっていった。
バシッ・・・バシィィィ・・・・バシィィィ・・・・
激しい意地の張り合いになって相手を倒さんばかりにチョップを叩き込んでいくえりと奈央。
先にフラついたのは、意外にも奈央の方だった。
すると、えりが一気にボディスラムでマットに背中から叩き付けてから、勢いをつけてのエルボードロップを奈央のバストに叩き込んでいった。
「きゃああぁぁぁぁ・・・・」
胸に肘を叩き込まれて藻掻き苦しむ奈央。
「これならどうっ・・・ほらっ!」
更にえりが両足を抱え込んで逆エビ固めを極めていくと、奈央が激しくマットを叩いて悲鳴をあげていった。
バンッ・・・バンバンッ・・・
「痛いっ・・・・痛いぃぃぃぃ・・・・・ああああっ・・・・イヤアアァァァァァァ・・・・・」
背中を反らされて全身に走る激痛に悲鳴をあげる奈央。
「ギブアップすれば楽になれるわよ、ほらっ!」
更に揺さぶりかけてギブアップを促すえり。
「ああっ・・・・だ、誰が・・・・んああぁぁぁぁぁ・・・・・イヤあぁぁぁぁぁぁ・・・・」
必死にロープに手を伸ばす奈央。しばらく痛めつけてからえりが放すと、奈央がグッタリとマットに倒れ込んだ。
その奈央の背中にヒップドロップを叩き込んでから、今度はキャメルクラッチで攻め込むえり。
両足をバタバタさせて苦しむ奈央。
その奈央の技を解いて起こしていくえり。
足元がフラフラしている奈央だが、えりが無理矢理にロープに振っていくと、フォームの良いドロップキックで奈央を倒していった。
大の字に倒れ込む奈央だが、えりが続けて起こしてからロープに振ると、今度は強烈なラリアットを狙っていった。
しかし、奈央が避けてロープに走っていくと、お返しとばかりに勢いよく浴びせ蹴りを叩き込んでいった。
これまた初めての技だったが、一応はえりの胸元を抉って反撃は成功したが、仕掛けた奈央も受け身を取り損ねてダメージを受けていた。
共にリング上で倒れている奈央とえり。
レフリーもダブルノックダウンかと考え出すと、奈央がフラフラしながら立ち上がっていった。
しかしロープに寄りかかってえりを見つめるが、自らのスタミナを回復させようと呼吸を整えていた。
一方、えりも呼吸を荒くしていたが、取りあえずは奈央から距離を置くためと、転がるようにしてリング下にエスケープしていった。
しばらくすると、えりもフラつきながらも立ち上がってリング上の奈央を見つめていた。
一方、奈央も呼吸が落ち着いてきて、えりの動きを見つめていた。
何かリング上に上がろうとするえり。
だが、エプロンサイドに上がったえりをロープ越しに奈央が捕まえると、そのままコーナーに連れて行ってコーナーポストに顔面を叩き付けていった。
これにはえりも倒れずに、意地になって逆に髪を鷲掴みにすると、逆のコーナーに連れて行ってお返しとばかりに奈央の顔面をコーナーポストに叩き付けていった。
奈央がフラついた瞬間、その隙を突いてえりがリングインしていくと、今度は奈央が張り手を叩き込んでいった。
バシィィィィ・・・
口から涎の飛沫を飛ばす程の衝撃に、えりがフラつくがこれまた張り手を返していった。
バシィィィ・・・・
同じく奈央も口から涎の飛沫を飛ばすと、またやり返しての張り手合戦になっていくリング上。
お互いが意地になってか激しく相手の頬を張っていった。
すると、堪らずえりの膝が折れて膝をマットに付く形になると、奈央がえりのバストへ蹴りを入れていった。
「んっ・・・んくっ・・・・・」
これには相当苦しそうにして、えりが胸を押さえ込むと、奈央が構わず顔面へミドルキックを叩き込んでいった。
バシィィィィ・・・・・
フラつくが倒れないえり。だが顔面への蹴りは相当痛そうだった。
顔を押さえるえりを起こしていくと、続けてお腹へミドルキックを叩き込む奈央。
バシィィィ・・・・
「ぐふっ・・・・・」
今度はお腹を押さえて苦しむえり。お腹に続いてローキックで足を攻めると、奈央がロープに走ってからフライングレッグラリアートをえりに叩き込んでいった。
バシィィィィ・・・・・
これには堪らずダウンするえり。虚ろな目で天井を見上げていた。
そのえりの両足を抱え込んで、奈央がリング中央に連れて行くと、そのまま倒れているえりにボディプレスを叩き込んでフォールしていった。
『ワン・・・ツー・・・ス・・・・』
決まったかと思われた瞬間、えりが肩を浮かせて何とか耐えると、奈央が立ち上がってからストンピングを叩き込んでから、今度は必殺パイルドライバーを狙っていった。
されるがままにえりが逆さにしていくと、奈央はそのままえりの脳天からマットに叩き付けていった。
この一撃には四肢を脱力させてえりが倒れ込むと、奈央がまたもフォールを狙っていった。
だが、これもえりが肩を浮かせて返していくと、攻めている奈央が焦りだしていた。
ここで奈央の頭に浮かんだのは、デビュー戦で市河由衣からスリーカウントを奪ったムーンサルトプレスだった。
息を荒くして苦しそうに倒れているえりを見て、ここで決着をと考えた奈央は、えりの足を抱え込んでコーナー近くに連れ出すと、
一気にトップロープに登っていった。
「いくぞぉぉぉぉ・・・・・」
ここで決着を着けると言う気持ちの表れか、観客席に向かって手を挙げてアピールすると、一気に奈央の身体を宙に舞っていった。
アクション出身だけに綺麗な形のムーンサルトプレスでえりの身体を押しつぶした瞬間・・・。
「ぶげえぇぇぇぇぇ・・・・・オエッ・・・・」
突然苦しみだしたのは、奈央の方でお腹を押さえてマット上を藻掻き苦しんでいた。
そう、ムーンサルトプレスを仕掛けてくるの察知したえりが、膝を立てて奈央のお腹に当たるように待っていたのだった。
まさかの反撃に、お腹を抉られて奈央は口から激しく胃液を吐きだして苦しむと、えりが奈央の吐き出した酸っぱい臭いの中、覆い被さるようにフォールしていった。
『ワン・・・ツー・・・スリー・・・・』
えりが逆転に成功して、ここで試合に勝利していった。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされる中、えりがフラつきながら立ち上がるが、奈央はお腹を押さえて倒れたままだった。
『ただ今の試合、局山えりのフォール勝ちです!』
えりの勝利を知らせるコールが流れると、リングドクターの西川綾子がリングインして、苦しむ奈央をチェックしていった。
苦しむ奈央を気にするえりだが、奈央はそのまま担架に乗せられて医務室に運ばれていくのであった。
試合展開では勝っていた奈央だったが、キャリアの違いからえりの意外な逆転に負けてしまった。
しかし、試合に勝ったえりもコーナーに寄りかかると、しばらくはそのままでいるくらいスタミナを消耗する試合であったことから、奈央も経験を積んでいったら大物になる事は間違いなかった。
また、その事は対戦したえりも認める所だった・・・。



第7試合

注目の集まるリング上。そこへまた2人の女豹が姿を現そうとしていた・・・。
まずリングインしたのは、久しぶりの地下プロレス登場となった加藤愛だった。
留学・引退など色々と噂のあった愛だったが、最近の活動もあまりパッとしないのが現状で、地下プロレスには事務所側からの売り込みもあっての登場となっていった。
白い競泳水着に白いリングシューズ姿の愛。緊張した表情でコーナーに寄りかかっていたが、どことなく落ち着きがなかった。
その愛の待つリングに登場してきたのは、何とあの深多恭子だった。
この2人、同じ学校の同級生同士と言うのもあったが、最近はお互いがパッとしないのは事実。
同級生と言っても挨拶もあるわけでもなく、敵同士と言うことで鋭い視線で睨み合っていた。
そんな中、恭子が反対コーナーの愛に向かって歩み寄ると、愛も黙って見つめていた。
「久しぶりね、元気にしていたの?」
恭子が対戦相手ではあっても、同級生と言う事で問いかけていく。
「元気よ、深多さんも元気そうね。健康そうな身体そうだし・・・」
その間の言葉に引っかかったのか、恭子が言い返した。
「何よ、それって私の事を太ってるとか、デブとか言いたいわけ・・・」
「何よって何よ。それって自分でそう思ってるからなんじゃないの!」
その愛の言葉に、恭子が珍しく怒った表情で愛の髪を掴んで詰め寄ると、愛も負けずと髪を掴み返していった。
「いいわよ、ただのプロレスにしようと思ったけど、そういうなら負けたら罰ゲームがあるって言うのはどう?」
愛が恭子に何か敗者には罰ゲームをと言い出すと、恭子も黙って考え出していた。
だが、2人のやり取りを見ていた観客席からは、水着剥ぎデスマッチコールがおきていった。
『だったら負けたら水着剥ぎっ・・・水着剥ぎデスマッチで闘えっ!』
『負けたら全裸っ、全裸っ・・・全裸っ・・・全裸っ・・・』
早くも盛り上がっていく会場内。その水着剥ぎデスマッチルールには愛も困りだしていた。
しかし、恭子が自信を持って愛に詰め寄った。
「だったら敗者水着剥ぎデスマッチでやりましょうよ・・・それとも、怖いのかしら・・・」
恭子も全裸と言う言葉には抵抗があったが、デブなどと言う言葉から、意地になって愛を挑発していった。
すると、リングアナも水着剥ぎデスマッチ扱いと言う事で、さっそくコールを始めていった。
『第7試合〜、水着剥ぎデスマッチ〜っ・・・・青コーナー〜、加藤〜愛〜っ!』
そのコールに戸惑いながらも手を挙げてアピールする愛。
『赤コーナー〜、深多〜恭子〜っ!』
そして恭子がコールを受けると、黒い競泳水着で身体を動かしていた。
外見からも、恭子はT166B86W62H88だったが、愛はT161B79W56H83と言う体格差は否めなかったが、もう既に2人はやる気になっていた。
『カァーン!』
2人のやる気を見て、さっそくゴングが鳴らされていくと、いきなり愛が走り込んで喧嘩キックを叩き込んでいった。
ボシュ・・・
「ぐうっ・・・」
お腹へ蹴りを入れられて、恭子がフラついていくと早くもアピールして愛がドロップキックで倒していった。
恭子が倒れると、構わずヒップに蹴りを入れてリング下に落としていった。
試合開始からエキサイトする愛と恭子。
恭子はリング下から愛を睨み付けると、奇襲的な攻撃に腹を立てていた。
一方、久しぶりの地下プロレス登場の愛は、キャリアでは負けているからと、動き回って倒してやると考えているようだった。
恭子がリングに戻ってくると、ロープ越しに愛が牽制していった。
愛が構えているからと、恭子もリングインするのを躊躇うと、レフリーが愛を制して距離を置かせると、恭子がリングに戻っていった。
距離をお互いが置くと、今度はプロレス的に組み合っていくと、お互いが力を入れて押し合っていった。
こうなると、体格的に恭子が上回っているから、徐々に愛をロープまで押し込んでいくと、顎を片手で押さえてから、もう片方の手を手刀のようにして恭子が呟いた。
「プロレスで有名なんでしょ、チョップって・・・」
すると、振り上げていた手刀を愛の首筋に叩き込んでいった。
バシィィィ・・・・・
「うわあぁぁぁ・・・・・」
堪らず悲鳴をあげる愛。
更に恭子のチョップが叩き込まれていくと、次第に愛の膝がガクガクと震えるようにして折れていった。
その座り込む愛の髪を掴んで起こしていく恭子。
「まだ休む時間じゃないでしょ・・・恭子はぁ〜、そういうの、嫌いですぅぅぅ・・・・」
突然頬を膨らませていく恭子。
すると、愛の胸に水平チョップを叩き込んでいった。
バシィィィィ・・・・・
恭子の強烈なチョップにフラついてロープに寄りかかる愛。
更にチョップを連発していくと、愛が堪らずエルボースマッシュで反撃に出ていった。
バキィィィ・・・・
油断していたのか、上手く恭子の頬を愛の肘が抉ると、恭子がフラついていった。
その一瞬を逃さずに愛が首に腕を巻き付けると、一気にジャンプして勢いをつけてからのDDTを叩き込んでいく愛。
これには恭子も堪らず大の字状態になっていった。
更に腕を取りに行く愛。
グイッ・・・・
「んああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
突然両足をバタバタさせて悲鳴をあげる恭子。
そう、恭子の腕を捻っての愛の羽折固めが極まっていった。
意外な技だったが、恭子は腕を折られるような痛さに悲鳴をあげた。
愛は黙ったまま極めていくと、恭子が何とかロープに足を伸ばして逃げていった・・・。
レフリーが愛を離していくと、恭子は腕を気にしながら立ち上がっていった。
すると、勢いづいたのか愛が打撃スタイルのように構えると、飛び込んではローキックからミドルキックと叩き込んでいった。
しかし蹴りが得意ではない愛の蹴りは、形はそれらしく見えていたが、威力はそれほどでもなかった。
愛の打撃に対して、恭子も頭に来たのか突進していくと、距離を詰めて顔面へ掌打を叩き込んでいった。
掌打と言うより相撲の突っ張りのように感じにも見えたが、恭子の大きな手の平が愛の頬などを叩いていくと、愛の勢いは止まって防戦一方になってしまった・・・。
必死に顔面ガードをしていく愛だが、恭子はガードの上から左右のフックのように掌打を叩き込むと、一気に抱え上げてボディスラムで愛の身体をマットに叩き付けていった。
バァーン・・・・
「痛っ〜っ・・・・うううっ・・・・」
背中を押さえて苦しむ愛。
グイッ・・・
更に愛を痛めつけようと、恭子が無理矢理に起こしてからロープに勢いをつけて振っていった。
ロープから返ってくる愛。しかし、待ちかまえていた恭子の顔面にジャンピングニーパッドを叩き込んで反撃していった。
バキィィィ・・・
「調子に乗らないでよね、豚多さんっ!」
更に倒れていく恭子のお腹を集中的にストンピングで蹴りこむ愛。
バシッ・・バシッ・・・
「ぐふっ・・・ぐぶっ・・・ぐ、ぐるじい・・・・お、お腹はやめて・・・・・」
お腹を蹴りこまれると、いきなり藻掻き苦しむ恭子。
たしかに肉付きは良かったが、腹筋は鍛えている様子もなく、衝撃を受けて苦しかったのであった。
更に足をキャッチすると、そのまま自らも倒れ込んでの膝十字固めを極めていく愛。
これにはマットを激しく叩いて悲鳴をあげていく恭子。
恭子の激しい苦しみ様にレフリーもギブアップの確認をするが、恭子は額から汗を流しながら耐えていた。
更に技を解いていくと、意外にも足4の字固めで恭子の膝を徹底的に痛めつけようとする愛。
今度は恭子も耐えようとするが、両足への激痛の前に絶叫していった。
「きゃあぁぁぁぁぁ・・・・あ、足ぃぃぃぃ・・・恭子の足が折れちゃうぅぅぅぅ・・・・・・」
「折れたっていいの?・・・いくわよ!」
愛も調子に乗って極めていくと、恭子は必死にロープに手を伸ばしていった。
更に両腕を使ってロープに近づこうとする恭子。
体重差から少しずつロープに逃げていく恭子だが、全身汗まみれになる程、スタミナを消耗していった・・・。
『ロープっ・・・ブレーク、ブレーク・・・』
レフリーが恭子の手がロープに掛かったのを確認すると、愛に技を解くように指示していった。
仕方なく愛が技を解いて立ち上がると、恭子は足へのダメージから立ち上がれなかった。
すると、愛が走り込んで倒れている恭子の脇腹に低空ドロップキックを叩き込んでリング下に叩き落としていった。
リング下で苦悶の表情で倒れている恭子。
リング上で立っている愛も、体重差のある恭子を攻め続けていた為、スタミナを相当使っているようであった。
恭子がリング下にいるからと、肩で息をするようにロープに寄りかかる愛。
その愛の仕草をリング下から恭子も見逃してはいなかった・・・。
(く、苦しいのは恭子だけじゃないんだ・・・絶対に負けない・・・・)
呼吸を整えてからリングに戻っていく恭子。
すると、愛が恭子の膝を狙ってローキックを出していくが、今度は恭子も負けてはいなかった。
バシィィィ・・・・
フォームこそ悪いが、愛へローキックで対抗する恭子。
お互いが意地になって蹴り合うと、威力は恭子の方が上なのか、愛の蹴り足が鈍っていった。
鈍る愛を見て、恭子が間合いを詰めていくと、一気に鋭いキチンシンクを愛に叩き込んでいった。
ボシュ・・・
「ぐぼうっ・・・ぐうううっ・・・・・」
恭子の膝が、まるで愛の胃袋をぶち破るように叩き込まれると、愛は口から胃液のような液体を垂らしながら座り込んでしまった。
「さっきのぉぉ・・・足への攻撃は痛かったんだよ・・・加藤さん・・・」
黙々と呟く恭子の言葉に驚く愛だが、座り込んだまま恭子のお腹へパンチを叩き込んで抵抗していった。
しかし、恭子が愛の髪を鷲掴みにすると、一気にマットに叩き付ける荒技・フェイスバスターで痛めつけていった。
これには顔面を両手で覆って悲鳴をあげる愛。
更に、俯せ状態で顔面を押さえる愛の後頭部にギロチンドロップを叩き込むと、続けて仰向けにして愛に首4の字固めを極めていく恭子。
恭子のムッチリとした太股の肉が、愛の首に食い込んで、愛のスタミナをまた削り取っていった。
首に絡みつく恭子の足に手を掛ける愛。
バタバタしている足の抵抗も少なくなっていった。
そろそろフィニッシュにいこうと考える恭子は、技を一旦解いていくと、愛を起こしてからボディスラムでマットに倒していった。
虚ろな表情で天井を見上げる愛。
その愛から距離を取った恭子は、手を挙げて観客にアピールしていった。
まるでフィニッシュ宣言のような恭子のアピールに続いて、走り込んでから愛の無防備なお腹へ、26.5と言われる恭子の大きな足が揃えられて愛のお腹を抉っていった。
そう、フットスタンプが叩き込まれたのだった。
アイドルとしてもヘビー級の恭子の全体重が愛のお腹へ叩き込まれて、愛は内臓を押しつぶされるような感覚に襲われていった。
口をパクパクして、更には胃液を垂れ流していく愛。
お腹を押さえる愛に構わず、恭子が余裕の表情でフォールしていった。
『ワン・・・・ツー・・・・スリ・・・・・』
「うわああぁぁぁぁぁ・・・・・」
カウントが入ったと思われた瞬間、愛が絶叫しながらブリッジで恭子の身体を返していった。
まさかの愛の踏ん張りに、恭子も観客たちも驚いていた。
「頑張っても結果は同じなの・・・解る?」
恭子は内心は驚きながらも、愛を無理矢理に起こしてコーナーに押し込んでいくと、お腹へ左右のボディブローを叩き込んでいった。
ボシュ・・・グシュ・・・
「ぐぶっ・・・ごえっ・・・・うげっ・・・」
コーナーに背中を固定させて、前からは恭子の重いパンチを叩き込まれて、口から更に涎を垂れ流して苦しむ愛。
更にコーナーへの串刺しラリアットで完全にグロッキー状態に追い込まれる愛。
グイッ・・・・
その愛の両足を抱え込んでリング中央に恭子が連れて行くと、意識を朦朧とさせていた愛を跨いでいった。
すると、首をカッ切るぞと言うポーズをして、一気に飛び上がってヒップドロップを愛のお腹へ叩き込むと、今度は激しく反吐が飛び散っていった。
これには愛が全身をピクピクと痙攣のようにさせていくと、恭子はゆっくりと愛の両肩に手を添えてフォールしていった。
『ワン・・・ツー・・・スリー・・・』
今度は完全に愛を仕留めていった恭子。レフリーのカウントが入ると、ここで恭子の勝利が決まっていった。
『フォール勝ちで深多恭子の勝利とします!』
試合に勝った恭子も相当疲れているのか、フラフラしながらレフリーに勝ち名乗りを受けると、そのままコーナーに戻って寄りかかっていた。
一方、愛は半失神状態で倒れたままであった。
だが、試合前に決まったと言え、水着剥ぎデスマッチには変わらなかった・・・。
『愛ちゃ〜ん、脱いでみようか〜?』
『脱がせっ・・・脱がせっ・・・』
早くも会場内には愛の水着剥ぎへの期待から、水着剥ぎコールまで起きていたが、そのコールに驚いていたのは恭子の方であった。
愛が意識をハッキリさせると、一瞬恭子を睨み付けていった。
だが、なかなか水着を脱ごうとしないと、ここで黒服たちが愛の腕などを掴んでいった。
「いやっ・・・放してよ、放してぇ・・・・いやあぁぁぁ・・・・」
嫌がる愛だが、無理矢理に水着を剥ぎ取られていくと、リング上で全裸の状態で必死に胸と股間を隠そうとする愛だけが残されていった。
更に、剥ぎ取った愛の汗まみれになった白い水着は、黒服によって観客席に投げられていくと、その水着に観客たちが殺到するのであった。
その光景を無言で見つめたまま、リングを後にする勝者の恭子。
一方、敗者で全裸にされた愛は、しばらくリング上で一糸まとわぬ姿を晒されていくのであった・・・。



第8試合

『続きましては、グラビア系アイドルビキニプロレス〜っ!選手入場っ!』
早くもリングアナのコールが始まり、歓声に押されるようにリングに向かって歩き出すのは、グラビアや最近では映画にも出ていた仲根霞だった・・・。
T164B87W58H84と言う見事な身体を、まるでグラビアの撮影でもするかのようなピンク色のビキニに白いリングシューズ姿でリングインしていく霞。そのロープを潜る瞬間、霞のビキニブラジャーから胸が飛び出しそうになると、観客席からは溜息さえ聞こえてくるような盛り上がりだった。
霞にとっては久しぶりの地下プロレスのリング。
最近の活躍の代償として、地下プロレス出場を指示された霞だが、少しでもアピールしなくてはとアクション映画の撮影の合間にも、色々と技などを研究してきたようだった。
一方、その霞の立つリングに向かってきたのは、同じく巨乳グラビアアイドルの戸向美奈子だった。
やはり霞と同じくビキニ。それも同じ色のピンク色のビキニでの登場に、観客たちの視線が当然だが胸の谷間などに集中していた。T156B90W58H85と霞に比べるとムッチリ系かも知れないが、地下プロレスでのキャリアは霞より上であった。
早くも視線が激しく交錯するリング上。
お互いが絶対に勝ちたい。そしてこの相手だけには負けたくないと思っている様にも見えていた・・・。
2人がコーナーから睨み合いだすと、リングアナが絶妙なタイミングで2人の心を煽るように、コールを始めていった。
『第8試合、グラビア系アイドルビキニプロレス、青コーナー〜っ・・・仲根〜霞〜っ!』
コールを受けて観客に手を挙げてアピールしていく霞。
『赤コーナー〜っ・・・戸向〜美奈子〜っ!』
そして美奈子も霞に対抗するように、観客席に向かって笑顔でアピールしていった・・・。
コールが終わると、レフリーがボディチェックの為にリング中央に招き寄せると、霞と美奈子は早くも睨み合っていた。
普段はグラビアで笑顔を振りまいている2人も、地下プロレスのリングの上では別だった。
美奈子は活躍の場を増やそうと、霞は映画などに出してもらった代償と、これからの展開の為にと・・・。
そしてレフリーが各のコーナーに送り出すと、そこからゴングが鳴って開始していった。
『カァーン!』
ゴングの音と同時に仕掛けたのは、何と美奈子の方でコーナーで振り向いた霞に対して、コーナー串刺しのラリアットを叩き込んでいった。
いきなりの奇襲攻撃に霞がコーナーに座り込むと、続けて美奈子のストンピングが霞を襲った。
バシッ・・・バシッ・・・バシッ・・・
「うっ・・・・くっ・・・・・っ・・・・」
必死に顔だけはとガードして耐える霞。
美奈子も自慢の胸を揺らしながら蹴りこんでいった。
グイッ・・・
怯む霞の髪を掴んで一気に首投げでマットに倒すと、続けて美奈子のヘッドシザースが決まっていった。
グググッ・・・
美奈子のムッチリとした太股に首を挟まれて、霞がマットを叩いて苦しんでいた。
だが、霞がロープの存在に気が付くとロープに足を伸ばしてブレークとなっていった。
レフリーの指示に美奈子が放すと、立ち上がって距離を置いていった。
一方、霞も首を気にしながらも立ち上がると、美奈子との間合いを計っていた。
すると、霞も反撃とばかりにドロップキックを叩き込むと、美奈子は跳ねられてロープに飛ぶと、逆に仕掛けてマットに倒れる霞にストンピングを叩き込んでいった。
これには堪らずリング下にエスケープしていく霞。
リング下に逃げた霞に、美奈子は煽る為にも両手を挙げて観客たちにアピールすると、リング下の霞の動きを見つめていた。
一方、霞は試合開始から美奈子に押されている事に焦り出すと、リング下から美奈子を見つめていた。
そして、霞がリングに戻ろうとエプロンサイドに上がると、美奈子もロープ越しに髪を掴んでいった。
「何するのよ、離してよ!」
霞が叫ぶ。しかし美奈子も言い返した。
「何言ってるのよ、プロレスなんだから・・・」
必死になって叫ぶ美奈子が、ロープ越しに霞の髪を掴んだままコーナーポストに連れて行くと、霞を場外側の金具部分に叩き付けようとした。
しかし、霞も必死に足で突っ張ると、逆に美奈子をコーナーポストのカバーが付いた部分に叩き付けて反撃していった。
油断していてフラつく美奈子。
その美奈子にロープを潜ってタックル気味に仕掛けていく霞。
美奈子が下になって倒れると、今度は霞が腕を狙っていった。
しかし美奈子が冷静にロープに手を伸ばして逃げると、レフリーがブレークの指示をしていった。
仕方なく霞が放して立ち上がると、美奈子も立ち上がっていった。
美奈子が立ち上がると、突然走り出して霞がラリアットを叩き込むと、威力が十分でなかったのかフラついていく美奈子。
更に、霞が絶叫してフライングラリアットを叩き込んで倒していった。
首を押さえて仰向けに倒れ込む美奈子。
「これでも喰らえっ!」
霞が叫ぶと、美奈子の片足をキャッチしてアキレス腱固めを極めていった。
「うわあああぁぁぁぁ・・・・・・・」
これには美奈子が絶叫していくと、ロープが近くないからと空いた片足でヒールキックで対抗していった。
霞も極めていくが、ヒールキックなんてどうして良いか解らず、痛いからと技を解いてしまった。
霞が放したから美奈子は助かったが、内心は霞の関節技に驚いていた・・・。
すると、立ち上がった美奈子に対して、霞が打撃スタイルで構えていった。
美奈子もまさかと思ったが、アクション映画で学んだのか、意外に形の良いローキックで攻め込む霞。
バシィィィ・・・・
「ひぃ・・・・」
堪らず悲鳴をあげる美奈子。
更に、霞がローキックから美奈子の柔らかい脇腹へミドルキックを叩き込むと、美奈子が脇腹を押さえて苦悶の表情を浮かべていった。
「遠慮はしないわよ・・・」
霞も練習したのか、自信を持って美奈子の身体を蹴りこんでいくと、美奈子は必死にガードして耐えていた。
すると、霞が素早いハイキックを狙うと、美奈子も顔はイヤとばかりにキャッチしていった。
霞の蹴り足をキャッチされて驚くが、美奈子もこの後の展開を考えていなかった・・・。
すると、偶然にも変形ドラゴンスクリューのように霞を倒していく美奈子。
偶然とは言え、霞の膝にダメージを与える結果となっていった。
倒されて膝を抱え込んで苦しむ霞。
ロープに逃げようと四つん這いで手を伸ばすと、美奈子が痛めた方の足を掴むと、思いっきり膝から叩き付けていった。
バシィィィ・・・・
「痛いぃぃぃぃぃぃ・・・・・・」
次の瞬間に、リング上に霞の悲鳴が響いていった。
更に、美奈子が霞のヒップにストンピングを叩き込むと、背中に座り込んでキャメルクラッチを仕掛けていった。
グググッ・・・グイッ・・・・
「んぐぐぐっ・・・・ぐる・・・ぐうっ・・・・じ・・い・・・」
顎を押さえつけられて、上半身を反らされて藻掻く霞。
美奈子も上手く攻め込んでいたが、ここまで来るには数々のドミネーションマッチの経験があったからこそだった・・・。
霞の苦しみように、レフリーもギブアップの確認を取るが、霞は頑なにギブアップは拒んでいった。
すると、美奈子が腰を浮かせてヒップドロップを叩き込んでから、俯せになってグッタリする霞の背中にストンピングを叩き込んでいった。
蹴りこまれる度に、ロープに手を伸ばす霞の87pのビキニに包まれた美乳が押しつぶされて変形して見えていた。
その度に悲鳴をあげる霞。
更に、霞の両手首を掴んでから、美奈子がサーフボードストレッチを極めていった。
「きゃああああぁぁぁ・・・・・痛いぃぃぃぃぃ・・・・・いやああぁぁぁぁぁ・・・・・」
激しく悲鳴をあげていく霞。
苦しんで藻掻くと、ビキニから霞のバストが飛び出しそうになっていた。
美奈子がギブアップを狙おうと、揺さぶりかけていくと霞の胸がプルプルと揺れていた。
既に汗だくになっている霞と美奈子。
攻められている霞の胸元に、汗が流れ込んでいた・・・。
なかなかギブアップしない霞に、美奈子が更に攻め込もうと技を解いてから、髪を掴んで起こしていった。
すると、フラつく霞のバストへ水平チョップを叩き込む美奈子。
美奈子のチョップが叩き込まれるたびに、霞のバストがひしゃげて変形して見えた。
ロープに追い込まれてチョップ攻撃に悲鳴をあげる霞。
だが、霞も意地になって膝蹴りを出していくと、偶然にも美奈子のお腹へ決まっていった。
突然の反撃に苦しむ美奈子。
だが、反撃しようにも霞も攻められ続けていたから苦しそうだった。
必死に倒れ込みそうな形でエルボースマッシュで美奈子を攻める霞。
バキッ・・・
頬を霞の肘が抉ると、美奈子はフラフラして顔を押さえて苦しんでいった。
エルボーを打ち込むと、ロープに走って助走をつけてからエルボーで攻め込む霞。
更に、ボディスラムと言うアイドルにとっては大技に入るプロレス技を出そうとするが、美奈子の身体を持ち上げられずに踏ん張ろうとする霞。
すると、逆に美奈子が踏ん張って反撃すると、同じくボディスラムで霞の身体をマットに叩き付けていった。
バシィィィィ・・・・
「ぐはあぁぁ・・・・・・」
背中を叩き付けられて、霞の顔が苦痛に歪む。
更に、美奈子が飛び上がってのエルボードロップを霞の自慢のバストに叩き込むと、両足をバタバタして霞が藻掻き苦しんだ。
「痛いっ・・痛いぃぃぃ・・・・む、胸はぁぁ・・・やめてぇぇぇ・・・・」
激しく胸を押さえて藻掻き苦しむ霞。
「甘い事は言わないのよ・・・ここは地下プロレスなの・・・」
苦しむ霞を無理矢理に起こしていくと、今度は張り手を叩き込む美奈子。
しかし身長では勝る霞も負けじと、意地になって張り手を叩き返していった。
更に、首相撲に無理矢理に引き込んで霞が膝蹴りで攻めようとすると、美奈子も下を向かされながらもパンチで反撃していった。意地のぶつかり合いになってきたリング上。
「わ、私だって負けないわよぉぉぉ・・・・」
すると、霞が突然叫び声をあげて美奈子のビキニブラジャーに手を掛けると、美奈子も言い返した。
「な、何するのよ。ちょっとぉぉ・・・水着に手を掛けるなんて恥ずかしくないのぉぉぉ・・・・」
だが、霞は構わず引っ張っていくと、美奈子の90pの巨乳が露わになっていった。
「か、関係ないわよ・・・・勝負なんだから・・・」
構わないと言い放つ霞だが、ビキニを剥ぎ取った瞬間は何故か瞳に涙を浮かべていた。
更に剥ぎ取ったビキニブラジャーを、霞が美奈子の首に巻き付けていった。
グイッ・・・・
「グハッ・・・けほっ・・けほっ・・・は、反則じゃないの・・・・」
必死に巻き付けられたビキニを掴んで抗議する美奈子。
その美奈子の抗議にレフリーも霞に注意を与えていった。
『反則だっ・・・放せっ・・・ワン・・・ツー・・・・スリー・・・・フォー・・・・・・』
レフリーの反則のカウントに、霞が手を放すと、美奈子はフラフラしながらも剥ぎ取られたビキニを自らの胸に当てて、ビキニを着ていった。
レフリーがその間、霞と美奈子の間に距離を取らせると、また試合続行となっていった。
試合が再開されると、ビキニ剥ぎをした霞に対してブーイングが、逆に美奈子に対しては霞を痛めつけろなど色々と歓声が送られると、美奈子は逆上してのビキニ剥ぎのお返しをするより、この方法の方が観客を味方につけられると言う計算が当たったのだった・・・。
霞も勝ちたい一心からのビキニ剥ぎだったが、観客の反応で戸惑い始めていくと、目の前には反撃しようと構える美奈子の姿があった。
霞も練習した打撃で勝負を賭けたかったが、観客からの反応に戸惑っていると、美奈子がタックルのように組み付きにいった。
その瞬間、美奈子の遅いタックルに打撃を合わせられた霞だが、観客の反応が気になって一瞬遅れてしまい、逆に組み付かれてしまった。
美奈子が組み付くが、タックルの技術が未熟な為に倒せないと、霞も踏ん張っていった。
霞も倒そうとしていくが、ここで観客席からまた歓声があがった。
『美奈子ちゃ〜ん、投げてマットに叩き付けてやれ〜っ!』
その言葉に、美奈子が一気に力を入れて水車投げで投げつけていった。
バシィィィィ・・・・
またも豪快に背中から叩き付けられて、呼吸が止まる思いの霞。
すると、美奈子が立ち上がって観客にアピールしていった。
『いいぞぉぉぉ・・・・仲根のオッパイを踏みつぶしてやれ〜っ!』
『お腹だよ、お腹っ!フットスタンプで押しつぶしてゲロ吐かせてやれ〜っ!』
苦悶の表情で仰向けでリングに倒れる霞に対して、観客たちが残酷な期待を込めて美奈子を応援していった。
すると、美奈子が地下プロレスでの勝利が欲しいからと、一気に走り込んで飛び上がると、無防備な霞のお腹へ、揃えた両足を叩き込む荒技・フットスタンプを叩き込んでいった。
「ぐぶっ・・・・・ぐぶぶぶぶぅぅぅぅ・・・・・・・」
美奈子の両足が叩き込まれると、一瞬間を置いてから霞の頬が膨らんでいった。
そう、グラビアアイドルの意地からか口に込み上げる胃の中の内容物を飲み込んでいった。
『美奈子ちゃん、もう一発っ・・・もう一発・・・』
更に観客がフットスタンプのリクエストをすると、いつもは痛めつけられている美奈子が、自分が相手を、それもグラビアでの売れっ子の霞を痛めつけると言う現実に酔っているのか、もう一発フットスタンプを叩き込んでいった。
「ゴハッ・・・・ぐううううっ・・・・・・」
必死になって口を手で覆う霞だが、その指の間からは胃液のようなものが溢れ出していた。
「うわっ・・・汚いぃぃぃ・・・・」
まるで霞を汚い物でも見るように呟く美奈子。
すると、観客にアピールしてから一気にサソリ固めを極めていった。
グイッ・・・・
「きゃあああぁぁぁぁ・・・・・・いやああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・」
完全に極められて、全身に激痛が走って絶叫する霞。
更に意地悪く、形を変えて美奈子が霞の顔を踏み付けていった。
「ギ、ギブっ・・・・ギブアップ・・・・・・・」
これには堪らず霞がギブアップすると、レフリーがまだ試合を止めないからと、美奈子が叫んだ。
「何っ?もう一度言ってよ・・・ギブアップって・・・・ねぇ!」
更に締め上げる美奈子。
「やめてぇぇぇぇぇ・・・・許してよぉぉぉぉ・・・・痛いぃぃぃぃぃぃ・・・・・・」
マットを激しく叩いて泣き叫ぶ霞。
『カンカンカンカン・・・』
ここでレフリーがゴングを要請して、試合は終了していった。
レフリーが美奈子を離すと、霞はグッタリとしてマットに横たわっていた。
一方、美奈子は地下リングでの勝利と言うことで興奮して、コーナーポストに登ってガッツポーズをして観客にアピールしていくのであった。
『ただ今の試合、戸向美奈子のギブアップ勝ちとなりました!』
そのコールに、更に美奈子のアピールは続いていくのであった。
試合前の観客たちの予想は、身長などが勝る霞の勝利で終わるであろうと予想されていたが、試合が終わると経験の差から美奈子が勝利、それもドミネーション的な展開でのフィニッシュと言う事で、観客たちも驚いているのであった・・・。



第9試合

「ひ、久しぶりのプロレスだけど・・・大丈夫かなぁ〜・・・」
不安げな表情を浮かべて控え室からリングに向かうのは、あの乙羽だった。
たしかに久しぶりの地下プロレス登場だったが、アイドルとしては地下プロレス経験は有り、ただのやられキャラではなく、一度はジュニアベルトも獲った実力も、その大きなバストと共に持ち合わせていた。
リングインしていく乙羽。
今夜のリングコスチュームは、胸の谷間を強調したような白いワンピース水着だった。
胸を揺らしながらコーナーに向かうと、コーナーに背を付けて対戦相手の登場を待っていた。
すると、薄暗い会場内の照明が全て消されると、真っ暗な空間になってしまった。
「な、何・・・何なのよ・・・・」
リング上の乙羽が驚いている中、突然静まった会場内に異様な音が響き渡っていった。
バリバリバリバリバリ・・・・・
その異様な音と共に、会場の花道の方向に火花がスパークするのが見えた。
すると、会場の照明が点けられると、そこには女子プロレスラーの猪上貴子がスタンガンを手に腕組みしていた。
貴子の登場に歓声があがると、貴子が両手を挙げて観客を煽るようにリングインしていった。
黒い競泳水着姿の貴子。すこしハイレグ気味になっているのも今夜のリンコスのポイントだった。
「今夜の私の獲物はアンタかい?」
早くも乙羽を脅しかけていく貴子。
「な、何で猪上さんが・・・・」
現役女子プロレスラーが対戦相手として出てきたことに、完全に怯えている乙羽。
「ほ〜ぉ、私の名前くらいは知ってる訳ねっ・・・。プロレスの番組出てるのに技も知らないなんて、今夜はお仕置きだよ・・・」
早くも貴子がお仕置き宣言をすると、観客たちの期待も膨らんでいった。
『第9試合、現役グラビアアイドルと現役プロレスラー〜っ・・完全お仕置きマッチ〜っ・・・』
早くも始まるコールに歓声があがっていった。
『青コーナー〜っ・・・乙〜羽〜っ!』
コールを受けて怯え出す乙羽。しかし観客たちの残酷な期待をする声が大きくなっていった。
『赤コーナー〜っ・・・猪上〜貴子〜っ!』
そしてコールを受けて堂々とアピールしてからコーナーでゴングを待つ貴子。
手には黒い格闘技戦用のようなグローブをしていて、まるで殴るぞっと言うような格好であった。
『カァーン!』
そしてゴングが鳴らされていくと、乙羽はコーナーで貴子を見つめていた。
逆に、貴子はリング中央で手招きして乙羽を誘っていった。
「来いよ、可愛がってあげるから・・・」
貴子がニヤリと不気味な笑みを浮かべると、乙羽は警戒しながらリング中央に歩き出した。
警戒していても結果は同じだが、乙羽が構えていった。
「ふん、アンタに何が出来るのかしら?何もしないから何かやってみなっ!」
貴子がノーガード状態で乙羽の目の前に立つと、乙羽は飛びかかるか迷っていた。
地下リングでの経験はあるが、アイドル同士のプロレス。今夜の相手はプロレスラー。
乙羽としても躊躇するのは当たり前だった・・・。
「どうしたのよ、ホラッ・・・何かしてみなさいよ・・・」
手を出さない乙羽に迫る貴子。
すると、プロレス番組に出ていた意地もあり、エルボースマッシュを貴子に叩き込む乙羽。
「だったら、私だってぇぇぇぇ・・・」
必死に肘を貴子の首もとなどに叩き込む乙羽。
アイドル同士ならまだしも、鍛えている貴子に通用するわけがなかった。
「何よ、ハエでも居るのかしら?」
仁王立ちで余裕で受けていく貴子。
バシィィィィ・・・・・
「何よぉぉぉぉ・・・」
乙羽も必死に攻めていたが、貴子の態度に腹を立てたのか張り手を入れていった。
これには貴子が頬を押さえて乙羽を睨み付けていった。
「ふふふっ・・・いい張り手じゃないの・・・・」
貴子の言葉に驚く乙羽。
次の瞬間・・・
バシィィィィィ・・・・
「ブハアァァァァァァァ・・・・・・・」
乙羽が悲鳴と共に唾の飛沫を飛ばしていった。そう、貴子のお返しの張り手が頬を襲ったのだった。
堪らずフラつく乙羽。
「ふふふっ・・・倒れないだけでも褒めてあげるわよ・・・プニプニのアイドルちゃん・・・」
すると、今度は強烈なミドルキックを柔らかいお腹に叩き込む貴子。
グシュ・・・・
「グベェェェェ・・・・・・・オエッ・・」
堪らずお腹を押さえて座り込む乙羽。口をパクパクして苦しんでいた。
グイッ・・・
「誰が座っていいって言ったのかしら・・・・」
貴子が髪を掴んで起こしていくと、勢いよく貴子をロープに振っていった。
「きゃああああぁぁぁぁ・・・・・・」
乙羽が悲鳴をあげながらロープに飛ばされると、必死にロープを掴んで貴子の方向へ戻らないようにすると、貴子が怒り出した。
「生意気なのよ・・・いいわ、プロレス番組でロクにプロレス技も知らないんだったら、私が本物のプロレス技を体験させてあげるわよ・・・」
そう言うと、貴子は乙羽に詰め寄っていった。
乙羽も詰め寄る貴子のプレッシャーに驚くが、必死にドロップキックを叩き込んでいくと、逆に貴子に叩き落とされていった。
「あうっ・・・・・」
技が通用しないことに、動揺しながらも乙羽は立ち上がって慣れないローキックを叩き込むと、貴子が逆にローキックで乙羽の膝を蹴りこんだ。
バキッ・・・
「んあぁぁぁぁぁ・・・・・い、痛いっ・・・・」
堪らず動きの止まる乙羽。
グイッ・・・
座り込む乙羽を起こすと、今度はボディスラムでマットに叩き付けていく貴子。
バシィィィ・・・・・
「ひいぃぃぃぃぃ・・・・」
乙羽が悲鳴をあげて痛がるが、貴子は続けてボディスラムでマットに叩き付けていった。
数発ボディスラムが炸裂すると、乙羽はヒクヒクするようにして苦しんでいた。
「もう終わりなの?」
起きあがれない乙羽の自慢の胸を踏み付けて、貴子が不気味な笑みを浮かべていた。
そして、乙羽の髪を掴んで起こしてから、貴子が観客に片手を挙げてアピールしていった。
アピールを終えると、一気に乙羽をロープに振っていくと、乙羽がフラフラしながらもロープから貴子の方向へ戻っていった。
しかし・・・。
ボシュ・・・
「くっ・・・・」
貴子の口から声が漏れる。そう、乙羽が必死になって貴子のお腹へ喧嘩キックを叩き込むと、一瞬怯む貴子の首に腕を回して、DDTを叩き込んでいった。
貴子は内心驚いたが、乙羽が続けて倒れた貴子の腕を取ると、腕拉ぎ逆十字固めを極めていった。
グイッ・・・
「何よ、上等じゃないの・・・・」
技を極められながらも、貴子が余裕の笑みを浮かべていた。
「痛いなら痛いって素直に言えばいいでしょう!」
攻める乙羽も必死に技を極めていたが、貴子がギブアップと言う様子はなかった。
「誰がギブアップなんかするのよ・・・ホラッ!」
すると、貴子が乙羽に構わずロープに這うように逃げると、ロープを握っていった。
『ブレークッ・・・・』
レフリーが貴子の手がロープに触れたからと、ここで乙羽に技を解くように指示していくと、レフリーの指示だからと乙羽が解いていった。
立ち上がる乙羽と貴子。
すると、貴子が拳を握りしめていった・・・。
距離が詰まると、いきなり乙羽の顔面に貴子のジャブがヒットしていった。
ビシッ・・・
「んっ・・・」
乙羽が顔を殴られたからと、必死にガードを固めると、今度は貴子の拳がお腹へ決まっていった。
ボシュ・・・
「ぐふうっ・・・・ううっ・・・」
身体をくの字にして苦しむ乙羽。貴子の鋭いパンチが確実にダメージを与えていた。
ボシュ・・・ビシッ・・・
続けて乙羽の顔面・お腹へと空いた部分に貴子のパンチが当たっていくと、乙羽は堪らずコーナーに追い込まれていった。
ボクシングスタイルのパンチに怯える乙羽。レフリーにパンチは反則とアピールするが、グローブを着けているからとレフリーは許可していた。
乙羽も必死にパンチを返すが、プロとアイドルでは勝負になるはずもなく、無惨にもコーナーに釘付けにされたままサンドバッグ状態にされて藻掻いていた。
フラフラになった乙羽を、今度は貴子がセカンドロープとトップロープの間に挟むようにして観客席に固定すると、背後から顔面を掻きむしっていった。
「きゃああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・痛いぃぃぃぃぃ・・・・・」
乙羽の絶叫する悲鳴が響き渡ると、貴子が更に鼻フック状態で指を入れて、乙羽の顔を変形させて観客にアピールしていった。
しかしレフリーが反則のカウントを始めると、貴子が乙羽を解放していった。
すると、今度は乙羽の髪と腕を掴んでいく貴子。
「普通のプロレスなら顔だけど、アンタの場合はこの方がいいわね・・・」
すると、トップロープに乙羽の水着に包まれたバストを押しつけていく貴子。
更に、そのまま押しつけたままロープに擦り付けていった。
「やめてぇぇぇぇ・・・・・やめてぇぇぇぇ・・・・」
必死に叫んでいく乙羽。
だが、貴子のバスト責めが続いていくと、今度は顔面をロープに擦り付けていった。
ギュ・・・ギュギュ・・・ギュ・・・・
「ぎゃあああぁぁぁぁ・・・・・顔が焼けちゃうぅぅぅ・・・・・・ひぃぃぃぃぃぃ・・・・」
乙羽の悲鳴に観客たちが興奮して貴子へ歓声を送っていくと、貴子は歓声に興奮して更に擦り付けていった。
貴子がロープ擦り付けをやめると、更に痛めつけようとリング下に乙羽を落としていった。
リング下で苦しむ乙羽の全身にストンピングを叩き込むと、続けて起こしてから鉄柵に振って叩き付けていった。
豪快に叩き付けられて、グッタリと鉄柵に寄りかかるように座る乙羽。
その乙羽の顔面を踏み付けて、両手を頭上に挙げて拍手して歓声を煽る貴子。
歓声が上がっていくと、貴子が乙羽をリングに戻していった。
リングに寝かされている乙羽。すると、貴子が俯せにしてから、一気にキャメルクラッチで攻め立てた。
グググッ・・・グイッ・・・・
乙羽が苦悶の表情を浮かべていくが、貴子がグイグイ揺さぶりかけていった。
胸の大きな乙羽の胸の谷間が強調されるが、水着から胸がでそうな勢いに、観客たちの中には期待する者までいた。
その乙羽は堪らずギブアップを言おうとするが、貴子が上手く顎を押さえてギブアップが言えないようにしていた。
レフリーにギブアップが言いたくとも言えない乙羽は、次第に瞳に涙を浮かべていた。
「次はこうだよ・・・おらっ!」
一気に技を解く貴子が、今度は乙羽の抱えると、ベアハッグと見せかけて持ち上げると、一気に膝を出してマンハッタンドロップで乙羽の股間を膝で攻め立てた。
ゴキッ・・・・
「うぎゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・」
これには貴子が放すと、乙羽が股間を押さえて倒れ込んでいった。
「あらあらっ、試合は終わってないのよ・・・ほらっ!」
更に倒れ込む乙羽の股間を爪先でこねくり回していく貴子。
「ああっ・・・や、やめてください・・・・こ、ここは・・・・」
必死になって股間を守ろうとする乙羽。しかし貴子の爪先がグイグイと押しつけられていった。
股間責めを受けてから、今度は額を踏み付けられていく乙羽。
「やっ・・やめてぇぇぇ・・・・許してくださいぃぃぃ・・・・・・」
顔面踏み付けの刑に両足をバタバタさせて許しを乞う乙羽。
「甘いんだよ、リングの上に上がったら覚悟を決めやがれっ!・・・おらぁぁぁぁ・・・・」
続けてギロチンドロップで痛めつけると、無理矢理に起こしてコーナーに連れて行った。
乙羽を片手で捕まえて、片手でコーナーポストのカバーを外して中の金具を剥き出しにしていく貴子。
「いくぞぉぉぉ・・・・」
貴子がいきなり大きな声でアピールすると、捕まえている乙羽の額を金具に叩き付けていった。
バキッ・・・
「ぎゃあ!」
乙羽の悲鳴が響いていくと、数度叩き付けられてから乙羽の額が割れていった。
額らか流血して、乙羽が逃げようと抵抗するが、構わず貴子が額の傷口を噛み付いていった。
「きゃああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・」
噛み付かれて乙羽の悲鳴が更に大きくなっていった。
貴子が放すと、乙羽はリング上で四つん這いになって額を気にしていると、続けて貴子がステップキックの連発で、乙羽の傷口を狙っていった。
蹴られる度に悲鳴をあげて苦しむ乙羽。既に傷口からの流血も多くなり、白いワンピース水着を赤く染めていくのであった。
その乙羽の悲鳴に歓声が上がると、その観客の反応から貴子も乙羽を起こして、トップロープとセカンドロープに両腕を絡めて固定すると、拳を振り上げてアピールしてから傷口目掛けてパンチを叩き込んでいった。
バキッ・・・バシッ・・・・
「ああんっ・・・・ああっ・・・」
乙羽が殴られるままに頭を左右に振って、貴子にいいように痛めつけられていった。
その乙羽の周りには、傷口から流れ出た血飛沫が飛び散っていく。
貴子が乙羽の苦しみように、興奮しているのか殴り続けていくと、レフリーが貴子を止めていった。
『猪上っ・・ブレークっ・・反則を取るぞっ!』
乙羽が危険と見てレフリーが一旦止めていくが、貴子が興奮状態のままレフリーを突き飛ばして乙羽を殴り続けていった。
バシッ・・・バシッ・・・
「あああっ・・・いやあぁぁぁ・・・・もうダメぇぇ・・・ギ、ギブアップさせてぇぇぇぇ・・・・」
意識を朦朧とさせてきた乙羽が泣き出すと、必死にギブアップを口に出していった。
だが、貴子が殴り続けていくと、レフリーも乙羽のギブアップより反則を取りだしていった。
『猪上っ、反則だっ・・・止めろっ!』
そのレフリーの制止に対して貴子が怒り出すと、突然喧嘩キックでレフリーを倒していった。
「うるせぇ・・・・黙ってろっ!」
貴子に蹴られたレフリーが、お腹を押さえながら本部席にゴングの要請をしていった。
『カンカンカンカン・・・・』
ゴングが乱打されるが、乙羽への攻めを止めない貴子。
ここで、黒服などがリングに上がり込んで、貴子の暴走を止めていくのであった。
完全にグロッキー状態の乙羽は、急いでリングドクターがチェックしてから医務室に運ばれるのであった。
『ただ今の試合、猪上貴子のレフリーに対する暴行により、乙羽の反則勝ちとします!』
乙羽の反則勝ち裁定に、観客たちは大歓声をあげたが、当の貴子はニヤリと笑ってリングを後にするのであった。



第10試合

アイドルと現役プロレスラーのドミネーションマッチが終わりを告げた地下リング。
しかし、今夜は続けて現役レスラーが登場してくるのであった・・・。
『第10試合、選手入場〜っ!』
そのアナウンスで花道から飛び出してきたのは、何とシャーク土家だった。
いつものトレードマークの有刺鉄線竹刀を振り回しながらリングインすると、竹刀をコーナーに立てかけていった。
問題は土家の対戦相手だった。
観客たちも注目する中、リングに無理矢理に上げられていったのは、あの原宿系女子プロレスでプロレス経験もあるグラビアアイドルの市河由衣であった。
「いやよ、何でこんな現役の人と闘わなきゃいけないのよ・・・」
黒服に押さえつけられて無理矢理にリングに上げられる由衣が叫んでいた。
だが、大歓声に包まれるリングから逃げ出す事など出来るはずもなかった・・・。
グラビア系と言う事で、由衣は自慢の身体を白色のビキニに包んでいたが、今夜はグラビア撮影、それもプロレスラー役と言う事で呼び出されたのであろうか・・・。
そのリング上に、リングアナよりコールが始められていった・・・。
『青コーナー〜っ・・・アイドルにしてプロレス経験あり〜っ・・・市河〜由衣〜っ!』
由衣は自分がコールされると、コーナーで周りを見渡した。
しかし、誰も助けてくれる筈もなく、また地下プロレス経験のある由衣としても、耐えるしかないと観念した。
『赤コーナー〜っ・・シャ〜ク〜っ・・・土家〜っ!』
コールを受けて土家が堂々とポーズを取ると、コーナーでゴングを待った。
『なお、この試合はハンディキャップマッチ方式とします!市河由衣に対してハンデを与えます!』
その聞いてもいないルールに由衣も驚くと、説明が続いた。
『市河由衣はギブアップを3回まで許されるものとして、失神した場合は意識を戻してから試合再開とします!』
そう、ハンデとは言うものの、これは由衣を徹底的に痛めつける為の特別ルールだったのだ。
そのコールを聞いて由衣が叫んだ。
「何よ、そんなルール酷いわよ・・・」
だが、由衣の声が掻き消される程の大歓声に包まれるリング。
続けて、試合開始を告げるゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にリング内を逃げ回る由衣。ビキニに包まれた自慢のバストが揺れていた。
だが、土家は余裕の表情でリング中央で立っていると、由衣が背後から蹴りを入れては逃げていった。
「ふんっ・・・」
蹴られても微動だにしない土家。
だが、リングの周りには由衣が逃げないように黒服が待機していて、由衣も必死に土家に蹴りを入れては逃げていた。
更に、飛び込んでローキックで膝を狙っていく由衣。
土家もワザと由衣の蹴りを受けているように見えたが、由衣は懸命にローキックを打ち続けていった。
しかし土家はニヤリとして振り向くと、由衣に呟いた。
「ふふっ・・活きのいい仔猫ちゃん・・・どうぞ、プロレス技が出来るならやってごらんなさい・・・」
土家の余裕ぶりに、由衣が頭に来たのか果敢にも正面からドロップキックを叩き込んでいった。
バシィィィ・・・
しかし土家が倒れずに、仕掛けた由衣がマットに転がっていった。
だが、続けて立ち上がってからドロップキックを数発叩き込むが、逆に由衣の息が荒くなっていた。
「ほらぁ・・・どうしたのよ、もっと蹴ったりしていいんだよ!」
土家が起きあがる由衣に挑発するように言い放つ。
「くっ・・・くそおぉぉぉぉぉ・・・・・」
その土家の挑発に、由衣がエルボースマッシュを叩き込んで攻め込むが、土家に効くはずもなかった。
「ふん、だらしないんだよ・・・」
すると、土家の強烈なラリアットが由衣の首筋に炸裂していった。
バシィィィィィ・・・・
「グボオォォォォォ・・・・・ゴホッ・・ゴホッ・・・・」
倒されて首を押さえて苦しむ由衣。
しかし苦しむ暇も与えずに髪を掴んで起こしていくと、ボディスラムで由衣の背中からマットに叩き付けていく土家。
バシィィィ・・・バシィィィ・・・・・
「ぐわあっ・・・ひぐうっ・・・・・」
堪らずエビ反りのような格好で倒れて藻掻き苦しむ由衣。
その由衣の胸を踏み付けて、土家が呟いた。
「ふん、簡単に終わると思うなよ・・・。ギブアップなんて簡単に言ったらどうなるか・・・・」
胸を踏み付けられて息苦しい由衣は、その土家の言葉に恐怖心を抱いていた・・・。
だが、何もしなくても痛めつけられるなら、経験からも抵抗してやるとばかりに、由衣が下から胸を踏み付ける土家の足に、両足を上手く絡めて足関節を狙おうとしていった。
だが、土家が一瞬由衣の身体を浮かせると、またもマットに叩き付けるのであった。
その衝撃に意識を朦朧とさせて放してしまう由衣。
「喰らえっ・・・」
土家が呟くと、突然その場で飛び上がってからギロチンドロップを由衣に叩き込んでいった。
グシュ・・・・
「グホォォォォォォォ・・・・・・ごっ・・ゴホッ・・・・・」
またも由衣が首を両手で押さえて藻掻き苦しんでいくと、土家の攻めに対して大歓声がおきていた。
この一撃に由衣がグッタリしていくと、今度は土家が両足を抱え込んでから反転すると、一気に逆エビ固めで由衣を攻め立てた。
グググッ・・・グイッ・・・
「んああぁぁぁぁ・・・・いやああぁぁぁぁぁ・・・・・」
激しくマットを叩いて絶叫する由衣。
更に土家が揺さぶりかけると、由衣の背骨がCの字になって更に苦しめていた。
泣き声のような悲鳴で絶叫する由衣。その由衣の悲鳴に対しても歓声がおきていた。
必死にロープに手を伸ばす由衣。
すると、由衣のビキニブラジャーから83pでEカップの乳房が露わになろうとしていた。
だが、今の由衣に胸が露わになろうが関係なかった。それよりもこの地獄の苦しみから逃れられるのなら・・・。
『ブレークっ・・・・』
ここで由衣がロープに手をつけると、レフリーが確認して土家に放すように指示していった。
「ちっ・・・」
レフリーに言われて放す土家。しかし放しても由衣は背中へのダメージが大きいのか、背中に手を回したまま、俯せ状態で倒れたままであった。
バシッ・・バシッ・・
「ぐわっ・・・ああんっ・・・・いやあっ・・・・」
土家が更に由衣の腰にストンピングを叩き込むと、由衣がまた悲鳴をあげて藻掻き苦しんでいた。
更に由衣のヒップを浮かせて、上半身はマットに押しつけてからお尻を平手打ちを入れていくと、続けてビキニショーツを握りしめてズルッと脱がしていった。
由衣の白いヒップが露わになると大歓声がおきていくのであった。
しかし、土家がすぐに放すと、由衣が急いでビキニショーツを戻していった。
「ひっ・・酷い・・・・水着を脱がすなんて・・・・」
ビキニを戻してリング下に逃げる由衣。
すると、土家は追わずにリング上から威嚇すると、由衣はリング下から周りを見渡した。
しかしリングの周りには残酷な期待をする観客と、逃げないようにと黒服か囲んでいるのであった。
そして由衣がリングインしていくと、ロープ越しに土家が捕まえていった。
「やめて・・・放してよぉぉぉ・・・・」
由衣が叫ぶが、構わず土家がブレンバスターの体制になると、軽々と軽量の由衣の身体を持ち上げていった。
だが、そのまま投げるのではなく、土家が滞空時間を長くしてから由衣のお腹がトップロープに当たるように前に落としていくと、続けて普通のブレンバスターのように背中からマットに叩き付けていった。
流石に垂直落下式で脳天を叩き付けないところが、地下プロレス慣れした土家だった。簡単には仕留めるつもりはないらしい・・・。
ヒクヒクして苦しむ由衣。だが、休む間も与えずに起こしていくと、今度は顎に両手を添えてのネックハンキングツリーで高々と由衣の身体を持ち上げる土家。
リング中央で完全に絞首刑状態にされている由衣は、必死に土家の腕を掴んで苦しみから逃れようとするが、土家が揺さぶると意識を朦朧とさせていた。
レフリーも由衣が失神しないか確認しながら見ていると、土家が由衣を放してマットに落としていった。
グッタリと俯せ状態でマットに倒れる由衣。
しかし、土家はニヤリと笑みを浮かべてから観客にアピールすると、由衣の腰に座り込んでいった。
抵抗も出来ない由衣の顎に手を掛けると、一気にキャメルクラッチで痛めつけていく土家。
グググッ・・・
「んぐぐっ・・・・んんっ・・・んっ・・っ・・・・」
顎を引っ張られて上半身が反らされていく由衣は、地獄の苦しみを味わっていた。
両足をバタバタと動かして苦しむ由衣の顔が天井を向いていく位に反らせていく土家。
両手も激しく動かして苦しむ由衣に、レフリーがギブアップの確認をしていくのであった。
『市河っ・・・ギブ・・ギブアップ?』
そのレフリーの問いかけに、由衣はギブアップと言う言葉を発したかったが、口が開けられず涙を流すだけであった。
「ぎゅ・・ぐっ・・・ぷ・・・んっ・・・ふ・・・・・」
必死にギブアップと言おうとする由衣。
時折、レフリーが失神していないか由衣の手を握って反応を見ていた。
大歓声の中、泣き出した由衣の顎から髪の毛に手を移動させる土家が、今度は強烈に揺さぶっていくと、今度は由衣が大声でギブアップしていった。
「ギブっ・・・ギブアップ・・ギブアップ・・・・・」
その泣きながらの由衣のギブアップに、一旦ゴングが鳴らされていった。
『カァーン!』
そのゴングによって土家が技を解いて離されていくと、由衣は泣きながらマットに倒れていた。
『ここで、市河由衣がギブアップ1回目です!1分後に試合再開です・・・』
そのコールに観客たちが土家に歓声を送り続けると、由衣は苦しそうに起きあがると、レフリーによってコーナーに戻されていった。
そして1分が経つと、レフリーが試合続行の合図を出していった。
コーナーからフラフラと構えていく由衣。
その由衣の姿に、土家が堂々と出ていくと、いきなり顔面へストレートパンチを叩き込んでいった。
バキッ・・
「ひぐうっ・・・・・」
顔面パンチにフラついていく由衣。
「今度はお腹だよ・・・」
すると、土家の強烈なキチンシンクが叩き込まれると、由衣はお腹を押さえて俯せになって倒れ込んだ。
口をパクパクして苦しむ由衣。
すると、由衣のビキニショーツに守られた股間へ爪先でグイグイと突き上げる土家。
「あふっ・・・・ああんっ・・・・・」
股間に刺激を受けて由衣が嫌がると、土家は笑みを浮かべて起こしてから、一気にリング下に由衣の身体を落としていくのであった。
リング下でグッタリと倒れて苦しむ由衣。
だが、由衣を休ませる時間も与えずに、土家が全身にストンピングを叩き込んでいった。
バシッ・・・バシッ・・・バシッ・・・・
「ひぐっ・・・・ぐあっ・・・ああんっ・・・・ぐふっ・・・・」
蹴飛ばされて由衣が苦しむ。しかし観客席からは由衣の苦しむ様子をニヤニヤして見つめる観客達がいた。
すると、土家は近くにあった長机を用意すると、その上に由衣を仰向けに寝かせていった。
虚ろな目で天井を見つめる由衣。
その由衣を見ながらリングに上がる土家は、観客に向かってアピールしていった。
そしてリング上から飛び降りてから、土家が由衣のお腹へストマッククローを仕掛けると、由衣が絶叫していった。
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・」
両足を激しく動かして藻掻き苦しむ由衣。
更に、由衣の豊満なバストにもクロー攻撃をしてのバストクローまで出していく土家。
ビキニブラジャーに包まれた乳房がひしゃげていくと、土家がグイグイと掴んで痛めつけていった。
「やめてぇぇぇぇ・・・・お、オッパイは反則でしょぉぉぉぉ・・・・いやあぁぁぁぁぁ・・・・」
しかし、場外でこの試合について細かくは決められていなかったので、レフリーも土家の行為を敢えて黙って黙認していた。
しばらく土家が痛めつけていくと、観客にアピールしながらリングに戻っていった。
一方、由衣は机の上でグッタリしていた。
呼吸を荒くして、苦悶の表情の由衣。なかなかリングに戻らない由衣に対して、レフリーが注意していくと、黒服たちが無理矢理に由衣の両腕を掴んでリングインさせていった。
リングに転がされるように上げられる由衣。
「立つんだよ、仔猫ちゃん・・・・」
土家が不気味な笑みを浮かべてリング中央に由衣を連れて行くと、フラフラする由衣を立たせていった。
今にも倒れそうな由衣の身体。
しかし、土家がロープに走って助走を付けてから、一気に強烈なラリアットを由衣の喉元に叩き込んでいった。
バキィィィィィ・・・・・
「ふぎぃぃ・・・・・へぐっ・・・」
変な声を漏らす由衣。そう、強烈なラリアットを喰らって由衣の身体が宙に浮き上がると、半回転するようにしてマットに叩き付けられていったのだった。
完全にグロッキー状態の由衣。
ビキニ姿の美少女が、リング上で俯せ状態でピクピクする姿に、歓声が送られていった。
更に起こしてから、喉に手を当てて強烈な喉輪落としで由衣をマットに叩き付けていく土家。
この一撃には由衣が失神したようで、完全に大の字になって口から泡を出していた・・・。
由衣の失神した様子に、レフリーが土家を止めて一旦試合を止めていった。
その光景にリングドクターが急いでリングインして、由衣の様子を診ていた。
ビキニ姿で完全に失神させられている由衣。だがこれで試合が終わった訳ではなく、意識を戻すと試合は続けられるのであった。
全身汗だくの由衣がしばらくして意識を取り戻すと、リングドクターにスポーツドリンクを飲ませてもらってから試合続行が告げられていった。
完全に戦意喪失状態の由衣。怯えた表情でコーナーに追いつめられていった。
「いっ・・・いやっ・・・近づかないで・・・・」
完全に怯えて切っている由衣。
その由衣に土家が手を伸ばすと、髪を鷲掴みにしてコーナーポストに顔面を何度も叩き付けていった。
バシッ・・・バシッ・・・バシッ・・・・
「んあっ・・・ああんっ・・・・ひぐっ・・・・」
何度も顔面を叩き付けられて意識を朦朧とさせる由衣。
その由衣を一気に抱え上げると、土家がアピールしながらのアルゼンチンバックブリーカーで由衣の身体を揺さぶりかけていった。
グイッ・・・グイッ・・・
「ああっ・・・・せ、背骨が折れちゃうぅぅぅ・・・・ギ、ギブアップぅぅぅぅ・・・・」
口が開けた由衣は堪らずギブアップと叫ぶと、土家が舌打ちする中をレフリーが止めていった。
『ここで市河由衣の2回目のギブアップです!・・・2分後に試合再開とします!』
そのコールに由衣はマットに降ろされると、レフリーによってコーナーに戻されていった。
だが、コーナーに寄りかかる事も出来ない程に疲れ切っていて、コーナーに座り込んでしまった。
しかし2分と言う時間はあまりにも早く、そして由衣を地獄の時間に追い込んでいくのであった。
コーナーで座り込む由衣にストンピングで痛めつけていく土家。
もう抵抗も出来ずにグッタリと倒れ込む由衣は、そのまま両足首を掴まれてリング中央に連れて行かれた。
すると、土家が両足を抱えると一気にジャイアントスイングで由衣の身体を振り回していった。
完全に両手を伸ばしきった状態で振り回される由衣。
そして土家が放していくと、力なくリングに転がり、そして倒れ込んでいった。
完全にグロッキー状態のビキニ姿の由衣。
活きの悪くなった由衣に対して、土家はロープに走っていくと、力の抜けた由衣のお腹へフットスタンプを叩き込んでいった。
グシャ・・・・
「ぐっ・・・グボウッ・・・・・」
堪らず由衣の内臓が土家の体重の圧力で押しつぶされると、由衣は堪らず口から胃液のようなものを噴き上げていった。
土家が観客席にガッツポーズでアピールしている足元では、由衣がピクピクと痙攣するようにして倒れていた。
「いくぞぉぉぉ・・・・これで終わりだぁぁぁぁ・・・・」
土家が突然叫ぶと、もう試合を続ける事は出来ないのは解っている由衣を起こして、一気に顎に両手を添えると、ネックハンキングツリーを仕掛けていった。
無惨にも由衣の身体が浮かび上がっていくと、由衣は苦しみからすこしでも逃れようと土家の手首を掴んで抵抗するが、土家が揺さぶると由衣の手は力なくダラリとしていくのであった。
完全に失神した様子の由衣。だがレフリーも黙って様子を見ていると、由衣の白いビキニショーツから黄色い異臭を放つ液体が溢れ出していった。
由衣の太股を伝いマットに水溜まりを作っていくと、ここでレフリーが危険と判断してゴングを要請していった。
『カンカンカンカン・・・』
このゴングの音で、遂に由衣の地獄の時間は終わりを告げていくのであった。
レフリーが土家を止めていくと、土家が由衣を解放した。
ドサッ・・・
完全に失神状態の由衣は、手を放されると力なくマットに横たわっていくのであった。



第11試合

『選手、入場っ!』
リングアナのコールと共にリングに向かっていく2つの影。
そう、この試合は地下プロレスのジュニアヘビー級タイトルマッチと言う事で、1人は現チャンピオンの太谷みつほだった。
黒いシンプルな競泳水着をリンコスに選んでリングインするみつほ。
一方、その対戦相手となる挑戦者に注目が集まっていった。
そう、その挑戦者とは久しぶりの地下プロレスのリング登場となった、鈴本あみだった。
一部マスコミでは女子プロレス入りするのではと言われていたが、ここ地下プロレスでは常連だった事もあるあみだった。
あみの登場にみつほは睨み付けて威嚇したが、自分への挑戦者としてふさわしいのか疑問視もしている様子だった。
T158B80W58H82のあみに対して、T158B80W56H81のみつほ。
体格的には互角だが、みつほは格闘技に対しては真剣に取り組む一面もあったが、あみも芸能界復帰の夢を捨てきれず、女子プロレスに出されるくらいなら、地下プロレスでタイトルを取ればと言う希望もあったようだった。
白いワンピース水着姿のあみがコーナーに寄りかかると、早速リングアナがコールを始めていった。
『第11試合〜っ・・・ジュニアヘビー級タイトルマッチ〜っ・・・挑戦者〜っ・・青コーナー・・・鈴本〜あみ〜っ!』
そのコールにあみがコーナーから歩み出ると、観客席に向かって一礼していった。
『チャンピオン〜っ・・・赤コーナー〜っ・・・太谷〜みつほ〜っ!』
そしてみつほがコールを受けると、コーナーから観客席に頭を下げていくみつほ。
コールが終わると、レフリーがボディチェックをしてからコーナーに戻して、ここでゴングが鳴らされていった。
『カァーン!』
ゴングの音と同時にあみがコーナーから飛び出すと、みつほに向かってジャンピングニーパッドで奇襲攻撃を仕掛けていった。
バキッ・・・
上手くみつほの肩口に決まると、みつほがコーナーに叩き付けられるようにして倒れ込んでいった。
更に、そのみつほにストンピングで攻め込むあみ。
グイッ・・・
髪を掴んでみつほを起こすと、下を向かせて後頭部にエルボードロップを叩き込むあみ。
一瞬フラつくみつほに、一気にコブラツイストで締め上げていくと、揺さぶりかけてアピールしていくあみ。
「くっ・・・・」
悲鳴こそあげていないが、みつほも全身を締め上げられて苦しそうだった。
あみの奇襲から始まった試合だが、遂にはあみがペースを握りだしていた。
だが、みつほも負けてはいなかった・・・。
あみのコブラツイストを耐えてロープに少しずつ身体を近づけると、何とかロープブレークまで持っていった。
『ブレークっ・・・』
レフリーがあみに放すように指示すると、あみがみつほから技を解いて距離を置いていった。
距離が離れたからと、みつほは打撃で勝負しようとアップライトに構えてあみとの距離を詰めていった。
逆に、あみも真似をして打撃を出すように仕草をして、時折ローキックで挑発した。
だが、逆にみつほが踏み込んでから強烈なローキックを叩き込むと、あみの身体が揺れていった。
更にみつほのローキックが決まっていくと、あみの表情が苦悶に歪んでいった。
距離を置こうにもみつほに詰められて、そして蹴られていく展開が続いていくと、あみも必死に蹴り返していった。
すると、今度はみつほが組み付いてから首相撲から揺さぶるようにあみを下に向かせると、膝蹴りを突き上げていった。
バシッ・・・
「ぐふっ・・・・・」
あみの胸に膝が叩き込まれると、あみは膝をガクガクするが踏ん張っていった。
更にみつほが髪を掴んでから顔面へ膝蹴りを叩き込むと、あみも両手でガードしたがダメージからダウンしていった。
四つん這い状態で倒れ込むあみ。
しかし、プロレスルールだからとレフリーも試合を止めることもないので、みつほが続けて構えていった。
あみがフラフラしながら立ち上がろうとすると、そのあみの胸に強烈なミドルキックを叩き込むみつほ。
バシィィィィ・・・・
これにはあみが仰向けに倒れると、みつほが足を掴んで一気に逆片エビ固めを極めていった。
グイッ・・・
「痛いぃぃぃぃ・・・・・・・」
堪らずマットを叩いて悲鳴をあげるあみ。必死に手を伸ばしてロープに逃げようとしていた。
「ギブっ・・・ギブアップする?」
みつほも完全に極めてギブアップを促すと、同時にレフリーもギブアップの確認をしていった。
『鈴本っ・・・ギブ?・・・ギブアップ?』
その問いかけに、あみは額から汗を流しながら拒んでいった。
「ノッ・・・ノォー・・・・絶対にギブアップしないぃぃぃ・・・・」
必死にロープに手を伸ばしていくあみ。
次第に身体を動かしてロープに近づくと、何とかロープを握っていくのであった。
『ブレークっ・・・』
レフリーがあみの手がロープを掴んだからとブレークを命ずると、みつほが放していった。
みつほが技を解いてもグッタリして苦しそうなあみ。
そのまま転がるようにリング下にエスケープすると、近くに置いてあったペットボトルで口を濯いでいった。
そのあみをリング上から睨み付けているみつほ。
一方、あみは呼吸を整えてリングに戻ろうとしていた・・・。
エプロンサイドにあみが上がると、みつほが距離を置いて構えていた。
あみもロープ際で攻められてはと警戒したが、一気にリングインして構えていった。
すると、あみが勢い良くタックルを仕掛けていくと、みつほも上手く合わせてフロントスリーパーでキャッチしていった。
首を絞められて苦しいあみは、そのまま密着していくと、何とみつほを持ち上げていった。
みつほもキャッチしたままだったが、そのまま変形スープレックスでマットにみつほを叩き付けると、続けてマウントポジションを取ろうとするあみ。
みつほも逃げようとするが、あみがマウントを取っていった。
すると、あみが上から張り手を叩き込んでいくと、みつほも下から張り手を返していった。
だが上のあみが有利なのは仕方ない事で、次第にみつほの頬に叩き込まれる張り手が多くなっていった。
時折ブリッジで逃げようとするが、あみもバランスを取って張り手を入れると、みつほの呼吸も乱れてくるのであった。
いくら軽いとは言え、あみが身体の上に乗っているのだから、力を入れているのと同時に、呼吸が苦しくなるのも当然だった。
まして、みつほはアクション映画撮影で体重を落としていたから、スタミナの消耗も激しかった。
少しずつロープに近づいていくみつほ。
そうはさせないとばかりにあみも張り手と、脇腹にパンチを叩き込むと、みつほの表情が苦悶に歪んだ。
更に、マウント状態から一気に組み付いて、あみが肩固めを極めていった。
意外な技で攻めていくあみに、みつほは驚いてロープに足を伸ばしていった。
『ブレークッ・・』
レフリーがあみを離していくと、みつほも立ち上がるが苦しそうだった。
あみも苦しそうだったが、みつほの様子にもしかしたら勝てるかもと希望を持ち出していた。
また距離を置いて構えていく両者。
すると、突然あみが気勢をあげてドロップキックを放つと、みつほが咄嗟にガードする上から両足が叩き付けられていった。
あみも倒れるが、みつほも腕にダメージを受けていた。
そのあみにみつほが組み付いていくと、今度はお返しとばかりに腕拉ぎ逆十字固めを極めていくと、あみは必死に腕の痛みに耐えてロープに足を伸ばしていった。
『ブレークっ・・・』
レフリーがまたも離していくと、あみとみつほは苦しそうな表情を浮かべながらも立ち上がっていった。
今度はみつほが大振りの左右の掌打で威嚇するようにあみに仕掛けていくと、あみも低空ドロップキックで対抗した。
バシッ・・・・
「痛いっ・・・・」
あみの低空ドロップキックが決まると、みつほが悲鳴をあげて座り込んでいった。
そのみつほを捕まえて、首投げでマットに叩き付けるあみ。
更に、マットに座った状態のみつほにスリーパーで締め上げていった。
ググググッ・・・
そのみつほにレフリーがギブアップの確認をすると、みつほは手を振って拒んでいった。
「ノー・・・こんな技でギブアップなんかしないわよ・・・・」
意地になるみつほだが、確実にスタミナが奪われているのは本人も分かっていた。
スリーパーをあみが放してから、一気に足を絡めて首4の字固めを極めていくと、今度は足で絞められてみつほが両足をバタバタさせて苦しんでいた。
あみもギブアップを促すために、みつほの髪を鷲掴みにしてギブアップを迫っていった。
「ギブアップ・・・・どんどん絞めるわよ、ほらっ!」
グイグイと締め上げるあみ。
締められているみつほもこれには必死に逃げようとするが、なかなかロープに届かなかった。
試合前には、みつほとあみの試合はみつほの圧勝と考えられていたが、あみの意外な頑張りに観客たちも驚いていた。
しばらく締め上げてあみが放すと、みつほは激しく咳き込んで苦しんでいた。
先に立ち上がったあみは、四つん這いで喉を押さえるみつほの腰などへストンピングを叩き込むと、続けて頭部を股で挟んでから、一気に大技パイルドライバーを仕掛けていった。
脳天からマットに叩き付けられて、みつほがグッタリと倒れ込んでいく・・・。
『ワン・・・・ツー・・・・ス・・・・』
あみがみつほに覆い被さってフォールするが、ギリギリでみつほが肩を浮かせていった。
更にあみがマウントポジションを取ろうとすると、逆にみつほも下から足を絡めての三角締めを仕掛けていった。
いきなりの反撃に驚くあみは、技が入る前にロープに逃げようと身体を動かすと、上手くロープブレークとなっていった。
レフリーの指示で放すみつほは、あみが立ち上がると低空タックルを仕掛けると、あみに逆にタックルを切られてしまい、フロントスリーパーの餌食となっていった。
グイッ・・・
首に巻き付けられたあみの腕に力が入る。
すると、みつほは無理矢理にロープに押し込んでロープブレークとしていった。
またもレフリーが放させると、あみが距離を置いていった。
肩で息をして苦しそうなみつほ。最近の映画撮影で体重が減った分、スタミナも落ちたのであろうか・・・。
あみが構えて近づくと、今度はみつほから仕掛けていった。
バシィィィ・・・・
「くっ・・・」
みつほのローキックに動きの止まるあみ。
必死に張り手で対抗しようとするが、みつほも必死にミドルキックをあみの脇腹に叩き込むと、あみの身体がくの字になっていった。
お腹を押さえるあみ。
更にみつほが踏み込むと、素早いハイキックを顔面に叩き込んでいった。
バシィィィィ・・・・
みつほのハイキックにダウンしていくあみ。俯せ状態で顔面を押さえて苦しんでいた。
あみのダウンする姿に、みつほは自分のペースで試合を進めようと、打撃の構えであみを見ていた。
すると、あみが立ち上がろうとした時、今度はあみの胸に蹴りを叩き込むと、あみは膝をついて苦しんでいた。
そのノーガードのあみの顔面に強烈な蹴りを叩き込むみつほ。
バシィィィ・・・・
またも顔面を押さえてグッタリと俯せに倒れ込むあみ。
しかし、手を伸ばして立ち上がろうとしていた・・・。
レフリーもあみの様子をチェックするが、あみは立ち上がって構えていった。
あみが立ち上がると、みつほが一気に掌打の顔面に叩き込んでから、脇腹にパンチを叩き込んでコーナーに追い込んでいった。
コーナーを背に追い込まれた状態のあみ。みつほの打撃の威力に驚いてガードを固めるが、みつほは構わずお腹にヒザ蹴りを叩き込んでガードを下げさせてから、顔面へ掌打を叩き込んでいった。
あみも時折みつほの顔面に張り手を返すが、次第にあみの口から血が垂れていった・・・。
更にみつほの打撃が顔面を襲うと、あみは必死に顔面のガードを固めていった。
「そろそろ倒れたらどうなのよ・・・・」
みつほが掌打を叩き込みながら言い放つ。
「き、効かないわよ・・・こんな技・・・・」
フラフラな状態でも強がるあみ。
すると、みつほも焦っていたのか掌打ではなく拳を握りしめると、一気にあみの顔面を殴りだしていった。
バキッ・・・バキッ・・・・
完全にサンドバック状態で殴られていくあみだが、鼻からも鼻血を流していた・・・。
更には口の中も切ったようで、白いワンピース水着が紅く染まっていった。
コーナーに追いつめられているあみが、血飛沫をあげながら殴られ続けると、レフリーが拳での顔面殴打は反則とみつほを止めていくが、珍しくみつほがエキサイトしてレフリーに食って掛かっていた。
「何で止めるのよ、邪魔しないでよ・・・」
みつほが叫ぶが、レフリーが2人の間に割ってはいると、あみの出血具合を見ていた。
「つ、続けます・・・わ、私・・・まだ続けます・・・」
あみが譫言のように呟くと、レフリーが続行の合図を送っていった。
コーナーから出ようとするあみだが、またもみつほのローキックからミドルキックと打撃に押されてはコーナーに追いつめられていった。
「しぶといわねぇ・・・・」
蹴り続けるみつほも攻め疲れてきたのか、どうして攻めようか考えていた。
「だったら締め落としてあげるわよ・・・・」
みつほは、蹴るより締め落とした方が早いとばかりに、コーナーのあみの髪を鷲掴みにすると、リング中央に連れて行った。
フラフラしているあみだが、みつほが一気にバックを取ると、両足を開いて踏ん張ると、一気にスリーパーで締め上げた。
グイッ・・・・
「ふぐっ・・・・んぐぐっ・・・・・」
締め上げられて苦しいあみ。
すると、苦し紛れにカンガルーキックを出していくと、偶然にも踏ん張っていたみつほの股間へ直撃して、今度は恥骨から脳天に走るような衝撃に、みつほがフラフラしていった。
「なっ・・・何するのよ・・・」
股間を押さえるみつほだが、あみは血を流しながらフラフラしていたが、この状態に背中から組み付くと、一気にお辞儀するようにして、みつほをフォールしていった。
そう、逆さ押さえ込みを出したのだった・・・。
『ワン・・・・ツー・・・・スリーィィィィ・・・・・』
何と、ここで股間の痛みに抵抗出来ないみつほから、あみが大逆転のスリーカウントを奪ったのであった。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが乱打されると、あみはグッタリとマットに横たわっていった。
一方、まさかの逆転負けのみつほは、股間を押さえて座り込むと、レフリーに股間への蹴りが反則だと抗議するが、レフリーはスリーカウントが入ったので認めないと言い返していた。
みつほが抗議する中、あみが新チャンピオンになった事を知らせるコールが流れていった。
『ただ今の試合、鈴本あみが逆さ押さえ込みにより勝利して、新チャンピオンとなりました!』
フラフラしながら立ち上がると、レフリーに手を挙げられていくあみ。
一方、負けたみつほは黙ってリングを降りていくのであった・・・。
まさかの大波乱のジュニアヘビータイトルマッチ。注目は次の防衛戦と、みつほの次の試合だった・・・。



第12試合

まさかの逆転劇に驚かされたばかりのリング上。今度は、因縁の試合が始まろうとしていた・・・。
会場内が暗くなると、スポットライトに照らされてリングを目指して歩いてくるのは、あの大池栄子だった。
黒いスポーツビキニでリングインしていく栄子。
黙っていたが、鋭い視線で周りを見ていた。
対して、今夜リング上で栄子と闘うのは、あの長谷河京子だった。
栄子と対照的に白いスポーツビキニに、手にはオープンフィンガーグローブを着けて、落ち着いた表情でリングインしていく京子。
T166B91W59H87の栄子は相変わらずヘビー級体型で、グラビアから遠ざかったとは言え、その巨乳ぶりは流石であった。
一方、T166B80W55H82と栄子に比べて線の細い京子。
前回の試合で痛めつけられて悔しい思いをしたからと、今回は寝技など関節技なども特訓してくた様子だった。
早くも視線を激しく交差させていく栄子と京子。
そのリング上で、リングアナがコールを始めていった。
『第12試合〜特別格闘技戦ルール〜っ・・・青コーナー〜長谷河〜京子〜っ!』
コールを受けると観客席に頭を下げていく京子。
『赤コーナー〜大池〜栄子〜っ!』
一方、栄子はコールを受けると堂々と手を挙げてアピールしていった。
『この試合は、殴る蹴る締める投げるなど凶器攻撃意外が全て有効で、倒れた相手の顔面へ膝を落としたりと言う行為も全て有効です・・・』
そのルール説明に観客たちも驚くと、続いて試合決着方法の説明も続けられていった。
『試合の決着は、KO・ギブアップ・ドクターストップ・レフリーストップで決着がつけられます!』
コールも終わると、京子と栄子が各のコーナーに戻ってから、口にマウスピースを入れていく・・・。
『カァーン!』
そしてゴングが鳴らされると、まず京子が意外にも走り込んでいって飛び膝蹴りを仕掛けていった。
いきなりの奇襲に栄子がガードするが、腕に炸裂して苦悶の表情を浮かべていた。
しかしジャブのようなパンチを返していくと、京子も急いで距離を置いていった。
距離を置いて睨み合う展開になると、お互いが手を出さないで様子を見ていた。
今度は京子がローキックで牽制すると、栄子は余裕だとばかりにローキックを受けてパンチを返していった。
バシィィィ・・・
確実に栄子の膝に叩き込まれる京子のローキック。
蹴られて動きが止まる栄子だが、蹴られた後に前に出てパンチで押していった。
栄子が前に出ると京子はガードを固めて距離を置いて逃げると、距離を置いた所で踏み込んでローキックで攻めていった。
早くも栄子の膝の近くが赤く腫れていくが、栄子は京子の蹴りに少し焦りを感じながらも、少しずつ間合いを詰めて捕まえようとしていた。
だが、京子もリング内を回ってジャブで栄子の顔面へパンチを入れながら逃げていると、栄子も苛立ち始めていた。
栄子もパンチを出すが、同時に京子のローキックなどが返されていった。
大振りの左右のパンチで威嚇しながら栄子が京子に突進していく。
すると、京子は栄子と真正面から向かい合わずにリング内に弧を描くように逃げていった。
栄子の攻めが止まると、逆に前蹴りで攻めていく京子。
蹴られてまたも栄子が前に出ると、京子が逃げるように距離を置いていく展開になっていった。
これは、前回の経験から力では栄子の方が上と思い、京子はスタミナを奪って技術で勝負と考えていたのだった。
額から汗を流している両者だが、栄子は少し苦しそうだった。
その栄子の様子に、京子が逆に攻めだしていった。
間合いを詰めると一気にタックルを仕掛けていく京子。
ガッチリ栄子の腰をキャッチするが、栄子も体重では上だから腰が重く、そのまま踏ん張っていった。
その踏ん張る栄子を倒そうとする京子。だが上から栄子も脇腹にパンチを落としていった。
バシッ・・バシッ・・・
「ぐっ・・・」
組み付く京子の表情が苦悶に歪む。しかし倒そうと力を入れていく。
すると、栄子が逆に上から抱え上げると、そのままフェイスバスターのように京子をマットに叩き付けていった。
バシィィィィ・・・・
体制を入れ替えて栄子が上から上四方固めのように押さえ込んでいくと、更に京子の脇腹に小刻みに殴りつけていく。
少しずつ京子にダメージを与えていく栄子のパンチ。特に京子はモデル体型で無駄な肉がついていないから、栄子のパンチによって確実にダメージを与えられていった。
下から京子が抱きつくようにして逃げ方を考えるが、栄子はチャンスとばかりに左右からガードのない部分へ容赦なく殴りつけていくのであった。
時折京子の口から白いマウスピースが顔を覗かしていた。
更に栄子が両方から勢いよく殴りつけていくと、バランスの崩れた瞬間を逃さずに京子が逃げると、栄子もバックを取るようにキャッチしていった。
スリーパーを狙う栄子だが、京子が寝ころんで転がって逃げ出すと、素早く立ち上がって構えていった。
これには観客席から拍手が送られていくと、栄子も立ち上がって構えようとした。
だが、先に京子が踏み込んで栄子の自慢のバストへハイキックを叩き込むと、続けて脇腹にミドルキックを叩き込んでいった。
続けての鋭い蹴りに栄子が苦しむが、苦し紛れにタックルを仕掛ける栄子。
すると、タックルを見切って上からフロントチョークに捉える京子は、そのまま上から締めながら止めていった。
体格差から考えると上手い京子だが、試合序盤でのローキックの影響で、栄子も踏ん張りが効いていないようにも見える中、京子が膝蹴りを入れていくと、バランスの崩れた所を栄子が押し込んで倒していった。
バシィィィ・・・・
背中からマットに叩き付けられる京子。
しかしフロントチョークは仕掛けたままで、栄子も苦し紛れにパンチを叩き込むと、京子が技を解いていった。
その京子に反撃とばかりに上から顔面を狙ったパンチを叩き込む栄子。
その殴りつけてくる栄子の伸びきった腕を、上手く京子が足を絡めて三角締めを狙っていくと、その反撃に驚いて栄子が力尽くで腕を抜いていった。
京子が寝ていて、栄子が立った状態で睨み合うリング上。
栄子が距離を詰めると、京子は下から足を狙って蹴りを入れると、栄子も踏み付けようと牽制していった。
お互いが上手く攻められずに試合が膠着していくと、ここでレフリーが試合を止めて、京子に起きるように指示していった。
レフリーの指示で立ち上がって構えていく京子。
一方、栄子も京子との距離を取ろうと間合いを計ると、逆に京子が間合いを詰めてローキックからパンチと攻めだしていった。
顔面にパンチが決まると栄子も意地になって殴り返していく展開だが、体格の差から栄子が京子を押していった。
コーナーに背中を押しつけられていく京子。
その京子のお腹へパンチ・膝蹴りを叩き込む栄子。
ボシュ・・・
「グボッ・・・・」
堪らず口からマウスピースを吐き出しそうになる京子。
だが、ここで踏ん張って前回のリベンジの意味合いもあるこの試合、京子も勢いをつけてエルボースマッシュを側頭部に叩き込むと、栄子もフラついていった。
続けて京子が踏ん張って顔面を殴りつけていくと、栄子の口の中が切れたのか血が流れ出していた。
口の中に広がる鉄の味に、栄子はお返しとばかりに京子の頬を殴りつけると、今度は京子の口の中が切れていった。
顔を殴られて京子も殴り返しては、栄子も殴り返す展開になっていくと、次第にお互いの顔が腫れだしていった。
京子が意外にも殴り返してくるからと、栄子は一気にバックを取るとチョークスリーパーを狙っていった。
スタンディング状態でのチョークを狙うが、京子も苦し紛れにカンガルーキックを栄子の股間に炸裂させると、栄子は突然の股間への衝撃に技を解いてしまった・・・。
思わず股間を押さえてしまう栄子だが、逆に京子がノーガードの栄子の顔面へハイキックを叩き込んでいった。
バシィィィィ・・・・
「ぶふっ・・・・」
堪らず口からマウスピースを吐き出す栄子。
だがまだ倒れないからと、京子が続けてハイキックを叩き込んでいった・・・。
しかし、これは栄子が意地になってキャッチすると、倒そうと足を捻ろうとした・・・。
だが、これまた京子が片足をキャッチされても飛び上がって、変形の延髄蹴りを栄子に叩き込んだ。
「んぐっ・・・・」
これには栄子が倒れ込んでいくと、俯せになってグッタリとダウンしてしまった。
栄子の様子にレフリーが注目するが、京子が背中に座ると、馬乗り状態から栄子の側頭部から、脇腹などへ容赦なくパンチを叩き込んでいった。
延髄蹴りのダメージで意識を朦朧とさせる栄子は、殴られるからと必死に頭を抱え込んでガードしようとするが、京子のパンチは確実に側頭部から脇腹に叩き込まれていた。
バシッ・・・バシッ・・・ボシュ・・・バシッ・・・
思わず横を向いてパンチを嫌がる栄子。
だが、京子は横を向いた栄子の顔面も殴りつけていった。
バキッ・・・
京子のパンチに鼻から大量の鼻血を出し始める栄子。痛さと共に呼吸がしづらくなって、スタミナ面が心配な状態になっていった。
その栄子から一気に離れて立ち上がる京子。構えていくと栄子も殴られると思って立ち上がっていった。
しかし構えてはいるが、足元がフラついてる感のある栄子。延髄蹴りのダメージは大きいようだった。
立ち上がった栄子にローキックからミドルキックと、次々と打撃で攻めていく京子。
バシッ・・・バシッ・・・
完全にサンドバック状態の栄子だが、京子に打撃技を受けても倒れる事はなかった。
時折殴り返すが、フラフラしている栄子のパンチは京子に上手くガードされていた。
すると、一気に勝負を賭けようとタックルを仕掛けていく栄子。
しかし、これも京子が見切って上から潰すようにして、顔面へカウンターの膝蹴りを叩き込んでいった。
バキィィィ・・・・
完全にタイミング良く決まった京子の膝蹴り。
これには栄子が俯せにダウンすると、レフリーが覗き込むが京子が上から踵で何度も踵蹴りで踏み付けていった。
俯せ状態で蹴られていく栄子の姿に、レフリーが危険と判断して攻める京子を止めていくのであった。
『カンカンカンカン・・・』
レフリーが止めるのと同時に、ゴングの音が会場内に響き渡っていった。
しかし、興奮状態の京子は顔面へ蹴りなどを入れていく。
一方、グッタリと半失神状態で血塗れの栄子は、京子に痛めつけられるだけであった。
『カンカンカンカン・・・』
更にゴングが打ち鳴らされると、黒服などもリング上に上がって京子を止めていくのであった。
完全に前回の試合のリベンジを果たした京子。
『ただ今の試合、長谷河京子のレフリーストップ勝ちです!』
そのコールに観客席からも拍手が送られていく。
そして、京子は控え室に戻っていくのであった・・・。対戦相手の栄子は、血塗れのまま担架に乗せられての退場だったが、運ばれる途中にも京子へのリマッチを考えるのであった・・・。


第13試合

『それでは、今夜のメインイベントを行います・・・』
そのコールと共にリングに上がっていったのは、久しぶりの地下リング登場の須野内美帆子だった。
T165B83W58H85のスレンダーボディを白い競泳タイプの水着に包んでの登場に、観客達の視線も集まっていた。
あまり目立った活躍はしていないが、たしかに美しいことは間違いのないタレントだった。
美帆子がコーナーに寄りかかっていくと、もう一方からもう1人がリングインしていった。
そう、黙って美帆子を睨み付けていくのは米蔵涼子だった。
T168B84W58H85の身体を黒い競泳水着での登場の涼子。
そう、今夜のメインは地下プロレスヘビー級タイトルマッチだった・・・。
『第13試合〜、地下プロレスヘビー級タイトルマッチ〜、挑戦者〜須野内〜美帆子〜っ!』
早くもコールを受けると、美帆子は観客席に向かって一礼すると、身体を動かしてウォームアップしていった。
『チャンピオン〜っ・・・米蔵〜っ、涼子〜っ!』
一方涼子はコールを受けると、余裕の表情で手を挙げてアピールしていった。
そしてレフリーのボディチェックを受ける2人だが、早くも激しく視線を激突させていくのであった。
睨み合う2人だが、レフリーが各のコーナーに戻していくと、ここでゴングが鳴らされていった。
『カァーン!』
ゴングと同時に美帆子が走り込んでドロップキックを叩き込むと、まずは涼子が倒れ込んでいった。
倒れた涼子にストンピングを叩き込んでリング下に落としていく美帆子。
一方、リング下に落とされた涼子は凄い表情でリング上の美帆子を睨み付けると、リングに早くも戻っていった。
距離を置くと、涼子が手を伸ばして組み合うように誘っていった。
その誘いに美帆子も片手を伸ばすと、片手が組み合った瞬間に涼子の蹴りが美帆子のお腹に叩き込まれた。
バシッ・・・
「んぐっ・・・」
お腹を蹴られて苦しむ美帆子。
すると、涼子が美帆子に組み合ってからボディスラムでマットに叩き付けていった。
更に、倒した美帆子の腕をキャッチして腕拉ぎ逆十字固めを仕掛けていった。
「きゃああぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
堪らず悲鳴をあげる美帆子。しかしロープに足を伸ばしていった。
レフリーが涼子を止めて技を解かせると、美帆子と涼子が立ち上がっていった。
腕を気にする美帆子。その美帆子にローキックを叩き込んでいく涼子。
バシッ・・バシッ・・・
足を蹴られて嫌がる美帆子は、距離を置こうと動くと、涼子が素早くラリアットを狙って走り込んだ。
しかし、美帆子が偶然なのかショルダースルーで涼子を投げつけていくと、涼子がマットに倒されていった。
倒れる涼子が立ち上がると、うまく涼子の胸にドロップキックを叩き込む美帆子。
堪らず胸を押さえて倒れる涼子。
その涼子の髪を掴んで起こすと、ロープに振って美帆子がドロップキックを叩き込んでいった。
堪らず胸を押さえて苦しむ涼子。
その苦しむ涼子に休む間もなく、足を掴んで一気にスタンディングアキレス腱固めを仕掛ける美帆子。
これには涼子が悲鳴をあげてロープに手を伸ばしていった。
「イタァァァァ・・・・・」
何とかロープに逃げた涼子。しかし美帆子の意外な技に驚いていた。
立ち上がる涼子だが、今度は美帆子の様子を見るように距離を置くと、美帆子も仕掛けずに涼子の様子を見ていた。
美帆子が踏み込むと、涼子が警戒してか間合いを取ろうとすると、一気に美帆子がタックルを仕掛けると、涼子が受け止めていった。
だが勢いに押されてロープに背中を押し込まれて膠着していくと、ここでレフリーが離れるように指示していった。
離れたと同時に美帆子がフライングラリアットを仕掛けると、意外な技の前に涼子がダウンすると、一気にフォールしていった。
『ワン・・・』
しかし涼子も意地になってカウント1で返すと、美帆子がマットに座らせる格好でスリーパーで締め上げた。
美帆子のスリーパーに手をロープに伸ばして逃げようとする涼子。
少しずつヒップを動かしてロープに逃げようとする涼子に、美帆子が一気に放して立ちあがると、涼子の背中にサッカーボールキックを叩き込んでいった。
ボシュ・・・
「グハッ・・・ごふっ・・ごふっ・・・」
堪らず涼子が咳き込んで苦しむと、美帆子がロープに走ってから何か仕掛けようとするが、涼子の直前で技を仕掛けるのを止めていった。
その美帆子に対して立ち上がって間合いを取る涼子。
すると、美帆子が組み合うと一気にフロントスープレックスで涼子をマットに叩き付けると、続けて腕を狙っていった。
だが涼子が焦るようにロープに手を伸ばしてレフリーに離されていった・・・。
「何よ、逃げないでよね・・・」
ロープに逃げる涼子に対して、挑発するように美帆子が言い放つ。
その一言に腹を立てたのか、涼子が近づくと美帆子の髪を鷲掴みにしていった。
その涼子に対しても、美帆子が髪を掴み合って睨み合う展開になっていくと、一気に観客席から女の意地の現れに大歓声がおきていった。
「上等じゃないの・・・・」
睨み付けながら美帆子を威嚇する涼子。
「ふん、私だって負けないわよ・・・」
その涼子に言い返す美帆子。
すると突然、涼子の張り手が美帆子の頬を襲った・・・。
バシィィィ・・・・
「くっ・・・何よっ!」
バシィィィ・・・・
涼子の張り手に美帆子も張り返すと、そのまま意地の張り合いの張り手合戦になっていった。
凄まじい張り手の応酬。
お互いの頬が赤くなっていくのもお構いなしに張り合う涼子と美帆子。
「覚悟しやがれぇぇぇぇ・・・・・・」
いきなり涼子が叫ぶと、美帆子のお腹へ膝蹴りを叩き込んでいった。
「ぐふうっ・・・・・ううっ・・・・」
これには美帆子が両手でお腹を押さえて座り込むと、美帆子の髪を掴んで涼子がニヤニヤしていった。
「いくぞぉぉぉぉ・・・・」
まるで観客にアピールするように叫んでから、美帆子を起こしていくと、一気にロープに走って首筋にラリアットを叩き込んでいった。
バシィィィ・・・・
堪らず倒れ込む美帆子。しかし涼子が起こしていくと、そのフラフラする美帆子に対して、背後からラリアットを叩き込んでいった。
バシィィィ・・・・
俯せになって倒れ込む美帆子。
苦しそうな美帆子を起こしてから、ボディスラムでマットに叩き付けてから、一気に両足を抱え込んで逆エビ固めを仕掛けていく涼子。
グイッ・・・
「イタァァァァァァァ・・・・・いやあぁぁぁぁぁ・・・・・」
全身に走る激痛に絶叫してロープに手を伸ばす美帆子。
しかし、ロープに届く寸前に、美帆子をロープから離すようにして痛めつけていく涼子。
「ほらぁぁぁぁ・・・ギブアップしろぉぉぉぉぉ・・・・」
苦しむ美帆子にギブアップを迫る涼子。
「ノ、ノォォォォォォ・・・・・・」
額から汗を流しながらギブアップを拒否する美帆子。
何とかロープに逃げるが、相当スタミナを奪われてしまった様子だった。
ロープを掴んで起きあがる美帆子に、涼子が一気にキチンシンクを叩き込んでいった。
ボシュ・・
「ぐぶふっ・・・・ううっ・・・・」
今度はお腹を押さえて座り込む美帆子。
その美帆子を見て、涼子が観客席にアピールしていった。
「いくぞぉぉぉぉ・・・・・・」
アピールを終えると、一気にノーガードの美帆子の顔面へキックを叩き込む涼子。
バシィィ・・・・
これには堪らず顔面を押さえて転がるようにリング下に逃げていく美帆子。
エプロンサイドからリング下のマットに落ちると、そのまま呻き声をあげるように顔面を押さえて痛がっていた。
リング上では涼子が両手を頭上に挙げて拍手していくと、ロープをくぐり抜けてエプロンサイドに立って美帆子の様子を見ていた。
顔面を押さえて仰向けに倒れている美帆子。
お腹へのダメージで動けない美帆子に、涼子は更に追い込もうとそのままエプロンサイドから飛び降りて、美帆子のお腹へフットスタンプを叩き込んでいった。
グシュ・・・
「グボッ・・・・・」
今度は一瞬間を置くようにして口から胃液のようなものを噴き上げる美帆子。
「うわっ、汚いわねぇ・・・・・あらあらっ・・・・」
美帆子の様子に呆れ顔でリング上に戻っていく涼子。
一方、苦しむ美帆子は地下プロレスルールではリングアウトが無いからと、涼子がリング上に戻ったからスタミナ回復を狙っていた。
そして黒服からペットボトルを受け取ってうがいをしてから、美帆子がリングに戻ろうとした。
すると、エプロンサイドでロープ越しに涼子が髪を掴んでいくと、そのままコーナーに連れて行って鉄柱に顔面を叩き付けていった。
バキィィィ・・・・・
「きゃあああぁぁぁ・・・・・」
悲鳴をあげる美帆子。だが続けて涼子がリングに美帆子を入れていくと、一気に大技で倒そうとしてか、パイルドライバーの体制に持ち込もうとした。
「なにっ・・・」
「いやああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
しかし、美帆子がフラフラな状態からも、リバースのブレンバスターで涼子を身体を投げていった。
バシィィィ・・・・
背中からマットに叩き付けられて苦しむ涼子。
技を仕掛けた美帆子もフラフラしながら立ち上がると、必死に倒れた涼子の胸などへストンピングを叩き込んでいった。
更には首4の字固めで締め上げていく美帆子。
グイッ・・・
必死に締め上げて、身体を左右に揺さぶったりして涼子を追い込もうとしている美帆子。
これには額から大量の汗を流して耐える涼子だが、締め上げている美帆子の足に噛み付いていくのであった。
ガブッ・・・
「痛いぃぃぃ・・・・何するのよぉぉぉ・・・」
噛み付かれて悲鳴をあげて技を解いていく美帆子。
「ふん、プロレスは5秒以内は反則したっていいのよ!」
開き直って涼子が立ち上がると、フラつく美帆子に勢い良くラリアットを叩き込むと、速攻でフォールしていった。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・・・・・』
しかしカウントスリーが入る寸前、美帆子が絶叫しながらブリッジで返していった。
グッタリして倒れている美帆子。
「ふん、しぶとい女だね・・・・」
すると、涼子が勝負を賭けるべく美帆子にツームストンパイルドライバーの体制にもっていくと、美帆子が逆さ状態にされていった。
バキィィィ・・・・
「ふぐうっ・・・・・・うっ・・・・」
脳天からマットに叩き付けられて変な悲鳴をあげて仰向けに倒れ込む美帆子。
この状態に涼子が余裕の表情でフォールしていった・・・・。
『ワン・・・ツー・・・・ス・・・・・』
しかし寸前の所でレフリーのカウントが止まっていった。
そう、美帆子の足がロープに伸びていたのであった。これには悔しそうな表情を浮かべる涼子。
「ふん、だったら徹底的に痛めつけてやるわよ・・・」
更にグッタリする美帆子をパイルドライバーで痛めつける涼子。
だが、続けてもう一発入れていくと、今度は美帆子が大の字になって痙攣するように身体をヒクヒクとさせていた。
「これでどうかしら・・・須野内さん・・・?」
その完全にKO寸前の美帆子を俯せにすると、顎に手を掛けて一気に上半身を反らせていく、キャメルクラッチで攻め上げていった。
グイィィィィ・・・・
上半身を揺さぶられていく美帆子。時折足を動かしているが、少しずつ反応が無くなっていった。
これにはレフリーが危険と見て、一応は美帆子の手を握ったりして失神しているか反応を見ていたが、最初は握り返す美帆子だったが、涼子が天井を見上げさせるように反らしていくと、遂にレフリーが試合を止めていった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
リング上にゴングが乱打されていくと、ここで涼子のレフリーストップ勝ちが決まっていった。
涼子が技をと解くと、美帆子はグッタリと目を閉じたまま俯せで倒れ込んでいた。
一方、涼子は立ち上がるとレフリーに腕を挙げられて、チャンピオンベルトを腰に巻かれていくのであった。
『ただ今の試合、レフリーストップで米蔵涼子の勝利となりました!』
この試合が終わると、今回の大会も終わりを告げるのであった・・・。

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