第80大会【女祭り】
第1試合
『ただ今より、2011年女祭り、開催です!』
リングアナの絶叫と共に開幕した2011年女祭り。今年の女祭りはどんなカードから始まるのかと観客が注目の中、選手入場が始まった。
『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、Oプロの見瀬真美子。白い競泳水着に白いリングシューズ姿。地下プロレスも3戦3勝と言う戦績もあり、今夜はアスリートに挑戦する真美子。
その真美子の対戦相手としてリングインするのは、Oプロ勢の多丸麻紀、石河亜沙美を地下リングで倒してきたアリア・シャラポワ。長身でありスレンダーながら力強いパワフルな打撃などから、一気に相手をフルボッコにする恐怖のアスリート。今夜は真美子はどういう試合展開になるのか・・・。白い競泳水着に白いリングシューズと、真美子と同じリングコスチュームに、手にはオープンフィンガーグローブを着けているシャラポワ。
真美子の手にもオープンフィンガーグローブが着けられると、口にマウスピースが入れられて格闘技戦と言う事となった。
『第1試合、特別格闘技戦・・・青コーナー〜・・・身長170p、上から90、59、88・・・見瀬真美子〜っ!』
コールを受けて片手を挙げていく真美子。自慢のHカップバストが競泳水着に包まれているが、その見事なボディには観客の視線が集まった。
『赤コーナー〜・・・身長188p、上から88、60、90・・・アリア・シャラポワ〜っ!』
コールを受けて一礼していくシャラポワ。早くもコーナーに小刻みのジャブを入れるなどして身体を動かしていく。
42歳の真美子、対して24歳のシャラポワ。体力的にはシャラポワ、地下プロレス経験もシャラポワが上回る事になるが、観客席からは真美子へ期待がされていた。
レフリーがルールの説明をすると、シャラポワと真美子は視線を合わせる事もなく頷くと、コーナーに別れていく。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、勢いよくコーナーから飛び出す真美子とシャラポワ。
距離を置いて軽くジャブを放つ真美子に、様子を見るようにガードを固めていくシャラポワ。
緊張感あるリング上。真美子が素早く左右のパンチを放つと、ガードするシャラポワにタックルを仕掛けた。
組み付かれていくシャラポワ。しかし冷静にバックステップでロープを背にしていく。
真美子は組み付いたまま倒そうと揺さぶる。シャラポワは踏ん張ってグラウンド状態に持ち込ませない展開。
逆にフロントスリーパーを狙うシャラポワに、真美子が一気に離れていく。
距離を置いて構えて睨み合う両者。
今度はシャラポワが前に出てジャブの連打で距離を詰めていく。
バシッ・・バシッ・・
顔面にパンチが当たり苦しい真美子。ガードして前蹴りで距離を置きたいが、シャラポワが積極的に前に出て行く。
殴りにくるシャラポワに、タイミングを合わせてタックルを仕掛ける真美子。
タックルで上手くテイクダウンを奪うと、一気に腕を狙っていく真美子。
会場内が盛り上がると、シャラポワは藻掻いて逃れていく。
サイドポジションに移行していく真美子は、自らの体重を乗せながらシャラポワを攻めると、シャラポワは体重の圧力だけでスタミナを奪われていく。
真美子がシャラポワの脇腹にハンマーパンチを叩き込んでいくと、身体を動かして痛がるシャラポワ。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
苦悶の表情で逃れようとするシャラポワに、真美子はダメージを与えようとハンマーパンチを連打する。
しかしシャラポワが一気にブリッジ気味に跳ね返すと、素早く立ち上がった。
真美子も立ち上がると、シャラポワが脇腹を気にしながら距離を置いた。
距離を置くシャラポワにローキックで攻め込む真美子。
バシッ・・
明らかに嫌がるシャラポワに、真美子はローキックからミドルキックと脇腹にも蹴りを入れた。
バシィィィ・・・
脇腹への蹴りに痛がる様に距離を置くシャラポワ。
ジャブから前に出て行く真美子に、シャラポワはコーナーに逃れた。
コーナーを背にするシャラポワに、真美子はコーナー串刺しのドロップキックを放つと、お腹に当たって苦悶の表情を浮かべるシャラポワが、マットに倒れ込んだ真美子に一気に襲いかかった。
上からパンチを放つシャラポワ。
しかし真美子が殴る手をキャッチすると下から三角締めを仕掛ける。
腕をキャッチされたからと焦って力ずくで持ち上げようとするシャラポワ。
変形パワーボムみたいな感じで真美子をマットに叩き付けると、放した真美子にストンピングを入れていく。
堪らず転がるように逃れる真美子は、低空タックルを仕掛けるもシャラポワが逃げて避ける。
またも距離を置いて構えていく両者。
距離を詰めようとする真美子に、シャラポワはタックルを警戒してジャブを放つと、真美子がタックルを仕掛けた。
しかしシャラポワが誘っていたのかカウンターの膝蹴りを合わせると、バストに強烈な膝蹴りが炸裂するも真美子が組み付いていく。
しかしバストへのダメージから倒す事ができないと、シャラポワが続けて膝蹴りを狙うも真美子がバランスを崩してテイクダウンを奪った。
横四方の体制に持ち込むも、膝蹴りのダメージから攻め続けられない真美子。
競泳水着に包まれた大きなバストのダメージは外からは見る事はできないが、苦悶の表情からダメージが見えてくる。
背中は大量の汗を流しては、白い競泳水着には汗が浮かび上がっている真美子。シャラポワも汗を流すも真美子ほどではない。
体重を乗せてダメージを与えようとする真美子。シャラポワも体重を乗せられている事を嫌がるように抵抗するも、真美子が上手く押さえつけている。
そして小刻みの脇腹へのハンマーパンチを入れていく真美子。
バシッ・・バシッ・・
脇腹へのパンチに嫌がるシャラポワ。
腕を狙いたいところだが、シャラポワも簡単に腕を取らせない。
逆に強引なブリッジ気味な動きで真美子を返していくシャラポワ。
返されると、立ち上がるも胸を気にしながらローキックを入れていく真美子。
バシィィィ・・・
真美子の蹴りに立ち上がれないシャラポワは、長い足で牽制していく。
バシィィィ・・・
更に蹴りが入ると、シャラポワの白い足が赤く変色していく。
タイミングを計って立ち上がりたいシャラポワ。逆に真美子はローキックでダメージを与えていきたいところ。
バシィィィ・・・バシィィィィ・・・
流石に蹴りを受け続けて苦しいシャラポワが立ち上がると、狙いを定めて真美子が顔面へパンチを放った。
バシィィィ・・・
殴られてフラつくシャラポワ。しかし殴り返すと真美子の顔面をパンチが捉えた。
バシッ・・
殴られてフラつく真美子。しかし前蹴りから左右のパンチを出していくと、シャラポワも嫌がるように膝蹴りを放った。
膝蹴りに距離を置いていく真美子。
距離を置いている展開だが、真美子のローキックからのパンチに嫌がるシャラポワ。
更に殴りかかる真美子に、シャラポワがカウンターの顔面パンチを入れると、真美子の動きが止まった。
動きの止まる真美子の顔面を狙ってパンチを連打するシャラポワ。一気に勝負に出た感があるが、真美子も必死にガードして逃れるが、シャラポワの追撃が始まった。
コーナーに追い込まれて顔をガードする真美子に、ガードの上からパンチを連打していくシャラポワ。
大振りのロシアンフックが側頭部を捉えると、真美子のガードも下がりだした。
ガードの下がったところへ、シャラポワの顔面を貫くようなストレートが炸裂。
バシィィィィ・・・
これには真美子が座り込む様にコーナーにダウンしていく。
コーナーに崩れ落ちた真美子は、鼻血を噴きだして白い水着を赤く染めている。普通の格闘技戦だったらレフリーストップだが、ここは地下プロレスだからと試合は続けられていく・・・。
盛り上がる観客達に片手を挙げてアピールするシャラポワは、真美子の髪を鷲掴みにして起こしていくが、真美子も胴タックルの様に組み付いていく。
しかしダメージから力強さが感じられない真美子のタックル。シャラポワの水着にも真美子の血が付いて赤くなる。
呼吸が苦しそうな真美子。スタミナ切れが早まる展開になると苦しい結果になるが、意地になって食らい付いていく姿勢に観客からは声援も飛んでいる。
容赦なくシャラポワがフロントスリーパーの様に首をキャッチすると、動きを止めてから背中にエルボーを落としていく。
ゴキッ・・
エルボーを受けて苦しい展開になっていく真美子。
左右に揺さぶるように倒しにいたい真美子に、シャラポワは踏ん張って耐えると、逆に締め上げていく。
首を極められて苦しい真美子。しかしシャラポワも関節技は上手くないから力ずくで締め上げているだけで、失神に追い込まれずに助かる真美子。
バシッ、バシッ・・
首を極められているからと、脇腹へパンチを放って抵抗する真美子。
シャラポワが放すと突き放すようにして距離を置くと、真美子もローキックを出して逃れていく。
ガードを固める真美子。鼻からの出血も激しく苦しい展開が続くが、必死に距離を計っている。
対してシャラポワはガードを固めるが、出血もなくスタミナ面でも真美子より有利に動いている試合展開。
前に出るシャラポワ。真美子は前蹴りで牽制するもシャラポワは構わず前に出ると、左右の大振りのパンチを放つ。
避ける真美子は、大振りのパンチを放つも見切られると、逆に顔面にパンチを叩き込まれた。
バシィィィィ・・・
血飛沫をあげてフラつく真美子。ダウンこそ免れるが苦しい展開。
シャラポワがコーナーに押し込んでいくと、ガードを固める真美子にパンチの連打を打ち込むシャラポワ。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
コーナーを背にガードを固める真美子。顔面などにパンチが入るとフラつくもダウンせずに踏ん張っていく。
必死に膝蹴りを放つもシャラポワに読まれてガードされると、逆に首相撲からコーナーに押しつけられた状態から膝蹴りをボディに受ける真美子。
ドスッ・・ドスッ・・
2発続けて膝蹴りを受けると、呻き声の様な悲鳴をあげていく真美子。
更に顔面パンチを連打していくと、血飛沫をあげて顔面を真っ赤にしていく真美子。残酷な試合展開になっていくと、観客席からも声が出なくなっていく・・・。
しかし真美子が組み付いていくと、シャラポワは容赦せずにアッパー気味に顔面を殴りつけていく。
下を向いている真美子の鼻から激しくマットに出血していると、レフリーも気にし出すが試合は続けられた。
真美子も意地になって下からアッパーを返すと、シャラポワが避けるが真美子が続けてラリアット気味に顔面を狙った。
バシィィィィ・・・
真美子の腕がラリアット気味に顔面を直撃すると、シャラポワの鼻から出血した。
次の瞬間、観客席は盛り上がりを見せて、シャラポワは顔面を押さえて距離を置いていく。
必死に前に出て顔面狙いのパンチを叩き込む真美子。鼻血を出したシャラポワは明らかに嫌がるように逃れると、真美子がミドルキックなど打撃で前に出た。
トップロープを掴んで鼻を気にするシャラポワに、真美子はジャンピングニーパッドを出して追い込むと、シャラポワも意地になってヘッドロックを仕掛けていく。
咄嗟に真美子がバックドロップを狙うも踏ん張りが効かずに投げられない。
逆にブルドッキングヘッドロックの様にマットに叩き付けられると、シャラポワがバックマウントを奪っていく。
鼻血を流しながら怒りに満ちた表情を浮かべると、後頭部や側頭部、脇腹と真美子を殴りつけていく。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・
殴られて逃れようとするも苦しい真美子。更にシャラポワがサイドポジジョンから脇腹に膝蹴りを入れると、真美子の動きが止まった。
苦悶の表情の真美子に、シャラポワは仰向けにしてから、一気に顔面に拳を落としていく。
バキッ・・バシッ・・バシッ・・
粘った真美子も顔面へのパンチの連打に反応も薄れていくと、顔を腫らしていく残酷な展開にレフリーが割って入って試合を止めた。
『ストップ・・・ストップ・・・』
レフリーが止めてゴングが要請されると、ゴングが連打される。
『カンカンカンカン・・・カンカンカンカン・・・』
ゴングの音に自らの勝利を確信してガッツポーズで立ち上がるシャラポワ。
対してマットで失神状態で倒れている真美子。しかしシャラポワに流血させて追い込んだ事は、真美子が今だ地下プロレスでは通用する1人と言う事が証明された事でもあった。
『勝者、アリア・シャラポワ!』
リングアナのコールに片手を挙げられていくシャラポワ。しかし表情には笑顔はなかった・・・。




第2試合
『選手入場っ!』
リングアナのコールでリングインするのは、空手を得意とする驚異の新人キャンギャルの三谷原華音。中学3年生でキャンギャルに選ばれて、今後の活動の為にと地下プロレスに出場する事となった。
黒いスポーツビキニに黒いリングシューズ姿でリングインすると、初めての異様な雰囲気の地下プロレス会場に緊張感を隠せない。リングインすると観客席に向かって頭を下げると、コーナーで手にオープンフィンガーグローブを着けてもらう華音。
その華音のデビュー戦相手としてリングインするのは、同じく今夜がデビュー戦となる沢山璃奈。スケートを特技としてアスリート出身でありタレント活動をしていて、女子プロレスもののドラマにも出て泥レスまでこなすタレントとして成長したが、遂に地下プロレスのリングに上がる事となった。リングコスチュームは白いスポーツビキニに白いリングシューズで、華音と対照的なリンコスを選んでいる。
『第2試合・・・アスリートタレント対決・・・青コーナー〜・・・身長170p、上から82、59、86・・・三谷原華音〜っ!』
コールを受けて一礼していく華音。緊張感は隠せないが、早くも対戦相手の璃奈を見つめている。
『赤コーナー〜・・・身長164p、上から88、60、86・・・沢山璃奈〜っ!』
そしてコールを受けて笑顔でコーナーに登ってガッツポーズしていく璃奈。デビュー戦ながら余裕すら感じられる。
コールが終わってレフリーによるルール説明が行われるが、華音は手にオープンフィンガーグローブが着いているからと顔面パンチが認められて、璃奈は素手なので拳でのパンチは反則になるが、お互いが認めているので、ここでレフリーが開始のゴングを要請した・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出す璃奈と華音。
華音は空手ベースの打撃で打撃スタイルで構えて距離を詰めていく。
璃奈はプロレス的スタイルでリングを動きながらに距離を置いていく。
スッと距離を詰める華音に、璃奈は上手く距離を置いて睨み付けていく。
お互いが手を出せない距離感になると、璃奈が素早いスピンキックを放つが華音が避けた。
逆にローキックを放つ華音に、璃奈は飛び上がって避けると呼吸を整える。
緊張感あるリング上。華音も地下プロレスの試合ははじめてでペースが掴めないが、それは璃奈も同じで戸惑いを隠せない。
距離を詰める華音に、璃奈はロープワークで素早い動きで対応すると、距離を詰めてスピンキックを放つも、逆にボディに左右の突きを受けてしまった。
ドスッ・・ドスッ・・
「うぐっ・・うっ・・」
華音のボディ攻撃に苦悶の表情を浮かべる璃奈。華音も続けてミドルキックを放つと脇腹にヒットして苦しい璃奈。
しかし組み付くようにヘッドロックに捉えると、華音を締め付けていく璃奈。
打撃では分が悪いからと組み付いていく璃奈は、そのまま締め上げてはスタミナを奪おうとしていく。
しかし華音が璃奈をロープに振って逃れると、ロープから戻る璃奈がボディアタックで反撃した。
バシィィィィ・・・
ボディアタックで倒れ込む華音をフォールする璃奈。
『ワン・・・ツー・・・』
レフリーがカウントを数えるも返していく華音。
返されるとスリーパーで締め上げていく璃奈。絞め技で少しでも追い込んでおきたいところだが、華音も必死にロープに逃れる。
『ロープ・・・ロープ・・・』
華音の足がロープに掛かるとレフリーが止めていく。
レフリーの指示に璃奈が放すと、華音は喉元を気にしながら立ち上がった。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく華音。璃奈が打撃を警戒してバックステップで距離を置くと、一気に距離を詰めて左右の突きを放つ華音。
空手仕込みの直線的な打撃に押されていく璃奈は、ロープを背にする状態に追い込まれると、華音がハイキックを放った。
バシィィィィ・・・
これはガードするがガードした腕が痛いと言う表情の璃奈。
続けてローキックを放つ華音。ローキックが続くと、璃奈の太股などがドス黒く内出血を起こして変色していく。
蹴られて嫌がるようにリング内を動く璃奈に、追い込む様に華音がミドルキックなど蹴りで攻め続けた。
璃奈が距離を置こうとするが、華音は素早く距離を詰めては左右の突きをボディに叩き込む。
苦悶の表情でコーナーに追い詰められていく璃奈。
両足は蹴りで変色して動きが鈍くなり、顔だけは蹴られたくないと両腕で必死にガードする璃奈。
華音もレフリーに続けて良いのかとばかりに視線を送るが、レフリーは続行を促した。
華音が鋭いローキックを狙うと、璃奈の意識が下へ向いてガードが下がった瞬間、鋭い変則上段蹴りが璃奈の側頭部を襲った。
バシィィィィィ・・・・
側頭部に蹴りを受けて崩れ落ちる璃奈。まさにKOと言う感じの瞬間だが、璃奈が意識を飛ばしながらも立ち上がろうとする。
レフリーが止めないからと、華音は立ち上がろうとする璃奈の顔面へ蹴りを入れると、璃奈が豪快に大の字に倒れ込んだ。
『カンカンカンカン・・・』
空手の蹴りの連続に危険と判断したレフリーが試合を止めると、ここで華音の勝利が決まった。
『勝者、三谷原華音っ!』
リングアナのコールに勝利の実感が湧かない華音。
ダウンしている璃奈には、リングドクターが応急処置をしていく中、華音は璃奈を気遣いながらもリングを後にするのであった。
強烈なKO勝利での地下プロレスデビューの華音。今後が楽しみな1人が誕生した。




第3試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、芸能界引退を決めた五藤真希。胸元の開いたセクシー系白ワンピース水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、深々と観客席に向かって頭を下げる真希。
コーナーに寄りかかって対戦相手を待つ真希の視線は、早くも相手コーナーに向けられているが、その真希の相手としてリングインするのは、猛娘ではメンバー同士だった石河梨華。梨華も胸元を強調する様な谷間を見せつけるような白いワンピース水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって頭を下げた。
『五藤真希、芸能界引退記念マッチ・・・青コーナー〜・・・身長159p、上から83、60、88・・・五藤真希〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする真希。
『赤コーナー〜・・・身長157p、上から83、59、85・・・石河梨華〜っ!』
コールを受けて片手を挙げて反対コーナーに迫る梨華。真希もコーナーから飛び出してリング中央で睨み合いが始まった。
同じメンバーだっただけに様々な想いが交錯しているのか、緊張感漂うリング上。
バッシーン!
いきなり真希が梨華の頬を張ると、梨華も負けじと張り手を返す。
バッシーン!
その瞬間、お互いの意識にスイッチが入った。
同時にレフリーがゴングを要請すると、試合開始のゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングが鳴ると真希が喧嘩キックを入れると、梨華は苦悶の表情を浮かべるもローキックを放っていく。
フットサルで蹴るのは得意な梨華だけに、真希も蹴られると嫌な表情を浮かべた。
張り手を放って距離を置いていく真希に、梨華が構えて距離を詰めていく。
堪らずドロップキックを放つ真希。
バシィィィィ・・・
打点も高く梨華のバストを抉ると、倒れ込む梨華。
胸を押さえて苦悶の表情を浮かべている梨華の髪を鷲掴みにして起こしていく真希。
そしてヘッドロックの体制から、拳を握りしめて額にパンチを入れていく真希。
バキッ・・バキッ・・
「んあぁぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴が漏れる梨華。
更にブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けていく真希。
グッタリする梨華に、真希が立ち上がってストンピングを入れていくと、続けて両足をロックしてインディアンデスロックを仕掛けていく。
更にブリッジ体制から鎌固めに極めていく真希。
真希も梨華も水着から見える胸の谷間に観客席から視線が集まる中、必死に耐える梨華。そして追い込もうとする真希。
必死にロープに逃げようと手を伸ばす梨華。
『ロープ・・・ロープ・・・』
梨華の手がロープに掛かるとレフリーが放させる。
真希が技を解いて距離を置いていくと、梨華も水着を気にしながら立ち上がる。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に、真希が大振りの張り手を放つと、梨華も張り手を返していく。
堪らず真希が梨華の髪を掴むと、そのままリング下に転落させた。
リング下に落とされてフラつく梨華。その梨華に真希はエプロンサイドからボディアタックを仕掛けると、梨華が大の字にリング下にダウンする。
続けて真希が梨華を起こしてから、鉄柵に振ると梨華が鉄柵に叩き付けられて倒れ込んだ。
ガッシャーン・・・
鉄柵に寄りかかるようにダウンする梨華に、真希は両手を叩いてアピールしてから、梨華のバストを踏みつける様にして観客にアピールした。
そして髪を掴んで起こしてから、背中にハンマーパンチを落としてからエプロンサイドに顔面を叩き付けていく真希。
ラフファイトの連続に梨華が試合の流れを掴めないと、真希は梨華をリング上に戻していく。
真希もリング上に戻ると、梨華のお腹にストンピングを入れてから、両足をキャッチして足四の字固めを仕掛けた。
グイッ・・・
「ああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
足四の字固めを極められて悲鳴をあげる梨華。
必死にロープに逃れようと手を伸ばすと、バストが水着から飛び出しそうになっても、激痛にそれどころではない梨華。
しかし梨華も意地になると、身体を反転させて反撃に出た。
逆になると真希の両足にも激痛が走り苦しい真希。
堪らず技を解いていくと、お互いが足を気にしながら立ち上がる。
しかし梨華が走り込むと、フライングラリアットを仕掛けるも踏ん張りが効かずに弱い当たりに。
フラつく真希は、ロープに走って勢いをつけてからラリアットを放つと、梨華の喉元を抉った。
真希のラリアットに大の字の梨華。
真希は肘をアピールすると、梨華のバストを狙ってエルボードロップを落としていく。
グニュ・・
「はうっ・・・」
エルボーを落としたまま、真希がフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・』
バストへの衝撃に苦しい梨華が必死に返すと、真希は腕を狙うも梨華がロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの言葉に真希が立ち上がると、梨華も腕を気にしながらも立ち上がる。
『ファイト!』
レフリーが続行の掛け声をかけると、距離を置いて睨み合う梨華と真希。
梨華が片手を出して力比べを誘うと、真希も片手を出して組み合うが、梨華が喧嘩キックからロープに振った。
そして勢いよくロープから戻る真希にドロップキックを放つと、倒れ込んだ真希が起き上がる瞬間、顔面にドロップキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「んあぁぁぁぁぁぁ・・・・」
堪らず悲鳴をあげてマットに倒れ込む真希。
グイッ・・・
「あうっ・・」
容赦なく真希の髪を鷲掴みにして起こしていく梨華が、そのままバックからチョークスリーパーを仕掛けると、真希が狂ったようにロープに逃れた。
『ロープ・・・』
レフリーの言葉に技を解く梨華。しかし直後にチョークスリーパーを仕掛けると、真希の表情が苦痛に歪む。
しかしロープを掴んだからと、レフリーが梨華を止めていくと、仕方ないと言う表情で技を解く梨華。
腰へ膝蹴りを入れてから、痛がる真希に踏ん張ってのボディスラムを仕掛ける梨華。
バッシーン・・・
まさかの投げ技に観客席が盛り上がると、梨華が素早くフォールした。
『ワン・・・ツー・・・』
お互いのバストが押しつけられるようなフォールだったが、真希が返すと梨華は首4の字固めを仕掛けていく。
グイッ・・
「くっ・・うっ・・・」
締め付けられて苦しい真希。
梨華も腰を浮かせるなどして追い込んでいくと、必死に逃れようとする真希。
レフリーもギブアップの確認をするが、真希はギブアップせずにロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの言葉に梨華が技を解くと、立ち上がってバストへストンピングを入れてから、髪を掴んで起こしていく。
そしてヘッドロックを仕掛けるが、真希が身体を密着させてバックドロップで返した。
バシィィィィ・・・
後頭部からマットに叩き付けられてグッタリする梨華。
仕掛けた真希も衝撃でなかなか起き上がれないと、水着を直しながらもフラつきながら立ち上がっていく。
マットに倒れている梨華に、真希は観客にアピールしてからロープに走った。
そして勢いよくジャンプしてお腹へフットスタンプを叩き込んだ。
バシッ・・・
「ぐふっ・・」
これには梨華が吐き出しそうな表情を浮かべるも耐えるが、お腹への衝撃は相当のダメージを受けたのか、両手でお腹を押さえて藻掻き苦しんでいる。
苦悶の表情の梨華は転がるようにロープに逃げると、真希はサッカーボールキックでリング下に落としていく。
バシッ、バシィィィィ・・・
蹴られて転落していく梨華は、リング下で苦悶の表情でお腹を押さえてダメージ回復しようとするが、真希はリング下に降りると、観客席からパイプ椅子を持ち出して梨華に迫った。
そしてパイプ椅子の角の部分で、苦しむ梨華のお腹に一撃喰らわす真希。
グニュ・・・
「んああぁぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげる梨華。同じメンバー同士だったのに情け容赦ないファイトに観客席が盛り上がる。
更に髪を鷲掴みにしてから、無理矢理起こしてから近くの鉄柱に顔面を叩き付ける真希。
ゴキィィィ・・・
「きゃああぁぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる梨華。ラフファイトが続いて苦しい展開になってきている試合の流れ。
鉄柱に抱きつくようにダウンする梨華に、真希はアピールしてから背中に蹴りを入れていく。
そして髪を掴んでリングサイドを連れ回すと、勢いよく鉄柵に振ろうとするが、梨華が体勢を入れ替えて真希を鉄柵に叩き付けた。
ガッシャーン・・・
「あうっ・・」
鉄柵に叩き付けられてダウンする真希。
梨華もフラつきながらも近づくと、真希のバストへサッカーボールキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
バストを蹴られて苦悶の表情を浮かべる真希。苦しむ真希の髪を掴んでリング上に戻そうとする梨華。
エプロンサイドに上がると、梨華が真希の顔面をトップロープに擦りつけていく。
ギュギュ・・ギュ・・・
「んああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
ロープとの摩擦で絶叫する真希。意外な梨華のラフファイトに観客席からは歓声が送られていく。
梨華が観客に片手を挙げてアピールすると、真希にチョークスリーパーを仕掛けて、そのまま絞首刑状態に真希を宙づり状態にしていく。
踏ん張っている梨華。真希の喉元に腕が食い込んで苦しい状態になっていくと、真希が必死に梨華の腕を掴んでいく。
左右に振ると真希の身体がブラリブラリと動いて、更に真希を苦しめていく。
しかし梨華の踏ん張りがなくなり真希は絞首刑スリーパーから解放されると、リング下に転落した。
ドサッ・・
「ううっ・・・うっ・・」
リング下で倒れ込んで喉元を押さえて苦しむ真希。
梨華もリング下に降りると、俯せ状態で苦しむ真希の後頭部にストンピングを入れると、髪を掴んで起こしていく。
起こされると、真希も意地になってチョップを入れるが、絞首刑スリーパーのダメージから力が入らないと、梨華がスタンディング状態のスリーパーを仕掛ける。
グイッ・・
しかし真希が抵抗して逃れると、蹴りとパンチで抵抗していく。
動きの鈍る梨華に、真希が組み付いてのチョークスリーパーを仕掛けると、喉元に食い込んで苦しい梨華。
場外でのチョークスリーパーに観客席からは歓声が巻き上がった。
『落とせっ、落とせっ、落とせっ!』
場外で倒れ込んで、真希は両足を絡みつかせてアナコンダスリーパーに移行すると、梨華の抵抗が少しずつ失われていく・・・。
失神寸前まで追い込まれていく梨華。一方的展開からの真希の逆転に歓声が上がると、真希が技を解いて立ち上がった。
失神寸前でグッタリして口から涎を垂れ流す梨華に、真希は両手を叩いて観客を煽っていく。
そして髪を鷲掴みにして無理矢理に起こそうとすると、強烈な張り手を叩き込んで意識を戻させると、そのままリング上に梨華を上げた。
続いて真希もリング上に戻ると、俯せで苦しそうにしている梨華の顔面に、フットサルの様にサッカーボールキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
顔面への強烈な蹴りにグッタリしていく梨華。
真希が仰向けにして覆い被さる様にフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし梨華の足がロープに伸びると、レフリーがカウントを止めた。
カウントが止まると、真希が梨華を起こしてコーナーに押し込んでいくと、逆に梨華が強烈な張り手を放った。
バッシーン・・・
梨華の張り手に口との中を切った真希。口の中に拡がる血の味に、拳を握りしめて殴り返した。
ゴキッ・・
コーナーの梨華の頬に強烈なパンチを一撃。
これには梨華の動きが止まると、真希は続けてパンチを入れていく。
バキッ・・バシッ・・
顔面へのパンチの連発に、梨華の顔が腫れだしていく。
顔へのパンチ攻撃の連発に動きが止まる梨華。
レフリーが素手での顔面パンチが反則だからと注意すると、梨華も負けじと殴り返していく。
真希の顔面へもパンチが当たるも、真希が組み付いてスープレックス気味にマットに叩き付けてから、梨華を俯せにするとバックからチョークスリーパーを仕掛けた。
グイッ・・
締め上げられて苦悶の表情を浮かべる梨華。
真希も揺さぶる様にして締め上げると、梨華の抵抗が少なくなっていく・・・。
レフリーが梨華にギブアップの確認をするが、梨華は必死に逃れようとロープを目指す。
しかし真希のチョークスリーパーが完全に極まって意識を失う梨華・・・。
『カンカンカンカン・・・』
梨華の失神にレフリーがゴングを要請して試合を止めた。
『ただ今の試合、五藤真希の勝利となりました!』
リングアナのコールに、真希は技を解いてからゆっくりと立ち上がるのであった。
一方、敗れた梨華はリングドクターの応急処置を受けて意識を戻すと、真希と健闘を讃え合う様に握手をするのであった。
元猛娘同士の激しい試合に、観客席からも両者に大きな拍手が送られて終えたこの試合。
真希の今後の予定は発表されていないが、地下リングに上がる可能性は残された試合であった・・・。



第4試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、アキバ48のメンバーの板乃友美。黒いスポーツビキニに黒いリングシューズ姿でリングインすると、胸の谷間を少しだけ出した格好で観客席に片手を挙げてアピールする友美。
その友美の対戦相手としてリングインするのは、モデルとしても人気の笹木希。白いスポーツビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、友美と視線を合わさずにコーナーに進むと観客席に向かって頭を下げた。
『モバイル系CMクイーンマッチ・・・青コーナー〜・・・身長154p、上から78、55、78・・・板乃友美〜っ!』
そしてコールが始まると、緊張した表情でコールを受ける友美。身長差ある対戦相手の登場に戸惑いを隠せない。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から80、58、82・・・笹木希〜っ!』
そしてコールを受ける希。余裕が感じられる動きで観客にアピールすると、コーナーに寄りかかっては水着を直してゴングを待った。
コーナーで希は黒服に呟く。
「秒殺って言うか・・・一方的にやっちゃっていいんでしょ?」
希の言葉に黒服はOKと合図すると、希が頷いた。
対して友美は格闘技戦や喧嘩マッチでないからと、プロレスルールでの試合だからと、身長差をどう埋めるか考えていたが、ゴングが鳴らされていくリング上。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出す希。
対して構えたままコーナーから動けない友美。
ガードを上げた希が距離を詰めると、いきなりローキックを叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・
友美の太股に叩き込まれたローキックに、友美がガードを固めていく。
更に希がローキックを放つと、友美の太股に叩き込まれては、早くも内出血していく友美の太股。
変色していくと早くも観客席からは、秒殺勝利を期待しての歓声が飛び出した。
観客席からの声に緊張感を隠せない友美。
ガードを上げていると、希がミドルキックを放った。
バシィィィィ・・・
脇腹への蹴りに苦悶の表情を浮かべてフラつく友美。
そこへ希が踏み込んで飛び膝蹴りを狙うも、友美が避けていく。
しかしバランスを崩した友美に対して、希が髪を鷲掴みにしてコーナーポストに顔面を叩き付けていく。
バシッ・・バシッ・・
「きゃああぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげる友美。完全に試合は希のペースになっていくと、身長差があるからとフロントネックロックを極めていく希。
抵抗する友美。逃れようとするも希が完全に技を極めて意識を失いそうになる友美。
格闘技番組などの経験からも希は的確な流れで試合を勝利しようとしているが、観客席の反応を見て技を緩めた。
そして首相撲から、身長差がある友美に対して膝蹴りを叩き込むと、堪らず崩れ落ちていく友美。
ダウンした友美を無理矢理に起こしていく希。そのままコーナーに押し込んでいくと、両腕をトップロープに絡まされていく友美。
観客席が盛り上がっていくと、希が拳を固めて観客にアピールする。
「いくよ〜っ!」
希のアピールに盛り上がる観客席。
動きの止まった友美に、希は固めた拳をお腹に叩き込んでいく。
ドスッ・・
「ううっ・・・うぐっ・・うっ・・・」
ボディへの強烈なパンチに苦悶の表情を浮かべる友美。
更にサディスティックな表情でお腹へパンチを叩き込む希。
ドスッ・・ドスッ・・
「ウゲッ・・・うううっ・・あうっ・・・」
口から涎を垂らしながら泣きそうな表情の友美。
スポーツビキニだから生腹に叩き込まれていく拳に、観客席からは更に殴れと声が飛んでいく。
ドスッ・・ドスッ・・・
「ううっ・・うぐうっ・・・ううっ・・・ぎ・・ギブ・・・」
お腹への強烈な腹パンチの連発に、友美の口からギブアップの言葉が漏れていく・・・。
しかし希はギブアップの言葉を聞きながらも許さない・・・。
「何いってるのよ、簡単にギブアップなんて言わないでよ・・・おチビさん・・・」
希が冷たく言い放つと、希の拳が更に友美のお腹に叩き込まれていった。
ドスッ・・ドスッ・・ドスッ・・
「ウゲッ・・・うぐっ・・ふぐうっ・・・」
お腹へのパンチの連発に涎を垂れ流して苦しむ友美。涙目になっているが、希は構わず殴りつけていく。
ドスッ・・・ドスッ・・・ドスッ・・・
殴られ続けて、口から胃液の様な液体まで垂れ流す友美。
一方的な試合展開に、観客席からも大歓声が起きていく。
希が笑みを浮かべると、コーナーの友美のボディへ膝蹴りを叩き込む。
ドスッ・・・
「ぐぼおっ・・・オエッ・・・」
強烈な膝蹴りに友美が口から吐瀉物を撒き散らしていく。
グッタリしていく友美に、希が余裕の表情で観客席にアピールすると、レフリーに試合を止めてとばかりに哀願する友美をコーナーから引き離すと、髪を鷲掴みにしてリング中央へ連れ出していく。
「・・や・・やめ・・て・・・」
友美が戦意喪失状態になっているが、希はバックからチョークスリーパーで締め上げる。
友美の表情が苦悶に変わるが泣き顔で逃れようとするも、希が完全に技を極めて逃れられない。
座り込むように崩れ落ちると、希が両足を絡めてアナコンダスリーパーで全身を締め上げていく。
レフリーがギブアップの確認をするが、友美が意識を失って失神してしまった・・・。
『カンカンカンカン・・・カンカンカンカン・・・』
ここでレフリーが試合を止めていくと、希が技を解いて立ち上がった。
『勝者、笹木希っ!』
レフリーが希の手を挙げると、希は当然と言う様な表情を浮かべて観客にアピール。
歓声を浴びながら失神してグッタリする友美の顔面を踏みつけてから、リングを降りていくのであった。
一方的な敗北をした友美は、リングドクターの応急処置を受けてから意識を戻すと、地下プロレスの厳しさに泣きながらリングを降りるのであった・・・。




第5試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、女優の藍武紗季。黒い競泳水着に黒いリングシューズで戦闘的なリングコスチュームでリングインすると、観客席に向かって頭をさげていく。
紗季がコーナーに寄りかかって対戦相手を待つと、その紗季の対戦相手としてリングインするのは女優の鈴本京香。
芸能ニュースで恋人との破局が報道された京香は、その原因が紗季にあったと報じられると、地下リングでカードが組まれる事が決定した。
白い胸元を開いたワンピース水着に、白いリングシューズの京香。43歳と言う年齢でも水着姿が様になっている。
『青コーナー〜、身長165p、上から84、57、87・・・藍武紗季〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする紗季。既に対戦相手の京香を睨み付けている。
『赤コーナー〜、身長166p、上から88、59、89・・・鈴本京香〜っ!』
そしてコールを受けて一礼していく京香。胸元から覗く胸の谷間に観客席が盛り上がった。
43歳の京香と26歳の紗季。年齢差のある対戦カードに、短い時間での紗季の勝利が予想されるこの試合。しかし京香も地下プロレス第1回大会から出ているベテランだけに、どんな試合が展開されるのか・・・。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、まずはコーナーからゆっくりと進み出る京香。
紗季も距離感を掴みながら京香に近づくと、ガードを上げて格闘技スタイルと言う感じで前に出た。
バシッ・・
まずは軽くローキックを放つ紗季。
構わず前に出る京香は、強烈な張り手を紗季の頬に叩き込む。
バッシーン・・・
「ぶふっ・・」
堪らず涎の飛沫を飛ばす紗季。強烈な張り手に一瞬動きが止まると、京香が張り手を更に叩き込んだ。
バッシーン・・・バッシーン・・・
張り手の連打に紗季の動きが止まるが、紗季も負けずに張り手を入れた。
バッシーン・・・
「痛いんだよ!」
紗季が叫びながら張り手を叩き込むと、続けてエルボースマッシュからロープに振っていく。
胸を揺らしながらロープから戻る京香に、紗季がドロップキックを叩き込んでいく。
バシィィィィ・・・
倒れ込む京香に、紗季が髪を鷲掴みにして起こしていくと、京香がお腹へパンチを入れていく。
しかし紗季がヘッドロックに捉えていくと、京香が組み付いてバックドロップを炸裂させた。
ドッシーン・・・
バックドロップを受けて動きの止まる紗季。後頭部を叩き付けられて苦しい状態に。
京香が素早くフォールすると、紗季がカウントが始まる前に返していく。
返されると腕を狙う京香だが、紗季がロープに足を伸ばした。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの言葉に立ち上がる京香。
紗季も水着を直しながら立ち上がると、京香が水平チョップを喉元に叩き込む。
バッシーン・・
「ううっ・・くっ・・・」
喉元への水平チョップに苦悶の表情の紗季。
しかし京香の喉元に水平チョップを返すと、続けてロープに振っていく紗季。
ロープから返ってきた京香に、紗季がジャンピングニーパッドを放つと、膝がバストを抉って悲鳴をあげる京香。
グニュ・・
「あああぁぁぁぁぁぁ・・・」
胸を押さえて倒れ込む京香に、紗季が勢いをつけてストンピングで蹴りこむと、続けて足をキャッチしていく。
そして反転して片逆エビ固めを仕掛ける紗季。
グイッ・・
「んあぁぁぁぁ・・・ああっ・・」
技を極められて表情を苦痛に歪ませる京香。
必死にロープに手を伸ばす京香。胸元から溢れそうになるバストに観客席が盛り上がるも、京香は激痛から逃れる為に必死に手を伸ばした。
『ロープ・・・ロープ・・・』
京香の手がロープを掴むと、レフリーが紗季に技を解くように指示していく。
紗季が技を解くと、京香が腰を気にしながら立ち上がるも、紗季はミドルキックなど打撃技で攻め込んだ。
蹴りこまれてロープに追い込まれる京香。紗季は遠慮無大振りの張り手を叩き込むと、続けて首相撲に捉えようとするも、京香が組み付いてグラウンドに持ち込んでいく。
倒されて藻掻く紗季に、上手く腕をキャッチしていく京香。これには紗季がロープに逃れる。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの言葉に京香が技を解くと、起き上がって距離を置いていく。
紗季も立ち上がると距離を置くが、京香の動きを注意深く見ていた・・・。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく両者。
距離が詰まると、紗季がローキックを放つと蹴られて痛がる京香。
更に紗季がローキックを放つと、京香が蹴り足に合わせてタックルを仕掛けて組み合うと、そのままロープに縺れ込む展開に。
組み合っている京香と紗季。紗季も冷静に組み合っていると、京香がお腹へパンチを入れていく。
バシッ・・
これには紗季も殴り返すと、京香がヘッドロックで締め上げた。
紗季がお返しのバックドロップを狙うも、京香が逆にブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けていく。
バッシーン・・・
「んああぁぁぁ・・・」
マットに叩き付けられて悲鳴をあげる紗季。
続けてキャメルクラッチで痛めつけていく京香。紗季が両足をバタつかせて痛がっている。
レフリーもギブアップの確認をするが、紗季も簡単にはギブアップはしなかった。
汗だくでキャメルクラッチを仕掛ける京香。大技などを繰り出してスタミナ面で心配が出てきているが、若い紗季を果敢に攻め込んでいく。
ギブアップを奪えずに技をと解いていく京香は、そのままSTFに移行して紗季を攻め込んだ。
グイッ・・
「あうっ・・ううっ・・」
技を極められて苦しい紗季。
京香も必死にギブアップ狙いで締め上げるも、汗で滑り出して技も崩れだしていくと、紗季がロープに手を伸ばして逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
技を解くと素早く起き上がってから紗季を起こして、ロープに振っていく京香。
しかし紗季がロープから返るとボディアタックを仕掛けた。
バシィィィィ・・・・
ボディアタックを受けて倒れ込む京香。紗季がそのままフォールすると、レフリーがカウントを数える。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし京香が返すと、紗季はお腹にパンチを入れてから髪を掴んで起こしていく。
そして大技パイルドライバーを仕掛けようとすると、京香が下を向いたままロープまで押し出して逃れた。
ロープを背に技を仕掛けようとする紗季。京香はリバースブレンバスターで返すと、紗季の表情が苦悶に歪む。
しかし技を仕掛けた京香も呼吸を荒げて技が続かないと、倒れ込む紗季に技を仕掛けずに呼吸を整えていく。
紗季が立ち上がると、動きの鈍る京香にタックルを仕掛けた。
しかし倒さずにコーナーに押し込んでいくと、フロントスリーパー気味にキャッチする京香をコーナーに押し込むだけで時間を稼いだ。
呼吸の荒い京香。年齢差もあるがスタミナが切れかかっているのか、苦しそうな様子。
そして紗季が左右のパンチをボディに入れると、コーナーに押し込んだ京香の喉元に水平チョップを叩き込んで、続けて首投げでマットに投げつけた。
バッシーン・・・
投げつけてから、ヘッドシザースで締め上げていく紗季。
苦悶の表情で耐える京香。紗季もギブアップ狙いで締め上げた。
「ギブアップ?・・・ギブしなさいよ!」
紗季の言葉に耐えていく京香。
耐える京香に紗季が技を解くと、髪を掴んで起こしてからミドルキック、そしてノーガードのバストへハイキックを叩き込んだ。
バストへの蹴りにフラつきながらロープに寄りかかる京香。胸への蹴りが苦しいのか動きが止まると、紗季が左右の張り手を入れてから、お腹へミドルキックを叩き込んでいく。
バシィィィィ・・・
「うぐっ・・」
蹴りを受けて身体をくの字にして苦しむ京香。
その京香の顎を狙ったアッパー気味の掌打を打ち込む紗季。
バシッ・・
掌打を顔面に受けて動きの止まる京香。
動きの止まった京香に、紗季がヘッドロックで締め上げてリング中央へ連れ出すと、体勢を入れ替えてフロントヘッドロックに移行してから膝蹴りを入れていく。
蹴りこまれて苦しい京香。しかし踏ん張って紗季に組み付いて押し込んでいく。
紗季も踏ん張るとスタミナを消耗する展開になっていくが、京香が何とかロープに押し込んだ。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に紗季が技を解くと、京香は大量の汗をかいて呼吸を荒げている。胸の谷間へも汗が流れ込んで、スポットライトの光に汗が輝いている。
『ファイト!』
レフリーの指示に水着を直しながら距離を置く京香。
紗季には余裕すら感じられるが、少しずつ距離を詰めると、軽くローキックを放っていく。
バシッ・・
蹴りを嫌がる京香。
紗季は組み付かない様に、ミドルキックを放ってからハイキックで牽制していく。
ハイキックは避けるも、太股など内出血で変色する京香。
フラついている京香に、紗季が左右の張り手を叩き込む。
バシィィィ・・・バシィィィィ・・・
張り手を受けて口の中を切って血飛沫をあげる京香。
白い水着にも赤い血が舞う中、紗季が左右の張り手を入れていく。京香も張り手を返すが紗季の勢いが上回った。
余裕の紗季が髪を掴んで観客にアピールする。
「決めるよ〜っ!」
紗季のアピールに観客席が盛り上がると、いきなり京香が紗季のバックを奪った。
突然の反撃に驚く紗季に、京香がチョークスリーパーを仕掛けた。
喉元に食い込む京香の腕。地下プロレスベテランらしく完全に技が極まっていると、紗季が苦悶の表情でロープに手を伸ばす。
しかしロープに届かないと、京香が左右に振っていく意識を失いかけていく紗季。
紗季がマットに崩れ落ちると、京香が両足でボディシザースの様に締め上げてアナコンダスリーパーに移行すると、紗季の反応が少なくなっていく・・・。
レフリーも紗季をチェックするが、紗季が失神状態になっていくと危険と判断してゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、ここで京香の勝利が決まった。
『勝者、鈴本京香っ!』
リングアナのコールにゆっくりと立ち上がる京香。
一方、マットにはグッタリと意識を失った紗季。
片手を挙げられていく京香。汗だくになりながら薄氷の勝利と言うところだろうか。紗季も油断でチョークスリーパーを極められたのが敗因だったのだろう・・・。
地下プロレス第1回目大会から参戦して、この勝利で5戦3勝の京香。43歳となったベテランだが、次の試合は誰と当たるのか。
紗季も負けたが4戦2勝で、今後も期待されるので来年の地下リングでも元気なファイトが見たい1人であった。
京香がリングを降りると、紗季は担架に乗せられてリングを後にした。


第6試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、2011年のグラビア界でトップクラスのグラビアアイドルの良樹りさ。白いビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、緊張しながらも観客席に向かって頭を下げていく。
タレントとして活動する上で、地下プロレスの噂は聞いていた様で、同じ事務所の乙羽、椙原杏璃などとプロレスの練習は積んできたとと言うりさ。しかし初めての地下プロレスのリングに緊張感は隠せない。
そのりさの対戦相手としてリングインするのは、同じく2011年はグラビアで活躍した原幹絵。Oプロ美女軍団の中でもグラビア活動が中心で最近では女優としてもステップアップしている幹絵。りさと同じく白いビキニに白いリングシューズ姿だが、Gカップバストが作り出す谷間には観客席は大興奮している様子。
『青コーナー〜・・・身長162p、上から80、59、88・・・Cカップ・・・良樹りさ〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールするりさ。観客席からは歓声が飛んでいく。
『赤コーナー〜・・・身長163p、上から94、61、88・・・Gカップ・・・原幹絵〜っ!』
そしてコールを受けた幹絵は片手を挙げてアピールすると、試合に向けて身体を動かしてはウォーミングアップしていく。
コーナーでウォーミングアップする幹絵の、大きく揺れるバストに早くも観客席からはため息が漏れた。
りさもこれから始まる試合に向けて身体を動かしていると、レフリーが2人をリング中央へ呼び出してから、ルール説明をしてからコーナーに別けられていく。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、まずはコーナーから飛び出す幹絵とりさ。
距離を置いて組み合わないと、挑発する様に幹絵が距離を詰めていく。
りさが緊張した表情でロックアップで組み合うと、幹絵がそのままロープ際へ押し込んだ。
ロープだからと幹絵が放すと、素早くりさをロープに振っていく。
ロープから戻ってきたりさに、バストを強調した様なGカップバストアタック(ボディアタック)でりさをダウンさせていく幹絵。
起き上がるりさに、幹絵がヘッドロックで締め上げると、寄せられたバストの迫力に観客席からは歓声が起きていく。
苦しむりさはロープに振って返したいが、幹絵が両足を広げて踏ん張って締め上げていく。
痛がるりさに、幹絵はヘッドロックからブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
「きゃあぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげるりさ。
俯せで痛がっていると、幹絵がキャメルクラッチを仕掛けていく。
グイッ・・
「あうっ・・・」
上半身を反らされて苦しむりさ。両足をバタバタさせて藻掻き苦しむりさに、幹絵が早くもギブアップ狙いか揺さぶりかけて痛めつけた。
レフリーもギブアップの確認をするが、りさは必死に耐えていく。
耐えるりさから技を解くと、幹絵が立ち上がってからヒップドロップを背中に落とす。
ドッシーン・・・
「んああぁぁぁぁ・・・」
またも大きな悲鳴をあげるりさ。
グイッ・・
「あうっ・・」
りさの髪を鷲掴みにして起こしていく幹絵。
ここでりさが蹴りを入れて反撃をすると、続けてドロップキックを放つりさ。
バッシーン・・・
りさのドロップキックに倒れ込む幹絵に、りさが続けてドロップキックを放っていく。
バッシーン・・・
バストを揺らしながらダウン、そして起き上がっていく幹絵に、りさが組み付いてスリーパーを仕掛けた。
グイッ・・
「ううっ・・・くっ・・・」
スリーパーで締め上げられて苦しむ幹絵は、素早く近くのロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に技を解くりさ。幹絵も喉元を気にしながらも距離を置いていく。
『ファイト!』
レフリーの指示にりさは距離を詰めると喧嘩キックから、フロントスリーパーを仕掛けていく。
しかし幹絵が組み付いた状態でコーナーに押し込むと、脇腹へ両手でパンチを叩き込んだ。
バシッ・・バシッ・・
「うっ・・ううっ・・」
脇腹を殴られて苦しむりさ。動きが鈍くなると幹絵が一気に離れてから、走り込んでお腹へ喧嘩キックを放った。
ドスッ・・
「ふぐうっ・・・ううっ・・・」
苦悶の表情でお腹を押さえてコーナーに崩れ落ちるりさ。
更にコーナーでりさの髪を掴むと、拳を握りしめて額にパンチを入れていく幹絵。
バキッ・・バキッ・・
「きゃああぁぁぁぁ・・・」
殴られて悲鳴をあげるりさ。
幹絵が拳をアピールすると、更に額にパンチを入れていく。
バキッ・・
これにはレフリーが反則だからと制止していくと、幹絵がりさを放してリング中央へ向かった。
りさは額を気にしながらも、水着を直してから立ち上がる。
『ファイト!』
レフリーが続行を促すと、コーナーから出るりさに、幹絵が走り込んでラリアットを叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・
「ぶふうっ・・・」
喉元に強烈なラリアットを受けて涎の飛沫をあげてダウンするりさ。
幹絵がゆっくりと近づくと、喉元にエルボードロップを落としていく。
ドスッ・・
「うぐっ・・」
泣きそうな表情を浮かべるりさを、エルボーに続いてフォールする幹絵。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・』
しかしギリギリ返していくりさ。エルボーの威力にダメージが大きい様子。
りさの抵抗が少なくなってきたからと、幹絵が観客にアピールすると髪を掴んで起こしていく。
そして体重差があるからと、ボディスラムでマットに叩き付けると、グッタリするりさをゆっくりとパイルドライバーの体勢に持ち込んでいく。
ツームストンパイルドライバーの体勢になると、りさにプロレスの大技の恐怖心を植え付けるかのように、ゆっくりと四方の観客にりさのヒップと背中などを見せつけるかのようにしてから、脳天からマットに叩き付けた。
ドスッ・・
「うぐっ・・ううっ・・・」
ツームストンパイルドライバーを受けてグッタリとしていくりさ。仰向けになって動けないと、幹絵がロープに走って飛び上がると、バスト同士が当たる様なGカップボディプレスを炸裂させる。
バシィィィィ・・・
幹絵の大きなバストが押し潰すと、りさは両足をバタバタさせて苦しんだ。
そして幹絵が立ち上がると、痛がって起き上がれないりさの両足を抱え込んで、ゆっくりとステップオーバーしての逆エビ固めを炸裂させる。
グイッ・・
身体がエビ反りになって激痛を受けて、りさが狂ったように悲鳴をあげた。
「痛いぃぃぃ・・・イタァ〜・・・いやああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
りさの絶叫する様に、幹絵が揺さぶるように痛めつけていく。
マットを激しく叩いて悲鳴をあげるりさ。
幹絵が腰を落としていくと、りさの身体がCの字のようになっていく。
あまりの激痛にりさがマットを叩きながら泣き出すと、遂にギブアップの言葉が口から出た・・・。
「ギブアップ・・・ギブアップぅぅぅぅぅ・・・・ギブぅぅぅぅぅぅ・・・・」
マットを叩いてギブアップするりさ。
りさのギブアップにレフリーがゴングを要請すると、ここで幹絵の勝利が決まるのであった。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされて幹絵が技を解くと、りさはグッタリと俯せのまま両手で顔を覆った。
『勝者、原幹絵っ!』
リングアナのコールに片手を挙げてアピールする幹絵。大きなバストをアピールしながらも、笑顔でリングを降りるのであった。
一方、負けたりさは練習不足を感じたのか、何も出来ない展開に悔し涙を流しながら観客に頭を下げると、リングを後にした。



第7試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、女優の掘北真希。白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、早くも観客席に向かって頭を下げてからコーナーに進んだ。
その真希の対戦相手としてリングインするのは、グラビアアイドルから女優と確実に活動の幅を広げている大池栄子。女優対決として組まれたカードだが、明らかに体格など差があり真希にとっては苦しい展開が予想される組み合わせ。
黒いスポーツビキニに黒いリングシューズ姿の栄子。元グラビアで活躍しただけに水着姿は似合っているが、対戦相手の真希を睨み付けてはコーナーに進んでいく。
『青コーナー〜・・・身長160p、上から78、58、83・・・掘北真希〜っ!』
コールを受けて一礼していく真希。流石に対戦相手の栄子の迫力に押され気味の様子。
『赤コーナー〜・・・身長163p、上から91、59、87・・・大池栄子〜っ!』
そして栄子はガッツポーズを決めてアピールすると、観客席に向かって勝利をアピールする。
レフリーがルール説明をしてからコーナーに別れると、緊張の様子の真希と余裕すら感じられる栄子。その2人の立つリングにゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングの音にコーナーか飛び出す栄子と真希。
まずは距離を置いていく両者。真希としてもベテランの栄子に真正面から挑んだら潰されると思って動き回ると、栄子も腰を落として構えていく。60sの体重の栄子と、50sもない様な真希では組み付いたら苦しい展開だろう。
真希がロープワークを使っていくと、栄子に対してフライングボディアタックを仕掛けた。
バシィィィィ・・・
真正面から技が決まるが、栄子が受け止めていく。
そして真希をマットに投げ捨てると、真希は焦るように転がってリング下に逃れた。
栄子が挑発する様にリング上から手招きすると、真希はリング下で水着を直しながらも呼吸を整えていく。
そして真希がエプロンサイドに上がると、栄子がロープ越しに髪を掴むと、真希もお腹へパンチを入れて抵抗する。
しかし力の差もあり栄子がコーナーに連れ出すと、エプロンサイドの真希の顔面をコーナーの鉄柱に叩き付けた。
ゴキッ・・
「きゃああぁぁぁぁ・・・・」
堪らず悲鳴をあげる真希。フラついて場外に転落すると、栄子がトップロープに登って観客にアピールした。
栄子のアピールに歓声とブーイングが入り交じる会場内。
顔を気にしながらリングサイドを歩いては、リング上の栄子の動きに注意しながらリングインのタイミングを計る真希。
そして素早くリングに戻ると、前に出る栄子に低空タックルを仕掛けてテイクダウンを奪うと、観客席が盛り上がっていく。
続けて足を掴んでストンピングを太股に入れてからアキレス腱固めを仕掛ける真希。
グイッ・・・
「くっ・・」
アキレス腱固めを仕掛けられて痛がる栄子。転がるようにロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが真希に放すように指示すると、真希が技を解いて立ち上がった。
栄子も足を気にしながら立ち上がると、真希がエルボースマッシュから首投げで栄子をマットに叩き付けていく。
バッシーン・・・
小柄な真希の首投げに観客席が盛り上がると、続けてスリーパーで締め上げていく真希。
締め上げられていく栄子がロープに手を伸ばすと、ここでロープブレーク。
『ロープ・・・ロープ・・・』
上手くロープに逃れる栄子。
技を解いて立ち上がる真希。栄子も喉元を気にしながらも立ち上がると、真希を睨み付けて距離を詰めた。
バシッ・・
チョップ気味に栄子のバストへ叩き込む真希。
しかし栄子はフラつくどころか、逆に真希の喉元に強烈なチョップを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・」
強烈な一撃に動きの止まる真希を、栄子が勢いよくロープに振っていく。
そしてロープから戻る真希に、栄子が叫んだ。
「掘北〜っ!」
叫び声を上げながら強烈なラリアットを叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・
ラリアットを受けて大の字にダウンする真希。天井を見上げる視線は虚ろになっている。
グイッ・・
「まだまだ始まったばかりでしょ・・・」
栄子が囁くと、真希の髪を鷲掴みにして起こしていくと、今度はボディスラムでマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
大の字になって苦悶の表情を浮かべている真希。
続けてアピールしながら真希の顔面を踏みつけていく栄子。
「レフリー、フォール、フォール!」
カウントの要求をする栄子。
真希は素早く肩を浮かせてカウントは取られないが、顔面踏みつけは精神的には辛い攻めだった。
グイッ・・
「ああんっ・・」
真希を無理矢理起こしてから、栄子はそのままコーナーに押し込んでいく。
そして水平チョップで動きを止めてから、必殺技のブレンバスターの体勢に持ち込んだ。
しかし真希も膝蹴りで抵抗するも、栄子が無理矢理に持ち上げての滞空時間の長いブレンバスターを仕掛けた。
逆さま状態で落とされる直前の真希。力の差を感じて苦しい状態の中、栄子に豪快にマットに叩き付けられた。
バシィィィィィィ・・・・
「きゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
マットに叩き付けられて絶叫する真希。大きなダメージで動きが取れない。
栄子がゆっくりと近づくと、大きく飛び上がってボディプレスでフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・』
しかし真希も意地になって返していくと、観客席からは歓声が上がっていく。
『いいぞぉぉぉぉ・・・よく返した!』
『大池っ、もっと痛めつけてやれ!』
栄子がゆっくりと立ち上がると、真希は苦悶の表情で転がるようにリング下に逃れた。
リング下で白い競泳水着を直しながら、汗だくになって白い水着も汗ばむ真希。
リング上では栄子が余裕すら感じられる表情を浮かべていると、真希はゆっくりと立ち上がると、リング上の栄子を睨みつつもリングサイドを歩いてタイミングを計っていく。
しかしブレンバスターのダメージからか、時折腰などを押さえている姿に、体格差からも真希に同情の声が飛んでいる。
『掘北〜っ、頑張れ!』
声援も飛ぶ中、真希がリングサイドで黒服からペットボトルを受け取ると、口の中を漱いではバケツに吐き出していく。
呼吸を整えながらリングに戻ろうとするが、栄子が威嚇するとレフリーが栄子を抑えて、その隙にリングに戻る真希。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を置く栄子と真希。
そして真希がドロップキックを放つと、栄子はダウンせずにフラつくだけの状態。
悔しがるように続けてドロップキックを放つ真希。
バシィィィィ・・・
これには倒れ込むが素早く立ち上がる栄子。真希も素早く立ち上がるとドロップキックを放っていく。
バシィィィィ・・・
続けてスリーパーで締め上げる真希。
しかし栄子は苦悶の表情を浮かべるも、ロープに手を伸ばして逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
技を解くと素早くハイキックを叩き込む真希。
バシィィィィ・・・
真希のハイキックを受けてフラつく栄子。
しかし喧嘩キックをお腹に叩き込むと、真希をヘッドロックに捉えた。
グイッ・・
体格差からもバックドロップで返すこともできず痛がる真希。
栄子も観客にアピールする様にリング内を連れ回すと、真希は栄子の身体を叩いて痛がっている。
そして栄子が技を解くと、真希が苦悶の表情を浮かべて向かい合うと、栄子がボディスラムでマットに叩き付けていく。
バッシーン・・・
「んああぁぁぁぁ・・・」
叩き付けられて悲鳴をあげる真希。
更に喉元にエルボードロップを叩き込んでフォールする栄子。
『ワン・・・ツー・・・スリィ・・・』
決まったかと思った瞬間、真希が苦悶の表情を浮かべながらも返した。
大歓声の観客席。栄子が驚きの表情を浮かべると、立ち上がってからストンピングを入れていく。
そして両足を抱え込んでから、真希に逆エビ固めを仕掛けた。
グイッ・・・
「痛いぃぃぃぃぃぃ・・・」
堪らず絶叫する真希。栄子も観客にアピールする様に揺さぶると、必死にロープに逃れようと手を伸ばす真希。
ロープに手が届きそうになると、栄子が更にリング中央へ連れ出して痛めつけていく。
「ああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
泣きそうな悲鳴をあげて痛がる真希。
そして栄子が真希の後頭部に座るのではと言う体勢のエグイ逆エビ固めに移行すると、グッタリとして悲鳴をあげる真希。
『ギブアップ?・・・掘北っ、ギブアップ?』
レフリーの問いかけに必死で耐えていく真希。
「ノォォォォォ・・・・ノォォォォォォ・・・」
耐える真希に、栄子が技を解いて立ち上がると、痛めつけた腰へストンピングを入れていく。
真希が転がるようにロープに逃れると、栄子がサッカーボールキックを狙うもレフリーが止めていく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの言葉に栄子が距離を置くと、真希は腰へのダメージなど気にしてなかなか立ち上がらない。
グイッ・・
「立つんだよ!」
起き上がらない真希に髪を掴んで起こしていく栄子。
そしてフラフラしている真希に、豪快にボディスラムでマットに叩き付けていく。
バッシーン・・・
大の字状態でダウンする真希。虚ろな表情を浮かべていると、栄子がアピールしながら真希のバストを踏みつけた。
「レフリー、カウント!」
栄子のアピールにレフリーがカウントを入れていく。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・』
しかし真希が意地になって返すと、栄子も決めるつもりがなかったかの様に起こしていく。
起こすとバックから抱え込んでから、一気に持ち上げてアトミックドロップを仕掛けた栄子。
ゴキッ・・
「ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
尾てい骨割りを受けて絶叫する真希。
ヒップを押さえて藻掻き苦しむ真希に、栄子はサッカーボールキックを叩き込んで場外に落としていった。
リング下に転落する真希を横目に観客席に向かって片手を挙げてアピールする栄子。
リング下では真希が苦しそうに起き上がると、リングサイドを歩きながらスタミナを回復させようとするが、体格差のある栄子の攻めの前にダメージを増やしていた・・・。
白い競泳水着には汗が浮かび上がる中、真希がリングに戻ろうとすると、栄子が髪を掴んで強引にリング中央に連れ出していく。
そして髪を掴んだまま、マットに豪快にフェイスクラッシャーで叩き付けた。
バッシーン・・・
「きゃああぁぁぁぁぁぁ・・・」
顔面からマットに叩き付けられて絶叫する真希。両手で顔面を押さえてマットを転がっていると、栄子が起こしていく。
起こされると、真希が意地になって張り手を叩き込むと、蹴りから栄子をロープに振った。
ロープから戻る栄子に、真希がドロップキックを放つと打点が低くお腹に炸裂した。
バシッ・・・
「うっ・・・」
お腹にドロップキックを受けて痛がる栄子。
真希が素早く立ち上がってから、起き上がる栄子の顔面を狙ってジャンピングニーパッドを放った。
ゴキッ・・
「うわっ・・」
顎に膝を受けて倒れ込む栄子。真希が足を抱え込んでフォールする。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし栄子が返すと、悔しそうな表情を浮かべる真希。
素早く腕を狙いたい真希。しかし栄子が組み付いて逆の体勢に持ち込まれると、体重を乗せられて苦しい展開へ。
必死にブリッジで返そうとする真希に、栄子が体重差から押さえつけてスタミナを奪っていく。
真希の動きが鈍くなると、栄子がゆっくりと起こしてから観客にアピールすると、ここで真希が素早くバックを奪って逆さ押さえ込みを仕掛けた。
『ワン・・・ツー・・・スリィィ・・・』
カウントが進むが、まさにカウント2.99で返した栄子。その表情には余裕は感じられずにカウントが入ったと思ったのか焦りの色が浮かんでいる。
対して仕掛けた真希は、スタミナ切れかマットに倒れ込むと、栄子がマットを叩いて立ち上がると、真希の髪を掴んで起こしていく。
そして必殺技のブレンバスターの体勢に持ち込むと、コーナーに押し込んでセカンドロープに上げていく。
観客席からも歓声が起きる中、雪崩式ブレンバスターでマットに叩き付けていく栄子。
バッシーン・・・
これには真希は失神寸前とも言えるダメージを受けて大の字になって立ち上がれない・・・。
今度はグッタリしている真希をパイルドライバーの体勢に持ち込もうとする栄子。
競泳水着の紐を掴んで起こそうとすると、真希の水着が脱げそうになるも構わず体勢を作り出した。
逆さ吊り状態になってグッタリしている真希。
その真希の表情を観客にアピールする様に、栄子が四方へ向いてアピールすると、一気に脳天からマットに叩き付けた。
ドスッ・・
「ふぐうっ・・・」
身体をピクピクさせていく真希。
「決めるぞぉぉぉぉぉ・・・」
栄子がアピールすると、グッタリしている真希を起こしていくと、身体を絡める様にコブラツイストを仕掛けた。
グイッ・・
体格差のある2人が絡み合うと、真希の全身に激痛が走る。
「んああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
悲鳴をあげて耐える真希。汗だくになりながら逃れようとするも、スタミナも切れてギブアップ寸前の状態に追い込まれていく・・・。
簡単にギブアップを口にしない真希に、栄子がコブラツイストを外して卍固めに移行した。
グイッ・・・
「ぎ・・ギブアッ・・プ・・・」
卍固めを極められると、あまりの激痛に真希は堪らずギブアップを口にする。
「なにっ、ギブアップならハッキリ言わないと分からないでしょう!」
栄子が締め上げていくと、真希が更にギブアップを口にした。
「ギブっ、ギブアップ・・・・ギブアップ!」
レフリーも真希のギブアップを確認するとゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされるも、栄子が締め上げていくと真希は激痛と締め付けで意識を失っていく・・・。
レフリーが栄子を止めていくと、技を解いていく栄子。
真希はグッタリと失神状態で俯せになってマットに倒れ込むと、栄子は後頭部を踏みつけて片手を挙げていく。
『勝者、大池栄子っ!』
リングアナのコールを受けて、更に真希の後頭部を踏みつけてからリングを後にする栄子。
対して真希は完全失神KOとも言える状態で、リングドクターによって担架が呼び込まれると担架に乗せられてリングを後にするのであった。


第8試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、プロレスドラマで試合シーンまで披露している左藤江梨子。黒いスポーツビキニに黒いリングシューズ姿で堂々とリングインすると、早くも観客にガッツポーズでアピールしていく。
その江梨子の対戦相手としてリングインするのは、加藤愛との抗争は地下プロレスの名勝負と言われる深多恭子。白いワンピース水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、江梨子と視線を合わさずにコーナーへ進んでいった。
このカードが組まれたのは、左藤江梨子がエステ店で深多恭子の事を馬鹿にする事から始まった。
当然ながら恭子も江梨子とのカードを望んで、江梨子もリング上での決着を考えていた。
『青コーナー〜・・・身長173p、上から90、56、91・・・左藤江梨子〜っ!』
そしてコールを受けて片手を挙げてアピールする江梨子。
『赤コーナー〜・・・身長163p、上から86、60、87・・・深多恭子〜っ!』
コールを受けて一礼していく恭子。江梨子との一戦にどんな試合を見せるのか・・・。
そしてコールも終わり試合開始のゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、まずは距離を置いて睨み合う江梨子と恭子。
睨み合いが続くと、江梨子が距離を詰めてハイキックを放った。
しかし恭子もステップバックで避けると、打撃を受けない距離を置くと、江梨子の動きを見つめた。
更に江梨子が前に出ると、左右の張り手を放つと、恭子も張り手を返してお互いの頬を打ち合った。
バシィィィィ・・・バシィィィィ・・・
強烈な張り手合戦。リング上に響き合う張り手の音。
張り手に続き江梨子が膝蹴りを狙うと、恭子が組み合ってグラウンド状態へ持ち込んだ。
素早く江梨子がサイドポジションを奪おうとすると、恭子も胸を押しつけながら上四方固めの体勢に持ち込む。
マットに押しつけられる形の江梨子が苦しい状態になるが、江梨子もブリッジで返そうとするも恭子に押しつけられていく。
恭子が上手く押さえ込んでいるからと、江梨子は呼吸も苦しくなってスタミナを消耗していくが、試合序盤から苦しい展開。
早くも大量の汗が流れる江梨子。逃れようと必死だが、ロープに足を伸ばして逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示で離れる恭子。江梨子も水着を直しながら立ち上がるが、早くも汗だくになってスタミナ消耗が気になる展開。
『ファイト!』
そして続行されると、ガードを固めて距離を詰めていく江梨子。
対して恭子はレスリングの様にタックルを仕掛けるような体勢で睨み合う。
シュ・・
ガードが空いているからと、江梨子がハイキックを放つと恭子は避けていく。
逆に大振りの張り手で牽制すると、江梨子も膝蹴りで前に出る恭子を止めた。
強引にヘッドロックで締め上げる江梨子。
ヘッドロックを極められると、恭子は体重差がないからと組み付いてバックドロップで切り返した。
バシィィィィィ・・・
バックドロップでマットに叩き付けられて一瞬動きの止まる江梨子。
恭子が立ち上がってストンピングを入れていくと、江梨子がロープに逃れた。
苦しそうな表情を浮かべる江梨子に、恭子は走り込んでドロップキックを叩き込むと、場外に落としていく。
リング下で苦しそうな表情を浮かべる江梨子に、恭子はリング下に降りていくと、江梨子がお腹にパンチを入れて抵抗した。
ドスッ・・
「うぐっ・・」
お腹を殴られて動きの止まる恭子に、江梨子は近くからパイプ椅子を手にすると、恭子の脳天に一撃を喰らわせていく。
ガッシャーン・・・
「きゃああああぁぁぁぁ・・・」
パイプ椅子攻撃に悲鳴をあげる恭子。そしてラフファイトも余裕の江梨子。
更にパイプ椅子の角の部分でお腹に一撃を喰らわせてから、動きの止まる恭子の髪を鷲掴みにすると、近くの鉄柱に叩き付けていく江梨子。
ゴキィィィ・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・」
またも恭子の悲鳴がリングサイドに響き渡ると、フラフラしている恭子
更に鉄柱攻撃を仕掛ける江梨子。
ゴキィィィィ・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる恭子。額が割れたかと思われたが、まだ割れずに激痛だけが恭子を襲っていた。
鉄柱近くに座り込む様にダウンする恭子に、江梨子が余裕の表情を浮かべると、後頭部にサッカーボールキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・」
堪らずグッタリと俯せにダウンする恭子。
その恭子の後頭部を踏みつけてアピールする江梨子。場外戦で試合の流れを掴んでいくと、恭子の髪を掴んで起こしていくと、鉄柱に更に叩き付けていく。
ゴキィィィィ・・・
「ああああっ・・・」
またも恭子が悲鳴をあげると、額が割れて流血戦になっていく。
額を割られた恭子は、フラフラしているがいきなり江梨子の股間へグーパンチを叩き込む。
ゴキッ・・
「ふぎっ・・」
いきなりの股間へのアッパーに動きの止まる江梨子。
「調子に乗らないでよ!」
恭子が怒りに満ちた表情で呟くと、額から流れ落ちる血も構わずに、江梨子の髪を鷲掴みにして鉄柱に叩き付けていく。
ゴキィィィィ・・・
「きゃああぁぁぁぁぁ・・・」
鉄柱に叩き付けられて悲鳴をあげる江梨子。
更に恭子が鉄柱攻撃を続けていくと、江梨子の額も割れて流血していく。
流血する江梨子の額に噛み付く恭子。
「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
傷口を噛み付かれて悲鳴をあげる江梨子。恭子のラフファイトに観客席も驚きを隠せない。
白い水着を赤く染めながらも、恭子は江梨子の額を噛み付くと、続けて鉄柱に叩き付けて痛めつけていく。
江梨子の傷口から激しく出血していくと、恭子は床のマットを剥がすと、固いフロアを剥き出しにしてから江梨子をパイルドライバーの体勢に持ち込んだ。
「悪口ばっかり言ってるんじゃないわよ!」
恭子が叫ぶと、そのまま固いフロア面に容赦なく脳天から叩き落とすパイルドライバーを炸裂させた。
ゴキッ・・
「びぎぃ・・・」
ヘンな悲鳴をあげてグッタリしていく江梨子。
半失神状態に追い込まれてしまった江梨子。観客の誰もが恭子が痛めつけられると思った試合だけに、この展開に観客席は驚きを隠せない。
大流血の江梨子に、エプロンサイドに上がってからフットスタンプで押し潰す恭子。
ドスッ・・
「グボッ・・・」
お腹に炸裂したフットスタンプに胃液の様な吐瀉物を拭き上げた江梨子。
「お仕置きするから、これで終わりよ!」
恭子が観客席にアピールすると、リングサイドからチェーンを持ち出してから、江梨子の首に巻き付けていく。
そのチェーンをリング上のトップロープに掛けると、チェーンを引いて江梨子を絞首刑状態へ追い込んでいく・・・。
これには江梨子がチェーンを掴んで抵抗するも、喉にチェーンが食い込んで危険な状態へなっていく試合展開。
江梨子の抵抗も少なくなっていくと、ここでレフリーも危険と判断してゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、レフリーが恭子を止めていく。
しかしレフリーに従わずに江梨子を痛めつけていく恭子。
更に黒服なども加わり恭子を止めていくと、ここで江梨子の首に巻き付けられたチェーンが外されていった。
『ただ今の試合、ノーコンテスト、ノーコンテスト扱いで終了いたします!』
リングアナのコールに恭子は関係ないとばかりに、グッタリしている江梨子の水着を掴むと、トップレス状態にしてから観客席に水着を投げ込んだ。
「ふん、お金を掛けてる割には、大した身体してないのね・・・左藤さん・・・ふふふっ・・」
江梨子を馬鹿にするよう恭子は見下して、そして観客席にガッツポーズを見せると、そのまま控え室へ戻っていくのであった。
一方、完全にヒールファイトで負けてしまった江梨子は、リングドクターに傷口の応急処置をされてから、タオルをバストなどに掛けられて担架でリングを後にするのであった・・・。


第9試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、Oプロ所属でCMでも人気の上都彩。観客からのリクエストで組まれるカードとして今夜は女祭りのリングに上がる事となった。彩は胸の谷間が少し見える白いワンピース水着に、白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって笑顔で一礼していく。
その彩の対戦相手としてリングに姿を現したのは、ボクシングなどの趣味もある加藤愛。B系所属であり今夜のカードは本人としては不満なカードの様で、強い相手を求めていたと言う事だったが、人気者同士のカードとして観客からのリクエストもあり組まれたカード。
愛は黒いスポーツビキニに黒いリングシューズ、手にはオープンフィンガーグローブを着けていた。
愛のオープンフィンガーグローブに緊張感を隠せない彩。
地下プロレスではタッグ戦では試合経験のある彩と愛だったが、シングル戦では彩はコング戦くらいが苦しい試合であり、愛は深多恭子と激しい試合を繰り返してきたので、愛としては物足りないマッチメーク。
『青コーナー〜・・・身長162p、上から82、58、84・・・上都彩〜っ!』
コールを受けて片手を挙げていく彩。地下プロレスでは6戦0勝と言う勝ち星なしの彩。
『赤コーナー〜・・・身長162p、上から86、58、88・・・加藤愛〜っ!』
そしてコールを受けて片手を挙げる愛。水泳とボクシングを趣味に、ある意味ではタレントの中のアスリートみたいなものであり、今夜の一戦はどんな試合展開にするのか、予想がつかないリング上。
お互いがコーナーに寄りかかると、ここでレフリーが試合開始のゴングを要請した・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出す愛と彩。
彩はプロレス的に距離を置いていくと、愛はガードを固めて距離を詰めた。
距離が詰まると彩がドロップキックを放つも避けられて自爆すると、起き上がろうとした時に距離を詰められて、顔面狙いのパンチが襲いかかる。
シュ・・シュ・・
これには堪らずタックルの様に組み付くも、愛が押し込んでロープ際に縺れる2人。
力の差を感じて彩の表情が焦りだした。
ロープを背にする彩に、愛が挨拶代わりの張り手を叩き込むと、彩も負けずに張り手を返した。
その瞬間、観客席が盛り上がっていく。
レフリーが2人を離していくと、試合が続けられた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出る愛。
彩は距離が詰まるのを嫌がるように距離を置いていく。
逃げる彩に距離を詰める愛。
シュ・・
そして彩がロープに詰まると、愛のジャブが放たれる。
バシッ・・バシッ・・
顔面を捉える愛のジャブ。殴られてフラつく彩。
堪らずタックルを仕掛けると、フロントスリーパーで捉える愛。
締め上げていく愛。彩が苦悶の表情を浮かべるも、ボディへパンチを打ち込んで藻掻いた。
しかし愛が締め上げると、彩が藻掻き苦しむ。
更にボディへ膝蹴りを入れていく愛。
ドスッ・・
「ふぐっ・・ううっ・・」
膝蹴りを受けて動きが鈍る彩。
愛が技を解くと両手で蹴られた部分を押さえると、愛は容赦なくノーガードの顔面へジャブからフックとパンチを連打していく。
バシッ・・バシッ・・
「いやあっ・・痛いぃぃぃ・・・」
悲鳴をあげて逃げまどう彩。
愛は距離を詰めると、ボディへ数発打ち込んでいく。
ドスッ・・ドスッ・・
「ウゲッ・・ふぐっ・・うう・・・」
ボディへのパンチの連打に動きの止まる彩。口から涎を垂れ流す寸前と言う感じの表情が、残酷感を高めている。
動きの止まる彩に、愛はコーナーに押し込んでいくと、堪らずガードを固める彩のボディに左右のボディブローを打ち込む。
ドスッ、ドスッ・・・
「うっ・・うううっ・・・」
彩が苦悶の表情で身体をくの字にすると、容赦せずにアッパーを叩き込む愛。
バシィィィィ・・・
「ひいぃぃぃぃ・・・」
アッパーを受けてフラついてダウン寸前の様な彩。
今度はジャブを小刻みに打ち込んでは彩を痛めつけていく愛。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
小刻みのジャブが彩の顔面を襲うと、唇などが切れたのか血が滲み出ている。
堪らず喧嘩キック気味に彩も反撃するが、打撃への恐怖心からか的確な蹴りでなく愛にダメージはない。
逆に踏み込んでフックを叩き込む愛。
バシィィィィ・・・
「んあぁぁぁ・・・」
涎の飛沫をあげて倒れそうになる彩。愛はダウンを許さずにボディにもパンチを入れると、堪らず座り込む彩。
もう一方的な試合展開になってきたが、レフリーが止めるはずもなく残酷ショーと化していくリング上。
愛は観客席を見渡しながら、彩の髪を鷲掴みにすると顔面狙いの膝蹴りを仕掛けた。
しかし彩も太股に組み付いてダメージを減らすが、愛がハンマーパンチを頭部に叩き込んでいく。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
頭を叩かれて泣きそうな表情を浮かべる彩。
「んああぁぁぁぁぁぁ・・・」
いきなり彩が気勢をあげると、頭を叩く愛に組み付いて倒しにいく。
愛も対応するが彩がグラウンド状態に持ち込むと、サイドポジションを奪うと同時に腕を狙って、そして愛の腕を極めようとするが、愛も簡単には関節を取らせずに逃れると、両者が立ち上がって睨み合う展開に。
彩も構えると、口には血が滲み出している。パンチを受けて切れている様子。
対して愛はダメージがない様に見えて余裕すら感じられた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に彩も張り手で牽制するも、愛のジャブには嫌がっている様子。
堪らず低空ドロップキックを放つと、愛の太股に当たってダウンを奪った。
続けて髪を掴んで起こしてから、組み付いてコブラツイストを仕掛けた。
グイッ・・・
彩が懸命に極めていくが、愛は苦しみながらもバランスを崩させて技から逃れた。
逃げられたからと彩が蹴りを入れてから、今度はヘッドロックで締め上げる。
彩のヘッドロックに愛がバックドロップで切り返すと、彩はマットに後頭部から叩き付けられた。
バシィィィィィ・・・
バックドロップを受けてダウンする彩。
愛は立ち上がるも観客に片手を振り回して煽ると、彩に手招きして挑発していく。
彩がフラつきながらも立ち上がると、ローキックを叩き込んでいく愛。
バシィィィ・・
「あうっ・・」
蹴られて痛がる彩に、愛が続けてミドルキックを叩き込む。
バシィィィ・・・
「ううっ・・」
脇腹に蹴りを受けてフラフラする彩。
そこへ愛が左右のパンチを顔面に叩き込んでいくと、またもロープ際に追い込まれていく彩。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・
顔面へのパンチの連打に、顔が腫れだしていく彩。CMクイーンとも言われる彩の顔面が崩壊していくシーンに、観客からも歓声が飛ぶ。
更に鼻血が溢れ出ていくと、白い水着までも垂れ流れて赤く染めていく残酷な展開になっていく。
鼻血が出て呼吸が苦しい彩。口で呼吸するからスタミナも苦しくなる展開だが、愛は構わず鼻血を出す彩の鼻を狙ってパンチを繰り出した。
バシッ、バシッ・・
パンチが当たると血飛沫が舞う展開に、彩は泣きそうな表情で張り手などを返すも有効打が出ない。
更にボディを打ち込まれて動きの止まる彩。
トップロープを握りしめてコーナーに逃れようとすると、愛が背後からヒップなどにミドルキックを叩き込む。
バシィィィィィ・・・
「んああぁぁぁぁ・・・」
またも悲鳴をあげる彩。
しかし振り返り様に彩が裏拳を放つと、意外な攻撃に愛の顔面を直撃して動きが止まった。
素早くバックから逆さ押さえ込みを仕掛けた彩。
『ワン・・・ツー・・・』
レフリーがカウントを数えるが、愛も簡単にフォールは許さずに返していく。
しかし返した愛の鼻からも鼻血が溢れ出すと、愛の表情が険しくなっていく・・・。
「よくも・・・やったわね・・・」
愛が呟くと、起き上がろうとする彩のお腹を蹴り上げた。
ドスッ・・
「ぐふっ・・グボッ!」
お腹を蹴りこまれて胃液の様な物を吐き出す彩。
続けて俯せ状態にされて、バックマウントから側頭部を殴られていく彩。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
嫌がるようにガードしようにも、愛の的確なパンチが確実にダメージを与えていく。
一方的に殴られる彩が泣き出すと、愛は構わず痛めつける様に殴りつけていく。
「も、もう・・・無理・・・し、試合・・・を・・・止めて・・・」
彩が哀願するもレフリーも愛も試合を止めようとしない。
藻掻く彩を仰向けにして、愛がマウントポジションから顔面へ拳を振り下ろしていく。
バキッ・・バシッ・・バキッ・・
彩の顔面が殴られる度に血に染まっていく。もう片目は腫れだして塞がっていた。
流石にレフリーも売れっ子の彩の顔面が崩壊してはと言う事で、試合を止めていく。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされて試合終了となるが、愛は満足していない表情を浮かべて立ち上がった。
『勝者、加藤愛っ!』
レフリーに片手を挙げられて勝ち名乗りをあげる愛。
一方、リングドクターがリングに上がって彩の応急処置をしていくが、顔の腫れが収まるかが問題であったが、素早く担架が呼ばれてリングを後にするのであった。



第10試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、前大会で同じ事務所の上都彩の試合に乱入して、アフリカンコングに喧嘩を売った米蔵涼子。
今夜は白装束をイメージしてか、白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、早くもリングの感触を確かめていく涼子。
その涼子と今夜対決するのは、プロレスラーでもあるアフリカンコング。巨体をアピールしながら豹柄のリングコスチューム、そして手にはオープンフィンガーグローブでリングインすると、早くも反対コーナーの涼子を挑発していく。
『女祭り特別試合っ・・・青コーナー〜・・・身長168p、上から84、58、85・・・米蔵涼子〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする涼子。
『赤コーナー〜・・・身長173p、体重105s・・・アフリカンコング〜っ!』
そしてコールを受けてガッツポーズでアピールするコング。
コールも終わりコングがコーナーで背を向けた瞬間、涼子がコーナーから飛び出した。
振り向いたコングに、涼子が勢いのあるフライングニールキックを放った。
バシィィィィィ・・・
「んあぁぁぁ・・・」
打点が高くコングの顔面にニールキックが当たりコーナーにダウンするコング。
その瞬間、レフリーが試合開始のゴングを要請した。
『カァーン!』
エキサイトする観客席。そして涼子は素早く立ちあがると、コーナーでダウンしているコングの顔面にサッカーボールキックからパンチと連打していく。
殴られ蹴られて動きの止まるコング。
そして涼子が距離を置いて低空ドロップキックを顔面に叩き込むと、コングが倒れ込んで場外に逃れた。
意外な展開で始まった涼子とコングの試合。
涼子もリング下に降りていくと、起き上がろうとするコングにパイプ椅子を叩き付けた。
ガッシャーン・・・
パイプ椅子を叩き付けると一気に逃げていく涼子。
叩かれた部分を気にしながらも、コングの表情に怒りの色が浮かび上がる・・・。
「ユルサナイネ・・・」
コングが明らかに怒っているが、涼子は素早くリングインすると、リング上から手招きして挑発していく。
コングがリングに上がってくると、涼子がリング下に降りて距離を置いて挑発すると、コングがトップロープを揺さぶって怒っている。
しかし涼子が上手いインサイドワークでコングを揺さぶりかけているのであった。
コングがリング下に降りようとすると、涼子がリングに戻ろうとする展開に、コングのストレスは上がっていく。
そして涼子もリングに、コングもリングに戻ると睨み合う両者。
距離が詰まると、いきなり涼子のローキックがコングの太股を襲った。
バシィィィ・・・
しかし痛くもないと言う表情のコング。涼子を挑発すると、涼子がローキックを連発していく。
バシィィィ・・・バシィィィィ・・・
更に油断しているコングに、涼子が一気に髪を鷲掴みにして下を向かせると、強烈な膝蹴りを顔面に叩き込んだ。
ゴキィィィ・・・
鈍い音がリングに響くと、コングが顔面を押さえて痛がっている。
今の膝蹴りでコングが口の中を切ったのか、血が滲み出す。
続けて後頭部にハイキックを叩き込むと、コングが俯せにダウンした。
その瞬間、観客席からは涼子コールが巻き起こる。
『米蔵っ、米蔵っ、米蔵っ・・・』
涼子に対する声援の中、コングがゆっくりと立ち上がっていく。
そのコングに涼子がロープに走ってドロップキックを放つが、コングが叩き落とした。
驚きの表情を浮かべる涼子に、コングが強烈なストンピングを狙うが、素早く転がるようにリング下に逃れる涼子。
リング下で煽る涼子に、コングが怒ってリング下に追いかけるも涼子が素早くリング上に逃げていく。
コングがリングに戻ると、距離を置いて睨み合う両者。
コングが前に出ると、涼子はリング内を回り出すが、コングもプロだけに上手く涼子をコーナーに追い込んでいく。
コーナーを背にした涼子は、構えてローキックを放つも、逆にコングがパンチを放っていく。
パンチを避けてタックル気味に組み付いてバックを取る涼子。
しかし相手が大きいから何も出来ずに、逆にコーナーに押しつけられる様に押し潰された。
バシィィィ・・・
「ぐふっ・・・」
コーナーに押し潰されると、続けてコングがヒッププッシュで涼子を押し潰す。
バシィィィ・・・
コーナーに寄りかかって苦悶の表情を浮かべる涼子。
続けて何か仕掛けようとするコングに、涼子がハイキックを顔面に叩き込んでいく。
バシィィィ・・・
意外な反撃に驚くコング。
続けてスリーパーを仕掛けるもコングがコーナーに押しつけて逃れていく。
コーナーに押しつけられて苦しい涼子。コングが離れると蹴りを入れて距離を置いた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声にコングが前に出る。
涼子もローキックで牽制すると、逆にコングが前に出てラリアットを放った。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
コングのラリアットが炸裂すると、堪らずダウンする涼子。
続けてコングの重量級のストンピングが涼子を襲うと、素早くリング下に転がりながら逃れる涼子。
逃げる涼子に怒り出すコング。コングもリング下に降りていくと、逃げる涼子を追いかけた。
コングが追いかけてくると、素早くリングに戻っていく涼子。
そしてリングに上がるコングに、ロープ際から顔面にエルボースマッシュを放っていく涼子だが、コングが髪を鷲掴みにしてコーナーに連れ出すと、コーナーポストに涼子の顔面を叩き付けた。
バシッ・・バシッ・・
これにはフラつく涼子。コングがリングに戻ると、フラついた涼子をロープに振っていくと、強烈なラリアットを喉元に叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・
一発で大の字になってダウンする涼子。天井を見上げる涼子が虚ろな目をしている。
その涼子にコングがロープに走って勢いをつけると、ギロチンドロップを狙うが涼子が転がるように逃れて自爆した。
俯せになって驚く涼子に、コングがマットを叩いて怒ると、涼子の髪を鷲掴みにして起こしていく。
そして抵抗する涼子に構わず、コングがボディスラムでマットに叩き付けると、ストンピングで痛めつけていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
痛がる涼子に、コングは必殺技のアフリカンプレスを仕掛けようとするも、涼子がまた避けて自爆させられると思い、まだ出さずにヒップドロップを狙っていく。
バッシーン・・・
跨いでアピールしてからヒップドロップを叩き込むと、涼子が両足をバタバタさせて藻掻き苦しんでいる。
お腹を押さえて苦しむ涼子に、コングはゆっくりと起こしてから観客にアピールすると、数々のアイドルを痛めつけた大技、プッシークラッシャーの体勢に持ち込んでいく。
子供にオシッコでもさせるようなポーズを取らせていくと、涼子の表情にも焦りの色が浮かび上がった・・・。
そして落とされていく涼子の身体。
ゴキィィィィ・・・
「ひぎぃぃぃぃぃぃぃ・・・」
プッシークラッシャーを受けて絶叫する涼子。
股間を押さえてリング上で俯せになって痛がっていると、コングがアピールしていく。
更にもう一発仕掛けようとするコングに、涼子はエルボーで脱出すると、股間を気にしながらもロープに走ってフライングニールキックを放った。
バシィィィィィィ・・・
涼子の足がコングが顔面を直撃すると、コングがフラつきだした。
更にエルボースマッシュの連打で攻め込む涼子。
しかしコングが顔面へパンチを叩き込むと、一発で涼子がフラついた。
だが涼子も負けじと殴り返すと、コングも殴りつけていく。
流石に体重差からコングのパンチに動きが止まる涼子だが、コング相手の善戦に観客席が盛り上がった。
動きの止まる涼子に、コングがダブルアームスープレックスの体勢に持ち込むと、持ち上げて投げるのではなく、前に落とすフェイスバスターを炸裂させた。
バシィィィィィ・・・
「あああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
顔面をマットに叩き付けられて絶叫する涼子。
両手で顔面を押さえて俯せで痛がっていると、コングが涼子を起こしていく。
そして、お腹にパンチを入れて動きを止めてから、苦しむ涼子をコーナーに押し込んでから、走り込んでコーナーとの圧殺ボディプレスで痛めつけるコング。
バシィィィィィ・・・
コーナーとコングに圧殺された涼子は、ゆっくりと前のめりにマットに倒れ込んだ。
そしてコングが観客に向かってアピールすると、涼子をコーナーから少し離してからトップロープに登っていく。
涼子が苦しんでいると、コングがトップロープからアフリカンプレス(ボディプレス)を仕掛けた。
ドスッ・・・
「ああああぁぁぁぁぁぁ・・・」
トップロープからの重量爆撃に絶叫する涼子。ボディプレスが炸裂した瞬間、口からは舌まで飛び出していた。
コングが余裕の表情でフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・』
しかし涼子がロープに足を伸ばして逃れると、コングは信じられないと言う表情を浮かべた。
返すも動きが取れない涼子に、コングは跨いでから、一気に飛び上がってヒップドロップをボディに炸裂させる。
ドスッ・・
「うっ・・ホゲェェェェェェェ・・・」
一瞬間を置くようにして、口から激しく反吐を噴き上げる涼子。
流石に大技を受けては耐える事が出来ずにいた。自ら吐いた吐瀉物で、自らの顔を汚してしまった涼子。
半失神状態の涼子に、コングはリングサイドからペットボトルを手にしてから、汚れた涼子の顔に水をかけて洗い落としていく。
そして、今度はパイルドライバーの体勢に持ち込んだと思ったら、高々とあげるパワーボムで涼子の身体をマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
パワーボムを受けて完全に失神してしまった涼子。
その失神した涼子に、続けてパワーボムでマットに叩き付けていくコング。
そして余裕の表情でレフリーにカウントを要求する・・・。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィ・・・』
余裕のスリーカウントが決まると、ここでゴングが打ち鳴らされた。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、完全に失神状態でマットに仰向けで倒れている涼子に、コングは白い競泳水着を掴んでいく。
そして強引に涼子の水着剥ぎをしていくコング。
会場内からはブーイングに包まれるも、コングが簡単に涼子をトップレスにしていく。
形の良いバストが露わになると、更に水着を脱がしてお腹辺りまで脱がせてから、更に完全に脱がそうとするコング。
しかしレフリーが止めていくと、コングは勝ち名乗りをあげた。
『勝者、アフリカンコングっ!』
リングアナのコールにガッツポーズのコング。
しかし観客席からはブーイングすら聞こえる結果になり、逆に果敢にコングに挑んだ涼子に対しての賞賛の声の方が上回っていた。



第11試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、国民的アイドルグループアキバ48の前多敦子。赤いビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって頭を下げた。今だに地下リングでは勝ち星のない敦子。
そして敦子の対戦相手としてリングインするのは、同じグループの篠多麻里子。白いビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、敦子と視線を合わせる事なくコーナーに進む麻里子。
今回は特別試合と言う事で、かつてのセンターと現センターの対決が組まれていった。しかし同じグループだからと言って、生温い試合は厳禁の地下プロレス。今夜はどうなるのか?
『女祭り特別試合・・・青コーナー〜・・・身長161p、上から76、60、83・・・前多敦子〜っ!』
コールを受けて一礼していく敦子。今夜は同じグループの相手だから緊張感が増している様子。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から82、57、88・・・篠多麻里子〜っ!』
そしてコールを受けて片手を挙げてアピールする麻里子。流石に敦子が相手だと闘いにくいのか。
お互いのコールが終わると、激しく動くプロレスだけにビキニを気にする敦子と麻里子。
そしてゴングが打ち鳴らされた・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時に飛び出したのは敦子で、素早く距離を詰めるとドロップキックを放った。
これには倒れ込む麻里子。
素早く立ち上がると、敦子がドロップキックを連発していく。
バッシーン・・・
ドロップキックの連発に麻里子もダウンを続けるが、敦子がロープに振っていくと、逆にカウンターキックを放つ麻里子。
バシィィィ・・・
カウンターキックで倒れ込む敦子に、麻里子が髪を掴んで起こしてから、ヘッドロックで締め上げてアピールしていく。
そしてブルドッキングヘッドロックで動きを止めると、俯せの敦子にキャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・
「あう・・・」
両足をバタバタさせて痛がる敦子。
地下プロレスではキャメルクラッチでギブアップ負けが多い敦子だけに耐えたいところ。
麻里子も揺さぶっていくが、敦子は必死に耐えていくと、技を解いていく麻里子。
俯せになって苦しむ敦子に、腰などにストンピングを入れてから立たせていくと、ロープに勢いよく振っていった。
ロープから戻る敦子にドロップキックを叩き込む麻里子。
バッシーン・・・
「きゃあああぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげてダウンする敦子に、麻里子がフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・』
カウントが進むが返していく敦子。
フォールを返されると、麻里子はスリーパーで締め上げていくと、敦子が素早くロープに逃れた。
『ロープ・・・』
レフリーの指示に放していく麻里子。
敦子はビキニを直しながら立ち上がると、麻里子もビキニを直しながら距離を置いた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく両者。
そして敦子がタックルを仕掛けるとフロントスリーパーでキャッチする麻里子。
しかし敦子がロープまで押していくと、レフリーが両者を別けていく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
別れる瞬間、麻里子が強烈な張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・・
突然の張り手に動きの止まる敦子。
続けて張り手が炸裂すると、動きの止まる敦子に膝蹴りを入れてから、スタンディング状態からスリーパーを極めていく麻里子。
グイッ・・・
「あうっ・・」
堪らず手を伸ばす敦子。ロープに逃げたいが麻里子が逃がさない。
スタミナ消耗が気になる敦子だが、必死でロープへ逃れると、ここでレフリーが麻里子に技を解かせた。
『ロープ・・・』
技が解かれると距離を置いていく敦子。
対して麻里子が距離を詰めていく。打撃スタイルで前に出ると、軽くローキックが放たれた。
バシッ・・
ローキックを受けてフラつく敦子は、負けじとローキックを返すも打撃技は得意でないから真似だけになってしまった。
逆に麻里子がミドルキックを放つと、続けて飛び込んでの膝蹴りを叩き込んでいく。
ドスッ・・
「うぐっ・・ううっ・・」
膝蹴りを受けて座り込む様にダウンする敦子。長身から放たれる膝蹴りの威力に苦しい表情。
ドスッ・・
打撃を苦しむ敦子に、麻里子が起こしてから膝蹴りを入れていくと、苦悶の表情で痛がる敦子。
このまま麻里子のペースで試合が進むのかと思われた瞬間、敦子が泣きそうな表情を浮かべながらも組み付いた。
いきなり逆さ押さえ込みを仕掛けると、麻里子が逆さになってフォールの体勢に。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィ・・・』
突然の逆さ押さえ込みに動転した麻里子。返す間もなくレフリーのカウントが入ってしまった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、敦子も勝ったと言う実感もなく驚きの表情。
麻里子も同じく逆さ押さえ込みが崩れると、どうなってるのと言う表情で周りを見渡した。
『勝者、前多敦子っ!』
リングアナのコールに呆然とする麻里子。
対して、地下プロレスのリングで初めて初勝利となった敦子は驚きを隠せない。
そしてお互いビキニを直すと、リング中央で抱き合って健闘を讃え合うのであった・・・。


第12試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、初代アラフォークイーンを決定する試合に登場する須野内美帆子。
79回大会の予選を勝ち上がった美帆子は黄色いワンピース水着に白いリングシューズ姿で堂々とリングインすると、観客席に向かってアピールする美帆子。
その美帆子と決定戦で対戦予定だった長谷河京子だったが、妊娠していると言うニュースに地下プロレスの試合は暫くは欠場がアナウンスされると、アラフォーの対戦相手候補が急遽選ばれて試合が組まれる事となった。
その急遽リングに上がったのは、女優の持多真樹。小柄な身体を白い競泳水着に白いリングシューズ姿で戸惑いを隠せない真樹。
女優として仕事の量も少なく、地下プロレスからの参戦要請には断れず、練習もしていない状態での地下リング登場は残酷な展開。
『初代アラフォークイーン決定戦・・・青コーナー〜・・・身長152p、上から76、58、82・・・持多真樹〜っ!』
そしてコールが始められると、地下プロレス参戦経験も豊富な2人の闘いが始まろうとしていた。
『赤コーナー〜・・・身長165p、上から83、58、85・・・須野内美帆子〜っ!』
36歳の真樹、35歳の美帆子。しかし身長差のあるこの試合、急遽試合が組まれた真樹にとっては苦しい試合が予想された。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、まずは距離を置いていく両者。
美帆子は打撃スタイルで構えていると、真樹はプロレス的なスタイルで距離を置いている。
距離が詰まると、身長差からも真樹に緊張が走ると、美帆子の鋭いローキックが放たれた。
バシィィィィ・・・
「あっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる真樹。バランスを崩しそうになるが美帆子は距離を置く。
更にローキックが太股を襲うと、真樹が嫌がるように距離を置いていくが、美帆子が詰めていく。
リング内を逃げまどう様な真樹に、美帆子が太股にローキックを連打した。
バシィィィ・・・バシィィィィ・・・
蹴り続けられて太股が内出血してドス黒くなっていく真樹の太股。
早くも真樹にとって苦しい展開になっていくと、真樹が必死にドロップキックを放つ。
バシッ・・
しかし足へのダメージから威力を削がれてフラつくだけの美帆子。
逆に髪を掴まれて起こされると、ヘッドロックで締め上げられて苦しい真樹。
観客にアピールする様に締め上げる美帆子は、そのままコーナーに連れて行くと顔面をコーナーポストに叩き付けた。
バッシーン・・・
「きゃあああぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげて痛がる真樹。
続けてコーナーに押し込んでから、髪を掴んで下を向かせて、身長差があるからと顔面へ膝蹴りを放つ美帆子。
ゴキッ・・
美帆子の膝が顎を捉えると、コーナーに座り込む様にダウンする真樹。
両手で顎を押さえて痛がっていると、顔面狙いのサッカーボールキックを叩き込んでいく。
バシィィィィ・・・
「ひいっ・・」
顔面への蹴りに恐怖する真樹。
更に美帆子が蹴り続けると、コーナーに俯せ状態で顔面をガードする真樹。
一方的な試合展開に観客席からはブーイングも聞こえ出すと、美帆子は片手を突き上げて観客にアピールする。
『ファイト!』
レフリーの掛け声にも真樹は立ち上がれないと、美帆子が髪を掴んで起こしていくと、チョークスリーパーを仕掛けるも真樹がロープに逃れた。
『ロープ・・ロープ・・』
レフリーが放させると、真樹は喉元を押さえて咳き込んで苦しむ。
「コホッ・・コホッ・・」
咳き込む真樹に、美帆子はノーガードの真樹の後頭部にハイキックを放つ。
バシィィィィ・・・
「ああああっ・・・」
後頭部に強烈なハイキックを受けて前のめりに倒れ込む真樹。
グイッ・・・
「あうっ・・・ううっ・・・」
俯せの真樹の髪を掴んで起こしていくと、ロープに押しつけてから張り手を連打する美帆子。
バッシーン・・バッシーン・・バッシーン・・
涙目で張り手を受ける真樹。口の中を切って血飛沫も舞いだしている。
白い競泳水着にも血が飛び出しているが、美帆子は容赦せずにエルボースマッシュも側頭部に叩き込んだ。
ゴキッ・・
ダウンしようになると、両腕をトップロープとセカンドロープに絡めて磔にしていく美帆子。
ダウンも許されない状態にされて、真樹がグッタリしていると、美帆子はサンドバックに練習する様に真樹のお腹にパンチを叩き込んだ。
ドスッ・・ドスッ・・
「うっ・・ふぐうっ・・・」
お腹を殴られて血の混じる涎を垂れ流す真樹。
更に顔面にも掌打を左右から叩き込むと、血飛沫をあげてグッタリする真樹。
美帆子が観客席の反応を見ながらロープから真樹を放すと、ゆっくりとリング中央へ連れ出していく。
すると、真樹が美帆子に逆さ押さえ込みを仕掛けた。
『ワン・・・ツー・・・』
突然の反撃に驚きを隠せない美帆子。両足をバタバタさせて逃れると、焦りの表情を浮かべた。
対して真樹はスリーカウントを取れなかったから悔しがるが、かつては突然の反撃に大物喰いもしていた真樹。久しぶりの逆さ押さえ込みだったが練習不足だったか不発に終わった。
立ち上がる真樹に、美帆子は反撃された怒りからハイキックを叩き込む。
バッシーン・・・
顔面に蹴りを受けてフラつく真樹。
そして組み付いてフロントスープレックスでマットに叩き付けていく美帆子。
バシィィィィ・・・
体格差があるからと、投げ技まで出していく美帆子。体重差も苦しい点の1つだった。
グッタリする真樹を起こしていくと、観客に向かってアピールする美帆子。
そして、ブレンバスターの体勢から垂直落下式のブレンバスターで真樹をマットに叩き付けた。
バシィィィィ・・・
失神寸前の真樹。身体をピクピクさせていると、美帆子はフォールせずにパイルドライバーの体勢に持ち込む。
しかし軽い真樹の身体に、パワーボムでマットに叩き付けると、そのままフォールした。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィ・・・』
余裕でカウントが入ると、ここで美帆子の勝利が決まった。あまりに一方的な試合展開に、観客の反応も微妙な雰囲気。
『勝者、須野内美帆子っ!』
リングアナのコールに片手を挙げられて笑顔を浮かべる美帆子。腰には新設されたアラフォークイーンベルトが巻かれると、失神状態の真樹に構わずリングを後にするのであった。
一方、真樹はリングドクターに応急処置を受けてから担架に乗せられてリングを降りるのであった。



第13試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、グラビアアイドルから女優へと転身した市河由衣。今夜は女祭りのリングでジュニアヘビー級タイトルに挑むと言う事での参戦。白いスポーツビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、早くも歓声を受けて一礼していく。
その由衣の挑戦を受けるのは、グラビアアイドルからAV女優に転身した戸向美奈子。仲島愛里を有刺鉄線竹刀で血の海に沈めてベルトを奪っての初の防衛戦の今夜は、黒いスポーツビキニに黒いリングシューズ姿でリングインすると、早くも由衣を挑発していく。
『青コーナー〜・・・身長158p、上から83、55、85・・・市河由衣〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする由衣。流石に地下プロレスでは慣れているのか余裕の感じられるコール受け。
『赤コーナー〜・・・身長156p、上から91、61、88・・・戸向美奈子〜っ!』
そしてコールを受けて堂々とベルトを腰に巻いて仁王立ちの美奈子。既に貫禄が漂うが、地下プロレスは由衣よりベテランの0回大会の衝撃デビュー戦から闘い続けている。ヒールファイトにも磨きがかかってきている美奈子。今夜の生け贄は由衣なのか、それとも返り討ちか。
注目のゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出した由衣。しかしコーナーで仁王立ちの美奈子に組み合わず、距離を置いていく。
そして美奈子がゆっくりとコーナーを離れると、由衣の距離を置きながら睨み付けた。
睨み合いから距離が詰まると、いきなり由衣が張り手を放った。
バッシーン・・・
張り手を受けてニヤリと笑みを浮かべる美奈子。
そして由衣の頬に張り手を返す。
バッシーン・・・
張り手を受けてフラつく由衣。しかし喧嘩キックを叩き込むと、ロープに振っていった。
ロープから戻る美奈子にボディアタックを仕掛けてフォールするも、美奈子が素早く返すと腕を狙っていく由衣。
しかし美奈子もロープに逃れると、レフリーが離していく。
『ファイト!』
まずは互角な動きの両者。
そして距離が詰まると、今度は力比べを挑もうと由衣が手を伸ばす。
その由衣の手を掴むと、美奈子がいきなり噛み付いた。
ガブッ・・・
「イタタタタタッ・・・」
由衣が悲鳴をあげると、そのままロープ際に連れて行って噛み付いた手をロープに擦りつけていく美奈子。
ギュ・・ギュ・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・」
早くもラフファイトの展開に観客席からはブーイングが起きると、美奈子は構わずコーナーポストに由衣の顔面を叩きつけた。
バシィィィィ・・・
顔面を叩き付けられて動きの止まる由衣に、美奈子がヘッドロックで締め上げる。
由衣もバックドロップなど切り返したいところだが、美奈子の腰の重さに抵抗出来ずに締め上げられている。
その由衣の頭に、美奈子がグーパンチを連打して痛めつけていくと、由衣がバタバタ藻掻くもヘッドロックの体勢で捕まったまま苦しい状態。
そして美奈子が放すと、今度はスリーパーを仕掛けるも由衣がロープに逃げた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
技が解かれると、由衣がエルボースマッシュを叩き込んでいく。
これには美奈子も反応してエルボーを返すと、由衣をロープに振ろうとするが由衣が反対にロープに振っていく。
ロープから返ってきた美奈子に、由衣が走り込んでジャンピングニーパッドを放つと、美奈子の肩口を捉えてダウンを奪った。
素早くフォールする由衣。しかし美奈子が返していく。
返されたからと立ち上がってストンピングを入れてから起こしていくと、絡みつくようなコブラツイストを仕掛ける由衣。
「くっ・・」
全身に走る痛みに耐える美奈子。
体格差もあり技を解かせると、逆にヘッドロックを仕掛けていく。
由衣が返そうとするも美奈子が踏ん張ると、そのまま締め上げていく美奈子。
お腹など殴って抵抗する由衣に、美奈子はそのままロープ際に行くと、由衣の顔面をロープに擦りつけていく。
ギュ・・
「あああぁぁぁぁぁ・・・」
由衣が悲鳴をあげると、そのままコーナーに連れて行き顔面をコーナーポストに叩き付けていく美奈子。
バシッ・・
「あうっ・・」
コーナーで座り込む由衣に、美奈子のストンピングが襲いかかる。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
蹴りを受けながらも由衣が転がるようにリング下に逃れると、美奈子もリング下に降りていく。
リング下でグーパンチで抵抗する由衣。美奈子は殴られるとフラつくが、リングの下から何かを持ち出している。
そう、早くも有刺鉄線竹刀を持ち出すと、流石の由衣も逃げるようにリング上に上がった。
美奈子が有刺鉄線竹刀を床に叩き付けて威嚇すると、レフリーが制止して取り上げた。
そしてリング上で睨み合う美奈子と由衣。
少しずつ距離が詰まると、今度は由衣が張り手を放つと、避ける美奈子にタックルを仕掛けた。
上手くテイクダウンを奪ってグラウンド状態になると、素早くサイドポジションを奪っていく由衣。
美奈子がブリッジなどで抵抗すると、由衣が素早く腕拉ぎ逆十字固めを極めた。
「ああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
これには悲鳴をあげる美奈子。必死に逃れようとするが、由衣が腰を浮かせて関節を極めていく。
「痛いっ!」
しかし美奈子が由衣の足に噛み付いて逃れると、由衣はレフリーに反則だとアピールした。
お互い立ち上がると、由衣が飛びつき腕拉ぎ逆十字を狙うも美奈子が腕を引いて失敗。
逆にストンピングを受ける由衣は、下から足を絡ませてヒールホールドを狙うが美奈子が逃れる。
逃れた美奈子は、立ち上がる由衣に殴りかかるも、由衣が手を引き込んで一本背負いでマットに叩き付けた。
バシィィィィィ・・・
更に腕をキャッチして腕拉ぎ逆十字固めを極めていく由衣。
これには両足をバタバタさせて痛がる美奈子。正統派ファイトになると由衣の方が上か、流れを掴まれて苦しい美奈子。
しかし美奈子も上手くロープに逃れると、由衣の関節技に驚きを隠せない。
お互いが立ち上がるとレフリーが続行を告げる。
『ファイト!』
距離を詰めていく両者。しかし美奈子は由衣の関節技を警戒している様子。
警戒する美奈子に由衣がタックルを仕掛けると、美奈子は露骨に嫌がるように逃れる。
更に由衣がタックルで組み付こうとすると、美奈子が膝蹴りを合わせるも、由衣が強引に倒していった。
グラウンド状態になると、腕を狙っていく由衣。
美奈子がロープに逃れようと体勢を入れ替えていくと、由衣は腕から喉元に腕を押しつけるギロチンチョークを仕掛けていく。
これには苦悶の表情を浮かべる美奈子。
そして由衣が技を解いてから、一気に馬乗りになると美奈子の頬に張り手を連打していく。
バシィィィ・・・バシィィィ・・・バシィィィィ・・・
張り手の連打に痛がる美奈子。しかし下から由衣のバストを鷲掴みにするバストクローで反撃する美奈子。
ムギュ・・
「何するのよ!」
バストクローを受けて由衣が叫ぶと、張り手ではなく美奈子のバストにパンチを入れた。
91pHカップと言われるバストに拳が叩き付けられると、流石に美奈子もバストクローを放した。
由衣が立ち上がってから、ロープに走って勢いをつけると、立ち上がる美奈子にヒップアタックを仕掛けた。
バシィィィ・・・
ヒップアタックを受けてダウンする美奈子を起こして、由衣がロープに振っていく。
そして勢いよくラリアットを叩き込むと、そのままフォールした。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし美奈子が返すと、由衣がスリーパーを仕掛けていく。
「痛いぃぃぃ・・イタタタタ・・・」
スリーパーを仕掛けた由衣が悲鳴をあげて技を解くと、美奈子が由衣の腕を噛み付いたのだった。
噛み付かれた腕を痛がる由衣に、美奈子は余裕の表情でレフリーの注意も聞かずにヘッドロックに捉えていく。
そしてコーナーに連れて行くと、コーナーポストのカバーを外して金具を剥き出しにしてから、ショーツの中から何かを取り出す美奈子。
ゴキッ・・
「ああぁぁぁぁぁ・・・」
美奈子がショーツから取り出したものを由衣の額に叩き付けると、由衣が大きな悲鳴をあげていく。そう、メリケンサックの様な物が握られていた。
「レフリー、凶器、凶器ぃぃぃ・・」
由衣のアピールにレフリーが美奈子をチェックするも、美奈子は凶器を胸の谷間に隠すと、何もしていないとばかりにアピールした。
更にコーナーに連れて行くと、由衣の額をコーナーポストの金具に叩き付けていく美奈子。
バキッ・・
「きゃああぁぁぁぁぁ・・・」
流血かと思われたが額が割れずに由衣は悲鳴をあげた。
美奈子がヘッドロックで締め上げると、由衣は身体を密着させてバックドロップで切り返す。
バシィィィィィ・・・
バックドロップで投げつけると、由衣と美奈子が倒れ込んだまま立ち上がれない。
フラつきながら立ち上がる由衣。美奈子も立ち上がると、由衣は首相撲の体勢をとってから膝蹴りをボディに入れていく。
更にDDTでマットに脳天から叩き付けると、フォールした。
『ワン・・・ツー・・・』
しかしこれも美奈子は返していくと、由衣は水着を直しながらもドラゴンスリーパーを仕掛けるも、美奈子がロープに逃げた。
『ロープ・・・』
レフリーの指示に由衣が放すと、立ち上がって背中にサッカーボールキックを叩き込む。
バシィィィ・・・
背中を蹴られて苦悶の表情を浮かべる美奈子。
レフリーが由衣を離していくと、美奈子がゆっくりと立ち上がった。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく由衣と美奈子。
今度は由衣がローキックからミドルキックと打撃で前に出ると、打撃を嫌がる美奈子。
サンドバックの様に蹴られ続けると、一気に距離を詰めて抱きついていく。
そのままロープに押し込んでいく美奈子は、髪を鷲掴みにして由衣の顔面をロープに押しつけるも、由衣がお腹にパンチを入れて反撃すると、逆に美奈子の顔面をトップロープに擦りつけていく。
ギュ・・ギュ・・
「んあぁぁぁぁぁぁ・・・」
ロープに擦られて声をあげる美奈子。
悲鳴をあげている美奈子は、レフリーの見ていない角度から、また胸の谷間から凶器を持ち出すと、由衣のお腹にパンチを入れていく。
ドスッ・・
「くっ・・」
お腹を殴られて動きの止まる由衣に、またも額に凶器攻撃をする美奈子。
バキッ・・バキッ・・
「痛いぃぃぃ・・レフリー凶器、凶器ぃぃぃ・・・」
由衣が凶器のアピールをすると、美奈子がショーツに隠していく。
レフリーが凶器を取り上げないからと、美奈子は由衣の髪を掴んでコーナーに連れて行くと、金具に額を叩き付けていく。
ゴキッ・・
「きゃああぁぁぁぁぁ・・・・」
由衣の悲鳴が響き渡るリング上。
フラつく由衣の額が割れると、血が滲み出ている。
その傷口に噛み付き攻撃をしていく美奈子。観客席からはブーイングが起きている。
更にリング下に由衣を連れ出していく美奈子。
フラついている由衣の髪を鷲掴みにして、鉄柱攻撃を仕掛けると、由衣が額から鉄柱に叩き付けられて絶叫した。
ゴキィィィ・・・
「きゃあああああぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴と共に額の傷が酷くなると、流れ出る血が少し増えていく。
白いスポーツビキニのブラにも赤い血が垂れだしているが、美奈子はリングサイドを連れ回していくと、観客にアピールしながら由衣の額を噛み付いた。
ガブッ・・
「んあぁぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげる由衣。
美奈子は口の周りを由衣の血で赤く染めながらも、ヒールファイトで痛めつけていく。
そして由衣をリング上に戻してから、美奈子は有刺鉄線竹刀を持ち出した。
リングにダウンしている由衣に馬乗りになると、額に有刺鉄線竹刀を押しつける美奈子。
グサッ・・・
「いやあぁぁぁぁぁ・・・・やめてぇぇぇぇぇぇ・・・」
有刺鉄線竹刀を押しつけられて激しく抵抗する由衣。
レフリーが素早く美奈子の有刺鉄線竹刀を取り上げるが、由衣の傷口からの出血が更に酷くなっていく。
顔面を真っ赤に染めてグッタリする由衣。
美奈子は観客にアピールしながら由衣のバストを踏みつけると、レフリーにカウントを要求。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし由衣が肩を浮かせると、観客席からは歓声が送られた。
返されたからと、美奈子が由衣を起こしていくと、額にグーパンチを叩き込む。
バキッ・・
血飛沫をあげてフラつく由衣。
更に傷口を狙って殴りつける美奈子。
ゴキッ・・
「ああんっ・・・」
更に血飛沫をあげてフラつく由衣。
美奈子が凶器を水着から取り出そうとすると、由衣がフラつきながらも組み付いた。
油断した美奈子に素早い逆さ押さえ込みを仕掛けると、突然逆さにされて反応が遅れる美奈子。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィ・・・・』
レフリーがカウントを数えると、カウントスリーが決まって由衣の逆転勝利となった。
『勝者、市河由衣っ!』
リングアナのコールに美奈子は納得いかない表情を浮かべてレフリーに文句を言い出す。
そして勝利した事で安心した由衣の顔面を殴りつけると、観客席に向かっても文句を言ってリングを後にする美奈子。
対して、由衣はマットに仰向けのままになっていると、レフリーなどがタオルを傷口に巻いていく。
そして立ち上がると、腰にベルトを巻かれていく由衣。
ジュニアヘビー級タイトルを奪取に成功して、ヌルヌルクイーンでもある由衣は2冠に輝いたのであった。


第14試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、女優の長沢まさみ。今夜は黄色い競泳水着に素足、手にはオープンフィンガーグローブを着けてリングインすると、観客席に向かって頭を下げてコーナーへ進んだ。
そのまさみの対戦相手としてリングインするのは黒樹メイサ。豹柄の特注競泳水着に手にはオープンフィンガーグローブを着けてリングインするが、この試合で地下プロレス2戦目と言う事で、苦しい展開が予想されるが格闘技戦も経験したいと言う事で、今回女祭りのリングでまさみとの試合が組まれる事となった。
『女優特別格闘技戦を行います・・・青コーナー・・・身長168p、上から84、57、83・・・長沢まさみ〜っ!』
そしてコールが始まると、まさみがまずきコールを受けて観客にアピールする。
『赤コーナー〜・・・身長165p、上から80、60、85・・・黒樹メイサ〜っ!』
そしてコールを受けると片手を挙げてアピールするメイサ。
コーナーで黒服からマウスピースを口に入れてもらうと、リング中央でレフリーによるルール説明が行われていく。
『KO、ギブアップ、レフリーストップ、ドクターストップで試合の決着はつく。凶器、反則はしないように・・・』
レフリーの説明を聞いている最中も、メイサはまさみを睨み付けていく。まさみは視線を合わさないようにしているが、格闘技戦と言う事で緊張は隠せなかった・・・。
そしてコーナーに別れるとゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にメイサがコーナーから突進して反対コーナーのまさみに向かっていく。
沖縄出身と言う事で、空手など打撃の基礎があるのか左右のパンチを放つメイサ。
まさみが冷静にタックルで組み付いていくと、体勢を入れ替えてコーナーに押しつけていくまさみ。
メイサは組み付かれると、まさみに肘打ちを放つと、まさみが嫌がるように離れた。
試合開始から緊張感ある展開に観客席も静かに見守ると、今度はまさみがローキックを放った。
バシッ・・
軽く当たると、メイサもローキックを返す。
バシッ・・
蹴られると、まさみが強烈なローキックを返していく。
バシィィィ・・・
蹴られてメイサの表情が歪む。しかしメイサも蹴り返すと、まさみの表情も歪んだ。
バシィィィ・・・
更に左右のパンチが飛ぶと、まさみの顔面を捉えた。
バシッ・・
殴られて下がるまさみ。更にメイサが前蹴りから距離を詰めると、まさみがタックルで組み付いた。
上手くテイクダウンを奪ってグラウンドの展開になると、不慣れだからとメイサに藻掻くと、まさみが抱きついたまま上から脇腹などにパンチを小刻みに入れた。
バシッ・・バシッ・・
殴られて藻掻くメイサに、まさみがサイドポジションに移行して押さえ込んでいく。
体重を乗せられて呼吸が苦しいメイサ。まさみもスタミナの消耗を狙って押さえ込んでいると、メイサがブリッジのようにして返そうとするも、まさみが押さえつけている。
両足を広げて押さえ込むまさみ。競泳水着だからと観客達の視線が股間などにも集まるが、まさみは構わず押さえつけていく。
メイサの抵抗が少なくなると、まさみが一気にマウントポジションを奪った。
馬乗り状態になってメイサの表情に焦りの色が浮かぶと、まさみはパウンドを落とさずに様子を見ている。
返したいメイサだが、まさみが遂に顔面へのパンチを落とし始めた。
バキッ・・バキッ・・
ガードしようとするメイサだが、時折顔面にパンチが炸裂して苦しい状態に。
更にまさみがハンマーパンチで顔面潰しに出ると、これにはメイサが激しく抵抗して嫌がりだした。
バシッ・・バシッ・・
苦しい状態のメイサは、下からまさみにパンチを出すも威力もなく、反対に何倍も殴られていく。
藻掻いていると、身体が反転したからとまさみがバックを奪ってスリーパーを仕掛けるも、メイサがこれは逃げて立ち上がった。
まさみも立ち上がるがメイサが逃げると、距離を置く展開になっていく。
呼吸が乱れているメイサ。顔が少し殴られたダメージで腫れたのか、痛々しい展開。
まさみは構わず距離を詰めると、今度はメイサがハイキックで牽制した。
空振りになると、タックルを仕掛けようとするまさみに、メイサが膝蹴りを狙うが相打ち状態でのタックルに縺れ込む。
テイクダウンは奪えずに抱き合う様に形になるが、まさみも膝蹴りを受けて表情が歪んだ。
メイサが呼吸を整えながら抱き合う形の展開になるが、左右に揺さぶっていく。
揺さぶってからまさみの顔を引き込んで膝蹴りを狙うメイサ。しかしまさみがガードするが、ガードした腕にダメージを受けて苦悶の表情。
続けて膝蹴りを狙うメイサに、まさみが前に出てテイクダウンを奪っていく。
倒してから抱き合う様に密着して、脇腹にパンチを入れていくまさみ。
メイサも殴られても抵抗せず、そのまま様子を見ていく展開。
抵抗のないメイサに、まさみが肩固めを仕掛けていくと、嫌がるように藻掻くメイサ。
完全に技が決まらないと、メイサが藻掻いて逃れた。
お互いが素早く立ち上がると、メイサが打撃勝負と言う感じで前に出る。
軽くジャブ気味にパンチを放つと、続けてミドルキックを脇腹に叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
音を立てて炸裂したミドルキック。まさみの動きが鈍ると、前蹴りで牽制して左右のパンチを出していくメイサ。
バシッ・・
パンチが軽く顔面を捉えると、まさみがガードを固めて下がった。
メイサが前に出ると、まさみがロープ際に詰まった。メイサが逃がさずにハイキックを放つと、まさみが避けてローキックを叩き込んだ。
バシィィィ・・・
軸足を蹴られてバランスを崩すメイサに、まさみが組み付いてフロントスープレックスを仕掛ける。
しかしメイサが足を絡めてバランスを崩させると、お互いが倒れ込んでグラウンド状態へ。
メイサがスリーパーを狙うもまさみが喉元に腕をクロスしてガードすると、メイサは脇腹へパンチを入れていく。
俯せ状態のまさみが、脇腹を殴られていくと嫌がってガードを下げようとすると、メイサが喉元へ腕を滑り込ませようとする。
これにはまさみは脇腹を殴られても抵抗せずに、チョークスリーパーを警戒してガードしていく。
ガードしていたまさみだが、メイサの力が抜けた瞬間に反転すると、一気にバックを奪ってメイサを俯せ状態にしてチョークスリーパーを狙っていく。
これにはメイサも反応が出来ずに腕を滑り込まれるが、完全に極まっていないので耐えていく。
締め上げるまさみ。耐えるメイサ。
『黒樹っ、ギブアップ?』
レフリーがメイサに問いかけるが、メイサはギブアップせずに耐えていく。
ギブアップしないメイサに、まさみが技を解いてサイドポジションに移行すると、ボディへ容赦ない膝蹴りを狙う。
しかし逃げるようにメイサが藻掻いて立ち上がると、まさみも立ち上がってスタンディング状態へ。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に水着を直すまさみとメイサ。競泳水着がヒップに食い込んだりしていたが、お互いが直して続けられていく試合。
まさみがパンチを放つと、メイサがカウンター気味にパンチを当てていく。
バシッ・・
パンチが当たると、続けて左右のパンチを入れていくメイサ。
堪らずガードを固めるまさみに、メイサのパンチの連打が炸裂していく。
嫌がるように膝を出して距離を置こうとするまさみ。
メイサは膝が出たからと、ローキックで崩そうとしていく。
バシィィィ・・バシィィィ・・・
メイサのローキックに嫌がるまさみ。
組み付こうとするまさみに、メイサはローキックで距離を置いていく。
バシィィィ・・・
ローキックを受ける度に苦しそうなまさみ。
バシィィィ・・・
更にローキックを叩き込まれると、堪らずまさみが座り込むようにダウンする。
これには素早く殴りに入るメイサ。
堪らず仰向けになって足を向けるまさみに、メイサは踵で強烈なストンピングを狙っていく。
そのメイサに対して、まさみが足をキャッチしてグラウンドに持ち込んでヒールホールドを狙うも、メイサがヒールキックで抵抗して逃れる。
素早く立ち上がるメイサ。まさみも立ち上がろうとすると、メイサがローキックを放った。
その蹴り足にタックルを合わせるまさみ。
上手く組み付いてテイクダウンを奪うが、メイサもフロントスリーパー気味に首に腕を回した。
グラウンド状態で締め上げるメイサ。しかし完全に極まってはいない。
まさみも腕から逃げたいがメイサも逃がさないと、時折ボディへパンチを散らしていく。
殴られても放さないメイサ。
放さないメイサに、まさみは強引に技から逃れると、反撃とばかりに馬乗りになって顔面へパンチを落としていく。
バシィィィ・・・バシッ・・
顔面をパンチを受けてビクンと身体を反応させるメイサ。顔面への容赦ないパンチは苦しい展開。
更にまさみがパンチを入れてから、ガードしようとするメイサの鼻を狙ってパンチを連打する。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・
容赦ない顔面パンチにメイサの鼻から出血。鼻血が噴きだしていく。
激しい出血に呼吸が苦しくなるメイサ。
抵抗するメイサに、まさみは更に鼻を狙ってハンマーパンチを落としていくと、露骨に嫌がりだしたメイサ。
顔面を血に染めて逃げようと俯せになっていくと、まさみが待ってましたとばかりにチョークスリーパーを仕掛けた。
上手く喉元に腕を滑り込ませて締め上げていくまさみ。
メイサの表情が苦悶に歪む。まさみの腕を掴んで抵抗するも、完全に極まって苦しいメイサ。
ここでメイサがまさみの腕をタップしてギブアップすると、レフリーが試合を止めていく。
『カンカンカンカン・・・』
まさみが技を解くと、メイサはグッタリとマットに倒れている。
『勝者、長沢まさみっ!』
リングアナのコールに笑顔を浮かべるまさみ。
黄色い競泳水着姿がグラビアアイドルでも通用する様なスタイルだが、格闘技戦に勝利してガッツポーズでアピールしていく。
そしてリングドクターが応急処置するメイサに対して気遣うようにしてから、まさみはリングを後にするのであった。
負けたメイサも、地下リング2戦目の格闘技戦でまさみを打撃で追い込むなど善戦した事に、観客からは拍手が送られていくのであった。



第15試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、グラビアアイドルの杉元有美。今夜は女祭りのリングで熊多曜子の保持するグラビアクイーンベルトに挑戦の為のリングイン。過去の曜子との対戦では勝利がないだけに、今夜は初勝利を奪いたいところ。
同じ事務所の後輩でもある三谷原華音が空手の有段者だからと、打撃の練習を積んできたと言う情報もあり、何か必殺技を持ってきているのか気になるところ。白いワンピース水着に白いリングシューズ姿の有美。
その有美の挑戦を受けるのは熊多曜子。黒ビキニに黒いリングシューズと言うストロングスタイルでのリングイン。早くも有美を睨み付けるが、有美も冷静にコーナーに寄りかかってリングインを見ている。
『グラビアクイーンタイトルマッチを行います!・・・青コーナー〜・・・挑戦者、身長168p、上から84、58、85・・・Cカップ・・・杉元有美〜っ!』
プロフィールを呼ばれてながら少し照れながらも観客にアピールする有美。
『赤コーナー〜チャンピオン・・・身長164p、上から92、56、84・・・Fカップ・・・熊多曜子〜っ!』
そしてコールを受けて堂々と片手を挙げて観客にアピールする曜子。
史上最強の美乳と言うキャッチでグラビア展開している曜子。今では雑誌などでお馴染みだが、今夜はモデルからグラビアアイドルと活動する有美の挑戦を受ける事となった。過去の対戦では曜子が連勝しているが、成長している有美を相手に油断はできない。
コールが終わると、試合開始のゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、まずは様子を見るようにコーナーからゆっくりと出る曜子と有美。
距離を詰めていくと、お互いが組み合って押し合う展開になると、曜子がロープへ有美を押しつけた。
そして水平チョップを喉元に叩き込むと、咳き込む有美を反対側のロープに振っていく。
しかし有美がロープを掴んで止まると、またも距離を置いて睨み合う展開になっていくリング上。
今度は距離が詰まると、いきなり有美が張り手を放った。
バッシーン・・・
突然の張り手に曜子も返す。
バッシーン・・・
「上等じゃないの!」
エキサイトする曜子は、続けて喧嘩キックを入れてからエルボースマッシュと攻め立てると、ロープに振っていく。
ロープから返ってきた有美に、走り込んでネックブリーカードロップでマットに叩き付けた。
バッシーン・・
「きゃああぁぁぁ・・」
堪らず悲鳴をあげる有美。
起き上がろうとする有美に、曜子は勢いをつけてドロップキックをバストに炸裂させた。
ドスッ・・
「うぐっ・・」
曜子のドロップキックをバストに受けて痛がる有美。
続けてヘッドロックに捉えるも、有美がロープに振って返していく。
ロープから戻る曜子に、有美がラリアットを放った。
バシィィィィ・・・
これにはFカップバストを揺らしながらダウンする曜子。喉元を押さえていると、有美がストンピングを入れていく。
堪らず転がるようにロープに逃げる曜子。
ロープを掴む曜子に、レフリーは有美を離した。
ビキニを直しながら立ち上がる曜子と、睨み付けていく有美。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていくと、有美がローキックからタックルで組み付いていく。
有美が前に出たからと組み付いたままロープに押しつけられていく曜子。
そしてロープに押しつけた曜子のボディにグーパンチを入れる有美。
ドスッ・・ドスッ・・
「くっ・・うっ・・」
鍛えられた曜子の腹筋に拳が炸裂していく。曜子が時折苦悶の表情を浮かべていく。
続けて膝蹴りを有美が叩き込むと、これには曜子が座り込むようにダウンした。
ドスッ・・
「うげっ・・ううううっ・・」
膝蹴りはダメージを与えた様子で、曜子が両手でお腹を押さえて痛がっていると、有美は髪を鷲掴みにして起こしていく。
しかし曜子は両手でお腹を押さえていると、一気にチョークスリーパーを仕掛けるも、曜子がロープを掴んで逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが放させると、曜子は素早くリング下に逃れていく。
有美はリング上で水着を直していると、曜子はリング下でボディのダメージを回復しようと呼吸を整えていく。
そしてリング上に戻る曜子に、有美はロープ際で牽制するも、レフリーが有美を抑えて曜子をリングに戻した。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰める曜子と有美。
バシッ・・・
距離が詰まったからと、有美がローキックを放つ。
蹴られると曜子も蹴り返していく。
バシッ・・・
曜子のローキックに、有美は鋭いミドルキックを放つと、蹴り足が曜子の自慢のバストを直撃する。
グニュ・・
「あうっ・・」
バストを蹴られて痛がる曜子。バストを押さえてフラつくと、有美はエルボースマッシュを側頭部に叩き込んでから、ヘッドロックで締め上げていく。
曜子がロープに振ろうとするも、有美が踏ん張って締め上げていくと、曜子は痛がりながらロープに逃げた。
『ロープ・・・』
レフリーの言葉にヘッドロックを放す有美。
曜子はビキニを直しながら距離を置くも、試合の流れを掴めずに焦りの色も見えている。
『ファイト!』
レフリーの言葉に前に出るのは有美で、狙って曜子の太股にローキックを放っていく。
バシィィィ・・・
ローキックを受けてフラつく曜子。しかしローキックを返すも苦しい状況。
更に有美がローキックを放つと、続けて飛び込むように膝蹴りを放っていくが、これは曜子が組み付いて防いだ。
しかし有美の勢いから倒れ込んでグラウンド状態になっていくと、有美が素早く上四方固めの様に押さえ込んでいく。
押さえ込まれて苦しい曜子。
有美は両足を開いて押さえ込んでいると、曜子は体重を乗せられているだけでもスタミナを消耗して苦しくなっていく。
曜子も抵抗せずに押さえ込まれているが、反撃を狙うも有美の動きが良くて反撃できない。
更に有美がポジションを移行してサイドポジションを奪っていくと、腕を狙っていくが曜子も腕を取られないようにガードしていく。
腕がキャッチできないからと有美が馬乗り状態に移行するも、素手ではパンチ攻撃は認められないから、曜子のバストに握りしめた拳を落とす有美。
グニュ・・
「ああああっ・・・・・」
バストを殴られて悲鳴をあげる曜子。
嫌がる曜子に、有美は更にバスト狙いのパンチを落とすと、曜子はバスト責めには激しく抵抗していく。
有美もベルトが欲しいからとグラビアアイドルには苦しい攻めをしていくが、曜子もベルトを守りたいからと必死の試合展開。
グイッ・・
「きゃああぁぁ・・・」
突然曜子が下から有美の水着に手を掛けると、有美が悲鳴をあげて水着を押さえる。
その瞬間、曜子がブリッジ気味に有美を返すと、転がるようにリング下に逃れていく。
リング下で水着を直していく曜子。有美もリング上で水着を直しながらも、リング下の曜子を挑発していく。
そしてリング上に戻ろうとする曜子に、ロープ際で組み合おうとする有美。
しかしレフリーが有美を離して曜子をリングに戻していく。
『ファイト!』
そして睨み合うと、ビキニに包まれたバストを揺らしながらタックルを仕掛ける曜子。
曜子のタックルにフロントスリーパーの様にキャッチしていく有美。しかし曜子が押し込んで倒していくと、サイトポジションを奪って身体を押しつけていく。
有美の両肩がマットに押しつけられた形に、レフリーがカウントを数える。
『ワン・・・ツー・・・』
カウントが進むと有美が返すと、曜子はフォールの体勢に持ち込んでいく。
『ワン・・・ツー・・・』
フォールの連続に有美もスタミナ消耗を避けようと俯せの体勢になると、曜子がバックを奪っていく。
そしてキャメルクラッチを仕掛けるも、有美が嫌がるようにロープに手を伸ばした。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの言葉に曜子が立ち上がると、有美も水着を直しながら立ち上がった。
『ファイト!』
試合続行が告げられると、距離を詰めていく両者。
距離が詰まると、有美がヘッドロックに捉えていくと、曜子がロープに振っていく。
ロープから戻る有美にドロップキックを放つ曜子。
バストを揺らしながらのドロップキックに観客席から歓声が起きると、有美はダウンしていく。
続けて曜子が髪を掴んで起こすと、ヘッドロックで締め上げてアピールした。
そのままブルドッキングヘッドロックで有美をマットに豪快に叩き付けると、俯せで痛がる有美の両足をロックすると、そのままブリッジの様にして有美の顎をロックする鎌固めを極めていく曜子。
ブリッジ気味になった曜子のバストがビキニから飛び出しそうになるが、観客は喜ぶも曜子は技に夢中で気にしていない・・・。
技を解いてから、ビキニを直しながら立ち上がる曜子は、フラついて立ち上がる有美にエルボースマッシュを叩き込むと、ロープに押しつけてキチンシンクを放った。
ドスッ・・
「うぐっ・・うっ・・」
ボディに膝を入れられて苦しい有美。
続けて絡みつくようなコブラツイストを仕掛けるも、有美が必死にロープに逃れた。
『ロープ・・ロープ・・・』
技を解く曜子は、構わず離れ際にお腹にパンチを入れると、首投げでマットに倒してからヘッドシザースで有美を締め上げた。
グイッ・・
「くっ・・・うっ・・・」
締め上げられて苦悶の表情で逃れようとする有美。
少しずつポジションを変えては、ロープに足を伸ばして逃れる有美。
『ロープ・・・』
レフリーが放すように指示すると、曜子は素早く技を解いて立ち上がる。しかし試合時間が経つにつれて、汗の量も多くなって胸の谷間にも大量の汗が流れ落ちている曜子。
一方、立ち上がる有美も白い水着に汗が浮かび上がっている状態になっていた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく両者。
距離が詰まると、ここで有美がローキックからハイキックと打撃技を出していく。
咄嗟にガードする曜子も、ハイキックには距離を置くと、有美は続けて左右の掌打を放った。
曜子も張り手を放つも、お互い有効打にはならずに距離が詰まると、有美が膝蹴りを放った。
ドスッ・・
「ぐっ・・」
膝蹴りをボディに受けて動きの止まる曜子。
動きの止まった曜子をロープに振っていく有美。そしてロープから戻る曜子に、有美は膝をついて空手で言う正拳突きを曜子に見舞った。
ドスッ・・
「ふぐうっ・・ううっ・・」
正拳突きが曜子の鳩尾に炸裂すると、曜子は両手で鳩尾を押さえてダウンした。
苦悶の表情で藻掻いている曜子。
完全に動きの止まった曜子に、有美が観客席に向かって片手を挙げてアピールすると、両足を抱え込んでステップオーバーして、逆エビ固めを仕掛けた。
エビ反りになって身体がCの字にされていく曜子。鳩尾のダメージで呼吸も苦しく泣きそうな表情で耐えている。
グイッ・・
「ああああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
絶叫して耐える曜子。
有美もギブアップ狙いで揺さぶると、曜子は泣きそうな表情でロープに手を伸ばすが届かない。
腰を落とす有美のヒップが曜子の後頭部につきそうなエグイ逆エビ固め。
『熊多っ、ギブアップ?』
レフリーがギブアップの確認をするが、曜子は必死に耐えている。
「ノォォォォォ・・・ノォォォォォォ・・・」
既にあまりの激痛に泣きながら耐える曜子。
泣き出した曜子に、有美もギブアップ寸前と感じで揺さぶりかけていく。
ロープまで届かず、完全に技を極められて逃れられない曜子。
「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
絶叫しながらマットを叩く曜子。
レフリーもギブアップの確認をしていくと、遂に曜子が絶叫した。
「ギブアップぅぅぅぅぅ・・・・」
その瞬間、レフリーが試合を止めた・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、有美が技を解いていく。
『勝者、杉元有美っ!』
リングアナのコールに有美が勝利したと言う実感を得て笑顔を浮かべる。
対して、ベルトを失った曜子は腰を押さえたまま立ち上がる事ができない。
レフリーが有美の手を挙げていくと、観客席からは大きな拍手が送られていく。
曜子とのシングル戦では負け続けていた有美が、遂に曜子を倒してグラビアクイーンベルトを手にしたのであった。
初の栄冠に有美は満面の笑みを浮かべて観客席に向かって頭を下げると、フラついて立ち上がる曜子と抱き合って健闘を讃え合った。



第16試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、女優やモデルとして活躍する香理奈。今夜は藤原紀華の持つヘビー級タイトルに挑戦する為にリングイン。黄色い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、早くも観客に向かって手を挙げてアピールした。
そして香理奈を挑戦者として迎えた紀華は、白い胸元の開いたワンピース水着に白いリングシューズ、手にはオープンフィンガーグローブを着けてリングインした。2011年は年末に格闘技番組が地上波から消えたからと、紀華は自ら地下プロレスのリングで格闘技スタイルで試合をしようと、手にはオープンフィンガーグローブを着けてきたのだ。
香理奈に緊張が走った。紀華が格闘技戦スタイルと言うと、自分は素手だから顔面パンチが認められないから、ある意味で不利は否めない。しかし紀華は気合い十分で恐怖心すら抱いている様子。
コーナーに寄りかかる紀華は、胸の谷間が強調された様なリングコスチュームに、香理奈は緊張を隠せず、観客は視線を集めている。
『地下プロレス・・・ヘビー級タイトルマッチを行います!・・・青コーナー〜挑戦者・・・身長165p、上から80、58、88・・・香理奈〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする香理奈。地下リングでは実績もある香理奈も、紀華との試合は緊張を隠せない様子。
『赤コーナー〜・・・チャンピオン、身長171p、上から88、60、89・・・藤原紀華〜っ!』
そしてコールを受けると堂々とガッツポーズの様にアピールすると、早くも歓声を浴びていく紀華。
観客の視線が集まる中、ヘビー級タイトルマッチのゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時に前に出る紀華。ガードを固めながら打撃で勝負するのか。
対して香理奈もガードを固めると、動きが固く感じられる中を距離を計っていく。
シュ・・
紀華が牽制のローキックを軽く出すと、香理奈は左右の張り手を放った。
バシッ、バシッ・・
香理奈の張り手を両腕でガードする紀華。
ガードされると近距離からのローキックを放つ香理奈。
バシッ・・
香理奈のローキックを受けると、逆にローキックを返す紀華。
バシィィィ・・
紀華のローキックにフラつく香理奈。しかし組み付いて倒しにいくが、逆に紀華に押し込まれてロープ際で縺れた。
27歳の香理奈と40歳の紀華。力の差は紀華が上回ったのか、香理奈の表情が焦り出す。
体勢を入れ替えて紀華ボディにグーパンチを入れていく香理奈。
殴られて痛がる紀華は、パンチではなく膝蹴りをボディへ入れると、香理奈の動きが止まった。
ドスッ・・
「うぐっ・・うううっ・・」
身体をくの字にして苦しむ香理奈に、紀華は早くも顔面狙いのパンチを連打する。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
ボディへの膝蹴りのダメージでノーガードの香理奈が、顔面へのパンチの連打に堪らずダウンすると、紀華が素早くバックマウント奪っていく。
顔へのパンチを受けたくないからとガードする香理奈。
紀華は冷静にボディへパンチを入れていくと、肋骨に響くような衝撃に香理奈が脇腹をガードすると、がら空きの側頭部にパンチを入れていく紀華。
バシッ・・バシッ・・
側頭部を殴られて嫌がるように藻掻く香理奈。
チョークスリーパーも狙う紀華に、香理奈はガードして喉元に腕を入れさせないと、紀華は側頭部などを殴りつけてはガードを開けさせようとする。早くも苦しい展開になった香理奈。
少しずつロープに逃げようとする香理奈。紀華が側頭部などを殴りつけては、香理奈にダメージを与えていく。
『ロープ・・ロープ・・』
しかし香理奈の手がロープに届くと、ここでレフリーが紀華を離していく。
そして香理奈が立ち上がると、水着を直していく。
『ファイト!』
レフリーが続行の掛け声をかけると、前に出る紀華。対して距離を置こうとする香理奈。
ローキックを放つ香理奈に、紀華が積極的にタックルを合わせると倒していく。
仰向けに倒された香理奈に、紀華が素早く上からギロチンチョークを狙うが、香理奈が藻掻いて藻掻いて逃れると、紀華が肩固めを仕掛けていく。
技が極まりかけると、香理奈がロープに足を伸ばして逃れた。
『ロープ・・・』
レフリーの支持に技を解く紀華。水着を直しながら立ち上がっていくと、香理奈も立ち上がっていく。
『ファイト!』
そして試合が続けられると、紀華が前に出て行く。
香理奈が軽くジャブ気味の掌打を放つと、紀華がローキックで牽制していく。
紀華のローキックを嫌がる香理奈。
紀華が続けてローキックを放つと、逆に蹴り足にタックルを仕掛けていく香理奈。
上手くテイクダウンを奪うと、素早くサイドポジションを奪いにいくと、紀華もブリッジ気味に返していく。
水着からバストが飛び出しそうになる紀華だが、構わず藻掻いて香理奈を返そうとする。
香理奈はハンマーパンチを紀華のボディに入れていくと、紀華は腕を狙っていくが香理奈が簡単には取らせない。
紀華の腕を曲げて関節を狙う香理奈。しかし紀華がロープに逃れた。
『ロープ・・ロープ・・』
レフリーの指示に放す香理奈。
紀華も水着を直しながら立ち上がると試合は続けられた。
『ファイト!』
試合が続けられると、紀華が一気に前に出て香理奈の顔面に左右のストレートパンチを叩き込んだ。
バシッ・・バシッ・・
いきなりの顔面パンチに戸惑う香理奈に、紀華は更に前に出て首相撲から膝蹴りをボディに叩き込んでいく。
ドスッ・・ドスッ・・
2発の膝が炸裂すると、香理奈の表情が苦痛に歪んだ。
下を向く香理奈は堪らず組み付いていくと、紀華が背中にエルボーを落としていく。
ゴキッ・・
苦しい香理奈は必死に紀華をロープ際に押し出していくと、ここでレフリーが別けていく。
『ブレーク・・・ブレーク・・・』
レフリーに別けられたが、香理奈は顔面パンチと膝蹴り、そしてエルボーと続けて受けて苦しい様子。
『ファイト!』
ガードを固める香理奈に、紀華が崩すようにローキックを太股に叩き込んでいく。
バシィィィィ・・・バシィィィィ・・・
ローキックが続けて決まっていくと、香理奈の太股が内出血して変色して痛々しくなっていく。
しかし構えたまま耐える香理奈。何かを狙っている様子も、打たれ続けると苦しくなっていくはず。
香理奈も前に出て張り手を出すと、紀華の頬を抉るが紀華の左右のフックからアッパーと打撃技が続く。
バシッ、バシッ、バシィィィィ・・・
アッパーを受けて動きの止まる香理奈に、紀華が組み付いてからフロントスープレックスでマットに叩き付けると、続けて腕を狙っていくが香理奈がロープに逃げる。
『ロープ・・・』
何とかロープに逃げるもフロントスープレックスのダメージで苦しい香理奈。
フラついて立ち上がると、レフリーが続行の指示を出す。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に紀華が距離を詰めると、香理奈の顔面を容赦なく殴りつけた。
バシッ、バシッ、バシッ、バシィィィ・・・
香理奈も蹴りを出して距離を置きたいが、紀華の勢いにコーナーに詰まった。
ガードを固めるも紀華のパンチの連打に苦しい香理奈。
既に鼻血が流れている香理奈。黄色い競泳水着にも血が垂れだしている。
距離を置こうと前蹴りを出すも紀華が蹴りを受けても、逆に蹴り返して前に出る。
コーナーから逃げられない香理奈に、紀華はローキックで足を蹴り続けていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
堪らず座り込むようにダウンする香理奈。しかしプロレスルールだからダウンカウントは取られずに続けられていく。
コーナーで座り込む香理奈に、紀華が非情の喧嘩キックを顔面に叩き込んだ。
バキィィィィ・・・
顔面への喧嘩キックに動きの止まる香理奈。
更に紀華が顔面狙いの喧嘩キックを放つと、香理奈は意識を飛ばしそうになりながら崩れ落ちた。
グッタリする香理奈の髪を鷲掴みにして起こしていく紀華。
そしてトップロープに腕を絡ませて磔状態にすると、観客にアピールしてから香理奈の顔面へパンチを叩き込んでいく。
まるでサンドバック相手に練習しているかの様に殴りつけて、更にミドルキックなどボディには蹴りを入れていく紀華。
バシィィィィ・・・
「ウゲッ・・・」
ボディへの強烈なミドルキックに涎を垂れ流す香理奈。
完全に動きが止まっていくと、紀華はロープから放してから、組み付いてフロントスープレックスでマットに叩き付けると、グッタリする香理奈を俯せにしてから、脇腹に強烈な膝蹴りを入れていく。
ドスッ・・
「ふぐっ・・ううっ・・うっ・・」
脇腹への膝蹴りに声を漏らす香理奈。
紀華が続けて膝蹴りを入れると、香理奈は藻掻き苦しむ。
ドスッ・・
「ああああああっ・・・」
悲鳴をあげて痛がる香理奈。
逃れようとする香理奈に、紀華が容赦ない膝蹴りを入れていく。
ドスッ・・ドスッ・・
膝蹴りの連発に香理奈の動きが止まって俯せで動かなくなると、紀華が立ち上がった。
そして動きの止まる香理奈のヒップ、そして頭にサッカーボールキックを入れていくと、香理奈は丸くなって蹴られていく。
転がるようにロープに逃げようとする香理奈。
紀華の蹴りに苦しい状態になるも、何とかロープに逃げるとレフリーが紀華を止めていく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが割って入るも、香理奈は苦しい状況が続いていた。
紀華も呼吸を整えて距離を置いていくと、香理奈がゆっくりと立ち上がった。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出る紀華。
対して香理奈は苦しそうな表情を浮かべていると、紀華がローキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
強烈なローキックにフラつく香理奈に、紀華が狙いを定めてハイキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
側頭部へのハイキックにマットに崩れ落ちる香理奈。そこへ馬乗りになって殴りつけていく紀華。
必死にガードしようとする香理奈だったが、紀華の一方的なパンチの連打にレフリーが戸惑った。
俯せになって顔を守ろうとする香理奈だったが、動きが止まって危険に見えてレフリーは試合を止めようとするが、香理奈はロープに逃げようと少しずつ動き出す。
紀華は容赦なく側頭部へパンチを入れていくと、香理奈はレフリーストップギリギリの状態でロープに逃れた。
『ロープ・・・』
レフリーが香理奈がロープを掴んだからと紀華を離していくと、紀華は水着を直しながら距離を置いた。
香理奈も殴られ続けてダメージを増やしながらも、ロープを掴んで立ち上がると、水着を直しながら鼻血を拭った。
『ファイト!』
レフリーの掛け声にガードを固める香理奈。
紀華がゆっくりと距離を詰めると、ローキックからミドルキックと打撃で前に出た。
蹴り続けられて苦しい香理奈。
香理奈もハイキックを放つも避けられて、逆に軸足へローキックを入れられてダウン寸前の香理奈。
堪らずリング下にエスケープすると、観客席からのブーイングも出る中でプロレスルールだからと場外で呼吸を整えていく香理奈。
紀華はリング上で香理奈の動きを見ているが、場外戦には付き合うつもりはない様子。
香理奈が鼻血を気にしながらリングサイドを動くと、紀華はリング上から動きを睨み付けた。
そして香理奈がリングに戻ると、試合が続けられていく。
『ファイト!』
レフリーの言葉に距離を詰めていく紀華。
対して香理奈は足へのダメージからもガードを固めて動きが固い。
バシッ・・
ローキックを受けて嫌がる様に下がる香理奈。
更に紀華がローキックを叩き込むと、一気に組み付いてからフロントスープレックスでマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
マットに叩き付けられて動きの止まる香理奈。
動きの止まる香理奈に、両足で頭を挟んでから、ノーガードのバスト、ボディへパンチを落としていく紀華。
抵抗するもガードも出来ずに、バストやお腹を殴られて苦しい香理奈。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
殴られる度にビクンと身体を反応される香理奈。
紀華が体勢を入れ替えようとすると、香理奈が反応して転がるように逃れる。
しかし俯せ状態から立ち上がろうとした瞬間、紀華がサッカーボールキックを顔面に叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
これには顔面を押さえて俯せ状態で動きの止まる香理奈。
紀華がバックマウントから、髪を掴んで顔を上げていくと、香理奈の顔面が鼻血で真っ赤になっている。
観客席からも驚きの声が出る中、紀華がキャメルクラッチを仕掛けると、香理奈が抵抗するが呼吸も苦しく両足をバタバタさせてギブアップ寸前に追い込まれていく。
紀華もギブアップ狙いで揺さぶっていくと、香理奈が遂に紀華の手を叩いてタップ。ギブアップした・・・。
『カンカンカンカン・・・』
レフリーが試合を止めると、紀華が技を解いていく。
香理奈がマットにグッタリとすると、マットに血が垂れ落ちていく。
『勝者、藤原紀華っ!』
リングアナのコールに紀華が立ち上がると、グッタリする香理奈を気遣いながらもレフリーに手を挙げられていく。
そしてヘビー級ベルトを腰に巻かれると、観客席に向かって防衛したからと笑顔でアピールするのであった。
今回の試合はフロントスープレックスを3回も出すなど、40歳になっても益々試合が楽しみな紀華として2011年最後の試合を終えたのであった。

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