第67回大会

第1試合

2006年最初の地下プロレスの試合。観客達も新たな年の最初の試合に期待している中、リングアナがコールを始めた。
『第67回大会、第1試合っ・・・選手入場っ!』
コールを受けてリングに上がる2人の選手は、大野真弓と保田美沙子。
金融系マッチともとれる2人だが、グラビアで2005を売っていた2人のグラビア系試合として組まれたこの試合。
グラビア系と言うことで、2人ともビキニにリングシューズと言うリングコスチューム。
真弓は黒いビキニで、美沙子はピンク色のビキニ。
『第1試合っ・・・・青コーナー〜っ・・・身長158p、上から82、56、85〜・・・大野〜真弓〜っ!』
コールを受けて一礼していく真弓。この試合には勝ちたいと言う気迫が感じられる。
『赤コーナー〜・・・・身長161p、上から82、60、85〜・・・保田〜美沙子〜っ!』
コールを受けて笑顔で一礼していく美沙子。真弓に比べて歓声が大きい。早くも真弓の嫉妬心を燃やしていく・・・。
『カァーン!』
早くもゴングが打ち鳴らされると、まずは距離を置いていく2人。
なかなか組み合わないと、美沙子が少しずつ前に出る。
逆に真弓は距離を置いて挑発していく。
堪らず美沙子が走り込んでドロップキックを放つが、真弓が避けて自爆させた。
グイッ・・・
「おらおらっ!」
自爆した美沙子の髪を鷲掴みにして、一気にヘアーホイップで投げつけると、マットに座らせた状態から背中にサッカーボールキックを叩き込む真弓。
バシィィィ・・・
「んあっ・・・」
堪らず苦悶の表情を浮かべる美沙子。
「立ちなさいよ!」
真弓が叫ぶと、美沙子の髪を鷲掴みにして起こしていく。
フラつく美沙子をヘッドロックで締め上げると、続けて額にグーパンチを叩き込む真弓。
ゴキッ・・バシッ・・
「痛いっ、痛いっ、痛いっ・・・」
殴られて悲鳴をあげる美沙子。
「何を甘い事を言ってるのよ、おらっ!」
更に締め上げると、真弓がコーナーに連れて行って脳天から叩き付けた。
バシィィィ・・・
「んあぁぁぁぁぁぁ・・・・」
悲鳴をあげてコーナーにダウンする美沙子。
セカンドロープを掴んで苦しむ美沙子の背中に、真弓の容赦ないストンピングが叩き込まれていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「ああんっ・・・んあっ・・・痛いっ・・・」
美沙子が悲鳴をあげると、真弓は髪を掴んで起こしていく。
「このリングでアピールすれば、表の世界で仕事が沢山獲れるのよ・・・」
真弓は叫ぶと、膝蹴りでダウンを奪っていく。
堪らず美沙子は転がるようにしてリング下に逃げていくと、真弓も追いかけて降りていく。
リング下に行くと、美沙子も必死にエルボースマッシュで反撃を試みていく。
ゴキッ・・
「ぐうっ・・」
頬に肘を受けてフラつく真弓。
しかし美沙子も攻められ続けられてダメージがあるから、このあとが続かない。
仕方なく蹴りを入れて距離を置いてダメージを回復させようとする美沙子。
「逃げるなぁ!」
しかし真弓が追いかけると、飛び蹴りの様に蹴りつけると、続けて鉄柵に振って叩き付けた。
ガッシャーン!
「ああんっ・・・」
鉄柵に寄りかかる様にダウンする美沙子。
真弓は両手を挙げて観客にアピールすると、ゆっくりとリング上に戻っていった。
しばらくすると、美沙子がフラつきながらもリングに戻ろうとする。しかし真弓が威嚇するように挑発した。
美沙子がリングに戻れないと、レフリーが真弓を離してリングに戻していった。
『ファイトっ!』
レフリーが叫ぶと、真弓が打撃スタイルのように構えで距離を詰める。
美沙子は間合いを詰められると、逆にタックルの様に抱きついて倒していく。
上手く真弓を倒すと、肘を喉元に押しつけていく美沙子。
これには真弓も痛いからとブリッジなどから逃れようとすると、美沙子がスリーパーを狙った。
グイッ・・・
「んぐっ・・」
美沙子の反撃のスリーパーが炸裂すると、真弓が藻掻き苦しむ。
しばらく締め付けてから、美沙子は技を解いてから立ち上がる。
真弓も立ち上がると狙った様に美沙子のドロップキックが顔面に炸裂する。
バシィィィ・・・
「イタぁぁぁぁ・・・」
倒れながら悲鳴をあげる真弓。
更に立ち上がる真弓にドロップキックを叩き込むと、髪を掴んで起こしてからボディスラムでマットに叩き付ける美沙子。
バッシーン!
「ぐはっ・・・」
真弓が苦しむと、美沙子はゆっくりとフォールした。
『ワン・・・・ツー・・・・』
カウント2で真弓が肩を浮かせると、美沙子がスリーパーで締め付ける。
マットに座った体制からのスリーパー。真弓の顔が苦悶に歪む。
美沙子が放すと、真弓は転がるようにロープに逃れた。
ロープを掴む真弓に、美沙子は距離を置いて様子を見る。
真弓は呼吸を整えると、ゆっくりと美沙子との距離を詰めていった。
ドシュ・・
「おりゃあっ!」
真弓が叫ぶと、美沙子のお腹に喧嘩キックを叩き込む。
お腹を押さえて痛がる美沙子に、抱きつくようにコーナーに押し込んでいく真弓。
続けて頬に張り手を叩き込んでいくと、美沙子も一瞬動きが止まるが、真弓の頬に張り手を返す。
バッシーン・・・バシィィィ・・・・
お互い意地になって張り手を叩き込んでいくと、真弓が張り手を止めて膝蹴りをお腹に叩き込んだ。
ボシュ・・・
「ふぐうっ・・・」
張り手を意識していた美沙子は、お腹への串刺しの膝蹴りに悶絶する。
マットに崩れ落ちると、身体をくの字にして藻掻き苦しむ美沙子。
「決めるよぉぉぉぉ・・・」
真弓が片手を挙げてアピールすると、美沙子をリング中央に引いていく。
そして、倒れている美沙子にのお腹に飛び上がってフットスタンプを叩き込んだ。
ボシュ・・
「んぐふっ・・・」
苦悶の表情で藻掻き苦しむ美沙子。
真弓は余裕の表情でフォールしていくと、レフリーがカウントを数えた・・・。
『ワン・・・・ツー・・・・スリ・・・・・』
しかしカウントギリギリで美沙子が返すと、会場内から歓声が沸き起こる。
観客の声に苛つく真弓。
更に美沙子のお腹に飛び上がって鋭いニードロップを叩き込む真弓。
ボシュ・・・
「んんっ・・グボッ・・・」
まるで胃袋を狙われたような美沙子は、口から胃液を吐きだした。
「ふん、汚いわねぇ・・・レフリーフォールっ!」
真弓は美沙子の顔面を踏み付けると、フォールを要求した。
しかしレフリーがカウントを入れないと、真弓がレフリーに抗議の為に詰め寄った。
「何でカウント入れないのよ・・・アンタ公平にジャッジしてよね!」
レフリーも困った表情で真弓に言い返すと、美沙子はフラフラしながら立ち上がると、気が付かない真弓に逆さ押さえ込みを仕掛けた。
『ワン・・・・ツー・・・・スリィィィィ・・・・』
真弓が押さえ込まれると、レフリーは素早くカウントを叩き込んだ。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされるが、勝利した美沙子はグッタリとマットに俯せ状態になっていく。
逆に真弓はマットを叩いてレフリーに抗議した。
「何よ、今のカウント?ちょっと早いんじゃないの?」
真弓が叫んでもレフリーは構わず美沙子を起こしていくと、手を挙げて観客にアピールした。
『勝者、保田美沙子っ!』
レフリーに勝者としてアピールされる美沙子だが、すぐにコーナーに寄りかかってフラついていた。
真弓は納得いかない表情を浮かべるが、観客席からはブーイングが起きていく。
こうして第1試合は終わりを告げた・・・。


第2試合

『第2試合っ・・・選手入場っ!』
リングアナがコールすると、誘われてリングに上がるのは猪上和香。
去年最後の試合では、格闘技番組でのライバルと言われた大池栄子に痛め付けられての敗北。
その反省から、今大会では前座に近い試合順、更には闘争本能をあげる為に試合を組むように要請しての試合だった。
グラビアアイドルなどとして売れている和香側の要請に、今回は和香に有利な相手が用意されていた・・・。
コーナーに寄りかかって待つ和香の前に現れたのは、泰めぐみ。
まだ地下リング2戦目だったが、今回は金融系総合格闘技マッチとしてくれて出場させられていた。
補強された黒いビキニ姿の和香。対して白いスポーツビキニのめぐみ。
手にはオープンフィンガーグローブが着けられているが、和香は格闘技戦の経験はあった・・・。しかしめぐみは地下リングも2回目の経験。まして格闘技戦など考えてもしない様子で、数日前に打診され練習しただけだった。プロレスの練習はバラエティの関係で経験済みだったが、めぐみは緊張の色を隠せない・・・。
『金融系CMアイドル格闘技マッチ!・・・青コーナー〜・・・身長158p、上から85、58、85〜・・・泰〜めぐみ〜っ!』
コールを受けて一礼していくめぐみ。緊張した表情でコーナーに寄りかかっていった。
『赤コーナー〜・・・身長165p、上から90、61、90〜・・・猪上〜和香〜ッ!』
逆に、和香は対戦相手のめぐみを睨み付けると、コーナーに戻って膝蹴りのように身体を動かしてはゴングを待った。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、いきなりめぐみが前に出た。
コーナーから出ようとする和香に、素早く突進してタックルを仕掛けていくめぐみ。
これには和香も組み合うと、倒されないように踏ん張っていった。
踏ん張る和香をコーナーに押し込んでいくめぐみ。
押し込まれていく和香だが、めぐみを突き放そうと考えていた。
めぐみもコーナーに押しつけた状態から、膝蹴りで和香へダメージを与えようと考える。
ボシュ・・・
「うぐっ・・・」
和香のボディに膝がメリ込むと、表情が苦悶に歪む和香。
更に身体全体を使いコーナーに押し込んでいくめぐみ。
しかし和香が膝蹴りで突き上げると、バストに膝が決まり動きが鈍くなるめぐみ。
和香はめぐみと体制を入れ替えると、コーナーに押し込んだ。
堪らずガードを固めていくめぐみ。
ボシュ・・・
「ぐっ・・」
コーナーに押し込んだめぐみのお腹にパンチを叩き込む和香。
更に左右のボディを叩き込むと、めぐみはガードを上げたまま身体をくの字にして苦しむ。
顔面を殴られる事を嫌がるめぐみ。
ガードが下がらないからと、和香もお腹を続けて殴りつける。
ボシュ・・・バシッ・・・
「んぐっ・・・んんっ・・」
サンドバック状態のめぐみ。
『殴り返せっ!』
『泰っ、オマエも殴り返せよっ!』
観客席から野次が飛び始めると、めぐみも殴り返す。
バシッ・・・
ジャブ気味に和香の顔面にパンチが決まるが、和香はガードが開いたとばかりに顔面にパンチを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・
「んんっ・・ぐうっ・・」
殴られてフラフラしていくめぐみ。必死に距離を置こうと前蹴りで抵抗すると、和香のお腹に炸裂する。
ボシュ・・
これには和香の動きが止まると、めぐみはコーナーから逃れようとタックルを仕掛けた。
抱きつくめぐみだが、和香が踏ん張って倒させない。
コーナーから離れるが、めぐみがテイクダウンを奪えない状態が続く。
和香も踏ん張りながら左右に振って倒すと、一気に覆い被さるようにサイドポジションを奪っていった。
めぐみはグラウンドで組み付かれて焦りの表情を浮かべる。
逆に和香が冷静にめぐみの動きを見ると、ハンマーパンチを数発顔面に叩き込んだ。
バキッ・・・バシッ・・・
激しく身体を動かして抵抗するめぐみ。ハンマーパンチは効いたのか、表情が苦悶に歪んでいる。
めぐみは逃れようとすると、和香はその動きを利用してバックマウントを奪った。
俯せの体制で乗られるめぐみは、逃れようと必死になって抵抗する。
バキッ・・バシッ・・・
抵抗するめぐみの顔面に容赦なくパンチを叩き込む和香。
堪らず顔面をガードしようとするめぐみの髪を掴むと、揺さぶってからまた殴りつける和香。
早くもめぐみの口からマウスピースが姿を現すが、和香の顔面狙いは止まらない。
バシッ・・・バキッ・・・
「あうっ・・・」
堪らずマウスピースを吐き出すめぐみ。鼻血も流れ始めている。
更に和香が左右から顔面へパンチを叩き込む。
バシッ・・・バシッ・・・
「ああああぁっ・・・・」
マウスピースを吐き出しためぐみは、殴られると痛さから悲鳴をあげた。
和香は更に殴りつけていくと、涙目状態のめぐみが激しく藻掻いていく。
一方的になってきたから、ここでレフリーが一旦試合を止めた。
『ストップ・・・ストップ・・・』
めぐみも試合が終わったと思い安心する。
しかしレフリーは2人を立たせると、また試合を再開させていった。
『ファイトっ!』
掛け声に和香がストレートパンチから打撃で勝負していく。
バキッ・・・バシッ・・
顔面を殴られてフラフラするめぐみ。しかし意地になってダウンしないように踏ん張った。
マウスピースが口に入っていないめぐみは、殴られると口の中を切って血飛沫を飛ばす。
めぐみも殴り返すが、和香の勢いに殴られる一方になっていくと、次第にコーナーに追い込まれていく。
堪らずガードしていくめぐみに、和香は狙ったようにボディへパンチを叩き込む。
バシッ・・・ボシュ・・・
「んぐうっ・・・ううっ・・・」
堪らず身体をくの字にして苦しむめぐみ。
ガードが下がると顔面にパンチが叩き込まれていく。
めぐみも必死に殴り返すが、和香に大きなダメージを与えることなくサンドバック状態になっていった。
顔面への攻撃に激しく鼻から出血しているめぐみ。呼吸が苦しくなってスタミナを消耗して、更に顔も腫れだしている。
和香も倒れないめぐみに焦るが、コーナーだからと串刺しの膝蹴りを叩き込むと、遂にめぐみはお腹を押さえてダウンしていった・・・。
グッタリとダウンするめぐみ。レフリーが試合を止めないと、和香はサッカーボールキックを顔面に叩き込んだ。
バキィィィ・・・
蹴り上げられて血飛沫をあげて失神寸前に追い込まれていくめぐみ。
ここでレフリーが和香を止めて試合を終わらせていった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音に和香が片手を挙げてアピールすると、観客席からは拍手と罵声が入り乱れる結果に。
『勝者っ・・・猪上和香っ!』
リングアナのコールにも観客席からは色々な声が飛び出した。
逆にリングドクターに応急処置を受けるめぐみは、しばらくして立ち上がると、マイクを要求した。
「もっと経験を積んで、リング上で結果が出せるように頑張ります・・・」
涙ながらのめぐみのアピールに観客席が盛り上がる中、めぐみは黙ってリングを後にした。



第3試合

『第3試合・・・新成人特別マッチ!』
リングアナのコールにリングインするのは、今年成人式を迎えた戸向美奈子と類華明日香。
経験からも美奈子が有利と思われるこの試合。しかしムッチリしていたボディが痩せて見える美奈子の身体。
ダイエットに成功したと言われているが、ここ地下プロレスのリング上では体重を落とした事がどう影響するのか。また今夜の対戦相手が樽ドルの明日香。明らかに体重差は大きいこの試合・・・。
『青コーナー〜・・・身長156p、上から90、58、85・・・・戸向〜美奈子〜っ!』
コールを受けると、黒いビキニに黒いリングシューズの美奈子。
『赤コーナー〜・・・身長165p、上から97、62、89・・・・類華〜明日香〜っ!』
そしてこの試合がデビュー2戦目になる明日香。片手を挙げてアピールすると、白いビキニに白いリングシューズでコーナーに寄りかかっていく。ウエストが62pと言われているが、美奈子との差はあまりにも大きく、経験で上の美奈子でも苦戦が予想されるこの試合。
『カァーン!』
早くもゴングが鳴らされていくと、まずは距離を置いて睨み合う2人。
少しずつ距離が詰められていくと、いきなり美奈子がローキックを叩き込んだ。
バシッ・・・
明日香の表情が少し強張った。
更に美奈子のローキックが炸裂するが、打撃系でない美奈子の蹴りだから、ダメージはあまりない。
逆に明日香が抱きつくようにタックルを狙うが、美奈子も上手くロープに押されてロープをアピールした。
『ロープっ・・・』
レフリーのロープの指示に明日香が離れると、距離を置いてまた睨み合う2人。
明日香から前に出て距離を詰めていくと、美奈子は喧嘩キックから張り手を叩き込んでいく。
バシィィィ・・・
明日香の喉元に張り手が炸裂するが、明日香は構わず前に出ていく。
美奈子は焦るようにボディにパンチを叩き込むが、明日香のお腹の脂肪に阻まれてあまり効果がない。
「えっ・・・」
ダメージの感触がなく美奈子が焦る。
「リングの上じゃ、このお腹も武器になるのよ・・・」
明日香がニヤリとすると、至近距離から美奈子にラリアットを叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・
「ぐふうっ・・・」
堪らず倒れ込む美奈子。更に明日香がストンピングを叩き込んでいくと、美奈子は転がるようにリング下に逃れていった。
リング下で呼吸を整えていく美奈子。しかし体重差などから焦りの色を隠せない。
ゆっくりとリング上に戻る美奈子だが、明日香が威嚇するようにロープ際に近づく。
レフリーは一旦明日香を離すと、美奈子をリングに招き入れた。
『ファイトっ!』
レフリーの掛け声に美奈子がドロップキックを放つと、明日香がフラついた。
更にドロップキックを叩き込む美奈子。
倒れないからと、ロープに走って勢いをつけてエルボースマッシュを喉元に叩き込むと、これには明日香が苦悶の表情を浮かべた。
「いくよっ!」
美奈子が叫ぶと、大技DDTの体制に持っていく。首に腕を巻き付けていく美奈子。
しかし明日香が逆に持ち上げていく。
「な、何よ・・・」
持ち上げられて驚きの表情を浮かべる美奈子を、明日香はコーナーまで運んでからコーナーに背中から叩き付けた。
グシャ・・・
「ぐわあっ・・・」
堪らずダウンしていく美奈子。
バシッ・・バシッ・・・
更にストンピングで痛め付けてから、髪を掴んで起こしていく明日香。
ゆっくりとボディスラムで投げつけてから、早くも飛び上がってボディプレスで圧殺していく明日香。
「あうっ・・・」
巨体に押し潰されて苦しむ美奈子。
早くも明日香がフォールすると、レフリーがカウントを数えた。
『ワン・・・・ツー・・・・』
しかし美奈子も返していくと、明日香が立ち上がって美奈子を起こしていく。
美奈子も組み付いて明日香の身体を押し出そうとするが、明日香は踏ん張って動かない。
逆に明日香が組み付いて下を向く体制の美奈子を、変形スープレックスでマットに叩き付けた。
バッシーン!
「んああぁぁぁぁ・・・・」
背中から叩き付けられて悲鳴をあげる美奈子。
更には無理矢理にパワーボムまで出すと、美奈子はグッタリとダウンしていく。
美奈子が苦しそうに大の字状態になっていると、明日香は余裕でリングを歩き回った。
フラフラしながら立ち上がる美奈子。
しかし、明日香が叫んだ。
「戸向ぃぃぃぃぃ・・・」
叫びながら全体重を掛けたラリアットを仕掛けると、美奈子は勢い良くマットに叩き付けられていく。
『戸向っ!負けるなぁぁぁ・・・』
観客席から声が飛ぶが、美奈子は身体をヒクヒクとさせている。ダメージは大きいのは観客の目にも分かっていたが、地下プロレスのキャリアからも美奈子の頑張りを期待していた。
観客の期待する中、明日香は容赦なく美奈子の身体を跨いでいく。
両手を広げてアピールする明日香。
そして飛び上がってヒップドロップをお腹に炸裂させていく明日香。
ボシュ・・・
「ふぐうっ・・・」
変な声を漏らす美奈子。次の瞬間、泣きそうな表情で転がり回って藻掻き苦しんだ。
観客席からの声に、明日香はゆっくりと美奈子を起こしていくと、余裕のボディスラムで投げつけていく。
バッシーン!
「んあああぁぁぁ・・・・」
またもリング上に響き渡る美奈子の悲鳴。
立ち上がれない美奈子の両脚を抱え込む明日香。ゆっくりとステップオーバーして逆エビ固めを炸裂させた。
グイッ・・
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
ロープの方向へ手を伸ばして絶叫する美奈子。
体重差のある明日香の容赦ない逆エビ固めに涙目で悲鳴をあげていた。
レフリーもギブアップの確認をしていくが、美奈子は必死になって耐えている。
「ノォォォォォ・・・ノォォォォォ・・・・」
ロープに逃げたくても、ドッシリとした明日香の身体を動かすのは不可能で、美奈子はただ激痛に悲鳴をあげている。
「ギヴァープッ?」
明日香が意地悪く叫ぶ。
「ノォォォォ・・・・ノォォォォォォォ・・・・」
美奈子がマットにグッタリしながらギブアップを拒むが、もう目から涙が流れ落ちている。
耐える美奈子を技から解放する明日香。
美奈子はグッタリと俯せ状態になると、明日香はロープに走ってから腰にヒップドロップを叩き込んだ。
ドシュ・・・
「うぎゃああぁぁぁぁ・・・・」
激しく絶叫して悲鳴をあげる美奈子。
更に続けて座った状態から密着していく明日香。ゆっくりと腕を首に回してチョークスリーパーを仕掛けながら、美奈子の上半身を反らせて変形キャメルクラッチを極めた。
グググッ・・・
「んぐぐっ・・・んんっ・・・」
口から涎を垂れ流して苦しむ美奈子。
「これで終わりでしょ?」
明日香もレフリーに問いかけながら痛めつけていく。
激しく脚をバタバタさせて藻掻く美奈子だが、もう完全に技が極まって逃れられない・・・。
『カンカンカンカン・・・』
あまりに一方的な試合展開に、ここでレフリーは試合を止めていった。
ゴングが打ち鳴らされると明日香が放すと、美奈子は俯せ状態でグッタリとするのであった。
その美奈子の後頭部を踏み付けていく明日香。
グイッ・・
「成人式記念マッチも楽勝っ!今年も頑張りますのでよろしく!」
観客席に向かってアピールすると、明日香はリングを後にするのであった。
一方、女優を目指してダイエットなどで頑張った美奈子。スリムになった分、パワー面などが不足しての完敗。
飯嶋直子との因縁の対決も、この様子だと難しいのではと観客席からも声が上がっていった・・・。



第4試合

『第4試合っ・・・美女デビューマッチ・・・』
リングアナがコールすると、リングインするのは仔林麻央が姿を現した。
緊張した表情を浮かべながらロープの間からリングに入ると、緊張しながらも観客席に向かって一礼していく麻央。
姉は女子アナ。妹である麻央は女優にもチャレンジしたりと人気が出てきているのは確かで、年末の美女トーナメントにもエントリーしてもおかしくないルックスの持ち主でもある。
白い競泳水着に白いリングシューズ姿の麻央。地下プロレスデビューが意外と遅いのは、裏でデビューに向けてトレーニングを積んでいた様で、ロープの張り具合などチェックする姿に観客も注目していた。
一方、対戦相手となるのは、麻央と同じく今夜がデビュー戦の海老原友里。ファッション誌の専属モデルから、CMなどでも人気が出てきていたが、更に活動の幅を拡げるために地下プロレス出場を打診され、今回のデビュー戦となった。
対戦相手の麻央と視線を合わせようとせずに、友里は自らのコーナーに進んでいく。リングコスチュームは麻央と同じく白い競泳水着に白いリングシューズ。
2人の登場に観客席が盛り上がっていく中、リングアナがコールを始めていった・・・。
『青コーナー〜・・・身長164p、上から83、59、85・・・仔林〜麻央〜っ!』
コールを受けて一礼していく麻央。流石に薄暗い会場内の異様な雰囲気に緊張している様子が見えた。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から82、56、84・・・海老原〜友里〜っ!』
逆にステップアップの為と割り切ったか、友里は片手を挙げて観客にアピールしていく。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、2人がコーナーから飛び出した。
まずは麻央が先手を取ってドロップキックを放つ。
バシィィィ・・・
「んああぁぁぁ・・・」
ドロップキックの洗礼に悲鳴をあげて転がる友里。
素早く立ち上がるが、麻央がヘッドロックで締め上げていく。
麻央が試合のペースを握るかと思われたが、友里がヘッドロックを極められながらもロープに振ると、戻ってきた麻央にフライングラリアットを叩き込んだ。
バシッ・・
「あうっ・・・」
倒れた麻央に素早くフォールしていく友里。
『ワン・・・・』
レフリーがカウントを入れるが、麻央は肩を浮かせた。
返されても友里はフォールしていくと、カウントを奪うよりスタミナを奪おうと考えている様子。
麻央が必死にに返していくと、今度はマットに座らせる体制からスリーパーで絞めていく。
グググッ・・・
「うううっ・・・くっ・・・」
苦悶の表情を浮かべる麻央。
「ギブっ?・・・レフリーぃぃ・・・」
友里が揺さぶるようにしてギブアップを促すが、麻央は苦しみながらも耐えていく。
耐える麻央を放すと、サッカーボールキックを背中に叩き込む友里。
バシィィィィ・・・
「痛いっ・・・」
苦悶の表情を浮かべて痛がる麻央。
堪らず転がるようにしてリング下に逃れようとする麻央に、友里が髪を掴んで起こしていった。
「いくよぉぉぉぉぉぉ・・・」
友里が叫ぶと、お腹にミドルキックを叩き込んでから、首に腕を巻き込んでDDTを狙った。
これには麻央も押し込んでロープに逃げていくと、友里が悔しい表情を浮かべる。
その友里に水平チョップを叩き込む麻央。
バシィィィ・・
「ぐうっ・・・」
堪らずロープに寄りかかる友里に、麻央が続けてエルボースマッシュを頬に叩き込むと、一気にDDTで脳天からマットに叩き込んだ。
グッタリと倒れている友里に、麻央がフォールしていく。
『ワン・・・・ツー・・・・』
レフリーのカウントが続けられたが、友里が必死に返した。
返した友里を起こしていく麻央。
ヘッドロックを仕掛けるが、逆にロープに振られていく。
ロープから戻る麻央に、友里はフォームが崩れるもドロップキックを叩き込むと、一気にフォールした。
『ワン・・・・』
しかし麻央が返すと、悔しがる友里。
素早くスリーパーを仕掛けるが、麻央もロープに脚を伸ばして逃げた。
『ロープっ・・・』
レフリーの指示に友里が放すと、立ち上がって距離を置いた。
麻央も立ち上がると、お互いが距離を置いて睨み合う展開になっていく。
しばらくすると、距離を詰めていく2人。
バキッ・・
「うりゃあっ!」
いきなり大声で気合いを入れた友里がエルボースマッシュを叩き込んでいく。
頬に肘を受けてフラつく麻央。
更にエルボースマッシュが炸裂していくと、麻央も負けずにエルボーを打ち返した。
バシッ・・・
顔にエルボーを受けて嫌がる友里。
その瞬間、麻央がDDTを一気に仕掛けていく。
バシィィィ・・・
「痛いぃぃぃぃぃ・・」
脳天から叩き付けられた友里が絶叫する。
頭を押さえて痛がる友里。麻央は立ち上がると、容赦せずにストンピングで蹴りこんでから、首に両脚を絡めてヘッドシザースで痛め付ける。
グイッ・・・
「んんんっ・・・」
麻央の脚に手を回して藻掻き苦しむ友里。
「ギブアップ?」
可愛らしい掛け声でギブアップを迫る麻央。
友里も必死に逃れようと動くが、麻央の脚が外れない。
額から汗を流しながら苦しむ友里。麻央も汗を流しながら締め続ける。
しばらくすると、麻央が技を解いて立ち上がった。
友里は首を気にしながら転がってロープに逃げると、攻めようとする麻央をレフリーが止める。
ロープを掴んで立ち上がる友里は、水着を気にしながら麻央を見つめた。
麻央も友里と同じく水着を気にしながらも距離を置く。
『ファイトっ!』
レフリーが続行を促すと、友里と麻央が距離を詰めていく。
距離が詰まると友里が蹴りを出して組み付くが、麻央もヘッドロックで切り返した。
ヘッドロックには定番のバックドロップを狙いたい友里。
「くっ・・・」
しかし筋力がないから投げられないと、ロープに振ろうとした。
だが麻央もヘッドロックで締めると、バランスを崩したがヘッドロックから逃れられない友里。
友里が力を緩めると、麻央は一気にブルドッキングヘッドロックを仕掛けた。
バシィィィィ・・・
「きゃああぁぁぁぁぁ・・・・・」
首へダメージを受けたのか、絶叫していく友里。
俯せ状態の友里に、麻央は片足を掴んで逆片エビ固めを仕掛けた。
グイッ・・・
「痛いぃぃぃぃぃ・・・・いやあぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
激しくマットを叩いて悲鳴をあげる友里。
麻央もギブアップ狙いで締め上げた。
だが麻央もデビュー戦と言う事もあって、完全に技を極められない。激痛はあるも友里は耐えた。
「ギブアップっ?・・・ギブアップ?」
麻央が叫びながら身体を反らしていく。
同時に友里の全身に激痛が走ると、友里は耐えていたが激しくマットを叩きながら絶叫していく。
「ぎゃああぁぁぁぁぁぁ・・・お、折れちゃう、折れちゃうぅぅぅぅぅぅ・・・」
涙目で悲鳴をあげる友里。
更に麻央が極めていくと、堪らず友里がギブアップした。
「ぎ、ギブアップ・・・・」
友里のギブアップの言葉にレフリーがゴングを要請すると、リング上にゴングが響き渡った・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音に麻央が技を解くと、友里はマットにグッタリと崩れ落ちた。
『勝者、仔林麻央っ!』
コールを受けてレフリーに手を挙げられていく麻央。やっと笑顔を浮かべると、苦しんでいる友里の手を掴んで起こしてから、友里の手も挙げて観客席に一礼するのであった。
友里も勝利した麻央に抱きつくと、お互いの健闘をたたえ合うのであった。



第5試合

『第5試合っ・・・選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、今年グラビアで活躍すると思われる原多麻衣と、グラビアなどで売れている瀬戸早紀。麻衣はピンク色のビキニに白いリングシューズ。早紀は黒いビキニに黒いリングシューズ姿。
『青コーナー〜・・・身長160p〜・・・上から85、59、86・・・・原多〜麻衣〜っ!』
早くもコールを受けて一礼していく麻衣。ビキニに包まれたバストが揺れると、観客達の視線も集中した。
『赤コーナー〜・・・身長161p〜・・・上から83、58、87・・・・瀬戸〜早紀〜っ!』
そしてコールを受けると一礼してから、コーナーで飛び跳ねたりしてゴングを待つ早紀。早くもこの試合に対する気合いが感じられる。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、いきなり早紀がコーナーから飛び出した。
「いくよぉぉぉぉ・・・」
いきなり叫ぶと、コーナーから出ようとする麻衣のバストに打点の高いドロップキックを叩き込む早紀。
バシィィ・・・
「あうっ・・・」
堪らず倒れ込む麻衣だが立ち上がっていく。
その麻衣に続けてドロップキックを叩き込むと、起こしてからロープに振っていく早紀。
ロープから戻る麻衣をショルダースルーでマットに叩き付けると、早くもフォールした。
『ワン・・・・ツー・・・・』
カウントが進むと麻衣が返していく。試合のペースが早紀に握られていく事に焦る麻衣。
その麻衣をマットに座らせた状態からスリーパーで締め上げていく。
苦悶の表情でロープに逃げようとする麻衣。
早紀も左右に揺さぶって痛め付けていくと、一気に放して立ち上がる。
麻衣も立ち上がると、早紀はエルボースマッシュを叩き込む。
バキッ・・・
「くっ・・・」
麻衣の表情が苦悶に歪む。
だが目の前の早紀の喉元に水平チョップを返すと、続けて蹴りを入れていく麻衣。
バシッ・・・バシッ・・・
麻衣の反撃に動きが止まる早紀。
すると早くも麻衣が早紀に卍固めを仕掛けた。
グググッ・・・
突然の大技に早紀も驚くが、耐えながらも身体を動かして脱出しようと狙う。
しかし苦悶の表情を浮かべる早紀に、レフリーもギブアップを確認していく。
『ギブっ?・・・ギブアップするか?』
レフリーの問いかけに耐えていく早紀。
「ノォォォォォ・・・・ノォォォォォ・・・・」
しばらくすると藻掻く早紀に技が解けていく。
技が解けると、早紀は転がりながらロープに逃げて呼吸を整えていった・・・。
だが麻衣が飛び上がるようにしてストンピングを早紀に叩き込む。
バシッ・・・バシッ・・・
「あんっ・・・あうっ・・・痛いっ・・・」
体重の乗ったストンピングに早紀が悲鳴をあげる。
「レフリーロープっ・・・ロープでしょ!」
蹴られながらも抗議していく早紀。
この早紀の抗議にレフリーが麻衣を離していくと、早紀を起こしていった。
立ち上がるとビキニを気にして直していく早紀。
麻衣も早紀がビキニを直しているからと、自分のビキニも気にして直していく。
『ファイトっ!』
レフリーの掛け声に早紀と麻衣が距離を詰めていく。
打撃系でない2人。手が届く距離になると、まずは早紀が水平チョップを喉元に叩き込む。
バシィィィ・・・
「くっ・・・」
チョップを受けた麻衣だが、直後に早紀の頬に張り手を叩き込んだ。
バッシーン!
「痛いっ・・・」
早紀が頬を押さえるが、麻衣を睨み付けると強烈な張り手を麻衣に返した。
バッシーン!
「くうっ・・・ううっ・・・」
更にバストへエルボーを叩き込む早紀。肘がバストにめり込むと、麻衣はフラついてロープに逃げた。
自慢のバストへのエルボーは効いているのか、苦悶の表情を浮かべている。
早紀は蹴りからボディスラムの体制に持ち込むと、必死になって麻衣をマットに叩き付けた。
バッシーン!
「はうっ・・・」
苦しむ麻衣に、早紀のニードロップが炸裂した。
膝がバストを直撃すると、麻衣は胸を押さえて悲鳴をあげる。
グイッ・・・
苦しむ麻衣の髪を掴んで起こすと、ヘッドロックの体制で締め上げていく早紀。
「んあっ・・・」
しかし麻衣も意地になって早紀をロープに振っていくと、戻ってきた所へショルダータックルを仕掛けた。
バシッ・・
「あんっ・・・」
堪らず倒れ込む早紀。
麻衣がロープに走り込むと、早紀も立ち上がっていく。
立ち上がった所へ蹴りを入れてから、動きの止まった所へスリーパーで締め上げていく麻衣。
これには早紀は両手を振りながらロープに逃げた。
『ロープっ・・・』
レフリーが麻衣に技を解かせると、喉元を押さえて咳き込む早紀。
トップロープを掴んでいる早紀に対して、更に蹴りを入れていく麻衣。
バシッ・・・バシッ・・・
「くっ・・・痛いっ・・・」
フラつく早紀。
すると、早紀がいきなりローキックを叩き込んだ。
バシィィィ・・・
「イタッ・・」
堪らず声を漏らす麻衣。
「やっぱり打撃技も出来ないとと思って、練習したの!」
早紀が打撃技をアピールしようと叫ぶ。
距離を詰めていくが、麻衣もエルボースマッシュで抵抗した。
バキッ・・・
頬に肘を受けて動きの止まる早紀。
麻衣が続けてエルボーを叩き込むと、ロープに押しつけるようにしてキチンシンクを叩き込む麻衣。
ボシュ・・・
「ふぐうっ・・・」
これには苦悶の表情を浮かべて座り込む早紀。
麻衣が更に前に出ると、早紀も意地になってお腹にパンチを叩き込んでいく。
グニュ・・ボシュ・・・
「ま、負けないわ!」
早紀にお腹を殴られるも、麻衣も髪を掴んでマットに叩き付けていく。
バッシーン!
「痛いぃぃぃぃぃ・・・」
悲鳴をあげてリング下に逃げていく早紀。
すると、麻衣もリング下に降りて早紀を捕まえようとするが、逆に早紀がカウンター気味の掌打を叩き込む。
バシィィィ・・・
いきなりの反撃に麻衣の動きが止まる。
止まった所へ、早紀は掌打を顔面に叩き込んでいった。
バシッ・・・バシィィィ・・・
これには嫌がるように距離を置こうとする麻衣。
張り手を返すが、早紀はミドルキックから掌打と打撃で勝負に出た。
バシッ・・・バシィィィ・・・
決して綺麗な打撃でないが、早紀の必死さが伝わってくる技の数々。
口の中を切って血飛沫を上げていく麻衣。
フラフラしていくが、必死に踏ん張る麻衣に、早紀がハイキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
側頭部を蹴りこまれて倒れ込む麻衣。
早紀も疲れた表情を浮かべると、リング上に戻っていく。
リング上でビキニを気にする早紀。
リング下では麻衣がフラフラしながらも立ち上がると、口元を血に染めながらもリングに戻っていく。
早紀が距離を詰めようとすると、レフリーが止めていく。
麻衣が一気にリングに戻ると、レフリーが続行を指示した。
『ファイトっ!』
打撃を警戒してガードを上げていく麻衣。
逆に早紀がタックルを仕掛けると、麻衣が踏ん張るがロープ際に押し出されていく。
ロープを背にする麻衣に、早紀はボディブローを叩き込んでから離れて距離を置いた。
「ハァ・・・ハァ・・・」
苦しそうな表情を浮かべる麻衣。
逆に陸上競技でスタミナには自信のある早紀は、まだスタミナ面では余裕が感じられる。
バシィィ・・・
距離を詰めてドロップキックで倒していく早紀。
ダウンする麻衣の足を掴むと、一気に足4の字固めを仕掛けた。
グイッ・・
「んあああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
両脚に走る激しい激痛に絶叫する麻衣。
早紀も額から汗を垂れ流しながら技を極めていく。
「ギブアップする?・・・ギブァープ?」
ギブアップ狙いで極めていく早紀。
「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
マットを激しく叩きながら悲鳴をあげていく麻衣。
ギブアップを口にしない麻衣に、早紀が技を解いて立ち上がる。
グイッ・・・
「あうっ・・・」
髪を掴んで麻衣を起こしていくと、フラついているからと一気にバックドロップを放つ早紀。
バシィィィ・・・
大技を受けて大の字になる麻衣に、早紀がフォールした。
『ワン・・・・ツー・・・・スリィィィ・・・・・』
麻衣がバックドロップのダメージなどで返せないと、ここで早紀の勝利が決まった。
『勝者、瀬戸早紀っ!』
リングアナのコールを受けると、早紀はレフリーに手を挙げられていくのであった。
そしてコーナーに掛けてあるタオルを手にすると、フラつきながら立ち上がる麻衣を気遣って手渡していく早紀。
今年のグラビア界で売れそうな2人に、観客席からは拍手が送られるのであった・・・。



第6試合

『第6試合・・・選手入場っ!』
リングアナがコールすると、リングに現れたのはグラビア等で売れている久藤里紗だった。白いリングシューズに黒いビキニというリングコスチューム。売れてきたから地下プロレスにも参戦させられた感じで、緊張は隠せない。
その里紗の対戦相手としてリングインしたのは、壕プロ所属と言うアスリートでもある浅多舞だった。
緊張した表情を浮かべながらも、特製の白いワンピース水着に白いリングシューズでリングインすると、早くも観客席に向かって一礼していく。
『青コーナー〜・・・身長162p、上から85、58、84・・・久藤〜里紗〜っ!』
コールを受けて一礼していく里紗。しかし対戦相手がスケートでも実績のある舞だけに、緊張を隠せない。
『赤コーナー〜・・・身長162p、上から75、60、83・・・浅多〜舞〜っ!』
そして舞もコールを受けると、観客席に向かって一礼してからコーナーに寄りかかってゴングを待った。
『カァーン!』
そしてゴングが鳴らされると、いきなり舞が走り込んで反対コーナーの里紗のバストに素早いローリングソバットを叩き込んだ。
バシィィィ・・・
突然の奇襲とも言える早さに里紗が倒れ込む。
起きあがる里紗に、舞は距離を置いてステップを刻んでいく。
里紗も舞に対してどう攻めて良いか迷っていると、逆に舞が走り込んでドロップキックを叩き込んだ。
バシィィィ・・・
「痛いぃぃぃ・・・」
悲鳴をあげて倒れ込む里紗。堪らず転がるようにリング下に逃げていった。
ペースを握られて焦る里紗は、リング下で呼吸を整えようと考えるが、リング上では舞がトップロープを握って里紗を睨み付けている。
里紗がリング上を見上げると、舞がトップロープを掴んでジャンプすると、何とリング下の里紗にボディアタックを仕掛けた。
バシッ・・・
「ああっ・・・」
里紗が場外に押し潰されるようにダウンすると、観客席からは歓声が大きく送られていく。
舞がリング上に戻ると、里紗はフラつきながらリング上に歩き出す。
エプロンサイドに里紗が上がると、ロープ越しに舞が組み付く。
「いくよぉぉぉぉぉぉ・・・」
観客に向かってアピールすると、一気にブレンバスターで里紗をマットに叩き付けた舞。
バッシーン!
「ああんっ・・・」
マットに大の字の里紗。
更にトドメとばかりに、舞がトップロープに登る。
「いくよぉぉぉぉ・・・」
またも観客にアピールすると、一気にボディプレスで里紗の身体を押し潰す。
里紗の身体がバウンドした様に見えて観客席から溜息が漏れる。
『あ〜あ、一方的かよ・・・』
舞がフォールの体制になると、レフリーがカウントを数えた。
『ワン・・・・ツー・・・・スリ・・・・』
「んあぁぁぁ・・・・」
もう試合が決まったと思った瞬間、里紗が叫びながら返した。
『いいぞぉぉぉぉぉ、久藤っ!』
『グラビアアイドルの意地を見せてやれっ!』
観客席からは里紗に対して声援が飛ぶ。
里紗への声援に舞が戸惑いを見せるが、構わず髪を掴んで起こしていった。
「これで決めるわよ、いくよぉぉぉぉぉぉ・・・!」
叫びながら舞が卍固めを仕掛けると、ガッチリと里紗の身体に絡みついていく。
グイッ・・・
「痛いぃぃぃぃぃぃ・・・・イタアァァァァ・・・・」
里紗が激痛から絶叫する。
「ギブアップ?」
舞は絶叫する里紗にギブアップか問いかけると、里紗が意地を見せた。
「ノォォォォォォォ・・・・ギブアップは絶対にしないぃぃぃぃぃぃ・・・」
里紗が叫ぶと、舞もギブアップ狙いで締め上げていく。
グググッ・・・
「んああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
里紗が悲鳴をあげていくが、ギブアップと言う言葉は出てこない。
レフリーもギブアップの確認をするが、里紗はギブアップせずに耐えていた・・・。
仕方なく舞が技を解くと、グッタリと俯せ状態でダウンする里紗。目にはうっすら涙が浮かんでいる。
里紗が立ち上がろうと四つん這いになっていくと、舞が助走をつけて側頭部に低空ドロップキックを叩き込んだ。
バッシーン!
「いやああぁぁぁぁぁ・・・・」
悲鳴をあげて転がる里紗。
グイッ・・・
更に里紗の髪を掴んで起こしていく舞。
しかし里紗もフラフラになりながらも組み付いてロープ際まで押し出していく。
背中にロープが押しつけられる形の舞。里紗の動きを見るが、里紗もどうしてよいか戸惑っていた。
バシッ・・・
「りゃあっ!」
しかし里紗が立ち上がってエルボースマッシュを胸元に叩き込むと、これには舞が咳き込みながら苦しんだ。
「コホッ・・コホッ・・・」
更に苦しむ舞にエルボーを叩き込む里紗。
舞もエルボーを返すが、里紗は頬に受けても意地になってエルボーを返していく。
バキッ・・
頬にエルボーが決まると、舞がロープに寄りかかるように下がった。
里紗もペースを握ろうと前に出ると、舞も意地になってスピンキックで反撃した。
バシィィィ・・・
「あうっ・・・」
顔面にスピンキックを受けてダウンする里紗。
フラフラして立ち上がろうとするが、里紗が振り返ると舞はコーナーポスト最上段から何かを狙っていた。
バシィィィィ・・・・・・
「ぎゃああぁぁぁぁぁ・・・・」
里紗の悲鳴がリング上に響き渡る。そう、ロープ最上段から顔面にミサイルキックが叩き込まれた。
顔面を押さえて痛がる里紗を起こしていく舞。
涙目でフラフラ状態の里紗のバックを取ると、一気に引き抜くようにジャーマンスープレックスホールドを炸裂させた。
バッシーン!
「ふぐうっ・・・」
変な声を漏らす里紗。
『ワン・・・・ツー・・・・スリィィィィィ・・・・』
余裕のスリーカウント。あまりに衝撃的な舞の技に観客席も一瞬静まった。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされるとレフリーに手を挙げられていく舞。少し笑顔を漏らすもあまり嬉しそうではない様子。
逆に里紗は半失神状態でグッタリとしていると、リングドクターの応急処置を受けていた。
リングドクターによって担架が要請されて乗せられていく里紗は、そのままリングを後にするのであった。
一方、勝利した舞は里紗を心配そうに見つめながら一礼してリングを降りていった。



第7試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールに姿を現したのは岩左真悠子と河村ひかる。
因縁のある2人の直接対決が実現するが、今回は2人に喧嘩マッチと言うことでボクシング対決が用意されていった。
黒いビキニの真悠子。白いビキニのひかる。
ボクシングはひかるが有利だが、喧嘩マッチと聞いて気の強い真悠子は構わず受けたのだった。
『第7試合、特別ボクシングルールマッチ・・・』
コールを待つ2人。早くもひかるは余裕の表情を浮かべた。
『青コーナー〜っ・・・身長155p、上から80、58、86〜・・・岩左〜真悠子〜っ!』
コールを受けて腕を振り回す真悠子。
『赤コーナー〜っ・・・身長150p、上から83、54、77〜・・・河村〜ひかる〜っ!』
そしてコールを受けると、拳を突き出して挑発するひかる。
今回の特別ボクシングマッチは、通常のボクシンググローブを使用しないで、オープンフィンガーグローブが使用されるルールで、スリーノックダウン後には相手を起こして殴りつけて良い残酷なルールが用意されていた。
『ラウンド1っ!・・・カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、いきなり真悠子が突進して殴りつけていく。
しかしひかるが冷静にガードして避けると、逆にボディにパンチを叩き込む。
バシッ・・
お腹を殴られるが殴り返す真悠子。
バシッ・・・
身体を動かして避けるひかる。
すると、ステップを踏みながら距離を置いてからジャブで攻め込むひかる。
バシッ・・バシッ・・
真悠子も嫌がるようにガードを上げて距離を置くと、ひかるが踏み込んでボディに叩き込む。
ボシュ・・
「うぐっ・・」
ひかるの拳がお腹を抉ると、真悠子の表情が一瞬苦悶に歪む。
更にガードの開いた顔面にパンチのラッシュが襲いかかる。
バシッ・・・バシバシッ・・・バシィィィ・・・
「ぐっ・・・んんっ・・・」
早くも鼻血が流れ出す真悠子。
ガードを固めて距離を置こうとするが、ひかるは距離を詰めてボディを殴りつけていく。
ボシュ・・バシッ・・・
ひかるの重いパンチが炸裂する度に、真悠子は苦悶の表情を浮かべる。
しかし殴り返す事は忘れない真悠子。
バシッ・・
真悠子に殴り返されてガードを固めるひかる。
しかしここで第1ラウンドのゴングが鳴らされていく・・・。
『カァーン!』
ゴングの音にレフリーが2人を離すと、ひかるは片手を振り回しながら観客にアピールしていた。
一方真悠子は初のボクシングルールで、意地だけで試合を受けたから技術的にはただの喧嘩ファイト。だからひかるより確実にダメージを受けていて、苦しそうな表情を浮かべている。
コーナーに用意された椅子に座るひかるは黒服に余裕の笑みを浮かべ、逆に真悠子は苦しそうな表情で黒服から水を受け取って飲んでいた。
『ラウンド2・・・カァーン!』
1分間のインターバルが過ぎるとゴングが打ち鳴らされていく。
コーナーから出る2人。今度はひかるが積極的に前に出ると、ジャブからボディと殴り込む。
バシッ・・ボシュ・・
真悠子も殴り返すが、的確に打ち込まれるひかるのパンチの前に動きが鈍りだしていた。
ガードを固めようとする真悠子に、ひかるのアッパーが炸裂した。
バシィィィィィ・・・
「ぶふぁあぁぁぁぁ・・・」
口からマウスピースを吐き出してダウンする真悠子。
ひかるは片手を挙げて観客にアピールすると、余裕の表情でコーナーに歩き出した。
レフリーは真悠子に対してカウントを数え出す。
『ワン・・・ツー・・・スリー・・・フォー・・・ファイブ・・・シックス・・・』
カウントが数えられる中、真悠子がフラつきながら立ち上がる。
レフリーに続行の意志確認をされると、試合が再開された。
『ファイトっ!』
アッパーのダメージからか、真悠子はガードを固めて前に出ない。
逆にひかるがジャブからストレートと顔面を狙ってから、踏み込んでボディを打ち込んだ。
ボシュ・・・
お腹を両手で押さえる真悠子。ボディへの一撃が効いたのか・・・。
更にひかるが顔面を殴りつけていくと、2度目のダウンを奪われた真悠子。
『ダウンっ・・・』
レフリーがカウントを数え出すと、真悠子は意地になって立ち上がる。
しかし足元はフラフラしている。
『ファイトっ!』
レフリーが続行させるが、ここでゴングが鳴った。
『カァーン!』
第2ラウンドが終わると、真悠子はフラフラしながらコーナーに戻っていく。
逆にひかるは余裕の表情を浮かべていた。
用意された椅子に座るも、苦しそうな表情で口に水を流し込む真悠子。
セコンドにつく黒服が心配そうな表情を浮かべるも、真悠子はマウスピースを入れる前に呟く。
「受けた仕事だし・・・ここでアピールできれば・・・表でも仕事が増えるしね・・・」
そしてマウスピースを口に入れると、ゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングが鳴ると、真悠子が一気に距離を詰めてジャブからボディとパンチを叩き込んでいく。
これにはひかるが勢いを止めようとクリンチで抱きつくと、レフリーが止めて離した。
『ブレークっ・・・』
離れるが真悠子がジャブなど積極的に前に出ていく。
時折ひかるの顔面を捉えるも、逆に強烈なボディを打ち込まれて動きが止まる真悠子。
更にジャブで真悠子をコーナーに追い込んでいくひかる。
ボシュ・・バシッ・・・
この辺りは流石と言えるひかるの作戦。
真悠子は鼻血を流していたが、呼吸が苦しいのかスタミナも気になりだしていた。
コーナーを背中にする真悠子に、ひかるは痛め付けるように顔面狙いの軽いパンチで痛め付けていく。
バシッ・・バシッ・・・
真悠子も嫌がるようにパンチを返すが、カウンター気味にパンチを叩き込まれて動きが鈍くなる。
ガードが下がると、ひかるが強烈なアッパーを叩き込んだ。
バッシーン!
「ふげえっ・・・」
強烈なアッパーに、血飛沫と共に真悠子のマウスピースが宙を飛ぶ。
同時にダウンしそうになる真悠子に、ひかるがクリンチの様に抱きつきながらダウンを許さない。
ひかるが一旦離れて構えると、真悠子もコーナーから出ていくが、足元はフラフラしている。
すると、ひかるが余裕と感じていた瞬間、真悠子の目が光る。
シュ・・・
いきなり意地のバックハンドブローを放った。
バシィィィ・・・
これにはひかるがダウンを奪われてしまった。
『ダウンっ!』
レフリーのダウンのコールに会場内が一気に沸いていく。
完全に油断していたのか、ひかるが悔しそうな表情で起きあがっていくが、逆に立たれて真悠子はガードを固める。
レフリーが続行させると、いきなりひかるがダッシュして顔面狙いのパンチを連打した。
必死にガードする真悠子。しかしボディの一撃に堪らずダウンしていまう。
「うぐうっ・・・」
お腹を押さえて座り込むように崩れる真悠子。
『ダウンっ・・・』
レフリーがダウンをコールするが、ひかるがそのまま倒すように馬乗りになると、顔面を容赦なく殴りつけた。
バシッ・・バシッ・・・
これには会場内から激しいブーイングが飛ぶ。
殴りつけられる真悠子は意識を失い掛けていると、レフリーは急いでひかるを止めた。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音にリングドクターなどがリング上に飛び込むと、急いで真悠子の応急処置をしていく。
対してひかるは黒服とレフリーに止められているが、真悠子に対して叫んでいた。
「ふん、ボクシングルールで私に勝てると思ってるの?・・・今夜はアンタの可愛らしい顔を潰せたから満足だけどね!」
ひかるの叫ぶ姿に、観客席からは激しいブーイング。
『恥を知れ、恥を!』
『プロレスか総合ルールで岩左とやってみろよ、河村っ!』
『ボクシングルールを受けた真悠子ちゃんの勝ちだぞぉぉぉぉ・・・』
会場内のブーイングも激しいが、リングアナから試合の勝敗のアナウンス。
『ただ今の試合、河村ひかるの反則により岩左真悠子の反則勝ち・・・3R反則勝ちにします!』
コールが終わると、ひかるは片手を振り回しながらリングを後にするが、会場内からは物が飛び交っていた。
真悠子はダメージが大きいからと、担架に乗せられての退場だった・・。



第8試合

『第8試合っ・・・選手入場っ!』
リングアナがコールするとリングインするのは、久しぶりの地下プロレス参戦の五藤真希。
58回大会以来の地下プロレス参戦だが、最近は表の活動も勢いがなくなり、また地下リングから逆転を狙っている様子。
黒いスポーツビキニに黒いリングシューズ姿でコーナーに寄りかかって対戦相手を待った。
その真希の対戦相手としてリングインするのは、左藤江梨子。
かつてブルマ体操服マッチで激突して、幽鬼の乱入などにより痛い目を見ていた江梨子。
今回、真希の参戦に急遽完全決着を着けるべくカードが組まれた。
白いスポーツビキニに白いリングシューズ。長身の江梨子だけに、真希との体格差は大きく見える。
『青コーナー〜・・・身長159p、上から84、60、80〜・・・五藤〜真希〜っ!』
コーナーに寄りかかったまま江梨子を睨み付ける真希。早くも喧嘩を売っている雰囲気が漂う。
『赤コーナー〜・・・身長173p、上から88、58、88〜・・・左藤〜江梨子〜っ!』
対して江梨子はコーナーから飛び出すと、観客席に向かって一礼していく。
『カァーン!』
早くもゴングが鳴らされると、真希はコーナーから動かない。
逆に江梨子が距離を詰めていくと、挑発していく。
「何してんのよ、来なさいよ!」
手招きするも、真希は反応せずに笑みを浮かべる。
江梨子が距離を詰めて喧嘩キックを放つが、真希が避けて自爆させていく。
一気に距離が詰まると、真希のエルボースマッシュから試合が始まった。
バシッ・・バシッ・・・
江梨子のバストにエルボーを叩き込むと、続けて喧嘩キックを叩き込む真希。
だが江梨子も張り手から押し込むと、一気にボディスラムで叩き付ける。
バッシーン!
「ぐうっ・・・」
背中からマットに叩き付けられて呼吸が一瞬止まる感覚に襲われる真希。
続けて上からストンピングを叩き込まれると、堪らず転がるようにリング下に逃げていく。
真希はリング下に降りると、転がるようにしてリングの下に入っていく。
観客達も何をしているのかと注目すると、しばらくしてリングサイドに姿を現す真希。
江梨子もリング上から挑発すると、真希がゆっくりとリングに上がっていく。
ロープ際で捕まえようとして江梨子が近づくと、いきなり真希が何かを投げつけた。
「んああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
江梨子が顔を両手で押さえて悲鳴をあげる。そう、何か白い粉を投げつけたのだった。
更に真希がリングに戻ると、苦しむ江梨子の顔面を踵で徹底的にストンピングで蹴りこむ。
バキッ・・バシッ・・バキッ・・・
「ほらほらほらっ・・調子に乗ってるんじゃねぇ〜よ!」
真希が叫びながら蹴りこむと、江梨子が堪らずリング下に逃げていく。
逃げた江梨子に対して真希もリング下に降りると、観客席からパイプ椅子を手にした。
視界を奪われている江梨子は俯せ状態で苦しむが、真希はその江梨子の腰などにパイプ椅子を振り下ろした。
バッシーン!
「んああぁぁぁぁぁぁ・・・」
江梨子の悲鳴が響き渡る。
起きあがろうとする江梨子の背中に続けてパイプ椅子を叩き付ける真希。
バッシーン!
「んああぁぁぁ・・・ぐっ・・」
堪らず膝を落とす江梨子に、真希は近くにあったチェーンを首に巻き付けた。
「前にやられた事は利子つけてキッチリと返すわよ・・・左藤っ!」
真希が叫ぶと、巻き付けたチェーンをリング上に投げると、トップロープに掛けて引っ張っていった。
グイッ・・・
リング下で首に巻き付けられたチェーンを掴みながら藻掻く江梨子。
レフリーがリング下に降りると、江梨子の様子をチェックする。
苦悶の表情を浮かべる江梨子。
真希もグイグイとチェーンを引いていると、レフリーはプロレスルールなので反則だからとゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが乱打されると、レフリーは真希を止めていく。
「止めるなよ、ふざけるなよ!」
真希はレフリーに文句を言い出した。
江梨子は喉元を押さえて咳き込むが、リング上に上がると真希に詰め寄る。
「ふざけるなよ、何だよ反則って!」
江梨子が怒鳴ると、真希が言い返す。
「はぁ、アンタ勝負には負けたんだよ。これがデスマッチルールだったら私の圧勝でしょ!」
その真希の言葉に怒って真希を蹴りを入れる江梨子。
黒服とレフリーが江梨子と真希を離していくが、試合結果自体は江梨子の反則勝ちとなったが、江梨子も真希も納得いかない試合結果に終わり、急遽数試合後にデスマッチルールで激突する事が決まった・・・。



第9試合

『新成人記念第2弾・・・第9試合っ・・・選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインしていくのは、ヘビー級タイトルにも挑戦した経験も持つ山先真実。
黒いビキニに黒いリングシューズと言うリングコスチュームでゆっくりとリングに上がっていくと、観客席に向かって一礼していく。
そして対戦相手としてリングに上がるのは、唄からグラビアと活躍の幅を拡げている長谷辺優だった。
黒いビキニに黒いリングシューズと真実と同じリングコスチューム。リング上の真実を見てからリングインすると、観客席に向かって一礼した。初めての地下プロレス参戦に緊張感は隠せない。
各のコーナーに向かう真実と優。
元新体操で鍛えられた身体の持ち主の真実。一方プロレス観戦が趣味の一つでもある優。
しかし観客席からも、今夜デビュー戦の優の相手が真実と言うのはキツイだろうと、まして秒殺で終わる可能性もあると思われていた。・・・が、今夜の試合はある条件が裏で出されていた。
真実に対してはギブアップ勝ちを狙って、演技の練習の一つとして試合を上手く盛り上げろと・・・。
優に対しては、今後グラビア展開など活躍する為にも、ギブアップ負けはしないようにと言われていた・・・。
『青コーナー〜・・・身長155p、上から75、53、80〜・・・長谷辺〜優〜っ!』
コールを受けて片手を挙げて観客席に向かってアピールする優。
『赤コーナー〜・・・身長169p、上から84、59、87〜・・・山先〜真実〜っ!』
そして真実はコールを受けると、観客席に向かって一礼してコーナーに寄りかかる。
観客達が盛り上がる中、ゴングが鳴らされた・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時に飛び出したのは優の方で、果敢にドロップキックを放っていく。
バシィィィ・・・
一発で倒れないと、優が立ち上がると素早くドロップキックを放っていく。
バシィィィ・・・
2発のドロップキックを叩き込んでから、早くも腕を掴んでロープに振っていく優。
「いくよぉぉぉぉぉぉ・・・・」
観客にアピールしながらロープに振ると、返ってきた真実にジャンピングニーパッドを叩き込む。
バキッ・・・
「ぐっ・・・」
優の膝が喉元を抉ると、真実は堪らずダウンした。
倒れている真実にフォールしていく優。
「レフリーぃぃぃ・・・カウントっ!」
アピールする優。レフリーがマットを叩く。
『ワン・・・・ツー・・・・』
しかし真実が返すと、マットに座らせた状態からスリーパーで締め上げる優。
締められている真実は、ゆっくりとロープに逃げていく。
『ブレークっ・・・』
真実の足がサードロープに届くと、ここでレフリーが優に技を解かせた。
優が立ち上がるとストンピングで攻め込むが、今度は真実も立ち上がると至近距離からラリアットを叩き込んだ。
バシィィィ・・・
「あうっ・・・」
真実のラリアットで大の字状態になる優。
グイッ・・
その優の髪を掴んで起こしてから、ボディスラムでマットに叩き付ける真実。
バッシーン!
「んああぁぁぁぁぁ・・・」
投げつけられて悲鳴をあげる優。
必死に立ち上がると、今度は顔面に勢いのあるドロップキックを叩き込まれる優。
バシィィィ・・・
「ああんっ・・・」
悲鳴をあげる優は、顔面を押さえながらリング下に逃げていく。
真実はトップロープを掴んで優の動きを見ているが、優は苦悶の表情でリングサイドで膝を落としている。
しばらくすると、優はゆっくりとリング上に戻ろうとする。
しかし真実もロープ際で捕まえようとすると、優は捕まらないようにとリング下に降りていく。
しばらくすると、レフリーが真実を離して優をリングに戻すと、お互いが距離を置いて睨み合っていた。
距離が開いているが、優が果敢にタックルを仕掛けていく。
しかし真実も受け止めると、左右に優の身体を揺さぶり掛けてからニーリフトを叩き込んだ。
ボシュ・・・
「んああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
真実の膝が優の喉元を抉ると、優は狂ったように悲鳴をあげて藻掻き苦しむ。
更に髪を掴んで起こしてから、キチンシンクでお腹に膝を叩き込む真実。
グシュ・・
「ふげえっ・・・」
変な悲鳴をあげる優。今度はお腹を押さえて座り込んでしまった。
「まだまだでしょ・・・」
真実は苦しむ優を起こしていくと、喉元に強烈な水平チョップを叩き込む。
バシィィィ・・・
「はうっ・・・」
フラフラする優をロープ際に押し込む真実。
更に水平チョップを喉元に叩き込むと、優の喉元は内出血を起こして変色していく。
バシィィィィ・・・
「ああんっ・・」
ロープに寄りかかる優。チョップ攻撃の痛さに動きが止まる。
「いくよぉぉぉぉ・・・・」
真実が観客席に向かって叫ぶと、優をロープに振っていく。
勢いよくロープから戻る優だったが、意地になってボディアタックで反撃を試みた。
バシィィィ・・・
勢いよく当たった優だったが、真実がキャッチするとそのままの体制からバックブリーカーで脇腹から膝に落としていく。
「ああああああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
脇腹を押さえて悲鳴をあげる優。
真実がゆっくりと立ち上がると、苦しむ優のヒップなどにストンピングを叩き込んでいく。
バシッ・・バシッ・・
更に俯せ状態になったところに、真実がキャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・・
「んんっ・・んぐぐっ・・・」
上半身を反らされて両脚をバタバタさせて藻掻く優。
「ほらほらっ・・・ギブアップする!」
真実も揺さぶりながら叫ぶと、優は悲鳴もあげられずに藻掻き苦しむだけだった・・・。
しばらく痛め付けていくと技を解いていく真実。
優がグッタリしていると、俯せに倒れている優の後頭部を踏み付けていく真実。
更に後頭部にギロチンドロップを叩き込むと、余裕の表情で両手を広げて観客にアピールしていく真実。
優は俯せ状態でグッタリとしていると、レフリーもダウンカウントを数えだした・・・。
『ダウンっ・・・・』
地下プロレスにしては珍しいダウンのカウント。レフリーの声に観客席が盛り上がっていく。
真実はコーナーに寄りかかって優の動きを見つめている。
『7・・・・8・・・・9・・・・』
カウントが進められていくと、カウントギリギリで優が立ち上がる。
しかし足元はフラフラとしていると、レフリーが続行の意思確認をした。
『長谷辺っ・・・続けるか?』
レフリーの問いかけに優も返す。
「つ・・続けます・・・」
優の言葉にレフリーが続行をコールすると、観客席からは優に対して歓声が送られていく。
『長谷辺〜っ・・・頑張れぇぇぇぇ・・・』
試合が続行されると、真実が優をロープに振る。
勢いよくロープから戻る優を抱え込むと、勢いを活かしてパワースラムでマットに叩き付けていく真実。
バッシーン!
「あうっ・・・・」
マットに叩き付けられて動きの止まる優をそのままフォールする真実。
『ワン・・・・ツー・・・・スリ・・・・・』
観客席の誰もがスリーカウントが入ると思った瞬間、真実が優の肩を浮かせた。
「フォールよりギブアップ勝ちを奪うわよぉぉぉぉ・・・」
真実が観客席に向かってアピールすると、観客席が盛り上がっていく。
仰向けの優のバストにストンピングを叩き込んでから、一気に両脚を抱え込む真実。
「い、いやあぁぁぁぁぁぁ・・・・」
優は逆エビ固めを嫌がって悲鳴をあげるが、真実はゆっくりとステップオーバーしていく。
グイッ・・・
「いくよぉぉぉぉぉぉぉ・・・・」
真実が叫ぶと、優の身体が容赦なく反らされていった。
「んあああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
狂ったように悲鳴をあげる優。
『ギブアップ?・・・ギブアップするか?』
レフリーの問いかけに優が耐えていく。
「ノォォォォォ・・・・ギブアップしないぃぃぃぃぃ・・・」
耐える優。しかし目には涙が浮かんでいる。
真実は更に技を極めていくと、真実のヒップが優の後頭部に触れる程の角度まで技を極めていく。
ググググッ・・・
「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
小柄な優の身体がCの字に反らされていくと、全身に激痛が走る優が泣き叫んでいた。
レフリーが更にチェックするが、優はギブアップしない。
「ノォォォォォ・・・・ノォォォォ・・・痛いぃぃぃぃぃぃぃ・・・・」
泣きながら耐える優。
ロープに逃げたくても、体重差とダメージから逃れることが出来ない優。
ギブアップを口にしないからと、真実は技を解いていくと無理矢理に起こしていく。
「いくよぉぉぉぉぉぉ・・・・」
真実が片手を挙げて観客にアピールすると、小柄な優の身体を抱え上げてアルゼンチンバックブリーカーを極めた。
グイッ・・・
「んああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
優の悲鳴がリングに響き渡る。
逆エビなどで腰を痛め付けられている優は、このアルゼンチンバックブリーカーの激痛にギブアップ寸前。
真実もリングを歩くようにしながら優の身体を反らしていく。
「んんんっ・・・ああああああっ・・・ギ・・・ギブ・・・」
遂に優はギブアップを口にした。
『長谷辺っ、ギブアップ?』
レフリーが再度確認すると、優の口からギブアップが発せられた。
「・・ぎ・・ギブアップ・・・」
『オーケーっ・・・ギブアップ!』
レフリーが真実を止めていくと、優の身体を放させる。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音で試合は終了する中、真実はレフリーによって片手を挙げられていく。
対して、優はマットに倒れたまま涙を流しているのであった・・・。
真実が優を気遣いながら起こしていくと、握手してからリングを去るのであった・・・。



第10試合

『第10試合っ・・・選手入場っ!』
リングアナがコールすると、薄暗いリングに上がる二つの影。
この試合で激突するのは共にデビュー2試合目の寺多有希と南城華子。
ピンク色のビキニ姿の有希は緊張しながらリングインすると、笑顔を浮かべて観客席に一礼した。
一方、華子は余裕とも言える表情を浮かべながら、黒いスポーツビキニ姿で一礼してコーナーに寄りかかってゴングを待つ。
『青コーナー〜・・・身長152p、上から78、58、85っ・・・寺多〜っ・・・有希〜っ!』
コールを受けて一礼していく有希。ただ反対コーナーの華子の姿に緊張している様子。
『赤コーナー〜・・・身長172p、上から92、63、95っ・・・南城〜っ・・・華子〜っ!』
逆にコールを受けても余裕の表情で無反応の華子。早くも反対コーナーの有希を痛め付ける方法を考えているのか・・・。
この試合でヒールとして経験を積みたい華子。一方で地下プロレスの経験をしようとしている有希。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、まずは有希が前に出て華子がコーナーに寄りかかる展開から始まった試合。
ある程度前に出ると、有希も華子に対して技を出せずに構えている。
華子はノーガードとも言える体制から笑みを浮かべるが、有希は前に出ることが出来ない。
しばらくすると、華子が前に出てノーガード状態で笑みを浮かべて手招きする。
有希もどうして良いか戸惑うが、観客席からはブーイングとも言える声が飛び出していた。
『おらおらっ、早く始めろ〜っ!』
『寺多〜っ・・・いいから痛め付けられろよ!』
観客席からの声に有希は驚くが、ノーガードならと果敢にドロップキックを放った。
バシィィ・・・
華子にドロップキックを炸裂させるも、倒すことができないから焦る有希。
更にドロップキックを叩き込むも、華子が倒れない。
すると、焦る有希に華子が至近距離からラリアットを叩き込んだ。
バッシーン!
「ああんっ・・・」
堪らず大の字状態にダウンする有希。
だが立ち上がるとエルボースマッシュで抵抗すると、続けて蹴りから攻め込む。
しかし華子のエルボースマッシュ一発で倒されると、顔面を押さえてリング下に逃げていく有希。
20pの身長・体格差と初のシングル戦で緊張している有希は、リング下で華子を睨み付けている。
華子もリング上から手招きして挑発すると、有希がリングに戻ろうとする。
しかし華子がロープ越しに髪を掴むと、トップロープに有希の顔面を押しつけた。
「いやああぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる有希。
「ほらほらっ、もっと悲鳴をあげなっ!」
悲鳴をあげる有希の顔面をロープに擦り付けていく華子。
ギュ・・ギュギュ・・
「あ、熱いぃぃぃ・・・痛いぃぃぃぃぃ・・・・」
激しく悲鳴をあげていく有希。観客席からはその悲鳴に盛り上がっていく。
「ふん、続けはリングの中だよっ!」
首投げから有希をリングに入れていくと、ストンピングで全身を蹴りこむ華子。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「んあっ・・・ああんっ・・・痛いっ・・・ああっ・・・」
蹴りこまれて痛がる有希。近くのロープに転がるように逃げるとレフリーにロープをアピールしていく。
レフリーは華子を離していくと、有希を立たせてから続行を指示する。
『ファイトっ!』
華子との距離を少しずつ詰めていく有希。
「いやああぁぁぁぁ・・・・」
気勢をあげて張り手で攻め込む有希。必死になって華子の喉元、ビキニに包まれたバストなどへ張り手を叩き付けていく。
数発叩き込まれると、華子がいきなり地獄突きを喉元に突き刺した。
グシュ・・・
「グエエェェ・・・ぐぼおっ・・・」
いきなりの地獄突きに有希は喉元を両手で押さえて転がって藻掻き苦しむ。
更にお腹にストンピングを入れてから、髪を掴んで起こしてボディスラムで豪快にマットに叩き付けていく。
バッシーン!
「いやああぁぁぁぁ・・・・」
有希の悲鳴がリング上に響き渡る。
続けて華子が飛び上がると喉元にギロチンドロップを叩き込んでフォールした。
『ワン・・・・ツー・・・・』
しかし華子が有希の肩を浮かせると、簡単には終わらせないとばかりに立ち上がる。
俯せになって苦しむ有希の後頭部を踏み付けて観客にアピールする華子。
更に髪を掴んで無理矢理起こすと、そのままリング下に叩き落としていく。
「いやあっ・・・」
有希が悲鳴をあげながらリング下に転がり落ちると、華子もゆっくりと降りていく。
グイッ・・・
「ふふふっ・・・たっぷり可愛がってあげるわよ・・・」
華子が呟くと、まずは髪を掴んで起こしていく。
ボシュ・・・
「ウゲッ・・・」
片手で髪を鷲掴みにして、片手を無防備のお腹にグーパンチを叩き込む華子。
フラつく有希のお腹にキチンシンクを叩き込むと、ダウンする事も許さずに髪を掴んでエプロンサイドに押しつけると、お腹を激しく殴りつけていく。
ボシュ・・バシッ・・ドシュ・・
「うげっ・・はぐっ・・ふぐうっ・・・」
苦悶の表情で口から涎を垂れ流す有希。
有希の苦しむ表情に観客席が盛り上がる。
苦しさから逃れようと、有希もパンチを出して抵抗を見せるも華子の怒りに火を付ける結果に・・・。
バシッ・・・
「くっ・・・何するんだよ、おらっ!」
怒った華子が有希を鉄柵に振っていくと、グッタリする有希の顔面を踏み付けていく。
グリグリ・・・
「んんっ・・・い、痛いっ・・・や、やめて・・・」
華子の足を掴んで苦しむ有希。
「もっと仕留め甲斐のある相手と組んでもらいたいわよね・・・」
華子はストンピングを入れてから有希から離れると、両手を広げて観客にアピールしていく。
逆に有希は四つん這いになって逃げようとしていくが、華子が近づいた。
「これでも喰らいなっ!」
ゴキッ・・・
「ふぎぃ!」
華子が後ろから四つん這いの有希の股間に爪先蹴りを叩き込むと、有希が変な悲鳴をあげてグッタリした。
更に華子は股間を集中的に蹴りこむと、有希が悲鳴をあげた。
「や、やめてぇぇぇぇ・・・ああっ・・・痛いぃぃぃぃぃ・・・・いやあぁぁぁぁぁ・・・」
しばらくすると、股間を押さえてグッタリしている有希。
俯せ状態で両手は股間を押さえている状態の有希に、華子はビキニを掴んでいく。
「可愛い水着着てるじゃないの?」
意地悪く囁く華子。
「や、やめて・・・み、水着は・・・」
有希は水着剥ぎを感じて嫌がる。
「ふふふっ・・・ファンサービスよ、ほらっ!」
「いやあぁぁぁぁぁ・・・」
華子がブラを剥ぎ取ると、有希は必死に両手で胸を隠した。
「どこまで隠しきれるかしらねぇ・・・」
髪を掴んでリング上に戻していく華子。有希は必死に両手を使って胸を隠している。
俯せ状態になっている所へ、華子がお腹へヒップドロップを叩き込む。
ボシュ・・・
「ぐぶうっ・・・」
お腹を押し潰されて嘔吐感に涙目になる有希。
「しぶといわねぇ・・・」
更にパワーボムの体制に持っていく華子。
下を向かされていても、有希は胸を隠している。
バッシーン!
「んあああぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげる有希。胸を隠すことに意識を集中させていて、受け身もとれずに後頭部から叩き付けられて意識を朦朧とさせていく。
「もう一発いくよ、ほらっ!」
バッシーン!
「ぎゃう・・・」
変な悲鳴をあげて失神状態に追い込まれた有希。胸に当てていた両手がダラリとなると、78pの見事な乳房が露わになった。
「ふふふっ・・・仕上げといこうかしら・・・」
華子はリング中央に有希を引きずっていくと、俯せにしてから意識を戻させた。
そして、両脚からフックして両手を掴んで高々とあげていくと、ロメロスペシャルで有希の身体を吊り上げた。
恥ずかしさから顔を紅潮させた有希が叫ぶ。
「いやあぁぁぁぁぁ・・・ぎ、ギブアップ・・・ギブアップ・・・」
レフリーが有希のギブアップの叫びにゴングを要請すると、ここで華子の勝利が決まった。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされても華子が技を解かないと、レフリーが技を解かせていく。
更に胸を隠して俯せ状態になる有希のショーツを握りしめると、華子はショーツまで剥ぎ取っていく。
「や、やめてぇぇぇぇ・・・いやああぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげる有希。レフリーも華子を止めるが脱がせる行為は止めなかった・・・。
リングシューズのみの姿で俯せで涙する有希。
一方、華子は満足そうにリングを後にすると、剥ぎ取ったショーツを観客席に投げ込んでから引き揚げるのであった。



第11試合

『第11試合っ・・・選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、黒いビキニ、黒いリングシューズ姿の沖菜恵。
肘膝には白いサポーターが巻かれていて、コーナーに歩き出すと観客席に向かって手を挙げてアピールした。
そして恵の対戦相手がリングに現れると、恵の表情が険しくなっていった・・・。
そう、女横綱の築比寺理絵が巨体を揺らしながらリングインした・・・。
恵は近く黒服に問いかける。
「ちょ、ちょっと・・・今夜の私の試合って、ジュニアタイトル戦でしょ?」
その言葉に黒服が説明した。
『悪いが、今のチャンピオンはあの女だ・・・。身長の規定からジュニアヘビー級にされている・・・地下プロレスではな・・・』
その言葉に足元を震わせる恵。
「こ、こんな試合・・・」
怯える恵に関係なく、リングアナがコールを始めていった・・・。
『第11試合っ・・・ジュニアヘビー級タイトル戦・・・青コーナー〜・・・身長156p、上から84、59、85〜・・・第2代ジュニアヘビー級チャンピオン〜・・・沖菜〜恵〜っ!』
コールを受けて一礼していく恵。反対コーナーの理絵に対してどう試合をしていいのか戸惑いの表情を浮かべている。
『赤コーナー〜・・・身長159p、体重155s〜っ・・・・現ジュニアヘビー級チャンピオン〜・・・築比寺〜理絵〜っ!』
コールを受けて理絵はガッツポーズをしてコーナーに掌打を数発叩き込んでアピールする。
理絵の巨体に観客席からは早くも恵の圧殺シーンが予想されている・・・。
『恵ちゃ〜ん、簡単に負けないでくれよ〜っ!』
『横綱〜っ・・・沖菜を滅茶苦茶にしてくれ〜っ!』
観客席からの声に恵も焦るが、ゴングと同時に奇襲攻撃から仕掛けようと考えた。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、恵がコーナーから勢いよく飛び出して理絵にドロップキックを叩き込んだ。
しかし跳ね返されると、続けて立ち上がってドロップキックを続けて打ち込む。
バシッ・・・バシッ・・・
勢いあるドロップキック。しかし理絵の巨体にはあまりダメージを与える事ができない・・・。
更に恵がローキックからエルボースマッシュを叩き込むが、理絵はノーガードで受けていた。
すると、理絵は恵の手首を掴むと、勢い良くロープに振っていく。
「きゃああああぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげてロープに振られて、勢い良く戻る恵。
しかしジャンピングニーパッドを仕掛けると、上手く理絵の脂肪に包まれた喉元を抉ってダウンを奪った。
会場内に驚きの声があがると、恵は続けてストンピングから腕を掴んで腕拉ぎ逆十字固めを極めた。
グッ・・・
「ぐぐっ・・・」
流石に腕を極められては理絵も表情を苦悶に歪めた。
だが体重差からロープに逃れる理絵。レフリーも恵に技を解くように指示する。
『ブレークっ・・・』
レフリーの指示に恵が放すと、素早く立ち上がって距離を置く。
理絵も立ち上がると、ゆっくりと恵との距離を詰めていく。
圧倒的な体格差の前に、恵はスピード勝負と素早く距離を置くと、慣れない打撃技のローキックで膝を攻めた。
バシィィィ・・・
蹴られると理絵も張り手を返すが、大振りだからと恵が避けると、膝蹴りから距離を置いて構えた。
膝蹴りは効いていない様子だが、理絵は捕まえようと距離を詰める。
恵も捕まっては終わりとばかりにリング内を動き回るが、次第にコーナーに追い込まれていく。
堪らずコーナーに登る恵。
理絵も飛び込まれたらダメージを負うからと動きを見ていると、レフリーが恵に降りるように指示する。
恵も降りると危険だからと戸惑うが、レフリーが足を掴むと仕方なく降りた。
『ファイトっ!』
レフリーの掛け声がリングに響き渡る。
同時に理絵が前に出ると、恵は逃げ場を失った。
背中にはコーナー。前に理絵の巨体。焦る恵は必死にパンチを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・・
しかしダメージはあまり与えられず、逆に理絵がトップロープを両手で掴むと、逃げ場を完全に失わせてからコーナーと自らの巨体でサンドウィッチ状態にして押し潰した。
ボシュ・・・
「うぎゃあっ!」
恵の悲鳴がリングに響く。同時に観客席が盛り上がった。
『いいぞぉぉぉぉ・・・・』
『沖菜を圧殺してやれぇぇぇぇぇ・・・』
残酷な声が響く中、恵はコーナーに寄りかかるようにグッタリするが、理絵が更にボディアタックから圧殺処刑を狙うが、恵も間一髪避けてリング中央に逃れた。
リング中央でビキニを気にする恵。
その恵に突進していく理絵だが、恵が上手く滑り込んでカニ挟みで倒すと、続けて脚を極めていく。
グイッ・・・
「ぐわあっ・・・」
両脚に響く関節技に理絵が嫌がるようにロープに逃げる。
流石に体重差は大きく、簡単に逃げられては恵もスタミナを消耗するだけだった。
立ち上がって蹴りを入れて距離を置いていく恵。
理絵も立ち上がると、恵に大振りの張り手を出して距離を詰める。
避けるが距離を詰められる恵。
グイッ・・・
「いやあっ・・・」
遂に理絵が恵の髪の毛を鷲掴みにすると、観客席が盛り上がる。
『いいぞぉぉぉぉ・・・』
『沖菜のドミネーションの始まりだぁぁぁぁぁぁ・・』
恵も必死に逃げようとするが、力で勝てるはずもなく逃れられない。
すると、理絵がヘッドバッドを叩き込んだ。
ゴッキーン!
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
恵の悲鳴がリング上に響く。
更にヘッドバッドを叩き込んでから、恵をコーナーに押し込む理絵。
コーナーでグッタリする恵に、理絵が両手を広げてアピールしてから走り込むと、一気にボディアタックで圧殺処刑した。
グシャア!
「ぐわあっ・・・」
理絵がトップロープを掴んでグイグイと押し潰してから離れると、恵がグッタリと前のめりにダウンする。
逃れようと俯せ状態から立ち上がろうとする恵。しかし理絵が起こしていく。
更にヘッドバッドを叩き込むと、倒れた恵を跨いでアピールした。
『いいぞぉぉぉぉぉ・・・・圧殺処刑待ってました!』
観客席からの声に続き、理絵が恵のお腹にヒップドロップを叩き込んだ。
ボシュ・・・
「ぐっ・・うぐうっ・・・」
恵もお腹に力を入れて耐えようと必死になると、口から涎は垂れ流すが反吐は吐き出さずに済んだ。
耐えた恵に理絵はしぶといわねぇと言う表情を浮かべると、立ち上がってヒップドロップを更にお腹に叩き込む。
ボシュ・・・
「ふぐっ・・・ホゲェェェェ・・・・・・・」
今度は口から激しく反吐を噴き出す恵。
理絵が立ち上がる、恵は涙目で俯せになってロープに手を伸ばしていく。
その恵の両足首を掴んでリング中央に連れて行く理絵。
「い、いやあっ・・・」
悲鳴をあげるも簡単にリング中央に連れて行かれると、またもヒップドロップの体制にされていく・・・。
ボシュ・・・
「グエェェェェ・・・・」
お腹にヒップドロップが叩き込まれると、恵は激しく悲鳴をあげて藻掻き苦しむ。
理絵は立ち上がると、蹴りつけながら恵をリング下に落としていく。
リング下でグッタリとする恵に、リングサイドの黒服数名が近づいて吐き散らした反吐などを拭いたり、ペットボトルで水分補給などをさせていく・・・。しかしペットボトルは水分補給より、更に圧殺処刑時に恵が口から吐き出す為に用意されたものだった・・。
またリング上でも恵の吐き散らした吐瀉物が処置されていく。
しばらくして恵がリングに戻ると、理絵が近づく。
堪らずエルボースマッシュを叩き込んで抵抗するも、ヒップドロップのダメージから力が入らず、逆に髪を掴まれてコーナーに押し込まれていく恵。
怯える恵に、理絵が容赦なくヒッププッシュを叩き込むと、コーナーでグッタリと崩れ落ちていく恵。
更にコーナーに寄りかからせてから、ゆっくりとヒッププッシュを叩き込む理絵。
ボシュ・・・
「うぎゃあっ!」
コーナーとの間に押し潰されて悲鳴をあげる恵。
口から涎を垂らしながらグッタリとコーナーに寄りかかる恵に、理絵は反対コーナーに歩き出し距離を置く。
片手を挙げてアピールする理絵。
『いいぞぉぉぉぉ・・・』
観客席が盛り上がると、一気に理絵が走り込んで反対コーナーの恵にボディアタックで押し潰した。
ボシュ・・・
「んああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
顔を上げた瞬間に理絵に突っ込まれて押し潰される恵。リング全体が揺れる衝撃に悲鳴をあげていく。
理絵が離れると、ゆっくりと前のめりに倒れ込む恵。
身体を少し痙攣させるようにピクピクしていたが、155sの体重と勢いとの凄まじい圧力は恵の身体に大きなダメージを与えていた。
その恵を仰向けにしていく理絵。不気味な笑みも浮かべているが、ゆっくりと跨いでいく。
「いくぞぉぉぉぉ・・・」
理絵も歓声に気を良くしたのか叫ぶと、ヒップドロップを恵のお腹に叩き込んだ。
ボシュ・・
「ほっ・・ホゲェェェェェ・・・・」
お腹を押し潰されて口から水で薄められた胃液などを吐き出す恵。
失神寸前状態の恵。
理絵はその恵の横で片手を挙げてアピールしていくと、ゆっくりとバスト目掛けてエルボードロップを叩き込んだ。
グシャ・・
「ぐふうっ・・」
容赦なく理絵の肘が恵の乳房を抉っていく。
グイッ・・・
「ああっ・・あっ・・・」
失神寸前の恵の髪を掴んで起こすと、理絵がコーナーに連れて行きコーナーポストに顔面に叩き付けた。
バシィィィ・・・
「あんっ・・・」
堪らずダウンする恵を倒していく理絵。
仰向けになって呼吸を荒くしている恵を見ると、理絵はコーナーでサードロープまで登っていく。
流石にトップロープからは危険と思っているのか、サードロープからボディプレスで恵の身体を押し潰した。
バッシーン!
「んあああぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげて身体をピクピクさせていく恵。
更に理絵がトップロープを掴んでサードロープに乗っていくと、勢いをつけるように恵をヒップドロップで押し潰した。
ドシュ・・・・
「ウエェェェェェェ・・・・」
お腹を強烈な圧力で押し潰されて、恵は口から激しく水で薄められた胃液など噴き上げる。
吐き終えると、恵は失神状態で仰向けになっていた。
片手を挙げてアピールする理絵。レフリーも試合を止めるか迷う中、恵を起こして両腕をロープに絡めていく理絵。
グッタリと下を向いている恵の口からは、涎が糸を引いて垂れていた・・・。
「ファンサービスも必要よね・・・ぐふふっ・・」
理絵が不気味な笑みを浮かべると、失神状態の恵のビキニを剥ぎ取っていく。
トップレス状態になる恵。形の良い乳房が露わになると歓声がおきるが、理絵はそのバストへ張り手を叩き込んだ。
バッシーン!
更に頬にも張り手を数発叩き込むと、恵は意識を取り戻していく。
「うっ・・・ううっ・・・」
口の中を切ったのか、恵は血を垂らしている。
グッタリしながらロープから解放されるが、フラフラして座り込む恵。
理絵が両手を広げて近づくと、恵も意地になってお腹にパンチを叩き込む。
しかしダメージと脂肪から理絵にダメージを与える事が出来ず、逆に理絵に髪を鷲掴みにされて起こされていく。
フラフラの恵に容赦ないヘッドバッド。
ゴキッ・・・
「はうっ・・・」
堪らずマットに崩れ落ちる恵。
仰向けになっていると、理絵が跨ぐようにしてヒップドロップを胸の辺りに叩き込むと、恵は完全に失神してしまった・・・。
「レフリー・・・カウントっ!」
理絵がレフリーにカウントを要求すると、レフリーも驚きながらカウントを叩いた・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音と共に勝負は決まった。勝利した理絵は立ち上がると、失神している恵の顔面を踏み付けながらガッツポーズをとると、観客席からは大きなブーイングが送られていくのであった・・・。



第12試合

『第12試合っ・・・選手入場っ!』
リングアナのコールで入場してくるのは、緊張した表情でリングインする村神恵梨。
黒いビキニに黒いリングシューズ姿でコーナーに寄りかかると、ビキニを気にしながら対戦相手を待っている。
その恵梨の対戦相手としてリングに登場したのは、あのキャリー西野だった。当然ながらドンキング松木、ジェントルメン濱田も一緒である。
『青コーナー〜っ・・・身長169pっ・・上から87、59、85〜・・・村神〜恵梨〜っ!』
コールを受けて一礼する恵梨。しかし緊張感は隠せなかった。
『赤コーナー〜っ・・・キャリー〜西野〜っ!』
一方片手を挙げて観客にアピールするキャリー。
恵梨はミックスファイトと聞き、速攻で勝負を決めようと考えているが、キャリーはキャリーで痛め付けてアピールする事を考えている。以前はバラエティ番組でアイドルを痛め付けていた西野だけに、今夜は凄まじい試合が予想されていた。
『カァーン!』
早くもゴングが打ち鳴らされると、恵梨がいきなり飛び出した。
キャリーに対して素早いタックルを仕掛けると、キャリーも踏ん張るからコーナーまで押し込んでいく。
『ブレークっ・・・ロープや・・・』
レフリーのジェントルメン濱田がロープとばかりに恵梨を離していく。
キャリーも恵梨の動きに驚きの表情を見せるが、タックルで来るならと考えた。
しかし恵梨はタックルと見せかけて止まると、掌打を打ち込みながら距離を詰めた。
シュ・・・バシィィィ・・・
「ぐわっ・・・」
キャリーの顔面に炸裂する恵梨の掌打。数発決まるとキャリーは口の中を切っていく。
更にローキックからハイキックと恵梨の攻めが続くと、痛そうにキャリーがロープに逃れた。
『ロープっ・・・ロープっ・・・』
更に攻め込む恵梨に濱田が止めていく。
「な、何よっ!こんなので止めないでよ!」
エキサイトしている恵梨が濱田に抗議するが、濱田が逆に反抗したからとカウントを数えていく。
『反則っ・・・ワン・・・ツー・・・』
カウントを数えられたら反則負けになるからと、恵梨も濱田から離れていく。
「オマエの相手は俺やっ!」
濱田に意識を集中させた恵梨に喧嘩キックを叩き込むキャリー。
ボシュ・・・
「うぐうっ・・・」
堪らずお腹を押さえてフラつく恵梨。続けて髪を鷲掴みにされて振り回されると、悲鳴をあげていく。
「きゃあああぁぁぁぁぁ・・・・」
恵梨の悲鳴に観客席も盛り上がっていくが、恵梨もキャリーのお腹にパンチを入れて、一気にDDTで反撃した。
ドシュ・・・
「ぐわあっ・・・」
脳天から叩き付けられて一瞬グッタリするキャリー。
恵梨が早くもフォールすると、レフリーにカウントを要求する。
「レフリーカウントっ!」
グッタリしているキャリーの顔面に豊満なバストを押しつけてフォールする恵梨。
『羨ましいのぉぉぉぉ・・・・キャリーぃぃぃ・・・』
カウントを数えずにキャリーに話しかける濱田。
「ちょっとぉぉぉ・・・フォールでしょ!」
マットを叩けばキャリーからピンフォール勝ちの恵梨。しかしレフリーは濱田・・・。
「おらぁぁぁ・・・」
ここでキャリーが返すと、恵梨も立ち上がって距離を置いてから顔面にドロップキックを叩き込む。
バッシーン!
「ぐふっ・・・」
フラついて倒れるキャリーに、恵梨が両脚をキャッチして足4の字固めを仕掛けた。
グイッ・・・
「ギブアップ!・・・ギブするの!」
恵梨が大声でキャリーにギブアップを促す。
キャリーも額から汗を流しながら耐えるが、体格差を利用して反転しようとする。
しかし恵梨も反撃されないように踏ん張っていると、今度はリングサイドからドンキング松木が恵梨の身体を反転させた。
グイッ・・・
「な、何するのよ!」
恵梨が叫ぶが、身体を反転されて激痛が恵梨を襲う。
「ぐっ・・・んあああぁぁぁぁぁ・・・・」
しばらく痛め付けてキャリーが解放すると、恵梨は転がるようにしてリング下に逃れる。
だがドンキング松木がストンピングを入れて痛め付けると、恵梨もエルボースマッシュで反撃して松木を倒していく。
松木に意識を集中していると、背後からキャリーがドロップキックを叩き込むと、抱きつくように松木と倒れ込む恵梨。
「ええのぉぉぉぉ・・・この感触っ!」
松木が恵梨の胸の感触に笑みを浮かべる。
「な、何よ・・・」
その松木に嫌悪感を覚える恵梨が叫ぶが、背後からキャリーに髪を掴まれて起こされた。
「オマエの相手は俺や、何度言えば解るんや・・・」
ゴキィィィ・・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・」
キャリーは起こしたと同時にヘッドバッドを額に叩き込むと、フラつく恵梨の膝を狙ってローキックを叩き込む。
バシッ・・バシィィィ・・・
強烈なローキックに恵梨がダウンすると、続けて脚を掴んで体落としなど足殺しを仕掛けていくキャリー。
足を狙われて動きが鈍る恵梨だが、必死にロープを掴んでアピールした。
「レ、レフリー・・・ロープ・・・ロープでしょ!」
ロープに逃げた恵梨だが、濱田が手をロープから離していくと、恵梨は叫ぶ。
「な、何よ・・・汚い真似して・・・」
その言葉に濱田が怒ると、恵梨の顔面にストンピングを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・・
『何が汚い真似やっ・・・おおっ・・』
レフリーまで恵梨に手を出すからと、観客席からはブーイングが起きていく。
グイッ・・・
「覚悟せえっ・・・村神っ・・」
痛がる恵梨を起こしてキャリーが背後から抱え込む。
恵梨も一瞬自分の体制が解らなくなる中、勢い良く抱え上げるキャリー。
「覚悟せぇぇぇぇ・・・・プッシークラッシャーァァァァァ・・・・」
キャリーが叫ぶと、膝をつきだしてアトミックドロップの体制に・・。
そして次の瞬間、恵梨の股間がキャリーの膝に叩き付けられた・・・。
ゴキィィィィ・・・
「ふぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・」
激しく悲鳴をあげる恵梨。
キャリーが放すと、もう股間を両手で押さえてグッタリしている恵梨。
グイッ・・
「はうっ・・」
グッタリする恵梨の髪を掴んで起こしていくキャリー。
そのままコーナーに押し込むと、股間へのダメージが動きの鈍い恵梨をコーナーに寄りかからせた。
「いくでぇぇぇぇぇ・・・・」
拳を握りしめて振り回しながら観客にアピールするキャリー。
ボシュ・・・
「グボッ・・・」
振り回した拳を勢い良く恵梨のお腹に叩き込むキャリー。その瞬間、恵梨は目を大きく見開き苦しんだ。
「まだまだじゃ〜・・ぼけぇぇぇぇぇ・・・」
更に串刺しの膝蹴りを叩き込むと、恵梨はグッタリとコーナーに崩れ落ちる。
キャリーは苦しむ恵梨を踏み付けると、トップロープの金具部分が剥き出しになるようにしていくと、恵梨の髪を掴んで起こしていく。
「ううっ・・」
恵梨が苦しそうにすると、目の前の金具に足をコーナーに伸ばして抵抗する。
「まだまだ甘いのぉぉぉぉ・・・おらぁぁぁぁ・・・」
すると、キャリーは一気にバックドロップで後頭部から恵梨をマットに叩き付ける。
バッシーン!
「きゃああぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげて大の字になる恵梨。
更に恵梨の喉元に鋭いエルボードロップを叩き込むキャリー。
グシャ・・
「ふぐうっ・・・」
堪らず喉元を両手で押さえて藻掻き苦しむ恵梨。喉元を押さえていると、更にキャリーは飛び上がってフットスタンプをお腹に叩き込んだ。
ボシュ・・・
「んんっ・・グボオッ・・・」
お腹に力を入れていなかった恵梨は、激しく口から反吐を噴き上げた。
『汚いやっちゃのぉぉぉ・・・村神っ・・・』
呆れ顔の松木がバケツに水を入れて恵梨の顔面に掛けると、反吐が流されていく・・・。
「ゴホッ・・・ゴホッ・・・ケホッ・・・」
苦悶の表情で咳き込む恵梨。
「そろそろいくでぇぇぇぇ・・・」
キャリーは片手を挙げてアピールすると、グッタリする恵梨を起こしていく。
フラフラしながら起こされた恵梨。
そのまま金具の剥き出しとなったコーナーに連れて行かれると、フラフラしながらも逃れようと抵抗する。
『甘いんじゃ、ボケェェ・・・』
松木は笑いながら恵梨に蹴りを入れると、力が抜けた所へ恵梨の額をキャリーは金具に叩き付けた。
ゴキッ・・・
「きゃああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
絶叫する恵梨。
トップロープを掴んで抵抗するも、キャリーに続けて額を金具に叩き付けられていくと、、ここで額が割れて流血していく。
『ああっ・・・村神の額が割れてるぞっ・・・』
『可哀相だよ、レフリーまで仲間になって・・・』
痛め付けられる恵梨に対して観客席からは同情の声まで上がり出す・・・。
グイッ・・
「ああっ・・・」
フラフラしている恵梨の髪を掴んで起こしていくキャリー。
片手で髪を掴むと、片手は拳を握りしめてアピールすると、恵梨の額の傷口を殴りだした。
バキッ・・バキッ・・・バキッ・・
「ぎゃああぁぁぁぁぁぁ・・・・んああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・いやあぁぁぁぁぁぁ・・・・」
殴られる度に絶叫して痛がる恵梨。傷口からの出血も酷くなっていく。
顔面を真っ赤にしながら悲鳴をあげる恵梨。
もうフラフラ状態の恵梨だが、殴りつけるキャリーの手をキャッチすると、上手く一本背負いの様に投げつけてマットに叩き付けた。
バッシーン!
「ぐおっ・・・」
いきなりの反撃にキャリーが苦しむ。
同時に近くにいた松木の顔面にエルボースマッシュを叩き込むと、続けて喧嘩キックから場外に叩き落としていく。
キャリーが倒れ松木が場外。濱田は驚きの表情を浮かべると、恵梨は額の傷を気にしながら濱田に迫った。
「レ、レフリーのくせに・・・汚い真似ばっかり・・・」
濱田に迫る恵梨。しかし背後からキャリーが飛びついた。
バシィィィィ・・・
「おらあぁぁぁぁぁ・・・」
「きゃあぁぁぁぁぁ・・・」
キャリーが背後から飛び蹴りを叩き込むと、恵梨は堪らず悲鳴をあげて倒れ込む。
すると、場外から松木がパイプ椅子を持ってリングに戻ると、キャリーにパイプ椅子を差し出す。
苦しむ恵梨をコーナー近くに寝かせると、お腹に辺りにパイプ椅子を乗せていく。
キャリーはトップロープに登ると、そのパイプ椅子に勢いのあるフットスタンプを叩き込んだ。
ガッシャーン!
「んあああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
次の瞬間、恵梨の悲鳴がリングに響き渡る。
『やめろォォォォ・・・村神が可哀相だぁぁぁぁ・・・』
『試合を止めてやれぇぇぇぇぇ・・・・』
会場内からはあまりに残酷な展開に試合を止めろと言う声まで飛び出している。
「ふふふっ・・・今夜から俺様は最狂ヒールなんだよ・・・」
キャリーが叫ぶと、グッタリとしている恵梨を起こしてから、またもプッシークラッシャーを仕掛けた。
ゴキィィィィ・・・
「ふぎぃぃぃぃぃぃ・・・」
変な悲鳴をあげて失神寸前に追い込まれた恵梨。
キャリーが放すと俯せにダウンしていると、キャリーはゆっくりと恵梨に跨ると、一気にキャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・・
失神寸前の恵梨に容赦なく炸裂するキャメルクラッチ。
会場内からは激しいブーイングが起きると、ここでゴングが鳴らされていった。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音に濱田が叫ぶ。
『ゴングなんて要請してないやろ・・・何なんや〜っ!』
キャリーも叫ぶと、技を解いてから恵梨に馬乗りになっていった。
「何が試合終了だぁぁぁ・・・おらっ!」
失神状態の恵梨のビキニを剥ぎ取ると、高々と振り回しながらキャリーはリングを降りていく。
そしてリングサイドでマイクを握りしめると、観客席に向かって叫ぶ。
「次の試合からは、アイドルだろうが誰だろうが容赦せぇへんでぇぇぇぇぇ・・・・流血確実やっ!」
そう叫ぶと、マイクを叩き付けて濱田と松木と共に控え室に消えていくのであった。
一方、大流血状態でトップレスの恵梨は、リングドクターから応急処置を受けて医務室に担架で運ばれていくのであった・・・。



第13試合

『第13試合っ・・・選手入場っ!』
リングアナがコールすると、リングに登場するのはグラビアで人気のある熊多曜子と守下千里。
曜子は黒ビキニに黒色のリングシューズ。千里は星条旗柄のビキニに白いリングシューズ姿。早くも視線を合わせるとリング中央で睨み合う2人。
表では一部雑誌などで犬猿の仲などと言われているが、実際に今夜試合が組まれるとその噂が本当に見えるリング上。
言葉は発しないが、お互いが視線を反らすことなく睨み付けていると、レフリーが割って入ってコーナーに戻していく。
今夜の試合は、お互いがグラビアクイーンとも言われるだけあり、リング上でライバルを叩き潰すとも思える気の入れよう・・・。
曜子としては千里に勝利して、将来的にはヘビー級タイトルにも挑戦したいと考えていた。
一方、千里としては曜子を観客の前で痛め付けて勝利して、同じくステップアップを考えていた。
観客席からは、グラビアアイドルの壮絶な喧嘩マッチを期待した視線が集まる。
『青コーナー〜・・・身長164p、上から92、56、88〜・・・熊多〜曜子〜っ!』
コールを受けると片手を挙げて観客にアピールする曜子。コーナーから数歩出てからコーナーに戻っていった。
『赤コーナー〜・・・身長166p、上から88、57、88〜・・・守下〜千里〜っ!』
そして千里はコールを受けると、そのまま反対コーナーの曜子に迫りながら片手を挙げてアピールする。
早くも観客席が盛り上がると、曜子も睨み返した。
ゴングの前に始まるといけないからと、レフリーが千里をコーナーに戻していくと、ここでゴングを要請した。
『カァーン!』
ゴングが鳴らされると、千里と曜子がゆっくりとコーナーから出ていく。
リング中央で睨み合う状態になると、まずは千里が髪を鷲掴みにしていった。
グイッ・・・
曜子もやり返すと、お互いが相手の髪の毛を鷲掴みにしていく。
観客席が一斉に盛り上がっていくと、千里が喧嘩キックを叩き込んだ。
ボシュ・・
「おらぁぁぁぁぁ・・・」
一瞬力の抜けた曜子をロープに振っていく千里。
しかし曜子はロープに腕を絡ませて戻らない。一瞬の攻防に観客席から拍手が起きていく。
千里が距離を詰めると、曜子も距離を詰めた。
いきなり千里の張り手が炸裂する。
バシィィィ・・・
「くっ・・・」
一瞬曜子の表情が苦痛に歪むが、張り手を返す曜子。
バシィィィ・・・
「効かないんだよ!」
張り手を受けた千里が叫ぶ。
逆に千里のパンチがボディを抉ると、曜子は身体をくの字にして苦しむ。
「ほらほらっ・・・どうしたのよ・・・」
更に千里が髪を鷲掴みにして頭を振り回してから、コーナーに連れて行ってコーナーポストに顔面を叩き付けた。
バシッ・・・
「んあっ・・」
痛がる曜子。しかし直ぐに髪を鷲掴みにして千里の顔面をコーナーポストに叩き付けると、そのままトップロープに顔面を押しつけて擦り付けていった。
ギュ・・ギュギュギュ・・・
「んああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
曜子のラフファイトに千里が悲鳴をあげていく。流石にゴムに覆われたロープとの摩擦熱で激痛を感じていたからだ。
「私だってこれくらいできるんだよ!」
曜子が叫ぶと、ニーリフトで千里のボディを蹴り上げた。
ボシュ・・・
「ぐふっ・・」
千里の動きが鈍くなると、曜子はボディにパンチを叩き込んだ。
ボシュ・・・
「くっ・・・」
またも苦悶の表情を浮かべる千里。
更に曜子が殴りつけようとすると、逆に掌底でアッパーを叩き込んだ。
バッシィィィ・・・
「ぶはぁ・・・」
これには堪らずダウンしていく曜子。カウンター気味で相当のダメージを受けたように見える。
曜子は両手で顎の辺りを押さえながらリング下にエスケープするが、千里も一緒にリング下に降りていった。
「立てコラぁぁぁぁぁ・・・」
千里が叫びながら曜子の髪を掴んで起こしていくと、エプロンサイドに顔面を叩き付けていく。
バシィィ・・・バシィィィ・・・
「ああんっ・・・」
堪らず座り込む曜子。
更に背後から曜子の額にエルボースタンプを叩き込む千里。
藻掻き苦しむ曜子に歓声が送られていくと、千里がリング上に曜子を戻していく。
仰向けになって呼吸を荒げる曜子。
曜子の苦しそうな表情に千里がトップロープに登ると、一気にフットスタンプを落としていく。
「喰らえぇぇぇぇ・・・」
「いやあっ・・・」
これには曜子が転がるように逃げると千里は自爆する。しかし自爆と言ってもダメージはないので続けてストンピングが叩き込まれていく。
バシッ・・バシッ・・
「あうっ・・・ああっ・・」
痛がる曜子。その痛がる曜子の髪を掴んで起こしていく千里。
「立ちなさいよ・・・ほらほらっ・・・」
起こした曜子をヘッドロックで締め上げると、続けて顔面を殴りつけていく千里。
バキッ・・
「痛いぃぃぃぃ・・・は、反則よ・・・」
曜子がレフリーにアピールすると、レフリーも千里に注意する。
だが千里は反則はしてないとばかりに手を開いてアピールした。
その瞬間、曜子が反撃のバックドロップを狙うが千里が踏ん張る。
「残念でした〜っ!」
逆に千里がブルドッキングヘッドロックで曜子をマットに叩き付ける。
バッシーン!
「んあぁぁぁぁ・・・・」
顔面をマットに叩き付けられて絶叫する曜子。
「おらっ・・・」
苦しむ曜子を蹴りこんで仰向けにすると、顔面を踏み付けてフォールのアピールをする千里。
『ワン・・・・ツー・・・・』
カウントが数えられるが、曜子は肩を浮かして返した。
屈辱の顔面踏み付けフォールを返した曜子に対して、場内からは大きな拍手が送られていく。
グイッ・・・
「ふん、勝負はこれから・・」
千里は更に髪を掴んで起こすと、エルボースマッシュを頬に叩き込んでから、キチンシンクで痛め付けていく。
ボシュ・・・
「ぐふっ・・」
堪らずお腹を押さえて苦しむ曜子。
千里は余裕を感じさせる笑みを浮かべると、ゆっくりと曜子をボディスラムでマットに叩き付ける。
苦悶の表情を浮かべる曜子に、またも顔面を踏み付けてフォールしていく千里。
『ワン・・・・ツー・・・・』
これも曜子は返すが、試合のペースを握られて苦しい展開になっている。
返した曜子の両脚を抱え込む千里。
ゆっくりとステップオーバーして逆エビ固めを極めると、曜子が悲鳴をあげた。
グイッ・・・
「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
激しく悲鳴をあげる曜子。レフリーもギブアップの確認を急ぐ。
『熊多っ・・・ギブっ?・・・ギブアップ?』
レフリーの問いに額から汗を流しながら曜子が叫ぶ。
「ノォォォォォ・・・・ノォォォォォォ・・・・」
ロープに手を伸ばす曜子。しかし距離があり千里が腰を落としていくと、ギブアップ寸前と言う感じに・・・。
たがロープに何とか辿り着くと、観客席から拍手が起きていく。その拍手に不快感を露わに技を解いて、腰などへストンピングを叩き込む千里。
堪らず曜子が転がるようにリング下に逃れると、千里はトップロープを掴んで片手を突き上げて観客にアピールしていく。
リング下では曜子がペットボトルを掴むと、水を口にして呼吸を整えていた。
しばらくして曜子がリングに戻ろうとすると、ロープ際で挑発する千里。
レフリーが千里を離していくと、一気にリングに戻る曜子。
お互いが距離を置くと、鋭い視線で睨み合う。
リング中央を中心にリング内を回り出すと、一気に組み合う。
手四つ状態でガッチリと組み合うと、お互いが意地を張るように力を込めていく。
だがペースを握っていた千里が有利な様で、少しずつ曜子の表情が苦しくなる。
千里が更に力を入れていくと、曜子が倒れ込むようにモンキーフリップで千里を投げた。
バッシーン!
「んあっ・・」
いきなり投げつけられて驚く千里。
続けて曜子が覆い被さるようにギロチンチョークを仕掛けていくと、千里の表情が苦悶に歪む。
しかしブリッジで返すと、立ち上がっていく千里。
曜子も立ち上がると、張り手を叩き込んでいく。
曜子の張り手に千里はグーパンチを返すと、曜子の頬を抉った。
バキッ・・
フラつく曜子。早くも口の中を切ったのか、血を垂らしている。
「れ、レフリー・・・は、反則でしょ・・・」
曜子がレフリーに抗議すると、千里は喧嘩キックをお腹に叩き込んで攻め込む。
「甘い事言ってるんじゃないわよ!」
お腹を蹴られて倒れ込む曜子に、千里は馬乗り状態になって額にパンチを叩き込んだ。
バキッ・・・バキッ・・・ゴキッ・・・
「ああんっ・・・痛いぃぃぃ・・・何よぉぉぉ・・・」
藻掻き苦しむ曜子。喧嘩ファイトは千里に有利か、顔面などを殴られては悲鳴をあげていた。
レフリーも顔面への素手でのパンチの連打に注意していくと、千里は仕方ないと言う表情で止めていく。
千里を離した状態で曜子を立たせていくレフリー。
曜子が距離を詰めると、千里のジャブからボディとボクシング戦法が炸裂。
口からは血を垂らし、お腹を殴られては身体をくの字に苦悶の表情で悲鳴をあげる曜子。悲鳴はあげるも何かを狙っているのか目は死んではない曜子。
更に顔面へのパンチが決まると、レフリーはまたも反則だと止めて注意していく。
『守下っ・・・顔面へのパンチは反則だ!』
レフリーの注意に抗議する千里。
「反則でも何でもいいのよ、カウント取れば?」
レフリーと千里が言い合いになると、意識をレフリーに集中している千里に曜子が一気に逆さ押さえ込みを仕掛けた。
「えっ・・・」
千里も一瞬意味が解らない表情を浮かべると、レフリーも素早くカウントを叩く。
『ワン・・・・ツー・・・・スリーぃぃぃぃ・・・・』
大逆転とも言える逆さ押さえ込み。次の瞬間ゴングが打ち鳴らされた・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音にスリーカウントを奪われた千里は納得しない様子で、曜子をコーナーに連れ込んで殴りつけていく。
バシッ・・バキッ・・・
痛がる曜子も返すが、打撃などでは千里が上の様子。
更には千里がグラビア系の曜子のビキニに手を伸ばすと、曜子も怒ってビキニに手を伸ばす。
だが黒服などがリング上に入ると、両者を止めていった。
『カンカンカンカン・・・』
黒服に羽交い締めにされて離されていく千里と曜子。
「試合に勝ったと思うなよ、今度は格闘技戦でも何でも、完全決着ルールで勝負しろっ!」
千里のアピールに曜子も返す。
「負けたくせに偉そうな事を言わないでよね・・・」
曜子の言葉に千里は更に怒り出すが、黒服などによって控え室に戻されていった・・・。
このカード、因縁からまたも組まれそうな試合でもあるが、果たして・・・。



第14試合

『選手、入場っ!』
リングアナのコールと共にリングインするのは、猛娘の高端愛。
黄色いビキニに白いリングシューズ姿で笑顔を浮かべながらリングインすると、一礼してコーナーに寄りかかっていく。
その愛の対戦相手としてリングに登場したのは、久しぶりの地下リングになる山口誉子。黒いビキニに黒いリングシューズ姿で、ゆっくりとリングインすると片手を挙げて観客にアピールしてからコーナーに進んでいく。
誉子の登場に愛に緊張が走る。
誉子としては、芸能界で仕事も少なく、現在ではグラビアと新聞へのパチンコのコラムが一本という寂しい状態。ここは地下リングでヒールとしてアピールしたいところだった。
今夜の相手の愛は生贄としては申し分ないアイドル。誉子は久しぶりのリングでアピールしようと考えていた。
一方、地下プロレスデビューしてから体格差のある相手ばかりだった愛。今夜は練習した技などを出せればと考えていた。
『14試合っ・・・青コーナー〜・・・身長153p、上から78、55、80〜・・・高端〜愛〜っ!』
コールを受けて笑顔で手を振る愛。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から93、58、82〜・・・山口〜誉子〜っ!』
コールを受けて片手を挙げて観客にアピールする誉子。
コーナーに寄りかかると、ここでゴングが鳴らされていった・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出したのは愛で、勢い良くドロップキックを叩き込む。
バシィィィ・・・
いきなりのドロップキックに誉子が倒れ込むと、続けて顔面にドロップキックを叩き込む愛。
バシィィィ・・・
意外な展開から始まったこの試合。観客席は大歓声に包まれる中、リング上では愛が誉子の髪を掴んで起こしていく。
果敢にもボディスラムを狙うと、ゆっくりだが誉子の身体をマットに叩き付けた愛。
「レフリーぃぃぃ・・・フォールっ!」
早くもフォールの体制になってレフリーにアピールする愛。
『ワン・・・・ツー・・・・』
だが余裕で返していく誉子。
誉子が返すと、続けてマットに座らせた状態からスリーパーで締め上げていく愛。
グイッ・・
顎を細腕で絞められていく誉子。時折苦悶の表情は浮かべるが、ゆっくりとロープに逃れていった。
『ブレーク・・・』
誉子の足がロープに掛かると、レフリーは愛に技を解くように指示する。
技を解くと立ち上がって座った状態の多香子の背中などにストンピングを叩き込む愛。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「おらあっ・・うりゃあっ・・・そりゃあっ・・・」
掛け声と共に愛のストンピングが叩き込まれると、誉子は転がるようにリング下に逃れていく。
愛はリング下に降りずにトップロープを掴んで動きを見つめている。
リング下では誉子がビキニを気にしながら呼吸を整えると、リングに戻っていく。
エプロンサイドに誉子が上がると、愛はロープ越しに挑発的にエルボースマッシュを叩き込む。
バキッ・・・
勢いよく誉子の喉元に肘が叩き込まれるが、次の瞬間誉子が愛の髪の毛を両手で鷲掴みにした。
グイッ・・・
「えっ・・・」
「喰らえっ・・・」
勢いよくヘッドバッドが叩き込まれると、一瞬間を置いて愛の悲鳴がリングに響き渡った。
ゴッキーン!
「んああぁぁぁぁぁ・・・」
額と額が当たると、愛は悲鳴をあげた。
嫌がる様に愛がパンチを叩き込むと、続けてヘッドバットが叩き込まれた。
ゴッキーン!
「いやああぁぁぁぁ・・・」
またも響き渡る愛の悲鳴。同時に観客席は愛の悲鳴に盛り上がっていった。
誉子は髪を放すと、一気にリングに戻って距離を詰める。
一方額を押さえる愛は、フラつきながらもタックルを仕掛けると、上手く誉子からテイクダウンを奪った。
体格差はあるが、愛はサイドポジションを奪っていくと、返されないように警戒しながら膝を立てた。
バシッ・・
「ぐっ・・」
次の瞬間、誉子の脇腹に愛の膝蹴りが叩き込まれた。一瞬誉子の表情が苦痛に歪む。
嫌がるように誉子が藻掻くと、更に愛はチョークスリーパーを狙った。
小柄な愛が誉子の背中に張り付くと、細腕を喉元にすり込ませる・・・。
グイッ・・・
「うぐっ・・」
愛もチョークスリーパーで絞め落とすか、ギブアップ勝ちで終われたらと願い締め上げる。
しかし、誉子は冷静にロープに手を伸ばして逃れていくと、チョークスリーパーも完全に極まっていないからとロープに逃れた・・・。
『ブレークっ・・・』
レフリーの声に愛が技を解く。
誉子は喉元に手を当てて咳き込んでいると、愛が立ち上がって距離を置いた。
喉元を押さえる誉子が、ビキニの間から何かを手にすると、口の中に入れていった。しかしレフリーも誰も気づいていない・・・。
愛は果敢に距離を詰めてストンピングを叩き込んでいくと誉子は四つん這い状態で顔面などに蹴りを受けていた。
バシッ・・・バシッ・・・
優勢に試合を進める愛。しかし・・・。
ブシュウゥゥゥゥゥゥゥ・・・・
「ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・」
ストンピングを仕掛けた愛に、いきなり立ち上がるようにして毒霧を顔面に吹きかけた誉子。
愛は両手で顔面を押さえてリング上で藻掻き苦しんでいる。
毒霧の色はないが、確かに誉子の吹きかけた何かで愛が絶叫しているリング上。
すると誉子は立ち上がると、片手を挙げてアピールしてから愛を起こしていく。
グイッ・・・
両手で顔面を押さえる愛に、まずはキチンシンクを叩き込んで動きを止めていく誉子。
ボシュ・・・
「ぐふうっ・・」
お腹に膝が叩き込まれたからと、愛が口から涎を垂らす。
更に髪を鷲掴みにすると、愛の顔面をロープに押しつけて擦り付けていく誉子。
ギュ・・ギュギュ・・・
「あああああああああぁぁぁぁぁ・・・・」
ロープとの摩擦熱での激痛から絶叫する愛。
痛がる愛をリング下に落としていくと、誉子も続いてリング下へ降りていく。
立ち上がる愛は嫌がるようにパンチで抵抗すると、誉子は喧嘩キックをお腹に叩き込んでから、フラついた所へラリアットで倒していく。
大の字状態で苦しむ愛に、誉子はリング下のマットを動かして堅い床を剥き出しにしていく。
観客席からも危険じゃないかと声が飛び出す中、ゆっくりと愛をパイルドライバーの体制に持っていく誉子。
「い、いやっ・・・いやあぁぁぁ・・・」
床に脳天から叩き付けられると知って、愛が嫌がるように悲鳴をあげる。
「覚悟しろぉぉぉぉ・・・」
誉子が叫ぶと、ゆっくりとパイルドライバーを炸裂させた。
ゴキッ・・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・・」
脳天から叩き付けられると、愛が悲鳴をあげる。放されると、両手で脳天を押さえて両脚をバタバタさせて苦しむ愛。
『大丈夫かよ、高端っ!』
観客席からは心配する声もしていたが、誉子は片手を突き上げてアピールしていく。
「残酷ショーのはじまりはじまり〜っ!」
誉子は愛の髪を掴んで起こすと、リングサイドを引きずりようにしてアピールした。
だが愛も意地になって抵抗していく。
膝蹴りからエルボースマッシュと抵抗を見せるも、逆に抱え上げられていく。
すると、リングサイドの鉄柵に股間が当たるように落としていく誉子。
ゴキィィィ・・・
「ふぎぃぃぃぃぃ・・・」
股間に強烈な責めを受けて絶叫する愛。誉子が放すと股間を押さえてマットに倒れ込んだ。
更に四つん這いになって逃げようとする愛の股間へ爪先蹴りを叩き込んでから、動きが止まった所でリング上に戻していく誉子。
愛が俯せ状態で苦しんでいると、近くのコーナーポストのカバーを外して金具を剥き出しにしていく誉子。
グイッ・・・
「あうっ・・・」
苦しむ愛を起こしていくと、誉子はトップロープとセカンドロープを使って愛を磔状態にしていった。
両腕をロープに絡まされて動きがとれない愛。
その愛の近くで、誉子が何かを手にしている。リング上を照らすスポットライトに鈍い輝きを放つのは、五寸釘だった。
「レ、レフリーぃぃぃ・・・凶器、凶器ぃぃぃぃ・・・」
誉子の握りしめた五寸釘に愛が叫ぶ。
『山口っ・・・』
レフリーが一応チェックしていくと、誉子はビキニショーツに隠す。
両手を前に出して、五寸釘はヒップ側に挟んでアピールする誉子。
「何にも持ってないよ・・・よく見てよねっ!」
誉子のアピールにレフリーが離れると、いきなり五寸釘を握りしめて愛のビキニに包まれたバストに突き刺した。
グサッ・・・
「ぎゃあああぁぁぁぁ・・・」
愛の悲鳴がリング上に響き渡ると、同時に黄色いビキニに赤いシミが浮かび上がっていく。
更に五寸釘をビキニに包まれたバストへ突き刺していくと、愛が狂ったように悲鳴をあげた。
グサッ・・グサグサッ・・・
「いやああぁぁぁぁぁぁ・・・・やめてぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・」
黄色いビキニが赤く染まりだしていくと、観客席からは歓声が起きていく。
『いいぞぉぉぉぉ・・・山口っ!』
『もっとやれぇぇぇぇぇ・・・』
しばらくすると、レフリーが誉子を止めて愛をロープから放した。
距離を置く両者だが、愛は激痛にビキニを押さえて痛がっている。
誉子がゆっくりと距離を詰めていくと、愛は気合いを入れて構えていく。
少しずつロープに追い込まれていく愛だが、一気に前に出て片足タックルを仕掛けた。
上手くタックルが決まって誉子からテイクダウンを奪っていく愛。
しかし誉子も下からガードポジションの形にもっていくと、体格差から愛を転がして倒した。
逆に誉子が上になろうとすると、愛もガードポジションを取っていく。
腕を伸ばして愛を掴もうとする誉子。
その誉子の腕に足を絡ませていく愛。いきなり下から三角締めを狙っていく。
誉子の首に足が掛かり極まりかかるが、誉子は無理矢理に腕を引き抜いて立ち上がった。
愛も転がるようにして距離を置いて立ち上がるが、五寸釘を刺された胸を気にしていた。
シュ・・・シュ・・・
果敢に前に出て掌打を打ち込んでいく愛。
誉子のバストに当たるが、一瞬苦悶の表情を浮かべる誉子だが、水平チョップで愛の動きを止めていく。
「まだまだぁぁぁぁ・・・」
愛が気勢をあげると、同時にタックルを仕掛ける。
バキィィィ・・・
「あうっ・・・」
「何度もしたらバレバレなんだよ!」
タックルを仕掛けた愛の顔面に、カウンターの膝蹴りを叩き込んだ誉子。
誉子の足元にグッタリと俯せにダウンする愛。
「ふふふっ・・・」
誉子は笑みを浮かべると、愛を跨いでいく。
そして、飛び上がると腰にヒップドロップを叩き込んだ。
バッシーン!
「ぎゃあああぁぁぁぁぁ・・・」
愛の悲鳴がリングに響き渡っていく。
そのままキャメルクラッチを仕掛けていく誉子。
上半身が容赦なく反らされて、激痛から両脚をバタバタさせて藻掻く愛。
しばらくして技を解かれると、呼吸を荒くして苦しむ愛。
誉子が立ち上がると、愛を起こしてからボディスラムでマットに叩き付けると、続けて起こしてブレンバスターで動きを止めていく。
グッタリする愛。大の字になって天井を見上げる愛のお腹に馬乗りになる誉子。
手にはまたも五寸釘が握りしめられていると、愛のビキニに包まれたバストへ刺していく。
グサッ・・
「ぎゃあああぁぁぁぁぁ・・・・いやあぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
悲鳴をあげる愛の胸に五寸釘を何度も刺していく誉子。
グサッ・・グサッ・・
「やめてぇぇぇ・・・む、胸が壊れちゃう・・・・いやあぁぁぁぁぁぁ・・・」
容赦なく五寸釘が愛の胸を傷つけていくリング上。
『高端のビキニを剥ぎ取れぇぇぇぇぇ・・・』
『邪魔な物は剥ぎ取っちゃえよぉぉぉぉ・・・山口ぃぃぃぃ・・・』
会場内が盛り上がっていくと、誉子は愛のビキニに手を掛けた。
「いくぞぉぉぉぉぉ・・・・高端のビキニ剥ぎ処刑だぁぁぁぁぁぁ・・・」
誉子が叫ぶと、嫌がる愛のビキニブラジャーを剥ぎ取っていく。
「い、いやあっ・・・や、やめてぇぇぇぇぇ・・・」
抵抗する愛だが、誉子に無理矢理にビキニを剥ぎ取られてしまった。
血に染まる黄色いビキニを高々と挙げる誉子は、リングサイドに投げていく。
そして愛は傷つけられたバストが露わになると、白い乳房に血が流れていった。
グイッ・・・
「おらあぁぁぁぁ・・・」
「あああああっ・・・」
続けて髪を鷲掴みにして起こしていく誉子。愛は悲鳴をあげてフラつく。
構わずコーナーに連れて行くと、剥き出しになったコーナーポストの金具に額を叩き付けていく。
バキッ・・
「ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
リング上に響き渡る愛の悲鳴。誉子が髪を掴んで離すと、額が早くも割れて流血していく愛。
藻掻くが力の差から逃れられない愛を、誉子は更に額から金具に叩き付けて流血させていく。
バキッ・・・ゴキッ・・・
「んあああぁぁぁぁぁ・・・・」
顔面を血に染めて悲鳴をあげる愛。
その愛にサッカーボールキックでリング下に落としていく誉子は、続けて場外での強烈なパワーボムで愛の動きを止めていく。
マットが敷いてあるとはいえ、強烈なパワーボムに身体をヒクヒクと痙攣みたいに動かす愛。
その愛を見つめてニヤリと笑みを浮かべて、片手を挙げてアピールしながらエプロンサイドに上がると、容赦なく無防備の愛のお腹にフットスタンプを叩き込む誉子。
ボシュ・・・
「ぶぐうっ・・グエェェェェェ・・・・」
一瞬間を置いて激しく反吐を噴き上げる愛。
失神寸前と言う感じの愛に、誉子は周りを見渡すと観客のテーブルの上の食事に目を止めた。
誉子は素早くテーブルに近づくと、皿の上の料理に添えられたレモンの切れ端を掴む。
そして愛に近づくと、その手にしたレモンを搾りながら愛のバストへ押しつけた。
グイッ・・・
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
レモンから搾り出された液体に、激痛を感じて絶叫する愛。
乳房の傷口に染み込むレモンの成分に、愛は地獄の時間を感じていた。
半失神だった愛だったが、レモンによって意識を取り戻してしまった・・・。
その愛を俯せにすると、パイプ椅子を手にして首に掛けると、背中に足を押しつけて変形のキャメルクラッチの様にして痛め付けていく誉子。
グイッ・・・
「グエッ・・・うぐぐっ・・ううっ・・・」
必死にパイプ椅子に手を掛けて逃れようとする愛。
場外戦だからとレフリーも手を出さないと、更に揺さぶっていく誉子。
しばらく痛め付けてからパイプ椅子を放すと、誉子はグッタリする愛を仰向けにしてアピールする。
エプロンサイドに上がると、誉子が愛のお腹にフットスタンプを落としていく。
ボシュ・・・
「グボオッ・・・」
フットスタンプの圧力に、愛は口から反吐を噴き上げた。またお腹を両手で押さえてバタバタと藻掻き苦しんだ。
苦しむ愛を横目に、誉子は2リットル入りのペットボトルを手にすると、水を愛に無理矢理に飲ませていった。
グイッ・・
「んぐっ・・んぐっ・・・」
無理矢理飲ませてから、顔面に水をかけて吐瀉物などを洗い流す誉子。
苦悶の表情を浮かべている愛のお腹に、更に容赦ない踵でのストンピングを叩き込む誉子。
ボシュ・・ボシュ・・
「グエッ・・・オエェェェェ・・・」
またも口から反吐を吐き散らす愛。水で薄められているので、水を吐き出しているようにも見える。
グイッ・・・
「うううっ・・・」
グッタリしている愛の髪を掴んで起こしていく誉子。そのまま近くの鉄柱に近づくと、顔面から鉄柱に叩き付けていった。
ゴッキーン!
「いやあぁぁぁぁぁぁ・・・」
またも愛の悲鳴が響き渡る中、誉子は髪を掴んだまま更に長机に連れて行く。
長机の上の物を投げつけると、更にボディスラムの様に抱え上げて愛を乗せていく誉子。
「いくぞぉぉぉぉぉぉ・・・」
片手を挙げてアピールしてから、誉子も机の上に乗っていく。
グッタリする愛を抱え上げるように、ゆっくりとパイルドライバーの体制に持っていく誉子・・・。
流血状態の愛が逆さ吊り状態になっていると、誉子は飛び上がるようにジャンピングパイルドライバーを炸裂させた。
バキィィィィ・・・
「んああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
愛の悲鳴と机が真っ二つになる音の中、誉子はニヤリと笑みを浮かべて立ち上がる。
愛は真っ二つになった机と共にグッタリしていると、誉子は更に髪を掴んでリング上に連れ出していく。
半失神状態とも見える愛をトップロープとセカンドロープを使って絡ませていく誉子。
両腕を絡まされて動きがとれない愛は、グッタリと下を向いている。
レフリーもロープから解放させようとしない中、誉子はリングサイドから何かを手にする。
小さな箱に入っているのは、新品の画鋲だった・・・。
画鋲を一つ手に取ると、誉子はゆっくりと愛の傷つけられた乳房に近づけていく。
「・・・い・・いや・・・やめ・・て・・・くだ・・さい・・・」
意識を朦朧とさせながらも画鋲の登場に身体を震わせる愛。
愛の言葉に耳を傾けるわけでもなく、誉子は容赦なく画鋲を乳首に刺していく。
グサッ・・・
「ぎゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
愛が激しく悲鳴をあげるリング上。同時に観客席が盛り上がっていった。
更に乳首に画鋲を刺していくと、あまりの激痛に泣き叫ぶ愛。
「いやああぁぁぁぁ・・・・や、やめてぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・・」
絶叫する愛を横目に、誉子は自らをアピールする為に画鋲を高々と挙げると、傷つけられた乳房に刺していく・・・。
グサッ・・・
「んあああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
画鋲が刺される度に愛の泣き叫ぶ声がリングに響き渡る。
次第に愛の胸にビキニが着けられたかと思う頃、あまりの残酷さにレフリーが試合を止めた・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音に誉子は愛の額などを殴りつけると、レフリーと黒服などが誉子を離していく。
『ただ今の試合、反則により高端愛の勝利となりました!』
試合裁定が愛の勝利と言う事に、誉子は怒って更にグッタリする愛にストンピングを叩き込むが、レフリーが離していく。
怒りの収まらない誉子は、片手を挙げてアピールしながらリングを後にすると、愛は黒服などによって担架で運ばれていくのであった・・・。



第15試合

『第15試合っ・・・選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインしていくのは、ビキニ姿の巨乳グラビアアイドルたち。
全員今夜が地下プロレスデビュー戦。売り出していく為に、出される側には残酷なこの地下プロレスに出されていくのであった・・・。
まずは相沢仁美、原幹絵がリングインして片手を挙げてアピールしていく。2人とも黒いビキニに黒いリングシューズ姿で青コーナーに近づくと、今度は左藤和沙と掘田ゆい夏が白いビキニに白いリングシューズでリングイン。そして赤コーナーに向かっていった。
テレビなどの出演経験もある仁美と幹絵は落ち着いている様に見えるが、グラビア系のゆい夏と和沙は緊張しているのか、緊張感が感じられる。
今夜控え室では、4人に対して地下プロレスの説明がされたが、中でも簡単にギブアップなどして試合を終えて観客を盛り上げられないと、今後の芸能界での活躍が出来ないなどきつい説明もされていた・・・。プロレス特訓もされていたが、4人にとってはグラビアの後のバラエティなども見据えると、デビュー戦からアピールがしたいところだろうか・・・。
『青コーナー〜・・・身長160p、上から93、60、92〜・・・相沢〜仁美〜っ!・・・・・・身長163p、上から92、61、88〜・・・原〜幹絵〜っ!』
コールを受けて幹絵と仁美が手を叩いてアピールすると、ビキニに揺れるバストに視線が集まりつつ歓声が送られていく。
『赤コーナー〜・・・身長157p、上から99、60、88〜・・・左藤〜和沙〜っ!・・・・・・身長162p、上から90、60、86〜・・・掘田ゆい夏〜っ!』
コールを受けて一礼していく和沙とゆい夏。こちらもその胸元に視線が集まっている。
リングアナのコールが終わると、各人がビキニをチェックしてから、先発を決めていた。青コーナーは早くも仁美が腕を振り回して臨戦態勢に、赤コーナーではゆい夏が準備していた。グラビアデビュー間もないゆい夏。しかし顔に似合わず25歳。グラビアだけでは遅いデビューだけにここは地下プロレスデビュー戦は気合いを入れていた。
『カァーン!』
ゴングが鳴らされると、いきなり仁美が走り込んでラリアットを狙う。
しかしゆい夏もラリアットを避けると、背後から勢いのあるドロップキックを放った。
バシィィィ・・・
背中にドロップキックを受けて倒れる仁美。更に立ち上がる仁美の顔面にもドロップキックを放った。
バシィィィ・・・
これには仁美も顔面を押さえて倒れ込むと、早くもリング下に転がるように逃げていく。
蹴られた部分を気にしている様子の仁美。試合のペースを握られてはとリング下からゆい夏を見上げた。
一方ゆい夏は幼いルックスからの鋭い視線をリング下の仁美に送っている。
しばらくして仁美がリングに戻ると、レフリーが続行の指示をしていく。
『ファイトっ!』
今度は仁美から手を伸ばして力比べを誘うと、ゆい夏も片手を伸ばして応じようとすると、いきなりお腹に蹴りを叩き込む仁美。
バシィィィ・・・
「おらあぁぁぁぁ・・・」
「あうっ・・・」
更に腕を締め上げてからコーナーに連れて行く仁美。
「タッチっ!」
早くも仁美が幹絵とタッチすると、仁美が固めているゆい夏の腕にエルボーを叩き込む幹絵。
バシッ・・・
「痛いっ・・」
堪らず悲鳴をあげるゆい夏。
更にコーナーに押し込んだ状態から、ゆい夏にショルダータックルで押し潰していく幹絵。
ゆい夏は苦悶の表情を浮かべていると、更に幹絵が水平チョップをバストに叩き込んだ。
バシィィィ・・・
ゆい夏のバストが一瞬歪んで変形していく。その衝撃に苦悶の表情のゆい夏。
しかしゆい夏も負けずにエルボースマッシュを頬に叩き込んでから、続けて張り手を幹絵のバストに叩き込む。
バシッ・・バシッ・・
バストへの張り手に動きが鈍る幹絵。
そこへヘッドロックで締め上げていくゆい夏。幹絵もロープに振ろうとするが、ゆい夏のヘッドロックが上手く極まっている。
頭部を締め続けられてスタミナを消耗していく幹絵。
ゆい夏が自軍コーナーに連れて行くと、ここで和沙とタッチしていく。
タッチしてもヘッドロックで締め続けるゆい夏。和沙はトップロープに登ると、両手で幹絵の背中にチョップを叩き込んだ。
バシィィィ・・・
「痛いぃぃぃ・・・」
堪らず悲鳴をあげる幹絵。同時にゆい夏が離していく。
続けて和沙が喉元に水平チョップを叩き込むと、フラついた幹絵を抱え込んでボディスラムを炸裂させる。
バッシーン!
「あうっ・・」
バストが自慢なグラビア系だけに、投げ技は胸の揺れが目立つ。
早くも99pのバストを押しつけるようにフォールする和沙。
『ワン・・・・ツー・・・・』
レフリーのカウントが続くと、幹絵が返していく。
返されると髪を掴んで起こしていく和沙。その和沙のボディにグーパンチで反撃していく幹絵。
バシッ・・バシッ・・
「くっ・・・」
幹絵の反撃に動きの止まる和沙。
更に幹絵はお返しとばかりにボディスラムを炸裂させると、大の字になった和沙の喉元にギロチンドロップを落とした。
喉元を押さえて苦しむ和沙だが、幹絵は容赦なく首4の字固めで痛め付けていく。
グググッ・・・
「んぐぐっ・・・」
首に幹絵の脚が食い込み、苦しさから両脚をバタバタさせて藻掻く和沙。
しばらく締め付けてから、技を解いて自軍コーナーに和沙を連れて行く幹絵。
コーナーでは仁美が膝を出していると、和沙の顔面を仁美の膝に叩き付けていく幹絵。
バシッ・・
「いやあっ・・・」
堪らず悲鳴をあげて座り込む和沙。
セカンドロープを掴んで座り込む和沙。その和沙の背中に仁美と幹絵がストンピングで痛め付けていくと、和沙はビキニに包まれたバストを揺らしながら苦悶の表情を浮かべる。
更に仁美が髪を掴んで起こしていくと、ボディスラムでマットに叩き付けてから俯せにして、一気にキャメルクラッチで痛め付けていく。
上半身が反らされていくと、観客席からは99pのバストが強調されて視線が集まる。
顎を押さえられて悲鳴もあげられない和沙。
その和沙のバストへ、幹絵がノーガードキックを叩き込んでいく。
バシィィィ・・・
バストに蹴りが炸裂した瞬間、和沙は両脚を激しく動かして苦しむ。
更に仁美がキャメルクラッチを解いて、その体制から髪を鷲掴みにすると、幹絵が顔面にも蹴りを叩き込んだ。
バシィィィ・・・
仁美が放すと、和沙は顔面を両手で押さえてグッタリしていった・・・。
仁美と幹絵がガッツポーズをとると、観客席が盛り上がるが一部ブーイングも起きている。
その騒ぎの中、ゆい夏がガッツポーズをとる仁美と幹絵を背後から襲ってリング下に落としていくと、グッタリする和沙を助け出そうとする。
しかし仁美が素早くリングに戻ると、ゆい夏にエルボースマッシュから蹴りを入れて蹴散らしてコーナーに戻していく。
四つん這い状態で立ち上がろうとする和沙。
しかし仁美が捕まえると、大技パイルドライバーで動きを止めていく。
グッタリしている和沙をコーナー近くまで引きずっていく仁美。
「決めるぞぉぉぉぉ・・・・」
片手を突き上げてアピールしながらコーナーに登る仁美。
足元には和沙が仰向けになって倒れていると、ゆっくりと和沙のお腹を狙ってフットスタンプを落とした。
ボシュ・・・
「んぐうっ・・ウエッ・・・」
仁美の全体重を掛けたフットスタンプに、一瞬間を置いて和沙が口から胃液の様な物を吐き出した。
コーナーではゆい夏が心配そうに見つめる中、仁美が肩に手を押しつけてフォールする。
『ワン・・・・ツー・・・・スリ・・・・』
ゆい夏もコーナーから飛び出すが、和沙が必死になって返していく。
カウントギリギリで返すと、観客席から和沙へ対して拍手が送られた。
更にダメージの大きい和沙に逆エビ固めを仕掛ける仁美。
グイッ・・・
「あああああっ・・・」
和沙が悲鳴をあげると、仁美は揺さぶってギブアップを狙う。
「ギブアップ?・・・ギブするの、ほらギブっ?」
泣きそうな表情でロープに手を伸ばす和沙。
ゆい夏がカットに入ろうとすると、幹絵がゆい夏にラリアットを叩き込んでリング下に落としていく。
リング上では仁美が技を解いてから、一気に抱え上げるアルゼンチンバックブリーカーで和沙を追い込んでいた。
揺さぶられるたびにバストがビキニから溢れそうになる和沙。
レフリーもギブアップの確認をするが、和沙はギブアップしない。
リング下ではゆい夏が助けに入りたい所だが、幹絵と張り手やチョップ合戦でリング上に戻ることができない。
仁美は抱え上げているのが疲れたのか、技を解いて起こしていく。
フラフラしている和沙だが、一瞬の隙を突いて仁美に逆さ押さえ込みを仕掛けた。
『ワン・・・・ツー・・・・ス・・・・』
両脚をバタバタさせてバランスを崩して逃れた仁美だが、突然の反撃に驚きの表情を浮かべている。
一方、四つん這い状態で呼吸を荒げる和沙。
「今度こそ決めるぞぉぉぉぉ・・」
仁美は片手を挙げてアピールすると、一気にフラフラの和沙にパワーボムを炸裂させていく。
バッシーン!
マットに叩き付けられた和沙は、勢いから99pのIカップバストをビキニから飛び出させてグッタリする。
『ワン・・・・ツー・・・・スリィィィィ・・・・・』
余裕のスリーカウント。仁美が立ち上がると、リング下から幹絵も上がってきてレフリーに手を挙げられていく。
一方、ゆい夏は意識を朦朧とさせている和沙を気遣う。
『勝者、相沢仁美っ、原幹絵っ!』
リングアナのコールに笑顔を浮かべる仁美と幹絵。
今回デビューした4人も、地下リングからブレイクしていくのであろうか・・・。



第16試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、あの乙羽だった。
黒いビキニに黒いリングシューズ姿の乙羽は、早くもコーナーに寄りかかって対戦相手を待っている。
だが、今夜の乙羽の試合はジュニアヘビー級タイトルマッチ・・・当然だったが今夜2戦目の築比寺理絵が相手だった。
ゆっくりとリングインする理絵の姿に、乙羽は驚いていた。
無言のままコーナーで理絵を見つめる乙羽。
『青コーナー〜・・・身長157p、上から89、59、85〜・・・初代ジュニアヘビー級チャンピオン〜・・・乙羽〜っ!』
早くもコールされると一礼していく乙羽。
『赤コーナー〜・・・身長159p、体重155s〜っ・・・・現ジュニアヘビー級チャンピオン〜・・・築比寺〜理絵〜っ!』
コールと共に不気味な笑みを浮かべる理絵。
『カァーン!』
ゴングがリングに鳴り響くと、同時に乙羽がコーナーから飛び出した。
ジャンピングニーパッドを叩き込む乙羽。バストを揺らしながら必死の先制攻撃。
バキッ・・
これは上手く理絵の顔面を捉えると、フラつく理絵。
乙羽は更にローキック気味に蹴りを入れていくと、理絵が前に出ようとすると距離を置いた。
この試合が組まれる事を知った乙羽は、打撃練習をしてきた様子で、少しずつダメージを与えようと考えている様だった。
ガードを上げてローキックを叩き込んでは距離を置く乙羽。
理絵は嫌がる表情を浮かべると、お返しとばかりに大振りの張り手を叩き込む。
バシィィィ・・・
「痛っ・・」
ガードの上からでも衝撃が大きく、乙羽がフラつく。
しかしミドルキックを返していく乙羽。
バシィィィ・・・
形は綺麗でないが、打撃技で前に出る乙羽に観客席が盛り上がる。
理絵も掌打で反撃すると、乙羽は距離を置いて構えた。
圧倒的な体格差から慎重に距離を置く乙羽。
理絵が前に出ると、乙羽は膝を狙った低空ドロップキックを放つ。
バシィィィ・・・
「ぐわあっ・・・」
理絵が悲鳴をあげた。乙羽のドロップキックが上手く真正面から膝を襲いダメージを与えたのだった。
更に乙羽がドロップキックを放つと、理絵が膝を押さえてダウンした。
『乙羽〜っ・・・やっちゃえ〜っ!』
『チャンスチャンスっ!』
観客席が理絵のダウンに盛り上がると、乙羽は飛び込むようにストンピングを叩き込む。
バシッ・・・バシッ・・・バシッ・・・
顔面を蹴られると両脚をバタバタさせて嫌がる理絵。
更に膝にもストンピングを入れてから、乙羽がアキレス腱固めを仕掛けた。
グイッ・・・
「ぐわああぁぁぁぁぁ・・・・あああああっ・・・」
乙羽が必死に極めていくと、理絵が悲鳴をあげた。
マットを叩いて苦しむ理絵。レフリーもギブアップの確認をしていくが、理絵はギブアップは拒んだ。
「ノォォォォォ・・・・」
乙羽も必死に極めていくが、完全に極まれば即ギブアップもあり得るが、完全ではなかった。
ゆっくりとロープに逃げていく理絵。乙羽も必死に極めようとするが、理絵の手がロープを握る・・・。
『ブレークっ・・・』
レフリーが乙羽に技を解くように指示すると、観客席からは溜息が漏れる。
立ち上がると距離を置いていく乙羽。
一方、理絵はゆっくりと立ち上がると膝を気にしていた。
膝を気にしているからと、乙羽は飛び込むようにローキックを叩き込む。
バシィィィ・・・
「・・・」
理絵の表情が苦悶に歪む。
更にローキックが叩き込まれていくと、理絵はロープに逃げた。
『乙羽っ・・・乙羽っ・・・乙羽っ・・・乙羽っ・・・乙羽っ・・・・』
会場からは乙羽コールが起きていくと、理絵は苛ついていく・・・。
距離を詰めていく乙羽。
一方、理絵は膝を気にしながら構えている。
乙羽が珍しい掌打を放つと、理絵は前に出た。
バシッ・・
「えっ・・・」
前に出てきた理絵に驚く乙羽。
「捕まえた・・・ふふふっ・・・」
遂にベアハッグ気味に乙羽を捕まえた理絵。
「い、いやっ・・・は、放してぇぇぇ・・・」
乙羽が悲鳴をあげると、乙羽コールが会場内から消えていく・・・。
理絵はそのまま抱きついた状態からコーナーに押し込んでいくと、一気にコーナーに背中から乙羽を叩き付ける。
バッシーン!
「ああんっ・・・」
堪らずコーナーに寄りかかってグッタリする乙羽。
コーナーを蹴って勢いをつけてタックルを仕掛ける乙羽だが、体重差から倒すことが出来ないと、逆にコーナーに押し込まれてダメージを負っていく。
理絵は片手で喉輪の様に乙羽の喉元を掴むと、片手で自慢のバストへパンチを叩き込んだ。
グニュ・・・
「あああああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
理絵の拳が叩き込まれると、乙羽のビキニに包まれたバストがひしゃげる。同時に乙羽が絶叫した。
更に理絵がパンチを叩き込むと、レフリーがロープを掴んでいるからと理絵を離した。
乙羽はコーナーで胸を気にしているが、レフリーは続行の指示をした。
『ファイトっ!』
コーナーから逃れようと乙羽がエルボースマッシュを叩き込むと、理絵はヘッドバッドでコーナーに押し戻していく。
「いくぞぉぉぉぉぉ・・・」
理絵が観客にアピールすると、一気にヒッププッシュの体制に持っていく。
「い、いやあぁぁぁ・・・」
しかし乙羽が悲鳴をあげながら上手く逃れると、理絵に膝蹴りを叩き込んでコーナーに押し込んだ。
コーナー串刺しのドロップキックを更に叩き込むと、乙羽は距離を置いてジャンピングニーパッドを叩き込む。
バキッ・・・
「ぐわっ・・」
堪らず理絵がコーナーに崩れ落ちていくと、またも乙羽コールが起きていく。
乙羽も勝負を賭けようと、飛び上がってフットスタンプを脇腹に叩き込むと、理絵は苦悶の表情を浮かべてリング下に逃れていく。
リング下で倒れている理絵に、乙羽はエプロンサイドから勢いをつけるようにフットスタンプを叩き込む。
ボシュ・・・
「グエッ・・・」
堪らず理絵が涎を垂れ流す。乙羽でも勢いをつけたフットスタンプはダメージを与えていた。
乙羽は続けてストンピングで攻め込むと、理絵は俯せ状態になってから立ち上がろうとする。
立ち上がろうとする理絵の顔面に低空ドロップキックを放つ乙羽。
バシィィィ・・・
「ぐわあっ・・・」
またも理絵がリング下で倒れ込むと、乙羽はリング上に上がって片手を挙げてアピールしていく。
観客席は盛り上がっていくが、理絵は焦りだしていた。
しばらくしてリングに上がる理絵。
乙羽も冷静に距離を置いていくと、理絵は仁王立ちで立っている。
動かない理絵に対して、乙羽が飛び込んでローキックで膝を攻め立てる。
バシィ・・バシィィィ・・・
数発蹴りが入るが、理絵は動かない。
更に乙羽が前に出ると、カウンターの張り手が炸裂した。
バシィィィ・・・
「ふぐうっ・・・」
変な悲鳴をあげてダウンする乙羽。
理絵は一気に髪を鷲掴みにして起こしていくと、コーナーに連れて行ってコーナーポストに顔面を叩き付ける。
バッシーン・・・バッシーン!
「ああん・・・あああっ・・・」
顔面を叩き付けられて悲鳴をあげる乙羽。
続けてヒッププッシュの体制に持っていくと、一気にヒッププッシュでコーナーと巨体で押し潰した。
ドシュ・・・
「ぐふうっ・・・」
泣きそうな表情でコーナーに崩れ落ちる乙羽。しかし必死にパンチを放って抵抗していく。
乙羽のパンチに笑みすら浮かべる理絵は、髪を掴んで起こしていくと、コーナーに寄りかからせて水平チョップを喉元に叩き込んだ。
バッシーン!
「ぶふっ・・・ううっ・・・」
コーナーに寄りかかってグッタリする乙羽。
更にヘッドバッドを叩き込むと、乙羽が涙目になりながらもエルボーで抵抗していく。
乙羽の粘りに距離を置いていく理絵。
逆に乙羽は前に出てエルボースマッシュを叩き込む。
バシッ・・・バシッ・・・
更に倒そうと乙羽が胴タックル気味に組み付くと、理絵が首に腕を巻き付けるように変形DDTを仕掛けた。
バシィィィ・・・
DDTを仕掛けたと言うより、脚へのダメージから倒れ込んだ偶然だったようにも見えるこの技だが、体重差から乙羽に大きなダメージを与えた。
俯せ状態で苦しむ乙羽。
ロープに逃れようと這うように手を伸ばす乙羽。理絵は不気味な笑みを浮かべると、ストンピングを腰に叩き込む。
バシィィィ・・・
「ああああああっ・・・」
理絵のストンピングが叩き込まれると、乙羽が悲鳴をあげる。
バシィィィ・・・
「んああぁぁぁぁ・・・・」
更に蹴りを入れて仰向けにすると、地下リングで理絵が使うのは初のフットスタンプを叩き込む。
軽く飛び上がるだけでも余りに凄まじい破壊力。乙羽の柔らかいお腹を理絵の全体重が襲った。
ボシュ・・・
「うぐっ・・・・・ホゲェェェェ・・・・」
激しく口から反吐を吐き出す乙羽。
理絵がガッツポーズを取る足元で、両手をお腹に当てて藻掻き苦しむ乙羽。膝へのドロップキック攻撃でダメージを受けて、理絵が乙羽を痛め付けようと考えている様子のリング上。
苦しむ乙羽のお腹を狙ってストンピングを叩き込む理絵。
ボシュ・・・ボシュ・・・
「うげっ・・・ぐべぇ・・・」
お腹への集中攻撃に胃液などを噴き出していく乙羽。
グッタリしていると、レフリーが理絵を止めてリングドクターを呼び込んだ。
『レフリーの判断により、一時試合を中断します・・・』
リングアナも説明する中、リングドクターの西河史子が険しい表情で乙羽の様子を診た。
口の周りの吐瀉物を拭き取ったり、ペットボトルで口の中を漱いだり、飲ませたりしていく史子。
コーナーに椅子が用意され、史子にチェックを受ける乙羽。当然だが試合が途中で終わるはずもない。
レフリーも乙羽の様子を見ている中、理絵がいきなりリングドクターの史子の髪を掴んでリング下に落としていくと、続けてコーナーの乙羽にチョップを叩き込む。
バシィィ・・・バシィィ・・・
「ああんっ・・・あああっ・・・」
乙羽が悲鳴をあげると、更に理絵がコーナーに追いつめてヒッププッシュで押し潰す。
トップロープを掴んで理絵が乙羽の身体を押し潰す。
グイッ・・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・・」
またも響き渡る乙羽の悲鳴。
会場内からは激しいブーイングの嵐。
『やめろぉぉぉぉ・・・乙羽が死んじゃうよ!』
会場内のブーイングに笑みを浮かべると、理絵は乙羽の髪を掴んで起こしていく。
グッタリとしていると、ビキニに手を掛けていく。
「ぐふふっ・・・ファンサービスだよ・・・」
理絵が呟くと、乙羽のビキニのブラジャーを剥ぎ取っていく。
89pのバストが露わになるが、観客席からはあまり歓声がおきない。
トップレス状態の乙羽をトップロープとセカンドロープに絡ませていくと、露わになるバストに掌底気味に手を叩き込む理絵。
グニュ・・・グニュゥゥゥ・・・
「ああああっ・・・んあああっ・・・うわあっ・・・」
乙羽のバストが激しく叩き付けられると、悲鳴が口から漏れていく。上下左右とひしゃげていく乙羽の乳房。
更に顔面にも張り手が叩き込まれていくと、口の中が切れて血飛沫を飛ばしていく乙羽。
鼻血も激しく垂れ流れる中、レフリーが理絵を止めていく。
乙羽も意識を遠のかせている様な状態だが、レフリーが続行を指示した。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に、理絵は乙羽をロープから放して押し倒す。
力なく仰向けにリングに倒れ込む乙羽。
その乙羽に両手を広げてアピールしながら跨いでいく理絵。
激しくなるブーイングの中、笑みすら浮かべる理絵。女相撲のアスリートから立派な地下リングでのヒールと化した理絵は、飛び上がるようにしてヒップドロップをお腹に叩き込んだ。
ボシュ・・・
「ぶぐうぅぅぅ・・・」
またも口から激しく胃の中の物を噴き上げる乙羽。
あまりの激しいヒップドロップに身体をピクピクと痙攣させる乙羽。理絵は更に立ち上がるとヒップドロップを狙っていく。
乙羽も失神していないからロープに逃れようとするが、身体が動かない。
グシャアァァァァ・・・
「ホゲェェェェェェェ・・・・」
更に理絵のヒップドロップが炸裂すると、口から残った胃液の様なものを吐き出す乙羽。完全に失神状態でグッタリしている。
レフリーも驚いてゴングを要求すると、リング上にゴングが鳴り響いた・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが鳴るが、理絵は更に馬乗りになって乙羽を殴りつけると、黒服がリング上になだれ込んで止めていく。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが更に打ち鳴らされる中、黒服が理絵を離していく。
一方、失神している乙羽はリング下に降ろされていくと、急いで医務室に運ばれていくのであった・・・。
沖菜恵に続いて今夜2人目の犠牲者・・・。観客は最後の挑戦者に期待が高まった・・・。



第17試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールに軽快にリングインするのは、女優として活躍し始めた左藤めぐみ。白いワンピース水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって一礼していく。
久しぶりのリングでロープの張り具合などを確かめると、対戦相手を待った・・・。
一方めぐみの対戦相手としてリングインしたのは、女優としてドラマなどで活躍している常和貴子。胸の谷間が強調された白いワンピース水着に、白いリングシューズでの登場に観客席が盛り上がっていく。今夜が地下プロレス4戦目の貴子。
『青コーナー〜・・・身長162p、上から85、58、85〜・・・常和〜貴子〜っ!』
早くもコールされると、貴子が観客席に向かって一礼していく。下を向くと胸の谷間に視線が集まるが、貴子はゆっくりと強調するように一礼していた。
『赤コーナー〜・・・身長163p、上から82、57、83〜・・・左藤〜めぐみ〜っ!』
一方めぐみはコールを受けると一礼してコーナーに寄りかかると、対戦相手の貴子を見つめる。
『カァーン!』
そしてゴングが鳴らされると、勢い良くコーナーから飛び出していく貴子とめぐみ。
リング中央で睨み合っていくと、まずは貴子が片手を伸ばして力比べを誘う。
その誘いにめぐみも手を伸ばすと、ガッチリと片手を組み合う両者。
もう一方の手も組み合うかと注目の中、いきなり貴子が膝蹴りから腕を取ると、一気にロープに振っていく。
ロープから戻るめぐみにエルボーを叩き込むと、フラついた所へボディスラムでマットに叩き付ける貴子。
バッシーン!
「あうっ・・」
苦しむめぐみだが、素早く立ち上がって脚にタックル気味に絡んで倒すと、そのままフォールしていく。
『ワン・・・・ツー・・・・』
カウントが進むが貴子が返すと、めぐみが続けて座らせた状態からスリーパーを仕掛けた。
グイッ・・・
「んぐっ・・・」
顎に腕を回しての綺麗なスリーパーで締め上げるめぐみ。
これには貴子も嫌がるようにロープに逃れようと脚を伸ばしていく。
するとめぐみが技を解いて立ち上がると、ロープに走っていく。貴子は立ち上がると、ロープから勢い良く戻ってきためぐみがドロップキックを放った。
バシィィィ・・
「ああんっ・・・」
バストに命中して悲鳴をあげて倒れ込む貴子。
更に立ち上がる貴子のバストへドロップキックが叩き込まれると、貴子は胸を押さえて藻掻き苦しんだ。
続けてめぐみが髪を掴んで起こしていくと、今度は貴子がお腹にパンチを入れて反撃すると、お腹へ数発パンチを入れていく。
しかしめぐみも放さずに、貴子の額ににグーパンチを叩き込むと、貴子の悲鳴がリングに響き渡る。
ゴキッ・・
「痛いぃぃぃぃぃぃ・・・・」
これには観客席からブーイングが起きると、レフリーもめぐみに注意していく。
レフリーの注意にめぐみが貴子から離れると、貴子も水着の胸元を気にしながら距離を置いて構えた。
『ファイトっ!』
レフリーの掛け声に貴子が距離を詰める。
めぐみも何かを仕掛けようと距離を詰めると、いきなり貴子がエルボースマッシュを叩き込んだ。
ゴキッ・・・
頬に肘を受けて動きの止まるめぐみに、いきなり貴子がコブラツイストを仕掛けた。
グイッ・・・
「ほらほらっ・・・ギブアップする!」
「ノォォォ・・・まだまだ〜っ!」
貴子が叫ぶと、めぐみも返す。
めぐみも額から汗を流しながら耐えていくと、貴子はバランスを崩させてグラウンドコブラからフォールしていく。
『ワン・・・・ツー・・・・』
しかしめぐみが返した。
返されると貴子が立ち上がってストンピングを叩き込んでから、首に両脚を絡めてヘッドシザースで締め上げた。
グイッ・・・
腰を浮かせたりしてスタミナを奪っていく貴子。めぐみも苦しいからと両脚をバタバタさせて藻掻き苦しむ。
更に左右に振ったりして貴子が攻めていくと、めぐみは逃れようと藻掻いていく。
藻掻くめぐみを放す貴子。素早く立ち上がると、脇腹にニードロップを叩き込んだ。
ボシュ・・
「んあああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
これにはめぐみが絶叫してリング下に転がりながらエスケープした。
リング下で脇腹を押さえて苦しむめぐみ。貴子もリング下に降りていくと、苦しむめぐみの脇腹にストンピングを叩き込んだ。
バシッ・・・バシッ・・・
「んああぁぁぁ・・・・あああぁぁぁぁ・・・」
蹴られる度に悲鳴が響き渡るリングサイド。
「起きろぉぉぉぉ・・・」
貴子が叫びながらめぐみを起こしていくと、リング上に戻していく。
続けて貴子がリングに戻ると、ゆっくりとフォールした。
『ワン・・・・ツー・・・・』
しかしめぐみの脚がロープに伸びた。
悔しそうな表情の貴子は、続けて首4の字固めを仕掛けるが、めぐみがロープに逃げてレフリーが放していく。
『ブレークっ・・・』
レフリーの指示で貴子が放すと、一気に立ち上がって距離を置く。
めぐみも呼吸を整えながら立ち上がると、貴子との距離を置いていく。
『ファイト!』
レフリーが掛け声をあげると、貴子とめぐみの距離を詰まった。
今度はめぐみからエルボースマッシュを仕掛けると、貴子も負けずにエルボースマッシュを返していく。
女優の命とも言える顔に肘が容赦なく叩き込まれると、観客席も盛り上がっていく。
更に張り手合戦になっていくと、お互いが一歩も引かない展開に歓声がリングに送られた。
パシッ・・・パシッ・・・バッシーン!
しばらく張り手が続くと、いきなり貴子が蹴りからラリアットを仕掛けた。
バシィィィ・・・
いきなりのラリアットに大の字になるめぐみに、貴子がフォールする。
『ワン・・・・ツー・・・・スリ・・・・』
しかしめぐみもカウント2.6で返した。
返しためぐみを起こしていく貴子。しかし貴子もペースを握っていて油断したのか、めぐみが一瞬の隙を突いて逆さ押さえ込みを仕掛ける。
これには貴子が両脚をバタバタさせてバランスを崩させるとフォールまでにはいかなかった。
悔しがってマットを叩くめぐみ。
お互い立ち上がると、今度はめぐみが貴子をロープに振る。
ロープから勢いよく返ってきた貴子にジャンピングニーパッドを叩き込むと、続けて起こしてボディスラムを仕掛けた。
バッシーン!
「あうっ・・・」
倒れた貴子に逆エビ固めを仕掛けるめぐみ。
これには貴子が苦悶の表情でロープに手を伸ばす。
グイッ・・・
「くうぅぅぅ・・・ううっ・・・」
ロープまで距離があるから少しずつ両腕で逃げようとする貴子。手を伸ばすもロープに手が届かない。
必死な貴子だが、胸の谷間を強調していた水着だけに乳房が飛び出しそうになって、観客の視線が集まる。
綺麗な乳首が露わになるが、貴子はロープに逃げる事を考えていて気にもしていない。
何とかロープに手が掛かると、レフリーがめぐみに放すように指示した。
『ブレークっ・・・』
水着がズレて片方の乳房が露わになっている貴子。水着を直そうとすると、めぐみが距離を詰める。
水着を直した貴子に、めぐみは飛び込んでのフライングラリアットを仕掛けた。
そのまま倒れ込むようにフォールすると、レフリーのカウントが入る。
『ワン・・・・ツー・・・・』
しかし貴子もまだスタミナが切れていないからと返す。
返した貴子にスリーパーで締め上げるめぐみ。
グイッ・・・
苦しむがロープに逃げる貴子。続けてめぐみは技を解いて一気にサーフボードストレッチで痛め付けていく。
胸をマットに押しつけられて、腕を掴まれて苦しむ貴子。
マットに押しつけられた貴子のバストは、水着の間から露わになる寸前の様にも見えて観客も喜ぶ。
更に技をキャメルクラッチに移行するめぐみ。
上半身を反らされて苦しい貴子。両脚をバタバタさせて苦しむが、レフリーのギブアップの問いかけには拒んでいく。
『常和っ・・ギブアップ?』
「ノォォォォ・・・・ノォォォォォ・・・・」
めぐみはギブアップ狙いで揺さぶり掛けると、貴子は苦しむがギブアップは拒んだ。
顎をガッチリと極められて反らされて、揺さぶりまでされてまたも水着から乳房が露わになっていく貴子。
観客席が貴子のバストに盛り上がる中、めぐみは更に揺さぶっていく。
レフリーは続けてギブアップの確認をしていくが、貴子は耐える。
「ノォォォォ・・・ノォォォォ・・・・」
耐える貴子を解放して立たせていくめぐみ。
「立てぇぇぇ・・・常和っ!」
めぐみが叫ぶと、貴子も応じる。
「うりゃあっ!」
いきなり顔面にラリアットを叩き込む貴子。勢いはなかったがめぐみがフラつく。
「女優だったら脱ぎくらいしてみろぉぉぉ・・・」
貴子は続けてフラつくめぐみの水着に手を掛けると、嫌がるようにロープに逃げるめぐみ。
「何するのよ、やめてよぉぉ・・・」
めぐみが貴子を突き放すと、一気にドロップキックで反撃にでる。
だが貴子も避けて自爆させると、ストンピングからリング下にめぐみを落としていった。
めぐみを落とすと水着を直していく貴子。ゆっくりとロープを掴んでエプロンサイドに立つと、めぐみが立ち上がった所へエプロンサイドから助走をつけてボディアタックを仕掛ける貴子。
意外な技に歓声が起きる中、押し潰されて苦しいめぐみ。
ガッシャーン!
「あうっ・・」
貴子も必死になって起こしていくと、鉄柵に叩き付けてリングに戻っていった。。
苦しむめぐみはゆっくりとリングに戻っていくと、距離を置いていく。
『ファイトっ!』
レフリーの掛け声に構えて距離を詰めるめぐみと貴子。
いきなり貴子がグーパンチを仕掛けると、めぐみも負けずに殴り返す。
ゴキッ・・バキッ・・・
顔面に容赦なく叩き込まれる拳。痛さに耐えながらも相手の顔を狙って殴りつけていく両者。
これにはレフリーが顔面へのパンチは反則だからと止めていく。
『ストップ・・・ストップ・・・・顔面へのパンチは反則だ!』
レフリーに止められる、今度はめぐみが貴子のバストへパンチを叩き込む。
グニュ・・・
「痛いっ・・・」
堪らず動きが止まる貴子。胸へ拳を叩き付けられて苦しんでいる。
更に膝蹴りをボディに叩き込んで膝をつかせると、めぐみがロープに走った。
「決めるぞぉぉぉぉ・・・」
ロープから戻ると時にアピールすると、一気に低い姿勢の貴子にシャイニングウィザードを叩き込むめぐみ。
バキィィィ・・・
めぐみの膝が顔面にヒットすると、貴子がグッタリと倒れ込んだ。
「レフリーフォール!」
めぐみが続けてレフリーにアピールしながらフォールすると、レフリーがカウントを数える。
『ワン・・・・ツー・・・・スリィぃぃ・・・・・』
「ああっ・・・」
まさにカウント2.99で返した貴子。これには観客席が盛り上がる。
苦しそうな貴子を起こしていくめぐみ。ゆっくりとバックを取ると、バックドロップでマットに叩き付けた。
バシィィィ・・・・
大の字になる貴子のバストへエルボードロップを叩き込んでフォールしていくめぐみ。
『ワン・・・・ツー・・・・スリ・・・・』
これも返していく貴子。しかし呼吸も荒く苦しそうな表情を浮かべている。
だがめぐみも呼吸を荒くしてスタミナが切れかかっている様子。
フラつきながらも立ち上がると、ゆっくりとギロチンドロップを喉元に叩き込むと、めぐみがフォールする。
『ワン・・・・ツー・・・・』
しかしこれも返す貴子。
逆に悔しそうな表情のめぐみは、立ち上がるとバストにストンピングを叩き込んでから、脚を掴んでから足4の字固めを仕掛けた。
グイッ・・・
「んあああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・ああああぁぁぁ・・・」
両脚から全身に走る激痛に貴子が絶叫する。
「ギブアップ?・・・ギブアップ?」
めぐみは逆に貴子にギブアップを迫るが、貴子は首を縦に振らないで横に振って耐えている。
「ノォォォォォ・・・・」
レフリーも貴子が耐えるからと様子を見ているが、ロープに逃げたくても手が届かない貴子は、必死に左右に身体を振るようにしてリバースしようとする。
めぐみも反転されると苦しくなるからと、両手を開いて踏ん張る。
しばらくすると技を解いていくめぐみ。貴子は脚へのダメージで立ち上がれないと、髪を掴んで起こしていく。
フラついていた貴子だが、起こされるといきなり逆さ押さえ込みを仕掛けるが、めぐみがバランスを崩させて逃げた。
油断していたのか、めぐみの表情に焦りの色が浮かんだ。
一気に貴子が勝負を賭けようとラリアットを仕掛けると、めぐみが咄嗟に脇固めで切り返す。
グイッ・・・
「んあぁぁぁぁぁ・・・」
これには両脚をバタバタさせて苦しむ貴子。ロープから離れているから逃げることも出来ずに苦しむ展開。
めぐみもギブアップ狙いで極めていくと、ここで貴子がタップした。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音にめぐみが技を解くと、マットに座ったまま周りを見渡した。
一方俯せ状態でグッタリしている貴子。
しばらくしてリングアナがコールした。
『ただ今の試合、脇固めで左藤めぐみの勝利となりました!』
コールを聞いためぐみは起きあがろうとする貴子に握手を求めると、一礼してリングを降りるのであった。
また負けた貴子は、観客席に一礼して降りるが次回は試合に勝利しようと誓うのであった。
女優同士のプロレスマッチ。残酷な試合の後だけに観客もタレントのプロレスに拍手を送っていた。


第18試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、黄色いタクシーの大池栄子と根元晴美。胸の谷間をアピールした黒いスポーツビキニに黒いリングシューズ。リングインするとガッツポーズでアピールする2人。
その対戦相手としてリングインするのは、あのOプロ美女軍団から石河亜沙美と多丸麻紀。白い競泳水着に白いリングシューズで対照的なリンコス。スレンダーな2人に早くも観客席から歓声がおきていた。
『18試合っ・・・事務所対抗タッグマッチ〜っ・・・青コーナー〜・・・身長164p、上から103、60、88〜・・・根元晴美〜っ!・・・身長166p、上から91、59、87〜・・・大池栄子〜っ!』
コールを受けると観客に片手を挙げてアピールする栄子と晴美。
『赤コーナー〜・・・身長178p、上から83、63、88〜・・・石河亜沙美〜っ!・・・身長172p、上から84、59、87〜・・・多丸〜麻紀〜っ!』
そしてコールを受けると一礼して観客にアピールする亜沙美と麻紀。ただ麻紀は地下リングの経験からも、晴美と栄子の迫力に焦りを感じている様子だった。一方、反対コーナーでは栄子が晴美に麻紀を狙おうと囁く・・・。
そして先発は麻紀と晴美が出ると、ゴングが鳴らされた。
『カァーン!』
歓声の中でいきなり麻紀が走り込むと、ネックブリーカードロップで晴美を倒していく。
後頭部を叩き付けられて痛がる晴美に、麻紀が素早く立ち上がるとヘッドロックで締め上げた。
グイッ・・・
サイドヘッドロックの体制になっていくと、バックドロップの反撃などを警戒する麻紀。
しかし力の差から晴美にロープに振られていく麻紀。
ロープから勢いよく戻ると、逆にジャンピングニーパッドで晴美を倒していく麻紀。
バキィィ・・・
顎に膝が炸裂すると、晴美は倒れ込んだ。
『ワン・・・・ツー・・・・』
早くもフォールしていく麻紀。しかし晴美も余裕をもって返した。
返されても座った状態の晴美にスリーパーで締め上げる麻紀。
グイッ・・・
麻紀の細い腕が晴美を締め上げる。しかし晴美がロープに逃げると、レフリーが離していく。
『ブレークっ・・・』
レフリーの指示に麻紀が放すと、ゆっくりと立ち上がる晴美と麻紀。
すると、麻紀がドロップキックを仕掛けた。
バシィィィ・・・
「えっ・・」
しかし晴美が踏ん張って倒れないと、立ち上がる麻紀に至近距離からラリアットを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・・
「ふぐうっ・・・」
変な声を発して大の字になる麻紀。突然の強烈なラリアットに呼吸を荒くしている。
逆に晴美は片手を挙げてアピールすると、喉元にストンピングを叩き込んでから、髪を鷲掴みにして起こしていく。
すると、コーナーでは栄子が膝を出して晴美に声をあげると、晴美はコーナーに連れて行って栄子の膝に麻紀の顔面を叩き付けていた。
バキッ・・・
「痛いぃぃぃ・・・」
悲鳴をあげる麻紀。晴美は栄子とタッチした。
「おらあっ!」
気勢をあげて麻紀に蹴りを入れる栄子。フラつく麻紀に、力の差を見せつけるようにボディスラムでマットに叩き付けた。
バッシーン!
「ああんっ・・・ああっ・・・」
苦悶の表情を浮かべる麻紀。その麻紀の顔面を踏み付けてアピールする栄子だが、観客席からはブーイングが聞こえていた。
両脚をバタバタさせて苦しむ麻紀。コーナーでは亜沙美が心配そうに見つめている。
そして麻紀の髪を掴んで起こしていく栄子。
バシィィィ・・・・バッシーン!
しかし麻紀も張り手で反撃するが、逆に張り手を受けてフラついていた。
更にはヘッドバッドを叩き込まれて、コーナーに押し込まれていく麻紀。
コーナーに寄りかかるようにされて捕まっていると、背後からは晴美が鼻に指を入れて引っ張り上げて、前からは栄子がお腹にパンチを叩き込んで痛め付けていく。
ドスッ・・ドシュ・・・
「んがっ・・・ああっ・・・ぐわっ・・・」
藻掻き苦しむ麻紀。反対コーナーで亜沙美がレフリーに声をあげる。
「レフリーぃぃぃぃ、反則、反則でしょ!」
亜沙美の言葉にレフリーが栄子と晴美に注意するが、栄子の腹パンチは止まらない。
逆に晴美がレフリーに文句を言い出すと、亜沙美が反対コーナーに飛び出した。
だがレフリーが亜沙美を制止していく。
「何するのよ、向こうが反則でしょ!・・・ちょっと、止めてよ!」
怒る亜沙美。
『こらっ、レフリーの言うことを聞けっ!』
レフリーも亜沙美に言葉を返す。当然会場はブーイング。
その隙に晴美はタッチロープを掴んで笑みを浮かべているが、亜沙美は納得しない表情でコーナーに戻っていった。
「いくよぉぉぉぉぉぉ・・・」
栄子がフラフラしている麻紀の髪を掴むとアピールした。
ボシュ・・・
「グボッ・・・」
お腹を抉る栄子の強烈なヒザ蹴り。麻紀は一瞬動きが止まると、口から涎を垂らしながら身体をくの字にしてから膝をついた。
「おらっ、まだなんだよ・・・」
更に栄子は背中に蹴りを入れて俯せにしていくと、反対コーナーの亜沙美に苦しむ麻紀の表情が見えるように、キャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・・
「あああああっ・・・」
苦しむ麻紀。栄子が揺さぶりかけると、晴美がコーナーから飛び出す。
バシィィィィ・・・・
そして晴美が強烈なノーガードキックを麻紀の胸に叩き込むと、栄子が放した瞬間に麻紀が半失神状態の様にグッタリとした。
更に後頭部にギロチンドロップを叩き込んでコーナーに戻る晴美。
栄子も立ち上がると、ゆっくりと麻紀を起こしていく。
意識を朦朧とさせている麻紀。しかし目の前の栄子のお腹にパンチを入れて反撃を試みた。
ボシュ・・バシッ・・・
「くうっ・・くっ・・・」
必死に拳を叩き込む麻紀。しかしダメージも大きく栄子にダメージはあまり与えられない。
「ふん、結構根性あるじゃないの・・・ほらっ!」
バシィィィ・・・
栄子が麻紀に囁くと、至近距離からラリアットを叩き込んだ。
またも大の字になってグッタリしている麻紀。
「レフリー、フォールねっ!」
栄子はゆっくりとカバーしていくと、レフリーにカウントを要求した。
『ワン・・・・ツー・・・・スリ・・・・』
「おっと・・・まだ楽しませてよね・・・」
返せない麻紀の肩を栄子が浮かせてカウントを止めていく。
今度は麻紀を起こしてから抱え上げると、走り込んでアバランシュホールドを炸裂させた。
全体重を乗せて亜沙美の目の前で麻紀を失神寸前に追い込む栄子。
小刻みに麻紀の身体を震えている。亜沙美は必死にタッチを呼びかけた。
「麻紀っ、タッチ・・・タッチ!」
タッチロープを掴んで手を伸ばしていく亜沙美。
「・・・・・うっ・・・うっ・・・・」
呻き声みたいに小声を発する麻紀。手を伸ばすが栄子が競泳水着に包まれたバストを踏み付けていく。
グイッ・・・
「あうっ・・・」
胸を踏み付けられて麻紀の表情が苦痛に歪む。
「ほらほらっ、タッチしてみなよ・・・」
栄子は観客からのブーイングを楽しむかのように胸を踏み付けていく。
麻紀も少しずつ亜沙美に近づくと、何とかタッチした。
タッチすると亜沙美が勢いよく飛び込むと、栄子にエルボースマッシュから肩に空手チョップを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・
勢いに押されて栄子がフラつくと、亜沙美が張り手を叩き込んだ。
バッシーン!
「痛っ・・・何するんだよ!」
だが栄子も気の強さは負けていない。亜沙美に次の瞬間張り手を返した。
バッシーン!
「くっ・・・」
亜沙美も負けずに張り手を叩き込むと、お互いが意地になったように張り手を張り始めた。
バッシーン!・・・バッシーン!・・・・
何発もお互いの頬が腫れるような感じになっても、張り手を止めない両者。
すると、栄子が折れてグーパンチを叩き込んだ。
バキッ・・・
「痛いっ・・・反則じゃないの!」
亜沙美が一瞬フラつくが、怒って膝蹴りを返すと栄子が倒れ込む。
「麻紀のお返しよ!」
更に亜沙美のストンピングが栄子の全身を襲うと、晴美がコーナーから飛び出した。
だが亜沙美が長身から繰り出すトラースキックで晴美を倒すと、続けて飛び上がって威力を増したニードロップを栄子のお腹に叩き込んだ。
ボシュ・・・
「ぐふうっ・・・」
流石の栄子も両手でお腹を押さえて転がりながら苦しむと、そのままコーナーの晴美にタッチしていく。
タッチされると晴美がリングに入るが、まずは亜沙美との距離を置いた。
亜沙美も体格差から冷静に距離を置くと、まずはローキックから牽制していく。
バシィィィ・・・
亜沙美のローキックにガードを固める晴美。
更に亜沙美のローキックが炸裂していくと、晴美はタイミングを計っていた。
そして次のローキックに合わせてタックルを仕掛ける晴美。
ゴキッ・・・
しかし亜沙美も反撃を予想していたのか、カウンターの膝蹴りを顔面に叩き込んだ。
鈍い骨と骨が当たる様な音がリング上に響くと、グッタリと晴美が俯せにダウンした。
その晴美を仰向けにしてフォールしていく亜沙美。
『ワン・・・・ツー・・・・』
何とか返す晴美。しかしカウンターの膝蹴りは相当なダメージの様子。
更に亜沙美は立ち上がると、晴美の両脚を掴んで足4の字固めを極めた。
グイッ・・・
「ぐわああぁぁぁぁぁ・・・・ぐうぅぅぅぅぅ・・・」
足関節を極められて悲鳴をあげる晴美。
「ほらあっ・・・ギブアップて言いなさいよ!」
亜沙美も必死に足4の字固めを極めていくと、コーナーから栄子が飛び出した。
バシッ・・・バシッ・・・
ノーガードの亜沙美の顔面にストンピングを叩き込むと、続けて技を解かせていく。
レフリーも注意するが、栄子はレフリーを押しのけて蹴りを入れると、晴美を助けた。
立ち上がる晴美にエルボースマッシュから、助走をつけてネックブリーカードロップを仕掛ける亜沙美。
更にはチョークスリーパーを狙うが、これには晴美がロープに手を伸ばして逃げた。
『ブレークっ・・・』
レフリーが放させると、続けて亜沙美がリング中央に連れて行こうとするが、晴美がエルボーを叩き込むと亜沙美の動きが止まった。
2人相手の闘いにスタミナ切れなのか、亜沙美の白い競泳水着には汗が浮かぶ。
晴美はボディスラムで亜沙美を叩き付けると、喉元にエルボードロップを叩き込んだ。
グシャ・・
「ぐふうっ・・うううっ・・」
喉元を押さえて苦しむ亜沙美。晴美は栄子にタッチすると、亜沙美を起こしてコーナーに押し込んだ。
その亜沙美にコーナー串刺しのドロップキックを叩き込む栄子。
堪らずコーナーに崩れ落ちる亜沙美。その亜沙美の顔面を狙って晴美と2人で蹴りを叩き込んでいく。
バシッ・・バシッ・・・バシッ・・・
必死にガードしようとするが、ダメージが大きくなり顔面に容赦なく蹴りが入っていくと、亜沙美がコーナーにグッタリとしていく。
栄子が亜沙美の両足首を掴むと、ロープから離していくと、キャメルクラッチを仕掛けていく栄子。
スレンダー系美女の亜沙美の身体が反らされていく。背骨がギリギリと歪むような責めに亜沙美の表情が苦悶に歪んだ。
その亜沙美に更にダメージを与えようと、晴美がコーナーから飛び出すとノーガードキックを胸に叩き込む。
バシィィィィ・・・
「んぐうっ・・・」
蹴りの衝撃に呼吸が止まるような感覚に襲われた亜沙美。その亜沙美にチョークスリーパーの様に腕を絡めて、更に反らしていく栄子。
グイッ・・・グイグイ・・・
「んぐうっ・・・ふぐうっ・・・」
苦しさから逃れようと藻掻く亜沙美。すると、反対コーナーからダメージから戦線離脱していた麻紀がカットに入った。
バシィィィ・・・
栄子の後頭部にドロップキックを叩き込むと、技が解けたからと亜沙美を離していく。更に続けて晴美に対してもジャンピングニーパッドで倒してはリング下に落としていく麻紀。
フラつく亜沙美が立ち上がると、今度は栄子にキャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・・
「ぐわあっ・・・」
スポーツビキニの胸の谷間からバストが露わになりそうな栄子。
そのバストに、麻紀がお返しとばかりのノーガードキックを叩き込む。
バシィィィ・・・
更には顔面にも蹴りを入れていくと、流石の栄子も藻掻き苦しんだ。
ドロップキックのダメージからも栄子の口にギブアップの言葉も見え始めるリング上。
しかし晴美がリング下から戻ると、麻紀に喧嘩キックを叩き込んで栄子を救いに出た。
喧嘩キックを受けても苦悶の表情は浮かべるも、麻紀も張り手を返していく。
また亜沙美は栄子を揺さぶり続けると、レフリーもギブアップの確認をしていた。
晴美も亜沙美を攻めて技を崩させたいからと、亜沙美に飛び込む。
その態勢の崩れた晴美に麻紀が絡みつくと、体格差はあるがコブラツイストを仕掛けた。
「ぐわあっ・・・くうっ・・」
晴美が苦悶の表情を浮かべると、リング上では栄子と晴美の2人が関節技に苦しんだ。
観客席からは大歓声で、このまま栄子のギブアップ゛か期待されていたが、リングサイドに人影が動く・・・。
そう、試合の予定だった左藤江梨子がリングに乱入すると、驚く亜沙美の背中に鋭いキックを叩き込んだ。
バシィィィ・・・・
蹴られるが技を解かない亜沙美。更に江梨子のキックが炸裂すると、苦悶の表情で技を解いて倒れ込んだ。
麻紀も驚いて力を抜くと、晴美がコブラツイストから脱出して倒していく。
グッタリした亜沙美に対しては、江梨子が馬乗りから顔面に容赦ないパンチの連打。
また麻紀に対しては晴美が馬乗りになると、顔面へパンチを叩き込んでいった。
バシッ・・バキッ・・・
藻掻きながら江梨子に下から殴り返す亜沙美。だが栄子も入ってお腹にフットスタンプを叩き込むと、亜沙美の動きが止まっていく。
麻紀も上からギロチンチョークを受けて藻掻いているが、失神寸前状態に追い込まれている。
この事態にレフリーがゴングを要請、試合はノーコンテスト扱いとなってしまった。当然だが、観客席からは栄子、江梨子、晴美に対しての罵声が飛び交ったのは言うまでもない。
『カンカンカンカン・・・カンカンカンカン・・・』
乱打されるゴングの音。レフリーが栄子などを押さえようとするが、収拾がつかないと黒服もリング上に上がって止めていく。
黄色いタクシー勢がコーナーに集められると、痛め付けられていた亜沙美と麻紀も反対コーナーに戻る。
「汚い事やって、恥ずかしくないの!」
亜沙美が叫ぶ。その言葉に栄子が返した。
「何よ、弱いアンタ達に付き合う私たちの方が迷惑なんだよ!アンタだって、トーナメント優勝なんて言ってるけど、弱いのがエントリーしているのなんて意味ないでしょ!」
栄子の言葉に亜沙美も怒る
「何言ってるのよ、だったら私とシングル戦でも組んでもらう?」
「やる価値ないからいいよ、アンタなんて!」
亜沙美も栄子もエキサイトする中、試合が終了しているからとリングから降ろされるのであった。



第19試合

『選手入場っ・・・』
リングアナがコールする中、リングインするのはヘアヌードなどで話題を呼んでいたが、ヘア封印から女優に転向する仲谷佳織。胸の谷間をアピールした白いワンピース水着に白いリングシューズ姿で登場すると、一礼してリングインした。
コーナーに寄りかかると、対戦相手を待つ佳織。その佳織の待つリングに現れたのは、芸能界地下プロレスでは無冠の女王とも言われる藤原紀華。米蔵涼子に対してまた挑戦したいと言う気持ちを強く持つが、挑戦するチャンスが回ってこないからと、今夜は佳織との試合でアピールしようとしていた。佳織と同じく胸元の開いた白いワンピース水着に白いリングシューズの紀華。
『青コーナー〜・・・身長164p、上から86、57、88〜・・・仲谷〜佳織〜っ!』
コールを受けると一礼していく佳織。観客席からも声援が送られていく。
『赤コーナー〜・・・身長171p、上から88、60、89〜・・・藤原〜紀華〜っ!』
そしてコールを受けると紀華は観客席に向かって一礼してから、トップロープを掴んで飛び跳ねたりしてウォーミングアップする。
芸能界では紀華の方が上。しかし地下リングの実績では過去に2つのタイトルホルダーでもあった佳織が上だったが、今夜は一体どんな試合になるのか・・・。
『カァーン!』
ゴングが鳴らされると、まずは距離を置いていく両者。
佳織は紀華の打撃に注意しながら距離を置くと、紀華もまずは打撃でペースを握ろうと考えている。
シュ・・・
牽制の意味か紀華がハイキックを仕掛けるが、これには佳織はスウェー気味に避けていく。
だが踏み込むことの出来ない佳織。ハイキック後に構える紀華に距離を詰める事が出来なかった。
ゆっくりリングを回る佳織だが、紀華が少しずつプレッシャーを与えながら詰めていく。
シュ・・・
「おらっ!」
いきなり紀華が左右の掌打を放つと、佳織がガードを固めた。
顔面をガードする佳織に対して、紀華がローキックを叩き込む。
バシィィィ・・・
「痛っ・・・」
堪らず下がる佳織。更に紀華のローキックが炸裂していく。
バシィィィ・・・
ローキックを嫌がって佳織が距離を置いていくと、紀華は飛び込んで飛び膝蹴りを仕掛ける。
だが佳織も膝をキャッチして倒していくと、佳織がサイドポジションを奪う形でグラウンドに移行した。
紀華がブリッジで逃れようとすると、上手く俯せにして背後からスリーパーを仕掛ける佳織。
グイッ・・・
喉元を腕で締められた紀華は、ロープに手を伸ばして逃れていく。
『ブレークっ・・・』
紀華がロープを掴んだからと、レフリーが佳織に放すように指示する。佳織はレフリーの指示に技を解くと、立ち上がっては構えていく。
紀華が立ち上がると、距離を詰めながらも掌打を放っていく。
ガードを固めるが、頬にも掌打が炸裂すると、一瞬フラつく佳織。
負けずと張り手を返す佳織だが、紀華の勢いに押され始めると、前蹴りで距離を置こうとする。
お腹に蹴りを受けて苦しい紀華だが、前に出るとエルボースマッシュから動きの止まった佳織を下に向かせていく。
腕を固めてから、ダブルアームスープレックスでマットに投げつけた。
バッシーン!
「痛いぃぃぃ・・・」
堪らず悲鳴をあげる佳織。その佳織の髪を掴んで起こすと、今度はブレンバスターで投げつけていく紀華。
バシィィィ・・・
またもマットに叩き付けられて、苦悶の表情の佳織。
大技2連発に苦しい所へ、紀華がフォールしていく。
『ワン・・・・ツー・・・・』
だがまだ佳織もスタミナは十分で、余裕を持って返した。
返されるとマットに座らせる形で佳織にスリーパーを仕掛ける紀華。腕が容赦なく佳織の顎を締めていく。
グイッ・・グイッ・・
「ぐぐっ・・ううっ・・・」
佳織の表情が苦痛に歪む。技から逃れようと必死にロープに手を伸ばすが、紀華も逃さない。
佳織も苦し紛れに紀華の髪を鷲掴みにすると、紀華が堪らず技を解く。だが立ち上がり様に佳織の背中にサッカーボールキックを叩き込んだ。
バシィィィ・・・
「はうっ・・・」
これにはグッタリと倒れ込む佳織。
グイッ・・・
更に紀華が佳織を立たせていくと、ローキックで膝裏を攻めていく。
バシィィィ・・・
「ああんっ・・・」
蹴られると悲鳴をあげる佳織。更にミドルキックが脇腹を抉ると、佳織は堪らずロープに逃げていく。
トップロープを掴んで倒れないようにする佳織の顔面に、紀華が強烈なハイキックを叩き込んだ。
バシィィィ・・・
「んぐっ・・」
変な悲鳴をあげてダウンする佳織。堪らず転がるようにリング下に逃れていく。
リング下に逃げる佳織に、紀華も追うように降りていく。
リング下でグッタリする佳織にストンピングを叩き込むと、更に起こしてから鉄柵に振って叩き付けていく紀華。
ガッシャーン!
「あうぅぅぅぅぅ・・」
堪らず鉄柵に寄りかかるようにダウンする佳織。その佳織のバストに強烈なキックを叩き込む紀華。
バシィィィ・・・
「ああああぁぁぁぁ・・・」
これには絶叫して苦しむ佳織。鉄柵から腕が離れて、グッタリと俯せになっていった。
紀華はゆっくりとリング上に上がると、観客席に向かって腕を振り回してアピールすると、観客席からは歓声が送られていく。
佳織もフラフラしながらもリングに戻ろうとエプロンサイドに上がると、紀華が髪を掴んでいく。
嫌がるようにパンチで抵抗する佳織。
「覚悟しなさいよ・・・」
紀華が叫ぶと、エプロンサイドを歩かせてコーナーに近づくと、鉄柱に叩き付けようとする。
だが佳織も足を突きだして踏ん張ると、逆に紀華の顔面をコーナーポストに叩き付けて反撃した。
バシィィィ・・・
いきなりの反撃にフラつく紀華。更に佳織はトップロープに上がると、ボディアタックで紀華を倒していく。
『ワン・・・・ツー・・・・』
レフリーがカウントを数えるが、返していく紀華。
返されたからと、佳織も紀華の脚から狙って動きを止めようと、アキレス腱固めを仕掛ける。
だが紀華もヒールキックで抵抗すると、佳織は技を解いて立ち上がっていく。しかし足首は掴んでいた。
すると、一気に足4の字固めを炸裂させる佳織。
グイッ・・・
「んあぁぁぁぁぁ・・・・ぐうっ・・・くうっ・・・・」
両膝から全身に流れる激痛に、紀華の額に汗が流れ出す。
佳織も必死に極めていくと、紀華は耐えるが必死にロープに手を伸ばした。
ロープに手が届かないと、反転しようとして反撃を試みる紀華。
しかし佳織も上手く反転させないようにすると、紀華の悲鳴がリング上に響いた。
「痛いぃぃぃぃ・・・イタァァァァァ・・・・・」
悲鳴をあげる紀華を攻め上げる佳織。
しばらくすると、佳織は技を解いて立ち上がると、呼吸を整えながらもストンピングを叩き込む。
蹴られると紀華も転がるようにロープに逃げると、レフリーにロープをアピールした。
『ロープ・・・』
レフリーが佳織を離していくと、紀華がゆっくりと立ち上がっていく。
立ち上がると佳織との距離を詰めていく紀華。打撃の構えで距離を詰めると、いきなりローキックを放った。
バシィィィ・・・
「くっ・・・」
佳織の表情が苦悶に歪む。
更にローキックが入ると、蹴りに合わせたタックルを蹴り足に仕掛けた佳織。
これには紀華が倒されると、佳織も蹴りの衝撃で苦しみながらも有利な体勢を狙っていく。
素早くサイドポジションを奪っていくが、紀華もブリッジなどで抵抗を見せていた。
佳織が腕を狙うと、紀華は腕を引いて転がりながら立ち上がった。
佳織も立ち上がる紀華に低空タックルを仕掛けたが、無理があって倒せない。
その佳織の背中にパンチを落としていく紀華は、フロントスリーパーで締め上げる、力を入れてギブアップを狙う。
グイッ・・・
耐える佳織に、紀華は一気にDDTを仕掛けると、脳天から叩き付けられてグッタリする佳織。
仰向けにしてフォールする紀華。
『ワン・・・・ツー・・・・スリ・・・・』
しかし返していく佳織。まだ決定打にならなかった。
グイッ・・
マットに座らせる様にしてスリーパーで締めていく紀華。
佳織の表情が苦痛に歪む。必死にロープに手を伸ばしていく佳織。
しばらく締めていくと、紀華が技を解いて距離を置いていく。
佳織も喉元など気にしながら立ち上がると、紀華のローキックが脚を襲った。
バシッ・・・
「んあっ・・・」
堪らず声を漏らす佳織。
更に距離を詰めてはお腹に拳を叩き込んでいく紀華。
ボシュ・・ボシュ・・
「ふぐうっ・・・ぐぐっ・・・グボッ・・・」
ロープ際に追い込まれていく佳織。お腹への強烈なボディブローに涎を口から垂らしている。
佳織も紀華のボディにパンチを返すが、紀華が押していた。
更に膝蹴りを叩き込む紀華。
ボシュ・・・
「グボッ・・・」
バストへの膝蹴りに泣き出しそうな表情を浮かべる佳織。ダウンしないようにとトップロープを掴んで身体をくの字にする。
すると、紀華がステップを踏みながら顔面にハイキックを叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・
ノーガード状態でハイキックを受けてロープ際にグッタリと崩れ落ちる佳織。片手でロープを掴んでいるが、紀華に起こされていく。紀華は勝負とばかりに首相撲から膝蹴りを叩き込む。
ボシュ・・
「ふぐうっ・・」
堪らずダウンしながらリング下に逃げる佳織。
リング下でグッタリとしていると、紀華もリング下に降りて髪を掴んで起こしていく。
そしてリング上に戻していくと、佳織が苦しそうな表情を浮かべて上げられていく。
紀華もリング上に上がると、余裕とばかりに片手を挙げてアピールした。
観客席からも大きな歓声が起きると、紀華が佳織を起こしていく。
すると、一瞬の隙を突いて逆さ押さえ込みを仕掛ける佳織。
『ワン・・・・ツー・・・・スリ・・・・』
レフリーのカウントが進んだが、紀華の両脚をバタバタさせて形を崩して逃れた。
驚きの表情を浮かべる紀華。佳織は呼吸を荒くしながら倒れ込む。
グイッ・・・
「そろそろ決めるよぉぉぉぉ・・・」
紀華が叫んでから佳織を起こしていくと、コーナーに押し込んでからトップロープに上げていく。
そして自らもセカンドロープ上に上がると、雪崩式ブレンバスターを狙う。紀華にしては珍しい大技だったが、投げられる佳織としても雪崩式ブレンバスターは恐怖なのか、抵抗していく。
すると、紀華がバランスを崩してセカンドロープから落ちて倒れると、佳織もバランスを崩して倒れ込む。
その倒れ込んだ時、偶然にも紀華の身体を押し潰した。動きが止まる紀華と佳織。
フラつきながらも佳織が立ち上がると、片手を挙げてアピールする。
しかし紀華も佳織に脚を絡めると、倒してから両脚をキャッチしてインディアンデスロックを極める。
グイッ・・・
「ああああああぁぁぁぁぁ・・・」
両脚から走る激痛に悲鳴をあげる佳織。
必死にロープに手を伸ばしていくが、ロープまで距離があり耐えていく佳織。紀華もギブアップを狙っている感じに見えないが、技を極めている。
しばらくすると技を解いていく紀華は、グッタリする佳織を一気に吊り上げるロメロスペシャルを炸裂させた。
首を激しく振って藻掻き苦しむ佳織。
「ノォォォォォォ・・・・」
レフリーの問いかけにギブアップを拒む佳織。必死に耐えているが紀華の強烈な技にスタミナを奪われていく。
しばらくして技を解かれると、佳織はグッタリと俯せの状態で呼吸を荒げた。
グイッ・・・
その佳織を起こしていくと、紀華が顔面に掌打を叩き込む。
バシッ・・・バシィィィ・・・
フラフラしながら張り手を返す佳織。
バシッ・・・
その佳織の顔面に更に掌打が炸裂すると、口の中を切ったのか白い水着に血飛沫が飛ぶ。
堪らずタックル気味に抱きつく佳織。紀華は倒れないように踏ん張ると、膝蹴りを狙う。
だがバランスを崩して倒れ込むと、佳織が上からギロチンチョークを狙った。
喉元に腕を押しつけられて藻掻く紀華。
苦し紛れに紀華が佳織の水着に手を掛けると、お腹の辺りの布地を引っ張っていく。
胸元が開いている水着だから、乳房が露わになる佳織。
乳房に構わず攻めていく佳織だが、抵抗する紀華を上から押し潰すように体重を掛けると、一気に技を解いて立ち上がった。
紀華も立ち上がるが、いきなり佳織がハイキックを放つ。
いきなり顔面狙いのハイキックに紀華が避けるがバランスを崩した。
その瞬間、佳織が身体を反転しながら裏拳を放った。
バキィィィ・・・
佳織の裏拳が紀華の頬に直撃すると、紀華はフラつきながらロープに逃げた。
そのチャンスを活かそうと佳織がジャンピングニーパッドを放つと、堪らずロープ際に崩れ落ちる紀華。
逃れようとしても、裏拳のダメージから力が入らない紀華。
フラつきながらも立ち上がる紀華。必死にお返しの裏拳を放つ。
シュ・・・
しかしこれは佳織が避けると、またも裏拳を放った。
バキィィィ・・・
2発目の裏拳の衝撃にダウンする紀華。大の字状態で天井を見上げていると、佳織が首4の字固めを極めた。
グイッ・・・
佳織の両脚に力が入っていくと、紀華が藻掻き苦しむ。
レフリーもギブアップの確認をするが、紀華は必死に耐えた。
「んんんっ・・・んぐぐくっ・・・ううっ・・・」
口から涎を垂らしながらも耐える紀華。佳織は腰を浮かせてギブアップを狙っていく。
なかなかギブアップしない紀華から技を解く佳織。
グッタリして呼吸を荒げている紀華。
「これで終わりにするわ・・・いくよぉぉぉぉぉ・・・」
佳織が片手を挙げてアピールすると、紀華の両脚を抱え込んでステップオーバーすると、逆エビ固めをガッチリと極めた。
グイッ・・・
「ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
リング上に響き渡る紀華の悲鳴。
ロープに逃げたくても距離があり逃げられない紀華。
「ギブっ・・・ギブアップ?」
佳織も揺さぶりながらギブアップかと問いかける。
「ノォォォォォ・・・・ノォォォォォォォォ・・・・」
必死に耐える紀華。泣きそうな声で悲鳴をあげる。佳織が体重を落とすとマットに押しつけられる形で耐えていく。
身体がCの字になって、佳織のヒップが後頭部に届きそうな勢いになると、紀華は涙目でマットを叩いた。
「ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
紀華が絶叫しながらマットを叩く。ギブアップの意思表示だったが、レフリーはギブアップと口から言わせようと試合を止めない・・・。
『藤原っ、ギブアップ?』
レフリーが紀華の手を握りしめてギブアップの確認をすると、紀華が絶叫する。
「ギ、ギブ・・・ギブアップ・・・・ギブアップぅぅぅぅぅ・・・・」
何度もギブアップを口にする紀華。この瞬間、レフリーがゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音に佳織が技を解くと、紀華はグッタリとして動かない。
勝者となった佳織は、レフリーに手を挙げられると、観客席に向かって頭を下げるのであった。
試合自体は有利に進めていた紀華。しかしまだ課題が沢山残る結果になってしまった・・・。



第20試合

『美少女グラビアアイドル・・・お仕置きマッチ・・・・選手入場っ・・・』
リングアナがコールする中、リングのニュートラルコーナーには黒服達によって有刺鉄線ボードが用意されていく。地下プロレス初の有刺鉄線ボード。観客席からもグラビアアイドル相手に有刺鉄線ボードは残酷ではないかとか、グラビア撮影に影響が出るのではと言う声が囁かれている。
そのリングに上がるのは、現在活動休止中の河村ゆきえだった。白いビキニに白いリングシューズ姿のゆきえ。事務所関係の問題から芸能活動は事実上停止中で、グラビアが使われているだけの活動。AV転向とも言われているが、事務所側からの圧力で地下リングでの試合で稼がせようとされていた。
怯えた表情を浮かべながら、コーナーの有刺鉄線ボードに目線を移すゆきえ。
そのゆきえの対戦相手としてリングに上がるのは、あの極悪女子プロレスラーのシャーク土家。毒々しいメイクで手には有刺鉄線竹刀。早くもゆきえを血の海に沈めるとでも言い出しそうな表情。
『青コーナー〜・・・身長158p、上から90、60、87〜河村〜ゆきえ〜っ!』
コールを受けて一礼するゆきえ。しかし足元は小刻みに震えている。
『赤コーナー〜・・・シャーク〜土家〜っ!』
対して堂々とガッツポーズで威嚇していく土家。
『カァーン!』
早くもゴングが打ち鳴らされると、土家はコーナーに寄りかかって余裕の表情。
対してゆきえは距離を詰めるが、どうして良いか迷っていた。
迷いながらもコーナーの土家にドロップキックを放つゆきえ。
90pのバストを揺らしながら必死に蹴りこむが、土家にダメージを与えることはできない・・・。
土家も余裕で手招きすると、ゆきえがドロップキックを続けて叩き込んだ。
バシィィィ・・・バシィィィ・・・
2連発で頑張るゆきえだが、立ち上がり様に土家からラリアットを叩き込まれた。
バシィィィ・・・
「ぐふうっ・・・」
堪らず喉元を押さえて苦しむゆきえ。土家は余裕のポーズからストンピングを叩き込むと、髪を鷲掴みにして起こしていく。
「いくぞぉぉぉぉぉ・・・」
観客にアピールすると、そのままロープ際に連れて行ってからトップロープに顔面を押しつけて、擦り付けては摩擦熱で痛め付けていく土家。
ギュギュ・・ギュ・・・
「いやああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・ああああああああああっ・・・・」
リングに上に響き渡るゆきえの悲鳴。その悲鳴に観客席から大歓声が起きていく。
『土家ぁぁぁぁ・・・ゆっきーを痛め付けてやれぇぇぇぇぇ・・・』
ロープに擦り付けてから、髪を掴んでそのままマットに投げ飛ばす土家。
すると、早くもコーナーに掛けてある有刺鉄線ボードを持ち出す土家。ゆきえの近くに投げると、片手を挙げてアピールした。
グイッ・・
「立つんだよ、お嬢ちゃん!」
土家がニヤリとしてゆきえを起こしていくと、ボディスラムの体制で抱え上げた。
『ゆっきーぃぃぃぃ・・・』
『マジかよ、あの河村を有刺鉄線処刑!』
観客席がリング上に注目が集まる中、ゆっくりと有刺鉄線ボードに近づく土家。
「やっ・・やめてぇぇぇぇ・・・・いやあぁぁぁぁぁぁ・・・」
ゆきえの悲鳴が響き渡る中、土家は容赦なく有刺鉄線ボードにゆきえを叩き落とす。
バシィィィ・・・
「ぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
背中から有刺鉄線ボードに叩き落とされて、ゆきえは背中を傷つけられて絶叫する。
ゆきえは叫びながら有刺鉄線ボードから逃れると、土家がそのまま捕まえてロープに磔にしていく。
観客席からは傷つけられて血が滲むゆきえの白い背中が見えている。
トップロープとセカンドロープに両腕を絡められて動きが取れないゆきえ。
「地下プロレス版のAVいくかぁぁぁぁ・・・」
土家が叫ぶと、有刺鉄線竹刀を手にゆきえに迫った。
「い、いや・・やめてぇぇぇぇ・・・いやあぁぁぁぁぁ・・・」
有刺鉄線竹刀を容赦なくゆきえのビキニに包まれたバスト。そう胸の谷間に差し込む土家。
グサッ・・・
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
ゆきえの悲鳴がリング上に響き渡る。そうまるでパイズリ状態にされていくゆきえ。地下リングでも初めての胸の谷間への有刺鉄線竹刀挿入。
胸の谷間を傷つけられて、ゆきえが絶叫する。同時に傷つけられた白い肌から血が滲み出る。
更に土家が有刺鉄線竹刀を上下させると、ゆきえは激痛に泣き叫ぶ。
「いやあぁぁぁぁぁ・・・・や、やめてぇぇぇぇぇぇ・・・」
泣き叫ぶゆきえ。胸の谷間から血が流れ出て、お腹を伝ってビキニショーツをも赤く染めていく。
更に有刺鉄線竹刀を抜くと、水平状態にしてゆきえのバストに押しつけた。
グサッ・・・
「んあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
またも響き渡るゆきえの悲鳴。白いビキニに赤い血が浮かび上がっていく。
激しく頭を振っては悲鳴をあげるゆきえ。グラビアアイドルとして売れていたゆきえの、強烈な有刺鉄線ドミネーションに観客達が興奮している。
しばらくすると、土家が竹刀を手放してからゆきえのお腹を殴り始めた。
ボシュ・・ボシュ・・
「ぐふっ・・うぐうっ・・オエッ・・」
お腹を殴られて口から涎を垂れ流すゆきえ。土家はロープから解放すると、フラフラしているゆきえをまたも抱え上げた。
そして有刺鉄線ボードにまたもボディスラムの様に投げつけた。
バシィィィィ・・・
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
またも絶叫していくゆきえ。背中を有刺鉄線の棘で傷つけられていく。
そのゆきえのバストを踏み付けて観客にアピールする土家。
「おらおらっ・・もっと痛めつけるぞぉぉぉぉ・・」
土家のアピールに観客席が盛り上がると、気をよくした土家はゆきえを起こしていく。
「ああっ・・」
足元をフラフラさせて起こされていくゆきえ。
「いくぞぉぉぉぉ・・・おらぁっ!」
土家が叫ぶと、ブレンバスターの体制から持ち上げていく。滞空時間が長く、ゆきえは恐怖の時間を味わっていた・・・。
そして土家がゆきえを叩き付けたのは、またも有刺鉄線ボードだった。
バッシーン!
「うぎゃあああああぁぁぁぁぁ・・・・」
絶叫して泣き叫ぶゆきえ。
有刺鉄線ボードの上でヒクヒクするが、痛さから逃れようと有刺鉄線ボードから逃れようとするが、ビキニに棘が引っかかって逃れられない。ビキニが脱げてはと押さえるが、土家が強引に起こしていく。
起こしてから至近距離からのラリアットを叩き込むと、またもゆきえを有刺鉄線ボードに倒していく土家。
白い背中を流血で真っ赤にしながらも立ち上がろうとするゆきえ。顔は流血していないから、その苦痛の表情は観客席からも良く見る事ができた。
グイッ・・・
「まだまだオネンネするには早いんだよ、アイドルちゃん!」
土家はゆきえを起こしていくと、今度はボディスラムから蹴飛ばして俯せにしていくと、キャメルクラッチの体制に持ち込んだ。
藻掻くゆきえの髪を片手で掴むと、片手に有刺鉄線竹刀を握りしめる土家。
「いくぞぉぉぉぉぉ・・・」
土家が叫ぶと、一気に髪に包まれているゆきえの頭部に竹刀を押しつけた。
グサッ・・
「痛いぃぃぃぃぃぃ・・・・」
悲鳴をあげるゆきえ。その可愛らしい顔に幾筋の赤い血が流れ落ちていく。
『む、惨いなぁ・・・・』
『土家も容赦しないなぁ・・・ゆっきー可哀相だよ・・・』
両足をバタバタさせて藻掻き苦しむゆきえに同情の声も漏れるが、観客席ではゆきえのドミネーションに喜ぶ声もあった。
『いいぞぉぉぉぉ・・・もっと痛めつけろ!』
更に土家が竹刀を押しつけていくと、ゆきえの顔面が真っ赤に染まっていく。
「邪魔なものは取ってやるよ・・・」
土家はゆきえのビキニを剥ぎ取ると、トップレスにしてから竹刀を胸の下に置いた。
そして、両方のバストが竹刀に当たるようにして、一気にキャメルクラッチの様にゆきえの上半身を反らした。
有刺鉄線竹刀の棘が容赦なくゆきえの乳房を傷つけると、ゆきえの悲鳴も一段と大きくなる。
「やめてぇぇぇぇぇ・・・む、胸が・・・胸が・・・・私の胸がぁぁぁぁぁ・・・あああああぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
ゆきえの白い乳房を容赦なく傷つけていく有刺鉄線竹刀の棘。切り裂かれた肌からは、血が流れ出ている。
泣き叫ぶゆきえに構わず、土家は揺さぶりながら乳房を傷つけていく。
「痛いぃぃぃぃぃ・・・・いやああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
更に激しく泣き叫ぶゆきえ。
しばらく痛め付けてから、土家が力を抜いてゆきえを解放すると、ゆきえはグッタリして泣いている。
全身血塗れのゆきえ。俯せ状態で泣いているゆきえに、土家が迫った。
「立て、こらぁぁぁぁぁ・・・」
怒鳴り声で威嚇する土家。その声に必死に逃げようとロープに手を伸ばすゆきえ。
そのゆきえに、土家は口に何かを含むと、ゆっくりと近づいていく。
ボワアァァァァァァァァァ・・・・
「んあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
ロープに手を伸ばすゆきえの背後から、強烈な火炎攻撃を仕掛けた土家。
一瞬火に包まれるゆきえは、狂ったようにリング上を転がりながら藻掻き苦しんだ。
「元気あんじゃね〜か!」
土家がニヤリとすると、髪を掴んで動きを止めてから、強烈なパワーボムでマットに叩き付けた。
バッシーン!
「あうっ・・・」
後頭部からマットに叩き付けられて、ゆきえは一発で失神してしまった・・・。
『ワン・・・・ツー・・・・スリィィィィィ・・・・』
失神したゆきえを押さえ込む土家。レフリーがカウントを叩くと試合が終了した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが鳴らされると、土家は余裕で立ち上がるとレフリーに手を挙げられていく。
一方、ゆきえは完全失神KO。まして全身を傷つけられて血塗れ。リングドクターが急いでリングに上がると、ゆきえの応急処置と黒服を呼んで担架に乗せていく。
担架に乗せられたゆきえは急いで医務室に運ばれると、地下プロレスが誇る高度な医療チームに処置されていくのであった。
地下プロレスでも初めての有刺鉄線を使った、売れっ子グラドルへのドミネーションマッチ。
ゆきえが悪い訳ではないが、事務所の争いからリング上の生贄にされてしまった一戦であった・・・。


第21試合

『挑戦者っ、入場っ!』
リングアナが叫ぶと、リングに向かうのはグラビアアイドル王者の市河由衣が花道を通ってリングインした。
そう、ジュニアヘビー級タイトルマッチの挑戦者としてリングに登場したが、流石に黒服達にチャンピオンの情報を聞いていただけに、由衣も緊張の色が隠せない。
黒いビキニに黒いリングシューズ姿の由衣。コーナーに寄りかかるとチャンピオンの登場を待った。
その由衣の待つリングにゆっくりと姿を現した築比寺理絵。花道を進む足取りは重く、特に乙羽戦で受けた膝へのダメージに苦しそうな表情を浮かべながらのリングインだった。
そのリングインの瞬間、いきなり試合開始前と言うのに由衣が飛び込んでドロップキックを放つと、理絵がゴロリと巨体をリング下に転がしていく。
更にリング下に降りると、体格で劣るからとパイプ椅子を握り締めると、理絵の脳天などへ容赦なく叩き込む由衣。
ガッシャーン!
「ぐわああぁぁぁ・・・」
理絵の悲鳴がリングサイドに響き渡る。
「何がジュニアヘビー級よ、今までのアイドル達のお返しよ!」
由衣が叫びながらパイプ椅子を叩き付けていくと、リング上ではレフリーがゴングを要請した。
『カァーン!』
ここで試合開始となるが、場外で倒れている理絵にパイプ椅子で滅多打ちにする由衣。
しばらくすると、パイプ椅子をリング上に投げ込んでからリング上に戻った。
対して理絵はフラつきながら立ち上がるが、脳天に叩き付けられた際に流血したのか、額をは血が流れている。
苦しそうにしながらも、理絵がリングに上がっていくと、ロープ越しにストンピングや蹴りで攻め込む由衣。
バシッ・・・バシッ・・・
意外な試合展開に観客席が盛り上がっていく。
『いいぞぉぉぉ、豚をブチ殺せぇぇぇぇ・・・』
『市河っ、その豚を絶対に倒せよぉぉぉぉ・・・』
蹴られながらもリングに転がり込む理絵。リング内に転がり込まれると、由衣は一旦距離を置いて構えた。
レフリーも理絵に立ち上がるように促すと、ゆっくりと立ち上がる理絵。
今度は由衣がローキックでダメージの残る膝を攻めていく。
バシッ・・・バシッ・・・
打撃に不慣れな由衣だったが、膝に蹴りが当たるだけで理絵の表情は苦痛に歪む。
理絵も嫌がるように突っ張りの様に手を出して攻め込むが、由衣が距離を置いていく。流石に3試合目で、前に出るダッシュ力も奪われていて、由衣に有効な打撃を当てられずに苛つく。
逆に、由衣のローキックが当たり出すと、理絵は次第に動きを奪われた。
バシッ・・・バシッ・・・
動きの止まった理絵に由衣のローキックが続けて炸裂する。
遂に理絵が膝をつくと、由衣は片手を挙げてアピールしてから、顔面にハイキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
理絵は顔面で蹴りを受けたが、倒れ込まずに由衣を睨み付ける。
更に由衣が顔面に蹴りを入れると、理絵は顔面に蹴りを受けるも、そのまま蹴り足を掴んだ。
力ずくで倒そうとする理絵だが、由衣は飛び上がって軸足で顔面に蹴りを叩き込んだ。
バシィィィ・・・
「ふぎっ・・・」
変な声を漏らして倒れ込む理絵。
一方的な試合展開に観客席が盛り上がっていくが、理絵はベルトを守ろうと必死になっていた。
俯せ状態でダウンする理絵に、由衣は脇腹へサッカーボールキックを何発も叩き込む。脂肪に包まれた脇腹だが、理絵は次第にダメージを大きくして動きが鈍ってきていた。
ロープに逃げる理絵。
『ロープ・・・』
レフリーが由衣を止めると、理絵を起こしていく。
フラつきながら立ち上がる理絵。由衣が距離を置くとレフリーが続行を指示した。
『ファイトっ!』
レフリーの掛け声と共に、由衣が距離を詰める。果敢にもジャブ気味のパンチを放つと、理絵も膝の痛みを我慢しながら前に出る。
ジャブが当たって鼻血を流す理絵。由衣もステップを刻みながら殴りつけていくと、理絵がいきなりショルダータックルを仕掛けた。
バシィィィ・・・
これには軽量の由衣が倒されると、続けてヒップドロップで押し潰す理絵。
いきなりの逆襲に驚くが、必死に腹筋に力を入れていた由衣は、口から反吐を噴き上げずに耐えた。
しかし155sの圧殺刑は由衣に大きなダメージを与えていたが、由衣の目は死んではいない。
理絵はフォールしていくが、由衣の手がロープに伸びるとレフリーはカウントを数えなかった。
仕方なく理絵が立ち上がると、由衣を起こしてコーナーに押し込んだ。
逃げようとする由衣に喉輪のように手で押しつけてから、片手を使って張り手をバストに叩き込んだ。
グニュゥゥゥ・・・
「あうっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる由衣。
更にお腹にもパンチを叩き込むと、由衣は口から涎を垂れ流した。
「ウゲッ・・うううっ・・・」
苦悶の表情を浮かべるも、必死に逃れようと抵抗していく由衣。
膝蹴りなどで抵抗するも、肉厚に阻まれていく由衣の抵抗。
一気に理絵も勝負をつけようとして、トップロープを両手で掴むと、コーナーと自らの巨体で由衣を圧殺しようと仕掛けた。
だが、押し潰す瞬間に由衣がすり抜けると、背後から串刺しのドロップキックを放った。
バシッ・・・
フラつく理絵。更に背後からローキックで膝を攻める由衣。
バシィィィ・・・バシィィ・・・
数発ローキックを受けると、堪らず膝をつく理絵。
すると、由衣は顔面に容赦ない蹴りを叩き込んでいく。
「うぐうっ・・ぐうっ・・」
堪らずマットに崩れ落ちる理絵の巨体。数試合をこなしているだけに、ダメージがあるから仕方ない結果かも知れないが、明らかな体重差の由衣に押されていた。
「ああああああああっ・・・」
その理絵に対して、由衣は気勢をあげて顔面に踵でストンピングを叩き込んでいく。
藻掻き苦しむ理絵。鼻血など噴き出て血に染まる理絵の顔面。
更に飛び上がって顔面へのフットスタンプを叩き込む由衣。非情な攻めだったが、これもライバルでもある乙羽、沖菜恵に対しての圧殺処刑などを聞いていた由衣の、ジュニア代表のお返しだった。
理絵も藻掻いて抵抗するが、由衣の攻めが一方的になるとレフリーがゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音にマットを叩いて怒る理絵。
一方、試合に勝った由衣は蹴りこんでいくが、レフリーに止められるとコーナーに登ってガッツポーズをして観客にアピールした。
『勝者、市河由衣っ!』
この瞬間、由衣はグラビアタイトルのベルトと2冠が決まった。
一方、負けた理絵は納得いかないとばかりに立ち上がるとレフリーに詰め寄るが、レフリーストップは仕方なしと黒服などに制止されるのであった・・・。
遂に止まった理絵の巨漢ジュニアタイトル防衛。また由衣も今まで地下プロレスのリングでは全裸から流血失神と悲惨な試合も多かっただけに、この勝利から映画・ドラマなどグラビア以外の仕事が増える事になるのであろう・・・。



第22試合

ジュニアヘビー級タイトルマッチに続き、次はヘビー級タイトルマッチが予定されているリング上。
会場内のライトが全て消されると、観客席が盛り上がっていく・・・。
パッ・・・
そして真っ暗な会場に、スポットライトで照らされるのは長沢まさみだった。2005美女トーナメントでデビュー、そして優勝したまさみ。今回はヘビー級タイトル挑戦は早いのではと言われていたが、トーナメントで優勝した実績を買われての挑戦だった。
白い競泳水着に白いリングシューズ姿で花道をリングに向かっていく。
リングインすると、コーナーに寄りかかっては緊張した表情を浮かべているが、地下プロレスの異様な雰囲気には慣れているのか、落ち着きは見せている。
そしてまさみのリングインが終わったからと、反対の花道にスポットライトで浮かび上がるのはチャンピオンの米蔵涼子。
ドラマ、CMなどでも売れている涼子は、黒い競泳水着に黒いリングシューズと言うまさみと正反対のリングコスチュームでリングに走り込んだ。
リングに上がると、いきなりまさみに近づいて睨み付けていく涼子。
その涼子の挑発に、まさみも一歩も引かずに睨み返していると、観客席からは大歓声が起きていった。
そのまさみと涼子をレフリーが離していくと、リングアナがコールを始めた・・・。
『青コーナー〜・・・身長168、上から85、57、83〜・・・長沢〜まさみ〜っ!』
コールを受けると、観客席に向かって一礼していくまさみ。
『赤コーナー〜・・・身長168、上から84、58、85〜・・・米蔵〜涼子〜っ!』
一方、余裕の表情で片手を挙げて観客にアピールする涼子。既にベルトを防衛を何度かしているだけに、王者として女優としても貫禄が漂い始めていた。
コールが終わると、早くもゴングが要請された・・・。
『カァーン!』
ゴングの音と共に、まずはリング中央に向かう両者。
しかしまさみがいきなり胴タックルを仕掛けると、驚く涼子を倒しにいく。しかし踏ん張る涼子は、押される形でロープに背中をつけた。
『ロープっ・・・』
これにはレフリーが放させると、まさみが距離を置く。
涼子もいきなりのタックルに驚いていたが、冷静に距離を置いてまさみの動きを見つめた。
今度はジャブ気味に牽制するまさみ。
だが涼子もローキックでまさみの動きを見ると、その蹴り足にまさみが低空タックルを仕掛けた。
これには涼子が倒されると、まさみは上になろうとポジションを移動させた。
だが涼子もまさみの身体を両脚で挟むと、ガードポジションの体制を取る。
試合開始からまさみが作っていた流れだが、ここで流れが変わろうとしていた。
涼子は下から左右にまさみの身体を振ると、一気にマットに転がしていく。
転がして腕を狙って脚を絡ませるが、まさみが腕を引き抜いて立ち上がると、涼子も立ち上がっていく。
立ち上がる涼子にエルボースマッシュを仕掛けると、続けてボディスラムでマットに叩き付けるまさみ。
バッシーン!
「ぐうっ・・」
勢いのあるボディスラムの威力に、涼子が一瞬呼吸が止まる衝撃を受けた。
更にまさみが飛び上がってエルボードロップを喉元に叩き込むと、そのままフォールした。
『ワン・・・・ツー・・・・』
カウントが入っていくが、涼子も余裕すら見える表情で返した。
その返した涼子をマットに座らせた状態から、まさみがスリーパーでスタミナを奪おうと締めていく。
グイッ・・・
「くっ・・・」
これにはまさみの腕を掴んで耐える状態の涼子。
まさみも身体を密着させて締めていくと、涼子は少しずつロープに逃れていった・・・。
『ブレークっ・・』
レフリーが涼子がロープに逃げたからと技を解かせると、まさみが一気に放して立ち上がる。
涼子はゆっくりと立ち上がると、まさみとの距離を置いて睨み付ける。
少しずつ詰まる距離。距離が詰まると、いきなり涼子が低空タックルを仕掛けた。
シュ・・・
しかしまさみもタックルを上手く潰すと、バックを奪おうとポジションを変えていく。
バックを取られてはと涼子もポジションを変えていくと、まるでレスリングの試合みたいに動き回る2人。
動き回ってからロープに手を伸ばしたのは涼子。
一方、まさみは離れると、立ち上がろうとする涼子の腰にストンピングを叩き込んだ。
バシッ・・・バシッ・・・
「うりゃあっ!」
気勢をあげるまさみ。涼子は苦悶の表情を浮かべるも、まさみのストンピングを受けていく。
グイッ・・・
ストンピングから髪を鷲掴みにして起こしてから、ボディスラムを仕掛けたまさみ。
バッシーン!
更にエルボードロップを喉元に叩き込むと、フォールした。
『ワン・・・・ツー・・・・』
だが涼子がスリーカウントを許すはずもなく返した。
返されるとまさみが起こしていくが、いきなり涼子が掌打気味の張り手を叩き込んだ。
バシッ・・・
「あうっ・・・」
堪らずまさみがフラつく。
更に張り手を叩き込まれると、コーナーに押し込まれていくまさみ。
「いくぞぉぉぉぉ・・・」
逆に涼子が叫ぶと、セカンドロープに乗ってコーナーに押し込んだまさみの額にグーパンチを叩き込んでいく。
バキッ・・バキッ・・
嫌がるまさみの額を殴りつけていく涼子。会場からは歓声とブーイングが起きていた。
レフリーに注意されると、セカンドロープから下りるとDDTでまさみを脳天から叩き付けて、グッタリしたところを胸に手を乗せてフォールする涼子。
『ワン・・・・ツー・・・・スリ・・・・』
カウントギリギリでまさみが返すが、DDTのダメージに苦しそうな表情を浮かべている。
涼子が放すと、堪らず俯せになってグッタリするまさみ。そのまさみに休む時間を与えずに、涼子はキャメルクラッチを極めた。
グイッ・・・
「んああぁぁぁぁぁぁ・・・」
上半身を反らされて、まさみは激痛から悲鳴をあげた。
しばらく痛め付けると、技を解いて立ち上がる涼子。
まさみがフラついて立ち上がると、ローキックで脚を攻め立てた。
バシッ・・・バシィィィ・・・
「あんっ・・・ああっ・・」
脚を蹴られてロープを掴んで痛がるまさみ。続けて涼子のハイキックが顔面を襲うと、堪らずロープに倒れ込むようにダウンした。
グッタリしているまさみを見て、涼子はレフリーにダウンカウントを要求する。
「レフリー、ダウンじゃないの?」
涼子の言葉にレフリーがまさみの様子を見るが、苦しそうにしているからとカウントを数えだした。
『ワン・・・ツー・・・スリー・・・フォー・・・ファイブ・・・』
カウントが進むと、まさみはロープを掴みながらも立ち上がっていく。すると、涼子が一気にミドルキックからローキックと打撃で攻め立てていく。
打撃を嫌がるまさみ。タックルを仕掛けるが、フロントスリーパーで締め上げられてまたも苦悶の表情を浮かべる。
技から逃れようと藻掻くまさみ。
すると、涼子は技を簡単に外してから、驚くまさみの顔面に掌打を叩き込んでいった。
バシィィィ・・・バシッ・・・
堪らずロープに押されていくまさみ。容赦ない顔面への掌打だが、まさみも張り手などを返す。
バシッ・・バシッ・・
まさみの反撃に涼子はお腹にパンチまで叩き込み出すと、会場内は大歓声に包まれる。
まさみも無理矢理ヘッドロックを仕掛けていくと、涼子はロープに振ろうとする。だがまさみも必死に踏ん張って締め上げた。
力任せにバックドロップを狙う涼子。その涼子のバックドロップを投げられた瞬間、体制を入れ替えてボディプレス気味に押し潰すと、そのままフォールするまさみ。
『ワン・・・・ツー・・・・』
驚く涼子だが、まだまだとばかりに返していく。
反撃しようとまさみは一気にヘッドシザースで涼子の首を締め上げてスタミナを消耗させようと狙うと、涼子も苦しいからと藻掻いていく。
「ギブアップ?・・・ギブアップする?」
激しい口調で涼子にギブアップを迫るまさみ。
「ノォォォォ・・・・こんなんでギブするかぁぁぁぁ・・・」
涼子も苦しいが強気に言い返す。
既に試合開始から10分は経ったであろうか、まさみも涼子も額からは大量の汗が流れていた。
しばらく締め上げてから、まさみが技を解いて立ち上がっていく。
涼子も立ち上がると、一気に勝負を着けようとしてか、ブレンバスターを仕掛けるまさみ。
腰を落として投げようとすると、涼子も踏ん張るようにバランスを崩させていく。
しかしまさみが持ち上げると、涼子の身体がマットに叩き付けられた。
バシィィィィ・・・
更に大の字になる涼子に、まさみはロープに走って勢いをつけると、飛び上がってセントーンをお腹に落とした。
ボシュ・・・
「ぐふうっ・・」
まさみの全体重をお腹で受けて、流石の涼子も苦悶の表情を浮かべると同時に、口から涎を垂れ流している。
更にまさみのギロチンドロップが喉元を襲うと、ゆっくりとフォールしていくまさみ。
『ワン・・・・ツー・・・・スリィィ・・・・』
誰もがベルトが移動したと思った瞬間、涼子がカウントギリギリで返した。悔しがるまさみ。
マットを叩いて悔しがるが、続け一呼吸置いて涼子を起こしていく。
バシッ・・・
だがしかし、ここで涼子がまさみの手を払いのけると、いきなり驚くまさみの側頭部に裏拳を叩き込んだ。
バキィィィ・・・・
まさかの反撃にグッタリとマットに崩れ落ちるまさみ。
「お返しだぁぁぁぁ・・・」
涼子がフラつきながらも立ち上がると、拳を突き上げてアピールした。
そして、ゆっくりとパイルドライバーの体制になると、脳天から容赦なく叩き落とした。
バシッ・・・
「ああんっ・・」
堪らず大の字に崩れていくまさみ。
「まだまだ、お返しはこれよ!」
涼子が叫ぶと、トップロープに登っていくと、両脚を揃えてのフットスタンプを叩き込んだ。
ボシュ・・・
「んぐっ・・オエッ・・・」
涼子の全体重の乗ったフットスタンプをお腹に受けて、一瞬耐えたまさみだったが、口から胃液を吐き出した。
反吐は耐えたが、相当のダメージを受けたまさみ。涼子は両手をまさみの水着に包まれたバストに押しつけてフォールする。
『ワン・・・・ツー・・・・スリ・・・』
「んあぁぁぁぁぁ・・・」
気勢をあげて返したまさみ。これには涼子も驚きの表情を浮かべたが、続けて起こしていくと、後頭部にハイキックを叩き込んで俯せにダウンさせていく。
涼子がアピールしていると、まさみはフラフラしながら立ち上がった。
観客席からは大歓声が送られていくが、涼子は容赦せずに顔面にハイキックを叩き込むと、またもまさみをダウンさせた。
レフリーも意識を朦朧とさせている様子のまさみを心配する様子で見つめるが、涼子は飛び上がってヒップドロップを叩き込むと、そのままの状態から両肩を押さえてフォールした。
『ワン・・・・ツー・・・・スリィィ・・』
誰もが試合は終わったと思った瞬間、まさみがカウントギリギリで肩を浮かせた。
観客席からは怒濤の大歓声が起きていく。会場内はまさみコールが沸き起こり、涼子は苛つく。
『長沢っ・・長沢っ・・長沢っ・・・』
大歓声に包まれるリングだが、まさみはダメージから起きあがれない。
グイッ・・・
「これで決めるぞぉぉぉ・・・」
涼子はまさみの髪を掴んで起こすと、片手を挙げてまさみコール一色の観客席に向かってアピールした。
そして卍固めを極めていく涼子。涼子の身体がまさみに密着すると、まさみの表情が苦痛に歪んだ。
グイッ・・・
「ああああああっ・・・ああっ・・・」
卍固めを極められて、まさみの口から悲鳴が漏れていく。
「ほらほらっ、ギブアップすれば楽になれるのよ!」
涼子もギブアップ狙いで極めていくと、まさみは言い返した。
「ノォォォォ・・・ネ、ネヴァー・・・ネヴァーギブアップ!」
その言葉に涼子は技を解くと、フラフラのまさみとの距離を置いた。
シュ・・・バシッ・・・
「ぎゃ!」
そう、涼子は余裕を持って狙いをつけて、まさみに裏拳を叩き込んだ。
フラッとダウンしていくまさみ。
「いくぞぉぉぉぉ・・・これで終わりだぁぁぁ・・」
涼子がアピールすると、まさみを起こしてから大技ノーザンライトボムを叩き込んだ。
垂直に近い状態からマットに叩き付けられて、その衝撃で意識を朦朧とさせるまさみ。
そのまさみにフォールする涼子。
『ワン・・・・ツー・・・・スリィィィィ・・・・・』
流石のまさみも返す事が出来ず、無念のスリーカウント。
『勝者、米蔵涼子っ!』
リングアナのコールに腕を挙げられていく涼子。
一方、半失神状態で倒れてリングドクターのチェックを受けるまさみ。涼子もしばらくすると、コーナー近くで座り込んでしまった。
流石に今夜の試合は、涼子も焦りがあったのだろうか・・・。経験の差からの勝利とも思えたが、最近のヘビー級タイトル戦では一番涼子を苦しめた試合だったのではないだろうか・・・。

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