第77回大会


第1試合 
遂に2010年の地下プロレスが開幕する事になり、最初の試合に観客達の期待も高まっていく。
『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、女祭りで地下プロレスデビューした前多敦子。
白いビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって頭を下げていく。
その敦子の対戦相手としてリングインするのは、地下プロレスではデビュー以来可哀想なマッチメークで痛めつけられる試合も多い釜田奈津美。小柄ながらヒップが自慢のグラビアアイドル。今夜は敦子との試合と言う事で、勝利を掴みたいところ。小麦色の肌に白いビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって頭を下げてコーナーに進んでいく。
体格的に不利な奈津美だが、敦子もこれが地下プロレス2戦目と言う事で、実力差は互角と言う予想のこの試合。
『第1試合っ・・・グラビア系マッチ・・・青コーナー〜アキバ48所属・・・身長161p、上から76、60、83・・・前多敦子〜っ!』
コールされて一礼していく敦子。歓声に緊張感が増すが、笑顔で観客の歓声に応えていく。
『赤コーナー〜・・・身長153p、上から82、59、85・・・釜田奈津美〜っ!』
そしてコールを受けて一礼して笑顔を振りまく奈津美。体格差をカバーしようと、動きと経験でどうなるのか。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、いきなり奈津美がコーナーから飛び出して敦子にドロップキックを放った。
バッシーン・・・
「ああんっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる敦子。
続けて奈津美が立ち上がろうとする敦子の顔面にドロップキックを叩き込むと、続けてヘッドロックで締め上げた。
早くも試合のペースを握る奈津美に歓声が飛ぶと、敦子もロープに振っていく。
ロープから勢いよく戻る奈津美は、逆にフライングラリアットを叩き込むと、またも敦子がダウンした。
立ち上がってストンピングを叩き込んでから起こしていくと、敦子もグーパンチをお腹に入れて抵抗を見せていく。
ドスッ・・
「うっ・・」
お腹を殴られて動きが一瞬止まる奈津美。
敦子はヘッドロックで締め上げていくと、スタミナを奪おうと締め上げる。
しかし奈津美がロープに押していってロープを掴むと、レフリーがロープブレークを命じた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に敦子が技を解くと、奈津美が距離を置いて呼吸を整えていく。
『ファイト!』
レフリーが掛け声を掛けると、奈津美が走り込んでヒップアタックを仕掛けると、敦子のバストに当たってダウンした。
素早く奈津美がフォールするが、これは敦子が返していく。
返されたからと、腕を狙っていく奈津美だが敦子も藻掻くようにロープに逃れると、レフリーが離していく。
『ブレーク・・・ブレーク・・・』
レフリーが離すと、距離を置いて睨み合う敦子と奈津美。
奈津美が片手を出して挑発すると、敦子も片手を出して組み合う。
力比べになる展開だが、互角の状態に両手で組み合ってからロックアップ状態になると、奈津美がロープ際まで押し出した。
背中にロープを押しつけられた形の敦子に、奈津美は強烈な水平チョップを喉元に叩き込む。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる敦子。
更に水平チョップを叩き込んでから、全身で激突するようなキチンシンクを叩き込む奈津美。
ドスッ・・・
「ふぐうっ・・・」
お腹に膝蹴りを受けて苦悶の表情を浮かべる敦子。両手でお腹を押さえていると、奈津美が片手を挙げてアピールしてから、下を向かせて後頭部にエルボーを叩き込んだ。フラつく敦子だが、奈津美に組み付いていく。
力がないので投げ技にいけないが、そのまま押しだそうとするが、奈津美が背中にハンマーパンチを叩き込んで動きを止めた。
バスッ・・
「あうっ・・」
動きの止まった所へ、奈津美はフロントヘッドロックの体制に持ち込んでから、一気に大技DDTでマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
「いやあぁぁぁぁぁ・・・」
絶叫する敦子。脳天から叩き付けられて苦しそうにしていると、奈津美はロープに走っていく。
そして小柄な身体を使って、敦子のお腹にフットスタンプを仕掛けた。
ドスッ・・
「ウグッ・・・」
お腹へのフットスタンプに嘔吐しそうになる敦子。
次の瞬間、苦しさに両手をお腹に当てて藻掻き苦しんでいると、奈津美は容赦なくボディシザースで締め上げていく。
続けて嘔吐感に苦しむ敦子に、チョークスリーパーでアナコンダスリーパーに移行すると、場内からは大歓声が響き渡る。
『落とせっ、落とせっ、落とせっ・・・』
観客席の大歓声に締め上げていく奈津美。
敦子も苦しい中を、逃れたいが逃げられずに耐えるだけの展開になるが、奈津美のチョークスリーパーが完全に極まっていないから、意識は飛ばずに済んでいるが、ボディを締め付けられているのは苦しい展開。
ギブアップしない敦子に、奈津美は技を解いてから立ち上がると、同じく立ち上がろうとする敦子の顔面にドロップキックを叩き込む。
バッシーン・・・
「イタイぃぃぃぃぃ・・・」
堪らず絶叫する敦子。
奈津美は一気にヘッドロックからブルドッキングヘッドロックと畳み掛けると、グッタリする敦子の腰にヒップドロップを落とす。
「おらあぁぁぁぁぁ・・・」
「んあぁぁぁ・・・」
腰にダメージを受けて苦しい敦子。奈津美は観客に片手を挙げてアピールすると、両手を顎に掛けてキャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・
「ううっ・・・うっ・・」
上半身を反らされていくと苦しい敦子。激痛にギブアップ寸前だが、デビュー戦もキャメルクラッチで負けただけに耐えたいところ。
しかし奈津美は身体を反らしながら極めていくから、強烈な激痛に敦子は堪らずタップした・・・。
「ううっ・・・ぎ・・ギブ・・・アップ・・・」
敦子のギブアップにレフリーがゴングを要求すると、ここで奈津美の勝利が決まったのだった。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、奈津美が技を解いて立ち上がると、レフリーに手を挙げられるのであった。
『ただ今の試合、キャメルクラッチで釜田奈津美の勝利となりました!』
リングアナのコールを受けて、奈津美は観客席に頭を下げてからリングを後にした。
一方、デビュー戦から連敗の敦子は、涙目でリングを後にするのであった。




第2試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、レースクイーン出身でグラビアアイドル、そしてバラエティへと活躍する守下千里。
黄色いビキニに黄色いリングシューズ姿で、自慢のボディを観客に楽しませる様にリングインすると、観客席に向かって笑顔で頭を下げた。
その千里の対戦相手として花道よりリングに進むのは、久しぶりの地下プロレス登場となる元女子プロレスラーの納見佳代。
女子プロレス引退後、女優として表では活動をしているが、地下プロレスにも登場したりしている。今夜は千里との試合だが、体格的に似ているので、どういう試合にするのか、観客達の注目が集まる。佳代は白いスポーツビキニに白いリングシューズ姿での登場。
千里は元プロレスラーが相手となって、少し動揺も隠せないが地下リングでの経験はあるからと、気合いを入れている。
『第2試合っ・・・青コーナー〜・・・身長166p、上から88、57、88・・・守下千里〜っ!』
コールを受けると片手を挙げて観客にアピールする千里。反対コーナーの佳代とは視線を合わせない。
『赤コーナー〜・・・身長164p、上から85、64、90・・・納見佳代〜っ!』
そしてコールを受ける佳代は、ガッツポーズでアピールすると、反対コーナーの千里に詰め寄って睨み付けていく。
千里は応じないが、レフリーが佳代を反対コーナーに離していく。
観客達が大盛り上がりの中、レフリーがゴングを要請した。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す千里と佳代。
まずは距離を置いていくが、佳代が片手を伸ばして力比べを誘うが、千里は応じようとしない。
流石は元プロレスラーだけに力では勝てないと思ったのか、千里は応じようとしないから、佳代が距離を詰めた。
パッシーン・・・
突然佳代が張り手を叩き込むと、千里も負けずに張り手を返す。
パッシーン・・・
続けて左右の張り手と千里が連打すると、佳代が一瞬フラついていく。
「いくよ〜っ!」
千里は大声でアピールすると、佳代をヘッドロックで締め上げた。
すると佳代がロープに振って返していくと、千里がロープを掴んで距離を置いた。
『いいぞぉぉぉぉぉ・・・』
緊張感あるリング上の展開に観客席が盛り上がる。
今度は千里が距離を詰めると、ローキックで蹴りこんだ。
バシィィィィィ・・・
「イタッ・・・」
蹴られて痛がる佳代。
更に千里がローキックで攻め込むと、続けて張り手と女の闘いと言う展開になっていく。
左右の張り手に動きが止まる佳代に、千里がハイキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
これにはダウンする佳代。
髪を鷲掴みにして起こしていく千里が、観客席にアピールしてからスリーパーで締め上げると、佳代が両手を振り回してロープに逃れた。
『ロープ・・・』
レフリーの指示で千里が技を解くと、佳代が喉元を気にしている。
続けて千里がチョークスリーパーを仕掛けると、またもロープに逃れる佳代。
『ロープ・・・』
技を解いていく千里。元プロレスラーに対してタレントがペースを握っているからと、観客席からは盛り上がりと佳代に対するブーイングが入り交じっていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声にボクシングスタイルで構える千里。
一方、佳代はプロレス的なにスタイルで距離を詰めると、千里が軽くジャブを放つ。
バシッ・・
佳代の顎に捉える千里の拳。反則攻撃だが、レフリーも元プロレスラー相手だからと黙認している。
シュ・・・
更に左右のジャブが放たれると、佳代の頬に拳が当たっていく。
バシッ・・
「うっ・・・」
当たるパンチに千里は調子に乗ると、距離を詰めて左右のフックからボディへパンチを叩き込む。
バシッ・・ドスッ・・
スポーツビキニだから生腹に拳を叩き込まれて苦悶の表情を浮かべる佳代。
更に首相撲の体制に持ち込んでから、膝蹴りを連打していく千里。
ドスッ・・ドスッ・・ドスッ・・
「ううっ・・・あううっ・・・」
流石に膝蹴りの連発には佳代が苦悶の表情でダウンすると、会場内からは千里に対して歓声がおきた。
『いいぞぉぉぉぉ・・・もっとやれぇぇぇぇ・・・・』
お腹を押さえて座り込む佳代に、千里は構わず背中にストンピングを叩き込んで場外に落としていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「おらっ、おらおらっ・・・」
千里の気合いのストンピングでリング下に転落する佳代。
リング下に落ちると、お腹などを触りながら近くの鉄柵を掴んで立ち上がると、リング上の千里を睨み付けた。
千里もリング上から佳代を睨み付けると、挑発する様に手招きする。
挑発されて佳代はゆっくりとリング下を歩いて呼吸を整えると、エプロンサイドへ上がるが、千里にロープ越しにエルボースマッシュを叩き込まれた。
バシッ・
「くっ・・」
側頭部にエルボーを受けて一瞬フラつく佳代。しかし片手で千里の髪を鷲掴みにすると、片手を握りしめて千里の額にグーパンチを叩き込んだ。
ゴキィィィ・・・
「きゃあああぁぁぁぁ・・・」
額を殴られて絶叫する千里。
「プロレスなんだから、反則だって有りなんだよ!」
佳代が叫ぶと、続けてコーナーに連れ出してコーナーポストに顔面を叩き付ける。
バッシーン・・・
「痛いぃぃぃぃ・・・」
堪らず悲鳴をあげる千里。佳代の反撃に焦りだしているが、佳代は止まらない・・・。
素早くトップロープに登ると、フラついて佳代の方へ振り向く千里にミサイルキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「いくぞぉぉぉぉぉ・・・」
「きゃあああぁぁぁぁぁぁ・・」
強烈なミサイルキックを受けてリングに倒れ込んで絶叫する千里。
続けて千里の髪を鷲掴みにして起こしていくと、強烈なボディスラムでマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
「んあああぁぁぁぁ・・・」
背中から叩き付けられて苦悶の表情を浮かべる千里。
佳代は余裕の表情で千里のバストを踏みつけると、レフリーに叫ぶ。
「レフリー、カウント!」
佳代のアピールにレフリーがカウントを数えていくが、千里も意地になって返した。
これには観客席から大歓声が起きるが、直ぐに佳代に髪を掴まれて起こされていく。
しかしグーパンチをお腹に叩き込んで抵抗を見せるが、佳代はヘッドロックで締め上げる。
元プロレスラーのヘッドロックに苦しむ千里。
続けてブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けられると、俯せでグッタリしている千里。
佳代は立ち上がると、ロープに走ってグッタリする千里の後頭部へギロチンドロップを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「いやああぁぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる千里。
その千里を起こしていく佳代。千里も抵抗するが、佳代はコーナーに押し込んでいく。
そして、拳を固めてお腹にパンチを入れた。
ドスッ・・
「ウゲッ・・・」
お腹を殴られて苦しむ千里。
更に大振りの張り手を叩き込まれて、コーナーでフラついていく。
バッシーン・・・バッシーン・・・
距離を置こうと必死に前蹴りを出すも、佳代の張り手が顔面を捉える。
バッシーン・・・バッシーン・・・
これにはコーナーに崩れ落ちる千里。
すると、佳代はコーナーから離れて走り込むと、コーナーでグッタリする千里の顔面へ低空ドロップキックを叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・
これには千里はグッタリとダウンしてしまうと、レフリーも試合続行可能かチェックしようとする。
しかし佳代が髪を掴んで起こしていくと、無理矢理にトップロープに上げていく。
そしてセカンドロープに登ってから、グッタリしている千里に雪崩式ブレンバスターでマットに叩き付けた。
バッシーン・・・・
マットに叩き付けられてヒクヒクと身体を小刻みに痙攣させている千里。全身を強く打ち付けられて立ち上がる事が出来ないと、佳代はトドメとばかりに起こすと、ノーザンライトボムでマットに叩き付ける。
バッシーン・・・・
マットに激しく叩き付けられてグッタリする千里。虚ろな目で失神寸前と言う状態に追い込まれている。
レフリーも試合を止めようとするが、佳代はコーナー近くに千里を寝かせた。
黄色いビキニ姿の千里がグッタリとしていると、佳代は片手を挙げて観客にアピールすると、トップロープに登っていく。
そして叫んだ。
「ジ・エンド!」
そう叫ぶと、失神寸前の千里のお腹にフットスタンプを叩き込んだ。
ドスッ・・
「うっ・・ホゲエェェェェェェェ・・・・」
お腹にフットスタンプを受けて口から激しく反吐を吹き上げる千里。
身体をピクピクと痙攣させると、レフリーが危険だからとゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、ここで佳代がレフリーに手を挙げられて勝利が決まった。
『ただ今の試合、レフリーストップで納見佳代の勝利となりました!』
リングアナのコールを受けて、佳代は吐き出した反吐で顔を汚した千里の顔面を踏みつけると、観客にアピールしてリングを後にした。
負けた千里は、リングドクターが応急処置を施すと、担架が運び込まれて医務室に運ばれていくのであった。



第3試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、地下プロレス2戦目の愛川友希。
白いスポーツビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって笑顔を振りまいた。2戦目と言う事もあり、余裕も感じられるが芸能界で生き残る為には体を張ったパフォーマンスも必要とばかりに、真剣に取り組んでいる様子。
レースクイーン経験者だけあり、見事なスタイルを水着に包んでのリングインに、観客席から歓声が起きていた。
その友希の対戦相手としてリングインするのは、元レースクイーンの須野内美帆子がリングイン。レースクイーン時代をイメージして、黄色い競泳水着に黄色いリングシューズ姿でリングインすると、友希と視線を合わせる事もなくコーナーに進んだ。
コーナーに寄りかかる友希と美帆子に、黒服が両手にオープンフィンガーグローブを着けさせると、リングアナがコールを始めた。
『第3試合・・・美女系総合格闘技マッチを行います・・・青コーナー〜・・・身長162p、上から82、58、87・・・愛川友希〜っ!』
コールを受けて片手を挙げて観客にアピールする友希。
『赤コーナー〜・・・身長165p、上から83、58、85・・・須野内美帆子〜っ!』
そしてコールを受けて堂々とガッツポーズでアピールする美帆子。地下プロレスの経験では友希より長いキャリアがあり、自信の程が伺える。
マウスピースを口に入れて、お互いがリング中央で視線を激突させると、レフリーがルール説明をしていくが、お互い一発即発状態に観客達も盛り上がっていく。
そしてコーナーに別けられると、ゴングが要求された・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す両者。
いきなり友希が踏み込んでパンチを放つと、美帆子が冷静にガードして前蹴りで距離を置く。
友希もガードを固めて小刻みのジャブで距離を詰めると、美帆子はミドルキックで友希の動きを止めようとする。
続けてローキックが繰り出されると、友希が嫌がる。
バシィィィィ・・・
ローキックに痛がる友希だが、負けずにローキックを返していく。
バシィィィ・・・・
一瞬フラつく美帆子。しかし軽くジャブを繰り出して距離を置いた。
バシッ・・
友希がローキックから左右のパンチで距離を詰めると、美帆子はガードを固めていく。
ガードの上から拳を叩き付けてプレッシャーをかけてロープに追い込む友希。
顔面のガードを固める美帆子に、空いているボディに膝蹴りを叩き込む友希。
ドスッ・・
「うぐっ・・」
白いマウスピースが顔を覗かせる程の衝撃に美帆子の表情が苦痛に歪んだ。
更に膝蹴りを狙う友希に、美帆子は苦し紛れのタックルで組み付いていくが、力が入らずに不完全な形に。
抱きつくような形になると、友希が投げようと左右に振るが、美帆子も投げられないように上手く体制を移動させていく。
膝蹴りのダメージから回復しようと組み付く美帆子。
友希も一気に勝負に出たいが、美帆子に組み付かれて攻めきれない。
足を掛けてグラウンドに持ち込もうとする美帆子。
しかし友希も踏ん張って倒させないが、無理矢理グラウンドに持ち込む美帆子。
バッシーン・・・
音を立ててグラウンド状態に持ち込むが、友希が下になってマットに叩き付けられて苦しい体制。
美帆子は組み付いて密着していくと、小刻みのパンチを脇腹に叩き込む。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
脇腹を殴られている友希は、ブリッジみたいに身体を動かして跳ね返そうとするが、美帆子も上手くコントロールして
サイドポジションに移行した。
サイドポジションを奪うと、今度は押さえ込みから膝蹴りを脇腹に狙っていく美帆子。
ドスッ・・
「うっ・・」
脇腹への膝蹴りに苦しむ友希。
堪らず組み付いていくと、美帆子はハンマーパンチを脇腹に叩き込む。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
美帆子のボディ攻撃に苦しい友希。
藻掻くように逃れようとする友希に、美帆子がバックを取ろうと組み付くが、素早く逃れる友希。
逃げるように立ち上がると、美帆子も立ち上がってスタンディング状態になっていく。
立ち上がると、友希が逃れるようにハイキックを放つが美帆子はガードして距離を置いた。
呼吸をお互いが整えるようにガードを固めていくと、美帆子がローキックを放って牽制する。
ローキックを受けて、逆にパンチを放つ友希。
距離を置く展開になると、美帆子が軽くジャブを放つと、友希がカウンターパンチを狙っていく。
バシッ・・・
友希の拳が美帆子の顔面に決まると、一瞬動きが止まる美帆子。
友希が飛び込んで組み付こうとすると、美帆子は膝で防ごうとするが、友希がパンチを放つ。
バシッ・・バシッ・・
2発頬に受けてフラつく美帆子に、友希は顔面パンチを連打する。
バシッ・・バシッ・・
殴られてばかりの美帆子だが、カウンターパンチを叩き込むと、拳が友希の顔面にヒットする。
バキッ・・
「うっ・・・」
友希の鼻を直撃して、激痛に友希の動きが止まる。
続けて顔面にパンチを叩き込む美帆子。
バシッ・・バシッ・・
嫌がるようにガードを固める友希。ガードの上から飛び膝蹴りを叩き込む美帆子。
バシィィィィ・・・
ガードの上からとは言え、膝蹴りに表情を歪ませる友希。
続けて顔面パンチを叩き込む美帆子。
しかし友希もノーガードで殴り返すと、美帆子も殴り合いに応じてノーガードの殴り合いが始まった。
バキッ・・バキッ・・バシッ・・バシッ・・
鼻血を噴き出しながらも、お互いの顔を殴り合う美帆子と友希。
白いスポーツビキニ、黄色い競泳水着にも血が垂れていく壮絶な殴り合いに観客達は歓声で盛り上がる。
美帆子のパンチが友希の顎を捉えると、フラっとする友希。
パンチを返そうとするが、美帆子が飛び込んで首相撲からボディへ膝蹴りを連打する。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・
更に顔面への膝蹴りの連打に、友希は堪らず崩れ落ちていく。
マットに崩れ落ちた友希に、美帆子は容赦なくマウントポジションを奪って顔面にパンチを叩き込むと、友希の意識が飛んでいるからとレフリーが試合を止めるのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、ここで美帆子の勝利が決まった。
『ただ今の試合、レフリーストップで須野内美帆子の勝利となりました!』
鼻血を流しながら、また頬など腫らしながらも美帆子は勝利を喜ぶのであった。
一方、負けた友希はリングドクターの応急処置を受けて、担架に乗せられてリングを後にした・・・。


第4試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、加藤愛。黒い競泳水着に黒いリングシューズ姿で静かにリングインすると、軽く観客席に向かって頭を下げた。
その対戦相手としてリングインするのは、今夜完全決着になるかと注目のカードの、深多恭子。白い胸元の開いたワンピース水着に白いリングシューズで、愛とは対照的なリングコスチューム。リングインすると、視線を合わせる事もなくコーナーに進んだ。
今夜の為に、トレーニングをしてきたのか、締まりよい筋肉に観客達も恭子の本気度を感じ取るが、その決着の試合形式も今夜は特別であった。
『第4試合・・・因縁の対決の完全決着なるか・・・今夜地下プロレス初の試合形式・・・ランバージャックデスマッチにて試合を行います!』
そう、今夜はリング外に逃れる事が出来ないランバージャックデスマッチ・・・。
愛も恭子もデスマッチと言う言葉に緊張感は隠せないが、リングサイドに集まりだしたメンバーに観客席からは声が漏れた・・・。
優花を先頭に和樹沙也、多代さやか、三津矢葉子、磯山紗耶香、大嶋優子、濱口順子、小嶋瑠璃子、百瀬美咲と壕プロ所属のタレントが集まりだした。流石に愛も不安感は隠せないが、愛の新たな事務所からは篠多麻里子がリングサイドに姿を現すが、藤原紀華は試合準備の為にリングサイドに来れずに、試合経験のない麻里子のみが見守る中の試合に、愛が不利と言うのは否めない。
『青コーナー〜・・・身長161p、上から79、56、83・・・加藤〜愛〜っ!』
その不安感のある愛だが、コールが始まると片手を突き上げて観客にアピールする。
観客席からは応援する声が上がると、恭子は周りを見渡した。
『赤コーナー〜・・・身長166p、上から86、62、88・・・深多〜恭子〜っ!』
そしてコールを受けて一礼する恭子。一部観客からはブーイングも起きるが、構わずコーナーで水着を直したりしてゴングを待つ。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、まずはコーナーからゆっくりと出て行く愛と恭子。
睨み合うだけで緊張感が増していくが、因縁の対決だからこそ盛り上がる。
リングサイドの壕プロ所属のタレント達は、愛に痛めつけられた鷹田光莉のリベンジとばかりに、愛がリング下に落ちる瞬間を待っている様子。
しかし愛は構わずリング内で恭子と睨み合うと、距離を詰めて張り手を放つ。
パッシーン・・・
張り手を受けた恭子は、黙って愛に張り手を返す。
パッシーン・・・
まずはお互いの張り手から始まる展開だが、続けて恭子が髪を鷲掴みにしてヘアーホイップで投げつけた。
バシィィィィ・・・
マットに叩き付けられた愛に、ストンピングで追い込む恭子。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
恭子の蹴りを耐えて立ち上がると、今度は愛がエルボースマッシュを叩き込むと、ロープに振って何かを狙うが、恭子がロープを掴んで止まった。
緊張感漂うリング上。ロープ際の恭子に、愛は少しずつ距離を詰めていくと、今度はタックルで組み付いていく。
愛のタックルに合わせるようにフロントスリーパーでキャッチする恭子。
首に腕を巻かれてもロープに押し込む愛。
ロープを背に押しつけられて、愛の動きを見る恭子。
バシッ・・バシッ・・・
「うっ・・くっ・・」
押しつけている愛が、恭子のお腹にパンチを叩き込むと、恭子は一瞬苦悶の表情を浮かべた。
逆に膝蹴りを叩き込む恭子。ボディへ叩き込まれて苦しい愛だが、バランスを崩した瞬間を逃さずにテイクダウンを奪うと、ロープ際でグラウンド状態になっていく。
リングサイドでは壕プロ勢がマットを叩いて煽ると、愛は恭子と離れてリング中央に転がるように逃げた。
立ち上がる愛、恭子も立ち上がると距離を置いて睨み合う。
「卑怯じゃないの・・・アンタ!」
愛が恭子へ言い放つ。
「卑怯も何も、完全決着なんでしょ、今夜は・・・」
関係ないとばかりに言い返す恭子。
その言葉に踏み込んでパンチを放つ愛。しかし恭子がガードすると、逆に張り手を叩き込む。
バシッ・・・
張り手を受けても構わず左右のパンチを叩き込む愛。
バキッ・・
「くっ・・」
頬にパンチが炸裂すると、恭子が嫌がるように顔面をガードすると、ガラ空きのボディへパンチが叩き込まれる。
ボシュ・・
「ううっ・・・」
ボディへのパンチに苦しむ恭子。
愛は素早く絡みつくようにコブラツイストを仕掛けると、恭子が抵抗して投げで返した。
マットに倒した愛に蹴りを入れていく恭子に、愛は足に組み付こうとするが、上手くいかずに距離を置いた。
恭子が立ち上がる愛に、膝蹴りを狙うとタックルの様に組み付こうとする愛。
しかし体重差からも恭子がフロントスリーパーで締め上げると、愛の表情が苦痛に歪む。
押し返そうとするが、恭子も重心を落として粘ると、愛は耐えて様子を見ていく。
耐える愛に、恭子は膝蹴りを狙う。
ドスッ・・
「くっ・・」
膝蹴りを入れられると苦しい愛。
更に膝蹴りを狙う恭子に、愛はボディにパンチを入れて抵抗すると、フロントスリーパーを解かせてから張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・・
張り手を受けてフラつく恭子。更に愛が張り手を叩き込んでいくと、恭子も張り手を返して抵抗した。
バッシーン・・バッシーン・・
お互いが意地になって張り手を叩き込むと、恭子が組み付いてロープ際に押し込んでいく。
ロープに押し込んでから、膝蹴りを叩き込む恭子。ボディを抉られて苦悶の表情の愛。
すると、恭子が愛をロープから押し出してリング下に落とした。
リング下に転落した愛に、一気に壕プロのタレント達が殺到した。
小島瑠璃子と百瀬美咲が捕まえるが、焦りながらも愛が振り解いてリング上に戻ると、三津矢葉子や濱口順子が悔しがった。
『ファイト!』
呼吸を荒くする愛にレフリーが掛け声を掛けると、恭子が前に出て喧嘩キックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
蹴られてフラつく愛に、恭子がドロップキックを叩き込む。
バッシーン・・・
重量感あるドロップキックにダウンする愛。立ち上がろうとすると、恭子が勢いあるドロップキックを放った。
バッシーン・・・
立ち上がり様に顔面にドロップキックを受けてダウンする愛。恭子もトレーニングした現れか、素早く倒れている愛にキャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・
「あうっ・・・」
上半身を反らされて苦しい愛。
「ギブしろよ、ギブ!」
恭子もギブアップを促すが、愛は必死に耐えるが攻め続けられて苦しい展開。
愛が耐えると、恭子が技を解いて立ち上がった。
苦しそうな表情を浮かべながらも立ち上がる愛に、恭子は勢いあるラリアットを顔面に叩き込むと、愛が堪らずダウンする。
更に低空ドロップキックでリング下に突き落とそうとする恭子。必死にロープを掴んで耐えようとする愛だが、今度は低空ドロップキックを顔面に叩き込んで突き落とす恭子。
バシィィィィィ・・・
「痛いぃぃぃ・・・」
堪らず悲鳴をあげてリング下に転落した愛。
そこへ一斉に壕プロ勢が飛びかかると、三津矢葉子と濱口順子が両手を掴んで捕まえた。
「何するのよ、放しなさいよ!」
愛が叫ぶと、三津矢葉子と濱口順子が言い返す。
『試合とは言え、鷹田のお返しをするわよ、今夜は・・・覚悟しろよ!』
そう言うと、逃げられない愛に磯山紗耶香と和樹沙也が順番にドロップキックを叩き込む。
バッシーン・・・バッシーン・・・
更に三津矢葉子が豪快なボディスラムで場外に叩き付けると、優花なども加わってストンピングでリンチ状態になった。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・
篠多麻里子が助けに入りたいが、百瀬美咲と小嶋瑠璃子が妨害する。その間もリンチとも言えるストンピングの連発に痛めつけられる愛。
グッタリする愛を、やっとリング上に上げていく壕プロ勢。
リングに上げられてグッタリしている愛に、恭子は両足を掴んでリング中央に連れ出すと、ギロチンドロップを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「うぐうっ・・・ううっ・・」
苦しむ愛に、恭子は笑みを浮かべて体重を乗せたストンピングを叩き込んでいく。
バシィィィ・・バシィィィィ・・・
「あうっ・・くうっ・・・ううっ・・・」
「ほらほら、負けを認めなさいよ、加藤っ!」
そして髪を鷲掴みにして起こしていく恭子。
パイルドライバーを狙うが、これは愛が藻掻いていくと、体制が崩れて仕掛けられない。
逆に股間へパンチを叩き込む愛。
ゴキィィィィ・・・
「ぎゃ!」
股間を殴られて悲鳴をあげる恭子。
「汚い真似して・・・恥ずかしくないの?」
愛は拳を固めたまま呟くと、続けて股間を前蹴りで蹴り上げる。
バシッ・・
「ふぎっ!」
股間への連続攻撃に苦しい恭子。股間を押さえていると、愛は踏み込んで顔面へハイキックを叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・
ノーガードの顔面へのハイキックに恭子が虚ろな表情を浮かべてロープに逃れると、愛は走り込んでキチンシンクを狙う。
しかしロープ際だからと、愛が呼吸を整えて距離を置いていると、恭子も顔を気にしながら愛を睨み付けた。
『ファイト!』
レフリーが試合続行を促すと、距離を詰めていく恭子と愛。
今度は恭子がグーパンチを放つと、愛もカウンターでパンチを放った。
ゴキッ・・
これには愛の拳が恭子を捉えると、恭子の動きが止まる。
これは効いたかと思われると、愛は一気に左右の張り手で攻め込むが、苦しい恭子は組み付いてロープ際に押し込んだ。
そして倒していくと、縺れるようにリング下に転がり出ようとする。
すると、リング下から壕プロ勢が愛をリング下に降ろしていく。
「何するのよ、汚いわよ!」
愛が抵抗するが、多勢に無勢でリング下へ。恭子はリング上へ残ると、リング下では愛がまたも痛めつけられる事に・・・。
リング下で三津矢葉子と堀越紀子がダブルブレンバスターの体制に持ち込むと、一気に炸裂させていく。
バッシーン・・・
「痛いぃぃぃぃぃぃ・・・」
堪らず悲鳴をあげる愛に、多代さかやと磯山紗耶香が続けてフットスタンプをお腹に落とす。
ドスッ・・ドスッ・・
「うぐっ・・ぐえっ・・・」
グッタリしている愛に、和樹沙也がキャメルクラッチを極めてから、百瀬美咲がバストへノーガードキックを叩き込むと、続けて顔面にも蹴りを入れた。
バシィィィィ・・・
空手仕込みの蹴りに朦朧とする愛。
和樹沙也が放すと、愛は俯せでグッタリとしている。優花が合図すると、愛をリング上に戻していく壕プロ勢。
リング上でグッタリしている愛に、恭子は髪を掴んで無理矢理起こしていくと、DDTでマットに叩き付ける。
バシィィィィ・・・
ダメージが大きくて俯せで動けない愛。
「覚悟しなさいよ・・・逃げ場はないんだから!」
恭子が愛に言い放つと、サッカーボールキックでリング下に落とそうとする。
蹴り続けられてリング下に転落する愛。
リング下に落ちると、またも壕プロ勢が周りを囲むと、掛け声が掛かった。
『せ〜の!』
掛け声に合わせて集団リンチとも言えるストンピングの連発。
全身に蹴りを入れられて痛がるしかない愛。
会場内からはブーイングすら聞こえるが、壕プロ勢は鷹田光莉のリベンジとばかりに構わず蹴り続けた。
そしてリング上に戻されると、愛は立ち上がれずにグッタリしている。
その愛の髪を鷲掴みにして起こすと、バックを奪ってバックドロップでマットに叩き付ける恭子。
受け身も取れずに虚ろな目でグッタリする愛に、恭子はロープに走ってから高々と飛び上がってお腹にニードロップを叩き込む。
ドスッ・・
「ぐっ・・グエェェェェェェェ・・・・」
全体重を乗せた強烈なニードロップに愛は口から反吐を噴き上げた。
ヒクヒクしている愛の両足を抱えて、恭子がゆっくりとステップオーバーして逆エビ固めを極めていくと、愛の身体がCの字になり強烈な激痛に苦しい愛。
「背骨折れちゃうかもね・・・」
恭子が笑みを浮かべて腰を下ろすと、愛は激痛にロープに逃げたいが届かない。
レフリーも愛にギブアップの確認をするが、愛は必死に耐えていく。
『ギブアップ?・・・ギブアップ?』
レフリーの問いかけに、愛は耐えるが涙目になっていた。
「ノォォォォ・・・ノォォォォォォ・・・・」
観客席からは、愛に対する同情の声もするが、恭子は構わず極めにかかった。
愛の後頭部に恭子のヒップが当たる様なエグイ逆エビ固めに、愛は遂に耐える事が出来なくなった・・・。
「ぎ・・・ぎ・・・ぶ・・・・」
泣きながらギブアップの言葉を口にした愛。
しかし恭子は言い返す。
「よく聞こえないんだけど、ハッキリとギブアップって言ってよ!」
恭子の言葉に愛が続けた。
「ギブアップ・・・ギブアップ・・・」
愛のギブアップを聞いても技を解かない恭子。
「深多さんに負けましたって言ってごらんよ、加藤っ!」
レフリーもギブアップを確認したからゴングを要請する中、恭子が意地悪く言い放つと、愛は泣きながら叫んだ。
「ふ、深多さんに負けました・・・私の負けです・・・痛いぃぃぃぃ・・・・」
愛の叫びに恭子は満足したのか、技を解いた。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされる中、恭子は俯せでグッタリする愛の後頭部を踏みつけると、ガッツポーズで観客席にアピールする。
『ただ今の試合、逆エビ固めで深多恭子の勝利となりました!』
リングアナのコールに満足そうな恭子。
そしてゆっくりとリングを降りると、壕プロ勢と共に控え室に消えていくのであった。
一方、篠多麻里子はリング上の愛に駆け寄るのであったが、愛としても今回の試合は納得がいかない様子。
タオルで涙を拭くが、深多恭子との因縁は更に深まったとも言える試合であった。


第5試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、元アイドルでありながらアメリカで女優として成功した多村英里子。まさかの地下プロレス参戦に観客席も驚きの声が上がるが、白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に深々と頭を下げた。
その対戦相手としてリングインするのは、元はグラビアアイドルであり、現在は所属事務所をOプロに変えて女優として再起を賭けている河村亜紀。久しぶりの地下リング登場だが、元ジュニアヘビー級タイトルを保持していた事もあり、英里子にとっては強敵のはず。黒いビキニに黒いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって頭を下げた。
英里子はアメリカでエンターテイメント性の高いプロレスのイメージでトレーニングして地下プロレス参戦となったが、亜紀を相手にどんな試合を展開するのか・・・。
29歳の亜紀と37歳の英里子がリングで相対するシーンに、観客席も試合がどうなるのかと盛り上がった。
『青コーナー〜・・・身長160p、上から82、56、85・・・多村英里子〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする英里子。
『赤コーナー〜・・・身長157p、上から86、58、83・・・河村亜紀〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする亜紀。久しぶりの地下プロレスとは言え、経験からも余裕が見られた。
レフリーが英里子と亜紀にルール説明などをしていると、早くも睨み合う英里子と亜紀。
そしてコーナーに別けられると、ゴングが要求された・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す亜紀と英里子。
まずは距離を置いていくと、英里子が片手を伸ばして力比べを誘うが、いきなり亜紀が喧嘩キックを放った。
バシィィィィ・・・・
「あうっ・・・」
蹴られて痛がる英里子に、亜紀は髪を鷲掴みにしてリング内を連れ回すと、早くも場外に振って落としていく。
「きゃあああぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげてリング下に転落する英里子。
亜紀もリング下に降りると、英里子の手を掴んで鉄柵に振って叩き付けた。
ガッシャーン・・・
音を立てて鉄柵に叩き付けられてグッタリする英里子。
亜紀は髪を鷲掴みにして起こしていくと、英里子もお腹ににグーパンチで抵抗した。
バシッ・・
お腹を殴られて動きが止まる亜紀。更に英里子がエルボースマッシュで抵抗すると、お返しとばかりに鉄柵に振って叩き付けた。
ガッシャーン・・・
鉄柵に叩き付けられてグッタリする亜紀。
英里子はゆっくりとリング上に戻ると、リング下の亜紀を睨み付けた。
亜紀も立ち上がると、ビキニを直しながらリング上に戻る。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を置いて睨み合う英里子と亜紀。
軽くジャブを放って距離を詰める亜紀に、英里子がタックルを仕掛けて組み付いた。
押し出すようにロープに押しつけていく英里子に、亜紀はフロントスリーパーで極めていく。
『ロープ・・・』
レフリーのロープの掛け声に亜紀が放すと、英里子も距離を置いて睨み付ける。
『ファイト!』
レフリーが掛け声を掛けると、英里子が走り込んでドロップキックを放つと、亜紀のバストを抉る。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・・」
ドロップキックを受けて倒れ込む亜紀。素早く立ち上がると、英里子は構わずドロップキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
立ち上がり様のドロップキックが顔面に命中すると、亜紀は倒れて顔面を押さえて痛がる。
構わず英里子が髪を鷲掴みにして起こすと、ヘッドロックで締め上げていく。
亜紀もロープに振りたいがシッカリとロックしている英里子。
そしてブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けると、続けてキャメルクラッチを仕掛けていく。
グイッ・・・
「くっ・・ううっ・・」
上半身を反らされて苦しむ亜紀。
英里子も観客の反応を見ながらエグイ角度に反らせていく。
『河村っ、ギブアップ?』
痛がる亜紀にレフリーもギブアップの確認をするが、亜紀は顎を押さえられて声が出せず、また必死に耐えている。
耐える亜紀に、英里子は技を解いて起こしていくと、亜紀がお腹にグーパンチを叩き込んだ。
バシッ・・
「うっ・・・」
お腹をいきなり殴られて苦しむ英里子に、亜紀は続けて股間へアッパーを叩き込む。
バキッ・・
「ああああぁぁぁぁ・・・」
堪らずを悲鳴をあげて座り込む英里子。
『ぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・ぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・・』
観客席からはブーイングが飛び出すが、亜紀は構わず股間を押さえる英里子の髪を鷲掴みにして起こしていく。
そして、今度は額にグーパンチを叩き込むと、悲鳴をあげる英里子をコーナーに押し込んでいった。
コーナーに寄りかかる英里子の喉元に水平チョップを叩き込んでから、セカンドロープに登って顔面にパンチの連打を叩き込む亜紀。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
嫌がる英里子に、亜紀は観客席を見渡してから顔面掻きむしりをすると、英里子が怒って押し出した。
セカンドロープからバランスを崩して転落する亜紀に、英里子は顔を気にしながらフットスタンプを仕掛ける。
ドスッ・・
「グボッ・・・」
いきなりフットスタンプをお腹に受けて、亜紀が両手をお腹に当てて藻掻き苦しむと、英里子がストンピングを叩き込んでから、起こしていく。
そしてロープに振ると、フライングラリアットを仕掛けてフォールした。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし亜紀も簡単にフォールを奪わせずに返すと、英里子は腕を狙いにいく。
しかし亜紀がロープに逃れると、レフリーが離した。
『ロープ・・・ロープ・・・』
お互い立ち上がると、亜紀が喧嘩キックを仕掛けると、英里子はお腹を蹴られて苦しむ。
更に左右の大振りのパンチを顔面に叩き込むと、ヘッドロックから顔面パンチとヒールファイトで試合を盛り上げていく亜紀・・・しかし英里子が密着させてバックドロップで反撃した。
バッシーン・・・
バックドロップで叩き付けられてグッタリする亜紀。
その亜紀にロープに走ってセントーンをお腹に落としていく英里子。
バシィィィィ・・・
「ふぐうっ・・」
セントーンを受けて苦しむ亜紀。
続けて英里子がフットスタンプを叩き込むと、亜紀は身体を丸めて苦しんでいる。
英里子がロープに走ると、その亜紀の腰に低空ドロップキックを叩き込む。
バシィィィィィ・・・
「あうっ・・・」
これには転がるようにリング下に転落する亜紀。
ビキニが取れかかると、亜紀はリング下でビキニのブラを直しながら呼吸を整える。
英里子はリング上から亜紀の動きを見つめている。
しばらくして亜紀がエプロンサイドに上がると、ロープ越しに睨み合う英里子と亜紀。
逆に亜紀がグーパンチを顔面に叩き込むと、英里子が顔を押さえる。
更にリングに戻ると喧嘩キックでお腹を蹴りこむと、DDTで英里子をマットに叩き付けた亜紀。
流れを変えていく亜紀がフォールすると、大技を受けてグッタリする英里子はカウント前に返した。
これには亜紀が悔しがってスリーパーで締め上げるも、ロープが近いからと英里子の足がロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの掛け声にスリーパーを解く亜紀。
英里子は喉元を気にしながらもロープを掴んで立ち上がると、亜紀が喧嘩キックを叩き込む。
ドスッ・・
「ぐふっ・・ううっ・・・」
蹴りこまれて動きの止まる英里子。
更にキチンシンクを狙うも、英里子も組み付いていくとバランスを崩して倒れ込む二人。
『ブレーク・・・』
動きの止まった所で、レフリーが二人を離させようとする。
レフリーの言葉に亜紀と英里子は立ち上がると、距離を置いて睨み合うが、激しい展開に両者呼吸を荒くして時折苦しそうな表情も浮かべている。
『ファイト!』
レフリーが試合続行の掛け声を掛けると、距離を少しずつ詰めていく亜紀と英里子。
またも亜紀が喧嘩キックを狙うと、英里子は読んでいたかの様に避けると、逆にミドルキックをボディに叩き込む。
バシィィィィ・・・
英里子の初めての打撃技に驚く亜紀。蹴りを受けて動きが止まると、英里子の大振りの左右の張り手が炸裂した。
バッシーン・・・バッシーン・・・
張り手を受けてフラつく亜紀に、英里子はロープに押し込む様にキチンシンクを叩き込むと、膝をボディに叩き込まれて苦しむ亜紀。
ドスッ・・ドスッ・・・
「ううっ・・んうっ・・」
英里子が放すと、亜紀は両手でキチンシンクを受けたボディを押さえて苦しそうな表情を浮かべると、チャンスとばかりに英里子が飛び上がって延髄蹴りを叩き込む。
バシィィィィィィ・・・
後頭部に蹴りが炸裂すると、リングに崩れ落ちる亜紀。
汗だくのビキニ姿の亜紀がグッタリしていると、英里子は素早くフォールした。
『ワン・・・ツー・・・スリィ・・・・』
カウントギリギリで返す亜紀。英里子も勝ったと思った瞬間に返されて悔しがるが、まだグッタリと仰向けになる亜紀に、英里子は立ち上がると観客席に向かって片手を挙げてアピールした。
「これでお終いよぉぉぉぉぉ・・・・」
観客にアピールしてから、亜紀のお腹にヒップドロップを叩き込んでから両肩に手を押しつけてフォールする英里子。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・・』
しかしこれもギリギリで亜紀が返すと、英里子は立ち上がってからお腹にフットスタンプを叩き込んだ。
ドスッ・・
「グボッ・・・」
これには亜紀は口から涎を垂れ流す。
苦悶の表情の亜紀に、英里子が素早くフォールした。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィィ・・・』
遂に英里子がフォールを決めると、ここで試合が終わりを告げた。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、英里子は亜紀を気遣いながら立ち上がると、レフリーに手を挙げられるのであった。
『ただ今の試合、多村英里子の勝利となりました!』
リングアナのコールに笑顔を浮かべる英里子。
対して、地下プロレスではキャリアの差はあった亜紀だったが、今夜は負けてしまい黙ってリングを後にするのであった。




第6試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、今夜が地下プロレスデビュー戦の手嶋優。Iカップバストを武器に、グラビアアイドルとして活動しているが、更なるステップアップを狙い地下プロレスに参戦する事となった。黒いビキニに黒リングシューズ姿でリングに上がると、観客席に向かって頭を下げる。
その優の対戦相手としてリングインするのは、アキバ48の児嶋陽菜。青いビキニに青いリングシューズ姿でリングインすると、緊張しながら観客席へ向かって頭を下げた。
運動神経が悪いと言われている陽菜も、芸能界に生き残る為には地下プロレスは登竜門として通らなくてはならないが、今夜は肉食系グラビアアイドルと言われる優が相手で、苦しい展開が予想されている。
お互いが視線を合わせる事なくコーナーに進むと、ここでリングアナからコールが始まる。
『青コーナー〜・・・身長165p、上から95、63、93・・・手嶋〜優〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする優。反対コーナーの陽菜を睨み付けている。
『赤コーナー〜・・・身長164p、上から82、58、85・・・児嶋〜陽菜〜っ!』
そしてコールを受けて陽菜が一礼すると、試合開始のゴングを待つだけとなり緊張感が高まるリング上。
優もビキニを気にしているが、激しく動き回ると言う事で補強も忘れていない。それは陽菜にとっても同じで、ビキニが脱げてしまったら大変だから、その辺は気にしていた。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、まずはコーナーから飛び出して距離を置く優と陽菜。
睨み合う展開になるが、お互いが手を出そうとしない。
様子を見ながら距離を置いていると、陽菜が踏み出して優の自慢のバストへ水平チョップを叩き込む。
バシィィィィ・・・
「くっ・・・」
胸を叩かれて痛がる優。
更に陽菜が水平チョップを叩き込むと、優も負けずに陽菜のバストへ水平チョップを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・・」
優のチョップに悲鳴をあげる陽菜。
更に優は飛び込んで膝蹴りをボディに叩き込むと、陽菜が悲鳴をあげた。
ドスッ・・
「ああぁぁぁぁぁぁ・・・」
初めて受ける膝蹴りの痛さに動きの止まる陽菜。
その陽菜の髪を鷲掴みにしてリング内を連れ回す優。
「いくぞぉぉぉぉぉぉ・・・」
観客席にアピールしてから、陽菜の髪を両手で掴んでマットにフェイスクラッシャーで叩き付ける優。
バッシーン・・・
「いやああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
顔面をマットに叩き付けられて、絶叫する陽菜。
更にストンピングで追い込んでいくと、陽菜は堪らず転がるようにロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが優を止めていくと、陽菜は顔など気にしながらゆっくりと立ち上がった。
『ファイト!』
レフリーが掛け声をあげると、陽菜は距離を置こうとするが、優は前に出てプレッシャーを掛けていく。
堪らずローキック気味に蹴りを出すと、優は蹴られても構わず前に出た。
陽菜が焦るように蹴りこむと、逆に至近距離からラリアットを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
堪らずダウンする陽菜に、優はアピールする様にギロチンドロップを叩き込むと、ゆっくりフォールした。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし陽菜がロープに足を伸ばしてカウントが止まると、優は立ち上がってIカップバストを強調してから、ボディプレスで陽菜をフォールする。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・』
しかし陽菜が返すと、優は馬乗りになって圧力を掛けていく。
苦悶の表情の陽菜。返そうとするも、優が上手くバランスを掛けて乗っていく。
動きの止まる試合に、レフリーが優を止めて立たせると、陽菜を起こして距離を置かせた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に試合が続行されるが、陽菜は苦しそうな表情で距離を置く。
逆に優は少しずつ距離を詰めていくが、陽菜が距離を置く。
逃れようとローキックみたいに蹴りを放つも、優は前に出て距離を詰める。
コーナーに追い込まれる形の陽菜に、優は左右の張り手を叩き込む。
バッシーン・・バッシーン・・
張り手を受けて動きの止まる陽菜。距離を置きたいからと蹴りを放つも、優は飛び込んで膝蹴りを叩き込む。
ドスッ・・
「ウグッ・・」
ボディに串刺しの膝蹴りを受けて動きの止まる陽菜。
バシィィィィィ・・・
更にコーナーに押し込む様なラリアットに崩れ落ちる陽菜。
コーナーでダウンする陽菜に、優は顔面を踏みつけて観客にアピールすると、観客席からは大歓声が起きていく。
レフリーがロープだからと優を離そうとするが、優は関係ないと抗議する。
しかしレフリーもカウントを始めると、優が離れて距離を置いた。
陽菜は顔を気にして立ち上がるが、一方的な展開になって焦りだしている・・・。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に優が前に出ると、喧嘩キックから首に腕を巻き付けて、DDTでマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
「きゃああああぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげてグッタリする陽菜。
続けて優は大技パイルドライバーを狙うと、容赦なく脳天からマットに叩き付けた。
ドスッ・・
「うぐうっ・・・」
変な声を漏らして大の字に倒れる陽菜。
優が片手を挙げてアピールして、ロープに走ると飛び上がってお腹に鋭いニードロップを突き刺す。
ドスッ・・
「ううっ・・・オエェェェェェ・・・」
お腹に重量感あるニードロップを受けて反吐を噴き出す陽菜。
自らの顔面を吐瀉物で汚してヒクヒクしていると、優は少し驚いた表情を浮かべるが、顔面を踏みつけてレフリーにフォールアピール。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィィィ・・・・』
余裕のスリーカウントが数えられると、手嶋優の勝利が決まった。
『勝者、手嶋優っ!』
リングアナのコールに笑顔を浮かべる優。
足元には反吐を吐いて動けない陽菜。青いビキニで倒れている陽菜に、リングドクターが応急処置で反吐などを拭き取っていく。
優は陽菜を気にしながらも、観客にアピールしながらリングを降りていくが、陽菜は初めて受けたニードロップに吐き出してしまったりと苦しい試合だったが、地下プロレスに引き続き出される事になるのであろう・・・。




第7試合

『選手入場っ!』
リングアナがコールすると、リングに登場するのは伝説のキャバクラ嬢として作家、テレビと活躍する立華胡桃。
白いビキニに白いリングシューズと言うテレビなどでは見せない水着姿で堂々とリングインすると、観客席に向かって頭を下げる。
観客席からは、大きな胸が作り上げる谷間に視線が集中するが、伝説キャバクラ嬢の地下プロレス参戦に注目が集まる。
その胡桃の対戦相手としてリングインするのは、売れっ子AV嬢の吉澤明歩。地下プロレスはデビュー済みだが、デビュー戦では笹木希に痛めつけられた経験もあるが、今夜は胡桃のデビュー戦の相手としてリングイン。
白いビキニに白いリングシューズと胡桃と同じリングコスチュームで登場すると、観客席に向かって頭を下げてコーナーに進んだ。
『青コーナー〜・・・身長157p、上から86、58、84・・・・立華〜胡桃〜っ!』
コールを受けて一礼していく胡桃。流石に初めてのリングに緊張感は隠せない。
『赤コーナー〜・・・身長161p、上から86、58、86・・・吉澤〜明歩〜っ!』
そしてコールを受けて一礼していく明歩。対戦相手が元キャバクラ嬢と言う事で、AV嬢との異色対決に自らも緊張している様子。
Eカップバストの明歩に対して、胡桃はFカップはありそうなボリューム。早くも試合前からエキサイトするリング上。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出す明歩と胡桃。
まずは距離を置いていくが、胡桃はガードを固めて明歩との距離を置く。
一方、明歩はプロレス的に構えては距離を置くが、少しずつ距離が詰まると緊張感が高まっていくリング上。
「おらあっ!」
いきなり手を出してのは胡桃で、距離が詰まったからと気勢をあげて喧嘩キックを放った。
しかし明歩が避けると、続けて左右の大振りの張り手を叩き込む。
バッシーン・・バッシーン・・・
左右の張り手が顔面に炸裂すると、堪らず張り手を返すが痛そうな明歩。
続けて胡桃が組み付いてロープ際に押し込むと、明歩も抵抗するが胡桃の膝蹴りが叩き込まれていく。
ドスッ・・
「ううっ・・くっ・・・」
膝蹴りを受けて苦しそうな表情を浮かべる明歩。
続けてエルボースマッシュを叩き込んで攻め込む胡桃に、明歩は抱きつくように組み付いた。
打撃を警戒して組み付いてた明歩に、胡桃は振り解くように投げる様にグラウンドに持ち込む。
バッシーン・・・
倒れる時にマットに叩き付けられて苦しい明歩。
胡桃は上を取ろうとポジションを入れ替えると、明歩が藻掻きながらロープに足を伸ばした。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが明歩の足がロープに掛かったからと胡桃を止めると、表情を険しくしながら胡桃が立ち上がる。
明歩もビキニを気にしながら立ち上がると、距離を置いて胡桃を睨み付けた。
『ファイト!』
今度は明歩が前に出て、素早く張り手を叩き込む。
バッシーン・・・
すると声も漏らさずに張り手を返す胡桃。
バッシーン・・・
これには明歩も意地になって張り手を返すと、女同士の意地が爆発していく・・・。
バッシーン・・・バッシーン・・・バッシーン・・・
ノーガードの張り手合戦が続くと、胡桃が左右の張り手で押し出した。
フラつく明歩に張り手で追い込んでいく胡桃。
バッシーン・・バッシーン・・バッシーン・・
堪らずガードを固める明歩に、喧嘩キックをお腹に叩き込む胡桃。
ドスッ・・
「うげっ・・」
堪らず悲鳴をあげる明歩に、胡桃は髪を鷲掴みにしてリング下に落としていくと、自らもリング下に降りていく。
立ち上がろうとする明歩に、胡桃がグーパンチを額に叩き込む。
ゴキッ・・
「痛いぃぃぃ・・・」
悲鳴をあげる明歩。しかし意地で胡桃のお腹にグーパンチを返していく。
バシッ・・
お腹を殴られて動きが一瞬止まる胡桃だが、髪を鷲掴みにして無理矢理起こすと、エプロンサイドに明歩の顔面を叩き付けていく。
バシィィィィィィ・・・
「きゃあああぁぁぁぁぁ・・・」
顔面を叩き付けられて悲鳴をあげる明歩。
「甘いんだよ、闇格闘技なんだから覚悟しなっ!」
更に膝蹴りをヒップに叩き込んで明歩の髪を掴むと、近くの鉄柱に肩口から叩き付けていく胡桃。
ゴッキーン・・・
「痛いぃぃぃぃぃ・・・」
鉄柱攻撃に堪らず鉄柱に抱きつくように座り込む明歩。
胡桃は周りを見渡してパイプ椅子を掴むと、明歩の背中に叩き付ける。
バシィィィィィ・・・
「きゃあああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
またも会場内に響き渡る明歩の悲鳴。
胡桃は女ヤクザとも噂されていたが、今夜は容赦無いファイトスタイルに観客席も納得している。
更に髪を掴んで起こしてから、近くの鉄柵に明歩を振って叩き付けると、グッタリしたところへ走り込んで顔面へ喧嘩キックを叩き込む胡桃。
バシィィィィィ・・・
「いやああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
顔面へのハードな蹴りにグッタリする明歩。
グイッ・・
「おらっ、起きろよ!」
胡桃が髪を鷲掴みにして起こしていくと、フラフラしている明歩は助けを求めるように手を伸ばす。
しかし胡桃は容赦せずに膝蹴りを叩き込むと、ヘッドロックからリングサイドを連れ回すと、痛がる明歩の姿を観客に楽しませるかの様に痛めつけていく胡桃。
観客席が盛り上がると、胡桃は明歩を鉄柵近くで観客側に向かせていく。
明歩はフラフラしていると、胡桃が叫んだ。
「ファンサービス、いくよぉぉぉぉぉぉ・・・・」
胡桃が叫ぶと観客席が盛り上がった。
胡桃はアピールする様に明歩のビキニに手を掛けると、剥ぎ取るアピールをする。
「や・・やめ・・て・・・」
明歩がビキニ剥ぎを止めてと哀願するが、胡桃は構わず言い返す。
「AVでオマ○コ晒してるくせに、何言ってるんだよ!」
胡桃が叫ぶと、一気にビキニを剥ぎ取っていく。
グイッ・・
「いやあぁぁぁぁぁ・・・」
明歩が悲鳴をあげるが、トップレスにされてバストを晒されていく。
更に剥ぎ取ったビキニを首に巻き付けて絞めていく胡桃。
グイッ・・
「ぐっ・・うぐっ・・・ううっ・・・」
首を絞められて藻掻き苦しむ明歩。
そして苦しむ明歩をリング上に戻していくと、コーナーに押し込んでから走り込んで喧嘩キックをお腹に叩き込む胡桃。
ドスッ・・
「ウゲッ・・・ううううっ・・・」
お腹に強烈な蹴りを受けて座り込む様にダウンする明歩。
胡桃は更に痛めつけようと髪を鷲掴みにすると、明歩も意地を見せた。
ゴキッ・・
「ぐっ・・・」
近づいた胡桃の股間へグーパンチを叩き込むと、殴られた胡桃の動きが止まる。
流石の胡桃も股間へ衝撃には動きが止まるが、明歩の攻めが続かない・・・。
動きが止まっている胡桃に、明歩は立ち上がるとエルボースマッシュを仕掛けるが、攻め込まれたダメージから前に出ないと、逆に胡桃がお腹にパンチを叩き込む。
ドスッ・・
「うぐうっ・・ううっ・・・」
苦悶の表情でお腹を押さえる明歩。
更に髪を鷲掴みにして下を向かせて、容赦ない顔面への膝蹴りを叩き込む胡桃。
ゴキィィィィ・・・
鈍い音が響き渡るリング上。明歩はグッタリとリングに崩れ落ちてしまった・・・。
俯せでダウンしている明歩に、胡桃は仰向けにしてショーツも剥ぎ取っていく。
リングシューズを残して全裸にされてしまった明歩。
胡桃は剥ぎ取ったショーツを高々と挙げて観客席に投げ込むと、立ち上がれない明歩の全身を蹴りまくっていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・
全裸で蹴り続けられて、もう戦意も喪失してグッタリしている明歩。
一方的なリンチ的な試合に、レフリーも見かねてゴングを要請するのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・カンカンカンカン・・・』
ゴングの乱打にも胡桃が止まらないと、レフリーや黒服が無理矢理止めていく。
『ただ今の試合、レフリーストップで立華胡桃の勝利となりました!』
リングアナのアナウンスに観客席が盛り上がると、胡桃は片手を突き上げアピールしながらリングを後にするのであった。
一方、リングシューズのみの姿になった明歩は、一方的な試合内容での連敗に涙を流しながらの退場となった・・・。




第8試合
『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのはアキバ48の篠多麻里子。同じ事務所所属になった加藤愛がリンチ状態で負けたからと、その試合でセコンドについた百瀬美咲との試合を急遽組まれる事となり、リングに上がる麻里子。プロレスの練習もなしで、いきなりのデビュー戦に同情の声もあるが、ここは地下プロレス。そんな甘えは通用しない・・・。
長身のボディを白い競泳水着と白いリングシューズ姿でリングインすると、緊張しながら観客席に向かって頭を下げた。
その麻里子の対戦相手として、リングサイドで揉めた百瀬美咲がリングインする。黒い競泳水着に黒いリングシューズと対照的なリンコスでリングインすると、麻里子に対して挑発とも言える手招きなどをするなど、ゴング前から盛り上がるリング上。
『青コーナー〜・・今夜がデビュー戦・・・・身長168p、上から87、57、85・・・篠多麻里子〜っ!』
コールを受けて一礼する麻里子。観客席の盛り上がりに緊張感を隠せない・・・。
『赤コーナー〜・・身長151p、上から75、56、80・・・百瀬美咲〜っ!』
身長差が気になるが、地下プロレスでは流血戦まで経験している美咲。今夜はセコンドで揉めた麻里子相手だけに、身長差に構わずどんな試合をしてくるのか楽しみなマッチメークとなった。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、まずはコーナーから飛び出したのは美咲。
麻里子が緊張しながらコーナーを出るが、美咲は距離を上手く取ると、ローキックで牽制した。
バシィィィィ・・・
身長差に構わず踏み込んでローキックを叩き込む美咲。
ローキックを受けて痛がる麻里子。
バシィィィ・・・
「うっ・・・」
更に美咲のミドルキックが炸裂すると、早くも動きの止まる麻里子。
その麻里子に、美咲は拳を固めてお腹に突きの連打を叩き込む。
ドスッ・・ドスッ・・ドスッ・・
「あうっ・・ううっ・・・うげっ・・」
お腹を続けて殴られて苦しい麻里子。
身長差で張り手を返すが、美咲がガードしていく。
お腹を押さえて距離を置こうとする麻里子に、美咲が踏み込んでハイキックを放った。
シュ・・・
ギリギリで麻里子がハイキックを逃れるが、美咲がタックル気味に組み付いていく。
組み付かれてバランスを崩すようにロープ際に押し出されていく麻里子。
フロントスリーパーを狙うが、明らかな練習不足から美咲が膝蹴りを叩き込むと、続けてテイクダウンを奪っていく。
グラウンド状態に追い込まれて焦りの色を隠せない麻里子。
藻掻いて逃れようとするが、美咲がサイドポジションを奪っていく。
身長差も構わず横四方の体制から、美咲は周りを見てから腰を浮かせると、麻里子の脇腹に膝蹴りを叩き込む。
ドスッ・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・」
脇腹への膝蹴りに絶叫する麻里子。
更に美咲が膝蹴りを叩き込むと、動きの止まる麻里子。
しかし長い足をロープに伸ばして逃れると、美咲は押さえ込んでいく。
『ブレーク・・・』
しかしレフリーがロープだからと離していくと、麻里子と美咲は立ち上がって距離を置く。
打撃技を受けて苦しそうな麻里子。対照的に余裕を感じる程の美咲。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に美咲が前に出ると、麻里子はガードを固めて距離を置こうとする。
踏み込んでローキックを放つ美咲だが、麻里子が避けて空を切る。
逆に本能のまま張り手を放つ麻里子。
バッシーン・・・
頬に張り手を受けてフラつく美咲。身長差は大きくリーチの差が出るが、歯を食いしばってローキックを叩き込む。
バシッ・・
「うっ・・」
ローキックを受けて動きの止まる麻里子。
更に左右のパンチをお腹に受けると、苦悶の表情を浮かべていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
棒立ちになったからとローキックを叩き込むと、麻里子の太股などが内出血でドス黒く変色していく。
足を攻められて動きの鈍る麻里子は、堪らずガードを固めようとするが、経験の差から上手く打撃を叩き込む美咲のサンドバックと化していた。
堪らずコーナーに追い込まれていく麻里子。初めての地下プロレスのリングでの試合、まして試合など組まれる予定もなく突然の試合。
美咲の打撃に顔だけは守ろうとガードを固めるが、美咲が踏み込んで前蹴りを放つと、お腹に突き刺さった。
ドスッ・・
「うげえっ・・・ううううっ・・・」
これには堪らずコーナーに崩れ落ちる麻里子。
口から涎を垂れ流して苦しむ姿に、観客席からは同情の声すら漏れている。
コーナーで麻里子の髪を掴む美咲は、起こしてコーナーに押し込んでいく。
そして観客にアピールして距離を置いてから、美咲がコーナーに飛び込んで何か狙うが、麻里子が長い足を使ったカウンターキックで迎撃した。
バシィィィィィ・・・
意地の一撃に美咲がダウンすると、麻里子が馬乗りになっていく。
体格差から苦しい展開の美咲。藻掻きながら抵抗するが、麻里子も上から張り手を叩き込んでいく。
バシィィィィ・・・バシィィィィィ・・・
張り手は叩き込むが、体格差を利用した関節技などプロレス特訓もなく本能のままの張り手で攻め込む麻里子。
美咲も口の中を切って血を垂れ流す状態になるが、麻里子の張り手は止まらない。
バシィィィィ・・・バシィィィィ・・・・
下から手を掴もうとする美咲だが、麻里子もキャッチされないように引き離す。
上に乗られているだけでスタミナ消耗がある美咲は、ブリッジなどで返そうとするが、上手く返せない。
堪らず麻里子の競泳水着に手を掛ける美咲。
グイッ・・
「きゃ!」
水着を剥ぎ取られるかと思い悲鳴をあげる麻里子。
その瞬間、美咲がブリッジから返して逃れる事に成功すると、麻里子は水着を気にしながら距離を置いた。
『ファイト!』
レフリーが掛け声を掛けると、美咲は呼吸を整えながら距離を詰めていく。
麻里子も緊張した表情で構えると、美咲のローキックが炸裂した。
バシィィィィ・・・
「痛いっ・・・」
内出血で変色する足が痛々しい麻里子。ローキックを受けてバランスを崩すが必死に立っている。
美咲は容赦なくローキックで足を攻め込むと、麻里子は堪らず座り込むようにダウンした。
身長差があっても座り込めば関係ないと、美咲が踏み込んで髪を鷲掴みにした。
抵抗する麻里子の顔面に、膝蹴りを叩き込む美咲。
ゴキィィィィ・・・
顔面への膝蹴りに意識を飛ばしそうになる麻里子。
更に美咲が顔面へ膝蹴りを叩き込むと、麻里子はグッタリとマットに崩れ落ちてしまった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
俯せにグッタリとする麻里子の姿に、レフリーはゴングを要請するのであった。
『ただ今の試合、レフリーストップで百瀬美咲の勝利となりました!』
リングアナのアナウンスにガッツポーズの美咲。
一方、負けた麻里子はリングドクターの応急処置を受けるが、ダメージがあるからと担架に乗せられてリングを後にするのであった。
新たな因縁が始まるのかと思わせるような試合であった・・・。




第9試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、離婚から芸能界復帰と忙しい矢多亜希子。
白い競泳水着に白いリングシューズ姿で、久しぶりの地下リングに上がると、観客席に頭を深々と下げた。
別れた小塩学の公判が終わる前の芸能界復帰に、亜希子自身にもバッシングがあるのも事実だったが、ここはアンダーグラウンドな世界だから観客もあまり気にしていない様子。
コーナーで対戦相手を待つ亜希子だが、その対戦相手は沖菜恵。白いスポーツビキニに白いリングシューズ姿で、デスマッチだけに流血したりしたら観客に解りやすいように白を選んでいた。
肩にデスマッチクイーンベルトを掛けてリングインすると、亜希子を睨み付けてからコーナーに進んでいった。
そう、今夜は恵の保持するデスマッチクイーンベルトに亜希子が挑戦するのであった。厳しい芸能界復帰に、敢えて厳しいデスマッチをする亜希子。
そして今夜のデスマッチ形式を決める為、箱が用意された。箱の中にはデスマッチの形式が書いてあるボールが入れられていて、今夜は亜希子が選ぶことに・・・。
亜希子が緊張しながら手に取ったのは、『画鋲デスマッチ』だった。
地下プロレス初の画鋲デスマッチ。普通のリング上で、ニュートラルコーナーに画鋲が容器に入れられている。
試合中、凶器として使用するのは問題なく、またリング下での凶器攻撃は認められると言う特別ルール。まさにデスマッチクイーンベルトの名にふさわしい恐怖の試合形式。
『デスマッチクイーンタイトルマッチ・・・青コーナー〜・・・挑戦者、身長164p、上から83、58、83・・・矢多亜希子〜っ!』
白い競泳水着姿で一礼していく亜希子。地下プロレスでは有刺鉄線デスマッチも経験済みだが、特に70回大会では恵と有刺鉄線デスマッチで激突していた。今夜はリベンジなるかと言うところ・・・。
『赤コーナー〜・・・デスマッチクイーン・・・身長156p、上から84、59、85・・・沖菜恵〜っ!』
コールを受けて片手を突き上げる恵。観客に存在感をアピールすると、因縁の亜希子を睨み付けている。
ここでレフリーが試合開始のゴングを要請した・・・。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、まずはゆっくりとリング中央に進む両者。
距離を置いて睨み合うと、まずは亜希子が手を伸ばして力比べを誘っていく。
しかし恵は力比べに付き合わず、喧嘩キックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「おらああぁぁぁ・・・」
「くっ・・」
蹴られてフラつく亜希子に、恵は早くもエルボースマッシュからロープに振ってジャンピングニーパッドと攻め込んだ。
バキッ・・・
膝を受けてダウンする亜希子に、恵は余裕をもってストンピングを叩き込んでいく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・
ストンピングの連打に堪らず転がるようにしてリング下に逃れる亜希子。
恵はリング上から動きを見ているが、亜希子は水着を直しながら呼吸を整えた。
しばらくして亜希子がリング上に戻ろうとすると、恵が蹴りを入れる仕草で挑発。
場所を移動して亜希子がリングに戻ろうとするが、これも恵が妨害すると、レフリーが恵を離して亜希子をリング上に招き入れた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を置く恵と亜希子。
今度は踏み込んで亜希子がローキックを放つと、恵もローキックを返した。
バシィィィィ・・・
ローキックを受けるがヘッドロックで締め上げていく亜希子。
しかし恵がロープに振っていくと、勢いをつけた亜希子はショルダータックルで恵を倒す。
バシィィィ・・・
「くっ・・・」
倒れて立ち上がろうとする恵に、亜希子はボディアタックで押し倒してフォールする。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし恵が返すと、亜希子はマットに座らせた状態からスリーパーで締め上げる。
スタミナを奪おうとする亜希子だが、恵も亜希子の髪を鷲掴みにして引っ張ると、堪らず亜希子がスリーパーを放してしまった・・・。
体制を入れ替えて恵がお腹にグーパンチを入れて立ち上がると、亜希子の顔面に左右の張り手を叩き込む。
バッシーン・・バッシーン・・
フラつく亜希子は、踏ん張るとお返しとばかりにグーパンチを叩き込んだ。
ゴキィィィィ・・・
亜希子の顔面パンチに口の中を切った恵。
ダメージを負うがタックルで組み付くと、そのままロープ際に亜希子を押し込んでいく。
亜希子はフロントスリーパーで締め上げようとするが、恵が踏ん張ると抱え上げた。
そのままスープレックスの様にマットに投げつける恵。
マットに叩き付けられて苦しい亜希子に、恵は馬乗り状態から、ギロチンチョークで喉元を押し込んでいく。
グリッ・・
「うっ・・うううっ・・」
呻き声みたいに漏らして苦しむ亜希子。
恵が技を解くと、亜希子は転がるようにリング下に逃れるが、これは恵が場外戦に誘うための罠だった・・・。
リング下で喉元を押さえている亜希子に、恵はリング下に降りると髪を掴んで起こしていく。
そして近くの鉄柱に叩き付けると、亜希子は悲鳴をあげてダウンした。
ゴキィィィィ・・・
「いやああぁぁぁぁぁ・・・」
鉄柱に抱きつくようにダウンする亜希子に、恵は近くのパイプ椅子を手にすると、背中に叩き付けた。
ガッシャーン・・・
「きゃあああぁぁぁ・・・」
亜希子の悲鳴が響き渡るリングサイド。
グイッ・・
「リングの上で楽しみのしょうね!」
恵が笑みを浮かべて髪を鷲掴みにしてリング上に亜希子を戻していくと、今度は大技パイルドライバーの体制に持ち込む。
そして脳天からマットに叩き付けると、グッタリする亜希子に畳み掛ける様にニードロップを叩き込む。
ドスッ・・
「うぐうっ・・・ううっ・・う・っ・・」
お腹に叩き込まれたニードロップに、亜希子は両手でお腹を押さえて苦悶の表情。
恵は関係ないとばかりに立ち上がると、遂にコーナーにある画鋲の入った箱を手にした。
初めて地下プロレスでの画鋲が使われる事に興奮する観客席。
恵はマットに画鋲を撒くと、亜希子をボディスラムの体制に抱え上げた。
観客達が注目する中、恵は容赦ない画鋲上へのボディスラムで亜希子を投げつける。
バッシーン・・・
「んあああああああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
画鋲が身体に食い込み絶叫する亜希子。
腰やヒップなどに無数の画鋲が突き刺さると、激痛から悲鳴をあげている。
その亜希子に、恵は飛び上がってお腹にフットスタンプを叩き込むと、更に画鋲が亜希子の身体に食い込んだ。
ドスッ・・
「痛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・・」
亜希子の泣き叫ぶ声に観客席からは大歓声が起きていく。
『いいぞぉぉぉぉぉ・・・・沖菜っ!』
『もっと痛めつけろ!』
画鋲による痛さに戦意喪失している様な亜希子。
恵は構わず起こしていくと、近くのコーナーに押し込むと、両腕両足をロープに絡ませて磔状態にした。
そして、箱を手に画鋲を持って近づく恵・・・。
亜希子は逃げられないが、その亜希子のバストを狙って画鋲を押しつけた。
グサッ・・・
「いやあああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
白い競泳水着の上から容赦なく差し込まれる画鋲。
悲鳴をあげる亜希子に構わず、恵は画鋲を差し込んでいく・・・。
グサッ・・グサッ・・
「イタアァァァァァァァァ・・・・あああああっ・・・」
あまりの激痛に悲鳴をあげるだけの亜希子。
競泳水着の胸の辺りに、画鋲を数多く差し込まれていく亜希子。
恵は観客に画鋲の入った箱をアピールすると、マットに撒いていく。
そして亜希子をコーナーから離すと、両足を踏ん張ってブレンバスターで亜希子を画鋲の撒かれたマットに叩き付ける。
バシィィィィィィィ・・・
「いやあああああぁぁぁぁ・・・・」
今度は勢いよく背中に画鋲が刺さって激痛に泣き叫ぶ亜希子。
そのまま仰向けになって動けないと、恵は勢いをつけてフットスタンプを叩き込んでは痛めつけた。
ドスッ・・
「グボッ・・・」
亜希子の口から胃液の様な吐瀉物が溢れると、ここでレフリーが危険と判断してゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音に片手を突き上げる恵。
一方、画鋲の餌食になって一方的な試合展開で負けてしまった亜希子。しかし収入を得る為とは言え、かつてのドラマ女優が画鋲デスマッチ出場と言う事に、観客席からは同情的な声も囁かれていた・・・。
『勝者、沖菜恵っ!』
勝利した恵の腰には、デスマッチクイーンベルトが巻かれていく。
このベルトに次に挑戦するのは・・・。




第10試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、地下プロレス2戦目の掘北真希。
白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、緊張しながらもコーナーで観客席に頭を下げた。
その真希の対戦相手としてリングインするのは、グラビアアイドルの河村ゆきえ。白いビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、頭を下げて胸の谷間を観客に強調する様にしてアピールする。
その姿に真希は一瞬険しい表情を浮かべるが、コーナーに寄りかかりゆきえの動きを見つめた。
『女優vsグラビアアイドルマッチを行います!』
リングアナのコールが始まると、早くも観客席からは歓声が起きていく。
『青コーナー〜・・・身長160p、上から78、58、83・・・掘北真希〜っ!』
コールを受けて一礼する真希。水着を気にしているが、デビュー戦の時に比べて余裕も出てきている様子。
『赤コーナー〜・・・身長158p、上から87、59、87・・・河村ゆきえ〜っ!』
そしてゆきえは笑顔で片手を挙げてアピールすると、地下プロレスのキャリアでは真希より上なので、今夜は勝利したいところ。
コールも終わり、二人がコーナーに別れるとゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングの音と同時に飛び出したのは真希で、反対コーナーのゆきえにドロップキックを放つ。
バシィィィィィ・・・
打点の高いドロップキックにコーナーに叩き付けられるゆきえ。
続けて真希がヘッドロックに捉えると、ゆきえは反対コーナーに振って返していく。
反対コーナーに叩き付けられる真希に、ゆきえは走り込んでエルボースマッシュを叩き込んだ。
ゴキィィィ・・・
「あうっ・・・」
頬にエルボーを受けて悲鳴をあげる真希。
グッタリする真希に、ゆきえはヘッドロックでリング中央に連れ出していく。
締め上げられて苦しい真希。
真希がバックドロップを狙うが、ゆきえも踏ん張って耐えて締めていく。
グイッ・・グイッ・・
ヘッドロックから体制を入れ替えて、今度はニーリフトを狙うゆきえ。
しかし組み付いてロープ際に押し込む真希。
『ロープ・・・ロープ・・・』
ここでレフリーが割ってはいると、真希とゆきえを離していく。
水着を直したりする真希とゆきえ。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を置く二人。
睨み合いが続くと、少しずつ距離が詰まると、真希がタックルを仕掛ける。
ゆきえが潰そうと組み付くが、真希が足に組み付いてテイクダウンを奪った。
サイドポジションから押さえ込もうとする真希だが、ゆきえも簡単には許さずに藻掻いていく。
腕を狙っていく真希に、ゆきえは転がるように腕を抜いてロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
追撃しようとする真希をレフリーが止めて、二人を立たせていくレフリー。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰める真希とゆきえ。
今度はゆきえがタックルを仕掛けると、真希がフロントスリーパーでキャッチした。
しかしゆきえは組み付いて抱え上げると、驚く真希をマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
背中から叩き付けられて呼吸が止まる感覚に襲われる真希。
ゆきえは一気に腕を狙いにいくが、これは真希が慌ててガードして逃れた。
しかしゆきえは腕を放すと、足を抱え込んでフォールする。
『ワン・・・ツー・・・』
カウントが進むと真希が返した。
返されたからと、今度はゆきえが両足を抱え込むと、一気にステップオーバーして逆エビ固めを仕掛ける。
グイッ・・
「んああぁぁぁぁぁぁ・・・」
全身に走る激痛に悲鳴をあげる真希。
ゆきえも腰を落としてギブアップ狙いにいくと、真希は必死にロープに手を伸ばす。
額から汗を流しながらロープを目指す真希。
耐える真希に、ゆきえが技を解くとグッタリしているが、ゆきえは勢いをつけてストンピングで蹴りこんだ。
バシッ・・バシッ・・
「あうっ・・ああっ・・」
痛がる真希を起こしていくゆきえ。
しかし真希もお腹にグーパンチを叩き込んで抵抗する。
バシッ・・
「うっ・・」
ゆきえの動きが止まると、真希はバックを奪ってスリーパーを狙うが、これはゆきえが藻掻いてロープに逃れる。
ロープを掴むゆきえに、真希が蹴りをヒップに叩き込んだ。
『ロープ・・・ロープ・・・』
これにはレフリーが真希を離していくと、ゆきえに続行を促した。
『ファイト!』
距離を詰めていくと、ゆきえは踏み出して張り手を叩き込む。
バッシーン・・・
グラビアアイドルの意地の張り手にフラつく真希。
しかし負けじと張り手を返すと、ゆきえも痛がった。
そのゆきえが更に張り手を返すと、張り手合戦が始まるリング上。
両者の意地の張り合いに観客席が盛り上がると、リング上では口の中を切って血飛沫をあげるゆきえと真希。
白い競泳水着に血飛沫が飛んで赤く染めるが、真希は構わず張り手を叩き込む。
ゆきえもビキニで包んだFカップバストを揺らしながら張り手を叩き込む。
引かないゆきえに、真希はグラビアアイドルの売りでもあるバストへグーパンチを叩き込んだ。
グニュ・・
「ああぁぁぁぁ・・・」
突然のバストへのグーパンチに悲鳴をあげるゆきえ。
しかしバストへのパンチに怒ったゆきえは、真希が前に出るとお腹にパンチを入れると、続けて頬に拳を叩き込んだ。
バキッ・・
「ぐふっ・・ううっ・・」
顔を殴られてフラつく真希。
「殴ったわね!」
真希の目つきが殴られた瞬間に変わると、叫び声をあげてゆきえに殴りかかる。
バキィィィ・・・
ゆきえの顔面に拳を叩き込むと、続けて髪を鷲掴みにして顔面を殴りつける真希。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・
これにはレフリーが素手での顔面パンチは反則だからと止めていくが、ゆきえは鼻血を垂れ流している。
真希は鼻血はないが、頬を腫らしている状態だが、レフリーが続行を指示する。
『ファイト!』
鼻血で呼吸が苦しいゆきえ。真希も顔を殴られたから焦りは隠せないが、距離を詰めていく両者。
距離が詰まると真希がタックルを仕掛けるが、ゆきえも組み付いていく。
左右に揺さぶるゆきえに、真希は堪らず倒されてしまうが、下から腕を狙いにいった。
ゆきえが反則だが上から顔面狙いのパンチを狙うと、真希は腕をキャッチしていく。
下から三角締めを狙う真希に観客席から歓声が起きるが、汗で滑って極まらない。
焦るゆきえが立ち上がると、真希がドロップキックを叩き込む。
バッシーン・・・
ドロップキックを受けてダウンするゆきえに、真希は走り込んでバストへエルボードロップを落とした。
そしてフォールする真希。
『ワン・・・ツー・・・』
しかしゆきえが返すと、真希は俯せにしてキャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・・
上半身を反らされて苦しいゆきえ。
両足をバタバタさせて藻掻くと、真希が揺さぶりかけた。
耐えるゆきえに、真希は技を解くと髪を掴んで起こしていく。
そして絡まるようにコブラツイストを仕掛けた。
グイッ・・・
「い、痛いぃぃぃ・・・・」
悲鳴をあげるゆきえ。
真希はギブアップ狙いで締め上げるが、ゆきえの口からギブアップが出ない。
必死に技から逃れようとするゆきえ。
少しずつ技が解け始めると、真希が技を解いてからエルボースマッシュを叩き込む。
バキッ・・
真希にエルボーを受けると、ゆきえも鼻血を垂れ流しながらエルボースマッシュを返していく。
バキッ・・
堪らず組み付いていく真希。
組み付くと、そのままロープ際に押し込んでから、キチンシンクをボディに叩き込む真希。
ドスッ・・
「ウゲッ・・」
ボディに膝蹴りを受けて苦しいゆきえ。
苦しそうなゆきえの表情に、真希は続けてボディへ膝蹴りを叩き込むと、ゆきえはお腹を押さえて座り込む様にダウンする。
膝をつくゆきえに、真希は何かを狙う様に距離を置くと、立ち上がろうとするゆきえに延髄蹴りを放った。
バシィィィィ・・・
延髄蹴りを受けてグッタリと倒れ込むゆきえ。
後頭部への打撃にゆきえは立ち上がれないと、真希は観客にアピールしてから俯せ状態のゆきえにチョークスリーパーを仕掛けた。
グリッ・・
喉元を締め上げられて苦しいゆきえ。
逃れようにも延髄蹴りのダメージから逃れられないと、真希の両足が身体に巻き付けられてアナコンダスリーパーになっていく・・・。
必死に真希の腕を掴むが、真希の腕は放さない・・・。
レフリーもゆきえにギブアップの確認をするが、ゆきえはギブアップの意思表示をせずに藻掻こうとする。
真希が極めていくと、ゆきえの動きが止まっていく・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ここでレフリーが危険と判断してゴングを要請して試合は終わりを告げた。
ゴングが打ち鳴らされて技を解く真希。
『ただ今の試合、掘北真希のレフリーストップ勝利となりました!』
リングドクターがゆきえに応急処置を施す中、真希はレフリーに手を挙げられている。
地下プロレスデビューから全勝している真希。ただし今後の対戦相手次第で、苦しい試合も出てくる事であろう・・・。




第11試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、暴露トークのネタにされたりと年齢詐称の過去を持つ夏河純。
水色のビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に頭を下げた。
観客席からは歓声が送られていく中、純の今夜の対戦相手が姿を現した。
そう、対戦相手はあの小坂由佳。グラビアアイドル時代のボディなど今では想像も付かない程の体重増加。今夜は胸の谷間など露出のないワンピース水着でのリングインだが、太ったボディは隠せない。
リングインすると、笑顔で純を挑発する由佳。
「今夜は年齢詐称の詐欺アイドルが相手なんだぁ〜・・・よろしくお願いしますよ、先輩っ!」
由佳の挑発に黙ってコーナーでコールを待つ純。
体重差は大きいと観客の目からも明らかで、新たなヒール登場かと観客達も期待している様子。
そんな中、リングアナがコールを始めた。
『青コーナー〜・・・身長160p、上から85、59、85・・・夏河〜純〜っ!』
コールを受けて一礼していく純。身体を動かしては試合開始に備えている。
『赤コーナー〜・・・身長168p・・・スリーサイズは測定不能・・・小坂〜由佳〜っ!』
そしてコールを受ける由佳。不機嫌そうにコーナーに寄りかかると、反対コーナーの純を睨み付けた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出したのは純で、反対コーナーの由佳にドロップキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
しかし由佳はバランスを取ってダウンしないと、純は続けてドロップキックを叩き込む。
バッシーン・・・
しかし体重差もあり、普通のアイドル相手ならばダウンを奪えるドロップキックも効いていない様子。
立ち上がる純に対して、由佳は挑発的に手招きした。
更にエルボースマッシュを叩き込む純に、由佳はウザイとばかりに喧嘩キックを叩き込む。
ドスッ・・
「うぐっ・・」
お腹を蹴られて動きの止まる純。
両手でお腹を押さえている純に、由佳がゆっくりと髪を鷲掴みにすると、そのままコーナーに連れて行きコーナーポストに顔面を叩き付けた。
バシィィィ・・・バシィィィィ・・・
「痛いぃぃぃ・・・ああああああっ・・・」
トップロープを掴んで悲鳴をあげる純。
続けて腰に膝蹴りを叩き込んでから、由佳はヘッドロックで純の動きを封じていく。
体重差からも返せずに苦しい純。
バックドロップも狙えずに苦しい純に、由佳がブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けた。
バシィィィィ・・・・
「きゃあああぁぁぁぁぁ・・・」
荒技を受けて絶叫する純。
両足をバタバタさせながらリング下に逃れると、由佳ははリング上から中指を立てて挑発した。
リング下ではビキニを直しながら呼吸を整える純。
体重差は大きく、どう攻めていくか迷っている様にも見える。
呼吸を整えると、純はリング下をゆっくりと進みながらリングインのタイミングを計るが、由佳もリング上から挑発する。
レフリーが由佳を離していくと、純が素早くリングに戻ると、レフリーが続行を促す。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に、純は素早くロープに走ると、構える由佳に低空ドロップキックを放った。
バシィィィィ・・・
「イタァァァァァ・・・」
由佳が悲鳴をあげると座り込む様にダウンする。
そう、純は膝を狙って低空ドロップキックを放ったのだった。
更にドロップキックを顔面に叩き込むと、由佳が堪らず倒れ込んだ。
純はロープに走ると、今度は脇腹を狙った低空ドロップキックを叩き込むと、由佳が堪らずリング下に転落していく。
脇腹を押さえて苦しそうな表情を浮かべる由佳。
すると、純がリング下に降りると、近くからパイプ椅子を手にしていく。
そして立ち上がろうとする由佳にパイプ椅子を叩き付けていく。
ガッシャーン・・・
音を立てて叩き付けられるパイプ椅子。これには由佳が悲鳴をあげる。
更に髪の毛を鷲掴みにして振り回していく純。
「芸能界には、言って良いことと悪い事があるんだよ、この豚っ!」
険しい表情で由佳の髪を掴んで振り回す純。
「うるせ〜んだよ、クソババア!」
由佳も負けじと言い返すと、純に組み付いていく。
フロントスリーパー気味にキャッチする純だが、由佳がエプロンサイドまで押しつけると、お腹にパンチを入れていく。
バシッ・・バシッ・・
「くっ・・・」
苦しむ純に、由佳が笑みを浮かべて言い放つ。
「本当の事を言われて、なに怒ってるんだよ、ババア!」
その言葉にフロントスリーパーで締め上げるが、由佳がエプロンサイドに押し当てると技が緩くなる・・・。
首を抜くと、由佳はエプロンサイドに押しつけた純に、エルボースマッシュを叩き込んでからリング上に戻していく。
リングに上げられて立ち上がる純。由佳もリング上に上がると、純はロープに走って勢いをつけてからジャンピングニーパッドを叩き込む。
バキィィィ・・・
「んああぁぁぁ・・・」
肩口に膝を受けて悲鳴をあげる由佳。
続けてロープに振ろうとする純だが、逆に由佳がロープに振った。
勢いよく戻ってくる純に、由佳は重量級のドロップキックを放った。
バシィィィィ・・・
「ぐふっ・・うううっ・・・」
地下プロレス経験のある由佳だが、体格から打点が十分でなくお腹にドロップキックが当たり、違う意味でダメージを与えた。
お腹を押さえて倒れ込む純に、由佳はゆっくりと迫ると、重いストンピングを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「あうっ・・ううっ・・ぐふっ・・」
蹴りこまれて苦しむ純。
グイッ・・・
「ううっ・・うっ・・」
そして髪を鷲掴みにして純を起こしていく由佳。
しかし純が張り手を叩き込むが、由佳は張り手でなく拳を叩き付けた。
ゴキッ・・
顔面へのグーパンチは反則だが、由佳は構わず数発殴りつけると、純は口の中を切ってしまった・・・。
レフリーが反則だからと注意するが、由佳は関係ないと言う表情を浮かべる。
純も喧嘩キックを叩き込むが、由佳がラリアットでダウンを奪っていく。
至近距離からのラリアットでダメージを受けて仰向けで倒れ込む純。
由佳が笑みを浮かべると、ゆっくりとギロチンドロップを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
喉元に太い由佳の太股が落ちてきて、ダメージを負う純。
由佳はゆっくりと両肩に手を当ててフォールする。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし純も意地で返すが、重量感あるギロチンドロップのダメージは大きい。
起き上がれない純に、由佳は立ち上がると助走をつけて飛び上がった。
そして重量感あるニードロップをお腹に叩き込む。
ドスッ・・
「ホゲェェェェ・・・」
堪らず口から反吐を噴き上げる純。
体重の増加した由佳の膝爆弾は、まさに破壊力も大きくなりアイドルにとっては脅威だった。
「コホッ・・コホッ・・ケホッ・・・」
涙目で咳き込む純。
自らの顔を吐瀉物で汚してしまってダメージも大きい純に、由佳は笑いながらストンピングを叩き込む。
ドスッ・・ドスッ・・
「ゲロ吐いて汚い〜・・・アイドルが人前でゲロ吐いて良いんでしょうかね?」
その言葉に観客席からはブーイングが起きる。
『小坂〜オマエこそアイドルなんて事を言えるのか!』
『豚女〜っ、オマエなんて暴露とか言って、未練があるんじゃないのか!』
激しいブーイングに由佳は苦笑いすると、リングサイドからペットボトルを持ってきては純の顔などに水を掛けていく。
そう、吐き出した吐瀉物を洗い流していくのだった・・・。
そして純の口にペットボトルを突っ込むと、無理矢理水を飲ませていく由佳。
「ハァ・・ハァ・・ハァ・・」
ニードロップのダメージから立ち上がれない純。
由佳が両手を挙げてアピールすると、純の髪を鷲掴みにして起こそうとする。
そして、大技パイルドライバーの体制に持ち込むと、純は力なく髪の毛を逆さにされて落とされるだけとなった。
ドスッ・・
「ああんっ・・・」
脳天からマットに叩き付けられて、純は失神寸前に追い込まれてしまった・・・。
由佳が放すとグッタリとする純。身体をピクンピクンと痙攣させている。
「ファンサービス!」
由佳が叫び声をあげると、半失神状態の純のビキニを剥ぎ取りだした。
トップレスにすると、その剥ぎ取ったビキニブラジャーを首に巻き付けていく。
そして締め上げていくと、純は口から赤い泡を噴きだした・・・。
レフリーが反則とばかりに止めるが、由佳は構わず締め続けると、ここでレフリーが反則を取ってゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・カンカンカンカン・・・』
ゴングが乱打されるが、由佳は純の首を絞め続けると、レフリーが由佳を止めていく。
由佳が立ち上がってガッツポーズで観客にアピールするが、観客席からはブーイングの嵐。
足元には失神状態の純がトップレスで横たわっていると、由佳はバストを踏みつけていくのであった。
『ただ今の試合、反則により夏河純の勝利となりました!』
リングアナのコールに怒り出す由佳。
「何で反則なのよ、地下プロレスは何でも有りでしょ!」
不機嫌そうな表情の由佳は、純の顔も踏みつけてからリングを降りるのであった・・・。
純はリングドクターに応急処置を受けて担架で運ばれていくが、地下プロレスに新たなヒールが登場した試合でもあった・・・。



第12試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールらリングインするのは、タレント業は引退した仲村霞。ただ地下プロレスのリングでは、参戦して観客の目を楽しませてくれている。今夜は黒いビキニに姿でリングインすると、手にはオープンフィンガーグローブ、足は素足と言う格好。
その霞の対戦相手としてリングインするのは樹口亜矢。久しぶりの地下リング登場だが、キックボクシングを趣味としていて、またGカップバストを武器にグラビアアイドルとしての活躍していきたいところ。今夜は白ビキニに素足、それに手には同じくオープンフィンガーグローブと言う格好でのリングイン。
そう、今夜はこの二人による格闘技戦が組まれたのであった・・・。
『Gカップアイドル格闘技戦・・・青コーナー〜身長153p、上から88、53、82・・・仲村〜霞〜っ!』
コールを受けて一礼していく霞。口にマウスピースが入れられていくが、格闘技戦となると苦しい展開が予想される・・・。
『赤コーナー〜身長158p、上から89、57、86・・・樹口〜亜矢〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする亜矢。
口にマウスピースを入れられて、レフリーからルール説明を受ける亜矢と霞。
そしてコーナーに別れると、レフリーがゴングを要請して試合が開始された・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時にゆっくりとコーナーから前に出る亜矢と霞。
キックボクシングを趣味とする亜矢は、ある意味で上手い距離を計っている。
対して霞は、緊張した表情でガードを固めている。
距離が詰まると、まずは亜矢が軽くジャブを放つと、霞は必死にガードを固めて防ぐ。
バシッ・・
まずは挨拶程度のジャブで様子を見る亜矢。
霞も踏み込んでパンチを放つと、亜矢がガードしていく。
更に霞がパンチを放つと、亜矢が太股へローキックを叩き込んだ。
バッシーン・・
音を立てて炸裂するローキックに動きの止まる霞。
亜矢がローキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
蹴りこまれて苦悶の表情を浮かべるも、パンチを放つ霞。
しかし亜矢にガードされると、逆にローキックを叩き込まれていく。
バシィィィィ・・・
早くも太股が内出血を起こしている霞。
必死に左右の大振りパンチを放つ霞に、亜矢がカウンターの前蹴りをお腹に叩き込む。
ドスッ・・
「うぐっ・・」
お腹を蹴りこまれてマウスピースが口から顔を覗かせる霞。
苦悶の表情を浮かべていると、亜矢が軽めの左右のストレートパンチを叩き込んでから、押し込む様にロープ際に追い込んだ。
押し込まれてガードを固める霞。
ドスッ・・ドスッ・・
ロープに押し込んだ状態から、亜矢がボディに強烈なパンチを打ち込むと、霞のガードが下がりだした。
更に亜矢がお腹を殴りつけてガードを開けると、ノーガードの顔面にアッパーを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「ぶふうっ・・・」
マウスピースを口から吐き出してしまった霞。
堪らず座り込む様にダウンすると、レフリーが割って入って亜矢を離した。。
『ダウンっ!』
座り込んで苦しそうな霞。
立ち上がるように指示すると、霞はマウスピースを口に入れて立ち上がる。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に試合が続けられると、ガードを固めて前に出る霞。
亜矢は狙ったようにミドルキックを脇腹に叩き込むと、左右の顔面パンチを入れていく。
バシッ・・バシッ・・
しかしガードしている霞は、必死に前蹴りを出して抵抗する。
バシッ・・
霞の前蹴りを受けて距離を置く亜矢。
しかし踏み込むと、霞の顔面に容赦なくパンチを叩き込む亜矢。
バシッ・・バシッ・・
殴られて動きの止まる霞に、亜矢は首相撲の体制に持ち込むと、膝蹴りをボディに叩き込む。
ドスッ・・
「うっ・・」
膝蹴りに身体をビクンとさせて痛がる霞。
痛がりながらも組み付いていく霞。組み付かれてフロントスリーパーを狙うが、逆にロープに押し込まれていく亜矢。
背中に小刻みなパンチを入れる亜矢に、霞は組み付いたままグラウンドに持ち込もうとする。
しかし亜矢も踏ん張って倒れないと、必死になって倒そうとする霞。
ビキニからバストが飛び出しそうになるのも構わず倒そうとする霞に、亜矢がグラウンドに引き込んだ。
倒れ込むと、霞が上になってサイドポジションを奪っていく。
押さえ込んでいる体制だが、亜矢も霞の動きを見ている様子。
霞は脇腹に小刻みのハンマーパンチを入れていくと、亜矢がポジションを入れ替えようと身体を動かした。
その亜矢の動きに合わせて、霞も身体を動かしていくと、上手く押さえて流れを変えていく。
腕を狙おうとする霞。亜矢はブリッジなどで抵抗すると、腕をガードしようとしている。
腕が取れないからと、霞は一気にマウントポジションを狙いにいくが、亜矢が藻掻いてバランスを崩すと、お互い立ち上がった。
立ち上がりに亜矢が顔面にジャブを放つと、霞の鼻に命中する。
鼻を殴られて苦悶の表情を浮かべてガードを固める霞。
その霞に、亜矢は飛び膝蹴りを放つと、ガードに阻まれるもコーナーに追い詰めて一気にパンチで攻め込む。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・
必死にガードを固める霞。
しかし顔面にパンチを受けてフラつきだしている。
亜矢はガードを崩そうと、霞のGカップバストも殴りだした。
グニュ・・
「んんっ・・」
バストを殴られて痛がる霞。
堪らずガードが開くと、顔面へパンチを叩き込む亜矢。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
顔面へのパンチの連打に、霞の鼻から血が溢れ出る。
鼻血が流れると、亜矢は鼻を狙ってパンチを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
嫌がるようにガードを固めようとするが、亜矢が時折入れるお腹へのパンチ、膝蹴りでコーナーでサンドバックと化していく霞。
ダウンこそしないが、コーナーで寄りかかっている様に見えて可哀想にも見える・・・。
殴られる度に血飛沫をあげて苦悶の表情を浮かべる霞。
必死に膝蹴りを出して距離を置きたいが、亜矢も上手く距離を置いては顔面にストレートパンチを打ち込んでいく。
バシッ・・
胸の谷間にも鼻血を垂らしながら必死の霞。
亜矢が容赦なく顔面狙いで殴り続けると、霞のガードが下がってコーナーでロープダウン状態で殴られていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
一方的な展開に亜矢も戸惑いの表情を浮かべるが、首相撲からバストへ強烈な膝蹴りを叩き込んだ。
グニュュュュ・・・
Gカップバストへの強烈な膝蹴りに、霞はコーナーに崩れ落ちた・・・。
『ダウン・・・』
レフリーがダウンを宣言して亜矢を離していくが、なかなかカウントを数えない。
霞は胸を押さえて苦しんでいるが、レフリーは立ち上がるように指示する。
泣きそうな表情を浮かべて立ち上がる霞。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に棒立ちの霞。
亜矢が踏み込んでハイキックを叩き込むと、霞の側頭部に炸裂して倒れそうになると、続けて亜矢はお腹に膝蹴りを叩き込んだ。
ドスッ・・
「ふぐうっ・・」
マウスピースを吐き出してダウンする霞。
俯せでダウンしていると、亜矢は踏み込んでサッカーボールキックを脇腹に叩き込むと、バックマウントから顔面狙いの小刻みのパンチを入れていく。
嫌がるようにの形になっていく霞。
マットには鼻から溢れ出る鼻血がポタポタと落ちていく・・・。
すると、亜矢が立ち上がって亀の様に丸くなる霞のヒップ、頭部などへサッカーボールキックを叩き込んでいく。
更には、後頭部へ踵蹴りなど叩き込む亜矢。
グッタリする霞に、レフリーも危険と判断して亜矢を止めていく・・・。
『ストップ・・・ストップ・・・』
レフリーに止められて離れる亜矢。
一方的な試合展開で痛めつけられた霞は、リングドクターが応急処置に駆けつけると、大量の鼻血と顔は腫れて、脇腹などには蹴られたりした痣が浮かび上がっている。
『ただ今の試合、レフリーストップにより樹口亜矢の勝利となりました!』
試合に勝利した亜矢。グラビアアイドルとして活躍する為とは言え、一方的に殴る蹴るで勝利した事については、血塗れの霞の姿にショックを受けていた。




第13 試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、お笑い芸人でありながら写真集も出して、末広涼子の物真似も好調の岡本まり。今夜が地下プロレスデビュー戦。白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に頭を下げた。初めての地下リングの雰囲気に緊張している様子だが、売れる為とばかりに気合いを入れている。
そのまりの対戦相手としてリングインするのは、前大会で末広涼子に負けた澤尻エリカ。黒い競泳水着に黒いリングシューズ姿でリングインすると、まりを睨み付けてからコーナーに進んだ。
観客席からは大歓声が起きる中、リングアナがコールを始めた。
『青コーナー〜・・・身長156p、上から80、58、84・・・岡本〜まり〜っ!』
コールを受けて一礼していくまり。流石に対戦相手が話題のエリカ様だとばかりに緊張を隠せない。
『赤コーナー〜・・・身長160p、上から83、58、86・・・澤尻エリカ〜っ!』
コールを受けて不機嫌そうにまりを睨み付けるエリカ。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、まずは距離を置いて睨み合うまりとエリカ。
まりがフットサルの経験から、踏み込んで蹴りを狙おうとするが、エリカが上手く距離を置く。
睨み合いが続くリング上。観客達もエリカとまりのどちらが先に手を出すかと期待すると、エリカが距離を詰めた。
まりが踏み込んでミドルキックを放つと、エリカの脇腹を抉る。
バシィィィ・・・
まずはまりが先手を取るが、次の瞬間にはエリカが距離詰めてエルボースマッシュを叩き込む。
ドスッ・・
側頭部にエルボーを受けてフラつくまりに、エリカはロープに振っていく。
勢い良くロープから戻るまりに、エリカはラリアットの体制と見せかけて、チョークスリーパーで締め上げた。
いきなり締め上げられて苦悶の表情を浮かべるまり。
秒殺を狙っているのか、チョークスリーパーで苦しむまりを締め上げるエリカ。
藻掻いてまりがロープに逃れると、レフリーが急いでエリカを止めていく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの言葉に技を解くエリカ。
「コホッ・・コホッ・・ケホッ・・」
しかしまりはチョークスリーパーで喉を潰されて苦しそう。
『ファイト!』
レフリーの掛け声にまたもスリーパーを狙うエリカ。
しかしまりがロープに逃れると、トップロープを掴んでロープのアピールをした。
「レフリーぃぃ・・・ロープ、ロープ!」
まりのアピールにレフリーがエリカを離していくが、試合の流れはエリカに流れている。
『ファイト!』
レフリーの掛け声にまりが流れを変えようとミドルキックを放つ。
脇腹を蹴られて苦悶の表情を浮かべるエリカ。
バシィィィィ・・・
更にローキックが入ると、エリカが少し逃げるような仕草を見せた。
まりがドロップキックを放つと、エリカはフラつきながらロープに逃げた。
ロープに寄りかかるエリカに、まりは助走をつけてドロップキックを叩き込むと、エリカのバストに炸裂した。
バシィィィィ・・・
これには胸を押さえて座り込むエリカ。
まりが髪を掴んで起こそうとすると、いきまりまりが悲鳴をあげた。
「痛いぃぃぃぃぃ・・・・」
そう、エリカがまりの股間を殴りつけたのだった。
股間を両手で押さえて痛がるまりに、エリカが立ち上がるとヘッドロックで締め上げる。
そしてコーナーに連れて行くと、コーナーポストに顔面を叩き付けていく。
バシッ・・バシッ・・
「あうっ・・・ああんっ・・」
まりが悲鳴をあげると、続けてセカンドロープに登ってショルダークローで痛めつけていくエリカ。
グイッ・・
「あああああああああっ・・・」
まりの悲鳴がリング上に響き渡ると、観客席からはブーイングと歓声が送られていく。
観客席に向かってアピールするように見渡しながらショルダークローで攻め込むエリカ。
『ブレーク・・・ブレーク・・』
レフリーが放すように指示すると、エリカはスリーパーで絞首刑のようにまりを吊していく。
しかしこれもレフリーが放させると、エリカは放していくが、まりは喉元を押さえて咳き込みながら苦悶の表情を浮かべている。
そのまりに、拳を握りしめたエリカが顔面へパンチを攻撃を放つと、まりは堪らず逃げまくる。
バキッ・・バシッ・・
「いやっ・・・痛いっ・・・」
逃げながらもタックルを仕掛けて反撃しようとするまり。
しかしエリカがフロントスリーパーで押さえ込む。
観客席を見ながら反応を見ている様なエリカ。
まりが必死に押し込んでコーナーに行くと、エリカはコーナーを背に余裕の表情。
『ブレーク・・・』
レフリーの指示にまりが放すと、エリカと距離を取って睨み合う。
フットサル仕込みの打撃で活路を見出したいまりは、エリカへローキックを放つ。
バシッ・・
ローキックには嫌な顔を浮かべるエリカ。
更にサッカーボールキックとばかりに踏み込んで蹴りこむと、エリカが逃げる様に距離を置く。
まりが呼吸を整えて距離を詰めていくと、エリカは睨み付けながらも距離を置く。
エリカが逃げる形になって試合が進むと、まりが飛び込んでスライディングタックルを掛けると、エリカが待ってましたとばかりに避けてから、踏み込んで喧嘩キックを顔面に叩き込んだ。
バキィィィィ・・・
「あうっ・・・」
これにはまりが両手が顔面を押さえて痛がっていると、エリカが髪を掴んで起こしていく。
そしてチョークスリーパーで締め上げると、まりが必死に藻掻いて逃れようとする。
苦悶の表情でロープに手を伸ばすまり。
エリカは失神はさせずにロープに逃がすが、まりは解放されると喉元を押さえて激しく咳き込んでいる。
苦しむまりにハイキックを叩き込むエリカ。
バシィィィィ・・・
ハイキックをノーガードで受けてフラつくまり。
続けて組み付いてバックドロップでマットに叩き付けるエリカ。
バシィィィィ・・・
バックドロップを受けて大の字でグッタリするまり。
エリカは笑みを浮かべてガッツポーズをするが、観客席からはブーイングの声が送られていく。
『ブゥゥゥゥゥゥゥ・・・・ブゥゥゥゥゥゥ・・・・』
ブーイングを受けて表情を険しくするエリカは、グッタリしているまりの顔面に容赦ないストンピングを叩き込んでいく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「あんっ・・ああ・・・あっ・・・」
堪らず顔面を押さえて転がるようにリング下に逃れるまり。しかしこれはエリカが場外戦に誘い込む為の罠・・・。
リング下でグッタリしているまりに、エリカはリング下に降りると髪を掴んで起こしていく。
「立ちなさいよ!」
エリカに無理矢理に起こされると、今度は鉄柵に振って叩き付けられていく。
ガッシャーン・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・」
鉄柵に叩き付けられて悲鳴をあげるまり。
エリカが笑みを浮かべると、踏み込んで喧嘩キックを顔面に叩き込んでまりの動きを止めた。
そして髪を鷲掴みにすると、近くの鉄柱に連れ出してから、額を鉄柱に叩き付けた。
ゴキィィィィ・・・
「ああああぁぁぁぁぁ・・・」
鉄柱攻撃を受けて悲鳴をあげるまり。
続けてエリカが鉄柱攻撃をしていくと、まりの額が割れて流血戦になっていく。
鉄柱に抱きつくようにグッタリするまりに、エリカは容赦なく鉄柱攻撃を続けると、まりの額が血に染まっていった。
白い競泳水着も血に染まり出すと、初めての地下プロレスでの大流血に動揺を隠せないまり。
大流血のまりをリング上に戻していくエリカは、素早くリング上に戻ると、額を押さえるまりにストンピングを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
仰向けで苦しそうにするまりに、エリカは観客にアピールしてからロープに走って勢いをつけると、飛び上がってフットスタンプをお腹に叩き込んだ。
ドスッ・・
「ううっ・・ホゲェ!」
一瞬置くようにして口から反吐を吐き出したまり。
咳き込みながら涙目で苦しむまりに、エリカは余裕の表情を浮かべて髪を鷲掴みにして起こしていく。
そしてコーナーに寄りかからせると、距離を置いて走り込んでお腹に低空ドロップキックを叩き込むエリカ。
バシィィィィ・・・
「オエェェェェェ・・・」
お腹への鋭いドロップキックに胃液を吐き出すまり。
グッタリする様に倒れ込むと、エリカはキャメルクラッチの体制に持ち込んでいく。
そして技を極めるが、まりの額を噛み付いた。
ガブッ・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・・」
傷つけられた額を噛み付かれて泣き叫ぶまり。
両足をバタバタさせて苦しむが、エリカの暴走ファイトの前に痛めつけられるだけの状態。
噛み付きに対してレフリーも注意するが、レフリーの制止も聞かずに噛み付いて痛めつけていくエリカ。
これにはレフリーがゴングを要請するのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされても構わず噛み付くエリカ。
レフリーが止めていくと、不機嫌そうな表情で立ち上がるエリカ。
まりは俯せでグッタリしていると、リングドクターが傷口の応急処置などを施していくと、リングアナがコールした。
『ただ今の試合、反則により岡本まりの勝利となりました!』
リングアナのコールに観客席からは歓声が送られていくが、エリカは満足そうな表情を浮かべてリングを後にするのであった。




第14試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、因縁の対決とも言える猪上和香と大池栄子。
グラビアではお互い人気があったが、地下プロレスでは栄子の方が勝率は多いカード。今夜はどちらに軍配が上がるのか・・・。
お互い白ビキニでリングインすると、視線を合わせる事もなくコーナーに進む和香と栄子。
足は素足で格闘技戦で行われる今夜の二人のカード。手にはオープンフィンガーグローブが着けられると、リングアナのコールが早くも始まっていく。
『青コーナー〜・・・身長166p、上から88、60、90・・・猪上和香〜っ!』
コールを受けて一礼していく和香。ワカパイが作り出す谷間に観客達からは歓声があがった。
『赤コーナー〜・・・身長166p、上から91、59、88・・・大池栄子〜っ!』
コールを受けて片手を挙げて応える栄子。プロレスラーとの結婚で地下プロレスでのスキルアップも伺える自信に、今夜の試合展開を期待する観客達。また大きなバストにも注目が集まっている。
コールが終わると、マウスピースを口に入れてゴングを待つ栄子と和香。
レフリーがルールの確認をすると、両者をコーナーに別けていく。ここで両者の視線が激突すると、ゴングが打ち鳴らされた・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す栄子と和香。
栄子が軽くジャブを放つと、和香はガードを固めて距離を置いた。
リング中央で円を描く様に回り出す栄子と和香。
和香がガードを固めてタックルを仕掛けようとするが、栄子が右のパンチで牽制した。
更にタックルを狙う和香に、栄子が右ローキックを牽制する。
バシッ・・
軽くローキックが当たると、和香が突進してタックルを仕掛けた。
上手くタックルが決まるが、栄子の腰も重くテイクダウンが奪えないと、和香はコーナーに押し込んでいく。
栄子は冷静に首に腕を巻いてフロントスリーパーで極めていくと、和香は脇腹に小刻みのパンチを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
脇腹を殴られていく栄子。
しかし栄子は膝蹴りをボディに狙うと、和香が膝蹴りを警戒した放して距離を置いた。
『ファイト!』
レフリーが掛け声をあげると、栄子が前に出てローキックから牽制していく。
栄子のローキックに足を浮かせて威力を殺す和香。
バシッ・・
ローキックを受けるもタックルを仕掛ける和香に、栄子は待ってましたと左のジャブを顔面に叩き込む。
バシッ・・
顔面にパンチを受けて動きが鈍る和香。
更に左右のフックを叩き込む栄子に、ガードを固める和香。
嫌がるように前蹴りを出していく和香に、栄子はガードの上から左右のフックを叩き付けた。
バシッ・・バシッ・・・
格闘技番組の司会経験からも和香はガードを固めてタックルを仕掛けると、上手く栄子に組み付く。
しかし腰の重い栄子が倒れないと、逆に膝蹴りを狙われていく和香。
一端離れて距離を置こうとすると、栄子もローキックで蹴りつける。
バシィィィィ・・・
蹴られてバランスを崩しそうになる和香。しかしガードを固めて距離を置いた。
栄子もガードを固めて距離を置くと、大きな胸を揺らしながらタイミングを計る。
お互いがジャブで牽制するが、栄子の圧力が勝るが和香も果敢にタックルを仕掛ける。
バシッ・・
上手くタックルを決めてテイクダウンに成功する和香。
栄子が藻掻いて抵抗するが、和香がサイドポジションを奪っていく。
仰向けの栄子が和香の動きを見ると、和香は膝をボディに入れたいところ。
しかし栄子もガードなど上手くしていくと、和香は腕を狙いにいく。
栄子が腕をガードしながら時間が経過すると、両者とも胸の谷間などに汗を流し始めた・・・。
和香が腰を浮かせて膝を狙うと、栄子が体制を入れ替えようとするが、和香の膝蹴りが脇腹に炸裂。
ドスッ・・
「くっ・・・」
苦悶の表情を浮かべる栄子。
更に和香が膝を狙うと、栄子の脇腹に膝が炸裂。
ドスッ・・
「うっ・・・」
グラウンドでの膝に苦しい栄子。
力が痛さで少し抜けると、和香がマウントポジションを狙って体制を変えようと動く。
抵抗する栄子だが、和香にマウントポジションを奪われると、和香の手を掴もうと焦りの表情を浮かべる。
逆に上から狙う様に顔面へパンチを落としていく和香。
バシッ・・バシッ・・
バランス良く乗っている和香を跳ね返せず、顔面へのパンチ攻撃に苦しむ栄子。
和香もチャンスとばかりに狙って顔面を拳を叩き付けると、栄子の鼻から血が溢れ出る。
鼻血で呼吸が苦しく、また和香の体重に圧せられてスタミナ面で心配の栄子。
堪らずガードを固めようとするが、和香の体制が有利で、上から拳が叩き付けられていく。
バシッ・・バキッ・・
殴られる度に身体がビクンと反応する栄子。
抱きつくようにガードしようとする栄子。その栄子を押し返そうとする和香だが、組み付く腕などに打撃を加えていく。
鼻血で呼吸が苦しく、更に和香の重圧に押されて焦りの色が見え始める栄子・・・。
そこへ和香が両手で構わず顔面を殴りつけると、後頭部はマットに叩き付けられて、顔は殴られる栄子が苦しい展開に。
必死に下から組み付いて逃れようとするが、和香も容赦なく殴りつけていく。
バキッ・・バシッ・・バシッ・・
抵抗する栄子だが、次第に顔面を血に染めていく展開に、レフリーやリングドクターも注目する。
更に和香がハンマーパンチで顔面を押し潰していくと、栄子の抵抗が少なくなりだすと、危険と判断したレフリーが試合を止めた・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、和香は立ち上がってビキニを直していく。
一方、栄子は納得していないのかフラつきながらも立ち上がると、レフリーに続行を訴えた。
観客席からは栄子に対してブーイングが起こるが、和香が続行に同意した。
和香が勝利で終わったはずの試合が、また再開される事になると、栄子の止血が行われて、和香との試合が始まる事となった・・・。
『カァーン!』
またもゴングが打ち鳴らされると、今度は距離を置いて睨み合う栄子と和香。
ダメージのある栄子に対して、和香は軽くジャブを放ちながら距離を詰めると、タックルの構えにいく。
栄子はタックルを警戒していくが、ローキックを放つ。
バシィィィ・・・
栄子のローキックに対して、和香が左右のパンチを放って前に出ると、栄子の鼻から血が噴き出す。
鼻血が噴き出して栄子が怯むところを、和香がミドルキックで前に出た。
バッシーン・・・
ミドルキックを受けて苦悶の表情を浮かべる栄子。
しかし必死に殴り返すと、和香の顔面にクリーンヒットした。
バキィィィ・・・
栄子のパンチにフラつく和香。ガードを固めると栄子が前に出る。
バシッ・・
パンチを出してくる栄子に、和香も打撃で返そうと殴り返すと、両者ともビキニに包まれたバストを揺らしながらの激しい殴り合いに。
バシッ・・バシッ・・
和香も唇を切って出血するが、栄子は激しい鼻血に胸の谷間にも血を流しながらの殴り合い。
呼吸が苦しい栄子の動きが鈍ってくると、和香は飛び込むように膝蹴りを放つと、続けて両手で髪を鷲掴みにして引き込むと、顔面に強烈な膝蹴りを叩き込んだ。
ゴキィィィィ・・・
鈍い衝撃音がリング上に響くと、栄子の動きが止まる。
更に和香が顔面に膝蹴りを叩き込むと、栄子がマットに崩れ落ちた。
グッタリとして俯せ状態で倒れ込む栄子。和香が踵でストンピングを加えようとしたところで、レフリーが危険と判断して試合を止めた。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、ここで和香の勝利が確定した。
『勝者、猪上和香っ!』
リングアナのコールにレフリーに手を挙げられる和香。
一方、栄子はリングドクターの応急処置を受けてから、担架に乗せられてリングを後にするのであった。
今回は女優業が忙しくリング上で結果が出せなかった栄子と、リベンジとも言える試合内容で勝利した和香。
この二人がまたリング上で激突するのは、何時になるのであろうか・・・。




第15試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、アキバ48から独立してソロとなって活動している大嶋麻衣。
アキバ48からソロにならない方が良かったと思いだしている麻衣に、地下プロレスはまたも厳しい試合カードを求めた。
そう、今夜はサクリファイスマッチに出される事となった。
74回大会では左藤江梨子を相手にお仕置きマッチで痛めつけられて、今夜はサトエリよりも強烈な対戦相手が選ばれた。
そう、アフリカンコング・・・。
黒ビキニに黒いリングシューズ姿の麻衣は、コングの登場に動揺を隠せない・・・。リングサイドからリング上に上がるコングの姿に怯えた表情を浮かべるが、今夜はもう逃げられない・・・そして生け贄としてリングに存在する麻衣。
『サクリファイスマッチ・・・第5弾・・・青コーナー〜・・・身長159p、上から89、58、84・・・大嶋〜麻衣〜っ!』
早くもリングアナのコールが始まるリング上。麻衣はコールされると、緊張した表情で片手を挙げて観客にアピールする。
『赤コーナー〜・・・身長175p、体重100s・・・アフリカンコング〜っ!』
そしてコングはコールされると、観客席に向かってガッツポーズでアピールすると、歓声を集めている。
麻衣の緊張が最高潮になろうとする瞬間、リングにゴングの音が鳴り響いた・・・。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、コングはニヤニヤと不気味な笑みを浮かべて麻衣に迫っていくが、麻衣はコーナーから動けずにコングとの距離を詰めていく・・・。
「いやっ・・」
コングが近づくと悲鳴をあげて逃げだす麻衣。
しかしコングの動きも素早く、麻衣の手首を捕まえた。
「いやああぁぁぁ・・・放してぇぇぇぇ・・・」
麻衣の悲痛な叫びに、コングは笑みを浮かべて放すと、観客席から大歓声が送られていく。
『いいぞぉぉぉぉ・・・簡単には終わらせるなよぉぉぉぉ・・・コングぅぅぅ・・・』
『大嶋を痛めつけてやれ!』
観客席からの残酷な言葉に、麻衣は動揺するが距離を計りつつ睨み付けた。
コングが手招きをするが、麻衣は距離を置いて逃れるのが精一杯だが、コングも観客を盛り上げようと手招きして技を仕掛けてこいと挑発する。
コングの挑発に、麻衣が飛び込んでいった。
バッシーン・・・
「このぉぉぉぉ・・」
まずは勢いのあるドロップキックを叩き込むと、フラつくコングに立ち上がりにエルボースマッシュを連打していく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
エルボースマッシュの連打にフラつく仕草を見せるコング。
更にロープに走ってから勢いあるジャンピングニーアタックを仕掛けると、コングはダウンしていく。
倒れ込んだコングに、調子に乗ってストンピングを叩き込む麻衣。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
ストンピングを受けて転がるようにロープに逃れるコング。
レフリーがロープだからと麻衣を止めるが、麻衣は構わず蹴りこんでいく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
蹴られながらも、コングがロープを掴みながら立ち上がると、やはり体格差に麻衣が驚くと、コングの反撃が始まった・・・。
「ウガァァァァァ・・・」
麻衣を威嚇する様な声を発してから、ヘッドロックで締め上げていくコング。
グイッ・・・
「いやああぁぁぁぁぁぁ・・・」
ヘッドロックで締め上げられて悲鳴をあげる麻衣。
ヘッドロックを放すと、今度は麻衣の喉元へラリアットを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「ぐふぅぅぅぅ・・・」
ラリアットを受けて大の字にダウンする麻衣。
天井を見上げて呆然とした表情の麻衣は、あまりの力の差に唖然としているのか・・・。
しかし麻衣は休む事も許されずに起こされると、今度はコーナーに押し込まれていった。
両腕をトップロープに乗せられると、ノーガードの喉元に水平チョップを叩き込まれていく麻衣。
バッシーン・・・バッシーン・・・
2発のチョップ攻撃に、喉元が変色していく程の衝撃。
グッタリとコーナーに寄りかかる麻衣に、コングは片手を挙げてアピールしてから、軽く顔面へパンチを入れていく。
バシッ・・バシッ・・
「あうっ・・ああ・・・」
顔面パンチを受けて嫌がる様に顔面を押さえる麻衣。
続けてコングはガラ空きのお腹にボディブローを叩き込むと、麻衣の動きが止まった・・・。
ドスッ・・
「うぐっ・・・うっ・・う・・」
涎を垂らしながら口をパクパクする麻衣。お腹への衝撃が苦しそう。
前のめりにダウンしそうになると、コングがボディリフトで持ち上げていく。
高々と持ち上げられている麻衣。
コングはゆっくりとリング内を練り歩くと、コーナーポストにお腹が当たる様に投げ落とした。
ドスッ・・
「ぐふっ・・・」
コーナーにお腹を叩き付けられて、力なくリング上に落ちていく麻衣。
両手でお腹を押さえて苦しむシーンは、残酷感があり観客からは歓声が上がっている。
マット上で苦しむ麻衣に容赦なくコングのストンピングが襲いかかる。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「んああぁぁ・・・いやああぁぁ・・・」
麻衣の悲鳴がリング上に響き渡ると、観客達は歓声をあげていく。
グイッ・・
「あっ・・あああ・・・」
髪を鷲掴みにされて起こされていく麻衣。必死にコングの手を掴むが、コングとの力の差は明らかで関係ない・・・。
コングはロープ際に麻衣を連れて行くと、トップロープに顔面を押しつけて擦りつけていく。
ギュ・・ギュギュ・・・
「いやああぁぁぁぁぁ・・・か、顔がぁぁぁぁ・・・」
ロープに擦りつけられて、摩擦での激痛に絶叫する麻衣。
コーナーに連れて行くと、コングはコーナーポストに顔面を数回叩き付けると、そのままコーナーに押し込んだ。
寄りかからせてから、反対コーナーに進むコング。
「ウガァァァァァァ・・・」
観客にアピールすると、コングはコーナーの麻衣目掛けて突進した。
コーナーとの間にサンドウィッチプレスで押し潰そうとするコングに、麻衣は慌ててコーナーから逃れた。
バッシーン・・・
麻衣が避けて自爆してコーナーに激突するコング。
リングが揺れる様な衝撃に、観客達も驚きを隠せない。麻衣も潰されたら身体が壊されると怯えるが、フラついたコングの足にタックルして倒していく。
「レフリー、フォール!」
何と隙を突いてフォールする麻衣。
『ワン・・・ツー・・・』
しかしコングが余裕を持って麻衣を返すと、表情が怒っている・・・。
「ガッデーム・・・・・・ユルサナイ・・・」
コングが呟きながら立ち上がると、麻衣は怯えた表情で距離を置いた。
距離はあるが、コングが突進すると麻衣にボディアタックで吹き飛ばす。
バシィィィィィ・・・
「きゃあああぁぁぁ・・・」
吹き飛ばされて絶叫する麻衣。
素早く髪を鷲掴みにして起こすと、コングが麻衣をコーナーに押し込んでいく。
逃れようとする麻衣の喉元に、コングが強烈な水平チョップを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「んあぁぁぁぁ・・・」
あまりの衝撃に悲鳴をあげる麻衣。コーナーから逃れられないと、コングは続けて水平チョップを叩き込む。
バッシーン・・・
「ああああっ・・・」
激しい衝撃に絶叫する麻衣。
更にブレンバスターの体制に持ち込むコング。ゆっくりと持ち上げていくと、マットに麻衣を叩き付けた。
バシィィィィィィ・・・
「んあああああぁぁぁぁぁ・・・」
マットに叩き付けられて絶叫する麻衣。
コングは立ち上がると、観客席に向かって不気味な笑みを浮かべると、飛び上がるようにギロチンドロップを叩き込んだ。
バッシーン・・・
身体がバウンドするような衝撃にヒクヒクする麻衣。強烈なコングのギロチンドロップに、失神寸前と言う感じに追い込まれている・・・。
グイッ・・
容赦ないコングは髪を鷲掴みにして麻衣を起こしていくと、抱え上げていく・・・。
まるで子供にオシッコでもさせるかの様なポーズ・・・そう、遂にプッシークラッシャーを狙ってきたのだ・・・。
コングは観客にアピールする様に四方へ麻衣の表情を見せつけてから、一気に突きだした膝に股間を叩き付ける。
ゴキィィィィ・・・
「ひぎいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・・」
突然の股間の大事な部分への衝撃。麻衣は一瞬何が起きたか理解出来ず、ただ脳天へ突き抜けるような衝撃に悲鳴をあげるだけだった。また同時に、ビキニショーツに包まれた股間から異臭を放つ液体が激しく溢れ出す。
両手で股間を押さえて、観客の前での失禁に恥ずかしさから顔を赤め、またプッシークラッシャーのダメージで動くことが出来ない麻衣。
しかしコングは片手を挙げてアピールすると、麻衣の髪を鷲掴みにしていくと、もう一発とばかりに抱え込む。
「い・・い・・や・・・や・・やめ・・・て・・・」
プッシークラッシャーの恐怖に哀願する麻衣。
しかしコングが高々と抱え上げると、麻衣の股間を豪快に膝に叩き付けるプッシークラッシャーを炸裂させた。
グシュ・・
「ひぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・」
麻衣の悲痛な叫び声が響き渡るリング上。観客席からは大歓声が沸き上がっていく。
意識を失いかける麻衣。秘裂はコングの膝の衝撃で破壊されたのではと思われる程だが、麻衣に対する仕打ちは終わらない・・・。
股間を押さえてリング上でグッタリする麻衣に、コングはガッツポーズで観客にアピールする。
そして髪を鷲掴みにして起こしていくと、トップロープとセカンドロープを使って麻衣を観客席側に向けて磔状態にしていくコング。
プッシークラッシャーのダメージでグッタリしている麻衣のビキニを、コングは容赦なく鷲掴みにした。
観客席が盛り上がると、コングも笑顔を浮かべてアピールすると、一気に剥ぎ取る。
「きゃああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
ビキニを剥ぎ取られてトップレスにされて、89pの見事なバストを露わにされたからと恥ずかしさから泣きそうになる麻衣。
ロープに固定して揺らすと、麻衣の露わになったバストが揺れ出した。
観客席からは歓声が送られていくと、コングは喜ぶように揺らしていく。
そしてロープから放すと、コングはゆっくりとブレンバスターの体制に持ち込むと、滞空時間の長いブレンバスターでマットに麻衣を叩き付けた。
バッシーン・・・
「んああぁぁぁぁぁぁ・・・」
マットに豪快に叩き付けられて悲痛の叫び声をあげる麻衣。
苦悶の表情を浮かべて立ち上がれない麻衣に、コングはロープに走って勢いをつけると、ギロチンドロップを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「ぐふぅぅぅぅ・・・」
ギロチンドロップを受けて藻掻き苦しむ麻衣。
コングは更に圧殺しようと、近くのコーナーに登り始めると、観客席に向かって片手を挙げてアピールする。
そして豪快に飛び上がるとフライングボディプレスで麻衣の身体を押し潰した。
バシィィィィィィ・・・
トップロープからの豪快なボディプレスに意識を失う麻衣。
コングが立ち上がると、麻衣は身体をピクピクと痙攣させて失神KO状態に追い込まれてしまった・・・。
失神している麻衣の顔面を踏みつけてガッツポーズをとるコング。
ここでレフリーがゴングを要請するのであった。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、コングは麻衣をロープに磔状態にしてからリングを後にするのであった。
リングドクターの応急処置で意識を戻すが、失神・失禁・トップレスと言う事に、麻衣は涙を流しながらリングを後にするのであった・・・。



第16試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、局山英里と村神恵梨。
白いビキニに白いリングシューズ姿の両者は、地下プロレスの名カードとも言われるエリ対決と言うカードに観客席が盛り上がっていく。
コーナーでビキニを気にしながら身体を動かしている英里と恵梨。そしてリングアナがコールを始めた。
『格闘技戦・・・青コーナー〜・・・身長169p、上から85、59、85・・・局山英里〜っ!』
コールを受けて一礼していく英里。
『赤コーナー〜・・・身長169p、上から87、59、85・・・村神恵梨〜っ!』
コールを受けて一礼する恵梨。コールが終わったからと、レフリーより両手にオープンフィンガーグローブを着けてもらう英里と恵梨。
装着を終えると、口にマウスピースを入れて試合開始のゴングを待つ二人。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、まずは距離を置いて睨み合う英里と恵梨。
軽く英里がローキックを放つと、恵梨は距離を置いて構えていく。
逆にジャブを放ちながらタックルを仕掛けようとする恵梨に、英里が腰を落としてタックルに備えた。
しかし恵梨がタックルを仕掛けずにローキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
ローキックを受けてパンチを放つ英里。
パンチを受けてタックルを仕掛ける恵梨に、英里は押さえるようにしてフロントスリーパーを極めていく。
首を極められて押し込む様にロープ際に英里を押し込む恵梨。
英里の腕が外れないからと、お腹にパンチを小刻みに叩き込む恵梨。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
これには嫌がる英里が放そうとすると、恵梨が首を抜いていくと、離れ際に顔面へフックを放つ。
バシィィィィ・・・
突然の顔面パンチに受けてしまいフラつく英里。
そこへ恵梨が左右のパンチでラッシュをかけると、英里は膝蹴りで距離を置こうとするが、恵梨のパンチが激しく降り注ぐ。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
ガードを固める英里に、恵梨は狙いをつけてハイキックを放つが、ガードの上に決まった。
英里は堪らず組み付くと、恵梨を倒してグラウンド状態へ持ち込んだ。
グラウンド状態になると、英里が上から横四方固めの様にサイドポジションを取ると、恵梨は相手の出方を見ている。
自らのバストを恵梨のバストに押しつけながらも、腕を狙おうとする英里。
これには恵梨がポジションを変えようと動くと、ビキニからバストが押し出されそうになりながらもガードする。
膝蹴りを狙う英里に、恵梨がブリッジ気味に身体を動かすなどして体制を入れ替える事に成功。
お互い立ち上がると、恵梨がハイキックを放つ。
しかし英里が避けて左右のジャブを放つも決まらず、恵梨のローキックが炸裂した。
バシィィィィ・・・
緊張感あるリング上。
ローキックを受けた英里が左右のジャブから距離を詰める。
ガードを固める恵梨に、英里のボディへのパンチが叩き込まれていく。
バスッ・・
「くっ・・」
マウスピースが口から顔を覗かせる恵梨。
一瞬動きが止まると、英里が首相撲の体制に持ち込んでボディへ強烈な膝蹴りを叩き込んでいく。
ドスッ・・ドスッ・・
膝蹴りを受けて堪らずマウスピースを吐き出してしまう恵梨。
抱きつくように英里に組み付くが、膝蹴りのダメージが大きい様子。
苦しそうな表情を浮かべて必死に組み付く恵梨。
英里も手応えを感じたのか、更に膝蹴りを狙うが縺れてコーナーで組み合う展開。
『ブレーク・・・』
動きが止まったとしてレフリーが割ってはいると、二人を離して試合を再開させていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく英里と恵梨。
英里が踏み込んで顔面狙いのパンチを左右に分けて放つと、恵梨も殴り返す。
バシッ・・バシッ・・
お互いの顔に拳が叩き込まれるが、構わず殴り合う恵梨と英里。
英里がアッパーを放つと、恵梨の顎を貫いた・・・。
バシィィィィ・・・
突然のアッパーにガクンとするようにダウンする恵梨。マットに崩れ落ちると、英里が追い込む様に顔面にパンチを連打していく。
堪らず英里に抱きつく様にガードしようとする恵梨。
しかし英里が突き放すと仰向けに倒れ込む恵梨。
一気に英里がマウントポジションを奪って顔面にパンチを連打すると、恵梨も抵抗するが鼻血を噴き出した。
下から殴り返そうとする恵梨に、容赦ない顔面へのパンチを連打する英里。
抵抗が少なくなると、英里がハンマーパンチで鉄槌攻撃に移行して、恵梨の顔面を叩き潰していく・・・。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・
音を立てて炸裂する英里のハンマーパンチ。
藻掻いて必死に逃れようとする恵梨だが、顔面を血に染めていく。
恵梨が抵抗するからと、英里は容赦なく顔面を殴りつけていくと、恵梨の反応が少なくなっていった・・・。
馬乗り状態から一方的に殴りつけていく英里に、レフリーが危険と判断して試合を止めた・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、レフリーが英里の手を掴んで立たせていく。
『勝者、局山英里っ!』
リングアナのコールに落ち着かない英里。
負けた恵梨は顔面を血に染めてリングドクターの処置を受けているが、試合とは言え顔を殴りつけての勝利に英里も複雑な思いの様だ。
担架が運び込まれると、恵梨は引き続き医務室での応急処置の為に運ばれてリングをあとにした。



第17試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、最近地下プロレスのリングでは負けが続いている長沢まさみ。
白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、緊張した表情で観客席に頭を下げた。
そのまさみの対戦相手としてリングインするのは、CMなどで売れている上都彩。黄色いスポーツビキニに黄色いリングシューズ姿でリングインすると、まさみと観客席に頭をさげてコーナーに進んだ。
彩も地下リングでは良い成績を上げていないが、やはり芸能界で売れる為の裏の営業活動、少々痛いが仕方ない事だった・・・。
『青コーナー〜・・・身長168p、上から84、57、83・・・長沢まさみ〜っ!』
コールを受けて一礼していくまさみ。今回の試合はインパクトある試合にして、返り咲きを狙いたいところ。
『赤コーナー〜・・・身長162p、上から82、58、84・・・上都彩〜っ!』
コールを受けて片手を突き上げる彩。ここはまさみ相手に良い試合をして、リング上でも存在感をアピールしたいところ。
レフリーがコーナーに別れさせると、ここでゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にまさみが前に出て行くと、彩も距離を置いていく。
リング中央で睨み合う両者。そしてロックアップの状態になると、まずはまさみが上回って彩をロープ際に押し出していく。
背中にロープが押しつけられる状態で、必死に返そうとする彩。
しかしまさみが水平チョップを喉元に叩き込んで離れた・・・。
バッシーン・・・
「ぶふっ・・・」
堪らず喉元を押さえて痛がる彩。
『ファイト!』
レフリーが叫ぶと、今度はまさみが距離を詰めてから、近くのロープに彩を振っていく。
ロープに振られて跳ね返される様に戻ってくる彩に、まさみが打点の高いドロップキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「いやあっ!」
堪らず悲鳴をあげてダウンする彩。
まさみの綺麗な形のドロップキックに観客席が盛り上がる中、まさみは彩の髪を鷲掴みにして起こしていく。
堪らず彩がボディにパンチを叩き込むが、まさみが無理矢理にヘッドロックので締め上げる。
必死に彩がまさみをロープに振って返すと、逆にまさみがショルダータックルで彩をダウンさせた。
倒れ込む彩に、まさみがストンピングで蹴りこんで痛めつけていくと、彩は苦悶の表情で転がるようにリング下に逃れていく。
早くも激しい試合になっていくまさみと彩の試合。
リング下では彩がスポーツビキニを直しながらも、リング上のまさみの動きを見ている。
まさみとの距離を計りつつ、彩が転がるようにリング上に戻ると、まさみは距離を置いて睨み付けた。
彩が立ち上がると、まさみが踏み込んでローキックを放った。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・」
まさみの打撃に悲鳴をあげる彩。
更にローキックを叩き込んでから、体勢を崩させてからタックルで組み付くまさみ。
組み付かれて踏ん張ろうとする彩に、まさみは強引にスープレックス気味に投げていく。
バッシーン・・・
マットに叩き付けられて苦しい彩。まさみが素早くサイドポジションを奪っていくと、フォールの体勢に持ち込むが彩もブリッジで耐えていく。
腕を狙おうとするまさみだが、彩も抵抗するからと離れて立ち上がる。
彩がグラウンド状態だからと、レフリーが立ち上がるように指示すると、彩が水着を気にしながら立ち上がった。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めるまさみと彩。
しかし彩はスープレックスでのダメージを気にしていると、まさみが走り込んでドロップキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
ドロップキックを受けて倒れ込む彩。素早く立ち上がろうとすると、顔面へドロップキックを叩き込まれた。
バッシーン・・・
「イッターイ・・・」
悲鳴をあげる彩。両手で顔面を押さえていると、まさみがストンピングで蹴りこんでいく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
完全に試合のペースはまさみが握ると、ゆっくりと髪を掴んで起こしていく。
そして首筋にエルボーを叩き込んでから、ヘッドロックで固めていく。
堪らず彩がロープに振っていくと、逆に喧嘩キックで彩をダウンさせるまさみ。
フラつきながら立ち上がる彩に、まさみがボディスラムでマットに叩き付けると、ゆっくりと膝をバストに押しつける様にフォールの体勢に持ち込んだ。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし彩が返すと、まさみは立ち上がっていく。
そして見下すように彩を睨み付けると、彩がフラつきながら立ち上がる。
立ち上がるところを、狙って顔面へドロップキックを叩き込むまさみ。
バッシーン・・・
「いやあぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる彩。
またも転がるようにリング下に逃れる彩に、まさみもリング下に降りていく。
リング下に降りてきたまさみに、彩がタックルわ仕掛けると、組み付いたままエプロンサイドに押しつけた。
まさみが様子を見ていると、彩は脇腹にパンチを入れるなど抵抗してから、抱え上げたいが体格からもまさみを持ち上げられない。
逆にフロントスリーパーでキャッチするまさみ。
これには苦しい彩がジタバタと藻掻くと、観客席からは一方的な試合展開に対して、まさみに対して仕留めろと声が飛んでいる。
『長沢〜、そろそろ上都を仕留めろよ!』
観客席からの声に、まさみはそのままニーリフトで彩を痛めつけると、膝蹴りを受けて崩れ落ちていく彩。
その彩をリング上に戻していくまさみ。
リング上に戻されて苦しそうな表情を浮かべる彩。
その彩を起こしてから、まさみは狙いを定めてローキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
ローキックを受けてフラつく彩。
更に左右の張り手を叩き込むと、彩も意地になって張り手を返す。
バッシーン・・・バッシーン・・・
しかしまさみが左右の掌打を叩き込むと、彩は身体をくの字にしてダウン寸前に・・・。
更にミドルキックを叩き込むまさみ。打撃の練習とばかりに蹴りを入れると、彩はガードを固める様にコーナーに追い込まれていく。
ハイキックを警戒する彩だが、まさみはガラあきのボディへ強烈なミドルキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
スポーツビキニだから生肌に叩き込まれる蹴り。
蹴られた部分が痛々しく変色して、追い込まれていく彩。
張り手を返すが当たらず、逆に数発の張り手を叩き込まれては痛がる彩。
一方的な展開にレフリーが試合を止めると、まさみを離していく。
『上都、続けられるか?』
レフリーの問いかけに涙目になっている彩が応える。
「無理ぃぃぃぃ・・・・」
しかしレフリーはギブアップとも取れる彩の言葉を聞き入れず、試合を続けさせた。
『ファイト!』
レフリーの声にまさみが構えていくと、コーナーの彩に串刺しのドロップキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげて崩れ落ちる彩。コーナーでグッタリとダウンしている彩を起こしていくまさみ。
そして素早くバックを取るとバックドロップで叩き付けていく。
バッシーン・・・
バックドロップで叩き付けられてグッタリしている彩。
まさみが続けて飛び上がってギロチンドロップを落とすと、両足をバタバタさせて苦しむ彩。
余裕を感じさせながらまさみが起こしていくと、彩は虚ろな表情を浮かべる。
まさみが片手を挙げて観客席にアピールすると、ここで彩が張り手を放った。
バッシーン・・・
張り手に続いて素早く逆さ押さえ込みを仕掛けた彩。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・・』
突然の反撃にカウントギリギリで返したまさみ。
返されたからと悔しそうな彩。
これにはまさみが彩には力が残されているのかとばかりに、完全にKO狙いに切り替える・・・。
立ち上がる彩に、まさみはエルボースマッシュからボディスラムと技を仕掛けると、お腹を狙ってストンピングを叩き込む。
ドスッ・・ドスッ・・ドスッ・・
「うぐっ・・ううっ・・・ああああっ・・・」
お腹を蹴りこまれて痛がる彩。
お腹を押さえてフラフラしながら立ち上がろうとする彩に、まさみはロープに走って勢いをつけると、髪を鷲掴みにして顔面をマットに豪快に叩き付けるフェイスクラッシャーを仕掛けた。
バッシーン・・・
「んああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
顔面をマットに叩き付けられて絶叫する彩。
俯せ状態で痛がる彩に、まさみは腰にヒップドロップを落としてから、強引にキャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・
上半身を反らされて苦しい彩。まさみが揺さぶり掛けると、彩は激痛に泣き出してしまう・・・。
顎を押さえられているから悲鳴もあげられない彩は、揺さぶられる度に涙を流している・・・。
観客席からも歓声が送られる中、まさみが技を解いて立ち上がらせた。
そして彩をコーナーに連れ出すと、コーナーポストに顔面を叩き付けてから、寄りかからせていく。
バッシーン・・・バッシーン・・・
そして強烈な張り手を叩き込むと、彩は顔を押さえて痛がるだけになってしまった・・・。
バッシーン・・・バッシーン・・・
泣きながら嫌がる彩。口の中を切って血飛沫を飛ばし出している・・・。黄色いスポーツビキニにも赤い血が染まりだした・・・。
バッシーン・・・バッシーン・・・
一方的な展開にレフリーが試合を止めようか迷っていると、まさみが狙いを定めてハイキックを顔面に叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・・
顔面にハイキックを受けてコーナーに崩れ落ちた彩。この瞬間にレフリーがゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが乱打されると、レフリーはまさみを彩から離していく。
『ただ今の試合、長沢まさみのレフリーストップ勝ちとします!』
リングアナのアナウンスが流れると、まさみは呼吸を整えながらマイクを要求した。
「最近勝ち星が無かったので、今夜は嬉しい勝利になりました・・・。これからは地下プロレスのリングで結果を残せる様に頑張りたいと思います・・・応援よろしくお願いします。」
まさみのアピールに観客席が盛り上がると、まさみは彩を気遣いつつもリングを後にした。



第18試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、CMの女王とも評される藍武紗季。
白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって頭を下げた。
その紗季の対戦相手としてリングインするのは、女優として売れている米蔵涼子。地下プロレスでは実力者ともして知られているだけに、今夜の若手相手の対戦は観客達も注目している。
胸元の開いた白いワンピース水着に、白いリングシューズ姿でリングインすると、軽く観客席に頭を下げると、コーナーに寄りかかってコールを待つ。
涼子の登場に反対コーナーの紗季に緊張が走るが、今夜はある意味でチャレンジマッチとも言えるマッチメーク。地下リングで好成績の紗季だが、今夜は苦しい試合が予想される・・・。
『青コーナー〜・・・身長165p、上から84、57、87・・・藍武紗季〜っ!』
リングアナのコールに笑顔を浮かべて観客席に頭をさげる紗季。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から84、58、85・・・米蔵涼子〜っ!』
そしてコールを受けて片手を突き上げてアピールする涼子。34歳の涼子と25歳の紗季。若手とベテランの試合はどういう展開になるのか。
『カァーン!』
ゴングと同時に紗季と涼子がコーナーから飛び出すと、リング中央で睨み合う展開。
体格では紗季も負けてはいない。学生時代から競泳水泳・シンクロと鍛えていた身体だけに、涼子に対して力では負けないか・・・。
涼子も紗季の身体的能力を警戒しているのか、なかなか手を出さない。
紗季が誘い込む様に手を伸ばして力比べを誘うと、涼子も手を伸ばした。
組み付く瞬間、涼子が喧嘩キックを叩き込む。
バシッ・・
「うっ・・・」
蹴られて痛がる紗季に、涼子は手首を固めていく。
苦悶の表情を浮かべる紗季に、涼子はゆっくりと手を放すと、張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・・
張り手を叩き込んで距離を置く涼子。
紗季は頬を押さえて涼子を睨み付けると、距離を詰めていく。
ベテランの涼子を目の前にして、少し動きが堅い様子の紗季。
涼子は距離を詰めると、軽くローキックで牽制していく。
バッシーン・・・
ローキックを受けると、紗季も負けずにローキックを蹴り返していく。
バッシーン・・・
続けてドロップキックを叩き込む紗季。
バシィィィィ・・・
紗季のドロップキックにフラつく涼子。
逆に起き上がる紗季に強烈なラリアットを叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・・
喉元に腕を叩き付けられて倒れ込む紗季。
続けて全体重を乗せるストンピングで紗季を蹴りこむ涼子。
バシッ・・バシィィィ・・・
涼子の圧力に堪らず転がるようにロープに逃げる紗季。
『ロープ・・・ロープ・・・』
ロープに逃げた紗季を蹴りこむ涼子だが、レフリーが止めていく。
レフリーに止められて離れる涼子。紗季は警戒しながら立ち上がると、レフリーが掛け声をかける。
『ファイト!』
レフリーの言葉に距離を置く涼子と紗季。
紗季も踏み込んでミドルキックを放つと、涼子は避けていく。
空振りした紗季に、涼子のローキックが軸足を捉える。
バシィィィィ・・・
「くっ・・・」
蹴りこまれて痛がる紗季。
堪らずタックルを仕掛ける紗季だが、涼子がフロントスリーパーでキャッチしていく。
しかし紗季も身体能力は素晴らしいものを持っているだけに、首を極められてもロープ際まで涼子を押し出した。
『ロープ・・・ロープ・・・』
ここでレフリーがロープだからと涼子に放させると、紗季は首を気にしながら距離を置いていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に紗季がタックルを仕掛けると、涼子はタックルを切ろうとする。
紗季がフェイントから組み付いていくと、またもロープ際に押し込んでいく展開へ。
ロープに涼子を押し込むと、膝蹴りを仕掛けるも涼子に体制を入れ替えられてしまう紗季。
逆に涼子が膝蹴りを叩き込むと、紗季の表情が苦痛に歪む。
ドスッ・・ドスッ・・
「うっ・・うううっ・・・」
堪らず密着する様に組み付いて、グラウンドに持ち込もうとする紗季。
涼子もバランスを崩してグラウンド状態になると、縺れるようにリング下に転落する紗季と涼子。
リング下に落ちると、涼子が立ち上がってストンピングを叩き込んでいくが、紗季も起き上がろうとしながら、涼子のお腹にグーパンチを叩き込んでいく。
お腹を殴られて一瞬動きの止まる涼子に、紗季がヘッドロックで締め上げた。
そして、場外戦だからと紗季が近くの鉄柱に涼子を叩き付けていくと、脳天から鉄柱に叩き付けられた涼子がグッタリとダウンした。
ゴッキーン・・・
「くっ・・ううううっ・・」
鉄柱近くでグッタリとダウンする涼子。
「立ってくださいよ!」
紗季が髪を鷲掴みにして涼子を起こすと、今度は鉄柵に振って叩き付けた。
ガッシャーン・・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・」
鉄柵に叩き付けられて悲鳴をあげる涼子。
涼子を痛めつける紗季に対して、観客席から大歓声が起きていく。
『いいぞぉぉぉぉ・・・藍武っ!』
観客席が盛り上がっているからと、紗季は走り込んで涼子の顔面にドロップキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
これには両手で顔面を押さえて倒れ込む涼子。
俯せ状態で顔を押さえる涼子に、紗季が背中にストンピングを叩き込んでいく。
グイッ・・
更に髪を掴んで起こしていく紗季。しかし涼子がお腹にパンチを入れると、続けて顔面パンチを叩き込む。
バシッ・・バキッ・・
殴られてダメージを受けてフラつく紗季。
「甘いんだよ!」
涼子が叫ぶと、紗季の髪を鷲掴みにして、ヘアーホイップで場外のマットに投げつけた。
「きゃああぁぁぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる紗季。
「お返ししないとね・・・キッチリと!」
涼子は紗季を無理矢理起こしていくと、髪を掴んで鉄柱攻撃を仕掛けた。
ゴッキーン・・・
「いやああぁぁぁぁぁ・・・」
鉄柱攻撃を受けて悲鳴をあげる紗季。抵抗するも涼子にリング上に戻されていくと、涼子は近くの観客席からパイプ椅子を奪ってリング上に投げ込んだ。
リング上で額を押さえて倒れ込む紗季に、涼子はリング下から持ち込んだパイプ椅子を手に近づく。
そして仰向けになっている紗季の、無防備なお腹にパイプ椅子の角を叩き付けた。
ドスッ・・
「ぐふっ・・うううっ・・・」
お腹へのパイプ椅子攻撃で紗季が両手をお腹に当てて藻掻き苦しむと、涼子は続けてパイプ椅子を叩き付ける。
ドスッ・・ドスッ・・
「んああぁぁ・・・痛いぃぃぃぃ・・・」
紗季の悲鳴がリング上に響き渡ると、レフリーは涼子からパイプ椅子を取り上げると、反則だからと注意していく。
しかし涼子は関係ないと言う表情を浮かべると、レフリーは続行を指示した。
お腹を押さえてグッタリする紗季を起こしていく涼子。
しかし紗季もお腹にパンチを叩き込んで抵抗するが、逆に涼子が顔面掻きむしりで痛めつけられた。
「きゃあああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
顔面を掻きむしられて絶叫する紗季。
その紗季をコーナーに連れて行くと、コーナーポストカバーを外して金具を剥き出しにしていく涼子。
その金具に、紗季の額を叩き付ける涼子。
ゴキッ・・ゴキッ・・
「いやああぁぁぁぁぁ・・・・」
絶叫する紗季。
涼子は構わず金具に紗季の額を叩き付けると、額が割れて流血戦になっていく。
初めての流血に動揺を隠せない紗季。また涼子はヒールファイトに酔っているのか、紗季の額を噛み付きだした。
「痛いぃぃぃぃ・・・・いやああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
コーナーで涼子に噛み付かれて悲鳴をあげる紗季。
額から血が流れ出て、白い競泳水着も赤く染めていく・・・・。また涼子は返り血で口の周りなどを赤く染めている。
意地になって組み付いていく紗季だが、涼子の膝蹴りをボディに受けて座り込む様にダウンしていく。
血が目に入って視界を奪われている紗季は、ダウンしても立ち上がると、周りにパンチを放っていく。
その紗季のパンチを避けて、逆に顔面に容赦ないパンチを叩き込む涼子。
バキィィィィ・・・バキィィィィ・・・
顎などに拳が当たると、血飛沫をあげてフラつく紗季。
ノーガード状態でフラつく紗季に、涼子はサンドバックを殴りつける様に顔面にパンチを入れていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・・
しかし簡単にダウンさせないように、力加減を考えて殴りつける涼子。ただ顔面への素手でのパンチ攻撃は反則だからと、レフリーが涼子を止めていく。
レフリーに止められて離される涼子。一方、殴られ続けた紗季は、鼻血まで流しながら苦しそうな表情を浮かべている。
傷口のチェックがレフリーによって行われるが、続行可能と判断されて試合は続けられた。
『ファイト!』
今度は紗季が大振りの張り手を放つと、涼子の頬のヒットする。
バッシーン・・バッシーン・・・
続けて炸裂すると、涼子の動きが一瞬止まった。
更に紗季が首相撲に持ち込もうとすると、涼子の拳がボディに入る・・・。
ドスッ・・・
「うっ・・うううっ・・・」
自ら勢いをつけていただけに、お腹へのダメージに苦悶の表情を浮かべる紗季。
逆に涼子はバックを取ってバックドロップでマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
バックドロップで大の字になる紗季に、涼子は髪を鷲掴みにして起こすと、ニーリフトで痛めつけていく。
バキィィィィ・・・
「イッタァァァァ・・・」
膝をバストに叩き込まれて悲鳴をあげる紗季。
胸を押さえている紗季を、涼子はコーナーに押し込んでいくとセカンドロープに登ってから、額にグーパンチを連打した。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・バキッ・・バキッ・・
「いやああぁぁぁぁ・・・・」
堪らず悲鳴をあげる紗季。傷口からは出血が酷くなっていくが、観客席からは試合を止めろと言う言葉は出ず、逆にエキサイトしていく会場内。白い競泳水着が赤く染まりながら、涼子に痛めつけられていく紗季。
更に涼子が紗季をトップロープに座らせると、自らマットに降りてから、何とデッドリードライブで紗季の身体をマットに投げつけた。
バッシーン・・・
リング上で大の字になってヒクヒクとしている紗季。
観客席から大歓声が送られていくと、涼子は観客に向かってガッツポーズで応える。
起き上がることの出来ない紗季に、涼子はロープに走って勢いをつけると、飛び上がって強烈なニードロップをボディに叩き込んだ。
ドスッ・・・
「ウッ・・・オエェェェェ・・・」
ボディに鋭いニードロップを落とされて、堪らず口から胃液を噴き出す紗季。
鍛えているとは言え、涼子の全体重が膝に集まり叩き込まれたら、胃液を吐き出しても仕方ない紗季。
両手でお腹を押さえて泣きそうな表情で苦しんでいる紗季に、涼子は余裕の表情を浮かべると、髪を掴んで無理矢理起こすと、そのままコーナーに押し込んでいく。
そしてコーナーに寄りかからせてから、フラフラの紗季に狙いを定めたハイキックを顔面に叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・
ノーガード状態でハイキックを叩き込まれて、グッタリとコーナーに崩れ落ちる紗季。
その紗季の両足首を掴んでコーナーから離すと、涼子は余裕を持って足四の字固めを仕掛けた。
グイッ・・・
「ああああああぁぁぁぁぁ・・・・」
ガッチリと極まった足四の字固めに、紗季は身体を反転して反撃する力も残されておらず、ただ激痛に絶叫するのであった。
「ほらあっ、足が折れるわよ!」
涼子は更に意地悪く叫ぶと、紗季を痛めつけていく。
「ぎっ・・・ギブ・・・ギブアップ!」
ここで紗季がギブアップする・・・。
しかし涼子がギブアップを認めない。
「何よ、よく聞こえないんだけど、大きな声で言ってみなさいよ!」
涼子の言葉に紗季が叫ぶ。
「ギブ、ギブアップ!・・・ギブアップぅぅぅぅぅぅ!」
泣きながらギブアップする紗季。ここでレフリーがゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされても技を外さない涼子。
「やめてぇぇぇぇ・・・・いやああぁぁぁぁぁ・・・・」
泣き叫ぶ紗季に、涼子は満足した表情で技を外すと、立ち上がって紗季の顔面を踏みつけた。
『勝者、米蔵涼子っ!』
リングアナのコールに片手を突き上げてアピールする涼子。
ヒールファイトにも磨きがかかり、更なる地下リングでの活躍が期待できる試合に観客達も盛り上がった試合になった・・・。



第19試合

『選手入場!』
リングアナのコールにリングインするのは、お天気お姉さんからグラビア界、また女優として活躍の場を拡げようとしている華斐まり恵。
ピンク色のビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、早くも観客席に向かって頭を下げている。
まり恵の対戦相手としてリングインするのは、グラビアアイドルの山木梓。グラビア界に殴り込みをかけてきたまり恵に対して、今夜はリング上で痛い目に遭わせようと考えていた・・・。
黒いビキニに黒いリングシューズ姿でリングインすると、まり恵と視線を合わせずにコーナーに進んでいく梓。
緊張感漂うリング上。まり恵も始めて立つ地下プロレスのリングと会場の雰囲気に緊張感を隠せない。
そんな中、リングアナがコールを始めた。
『華斐まり恵グラビア記念地下プロレスデビュー戦を行います!青コーナー〜・・・身長161p、上から83、61、90・・・華斐まり恵〜っ!』
コールを受けて一礼するまり恵。観客席からは大歓声が送られていく。
『赤コーナー〜・・・身長157p、上から82、55、83・・・山木〜梓〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする梓。ゴングが待ち遠しいと言う表情に、観客達もゴングを楽しみにしている様子。
レフリーがルールの説明をすると、ここでまり恵に対して睨み付けていく梓。
まり恵も睨み返すと、梓がまり恵に対して呟く。
「地下プロレス・・・覚悟しなさいよね・・・」
その梓の言葉にまり恵は黙ったまま睨み付けると、レフリーがコーナーに別けてゴングを要請した。
『カァーン!』
ゴングと同時に動いたのは梓で、走り込んでからコーナーで戸惑うまり恵に鋭いドロップキックを叩き込む。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
堪らずダウンするまり恵。
立ち上がると、梓が素早くドロップキックを叩き込んでいく。
バッシーン・・・
「ああんっ・・」
ドロップキックの連発に苦痛に喘ぐまり恵。
「まだまだ始まったばかりよ!」
梓が叫びながら髪を鷲掴みにしてまり恵を起こしていくと、ヘッドロックで締め上げた。
堪らずまり恵がロープに振っていくと、逆にボディアタックを受けて倒れ込むまり恵。
『ワン・・・ツー・・・』
初めてのフォールに驚きの表情で返していくまり恵。
返されると、梓は両足を絡めるようにヘッドシザースでまり恵を痛めつけていく。
グイッ・・・
「ギブアップ?・・・ギブ?」
腰を浮かせたりして痛めつけていく梓。
まり恵も苦悶の表情を浮かべながらも耐えていく。
ゆっくりとロープに足を伸ばすと、ここでレフリーがロープブレークを指示した。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に梓が技を解くと立ち上がると、起き上がろうとするまり恵にストンピングを叩き込むが、レフリーが離していく。
観客席からはブーイングも送られるが、梓は余裕の表情で距離を置いた。
まり恵もビキニを気にしながら立ち上がると、梓との距離を置いていく。
そして距離が詰まると、プロレスらしくロックアップの体勢になると、体格で勝るまり恵が梓を押し出していく。
ロープに詰まる梓に、まり恵が水平チョップを喉元に叩き込んだ。
バッシーン・・・
続けて首投げでマットに叩き付けると、お返しとばかりにヘッドシザースで締め上げるまり恵。
これには観客席から拍手が起きると、梓はロープに足を伸ばして逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示にまり恵が技を解くと、お互いが立ち上がろうとする中、梓がお腹にグーパンチを叩き込んだ。
バシッ・・
お腹を殴られて一瞬動きが止まるまり恵に、梓がロープに振っていく。
ロープから戻ってきたまり恵に、梓は勢いあるドロップキックを叩き込んでいく。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
これにはまり恵がダウンすると、続けてストンピングで蹴りこむ梓。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「うっ・・・くっ・・・」
転がるようにロープに逃れるまり恵。梓はトップロープを掴んで蹴りこむが、レフリーが梓を離していく。
ビキニを直しながら立ち上がるまり恵。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を置く両者。
すると梓が走り込んでタックルを仕掛けると、まり恵もタックルを潰そうと首に腕を巻き付けていく。
しかし縺れてロープ際にいくと、レフリーが二人を別けた。
『ブレークっ・・・』
レフリーに別けられて離れる梓とまり恵。
『ファイト!』
レフリーの掛け声を受けて距離を置くと、梓が少しずつ距離を詰めると、走り込む様にローキックを叩き込む。
バシィィィィ・・
「痛いっ・・」
堪らず悲鳴をあげるまり恵。
梓が更にローキックを叩き込むと、続けてヘッドロックで締め上げる。
ヘッドロックを仕掛けられたからと、まり恵がバックドロップを狙うが梓がバランスを崩させた。
逆に締め上げる梓。苦しそうなまり恵。
投げが失敗したからと、まり恵がロープに振っていくと、ロープから戻る梓にショルダータックルで倒した。
今度は立ち上がろうとする梓に、まり恵が低空ドロップキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「んああぁぁぁ・・・」
顔面にドロップキックを受けて悲鳴をあげてロープに逃れる梓。
俯せ状態で顔面を押さえている梓に、まり恵が腰に座り込んでキャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・・
スレンダーな梓の身体が反らされていくと、観客席からも歓声が起きていく。
梓の表情が苦痛に歪むと、まり恵は揺さぶりだした。
両足をバタバタさせて痛がる梓。
レフリーがギブアップの確認をするが、ギブアップは拒む梓。
そのままスリーパーの様に締め上げていくまり恵。デビュー戦ながら変形キャメルクラッチで攻めるなど、観客を喜ばせている。
耐える梓から技を解くと、腰を浮かせてヒップドロップでダメージを与えるまり恵。
そして梓の髪を鷲掴みにして起こしていくと、梓がまり恵の股間にグーパンチを叩き込む。
ゴキィィィ・・・
「ふぎぃ!」
突然の股間への反則攻撃にフラつくまり恵。
すると梓は絡みつくように卍固めを仕掛けたが、まり恵が崩れ落ちて極まらない。
股間を押さえるまり恵に、梓は立ち上がると全身をストンピングで蹴りこんでいく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・
ストンピングの連発に痛がるまり恵。観客席からはブーイングが送られていくが、梓は関係ないとばかりにパイルドライバーを狙っていく。
しかしまり恵も踏ん張ると、リバースのブレンバスターで梓をマットに叩き付けた。
そして押さえ込む様にフォールするが、梓がカウント前に返していく。
まり恵は続けてマットに座らせる形でスリーパーで締め上げるが、梓がロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に技を解いていくまり恵。
お互いが立ち上がると、まり恵が飛び込んでラリアットを放った。
しかし梓が避けると、逆にスリーパーを仕掛けるが、まり恵が焦るようにロープに逃げる。
ロープに逃げられると、梓はまり恵の顔面をロープに押しつけて擦りつけていく。
ギュギュ・・ギュ・・
「いやああぁぁぁぁぁ・・・」
ロープに擦りつけられて摩擦熱で悲鳴をあげるまり恵。
コーナーまで行くと、コーナーポストに顔面を叩き付けてから、腰に膝蹴りを入れていく梓。
痛がるまり恵に、太股にローキックを連打して、一気に延髄蹴りを放つ梓。
バシィィィィ・・・
延髄蹴りを受けてグッタリとダウンするまり恵。
梓はまり恵を仰向けにすると、トップロープに登っていく。
そして片手を挙げて観客にアピールすると、フットスタンプを狙った。
しかしまり恵が避けると自爆するが、構わずお腹にストンピングを叩き込んでいく。
バシッ・・バシッ・・
「うっ・・ぐふっ・・」
体重を乗せたストンピングに苦悶の表情のまり恵。
更にその場でフットスタンプを仕掛ける梓。
ドスッ・・
「ウゲッ・・・」
堪らず口から涎を垂れ流すまり恵。
両手でお腹を押さえて苦悶の表情で倒れているまり恵に、梓は髪を掴んで起こすと、首筋にエルボーを落としてから、ヘッドロックで締め上げていく。
苦しむまり恵に走り込んでブルドッキングヘッドロックを仕掛ける梓。
バッシーン・・・
「あああああああっ・・・・」
マットに叩き付けられて絶叫するまり恵。
更にロープに走って勢いをつけて、低空ドロップキックを叩き込んでいく梓。
ドスッ・・・
「ぐふっ・・・」
堪らず転がるようにリング下に逃れるまり恵。
リング下に転落すると、グッタリとして蹴られた部分を押さえていると、梓は片手を挙げてアピールしながらリング下にまり恵を追いかける。
グイッ・・
「あうっ・・」
苦しむまり恵の髪を掴んで起こすと、梓は近くの鉄柵に振って叩き付けた。
ガッシャーン・・・
「あああ・・・あん・・・」
鉄柵に寄りかかるようにダウンするまり恵。
梓は余裕の表情を浮かべると、グッタリしているまり恵の髪を鷲掴みにしてリング上に上げていく。
リング上に上げられてグッタリしているまり恵。
梓がキャメルクラッチに捉えると、そのまま鼻の穴に指を掛けて鼻フック状態でまり恵を痛めつけていく。
グイッ・・
「フガ・・フガァァァ・・・・」
藻掻くまり恵に観客席から笑いすら起きると、梓は観客にアピールする様に揺さぶった。
両足をバタバタさせて藻掻き苦しむまり恵。
梓が技を解くと、ゆっくりと起こしていく。
フラフラしているまり恵に、梓の左右の張り手が叩き込まれた。
バッシーン・・バッシーン・・
張り手を受けてフラつくまり恵。
しかし逆に張り手を返していく。
バッシーン・・・
突然の反撃に驚きを隠せない梓に、まり恵は勝負に出るかの様に逆さ押さえ込みを仕掛けた。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィィ・・・・』
突然の返し技に梓が反応出来ずにカウントを聞くと、ここでまり恵が逆転勝利した。
『ただ今の試合、華斐まり恵の勝利となりました!』
リングアナのコールにマットに座ったまま驚くまり恵。
一方、負けた梓は納得がいかないとばかりにマットを叩くと、まり恵を睨み付けてから無言のままリングを後にした。
レフリーは勝利したまり恵を立たせると、片手を挙げて観客にアピールするのであった。



第20試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、水着モデルの鈴本ちなみ。藤原紀華、米蔵涼子と大物との試合で負け続けているが、デビュー戦から大物との試合が続き成長しているのは観客も知るところ。今夜はどんな試合を見せるのか・・・。
そのちなみの対戦相手としてリングインするのは、モデルから女優と進む長谷河京子。格闘技番組なども経験しているからと、今夜はちなみの初の格闘技戦の相手として選ばれた京子。
京子としても女優としての活躍が少なくなっているからと、地下リングで存在をアピールしたいところだが、今夜は伸び盛りのちなみが相手だからと油断は禁物の一戦。
ピンク色のビキニにオープンフィンガーグローブのちなみ。そして黒ビキニにオープンフィンガーグローブの京子。20歳のちなみと32歳の京子の試合、一体どんな展開になるのか観客席も盛り上がっていく。
『美女格闘技戦・・・青コーナー〜・・・身長167p、上から80、59、86・・・鈴本ちなみ〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールするちなみ。対戦相手の京子を前に堂々とした様子。
『赤コーナー〜・・・身長166p、上から80、55、82・・・長谷河京子〜っ!』
そしてコールを受けて一礼していく京子。地下リングは慣れているので余裕すら感じられるが、ちなみとの格闘技戦に緊張感は漂っている。
お互いの口にマウスピースが入れられると、ちなみは口の中に違和感を覚えた。
レフリーがルール説明をすると、コーナーに別けられていく京子とちなみ。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、積極的に前に出たのが京子。
ちなみとの距離を詰めていくと、積極的にローキックで牽制する。
バシッ・・
軽いローキックに動きが固いちなみ。
更に京子が左右の顔面へのパンチを出していく。
バシッ・・バシッ・・
京子の顔面パンチを受けるも、当たりが浅く距離を置くちなみ。
ガードを固めていくと、京子はガードの空いたお腹に前蹴りを叩き込む。
ドスッ・・
「うっ・・」
お腹を蹴られて痛がるちなみ。
更に京子が前蹴りを狙うと、避けていくちなみはジャブ放ちつつ距離を置いていく。
京子も構えて距離を詰めると、ちなみが前蹴りを放つが京子が避けた。
逆にローキックを放つと、ちなみも足を浮かせてガードする。打撃に対応しようと練習した様子のちなみ。
更に京子がローキックを放つと、蹴りに合わせたタックルを仕掛けるちなみ。しかし京子もタックルを潰そうとフロントスリーパー気味にキャッチしていく。
首に腕を巻かれるが、ちなみが押し出してロープに京子の身体を押し込んだ。
京子が首を極めようと締め上げると、ちなみが脇腹にパンチを小刻みに叩き込む。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
脇腹を殴られて苦悶の表情を浮かべる京子。
堪らず膝蹴りを狙うと、ちなみが膝蹴りを嫌がり太股に組み付いてグラウンドを狙っていく。
京子は踏ん張ろうとするが、バランスが崩れてグラウンド状態になっていく展開。
倒れた際に、京子は背中からマットに落ちる形で苦しいが、上から組み付くちなみに抱きついて攻撃を防いでいく。
サイドポジションを狙いたいちなみに、京子も体制を入れ替えようと身体を動かしていくが、グラウンド状態で下が続いているから、スタミナの消耗も気になるところ。
素肌に汗が浮かび上がって、その汗がスポットライトで光り輝くと、妖しい色気すら感じさせる京子。
ちなみも汗を浮かべて顔面狙いのパンチを放つが、京子が下から両足を絡める様に三角締めを仕掛けた。
しかしちなみが腕を引き抜いて立ち上がると、京子も立ち上がっていく。
お互いがビキニを直してから構えていく両者。
ちなみがタックルを仕掛けるが、京子は上手く避けていく。
避けられたからとタックルを意地になって仕掛けるちなみに、京子はカウンターの膝蹴りを合わせた。
ゴキッ・・
京子の膝蹴りが顔面を捉えると、蹴り足に抱きつくように崩れ落ちるちなみ。
チャンスとばかりにバックマウントを奪う京子は、容赦なく顔面狙いのパンチを落としていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
必死に顔をガードしようとするちなみ。
京子は時折脇腹にもパンチを叩き込むと、肋骨に響くような衝撃に痛がるちなみ。
喉元が開くとスリーパーを狙う京子だが、ちなみもガードして逃れようとする。
藻掻いていくと、仰向けになってマウントポジション状態になっていく京子。
今度は上から顔面狙いのパンチを落としていくと、殴られる度にビクンと身体を反応させる様に痛がるちなみ。
バキッ・・バシッ・・
顔面パンチに痛がるちなみ。ブリッジ気味に身体を反らせて逃れようとするも、京子がバランスをとっては殴りつけていく。
バシッ・・バシッ・・
京子はちなみの戦意を削ごうと、鼻に拳を落としていく。
バキッ・・
鼻を殴られてビクンと身体を動かして痛がるちなみ。嫌がると京子は更に鼻を狙って殴りつけていく。
バキッ・・バキッ・・
必死に逃れようとするちなみだが、鼻を殴られて鼻血を流し始めた。
鼻血を出して呼吸が苦しいちなみ。スタミナの消耗も気になるところだが、京子の顔面パンチは止まらない。
殴りつける京子が殴るのに意識を集中していると、ちなみがブリッジ気味に身体を反らすとバランスを崩す京子を返した。
素早く立ち上がるちなみ。
京子も立ち上がると、ちなみが牽制とも言えるハイキックを放った。
バシィィィ・・・
牽制のハイキックが京子の側頭部を襲うと、フラつきだす京子。
ちなみは距離を詰めて顔面パンチを叩き込むと、京子も殴り返す展開になっていく。
盛り上がる観客席に煽られる様に殴り合う京子とちなみ。
バシッ・・バキッ・・バシッ・・バキッ・・
ちなみのパンチで顔面に当たると、京子も鼻から出血した。
鼻血に動揺する京子に、ちなみが切られていたタックルを仕掛けると、今度はテイクダウンを奪う事に成功。
素早くサイドポジションを奪っていくちなみ。
京子も冷静にガードしようとするが、ちなみは膝蹴りを脇腹に叩き込む。
ドスッ・・
「うぐっ・・」
膝蹴りを受けてマウスピースを吐き出しそうになる京子。
更にスピニングチョークを狙うちなみだが、京子も藻掻いて離れると立ち上がる両者。
立ち上がり様にハイキックを放つ京子。
しかしちなみが避けると、逆にローキックを放っていく。
バシィィィィ・・・
ローキックを受けて顔を歪める京子。
続けて左右のパンチで距離を詰めるちなみに、京子も膝蹴りで防ごうとするが、縺れる様にロープ際への展開。
コーナーで殴り合うちなみと京子。
バシッ・・バキッ・・バシッ・・
お互いに鼻から激しく出血すると、足元にポタポタと血飛沫を拡げた。
激しい殴り合いに、京子が鼻血からの呼吸が難しくなりスタミナ切れを起こしだしている。
手数が減っていくと、ちなみのパンチを顔面に受け続けて、その端正な顔が腫れだしている・・・。
しかしちなみも強烈なパンチと言う程でもないので、KOも出来ずに殴り続けた。
時折パンチを返す京子だが、顔面を血塗れにして可哀想な展開。
コーナーを背にしてサンドバック状態になっていく京子。
ちなみも地下プロレスでの初勝利を賭けて、必死に殴りつけていく。
バシッ・・
コーナーを背にしているからと、ちなみは飛び込むようにジャンピングニーパッドを仕掛けると、京子はガードするがダメージを受けた。
ガードが下がり苦しい京子。
ちなみは容赦せずハイキックを放つと、京子の側頭部に炸裂した。
バシィィィィィ・・・
これにはフラついてコーナーに寄りかかる京子。既に目が虚ろになっていてハイキックのダメージは大きい。
ちなみが一気に組み付いてから、コーナーから引き離すとスープレックス気味にマットに叩き付けると、一気にマウントポジションを奪っていく。
そして観客にアピールする様に顔面へパンチを落としていくと、京子は藻掻き苦しんでいる。
殴られる度にビクンビクンと身体を動かす京子。
ちなみの手を掴みたいが、ちなみは容赦なく顔面へ拳を落としていく。
バキッ・・バキッ・・・
一発一発は大きな威力はないが、数が当たると京子の顔を潰すのには時間は掛からない・・・。
顔を腫らしながら痛がる京子。
ちなみも試合が続けられるからと、ハンマーパンチで更に顔面潰しで試合を終わらせようとした。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・
音を立てて炸裂していく顔面へのハンマーパンチ。京子の抵抗も少なくなり、レフリーも流石に危険だからとここでゴングを要請するのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音でレフリーに止められていくちなみ。
『ただ今の試合、レフリーストップで鈴本ちなみの勝利となりました!』
リングアナのコールに初勝利を知るちなみ。目の前の血塗れの京子に驚きながらも立ち上がってから、レフリーに手を挙げられていくのであった。
一方、負けた京子にはリングドクターなどが応急処置を施していくと、特に腫れた顔などをアイスパックで冷やされて運ばれていく。
初の格闘技戦での勝利に、ちなみはまだ実感が湧かないと言う表情を浮かべるが、会場内からは大歓声が起きるのであった・・・。



第21試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、白ビキニに白リングシューズ姿の仲島愛里。ゆっくりとリングインすると、観客席に向かって頭を下げた。
その愛里の対戦相手としてリングインするのは、市河由衣。愛里と同じく白ビキニに白リングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって頭を下げてコーナーに進んでいく。
今夜はジュニアヘビー級タイトルマッチ。チャンピオンの由衣の対戦相手に、グラビアトーナメント準優勝の愛里が選ばれ、今夜のカードが決まった。由衣としては勢いのある愛里が相手と言う事で、油断は出来ない。フットサル仕込みの打撃技も警戒したいところ。
今夜はタイトルマッチと言う事で、愛里の表情からも緊張感が漂っている・・・。
観客席からも大歓声が起きる中、リングアナのコールが始まった・・・。
『青コーナー〜・・・身長157p、上から86、58、88・・・仲島愛里〜っ!』
まずは愛里がコールを受けると、片手を挙げて観客にアピールする愛里。
『赤コーナー〜・・・身長158p、上から83、55、85・・・市河由衣〜っ!』
そして由衣がコールを受けると、一礼して観客にアピールするが、体格的には愛里に比べてスレンダー感のある由衣。
19歳の愛里と、23歳の由衣。緊張感漂うリング上に、ゴングが打ち鳴らされた・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時に飛び出したのは由衣で、反対コーナーの愛里へドロップキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
勢いあるドロップキックにダウンする愛里が立ち上がると、由衣はロープに走って勢いをつけると、ヒップアタックで倒していく。
倒れ込む愛里の髪を掴んで起こしていく由衣は、ゆっくりとヘッドロックで締め上げていく。
グイッ・・・
ヘッドロックを受けてロープに振って返す愛里。
由衣はロープを掴んでいくと、愛里と距離を置いていく。
お互いが距離を置いてリング中央で睨み合うと、ロックアップで組み合う由衣と愛里。
しかし愛里が押し出していくと、由衣はロープに押しつけられる状態へ。
苦悶の表情を浮かべる由衣に、愛里は水平チョップを喉元に叩き込んだ。
バッシーン・・・
「うっ・・・」
苦悶の表情を浮かべて痛がる由衣。
更に水平チョップを叩き込んでから、愛里が張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・・
愛里の張り手にフラつく由衣。しかし鋭い視線を返すと、レフリーがロープ際だからと両者を離した。
頬を気にする仕草をする由衣。
対してビキニを直しながら、由衣に鋭い視線を送る愛里。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく両者。
シュ・・
今度は愛里がローキックを放つと、由衣が避けて空振り。
更にミドルキックを放つ愛里に、蹴り足をキャッチしてグラウンドに持ち込む由衣。
素早くアキレス腱固めを極めていくと、愛里が転がるようにしてロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
愛里の手がロープを掴んだからとレフリーが離していくと、由衣は技を解いて立ち上がる。
愛里もゆっくりと立ち上がると、由衣がエルボースマッシュを叩き込んだ。
ゴキッ・・
側頭部にエルボーを受けてフラつく愛里。
更に張り手を叩き込むと、ロープに走って勢いをつける由衣。
何かを狙おうとしたが、愛里が構えたので距離を置いた。
緊張感あるリング上。今度は愛里がゆっくりと距離を詰めていくと、由衣も打撃を警戒してガードを上げていく。
愛里の距離になると、ローキックが放たれた。
バシッ・・
「痛っ・・」
ローキックを受けて声を漏らす由衣。
更に愛里がローキックを放つと、由衣は蹴りに合わせてタックルを合わせてグラウンドに持ち込んでいく。
倒れ込むと藻掻く愛里に、由衣は腕を狙おうとしていくが、愛里の抵抗も激しく上手くキャッチできない。
上になってギロチンチョークを仕掛ける由衣に、愛里もブリッジなどで抵抗して完全に極めさせない。
取っ組み合いの様な展開になると、ロープ際に転がる二人をレフリーが止めていく。
『ブレーク・・・』
レフリーの掛け声に起き上がって呼吸を整える由衣と愛里。
『ファイト!』
レフリーが続行を促すと、愛里はローキックで牽制して距離を詰めていく。
由衣がローキックを避けると、愛里は牽制でハイキックを放つ。
シュ・・
当たらないが、打撃に対して警戒心を持たせるには効果がある様で、由衣の距離感が変わってきた。
しかし組み合わなければ試合は進まないからと、由衣が前に出ていくと、果敢にもローキックを放った。
バシィィィ・・・
愛里が一瞬表情を変えるが、愛里もお返しにローキックを叩き込んだ。
バシィィィ・・・
「くっ・・・」
愛里の強烈な蹴りに痛がる由衣。
更に愛里が踏み込んでミドルキックを叩き込むと、由衣は蹴られた脇腹を押さえてロープに逃れた。
ロープ際に逃げる由衣を追い込むようもローキックを太股に叩き込んでいく愛里。
バシィィィ・・・バシィィィィ・・・
太股を蹴られて嫌がる由衣。堪らずタックルをほ仕掛けると、愛里がフロントスリーパーでキャッチしていく。
首を極められそうになって脇腹にパンチを入れていく由衣。
逆に愛里がボディに膝蹴りを狙うが、由衣は密着してグラウンドに誘い込む。
しかし踏ん張って倒れない愛里に、両足をフックして倒そうとする由衣。
バランスを崩して倒れ込む愛里に、由衣は絡みつくように組み付いていく。
逃れようとする愛里が俯せ状態になると、由衣がバックからチョークスリーパーを仕掛けた。
グイッ・・
「んぐっ・・んんんっ・・」
喉元を押し潰されて苦しい愛里。
藻掻くようにロープに逃れようとするが、由衣も技を極めている。
しかし藻掻く愛里に、由衣は汗で腕が滑って完全に極まっていないので、愛里も失神させられずに藻掻いている。
這うようにロープに逃げる愛里。由衣もギブアップを奪いたいが、愛里の手がロープを掴んだ・・・。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが由衣に放すように指示すると、由衣は技を解いて立ち上がる。
愛里は喉元に手を当て咳き込むと、ゆっくりと立ち上がった。
『ファイト!』
レフリーが合図すると、同時に由衣がドロップキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
ドロップキックを受けてロープに叩き付けられる愛里。
逆に立ち上がろうとする由衣にストンピングを叩き込むと、由衣は転がるようにロープに逃れる。
愛里が距離を置いていると、由衣はゆっくりと立ち上がって距離を置いていく。
睨み合う展開になると、由衣も打撃を警戒して簡単に詰められず、逆に愛里も由衣を警戒している。
しばらく睨み合いが続くと、由衣が前に出てローキックを放った。
バシッ・・
由衣にローキックを受けると、愛里もお返しとばかりに強烈なローキックを返した。
バシィィィィ・・・
「くっ・・・」
フットサル仕込みの蹴りに表情を歪める由衣。
続けて距離を詰めてローキックを放つ愛里に、由衣は蹴り足を狙ったタックルを仕掛ける。
しかし愛里も読んでいたのか両手でタックルを切ると、ノーガードの由衣にミドルキックを叩き込んだ。
バシィィィ・・・
「ああんっ・・・」
ボディに蹴りを受けて痛がる由衣。
更にローキックを太股など足を攻めていく愛里。
バシィィィ・・・バシィィィィ・・・
ローキックの連打に堪らずロープに逃げる由衣。愛里も距離を詰めるが、レフリーがロープだからと愛里を離した。
ローキックを何発も受けて太股が内出血で変色している由衣。
愛里としては由衣のスピードを殺したいところ。ローキックが地道に叩き込んでいくと、由衣の足は苦しくなる・・・。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に構える愛里。
由衣は痛そうな表情を浮かべてロープを掴んでいると、愛里が前に出てミドルキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「ああんっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる由衣。
更にローキックを叩き込んでいく愛里に、由衣も必死にタックルを仕掛けた。
しかし愛里がフロントスリーパー気味にキャッチすると、そのままDDTで脳天からマットに叩き付ける。
これには俯せ状態でダウンする由衣。愛里がバックマウントを奪うと、脇腹に拳を叩き付けた。
バキッ・・ゴキッ・・
「痛いっ・・いやあっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる由衣。愛里は顔面パンチではないので、続けて脇腹を殴ってはダメージを与えていく。
そして顎に手を掛けてキャメルクラッチを仕掛けると、由衣の上半身が反らされていく。
ビキニだからバストが飛び出しそうになるが構わず揺さぶる愛里。
レフリーもギブアップの確認をするが、由衣はギブアップせずに耐えていく。
両足をバタバタさせて痛がっているが、ギブアップはしない由衣。
ギブアップしない由衣を技から解放すると、愛里は髪を掴んで起こしていくと、ヘッドロックで締め上げた。
苦しい状態の由衣。ロープに振りたくとも愛里が重心を落として逃げられないようにしている。
そして体制を入れ替えてから、愛里がボディへの膝蹴りを狙うが由衣が密着して逃れるが、呼吸が乱れて苦しそうな表情を浮かべている。
「ハァ・・ハァ・・ハァ・・」
由衣が必死にコーナーに押し込んでいくと、レフリーが二人を離していく。
『ブレーク・・・』
離れると、今度は愛里が構えてゆっくりと距離を詰めていく。
由衣は打撃を嫌がるが、呼吸を整えようと距離を置きたい展開。
しかし愛里のローキックが容赦なく襲いかかった・・・。
バシィィィィ・・・バシィィィィィ・・・
「痛いっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる由衣。次第に由衣の脚が内出血で変色していく・・・。
バシィィィ・・・
「いやあっ・・」
ローキックの連発に嫌がるようにタックルを仕掛ける由衣。しかし足へのダメージから突っ込みが遅くなり、逆に愛里に首相撲の体制に持ち込まれた。
膝を引いてから、容赦ない膝蹴りをボディに叩き込む愛里。
ドスッ・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・・」
膝蹴りを受けて悲鳴をあげる由衣。
更に膝蹴りを狙う愛里だが、由衣が必死に組み付いてグラウンドに持ち込んでいく。
しかしダメージから次の一手が出せない由衣・・・。
逆に愛里が体制を入れ替えると、サイドポジションから膝蹴りを脇腹に叩き込んでいく。
ドスッ・・ドスッ・・
「うっ・・・ううっ・・・」
脇腹への膝蹴りに動きの止まる由衣。
俯せ状態で苦しんでいる由衣に対して、愛里は立ち上がると狙いを定めていく・・・。
なかなか立ち上がれない由衣だが、四つん這いから立ち上がろうとすると、愛里は容赦なく顔面へサッカーボールキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
顔面へのサッカーボールキックに意識を飛ばしそうになりグッタリとする由衣。
俯せ状態でグッタリしている由衣に、愛里は続けて顔面へサッカーボールキックを叩き込むと、完全にノーガードで危険な状態だからと愛里を止めるレフリー。
愛里が離されると、レフリーは由衣に続けられるか問いかける・・・。
しかし由衣はハッキリとした意思表示をしないが、レフリーが続行を認める。
『ファイト!』
倒れたままの由衣に、愛里は容赦ないストンピングを叩き込むと、髪を鷲掴みにしてパイルドライバーの体制も持ち込んだ。
逆さにされてグッタリする由衣。愛里が脳天からマットに叩き付けると、虚ろな表情をして仰向けにダウンする由衣。
その由衣をコーナー近くに引きずると、愛里はトップロープに登ってフットスタンプをお腹に叩き込んだ。
ドスッ・・・
「ぐっ・・ホゲェェェェェェ・・・!」
強烈なフットスタンプに口から反吐を噴き上げる由衣。
身体を小刻みにヒクヒクとさせていると、愛里が顔面を踏みつけてフォールを要求した。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィ・・・・』
由衣が返せるはずもなく、余裕のスリーカウント。
遂に由衣の腰に巻かれていたベルトを、愛里が奪うことに成功した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、リングドクターが由衣に応急処置する。
また、レフリーは愛里の手を挙げた。
『勝者、仲島愛里っ!』
リングアナのコールに笑顔を浮かべる愛里。新たなチャンピオンが誕生したが、愛里の頭の中にはグラビアアイドル最強のベルトに挑もうと言う考えがあるのであった・・・。


第22試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、白い競泳水着、白いリングシューズ姿の杉元有美。
リングインすると、観客席に頭を下げてからコーナーに向かう。
その有美の対戦相手としてリングインするのは、黒ビキニに黒いリングシューズ姿の熊多曜子。
そう、今夜は曜子の初めてのグラビアアイドルベルトの防衛戦・・・。
リングインすると、観客席に頭を下げてコーナーに向かう曜子。既にお互いがグラビア1トーナメント決勝で試合経験がある二人。今夜はベルトを賭けた試合に気合いが入る。
早くもリングアナがコールを始めた・・・。
『青コーナー〜・・・身長168p、上から84、58、85・・・杉元〜有美〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする有美。対戦相手の曜子とは視線を合わさずに意識を集中している。
『赤コーナー〜・・・身長164p、上から92、56、88・・・熊多〜曜子〜っ!』
そしてベルトを両手で挙げてアピールする曜子。試合が終了した時に、このベルトがくびれたウエストに巻くことが出来るか・・・。
ベルトがレフリーに渡されると、お互いにコーナーでゴングが鳴るのを待つ曜子と有美。
そしてレフリーが開始のゴングを要請した。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す両者。
まずは距離を置いて睨み合う展開から、リング中央で組み合ってのロックアップから始まっていく展開。
身長では有美、ボディは曜子が勝るような両者の体格。お互いが引かずに組み合っていく展開から、まずは有美が押し勝ってロープへ曜子の背中を押しつけた。
レフリーがロープだからと離そうとすると、有美が離れ際に張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・・
張り手を受けて表情の変わる曜子。
対して有美は曜子に対して宣戦布告とでも言うような表情。
観客席から拍手が起きると、お互いが距離を置いて睨み合うリング上。
そしてリング中央でロックアップとばかりに組み合うと、今度は左右に身体を揺さぶりながら曜子が有美を押し出していく。
ロープに有美を押しつけると、曜子が強烈な張り手を返した。
バッシーン・・・
頬を押さえる有美。
曜子としてはやられたらやり返すとばかりの表情を浮かべると、観客席が盛り上がる。
張り手を受けて有美はエルボースマッシュを叩き込むと、曜子も負けずにエルボースマッシュを返していく。
バキッ・・バキッ・・
そして有美が曜子をロープに振ると、バストを揺らしてロープから戻ってくる曜子にボディアタックを仕掛ける。
バッシーン・・・
倒れ込むとそのままフォールする。
『ワン・・・』
しかしまだまだ試合は始まったばかりで、曜子は簡単に返していく。
返されると座らせた状態からスリーパーで締め上げる有美。しかし曜子はロープに足を伸ばして逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが放させると、お互いが立ち上がって睨み合う。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に曜子がタックルを仕掛けると、有美が反応するがグラウンド状態に持ち込まれた。
サイドポジションから腕を狙っていく曜子。必死にガードする有美。
素早く動く曜子は、そのまま上四方固めの体制で、自ら自慢のバストを有美の顔面に押しつけていく。
曜子のバストに顔面を圧迫されて苦しい有美は、両足を動かして逃れようとするが、曜子も簡単には離れない。
苦しむ有美に、曜子は腕を狙っていくが、有美も強引に腕を抜いて逃れた。
素早く立ち上がる曜子と有美。
今度は有美がドロップキックを仕掛けると、曜子のバストを揃えた両足が抉る。
バシィィィィ・・・
「痛いぃぃ・・・」
ビキニに包まれたバストを蹴られて悲鳴をあげる曜子。
立ち上がる曜子にヘッドロックで締め上げる有美。
しかし曜子が有美をロープに振っていくと、ロープから戻る有美にドロップキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
「んあっ!」
曜子のドロップキックに悲鳴をあげる有美。
立ち上がろうとする有美に、曜子がスリーパーを仕掛けるが有美がロープに逃れた。
ロープに逃げられると、曜子は有美にヘッドロックで締め上げてリング中央に連れ出していく。
バックドロップで返したい有美だが、曜子も重心を落として返されないようにしている。
投げられないからと、有美はロープに振っていくと、ロープから戻る曜子がショルダータックルで有美を倒していく。
今度は曜子が走り出して勢いをつけると、フライングラリアットを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
倒れ込むとフォールしていく曜子。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし有美が返していく。
返されたからとビキニを直しながら立ち上がると、立ち上がろうとする有美の背中にサッカーボールキックを叩き込む曜子。
バッシーン・・・
蹴られて苦痛に表情を歪ませる有美。
バッシーン・・・
更に曜子がサッカーボールキックを叩き込む。
競泳水着の開いた部分の背中の素肌に、リングシューズの紐の痕が浮かび上がる程の衝撃。
有美が痛がると、曜子が髪を鷲掴みにして起こしていく。
起こしていくと、有美も曜子のお腹に拳を叩き込むと、動きが鈍った曜子にヘッドロックで締め上げる。
曜子がバックドロップを仕掛けるが、有美が踏ん張って投げられずに不発に終わる。
続けて有美がヘッドロックで締め上げると、そのままブルドッキングヘッドロックで曜子をマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
「きゃあああぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる曜子。
マットに叩き付けられて痛がっていると、有美が腰に座るようにしてからキャメルクラッチを仕掛けていく。
グイッ・・・
「あうっ・・・」
上半身を反らされて痛がる曜子。ビキニ姿だからと、92pのバストが作り出す見事な胸の谷間に観客達の視線が集まる。
両脇に足を掛けて、更に痛めつけていく有美。
胸の谷間に汗を流しながら耐えていく曜子。レフリーがギブアップの確認をするが、曜子は耐えていく・・・。
『熊多、ギブアップ?・・・ギブか?』
レフリーの問いかけに耐える曜子。
ギブアップしないからと、有美が技を解いて立ち上がっていく。
そして俯せ状態の曜子にストンピングを叩き込むと、髪を掴んで起こしていくと、ヘッドロックで締め上げてはスタミナを奪おうとする有美。
しかし曜子がロープに振っていくと、返ってきたところへドロップキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「くっ・・」
ドロップキックを受けてダウンする有美。
立ち上がろうとする有美に、曜子が喧嘩キックからフロントスリーパー状態に持ち込んでDDTでマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
脳天から叩き付けられてグッタリする有美に、素早く曜子がフォールする。
『ワン・・・ツー・・・ス・・・』
しかし有美が返すと、曜子は立ち上がってから素早くバストを狙ってエルボードロップを叩き込んでいく。
ドスッ・・・
「んああぁぁぁ・・・」
胸へのエルボードロップに悲鳴をあげる有美。曜子はそのままフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・』
しかしこれも有美は返していくと、曜子は立ち上がるとストンピングを叩き込んでから起こしていく。
そして有美の腕を絡ませてダブルアームスープレックスの体制に持ち込む曜子。力からもスープレックスよりもフェイスバスターを狙っている様子だが、有美が押し出してロープに逃れる。
『ブレーク・・・』
レフリーがロープだからと曜子に放させると、呼吸を整えながら距離を置く有美と曜子。
距離があるからと、今度は有美がタックルを仕掛けようと狙うが、曜子もバストを揺らしながらタックルを仕掛けるような姿勢に。
有美がタックルを仕掛けると、曜子が上手く押し潰していく。
マットに押しつけられた有美に、曜子が素早くバックを取っていて様子を見る。
有美も体制を入れ替えようと動くと、曜子の腕が喉元に滑り込んだ。
グイッ・・
「うっ・・・ううっ・・・」
曜子が一気にチョークスリーパーで締め上げていくと、藻掻き苦しむ有美。
更に両足をフックしてのアナコンダスリーパーに移行して締め上げる曜子。
苦悶の表情の有美。必死に耐えるが曜子のチョークスリーパーも完全に頸動脈を捉えていないから、失神までには至らない。
そして曜子が技を解くと、曜子自身も呼吸を乱しながら立ち上がると有美の髪を片手で鷲掴みにして、右拳を固めて観客席にアピールした。
そして膝をつく有美の額に、固めた拳を叩き込むナックルパンチを連打する曜子。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・バキッ・・バキッ・・
「いやああぁぁぁ・・・」
絶叫する有美。額への反則パンチ攻撃に痛がるが、レフリーも曜子に反則だからと止めていく。
レフリーに止められると、立ち上がろうとする有美に、姿勢が低いからと延髄蹴りを仕掛けた曜子。
バッシーン・・・
これには有美がマットに崩れ落ちると、曜子が観客にアピールした。
「決めるわよぉぉぉぉぉぉ・・・」
曜子のアピールに観客席が盛り上がる中、有美を起こして身体を密着させるように卍固めを仕掛けた曜子。
グイッ・・・
苦悶の表情で逃れようとする有美。延髄蹴りのダメージから苦しい状態が続くが、必死に耐えていく。
『杉元っ、ギブアップ?』
レフリーの問いかけに耐えていく有美。
「ノォォォォォ・・・ノォォォォォォ・・・・」
曜子もギブアップ狙いで締め上げていくが、全身から汗を噴き出しながらも耐えていく有美。
次第に汗で滑って技が解けていくと、曜子が技を解いていく。
ギブアップを奪えなかったから悔しそうな表情を浮かべる曜子。
しかし有美が一瞬の隙を突いて逆さ押さえ込みを仕掛けた。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・・』
咄嗟の逆襲に対応が遅れた曜子。ビキニからバストが飛び出しそうに逆さにされたが、ギリギリで返していく。
これには悔しそうにマットを叩く有美。
立ち上がろうとする曜子のバストへ膝蹴りを叩き込むと、強引にパイルドライバーの体制に持ち込もうとする有美。
しかし曜子も藻掻いてバランスを崩させて、逆に押し込んで有美を倒していく。
倒されても有美が下から曜子の腕をキャッチすると、三角締めを狙うと曜子が慌てて腕を引いていく。
離れない有美に曜子が上から張り手を叩き込むと、有美が堪らず放してしまった・・・。
曜子がストンピングを叩き込んでから、またもフォールを仕掛けた。
しかし有美がブリッジから返していくと、転がるようにロープに足を伸ばして逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが曜子を離すと、有美は水着を直しながら立ち上がる。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に構える両者。
有美は踏み込んで張り手を叩き込むと、曜子も負けじとばかりに張り手を返して張り手合戦になっていく。
パッシーン・・バッシーン・・
張り手でお互いの頬を叩き合うと、有美が組み付いてボディスラムで曜子を無理矢理マットに投げつけると、そのまま両足を抱え込んで逆エビ固めを仕掛けた。
グイッ・・
「ううっ・・いやああぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる曜子。
腰を落として痛めつけていく有美。曜子は堪らずロープに手を伸ばすが、なかなか届かない。
レフリーも曜子の痛がり様にギブアップの確認をするが、曜子はギブアップはせずにロープに逃れようと必死になる。
「ノォォォォォ・・・・・・ギブしないわ・・・ああああああっ・・・」
ビキニだからバストが飛び出しそうになる曜子。乳房が露わになる寸前で、何とか乳首は露わにならないが、観客席からは期待する視線が集中している。
曜子も技の痛さと、バストが飛び出すかもと言う気持ちの中、必死にロープに逃れようとすると、何とかロープに手が届いた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが有美に技を解くように指示すると、有美は残念がって技を解いていく。
技を解かれてグッタリする曜子。
その曜子の足を掴んでロープから離す有美。
続けて足を絡ませてSTFを仕掛けると、またも曜子の表情が苦痛に歪む。
グイッ・・・
「うううっ・・うあっ・・ああっ・・・」
締め上げられて苦しむ曜子。
必死に耐える曜子に、ギブアップ狙いの有美。
しかし汗で滑って顔から腕が滑って技が解けかけると、曜子が藻掻いて逃れる事に成功してロープに逃れた。
有美が立ち上がってサッカーボールキックをヒップに叩き込むが、曜子はロープにしがみついてロープをアピール。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが有美を離してから、曜子をゆっくりと立たせていく。
『ファイト!』
呼吸も荒く苦しそうな曜子。有美も呼吸を荒くしているが、接戦状態だからと気合いを入れる。
距離を詰めると、曜子が張り手を叩き込む。
バッシーン・・・
曜子の張り手に有美も張り返す。
バッシーン・・・
張り手が炸裂すると、汗が飛び散る程の衝撃。グラビアアイドルの強烈な張り手に歓声が起きていく。
バッシーン・・・バッシーン・・・
意地が激突するリング上。お互いが引かずに叩き合うと、口の中を切って血飛沫が散るリング上。
有美が髪を鷲掴みにして強引にヘッドロックに持ち込むと、曜子も意地になって身体を密着させてバックドロップを仕掛けた。
バシィィィィィ・・・
綺麗にバックドロップが炸裂すると、有美は後頭部を打ち付けて大の字状態でダウンする。
曜子がゆっくりとフォールすると、レフリーがカウントを数えた。
『ワン・・・ツー・・・スリィ・・・』
しかし有美が意地でギリギリで返すと、観客席から歓声が送られていく。
逆に悔しがる曜子。スリーカウントが入ると自信を持っていただけに、返されたのはショックを受けている。
しかし休んでいる暇はないとばかりに、曜子が立ち上がると観客に拳を突き上げてアピールした。
「決めるぞぉぉぉぉぉ・・・」
曜子の叫び声に歓声が起きると、ダウンしている有美のお腹に飛び上がってフットスタンプを叩き込む曜子。
ドスッ・・・
「グッ・・オエッ・・・」
曜子のフットスタンプを受けて口から胃液の様な物を吐き出す有美。
そして両手でお腹を押さえて苦しむ有美に、曜子が両足を抱え込むと、お返しとばかりに逆エビ固めで痛めつけていく。
グイッ・・・
身体をCの字にされて激痛に痛がる有美。
曜子は容赦なく腰を落としていくと、有美の背骨が悲鳴をあげていく・・・。
グイッ・・・
「痛いぃぃぃぃぃ・・・・ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
有美の激しく痛がる表情に、観客席からは大歓声がおきていく。
曜子が揺さぶりかけると、有美は堪らずマットを叩いた。
「ぎ、ギブ・・・ギブアップ!」
有美のギブアップにレフリーがゴングを要請すると、ここで試合が終わりを告げた。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音に技を解く曜子。
一方、有美は腰を押さえて立ち上がる事が出来ない。
『ただ今の試合、逆エビ固めにより熊多曜子の勝利となりました!』
コールを受けて片手を挙げて勝利を喜ぶ曜子。
そしてベルトを腰に巻くと、負けた有美に手を伸ばして健闘を讃えた。
こうして初防衛戦を終えた曜子は、次なる試合に向けて意識を向けていくのであった・・・。



第23試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、グラビアからは遠ざかった乙羽。黒いビキニに黒いリングシューズ姿でリングインすると、コーナーに進んでいく。ヘビー級タイトルマッチの前に組まれた試合だけに、対戦相手が気になるところ。
その乙羽の対戦相手としてリングインするは、リアンディゾン。ディゾンもグラビアからも芸能界からも活動の場が少なくなり、アピールの為の地下プロレスの試合と言う事で、今夜は大暴れが予想された。白いビキニに白いリングシューズでママさんタレント同士の試合に観客席も盛り上がっていく。
『青コーナー〜・・・身長157p、上から89、59、85・・・乙羽〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする乙羽。ディゾン相手では生け贄にされてしまうのか・・・。
『赤コーナー〜・・・身長167p、上から86、60、89・・・リアン・ディゾン〜っ!』
そしてコールを受けてガッツポーズで観客にアピールするディゾン。
ディゾンの堂々とした態度に、緊張感を隠せない乙羽。
体格差はあるが、地下プロレスの経験からは乙羽が上だが、やられ役が多いのも事実・・・。ゴングを待ちわびる観客達・・・。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、いきなりディゾンが突進すると、反対コーナーの乙羽に喧嘩キックを叩き込んだ。
ドスッ・・
「ぐふうっ・・・」
いきなりの喧嘩キックにお腹を押さえて苦しむ乙羽。
「イッツァ、ショータイム!」
ディゾンが叫ぶと、ハイキックを顔面に叩き込んでいく。
バッシーン・・・
「ああああ・・・」
堪らず倒れ込むと、転がるようにリング下に逃れていく乙羽。
顔面を両手で押さえて痛がっている乙羽に、ディゾンはゆっくりとリング下に降りていく。
乙羽が立ち上がろうとすると、ディゾンは近くのパイプ椅子を手に近づいた。
片手でパイプ椅子を持って、片手を振り回すようにして観客を煽るディゾン。
そして、立ち上がる乙羽が振り向くと、お腹にパイプ椅子の角を叩き付けた。
ドスッ・・
「うげっ・・・うううっ・・・」
お腹へのパイプ椅子攻撃に苦しむ乙羽。
可愛らしい悲鳴に観客席も盛り上がるが、ディゾンは構わず髪を鷲掴みにして起こしていく。
乙羽も意地になってタックルの様に組み付くが、背中にハンマーパンチを落とされるとクラッチが外れた・・・。
そして場外での容赦ないパイルドライバーが乙羽を襲った。
ゴキィィィィ・・・
「いやあぁぁぁぁぁぁ・・・・」
乙羽が脳天から叩き付けられると、大きな悲鳴をあげてグッタリしていく。
早くも一方的な展開に盛り上がる観客席。
ディゾンはゆっくりと立ち上がると、仰向けの乙羽のバストに強烈なストンピングを叩き込んでいく。
グニュ・・グニュ・・グニュ・・
「あああっ・・・いやあっ・・・ああんっ・・」
乙羽の可愛らしい悲鳴に会場内が盛り上がっていく。
ビキニからバストが飛び出しそうになるも構わず蹴りこむディゾン。
グニュ・・・
バストを踏みつけてアピールするディゾン。
「オチメノ、グラドル・・・ヨウシャセズニ、イジメテアゲル・・」
ディゾンはドミネーション宣言とも言えるアピールをすると、乙羽の髪を掴んで起こしていく。
今度はリング上に戻していくと、転がるようにリング上に戻される乙羽。
ディゾンも素早くリング上に戻ると、乙羽の両足を掴んで股裂き攻撃を仕掛けていく。
「んあああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
股間を押さえて悲鳴をあげる乙羽。
「モット、イタイコトシテアゲルヨ!」
ディゾンが叫ぶと、マットをバンバンと激しく叩く乙羽の股間へフライングヘッドバッドを叩き込んだ。
ゴキィィィィ・・・
「ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
股間への激しい衝撃に絶叫する乙羽。
股間を押さえて痛がる乙羽の髪を鷲掴みにすると、ディゾンが観客に向かってアピールする。
片手を挙げてアピールするディゾン。
しかし乙羽も意地を見せて股間へアッパーパンチを叩き込んだ。
ゴキィィィ・・・
「ふぎっ!」
変な悲鳴をあげて崩れ落ちるディゾン。
乙羽も股間を痛がりながらも立ち上がると、股間を押さえるディゾンにチョークスリーパーを仕掛けた。
グイッ・・
喉元を締め上げられて苦しいディゾン。苦悶の表情でロープに手を伸ばすと、観客席からは大歓声が起きていく。
大きなバストを押しつけながら、必死にチョークスリーパーで締め上げる乙羽。
しかしディゾンの手がロープを掴むと、レフリーが非情にも放すように指示した。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの支持に技を解く乙羽。
「コホッ・・コホッ・・」
チョークスリーパーから解放されて、咳き込みながら苦しむディゾン。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に、乙羽がロープに振ろうとすると、逆にディゾンが乙羽をロープに振った。
ロープか戻る乙羽に喧嘩キックをお腹に叩き込むディゾン。
ドスッ・・
「うぐっ・・」
お腹を押さえて苦しむ乙羽。簡単に流れを変えられて苦しい乙羽に、ディゾンはコーナーに押し込んでいく。
そして容赦ない張り手の連打で乙羽を追い込んでいく。
バッシーン・・バッシーン・・バッシーン・・
「あんっ・・・あああっ・・・イタイっ・・・」
防戦一方になる乙羽。次第に目には涙が浮かび上がっていく・・・。
コーナーから逃れようとするが、ディゾンのニーリフトをバストに受けて動きが止まる乙羽。
そしてロープに乙羽の両腕を絡ませて動けなくするディゾン。
拳を固めて振り回すディゾンが観客にアピールすると、磔状態の乙羽のバストにパンチ攻撃を加えていく。
グニュ・・グニュ・・
「んあああぁぁぁぁぁ・・・」
バストを殴られて絶叫する乙羽。
「コホッ・・コホッ・・コホッ・・」
更にお腹にボディブローを受けて、激しく咳き込む乙羽。
続けて顔面にもパンチ攻撃が加えられると、乙羽が激しく悲鳴をあげた。
「いやあぁぁぁぁぁ・・・・」
レフリーが一旦試合を止めると、乙羽をロープから解放するが、乙羽はレフリーに顔面パンチが反則だから抗議するが、レフリーは続行を指示した。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に、ディゾンはローキックからミドルキックと打撃技で攻めると、乙羽は打撃に対するガードが対応出来ずに、サンドバック状態になっていく。
ディゾンはローキックで攻めると、乙羽の意識を下に持っていってから、強烈なハイキックを顔面に叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
顔面へのハイキックにダウンする乙羽。しかしプロレスルールだから試合は止まらない。
髪を鷲掴みにして無理矢理に起こしていくディゾン。
苦しむ乙羽を起こすと、膝蹴りをボディに連打した。
ドスッ・・ドスッ・・ドスッ・・
「うっ・・ううっ・・・」
膝蹴りを受けてグロッキー状態の乙羽。
「ファンサービス・・・!」
ディゾンが叫ぶと、乙羽のビキニを剥ぎ取ってトップレスにしていく。
ビキニを取られても奪い返す事が出来ない乙羽。
ビキニを観客席に投げ込むと、トップレス状態の乙羽にチョークスリーパーを仕掛けるディゾン。
グイッ・・・
これには乙羽が両手を激しく揺さぶって逃れようとするが、ディゾンも倒れ込む様にグラウンド状態にすると、両足を絡ませてアナコンダスリーパーに移行した。
ディゾンの腕を掴もうとする乙羽。苦悶の表情で藻掻くが、ディゾンは容赦しない・・・。
胸を揺さぶりながら苦しむ乙羽。次第に抵抗が少なくなっていく・・・。
レフリーが乙羽の手を掴んでチェックするが、乙羽が意識を失って失神してしまった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが乱打されると、ここでディゾンのレフリーストップ勝ちが決まった。
『ただ今の試合、レフリーストップでリアン・ディゾンの勝利となりました!』
技を解くと、ディゾンは失神して倒れている乙羽の顔面を踏みつけてガッツポーズをとった。
そしてゆっくりとリングを降りるディゾン。一方、乙羽は担架に乗せられてリングを降りるのであった・・・。



第24試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、売り出し中のグラビアアイドルの村神友梨。白いビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって頭を下げた。
その友梨の対戦相手、今夜はヘビー級タイトル戦で藤原紀華。黒い競泳水着と黒いリングシューズ姿でリングインすると、緊張している友梨に視線を送ることなくコーナーに進んでいく。
初のヘビー級防衛戦、対戦相手が地下プロレス2戦目の友梨。大型新人が相手と言う事に、紀華は少し苛ついている様子。
そしてリングアナがコールを始めると、まずは友梨からコールされていく・・・。
『青コーナー〜・・・身長168p、上から92、58、84・・・村神友梨〜っ!』
コールされて笑顔で観客にアピールする友梨。
『赤コーナー〜・・・身長171p、上から88、60、89・・・藤原紀華〜っ!』
そしてコールを受けて余裕で片手を挙げてアピールする紀華。
緊張感漂うリング上。観客からも友梨が紀華相手にどんな試合をするのか楽しみと言う声が聞こえるが、ここでレフリーが試合開始のゴングを要請した・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時に距離を詰める友梨と紀華。
まずは友梨がロックアップの体勢に持ち込もうとすると、紀華も受けてロックアップ状態となるリング上。
友梨が押し込むと、少しずつ紀華の身体をコーナーに押し込んでいく。
そして紀華の背中がコーナーに押しつけられると、離すと同時に友梨が水平チョップを喉元に叩き込んだ。
バッシーン・・・
これには喉元を押さえる紀華。同時に観客席からは大歓声が起きていく。
続けて蹴りを入れてから、反対コーナーに振ろうとする友梨だが、逆に紀華にコーナーに振られてしまった。
コーナーに叩き付けられる様になってから寄りかかった状態の友梨。
紀華は深追いせずに距離を置いた。
『ファイト!』
レフリーが掛け声をかけると、友梨がコーナーから前に出る。
距離が詰まると、紀華がローキックを放った。
バシィィィィィ・・・
「うっ・・・」
蹴られて痛がる友梨。
更に紀華のローキックが叩き込まれていく。
バシィィィィ・・・
「くっ・・・」
ローキックを受けて距離を置く友梨。
しかし紀華が前に出てミドルキックを放つと、脇腹に蹴りが炸裂した。
バシッ・・
「あうっ・・・」
堪らずガードを固める友梨に、左右の掌打をガード上から叩き込む紀華。
友梨も張り手を返すと、タックル気味に組み付いていく。
友梨が前に出たからとフロントスリーパーで締め上げる紀華。
グイッ・・
必死に紀華をロープに押し込むが、首を極められて苦しい友梨。
ロープを掴むと、ここでレフリーがロープと放すように指示していく。
『ブレーク・・・ブレーク・・・』
レフリーの指示に技を解いていく紀華。
友梨も解放されて首を気にしながら距離を置いていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に友梨が走り込んでドロップキックを放つと、紀華は避けて叩き落としていく。
起き上がろうとする友梨のバストにサッカーボールキックを叩き込む紀華。
バシィィィィ・・・
ビキニに包まれたバストを蹴られて動きの止まる友梨。
更にバストにサッカーボールキックを叩き込むと、顔面にも蹴りを入れていく紀華。
バシィィィィィ・・・
顔面に蹴りを受けて崩れ落ちる友梨。仰向けになってダウンすると、紀華は足を掴みにいくが、友梨がバタバタと抵抗して逃れる。
レフリーが紀華を離して、友梨を起こしていく。
呼吸を整えながら立ち上がっていく友梨。しかし打撃で受けたダメージから、身体中に内出血している部分などもあり痛々しい。
『ファイト!』
レフリーの掛け声にガードを固めて距離を詰める友梨。
距離が詰まると、ローキックで牽制する紀華。
バシッ・・・
「あうっ・・」
ローキックを受けて動きが止まる友梨。
更にローキックを放つ紀華に、友梨が組み付いてヘッドロックを仕掛けた。
無理矢理に近い形でもヘッドロックで押さえる友梨。
しかし紀華が身体を密着させてバックドロップで投げていく。
バッシーン・・・
バックドロップで反撃されて大の字になる友梨。
紀華が余裕の表情を浮かべると、立ち上がってからゆっくりと友梨のバストを踏みつけていく。
「レフリー、フォール!」
紀華の言葉にレフリーがカウントを始めた。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・・』
しかし友梨が意地になって返すと、観客席からは大歓声が起きていく。
返した友梨に立ち上がるように手招きしていく紀華。
友梨は余裕の表情の紀華に恐怖心を抱きだすが、立ち上がり様に低空タックルを仕掛ける。
これには紀華も反応して潰していくと、マットに押しつけられていく友梨。
ビキニブラジャーが外れそうになるが、友梨は気づかずに藻掻いていく。
紀華がポジションを入れ替えてバックを取ると、チョークスリーパーを狙うが友梨の手がロープに伸びた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが止めると、技を解いていく紀華。友梨は咳き込みながら外れそうになったビキニに気がつき、恥ずかしそうに直していく。
友梨がビキニを直すと、レフリーが続行に指示を出した。
『ファイト!』
距離を詰める紀華に、友梨が大振りの張り手で抵抗すると、紀華がローキックから前に出た。
堪らずガードを固める友梨に、紀華は首相撲の様に組み付いていく。
そして強烈な膝蹴りをボディに叩き込むと、友梨の表情が苦悶に歪む。
必死にガードしようとする友梨。しかし紀華に押し出されてコーナーに追い込まれていく。
コーナーでガード上げる友梨に、紀華はミドルキックやローキックで蹴りこんだ。
バシィィィ・・・バシッ・・・
「ううっ・・・あうっ・・・」
ガードが下がり身体がくの字になりはじめた友梨。
そこへ狙いを定めてハイキックを叩き込む紀華。
バシィィィィ・・・
これには友梨がコーナーに崩れるようにダウンした。
グッタリする友梨の髪を掴んで起こしていく紀華。
足元がフラついている友梨だが、紀華のお腹にパンチを放つなど抵抗していく。
お腹を殴られた紀華だが、逆にコーナーに押し込んでお腹に膝蹴りを叩き込む。
ドスッ・・
「ふぐっ・・うううっ・・・」
口から胃液の様な物を垂れ流す友梨。お腹への膝蹴りは相当なダメージを受けた様子。
両手でお腹を押さえる友梨に、紀華は観客席にアピールする様に片手を挙げていく。
そして友梨のお腹にグーパンチで何度も殴りつけると、口をパクパクさせて苦しむ友梨。
ドスッ・・ドスッ・・ドスッ・・・
「ううっ・・・ああっ・・・・ぐふうっ・・・」
下を向く友梨に、紀華は狙いを定めて顔面へ膝蹴りを叩き込んだ。
ゴキィィィィィ・・・
堪らずコーナーに崩れ落ちる友梨の身体。俯せ状態でグッタリとダウンすると、レフリーも試合を止めるか迷う中、紀華が髪を鷲掴みにしてコーナーから離していく。
もう抵抗もできない友梨は俯せでグッタリとしていると、紀華がバックを奪って観客席に向かって腕をアピール。
そしてその腕を滑り込ませるようにチョークスリーパーを仕掛けると、もう抵抗もできない友梨を締め上げた。
紀華の腕を掴もうとする友梨。しかし紀華が失神KO狙いで締め上げると、友梨が落ちてしまった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
失神を確認したレフリーがゴングを要請すると、ここで試合は終わりを告げるのであった。
技を解いた紀華は立ち上がると、グッタリとしている友梨の後頭部を踏みつけて観客に勝利をアピール。
リングドクターは急いで友梨の応急処置に動くと、リングアナがコールした。
『ただ今の試合、藤原紀華のレフリーストップ勝利となりました!』
リングアナのコールに続き、ヘビー級ベルトが紀華の腰に巻かれると、観客席からは大歓声が起きていく。
こうして紀華の始めての防衛戦が終わったのであった・・・。

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