第1試合

『第1試合っ・・・選手入場っ!』
リングアナのコールに遂に幕開けとなった2007年の地下プロレス。
リングに登場するのは、今年が成人式を迎える岩左真悠子と小末彩夏。
『新成人記念マッチ第1弾・・・青コーナー〜身長160p、上から80.58.85・・・小末彩夏〜っ!』
コールを受けて緊張した表情で一礼する彩夏。65回大会では木下歩美に痛めつけられて負けてから、久しぶりの地下プロレスのリング。
グラビアなどで売っているが、更なるアピールの為に地下リングに出場だった。
対して余裕がある真悠子。
『赤コーナー〜・・・身長155p、上から80.58.85・・・岩左真悠子〜っ!』
コールを受けると片手を突き上げてアピールする真悠子。
黒ビキニに黒リングシューズの真悠子と、白いビキニに白リングシューズの彩夏。
コーナーを背にゴングを待つ両者。
久しぶりのリングに落ち着きのない彩夏だが、真悠子は何かを狙っている様子。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、いきなり真悠子がコーナーを飛び出して走り出す。
反対コーナーでは真悠子が飛び込んでくるからと動けない彩夏。
バキッ・・
真悠子が勢いよくジャンピングニーパッドを仕掛けると、彩夏はガードする事も出来ずに顎に膝を受けてコーナーに崩れ落ちた。
更に崩れ落ちた彩夏に馬乗りになって殴りつけようとする真悠子。
その手を掴んで止めていくレフリー。
『拳で殴るのは反則だ!』
レフリーの指示に真悠子が立ち上がると、グッタリしている彩夏の髪を掴んで起こしていく。
起こすと、バストに膝蹴りを叩き込んでからスリーパーで揺さぶりかける真悠子。
グイッ・・・
苦悶の表情でロープに逃れようとする彩夏。
すると、真悠子が飛びつくように胴締めスリーパーに移行すると、バランスを崩してグラウンド状態に。
彩夏は逃れたいが、真悠子の強烈な胴締めスリーパーにギブアップ寸前に追い込まれていく・・・。
更に喉元を締め上げられていくと、藻掻いていた彩夏の動きが鈍くなっていく・・・。
レフリーも彩夏の手を握ってチェックするが、反応が少なくなってきた。
『小末っ、ギブアップ・・・ギバァープ?』
レフリーの問いかけに反応のない彩夏。
『落とせっ・・・落とせっ・・・落とせっ・・・』
場内からは落とせコールが始まると、彩夏は意識を失い失神させられてしまった・・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ここでレフリーが彩夏の失神を確認してゴングを要請すると、会場内にゴングの音が響き渡った。
『ただいまの試合、岩左真悠子のレフリーストップ勝ちとなりました!』
技を解いて立ち上がる真悠子。汗を流すまでもないと言う表情でリングアナにマイクを要求した。
「プロレスの試合と言う事でしたが、秒殺で終わらせてすいません・・・。今年は芸能界の仕事もそうですが、地下プロレスでもジュニアなどベルトを狙いたいと思うので宜しくお願いします!」
真悠子がマイクアピールすると、リングドクターに処置を受ける彩夏を横目にリングを後にした。


第2試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、新成人マッチ第2弾の松浦亜矢と高端愛。
同門対決が組まれたが、これもファンの為とばかりにリングにあがっていく二人。
ピンク色のビキニの亜矢と、黄色いビキニの愛。
同門対決と言うことで、激しい試合は期待されていないが、ビキニマッチと言う事で観客席は盛り上がっていた。
『新成人記念マッチ第2弾っ・・・青コーナー〜・・・身長155p、上から82.58.82〜・・・松浦亜矢〜っ!』
コールを受けて一礼していく亜矢。
『赤コーナー〜・・・身長153p、上から78.55.80〜・・・高端〜愛〜っ!』
コールを受けて一礼する愛。対戦相手の亜矢を見つめるが、お互いが黙ったままコーナーを背にゴングを待った。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出すと、まずはお互いが右手を出して握手をしての試合開始。
距離を置いていくと、まずは様子を見ている両者。
愛が片手を伸ばして力比べを挑むと、亜矢も片手を伸ばしてそれに応じていく。
グイッ・・
「くっ・・」
「うっ・・」
ビキニ姿の亜矢と愛がお互いの力を出し合っての力比べ。これには観客が盛り上がっていく。
すると、亜矢が愛の腕を掴んでロープに振っていくと、形の良いドロップキックを放った。
バッシーン!
「ああんっ・・」
悲鳴をあげて倒れ込む愛。
素早く立ち上がるが、亜矢も素早くドロップキックを叩き込むと、またも愛が倒れ込んだ。
倒れても立ち上がる愛だが、亜矢が3発目のドロップキックを叩き込んだ。
これには愛が胸を押さえて立ち上がろうとすると、亜矢が髪を掴んで起こしていく。
起こすとヘッドロックで締め上げていく亜矢。
これには愛がロープに振っていくと、ロープから戻る亜矢にショルダーアタックを仕掛けるが、亜矢も倒れない。
お互いが仁王立ち状態になると、いきなり愛が張り手を叩き込んだ。
バッシーン!
これに亜矢も負けずに張り手を返す。
バッシーン!
リング中央でお互いが意地になって張り手を叩き込んでいくと、観客席が盛り上がっていく。
張り手で叩き合うが、愛はエルボースマッシュを叩き込む。
バシィィィィ・・・
これには亜矢がフラつくと、愛がロープに振った。
「いくよぉぉぉぉぉ・・・・」
愛が片手を挙げてアピールしてからジャンピングネックブリーカードロップを仕掛けた。
バシッ・・
「ああああああっ・・・」
後頭部からマットに叩き付けられて悲鳴をあげて痛がる亜矢。
愛が立ち上がると、痛がる亜矢のバストにエルボードロップを落とした。
グニュ・・
「痛いぃぃぃぃぃぃ・・・」
愛の鋭いエルボーを胸に受けて藻掻き苦しむ亜矢。
胸を押さえる亜矢を起こしていく愛。
ヘッドロックで締め上げてから、素早くブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けていく。
バッシーン・・・
これには俯せで痛がる亜矢。
愛は片手を挙げてアピールすると、キャメルクラッチで亜矢を痛めつけていく。
グイッ・・・
「あうっ・・・」
「ギブアップ?・・・ギブアップ?」
苦しむ亜矢にギブアップを迫る愛。
だが亜矢も両足をバタバタさせて痛がるも、ギブアップはせずに耐えている。
しばらくすると、愛は技を解いて立ち上がってからストンピングで蹴りこんでから、亜矢の両足を掴んだ。
グイッ・・
「あああああっ・・」
愛が足四の字固めで亜矢の足殺しをしていく。
ビキニ姿で藻掻き苦しむ亜矢に観客席が盛り上がった。
『松浦っ、ギブ・・・ギブアップ?』
レフリーが悲鳴をあげる亜矢にギブアップの確認をするが、亜矢は耐えていく。
次第に大量の汗を流し出し、亜矢の背中などが光り輝いて見える。
「ノォォォォォォォォォ・・・・」
必死に耐える亜矢。
ギブアップしないからと、愛が技を解いて立ち上がっていく。
髪を鷲掴みにして亜矢を起こしていくが、膝へのダメージか亜矢はフラフラしている。
首筋にエルボーを落としてから、首投げでマットに叩き付けていく愛。
『あややっ、あややっ・・』
会場内からは亜矢に対して歓声が送られていくが、苦しそうな亜矢。
その亜矢を容赦なくロープに振っていく愛。
ロープから戻る亜矢だが、苦しそうな表情を浮かべながらも反撃を試みる。
バシィィィィ・・
必殺桃色レッグラリアートを仕掛ける亜矢。
だが打点が低く不完全だが、愛を倒すには十分な威力。
反撃されて驚く愛だが、素早く立ち上がっていく。亜矢も立ち上がると、愛の喉元にエルボースマッシュを叩き込んでいく。
フラつく愛も張り手を喉元に返すが、亜矢が喧嘩キックで倒した。
「ふぐうっ・・」
お腹を押さえて苦しむ愛。
倒れて苦しむ愛の顔面にストンピングを叩き込むと、髪を掴んで起こしていく亜矢。
「いくよぉぉぉぉぉぉ・・・・」
観客席に片手を挙げてアピールすると、勢いよく愛をロープに振ってから、戻ってくる愛に打点の高い桃色レッグラリアートを叩き込む亜矢。
バシィィィィ・・・
これにはグッタリとダウンしていく愛。
「レフリーぃぃぃフォール!」
亜矢がフォールをアピールすると、レフリーが急いでマットを叩いていく。
『ワン・・・ツー・・・』
しかしまだ愛も返すと、蹴りこまれた胸を押さえている。
亜矢は立ち上がると、その苦しむ愛のバストへエルボードロップを叩き込むと、更にフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・』
これも愛は返していくが、表情は苦悶に歪んでいる。
続けてフォールを返されて仕方ないとばかりの表情を浮かべる亜矢。
「これで終わり・・・いくよぉぉぉぉぉ・・・」
亜矢がフラつきながらもトップロープに登っていく。トップロープから急降下攻撃を考えていた。
『高端っ、逃げろぉぉぉぉ!』
観客席からは愛に対しての声援が飛んでいるが、亜矢はトップロープに立ち上がる。
だが愛が素早く立ち上がると、驚く亜矢に対してセカンドロープまで登って組み付いた。
雪崩式ブレンバスターの体勢に持ち込むが、これはまさか危険ではと観客席では驚くの声が。
しかし次の瞬間、愛は落差のある危険な雪崩式ブレンバスターで亜矢の身体をマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
これには亜矢が仰向けになって動きが止まった。
仕掛けた愛もダメージがあるのかフラつきながら覆い被さる。
フォールの意思表示をすると、レフリーがカウントを数えた。
『ワン・・・ツー・・・スリィィ・・・・』
「あああああっ・・」
気勢をあげてカウントギリギリで返した亜矢。
これには観客席から拍手が送られた。
だがダメージから立ち上がる事が出来ない亜矢。
すると、愛がフラつきながら立ち上がる。
試合を決めるとばかりにアピールすると、ロープに走ってから飛び上がるとフットスタンプを亜矢のボディに叩き込んだ。
ボシュ・・・
「ふぐうっ・・・」
これには内蔵を圧迫されて嘔吐感に襲われる亜矢。
素早くフォールする愛。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィィ・・・』
これにはお腹へのダメージで返せない亜矢。
一方、シングル戦勝利に信じられないと言う表情でまわりを見渡す愛。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングに続きリングアナのコールが。
『ただ今の試合、高端愛のフォール勝ちです!』
リングアナにコールされると、愛は立ち上がって片手をあげていく。
そして苦しそうな亜矢に手を差し出して起こすと、亜矢の手も挙げて観客にアピールするのであった・・・。



第3試合

『選手入場っ・・・』
リングアナがコールすると、リング上に現れたのは壕プロ所属の女優の石原里美。
緊張した表情でロープの張りなどを確認しているが、今夜がデビュー戦と言う事で緊張していた。
白い競泳水着に白いリングシューズで対戦相手を待っていると、リングに姿を現したのはカウボーイハットに黒いワンピース水着、黒いリングシューズ姿の澤尻エリカだった。
片手にはサーベルをもって観客にアピールしながらのエリカ。
里美はリング上からサーベルを見てレフリーに反則でしょとばかりに詰め寄る。
『新成人記念マッチ第3弾っ・・・青コーナー〜・・・身長157p、上から82、58、82・・・石原〜里美〜っ!』
コールを受けて一礼していく里美。反対コーナーのエリカの動きを見つめる。
『赤コーナー〜・・・身長161p、上から83、58、85・・・澤尻〜エリカ〜っ!』
コールを受けるとサーベルを高々と挙げてアピールすると、いきなり走り出して里美に襲いかかった。
コーナーで驚いて動く事が出来ない里美は、そのままコーナーでサーベルで殴られていく。
バキッ・・バキッ・・
「イタッ・・・痛いっ・・・」
嫌がる里美に、エリカは構わずストンピングで痛めつけていくと、一気に距離を置いてアピールした。
『カァーン!』
ここでゴングが鳴らされて正式に試合が始まるが、レフリーがエリカからサーベルを取り上げる。
里美も奇襲されるも立ち上がると、果敢にドロップキックを放っていく。
だがエリカは避けて自爆させると、髪を鷲掴みにして起こしていく。
「今夜もエリカ様のお祭りだよ!」
エリカが叫ぶと、張り手でコーナーまで追い込んでいく。更に喧嘩キックがボディに叩き込まれると、里美は苦悶の表情でコーナーに崩れ落ちた。
コーナーで崩れ落ちた里美を起こしていくと、セカンドロープに登ってタッチロープを首に巻き付けて絞首刑にしていくエリカ。
苦しさにエリカの手を必死に掴んで抵抗する里美。
『反則だっ!・・・ワン・・・ツー・・・スリー・・・フォー・・・』
レフリーの反則のカウントに手を放すエリカ。
「ゴホッ・・・コホッ・・・」
苦しそうに咳き込む里美。
その里美の脇腹にミドルキックを叩き込むと、顔面を掻きむしって痛めつけていく。
「んああぁぁぁぁぁぁ・・・」
里美が悲痛な叫び声をあげてロープに逃げると、エリカが走り込んで飛び蹴りを叩き込む。
これにはバランスを崩してリング下に転落する里美。
リング上ではガッツポーズでアピールするエリカ。だが観客席からは大ブーイングが。
『ブゥゥゥゥゥ・・・・ブゥゥゥゥゥゥ・・・・・』
そのブーイングの声に笑みを浮かべているエリカ。
もっともっとと言いたげな表情で観客席を煽るエリカ。
リング下では里美がフラつきながらもリングに戻ろうとするが、ロープ越しにエリカに捕まると、コーナーまで連れて行かれてコーナーポストに顔面を叩き付けられていく。
バシッ・・
「ああんっ・・」
またもリング上に響く里美の悲鳴。
たまらずリング下に降りる里美だが、今度はエリカもリング下に追いかけていく。
すると、里美も意地になって張り手を叩き込んで反撃した。
バシィィィィ・・・
「このぉぉぉぉぉ・・・」
エリカの左右の頬に張り手が炸裂するが、エリカは余裕とばかりに不気味な笑みを浮かべる。
更に里美が張り手やチョップで攻め立てるが、エリカは技を受けて笑みを浮かべている。
流石にノーガードの張り手に口の中を切ったのか、エリカの口から赤い筋が落ちていく。
バキィィィィ・・・
「きゃああああぁぁぁ・・・」
いきなりエリカがグーパンチで里美の顔面を殴りつけると、大きな悲鳴とともに里美の動きが止まった。
「生意気なんだよ!」
エリカが叫ぶと里美の髪を鷲掴みにして、エプロンサイドに顔面を叩き付けていく。
バンッ・・・バンッ・・・
「ああんっ・・んあああぁぁぁぁぁ・・・」
抵抗するがエリカの勢いに痛めつけられていく里美。
グッタリするがリング内に戻されると、エリカのストンピングで更に痛めつけられていく里美。
痛がる里美を鉄柱近くに寝かせると、両足を場外に伸ばさせていくエリカ。
『ま、まさか・・・』
観客席からもエリカのやろうとしている事に声が上がる。
そう、エリカは素早く場外に降りると、里美の両足首を掴んだ。
「いくよぉぉぉぉぉ・・・」
エリカが観客にアピールすると、勢いよく里美の両足首を引っ張った。
ゴキィィィィ・・・
「ひぎぃ!」
そう、両足首を勢いよく引っ張られて、股間を鉄柱に痛打した里美。
「ほらほらほらっ、何処が痛いんだよ!」
更に引っ張っては里美の股間を痛めつけていくエリカ。
そして放すとリングに戻っていく。
「ううっ・・うっ・・」
股間を押さえて苦しむ里美。
その里美に股裂き攻撃を仕掛けていくエリカ。
グイッ・・
「んあぁぁぁぁぁ・・・んんっ・・・」
股裂き攻撃に痛がる里美だが、エリカは更にダイビングヘッドバッドを股間に叩き付けた。
ゴキィィィィ・・・
「ひぎゃあ!」
股間への強烈な衝撃に絶叫する里美。
「ほらほらっ、大事な所を使えなくしてやるよ!」
痛がる里美の股間へ今度はニーを落としていくエリカ。
徹底した股間責めに観客たちも言葉を失った・・・。
「そろそろ飽きたから決めるよ!」
エリカは抵抗できない里美に飽きたとアピールすると、髪を掴んで起こしていく。
股間へのダメージで動きが取れない里美を、一気にバックドロップで投げつけるエリカ。
バシィィィィ・・・
「ああっ・・」
悲鳴をあげてグッタリする里美。
その里美に、トドメとばかりにヘッドシザースで締め上げていくエリカ。
グイッ・・・
「んぐぐっ・・んんっ・・」
両足をバタバタさせて藻掻き苦しむ里美。
レフリーもギブアップの確認をしていくと、里美は堪らずギブアップした。
『カンカンカンカン・・・』
タップした里美を確認したレフリーがゴングを要請するが、エリカは構わず締め上げていく。
技を解かないエリカにレフリーが止めていく。
「うぜえんだよ、触るな!」
技を解くが、レフリーを突き飛ばすエリカ。
立ち上がると、グッタリする里美の顔面を踏みつけていく。
「ふん、長澤一派の一人を潰してやったぜっ・・・ははははははっ・・・」
エリカは里美の顔面を踏みつけながら高笑いしてからリングを後にした。
確実に実力をつけているエリカ。
今後は長澤まさみとのシングル戦はあるのであろうか・・・。



第4試合

『第4試合っ・・新成人チャレンジマッチ・・・』
リングアナのコールに観客席が盛り上がりを見せると、更にリングアナのコールが続いた・・・。
『チャレンジャー・・・リアンっ・・ディゾンっ!』
コールされると花道からリングインしていくディゾン。
白いスポーツビキニに白いリングシューズ。そして両肘膝には白いサポーターが着けられている。
そしてディゾンが挑戦する相手っ・・・それはダンプ松元。
竹刀片手に堂々のリングインのダンプ。対戦相手のディゾンを睨み付けると、コーナーに歩き出した。
ディゾンも巨漢女子レスラーを前に緊張が走るが、日本の芸能界で売り出すためにヒールとの一戦で名前を売り出そうと必死になっていた。
『青コーナー〜・・・グラビア界の黒船〜・・身長167p、上から86、60、88・・・リアン・ディゾン〜っ!』
そしてコールを受けて一礼していくディゾン。観客席からは痛めつけられる姿を期待してか声援が飛ぶ。
『赤コーナー〜・・・身長163p〜・・・体重127s〜っ!・・・ダンプ〜松元〜っ!』
対して竹刀をマットに叩き付けてはアピールするダンプ。
『ディゾンちゃ〜ん、怪我しないでね〜!』
『ダンプっ、グラビア界の黒船を沈めてやれ〜!』
流石に日本地下プロレスデビューが実力があるとは言え熊多曜子。グラビアアイドルとの一戦より本物のヒールレスラーとの一戦はリスクが高い。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、いきなりディゾンが走り込んで勢いのあるドロップキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
一瞬フラつくダンプ。
しかし倒れないからとディゾンが素早く立ち上がって続けてドロップキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
踏ん張って倒れないダンプ。
更にディゾンが立ち上がってドロップキックを放つと、今度はコーナーに倒れ込んだダンプ。
『いいぞぉぉぉぉ・・・』
ダンプのダウンに観客席から歓声がおきた。
続けてダンプにストンピングで攻め込むディゾン。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
トップロープを掴んで勢いのあるキックで追い込んでいくディゾン。
更に飛び上がってニードロップをダンプに叩き込むと、流石のダンプも苦悶の表情でリング下に転がり落ちた。
ダンプがリング下に落ちたからと、ディゾンが片手を挙げてアピールすると、反対側ロープに走り出した。
リング下ではダンプが起き上がると、何とディゾンがトップロープとセカンドロープの間からダンプに対して飛び込んでボディアタックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
これにはダンプも驚く中、場外でダンプと一緒に倒れ込むディゾン。
ダンプにダメージを与える事は出来たが、自らもダメージを負っている様子・・・。だが地下プロレス初のリング上からリング外への攻撃に観客たちが盛り上がっていく。
ディゾンが立ち上がるとダンプの髪を掴んで起こしていくが、逆にダンプが張り手を叩き込む。
バッシーン・・・
フラつくディゾン。しかし踏ん張ってダンプの頬に張り手を返した。
バッシーン・・・
これには驚くダンプ。
すると、髪を鷲掴みにしてディゾンを鉄柵に叩き付けていった。
ガッシャーン・・・
「キャアアアァァァァ・・・」
悲鳴をあげて鉄柵に叩き付けられていくディゾン。
鉄柵に寄りかかるようにグッタリとしていると、ダンプは近くから一斗缶を持ち出した。
ディゾンに振り下ろされる一斗缶。
だが、間一髪ディゾンが避けると、素早く立ち上がって距離を置いた。
ダンプは一斗缶を高々と持ち上げると、ディゾンに一撃を喰らわそうと構える。
すると、ディゾンが踏み込んで左右のワンツーパンチをダンプの顔面に叩き込んだ。
バキッ・・バシッ・・
「こんなパンチが効くか・・・プロを舐めんなっ!」
殴られたダンプだが、距離が詰まったからとディゾンの脳天に一斗缶を豪快に叩き付けた。
ガァーン・・・
「ああんっ・・・」
この一撃には動きが止まるディゾン。
更に髪を捕まれてリング上に戻されていくディゾン。
リング内に転がされるように戻されるディゾンを、ダンプも追いかけてリングに上がっていく。
ロープ際だからとディゾンのバストを踏みつけて、ロープを掴んで観客席にアピールするダンプ。
『ブゥゥゥゥゥゥ・・・・ブゥゥゥゥゥゥ・・・・』
当然ながら観客席から激しいブーイングが送られていくが、ダンプは笑みすら浮かべて踏みつけていく。
「んああぁ・・・ああああああっ・・・痛いぃぃぃぃぃ・・・」
ディゾンが悲鳴をあげて苦しむと、観客からのブーイングは更に大きくなっていく。
両手でロープを掴んで全体重をディゾンのバストに乗せていくダンプ。
必死にダンプを足を外そうとするが、それも出来ずに両足をバタバタさせて藻掻き苦しむディゾン。
『ダンプっ、ロープだ・・ロープっ・・・』
ここでレフリーがディゾンの足がロープに触れたからと離れるように指示すると、ダンプはお腹にストンピングを入れてから離れた。
ボシュ・・・
「ぐふうっ・・」
お腹を両手で押さえて藻掻き苦しむディゾン。
ダンプが襲いかかろうとするが、レフリーが必死にダンプを押し戻してディゾンの立ち上がるのを待った。
ロープを掴んでディゾンが立ち上がると、ここで試合続行となる。
『ファイトっ!』
レフリーのかけ声に距離を詰めるダンプ。
ディゾンも呼吸を整えながら距離を置いていく。
距離を詰められると、ディゾンがミドルキックからハイキックと打撃系で攻め込む。
バシッ・・バシッ・・・
的確にキックが炸裂するが、ダンプ相手では簡単にはいかずに逆に髪を鷲掴みにされていくディゾン。
両手で髪を鷲掴みにすると、豪快にマットに投げ飛ばしていくダンプ。
「きゃあああああぁぁぁ・・・」
ディゾンが悲鳴をあげながらマットに叩き付けられていく。
俯せ状態で苦しむディゾンに、ダンプはストンピングを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・」
更に悲鳴をあげて転がるように逃げるディゾン。
ロープを掴んでレフリーにアピールするディゾンに、ダンプは構わず起こしていく。
「おりゃあああぁぁ・・・」
ダンプが気勢をあげてボディスラムの体勢から抱え上げると、ゆっくりとリング内を歩き出す。
嫌がるディゾンを勢いよくマットに叩き付けるダンプ。
バッシーン・・・
「ああんっ・・・」
背中を打ち付けられて痛がるディゾン。
更に髪を掴んで起こしてから、ボディスラムでマットに叩き付けていく。
バッシーン・・・
「ああっ・・・」
苦悶の表情で大の字になるディゾン。
そのディゾンにダンプはコーナーに隠してあった竹刀を持ち出すと、全身を滅多打ちにしていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「いやあっ・・ああんっ・・・オオゥ・・・ああああっ・・」
竹刀で全身を滅多打ちにされて藻掻き苦しむディゾン。
これにはレフリーがダンプを止めて竹刀を取り上げていく。
ディゾンはフラつきながらも立ち上がると、ダンプとの距離を置いていく。
苦しそうだが、ディゾンは試合のペースを握りたいとばかりにジャンピングニーパッドを仕掛けた。
バキッ・・
「ぐっ・・」
ディゾンの膝がダンプの顎を捉えると、動きが止まるダンプ。
一瞬効いたのかフラついたように見えて、観客席が盛り上がっていく。
動きの止まったダンプに対して、ディゾンは必死にエルボースマッシュを喉元などに叩き込むと、首相撲の体勢から膝蹴りを叩き込んだりと攻め込む。
だがダンプがラリアットを叩き込むと、一発でディゾンがマットに大の字にされてしまった。
これで終わりと思われた瞬間、ディゾンがフラフラしながらも立ち上がった。
『いいぞぉぉぉぉぉ・・・』
ディゾンの頑張りに観客から歓声が送られていくと、ダンプは立ち上がった瞬間、ラリアットを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「ぐはっ・・」
またも大の字にダウンするディゾン。
天井を見つめたようにして、呼吸を荒くしている。
「決めるぞぉぉぉぉ・・・」
これにはダンプが観客にアピールすると、ディゾンの両足を抱え込むようにしてボストンクラブで痛めつけていく。
グイッ・・・
「ぎゃあああああぁぁぁぁぁ・・・」
これには大きな悲鳴をあげるディゾン。
スレンダーなボディが反らされていくと、まるで真っ二つに折られるのではと言うように見えるダンプの攻め。
『ギブアップ?』
レフリーは危険と判断するが、止めるには早いとばかりにギブアップの意思確認をするが、ディゾンは耐えていく。
「ノォォォォォ・・・ね、ネヴァーギブアップ・・・」
耐えるディゾンにダンプは更に腰を落として痛めつけていく。
「おらおらっ、ギブしないと背骨が折れるぞ、こらぁ!」
「ああああああああああっ・・・」
悲鳴をあげるがギブアップしないディゾン。
ダンプも耐えるディゾンに仕方ないとばかりに技を解くと、腰にストンピングを叩き込んで痛めつけていく。
バシッ・・バシッ・・
堪らずロープを掴んでレフリーにアピールするディゾン。
「ロープっ・・ロープっ・・・」
これにはレフリーがダンプを止めていくと、ディゾンを立たせていく。
フラフラしながら立ち上がっていくディゾン。
ダンプが距離を詰めていくと、苦しそうな表情のディゾンが喧嘩キックからエルボースマッシュと攻め込んだ。
バシッ・・バシッ・・
「おりゃあ!」
だがダンプは倒れずに不気味な笑みを浮かべると、両手で髪を鷲掴みにしてヘッドバッドを叩き込んだ。
ゴキィィィィィ・・・
「んあっ!」
悲鳴をあげてダウンするディゾン。
すると、髪を掴んでゆっくりとブレンバスターでマットに叩き付けるダンプ。
流石に大技を受けて身体をヒクヒクとしているディゾン。
構わずダンプは立ち上がると、ディゾンの喉元にエルボードロップを落としていく。
ボシュ・・
「グエエェェェェェェェ・・・」
喉元を押さえてマット上を藻掻き苦しむディゾン。
俯せ状態で藻掻き苦しむディゾンに、ダンプは跨ぐようにしてヒップドロップを叩き込む。
ドシュ・・・
「ぎゃあっ!」
またもリング上にはディゾンの悲鳴が響き渡る。
そのままキャメルクラッチを極めていくダンプ。
「おらおらっ、ギブしろってんだよ!」
ダンプの問いかけにも耐えていくディゾン。
上半身が容赦なく反らされていくと、まるで天井を見せつけられているかの様な状態に。
『ディゾンが壊されちゃうよ、やめてやれ〜!』
『レフリーぃぃぃ・・・止めろ、試合を止めろ!』
観客席からはレフリーとダンプに対してブーイングとも言える声が飛び交い出す。
痛めつけられているディゾンはギブアップを拒んでいるが、あまりの激痛に泣き出していた。
ギブアップしないからと、ダンプのレフリーストップよりはと技を解いていく。
技が解かれるとグッタリと俯せ状態になるディゾン。
観客を煽るようにダンプはディゾンのヒップを踏みつけていくと、観客席からはブーイングの嵐。
ロープを掴むディゾン・・・レフリーは試合を止めようかと迷いもあるが続行させていく。
『離れろっ・・・ダンプっ!』
レフリーがダンプを離していくと、フラフラ状態のディゾンが立ち上がる。
『ファイトっ!』
レフリーのかけ声で続行となるが、ダンプが精神的に追い詰めようと前に出る。
手は出さないが圧力をかけると、ディゾンはフラつきながらもジャブ気味のパンチを出すが、少しずつコーナーに追い詰められていく。
コーナーを背にしても喧嘩キック、パンチと抵抗するディゾン。
ダンプ相手にここまで試合をしただけでも大したものだったが、ディゾンの抵抗は止まらない・・・。
しかしダンプがここで手を出した。左手でディゾンの顎を押さえると、右手を握りしめてお腹にパンチを入れていく。
ボシュ・・・
「ふぐっ・・」
殴られて必死にお腹に力を入れて踏ん張るディゾン。
ボシュ・・ボシュ・・
「んんっ・・んぐぐっ・・」
スポーツビキニだから生腹を殴りつけられて、お腹の辺りの肌の色が変色していくディゾン。口から涎を垂れ流し始めた。
ディゾンの足下が不安定になってくると、ダンプは両手でトップロープを掴んでコーナーと自らの巨体でディゾンの身体を押しつぶす。
ボシュ・・・
「あうっ・・・」
ダンプの圧殺ボディアタックでコーナーに座り込むように崩れ落ちていくディゾン。
そのディゾンの両足を掴んで俯せ状態にしていくと、ダンプはサードロープに登りだした。
そして、飛び上がるようにしてディゾンのお腹にヒップドロップを落とした。
容赦なくダンプのヒップ爆弾がでディゾンを襲う。
ボシュ・・・
「ぐっ・・グエェェェェ・・」
ダンプのヒップドロップに口から激しく胃液などを吐き出すディゾン。同時に失神してしまった・・・。
これにはレフリーも急いでゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが乱打されると、ここで試合終了となった・・・。
『ただいまの試合、失神KOでダンプ松元の勝利となりました!』
ダンプは片手をあげて観客にアピールするが拍手はなく、負けたディゾンには拍手が送られていく。
リングドクターが応急処置を施すと、ディゾンを担架に乗せて運び出すのであった・・・。
試合に勝利したダンプだったが、ディゾンの粘りと頑張りには驚きを隠しながらリングを後にするのであった・・・。


第5試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、あのリングドクターとして地下プロレスに参加していた西河史子。
黒い競泳水着に黒いリングシューズ姿で堂々のリングイン。芸能界でもトップクラスのタカピーとしても知られる史子。
早くも観客席からはブーイングまで聞こえる状態に、史子はロープを掴んで怒りを露わにする。
その怒りの史子の対戦相手として今夜地下プロレスのリングに上がるのは、アキバ系アイドルの紀行伝美沙。今夜が地下プロレス初挑戦だが、かつてはキャットファイターの経験もある美沙。白いスポーツビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、異様な雰囲気に緊張しながらも笑顔で観客席に向かって手を振り出していた。
美沙の行動に史子は更に怒り出す。
「何なのよ、アンタ!」
「はきゅ〜ん!」
美沙も観客を盛り上げようと口癖ともいえる言葉を発すると、史子が詰め寄った。
「舐めてるの・・・リング上じゃあ何でも有りなんだから、覚悟しなさいよ・・・」
史子の言葉に緊張が走るリング上。
だが美沙も言い返した。
「覚悟も何も、試合ですから・・・」
その言葉に史子が手を出そうとすると、レフリーが止めていく。
仕方なくコーナーに戻る史子と美沙。
美沙もショーアップされたプロレスショーと言う認識しかなく、逆に史子は数々の残酷な試合を観てきただけあって、その両者の認識の違いがゴングと共に爆発するのであった。
『青コーナー〜・・・身長158p、上から86、57、83・・・紀行伝〜美沙〜っ!』
リングアナのコールに手を振ってアピールする美沙。
『赤コーナー〜・・・身長160p、上から83、58、85・・・西河〜史子〜っ!』
一方堂々と片手を突き上げていく史子。
『カァーン!』
ゴングと同時にリング中央で睨み合う史子と美沙。
お互いが睨み合っていると、いきなり美沙が張り手を叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
張り手を受けても動じない史子。
バシィィィィ・・・
更に美沙が張り手を叩き込む。
すると、史子が叫んだ。
「効かないんだよ!」
その言葉に美沙がエルボースマッシュを叩き込むと、史子も喧嘩キックを美沙の生腹に叩き込んだ。
ボシュ・・
「うぐっ・・」
「おらおらっ、甘いってんでしょ!」
更に髪を掴んでフェイスクラッシャーで顔面をマットに叩き付けると、美沙が悲鳴をあげた。
「いやああぁぁぁぁぁぁ・・・」
「まだまだ甘いんだよ、おらっ!」
その苦しむ美沙の腰にニードロップを落とすと、後頭部にギロチンドロップを叩き込む史子。
早くも美沙が苦しい状態に追い込まれていく。
堪らずロープに手を伸ばしていく美沙。
サードロープを掴むも、史子が手を踏みつけていく。
グイッ・・
「痛いぃぃぃぃぃぃぃ・・・」
悲鳴をあげる美沙。
ロープを掴んでいるからとレフリーが史子を止めていくと、史子は文句を言いながら離れた。
フラつきながら立ち上がる美沙。
『ファイトっ!』
レフリーが続行を告げると、美沙が距離を詰めていく。
史子も近づくと、美沙にグーパンチを放った。
だが美沙がパンチを避けてタックルを仕掛けると、うまくテイクダウンを奪った。
サイドポジションを奪っていく美沙。
この辺りは経験の差が出たのか、キャットファイトの経験から美沙が有利に見える。
そしてマウントポジションを奪う美沙。
観客席が盛り上がると、美沙は張り手を叩き込んでいく。
バシッ・・バシッ・・
これにはガードを固める史子。
ブリッジ気味に跳ね返そうとするが、美沙もうまくバランスをとっては張り手を叩き込んだ。
バシッ・・バシッ・・
美沙が有利に見える試合展開。
しかし次の瞬間、リング上に美沙の悲鳴が響き渡った・・・。
「きゃああぁぁぁぁぁ・・」
「調子にのってんじゃないわよ!」
そう、史子が下から美沙のビキニに包まれたバストを鷲掴みにするバストクローを仕掛けた。
胸への痛みに悲鳴をあげる美沙。その隙に史子が跳ね返して立ち上がった。
美沙も胸を気にしながら立ち上がると、ロープ際まで下がって呼吸を整える。
だが史子が近づくと、美沙の髪を鷲掴みにして顔面をロープに擦りつけていく。
ギュギュ・・・
「あああああっ・・熱いぃぃぃぃ・・顔が焼けちゃうぅぅぅぅ・・・」
美沙の悲痛な叫びに観客席からはブーイングが飛んだ。
『ブゥゥゥゥゥゥゥ・・・・ブゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・』
ブーイングに構わず史子がロープに擦りつけてから、膝蹴りでダウンを奪っていく。
グッタリしている美沙の髪を鷲掴みにして起こすと、首相撲状態に持ち込んで膝蹴りをボディに連打していく史子。
これには美沙が涙目で苦しむしかなかった・・・。
更に豪快なフェイスバスターで美沙を顔面からマットに叩き付けると、続けてキャメルクラッチで痛めつけていく史子。
グイッ・・・
顎を押さえられて悲鳴もあげられない美沙。堪らずマットを叩いてギブアップした。
『カンカンカンカン・・』
ゴングの音に技を解いていく史子。
『勝者、西河史子っ!』
リングアナのコールに史子は立ち上がると、グッタリしている美沙の後頭部を踏みつけてからビキニを剥ぎ取っていく。
グイッ・・
「や、やめてください・・・」
嫌がる美沙を容赦なくトップレスにしていく史子。
「地下プロレスなんだから、負けたら覚悟して頂戴よね・・・」
必死に胸を隠す美沙。
これには観客席からブーイングと歓声がおきていく。
『おっぱい出せ、おっぱい!』
『いいぞぉぉぉぉ・・・西河〜っ!』
史子は剥ぎ取ったビキニを高々とあげながらリングを後にするのであった。



第6試合

『グラビア系格闘技マッチ・・・選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインしていくのは、グラビア系の瀬戸早紀と夏河純。
『第1弾・・・時間無制限キックボクシングマッチ・・・』
白いビキニ姿の早紀。そして純は黒いビキニ姿。グローブを着けて緊張気味の表情を浮かべているが、一応パンチやキックなど練習はしてのリングイン。
『青コーナー〜・・・身長161p、上から83、58、87〜・・・瀬戸〜早紀〜!』
コールを受けて一礼していく早紀。口にマウスピースを入れると、コーナーに膝蹴りを叩き込んだりして身体を動かしていく。
『赤コーナー〜・・・身長160p、上から85、59、85〜・・・夏河〜純〜!』
コールを受けて手を挙げていく純。マウスピースを口に入れると、口の中に違和感を感じて戸惑う純。
レフリーが二人をリング中央に呼んでルール説明をしていくと、早くも早紀は純を睨み付けていく。
逆に純は睨まれて戸惑いを隠せない。
そしてコーナーに戻されると、レフリーがゴングを要請した。
『カァーン!』
ゴングと同時にリング中央に進んでいくと、まずは軽く早紀がジャブを出す。
純は戸惑いながらローキックを出すが、早紀がカウンターのパンチを放った。
バシィィィィ・・・
早くも純の顔面に強烈なパンチが炸裂すると、早紀が距離を詰めて顔面狙いでパンチを放っていく。
バシッ・・バシッ・・
これには嫌がるようにガードを固めてロープに逃げる純。
距離が開くと早紀のミドルキックが純を襲う。
バシィィィィ・・・
「んぐっ・・」
脇腹を蹴りこまれて苦しい純。
動きが止まったからと、早紀が一気に顔面を殴りつけていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
ガードを固める純に容赦ないパンチのラッシュ。
顔面パンチの連打に意識が顔面ガードに集中すると、早紀がボディにパンチを叩き込む。
ボシュ・・・
「ぐふうっ・・・」
このお腹へのパンチで堪らず純が座り込むようにダウンした。
『ダウン・・・』
コールされるとレフリーが早紀を離していく。
苦悶の表情の純。
『ワン・・・ツー・・・スリー・・・フォー・・・ファイブ・・・シックス・・・セブン・・・エイト・・・ナイン・・・』
カウントが進むが、ギリギリで立ち上がる純。
レフリーがチェックしてから続行が告げられた。
『ファイト!』
レフリーの指示に早紀が前に出る。
純も蹴りを出すが焦りが見えているから、早紀は鋭い視線で距離を詰めた。
距離が詰まるからと純がパンチを放つ。
バシッ・・
純のパンチが顔面にヒットするが、早紀は構わずワンツーを叩き込んでから、ボディとパンチを連打する。
嫌がるように純がパンチを出していくが、その純の顔面をカウンターパンチが炸裂した。
早紀のグローブが純の鼻を直撃した。
グシュ・・
顔面にめり込む早紀のグローブ。
グローブが離れると、純は鼻から激しく出血してダウンした。
『ダウン・・・』
レフリーが早紀を離すと、マット上に大の字になって倒れている純。
『ワン・・・ツー・・・スリー・・・フォー・・・ファイブ・・・シックス・・・セブン・・・エイト・・・ナイン・・・』
レフリーのカウントが進む中、純はフラつきながらも立ち上がる。
実際のキックボクシングだったら試合終了となるが、地下プロレスのリングだから立ち上がろうとしたのでカウントが止まる・・・。ある意味で残酷な試合だった・・・。
『ファイト!』
レフリーが指示をすると、早紀が間合いを詰めてジャブから右ストレートを叩き込む。
バシッ・・・
これには血飛沫をあげてダウン寸前に追い込まれていく純。
必死に抱きついていくと、早紀が膝蹴りを狙う。
『ブレーク・・・』
ここでレフリーが両者を離していくと、またも続行の指示が飛ぶ。
『ファイト!』
苦しそうな純。早くも顔は腫れだしている。
早紀は容赦なくジャブからボディへパンチを放つと、純が身体をくの字にして耐えた。
必死にフックを返す純。
バシッ・・
早紀も殴られても構わず殴り返すと、純も粘るがロープまで追い込まれていく。
顔面を殴られると血飛沫が飛んでいく。
ロープを背に殴られつづける純。
口からは血に染まったマウスピースが顔を覗かせていく。
ボシュ・・ボシュ・・
早紀もダウンを奪おうとお腹を殴り続けると、純は涙目になって耐えていく。
手が出ない純に、早紀は狙いすまして膝蹴りをボディに叩き込んだ。
グシュ・・
「ぐぼっ・・」
これには純は目を見開いてマウスピースを吐き出した・・・。
血の混じる涎を垂れ流しながら前のめりに倒れ込みそうになる純。
だが早紀が組み付くと、ダウンさせないように起こしてから強烈なアッパーを叩き込んだ。
バシィィィィ・・
「ぐへぇぇぇ・・・」
流石にこれには血飛沫をあげて糸の切れた操り人形の如くマットに沈む純。
俯せ状態でダウンすると、身体をヒクヒクとしている・・・。
『ダウン・・・』
ダウンが告げられるが、誰の目からも純が試合続行が出来るとは見えない。
しかしレフリーのカウントが進んでいく・・・。
カウント中も純はヒクヒクしているが、カウント10が終わるとゴングが鳴らされた。
『カンカンカンカン・・・』
試合終了が告げられるとリングドクターが純をチェックする。
『勝者、瀬戸早紀っ!』
片手を挙げてアピールする早紀。足下には半失神状態で血まみれの純。
グラビア系だからとどんな打撃戦になる事か注目された一戦だったが、地下プロレスの名に負けない残酷なに結末に終わったのだった・・・。



第7試合

『グラビア系格闘技マッチ第2弾・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、左藤和沙と仔林恵美。
白いビキニの和沙に対して、恵美は黒ビキニ姿。今夜が地下プロレスデビュー戦となる恵美だが、堂々としたリングインに観客達の視線が集まる。
第6試合に続き事務所対抗の様にも見えるこのマッチメーク。
和沙はプロレスマッチでデビュー済みも、痛めつけられて負けた経験を持つ。対して恵まれた体格で地下リング登場が期待されていた恵美。
今夜がデビューとなるが、格闘技戦にも意欲的な姿勢を見せている。
オープンフィンガーグローブをコーナーに叩き込んで威嚇していく恵美。
対して、和沙はオープンフィンガーグローブに違和感を感じつつコーナーに立つが、早くもビキニに包まれた99pIカップバストが注目を集める。
『第2弾・・・総合格闘技マッチ・・・』
コールが始まるとリング上に緊張が走る・・・。
『青コーナー〜・・・身長157p、上から99、60、88・・・左藤和沙〜っ!』
コールを受けると一礼していく和沙。しかし堂々としている恵美に緊張気味の様子。
『赤コーナー〜・・・身長165p、上から88、56、83・・・仔林恵美〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする恵美。
両者の口にマウスピースが入れられると、レフリーがゴングを要請した。
『第1ラウンド・・・カァーン!』
ゴングと同時に恵美が前に出る。
和沙も前に出るが、ガードも甘い顔面に恵美の左右のパンチが炸裂した。
バシッ・・
胸を揺らしながらフラつく和沙。
必死にミドルキックを放つが恵美も蹴られると、負けじとミドルキックを蹴り返す。
バシィィィィ・・・
恵美の蹴りに和沙の動きが一瞬止まると、恵美が踏み込んで和沙の自慢のバストにパンチを放った。
グニュ・・・
「ああんっ・・」
自慢のバストを殴りつけられて悲鳴をあげる和沙。
マウスピースをしていても悲鳴をあげる程の衝撃。ガードを固める和沙に、恵美は首相撲の体勢に持ち込んでからバストへ膝蹴りを叩き込む。
グニュ・・
胸への連続攻撃に動きが鈍る和沙。苦し紛れに抱きついていくと、恵美が振り解く。
フラついている和沙。
距離を置くとジャブ気味にパンチを放つ恵美。
バシッ・・バシッ・・
顔面へ炸裂するパンチに、和沙は嫌がるようにガードを固めようとするが、恵美のパンチが確実にダメージを与えていく。
ロープ際に追い込まれていく和沙。
顔を殴られたくないからとガードを上げていると、恵美はがら空きのお腹へボディブローを叩き込む。
ドシュ・・・
数発叩き込まれると、和沙は身体をくの字にしてダウンしないように耐えていく。
しかし表情は苦痛に歪んでいる。
更に恵美がボディを叩き込むと、和沙も大振りのパンチを放つ。
バシッ・・
和沙のパンチが恵美の顔面を捉えるが、恵美の勢いは止まらない。
バシッ・・ボシュ・・
ロープを背にしてサンドバック状態の和沙。
恵美が膝蹴りをボディに叩き込むと、遂に和沙の身体がロープ際に崩れ落ちる。
お腹を押さえて対してダウンする和沙。
膝を着いているが、恵美は上から頭を殴りつけて倒していくと、俯せ状態になっていく和沙。
恵美は素早くバックマウントを奪うと、脇腹にパンチを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・・バシッ・・・
殴られて痛がる和沙。
和沙が嫌がるようにガードすると、今度は側頭部にパンチが叩き込まれていく。
バシッ・・バシッ・・
堪らず四つんばいになって逃げたい和沙。
だが今度は自慢の99pのバストを殴りつけられて苦しむ。
数発バストを殴りつけると、恵美が距離を置いて手招きしていく。
和沙もフラつきながらも立ち上がると、必死にパンチを出して距離を詰める。
胸を揺らしながらパンチを出すが、恵美がカウンターパンチを顔面に炸裂させると、和沙は鼻血を吹き出してダウン。
ダウンした和沙に今度はマウントポジションを奪っていく恵美。
和沙も殴られたくないからと、手を出しては逃れようとする。
だが恵美の拳は和沙のバストに叩き込まれていくと、殴られる度にひしゃげて歪んでいく。
更に顔面にハンマーパンチまで叩き込まれて一方的になったところでゴングが鳴った・・・。
『カァーン・・・』
ここで第1ラウンドが終了するが、誰の目からも恵美の圧倒的な勝利と言うところ。
だが地下プロレスでは残酷ショーとして続けられていく・・・。
コーナーに戻される恵美と和沙。
恵美はビキニを直しては黒服に試合についてアドバイスを聞いている。
対して和沙は鼻血の止血と、少し涙目にも見えるように格闘技戦に怯えている様子・・・。
『ラウンド2・・・』
レフリーが第2ラウンドを開始させると、コーナーで構える和沙。
対して恵美は走り込んで喧嘩キックでコーナーに押しつけると、寄りかかる体勢になった和沙の顔面に一気にパンチを叩き込む。
堪らずコーナーを背にガードを固める和沙。
しかし激しく鼻から出血すると、99pのバストが作り出す胸の谷間に血を垂らしていく。
白いビキニも赤く染まり出すと、観客席が盛り上がっていく・・・。
顔面にパンチが炸裂すると、血飛沫が飛び散っていくリング上。
和沙が一方的に殴られていく展開になっていくが、レフリーは止めようともせず、逆に恵美を煽っていく。
恵美も勝ちたいのと目立ちたいとの一心から、和沙の顔面からバスト、ボディと殴りつけていく。
フラフラして恵美に抱きつこうとする和沙。
だが恵美は容赦せず膝蹴りをボディに叩き込んだ。
ボシュ・・・
「うっ・・ぐう・・・・・」
変な声を漏らして倒れ込む和沙。
俯せ状態にダウンすると、恵美がヒップを蹴りこんだり後頭部にストンピングを叩き込む。
あまりに一方的になったからと、ここでレフリーが恵美を止めて試合が終わりを告げた・・・。
『カンカンカンカン・・』
ゴングが打ち鳴らされると、恵美は蹴りこむのを止めてレフリーに手を挙げられていく。
対して和沙は、血まみれ状態で泣き出していた。
今大会の中で2戦目の事務所対抗戦。さてこの事務所の組み合わせはまだ出てくるのであろうか・・・。



第8試合

『グラビア系格闘技マッチ・・・第3弾・・・』
リングアナがコールすると、リングに上がるのは、Oプロのグラビア要員の橋元愛実。そして原多麻衣。
黒ビキニに黒いリングシューズの愛実。対して白いビキニに白いリングシューズの麻衣。
試合形式はボクシング。グラビア系だけに意地が爆発しそうに思えたが、麻衣はボクシングマッチでは顔が腫れ上がったりと心配して拒否したが、ヒールレスラーとのデスマッチとどちらかを選べと言われての出場。
対して、愛実はコーナーにパンチを入れたりと闘志が感じられた。
『青コーナー〜・・・身長160p、上から85、59、86・・・原多〜麻衣〜っ!』
白いグローブを着けて一礼する麻衣。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から88、60、87・・・橋元〜愛実〜っ!』
対して堂々と片手を挙げてアピールする愛実。
口にマウスピースが入れられると、ゴングが鳴らされて試合が始まった・・・。
『第1ラウンド・・・カァーン!』
ゴングと同時に前に出るのは愛実。
軽くジャブを出しながら距離を詰めると、ガードを固める麻衣のボディを殴りつけた。
ボシュ・・
これには苦しそうな表情を浮かべる麻衣。
だがお返しとばかりに殴り返すと、愛実は顔にジャブからフックと殴りつけた。
バシッ・・バシッ・・
顔を殴られてフラつく麻衣。
殴り返すが逃げ腰にも見えて力が入らない。
すると、愛実は一気にロープ際まで押し込むと、麻衣のお腹を殴りつけた。
ボシュ・・
「ふぐうっ・・」
容赦ないボディブローに麻衣の動きが止まる。
苦悶の表情でガードをあげる麻衣に、愛実は左右のボディフックを叩き込む。
ボシュ・・バシッ・・
ボディを打ち込まれてもガードは下げない麻衣。
更に愛実がボディを打ち続けると、麻衣が堪らず座り込む様にダウンした。
『ダウンっ・・・』
ここでレフリーが愛実を止めて離していく。
お腹を押さえて苦しむ麻衣。レフリーはカウントを数えだした。
『ワン・・・ツー・・・スリー・・・フォー・・・ファイブ・・・シックス・・・セブン・・・エイト・・・ナイン・・・』
カウントギリギリで立ち上がる麻衣。普通のボクシングだったらKO負けと言われる状態だが、簡単に試合は終わらないのが地下プロレス。
立ち上がるがボディ攻撃でダメージを受けて動きが鈍くなる麻衣。
『ファイトっ!』
レフリーの指示に麻衣が前に出るが動きが鈍くなったからと、愛実はジャブを顔面へ打ち付ける。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
殴られると勢いもなくなる麻衣。
痛いからと必死にパンチを放つが、愛実にガードされていく。
逆に顔面にジャブを叩き込まれては、ロープに追い込まれていく麻衣。
ロープに詰まるとガードを固めるが、愛実の的確なボディへの攻撃に苦しむ麻衣。
ボシュ・・ボシュ・・
お腹への連続攻撃に苦しい麻衣。
苦しいからとガードが下がると、そこへ愛実の狙いすましたアッパーが炸裂した。
ボシュゥゥゥゥゥ・・・
「んあぁぁぁ・・・」
堪らずマウスピースを宙に飛ばして豪快にダウンする麻衣。
ロープに吹き飛ぶようにして倒れ込むと、レフリーが愛実を離していく。
『ダウンっ・・・』
ダウンのコールがされると、麻衣は俯せ状態で苦しんでいる。
『ワン・・・ツー・・・スリー・・・フォー・・・ファイブ・・・シックス・・・・・・カァーン!』
麻衣が立ち上がれないのは誰の目から見ても確実だったが、ここでゴングが鳴り麻衣は救われた。
しかし救われた方が更なる地獄の苦しみを受けることに・・・。
コーナーに戻される愛実と麻衣。
愛実はまだ余裕の表情があり、黒服にペットボトルを差し出されると口を漱いだり飲んだりしている。
一方、麻衣は口の中を切っているのか口へ水を含むが、吐き出すと赤く変色していた。
反対コーナーで苦しむ麻衣の姿に、愛実は豪快なKO劇で勝利しようと考えるが、黒服からは簡単に終わらせずに、痛めつけて勝つように指示がされた。
一方の麻衣は、黒服に試合を止めてくれるように哀願するが、簡単に負けたらビキニ剥ぎとばかりに脅されて嫌々試合を続けさせられるのだった。
『セコンドアウト・・・セコンドアウト・・・』
リングアナのコールに黒服は麻衣と愛実の口にマウスピースを入れると椅子を片付けると、第2ラウンドが始まった。
『第2ラウンド・・・カァーン!』
ゴングが鳴ると、コーナーから出る麻衣と愛実。
リーチ差から距離を置いてジャブを放っていく愛実。
バシッ・・バシッ・・
麻衣もジャブで返すが、愛実のパンチの当たる数が上回っていく。
第1ラウンドのボディ攻撃にスタミナ面が早くも心配な麻衣。
次第に手が出なくなる麻衣。
愛実は容赦なく顔を狙ってジャブからフック、そしてストレートと殴りつけていく。
次第に一方的な試合展開に酔っているのか、麻衣の顔が腫れ出すと目を狙いだした。
右目が腫れだし視界が塞がれ不利になっていく麻衣。
嫌がるように大振りのパンチを放つと、逆に踏み込まれてボディを打ち込まれていく。
ボシュ・・
音を立てて炸裂するボディブローに、身体をくの字にして苦しむ麻衣。ビキニだから生腹が露出しているが、殴られ続けて変色している。
動きが止まったからと顔に踏み込んでのストレートを叩き込む愛実。
そのグローブが麻衣の鼻にめり込んだ・・・。
グシュ・・・
愛実のグローブが離れると、激しく鼻血を流し出す麻衣。
堪らず膝をついてダウンしてしまった。
『ダウン・・・』
鼻から激しく出血して、白いビキニに包まれた自慢の白いバストが作り出す谷間にも血が流れ込む。
『ワン・・・ツー・・・スリー・・・フォー・・・ファイブ・・・シックス・・・セブン・・・エイト・・・ナイン・・・』
カウントが続く中、麻衣は必死に立ち上がっていく。
レフリーが続行の意思確認をするが、麻衣は戦意喪失しているのは観客からもハッキリとわかったが、試合は続けられていく・・・。
『ファイト!』
レフリーのかけ声に愛実が距離を置いては麻衣の顔面にパンチを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・
殴られては手を出すが、有効打など出せるはずもなく、ただサンドバックとされていく麻衣。
コーナーに追い詰められると、愛実のボディにマウスピースを吐き出した。
ボシュ・・
「んぐっ・・・オエッ・・・」
マウスピースを吐き出すとダウンしそうになる麻衣だが、愛実がダウンを許さない。
「!」
倒れないようにクリンチすると、そのままコーナーに寄りかからせていく。
両手をトップロープに乗せる形の麻衣。
『オッパイ殴れ、オッパイっ!』
一方的なリング上での試合に興奮する観客が叫ぶ。
その声を聞いてか、愛実もアッパー気味に殴りつける。
グニュ・・
「痛いぃぃぃ・・・」
堪らず悲鳴をあげる麻衣。
更にバストアッパーで攻め込む愛実。
グニュ・・・グニュ・・・
麻衣の白くて綺麗な乳房が殴りつけられると、上下左右と揺れまくる。
次第に殴られてビキニから乳房が飛び出すと、レフリーが邪魔だとばかりにビキニを剥ぎ取った。
「いやっ・・・」
思わず両手で胸を隠そうとする麻衣。
いよいよ豪快なKOとばかりに愛実が踏み込むと、麻衣はフラついていく。
ゴキッ・・・
次の瞬間、踏み込んだ愛実の顔面が麻衣の頭に激突した。
そう、通常のボクシングだったらバッティングだったが、レフリーも黙っている。
堪らず膝をつく愛実。
『ダウン・・・』
レフリーがダウンをコールすると、愛実は鼻を気にしてグローブを着けた手で押さえた。
タラ〜・・・
グローブで押さえるが、鼻血が激しく吹き出す愛実。
フラつきながらも立ち上がると、レフリーは試合続行を指示。
『ファイト!』
両者が激しい流血戦となるが、鼻血は流すも勢いが止まらない愛実。
バシッ・・バシッ・・
フラフラしている麻衣をロープ際に追い込むと、ボディにパンチを叩き込む。
ボシュ・・・
「うぐふっ・・」
変な声を漏らしてダウンする麻衣。お腹を押さえて座り込むと、見事な美乳を揺らしながらダウンした。
『ダウン・・・』
レフリーがダウンを宣言すると、ここでゴングが鳴った・・・。
『カァーン!』
第2ラウンド終了。ゴングに救われたと言う形になるが、もう誰が見ても麻衣が痛めつけられる為に延長と言う感じのこの試合。
黒服によってコーナーに戻されていく麻衣は、用意された椅子に座り込むと苦しそうに呼吸する。
目が腫れてきて冷やしてもらうが、麻衣の頭には試合終了だけしかなかった・・・。
対して愛実は、活躍の場が少ない事もありストレス発散と言う流れになったつもりが、バッティングで痛い思いをして怒りに火がついていた。
『ラウンド3・・・』
そして3ラウンドが開始されると、麻衣はコーナーから出ることが出来ない。
逆に鼻血を止血してもらった愛実が前に出ると、トップレス状態の麻衣の顔面にワンツーパンチを叩き込むと、ボディを叩き込んでコーナーに釘付けにする。
もう殴られるだけの麻衣。人間サンドバックと化していくと、観客席からは大歓声が。
愛実も攻め疲れたのか、ここで狙いすましたアッパーを叩き込む。
バシィィィィィィィ・・・
これにはマウスピースを豪快に吐き出してコーナーに崩れ落ちる麻衣。
顎をうまく捉えたアッパーに、麻衣はダウン。ヒクヒクと身体を小刻みに痙攣して白目を剥いていた・・・。
『カンカンカンカン・・・』
これにはレフリーも危険と判断して試合終了のゴングを求めた・・・。
『3ラウンド47秒・・・KOで橋元愛実の勝利となりました・・・』
リングアナのコールに片手をレフリーに挙げられてアピールする愛実。
負けた麻衣はリングドクターの応急処置で意識を戻すが、担架に乗せられて退場するのであった。



第9試合

『特別プロレスマッチ・・・選手入場っ!』
リングアナがコールすると、リングに登場するのは元チアリーダーであり驚異の身体能力を持つ保田愛。
166pで47s。見事に鍛え上げられている身体を白い競泳水着に包んでのリングイン。早くも観客席が盛り上がっていく。
美人アスリートの地下プロレス参戦。そのデビュー戦の相手の登場に早くも観客席注目していると、花道を進んでリングインするのは、元女子プロレスラーの納見佳代。流石は元プロレスラーだけあって堂々としたリングイン。片手を突き上げてアピールすると、コーナーを背に愛に視線を送る。
リングコスチュームは愛と同じく白い競泳水着。しかし愛の鍛え上げられた身体とは対照的に、普通の女性と言う感じのボディラインの佳代。
愛は身体を跳ねたりしてウォーミングアップしていくと、コーナー近くで飛び上がるその跳躍力にも観客は驚かされる。
『青コーナー〜・・・身長166p、スリーサイズは未公開・・・保田〜愛〜っ!』
そしてリングアナのコールが始まると、愛は少し緊張しながらも一礼して観客にアピールする。
『赤コーナー〜・・・身長164p、上から80、66、90・・・納見〜佳代〜っ!』
コールを受ける佳代だが、サイズはレスラー時のであり、現在は女優として活動しているだけあり、ちょっと肉体的には勝負が見えたかと言う印象を受ける。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、まずは距離を置いて睨み合う両者。
プロレスらしく佳代が片手を出していくと、愛も応じて片手を組み合う。
力が入ると、佳代の表情が苦痛に歪む。
「ぐっ・・」
鍛えられている愛との力の差があるのか、愛は余裕すら感じられるが、佳代はもう片方の手も当てていく。
そしてロープ際まで押していくと、愛が手を放してロープのアピールをレフリーにした。
『ブレークっ・・』
レフリーの指示で離れる佳代と愛。
離れ際にドロップキックを放つ佳代。
バシィィィィ・・・
これには初めて受けるプロレス技に倒れ込む愛。
倒れても素早く立ち上がると、佳代がエルボースマッシュを叩き込んでいく。
頬にエルボーを受けてフラつく愛。
負けじとエルボースマッシュを返す愛。そのエルボーに佳代がフラついた。
フラついたからとボディスラムでマットに叩き付けていく愛。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
背中からマットに叩き付けられて苦しむ佳代。
その佳代の髪を掴んで起こしていくと、更に身体を絡めるようなコブラツイストを極める愛。
グイッ・・
「ぐっ・・んんっ・・・」
容赦なく締め上げる愛。プロレス技を練習した成果が出ている。
苦悶の表情を浮かべて耐える佳代。
しばらく締め上げてから技を解くと、愛がスタンディング状態のスリーパーで締め上げた。
グイッ・・・
愛の腕の筋肉が浮かび上がると、佳代が狂ったようにロープに逃れた。
『ロープ・・・』
レフリーが愛に放すように指示すると、愛は技を解く。
佳代は喉元を押さえて距離を置くが、愛の身体能力の高さに驚いている。
堪らず佳代が大振りのチョップで攻め出すと、打撃に慣れない愛がガードを固めた。
更にガードする愛に膝蹴りを叩き込む佳代。
ボシュ・・
「んぐうっ・・・」
鍛えている愛も、初めてボディに受ける膝蹴りに苦悶の表情を浮かべた。
だが、痛いからお返しとばかりに踏み込んでニーアタックを叩き込む。
グシュ・・
「ふぐうっ・・ううっ・・」
佳代のお腹に容赦なく突き刺さる愛の膝。
これには佳代が両手でお腹を押さえてダウンした。
ダウンした佳代に、愛はロープに走り込んで勢いをつけると、高々とジャンプしてセントーンをお腹に叩き込む。
ボシュ・・・
「ぐえぇぇぇぇぇ・・・」
今度はリング上を転がるように藻掻き苦しむ佳代。
グイッ・・・
愛は更に髪を掴んで起こしてはボディスラムで投げつけてから、キャメルクラッチを仕掛けた。
佳代の顎に両手をかけて一気に反らし始める愛。
身体を逆シャチホコ状態にされて激痛に苦しむ佳代。
グイィィィィィィ・・・
「ぐうぅぅぅぅ・・・」
口に圧力をうけている形で悲鳴をあげられない佳代。
背骨が軋みだしてギブアップ寸前になるが、愛は容赦なく反らしていく。
「うううっ・・ぎゅぶ・・・っぷ・・・」
口から涎を垂らしながらギブアップを口にする佳代。
しかしレフリーも愛もギブアップに気がつかない。
更に愛が反らしていくと、佳代の目に涙が浮かび出す。
「ぎゅ・・っ・・ぷっ・・・ぎ・・ゅ・・ぷっ・・・あっ・・ぷ・・」
ギブアップを口にする佳代だが、気がついてもらえず痛めつけられていく。
愛はギブアップしていないと思い技を解くと、佳代はグッタリと俯せでダウンした。
グイッ・・・
容赦なく佳代を起こしていく愛。
今度は逆さにしてパイルドライバーの体勢に持ち込むと、容赦なく脳天からマットに叩き付けた。
ゴキッ・・・
愛が放すと、ゆっくりとマットに崩れ落ちる佳代の身体。
佳代の様子に愛はレフリーに試合を止めないのか問いかける・・・。
「レ、レフリー・・・まだ続けるんですか?」
愛の問いかけにレフリーは続行を呼びかけた。
レフリーの続行の指示に愛は佳代の髪を掴んで起こしていくと、一気にチョークスリーパーで締め上げて、倒れ込むように胴締めと言うアナコンダスリーパーで締め上げる愛。
レフリーも佳代の様子をチェックするが、佳代は堪らず愛の腕をタップする・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされて愛が技を解くと、佳代はグッタリとしてマットに横たわってしまった・・・。
驚異の身体能力を持つ地下プロレス新人保田愛。次の試合も楽しみな一人と注目されるのであった・・・。



第10試合

『特別格闘技マッチ・・・選手入場っ・・・』
リングアナにコールされてリングインするのは、局山英里と村神恵梨。
二人とも白いビキニに身を包んでのリングイン。早くも視線が合うと気合いの入っている様子。
今回は完全決着格闘技戦。激しい殴り合い蹴り合いが予想される中、観客席は早くも見事なビキニ姿に熱狂していた。
『青コーナー〜・・・身長168、上から92、58、85・・・局山〜英里〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする英里。そして黒服からオープンフィンガーグローブを着けてもらい試合に備えていく。
『赤コーナー〜・・・身長169、上から87、59、85・・・村神〜恵梨〜っ!』
コールと共に一礼する恵梨。そして英里と同じくオープンフィンガーグローブを着けてもらい試合に備えた。
『この格闘技戦は、1ラウンド5分、決着がつくまで無制限で続けられます!』
そして口にマウスピースが入れられると、レフリーが二人に指示をしてゴングを要請する。
『カァーン!』
ゴングが鳴らされると、いきなり両者が近づきパンチを放った。
クロスカウンター気味にパンチが交差するが、お互い有効打にならずに離れる。
いきなり緊張感の走るリング上。
今度は恵梨が距離を詰めると、ローキックで脚から攻めていく。
バシッ・・・
音を立てて炸裂するローキック。ローキックを嫌がる様に英里もジャブを放つが、恵梨はガードしながらローキックで脚を攻めた。
バシィィィ・・・バシィィィ・・・
脚狙いに英里も踏み込んでミドルキックを放つと、恵梨の脇腹を鋭くえぐった。
バシッ・・
一瞬呼吸が苦しくなる恵梨の動きが止まるが、またローキックを返す。
そのローキックに合わせてタックルを狙う英里。
うまく蹴り足に絡みついてテイクダウンを奪うと、サイドポジションを狙っていく。
嫌がるように藻掻く恵梨。
しかし英里もうまくサイドポジションを奪うと、その体勢のまま押さえつけた。
身体を浮かせてから、恵梨のボディに膝蹴りを叩き込む英里。
ボシュ・・
「ぐうっ・・」
これには恵梨が痛がる。
更に英里の膝蹴りがボディを抉ると、恵梨が逃れようと藻掻いた。
その瞬間、英里が腕を狙って体勢を入れ替えるが、恵梨も腕をキャッチされてはと引き抜いて逃れる。
お互いが立ち上がるが、膝蹴りのダメージに苦しい恵梨。
逆に英里がジャブで牽制しながら距離を詰めた。
距離が詰まるとボディにパンチを叩き込む英里。
バシッ・・バシッ・・・
お腹を殴られて恵梨も反撃とばかりに殴り返す。
バシッ・・バシッ・・・
恵梨も顔面を狙ってパンチを放つと、英里と殴り合いになっていく。
バシッ・・バシッ・・バキッ・・バキッ・・
お互い有効打は少なくても、ビキニ姿の美女二人の殴り合いに観客席が盛り上がっていく。
『殴れっ殴れっ!』
『オッパイだよオッパイ、急所狙いだぁぁぁぁ・・』
歓声に応えるように英里も恵梨も相手のバストも狙い出す。
『カァーン!』
お互いエキサイトしたところで、第1ラウンド終了のゴングが響き渡る・・・。
レフリーが止めてコーナーに戻させると、両者汗だくでコーナーに用意された椅子に座って呼吸を整えた。
涎が糸を引いてマウスピースに絡みつく。口をペットボトルに入った水でうがいすると、マウスピースを入れられていく。
そして1分が経過するとまたも闘いは始まった。
『カァーン!』
ゴングと同時に飛び出すと、お互いが顔面狙いのパンチの連打。
バシッ・・バシィィィ・・・
英里のフックが炸裂すると、恵梨が一瞬動きを止める。
更に英里がパンチを出すとカウンターで顎を捉えて恵梨が盛り返す。
英里が距離を置くと、そのお腹に喧嘩キックからローキックと蹴り技で攻め出す恵梨。
バシィィィィ・・・ドシュ・・
早くも英里の脚が内出血が始まっていく。
膝を狙ってインローからミドルキックと上手く分けて蹴りこむ恵梨。
蹴りを嫌がり距離を詰める英里に、今度は恵梨の膝蹴りが叩き込まれた。
ボディを抉る膝に動きが止まる英里。
止まったところに顔面パンチを一気に叩き込む恵梨。
バシッ・・バシバシバシッ・・
容赦ない恵梨のラッシュに英里が鼻から出血。
堪らずタックル気味に抱きつこうとするも、恵梨が離れてはローキックで痛めつけていく。
バシィィィ・・・バシィィィィ・・・
英里もローキックで反撃したいとばかりに狙い出すが、脚へのダメージが影響し始める・・・。
バシィィィ・・・
英里のローキックが入ると、恵梨も顔面ガードと同時に脚を浮かせて対処した。
更に英里のローキックにタックルを合わせてテイクダウンを奪う恵梨。
倒してから素早くマウントポジションを奪うと、早くも顔面に拳を叩き込む恵梨。
バキッ・・バキッ・・
一発一発が鈍い音を発して炸裂していくと、その瞬間に英里の身体がピクリと反応する。
嫌がるように手を伸ばしては恵梨のパンチをガードしたい英里だが、的確に顔面を捉えていくパンチ。
鼻から激しく出血するも、構わず恵梨は殴り続けていく。
通常の格闘技だったらここでレフリーが止める所だが、地下プロレスのリングは簡単に試合は止められない・・・。
更にハンマーパンチで英里の顔面を潰していく恵梨。残酷な展開に観客席も盛り上がっていく。
英里は堪らず抱きつくようにして殴られるのを防ごうとするが、恵梨が強引に押しつけては殴りつける。
『カァーン!』
ここでゴングが鳴り第2ラウンドが終了。
英里にとっては救いのゴングとも言えたが、フラフラになってコーナーに戻る姿に勝負は見えたと言う感がある。
コーナーに戻ると英里はリングドクターにより止血処置がされて、鼻からの激しい出血を拭き取られていく。
少し顔が腫れだした英里。対して恵梨の顔はまだ出血もなくダメージが少なく見える。
『カァーン!』
そして新たなラウンドが開始されると、英里はコーナーから出てこない。
逆に恵梨が走り込んでジャンピングニーパッドを叩き込むと、英里がコーナーに押しつぶされた。
ダメージを負うが必死にダウンしないように踏ん張ると、恵梨が激しいパンチのラッシュ。
顔面をガードしようと必死な英里。嫌がるように蹴りを出すが恵梨の圧力にサンドバッグと化していく。
止血した鼻から激しく出血。英里の白い肌を赤く染めていくと、殴りつける恵梨にも返り血が飛び散っていく。
英里もパンチを出すが、恵梨のアッパーが炸裂すると膝が震え出す。
堪らず抱きつこうとする英里。
目の前の恵梨に抱きつくが、汗で滑ってビキニを脱がしてしまった。
「!」
トップレス状態になる恵梨が驚くと、同時に英里のビキニに手を掛けた。
グイッ・・・
英里もビキニを剥ぎ取られてトップレスになると、お互いが胸を揺らしながらショーツ一枚での闘いに・・・。
恵梨は英里をコーナーに押しつけると、剥き出しの見事なバストを殴りつける。
グニュ・・・
胸を殴られて嫌がる英里。
更に喧嘩キックでコーナーにダウンさせると、一気に馬乗り状態になって殴りかかる恵梨。
バシッ・・バシッ・・
一方的な試合展開に観客席からも大歓声が・・・。
顔面に何発もパンチを叩き込まれるが、英里は逃れようと必死になるが、ガードも出来ずに苦しい展開になっていく。
すると、恵梨の体勢が崩れかかると英里がパンチを出した恵梨の腕をキャッチして、下から三角締めで反撃した。
グイッ・・・
これには恵梨が驚いて腕を引き抜こうとするが、英里もこれで逆転しないといけないと必死になる。
しかし汗と血で滑って恵梨が逃れると、立ち上がった。
英里もフラつきながら立ち上がると、恵梨が狙った様にバスト、ボディと殴りつけていく。
ボシュ・・バシッ・・
サンドバッグ状態で殴られていくと、ここでゴングが・・・。
『カァーン!』
ゴングで試合が止められて、第3ラウンドが終了した。
フラフラしている英里をなかなか倒せず苛つく恵梨。
コーナーでは苦しそうに呼吸を荒くして止血される英里。
『カァーン!』
そしてゴングが鳴らされて試合が続けられると、英里はガードを固めて前に出る。
その英里の膝を狙ってローキックで攻め込む恵梨。
バシィィィィ・・・
一瞬ガクンとなるが、またもガードを固めて前に出る英里。
これには恵梨もミドルキックなど打撃技で攻めるが、英里が前に来るからと焦り出す。
顔面にパンチを放つ恵梨に、英里も勢いはないがタックルを合わせた。
これにはグラウンドに持ち込む事に成功する英里。
豊満なバストを押しつけるようにサイドポジションを奪う英里。
恵梨もブリッジなどから体勢を変えようとするが、英里が上手く押さえ込んでいた。
体力を回復させたいのか、攻めずに押さえ込む英里。恵梨もあまり抵抗しない展開で時間が過ぎていく。
時間が経過していくと、恵梨が藻掻くようにポジションを変えにいくと、英里が上手く上になる。
そして自らの肘を喉元に押しつけるギロチンチョークを仕掛けると、これには恵梨が苦悶の表情を浮かべて苦しみだした。
レフリーもギブアップの確認をし始めるが、恵梨も簡単にはギブアップなどするはずもなく、藻掻きながら逃れようとしていく。
流石に汗で滑ってギロチンチョークは極まらないが、更に抱きつくように英里は肩固めを仕掛けた。
巨乳同士が組み合う展開に観客席も興奮するが、これには恵梨が苦しみ出す。
格闘技戦だからロープブレークもなく、ただ耐えるか逃れるかの真剣勝負。
英里もギブアップ狙いで締め上げるが、ここでゴングが打ち鳴らされた・・・。
『カァーン!』
ゴングに救われた感のある恵梨。
一方攻めていた英里は悔しがるが、5分1ラウンドのこの試合形式では仕方ない。
組み付くと英里が意外な絞め技などを使うからと、恵梨は打撃決着を考えているのか、腕などを軽く動かしてインターバルを過ごす。
一方英里はコーナーで椅子に座っているが、下を向いて苦しそうだった。
『カァーン!』
そして第5ラウンド。
ゴングと同時に恵梨が距離を詰めていく。
狙いを定めてジャブからボディとパンチで攻め出すと、英里は嫌がるようにパンチを返す。
そしてローキックでガードの意識を下げると、恵梨が踏み込んでハイキックを炸裂させた。
バシィィィィィ・・・
これにはガードできない英里がグッタリとダウンすると、恵梨もレフリーが試合を止めると思い距離を置く。
俯せ状態になってダウンしている英里。
しかし試合が止められない・・・。
『蹴っちゃえ蹴っちゃえ!』
『トドメ、トドメ・・・英里を壊せっ!』
英里が意識を朦朧とさせながら四つんばいになって立ち上がろうとするが、恵梨は狙いを定めて頭部への非情なサッカーボールキックを叩き込む。
バキィィィィ・・・
これには四つんばいのままの英里の鼻から激しく出血。
マットにポタポタと血が垂れていくが、恵梨は更にサッカーボールキックを叩き込む。
遂にグッタリと俯せになっていく英里。
ノーガードの脇腹にも蹴りが炸裂すると、バックマウントから髪を鷲掴みにして、ノーガードの顔面を殴りつける恵梨。
ここでレフリーが試合を止めた・・・。
『カンカンカンカン・・・』
失神寸前の英里に急いでリングドクターなどが駆け寄ると、応急処置を施していく。
勝った恵梨は衝撃のKO勝利となったが、満足している様子もなく次回また英里との試合を組んでもらえるように考えていた・・・。


第11試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、黒ビキニ姿の保田美沙子。黒いリングシューズでストロングスタイルをイメージさせられるが、今夜の対戦相手は河村ひかる。事務所対抗戦とも言える3戦目。ひかるも黒いビキニに黒いリングシューズ。しかし美沙子と違うのは手にはオープンフィンガーグローブが着けてある・・・。
ビキニプロレスマッチとして予定されているが、ひかるは得意のボクシング殺法を使おうと言うのか・・・。
『青コーナー〜・・・・身長161p、上から82、60、85〜・・・保田〜美沙子〜っ!』
コールを受けると緊張気味な笑顔で観客席に一礼する美沙子。
『赤コーナー〜・・・身長150p、上から83、54、77・・・河村〜ひかる〜っ!』
逆に岩左真悠子にリベンジを誓うひかるは、堂々と片手を挙げて観客にアピールするひかる。
『カァーン!』
早くもゴングが打ち鳴らされると、まずは美沙子とひかるの距離が詰まる展開から始まった。
プロレスマッチだからと美沙子も片手を伸ばして力比べを挑もうとするが、ひかるは相手にしない。
緊張感漂うリング上。距離が詰まると突然ひかるが美沙子の顔面にパンチを放った。
バシィィィィ・・・
強烈なフックにフラつく美沙子。
更に左右のボディフックで早くも美沙子の動きを止めると、余裕とばかりに片手を挙げて観客にアピールするひかる。
お腹を押さえて苦しむ美沙子に、ひかるは踏み込んでボディブローを叩き込む。
ドシュ・・・
「んぐっ・・うげっ・・・」
堪らず膝をついて口をパクパクする美沙子。柔らかいお腹を殴られて苦痛に表情を歪ませている・・・。
更にひかるはロープに走ると、勢いをつけて喧嘩キックを美沙子の顔面に叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・
「いやあぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
顔面に蹴りを受けて絶叫する美沙子。
グッタリしている美沙子に対して、呆れた表情で腕組みして立ち上がるのをまつひかる。
しばらくして美沙子がフラフラしながら立ち上がると、ひかるが素早く身体を回転させて裏拳を顔面に叩き込んだ。
バッシーン・・・
「ふぎっ・・」
変な声を漏らして豪快にダウンする美沙子。
顔を両手で押さえる美沙子だが、鼻血が顔を真っ赤に染めていく。
グイッ・・・
「いやっ・・・」
「立てよ!」
もう戦意喪失状態の美沙子の髪を鷲掴みにして起こすひかる。
そのままコーナーに押し込んでいくと、美沙子は鼻から血が流れ落ちているから、胸などへも血が垂れ落ちていく。
すると、狙ったようにワンツーとパンチを顔面に連打していくひかる。
バシッバシッ・・
「いやあぁぁぁ・・・」
顔を殴られて泣き叫ぶ美沙子。
一方的な試合になるが、地下プロレスだから止められる事もない・・・ひかるは楽しむように殴りつけていく。
バシッ・・バシッ・・・
殴られる度に血飛沫をあげる美沙子。
観客席からも可哀想だと言う声が聞こえてくるが、ひかるの打撃での攻めは止まらない・・・。
意識を朦朧としはじめた美沙子に、レフリーは危険と判断してゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされるが、ひかるは飛び込むようにコーナーの美沙子のお腹に膝蹴りを叩き込むと、美沙子は血の混じる胃液のようなものを吐き出して、前のめりに危険な状態でダウンした。
あまりに一方的な試合にブーイングすらおきるが、ひかるは当たり前と言う表情でリングを降りていく。
負けた美沙子はリングドクターに応急処置を受けて担架で運ばれていくのであった・・・。



第12試合


『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインしたのは、女優の長谷河京子と伊藤美咲。
京子は白い競泳水着、美咲は黒い競泳水着でのリングインで、早くも視線が集中していく。
スレンダー系女優のシングル戦に観客席が早くも盛り上がっていくと、リングアナのコールが始まった。
『青コーナー〜・・・身長166p、上から80、55、82・・・長谷河京子〜っ!』
コールを受けて一礼していく京子。
『赤コーナー〜・・・身長171p、上から83、57、87・・・伊藤美咲〜っ!』
そしてコールを受けて一礼していく美咲。早くも二人の視線が交差していくが、人気女優同士のプロレスマッチに歓声が沸き上がった。
『カァーン!』
早くもゴングが打ち鳴らされると、まずは様子を見て距離を置く京子と美咲。
お互いが手を伸ばして力比べの展開になるかと思われたが、いきなり美咲がストンピングのような蹴りを放った。
バシッ・・・
蹴られて痛がる京子に、美咲は上手くロープに振っていく。
ロープから勢いよく戻ってきた京子に美咲がドロップキックを放つ。
バシッ・・
「ああんっ・・」
堪らず倒れるが素早く立ち上がる京子。
その京子に続けてドロップキックを放つ美咲。これには堪らず京子が転がるようにリング下に逃げていく。
リング下で美咲の動きを見つめると、しばらくしてリングに戻ってから睨み合う京子。
今度は京子から仕掛けて、距離を詰めるとエルボースマッシュを喉元に叩き込むと、怯んだ美咲にヘッドロックで締め上げた。
だが美咲も押し出すように京子をロープに振っていく。
美咲も何か狙うが、逆に京子がショルダータックルで倒した。
倒れた美咲にフォールしていく京子。
『ワン・・・ツー・・・』
だが美咲も簡単にスリーカウントを許すはずもなく返していくと、京子が素早く首に脚を巻き付けるように首4の字固めを極めた。
グイッ・・
身体を左右に動かして美咲を攻める京子。
「くうっ・・・くっ・・」
美咲が苦悶の表情を浮かべて藻掻くと、京子は両手をマットについて腰を浮かせるように攻め立てる。
「ギブアップ?・・・ギブする?」
美咲にギブアップを迫る京子。美女同士の美闘に観客席からは歓声がおきていく。
少しずつロープに逃れようとする美咲。
すると、京子が技を解いてから立ち上がると、ストンピングで美咲を攻め立てた。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・・
痛がる美咲の髪を掴んで起こすと、首筋にエルボーを落としてから喉元に水平チョップを叩き込む京子。
フラつくと、一気に身体を絡ませるコブラツイスト。
グイッ・・
「くっ・・・んんっ・・・」
締め上げられて苦しむ美咲。
額に汗を浮かばせながら耐える美咲に、京子も容赦なく締め上げていく。
水泳などで鍛えた身体を必死に動かして逃れようとする美咲。
しばらくすると、技が汗により崩れて美咲が京子を投げつけた。
バッシーン・・・
「くうっ・・」
倒れた京子に対して、美咲は立ち上がるとストンピングから髪を掴んで起こしていく。
だが京子もパンチをボディに叩き込むと、水平チョップからボディスラムの体勢。
スレンダー系対決だけに投げ技が出るのか期待の中、京子が踏ん張ってボディスラムで美咲をマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
美咲がマットに叩き付けられると、観客席からは歓声が一斉におきた。
『おおっ・・・』
『いいぞぉぉぉぉ・・・ハセキョー!』
フラつきながら立ち上がる美咲。すると、京子はロープに走って勢いをつけると、ネックブリーカードロップで美咲を後頭部からマットに叩き付けた
バシィィィィィ・・・
これにはマットに大の字になって天井を見上げる美咲。
攻め込まれて苦しい美咲だが、更に京子が起こしていく。
「いくよぉぉぉぉぉぉ・・・」
ここで観客にアピールしてから、京子は自らロープに走って勢いづける。
美咲はフラフラしているが、ロープに走る京子を虚ろな目で見つめた。
バシィィィィ・・・
攻撃を仕掛けようとした京子に対して、美咲が長い脚を使ったトラースキックで反撃。
これには顔面を蹴りこまれて大の字にダウンする京子。
倒れた京子のバストに手を乗せてフォールする美咲。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし京子も簡単にはスリーカウントを許さずに固めて浮かせて返していく。
返された美咲は、そのままマットに京子を座らせる体勢からスリーパーで締め上げる。
グイッ・・・
「んぐっ・・ぐぐっ・・」
苦悶の表情を浮かべてロープに手を伸ばす京子。
美咲も揺さぶったりして締め上げていく。
ギブアップの言葉が出ないと、美咲は素早く技を解いて腕を掴むと、サーフボードストレッチに移行した。
グィィィィ・・・
「あああああああっ・・・ああっ・・」
美咲がグイッと背中を足で押し込むと、激痛に京子の口から悲鳴が漏れた。
「ギブ、ギブアップする?」
美咲が揺さぶりかけながら声を荒げた。
「ノォォォォ・・・ノォォォォォ・・・」
しかしギブアップは口にしない京子。
すると、美咲は技を解いてから京子を起こしていく。
フラつく京子に対して、膝蹴りからロープに押しつけてから喉元へ水平チョップを叩き込む美咲。
バシィィィ・・・バシィィィィ・・・
数発叩き込まれると、京子の喉元が赤く変色していく。
しかし京子も踏ん張ってチョップで反撃していくと、美咲はお腹へボディブローを叩き込んだ。
ドシュ・・
「ふぐうっ・・」
お腹への一撃が効いて京子の動きが鈍くなると、美咲が続けてパンチを叩き込んでいく。
苦しい京子も苦し紛れに美咲に掌打を放つと、上手くヒットして美咲の動きも鈍る。
お互いが苦しい状態になるが、美咲はフラつきながらも京子をコーナーに振った。
バシィィィ・・・
コーナーに振られてグッタリと寄りかかる京子。
その京子に美咲は走り込んでエルボースマッシュを叩き込んだ。
バキィィィィ・・・
これにはグッタリとコーナーに沈んでいく京子。
グイッ・・
「そろそろ大技で決めるわよ、覚悟なさい!」
美咲が髪を掴んで京子を起こしていくと、ヘッドロックで締め上げた。
そして、走り込むようにブルドッキングヘッドロックで痛めつけていく。
更には起こしてから両手で髪の毛を鷲掴みにすると、顔面からマットに叩き付ける荒技フェイスクラッシャーを仕掛けた。
バッシーン・・・
「きゃああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
これには両手で顔面を押さえて転がりながら絶叫する京子。
その京子の足を掴んでいく美咲。
すると京子は関節技を嫌がりロープを掴んで逃げた。
『ロープっ・・・』
レフリーは攻めようとする美咲を止めて京子を放すように指示すると、美咲は距離を置いた。
セカンドロープを掴んで呼吸を整えながら立ち上がる京子。
立ち上がる京子との距離を詰める美咲。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・」
鋭いミドルキックを叩き込むと、フラつく京子の顔面に掌打を叩き込む。
バッシーン・・・バシィィィィ・・・
堪らず抱きつくように組み付く京子。
だが美咲は押し返してコーナーに押し込むと、掌打の連発で痛めつけていく。
バシィィィ・・バシィィィ・・・
掌打が炸裂すると汗が飛沫となって飛ぶほどの衝撃に、京子は意識を一瞬朦朧とさせた。
ガードを固めるが、顔面をガードすると空いたお腹に膝蹴りで攻め込む美咲。
ドシュ・・
「グホッ・・・」
堪らずコーナーに崩れ落ちる京子。
涎を垂れ流す京子を起こしていく美咲は、更にコーナーに押し込んで掌打を叩き込む。
バシィィィ・・・
遂に口の中を切って白い競泳水着にも血を垂らしていく京子。
更に美咲の掌打が炸裂すると、京子の抵抗が少なくなったからとレフリーが止めていく。
『ダウン・・・』
美咲を離してから、レフリーは京子に試合続行の意志の確認をしていくと、京子は両腕をあげてファイティングポーズをとる。
『ファイト!』
レフリーが続行を指示すると、京子はコーナーから出て行く。
美咲は掌打を狙うように軽くジャブ気味に掌打を放つ。
京子は距離を置こうとローキックを放つが美咲もガードする。
更に美咲が掌打を放つと、京子はフラつくようにタックルを仕掛けた。
いきなりのタックルに美咲の対応が遅れて倒されてしまう。
倒れた時に後頭部を打ち付けて一瞬動きの止まる美咲。
その美咲に京子はサイドポジションの体勢から、腕を掴んで腕拉ぎ逆十字固めを極めた。
グイッ・・・
「ぐうっ・・・くっ・・・・」
美咲の表情が苦悶に歪む。
京子も少しでもダメージを与えようと必死に技を極めていく。
しかし汗で滑ったのか技が解けていくと、京子は素早く足をキャッチしてアキレス腱固めを極めた。
グイッ・・・
脚を極められて苦しい美咲。
ヒールキックで逃れようと抵抗すると、京子が素早く技を解いて立ち上がる。
美咲も立ち上がろうとすると、京子のローキックが脚を襲う。
バシィィィ・・・
一瞬動きの止まる美咲だが、掌打で攻め込むと、京子も掌打を返す。
バシィィィ・・・
バシィィィ・・・
身長差があるが、京子も必死に掌打を叩き込む。
美咲も掌打を叩き込むと、京子は鼻血まで流し始めた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
掌打を放つ京子はスタミナ切れか、呼吸を荒くして苦しそうな表情を浮かべている。
しかし攻め込む美咲の顔面にハイキックを放った。
バシィィィィィ・・・
いきなりのハイキックにノーガードで受けてダウンする美咲。
倒れた美咲を見て、京子は片手を挙げてアピールすると近くのコーナーに登りだした。
「いくわよぉぉぉぉぉ・・・」
観客席に向かってアピールする京子。一気に逆転勝ちを狙いダウンしている美咲にトップロープからフライングボディプレスを仕掛けた・・・。
グシュ・・・
「ぐふうっ・・・ううううううっ・・・・」
しかし美咲はボディプレス狙いを読んだのか、膝を立てて京子のお腹にカウンターで炸裂させる。
次の瞬間、京子は口から胃液のような吐瀉物を吐き出しながら転がった。
グッタリとする京子に、美咲はゆっくりと迫ると、キャメルクラッチで上半身を反らしていく。
グィィィィィ・・・
容赦なく反らされていく京子の身体。全体重が胃袋を直撃したような痛みに力も入らない・・・。
激痛に両足をバタバタとさせるが、技の痛みから逃れることはできない・・・。
美咲も身体を反らせるように力を入れていくと、京子は堪らずギブアップした。
「ぎ・・ギブアップ・・・」
京子のギブアップの言葉にレフリーが試合を止めると、ここで美咲の勝利となった。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音に美咲が技を解くと、グッタリと俯せで倒れる京子。
美咲はレフリーに手を挙げられて、観客席に向かって勝利のアピールをしていく。
スレンダー系美女の凄まじい試合に観客達は満足そうな表情を浮かべるのであった。




第13試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、あの長沢まさみの妹分としてデビューした白瀬真奈美。
白い純白の競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、コーナーに歩き出して一礼した。
そして真奈美のデビュー戦の相手がリングインする。対戦相手の今夜がデビュー戦の杉元有美。キャンギャルに選ばれてからグラビア展開など活躍して、遂に地下プロレスデビューとなった。リングコスチュームは黒い競泳水着。
『青コーナー〜・・・身長165p、上から75、61、83・・・白瀬〜真奈美〜っ!』
コールを受けて一礼していく真奈美。流石にこの地下プロレスの雰囲気に緊張感を隠せない。
『赤コーナー〜・・・身長166p、上から82、58、85・・・杉元〜有美〜っ!』
そして有美がコールを受けると、片手を挙げて笑顔で観客席に向かってアピールした。
15歳の真奈美と18歳の有美がコーナーでゴングを待つと、レフリーがゴングを要請して試合が始まる・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時に距離を置く真奈美と有美。
まずは有美が片手を出して力比べを挑もうという展開になるが、真奈美は力比べに応じない。
手を組まない真奈美に、有美は手を伸ばして挑発していく。
これには真奈美も片手を組み合わせて力比べの展開になるが、有美の力が勝り真奈美の表情が苦痛に歪む。
少しずつロープに押されていく真奈美。
押し出した有美が蹴りを入れて力比べが終わると、続けてロープに振っていく有美。
ロープに振られて戻ってくると、逆に真奈美がフライングボディアタックを仕掛けた。
バッシーン・・・
上手く倒すと早くもフォールする。
『ワン・・・』
しかし有美も素早く返すと、ロープに脚を伸ばして逃れる。
真奈美も立ち上がって距離を置くと、立ち上がる有美にドロップキックを放った。
有美が立ち上がると、胸を狙ってドロップキックを連発していく真奈美。
数発ドロップキックを受けて動きが鈍る有美に、真奈美がヘッドロックで締め上げた。
グイッ・・・
これには有美がロープに振っていくと、戻ってきた真奈美にショルダータックルで倒していく。
倒れた真奈美の髪を掴んで起こしていくと、エルボースマッシュからスリーパーで締め上げてた。
グイッ・・・
「んっ・・くっ・・・」
両手を振り回して藻掻き苦しむ真奈美。
有美もスリーパーでスタミナを奪おうとして締め上げる。
両手を振り回す真奈美。何とか近くのロープに逃れる事が出来るが、有美はロープに押しつけてエルボースマッシュで攻め込む。
フラつく真奈美に組み付いて、踏ん張ってボディスラムでマットに叩き付ける有美。
バッシーン・・・
「はうっ・・・」
背中からマットに叩き付けられて苦しむ真奈美。
その苦しむ真奈美の両足を有美が抱え込むと、ステップオーバーして逆エビ固めを極めた。
グイッ・・・
「んああぁぁぁ・・・」
身体をエビ反りにされて悲鳴をあげる真奈美。
有美も腰を落として痛めつけていくと、真奈美は泣きそうな表情を浮かべてマットを叩きながらロープに手を伸ばす。
『白瀬っ、ギブアップ?・・・ギブアップ?』
レフリーがギブアップの確認をすると、真奈美は必死に耐えていく。
「ノォォォォォ・・・・ノォォォォォ・・・・」
「ほ〜らほらほら、ギブアップ?・・・ギブする?」
有美もガッチリと逆エビを極めてギブアップを迫るが、真奈美は少しずつロープに逃れていく。
そして真奈美は額から汗を流しながらロープを掴むと、レフリーにアピールした。
「ロープぅぅぅ・・・ロープぅぅぅぅ・・・」
しかし有美が揺さぶるようにしてロープから離すと、またも真奈美を痛めつけていく。
「あああああああああっ・・・」
またも真奈美の悲鳴がリング上に響き渡ると、観客席からも歓声がおきていく。
身体が容赦なく反らされていくと、激痛に悲鳴をあげる真奈美。
必死に手を伸ばす真奈美。少しずつロープに近づくと、有美が揺さぶって痛めつける。
しかしロープに手が届くと、レフリーが有美に技を解くように指示した。
『ブレークっ・・・』
レフリーの指示に技を解く有美は、俯せ状態で背中を痛がる真奈美にストンピングを叩き込むと、ロープに走ってスライディングキックで場外に叩き落とした。
バシッ・・
「きゃあああぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげてリング下に転落する真奈美。
ロープを潜りエプロンサイドに立つ有美は、倒れて苦しむ真奈美を見つめる。
仰向けになったところで、有美が真奈美に叫んだ。
「白瀬っ!」
その言葉に続いて、エプロンサイドからそのまま落ちる様にしてフットスタンプを真奈美のお腹に叩き込む有美。
ボシュ・・
「ぐふっ・・」
お腹に圧力を受けた瞬間、真奈美の表情が険しくなるが、一瞬間をおいて悲鳴をあげる真奈美。
「痛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・」
お腹を押さえて転げ回る真奈美。
有美もストンピングで痛めつけていくが、リングに先に戻っていく。
しばらく苦しんだ真奈美だが、お腹を押さえて立ち上がるが、苦しそうな表情を浮かべながらリング上の有美を見つめた。
有美もロープ際に近づくが、レフリーが距離を置くように離していく。
ゆっくりとリングに戻る真奈美。
ロープを潜ると、有美が距離を詰めた。
しかし真奈美も負けずにお腹にグーパンチを叩き込むと、有美もグーパンチを返す。
更には張り手を頬に叩き込む真奈美。
しかし有美も張り手を返すと、激しい張り手合戦になっていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
お互いが引かず、頬が赤らむ程に叩き合う二人。
叩き合う中、真奈美が先にタックル気味に押し込む。
有美も反応するが、真奈美に抱きつかれるように押し出されると、ロープに詰まる。
ロープに詰まると真奈美が水平チョップを喉元に叩き込んでから、首投げで有美をマットに叩き付ける。
バッシーン・・・
投げると素早く首4の字固めを極めていく真奈美。
上手く反撃していくと、有美は首を極められて苦しんでいた。
腰を浮かせたりして攻め込む真奈美。
有美も藻掻いたりしてロープに逃げると、ここでレフリーが技を解かせていく。
『ブレークっ・・・』
真奈美が技を解いて立ち上がると、有美もたちあがってエルボースマッシュを放つ。
バキッ・・
頬にエルボーを受けて動きの止まる真奈美。
更に有美の張り手を受けてフラつく真奈美。フラついているからと、有美が一気にバックをとってスリーパーを仕掛けた。
グイッ・・・
これには懸命に腕を振ってロープに逃げる真奈美。
ロープを掴んでロープだからとアピールすると、有美との距離を開けていく。
距離が開いたからと、逆に有美が走り込んでラリアットを仕掛けようとする。
だがその突っ込みに対して真奈美が偶然かショルダースルーで投げると、トップロープに当たりながら有美が場外に転落した。
エプロンサイドに腰を打ち付けたのか苦しそうな表情を浮かべて倒れ込んでいる有美。
真奈美も呼吸を整えながらロープを潜ると、エプロンサイドから有美を見つめた。
有美が仰向けになると、真奈美が少し飛び上がる格好でフットスタンプを叩き込んだ。
ボシュ・・・
「グホッ・・・コホッ・・コホッ・・・オエッ・・」
お腹に強烈な圧力を受けて転がるように藻掻く有美。
グッタリ俯せになると、口に手を当てると胃液のようなものを垂れ流していた。
流石に真奈美も有美も腹筋を鍛えてはいないから、フットスタンプは残酷なプロレス技である・・・。
苦しむ有美を起こしていく真奈美だが、有美も意地になって鉄柵に振っていく。
ガッシャーン・・・
音を立てて倒れ込む真奈美。
しかし有美もお腹へのダメージが大きくフラフラしていた。
真奈美が鉄柵を掴んで立ち上がると、フラついている有美にラリアットを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
エプロンサイドにもたれるようにダウンしていく有美。
『リング上で決着つけろ〜!』
観客席からの歓声に、真奈美は有美をリング上に戻していく。
転がるようにリングに戻る有美に、真奈美は追いかけるようにリングに上がると、ニードロップを喉元に落とした。
バシッ・・
「グエっ・・」
変な悲鳴をあげて藻掻き苦しむ有美。
苦しむ有美を見て、真奈美がフォールする。
『ワン・・・ツー・・・スリィ・・』
カウントギリギリとも言えるタイミングで有美が返すと、観客席からは大歓声がおきた。
その有美を起こしていく真奈美。
バキィィィィ・・・
しかし有美が踏ん張ると真奈美の顔面にグーパンチを叩き込む。
バシィィィィ・・・
これには張り手で返す真奈美。
すると、有美も張り手を返して意地の張り合いになっていく。
バシィィィ・・・バシィィィ・・・
少し涙目にも見える両者。ムキになって相手の頬を叩き合う有美と真奈美。
すると、一瞬の隙を突いて真奈美がバックを奪って背中同士で組み付くと、一気に逆さ押さえ込みを仕掛けた。
倒される有美は驚きの表情を浮かべる・・・。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィィ・・・・』
レフリーが素早くカウントを数えると、ここで真奈美の勝利が決まった。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音が打ち鳴らされるリング上、勝利した真奈美も負けた有美もグッタリとリングに横たわる。
『勝者っ、白瀬真奈美っ!』
リングアナのコールに真奈美はフラつきながらも立ち上がると、レフリーに手を挙げてられて笑顔を浮かべるのであった・・・。



第14試合


『新体操系アイドル対決・・・選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、今夜が地下プロレスデビューの稲柿実花。
グラビア上で「打倒まみやん」「このポーズで勝負よ!」などと言うキャッチコピーを打ち出していたが、これが今夜のマッチメークが組まれる原因となった。更には山先真実も打倒と言われてはと試合に応じたのであった・・・。
実花は白いビキニに白いリングシューズ姿でコーナーに寄りかかると、初めて上がる地下プロレスのリングの雰囲気に緊張感を隠せない。
そのリングに山先真実が姿を現すと、観客席が盛り上がりを見せた。
黒いビキニに黒いリングシューズ姿の真実は、静かにリングに上がると自らのコーナーに向かって歩き出した。
流石は女横綱をはじめ強敵との試合経験もある真実。地下プロレスのリングも慣れてきたのか堂々としている。
実花も真実も新体操経験があると言うことで、身体が柔らかいと言う特技をもっていると言うこの試合。
その試合開始のゴングが近づいていた・・・。
『青コーナー〜・・・身長156p、上から86、57、85・・・稲柿〜実花〜っ!』
リングアナのコールに実花が手を挙げてアピールすると、次に真実のコールが始まる。
『赤コーナー〜・・・身長169p、上から84、59、87・・・山先〜真実〜っ!』
そしてコールを受けると片手を突き出すようにしてアピールする真実。
体格差、地下プロレス経験からも実花がどれくらい粘れるかが注目のこの試合。
遂にゴングが打ち鳴らされた・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時に実花が走り込むと、打点の高いドロップキックを放った。
バシィィィィ・・・
これには真実がダウンするが素早く立ち上がる。
実花も同じく立ち上がるとドロップキックを連発して叩き込んだ。
バシィィィィ・・・バシィィィィ・・・
更にはロープに走ってから真実の顔面を狙ってヒップアタック。
倒れる真実をフォールするが、真実はカウントが入る前に返していく。
返されると素早く立ち上がると、自らロープに走ってからヒップアタックを放った。
バシィィィ・・・
ヒップアタックを受けてダウンする真実。
フラつきながら立ち上がろうとする真実に、またもヒップアタックを仕掛ける実花。
しかしこれは真実も避けて自爆させると、逆にロープに押し込んでから水平チョップを喉元に叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・
大きな音と同時に、実花の表情が苦痛に歪む。
必死にエルボースマッシュを叩き込んで反撃する実花だが、真実は体格差からエルボースマッシュからボディスラムでマットに叩き付けていく。
バッシーン・・・
「はうっ・・・」
背中からマットに叩き付けられて呼吸が止まるような衝撃に苦しむ実花。
その実花の喉元に強烈なギロチンドロップを叩き込む真実。
更に髪を掴んで起こしていくと、体格差から一気にアルゼンチンバックブリーカーで揺さぶりかけていく。
グイグイ・・・
「あああっ・・・ああっ・・・」
実花の口から苦痛の声が漏れ出す・・・。
新体操出身と言う触れ込みから、身体は柔らかいと言う事で真実はわざと痛めつけていく。
しばらく揺さぶると、真実は容赦なくマットに実花を落としていった。
俯せ状態でロープに手を伸ばす実花。
「まだまだ試合は始まったばかりでしょ・・・稲柿さん・・」
その実花にドッシリと座るようにして真実がキャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・・
上半身が反らされて激痛に藻掻く実花。
両足をバタバタさせて苦しむ実花に、レフリーもギブアップの確認をする。
『稲柿っ、ギブっ・・・ギブアップ?』
しかし試合も始まったばかりで、実花も必死に激痛に耐えていく。
真実は技を解くと、余裕とばかりに立ち上がってコーナーに寄りかかって実花の動きを見つめた。
実花は腰にダメージを受けたのか、腰を気にする仕草を見せてロープに手を伸ばして立ち上がると、真実は距離を詰めてローキックで膝を蹴り上げた。
バシィィィィ・・・
「痛いぃぃぃぃ・・」
堪らず悲鳴をあげる実花。
更にローキックが実花を襲うと、実花も意地になってエルボースマッシュで反撃を試みた。
バキッ・・・
これは真実のバストを抉って一瞬動きを止めるのに成功すると、実花がロープに走って助走をつけると、ローリングソバットを真実のボディに叩き込んだ。
更にロープに走ると、飛び上がってのボディアタックを仕掛けた実花。
しかし真実はボディアタックを受け止めると、逆に走り込む様にしてアバランシュホールドのように豪快にマットに実花を叩き付けた。
これには実花の動きが止まると、真実は髪を掴んで起こしていく。
下を向かせてから両腕を背中でフックして、ダブルアームスープレックスの体勢から持ち上げると、そのまま前に落としてフェイスバスターで痛めつける真実。
バシィィィィィ・・・
これには実花は放されると両手で顔面を押さえて藻掻き苦しむ。
更に起こされると実花は、フラつくのも許されずにミドルキックから左右の張り手を受けてコーナーに追い詰められていく。
ガードを固めようとするが、真実の鋭い掌打にコーナーに崩れ落ちる実花。
コーナーに崩れ落ちる実花に、真実は体重を乗せて膝を叩き込む。
完全にグロッキー状態の実花に対して、真実はトドメとばかりにコーナーから引きずり出すと、パイルドライバーの体勢に持ち込んだ。
逆さづりにされていく実花。
真実は観客席にアピールするように四方に実花の表情を見せつけると、容赦なく落としていく。
ゴキッ・・・
「ふぐっ・・」
脳天から叩き付けられると、実花が両目を見開くように衝撃を受けた。
だが真実は放さずに続けて持ち上げると、今度はジャンピングパイルドライバーで実花をマットに叩き付けた。
真実が放すと実花はグッタリと俯せの体勢になると、身体を小刻みにヒクヒクと痙攣させている。
失神寸前とも言える実花。真実は片手を突き上げると、実花を仰向けにしてから両足を抱え込むと、一気にステップオーバーして逆エビ固めを炸裂させた。
グイッ・・・
体格差のある二人。お互い新体操出身と言う触れ込みから真実はこの技を選んだのか、容赦なく反り返していく。
身体をCの字にされて失神寸前の意識の中、マットを叩いて絶叫する実花。
「いやあああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
「ほらほらっ、ギブアップ?」
真実もギブアップを迫ると、実花はマットを叩いて耐えていく。
「ノォォォォォォォ・・・ノォォォォォォ・・・・イタ、痛いぃぃぃぃぃぃ・・・」
泣きながらギブアップを拒む実花。
「どこまで耐えられるかしら!」
真実は更に反らしていくと、真実のヒップが実花の後頭部を押しつぶす程に残酷な角度にされていく。
「あああぁっ・・・ぎぃ・・ギブ・・・」
遂に実花の口からギブアップの言葉が出るも、真実が許さない。
「ハッキリ言いなさいよ、ハッキリと・・・」
「ギブっ・・・ギブアップ・・・・」
その瞬間、レフリーがゴングを要請して試合終了となった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが鳴らされて真実が技を解くと、グッタリと実花は俯せになる。
その実花の後頭部を踏みつけて片手を突き上げてアピールする真実。
『勝者、山先真実っ!』
新体操出身アイドル対決は、予想通りの真実の圧勝で幕を閉じたのであった・・・。



第15試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、地下プロレスのリング3回目の登場となる左藤志津香。
白いビキニに白いリングシューズ姿でのリングインだが、今夜は手にはボクシンググローブを着けてのボクシングマッチに挑戦。
その志津香とボクシング対決するのは、地下プロレスでは経験はプロレス、ボクシング、格闘技戦とある守下千里。
星条旗柄のビキニに白いリングシューズ。手にはボクシンググローブと言う姿で片手を振り回しながら余裕のリングイン。
『元レースクイーン系ボクシングスペシャルマッチ・・・1ラウンド2分、無制限ラウンド完全決着方式〜・・・』
早くもコールが始まると、まずは志津香からコールを受けていく・・・。
『青コーナー〜・・・身長160p、上から86、58、85・・・左藤〜志津香〜っ!』
観客席に向かって笑顔で一礼する志津香。ボクシング特訓をしてきたのか、少し自信のある表情を浮かべている。
『赤コーナー〜・・・身長166p、上から88、57、88・・・守下〜千里〜っ!』
対戦相手の志津香を睨み付けながら、千里はゆっくりと手を挙げると口にマウスピースを入れるのであった・・・。
志津香もマウスピースを口にすると、レフリーがリング中央に呼び寄せてルール確認をしていく。
1ラウンド2分、無制限ラウンド。フリーノックアウト制。更に胸も股間も殴ることが認められる。
判定なしの完全KO決着と言うハードなボクシングルール・・・。
志津香も表で露出する事がなく、仕方なくのボクシングマッチを受けたが、流石に目の前の千里に緊張を隠せない。
『ラウンド1・・・カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、まずは距離を置いていく志津香と千里。
軽く千里がジャブを放つと、志津香は咄嗟にガードを固める。
その動作に千里が踏み込んでボディストレートで打ち抜く。
バシッ・・・
早くも千里の拳が志津香のボディに襲いかかると、志津香もジャブ気味に返した。
だが千里が上手く上半身を左右に振りながら左右のジャブで攻め込むと、ガードを固めた志津香のボディに強烈なボディを叩き込んだ。
ボシュ・・・
「んぐっ・・」
始めて受けたボディへの衝撃に動きの止まる志津香。
更に千里が左右のボディフックを叩き込むと、堪らず座り込む志津香。
『ダウンっ・・・』
これにはレフリーが千里を離していくと、お腹を押さえて苦しむ志津香をチェックする。
敢えてカウントを数えずにチェックするレフリー。
志津香も苦悶の表情を浮かべながらも立ち上がると、ファイティングポーズを取る。
『ファイトっ!』
レフリーが指示すると、今度は志津香からジャブからストレートと前に出る。
これには千里がガードすると、またもボディを叩き込んだ。
ボシュ・・・
「ぐっ・・」
堪らず志津香がクリンチすると、千里は容赦なく押し出すようにロープに押しつけた。
これには志津香も小刻みにパンチを出して抵抗すると、狙った様に千里がアッパーを放った。
バシィィィィィ・・・
ロープ際で真上を向くようにマウスピースを豪快に飛ばしていく志津香。
ロープに背中を当てて跳ねるようにダウンする志津香に、レフリーが素早く千里を離していく。
『ダウンっ・・・』
早くも2度目のダウンを奪われた志津香。
『カァーン!』
ここで第1ラウンド終了のゴングが打ち鳴らされると、ゴングに救われた形の志津香は黒服に抱えられるようにコーナーに戻されていく。
一方、千里は余裕の表情でコーナーに戻ると、コーナーポストにパンチを入れたりして余裕を見せている。
コーナーでは志津香はセコンド役の黒服にペットボトルの水を口に入れてもらうと、頬などをマッサージしてもらったりして回復に努めた。
一方、千里は椅子に座ることなく観客席を見渡す程の余裕ぶり。
『第2ラウンド・・・カァーン!』
そして第2ラウンドのゴングが鳴らされると、ガードを固めて前に出る志津香。
千里は前に出る志津香を軸に足を使い出して回り出す。
バシッ・・バシッ・・
距離を置いて素早いジャブで襲いかかる千里。
これには嫌がるようにガードを固める志津香。
志津香も踏み込んではジャブを放つが、逆にボディを受けては動きを止めていく。
バシッ・・バシッ・・
今度は鼻を狙ってジャブを打ち込む千里。
殴り返すも、千里の上手いジャブに鼻を赤くしていく志津香。
更にジャブが炸裂していくと、志津香の鼻から出血していく。
鼻血を流して苦しくなる志津香。呼吸が苦しくなりスタミナも問題になっていく。
必死に前に出て殴りつけていく志津香。
千里のバストにパンチが当たると、一瞬胸の痛さに動きが鈍る。
更にお返しとばかりにボディを打ち込むと、千里もガードを固めた。
足を止め合って殴り合う千里と志津香。
お互いの顔面を狙っての殴り合いに観客席が盛り上がる。
千里の頬も赤くなりだすと、志津香は鼻から激しく出血して白いビキニを赤く染め出していた。
堪らずクリンチする志津香を押し返す千里。
そこへ豪快なアッパーを叩き込むと、志津香は豪快にマウスピースを吹き出してダウンした。
『ダウン・・・』
苦しそうな志津香。鼻から流れ出す血が痛々しく見えるが、ここでゴングが鳴らされた・・・。
『カァーン・・・』
第2ラウンドが終了のゴング。
志津香は起こされてコーナーに戻されると、鼻血を止める為にセコンドに鼻を押さえられる志津香。
一方、千里はコーナーにパンチを入れていくと、セコンドにペットボトルで水を飲ませてもらっていた。
『第3ラウンド・・・カァーン!』
そして第3ラウンドが始まると、千里がコーナーから出ようとする志津香に走り込んで殴りつけていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
コーナーを背にサンドバック状態にされていく志津香。
ガードを固めると、ガラ空きのボディへ何発もパンチが打ち込まれていく。
ボシュ・・ボシュ・・
身体をくの字にして必死に耐える志津香。
時折パンチを返すも、千里の勢いに完全に押されている。
マウスピースが口から顔を覗かしていると、千里が狙ったようにアッパー。
バシィィィィィィ・・・
血飛沫をあげながらコーナーに崩れ落ちる志津香。口からは血に染まるマウスピースが宙を舞う。
『ダウンっ・・・』
座り込むようにダウンした志津香。
セカンドロープを掴んでフラつきながらも立ち上がると、レフリーは続行を指示する。
『ファイトっ!』
立ち上がるも、顔を左右のジャブからフックと殴りつけられて顔を腫らしていく志津香。
激しい鼻血が端正な顔を血に染めていく。また千里のパンチが当たると、キャンバスも白いビキニも赤く染まっていく。
動きが鈍る志津香のお腹を、千里が狙ったようにボディアッパーを叩き込んだ。
ボシュ・・・
「んぐっ・・・ぐえっ・・・」
変な呻き声みたいな声を漏らして座り込んでダウンする志津香。
口からは胃液みたいな液体が流れ出している。
『ダウンっ・・』
レフリーがダウンをとるが、すぐにゴングが鳴らされた。
『カァーン!』
第3ラウンド終了のゴング。志津香はコーナーに戻されると、黒服に哀願する。
「ボクシングはボクササイズくらいのれ、練習しかしなかったから、止めてください・・・」
『試合は始まってるんだ、簡単に終わったら地下プロレスのリングじゃあ何されるか解らないから、覚悟しろよ・・・』
志津香は顔を腫らして、呼吸も苦しい中でその言葉に恐怖を覚えた。
『第4ラウンド・・・カァーン!』
そして第4ラウンドが始まると、千里が積極的に前に出てはジャブを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・・
早くも止血した鼻血も吹き出していく志津香。
一方的な試合に一部ブーイングも出る会場だが、志津香もパンチを出していく。
このラウンドまでにダウンはないが、千里も顔など少し赤くしている。
千里はダウンを奪おうと踏み込んでパンチを放つと、志津香もパンチを出して偶然にも千里の鼻を直撃。
『ダウンっ・・・』
そう、鼻を直撃されて激痛に堪らず座り込む千里。
偶然だったので志津香も驚きの表情を浮かべるが、レフリーが志津香を離していく。
グローブで鼻を気にする千里は、素早く立ち上がってレフリーに続行のアピールをしている。
『ファイトっ!』
レフリーのかけ声と共に続行となると、千里が小刻みなジャブからボディと打ち込むと、またも志津香がロープ際に追い込まれた。
千里は意地悪くバストにパンチを当て始めていく。
バシッ・・・バシッ・・・
これには志津香が嫌がるが、胸をガードすれば顔とお腹と、辛い展開に。
更には千里がビキニを擦りつけるように殴りつけると、志津香のビキニのブラが脱げてしまった。
志津香の形の良い乳房が露わになると、会場内からは大歓声がおきていく。
恥ずかしさから胸を隠す志津香。
だが千里が許すわけもなく容赦なく殴りつけると、もう完全にサンドバック状態にされていく。
堪らず志津香が座り込むようにダウンした。
『ダウンっ・・』
レフリーがコールするが、千里は座り込んだ志津香の顔面を殴りつけると、ここで反則とばかりにレフリーが試合を止めた。
『カンカンカンカン・・・』
グッタリと倒れ込んでいる志津香。
千里は構わないと言う表情で片手を挙げてアピールすると、ダウン中に殴りつけたと言う事で反則負けが言い渡された。
『ただ今の試合、反則により左藤志津香の勝利となりました!』
勝利したとはいえ、トップレスで血まみれの志津香とまだ余力がある千里。
試合に負けたとはいえ、内容では圧勝だった千里。引き上げるその表情に満足だったと言う気持ちが感じられていた。



第16試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールにリングするのは、地下プロレスで初の3冠に輝いた市河由衣。
白いビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって一礼してコーナーに寄りかかっていく。
その由衣の対戦相手としてリングに登場したのは、あの女横綱の築比寺理絵。155sの巨体を揺らしながらリングインすると、早くも由衣を睨み付けた。
唯一リング上で敗北したのがアイドルの市河由衣。理絵はリベンジの機会を狙っていたが、遂にチャンスが回ってきたのだった・・・。
由衣としては巨漢とのシングル戦は避けたい所だが、これは圧力もあり無理矢理に組まれてしまった。
『青コーナー〜・・・身長158p、体重155s・・・築比寺〜理絵〜!』
コールを受けて片手を挙げる理絵。
『赤コーナー〜・・・身長158p、上から83、55、80・・・市河〜由衣〜っ!』
そしてコールを受けてアピールするのが由衣。ビキニを気にしながらもコーナーに寄りかかっていく。
『カァーン!』
早くもゴングが打ち鳴らされると、まずは距離を置いていく由衣。
素早く動き回ると、素早くローキックを膝に叩き込む。
バシィィィ・・・
由衣のローキックに両手を開く理絵。
張り手を狙うが由衣も避けると、更にローキックを叩き込んでいく。
バシィィィ・・・
体重があるからと、膝から狙っていく狙いの由衣。
理絵も膝へのダメージを嫌がって張り手を放つが、由衣は転がるようにしてリング下に逃れていく。
リング下から理絵の動きを見つめる由衣。理絵はリング下に降りずにリング上で由衣を睨み付ける。
素早くリング下を動いては、理絵の背後からリングに入ってはドロップキックを放つ由衣。
バシィィィ・・・
これにはフラつくが、素早く反転して構える理絵。
由衣は捕まってはと転がるようにリング下に逃げると、理絵は苛ついていく。
ビキニを気にしながらリングサイドを回り込む由衣。
そしてまたもリングに駆け上がると、素早くドロップキックを放った。
バシィィィィ・・・・
またもロープ際で理絵が反転すると由衣が転がるように逃げていく展開。
これには観客席からブーイングと歓声が入り乱れた。
『逃げてばっかりじゃつまらね〜だろ!』
『市河〜っ、その調子だぁぁぁ〜!』
今度は由衣が真正面から理絵に向かい合うようにリングに戻ると、理絵は少しずつ距離を詰めていく。
すると、由衣は狙ったように理絵の膝を真正面からドロップキックで打ち抜いた。
バシッ・・・
「ぐうっ・・」
これには一瞬動きの止まる理絵。膝は流石に苦しい様子。
その理絵に由衣が立ち上がるとローキックで左膝を蹴りこんでいく。
バシィィィ・・・バシィィィィ・・・
由衣が蹴る事に集中すると、理絵が突然大振りの張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・・
「ぐはあっ・・・ああんっ・・」
強烈な張り手を側頭部に叩き込まれて転がるようにダウンする由衣。
更に理絵がストンピングを狙って踏みつぶそうとすると、由衣は転がりながらロープに逃げた。
『ロープっ・・・ロープっ・・・』
これにはレフリーが理絵を止めていくと、理絵は仕方ないと言う表情で距離を置く。
由衣が立ち上がるが、叩かれた部分を気にしながら理絵との距離を置いた。
その由衣に、理絵が距離を詰めていく。
由衣は回り込むようにローキックで攻め込むが、理絵が前に出ると少しずつコーナーに追い込まれていく。
逃げ場を失う由衣。表情に焦りの色が浮かび出す。
両手でトップロープを掴んで逃げられないようにする理絵。
すると、155sの巨体でコーナーとの間でサンドウィッチプレスで由衣の身体を押しつぶす理絵。
ボシュ・・・
「ぎゃあああぁぁぁぁ・・・・」
由衣の悲鳴が響き渡るリング上。コーナーと理絵に圧殺されてグッタリしていく。
更にコーナーの由衣の喉元にチョップを叩き込むと、髪を鷲掴みにしてコーナーポストに数度叩き付けていく理絵。
バシッ・・バシッ・・・
「いやあっ・・・ああああっ・・」
悲鳴をあげながら痛めつけられていく由衣。
放された瞬間、由衣は意地になって裏拳を放つと、理絵の顔面を直撃する。
バシィィィィ・・・
しかし理絵はダウンせずに、逆に両手で髪を掴んでは、由衣にヘッドバッドを叩き込む。
ゴキィィィィ・・・
コーナーに崩れ落ちる由衣。
その由衣にストンピングで踏みつぶしていく理絵。
堪らずロープを掴んでレフリーにロープのアピールをする由衣。
『ブレークっ・・・』
レフリーも理絵を押しのけて距離を置かせていくと、由衣を起こしていく。
フラつきながらも由衣が立ち上がるが、まだ大きなダメージは無いように見えた。
『ファイトっ!』
構える由衣と理絵。
真正面からドロップキックを叩き込むと、続けて立ち上がってはドロップキックで攻め込む由衣。
数発受けると、理絵が逆にボディプレスを狙って倒れ込む。
これには由衣は転がるように逃げると、立ち上がって起き上がろうとする理絵を蹴りまくる。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
更にはサッカーボールキックを入れたり、顔面へのステップキックを叩き込む由衣。
「ぐわあっ・・・」
顔面を蹴られては流石の理絵も悲鳴をあげた。
顔面を押さえて俯せ状態になる理絵に、由衣は容赦ない膝蹴りを脇腹に叩き込んでいく。
普通のアイドルの脇腹に膝を入れたら、一発で勝負がつく可能性が大きいが、理絵の脇腹には分厚い脂肪が邪魔をしている。
『蹴れっ蹴れっ・・・市河っ!』
更に蹴りを入れてから、バックマウントから側頭部を殴りつけていく由衣。
バキッ・・バキッ・・
殴られる事は嫌がっている理絵。少しずつロープに逃れると、ロープを掴んでレフリーにアピールした。
『ブレークっ・・・』
レフリーの指示に離れていく由衣。
理絵もゆっくりと立ち上がると、由衣との距離を詰めていく。
流石に巨体を前にリング内を回り出す由衣。
またもローキックから膝攻めをしていく由衣。
バシィィィィ・・・バシィィィィ・・・・
すると、理絵が大振りの張り手が左右から由衣を襲う。
バッシーン・・・
その左はガードするも、右が頬を直撃して由衣が豪快にダウンした。
転がってロープに逃げようとするも、今度は理絵が倒れ込むようにボディプレスを仕掛ける。
ドッシーン・・・
「あうっっっ・・・」
遂に巨体がマットに由衣を押し潰すと、由衣は苦悶の表情を浮かべながらもロープに手を伸ばした。
『ロープっ・・・』
レフリーがロープとばかりに離せさせると、由衣が立ち上がるもボディプレスのダメージかフラついている。
『ファイトっ!』
レフリーのかけ声に理絵が積極的に前に出る。
理絵は威嚇するように前に出ると、由衣はガードを固めてロープ際に追い込まれていく。
ロープを背にして膝蹴りを出すが、理絵の脂肪が膝蹴りの衝撃を受けると、逆に由衣の顎に両手を添えていく。
グイッ・・・
「んぐぐぐっ・・んんっ・・・」
体重差を利用して、豪快に軽量の由衣にネックハンキングツリーを仕掛けた。
堪らず両手で必死に理絵の手首を掴む由衣。
ビキニ姿のアイドルの絞首刑シーンに観客席からは大歓声が送られていく。
『いいぞぉぉぉぉぉ・・・由衣を失神させろ〜っ!』
『市河〜っ、簡単に負けるなよ〜っ!』
当然ながら由衣の耳にも入っているが、自らの体重を顎に受けて苦しいから、逃れる事で必死の様子。
理絵は簡単に終わらせる気がないのか、突然手を放して由衣をマットに落としていく。
「コホッ・・・コホッ・・・」
激しく咳き込みながら苦しむ由衣。
グイッ・・・
「あうっ・・」
今度は髪を鷲掴みにすると、由衣をコーナーに押し込んでいく理絵。
コーナーポストに数回顔面を叩き付けてから、フラつく由衣の顔面をトップロープに押しつけていく理絵。
ギュギュ・・ギュ・・・
「いやああぁぁぁぁぁ・・・・熱いぃぃぃ・・・や、焼けちゃうぅぅぅぅ・・・」
ロープに擦りつけて由衣を痛めつける理絵。由衣はゴムとの摩擦で絶叫する。
『ロープっ・・ロープっ・・・』
しかしロープを必死に掴む由衣を見て、レフリーは理絵を止めていった。
フラフラしている由衣が距離を取ると、理絵はショルダータックルで軽量な由衣を吹き飛ばした。
バシィィィィ・・・
これには由衣は大の字になってダウンすると、理絵はゆっくりと由衣に近づいていく。
そして、由衣のお腹を跨いで片手を挙げて観客にアピールしていく理絵。
『圧殺待ってました!』
『由衣ちゃ〜ん、豪快に失神KOよろしくね〜っ!』
由衣に対して残酷な期待をする歓声が飛んでいく中、理絵がゆっくりとヒップドロップを落とした。
ボシュ・・・
「んぐっ・・・」
必死に力を入れていた由衣は、豪快に反吐を吐き出す事はなかったが、大きなダメージを負ってしまった。
『由衣ちゃん、いいぞぉぉぉぉぉ・・・』
これには由衣に対する声援が送られていくが、理絵は立ち上がると続けてヒップドロップを落としていく。
ボシュ・・・
「ホッ・・ホゲェェェェェ・・・・」
これには豪快に口から反吐を吹き上げる由衣。
自ら吐き出した吐瀉物を顔面に浴びて、身体を小刻みにヒクヒクとさせていく由衣。
ここでレフリーが試合を止めると、リングドクターを呼び寄せた。
『ここで、市河由衣が試合続行可能か、ドクターチェックが入ります・・・』
リングアナがコールする中、リングドクターが由衣の顔をタオルで拭いていく。
そして口にペットボトルを当てると、水を飲ませていくリングドクター。
「も・・もう・・・試合を・・・止めて・・くだ・・さい・・・」
由衣はリングドクターに試合を止めるように哀願するが、リングドクターはレフリーに合図を送った。
レフリーは合図を受けて、由衣を無理矢理に起こしてコーナーに寄りかからせていく。
『ファイトっ!』
レフリーのかけ声に理絵はコーナーの由衣に迫っていく。
「い、イヤッ・・・」
迫る理絵に嫌がるように蹴りを出す由衣。
しかし、理絵は蹴られても前に出てから、由衣の両腕をロープに絡ませていく。
バシィィィィィ・・・
「ぶへえっ・・・」
その由衣の顔面に張り手を叩き込む理絵。
グッタリしても許さずに、由衣に張り手を入れていく理絵。
口の中を切ったのか、張り手を受けると血飛沫をあげていく由衣。
数発受けると、ノーガードと体重差から、グッタリと下を向いていく由衣。まるで磔で力尽きたように見えていた。
その由衣の髪の毛を鷲掴みにして上を向かせると、由衣が理絵の顔に唾を吐きかけた。
ペッ・・・
「くっ・・い、一度はわ、私に負けたくせに・・・」
その言葉に理絵が怒りだした。
「ふん、だったらおまえの引退試合にしてやるよ!」
ロープから由衣を解放すると、まるで捨てるようにマットに投げ捨てていく理絵。
そして、またも跨いでヒップドロップで圧殺攻撃で押し潰した。
ボシュ・・・
「ホゲエェェェェ・・・・」
これには水で薄められた胃液を吐き散らす由衣。
更にお腹にストンピングを叩き込まれてから、髪を掴んで起こされていった。
あまりの残酷シーンに観客席が黙り込む・・・。
そして豪快に由衣をネックハンキングで吊し上げていく理絵。
苦悶の表情で藻掻く由衣だが、次第に抵抗する手の力が抜けていく・・・。
理絵の手に力が入ると、由衣の両手がダラリと力なく垂れていく。
レフリーも試合を止めないから、由衣の白いビキニショーツから黄色い異臭を放つ液体が溢れ出した。
これにはレフリーも危険と判断して、ゴングを要請するのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが乱打されると、理絵はゆっくりとコーナーに由衣を押しつけると、力任せにビキニを剥ぎ取った。
失神状態でトップレス状態にされていく由衣。形の良い白い乳房が露わになると、理絵は蹴りこむようにコーナーに横にしていく。
そしてバストを踏みつぶしていくと、失神状態の由衣を痛めつけていく。
『カンカンカンカン・・・』
これには黒服達がリング上に上がって理絵を止めていくと、理絵はガッツポーズでリングを後にするのであった。
由衣はリングドクターに応急処置を受けてから、意識を取り戻してから医務室に運ばれていくのであった・・・。
担架に乗せられる由衣。あまりの体重差のリマッチだったが、引き上げる由衣に対して、観客席からは試合を受けたと言うだけでも拍手が送られていくのであった。


第17試合

『選手入場っ・・・・』
由衣の試合が終わりマットの清掃が終わり、三本のロープが外されていくと、ロープの代わりに有刺鉄線が張られていく。
そのリングに次の試合に出場する二人の姿が・・・。
それはあの矢多亜希子と沖菜恵。
『おおおおっ・・・』
地下プロレスでも残酷度ではトップクラスの有刺鉄線デスマッチ。その試合に美人女優として人気のあった亜希子が登場とは、会場内が騒ぎ出す。白い競泳水着姿の亜希子。表情は目の前に迫る有刺鉄線に怯えていた。
そして恵は地下プロレスでは悲惨な試合も多く経験していたが、堂々の黒ビキニでの登場。映画の撮影が終わってから仕事もなく、引退かヘアヌードかと噂も出ているだけあり、この様な残酷なデスマッチが組まれていった。
まして、恵は現在の亜希子の夫とも噂があり、雑誌にスクープされて話題を提供した事もあり、この残酷な試合形式のリングで亜希子を血祭りにあげようと考えていた。
一方、試合経験も少ない亜希子は、もう完全に生け贄として見られていた。
黒服が有刺鉄線を押して亜希子と恵をリングインさせていく。
『青コーナー〜・・・身長164p、上から83、58、83・・・矢多亜希子〜っ!』
コールを受けて緊張しながらも一礼していく亜希子。
『赤コーナー〜・・・身長156p、上から84、59、85・・・沖菜〜恵〜っ!』
そしてコールを受けて一礼する恵。有刺鉄線には緊張した表情を浮かべるが、対戦相手の亜希子に対しては鋭い視線を飛ばしていく。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、まずは距離を置いて睨み合う両者。
リング中央近くでゆっくりと円を描くように回り出していく恵と亜希子。
すると、恵が牽制するようにローキックを放つと、亜希子もローキックを打ち返した。
バシッ・・バシィィィ・・・
更に恵が張り手を出していくと、亜希子も張り手で反撃していく。
バシッ・・バシッ・・・
張り手から恵のエルボースマッシュが炸裂すると、一瞬フラつく亜希子に抱きついて押していこうとする恵。
しかし亜希子も有刺鉄線に押し込まれてはとばかりに、踏ん張ると左右に振ってバランスを崩していく。
「ふざけんじゃね〜よ!」
恵が叫びながら倒そうとする。
「上等だってんだろ!」
亜希子も言い返すと、膝蹴りを叩き込んでダメージを与えていく。
しかし膝蹴りを出したところを倒す恵。
サイドポジションを奪うと、押さえ込むように亜希子を押さえ込む。
返そうとする亜希子だが、恵も上手く押さえ込んではスタミナを奪おうとしていく。
亜希子も有刺鉄線デスマッチと言うプレッシャーからか、必死に返していくと、早くも白い競泳水着に汗を滲ませていた。
必死に逃れようとする亜希子だが、次第にポジションが有刺鉄線に近づいていく。
観客席からもどちらが最初に有刺鉄線の餌食になるかと期待して視線を送るリング上。
すると、恵が一気に立ち上がって距離を置いていく。
亜希子も起き上がると、恵の動きを見つめながら呼吸を整えていく。
次第に距離を詰める恵と亜希子。
バキッ・・・
距離が詰まると、いきなり亜希子がグーパンチを恵に叩き込む。
更に顔面狙いのパンチを連打していくと、恵も負けずに殴り返した。
バキッ・・バキッ・・ゴキッ・・
身長差もありリーチの差を活かした亜希子のパンチ。
恵も殴り返すが、意外な亜希子のパンチ攻撃の前にフラついていく。
口の中を切ったのか血を垂らし出すと、亜希子は更にタックル気味に押し込んで有刺鉄線に近づけた。
嫌がるように恵がフロントスリーパーを狙っていくと、亜希子が一気に押し込んでいく。
「いけえぇぇぇぇぇ・・・」
亜希子が叫ぶと、遂に恵は背中から有刺鉄線に押し込まれた。
グサッ・・・
「ああああああああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
亜希子が放すと、恵は張られた三本の有刺鉄線を身体に食い込ませて絶叫した。
遂に恵の素肌を襲った有刺鉄線の棘。恵の背中からは血が流れ出すと、苦悶の表情でフラつく恵。
その恵に対して、亜希子は助走をつけて喧嘩キックをお腹に叩き込むと、恵はまたも有刺鉄線に叩き付けられた。
グサッ・・
「いやああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
ビキニだから素肌へ直接棘が食い込むと、またも恵が絶叫する。
堪らず有刺鉄線から逃れるように前に倒れ込むと、俯せ状態になる恵。
その恵の傷口を狙ってストンピングを叩き込んでいく亜希子。
バシッ・・バシッ・・・
「ああっ・・・いっ・・痛いっ・・・」
有刺鉄線から逃れようと這って逃げる恵。
グイッ・・
「立ちなさいよ!」
その恵の髪を鷲掴みにして起こしていく亜希子。
すると、恵も意地になって抱きつく。
「アンタだって有刺鉄線の痛みを知りなさいよ!」
そのままクラッチしたまま、有刺鉄線に押し込む恵。亜希子も踏ん張るが、恵が腕を放してからエルボースマッシュの喉元に叩き込んだ。
バキィィィ・・・
一瞬呼吸が止まる様な感覚に襲われる亜希子。
バシッ・・
「あうっ・・」
更に喧嘩キックが亜希子のお腹を襲うと、有刺鉄線に近づく亜希子。
容赦なく殴りつけて亜希子を有刺鉄線に押し込もうとする恵。
抵抗する亜希子に、恵の膝蹴りが炸裂した。
ドシュ・・・
「グホッ・・」
お腹に膝蹴りを受けて苦悶の表情を浮かべる亜希子。
「いっけぇぇぇぇぇ・・・」
恵がチャンスとばかりに叫ぶと、その亜希子を有刺鉄線に押し込んだ。
グサグサッ・・・
「ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
競泳水着を突き破り背中に有刺鉄線が食い込むと、亜希子が絶叫した。
初めて味わう有刺鉄線の痛みに、有刺鉄線から離れてもフラつく亜希子。白い競泳水着が赤く染まりだす。また素肌に直接有刺鉄線も当たったため、亜希子の柔肌が容赦なく傷つけられた。
更に有刺鉄線に押し込む恵。
グサッ・・・
「きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
またもリング上に響き渡る亜希子の悲鳴。
水着が引っかかって寄りかかる体勢の亜希子に、恵は助走をつけてドロップキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
有刺鉄線に寄りかかった状態からのドロップキック。
「ぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
またも有刺鉄線が肌に食い込み、激痛に絶叫する亜希子。
フラつきながら前のめりにダウンする亜希子に、恵は飛び上がってストンピングを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・
「あああっ・・・ああっ・・」
傷口を蹴り飛ばされて悲鳴をあげる亜希子。
しかし意地になって恵の股間へグーパンチを叩き込む。
バキッ・・
「ふぎっ・・・」
これには恵は股間を押さえて動きが止まると、亜希子が立ち上がって張り手を叩き込む。
バッシーン!
「おらあぁぁぁぁぁ・・・」
気勢をあげる亜希子。
しかし恵も簡単には負けはしない。張り手を受けると、逆に喧嘩キックからDDTで反撃する。
ドッシーン・・・
脳天からマットに叩き付けられて動きの止まる亜希子。
グッタリと俯せ状態になっていると、恵は亜希子の頭部を両足で挟み込む。
そしてツームストンパイルドライバーの体勢に持ち込んでいく。
嫌がるように両足をバタバタさせる亜希子だが、恵は容赦せずに脳天からマットに落としていく。
これには大の字状態でヒクヒクしていく亜希子。
『沖菜っ、そろそろ矢多の顔面も有刺鉄線に擦りつけてやれよ!』
『そうそう、勝負つけてやれっ!』
観客席からは残酷な言葉がリングに送られていくと、恵は片手を挙げて観客席にアピールした。
「いくぞぉぉぉぉぉぉ・・・」
恵が叫ぶと観客席が盛り上がっていく。
そして亜希子の髪を鷲掴みにすると、無理矢理に起こしてから有刺鉄線に近づいた。
「いっけぇぇぇぇぇ・・・」
恵が叫ぶと、そのまま亜希子の額を有刺鉄線(トップロープ)に押しつけた。
グサッ・・・
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
これには泣き叫ぶように悲鳴をあげる亜希子。
必死に有刺鉄線を掴んで逃れようとするが、恵が押さえつけていく。
亜希子の端正な顔に血が流れ出す。恵が揺さぶると、血だるま状態になっていく亜希子。
「いっ、痛い、痛いっ・・・痛いぃぃぃぃぃ・・・」
あまりの激痛に泣き叫ぶ亜希子。
あまりの残酷なシーンに観客席が盛り上がっていく。
『いいぞぉぉぉぉぉ・・・沖菜っ!』
更に恵が亜希子の額に有刺鉄線を押しつけていくと、白い水着が赤く染まっていく。
目に血が流れ込んで視界を奪われた亜希子は、藻掻いていくが有刺鉄線地獄から逃れる事ができない。
恵が手を放すと、額を押さえては悲鳴をあげている。
その亜希子をマットに座らせるようにして、片手で髪を掴んで上を向かせると、恵はスタンディング状態から強烈なエルボースタンプを傷口に叩き込んだ。
ゴキッ・・・
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
リング上に響き渡る亜希子の悲鳴。
恵が放すと、マットに転がるようにダウンする亜希子。
更に恵が亜希子の額にストンピングを叩き込んでいくと、あまりの残酷さにレフリーが試合を止めていった。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが鳴らされても恵がストンピングを止めないと、レフリーが羽交い締めのようにして引き離していった。
『ただ今の試合、レフリーストップにより沖菜恵の勝利といたします!』
リングアナのコールに片手を挙げてアピールする恵。
一方、亜希子はリングドクターに応急処置を受けると、担架に乗せられて医務室に運ばれていくのであった。



第18試合

「いやあぁぁぁぁ・・・・何でこんな事しなきゃいけないのぉぉぉぉぉぉぉ・・・」
悲鳴をあげながらリングにあげられていくのは、数々の奇行で芸能活動が危ぶまれている花原朋美だった。
両腕を黒服に掴まれてリングにあげられると、有刺鉄線に怯えだしている。
黒いビキニに黒いリングシューズ姿の朋美。32歳だが見事なボディライン。特にバストはビキニに包まれているが綺麗な形を見せている。
噂には聞いていたであろう地下プロレス。タレントなら売れるために通る道だったが、朋美はいきなり有刺鉄線デスマッチデビュー。それも練習もしていない状態だから、もう公開処刑とも言えるものだった・・・更に対戦相手が・・・。
「有刺鉄線デスマッチ・・・上等じゃないのよ!」
そう、元ヤンキーとして有名な飯嶋直子がリングインしていく。白いワンピース水着姿で早くも朋美を睨み付けると、ゆっくりと有刺鉄線の張り具合を確認したりしていた。
「こ、こんな所で喧嘩なんていや・・・いやぁぁぁぁぁ・・・」
直子の登場に怯え出す朋美。
「早くゴングを鳴らしなよ・・・こんなバカ女っ・・・秒殺だよ!」
直子も挑発するように言い放つと、リングアナがコールを始めた。
『青コーナー〜・・・身長157p、上から86、58、84・・・花原〜朋美〜っ!』
コールを受けるが観客にアピールもしなければ、一礼も何もしない朋美。もう視線は直子に向いている。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から86、60、85・・・飯嶋〜直子〜っ!』
そして直子がコールを受けると、いきなり走り込んで朋美のお腹に喧嘩キックを叩き込んだ。
ボシュ・・
「ぐえぇぇぇ・・・」
これには悲鳴をあげてお腹を押さえて座り込む朋美。
グイッ・・・
「簡単に終わらすつもりは無いんだよ・・・バカ女っ!」
直子は髪を鷲掴みにして起こすと、片手で髪を掴んだままにして、片手の拳を握りしめると、顔面にパンチを叩き込む。
バキッ・・・ゴキッ・・
「イタァァァァァ・・・いやあぁぁぁぁぁ・・・」
絶叫する朋美。
必死に抵抗していく朋美に、直子はヘッドバッドを叩き込む。
ゴキィィィィ・・・
「ひいぃぃぃぃ・・・・」
額を両手で押さえてマットにダウンする朋美。両足をバタバタさせて藻掻きだした。
「何よ、少しは楽しませてくれないと・・・」
直子が呆れ顔で観客席に呟くと、髪を掴んで無理矢理起こしていく。
すると、朋美もパンチをお腹に入れたりして反撃の姿勢を見せていくが、直子は構わずラリアットを顔面に叩き込んで倒していった。
バシィィィ・・・
大の字状態で天井を見上げる朋美。既に呼吸は荒く苦しい展開。
グニッ・・・
「ああんっ・・・」
その朋美の顔面を踏みつける直子。
両足をバタバタさせて藻掻く朋美に、直子はゆっくりとグリグリと顔面を踏みにじる。
『有刺鉄線処刑だぁぁぁ・・飯嶋ぁぁぁぁ・・・』
一方的な試合展開に、観客席からは仕上げとも言える有刺鉄線を求める声が。
観客席からの声に、直子は片手を挙げてアピールすると、ゆっくりと朋美を起こしていく。
「いくぞぉぉぉぉぉぉ・・・・」
直子が叫ぶと、朋美は必死に抵抗していく。
「いや、いや、いや、いや・・・」
胴タックルのように抱きつく朋美。
「おらぁぁぁ・・・観念しろよ!」
直子は無理矢理引き離すと、喧嘩キックをお腹に入れてバランスを崩させる。
お腹を押さえて苦悶の表情を浮かべる朋美。
「有刺鉄線へお一人様ご案内〜っ!」
そして直子が有刺鉄線に押し込むと、朋美は背中から有刺鉄線に押しつけられた。
グサッ・・・
「ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
あまりに激しい痛みに絶叫する朋美。
藻掻くように有刺鉄線から逃れると、傷つけられた背中から血がにじみ出す。
グイッ・・・
更に直子が羽交い締めにしていくと、胸を突き出すような格好にさせて、有刺鉄線に近づけていく。
グサッ・・・
「あああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
遂にビキニに包まれた乳房に有刺鉄線が押しつけられると、朋美は狂ったように悲鳴をあげる。
頭を激しく動かして藻掻く朋美。
ゴキッ・・
「ぐはあっ・・・」
偶然にも後頭部が直子の顔面を直撃して、力が抜ける所を朋美は逃れる事に成功した。
しかし直子を怒らせる結果に・・・。
「くっ・・・このバカ女っ・・・」
フラフラの朋美に、直子は容赦なく殴りつけると、ビキニを勢いよく剥ぎ取った。
「いやあぁぁぁぁぁぁ・・・」
トップレスにされて悲鳴をあげる朋美。両手で胸を隠そうとするが、直子が有刺鉄線に押しつけていく。
形の良い乳房が有刺鉄線に押しつけられていくと、朋美は泣き叫んだ。
グサッ・・
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・・と、朋ちゃんのオッパイ壊れちゃうっ!」
押しつけられた有刺鉄線が容赦なく朋美の乳房を傷つけていく。そして白い乳房から赤い血の筋が流れ落ちていく。
「ほらほらっ、もっと痛い思いをしてもらうよ今夜は!」
更に直子が有刺鉄線に押しつけていくと、朋美の乳房は血に染まっていく。
「ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
更に直子が有刺鉄線に押しつけて、横に移動していくと乳房を切り裂かれて絶叫する朋美。
これにはレフリーも残酷だからと直子を止めていくと、直子は朋美を放していく。
マットに倒れ込んで胸を押さえて泣き出す朋美。
グイッ・・
「いや、いやあぁぁぁぁ・・・もういやあぁぁぁぁ・・・」
直子に起こされる朋美は嫌がるように泣き叫ぶ。
「甘いんだよ、観念しな!」
だが直子が許すはずもなく、無理矢理に起こしていく。
そして、遂に額を有刺鉄線に押しつけられることに・・・。
グサッ・・・
「んああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
遂に額が傷つけられて絶叫する朋美。
有刺鉄線が食い込んだ部分から血が流れ出すと、朋美は顔面を真っ赤に染めていく。
必死に有刺鉄線を掴んで抵抗する朋美。
しかし直子の勢いにただ痛めつけられていく展開に・・・。
トップレス姿で有刺鉄線に押しつけられて、更に痛めつけられている朋美に対して、レフリーが危険と判断してゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、直子はやれやれと言う表情を浮かべて片手を挙げて観客にアピール。
『ただ今の試合、レフリーストップで飯嶋直子の勝利となりました・・・』
試合が止められて、リングドクターが朋美を有刺鉄線から離してから応急処置をしていく。
特に切り裂かれた乳房の止血などをしているが、これも地下プロレスが誇る高度な医療技術をもつドクターなどにより、数ヶ月後には傷がなくなる程になるが、この瞬間朋美はショックで動揺を隠せない。
その朋美は担架に乗せられてい医務室に運ばれていくのであった。
対して、直子は余裕の表情でリングを後にした。



第19試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールにリングに向かう二つの影。その登場した二人の姿に会場が騒がしくなる。
『ほ、本当かよ・・・』
『ざ、残酷過ぎるよ・・・』
そう、リングに向かうのはあの乙羽と戸向美奈子。お互いがかつてのグラビアツートップとして売れっ子であったが、特に目立つ芸がなくても売れていく乙羽と、トーク下手がたたり下降線、更には乙羽はグラビア活動から手を引いても、美奈子は必死にグラビア、更には10メートルからプールに飛び込む企画に出されるなど色々あった・・・。その二人が、この究極とも言える残酷なルールで対戦が決まった。
美奈子はグラビアでの影響を考えたが、乙羽とのシングル戦を飯嶋直子に対するステップにするために、アピールしたい試合にと考えている様子。
対して、乙羽は結婚もして柔肌を有刺鉄線リングで傷つけられる事に恐怖心をおぼえているが、地下プロレスは芸能界に大きな力を持っていて、強制とも言える出場であった。
美奈子は過去有刺鉄線デスマッチ経験があるので、この有刺鉄線ルールの怖さ・戦い方を知っている。対して乙羽は初めての有刺鉄線デスマッチ。その恐怖心は大きかった。
美奈子と乙羽は共に黒いビキニに黒いリングシューズ姿。グラビアに姿を見せなくなってもそのビキニ姿には視線が集まっていた。
そのリング上、美奈子がリングアナにマイクを要求した。
「乙羽っ、今夜は容赦しないから覚悟しなっ!私は何時もアンタとグラビア時代からの活動を比べられて腹が立ってるんだよ!」
美奈子がアピールすると、乙羽が返す。
「そ、そんな事いっても・・・私には関係ないし・・・事務所の事も・・・」
その言葉に美奈子が乙羽に詰め寄ると、更に黒服に要求を出した。
「だったらもっと凄いデスマッチにしようじゃないのよ・・・そう、有刺鉄線ボードとか凶器も公認にしてよ、もう完全決着の試合しましょうよ・・・乙羽さん!」
その言葉に乙羽が怯えだした。足元を震わせながら必死に美奈子を見つめるが、観客席が盛り上がっていく。
『いいぞぉぉぉぉ・・・・やっちゃえやっちゃえ!』
『究極のデスマッチしてくれ〜!』
観客席の盛り上がりに、黒服がリング上に有刺鉄線ボードやチェーン、有刺鉄線竹刀などを持ち込んでいくと、乙羽は助けを求めるかのようにリング周りを見つめた。
しかし誰も乙羽を助けようともせず、これから始まる残酷な宴を心待ちにしている様子。完全に乙羽は生け贄にされようとしていた・・・。
『青コーナー〜・・・身長157p、上から89、59、85・・・乙羽〜っ!』
コールを受けるも、震えながら観客席に一礼する乙羽。
『赤コーナー〜・・・身長156p、上から86、58、83・・・戸向〜美奈子〜っ!』
対して片手を挙げてアピールしていく美奈子。観客席からも歓声が送られていく。
『カァーン!』
早くもゴングが打ち鳴らされると、まずは距離を置いて睨み合う乙羽と美奈子。
美奈子はボクシングの様に構えていくと、乙羽はプロレス的にガードを下げて距離を置く。
今回はロープの代わりに有刺鉄線だからロープワークは使えずに、美奈子から目を離さずに距離を置く乙羽。
美奈子も少しずつ距離を詰めようとするが、乙羽も上手く距離を置いている。
美奈子が迫ると、乙羽がタックルを仕掛けようとするが、美奈子は上手くパンチで近づけない。
緊張感あるリング上で、更に美奈子が意外だがローキックから左右のパンチで追い込もうとする。
意外な打撃に乙羽はガードを固めてから組み付こうとするが、これも上手くいかない。
更にタックルを仕掛けるも、美奈子が上手く距離を置いてローキックで脚にダメージを与えていくと、乙羽の表情が苦悶に歪む。
堪らず左右の大きな張り手で前に出る乙羽。
「んああああぁぁぁぁ・・・・」
気勢をあげて前に出る乙羽に、美奈子は冷静にガードしてから膝蹴りを出していく。
乙羽の柔らかいお腹を抉る膝蹴り。
グシュ・・
「おげっ・・・うえっ・・・」
美奈子の膝が炸裂すると、乙羽は口から涎を垂れ流しながら座り込むようにダウンした。
グイッ・・・
「いくよぉぉぉぉ・・・」
美奈子が髪を鷲掴みにしてアピールすると、拳を握りしめてから乙羽の額にパンチを叩き込む。
バキッ・・ゴキッ・・・
「いやあぁぁぁ・・・・」
乙羽の悲鳴がリングに響き渡るが、観客達はパンチでの悲鳴よりも、有刺鉄線や凶器攻撃での悲鳴を期待している。
必死に乙羽もお腹にパンチを入れて反撃を試みると、美奈子は髪を掴んで起こしていく。
起こされると、乙羽も意地になってエルボースマッシュで反撃していくと、喧嘩キックからヘッドロックで締め上げていく。
美奈子を締め上げてスタミナを奪おうとする乙羽。
グイッ・・・グイッ・・・
「私だって負けないわよ・・・」
乙羽は必死に締め上げるが、美奈子はゆっくりと有刺鉄線に近くなるように動き出す。
そしてバックドロップを狙う美奈子だが、乙羽も両足を開いたりして踏ん張っていく。
バックドロップを仕掛けられなかった美奈子に対して、乙羽はヘッドロックを放してから体勢を入れ替えると、ニーリフトを美奈子のバストに叩き込んだ。
グシュ・・・
「んあぁぁぁぁぁ・・・ああっ・・」
乙羽の膝がバストを押し潰すと、美奈子は堪らず両手で胸を押さえてダウンした。
続けて乙羽が倒してからヘッドシザースで締め上げていく。
美奈子もブリッジ気味に身体を動かしたりして逃れようとするが、乙羽も上手く締め上げていく。
乙羽が技を解いていくと、美奈子は素早く体勢を入れ替えて上から覆い被さるように乙羽に体重を乗せていく。
美奈子の素早い動きに戸惑う乙羽は、喉元にギロチンチョークを入れられて両足をバタバタして藻掻き苦しんでいる。
ギロチンチョークを解いてから、美奈子がマウントポジション状態から乙羽の顔面に張り手を叩き込んでいく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・・
音を立てて炸裂していく張り手に、乙羽は嫌がるように美奈子の手首を掴もうとする。
しかし美奈子は掴ませずに張り手を叩き込んでいくと、痛さから乙羽の目には涙が浮かび出す。
更に観客にアピールするように、美奈子は髪を片手で掴んで固定してから、乙羽の頬に張り手を叩き込んでいく。
張り手を受ける度に身体をビクンビクンとさせて痛がる乙羽。
抵抗が少なくなったところで、美奈子が一気に立ち上がってお腹にストンピングを叩き込む。
ドシュ・・バシッ・・
「うげっ・・・うがっ・・ぐはっ・・・」
お腹を蹴りこまれて藻掻き苦しむ乙羽。
更に美奈子は飛び上がるとフットスタンプを叩き込んだ。
ドシュ・・・
「喰らえっ!」
「ふぐっ・・ホゲェェェェェ・・・」
変な悲鳴をあげてお腹を押さえて苦しむ乙羽。
「いくぞぉぉぉぉぉ・・・」
美奈子が片手を挙げてアピールすると、苦しむ乙羽に逆エビ固めを仕掛けた。
グイッ・・・
容赦なくステップオーバーする美奈子。身体を反らされて激痛に絶叫する乙羽。
「痛いぃぃぃぃぃぃ・・・痛いぃぃぃぃぃぃぃ・・・・」
堪らずマットを叩いて悲鳴をあげていく乙羽。
美奈子も揺さぶるように痛めつけていくと、乙羽は遂にギブアップを口にした・・・。
「ギィ・・ギブぅぅぅぅぅ・・・・ギブアップ!」
マットを激しく叩いてギブアップした乙羽。
しかし有刺鉄線デスマッチだからと、観客席からは大ブーイングが送られていく。
『ブゥゥゥゥゥゥ・・・・ブゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・』
観客席の反応にレフリーもゴングを要請しないと、乙羽は必死にマットを叩いてはギブアップを口にした。
「ぎ、ギブアップ・・・ギブアップ・・・いやあぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
乙羽の絶叫に美奈子が技を解くと、グッタリとする乙羽の後頭部を踏みつけていく。
「第2ラウンド、始めちゃうよ〜!」
美奈子は後頭部を踏みつけながら、片手を突き上げてアピールする。
観客席からは大歓声が美奈子に対して送られていくと、両手で乙羽の髪の毛を鷲掴みにして起こしていくと、容赦なく顔面にパンチを叩き込む美奈子。
バキッ・・バシッ・・・
更にはミドルキック、ローキックとサンドバック状態になっていく乙羽。
白い太ももなどが内出血をおこしている乙羽だが、意地になってタックルを仕掛けていく。
しかし美奈子がフロントチョークに捉えると、そのまま極めていく。
口から涎を垂らす乙羽だが、体重を掛けて美奈子を押して有刺鉄線に押しつけようとしていく。
グサッ・・・
「ああああああああっ・・・」
遂に乙羽が美奈子を押し切ると、美奈子の背中を容赦なく有刺鉄線が襲いかかった。
悲鳴をあげる美奈子の背中が切り裂かれると、赤い血が流れ出した。
技を解かれて乙羽が距離を置くと、悲鳴をあげる美奈子の姿に驚きの表情を浮かべた。
美奈子も有刺鉄線デスマッチは初めてではなかったが、この痛みだけは慣れるものではなかった。
有刺鉄線から離れてフラつく美奈子は、乙羽にグーパンチで襲いかかる。
これには乙羽が腕をキャッチすると、脇固めに極めていく。
グイッ・・・
「うぐぐっ・・くうっ・・・」
苦しそうに呻き声をあげる美奈子。
しかし汗で滑って技が解けると、美奈子は転がるようにして距離を置いた。
乙羽はストンピングで追い込んでいくが、美奈子は足をキャッチして転がしていく。
倒した乙羽の両足を広げると、容赦ない股間へのニードロップを叩き込む美奈子。
ゴキッ・・・
「ふぎっ・・」
変な悲鳴をあげて両手で股間を押さえる乙羽。
「そろそろお返しぃぃぃぃぃ・・・」
美奈子が片手を挙げてアピールすると、フラつく乙羽を起こしていく。
ゆっくりと有刺鉄線に近づけると、一気に背中からロープに振る要領で押しつけた。
グサッ・・
「いやあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
初めて味わう有刺鉄線地獄に絶叫する乙羽。
白い素肌が有刺鉄線で傷つけられると、赤い血が流れ出した。
ビキニ姿の乙羽の流血に観客席が興奮して歓声を送り出すと、美奈子が続けて膝蹴りから有刺鉄線に押しつけた。
「や、やめてぇぇぇぇぇ・・・・」
必死に抵抗する乙羽だが、股間へのダメージから反撃出来ずに痛がっていた。
有刺鉄線から逃れてフラつく乙羽。
だが、美奈子はコーナーから有刺鉄線竹刀を持ち出すと、水平にフルスイングでお腹に竹刀を叩き付けた。
バッシーン!
「ああああああああああっ・・・」
またも悲鳴をあげて苦しむ乙羽。
フラフラ状態の乙羽に対して、美奈子は背後から有刺鉄線に近づけていく。
すると、乙羽がグラビア全盛時代に自慢にしていたバストが有刺鉄線に近づけた。
『お、乙羽ちゃんのオッパイが壊されるのか!』
『オッパイっ・・・オッパイっ・・・オッパイっ・・・』
残酷な期待の中、美奈子は容赦なく乙羽のビキニに包まれたバストを有刺鉄線のトップロープとも言える最上段に押しつけた。
グサッ・・・
「あああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
一段と大きな悲鳴をあげて泣き叫ぶ乙羽。
美奈子はゆっくりと横にスライドさせていくと、ビキニが有刺鉄線に引っかかっていく。
引っかかっても無理矢理に引いていく美奈子。
すると、乙羽はビキニが剥ぎ取られてトップレスになっていく・・・。傷つけられた乳房を露わにする乙羽。
必死に抵抗する乙羽が傷ついたバストを揺らしながらエルボースマッシュで反撃をするも、美奈子の膝蹴りにダウンしていく。
俯せ状態で苦しむ乙羽に、美奈子は背中に有刺鉄線竹刀を何度も叩き付けては絶叫させていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・・
「痛いぃぃぃぃ・・・いやああぁぁぁぁぁ・・・ひいぃぃぃぃぃぃ・・・」
有刺鉄線竹刀の棘が容赦なく柔肌を襲うと、乙羽は絶叫していく。
動きの鈍る乙羽に対して、美奈子はコーナーから有刺鉄線ボードを持ち出すと、マットに置いていく。
そして、乙羽の髪を掴んで起こしてからボディスラムの体勢に持ち込むと、この有刺鉄線ボードに投げつけた。
バシィィィィィ・・・
「んああああああああぁぁぁぁぁ・・・」
勢いよく叩き付けられて、乙羽が泣き叫んでいる。
更に起こしていくと、血まみれの乙羽をブレンバスターで有刺鉄線ボードに叩き付けていく美奈子。
バシィィィィィ・・・
「いやあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
まさも断末魔の叫びの様に泣き叫ぶ乙羽。
観客席からもあまりな残酷な美奈子の攻めに対して、声を失う観客も出てきていた。
「そろそろ仕上げにいくわよ・・・覚悟しな!」
美奈子は有刺鉄線ボード上の乙羽に蹴りを入れると、俯せの体勢にしていく。
有刺鉄線ボード上だからと、乙羽のバストやお腹など身体を無数の棘が傷つける中、美奈子はゆっくりと腰を落とした。
グイッ・・・
そう、血まみれトップレスの乙羽にキャメルクラッチを仕掛けた。
痛さから逃されようと藻掻くと、余計に有刺鉄線で傷つけられてダメージを大きくする乙羽。
美奈子の残酷さに観客席が静かになる中、リング上では乙羽の苦しむ残酷なシーンが展開されていた。
更に片手で乙羽の髪を掴むと、片手で有刺鉄線竹刀をもって脳天に擦りつけていく。
グイッ・・・
「ああああああああぁぁぁぁぁ・・・」
またもリング上に響き渡る乙羽の悲鳴。
脳天に擦りつけられると、その可愛らしい顔を血が染めていく。
レフリーもあまりの残酷さに声を失うと、ここでゴングが要請された。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音にも構わず有刺鉄線を擦りつけて痛めつけていく美奈子。
これにはレフリーや黒服が止めていく。
『カンカンカンカン・・・』
更にゴングが乱打される中、美奈子は黒服によって離されていくと、堂々と片手を突き上げて観客にアピールした。
『ただ今の試合、レフリーストップによる戸向美奈子の勝利となりました!』
リングアナのコールの間も、リングドクターが乙羽の傷口のチェックをしていく。
地下プロレス特製の有刺鉄線は傷が残りづらい特性があるが、全身を有刺鉄線で傷つけられた乙羽には応急処置がされて、担架が呼び込まれてリングから運び出されていった。
これにより、美奈子は飯嶋直子との直接対決・・・デスマッチ対決に一歩近づいたのであった・・・。



第20試合

『選手入場っ・・・』
美奈子と乙羽の激戦の後片付けが終わると、早速次の試合に出る選手入場となった。
次の試合に出る二人が姿を現すと、観客席が騒ぎ始める・・・。
そう、有刺鉄線デスマッチにグラビアで売っている仲谷佳織が白い胸元の開いたワンピース水着で登場したのだった。
また、その対戦相手があの藤原紀華だから観客が騒がないはずがなかった。
堂々と黒い競泳水着姿の紀華。年齢を重ねても見事なボディラインだが、今夜は普通のプロレスマッチではなく、有刺鉄線デスマッチ。その素肌が傷つけられるのかと観客も期待が高まる。
黒服が有刺鉄線を広げると、佳織と紀華がリングインしていく。
紀華と佳織は、シングル戦で闘って紀華が無念のギブアップ負けをしていて、次の大会ではトーナメントとは言え米蔵涼子に勝利もしていたから、今大会はタイトル戦が組まれると思っていただけに、このマッチメークに紀華は反則ファイトでも何でも、フラストレーションを爆発させようとしていた。
対して佳織は、表の仕事も少ないからとファイトマネーの多い有刺鉄線デスマッチに出される事になったが、その見事なボディが有刺鉄線の餌食になるのは残酷そのもの・・・。
スポットライトの光に鈍い光を発する有刺鉄線を不安そうに見つめる佳織。
対して、紀華は軽く飛び跳ねたりしてウォーミングアップしながらリラックスの様子。初の有刺鉄線デスマッチにも緊張感を表に出さないでいる。
そんな中、リングアナがコールを始めていった。
『青コーナー〜・・・身長164p、上から86、57、88〜・・・仲谷〜佳織〜っ!』
コールを受けると一礼していく佳織。観客席からは残酷なシーンを期待する観客達から声援が送られていく。
『赤コーナー〜・・・身長171p、上から88、60、89〜・・・藤原〜紀華〜っ!』
そして紀華がコールされると、片手を高々と突き上げて堂々とアピールしていく。
コールが終わると、紀華と佳織は距離を置いていく。レフリーがゴングを要請した。
『カァーン!』
ゴングが鳴らされると、まずは距離を置いてお互いの動きを見つめる紀華と佳織。
なかなか動きがないリング内。
佳織も有刺鉄線デスマッチだからと、ロープワークも使えないからと、焦りの色すら伺える。
対して、紀華はゆっくりと距離を詰めていくが、プロレススタイルではなく格闘技スタイルの様な構えを見せている。
バシィィィィ・・・
まずはローキックを叩き込んでいく紀華。
佳織はガードを上げていて脚へ意識していなかったのか、ローキックに苦悶の表情を浮かべた。
佳織もタックルを狙うが、紀華が掌底気味に手を出すと勢いが止まる。
すると、またも紀華のローキックが炸裂した。
バシィィィィ・・・
ローキックにフラつく佳織。
堪らずタックル気味に抱きつこうとするが、紀華が許さず掌打を顔面に受けて動きが止まっていく。
早くも紀華ペースの試合に、観客席からは残酷なシーンを期待する声が飛び出した。
『やれやれ〜、有刺鉄線に押し込め〜!』
『仲谷の水着を剥いでやれ〜!』
バッシーン!
観客席からの残酷な期待の声に、佳織は必死に張り手で抵抗すると、紀華の頬に張り手が炸裂した。
更にエルボースマッシュで反撃すると、続けて水平チョップなどプロレス技で攻め続けた。
紀華もフラつくが、カウンターの掌打を顎に叩き込むと、佳織の身体がマットに崩れ落ちていく。
四つんばい状態から立ち上がろうとする佳織。
「何なのよ、ちょっと弱すぎるんじゃないの!」
紀華は佳織に罵声を浴びせると、ヒップへ蹴りを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・・」
蹴られて立ち上がる佳織。
すると、紀華は狙いを定めて佳織の膝にローキックを叩き込んでいく。
バシィィィィ・・・バシィィィィ・・・
格闘技戦のような攻め方をする紀華。
普通のリングだったらロープに逃げるか、場外で呼吸を整えたい佳織だが、有刺鉄線の張られたリングでは痛めつけられるだけだった。
更に強烈なミドルキックが脇腹を抉ると、佳織はフラフラとバランスを崩していく。
紀華は更に蹴り続けると、佳織は人間サンドバックと化していった。
白い肌が内出血して変色する中、必死にダウンしないようにと踏ん張る佳織。
観客席も佳織の蹴り続けられるシーンに声を失うが、佳織も必死にタックルを合わせて抱きついていく。
上手く紀華を倒してテイクダウンを奪うが、紀華も下から小刻みのパンチを当てていく。
嫌がる佳織だが、サイドポジションを奪おうと身体を動かしていくと、上手くサイドポジションを取る。
打撃技でダメージを受けている佳織は、サイドポジションから呼吸を整えていくが、紀華も簡単に休ませはしない。
ブリッジ気味に身体を反らしては佳織を離そうとする。
佳織も膝蹴りを紀華に叩き込むと、一瞬紀華の表情が苦痛に歪む。
その瞬間、佳織が一気に体勢を入れ替えて馬乗り状態になっていく。
佳織がマウントポジションを奪っただけでも、紀華のスタミナは確実に減ることになっていくが、佳織も有刺鉄線デスマッチの緊張感にスタミナを消耗していく。
バシィィィ・・・バシィィィ・・・
勝負を仕掛けるべく佳織が張り手を叩き込んでいくと、紀華は嫌がる。
続けて佳織の張り手が叩き込まれると、紀華も下からパンチを出すが、上になる佳織の張り手が上回った。
バシィィィ・・・バシィィィ・・・
佳織がそのまま張り手を叩き込みながら、紀華を俯せ状態にもっていくと、キャメルクラッチを仕掛けていく。
グィィィィィ・・・
「ぐうっ・・」
上半身を反らされて苦悶の表情を浮かべる紀華。
しかし紀華も力ずくで身体を持ち上げて佳織のバランスを崩すと、技を解かせた。
素早く立ち上がる佳織と紀華。
立ち上がると、佳織がドロップキックを放つと紀華が有刺鉄線際でダウンした。
佳織がストンピングで追い込んでいくと、紀華は痛がりながらも立ち上がっていく。
立ち上がると佳織にエルボースマッシュで反撃すると、膝蹴りをボディに叩き込んで動きを止めていく。
更にローキックで脚を破壊する勢いの紀華。
バシィィィ・・・バシィィィ・・・・
太ももなど変色している佳織。ダウンしない様に必死に立ち続けるが、脚への打撃の連続に顔面ががら空きになる。
そのノーガードの顔面を狙ってハイキックを叩き込む紀華。
バシィィィィ・・・
紀華のハイキックが側頭部を襲うが、虚ろな目をしながらも佳織が踏ん張る。
ダウンしない佳織に、紀華はミドルキックで脇腹を抉ると、続けてハイキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
これには前のめりにダウンする佳織。
グッタリと俯せになって倒れている佳織に、紀華は余裕の表情を浮かべて腰に座ると、お返しとばかりに観客席を見てからキャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・・
上半身を反らされていくと、佳織の表情が苦痛に歪む。
しばらく痛めつけると、技を解いて髪を掴んで起こしていく紀華。
佳織もお腹にパンチを叩き込んで反撃していくが、紀華が掌打を顎に叩き込むとまたも倒れ込んだ。
紀華は余裕を見せる様にして、片手を挙げて観客席にアピールしていく。
『待ってました!有刺鉄線地獄っ!』
『仲谷を有刺鉄線で血祭りだぁぁぁぁぁ・・・』
観客席が遂に有刺鉄線を使った責めが出るかと興奮する中、紀華がゆっくりと佳織を捕まえていく。
「いくぞぉぉぉぉ・・・」
紀華が叫び声をあげると、佳織をロープにハンマースルーで振っていく・・・その瞬間・・・
グサッ・・・
「あああああああああああっ・・・」
リング上で悲鳴をあげたのは紀華だった。そう、有刺鉄線に振られる瞬間に佳織が逆転して振ったのだった。
黒い競泳水着姿の紀華は、有刺鉄線を背中に受けて激痛に絶叫する。
紀華の悲鳴に佳織も驚く中、続けて喧嘩キックで紀華を有刺鉄線に押しつけた。
素肌を有刺鉄線で切り裂かれて悲鳴をあげる紀華。
しかし紀華も負けてはいなかった。
「何すんのよ、痛いじゃないの!」
有刺鉄線から離れると、怒りを込めてラリアットで佳織をダウンさせていく紀華。
そして、起こしてから遂に有刺鉄線に向かってハンマースルーで振っていった。
グサッ・・・
「いやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
有刺鉄線に背中から打ち付けられて絶叫する佳織。
白い水着に有刺鉄線の棘が食い込むと、佳織の素肌を容赦なく襲いかかった。
更に紀華が走り込んでドロップキックをお腹に叩き込む。
バシィィィ・・・
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
更に有刺鉄線が食い込んで悲鳴をあげる佳織。背中が切り裂かれると、赤い血が流れ出した。
堪らず藻掻いて有刺鉄線から逃れると、苦し紛れに紀華にエルボーで反撃する佳織。
エルボーを受けると、紀華は拳を固めて佳織の顔面を殴りだした。
バキッ・・バキッ・・
これには佳織の動きが止まると、そのままコーナーに押し込んでいく紀華。
コーナーと言っても有刺鉄線が待ちかまえているので、佳織はまたも有刺鉄線地獄に堕ちていった。
グサッ・・・
「あああああああああああっ・・・」
またも佳織の悲鳴がリングに響き渡る。
バシィィィィ・・・
「いやああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげる佳織にドロップキックで更に痛めつけていく紀華。
更にコーナーに追い詰めた状態から、顔面からお腹とパンチを叩き込む紀華。
サンドバック状態で悲鳴をあげていくだけの佳織。
そしてコーナーからリング中央に紀華が佳織を連れ出していくと、髪を掴んで豪快にマットに叩き付けるフェイスバスターで痛めつけていく。
バッシーン!
「痛いぃぃぃぃぃぃ・・・」
佳織は顔面をマットに叩き付けられると、両手で顔面を押さえて転がりながら悲鳴をあげた。
有刺鉄線に近づいたからと、紀華は俯せになる佳織を有刺鉄線に近づけていく。
観客席も美人の佳織の顔面が有刺鉄線で傷つけられるのかと視線が集まる中、紀華は躊躇いながらも髪を掴んでいく。
有刺鉄線ロープの一番下に顔が近づけられていく。
佳織も必死の抵抗を見せるが、少しずつ地下告げられていく・・・。
「いやあああぁぁぁ・・・やめてぇぇぇぇぇ・・・いやぁぁぁぁぁぁ・・・・」
必死に有刺鉄線を掴んで抵抗する佳織。
無言のまま佳織の額を有刺鉄線に押しつけていく紀華。
グイグイ・・・
「いやあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
遂に抵抗していた佳織の額が有刺鉄線に押しつけられていくと、絶叫する佳織の悲鳴と共に流血戦になっていく。
キャメルクラッチの様に馬乗りになって佳織を痛めつけていく紀華。
「やめてぇぇぇぇぇぇ・・・お願いぃぃぃぃぃぃ・・・・いやああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
有刺鉄線で額を傷つけられて絶叫する佳織。
初めて体験した有刺鉄線の激痛に、佳織は泣き叫びながら抵抗している。
更に有刺鉄線に額を押しつけていく紀華。
『いいぞぉぉぉぉぉ・・・藤原っ!』
『もっと痛めつけてやれ〜!』
観客席が興奮気味に盛り上がっていく中、リング上では佳織が両足を激しくバタバタさせて藻掻き苦しんでいる。
そして紀華が放して立ち上がると、佳織は額を両手で押さえて痛がっている。
グイッ・・・
その佳織を起こしていく紀華。
「ファンサービスも地下プロレスって大事よね・・・仲谷さん・・・ふふっ・・」
紀華は笑みを浮かべると、佳織の水着の肩紐を掴んでいくと一気に剥ぎ取ってトップレス状態にしていく。
額から流れ落ちる血が目に入ったのか、視界を奪われた状態に佳織はフラフラしていると、有刺鉄線側を向いているからと後ろから腰に膝蹴りを受けると、倒れ込みそうになりながら有刺鉄線に当たっていく。
グサッ・・・
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
今度は自慢のバストに有刺鉄線が食い込むと、有刺鉄線を掴んで泣き叫ぶ佳織。
Eカップの自慢のバストが傷つけられて泣き叫ぶ佳織に、紀華は背中にミドルキックを叩き込んでは有刺鉄線に押しつけた。
額と胸から血を流しながら泣き叫ぶ佳織。
有刺鉄線から離れては、紀華の打撃地獄でサンドバック状態にされていく・・・。
バシィィィ・・・バシッ・・・
ハイキックを受けると、血飛沫をあげてダウンする佳織。
紀華も返り血を浴びる状態に中、激しい試合が続けられていくリング上。
リングドクターも激しい流血戦に試合を止めるか迷い出す中、紀華は佳織を仰向けにしていてから、ゆっくりと両足を抱え込むと、ステップオーバーして逆エビ固めを極めていく。
グイッ・・・
「んあああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
身体をCの字に反らされていくと、絶叫していく佳織。
ゆっくりと紀華が身体を落としていくと、佳織は背骨が軋む感覚に絶叫してマットを叩きだした。
バンッ・・バンッ・・・バンッ・・・
「ぎぃ、ギブアップ・・・・ギブゥゥゥゥ・・・・」
佳織が必死にギブアップをアピールすると、紀華は技を解いていく。
『カンカンカンカン・・・』
佳織は俯せで泣いていると、紀華は片手を挙げて観客席にアピールした。
かつて紀華が逆エビで佳織に負けた経験から、キッチリとお返ししたと言う形で終えた有刺鉄線デスマッチ。
まさかの紀華の有刺鉄線デスマッチ参戦だったが、地下プロレスの名に恥じない残酷な試合展開で終えていった。流石は無冠の女王・・・。
一方、負けた佳織はリングドクターから応急処置を受けると、担架に乗せられて医務室に直行となった。



第21試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、Oプロ美女軍団の多丸麻紀。
白い競泳水着に、手にはオープンフィンガーグローブをつけての登場に観客席が盛り上がっていく。
初めての格闘技戦挑戦に緊張感を隠せない麻紀。
しかし、今夜その麻紀の対戦相手は世界的なアスリートだった・・・。
『えっ、ホントかよ!』
『ちょっと、信じられないな〜!』
そう、観客席が騒ぎ出すのも仕方ない・・・テニス界かアリア・シャラポワだった。
白い競泳水着に手にはオープンフィンガーグローブ。プロレスルールだと練習が必要だからと、本能のまま闘える格闘技戦が選ばれた。
ただ、長身のシャラポワに対して対戦相手が見つからなかったが、美女との対戦が面白いだろうと麻紀が選ばれたが、急遽打撃練習なども積んできていたが、リングで向かい合うと緊張している様子。
早くもリングアナがコールを始めていく。
『特別格闘技マッチ・・・青コーナー〜身長172p、上から84、59、87・・・多丸麻紀〜っ!』
コールを受けて緊張しながらも観客席に向かって一礼する麻紀。
『赤コーナー〜身長189p、上から88、60、90・・・アリア〜シャラポワ〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールするシャラポワ。
そして二人は口にマウスピースを入れると、レフリーがルール説明をしていく。
『この試合は、特別格闘技ルールを採用します。レフリーストップ、ドクターストップ、ギブアップ、KOで決着をつけ、またグラウンドでの打撃は有効です。噛み付き、凶器攻撃、水着剥ぎは反則となります・・・』
ルールが説明されると、ゴングが要請された。
『カァーン!』
ゴングと同時に距離を置いて睨み合うシャラポワと麻紀。
緊張気味な麻紀は、まずは踏み込んでジャブで牽制する。
麻紀の打撃に観客席が盛り上がると、シャラポワは冷静にガードしていく。
更に麻紀がローキックを放つと、シャラポワの白い脚に衝撃を与えた。
バシィィィィ・・・
更に麻紀のローキックが炸裂していくと、シャラポワが少しイヤな表情を浮かべる。
打撃が当たり出すと、麻紀が踏み込んでミドルキックを放った。
バッシーン・・・
脇腹を蹴られて苦悶の表情を浮かべるシャラポワ。
そのシャラポワに左右のフックで顔面を殴りつける麻紀。
しかし手を出さないシャラポワ。
意外な展開で試合が始まったが、ここでシャラポワの動きが変わる・・・。
ガードを固めていたシャラポワは、一気に抱きつくように麻紀に組み付くと、そのままコーナーに押し込んでいく。
突然のシャラポワの反撃に驚く麻紀だが、コーナーを背に驚くと、まずはシャラポワのショートレンジの小刻みなパンチが打ち込まれた。
バシッ・・・バシッ・・・
顔を殴られて動揺する麻紀だが、まだシャラポワも軽いパンチだからダウンする程の衝撃ではなかった。
更にガードを固める麻紀の、ガードの上から大振りのロシアンフックとも言える衝撃のパンチを放っていくシャラポワ。
バシィィィィィ・・・
ガードの上からもダメージを受ける程の衝撃。まさにアスリートの衝撃とも言えるロシアンフック。
更に大振りのパンチが叩き込まれていくと、麻紀は顔面をガードするだけで反撃ができない。
ガードしている上腕も内出血をおこす程の衝撃。
嫌がるように前蹴りで突き放そうとする麻紀。
しかしシャラポワは殴り続けると、遂に顔面に綺麗にロシアンフックが炸裂した。
バシィィィィィ・・・
これには麻紀はロープに激突してから力なくダウンする。
『ダウンっ・・・』
これには急いでレフリーがシャラポワを離していく。
そして麻紀に試合続行の意思確認をしていくが、形だけで半ば強制的に起こされていく麻紀。
『ファイト!』
そして続行が告げられると、麻紀はフラつきながらコーナーに立っている。
その麻紀に、踏み込んでストレートを顔面に叩き込むシャラポワ。
バシィィィィ・・・
更にボディにもパンチを叩き込むと、動きの止まる麻紀をコーナーに押し込んでいく。
しかし必死に前蹴りで距離を置こうとする麻紀。
蹴られても構わず前に出るシャラポワは、小刻みに麻紀の顔面にジャブを打ち込みだした。
バシッ・・バシッ・・
コーナーを背にして逃げられない麻紀は、顔を殴られては苦悶の表情を浮かべる。
遂に美女軍団である麻紀の鼻から出血。鼻血が流れ出すと観客席からは麻紀に対して同情の声まで聞こえてきた。
更にコーナーでサンドバック状態にされていく麻紀。
鼻から流れる血が白い競泳水着を赤く染めていく・・・。
反撃できない麻紀に、シャラポワがコーナー串刺しの膝蹴りをボディに叩き込んだ。
ドシュ・・・
「んぐっ・・うげっ・・」
これには麻紀が目を見開くようにして崩れ落ちそうになる。口からはマウスピースが糸を引いてマットに落ちていく。
完全KOの瞬間と思われたが、レフリーが崩れ落ちる麻紀を抱え込むと、コーナーに寄りかからせてチェックした。
シャラポワは試合終了と思い片手を挙げて観客席に向かってアピールするが、レフリーがマウスピースを水で洗い流して麻紀の口に入れていく。
『ファイトっ!』
レフリーの続行の指示にシャラポワは戸惑いの表情を浮かべる。
一方、麻紀はコーナーで虚ろな目で寄りかかっている。
シャラポワがコーナーに近づくと、ノーガードの麻紀の髪を掴んでマットに投げつけると、力なく倒れ込む麻紀に馬乗りになっていく。
抵抗もできない麻紀の顔面に容赦なくハンマーパンチを叩き込むシャラポワ。
バキッ・・バキッ・・・
堪らず麻紀もシャラポワの手を掴もうとするが、シャラポワがそれを許さない。
スレンダー美女の麻紀の顔面に容赦なく叩き込まれるハンマーパンチ。
打ち込まれる度に、麻紀の身体がビクンビクンと反応すると、観客席からは残酷だと声が飛ぶ。
『レフリー、試合止めてやれよ!』
『もう勝負はきまっただろ・・・多丸が壊されるぞ!』
殴られては手を掴もうとする麻紀だが、もう痛さで泣き出している。
シャラポワも泣き出す麻紀に戸惑うが、構わず顔面へパンチを連打していく。
完全に抵抗できなくなった麻紀に、ここでレフリーが試合を止めた。
『カンカンカンカン・・・』
シャラポワが立ち上がると、麻紀は失神状態で仰向けでリングに倒れたままに。
リングドクターが急いで麻紀をチェックすると、担架が要請されて運び出すのであった。
『勝者、アリアシャラポワ!』
リングアナに勝利者コールを受けるシャラポワ。このスーパーアスリートに挑戦して、麻紀の敵討ちをするタレントは出てくるのであろうか・・・。


第22試合


『選手入場っ・・・』
リングアナのコールに登場したのは、格闘技番組で看板娘だった大池栄子と猪上和香。かつてはシングル戦で地下プロレスでは激突した二人。
格闘技戦では勝ったり負けたりの和香だが、今夜も組まれた因縁の格闘技戦。
栄子と和香は黒ビキニに手にはオープンフィンガーグローブを着けてのリングイン。
お互いがコーナーに進むと、早くもリングアナのコールが始まった。
『青コーナー〜・・・身長165p、上から90、61、90〜・・・猪上〜和香〜ッ!』
コールを受けて一礼していく和香。
『赤コーナー〜・・・身長166p、上から91、59、87〜・・・大池〜栄子〜ッ!』
栄子もコールを受けて一礼するが、身体を軽く動かしてはゴングを待った。
そしてマウスピースを口に入れていくと、ゴングが要請された。
『カァーン!』
ゴングと同時に飛び出す栄子。
踏み込んで左右のジャブから牽制していくと、和香はタックルを狙っていく。
ジャブもタックルも不発に終わると、間合いを取って睨み合う二人。
ビキニに包まれたバストを揺らしながらジャブを放つ和香。
和香のジャブにガードしながら前蹴りで牽制する栄子。
今度はローキックを放つ和香。
バシィィィィ・・・
栄子の脚にローキックが叩き込まれると、栄子も負けずにローキックを返す。
バシィィィ・・・
栄子のローキックの方が重く、和香の表情が歪んだ。
意地になってローキックを返す和香。
バシィィィィ・・・
更に蹴りこむと、栄子が大振りのフックを放つ。
これにはガードして前蹴りで距離を開こうとする和香。
だが栄子が前に出ると、左右のジャブを顔面に叩き込む。
バシッ・・バシッ・・・
更にボディへ数発パンチを叩き込むと、和香が堪らずロープに詰まった。
顔をガードするが、和香はお腹を殴られて苦悶の表情を浮かべていく。
ボシュ・・バシッ・・ドシュ・・
早くもお腹へのダメージに苦しくなる和香。
更に栄子が膝蹴りをお腹に叩き込むと、堪らず口からマウスピースを吐き出す和香。
ドシュ・・・
「うっ・・げっ・・・」
マウスピースをマットに吐き出し、ダウン寸前だが必死に栄子に抱きつく和香。
栄子は突き放すようにコーナーに押し込むと、動きの鈍る和香の顔面を狙ってパンチを放っていく。
バシッ・・バシッ・・・
コーナーでサンドバック状態にされていく和香。
栄子は意地悪くバストへもパンチを叩き込む。
グニュ・・
「ああんっ・・・」
堪らず声を漏らす和香。胸を押さえて動きが止まると、ここでレフリーが試合を止めていく。
『ストップ・・・』
試合が終わるのかと思った瞬間、レフリーはマットに転がるマウスピースを拾うと、水で漱いでから和香の口に入れた。
そして和香の水着のチェックなどをしてから、試合を続行させた。
『ファイト!』
コーナーで構える和香。栄子は飛び込んで飛び蹴りを叩き込むと、コーナーでダウンする和香に踏みつぶしとも言えるストンピングで蹴り潰す。
顔を狙った踏みつぶし攻撃に、和香は必死にガードしていく。ガードしても腕にダメージを負うが、顔を踏みつぶされるよりはと必死になっている。
トップロープを掴んで踏みつぶしていく栄子。
すると、和香も下半身を動かして両足を栄子の軸足に絡ませていく。
グイッ・・
すると、和香がヒールホールドを仕掛けて栄子を倒していった。
栄子も驚くが、脚に激痛が走ると脚を引き抜こうと必死になる。
グラウンドに持って行くまでは良かったが、技の極めが完全でなく逃げられてしまう和香。
栄子が立ち上がると、立ち上がる和香にパンチで攻め込んでいく。
バシッ・・バシッ・・
和香も返すが、確実に栄子の拳が和香の顔を打ち抜いていく。
嫌がるように膝蹴りを出していく和香だが、鼻から血が流れ出していた。
栄子はスタミナを奪おうと考えてか、鼻を狙って小刻みなジャブを放つと、和香の鼻血が酷くなっていく。
鼻で呼吸が出来なくなると、和香のスタミナ面が心配になるが、和香も打撃で押されて前に出られない。
栄子が前に出て行くと、打撃を嫌がってロープに押されていく和香。
ドシュ・・・
「ぐえっ・・」
ロープに押しつけられてのボディへの膝蹴りに苦しむ和香。しかし栄子の腕を掴んで倒しにかかる。
組み付かれて和香の鼻血に身体を血に染める栄子だが、踏ん張っていく。
膝蹴りを狙った所へ、和香がバランスを崩させてグラウンド状態にもっていくと、上手くサイドポジションを奪った和香。
栄子は冷静に和香の動きを見ると、和香は小刻みのパンチを脇腹に叩き込んでいく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
脇腹を殴られて栄子はブリッジ気味に返そうとするが、和香は返させない。
抵抗する栄子の隙を突いて、和香が一気に体勢を入れ替えて腕拉ぎ逆十字を極めた。
これには栄子が焦るが、自ら垂れ流した鼻血で肌が滑って技を解けると、栄子は腕を引き抜いて立ち上がる。
和香も立ち上がりたいが、栄子に遅れをとったからとグラウンド状態に。
栄子はゆっくりと狙いを定めると、和香の脚へサッカーボールキックで牽制する。
バシィィィィィ・・・
脚を蹴られて苦悶の表情を浮かべる和香。
更に栄子のサッカーボールキックが蹴りこまれると、和香の脚が内出血でドス黒く変色していく。
動きが鈍くなると、栄子が飛び込むように和香に襲いかかる。
しかし和香も必死にガードすると、栄子が続けて飛び上がっては飛び込んでいく。
ドシュ・・
栄子が飛び上がると、上手く和香のお腹に着地すると、片足でのフットスタンプ状態だったが、力を入れていなかった和香は内蔵を押し潰される感覚に動きが止まる。
口から胃液の様な吐瀉物を垂れ流す和香に、栄子が一気に顔面狙いのストンピングで踏みつぶしていく。
一方的な展開に、ここでレフリーが一旦試合を止めた。
『ストップ・・・ストップ・・・』
試合が止められると、栄子はニュートラルコーナーに離されていくが、和香は顔面へのダメージに立ち上がる事が出来ない。
流石に続行は不可能と見て、レフリーはゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
負けてしまった和香。勝ったこともあった栄子だったが、またも差をつけられた形で試合は終わってしまった・・・。
栄子は終わったと言う感じの表情を浮かべると、リングを降りていくのであった。



第23試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、若手女優として人気も出てきている加東ローサ。初の地下プロレス参戦に緊張感は隠せない。
白い競泳水着に白いリングシューズ姿のローサは、自らのコーナーで対戦相手の入場を待った。
そして、ローサの視線に現れたのは、ドラマでも共演する小澤真珠だった。黒いワンピース水着に黒いリングシューズ。そして片手にはパイプ椅子を手にしてのリングイン。イメージ通りのヒールとして売り込もうとしているのか。
黙ってローサを睨み付けると、コーナーにパイプ椅子を持ったまま寄りかかっていく。
レフリーが真珠に椅子を放すように指示するが、真珠はレフリーに蹴りを入れて威嚇した。
『青コーナー〜・・身長164p、上から80、50、85・・・小澤真珠〜っ!』
コールを受けるが反応のない真珠。
『赤コーナー〜・・身長158p、上から83、58、85・・・』
コールの途中、いきなりパイプ椅子を反対コーナーに投げつける真珠。
「きゃあぁぁぁ・・・」
思わず悲鳴をあげるローサだが、真珠が走り込んで飛び蹴りを放っていった。
これはローサも避けるが、リングアナのコール途中での奇襲に会場内が盛り上がる中、ローサもエルボースマッシュで抵抗してから、ロープに走ってフライングクロスチョップで真珠を倒していった。
『カァーン!』
ここでゴングが打ち鳴らされて正式に試合が始まるが、立ち上がる真珠の胸元にドロップキックを放っていくローサ。
綺麗なフォームでドロップキックを打ち込むと、真珠は苦悶の表情を浮かべて転がるようにリング下に逃れていく。
ローサはリング上から観客席に向かって腕を挙げてアピールすると、観客席からは歓声が送られていった。
リング下では真珠がゆっくりとエプロンサイドに上がると、ローサもロープ越しに真珠を牽制する。
しかし経験不足からロープ越しの攻撃が解らず、真珠にあっさりとリングに戻られてしまうローサ。
『ファイト!』
レフリーのかけ声にローサが片手を伸ばして力比べを挑んでいくが、真珠が相手にしない。
体勢を低くして片手を伸ばしていくローサだが、真珠が踏み込んで喧嘩キックから髪を掴んでヘッドロックを極めていく。
「きゃああぁぁぁ・・」
堪らず悲鳴をあげるローサに、真珠が顔面を掻きむしっていく。
グイッ・・
「痛いぃぃぃ・・痛い痛い痛いっ・・・」
ローサの悲鳴がリング上に響くと、観客席からはブーイングが。
ブーイングに対して不気味な笑みを浮かべてローサの額にグーパンチを入れて技を解く真珠。
ローサは両手が顔面を押さえてリング上を転がりながら痛がっていると、真珠はゆっくりとローサのヒップにストンピングで蹴りこんでいく。
バシッ・・バシッ・・
転がるようにロープに逃げるローサが、必死にロープを掴んでレフリーにアピールした。
「ロープっ・・・ロープ・・・レフリーぃぃぃぃ・・・」
ローサの訴えにレフリーが真珠を離していくと、ローサは呼吸を整えながら立ち上がった。
距離を置いて睨み合うローサと真珠。
ローサが飛び込むような仕草を見せるが、真珠は動じない。
「このぉぉぉぉぉ・・・」
いきなりローサが叫び声をあげて真珠をハンマースルーでロープに振っていくと、戻ってきた真珠にフライングネックブリーカードロップで後頭部からマットに叩き付けた。
バッシーン!
後頭部を打ち付けられて痛がる真珠に、ローサは素早く立ち上がると飛び上がって喉元にエルボードロップを叩き込んだ。
バシッ・・
「グエッ・・・」
堪らず声を漏らす真珠。
そのままローサがフォールすると、レフリーがカウントを数えた。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし真珠も簡単にはフォールを奪わせず、ゆっくりと肩を浮かしていく。
返されたからとマットに座らせる形でスリーパーで揺さぶるローサ。
『小澤っ、ギブアップ?・・・ギブアップ?』
レフリーがギブアップの確認をするが、真珠はレフリーの問いかけに応えずに、ゆっくりとロープに逃れていく。
ロープに足が掛かると、真珠はレフリーにロープのアピールをした。
「レフリー、ロープだろ、ロープ!」
真珠の言葉にレフリーがローサに技を解くように指示すると、ローサは技を解いて立ち上がっていく。
真珠はローサを睨み付けると、ゆっくりと立ち上がって距離を置いた。
お互いが手を出さずに距離を置いていると、ローサが低空ドロップキックを放つが真珠が避けていく。
自爆したローサに真珠が低空ドロップキックを放つと、顔面を直撃してローサの動きが止まった。
バシィィィィ・・・
「いやああぁぁぁぁぁ・・・・」
ローサの悲鳴がリングに響き渡ると、続けて真珠が喉元にお返しとばかりにニードロップを叩き込んでからフォールした。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・・』
まさか勝負が決まったと思った瞬間、ローサも意地になって返した。
返されたからと真珠は立ち上がると、髪を掴んで起こしていく。
そして、ローサの広い額にグーパンチを叩き込んだ。
バキッ・・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・」
またもリング上に響き渡るローサの悲鳴。真珠も笑みを浮かべながら殴りつけていく。
『ブゥゥゥゥゥゥゥ・・・・ブゥゥゥゥゥゥ・・・・・』
観客席の一部からは真珠に対してブーイングが送られていくが、一部からは大歓声が起きていく。
『いいぞぉぉぉぉ・・・小澤っ、徹底して痛めつけてやれ!』
ブーイングと歓声の入り乱れる会場内。
すると、ローサが一瞬の隙を突いてバックを奪って逆さ押さえ込みを狙った。
『ワン・・・ツー・・・スリィィ・・・・』
誰もがローサの勝利かと思った瞬間、真珠も両足をバタバタさせてバランスを崩させてスリーカウントから逃れた。
マットを叩いて悔しがるローサ。そのまま真珠を無理矢理に立たせていくと、ヘッドロックで締め上げた。
しかし、真珠も細い身体でありながらローサを持ち上げるとバックドロップで反撃した。
バッシーン・・・
後頭部をマットに打ち付けて大の字になるローサ。
真珠は立ち上がると、ローサの横で中指を立てて観客席にアピールすると、フラつくローサを起こしてはリング下に転がすように落としていく。
リング下で後頭部を押さえるローサ。真珠もリング下に降りていくと、髪を鷲掴みにして無理矢理に起こしていった。
リングサイドの観客達が驚く中、リングサイドを連れ回していく真珠。
「おらおらっ、いくぞぉぉぉぉぉ・・・・」
真珠が叫び声をあげながらリングサイドを回っていくが、一気に観客席に振って投げつけていった。
ガッシャーン・・・
「きゃあああぁぁぁぁ・・・」
観客席に投げつけられてグッタリするローサ。突然飛び込んできたローサに、観客達もローサの身体を触りまくっていった。
「い、いやぁぁぁ・・・・やめてぇぇぇぇ・・・触らないでぇぇぇぇぇ・・・」
ローサが観客に触られて嫌がっていると、真珠は近くからパイプ椅子を持ち出して構えていた。
観客席から逃れてフラついているローサ。そのローサのお腹に真珠がパイプ椅子の角を叩き付けた。
グシュ・・
「ぐえっ・・・ぐううううっ・・い、痛いっ・・・」
お腹を押さえて座り込むローサ。パイプ椅子の洗礼に苦悶の表情を浮かべている。
「ほらほらっ、まだ終わりじゃないのよ、加東っ!」
真珠が叫ぶと、今度はお腹を押さえるローサの脳天にパイプ椅子の座面を叩き付けた。
ガッシャーン!
「あああああああああっ・・・」
悲鳴をあげてグッタリとダウンするローサ。
脳天へのパイプ椅子の衝撃に意識を朦朧とさせているが、真珠の攻撃は止まらなかった。ローサを俯せにしていくと、パイプ椅子を首に掛けると、片足を背中に押しつけて、パイプ椅子を引いてはローサの苦しめていく。
「ぐぅ・・く、苦しい・・・ああ・・・」
涙目になって苦しむローサに、真珠はパイプ椅子を揺さぶっては痛めつけていく。
流石にレフリーもリング下に降りると、デビュー戦の2人だけにパイプ椅子を取り上げていくと、真珠はローサを放すがレフリーに蹴りを入れていく。
喉元を押さえて苦しむローサだが、真珠は逃がさずに髪を掴んで起こしていくと、そのまま近くの鉄柱に叩き付けていった。
ガンッ・・・
「痛いぃぃぃぃ・・・」
肩口から鉄柱に叩き付けられて悲鳴をあげるローサ。
「ほらほらっ、次は可愛い顔から叩き付けてあげるよ!」
真珠が笑みを浮かべると、グッタリするローサの髪を掴むと、容赦なく鉄柱に額から叩き付けた。
ゴッキーン!
「いやああぁぁぁぁぁぁ・・・」
ローサの悲鳴が響き渡るが、真珠は数回鉄柱に叩き付けていった。
そして肩紐とヒップの辺りの水着を掴んではリング上に戻していく。
転がるようにリングに戻されるローサだが、両手で顔面を押さえている。ただ指の間から赤い液体・・・そう額が割れて流血していた。
真珠はローサの動きが鈍くなったからと、近くのコーナーに走り込むと、コーナーポストのカバーを外しては金具を剥き出しにしていく。
そしてタッチロープも外しては、トップロープに掛けてからローサにストンピングを入れていった。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
蹴られては痛がるローサ。
更にローサを起こしていくと、髪を鷲掴みのままコーナーの剥き出しの金具に叩き付ける真珠。
ゴキッ・・
「いやあああぁぁぁぁぁ・・・」
またもリング上に響き渡るローサの悲痛な叫び声。
流石に金具に叩き付けられては、傷口も開いたのか顔面を真っ赤にしていくローサ。白い競泳水着も次第に赤く染まりだした。
真珠は更に痛めつけようと、コーナーのローサを捕まえたまま、セカンドロープに乗るとタッチロープをローサの首に巻きだした。
そして流血戦で動きが止まったローサを、コーナーで絞首刑にして苦しめていく真珠。表情は笑みを浮かべて、デビュー戦なのにヒールを演じきっている様子。
ローサは首を絞められて苦悶の表情を浮かべては、必死に真珠の手を掴んで藻掻いている。
レフリーも危険だからと真珠に放すように指示するが、真珠は舌を出して拒否していく。
ここでお互いがデビュー戦と言う事で、これ以上危険な状態になるといけないからと、レフリーがゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが鳴らされると、レフリーが真珠と止めていく。
真珠は一気に放すと、ローサは首を掴んで倒れ込んでいくと、激しく咳き込んでいる。
『ただ今の試合、反則勝ちにより加東ローサの勝利とします!』
リングアナのコールに真珠は怒りまくると、グッタリしているローサにストンピングで蹴りまくっていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「何でオマエの勝ちなんだよ!納得いかないんだよ!」
暴れる真珠を黒服が止めていくと、無理矢理にリング下に降ろしていった。
対して、蹴りまくられて大流血のローサがフラつきながら立ち上がると、観客席からは拍手が送られていった。
「こ、今夜は・・・こんな試合ですいませんでした・・・。次はきっと勝ちますので宜しくお願いします!」
涙目で観客にマイクアピールするローサだが、流血などのダメージからフラっとして黒服に支えられてリングを降りていく。
遂にドラマ企画から飛び出した対戦が地下リングで実現も、凄まじい結果に地下プロレスの怖さを観客も知るのであった・・・。



第24試合

『特別巨乳アイドル対決・・・選手入場っ・・』
リングアナのコールにリングインするのは、グラビアなどで売り出し中の水澤彩。自慢のGカップバストを黒いビキニに包み込みリングするが、その大きなバストに注目が集まった。
その彩の対戦相手としてリングインするのは、アニメ声と小柄ながら立派なバストの持ち主の仲村霞。Gカップに対してFカップのバストを彩と同じく黒いビキニに包んでのリングイン。
コーナーに寄りかかってゴングを待つが、観客席では彩と霞のバストに視線が集まっていた。
『青コーナー〜・・・今夜がデビュー戦・・・身長165p、上から90、58、84・・・水澤〜彩〜っ!』
コールを受けると緊張しながら一礼していく彩。下を向くとGカップバストが作り出す胸の谷間に歓声がおきていく。
『赤コーナー〜・・・身長153p、上から88、53、82・・・仲村〜霞〜っ!』
そして霞がコールを受けると、一礼してから身体を動かしてはゴングを待った。
黒ビキニに黒いリングシューズの2人に、レフリーがボディチェックをして巨乳だからと、ブラが外れないか確認してからゴングが鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出す2人。
まずはリング中央で睨み合う展開だが、体格で劣る霞が片手を伸ばして力比べを挑んだ。
彩は戸惑いの表情を浮かべるが、霞と手を組み力比べの展開になっていく。
「くっ・・・」
霞の表情が歪んでいく。やはり体格差から彩に押されていく霞。
彩が更に力を入れて押していくと、ロープまで霞が押された所でレフリーがロープとばかり止めていく。
『ブレーク・・・』
レフリーが離していくと、霞はビキニを気にしながら距離を置いていく。彩もビキニは気にしている様子。
距離を置いているが、霞が仕掛けていく。
「おらあぁぁぁぁ・・・」
可愛らしいかけ声を出しながら、霞が彩をハンマースルーでロープに振っていく。
巨乳を揺らしながらロープに振られると、勢いよくロープから戻る彩に霞がフライングラリアットを叩き込む。
バシィィィィ・・・
仕掛けた霞も胸を揺らしながらの巨乳マッチに相応しい展開に観客席が盛り上がっていく。
起き上がる彩にヘッドロックを極めていく霞に、彩も体格差からロープに振っていくと、勢いよく戻ってきた霞にドロップキックを放った。
バシィィィ・・・
揃えられた両足が霞のバストを抉ると、倒れた霞は両手で胸を押さえては痛がっていた。
更に彩がバストを狙ったストンピングを叩き込むと、霞は嫌がるようにロープに逃げていく。
『ロープっ・・・』
霞がロープに逃げたからと、レフリーが彩を離していく。
霞はビキニを気にしながらも立ち上がるが、胸を狙われて少し動揺している様子。
『ファイト!』
レフリーが続行させると、彩が前に出て行く。
その彩に、霞はお返しとばかりにバストを狙った水平チョップを踏み込んでは叩き付けた。
グニュ・・
「ああんっ・・・」
自慢のGカップバストに手刀を叩き付けられて痛さに動きが止まる彩。
更に霞が張り手をバストに叩き込んでいくと、彩が両手で胸を押さえて痛がる。
『いいぞ、いいぞぉぉぉぉぉ・・・もっとオッパイを虐めてやれ〜!』
観客席からは、胸を責められて痛がる彩の姿に興奮する観客の声が上がった。
観客席の反応からも、霞は続けて張り手をバストに叩き込むと、彩も意地になって返した。
「痛いじゃないのよ、やめてよ!」
彩が叫ぶと、霞のバストに張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・・
「くっ・・・」
霞も自慢のバストを叩かれると、一瞬痛さから動きが止まる。しかし負けてはいられないと彩にバストへチョップなどで攻め込んだ。
バッシーン・・・・
「ああっ・・・」
お互いが一歩も引かずにリング中央でバスト攻撃合戦をしていくと、ビキニに包まれた白い乳房が内出血を起こす程の迫力。
バッシーン・・・バシィィィ・・・バッシーン・・・
容赦なく相手のバストに張り手やチョップを叩き込む彩と霞。
次第に、彩の手数が減って霞が押し出していく。
体格で勝る彩だが、Gカップバストへの責めに涙を浮かべている。
更に霞がお腹に膝蹴りを入れてロープ際まで押し込むと、今度は喉元に踏み込んでの水平チョップを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「はうっ・・・」
これにはロープに腕を絡ませてダウンしそうになる彩。
両腕をトップロープに絡ませてノーガードだからと、霞は彩のバストへチョップ攻撃。
バシィィィ・・・バシィィィ・・・
「痛いぃぃぃ・・い、痛いぃぃぃぃぃ・・・」
流石にガードも出来ずに絶叫する彩。これにはレフリーが霞を止めて、彩をロープから放していく。
『ファイト!』
レフリーのかけ声にも彩は両手でバストを押さえていると、霞は彩を中心に回り始めた。
ガードを固めると、踏み込んではローキックを彩に叩き込む霞。
バシィィィ・・・バシィィィ・・・
地下プロレスでの試合で、打撃技の習得は必要とばかりに練習してきたのか、霞のローキックが上手く決まっていく。
バシィィィ・・・
ローキックを叩き込まれて逃げまどう彩。
すると、霞が踏み込んでハイキックをバストに叩き込んだ。
グニュ・・・
「いやああぁぁぁ・・・・」
強烈なハイキックに彩が悲鳴をあげた。
その彩に、霞がバックを奪ってバックドロップを仕掛けた。
バシィィィ・・・
「きゃあああぁぁぁぁ・・・・」
後頭部からマットに叩き付けられて、悲鳴をあげる彩。
霞が放すと、グッタリと大の字になって天井を見上げる彩。
『仲村〜っ、トドメに水澤のオッパイ壊してやれ!』
『Gカップバストを狙ってやれよ、霞ちゃん!』
観客席からも彩のバストを攻めろとばかりに歓声が飛ぶと、霞はその場で肘をアピールして、彩のバストへエルボードロップを落とした。
グニュ・・
「いやああぁぁぁぁ・・・・」
Gカップバストへ肘爆弾を落とされて抉られて、激痛に悲鳴をあげる彩。
もう一方的な試合になってくると、霞も露骨にバストを狙い出す。
彩のバストをストンピングで蹴りまくると、バスト狙いのフットスタンプを叩き込んだ。
グニゥゥゥゥ・・・
「む、胸がぁぁぁぁぁぁ・・・・」
両胸を両足で押し潰されて藻掻き苦しむ彩。
そして胸を押さえて俯せになっている彩に、霞はトドメとばかりにキャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・・
「はうっ・・・」
彩の脇に足を入れて完全に極めていく霞。上半身を反らされて彩が両足をバタバタとして藻掻き苦しむ。
更に揺さぶっていくと、彩のGカップバストがビキニから飛び出しそうになる。
レフリーがギブアップの確認をすると、彩は涙目でギブアップを口にした・・・。
「ぎぃ・・ギブ・・・アップ・・・」
ギブアップの言葉にレフリーがゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音に霞が技を解くと、レフリーが霞の手を挙げていく。
『ただ今の試合、キャメルクラッチで仲村霞の勝利となりました!』
笑顔で観客席に一礼する霞。
一方、試合に負けた彩は胸を押さえてフラフラしながら立ち上がると、観客席に一礼してリングを降りるのであった。



第25試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、あの石河梨華と太谷充保。お互いに黒いスポーツビキニ姿。
『特別試合・・・美女ファイトクラブマッチを行います・・・』
そう、今夜は新形式の試合とも言えるファイトクラブマッチ。ルールは素手で顔面を殴ったり、相手がダウンしてもレフリーストップが掛かるまで殴る蹴るなどが認められる残酷性の高い試合方式だった。
梨華も充保も素手で殴り合う試合など断りたい所だったが、今後の芸能活動の事を考えて残酷ファイトに出場する事に・・・。
ただ、充保は総合格闘技ルールでなら下手なアイドルより強いだろうと言う予想があり、梨華には生け贄的な期待がされていた。
『青コーナー〜・・・身長155p、上から83、59、84・・・石河梨華〜っ!』
コールを受けると片手を挙げて観客にアピールする梨華。
『赤コーナー〜・・・身長158p、上から80、56、81・・・太谷充保〜っ!』
そしてコールを受けると、飛び跳ねたりして試合に備える充保。
目を抉る突く、耳や鼻を噛み付いたり、噛み付き、凶器攻撃・・・それ意外はほとんどの攻撃が認められる過酷なルールのゴングが鳴らされていった。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す梨華と充保。
拳を握りしめていきなり充保がジャブで牽制すると、梨華は前蹴りで牽制する。
お互い何でも有りだからと緊張している様子だが、距離は詰まってきていた。
バシィィィ・・・
ファーストコンタクトは、まずは充保の鋭いローキックから始まった。
梨華の表情が一瞬険しくなるが、フック気味のパンチを放っていく。梨華の拳が充保の頬を抉ると、充保は嫌がるように距離を置いた。
距離を置いているが、いきなり梨華が前に出る。
充保も前に出ると、いきなりお互いが左手で相手のスポーツビキニの肩の部分を掴むと、顔面にパンチを叩き込みだした。
バキッ・・ゴキッ・・バキッ・・ゴキッ・・・
意外だが、梨華も殴り負けていない。充保も意地になって殴りつけていく。
体格では互角とも言える2人だが、この堂々とした殴り合いは観客席からは大歓声がおきる程にエキサイトしていく。
バキッ・・ゴキッ・・
慣れない素手での殴り合いと言えども、早くも充保と梨華は鼻血を流し始めた。
更には唇を切ったのか、充保は口の周りを赤く染め出した。
そしてお互いが手を放すと、距離を置くが顔面への素手パンチでダメージがあるのか、お互い疲れた様子。
元ジュニアヘビータイトル王者の経験もある充保だが、最近は試合もなくスタミナ面に問題があるのか、疲れている様子だが、梨華はフットサルなどで鍛えているのか、苦しそうだが身体は動いている。
距離が詰まると、充保がローキックで太ももを狙い出す。
バシィィィ・・・
蹴られて一瞬表情を険しくする梨華。
更に充保がローキックで同じ場所を蹴り続けると、梨華はフラつくが距離を詰めて殴りかかった。
バキッ・・バキッ・・
意地になって殴りつける梨華。充保も素手での殴り合いは慣れていないから、勝負は互角と言う展開に。
鼻血が流れているから呼吸が苦しく、長い試合時間は苦しくなるのが見えているから、梨華も充保も短時間で勝負を決めたい。
充保はジャブ気味に梨華の目を狙ってパンチを放つと、拳が炸裂して梨華がフラつく。
しかし梨華も意地になって殴り返す展開に。
梨華の目の回りが腫れだすと、充保は腫れた部分を狙って拳を叩き込む。
右目の周りが腫れだして視界が奪われるのではと心配する声も聞こえるが、梨華は膝を出しては距離を置こうとする。
バシッ・・バシッ・・・
距離を置くと、今度は充保のローキックが脚に襲いかかる。
脚も内出血している様で、梨華にとって苦しい展開になってきた。
動きが鈍り出すと、充保は距離を詰めて顔面狙いのパンチを放ち出す。
嫌がるように手を出す梨華だが、大振りのパンチを出し始めた。
バキィィィィ・・
梨華の振り回すようなパンチが、偶然にも側頭部に当たり動きの止まる充保。
足元をフラつかせる充保に、梨華が顎にアッパーを叩き込むと、続けてボディにパンチを数発叩き込んだ。
ボディにパンチを受けて前のめりに倒れ込みそうになる充保は、フラつきながら梨華に抱きつこうとする。
しかし梨華も目が腫れだしていても目の前の感覚は分かるので、膝蹴りをボディに叩き込んだ。
ドシュ・・・
「ぐふうっ・・・」
梨華の強烈な膝蹴りを受けて、充保は目を見開いて膝を落とした。
膝を落とした充保の髪を掴んで、梨華は更に頭部へ膝蹴りを叩き込む。
バキィィィ・・・
これには意識を失いかける充保。
梨華が髪を放すと、グッタリと俯せにダウンしていく。
そのダウンした充保に対して、梨華は横からゆっくりと狙ってお腹に蹴りを入れていく。
ドシュ・・ボシュ・・ドシュ・・
「ふぐっ・・うげっ・・お、オエッ・・・」
口からマウスピースを吐き出して、涙目で藻掻き苦しむ充保。
更に梨華がお腹を蹴り上げると、充保は口から胃液のような吐瀉物を噴き上げる。
観客も驚きの展開の中、梨華は無理矢理に仰向けにしていくと、マウントポジションを奪って顔面に拳を叩き込み始めた。
バキッ・・バキッ・・・
両足を開いては返そうと抵抗する充保。しかし顔を殴られる度に身体をピクンビクンと反応させていた。
充保も左目近くが腫れだしていたが、その腫れた部分を狙って梨華がハンマーパンチを叩き込む。
バシッ・・バキッ・・・
抵抗している充保だが、その力も少しずつ無くなっていく。
ここでレフリーが危険と判断して、レフリーストップをかけた。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、レフリーが梨華を離していく。
そしてリングサイドからはリングドクターが充保に対して応急処置をしていくと、梨華は片手を挙げられてコールされるのであった。
『勝者、石河梨華っ!』
その梨華も勝利したとはいえ、顔を腫らして顔面を血に染めての勝利。コール後にはリングドクターに処置を受けると、2人とも医務室に直行となった。
壮絶な素手での殴り合いの喧嘩マッチ。今後この試合形式が地下リングに定着するかは、今後の展開次第かも知れない・・・。



第26試合

『本日のセミファイナル・・・選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインしていくのは、グラビアアイドルとして人気の熊多曜子。気合いを入れてのリングイン。黒ビキニに黒いリングシューズで、地下プロレスストロングスタイルとばかりの登場。
その曜子の対戦相手としてリングインするのは、若手実力派女優として名高い長沢まさみ。白いワンピース水着に白いリングシューズだが、胸元は少し見えるようになっていて、少しだけ胸の谷間も見えていた。
観客席からも今夜の試合は、まさみの勝利を信じる者が多く、早くもまさみコールが起きている。しかしビキニ姿の曜子に期待する観客もいて、盛り上がる観客席。
『青コーナー〜・・・身長168p、上から85、57、83・・・長沢〜まさみ〜!』
コールを受けて一礼していくまさみ。
『赤コーナー〜・・・身長164p、上から92、56、88・・・熊多〜曜子〜!』
コールを受けて片手を挙げてから一礼する曜子。
ゴングの前に、お互いの視線が交差すると、コーナーから曜子とまみさが歩き出した。
レフリーがリング中央に立つが、レフリーの目の前で睨み合う曜子とまさみ。グラビアアイドルvs女優の対決に歓声がおきていくと、お互いが近づくとビキニに包まれたFカップバストと、まさみのワンピース水着に包まれた見事なバストが水着越しではあるが触れていく。
お互いの弾力あるバストが当たると、レフリーも試合開始前だが動きを見ている。
「流石にグラビアアイドルですね・・・見事なオッパイ!」
まさみが曜子に呟いた。
「あらっ、長沢さんもグラビアでも売れるんじゃないの、見事な胸してるんだから・・・」
曜子も言い返すと、試合前から喧嘩ファイトになるのではと心配したレフリーが離していく。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーからゆっくりと出る曜子とまさみ。
まずは距離を置いて相手の出方を伺う展開から始まるが、早くも距離が詰まっていく。
いきなりまさみが踏み込んで張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・・
「くっ・・・何よ!」
張り手を受けて曜子も張り返す。
バッシーン・・・
「うっ・・・」
まずは張り手を試合開始の挨拶とばかりに叩き込むと、いきなりまさみが曜子をロープに振っていく。
ロープから戻る曜子に何かを狙うまさみだが、曜子が逆にショルダータックルを仕掛けた。
バシィィィィ・・・
フラつくまさみだが、負けずにロープに走ってショルダータックルを仕掛けると、フラついた曜子にボディスラムでマットに叩き付けて、早くもフォールした。
『ワン・・・ツー・・・』
しかしまだ曜子も負けるはずもなく、ゆっくりとまさみを返した。
マットに座らせる形でスリーパーで締め上げてスタミナを奪おうとするまさみ。
曜子も苦悶の表情でロープに逃れようとすると、まさみは技を解いて立ち上がると、曜子の背中にサッカーボールキックを叩き込んだ。
バッシーン!
背中を蹴られて一瞬呼吸が止まるような感覚に襲われる曜子。
更に髪を掴まれて起こされると、まさみがコーナーに連れ出してコーナーポストへ額を叩き付けた。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・」
まさみのラフファイトに観客席からは驚きの声も上がるが、曜子も負けてはいない。
フラつきながらも強烈な左右の張り手を叩き込むと、喧嘩キックからペースを握ろうとする。
更に首投げでマットにまさみを叩き付けると、お返しとばかりにサッカーボールキックを背中に叩き込んだ。
バシィィィ・・・
苦悶の表情を浮かべるまさみを起こすと、一気に身体を絡み付けてコブラツイストを仕掛ける曜子。
グイッ・・・
「くっ・・・ううっ・・・」
全身を締め上げられて苦しむまさみ。曜子はギブアップ狙いで極めていく。しかし簡単にギブアップするまさみではなく、激痛に耐えていた。
簡単にはギブアップが奪えないからと、曜子が技を解いてからヘッドロックで締め上げていく。
まさみが振り解こうとするが、曜子もしっかりと首をロックしている。
そのままブルドッキングヘッドロックでまさみをマットに叩き付けると、続けてフォールする曜子。
『ワン・・・ツー・・・』
しかしまさみは返していく。
返されたからと、曜子は髪を掴んで起こしていくが、まさみも曜子の生腹にグーパンチを叩き込んで抵抗した。
お腹を殴られて一瞬動きが止まる曜子に、まさみは一気にスリーパーで締め上げた。
だが曜子は両手を振りながらロープに逃げると、レフリーがまさみに技を解かせるのであった。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示にまさみが技を解くと、曜子は振り返りざまにエルボースマッシュを叩き込んだ。
バキィィィィ・・・
頬にエルボーを受けてフラつくまさみに、曜子が続けて喧嘩キックを叩き込んでロープに詰まらせると、まさみもエルボースマッシュで反撃する。
バキィィィ・・・
動きが止まる曜子に、まさみはお腹へのグーパンチから張り手を叩き込む。
バシィィィ・・
ビキニの曜子の生腹へのグーパンチは痛々しく見えるが、観客席からはまさみのグーパンチに歓声を送っていた。
張り手を受けて曜子も張り手を返すと、ロープ際で張り手合戦になっていくまさみと曜子。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・
強烈な張り手合戦に観客席も盛り上がっていく。
更にエルボースマッシュ合戦にもなるが、これには曜子が組み付いてロープに押しつけていく。
ロープにまさみを押しつけて、喉元に水平チョップを叩き込むと、そのまま勢いをつけてロープに振っていく曜子。
自らもロープに走ってフライングラリアットを仕掛けると、まさみの喉を曜子の腕が抉った。
バシィィィィィィ・・・
そして倒れ込むようにフォールすると、レフリーが急いでフォールする。
『ワン・・・ツー・・・』
しかしまさみが簡単に負ける訳もなく、これも返していく。
返されると、曜子はヘッドシザースで首を攻めだした。
グイッ・・・
「くっ・・・ううっ・・・」
流石のまさみも苦悶の表情を浮かべていると、曜子は両足に力を入れては痛めつけていく。
両足をバタバタさせて苦しむまさみ。曜子もグイグイと動かしては痛めつけていくと、レフリーもギブアップの確認をしていく。
『ギブアップ?・・・ギブ?』
レフリーの問いかけにギブアップは拒むまさみ。
ロープにも遠くロープブレークも出来ないと、いきなり曜子が悲鳴をあげた。
「痛いぃぃぃ・・」
そう、まさみが曜子脚を噛み付いて技を解かしたのだった。
「ず、ずるいわよ・・・噛み付くなんて・・・」
曜子が脚を押さえてまさみを睨み付けると、まさみは立ち上がりながら言い返す。
「プロレスって5秒以内は反則も認められるんでしょ、だったら利用しないとね!」
まさみはそう言うと、立ち上がる曜子のバストへグーパンチを叩き込んだ。
グニュ・・・
「痛いっ・・・」
自慢のバストを殴りつけられて痛がる曜子。
更にミドルキックを脇腹に叩き付けていくまさみ。
曜子は脇腹を押さえて苦しむと、更にヒップにも蹴りを入れるまさみ。
バシィィィィ・・・
ビキニ姿で悶え苦しむ曜子に観客席から歓声が起きていく。
更にローキック、ミドルキックと蹴り続けていくまさみ。
バシィィィ・・・バシッ・・・
打撃の連続にフラフラしている曜子。バランスを崩すと、まさみは狙った様にハイキックを顔面に叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
これには力なくマットに崩れ落ちる曜子。
ノーガードの顔面に蹴りを受けて一瞬意識を朦朧とさせているのか、完全に崩れ落ちた曜子。
その曜子を逃がさずにまさみは俯せにしていくと、まずは両足をフックしていく。
そして肩口を叩いてから両手首を掴むと、反動をつけて吊り上げるロメロスペシャルを炸裂させた。
ビキニ姿で高々と吊り上げられて、ビキニに包まれたバストが揺れている。
「ああっ・・ああっ・・・」
「ギブアップすれば楽になれるのよ、こんな恥ずかしい格好させられなくて済むでしょ!」
まさみもギブアップを促すが、曜子の口からはギブアップの言葉は出てこない。
「ノォォォォォ・・・ノォォォォォ・・・・は、恥ずかしくなんて・・・ないわ・・・」
「そう、だったら水着も脱いでみる?」
意地悪くまさみが囁くと、曜子はビキニ剥ぎの恐怖に悲鳴をあげる。
「いや、やめてぇぇぇぇ・・・」
「やっぱりグラビアやってても、脱ぎはイヤよね・・・ふふっ・・」
意地悪い言葉に曜子が身体を動かしては逃れようとすると、まさみが手を放すと、脚はフックされた状態で喉元を両手で反らしていくまさみ。
激痛に藻掻く曜子だが、まさみが片手をビキニのブラに伸ばしていく。
「・・・・」
曜子はまさみがビキニ剥ぎをすると思い身震いするが、まさみはビキニの上から軽く曜子のバストを揉むと、一言呟いた。
「おっぱい!」
その言葉と同時に技を解くと、立ち上がって距離を置くまさみ。
一方、まさみの意外な行動に驚きながら立ち上がる曜子は、ビキニを整えて距離を置いた。
胸への悪戯とも言えるまさみの行動に、動揺しているのか曜子は距離を詰めようとしない。
逆にまさみが距離を詰めると、曜子が距離を離す。
まさみが踏み込んでミドルキックを放つが、これは曜子が避けていく。
空振りしたまさみに、タックル気味に組み付いていく曜子。
バランスを崩してテイクダウンを奪うが、サイドポジションの体勢から両足を広げて押さえ込んでいく曜子。
まさみも押さえ込まれているだけでスタミナを消耗する展開に、一気に転がるようにして曜子から逃れた。
まさみに逃げられたからと、曜子は素早く立ち上がって構えると、逆にまさみにタックルを仕掛けられた。
タックルに上手く反応して、フロントスリーパーでキャッチする曜子。
テイクダウンを奪えずに、首に巻き付けられた腕の圧力に苦しい展開のまさみ。
そのまま曜子が倒れ込むようにDDTを仕掛けると、まさみが脳天からマットに叩き付けられて俯せになって動きが止まっていく。
すると、曜子は体勢を入れ替えて俯せのまさみに馬乗りになると、キャメルクラッチで揺さぶりかけた。
グイィィィィ・・・
「ぐぐっ・・んぐっ・・・あふっ・・」
上半身を反らされて苦しいまさみ。
綺麗なキャメルクラッチを炸裂させていく曜子。既にまさみの白いワンピース水着も汗ばんでいるが、胸元に光る汗が流れ込む。
レフリーもギブアップの確認をするが、まさみは両足をバタバタさせて苦しみはするが、ギブアップはしない。
耐えるまさみに、曜子は技を解いてから腰を浮かせると、腰にヒップドロップを叩き込む。
ドスッ・・・
「ぐはあっ・・・」
これには悲鳴をあげるまさみ。
グッタリするまさみに、曜子は立ち上がってから腰にストンピングを叩き込んで痛めつけていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
堪らずまさみがロープに手を伸ばしていくと、レフリーが曜子を離していく。
呼吸を整えながら立ち上がるまさみ。一方、ビキニを気にしながらも距離を置く曜子。
距離があると、まさみが姿勢を低くしてタックル狙いの体勢で距離を詰めていく。
曜子もタックル対策とばかりに低い体勢にしていくと、まさみが仕掛けた。
低空タックルを狙うまさみだが、慣れないタックルに対して、曜子もカウンターの膝蹴りを合わせた。
ゴキッ・・・
鈍い音がリング上に響くと、まさみは曜子に抱きつくようにダウンしていく。
顔面に曜子の膝蹴りを受けてダウンしてしまうまさみ。曜子は立ち上がると、仰向けにしていくと肘を観客に向かってアピールした。
そして苦しそうなまさみのバストへエルボードロップを落とすと、ゆっくりとフォールした。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・』
しかしこれもまさみはギリギリ返していく。
堪らず転がるようにリング下に逃れていくまさみ。曜子もゆっくりとリング下に降りてまさみを追いかけた。
四つんばいで立ち上がろうとするまさみに、曜子がサッカーボールキックで痛めつけると、髪を鷲掴みにして起こしていく。
すると、まさみも曜子のお腹にグーパンチを入れて反撃しようとするが、曜子もエルボースマッシュで動きを止めた。
その動きの止まるまさみにヘッドロックの体勢から、近くの鉄柱へ叩き付けようとする曜子。
流石に鉄柱はイヤとばかりに踏ん張るまさみ。逆に曜子が肩口から鉄柱に叩き付けられると、痛さに悲鳴をあげた。
ゴキッ・・
「痛いっ・・・」
鉄柱近くでフラつく曜子に、まさみが反撃とばかりに鉄柵に振って叩き付けていく。
ガッシャーン・・・
「ああんっ・・・」
鉄柵に寄りかかる様にダウンする曜子。
その曜子に低空ドロップキックを叩き込むまさみ。
バッシィィィ・・・
「はうっ・・」
自慢のバストに両足を叩き込まれて、激痛に喘ぐ曜子。
「ほらっ、起きなさいよ!」
まさみが曜子の髪を掴んで起こしていくと、膝蹴りを叩き込んでから鉄柱に連れて行く。
「ほらっ、さっきのお返しよ!」
まさみが髪と肩口を掴んで鉄柱に叩き付けていくと、曜子は額から叩き付けられて絶叫した。
ゴキッ・・
「きゃああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
鉄柱に抱きつくような形で座り込む曜子を起こしていくまさみ。
しかし、ビキニの肩紐に指が掛かると、偶然ながら曜子のビキニブラジャーが脱げてしまった。
「いやあああぁぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげて胸を両手で隠そうとする曜子。
必死に隠す曜子に、まさみはノーガードだからと背中にサッカーボールキックを叩き込む。
バッシーン!
「いやああぁぁぁぁ・・・」
胸を隠すことに必死な曜子は、ただ蹴られては悲鳴をあげている。
当然ながら会場内からはブーイングが送られ、場外での闘いだからとリングサイドの観客はまさみに対してブーイングを送り出した。
まさみがブーイングに戸惑いの表情を浮かべると、曜子は転がるようにしてリングの下に逃げ込んでいく。
必死にビキニを直す曜子。まさみは観客のブーイングに戸惑っているが、曜子がビキニを直して出てくると、至近距離からラリアットを叩き込むまさみ。
バシィィィィィ・・・
「ぐふうっ・・」
またも場外で大の字になって倒れる曜子。
その曜子のお腹に狙いを定めたまさみは、その場で飛び上がってフットスタンプを叩き込む。
ドシュ・・・
「ぐっ・・ウゲェ!」
突然のフットスタンプに内蔵を押し潰されて、嘔吐感に喘ぐ曜子。口からは涎を垂れ流している。
まさみは構わず髪を鷲掴みにすると、エプロンサイドに顔面を叩き付けてからリングに戻していった。
片手を突き上げてアピールするまさみ。
グッタリとロープ際に倒れている曜子に、まさみがストンピングを叩き込んで痛めつけてから、背中に脚を押しつけて両手首を掴んで一気にサーフボードストレッチを炸裂させた。
グイッ・・・
「ああっ・・んああぁぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげる曜子。まさみはビキニの曜子の胸を強調する為か、サーフボードストレッチで観客の見せ物にしようと揺さぶりかけていく。
上半身が反らされて、ビキニに包んだFカップバストを揺らして悲鳴をあげる曜子。
レフリーがギブアップの確認をするが、曜子は激しく頭を振って耐えている。
なかなかギブアップしないからと、まさみは技を解くと曜子はマットに俯せ状態になってグッタリとした。
その曜子を起こしてロープに押しつけていくまさみ。
苦しそうな表情の曜子のボディへ、まさみは容赦ない膝蹴りを叩き込んではロープ際に座り込む様に曜子をダウンさせていく。
レフリーは苦しそうな曜子を見て、まさみに距離を置かせてから試合続行の意思確認をしていくと、曜子は苦悶の表情を浮かべながらも立ち上がろうとする。
『ダウン・・・』
ここでダウンのコールがされると、レフリーは曜子に対してカウントを始めた。
『ワン・・・ツー・・・スリー・・・フォー・・・ファイブ・・・シックス・・・セブン・・・エイト・・・ナイン・・・』
カウントが進むと、曜子はロープを掴みながらフラフラしながら立ち上がる。
『熊多っ、オッケー?』
レフリーの問いかけに曜子が頷くと、試合続行の指示が出た。
『ファイト!』
ロープを背にする曜子に、まさみは容赦ない張り手を頬に叩き込んでいくと、曜子も返すが手数ではまさみが圧倒していく。
バシッ・・バシバシッ・・・バシィィィ・・・
堪らずガードしようとする曜子だが、まさみの勢いに頬を赤くしていく。また口の中を切って血を垂らしだした。
『長沢っ、熊多の自慢の胸にもパンチでも入れてやれよ!』
『オッパイ・・・オッパイ・・・オッパイ・・・』
会場内のオッパイコールにまさみは戸惑うが、ファンサービスとばかりに曜子の両腕をトップロープとセカンドロープに絡ませていくと、動けない曜子のバストへ水平チョップを叩き込んだり、拳を握りしめてグーパンチを叩き込んだ。
グニュ・・バシィィィ・・・
「痛いぃぃぃぃ・・・いやああぁぁぁぁぁ・・・」
自慢のバストへの攻撃に絶叫する曜子。
「ちょっとパンチの練習でもさせてもらおうかしら?」
まさみは更にエスカレートさせて、曜子のバストへアッパーやフック、ジャブとアピールするように殴りつけていく。
パンチングボールの様に殴られ続ける曜子の乳房。激痛から涙目にも見える曜子。
流石にレフリーがまさみを止めていくと、曜子をロープ地獄から解放した。
『ファイト!』
レフリーのかけ声にフラフラしている曜子に、まさみは頬に張り手を叩き込んでは様子を見る。
反撃のない曜子に、余裕すら感じられるまさみ。しかしここで曜子が意地を見せた。
「胸ばっかり攻めて痛いじゃないの〜!」
突然怒りだした曜子は、目の前のまさみの股間へ前蹴りを叩き込んだ。
ゴキッ・・・
「ふぎっ!」
股間を蹴り上げられて、恥骨直撃の衝撃に変な悲鳴をあげるまさみ。
まさみの身体の力が抜けた所へ、曜子は一気に逆さ押さえ込みを仕掛けた。
グイッ・・・
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・』
しかしまさみも意地で両足をバタつかせて逆さ押さえ込みを崩すと、スリーカウント寸前に追い込まれた事に驚きの表情を浮かべた。
だが股間への蹴りのダメージで立ち上がれないと、曜子がフラフラしながらも立ち上がってから、まさみの無防備なお腹にフットスタンプを叩き込む。
ドシュ・・・
「ぐはぁ・・・くっ・・・」
曜子のフットスタンプに両手をお腹に当てて藻掻き苦しむまさみ。
そのまさみに曜子はゆっくりとパイルドライバーの体勢に持ち込むと、逆さづり状態にしていく。
逆さにされて焦りを感じるまさみ。何時脳天からマットに叩き付けられるかと思っている所へ、曜子はゆっくりと焦らすように抱え込んでいる。
そして、一気に落としていく。
ドスッ・・・
「あうっ・・」
変な悲鳴を漏らしてグッタリするまさみ。
俯せ状態で首を押さえているまさみに、レフリーが続行出来るか問いかけていく。
フラつきながらまさみが立ち上がろうとすると、曜子は近くのコーナーポストに登って立ち上がるのを待った。
まさみは立ち上がるとコーナーを背にしてパイルドライバーの影響からフラついている。曜子の姿がないのに探そうとした瞬間・・・。
ゴキィィィィィ・・・
「あああぁぁぁぁぁ・・」
そう、トップロープから曜子がまさみに豪快な延髄ニードロップを叩き込んだ。
まさみが悲鳴をあげてマットに崩れ落ちると、曜子はフォールした。
『ワン・・・ツー・・・スリィィ・・・・』
しかしまさみはギリギリで返すと、観客席はまさかの展開に大歓声がおきていく。
曜子も勝ったと思っていただけに、悔しさからマットを叩いてアピールするが、レフリーは返したから試合は続くと曜子に言い返した。
まさみが俯せでグッタリとしていると、曜子はゆっくりと馬乗りになっていくと、まさみの顎に手を掛けると、片手では髪を鷲掴みにして上を向かせていく。
そして両脇に自らの足をフックさせると、強烈なキャメルクラッチを炸裂させた。
グイィィィィ・・・
上半身を反らされて激痛に苦しむまさみ。ダメージから抵抗も出来ずにただ苦痛に耐えるだけの状態。
曜子もギブアップ狙いで揺さぶりかけると、まさみは口から涎を垂れ流しながら耐えていく。
目からは涙も見られるが、曜子は構わず揺さぶっていく。
『長沢・・・ギブアップ?ギブアップ?』
レフリーがまさみにギブアップの確認をすると、まさみは口を押さえられているがギブアップの言葉を発した・・・。
「ギィ・・ギュ・・ブ・・・プッ・・・」
しかし観客席の大歓声にレフリーが聞き逃すと、曜子は更に揺さぶりかけた。
「んん・・ぎ・・ぶ・・・・・ぎぶ・・・あっ・・・ぷ・・・」
やっとレフリーがまさみのギブアップに気がつくと、再度確認していく。
『ギブ?・・・ギブアップ?』
『カンカンカンカン・・・』
ここでゴングが要請されてレフリーの判断の遅さから、まさみは余計な激痛にダメージを負って試合を終了した。
曜子が技を解いて立ち上がると、まさみは半失神状態でマットにグッタリとしている。
『勝者、熊多曜子っ!』
リングアナのコールにレフリーに手を挙げられていく曜子。
観客席は曜子の勝利に驚きの声をあげているが、グラビアアイドルの意地を見せつけた試合でもあった様な試合であった・・・。



第27試合

『本日のメインイベントっ・・・選手入場っ!』
リングアナのコールに登場したのは、長身グラビアアイドルの左藤江梨子。その見事なボディを自慢するかのような黒いビキニに黒リングシューズ姿でのリングイン。
その対戦相手としてリングインするのは、江梨子にとっては同じ男を巡る因縁のある米蔵涼子。白い競泳水着に白いリングシューズ姿で堂々とリングに入っていく。涼子も身体のラインがしっかりと見える競泳水着だけに、その美しさを引き立てていた。
お互いが視線を合わせる事なくコーナーに寄りかかると、ここでリングアナがコールを始めた。
『地下プロレスヘビー級タイトルマッチを行います!』
タイトル戦と聞いて観客席が盛り上がっていくと、続けてコールされていく。
『青コーナー〜・・・挑戦者・・・身長173p、上から88、58、88・・・左藤〜江梨子〜っ!』
コールを受けて一礼していく江梨子。
『赤コーナー〜・・・王者・・・身長168p、上から84、58、85・・・米蔵〜涼子〜っ!』
鋭い視線で江梨子を睨み付けながら片手を挙げて観客にアピールする涼子。
コールが終わると、リング中央でレフリーよりルール説明を受けるが、早くも睨み合いがはじまった。
「おばさんの水着なんて誰も見たくないんだよ!」
「何よ、アヒル顔のアイドルさん!」
早くも意地が交錯していくリング上。ゴングが待ち遠しい展開に観客席が盛り上がる。
レフリーは2人をコーナーに戻していくと、ここでゴングが鳴らされていった。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す涼子と江梨子。
まずはお互いが相手の動きを見ながら手を出さない展開になっていく。
しばらくすると、江梨子が手を伸ばして力比べでも誘おうとする展開になると、涼子も手を伸ばして距離を詰める。
バッシーン!
「甘いんだよ!」
いきなり江梨子が張り手を叩き込むと、続けてロープに振っていく。
ロープに振られた涼子だが、何か狙う江梨子の所へ戻るわけでもなく、ロープを掴んで距離を置いた。
頬を気にしながら涼子が江梨子との距離を詰めていく。  
詰められると、江梨子はハイキックを牽制気味に出して距離を置こうとする。
長い脚から繰り出される蹴りに警戒する涼子。ボクシングの様にガードを固めて距離を詰めようとすると、江梨子はローキックを叩き込んだ。
バシィィィ・・・
蹴りを受けると、涼子も気の強さは負けていないからローキックを返していく。
バシィィィ・・・
ローキックを受けて距離を置く江梨子。緊張感が漂うリング上だが、お互いが距離を置いて動きを見つめた。
距離が離れたが、涼子が思いっきり踏み込んでストレートのパンチを顔面に放つ。
バキィィィ・・・
これはプロレスルールだから反則だが、江梨子の顎を打ち抜いてフラつかせた。
「汚ねぇ真似してんじゃね〜よ、ババア!」
殴られた顎を気にしながらも、江梨子が涼子に言い放つ。
「誰がババアだって、もう一度言ってみな!」
その江梨子の髪を鷲掴みにして振り始める涼子。江梨子も負けずに髪を鷲掴みにして揉み合いになると、近くのコーナーに詰まった状態で髪の引っ張り合いになっていく。
これにはレフリーが2人を離していくと、お互いが睨み合いながらも距離を置いていく。
距離を詰めると、江梨子がミドルキックを放つが涼子も避けていくと、逆にハイキックを放った。
しかしお互いが有効打を当てる事が出来ないと、江梨子がタックル気味に組み付いていく。
そのまま押し込んでロープまで押し込むと、エルボースマッシュからお腹へパンチを叩き込む江梨子。
ボシュ・・ボシュ・・
お腹へのパンチ攻撃に苦悶の表情を浮かべる涼子だが、江梨子の側頭部にエルボーを叩き込んでは反撃していく。
フラつく江梨子に対して、キチンシンクから至近距離でのハイキックを側頭部に叩き込むと、江梨子をダウンさせた。
グッタリと倒れ込む江梨子だが、転がるようにリング下に逃れていく。
涼子は片手を突き上げて観客席に向かってアピールすると、観客席からは涼子に対してコールが起きていく。
『米蔵っ、米蔵っ、米蔵っ・・・』
リング下では側頭部に手を添えながら、苦しそうにする江梨子。
ゆっくりとリングに戻ろうとする江梨子だが、涼子がロープ際で威嚇するように蹴りを放つ。
「うぜ〜んだよ、ババア!」
リング下から江梨子が叫ぶ。
「何がババアだよ、悔しかったら上がって来いよ!」
涼子も負けずに言い放つと、江梨子が素早くリングに転がり込んだ。
しかし涼子が立ち上がろうとする江梨子にストンピングを叩き込んでいくと、顔面に低空ドロップキックを放った。
バッシーン!
「んああぁぁぁぁ・・・」
これには両手で顔面を押さえて悲鳴をあげる江梨子。
更に首4の時固めで締め上げていく涼子。
「ほ〜らほらほらっ、ギブアップするか?」
涼子が腰を浮かせたりして痛めつけていくと、江梨子は苦悶の表情を浮かべながらも耐えていく。
「くっ・・だ、誰がギブなんてするか!」
耐える江梨子に、スタミナを奪うためにも締め上げていく涼子。
更にヘッドシザースに移行していくと、江梨子は苦しみながらもロープを目指す。
ビキニだからと脱げないかと気になっている様子だが、ロープに足を伸ばして必死な江梨子。
『ロープっ・・・ロープっ・・・』
江梨子の足がロープに届くと、レフリーは涼子に技を解くように指示していく。
技を解かれると、江梨子は喉元を押さえて咳き込むと、ビキニを気にしながらリング下に転がりエスケープした。
リング上からは涼子が睨み付けていると、江梨子はビキニを直しながらもリングサイドを歩き回っていく。
更には、リングサイドのパイプ椅子を持ち出しては振り回すが、リング上の涼子は気にしていない様子。
すると、涼子の背後から何者かが乱入してきた。
「喰らえぇぇぇぇぇ・・・」
そう、それは江梨子と同じ事務所の根元晴美だった。
バッシーン!
振り向くとラリアットを叩き込まれてダウンする涼子。
倒れた涼子にストンピングを叩き込む晴美は、数発蹴りこむとリング下に消えていった。
『ブゥゥゥゥゥゥゥ・・・ブゥゥゥゥゥゥゥ・・・・』
大ブーイングの観客席。
しかし江梨子は笑みすら浮かべてリングに戻ると、立ち上がる涼子にハイキックを叩き込む。
バッシーン!
これにはハイキックを受けてダウンする涼子。
更にヘッドロックで締め上げると、江梨子が合図を送る。
するとコーナーでは晴美がコーナーポストのカバーを外していくと、金具を剥き出しにしていく。
更に晴美がセカンドロープから膝を出していると、その膝に涼子の顔面を叩き付ける江梨子。
バキッ・・・
「ああああああっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる涼子。
更に金具に額を叩き付けようとする江梨子だが、涼子が足を伸ばしてコーナーを押すようにしてバランスを崩して逃れた。
「汚い真似すんじゃね〜よ!」
涼子が江梨子に叫ぶ。
しかし江梨子はニヤニヤと不気味な笑みを浮かべると、距離を詰めるとジャブ気味のパンチを放った。
バシッ・・バシッ・・
涼子も殴られてはとミドルキックを放って距離を置こうとすると、江梨子もミドルキックで応戦していく。
蹴り合いになっていくと、ここで涼子が蹴り足にタックルを狙ってテイクダウンした。
サイドポジションを奪っていくと、江梨子もブリッジなどで抵抗して逃れようとするが、涼子は容赦ない膝蹴りを脇腹に叩き込んだ。
ドスッ・・ドスッ・・
鈍い音をあげて叩き込まれる涼子の膝。
これには江梨子も苦悶の表情を浮かべて動きが鈍くなると、涼子が一気に馬乗り状態になった。
左手で髪を鷲掴みにして、右手を握りしめて弓を引くナックルパンチを江梨子の顔面に叩き込む涼子。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・・
反則攻撃にも関わらず、観客席からは大歓声がおきて痛がる江梨子に対してはブーイングが送られていった。
そのブーイングの中で、痛がる江梨子を助けようとリングサイドからは晴美が乱入する。
バシィィィィィ・・・
突然背後から背中へ強烈なサッカーボールキックが叩き込まれると、涼子は一瞬呼吸が出来なくなる感覚に襲われてグッタリする。
涼子の髪を鷲掴みにして起こしてから、晴美はヘッドロックで締め上げていく。
当然ながら観客席からは大ブーイングが起きていくが、その中を江梨子が立ち上がってから晴美に合図を送ると、2人がかりでブレンバスターを仕掛けた。
涼子の身体が宙を舞うと、勢いよくマットに叩き付けられた。
バッシーン!
「んああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
これには悲鳴をあげる涼子。
更に俯せにしてから、晴美がキャメルクラッチを仕掛けた。
グィィィィィ・・・
「んぐぐっ・・・んんっ・・・」
上半身を反らされて苦しむ涼子。更に晴美は屈辱の鼻フック責めをしていく。
グイッ・・・
「ふっ・・フガァ・・がぁ・・・」
鼻に指を入れられて苦しむ涼子。
その涼子に対して、江梨子が狙いを定めてノーガードキックをバストに叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・
これには涼子がマットにグッタリとしていくと、続けて江梨子が後頭部にギロチンドロップを叩き込んだ。
レフリーが江梨子と晴美に注意すると、江梨子が構わずトラースキックをレフリーに叩き込んで場外に落としてしまった。
無法地帯と化したリング上に、更に江梨子と晴美が手招きするとリングサイドからもう1人乱入した。
そう、売り出し中のグラビアアイドルの湯野上知子だった。グラビアと言う事で黒ビキニでアピールして乱入するも、早くも激しいブーイング。
立ち上がろうとする涼子に、知子はストンピングで蹴りこむと、俯せ状態の涼子に飛び上がってヒップドロップから背後からナックルパンチを連打した。
気の強い涼子だけに、立ち上がるも江梨子と晴美が両腕を掴むと、勢いよくロープに振っていく。
ロープから戻ってきた涼子にビキニに包まれたバストを揺らしながらドロップキックを放つ知子。
バシィィィィ・・・
更に倒れ込んだ涼子に対して、3人でストンピングの集中砲火。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
もうリンチ状態のリング上。更には晴美が両足を抱え込むと、知子が涼子のお腹にフットスタンプを叩き込んだ。
ボシュ・・・
「ぐへぇ・・・」
苦悶の表情を浮かべる涼子に、江梨子は顔面を踏みつけていく。
「今夜は勝ち負け関係ないのよ、アンタを潰すのが目的なんだから・・・ふふっ、よく吐き出さなかったわね・・・」
頬を踏みにじりながら江梨子が囁くと、涼子も返す。
「くっ・・・き、鍛え方が違うのよ・・・アンタみたいなアヒルと違ってね・・・」
その言葉に江梨子が怒り出すと、飛び上がってお腹にダブルニードロップを叩き込んだ。
ドシュ・・・
「ぐっ・・グボッ!」
流石に江梨子の全体重の乗ったニードロップには、口から胃液を噴き上げた涼子。
晴美が放してから、知子と共にリング下に戻っていく。同時に新しいレフリーがリングに戻ると、江梨子はお腹を押さえる涼子を起こしていく。
そして、一気に抱え上げるとアバランシュホールドでマットに叩き付けた。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・』
カウントが数えられるが、涼子はギリギリ返していく。
返されたからと、今度は江梨子がヘッドシザースで締め上げていく。
グイ・・
「おらおらっ、ギブしなよババア!」
江梨子が強烈な絞め技で痛めつけていくと、涼子は必死に耐えていく。
「だ、誰がババアだって?・・・こ、こんな技でギブする訳ないでしょ!」
しかし涼子はリンチ状態での攻めでダメージが大きく、ロープに足を伸ばすのに必死になっている。
『ロープっ・・・』
涼子の足がロープに届くと、レフリーが技を解かせた。
技を解かれても立ち上がりが遅い涼子。
すると、江梨子が髪を掴んでコーナーに押し込んでから、拳を握りしめるとお腹にパンチを入れた。
ドシュ・・
「ぐふっ・・」
突然のパンチに苦しむ涼子だが、負けずに殴り返した。
バキィィィィ・・・
今度は涼子の拳が江梨子の顔面を捉えた。ダメージのある涼子だが、一発のダメージを与えるのは上手かった。
殴られて足元をフラフラさせていく江梨子。この一発で口の中を切ったのか、血が滲み出している。
江梨子も殴り返すと、涼子もまた口の中を切って血を滲ませる。
コーナーで意地の激突になって殴り合いが始まると、血飛沫をあげての壮絶な喧嘩状態になっていくが、ダメージの大きいはずの涼子が優勢になっていった。
これには観客席からは大歓声で、江梨子が殴られてフラつくと大歓声が、逆に江梨子の拳が涼子を襲うとブーイングが送られていく。
バキッ・・ゴキッ・・
激しい殴り合いの展開が続いていくと、江梨子が鼻血を流し始めた。
呼吸が苦しくなってスタミナが心配になっていく江梨子は、涼子の鼻を狙って拳を放っていく。
しかし涼子もガードすると、強烈なアッパーを放った。
バキィィィィ・・・
「ぐはあっ・・・」
これには血飛沫を吹きだしてコーナーに崩れ落ちた江梨子。
会場内からは大歓声がおきると、涼子もフラつきながらコーナーに寄りかかる。
江梨子は転がるように場外にエスケープすると、涼子は呼吸を整えてスタミナを回復しようとしていた。
だが、その涼子の足首を晴美が握りしめる。
ギュ・・
「な、何するのよ!」
涼子が思わず叫ぶが、油断した涼子を倒していくと、知子と片足ずつ持つと、コーナーに倒れた涼子に対して、2人同時に足を引っ張ると、何と涼子の股間を鉄柱に打ち付けた。
ゴキィィィィ・・・
「ぎゃあああぁぁぁぁぁ・・・・」
涼子の悲痛な叫びがリング上に響き渡る。
股間を押さえ込んで悶える涼子。その涼子に対して、晴美と知子がリングに上がってストンピングでリンチ状態にしていく。
バシッ・・バシッ・・・バシッ・・・
レフリーも晴美と知子を止めようとするが、晴美が膝蹴りを入れてはレフリーを場外に落としていった。
レフリーの居ないリング上で、晴美と知子は徹底的に涼子を蹴りまくると、髪を掴んで起こしてコーナーに寄りかからせていく。
グッタリしている涼子に、晴美は前蹴りで股間を蹴り上げた。
ゴキッ・・
「ふぎっ・・・」
またも股間を責められては、両手で股間を押さえてコーナーに崩れ落ちる涼子。
すると、リング下から江梨子も登場すると、3人でストンピングで全身を蹴りまくっていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
誰も助ける者がいないリング上で、観客席からの大ブーイングに関係なくリンチ状態にしていく江梨子たち。
ここでリング下からレフリーが戻ると、慌ててゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが乱打されるが、構わず涼子を痛めつけていく江梨子と晴美、そして知子。
「仕上げにしようか?」
江梨子が笑みを浮かべると、晴美が涼子に投げっぱなしのパワーボムでマットに涼子を叩き付けた。
バッシーン!
後頭部をマットに打ち付けて半失神状態にされる涼子に、江梨子は飛び上がってバストにニードロップを叩き込む。
更には知子がお腹にフットスタンプと残酷なフルコースドミネーションが展開されていく。
口から胃液を垂れ流しながらヒクヒクと身体を痙攣させている涼子。
あまりの状態に黒服が乱入すると、ここで江梨子や晴美、知子がリングから降ろされるのであった・・・。
『ただ今の試合、乱入により無効試合とします・・・両者ノーコンテスト!』
無効試合となったが、江梨子は満足そうな笑みを浮かべて花道を引き揚げていく。
そしてリング上では、マットに座った状態で涼子が怒りまくっていた。
「汚い真似しやがって・・・あのブス女っ!・・・だったら邪魔されないルールで完全決着デスマッチだ!」
その言葉に観客席から大歓声がおきると、こうして波乱のヘビー級選手権は幕を閉じるのであった。
男を奪い合った女達の、まさに怖さがでた試合と言う幕引きであった・・・。
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