第1試合

2011年に入って初めての大会が幕が降りた。
『選手入場っ!』
観客席が埋まり盛り上がっている中、リングアナのコールが響き渡り最初の試合の二人が姿を現した。
最初に姿を現したのは、女優として実績を積み始めている大池栄子。第1試合からの登場に観客席も盛り上がるが、今夜は対戦相手が問題だった・・・。
反対コーナーへ姿を現したのは、現役女子プロレスラーの栗原歩美。地下プロレスに歩美を出場させるにも、対戦相手の選定が難航していたが、バラエティでプロレス経験もあり、また体格的にも負けていない栄子が選ばれた。
胸の谷間が強調された黒いスポーツビキニに黒いリングシューズ姿の栄子は、歩美の登場に緊張感を隠せない。
対して歩美はタレントが対戦相手で、また地下プロレスの特性を聞いていてどういう試合展開にするか、戸惑いもある様子。しかし赤いスポーツビキニの様なリングコスチューム姿で栄子を睨み付けた。
『第1試合・・・・女子プロレスラー栗原歩美、地下プロレスデビュー戦!・・・青コーナー〜・・・身長166p、上から91、59、87・・・大池栄子〜っ!』
コールを受けて片手を挙げる栄子。しかし今夜の対戦相手は現役プロレスラーと言う事で、生け贄にされる可能性が大きく緊張感を隠せない。
『赤コーナー〜・・・身長164p、今夜が地下プロレスデビュー戦・・・・栗原歩美〜っ!』
コールを受けて一礼していく歩美。タレント相手のプロレスと言う事で、試合の組み立てを考えながらコーナーに寄りかかった。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、まずはコーナーから飛び出して距離を置く両者。
プロレススタイルで歩美が手を出して誘い込むと、栄子も片手をのばした。
そして一気に組み合ってロックアップとなるが、プロレスラー相手にガッチリと組んで力で負けていない様にも見える栄子。
しかし歩美もプロの意地でロープ際まで押し込むと、栄子の頬に強烈な張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・・
張り手を受けて動きの止まる栄子だが、すかさず張り手を返した。
バッシーン・・・
栄子の張り手に驚きの表情を浮かべる歩美。続けて栄子が張り手を叩き込むと、歩美も張り手を返しての張り手合戦になっていく。
バシィィィ・・・バシィィィ・・・バシィィィィ・・・
張り手が続くと、歩美が栄子をロープに振った。
「おらあぁぁぁぁぁ・・・」
歩美の掛け声と共にロープに飛ばされる栄子。
勢いよく戻ると、歩美が必殺技のネックブリーカードロップで後頭部からマットに栄子を叩き付けた。
バッシーン・・・・
「んあっ・・」
後頭部を叩き付けられて苦しむ栄子。
立ち上がれないと、歩美が髪を鷲掴みにして起こしていくと、栄子も意地になって水平チョップを叩き込むと、組み付いてボディスラムで投げ飛ばした。
バッシーン・・・
プロレスラー相手にボディスラムを出した栄子に観客席から大歓声が起きると、続けてスリーパーでスタミナを奪おうと締め上げていく。
30歳の栄子と26歳の歩美。スタミナ勝負になると、プロと素人もあるが歩美が有利。
栄子のスリーパーに、歩美がロープに足を伸ばしていくと、ここでレフリーが止めていく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの言葉にスリーパーを解く栄子。素早く立ち上がると、歩美も喉元を気にしながらも立ち上がる。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に、距離を詰めていく栄子と歩美。
栄子がヘッドロックに捉えると、歩美がロープに振っていく。
ロープから戻る栄子に、ネックブリーカードロップを放つ歩美。
バッシーン・・・
「んあっ!」
後頭部からマットに叩き付けられて苦しい栄子。
続けてストンピングを叩き込まれてから、髪を鷲掴みにされて起こされていく。
大技バックドロップを狙う歩美に、栄子は焦る様にカンガルーキックで返すと、怯む歩美にチョークスリーパーを仕掛ける。
グイッ・・
栄子のチョークスリーパーに苦悶の表情を浮かべる歩美。
ガッチリと締めていく栄子に、観客席からも歓声が起きていく。
しかし歩美もロープに手を伸ばすと、苦悶の表情を浮かべながらもロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
またもロープに逃げられて悔しがる栄子。しかしレフリーの指示に技を解くと水着を直しながら距離を置いていく。
「コホッ・・コホッ・・・」
咳き込みながら距離を置く歩美。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰める両者。ガッチリとロックアップ状態になるが、意地になる栄子が押し出すと、歩美が蹴りを出して怯ませた。
そして腕を取るが栄子も蹴りで抵抗すると、飛びつき腕拉ぎ逆十字固めを仕掛ける栄子。
しかし慣れない訳に抜けてしまうと、逆に歩美が足をキャッチしてアキレス腱固めを仕掛けた。
グイッ・・
「ああああぁぁぁぁぁ・・・」
栄子が絶叫しながらロープに逃れると、レフリーが放すように指示する。
『ファイト!』
レフリーの言葉に距離を置こうとする栄子に、歩美は踏み込んでローキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
蹴りこまれて距離を置きたい栄子だが、歩美がローキックを放っていく。
バシィィィィ・・・
「痛いっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる栄子。
逃れようとした瞬間、歩美が後頭部にラリアットを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「ふぎっ!」
変な悲鳴をあげてロープに寄りかかる栄子に、歩美は観客席にアピールする様にして、栄子の髪を鷲掴みにして顔をトップロープに擦りつけていく。
ギュ・・ギュギュ・・・
「あああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
顔面を擦りつけられて絶叫する栄子。そのままコーナーに連れ出すと、寄りかからせてからセカンドロープに登っていく歩美。
「いくぞぉぉぉぉぉ・・・」
観客にアピールしてから、片手で髪を掴んで片手を握りしめると、栄子の額にグーパンチを連打する歩美。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・
痛がる栄子に構わず痛めつけていく歩美。
フラついている栄子に、コーナーで組み付いてブレンバスターで投げつけていく歩美。
バッシーン・・・
大の字状態で倒れ込んでいる栄子に、歩美はバストを踏みつけて観客を煽っていく。
観客席からは歓声とブーイングが入り交じるが、髪を掴んで起こしていく歩美。
しかし栄子も意地になってお腹にパンチを入れてから、ブレンバスターを狙って組み付いていく。
歩美も投げられるなら投げてみろと余裕の表情を浮かべると、腰を落として栄子がブレンバスターを決めた。
バッシーン・・・
これには大歓声が起きると、栄子は虚ろな目をしながらもフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし余裕で返す歩美。
返されたからと、髪を掴んで起こそうとする栄子に、歩美は組み付くと、容赦なくフロントスープレックスでマットに叩き付けると、グッタリしているのも構わず起こしていく。
そしてロープに走ると、ネックブリーカードロップで後頭部からマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
後頭部を押さえて痛がる栄子。
フラフラしながらも立ち上がろうとする栄子を見て、歩美が近くのトップロープに登ると、叫び声をあげた。
「大池っ!」
その呼びかけにフラフラしながら振り向く栄子に、歩美のミサイルキックが顔面に炸裂した。
バシィィィィィ・・・・
「きゃああああぁぁぁぁぁ・・・」
これには絶叫して転がりダウンする栄子。
両手で顔面を押さえて足をバタバタさせて痛がる栄子に、歩美はロープに走って脇腹に低空ドロップキックを叩き込むと、転がすようにリング下へ突き落とした。
リング下でグッタリしている栄子に、歩美はエプロンサイドから狙いを定めると、脇腹へフットスタンプを落としていく。
ドスッ・・
「オエェェェェェ・・・・」
フットスタンプを受けて呻き声をあげるように苦しむ栄子。
口から涎を垂れ流す栄子の髪を鷲掴みにして起こすと、首筋にエルボーを落としてからエプロンサイドに顔面を数回叩き付けてから、リング上に戻していく歩美。
リング上で苦しそうに倒れ込んでいる栄子に、歩美はロープに走って勢いをつけてから、バスト辺りに低空ドロップキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「んあああぁぁぁぁ・・・」
リング下に転落しないようにと、サードロープを掴んでいる栄子。
その栄子の髪を鷲掴みにして起こしてから、コーナーに振っていく歩美。
バッシーン・・・
コーナーに叩き付けられる様に寄りかかる栄子。表情は苦痛に歪む。
そして反対コーナーでアピールしてから、歩美が勢いよく側転などしながら栄子に迫ると、強烈なドロップキックをボディに叩き込んだ。
ドスッ・・・
「グエェェェェェェェ・・・」
堪らず口から反吐を噴き出す栄子。強烈なプロレスラーの狙いを定めたドロップキックの威力に堪らず吐き出した。
お腹を押さえる様にコーナーに崩れ落ちる栄子。
片手を突き上げてアピールしながら栄子を起こしていく歩美。お腹を痛めた栄子に、容赦ないバックドロップでマットに叩き付けていく。
バシィィィィ・・・
後頭部から叩き付けられてグッタリとする栄子。
歩美は立ち上がると、グッタリする栄子の顔面を踏みつけてから頭上で拍手する様にして観客を煽った。
ブーイングと歓声の混じり合う中、栄子の髪を鷲掴みにして起こしてから、またもバックドロップで叩き付けた。
失神寸前の状態になった栄子は、虚ろな目でダウンしている。
歩美が近づいてから、ストンピングを叩き込んでいくと、またも起こしていく。
虚ろな表情をしている栄子に、歩美は一気にチョークスリーパーから寝かせていって、アナコンダスリーパーで締め上げていく。
これには苦しむが抵抗もできない栄子は、意識を失い失神してしまった・・・。
口から泡の様な物を噴き出す栄子・・・。レフリーが危険と判断してゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・カンカンカンカン・・・』
ゴングが乱打される中、レフリーが歩美を止めていく。
しかし歩美も痛めつける事に酔っているのか、栄子を締め上げていく。
『カンカンカンカン・・・』
更にゴングが打ち鳴らされると、歩美はスリーパーを解いて立ち上がった。
地下プロレスでは実力者の大池栄子が、完全に失神KO負けされた現実に、観客席からもレスラーとタレントの力の差を見せつけられた。
『勝者、栗原歩美っ!』
リングアナのコールにレフリーに手を挙げられた歩美は、地下プロレスデビューと共に、タレントとのプロレスを初体験して、この異様な世界での今後を考えているのであった・・・。



第2試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、グラビアで活躍している椙原杏璃。既に地下プロレスの経験もあり異様な雰囲気にも堂々とリングインすると、黒いビキニに黒いリングシューズ姿で観客席に向かって一礼した。
大きく揺れるGカップバストに観客達の視線が集まる中、対戦相手がリングに姿を現した。
今夜の杏璃の対戦相手は、元バレー選手の太山加奈。187pに84sと言う体重では杏璃の倍はあろう体格に、杏璃は言葉を失った・・・。ゆっくりとリングインすると、反対コーナーの杏璃を睨み付けていく加奈。地下プロレス参戦経験があるだけに、今夜の試合で求められているものを理解したようだ。
加奈は黒い競泳用水着を着ているが、あまりの体格差に杏璃が可哀想だと言う声まで聞こえてくる観客席。
『青コーナー〜・・・身長157p、上から89、56、80・・・椙原杏璃〜っ!』
コールを受けて悲壮感漂う表情で観客席に向かって一礼していく杏璃。Gカップが揺れているが、観客席からはドミネーションマッチになると期待する声も・・・。
『赤コーナー〜・・・身長187p、体重84s・・・太山加奈〜っ!』
そしてコールを受けて片手を挙げていく加奈。黙ったままだが、グラビアアイドルとの試合に不満げな表情を浮かべている。
加奈は84s、杏璃は39sと言う体重差。身長差もあり完全にドミネーション確実な試合開始のゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出す杏璃と加奈。
杏璃も地下プロレスの厳しさを知っているだけに、ガードを固めてリング内を回っていく。
一方、加奈も大きな体だが元はバレー選手だけあって、素早く杏璃を追い詰めていく。
手は出さなくても、その圧力で少しずつコーナーに詰めていくと、杏璃の背中がコーナーに触れた。焦る杏璃。
加奈は逃げ場を失った杏璃に、トップロープを掴んで逃がさないようにすると、観客席にアピールするように見渡していく。
杏璃が必死にボディにパンチを入れると、加奈は効かないとばかりに笑みを浮かべると、無理矢理にヘッドロックで締め上げていく。
杏璃もロープに振るなどしたいが、体格差からも振る事もできずに苦しんでいる。
必死に抵抗する杏璃に、加奈がヘッドロックを外してから喉元ら水平チョップを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「ぶふっ・・・」
堪らず喉元を押さえて痛がる杏璃。
続けてコーナーに押し込んでいく加奈は、早くもコーナーで逃げられないようにしてから、体格差を利用してのヒッププッシュを仕掛けた。
バシィィィィ・・・
「ぐふっ・・うううっ・・」
ヒッププッシュを受けて苦しむ杏璃。苦悶の表情を浮かべているが、加奈は容赦なくヒッププッシュを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「んああぁぁぁ・・・・」
悲痛な叫び声をあげてコーナーに崩れ落ちる杏璃。
加奈は余裕を持って片手を挙げてアピールすると、杏璃の両足を抱え込むと、ジャイアントスイングで振り回していく。
「いやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
悲鳴をあげながら振り回される杏璃。
ビキニからはGカップが遠心力に耐えられずに飛び出していく。
加奈が放すと、杏璃はグッタリしながらもビキニを直していくが、観客席からは大歓声が起きていく。
髪を鷲掴みにして起こしていく加奈。
ビキニを必死に直してバストをビキニで隠すが、加奈は容赦なく抱え上げると、アトミックドロップで尾てい骨を痛めつけた。
ゴキィィィィ・・・
「きゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
アトミックドロップを受けて絶叫する杏璃。
加奈が放すと、俯せ状態でダウンして痛がっていると、背中を踏みつけていく加奈。
加奈に踏みつけられて、Gカップバストがマットに押し潰されていく杏璃。
レフリーが加奈を離すと、杏璃はビキニを気にしながらも立ち上がっていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に、距離を置いていく杏璃と加奈。
ガードを固める杏璃は、加奈との距離が詰まるとローキックからミドルキックと打撃技を出していく。
バシッ・・バシィィィ・・・
バストを揺らしながら蹴りこむが、加奈は余裕で蹴りを受けていく。
杏璃も足を狙って動きを止めたいが、加奈も蹴りを受け続けている訳もなく、髪を鷲掴みにしていく。
膝蹴りを出して逃れたい杏璃に、加奈はボディスラムでマットに投げつけた。
バッシーン・・・
マットに投げつけられて苦しい杏璃。
続けてバストを狙ってストンピングを叩き込むと、杏璃は激痛に絶叫する。
「いやああぁぁぁぁぁ・・・・」
バストを押さえて転がるようにリング下に逃れる杏璃。
加奈も逃がさないとばかりに追いかけると、リング下で杏璃の髪を掴んで起こしていく。
「ああああっ・・・」
髪を掴まれて起こされていく杏璃が悲鳴をあげると、加奈は近くの鉄柱に振って叩き付けた。
ゴキィィィィ・・・
「ぎゃああああぁぁぁ・・・・」
悲鳴をあげながら倒れ込む杏璃。
またも髪を鷲掴みにして起こしていくと、今度はリング上に戻していく加奈。
そして自らもリング上に戻ると、俯せ状態の杏璃にストンピングを叩き込んでから、蹴りを入れて仰向けにしていく。
そして跨いでいくと、杏璃のお腹にヒップドロップを落とした。
ドスッ・・・
「ぐふうっ!」
目を見開くようにして苦しむ杏璃。巨体の加奈のヒップドロップに口をパクパクさせて苦しんでいる。
ゆっくりと立ち上がる加奈は、そのまま杏璃のバストを踏みつけてアピールすると、観客席の反応を見ながらグリグリと踏みつけていく。
「あああああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
バストを踏みつけられて悲鳴をあげる杏璃。
更に顔面踏みつけで痛めつけてから、髪を鷲掴みにして起こしていく。
無理矢理起こすと、ボディスラムでマットに叩き付けていく加奈。
バッシーン・・・
「んあああぁぁぁぁ・・・」
ボディスラムで叩き付けられて絶叫する杏璃。
ダウンしている杏璃に、加奈が飛び上がってギロチンドロップを喉元に叩き落とした。
バシィィィィ・・・
「ブフッ・・・」
口から涎のような飛沫を噴き上げる杏璃。完全に動きが止まってしまい一方的な展開になっていく。
グイッ・・・
グッタリする杏璃の髪を掴んで起こす加奈。
フラフラしている杏璃に、背後から一気にチョークスリーパーを仕掛けると、そのままスイングスリーパーで振り回していく加奈。
体格差からも喉元に腕が食い込んだ状態で容赦なく振り回されていく杏璃。
加奈の腕を掴もうと必死になっていたが、両手をダラリとさせて振り回されていく。
完全に失神状態と追い込まれた杏璃に、レフリーが危険と判断してゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・カンカンカンカン・・・』
レフリーが止めるのと同時にゴングが打ち鳴らされると、加奈は技を解いて杏璃をマットに解放した。
グッタリと倒れ込む杏璃。振り回されたからと、自慢のGカップバストがビキニから飛び出している。
『ただ今の試合、レフリーストップで太山加奈の勝利となりました!』
リングアナに手を挙げられていく加奈。その大きな体を利用して、地下プロレスでは活躍が期待されているが、次の対戦相手は一体・・・。



第3試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、グラビアから女優と活躍の場を広げている杉元有美。白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって一礼してコーナーに進んでいく。
その有美の対戦相手としてリングインするのは、卓球界からコスチュームなどで話題にもなっていた四本奈生美。小柄な身体を黒いワンピース水着に黒いリングシューズ姿でリングインすると、観客に向かってガッツポーズでアピールしている。卓球界のジャンヌダルクと呼ばれるだけあって、遂に地下プロレスのリングに登場と言う事に、観客席からは驚きの声も上がっている。
『青コーナー〜・・・身長168p、上から84、58、85・・・杉元有美〜っ!』
そしてコールを受けて片手を挙げてアピールする有美。体格で勝るもアスリート相手にどういう試合を組んでいくのか、注目か集まる。
『赤コーナー〜・・・身長150p、体重40s・・・四本奈生美〜っ!』
コールを受けて一礼していく奈生美。流石にプロレスのリングの上では、緊張感を隠せない。
水着を気にしながらも、コーナーで飛び跳ねたりして身体を動かすと、ここで試合開始のゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、いきなり奈生美がコーナーを飛び出すと、反対コーナーの有美にドロップキックを勢いよく叩き込んでいく。
バシィィィィィ・・・
これにはコーナーに崩れ落ちる有美。
続けて奈生美がストンピングで蹴りこむと、髪を掴んで起こしていく。
しかし有美もお腹にパンチを入れて抵抗すると、奈生美をロープに振っていくと、ロープを掴んで距離を置く奈生美。
緊張感漂う試合序盤。奈生美は水着を気にしながらも、有美との距離を上手く計っていく。
有美も距離を置くと、体格差はあるがアスリート相手だからと緊張感を隠せない。
睨み合いが続くリング上。
そして奈生美が走り込むと、スライディングでカニ挟みで有美を倒していくと、これには観客席から歓声が起きた。
そして足を固めてインディアンデスロックを極めていく奈生美。
グイッ・・・
「くっ・・」
有美の表情が苦痛に歪んでいく。
奈生美は足を極めては、有美の動きを封じようとするが、体格差もあり有美はロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが奈生美に技を解くように指示すると、立ち上がって距離を置いていく。
有美も立ち上がると距離を置くが、奈生美の意外なプロレステクニックに驚きを隠せない。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰める有美と奈生美。
力比べを誘う奈生美に、体格で勝るからと受けようと手を伸ばす有美に、奈生美が喧嘩キックを叩き込んでからヘッドロックで締めていく。
有美が奈生美をロープに振っていくと、逆にネックブリーカードロップで奈生美をマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
マットに叩き付けられて痛がる奈生美を起こしていく有美。
そしてボディスラムでマットに叩き付けると、素早くフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし返していく奈生美。
返されたからと起こしていく有美に、奈生美がタックルを仕掛けてグラウンドに持ち込んでいく。
サイドポジションから横四方固めの様に押さえつけていく奈生美に、有美は身体を動かしてロープに逃れる。
『ブレーク・・・ブレーク・・・』
レフリーの言葉に立ち上がる奈生美。有美も立ち上がると体格差があるから素早く距離を置く奈生美。
有美が距離を詰めていくと、奈生美が素早いタックルを仕掛けるが、両手でタックルを潰していく有美。
更にタックルを仕掛ける奈生美に、有美は潰してからグラウンド状態に持ち込んでいく。
俯せの奈生美を上から押さえつけていく有美。
素早くバックを奪ってからスリーパーを狙うも、奈生美も簡単には喉元に腕を滑り込まさせずに逃れると、ロープへ手を伸ばした。
ロープに逃げられたからと、有美は立ち上がってからストンピングを叩き込むと、髪を掴んで起こしていく。
起こされてタックルを仕掛ける奈生美に、有美は首相撲の体勢に持ち込んでから、ノーガードのボディへ膝蹴りを叩き込んだ。
ドスッ・・
「うっ・・・」
膝蹴りを受けて動きの止まる奈生美。
更にコーナーに押し込む有美は、左右の張り手を叩き込むと、ガードを固めようとする奈生美の顔を狙って張り手を連打する。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・
張り手の連発にガードを固める奈生美。しかし頬を何発も叩かれて苦しい展開になっていく。
更にローキックを叩き込んでいく有美。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・ううっ・・」
一気に打撃技で押し込もうとする有美。奈生美は打撃に対応出来ずに苦しい展開に。
更に顔面へのハイキックを叩き込む有美。身長差もあり簡単に顔面へのハイキックが決まるからと、続けて後頭部へもハイキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
後頭部へのハイキックにマットに崩れ落ちる奈生美。俯せ状態でダウンすると、有美は仰向けにしていく。
仰向けにされて、必死に立ち上がろうとする奈生美に、有美は狙いを定めたハイキックを顔面に叩き込んだ。
バッシーン・・・
顔面を蹴られながらも必死にダウンしないように踏ん張る奈生美。
倒れないからと、有美もミドルキックを脇腹に叩き込んでから、フラフラしている奈生美の顔面にハイキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
ノーガードでハイキックを顔面に受けて、奈生美が鼻から出血していく。
顔面への蹴りの連発に意識を朦朧とさせているのか、ダウンこそしないが目が虚ろになりながら立ち続ける奈生美。
有美も容赦なくミドルキック、ハイキック、ローキックと打撃技でサンドバック状態にしていくが、奈生美がダウンしないからとムキになっていく。
バシィィィィ・・・バシィィィィ・・・
更に首相撲から、髪を掴んでから顔面へ膝蹴りを叩き込む有美。
ゴキッ・・・
鈍い音が響くと、奈生美がマットに崩れ落ちた。
俯せに倒れ込むと奈生美に、KOしたとばかりに片手を突き上げるも、レフリーが試合を止めないから戸惑いの表情を浮かべる有美。
必死に立ち上がろうとする奈生美が手を伸ばすと、有美は戸惑いながらも顔面へ非情なサッカーボールキックを叩き込んだ。
バシィィィィィィ・・・・
顔面への容赦ない蹴りにグッタリとする奈生美。四つん這いまでいってからだったので、ヒップを上げる形でグッタリしていると、ここでレフリーがゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、ここでレフリーが有美の手を挙げていく。
『勝者、杉元有美っ!』
リングアナのコールに笑顔を浮かべる有美だが、失神KOとも言える結果に奈生美を気遣うのであった。



第4試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、世界的テニスプレーヤーのアリア・シャラポワ。地下プロレス参戦2戦目になる今回、またも極秘にリングに立つ事になった。189pの長身を黒い競泳水着に包んで、手にはオープンフィンガーグローブを着けている。
地下プロレスデビュー戦では多丸麻紀を痛めつけての勝利だったが、今回はシャラポワの参戦に合わせて、麻紀と同じ事務所の石河亜沙美が対戦相手として選ばれた。格闘技戦を意識して、白い競泳水着にオープンフィンガーグローブを着けてリングインすると、シャラポワの大きさに緊張しながらもコーナーに進んでいく。
決して地下プロレスのリングでは小さい訳でないが、今夜は亜沙美が小さく見えるリング上。反対コーナーのシャラポワも、大きな亜沙美に少し驚いているが、アスリートとタレントだからと容赦せずに叩き潰そうと思っている様子。
『青コーナー〜・・・身長178p、上から83、63、88・・・石河亜沙美〜っ!』
そしてコールを受けて片手を挙げる亜沙美。麻紀の敵を討ちたいところだが、相手は世界的アスリートで簡単な試合で終わらないのは承知の上。
『赤コーナー〜・・・身長189p、上から88、60、90・・・アリア・シャラポワ〜っ!』
そしてコールを受けたシャラポワは両手を挙げてアピールすると、口にマウスピースを入れていく。
亜沙美もマウスピースを口に入れるが、この試合は格闘技戦と言うルールで戦うことに。
『この試合は、格闘技戦ルールで行われます。KO、ギブアップ、レフリーストップ等にて試合が終了します!』
リングアナの説明が終わると、亜沙美とシャラポワはゴングを待った。
『カァーン!』
ゴングが鳴らされると、いきなり前に出たのは亜沙美で、反対コーナーのシャラポワと距離を詰めると、左右のパンチを連打した。
コーナーを背にガードを固めるが、パンチがヒットして表情を歪ませるシャラポワ。
続けてローキックで足を攻めると、シャラポワもコーナーから逃れて距離を置く。
しかし亜沙美が逃がさずに左右のジャブから距離を詰めると、シャラポワも殴り返した。
バシッ・・
シャラポワのパンチにタックルを狙うが、上手くタイミングが合わずに距離を置く亜沙美。
シャラポワも少しずつ距離を詰めると、ジャブから左右のローキックを放っていく。
バシィィィィ・・・
ローキックを受けて距離を置く亜沙美。しかし身長差からも距離は詰めたいところ。
逆に前蹴りで牽制していく亜沙美は、続けて左右のパンチで距離を詰めると、タックル気味に抱きついた。
これにはシャラポワも組み付いていくが、亜沙美がコーナーに押し込んでいく。
コーナーに押し込んでから、小刻みにボディにパンチを入れていく亜沙美。
嫌がるように、背中にハンマーパンチを入れるシャラポワ。
テイクダウンを奪いたい亜沙美は、倒そうと揺さぶりをかけるもシャラポワが踏ん張ってそれを許さない。
逆にフロントスリーパーを締めようとするシャラポワ。
しかし亜沙美が身体を揺さぶって逃げると、シャラポワは離れ際にパンチを放つ。
シャラポワのパンチをガードして逃れる亜沙美は、ローキックを叩き込むと嫌がるシャラポワ。
ガードを上げて距離を置く亜沙美。
シャラポワもガードを上げると、軽くジャブを放ちながら距離を詰めていく。
前に出るシャラポワに、前蹴りで牽制していく亜沙美。
しかしシャラポワは蹴られても大振りのパンチを放って距離を詰めた。
パンチから逃れても距離が詰まった瞬間、シャラポワが遂にロシアンフックを放った。
バシィィィィィィ・・・
亜沙美の顔面を捉えたロシアンフック。その衝撃に亜沙美が膝をついてダウンする。
堪らず抱きつくように組み付く亜沙美だが、シャラポワが一気に叩き潰そうと髪を鷲掴みにして起こすと、ロープ際に押しつけた。
ガードしようと必死な亜沙美の顔面へ容赦なくパンチを叩き込むシャラポワ。
膝蹴りを出して逃れようとする亜沙美。
バシッ・・
膝蹴りを受けてシャラポワの動きが止まると、亜沙美も意地になって顔を狙ってパンチを入れていく。
バシッ・・バシッ・・
顔面パンチを受けてフラつくシャラポワ。観客達が大歓声で沸き上がると、亜沙美は必死に殴りつけていく。
バシッ・・バシッ・・
嫌がるようにパンチを振り回すシャラポワ。
亜沙美のパンチが何発も当たり出すと、焦りの色が出るが突き放すように両手を出して逃れていく。
距離が開くと、亜沙美はガードを上げて距離を詰めようとする。
シャラポワは呼吸を整えてから、軽くジャブで牽制していくと、亜沙美はローキックを放つ。
バシィィィィ・・・
ローキックを受けるも殴りつけていくシャラポワ。
バシッ・・バシッ・・
顔面を殴られてフラつく亜沙美。しかしミドルキックを脇腹に叩き込んでいく。
バシィィィィ・・・
脇腹への蹴りに動きの鈍るシャラポワ。
チャンスとばかりに左右のパンチで襲いかかる亜沙美。
バシッ・・バシッ・・
顔を殴られてロープ際に逃れるシャラポワだが、膝蹴りを突きだした。
ドスッ・・
「うっ・・」
カウンター気味にボディに炸裂した膝蹴りに、亜沙美はマウスピースを吐き出しそうになると、シャラポワが一気に殴りつけていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・
左右の連打に苦しい亜沙美。ガードを固めるもガードの上から殴られていく。
マウスピースがマットに転がり落ちても構わず殴りつけていくシャラポワ。
両手で髪を鷲掴みにして膝蹴りを狙うが、亜沙美も必死に組み付いて膝蹴りを逃れた。
踏ん張ってテイクダウンを奪おうとする亜沙美に、シャラポワが小刻みのパンチを入れるが、バランスを崩してグラウンド状態に移行していく。
倒れ込んでから組み付く亜沙美。転がるようにしてシャラポワの上のポジションになっていく亜沙美。
押さえるようにサイドポジションに移行しようとするが、シャラポワも簡単にはポジションを変えさせない。
亜沙美は一気にマウントポジションを奪うと、焦る表情を浮かべたシャラポワの顔面へパンチを振り下ろしていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・
両手で防ごうとするシャラポワに、遠慮無しの顔面パンチの連打を打ち込む亜沙美。
ブリッジで返そうとするも、亜沙美が上手く体勢をキープして逃げられないシャラポワ。
観客席が盛り上がる中、亜沙美のパンチがシャラポワの顔面を捉え始めている。
バシッ・・バキッ・・
顔を殴られて痛がるように藻掻くシャラポワ。
必死に亜沙美の手を掴もうとするが、亜沙美も簡単に掴ませずに殴りつけていく。
バキッ・・
遂にシャラポワの鼻から出血すると、呼吸が苦しくなるシャラポワが下から抱きつきだした。
しかし突き放して殴りつける亜沙美。
バシッ・・バシッ・・
殴られているシャラポワは、一気にブリッジ気味に身体を浮かせると、亜沙美のバランスを崩すのに成功した。
バランスを崩した亜沙美を、一気に跳ね返していくシャラポワ。流石は一流アスリートだけに、勝負の瞬間を逃さない。
鼻血を垂らしながらも立ち上がるシャラポワ。亜沙美も立ち上がるとローキックで攻め込んだ。
バシィィィィ・・・
蹴られてフラつくシャラポワ。
更にローキックで蹴りつける亜沙美に、シャラポワが左右のジャブから距離を詰めると、ロシアンフックを炸裂させた。
バシィィィィィ・・・
綺麗に側頭部を捉えたロシアンフックにフラつく亜沙美。
ガードが下がるとシャラポワが小刻みに顔面パンチを入れると、堪らずコーナーに追い詰められていく亜沙美。
ガードを固めるが、膝蹴りをボディに入れられると身体をくの字にして苦悶の表情を浮かべた。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
ノーガード状態の顔面に小刻みのジャブが炸裂していくと、亜沙美はフラフラしてダウン寸前と言う状態に追い込まれた。
ドスッ・・
「ふぐうっ・・ううっ・・・」
更にコーナー串刺しのボディブローに口から胃液の様なものを垂らしていく亜沙美。
必死に抵抗するも、シャラポワは片手で髪を鷲掴みにしてから、顔面に何発もパンチを叩き込んでいく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
顔を殴られて必死に組み付いては、パンチから逃れようとする亜沙美。
しかしシャラポワが突き放してコーナーに押し込むと、顔面にパンチの連打。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
顔を殴られて、鼻から出血して白い競泳水着を赤く染めていく亜沙美。
シャラポワは出血した鼻を狙ってパンチを放つと、亜沙美の鼻血が激しくなっていく・・・。
バシッ・・バシッ・・
殴り返すも苦しい状態が続く亜沙美。呼吸も苦しくなってスタミナ切れ状態になるのか・・・。
フラつく亜沙美に、シャラポワは狙いを定めたハイキックを顔面に叩き込むと、堪らず崩れ落ちる亜沙美。
ダウンした亜沙美に、シャラポワは馬乗りになっていくと、お返しとばかりに顔面パンチを連打していく。
バシッ・・バキッ・・バシッ・・
シャラポワの手を掴もうとする亜沙美だが、シャラポワの容赦ない顔面パンチの連打に顔面を赤く染めていく。
ハンマーパンチで顔面を叩き潰すかのようなシャラポワの残酷な攻め。
バキッ・・バキッ・・
音を立てて炸裂すると、亜沙美は両足をバタバタさせて痛がっている。残酷なシーンに観客席からもレフリーに試合を止めろと声が飛ぶ。
『試合止めてやれよ!』
『石河が壊されちゃうよ!』
シャラポワはレフリーに止めるのか確認するような表情を浮かべるも、構わず殴りつけていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
シャラポワの連打に抵抗が無くなり顔を腫らしていく亜沙美。
ここでレフリーがこれ以上は危険と判断して、シャラポワを止めて試合を終了させた・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、リングアナのコールが流れた。
『ただ今の試合、レフリーストップでアリア・シャラポワの勝利となりました!』
麻紀のリベンジに燃えていた亜沙美だったが、鼻血を出させて善戦したが失神KO負けと言う現実に、Oプロ勢がリベンジに名乗りをあげるのか、このまま勝ち逃げ状態が続くのか・・・。立ち上がるシャラポワは、ガッツポーズで亜沙美からの勝利を喜んだ。
一方、亜沙美はリングドクターの処置で意識はハッキリとさせているが、激しく鼻血を流しているのと、顔を腫らして無惨な姿に。
シャラポワが片手を振りながらリングを降りると、亜沙美は悔し涙を流しながら担架でリングを降りるのであった・・・。



第5試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、表舞台から消えて久しい局山英里。
白い胸元の開いたワンピース水着に、白いリングシューズ姿でリングインすると、谷間をアピールする様に一礼していく。
その英里の対戦相手としてリングインするのは、今夜が地下プロレスデビュー戦の田仲理恵。新体操の選手として有名な理恵が、今夜は地下リングに立つ事となった。黒い競泳水着に黒いリングシューズ姿でリングインすると、緊張した表情を浮かべながら一礼した。
『新体操からの刺客、田仲理恵デビュー戦・・・青コーナー〜身長169p、上から85、59、85・・・局山英里〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする英里。しかし対戦相手が新体操選手と聞き、地下プロレスでは経験が豊富な英里も緊張感を隠せない。
『赤コーナー〜・・・身長156p、体重46s・・・田仲理恵〜っ!』
そしてコールを受けて一礼していく理恵。コーナーで開脚しながらハイジャンプを決めると、観客席からは歓声が起きた。
反対コーナーの英里は、そのハイジャンプを見て身体能力の高さに焦りを感じるが、ゴングが打ち鳴らされれば試合が始まるからと、半ば諦めた表情を浮かべる。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、理恵が一気に走り込んで反対コーナーの英里にローリングソバットを放った。
綺麗なローリングソバットだったが、英里も奇襲を警戒していて避けると、コーナーに炸裂して自爆した。
英里が素早く距離を置くと、理恵も距離を置きながらもロープに走る。
素早くロープワークを使って英里を翻弄する理恵。
突然方向を変えると、英里に向かって強烈なドロップキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「ふぐっ・・」
お腹にドロップキックを受けて苦悶の表情でダウンする英里。
理恵は続けて立ち上がろうとする英里のバストへドロップキックを放つと、英里はダウンしながら転がるようにリング下に逃れた。
リング下で水着を直しながらも、理恵の動きを見つめる英里。
しかし理恵は英里を休ませる事なく、リング上で反対側のロープに走り込むと、勢いをつけてトップロープとセカンドロープの間から飛び込むように、リング下の英里に向かってボディアタックを放った。
バシィィィィ・・・
これには英里がリング下でグッタリとダウンすると、理恵は立ち上がって片手を挙げてアピールした。
英里を起こしていくと、英里も意地になってお腹にパンチを入れて抵抗すると、理恵を鉄柵に振ろうとするが、逆に理恵が鉄柵に振って叩き付けた。
ガッシャーン・・・
「あうっ・・」
鉄柵に寄りかかる様にダウンする英里に、理恵が走り込んで顔面を狙ったヒップアタックを仕掛けた。
バシィィィィ・・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげて痛がる英里。両手で顔面を押さえてダウンすると、理恵はリング上に戻っていく。
リング上で片手を挙げてアピールすると、リング下の英里を睨み付けていくが、英里はフラフラしながら立ち上がると、リング上になかなか戻れない。
その英里に対して、理恵はリング下に降りるとリング上に無理矢理戻していく。
リング上で苦悶の表情で倒れ込んでいる英里に、理恵はトップロープに登ってからムーンサルトプレスで圧殺していく。
バシィィィィィ・・・
新体操選手だけあって綺麗な弧を描いて圧殺した理恵。英里もその衝撃に失神寸前と言う表情を浮かべていく。
その英里に対して、理恵はグラウンドテクニックを見せようと言うのか、ヘッドシザースで締め上げていくと、英里が激しく藻掻きだした。
鍛え上げられた両足に締め上げられて、英里の顔は紅潮して苦しむと、理恵は構わず締め上げていく。
ギブアップ寸前の英里だが、ギブアップせずにロープに逃げると、レフリーが理恵に放すように指示。
レフリーの指示に技を解く理恵は立ち上がると、喉元を押さえて苦しむ英里にストンピングを叩き込んでから起こしていく。
起こすとヘッドロックで締め上げていく理恵。
しかし英里がバックドロップで返そうと投げようとすると、理恵が投げられる途中で身体を反転して、ボディプレス気味に押し潰した。
立ち上がれない英里を起こすと、気付けか張り手を叩き込む理恵。
張り手を受けて、英里も張り手を返すと、理恵が飛び上がってフランケンシュタイナーを炸裂させた。
突然の大技にマットに叩き付けられて失神状態の英里。
グッタリしている英里に、理恵は仰向け状態にしてからトップロープに登っていく。
そしてトップロープで片手を挙げてアピールすると、ムーンサルトプレスで英里を圧殺した理恵。
バシィィィィィ・・・
レフリーも試合を止めようと焦る中、理恵がフォールの体制に持ち込んだ。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィ・・・』
余裕のスリーカウント。ここで理恵の勝利で試合は幕を閉じた。
『勝者、田仲理恵っ!』
一方的な試合に、英里は完全に失神KOと言う状態になってしまったが、リングドクターが応急処置をしていく。
レフリーに手を挙げられる理恵は、地下プロレスと言う異様な雰囲気に戸惑いながらも、対戦相手の英里を気遣いながらもリングを降りていった。



第6試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、バドミントン界から塩田玲子が登場した。マネジメントを芸能事務所に依頼しているからと、地下プロレスにも半ば強制的とも言える中、参戦させられてしまった。
白い競泳水着に白いリングシューズ姿で緊張しながらリングインすると、観客席に軽く頭を下げてコーナーに進んでいく。
その玲子との対戦するのは、地下プロレスでは実績もある左藤江梨子。黒い胸元の開いたワンピース水着に、黒いリングシューズで玲子と対照的なリングコスチュームでの入場。玲子に視線を合わせる事もなく、リングインすると観客席に向かって頭を下げた。
『青コーナー、身長166p、体重60s・・・塩田玲子〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする玲子。異様な雰囲気な会場に戸惑いを浮かべている。
『赤コーナー、身長173p、上から90、56、91・・・左藤江梨子〜っ!』
そしてコールを受けて江梨子は、両手でガッツポーズを作っていくと、反対コーナーの玲子を挑発していく。
江梨子はコーナー近くの黒服に、オープンフィンガーグローブを要求して、プロレスルールでも顔面への打撃が可能になるからと着けていく。一方、玲子は打撃の練習などしている訳もなく、オープンフィンガーグローブは無しのまま・・・。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、まずは前に出たのは江梨子。
ガードを固めて距離を詰めていくと、玲子もコーナーから出て距離を計っていく。
シュ・・・
江梨子が軽くローキックを放つと、驚くように避ける玲子。
更に左右のジャブが放たれると、咄嗟に避けていく玲子。流石はバドミントンでの高速での羽根を見切る動体視力。
続けて江梨子がローキックから変則的なハイキックを放つと、これは手でガードするが痛いと言う表情を浮かべた玲子。
その瞬間、江梨子がタックル気味に組み付こうとすると、逆に玲子がカウンターのエルボースマッシュを放った。
ゴキッ・・
鈍い音がリング上に響くと、江梨子の顔面にエルボーが炸裂してフラつく江梨子。
玲子はヘッドロックで締め上げていくと、会場内から大歓声が起きていく。
更に締め上げていく玲子だが、完全に極まっていないから江梨子もエルボーのダメージを回復するように受けている。
玲子がヘッドロックを外してから、軽い蹴りを入れてから組み付くようにボディスラムでマットに叩き付けていく。
バッシーン・・・
「うっ・・」
これには江梨子も驚くが、続けてフォールしていく玲子。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし試合も序盤だからと余裕で返す江梨子。
返されるとマットに座らせた体勢でスリーパーで締め上げる玲子。
グイッ・・
これにはロープに逃げようとする江梨子だが、玲子も締め上げていく。
江梨子の足がロープに掛かると、レフリーが玲子に技を解くように指示した・・・。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの言葉にスリーパーを放す玲子。
江梨子も喉元を気にしながら立ち上がると、玲子も距離を置いて睨み合っていく。
『ファイト!』
レフリーが掛け声を掛けると、リング中央で睨み合う玲子と江梨子。
江梨子がガードを固めて距離を詰めると、軽くローキックを放つ。
シュ・・
これを避ける玲子に、左右のジャブが放たれた。
バシッ・・
左は避けたが右のジャブを顔面に受けて嫌がるように逃れる玲子。そしてバランスを崩したからと、前に出てミドルキックを放つ江梨子。
バシィィィィ・・・
「ぐふっ・・」
脇腹を蹴られて動きの鈍る玲子。表情が苦悶に歪む。
続けてお腹を狙ったボディブローを打ち込む江梨子。
ドスッ・・ドスッ・・
「うっ・・ううっ・・・」
お腹を殴られて苦しむ玲子。
堪らずタックルで組み付いていく玲子だが、江梨子も踏ん張ってテイクダウンできずにロープ際に縺れ込んだ・・・。
動きが止まるからと、レフリーが二人を離していくと、玲子も呼吸を荒げて苦しそうな表情を浮かべている。
一方、江梨子も呼吸を整えていくが、地下プロレス経験からも余裕が感じられる表情。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に、苦しそうな表情を浮かべながらも距離を置いていく玲子。
江梨子は牽制とも言えるローキックから、左右の張り手を放つが玲子が避けていく。
逆に張り手を放つ玲子。
バシィィィィ・・・
素早い張り手が江梨子の頬を襲うと、江梨子が張り手の威力に焦りの表情を浮かべた。
効いたと感じて、玲子が張り手で前に出て行くと、江梨子は前蹴りで動きを止めていく。
前蹴りを受けて動きが止まると、逆に江梨子がミドルキックを放ってから、ヘッドロックで締め上げていく。
頭を締め上げられて苦しい玲子。バックドロップで返す事も出来ず、ロープに振ろうにも江梨子が踏ん張って苦しい状態。
苦しむ玲子に、江梨子は走り込んで体重を掛けたブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けていく。
バシィィィィィ・・・
「あああああぁぁぁぁ・・・」
マットに激しく叩き付けられて絶叫する玲子。
江梨子が立ち上がると、俯せ状態で苦しむ玲子にストンピングを叩き込んでいく。
そして馬乗り状態から、キャメルクラッチで上半身を反らしていく江梨子。
グイッ・・・
「うぐぐっ・・んんっ・・・」
プロレス技を受けて両足をバタバタさせて痛がる玲子。江梨子も意地悪く揺さぶりかけたり、鼻の穴に指を掛けたりと痛めつけていく。
そして技を解いてから立ち上がる江梨子。
玲子も顔を気にしながらも立ち上がろうとすると、江梨子がバストを狙ってサッカーボールキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・」
片膝をついて痛がる玲子に、江梨子は容赦ないサッカーボールキックをバストに叩き込む。
バシィィィィ・・・
「あああっ・・・」
苦悶の表情で耐える玲子。
動きが止まると江梨子が髪を鷲掴みにして起こしていくと、そのままコーナーに押し込んでいく。
コーナーに寄りかかる格好の玲子に、江梨子が片手を振り回して観客にパンチのアピールをすると、玲子の顔面へパンチを叩き込んだ。
バキッ・・
「いやあっ!」
堪らず悲鳴をあげる玲子。
必死に張り手を返す玲子だが、江梨子もガードを固めるもガードする腕が内出血する程の威力。
油断が出来ない展開だが、江梨子はローキックで足を狙っていく。
バシッ・・
足を蹴られて意識が下に向いてしまうと、江梨子の左右のジャブを顔面に受けてしまう玲子。
バシッ、バシッ・・・
顔を殴られて江梨子の拳を注視する玲子に、江梨子は膝蹴りを放つがガードされる。
更にローキックを放つ江梨子に、玲子は顔を殴られるのを嫌がりガードを固めた。
ガードの上から左右のパンチを放つ江梨子。
バシッ・・バシッ・・
ガードが崩れないからと、江梨子はコーナーに飛び込んでお腹に膝蹴りを叩き込む。
ドスッ・・・
「ぐふっ・・うううっ・・うっ・・・」
ボディへの膝蹴りは効いたのか、玲子の表情が険しくなって両手でお腹を押さえだした。
口から涎の様な液体を垂れ流しながら耐えようと必死な玲子。
顔面のガードが空いたからと、一気に江梨子が顔面へパンチを連打していく。
バキッ・・バシッ・・・バシッ・・バシッバシッ・・・
ノーガードで顔面を殴られ続けて苦しい玲子。鼻血が噴き出すと白い競泳水着を赤く染めていく。
必死に張り手を返したり蹴りを出す玲子だが、鼻血が噴きだして動揺して江梨子に上手く当てられない。
観客席からも歓声が上がると、江梨子は容赦ない顔面、それも鼻を狙ったパンチを連打していく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・
涙目で必死に張り手を返そうとする玲子。殴られる度に血飛沫をあげていくと、白い競泳水着が赤くなると、痛々しく見えている。
しかし意地で必死に張り手で抵抗していく玲子。
玲子の張り手が江梨子の水着に引っかかると、片方のバストが露わになってしまうアクシデント。
地下プロレスで水着剥ぎなどは当たり前だが、玲子にとって水着を脱がしてしまったのはショックだったのか、動きが鈍る。
「上等じゃないの!」
江梨子が叫ぶと、ガードの下がった玲子の顔面を容赦なく殴り出す。
バキッ・・バシッ・・バシッ・・
フラフラになる玲子を首相撲の体勢に持ち込むと、膝蹴りを連打していく江梨子。
堪らずマットに崩れ落ちる玲子に、江梨子はマットに転がすようにしてからマウントポジションになってから、顔を潰すかの様に殴りつけていく。これには危険と判断したレフリーが江梨子を止めて試合は終わりを告げる事に・・・。
『ストップ・・ストップ・・』
レフリーに止められても殴りつけようとする江梨子。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、レフリーは江梨子を羽交い締めにして玲子から離していく。リングドクターは急いで玲子のチェックをしていくと、玲子は半失神状態で天井を見上げた状態でリングドクターのチェックを受けている。
『勝者、左藤江梨子っ!』
リングアナのコールに片手を挙げる江梨子だが、アスリートとの対戦での勝利は、今後の地下リングでの試合にも影響するのではないだろうか?


第7試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、水泳選手の伊東華英。地下プロレス用にと白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、異様な雰囲気に戸惑いながらコーナーで一礼した。
鍛えられた肉体が、水泳選手の身体能力の高さを表しているが、今夜は水泳ではなくプロレス対決。その対戦相手がリングサイドに姿を現した。
華英の対戦相手は、元レースクイーンにしてタレントの守下千里。黒いビキニに黒いリングシューズ姿でリングインすると、落ち着いた表情でリングインすると、対戦相手の華英に視線を合わせずにコーナーに進んでいく。地下プロレスでは経験豊富で格闘技戦なども経験している千里だけに、今夜の一戦はどんな試合になるのだろうか。
コーナーで黒服にオープンフィンガーグローブを要求する千里。華英は水泳だからと、打撃技ならと手に着けていく。華英は打撃の練習はしていないのか、オープンフィンガーグローブは勧められるも着けずに試合に臨んでいく。
『青コーナー〜・・・身長173p、体重63s・・・伊東華英っ!』
コールを受けて緊張感を隠せないままコーナーで片手を挙げる華英。その鍛えられた身体はまさに人間凶器とも言える様に見える。
『赤コーナー〜・・・身長166p、上から88、55、87・・・守下千里〜っ!』
コールを受けて左右のジャブみたいな動きから両手を挙げてアピールする千里。地下リング経験からも余裕の笑顔を浮かべた。
29歳でも見事なビキニ姿に観客席からは歓声が起きるが、華英の肉体との激突にどうなるのか。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、同時にコーナーから出たのは千里で打撃スタイルで構えて前に出る。
華英もコーナーを出るが、まだ緊張感から動きが固くなっている。
シュ・・
軽くジャブを放つ千里は、華英の顔を狙ったジャブで牽制すると、華英はガードを上げていく。
バシィィィィ・・・
しかしローキックで太股に蹴りを入れる千里。意識を上に上げさせてからのローキックは見事だ。
蹴られて表情を歪める華英に、千里はミドルキックを叩き込んでいく。
バシィィィ・・・
鍛えられた身体に蹴りが決まると、華英は距離を置こうとするが、千里が左右のパンチを放った。
バシッ・・
顔を殴られる事など滅多にないはずの華英は、顔面へのパンチに動揺を隠せない。焦るように顔をガードしてロープ際に距離を置く。
ボディが空いたからと、千里はボディへ左右のパンチを入れると、続けて膝蹴りを狙う。
しかし華英が両手で突き放した。
これには千里が距離を置くが、その力に身体能力の高さを警戒する。
距離を置く両者。
レフリーが試合続行を促すと、千里がゆっくりと距離を詰めていく。
華英も慣れない張り手を出すと、千里は受ける事なくローキックを放った。
バシィィィィ・・・
ローキックを受けて、逆に前に出て組み付こうとする華英。
前に来る華英にタックルを仕掛ける千里だが、力の差から押し出されていく。
ロープに押しつけられる千里は、押し返したくても力の差があるからとロープを掴むと、レフリーにロープをアピールした。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの支持に千里を放す華英。
ビキニを直しながら距離を置いていく千里。華英の力に驚きはあるが、アスリート相手だからと割り切っている様子。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に千里が前に出ると、華英も前に出るが打撃を警戒してガードを固める。
顔を守っている華英に、千里はローキックで足を狙っていく。
バシィィィィ・・・
鍛えた脚に蹴りを受けても、気合いで耐える華英。しかし肉体に対するダメージは受けている。
蹴りに構わず前に出る華英は、大振りの張り手を放っていく。
その張り手を避けてからタックルで組み付いていく千里。
しかし踏ん張る華英からテイクダウンを奪えないと、逆に抱えられていく。
力任せにサイドスープレックスに様に投げようとする華英。
しかし抵抗する千里がバランスを崩させて倒れ込むと、グラウンド状態になるが千里がロープを掴んだ。
華英が組み付こうとするが、レフリーがロープだからと止めていく。
『ブレーク・・・ブレーク・・・』
レフリーが離していくと、千里と華英が立ち上がっていく。
距離を置いて睨み合うと、レフリーが試合続行を告げた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に華英が前に出ると、千里がローキックを放った。
バシィィィ・・・
足を蹴られた華英は、そのままタックルを狙うとカウンターの膝蹴りを放つ千里。
ゴキッ・・
顔面に膝蹴りを受けるも、そのまま組み付いていく華英。
組み付くと、持ち上げる体勢からマットに千里を叩き付けていく。
バッシーン・・・
マットに叩き付けられて呼吸が止まるような感覚に襲われる千里。動きが止まると、華英はプロレス技の逆エビ固めを狙おうとする。
しかし千里が両足をバタバタと動かして抵抗して決められないと、苛ついたのか殴りかかるも下からの蹴りに戸惑う華英。
そして素早く転がるようにリング下に逃れてから、ビキニを直して距離を置く千里。この辺のインサイドワークは地下プロレスの経験からか。
華英もリング上で水着を直しているが、慣れないリング上での闘いに戸惑っている。
千里が距離を置いて転がり込むようにリングに戻ると、レフリーが続行を告げた。
『ファイト!』
レフリーの言葉に前に出る華英。前に来たからと前蹴りで牽制する千里。
鍛えた腹筋に蹴りを受けて苦しい華英に、千里は踏み込んでハイキックを放った。
バシィィィィ・・・
側頭部に蹴りを受けてフラつく華英。一気に千里が距離を詰めて顔面へパンチを連打すると、華英は堪らずロープに逃げる。
顔をガードしようとするも、アッパーなどを織り交ぜて殴りつけていく千里。
バシィィィィ・・・・
打撃の連打にガードを固める華英だが、千里のアッパーが決まるとフラついた。
ガードが空いて顔を狙って左右のパンチを連打していく千里。
容赦ないパンチの連打に嫌がる華英。
逃れようとすると、張り手で抵抗するもガードされて焦る華英に、ローキックで足を蹴りこむ千里。
バシィィィ・・・
ローキックを受けて顔を歪める華英。
更に千里が左右のパンチを顔面に放つと、鼻血を噴きだしていく華英。
しかし華英は前に出て組み付こうとすると、千里が距離を置いてジャブで牽制していく。
鼻血が白い競泳水着を赤く染めながらも、華英は前に出ていくと、千里が前蹴りで止めようとするが、蹴られながらも組み付いていく華英。
組み付くと、両手でしっかりと千里をクラッチしてから、ベアハッグで締め上げていく華英。
ビキニ姿の千里がベアハッグで苦悶の表情を浮かべると、観客席が盛り上がった。
鍛えられた筋肉が浮かび上がり、千里のボディを粉砕しようと言える勢いの華英。
しかし千里も苦し紛れでエルボーを側頭部に入れると、華英が堪らず力を抜いてしまった。
その隙に千里がベアハッグ地獄から逃れると、ローキックで足を痛めつけた。
鼻血で呼吸が苦しくなって動きの鈍る華英。スタミナ面が心配になるが、必死に千里との距離を詰めていく。
千里も華英が前に出ると、内心は焦りもあるがアスリートだけに体力面の差は想定していた様で、少しずつジャブなどでダメージを与えていく。
バシッ・・バシッ・・
殴られる度に血飛沫をあげる華英。しかしタックルの様に組み付こうと狙っていく。
前に出る華英に膝蹴りを合わせる千里。スレンダーな千里の膝蹴りが華英の顔面に炸裂すると、抱きついた形で動きの止まる華英。
容赦なく千里がマットに華英を押しつけると、狙いを定めてサッカーボールキックを放った。
バキッ・・
頭部に炸裂したサッカーボールキック。華英はダメージから亀の体勢から動けないと、千里が踵でストンピングを叩き込んでいく。
マットに血を垂らしながら抵抗できない華英に、レフリーが危険と判断してゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされるが、千里がストンピングを入れていくとレフリーが止めていく。
『勝者、守下千里っ!』
リングアナのコールに蹴るのを止めて片手を挙げられていく千里。
一方、血塗れになってマットに四つん這いで悔しそうな表情を浮かべる華英。白い競泳水着は既に赤く染まっていて、プロレスの練習不足での参戦に痛い結果となってしまった。



第8試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、女優の米蔵涼子。黒い競泳水着に手にはオープンフィンガーグローブを着けてのリングイン。リングコスチュームからアスリートとの対決をするのだろうと、観客席が盛り上がっていく。
その涼子の対戦相手としてリングインするのは、元女子プロレスラーで現在女優の納見佳代。白いワンピース水着に白いリングシューズを着けてのリングイン。対戦相手の涼子へ視線を送ってからコーナーに進むと、観客席に向かって一礼した。
気の強い涼子は、この佳代とのカードのオファーに臆することなく即答して、自らの地下プロレスでの強さを証明しようとしていた。
対して、佳代は涼子とのカードを聞いて、大物女優との試合に興奮した。
『青コーナー〜・・・身長164p、上から85、64、90・・・納見佳代〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする佳代。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から84、58、85・・・米蔵涼子〜っ!』
そしてコールを受けて一礼していく涼子。今夜は元プロレスラー相手の試合だからと気合いが乗っている様子。
コールが終わってコーナーに別けられると、ここで試合開始のゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す涼子と佳代。リング中央に進むと、睨み合う展開になっていく。
言葉を発せず、ただ睨み合う涼子と佳代。
いきなり手を出してのは佳代で、涼子の頬に張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・・
一瞬フラつくが、涼子も踏み込んで張り手を返した。
バシィィィ・・・
涼子の張り手にフラつく佳代。しかし次の瞬間、張り手を返す。
バッシーン・・・
「このヤロー!」
気勢をあげての張り手を受ける涼子も、負けじと張り手を返した。
バシィィィィ・・・
「元プロがこれ位の張り手かよ〜!」
涼子の叫びに佳代が蹴りを入れると、苦悶の表情を浮かべる涼子はオープンフィンガーグローブを着けているからと、顔面へパンチを叩き込んだ。
顔面へのパンチにフラつく佳代。プロレスを引退して女優業をしているだけに、試合勘が鈍っているのか、現役時代から打撃に対しては強くなかった佳代だけに苦しい攻撃。
続けて涼子が髪を鷲掴みにしてロープ際に連れ出すと、そのままトップロープに佳代の顔面を擦りつけていく。
ギュ・・ギュギュ・・・
「んああぁぁぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる佳代。しかし涼子のお腹にパンチを入れて抵抗すると、逆に涼子の顔面を掻きむしった。
ガリッ・・
「あああああああっ・・・」
顔面攻撃に悲鳴をあげる涼子。
続けてヘッドロックで締め上げる佳代。しかし涼子がロープに振っていくと、ロープから戻ってきた佳代にドロップキックを放つ。
バシィィィィ・・・
ダウンする佳代に、涼子は素早くフォールするが佳代がカウント前に返していく。
返されるとスリーパーで締め上げていく涼子だが、佳代がロープに足を伸ばして逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に技を解いていく涼子。
立ち上がろうとする佳代にサッカーボールキックを叩き込んでから、髪を掴んで起こしていく。
逆に佳代が張り手で攻め込むと、怯んだ涼子をロープに振っていく。
しかし涼子がロープを掴んで動きを止めると、佳代は距離を詰めた。
距離を詰める佳代に、涼子が膝を狙ったローキックを放った。
バシィィィィ・・・
蹴りに対して表情を歪ませる佳代。
続けて太股にローキックが炸裂すると、嫌がる表情を浮かべる佳代。堪らず組み付こうとすると、オープンフィンガーグローブをつけているからと、顔面へ左右のパンチを叩き込む涼子。
バシッ・・バシッ・・
殴られて張り手を放つ佳代だが、涼子も気が強いから負けじと殴りつけていく。
バキッ・・・
殴り合いになっていく展開に、レフリーが二人を離した。
距離を置く涼子と佳代だが、涼子の気の強さと打撃に警戒し出す佳代。
『ファイト!』
レフリーが続行の掛け声をかけると、距離を詰めていく二人。
涼子が牽制のハイキックを放つと、佳代が軸足にタックルを仕掛けて倒した。
グラウンド状態になると、佳代がサイドポジションを奪って押さえつけていく。
しかしフォールでないからと涼子は抵抗せずに動きを見ていた。
腕を狙おうとする佳代に、涼子はロープに足を伸ばして逃れる。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが佳代を離すと、涼子は水着を直しながら立ち上がった。
『ファイト!』
試合が続けられると、佳代がドロップキックを放つが涼子が叩き落とす。
ドロップキックを叩き落とされて焦る佳代に、涼子は走り込んでステップキックを連発していくと、続けて髪を掴んで起こしてから、エルボースマッシュから素早く大技のバックドロップで投げつけた。
バシィィィィ・・・
突然の大技に佳代は後頭部を打ち付けてダウンしていると、涼子が立ち上がってストンピングを叩き込んでから、足を捉えて足四の字固めを極めた。
グイッ・・・
「んああああぁぁ・・・くぅっ・・・」
足を極められて痛がる佳代。元プロレスラーがプロレス技で痛めつけられて精神的にも苦しい状態。
涼子は足を浮かせたりして痛めつけていくと、ギブアップ狙いで追い詰めていく。
「どうしたのよ、ギブアップすれば!」
涼子の言葉に佳代は黙って耐えていく。
ギブアップしない佳代から技を解く涼子は、立ち上がると髪を掴んで起こそうとするが、佳代も意地になって涼子の股間へアッパーを叩き込む。
ゴキッ・・
「イタッ・・・」
堪らず股間を押さえる涼子に、佳代が立ち上がってフロントスリーパーで捕まえていく。
「いくぞぉぉぉぉぉ・・・」
佳代がアピールするが、観客席からはブーイングすら起きる始末。
そのままDDTでマットに涼子を叩き付けると、素早くバックを奪ってキャメルクラッチを仕掛けていく佳代。
グイッ・・
上半身を反らされて苦しい涼子。佳代もギブアップ狙いで揺さぶるが、両足をバタバタさせるがギブアップせずに耐えていく涼子。
佳代が技を解くと、苦しそうな表情を浮かべてロープへ逃げて掴む涼子。
佳代は飛び上がってからヒップなどへストンピングを入れると、髪を掴んで起こしていく。
そしてロープに押しつけると、喉元へ強烈な水平チョップを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「ぶふっ・・」
口から涎の飛沫を飛ばして痛がる涼子。
更に水平チョップを叩き込む佳代に、涼子が腕を掴んで脇固めを仕掛けた。突然の返し技に痛がる佳代。
グイッ・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・・あああぁぁぁぁ・・・」
関節技に悲鳴をあげる佳代。涼子の見事な返しに観客席から歓声が起きていく。
ギブアップ狙いで極めていく涼子だが、佳代は少しずつ動いてロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーがロープだからと涼子に放すように指示して、涼子は技を解いて立ち上がった。
肩を気にしながら立ち上がる佳代に、涼子がミドルキックを放つ。
バシィィィィ・・・
「ぐふっ・・」
お腹を蹴られて苦しむ佳代。
続けてハイキックを顔面に叩き込むと、堪らず佳代がダウンした。
俯せになってダウンした佳代に、涼子は後頭部にギロチンドロップを叩き込んでから、髪を掴んで起こしていく。
そして髪を掴んでから、膝蹴りをボディに入れてから下を向かせると、容赦なくパイルドライバーを仕掛けた。
バッシーン・・
脳天から叩き付けられてグッタリする佳代に、涼子は飛び上がってニードロップを落としてフォールする。
『ワン・・・ツー・・・』
レフリーがカウントを進めると、佳代は苦悶の表情で返した。
返されたからと、今度は髪を掴んで起こしてコーナーに押し込むと、涼子が顔面へパンチを連打していく。
バシッ・・バシッ・・バッシーン・・
顔面を殴られてフラつく佳代。蹴りを出すも涼子のパンチの連打に苦しい状態になっていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
涼子のオープンフィンガーグローブに包まれた拳が、容赦なく顔面に叩き込まれていく。
現役時代から殴り合いには弱い佳代だけに、苦しい展開に追い込まれていくと、早くも鼻血が噴きだした。
張り手を返す佳代に、涼子は頬にパンチを入れたりと顔面狙いで殴りつけていく。
バキッ・・バシッ・・バシッ・・
鼻血が噴き出すと、佳代は呼吸も苦しくなりスタミナ面でも心配になっていく。
激しい出血に白い水着を赤く染めていく佳代。しかし元プロレスラーの意地で試合を続けた。
涼子は鼻を狙ってパンチを出していくが、次第に目にも狙いを定めていく。
顔が腫れだして、片目が塞がっていくと視界も奪われて苦しい佳代。
反則だが゛殴り返すも、涼子にパンチを見切られて避けられて、逆に何発も顔面を殴打される佳代。
顔面を血塗れにして、次第に残酷ショーになっていく試合展開。
ダウンしそうになると、涼子が髪を鷲掴みにして下を向かせてから、突き上げるような膝蹴りで顔面を破壊していく。
バキッ・・バキッ・・
マットにポタポタと血が垂れていくと、観客席からは大歓声が起きていく。
佳代は組み付こうとするが、ダメージから突き放されては顔面を殴られていく。
そして両腕をトップロープに絡められて磔にされると、ノーガードの顔面へパンチを受けていく佳代。
涼子の拳が炸裂する度に、血飛沫をあげてフラフラしていく佳代。
流石の涼子もレフリーに殴り続けて良いかとばかりに視線を送るが、レフリーは止める様子はなく残酷な展開が続いていくリング上。
フラフラしている佳代に、涼子は距離を置いてローキックを叩き込む。
バッシーン・・・
意地でダウンしない佳代だが、顔も腫れていて手を出しても届かない状態に追い込まれている。
必死に前に出るが、涼子が狙いをつけて鼻など顔面へパンチを入れていく。
バシッ・・
血飛沫をあげて前に出る佳代。
涼子に組み付くが、逆に涼子にマットに投げられていくと、今度はお腹に踵でストンピングを入れられて胃液を戻しそうになる佳代。
ドスッ・・
「グエッ・・」
堪らず両手でお腹を押さえて転がるようにリング下に逃れる佳代。
涼子はリング上で片手を突き上げてアピールすると、観客席から歓声が送られていく。
リング下では佳代がリングドクターのチェックを受けるが、元プロレスラーとして意地でも途中で試合を止められたくないと、レフリーに試合続行を訴えている。
フラフラしながらサードロープを掴んでリングも戻ろうとする佳代。
涼子が待っていると、リング上に戻っていくが、もう闘える状態でないと言うのは観客の目からも明らか。
『ファイト!』
しかしレフリーの掛け声に、涼子はハイキックを叩き込むと、血飛沫をあげてロープダウンする佳代。
必死にトップロープを掴んで倒れないようにと踏ん張ると、涼子がジャンピングニーパッドを顔面に叩き込んだ。
ゴキッ・・
顎に膝が入ると、堪らず佳代がロープ際に崩れ落ちていく。
俯せでダウンした佳代に、涼子はバックマウントから髪を掴んでから、側頭部へパンチを入れていく。
抵抗できない佳代は、マットに血を垂らしながら失神寸前と言う状態にされて痛めつけられていく。
レフリーが試合を止めないからと、涼子は戸惑いながらもチョークスリーパーを仕掛けた。
頸動脈が絞めあげられて、次第に意識を失う佳代。
涼子は構わず絞めていくと、佳代の四肢から力が抜けていく・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ここでレフリーが佳代の失神を確認して試合を止めると、涼子が技を解いて立ち上がった。
『ただ今の試合、米蔵涼子のレフリーストップ勝ちとなりました!』
レフリーに手を挙げられていく涼子。
対して、完全に失神してしまいマットにグッタリしている佳代。
「元プロレスラーだから遠慮はしなかったけど、ここまでやって大丈夫だったかしら?」
佳代を心配する涼子だが、観客席からは大歓声が起きている。
リングドクターが佳代のチェックをする中、涼子はリングを後にするのであった。




第9試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、地下プロレス現ヘビー級チャンピオンの藤原紀華。
手にはオープンフィンガーグローブ、水着は白い競泳水着に白いリングシューズ姿でのリングイン。格闘技戦スタイルでの登場に対戦相手に注目が集まる。緊張した表情で観客席に頭をさげてコーナーに進む紀華。
その紀華の対戦相手としてリングインするのは、美しすぎる格闘家などと言われる永野美香。手にはオープンフィンガーグローブ、黒いスポーツビキニに黒いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって一礼してからコーナーに進んだ。
紀華との対戦に緊張している様子の美香。観客からは、紀華のKOシーンか格闘技ドミとも言える展開での紀華のKOシーンが見られるのかと期待が高まる。
紀華としては、格闘技番組などに関わっていた経験からも、レスリングを基礎とした相手にはタックルの警戒、そしてカウンターの膝蹴りを合わせたいところ。既にこのカードが決定してから、何人もの大物格闘家などから紀華に対してトレーニングが行われたとの情報もあるくらいだ。
一方の美香は、体格では勝る紀華相手に、打撃よりもスマートにタックルからグラウンド、そして腕を狙っての一本勝ちを狙いたいところ。
タレントにプロが負ける訳にはいかないと言うプレッシャーを感じながらも、紀華の格闘技番組での経験なども気になる要素は沢山あり、不安なくリングに上がっている訳ではなかった。
『青コーナー〜・・・身長161p、上から83、64、88・・・永野〜美香〜っ!』
コールを受けて一礼していく美香。水着を気にしながらも、対戦相手の紀華とは視線を合わせずにコーナーに寄りかかる。
『赤コーナー〜・・・身長171p、上から88、60、89・・・藤原紀華〜っ!』
そしてコールを受けて両手を挙げてアピールする紀華。コーナーに進んでから黒服からマウスピースを受け取り口に入れていく。
レフリーがお互いのオープンフィンガーグローブ、マウスピースなどをチェックすると、コーナーに別れさせてゴングを要請した。
『カァーン!』
緊張感あるリング上にゴングが鳴り響くと、コーナーから飛び出していく紀華と美香。
距離を置きながら美香が小刻みのジャブを放って牽制する。
しかし紀華はガードを固めていると、身長差から距離を自分のものに置きたいところ。
紀華が軽くローキックをを放つと、美香もローキックを返していく。
バシィィィィ・・・
紀華の足にローキックが炸裂すると、格闘家のローキックの威力に紀華の表情が歪んだ。
距離を詰めようとする美香。
紀華はガードを上げて打撃に対応しようと構えると、ここで美香がレスリング出身だけに高速タックルを仕掛けた。
その瞬間、待ってましたとばかりに紀華がカウンターの膝蹴りを放つと、低空タックルを狙った美香の顔面を直撃。
ゴキッ・・・
鈍い音がリング上に響くと、美香が一瞬意識を飛ばしそうになる。
動きが鈍ったからと、紀華が背中にエルボーを落としてからマットに倒して、サイドポジションから容赦なく美香のスレンダーなボディへ膝蹴り、更に顔面狙いの膝蹴りを叩き込んでいく。
顔面へのカウンターの膝蹴り、続いてのボディへの膝蹴り、顔面狙いの膝蹴りの連発に防戦一方になる美香。
亀の体勢になるが、紀華の強烈な膝蹴りに動く事が出来ずにマウスピースを吐き出して苦悶の表情。
マットに涎を垂れ流しているが、レフリーも試合を止めようともせずに試合は続いていく。
紀華が立ち上がると、立ち上がろうとする美香の顔面へ容赦ないサッカーボールキックの連打を放っていく。
バシィィィィ・・・バシィィィィ・・・・
堪らずマットにダウンする美香。仰向けにダウンすると、紀華は踵で顔面を踏みつぶす様なストンピングを叩き込んでいく。
ゴキッ・・バキッ・・
これには危険な状態と判断したレフリーが紀華を止めると、ここで試合が終了した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、レフリーは紀華の手を挙げていく。
『勝者、藤原紀華っ!』
リングアナのコールに信じられないと言う表情を浮かべる紀華。
一方、顔面を踏みつぶされて腫らしている美香は、呆然と天井を見上げる形に。完全にタックルへのカウンターを狙われていた形で、作戦ミスとも言える展開に悔しそうな表情を浮かべているが、リングドクターが様子をチェックしていく。
紀華はその美香に対して、一礼してからリングを降りていくのであった。
まさに大波乱な一戦が幕を閉じたのであった・・・。



第10試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、女優の上都彩。白い競泳水着に白いリングシューズでリングインすると、観客席に向かって一礼していく。表情には緊張感が感じられるが、その彩の対戦相手が姿を現した。
「ウガァァァァァァァ・・・」
まるで彩を威嚇する様に叫びながらリングインするのは、アフリカンコング。現役女子プロレスラー、それも巨漢レスラーと言う事で、彩は泣きそうな表情でリングサイドの黒服に叫んだ。
「こ、こんな相手とプロレスなんてしたら、こ、殺されちゃう!」
しかし黒服達は逃げられないようにして、試合をするように強要した。
CMでは売れている彩、しかしドラマなど低視聴率が続き事務所もお仕置きとも言えるマッチメークを組んだ様だが、あまりに残酷なマッチメークに観客席からは期待と同情の声が飛んでいた。
『サクリファイスマッチ第6弾・・・青コーナー〜身長173p、体重105s・・・アフリカンコング〜っ!』
ガッツポーズでアピールするコング。
『赤コーナー〜・・・身長162p、上から82、58、84・・・上都彩〜っ!』
コールされるが、怯えた表情でコングを見つめる彩。
『カァーン!』
早くもゴングが打ち鳴らされると、まさに彩にとっては死刑宣告みたいなゴングの音。
コーナーで動けない彩に、コングが反対コーナーから突進すると早くもボディアタックを仕掛けるが、彩が間一髪避けて自爆した。
コーナーに激突したコングの衝撃で、リングが揺れると彩は驚きの表情を隠せない。
両手を広げて彩との距離を詰めていくコングに、彩はリング内を逃げまどうが、コングも素早く追い詰めていく。
そしてコーナーに追い詰められると、逃げられない彩にコングの手が伸びた。
グイッ・・・
「きゃああああぁぁぁぁ・・・・」
髪を鷲掴みにされて悲鳴をあげる彩。コングの圧力に何も出来ないでいると、会場内からはブーイングも出始める。
会場の反応を見ながらコングは彩をコーナーに連れ出すと、一気にコーナーに振って叩き付けた。
バシィィィィ・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・・」
コーナーに寄りかかる形で痛がる彩に、コングは走り込んで喧嘩キックを叩き込むと、お腹を蹴られて両手で押さえて苦しむ彩。
更に水着の上からサイズより大きい彩のバストを握りしめるバストクローで痛めつけていくコング。
グイッ・・
「痛いぃぃぃ・・・・いやああぁぁぁぁ・・・」
バストを攻められて悲鳴をあげる彩。競泳水着の上からも分かる膨らみに、コングが指がめり込んでいく。
彩の悲鳴に観客席が盛り上がると、コングはバストから手を離して水平チョップを喉元に叩き込んだ。
バッシーン・・・
口から涎の飛沫を出して苦しむ彩。下を向いて苦しそうしていると、コングが髪を鷲掴みにしてリング中央に連れ出すと、豪快にボディスラムでマットに叩き付けていく。
バッシーン・・・
「きゃああああぁぁぁ・・・」
またも響き渡る彩の悲鳴。マットに叩き付けられて、その衝撃に立ち上がれない。
既に涙目になっている彩に、コングはロープに走って勢いをつけると、飛び上がってボディプレスを仕掛けるが、これには彩が必死に転がるように逃げた。
バシィィィィ・・・・
「ウガァァァァァァ・・・」
ボディプレスが自爆して悔しがるコング。マットを叩いて悔しがると、その光景に彩はロープに転がって逃れようとする。
しかしコングが彩の足首を掴むと、そのままリング中央に連れて行ってから、素早く馬乗りになって体重を乗せた。
体重を乗せられてスタミナを奪われていく彩。口をパクパクして苦しそうに呼吸をしている。
コングが身体を浮かすと、ヒップドロップをお腹に落として彩の動きを止めていく。
ドスッ・・・
「グボオッ・・・」
お腹へのヒップドロップに胃液の様な吐瀉物を噴き上げる彩。
「ケホッ・・ケホッ・・・ぎ、ギブアップ・・・ギブアップ・・・」
口の中の苦い感触に、泣きながらギブアップを口にする彩。しかしレフリーがギブアップを認めずに試合は続けられていく。
コングは彩を俯せにすると、今度はキャメルクラッチで痛めつけていく。
両足をバタバタさせて痛がる彩に、コングは髪を鷲掴みにして揺さぶりかけた。
「いやあぁぁぁ・・・止めてぇぇぇぇぇ・・・・試合を止めてお願いぃぃぃぃぃ・・・」
泣きながら哀願する彩。彩の泣き顔に観客席からは歓声があがる。
「モット、イタイオモイ、サセテアゲルヨ・・・」
コングが不気味な笑みを浮かべると、立ち上がりながら彩の髪を掴んだまま起こしていく。
そのままコーナーに連れて行くと、寄りかからせていくコング。
ゆっくりとヒッププッシュの体勢になると、思いっきり彩にヒッププッシュを叩き込んだ。
ボシュ・・
「んああぁぁぁぁ・・・」
彩の悲鳴がリングに響き渡ると、コングは満足そうに身体を反転させていく。
泣き顔を彩を睨み付けると、今度はコーナーとのサンドウィッチプレスで潰して痛めつけていく。
ドスッ・・
「ああんっ・・・」
コーナーとコングの巨体に押し潰されて、コーナーでグッタリとする彩。トップロープに両腕が乗せられて、顔だけ下を向いて痛々しさが伝わっている。
その彩をコーナーから離して、今度は顔面をトップロープに擦りつけて痛めつけてるコング。
ギュ・・ギュ・・・
「ああああぁぁぁぁぁぁ・・・」
ゴムとの摩擦で絶叫する彩。コングは彩の顔面をロープに擦りつけては、観客席に向かってアピールする。
そしてコーナーポストに顔面を叩き付けていくコング。
彩は顔面を押さえて座り込むと、コングとの力の差に泣き出している。
『コングいけぇぇぇぇ・・・上都にもやってやれ!』
『プッシークラッシャーいけぇぇぇぇ・・・』
観客席が泣き出す彩に興奮した様に叫ぶと、コングが笑みを浮かべて片手を挙げてアピールする。
そして片手で彩の髪を鷲掴みにすると、嫌がるのも構わずリング中央に連れ出した。
完全に泣き出している彩を抱え上げると、サクリファイスマッチでの残酷技が仕掛けられようとしていた。
彩を抱え上げて子供にオシッコでもさせるようなポーズを取らせると、コングはリングの四方の観客に向けてアピール。
そして、彩を更に持ち上げてから落としていくが、同時に膝を突きだして股間を当てるプッシークラッシャーが炸裂した。
グニュ・・・
「ひぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・」
白い競泳水着だけが覆う股間を、強烈な膝の衝撃が襲って全身に激痛を受けて、彩は絶叫した。
コングが放すと、彩は股間を両手で押さえてグッタリする。
その彩を起こしてからコーナーに押しつけると、コングがボディアタックでコーナーとの間で圧殺していく。
バシィィィィィ・・・
これには虚ろな目をしてマットに崩れ落ちる彩。
俯せになってダウンすると、蹴りを入れて仰向けにしてロープに走った。
今度は飛び上がってのボディプレスで彩を押し潰したコング。
失神はしていないが、もう虚ろな表情で泣いている彩。
コングはトドメとばかりに、彩を抱え込んでから、またもプッシークラッシャーを炸裂させた。
ゴキィィィィ・・・・
「ふぎぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・」
股間への強烈な衝撃に、変な悲鳴をあげていく彩。同時に股間から異臭を放つ液体が溢れ出し、また失神して意識を失ってしまった彩。
コングが放すと、意識を失いグッタリとしている彩。
その彩の顔面を踏みつけてアピールするコング。ここでレフリーがゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、コングはガッツポーズを取るが、暴れ足りないのか失神している彩をマットに座らせた状態にして、競泳水着の肩紐を掴んだ。
グイッ・・・
一気に水着を剥ぎ取ると、彩をトップレスにしていくコング。82pと言われるバストサイズだが、実際には85は下らない様な迫力のバストに、観客席からは歓声が起きていく。
『彩ちゃんのオッパイ最高っ!』
観客席の反応に、羽交い締めにして四方の観客席に彩のバストを見せつけるコング。
そして放してマットに倒すと、水着を完全に脱がそうとしていく。
流石に彩が全裸にされるのは可哀想とばかりに、観客席の反応も小さくなる。
「やめなさいよ!」
そこに突然リングサイドから声が響いた。
そう、同じ事務所の米蔵涼子が試合を終えていたが、会場を覗いたら彩が試合が終わった後に痛めつけられている姿に、文句を付けたのだった。
「試合中に水着剥ぎとかなら分かるけど、試合が終わったのに卑怯じゃないの!」
気の強い涼子はコング相手にも怯まずに叫ぶと、コングは指を指してアピールする。
「ジャマスルナ・・・」
コングの言葉に、涼子は言い返した。
「次の大会で、私と勝負よ!」
その言葉に観客席が盛り上がると、リングドクターが彩にタオルをかけて担架でリング下に運び出す。
コングは涼子に飛びかかりそうな勢いだが、ここで黒服達が大勢きてコングをリングから降ろしていくと、次回大会でのコングと涼子のカードが決定して幕を閉じるのであった。



第11試合


『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、赤いビキニを着た前多敦子。負け続けている地下プロレスでの試合だったが、今夜も日本のナンバーワンアイドルグループを代表しての試合が組まれてのリングイン。
リングインすると、観客席に向かって頭を下げるが、表情からは緊張感が感じ取れる。
その敦子の対戦相手としてリングインするのは、世界的セレブのパリス・ビルトン。まさかの地下プロレス参戦に会場内が驚きの声に包まれたが、ストレス発散の為にと格闘技のトレーニングを積んで、この地下プロレスに殴り込みをかけてきたと言う事だ。
白いスポーツビキニを着てのリングイン。胸元は大きな胸の谷間を見せていて、観客席からは視線が集まっていた。今夜は日本のナンバーワンアイドルグループの人気あるアイドルとの試合を望んでのマッチメークとなった。
パリスは手には金色のオープンフィンガーグローブを着けていて、米国では一流格闘家に格闘技トレーニングを受けての参戦。
対戦する敦子は地下プロレスに出されて、負けが続いているのに表の実績でのマッチメーク。可哀想とも言える試合だが、既に観客席は盛り上がりを見せていた。
『青コーナー〜・・・日本のナンバーワンアイドルグループのトップアイドル!・・・身長161p、上から76、60、83・・・前多敦子〜っ!』
コールを受けて一礼する19歳の敦子。対戦相手のパリスに対して緊張を隠せない。
『赤コーナー〜・・・世界的セレブお嬢様の地下プロレス緊急参戦!・・・身長173p〜パリス〜ビルトン〜っ!』
コールを受けてガッツポーズでアピールする30歳のパリス。余裕の笑顔で体格で勝る為に敦子に対しても余裕を見せている。
コーナーで敦子は緊張しながらもパリスを見つめると、パリスは総合格闘技スタイルとばかりにセコンドの黒服からマウスピースを口に入れてもらい戦闘態勢を整えた。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、コーナーから飛び出すパリス。ガードを固めて前に出ると、敦子はプロレススタイルで距離を置こうとするが、パリスが前に出る。
「このおぉぉぉ・・・」
気勢をあげてドロップキックを放つ敦子。
敦子の揃えられた両足がパリスのお腹にヒットすると、一瞬苦しそうな表情を浮かべたパリス。
素早く立ち上がった敦子は距離を置くと、パリスがハイキックを放った。
ギリギリで避ける敦子は、その動きに驚きを隠せない。
堪らず蹴りを入れていく敦子に、パリスがショートフックを放った。
バキィィィ・・
「あうっ・・」
パンチを受けて痛がる敦子。オープンフィンガーグローブを着けているパリスは顔面パンチが認められている。
堪らずタックルで組み付く敦子だが、冷静にフロントスリーパーを仕掛けていくパリス。
踏ん張ってロープまで押し出していく敦子に、レフリーはロープだからとパリスを離していく。
お互いが距離を置くと、敦子は赤いビキニを直してパリスを睨み付けるが、力の差を感じているのか緊張感は解けていない。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に、距離を詰めていくパリスが長い足を使ってローキックを放った。
バシィィィィ・・・
「痛いっ!」
堪らず悲鳴をあげる敦子。
観客席も敦子の悲鳴に盛り上がると、敦子は意地になってローキックを蹴り返した。
バシッ・・
敦子の蹴りに表情を険しくするパリス。
今度は距離を詰めて左右のパンチを顔面に放つパリス。
バシッ、バシッ・・・
「あうっ・・ううっ・・」
殴られて苦しい敦子。顔を必死にガードすると、パリスは容赦なくボディ狙いの膝蹴りを叩き込む。
ドスッ・・
「ぐふっ・・」
膝蹴りは強烈で、敦子が堪らずロープ際に崩れ落ちた・・・。
パリスは余裕の表情で片手を挙げて観客席にアピールすると、敦子にストンピングを入れて場外に落としていく。
リング下でグッタリとして膝蹴りを受けた部分を押さえて苦しむ敦子。
パリスはリング上で観客に向かってアピールしていると、一部の客からはブーイングが送られていく。
フラつきながらも場外で立ち上がる敦子に対して、観客からは拍手が起きていくと笑顔で応える敦子。
リング上ではパリスが手招きしていると、敦子は距離を置いてリングに戻ろうとタイミングを計っていく。
レフリーがパリスをロープから離して敦子をリング上に戻そうとすると、パリスが踏み込んで威嚇した。
敦子はリングに戻れないと、ゆっくりとリングサイドを歩いていくと、観客席からはパリスに対してブーイングが飛ぶ。
観客席のブーイングに対して苛つくパリス。
その隙に敦子がリングに戻ると、レフリーが試合続行の指示をした。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていくパリス。ガードを固めた格闘技スタイルに敦子を焦りを感じている。
敦子が下がると、パリスはゆっくりとジャブを放ちながら距離を詰めた。
ジャブで距離を計りながら前に出ると、ローキックを放つパリスに、敦子はドロップキックを放つ。
バシィィィ・・・
敦子の両足がパリスのお腹を抉ると、苦悶の表情を浮かべるパリス。慣れない打撃を受けては仕方がないところ。
観客席が歓声をあげると、素早く立ち上がってエルボースマッシュを連打する敦子。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
必死になってエルボーを叩き込む敦子。パリスはバストにエルボーが炸裂すると、苦悶の表情を浮かべてロープ際に下がっていく。
しかし逆にパリスも小刻みのジャブを顔面に入れていくと、顔を殴られて嫌がる敦子の髪の毛を両手で掴むと、顔面狙いの膝蹴りを放った。
ゴキッ・・
鈍い音がリング上に響くと、敦子の身体から力が抜けてダウンしそうになるが、髪を鷲掴みにしているからダウンできず、パリスがコーナーに連れ出していく。
膝蹴りを顔面に受けて足元がフラフラの敦子をコーナーに寄りかからせていくパリス。
『ストップ・・・ストップ・・・』
ここでレフリーがパリスをコーナーから離していくと、フラフラしている敦子に近寄り声を掛けた。
『試合続行できるな?』
レフリーの問いかけに、パリスとの力の差に試合を続けたくないと思った敦子が答える。
「レ、レフリーストップですか?・・・し、試合を止めてくだい・・・」
しかしレフリーの口から非情にも試合続行のコールがされた。
『ファイト!』
コーナーの敦子に、まるでサンドバックを打ち込むようにジャブを放つパリス。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「あうっ・・んあっ・・ああんっ・・」
口から涎の飛沫を飛ばして苦しむ敦子。既にその表情は涙目になっている。
顔を殴られるのを嫌がりガードする敦子に、パリスが踏み込んでお腹にボディブローを叩き込む。
ボシュ・・
「ふぐうっ・・・ううっ・・うっ・・・」
強烈なボディブローに口をパクパクしながら藻掻く敦子。ガードが下がると顔面へパンチが飛ぶ。
バシッ・・バシィィィィ・・・
顔面パンチの連打に鼻血が噴き出ると、敦子は堪らずロープに逃げようとすると、パリスが髪を鷲掴みにして逃がさない。
抵抗する敦子が振り切ると、張り手をパリスの頬に叩き込む。
バッシーン・・・
「冗談じゃないわよ!」
敦子が叫んで、更に張り手を放った。
バッシーン・・・バッシーン・・・
敦子の反撃に観客席が大歓声に包まれると、パリスは顔への攻撃を受けて怯んでガードを固めた。
呼吸を荒くして張り手を放つ敦子に、パリスはカウンターパンチを顔面に叩き込む。
バシィィィィ・・・
これにはマットに崩れ落ちる敦子。
グイッ・・
その敦子の髪を鷲掴みにして、パリスがリング中央に連れ出していく。
そして片手を挙げて観客席にアピールすると、俯せ状態にした敦子に馬乗りになってから、両手を顎に掛けてのキャメルクラッチを仕掛けた。
上半身を反らされて藻掻き苦しむ敦子。両足を激しくバタバタとして痛がるシーンに、観客席から歓声が起きていく。
顎を押さえられているから、ギブアップも出来ずに痛めつけられていく敦子。
パリスがグイグイと敦子を揺さぶると、激しい痛みに泣き出していく。
泣き出した敦子を放して、バックマウント状態から激しいパンチの連打を浴びせていくパリス。
バシッ・・ドスッ・・バシッ・・ドスッ・・
脇腹、側頭部とパンチを受けて痛がる敦子。
「ぎ、ギブアップ・・・ギブアップ・・・」
格闘技戦のような展開に、敦子は涙声でギブアップを口にするが、レフリーもパリスも試合を止めようとしない。
もう一方的になってくる試合展開に、パリスが一気にチョークスリーパーで締め上げた。
グイッ・・
「んぐっ・・ぎ・・ぎ・ぶ・・・」
締め上げられてギブアップする敦子。
しかしレフリーもパリスも気がつかないと、更に締め上げられていく。
苦悶の表情の敦子だが、パリスのチョークスリーパーに落とされて意識を失ってしまった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ここでレフリーがゴングを要請すると、試合を止めていく。
ゴングの音に構わず締め上げるパリスだが、レフリーが止めていくと自らの勝利を理解して技を解いた。
『勝者、パリス・ビルトン!』
リングアナのコールに笑顔を浮かべるパリス。
対して失神状態で俯せになる敦子の後頭部を踏みつけてから、観客席に向かってアピールしてからリングを後にするのであった。



第12試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、グラビアアイドルの池多夏希。170pの恵まれた体格を、グラビア系だからと黒いビキニに包んでリングインすると、観客席に向かって手を振りながらコーナーに進んでいく。
その夏希の対戦相手としてリングインするのは、スピードスケートの競技人生を引退する事を決めた大須賀小百合。
黒い競泳水着に黒いリングシューズ姿でリングインすると、異様な雰囲気の地下プロレスに戸惑いを隠せないが、アイドルとのプロレスと言う事で気合いを入れている様子。夏希とは視線を合わさずにコーナーに進んでいった。
『青コーナー〜・・・身長163p、体重58s・・・大須賀小百合〜っ!』
早くもコールを受けると、観客席に向かって深々と頭を下げる小百合。
『赤コーナー〜・・・身長170p、上から90、59、87・・・池多夏希〜っ!』
そしてコールを受けた夏希が片手を挙げて笑みを浮かべると、観客席から歓声が起きていく。地下プロレス経験のある夏希だけに、余裕が感じられるが小百合の鍛え上げられた太股に、焦りを感じていた・・・。
お互い水着を直しながらゴングを待つリング上。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、コーナーから出て行く夏希と小百合。
身長では夏希が上回るが、鍛えられた身体は小百合と言う両者の身体。
距離を置いて睨み合う展開から、まずは夏希が手を出して力比べを誘うと、小百合も手を伸ばすが蹴りを出していく夏希。
バシッ・・
蹴られて怯む小百合にヘッドロックを仕掛ける夏希。
これには小百合がロープに振って返すと、ロープから戻る夏希がボディアタックで押し潰した。
慣れないプロレスで戸惑いを隠せない小百合はフォールされて返していくと、夏希は腕を狙うが小百合がロープに逃げた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
ロープに逃げて立ち上がる小百合。水着を直していくと、夏希もビキニを気にしながら距離を置いた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく夏希と小百合。
夏希がエルボーを仕掛けようとすると、小百合がタックルの様に組み付いてロープ際に押し込んでいく。
夏希が背中にハンマーパンチを落としていくが、小百合はロープに押しつけていく展開。
レフリーがロープ際だからと離させると、またも睨み合う展開になっていく。
『ファイト!』
構えて距離を詰めていく小百合に、夏希が気合いの入った張り手を放つが小百合がタックルで組み付いた。
そのままコーナーに押し込んでいくと、セカンドロープに押し上げていく小百合。
レフリーが割って入ろうとすると、小百合のグーパンチが夏希のお腹に炸裂した。
ドスッ・・
「うっ・・」
苦悶の表情を浮かべて苦しむ夏希。
更に小百合がサードロープに登ると、苦しむ夏希に雪崩式ブレンバスターでマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
「きゃあああぁぁぁ・・・」
豪快な投げ技の衝撃に悲鳴をあげる夏希。
衝撃を受けてダウンしていると、小百合は勝負を決めるとばかりに片手を挙げてアピールすると、倒れている夏希にヘッドシザースで締め上げる。
グイィィィィ・・
アスリートとして鍛え上げられた両足が、まるで万力の様に夏希の頭部や首の辺りを締め上げていくと、夏希は狂ったように藻掻きだした。
ビキニ姿の夏希の藻掻き苦しむ展開に、観客席からは大歓声が起きていく。
ロープに逃れたいが距離があり逃げられない夏希。
更に小百合が締め上げていくと、両足をバタバタさせて必死に小百合の太股を手で叩いていく夏希。
レフリーがギブアップの確認をすると、夏希はギブアップした。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音に技を解く小百合。鍛え上げられた太股からのヘッドシザースは、ある意味で人間凶器とも言える技であった。
負けた夏希は頭を押さえてた立ち上がれないと、リングドクターのチェックを受けている。
『勝者、大須賀小百合っ!』
リングアナのコールに片手を挙げられていく小百合。観客席の拍手に笑顔で応えるのであった。



第13試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、本業のビーチバレーでは成績が振るわない麻尾美和。
今夜は黒いスポーツビキニ姿でリングインすると、観客席に向かってアピールしてコーナーに進んでいく。
その美和と対戦するのは山先真実。黒い競泳水着に手にはオープンフィンガーグローブを着けてリングインすると、早くも観客席に向かって手を挙げていく。
今夜の試合はアスリートとタレントの対戦が注目されているが、真実も新体操の経験もありアスリートだった経験を持つ。今夜はアスリート相手の試合と聞き、打撃技を磨いての参戦だが、身体能力では現役アスリートの美和が上と言う想いに、どんな試合になるのか・・・。
水着を気にしながらコーナーに進む真実。早くもリングアナがコールを始めていくリング上。
『青コーナー〜・・・身長172p、上から83、62、86・・・麻尾美和〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする美和。地下プロレス経験はあるので、この異様な雰囲気は慣れているが、対戦相手の真実の体格にも油断できないと警戒している。
『赤コーナー〜・・・身長169p、上から84、59、87・・・山先真実〜っ!』
コールを受けて片手を挙げる真実。アスリートが相手でも、相手も同じ25歳とばかりに気合いを入れてゴングの音を待っている。
緊張感漂うリング上に開始のゴングの音が鳴り響いた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す美和と真実。
リング中央で距離を置いていくと、美和はプロレス的な動きで距離を置く。
対して真実は、オープンフィンガーグローブを着けているからと、格闘技戦的にガードを上げて構えて距離を置いた。
距離が詰まると、美和が打撃は付き合いたくないとばかりにタックルを仕掛けると、真実は両手で潰そうとするが組み付かれてロープ際に押されていく。
背中にロープを押しつけられる形になると、美和はテイクダウンを奪いたいが真実も踏ん張っていくと、レフリーがロープだからと離していく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
緊張感あるリング上。距離を置く美和と真実だが、お互いが警戒している様な展開から始まった試合。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく美和。
真実はガードを固めると、軽くジャブを放っていくが距離は離れて当たらない。
今度は美和が飛び上がると、バレーの様に片手を振り下ろすと、これには真実が避けていく。
避けてから組み付こうとタックルの様に組み付くと、美和も踏ん張って相撲の様な押し合いになっていくリング上。
しかし力では美和が上回ったか、真実を倒していくと自らも組み付くようにグラウンド状態になっていく。
お互いが様子を見るような展開に、動きが止まっていく展開になると、真実はゆっくりとロープに逃れようと身体を動かした。
美和も関節技で極められる訳でもなくロープに逃げられると、レフリーが二人を起こして離していく。
『ファイト!』
スタンド状態から再開されると、真実が思いきってドロップキックを仕掛けた。
バシィィィィ・・・
これには美和がダウンすると、続けて立ち上がろうとする美和の顔面にドロップキックを放ってから、組み付いてスリーパーを仕掛ける真実。そして苦しみながらロープに逃げる美和。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの言葉に技を解く真実。そして技を解かれて立ち上がる美和。
お互いが距離を置くとレフリーが試合を続けさせていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に真実がガードを固めて距離を詰めていくと、美和が大振りの張り手を放った。
張り手をガードすると、軽くパンチを放つ真実。パンチは当たらないが警戒する美和。
距離を詰めると、美和の張り手が炸裂した。
バッシーン・・・
頬に張り手を受けてフラつく真実。ビーチバレー選手だけあって威力があり、真実はガードを固めて離れる。
しかし美和がエルボースマッシュを放つと、続けてロープ際に押し込んだ。
更にキチンシンクで真実のボディへ膝を入れていく美和。
ドスッ・・
「うぐっ・・」
キチンシンクを受けて苦悶の表情を浮かべる真実。
堪らず抱きついていくと、美和はフロントスリーパーで締め上げていく。
ロープから引き離すと、フロントスリーパーで締めていく美和。しかし完全に極まっていないからと、真実も逃れようと藻掻いていく。
美和は逃がさないとばかりに締めると、真実は組み付いて一気にスープレックス気味に投げつけた。
バッシーン・・・
マットに叩き付けられて痛がる美和に、真実は素早く腕を狙っていくが、美和の足がロープに伸びた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
ロープだからと離れる両者。早くも素肌には汗が浮かび上がっている。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく美和と真実。
軽くローキックで牽制する真実に、美和は張り手を放つが届かない。
逆にタックルを仕掛けた真実は、上手く美和からテイクダウンを奪うと、美和も関節を取られないようにと藻掻くと、上からギロチンチョークを仕掛けた真実。
腕に体重を乗せて喉を潰していくと、美和が藻掻き苦しんでいる。
観客席が盛り上がる中、ブリッジ気味に真実を返す美和だが、喉を潰されてダメージを受けている。
返したが立ち上がり様、真実のサッカーボールキックを顔面に受けて四つん這い状態になる美和。
真実も一瞬躊躇するが、ノーガードの顔面へサッカーボールキックを叩き込むと、美和がヒップを突き上げるようにダウンする。
顔面を両手で押さえて痛がっていると、真実は狙いを定めてヒップにもサッカーボールキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
堪らず転がるようにリング下に逃れる美和。
リング下に落ちると、顔を気にしながらダメージの回復を図るが、真実もリング上から挑発的に手招きしていく。
リングサイドを周りながらダメージを回復していく美和だが、真実の挑発にリングに戻ろうとすると、ロープ越しに蹴りを放つ真実。
美和がレフリーに抗議すると、レフリーが真実をロープから放してリングに招き入れた。
美和がリングに戻ると、ここで試合が続けられていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく美和と真実。
真実が踏み込んでハイキックを放つと、美和が避けてからラリアットを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
ラリアットを受けてダウンする真実に、美和が足をキャッチしてアキレス腱固めを仕掛けるも、ヒールキックで逃れる真実。
お互い立ち上がると左右のパンチを放つ真実に、美和はガードしてからローキックを放つ。
バシッ・・
ローキックに続いてタックルを仕掛ける美和に、真実は素早くカウンターの膝蹴りを狙うと、顔面に膝蹴りが炸裂して美和の動きが止まっていく。
ゴキッ・・
「うっ・・ううっ・・」
抱きつくように真実に組み付く美和。膝蹴りのダメージが大きく動きが鈍る。
動きが鈍った美和に、真実がそのまま首を極めてフロントネックロックで締め上げる。
苦悶の表情を浮かべる美和。真実の脇腹を殴ってき逃れようとするが、真実も締め上げてギブアップを狙っていく。
懸命に締め上げる真実に観客席からは歓声が送られていく。
美和も簡単にはギブアップできるはずもなく、逃れようと必死になっている。
ギブアップしない美和に、真実は体勢を変えてDDTでマットに叩き付けていく。
バッシーン・・・
脳天からマットに叩き付けられて苦しい美和。俯せになってダウンすると、真実はサイドから膝蹴りをボディに入れていく。
ドスッ・・
「んあぁぁぁ・・・」
ボディへ膝蹴りを入れられて悲鳴をあげる美和。
更に膝蹴りを入れてから、プロレス技のキャメルクラッチを仕掛ける真実。
グイッ・・
「ギブアップするの?」
真実が激しい口調でギブアップを迫るが、美和は必死に耐えていく。
「うっ・・うううっ・・・あうっ・・」
苦悶の表情で耐える美和。
揺さぶりかける真実に、美和は口から涎を垂れ流しながら耐えていくが、苦しい状況が続くリング上。
耐える美和に真実が技を解くと、側頭部などへパンチを叩き込んでいく。
バシッ・・バシッ・・
バックマウントから殴られて嫌がる美和。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
真実も殴りながら、チョークスリーパーを仕掛けるタイミングを計っている様子。
バシッ・・バシッ・・
パンチを出してから、真実が一気に腕を喉元に滑り込ませてチョークスリーパーを仕掛けた。
グイッ・・
「ぐっ・・」
喉元を締め上げられた美和は、苦悶の表情を浮かべてロープに逃れようとするが、真実も締め上げていく。
失神は免れたが、相当なダメージを受けた美和の手がロープを掴んだ。
『ロープ・・・ロープ・・・』
観客席からは拍手が起きる中、レフリーが真実を離していく。
美和も喉元を気にしながら、水着を直しながら立ち上がっていくが、苦しそうな表情を浮かべている。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に、真実がローキックで攻め込んでいく。
蹴られて嫌がる美和。上手い打撃でないが、真実の重い蹴りにダメージを蓄積していくと、美和のフットワークは潰されていく・・・。
バシッ・・バシッ・・
蹴りを嫌がって距離を置く美和に、真実は左右のパンチから距離を詰めていく。
ガードを固める美和に、真実の重い膝蹴りが炸裂すると、これには堪らず崩れ落ちていく美和。
苦悶の表情を浮かべる美和の髪を掴んでいく真実は、顔面へ膝蹴りを入れていく。
ゴキッ・・
鈍い音がリングに響くと、美和は顔面への膝蹴りと言う衝撃にマットに崩れ落ちた。
俯せでダウンした美和をストンピングで蹴っていく真実。美和が蹴られ続けると、レフリーが危険と判断して試合を止めた・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、レフリーが真実の手を挙げていく。
『勝者、山先真実っ!』
試合に勝利したからと、真実は信じられないと言う表情を浮かべる。
一方、負けた美和はレフリーの判断に何も言わず、呆然とした表情でマットを見つめた。



第14試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、グラビアアイドルから女優へと転身した猪上和香。
黒いビキニに黒いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって一礼していく。ワカパイとも言えるバストが作り出す胸の谷間に観客席から声が漏れた。31歳の和香だが、ビキニ姿も堂々として似合っている。
その和香の対戦相手としてリングインするのは、22歳女優の掘北真希。白い競泳水着に白いリングシューズでリングインすると、観客席に向かって一礼した。
女優対決となるこの試合、和香は顔面への打撃も反則にならない様にと、オープンフィンガーグローブを要求すると、真希も同じ条件でと要求して格闘技戦ルールでの試合となった。しかし地下プロレスでの経験から有利な和香に対して、格闘技戦の準備もしていなかった真希は流れとはいえ、苦しい展開が予想されるこの試合。
『青コーナー〜・・・身長160p、上から78、58、83・・・掘北真希〜っ!』
コールを受けて片手を挙げていく真希。格闘技戦となった事で、緊張感が増している様子に見える。
『赤コーナー〜・・・身長166p、上から88、60、90・・・猪上和香〜っ!』
そしてコールを受けて片手を挙げる和香。真希との格闘技戦に自信の笑みを浮かべてのコール。
そしてレフリーのチェックを受けてから、コーナーに別れてゴングが鳴り響いた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出す和香と真希。
和香はガードを固めて前に出ると、真希も距離を詰めるがガードが甘い。
シュ・・
距離が詰まると、まずは和香が挨拶代わりのローキックを放った。
軽く当たるが、打撃技を得意としない真希には十分なプレッシャー。
素早くガードを固める真希は、お返しとばかりにローキックを蹴り返すが、和香が足を浮かせて捌いていく。
逆に左右のパンチを放ってから、ミドルキックを放つ和香。
バシッ・・
脇腹に蹴りを受けて苦しむ真希。
動きが止まった所へ、真希の顔面へパンチを放っていく和香。
バシッ・・バシッ・・
オープンフィンガーグローブを着けているから顔面パンチが認められているルールだが、真希にとっては顔面パンチは苦しいところ。
嫌がる様に距離を置こうとすると、和香が距離を詰めて膝蹴りを出すがガードしていく。
しかし膝蹴りに意識を奪われた為、ガードの開いた顔面へ左右のジャブを受けて苦しい真希。
コーナーに追い詰められる真希に、和香はバストを揺らしながら前蹴りを放っていく。
咄嗟にガードする真希に、コーナーに押し込むようなエルボースマッシュを放つ和香。
バキッ・・
側頭部にエルボーを受けてフラつく真希に、和香は格闘技戦でも構わずヘッドロックで締め上げていく。
コーナーから引き離していくと、リング中央で締め上げる和香。
体格差もあり逃れられない真希は苦悶の表情を浮かべていると、ブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けていく和香。
バシィィィィ・・・
「んああぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる真希に、和香は素早くバックを奪っていく。
グラウンド状態で背後から脇腹にパンチを落としていくと、嫌がる真希の喉元にチョークスリーパーを仕掛けていく和香。
グイッ・・
「う・・げっ・・」
苦悶の表情で逃れようとする真希。試合が短時間で終わりを告げるのかと期待が高まる中、和香が技を解いていく。
「ケホッ・・ケホッ・・」
立ち上がる和香、苦しそうに咳き込む真希。
俯せ状態の真希に、和香がヒップドロップを落としてからキャメルクラッチを仕掛けていくと、真希の上半身が反らされていく。
グイッ・・グイッ・・
「うっ・・うううっ・・・ああっ・・・」
呻き声の様に苦しむ真希。
ギブアップ狙いにいくと思われたが、またも技を解いていく和香。
「ハァ・・ハァ・・ハァ・・」
俯せ状態で苦しむ真希。
和香は立ち上がると、ビキニを直しながら距離を置いた。
レフリーが真希に立ち上がるように指示すると、フラつきながら立ち上がる真希。
『ファイト!』
呼吸を荒げる真希に、和香は距離を詰めてから左右のパンチで顔面を殴りつけると、ガードの下がったところへアッパーを打ち込んだ。
ダウンこそ免れたがフラフラしている真希。必死に蹴りを出して距離を置こうとするが、和香は蹴りを受けても組み付いていくと、上手くテイクダウンを奪っていく。
マットに叩き付けられるだけでダメージを負って苦しい真希。
和香がサイドポジションを奪うと、押さえ込む様にバストを真希に押しつけていく。
体重を乗せられるだけでスタミナを奪われていく真希。ブリッジなど藻掻くと、更にスタミナの消耗を早めていく。
腰を浮かして三点ポジションになってから、和香がグラウンドでの膝蹴りを真希のボディへ叩き込む。
ドスッ・・
「うぐっ・・」
膝蹴りを受けて苦しむ真希。和香も上手く蹴りこむが、格闘技番組の実況席の経験からも、上手く相手にダメージを与えていく。
苦悶の表情の真希が藻掻くように抵抗すると、和香が放して立ち上がって手招きした。
和香の挑発的な誘いにフラつきながらも立ち上がる真希。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出る和香。
真希もガードを固めると、和香のミドルキックが炸裂した。
バシィィィ・・
蹴られてフラつく真希に、和香が左右のパンチからコーナーに追い込んでいく。
コーナーで顔を守るようにガードを固める真希に、和香はガードの上からパンチを入れてから、ノーガードのボディへ膝蹴りを入れた。
ドスッ・・
「うっ・・・うううっ・・・」
口をパクパクして苦しむ真希。お腹への膝蹴りが相当ダメージを与えたらしく、身体をくの字にして苦しみだした。
両手でお腹を押さえていると、和香は容赦なく顔面へパンチを入れていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「あうっ・・・」
真希の顔面に和香の拳が炸裂すると、真希の鼻から血が溢れ出した。
白い競泳水着を赤く染めていくと、呼吸が苦しくなり動きが更に鈍くなる真希。
殴り返すが、経験の差からも和香のパンチが当たっていく展開に、次第に動きが鈍くなっていく。
コーナーに追い詰められて、和香の打撃に苦しい展開が続く真希。
一方的展開になってくる試合展開に、観客席からは和香に対して一気に試合を決めろと声援が飛ぶ。
『猪上っ、そろそろ決めてやれ!』
観客席からの声に、和香はガードを固めようとする真希の髪を掴んでコーナーから引き離すと、膝蹴りを入れていく。
ドスッ・・
「うぐっ・・うううっ・・」
呻き声みたいな声で苦しみながら座り込むようにダウンする真希。
更に顔面へサッカーボールキックを叩き込んで倒してから、真希に座り込んでマウントポジションの体制になる和香。
真希は逃れたいからと藻掻くが、和香は上手く動きをコントロールして逃がさない。
藻掻いていく真希は、鼻血で呼吸が苦しいと言うのもありスタミナ切れを起こしていくと、和香はその瞬間を待っていた様にハンマーパンチを顔面に落としていく。
バキッ・・バキッ・・
女優の生命でもある顔を容赦なく殴りつける和香。真希は嫌がるように藻掻くが、顔面を潰されて涙目になっている。
レフリーも真希の顔が傷つけられる事に試合を止めようとするが、和香は容赦なくハンマーパンチを連打する。
抵抗できない真希に、レフリーが危険と判断してゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音に和香の攻めが止まると、ゆっくりと立ち上がる和香。ビキニを直しながら観客席に向かってガッツポーズをしていくと、歓声に包まれていく。
『勝者、猪上和香っ!』
一方、負けた真希は顔面を真っ赤に染めて痛々しい姿になってしまったが、リングドクターの応急処置を受けていく。
地下プロレスではデビュー戦などでは善戦しても、最近の試合では流血戦など苦しい試合が続いている真希。人気からも地下プロレスでの勝利が欲しいところの苦しい試合が終わりを告げるのであった。



第15試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、美しすぎる料理研究家と言われている守崎友紀。グラビアなどにも登場しただけに、今夜は黒ビキニに黒いリングシューズ姿でリングイン。今夜がデビュー戦と言う事で、この異様な雰囲気に緊張を隠せないが、運動神経も良く壕プロ所属と言う事で、地下プロレスのオファーがきても対応できる様にと、トレーニングは積んでいたと言う情報もある。
その友紀の対戦相手とリングインするのは、グラビアアイドルの山木梓。グラビアアイドルだからと、友紀と同じく黒ビキニを着てのリングイン。リングシューズは白で、早くもゴングが待っているかの様な表情でコーナーに進んだ。
『青コーナー〜・・・身長157p、上から82、55、83・・・山木梓〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする梓。
『赤コーナー〜・・・身長162p、上から88、58、88・・・守崎友紀〜っ!』
そしてコールを受けた友紀は、観客席に向かって一礼すると、胸の谷間に観客達の視線が集まっていた。
グラビアアイドルとしてプライドを持っている梓がコーナーで表情を険しくしていく。観客達がサイズが大きいバストに注目している事に、嫉妬心を燃やしているのか・・・。
『カァーン!』
そしてゴングが鳴り響くと、コーナーからリング中央へ進んでいく友紀と梓。
まずは睨み合う展開から始まると、観客席が早くも盛り上がっていく。
お互いが手を出さないと、まず張っていったのは梓。
バッシーン・・・
張り手を受けた友紀も、負けじと張り手を返していく。
バッシーン・・・
お互いが相手の頬に張り手を叩き込むと、友紀が強引にヘッドロックに持ち込むと、梓は押し出すようにロープに振っていく。
ロープから戻る友紀がショルダータックルで梓を倒すと、自らロープに走って勢いをつけてから、起き上がる梓にフライングボディアタックを仕掛けた。
バシィィィィィ・・・・
倒れ込む梓をそのままフォールしていくと、早くもレフリーのカウントが入っていく。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし梓も簡単に負ける訳にもいかないからと、友紀を返していく。
返されると腕を狙う友紀だが、梓が素早くロープに逃れた。
ロープに逃げられたからと離れる友紀。梓も素早く立ち上がると、距離を置いて睨み付けていく。
梓が手を伸ばして力比べを誘うと、友紀も手を伸ばすと梓が蹴りを入れた。
「うっ・・」
痛がる友紀をロープに振ると、梓は気勢をあげてフライングラリアットを仕掛けた。
バシィィィィ・・・
ダウンする友紀に、素早くスリーパーで締め上げていく梓。
「ギブ?ギブアップする?」
梓が揺さぶりながら言い放つと、友紀は必死にロープに足を伸ばしていく。
苦悶の表情の友紀がロープに逃れると、梓は立ち上がって蹴りを入れてから距離を置いた。
ビキニを直しながら構えていく友紀。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく梓と友紀。
距離が詰まると、今度は梓が張り手を出すと、友紀は頬で張り手を受けながらも、腕をキャッチして脇固めに捉えた。
グイッ・・・
「んんっ・・・んあっ・・・」
痛がる梓に、友紀はギブアップ狙いかしっかりと技を極めていく。
しかし梓も簡単にはギブアップを口にせず、少しずつロープに逃れようと足を伸ばした。
『ロープ!』
梓の足がロープに掛かると、レフリーが友紀に技を解かせていく。
素早く立ち上がる友紀は、起き上がる梓のバストへドロップキックを放つと、起き上がる梓に続けてドロップキックを叩き込んだ。
立ち上がるもフラつく梓に、友紀がキチンシンクからコーナーに押し込んでいくと、ヘッドロックで締め上げてから、片手を挙げてアピールしてから勢いよくブルドッキングヘッドロックで梓をマットに叩き付ける。
バッシーン・・・
俯せ状態でダウンする梓に、友紀はまたも観客席にアピールすると、キャメルクラッチで梓を攻めていく。
グイッ・・
上半身を反らされて苦しい梓。揺さぶられていくと、ビキニが脱げそうになると必死に抵抗する梓。
友紀も激しいプロレスの試合に、汗だくになりながら梓を攻め続けた。
耐える梓を技から解放すると、俯せで苦悶の表情を浮かべている梓へ、飛び上がってのストンピングを入れていく友紀。
バストが揺れながらのストンピングに観客席から歓声が上がっている。
グイッ・・・
そして髪を掴んで起こしていくと、梓も意地を見せての腹パンチから、張り手で反撃していく。
バッシーン・・・
張り手を受けて動きが止まる友紀だが、張り手を返して抵抗した。
バッシーン・・・
張り手を受けて張り返す梓。友紀も意地になって張り手合戦になっていくと、友紀の張り手が上回っていく。
劣勢になってロープ際に追い込まれていく梓。背中にロープが触れると、友紀は飛び込む様にキチンシンクをボディに叩き込んだ。
ドスッ・・
「うぐっ・・うううっ・・」
キチンシンクを受けて両手がお腹を押さえる梓。苦悶の表情を浮かべている梓に、友紀はロープに走って勢いをつけると、髪を鷲掴みにして顔面をマットに叩き付けるフェイスクラッシャーを仕掛けた。
バッシーン・・・・
「きゃあああああぁぁぁ・・・」
顔面をマットに叩き付けられて絶叫する梓。
マットに叩き付けられて顔面を押さえて痛がっていると、友紀は片手を挙げて観客にアピールしながら髪を鷲掴みにして起こしていくと、脳天からマットに叩き付けるDDTを仕掛けた。
バッシーン・・・
マットに叩き付けられて大の字になる梓。苦悶の表情で動けないと、友紀は両足をキャッチして足四の字固めを仕掛けた。
グイッ・・
技が極まると梓の悲鳴がリング上に響き渡った。
「痛いぃぃぃぃぃ・・・・痛いぃぃぃぃぃ・・・・」
泣きそうな表情で悲鳴をあげる梓。
友紀もギブアップ狙いで極めていくが、梓はゆっくりとロープに手を伸ばして逃げようと必死になっている。
レフリーもギブアップの確認をするが、梓はギブアップはせずにロープに逃げようと必死に手を伸ばしていく。
友紀が腰を浮かせて痛めつけていくと、梓にギブアップを迫っていくが、梓は必死にギブアップを拒んだ。
「ギブアップ?・・・ギブしないと足が壊れるわよ!」
「ノォォォォ・・・ノーォォォォォォォォ・・・・」
意地の張り合いとも言える展開に歓声が起きていく。
耐える梓から足四の字固めを解いてから、痛がっている梓の両足を抱え込んで、一気にステップオーバーしての逆エビ固めを極めていく友紀。
グイッ・・・
「あああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
ガッチリと極まって、身体をCの字に反らされて激痛に絶叫する梓。
ロープも遠く手も届かないから、逃げる事も出来ない梓に友紀は腰を落としていくと、後頭部にヒップが付くような形になっていく。
完全に極まって逃げられない梓は、半泣き状態でマットを叩いた。
しかしレフリーもギブアップの確認とばかりに問いかける。
『ギブアップ?』
レフリーの問いかけに、梓は絶叫していく。
「ギブアップ!・・・ギブアップ!」
その言葉にゴングが要請された。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、ここで友紀が技を解いていく。
『勝者、守崎友紀っ!』
リングアナのコールに笑顔を浮かべる友紀。呼吸を荒くしているが、地下プロレスデビュー戦を白星で飾る事ができて、観客席に向かって笑顔で両手を挙げていくのであった。



第16試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、この覚醒剤など数々の犯罪を犯した戸向美奈子。地下プロレスには0回大会より参戦していたベテランだが、いまだにベルトを巻いた事がなかったので、ここらでチャンスを与えるとばかりに、ジュニアヘビー級タイトルマッチに挑戦させる事となった。美奈子は白いビキニを着て堂々とリングインすると、コーナーでガッツポーズで観客にアピールした。しかし元グラビアアイドルと言うより、ストリッパーも経験したはずが公表サイズより大柄で、太って見える美奈子のボディ。
その美奈子の挑戦を受けるのは、グラビアなどで売れっ子だったがグラビアを封印している仲島愛里。グラビアで売っていただけに、今夜は黒ビキニに黒いリングシューズ姿でリングインすると、早くも美奈子を挑発してコーナーに進んでいく。
20歳の愛里と、25歳の美奈子のタイトルマッチ。愛里もキャリアは美奈子に比べて少ないが、地下プロレスではフットサル仕込みの打撃などで勝利を重ねている。対して美奈子は、御存知の飯嶋直子とのデスマッチなどで長らく痛めつけられる事が多かったが、最近はヒールファイトで直子からも勝利を奪い乗っている。今夜はどちらが勝利してもおかしくない試合と見られている。
『ジュニアヘビー級タイトルマッチ・・・青コーナー〜挑戦者〜・・・身長156p、上から90、58、83・・・戸向美奈子〜っ!』
コールを受けて片手を挙げて堂々としている美奈子。ある意味で不気味な雰囲気を漂わせている。
『赤コーナー〜・・・チャンピオン〜身長157p、上から86、58、88・・・仲島愛里〜っ!』
そしてコールを受けた愛里は、ビキニを気にしながらも観客席に一礼していく。その前屈みになった時のGカップの谷間な注目が集まっていた。
そしてコールも終わってコーナーに寄りかかる愛里と美奈子。
早くも睨み合う展開になっていると、レフリーがゴングを要求した。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す愛里。
美奈子はゆっくりとコーナーを出ると、愛里との距離を計りながら睨み付けていく。
ガードを固めながら距離を詰める愛里は、軽くローキックを放つが美奈子が避けた。
上手く距離が取れないと、胸を揺らしながら美奈子が組み付いた。
グイッ・・・
ロックアップの態勢だが、ここは愛里が押し出していくと、美奈子をロープ際まで押し出した。
ここでレフリーが両者を離すと、またも距離を置いていく愛里と美奈子。
今度は美奈子が距離を詰めると、蹴りを出すが逆に愛里がローキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
更にエルボースマッシュからロープに振っていく愛里。
しかし美奈子はロープを掴んで戻らずに距離を置いていく。緊張感が続くリング上。
距離が詰まると、今度は美奈子が喧嘩キックを放ってから組み付くと、そのままヘッドロックで締め上げた。
愛里がロープに振ろうとするが、サイドヘッドロックで締め上げていく美奈子。
そして技を解いてからエルボースマッシュを顔面に叩き込んでから、ボディスラムで愛里をマットに叩き付ける美奈子。
バッシーン・・・
マットに叩き落としてフォールする美奈子。
ビキニ同士で巨乳同士が密着しながらフォールになると、レフリーがカウントを数える。
『ワン・・・ツー・・・』
余裕を持って返していく愛里。
返されると美奈子が首4の字固めで締め上げていくと、愛里の表情が苦痛に歪む。
腰を浮かせて痛めつけていく美奈子。
耐える愛里に、美奈子は髪を引っ張ったりして痛めつけると、レフリーが反則と注意していく。レフリーの注意に言い返す美奈子。
そして技を解いてから素早く立ち上がると、起き上がろうとする愛里にストンピングを入れてから、髪を掴んで起こしていく。
愛里もお腹にパンチを入れて抵抗すると、美奈子が顔面を掻きむしった。
「んあああぁぁぁぁ・・・」
顔面への掻きむしりに悲鳴をあげる愛里。
続けてお腹にパンチを入れると、そのままコーナーに押し込んでいく美奈子。
試合のペースを握られて苦しい愛里。美奈子はコーナーで蹴りを入れてから、髪を鷲掴みにして愛里の顔面をトップロープに押しつけて擦りつけていく。
ギュ・・ギュギュ・・
「あああああああああっ・・・・」
顔面をロープに擦りつけられて悲鳴をあげる愛里。
更に額を噛み付いていく美奈子。
「んあああぁぁぁ・・・痛いぃぃぃぃ・・・」
堪らず悲鳴をあげる愛里。観客席からはブーイングが起きていく。
そんなブーイングにも笑みを浮かべる美奈子は、愛里の身体に絡みつくようなコブラツイストを仕掛けるも、愛里が藻掻いてロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの言葉に美奈子が放すと、愛里が至近距離からラリアットを放った。
バシィィィィ・・・
突然のラリアットにフラつく美奈子に、愛里は大技を狙ってバックドロップを仕掛けようとバックを奪う。
しかし美奈子がヘッドロックで返してから、額にグーパンチを入れて返した。
動きの止まる愛里に、美奈子は張り手を叩き込んでから、首投げでマットに叩き付けてから、ヘッドシザースで締め上げてスタミナを奪っていく。
グイッ・・
「くっ・・うっ・・」
苦しい展開の続く愛里。地下プロレスではベテランの美奈子の攻めは、試合の組み立てなども上手く苦しい展開。
ゆっくりとロープに足を伸ばして逃げる愛里。美奈子も締め上げるが、愛里が苦しみながらもロープに逃げた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの言葉に技を解いて立ち上がる美奈子。
愛里は首筋などを気にしながらも、ビキニを直しながら距離を置いた。
『ファイト!』
レフリーの言葉に距離が詰まる愛里と美奈子。早くも胸の谷間には汗が流れ落ちていく展開に、観客席も興奮していく。
距離が詰まると、愛里がタックルを仕掛けていくと、これにはフロントスリーパーでキャッチしようとする美奈子だが、グラウンド状態に持ち込まれてしまった。
グラウンド状態になったからと、愛里は素早く体勢を入れ替えてサイドポジションを奪うと、バストを押しつけたまま腕を狙っていく。
しかし美奈子も簡単に関節を奪わさせずに返そうとするが、愛里が上手く押さえ込んでいく。
『ワン・・・ツー・・・』
フォールの体勢だからと、レフリーがカウントを数えるが美奈子が返していく。
そしてマットに座らせた体勢からスリーパーを仕掛ける愛里。美奈子は苦悶の表情を浮かべるも、愛里の腕に噛み付いた。
「イタッ・・」
堪らずスリーパーを解いてしまう愛里。美奈子は素早く立ち上がると、愛里に蹴りを入れていく。
蹴りに対して、愛里もローキックを返すと、これには美奈子の動きが止まった。
バシィィィ・・・
続けてミドルキックで前に出る愛里。
動きの止まる美奈子をロープに振っていく愛里。ロープから戻る美奈子に対して、キチンシンクをボディに叩き込んでいく。
ドスッ・・
「ぐふっ・・・」
キチンシンクを受けて苦しむ美奈子。愛里は髪を掴んでからロープに振ると、今度はラリアットを喉元に叩き込んだ。
バッシーン・・・
ラリアットを受けてダウンする美奈子。愛里はゆっくりとバストを狙いエルボードロップを落としてフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし美奈子が返すと、愛里は馬乗りになって張り手を叩き込んでいく。
バシィィィ・・バシィィィ・・・
張り手の連打に嫌がる美奈子だが、下から抵抗していくと、偶然にもビキニに指が掛かって愛里のバストを露わになりそうになった・・・。
「きゃっ!」
ビキニが脱げそうになったからと、愛里が恥ずかしそうにビキニを押さえた。
その瞬間、美奈子はブリッジ気味に愛里を返すと、転がるようにして距離を置いてから立ち上がる。
愛里はビキニを直すが、地下プロレスのリングでビキニで闘って脱げそうになって騒いでいたら試合どころの騒ぎではない・・・。美奈子はこの愛里のビキニに対する反応を見ていた・・・。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく愛里と美奈子。
シュ・・
愛里はローキックと打撃で勝負に出ると、蹴られて嫌がる美奈子。
ロープ際に逃げる美奈子に、愛里は蹴り技で攻めていくと、美奈子の太股などが蹴り技で内出血し始める。
ロープを掴んで打撃を嫌がる美奈子に、愛里は組み付いて膝蹴りを狙うと、これには美奈子も組み付いて打撃を封じていく。
組み付いたからと、美奈子は愛里の目に指を入れるようなサミング攻撃を仕掛けると、悲鳴をあげた愛里をコーナーに押し込んだ。
顔面を押さえる愛里に、美奈子は喧嘩キックをお腹に入れてからコーナーに崩れる愛里にストンピングを連発していく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
美奈子のストンピングに痛がる愛里。レフリーがロープだからと美奈子を離していく。
レフリーが離している間に、愛里は立ち上がってビキニを直しながら距離を置くと、レフリーが続行を告げた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に睨み合う愛里と美奈子。
距離が詰まると、愛里がローキックからミドルキックと打撃で前に出ると、美奈子は蹴り技を避けるように距離を置いていく。
愛里がハイキックを放つと、美奈子は上手くキャッチして倒していくと、素早くアキレス腱固めを仕掛けていく。しかし愛里もヒールキックで抵抗して美奈子が放す素早い展開。
美奈子が立ち上がると、愛里も立ち上がってタックルを仕掛けると、フロントスリーパーで締め上げていく美奈子。
そのまま膝蹴りをボディへ叩き込む美奈子。
ドスッ・・ドスッ・・
「ぐっ・・ふぐっ・・」
膝蹴りを受けて苦しい表情を浮かべる愛里。
更に美奈子が愛里を場外に落としていくと、場外戦へ誘い出した。
リング下でフラつきながら立ち上がる愛里に、美奈子は得意のヒールファイトを展開しようとパイプ椅子を手にした。
ガッシャーン・・・
「きゃあああぁぁぁ・・・」
パイプ椅子で容赦なく愛里の背中を叩き付ける美奈子。パイプ椅子の座面で叩き付けるが破壊力は十分だ。
更に角の部分でお腹に一撃を加えると、堪らずダウンする愛里。
お腹を押さえていると、愛里の首にパイプ椅子を掛けてから背中を足で踏みつけて痛めつける美奈子。
藻掻き苦しむ愛里に、パイプ椅子を外してから腰にヒップドロップからキャメルクラッチで痛めつけていく美奈子。
上半身を反らされて苦しい愛里は、両足をバタバタ激しく動かしながら痛がっている。
美奈子が技を解くと、愛里は苦悶の表情でグッタリしている。
愛里の動きが止まったからと、美奈子はリングサイドから何かを探している様子。
そして手にしたのは、有刺鉄線竹刀で愛里を流血戦に誘い込もうとしていた。
俯せで苦しむ愛里に近づく美奈子は、有刺鉄線竹刀を振り上げてアピールすると、髪を掴んでから脳天に有刺鉄線竹刀を押しつけた。
グサッ・・
「いやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
愛里の悲鳴が会場内に響き渡ると、同時に傷つけられた部分から血が流れ出て、地下プロレス参戦してから初めての流血戦になっていく愛里。
美奈子が有刺鉄線竹刀を擦りつけていくと、流血が酷くなって顔面を血に染めていく愛里。
流血戦に動揺を隠せない愛里に、美奈子は額を噛み付いたりしてヒールファイトで痛めつけた。
愛里も抵抗していくが、美奈子が髪を掴んで近くの鉄柱に額から叩き付けると、愛里の抵抗が無くなる・・・。
ゴキッ・・
「んあああぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげる愛里。完全に流血戦になってしまって苦しい展開に追い込まれてしまった。
フラフラしている愛里をリングサイドで引きずり回してから、エプロンサイドに顔面を叩き付けてリング上に戻していく美奈子。
リング上でグッタリしている愛里に、美奈子は観客にアピールしながらバストを踏みつけていく。
Gカップの巨乳が踏みつけられて苦しい展開の愛里。
そして起こしてから、美奈子が観客にアピールしてバックドロップで投げつけると、そのままフォールしていくバックドロップホールド。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・・』
しかし愛里がギリギリで返していくと、観客席から歓声が起きていく。
美奈子が立ち上がるが、愛里は顔面を血で真っ赤に染めながら立ち上がれない。
立ち上がれない愛里の額を踏みつけてアピールする美奈子。しかし観客席からはブーイングが起きている。
ブーイングを聞いて笑みを浮かべる美奈子は、有刺鉄線竹刀を手にすると、今度は仰向けでダウンしている愛里の、ビキニに包まれたGカップバストに振り下ろしていく。
グサッ・・グサッ・・
「いやああぁぁぁ・・・・痛いぃぃぃぃ・・・やあぁぁぁぁぁぁ・・・」
バストへの有刺鉄線竹刀攻撃に絶叫する愛里。そのバストも傷つけられていく残酷な展開へなっていく。
更に美奈子が愛里を起こすと、そのままロープ際に押し込んでから、両腕をトップロープとセカンドロープで絡ませて磔にすると、ビキニに水平にした有刺鉄線竹刀を押しつけた。
グサッ・・
「いやああぁぁぁぁぁぁ・・・」
容赦なくビキニの布地を通して有刺鉄線が乳房を傷つけると、激痛から愛里の泣き声に近い悲鳴がリング上に響き渡る。
「地下プロレスなんだから、これくらい覚悟しなさいよ!」
美奈子が無慈悲にも呟くと、愛里のビキニに手を掛けた。
「や・・やめ・・て・・・」
水着剥ぎに抵抗する愛里だが、美奈子は容赦なくビキニのブラを剥ぎ取った。
「グラビアアイドルのトップレス!」
美奈子が叫ぶと、剥ぎ取ったビキニを高々と持ち上げてアピールした。同時に傷つけられた愛里のバストが露わになると、観客席から歓声も起きている。
レフリーが反則の連続に美奈子に注意して、美奈子を離してから愛里をロープから放した。
両手で胸を隠して痛がる愛里。観客からバストを見られて恥ずかしがるが、地下プロレスではそんな事で試合が止められるはずもなく、容赦なく続行が告げられた。
『ファイト!』
レフリーの声に胸を必死に隠す愛里に美奈子が迫った。こうなるとジュニアチャンピオンと言っても、完全に美奈子が試合を握りだした。
グイッ・・・
両手で必死にバストを隠す愛里の髪を鷲掴みにする美奈子。
そして下を向かせるようにしてから、顔面へ膝蹴りを入れていく。
ゴキッ・・
ノーガードで顔面へ膝蹴りを受けて意識を朦朧とさせる愛里。必死に隠していたバストだが、膝蹴りを受けてトップレス状態になっていく。
余裕の表情で美奈子がバックドロップを狙うと、顔面を真っ赤に染めながらも愛里が踏ん張ると、Gカップバストを揺さぶりながらもブルドッキングヘッドロックで美奈子を叩き付けた。
バッシーン・・・
愛里の反撃に観客席が盛り上がると、愛里は片手を挙げてアピールする。
「いくぞぉぉぉぉぉぉ・・・」
アピールをしてから俯せでダウンした美奈子に、有刺鉄線竹刀を持ってバストの下に通してからキャメルクラッチの様にして反撃していく愛里。
グサッ・・
「んあぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
流石の美奈子も有刺鉄線がバストに食い込むと、その激痛に悲鳴をあげている。
愛里は流血戦となりながらも必死に美奈子に反撃すると、意地になって美奈子の額に有刺鉄線竹刀を擦りつけようとするが、美奈子が暴れてロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの言葉に技を解く愛里は、滴り落ちる血を拭いながらビキニを探すと、レフリーが愛里の美奈子が取り上げたビキニのブラを渡した。観客席からはブーイングも起きると、美奈子は背後からラリアットを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
俯せにダウンする愛里に、美奈子はブラを取り上げて首に巻き付けると、そのまま締め上げていく。
「うっ・・ぐっ・・うぐっ・・・」
ビキニを掴んで必死に逃れようとする愛里だが、美奈子の激しいラフファイトの前に半失神状態に追い込まれている。
レフリーが美奈子を止めていくと、美奈子は不機嫌そうな表情でビキニを放すと、立ち上がって愛里の後頭部にストンピングを入れていく。
フラフラになりながらにもロープを掴んでいく愛里に、レフリーは美奈子を離していく。
必死にビキニを着けていく愛里。ビキニを着け終わると、ロープに寄りかかって美奈子を睨み付けた。
『ファイト!』
レフリーの試合続行の掛け声に、美奈子が距離を詰めていく。
愛里も構えると、気勢をあげてローキックを放った。
バシィィィィ・・・
美奈子の足にローキックが炸裂すると、美奈子がフラつきながら距離を置いた。
「逃げるなよ!」
愛里が挑発すると、またもローキックを放つが目に血が入って距離感が上手く取れず空振りに。
逆に美奈子が踏み込んでラリアットを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
ラリアットを首筋に受けてフラフラになる愛里。
更に美奈子が組み付いて、大技のバックドロップでマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
これには虚ろな表情でグッタリする愛里。
美奈子は首をカッ切ると言うポーズでアピールすると、観客席のブーイングを危機ながらもトップロープに登っていく。
愛里はバックドロップのダメージで大の字になっていると、美奈子が片手を挙げてから、愛里のお腹に容赦のないニードロップを落とした。
ドスッ・・
「グプッ・・ホゲェェェェェ・・・」
体重のある美奈子の殺人ニードロップとも言える膝爆弾に、愛里は一瞬間を置くようにして口から激しく反吐を噴き上げた。
両手でお腹を押さえて苦悶の表情を浮かべる愛里。
ガッツポーズでアピールする美奈子は、ゆっくりと愛里の髪を鷲掴みにして起こしていくが、愛里は両手でお腹を押さえて反撃できない。
美奈子が放すと、愛里はフラフラしている。
その愛里の背後に回り込んでから、今度は股間を思いっきり蹴り上げた美奈子。
ゴキィィィィ・・・
「ふぎぃぃぃぃ・・・」
恥骨が破壊された様な感覚に変な声をあげてグッタリと倒れ込む愛里。
両手で股間を押さえて苦しんでいる愛里に、美奈子は有刺鉄線試合を持ち込むと全身を有刺鉄線竹刀で叩き付けていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「んああぁぁぁ・・・痛いぃぃぃ・・」
全身を傷つけられていく愛里。
レフリーが反則カウントを数えると、美奈子は有刺鉄線竹刀を投げてから、愛里をフォールする。
『ワン・・・ツー・・・スリィィ・・・』
カウントギリギリで愛里が返すと、観客席から大歓声が起きていく。
悔しそうな表情を浮かべる美奈子。
髪を掴んで愛里を起こしていくと、観客に向かって片手を挙げてアピールする美奈子だが、ここで愛里が逆さ押さえ込みを仕掛けた。
グイッ・・
『ワン・・・ツー・・・』
両足をバタバタさせて逃れた美奈子。突然の反撃に驚きを隠せない。
返されて悔しい愛里だが、流血のダメージなどから動きが鈍くなっていて、美奈子を追い込む事ができないと、美奈子が立ち上がった。
髪を鷲掴みにして起こすと、組み付いてエグイ角度でバックドロップで投げつける。
バッシーン・・・
後頭部をマットに打ち付けて大の字になる愛里。
ゆっくりと美奈子がビキニに手を掛けると、ブラを剥ぎ取ってトップレスにしていく。
愛里の自慢のGカップが、今夜は有刺鉄線で傷つけられているが露わになってしまった。
美奈子はゆっくりとロープに進むと、助走をつけて飛び上がると、動けない愛里のバストにニードロップを落とした。
グニュ・・・
「んあああぁぁぁぁ・・・」
体重の乗ったニードロップに絶叫する愛里。観客席からも声が上がる中、美奈子は余裕の表情で愛里をフォールする。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィ・・・』
余裕のスリーカウントが決まると、ここで美奈子が地下プロレス参戦以来初となる、ベルトを腰に巻く事になった。
『勝者、戸向美奈子っ!』
リングアナのコールに観客席からはブーイングが起きると、美奈子は立ち上がって愛里の顔を踏みつけてガッツポーズをしていく。
そして剥ぎ取ったビキニを観客席に投げ込むと、ベルトを肩に乗せてリングを後にした。
一方、トップレス姿で失神寸前の愛里は、悔し涙を流しながら担架に乗せられてリングを後にした。



第17試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、グラビアアイドルから女優にも進出している河村ゆきえ。
白いビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に頭を下げた。
歓声に包まれる会場内に、ゆきえの対戦相手としてリングインするのは、女優として活動している長沢まさみ。
女優としての評価が低い時代が続いたが、最近は評価されつつあるからと、地下プロレスでも実力を上げたいところ。今夜のゆきえとの試合では、自らの強さをアピールしたいと狙っている様子。リングコスチュームには、黒い競泳水着に黒いリングシューズでリングインすると、スタイルの良さをアピールする様な水着姿に、観客からは歓声が送られた。
『青コーナー〜・・・身長158p、上から87、59、87・・・河村ゆきえ〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールするゆきえ。反対コーナーのまさみとは視線を合わせずにコーナーに寄りかかった。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から85、57、83・・・長沢まさみ〜っ!』
コールを受けて一礼していくまさみ。ゆきえとは視線を合わさずにコーナー寄りかかる。
そしてレフリーが合図すると、試合開始のゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出す両者。
まずは距離を置いて睨み合うと、ゆきえがタックルを仕掛けようとするが、まさみが両手を突き出して防いだ。
逆にまさみにがローキックを放つと、ゆきえも意地になって蹴り返す。
バシィィィ・・・
ローキックから張り手を叩き込むゆきえ。
バッシーン・・・
張り手を受けたまさみに、即張り手を返すと、張られた事に怒ったのか張り手を連発してゆきえをロープ際に追い込んだ。
痛がるゆきえに、まさみは膝蹴りを狙うがゆきえに組み付かれていく。ゆきえも打撃系の膝蹴りを警戒したのだろうか。
組み付く両者をレフリーが離していくと、今度は構えて距離を詰めていくまさみ。
ゆきえも顔への打撃を警戒してガードすると、身長差もあるからテイクダウンを奪いたいとばかりにタックルを仕掛ける。
しかしその瞬間、まさみがカウンターの膝蹴りを放つとゆきえの顔面に炸裂した。
ゴキッ・・
鈍い音が響くリング上。ゆきえはダメージを負いながらもまさみの脚に組み付いて倒そうとするが、力が入らない。
逆にまさみが髪を鷲掴みにして起こしていくと、首相撲の体制に持ち込んでからボディへ膝蹴りを入れていく。
ドスッ・・
「ぐふっ・・」
膝蹴りを入れられて苦悶の表情を浮かべるゆきえ。
苦しむゆきえに、まさみはトップロープに両腕を絡ませてから、ノーガードのお腹にパンチを入れて痛めつけていく。
ドスッ・・ドスッ・・
「うぐっ・・ううっ・・うっ・・」
お腹を殴られて苦悶の表情を浮かべるゆきえだが、レフリーがロープから放していく。
『ファイト!』
距離を置いていくが、余裕も感じられるまさみ。
対して試合のペースを握られて苦しいゆきえ。
タックルで倒していきたいが、打撃を警戒して踏み込めないゆきえに、まさみが前に出て行く。
左右の掌打を散らしていくと、ガードを上げたゆきえにミドルキックを叩き込む。
バシィィィ・・・
脇腹を蹴られて苦しいゆきえのガードが崩れると、ノーガードの顔面へハイキックを放つまさみ。
バッシーン・・・
顔面へのハイキックにフラフラとしながらロープに逃げるゆきえ。
トップロープを掴んでダウンは免れるゆきえに、まさみは狙ってハイキックを叩き込む。
バッシーン・・・
顔面へのハイキックを受けてロープ際に崩れ落ちるゆきえ。
更に追い打ちをかけるようにサッカーボールキックを顔面に入れていくまさみ。ゆきえは堪らず転がるようにリング下に逃れた。
まさみもリング下に降りると、ダウン状態のゆきえのヒップにサッカーボールキックを入れていく。
バッシーン・・・
痛がるゆきえの髪を鷲掴みにして起こしていくと、リング上に戻していくまさみ。
リング上に戻るまさみは、観客席に片手を挙げてアピールすると、髪を鷲掴みにしてゆきえを起こしていくと、バックに回ってスタンディング状態からチョークスリーパーを仕掛けた。
グイッ・・
「うっ・・ぐぐっ・・うっ・・」
藻掻き苦しむゆきえ。必死にロープに逃れようとするが、まさみの腕が頸動脈を締め上げる。
抵抗する力も抜けて座り込むように崩れ落ちていくゆきえ。構わず締め上げていくまさみ。
レフリーがゆきえの手を掴んでギブアップの確認をするが、まさみのチョークスリーパーで意識を失って反応はなかった。
『カンカンカンカン・・・』
一方的な試合展開で、短い時間での試合が終わりを告げた。
ゆきえも決して地下プロレスでは弱いばかりの試合を経験した訳ではないが、今夜はまさみの圧勝で幕を閉じたのであった。
『勝者、長沢まさみ!』
リングアナのコールにまさみは立ち上がると、観客に向かって片手を挙げてアピールする。
対して負けたゆきえは、白いビキニ姿でマットにグッタリとしているのであった・・・。



第18試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、アキバ48のメンバーの児嶋陽菜。ピンク色のビキニに白いリングシューズの陽菜。
慣れない地下プロレスに戸惑いながらも、笑顔を浮かべて頭を下げていく。
その陽菜の対戦相手としてリングインするのは、似ているなどと言われていた市河由衣。黒いビキニに黒いリングシューズ姿でリングインすると、余裕の表情で片手を挙げてアピールしてコーナーに進んだ。
『青コーナー〜・・・身長164p、上から80、60、86・・・児嶋陽菜〜っ!』
コールを受けて観客席に向かって片手を挙げてアピールする陽菜。対戦相手の由衣に対しては視線を合わせようとしない。
『赤コーナー〜・・・身長158p、上から83、55、85・・・市河由衣〜っ!』
そしてコールを受けた由衣は、ガッツポーズの様に観客席にアピールすると、観客席からは由衣の割れた腹筋に驚きの声が飛んだ。
『おおっ〜』
そう、役作りで柔術道場に通ったり筋力トレーニングを積んでいる由衣だけに、ベルト奪回などに向けての着実に勝利したいところで、今回の試合も陽菜相手に技を試そうとしている様に見えている。
反対コーナーでは、陽菜が由衣の鍛えられた身体に恐怖心すら覚えるが、もうリング上で対峙しているだけに、もう試合で全ては出される事に・・・。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、緊張した表情の陽菜が前に出ていくが、由衣はゆっくりとコーナーから出て距離を置いた。
睨み合う両者。25歳の由衣と23歳の陽菜。緊張感漂うリング上。
ビキニを気にしながらも、体格で勝る陽菜が片手を出して力比べを挑発すると、由衣は応じる様に組み付いた。
グイッ・・
「うっ・・ううっ・・・」
由衣の力強さに驚く陽菜。由衣の腕の筋肉が浮かび上がると、そのままロープ際に押し込まれていく。
苦悶の表情の陽菜に、由衣は余裕の表情で痛めつけていくと、レフリーが背中にロープが触れているからと放させた。
『ブレーク・・・ブレーク・・・』
レフリーの指示に放す由衣。陽菜は警戒するように距離を置いていくが、組み付いた手が痛いのか気にしている様子。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に、由衣が前に出て行く。ガードを上げたスタイルで格闘技戦の様な構えだが、陽菜は嫌がるようにリング上で距離を置いていく。
次第に距離が詰まると、陽菜が手を前に出すと、由衣が素早く低空タックルで組み付いた。
これには陽菜は対応出来ずにテイクダウンを奪われてしまうと、由衣が素早くサイドポジションをを奪っていく。
嫌がるように藻掻く陽菜。
由衣は動きを確認する様に押さえてから、一気に腕を狙っていくと、陽菜も必死にロープに逃げた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に立ち上がる由衣。陽菜もビキニを直しながら立ち上がると、距離を置いて呼吸を整えていく。
『ファイト!』
レフリーの続行の指示に前に出て行く由衣。
陽菜はタックルを警戒していると、由衣が軽くローキックを放った。
バシッ・・
ローキックを受けて痛がる陽菜。しかしタックルで倒される事を警戒していると、由衣がミドルキックと前蹴りで前に出て行く。
蹴りを嫌がる陽菜に、由衣は強引にヘッドロックを極めると、陽菜は由衣をロープに振って返した。
しかしロープから戻る由衣はドロップキックで陽菜をダウンさせると、続けて立ち上がろうとする陽菜の顔面に低空ドロップキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「きゃああああぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげて転がるようにリング下に逃れる陽菜。顔面へのドロップキックでダメージを受けて苦しい様子。
しかし由衣も簡単には逃がさないとばかりに、リング下に降りて陽菜の髪を掴んだ。
抵抗する陽菜に、由衣は近くの鉄柱に振って叩き付けて動きを止めると、そのまま鉄柵に振って叩き付けた。
ガッシャーン・・・
「ああんっ・・・あうっ・・」
鉄柵に叩き付けられてグッタリする陽菜。
「いくよ〜!」
由衣は観客にアピールすると、陽菜の髪を鷲掴みにして起こしていくが、陽菜も意地になって張り手を返した。
バッシーン・・・
張り手を受けて動きの止まる由衣に、陽菜は喧嘩キックからDDTを狙うが由衣が頭を抜くと、逆に張り手からDDTで場外のマットに脳天から叩き付けた。
動きの止まる陽菜は頭を押さえて痛がっていると、由衣は髪を掴んで起こしてから、リング上に戻していく。
陽菜はリング上でグッタリとしていると、由衣はレフリーにカウントを要求した。
『ワン・・・ツー・・・スリー・・・フォー・・・ファイブ・・・シックス・・・セブン・・・エイト・・・ナイン・・・』
カウントが進むと、陽菜はフラフラしながらロープを掴んで起き上がっていく。
『ファイト!』
レフリーが掛け声をかけると、由衣は走り込んでドロップキックを放つと、陽菜はロープに叩き付けられる様にして倒れ込んだ。
俯せになった陽菜の背中にストンピングを入れてから、髪を掴んで起こしていく由衣。
陽菜に絡みつくようにコブラツイストを仕掛けると、陽菜が絶叫する。
「んあああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげて耐える陽菜。由衣も締め上げるがギブアップ狙いには見えない。
しばらく痛めつけてから由衣が技を解くと、ロープに振ってからラリアットを叩き込んだ。
バッシーン・・・
ラリアットを受けて苦しそうにしながらリング下に逃れる陽菜。
由衣がリング下に降りると、陽菜が立ち上がって張り手を放った。
バッシーン・・・
張り手を受けて一瞬動きが止まるも、負けじとばかりに張り手を返す由衣。
バシィィィィ・・・
激しい張り手に陽菜の動きが止まると、髪を鷲掴みにして鉄柱攻撃をしていく由衣。
ゴッキーン・・・
「んあああぁぁぁぁ・・・」
額から鉄柱に叩き付けられて悲鳴をあげる陽菜。
グッタリしていると、由衣が陽菜をリング上に戻していくと、容赦ないキャメルクラッチで上半身を反らして痛めつけていく。
グイッ・・・
陽菜がギブアップ寸前になると、由衣が技を解いて立ち上がった。
陽菜もフラつきながらも立ち上がると、由衣がバストへ容赦ないハイキックを叩き込む。
グニュ・・・
「あうっ・・」
ビキニに包まれたバストを蹴られて痛がる陽菜。
更にミドルキックが炸裂すると、脇腹が変色していく。
必死に蹴り返す陽菜に、由衣は蹴り脚にタックルを仕掛けたテイクダウンを奪うと、上からギロチンチョークを仕掛けていく。
グイッ・・
喉元を腕で押し潰されて苦しい陽菜。苦悶の表情で逃れようとするが、由衣が上手押しつけていく。
逃れようと必死な陽菜だが、由衣のギロチンチョークにギブアップ寸前。
すると由衣がギロチンチョークを止めると、咳き込む陽菜を起こしてコーナーに押し込んだ。
バシィィィィ・・・
「おらあぁぁぁぁ・・・」
いきなり由衣が激しい張り手を叩き込むと、続けて喧嘩キックをお腹に入れていく。
陽菜は堪らず身体をくの字にしてコーナーに寄りかかると、由衣が髪を掴んでアピールした。
「人気あるみたいだけど、少しは練習してからリングに上がってよね!」
叫ぶと由衣は陽菜の顔面にパンチを入れた。
ゴキッ・・
コーナーに崩れ落ちる陽菜。
しかし由衣は髪を掴んで起こしては、強烈な張り手を叩き込んでいく。
バッシーン・・・バッシーン・・・
涙目になって反撃もできない陽菜に、観客席からは歓声とブーイングが入り交じっている。
コーナーから動かない陽菜に、由衣が組み付いてからフロントスープレックスでマットに叩き付けると、腕をキャッチして腕拉ぎ逆十字固めを極めた。
「ああああああああああっ・・・」
腕を極められて悲鳴をあげる陽菜。
由衣はギブアップ狙いで極めていくと、陽菜は狂ったようにギブアップを口にした。
「ギブアップ・・・ギブアップ!」
陽菜のギブアップにレフリーがゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音に技を解く由衣。
陽菜は腕を押さえて動けないと、レフリーに手を挙げられた由衣は陽菜バストを踏みつけてアピールした。
『勝者、市河由衣っ!』
リングアナのコールに余裕を感じさせる表情で腕を挙げていく由衣。
陽菜は一方的な試合展開に、悔しさを感じながらバストを踏まれて試合を終えるのであった・・。



第19試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは秦野浩子。再婚後に女優などに復帰して、地下プロレスには引き続き参戦している浩子。今夜は白い競泳水着に白いリングシューズ姿で登場すると、観客達が歓声をあげている。
その浩子の対戦相手として登場したのは、須野内美帆子。結婚後に芸能界からは引退した状態だが、地下プロレスには参戦している。レースクイーン時代の様な黄色い競泳水着に、黄色いリングシューズ姿でリングインするとコーナーに進んだ。
今夜の試合は、新設予定のアラフォークイーンベルトの予選とも言える試合であり、次回大会で初代チャンピオンが決まる予定でのマッチメーク。
『青コーナー〜・・・身長168p、上から80、56、82・・・秦野浩子〜っ!』
早くもコールされる浩子。格闘技番組の司会も経験しているが、最近は地下プロレスでの試合も減っている為に、今夜は久しぶりの感もあるが堂々と片手を挙げて観客にアピールしている。
『赤コーナー〜・・・身長165p、上から83、58、85・・・須野内美帆子〜っ!』
そして美帆子がコールを受けると、片手を挙げてアピールするが、共に35歳と言っても見事な水着姿に観客の視線は両者に集まっていた。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、まずはコーナーから進み出て距離を置く浩子と美帆子。
ガードをあげて距離を詰めようとする浩子に、美帆子がタックルの仕草をすると、浩子が腰を落としていく。
構える浩子に、美帆子がタックルを仕掛けると、組み付いたままロープ際に押しつけられていく浩子。
美帆子も組み付いたまま動かないと、レフリーが2人を離した。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーに離されて距離を置く浩子と美帆子。
『ファイト!』
レフリーが掛け声をあげると、今度は美帆子がローキックで牽制するが当たらない。
浩子も距離を詰めたいが、美帆子のローキックを警戒して近づかないと、美帆子がガードをあげて距離を詰めた。
直線的に放たれる美帆子の掌打。
浩子はガードをあげるが、ガードの上からもダメージが出る掌打に嫌がる様子。
膝蹴りで離そうとする浩子に、美帆子はローキックで膝を蹴っていく。
バシィィィ・・・
ローキックを受けて嫌がる浩子に、美帆子が左右の大振りの張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・バッシーン・・
張り手を受けてフラつく浩子は、意地になって張り手を返していく。
バッシーン・・・
顎に張り手を受けてフラつく美帆子。更に浩子が首相撲の様な組み付きから、膝蹴りを仕掛けるも美帆子が組み付いてテイクダウン状態でグラウンド状態へ。
倒れ込むと、腕を狙っていく美帆子。
浩子は必死にロープに足を伸ばすと、ここでレフリーが止めていく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーに止められて立ち上がっていく浩子と美帆子。
呼吸を整えながら水着を直すと、試合は続けられていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出る浩子。
美帆子が構えていると、浩子がミドルキックを放つもガードされると、逆に美帆子のミドルキックが脇腹を抉った。
苦悶の表情を浮かべる浩子に、美帆子がハイキックを放つと、浩子はギリギリで避けて組み付いていく。
スレンダーボディからではスープレックスが決められずに組み付いていくと、ロープ際に押しつけて膝蹴りを仕掛けていく浩子。
ドスッ・・
浩子の膝蹴りに苦悶の表情を浮かべる美帆子。
ヘッドロックを仕掛けるが、美帆子がロープに振って返していく。
ロープから戻る浩子に、美帆子はボディアタックからフォールした。
『ワン・・・ツー・・・』
カウントが進むが返していく浩子。
返されると、素早くスリーパーでキャッチしていく美帆子。
締め上げられて苦悶に歪む浩子の表情。
ロープに逃れようとする浩子に、美帆子は胴にも足を絡ませてアナコンダスリーパーに移行すると、ギブアップ狙いで締め上げていく。
しかし浩子はギブアップを口にせずに、必死に逃れようと藻掻くがスタミナを消耗して、全身から汗を溢れ出している。
白い競泳水着にも汗が浮かぶような状態に、美帆子がこのままギブアップか失神させるのかと観客席からも歓声があがっていく。
しかしギリギリとも言える状態でロープに手が届くと、ここでレフリーが止めた。
『ブレーク・・・ブレーク・・』
レフリーの声に美帆子が技を解くと、ゆっくりと立ち上がっていく。
一方、浩子は喉元を押さえて咳き込んでいると、ロープを掴んで起き上がろうとする。
バシィィィィ・・・
その浩子のバストへ美帆子が立ち上がる途中でキックを叩き込むと、続けてフロントスリーパーでロープから離していく。
苦しみながらも浩子がボディにパンチを入れて抵抗するも、美帆子がDDTでマットに叩き付けていく。
バシィィィ・・・
「んああああぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる浩子。
頭を押さえて痛がっている浩子に、美帆子はゆっくりと立ち上がるとストンピングを落としていく。
そして首4の字固めを極めていく美帆子。
グイッ・・
「うっ・・・うううっ・・・」
締め上げられて苦しむ浩子。スレンダーボディが苦しむシーンに、観客は歓声をあげていく。
そして美帆子が技を解くと、首を押さえて転がるようにロープ際に逃れる浩子。
美帆子は追いかけてからお腹にストンピングを入れると、苦しむ浩子の髪の毛を鷲掴みにして起こしていく。
苦悶の表情で立たされていく浩子。
ロープ際に押しつけて、側頭部にエルボースマッシュを叩き込む美帆子。
ゴキッ・・
フラつく浩子も、意地になってエルボースマッシュを返すと、お互いがエルボースマッシュ合戦になっていく。
スレンダー系美女のエルボー合戦に盛り上がると、浩子の手数が減りだした。
するとロープに押し込んでキチンシンクをボディに叩き込む美帆子。
ドスッ・・
「うげっ・・うううっ・・・」
キチンシンクを受けて動きの止まる浩子。お腹を押さえて口からは涎を垂れ流している。
その浩子をロープに振ると、戻ってきたところへドロップキックを放つ美帆子。
バッシーン・・・
「ああんっ・・・」
悲鳴をあげてダウンする浩子に、美帆子は素早くフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・』
しかし浩子も簡単にはスリーカウントを奪わせずに返していくと、美帆子は続けて馬乗りの態勢になると、気合いの入った張り手を叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
張り手に顔を歪ませる浩子。
バシィィィィ・・・
更に張り手が決まっていくと、逃れようと身体を動かしていく浩子。
美帆子も違う技に移行しようとすると、浩子が下から両足を絡ませていく。
三角絞めを仕掛けると、張り手で伸ばした手をキャッチされて締め上げられていく美帆子。
地下プロレス第2回大会から参戦している浩子だけに、この辺のうまさは美帆子を上回っているのか。
締め上げられて顔色が変わっていく美帆子。
浩子もギブアップか失神KOを狙いたいところ。レフリーが美帆子にギブアップの確認をすると、美帆子は耐えていく。
逃れようとロープ際に移動しようとするが、軽量とは言え浩子にキャッチされていて美帆子も簡単にロープに逃げられない。
浩子もギブアップを奪えずに苦しい展開だが、美帆子の手がロープに届いた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの声に浩子が技を解くと、美帆子も呼吸を荒げながら立ち上がる。
浩子が水着を直しながら立ち上がると、ここでレフリーが続行を促した。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出たのは浩子。格闘技番組の経験からも、ローキックから左右の掌打を放つと、美帆子もミドルキックから掌打と打撃勝負になっていく展開。
バシッ・・・
浩子のローキックが決まると、美帆子のミドルキックが炸裂するスレンダー美女の打撃合戦。
踏み込んだ浩子が左右の掌打を放つと、美帆子の顔面に炸裂してフラつくも返していく美帆子。
バシィィィィィ・・・
コーナーで接近戦になると、浩子が膝蹴りを入れていくと、美帆子も苦し紛れに首相撲の態勢から膝蹴りを入れていく。
苦しみながらも膝蹴りを相手に入れていく浩子と美帆子。
お互い苦しい状態だが、浩子がフロントスリーパーに持ち込むと、美帆子の表情が苦痛に歪む。
汗を流しながら必死に締め上げる浩子。
美帆子は苦し紛れのボディへの小刻みなパンチで抵抗すると、浩子は締め上げてギブアップを狙っていく。
美帆子も必死に耐えながらパンチを入れると、組み付いてロープに押しつけた。
浩子の背中にロープが押しつけられる態勢になると、美帆子の手がロープを掴んだからとレフリーが離していく。
『ブレーク・・・ブレーク・・・』
レフリーの声に浩子が放すと、美帆子も水着を直しながら距離を置いた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に、ローキックを放つ浩子。
バシッ・・
ローキックを受けて苦しい美帆子に、浩子は前に出てミドルキック、左右の掌打と勝負に出て行く。
更にローキックが放たれた時、美帆子もハイキックを放つと浩子の側頭部を捉えてダウンを奪った。

顔面を押さえて倒れ込む浩子に、美帆子は髪を鷲掴みにして起こしていくと、容赦なく顔面に膝蹴りを入れていく美帆子。
ゴキッ・・
これには浩子がマットに崩れ落ちると、俯せ状態でヒップを突き上げた格好でダウンしている。
美帆子は観客にアピールすると、突き上げられたヒップに対して、サッカーボールキックを叩き込んだ。
バシィィィィィィ・・・
「あああああっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる浩子。
更にサッカーボールキックを叩き込む美帆子。
バシィィィィィ・・・
「いやああぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげる浩子に歓声が上がっていく会場内。
更に後頭部にギロチンドロップを叩き込んでから、仰向けにしてフォールする美帆子。
『ワン・・・ツー・・・スリィィ・・・・』
カウントギリギリで返していく浩子。呼吸を荒げて苦しそうだが返せて試合は続けられていく。
美帆子はカウント3が入ったとレフリーに詰め寄るが、レフリーは返したと説明する。
エキサイトする美帆子に、浩子は素早く逆さ押さえ込みを仕掛けると、両肩をマットに着けられてフォールが入っていく。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし美帆子も両足をバタバタさせて逃れると、突然の反撃に驚きの表情を浮かべた。
浩子は続けてフォールを仕掛けると、美帆子も必死で肩を上げて返していく。
腕を狙う浩子に、美帆子がロープに逃れるとレフリーが止めて離した。
『ロープ・・・ロープ・・・』
立ち上がる浩子と美帆子。またも距離を置いた展開になると、浩子が前に出ていく。
ローキックで美帆子の太股を蹴ると、美帆子の表情が苦痛に歪んだ。
更にローキックが太股に入ると、美帆子は嫌がる様に距離を置くが、浩子のローキックが続けて炸裂していく。
バシィィィィ・・・
内出血して変色していく美帆子の太股。
浩子が続けてハイキックを放つと、美帆子が蹴り足をキャッチしてドラゴンスクリューで切り返すと、そのまま足を極めてグラウンドか逆片エビ固めを極めた。
「んああああぁぁぁ・・・痛いぃぃぃぃぃぃぃ・・・・」
これには狂ったように悲鳴をあげる浩子。股も開かれて苦しいからロープに逃げたいが距離があり逃げられない。
美帆子もギブアップ狙いで極めていくと、浩子は遂にマットを叩いてギブアップした。
『カンカンカンカン・・・』
完全に極まった技の前にギブアップ負けした浩子。
『勝者、須野内美帆子っ!』
リングアナのコールに、技を解いて立ち上がった美帆子は笑顔を浮かべて片手を挙げてアピール。
そして負けた浩子を起こすと、お互い健闘したからと抱き合って讃え合うのであった。



第20試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、30を過ぎてもグラビアアイドルとして活躍する星野亜希。
今夜はアラフォークイーンベルトの予選とも言える試合に出場となり、グラビア系と言う事で白いビキニに白いリングシューズでリングイン。観客からの歓声に笑顔を浮かべて手を振っている亜希。
亜希の対戦相手として登場したのが長谷河京子。初のベルト獲りに意欲的にリングインすると、対戦相手の亜希に視線を送る事なくコーナーに進んでいく。
女優と言う事もあり、白い競泳水着に白いリングシューズ姿で、手には白いオープンフィンガーグローブも着けられていた。流石は格闘技番組司会者も経験しているだけはある京子。
そして早くもコールが始められていく。
『青コーナー〜・・・身長165p、上から88、55、86・・・星野亜希〜っ!』
コールを受けて一礼していく亜希。その胸の谷間などに観客の視線が集まっていた。
『赤コーナー〜・・・身長166p、上から80、55、82・・・長谷河京子〜っ!』
そしてコールを受けて一礼していく京子。早くも緊張感漂うリング上。
亜希が34歳、京子が33歳、注目のゴングがいま鳴り響いていく。
『カァーン!』
ゴングと同時に飛び出したのは京子で、構えたまま積極的に前に出て行く。
対して亜希は様子を見ようと回っていくも、京子が前に詰めてきて表情に緊張感が浮かぶ。
シュ・・
まずは京子が軽くローキックを放つと、亜希は咄嗟に避けるも打撃に驚く表情。
素手の亜希はパンチは反則になるも、京子はグローブを着用して認められているからと、左右のジャブを放って距離を詰めると、組み付きたい亜希に京子は膝を合わせるも、膝蹴りは決まらず組み付く状態になっていく。
地下プロレスの試合経験でも京子が上回るだけに、亜希にとっては辛いカードだが、必死に組み付いては倒そうとしていく。
しかし京子も踏ん張ると、逆に倒しにいって亜希をマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
「痛っ・・・」
勢いよくマットに叩き付けられた亜希が苦しむと、京子はサイドポジションを奪って押さえつけていく。
腕を狙う京子に、亜希は素早くロープに足を伸ばして逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に立ち上がる京子。
亜希もビキニを直しながら立ち上がると、レフリーが掛け声をかけた。
『ファイト!』
レフリーの声にハイキックを放つ京子。これには避けるが打撃に恐怖心すら抱く亜希。
足が下がると、京子はローキックからミドルキックで打撃で前に出て行く。
バシッ・・バシッ・・・
軽く当たる打撃にも、亜希は必要以上にガードをしていく。
顔のガードが下がると、京子が左右のパンチを顔面へ入れていった。
バシッ・・バシッ・・
顔を殴られて嫌がる亜希は、ガードを上げて前蹴りの様に牽制するが、京子にガードされていく。
逆にガードの上からパンチを受けてサンドバック状態の亜希に、京子がローキックで足から攻めていく。
バシッ・・バシッ・・・
足を蹴られて嫌がる亜希だが、顔面へのパンチを嫌がってガードを上げている。
更に京子のローキックが入っていくと、亜希が嫌がるようにロープ際に逃げていく。
ロープを背にガードを固める亜希。
バシッ・・
「くっ・・うっ・・」
しかし京子は崩そうとしてローキックで足を攻めていくと、苦悶の表情の亜希。
バシッ・・
京子も冷静にローキックを打ち続けると、ダメージが蓄積して亜希の太股などが変色していく。
バシッ・・
「痛いっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる亜希。
亜希が打撃を嫌がっているからと、今度は飛び込んでバストへ左右のパンチを叩き込む。
グニュ・・グニュ・・
「痛いぃぃぃ・・」
ビキニに包まれたバストを殴られて悲鳴をあげる亜希。京子は構わず膝蹴りをボディに叩き込むと、亜希が座り込む様にダウンする。
しかし格闘技戦ではないからダウンカウントもないので、京子は距離を置いて構えた。
痛がる亜希は、必死にロープを掴んで立ち上がると、ビキニを直しながらレフリーに続行の意思表示をする。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に、京子は狙いをつけて顔面パンチを打ち込んでいく。
バシッ・・バシッ・・
決して力のある訳ではない京子のパンチも、少しずつ確実に亜希の身体にダメージを与えていく。
嫌がるように張り手を返す亜希。しかし京子は張り手を受けても、膝蹴りなどで前に出た。
ハイキックで牽制する京子。
避ける亜希は、そのままタックル気味に組み付いていくと、上手く倒していく。
倒されて下の状態になっても冷静な表情の京子。
亜希はサイドポジションから、馬乗りになろうと狙っていくと、隙を突かれて京子に返されていく。
逆に馬乗り態勢を許してしまい、オープンフィンガーグローブを着けた京子にとってはチャンスが回ってきた。
トドメとばかりに顔面にパンチを落としていく京子。
バキッ・・バシッ・・
殴られる度に身体をビクンとさせて痛がる亜希。必死に手を掴もうとするが、京子のパンチが顔面に叩き込まれていく。
逃れようと手を掴もうとする亜希に、京子は無理矢理手を引くと、ハンマーパンチも落としだしていく。
バキッ・・バキッ・・
「んああぁぁぁぁ・・・」
ハンマーパンチを顔面に落とされて絶叫する亜希。次第に鼻血が溢れ出して顔面を赤く染めていく。
殴られないようにと下から組み付きたい亜希を、マットに押しつけてから殴りつける京子。
バシッ・・バシッ・・
苦しい状態の続く亜希。顔面を真っ赤に染めて泣き顔にも見えるが、京子の攻めが続いていく。
今度は立ち上がって一気に距離を置く京子。
立ち技で勝負を決めようと言うのか、観客からも歓声が起きていく。
亜希はフラつきながらも立ち上がると、構えていくが勝負は京子の有利は変わらない。
バシッ・・
京子のパンチが決まると、亜希の胸の谷間に血が落ちていく。
亜希も必死に張り手を返すと、京子が口の中を切った。
口の中に広がる鉄の味に、京子は更に顔面を狙ってパンチを放った。
バシッ・・バシッ・・
殴られる度に血飛沫を飛ばしていく亜希。白いビキニも血に染まりだして残酷な展開になっていく。
コーナーに追い込まれてガードを固める亜希に、前蹴りを生腹に突き刺す様に叩き込む京子。
ドスッ・・
「ウゲッ・・・おえっ・・・」
お腹を蹴りこまれて口をパクパクさせて苦しむ亜希。涎を垂らして苦悶の表情。
更に京子のボディへの膝蹴りが決まると、亜希の口から胃液の様な吐瀉物が溢れ出した。
ドスッ・・
「ホゲェェェェェ・・・」
涙目で吐瀉物を撒き散らす亜希。
これには京子も表情を歪めると、髪を掴んでリング中央に連れ出していく。
亜希は抵抗も出来ずにリング中央に連れて行かれると、京子が髪を掴んで下を向かせると、容赦なく顔面に膝蹴りを叩き込んだ。
ゴキッ・・
鈍い音がリングに響くと、亜希の身体がマットに崩れ落ちた。
これにはレフリーが急いで試合を止めると、京子の勝利が決まるのであった・・・。
『勝者、長谷河京子っ!』
コールを受けると、片手を挙げてアピールする京子。
次回大会では須野内美帆子と初代アラフォークイーンタイトルマッチになるのだろうか・・・。



第21試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、藤原紀華と同じ事務所所属の加藤愛。深多恭子との因縁対決が組まれた時の為に、今夜は趣味のボクシングから、打撃技を磨くための参戦。手にはオープンフィンガーグローブを着けて、顔面パンチも認められる様にしてリングインした。
早くから観客席が盛り上がると、コーナーに進んで寄りかかる愛。黒いスポーツビキニに足は素足と言う格闘技スタイルに今夜の試合に期待がかかる。
その愛の対戦相手としてリングインするのは、最近はトライアスロンなどにも挑戦している保田美沙子。愛の対戦相手を探すのに難航しての美沙子の登場だが、同じ系列同士の対決。体力勝負だったら負けないと自負があり、またプロレスルールだったら地下プロレスの経験もあるからと、異種格闘技戦の様な雰囲気になるリング上。美沙子は白い競泳水着に、白いリングシューズ姿でのリングイン。コーナーに進むと無言で視線を反らしながらもコールを待った。
28歳の愛と29歳の美沙子。そしてリング上ではリングアナのコールが始まった。
『青コーナー〜・・・身長162p、上から86、58、88・・・加藤愛〜っ!』
コールを受けて一礼していく愛。身体を動かしながら、コーナーポストにパンチを放つなど打撃をアピールしていく。
『赤コーナー〜・・・身長162p、上から82、62、90・・・保田美沙子〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする美沙子。愛の打撃に対しては警戒感を隠せないが、何か秘策があるのだろうか?
コールが終わると、リング中央で愛と美沙子が手を握りあってからコーナーに別れてゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから勢いよく飛び出したのは美沙子で、コーナーから離れようとする愛に勢いのあるドロップキックの奇襲から開始されると、続けて髪を掴んで起こして背中にハンマーパンチを入れてから、ヘッドロックで締め上げていく美沙子。
重心を落としてシッカリと極めていく美沙子に、愛は様子を伺っているのか、時折苦悶の表情を浮かべながらも耐えていく。
しかし愛がロープに降るように美沙子を離すと、ロープから勢いよく戻る美沙子にショルダータックルでダウンを奪った。
苦悶の表情で起き上がる美沙子に、愛は軽くジャブを放つと、美沙子が腕をキャッチして脇固めで切り返した。
これには愛が激しく藻掻きながらロープに逃げると、観客席からは歓声が起きていく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に美沙子が技を解くと、水着を直しながら立ち上がっていく。
愛も美沙子の動きを見ながら立ち上がると、試合が続けられた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰める愛。打撃スタイルで前に出ると、美沙子のパンチを警戒してガードをあげた。
バシッ・・
愛のジャブが当たると、ガードの上からも打撃技に驚く美沙子。
堪らずローキックを放つと、愛が距離を詰めて左右のジャブを放つと、側頭部にパンチを受けてながらも抱きつくように組み付いて逃れる美沙子。
縺れながらロープ際に移動する愛と美沙子に、レフリーが割って入った。
『ブレーク・・ブレーク・・』
距離を置いて試合が始まると、今度は美沙子が構えてタックルを仕掛けようとすると、愛も腰を落としてタックルに備える。
そこへ美沙子が意外にもハイキックを放つと、愛がギリギリ避けるも動揺を隠せない。まさかの美沙子のハイキックに驚くと、美沙子が素早くタックルから組み付いた。
ロープ際に押し込むと、スープレックスで投げたい美沙子だが、愛もロープ腕を絡ませて投げさせない。
投げられないからと、キチンシンクでボディに膝を入れていく美沙子。
ドスッ・・
「ぐっ・・」
苦悶の表情を浮かべる愛に、お腹にパンチを入れてから下を向かせると、フロントスリーパーで締め上げていく美沙子。
無理矢理にリング中央に連れ出すと、そのまま締め上げていく。
レフリーも愛にギブアップの確認をするが、愛はギブアップせずに耐えていくが、美沙子もギブアップ狙いで締め上げた。
早くも愛の素肌には大量の汗が流れ出すと、締め上げる美沙子の腕が滑り出した・・・。
愛がフロントスリーパーから脱出すると、至近距離からの顔面パンチを放った。
バシッ・・
顔面をヒットする愛の拳に、フラつきながら距離を置く美沙子。
しかし愛が距離を詰めて顔面狙いのパンチを連打すると、嫌がるようにコーナーに逃げる美沙子。コーナーに追い詰められるも、愛のパンチが連打されると顔を殴られて苦しい展開になっていく。
更にお腹へのボディブローに悶絶する美沙子。
ドスッ、ドスッ・・・
左右のボディを受けてコーナーに崩れて落ちる美沙子。しかしプロレスルールだから試合は続けられていく。
苦悶の表情を浮かべてお腹を押さえて痛がる美沙子の髪を掴んで起こしていく愛。
ノーガードの顔面に、コーナーに追い込んだ状態で殴りつけていく愛。
バシッ・・バシッ・・
殴られて嫌がるように膝を出していく美沙子。
しかし愛のパンチが確実にダメージを与えていくと、顔も腫れだしていく・・・。
バシッ・・
鼻に打撃を受けて鼻血を噴き出す美沙子。鼻血を流して呼吸が苦しく、スタミナ面が心配になりそうな展開になっていく。
白い競泳水着にも赤い血が流れ落ちていくも、美沙子もタックルを仕掛けるなど反撃をしようとするも、愛が距離を置いてはパンチを放っていく。
バシッ・・バシッ・・・
血飛沫が舞う残酷な展開に、観客席も大歓声で試合を盛り上げると、美沙子は堪らずガードを固めるも、愛がコーナーに串刺しにするような膝蹴りを叩き込む。
ドスッ・・
「ぐふっ・・」
ボディへの強烈な膝蹴りに、美沙子は口から胃液の様な物を溢れさせてダウンしていく。
座り込むようにコーナーでダウンした美沙子。
両手をマットについて四つん這い状態で、口からは胃液を垂れ流す美沙子に、愛はレフリーに試合続行なのか確認すると、レフリーは試合続行のサインを出していく。
『ファイト!』
美沙子が立ち上がる前から続行が指示されると、愛は戸惑いの表情を浮かべるも、距離を置いて構えていく。
美沙子が口を拭ってから立ち上がると、パンチを警戒して顔面をガードして前に出て行く。
しかし鼻血で呼吸も苦しくスタミナが切れかかっているのか、動きが鈍くなっているがタックルを仕掛けると、愛がタイミングを合わせたアッパーを顔面に叩き込んだ。
下を向いてタックルを仕掛けた美沙子の顔面にアッパーが打ち込まれて、血飛沫をあげて俯せにダウンする美沙子。
愛がバックマウントを奪ってから、余裕をもって髪を鷲掴みにして美沙子の顔を上げると、血塗れになった美沙子の表情が観客席からも見ることができた。
愛が髪を放してから、俯せの美沙子のサイドポジションから、膝蹴りをボディに入れていくと、ボディへ叩き込まれる衝撃に痛がる美沙子。
愛が容赦なく膝蹴りを連発すると、美沙子は堪らずマットを叩いてタップしていく。
しかしレフリーがギブアップを認めずに試合を続けさせていくと、美沙子が叫んだ。
「ギブ、ギブアップ!」
愛も膝蹴りを連打していて気がつかないと、美沙子は堪らず涙を浮かべた。
「ギブ・・ギブ・・・アップ・・・」
更にギブアップを口にする美沙子に気がついた愛が膝蹴りを止めると、ここでレフリーがゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、レフリーに手を挙げられていく愛。
対して、脇腹を押さえたまま俯せで苦しむ美沙子。顔を血塗れにされて完敗した美沙子は、打撃対策を考えないといけないと、更に思うのであった。
『勝者、加藤愛っ!』
コールに笑顔を浮かべる愛だが、対戦相手の美沙子を気遣いながらリングを後にするのであった・・・。



第22試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは女優の黒樹メイサ。遂に地下プロレスデビューとなったが、今夜は特注の豹柄競泳水着にリングシューズ姿でリングインした。異様な雰囲気の地下プロレス会場に戸惑いは隠せないが、コーナーに進むと片手を挙げてアピールするメイサ。
そのメイサの対戦相手としてリングインするのは、観客の驚きの声に包まれながら白い競泳水着に白いリングシューズ姿の深多恭子だった。スリムになって別人の様に美しく見える恭子に驚きの声があがるが、ゆっくりとコーナーに進むと観客席に向かって一礼した。
早くもリングアナがコールを始めると、観客席からは歓声があがった。
『青コーナー〜・・・身長165p、上から78、56、82・・・ 黒樹メイサ〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールするメイサ。今夜の為に格闘技トレーニングなどを積んできたと言う情報もあるが、ドラマの関係で格闘技トレーニングを積んだと言う情報もあり、観客達にとっては楽しみなゴング。
『赤コーナー〜・・・身長163p、上から86、62、88・・・深多恭子〜っ!』
そしてコールを受けて一礼していく恭子。加藤愛との因縁の試合が印象強いが、今夜は静かなイメージのコール受け。
水着を気にしながらもメイサがゴングを待っていると、恭子は余裕ある表情でメイサを見つめた。
鋭い視線を送るメイサ。そしてゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出したのはメイサ。恭子との距離を詰めると、いきなりローキックを放った。
バシッ・・
恭子の太股にローキックが炸裂すると、恭子の表情が苦痛に歪んだ。
意外に鋭いメイサのローキックに会場内が盛り上がると、続けて左右の掌打が放たれた。
しかし恭子がガードすると、抱きつくように組み付いてロープ際に押し込んだ。
『ロープ・・・ロープ・・・』
組み付かれて動きの止まるメイサに恭子が少しずつロープに押すが、レフリーの指示に離れた。
『ファイトっ!』
レフリーの掛け声に距離を置いてにいくメイサと恭子。
メイサの打撃に警戒しながらガードを固める恭子。対してメイサは軽くローキックで牽制すると、恭子がタックルを仕掛けてテイクダウンを奪っていく。
グラウンドの展開に焦りの色を隠せないメイサ。恭子が素早くサイドポジションを奪ってから押さえ込んでいく。
下の体制になるメイサは、体重を掛けられるだけでもスタミナ消耗になるが、ブリッジ気味に逃れようとするも恭子が上手く押さえつけていく。早くもメイサの素肌に汗が浮かび上がる。
今度は恭子がメイサの腕関節を狙っていくと、嫌がるように藻掻くメイサ。
しかし恭子も関節狙いと見せかけては、藻掻くメイサのスタミナ消耗を狙っていた。
両足を大きく開いて体重を乗せていく恭子。メイサも逃げられず苦しい状態が続いていく。
少しずつロープに近づくと、一気に足を伸ばして逃げるメイサ。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの声に恭子が立ち上がると、メイサも呼吸を荒くしながらも立ち上がっていく。
汗が溢れ出しているメイサは水着を汗で湿らせている。同じく恭子の白い水着も汗で湿っているが、リング上では試合は続けられていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声にメイサは前に出ずに、構えたまま距離を置いていく。
恭子は打撃を警戒しながらも、ゆっくりと距離を詰めていくと、メイサは軽く掌打を放つが当たらない。
ローキックを放つも遠慮気味で威力がないと、恭子が距離を詰めていく。
焦るようにハイキックを放つメイサ。避けるも側頭部に蹴りを受ける恭子。
更にメイサのハイキックが放たれると、恭子は蹴り足をキャッチしていく。
驚くメイサに対して、そのまま捻るようにドラゴンスクリューで切り返した恭子。
足を捻られて悲鳴をあげるメイサ。
「んああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
グラウンド状態になるも、メイサは足のダメージから痛がっていると、恭子が立ち上がる。
足を押さえるメイサに、容赦ない痛めた足へのストンピングを叩き込む恭子。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「んあああぁぁぁぁ・・・ああんっ・・」
メイサが蹴られて悲鳴をあげながら転がるようにリング下に逃れていくと、恭子はリング下に降りずにリング上でアピールした。
リング下では足を気にするメイサだが、恭子を睨み付ける視線は鋭く試合を捨ててはいない様子。
しばらくしてリング上に戻るメイサ。
恭子は邪魔せずにメイサのリングインを待つと、距離を置いて睨み合い両者。
メイサもスタミナ切れか動きが鈍くなると、打撃が通用しないからと焦りの色が表情に出ている。
一方、恭子は少しずつ距離を詰めると、メイサより先に張り手を放つ恭子。
バシィィィィ・・・
いきなり恭子の張り手を受けて動揺するメイサ。
咄嗟に張り手を返すも、恭子の喧嘩キックが放たれると、お腹を蹴られて苦しいメイサ。
苦しむメイサにフロントスリーパーの体制から、一気にDDTでマットに叩き付けていく恭子。
DDTを受けてグッタリするメイサに、恭子は立ち上がってから容赦なくギロチンドロップを叩き込んだ。
バッシーン・・・
ヒクヒクする様に苦しむメイサ。やはり地下プロレスの経験からも恭子が上手か、メイサは豹柄水着姿で藻掻き苦しんでいる。
転がるようにロープ際に逃げるメイサ。恭子は追い込むかの様なストンピングを叩き込むと、メイサがロープを掴んでレフリーが止めていく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの制止にも構わず蹴りこむ恭子。
メイサはそのままリング下に転がるように逃げると、リング下で水着を直しながらも呼吸を整えていく。
リング上では手招きするように挑発していく恭子。
ゆっくりとリングサイドを歩きながらも、恭子に鋭い視線を送るメイサ。
そしてリングに戻るメイサに、ロープ際から喧嘩キックを放つ恭子。
バシッ・・
これにはメイサが場外に突き落とされると、またもダメージを負って苦しい展開になっていく。
恭子の動きを見ながら、素早くリング上に滑り込むメイサ。恭子もまたスリムになったので動きやすいのか、素早くメイサに迫った。
立ち上がるメイサに張り手を放つ恭子。
メイサも膝蹴りを出して牽制すると、恭子とメイサが距離を置いて睨み合う。
『ファイト!』
レフリーが叫ぶと、メイサが左右の掌打を出していくが、恭子が見切っているのかガードすると、続けてメイサはローキックからミドルキックと打撃で前に出て行く。
更に前に出ようとするメイサに、逆に恭子が前に出てのラリアットを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
喉元に強烈なラリアットを受けてダウンするメイサ。
喉元を押さえて苦しんでいると、恭子が両足を抱え込んでステップオーバーして、逆エビ固めを極めていく。
グイッ・・
「あああああぁぁぁぁぁぁ・・・」
堪らず絶叫するメイサ。
腰を落として痛めつけていく恭子の前に、メイサは悲鳴をあげてロープに手を伸ばしていく。
しかしロープに届かずに激痛に悲鳴をあげるメイサ。
『ギブアップ?』
レフリーもメイサの悲鳴にギブアップの確認をするが、大量の汗を流しながらも耐えていくメイサ。
「ノォォォォォ・・・・ノォォォォォォ・・・・」
激しく抵抗するも、恭子が逃がさずに技を極めていくと、メイサはギブアップ寸前状態に追い込まれていた。
レフリーもギブアップ決着と思った瞬間、恭子が技を解いていく。
俯せでグッタリとして動けないメイサ。
グイッ・・
「立ちなさいよ!」
「あうっ・・」
恭子がメイサの長い髪を鷲掴みにして無理矢理に立たせていく。
メイサはフラフラしながら起こされていくと、恭子にコーナーに押し込まれた。
寄りかかるようにして苦しそうなメイサ。恭子は距離を置いて走り込むと、狙いを定めてお腹に串刺しドロップキックを叩き込んだ。
ドスッ・・
「グエェェェェ・・・」
堪らずお腹を押さえてコーナーに崩れ落ちるメイサ。口からは涎を垂れ流している。
恭子が髪を鷲掴みにして起こしていくと、今度はダブルアームスープレックスの体制になっていく。
そして抵抗できないメイサを持ち上げると、投げ捨てずに前に叩き落とすダブルアーム式フェイスクラッシャーを仕掛けた。
バシィィィィ・・・
顔面からマットに叩き付けられて動けないメイサ。
続けて恭子が立ち上がると、動けないメイサの腰にヒップドロップを叩き込んでから、抵抗するメイサを無理矢理にキャメルクラッチを極めた。
グイッ・・・
これには両足をバタつかせて苦しむメイサだが、抵抗する体力も残されておらずギブアップ寸前の状態。
恭子はグイグイと揺さぶっていくと、メイサが堪らずギブアップした。
しかし恭子は技を解くと、レフリーがギブアップに気がつかなかった事を良い事に、笑みを浮かべるとメイサをコーナーに押し込んでいく。
ギブアップしたから試合は終わったと思ったメイサに、恭子の膝蹴りが炸裂した。
ドスッ・・
「ふぐっ・・・」
端正なメイサの表情が一瞬険しくなった。恭子の膝が容赦なくお腹に突き刺さる。
その圧力に堪らず口から胃液の様なものを吐き出すメイサ。
「あら、効いたかしら?」
恭子が笑みを浮かべると、一気に拳を握りしめてお腹にパンチを連打していく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「あうっ・・ふぐっ・・・ぐうっ・・・」
お腹を連続して殴られて苦しいメイサ。ギブアップから膝蹴りのダメージで既に戦意喪失しているメイサにとって地獄の時間となっていく。
口をパクパクして苦しむメイサ。
恭子はセカンドロープに登ると、今度は片手でメイサの髪を鷲掴みにして、片手で額にグーパンチを連打する。
バキッ・・ゴキッ・・
一方的な展開と、プロレスルールだから顔面への素手のパンチが認められていないのもあり、レフリーが反則のゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・カンカンカンカン・・・』
ゴングが乱打されると、レフリーが恭子を止めていくが、恭子はレフリーに蹴りを入れてメイサを殴りつけていく。
他の黒服なども恭子を無理矢理引き離すと、コーナーではグッタリと寄りかかるメイサの姿が。
『ただ今の試合、反則行為により黒樹メイサの勝利となりました!』
リングアナのコールにメイサはフラフラしている状態でリングアナにマイクを要求する。
「こ・・これが地下・・・プロレス・・・次は負けないわよ・・・深多さん・・・」
メイサの言葉に恭子は笑みを浮かべてガッツポーズでアピールすると、足早に控え室に消えていくのであった。



第23試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、猛娘のリーダーで猛娘を引退する高端愛。今夜は猛娘引退試合として組まれた試合の為に、愛はゆっくりとリングに上がっていく。
白いビキニに白いオープンフィンガーグローブを着けての愛に、早くも大きな歓声が送られていく。歓声に手を振って応える愛。
その愛の対戦相手としてリングインするのは、猛娘を越す人気で芸能界を盛り上げていくアキバ48の大嶋優子。猛娘のリーダーの引退と言う事で組まれた試合だが、優子にとっては経験の差からも可哀想なマッチメークになったが、愛はアキバ48の人気者をリング上で公開リンチとも言える展開でKOして猛娘引退をしたいところ。第76回大会では愛の圧勝で、優子としては74回大会でも石河梨華に血塗れのKO負けをしているだけに、今夜は粘りたいところ。優子は黒いビキニに黒いオープンフィンガーグローブを着けてリングインすると、表情を強張らせながらもコーナーに進んだ。
『高端愛・・・猛娘引退記念試合・・・青コーナー〜・・・身長152p、上から82、55、81・・・大嶋優子〜っ!』
コールを受けて頭を下げる優子。対戦相手の愛の気合いの入りように緊張感を隠せないままマウスピースを口に入れた。
『赤コーナー〜・・・身長153p、上から80、56、83・・・高端愛〜っ!』
コールを受けてガッツポーズで歓声に応える愛。この辺は地下プロレスのキャリアの差からも、余裕すら感じられた。
お互いがマウスピースを口に入れてから、レフリーがコーナーから両者をリング中央に招き寄せた。
『KO、ギブアップ、レフリーストップ、ドクターストップなどで試合終了する格闘技戦ルール。顔面への踏みつけも認められる・・・』
顔面への攻撃に恐怖心を抱く優子。愛は顔面踏みつけが認められるからと笑みを浮かべた。
『目、鼻、耳、髪に対する攻撃は反則、反則が酷い場合は反則負けとする・・・』
レフリーのルール説明の間にも、早くゴングを鳴らせとばかりに視線を向けていく愛。
対して自信がないように下を向く優子。
そしてルール説明が終わるとコーナーに別けられて、ゴングが要請された・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出していく愛。
距離を詰めていくとローキックから放っていく。
これには嫌がるように組み付こうとする優子だが、スピードが足りずにジャブの様なパンチを顔面に受けてフラついていく。
早くも緊張感が漂うリング上では、愛が組み付いてロープ際に押し込んでいく。
力負けしている感の優子。戸惑いの表情で背中にはロープを押しつけられて、押し返そうと必死になっている。
その優子に愛が足を掛けると、上手く投げのようにしてグラウンド状態に持ち込んでいくと、早くも馬乗り状態になっていくリング上。
素早く顔面ガードで固める優子に、愛は顔面狙いのパンチは放たないと、ノーガードのお腹にパンチを落とした。
ドスッ・・
「うぐっ・・」
お腹を殴られてビクンと身体を反応させる優子。
更に愛のボディへのパンチにガードが下がる優子に、愛は顔面へパンチを叩き込んでいく。
バシッ・・バシッ・・
顔面へのパンチに痛がる優子。更に愛が肘を喉元に押しつけてギロチンチョークを仕掛けると、苦悶の表情で悶える優子。
マウスピースが口から飛び出しそうになる優子に、愛は技を解いて立ち上がった。
喉元を押さえて咳き込む優子に、愛は距離を置いて構えていくと、立ち上がろうとする優子にサッカーボールキックを仕掛けた。
避ける優子だが、グラウンド状態になっているから愛が踵でストンピングを踏み潰すように仕掛けると、お腹に踵での強烈なストンピングが炸裂した。
ドスッ・・
「ぐふっ・・」
目を見開くようにして苦しむ優子。
動きが止まると、愛が容赦なく踵で顔面などストンピングを入れていく。
ドスッ・・バキッ・・
顔面を蹴りこまれて藻掻き苦しむ優子。早くも顔が腫れだしている。
立ち上がりたい優子だが、愛の蹴りが勢いを増していく。
バキッ・・バキッ・・
顔が腫れだして痛さからも動きの止まる優子。俯せで顔面を押さえていると、愛が髪を鷲掴みにしていく。
グイッ・・
「あうっ・・」
既に涙目になっている優子を無理矢理に起こしていくと、コーナーに押し込んでいく。
コーナーに優子に、前蹴りをボディに叩き込むと、続けて顔面パンチを連打していく愛。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
強烈な一発が無い代わりに、小刻みに優子の顔へダメージを与えていく愛。
ガードしようとすると、愛が膝蹴りをボディに叩き込む。
ドスッ・・
「ぐえっ・・・」
ボディへの膝蹴りが突き刺さると、優子の口から涎の糸を引きながらマウスピースがマットに落ちていく・・・。
『ストップ・・ストップ・・』
ここでレフリーが試合を止めると、マウスピースを水で流してから優子の口に戻した。
コーナーの優子は涙目で試合を止めてとばかりに哀願するが、レフリーは無情にも試合を続けさせていく。
『ファイト!』
更に愛の顔面へのパンチが連打されていくと、優子の鼻から鼻血が噴き出す。
また口の中も切っていて、血飛沫も舞っての残酷な展開なっていく。
コーナーでガードを固めるも、サンドバッグ状態で愛にフルボッコにされていく優子。
グイッ・・・
優子の髪を掴んで下を向かせる愛は、そのまま顔面に膝蹴りを入れていく。
ゴキッ・・
鈍い音が響き渡るリング上。抵抗もできない優子をコーナーに押し込んで、ノーガードのお腹に膝蹴りを入れる愛。
ドスッ・・
「グエッ・・・」
一瞬間を置くようにして、優子の口からマウスピースと吐瀉物が溢れ出した・・・。
コーナーに俯せに崩れ落ちる優子。
『カンカンカンカン・・・』
ここでレフリーがゴングを要請すると、試合終了のゴングが打ち鳴らされた・・・。
『勝者、高端愛っ!』
リングアナのコールに、愛はマウスピースを口から取り出すと、マイクを要求した。
「猛娘として今夜が最後の試合ですが、次からは高端愛として参戦しますから、応援よろしくお願いします!」
そう叫ぶと、歓声に包まれていくリング上。
また、グッタリする優子に跨いでから、愛は片手をアピールしてから、優子のビキニを掴んだ。
「猛娘として最後の試合だから、記念品をもらうわね!」
そう叫ぶと、優子のビキニを剥ぎ取って全裸にしていく愛。
剥ぎ取ったビキニをアピールしながらリングを降りて控え室に消えていくのであった・・・。
一方、負けた優子は全裸のまま担架に乗せられると、形の良い乳房を揺らしながら運ばれていくのであった・・・。


第24試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、グラビアアイドルベルトを持つ熊多曜子。黒ビキニに黒いリングシューズでリングインすると、Fカップバストを揺らしながら観客に向かって一礼した。
その曜子の対戦相手としてリングインするのは、何とキャリー西野。白いコスチュームでリングインすると、曜子を威嚇する様にコーナーに進んだ。
そう、バラエティ番組内での曜子への張り手、その他の因縁から地下プロレスでの試合が組まれる事になったのだが、曜子も芸能界生き残りをかけてバラエティ進出もしているので、このドミネーションマッチとも言えるマッチメークも、事務所側からも持ち出されたカードだった。
曜子の表情もリング上で男と対峙しているからと、緊張感を隠す事ができない。
番組内での張り手などは、止めるタレントも多く曜子も安心だったが、この地下プロレスのリング上では、止めるどころか煽る観客に囲まれてのプロレスの試合。しかし曜子もこのリングではベルトを持つが、アイドル相手のプロレスとは訳が違うこの試合。
『スペシャルミックスドマッチ・・・青コーナー〜・・・身長164p、上から92、56、84・・・熊多曜子っ!』
コールを受けて片手を挙げる曜子。反対コーナーのキャリーに緊張感を隠せずに怯えた感じにも見えている。
『赤コーナー〜・・・身長178p、キャリー〜西野〜っ!』
コールを受けてガッツポーズのキャリー。早くも曜子を指さして挑発していく。
「今夜は全裸処刑してやるから、覚悟しろや!」
キャリーの言葉に言葉を失う曜子。しかし組まれたカードに文句も言えずに、試合開始のゴングを待つ事になった。
『スペシャルマッチのルール説明ですが、ギブアップ、KO、レフリーストップなどによる完全決着方式となります!』
リングアナの説明に観客席が盛り上がると、キャリーが叫んだ。
「今夜は簡単には試合は終わらせんわ!覚悟しろや!」
キャリーのアピールに緊張する曜子。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、いきなりキャリーがコーナーを飛び出して反対コーナーの曜子に飛び蹴りを仕掛けるも、曜子が避けて自爆してコーナーに飛び蹴りを入れた。
必死に距離を置こうとする曜子に、キャリーは両手を広げて距離を詰めていく。
距離が詰まると、曜子がローキックで牽制するが、キャリーは構わず組み付いて髪を鷲掴みにした。
「いやああぁぁぁぁ、痛いぃぃぃぃ・・・」
髪を掴まれて悲鳴をあげる曜子。
「何が痛いじゃああぁぁぁ・・・」
構わずアピールするキャリー。そのままロープ際に連れ出すと、曜子の顔をロープに押しつけていく。
そのままロープに顔面を擦りつけて痛めつけていくキャリー。曜子は激痛に悲鳴をあげた。
ギュ・・ギュ・・
「いやああああぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげる曜子に歓声が起きていく。完全に曜子を痛めつけるマッチメークに、観客からはドミネーションに酔う観客が多く歓声をあげている。
パンチで抵抗するも、キャリーがコーナーポストに顔面を打ち付けていくと、フラフラしながら座り込む曜子。
グイッ・・
「あうっ・・」
髪を掴んで起こすと、今度はコーナーに押し込んで寄りかからせていくキャリー。
そして強烈な水平チョップを喉元に叩き込むと、曜子は苦悶の表情で咳き込んでいく。
更にバストクローをFカップバストをビキニの上から握っていくキャリー。
グリッ・・
「いやああぁぁぁぁぁぁ・・・やめてぇぇぇぇぇぇ、痛いぃぃぃぃぃぃ・・・」
バストクローに悲鳴をあげる曜子。
「柔らかいのぉぉぉぉぉ・・・」
観客にアピールする様にバストクローで痛めつけていくキャリー。
そしてバストから手を離してから、曜子の頬に張り手を入れるキャリー。
バッシーン・・・
張り手を入れて距離を置くキャリー。曜子は張り手を受けた頬を押さえてキャリーを睨み付ける。
『ファイト!』
レフリーが掛け声をかけると、キャリーが距離を詰めていく。
曜子はコーナーから出るが、張り手を受けて痛がって逃げ腰になっている様に見えている。
バシッ・・
またもキャリーの張り手が炸裂すると、曜子も意地になって張り手を返していく。
バッシーン・・・
曜子の張り手に一瞬嫌がるキャリーだが、お腹に蹴りを入れてからロープ際に押し込んだ。
嫌がる曜子に、キャリーがロープに押し込むようなキチンシンクを叩き込む。
ドスッ・・
「ふぐっ・・うううっ・・・」
ボディに膝を受けて苦悶の表情を浮かべる曜子。
身体をくの字にして苦しんでいると、キャリーが髪を鷲掴みにして顔面をマットに叩き付ける荒技フェイスクラッシャーを仕掛けた。
バッシーン・・・
「きゃあああああぁぁ・・・」
またも響き渡る曜子の悲鳴。そのまま顔面を押さえて転がるようにリング下に逃れる曜子。
キャリーはガッツポーズでアピールすると、リング下へ曜子を追った。
リング下では顔を押さえて痛がる曜子。
その曜子のボディへ、キャリーは容赦なくストンピングを叩き込むと、髪を掴んで起こしてから、近くの鉄柵に振って叩き付けた。
ガッシャーン・・・
鉄柵に叩き付けられてグッタリとダウンする曜子。
グイッ・・
「あうっ・・・」
「おらおらっ、いくでぇぇぇぇ・・・」
キャリーは曜子の髪を掴んでアピールしてから、エプロンサイドに顔面を打ち付けてからリング上に戻していくと、リング上で両足を抱え込んだ。そのままステップオーバーして逆エビ固めを極めると、曜子は素早くマットを叩いて叫んだ。
「ギブアップ、ギブアップ!」
しかし曜子のギブアップが認められず、キャリーが意地悪く揺さぶっては痛めつけていく。
キャリーが技を解くと、俯せ状態で痛がる曜子。
「ぎ、ギブアップしたのに・・・」
ギブアップした事をアピールする曜子だが、レフリーもギブアップを認めないから試合は続けられていく。
キャリーがヒップにストンピングを入れてから、曜子の髪を鷲掴みにして起こしていくと、ロープ際でハイキックを放った。
バシィィィィ・・・
顔面へのハイキックにダウン寸前の曜子。
嫌がるようにロープを掴んで背を向けると、キャリーは容赦なく後頭部へもハイキックを放った。
バシィィィィ・・・
これには座り込むようにダウンする曜子。
セカンドロープにもたれかかってダウンしていると、セカンドロープとトップロープの間から観客席へ向けて曜子を絡めていくキャリー。
両腕はトップロープに絡まされて磔にされていく曜子に、キャリーはエプロンサイドに出てからアピールすると、バストへ水平チョップを叩き込んでいく。
グニュ・・
「んあああぁぁぁぁ・・・」
自慢のバストに打撃を受けて悲鳴をあげる曜子。
曜子のあげる悲鳴に、キャリーは笑みを浮かべながら水平チョップを打ち込むと、拳を握りしめてアピールしてからお腹にグーパンチを入れた。
ドスッ・・・
「ウゲッ・・・うううっ・・」
お腹を殴られてグッタリする曜子。口からは涎を垂れ流していると、髪を鷲掴みにして観客席に苦悶の表情を見せつけていくキャリー。
盛り上がる観客席に、キャリーは更に腹へパンチを入れていくと、口をパクパクさせて苦しむ曜子。
「いくでぇぇぇぇぇぇ・・・」
キャリーが雄叫びを上げると、狙いを定めて膝蹴りをお腹に叩き込んだ。
ドスッ・・
「ホゲェ!・・・オエッ・・・」
膝蹴りを受けて悲鳴をあげて口から胃液の様な吐瀉物を垂れ流す曜子。
動きの止まる曜子をロープから放すと、キャリーはリング内に連れ込んでから、両手でお腹を押さえる曜子に情け容赦ないブレンバスターでマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
マットに叩き付けられてグッタリする曜子。キャリーはゆっくり立ち上がると、バストを狙ってストンピングを入れていく。
グニュ・・・グニュ・・・
「あうっ・・・あああっ・・・」
バストを蹴りこまれて悲鳴をあげる曜子。
転がるようにロープに逃げるも、両足首を掴まれてリング中央に連れて行かれると、キャリーが狙いを定めてバストにエルボードロップを落としていく。
グニュ・・
「んあああぁぁぁぁ・・・」
バストを露骨に狙われて悲鳴をあげて痛がる曜子。
更にダイビングヘッドバッドを叩き込むと、悲鳴をあげる曜子の顔面にチリチリの髪を押しつけて嫌がらせ攻撃するキャリー。
立ち上がれない曜子の髪を掴むと、ゆっくりと起こしていくキャリー。
苦悶の表情で起こされると、キャリーがヘッドロックで締め上げると、顔面にパンチを入れた。
バキッ・・
「きゃあああぁぁぁぁぁ・・・」
またもリング上に響き渡る曜子の悲痛な叫び。
両手で顔面を押さえて痛がる曜子に、キャリーはコーナーに押し込んでいくとお腹に喧嘩キックを入れていく。
ドスッ・・
「うぐっ・・うううっ・・・」
お腹への蹴りにコーナーに崩れ落ちる曜子。口からは涎を垂れ流している。
観客を煽るように両手を叩くキャリーに、観客席からは歓声が送られていく。
「立てや!」
キャリーは曜子の髪を掴んで起こしてコーナーに寄りかからせると、顔面へハイキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
ハイキックを受けて崩れ落ちる曜子。
しかしキャリーはダウンを許さずに起こしていくと、嫌がる曜子の後頭部にもハイキックを叩き込んだ。
バシッ・・
重い蹴りにコーナーにダウンする曜子。
「そろそろ決めるでぇぇぇ・・・まずはサービスからや!」
キャリーが叫ぶと、コーナーの曜子の髪を鷲掴みにしてリング中央に連れ出していく。
そしてボディスラムでマットに叩き付けると、そのまま俯せにしてキャメルクラッチで痛めつけた。
グイッ・・
両足をバタバタさせて痛がる曜子。キャリーは完全に極めずに、片手で鼻の穴に指を掛けて揺さぶると、曜子の悲鳴が響き渡った。
「いやああぁぁぁぁぁぁ・・・」
嫌がる曜子に、キャリーは空いた片手をビキニに向けると、黒いビキニのブラジャーを剥ぎ取っていく。
曜子のトップレスシーンに観客席が盛り上がると、キャリーは剥ぎ取ったビキニを高々と挙げて立ち上がった。
曜子はバストを両手で隠すが、キャリーがリング上でビキニをアピールしてから、髪を鷲掴みにして起こしていくと、必死にバストを隠そうとする曜子。
「自慢の胸でも晒せや!」
キャリーはノーガードのボディへ膝蹴りを叩き込むと、曜子の動きが止まった。
ドスッ・・
「ぐふっ・・」
お腹への膝蹴りに苦しさから口をパクパクさせていく曜子。胃液の様な液体を垂れ流して、涙目で耐えている。
「やるやないか!」
キャリーが感心した様子だが、無理矢理に俯せにすると、嫌がる曜子にキャメルクラッチを仕掛けた。
容赦ないキャメルクラッチに、バストが露わになって苦しむ曜子。
Fカップバストがプルプル揺られて残酷感が増している中、キャリーが揺さぶっては痛めつけていく。
上を向かされた状態の曜子は、キャメルクラッチの激痛に泣き出しているが、口を押さえられていてギブアップが口にできない。
「背骨が折れるでぇ〜・・・」
意地悪く曜子に囁くキャリー。
両足をバタバタと激しく動かしては苦しむ曜子。ギブアップも出来ずに地獄の時間が過ぎていく・・・。
キャリーが更に反らしていくと、レフリーが危険と判断してゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされるも、キャリーが揺さぶっていくとレフリーがキャリーを止めていく。
『カンカンカンカン・・・カンカンカンカン・・・』
レフリーに止められて技を解くキャリー。曜子はグッタリと俯せのまま泣き出していると、キャリーは後頭部などを踏みつけてアピールする。
『ただ今の試合、レフリーストップによりキャリー西野の勝利となりました!』
リングアナのコールに気を良くしたキャリーは、俯せのまま動けない曜子のショーツにまで手を伸ばすと、無理矢理ショーツを剥ぎ取ってブラと一緒に持っては、観客席に向かってアピールした。
『勝者、キャリー西野!』
リングアナのコールに気をよくするキャリー。
「今回の試合の戦利品やっ!」
キャリーは叫ぶと、曜子にストンピングを入れてからリングを後にするのであった。そして一方的なドミネーションマッチで負けた曜子は、黒服などにバスタオルなどを巻かれると、恥ずかしそうにリングをあとにした。


第25試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、離婚してから芸能界生き残りを賭けているリアン・ディゾン。
険しい表情で控え室から飛び出すと、ゆっくりとリングへ向かって歩いていく。グラビアアイドルとして売れていただけあって、出産を経てもグラビアで通用するような体型に観客の視線が集まる。白いスポーツビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって頭を下げた。
そのディゾンを睨みながらリングインするのは、デスマッチクイーンの沖菜恵。黒いスポーツビキニに黒いリングシューズ姿でリングインすると、早くもディゾンを睨み付けていく。レフリーが睨み合う2人を別けていくと、早くもリングアナのコールが始まっていく。
『本日のメインイベント、デスマッチクイーンタイトル戦・・・・青コーナー〜・・・身長167p、上から86、60、89・・・リアンディゾン〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールするディゾン。デスマッチだけに緊張した表情を浮かべている。
『赤コーナー〜・・・チャンピオン、身長155p、上から80、59、83・・・沖菜〜恵〜っ!』
そしてコールを受けてコーナーに登ってアピールする恵。ディゾンとの体格差はあるが経験でカバーしたいところ。
前体会の78回大会では、ディゾンは大池栄子を、恵は市河由衣を倒して勢いのあるだけに、今夜のデスマッチは壮絶な試合が予想されている。
『今夜の試合形式は、有刺鉄線ボード&蛍光灯デスマッチとします!』
リングアナのコールに興奮する観客席。早くもリング上には複数の有刺鉄線ボード、そしてロープには多くの蛍光灯が輪ゴムを使って固定されていく。そして何十本かの蛍光灯を束ねたものも用意されていくと、試合開始のゴングが近づいていくリング上。
恵とディゾンには、黒服によって手首などにテーピングがされていくと、リングの用意もできたと言う事でゴングが要請された。
『カァーン!』
ゴングと同時に睨み合うディゾンと恵。少しずつ距離が詰まると、まずはディゾンが手を伸ばして力比べを要求する。
恵も手を伸ばすが、組み合う寸前に喧嘩キックを入れていくと、痛がるディゾンの髪を掴んで早くもロープに振ろうとする。
しかし蛍光灯の餌食にならないとばかりに踏ん張っていくディゾンに、恵が膝蹴りを入れてからDDTを仕掛けた。
ドッシーン・・・
これには脳天から叩き付けられて転がるようにして痛がるディゾン。
まずは恵が試合のペースを握っていくが、ディゾンも起き上がると、恵との距離を置いて呼吸を整えていく。
ゆっくりと恵との距離を詰めるディゾン。しかし恵がドロップキックを仕掛けると、ディゾンがマットに倒れ込んだ。
素早くディゾンが立ち上がると、恵が狙った様にドロップキックを放っていく。
バッシーン・・・
またも立ち上がるディゾン。恵は素早くラリアットを仕掛けると、そのままフォールの体制に持ち込んだ。
『ワン・・・』
しかし素早く返していくディゾン。
返されると、今度は腕を狙っていく恵。
しかしディゾンが藻掻いて逃れると、素早く立ち上がって距離を置いていく。
恵も構えたまま距離を詰めると、今度はディゾンが喧嘩キックを放った。
しかし避けた恵。続けて髪を掴んでいくディゾンに、恵がボディへパンチを入れていく。
パンチを受けて苦しむディゾンも、負けずにエルボースマッシュを側頭部に叩き込むと、フラつく恵にラリアットでダウンを奪った。
倒れ込む恵にストンピングを叩き込んでいくと、片手を挙げて観客にアピールしながら恵を起こすと、コーナーにある有刺鉄線ボードへ振ろうとする。
しかし恵も踏ん張って耐えると、ディゾンが反転してラリアットを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
ラリアットを顔面に受けて倒れ込む恵。ディゾンはゆっくりとエルボードロップをバストに落とすとフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・』
レフリーがカウントしていくが、恵が余裕で返していく。
返されるとマットに座らせた状態からスリーパーで締め上げていくディゾン。スタミナを消耗させようと狙っているのか。
既に汗が溢れ出している恵。スリーパーで締め上げられていても、汗で滑って脱出すると、逆にギロチンチョークを狙っていく。
これにはブリッジ気味に返していくディゾン。
取っ組み合いになると体格差から不利だからと、恵は立ち上がってから蹴りを入れると、髪を掴んで起こしてから、そのままロープに固定された蛍光灯へディゾンを叩き付けようと振ろうとした。
しかしディゾンも踏ん張ってから、逆に恵をロープに振っていく。
パァーン・・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・」
この試合で最初に蛍光灯の餌食になったのは恵だった。背中から叩き付けられて悲鳴をあげている。
ディゾンも蛍光灯が割れ散る光景に動きが鈍るが、この試合に勝つことが重要だった。
フラつく恵だが、今度は蛍光灯をロープから外してから、近づくディゾンに叩き付けた。
パァーン・・・
脳天に叩き付けられて蛍光灯が粉々になるが、ディゾンは構わずラリアットを叩き込んでいく。
バシィィィィ・・・
ダウンする恵。先程の粉々になった蛍光灯の破片で、背中に傷を負って流血していく。
構わず起こしてから、ディゾンは恵をボディスラムで破片の上へ落とした。
バッシーン・・・
「ああああああああっ・・・」
絶叫する恵。背中に傷を負っては、スポーツビキニだからと露出した部分の傷口からは血が流れ出していく。
ディゾンがバストを踏みつける様にして恵を痛めつけると、恵は必至に逃れようと藻掻いた。
藻掻くと背中の傷口を広げて出血が酷くなっていくと、ディゾンが恵を無理矢理に起こしていく。
ディゾンが観客にアピールしてから、恵にグーパンチを狙うと、恵が組み付いてスープレックス気味にディゾンをマットに叩き付けた。
動きの止まったディゾンに、恵はヘッドシザースで締め上げていくと、ディゾンの表情が苦痛に歪んだ。
腰を浮かせてディゾンを痛めつけていく恵。
更に身体を反転させて痛めつけていくと、髪を鷲掴みにして額にパンチを入れていく。
バキッ・・バキッ・・
殴られて藻掻くディゾンだが、ディゾンも恵の足を噛み付くと、恵が堪らず放した。
お互い立ち上がると、ディゾンが左右の張り手で前に出た。
バッシーン・・
張り手を受けてフラつく恵。必至に蹴りを出すもディゾンがロープ際に押し込んでいくと、またも蛍光灯の餌食になってしまった。
パァーン・・・
「きゃああああぁぁぁ・・・・」
蛍光灯が割れてダメージで悲鳴をあげる恵。
ロープに寄りかかっている恵に、ディゾンは割れた蛍光灯を握りしめて迫った。
そのディゾンに恵が必至の喧嘩キックを放つと、ディゾンは蛍光灯を握りしめたまま倒れ込む。
その瞬間、恵は近くの蛍光灯を掴んでからディゾンに振り下ろした。
パァーン!
「アアァァァァァァァァ・・・」
蛍光灯を叩き付けられて、粉々になる蛍光灯との音と共にディゾンの悲鳴が響き渡るリング上。
そして割れた蛍光灯を握りしめて、倒れているディゾンのバストへ押しつけていく恵。
グリッ・・
「ンアアァァァァァァァァァァ・・・・」
鋭い蛍光灯の割れた部分が、ディゾンの水着に押しつけられると、布地の下の柔らかい乳房を傷つけていく。同時にディゾンは激痛に絶叫した。白いスポーツビキニのブラが赤く染まり出すと、観客席からは大歓声が起きていく。
歓声に押されるようにして恵がディゾンを起こしていくと、ヘッドロックから額を狙って蛍光灯を押しつけようとするが、これにはディゾンも抵抗して逃れる。
しかし恵が膝蹴りをボディに叩き込むと、DDTを狙っていくがディゾンが押し返すと、恵は滑り込むようにコーナーの有刺鉄線ボードに背中から倒れ込んでしまった。
グサッ・・
「いやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
有刺鉄線ボードに突っ込んで、背中に有刺鉄線が食い込むと絶叫する恵。
有刺鉄線のダメージに苦しい恵に、ディゾンは蹴りを入れて有刺鉄線に押しつけた。
背中を切り裂かれて痛がる恵。有刺鉄線地獄へ突き落とされて残酷な光景に、観客席は大歓声があがっていく。
ディゾンが恵を有刺鉄線ボードから離していくと、今度はブレンバスターの体制から、有刺鉄線ボードに落とそうと狙っていくが、恵も藻掻いて逃れると、逆に踏ん張ってのブレンバスターでディゾンをマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
痛がるディゾンに、恵は立ち上がると蛍光灯の束をお腹の上に乗せて、飛び上がってフットスタンプを仕掛ける。
パァーン・・・
「アアアアアアアアアッッッ・・・」
ディゾンのお腹の上で激しく割れていく蛍光灯の束。同時にディゾンが悲鳴をあげていく。
割れた蛍光灯で腹回りにも傷が出来て流血していくディゾン。動きが止まると恵が髪を掴んで起こしていく。
バキッ・・
更にエルボースマッシュから、DDTとプロレス技の連続で追い込む恵。
マットに叩き付けられて大の字になるディゾンに、恵は有刺鉄線ボードを持ち出して被せようとする。
しかしディゾンが立ち上がると、その有刺鉄線ボードにドロップキックを放って恵を有刺鉄線ボードの餌食にした。
グサッ・・
「ああああああっ・・」
自爆した恵は有刺鉄線の激痛に悲鳴をあげると、フラつきながら立ち上がっていく。
その恵に、ディゾンが強烈なラリアットを叩き込むと、ロープ際に倒れ込む恵。
するとディゾンが近くから蛍光灯を持ち出すと、倒れている恵のお腹に乗せていく。そして観客にアピールしてから、強烈なフットスタンプを叩き込んだ。
パァーン・・・
「んああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
フットスタンプの圧力と、砕けた蛍光灯の破片が恵のボディを襲った。恵はお返しとばかりのディゾンの攻めに悲鳴をあげた。
グイッ・・
そして恵を起こしてから、トップロープとセカンドロープに絡ませるようにして観客席側を向かせていくディゾン。
動けない恵の髪を掴んで上を向かせると、割れた蛍光灯を額に押しつけていく。
グサッ・・
「いやああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
絶叫する恵。同時に額が傷つけられて出血していく。
ディゾンは恵の悲鳴に容赦ない蛍光灯での攻めをしていくと、恵の顔面が血に染まった。
流血状態の恵をロープから放すと、今度はスリーパーで締め上げていくディゾン。
しかし恵の額から流れ落ちる血で滑って上手く極まらない。
その瞬間、恵がカンガルーキックで反撃すると、放したディゾンに膝蹴りを入れてから、喧嘩キックで有刺鉄線ボードの方向へ押しつけていく。
フラつくディゾンに、恵が走り込んでドロップキックを放った。
バシィィィィィ・・・
「ンアアアアァァァァァァァ・・・・・」
ドロップキックを受けたディゾンは、マットに置いてある有刺鉄線ボードに倒れ込むと、背中などを傷つけられて絶叫する。
更にダメージを与えようとストンピングを入れていく恵。ディゾンの素肌にも容赦なく有刺鉄線の棘が食い込んでいくと、出血が酷くなっていく。
恵が髪を掴んでディゾンを有刺鉄線から引き離していくと、フラつくディゾンの胸の谷間に蛍光灯を差し込んでから、ハイキックで蛍光灯を割っていく。
パァーン・・・
スポーツビキニの中で割れた蛍光灯。胸の谷間で蛍光灯が割れて、バストも蛍光灯の破片で傷つけられて悲鳴をあげるディゾン。
白いスポーツビキニが赤く染まっていくが、恵は構わず髪を鷲掴みにすると、有刺鉄線ボードにフェイスクラッシャーを仕掛けた。
「ギャアアアアアアアアアア・・・・」
額を有刺鉄線ボードに叩き付けられて絶叫するディゾン。ディゾンも額から流血していくと、お互いが激しい流血戦となっていく。
恵が馬乗りになってから、流血するディゾンにキャメルクラッチを仕掛けると、上を向くディゾンの額を噛み付いていく。
「アアアアアアアアアッ・・・」
噛み付かれて悲鳴をあげるディゾン。恵も流血のダメージから早く試合を終わらせたいからと、激しいラフファイトを展開していく。
両足を激しくバタバタさせて痛がるディゾン。恵は噛み付き攻撃を止めてから、スリーパーで締め上げようとする。
しかしディゾンが藻掻くと、恵は立ち上がってストンピングを入れて痛めつけると、髪を掴んで起こしていく。
恵に起こされていくディゾン。フラついていると、恵が膝蹴りを入れていく。
そのままロープ際に押し込むと、ディゾンの両腕をトップロープとセカンドロープに絡ませてから、お返しとばかりに割れた蛍光灯を額に押しつけていく恵。
グサッ・・
「ギャアアアアアァァァァァァ・・・・」
狂ったように絶叫するディゾン。額を傷付けられて顔面を血に染めていく。
更に恵は胸の谷間に蛍光灯を何本か入れてから、嫌がるディゾンに蹴りを入れて破壊した。
パァーン・・・
「アアアアァァァァァァァ・・・・」
またもディゾンの悲鳴がリング上に響き渡ると、白いスポーツビキニが血に染まっていく。
グッタリするディゾンに、恵は片手を挙げて観客にアピールしてからロープから放すと、勝負をつけようとパイルドライバーを仕掛けようと下を向かせた。
するとディゾンが恵の股間へグーパンチを入れる。
ゴキッ・・
「ふぎっ・・」
恥骨への衝撃に動きの止まる恵。逆にディゾンは左右のジャブで顔面を殴りつけてから、恵の両腕をトップロープ、セカンドロープに絡ませていく。
そして蛍光灯を手にすると、お返しにと胸の谷間に入れていくディゾン。恵も嫌がるが、ディゾンはハイキックで蛍光灯を破壊して、恵のバストなどにダメージを負わせた。
グッタリする恵。ディゾンはコーナーポストの金具を外していく。金具が外されてロープから数本リングから落ちてしまうが、ディゾンは金具を手に恵に迫った。
グッタリする恵の額に金具を打ち付けるディゾン。
ゴキッ・・
「あああああああっ・・・」
悲鳴をあげる恵。額から流れ落ちる血が酷くなり、血だるま状態に追い込まれて危険な雰囲気のリング上。
ディゾンはアピールしようと観客席に大流血の恵の表情を見せようとすると、観客席からはため息が漏れた・・・。
更にディゾンが有刺鉄線ボードの上に恵をパワーボムで叩き付けると、恵は必至に起き上がろうと手を伸ばす・・・。
しかし大流血のダメージから立ち上がれないと、虚ろな目で四つん這いにはなっていくが、立ち上がる事はできない・・・。
ディゾンが更に凶器である金具で額を攻めようとすると、ここでリングドクターが危険だからとドクターストップを要請した。
『カンカンカンカン・・・カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、レフリーが試合を止めていく。
『ただ今の試合、ドクターストップでリアン・ディゾンの勝利となりました!』
リングアナのコールが流れる中、ディゾンもフラフラしながら恵から離れてレフリーに手を挙げられていく。
恵はリングドクターが止血などの応急処置をすると、担架に乗せられて運ばれていった。
そしてリング上では、ディゾンの腰にデスマッチクイーンベルトが巻かれていくのであった・・・。地下プロレスでも久しぶりの残酷な試合内容に、観客席からの拍手は微妙な感じで終えたタイトルマッチであった・・・。

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