2009年夏、今年最初の大会が幕を開けた。
そして2009年地下プロレスの一大イベントがグラビアアイドルメガバトルトーナメント。
グラビアアイドルのベルトを最強のグラドルに渡そうと、トーナメント勝者にベルトを渡すべく企画されたトーナメント。
16人のグラビアアイドル達が、最強を賭けてリング上で激突する・・・。
『第75回大会・・・グラビアアイドルトーナメント・・・選手入場っ!』
リングアナのコールにリング上に姿を現していくのは、グラビアアイドルたち・・・。
まずは熊多曜子が姿を現すと、観客席からは歓声がおきていく。続いて河村ゆきえ、市河由衣、椙原杏璃、仲島愛里、山木梓、山先真実、星野亜希、杉元有美と続き、少し間を置いてリアン・ディゾン・・・そして岩左真悠子・・・樹下優樹菜と続いた。
更に猪上和香、原幹絵、釜田奈津美、折原美香とリング上に並んでいくグラビアアイドルたち。
そして1人ずつ箱からボールを掴んでいくと、そのボールを機械に入れていく・・・。すると、会場の壁にトーナメントの図が現れた・・・。
しかし名前が入っていないが、最初の試合のみ名前が浮かび上がった・・・。
『第1試合、選手入場!』
リングアナにコールされてリングに残るのは、熊多曜子と椙原杏璃。二人以外は控え室に戻ったりリングサイドで観戦も出来るようになっているが、他のグラビアアイドルの試合を観る事が出来るのは、シングル戦としては初の試み。
グラビアで売れている曜子のプロレスの試合、一体どれくらいの実力があるのか注目が集まる。
曜子は黒ビキニに黒リングシューズ姿でコーナーに寄りかかると、対する杏璃は白いビキニに白いリングシューズ姿で反対コーナーでコールを待った。
『第1試合、青コーナー〜・・・身長164p、上から92、56、84・・・熊多曜子〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする曜子。早くも対戦相手の杏璃を睨み付けている。
『赤コーナー〜・・・身長157p、上から89、59、80・・・椙原杏璃〜っ!』
自慢のGカップバストをビキニに包み、一礼すると胸の谷間に注目の集まる杏璃。
そしてレフリーがルールなど注意していくと、コーナーに別れさせてゴングが要請された・・・。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、まずは距離を置いていく曜子と杏璃。
牽制するかのように、杏璃が素早いローキックを放つが曜子は冷静に避けていく。
更に前に出ようとする杏璃に、曜子の張り手が炸裂した。
パッシーン・・・
張り手を受けて動きの止まる杏璃。
更に曜子が張り手を放つと、杏璃も意地になって張り手を返した。
パッシーン・・・パッシーン・・・パッシーン・・・
いきなり張り手合戦が始まると、お互いが意地になって張り手を叩き込んでいく。
続けて曜子がエルボースマッシュを叩き込むと、杏璃はフラつきながらミドルキックを放った。
バシィィィ・・・
更にローキックが決まると、動きの止まる曜子に至近距離からラリアットを放った。
バシィィィ・・・
「ああんっ・・・」
バストを激しく揺らしながらの杏璃のラリアットにロープダウンする曜子。
その曜子に、杏璃は飛び込んで踵落としを狙うが、曜子は間一髪で避けた。
逆に曜子が杏璃をロープに押しつけると、体重を乗せたキチンシンクで痛めつける。
ドスッ・・
「ふぐっ・・うううっ・・・」
内蔵を膝で痛めつけられて苦しい杏璃。
更にフロントスリーパーで締め上げていくと、杏璃は曜子のボディにパンチを叩き込んで抵抗していく。
しかし曜子はそのままDDTでマットに叩き付けると、早くもフォールする。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし杏璃も返していくが、大きなバストに注目が集まって歓声が上がった。
返されると、曜子はマットに座らせたままスリーパーで締め上げてスタミナを奪っていくと、杏璃は苦悶の表情でロープに手を伸ばす。
しかしロープに手が届かないと、曜子の髪を鷲掴みにして逃れた。
「痛いっ・・・」
曜子は髪を気にするが、杏璃も人気グラドルに勝利したいから必死になっている。
立ち上がる曜子と杏璃。
今度は杏璃が飛び込んでローキックを放つと、曜子は苦悶の表情を浮かべた。
バシィィィ・・・
更にエルボースマッシュで曜子を追い込む杏璃。
バキッ・・
「くっ・・・」
しかし曜子も負けずに、杏璃のバストにグーパンチを叩き込む。
グニュ・・・
「あんっ・・・」
バストを殴られて悲鳴をあげる杏璃。
更に殴りつける曜子に、杏璃もバストへパンチを返した。
グニュ・・グニュ・・
お互いの自慢のバストを殴り合う二人に大歓声がおきるが、曜子も杏璃もバストへの激痛に苦しい試合展開に。
更に張り手合戦になっていくと、お互いが一歩も引かない激しい叩き合いになっていく。
バッシーン・・・バッシーン・・・バッシーン・・・
口の中を切って血飛沫舞う張り手合戦。
ここで曜子がエルボースマッシュから、スリーパー狙いにいくが杏璃もロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが離していくと、曜子が喧嘩キックを放った。
ドスッ・・・
「ぐっ・・・」
お腹に蹴りを受けて苦しむ杏璃に、曜子は顔面狙いのハイキックを放った。
バシィィィィ・・・
顔面に蹴りを受けて苦悶の表情を浮かべる杏璃。しかしダウンは踏ん張って耐えていく。
耐える杏璃に、曜子は後頭部に延髄キックとも言えるハイキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・・」
これには杏璃が俯せにダウンすると、曜子が髪を掴んで起こしていく。
杏璃はお腹にパンチを入れて抵抗するも、曜子は髪を掴んだままフェイスバスターで杏璃を痛めつけた。
バシィィィィ・・・
「きゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・」
顔面をマットに打ち付けられて絶叫する杏璃。
続けて曜子は馬乗りになると、キャメルクラッチを仕掛けていく。
グイッ・・・
「ううっ・・・んああぁぁぁぁ・・・」
呻き声みたいな悲鳴をあげる杏璃。
上半身を反らされて両足をバタバタさせて苦しむ杏璃。曜子が揺さぶると、そのGカップバストがビキニから飛び出しそうになって観客の視線が集まっていく。
「ギブアップ?・・・ギブアップする?」
曜子が激しく揺さぶりかけると、杏璃は耐えていく。
しばらく痛めつけると、曜子が技を解いて立ち上がってストンピングを叩き込んだ。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
ストンピングから髪を掴んで起こしてヘッドロックで締め上げると、そのままブルドッキングヘッドロックで叩き付ける曜子。
バッシーン・・・
バストをマットに打ち付けられて苦しい杏璃に、曜子は足を固めて鎌固めに捉えた。
グイッ・・・
意外な技を見せていく曜子。他のグラビアアイドル達へのアピールもあるのか、揺さぶっては技を解いていく。
苦しい杏璃はロープに手を伸ばしていくと、曜子は足首を掴んでリング中央に戻す。
嫌がるのも構わず、曜子はスリーパーホールドで締め上げていくと、杏璃は激しく抵抗して逃れようとしていく。
更に胴締めも加えたアナコンダスリーパーで締めあけでいくと、杏璃は必死に逃れようとする。
レフリーもギブアップの確認をするが、杏璃はギブアップは拒んだ。
「ノォォォ・・・ノー・・・」
ギブアップしないからと曜子が技を解くと、ゆっくりと立ち上がっていく。
杏璃は首を押さえて咳き込んでいると、曜子が容赦せずヒップにサッカーボールキックを叩き込むと、両脚を抱え込んで逆エビ固めを極めた。
グイッ・・・
「きゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
逆エビ固めを極められて悲鳴をあげる杏璃。
曜子も腰を落としていくと、身体をCの字にされて激痛に悲鳴をあげていく杏璃。
必死にロープに手を伸ばして逃れようとするが、曜子もギブアップ狙いで揺さぶりかけていく。
『椙原っ、ギブアップ?』
レフリーの問いかけにギブアップを口にせず耐える杏璃。
「ノォォォォォォ・・・ノォォォォォォ・・・・」
泣き出しそうな表情でロープを目指す杏璃。
そしてロープに手が掛かると、レフリーが曜子に技を解くように指示した。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの言葉に曜子が技を解くと、杏璃は腰を押さえて立ち上がることができない・・・。
曜子は髪を掴んで起こしていくと、今度は身体を密着しての卍固めを極めた。
グイッ・・・
「んああぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげる杏璃。曜子はギブアップ勝ちを狙って次々と技を極めていく。
耐える杏璃は、全身から汗を噴き出しながらも必死に耐えていく。
耐える杏璃に技を解くと、打撃が得意の杏璃に対して曜子はローキックからハイキックと打撃で攻めだした。
バシッ・・バシッ・・
関節技の連続にダメージのある杏璃は、曜子の打撃をガードする事も出来ずに、サンドバック状態にされていく・・・。
グニュ・・
「ああんっ・・・」
バストへの強烈な蹴りに悲鳴をあげる杏璃。
胸を押さえて苦しむ杏璃に、曜子は狙いをつけて顔面へハイキックを放った。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・・」
顔面へのハイキックにダウンする杏璃。
四つん這いになって立ち上がろうとする杏璃の髪を掴んで起こそうとする曜子。
ゴキッ・・
「あんっ!」
いきなり曜子の声が漏れた。そう、杏璃が曜子の股間にアッパーを放ったのだ。
股間を押さえる曜子に、杏璃は立ち上がると膝蹴りを叩き込む。
ドスッ・・・
「うぐっ・・ううっ・・」
動きの止まる曜子に、杏璃は踵落としを放った。
バシッ・・
「痛いぃぃぃぃ・・・」
悲鳴をあげる曜子。曜子の肩口に踵落としが炸裂すると、曜子はフラフラしながらロープに逃れた。
ロープに逃げた曜子に、杏璃は必死に前蹴りから距離を詰めてミドルキックと打撃で前に出る。
前に出てくる杏璃に、曜子はカウンターのグーパンチを合わせた。
ゴキッ・・
顔面を捉えた曜子の拳。反則の顔面へのグーパンチにレフリーが曜子に注意するが、杏璃は顔面を殴られて動きが止まる。
更に掌打が顎を捉えると、杏璃はフラフラしながらロープに寄りかかる。
曜子は続けて膝蹴りを叩き込むと、お腹を押さえて悶絶する杏璃。
続けて顔面への膝蹴りを叩き込む曜子。
ゴキッ・・
「ああんっ・・・」
これには杏璃がマットに崩れ落ちると、曜子が両脚を掴んでから交差させていく・・・そうサソリ固めを極めた。
グイッ・・
「んああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・痛いぃぃぃぃぃぃ・・・」
技が極まると杏璃が絶叫。曜子はギブアップ狙いで極めていく。
グイッ・・グイッ・・
「痛いぃぃぃぃ・・・・いやああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
ロープに手を伸ばすが、なかなか距離が詰まらず苦しい杏璃。
ビキニからは自慢のGカップバストが飛び出しそうになるが、構わず手をロープに伸ばそうとする。
レフリーも杏璃にギブアップの確認をするが、杏璃は必死に逃れようとしていた。
遂にバストが飛び出すと、観客席からは歓声がおきていく。
『椙原のバストが飛び出したぞ!』
『いいぞぉぉぉぉ・・・もっとやれぇぇぇぇぇ・・・』
観客席からの声に顔を赤らめる杏璃。
曜子はグイグイと極めていくと、激痛と恥ずかしさから杏璃は泣きながらギブアップした・・・・。
「ギ、ギブアップ・・・ギブぅぅぅぅ・・・」
その瞬間、レフリーがゴングを要請するのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが乱打されると、ここでトーナメント最初の勝者が決まった。
『勝者、熊多曜子っ!』
技を解くと、ビキニを気にしながらもレフリーに手を挙げられて勝利をアピールする曜子。
一方、負けた杏璃は胸をビキニに納めるも、立ち上がれない。
その杏璃に、曜子は手を差し出して立たせると、お互いの健闘を讃え合った。
こうしてトーナメントが始まったのであった・・・。



第2試合

『第2試合、選手入場っ!』
試合を終えた曜子と杏璃がリングから姿を消すと、今度は次の試合が始まろうとしていた。
リングに上がるのは、グラビアでは売れっ子状態の原幹絵。ムッチリボディを白いビキニに包んでリングインすると、笑顔で観客席に頭を下げた。
その幹絵の対戦相手は、グラビアアイドルとして人気のある河村ゆきえ。黒いビキニを着てリングインすると、幹絵と視線を合わせずにコーナーに進んでいく。
『第2試合・・・青コーナー〜・・・身長158p、上から87、59、87・・・河村〜ゆきえ〜っ!』
コールを受けて一礼していくゆきえ。
『赤コーナーー〜・・・身長163p、上から93、61、88・・・原〜幹絵〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする幹絵。21歳の幹絵と23歳のゆきえの対戦に、観客席から視線がリング上に集まった。
幹絵がビキニを気にしながらトップロープに手を乗せて身体を跳ねたりしていると、背中を向けた隙にゆきえが動いた。
バシッ・・
「いくわよぉぉぉぉぉ・・・」
いきなり気勢をあげて奇襲攻撃で幹絵に喧嘩キックを叩き込むゆきえ。
いきなり蹴られてコーナーに座り込む幹絵に、ゆきえはストンピングを叩き込んでいく。
ここでレフリーがゴングを要請した。
『カァーン!』
ここでゴングが鳴らされて正式に試合が始まるが、早くもゆきえが流れを掴んでいく。
髪を掴んで起こしていくと、幹絵も負けずにお腹にパンチを入れて抵抗した。
バシッ・・
「ぐっ・・」
お腹を殴られて動きの止まるゆきえ。
更にお腹へパンチを入れていく幹絵だが、ゆきえも負けずにキチンシンクを叩き込んだ。
ドスッ・・
「うぐっ・・」
お腹への膝は苦しい幹絵。身体をくの字にして苦悶の表情を浮かべていると、ゆきえがエルボースマッシュを叩き込む。
バキッ・・
「あうっ・・・」
側頭部にエルボースマッシュを受けてフラつく幹絵。
更にゆきえがフロントスリーパーで締め上げていくと、幹絵は押し出すようにロープに逃れた。
『ブレークっ・・・』
レフリーがロープだからと離させると、距離を置いて睨み合う幹絵とゆきえ。
ゆきえが片手を伸ばして誘うと、幹絵が手を掴んだ・・・
バシッ・・
その瞬間、ゆきえが蹴りを入れてから腕をロックしていくと、脇腹にもキックを叩き込んでいく。
バシッ・・
動きの鈍る幹絵に、ゆきえが素早く絡みついてコブラツイストを仕掛けた。
グイッ・・
「ああんっ・・・痛いぃぃぃ・・・イタアアァァァァァァ・・・・」
幹絵が悲鳴をあげる中、身長差も構わずに締め上げるゆきえ。
締め上げてから技を解くゆきえは、続けてキチンシンクで痛めつけていく。
ドスッ・・
「ふぐうっ・・」
堪らず両手でお腹を押さえてダウンする幹絵に、ゆきえはロープに走って勢いをつけた。
バシィィィィ・・・
「いやあぁぁぁぁ・・・」
座り込む様にダウンしている幹絵の腰に、ゆきえは滑り込むように低空ドロップキックを叩き込んで場外に転落させた。
リング下で苦しむ幹絵に、ゆきえはリング上から睨み付けていく。
幹絵が苦しんでいるからと、ゆきえはエプロンサイドに移ると、タイミングを計るように狙いをつけている。
フラつきながら幹絵が立ち上がると、容赦なくエプロンサイドからフライングボディアタックを仕掛けるゆきえ。
バッシーン・・・
「きゃあぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげて場外に崩れていく幹絵。
その幹絵の髪を鷲掴みにしていくゆきえは、観客席にアピールすると近くの鉄柵に振って叩き付けた。
ガッシャーン・・・
「んあああぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげてグッタリする幹絵。
続けてゆきえが髪を鷲掴みにするが、幹絵もお腹にグーパンチで反撃していく。
バシッ・・
「うぐっ・・」
いきなりお腹を殴られて苦悶の表情を浮かべて動きの止まるゆきえ。
すると、幹絵が立ち上がってゆきえの顔面にジャブ気味のパンチを数発入れると、そのまま鉄柵にお返しとばかりに振っていく。
ガッシャーン・・・
「きゃああぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげて鉄柵に叩き付けられるゆきえ。
今度は幹絵が鉄柵に寄りかかるようにダウンするゆきえのバストへ、サッカーボールキックを叩き込んだ。
バシッ・・・
「はうっ・・」
バストを蹴りこまれて苦しむゆきえ。
グイッ・・・
「ううっ・・」
苦しむゆきえをリング上に戻していく幹絵。
リング上に戻すと、立ち上がろうとするゆきえにストンピングを叩き込んでから、髪を掴んで起こしていく。
そしてヘッドロックで締め上げていくと、ゆきえはロープに振ろうとするが、幹絵も踏ん張ってそれを許さない。
少しずつスタミナを奪おうとする幹絵。ゆきえも攻め続けて疲れの色が見えている。
ヘッドロックを放すと、幹絵は体勢を入れ替えてキチンシンクを叩き込む。
ドスッ・・
「うぐうっ・・・」
お返しとばかりのキチンシンクに苦悶の表情を浮かべるゆきえ。
更に幹絵がキチンシンクを叩き込むと、お腹を押さえてダウンするゆきえ。
ゆきえもお腹にグーパンチで反撃するが、逆に幹絵が髪を鷲掴みにして額にグーパンチを叩き込んだ。
ゴキッ・・
「んあああぁぁぁ・・・」
額を殴られて苦しむゆきえ。
必死にゆきえもお腹へのパンチを出していくが、幹絵の膝蹴りが顔面を襲った。
ゴキッ・・
顔面への膝蹴りに大の字にダウンするゆきえ。
倒れているゆきえの横で、幹絵は片手を突き上げてアピールすると、エルボードロップをバストに叩き込んでフォールした。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・』
しかしゆきえがカウントギリギリで返すと、幹絵はマットに座らせたままスリーパーで締め上げていく。
グイッ・・
手を伸ばしてロープに逃れようとするゆきえ。
幹絵が技を解くと、ゆきえの背中にサッカーボールキックを叩き込んでから、髪を掴んで起こしていく。
すると、ゆきえがタックルの様に組み付いてロープ際に幹絵を押し出す。
ロープを背にして、幹絵はフロントスリーパーを狙うがレフリーが離れるように指示した。
『ブレーク・・・』
レフリーの指示で距離を置くふたり。
ビキニを直しながら呼吸を整えるゆきえ。
幹絵もビキニを直しながらもゆきえとの距離を測っている。
そして、幹絵が喧嘩キックを放つと、ゆきえのボディを抉った。
更にミドルキックと打撃で前に出ると、逆にゆきえが蹴り足をキャッチした。
蹴り足を受け止められて焦る幹絵。
そしてゆきえは、蹴り足を捻るようにドラゴンスクリューで切り返した。
グイッ・・・
「痛いぃぃぃぃぃ・・・」
初めて受ける技に、足を捻られるようにして倒れる幹絵は、絶叫しながら倒れ込んだ。
膝にダメージを受けた幹絵が苦しんでいると、ゆきえは容赦なく痛めた膝にストンピングを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・
Fカップのバストを揺らしながら蹴りこむゆきえ。
そして、足四の字固めを炸裂させていくと、幹絵が絶叫する。
グイッ・・
「痛いぃぃぃぃ・・・イヤあああぁぁぁぁ・・・んあああああぁぁぁぁ・・・」
痛めた脚を狙われて絶叫する幹絵。
ゆきえもギブアップ狙いで極めていくと、幹絵は全身から汗を噴き出しながら逃れようと必死になっている。
『原っ、ギブアップ?』
レフリーがギブアップの確認をするが、幹絵は必死に耐えている。
「ノォォォォォ・・・」
汗だくになって耐える幹絵。ゆきえは仕留めるとばかりに極めていく。
耐える幹絵に、ゆきえは一気に技を解いて立ち上がると、ロープに走って勢いをつけた。
立ち上がろうとする幹絵の顔面に容赦ないドロップキックを放つと、幹絵は絶叫してリング下へ転がりながらエスケープした。
観客席が盛り上がる中、ゆきえもリング下に追いかけると、エプロンサイドからお腹にフットスタンプを落とす。
ドスッ・・
「おげっ・・・」
お腹を押し潰されて苦悶の表情を浮かべる幹絵。お腹を両手で押さえて苦しんでいると、ゆきえはノーガードの膝にヒップドロップを落とす。
ドスッ・・・
「いやああぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
膝へのヒップドロップは、足四の字やドラゴンスクリューで攻められていただけに、幹絵にとって残酷なものだった・・・。
痛がる幹絵をリング上に戻していくゆきえ。
リング上に戻されても膝を押さえて苦しむ幹絵に、ゆきえは非情の足四の字固めを仕掛けた。
グイッ・・・
「痛いぃぃぃ・・・あああああああぁぁぁぁぁ・・・」
絶叫する幹絵。ゆきえの足殺しの連続に膝も悲鳴をあげている・・・。
Oプロ代表とも言えるグラビアアイドルの幹絵は、このトーナメントで久しぶりの地下プロレスリングで存在感をアピールしたかったが、膝は限界に達している・・・そして・・・
「ギ・・・ギブアップ・・・」
幹絵は泣きながらギブアップを口にすると、ここでレフリーがゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゆきえは技を解くと、立ち上がってガッツポーズで勝利を喜んだ。
『勝者、河村ゆきえっ!』
体格差などから負けると見られていたゆきえの勝利に、観客席も拍手を送るのであった。
一方、負けた幹絵はリングドクターのチェックを受けると、担架に乗せられてリングを後にするのであった・・・。


第3試合

『選手入場っ!』
リングアナがコールをすると、次にリングに姿を現したのは、Gカップグラビアアイドルの仲島愛里。白いビキニに白いリングシューズを着てのリングイン。観客席に頭を下げると、胸元の谷間に視線が集中している。
愛里がコーナーに進むと、その愛里の対戦相手としてリングに上がるのは、星野亜希。30を越えてもグラビアアイドルを続けて活躍しているが、今回のトーナメントにはグラビアアイドル限定と言う事で、亜希はエントリーした。黒ビキニに黒いリングシューズ姿でリングインすると、対戦相手の愛里を見つめてから、コーナーに進んでいく。
『第3試合っ・・・青コーナー〜身長157p、上から86、58、88・・・仲島〜愛里〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする愛里。18歳の売り出し中のグラビアアイドル。
『赤コーナー〜・・・身長165p、上から88、56、87・・・星野〜亜希〜っ!』
愛里と同じくGカップのバストを揺らしながらも、32歳の亜希は年齢差のある試合に気合いを入れている。
レフリーがルール確認などをしてからゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出す愛里と亜希。
愛里はガードを固めて距離を置くと、亜希はゆっくりと距離を詰めていく。
バシィィィ・・・
「くっ・・」
いきなり愛里がローキックを放つと、亜希は苦痛の表情。
組み付こうとする亜希に、愛里は距離を置いてミドルキックを放つと、今度は脇腹を抉られて苦しい亜希。
バシッ・・・
動きが止まる亜希に、愛里はローキックで攻め込んだ。
バシィィィ・・・
「痛いっ・・・」
堪らず痛いと声を漏らす亜希に、愛里が効いているからとローキックを放つ。
バシィィィ・・・
しかし蹴られながらも踏み込んで組み付く亜希。
バストを押しつけながら組み付くと、愛里も膝蹴りで抵抗するが上手く当たらない。
バランスを崩して倒れ込むと、亜希は腕を狙いにいく。
しかし愛里もブリッジ気味に抵抗すると、逆にスリーパーを狙う。
Gカップのバストを揺らしながら激しいポジション争いをする亜希と愛里。
亜希がロープに足を伸ばすと、レフリーが割って入って止めた。
『ロープっ・・・ロープっ・・・』
レフリーに止められて立ち上がる愛里と亜希。
距離を置くと、愛里がローキックから打撃で前に出て行く。
バシィィィィ・・・
苦悶の表情を浮かべながらも、必死に張り手で前に出る亜希。
バシッ・・バシッ・・
頬に張り手を受けて一瞬動きの止まる愛里。
しかし膝蹴りで距離を置こうとすると、張り手を返していく。
バシッ・・バシッ・・
張り手を受けると、亜希はバストを揺らしながらタックルを仕掛けると、愛里をロープまで押し出した。
ロープを背にフロントスリーパーで締めようとする愛里。
しかしロープだからとレフリーが離していく。
『ロープ・・・』
レフリーの指示に技を解く愛里。
亜希の表情にも焦りの色が出ていると、観客席からは愛里に対して声援だった。
『いけいけぇぇぇぇぇ・・・』
『リングの上じゃあ先輩も後輩も関係ないぞぉぉぉぉ・・・倒せぇぇぇぇ・・・』
歓声に押されるように、愛里はミドルキックからローキックと亜希を蹴りまくっていくと、亜希は嫌がるようにロープに逃れていく。
ロープに詰まる亜希のボディに、飛び込むようにして膝蹴りを叩き込む愛里。
ドスッ・・
「ふぐっ・・うううっ・・・」
お腹への膝蹴りにロープ際に崩れ落ちる亜希。両手でお腹を押さえて苦悶の表情を浮かべている。
愛里は容赦せずに、亜希を起こしていくと、ヘッドロックで締め上げてからブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けた。
バシィィィィ・・・
俯せの亜希を仰向けにすると、愛里はフォールの体制を取る。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・・』
カウントが進むが、亜希も意地になって返すが一方的な試合展開にダメージは大きい。
愛里はスリーパーで締め上げてギブアップ狙いをするが、泣きそうな表情を浮かべながらもロープに手を伸ばす亜希。
汗が流れ出て滑ると、愛里が技を解いて立ち上がる。
四つん這い状態から立ち上がろうとする亜希に、愛里の容赦ない喧嘩キックが炸裂した。
バッシーン・・・
「ああんっ・・・」
またも大の字状態に追い込まれていく亜希。
更にストンピングで蹴りこんでからフォールする愛里。
『ワン・・・ツー・・・』
しかしこれも返していく亜希。表情は苦しそうだが、必死に試合に勝とうとしているのが観客席にも伝わっていた。
愛里が距離を置くと、亜希ロープを掴んで立ち上がっていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離が詰まると、亜希は打撃を警戒しながらタックルを仕掛けた。
いきなりタックルを仕掛けられて組み付かれる愛里。
体格差からロープ際に追い込まれると、愛里も意地になって押し返して離れた。
離れると密着したがるようにタックルを狙う亜希。
これには愛里がタックルを切ると、距離を置いて構えた。
しつこくタックルを狙う亜希だったが、タックルを続けて仕掛けてスタミナが切れて、失速すると愛里に狙われた。
ゴキィィィィ・・・
そう、タックルを仕掛けた時に、愛里に顔面に膝蹴りをカウンターで入れられたのだった。
鈍い音がリング上に響き渡ると、亜希は抱きつくような体制でマットに崩れ落ちた。
半失神状態の亜希だが、レフリーは試合を止めないので愛里はサイドポジションを奪うと、続けて脇腹に膝蹴りを入れていく。
ドスッ・・ドスッ・・
俯せで抵抗しない亜希に、愛里はレフリーに試合を止めるように哀願する様に見つめるが、レフリーは試合続行を指示。
仕方ないからと、愛里が亜希の顔面にサッカーボールキックを叩き込むと、亜希は鼻血を噴き出してグッタリした。
『カンカンカンカン・・・』
ここでレフリーが試合を止めると、愛里の勝利が確定した。
『勝者、仲島愛里っ!』
一方的とも言える打撃での決着。愛里も亜希の様子を気にすると、リングドクターがチェックした。
フットサルで鍛えた蹴りを打撃に応用、そして地下プロレスでの武器にした愛里。
このトーナメントで何処まで勝ち残れるか注目が集まる中、愛里は亜希を気遣い芸能界の先輩である亜希に頭を下げるのであった。
久しぶりの地下プロレス参戦にサンドバッグ状態で負けた亜希。次ぎにリングインする時は、活躍が期待された・・・。


第4試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは山先真実。新体操で鍛えた身体を白いビキニに白いリングシューズで包みリングインすると、観客席にアピールしてコーナーに進んだ。
その真実の対戦相手としてリングに登場するのは、市河由衣。ピンク色のビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、真実に視線を送ってから観客席に頭を下げてコーナーに進んだ。
前大会で実力を上げている杉元有美を下した真実に、経験豊富な由衣がどう試合を組み立てるのかが注目されるこの一戦。
『青コーナー〜・・・身長169p、上から84、59、87・・・山先〜真実〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする真実。堂々とした体格は、それだけで武器の様に見える。
『赤コーナー〜・・・身長158p、上から83、55、85・・・市河〜由衣〜っ!』
そしてコールを受けて片手を突き上げる由衣。大歓声に包まれるリング上。
レフリーは真実と由衣のチェックを終えると、コーナーに別けていく。
そしてゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出したのは由衣で、ジャンピングニーパッドで攻め込む。
バキッ・・
上手く当たるとフラつく真実。
更にエルボースマッシュを連打していくと、真実をロープに振る由衣。
しかしロープから戻る真実は、由衣に勢いあるドロップキックで反撃した。
バッシーン・・・
「ああんっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる由衣。
倒れ込むが、真実は髪を鷲掴みにして起こしていくと、張り手を叩き込む。
バッシーン・・・
一瞬動きの止まる由衣。しかし真実の頬に張り手を返す。
バッシーン・・・
更に蹴りを入れてから、ヘッドロックで締め上げていくが、真実もロープに振って技を解かした。
ロープから戻る由衣に、真実はエルボーを狙うが由衣が避けると、ロープに走って勢いをつけてヒップアタックを放った。
バシィィィィ・・・
由衣のヒップアタックにダウンする真実。
倒れるが素早く立ち上がる真実に、由衣は低空ドロップキックを顔面に叩き込むと、そのまま場外に落としていく。
転がるように場外に落ちた真実は、蹴られた顔を気にしていると、リング上の由衣はエプロンサイドに迫った。
リングサイドで立ち上がる真実に、由衣はエプロンサイドからヒップアタックを放った。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
由衣のヒップアタックに場外にダウンする真実。
その真実を起こして鉄柵に振っては叩き付ける由衣。
ガッシャーン・・・
鉄柵に寄りかかってダウンする真実。
由衣は片手を挙げてアピールしながらリング上に戻ると、真実の動きを見つめた。
真実はゆっくりと立ち上がると、ビキニを気にしながらリング上に進む。
しかしロープ際では由衣が牽制の動きを見せると、レフリーが割って入り真実をリングに戻した。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を置く由衣と真実。
今度は真実がローキックで牽制すると、由衣は嫌がるように距離を置く。
由衣が嫌がるからと、真実が打撃で前に出ようとローキックを放つと、由衣は蹴り足に合わせてタックルを狙う。
しかし踏み込みが甘く組み付けないと、真実も組み付かれるのを嫌がり、構えて距離を置いた。
真実が前蹴りを牽制で放つと、由衣は組み付いていく。
縺れながらテイクダウンを奪った由衣は、素早くサイドポジションを奪うが、真実も身体を動かしては抵抗して、上手くロープに足を伸ばした。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの言葉に由衣が離れると、真実も呼吸を整えながら立ち上がる。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に今度は真実が仕掛けた。
ローキックから左右の張り手を放つ真実。
張り手が頬を捉えると、由衣も返すが動きが鈍った。
すると、真実は首に手を回して首相撲の体制に持ち込むと、膝蹴りを叩き込む。
ドスッ・・
「あうっ・・・」
強烈な膝蹴りに声を漏らす由衣。
更に真実が膝蹴りを狙うと、由衣は組み付いていく。
真実が膝蹴りを放てないと、左右に由衣の身体を振ってから、膝蹴りを叩き込む。
ドスッ・・・
「ああんっ・・・」
バストへ膝蹴りを受けて苦しむ由衣。
下を向く由衣に、真実は首筋にエルボードロップを叩き込むと、続けてニーリフトで由衣をダウンさせた。
大の字になる由衣に、真実はフォールする。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし由衣も簡単にはフォールを許さずに返していく。
返されると、髪を鷲掴みにして起こしていく真実。
そして気合いの張り手を叩き込むと、フロントスリーパーで締め上げた。
身長差から苦しい由衣。首に巻かれた腕が食い込んでいく。
グイッ・・
堪らず真実のボディを両手で殴り出す由衣だが、腕だけのパンチにダメージは大きくなく、真実は締め上げる。
そして技を解くと、ボディスラムでマットに投げつけてフォールした。
『ワン・・・ツー・・・』
しかしこれも由衣は返すと、真実はマットに座らせてスリーパーで締め上げる。
グイッ・・
締め上げられて苦悶の表情を浮かべる由衣。ロープに足を伸ばすが、距離があり届かない。
苦しい由衣は、身体を小刻みに動かしては汗で滑らせて逃れようとするが、真実も締め上げていく。
しかし汗が流れ出ているから技が緩まると、由衣は辛うじて脱出してロープに逃れた。
『ブレーク・・・』
ロープに逃げたからと真実を離していくレフリー。
由衣は呼吸を整えながら真実の動きを見ていると、レフリーは続行の掛け声をかけた。
『ファイト!』
レフリーの声に前に出る真実。
由衣は呼吸を整えながら距離を置くが、真実がローキックから前に出た。
蹴りを嫌がる由衣は、リング上を逃げ回るが真実が少しずつ距離を詰めていく。
バシィィィィ・・・
「痛いっ・・」
ローキックが炸裂すると、由衣は悲鳴をあげて痛がる。
真実はローキックを連打していくと、由衣が蹴り足にタックルを仕掛けた。
上手く組み付くと、そのまま倒していく由衣。
バランスを崩して対応が遅れた真実は、そのまま由衣に足をキャッチされてしまった。
素早く由衣がアキレス腱固めを極めると、真実が痛がりながらもロープに手を伸ばす。
ヒールキックでの対応をせずに、痛がりながらもロープに逃れようとする真実。
『ロープ・・・ロープ・・・』
真実の手がロープを掴むと、レフリーが素早く由衣に技を解くように指示した。
レフリーの指示に技を解く由衣。由衣と真実は立ち上がるが、真実が足を痛そうにしていると、由衣が踏み込んでローキックを叩き込む。
バッシーン・・・
「あんっ・・」
堪らず悲鳴をあげる真実。
しかし真実も新体操で鍛えただけに根性もあるので、逆にローキックを返す。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・・」
蹴り返されてフラつく由衣。
更に真実が距離を詰めると、身長差からエルボースマッシュを顔面に叩き込むと、続けてヘッドロックで締め上げた。
流石に由衣もバックドロップで返せずに、締め上げられては苦しむ。
そして真実が勢いをつけてブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けると、由衣をフォールした。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・』
「んああぁぁぁぁ・・・」
豪快に叩き付けられてグッタリしている由衣は、カウントギリギリで気合いを入れて返す。
返された真実は、由衣の髪を掴んで起こしていく。
すると、由衣は嫌がるように組み付いていくが、真実は突き放そうとする。縺れてロープ際まで来ると、レフリーが二人を離した。
距離を置く両者。由衣が距離を置いていると、真実が距離を詰めようとする。
軽くローキックで牽制する真実に、由衣はガードしながら距離を置いた。
由衣が前に出ないからと、真実が一気に距離を詰めて張り手を叩き込むと、由衣の頬を衝撃が襲う。
バッシーン・・・バシィィィ・・・
フラつく由衣をロープ際に追い込む真実。
更に張り手を叩き込んでいくと、由衣も嫌がるように張り手を返す。
バッシーン・・バッシーン・・
張り手合戦になると、真実は首相撲の体制に持ち込むが、由衣も押し出すようにして倒れ込む。
倒れると、由衣はロープに足を伸ばして逃れていく。
『ロープ・・・』
レフリーがロープだからと二人を離すと、由衣は転がるようにリング下にエスケープした。
真実はビキニを直しながらも由衣の動きを見つめているが、由衣はビキニを気にしながらもリング下で呼吸を整えては、スタミナ回復を狙った。
トップロープを掴んで由衣の動きを見つめる真実。
由衣はゆっくりとリングサイドを歩きながらも、呼吸を整えてはダメージを回復していく。
しばらくして由衣がリングに戻ろうとすると、真実はロープ越しに牽制すると、由衣はリングに戻ることが出来ずにリング下に降りていく展開に。
由衣がリングに戻れないと、レフリーが真実を離して由衣をリングに招き入れた。
『ファイト!』
そして掛け声と共に睨み合いが始まるリング上。
距離を置きつつ牽制する両者。
今度は由衣がタックルを仕掛けると、同時に真実もローキックを出すが由衣が早く倒していく。
倒れた真実の腕を狙う由衣。
真実もブリッジから逃れようとすると、由衣は腕を固めていく。
苦悶の表情を浮かべる真実に、由衣は一気に腕拉ぎ逆十字固めを極めた。
グイッ・・
「んあぁあぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる真実。
しかし長い脚がロープに掛かると、レフリーが由衣に放すよう指示。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの声に由衣が技を解くと、立ち上がる。
真実も立ち上がると、由衣がドロップキックを放って、続けてストンピングで攻め続けた。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
更にお腹にニードロップを叩き込んでからフォールした。
『ワン・・・ツー・・・』
苦しみながらも返していく真実。
動きが鈍った所へ、由衣は続けてヒップドロップをお腹に入れると、両手を肩に乗せてフォールする。
『ワン・・・ツー・・・』
しかしこれも真実が返すと、由衣は立ち上がった。
お腹を押さえて立ち上がる真実に、由衣はローキックを叩き込むと、一気に延髄蹴りを放った。
バシィィィ・・・
「はうっ・・」
グッタリと俯せ状態にダウンする真実。
観客席が盛り上がる中、由衣は腰に座って片手を挙げてアピールしてから、キャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・
上半身を反らされて苦しい真実。
由衣もギブアップ狙いで揺さぶりかけるが、真実も両脚をバタバタさせながらも耐えていく。
レフリーがギブアップの確認をするが、真実はギブアップせずに耐えている。
耐える真実に、由衣は豚鼻キャメルクラッチを仕掛けると、鼻の穴に指を掛けられて苦しむ真実。
「ふがぁ・・・ああ・・」
苦悶の表情を浮かべて痛がる真実。由衣も全身から汗を流しながらも必死に真実をギブアップさせようとする。
耐える真実から技を解いて、由衣は立ち上がってからストンピングを叩き込むと、髪を掴んで起こしていく。
起こされながらも、真実は由衣のお腹にグーパンチで抵抗すると、一瞬動きの鈍ったところへ、タックルの様に組み付いてロープまで逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
ここでレフリーが二人を離すと、またも睨み合う展開になっていく。
攻め続けていた由衣の呼吸が荒くなっていると、真実は一気に前に出た。
ローキックからミドルキックと打撃で前に出ると、脇腹を蹴られて苦しい由衣。
更に左右の大振りの張り手が顔面を襲うと、由衣はガードを固めていく。
バッシーン・・バッシーン・・
真実も試合に勝ちたいからと、激しい打撃を放っていく。
更に膝蹴りを叩き込むと、由衣は苦悶の表情を浮かべてフラついた。
しかしダウンしないと、真実は狙いを定めてハイキックを放つ。
バシィィィィィ・・・
激しい顔面へのハイキックに由衣はフラフラになってロープに寄りかかると、真実はローキックを膝に叩き込む。
バシィィィィ・・・
堪らずダウンする由衣。
俯せ状態でダウンすると、ロープを掴んで立ち上がろうとするが、真実は脇腹にサッカーボールキックを叩き込んだ。
ドスッ・・・
「うげっ・・・」
脇腹を蹴られて苦しむ由衣。
苦しむ由衣を仰向けにして覆い被さる様にフォールする真実。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・』
しかし由衣が返すと、真実は悔しいと言う表情を浮かべている。
苦しむ由衣を起こしてから、真実はフロントスリーパーで締め上げていくが、由衣はギブアップはしない・・・。
更に真実はDDTでマットに叩き付けると、またもフォールした。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし由衣はこれも返すと、観客席が盛り上がっていく。
返された真実は信じられないと言う表情を浮かべると、由衣の髪を掴んで起こしていく。
起こされてフラフラしている由衣に、真実はローキックで脚を攻めた。
バシッ・・バッシーン・・・
「あんっ・・ああんっ・・」
蹴られて悲鳴をあげる由衣。
更に左右の張り手から、お腹にボディブローまで出していく真実。
殴られながらもダウンせずに、フラフラしている由衣はサンドバック状態に追い込まれている。
更に真実がボディへパンチを入れたりしていると、フラフラしていた由衣が突然反撃した。
バッシーン・・・
そう、いきなり身体を回転させて裏拳を真実の顎に炸裂させた。
顎への衝撃を受けて、真実はマットに崩れ落ちていく・・・。
その真実に由衣はグッタリとしながらフォールする。
『ワン・・・ツー・・・スリィィ・・・・』
そう、カウント2.9と言うところで真実が返すと、由衣はマットを叩いて悔しがる。
真実もカウントギリギリで返せたが、由衣の反撃に驚きを隠せなかった。
由衣はフラつきながらも立ち上がると、足元の真実の喉元にニードロップを叩き込むと、またもフォールした。
『ワン・・・ツー・・・』
これも返していく真実。
返されたからと髪を掴んで起こすと、ヘッドロックで締め上げる由衣だが、真実が体格もあるからとバックドロップで返す。
バッシーン・・・
バックドロップでマットに叩き付けられて、大の字状態になる由衣。
目が虚ろになっていると、真実は片手を挙げて観客席に向かってアピールする。
そして、由衣の両脚を抱え込んでから反転すると、逆エビ固めを炸裂させた。
グイッ・・・
「ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
身体をCの字に反らされて、激痛に絶叫する由衣。
真実は腰を落としてギブアップ狙いで痛めつけていくと、由衣は悲痛な叫び声をあげては激痛に耐えている。
『市河っ、ギブアップ?』
レフリーの問いかけに必死に耐える由衣。ロープに逃れようとするが、真実が逃がさない。
「いやああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
悲痛な叫びに観客席からも由衣に対するコールも起きるが、真実もギブアップ狙いで揺さぶりかけていく。
なかなかギブアップを口にしない由衣に、真実は技を解く・・・。
激痛から解放されて助かったと思った由衣は次の瞬間、真実のキャメルクラッチに捕らわれるのであった。
グイッ・・・
「ふぐっ・・」
上半身を反らされて苦しい由衣。ビキニからバストが飛び出しそうになる中、激痛に必死に耐えている。
胸の谷間に汗が流れ落ちる由衣。真実のキャメルクラッチに必死に耐えるが、逃れる事も出来ずに試合のダメージから限界か・・・。
観客席からもギブアップするだろうと思われていたが、由衣がギブアップしないからと驚きの声も・・・。
当然ながら真実もギブアップしないからと、仕方ないから技を解いていく。
技を解くと、由衣はグッタリとして苦しんでいるが真実は休ませない・・・。
休む暇も与えずに、グラウンド状態でアナコンダスリーパーで締め上げた。
グイッ・・・
「うぐっ・・ぐぐっ・・・」
喉元はチョークスリーパー気味に、ウエストには鍛えられた太い脚が絡みついてくる。
由衣は真実に締め上げられて苦しい状態に追い込まれていた・・・。
レフリーもギブアップの確認をするが、由衣は両手を藻掻いて逃れようと必死で、ギブアップは口にしない・・・。
真実も必死に締め上げていくと、由衣の身体の動きが無くなっていく・・・。
手がダラリとしているが、真実は締め上げていく。
ここでレフリーが由衣の異変に気がつき、手を握ったりして意識の確認をするが由衣の手の反応がないから、ゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、真実が技を解いていく。
しかし激闘にスタミナを使い切ったと言う表情を浮かべると、由衣の隣に寝た状態で呼吸を整えていく。
『ただ今の試合、山先真実の勝利となりました!』
リングアナのコールに真実は立ち上がると、フラフラしながら観客席に向かって頭を下げた。
一方試合に負けた由衣は、リングドクターに応急処置を受けてから、担架に乗せられてリングを後にするのであった。


第5試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、地下プロレスでは常に負け続けている折原美香。今回はグラビアでの売れ具合により選手が選ばれているので、美香もトーナメントに出される事になった。白いビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に頭を下げる美香。
その美香の対戦相手とリングインするのは、山木梓。今回の対戦相手が美香と分かると、梓も内心は余裕感すらある様子。
黒ビキニに黒いリングシューズ姿でリングインすると、片手を突き上げて観客席にアピールした。
美香は身体を動かしながらも、梓との試合開始を待つが、グラビアアイドル相手とは言え、今夜も痛めつけられるかもと心配している様子。
逆に梓は、最近の地下プロレスの流れからも打撃技が多くなる傾向に、丁度良いからとスパーリングではないが、美香に対して打撃の練習も出来るかもと頭に考えていた。
『青コーナー〜・・・身長154p、上から80、55、80・・・折原〜美香〜っ!』
コールを受けて頭を下げる美香。
『赤コーナー〜・・・身長157p、上から82、55、83・・・山木〜梓〜っ!』
コールを受けると、観客席に頭を下げては笑顔を振りまく梓。
レフリーが二人のチェックを行うと、ここでゴングが要請された。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、いきなり美香が飛び出してドロップキックを放った。
バシィィィィ・・・
美香の先制攻撃にダウンする梓。
更に立ち上がる梓の顔面にドロップキックを叩き込む美香。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
悲鳴をあげて倒れ込む梓に、美香は髪を掴んで起こしていく。
しかし梓もお腹にグーパンチで反撃すると、エルボースマッシュで攻めたてた。
バキッ・・
「うっ・・・」
エルボースマッシュに動きの止まる美香に、梓は気合いを入れてボディスラムでマットに叩き付けた。
細身の梓の投げ技に観客席が盛り上がる中、叩き付けた美香に覆い被さりフォールする梓。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし美香も始まったばかりでフォールを許さない。
返されるとマットに座らせてスリーパーで締め上げてはスタミナを消耗させようとする梓。
美香は苦悶の表情で逃れようと必死になるが、梓も簡単には逃がさない。
しかし美香も必死に抵抗すると、技が外れて逃れた。
距離を置く美香と梓。
睨み合いになると、お互いが手を出さずに距離が詰まっていく・・・。
バッシーン・・・
いきなり梓が強烈な張り手を叩き込む。
バッシーン・・・
すると、美香も負けずに張り手を叩き返した。
叩かれて梓が張り手を左右一発ずつ返すと、美香も左右の張り手を返す。
更にヘッドロックで締め上げるが、梓が抱え上げてアトミックドロップを炸裂させた。
ゴキィィィィ・・・
「ひぎいぃぃぃ・・・」
尾てい骨への衝撃に悲鳴をあげる美香。
梓が放すと、お尻を押さえて倒れ込む美香。
梓は容赦なくノーガードの顔面にサッカーボールキックを叩き込んでいく。
バッシィィィィ・・・
「いやああぁぁぁぁ・・」
悲鳴をあげて痛がる美香。
動きの止まる美香の髪を掴んで起こすと、エルボースマッシュを頬に叩き込んでから、DDTで脳天からマットに叩き付ける梓。
ドスッ・・・
「きゃああぁぁぁぁ・・・」
またも悲鳴をあげてはダウンする美香。梓が試合の流れを掴んでいくと、観客席からも美香が何分持つかと言う視線が浴びせさせられる。
その美香のバストを押し潰すように、梓はエルボードロップを叩き込む。
ドスッ・・・
「あああああっ・・・」
両足をバタバタさせて藻掻き苦しむ美香。
梓はゆっくりと立ち上がると、観客席にアピールする様に見渡してから顔面を踏みつけては、レフリーにフォールの要求をした。
「レフリーぃぃぃ・・・フォール!」
梓の要求にレフリーがマットを叩く。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・』
しかし美香も返すと、梓が髪を掴んで起こしていく。
フラつく美香に張り手を入れると、梓は左右のパンチをボディに叩き込んだ。
ドスッ・・ドスッ・・
「うっ・・ううっ・・」
スレンダーな美香だけに、ボディへのパンチ攻撃は効果があり苦しい展開。
更に首相撲の体制に持ち込むと、膝蹴りを狙う梓。
しかし嫌がるように組み付く美香。
美香が組み付くと、バランスを崩してグラウンド状態になる両者。
梓が上になろうとするが、美香も抵抗して簡単には馬乗りになる事ができない梓。
逆に藻掻く美香が暴れると、梓の顔面に蹴りが入り動きが止まった。
ゴキッ・・
「くっ・・」
口の辺りを押さえて動きの止まる梓。
美香は立ち上がると、梓の髪を掴んで起こしていくが、梓も意地になってグーパンチをボディに叩き込む。
しかし美香もそのまま、梓の顔面をマットに叩き付けるフェイスクラッシャーで返すと、梓は両手で顔面を押さえて痛がっている。
会場からは美香に対して大歓声がおきると、美香も戸惑いながらも梓を起こしていくと、一気に絡みつくようにコブラツイストを仕掛けた。
グイッ・・
「んあああぁぁぁぁ・・・」
技が極まると、梓が悲鳴をあげる。汗だくになりながらも美香のスレンダーな身体が絡みついていくと、梓は激痛に全身を襲われた。
『山木っ、ギブアップ?』
レフリーも梓にギブアップの確認をするが、梓はギブアップは口にせず、逃れようと身体を動かしていく。
美香も必死に極めていくが、汗で滑って技が解けると、ヒップに膝蹴りを入れて距離を置いた。
お尻を気にしながらも距離を置く梓。
距離があるが、美香は果敢に前に飛び出してドロップキックを放った。
バッシーン・・・
打点が低いが、お腹にドロップキックが炸裂して苦しい梓。
お腹を押さえていると、美香は意地になってボディへ膝蹴りを入れていく。
ドスッ・・ドスッ・・
「ふぐうっ・・ううぅ・・うっ・・」
美香の膝蹴りに苦しい展開の梓。格下と思われた美香の思わぬ攻撃に苦しんでいる。
更にエルボースマッシュが側頭部を襲うと、梓は苦悶の表情を浮かべてダウンした。
ダウンさせたが、美香も苦しそうな表情を浮かべると、ロープに寄りかかり呼吸を整えると、立ち上がろうとする梓の顔面にドロップキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「ああああああっ・・・」
悲鳴をあげてリング上を転がり回る梓。顔面への勢いあるドロップキックが相当効いている様子。
美香が髪を掴んで起こそうとすると、梓が意地になって反撃する。
ゴキィィィ・・・
「ふぎぃ!」
そう、梓は美香の股間へグーパンチを叩き込んでいく。
恥骨を直撃する衝撃に、美香が悲鳴をあげて動きを止められたが、梓は立ち上がると拳を固めた。
股間を押さえる美香に、梓は顔面にグーパンチを叩き込んでいく。
ゴキッ・・バキッ・・・
「あんっ・・・ああっ・・・」
顔を殴られて痛がる美香。
会場内からはブーイングが飛び出すが、梓は構わず殴りつけた。
バキッ・・ゴキッ・・
「イヤあっ・・・」
嫌がる美香。顔面への素手でのパンチは反則だからと、レフリーも梓を止めていく。
『山木っ、顔へのパンチは反則だ・・・ワン・・・ツー・・・』
カウントが数えられると梓は殴るのを止めるが、カウントが止まると殴り出す。
バキッ・・
またもレフリーが注意すると、梓はレフリーに言い返す。
「地下プロレスなんだから、これくらいいいでしょ!」
レフリーと梓が言い合っていると、美香は顔を気にしているが突然動き出した。
梓と背中を付けるように密着すると、逆さ押さえ込みを仕掛けたのだ。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィ・・・』
すかさずレフリーがカウントを数えると、突然の逆さ押さえ込みに反応の遅れた梓の負けが決まった。
『勝者、折原美香っ!』
初の地下リングでの勝利の美香。対して負けた梓は納得がいかないとばかりにレフリーに詰め寄るが、裁定が覆る事はなく、美香の片手が高々と挙げられるのであった。
勝った美香には、観客席から大きな拍手が送られて、負けた梓は静かにリングを去るのであった。



第6試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、産休から復帰したリアン・ディゾン。
グラビアに復活はあるか分からないが、今回グラビアアイドルのトーナメントに顔を出したが、復帰戦にトーナメント出場には疑問視もあった。ゆっくりリングインすると、観客席に頭を下げるが歓声はあまり起きない・・・。
そのディゾンの対戦相手としてリングインするのは、グラビアで着実に人気をあげている釜田奈津美。
リングインすると、観客席からの歓声に笑顔で応えてコーナーに進んだ。その奈津美を睨み付けているディゾン。
そのリング上で、早くもリングアナがコールを始めた。
『青コーナー〜・・・身長167p、上から86、60、89・・・リアン〜ディゾン〜っ!』
コールを受けて片手を挙げるディゾン。リングコスチュームは黒いワンピース水着に黒リングシューズを着ている。
『赤コーナー〜・・・身長153p、上から82、59、85・・・釜田〜奈津美〜っ!』
そして奈津美がコールされると、元気にガッツポーズで観客席にアピールした。奈津美のアピールに観客席からは大歓声がおきると、ディゾンは面白くないと言う表情を浮かべる。奈津美は白ビキニに白リングシューズ姿。
体格差が気になるが、奈津美もディゾンに勝利すれば評価が上がるからと、気合いを入れている。
対して、ディゾンは日本のグラビアアイドルをデスマッチでも何でも潰すと考えていて、芸能界生き残りを賭けて試合に臨んでいる様子。
そしてディゾンの復活戦のゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出す奈津美とディゾン。
距離を置いているが、奈津美がフェイントをかけながら前に出ようとしている。
ディゾンは堂々としているが、奈津美もなかなか飛び込めない。
逆にディゾンが距離を詰めると、奈津美は距離を置いていく。
なかなか組み合わない二人の姿に、観客席からは野次が飛ぶ。
『ほらっ、やれよ!』
『やっちゃえ、やっちゃえ!』
野次は増えるが、奈津美も簡単には組み付けない。体格差とディゾンの実力を警戒している様子。
対して、ディゾンは久しぶりの地下プロレスのリングに、身体を慣らしながらの試合の様子。
観客席からの声に、奈津美はロープに走って助走を付けてからドロップキックを放つが、ディゾンが叩き落とした。
悔しそうに立ち上がる奈津美が、更にエルボースマッシュで攻め込むと、ディゾンも強烈なエルボースマッシュを返した。
奈津美が必死に打ち込むが、ディゾンも側頭部に容赦ないエルボースマッシュを叩き込んで動きを止めると、ヘッドロックで締め上げる。
グイッ・・
「あうっ・・」
逃れようと藻掻く奈津美に、そのまま体重を乗せて倒れ込むディゾン。
首へのダメージが心配な奈津美だが、藻掻いて逃れようとする。
ディゾンがいきなり馬乗り状態になると、ここから奈津美の顔面にグーパンチの連打。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・
「痛いぃぃ・・・いやあぁぁぁぁ・・」
絶叫する奈津美。観客席からはディゾンに対してブーイングが送られていく。
レフリーもディゾンの手を掴んで反則だからと注意すると、ディゾンは仕方ないとばかりに殴るのを止めた。
立ち上がるディゾン。奈津美は顔を気にしながら立ち上がると、ディゾンは容赦なく喧嘩キックをお腹に入れた。
ドスッ・・
「グエッ・・・」
いきなりのお腹への強烈な蹴りに苦しむ奈津美。
立ち上がろうとする奈津美の顔面を蹴り上げるディゾン。
バシィィィィ・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげて大の字にダウンする奈津美に、ディゾンは顔面を踏みつけていく。
グリグリ・・・
「ああっ・・い、痛い・・・」
痛がる奈津美に、ディゾンが呟いた。
「アンタ・・・ヨワイヨ・・」
ディゾンの言葉に藻掻く奈津美。
しかしディゾンは容赦せず髪を鷲掴みにして立ち上がらせると、コーナーに連れて行き額をコーナーポストに叩き付けた。
バッシーン・・・
「あうっ・・」
更にカバーを外して金具を剥き出しにしていく。
しかし奈津美も組み付いてバックドロップで反撃すると、ディゾンは後頭部をマットに叩き付けられてグッタリする。
更に顔面を狙ってストンピングを叩き込んでから、足を固めてフォールする奈津美。
『ワン・・・ツー・・・』
レフリーが数えるが、ディゾンが余裕で返していく。
返された奈津美が立ち上がると、立ち上がろうとするディゾンの顔面へドロップキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「うぐっ・・」
これには苦悶の表情を浮かべるディゾン。
立ち上がるディゾンに、奈津美は果敢にミドルキックを放つと左右の張り手で押していく。
張り手を受けてロープ際に追い込まれるディゾン。観客席が奈津美に対して声援を送り盛り上がる。
更にディゾンの顔面にグーパンチで攻め込む奈津美。慣れないナックルパンチだが、観客席が盛り上がっているから頑張っている様子。
バキッ・・
顔を殴られたディゾンは、一瞬フラつくが怒りに火が付いた様子・・・。
「カクゴシロヨ・・・」
奈津美は首相撲の体制に持ち込み、ロープに追い込んだ状態から膝蹴りを叩き込むと、更にディゾンにダメージを負わせていく。
フロントスリーパーで締め上げていく奈津美だが、ディゾンは体格差から逆にコーナーに押し込んだ。
背中をコーナーに押し込められて苦しい奈津美。辛うじてディゾンの首に腕は巻き付けるが外れかかる。
逆にディゾンが奈津美のお腹にグーパンチを入れると、痛さから力が抜けてディゾンが逃れた。
そしてコーナーに追い込んだ奈津美に対して、顔面にジャブ気味にパンチを放つと、アッパーを入れてダウンさせていく。
コーナーに座り込むようにダウンして崩れ落ちる奈津美。
会場内からはブーイングが送られていくが、ディゾンは両手を叩くようにして煽りながら奈津美の顔面に膝を落とした。
グッタリする奈津美を起こしてコーナーに寄りかからせると、ディゾンはサードロープに登ると、片手で髪を鷲掴みにして、片手を握りしめて額にグーパンチを連打した。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・
「痛いぃぃぃぃぃ・・・」
奈津美の悲痛な叫び声と共に、観客席からはブーイングが送られていく。
そしてコーナーから降りると、ディゾンはヘッドロックからブルドッキングヘッドロックと奈津美を痛めつけていく。
俯せでグッタリしている奈津美。
ディゾンは観客席にアピールする様に両手を挙げて拍手すると、勢いをつけて脇腹にサッカーボールキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「ぐはあっ・・・」
目を見開く様にして苦しむ奈津美。
動きの止まった奈津美の髪を鷲掴みにして起こしていくディゾン。
すると、お返しとばかりにバックドロップでマットに叩き付けていく。
バシィィィィィ・・・
グッタリしている奈津美に、ディゾンは小刻みのサッカーボールキックでリング下に落としていくと、自らも追いかけて降りていく。
リング下でグッタリしている奈津美に、ディゾンが観客席からパイプ椅子を取り出すと、仰向けだからとお腹に叩き付けた。
ガッシャーン・・・
「いやああぁぁぁ・・・・・・」
悲鳴をあげて痛がる奈津美。
更に喉元にパイプ椅子を押しつけて体重を乗せていくディゾン。
両脚をバタバタさせて藻掻き苦しむ奈津美。
ディゾンはパイプ椅子を手放すと、奈津美を起こしてから髪を鷲掴みにして鉄柱に連れて行くと、額から叩き付ける鉄柱攻撃をした。
ゴッキーン・・・
「きゃああぁぁぁぁ・・・」
奈津美の悲鳴が響き渡るリングサイド。
ディゾンは構わず額から叩き付けていくと、奈津美の額が割れて流血戦となっていく。
額が割れると、今度は傷口にグーパンチで殴りつけるディゾン。
バキッ・・ゴキッ・・
傷口が広がったか、流血が酷くなって奈津美の可愛らしい顔が赤く染まっていく。
白ビキニにも血飛沫が飛び始めると、奈津美はフラフラして反撃できないでいると、ディゾンは容赦なく膝蹴りでダウンを奪っていく。
倒れている奈津美に、ディゾンの強烈な踵を使ったストンピングが炸裂していく・・・。
ドスッ・・ドスッ・・
「ウゲッ・・ふぐぐっ・・・」
お腹を蹴りこまれて、口から反吐を吐き出す奈津美。
するとディゾンが観客席からペットボトルを掴むと、奈津美の顔面に水を掛けては反吐を洗い流した。
額から流れ出た血も流されるが、ディゾンは馬乗りになると額を殴りつける。
ゴキッ・・バキッ・・
「いやああぁぁぁぁ・・・」
絶叫する奈津美の額から、またも血が流れ出る。
逃れようとする奈津美を俯せにしていくディゾンは、キャメルクラッチの様に上半身を反らしてから、額にエルボースタンプを叩き込んでは、傷口を酷くしていく。
ゴキッ・・バキッ・・
「いやああぁぁぁ・・・やめてぇぇぇぇぇぇ・・・」
悲鳴をあげて痛がる奈津美。
両脚を激しくバタつかせて痛がっている奈津美に、ディゾンの容赦ない攻めは止まらない・・・。
観客席からはブーイングが激しくなる中、ディゾンは笑みを浮かべて立ち上がると、徹底的に奈津美の身体を蹴りこんで痛めつけていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「あうっ・・ああんっ・・ああっ・・」
ディゾンがリング上に戻ると、奈津美は俯せ状態でグッタリしている。
額から流血して、全身を蹴りまくられて痣まで浮かび上がる奈津美。
ディゾンがリング上に戻ると、コーナーのカバーを外して金具を剥き出しにすると、奈津美がフラフラしながら立ち上がっていく。
奈津美はロープを手にリング上に戻ろうとすると、ディゾンが髪を鷲掴みにした。
「いやああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
ディゾンはエプロンサイドに立たせた奈津美の額を、ロープに擦りつけては悲鳴をあげさせていく。
ギュギュ・・ギュ・・・
「んああああぁぁぁぁぁ・・・・」
悲鳴をあげる奈津美をリング内に入れていくディゾン。
ヘッドロックに捉えると、傷口にグーパンチを叩き込んでいくディゾン。
バキッ・・バキッ・・
「あああああぁぁぁぁ・・・」
またも悲鳴をあげる奈津美。
傷口からの流血が酷くなると、ディゾンはそのままの体制からブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けた。
バシィィィィィィ・・・
マットに叩き付けられてグッタリする奈津美。
俯せ状態の奈津美をゆっくりとパイルドライバーの体制に持ち込むディゾン。
そして逆さ状態にすると、四方の観客席に奈津美の血塗れの表情を見せようと回り出すディゾン。
そして見せつけ終えると、マットに奈津美を脳天から叩き付けた。
ドスッ・・
「ふぐうっ・・・」
変な声を漏らす奈津美。ディゾンが放すと、グッタリとマットに崩れた。
身体をヒクヒクと小刻みに痙攣しているような奈津美に、ディゾンは片手を突き上げてアピールする。
もう勝負はついているのは明らかだが、ディゾンは近くのトップロープに登っていく。
「ジ・エンド!」
観客席に向かって叫ぶと、一気にフットスタンプを落とす。
ドスッ・・
「オエェェェェェェェェェェ・・・・・」
ディゾンの全体重がお腹に炸裂すると、奈津美は堪らず口から激しい反吐を噴き上げた。
自ら吐き出した吐瀉物を顔面に受けて失神する奈津美。
ディゾンは余裕な表情で奈津美の肩を踏みつけると、レフリーにフォールの要求をした。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィ・・・・』
余裕のスリーカウントが入ると、ディゾンの勝利が決定するのであった。
『勝者、リアン・ディゾン!』
リングアナのコールが響き渡ると、会場内からはディゾンに対してブーイングが起きていく。
奈津美はリングドクターの応急処置を受けるが、腹部へのダメージで立ち上がれずに担架が呼ばれた。
ブーイングに関係なくディゾンはガッツポーズでリングを後にするのであった。


第7試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、若手グラビアアイドルナンバーワンとも言われている杉元有美。
スレンダーな長身を黒ビキニと黒いリングシューズに包んでのリングイン。リングに登場すると歓声が起きるが、観客席に頭を下げていく有美。
その有美の対戦相手は、格闘技番組にも出ているベテラングラビアアイドルの猪上和香。有美と同じく黒ビキニに黒リングシューズ姿でリングインすると、観客席に頭を下げてから有美に鋭い視線を送っていた。
『青コーナー〜・・・身長168p、上から84、58、85・・・杉元〜有美〜っ!』
早くもコールが始まると、有美は片手を挙げて観客にアピールした。
『赤コーナー〜・・・身長166p、上から88、60、90・・・猪上〜和香〜っ!』
コールを受けて和香は頭を下げると、胸の谷間を観客席に向ける様にしてアピールする。
29歳の和香と20歳の有美のグラビアアイドル対決。和香と有美が距離を詰めると、リング中央でレフリーのルール説明を受けながらも、激しい視線を激突させていく二人。
レフリーが説明を終えるも視線を反らさない有美と和香。
バッシーン・・・
いきなり和香が張り手を叩き込むと、有美も間髪入れずに張り手を返した。
バッシーン・・・
いきなりゴング前からエキサイトするリング上。
レフリーが二人を割っていくが、視線を激しく激突させる両者。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、まずはコーナーから歩み寄るが距離は保っていく和香と有美。
有美がガードを上げて固めると、和香はタックルを仕掛ける様なスタイルで距離を詰める。
その和香に有美が軽く掌打を放つと、和香は避けてタックルを仕掛けるが有美が逃げる。
和香の動きの止まった所へ、有美のローキックが決まった。
バッシーン・・・
音を立てて炸裂したローキックに顔を歪める和香。
しかしタックルを仕掛ける和香。有美はタックルに合わせてフロントスリーパーにキャッチするが、体重を掛けている和香に押されていく。
ロープ際に押し出されていく有美。背中にロープを食い込ませると、ここでレフリーがロープだからと和香を離した。
『ブレークっ・・・』
レフリーに指示されて離れていく和香。ビキニを直しながら距離を置くと、有美もビキニを直しながら距離を置く。
和香も格闘技番組に出ていて、また有美もアクション物にも出ていたから格闘技戦の様な空気のリング内。
距離が詰まると、有美がローキックを放った。
バッシーン・・・
膝にローキックを受けるが、動きのない和香。
更に有美が仕掛けると、左右の張り手を放つ和香。
バシィィィ・・・
有美の頬に張り手が炸裂すると、そのまま前に出て首相撲を狙う和香。
しかし有美が組み付いて倒していくと、グラウンド状態に持ち込んだ。
倒れ込むと、有美がサイドポジションを奪っていくと、和香は逃れようと動き出す。
バストが飛び出しそうになる和香。ブリッジなど織り交ぜて逃れようとするが、有美が上手くサイドポジションをキープしていく。
上から体重を乗せられてスタミナを消耗していく和香。
早くも汗が輝き出す和香の素肌。有美の額からも汗が流れ出ている。
腕を狙っていく有美。和香も腕は取られないように体制を入れ替えようとするが、有美も上手く押さえていく。
腕を狙う有美に、一瞬の隙を突いて和香が身体を起こしてから、腕十字を狙う有美をマットに押し込む和香。
腕は伸ばされる寸前だが、有美も体制が崩れて極められない。
逆に片手で張り手を放っていく和香。
バッシーン・・バッシーン・・
有効打は打てないが牽制している和香。
有美が離すと和香が今度は馬乗りを狙って動いた。
フォール気味にバストを押しつけて動きを止めて、一気に馬乗り状態になる和香。
和香の身体がどっしりと乗っかり苦しい有美。
マウントポジションを奪うが、ルールはプロレスルールだからと拳でのパンチは反則。しかし馬乗り状態だけでもスタミナを奪うには十分。
張り手を顔面に叩きつけていく和香。ガードしようとする有美だが、体制が不利で苦しい状況。
更には、脇腹にグーパンチを叩き込んでいく和香。
ドスッ・・ドスッ・・
「うぐっ・・ううっ・・・」
脇腹へのグーパンチに有美は苦悶の表情を浮かべていく。
更に脇腹を殴りつけていく和香。
ドスッ・・ドスッ・・
「んあっ・・ふぐっ・・」
ボディへのパンチ攻撃に苦しい有美。
有美は下からパンチを出すも有効打が打てないからと、ワカパイことバストへパンチを叩き込んだ。
グニュ・・
「くっ・・・」
胸への打撃に動きの止まる和香。
更にバストへパンチを入れてから、ブリッジ気味に抵抗する有美。有美の抵抗にバランスを崩してマウントポジションを崩してしまう和香。
素早く逃れる有美。和香も押さえようとするが立ち上がられると、追いかけるように立ち上がるが有美が逆にハイキックを放った。
シュ・・
これは和香が避けるが、有美は続けて左右の掌打を放つと、ローキックで動きを止めていく。
バシィィィィ・・・
音を立てて炸裂したローキックに痛そうに表情を歪める和香。
更にローキックで脚を止めていこうとする有美に、和香は抱きつくようなタックルを仕掛ける。
突進してくる和香に、有美は膝のカウンターを合わせる。
ドスッ・・
「うぐっ・・」
ボディに有美の膝蹴りを受けながらも組み付く和香。表情は膝蹴りのダメージで苦しそうだが、無理矢理に倒しに行く。
ロープ際で倒されて下の体制になる有美。
和香がバストを押しつけながら組み付いていくと、腕を狙いだした。
アームバーを狙うが、有美はロープに足を伸ばした。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーがロープだからと和香と有美を離すと、お互いが立ち上がるが和香は呼吸が乱れて苦しそうな表情。
『ファイト!』
レフリーが続行の掛け声を掛けると、呼吸が整わない和香に対して、有美は前に出てミドルキックを放った。
バシィィィィ・・・
強烈なミドルキックに動きの止まる和香。
更に有美がローキックからミドルキックと打撃で攻め込むと、ガードを固めて蹴られる和香。
バッシーン・・バシィィィ・・・
有美は組み付くと、首相撲の体制から膝蹴りをボディに叩き込む。
ドスッ・・
「んぐっ・・・」
苦悶の表情の和香。更に左右に身体を振ってから、顔面狙いの膝蹴りを叩き込む有美。
ゴキッ・・
「ああんっ・・・」
膝蹴りが顔面に炸裂すると、和香の身体がマットに崩れ落ちた。
俯せ状態でダウンした和香は、ヒップを突き上げるような形でマットにダウンしていると、有美は距離を置いてから和香のヒップにサッカーボールキックを叩き込む。
バッシーン・・・
「ひぃ!」
ビキニショーツに包まれた豊満なヒップに打撃が炸裂する。和香は堪らず悲鳴をあげた。
有美は狙いを定めて、今度は顔面へ容赦ないサッカーボールキックを叩き込む。
バッシーン・・・
「んああぁぁ・・・・」
悲鳴をあげて俯せに倒れ込む和香。口の中を切ったらしく、血が見えている。
その和香の髪を鷲掴みにして起こしていく有美。
フラフラしていると、和香の顔面にハイキックを叩き込む。
バッシーン・・・
上手く決まったが、和香はフラフラするがダウンはせずにロープに寄りかかった。
更に有美がジャンピングニーパッドを狙うが和香がガードすると、組み付いて倒しにかかる。
しかし有美も踏ん張っているが、和香が爪先にストンピングを落とした。
バンッ・・・
「痛いっ・・」
爪先へのストンピングに悲鳴をあげる有美。
力が抜けた所へ、和香が左右のジャブを顔面に叩き込んでいく。
バシッ・・バシッ・・
フラつく有美に、和香は拳を固めてアッパーを放つ。
バキッ・・
「あうっ・・」
有美の顎にアッパーが炸裂すると、有美は崩れるようにマットに倒れ込む。
しかし観客席から反則だとブーイングが飛んだ。
『今の反則だろ、反則!レフリーしっかり見てろよ!』
観客席からの押しもあって、レフリーは和香を離していく。
『猪上、拳での顔面への打撃は反則だ!』
レフリーに注意を受けると、和香は納得しない表情で頷く。
有美は顎を気にしながらも立ち上がると、レフリーがダメージのチェックをするが続行が指示された。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を置く和香と有美。
顎を気にする有美に、和香がガードを固めて距離を詰める。
有美は左右の張り手で牽制すると、ローキックと打撃のコンビネーションを合わせるが、和香はタックル気味に組み付いた。
和香に押されるようにコーナーに押しつけられた有美。
コーナーに押しつけながら、和香が膝蹴りで放つと、有美のボディに突き刺さって苦悶の表情を浮かべる有美。
ドスッ・・
「あうっ・・」
苦悶の表情の有美に対して、髪を鷲掴みして下を向かせていく和香。
ビキニ姿の有美の顔面にニーリフトを狙いたいところだが、有美も顔面への膝は受けたくないとばかりに組み付いた。
組み付く有美の背中にエルボーを落としていく和香。ビキニだから素肌に肘が炸裂していく。
ドスッ・・ドスッ・・
背中にエルボーを受けながらも、有美はベアハッグではないが組み付くと、踏ん張って変形スープレックスで投げ飛ばす。
バッシーン・・・
和香の身体がマットに叩き付けられると、体重のある和香は自らの体重でダメージを増した。
苦しそうな和香に、有美が一気に馬乗りになって張り手を顔面に叩き込む。
バッシーン・・バッシーン・・バッシーン・・
投げられたダメージから返すことも出来ずに、ただ張り手を受けていく和香。
必死に有美の手を掴もうとするも、有美が許さず張り手を叩き込んでいく。
バッシーン・・バッシーン・・
口の中を切って、更に唇も切れたのか血が飛び散っていく展開に。
ブリッジなどで抵抗するが、有美が上手くコントロールして張り手を叩き込む。
バッシーン・・バッシーン・・
張り手を受けて、和香も意地になって下から張り返す。
バッシーン・・・
有効打は出ないが、和香は返そうと必死になっている。
その和香の指が有美のビキニに掛かると、脱げそうになり有美の動きが止まった。
「きゃっ!」
声を上げてビキニを押さえる有美。
和香は一気にブリッジ気味に返すと立ち上がる。有美もビキニを直しながら立ち上がると、距離を置く展開になった。
偶然とは言えビキニが脱げそうになった事に、有美は腹を立てている様子。
和香は呼吸が乱れて苦しそうだが、まだ勝負を捨てていない。
構えて距離が詰まると、和香が張り手で前に出た。
バッシーン・・・
ガードする腕に音を立てて炸裂する和香の張り手。
しかし有美が掌打を叩き込むと、和香の顎に炸裂して動きを止めた。
足元がフラつく和香に、有美は首相撲から膝蹴りをバストに叩き込む。
グニュ・・・
ワカパイへの膝蹴りに動きが止まる和香。
下を向いているからと、有美は顔面へ膝蹴りを叩き込むが、和香は倒れずに耐えている。
耐える和香に対して、有美がローキックからミドルキックとサンドバック状態にしていくが、和香はフラフラしながらも耐えていく。
和香も張り手を返すが、有美が顔面に張り手を叩き込むと、血飛沫をあげていく和香。
更にハイキックを叩き込んでダウンを奪う有美。
激しい有美の打撃の攻めに観客席が盛り上がる中、和香は俯せにダウンしている。
有美はゆっくりとバックを奪うと、そのまま首に腕を滑らせてチョークスリーパーを仕掛けた。
グイッ・・
「んぐぐっ・・んんっ・・・」
和香は喉元を締め上げられて苦悶の表情を浮かべてロープに手を伸ばすが、ロープに届かない。
有美が両脚で和香を挟み込むと、締め上げていく・・・。
次の瞬間、和香は有美の身体を叩くようにタップして、ギブアップした・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ここでレフリーが試合を止めて有美の勝利が決定した。
『勝者、杉元有美っ!』
技を解いてから立ち上がると、笑顔で観客席の歓声に応える有美。
マットに倒れている和香を気遣いながらも、有美は次の試合に備えるのであった・・・。



第8試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールに姿を現したのは、芸能界喧嘩最強とも噂されていた岩左真悠子。白いビキニ姿に白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に頭を下げた。
その真悠子の対戦相手としてリングインするは、樹下優樹菜。同じ事務所所属ながら、キャラが被るなど言われていて地下プロレスのリング上で直接対決、試合は優樹菜が勝利して終わっていたが、またも対決が実現した。
優樹菜は黒ビキニに黒リングシューズ姿でのリングイン。早くも睨み合いが始まる中、真悠子が口を開いた・・・。
「この試合・・・何でも有りにしない・・・完全決着、そう殴る蹴るもオッケーにしてさぁ・・・」
その真悠子の挑発的な言葉に、優樹菜も返す。
「別にぃぃ・・優樹菜が勝たせてもらうから問題無いんですけど・・・先輩っ!」
優樹菜の言葉に真悠子は視線を鋭くする。
そして、リングシューズを脱いで素足になる真悠子。それを見て優樹菜もリングシューズを脱ぐと、特別試合での試合になる事が決まった。
観客席が盛り上がる中、真悠子と優樹菜はそれぞれのコーナーに進むと、リングアナのコールを待った。
『青コーナー〜身長155p、上から83、58、86・・・岩佐真悠子〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする真悠子。
『赤コーナー〜身長168p、上から88、58、86・・・樹下優樹菜〜っ!』
コールを受けてガッツポーズする優樹菜。早くも殺気漂うリング内。
身長で13p、体重が10s以上の差がある優樹菜と真悠子。喧嘩マッチとなると体格差が気になるが、真悠子も練習を積んできたと言う情報もあるが、対して優樹菜は仕事が多くなってきてスタミナ面など気になるところ。
『なお、この試合は両者の申し出により、素手での顔面攻撃、急所攻撃など全てが有効となり、KO、ギブアップ決着の格闘技ルールとなります!』
リングアナのコールに観客席が盛り上がると、レフリーはゴングを要請した。
『カァーン!』
ゴングと同時に優樹菜が走り込んで飛び蹴りを仕掛けると、真悠子は冷静に避けていく。
更に優樹菜の左右のパンチが飛び出すが、ガードしてローキックで返す真悠子。
バシッ・・
ローキックを受けるが殴り返す優樹菜。
バシィィィ・・・
ガードの上から拳が炸裂すると、真悠子も至近距離から顔面へ拳を叩き込む。
バキッ・・
まずは顔面パンチは真悠子が決めて、優樹菜の頬を抉った。
一瞬フラつく優樹菜だが、お返しとばかりに真悠子の顔面にパンチを返した。
バキッ・・
殴られる真悠子だが、素早く殴り返していく。
バキッ・・
お互いが顔を殴り合う壮絶な展開になると、観客席からも歓声が飛んでいく。
時折真悠子がローキックで膝を蹴ると、優樹菜は痛そうな表情を浮かべた。
そして間合いを取る真悠子と優樹菜。
真悠子は口の中を切ったのか、血を滲ませているが、優樹菜も口の中を切って血を垂らしている。更に脚までローキックで変色しているから、互角の勝負で試合は進んでいた。早くも血が出る試合に興奮する観客席。
優樹菜が構えて距離を詰めると、真悠子がローキックを放つと、脚を蹴られながらも優樹菜が殴りつけた。
バキッ・・
顔面を殴られてグラつく真悠子。
更に殴りつける優樹菜に真悠子が組み付くと、体格で負けるが爪先を踏みつけるようにストンピングしてから、グラウンド状態に倒した。
倒れ込むと真悠子はハンマーパンチで優樹菜の顔面を叩き付ける。
優樹菜も嫌がるように藻掻くと、ブリッジ気味に抵抗して逃れると、転がりながら立ち上がった。
真悠子も立ち上がると、その顔面に蹴りを放つ優樹菜。
シュ・・
しかし真悠子が避けると、ボディへ2発パンチを入れた。
バシッ・・バシッ・・
「ぐっ・・」
お腹を殴られて動きの止まる優樹菜。
更に顔面を殴るが、優樹菜も負けずに殴り返した。
バキッ・・バキッ・・
「ペッ・・」
真悠子がマットに唾を吐くと、唾は血であった・・・。
優樹菜は果敢に飛び膝蹴りを放つと、真悠子の肩口に命中して勢いでダウンを奪う。
そのまま馬乗り状態になっていくと、当然ながら顔面へ拳を叩き付けていく。
バキッ・・バキッ・・
顔面を殴られて苦しい真悠子。
バキッ・・バキッ・・
鼻を狙って殴っていく優樹菜。
殴られて鼻血を噴き出す真悠子。呼吸が苦しくなるとスタミナが気になるところ。
下から抵抗する真悠子だが、優樹菜が上手く顔面を殴りつけていく。
バキッ・・バキッ・・
音を立てて炸裂する優樹菜のパンチ。真悠子の顔面が少しずつ傷つけられていく・・・。
殴りつける優樹菜の手を取ろうとする真悠子。
しかし優樹菜も掴ませずに殴りつけていく。
バキッ・・バキッ・・
藻掻く真悠子。顔面が血に染まり出すが、真悠子の抵抗は止まらない。
しかし優樹菜のパンチが止まらないと、真悠子は優樹菜のビキニに手を掛けた。
「何すんだよ!」
優樹菜が叫ぶが、真悠子はビキニの中に手を滑り込ませると、優樹菜の乳首を思いっきり抓った。
「痛いぃぃぃ・・・」
堪らず悲鳴をあげる優樹菜。同時に力が抜けたからと真悠子が返した。
転がるようにして立ち上がる真悠子。
優樹菜はビキニを直しながら真悠子に抗議した。
「汚ねぇ〜んだよ!」
その言葉に真悠子が返す。
「喧嘩に汚ねぇ〜も何も無いんだよ、バ〜カ!」
そう言う真悠子だが、顔を殴られていたから目が腫れだして、鼻から激しく出血している。
対して優樹菜は口から血を流しているが、鼻血はまだ出ていない。
そして距離が詰まると、真悠子がローキックを出していく。
バシィィィィ・・
「くっ・・」
このローキックには優樹菜は嫌な表情を浮かべている。
更に真悠子がローキックを叩き込むと、一瞬優樹菜の膝がガクンと折れた。優樹菜の膝の辺りがローキックで変色して、動きが鈍くなってきている・・・。
優樹菜が喧嘩キックを放ちながら距離を詰めるが、真悠子がカウンターで殴り返す。
バキッ・・
真悠子のカウンターパンチにフラつく優樹菜。
下からアッパーを狙う真悠子。優樹菜も殴ろうとするが、アッパーが上手く決まって動きが止まった。
動きの止まった優樹菜のボディに膝蹴りを入れる真悠子。
ドスッ・・
「ううっ・・」
苦悶の表情を浮かべる優樹菜。しかしダウンはせずに踏ん張っている。
更に首相撲の様に組み付いて膝蹴りを入れていく真悠子。
ドスッ・・
「あうっ・・」
優樹菜の口から悲鳴が漏れるが、試合は止まらない。
しかし優樹菜も体格差を活かして手を振り出すと、真悠子の顔面に数発入って流れを変えていく。
優樹菜が組み付くようにしてコーナーに真悠子を押し込んでいくと、お返しとばかりに膝蹴りをボディに叩き込む。
ドスッ・・
「ふぐっ・・」
優樹菜の膝がお腹に突き刺さると、真悠子は口を開いて血の混じる涎を垂れ流した。
優樹菜はチャンスと思い片手で髪を鷲掴みにして、一気に真悠子の顔面に拳を叩き込んでいく。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・
音を立てて炸裂していく優樹菜のパンチ。真悠子の顔面に傷つけられて血塗れになっていく。
真悠子も抵抗するが、優樹菜の殴る勢いは止まらない。
マットにも真悠子の鼻血などが垂れていく残酷な光景に、観客席からは大歓声が起きていく。
グラビアアイドルトーナメントで血生臭い残酷な殴り合い・・・。
このまま真悠子の失神KOかと思われたら、真悠子が油断した優樹菜の股間へ膝蹴りを入れた。
ゴキッ・・
「んぐうっ・・・ううっ・・・」
いきなり股間を蹴られて苦しい優樹菜。
身体をくの字にすると、真悠子は距離を測って顔面へハイキックを放った。
バキィィィィ・・・
顔面へのハイキックにコーナーに崩れ落ちる優樹菜。
倒れた優樹菜の顔面に、真悠子は容赦なくサッカーボールキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「ふげっ・・」
優樹菜は顔面を蹴り上げられて意識を飛ばしそうになる。鼻からは激しく鼻血が噴き出すと、顔を蹴られないようにガードを固めた。
しかし真悠子はガードしているからと、踏みつぶすようにストンピングを叩き込む。
バキッ・・ドスッ・・
俯せ状態の優樹菜は、後頭部をストンピングで蹴りこまれて抵抗出来ない状態に追い込まれていく。
更に顔面を蹴り上げる真悠子。同じ事務所同士の試合で、まったく容赦ない攻撃の連発・・・。
抵抗の少なくなった優樹菜を仰向けにすると、真悠子は馬乗りから顔面にパンチを連打していく。
バキッ、バキッ、バキッ・・・
ガードも出来ずに殴りつけられていく優樹菜。
殴る真悠子も顔を腫らしての壮絶な喧嘩マッチ。優樹菜は殴られて顔が腫れだしていく。出血も激しくなってきたところで、一方的になってきたと言う事でレフリーが真悠子を止めていく。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが要請される中、レフリーは真悠子を羽交い締めにして引き離そうとするが、真悠子はエキサイトして殴る事を止めない。
殴られている優樹菜の方は、もう意識を半分飛ばしているのかグッタリしていると、リングドクターが急いでリングサイドから駆けつけて応急処置していく。
『勝者、岩左真悠子っ!』
リングアナのコールに勝った事を理解する真悠子。
顔を腫らしながらも片手を挙げて観客席に向かって勝利をアピールした。1回戦を勝ち上がった真悠子。優樹菜に喧嘩マッチでリベンジしたのは良いが、トーナメントは苦しい出だしとなってしまった・・・。


第9試合

トーナメント2回戦が始まるまで、トーナメント出場のグラドルの休憩時間を作るために特別試合が用意されたが、その1試合目が始まろうとしていた。
『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、ミス週刊誌に選ばれた櫻庭ななみ。白ビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、初めて体験する地下プロレス会場の雰囲気に違和感を感じつつ、観客席に向かって一礼した。
そのななみの対戦相手としてリングインするのは、同じくミス週刊誌の経験もある北野きい。黒いビキニに黒リングシューズ姿でリングインすると、緊張した表情は浮かべているが観客席に一礼してコーナーに進んだ。
きいの登場にななみは驚くが、対戦カードは事前に知らされておらず、ただ芸能界で売れる為に地下プロレスで試合をすると聞いているだけであった。
お互い地下プロレスのオファーの時点でプロレス経験などある訳もなく、プロレスの基礎的練習を受けてのリングインだが、きいは空手を少しと、毎日腹筋背筋等で鍛えているから、リング上では結果となって出るだろうと関係者は見ている。
『青コーナー〜・・・身長161p、上から79、60、89・・・櫻庭〜ななみ〜!』
コールを受けて片手を挙げてアピールするななみ。少し戸惑いを見せるが、地下プロレスデビュー戦だから仕方ない事・・・。
『赤コーナー〜・・・身長157p、上から80、61、81・・・北野〜きい〜!』
そしてコールを受けて拳を突き上げてアピールするきい。早くも対戦相手のななみを睨み付けていく。もうその視線にはミス週刊誌も関係ないようだ。
16歳のななみと18歳のきいの試合のゴングが、遂に打ち鳴らされた・・・。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、まずはコーナーから飛び出して距離を取るななみときい。
距離が詰まると、ななみが果敢にドロップキックを放つが思いっきりがなくきいが避けて自爆した。
立ち上がるななみを待つきい。
ビキニを気にしながら距離を置くななみに、きいは少しずつ距離を詰めていく。
距離が詰まるとななみがドロップキックを放つが、これもきいがバックステップで避けて自爆させると、きいが動いた。
「いくぞぉぉぉぉ・・」
立ち上がろうとするななみの髪を鷲掴みにして起こしていくと、側頭部にエルボーを入れてからロープに走った。
そしてななみに喧嘩キックを叩き込んだ。
ドスッ・・
「痛いっっ・・・」
お腹を蹴られて両手で押さえる様にロープに逃げて寄りかかるななみ。
更にきいが距離を詰めると、拳を握りしめてお腹にパンチ(胴突き)を叩き込む。
ドス・・ドスッ・・
「ううっ・・ううっ・・」
お腹を殴られて苦しいななみ。表情が歪むが、観客席からは大歓声が起きていく。
ロープにもたれていると、きいはロープに走って勢いをつけるとドロップキックを叩き込む。
バッシーン・・・
「きゃあああぁぁぁ・・・」
悲鳴と共にリング下に転落するななみ。
リング下に落ちたななみを追いかけてきいがリング下に降りていくと、髪を掴んで起こしていく。
ななみも抵抗すると、きいがヘッドロックで締め上げてリングサイドを連れ回した。
「あああっ・・・あああん・・・」
嫌がるななみだが、きいが締め上げては逃げられない。
そしてエプロンサイドにななみを叩き付けて、リング上に戻るきい。
ガッツポーズで観客にアピールすると、観客からの大歓声に気を良くしていく。
一方、ななみはエプロンサイドに寄りかかって呼吸を整えると、ゆっくりとリング上に戻ろうとする。
そのななみに、きいはロープ越しに挑発すると、髪を両手で掴んでは顔面をロープに擦りつけていく。
ギュ・・ギュ・・ギュ・・
「ああああああっ・・・熱いぃぃぃぃ・・・焼けちゃうぅぅぅ・・・か、顔がぁぁぁ・・・」
初めて体験する顔面へのロープ擦り攻撃。ゴムとの摩擦での熱さに絶叫するななみ。
きいは更にロープに擦りつけると、リングの中に戻していく。
顔面を押さえるななみに、きいが太股を狙ってローキックを放った。
バッシーン・・・
「あんっ・・」
蹴られて悲鳴をあげるななみ。
更にきいがローキックを叩き込むと、ななみは痛さに悲鳴をあげていく。
バシッ・・
「痛いっ!」
堪らず痛いと口に出すななみ。
白い足が内出血を起こしているが、きいは同じ場所を狙っては蹴っていく。
バシィィィ・・・
「ひぃ・・」
堪らずロープを握ってダウンを免れるななみに、きいは狙いを定めてお腹にミドルキックを叩き込む。
バシィィィィ・・
「ぐふっ・・」
ノーガードで、蹴られると思っていない瞬間のミドルキックの衝撃に、ななみは嘔吐感すら感じていた。
続けてきいがミドルキックを叩き込むと、ななみはお腹を押さえて座り込んだ。
バシィィィ・・・
「ああんっ・・・」
更にノーガードのビキニに包まれたバストに蹴りを入れるきい。ななみは悲鳴をあげて倒れ込むと、きいが髪を掴んで起こしていく。
そしてフロントスリーパーの体勢から、一気にDDTでマットに脳天から叩き落とす。
バシィィィ・・・
脳天から叩き付けられてグッタリするななみ。俯せ状態になっていると、きいは両手を頭上で叩いて観客たちを煽った。
『いいぞぉぉぉぉぉ・・・・北野っ!』
観客席を盛り上げていくと、きいがロープに走った。
ななみはフラフラしながら立ち上がろうとすると、きいが目の前に・・・。
バッシーン・・・
「きゃあああぁぁぁぁ・・・」
そう、顔を上げたななみの顔面に低空ドロップキックを叩き込むきい。
絶叫してリング上を転がりながら悲鳴をあげるななみ。顔面への低空ドロップキックは可哀想な攻め・・・。
涙目になるななみの髪を掴んで起こしていくきい。すると、ななみも意地を見せて組み付いて逆さ押さえ込みを仕掛けた。
『ワン・・・ツー・・・ス・・・』
レフリーがカウントを叩くと、きいも驚くが簡単に負ける訳にはいかない。
返すと驚きの表情を浮かべるが、観客席からは歓声がおきた。
ななみは悔しがりながら立ち上がると、きいにキチンシンクを叩き込む。
ドスッ・・
「くっ・・」
腹筋を鍛えているきいでも、膝を叩き込まれては苦悶の表情。
ななみも反撃しようと続けてエルボースマッシュを叩き込むと、首投げからマットに叩き付けてスリーパーで締め上げた。
意地を見せるななみ。
「くっ・・・」
きいはロープに逃れようと手を伸ばすが届かない。
少しずつ、ゆっくりとロープとの距離を詰めていくきい。ななみも締めていくが、きいの足がロープに届いた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの声にななみが技を解くと、ゆっくりと立ち上がっていく。
きいも立ち上がって距離を置くと、ここで試合は続いていく・・・。
『ファイト!』
ななみの呼吸が乱れていると、きいは距離を詰めていく。
距離が詰まると、きいがハイキックで牽制するが、ななみも本能的に避けていく。
避けると、今度はきいのローキック。
バシィィィィ・・・
「ああんっ・・」
痛めた足を蹴られて苦しいななみ。
更にローキックで足を攻めていくと、ななみは痛さから動きが止まった。
動きが止まるときいが密着する様にして、お腹に拳を叩き込む。
ドスッ・・ドスドスッ・・
「ふぐっ・・ううっ・・・」
ビキニだけに生腹に拳が叩き込まれると、ななみの表情が険しくなる・・・。
更に固められた拳は叩き込まれていく・・・。
ドスッ・・ドスッ・・
「ぐっ・・・ううっ・・・うっ・・・」
口から涎を垂らしながら耐えるななみ。耐えるが、きいが手を止めるとフラフラしている。
すると、きいが叫んだ。
「いくぞぉぉぉぉ・・・」
きいは身体を回転させる様にして、フラフラしているななみの側頭部に裏拳を叩き込んだ。
バッシーン・・
力なくマットに崩れ落ちるななみ。
きいはゆっくりとフォールすると、レフリーがカウントを数えた。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィィ・・・』
余裕のスリーカウント。ここできいの勝利が決まったのだった。
『ただ今の試合、北野きいのフォール勝ちとなりました!』
リングアナのコールに大歓声に包まれるリング上。きいはトップロープ上でガッツポーズをして歓声に応えると、ゆっくりリングを後にするのであった。
一方、敗れたななみはリングドクターに応急処置を受けると、フラフラしながら立ち上がってから観客席に頭を下げて、リングを後にするのであった。


第10試合

『選手入場っ!』
トーナメント2回戦目が始まる前に、特別試合を数試合入れる事になっていて、ここではその2試合目が始まろうとしていた。
リングアナのコールにリングインするのは、長沢まさみ。白い胸元の開いたワンピース水着に白いリングシューズ、肘と膝にはサポーターを着けてのリングイン。
観客席に一礼するが、最近のドラマ・映画はヒット知らずで苦しい状態が続いているのも事実。今夜は強烈な試合を主催者からは組まれたのであった・・・そう、対戦相手は表でも話題になった・・・山先静代・・・。
その静代がまさみに続いてリングに登場すると、観客席からは大歓声が起きていく。黒いワンピース水着に黒いリングシューズ姿でリングに入る静代。まさみはその巨体に驚きを隠せないが、静代はまさみを如何に痛めつけて勝利するかが求められている事を感じて、リングサイドなど使えそうな凶器などもチェックしている様子・・・。
そしてリングアナがコールを始めていく。
『青コーナー〜・・・身長182p、上から103、82、102・・・山先〜静代〜っ!』
コールを受けて片手を挙げて応える静代。観客席からは歓声が上がっている。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から85、57、87・・・長沢〜まさみ〜っ!』
そしてまさみがコールを受けると、観客席からは残酷な展開を期待する声が多かった。
観客達の注目する中、遂にゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出すのはまさみ。
しかし攻めずに距離を置いていくが、静代も巨体に似合わず素早い動きで距離を保った。
これにはまさみも驚くが、なかなか手が出せないでいる。
静代もまさみの体格から、まずは様子を見ようとしているのか、軽くジャブを放つが顔面へのパンチは反則だから、当てる感じでなく牽制と言う感じのパンチ。
しかしまさみとしては巨体の静代から繰り出されるパンチには恐怖心すら抱き、ガードを固めて距離を置く。
体格差があるから、まさみはローキックで脚から攻めようと考えた。
バシッ・・
しかし腰が引けて軽い当たりのローキックに、静代は何コレと言いたげな表情を浮かべる。
バシッ・・・
更にまさみがローキックからドロップキックを放っていくが、静代は倒れずに笑みを浮かべた。
逆にまさみの髪を鷲掴みにして起こすと、張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
強烈な張り手に一瞬意識を飛ばしそうになるまさみ。
更にヘッドロックで締め上げては、ゆっくりとリング内を連れ回していく静代。
静代の巨体に逃れることが出来ずに苦しむだけのまさみ。
ヘッドロックから、体制を入れ替えて首筋にエルボーを落とす静代。
ドスッ・・
「あんっ・・」
堪らず悲鳴をあげるまさみだが、静代に組み付いてロープまで必死に押していった。
『ブレークっ・・・』
静代の背中にロープが当たると、ここでレフリーがブレークを命じた。
レフリーの言葉に距離を置くまさみと静代。
距離があると、まさみは飛び込むようにタックルを仕掛けた。
体格差を埋める為にも倒したいまさみ。上手くタックルが決まると、静代を上手くテイクダウンさせていくまさみ。
素早くサイドポジションを奪うと、腕を狙おうとするが静代がブリッジ気味に返すと、腕を狙えなくなり更にはロープに逃げられてしまった。
『ロープ・・・』
レフリーの言葉に離れるまさみと静代。
お互いが立ち上がるとレフリーが続行を指示するが、まさみの呼吸が乱れていた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を置く二人。
またもまさみがタックルを狙っているのか、タイミングを計っている。
静代はタックルを潰そうとドッシリと構えていると、まさみがタックルを仕掛けた。
タックルに来るまさみを上から潰した静代。
俯せ状態でマットに押し潰されたまさみは苦しい体制に持ち込まれてしまった。
静代は特に技を仕掛ける事もなく、ただ体重を乗せていく。
それだけでもまさみにとっては苦しく、スタミナを奪っていくには十分な体制だった・・・。
逃れようとするまさみ。ロープまでも届かず、ただ静代の巨体から逃れようと藻掻くだけの体制。
まさみの動きが鈍くなると、静代はマットに座らせる体制でスリーパーで締め上げていく静代。
グイッ・・
「ううっ・・くっ・・」
苦悶の表情でロープに手を伸ばすまさみ。
更に静代はまさみをスリーパーに捉えたまま立ち上がると、スイングスリーパーでまさみを苦しめていく。
「んぐぐっ・・んんっ・・」
静代の腕を必死に掴むまさみ。決して小柄でないまさみが豪快に回されるシーンに、観客席からも歓声が起きていく。
そして静代が技を解くと、まさみはマットに崩れ落ちる様にダウンした。
喉元を押さえて苦しむまさみ。その俯せ状態のまさみの腰などに、静代は体重を乗せたストンピングを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「痛いっ・・・ああんっ・・・」
まさみが蹴られる度に藻掻き苦しむと、観客席から大歓声が起きていく。
何とかロープに逃げるまさみに、静代は両足首を掴むとリング中央まで引いていった。
「いやあぁぁぁぁぁ・・・」
ロープから離されて悲鳴をあげるまさみ。
静代がまさみの両脚を固めていくと、インディアンデスロックで極めていく。
静代の意外なプロレス技に驚く観客達だが、まさみは痛さに悲鳴をあげた。
「痛いぃぃぃぃ・・・イタアァァァァァ・・・・・」
苦悶の表情を浮かべてロープに逃げようとするまさみ。
更に静代が体制を入れ替えて弓矢固めに移行した。
グイッ・・・
「あうっ・・・」
顎に掛けられた圧力で悲鳴もあげられないまさみ。静代に身体を反らされて苦悶の表情。
更に白いワンピース水着は胸元が開いているから、Fカップとも言われる乳房が飛び出しそうになると、観客席からはそちらにも注目が集まった。
痛さに耐えるまさみは、水着からバストがポロリかと言う事態に気がついていないが、静代も気がついていない・・・。
胸が飛び出すと期待する観客達だったが、静代が技を解いてしまった。
グッタリとマットに倒れ込むまさみ。静代は立ち上がると片手を挙げて試合のペースを握っているからとアピールする・・・が、観客席からブーイングが起きた。
『何で技を解くんだよ!』
そのブーイングに静代は意味が分からない様子。
まさみはフラつきながら立ち上がると、胸が飛び出しそうになっているから水着を直すと、ロープに逃れた。
静代が距離を詰めるが、レフリーがロープに居るからと距離を離した。
ロープに寄りかかり呼吸を整えるまさみ。静代はゆっくりと距離を詰めていく。
まさみもロープから離れると、ゆっくりと距離を置いていくと、前に出て低空ドロップキックを放った。
バシッ・・
「ぐわっ!」
まさみの放った低空ドロップキックが静代の膝に当たると、静代が悲鳴をあげてマットに崩れ落ちた。
更にまさみが立ち上がると、静代の背中にサッカーボールキックを叩き込む。
バッシーン・・
「くっ・・」
静代が苦悶の表情を浮かべると、まさみは続けてバストへもサッカーボールキックを叩き込む。
グニュ・・
「あうっ・・」
これには胸を押さえて痛がる静代。続けて顔面へもサッカーボールキックを叩き込むと、静代がグッタリと倒れ込んだ。
まさみは馬乗りになると、キャメルクラッチを仕掛ける。
グイッ・・
上半身を反らされて苦しい静代。
まさみもチャンスとばかりに攻め込むが、静代も大きいからと大きなダメージは与えられない。
逆に静代が少しずつロープに逃げていくと、手がロープに掛かった。
『ロープ・・・』
レフリーがロープだからとまさみに技を解くように指示すると、まさみは仕方ないから立ち上がる。
静代がフラつきながらも立ち上がると、まさみが踏み込んでミドルキックを放った。
バシィィィィ・・・
「くっ・・」
まさみの強烈なミドルキックに顔を歪める静代。
更にまさみがミドルキックを放つと、蹴り足をキャッチして、膝にエルボーを叩き込む静代。
ゴキッ・・
「んあぁぁぁぁぁぁ・・・」
膝を攻められて悲鳴をあげるまさみ。
静代が放すと、まさみはマットに倒れ込んで膝を押さえて痛がった。
そのまさみの両脚を掴んで拡げて、静代はダイビングヘッドバッド股間に落とした。
ゴキッ・・
「ひぎぃぃぃぃぃ・・・」
股間を痛打されて絶叫するまさみ。
両手で股間を押さえて痛がっていると、静代が髪を掴んで起こしていった。
そのままロープに押しつけてから、キチンシンクを叩き込む静代。
ドスッ・・
「うぐうっ・・」
ボディに膝を叩き込まれて、苦悶の表情を浮かべて崩れ落ちるまさみ。
そのまさみをリング中央まで髪を鷲掴みにして連れて行くと、静代はパイルドライバーの体制に持ち込んだ。
逆さにされていくまさみ。静代はまさみの表情を観客席に見せつけようと、四方に見せつけた。
そして落としていく静代。
ドスッ・・
「ああんっ・・」
脳天からマットに叩き付けられてグッタリしていくまさみ。
更にまさみのお腹の上を跨ぐ静代は、観客席に向かって片手を挙げてアピールする。
すると観客席からは大きな歓声がおきると、そのままジャンプしてヒップドロップを落としていく静代。
ドッシーン・・
「うげぇ・・・こふっ・・こふっ・・」
お腹に強烈な圧力を受けて、まさみは藻掻き苦しむ。咳き込んでいるが、反吐は噴き上げずに耐えていた。
身体をくの字にして苦しむまさみを、静代はまたも跨いで狙っていく。
ドッシーン・・
「ウゲェ・・・」
またも炸裂したヒップドロップ。今度はまさみは口から胃液の様な液体を噴き上げると、くの字にしたままグッタリしてしまった。
「お返し・・・」
静代が呟くと、倒れているまさみの顔面にサッカーボールキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
ノーガードの顔面を蹴られてグッタリしているまさみ。
更に腰などにもサッカーボールキックを叩き込んでから、エプロンサイドに寝かせてから、髪を掴んで起こしていく静代。
まさみをエプロンサイドに観客席に向かって立たせると、両腕をトップロープとセカンドロープに絡ませて磔にしていく。
ガッツポーズしてアピールする静代は、背後からまさみの白い水着に手を掛けた。
ワンピース水着でも、まさみの巨乳をアピールするように胸元が開いているからと、両手で水着を掴むと一気に剥ぎ取ってトップレスにした。
バストが飛び出すと悲鳴をあげるまさみ。
「いやああぁぁぁぁぁ・・・」
まさみは悲鳴をあげるが、観客席からは見事なバストに歓声があがった。
更に静代は自らもエプロンサイドに立つと、露わになったまさみのバストへ水平チョップを叩き込む。
バッシーン・・
「きゃああああぁぁぁ・・・」
バストに打撃を受けて悲鳴をあげるまさみ。
更に続けて激しい水平チョップを打ち込む静代。
バッシーン・・バッシーン・・バッシーン・・
強烈な水平チョップの連打に、まさみの乳房は内出血して変色していく。
「そろそろ終わらせるわよ!」
静代が片手を挙げてアピールすると、ロープを掴んでからエプロンサイドの狭い部分でまさみのボディに膝蹴りを叩き込んだ。
ドスッ・・
「うぐうっ・・・」
膝蹴りを受けて項垂れるまさみ。口からは胃液の様なものを垂れ流している。
意識を朦朧としているまさみの髪を掴んで上を向かせると、静代はロープから放してリング下に降ろした。
そしてエプロンサイドから、トップレスのまさみの首にチェーンを持ち出して巻き付けると、絞首刑にしていった。
「うっ・・ううっ・・あっ・・・」
首をチェーンで締め上げられて悲鳴もあげられないまさみ。必死にチェーンを掴むが、静代が容赦せず絞首刑にしていく。
流石に危険な状態になってきたからと、観客席からも試合を止めろと言う声も出ていた・・・。
『カンカンカンカン・・・カンカンカンカン・・・』
ここでレフリーが試合を止めるゴングを要請するが、静代はチェーンを放さない。
口から涎を垂れ流しながら虚ろな表情になるまさみ。
『カンカンカンカン・・・カンカンカンカン・・・』
ゴングが更に鳴り響くが、静代が止まらないからと黒服などが止めに入った。
黒服に止められて仕方ないとばかりにチェーンを放す静代。
リング下ではまさみがグッタリとしていると、リングドクターが応急処置に近づいて処置していく。
静代はリング内に戻るとガッツポーズするが、リングアナからは意外な言葉が・・・。
『ただ今の試合、反則により長沢まさみの勝利となりました!』
その言葉に怒り狂う静代。リング下に降りてリングドクターに処置を受けるまさみにストンピングを叩き込んでから引き上げるのであった。
この試合に、事務所関係者などはまさみへの制裁としては、良い内容だったと笑みを浮かべていた・・・。


第11試合

『ここでトーナメント第1回戦を勝ち上がったグラビアアイドルには、リングに登場してもらいます!』
リングアナのコールに勝ち上がったグラビアアイドル達がリングインしていく。
河村ゆきえ、山先真実、リアン・ディゾン、折原美香、仲島愛里、杉元有美、熊多曜子・・・試合を終えたばかりの岩左真悠子は出てこないが、ここでリングアナが観客に向かって続けた。
『なお、第8試合で勝利しました岩左真悠子ですが、試合によるダメージが大きく棄権します。よって敗者復活戦を行います!』
リングアナのコールにリングインするのは、1回戦で負けた市河由衣と椙原杏璃。共に白いビキニに白いリングシューズ姿でリングインするとコーナーに進んだ。
『敗者復活戦・・・青コーナー〜・・・身長158p、上から83、55、85・・・市河〜由衣〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする由衣。実力を伸ばしている山先真実に体格差があるとは言え好勝負をしただけに、敗者復活戦にチャンスを与えられた。しかし体力消耗もあり苦しそうな表情を浮かべている。
『赤コーナー〜・・・身長157p、上から89、59、80・・・椙原杏璃〜っ!』
そして人気グラビアアイドルの熊多曜子に負けた杏璃。この敗者復活戦に勝利してトーナメント戦線に戻りたいところ・・・。コールを受けて一礼して胸の谷間を観客席に見せてはアピールした。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、いきなり由衣がコーナーを飛び出した。
バシィィィィ・・・
「んあっ!」
打点の高いドロップキックで奇襲攻撃すると、杏璃のバストにドロップキックが炸裂してダウンを奪った。
起き上がる杏璃に、由衣も素早く対応してヘッドロックで締め上げていくと、杏璃はロープに振って返す。
ロープから戻る由衣は、ヒップアタックを仕掛けるが杏璃が避けていく。
ここで距離を測りながら睨み合う由衣と杏璃。
しばらく睨み合うと、杏璃が前に出てローキックで牽制していくが、由衣も間合いを取ってダメージを避けている。
逆に由衣は蹴り技に対してタックルを仕掛けようと間合いを計っているが、杏璃は打撃を繰り出していく。
シュ・・
杏璃のローキックにタックルを仕掛ける由衣。
バシッ・・
ローキックを受けながらも蹴り足にタックルを合わせると、そのままテイクダウンしていく由衣。
杏璃はチョップの様に抵抗するが、由衣がサイドポジションを奪っていく。
両脚を拡げて押さえ込んでいく由衣に、杏璃は返そうとしていくが、由衣が許さずに腕狙いをしている。
腕関節を極めにいきたい由衣だが、杏璃もガードしていく展開に。お互い身体を密着させているので、スタミナ消耗も激しくなっている様子。
少しずつロープに近づくと、杏璃がロープに足を伸ばしてレフリーが止めていく。
『ブレーク・・・』
レフリーの声に由衣が起き上がると、呼吸を乱しながら額から流れる汗を拭った。
杏璃も汗を流しながら、その見事なGカップが作り出す谷間に汗を流しながら立ち上がる。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰める両者。
今度は杏璃が前に出てミドルキックを放つと、脇腹に蹴りを受けて苦しい由衣。
更に左右の張り手が炸裂すると由衣がフラついた。その瞬間、杏璃がハイキックを放った。
バッシーン・・・
側頭部にハイキックを受けてダウンする由衣。
ダウンしたからと、杏璃は腰に座り込んでキャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・・
「あうっ・・」
キャメルクラッチを極められて苦しい由衣。足をバタバタとさせて藻掻いている。
杏璃もギブアップ狙いで顎に力を入れていくが、由衣も簡単には負けを認めないし耐えている。
耐える由衣を技から解放すると、髪を鷲掴みにして起こしていく杏璃。
そして絡みつくようにコブラツイストを仕掛けるが、自らのバストが邪魔して上手く仕掛けられない。
仕方なくエルボースマッシュを打ち込んでから、フロントスリーパーで締め上げていく。
首を締め上げられて苦しい由衣。堪らず杏璃のボディにグーパンチで反撃するが、首に巻き付けられた腕は離れない・・・。
締め上げる杏璃のバストが押しつけられて、ビキニから飛び出しそうになって観客達の視線を集めている。
由衣は堪らず密着してロープに押しだそうとするが、杏璃も負けてはいない。ただスタミナを消耗する結果に・・・。
しかし杏璃が技を解くと、張り手を叩き込む。
バッシーン・・・
頬を叩かれる由衣。更に張り手が襲う。
バッシーン・・・
すると、由衣は苦し紛れに杏璃のGカップバストにグーパンチを叩き込むと、杏璃の動きが止まった。
グニュ・・
「ああんっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる杏璃。
更に由衣がボクシングのパンチングボールを殴る様に拳を叩き込むと杏璃の動きが止まった。
Gカップバストがビキニに包まれて、上下左右に激しく揺れると、杏璃の悲鳴も大きくなっていく。
「痛いぃぃぃ・・・いやああぁぁぁぁぁ・・・・」
堪らず両手で胸を隠すようにすると、由衣はエルボースマッシュを叩き込んでから、一気にバックを奪ってバックドロップを仕掛けた。
バシィィィィ・・・
後頭部を打ち付けて苦しい杏璃。バックドロップの衝撃でバストがビキニから飛び出すと、苦しみながらバストを押さえては、転がるようにリング下に逃げていく。
由衣は呼吸を荒くしながらも立ち上がると、観客席に向かって片手を挙げてアピールすると、観客席からは大歓声が起きている。
リング下では杏璃がビキニを直しながらも、リング上の由衣を睨み付ける。
しばらくすると、杏璃がリング上に戻ろうとするが、由衣はロープ越しに威嚇していく。
由衣の威嚇に杏璃はパンチを出したり手を出すが、由衣もロープを上手く使って防いでいる。
逆に喧嘩キックを放っていく由衣だが、杏璃も蹴りを受けずに避けると、一気にリング内に戻った。
リングに戻った杏璃に蹴りを放つ由衣だが、杏璃も蹴り足に組み付いていく。
バストを押しつけてタックル気味に倒れ込む杏璃。
由衣はチョップで肩口などを叩いていくと、杏璃は喉元に腕を押しつけるギロチンチョークを狙っていく。
ギロチンチョークが決まりそうになると、由衣は身体を動かして逃れるが、体重を乗せられてスタミナ消耗が激しくなって汗を大量に流している。
杏璃が立ち上がると、由衣も立ち上がっていくが呼吸が荒れて苦しい状態に・・・。
その由衣に対して、杏璃は容赦ないローキックを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・
足を蹴られて痛がる由衣。泣きそうな表情を浮かべて痛がると、杏璃はミドルキックをお腹に叩き込む。
ドスッ・・
「うげっ・・」
堪らず両手でお腹を押さえる由衣。
更にハイキックで顔面を蹴ろうとする杏璃だが、これは由衣が避けた。
シュ・・・
避けると逆にミドルキックを放つ由衣。
バシッ・・
脇腹を蹴られて苦しい杏璃。
更に由衣が首相撲に捉えて飛び込むようにバストへ膝蹴りを叩き込んだ。
グニュ・・
「あああああぁっ・・」
Gカップバストが膝蹴りで押し潰されると、激痛に絶叫する杏璃。
胸を押さえて座り込んでしまう杏璃に、由衣はノーガードの顔面にキックを叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・
「痛いぃぃ・・・」
顔面を蹴られて倒れ込む杏璃。ノーガードの顔面への蹴りは可哀想だが、由衣も勝負に出ている。
グッタリと倒れ俯せ状態になる杏璃に、由衣は後頭部へヒップドロップを叩き込むと、キャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・
巨乳の杏璃だけに、上半身を反らされるとビキニと言う事もあってバストが飛び出しそうになる・・・。
技は痛いし、胸を晒されるのも辛い杏璃。地下プロレスでは水着剥ぎも当たり前に近いので、慣れない杏璃はビキニに意識が向かってしまう・・・。対して由衣は地下プロレスは経験からもビキニ剥ぎから、残酷な仕打ちまで経験済みだから水着剥ぎくらいでは動じない・・・。
由衣は更に揺さぶって痛めつけていくと、杏璃のビキニから少しずつバストが露わに・・・。
そして圧力に負けてGカップバストがビキニから飛び出すと、観客席から歓声があがった。
『いいぞぉぉぉぉぉぉ・・・』
その声に杏璃は藻掻くが逃げられずに、Gカップバストを揺らしては観客達の目を楽しませた。
更に由衣が技を解いて立ち上がらせると、ブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けていく。
バッシーン・・・
巨乳の杏璃だけに、顔面よりバストが押し潰されて激痛に悲鳴をあげている。
俯せ状態で胸を押さえて痛がる杏璃。由衣はフラつきながらも立ち上がると、その杏璃のヒップにサッカーボールキックを叩き込んでから起こすと、バックを奪ってチョークスリーパーを仕掛ける由衣。
グイッ・・・
「んぐ・・うううっ・・・」
両手を振り回して藻掻く杏璃。トップレスにされている事など構わず藻掻き苦しんでいる。
由衣もスタミナ消耗が激しく、失神させる事を狙っている様子。
胸を揺らしながら逃れようとする杏璃に、由衣は両脚を身体に掛けてアナコンダスリーパーの体制になって倒れ込んだ。
胴締めも同時に受けて苦しい杏璃。耐えているが口から涎を垂れ流し始めた・・・。
『椙原っ、ギブアップ?』
レフリーが苦しむ杏璃にギブアップの確認をするが、杏璃は藻掻き苦しむだけでギブアップとも意思表示しない・・・。
由衣は締め続けると、杏璃の動きが鈍くなっていく・・・。
レフリーも杏璃の手を握って反応を見るが、杏璃の反応がなくなり失神が確認させると、ここでゴングが要請された。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが乱打されると、ここで由衣の勝利が決まった。
『ただ今の試合、市河由衣のチョークスリーパーで失神KO勝利とします!』
勝利した由衣はマットに座り込んでレフリーに手を挙げられているが、疲労から立ち上がる事が出来ない由衣。
杏璃はリングドクターに応急処置を受けると、タオルを胸にかけてもらい担架でリングを後にした。
こうして由衣はトーナメントに復帰になったが、今夜3試合目もする事には体力が持つのか観客席からも心配の声が上がっていた。



第12試合

『トーナメント第2回戦を行います・・・2回戦に勝利した4名については、次回大会にて決勝トーナメントに進むことになります!』
リングアナのコールにリングに杉元有美、熊多曜子、河村ゆきえ、仲島愛里、折原美香、山先真実、リアン・ディゾン、そして試合を終えたばかりの市河由衣が立っている。
そしてクジ引きによって試合が組まれる事となった・・・1人ずつ引いていくと、組み合わせが発表となった。
『第2回戦・・・杉元有美vs折原美香、熊多曜子vs山先真実、仲島愛里vsリアン・ディゾン、河村ゆきえvs市河由衣』
カードが発表になると観客席が盛り上がっていく。盛り上がる中、全員がリングから降りていくと、改めて杉元有美と折原美香がリングインした。
『第12試合、トーナメント第2回戦・・・青コーナー〜・・・身長154p、上から80、55、80・・・折原〜美香〜っ!』
コールを受けて一礼していく美香。小柄な美香がトーナメント1回戦目を上手く勝利したのにも驚きだが、長身の有美との対戦は苦しいだろう・・・。リンコスは白いビキニに白いリングシューズ。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から84、58、85・・・杉元〜有美〜っ!』
コールを受けて観客席に頭を下げる有美。グラビアで売れっ子だけに、ビキニ姿は見事なもの。黒ビキニに黒いリングシューズ姿。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、いきなり有美がコーナーから飛び出した。
反対コーナーで出足が遅れた美香に対して、鋭いドロップキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「きゃあああぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげてダウンする美香。
有美は素早く立ち上がって美香を起こしていくと、体格差があるからとアピールする様にボディスラムでマットに叩きつける。
バシィィィィ・・・
「ああんっ・・」
またも響き渡る美香の悲鳴。
背中から叩き付けられて苦しむ美香に、有美は容赦なくバストにストンピングを入れていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
早くも試合のペースは有美が握ると、美香はただ蹴られて投げられて悲鳴をあげた。
グイッ・・・
「あうっ・・・」
美香の髪を鷲掴みにして起こしていく有美。そのままコーナーに押し込んでいくと、左右の張り手を叩き込む。
バッシーン・・バッシーン・・
音を立てて炸裂する張り手。美香はコーナーに寄りかかる様にしてフラつくと、有美は掌打を叩き込む。
バシッ・・バシッ・・
左右の掌打にコーナーに崩れ落ちる美香。
すると、有美は観客席にアピールしながら美香の顔面にノーガードキックを叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・
「んあああぁぁぁぁ・・・」
顔面への強烈な蹴りに絶叫する美香。両手で顔面を押さえて藻掻き苦しむと、有美は片手を挙げて観客席にアピールした。
コーナーに崩れて動けない美香に、レフリーが試合が続行できるか聞くと、美香は涙目になりながらも続けると訴えた。
『しっかり痛めつけてやれ!』
観客席からは美香が痛めつけられるシーンを期待する声が飛ぶと、有美は髪を掴んで起こしていく。
起こされる美香は、有美のお腹にパンチで抵抗していくが、逆に張り手を受けて動きが止まった。
首投げでマットに叩き付けられて、堪らず立ち上がろうとする背中にサッカーボールキックを叩き込まれていく美香。
バッシーン・・・
「あんっ!」
またも悲鳴をあげる美香。
堪らず転がるようにリング下にエスケープする美香だが、体格差と実力差は一方的な試合になってきていた。
リング下で呼吸を整える美香。リング上では有美がビキニを直しながら美香の動きを見つめていた。
リングサイドのペットボトルの水を口に含んで、ゆっくりとリングに戻ろうとする美香。
その美香にロープ越しに威嚇する有美。
美香もリング内に戻ろうとすると、有美に捕まってしまった。
すると有美は組み付いて、ロープ越しにブレンバスターの体勢になっていく。
大技狙いの有美に大歓声が起きると、有美は腰を落としてからブレンバスターを仕掛けた。
バッシーン・・・
「あああああああぁぁぁ・・・」
マットに叩き付けられて絶叫する美香。
仰向けになってグッタリしている美香に、有美は立ち上がるとロープに走って飛び上がると、お腹に容赦ないフットスタンプを叩き込んだ。
ドスッ・・
「ふぐうっ・・・」
お腹に圧力を加えられて嘔吐感に苦しむ美香。
身体をくの字にして苦しんでいると、有美がヒップにサッカーボールキックを叩き込んで仰向けにすると、もう一発フットスタンプを叩き込んだ。
ドスッ・・
「オエッ・・・」
堪らず口から吐瀉物を噴き上げる美香。
20歳の有美に攻め込まれていく25歳の美香。地下プロレスでは年齢は関係なく、ただ実力勝負・・・。
美香は涙目で転がりながらリング下に逃げると、ペットボトルを掴んで吐き出した吐瀉物を洗い流した・・・。
リング上では有美がビキニを直しながら呼吸を整えているが、リング下の美香の動きを注意している。
フラフラしながらリングサイドを歩く美香に、有美はしびれを切らせてリング下に降りると、美香の髪を鷲掴みにした。
グイッ・・
「いやあっ!」
堪らず悲鳴をあげる美香。
「リング上で決着着けないと駄目でしょ!」
有美は美香に叫ぶと、そのまま近くの鉄柱に肩口から叩き付けた。
ゴキィィィ・・
「痛いぃぃぃぃぃ・・・・」
肩口から叩き付けられて悲鳴をあげて痛がる美香。
更にヒップにミドルキックを叩き込んで、ショーツと腕を掴んでリングに美香を戻していく有美。
リング上でグッタリしている美香に、有美は観客にアピールする様にヒップにサッカーボールキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「ああんっ・・」
ヒップを蹴られて悲鳴をあげる美香。
続けてサッカーボールキックを叩き込んでいくと、美香はロープを掴んで動かないと、レフリーが有美を離していく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
有美に距離を置かせていくと、レフリーは美香に立ち上がるように指示するが、美香はなかなか立ち上がれない。
有美は呼吸を整えていると、美香がフラフラしながら立ち上がった。
トップロープを掴んで有美を見つめる美香に、有美が距離を詰めるとハイキックを顔面に叩き込んだ。
バッシーン・・・
顔面へのハイキックにロープ際に崩れ落ちる美香。
顔を押さえたままロープ際に倒れていると、有美は背中にサッカーボールキックを叩き込んでは、リング下に落としていく。
リング下でグッタリしている美香。リング上では有美がレフリーに一方的な試合展開に、続けて良いのかと質問している。
レフリーは続行可能と言うのと、徹底的にやっても問題ないと応えると、有美は戸惑いの表情を見せるが観客席の盛り上がりに後押しされて気合いを入れていく。
リング下に有美は降りていくと、グッタリする美香を無理矢理に起こしていくと、近くの鉄柵に振って叩き付けた。
ガッシャーン・・・
「いやああぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげて鉄柵に叩き付けられる美香。
グッタリと観客席側に転落する美香に、観客席から無数の手が伸びていく・・・。
汗だくの折原美香が目の前に転がり込んできたからと、ビキニの上からバストやヒップ、背中などを触る無数の手・・・。
「い、いやあぁぁぁぁ・・・やめて・・触らないで!」
美香が絶叫するのをリング上から見つめる有美。
黒服達が美香をリングサイドに戻すと、ビキニを気にしている美香。
四つん這いでリングサイドで立ち上がろうとする美香に、有美はリング下に降りてリングに戻していくと、そのままコーナーに押し込んでいく。
コーナーに寄りかからせてから、有美は拳を握りしめると美香のボディへ左右のパンチを叩き込む。
ドスッ・・ドスッ・・
「ウゲッ・・ぐうっ・・」
脂肪の少ない腹筋の浮いて見える美香のお腹が殴られると、痛々しさが観客へも伝わる地下プロレス会場内。
両腕をトップロープに絡ませてダウンさせないように有美がすると、平手で張り手を何発も頬に叩き込んでいく。
バッシーン・・・バッシーン・・・バッシーン・・・バッシーン・・・
抵抗も出来ずに張り手を何発も叩き来れていく美香。涙目で叩かれていくが、頬への容赦ない張り手の連打に口の中を切って、叩かれる度に血飛沫が飛び散っていく。
バッシーン・・・バッシーン・・・バッシーン・・・バッシーン・・・
「あうっ・・・はうっ・・・ああっ・・・」
白ビキニにも血飛沫が飛び、赤く染められていく美香。
お腹などは内出血して変色していき、鼻血まで噴きだして顔を血に染めていく美香。
グッタリと下を向く美香は、足元に鼻血を垂れ流していくが、完全にノーガード状態の美香に、有美は距離を置いて飛び込むと、ジャンピングニーパッドを体重を乗せて叩き込むと、美香の顔面に炸裂した。
ゴキッ・・
「ふぐうっ・・・」
コーナーに崩れ落ちる美香。
ダウンしている美香の髪を鷲掴みにして、無理矢理起こしてはコーナーに寄りかからせる有美。
不甲斐ない対戦相手に腹を立てているのか、強烈な張り手を叩き込む。
激しい出血に美香はもうサンドバッグ状態にされていくと、有美も返り血を浴びていく状態。
有美は片手を挙げてアピールすると、ゆっくりとフロントスリーパーの体勢から、DDTでマットに叩き付けた。
バシィィィィ・・・
俯せ状態でヒクヒクと身体を痙攣させる美香。
有美が体重を乗せてストンピングを叩き込むと、ここでレフリーが危険と判断して試合を止めた・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、有美はストンピングを止めるのであった。
一方的に美香を痛めつけた試合となった有美。トーナメントで実力差があるからと激しい攻めを見せたが、プロレス的には勉強が必要だった試合でもあった・・・。
『勝者・・・杉元有美っ!』
レフリーに片手を挙げられていく有美。
一方、負けた美香はリングドクターに応急処置を受けると、担架に乗せられてリングを去るのであった・・・。



第13試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、黒ビキニのストロングスタイルの熊多曜子。1回戦を巨乳グラビアアイドルの椙原杏璃を破っての2回戦進出。リングインすると片手を挙げて観客にアピールしてコーナーに寄りかかった。
その曜子の対戦相手としてリングに上がるのは、地下プロレスではキャリアのある市河由衣を強烈なスリーパーで破った山先真実。体格では曜子に勝る真実が、一体どんな試合を見せてくれるのか観客席からも期待の声が上がる。
曜子と同じく黒ビキニの真実。一瞬曜子に視線を送ってからコーナーに進む。
『青コーナー〜・・・身長164p、上から92、56、84・・・熊多曜子〜っ!』
そしてリングアナのコールが始まると、まずは曜子が観客席に向かって頭を下げた。
『赤コーナー〜・・・身長169p、上から84、59、87・・・山先真実〜っ!』
曜子に続き真実もコールされると、観客席に頭を下げて試合開始のゴングを待った。
ビキニを気にしながらゴングを待つ曜子。真実も対戦相手の曜子がキャリアがあるからと、緊張は隠せない。
しかし曜子も新体操で鍛えていた真実の身体能力には警戒しているから、どんな試合になるのか予測不能な中、リングにゴングが鳴り響いた。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、ゆっくりとコーナーを出る曜子と真実。
まずは相手の出方を見るように、距離を置いてはリング内で睨み合う。
距離が詰まると、真実が手を伸ばして組むことを要求している様に見える展開。
そこへ曜子も手を伸ばして組み合うかと思った瞬間、真実が喧嘩キックを放った。
バシッ・・
「うっ・・」
ボディに蹴りを受けて苦しむ曜子。
「行けえぇぇぇぇ・・・」
真実が叫ぶと、曜子をロープに振っていく。胸を揺らしながらロープに振られて、勢いをつけて戻る曜子に、真実がドロップキックを放った。
バッシーン・・・
「ぐふっ・・・」
揃えた両脚が綺麗に曜子のバストに命中すると、曜子は悶えながらダウン。
続けて髪を掴んで起こしていくと、今度はヘッドロックに捉えるが曜子もロープに振って返した。
ロープから戻る真実に、曜子はショルダースルーで投げてマットに叩き付ける。
バッシーン・・・
「痛いっ・・・」
背中からマットに叩き付けられて悲鳴をあげる真実。
立ち上がる真実に、曜子がローキックを叩き込んでから距離を詰めると、ボディスラムの体勢も持ち込む。
体格の大きな真実を投げるのか観客が注目する中、曜子が必死にボディスラムでマットに投げつけた。
バッシーン・・・
続けて腕を狙って腕拉ぎ逆十字固めを仕掛けるが、真実がロープに足を伸ばした。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーがロープだからと放させると、曜子が素早く立ち上がる。
真実が立ち上がろうとすると、今度はミドルキックをバストに叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「くっ・・・」
蹴りを受けて苦しむ真実。
更に曜子がミドルキックを放つと、真実は蹴り足をキャッチした。
蹴り足をキャッチされると、軸足で顔面を蹴りこむ曜子。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・」
まさかの蹴りに顔面を押さえてリング下へ逃れる真実。
リング下で顔を押さえて痛がっている真実に、曜子はリング上から睨み付けている。
ゆっくりと立ち上がっては、リングサイドを顔を押さえながら動き回る真実。
そしてリングに戻っていく真実に、ロープ越しに挑発する曜子。
その真実に曜子が張り手を叩き込むと、真実はロープ越しに歯を食いしばってグーパンチを叩き込んだ。
ゴキッ・・
「ああんっ・・」
いきなり殴られてフラつく曜子に、真実はリング内に素早く戻って髪を鷲掴みにすると、コーナーに連れて行きコーナーポストに顔面を叩き付けた。
バシィィィ・・・バシィィィィ・・・
「あうっ・・あああっ・・・」
悲鳴をあげる曜子が座り込むと、背中にサッカーボールキックを叩き込む真実。
バッシーン・・・
「ああああぁっ・・・」
背中を蹴られて絶叫する曜子。
その曜子の髪を掴んで起こしていくと、ヘッドロックで締め上げていく真実。
頭を締め上げられて苦しむ曜子は、そのまま真実をロープに振って返そうとするが、真実も放さない。
バックドロップで投げることも体格が大きい真実には通じないから、曜子はスタミナを奪われていく。
そして真実が技を解いてからエルボースマッシュを叩き込むと、曜子も負けずに張り手を返す。
バキッ・・バッシーン・・・
お互いがフラつくが、真実も張り手を叩き込むと、曜子と激しい張り手合戦になっていく。
バッシーン・・バッシーン・・
お互いが数発ずつ張り手を叩き込んでから、曜子が真実をロープに振っていく。
しかしロープから戻る真実がカウンターキックを顔面に叩き込むと、フラフラする曜子。
今度は真実がロープに走って勢いをつけると、曜子も痛みに耐えながらドロップキックで反撃した。
バッシーン・・・
倒れ込む真実に、曜子は続けてストンピングで蹴りこんでいく。体重を乗せての豪快なストンピングに、真実は悶え苦しむ。
実力ある真実だけに、曜子も必死な攻めを続けるが、真実も簡単には負ける訳にはいかない。今夜勝利すれば決勝トーナメント進出が叶う訳だから・・・。
動きが鈍る真実を起こしてから、曜子はお返しのヘッドロックで締め上げていく。
グイッ・・
「くっ・・・」
真実が苦しむ中、身体を密着させてバックドロップを狙っていく。
一気に投げ飛ばそうとする真実。曜子は咄嗟に体勢を入れ替えてボディプレス気味に押し潰すが、大技を受けていたら危ない展開。
『ワン・・・ツー・・・』
ボディプレスで返したからフォールするが、真実もレフリーのカウントに返していく。
返されるとスリーパーでスタミナを奪おうとしていく曜子。
苦悶の表情で腕を振り回す真実。
Fカップバストを押しつけてスリーパーで揺さぶると、曜子は技を解いてから起こしてDDTで一気に勝負に出た。
バシィィィ・・・
俯せでダウンしている真実に、曜子は一気にキャメルクラッチを仕掛けていく。
グイッ・・
上半身を反らされていく真実。両脚をバタバタさせて藻掻くが、曜子もギブアップ狙いで揺さぶりかけていく。
『山先っ・・ギブアップ?』
レフリーの問いかけにギブアップを拒む真実。
「ノォォォォ・・・ノォォォォォォ・・・」
拒む真実に更に力を入れていく曜子。
「ギブアップ?・・・ギブする?」
曜子が激しい口調でギブアップを迫るが、真実は汗を流しながら耐えていく。
仕方ないからと曜子が技を解くと、真実は転がるようにリング下に逃れていくが、曜子もリング下に降りていく。
エプロンサイドに押しつける様にして、曜子が真実のボディにパンチを入れていく。
ドスッ・・バスッ・・
「くっ・・・うっ・・・」
腹パンチの連打に苦しい真実。リング上でのダメージから反撃が遅れると、曜子は腕を掴んで鉄柵に振っていく。
ガッシャーン・・・
音を立てて鉄柵に叩き付けられてダウンする真実。
曜子はビキニを直しながらガッツポーズでリングサイドでアピールすると、真実の髪を掴んで起こしていく。
その曜子に、真実は苦し紛れで股間へアッパーを叩き込む。
ゴキッ・・
「ふぎっ!」
突然の股間への打撃に変な悲鳴をあげる曜子。股間を両手で押さえると、真実が立ち上がってヒップに膝蹴りを入れると、エプロンサイドに顔面を数回叩き付けてから、リング上に戻していく真実。
リング上に上げられた曜子は、股間を押さえて苦悶の表情を浮かべていると、真実はトップロープを掴んでストンピングを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・
「あうっ・・・ああんっ・・」
全身を蹴りこまれて苦しむ曜子。
グイッ・・・
その苦しむ曜子の髪を掴んで起こそうとする真実。
しかし曜子も意地になって真実の股間へアッパーを返した。
ゴキッ・・
「ぐうっ・・」
恥骨直撃の衝撃に動きの止まる真実。
曜子は立ち上がると、膝を狙ってローキックを叩き込む。
バシッ・・・
「あんっ・・」
堪らず悲鳴をあげる真実に、曜子は膝を狙ったローキックを連打していく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
フラつく真実に対して、曜子が踏み込んでミドルキックをボディに叩き込む。
バシィィィィィ・・・
「ぐふっ・・・」
内臓に衝撃を受けて苦悶の表情を浮かべる真実は、お腹を押さえて苦しむと、曜子が狙いを定めてハイキックを顔面に叩き込んだ。
バッシーン・・・
顔面蹴りにダウンする真実。
その真実を起こす曜子は、ゆっくりとヘッドロックで締め上げると、ここで真実が苦しさを耐えてバックドロップを仕掛けた。
バシィィィィ・・・
まさかのバックドロップに後頭部から叩き付けられて大の字状態の曜子。
すると、真実はフラつきながら立ち上がると片手を挙げてアピールした。
「いくぞぉぉぉぉぉぉ・・・・」
観客席に向かってアピールすると、俯せ状態になる曜子のバックを取ると、一気にチョークスリーパーを仕掛けた。
これには必死に真実の腕を掴んで逃れようとする曜子。
苦悶の表情を浮かべているが、何とかロープに逃れる事が出来てレフリーが放させる。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの声に技を解いていく真実。
ロープを掴んで起き上がろうとする曜子は、呼吸が乱れて苦しそうにしていると、真実は立ち上がる曜子のバストにミドルキックを放った。
グニュ・・
「あんっ・・・」
バストを蹴りこまれて悲鳴をあげる曜子。
ロープを掴んで立っているからと、真実はローキックから顔面へお返しのハイキックを叩き込む。
バッシーン・・・
「あああん・・・」
ロープ際に崩れ落ちる曜子。
その曜子に勝負をつけようと、真実がパイルドライバーを狙っていく。
ゆっくりと逆さ状態にしていくと、脳天からマットに叩き付けようとする真実。
しかし曜子が両脚をバタバタとすると、真実がバランスを崩して倒れ込む。
苦しそうな両者がお互いが意地になって立ち上がると、いきなり真実が曜子を殴りつける。
バキッ・・
「イタッ・・」
堪らず悲鳴を漏らす曜子。
しかし殴られたからと殴り返した。
バキッ・・
「くっ・・」
殴り返されて痛がる真実。
反則の顔面パンチが続くリング上。レフリーも二人のエキサイトぶりから黙っていると、グラビア系の相手の顔を容赦なく殴りつける曜子と真実。
次第に鼻血が流れる流血戦になっていくが、お互いの殴り合いは止まらない。
決勝トーナメントに出ようとする二人の執念か、激しい殴り合いに観客席が盛り上がる。
曜子も真実も激しく出血しているが、胸の谷間に血が垂れ流れると言う凄惨な殴り合い。
顔も腫れだしてくるが、ここで曜子のパンチが顎を捉えて真実がフラついた。
その瞬間、曜子が組み付いて膝蹴りをボディに連打した。
ドスッ・・ドスッ・・ドスッ・・
膝蹴りの連打に崩れ落ちる真実に、曜子は一気に馬乗りになって顔に張り手を連打した。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・
抵抗する真実だが、鼻などへも張り手を受けては動きが鈍くなっていく・・・。
曜子は構わず顔を叩いていくと、真実の抵抗が少なくなっているからと、レフリーがゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされる中、レフリーに止められて立ち上がる曜子。
一方、真実は鼻血を拭いながら立ち上がると、レフリーにまだ続けられると訴えるが、一方的な試合展開に判断されたと説明を受け、納得いかない表情でリングドクターに処置を受ける事に。
『勝者、熊多曜子っ!』
これで決勝トーナメント進出が決まった曜子。決勝トーナメントで曜子は誰と闘うことになるのか、次ぎの試合も気になるところだった・・・。



第14試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、グラビアアイドルとして売れ出している仲島愛里。白ビキニ姿でのリングイン。Gカップバストを揺らしながらのリングイン。険しい表情を浮かべるのは、日本のグラビアアイドルの敵とも言える相手が、この試合の相手だからだ。
その愛里の相手が姿を現したが、そうリアン・ディゾン・・・。グラビア界の黒船など言われたが、電撃結婚・出産と驚きニュースが続いたが、産休明けにトーナメント出場で復帰戦も凄いものだった。
『青コーナー〜・・・身長167p、上から86、60、89・・・リアン〜ディゾン〜っ!』
早くもディゾンのコールが始まると、観客席からは大ブーイング。1回戦で釜田奈津美を血の海に沈めた事への、観客達の反応であった。
『赤コーナー〜身長157p、上から86、58、88・・・仲島〜愛里〜っ!』
逆にコールをされると、観客席から大歓声が送られていく愛里。1回戦は先輩グラビアアイドルの星野亜希を倒しての2回戦進出。
『仲島〜っ・・ディゾンを倒してくれ!』
『日本のグラビアアイドルの意地を見せてくれぇぇぇぇぇぇ・・・』
期待の声に愛里も気合いを入れているが、流石にディゾンは簡単には勝たせてくれない相手。
緊張感が走る中、試合開始のゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時に前に出たのは愛里。
距離を詰めると、身長差も気にせずにローキックで牽制していく。
シュ・・・
これにはディゾンもバックステップで避けるが、あまり打撃に付き合いたくない様子。
愛里は前に出ると、左右の大振りの張り手を放つと、ディゾンも返そうとした瞬間、ミドルキックを放つ愛里。
バシィィィィ・・・
脇腹に蹴りが炸裂すると、一瞬ディゾンの表情が歪んだ。同時に観客席からは大歓声が起きていく。
更に前蹴りから距離を置いていく愛里に、ディゾンはガードを固めて距離を置いた。
フットサル仕込みの蹴り技に警戒するディゾン。
愛里はゆっくりと距離を詰めると、またもローキックから前に出た。
バシッ・・
軽く当たるローキックにディゾンも張り手で返す。
バッシーン・・・
頬を叩かれて痛い愛里。
しかし意地になって膝蹴りを放っては距離を置いていく。まるで格闘技戦の様な序盤の試合展開。
ディゾンが左右のジャブから距離を詰めようとするが、愛里もローキックで脚を狙っていく。
バシッ・・
「くっ・・」
ローキックを嫌がるディゾン。
更に愛里がローキックを放つと、ディゾンが距離を詰めて張り手を叩き込む。
バッシーン・・・
思いっきり叩かれてフラつく愛里だが、素早く張り手を返した。
バッシーン・・・
叩き返されては、ディゾンも左右の張り手を叩き込む。
バッシーン・・・
愛里も負けずに張り手を叩き込むが、ディゾンは力ずくでヘッドロックで締め上げた。
しかし愛里は身体を密着させてバックドロップを仕掛けると、ディゾンをマットに後頭部から叩き付けた。
『ワン・・・ツー・・・』
素早くフォールするが、ディゾンも簡単にはフォールを許さない。
返されると腕を狙いたいが、ディゾンも上手くロープに足を伸ばしては逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーに止められて離れて立ち上がる愛里。
ディゾンもゆっくりと立ち上がると、ビキニを気にしながらも距離を置いた。
バックドロップのダメージで頭を振っているディゾン。
愛里は構わず距離を詰めると、左右のローキックを叩き込む。
バッシーン・・・
「くっ・・」
蹴られて痛がるディゾン。第1回戦より動きが鈍くなっているのが気になるが、久しぶりの地下リングで仕方ないところか・・・。
足が少し内出血で変色してきているのが気になるが、愛里は脚狙いでローキックを放っていく。
バッシーン・・・
しかしディゾンも蹴られながらも、踏み込んで反則の顔面グーパンチを放った。
ゴキッ・・
「ふぐっ・・」
顔面パンチに動きの止まる愛里。観客席からはブーイングがおきていく。
『ブゥゥゥゥゥゥゥ・・・ブゥゥゥゥゥゥゥ・・・・』
観客席からのブーイングに中指を立てて叫ぶディゾン。
「ハンソクナンテ、カンケイナイヨ!」
レフリーがディゾンに注意するが、ディゾンはお構いなしで観客を挑発する。
愛里は殴られた部分を気にしているが、ディゾンとの距離を詰めていく。
距離が詰まると、ディゾンはジャブを放っていく。
バシッ・・バシッ・・
軽い当たりだが、顔への拳での攻撃にレフリーが反応するが、ディゾンは関係ないとばかりに殴りつける。
バシッ・・バシッ・・
殴られている愛里だが、前蹴りで距離を置こうとしていくと、ディゾンは蹴り足をキャッチして倒しに掛かった。
グラウンド状態になっていくと、ディゾンが愛里の足を固めていく。
しかし愛里も片足で蹴っていくと、ディゾンが放した。
するとディゾンに蟹挟みで倒しに行く愛里。
倒すと俯せのディゾンに、インディアンデスロックで固めていく愛里。
両足を固められて苦しいディゾン。苦悶の表情で痛がると、観客席からは歓声がおきていく。
更に愛里がブリッジのように体を反らせて鎌固めに移行した。
藻掻くディゾン。小柄の愛里の関節攻撃に防戦一方になっていく。久しぶりのリング復帰でスタミナ配分が上手く行っていないのだろう・・・。
レフリーもディゾンにギブアップの確認をするが、ディゾンは耐えていく。
しばらくすると、愛里が技を解いてから素早くSTFに移行した。
グイッ・・
「うううっ・・・うっ・・」
技を極められて藻掻くディゾン。ロープに逃げたいが固められて痛がるだけだった。
しかしギブアップは口にしないディゾンに、愛里が技を解いて立ち上がった。
四つん這いになって立ち上がろうとするディゾンの髪を鷲掴みにする愛里。
しかしディゾンは愛里の股間に拳を叩き付けた。
ゴキッ・・
「ふぎっ!」
股間への衝撃に変な悲鳴をあげて股間を押さえる愛里。
ディゾンは笑みを浮かべて立ち上がると、苦しむ愛里のお腹に喧嘩キックを叩き込むと、続けてエルボースマッシュを顔面に叩き込んでから、コーナーに押し込んで動きを止めていく。
コーナーに寄りかかって苦しい表情を浮かべる愛里。その愛里の自慢のGカップバストを殴りつけていくディゾン。
グニュ・・グニュ・・
「痛いっ・・・イタアァァァァ・・・」
バストを殴られて絶叫する愛里。
更に顔面パンチを入れていくディゾンに、観客席から大ブーイングが送られていく。
『ブゥゥゥゥゥゥゥ・・・ブゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・』
ブーイングの中、ディゾンは構わず殴りつけていくと、レフリーが割って入って止めていく。
『反則だ!・・・ワン、ツー、スリー、フォー・・・』
レフリーに止められて距離を置いていくディゾン。
殴られた愛里は、口の中を切ったらしく唇から血を滲ませている。
『ファイト!』
掛け声に愛里は前に出ると、ディゾンがパンチを放つがローキックで蹴りこんだ。
バシッ・・
足を蹴られて痛がるディゾン。
しかし殴りつけると、愛里もミドルキック・ローキックと打撃で攻め込む。
ディゾンも太股などが変色してダメージを負っているが、スタミナが切れてきているのか苦しそうに呼吸しているのが気になる。
しかし果敢に突っ込むと力任せに愛里にヘッドロックを掛けると、顔面にグーパンチを叩き込む。
バキッ・・バキッ・・
殴られて苦しい愛里。しかし身体を密着させてバッグドロップを仕掛けた。
バッシーン・・・
バックドロップの反撃に後頭部を痛打して大の字になるディゾン。
投げた愛里も苦しそうに立ち上がると、観客席が盛り上がっていく。
そして全体重を乗せる様なストンピングをディゾンに叩き込む愛里。
バッシーン・・バッシーン・・
「ウグッ・・・グエッ・・・」
蹴りこまれて藻掻き苦しむディゾン。
更に飛び上がってニードロップをボディに叩き込んだ。
ドスッ・・・
「ウゲェェェェ・・・」
お腹にニードロップを受けて、両手で押さえて藻掻き苦しむディゾン。
苦しむディゾンを見下しながら、愛里が観客席に向かって打撃のアピールをすると、観客席からは大歓声が送られていく。
ゆっくりと距離を置くと、愛里はフットサル仕込みのサッカーボールキックをヒップに叩き込んだ。
バッシーン・・・
「ああんっ・・・」
堪らずディゾンが悲鳴をあげる。
更に愛里がヒップにサッカーボールキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「ぎゃああぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげて痛がるディゾン。
堪らず立ち上がろうとすると、愛里が顔面狙いのサッカーボールキックを放った。
バキィィィィ・・・
顔面直撃のサッカーボールキック。鈍い音を立てて炸裂すると、ディゾンは俯せ状態でダウンした。
両手で顔面を押さえているが、指の間から血が流れている・・・鼻から激しく出血している様子のディゾン。
その苦しい状態のディゾンの髪を鷲掴みにして起こしてから、愛里はバックを取ってバックドロップを仕掛けた。
バッシーン・・・
後頭部から叩き付けられてグッタリするディゾン。
そのディゾンに愛里はフォールすると、レフリーがカウントを数えた。
『ワン・・・ツー・・・』
しかしディゾンが返すと、会場内からはブーイングが起きていく。
返されたからと愛里は倒れているディゾンに、お腹へフットスタンプを叩き込んでからフォールする。
『ワン・・・ツー・・・』
しかしこれもディゾンが返すと、愛里はロープに走って勢いをつけていく。
ディゾンも逃れようと立ち上がろうとすると、愛里が強烈な顔面ドロップキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「んあああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
これにはディゾンが絶叫した。顔面への強烈な衝撃に悲鳴をあげては痛がっている。
そこへ愛里が片足をたたみ込んでフォールすると、レフリーがカウントを数える。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィィィ・・・』
ディゾンも返すがスリーカウントが先立った。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、観客席からは大歓声が送られていく。
『ただ今の試合、仲島愛里が勝利しました!』
日本グラビアアイドルが勝利して、歓声に包まれているリング上。ディゾンは返したとレフリーに抗議するが、試合結果が覆る事もなくレフリーも相手にしないと、ディゾンは顔面を鼻血で染めながら抗議を続ける。
「日本のグラビアアイドル、負けません!」
愛里はリングアナウンサーからマイクを受け取ると、観客席に向かって叫ぶと、観客席から大歓声がおきた。
ディゾンは涙目になりながらも、愛里を挑発しながらリングを降りると、足早に控え室に消えていくのであった・・・。



第15試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールにリングインするのは河村ゆきえ。原幹絵を体格差に負けずに下しての2回戦進出。ここら辺で成績も上げたいところ。対戦相手は今夜3試合目の市河由衣と言う事で、ゆきえはチャンスと考えていた。
そして今夜3試合目の市河由衣が花道を進んでくるが、身体には痣なども目立って満身創痍と言う感じの由衣。ゆっくりとリングインすると、観客席に向かって頭を下げた。山先真実にアナコンダスリーパーで負けて、敗者復活戦で椙原杏璃にアナコンダスリーパーで勝利した由衣・・・この試合はどうなるのか?
ゆきえも由衣も白いビキニに白いリングシューズ姿でコーナーに寄りかかると、リングアナのコールが始まった。
『青コーナー〜・・・身長158p、上から87、59、87・・・河村〜ゆきえ〜っ!』
コールを受けると片手を挙げてアピールするゆきえ。
『赤コーナー〜・・・身長158p、上から83、55、85・・・市河〜由衣〜っ!』
そしてコールを受ける由衣は、片手を挙げるが表情からは連戦の疲れが見えている。
黒服からペットボトルを受け取って口にする由衣。ゆきえはコーナーに寄りかかると、疲れの見える由衣に同情はするが、大物食いのチャンスとばかりに気合いを入れた。
『カァーン!』
ゴングと同時にゆきえがコーナーから飛び出すと、反対コーナーの由衣に喧嘩キックを放った。
ドスッ・・
「うぐっ・・・」
お腹を蹴られて身体をくの字にする由衣に、ゆきえが一気にエルボースマッシュを連打する。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・
側頭部にエルボーを受けてフラつく由衣。
更にロープに振っていくゆきえ。
ロープから戻る由衣に、体重を乗せたラリアットを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「ああんっ・・・」
堪らず悲鳴をあげて倒れ込む由衣。喉元を押さえ込むと転がるようにリング下に逃れた。
由衣がリング下にエスケープすると、ゆきえもリング下に降りていく。
立ち上がろうとする由衣に、ステップキックを叩き込むゆきえ。
バシッ・・
「あうっ・・ああっ・・」
蹴られては苦しむ由衣。
「いくよぉぉぉぉ・・・」
ゆきえが観客にアピールすると、その由衣を鉄柵に振って叩き付けた。
ガッシャーン・・・
音を立てて崩れ落ちる由衣の身体。
グッタリとしていると、ゆきえは髪を鷲掴みにしてゆっくりと立ち上がらせようとすると、由衣もボディにパンチを入れて抵抗する。
バシッ・・バシッ・・
お腹を殴られて動きが止まるゆきえだが、逆に張り手を叩き込んでいく。
バッシーン・・・
張り手を受けて動きの止まる由衣に、ゆきえは喉元に水平チョップを叩き込む。
バッシーン・・・
「はうっ・・」
水平チョップに苦しむ由衣。
更にゆきえが組み付いて膝蹴りを狙うと、これには由衣が密着してバランスを崩して倒していく。
倒れ込むゆきえと由衣。お互いが立ち上がろうとすると、由衣が髪を鷲掴みにしてエプロンサイドに顔面を叩き付けていく。
バシッ・・バシッ・・
「あんっ・・ああんっ・・」
顔面を叩き付けられて悲鳴をあげるゆきえ。
しかし負けていられないとばかりに由衣の髪を鷲掴みにすると、お返しとばかりに鉄柱に由衣を叩き付ける。
ゴキィィィ・・・
「きゃあああぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる由衣。
ゆきえは更に鉄柱に由衣の額を叩き付けていくと、由衣の額が割れて流血戦となっていく。
フラつく由衣をリング上に上げていくゆきえ。
リング上に戻ると、由衣にストンピングを叩き込んでから髪を掴んで起こしていくと、ヘッドロックから額の傷口にグーパンチと言うラフファイト。
バキッバキッ・・
由衣の額から血が流れ落ちるが、ゆきえはトーナメントを勝ち上がる為に必死になっている。
由衣は堪らずロープに振って逃れるが、ロープから戻るゆきえがショルダータックルで倒した。
倒れた由衣にストンピングから、ゆっくりとエルボードロップを喉元に叩き込むゆきえ。
ドスッ・・
「グエェェェ・・・」
喉元を押さえて悲鳴をあげる由衣。
白いビキニを血に染めている由衣だが、ゆきえも返り血でビキニを赤くし始めている。
苦しむ由衣を跨ぐゆきえは、片手を挙げて観客席にアピールすると、飛び上がってジャンピングヒップドロップを仕掛けるが、これには由衣が避けて自爆させる。
ヒップドロップを自爆して痛がるゆきえに、由衣は立ち上がると叫んだ。
「いくぞぉぉぉぉ・・・・」
叫び声をあげてゆきえの背中に鋭いサッカーボールキックを叩き込むと、続けて顔面にもサッカーボールキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
顔面へのサッカーボールキックにグッタリとダウンするゆきえ。
続けてお腹にフットスタンプを叩き込むと、ゆきえは苦悶に顔を歪ませて苦しむ・・・。
グイッ・・
そのゆきえの髪を掴んで起こしていく由衣。
すると、ゆきえが意地になって由衣の傷口を狙って掻きむしっていく。
ガリガリっ・・・
「きゃああぁぁぁぁぁ・・・」
傷口を狙われて悲鳴をあげる由衣。
ラフファイトに出るゆきえは、左右の張り手で追い込んでいくと、コーナーに由衣を押し込めて蹴りを叩き込む。
ドスッ・・
「うっ・・」
身体をくの字にして苦しむ由衣。下を向いたからとエルボースマッシュを叩き込んでいくゆきえ。
バキィィィ・・・
「はうっ・・・」
エルボースマッシュを受けて、口の中も切った由衣。
更にセカンドロープに登って、片手で由衣の髪を掴んで、片手で額を殴りつけていくゆきえ。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・
「きゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
由衣の悲鳴がリング上に響き渡るが、ゆきえは激しいラフファイトを展開していく。
額からの出血が酷くなると、顔面を血に染めていく由衣。
しかし由衣も意地になってゆきえを押し出すと、バランスを崩してマットに大の字になったゆきえに、由衣はニードロップを叩き込んだ。
ドスッ・・
「ウゲェェェ・・・」
ペースを握っていたゆきえだったが、ニードロップをお腹に受けて藻掻き苦しむゆきえ。
由衣は流血させられた事に怒ったのか、コーナーポストカバーを外していくと、中の金具を剥き出しにしていく。そしてタッチロープをショーツの中に入れていった。
グイッ・・
「いくぞぉぉぉぉぉ・・・」
由衣がゆきえを起こして叫ぶと、観客席から歓声がおきていくが、由衣はゆきえの額をコーナーポストの金具に叩き付けた。
ゴキッ・・ゴキッ・・
「いやあっ・・・痛いぃぃぃ・・・」
悲鳴をあげるゆきえ。
更に由衣が額を叩き付けると、額が割れてゆきえも流血していく。
由衣も必死にゆきえの額を金具に叩き付けていくと、傷口が酷くなり顔面を真っ赤にしていくゆきえ。
そのゆきえをコーナーに押し込むと、セカンドロープに乗せていく由衣。
そして高さを利用して雪崩式バックドロップを叩き込んだ。
バッシーン・・・
地下プロレス初とも言える大技に、ゆきえは意識を失いかけると、由衣が素早くフォールした。
『ワン・・・ツー・・・スリィ・・・・』
しかしゆきえがギリギリで返すと、観客席からは拍手がおきていく。
信じられないと言う表情で周りを見渡す由衣。
ゆきえは額を押さえながら転がりつつリング下に逃れた。
リング下でグッタリしているゆきえ。そのゆきえを追いかけるようにリング下に降りていく由衣。
由衣はショーツからタッチロープを掴むと、ゆきえの首に巻き付けて起こしていく。
グイッ・・
「うぐっ・・・ぐえっ・・」
首を絞められて苦しそうな表情を浮かべるゆきえ。
しかしゆきえも膝蹴りを叩き込むと、一瞬怯む由衣からタッチロープを奪うと、逆に首を絞めていく。
グイッ・・
「うぐぐっ・・くっ・・・」
今度は由衣が首を絞められて苦しい展開になると、ゆきえが倒してキャメルクラッチの体制に持ち込んでいく。
しかし手で押さえるのではなく、タッチロープで絞めて上半身を反らそうとするゆきえ。
苦しさから由衣が両足をバタバタと激しく動かしていく。
流石に危険だからとレフリーがゆきえにロープを放すように指示すると、ゆきえがロープを観客席に投げ込んだ。
そしてリングサイドに敷いてあるマットを横にして堅いフロア面を出していくゆきえ。
その堅いフロア面に対して、由衣を脳天から叩き付けようとパイルドライバーを仕掛けようとしていく。
逆さにされそうになる由衣。ゆきえは逆さにするが、由衣が両足をバタバタさせていくと、ゆきえが踏ん張り切れずに倒れ込んでしまった。
由衣もゆきえも流血などからスタミナ切れに見える中、四つん這いで二人とも立ち上がろうとする。
由衣はサードロープに手を伸ばすと、リング上に戻ろうとしていくが、ゆきえも由衣の足を掴んで逃がさない。
足を掴まれると、由衣は蹴りを入れてゆきえを引き離してリングに転がって戻ると、ゆきえはリング下で大の字になっている。
リング上でペットボトルを手に口に水を含む由衣。
リング下ではゆきえがゆっくり立ち上がろうとするが、なかなかリング上に戻れない・・・。
ゆっくりとリング上に戻るゆきえだが、由衣はリング上からゆきえを睨み付けている。
リング内に戻るゆきえにストンピングを入れていく由衣。
そして起こすが、ゆきえも張り手を叩き込む。
バッシーン・・・
張り手を受けて動きの止まる由衣。
ゆきえもチャンスとばかりに張り手を連打するが、由衣が掌打気味の張り手を顎に叩き込むと、ゆきえがマットに崩れ落ちた。
ダウンしたゆきえに対して、由衣は組み付くようにチョークスリーパーで締め上げた。
グイッ・・
「んぐっ・・んんっ・・・」
苦悶の表情を浮かべるゆきえ。
由衣も失神させようと頸動脈を締め上げていくと、ゆきえは口から血の泡をブクブクと吹き出していく・・・。
反応も鈍くなってくると、ここでレフリーが危険と判断してゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが乱打されるが、由衣は絞め続ける。
『カンカンカンカン・・・カンカンカンカン・・・』
エキサイトしている由衣を止めていく黒服たち。由衣が技を解くとゆきえは失神状態でマットに横たわっていた・・・。
『勝者、市河由衣っ!』
リングアナが由衣の勝利をコールすると、ここで由衣も我に戻って片手を挙げて観客にアピールした。
敗者復活戦から準決勝に進出した由衣。次回大会での準決勝からも目が離せないだろう・・・。



第16試合

『選手入場・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、久しぶりの地下プロレスのリング登場の深多恭子。
白いワンピース水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって頭を下げていく。
その恭子の対戦相手としてリングインのは、同じく久しぶりの地下プロレス参戦の加藤愛。
地下プロレス参戦では深多恭子とのシングル戦は1勝1敗。しかし負けた試合は全裸処刑と言う屈辱・・・。。
今回は練習を積んでリベンジを誓っての参戦。白い競泳水着に白いリングシューズ姿の愛。体を鍛えているのが水着姿からも見て取れるが、観客達は激しい試合を期待して歓声を送っている。
『青コーナー〜・・・身長161p、上から79、56、83・・・加藤〜愛〜っ!』
コールを受けて片手を挙げる愛。
『赤コーナー〜・・・身長166p、上から86、62、88・・・深多〜恭子〜っ!』
コールを受けて片手を挙げるが、愛の鍛えた体に内心は戸惑いを見せている。
コールが終わると、リングアナがルールについて説明した。
『この試合は、完全決着ファイトクラブルールを採用します・・・また手は素手での顔面攻撃も認める特別ルールです!』
ルール説明に観客席が盛り上がると、愛はコーナーに膝蹴りなどしてウォームアップする。
恭子はコーナーに寄りかかると、愛の動きを見つめた。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、まずは相手の動きを見ていく両者。
リング中央で睨み合いの展開になると、お互いが手を出さない。
時間が経っていくと、愛が小刻みのジャブ気味のパンチを放つと、恭子は張り手で応戦しようとするがお互い当たらない。
当たらないと見ると、愛がタックルを仕掛けるが恭子が力ずくで切っていくと、張り手で追い打ちを掛けようとするがガードして逃げる愛。
愛が素早く距離を取ると、恭子はガードを固めて距離を詰めようとする。
その恭子に対して、愛は素早い動きでタックルを仕掛けると、恭子のボディを両手でクラッチする。
体格差で恭子が離そうとするが、愛がそのまま担ぎ上げてマットに叩き落とした。
バッシーン・・・
「痛いっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる恭子に対して、愛はマウントポジションを狙っていくが、恭子も抵抗して許さない。
愛が立ち上がると、恭子はグラウンド状態で愛を睨み付けた。
立ち上がるようにと、愛が手招きして挑発すると、恭子が立ち上がる。
その瞬間、愛が踏み込んで顔面へグーパンチを放った。
ゴキッ・・
「ぶっ・・」
殴られてフラつく恭子。
続けて左右の張り手を顔面に叩き込むと、恭子との距離を置いていく愛。
殴り返すが当たらずにダメージを受ける恭子。
プロレススタイルで距離を詰めようとすると、愛に小刻みのジャブを受けては動きを止める恭子に、愛がタックルを仕掛ける。
素早いタックルに対応しようとするが、愛に組み付かれていくと、そのまま持ち上げられていく。
体格差があるが、愛の意外なパワフルな攻めに観客席が驚きを見せるが、そのまま恭子をマットに叩き付ける。
バッシーン・・・
マットに叩き付けられてダメージを受ける恭子。
動きが鈍くなると、愛がサイドポジションをキープしながら顔面にハンマーパンチを落としていく。
バキッ・・バキッ・・
顔を殴られて悶えるように嫌がる恭子。
体格さもあり、恭子が愛を突き放すと、転がるように逃れようとする。
愛は素早く立ち上がると、立ち上がろうとする恭子にハイキックを放つ。
これにはギリギリ避けてタックル気味に組み付こうとする恭子に、愛が冷静にフロントスリーパーでキャッチしていく。
グイッ・・
首を極められていく恭子は、体格差を利用して押し出していくが、愛が膝蹴りをボディに叩き込む。
ドスッ・・
「うげっ・・」
膝蹴りを受けて動きの鈍る恭子。
そのままDDTでマットに叩き付ける愛。
ドッシーン・・・
「ああんっ・・」
悲鳴をあげて痛がる恭子に、愛は立ち上がってサッカーボールキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・バシィィィィ・・・
脇腹とヒップに蹴りを受けて痛がる恭子。
更に立ち上がろうとする恭子の顔面を狙う愛だが、蹴らずに立たせていく。
立ち上がる恭子に、愛はミドルキックを叩き込んでから左右のパンチを叩き込む。
バシッ・・バキッ・・
顔を殴られて怯む恭子。
愛は冷静に顔に狙いを定めて殴りつけていくと、恭子が堪らず距離を置いた。
距離が開くと、愛は恭子の膝を狙ってローキックを放つと、嫌がる恭子を痛めつけていく。
バシィィィ・・・バシィィィィ・・・
音を立てて炸裂するローキックの連発に、恭子の表情が苦痛に歪んでいく。
次第に内出血して太股などが変色していくと、動きの鈍くなる恭子。
動きが鈍くなると、飛び込んで左右の強烈な張り手を叩き込む愛。
バシィィィ・・バッシーン・・・
「ぶっ・・・ぶぶっ・・」
張り手を受けて返す恭子だが、逆に愛に伸ばした腕をキャッチされると一本背負いでマットに叩き付けられた。
バッシーン・・・
「痛いぃぃぃ・・・」
マットに叩き付けられて大の字になる恭子に、愛は容赦なくマウントポジションを奪っていく。
下から嫌がるように抵抗する恭子。
愛はバランスを取ってから、拳を握りしめていく。観客席からはこれから始まる、恭子の顔面崩壊を期待して大歓声が起きていく。
しかし、恭子は意地になっていきなり白い競泳水着に包まれた愛のバストを鷲掴みにした。
グイッ・・
「痛いっ・・・」
堪らず声をあげる愛。そう恭子は爪を立ててバストを攻めたのだった。
力が抜けた瞬間、恭子が藻掻いて愛のバランスを崩させて返すと、逆に殴りかかる。
バキッ・・
「くっ・・」
顔を殴られる愛は転がるように距離を置いて立ち上がると、恭子は距離を詰めて殴りかかる。
バキッ・・
恭子のパンチが愛の頬に当たると、愛は激痛と共に口の中が切れた感覚を覚える。
しかし愛も負けずにタックルを仕掛けると、対応出来なかった恭子をマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
マットに叩き付けられて動きの鈍る恭子。
何度もタックルなどでマットに叩き付けられて、ダメージが心配されるが、地下プロレスではそんな事で試合は止まらない・・・。
愛し立ち上がっていくが、恭子はゆっくりと立ち上がろうとすると、愛が踏み込んで顔面にサッカーボールキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
「ぶへえ!」
変な悲鳴をあげて苦しむ恭子。
ダウンしている状態の恭子から距離を置いて、手招きして挑発していく愛。
一方恭子は、大好きなお酒などの影響から体重増加でスタミナ切れを起こしているのか、呼吸を乱して立ち上がっていく。
立ち上がった恭子に愛は、一気に距離を詰めて殴りつけていく。
恭子も殴り返して殴り合いの様相になるが、愛が押しているのは明らかで、次第にロープ際に追い込まれていく恭子。
ゴキッ・・バキッ・・
素手での殴り合いに、鈍い骨が激突するような音が響くリング上。
愛は口から血を垂らし、恭子は鼻血を流し始めた。
白い水着に赤い斑点が増えていく中、恭子の手数が減り出すと、愛は首相撲からボディに膝蹴りを叩き込んだ。
ドスッ・・
「うぐっ・・・」
膝蹴りをボディに受けて動きの止まる恭子。口から血の混じる涎を垂れ流している・・・。
続けて膝蹴りを叩き込む愛。
ドスッ・・・
「おっ・・オエェェェ・・・」
2発目の膝蹴りに口から反吐を吐きながら崩れ落ちる恭子。
両手でお腹を押さえて口をパクパクとさせていると、愛は容赦なく全身にストンピングを叩き込んでは痛めつけていく。
堪らず亀のように丸くなっていく恭子。
愛の激しいストンピングが叩き込まれていくと、恭子は戦意を喪失して泣き出していく・・・。
ドスッ・・バスッ・・ドスッ・・・
「うっ・・・あうっ・・・や・・やめ・・て・・・」
泣きながら哀願する恭子。
「そんなこと言っても許さないから・・・許さない・・・」
愛は更に馬乗りになって顔面を殴りつけていく。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・
顔面を殴られて激しく鼻血を噴き出していく恭子。
俯せ状態で顔を隠そうとするが、愛はバックマウントから髪の毛を鷲掴みにして恭子の顔を上に向けた。
血塗れで泣き顔の恭子。愛は恭子の身体を反転させていくと、ノーガードの恭子の顔面を殴りつけていった。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・バキッ・・バキッ・・・
殴られ続けて、顔を腫らしていく恭子。
愛の拳を止めようと掴もうとする恭子だが、愛は顔面に容赦ない拳を落としていく。
バキッ・・ゴキッ・・
目の回りなど痣や腫れ上がっていく恭子の顔面。深多恭子の顔面崩壊シーンに盛り上がっていく観客席。
恭子の抵抗が少なくなっていく・・・腫れた顔を泣き顔に変えて俯せ状態になっていく恭子。
しかし愛は側頭部などへ、容赦なく拳を叩き込んでいく。
バキッ・・ゴキッ・・
抵抗も出来ずに殴られていく恭子。
愛が意地悪く髪を鷲掴みにして上を向かせると、腫れた顔を観客席に見せつけられる恭子。
完全に戦意喪失しているが、レフリーも止めずに愛も構わず殴りつけていく。
バキッ・・バキッ・・
しかし愛は殴り続けていくと、これ以上は危険と判断してレフリーが愛を止めた・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが乱打されるが、愛の拳は恭子を殴り続けると、黒服などが止めていく。
『ただ今の試合、レフリーストップで加藤愛の勝利です!』
勝った愛はレフリーに腕を挙げられていく。
一方、負けた恭子はリングドクターに応急処置を受けているが、顔を腫らして白いワンピース水着も自らの血で染めての、残酷な結果となった。
因縁ある愛と恭子の試合に一応の決着が着いた形だが、喧嘩マッチでキッチリと全裸のお返しをした形の愛。
今回の結果に、盗撮ビデオを仕掛けたと言われる壕プロ側は愛に対して刺客を送り込むのであろうか・・・。



第17試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、女優として活躍する伊藤美咲。スレンダーなボディを黒い競泳水着に包んでのリングイン。地下プロレスでは経験を積んでいるが、今夜はどんな試合を見せてくれるのか?
観客席も競泳水着が作り出す、美咲のスレンダーなラインを興奮していると、美咲はコーナーに寄りかかって対戦相手を待った。
そして対戦相手が花道から進んでくると、観客席は盛り上がれ美咲の表情は恐怖で引き攣った・・・。
そう、115sと言う巨体のダンプ松元が竹刀を振り回しながらリングインすると、早くも美咲に竹刀を向けて威嚇した。
地下プロレス参戦してから、多くのスレンダーボディを破壊してきたダンプの肉塊。今夜の生け贄は伊藤美咲・・・。
『特別試合・・・時間無制限一本勝負・・・青コーナー〜・・・身長171p、上から83、60、87・・・伊藤美咲〜っ!』
コールを受けて一礼する美咲。しかし対戦相手がダンプだから不安そうな表情を浮かべている。
『赤コーナー〜・・・身長163p、体重115s・・・ダンプ〜松元〜っ!』
そしてダンプがコールを受けると、竹刀を突き上げて観客席にアピールする。
誰もが美咲の公開処刑を連想させるマッチメークに興奮する中、そのショータイムが幕を開けた。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされて始まった美咲の地獄の時間。
美咲はコーナーからゆっくり出るが、距離は開けている。
ダンプはコーナーで構えると、ゆっくりと美咲との距離を詰めていく・・・。
リング内で捕まらないようにと回り出す美咲。
ダンプはリング中央で美咲の動きを睨み付けていると、美咲が果敢に飛び込んでハイキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
身長差もありダンプの側頭部に炸裂した美咲のハイキック。
蹴りこむと距離を置いていく美咲。ダンプは少しは効いたかと言う表情を浮かべると、距離を詰めていく。
距離が詰まると、美咲が長い美脚から繰り出すミドルキックを放つと、ダンプの脇腹に炸裂した。
バッシィィィィ・・
音を立てて炸裂するミドルキック。スレンダー系同士ならば大きなダメージも与えるであろう蹴りも、ダンプの肉塊にはどれ程のダメージを与えられるのか・・・。
更にローキックを蹴りこむ美咲に、ダンプは不気味な笑みを浮かべた。
バシッ・・バシッ・・
美咲も調子に乗ってサンドバックを叩きが如く蹴りを入れていくと、続けて左右の張り手も叩き込んだ。
バッシーン・・バッシーン・・
その瞬間、ダンプが叫んだ。
「いくぞぉぉぉぉ・・・」
ダンプの叫びに驚く美咲の首筋に、次の瞬間激しい衝撃が走った。
バシィィィィィ・・・
「ふぎっ・・・」
変な悲鳴をあげる美咲。そう、美咲の喉元に強烈なラリアットをが叩き込まれて、美咲はマットに叩き付けられた。
「コホッ・・コホッ・・」
喉元を押さえて咳き込む美咲。
しかしダンプが許すはずもなく、髪を鷲掴みにして起こしていく。
喉元を押さえてボディがガラ空きだからと、ダンプのミドルキックが美咲のボディに叩き込まれた。
ドスッ・・
「ふぐうっ・・・うううっ・・・」
ミドルキックを受けて倒れないが身体をくの字にして苦しむ美咲。
その美咲の髪を掴んでロープ際に連れて行くと、顔面をトップロープに押しつけていくダンプ。
グリッ・・
「イタイ・・・」
美咲が痛がると、ダンプがゆっくりとロープに顔面を擦りつけて痛めつけていく。
ギュ・・ギュギュ・・
「いやあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
絶叫する美咲。ロープとの摩擦熱で悲鳴をあげるが、誰も助けてはくれない・・・むしろ歓喜の声が観客席には溢れていた。
そしてコーナーまでいくと、コーナーに押し込まれていく美咲。
ダンプはトップロープを掴んで逃がさないようにすると、ヒッププッシュを狙っていく。
観客達の期待する中、ダンプのヒップがコーナーと挟むように美咲のボディを押し潰した。
ドシュ・・・
「いやあああああああっ!」
ヒッププッシュで押し潰されて悲鳴をあげる美咲。グッタリとしているとダンプが更にヒッププッシュ。
ドシュ・・
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
絶叫してコーナーに崩れ落ちる美咲のボディ。
グイッ・・・
「おらおらっ、寝てるんじゃねぇ!」
髪の毛を鷲掴みにして美咲を起こしていくダンプ。
そして、そのままヘアーホイップで投げつけていく。
バッシーン・・・
「きゃああああぁぁぁぁぁぁ・・・」
リング上に美咲の髪の毛が舞う中、マットに豪快に叩き付けられて悲鳴をあげる美咲。
マットに叩き付けられて痛さから立ち上がれない美咲を、ダンプは構わず髪を鷲掴みにして起こすと、ヘアーホイップで投げつける。
バッシーン・・・
「イタイぃぃぃぃぃ・・・・」
またも大きな悲鳴をあげてマットに叩き付けられていく美咲。
大の字になって痛がっている美咲に、ダンプは走り込むようにしてお腹にストンピングを叩き込んでいく。
ドスッ・・
「ぐふっ!」
お腹を蹴りこまれて嘔吐感に襲われていく美咲。
口をパクパクして苦しんでいる美咲を跨いでいくダンプ。
両手を突き上げてアピールすると、その美咲の競泳水着に包まれた腹部へ強烈なヒップドロップを叩き落とした。
ドスッ・・・
「グエえぇぇぇぇぇ・・・」
変な悲鳴をあげて藻掻き苦しむ美咲。
口をパクパクしながら悶えていると、ダンプはガッツポーズで観客にアピールすると、ゆっくりと立ち上がってから再びヒップドロップを腹部に落とした。
ドスッ・・・
「んっぷ・・・オエェェェェェ・・・」
一瞬間を置くようにして、口から反吐を噴き出した美咲。
美人女優が自ら吐き出した嘔吐物で顔を汚していくと言うシーンに、観客席は大歓声がおきていく。
身体をピクピクと痙攣させるように横たわる美咲。
ダンプは片手を突き上げてアピールすると、美咲の両足首を掴んでリング下に降ろした。
これで試合が終わるのかと思いきや、ダンプはリング下に美咲を降ろすと、近くのペットボトルを手に美咲の顔面にかけると、水で吐瀉物を洗い流した。同時に美咲の意識を戻していく。
グイッ・・
「い・・いや・・・・・」
ダンプが髪を鷲掴みにして美咲を起こしていくと、そのままエプロンサイドに美咲の顔面を叩き付けてから、動きを止めてからリング上に戻していく。
リング上でグッタリとする美咲。ダンプはリング上に戻ると、美咲のお腹にストンピングを入れて痛めつけると、髪を掴んで起こしていく。
起こされるがフラフラしている美咲に、ダンプはコーナーに押し込んで寄りかからせた。
競泳水着姿でグッタリとコーナーに寄りかからせられて、意識を朦朧とさせている美咲。
その美咲に、ダンプは反対コーナーから走り出すとコーナーと巨体との間に美咲のスレンダーボディをサンドウィッチプレスで押し潰した。
バッシーン・・・
「きゃあああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
美咲の悲鳴が響き渡るリング上。
強烈な圧力に押し潰された美咲は、ダンプが動くとゆっくりとマットに崩れ落ちていく。
俯せでグッタリとしている美咲。
ダンプは片手を突き上げて観客にアピールすると、観客席からは歓声が送られていく。
歓声を受けながらダンプは俯せでダウンしている美咲の後頭部を踏みつけていくと、藻掻く美咲をゆっくりと痛めつけていく。
激しく抵抗する美咲。女優の命とも言える顔をマットにに押しつけられて、その痛さから逃れようと必死になるがダンプ相手では逃れる事はできない・・・。
ダンプは意地悪く踏みつけると、腰に強烈なヒップドロップでダメージを負わせた。
ドッシーン・・・
「きゃああああぁぁぁぁぁ・・・」
またも美咲の悲痛な叫び声がリング上に響き渡る。
更に、ダンプは容赦なく鼻の穴に指を掛けると、そのまま鼻フック式のキャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・
「ふがあっ・・・」
鼻を責められて激痛に悶える美咲。
ダンプが放すと、美咲は両手で顔面を押さえて痛がっている。
その痛がる美咲の髪を鷲掴みにして起こしていくダンプは、いきなり至近距離からラリアットを美咲の細い首に叩き込んだ。
バッシーン・・・
容赦なく後頭部からマットに叩き付けられた美咲は、大の字になってヒクヒクとしている。
その美咲を見下すように睨み付けてから、ダンプがゆっくりとエルボードロップを喉元に落とした。
ドスッ・・
「うぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
喉元へのエルボードロップに絶叫する美咲。
両足をバタバタとさせて藻掻き苦しむ美咲に、ダンプがサッカーボールキックを数発叩き込むと、髪を掴んで起こしていく。
フラフラしている美咲をダンプはコーナーに押し込んでいくと、ヒッププッシュの体制に持ち込んだ。
ボシュ・・
「いやああぁぁぁぁ・・・・」
ダンプの巨尻が美咲のボディに炸裂すると、内臓を押し潰されて絶叫する美咲。
コーナーに崩れ落ちないからと、更にヒッププッシュが細いボディを襲った。
ボシュ・・・
「ふぐうっ・・・」
お腹をにヒッププッシュを叩き込まれてコーナーに崩れ落ちる美咲。
両手でお腹を押さえて苦悶の表情を浮かべていると、ダンプは顔面にヒッププッシュを叩き込む。
ドスッ・・
「あうっ・・・」
顔面に叩き込まれた美咲は、グッタリとコーナーに俯せ状態に崩れ落ちた・・・。
俯せの美咲の股を開かせて、鉄柱に股間が当たる様にすると、ダンプはリング下に降りていく・・・そして美咲の両足首を掴むのであった。
ヒッププッシュのダメージで苦しい美咲に、ダンプが一気に両足首を引っ張る・・・。
ゴキィィィィ・・・
「ひぎいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・」
凄まじい勢いで股間を鉄柱に叩き付けられて、絶叫する美咲。美人女優の恥骨が破壊されるようなシーンに熱狂する観客席。
「いくぞぉぉぉぉ・・・」
ダンプが更にアピールすると、美咲の股間と鉄柱に空間を作ると、もう一発股間を叩き付けた。
ゴキィィィィ・・・
「ふぎぃぃぃぃぃ・・・・」
変な悲鳴をあげる美咲。
股間への強烈な責めに股間を押さえて苦しむ美咲に、トドメを刺そうとダンプはリング上に戻ると、コーナーだからとタッチロープを外し始めた。
美咲は動けないままだからと、ダンプはゆっくりとロープを解いていくと、美咲を起こしていく。
コーナーに寄りかからせると、ダンプはトップロープに座り込むと、美咲の首にタッチロープを巻き付けた。
美咲も残された力でタッチロープを掴むが、ダンプの両腕に少しずつ力が入った・・・。
グイッ・・
「んぐぐっ・・・んんっ・・・」
まさにコーナーでの絞首刑に美咲は苦しさに藻掻く・・・。
必死に逃れようとするが、逃れられずに顔面蒼白にされていく美咲。
レフリーも危険だからと反則のカウントを取るが、ダンプは不気味な笑みを浮かべてタッチロープを引き上げると、美咲は意識を失うのであった。
同時に、美咲の黒い競泳水着の股間の部分から、黄色く異臭を放つ液体が溢れ出すのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・カンカンカンカン・・・』
レフリーが反則と言う事でゴングを要請すると、ゴングが乱打されるも放さないダンプ。
レフリーと黒服などがダンプを止めていくと、ダンプは片手を突き上げてリングを降りるのであった。
一方、失神失禁KOされた美咲はグッタリとしていると、リングドクターに応急処置を受けていく。
『勝者、反則勝ちで伊藤美咲っ!』
反則と言う事で美咲が勝利したが、勝った美咲はグッタリと倒れていて、負けたダンプは誇らしげに花道を引き揚げていくのであった・・・。



第18試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールに花道を進んでくるのは、壕プロ期待の新人である鷹田光莉。13歳でありながら地下プロレスデビュー済みで、激しいドミマッチの生け贄の経験も持っている光莉。白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、四方の観客席に向かって頭を下げた。
その光莉の対戦相手が花道を進んでくるが、観客席が驚きの声に包まれる。菊河怜がリングサイドに向かって進んでくるから、まさかと思いきや、怜の後ろにもう1人が歩いてきた。そう今夜デビュー戦となる久藤綾乃であった。国民美少女コンテスト優勝の13歳で、Oプロ所属だからとセコンドに怜がついてきていた。
白い競泳水着に白いリングシューズで光莉と同じリングコスチュームだが、身長など光莉を上回っていて、同じ13歳対決としてもどういう試合になるのか予想が付かなかった。体格では綾乃、経験では光莉のこの試合。綾乃は怜がロープを拡げると、頭を下げてリングインして観客席に頭を下げた。緊張感を隠せない綾乃。
コーナーに光莉と綾乃が立つと、リングアナがコールを始めた。
『青コーナー〜・・・身長158p、上から68、52、72・・・鷹田光莉〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする光莉。会場内からは拍手が送られていく。手にはオープンフィンガーグローブを着けてた。
『赤コーナー〜・・・今夜が地下プロレスデビュー戦・・・身長165p、上から74、62、87・・・久藤綾乃〜っ!』
コールを受けて頭を下げる綾乃。対戦相手の光莉とは視線を合わせずに、コーナーのセコンドで立つ怜にアドバイスを受けている。
『セコンドアウト・・・セコンドアウト・・』
リングアナが怜に指示を出すと、ゴングが鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出す光莉。
綾乃はゆっくりとした足取りでコーナーから出ると、光莉との距離を計っていく。
光莉は軽くジャブ気味に出しながら距離を詰めるが、綾乃は両手を前に出して打撃に付き合わずに距離を置く。
光莉が前に出ると、合わせて綾乃がドロップキックを放つと、打点は高くないが両足が光莉を襲った。
バシィィィ・・・
「あうっ・・」
ドロップキックを受けて倒れ込む光莉。
素早く起こしにかかる綾乃だが、光莉も負けずにロープに振った。
ロープから戻ってきた綾乃にお返しとばかりにドロップキックを叩き込む光莉。
バッシーン・・・
「あんっ・・・」
堪らず悲鳴をあげて倒れ込む綾乃。光莉は腕を掴んで起こしていくと、フロントスリーパーで締め上げた。
「押し出して!」
セコンドの怜が叫ぶと、綾乃は光莉をロープに押し込むと、ロープを掴んでいく。
『ロープ・・・』
レフリーが光莉に技を解くように指示すると、技を解いて距離を置く光莉。リングサイドの怜を一瞬睨み付けた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を置く両者。今度は光莉が手を伸ばして組み合おうと招くが、綾乃がステップキックで蹴り上げると、腕を掴んでロープに振った。
しかしロープから戻ってきた光莉がフライングラリアットを放つと、綾乃は悲鳴をあげて倒れ込んだ。
続けて光莉が腕をキャッチして腕拉ぎ逆十字固めを極めると、綾乃は両足をバタバタさせて悲鳴をあげた。
「痛いぃぃぃぃ・・・いやああぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる綾乃。光莉もギブアップさせようと捻るが、腰を浮かせていない為に完全に極まっていない。
「久藤っ、ロープ・・・ロープに逃げて!」
セコンドの怜の言葉に綾乃は少しずつロープに逃れると、足がロープに届いた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが光莉にロープと指示すると、技を解いて立ち上がっていく光莉。
綾乃は腕を気にしながら立ち上がると、光莉が踏み込んでミドルキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
「痛いっ・・」
堪らず悲鳴をあげる綾乃。
更に光莉がミドルキックからローキックと打撃を叩き込むと、嫌がるようにロープに逃げる綾乃。
ロープに逃げる綾乃をヘッドロックで締め上げていく光莉だが、体格差で綾乃にロープに振られてしまう。
ロープから戻ると、綾乃に軽いラリアットを受けてフラつくと、スリーパーホールドで締め上げていく綾乃。
グイッ・・
「くっ・・・」
苦悶の表情を浮かべる光莉。
レフリーもギブアップか確認するが、光莉はギブアップせずに耐えていく。
綾乃も締め上げていくが、完全に極まっていないから光莉も耐えていると、光莉がしゃがみ込むようにして、綾乃を投げてマットに叩き付ける。
バッシーン・・・
「あうっ・・」
マットに倒れ込んだ綾乃に、光莉が素早くアキレス腱固めを仕掛けた。
グイッ・・
「痛いっ・・・イタタタタタタタッ・・・・」
悲鳴をあげてロープに手を伸ばす綾乃。
光莉のアキレス腱固めも不完全で極められず、綾乃がロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの声に技を解く光莉。
立ち上がる光莉を離していくレフリー。綾乃もゆっくりと立ち上がると、距離を置いて構えていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を置く二人。
距離はあるが、光莉が詰めていくとローキックからハイキックと上下蹴り別けて牽制していく。
綾乃に当たらないがプレッシャーを与えるには十分な蹴りの連発。アクションも出来る光莉としては、体格差をカバーしたいところ。
更にミドルキックで踏み込むと、綾乃の脇腹を抉る光莉の蹴り。
ドスッ・・
「うぐっ・・」
脇腹を蹴りこまれて動きの止まる綾乃。
動きの止まったところを、髪を掴んで下を向かせてからDDTを仕掛ける光莉。
しかし綾乃も嫌がる様に藻掻くと、光莉を押し出して尻餅をつかせると、ロープに走って低空ドロップキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・・
「痛いぃぃぃ・・」
悲鳴をあげてリング上を転がる光莉。
綾乃はサッカーボールキックを背中に叩き込んでから、髪を掴んで起こしていく。
起こすと、光莉が至近距離から顔面パンチを放った。
バシッ・・
「うっ・・」
顔を殴られて動きの止まる綾乃に、光莉は左右のフックで顔面を殴りつけていく。
綾乃も嫌がりながらも張り手を返すと、光莉はローキックで脚を止めていく。
バシッ・・バシッ・・
「うっ・・・」
ローキックを受けて動きの止まっていく綾乃。
光莉は太股を狙ってのローキックを連発していくと、綾乃の白い素肌が内出血して変色していく・・・。
決して重い蹴りではないが、数が当たると苦しくなっていく綾乃。
堪らずロープに逃げると、片手で蹴られた太股を触っているが、光莉も容赦しない。
ノーガードの顔面狙いのハイキックを放つと、綾乃の顔面を蹴りが襲ってロープ際で崩れ落ちる綾乃。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・」
ロープ際で座り込む様にダウンした綾乃に、光莉は密着してチョークスリーパーで締め上げていく。
グイッ・・
「んっ・・ううううっ・・」
喉元を締め上げられて苦しむ綾乃。しかしロープ近くなのでロープに逃げた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが光莉を止めていくと、綾乃は技を解かれて咳き込んでいる。苦しそうな表情を浮かべていると、光莉がロープに走った。
立ち上がる綾乃に、光莉は勢いをつけてドロップキックを叩き込むと、綾乃を倒していく。
バッシーン・・・
「きゃあああぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげて倒れ込む綾乃。
その綾乃の腕をキャッチして、腕拉ぎ逆十字固めを極めていく光莉。
グイッ・・・
「痛いぃぃぃぃぃ・・・痛いぃぃぃぃぃ・・・・」
腕を極められて悲鳴をあげる綾乃。リングサイドから怜がマットを叩いてアドバイスするが、激しく悲鳴をあげている。
ロープに逃げようと足を伸ばすも、ロープに届かず苦しい綾乃。
光莉は更に腕を極めていこうとすると、肘関節が変な曲がり方になっていく・・・。
綾乃は涙を浮かべて絶叫するが、ギブアップと言う言葉は口にしない。
「あああああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
綾乃絶叫に、レフリーは腕が危険と判断してゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされても技を解かない光莉。
レフリーに注意されてやっと放すと、自らの勝利が信じられないと言う表情を浮かべた。
『勝者、鷹田光莉っ!』
リングアナのーこるにやっと笑みを浮かべる光莉。
一方、負けた綾乃はリングドクターに腕のチェックを受けるが、関節など異常はないだろうと言う診断で、アイスパックで冷やされての退場となるが、腕を押さえながらも対戦相手の光莉に近づくと、握手するのであった。
光莉もお互いの健闘を讃え合うと、観客席からは大きな拍手が送られるのであった・・・。



第19試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、地下プロレス2戦目の荒垣結衣。
白いワンピース水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に頭を下げた。
デビュー戦を勝利で飾ったとは言え、この異様な雰囲気の中でのプロレスは女優としても演技抜きで苦しいものであり、演技を越えた怖さを感じていた。
その不安感ある結衣の対戦相手としてリングに登場したのは、女優として結衣の大先輩に当たる米蔵涼子。
黒い競泳水着に黒いリングシューズ姿で、スタイルの良さを強調するリンコスに観客達が盛り上がっていく。
涼子の登場に緊張感の走るリング上。結衣も体格では負けていないが、キャリアで負けているからと緊張した表情を浮かべている。
映画などで売れている結衣が対戦相手と知ると、涼子は早くも睨み付けていく。
結衣が緊張している間にも、リングアナがコールを始めた・・・。
『青コーナー〜・・・身長167p、上から82、62、87・・・荒垣結衣〜っ!』
コールを受けて一礼していく結衣。しかし表情は硬い。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から84、58、85・・・米蔵涼子〜っ!』
コールを受けて結衣を威嚇するように片手を突き上げると、反対コーナーの結衣に迫る涼子。
涼子が近づくと、堪らず視線を外す結衣。その動きに涼子の表情に笑みが浮かんだ・・・。
レフリーがボディチェックすると、ここでゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出したのは結衣で、反対コーナーの涼子に走り込んでドロップキックを放った。
バッシーン・・・
ドロップキックを受けて倒れる涼子は、素早く立ち上がっていく。
その涼子に続けてドロップキックを叩き込む結衣。
バッシーン・・・
しかし涼子は効かないとばかりに立ち上がると、結衣はドロップキックを叩き込む。
バッシーン・・・
3連発を受けても素早く立ち上がる涼子に、結衣も立ち上がるが自らのドロップキックが効いていないのかと焦り出す。
その結衣に、涼子が手を出した。
バシィィィィ・・・
「甘いんだよ!」
強烈な張り手を叩き込んで流れを変えていく涼子。
張り手を受けて動きの止まる結衣に、涼子は素早くバックを奪うと、チョークスリーパーで締め上げた。
喉元を締め上げられて苦悶の表情を浮かべる結衣。
涼子に抵抗するも、簡単に頸動脈を締め上げられて意識を失い失神した。
崩れ落ちる結衣に、涼子はチョークスリーパーを解かずに絞めていくと、レフリーが止めていくのであった。
『ストップ・・・ストーップ!』
レフリーが試合を止めるとゴングが打ち鳴らされるのであった。
『カンカンカンカン・・・』
呆れ顔で立ち上がる涼子。
リングドクターが素早く処置していくと、結衣は意識を取り戻すが秒殺負けにマットに倒れたまま天井を見上げた。
涼子はゆっくりと結衣の顔面を踏みつけると、冷たい表情で呟く・・・。
「私に挑戦するなんて、身の程知らずなのね・・・」
涼子の言葉に言い返せずに顔を踏みつけられていく結衣。
そしてゆっくりと足を上げると、リングから降りていく涼子。消化不良な試合結果に不満足そうな表情を浮かべて花道を引き返した。



第20試合

『選手入場・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、元レースクイーンの左藤志津香。ピンク色のビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって頭を下げていく。この志津香が今夜、地下プロレスの新たな試合形式の1ページを刻むこととなった・・・。
『サクリファイスマッチ・・・今夜の刺客が登場!』
リングアナが叫ぶと、ガッツポーズをしながら花道を進むのはアフリカンコング。175p100sの身体で威嚇するようにリングインすると、観客席に向かって腕を振ってはアピールした。オープンフィンガーグローブが残酷感を盛り上げている・・・。
リング上でコングと対峙すると、恐怖心に足元を振るわせる志津香。
しかし志津香の恐怖心など関係なく、リングアナがコールを始めていく・・・。
『青コーナー〜・・・身長160p、上から86、58、85・・・左藤志津香〜っ!』
コールを受けて一礼していく志津香。Fカップのバストが作り上げる旨の谷間に視線が集まっていたが、それ以上に圧倒的な差のあるコングの生け贄にされる姿を楽しみにしているような観客席。
『赤コーナー〜・・・身長175p、100s・・・アフリカン〜コング〜っ!』
コールを受けて威嚇するようにガッツポーズをとるコング。
『このサクリファイスマッチは、勝ち目のない組み合わせの中で、観客席を盛り上げられるかが生け贄(サクリファイス)側の大事なところです!』
リングアナの残酷な説明の中、コーナーでは黒服が志津香に囁いている。
『勝ち目はないだろうが・・・コング相手に痛めつけられてくれれば、ファイトマネーは普段の試合の数倍、また表の舞台での活躍もあるかもな・・・』
その言葉に、志津香は表舞台では活躍の場もなく、お金も得ることが出来るからと震えながらもゴングを待った。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、いきなりコングが突進していく。
反対コーナーの志津香が堪らず悲鳴をあげて逃げると、観客席からは大歓声が起きていく。
グイッ・・・
「いやああぁぁぁぁぁぁ・・・」
逃げる志津香の背後から髪の毛を鷲掴みにするコング。悲鳴をあげる志津香。
そのままコーナーポストに顔面に叩き付けると、コーナーに押し込んでいった。
苦悶の表情を浮かべる志津香の喉元に、コングが強烈な水平チョップを叩き込む。
バッシーン・・・
「ぶふうっ・・・」
喉元を叩かれて苦しむ志津香。
バシッ・・バシッ・・
更に左右のジャブを顔面に叩き込まれて、コーナーで両手で顔面を押さえる志津香。
しかし距離を置こうと必死に張り手を返すも、コングに効くはずもない・・・が、前蹴りなど必死な志津香。
前蹴りに動きを止めるコングに、志津香はエルボースマッシュを仕掛けるも、コングはお腹にパンチを叩き込んだ。
ドスッ・・
「ふぐうっ・・ううっ・・」
お腹にパンチを受けて、膝を落として苦しむ志津香。
コングは構わず志津香を起こしてコーナーに押し込むと、両腕をロープに絡ませてノーガードにしていく。
目の前のコングの迫力に怯えた表情を浮かべる志津香。
バッシーン・・・バッシーン・・・
「ウガアァァァァァ・・・」
コングが叫ぶと、志津香の左右の頬に張り手を叩き込んだ。磔にされたようにグッタリする志津香。
その志津香をトップロープに上げてから、軽々とボディリフトで持ち上げていくコング。
「いっ・・いや・・・や・・やめ・・て・・・」
持ち上げられて、マットに叩き付けられると知って怯える志津香。
コングは投げ出さずにゆっくりとリングを歩き出すと、恐怖に泣きそうになる志津香の表情を観客席にアピールするようにロープ際を歩いていく。
そして、コングは志津香の喉にトップロープが当たるように落としていくと、喉元を痛打して志津香がマット上に落ちると、喉元を両手で押さえて激しく悶え苦しんでいた・・・。
観客席が激しい攻めに歓声をあげると、コングは片手を挙げてアピールすると、苦しむ志津香の全身をストンピングで蹴りこんでいく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「痛いっ・・・ああん・・・いやああぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげて痛がる志津香。
ロープを掴んで逃れようとする志津香に、コングの激しいストンピング攻撃が炸裂していく・・・。
『ロープ・・ロープ・・・』
レフリーがコングを制止すると、志津香はフラフラしながら立ち上がっていく。
距離を置くコング。志津香はレフリーにコーナーに連れて行かれ、呼吸を整えさせられていく。
『ファイト!』
そして続行の掛け声がされると、コングはコーナーの志津香に突進した。
「ウガァァァァァ・・・」
奇声をあげてコーナーにボディアタックを仕掛けるコング。
堪らず志津香が逃げ出すと、コングがコーナーに激突自爆した。
リングが揺れる衝撃に志津香も観客席も驚きを隠せない。
「ガッデェーム!」
コングはコーナーポストを殴りつけて怒りを露わにすると、逃げた志津香を睨み付けた。
コングの視線に怯える志津香。
ゆっくりと不気味な笑みを浮かべて距離を詰めるコングに、志津香は少しずつ逃げようとするが、巨体に似合わない素早い動きのコングに髪を鷲掴みにされてしまった・・・。
髪を鷲掴みにされて藻掻く志津香だが、コングは構わずリング上を連れ回していく。
そしてコーナーに連れて行くと、コーナーポストに顔面を叩き付けてから、動きを止めてからコーナーに押し込んだ。
グッタリとコーナーに寄りかかる志津香。
その志津香に、コングはまるでサンドバッグでボクシングの練習をするように、生腹にパンチを叩き込んでいく。
ドスッ・・バスッ・・
「うげっ・・・ふぐっ・・」
お腹を殴られて目を見開くように苦しむ志津香。
更にコングの拳が生腹を抉っていくと、志津香の身体がコーナーに崩れ落ちていく。
口から涎を垂れ流して苦しむ志津香だが、コングは無理矢理に起こしてはコーナーに寄りかからせた。
「うっ・・うう・・」
苦悶の表情を浮かべる志津香。
コングは満面の笑みを浮かべると、まるで痛めつけるのが楽しいか如くヒッププッシュの体制に持ち込んだ。
そして、強烈なヒッププッシュで志津香の身体をコーナーとの間で押し潰す。
ボシュ・・・
「いやああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげる志津香。
堪らずコーナーに崩れ落ちると、コングは髪の毛を掴んで起こしては、コーナーに寄りかからせる。
そしてボディアタックでコーナーとの間で押し潰すと、志津香はコーナーに崩れ落ちるのであった。
その志津香の両足首を掴んで、コングはリング中央に連れ出していくと、豪快にジャイアントスイングで志津香を回し始めた。
「きゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
振り回されて絶叫する志津香。ビキニに包まれたバストが遠心力に逆らえずに、飛び出す寸前になっている。
ビキニから乳房が飛び出す前に投げ捨てられる志津香。マットに叩き付けられては、グッタリとしている。
コングはゆっくりと志津香に近づくと、その顔面を踏みつけていく。
「ウガァァァァァァ・・・」
観客席にアピールするコング。
アピールしてから、志津香を起こすと見せて必殺のパワーボムの体制に持ち込むコング。
体重差もあり軽々と持っているが、その志津香の身体を浮かせると、強烈なパワーボムでマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
一発で意識を飛ばして失神寸前の志津香だが、コングは技を解かずに続けてパワーボムを仕掛ける。
バッシーン・・・
堪らず乳房がビキニから飛び出してしまう志津香。
更にコングがパワーボムで叩き付けると、志津香は完全にグロッキー状態となってしまった。
レフリーが志津香の頬を叩くが反応がないと、リングサイドの黒服に合図を送るが、ゴングはまだ鳴らない・・・。
その間にも、コングはリングサイドからバケツを持ち出すと、志津香の顔面に豪快に水を掛けた。
バッシャーン・・・
「うっ・・・ううっ・・・」
水を掛けられて意識を取り戻す志津香。
胸がビキニから飛び出しているから直そうとするが、コングが髪を掴んで起こしていく。
起こしてから、コングが不気味な笑みを浮かべてから志津香のビキニに手を掛けた。
「や・・やめて・・・」
脱がされると想い嫌がる志津香だが、コングの前では意味がない・・・。
グイッ・・・
「きゃああぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげるも構わずビキニを剥ぎ取るコング。
志津香は見事なバストを露わにされると、両手で隠そうとするがコングにリフトアップされてしまった。
トップレスの志津香がリフトアップされると、観客席からは大歓声がおきていく。
そして、コングは志津香を落とすと同時にお腹を膝蹴りで蹴り上げた。
ボシュ・・
「ほげえぇぇぇぇぇぇ・・・・」
まさに内臓を破壊されるような感覚に襲われた志津香は、堪らずマットに吐瀉物を撒き散らしながら藻掻き苦しんだ。
グッタリしている志津香の顔面を踏みつけてから、ゆっくりと起こしていくコング。
そしてロープに押しつけていくと、両腕をトップロープに絡ませてから、ゆっくりとペットボトルを手にして、志津香の口の中に突っ込んでいく。
グイッ・・
「んぐっ・・ング・・ング・・・」
無理矢理に水を飲まされていく志津香。
ペットボトルが空になると、コングを空いたボトルを観客席に投げ込んでいく。
観客席では、志津香が口にしたペットボトルに観客が殺到するが、コングはニヤリとしている。
ロープに磔にされている志津香のバストへ、コングは左右の強烈な張り手を叩き込む。
バッシーン・・・バッシーン・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・」
リング上に響き渡る志津香の悲鳴。Fカップの見事なバストが叩かれては、歪んで変形する様子は残酷そのもの。
悲鳴をあげる志津香を楽しむように、コングはバストへのパンチ攻撃、張り手などバスト責めを続けた。
グニュ・・ボニュ・・
「んあっ・・ああんっ・・・」
バストをパンチングボールの様に痛めつけられて、志津香のバストは白い綺麗な乳房が内出血までおこして痛々しい姿へ・・・。
グッタリとしている志津香をロープから放してから、コングはラリアットを叩き込んだ。
バッシーン・・・
太い腕が叩き込まれて大の字になる志津香。堪らずリング下に逃れようと転がるように逃れるが、コングもリング下に降りていく。
リング下でグッタリと俯せで苦しむ志津香に、ヒップにストンピングを叩き込んでから髪を鷲掴みにして起こしていくコング。
そして子供にオシッコでもさせるように抱え上げると、そのまま鉄柵に近づいていく。
トップレス姿の志津香がオシッコポーズで鉄柵に近づけられると、観客席からは大歓声が起きていくが、コングは容赦なく鉄柵に股間が当たるように志津香の身体を落とした。
ゴキィィィィ・・・
「ひぎぃぃぃぃぃぃぃ・・・」
絶叫する志津香。恥骨が粉砕されるのではと思うほどの衝撃に、涙目になって苦しんでいる。
股間を押さえてヒクヒクしている志津香に、コングはサッカーボールキックで痛めつけると、股間を押さえる志津香の顔面を踏みつけていく。
「あっ・・あうっ・・・ううっ・・・」
俯せ状態で股間を押さえる志津香。更にコングに後頭部を踏みつけられて場外の堅い床に顔面を押しつけられて呻き声をあげている。
その志津香から離れると、走り込んでストンピングを叩き込むコング。
ドスッ・・
「あああああああっ・・・」
悲鳴をあげて藻掻き苦しむ志津香。
そして髪を鷲掴みにして起こしてから、顔面をエプロンサイドに叩き付けるコング。
バシィィィィ・・・バシィィィィ・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・きゃああああぁぁぁぁ・・・」
志津香の悲痛な叫び声に観客席からは大歓声が起きていく。
コングが放すとグッタリとリング下に倒れ込む志津香。
「ウガァァァァ・・・」
ガッツポーズで雄叫びをあげるコングは、志津香を逆さにして両足をセカンドロープとサードロープに絡めると、逆さ吊りにしていく。
両手をダラリと垂らした状態で虚ろな表情を浮かべる志津香。
「や・・やめ・・・て・・・」
哀願する志津香に、コングは容赦なく腕を振り回すと、オーパーアクションからお腹にパンチを叩き込む。
ドシュ・・
「うぐうっ・・・ううっ・・」
お腹を殴られて一瞬目を見開く志津香。
更にコングの拳がお腹を抉ると、パンチが入った瞬間に志津香の口から激しく反吐が噴き出した。
ドスッ・・
「オエェェェェェェェ・・・・」
水で薄められた胃液などが激しく噴き出すと、志津香は両手をダラリとしている。
「や・・・や・・め・・・て・・・・く・・・だ・・・さ・・い・・・」
抵抗も出来ずに試合を止めてもらおうと必死な志津香。
しかしコングはそんな事はお構いなしに、志津香のお腹を殴り出す。
ボシュ・・ボシュ・・・
「ふぐっ・・グエッ・・・」
お腹を殴られ続けて、抵抗も出来ずに泣き出す志津香。
すると、コングは大笑いしながら志津香をロープから解放すると、リング上に転がすように上げていく。
力なくグッタリと俯せになって倒れ込む志津香に、コングは髪を掴んで起こしていくと、抱え上げるようにオシッコポーズを取らせていく。
トップレス姿でオシッコポーズを取らされて、何も抵抗できない志津香。
そしてコングが膝を出して、その志津香の股間を膝に落とした・・・。
グシュ・・・
「ふぎいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・」
プッシークラッシャーが炸裂すると、志津香は目を見開いて絶叫した。
もう抵抗も出来ない志津香・・・激しいハードドミネーションに観客は酔っていた・・・。
コングはゆっくりと持ち上げると、もう一発プッシークラッシャーを炸裂させた。
グキッ・・・
「ひぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・」
またも絶叫していく志津香。恥骨へのあまりの衝撃に失神寸前に追い込まれるが、コングはゆっくりとネックハンキングツリーの体制に持ち込んだ。
観客席から残酷なシーンを期待する歓声がおきる中、志津香は薄れゆく意識の中、涙を流している・・・。
コングは高々とネックハンキングツリーで吊し上げていると、志津香が失神してしまった・・・。
同時にピンク色のショーツより異臭を放つ液体が溢れ出すと、太股を伝いマット上に水たまりを作り出すのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ここでレフリーがゴングを要求すると、コングも志津香を解放した。
マットに力なく横たわる志津香。
コングはガッツポーズを取ってアピールすると、失神している志津香のショーツを剥ぎ取ってから、観客席に向かって投げ込んでからリングを降りるのであった・・・。
完全失神KOで、全裸で横たわる志津香・・・観客達は興奮状態でその見事な身体を舐め回すように見るのであった・・・。



第21試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、映画も好評だった常和貴子。
白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって頭を下げた。
その貴子の対戦相手としてリングインするのは、大池栄子。映画で共演したが、映画の中で格闘シーンでは貴子にやられる役だったが、それが後日華奢な常和貴子にやられるなんて、実際なら逆でしょうけど・・と挑発していて、今回は大池サイドからのオファーだった。
胸の谷間を強調した白いワンピース水着に白いリングシューズ、そのFカップ91pのバストが谷間を作り出しては、観客席の視線を集める。
体格差もあり、貴子も地下プロレス経験もあるだけに、栄子のとの試合がどうなるのか、試合前の発言からも予想しているのか、表情は重い・・・。
プロレスルールだが、栄子は黒服に要求してオープンフィンガーグローブを着けさせてもらっている。これにより、顔面パンチも可能になり、激しい試合が出来ると言う事だ・・・。
『青コーナー〜身長162p、上から85、58、85・・・常和貴子〜っ!』
コールを受けて一礼していく貴子。
『赤コーナー〜身長166p、上から91、59、87・・・大池栄子〜っ!』
コールを受けてガッツポーズする栄子。
コールが終わると、レフリーがルール説明をしているが、栄子は既に臨戦態勢で貴子を睨み付けている。
貴子は栄子の圧力に視線を反らすが、ゴングの鳴る瞬間は近づいていた・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時に距離を詰める栄子。しかし貴子は必死に距離を置いて動きを見た。
しかしコーナーに追い詰められると、栄子は格闘技戦の様に構えていく。
貴子は追い詰められたからと、勢いをつけてドロップキックを放った。
バッシーン・・・
ドロップキックを叩き込むも、栄子がフラついただけで倒れない。
逆にサッカーボールキックを放ってきたからと、貴子は堪らず転がってリング下に逃れた。
リング下から栄子の動きを見つめる貴子に、リング上からは栄子が手招きして挑発した。
挑発に乗らずに冷静に貴子はリングサイドを動くと、ゆっくりとリングに上がろうとする。
その貴子を挑発する栄子。しかしレフリーが栄子を離すと、貴子をリングに招き入れた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰める栄子と貴子。
距離が詰まると、意外にも貴子がハイキックを放った。
バッシーン・・・
突然のハイキックが栄子の側頭部を襲うと、一瞬フラつく栄子。
更に組み付いてスープレックスを狙いたい貴子だが、体重差から投げられないと、逆に栄子が組み付いた。
そのままロープまで押し込んでいくと、喉元に水平チョップを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「ぶふうっ!」
喉元を叩かれて口から涎の飛沫を飛ばす貴子。
ロープに両腕をかけてグッタリすると、栄子は片手を挙げてアピールしてから、貴子の喉元に水平チョップを叩き込む。
バッシーン・・・
「ああんっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる貴子。
レフリーが割って入って栄子を離すと、試合を続けさせていく。
『ファイト!』
距離を置いて動きを見る貴子に、栄子はゆっくりと距離を詰めた。
距離が詰まると、栄子の重いローキックが放たれる。
バシッ・・
「くっ・・」
上手い蹴りでないが、重い蹴りにダメージを受ける貴子。
距離を置こうとすると、栄子が距離を詰めてはローキックを放った。
バシッ・・
「うっ・・」
蹴りを受けて、足を内出血させてダメージを負う貴子。
しかし貴子はタックルで組み付こうと仕掛けるが、足が痛いからとスピードが削がれると、逆に栄子がカウンターの膝蹴りを叩き込んだ。
ゴキッ・・
膝蹴りが顔面を直撃すると、泣きそうな表情を浮かべてリングに崩れ落ちる貴子。
俯せになって顔面を押さえていると、栄子はストンピングを背中に入れてから、髪を掴んで起こしていく。
膝蹴りのダメージで苦しい貴子に、栄子はルールで許されている顔面へのパンチを放った。
バシッ・・バシッ・・
顔面を殴られてフラつきながらコーナーに追い込まれていく貴子。
ガードしたいが、栄子の重いパンチがボディを抉っていく・・・。
バスッ・・バシッ・・
お腹を殴られて身体をくの字にする貴子に、下からアッパーで殴りつける栄子。
バッシーン・・・
「ぶふっ・・・」
ダウンは免れているが、コーナーを背にサンドバック状態の貴子。
顔面へのパンチで鼻血を噴き出して、白い競泳水着を赤く染める貴子・・・。
呼吸も辛くなり、スタミナ面からも苦しい貴子を、栄子はトップロープに上げていく。
自らもセカンドロープまで登ると、一気に雪崩式ブレンバスターでマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
凄まじい衝撃に大の字でヒクヒクしている貴子に、栄子は馬乗りになって顔面に拳を落としていく。
バキッ・・バシッ・・バキッ・・
抵抗できない貴子の顔面が少しずつ壊されると言う感じの衝撃シーンに、観客席からはブーイングすら送られていく。
レフリーも危険と感じて栄子を止めるが、栄子は止まらずに殴り続けると、レフリーがゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが乱打されるも止まらない栄子。
黒服などもリング上になだれ込むと、栄子を無理矢理に離した。
貴子は完全に失神状態で倒れていると、リングドクターが応急処置をするのであった。
『ただ今の試合、反則により常和貴子の勝利とします!』
リングアナのアナウンスに不機嫌そうな表情を浮かべる栄子は、片手を突き上げてリングを去るのであった。
一方、貴子は顔を腫らせて担架に乗せられて控え室に戻っていった・・・。



第22試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、低迷が続く猛娘勢の中でも毒舌などでバラエティなどを盛り上げている道繁さゆみ。
黒いビキニに黒リングシューズ姿でリングインすると、異様な雰囲気の地下プロレス会場に戸惑いを見せるが、事前に地下プロレスの説明を受けていたので、片手を振り回して観客席にアピールすると、コーナーに進んでいく。
しかしさゆみを待ち受けるのは、過酷な現実だった・・・そう対戦相手が姿を現すと、さゆみの表情が変わった・・・。
リングに姿を現したのは、山先静代。アイドル嫌いと言うのもあり、自らを可愛いと称しているさゆみが気に入らない様子。今夜2試合目と言う事もあり苛ついている様子だが、さゆみが静代の残虐心に火を付けた・・・。
「ちょっと、今夜の相手はアイドルだったんじゃないですか?何であんなのと・・・」
リングサイドの黒服に囁くさゆみ。
しかしさゆみの言葉は、静代に聞かれていた・・・。
「アイドルじゃなくて悪かったわね・・・」
静代が怒り出すと、リングアナが試合形式についてコールした・・・。
『サクリファイスマッチ第2弾・・・』
その言葉に会場内が盛り上がっていくと、コールが始まった。
『青コーナー〜・・・身長160p、上から82、58、85・・・道繁さゆみ〜っ!』
コールを受けて片手を挙げるさゆみ。しかし静代が対戦相手と言う事で、不安は隠せない・・・。
『赤コーナー〜・・・身長182p、上から103、82、102・・・山先〜静代〜っ!』
ガッツポーズでさゆみを威嚇する静代。最も嫌味を言われて腹を立てていた。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、いきなり静代が前に出てさゆみをコーナーに追い詰める。
体格差からも焦ってコーナーから逃げられないさゆみ。
一方、両手を拡げて逃がさないとばかりに追い込む静代。
プロレスの練習はしてきたさゆみだが、アイドル相手でない静代との試合など考えていた訳もなく、戸惑っているのが観客からも見て取れた。
「せいっ!」
必死に水平チョップを叩き込むが、静代にダメージはない。
「とりゃあ!」
必死にドロップキックを放つも、これもダメージを与えるには至らない・・・。
不気味な笑みを浮かべる静代。
「くっ・・」
次ぎに脚にタックルして倒そうとするさゆみ。しかし静代は簡単には倒れない。
逆に抱え上げられていくと、悲鳴をあげた。
「きゃあああぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげるさゆみをマットに叩き付けると、髪を鷲掴みにして無理矢理に起こしていく。
そのままコーナーに連れて行くと、コーナーポストに顔面を叩き付けていく。
バシッ・・バシッ・・
「いやああぁぁ・・・・イッターイ・・・」
悲鳴をあげるさゆみに、静代は張り手を叩き込む。
バッシーン・・・
「ぶふうっ・・・ううっ・・・」
強烈な張り手に口の中を切ったさゆみ。口の中に広がる鉄の味に恐怖心を抱き始めた・・・。
更にボディアタックでコーナーとの間にサンドイッチにして押し潰すと、ゆっくりとヒッププッシュの体制に持ち込んでいく静代。
そして、ゆっくりとした動きで逃がさないようにして、静代が強烈なヒッププッシュでさゆみを押し潰す。
バシィィィ・・・
「いやああぁぁぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげるさゆみ。グッタリとコーナーに寄りかかると、静代が続けてもう一発。
バシィィィィ・・・
「ひいぃぃぃぃぃ・・・」
押し潰されてコーナーに崩れ落ちるさゆみ。
静代は両足首を掴むと、リング中央に連れ出していく。
そしてジャイアントスイングで振り回していくと、さゆみは悲鳴をあげた。
「きゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
悲鳴をあげるさゆみを、そのまま振り回したまま手放して場外に投げる静代。
豪快な投げにさゆみは場外に転落すると、グッタリと苦しそうにしている。
静代がゆっくりとリング下に降りると、さゆみの髪を鷲掴みにした。
苦しそうな表情のさゆみの顔面を、そのままエプロンサイドに叩き付けていく静代。
バシィィィ・・・バシィィィ・・・バシィィィィ・・・
「いやあぁぁぁ・・痛いぃぃぃぃ・・・」
顔面を叩き付けられる度に、さゆみは激しく悲鳴をあげて抵抗するが、簡単に逃がしてくれない静代。
そのままリングサイドの鉄柵にに投げつけると、激痛からさゆみがグッタリと動けない・・・。
更に静代が勢いをつけると、グッタリするさゆみのボディへサッカーボールキックを叩き込む。
バシィィィィィ・・・
「オラァァァァァァ・・・」
「グボッ・・・」
お腹を蹴りこまれて反吐を吐き出すさゆみ。
咳き込んで苦しむが、髪を掴んでは起こしていく静代。
そしてリングに戻すと、両足をパックリと開かせて鉄柱に股間を狙わしていく静代。
両足首を掴むと、静代が絶叫した。
「おらああぁぁぁぁぁぁ・・・」
気合いを入れて両足首を引っ張る静代。
次の瞬間、さゆみのビキニショーツだけに守られた股間が鉄柱に激突した。
ゴキィィィィ・・・
「ひぎぃぃぃぃぃぃ・・・」
股間への衝撃に絶叫するさゆみ。
恥骨から全身へ衝撃が走って動けないさゆみに、静代はリング上に戻ると、ゆっくりと顔面を踏みつけて観客にアピールした。
容赦なく踏みつけていく静代。さゆみは両足をバタバタさせて藻掻き苦しむが、その悲鳴も観客席からの大歓声にもみ消されていた。
『いいぞぉぉぉぉ・・・山先〜っ!』
『もっと痛めつけてやれ〜!』
歓声に押されるように静代がさゆみを起こしていくと、ココナッツクラッシュでさゆみを痛めつけてから、そのままコーナーポストに顔面を叩き付ける。
バッシーン・・・
「ひいいぃぃぃぃ・・・」
悲鳴をあげて藻掻いても逃げることも出来ないさゆみ。
不気味な笑みを浮かべる静代は、さゆみを抱え上げていく。遂にアイドル潰しの必殺技への流れになってきたのか・・・。
グッタリするさゆみを、子供にオシッコをさせるように抱え上げていくと、一気に膝を出してプッシークラッシャーを仕掛けた。
ゴキィィィィィ・・・
「ひぎあぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
恥骨を粉砕される様な衝撃に、さゆみが大きな悲鳴をあげた。同時にあまりの衝撃を股間に受けた為に、たまらず失禁してビキニから異臭を放つ液体を溢れさせたさゆみ。アイドルとしては観客の前でお漏らしは恥ずかしいが、ここ地下プロレスでは観客も理解していた・・・。
観客は盛りあがるが、静代が小便を受けたからと怒り出した・・・。
「何するんだよ・・・クソガキ・・・」
もうフラフラのさゆみをコーナーに押し込んでから、両腕をトップロープに絡ませて、両足はセカンドロープに掛けては標本みたいにさゆみをコーナーに固定した静代。
バシッ・・バシッ・・
軽く顔面にジャブを放つ静代。しかしレフリーが素手で殴るのは反則だからと注意する。
『山先、顔面パンチは反則だ!』
2発だけでも、さゆみの頬が腫れだした。
更に張り手を叩き込んでいくと、激しく鼻血を噴き出していくさゆみ。
「や・・やめ・・て・・・」
試合を止めてくれるように哀願するさゆみ。涙ぐみながらお願いしているさゆみの言葉に、静代は笑みを浮かべて張り手を叩き込んでいく。
バッシーン・・バッシーン・・
「ひいぃぃぃ・・・んああぁぁぁぁぁぁ・・・」
張り手を叩き付けられて、血飛沫をあげていくさゆみの姿に興奮していく観客達。
まるでサンドバッグを打ち込むかの様な静代。
グッタリしているさゆみに、静代は片手を挙げて観客にアピールしてからビキニ鷲掴みにすると、ビキニを剥ぎ取っていく静代。
小振りだが形の良いさゆみの乳房が露わになると、歓声があがっていく。同時にさゆみは恥ずかしさから悲鳴をあげるが、自らのバストを隠すことも出来ない。
更にはビキニショーツまで剥ぎ取っていく静代。
コーナーでご開帳状態にされ、心身共に追い込まれていくさゆみ。
観客席からはさゆみの秘部が露わになったからと、大歓声がおきていた。
『いいぞ〜山先っ!さゆみちゃんの大事な所がバッチリ見えるぞ!』
歓声に押されるように、静代は笑みを浮かべてから距離を置くと、狙ったようにさゆみの股間を爪先で蹴り上げた。
グシュ・・・
「ひぎぃ!」
変な声を漏らして意識を失ったさゆみ。静代の爪先が容赦なく秘部を襲ったのだから致し方ない・・・。
グッタリと頭を垂らして失神してしまったさゆみ。股間からは異臭を放つ液体が垂れていく・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ここでレフリーがゴングを要請すると、静代の失神KO勝ちが確定した。
『ただ今の試合、レフリーストップで山先静代の勝利とします!』
リングアナのコールに静代はガッツポーズでアピールしてからリングを降りていく。
一方、負けたさゆみは黒服にコーナーから降ろされると、担架に乗せられてリングをあとにするのであった。



第23試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、壕プロスカウトキャラバンで2009年グランプリを獲得した小嶋瑠璃子。
白い競泳水着に白いリングシューズ姿で、長い髪を揺らしながらリングインすると、観客席に向かって頭を下げた。
地下プロレスデビュー戦で緊張感を隠せない瑠璃子の相手は、同じ事務所である百瀬美咲。
去年のスカウトキャラバン特別賞の美咲は、ゆっくりとリングインすると、一瞬瑠璃子に視線を合わせてから観客席に向かって頭を下げた。
リングコスチュームは白い競泳水着に白いリングシューズで、瑠璃子と同じリンコス。
『青コーナー〜・・・今夜がデビュー戦・・・身長156p、上から77、57、84・・・小嶋瑠璃子〜っ!』
コールを受けると片手を挙げて観客にアピールする瑠璃子。
『赤コーナー〜・・・身長151p、上から75、56、80・・・百瀬〜美咲〜っ!』
そしてコールを受けて一礼していく美咲。地下プロレスでは流血戦まで体験しているだけに、空手仕込みの打撃などで後輩・瑠璃子をマットに沈めるのか。
二人がリング中央でルールをレフリーより説明されると、各々のコーナーに別れていく。
そしてレフリーが合図するとゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、いきなりコーナーから飛び出したのは瑠璃子で、反対コーナーの美咲に勢いよくドロップキックを仕掛けていく。
バシィィィィ・・・
長い髪を乱しながら勢いあるドロップキックを叩き込む瑠璃子。
美咲はドロップキックでダウンするが素早く立ち上がった。
すると、瑠璃子は続けてドロップキックを叩き込む。
バッシーン・・・
「あうっ・・」
またもダウンする美咲だが、素早く立ち上がると瑠璃子はドロップキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
ダウンする美咲の髪を鷲掴みにして起こしていく瑠璃子。
「いくよぉぉぉぉぉぉ・・・」
デビュー戦とは思えない堂々としたアピールで、いきなり美咲に絡みつくような卍固めを仕掛けた。
しかし藻掻く美咲が技を崩して逃れると、瑠璃子は距離を置いて構える。
美咲も呼吸を整えながら距離を詰めると、ローキックを放つ。
バシッ・・
「痛いっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる瑠璃子。
続けて美咲が左右のローキックを叩き込むと、嫌がるようにロープに逃れる瑠璃子。
美咲は追い詰めるように左右のボディブローを叩き込むと、瑠璃子が堪らず座り込むようにダウンした。
「うっ・・ううっ・・・」
殴られた部分を押さえて苦しむ瑠璃子。
その瑠璃子の髪を鷲掴みにして起こしていく美咲は、ゆっくりとヘッドロックで極めていく。
苦しい瑠璃子。しかし美咲をロープに振ってヘッドロックを外すと、ロープから戻る美咲にドロップキックを叩き込む。
バッシーン・・・
「うっ・・・」
倒れ込む美咲の足を抱え込んでいく瑠璃子。
「レフリーぃぃぃ・・フォール!」
カウントを要求する瑠璃子。しかし美咲が返していく。
返されると瑠璃子が立ち上がってから至近距離から顔面へドロップキック。
バシィィィィ・・・・
「痛いぃぃぃぃ・・・」
これには顔面を両手で押さえて転がるようにリング下に逃れる美咲。
瑠璃子もリング下に追いかけようとすると、エプロンサイドに立つと、美咲が起き上がるのを待っている・・・。
美咲が立ち上がると、瑠璃子がエプロンサイドからフライングボディアタックを仕掛けた。
バッシーン・・・
場外で美咲を押し潰す瑠璃子。観客席がデビュー戦の瑠璃子の大技に盛り上がった。
立ち上がる瑠璃子がヘッドロックで美咲を極めていく。
グイッ・・・
しかし美咲も意地を見せていく様に、瑠璃子を押し出して鉄柱に叩き付けた。
ゴッキーン・・・
「あああっ・・・」
堪らず技を解いてフラつく瑠璃子に、美咲は後頭部に容赦ないハイキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・・」
蹴りを受けてフラフラする瑠璃子。
美咲は狙いを定めて顔面へハイキックを放つと、ノーガードの瑠璃子の顔面を捉えた。
バシィィィィ・・・
顔面を蹴られてフラフラする瑠璃子。続けてローキックで膝にダメージを加えていく美咲。
そしてリング上に戻していくと、瑠璃子をロープに振っていく美咲。
勢い良くロープから戻る瑠璃子に、美咲が狙ってお腹に正拳突きを叩き込む。
ドスッ・・・
「ウゲッ・・うううっ・・・」
これにはお腹を両手で押さえ込んで座り込む瑠璃子。
バシィィィィ・・・
更に美咲がノーガードの顔面に蹴りを入れると、瑠璃子はマットに崩れ落ちた。
グッタリする瑠璃子をフォールする美咲。
『ワン・・・ツー・・・スリィ・・・』
強烈な顔面蹴りだから決まると思われた瞬間、瑠璃子がギリギリで返していく。
返すが苦しそうな表情を浮かべる瑠璃子に、美咲が片手を挙げてアピールすると、ゆっくりと起こした。
そして身体を絡めつけるように、コブラツイストを仕掛けて締め上げていく。
グイッ・・
「んあああぁぁぁ・・・・」
リング上に響き渡る瑠璃子の悲鳴。
美咲は揺さぶりかけては痛めつけると、瑠璃子が遂にギブアップを口にした・・・。
「ギ・・ギブアップ・・・」
瑠璃子のギブアップにレフリーがゴングを要請すると、ゴングが乱打される・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音に美咲が技を解くと、瑠璃子はグッタリとマットに倒れ込んだ。
『勝者、百瀬美咲っ!』
リングアナのコールに笑顔を浮かべる美咲。
そして負けた瑠璃子を起こすと、瑠璃子の手を掴んで挙げて観客席にアピールするのであった・・・。


第24試合

『選手入場・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、美月ありさ。ドラマなども好調で弾みをつける意味でも、地下プロレスのリングでアピールしたいと考えての出場。白い競泳水着に白いリングシューズ姿でのリングイン。観客達の視線を集めながらコーナーに進んだ。
そのありさの対戦相手は、格闘技番組でもお馴染みでドラマも順調な香理奈。ありさと対照的に黒い競泳水着に黒いリングシューズ姿でのリングイン。一瞬ありさと視線を合わせるが、コーナーに進んでは片手を挙げて観客にアピールした。
リングインが終わると、早くもリングアナによるコールが始まる。
『青コーナー〜・・・身長169p、上から82、59、87・・・美月〜ありさ〜っ!』
コールされて片手を挙げてアピールするありさ。
『赤コーナー〜・・・身長165p、上から80、57、88・・・香理奈〜っ!』
コールを受けると一礼していく香理奈。
そしてレフリーがルール説明に入るが、ここでありさが最近ボクシングを習っていると言うので、格闘技番組に出ている香理奈との対戦だからとオープンフィンガーグローブを着けて、顔面を殴っても良い事にすると、観客席から歓声がおきていく。
緊張感が高まるリング上に、ゴングが響き渡った・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出す二人。
まずは様子を見ているところだが、ありさが軽くジャブを放つ。
素早いジャブに歓声が飛ぶが、香理奈はガードを上げて距離を保つ。
更にありさがジャブから距離を詰めると、素早く香理奈にパンチを放った。
バシッ・・
ガードの上からパンチが炸裂すると、香理奈は膝蹴りを放って牽制する。
膝蹴りは当たらなかったが、ありさが距離を置いて様子を見た。
緊張感のあるリング上。またもありさが前に出ると、今度は左右のパンチを放った。
バシッ・・バシッ・・
左右のパンチのうち、右ストレートが香理奈の顔面を捉えると、一瞬フラつく香理奈。
しかし素早くパンチを返すと、フック気味のパンチがありさの側頭部を捉えた。
バシィィィ・・
殴られて距離を置くありさ。ボクシングを習っても、ボクササイズや基本練習だから殴られた事に衝撃を覚えた。
距離が置かれると、香理奈がローキックを放つと嫌がるように避けるありさ。
蹴りに対しても地下プロレス経験があるありさは、上手く避けるが香理奈も前に出る。
シュ・・
香理奈の左右のパンチが放たれると、ガードするありさ。
続けて香理奈の膝蹴りが飛び出すが、同時にありさのフックが香理奈を捉えた。
バシッ・・
膝蹴りは受けずに殴れたありさは、続けてボディに2発パンチを入れる。
ボスッ・・ドスッ・・
「くっ・・・」
ボディを受けて苦悶の表情を浮かべる香理奈。
ボスッ・・
しかしボディを殴り返すと、ありさも苦悶の表情を浮かべる。
そして距離を置いて睨み合うと、香理奈が冷静にローキックを放った。
バシィィィィ・・・
音を立てて脚に襲いかかると、ありさが痛いと表情を歪める。
更にローキックを膝に合わせると、ありさの動きが鈍っていくが、必死に前に出ると左右のパンチを放った。
バシッ・・
殴られた香理奈は、タックル気味に組み付いてロープまで押し出すが、ありさもフロントスリーパーで締め上げる。
右腕でフロントスリーパーで、左手でボディを殴りつけるありさ。
しかし香理奈がフロントスリーパーから逃れると、至近距離からパンチを放った。
バシィィィ・・・
ありさの顔面を拳が捉えると、続けてローキックを叩き込む香理奈。
バシィィィ・・・
動きが止まったありさに、香理奈はローキックで脚を蹴りこむ。
バシィィィ・・・
ローキックを受けて脚が変色していくありさ。内出血しているのが観客にも見えるが、痛々しさが伝わっていく・・・。
ありさもパンチを出していくが、動きが鈍くなり香理奈のローキックに苦しい展開。
バシィィィ・・・
ローキックが音を立てて決まると、ありさの動きが止まった・・・。
苦悶の表情を浮かべるありさだが、試合は止められる事はなく、またありさもギブアップしない・・・。
バシッ・・バシッ・・
動きの止まったありさに対して、香理奈が左右のジャブを放つと、ありさの顔面を捉えていく。
バシッ・・
更にボディからアッパーなどパンチを散らしていく香理奈。
パンチを返すありさだが、動きが止まっているから苦しい展開。
そのありさに踏み込んでパンチを狙う香理奈に、ありさもカウンターを合わせると顔面を捉えた。
バキッ・・
香理奈も油断したのかカウンターパンチを顔面に受けると、鼻から激しい出血。
フラついて動きが鈍る香理奈に、ありさも必死にミドルキックで前に出る。
呼吸が苦しくなった香理奈だが、流血した事に腹を立てたのかありさの顔面にパンチを放つ。
バシッ・・バシッ・・
左右のパンチが顔面に決まると動きの止まったありさ。
更に鼻を狙って殴りつけると、ありさの鼻からも出血。
両者が流血する激しい試合になっていくが、更に香理奈が顔面にパンチを入れていくと、ありさは鼻血を激しくして、流れ落ちる血が白い競泳水着を赤く染めていく。
更に飛び込むように膝蹴りを叩き込むと、ありさは堪らずダウンする。
苦悶の表情を浮かべてマットに座り込むありさに、香理奈は容赦なく頭部を上から殴りつけた。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
堪らず手でガードするありさだが、香理奈の激しいパンチの連打にマットに崩れ落ちていくと、香理奈がバックマウントを奪う。
狙いを定めて脇腹からパンチを入れていく香理奈。
ドスッ・・
「ぐうっ・・」
肋骨に響くパンチの衝撃に両足をバタバタさせて苦しむありさ。
更に香理奈が脇腹にはパンチを入れると、堪らずガードを下げるありさ。
その瞬間、香理奈はありさの側頭部にパンチを入れていく。
バシッ・・バシッ・・
顔を殴られて嫌がるありさに、香理奈は一気にチョークスリーパーを極めていく。
グイッ・・・
「んぐ・・ぐ・・・」
喉元を締め上げられて、ありさは堪らずタップする。
『カンカンカンカン・・・』
ここでレフリーがありさのギブアップを確認したのでゴングを要請すると、大きなゴングの音が響き渡った。
『ただ今の試合、チョークスリーパーで香理奈の勝利です!』
技を解いて立ち上がる香理奈。レフリーに手を挙げられて笑顔を浮かべると、負けたありさに手を伸ばして健闘を讃え合うのであった。


第25試合

『選手入場っ・・・』
リングアナのコールでリングインするは、大きなヒップが自慢のアイドル穐山莉奈。デビュー戦を白いビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、四方の観客席に向かって頭を下げた。
その対戦相手としてリングに姿を現したのは、同じくデビュー戦の音黒えり。白いビキニに白いリングシューズ姿でリングサイドまで来ると、ゆっくりとリングに上がるが、トップロープを掴むと一気にジャンプしてリングインする。
コーナーで寄りかかってお互い視線を激突させる莉奈とえり。
『青コーナー〜・・・身長163p、上から83、60、89・・・穐山莉奈〜っ!』
コールを受けて一礼する莉奈。
『赤コーナー〜・・・身長165p、上から80、58、83・・・音黒えり〜っ!』
そしてコールを受けたえりが片手を挙げてアピールすると、観客席からは二人の試合が始まるのを見守る。
レフリーからルールの確認などをされると、コーナーに別けられてからゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時に仕掛けたのは莉奈で、コーナーから飛び出すと反対コーナーのえりにヒップアタックを仕掛けた。
バシィィィぃ・・・
まずは奇襲的な莉奈のヒップアタックが炸裂すると、コーナーに叩き付けられたえり。
続けて莉奈がヘッドロックで締め上げていくと、えりがロープに振っていく。
ロープから戻る莉奈に、えりがドロップキックを放った。
バッシーン・・・
えりの揃えられた両足が当たると、莉奈がマットに倒れ込む。
素早く立ち上がる莉奈に、えりも立ち上がってハイキックを仕掛けるが莉奈が避ける。
避けられると逆に莉奈にタックルを受けてロープ際にもつれ込んでいく二人。
『ロープ・・・』
ロープ際だからとレフリーが離すと、距離を置いて睨み合う莉奈とえり。
距離を詰めると、莉奈が踏み込んで水平チョップを喉元に叩き込むと、続けてロープに振った。
勢いよくロープから戻るえりに、莉奈が飛び上がって自慢のヒップを使ったヒップアタックを仕掛ける。
バシィィィィ・・・
ヒップアタックにダウンするえり。続けてストンピングで攻めてから、髪を鷲掴みにして起こしていく莉奈。
すると、今度はえりがお腹にグーパンチを叩き込むと、苦悶の表情を浮かべる莉奈をロープに振った。
勢いよくロープから戻った莉奈に、えりはボディアタックを仕掛けると、そのまま倒れ込んでフォールする。
『ワン・・・ツー・・・』
レフリーがカウントするが、莉奈も簡単にはカウントを奪わせない。
返されると莉奈をスリーパーで締め上げていくえり。
締め上げられると苦悶の表情でロープに足を伸ばす莉奈。
『ロープ・・・ロープ・・・』
莉奈の足がロープに届いたからと、レフリーがえりに技を解くように指示した。
えりが放して起き上がると、莉奈も首などを気にしながら立ち上がる。
すると、えりがハイキックを顔面狙いで放つと、莉奈が避けて組み付いてロープ際に押し出していく。
ロープに押しつけられて膝蹴りで抵抗するえり。
ドスッ・・
「うぐっ・・」
膝蹴りを受けて動きの止まる莉奈。
続けてエルボースマッシュを放ってから、莉奈をリング下に落としていくえり。
莉奈がフラフラしながら立ち上がろうとすると、えりが反対側のロープに走った。
観客席もまさかと注目する中、えりが勢いよくトップロープとセカンドロープに間に飛び込んで、場外の莉奈へ強烈なボディアタックを仕掛けた。
バシィィィィィ・・・・
勢いあるえりの攻撃に場外で大の字になる莉奈。
勢いが有りすぎてビキニが外れそうになって直すえりは、ゆっくりと莉奈の髪を掴んで起こしていくと、自慢のお尻にミドルキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
「ああんっ・・」
ヒップを蹴られて悲鳴をあげる莉奈。
更にえりのミドルキックがヒップを抉ると、堪らずエプロンサイドにグッタリとしていく莉奈。
えりはリング上に莉奈を上げていくと、自らもリング上へ戻っていく。
立ち上がる莉奈に対してミドルキックで動きを止めると、ヒップへ蹴りを入れていく。
バッシーン・・・
「ああっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる莉奈。
しかし振り向き様にラリアットを叩き込むと、えりが大の字にダウンした。
攻め込まれて苦しい莉奈は、ここで逆転を狙って片手を挙げてアピールすると、倒れたえりに自慢のヒップを使ってヒップドロップを狙う。
飛び上がってお腹を狙ってヒップドロップを仕掛けると、えりは狙ったように転がって逃げて自爆させる。
バシィィィィ・・・
「痛いぃぃぃ・・・」
自爆して痛がる莉奈に、えりは立ち上がって顔面へ鋭いサッカーボールキックを叩き込む。
バッシーン・・・
顔面への蹴りにグッタリと倒れ込む莉奈。
えりはフィニッシュとぱかりに片手を挙げて観客にアピールすると、莉奈にヒップドロップを叩き込んでフォールした。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィィ・・・・』
顔面蹴りのダメージで返せずにカウント3を決められた莉奈。
一方驚きの表情で勝利のゴングを聞くえり。
『カンカンカンカン・・・ただ今の試合、音黒えりのフォール勝ちとなりました!』
リングアナのコールに驚きを隠せないえり。
ゆっくりと立ち上がると、レフリーに手を挙げられていくのであった。



第26試合

『選手入場・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、格闘技団体のラウンドガールであり、元人気レースクイーンの愛川友希。
白いスポーツビキニに素足姿でリングインする友希。初めての地下プロレスのリングに戸惑いを浮かべるも、芸能界などで生き残るための登竜門と言われ、格闘技の練習をしての参戦・・・。
その友希の対戦相手としてリングに登場するのが、同じく今夜がデビュー戦の東山茉希。格闘技番組の司会者として、そして人気モデルとして有名な茉希。緊張した表情でリングに上がるが、友希と同じく白いスポーツビキニに素足姿であった。
リング上に上がると、オープンフィンガーグローブが手に着けられて、格闘技戦の準備がされていく中、リングアナがコールを始めていく。
『美人系総合格闘技戦を行います・・・青コーナー〜・・・身長162p、上から82、58、87・・・愛川友希〜っ!』
コールを受けて一礼していく友希。レースクイーンなど人気があっただけに、綺麗なスタイル。ラウンドガールでなく、今夜は自らが闘うことに・・・。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から82、58、85・・・東山茉希〜っ!』
コールを受けて一礼していく茉希。格闘技番組ではリング上に上がっても闘う事などなかった茉希は、今夜は自ら殴り蹴り合いをする事になり、緊張を隠せない・・・。
コールが終わると、レフリーが二人にルールの確認をしてから、コーナーに別けた・・・。
『カァーン!』
そして緊張感が最高潮になるようなゴングの瞬間が訪れると、美女同士の殴り合いが始まる事になった。
ゴングと同時にコーナーから飛び出す茉希と友希。
距離を置いて構えていくが、茉希はガードを固めていく。
友希は少しずつ距離を詰めていくが、まだ手は出していない。
更に距離が詰まると、まずは友希がローキックを放った。
バシッ・・
軽く茉希の脚を捉えると、続けて左右のジャブ気味のパンチを放つ友希。
これにはガードして前蹴りで対抗する茉希。
前蹴りにステップバックで距離を置いて睨み合う茉希と友希。
友希が左右のパンチを放ちながら距離を詰めると、茉希も殴り返した。
バシッ・・
お互いの顔面にパンチが当たって表情を険しくする両者。
更に殴りつける茉希に、友希は膝蹴りを仕掛けた。
ドスッ・・
「ぐっ・・」
ボディに膝蹴りを受け手動きの止まる茉希。口から少しマウスピースが見えている。
しかしダウンはしないように組み付くと、お返しとばかりに膝蹴りを返した。
ドスッ・・
「くっ・・」
苦悶の表情を浮かべる友希だが、茉希の膝蹴りはダメージから威力が減っていて、動きが止まる程ではない。
バシッ・・
逆に距離を置いてミドルキックを叩き込むと、苦しむ茉希に左右のパンチを放つ友希。
しかし茉希も負けずに殴り返すと、お互いの顔を狙って殴り合う展開に・・・。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・・
技術より気合いの殴り合いに盛り上がっていく会場内。
殴り合いになりながらも、友希がローキックを放つと、茉希もローキックを返した。
バッシーン・・バッシーン・・
蹴り合いからも殴り合いになって、お互いが意地を激突させていく試合展開。
茉希が殴りながらタックルを仕掛けると、友希はタックルをフロントスリーパー気味にキャッチして潰していく。
グラウンド状態になると、友希は首のロックを外さずに押さえ込むと、茉希は潰された状態から動けない。
素早く友希がサイドポジションに移行すると、茉希も逃れようと藻掻くが逃げられない。
友希はサイドポジションから、容赦なく膝蹴りを脇腹に叩き込んだ。
ドスッ・・
「うぐっ・・」
膝蹴りを入れられて苦しむ茉希。
更に友希が膝蹴りを叩き込むと、茉希の表情が苦痛に歪む。
友希は苦しむ茉希の顔面にもパンチを叩き込むと、茉希は嫌がるように藻掻いていく。
藻掻く茉希のバックを奪うと、素早くバックマウントの体制になっていく友希。
バシッ・・バシッ・・
容赦なく側頭部など顔を狙って殴りつける友希。
両足をバタバタさせて痛がる茉希は、両手で顔を必死にガードしていく。
顔面ガードを崩すために、友希は脇腹にもパンチを散らす。
バスッ・・
スレンダーな茉希だけに、肋骨に響くように衝撃に苦しんでいる。
友希は顔面ガードを開けようと、茉希の脇腹にパンチを入れていく。
バスッ・・バスッ・・
顔を隠す茉希だが、脇腹へのダメージから脇腹をガードすると、友希はまたも顔面へパンチを入れていく。
バシッ・・バシッ・・
殴られて嫌がる茉希。友希は殴りまくってKOを狙っているのか、殴り続けるが攻め疲れを起こしていた。
呼吸が荒くなる友希の手数が減ってくると、茉希は逃れようと一気に立ち上がろうとする。
スリーパーを狙う友希だが、茉希が藻掻いて逃れた。
友希も立ち上がって睨み合うリング上。
お互い呼吸を整えようとしているが、茉希が踏み込んでミドルキックを放つ。
バシィィィ・・・
音を立てて炸裂するが、友希も蹴られたからとミドルキックを蹴り返した。
バシィィィィ・・・
女の意地が激突するリング上。お互いが蹴り混んだ脇腹など、内出血して肌が変色している。
更に茉希がミドルキックで反撃すると、友希も負けずに蹴り返す。
更にローキックで膝を蹴りこむ友希。
バシィィィ・・・
膝を蹴られてバランスを崩す茉希に、友希はハイキックを顔面に叩き込んだ。
バッシーン・・・
これにはマットに崩れ落ちる茉希。
座り込むようなダウンだが、ボクシングでないから止められる事もなく友希は上から殴りつけていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・
容赦なく顔面狙いで殴りつけていく友希。
茉希は堪らず組み付いて逃れようとするが、友希のパンチの勢いが激しく殴られる一方に。
必死に組み付くが、友希が膝蹴りを顔面に叩き込む。
ゴキッ・・
鈍い音を立てて炸裂した膝蹴りに崩れ落ちる茉希。
俯せ状態にダウンすると、友希はレフリーに確認するように見つめるが、レフリーは試合を止めようとしない・・・。
試合が続けられるからと、友希は距離を取って構えると、茉希は立ち上がろうとする。
その立ち上がろうとする茉希がノーガードだからと、顔面にサッカーボールキックを叩き込む友希。
バッシーン・・・
顔面に蹴りを受けて大の字になる茉希。鼻から激しい出血をしていると、友希が馬乗りになって顔面に拳を落としていく。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・バキッ・・バキッ・・
顔面へパンチを連打されて、顔を赤く染めながら逃れようとする茉希。しかし友希の勢いが止まらないと、顔を血に染めて腫らしていくのであった。
ガードも出来ずに殴られ続ける茉希に、レフリーが危険と判断して試合を止めるのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
普通の試合だったらもっと早く止められる試合のはずだが、ここでは残酷さが要求されて、茉希にとっては残酷な結果に・・・。
『勝者、愛川友希っ!』
レフリーに手を挙げられる友希。マウスピースを口から出して笑顔を浮かべるが、対戦相手の茉希を気遣う。
茉希はリングドクターに応急処置を受けているが、顔を腫らした痛いデビュー戦となってしまった。



第27試合

『選手入場・・・』
リングアナのコールにリングインするのは、出産後初めてリングに上がる沖菜恵。地下プロレス初期から参戦しているが、出産を経て参戦する姿勢には、観客席からは拍手が飛んでいる。
白いワンピース水着に白いリングシューズ、胸元は胸の谷間を強調しているが、久しぶりのリングに足元を確認するかの様な恵。
その恵の対戦相手に選ばれたのが、事務所解雇などで崖っぷちな澤尻エリカ。地下プロレスのリング上では、かつて沖菜恵みを血の海に沈めていたが、またも組まれたカード。
黒いワンピース水着に黒いリングシューズ姿で花道よりリングに進むと、早くも観客席からはブーイングすら飛んでいる。芸能関係者なのか、ブーイングが激しくなると、エリカが近くの椅子を持ち出して振り回し出す。
急いで黒服達が静止すると、エリカはパイプ椅子をリングに上げると、いきなり反対コーナーの恵に喧嘩キックで襲いかかる。
バシッ・・
「くっ・・ご、ゴングの前よ!」
恵がゴング前だからと静止するが、エリカは止まらない。
「うるせぇ!」
構わず蹴りを入れていくエリカの姿に、レフリーがゴングが要請した。
『カァーン!』
コールはないが、試合開始のゴングが要求されて試合は始まっていく。
蹴られてフラつく恵だが、エリカとの距離を取って動きを見つめた。
ゆっくりと距離を詰めていくと、恵が張り手を叩き込む。
バッシーン・・・
エリカは頬を叩かれて、無言で恵を睨み付ける。
更に恵が左右の張り手を叩き込むと、エリカは張り手でなくグーパンチを顔面に叩き込んだ。
ゴキッ・・
「くっ・・・」
頬を抉るエリカの拳。
更にエリカが顔面へパンチを入れていくと、恵は堪らずタックルの様に組み付いてロープに押し込んだ。
早くも恵の頬が腫れだしたが、恵も簡単には引き下がらない。
ロープに押しつけて、恵は膝蹴りをエリカのボディに叩き込むと、エリカの表情が苦痛に歪む。
するとエリカま負けずに恵の顔面を掻きむしった。
ガリッ・・
「ぎゃあああぁぁぁぁ・・・」
顔面掻きむしりに悲鳴をあげてフラつく恵。
更にエリカが喧嘩キックをお腹に叩き込んでから、首相撲から膝蹴りのお返し。
ドスッ・・
「うぐっ・・ううっ・・」
お腹に膝蹴りを受けて座り込む様にダウンする恵。
グイッ・・・
その恵の髪の毛を鷲掴みにして起こしていくと、額をロープに押しつけて擦りつけていく。
ギュギュ・・ギュ・・・
「んあああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
額をロープに擦りつけられて悲鳴をあげる恵。
コーナーまで行くと、コーナーポストに顔面を叩き付けてダウンさせていくエリカ。
恵を倒すと、コーナーポストカバーを外して金具を剥き出しにすると、恵を起こしていく。
しかし恵もコーナーを蹴って勢いをつけると、エリカを振り解いてドロップキックを叩き込む。
バッシーン・・・
「ぐはっ・・・」
コーナーに叩き付けられるようにしてダウンするエリカ。
更にコーナー串刺しのドロップキックを叩き込む恵。
バッシーン・・・
「くっ・・・」
コーナーに倒れ込むエリカに、恵は体重を乗せたストンピングを叩き込んだ。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
堪らず転がるようにリング下に逃れるエリカ。
恵もリング下に降りていくと、エリカは蹴りを放っていく。
蹴り足にタックルを合わせてテイクダウンを奪う恵。
藻掻くエリカに、恵はサイドポジションを奪ってから馬乗り状態になると、場外だから反則カウントが数えられないからと、観客の反応を見ながら顔面へ張り手を叩き込んだ。
バシィィィィ・・バシィィィィ・・・
「痛いっ・・・」
堪らず悲鳴をあげるエリカ。
更に張り手を叩き込む恵に、観客席からは大歓声がおきていく。
『いいぞぉぉぉぉ・・・澤尻の顔をメチャクチャにしてやれ〜!』
『殴れ殴れっ!』
歓声に押されるようにして、恵が拳を握りしめて殴り出す。
ゴキッ・・バキッ・・
殴られて藻掻くエリカ。恵は上手く乗っていて逃がさない。
殴られ続けててダメージが増すエリカ。
端正な顔が腫れだしていると、エリカに焦りの色が見えてきた・・・。
しかしエリカも殴り返すと見せて、恵の水着の胸元を掴んだ。
グイッ・・・
「えっ・・」
恵のバストが露わになると、一瞬恵が気を取られた瞬間、エリカが藻掻いて馬乗り体制から逃れる。
エリカが立ち上がると、水着を直す恵にグーパンチを叩き込む。
ゴキッ・・
「ふぐうっ・・」
顔を殴られてフラつく恵。
更に髪を鷲掴みにして近くの鉄柱に額から叩き付けるエリカ。
ゴッキーン・・・
「ああんっ・・・」
堪らず鉄柱ら抱きつくように倒れ込む恵。
構わず起こしては、鉄柱攻撃をしていくエリカ。
ゴッキーン・・・
「きゃああああぁぁぁぁ・・・」
恵の悲鳴が響き渡ると、額が割れて流血戦になっていく。
エリカは顔面を掻きむしると、恵をリング上に戻していくが、会場内からは大ブーイングが送られていく。
『ブゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・ブゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・』
顔面を押さえて痛がる恵に、エリカがストンピングを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
ヒップなどを蹴りこまれて悶える恵。
そして恵をコーナーに連れて行くと、剥き出しになった金具に傷口を叩き付けるように額を叩き付けていく。
バキッ・・
「きゃああああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
額を叩き付けられて絶叫する恵。
傷口を狙われて、流血が酷くなって白い水着も赤く染めていく恵。
更にエリカがセカンドロープに登ると、恵の首にタッチロープを巻き付けて絞首刑にしていく。
グイッ・・・
「あうっ・・・ううううっ・・・」
つま先立ちの様にして絞首刑から逃れようと必死な恵。
エリカは構わず左右に揺さぶると、恵の首にタッチロープが食い込み苦しい展開。
これにはレフリーが反則カウントを取ると、エリカは一瞬放してから、また絞めていく。
『レフリー、反則とれよ反則!』
観客から怒号が飛び交う会場内。
レフリーはエリカからタッチロープを取り上げると、仕方ないとばかりに恵を蹴りこんで倒していくエリカ。
マットに倒れ込む恵に、エリカはトップロープからフットスタンプを狙うと、恵のお腹に炸裂した。
ドスッ・・
「ふぐっ・・・」
フットスタンプに口から涎を垂れ流す恵。
お腹を両手で押さえて苦しむ恵に、エリカは余裕のサッカーボールキックをヒップに叩き込んで痛めつけていく。
髪を鷲掴みにしてゆっくりと起こしていくエリカ。観客に恵の流血シーンを楽しませている様にも見えるが、恵も意地を見せた。
ゴキッ・・・
「はうっ・・・」
そう、いきなり油断していたエリカの股間にグーパンチを叩き込むと、力の抜けたエリカに組み付いた。
一気に逆さ押さえ込みを仕掛けると、エリカは股間の痛みと逆さにされて気が動転してた。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィィ・・・・』
ジタバタしたエリカだったが、恵の逆さ押さえ込みを返せずに、スリーカウントを許してしまった。
『勝者、沖菜恵っ!』
リングアナのコールに観客席が盛り上がると、負けたエリカは納得いかない様子で、立ち上がると恵を殴り出す。
バキッ・・ゴキッ・・
試合には勝利したが、ダメージが大きく殴りつけられる恵。
レフリーや黒服がエリカを止めていくと、リングドクターが恵の額など応急処置をして、リングを後にさせるのであった。
流血はしたが、試合結果はリベンジした恵。エリカも負けはしたが、ヒールとして地下プロレスで地位を確立するのであろうか・・・。



第28試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、黄色いビキニが焼けた素肌に冴える須野内美帆子。
ゆっくりとリングインすると、観客席に一礼していく美帆子は、コーナーに寄りかかるように対戦相手を待った。
『サクリファイスマッチ・・・第2弾!』
リングアナがコールすると、その言葉に動揺を隠せない美帆子。
そう、美帆子は今夜生け贄としてリングに上げられたのである・・・。そして美帆子を痛めつけるべくリングインするのは、アフリカンコング。
今夜、左藤志津香を失神KOしたばかりのコングは、二人目の生け贄を与えられて興奮している。
地下プロレスのキャリアはあるものの、所詮は素人の美帆子。本職の女子プロレスラーでも対戦したくないコングが相手では、もう地獄行き確実と言う状況・・・。目の前のコングの姿に怯え出すが、地下プロレス経験からも、もう逃げ出せない事は知っているだけに、観客達の見せ物にされる事を覚悟した様子・・・。
『青コーナー〜・・・身長165p、上から83、58、85・・・須野内美帆子〜っ!』
コールを受けて観客席に向かって手を挙げてアピールする美帆子。しかし結果の分かっている試合だけに、覇気が感じられない・・・。
『赤コーナー〜・・・身長175p、100s・・・アフリカン〜コング〜っ!』
一方、新たな生け贄を与えられてガッツポーズで観客にアピールするコング。観客達もハードドミネーションを期待して歓声を上げていく。
『なお、この試合は須野内美帆子には、10分間以上試合時間が続きますと、ファイトマネーが何割かアップいたします!』
リングアナのアナウンスに、美帆子はお金の為と割り切ろうと考えるが、あまりにハードな仕事になる為に、恐怖は隠せない・・・。
『カァーン!』
そんな美帆子に構わずゴングが打ち鳴らされると、無情にも試合が開始された。
コーナーからゆっくりと前に出るコング。
美帆子は距離を計りつつリング内を回り出す。
すると、コングが手招きしてニヤリと不気味な笑みを浮かべて挑発すると、美帆子は距離を置いて冷静に見守った。
しかしコングの動きがないからと、美帆子が踏み込んで膝にローキックを叩き込む。
バシィィィィィ・・・
美帆子のスレンダーボディから、形の良いフォームからローキックが炸裂するが、コングは微動だにしない。
更に美帆子がミドルキックで脇腹に蹴りを叩き込むが、コングは少し効いたとばかりに表情を変えたが、ノーガードで煽っていく。
ノーガードのコングに対して、踏み込んでハイキックを放つ美帆子。
バッシーン・・・
「グフッ・・・」
顔面への蹴りにはコングも嫌がる仕草を見せるが、まだ手は出さない・・・。
バキッ・・バシッ・・・
「バカにしないでよ!」
美帆子が叫ぶと、コングの顔面へ左右のパンチを叩き込んだ。
すると、コングが遂に動き出した。
ペッ・・・
マットに唾を吐き出すコング。美帆子のパンチで口の中を切ったのか、遂に戦闘モードに切り替わってしまった・・・。
ゆっくりと美帆子に迫るコング。
美帆子はローキックからミドルキックと打撃で攻めるが、コングがダッシュしてのボディアタックでダウンを奪われた。
バッシーン・・・
「きゃああああぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげてダウンする美帆子に、コングは髪を鷲掴みにして起こしていく。
「いやああぁぁぁぁぁ・・・・」
堪らず絶叫する美帆子に、コングはコーナーに押し込んで逃げられない様に追い込んだ。
そしてトップロープを掴むと、コーナーと自らの巨体に挟み込むサンドウィッチプレスで美帆子のボディを押し潰す。
ドスッ・・・
「きゃああぁぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげる美帆子を楽しむかのように押し潰していくコング。
数回押し潰すと、美帆子はグッタリとコーナーに崩れ落ちた。
その崩れ落ちた美帆子の髪を掴んで起こしていくと、今度はボディリフトで高々と持ち上げていくコング。
グッタリして抵抗できない美帆子は、高々と上げられて恐怖心を抱くが、コングはゆっくりとロープ際に近づいた。
そして、ロープに喉が当たる様に落としていくと、美帆子の喉にトップロープが当たり、激しい痛さに両手で喉を押さえて藻掻き苦しむ美帆子。
更にボディリフトで持ち上げていくコングに、美帆子は哀願する・・・。
「や・・・や・・・め・・て・・・・」
しかしコングはコーナーに運ぶと、今度は美帆子のお腹がコーナーポストに当たる様に落とした。
ドスッ・・・
「ぐふっ・・・」
ビキニだから生腹にコーナーポストが突き刺さると、美帆子の表情が歪んだ。
一瞬間を置くようにリングに叩き付けられると、口から反吐を吐き散らす美帆子。
「ホゲェェェェェェェ・・・・」
自らの吐瀉物の倒れ込んでいる美帆子に、コングはサッカーボールでリング下に落としていく。
抵抗も出来ずにリング下に落とされた美帆子に、コングはペットボトルの水で吐瀉物を洗い落とすと、口にもペットボトルを突っ込んで無理矢理飲ませていく。
「ングッ・・ングッ・・・」
水を飲ませると、今度は鉄柵に振って叩き付けていくコング。
ガッシャーン・・・
「きゃああああぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげる美帆子に、観客席から歓声が上がっていく。
鉄柵に寄りかかるようにグッタリとする美帆子に、髪を掴んで起こしていくと、苦悶の表情の美帆子の顔を観客席に向けては、アピールするコング。
そしてリング上に上げていくと、美帆子を抱え上げていくコング。まるで子供にオシッコでもさせるような格好にさせると、観客席から歓声が上がる。
『待ってました〜!プッシークラッシャー!』
歓声を待っていたようにコングは不気味な笑みを浮かべると、そのまま膝を出して美帆子の股間を粉砕するようにプッシークラッシャーを炸裂させた。
グシャ・・
「ひぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・」
プッシークラッシャーを受けて絶叫する美帆子。女性の大事な部分が破壊される様な衝撃に、力も入れられずにコングに抱えられるだけの美帆子。
更にプッシークラッシャーを仕掛けるコング。
グシャ・・・
「はひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・」
2発目のプッシークラッシャーに、美帆子は堪らず股間から異臭を放つ液体を撒き散らした。
ビキニショーツが変色する中、コングがニヤニヤしながら放すと、美帆子がマットにグッタリと倒れ込む。
今度は両足を拡げると、股間へ容赦ないニードロップを落とすコング。
グシャ・・・
「ひいぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・」
股間を押し潰されて絶叫する美帆子。
両手で股間を押さえて痛がっていても試合が終わる訳でもなく、コングがビキニを鷲掴みにして起こそうとすると、ビキニが脱げてしまってトップレス状態にされていく美帆子。
トップレスになった美帆子に、コングがトップロープにバストを押しつけていくと、一気に擦りつけていった。
ギュ・・ギュギュ・・ギュ・・
「ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
柔らかいバストがロープに押しつけられて擦りつけられると、ゴムとの摩擦で激しい痛みと乳房を傷つけていく。
美帆子の悲鳴が会場内に響き渡ると、観客席からは残酷シーンに歓声が上がった。
更にコングがロープに押しつけて擦りつけると、美帆子のバストに擦りつけられた痕が痛々しく浮かび上がっていく。
両方の乳房に何本もの擦り痕が浮かび上がる美帆子がフラフラしていると、コングは狙いを定めて裏拳を叩き込んだ。
バキィィィィ・・・
顔面に容赦なく叩き込まれた裏拳に、美帆子の鼻に命中して激しい出血となって、流血戦になった。
血飛沫をあげながらマットに大の字になる美帆子。身体をヒクヒクと痙攣させるように見えるが、試合は終わらない・・・。
端正な顔を血で染めながらヒクヒクする美帆子に、コングはトップロープに登っていく。
「ウガァァァァァァァ・・・」
片手を挙げてアピールすると、抵抗できない美帆子をフライングボディプレスで圧殺した。
トップロープからのボディプレスに失神する美帆子。その瞬間、レフリーがゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、コングは失神している美帆子のビキニショーツも脱がしていくと、近くのコーナーに逆さ吊りにしていく。
鼻から血をマットに垂らしながらも、意識がないから晒し者にされている事も解らない美帆子。
コーナーに逆さ吊りにされて、プッシークラッシャーで痛めつけられた秘裂も観客達に晒されて、心身共に痛めつけられた美帆子だった・・・。



第29試合

遂にメインイベントとなり、リングアナが呼び込んだ・・・。
『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、2010年水着キャンペーンギャルの鈴本ちなみ。白いビキニに白いリングシューズ姿でゆっくりとリングインすると、観客席に頭を下げた。スレンダーながら美乳の持ち主で、今夜は売り込みの為に地下プロレス出場となった。
新体操の経験はあるが、格闘技の経験などある訳もなく、この異様な雰囲気の地下プロレス会場に戸惑いの様子のちなみ。
コーナーに寄りかかるように対戦相手を待つが、その対戦相手が姿を現した。
ちなみと同じく水着キャンペーンギャルから売り上がってきた藤原紀華。ちなみが20歳、紀華は38歳で時代の流れはあるが、紀華を目標と言うちなみの為に、このカードが組まれた。
紀華もちなみと同じくビキニだが、対照的に黒いビキニに黒リングシューズ姿。38歳と言えども見事なプロポーションには観客席から視線が集まる。
『青コーナー〜・・・今夜がデビュー戦・・・身長167p、上から80、56、86・・・鈴本ちなみ〜っ!』
コールを受けて片手を挙げて笑顔でアピールするちなみ。観客席からは拍手が飛ぶ。
80pと言うバストサイズながら、Eカップとも言われる美乳が作り出すビキニ姿だから、観客の反応も当然である・・・。
『赤コーナー〜・・・身長171p、上から88、60、89・・・藤原紀華〜っ!』
コールを受けて余裕の表情で片手を挙げてアピールする紀華。ベテランらしく堂々としている姿に、年季を感じさせている。
紀華もバストのサイズはEカップとも言われていて、スタイルの良い二人の試合に観客席は盛り上がっていく。
レフリーがルール説明などの為にリング中央に二人を呼び込むと、紀華が口を開いた。
「今夜は私が貴方のやる気を見てあげるわ・・・フォールで試合を決めようとは思ってないから、貴方の根性を見せてちょうだいね・・・」
その紀華の言葉に、ちなみが返す。
「目標の人とデビュー戦を組んでもらえて光栄です・・・今夜は勝たせてもらいます・・・・」
挑発とも言える言葉に、紀華の視線が鋭くなるが、レフリーが二人をコーナーに別けていく。
『カァーン!』
ゴングと同時に仕掛けたのはちなみで、コーナーから勢いよく飛び出して反対コーナーの紀華にドロップキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
これにはコーナーに跳ね飛ばされた紀華。
ちなみは休む間もなく立ち上がってはドロップキックを叩き込むと、紀華がコーナーにダウンする。
「いくぞぉぉぉぉぉぉ・・・」
自らを奮い立たせるようにアピールして紀華の髪を鷲掴みにして起こしていくちなみ。
コーナーに押し込んでエルボースマッシュを連打していくと、反対コーナーに振っていく。
紀華を反対コーナーに振ると一緒に走り出すちなみ。
コーナーら背中から叩き付けられた紀華に、ジャンピングエルボーで攻め込むちなみ。
バシッ・・
頬にエルボーが炸裂して苦痛の表情を浮かべる紀華。
更に反対コーナーに振っていくと、今度は紀華がラリアットで反撃した。
バッシーン・・・
喉元を抉るラリアットにダウンするちなみだが、マットを叩いて立ち上がった。
立ち上がるちなみを、今度は紀華がロープに振っていくと、何か狙っていく。
しかしちなみが側転で切り返すと、ドロップキックで反撃した。
バッシーン・・・
これには観客席から歓声が起きると、ちなみは紀華にフォールした。
しかしカウント前に紀華が返すと、ちなみは腕を取ってサーフボードストレッチに固めていく。
「くっ・・・」
関節技に苦悶の表情を浮かべる紀華。
長い脚を使ってロープに逃れようとするが、ちなみも技を極めて逃がさない。
レフリーも紀華にギブアップの確認をするが、当然ながらギブアップしない紀華。
耐える紀華に、ちなみが技を解いてから背中にサッカーボールキックを叩き込むと、紀華の表情が歪んだ。
立ち上がる紀華に、ちなみがロープに走ってからフライングボディアタックを仕掛けると、そのままフォール。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし紀華が余裕で返していくと、今度は腕を狙っていくちなみ。紀華がロープに逃れると、レフリーが二人を別けていく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
立ち上がって距離を置く紀華とちなみ。
攻め続けて呼吸が乱れているちなみに、紀華が距離を詰めていく。
動き回るちなみに対して、足を止めようと紀華がローキックを放つ。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
ローキックを受けて痛がるちなみ。
更に紀華がローキックを放つと、膝を蹴られて痛がるちなみ。
打撃対策が出来ていないからと、紀華が格闘技スタイルで構えていくと、ちなみは距離を置いていく。
次第にコーナーに追い詰められていくちなみ。背中にロープが当たると、焦るが目の前には紀華が迫る。
ドスッ・・
「うぐうっ・・・」
紀華が前蹴りを放つ。ビキニだから生腹に前蹴りが炸裂すると、ちなみは堪らず両手がお腹を押さえた。
続けてローキックを叩き込むと、苦悶の表情を浮かべてコーナーに崩れ落ちるちなみ。
ロープを掴んでアピールすると、レフリーが紀華を離していく。
ちなみを立たせていくが、ローキックを受けた足は内出血を起こしていて痛々しさが観客席にも伝わっていた。
『ファイト!』
続行される試合。紀華は構えたまま距離を詰めていくと、ちなみがドロップキックを放つが足へのダメージから打点が低く当たらない。
逆に起き上がろうとするちなみのEカップとも言われる美乳に対して、紀華のサッカーボールキックが叩き込まれた。
バシィィィィ・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげるちなみ。バストへの衝撃は可哀想でもあるが、これが地下プロレス。
更に紀華が髪を掴んで起こすと、ボディスラムでマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
「んあああぁぁぁ・・・」
マットに叩き付けられて悲鳴をあげるちなみ。
続けて足首をキャッチして、一気にアキレス腱固めを極めていく紀華。
グイッ・・・
「痛いぃぃぃぃ・・・・イタアぁぁぁぁぁ・・・」
堪らずロープに手を伸ばして悲鳴をあげるちなみ。
しかしロープに手が届かないと、紀華がギブアップを迫った。
「ギブアップ?・・・・ギブ?」
紀華の問いかけに耐えるちなみ。
「ノォォォォ・・・ノォォォォォォ・・・・」
汗だくになりながらも耐えるちなみに、紀華が技を解いて立ち上がって距離を置いた。
ちなみは足を気にしながら立ち上がると、紀華との距離を計りつつ、睨み付けていく。
紀華がローキックを放つと、嫌がるように避けていく。
ローキックを警戒して距離を保てなくなっていくちなみ。
すると、紀華が踏み込んでローキックでなくミドルキックを脇腹に叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「ぐふっ・・・」
ノーガードの脇腹に強烈な蹴りを受けてフラつくちなみ。
続けてローキックを叩き込まれてバランスを崩すちなみに、紀華がハイキックを顔面に叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
堪らずマットに崩れ落ちるちなみ。俯せ状態でダウンすると、レフリーが紀華を離していく。
レフリーがちなみに続行の意志を確認すると、ちなみは続けるとばかりに立ち上がっていくが、足元はフラフラしている。
『ファイト!』
フラつくちなみに、紀華はローキックを叩き込むと、ちなみは苦悶の表情を浮かべて耐えていく。
耐えていくが、膝付近はが内出血して変色してダメージがあるちなみは、踏み込んで張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・・
張り手を受けて睨み付ける紀華。
「いい根性してんじゃないの・・・」
張り手を受けた紀華も、ちなみの頬に強烈な張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・・
紀華の張り手に、ちなみも意地になって張り手を返していくと、張り手合戦となっていく。
お互いが口の中を切って、ちなみは白いビキニを赤くしていく。
バッシーン・・・・・バッシーン・・・・・バッシーン・・・・・
張り手合戦が続くと、紀華がいきなり身体を回転させる様にして、裏拳を顔面に叩き込んだ。
バキィィィィ・・・
咄嗟に避けようとしたちなみだったが、側頭部に裏拳を受けてマットに崩れ落ちると、紀華は俯せの体制にしてキャメルクラッチを仕掛けた。
上半身を反らされて苦しいちなみ。裏拳のダメージもあり苦しいが、必死に耐えていく。
紀華が揺さぶると、両足をバタバタさせて藻掻くちなみ。
耐えるちなみに、紀華はキャメルクラッチからチョークスリーパーに移行した。
喉元に腕を滑り込ませて締め上げていく紀華。
藻掻くちなみのボディに足を絡ませて、アナコンダスリーパーで締め上げていく紀華。
グイッ・・・
これにはちなみもどうする事も出来ずに意識を失いかけていく・・・。
抵抗していたちなみの全身から力が抜けると、ビクンビクンと痙攣の様にして失神してしまったからレフリーがゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、ここで紀華が技を解いて立ち上がった。
ちなみはリングドクターが応急処置して蘇生させると、試合が終わった事に気がついていない様子。
しかしレフリーが試合が終わった事を説明すると、悔しそうな表情を浮かべた。
そのちなみに、紀華は手を差し伸べていくと、立ち上がらせて手を挙げて健闘を讃えるのであった。
ちなみも目標の紀華とのデビュー戦を終えて、紀華に感謝の言葉を述べてからリングを後にするのであった。

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