第71回大会

第1試合


『選手入場・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、地下プロレス2戦目の稲柿実花。それと今夜がデビュー戦になる盛田香央里。
2人とも黒いビキニ姿に黒いリングシューズ姿で、お互いがマットの堅さを確かめるように足踏みしたりしている。
その2人の待つリングに登場したのは、グラビアで売れっ子の渓桃子と樹口亜矢。白いビキニに白いリングシューズ姿で、異様な観客達の視線に戸惑いながらもリングインしていく。
『第1試合っ・・・特別グラビア系タッグマッチ時間無制限3本勝負を行います・・・青コーナー・・・身長156p、上から86、57、85・・・稲柿〜実花〜っ!』
まずは実花がコールを受けると、4人の中で唯一地下プロレス経験のある実花だけに、落ち着きながら一礼していく。
『身長171p、上から88、57、88・・・盛田〜香央里〜っ!』
そして香央里がコールを受けると、レースクイーンやモデル経験があるから堂々と片手を突き上げて観客にアピールした。
『赤コーナー〜・・・身長160p、上から88、58、87・・・渓〜桃子〜っ!・・・・・身長158p、上から89、56、86・・・樹口〜亜矢〜っ!』
コールを受けて2人で手を組んで観客にアピールする亜矢と桃子。
コールが終わると、お互いのタッグチームから先発する2人がリング中央へ歩き出した。
まずは桃子と実花から始まる第1試合。
『カァーン!』
ゴングと同時に握手する桃子と実花。距離を取るとお互いの動きを見つめていく。
桃子が片手を伸ばして力比べを挑もうとすると、実花も手を伸ばすが、いきなり喧嘩キックのように蹴りを入れていく。
バシッ・・
苦悶の表情を浮かべた桃子を、一気にロープに振っていく実花。
ロープから戻る桃子に、実花は勢い良いドロップキックを叩き込む。
バッシーン!
「あうっ・・・」
倒れ込む桃子に、実花は素早く近づいて起こしていくと、ボディスラムでマットに叩き付けた。
力技に大の字になる桃子に、早くも実花がフォールした。
『ワン・・・ツー・・・』
しかしまだ始まったばかりだからと桃子も簡単に返すが、実花はマットに座らせた状態からスリーパーで締め上げた。
苦悶の表情を浮かべてロープに手を伸ばす桃子。
揺さぶりかける実花だが、桃子を技を解くと立ち上がってサッカーボールキックを背中に叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・
「ああんっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる桃子。
そして髪を鷲掴みにして起こしていくと、エルボースマッシュを桃子の自慢のバストに叩き込むと、そのままコーナーに押し込んでいく実花。
胸への痛みからコーナーに押し込まれていく桃子は、そのままコーナーに押しつけられると、背後から香央里に捕まってしまう。
そして実花がお腹にグーパンチを数発叩き込まれると、苦悶の表情を浮かべていく。
「実花タッチ!」
そして香央里が実花とタッチすると、コーナーの桃子にエルボースマッシュを連続で叩き付けると、桃子は悲鳴をあげた。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「いやっ・・・痛いっ・・・あああっ・・・」
痛さから必死に張り手を返そうとする桃子だが、勢いに押されてコーナーで痛めつけられていく。
レフリーが一方的だからと香央里を離していくと、桃子はビキニを気にしながら距離を置いて睨み付けた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に桃子と香央里が距離を詰めていくが、先に手を出したのは香央里で、張り手を叩き込んだ。
バッシーン!
頬に強烈な張り手を受けると一瞬動きが止まる桃子だが、意地になって張り手を返した。
バッシーン!
身長差のある2人が激しく張り手を叩き合う展開に、観客席が歓声をあげていく。
その桃子をロープに振っていく香央里は、勢いよく戻ってきた桃子にジャンピングニーパッドを叩き込んだ。
バキィィィィ・・・
顎にヒットして大の字にダウンする桃子。その桃子の自慢のバストにエルボードロップを落としてからフォールしていく香央里。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・・』
カウントギリギリとも言えるタイミングで桃子が返すが、ジャンピングニーパッドとエルボーの連続攻撃に虫の息の様子。
すると、香央里は立ち上がってからゆっくりと桃子を起こしていくと、膝蹴りを叩き込んでからボディスラムでマットに叩き付けて、髪を鷲掴みにして自軍のコーナーに連れて行く。
すると、実花がトップロープに登って香央里を待つ。フラつく桃子を実花に向けていく香央里。
「うりゃあああぁぁ・・・」
気合いを入れてトップロープからボディアタックを仕掛けた実花。
バシィィィィィ・・・
香央里が放すと、フラつく桃子はボディアタックの餌食となり押し潰されるように倒された。
香央里がゆっくりとタッチすると、実花はヘッドシザースで締め上げていく。
一方的な試合展開になってきて、反対コーナーでは亜矢がタッチロープを握りしめて叫んでいる。
「桃子っ・・・タッチ、タッチぃぃぃぃ・・・」
亜矢の声に桃子もタッチしたいが、香央里と実花のコーナーに完全に捕まってしまっている。
足をバタバタさせて藻掻き苦しむ桃子。すると実花が技を解いてから起こしていくと、至近距離から桃子にラリアットを放った。
バシィィィィ・・・
これには桃子がダウンすると、実花がゆっくりとフォールした。
『ワン・・・ツー・・・スリィ・・・』
レフリーのカウントが進んだが、桃子はギリギリで返していく。桃子の粘りに観客席からは拍手が送られていった。
しかし苦しそうな桃子はコーナーから逃れる事が出来ず、実花は苦しそうな桃子にキャメルクラッチを仕掛けた。それも桃子の苦しむ表情が相手コーナーの亜矢に見られるように・・・。
グイッ・・・
「あうっ・・・」
白ビキニの桃子は、その綺麗な素肌を汗で湿らせながら藻掻き苦しむ。
すると、香央里がコーナーから飛び出してから亜矢にアピールするようにしてから、桃子のバストにノーガードキックを叩き込んだ。
バッシーン!
苦悶の表情の桃子に、実花が髪を鷲掴みにしていくと香央里が続けて顔面にノーガードキックを叩き込んだ。
バッシーン!
これには桃子はグッタリと俯せ状態になっていく。反対コーナーでは亜矢がレフリーに抗議するが、レフリーも香央里に注意はするが桃子のダメージは大きかった。
顔を押さえて涙ぐむ桃子。顔への蹴りなど経験もあるはずもなく、動きが完全に止まってしまった。
実花が香央里とタッチすると、香央里は軽くステップを踏みながら桃子の立ち上がるのを待った。
桃子は片手で蹴られた顔を押さえると、片手でロープを掴んで立ち上がっていく。
すると、香央里は素早くローキックからハイキックと打撃技で桃子を追い込むと、後頭部に鋭い延髄ハイキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「んあああ・・・」
一瞬悲鳴をあげるが、グッタリとダウンしていく桃子。
後頭部への蹴りが効いているのか、失神状態で俯せになっていると、香央里も戸惑いの表情を浮かべた。
「桃子〜っ!」
反対コーナーで亜矢が叫ぶが、桃子は反応しない。
その桃子に、香央里は戸惑いながらも仰向けにしてからエルボードロップを喉元に落とすと、そのままフォールした。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィィ・・・・カンカンカンカン・・・』
余裕のスリーカウント。まずは最初の一本は香央里が桃子からフォールを奪うが、桃子は意識を朦朧とさせている。
亜矢が急いでコーナーから飛び出すと、香央里と実花を睨み付けてから桃子を自軍のコーナーに連れて行った。
コーナーに戻ると桃子は座り込んでからエプロンサイドに横になると、亜矢が拳を握りしめてコーナーポストを殴ってはゴングを待つ。
『カァーン!』
ゴングが鳴って二本目が開始されると、亜矢がコーナーから勢いよく飛び出すと、反対コーナーの実花に殴りかかった。
バキッ・・バキッ・・
しかし実花も殴り返すと、ビキニ美女の殴り合いが始まった。
亜矢は実花の長い髪を掴むと、片手で顔面へパンチを叩き込んでいく。
実花も殴られると痛がりながらも亜矢のバストを殴りつけたり、構わず殴りつけた。
殴り合いにレフリーが止めてはいると、お互いが興奮状態でビキニを直しては距離を置いていく。
今度は亜矢が踏み込んでローキックを放つと、実花もローキックを返していく。意地の激突するリング上。
喧嘩に近い状態での蹴り合いに会場が盛り上がっていくが、次第に亜矢も実花も呼吸を荒くして蹴り合っていく。
すると、実花は香央里にタッチするが、亜矢は自軍コーナーでは桃子がグッタリしたままでタッチが出来ない。
長身の香央里の登場に距離を置く亜矢。
片手を伸ばして力比べを挑むと、香央里もガッチリと手を組んで力比べの体勢になるが、いきなり亜矢が蹴りを放っていく。
バシィィィ・・・
手を放す香央里に、亜矢は続けて喧嘩キックを叩き込んでから張り手でコーナーに追い込んでいくと、続けてエルボースマッシュでダウンさせていく。
更にトップロープを掴んでは香央里の顔を踏みつけていく亜矢。その頃自軍コーナーでは桃子が苦しそうな表情を浮かべるも立ち上がっていた。
桃子が立ち上がったのを見て、亜矢は目で合図を送ると香央里の髪を掴んで自軍コーナーに連れ出した。
「タッチ!」
そして亜矢が桃子とタッチすると、桃子はエルボースマッシュの連発で香央里をロープ際に押しつけると、続けてヘッドロックで締め上げていく。
香央里がロープに振ろうとするが、桃子はヘッドロックを外さなかった。
しばらく締め上げると、走り込むようにブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付ける桃子。
バッシーン!
これには香央里が苦しむと、続けてキャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・・
上半身を反らされて苦しい香央里。すると、亜矢がお返しとばかりに香央里のバストへノーガードキックを叩き込む。
バシィィィィィ・・・
「お返しだよ!」
亜矢の厳しいキック攻撃に香央里は苦しんでいるが、桃子も技を解かない。
更に顔面にキックを叩き込もうとする亜矢だったが、反対コーナーの実花が飛び込んできて桃子の背中にストンピングを入れて技を解かせていった。
亜矢と実花はコーナーに戻されると、桃子は香央里を起こしていく。
すると、香央里が桃子のお腹にパンチを入れると、お腹を押さえた所へ首へ腕を巻き付けてDDTを仕掛けた。
バシィィィ・・・
「んあああぁぁぁぁ・・・」
これには桃子が悲鳴をあげる。
香央里が実花にタッチしていくと、実花がロープに走って助走をつけていく。勢いをつけると、立ち上がろうとする桃子にボディアタックを仕掛けた。
バッシーン!
そのままフォールせずに腕を狙っていく実花。腕関節狙いだが、桃子も素早くロープに逃れる。
ロープに逃げられたからと、実花は桃子を起こすと張り手を叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
一瞬動きの止まる桃子だが、実花に思いっきり張り手を返した。
バシィィィィ・・・
張り手を受けて張り返していく実花。お互いが意地の張り合いになって張り手合戦を繰り広げていった。
一歩も引かない実花と桃子。お互いの目にはうっすら涙が浮かぶほどで、頬は赤く変色している。
更にヒートアップすると、実花と桃子が拳を握りしめて殴り合いを始めてしまった。
バキッ・・ゴキッ・・
容赦ない殴り合いに観客席が盛り上がるが、レフリーがグーパンチは反則だからと止めていく。
レフリーが割って入ってもなかなか収まらない実花と桃子。
離れると、いきなり実花が喧嘩キックでお腹へ蹴りこむと、怯んだ所をエルボースマッシュからラリアットで倒していった。
グッタリと大の字になる桃子をフォールする実花。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし桃子も耐えて返していく。
返されると、実花も立ち上がってからストンピングを叩き込んでから起こしていくと、桃子もグーパンチをお腹に入れては反撃していく。
お腹を殴られて動きの止まる実花を、桃子は自軍のコーナーに押し込んでいった。
コーナーでは亜矢が膝を出して待っていて、桃子が実花の額を膝に叩き付けた。
ゴキッ・・・
「あああっ・・」
堪らず悲鳴をあげる実花。桃子は亜矢とタッチした。
タッチすると勢いよくチョップ攻撃でコーナーに押し込んでいく亜矢。実花がフラつくと、喧嘩キックを放ってコーナーで痛めつけていく。
反対コーナーから香央里が飛び出すと、コーナーで捕まる実花を助けようとするが、桃子がコーナーから飛び出してドロップキックで倒した。
香央里が倒れると、亜矢が桃子に合図していく。亜矢は実花を、桃子は香央里をコーナーに対角線上に押し込めると、一気に2人をリング中央で激突させようとハンマースルーを狙う・・・が、実花と香央里は同時に反転して亜矢と桃子を振っていって、リング中央では亜矢と桃子が激突してダブルでダウンさせられていった。
「うっ・・ううっ・・」
「あうっ・・・ああっ・・」
勢いよく激突させられて苦悶の表情を浮かべて仰向けになっている亜矢と桃子。
2人に対して、実花が亜矢に香央里は桃子にフットスタンプをお腹に叩き込む。
ドシュ・・・
「ぐはあっ・・」
「ぐへぇっ・・・」
これには2人ともお腹を押さえて藻掻き苦しんでいく。
苦しむ2人に、実花と香央里は同時に両肩に手を乗せてフォールした。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・』
しかし亜矢も桃子もギリギリ返すと、実花と香央里が腰を浮かすと、ヒップドロップをお腹に叩き込んでフォールした。
『ワン・・・ツー・・・スリィィ・・・』
しかしこれもギリギリで返す亜矢と桃子。
返されると、実花と香央里が視線を合わせると、実花が亜矢にSTF。香央里は桃子にキャメルクラッチで揺さぶりかけた。
グイッ・・・
試合権利のあるのは亜矢と実花で、香央里と桃子は反則であるがレフリーは会場の盛り上がりから黙って桃子の苦しむシーンを楽しむ。
亜矢は逃れようとするが逃れられず、ただ苦痛に耐えるだけだった。
『樹口っ・・・ギブ?・・・ギヴアーップ?』
レフリーの問いかけに必死に耐える亜矢だが、全身から汗が流れ落ちている。
そして桃子は上半身を反らされて、あまりの激痛に泣き出す寸前に追い込まれている。
ロープは遠く逃れられない亜矢・・・そして・・・
「ぎぃ・・ギブ・・・あっ・・ぷっ・・・」
遂に亜矢の口からギブアップが・・・ここでレフリーがゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが乱打されると、実花と香央里が技を解いて立ち上がっていく。
そして笑顔でお互い抱き合うと、足元では亜矢と桃子がグッタリと俯せ状態でダウンしていた。
そのダウンしている亜矢と桃子を起こすと、手を挙げて健闘を認め合う四人。ここで第1試合は香央里と実花のストレート勝ちで終わりを告げたのであった。



第2試合

『特別試合っ・・・15分1本勝負・・・アスリートアイドル対キャンペーンガール対決!』
リングアナがコールすると、リング上に現れたのは元新体操選手でグラビアアイドルとして売り出してきている仲村果生莉。
白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって頭を下げてコーナーに進んでいった。
そして対戦相手としてリングに登場するのは、地下プロレス2戦目の杉元有美。そのスレンダーな身体を白い競泳水着と白いリングシューズに包んでの登場に、観客席からは歓声が送られていった。
果生莉と有美がコーナーに寄りかかっていると、リングアナがコールを始めていく・・・。
『青コーナー〜・・・身長165p、上から87、59、86・・・仲村〜果生莉〜っ!』
コールを受けると堂々とリング中央に歩み出て片手を挙げてアピールする果生莉。
『赤コーナー〜・・・身長166p、上から82、58、85・・・杉元〜有美〜っ!』
そして有美がコールを受けると、コーナーから数歩出てから一礼して観客にアピールする有美。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、まずは相手の動きを注意深く見つめる両者。
リング中央で回りながら距離を置いていくと、果生莉が手を伸ばしていく。
有美も手を出すが、いきなり果生莉の手を掴んではロープに振っていった。
果生莉が勢いよくロープに振られると、勢いよくロープから戻っていく。
バシィィィィ・・・
まずは有美が綺麗なフォームのドロップキックを放つと、果生莉がマットに倒れ込む。
しかし素早く立ち上がると、有美も続けてドロップキックを放ってはダウンを奪っていく。
髪を掴んで果生莉を起こしていく有美。
観客席は早くも盛り上がりを見せていく中、有美がエルボースマッシュを頬に叩き込んでいく。
バキィィィ・・・バキィィィ・・・
顔に肘を叩き込まれてフラつく果生莉。
更に有美が首に腕を回し込むと、DDTを狙っていった。しかし果生莉がロープに有美を押し込むと、ここでレフリーが離させる。
『ロープ・・・ロープ・・・』
ロープに押し込まれた有美は、果生莉の力の強さに少し驚きの表情を浮かべるが、冷静に距離を置いて出方を伺う。
今度は軽くローキックを放つ有美。
バシィィィ・・・
これには嫌がる果生莉だが、左右の張り手で牽制した。
ガードしながら距離を取る有美。
距離を置くと、掌打の様に手を出していく有美だが、果生莉は手を前にして距離を置こうとしていく。
打撃を嫌がる果生莉に、有美はローキックからミドルキックと放っていくが、まだ綺麗な蹴りを使えていない。
『試合時間5分経過・・・』
リングアナのコールが流れると、いきなり果生莉が前に出た。
有美が構えると、果生莉がタックルを放っていく。
果生莉のタックルに合わせるように潰そうとする有美だが、そのままロープ際まで押し込まれてしまう。
ロープを背にレフリーを見つめると、レフリーが果生莉を離していく。
距離を置いて試合が続けられると、今度は果生莉が前に出て、有美の腕を掴むとロープに振る。
勢いよくロープから戻る有美に、果生莉がドロップキックを放った。
バシィィィィ・・・
倒れ込む有美が素早く立ち上がると、果生莉が飛び込むようにフライングラリアットを放った。
バシィィィ・・・
これには有美がダウンして苦しむと、果生莉が立ち上がってから肘を観客席にアピールすると、喉元にエルボードロップを落としていった。
バシッ・・
「痛いっ・・・」
喉元を両手で押さえて悲鳴をあげる有美。
その有美の髪を掴んで起こしていく果生莉に、有美もお腹にパンチを入れて反撃していく。
しかし果生莉はお腹を殴られても構わずコーナーに押し込むと、喉元に強烈な水平チョップを叩き込む。
バッシーン!
「はうっ・・・」
口から涎の飛沫を飛ばして苦しむ有美。
更に果生莉の水平チョップが喉元を襲うと、有美は両手で喉元を押さえて苦しむ。
その有美を強引にヘッドロックの体勢に持ち込んで、締めてからブルドッキングヘッドロックでマットに豪快に叩き付ける果生莉。
バシィィィィ・・・
これには俯せ状態で痛がっている有美。
果生莉はゆっくりと立ち上がると、腰へ数発ストンピングを叩き込むと、キャメルクラッチを仕掛けていく。
ゆっくりと有美の腰に座り込むと、両手を有美の顎に添えて、一気に上半身を反らしていくと、有美が激痛に両足をバタバタして苦しみ出す。
果生莉は更に両足を有美の脇に入れると、有美の顔が天井を向くくらいの角度で痛めつけていく。
レフリーもあまりのエグイ角度にギブアップの確認をしていくが、有美は必死に耐えていた。
果生莉も観客にアピールする為に、ここで片手で髪を掴むと、片手で鼻の穴に指をかけて、有美に豚鼻フック攻撃で痛めつけだした。
豚鼻攻撃に必死に手を掴もうとする有美。
果生莉は観客席を見渡すようにしてアピールすると、一気に指を離した。
「ああああああああぁぁ・・・・」
両手で鼻を押さえて悲鳴をあげる有美。
果生莉は立ち上がると、ゆっくりと有美の髪を掴んで起こしていく。
フラつく有美に、またも喉元に水平チョップを叩き込んでいくと、有美はフラフラしながらロープに寄りかかるが、負けずにロープの反動を利用するようにして果生莉にエルボースマッシュで反撃した。
バキィィィィ・・・
果生莉の頬にエルボーを叩き込んでから、続けてDDTで反撃していく有美。
観客席からは大歓声が送られていく中、果生莉が転がるように場外に逃れた。
有美もリング下に降りていくと、立ち上がる果生莉の喉元に水平チョップを叩き込んでは、攻め立てていく。
バシィィィ・・・バシィィィ・・・
有美に押されると、果生莉も負けずに水平チョップを返すと、喉元の白い素肌が内出血する程の激しいチョップ合戦になっていく。
『試合時間10分経過・・・10分経過・・・ラスト5分!』
チョップ合戦が繰り広げられていると、試合時間は残り5分のコールが響き渡った。
残り時間が少なくなってきたからと、有美はチョップからローキックからミドルキックと打撃技を出し始める。練習してきたのか、形は良くないが確実にダメージを与えていた。
打撃を嫌がる果生莉に、有美が首相撲の体勢から膝蹴りをボディに叩き込んだ。
ドスッ・・・
「ぐふうっ・・」
これには苦悶の表情を浮かべて膝をつく果生莉。
有美は髪を掴んでいくと、勝負を着けようと場外でのパイルドライバーを狙った。
果生莉を四つんばい状態にすると、踏ん張ってパイルドライバーを仕掛けていく。初めての地下プロレスの試合で、まして場外パイルドライバーを喰らおうとしているのに落ち着きのある果生莉。
そして果生莉を逆さづり状態にすると、有美が脳天から薄い場外のマットに果生莉の脳天から落とそうとした・・・次の瞬間・・・。
「ぐっ・・ぐぐっ・・」
苦悶の表情を浮かべたのは有美だった・・・。
そう、果生莉は両手を床について倒立の状態に持ち込み、鍛え上げられた両脚で有美の頭部を挟み込んで反撃したのであった。
こんな返し技は地下プロレスでも初めてで、観客席も騒然となる。
両脚で挟まれて苦しい有美は、苦悶の表情を浮かべている。
強引にパイルドライバーを決めたい有美だが、果生莉の倒立状態の体勢に落とせずにバランスを崩してしまった。
バランスを崩して場外で倒れた有美。
今度は果生莉が起き上がると、有美の髪を掴んで起こしていく。
決着をつけるべくリング上に有美を戻す果生莉は、素早くリングに戻って起こしていった。
フラフラしている有美をロープに押しつけると、反動を使ってブレンバスターでマットに叩き付けた。
バッシーン!
「ああんっ・・」
背中からマットに豪快に叩き付けられて悲鳴をあげる有美。大の字のままになっていると、果生莉がパワーボムの体勢にもっていく。
『残り試合時間1分・・・1分・・・』
残り時間が僅かになると、果生莉が豪快なパワーボムで有美をマットに叩き付けた。
バッシーン!
『ワン・・・ツー・・・スリィィ・・・』
もうカウントスリーギリギリで有美が肩を浮かせるように逃れると、果生莉は勝利を確信していたのか、ガッカリした表情を浮かべた。
逆に苦悶の表情で失神寸前と言う表情で返した有美に対しては、観客席から大歓声がおきていく。
果生莉は仕方ないとばかりにグラウンド状態に移行すると、有美にアナコンダスリーパーで締め上げていく。
グイッ・・・
喉元とくびれたウエストを容赦なく締め上げていく果生莉。鍛え上げた果生莉の脚の筋肉が浮かび上がると、有美の身体を壊すかのように締めていく・・・。
苦悶の表情を浮かべながら耐える有美。果生莉も失神させようとしているのか、ギブアップ狙いか締め上げる。
『落とせっ・・・落とせっ・・・落とせっ・・・』
観客席の一部からは落とせコールがおきると、果生莉も残り時間も少ないからと焦り出す。
有美は意識を失いかけるが、必死にロープに逃れようと身体を動かそうとしている。
有美は虚ろな表情で、目からは涙、口からは涎を流しながらもレフリーのチェックに反応しているからと、失神していないから試合は続いていく・・。
『カンカンカンカン・・・』
ここでゴングが鳴らされると、有美が失神KOで負けたと思われたが、時間切れ引き分けになってしまった。
果生莉はレフリーの指示に技を解くと、有美は失神状態でマットに横たわっている。
リングドクターが有美に応急処置をすると、有美は肩を支えながら立ち上がると、果生莉と健闘を讃え合ってあっては抱き合うのであった。
大型新人の果生莉と、今後の成長が楽しみな有美。今後の新たな地下リングのスターになるのであろうか・・・。




第3試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、遂に今夜地下リングに初登場の海河ひとみ。白いスポーツビキニ上下に白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に笑顔で頭を下げている。
そのひとみの対戦相手としてリングに登場したのは、あの元横綱のBAKEBONO。203p215sと言う巨体を揺らしながらリングインすると、早くもひとみを睨み付けた。
流石の地下プロレスでもデビュー戦のアイドルがBAKEBONOと対戦とは予想していなかったようで、観客席からは大歓声がおきていく。
ひとみは反対コーナーのBAKEBONOを見て、足元を震わせているが地下プロレス出場にあたり、ファイトマネーは多額だが残酷な展開があり得ると言われていて、それが現実となって恐怖した。
『特別試合っ・・・はっするアイドル海河ひとみ地下リングデビュー戦・・・青コーナー〜身長162p、上から83、57、82・・・海河〜ひとみ〜っ!』
コールを受けると一礼していくひとみ。しかし対戦相手のBAKEMONOの巨体に恐怖心を隠すことができない。
『赤コーナー〜・・・身長203p、体重215s・・・・BAKEMONO〜っ!』
そしてBAKEMONOがコールを受けると、不気味にひとみを睨み付けている。
『なお、この試合は体重差からヒップドロップ、フットスタンプは禁止技となります!』
リングアナの注意が流されると、ここでゴングが要請された・・・。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、BAKEMONOはコーナーで動こうとはしない。
対して、ひとみはコーナーから飛び出すと、BAKEMONOとの距離を測るように構えていく。
しかしあまりの体格差から、ひとみが前に出る事ができない・・・。
すると、BAKEMONOが少しずつ前に出ると、ひとみはローキックやミドルキックで攻め込む。
バシィィィ・・・バシィィィィ・・・
BAKEMONOに炸裂するひとみのキックだが、ダメージを与える事は出来ないばかりか、蹴り脚を痛めるひとみ。
堪らずリング下に逃れると、リング上のBAKEMONOを睨み付けていくひとみ。
対してBAKEMONOもリング上から不気味な笑みを浮かべながらひとみの動きを見ている。
脚を気にしながらもひとみがリングサイドを走り回ると、一気にリングに戻ってBAKEMONOの背後からドロップキックを放った。
バシィィィィ・・・
しかし何事も無かったようにBAKEMONOが立っていると、ひとみがロープに走った。
助走をつけてジャンピングニーパッドを放つが、これもBAKEMONOに対して有効打になる訳もなく、ひとみは立ち上がるとエルボースマッシュを続けて叩き込んだ。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「このっ・・このっ・・・このおっ・・・」
必死にエルボーを叩き込むひとみ。
しかしBAKEMONOがひとみの髪を鷲掴みにすると、リング上にひとみの悲鳴が響き渡る。
グイッ・・
「いやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
悲鳴をあげるひとみを、BAKEMONOはそのままロープ際に押し出すと、そのまま顔面をトップロープに押しつけた。
ギュ・・・
「ああっ・・・」
悲鳴をあげるひとみの顔面を、BAKEMONOが一気にロープに擦りつけた。
ギュギュ・・ギュ・・・
「ぎゃあああああああぁぁぁぁ・・・・」
絶叫するひとみ。BAKEMONOは容赦なくロープに擦りつけていくと、ロープとの摩擦で悲鳴をあけるひとみを痛めつけていく。
「ムリシチャ・・・ダメデスヨ・・・」
BAKEMONOが笑みを浮かべて呟くと、そのままコーナーに連れて行きひとみの顔面をコーナーポストに叩き付けた。
バシィィィィ・・・
「んああああぁぁぁぁぁ・・・」
またも悲鳴をあげるひとみ。BAKEMONOが髪を放すと、そのまま崩れ落ちる様にコーナーに座り込む。
そのひとみを起こしていくと、コーナーに寄りかからせる形にしていきBAKEMONO。
そして、トップロープを掴んで逃げられない体勢にしてから、BAKEMONOがヒッププッシュの体勢に入った。
完全にアイドル圧殺シーンと思われた瞬間、ひとみが上手くBAKEMONOから逃れてヒッププッシュを自爆させた。
リング全体が揺れるような衝撃にひとみも、そして観客達も驚きの表情を浮かべる。
「ユ、ユルサナイヨ・・・ハジ・・カカセヤガッテ・・・」
BAKEMONOの表情が怒りの表情に変わると、距離を置くひとみに迫っていく。
その表情にひとみが怯えると、リング下に逃げ出した。
「いっ、いやあぁぁぁぁ・・・こ、殺されちゃう・・・」
逃げ出すひとみに対して、黒服達がリング下で腕を掴んで逃がさない。
「いやああぁぁぁ・・・やだっ・・・お願いっ・・・いやああぁぁぁぁぁ・・・・」
悲鳴をあげるひとみをリング上に戻していく黒服達。まさにランバージャックデスマッチになっていく。
リング上に戻されても必死にリング下に逃れようとするひとみ。サードロープを掴んで抵抗するも、抵抗虚しくBAKEMONOに捕まってしまった。
「いやああああぁぁぁぁぁぁ・・・」
「フフフッ・・・」
髪を掴んで起こされると、まずは顔面に張り手を叩き込まれて意識を一瞬失いかけるひとみ。
バッシーン!
「ふぎっ・・・」
変な声を漏らして豪快に転がされるひとみ。
髪を鷲掴みにされて起こされるが、目は虚ろになって口からは涎を垂れ流している。
BAKEMONOは観客にアピールするように、ひとみの半失神の表情を四方の観客席に向かって見てつけていく。
「ああっ・・・あっ・・・」
晒し者にされていくひとみが意識を戻していくが、逃れることも出来ずにリング上でBAKEMONOに捕まっている。
そして、BAKEMONOはコーナーに連れ出すとコーナーポストに顔面から叩き付けた。
バシィィィィィ・・・
「いやあああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
またもリング上に響き渡るひとみの悲鳴。
コーナーにグッタリと崩れ落ちるひとみに、BAKEMONOは髪を掴んで起こしていくと、コーナーに押しつけていく。
両腕をトップロープに乗せられると、ひとみはまるで磔状態になってしまった。
そのひとみに、BAKEMONOは自爆させられたヒッププッシュの体勢に持ち込むと、観客席からは歓声がおきていく。
『おおっ、海河を圧殺しろぉぉぉぉぉ・・・・』
観客の声に押されるように、BAKEMONOがヒッププッシュを叩き込む。
ボシュ・・・
「いやあああぁぁぁぁぁ・・・・」
コーナーと巨体に挟まれて絶叫するひとみ。まだBAKEMONOも遠慮があったのか、ひとみはコーナーに寄りかかるようにして、苦悶の表情を浮かべている。
『BAKEMONO〜・・・もう一発、もう一発・・・』
観客席が盛り上がると、BAKEMONOは腰を動かしながら強烈なヒッププッシュを叩き込む。
ボシュ・・・
「ふぎっ・・・」
コーナーからリング4面に衝撃が伝わるほどの強烈なヒッププッシュ。
完全に押し潰されてコーナーに崩れ落ちるひとみ。
そのひとみの髪を鷲掴みにして起こしていくBAKEMONOだが、ひとみは意識を失いかけているのか、虚ろな目をして抵抗できない。
「グフフフフフッ・・・」
BAKEMONOが不気味な笑みを浮かべると、そのままひとみを連れ回してから、トップロープに顔面を擦りつけては痛めつけていく。
ギュ・・ギュギュ・・・
「ああっ・・・いやああぁぁぁぁぁ・・・あ、熱いぃぃぃぃ・・・か、顔が焼けちゃうぅぅぅぅ・・・ああああああああぁ・・・」
リング上に響き渡るひとみの悲鳴。あまりの激痛に泣き出してしまった。
更にはひとみの額を噛み付くBAKEMONO。
「いやあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
両手を振り回すようにして藻掻き苦しむひとみ。これにはレフリーも注意していく。
レフリーに注意されると、ヘッドバッドでひとみをリングに倒していくBAKEMONO。
これにはひとみは両手で顔面を押さえて苦しんでいると、BAKEMONOは観客席に向かってアピールすると、四股踏みのポーズをとっていく。
観客席も注目する中、BAKEMONOが四股踏みストンピングでひとみを踏みつぶしていく。
ドシュ・・・
「んあああああぁぁぁぁぁ・・・・」
お腹にストンピングを受けて苦しむひとみ。215sの体重のBAKEMONOだけに、ひとみの内蔵へのダメージも心配される展開。
口をパクパクして苦しむひとみ。口からは涎を垂れ流している。
更には、BAKEMONOは立ち上がるとロープに走って助走をつけてから、飛び跳ねる様にボディプレスでひとみを圧殺処刑した。
ドシュ・・・
「ふぐっ・・・」
変な声を漏らして意識を失うひとみ。
更に立ち上がって失神状態のひとみを踏みつけていくBAKEMONOに対して、レフリーは危険と判断して試合を止めていった。
『カンカンカンカン・・・・』
ゴングが乱打されると、同時に会場内からはBAKEMONOに対してブーイングが送られた。
『勝者、BAKEMONO!』
リングアナのコールも観客席からのブーイングに消される程のブーイングの嵐。
BAKEMONが不機嫌そうにリングを降りると、リングドクターなどがひとみに応急処置を施すのであった・・・。




第4試合

『グラビア系ファイトクラブマッチを行います・・・選手入場っ!』
リングアナがコールすると、リング上に登場したのは星野あき。過酷なファイトクラブマッチにグラビア界のロリエロ隊長を自負しているあきだけに、今夜の対戦カードは自ら希望しての試合とリリースされていた。
そのあきの対戦相手としてリングインするのは、グラビア界の黒船と言われるリアンディゾン。
あきは白いビキニ、ディゾンは白いスポーツビキニを着ての登場だが、早くも鋭い視線を合わせる2人。
21歳のディゾン。対して30歳でグラビアアイドル現役のあき。日本グラビア界代表とも言えるあきだが、地下リングでの実績は既にディゾンの方が上と言う感は否めない。
『青コーナー〜・・・グラビア界のロリエロ隊長〜・・・身長165p、上から88、56、87〜・・・星野〜あき〜!』
コールされると片手を挙げて観客にアピールするあき。早くも胸の谷間に視線が集まるが、今夜は対戦相手はハーフ美人のディゾンだけに、観客席も谷間だけでは集中させる事はできていない・・・。
『赤コーナー〜・・・グラビア界の黒船〜・・・身長167p、上から86、60、88・・・リアン・ディゾン〜っ』
コールを受けて片手を挙げてアピールすると、早くも観客席から多くの歓声が送られていくディゾン。
『なお、売れっ子グラビア系の2人なので、今回は特別に薄手のオープンフィンガーグローブ、マウスピースの着用を認めます・・・』
そのコールにブーイングも一部おきるが、続けて説明が行われた。
『ただし、グラウンド状態で顔面への蹴り、後頭部へのパンチなど全てが有効です!決着は完全KO、レフリーストップ、ドクターストップになります・・・』
ルール説明が行われるリング上だったが、あきがリングアナにマイクを要求した。
「おいっ、ディゾン!・・・今夜は覚悟しろよ!グラビア界の黒船なんて言われてるけど、日本のグラビアアイドルを舐めるんじゃないわよ!」
あきのアピールに会場内からは大歓声がおきるが、ディゾンもマイクを手にする。
「勝手に黒船だか何だか言われてるだけだけど・・・何か!勝手にバラエティでプロレス勝負しようとか言ってたらしいけど、今夜は完全決着をつけてあげるから、覚悟しなさいよね・・・」
ディゾンも敵意を剥き出しにしていくが、流暢な日本語に観客席から歓声が起きるが、早く殴り合いを期待して試合準備が始められた。
グラビア系の過酷なルールの試合に観客も盛り上がる中、ディゾンとあきはコーナーに戻ると黒服にオープンフィンガーグローブと、口にはマウスピースを入れられていく。
また、観客席にはグラビアアイドルも観戦していた。
『カァーン!』
そして準備が整ってからゴングが打ち鳴らされると、まずはコーナーから飛び出すディゾンとあき。
距離を置くと、ディゾンは冷静に打撃スタイルで構えているが、あきは喧嘩ファイトを狙っているのか、アップライト気味にしてディゾンとの距離を詰める。
あきが前に出ると、ディゾンが上手く距離を置いていく展開になっていくと、観客席は静まりかえる。
ディゾンは誘うようにローキックを出すと、ディゾンの打撃展開に観客席からは歓声がおきていく。
それに応えるように、あきもローキックを返すがバランスを崩しそうなローキック。
あきのローキックに対して、軸足へローキックを叩き込むディゾン。
バシィィィ・・
音を立ててローキックが炸裂すると、あきが左右の振り回すようなパンチを出した。
これはディゾンが避けると、上半身を揺さぶりながら近づいて殴りつける。
バシィィィ・・・
まずはディゾンのストレートがあきの顔面に炸裂すると、あきも負けずに殴り返す。
ボコッ・・・
距離が詰まってボディにパンチが入ると、一瞬ディゾンが苦悶の表情を浮かべた。
しかしディゾンが顔面狙いで殴りつけると、あきも殴り返していく。
お互いが足を止めての殴り合いになると、会場内が異様な盛り上がりを見せていく。
バキッ・・ボコッ・・・バキッ・・ドシュ・・・
両手でガードを忘れてお互いの顔を殴り合うディゾンとあき。
しかし勢いはディゾンが上回っているのか、次第に手数が上回った。
バシッ・・バキッ・・バキッ・・
ディゾンの拳がフック気味に炸裂すると、あきの口からマウスピースが飛び出した。
更に殴りつけようとするディゾンをレフリーが制止していく。
『ストップ・・・』
レフリーの言葉にディゾンが抗議するが、レフリーはグラビア系だから危険防止の為とディゾンを止めていく。
『ニュートラルコーナーへ・・・』
ディゾンが距離を置くと、レフリーがマウスピースを拾ってはペットボトルの水で洗ってあきの口に入れていく。
あきがファイティングポーズで構えると、ディゾンを向かい合わせて試合を再開した。
レフリーに止められた事で怒っているディゾンは、少しずつ距離を詰めるとジャブ気味にパンチを放って牽制していくと、一気に距離を詰めた。
左手を伸ばすとあきの髪を鷲掴みにすると、右手で殴り始めた。
バキッ・・・
しかしあきも負けてはいない。同じく左手でディゾンの髪を鷲掴みにすると、お互いがノーガード状態で殴り合いだした。
バキッ・・バキッ・・バシッ・・バキッ・・・
意地と意地の激突状態のリング上。激しいグラビアアイドル同士の殴り合いに観客席も興奮していく。
流石に顔面を殴り合うとダメージも大きくなってくるが、意地になって相手の顔を殴りつけていく2人。
ディゾンの拳が上手くあきの頬にヒットすると、あきの膝が折れた。
更にディゾンは下を向くあきの顔面に、アッパー気味に拳を叩き込む。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
これには苦しいあき。鼻に拳が当たって鼻血が吹き出すと、あきも意地になってディゾンのお腹を殴り返す。
しかしディゾンの勢いが止まらず顔面へアッパー気味のパンチを叩き込んでいくと、あきが膝をついた。
だがあきも鼻血を流しながらも、ディゾンのノーガードの股間へアッパーを叩き込む。
ゴキッ・・
「ふぎっ・・」
ディゾンはその強烈な衝撃に動きを止めた。
胸の谷間に血を垂らしながら、あきは股間のダメージで動きの止まるディゾンの髪を掴むと、お返しとばかりに殴りつけていく。
ディゾンも股間へのダメージが回復せず、力も入らずに殴られて逃げようとする体勢。
しかし意地の膝蹴りで抵抗すると、あきが手を離して距離を置いた。
距離を置いて睨み合うディゾンとあき。
ディゾンも頬など腫れてきているが、あきは腫れと鼻血で呼吸まで苦しい状態。
苦しいあきの髪を掴みに前に出るディゾンだが、あきも抵抗して逃れていく。
コーナーに追い詰められるあき。必死に髪は掴ませないとばかりに、殴りつけたりと抵抗する。
ディゾンは顔を殴られてもコーナーに追い込むと、一気にあきの顔面を殴りつけていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
抵抗するあきだが、ディゾンのラッシュが顔面に襲いかかった。
ガードしようとしていた手が下がり出すと、コーナーで血飛沫をあげてサンドバックにされていくあき。
その光景にリングサイドに熊多曜子、猪上和香が駆け寄った。
「あきちゃん、抱きついて、抱きついて・・・」
曜子と和香が必死に叫ぶと、ここであきがタックルの様にディゾンに組み付いた。
組み付くとディゾンのパンチが当たらないが、激しい出血にあきは呼吸も荒く苦しい状態。
今度はディゾンが体勢を入れ替えてから、ヘッドロック気味に首を抱えてから顔面に拳を叩き込む。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
あきが嫌がるように逃れようとするが、ディゾンが逃さない。
しかし汗で滑ってあきが脱出すると、意地になって大振りのフック気味のパンチを放った。
バシィィィィィ・・・
偶然にもディゾンの側頭部を直撃してダウンを奪うあき。
マットに崩れ落ちるディゾンに、あきは馬乗りになって殴りかかる。
バシッ・・バシッ・・
しかしディゾンも負けていない。
下からあきのバストをビキニの上から握ろうとすると、続けて身体を動かしてバランスを崩させていく。
あきも必死になるが、倒されると取っ組み合いのようにもつれ合うディゾンとあき。ディゾンの素肌にはあきの鼻血が返り血の様に付いている。
スタミナ的に辛くなってきたあきに、ディゾンがバックマウントを奪っていく。
あきは顔を殴られるのを嫌がってガードを固めると、ディゾンが脇腹を殴りつけていく。
ドシュ・・
肋骨に響き渡る衝撃に、あきは苦しい展開に追い込まれていく。返したいがディゾンの攻めに返せない。
俯せ状態のあきに、ディゾンは立ち上がると顔面へサッカーボールキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
口からマウスピースを吹き出すあき。意識を朦朧とさせているのか、無意識に立ち上がろうと四つん這い状態になると、ディゾンが更に顔面へサッカーボールキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
「ぶへぇぇぇぇ・・・」
変な声を出して仰向けにダウンするあき。
更にディゾンが襲いかかろうとすると、レフリーがディゾンを止めていく・・・。
『ここで、星野あきの流血が酷いのでドクターチェックが入ります・・・』
リングアナのコールにディゾンはコーナーに戻されて、あきはドクターのチェックを受けているリング上。
鼻血を止血されるが、涙目に見えるあき。期待されていた試合だけに、簡単に終わらせないと言うのか・・・。
『試合を再開します・・・』
しばらくしてあきの鼻血が止まると、試合が再開された。
向かい合うディゾンとあき。
ゆっくりと前に出るあきに、ディゾンがローキックを叩き込んでは痛めつけていく。
バシィィィィィ・・・バシィィィィ・・・
蹴られてフラつくあきだが、必死に大振りのパンチを放っていく。
更に前に出ると、ディゾンが髪を掴もうとするが、あきがヘッドバッドを顔面に叩き込んだ。
バキィィィィ・・
これにはダウンするディゾン。同時に鼻血が噴きだした。
グラビアアイドル同士の壮絶な喧嘩マッチになってきたリング上だが、あきも意地を見せている。
あきがフラつきながら馬乗り状態になっていくと、ディゾンも下から殴り返す。
必死にあきが殴りつけていくと、ディゾンと取っ組み合い状態になり転がりだした。
ロープ際でもつれ出すと、ディゾンが立ち上がる。
あきも立ち上がろうとするが、ディゾンの強烈なサッカーボールキックが顔面を襲った。
バシィィィィ・・・
血飛沫をあげて大の字状態になるあき。顔面への蹴りで意識を失いかけている。
更に顔面を蹴り上げるディゾン。
バシィィィ・・・
堪らず俯せ状態になるあきだが、両手で顔面を押さえて動かなくなった。
バックマウントからあきの側頭部から脇腹と、ディゾンの容赦ない拳が襲いかかる。
ドスッ・・ドスッ・・バシッ・・バシッ・・
抵抗できないあきの髪を掴んでいくディゾンは、そのまま上を向かせるように顔をあげさせた。
血まみれで目が虚ろなあき。
構わずあきの顔面を殴りつけていくディゾン。
失神寸前のあきを確認したレフリーは、ここで危険と判断してゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされるが、ディゾンはあきを殴りつけていく。
バキッ・・バシッ・・・
更にサイドポジションから膝蹴りをボディに叩き込むと、リングサイドの熊多曜子などがリング内に。
特にあきと親しい曜子はディゾンに殴りかかると、ここで黒服なども入って揉み合いになる。
『勝者、リアン・ディゾン!』
リングアナのコールが流れるが、ディゾンと曜子、黒服などが揉み合いになるリング上。
これは新たな抗争になるのであろうか・・・。

第5試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、産休の為に地下リング及びタレント活動を休止していた仲根霞。
流石はグラビアアイドル出身だけあり、ピンク色のビキニでリングすると、観客席に向かって頭を下げる霞。
その霞の対戦相手としてリングインするのは、活躍の場が少ないグラビアアイドルの仲村霞。黒いビキニ姿でリングインすると、仲根に一瞬視線を合わせてから観客席に向かって頭を下げた。
2人はコーナーに寄りかかると、黒服からオープンフィンガーグローブを装着されていく。だが仲根はオープンフィンガーグローブに戸惑いを隠せない。
「プ、プロレスルールじゃあないんですか・・・」
不安そうな仲根に対して、レフリーが返していく。
『今夜は初の霞対決だから、完全決着喧嘩マッチ、ファイトクラブルールだ・・・』
その言葉に理解できない仲根。
対して仲村は、ファイトクラブマッチはリスクが高いが、仲根相手の喧嘩マッチの為に、殴る蹴るなどプロレス技以外のものを練習を積んできていた・・・。
マウスピースを口に入れてゴングを待つ2人。観客席は霞対決に興奮気味で、大歓声に包まれていくリング上。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す仲村。仲根が構えるが、勢いあるジャンピングニーパッド気味の飛び膝が炸裂すると、早くも倒れ込む仲根。
マウントポジションを奪いたい仲村だったが、仲根も素早く足に抱きついて耐えていく。
その仲根の顔を狙ってパンチを叩き込んでいく仲村。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
殴られては必死に倒しにいく仲根。
しかし動きが止まったからとレフリーが試合を止めていく。
『ブレーク・・・』
ここでレフリーは2人を離していくと、試合再開を告げた。
『ファイト』
構えて距離を詰めていく2人。
仲根が戸惑いながらもパンチを放つと、仲村もパンチを返す。
バシッ・・バシッ・・
お互いの顔面にパンチが炸裂するが、まだ大きなダメージには至らない。
仲村が距離を置くと、素早く踏み込んではローキックを叩き込む。
バシィィィ・・・
脚を蹴られては嫌がる仲根。
バシィィィ・・・
更に仲村のローキックが叩き込まれていくと、仲根の動きが鈍くなっていく。
バシィィィ・・・
手を出すが蹴りを嫌がる仲根。
脚が内出血を起こして変色してくると、仲根は意地になってタックルを狙った。
その仲根のタックルをフロントスリーパー気味にキャッチする仲村。
押し潰すように仲根をマットに倒すと、首を極めていく。
更に身体を移動させてサイドポジションを奪うと、脇腹に膝蹴りを入れて動きを止めていく仲村。
小柄ながら良い動きに観客から声援を送られている。
更に膝蹴りが仲根のボディに叩き込まれると、仲根は嫌がるように四つん這いで逃げようとした。
しかし仲村が立ち上がって顔面にサッカーボールキックを叩き込むと、続けて髪を掴んで顔面へパンチのラッシュ。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
堪らず組み付く仲根だが、もう涙目になって苦しそう。
その仲根をコーナーに押し込んでいく仲村。
寄りかからせると、一気に大振りのフックを顔面に叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
顎にクリーンヒットすると、仲根の口から涎の飛沫と共にマウスピースが宙を舞った。
更にコーナーに寄りかからせてダウンしないようにしてから、仲村がサンドバックを殴るが如く顔から胸、お腹とパンチを入れていく。
反撃できない仲根に、仲村はコーナー串刺しの膝蹴りをボディに叩き込む。
ドシュ・・
「ふぐうっ・・・」
これには前のめりにダウンしていく仲根。
俯せになってお腹を両手で押さえる仲根は、口から胃液の様なものを垂れ流していると、仲村がバックマウントから脇腹などを殴っては痛めつけていく。
更にビキニに手を掛けると、一気に脱がせてトップレスにして、髪を掴んで上を向かせてから顔面にパンチを入れる仲村。
ここでレフリーが危険と判断して、試合終了のゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが乱打されて試合終了となると、仲村が立ち上がってレフリーに手を挙げられていく。
対してグッタリと俯せになっている仲根。胸を隠しながら立ち上がるが、ダメージからフラフラしている。
観客席からは仲根に対してブーイングが送られていく。
『おらおら〜、オッパイ見せろよ〜!』
『もっと粘ってみろよ、おいっ!』
初の霞対決が短い試合時間に観客の怒りがブーイングと言う形になっているのか、しかし仲村の勝利は間違いないので、仲村に対しては歓声が送られていくリング上。
霞対決は、また組まれるのか・・・そして仲村と仲根はリングを降りて試合は終わりを告げるのであった。




第6試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールにリングに向かって花道を進むのは、乙羽と次原佳奈。同じ事務所の先輩後輩関係で、同じく巨乳グラビア系アイドルで売り出す為に、佳奈は地下プロレスに出場させられたのであった。
緊張した表情でリングに上がる佳奈。乙羽がロープを拡げて招き入れると、青コーナーで手を取り合って観客にアピールする乙羽と佳奈。
ガウンを脱ぐと白ビキニに白リングシューズの2人に、観客席からは大歓声がおきていた。
その2人の対戦相手としてリングに姿を現したのは、久しぶりの地下プロレスのリングに上がる若月千夏。そしてお馬鹿キャラが定着してきている樹下優樹菜。千夏は黒ビキニに黒リングシューズ。優樹菜は白い胸元の大きく開いたワンピース水着に白いリングシューズ姿。
『青コーナー〜・・・身長158p、上から87、60、88・・・次原〜佳奈〜っ!・・・身長157p、上から89、59、85・・・乙羽〜っ!』
コールを受けて観客席に向かって頭を下げる2人。早くも巨乳タッグに対して大歓声が送られていくと、反対コーナーでは鋭い視線を向ける千夏と優樹菜。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から88、58、86・・・樹下〜優樹菜〜っ!・・・身長160p、上から82、58、84・・・若月〜千夏〜っ!』
コールを受けると赤コーナーとニュートラルコーナーのトップロープに登ってガッツポーズを決めていく2人。
すると、反対コーナーでは先輩の乙羽が佳奈をコーナーに戻すと、千夏も優樹菜をコーナーに戻してゴングを要請した。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出す千夏と乙羽。
距離を置いてから、一気にロックアップの態勢になる乙羽と千夏。
「この巨乳っ、調子に乗るんじゃねぇ〜よ!」
千夏が口撃していくが、乙羽は必死に力を入れていく。
すると、千夏が喧嘩キックからエルボースマッシュと早くもペースを握ろうとするが、乙羽も負けじとエルボースマッシュを返していく。
これには千夏が頬を押さえて痛そうな表情を浮かべると、乙羽が続けてエルボースマッシュから水平チョップと攻め込んでいく。
バシィィィィ・・・バシィィィィ・・・
水平チョップを喉元に叩き込まれて咳き込む千夏。意外な展開になってきたリング上。
乙羽も地下プロレスではベテランとも言えるキャリアを誇るから、ここは後輩と共に活躍しようと頑張っているのか、頑張りが見えている。
しかし、千夏が地獄突きを喉元に突き立てた。
グサッ・・・
「いやああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
これには乙羽が悲鳴をあげてロープに逃げると、千夏は髪を掴んでロープに顔面を押しつけていく。
「なに逃げてるんだよ、これからだろ、試合は!」
ロープに押しつけたまま、乙羽の顔面をトップロープに擦りつけて痛めつけていく千夏。
ギュギュ・・ギュ・・・
「あああああっ、か、顔が痛いぃぃぃ・・・いやああぁぁぁぁ・・・」
千夏の反則攻撃に観客席からはブーイングがおきるが、千夏は中指を立ててアピールすると、続けて乙羽の顔面を掻きむしってアピールした。
乙羽はマットに転がるようにして顔面を押さえて悲鳴をあげていると、千夏は余裕をもってコーナーの優樹菜にタッチした。
優樹菜は苦しむ乙羽を待つように仁王立ちしていると、四つん這いになった所へ顔面へ容赦ない喧嘩キックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・・
「痛いぃぃぃぃ・・・」
またも悲鳴をあげて倒れ込む乙羽。
グイッ・・・
「いやあっ・・・」
その乙羽の髪を鷲掴みにして無理矢理に起こしていく優樹菜。
すると、無防備なお腹へキチンシンク気味の膝蹴りを豪快に叩き込んだ。
ボシュ・・・
「ホゲェ・・・」
これには口をパクパクして苦しむ乙羽。
しかし優樹菜はまだ放さずにロープ際に連れて行くと、トップロープとセカンドロープに乙羽の両腕を絡ませて磔にしていく。
逃げられない乙羽の髪を掴むと、片手を握りしめてグーパンチを額に叩き込む優樹菜。
バキッ・・ゴキッ・・・
「痛いぃぃぃ・・・んああああぁぁぁ・・・」
またもリング上に響き渡る乙羽の叫び声。流石に顔面への素手でのグーパンチにレフリーが優樹菜を止めてから、乙羽をロープから解放していく。
フラつく乙羽は、体格差のある優樹菜にタックルを仕掛けるが、逆にフロントスリーパーで締め上げられて苦しい展開に。
更にDDTで脳天からマットに叩き付けられてグッタリする乙羽。
その様子に反対コーナーでは佳奈がタッチを求めて騒ぎ出した。
しかし優樹菜は佳奈を相手にもせず、コーナーの千夏にタッチしていく。
タッチして千夏が乙羽にストンピングの連発で痛めつけると、一気に両足を抱え込んでステップオーバーして逆エビ固めを仕掛けた。
グイッ・・・
「ああっ・・い、痛いぃぃ・・・ああああああっ・・・」
乙羽がマットを叩きながら悲鳴をあげるが、ロープに手が届かずに泣きそうな表情でロープに手を伸ばす。
必死に手を伸ばすと、ビキニから乳房が飛び出しそうになっているが構わずロープを目指す乙羽。
「しぶてぇ〜んだよ、ギブしろギブ!」
千夏が意地悪く揺さぶりかけると、更に乙羽の悲鳴が大きくなっていく。
しばらく揺さぶると、一気に技を解いてストンピングを腰に叩き込む千夏。
乙羽は必死にロープに逃げるが、優樹菜がセカンドロープにかかる乙羽の手を踏みつけていく。
「あああああああああっ・・・」
痛がる乙羽。レフリーがまたも優樹菜と千夏を止めていくと、今度は千夏がレフリーの気を引く間に、優樹菜は乙羽の首をセカンドロープに乗せるように俯せにしてから、後頭部を踏みつけていく。
「グエェェェェ・・・グエッ・・」
口をパクパクさせて苦しむ乙羽。
更に涎まで垂れ流して苦しむ乙羽に、会場内からは応援の声まで飛び出していく。
すると、千夏が苦しむ乙羽のヒップにストンピングを叩き込んでは、観客席に対してアピールしていくが、ブーイングの返り討ちに。
あまりの展開に反対コーナーから佳奈が飛び込むと、千夏を背後からドロップキックで急襲して、更に優樹菜にエルボースマッシュで向かっていく。
これには優樹菜がリング下に落ちていくと、続けて立ち上がる千夏に巨乳を揺らしながらのネックブリーカードロップを仕掛けた。
「くっ、生してんじゃね〜よ!」
フラつきながらも素早く立ち上がる千夏は、意地になって張り手で攻めていく。
佳奈も返すが、千夏が顔面掻きむしりをすると、佳奈の悲鳴がリング上に響き渡る。
すると、乙羽が千夏の背後からエルボースマッシュで攻め込むと、偶然にも千夏のビキニが外れそうに・・・。
「いやっ!」
これにはビキニを押さえてリング下に逃げる千夏。優樹菜もリング上に戻ろうとするが、試合の権利は千夏と乙羽。
佳奈は乙羽を自軍コーナーに連れ戻すと、ここでタッチしていく。
タッチすると、乙羽はコーナーにグッタリとしていくが、佳奈は場外の千夏を挑発していく。
「うるせ〜んだよ、この巨乳っ!」
リング下では千夏がビキニを直しながら佳奈に言い放つ。
すると、ロープ際で構える佳奈に対して、千夏はロープを潜ると股間にグーパンチを叩き込んだ。
ゴキッ・・
「ひぎっ・・・」
初めて味わう股間アッパーに動きが止まる佳奈。
そして千夏が髪を掴んでコーナーに連れて行くと、優樹菜が膝を出して待ちかまえる。
その膝に佳奈の顔面を叩き付けてからタッチすると、優樹菜は喧嘩キックをお腹に叩き込んでから、髪を掴んでロープに顔面を押しつけて痛めつけていく。
ギュギュ・・ギュ・・・
「んあああぁぁぁぁぁ・・・いやああぁぁぁぁぁ・・・」
ロープとの摩擦熱で絶叫する佳奈。
更にヘッドロックから額にパンチを入れていく優樹菜。痛がる佳奈をそのままコーナーに叩き付けては痛めつけていく。
コーナーでグッタリする佳奈に対して、優樹菜はトップロープを掴んではストンピングを叩き込む。
レフリーが優樹菜に対してロープ際だからと離れるように指示すると、優樹菜は不機嫌そうな表情で離れていく。
佳奈が顔を気にしながら立ち上がると、優樹菜が喧嘩キックでお腹を蹴りこむと、そのままリング下に落としては自ら場外戦に持ち込んだ。
リング下が苦しそうな佳奈に、優樹菜は顔面を蹴り上げた。
バシィィィィ・・・
これには佳奈が両手で顔面を押さえて両足をバタバタさせて藻掻き苦しむ。
グイッ・・
「立ちなっ・・・」
優樹菜は髪を掴んで起こしていくと、嫌がる佳奈の顔面をエプロンサイドに叩き付けてリング上に戻していった。
一方的な展開に、乙羽がフラつきながらも反対コーナーから助けに入るが、逆に優樹菜の喧嘩キックにお腹を押さえて座り込む結果に・・・。
「優樹菜っ、そろそろ仕上げにいくよ!」
すると、コーナーから千夏が叫ぶと、リング内に入っては乙羽にストンピングを叩き込んでから、無防備なお腹にフットスタンプを叩き込む。
ボシュ・・
「グホッ・・・コホッ・・コホッ・・」
今度はお腹を押さえてのたうち回る乙羽。
優樹菜は佳奈を起こしてから、バストに膝蹴りを突き刺すと、絶叫する佳奈を俯せ状態にしていく。
「ファンサービスするわよ!」
優樹菜が叫ぶと、佳奈のビキニに手を掛けていく。
「い、いやあぁぁぁぁ・・・み、水着はやめて・・・いやああぁぁ・・・」
佳奈は水着剥ぎの恐怖に絶叫するが、優樹菜が構わずビキニブラジャーを剥ぎ取ると、佳奈は俯せだからと必死に胸を隠そうとする。
その剥ぎ取ったビキニを高々と観客にアピールする優樹菜。
「あの技、いくよ!」
千夏が優樹菜に合図すると、優樹菜は俯せ状態の佳奈にロメロスペシャルを仕掛けていく。
「グラビアアイドルには晒しが一番よねぇ〜・・・いくよ!」
「いやあぁぁぁ・・ホントにやめてぇぇぇぇ・・・」
佳奈が叫ぶが、優樹菜はトップレス状態の佳奈に反動を使って持ち上げようとする。
優樹菜も慣れないプロレス技に持ち上げられない。
その間にも、千夏は乙羽のビキニを剥ぎ取った。
「いやあぁぁぁぁ・・・」
乙羽も胸を隠そうとすると、千夏は容赦なくキャメルクラッチの態勢に持ち込む。
そして優樹菜が佳奈を高々とトップレスロメロスペシャルで持ち上げて、千夏はトップレスキャメルクラッチで乙羽を晒し者に・・・。
持ち上げられて自慢のバストを揺らされて羞恥心を攻められて泣き出す佳奈。
乙羽はビキニ剥ぎ経験はあるが、結婚・出産も経験して大勢の観客に晒されて恥ずかしさから抵抗するが、千夏に押さえられて逃れる事ができない・・・。
「ぎ、ギブです・・・ギブアップ・・・ギブアップ・・・もう止めて〜」
恥ずかしさから佳奈が大声でギブアップすると、ここでレフリーが試合を止めた。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが鳴らされると、優樹菜が佳奈を解放していく。
そして千夏も乙羽を放すと、乙羽は必死に胸を隠してリング下に転がるように逃げた。
佳奈はリング上で胸を隠すが、優樹菜が無理矢理に起こしては羽交い締めにして観客に佳奈のバストを晒していく。
千夏は佳奈のバストへ水平チョップを叩き込んだりして痛めつけていく。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが更に乱打されるが、優樹菜と千夏の佳奈へ対しての攻めは終わらない。
乙羽は必死に上半身を隠す着る物を探すが見あたらないと、黒服がリング上に上がって優樹菜と千夏を止めていく。
解放された佳奈は、両手で胸を隠してはリング下に逃れるが、恥ずかしさから泣き出していた。
『勝者、樹下優樹菜、若月千夏組っ!』
そのコールに優樹菜と千夏はそれぞれコーナー上に登ると、ガッツポーズで絶叫した。
「お馬鹿お馬鹿って言われても、ここじゃあ強ければ上なんだよ!」
「これからも表の番組でバカにするグラビアアイドル達を辱めてやるから、カード組んでよね!」
そうそれぞれが叫ぶと、リングを後にするのであった。




第7試合

『選手入場っ・・・』
リングに姿を現したのは、飯嶋直子。黒いワンピース水着に黒いリングシューズ姿で、今夜もリング上で暴れる事が期待されてのリングイン。
その直子の対戦相手に注目が集まる中、リングに上がったのはグラビアアイドルの熊多曜子。黒いビキニに黒いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に頭を下げてコーナーに進んでいく。
今夜はリング上で曜子の公開リンチかと観客席からは期待する声も出る中、早くもリングアナがコールを始めていった。
『青コーナー〜・・・身長164p、上から92、56、88・・・熊多〜曜子〜っ!』
リングアナにコールされる曜子。観客席からは直子の生け贄にされる曜子を期待する声も・・・。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から86、60、85・・・飯嶋〜直子〜っ!』
そしてコールされた直子は、トップロープを手にゴングを待つ。
26歳の曜子と、39歳の直子の対決が始まろうとしていた・・・。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、緊張しながら距離を置く曜子。対して直子はコーナーからゆっくりと曜子に歩み寄る。
少しずつ距離が詰まっていくと、曜子はビキニを気にしながら手を伸ばして力比べを挑んでいくが、直子はそれに応じない。
動きのない直子に対して、曜子は素早くロープに走っていくと、ラリアットを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
首にヒットするが、直子は倒れずに立っている。逆に曜子に喧嘩キックを叩き込むと、髪を鷲掴みにしてリング下に落としていく。
リング下に転落した曜子に対して、直子はリング下に降りてストンピングを叩き込むと、髪を掴んで起こしては鉄柵に振って叩き付けていった。
ガッシャーン!
「きゃああぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげてダウンする曜子。
鉄柵に寄りかかるように立ち上がろうとする曜子だが、直子が無理矢理に起こしてはエプロンサイドに顔面を叩き付けて痛めつけていった。
バンッ・・バンッ・・・
顔面を叩き付けられてフラフラになる曜子。曜子も意地になって踏ん張ると、直子に張り手を叩き込む。
バッシーン!
曜子の張り手に一瞬動きの止まる直子だったが、ニヤリと笑みを浮かべると曜子の顔面にグーパンチを叩き込んだ。
バキィィィ・・
これには曜子の動きが止まると、直子はビキニショーツと腕を掴んでリング上に上げていく。
転がされるようにリング上に戻された曜子。直子もリングに上がると、曜子の顔面を踏みつけては観客にアピールした。
グイッ・・グイグイ・・
「あうっ・・・うううっ・・・」
苦しむ曜子に容赦なく顔面を踏みつけては痛めつけていく直子。
曜子の足がロープに伸びると、レフリーは直子を離していく。
直子を睨み付けながらも立ち上がる曜子。
距離を置くと、曜子は果敢にエルボースマッシュで攻め込むと、続けてロープ際に押し込んでエルボーで攻めていく。
しかし直子が膝蹴りをボディに叩き込むと、一発で曜子の動きが止まった。
苦悶の表情を浮かべる曜子の髪を鷲掴みにすると、直子がトップロープに顔面を押しつけていく。
ギュ・・ギュ・・・
「いやああぁぁぁぁぁ・・・」
曜子の悲鳴がリング上に響き渡る中、直子は更に擦りつけて痛めつけていく。
直子が放すと、曜子は顔面を押さえながらリング下に転がるようにエスケープしていくが、直子が追いかけてリング下に降りた。
グイッ・・・
髪を掴む直子に、曜子はお腹にパンチを返しては抵抗していくが、直子はヘッドロックで締め上げた。
場外で曜子を連れ回す直子。
更に近くの鉄柱に曜子を叩き付けると、鉄柱に抱きつくようにしてダウンする曜子をストンピングで蹴りまくっていく。
ドスッ・・バシッ・・ドスッ・・
更に近くのパイプ椅子を持ち出す直子だが、これには曜子も驚いて逃げていく。
ガッシャーン・・・
パイプ椅子を投げつける直子だが、少し攻め疲れたか呼吸が乱れだしていた。
曜子は転がるようにリングに戻ると、直子はエプロンサイドに手をついて呼吸を整える。
そしてリングに戻ろうとすると、曜子がドロップキックで場外に叩き落とした。
これには転落して痛がる直子。
リング上では曜子がビキニを直しながら直子の動きを見つめると、直子はゆっくりとリングに上がっていく。
レフリーが直子がリングに戻るまで、曜子を近づけないように距離を置かせる。
向き合うと、直子はグーパンチで攻め出すと、曜子は嫌がるようにガードしていくが、堪らずタックルを仕掛けた。
これには直子がテイクダウンを奪われると、曜子が素早くサイドポジションを奪って押さえ込む。
返そうとする直子だが、押さえ込まれているだけでもスタミナを消耗していて苦しい展開になっていく。
曜子は腕をキャッチしようとするが、直子が許さない。しかしスタミナは確実に消耗していく展開。
片足を押さえてフォールの体勢に持ち込むと、レフリーがカウントを数えた。
『ワン・・・ツー・・・』
これには直子が返すが、疲労の色が顔に出ていた。
曜子は続けて腕を狙うが、これには直子がロープに足を伸ばして逃れた。
『ブレークっ・・・』
レフリーの指示に曜子が放すと、直子はゆっくりと立ち上がった。
その直子に強烈な張り手を叩き込む曜子。
バッシーン!
一瞬フラつく直子。これには観客席から拍手がおきると、直子は意地になってグーパンチで曜子を殴りつけた。
バキッ・・
殴りつけられてフラつく曜子だが、踏ん張るとお返しとばかりにグーパンチで殴り返した。
バキッ・・
殴られては返す直子。
バキッ・・
お互いが殴り合うと、口の中を切って血飛沫も舞う展開になっていくと、観客席が盛り上がっていく。
疲れの見える直子がヘッドロックに無理矢理もっていくと、曜子は身体を密着させた。
一気にバックドロップで直子をマットに叩き付けると、ゆっくりとフォールした。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・』
しかし直子も簡単にはスリーカウントは奪わせなかった。
粘る直子に、曜子はそのままグラウンド状態からのチョークスリーパーで締め上げていく。
グイッ・・・
流石の直子も頸動脈を締め上げられては苦しい展開に。しかしロープに足が伸びてレフリーが止めていく。
『ブレークっ・・・』
レフリーの指示で技を解くと、お互いが立ち上がっていく。
距離を詰めていくと、お互いが動きを警戒する中、突然に直子が口の中で貯めた血を曜子の顔面に毒霧のように吹きかけた。
ブゥゥゥゥゥゥゥ・・・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・」
これには驚く曜子だが、直子は踏み込んで喧嘩キックでお腹を蹴りこむと、続けて左右のパンチを顔面に叩き込む。
フラフラする曜子に、直子は顔面パンチを続けて叩き込むが、素手での顔面パンチにレフリーが反則を注意し始めた。
レフリーに詰め寄る直子。その直子に背後から組み付いて、曜子がバックドロップでマットに叩き付けた。
バシィィィィ・・・
これには直子が大の字になって呆然としていると、曜子は馬乗りになって直子の顔面にパンチを叩き込んでいった。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・
「顔ばっか殴るんじゃね〜よ!」
曜子が叫びながら殴りつけると、レフリーは曜子の手を掴んで止めていく。
レフリーが止めて起こしていくと、直子はスタミナ切れを起こしているのか動きが鈍い。
その様子に曜子が飛び込んでフライングラリアットを叩き込むと、倒れた直子に対してフォールを狙う。
しかし次の瞬間、曜子の悲鳴がリングに響き渡った。
「痛いぃぃぃぃ・・・」
そう、フォールの体勢になった曜子のバストを噛み付いた直子。
ビキニを押さえながら転がるようにして逃れる曜子に、直子はゆっくりと立ち上がった。
レフリーが噛み付きに対して注意するが、直子は気に止めない。
曜子をリング下に蹴り落とすと、自らもリング下に降りていく。
立ち上がる曜子に喧嘩キックを叩き込むが、苦悶の表情を浮かべる曜子も喧嘩キックで対抗した。
一瞬動きの止まる直子に、曜子がグーパンチを叩き込むと直子がダウンしていく。
顔を押さえて痛がる直子に対して、曜子はストンピングで全身を蹴りまくった。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
そして直子をリング上に戻していく曜子。
リング上で直子を起こすが、いきなり直子が曜子の股間へパンチを叩き込んだ。
ゴキッ・・
「ふぎっ・・」
これには股間を押さえて座り込む曜子。
殴りつけた直子だったが、疲れた表情を浮かべて呼吸を整える。そして曜子の鼻に指を掛けて起こしていく。
「フガ・・フガ・・・」
鼻の穴に指を掛けられて苦しそうな曜子。
曜子を起こすとヒップに膝蹴りを入れて痛めつけていく直子だが、曜子はフラつきながらロープに飛ばされたが、逆にエルボースマッシュで反撃していく。
エルボーを受けてフラつく直子に、曜子は踏み込んでハイキックを放った。
バシィィィィィ・・・・
直子の頬に完全に決まった曜子のハイキック。
これには直子はゆっくりとマットに沈んでいった・・・。
グッタリする直子に、曜子はフラつきながらも足を掴んでいく。そして足四の字固めを炸裂させた。
グイッ・・
「くうっ・・・ああっ・・・」
流石の直子も両足から全身に走る激痛に悲鳴を上げだした。
「ギブっ・・ギブアップ?」
曜子はギブアップ狙いで締め上げていくと、直子に対して激しく問いかける。
「ノォォォォ・・・誰がこんな技で・・・ぐわぁ・・・ううっ・・・」
直子はマットを叩いて耐えるが、ギブアップ寸前と言う感じに見えた。
直子が耐えると、曜子は技を解いてから立ち上がった。
足を痛めつけられて立ち上がれない直子。
「立てよ〜!」
曜子が声を荒げて起こしていくと、フラつく直子にローキックで倒していく。
抵抗の少なくなった直子を起こすと、一気にバックドロップで叩き付けていく曜子。
グロッキー状態で大の字になる直子に対して、曜子はまたも足四の字固めを仕掛けた。
グイッ・・・
完全に極まった瞬間、遂に直子の心が折れた・・・。
「・・・ぎっ・・ギブアップ・・・」
直子の口からギブアップの言葉が・・・。レフリーも再度確認する。
『ギブアップ?』
レフリーの問いに、直子は構わずギブアップと叫ぶ。
「ギブっ、ギブアップ!」
その瞬間、ゴングが要請された・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、曜子は技を解いてフラつきながらも立ち上がった。
一方、足を押さえて立ち上がれない直子。
『勝者、熊多曜子っ!』
曜子の勝利がコールされると、曜子は口から垂れる血を拭うと、直子を振り向かずにリングを後にするのであった。
遂に陰りが見えてきたか直子。果たして年末の参戦はあり得るのか・・・。




第8試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、無冠の女王の藤原紀華。白いスポーツビキニにリングシューズ姿で登場すると、結婚したと言うのに露出は相変わらずで、胸の谷間を強調したコスチュームに観客席を盛り上げていた。
その紀華の対戦相手としてリングに上がるのは、同じくベルト獲得も視野に入れたいと思っている村神恵梨。黒いスポーツビキニに黒いリングシューズと対照的なリングコスチュームでの登場。
ヘビー級タイトルに挑戦する為のカードかと思われる試合だが、恵梨としては紀華を倒せばベルト挑戦も夢ではないと燃えていた。
『青コーナー〜・・・身長169p、上から87、59、85・・・村神〜恵梨〜っ!』
そしてコールされると堂々と片手を挙げて意気込みをアピールする恵梨。
『赤コーナー〜・・・身長171p、上から88、60、89・・・藤原〜紀華〜っ!』
そしてコールを受けて片手を挙げて恵梨にアピールする紀華。
お互いが水着のチェックを終えると、ここでレフリーがゴングを要請した。
『カァーン!』
ゴングと同時に距離を詰めていく紀華と恵梨。
まずは紀華が軽くローキックを放つ展開から始まると、恵梨もパンチを放つ。
ボクシングマッチの経験もある恵梨は、格闘技番組で色々な格闘技に慣れている紀華に対して、臆することなくパンチを放った。
ガードする紀華だが、素手パンチに対してレフリーにアピールする。
「レフリー、素手は反則でしょ、反則っ!」
紀華のアピールにレフリーが恵梨のグーパンチをチェックすると、恵梨は距離を置いていく。
距離を置くと、恵梨はローキックからミドルキックと打撃で勝負していくと、紀華もミドルキックを返した。
バシィィィ・・・バシィィィ・・・
お互いのボディを抉る蹴り。その衝撃を我慢しながらもローキックなど蹴りを放つ紀華と恵梨。
試合開始から激しい試合展開のリング上。
距離を置いて構える紀華と恵梨だが、早くも脚が内出血を起こしだしていた。
恵梨はタックルを狙うが紀華がフロントスリーパーに捉えると、恵梨がそのままロープ際に押し出していく。
『ブレーク・・・』
レフリーがロープだからと紀華に放すように指示すると、紀華は技を解いた。
技が解かれると、続けて紀華が首相撲の体勢に持ち込んでから、恵梨のボディに膝蹴りを叩き込んでいく。
ドシュ・・ドシュ・・ボシュ・・
これには恵梨が苦悶の表情で耐えるが、紀華が膝を入れると恵梨が堪らずマットに崩れ落ちた。
紀華は観客にアピールするように片手を挙げていく中、恵梨は転がるようにリング下にエスケープする。
蹴られた部分を押さえては苦しそうにする恵梨。
観客席からは恵梨に対する声援と罵声が飛ぶ中、恵梨がリングも戻っていく。
恵梨のダメージに紀華も余裕を感じたのか、軽く掌打を左右に打ち込むと、トップロープを掴んで耐える恵梨。
しかしレフリーが恵梨がリングインするまで紀華を離していく。
リング上で向かい合う紀華と恵梨。
紀華が冷静にローキックから放つと、恵梨は足を浮かせてダメージを逃がそうとする。
すると、いきなり恵梨が回転して裏拳を放った。
バキィィィィ・・・
完全に紀華の顎を打ち抜いた恵梨の裏拳。逆転を狙った一撃に紀華の身体がマットに沈む。
虚ろな目でダウンした紀華に対して、恵梨が素早く胴締めスリーパーを仕掛けた。
グイッ・・
締め付けられる紀華の身体。スポーツビキニのブラからは乳房が飛び出しそうになる中、虚ろな目で耐える紀華。
チョークスリーパーで締め上げる恵梨の前に、口から涎を垂れ流していく。
レフリーが紀華にギブアップの確認をするが、紀華の反応がない。
『藤原っ、ギブアップ・・・ギブアップ?』
恵梨は更に締め上げていくと、レフリーが危険と判断してゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、ここで恵梨の勝利が確定した。
『勝者、村神恵梨・・・』
技を解いて立ち上がる恵梨。
そして技を解かれると失神状態でマットに倒れている紀華。意外な決着に観客席からは拍手とため息の出る試合結果に。
遂に大物の紀華を仕留めたのは恵梨にとっては大きな成果の一つになった・・・。




第9試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、あのコリン星からやってきたアイドルの小椋優子(小椋に変更)。
ロリキャラを引き立てるようにとスクール水着姿の優子。
その優子の対戦相手としてリングインするのは、同じくスクール水着姿での市河由衣であった。
巨乳グラビアアイドルとしても有名だった由衣は、スクール水着と言えども胸の谷間が見えるようなスクール水着姿に、観客席が盛り上がっていく。
『コリン星爆破・・・及びグラビアアイドルタイトルマッチ・・・』
コリン星の言葉に戸惑いを隠せない優子。
『青コーナー〜・・・挑戦者・・・身長162p、上から83、56、83・・・小椋〜優子〜っ!』
コールを受ける優子。しかし久しぶりの地下リング。それとコリン星爆破と言う言葉に動揺している。
『赤コーナー〜・・・チャンピオン・・・身長158p、上から83、55、80・・・市河〜由衣〜っ!』
そして由衣はコールを受けると、片手を挙げてアピールしていく。
『カァーン!』
早くもゴングが鳴ると、いきなり由衣が走り込んで勢いのあるドロップキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
「きゃあああぁぁぁ・・・」
ドロップキックに悲鳴をあげて倒れ込む優子。
グイッ・・
続けて由衣が髪を鷲掴みにして起こしていくと、そのままロープに振って戻ってきた所へヒップアタックを放つ。
バシィィィ・・・
倒れ込む優子の顔面を踏みつけていく由衣。
グリグリ・・・
「い、いやあっ・・い、痛いぃぃぃ・・」
またも悲鳴をあげる優子。
レフリーも反則とばかりに由衣に注意していくと、由衣は離れては観客を煽っていく。
顔を押さえながら立ち上がる優子に、由衣は容赦なくミドルキック、更にはハイキックでダウンを奪った。
俯せ状態で倒れ込む優子。
「いくよぉぉぉぉぉ・・・・」
由衣が叫ぶと、腰に座り込んでキャメルクラッチで優子を痛めつけていく。
グイッ・・
「い、痛いぃぃ・・・い、痛いぃ・・・」
両足をバタバタさせて痛がる優子。
更に由衣は鼻に指を掛けては鼻フックで痛めつけていく。
「ふがぁぁぁぁ・・・痛いぃぃぃぃぃぃ・・・」
涙目で耐える優子。
由衣が技を解くと、優子は鼻を押さえては痛がっている。
グイッ・・
「立ちなさい!」
由衣が苛立ちながら優子を起こしていくと、優子も涙目ながらも張り手で反撃を試みる。
バシッ・・・
張り手を受ける由衣だが、仁王立ちとも言える体勢で張り手を受けていく。
バシッ・・・
張り手を受けていく由衣だが、いきなりボディスラムでマットに優子を叩き付けると、続けて起こしてボディスラムでマットに叩き付けた。
更に起こしていくと、大技ブレンバスターで優子をマットに豪快に叩き付けると、ゆっくりとフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・・』
しかしは由衣がカウントが入る前に優子の肩を浮かせた。
呆れ顔を浮かべる由衣は、そのまま起こすと卍固めを仕掛けていく。
グイッ・・グイッ・・
卍固めが極まると、優子の全身に激痛が走り悲鳴が響き渡る。
「痛いぃぃぃぃぃ・・・・」
「ギブアップする?・・・ギブすればコリン星爆破だからね!」
その言葉にギブアップも出来ずに耐える優子。
「痛いっ・・・痛いぃぃぃぃぃぃ・・・・」
遂に優子が泣き出すと、レフリーも困った表情を浮かべるが、ギブアップの言葉がでないから続けられる試合。
由衣が技を解くと四つん這い状態で泣き出す優子だが、由衣は構わずパイルドライバーの体勢に持ち込んだ。
「やめて、やめてぇぇぇぇぇ・・・」
泣きながら叫ぶ優子。
しかし由衣はゆっくりとマットに脳天から叩き落とす。
ドシュ・・
「いやああぁぁぁぁぁ・・・・」
大の字になってグッタリする優子。
「お腹に力入れときな!」
由衣は近くのトップロープに登ると、一気にフットスタンプを優子のお腹に落とした。
ボシュ・・
軽量の由衣とは言え、勢いあるフットスタンプに内蔵を圧迫された優子は、口の中を逆流する内容物を耐えるのに必死になる。
由衣が離れると、お腹を押さえて転がるようにロープから顔を出して吐き出した。
「オッ、オッエェェェェ・・・」
サードロープから顔を上半身を出して吐き出した優子。
その優子の足首を掴んでリングも戻していく由衣。
俯せの優子にキャメルクラッチの体勢に持ち込むと、脇を膝で固定して水着に手を掛ける由衣。
観客席も優子の水着剥ぎを期待して歓声がおきていく。
『脱がせっ、脱がせっ、脱がせっ・・・』
「やめて、水着だけは・・・お願いぃぃぃ・・・いやああぁぁぁぁ・・・」
「ファンサービスよ、こんな試合になったんだから・・・覚悟しなさいよね、地下プロレスなんだから!」
由衣は一気に両手でスクール水着の肩口を掴んでトップレスにしていくと、優子は暴れるように両手で胸を隠した。
「ほらほらっ、しぶといんだよ!」
更に由衣が鼻に指を掛けて鼻フックキャメルクラッチを仕掛けると、優子は胸だけはと隠している。
お腹の辺りまで降ろされたスクール水着姿で藻掻く優子。
更に鼻フックからキャメルクラッチに移行して、上半身を反り返していく由衣。
優子は胸を隠すが、激痛に大泣き状態に・・・。
技を解いてから、必死に胸を隠す優子にサイドポジションから膝蹴りを叩き込む由衣。
細い優子の脇腹を抉る膝蹴りは大きなダメージを与えていく。
俯せ状態で泣き続ける優子に、由衣は立ち上がると後頭部を踏みつけたりと痛めつけていく。
「ギブアップする?」
由衣が意地悪く問いかけるが、優子はギブアップする筈もなく、ただ泣き続けている。
更に由衣は優子のスクール水着に手を掛けて、全裸にしようと脱がし始めた。
「やだあぁぁ・・・やあぁぁぁぁぁぁ・・・」
泣きながら必死に脱がされないように抵抗するが、由衣が無理矢理にスクール水着を脱がしていった。
両足を閉じて観客から大事な所を見られないように必死になる優子。
由衣は脱がしたスクール水着を高々と挙げてアピールすると、観客席からは更なる残酷な注文が飛ぶ。
『市河っ、逆エビいけ逆エビ!』
観客席からの声に由衣が逆エビを狙おうとするが、優子は必死に這うようにしてロープに逃げる。
ロープを掴んで泣き叫ぶ優子。
あまりの状態にレフリーが戦意喪失にしてゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音に由衣が不満そうにレフリーに詰め寄る。
『ただ今の試合、小椋優子の戦意喪失と判断してTKOで市河由衣のタイトル防衛とします!』
決着が着いても納得のいかない由衣は、胸を隠す優子にストンピングを叩き込んでからリングを後にした。
一方、大泣きの優子に対して黒服達がタオルをかけてリングを降ろしていくのであった・・・。


第10試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、再現ドラマの女王として有名な片丘明日香。
活躍の場を求めての地下プロレス参戦だったが、今夜は噛ませ犬的なマッチメークが組まれていた。
そう、対戦相手は大池栄子。体格的にも不利であり、まして今夜がデビュー戦の明日香には可哀想なマッチメークが組まれた。
『青コーナー〜・・・身長155p、上から79、59、81・・・片丘〜明日香〜っ!』
白いワンピース水着に白いリングシューズ姿の明日香は、堂々とコーナーから観客席に向かって頭を下げた。
『赤コーナー〜・・・身長166p、上から91、59、87・・・大池〜栄子〜っ!』
黒いビキニに黒いリングシューズ姿の栄子はコールを受けると、コーナーから飛び出して片手を突き上げて観客にアピールしていく。
そして栄子が叫ぶ。
「今夜は秒殺、秒殺ねっ!」
その栄子のアピールに観客席が盛り上がると、ゴングが要請された。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから走り出した栄子。反対コーナーの明日香に何か仕掛けようとする。
しかし明日香が倒れ込むようにして足を絡ませると、蟹挟みで栄子を倒した。
これには観客席から拍手がおきると、明日香は足を狙うが栄子がロープに手を伸ばして逃れた。
お互いが立ち上がると、今度は栄子の強烈なラリアットが明日香を狙うが、これも脇固めで切り返す明日香。
これには栄子は苛立っていく。
レフリーもギブアップの確認はするが、簡単に栄子ギブアップなどするはずもなく、体重差からロープに逃れた。
お互いが立ち上がると、栄子が強烈な張り手を叩き込む。
バッシーン!
張り手を受けてフラつく明日香だが、果敢にも栄子に張り手を返した。
バッシーン!
張り手を受けてニヤリと笑みを浮かべる栄子。
すると、明日香をロープに振って戻った所へラリアットを叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・
豪快にマットに叩き付けられる明日香。
「レフリーぃぃぃぃ、フォール!」
早くも栄子が明日香の顔を踏みつけてフォールを宣言するが、明日香が返した。
返された栄子は明日香を起こしてから、豪快なボディスラムでマットに叩き付けていく。
バッシーン!
更に倒れ込む様にエルボードロップを喉元に落としてフォールした。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし明日香はブリッジ気味に返すと、栄子はお腹にパンチを入れてブリッジを潰していく。
髪を掴んで起こしていく栄子に、明日香はタックルの様に組み付いてロープに押し出した。
ロープを背にする栄子に、明日香が小刻みに膝蹴りを入れると、栄子はフロントネックロックで明日香を締め上げた。
苦しい明日香が藻掻き苦しむ様に栄子のボディにパンチを入れると、ロープ際だからとレフリーが離した。
『ブレークっ・・・』
距離を置く2人だが、明日香が走り込んでフライングラリアットで攻め込む。
倒れないからとコブラツイストを仕掛けるが、体格差から栄子に投げられて崩れてしまう。
今度は栄子がサッカーボールキックで明日香を痛めつけると、明日香は堪らずリング下に逃れた。
リング下に逃げた明日香を追いかけてリング下に降りていく栄子。
エルボースマッシュで攻め込む明日香だが、栄子の喧嘩キックをお腹に受けて動きが止まった。
軽量の明日香を鉄柵に振って叩き付けていく栄子。
ガッシャーン!
音を立てて鉄柵に叩き付けられた明日香は、初めて味わう鉄柵の衝撃にダウンしていた。
グイッ・・
その明日香の髪を鷲掴みにしてリング上に戻していく栄子。
リングに戻すと、ローキックやミドルキックと言う打撃技で明日香をサンドバック状態にしていく栄子。
バシッ・・バシッ・・・
「あうっ・・・ああっ・・」
蹴られては悲鳴をあげる明日香。
お腹にミドルキックで炸裂すると、明日香がお腹を押さえてフラフラする。
そこへハイキックでダウンを奪う栄子。
俯せになる明日香の足を掴んでリング中央に連れ出すと、一気にキャメルクラッチで上半身を反らせて痛めつけていく。
グイッ・・・
「おらおらっ、ギブアップしろよ!」
栄子が苛立つようにギブアップを促すが、明日香は耐えていく。
ギブアップしないからと、栄子は技を解いて起こしていくと、大技ブレンバスターでマットに明日香を叩き付けた。
バッシーン!
背中を痛打してヒクヒクする明日香。
その明日香の顔を踏みつけて痛めつけていく栄子。
『ブゥゥゥゥゥゥ・・・ブゥゥゥゥゥゥゥ・・・・』
栄子の顔面踏みつけ攻撃に観客席からはブーイングが聞こえだした。
苛つき出す栄子は踏みつけを止めて明日香を起こすと、コーナーに追い込んでいく。
コーナーに追い詰めると、拳を握りしめてボディを殴りつけていく栄子。
ドシュ・・ドシュ・・
「ぐふっ・・ぐうっ・・あうっ・・」
細い身体を殴りつけられて苦しい明日香。顔へのパンチではないのでレフリーも止めない。
容赦ない栄子のパンチに口から涎を垂れ流して苦しむ明日香。
「決めるぞぉぉぉぉぉ・・・」
栄子は観客に向かってアピールすると、コーナーからリング中央に明日香を連れ出した。
すると、明日香が栄子の手を払うと、素早く回転しながら裏拳を放った。
バシィィィィ・・・
栄子の顎を打ち抜く明日香の裏拳。体格差を関係なしにしても効いた様子で、栄子の足元がフラフラしている。
そこへ明日香が必死な表情で逆さ押さえ込みを仕掛けた。
『ワン・・・ツー・・・スりぃぃぃぃ・・・』
まさかの逆転劇に観客席からは大歓声がおきていく。
勝った明日香も信じられないと言う表情を浮かべる中、栄子は呆然としてマットを叩く。
『勝者、片丘明日香っ!』
レフリーに手を挙げられる明日香だが、デビュー戦を意外な逆転勝利で終わらせる事ができて嬉しそうな表情を浮かべている。
一方、噛ませ犬に負けた感のある栄子は、かつての持多真樹戦同様に悔しさを隠せない表情でリングを後にした。



第11試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、表の芸能活動が止まっている沖菜恵。
白いスポーツビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、早くも観客席に向かって手を挙げてアピールしている。流石は地下プロレス初期からの参加メンバーだけあり、余裕すら感じられるリングイン。
その恵みの対戦相手としてリングインしてきたのは、澤尻エリカ。黒いワンピース水着に黒いリングシューズ姿で、不機嫌そうな表情でのリングイン。
対戦相手の恵と視線を合わせると、近づいて一言言い放つ。
「落ち目さんと試合?・・・もっと人気ある人と試合組んでよね・・・」
そのエリカの言葉に落ち着きながら睨み付ける恵。
レフリーが2人を離していくと、ここでリングアナがコールを始めた。
『青コーナー〜・・・身長156p、上から84、59、85・・・沖菜〜恵〜っ!』
コールに一礼していく恵。
『赤コーナー〜・・・身長161p、上から83、58、85・・・澤尻〜エリカ〜っ!』
コールを受けると、不機嫌そうに片手を挙げてアピールするエリカ。
『カァーン!』
ゴングが鳴らされると、まずは睨み合う2人。
次第に距離が詰まると、恵がいきなり張り手を叩き込む。
バッシーン!
張り手を受けるが、黙ったまま恵を睨み付けるエリカ。
バッシーン!
更に恵の張り手が炸裂すると、エリカは仁王立ちで耐えていく。
バッシーン!
3連発の張り手を受けると、エリカは口の中を切ったのか唇から赤いものが確認できる。
すると、4発目の張り手をキャッチするエリカ。
驚く恵のお腹に膝蹴りを叩き込むと、苦悶の表情の恵の髪を鷲掴みにしてコーナーに連れて行くと、コーナーポストに額を叩き付けた。
更に顔面をトップロープに押しつけて擦りつけていくエリカ。
ギュギュ・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげて痛がる恵。
痛がる恵をリング下に落としていくと、今度は近くのパイプ椅子を手に、座面を使って恵の脳天に一撃叩き込んだ。
ガッシャーン!
これには膝をついてリング下でダウンする恵。
続けて全身をパイプ椅子で滅多打ちにすると、恵の白い肌が内出血を起こし始めている。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「ああっ・・んあっ・・」
手を伸ばしてリングに戻ろうとする恵だが、エリカのパイプ椅子攻撃にダメージを増やしていく。
意地になってエルボースマッシュで抵抗するも、エリカのカウンターパンチで場外に倒れ込むと、エリカはゆっくりとリング上に戻っていった。
エリカがリング上に戻るとブーイングに包まれるリング上。
しかしエリカは表情を変える事なくコーナーに進むと、コーナーポストのカバーを外して金具を剥き出しにしていく。
一方、リング下の恵はフラつきながらも呼吸を整えると、リング下からエリカの動きを見つめている。
そして恵がゆっくりとリングに戻ると、エリカも距離を置いて恵の動きを見つめた。
「このうっ!」
いきなり恵が踏み込んで殴りかかると、エリカは余裕とも言えるボクシングスタイルでジャブ数発を顔面に叩き込んだ。
顔を殴られて動きが鈍くなる恵に、エリカは続けてスポーツビキニだからと生腹へ左右のボディブローを叩き込んでいく。
ドシュ・・ボシュ・・
「うっ・・ううっ・・」
これには恵の動きが止まると、エリカは得意気にジャブを顎に叩き込んでいく。
バシッ・・バシッ・・
エリカの打撃技に驚きが隠せない恵だが、堪らずタックル気味でテイクダウンを奪おうとするが、エリカのフロントスリーパーに捕まってしまう。
グイッ・・
更にその体勢のままDDTで脳天から叩き付けられて苦しい恵。
グッタリしている恵に対して、エリカはコーナーから何かを手にして恵に迫る。
そう、タッチロープを首に巻き付けては締め上げた。
グイッ・・
「グエッ・・・」
舌を出して苦しむ恵。
流石にレフリーもエリカの反則にカウントを数えるが、反則負けにならないように計算して放していく。
更にロープ際に連れて行くと、またも恵の顔面をトップロープに押しつけて擦りつけるエリカ。
ギュギュ・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・」
またも悲鳴をあげる恵。
エリカは関係ないとばかりに擦りつけると、膝蹴りをヒップに叩き込んでリング下に落としていった。
リング下で腰を押さえて痛がる恵。
エリカがリング下に降りると、恵は至近距離からドロップキックを放った。
バシィィィ・・・
これにはエリカがダウンすると、恵は立ち上がってから全身を使ってストンピングを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・
恵の反撃に痛めつけられるエリカ。髪を掴んで起こしていく恵。
そのまま近くの鉄柵に振ろうとするが、逆にエリカに振られて鉄柵に激突する恵。
ガッシャーン!
グッタリしていると、両足を開いているからとエリカが股間へトゥーキックを叩き込む。
グシャ・・
「ひぎいぃぃぃぃぃ・・」
恥骨直撃の様な強烈な蹴りに、思わず絶叫する恵。
「立つんだよ、先輩っ!」
その股間へのダメージが苦しい恵を起こしていくエリカ。
フラフラしている恵を、近くの鉄柱に容赦なく顔面から叩き付けるエリカ。
ゴッキーン!
「んああぁぁぁぁ・・・」
堪らず鉄柱に抱きつくようにグッタリする恵。
しかしエリカは許さずに、髪を掴んでは鉄柱に額を叩き付けた。
ゴッキーン!
エリカの鉄柱攻撃に額が割れた恵。
額を割られて苦しい恵だが、エリカが力を抜いた隙に逃れると、喧嘩キックからパンチと反撃していく。
殴られ蹴られてフラつくエリカだが、冷静にパンチ・キックで殴り蹴り返す。
白いスポーツビキニを赤く染めながら反撃を試みる恵だが、目に自らの血が入り込んで視界を奪われると、エリカの攻めの前に防戦一方になっていく。
そしてエリカが恵をリング上に戻していくと、無理矢理に起こしてコーナーに連れて行き、剥き出しのコーナーの金具に恵の額を叩き付けていくエリカ。
ゴキッ・・バキッ・・ゴキッ・・
傷口を狙っていくと、恵の出血が酷くなり血ダルマ状態になっていく恵。
既に顔面が真っ赤になってペンキでも掛けられた様な状態になっているが、エリカは容赦しない。
「立つんだよ・・・」
エリカは強引に起こしてから、バックドロップで恵をマットに叩き付けた。
後頭部から叩き付けられて大の字状態の恵。
「そろそろ仕上げにしてあげようか・・・先輩っ・・・ふふっ・・」
エリカが笑みを浮かべると、近くのトップロープに登っていく。
片手を挙げて観客にアピールすると、そのまま恵のお腹にフットスタンプを叩き込んだ。
ドシュ・・
「ふぐうっ・・オエェェェェェ・・・」
お腹に力を入れられなかった恵の口から、激しく胃液の様な吐瀉物が噴き上がった。
身体を小刻みにピクピクと震わせている恵。
「レフリー、フォールねフォール!」
エリカがレフリーにアピールすると、恵の顔面を踏みつけてフォールをアピールした。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・』
しかし恵が意地で返していく。
恵の意地に観客席から拍手がおきると、エリカは構わず馬乗りになっていくと、大流血状態の恵の顔面に拳を叩き込んでいく。
バキッ・・バキッ・・・バキッ・・
ノーガード状態でただ殴られていく恵に、レフリーが危険と見て試合を止めた。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが乱打されるが、エリカは恵を殴りつけていく。
これにはレフリーがエリカを羽交い締めにして離していくと、恵に対してはリングドクターが応急処置していくのであった。




第12試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、元RQでもある左藤志津香。最近地下プロレスのリングでは負けが続いているが、今夜もリングに上げられていた。
その対戦相手としてリングインするのは米蔵涼子。前大会で左藤江梨子とのデスマッチを希望していたが、今回は左藤違いの相手が用意された事に苛立ちを隠せない。
白い競泳水着の志津香と、黒い競泳水着の涼子。
緊張感漂うリング上に、リングアナがコールを始めていく。
『これより、今夜のメインイベントを行います・・・ヘビー級タイトルマッチ・・』
タイトルマッチの言葉に志津香は戸惑いを隠せない。対して涼子は苛つき感があり、コーナーに膝蹴りを入れるなど身体を動かしている。
『青コーナー〜・・・挑戦者・・・身長160p、上から86、58、85・・・左藤〜志津香〜っ!』
コールを受けて笑顔を浮かべて観客席に頭を下げる志津香。
『赤コーナー〜・・・王者・・・身長168p、上から84、58、85・・・米蔵〜涼子〜っ!』
コールを受けて観客席に向かって手を挙げてアピールする涼子。そして本部席では、今回のマッチメークは志津香を噛ませ犬として用意した事で、どんな試合になるかと言う声が黒服などが話していた。
『カァーン!』
ゴングが鳴ると、まずは距離を置く志津香と涼子。
距離が詰まると、まずは志津香がドロップキックを放った。
バシィィィ・・・
当たるが倒れない涼子。
素早く志津香が立ち上がると、今度はエルボースマッシュを叩き込んでいくと、涼子をロープ際まで押し込んだ。
すると、涼子が強烈なエルボースマッシュを志津香の側頭部に叩き込むと、動きが止まった。
更に左右の張り手が頬に叩き込まれると、フラついてロープを掴む志津香。
その志津香のヒップにミドルキックを叩き込む涼子。
バシィィィ・・・
「ひいぃぃぃ・・」
堪らず悲鳴をあげる志津香。
更に太股にローキックを叩き込んで痛めつけていく涼子。
バシィィィ・・・バシィィィ・・・
これには志津香がロープを掴んでレフリーにロープのアピールをした。
『ブレークっ・・・』
レフリーが涼子を離していくと、志津香は足を気にしながら距離を置いた。
距離が詰まる両者。
今度は涼子がローキックで脚を攻めると、強烈なローキックに志津香の表情が苦痛に歪む。
バシィィィ・・・バシィィィィ・・・・
堪らずタックルを合わせて組み付く志津香だが、ロープ際まで押し込むだけで後が続かない。
逆にフロントスリーパーで締め上げられて苦しい志津香。
更に涼子はフロントネックロックに移行していく。
グイッ・・・
これには志津香がロープを両手で掴んでアピールしてレフリーに放させた。
『ブレークっ・・・』
技を解かれて距離を置く両者。
志津香は呼吸が乱れだしていた。
その志津香に一気に左右の大振りの張り手を叩き込む涼子。
バッシーン・・バッシーン・・
張り手を受けてフラつく志津香。
堪らず張り手を返すが涼子の圧力に押されている。
涼子の圧力に志津香は意地になって張り手を叩き込むが、涼子が前に出ると焦り出す。
バキッ・・
張り手が効かないならとグーパンチを叩き込む志津香。
顎に拳が当たると、流石の涼子の動きが止まった。
口の中を切ったのか、唇を赤くする涼子・・・。
「ペッ・・・上等じゃん、だったらこっちも遠慮はしないよ!」
口の中の血をマットに吐き出す涼子は、笑みを浮かべた。
流れで殴ってしまった事を後悔する志津香だが、涼子が距離を詰めるとお返しとばかりに殴りつけていく。
バキッ・・バキッ・・・
左右のフックを叩き込まれてフラつく志津香。
更に髪を掴んでコーナーに連れて行くと、コーナーポストに顔面を叩き付けていく。
バシッ・・バシッ・・
「きゃああああぁぁぁぁ・・・」
志津香が絶叫するが、涼子の攻めは止まらない。
バックを取ってのバックドロップから、大の字の志津香に対して、トップロープに登って急降下ニードロップをお腹に叩き込む。
ドシュ・・
「グボオッ・・・」
これには志津香がお腹を押さえてリング下に転がり落ちた。
リング下では胃液を吐き出して涙目の志津香が苦しんでいる。
涼子も追いかけるようにリング下に降りると、志津香の髪を掴んで起こして鉄柵に振った。
ガッシャーン・・・
鉄柵に寄りかかる志津香に対して、強烈な顔面への蹴り。
バシィィィ・・・
これには鼻血を噴きだしてグッタリする志津香。
その志津香の髪を掴んでリング下を連れ回す涼子。
白い競泳水着に鼻血が流れ落ちる中、涙目の志津香は涼子に対して抵抗も出来ずに連れ回されていく・・・。
そしてリングに戻されると、無理矢理にツームストンパイルドライバーの体勢に持ち込まれる志津香。
ドシュ・・・
そして脳天からマットに叩き付けられる志津香。涼子は放さずにもう一発続けてツームストンパイルドライバーを狙っていく。
志津香の表情が虚ろになっている中、涼子が容赦なく脳天からマットに落とした。
涼子が立ち上がると、志津香はグッタリとしている。
「レフリー、フォール!」
そして涼子が志津香の顔面を踏みつけながらフォールを宣言すると、レフリーがカウントを数えた。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィィ・・・』
余裕のスリーカウント。涼子は不機嫌そうにしてリングを降りていくと、そのまま控え室に消えていくのであった・・・。
志津香はリングドクターのチェックを受けて、担架に乗せられて退場する事になった・・・。

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