第81回大会

第1試合
リングアナがリングに上がると、女優達によるトーナメントの開催がアナウンスされた。
2012年最初の大会でのトーナメント、出場選手が発表された。
『2012年、女優限定美女トーナメント・・・出場選手発表っ!』
突然のトーナメント戦開催に拍手が起きると、リングアナが進めていく。
『藤原紀華、長沢まさみ、深多恭子、黒樹メイサ、香理奈、笹木希、掘北真希、大池栄子、市河由衣、加藤愛、上都彩、吉澤明歩、片丘明日香、藍武紗季、末広涼子、鈴本京香、飯嶋直子、猪上和香、澤尻エリカ、戸向美奈子、綾瀬遥、吹石和恵、館野美穂、米蔵涼子っ!』
豪華出場者に歓声があがると、組み合わせは発表されずにリングに上がって分かると言うもの。早速第1試合から開始される事となった。
『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、現地下プロレスヘビー級チャンピオンの藤原紀華がリングインしていく。
胸元の開いた白いワンピース水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、早くも歓声の中をコーナーに進んでいった。
その紀華の対戦相手としてリングインするのは、吉澤明歩だった。女優と言うジャンルからで、人気AV女優代表としてリングに上がる明歩。過去2戦地下プロレスを経験しているだけに期待されたが、初戦が紀華と言う事で苦しい試合が予想される。
黄色い胸元の開いたワンピース水着に、黄色いリングシューズの明歩。紀華を相手にすると言う事で緊張感が伝わるが、AV代表として歓声が送られていた。
『青コーナー〜・・・身長171p、上から88、60、89・・・藤原紀華〜っ!』
早くも歓声を浴びて笑顔で歓声に応える紀華。
『赤コーナー〜・・・身長160p、上から86、58、86・・・吉澤明歩〜っ!』
コールを受けて一礼していく明歩。水着を気にしながらもコーナーで身体を動かしていくと、ここでレフリーが試合開始のゴングを要請した。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、コーナーから飛び出す紀華と明歩。
まずは距離を置いていくと、紀華がガードを固めて打撃スタイルで距離を詰めていく。
明歩が警戒して距離を置くが、紀華がローキックを放った。
バシィィィ・・・
ローキックが炸裂するとバランスを崩す明歩。
更に紀華がローキックを放つと、明歩はロープに逃れた。
ロープ際の明歩に紀華がリング中央から手招きしていくと、明歩は少しずつ距離を詰めていく。
バシッ・・・
近づく明歩の太股に炸裂していくローキック。明歩の表情が苦痛に歪んだ。
しかし明歩がドロップキックを放つも不完全な形になって紀華がダウンしないと、逆に立ち上がり様にサッカーボールキックを叩き込まれていく。
バッシーン・・・
顔面に蹴りを受けて両手で顔を押さえて痛がる明歩。
経験の差からも一方的な試合展開になっていくと、観客席からも歓声が飛んでいく。
明歩は打撃対策がなくサンドバック状態にされていくと、フラつきながらも立ち上がる。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に紀華が距離を詰めると、大振りの左右の張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・バッシーン・・
張り手を受けて痛がる明歩。
「勝負にならないじゃないの!」
紀華が不機嫌そうに明歩に言い放つと、明歩も意地になって張り手を返す。
バッシーン・・・
しかし張り手を受けて紀華が、首相撲の体勢に持ち込んで膝蹴りを叩き込むと、明歩の動きが止まった。
更に膝蹴りを出そうとする紀華に、明歩が苦し紛れに水着に手を掛けた。
グイッ・・
「何するのよ!」
紀華が叫ぶと、明歩が紀華の水着の肩紐辺りを掴んで下ろしていく。
紀華の見事なFカップバストが露わになると観客が歓声をあげた。
『吉澤〜っいいぞ〜っ!』
『藤原の水着を剥ぎ取れっ!』
流石に水着を押さえていく紀華に、明歩は更に水着を脱がそうとしていくと、トップレス状態になっていく紀華。
バストを押さえながらリング下にエスケープする紀華に、明歩はリング上から挑発した。
突然の水着剥ぎに観客席が盛り上がるも、リング下では紀華の怒りは頂点に達していく・・・。
「許さない・・・」
リングサイドで水着を直していく紀華が呟くと、リング上では歓声を受けて笑顔も浮かべる明歩。
明歩がリング上で歓声を浴びていると、紀華がロープを掴んでリングに戻ると、その視線に明歩が怯えた・・・。
ノーガードで近づく紀華は、明歩にグーパンチで殴りかかると、続けてコーナーにロープ際に押し込んでいく。
口の中を切って黄色い水着に血が垂れる明歩。
しかし紀華は構わず両腕をトップロープとセカンドロープに絡ませて磔にしていくと、観客にアピールする様に水着に手を掛けた。
「何するのよ、やめてよぉぉぉぉ・・・」
水着に手を掛けられて叫ぶ明歩。
「何って、お客さんが喜ぶ事をやるのよ・・・地下プロレスの怖さを教えてあげるわよ・・・」
紀華が明歩に囁くと、一気に両手で水着を掴んで剥ぎ取った。
グイッ・・
「きゃああぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげる明歩の水着を脱がしてトップレスにすると、磔状態の明歩が悲鳴をあげるも歓声に包み込まれていくリング。
紀華が観客にアピールすると、トップレスでロープに磔状態の明歩のバストに紀華のハイキックが炸裂していく。
バシィィィィ・・・
「ああぁぁぁぁ・・・」
バストに強烈な蹴りを受けて悲鳴をあげる明歩。
続けて拳を握りしめてお腹に殴りつけていく紀華。
ドスッ、ドスッ・・・ドスッ・・
「うっ・・ううっ・・・ウゲッ・・・」
お腹を続けて殴られて涎を垂れ流していく明歩。
動きが完全に止まっていくと、紀華がロープから明歩を放してから、髪を鷲掴みにしてから露わになっているバストをロープに押しつけると、一気に擦りつけていく。
ギュ・・ギュギュ・・・
「いやああぁぁぁぁぁ・・・・」
バストをロープに擦りつけられて絶叫する明歩。
更にロープに擦りつけてから、バストへ膝蹴りを入れて動きを止めていく紀華。
グッタリと俯せ状態で苦しむ明歩に、紀華が水着に手を掛けると完全に水着を剥ぎ取っていく。
黄色いリングシューズのみの明歩が俯せで立ち上がれないと、紀華が無理矢理起こしてコーナーに押し込んだ。
フラフラしている明歩をボディスラムの要に抱え上げてから、トップロープに両足を掛けて逆さ吊り状態にしていくと、紀華が観客にアピールした。
「地下プロレスの怖さを教え込んであげるわ!」
そのアピールに盛り上がる観客席。
逆さ吊りになって無惨にも秘部までも露わにされている明歩。アピールした紀華がリング下に降りると、観客席からビール瓶を受け取ってアピールした。
そしてリングに戻ると、ビール瓶を明歩の股間に近づけていく紀華。
明歩もビール瓶に気がついて怯え出すと、紀華は構わず秘部に押し込んでいく・・・。
グニュ・・
「ひぎぃ・・・」
ヘンな悲鳴をあげる明歩。明歩の秘裂にビール瓶が吸い込まれていくと、観客席から歓声が起きていく。
「ああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
ビール瓶を押し込まれて絶叫する明歩。
容赦せずにビール瓶を押し込んでいく紀華。水着を脱がされた事で腹を立ててのヒールファイト。
そしてビール瓶を抜いてから、コーナーから明歩を解放してから両足を掴むと、一気に逆エビ固めを仕掛けていく紀華。
グイッ・・・
「あああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
プロレス技の痛さと、逆エビ固めを極められての股間を晒している事に悲鳴をあげる明歩。
観客席からは歓声があがると、紀華はギブアップする前に技を解いていくと、今度はロメロスペシャルを仕掛けた。
グイッ・・
「いやああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
完全に股間を晒しながら悲鳴をあげる明歩。
紀華も容赦ない全裸の晒し者攻撃で明歩を痛めつけていく展開。
観客席からも明歩の股間に視線が集まる中、紀華はこれでもかと言うように極めていく。
しかしギブアップで簡単に終わらせるつもりはない様子で、紀華が技を解いていくと明歩が全裸でグッタリしている。
戦意喪失状態の明歩に、紀華は観客にアピールしてから髪を掴んで起こすと、スタンディング状態でチョークスリーパーを仕掛けた。
グイッ・・
明歩の表情が苦悶に歪む。同時に紀華が揺さぶりながら極めていくと、明歩が抵抗するがその力が弱まっていく・・・。
全裸の明歩が失神寸前に追い込まれていくが、苦しくギブアップしたくとも苦しさから逃れようと腕を掴むも、意識を失いかけて次第に股間から異臭を放つ液体を垂れ流していく明歩・・・。
『カンカンカンカン・・・』
失神失禁状態にレフリーがゴングを要請すると、ここで紀華の圧勝で試合が終えられた・・・。
『勝者、藤原紀華っ!』
リングアナのコールに技を解く紀華。
明歩はグッタリとマットに倒れ込むと、紀華が顔面を踏みつけてガッツポーズを決めるのであった。




第2試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、アキバ48の板乃友美を一方的な試合展開で倒した笹木希。白いスポーツビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、顔面パンチが認められるようにとオープンフィンガーグローブを着けだしている。早くも観客席が盛り上がる中、希は対戦相手の登場を笑みを浮かべて待っている。
その希の待つリングに登場したのは藍武紗季。堂々と白い競泳水着姿でリングインすると、希と視線を合わせる事なくコーナーへ進んでいく。
『青コーナー〜・・・身長168p、上から80、58、82・・・笹木〜希〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする希。反対コーナーの紗季を挑発する様に指を指していく。
『赤コーナー〜・・・身長165p、上から84、57、87・・・藍武紗季〜っ!』
そしてコールを受けて軽く観客席に向かって一礼していく紗季。反対コーナーの希に対しては反応を見せない。
紗季は素手なので顔面へのグーパンチは認められないが、希はオープンフィンガーグローブを着けているから、顔面へのパンチが認められている中の試合。
そして試合開始のゴングが打ち鳴らされた・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時に希が構えて前に出ると、紗季はゆっくりと距離を詰めていく。
希の打撃を警戒してガードを上げる紗季。
希が軽くジャブを放つも、紗季は構わずローキックで牽制していく。
バシィィィ・・・
紗季のローキックフラつく希。距離を離していくと、足を気にしながらも紗季を睨み付けた。
対して紗季はガードを下げて希との距離を置いていく。緊張感あるリング上。
そして希が距離を詰めていくと、一気に左右のパンチを放っていく希。
その瞬間、紗季が身体を沈めて低空タックルを仕掛けて組み付くと、一瞬驚く表情を浮かべた希からテイクダウンを奪っていく紗季。
堪らずハンマーパンチの様に小刻みに殴りつける希に、紗季は身体を密着させながらサイドポジションをに移行していく。
藻掻くように動く希に、紗季が上手くサイドポジションを奪うと、上から体重を乗せるように押さえつけていく。
押さえつけられて、返そうとする希。この行為だけでもスタミナを消耗していくと、紗季は殴る訳でもなくスタミナを奪う作戦に出た。
体重を乗せるようにしてのサイドポジションのキープ。
流石の希も返せずに苦しい展開になっていくと、次第に全身から汗が流れ落ちていく。
更に体勢を動かして上になっていく紗季は、希の喉元に腕を押し当てるギロチンチョークを仕掛けた。
グイッ・・
「ぐくっ・・うっ・・」
ギロチンチョークに苦悶の表情を浮かべる希。
紗季が体重を乗せていくと、希が苦しさから藻掻き出す。
レフリーもギブアップの確認をするが、希は必死に耐えていく。
少しずつロープに逃れる希。そして足が届くとレフリーが紗季を離していく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの言葉に技を解く紗季は、立ち上がって水着を直して距離を置いた。
一方、希は呼吸を乱しながらも水着を直すと、距離を置く紗季を睨み付けた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰める紗季。
逆に希はガードを上げていくと、軽くジャブを放つも威力が感じられずに、スタミナ切れかと思うような汗の量。
紗季が組み付こうと前に出るも、希が距離を置いて逃げている。
ガードを上げて前に出る紗季が、そのままタックルを仕掛けると希の組み付いた。
そのままロープ際に押しつけていくと、希がフロントスリーパー気味に首に腕を巻き付けていく。
紗季も冷静にロープに押しつけると、希のボディにパンチを小刻みに入れていく。顔面ではないから認められている攻撃だが、希は殴られると嫌な表情を浮かべた。
体勢を入れ替えるようにリング中央側に身体を向けると、一気にDDTを仕掛ける希。
しかし汗で紗季の頭が腕から滑り抜けると、希が尻餅をつく形でダウンする。
同時に紗季が馬乗りのマウントポジションを狙うと、必死に藻掻いて抵抗する希。
一気にヒップドロップ気味にお腹に体落としを仕掛ける紗季。
ドスッ・・
「ふぐうっ・・」
お腹への圧力を受けて動きの止まる希。
一気に紗季がマウントポジションを奪うも、顔面パンチは認められないから張り手を叩き込んでいく。
バシッ、バシッ、バシッ・・・
叩かれて嫌がるように藻掻く希。しかし紗季が上から上手く体勢をキープすると、希の頬に張り手を入れていく。
バシッ・・バシッ・・
口の中を切って唇から血を滲ませていく希。口の中に拡がる鉄の味に怒っている様子。
しかし紗季の優勢な試合展開には希も苦しい状態が続いている。
希が少しずつロープに逃れようと動いていくと、紗季は脇腹にパンチを叩き込む。
ドスッ・・
「ぐっ・・うっ・・・」
殴られて苦悶の表情を浮かべる希。紗季に体重を乗せられているだけでもスタミナの消耗が激しい。
しかし希の手がロープに掛かると、ここでレフリーが紗季を離していく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に立ち上がる紗季。白い競泳水着を直しながら距離を置いていく。
一方、希はゆっくりと立ち上がるも呼吸が乱れて苦しそうな表情を浮かべていると、水着を直しながらも紗季を睨み付けた。
『ファイト!』
レフリーの続行の指示が飛ぶと、ゆっくりと距離を詰めていく紗季。
希も呼吸を整えようとしながら距離を計ると、紗季が組み付こうとタックルを仕掛ける。
その瞬間、希がカウンター気味の膝蹴りを合わせるも威力がないが、タックルを仕掛けた紗季の顔面を捉えた。
ゴキッ・・
鈍い音がリングに響くと、紗季は組み付くが勢いがなくなり抱きつく様な格好になっていく。
希も組み付くように縺れると、コーナーで抱きつく体勢になって止まっていく展開。
膝が顔面に入ってダメージを負った紗季の勢いが止まると、希が顔面狙いのパンチを放っていく。
バシッ・・バシッ・・
小刻みのジャブを受けて嫌がる紗季。
コーナーを背にガードを固める紗季に、希が飛び込むように喧嘩キックをお腹に放った。
ドスッ・・・
「ゲッ・・・」
お腹を蹴られて苦悶の表情を浮かべる紗季。両手でお腹を押さえると、一気に希が顔面へパンチを叩き込んでいく。
バシッ・・バキッ・・
顔を狙われて動きの止まる紗季。顔を両手で押さえると、希がガードの上から喧嘩キックを叩き込んでいく。
ドスッ・・
「んあぁぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげてコーナーに崩れ落ちる紗季。
鼻血が噴きだして白い競泳水着を赤く染め出す中、希がコーナーで紗季からマウントポジションを奪おうとしていく。
すると、顔面を血に染めながらも下から三角締めを仕掛ける紗季。
これには歓声が起こると、希は腕を引き抜いて距離を置いた。
距離を置く希を見て、紗季は鼻血を拭いながらも立ち上がると、水着を直しながら構えた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出る紗季。希も構えると、軽くジャブを放っていく。
パンチを出す希に、紗季がタックルを仕掛けて倒そうとするも、希も何度もタックルを受けてタイミングを見切ったのか、両手で髪を掴むと顔面を膝蹴りで蹴り上げた。
ゴキィィィィ・・・
膝蹴りの鈍い音が響き渡ると、紗季が口から血飛沫をあげてマットに崩れ落ちる。
グシャ・・
強烈な膝蹴りを顔面に受けて意識を飛ばしかけながら、顔面からマットに崩れる紗季。
もう試合続行不可能と言う状態の紗季に、希は容赦なく踵のストンピングを連打していくと、ここでレフリーが危険だからと試合を止めたのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが響き渡るリング上。レフリーが希を止めるも納得がいかないのか、紗季を蹴り続ける希。
完全に失神KOと言う状態の紗季は蹴られて身体にダメージを受けていくが、黒服なども急いで希を止めていくのであった。
リングドクターが失神している紗季を応急処置していく中、リング上では希がリングアナによって勝利を告げられるのであった。
『勝者、笹木希っ!』
観客達も衝撃なKOに言葉を失うが、勝利した希も疲れ切った表情を浮かべていてトーナメント戦だから、次の試合が心配な終わり方だった・・・。
そして紗季は担架が要請されて担架に乗せられての退場となった・・・。



第3試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、再現フィルムの女王などと言われる片丘明日香。地下プロレスでは負け無しの成績で今夜のトーナメントに出される事になった明日香。白い胸元の開いたワンピース水着に白いリングシューズでリングインすると、観客席に向かって頭を下げてからコーナーに進んでいく。
その明日香の対戦相手としてリングインするのは、映画やドラマなどで順調の活躍を見せている綾瀬遥。
黒いワンピース水着に黒いリングシューズ。水着だから大きなバストが強調されていると、早くも歓声を浴びていく遥。
早くもリングアナによるコールが始まっていく・・・。
『青コーナー〜・・・身長155p、上から79、59、81・・・片丘明日香〜っ!』
コールを受けて一礼していく明日香。水着を気にながらも身体を動かして試合開始に備えている。
『赤コーナー〜・・・身長165p、上から88、61、91・・・綾瀬遥〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする遥。反対コーナーの明日香とは視線を合わさずにコーナーに寄りかかる。
33歳の明日香と26歳の遥の試合が開始された・・・。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、まずはコーナーから飛び出す明日香と遥。
距離を置いていくが体格差から遥が前に出てプレッシャーを与えていく。
明日香はリング内を回るようにして遥との距離を計ると、前に出る遥と組み合わずにロープに走っていく。
勢いをつけると、ジャンピングニーパッドを仕掛けるも遥が避けていく。
避けられるとスピンキックを放っていく明日香。スピンキックが遥に炸裂すると、フラつく遥。
続けて体格を気にせずエルボースマッシュを叩き込むと、首投げでマットに遥を叩き付ける明日香。
バッシーン・・・
マットに倒れる遥に、素早い動きでヘッドシザースで締め付ける明日香。
趣味の1つに殺陣があり、アクションもこなす明日香だけに、素早い試合展開に遥は苦しいところ。
両脚で締め上げられて苦悶の表情でロープに手を伸ばす遥。
しかし足がロープに伸びてレフリーが技を解かせていく・・・。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に技を解いていく明日香は、素早く立ち上がると距離を置いた。
そして遥が起き上がると、勢いあるドロップキックをバストを狙って放っていく明日香。
グニュ・・
「ああんっ・・・」
バストにドロップキックを受けてダウンする遥。
胸を押さえて起き上がると、明日香が続けてドロップキックを放っては倒していく。
バシィィィ・・・
「きゃああぁぁぁぁ・・・」
今度は顔面を捉えて悲鳴をあげて倒れ込む遥。
顔面を両手で押さえて痛がる遥に、明日香が髪を掴んで起こしていくと、遥が組み付いていく。
体格差から組み付かれると苦しい明日香がロープ際に押し込まれた。
遥がゆっくりとヘッドロックの体勢に持ち込むと、バックドロップで投げられない様にサイドヘッドロックの体勢に移行してから、明日香を締め付けていく。
グイッ・・
「くうっ・・ううっ・・」
締め上げられて痛がる明日香。
しかし明日香が身体を密着させると、遥をロープに振っていく。
ロープから戻る遥に、明日香がフライングボディアタックを仕掛けると、そのままフォールした。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし返していく遥。返されると明日香がスリーパーを仕掛けるも、遥がロープに逃れた。
『ロープ・・・』
レフリーの指示に明日香が技を解くと、立ち上がり様にマットに座る格好の遥の背中にサッカーボールキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
蹴られて苦悶の表情を浮かべる遥。
更に髪を鷲掴みにして起こしていく明日香だが、遥がお腹にパンチを入れて抵抗すると、続けてヘッドロックに捉えていく。
締め上げられて苦しい明日香。遥が締め上げていくと、明日香がロープに振ろうとしたりと抵抗していくが、遥は動じない。
逆にブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けると、動きが止まった明日香の両足をキャッチして、インディアンデスロックで足殺しを仕掛けていく遥。
グイッ・・
「ああああああっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる明日香。
痛がる明日香に、技を解いてから素早くキャメルクラッチを仕掛けていく遥。
グイッ・・・
上半身が反らされて苦しい展開の明日香。観客席からも歓声が飛ぶと、遥は揺さぶって痛めつけていく。
レフリーもギブアップの確認をするが、明日香がギブアップせずに耐えるからと遥が技を解くと、腰にヒップドロップを落としてから立ち上がった。
苦悶の表情でグッタリする明日香を起こしてから、遥は余裕の表情を浮かべてボディスラムでマットに叩き付けると、素早くフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・』
カウントが進むが明日香が返すと、遥は髪を掴んで起こしていく。
そして明日香を下に向かせると、そのままパイルドライバーを仕掛けていく遥。
逆さにされていく明日香は、大技を受けるとダメージが大きいからと必死に踏ん張っていく。遥も上手く逆さにできないと、逆にリバースブレンバスターで切り返す明日香。
バッシーン・・・
体格差からも明日香も苦しい展開になっているが、投げられた遥は背中を打ち付けて苦悶の表情を浮かべている。
明日香が立ち上がるとストンピングをバストに入れてから、髪を掴んで起こしてから素早く卍固めを仕掛けた。
グイッ・・
「うああぁぁぁぁぁ・・・」
全身に走る激痛に悲鳴をあげる遥。
しかし体格差もあり技を解いていく遥に、明日香が素早く側頭部にハイキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
ハイキックを受けてフラつく遥に、続けて明日香が後頭部へハイキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
後頭部へのキックにゆっくりとマットに崩れ落ちる遥。
後頭部を押さえて俯せになっている遥に、明日香は後頭部に更にヒップドロップを叩き込んでから、キャメルクラッチで痛めつけていく。
グイッ・・
「あうっ・・」
上半身を反らされていく遥。苦悶の表情を浮かべて耐える姿に観客からは歓声が飛んでいる。
必死に逃れようとする遥は、ゆっくりとロープに逃げると、汗だくになりながらも逃げ切った・・・。
『ロープ・・・』
レフリーの指示に明日香が立ち上がると、遥は水着を直しながらフラつきながらも立ち上がる。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に明日香がドロップキックを放つと、豪快にマットにダウンする遥。
お互いが立ち上がると、明日香が何かを狙うが遥が走り込むとラリアットを叩き込んだ。
バッシーン・・・
遥の体重を乗せたラリアットに明日香が大の字にダウンすると、ゆっくりと明日香のバストを踏みつけてフォールしていく遥。
『ワン・・・ツー・・・』
カウントが進むが返していく明日香。
返されたからと明日香を起こしていく遥は、そのままボディスラムでマットに叩き付けると、ボディプレス気味にフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・』
しかしまたも返していく明日香。しかし苦悶の表情を浮かべている。
遥がゆっくりと明日香の髪を掴んで起こしていくと、突然明日香が組み付いていくと、体格差も構わずにフロントスープレックスでマットに叩き付けた。
これにはダメージを負う遥。続けて腕を掴むと素早く三角締めを極めていく明日香。
素早い技の連続に苦しむ遥。
ロープに逃れたくても、三角締めを極められて意識を朦朧とさせていく遥。
『カンカンカンカン・・・』
ここでまさかの遥がタップしてのギブアップ負け。ゴングが鳴らされると観客席からは驚きの声があがった。
『ただ今の試合、片丘明日香の勝利となりました!』
リングアナのコールに技を解く明日香も驚きの表情だが、負けた遥もトーナメント初戦での敗北にショックの表情を浮かべている。
しかし明日香が遥と握手すると、遥も再戦を約束してリングを去るのであった・・・。



第4試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、地下プロレス第1回大会ではヘアヌードデスマッチでデビューした鈴本京香。今回は女優のトーナメントで若手女優などに意地を見せられるのかと注目が集まる中、白いワンピース水着でのリングイン。豊満なバストが作り出す谷間には観客席からも注目が集まっている。
その京香の対戦相手としてリングインするのは、若手女優の黒樹メイサ。豹柄水着に手にはオープンフィンガーグローブを着けてのリングイン。早くも京香に臆する事なく睨み付けると、コーナーに進んでいく。
『青コーナー〜・・・身長166p、上から88、59、89・・・鈴本京香〜っ!』
コールを受けて観客に一礼する京香。43歳のベテラン女優のコールに会場が盛り上がっていく。
『赤コーナー〜・・・身長165p、上から80、60、85・・・黒樹メイサ〜っ!』
コールを受けて観客に片手を挙げてアピールするメイサ。23歳の新鋭がベテランに挑むこの一戦。
コールが終わると、早くも試合開始のゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出すメイサ。
ゆっくり前に出た京香との距離を詰めると、早くもローキックを放っていく。
バシィィィ・・・
メイサの蹴りに顔が歪む京香。
続けて左右のパンチを放つメイサに、京香はガードを上げていくもボディにパンチを受けて苦悶の表情。
下がる京香にミドルキックを叩き込んでから、ロープに押し込んでいくメイサ。
早くも試合の流れを掴んだ感のメイサ。
ロープに詰まると京香がメイサの首に腕を回すと、メイサは構わずボディにパンチを打ち込んでいく。
バシッ・・バシッ・・・
「はうっ・・うっ・・」
お腹を殴られて苦しむ京香。
しかしロープだからとレフリーが放していく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に離れるメイサ。序盤でペースを握ろうと焦りも見える中、ベテラン京香に果敢に攻め込む姿勢は観客が喜んでいる。
『ファイト!』
そして試合が続けられると、京香は水着を直しながらも距離を置くと、メイサはガードを上げて距離を詰めると、左右のパンチで牽制してからローキックを放った。
バシィィィ・・・
ローキックにフラつく京香。メイサが続けて顔面狙いのパンチを放つも、これには京香が組み付いていく。
組み付かれて打撃が封じられたメイサは、両腕をあげる様な格好で組まれて手が出ない。
逆に京香はコーナーに押し込んでいくと、豊満なバストを押しつけながらもエルボースマッシュを側頭部に叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
エルボーを受けて動きの止まるメイサ。
続けて京香がお腹へ拳を固めてパンチを連打すると、メイサの表情が険しくなっていく。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
「ぐっ・・うぐっ・・くうっ・・」
更に京香が膝蹴りをお腹に叩き込むと、メイサが両手でお腹を押さえて崩れ落ちていく。
お腹を押さえるメイサの髪を掴んで起こしていく京香。ロープ際でヘッドロックで締め上げていくと、メイサが身体を密着させていく。
そしてバックドロップで返そうとすると、投げられる途中でロープが近いからとロープに足を掛けてバランスを崩させて潰した京香。
バックドロップが不完全になって押し潰されてダメージを受けたメイサは、転がるようにリング下に逃れていく。
逆にベテランの京香の上手いロープ際の攻防に観客席から拍手が起きると、水着を直しながらメイサの動きを見ていく京香。
メイサはリングサイドで水着を直していくと、ゆっくりとリング上に戻っていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていくメイサと京香。
距離が詰まると、メイサの左右のパンチが放たれた。
京香がガードすると、逆に胴タックルの様に組み付いてテイクダウンを奪う京香。この辺の流れは上手く掴んでいく。
グラウンド状態になると、京香がサイドポジションを奪おうと体勢を入れ替えようとすると、メイサがブリッジ気味に返した。
バランスが崩れると、京香はメイサの脇腹にハンマーパンチを入れていくと、肋骨に響くハンマーパンチに呼吸が苦しくなるメイサ。
更に腕を狙っていく京香に、メイサが身体を動かしてロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが指示すると、京香が額に汗を浮かばせながら立ち上がると、メイサも立ち上がっていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声にローキックから前に出るメイサ。闘志は衰えずに前に出る姿勢に観客席から歓声が起きていく。
ローキックを受けて痛がる京香。何発もローキックを受けているから、白い太股などに内出血が起きて痛々しい京香の太股。
しかし動きは衰えずにガードを上げてメイサの打撃を警戒する京香。
更にメイサがローキックを放つと、蹴り足にタックルを合わせて組み付いていく京香。
上手くテイクダウンを奪うと、今度はメイサが下に、京香が上からと言う体勢になっていくが、密着しているから動きが止まる展開。
バストを押しつけていく京香に、メイサは返そうと考えるも動きが取れずに体重を乗せられてスタミナ消耗の展開。
体重を乗せつつ体勢を入れ替えて、サイドポジションの体勢から腕を狙う京香。
メイサもブリッジ気味に返すも逃れられず、腕を捻られると苦悶の表情。
腕に気を取られているメイサに、京香が素早く馬乗り状態になると、両脚で挟んで逃がさないようにしていく。
焦るメイサに思いっきり張り手を叩き込むと、メイサの両頬に平手が炸裂していく。
バシィィィ・・・バシィィィ・・・
張り手の連続に嫌がるように下から抵抗するメイサ。
しかし京香が抵抗するメイサの手をキャッチすると、そのまま倒れ込むように腕拉ぎ逆十字固めを極めていく。
グイッ・・・
腕を極められて苦しいメイサ。逃げたくても京香が完全に技を極めていくと、メイサの関節が悲鳴をあげた。
堪らず京香の足をタップしてギブアップするメイサ。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、ここでレフリーが京香を止めていく。
『ただ今の試合、鈴本京香の勝利となりました!』
リングアナのコールと共に、京香はレフリーに手を挙げられていくのであった。
負けたメイサは信じられないと言う表情を浮かべると、そのまま無言のままリングを降りるのであった・・・。



第5試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、若手女優では人気のある掘北真希。白い競泳水着姿でのリングイン。
その真希の対戦相手としてリングインするのは、AV女優として参戦の戸向美奈子。黒いビキニ姿に黒いリングシューズ姿でリングインすると、早くも真希を挑発していく。
真希も挑発されてコーナーから美奈子に指さしたりとエキサイトしていくと、リングアナのコールが始まっていく。
『青コーナー〜・・・身長160p、上から78、58、83・・・掘北真希〜っ!』
コールを受けて一礼していく真希。ここは地下プロレスのベテラン美奈子に勝利して弾みを付けたいところ。
『赤コーナー〜・・・身長156p、上から91、61、88・・・戸向美奈子〜っ!』
そしてコールを受けて両手を挙げてアピールする美奈子。地下プロレスでは様々な経験を積んできて、また芸能界でもグラビアアイドルからAV転向と波乱な経験を積んできただけに、今回のトーナメントはどんな試合を見せるのか・・・。
『カァーン!』
早くもゴングが打ち鳴らされると、素早く真希が距離を詰めてのドロップキックを放った。
バシィィィィ・・・
勢いのあるドロップキックにダウンする美奈子。立ち上がる美奈子にもう一発ドロップキックを放つ真希。
バシィィィ・・・
続けてのドロップキックを受けて表情を歪める美奈子に、真希は起こしてからヘッドロックで締め上げた。
これには美奈子がロープに振って返すと、逆に待ち受ける美奈子にボディアタックで返していく真希。
『ワン・・・ツー・・・』
ボディアタックのままフォールするとカウントが入るが、美奈子が余裕で返していく。
返されると座らせたままスリーパーで締め上げる真希。
「きゃああぁぁ・・・」
突然悲鳴をあげたのは真希。
そう、美奈子がスリーパーを仕掛ける真希の腕を噛み付いたのだった。
技を解いて立ち上がる真希は、立ち上がろうとする美奈子に蹴りを入れていく。
笑みを浮かべる美奈子。対して苛立ちを隠せない真希。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離が詰まっていくと、今度は真希がエルボースマッシュを叩き込むと、美奈子も負けずとエルボースマッシュを叩き込む展開。
体重差からも一発の重さは美奈子が上回って、真希が押され出すとロープ際に押し込まれていく。
そしてヘッドロックで締め上げていく美奈子。
真希がロープに振る事が出来ずに苦しんでいると、拳を握りしめて真希の顔面を殴りつける美奈子。
バキッ・・バシッ・・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・」
真希が悲鳴をあげると、レフリーが美奈子に注意していく。
しかし悪気もなく笑みを浮かべては、真希を痛めつけていく美奈子。
更に、そのままロープ際で、真希の顔面をロープに擦りつけていく美奈子。
ギュ・・ギュ・・
「んああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
ロープに顔面を擦られて、摩擦熱での激痛に絶叫する真希。
更に髪を掴んでコーナーポストに叩き付けようとすると、真希がコーナーを蹴ってからグーパンチを放った。
ゴキッ・・
頬にパンチを受けてフラつく美奈子に、真希は組み付いて膝蹴りを連打していく。
ドスッ・・ドスッ・・・
「ぐっ・・うぐっ・・ぐふっ・・」
流石に膝蹴りを連発で受けて苦しむ美奈子。
続けてヘッドロックから、お返しとばかりにグーパンチを顔面に入れていく真希。
バキッ・・バキッ・・・
しかし美奈子がロープに振っていくと、ショルダータックルで真希を倒した。
倒された真希は転がるようにしてリング下に逃れていくと、美奈子も観客にアピールしてからリング下に降りていく。
リング下で立ち上がる真希に、美奈子が素早くラリアットを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・」
リング下で大の字状態になる真希に、美奈子は観客席からパイプ椅子を持ち出していくと、真希のお腹にパイプ椅子の角の部分を叩き付ける。
グニュ・・
「ぐえっ・・・」
お腹にパイプ椅子攻撃を受けて藻掻き苦しむ真希。両足をバタバタさせて藻掻き苦しむと、美奈子がパイプ椅子を投げてから、跨いでから飛び上がっていく。
そして真希のお腹にヒップドロップを叩き込んだ。
ドスッ・・・
「オエッ・・・」
お腹に強烈な圧力を受けて嘔吐感に苦しむ真希。腹筋に力を入れていたのか反吐は噴き上げなかったが、苦しい攻撃を受けて動きが止まっていく。
グイッ・・
「あうっ・・」
グッタリする真希の髪を掴んで起こしてから、美奈子は観客にアピールしてから真希の顔面を鉄柱に叩き付けた。
ゴキィィィィ・・・
「んああぁぁぁぁぁぁ・・・」
絶叫する真希。鉄柱に頭から叩き付けられて意識を朦朧とさせてフラついていると、美奈子が何かを持ち出していく。
そしてヘッドロックの体勢から、額にメリケンサックで凶器攻撃を仕掛ける美奈子。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・
「きゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
真希の悲鳴が響き渡るリングサイド。観客席は残酷シーンに盛り上がっていくと、真希の額が割れて流血戦になっていく。
更にリングサイドを連れ回すと、観客席に向かって額の割れた真希を見せつける様にしてから、リング上に戻していく美奈子。
リング上に真希が戻るが流血戦になって苦しい展開になっていく。
額の傷口を気にする真希。白い競泳水着にも赤い血が流れ落ちていくと、美奈子は笑みを浮かべながら額を狙ってストンピングを叩き込んだ。
バシッ・・バシッ・・・バシッ・・・
「んああぁぁ・・・あああっ・・・」
蹴られると悲鳴をあげる真希。
俯せ状態で苦しむ真希に、サードロープに首を掛けてから、後頭部を踏みつけて苦しめる美奈子。
グイッ・・
「グエェェェェェ・・・」
喉元を潰されて呼吸が苦しく両足をバタバタさせて、舌を出して苦しむ真希。
そして美奈子が髪を鷲掴みにして起こしてから、傷口をロープに押しつけてから擦りつけていくと、真希が絶叫していく。
ギュ・・ギュギュ・・・
「イタイぃぃぃぃぃぃぃ・・・・」
そしてコーナーポストカバーを美奈子が外すと、剥き出しの金具に真希の額を叩き付けていく。
バキッ・・バキッ・・
「きゃああぁぁぁぁぁ・・・」
またもリング上に響き渡る真希の悲鳴。
顔面を真っ赤に染めて大流血戦になってくる様相の試合展開。美人女優の血だるまシーンに観客席も歓声をあげていく。
白い競泳水着も自らの血で赤く染まりだして、真希の動きが完全に止まっていく・・・。
フラフラの真希の髪を掴んでリング中央に連れ出す美奈子。流血して虚ろな目の真希を観客にアピールしていく。
すると、真希が突然美奈子にパンチを叩き込んでから、素早く逆さ押さえ込みを仕掛けた。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・・』
カウントが進む中、美奈子が焦りながらも返していくと真希の反撃に驚きを隠せない。
ギリギリで返されて悔しがる真希。マットを叩いてから立ち上がると、美奈子を起こしてDDTでマットに叩き付けた。
更に立ち上がろうとする美奈子の顔面に低空ドロップキックを叩き込むと、馬乗りになって顔面にパンチを連打していく真希。
レフリーが顔面への素手でのパンチは反則だからと止めようとすると、美奈子が下から真希の水着に手を掛けた。
水着に手が掛かると、真希が殴るのを止めて水着を気にすると、美奈子が一気に返していく。
「甘いんだよ!」
美奈子が言い放つと、逆に真希のマウントポジションを奪っていく。
動きが止まる真希に、美奈子はゆっくりと立ち上がると、起こしてからボディスラムでマットに叩き付ける。
そして近くのトップロープに登ると、観客にアピールしてから真希のお腹にフットスタンプを叩き込んだ・・・・
ドスッ・・
「ホゲェェェェェェ・・・・・」
お腹に強烈な衝撃を受けて、真希は口から激しく反吐を噴き上げた。
自らの吐瀉物を血塗れの顔面に受けて、ヒクヒクしている真希。
その真希の顔面に座ってレフリーにカウントを要求する美奈子。
「レフリー、カウント!」
美奈子の要求にカウントを始めるレフリー。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィ・・・・』
余裕のスリーカウントが入ると、ここで美奈子の勝利が決まった。
『ただ今の試合、戸向美奈子の顔面騎乗でのフォール勝ちとなりました!』
リングアナのコールにレフリーが美奈子の手を挙げていくと、美奈子は観客にアピールする。
「AV女優だって女優なんだから、このトーナメントで暴れるわよ!」
そうアピールすると、リングドクターが応急処置していく真希に蹴りを入れてからリングを降りていくのであった。



第6試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、地下プロレスではベテランでもあり、女優としても成長している末広涼子。
その涼子の対戦相手としてリングインするのは、女優として成長している長沢まさみ。
白い競泳水着に白いリングシューズの涼子と、白いワンピース水着姿のまさみ。まさみは少し胸の谷間もアピールしている水着での試合で、早くもコールが始まっていくリング上。
『青コーナー〜・・・身長161p、上から81、59、85・・・末広涼子〜っ!』
体重も41sと言う涼子。スリムな体型でありながらも地下プロレスではベテランの域に入るも、2009年の大会以来久しぶりの地下リング参戦に不安感は否めない。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から84、57、83・・・長沢まさみ〜っ!』
そしてコールを受けて片手を挙げてアピールするまさみ。24歳のまさみが31歳の涼子との女優対決。しかしまさみはここ数試合は勝利を積み上げて調子を上げていて、涼子戦にも自信を覗かしている。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、まずは距離を置いて睨み合う涼子とまさみ。
お互いが手を出さない展開から始まると、涼子から片手を出して誘い出す。
その涼子の誘いにまさみが片手を伸ばすと、両手が手を掴んで捻ると、続けて蹴りを入れた。
バシッ・・
この辺は上手い涼子。続けてロープに振っていくと、戻ってくるまさみにドロップキックを放った。
バシィィィィ・・・
ドロップキックを受けて倒れるも素早く立ち上がるまさみ。涼子も素早く立ち上がるとドロップキックを放った。
バシィィィ・・・・
続けてのドロップキックに倒れ込むまさみ。
水着を直しながら立ち上がるまさみに、涼子が喧嘩キックからヘッドロックで締め上げていく。
これにはまさみもロープに振って返していくと、ロープから戻る涼子にスリーパーで締め上げていく。
スリーパーで締め上げられて苦悶の表情でロープに逃れた涼子。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に技を解くまさみ。涼子は喉元を押さえて離れると試合が続けられた。
『ファイト!』
距離を置くまさみと涼子。少しずつ距離が詰まると、涼子がタックルを仕掛けるもまさみがフロントスリーパー気味にキャッチして、更にマットに押しつけていく。
下になる涼子は呼吸が苦しい体勢で藻掻くと、まさみが素早く体勢を入れ替えてバックを奪っていく。
俯せの涼子に背後から何かを仕掛けようとするまさみ。
しかし涼子もロープに逃げていく。
『ロープ・・・』
レフリーの言葉に立ち上がるまさみ。涼子も立ち上がると距離を置いてから試合が続けられていく。
『ファイト!』
レフリーが掛け声をかけると、距離を詰めていく涼子とまさみ。
お互いが詰めて組み合うと、相撲の様に押し合う形になるも、体格からまさみがコーナーに押し込んでいくと、ここで涼子の喉元に水平チョップを叩き込んだ。
バッシーン・・・
チョップに苦悶の表情の涼子。
まさみが続けて水平チョップを叩き込んで、首投げでコーナーから投げていくまさみ。
更にヘッドシザースで締め上げると、涼子はロープに逃れられずに両足をバタバタさせて苦しんでいる。
まさみも強烈なヘッドシザースで締め上げると、涼子の表情が苦しくなっていく・・・。
涼子の抵抗が減ってくると、まさみがヘッドシザースを解いて立ち上がってストンピングで蹴りこむと、続けてエルボードロップをバストに落としてフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・』
バストへ鋭いエルボーを受けて痛がる涼子。しかし苦悶の表情を浮かべながらも返していく。
返されたからとまさみが髪を掴んで起こしていくと、今度はダブルアームスープレックスの体勢に持ち込んだ。
これには涼子が焦って押し出していくと、ロープ際までいってレフリーが離していく展開になっていく。
『ロープ・・・』
流石に涼子も投げられるか、そのまま顔面からマットに叩き付けられては苦しいからと焦りの色が見える。
『ファイト!』
更にレフリーの掛け声にまさみが前に出ると、涼子にローキックを放った。
バシィィィ・・・
蹴られて嫌がる涼子。
嫌がる涼子にタックルを仕掛けるまさみ。涼子もタックルに反応して潰そうとするも、まさみの勢いに倒されていく。
グラウンド状態になると、まさみが上半身を押しつけてサイドポジションを奪うと、腕を狙うも涼子も耐えていく。
腕が取れないからと脇腹にハンマーパンチを入れていくと、涼子が嫌がるように動き出すと、腕をキャッチしていくまさみ。
しかし関節が極められないと、涼子も身体を動かして逃れると、逆にスリーパーを狙うもまさみが逃れていく展開。
縺れて転がる様にロープ際にいくと、まさみがロープを掴んでいく。
ここでレフリーが離させると、お互いが呼吸を乱しながら立ち上がる。
水着を直しながら距離を置いていく両者に、レフリーが続行の指示をした。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出るまさみ。涼子はドロップキックを放つも打点が低くボディに決まったが、完全に炸裂した訳ではないのでまさみはダウンしない。
逆に起き上がろうとする涼子にまさみがラリアットを叩き込むと、豪快に大の字にダウンする涼子。
ダウンした涼子を起こしてから、まさみが抱え上げてボディスラムでマットに叩き付けると、そのままフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・』
カウントが進むも涼子が返していくと、まさみは観客の反応を見てから起こしていくと、今度はバックドロップで投げつけた。
バッシーン・・・
後頭部をマットに叩き付けられて苦しい涼子。
立ち上がれない涼子の水着を掴んで起こしていくまさみ。水着が伸びてバストが露わになりそうになるのもお構いなしで起こすと、身体を絡み合わせる様なコブラツイストを仕掛けた。
グイッ・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・」
涼子の悲鳴がリング上に響き渡ると、観客席からもギブアップを期待して大歓声が起きていく。
『いいぞぉぉぉぉ・・・長沢、末広をギブアップさせろ!』
観客席からの歓声に耐えていく涼子。しかし大技を受け続けて苦しい状態には変わりなかった。
レフリーも涼子にギブアップの確認をするが、涼子は耐えていく。
「ノォォォォォ・・・ノォォォォォォ・・・・」
必死に耐える涼子。
耐える涼子から技を解いてから、まさみがダブルアームスープレックスの体勢に持ち込むと、フェイスバスターかと観客が注目する。
しかしまさみが踏ん張ると、ダブルアームスープレックスで涼子を投げた。
バッシーン・・・
大技が炸裂して観客席が盛り上がると、涼子はダメージから立ち上がれずに苦悶の表情を浮かべて痛がっている。
まさみもゆっくりと立ち上がると、痛がる涼子の両足をキャッチしてから、ゆっくりとサソリ固めを仕掛けるも、これは涼子がロープに焦るように逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に放すまさみ。試合の流れを掴んでいるからと、表情に余裕が見られる。
水着を直しながら涼子を睨み付けるまさみ。涼子も水着を直しながら立ち上がると、まさみがミドルキックを放った。
バシッ・・
「ぐっ・・」
蹴られて苦しむ涼子。
更にまさみが踏み込んでハイキックを放つと、いきなり涼子が蹴り足をキャッチしてドラゴンスクリューで切り返した。
「あああぁぁぁぁぁ・・・・」
足を捻られて悲鳴をあげて倒れ込むまさみ。
涼子が続けてヒールホールドを狙うも極まらずに、アキレス腱固めを仕掛けた。
グイッ・・・
「んああぁぁぁぁぁぁ・・・」
足を極められて悲鳴をあげて痛がるまさみ。
必死にヒールキックで抵抗するまさみに、涼子は捻りながら技を解くと、素早く足四の字固めを仕掛けていく。
逃れようとするまさみが両足を極められると、激痛から悲鳴をあげていく。
「痛いぃぃぃぃ・・・・ああああぁぁぁぁぁ・・・」
試合の流れを掴んでいただけに、ここでの関節技地獄は苦しいまさみ。
涼子もまさみの脚を潰しておきたいからと、腰を浮かせたりして更にダメージを与えていく。
白い競泳水着に汗が浮かぶくらいの汗を流して、必死に技を極めていく涼子。
しかしまさみが耐えてロープに逃れようと両腕を使って逃れようとするが、涼子も両足を極めていく。
レフリーもギブアップの確認をするが、まさみが必死に耐えてロープを掴んだ。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの掛け声に涼子が技を解くと、足を痛がるまさみの膝などにストンピングを入れていく涼子。
続けて髪を掴んで起こしてから、ヘッドロックで締め上げていく。
涼子のヘッドロックにバックドロップで切り返そうとするまさみだが、足四の字のダメージで崩れてマットに縺れ合う様に倒れ込んだ。
グラウンド状態になっても涼子がヘッドロックで極めていくと、まさみはまたもロープに逃れていく。
『ロープ・・・』
レフリーが放させると、フラつきながらも立ち上がるまさみ。
涼子も疲れが見える表情で立ち上がるも、まさみに対して距離を詰めていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離が詰まる両者。
距離が詰まると、涼子が大振りの張り手を放つと、まさみも頬に受けてから張り返した。
バッシーン・・・バッシーン・・・
気合いの入るリング上。続けてまさみがエルボースマッシュを放つと、フラつく涼子。
堪らず組み付いていく涼子だったが、まさみがロープ際に押し込んでいくと、キチンシンクを叩き込む。
ドスッ・・
「うぐっ・・」
ボディに膝蹴りを受けて両手でお腹を押さえる涼子。
更に膝蹴りを叩き込んで涼子をロープ際にダウンさせると、髪を鷲掴みにしてリング中央に連れ出していくまさみ。
リング中央で、苦しそうな涼子にパイルドライバーを仕掛けると、逆さにしてからゆっくりとマットに脳天から落とした。
パイルドライバーを受けてグッタリと倒れ込む涼子。
大の字になっている涼子に、まさみは観客に向かってアピールすると、両足を抱え込んでから反転させて逆エビ固めを仕掛けた。
グイッ・・・
「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
激痛に涼子が絶叫すると、まさみは腰を落として痛めつけていく。
更に身体がCの字になる様なエグイ角度になっていくと、涼子は激しく悲鳴をあげた。
「痛いぃぃぃぃぃ・・・・いやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
もう悲鳴も泣き声になっているが、涼子は必死にギブアップと言う言葉は耐えている・・・。
しかし背骨へのダメージなどから、これ以上まさみが極めていくと危険な状態である事は明かな状態。
「折れても知らないわよ!」
まさみも涼子に背骨が折れたらと言う思いから、叫びながら極めていく。
「ノォォォォォォ・・・・・ノォォォォォォォ・・・・・んああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
耐える涼子。泣きながらも必死に耐えていくがギブアップは時間の問題・・・。
まさみが揺さぶっていくと、遂に涼子がギブアップする・・・。
「ギブぅぅぅぅぅ・・・ギブアップ・・・もうダメぇぇぇぇ・・・」
涼子のギブアップにレフリーがゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされて、レフリーもまさみを止めていくと技が解かれていく。
『勝者、長沢まさみっ!』
リングアナのコールに立ち上がってから水着を直しながら片手を挙げてアピールするまさみ。
一方、俯せ状態でグッタリする涼子には、リングドクターが応急処置をしながら担架を要請した。
試合に勝ったまさみは、担架に乗せられていく涼子に頭を下げてからリングを去るのであった・・・。


第7試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、久しぶりの地下プロレス登場の館野美穂。白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、早くも観客席に向かって頭を下げていく。
その美穂の対戦相手としてリングインするのは、かつてはヒールファイトで地下プロレスを盛り上げた飯嶋直子。最近は地下リングでも大人しくなったが、今回の女優トーナメントにエントリーしてどういう試合を見せるのか。黒いワンピース水着に黒いリングシューズで対照的な直子。余裕すら感じられるリングインに、反対コーナーの美穂に緊張が走る。
『青コーナー〜・・・身長158p、上から81、54、82・・・館野美穂〜っ!』
そしてコールが始まると、緊張気味の美穂が片手を挙げてアピールする。
『赤コーナー〜・・・身長166p、上から86、60、85・・・飯嶋直子〜っ!』
コールを受ける直子は余裕すら感じられる雰囲気の中、観客席に向かって片手を突き上げた。
43歳と芸能界でもベテランの域の直子。そしてアイドルから芸能界入りして、早くも34歳になり同じくベテランの貫禄の美穂の試合が開始されようとしていた・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出したのは美穂で、コーナーから出る直子に勢いのあるドロップキックを放った。
バシィィィィ・・・
美穂の勢いあるドロップキックにダウンする直子。素早く立ち上がると、美穂も立ち上がってドロップキックを叩き込んだ。
バシィィィ・・・
またも倒れ込む直子に、美穂はロープに走って勢いをつけると、ネックブリーカードロップで直子をマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
「きゃああぁぁぁぁ・・」
堪らず悲鳴をあげる直子。
後頭部を押さえて倒れていると、美穂がストンピングを叩き込んでから、髪を掴んで起こしていく。
しかし直子がお腹にパンチで反撃すると、動きの止まる美穂にスリーパーを仕掛けるも、美穂が素早くロープに逃れた。
『ロープ・・・』
レフリーの言葉に技を解く直子。
美穂が水着を直しながら距離を置くと、直子が威圧する様に距離を詰めていく。
美穂がリング上を回る様に動いていくと、直子も少しずつ距離を詰めていった。
堪らず美穂がロープに走ると、直子が構えるが美穂のジャンピングニーパッドが決まった。
バキッ・・
ダウンこそしないも、フラつきながらロープに寄りかかる直子。
続けて蹴りから水平チョップと仕掛ける美穂に、直子がグーパンチを顔面に放った。
バキィィィ・・・
「きゃああぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげて顔面を押さえて転がっていく美穂。
流石に観客席からもブーイングが起きると、直子は片手を突き上げてアピールする。
レフリーも直子に反則だからと注意するが、直子はお構いなしと言う素振りで美穂の髪を鷲掴みにしていく。
そしてヘッドロックに捉えていくと、ゆっくりと美穂を痛めつけていく直子。
「おらぁぁぁぁ・・・ギブアップしろよ!」
直子が叫ぶと、美穂は耐えながら言い返した。
「ノォォォォ・・・こんなのでギブなんてできないわよ!」
美穂の返しに観客席から歓声が起きていく。
美穂の言葉に直子が怒ったのか、ヘッドロックを解いてから張り手を叩き込む。
バシィィィィ・・・
しかし美穂も負けずに張り手を返すと、お返しのヘッドロックを仕掛けていく。
体格差があるからと、直子がバックドロップを狙うも美穂が踏ん張ると、逆にブルドッキングヘッドロックで直子をマットに叩き付けていく。
バッシーン・・・
俯せで痛がる直子に、美穂が素早くキャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・
これには苦しむ直子。試合時間が長引く程に、直子のスタミナも心配されていく。
上半身を反らされて苦しい展開の直子に、美穂が揺さぶるも直子がロープに逃げていく・・・。
『ロープ・・・』
力ずくでロープに逃れた直子。全身から汗を流しながら必死にロープを掴むと、レフリーが放させていく。
美穂が立ち上がると、直子は呼吸を乱しながら立ち上がる。
『ファイト!』
レフリーの掛け声にドロップキックを放つ美穂。
バシィィィィ・・・
美穂のドロップキックにダウンする直子。続けて髪を掴んで起こしていく美穂に、直子は意地になって股間にグーパンチを放った。
ゴキッ・・
「ふぎっ!」
変な悲鳴をあげて動きの止まる美穂。股間を両手で押さえて信じられないと言う表情を浮かべると、直子が拳をアピールする。
「地下プロレスって言うのは、反則だってお構いなしなんだよ!」
直子が叫ぶと、股間を押さえる美穂の顔面にグーパンチで殴りつけた。
バキッ・・
「痛いぃぃぃぃ・・・」
顔を殴られてフラつく美穂。
観客席からはブーイングが起きるが、直子は構わず髪を鷲掴みにしてから、顔面にパンチを入れていく。
バキッ・・バキッ・・
顔へのパンチ攻撃にレフリーが止めて直子に注意すると、美穂も負けじとばかりに股間を蹴り上げる。
バキッ・・
「ぐっ・・うううっ・・」
まさかの股間への反撃に動きの止まる直子。
下を向く直子に、美穂が飛び上がって延髄蹴りを仕掛けると、美穂の足が綺麗に後頭部に炸裂してマットに崩れ落ちる直子。
素早く美穂がフォールすると、レフリーがカウントを数えた。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・・』
入ったかと期待されたが、直子も意地で返していく。
返されたからと腕を狙っていく美穂に、直子が転がるようにロープに逃れると、呼吸を荒げながらも腕をロープに掛けてアピール。
直子がロープに逃げたからと、美穂が立ち上がるとストンピングで痛めつけてから、髪を掴んで起こしていくと、素早くコブラツイストを仕掛けるも直子が抵抗して極まらない。
逆に直子がヘッドロックで締めていくと、美穂がロープに返そうとするも踏ん張られて締められていく。
必死に組み付いて、美穂が体格差も気にせずにバックドロップを仕掛けると、直子の身体が宙に舞った・・・。
バッシーン・・・
まさかのバックドロップに直子が後頭部を打ち付けてグッタリすると、美穂がロープに走って勢いをつけると、飛び上がってフットスタンプをお腹に叩き込む。
ドスッ・・
「グボッ・・・ぐええぇぇぇぇぇ・・・」
軽量な美穂とは言え、飛び上がってのフットスタンプに直子の口から涎の様なものが溢れた。
両手でお腹を押さえて苦しむ直子に、美穂は素早く両足を抱え込むと、ステップオーバーして逆エビ固めを仕掛けた。
グイッ・・・
「んああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
全身に走る激痛に汗だくになりながら悲鳴をあげる直子。完全にスタミナ切れか動きが悪く、美穂の揺さぶりにマットを叩いて痛がっている。
「ギブアップする?・・・ギブ?」
美穂が揺さぶりながら問いかけると、直子は必死に耐えていくがロープが遠く苦しい展開。
更に美穂が腰を落として極めていくと、ここで直子がギブアップを口にした。
「ぎ・・・ギブアップ・・・」
直子のギブアップにレフリーが試合を止めると、同時にゴングが打ち鳴らされた。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされて美穂が技を解くと、レフリーによって手を挙げられていく。
『勝者、館野美穂っ!』
まさかの直子からの勝利に驚きの美穂。観客席からも歓声が送られていくリング上。
負けた直子は腰を押さえながら転がるようにリング下に降りると、無言のままリングを去るのであった・・・。



第8試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、女優として着実にステップアップしている感のある大池栄子。元グラビアアイドルと言う事もあり、胸の谷間を強調した黒いワンピース水着に黒いリングシューズ姿でリングインすると、早くも歓声を浴びていく栄子。
栄子の対戦相手としてリングインするのは、Oプロの売れっ子の上都彩。黄色い競泳水着に黄色いリングシューズ姿でリングインすると、栄子と視線を合わせる事もなくコーナーに進んでいく。
『青コーナー〜・・・身長166p、上から91、59、87・・・大池栄子〜っ!』
コールを受けて片手を挙げていく栄子。早くも彩を睨み付けていく。
『赤コーナー〜・・・身長162p、上から82、58、84・・・上都彩〜っ!』
競泳水着だから目立たないものの、82pと言うバストはサイズ以上の迫力にも見える彩。しかし栄子が対戦相手では苦しい試合が予想されていく・・・。観客席に向かって笑顔を振りまくが、内心は栄子が対戦相手だからと緊張している彩。
身体を動かしていくが、彩は栄子の圧力に緊張感を隠せない・・・。
そしてゴングが打ち鳴らされて試合が開始された。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出した彩。栄子はゆっくりとコーナーから歩き出すと、彩は距離を置いて睨み付けていく。
しかし栄子も落ち着いた様子で睨み付けると、片手を前に出して力比べを誘い出す・・・。
体格差からも力比べを挑むのは苦しい彩だが、片手を出して組み合おうとすると、栄子が喧嘩キックを叩き込んだ。
バシッ・・・
「おらあぁぁぁぁ・・・」
気勢をあげて彩をロープに振っていく栄子。ロープから戻る彩の喉元に豪快なラリアットを叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・
「あああぁぁぁぁ・・・」
早くも悲鳴をあげて大の字にダウンする彩。
その彩の顔面を踏みつけながら観客席にアピールする栄子。
そして勢いよく彩を起こしていくと、今度は抱え上げてボディスラムでマットに叩き付けていく。
バッシーン・・・
「いやああぁぁぁ・・・」
ボディスラムで叩き付けられて悲鳴をあげる彩。
続けて両足を抱え込んで、早くも逆エビ固めで痛めつけていく栄子。
「痛いぃぃぃぃ・・・ああぁぁぁぁぁ・・・」
またもリング上に響き渡る彩の悲鳴。泣き声に近い悲鳴に観客席が盛り上がるが、彩はロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが栄子を放させると、彩は腰を気にしながら転がるようにリング下にエスケープしていく。
リング上では栄子が水着を直しながら彩を挑発していくと、彩はリングサイドで水着を直しながら栄子を睨み付けるが、早くも力の差は歴然だった・・・。
彩がリングに戻ろうとすると、トップロープ越しに彩の髪を掴んでいく栄子。
嫌がる彩をコーナーに連れ出すと、そのままコーナーの鉄柱に叩き付けていく。
ゴキィィィィ・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・」
またも悲鳴をあげてリング下に落ちてしまう彩。
リングサイドから栄子の動きを見ながら、リング上に戻るタイミングを計っていく彩。しかし栄子もリング上で威圧していくと、レフリーが栄子をロープ際から離して、彩を戻るように手招きした。レフリーの手招きにリングに素早く戻る彩。
『ファイト!』
レフリーの続行の指示に距離が詰まる栄子と彩。
今度は彩がドロップキックを放つが栄子が倒れずに踏ん張った。
更に挑発する栄子に、彩がドロップキックを叩き込んでいくと、フラつくもダウンしない栄子。
逆に栄子が立ち上がろうとする彩に喧嘩キックを肩口に叩き込むと、髪を鷲掴みにして起こしてから、ブレンバスターの体勢に持ち込んだ。
これには嫌がる彩が踏ん張ったり抵抗を見せるも、栄子が強引に持ち上げていく。
バッシーン・・・
「きゃあああぁぁぁ・・・・」
ブレンバスターでマットに叩き付けられて絶叫する彩。
栄子がゆっくりと起こしていくと、今度はダブルアームスープレックスの体勢に持ち込んでいく。
「可愛い顔してるんだから、顔も可愛がってあげるわね・・・」
栄子の言葉に嫌がる彩。
「い、いや・・・いや、いや・・・」
嫌がる彩に、栄子はダブルアームスープレックスではなく、持ち上げるとそのまま前に落とすダブルアーム式のフェイスクラッシャーを仕掛けた。
バシィィィィィ・・・
「痛いぃぃぃぃぃぃぃ・・・・」
顔面からマットに叩き付けられて悲鳴をあげる彩。
栄子が放すと両手で顔面を押さえて両足をバタバタさせて痛がる彩。栄子は余裕で立ち上がると、痛がっている彩の脇腹などへストンピングを叩き込んでいく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「痛いぃぃ・・・嫌あぁぁぁぁ・・・」
転がるようにロープに逃れる彩。必死にロープを掴んでレフリーにアピールすると、レフリーが栄子を離していく。
水着を直しながら立ち上がる彩。一方的な試合展開に、観客席からもドミネーションを期待する声が出始めている。
『大池っ、上都の水着脱がしてやれよ!』
『弱いんならオッパイ出させろ!』
隠れ巨乳と言われる彩のトップレスを期待する観客に、栄子は片手を挙げてアピールすると、ガードを固める彩に距離を詰めた。
「み、水着はやめてよ・・・」
彩が水着剥ぎを嫌がるように距離を置いていくと、栄子は強烈な張り手を放った。
バッシーン・・・
張り手を受けて動きの止まった彩に、栄子のラリアットが炸裂する。
バシィィィィ・・・
ラリアットを受けてロープに寄りかかる様な形になる彩。
その彩のバストへ強烈な水平チョップを叩き込む栄子。
バッシーン・・・
「んあぁぁぁぁぁ・・・」
バストへの強烈な打撃に悲鳴をあげる彩。競泳水着に包まれた大きな乳房が痛めつけられるシーンに、観客席も盛り上がる。
更に彩の両腕をトップロープに絡ませてから、バストへの水平チョップが叩き込まれていく。
バッシーン・・・バッシーン・・・
「痛いぃぃぃぃ・・・いやあぁぁぁぁ・・・」
バスト責めに悲鳴をあげる彩。
観客席も彩の悲鳴をあげる苦悶の表情に盛り上がりを見せるが、レフリーが彩の両腕をロープから放していく。
ロープから解放されてフラつく彩に、栄子は距離を置くと張り手を放った。
バッシーン・・・
張り手を受けてフラつく彩。
しかし意地になって蹴りを返すと、栄子の頬に張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・・
張り手を受けて、栄子は更に張り手を叩き込む。
バッシーン・・・
彩の頬に強烈な張り手が炸裂すると、口からは涎の飛沫が飛ぶ威力。
堪らず彩がタックルの様に組み付いていくと、栄子も組み付いていく。
フロントスリーパーの様に組み付く彩に、栄子はそのまま抱え上げてリング中央に進んだ。
持ち上げられても栄子の首には腕を回している彩だが、そのままマットに叩き付けられると大の字になってしまった・・・。
苦しそうな彩の表情に、栄子は跨いでからヒップドロップをお腹に叩き込む。
ドスッ・・・
「うぐっ・・グボッ・・・」
強烈なヒップドロップに彩の表情が険しくなると、両足をバタバタさせて藻掻き苦しむ彩。
その彩の水着の肩紐を掴んで起こそうとする栄子。競泳水着の肩紐の部分が伸びてバストが露わになりそうになるが、彩が起き上がって水着は脱げずに済むが、彩は呼吸も乱れて苦しそう。
苦悶の表情で栄子に組み付いていく彩。
しかし倒すこともできずに抱きついていると、逆に栄子がベアハッグを仕掛けた。
地下プロレスでは珍しい技に観客席が盛り上がると、彩の表情が苦痛に歪んだ。
しかし栄子は技を解くと、そのままチョークスリーパーを仕掛けると、彩が焦るように両腕を振ってロープに逃れた。
『ロープ・・・』
レフリーの指示に栄子が技を解くと、咳き込みながら距離を置いていく彩。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に試合が続けられるが、彩は逃げ腰になって距離を置いていく。
その彩に対して、栄子は苛立ちながら手招きして挑発した。
「逃げてるんじゃね〜よ!」
栄子の言葉に距離を置く彩。リングから逃れたくても、地下プロレスのリングから逃げられない事は承知しているだけに、彩にとって地獄の時間が流れていった・・・。
栄子が前に出て行くと、彩はリング内を逃げるように動き回るが、遂にコーナーに追い詰められてしまった・・・。
怯えた表情を浮かべる彩に、栄子は髪を掴んでから張り手を叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
張り手にフラつく彩は、頬を押さえて痛がっている。
しかし栄子は構わずに膝蹴りを叩き込むと、コーナーで彩をダウンさせていく。
ドスッ・・・
「ぐふっ・・・」
両手で膝蹴りを受けたお腹を押さえてコーナーに崩れる彩。
「ほらほら、休んでる暇はないのよ上都さん・・・ふふふっ・・・」
髪を鷲掴みにして彩を起こしていく栄子。表情はサディスティックな感じであり、観客達も違う期待をしていた。
フラフラしている彩の顔面をコーナーポストに叩き付けていくと、続けてトップロープに顔面を擦りつけていく。
ギュ・・ギュ・・・
「や、焼けちゃう〜・・・か、顔がぁぁぁぁぁぁ・・・」
泣き叫ぶような悲鳴をあげて痛がる彩。
痛がる彩をヘッドロックで締めていくと、そのままリング内を回って観客に彩の痛がるシーンを楽しませていく栄子。
そして走り込んでブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けると、彩が絶叫した・・・。
バシィィィィィ・・・
「いやああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
俯せ状態でダウンしている彩に、栄子が立ち上がると後頭部にギロチンドロップを叩き込んでいく。
バッシーン・・・
「あぅぅぅぅぅ・・・」
更に栄子がギロチンドロップを叩き込むと、彩は両足をバタバタさせて痛がっている。
グイッ・・・
栄子が彩の水着を掴んで起こしていくと、トップロープに両腕を絡ませて動きを止めていく。
そしてノーガードのボディへ膝蹴りを叩き込んでいく栄子。
ドスッ・・・
「ぐえっ・・・」
膝蹴りを受けて口をパクパクさせて苦しむ彩。
更に栄子は観客にアピールする様に膝蹴りを入れていく。
ドスッ・・・
「おっ・・オエッ・・・」
内臓を押し潰される様な感覚の彩は、堪らず胃液の様なものを口から垂れ流していく・・・。
完全に動きの止まった彩をロープから放すと、栄子はゆっくりと必殺技のブレンバスターの体勢に持ち込んでいく。
そしてゆっくりと持ち上げると、豪快なブレンバスターで彩の身体をマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
マットに叩き付けられてヒクヒクしている彩。
その彩の両足を掴んでから、クロスして反転させてサソリ固めを極めていく栄子。
全身に激痛が襲うと、彩は激しくマットを叩いていく。
「ぎ、ギブアップ・・・ギブアップ・・・」
彩が泣き叫びながらギブアップを口にすると、栄子は腰を落として更に痛めつけていく。
「ギブぅぅぅぅ・・・やめてぇぇぇぇぇぇ・・・ギブアップぅぅぅぅぅ・・・」
流石に大泣き状態の彩にレフリーは試合を止めていく。
『カンカンカンカン・・・』
レフリーも彩の泣き顔を楽しんでいたのか試合を止めるタイミングが遅い様な結末だったが、栄子が技を解くと彩はグッタリとしている。
『勝者、大池栄子っ!』
コールを受けて片手を挙げられていく栄子。
一方的な試合で終わった事に腹を立てたのか、グッタリする彩の後頭部を踏みつけて、更に仰向けにしてから泣いている彩のバストを踏みつけてからリングを降りるのであった・・・。




第9試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、ヘビー級タイトルに挑むも負けてしまった香理奈。今夜はトーナメント戦に挑戦だが、白い競泳水着に白いリングシューズ姿でのリングイン。早くも観客席に向かってアピールしていく。
その香理奈の対戦相手としてリングインするのは、グラビアアイドルから女優とステップアップしていく猪上和香。和香パイと呼ばれる大きなバストを武器にグラビアアイドルとして活躍後、女優へと転身していった和香。今夜は黒いスポーツビキニに黒いリングシューズ姿でのリングイン。ただ胸の谷間はアピールしている様なスポーツビキニに観客の視線が集まりだしている。
『青コーナー〜・・・身長165p、上から80、58、88・・・香理奈〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする香理奈。スレンダーボディに白い水着が似合っている。
『赤コーナー〜・・・身長166p、上から88、60、88・・・猪上和香〜っ!』
そして和香がコールされると、両手を上げて観客にアピールしていく。
早くも盛り上がるリング上。そして試合開始のゴングが打ち鳴らされた・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時にガードを上げて前に出る香理奈。
和香も地下プロレスはベテランであり、香理奈の動きに前に出る。
そして距離が詰まると、まずは香理奈のローキックから始まった。
バシッ・・
軽くヒットした香理奈のローキックに表情を変えない和香。
ガードを上げて距離を詰める和香に、香理奈はローキックを放っていく。
バシィィィ・・・
蹴られて一瞬嫌な表情を浮かべる和香。しかしタックルの様に組み付いた。
和香に組み付かれてロープ際へ押し込まれる香理奈。
背中にロープの感触を受けていると、レフリーが離していく。
両者が離れるとレフリーは試合を続けさせると、またも距離が詰まる香理奈と和香。
バシッ・・・
香理奈がローキックから仕掛けると、今度は和香がローキックを放っていく。
バシッ・・・
更に和香がローキックを放つと、香理奈が蹴り脚に合わせてタックルを仕掛ける。
しかし和香も慣れたもので、フロントスリーパーでキャッチしていくと、香理奈も身体を密着させていく。
体重もある和香なので持ち上げられないからと、香理奈は首を極められながらもロープ際にポジションを移動させていくと、膝蹴りを放って抵抗する。
和香の背中にロープが当たっている状態で、和香が片手を握りしめて香理奈のボディへ小刻みのパンチを入れていく。
これには香理奈がロープを掴んでいくと、レフリーが離していく。
『ロープ・・・』
レフリーの指示で離れる和香と香理奈。
『ファイト!』
そして続けられていくと、香理奈が距離を詰めていく。
距離が詰まると、和香が大振りの張り手を放っていくと、香理奈の頬に強烈な張り手が炸裂した。
バッシーン・・・
しかし次の瞬間、香理奈も強烈な張り手を返した。
バッシーン・・・
更に香理奈が張り手を入れていくと、嫌がるように喧嘩キックを放つ和香。
蹴られても張り手を入れてから、強引にヘッドロックで締め上げていく香理奈。
和香がロープに振って逃れようとするも、香理奈がヘッドロックを外さずに締めていく。
これには和香もスタミナを消耗していくから避けたい展開。しかし香理奈のヘッドロックが極まっていくと、和香は身体を密着させてバックドロップを狙うも、香理奈が踏ん張っていく。
逆にそのまま崩れ落ちる様に香理奈が和香をマットに叩き付けると、横四方の体勢で押さえつけていく。
グラウンド状態になると、和香が香理奈の動きを見ていくと、香理奈は上四方固めの体勢に移行するも、素早く腕拉ぎ逆十字を仕掛けるも、和香が腕を抜いて逃れると、ロープに手を伸ばした。
『ロープ・・・』
レフリーの指示で香理奈が立ち上がると、和香も水着を直しながら立ち上がる。
『ファイト!』
レフリーが掛け声を出すと、和香が前に出てエルボースマッシュを仕掛けると、香理奈の側頭部を抉った。
ゴキッ・・・
フラつく香理奈に素早くバックを奪ってスリーパーを仕掛ける和香。
これには香理奈も和香の腕に手を滑り込ませて、完全に極まらないようにしていくが、堪らずロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
ロープに逃げられて和香がスリーパーを外すと、香理奈は水着を直しながら距離を置いていく。
『ファイト!』
そして試合が続けられていくと、和香が前に出ると香理奈がローキックで牽制していく。
香理奈のローキックに、和香はガードを固めて距離を詰めていくと、タックルの様に組み付いてからロープまで押し込んでいく。
そして、ロープに押しつけたまま膝蹴りを放つと、香理奈も膝蹴りを嫌がるように抱え込むと、無理矢理に倒してグラウンド状態に持ち込んだ。
マットに背中から激しく倒れ込んで痛がる和香。香理奈が素早くアキレス腱固めを仕掛けると、和香もヒールキックで抵抗していく。
抵抗されると、香理奈が立ち上がって足首を掴むと、太股などにストンピングを入れては、和香の足にダメージを与えていく展開。
太股を蹴られて痛がる和香は、堪らずロープに手を伸ばすが香理奈も足を引いていくと、ロープに逃さずに逆片エビ固めを仕掛けた。
グイッ・・・
「ああぁぁぁぁぁ・・・」
堪らず激痛に悲鳴をあげる和香。水着から和香パイが飛び出しそうな光景に、観客席から歓声が起きていく。
必死にロープに逃げようと手を伸ばす和香。
香理奈が腰を落として極めていくと、和香は泣きそうな表情でロープに手を伸ばす。
そしてロープに手が届くと、レフリーが香理奈に放すように指示した・・。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に技を解いていく香理奈。水着を直しながら距離を置いていくと、和香を睨み付けていく。
和香も水着を直しながら立ち上がると、香理奈との距離を置いて睨み付けていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく和香と香理奈。
ゆっくりと距離が詰まると、香理奈が手を伸ばしていくと、和香も香理奈の手を掴んでいく。
そして力比べの体勢になっていくと、お互いが顔を紅潮させて押し合う展開になっていくリング上。
互いに譲らない展開に、観客席からも歓声が起きていくと、香理奈が蹴りを放っていく。
バシッ・・
「イタッ・・・」
堪らず力が抜ける和香に、香理奈は素早く腕を掴んで捻っていくと、下を向かせて和香パイに蹴りを入れていく。
グニュ・・
「あうっ・・」
バストを攻められて痛がる和香。香理奈はそのままマットに倒していくと、ストンピングをお腹などに入れていく。
バシッ・・バシッ・・
蹴りこまれて転がるようにロープに逃げる和香。
更に香理奈がサッカーボールキックをヒップなどへ叩き込むと、和香がリング下に逃れた。
和香がリング下に転落すると、香理奈が素早くコーナーに走っていってトップロープに登ると、片手を突き上げて観客にアピールする。
歓声が起きると、香理奈はコーナーポストから和香を挑発していくが、和香もリング下で水着を直しながら呼吸を整えて挑発に乗らずにリング上の香理奈の動きを見つめた。
香理奈がコーナーから降りると、和香は素早くリング内に戻っていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に和香が構えて前に出ると、香理奈が牽制のハイキックを放つが、和香が見切ってタックルで組み付いて倒していく。
和香パイを押しつけながらサイドポジションを奪っていく和香。
香理奈が抵抗すると、脇腹へ小刻みのハンマーパンチを入れていく。
スレンダーな香理奈だけに脇腹への打撃は苦しく、殴られる度にビクンと反応していく香理奈の身体。
和香が更に殴ろうとすると、香理奈の両足が絡みつく。
三角締めを狙っていく香理奈に、和香は焦るように腕を引き抜いていく。
香理奈が和香のボディを両足で絡めると、和香は座った状態から香理奈の動きを見ている。
香理奈が手を出さないと、和香は香理奈のお腹へパンチを落としていく。
バシッ・・
「くっ・・・」
ボディへの打撃に苦悶の表情を浮かべる香理奈。
更に和香のパンチがボディへ叩き込まれると、嫌がるように香理奈が藻掻く。
藻掻く香理奈に覆い被さる様に身体を押しつけていく和香。
香理奈が藻掻くと、和香の腕が香理奈の喉に押しつけられていく。ギロチンチョークに藻掻き苦しむ香理奈。
レフリーもギブアップの確認をするが、香理奈は必死で逃れようと藻掻いている。
スタミナの消耗が気になる展開だが、和香のギロチンチョークから逃れられない香理奈。
しかしロープに手が届くと、レフリーが急いで和香を止めていく・・・。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に和香が肘を外して立ち上がる。
「コホッ・・コホッ・・・」
咳き込みながら立ち上がる香理奈。苦しそうな表情で立ち上がると、ロープを掴んで咳き込む香理奈。
『ファイト!』
レフリーが試合を続けさせていくと、ロープを掴む香理奈にミドルキックを放つ和香。
バシッ・・
「ぐふっ・・」
お腹にミドルキックを受けて苦しむ香理奈。
更に和香が距離を詰めて左右のボディへのパンチを入れると、身体をくの字にして苦しむ香理奈。
ガードを固める香理奈に、和香が左右の張り手を叩き込むと、香理奈の口から血飛沫がリング上に舞っていく。
白い競泳水着にも口から舞い上がった血飛沫が赤く染めていく・・・。
香理奈の動きが止まっていくと、和香が余裕の表情を浮かべてバックを奪った。
そしてトドメとばかりにチョークスリーパーを仕掛けようとすると、香理奈が頭を激しく動かすと、和香の鼻に後頭部が当たった。
バキッ・・
「痛いっ・・・」
突然の反撃に和香が悲鳴をあげて両手で顔面を押さえると、香理奈が素早くバックを奪った。
そして腕を喉元に滑り込ませると、そのままチョークスリーパーで締め上げていく。
顔は密着させて振られないようにすると、藻掻く和香を締め上げていく・・・。
ロープにも逃げられずに苦しい和香。次第に和香が座り込むようにダウンしていくと、香理奈が仕留めようと両足を絡めてアナコンダスリーパーで締め上げていく。
完全に逃げられない状態の和香は、香理奈の腕に手を掛けるも逃げられず、失神寸前に追い込まれてのギブアップ。
ギブアップの言葉が発せられず、香理奈の腕をタップしていくと、レフリーが試合を止めた。
『カンカンカンカン・・・』
レフリーが止めると、香理奈が技を解いて立ち上がっていく。
『勝者、香理奈っ!』
リングアナのコールに水着を直しながらも笑顔を浮かべる香理奈。
足元では、和香が喉元を押さえて涎を垂れ流して苦しんでいると、香理奈は和香を起こしてから健闘を讃え合うように抱き合ってから、リングを後にするのであった・・・。


第10試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、地下プロレスジュニアヘビー級チャンピオンの市河由衣。堂々とリングインすると、早くも両手を挙げて観客席に向かってアピールする由衣。
グラビアアイドル出身だけに、黒いビキニに黒いリングシューズと言うリングコスチュームに、観客席からは歓声が起きていく。
その由衣の対戦相手としてリングインするのは、女優復帰で話題性のある澤尻エリカ。純白のワンピース水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、早くも由衣を挑発するように指さしていくエリカ。
由衣も挑発されて指さしていくと、エリカはコーナーに進んでは寄りかかってコールを待った。
『青コーナー〜・・・身長158p、上から83、55、85・・・市河由衣〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする由衣。グラビアアイドル出身だけに様になっているビキニ姿。
『赤コーナー〜・・・身長160p、上から83、58、86・・・澤尻エリカ〜っ!』
コールを受けて両手を挙げてアピールするエリカ。グラビアアイドル時代もあったが、やはり由衣にグラビアでは軍配が上がる感じは否めないが、コールされたサイズ以上のボリュームのボディに注目が集まっている。白いワンピース水着は胸元は谷間が見える様なデザインで、観客達の視線が集まっている。
お互いが25歳同士の激突。ただスレンダー感のある由衣に対して、エリカのボディの方が肉付きが良い感じに見えるリング上。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、まずはゆっくりとコーナーから出て行く由衣とエリカ。
積極的に前に出て行こうとするのはエリカで、由衣はエリカの動きを注意深く見つめている展開。
距離が詰まると由衣が素早いタックルを仕掛けると、エリカは上手く潰す形で対応していく。
俯せ状態でなる由衣のバックを奪って押さえていくエリカ。
由衣もエリカの動きを見ていると、一気に逃れようとするも、エリカが横に転がしてフォールの様に身体を密着させていく。
バスト同士が押し合う形になって、観客席からも由衣とエリカの胸の谷間に視線が集まる。
ブリッジ気味に返していく由衣に、エリカが腕を狙うが由衣も取らさない。
逆に両足で絡めていこうとする由衣に、エリカは素早く立ち上がって距離を置いた。
序盤から緊張感ある試合展開に観客達も黙って見つめる試合展開。
ビキニを気にしながら立ち上がる由衣。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく由衣とエリカ。
距離が詰まると、素早くエリカをロープに振っていく由衣。
逆にロープから戻ってくるとドロップキックを放つエリカ。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
由衣のバストに炸裂したドロップキック。続けてエリカが由衣を起こすと下を向かせてから、首筋にエルボーを叩き込んでから、バストへニーリフトを叩き込んだ。
グニュ・・
「んあぁぁぁぁぁ・・・」
バストへの強烈な膝に悲鳴をあげる由衣。
由衣の動きが止まると、エリカはヘッドロックを仕掛けるが、由衣もロープに振っていく。
戻ってきたエリカにヒップアタックを仕掛けると、エリカの顔面にヒップを当ててダウンさせた。
顔面を押さえて痛がるエリカを起こしていく由衣。
しかしエリカがお腹にパンチを入れていくと、由衣が苦悶の表情を浮かべている。
由衣の動きが止まったからと、エリカがエルボースマッシュを叩き込むと、続けて首投げでマットに叩き付けていく。
更にヘッドシザースで締め上げていくと、由衣が両足をバタバタさせて藻掻いて苦しんでいる。
エリカが笑みを浮かべながら観客席の反応を見ていると、ヘッドシザースを外して立ち上がってストンピングを叩き込んだ。
バシッ・・バシッ・・
「立ちなさいよ!」
エリカが叫ぶと、由衣は転がるようにしてロープに逃れた。
エリカが蹴りこもうとすると、レフリーがロープだからと離していく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーがエリカを離していくと、由衣がビキニを直しながら立ち上がっていく。
『ファイト!』
そして試合が続けられていくと、由衣がゆっくりと距離を詰めていく。
エリカが素早く低空タックルの様に組み付くと、そのまま水車投げの様に由衣をマットに投げつけた。
バッシーン・・・
これには驚く由衣だが、続けてエリカが押さえつけていくと、由衣はブリッジで返した。
返されると上四方固めの様にポジションを変えていくエリカ。意外なグラウンド技術に驚く観客達。
由衣もフォールされない様に藻掻くも、エリカが上手く押さえ込んでいくと、レフリーがカウントを数えていく。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし由衣が返すと、エリカはマットに座らせてからスリーパーで締め上げていく。
苦悶の表情で逃れようとする由衣。
更に由衣を上に向かせてから、額にエルボースタンプを叩き込むエリカ。
ゴキッ・・
「あんっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる由衣。
更にエルボースタンプを叩き込んでから、ドラゴンスリーパーを仕掛けていくエリカ。
藻掻きながらもロープに逃げる由衣は、何とかロープに逃げるがエリカの猛攻に驚きを隠せない・・・。
『ロープ・・・ロープ・・・』
呼吸を乱しながら立ち上がる由衣に、エリカは距離を置いて睨み付けた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離が詰まると、由衣がタックルを仕掛けていく。
由衣のタックルを受けて、ロープ際に押し込まれていくエリカ。
膝蹴りを狙うエリカのバランスを崩してグラウンド状態に持ち込んでいく由衣。
マットに叩き付けられる形で倒れ込むエリカのうえごきが鈍ると、由衣が組み付いて肩固めを狙っていく。
しかしエリカが抵抗すると、逆に由衣の腕を極めようと仕掛けた。
お互いが極められないと、ここでレフリーが止めていく・・・。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの掛け声に動きを止めて離れる由衣とエリカ。
水着を直しながら距離を置くと試合は続けられた。
『ファイト!』
レフリーが叫ぶと、緊張した表情で距離を詰めていく由衣。
エリカがガードを上げて前に出ると、由衣がミドルキックを放った。
バシッ・・
更にハイキックを放つと、エリカが避けるがバランスを崩していく。
続けて左右の張り手を放つ由衣は、組み付いてスープレックスを狙うもエリカが踏ん張った。
踏ん張られて投げられないと、由衣は首相撲の体勢から膝蹴りを狙うもエリカが藻掻いて逃れていく。
身体が離れると、ここでエリカが張り手を叩き込むと、フラつく由衣。
更に張り手が炸裂すると、由衣はそのエリカの手をキャッチして脇固めで切り返した。
グイッ・・・
技を極められて苦悶の表情を浮かべるエリカ。
必死にロープに逃げると、ここでレフリーが由衣を止めていく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に技を解いていく由衣。ゆっくりと立ち上がると、ビキニを直しながらエリカを睨み付けていく由衣。
エリカもバストが水着から飛び出さないようにと水着を直すと、由衣との距離を置いていく。
お互いの呼吸が乱れ出す中、由衣が前蹴り気味に牽制すると、エリカがローキックを放った。
バシィィィ・・・
フラつく由衣に、エリカがエルボースマッシュを叩き込むと、由衣も負けずに膝蹴りを叩き込んでいく。
ドスッ・・
「ぐふっ・・」
膝蹴りをボディに受けてフラつくエリカ。続けて由衣がDDTでマットに叩き付けると、続けてSTFを仕掛けていく。
グイッ・・・
「うっ・・うううっ・・・」
ガッチリと極められて苦悶の表情のエリカ。
由衣も汗で滑らないように必死に極めていくと、エリカはまさにギブアップ寸前まで追い込まれていく・・・。
藻掻くエリカを追い込んでいく由衣。レフリーもエリカにギブアップの確認をしていく・・・。
『澤尻っ、ギブアップ?ギブアップ?』
レフリーの問いかけに汗だくで必死に耐えていくエリカ。
由衣もギブアップさせたいからと必死になるが、エリカが耐えていくと汗で滑って技が解けてしまった・・・。
「ハァ・・ハァ・・ハァ・・」
技が解けて俯せ状態で苦しむエリカ。
由衣も苦しそうな表情を浮かべながらも立ち上がると、俯せのエリカのヒップにストンピングを叩き込むと、髪を鷲掴みにして起こしていく。
起こされたエリカもパンチで抵抗すると、由衣は膝蹴りを入れてからDDTでマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
「んああぁぁぁぁ・・・」
脳天からマットに叩き付けられて悲鳴をあげるエリカ。由衣が放すとグッタリとして苦しんでいる。
そのエリカに由衣は観客にアピールすると、ロープに走って低空ドロップキックを脇腹に叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「グエェェェェ・・・」
変な声を漏らして転がるようにリング下に逃れるエリカ。脇腹への勢いあるドロップキックがダメージを与えた様子だ。
リング下で脇腹を押さえて痛がるエリカに、由衣もリング下に降りて髪を掴んで起こしていく。
そしてリング上にエリカを戻していくと、由衣がリングに上がってストンピングで痛めた脇腹などを蹴りこんでいく。
バシッ・・バシッ・・
「ああああっ・・・・ああんっ・・」
弱々しく悲鳴をあげるエリカ。脇腹へのダメージが相当なのか、動きが止まって由衣が試合流れを掴んでいる。
更に痛めた脇腹へニードロップを叩き込む由衣。
ドスッ・・
「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
膝が叩き込まれて狂ったように絶叫して藻掻き苦しむエリカ。
完全に動きの止まったエリカの髪を掴んで起こしてから、ヘッドロックで締め上げてからブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けていく由衣。
俯せ状態で動けないエリカに、由衣が髪を掴んで起こしていくと、一気に卍固めを仕掛けていく。
グイッ・・・
「あああああっ・・・」
卍固めの激痛に悲鳴をあげるエリカ。
由衣もギブアップ狙いで締め上げていくと、脇腹のダメージもありエリカの口からギブアップの言葉が飛び出した・・・。
「ぎ、ギブアップ・・・」
エリカのギブアップにレフリーがゴングを要請して試合を止めた・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、由衣が技を解いていく。
卍固めから解放されてグッタリとマットに倒れ込むエリカ。
『ただ今の試合、卍固めで市河由衣の勝利となりました!』
リングアナのコールに由衣がレフリーに片手を挙げられていくと、由衣が笑顔で観客にアピールする。
そして苦しむエリカに握手を求めると、お互いの健闘を讃えてリングを後にするのであった。




第11試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、女優として活躍している加藤愛。ボクシングの練習などから打撃でのスキルアップなど目指している愛は、今夜は手にオープンフィンガーグローブを着けて、白い競泳水着姿でのリングイン。隠れ巨乳と言われる愛だが、競泳水着に包まれたバストの迫力は観客席から理解できた。
その愛の対戦相手としてリングインするのは、因縁の相手と言われる深多恭子。ヒールファイトまでこなして左藤江梨子も血祭りにあげるなど実績も作ってのトーナメント参戦。その初戦の相手が愛だからと興奮を隠せない様子。黒いワンピース水着に黒いリングシューズ姿でリングインすると、愛と視線を合わせずにコーナーに進んでいく。
早くも観客席からも期待がされるカードに、リングアナもコールを始めた。
『青コーナー〜・・・身長162p、上から86、58、88・・・加藤愛〜っ!』
コールを受けて片手を挙げていく愛。恭子を睨み付けていくも、恭子は視線を反らしていく・・・。
『赤コーナー〜・・・身長164p、上から86、60、87・・・深多恭子〜っ!』
そしてコールを受けた恭子は、愛を挑発する様に両手を突き上げて睨み付けていく。
ゴングが楽しみな一戦に観客達も興奮していると、レフリーが早くもゴングを要請した・・・。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、コーナーからゆっくりと前に出る愛と恭子。
早くも愛が構えて前に出ると、ボクシングスタイルで打撃で勝負に出る姿勢に。
対して恭子は愛のボクシングの打撃を想定してか、冷静にガードを上げて距離を置いていく。
愛が前に出て軽くジャブを放つと、恭子はガードを固めて手を出さない。
更に愛がジャブから左右のパンチを放って距離を詰めると、恭子はガードを固めたままタックルを仕掛けた。
組み付いていく恭子。愛が組み付かれると戸惑う表情を浮かべるが、恭子がロープ際に押しつけた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーがロープだからと離していくと、水着を直しながら距離を置いていく愛。
恭子も愛のボクシング殺法に警戒しながらも、実際にリングで相対した愛の技術に警戒感を強めた。
『ファイト!』
レフリーが叫ぶと、恭子はガードを上げて距離を詰めていく。
愛はガードの上から軽くジャブを当てながら様子を見ていくと、恭子が一気に組み付いた。
愛が藻掻くが恭子がスープレックス気味にマットに投げると、背中を打ち付けて苦しい愛。
一気にサイドポジションを奪って押さえつけていく恭子。
グラウンド状態で愛のボクシング殺法を封じようと言う作戦に、愛はスタンド状態にしたいからとロープに逃げようとするが、恭子が逃がさない。
体重を押しつけるだけでも愛のスタミナを消費させていく作戦で、恭子は技を仕掛けずにスタミナ消費を狙っている様子。
抵抗する愛は、抵抗するだけでスタミナを消費して、額からは汗を流している・・・。
愛の動きが鈍ると、恭子は上半身を乗せて体重を掛けては、呼吸が苦しくなる愛のスタミナを奪っていく。
堪らずブリッジなどで返す愛。
返されそうになるも、恭子が上四方固めの様に押さえ込んでいくと、愛は返せずに苦しい展開になっていく。
小刻みに下からパンチを入れていく愛。
しかし恭子も殴り合いになると分が悪いからと、グラウンドでのスタミナ消費作戦で愛を苦しめていく意外な展開。
少しずつロープに逃れようと移動する愛の足がロープに掛かると、ここでレフリーが両者を離した。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に恭子が立ち上がると、愛も呼吸を荒げながらも立ち上がる。
距離を置いて睨み合う両者。レフリーが続行を促した。
『ファイト!』
レフリーの指示に愛が前に出るが手が出ない。
逆に恭子は前蹴りの様に牽制していくと、タックルを仕掛けようとするが愛も警戒して腰を落としていく。
腰を落としてタックルを警戒するからと、打撃勝負に出れずに苦しむ愛。
手だけでパンチを放つと、恭子もガードしながらも組み付いていく。
組み付かれてパンチを放てない愛。恭子が押し込んでコーナーまで愛を押し込むと、脇腹へパンチを入れていくがレフリーがロープだからと離していく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示で離れる両者。試合の流れを恭子が握った感があるが、愛も打撃で勝負したいと焦りだした。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に愛が距離を詰めてパンチを放っていくと、恭子がパンチを嫌がるようにタックルを仕掛けていく。
恭子のタックルにフロントスリーパーでキャッチしていく愛。
ロープ際に押し込んでいく恭子に、愛が膝蹴りを放つが恭子が押し込むと、縺れるように倒れ込んでいく両者。
愛が首に腕を巻き付けていると、恭子はボディにパンチを連打する。
しかし恭子がロープを片手で掴むと、レフリーがロープだからと両者を別けていく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に離れる愛と恭子。
水着を直しながら立ち上がると、向かい合って睨み合っていく両者。
『ファイト!』
レフリーの指示に前に出ない愛。
逆に恭子が距離を詰めていくと、愛が素早いジャブを放つ。
バシッ・・
軽く顔面にヒットするジャブにガードを固める恭子。
ガードが上がると、愛が踏み込んでボディにパンチを叩き込む。
バシッ・・
「うっ・・・」
お腹に炸裂したパンチに苦しむ恭子。
ステップを踏むようにジャブを放っていく愛は、続けて左右のストレートパンチを恭子の顔面に放った。
バシッ・・・
顎に炸裂してフラつく恭子。ガードしても顔面に炸裂するパンチに焦りの色が見えている。
堪らずロープに逃げる恭子に、愛がジャブからボディとパンチで攻め立てる。
バシッ・・ドスッ・・・
ロープ際で痛がる恭子に、愛が膝蹴りを狙うが恭子も負けずに組み付くと、そのままリング下に愛を転落させていく。
場外乱闘に持ち込む恭子。愛がリング下で痛がっていると、恭子もリング下に降りていく。
そして近くのパイプ椅子を手にすると、躊躇する事なく愛にパイプ椅子を叩き付けていく恭子。
ガッシャーン・・・
「きゃああぁぁぁぁぁ・・・」
パイプ椅子を叩き付けられて絶叫する愛。
更に髪を鷲掴みにして鉄柱攻撃で愛を痛めつけていく恭子。
ゴキィィィィ・・・
「んああぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげて痛がる愛。
更に鉄柵に振って叩き付けていく恭子。
ガッシャーン・・・
鉄柵に叩き付けられてグッタリする愛に、恭子は更にパイプ椅子を手に迫っていく。
パイプ椅子の角の部分で愛の肩口などを殴打する恭子。
ゴキッ・・
「きゃああぁぁぁぁ・・・」
パイプ椅子攻撃に悲鳴を上げて痛がる愛。恭子がラフファイトで試合の流れを奪っていくと、愛をリング上に戻していく。
リング上でパイプ椅子を叩き付けられた部分を押さえて痛がる愛。
恭子は容赦なくお腹などをストンピングで痛めつけていく。
バシッ・・・バシッ・・・
「あうっ・・・ううっ・・」
お腹へのストンピングに苦しむ愛。
転がるようにロープに逃げる愛。恭子がサッカーボールキックを放つが、レフリーがロープだからと止めていく・・・。
『ロープ・・・』
レフリーの指示に恭子が距離を置いていくと、愛は水着を直しながらゆっくりと立ち上がった。
『ファイト!』
レフリーの指示と同時に恭子が喧嘩キックを叩き込むと、愛のお腹に蹴りが炸裂した。
ドスッ・・
「ぐふっ・・」
苦悶の表情を浮かべてお腹を押さえる愛に、恭子が強引にヘッドロックでコーナーに連れ込んでいく。
そしてコーナーポストのカバーを外して金具を剥き出しにしていくと、早くも観客にアピールしていく恭子。
片手を挙げてアピールすると、愛の顔面を金具に叩き付けようとするが、愛もコーナーに蹴りを入れて耐えていく。
耐える愛に観客も歓声をあげると、恭子がいきなり額を噛み付いた。
ガブッ・・
「いやあああぁぁぁぁ・・・」
いきなり額を噛み付かれて悲鳴をあげる愛。また力が抜けて金具に額を叩き付けられていく。
ゴキッ・・バキッ・・
2回金具に叩き付けられると、フラフラしていく愛。恭子が愛のボクシングに対抗する為とヒールファイトを学んでいたのか・・・。前回のサトエリ戦でも効果的だったラフファイトになっていく試合展開。
フラつく愛にチョークスリーパーを仕掛ける恭子。
堪らず愛がロープに手を伸ばしていく展開に、観客席からは歓声とブーイングが入り交じっていく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
意識を失う前にロープに逃げた愛。レフリーが恭子を止めていく。
レフリーの指示で技を解く恭子は、更に外してから愛に膝蹴りを入れると、フロントスリーパーで締め上げていく。
首を極められると愛は恭子のボディへ左右のパンチを叩き込んだ。
バシッ・・バシッ・・
ボディへのパンチに力が緩むと、愛が脱出して左右のパンチを顔面へ叩き込む。
バシィィィ・・・バシッ・・
顔面パンチにフラつく恭子。ガードを固めるも愛が顔面、ボディと打ち分けて殴りつけていく。
殴られてフラつく恭子。更に愛が殴りつけていくと、恭子がロープ際に追い込まれた。
顔を殴られるのを嫌がって顔面のガードを固めると、愛はボディを狙ってパンチを叩き込む。
ドスッ・・ドスッ・・ドスッ・・
「うっ・・うっ・・・うぐっ・・」
お腹を連続で殴られて苦悶の表情を浮かべる恭子。
身体がくの字になってくると、愛はアッパーも入れていくが恭子がガードする。
愛が狙いを定めて距離を詰めて殴り出すと、いきなり恭子が組み付いた。
組み付かれると突き放そうとする愛。
しかし恭子が顔面へヘッドバッドを叩き込むと、愛の鼻を捉えた。
鼻への一撃に愛の動きが止まると、エルボースマッシュから髪を鷲掴みにしてコーナーへ連れ出す恭子。
そして剥き出しの金具に愛の額を叩き付けた。
ゴキィィィ・・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・」
金具に額を叩き付けられて悲鳴をあげる愛。
更に恭子が額を叩き付けてから、リング下に愛を落としていく。
リング下で額を気にする愛を捕まえてから、今度は近くの鉄柱に叩き付けていく恭子。
ゴキィィィィ・・・
「あああぁぁぁ・・・」
鉄柱攻撃を受けて座り込む様にダウンする愛。
遂に額から出血して流血戦になると、恭子は座り込んだ愛に上を向かせるようにしてから、傷口を狙ったエルボースタンプを落としていく。
バキッ・・
「おらあぁぁぁぁ・・・」
気勢をあげてエルボースタンプを叩き込む恭子。
愛の額から血が流れ出すと、白い競泳水着にも流れ落ちては、赤く染めていく・・・。
その愛の髪を掴んで起こすと、恭子が観客席に向かって愛を連れ出していく。そして鉄柵を乗り越えて観客席に入ると、テーブルのある席に愛の顔面を叩き付けた。
バシィィィィ・・・・
叩き付けられた部分に愛の血が付着すると、観客もハンカチを出して血を拭っていく。
ファンサービスのつもりか、恭子が観客席で愛を痛めつけると、花道に出てリングに方向へ進んでいった。
しかし愛も組み付くと、バックドロップを狙いたい様子だが、逆に恭子が顔面にパンチを入れていくと、そのままリングに戻されていく愛。
リング上で顔面を真っ赤にして倒れ込む愛に、恭子は傷口を狙ってストンピングを入れていく。
バシッ・・バシッ・・
「あうっ・・ああっ・・」
蹴りこまれて悶える愛。
流れ出る血が目に入って、視界を奪われていく愛に、恭子は余裕の表情を浮かべていく。
そして髪を掴んで起こしていくと、ゆっくりとパイルドライバーの体勢に持ち込んでいく恭子。
マットに血が垂れていく中、恭子がゆっくりと愛の脳天からマットに落とした。
ドスッ・・
「ふぐうっ・・・」
変な声を漏らしてグッタリする愛。
恭子はフォールするつもりはないのか、フォールせずに立ち上がると髪を掴んで起こしていく。
首筋にエルボーを落としてから、ヘッドロックで捉えると、拳を握りしめて血が流れ出す額を殴りつけていく。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・
「きゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・」
傷口を攻められて悲鳴をあげる愛。
更にヘッドロックを解いてから、ゆっくりとダブルアームスープレックスの体勢に持ち込む恭子。
しかしスープレックスではなく、そのまま持ち上げてから前に落とすダブルアーム式のフェイスクラッシャーを仕掛けた。
バッシーン・・・
「んあああぁぁぁぁぁ・・・」
またも愛の悲鳴がリング上に響き渡ると、俯せ状態で顔面を押さえる愛に、恭子は後頭部を踏みつけて観客にアピールしていく。
そしてゆっくりと愛を起こしていく恭子。
しかし愛も意地を見せて恭子の無防備の股間へパンチを叩き込む。
バシィィィィ・・・
「ふぐうっ・・・ううっ・・」
突然の股間への強烈なパンチに動きの止まる恭子。
愛は顔の血を拭うと、フラつきながらも恭子の顔面へパンチを叩き込んでいく。
バシッ・・バシッ、バシッ・・・
「あうっ・・ううっ・・」
突然の反撃に殴られていく恭子。オープンフィンガーグローブ着用の愛は、顔面パンチも認められているから容赦なく恭子の顔面にパンチが襲いかかった。
嫌がるようにロープに逃げる恭子に、愛はアッパーを叩き込んでいく。
バシィィィィ・・・
トップロープを掴んでダウンは免れるも、下を向いて痛がる恭子。
動きの止まる恭子に、愛は顔面狙いの左右のパンチ、そしてアッパーを叩き込んだ。
バシッ・・・バシィィィィ・・・
必死に顔面をガードする恭子。
今度はがら空きのボディへ愛の拳が炸裂した。
ドスッ・・バシッ・・バシッ・・
「ぐっ・・うううっ・・・」
お腹を殴られて身体をくの字にして苦しむ恭子。
苦悶の表情を浮かべながらも、愛の打撃を封じる為にタックルを仕掛けて組み付いた。
組み付かれるとロープ際に押し込まれていく愛。
堪らず背中にエルボーを狙うも、恭子が倒してグラウンドの展開になっていく。
グラウンド状態になるも、打撃のダメージで恭子の動きが鈍りだしていくと、愛が下からパンチを入れていく。
堪らず恭子もサイドポジションを奪って押さえ込んでいくが、愛が小刻みのパンチを入れてダメージを与えていくと、恭子は嫌がるように藻掻いてた。試合時間が経過すると、流血している愛のスタミナが消耗が激しく苦しいが、愛は意地で乗り切ろうと必死の様子。
動きが止まると、ここでレフリーが両者を立たせていく。
そして距離を置く恭子と愛。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に構えて前に出る愛。
恭子はガードを上げていくと、愛が左右のジャブで牽制していく。
張り手を放つ恭子に、カウンターのパンチを顔面に入れていく愛。
バキッ・・
カウンターパンチが偶然にも顎を捉えると、恭子の足元がフラつく。
一気に顔面にパンチを叩き込んでいく愛。
バシッ・・バシッ、バシッ、バシッ・・・
激しくパンチを叩き込む愛。殴られていく恭子は堪らず逃げようとするも、顎へのパンチのダメージで動きが鈍っていると、次第に頬などが腫れだしていく・・・。
「お返ししてやるよ深多っ!」
愛が叫ぶと、恭子の髪を掴んでコーナーに連れ出すと、剥き出しになった金具に恭子の額を叩き付けた。
ゴキィィィィ・・・
「きゃあああぁぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる恭子。
更に愛が額を叩き付けると、恭子の額も割れて流血していく。
額から血を流しながらフラつく恭子に、愛は容赦ない顔面パンチを浴びせていくと、恭子は口の中も切って頬を殴られると、血飛沫をマットに舞わしていく。
堪らずリング下に転がるようにエスケープする恭子に、愛も転がりながらリング下に降りていく。
そして恭子の髪を掴んで鉄柱攻撃を狙うが、逆に恭子が鉄柱に愛を叩き付けた。
ゴキィィィ・・・
肩から鉄柱に叩き付けられて苦しい愛。
しかし組み付いていくと、顔面を真っ赤にしながらもチョークスリーパーを仕掛けていく。
逃れようとする恭子の喉元に滑り込む愛の腕・・・。
グイッ・・・
恭子の頸動脈を絞めつけるチョークスリーパー。恭子が逃れようと藻掻くも、リング下にはロープブレイクはない・・・。
「観念しなよ、深多っ!」
愛が囁くと、更に揺さぶって極めていく。
そして恭子の手から力が抜けると、レフリーがリング上からゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、ここで愛の勝利が決まったのだった。
『ただ今の試合、レフリーストップにより加藤愛の勝利となりました!』
リングアナのコールが流れる中、愛が技を解いて片手を突き上げてアピールすると、リング上に戻ってレフリーに手を挙げられるのであった。
しかしトーナメント戦だけに、大流血での勝利は次の試合を行えるのか、観客達も心配そうにリングを降りる愛を見守った。
一方、負けた恭子は納得いかないのか愛に対して文句を言いながら控え室に消えていくのであった・・・。



第12試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、久しぶりの地下プロレス参戦の吹石和恵。
地下プロレスではミックスファイト、異種格闘技戦なども経験して体格も良く、素材的には恵まれた1人。今回女優美女トーナメントと聞いてエントリーしてきた様子。
空手初段と言う事もあり、打撃が活かせる様に手にはオープンフィンガーグローブを着けている。水着は胸の谷間が強調された黒いワンピース水着でのリングイン。
その和恵の対戦相手として登場したのが、地下プロレスではヘビー級チャンピオンも経験している米蔵涼子。堂々とリングインすると、早くも観客席に向かって片手を突き上げてアピールしていく涼子。白い競泳水着に白いリングシューズ姿で、手は素手でプロレス的なリングコスチュームの涼子。
そして早くもリングアナによるコールが始まった。
『青コーナー〜・・・身長170p、上から86、59、86・・・吹石和恵〜っ!』
コールを受けて緊張気味に頭を下げる和恵。観客席からは見事なボディに歓声が起きている。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から84、58、85・・・米蔵涼子〜っ!』
コールを受けて堂々と片手を挙げていく涼子。早くも激闘の予感のする第1回戦最終試合。
29歳の和恵と36歳の涼子。どちらが次の試合に駒を進めるのか、観客席もゴングが待ち遠しい様子。
そしてゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時に前に出る涼子。
和恵は打撃スタイルでガードを上げて前に出て行く。
距離を置いていく展開で睨み合う涼子と和恵。
和恵が軽くローキックを放つと、涼子はローキックを受けずに避けていく。
逆に涼子もローキックを放つと、和恵はガードしてからローキックを返した。
バシッ・・
和恵のローキックに合わせてタックルを仕掛けた涼子。
これには和恵が反応したフロントスリーパーを合わせるが、そのままロープ際まで縺れ込んだ。
『ロープ・・・』
ロープ際に縺れ込むとレフリーが止めて離していくと、お互い水着を直しながら距離を置いていく涼子と和恵。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に構えていく涼子。和恵も打撃勝負に出たいのか、ガードを固めていく。
ガードを固める和恵に、涼子が挑発する様に軽くローキックを放つと、和恵もローキックを返していく。
打撃では和恵が有利と思ったのか、涼子はガードを固めて組み付きにいくと、和恵は左右のボディブローで抵抗するも涼子が上手く組み付いていくと、テイクダウンを奪ってグラウンド状態に持ち込んでいく。
倒すとサイドポジションを奪っていく涼子。この辺は和恵より上手く試合を進めていく涼子。
和恵もブリッジなどで抵抗すると、涼子がマウントポジションを奪っていく。
体重を乗せていく涼子。和恵は涼子に座られているだけでも呼吸が苦しくなるからスタミナを減らすが、マウントポジションを奪われて精神的にも苦しい状態になっていた。
しかし素手の涼子は顔面へパンチを落とせないからと、そのまま覆い被さる様にして、喉元に肘を落としてギロチンチョークを仕掛けた。
グイッ・・
「うっ・・・」
ギロチンチョークを仕掛けられて苦悶の表情を浮かべる和恵。
苦しむ和恵に、更に体重を乗せていく涼子。早くもギブアップを奪う勢いで攻めていく。
しかし和恵がロープに足を伸ばすと、和恵の足がサードロープに届いてレフリーが止めた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に涼子がギロチンチョークを解くと、ゆっくりと立ち上がっていく。
和恵も喉元を気にしながらも、水着を直しながら立ち上がって涼子との距離を置いた。
『ファイト!』
そしてレフリーの試合続行の掛け声に距離が詰まっていく涼子と和恵。
距離が詰まると、いきなり和恵が鋭いハイキックを顔面狙いで仕掛けると、涼子が間一髪で避けていく。
しかし涼子の表情に余裕が見られない。和恵のハイキックの威力に驚いている様子。
更にミドルキックを放つ和恵に、涼子は蹴られながらもキャッチして倒していくと、同時にアキレス腱固めを仕掛けた。
しかし和恵もヒールキックで逃れようとすると、逆に涼子の足をキャッチしてヒールホールドを狙うも涼子がロープを掴んで逃れた。
『ロープ・・・』
レフリーの指示にお互いが離れて立ち上がると、水着を直しながらも睨み付けていく涼子と和恵。
『ファイト!』
レフリーが掛け声をかけると、和恵が構えながら前に出る。
涼子は距離を置こうと前蹴りを放つが、和恵が余裕でガードしていく。
逆に軸足にローキックを叩き込むと、涼子が苦悶の表情を浮かべる。
更に和恵が顔面狙いの左右のパンチを放つと、涼子はガードして受け流した。
逆に至近距離からドロップキックを放つと、和恵のバストを抉るドロップキック。
倒れ込む和恵にストンピングの連打から、顔面狙いのサッカーボールキックで攻め込む涼子。
顔面狙いのサッカーボールキックを受けた和恵が両手で顔面を押さえて俯せになると、涼子はキャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・・
上半身を反らされて苦しむ和恵。水着からはEカップと言われるバストが飛び出しそうになって、観客席から視線が集まっている。
更に涼子が揺さぶって痛めつけていくと、和恵の表情が苦痛に歪んでいく。
両足をバタバタさせて痛がる和恵。
涼子がギブアップ狙いで揺さぶるが、和恵が少しずつロープに近づいていく。
簡単には仕留められないと思って涼子が技を解くと、立ち上がって腰などへストンピングを入れていく。
そして髪を掴んで起こしてヘッドロックで固めていくと、逆に和恵がロープに振っていく。
ロープから勢いよく返ってきた涼子にショルダータックルで倒していく和恵。
バシィィィィ・・・
マットに倒れる涼子に、和恵が足をキャッチして何かを仕掛けようとするが、涼子がロープを掴んで逃れた。
ロープを掴まれたからと和恵が放すと、涼子が水着を直しながら立ち上がった。
『ファイト!』
レフリーが続行を促すと、涼子が素早くタックルを仕掛けると、和恵がカウンターの膝蹴りを仕掛けた。
ゴキッ・・
和恵の膝が涼子の顔面を捉えると、鈍い音がリングに響いた。
しかし涼子が組み付いてテイクダウンを奪うと、和恵も手応えを感じていたが倒された事に焦りの表情を浮かべた。
サイドポジションを奪って押さえていく涼子。しかし動きが鈍っている。
顔面への膝蹴りのダメージを回復させようと、涼子も試合の流れを鈍らせている様子。
和恵も返したいが涼子が上手く押さえ込んでいると、今度は涼子が和恵の脇腹へハンマーパンチを入れていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
小刻みに叩き込んでいくハンマーパンチ。しかし次の瞬間、観客席から驚きの声が上がった・・・。
そう、涼子の左目近くが腫れ上がって目を塞ぐような感じに観客席から見えたからだった。
涼子も視界を奪われる感覚に、打撃勝負では苦しいからと寝技勝負に持ち込もうとするが、和恵も涼子のダメージに気がついて立ち技を挑みたいところ。
しかし涼子が和恵の腕を捉えると、アームロックを狙っていく。
しかし和恵も抵抗して簡単には極めさせずにロープに足を伸ばした・・・。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に放して立ち上がる涼子。
和恵も水着を直しながら立ち上がると、距離を置いて構えていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声にガードを固める涼子。空手が得意な和恵と打撃戦は不利は否めないが、片方の視界を奪われた形で組み合わないと苦しい状況。
対して和恵は、腫れた涼子の顔を打撃で攻めてKO狙いをしたいところ。軽くローキックを放つと、涼子は足を浮かせて対応する。
しかし左足を狙うと、視界を奪われていて対応できない涼子。
バシッ・・
涼子の反応を確認するかの様にローキックを軽く出していく和恵。
更にローキックを叩き込む和恵。
バシィィィィ・・・
鋭いローキックにフラつく涼子。表情も険しくなって焦りの色が伺えた。
更にローキックが入ると、ガードが崩れてローキックに意識が向かってしまう涼子。
その瞬間、和恵がガードが空いたからと顔面狙いのハイキックを放った。
バシィィィィ・・・
左ハイキックに反応するも顔に蹴りを受けて倒れ込む涼子。素早くガードするが和恵が馬乗り状態になっていった。
マウントポジション、それも手にはオープンフィンガーグローブが着いているからと、顔面パンチ有りの展開で苦しい涼子。
チャンスとばかりに和恵が容赦なく顔面へ拳を叩き付けると、嫌がるように藻掻く涼子。
バシッ、バシッ・・・バシッ・・
和恵の拳を押さえようとするが、和恵が素早く顔面にパンチを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・
顔面に叩き込まれるパンチの連打に、腫れていた部分が切れて出血していく・・・。
左目が腫れと流血で視界を奪われて、更に苦しい状態になっていく涼子。
堪らずロープに逃れようとするも、和恵が殴りつけてダメージが大きくなっていく涼子・・・。
レフリーも試合を止めるか迷っているが、涼子が何とかロープに逃れた・・・。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に立ち上がる和恵。
一方、白い競泳水着を赤く染めながらも、痛々しい流血戦になっていく涼子。顔面パンチの連発でダメージを受けて、苦しそうな表情を浮かべている。
傷口を気にしているが、目の前の和恵に対して負けていない気迫を感じさせる涼子。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に、和恵は打撃でKOを狙おうと前に出て行く。
涼子もガードを上げると、和恵がハイキックを放った。
シュ・・
しかし涼子が避けると、和恵が続けてミドルキックを叩き込む。
バシィィィィィ・・・
「うっ・・」
ミドルキックを受けて動きの止まる涼子。
更に顔面へのハイキックが叩き込まれると、堪らずマットに崩れ落ちる涼子。
必死にロープに手を伸ばしていくと、更に蹴りこもうとする和恵を止めていくレフリー。
涼子はサードロープを掴んで傷口を気にしながら立ち上がると、レフリーに続行の意志をアピール。
レフリーも試合は続けさせる合図をした。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に和恵が左右のパンチを放つと、顔面に音を立てて炸裂していく。
口の中も切って血飛沫をあげる涼子。意地になって張り手を返すも、和恵がガードして逆にパンチを受けていく。
フラつく涼子の髪を鷲掴みにしてリング中央に連れ出す和恵。涼子もボディにパンチを入れて抵抗を見せるが、和恵がリング中央で離していくと、距離を置いて構えた。
涼子がフラついていると、狙いを定めて顔面狙いのハイキックを放つ和恵。
バシィィィィ・・・
側頭部を捉えたハイキックの威力にマットに崩れ落ちていく涼子。
仰向けに倒れていくと、和恵はレフリーストップを期待して馬乗りを狙って顔面へ拳を叩き込んだ。
バシッ・・バシッ・・・
しかし涼子も朦朧としながらも両脚で和恵のボディを挟んでガードする。
ガードされながらも、和恵は顔面狙いのパンチを狙っていくと、涼子が伸びきった腕をキャッチした。
素早く両脚を動かして三角締めに移行した。
突然の関節技で極められて苦しい和恵。表情が苦痛に歪む。
リング中央に連れ出した為にロープが遠く逃げられない和恵は藻掻くも、涼子が締め上げていくと堪らずギブアップした・・・。
『カンカンカンカン・・・』
和恵のギブアップにレフリーが試合を止めていくと、ここで涼子の勝利が確定した。
『ただ今の試合、三角締めで米蔵涼子の勝利となりました!』
リングアナのコールに技を解いてマットにグッタリする涼子。
一方、逆転負けとも言える展開に呆然とする和恵。
リングドクターがリング上の涼子に応急処置をしていくが、左目の腫れと口の中を切ったりと、涼子のダメージは大きく次の試合がどうなるのか、関係者も心配そうに見守るのであった・・・。




第13試合

女優限定の美女トーナメントの第1回戦が全試合終了すると、ここでグラビア系の試合が組まれていく。
『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、グラビアアイドルの良樹りさ。地下プロレスではデビュー済みだったが、練習不足を露呈しての完敗に涙して再度のリングイン。白いビキニに白いリングシューズ姿でリングインする姿に、観客席からは歓声が送られていく。
そのりさの対戦相手としてリングインるすのは、グラビアアイドルとしてデビューした大型新人の守あさな。黒いビキニに黒いリングシューズと言うりさとは対照的なリングコスチューム。
恵まれた身体を持ちながらも、グラビア界などで今ひとつ売れていない現状を打破する為にと地下プロレス参戦となったが、プロレスのトレーニングは積んできた様で、その表情からも自信が伺える。
あさなのド迫力ボディに驚きを隠せないりさ。対してあさなもスレンダーなりさに対して、早くも勝利を確信したのか笑みを浮かべた。
『青コーナー〜・・・身長162p、上から80、59、88・・・Cカップ・・・良樹りさ〜っ!』
コールを受けて一礼していくりさ。早くも反対コーナーのあさなに緊張している様子。
『赤コーナー〜・・・身長171p、上から90、55、87・・・Iカップ・・・守あさな〜っ!』
そしてコールを受けて大きなバストを揺らしながら片手を挙げてアピールするあさな。早くもりさを睨み付けていく。
コールが終わると、レフリーがゴングの要請をして試合が開始された。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、まずはりさがコーナーから飛び出すと、反対コーナーのあさなにドロップキックを放っていく。
バシィィィ・・・
しかしあさながフラつくがダウンしないと、りさが素早く立ち上がってドロップキックを叩き込む。
バシィィィ・・・
しかしあさなが倒れずに、逆にロープに走ってから喧嘩キックを叩き込んだ。
ドスッ・・
「うぐっ・・うううっ・・」
お腹を蹴りこまれて両手で押さえて座り込むりさ。
苦しむりさの髪を掴んで起こしていくと、ヘッドロックで押さえていくあさな。
ヘッドロックを極められて苦しむりさ。ロープに振って返したいが、あさなが腰を落として締め上げていく。
そのままコーナーまで連れて行くと、ヘッドロックからコーナーに押しつけてから、りさのお腹へ膝蹴りを入れていくあさな。
ドスッ・・・
「ぐふっ・・うううっ・・・うっ・・・」
お腹に膝蹴りを受けて苦悶の表情で苦しむりさ。しかしりさもエルボースマッシュで抵抗していくと、張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・・
りさの張り手に無言で睨み返すあさな。
りさが驚くと、次の瞬間にあさなの強烈な張り手がりさの頬を襲った。
バッシーン・・・
強烈な張り手を受けて動きが止まったりさに、あさなが左右の張り手で痛めつけると、続けてコーナーに押し込んでいく。
コーナーで動きの止まるりさに、走り込んでニーアタックを仕掛けたあさな。
Iカップバストが激しく揺れながら膝が炸裂すると、りさの悲鳴がリングに響き渡る。
ドスッ・・
「きゃああああぁぁぁぁ・・・」
そしてコーナーに崩れ落ちるりさの身体。
俯せ状態で苦しむりさに、あさなが後頭部にストンピングを叩き込むと、髪を鷲掴みにして起こしていく。
「まだまだ始まったばかりじゃないの、しっかりしてよ・・」
あさながりさの耳元で囁くと、りさの表情に緊張が走った・・・。
そのりさにダブルアームスープレックスの体勢に持ち込んでいくと、あさなが持ち上げようとするも、前に落とすダブルアーム式フェイスバスターでりさをマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
「ああああぁぁぁぁぁぁ・・・」
顔面をマットに叩き付けられて悲鳴をあげるりさ。またあさながIカップバストを後頭部に押しつけてそのまま極めていく。
両足をバタバタして苦しむりさ。爆乳を武器に押しつけていくあさな。
そして技を解いてから、立ち上がるあさなにりさは俯せのまま立ち上がれないと、あさながロープに走っていく。
勢いをつけて飛び上がって、りさの後頭部にギロチンドロップを叩き込むと、りさが激しく両足を動かして痛がった。
転がるようにして仰向けになるりさに、あさなが自慢のIカップバストを揺らしてアピールすると、飛び上がってバストプレスで押し潰す。
CカップバストがIカップバストに押し潰される格好になると、そのままフォール体勢に持ち込むあさな。
『ワン・・・ツー・・・』
カウントが進むが、りさは返せそうにないとあさなが肩を浮かせた。
一方的な試合展開のリング上だが、あさなは簡単に試合を終わらせるつもりは無いのか、立ち上がるとマットに倒れたまま苦しむりさを跨ぐと、ヒップドロップをお腹に叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・
「うっ・・・グボッ・・・」
強烈なヒップドロップに口から胃液の様な液体を吐き出すりさ。
続けて上四方固めの様に極めていくあさな。
苦しむりさの顔面に、Iカップバストが押しつけられていくと、まさに必殺バスト固めとも言える押さえ込みにりさが苦しむ。
堪らずりさがタップしてここでレフリーがゴングを要請するのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされてもバストを押しつけるあさな。
レフリーが離していくと、不機嫌そうな表情を浮かべながら立ち上がった。
『ただ今の試合、バスト固めで守あさなの勝利となりました!』
リングアナのコールに笑顔を浮かべずに、立ち上がれないりさの顔面を踏みつけていくあさな。
そしてリングアナにマイクを要求すると、観客に向かっていく。
「今後もこのリングに立てるように頑張りたいと思います、特にグラビアアイドルと試合がしたいので、応援よろしくお願いします!」
観客席からは歓声に包まれていくと、ガッツポーズを決めてリングを後にするのであった。
一方、りさは一方的な試合展開で負けた事に、悔しさから泣きながらリングを降りていった・・・。



第14試合

『選手入場っ!』
グラビア系の試合が組まれてから、遂にトーナメント2回戦が始まろうとしていた。2回戦最初の組み合わせは藤原紀華がリングに登場した。白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインする紀華。そのスタイルの良さを競泳水着が更に引き立てている様に見える。
その紀華の対戦相手としてリングインするのは、再現フィルムの女王など脇役としては人気の片丘明日香。紀華と同じく白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、紀華と視線を合わせる事なくコーナーに進んでいく。
『青コーナー〜・・・身長171p、上から88、60、89・・・藤原紀華〜っ!』
1回戦では吉澤明歩に対して強烈なお仕置きまで仕掛けた紀華。トーナメントだけにスタミナ面の心配もされたが、2回戦ではスタミナも十分と言うように見える。
『赤コーナー〜・・・身長155p、上から79、59、81・・・片丘明日香〜っ!』
そして明日香がコールを受けると、小柄ながら堂々として片手を挙げていく明日香。地下プロレスデビュー以来負け無しの明日香だが、ヘビー級相手で慣れていても、紀華の圧力を感じているのか時折不安気な表情を浮かべている。
40歳の紀華と33歳の明日香。女優と言われると明日香の方が実力は上かと思われる試合の幕が切って落とされた・・・。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされて第2回戦の最初の試合が開始されると、ガードを上げて前に出る紀華に対して、明日香が素早く走り込むとドロップキックを放った。
バッシーン・・・
ドロップキックを受けてフラつく紀華に、明日香が続けてドロップキックを放っていくと、エルボースマッシュを叩き込むなど試合の流れを引き込んでいく。
続けてロープに振ろうとすると、これには紀華が逆にロープに振っていく。
しかし明日香がロープから戻ると、逆にボディアタックを仕掛けた。
バシィィィ・・・
紀華が倒れ込むと、そのまま明日香が足を抱え込んでフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・』
レフリーがカウントを数えると、紀華が返していく。
返されると明日香がスリーパーを狙うも紀華がロープに逃げた。
『ロープ・・・』
レフリーの指示に明日香が離れていくと、紀華が水着を気にしながらも立ち上がる。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく紀華。
明日香が序盤のドロップキックなど飛び技を狙いたい様子だが、紀華のガードが堅く前に出ることができない。
逆に紀華が距離を詰めると、ローキックを放った。
バシッ・・
ローキックを受けて表情を歪ませる明日香。
体格差からも打撃技は受けたくないが、明日香はガードを固めていく。しかし明日香の持ち味のスピード感などが無くなる試合展開。
紀華がローキックを狙うと、明日香は蹴り足に絡みつくようにタックルを仕掛けていくと、テイクダウンを奪えずに逆に背中にハンマーパンチを叩き込まれていく。
バシッ・・バシッ・・
叩かれても必死に組み付いていく明日香。
踏ん張る紀華が上から押し潰す形で明日香をマットに倒すと、俯せ状態で苦しい明日香。
素早くバックを奪っていく紀華に、明日香がロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが離していくと、お互いが立ち上がって試合が続けられていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出る明日香。
紀華が前蹴りで牽制すると、明日香は避けていく。続けて紀華がミドルキックを狙うと、ガードするが腕にダメージを受ける明日香。
続けてハイキックを仕掛ける紀華に、明日香がハイキックを避けながらタックルを仕掛けると、上手く倒していく。
グラウンド状態に持ち込むと、明日香は素早くサイドポジジョンから腕を狙っていくが、紀華が簡単には腕を取らせない。
逆に跳ね返そうとする紀華に、明日香が腰を浮かせて膝蹴りをボディへ狙う。
バシッ・・
そして明日香の膝蹴りが脇腹を抉ると、紀華の表情に焦りの色が浮かんだ。
その隙を突いて腕を捉えると、素早く腕拉ぎ逆十字固めを仕掛ける明日香。
紀華が手を組んで耐えるが、明日香も体重を乗せて伸ばそうとしていく。
揺さぶるように仕掛ける明日香が、遂に腕を伸ばして技を極めていく・・・。
グイッ・・・
「あああぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる紀華。しかし完全に腕が極まっていないからギブアップまではいかないが、明日香が試合の流れを押さえている。
必死にロープに足を伸ばしていく紀華が、ギブアップせずにロープに逃れる・・・。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーがロープだからと明日香を止めていくと、明日香は技を解くが悔しそうな表情を浮かべた。
紀華が腕を気にしながら立ち上がると、レフリーが試合の続行を促す。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に明日香が素早く腕をキャッチして飛びつき式の腕拉ぎ逆十字固めを仕掛けるも、紀華が腕を引いて逃れると、立ち上がろうとする明日香にサッカーボールキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
バストに強烈な蹴りを受けて動きの止まる明日香。表情は痛さで歪んでいる。
更にサッカーボールキックを狙う紀華に、明日香は蹴り足に組み付いた。
しかし紀華が髪を鷲掴みにしていくと、明日香が堪らず力が抜けると、足から離れさせていく。
そして立ち上がろうとする明日香に、強烈なサッカーボールキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
明日香のバストに強烈な衝撃が加わると、動きの止まる明日香。
続けて首相撲の体勢に持ち込んで、膝蹴りを叩き込んでいく紀華。
ドスッ・・ドスッ・・
「ううっ・・ううっ・・・」
膝蹴りを連打されて苦しい明日香。蹴られないようにと組み付こうとするも、紀華に突き放されていく。
突き放してハイキックを仕掛けた紀華。
バシィィィィ・・・
身長差もあり簡単に顔面へ蹴りが入ると、明日香が虚ろな目になるもフラフラしながらロープに逃れた。
ダウンせずにロープを掴む明日香に歓声が送られると、紀華は続けてミドルキックをお腹に叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「ぐふっ・・・うううっ・・」
お腹への強烈な蹴りに両手でお腹を押さえて痛がる明日香。
更に紀華がローキックから、顔面狙いのハイキックを放っていく。
バシィィィィ・・・
強烈なハイキックを顔面に受けてマットに崩れ落ちる明日香。俯せ状態でダウンすると、レフリーが紀華を離していく。
素早く明日香の状態を見るレフリー。明日香自身に試合が続けられるか問いかけると、明日香は手を伸ばしてロープを掴んで立ち上がろうとする。
フラつきながら起き上がる明日香に、紀華はバストへ強烈なハイキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・・」
バストへの衝撃にマットに崩れ落ちる明日香。苦悶の表情で転がるようにリング下に逃れていく。
リング下でバストを押さえてグッタリしている明日香。レフリーが紀華に注意すると、紀華もレフリーに激しく言い返していく。
リング下の明日香はゆっくりと立ち上がるもダメージが大きく苦しそうな表情を浮かべると、水着を直しながらも呼吸を整えてリング上の紀華を睨み付けた。
リング上からは紀華が挑発的に手招きしていくと、明日香はゆっくりと呼吸を整えながらリングサイドを歩いた。
そしてサードロープを掴んでリングインしようとする明日香に、紀華が挑発するもレフリーが止めていくと、明日香がロープを潜ってリングインする。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離が詰まる紀華と明日香。
紀華が打撃スタイルで距離を詰めると、軽く掌打を放つと明日香がガードを固めた。
ガードが固まると、ローキックで下から攻めていく紀華。
バシッ・・
ローキックを出されて痛がる明日香。
紀華が更にローキックで前に出ると、明日香がタックルを蹴り足に仕掛ける。
しかし倒れない紀華に、明日香が足に組み付いていくと、紀華が背中にハンマーパンチを入れていく。
バシッ・・バシッ・・
背中を叩かれて苦しい明日香。懸命に倒そうとすると、紀華が倒れ込んでテイクダウン。
足を狙うも紀華の長い足がヒールキックで襲いかかる。
これには転がるようにロープに逃げる明日香。紀華が立ち上がってストンピングを入れようとするが、レフリーがロープだからと止めていく。
呼吸を荒げてロープを掴む明日香がゆっくりと立ち上がると、試合は続けられていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく紀華。
明日香はガードを上げて距離を置こうとするも、紀華が距離を詰めてローキックを叩き込む。
バシィィィ・・・
強烈なローキックが太股を襲うと、明日香の太股が内出血を起こしてドス黒くなっていく。
バシィィィ・・・
次第に動きが止まっていく明日香。動きが無くなると紀華の打撃の餌食になるのは目に見えている展開。
更に顔面狙いの掌打が放たれると、明日香の両頬を抉っていく。
バシィィィ・・バシィィィ・・・
強烈な掌打に明日香はダウン寸前となると、フラつきながらコーナーに逃れる。
更に紀華が顔面狙いの掌打を叩き込んでいくと、口の中を切って血飛沫をあげて痛がる明日香。
必死に顔を守ろうとする明日香に、今度はお腹にパンチを入れていく紀華。
ドスッ・・ドスッ・・
「うぐっ・・・ううっ・・」
お腹へのパンチの連打に身体をくの字にして苦しむ明日香。
しかし踏ん張って逆に紀華のバストへグーパンチを入れていくと、意外な反撃にバストを押さえて痛がる紀華。
続けてタックルで倒していくと、素早く足をキャッチしてインディアンデスロックを仕掛ける明日香。まだ勝負を捨てたわけではないとアピールするように、明日香が紀華の両足を極めていく。
紀華の表情が苦痛に歪むと、続けてSTFに移行していく明日香。
しかし上手く技が極まらずに汗で滑って逃げられると、観客席からは明日香に対して歓声が送られていく。
明日香が起き上がって髪を掴んで紀華を起こしていくと、紀華が張り手を叩き込む。
バッシーン・・・
強烈な張り手に血飛沫が舞うリング上。明日香も負けずに張り手を返していくと、紀華も張り手を叩き込む。
張り手に意識が集中すると、明日香が素早くバックを奪って逆さ押さえ込みを仕掛ける。
突然の逆さ押さえ込みに驚く紀華。
『ワン・・・ツー・・・スリィ・・・』
ギリギリで返していく紀華。明日香も逆転のスリーカウントを奪えず悔しがると、紀華が立ち上がっていく。
明日香も立ち上がると、ドス黒く内出血している太股へローキックを叩き込む紀華。
バシィィィ・・・
もう立っているのが精一杯の明日香に、紀華が容赦ない顔面ハイキックを放っていく。
バッシーン・・・
顔面への強烈なハイキックにマットに崩れ落ちる明日香。
両手で顔面を押さえて俯せ状態になると、紀華が髪を鷲掴みにして起こしていくと、体格差もあるからと抱え上げていく。
そして観客にアピールする様にしてから、強烈なデスバレーボムで明日香をマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
デスバレーボムを受けてヒクヒクとする明日香。
紀華が余裕の表情を浮かべてバストへ膝を押しつけてフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィ・・・・』
余裕のスリーカウントが決まると、紀華の勝利が決まった。
『勝者、藤原紀華っ!』
コールを受けて笑顔を浮かべる紀華。負けた明日香はリングドクターのチェックを受けると、ダメージが大きいからと担架に乗せられてリングを後にするのであった・・・。




第15試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは館野美穂。1回戦では飯嶋直子を破っての2回戦進出の美穂。白いワンピース水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、早くも観客席に向かって頭を下げていく。
その美穂の対戦相手として2回戦のリングに姿を現したのは、グラビアアイドルからAV進出した戸向美奈子。堂々と黒いビキニに黒いリングシューズと美穂と対照的なリングコスチューム。1回戦では売れっ子若手女優の掘北真希を血祭りにしての勝ち上がり。
早くも睨み合う美穂と美奈子。しかしレフリーが制止しながらコールを要求した。
『青コーナー〜・・・身長160p、上から81、54、82・・・館野美穂〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする美穂。白い水着が美穂のスレンダーボディを強調している。
『赤コーナー〜・・・身長156p、上から91、61、88・・・戸向美奈子〜っ!』
そしてコールを受けた美奈子が両手を挙げてアピールすると、反対コーナーの美穂を睨み付けていく。
芸能界ではキャリアの長い美穂と美奈子。時の流れは早く美穂が34歳、美奈子は26歳。今夜のリングはどちらに勝利が転がり込むのか観客が注目の中、ゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出したのは美穂。美奈子の長年の因縁の相手に勝利した美穂が、素早く飛び込むとネックブリーカードロップで美奈子の後頭部をマットに叩き付けていく。
続けて立ち上がると、起き上がろうとする美奈子の顔面にドロップキックを放った。
バッシーン・・・
顔面にドロップキックを受けて転がりながら痛がる美奈子。まずは美穂が試合のペースを握っていく。
髪を掴んで起こそうとすると、美奈子がお腹にグーパンチを入れると、一瞬苦悶の表情を浮かべながらも美穂がエルボーを側頭部に叩き込んでから、首投げでマットに投げつけた。
体格差のある両者で、痩せている美穂の投げ技に観客席が盛り上がった。
素早く両足で首を極めてヘッドシザースで締め上げる美穂。流石の美奈子の技の連続に苦しい展開を強いられている。
美穂がスタミナを奪おうと締めていくと、美奈子は少しずつロープに足を伸ばすが、なかなかロープに届かない。
しばらく締め上げてから美穂が技を解くと、今度は立ち上がってストンピングを叩き込むんでいく。
バシッ・・バシッ・・
これには美奈子が転がるようにロープを掴むと、美穂が離れてからゆっくりと起き上がった。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰める美奈子。
美穂は組み付いたら体重差から不利と考えると、ロープに走って勢いをつけてジャンピングニーアタックを仕掛けるも避けられると、逆に美奈子にヘッドロックに捉えられてしまった。
ヘッドロックで締め上げると、美奈子は観客席の様子を伺いながらショーツの中に手を入れるも、美穂がロープに振っていく。
ロープから戻る美奈子に、フライングラリアットを仕掛ける美穂。
バシィィィィ・・・
これには倒れ込む美奈子に、素早くフォールする美穂。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし美奈子が返していくと、座らせた状態からスリーパーで締め上げていく美穂。
グイッ・・・
堪らず美奈子が美穂の髪を鷲掴みにすると、美穂が技を解いてロープに逃れた。
「ヘアー・・・ヘアー・・・」
美穂がレフリーに髪の毛を掴まれたとアピールするが、地下プロレスだけにレフリーも黙認して試合は続けられていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に美奈子が距離を詰めると、美穂が走り込んでエルボースマッシュを叩き込むと、続けて喉元に水平チョップ、そして喧嘩キックと仕掛けていく。
受ける美奈子も、受けきってから水平チョップを美穂の喉元に叩き込むと、美穂が激しく咳き込んで苦しんだ。
バッシーン・・・
「げほっ・・げほっ・・・」
苦悶の表情を浮かべる美穂に、美奈子は喧嘩キックのお返しから、ヘッドロックからロープに顔面を擦りつけて痛めつけていく。
ギュ・・ギュ・・・
「んああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
ロープに顔面を擦りつけられて摩擦熱で絶叫する美穂。
抵抗する美穂を押さえつけてヘッドロックで痛めつけていくと、コーナーに連れて行ってからコーナーポストカバーを外して金具を剥き出しにしていく美奈子。
更に金具に美穂の顔面を叩き付けようとするも、美穂がコーナーを蹴って反転すると、逆に膝蹴りを入れて美奈子をダウンさせていく。
突然の反撃で膝蹴りをボディに受けて座り込むようにダウンする美奈子。
しかし美奈子もダウンしても美穂の股間へグーパンチを叩き込むと、痛がる美穂の髪を掴んでいく。
「いくぞぉぉぉぉぉ・・・」
美奈子が観客にアピールすると、そのまま美穂の顔面をコーナーの金具に叩き付けた。
ゴキィィィィ・・・
「きゃああぁぁぁぁぁぁ・・・」
美穂の絶叫する悲鳴が響き渡るリング上。
両手で顔面を押さえて痛がる美穂に、更に金具に叩き付けようとする美奈子。
しかし美穂が抵抗すると、逆に美奈子の顔面を金具に叩き付けた。
ゴキィィィ・・・
「んあぁぁぁぁ・・」
堪らず悲鳴をあげる美奈子。
続けて蹴りを連発してコーナーにダウンさせていく美穂。美奈子が座り込むようにダウンすると、飛び上がって背中にニーまで落とす美穂。
動きの止まった美奈子に、美穂は髪を掴んで起こしていくと、絡みつくようにコブラツイストを仕掛けた。
グイッ・・
体格差のある両者ながらも、技が極まると美奈子の表情が苦痛に歪んでいく。
レフリーもギブアップの確認をするが、美奈子は大きなHカップバストの谷間に汗を流しながらも耐えていく。
ギブアップしない美奈子に、美穂は素早く卍固めに移行すると、身体を密着させて揺さぶった。
ビキニに包まれたHカップバストが飛び出しそうになるも構わず耐える美奈子。
美穂も技を仕掛けているだけでもスタミナを消耗して、白い水着を汗ばませていく。
お互いスタミナを消耗していくと、技が解けかけていくと、美奈子が手を突くようにして技が崩れた。
技が崩れると、美穂が足を抱え込んでフォールを仕掛けるも美奈子が返していく。
返されると腕を狙うも、美奈子もロープに足を伸ばして逃れた。
『ロープ・・・』
レフリーの指示に美穂が離れて立ち上がると、水着を直しながら距離を置いた。
美奈子もビキニを直しながら立ち上がると、呼吸を整えながらも美穂を睨み付けていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく美穂と美奈子。
お互い大量の汗を流して、スタミナ切れが心配な展開になっていく。積極的に前に出ない美穂。
美奈子も少しずつ距離を詰めるも、なかなか手を出さないと、美穂が踏み込んで喧嘩キックを放った。
バシッ・・
「うっ・・」
蹴られて苦しむ美奈子に、美穂は気勢をあげると水平チョップからヘッドロックと仕掛けていく。
これには美奈子がロープに振って返すと、美穂も負けずに勢いをつけてラリアットを仕掛けた。
バシィィィ・・・
ラリアットを受けてフラつく美奈子。体重差もありダウンは免れるが、フラフラしている美奈子。
続けて美穂がハイキックを放って美奈子をダウンさせると、足を抱え込んでフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・』
カウントが進むとギリギリで返していく美奈子。
返されると美穂は天井を見上げてから、ゆっくりと立ち上がっていく。
そして倒れている美奈子のバストへストンピングを叩き込むと、エルボードロップをバストに落としてフォールする。
『ワン・・・ツー・・・』
美穂の続けてのフォールに焦り出す美奈子。バストへの痛みを感じながらも返すと、転がるようにロープに逃れた。
更にリング下に逃れていく美奈子。呼吸を整えながらビキニを直していると、リングサイドを歩きながら凶器を探している様子。
美穂はリング上から美奈子を睨み付けるも、美奈子がリング上に戻らないからと自らリング下に降りていくと、美奈子の表情に笑みを浮かんだ。
美穂が走り込んで蹴りを入れると、美奈子も負けずに組み付いていく。そのままリングに押しつけると、お腹にパンチを入れていく美奈子。
苦悶の表情を浮かべながらも美穂もエルボースマッシュを返すと、美奈子の髪を掴んでエプロンサイドに叩き付けた。
バッシーン・・・
しかし美奈子も負けずに組み付くと、そのまま美穂を鉄柱に叩き付けていく。
ゴキィィィィ・・・
「んああぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる美穂に、美奈子が髪を鷲掴みにしてから、今度は額から鉄柱に叩き付けた。
ゴッキーン・・・
「きゃあああぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる美穂。美奈子は得意のラフファイトに持ち込んだからと、続けて鉄柱攻撃を仕掛けた。
ゴキィィィ・・・
更に鉄柱に叩き付けられて額が割れて流血していく美穂。
その美穂をヘッドロックに捉えてから、美奈子がメリケンサックを手にすると、傷つけられた美穂の傷口を殴りつけていく。
バキッ、バキッ、バキッ・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・んああぁぁぁぁぁ・・・」
額を攻められて悲鳴をあげる美穂の白い水着が赤く染まりだしていくと、観客席からもブーイングが起きていく。
そして美奈子がリング上に美穂を戻していくと、リング上でトップロープとセカンドロープをつかって、観客席に向かって美穂を磔に状態にすると、額にエルボースタンプや噛み付き攻撃で痛めつけていく。
「いやああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
傷口を攻められて絶叫する美穂の額からの出血が酷くなって顔面を真っ赤に染めていく。
更に美奈子が水着に手を掛けると、美穂のワンピース水着を脱がした。
お腹の辺りまで水着を脱がすと、美穂の形の良いの乳房が露わになっていく。
観客席から歓声が起きるが、その白い乳房も額からの流血で赤く染まっていくと、美奈子がアピールする様に乳房を揉み出した。
嫌がる美穂。レフリーも反則だからと美奈子を止めていくと、美穂から離していく。
美奈子が離れると、美穂がトップレスだからと水着を戻していくと、試合は続けられた。
『ファイト!』
額から流血を気にしながら距離を置く美穂。
対して美奈子は美穂の流血に余裕を持って距離を詰めていく。
そして張り手を叩き込むと、美穂の髪を鷲掴みにしてコーナーに連れ出して、コーナーポストに顔面を叩き付けた。
フラつく美穂の額をロープに押しつけて擦りつけていく美奈子。
ギュ・・ギュ・・・
「ああっ、いやあぁぁぁぁぁぁ・・・・」
またもリング上に響き渡る美穂の悲鳴。
更にコーナーに追い込んでから、張り手を叩き込む美奈子。
バシィィィィ・・・
フラつく美穂。しかし美穂もコーナーを背に喧嘩キックを叩き込んだ。
バシィィィ・・・
「調子に乗るなぁぁぁぁぁ・・・」
気勢をあげて蹴りを入れた美穂。お腹を蹴られて身体をくの字にする美奈子。
美穂がコーナーから飛び出すと、素早く背後から腕を組むようにして逆さ押さえ込みを仕掛けた。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィ・・・・』
逆さ押さえ込みを仕掛けられて返せない美奈子。レフリーのカウントが3つ入ると、ここで美穂の勝利が決まった。
『勝者、館野美穂っ!』
スリーカウントが決まってグッタリする美穂。
負けた美奈子はマットを叩いて納得いかない様子。
「ちょっと、今のカウント早かったでしょ!」
レフリーに問い詰める美奈子。しかしリングアナも美穂の勝利をコールすると、美奈子は怒りが収まらずにマットに倒れ込んでいる美穂にストンピングを入れてから、リングを後にするのであった。
勝利した美穂はリングドクターに傷口の応急処置を受けてからリングを降りるも、次の試合はスタミナ面からも苦しい試合は避けられない状態であった・・・。




第16試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、1回戦では逆エビ固めで末広涼子からギブアップ勝利した長沢まさみ。
白い競泳水着に白いリングシューズ姿でのリングイン。スタイルの良さが競泳水着によって引き立てられているが、そのまさみの対戦相手もモデルも経験している笹木希。1回戦では打撃から激しい試合で藍武紗季をKOした希。しかしスタミナ面で心配がされる中、白い競泳水着に白いリングシューズと言うリングコスチュームでリングインしていく。早くもまさみを睨み付ける希。
そしてリングアナが両者のコールを始めていく。
『青コーナー〜・・・身長168p、上から84、57、83・・・長沢まさみ〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールするまさみ。希の喧嘩スタイルにどう対応するのか見所の1つと言われている。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から80、58、82・・・笹木〜希〜っ!』
コールを受けて片手を挙げる希。しかし第1試合でのスタミナ面の心配は大きく、希自身も不安を抱えての第2試合。
コーナーではまさみが身体を動かして試合開始に備えている。一方の希は疲れた表情を浮かべてコーナーに寄りかかっていると、レフリーが合図をしてゴングを要請した。
『カァーン!』
試合開始のゴングが打ち鳴らされると、コーナーから素早く飛び出して距離を詰めるまさみ。
対して希はコーナーを背に動かないと、まさみが距離を詰めてローキックで牽制していく。
バシッ・・
まさみのローキックに張り手を返す希。しかしまさみがガードしていく。
更にミドルキックを放っていくと、希が嫌がるように距離を置いた。
まさみも呼吸を整えながら距離を詰めると、ガードを上げてローキックと打撃で勝負していく。
バシッ・・
足への攻めに嫌がる希。
更に前に出て左右の掌打を放つまさみに、希が大振りの張り手で抵抗していく。
バシッ・・バッシーン・・・
お互いの顔面に炸裂する強烈な打撃。
続けてまさみがタックルの様に組み付いていくと、希が押し出される様にロープに押しつけられていく。
希が冷静にフロントスリーパーを狙うと、まさみは脇腹へパンチを入れていくと、レフリーがロープだからと離した。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に離れていくまさみと希。
水着を直しながら距離を置いていくと、希の表情には疲れの色が見えている。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に構える希に、まさみは距離を置いていく。
希も前に出ないと、まさみが踏み込んで挑発するような張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・・
まさみの張り手に表情を変える希。
口の中を切ったのか、口を気にする希に、まさみは距離を詰めると左右の掌打を頬に顎へ炸裂させていく。
バシィィィ・・・
これには希がフラついていくと、続けてまさみがロープに押し込む様に膝蹴りを叩き込むと、堪らず希が座り込むようにダウンしていく。
両手で蹴りこまれて部分を押さえて苦悶の表情を浮かべる希。
まさみが髪を掴んで起こそうとすると、希がまさみの股間へパンチを入れた。
ゴキッ・・
「ぐふっ・・」
股間へのパンチに動きの止まるまさみ。苦悶の表情で両手で股間を押さえるまさみに、希が立ち上がると髪を掴んでいく。
そして観客にアピールしてから、まさみの額にグーパンチを叩き込んだ。
ゴキィィィ・・・
「んああぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげるまさみ。希が続けて拳を叩き込むと、レフリーが反則だからと希を止めていく。
希がレフリーに文句を言い出すと、まさみもお返しとばかりに顔面へパンチを叩き込んだ。
ゴキッ・・
「くっ・・・」
殴られてフラつく希。しかし殴り返していくと、まさみも殴り返して素手での殴り合いになっていくリング上。
バキッ・・ゴキッ・・バキッ・・
お互いが女優の命でもある顔を狙って殴り合う展開に、観客席からも大歓声が起きていく。
意地の激突の展開になっていく中、レフリーがお互いを止めていくと、観客席からはブーイングが起きるがルールだからとレフリーも必死に止めていく。
『ストップ・・・ストップ・・・素手のパンチは反則!』
レフリーに止められると、まさみと希が距離を置くがお互いが口の中を切って、血を滲ませている・・・。
お互い水着を直しながら距離を置くと、レフリーが試合続行の指示をしていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰める両者。
しかし希の表情からは疲れが見えて辛そうに見えるが、まさみは前に出てローキックで太股を攻めた。
バシィィィ・・・
試合序盤のローキックもあり、白い希の太股などが内出血でドス黒くなっていく。
希が張り手などを出しても避けてから、ローキックで足を攻めていくまさみ。
バシィィィ・・・
足を蹴られて嫌がるように下がる希。
観客席が盛り上がっていくと、まさみが踏み込んでローキックを叩き込むと、堪らず希がダウンしていく。
蹴られた膝を押さえて痛がる希に、まさみはロープに走って勢いをつけると、容赦なく顔面へ喧嘩キックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
顔面への喧嘩キックを受けて大の字にダウンする希。
そして顔面を両手で押さえて痛がっていると、まさみは顔面を狙ってのストンピングを叩き込むと、観客にアピールしてから足首を掴んでいく。
続けて股裂き状態からお返しとばかりに、膝を股間へ落とした。
ゴキッ・・
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
股間へのニードロップにに絶叫する希。
まさみも普段からは想像もできないラフファイトだが、股間へのパンチに怒っている様だった。
股間を押さえて悶絶する希。
続けて苦しむ希のボディへヒップドロップを落とすと、そのまま馬乗り状態から顔面狙いの張り手を連打するまさみ。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・バシッ・・
股間のダメージで動けず、また顔面へ張り手を連発させて抵抗できない希。
まさみは鋭い視線を投げつつ張り手を叩き込んでいくと、希は堪らずタップしていく・・・。
しかしまさみが張り手を叩き込んでいくと、希は堪らずギブアップを口にした・・・。
「ぎ・・ぎ・・ぶ・・」
希のギブアップにまさみが叫ぶ。
「何よ、ギブアップならギブアップってシッカリと言いなさいよ!」
まさみは意地悪く張り手を叩き込みながら叫ぶと、希が叫ぶ。
「ギブ、ギブアップ・・・」
希のギブアップにレフリーがゴングを要請すると、ここで試合終了のゴングが打ち鳴らされていく。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、まさみはエキサイトしながらも立ち上がると、希の顔面を踏みつけてからレフリーに手を挙げられていくのであった。
『勝者、長沢まさみっ!』
リングアナのコールにガッツポーズのまさみ。
しかし負けた希も黙ってはいなかった。
「今夜は負けたけど、今度はトーナメントでない試合でやりましょうよ、デスマッチでも何でも良いから・・・」
希のアピールにまさみが言い返した。
「良いわよ、デスマッチでも何でも機会があったらね・・・負けないから・・・」
お互いが再戦のアピールすると、ここで試合が終わりを告げた・・・。



第17試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、1回戦では因縁の深多恭子と壮絶な流血戦で勝利した加藤愛。
試合後はシャワーを浴びて血を洗い流したのか、綺麗な白い競泳水着に着替えて、更に白いリングシューズでのリングイン。手にはオープンフィンガーグローブを着けているが、額には大きな絆創膏が貼られて痛々しい愛。コーナーに寄りかかるも1回戦でのダメージが大きく苦しそうに見えている。
その愛の第2回戦の相手としてリングインするのは、1回戦で上都彩を痛めつけて勝利した大池栄子。1回戦と同じく胸の谷間を強調した黒いワンピース水着でのリングイン。額などが痛々しい愛の姿に、早くも勝利を確信したのかガッツポーズで威嚇していく。
流石に愛も栄子の登場に、どこまで食いつけるかと負けるイメージが浮かんで苦しい展開・・・。
『青コーナー〜・・・身長162p、上から86、58、88・・・加藤愛〜っ!』
しかしリングアナはコールを始めていくと、まずは愛からコールをされて観客席に向かって一礼する愛。
観客席からも可哀想だとばかりに同情する声まで聞こえている会場内。
『赤コーナー〜・・・身長166p、上から91、59、87・・・大池栄子〜っ!』
逆に堂々とガッツポーズの様にしてアピールする栄子。観客席からはブーイングも起きていくが、栄子はコーナーに進んでゴングを待つ・・。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、まずは栄子が余裕の表情で前に出て行く。
愛もボクシングスタイルで前に出ると、軽くジャブを放った。
しかしガードしていく栄子。その栄子のボディにパンチを放つ愛。
バシッ・・
「ぐふっ・・」
ボディを打ち込まれて一瞬苦悶の表情を浮かべた栄子。
しかし距離を置いて愛の動きを見ている。額の絆創膏からもダメージが大きいと見て、栄子はスタミナ消耗作戦を仕掛けていく。
愛は短時間での決着を着けたいのか、前に出ると、左右のパンチを放つが、呼吸も苦しそうに見えている。
バシッ・・バシッ・・
左右のパンチが炸裂すると、一瞬栄子がフラつくもタックルの様に組み付いた。
流石に栄子に組み付かれては手が出ない愛。そのままコーナーに押し込まれていく。
コーナーに押し込むと、栄子は肩で何度もコーナーに押しつけて苦しめていくと、愛の表情が苦痛に歪んだ。
堪らず愛がフロントスリーパーを仕掛けると、栄子がそのまま抱え上げると、反転してマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
強烈な衝撃に動きの止まる愛。栄子はゆっくりと覆い被さると、肘を喉元に押しつけるギロチンチョークを仕掛けた。
グイッ・・
「うっ・・・うぐぐっ・・」
苦悶の表情を浮かべる愛。栄子も体重を乗せていくと、愛の表情が更に険しくなった。
レフリーもギブアップの確認をするが、愛は簡単にはギブアップを口にしない。
逆にロープが近いからと手を伸ばすと、ロープに逃れた・・・。
『ロープ・・・』
レフリーの指示に技を解いて起き上がる栄子。
愛は水着を直しながら立ち上がるも、呼吸が荒く苦しい展開になっていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく愛と栄子。
距離が詰まるとパンチでなくミドルキックを放つ愛。
バシィィィ・・・
脇腹に炸裂したミドルキックに顔を歪ませる栄子。
しかし水平チョップを喉元に叩き込んで反撃すると、動きの止まる愛をロープに際に押し込んでいく。
そして競泳水着に包まれたバストへ強烈な水平チョップを叩き込むと、愛が悲鳴をあげる。
バッシーン・・・
「んあぁぁぁぁぁ・・・」
バストへの強烈な一撃に悲鳴をあげて痛がる愛。
続けて栄子が水平チョップをバストに叩き込むと、今度はヘッドロックで締め上げていく。
そして片手を挙げてアピールすると、指を動かしてから愛の額の絆創膏に狙いを定める栄子。
しかし愛が栄子をロープに振っていくと、ジャンピングニーパッドでダウンを奪った。
倒れ込む栄子にストンピングから、お返しとばかりにバストへニードロップを叩き込むと、これには栄子はバストを押さえて転がるように藻掻き苦しんだ。
ロープ際でバストを押さえて痛がる栄子に、愛がサッカーボールキックを叩き込んでいく。
バシィィィィ・・・バシィィィィィ・・・
ヒップなどを蹴られて痛がる栄子が堪らずリング下に逃れていくと、愛はリング上から挑発していく。
リング下では水着を直して呼吸を整える栄子。
そしてリング上に戻ろうとする栄子に、愛が喧嘩キックで落とそうとする。
しかし蹴られながらもトップロープを掴んで耐える栄子。
逆にロープ越しに愛の髪を掴むと、そのままコーナーポストに連れて行って顔面を叩き付けた。
バシィィィ・・・
これにはダメージもありフラつく愛。
素早く栄子がトップロープに上がると、愛の髪を掴んでからカーフブランディングを仕掛けた。
体重を乗せられてマットに叩き付けられていく愛。
バシィィィィ・・・
「きゃああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげて痛がる愛。大技の炸裂に愛の動きが止まると、栄子が髪を掴んでマットに座らせていく。
そして観客席に向かってエルボーをアピールすると、愛の額にエルボースタンプを仕掛けた。
ゴキッ・・
「ああああぁぁぁぁ・・・」
傷口を狙われて絶叫する愛。
更にエルボースタンプで傷口を狙う栄子。そして顔面を掻きむしって絆創膏を剥がすと、愛の額から血が流れ出ていく。
剥がした絆創膏をアピールして観客席に投げ入れる栄子。
愛は傷口に手を当てて俯せになると、栄子が馬乗りになってキャメルクラッチを仕掛ける。
グイッ・・
顎に手を掛けられて、上半身を反らされて苦しい愛。
「いくぞぉぉぉぉ・・・」
栄子が叫ぶと、キャメルクラッチではなく片手で鼻の穴に指を掛けて、片手で額の傷口を掻きむしった。
ガリッ・・
「あああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
堪らず愛が絶叫すると、額からの流血が酷くなって顔面を赤く染めていく。
栄子が立ち上がると、愛は両手で顔面を押さえて痛がっている。
栄子は走り込むと、愛の脇腹へ低空ドロップキックを叩き込むと、転がすようにリング下に落とした。
リング下でグッタリとする愛。白い競泳水着にも流れ落ちる血が赤く染めていく残酷な展開。
愛が脇腹を押さえてフラつきながら立ち上がると、栄子が距離を置いて睨み付けると、走り込んで強烈なラリアットを叩き込んでいく。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・」
ラリアットを受けてリング下で崩れ落ちる愛。
更に栄子がストンピングを叩き込んでいくと、愛の顔面、バスト、お腹と蹴りこまれて苦しい展開が続いていく。
グイッ・・
「立つんだよ・・・加藤っ!」
グッタリする愛の髪を鷲掴みにして起こして、エプロンサイドに顔面を叩き付けてからリング上に戻していく栄子。
愛は顔面を押さえてグッタリとしていると、栄子がギロチンドロップを叩き込んでからフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・スリィィ・・・・』
しかしカウントギリギリで返した愛。しかし虫の息と言う状態で試合が続けられるのかと言う声まで飛んでいる観客席。
グッタリとしていると、栄子は立ち上がると信じられないと言う表情で観客席にアピールすると、容赦なくパイルドライバーの体勢に持ち込んでいく。
逆さにされてマットに血がポタポタと垂れていく残酷な展開。愛がグッタリとしていると、栄子が脳天からマットに落としていく。
ドスッ・・
「ふぐっ・・」
変な声を漏らしてグッタリとする愛。
栄子も試合を終わらせずに、愛のオープンフィンガーグローブが着けられている手を踏みつけていく。
グリッ・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる愛。
更に踵でストンピングを叩き込んでいく栄子。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「ああぁぁぁぁぁぁ・・・」
ストンピングの連発に絶叫する愛。
観客席からブーイングが起き始めると、栄子がアピールする。
「決めるぞぉぉぉぉぉ・・・」
栄子が叫ぶと、愛の髪を掴んで起こしていくと、ゆっくりとブレンバスターの体勢に持ち込んでいく。
そして抵抗できない愛に、体勢を低くしてからブレンバスターで投げてマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
ブレンバスターで投げつけられてグッタリする愛。
栄子は立ち上がると、愛のバストを踏みつけていく。
「レフリー、フォール!」
バストを踏みつけながらレフリーにフォールと叫ぶ栄子。
レフリーも急いでカウントを数えていく・・・。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィ・・・・』
余裕のスリーカウントが入ると、ここでゴングが要請される。
『カンカンカンカン・・・』
栄子の勝利が決まると、リングドクターが愛の応急処置をしていく。
『勝者、大池栄子っ!』
コールを受けてレフリーに手を挙げられる栄子。対して愛は傷口にタオルを押しつけられて担架に乗せられると、リングを後にするのであった。




第18試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、第1回戦で吹石和恵の打撃に苦しんだ米蔵涼子。黒い競泳水着に黒いリングシューズ姿でリングインしたが、左目がカウンターの膝蹴りのダメージで腫れ上がっていて視界を奪われていて、第2回戦の試合をできるか心配されている中でのリングイン。涼子自身も今後の女優業の事を考えて試合放棄も考えてのリングイン。
その涼子の対戦相手としてリングインするのは、第1回戦では澤尻エリカとの正統派ファイトで勝利した由衣。胸元の開いた白いワンピース水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、涼子に頭を下げてからコーナーに進む由衣。
反対コーナーの涼子の腫れて塞がる左目に心配そうな表情を浮かべるも、残酷な試合が行われる地下プロレスだけに気にしないようにしようとする由衣。
そしてリングアナがコールを始めていくリング上。
『青コーナー〜・・・168p、上から84、58、85・・・米蔵涼子っ!』
コールを受けて一礼していく涼子。水着を気にしたり落ち着かない様子の涼子。やはり左目の視界を奪われている事による不安感だろうか。
『赤コーナー〜・・・158p、上から83、55、85・・・市河由衣っ!』
そしてコールを受けて片手を挙げてアピールする由衣。反対コーナーの涼子に対して視線は合わせようとしないが、地下プロレスではジュニアヘビー級とヘビー級と言う体格差もあるが、今夜はトーナメントだからと気合いを入れていく由衣。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、コーナーから勢いよく飛び出していく由衣。
涼子は左目の上を腫らして、また第1回戦で流血したから絆創膏を貼っている。コーナーから前に出ずにコーナーを背にした状態で由衣を待ち受けた。
コーナーの涼子に由衣も飛び込めずに構えていくと、軽くローキックを放った。
バシッ・・
由衣のローキックが涼子の太股に炸裂するが、軽いローキックだからとダメージもない。
更に由衣がローキックからタックルを仕掛けると、涼子が突き放すようにバックステップで逃れる。
逃れる涼子に右手で張り手を放つと、涼子の顔面にヒットした。
バッシーン・・・
由衣の張り手にフラつく涼子。
続けて由衣が右ハイキックを放つと、タイミングが遅れてのガードで対応する涼子。
明きからに視界を奪われて苦しい展開に、観客も涼子と由衣の試合だけに勿体ないと言う声まで漏れだしている。
涼子もローキックと打撃で返すと、由衣が蹴り足へタックルを仕掛けた。
これには倒されてグラウンド状態になると、涼子が俯せになってロープに手を伸ばすと、由衣はバックを奪ってスリーパーを仕掛けた。
しかし涼子の手がロープを掴むと、レフリーが離していく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に立ち上がる由衣。
涼子もゆっくりと立ち上がると距離を置いていく。
『ファイト!』
そして試合が続けられると、由衣が踏み込んで水平チョップを放つと、涼子が張り手で抵抗した。
バッシーン・・・
抵抗する涼子に胴タックル気味に組み付いていく由衣。体格差もあるが1回戦のダメージから涼子を倒していくと、組み付いていく由衣。
涼子がブリッジ気味に返そうとしても由衣が上手く体重を乗せていく。
そして馬乗り状態になっていくと、由衣が顔面への張り手を放っていく。
バシッ、バシッ、バシッ・・・
激しい張り手の連打に嫌がる涼子。下から張り手を返すも体勢が不利だから苦しい展開。
次第に汗と、張り手で絆創膏が剥がれ落ちると、傷口から血が流れ出していく涼子。
由衣も動揺するが、傷口を非情にも張り手で攻め込むと、痛がるように藻掻く涼子。
しかし腫れ上がった部分への攻めに、リングドクターがリングサイドから試合を止めていく・・・。
『ストップ・・・ストップ・・・』
レフリーが試合を止めていくと、リングドクターによる涼子の傷口のチェックが行われる事になった。
『リングドクターより、米蔵涼子の傷口の様子を診ると言う事で、試合を一旦中断いたします!』
リングアナのコールに観客席からも、試合を止めた方が良いんじゃないかと言う声が出始めていると、リングドクターも傷口が拡がって残ると女優業にも影響が出ると言う事で、ここで試合を止める様にレフリーに伝えた。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、ここで由衣の勝利が決まった。
『ただ今の試合、ドクターストップにより市河由衣の勝利となりました!』
突然の試合終了に由衣が呆然としていると、涼子は納得した表情で由衣に近寄った。
「こんな終わり方にしてごめんなさいね・・・市河さん・・・」
涼子が言葉をかけると、由衣も返した。
「ありがとうございました。今度はトーナメントでなく試合してくださいね・・・」
お互いが再戦を約束して握手すると、涼子は担架が呼ばれてリングを後にする。
由衣は次の試合の為に、タオルで汗を拭きながら控え室に戻るのであった・・・。



第19試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、1回戦で猪上和香に勝利した香理奈。白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって一礼していく。
その香理奈の対戦相手としてリングインするのは、1回戦で黒樹メイサを仕留めた鈴本京香。43歳のベテラン女優だけに、スタミナ面が心配される中でのリングイン。黒樹メイサに勝利した事も流石だが、2回戦目の香理奈とどういう試合をするのか。
胸元の開いた白いワンピース水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に一礼すると胸の谷間に観客の視線が集まっていく。
歓声に水着を気にする京香。対して香理奈はコーナーで軽く身体を動かしていく。
そしてリングアナがコールを始めた。
『青コーナー〜・・・身長165p、上から80、58、88・・・香理奈〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする香理奈。白い競泳水着姿がスレンダーな身体を包んでいる。
『赤コーナー〜・・・身長166p、上から88、59、89・・・鈴本京香〜っ!』
コールを受けて笑顔で一礼していく京香。
そして互いに視線を合わせる事なくコーナーに寄りかかる香理奈と京香。
レフリーが試合開始のゴングを要請した・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出したのは香理奈。
素早く距離を詰めると、京香も距離を詰めようとすると、素早くローキックで京香を攻める香理奈。
バシィィィ・・・
ローキックを受けて痛がる京香。
更にローキックを狙う香理奈に、京香は素早く組み付いてロープ際に押し込んでいく。
背中にロープを押しつけられた形の香理奈。その香理奈の側頭部に肘を押しつけていく京香。
『ロープ・・・』
レフリーが両者を離していくと、京香の力強さに香理奈が驚くが、スタミナ勝負だったら負けないとばかりに自信を漂わせている。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰める香理奈と京香。
シュ・・・
香理奈が果敢に顔面狙いのハイキックを放つと、京香が避けてタックルを仕掛けていく。
バランスを崩して倒れ込む香理奈。京香が素早く上を取ると、ギロチンチョークを狙うも香理奈がブリッジで抵抗して逃れた。
俯せ状態になる香理奈にスリーパーを狙う京香。
しかし香理奈がロープに手を伸ばして逃れた。
『ロープ・・・』
ロープに逃れた香理奈がゆっくりと立ち上がると、水着を気にしながら距離を置く。
対して京香も水着を直しながら距離を置くと、香理奈の打撃を警戒していた。
『ファイト!』
試合が続けられると、香理奈が構えて前に出る。
京香も打撃を警戒してガードを上げると、ガードの上から香理奈が張り手を叩き込んだ。
更に掌打をガードの上から叩き込むと、ガードを上げさせてローキックを叩き込む香理奈。
バシィィィィ・・・
ローキックを受けてフラつく京香。
更にミドルキックを叩き込む香理奈。京香が嫌がるように下がると、左右の掌打で押し出していく香理奈。
堪らずガードを固めていく京香に、豊満なバストへも掌打を叩き込んでコーナーに追い詰めていく。
コーナーでガードを固める京香。顔をガードする京香に、香理奈はサイドキックをお腹に叩き込む。
ドスッ・・
「うっ・・うううっ・・・」
お腹への強烈な蹴りに苦悶の表情を浮かべる京香。身体をくの字にして苦しんでいる。
香理奈が髪を掴んでコーナーから引きずりだそうとすると、逆に京香が水平チョップを喉元に叩き込んで反撃した。
バッシーン・・・
喉元への水平チョップに動きの止まる香理奈。続けてエルボースマッシュからヘッドロックで締め上げてから、観客にアピールする様にブルドッキングヘッドロックを仕掛ける京香。
バシィィィィ・・・
「きゃああぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる香理奈。
続けて俯せの香理奈にSTFを仕掛けていく京香。足をロックして顎に腕を掛けて極めていく。
香理奈の表情が苦痛に歪むが、ギブアップの言葉は出さずに耐えていく。
仕掛ける京香も必死の表情で極めていくが、香理奈はまだ耐えている。
次第に汗で滑って技が解かれると、京香は呼吸を荒げながらも背中を叩いてから髪を鷲掴みにして起こしていく。
そしてロープに振って行くと、走り込んでフライングボディアタックを仕掛けた。
バッシーン・・・
京香が勢いあるフライングボディアタックを仕掛けて倒すと、そのままフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・』
香理奈が返していくと、腕を掴んで技を仕掛けようとする京香。
しかし香理奈が下から三角締めを狙って仕掛けると、京香が腕を引いて逃れる。
京香が腕を引いたからと、香理奈も転がるようにロープに逃れた。
ロープに逃げる香理奈の足を掴んでロープから離そうとする京香。一気に勝負を仕掛けようとするも、香理奈が必死にロープに逃げていく。
ロープに腕を絡めて逃れた香理奈。レフリーがロープと京香を離していく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に距離を置く京香。水着を直しながらも汗を拭っていく。
香理奈も水着を直しながら立ち上がると、試合が続けられていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を置いていく香理奈と京香。
胸の谷間に汗が流れている京香。少し疲れの色が見えるが、香理奈に対して睨み付けている。
香理奈も構えて距離を詰めると、軽くローキックから前に出た。
ローキックを受けて蹴り足へタックルを仕掛ける京香。
しかし香理奈が左右の掌打で止めると、素早くスタンディングでスリーパーを仕掛ける。
これには京香が両腕を振ってロープに逃れると、レフリーが止めていく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
ロープに逃げられて悔しがる香理奈。一方、京香は水着を直しながらも呼吸をが乱れて疲れが見えている。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に試合が続けられていくと、香理奈が前に出ていくと、京香は距離を置こうとする。
香理奈が一気に前に出て大振りの張り手を仕掛けると、京香も負けずに張り手を返した。
バッシーン・・・バッシーン・・・
お互いの頬を叩き合う香理奈と京香。
京香の張り手が炸裂すると、猪上和香戦で口の中を切っていた香理奈の口からは、血飛沫が舞っていく。
鉄の味が口の中に拡がると、香理奈も負けずに掌打を頬に叩き込むと、京香がフラついていく。
更に張り手が決まっていくと、京香の口からも血飛沫が舞っていく。白い水着にも血が垂れ出す。
動きの鈍る京香に、香理奈が前に出て首相撲の体勢に持ち込むと、膝蹴りを狙うも京香も組み付いて膝蹴りをガードしていく。
縺れて倒れ込むと、京香がサイドポジションを奪って押さえ込んでいく。
体重を乗せていくと、香理奈が嫌がるようにブリッジ気味に返そうとするが、京香も上手く押さえていく。
豊満なバストが押しつけられて、水着から溢れ出しそうになるも構わず押しつけていく京香。
香理奈が返せないからと動きが止まると、京香がグラウンド状態で膝蹴りを狙っていく。
脇腹を膝蹴りが抉ると、ビクンと香理奈の身体が藻掻いていく。
ドスッ・・
「うっ・・・」
香理奈の呻き声に近い声が漏れると、京香が一気にマウントポジションを奪っていく。
素手だから顔面へのグーパンチは反則になるので、京香は張り手を顔面に叩き込むと、嫌がる香理奈の腕を掴んで腕拉ぎ逆十字固めを仕掛けた。
しかし香理奈も手を掛けて伸ばさせないと、京香が力を入れて極めにかかる。
踏ん張るように耐えていく香理奈。京香の額から汗を流して必死になるが極まらないからと外していくと、香理奈が転がるようにロープに逃れた。
『ロープ・・・』
レフリーの指示に京香が離れると、水着を直しながら汗を拭っていく。
香理奈も水着を直しながら立ち上がると、試合が続けられた。
『ファイト』
レフリーの掛け声に前に出る香理奈。
京香は呼吸を荒くしながら前に出るが、表情が苦しそうにも見える。
香理奈が左右の大振りの張り手を放つと、京香がタックルを仕掛けるも組み付いて倒す事が出来ない。
逆に香理奈が押し出していくとコーナーに京香を押しつけていく。
そして一気に両手を引くと、顔面へ掌打から膝蹴りと前叩き込んでいく。
バシッ・・バシッ・・・バシッ・・・
顔面へ炸裂していく掌打にガードも出来ずに苦しい京香。
堪らずガードを上げると、今度はお腹へボディブローが叩き込まれていく。
ドスッ・・
「ううっ・・うううっ・・・」
お腹への強烈なパンチに動きの止まる京香。
スタミナ切れか京香が苦悶の表情で耐えるが、香理奈は容赦なく顔面へ掌打を叩き込むと、京香が激しく鼻血を噴きだした。
呼吸の苦しくなる京香が張り手で返していくと、逆に首相撲の体勢に持ち込んでから膝蹴りを叩き込む香理奈。
コーナーで打撃で痛めつけられて痛々しい京香。必死に耐えていくもダメージが増えていく・・・。
胸の谷間にも鼻血が流れ落ちていくと、京香は白い水着を赤く染めながらも必死の表情で香理奈に組み付こうとする。
しかし香理奈が突き放すと、ローキックからミドルキックとコーナーで打撃で攻めていく。
堪らず座り込む様にダウンする京香。
観客席が盛り上がると、香理奈は片手を挙げてアピールしてから、踏み込んでサッカーボールキックをバストへ叩き込む。
バシィィィィ・・・
バストへの強烈なサッカーボールキックを受けて前のめりに崩れ落ちる京香。
両手でバストを押さえて苦悶の表情を浮かべていると、レフリーが香理奈を離していく。
『ダウンっ!』
ここでレフリーがダウンとコールすると、プロレスルールでダウンをコールする事もないのに、京香に続行できるか問いかける。
必死に京香は試合続行を訴えると、試合は続けられた・・・。
『ファイト!』
ロープを掴みながら立ち上がる京香。鼻血が激しく痛々しい姿になるも、香理奈を睨み付けている。
香理奈がガードを上げると、軽くローキックを放つ。
バシッ・・・
フラつく京香。香理奈は更にローキックを放つ。
バシッ・・・
蹴られると、京香が前に出て大振りの張り手で反撃した。
バシィィィィ・・・
強烈な張り手を受けて動きの止まる香理奈に、京香がエルボースマッシュを叩き込むと、続けてヘッドロックで締め上げる。
しかし香理奈が身体を密着させてバックドロップで返した。
バッシーン・・・
後頭部からマットに叩き付けられてグッタリする京香。
香理奈がゆっくりとバストに両手を置いてフォールすると、レフリーがカウントをはじめる・・・。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・・』
しかし京香が返すと、香理奈はマットに座らせる形でチョークスリーパーを仕掛ける。
京香の表情が苦悶に歪んでロープに逃れようとするが、香理奈が締め上げていく。
苦しい京香。必死にロープに手を伸ばすも、容赦なく香理奈の腕が頸動脈を絞めて意識を落とそうとしていく・・・。
失神させて試合が終わりを告げると思った瞬間、香理奈が技を解いた。
観客席も驚く中、京香は喉元を押さえて苦しんでいると、香理奈は立ち上がって距離を置いていく。
しばらくして京香が喉元を気にしながら立ち上がると、香理奈が踏み込んでバストへハイキックを叩き込んだ。
バシィィィ・・・
「あうっ・・・」
堪らずロープに寄りかかる様に倒れ込む京香。
完全にスタミナ切れに見える京香に、香理奈はロープ際で押さえつけると、今度はボディへの膝蹴りを叩き込んでいく。
ドスッ・・ドスッ・・
膝蹴りの連発に動きの止まる京香。表情は苦痛に歪んでいる。
更に豊満なバストを狙ってパンチを入れると、京香がバストを押さえて痛がっていると、香理奈がお腹へもパンチを入れていく。
まるで打撃技の練習をしているのかと言う程、一方的な打撃での攻めに観客席も盛り上がった。
血で赤く染まる白い水着に包まれた京香の乳房は、香理奈のパンチ、キックによって内出血も起きているが、レフリーも観客も試合を止めろと言う者は誰もいない・・・。
香理奈も観客席の反応を見ながら、京香のバストへ狙いを定めていくと、フラフラしている京香のバストへアッパーを入れたりと、激しい打撃を加えていく。
グニュ・・
「あんっ・・・あああああっ・・・」
バストへの集中攻撃に声を漏らす京香。水着の中の乳房が上下左右と衝撃を受けている。
スタミナも切れかかり戦意喪失に近いように見える京香。
更に左右の掌打が顔面を襲うと、堪らず顔面を押さえて座り込むようにダウンしていく京香。
『仕留めろ!・・・・やっちまえ!』
『もっと痛めつけろ!』
様々な歓声の中、動きの止まった京香の髪を鷲掴みにして起こしていく香理奈。
そして、フラフラしている京香のボディへ膝蹴りを入れた。
ドスッ・・
「ふぐっ・・うううっ・・・」
身体をくの字にして苦しむ京香。
続けて髪を鷲掴みにしてダウンを許さないと、今度は顎へ膝蹴りを叩き込む香理奈。
バキッ・・
顎への膝蹴りに前のめりに崩れ落ちる京香。ヒップを突き上げた感じで上半身はグッタリとマットに崩れている。
更に香理奈がヒップへサッカーボールキックを狙うと、ここでレフリーが試合を止めていく。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、香理奈の手がレフリーによって挙げられていく。
『ただ今の試合、レフリーストップで香理奈の勝利となりました!』
リングアナのコールに笑みを浮かべる香理奈。
一方、敗北した京香はリングドクターに応急処置を受けながら担架でリングを後にするのであった・・・。




第20試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、トーナメント初戦で敗退した末広涼子。特別に敗者復活戦が行われる事になってのリングイン。
白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、初戦の疲れを見せずにコーナーに進んでいく涼子。
その涼子の対戦相手としてリングインするのは、同じく敗者復活戦で再起を図る綾瀬遥。涼子と同じく白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって頭を下げていく。早くもリングアナがコールを始めていくリング上。
『女優トーナメント特別敗者復活戦第1試合・・・青コーナー〜・・・身長161p、上から81、59、85・・・末広涼子〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする涼子。
『赤コーナー〜・・・身長165p、上から88、61、91・・・綾瀬遥〜っ!』
そしてコールを受けて頭を下げていく遥。体格では涼子を上回っている遥。
コールが終わると試合開始のゴングが鳴り響く。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出したのは涼子。素早くドロップキックを叩き込むと、続けてヘッドロックで締め上げる。
しかし遥がロープに振って返すと、ロープから戻る涼子にラリアットを狙うも涼子が避けると、ロープに走り込んで勢いをつけてボディアタックを仕掛けた。
バシィィィィ・・・・
ボディアタックに倒れ込む遥の足を抱え込んでフォールする涼子。
『ワン・・・・ツー・・・・』
しかし遥も簡単に負けるはずもなく返していく。
返されたので座らせた状態からスリーパーでスタミナを奪おうと締める涼子。遥の表情が苦悶に歪む。
耐える遥はロープに逃れると、レフリーが涼子に技を解かせた。
『ブレーク・・・ブレーク・・・』
レフリーの指示に技を解いていく涼子。
ゆっくりと立ち上がる遥にドロップキックを叩き込む涼子。
バッシーン・・・
更に立ち上がる遥に、勢いをつけてエルボースマッシュを叩き込むと、続けてロープに振っていく。
しかし遥が喧嘩キックを叩き込んで反撃すると、動きの止まる涼子にフロントスリーパーで締め上げた。
苦しそうに藻掻く涼子。遥もスタミナを消耗させようと締めていくと、涼子が脇腹にパンチを入れて抵抗する。
抵抗する涼子をロープに押しつけていく遥。
ロープだからとレフリーが離していくと、水着を直しながら距離を置いていく涼子。
遥も水着を直しながら距離を置いていくと、試合は続けられていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく遥と涼子。
涼子がタックルを仕掛けると、遥が上手く潰していく。グラウンド状態で俯せ状態の涼子に、上から体重を掛けていく遥。
涼子が身体を反転させていくと、遥も上から押さえつけるように腕を狙っていく。
ブリッジ気味に返そうとする涼子に、遥がサイドポジションを奪って押さえていくと、涼子の動きが止まった。
次の瞬間、涼子が身体を素早く動かして遥の首に両足を絡めると、ヘッドシザースで反撃していく。
突然の涼子の反撃に苦悶の表情を浮かべる遥。
涼子もギブアップ狙いで締め上げると、遥は少しずつロープに逃げようと手を伸ばす。
なかなかロープに逃れられない遥。全身を早くも汗が包み込む。
白い競泳水着も湿り出す中、涼子がヘッドシザースを外してから腕を狙うも遥がロープに逃れた・・・。
『ロープ・・・』
レフリーが涼子を離していくと、遥がゆっくりと水着を直しながら立ち上がっていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく両者。
涼子が片手を出して力比べを誘うと、遥も手を出すが涼子が喧嘩キックをお腹に叩き込んだ。
ドスッ・・
「うっ・・・」
お腹を蹴られて動きの止まる遥に、涼子がヘッドロックを仕掛けるも遥がロープに振って返していく。
ロープから勢いよく戻る涼子に、遥がラリアットを叩き込んだ。
バッシーン・・・
強烈なラリアットに大の字にダウンする涼子。
動きの止まった涼子のバストへストンピングを叩き込んでから、髪を鷲掴みにして起こしていく遥。
フラつく涼子にヘッドロックを仕掛けると、そのままブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けていく。
バシィィィィ・・・
マットに叩き付けられて俯せ状態でダウンする涼子。
遥は続けて足を固めていくと、素早くSTFを仕掛けるも汗で滑って技が解けると、涼子もロープに逃れようと手を伸ばす。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーがロープだからと遥に放すように指示すると、遥は疲れた表情を浮かべながら立ち上がった。
涼子も水着を直しながら立ち上がるも、大量の汗を流して疲れた表情を浮かべている。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に動きの鈍る涼子と遥。
仕掛けたのは遥でタックルを仕掛けると、涼子は避けるように逃れた。
逆にハイキックを顔面へ叩き込むと、遥が膝をついて座り込んだ。
両手で蹴られた頬を押さえると、涼子は髪を掴んで顔面へ膝蹴りを叩き込んでいく。
ゴキッ・・
鈍い音が響き渡るリング上。顔面への膝蹴りに動きの止まった遥。
涼子の膝が顎へ炸裂して意識を朦朧とさせる遥。必死に涼子に組み付いていくと、更に膝蹴りを狙う涼子。
グニュ・・・
「あうっ・・・」
続けて顔面ではなく、バストへ膝蹴りが炸裂すると遥の動きが止まっていく。88pと言われる巨乳が膝蹴りで変形するような衝撃に痛がる遥。
膝をついてバストを押さえて痛がる遥に、涼子はロープに走って後頭部へドロップキックを叩き込んでいく。
バシィィィィ・・・
後頭部にドロップキックを叩き込まれて、顔面からマットに叩き付けられるようにダウンする遥。
一気にキャメルクラッチで揺さぶるように痛めつける涼子。
一気に攻められて苦しい遥。顔面への膝蹴りやバストへの膝蹴りの連続に、遂にギブアップを口にした・・・。
『ぎ・・ぎぶ・・』
顎に手を掛けられて大きな声でギブアップが言えずにレフリーに届かない遥。
涼子が更に揺さぶると、両足をバタバタと激しく動かして痛がる遥。
レフリーがギブアップの問いかけをすると、遥が反応したからレフリーがゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、ここで涼子の勝利が決定した。
『勝者、末広涼子っ!』
技を解いて立ち上がる涼子。グッタリする遥を気遣いながらもレフリーに手を挙げられていくと、疲れた表情を浮かべながらも、敗者復活戦からの闘いに賭けようと気合いを入れるのであった。



第21試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、敗者復活戦枠での猪上和香。地下プロレスではベテランの域に入る和香は、黒ビキニに黒いリングシューズ、手には格闘技番組経験からオープンフィンガーグローブを着けてのリングイン。
その和香の対戦相手としてリングインするのは、同じく敗者復活戦として吹石和恵。久しぶりの地下プロレス参戦で、あの米蔵涼子を追い詰めた試合内容からも、敗者復活戦が組まれる事になると推薦されたのであった。
胸の谷間がアピールされている白いワンピース水着に、白いリングシューズ、手にはオープンフィンガーグローブを着けてのリングイン。
この敗者復活戦は激しい格闘技戦になる事が予想されるが、早くもコールが始まった・・・。
『青コーナー〜・・・身長166p、上から88、60、88・・・猪上和香〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする和香。迫力あるボディは健在。
『赤コーナー〜・・・身長170p、上から86、59、86・・・吹石和恵〜っ!』
そして和恵がコールを受けると、身体を軽く動かしながら片手を挙げていく和恵。
早くも睨み合う和香と和恵。その2人の試合が開始された。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す和香と和恵。
打撃スタイルで構える和恵に対して、和香がタックルを狙っているのか飛び込もうというスタイル。
和香がガードを固めて前に出ると、ガードの上からジャブを叩き込んでいく和恵。
距離が詰まるとローキックを放つ和恵に、和香がそのまま胴タックル気味に組み付いた。
組み付かれてロープ際に押し込まれる和恵。和香は脇腹へ小刻みのパンチを入れていくと、和恵は冷静に組み付いていく。
和香としても和恵の打撃を警戒して組み付いていくと、レフリーがロープ際だから離していく。
『ロープ・・・』
離されて呼吸を整える和香と和恵。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出る和恵。和香もガードを固めていると、和恵が軽くローキックを放った。
バシッ・・
ローキックを受けてもガードを崩さずに距離を置く和香。
逆にジャブを放っていく和香。左右のパンチを放つと和恵の顔面を捉えていく。
バシッ・・
顔面へのパンチに一瞬表情を険しくする和恵。
逆に和香の顔面へパンチを放つ和恵。和香も顔面へ打撃を受けてフラつくも組み付いていく。
和恵が冷静にプロントスリーパーを狙うも、脇腹へパンチを小刻みに入れていく和香。
更にコーナーに押し込んでいくと、一気にお腹へパンチを連打する和香。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
和香のパンチの連打を受けて痛がる和恵。
しかし和恵も負けずにパンチを返すと、和香の顔面に炸裂する。
顔面へのパンチにフラつく和香。しかし和恵のボディへパンチを入れると、和恵も嫌がるようにガードしていく。
コーナーに押しつけているからと、和香が和恵のボディを連打しながらも、大きなバストへもパンチを叩き込んだ。
グニュ・・・
「ああんっ・・」
胸の谷間が強調された水着の上から殴られて、和恵が思わず悲鳴を漏らす。
嫌がる和恵の反応に、和香がバストへ更に拳を叩き込むと、一瞬嫌がる仕草の和恵。
しかし和恵もお返しとばかりに和香のビキニに包まれたバストへパンチを返していく。
バシッ・・
「うっ・・」
バストを殴られて苦しむ和香。
続けて和恵が膝蹴りを狙うと、和香が蹴られる前に足に組み付いてテイクダウンを奪っていく。
コーナー近くで倒れ込ませて、サイドポジションを奪っていく和香。
バストを押しつけながらも、顔面へハンマーパンチを散らしたりと経験の差を見ていく。
嫌がるように藻掻く和恵に、和香は腕を狙っていくも和恵が耐えると、ロープに足を伸ばして逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが和恵と和香を離していくと、水着を直しながら立ち上がる両者。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出る和香に、和恵がローキックで牽制していく。
バシッ・・
蹴り技に動きを止める和香。続けてミドルキックを放つ和恵。
バシィィィ・・・
脇腹を蹴られて苦悶の表情を浮かべた和香に、和恵が距離を詰めて左右のパンチを顔面へ叩き込んだ。
バシッ・・バシィィィ・・・
顔面への強烈な連打にフラつく和香。堪らずガードを固めると、ガラ空きのボディへパンチが炸裂した。
バシィィィ・・・
「ぐふっ・・」
身体をくの字にして苦しむ和香。口から涎が流れ出ると、和恵が更にお腹にパンチを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・
「うっ・・ううっ・・」
お腹への連打に苦しむ和香。肉付きのよい腹回りへの打撃は苦しそう。
ボディへの連打にガードが下がると、和恵は顔面へ拳を叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
堪らずコーナーに寄りかかるようにガードを固める和香。
しかし顔面への一撃に鼻血を流し出した。
更に和恵のパンチは鼻を狙い出すと、必死にガードを固める和香。
バシッ、バシッ、バシッ・・・
ガードの上からダメージを与えていく和恵。時折顔面にヒットすると、和香の鼻から血が舞い散っていく。
鼻血の影響で呼吸が苦しくなっていく和香。
顔をガードしていると、和恵が距離を詰めて膝蹴りをボディに叩き込む。
ドスッ・・
「うっ・・うううっ・・・うっ・・」
ボディへの強烈な膝蹴りを受けて呻き声の様な悲鳴をあげて座り込むように崩れ落ちる和香。
両手でお腹を押さえていると、和恵は髪を鷲掴みにして起こしていく。
堪らず組み付く和香。しかし和恵が力ずくでコーナーに押し返すと、顔面へパンチを入れていく。
バシッ・・バシッ・・
フラつきながらも前蹴りで抵抗していく和香。
逆にローキックで軸足を痛めつけていく和恵。
和香の鼻血の返り血で白い水着を赤くしていく和恵と、自らの鼻血で胸の谷間などに血を流していく和香。
和香がジャブを放っていくと、和恵は冷静にガードして距離を置いていくと、レフリーが和香をコーナーから出していく。
リング中央で仕切り直しとなると、和香が血を拭いながらグローブを直していくと、和恵も水着を直して備えた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離が詰まると、和恵のローキックが太股に炸裂する。
バシッ・・
ローキックにフラつく和香だが、ガードは固めている。
更に和恵がローキックを太股に叩き込むと、同時に蹴り脚へタックルを仕掛けた和香。
上手くテイクダウンを奪っていくと、素早く足関節を狙うも和恵がヒールキックで抵抗して奪えない。
仕方なく立ち上がると、和恵も立ち上がろうとするもサッカーボールキックで牽制して立たせない。
グラウンド状態の和恵に、和香は踏みつけ式のストンピングを狙うも、和恵が避けていく。
しかし和香が踏み込んでストンピングを叩き込むと、和恵のボディを抉った。
ドスッ・・
「ぐえっ・・・ううううっ・・」
流石の和恵も和香の踵を使ったストンピングをお腹に受けて藻掻き苦しむと、口からは胃液の様な物を垂れ流している。
更にマウントポジジョンを奪っていく和香は、和恵の顔面へパンチを連打していくと、和恵が藻掻き出す。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
容赦なく炸裂していく和香のパンチ。嫌がるように藻掻く和恵。両手で必死にガードしようとするも、経験豊富な和香のパンチが顔面を襲っていく。
和恵の顔が紅潮する中、和香はギロチンチョークを仕掛けていくと、和恵の表情が苦痛に歪んでいく。
和恵がブリッジ気味に返そうとするも、和香が上手くバランスをとって返させない。
苦しい状態に追い込まれていく和恵。しかし転がるように上手く返すと、ギロチンチョークを仕掛けていた和香を返すのに成功した。
返されると素早く立ち上がる和香。
和恵も立ち上がろうとすると和香がローキックを叩き込んでいく。
バシッ・・・
蹴りを受けながらも立ち上がる和恵に、和香は続けてハイキックを放つもガードさせた。
流石に空手を特技とする和恵だけに打撃は簡単には決めさせないと、逆にハイキックを叩き込む。
バシッ・・・
ガードする和香に蹴りが決まると、ガードした腕にダメージを与える和恵の蹴り。
更に和恵が前蹴りで牽制してから、ローキックを放っていく。
バシィィィ・・・
太股に蹴りが入ると、和香の太股が内出血で変色していく。ドス黒くなる部分が表れると、和恵の蹴りの威力が観客にも伝わっていく・・・。
和香も苦しい表情を浮かべると、和恵が蹴りを放つ瞬間に上手くタックルを合わせる事に成功。上手くテイクダウンを奪った。
サイドポジションを奪っていくと、逃れようとする和恵の顔面にハンマーパンチを叩き込んだ。
バキッ・・
顔面を抉るハンマーパンチに痛がる和恵。素早く和香がマウントポジションを奪っていくと、容赦ない顔面へのパンチを連打していく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
顔面へのパンチの連発に必死でガードしようとする和恵。
和香は更にハンマーパンチで顔面にダメージを狙って叩き込んでいく。
バキッ・・バキッ・・
音を立てて炸裂するハンマーパンチに藻掻く和恵。
更に鼻を狙ってハンマーパンチを落としていくと、和恵も鼻血を流し出した。
お互い鼻血を流して呼吸が苦しくなる中、和香が上から殴りつけていく。
激しいマウントポジジョンからの顔面パンチの連打に苦しい和恵。
苦し紛れにバストへパンチを入れていく和恵。
グニュ・・・
バストへの打撃に嫌がる和香は、一瞬力が抜けると和恵がブリッジで返した。
バランスを崩した和香を倒すと、素早く立ち上がっていく和恵。
和香も焦るように立ち上がると、和恵が顔面狙いのハイキックを放った。
バシッ・・・
ガードする和香。しかしガードした腕にダメージを負うと、和恵が続けてミドルキックを放った。
バシィィィィ・・・
脇腹への蹴りに動きの止まる和香に、和恵が距離を詰めて顔面へパンチを入れていく。
バシッ・・
顔へのパンチに嫌がるようにロープ際に逃れる和香。
顔をガードしようとする和香に、和恵が容赦なく膝蹴りをボディに叩き込むと、苦悶の表情を浮かべて身体をくの字にして耐える和香。
更にローキックを叩き込んで和香を痛めつける和恵。
和香も苦し紛れに前蹴りを放つも、逆に顔面へ左右のパンチを入れられていく。
激しい鼻血に痛々しい表情の和香。ワカパイが作り出す谷間にも血が垂れていく・・・。
ガードが下がると、和恵の容赦ないパンチが顔面に襲いかかっていく・・・。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
容赦ない顔面へのパンチの連発に、和香は口の中も切って血飛沫をあげると、フラつきながらコーナーに逃れていく。
追い込むようにヒップへミドルキックを叩き込む和恵。
コーナーでガードを固める和香に、和恵が前蹴りを放っていく。
ドスッ・・
「グボッ・・・・・・うううっ・・」
和恵の前蹴りがお腹を抉ると、和香が呻き声をあげて座り込むように崩れていく。
両手でお腹を押さえて口をパクパクさせて苦しむ和香。
和恵はレフリーが止めないからと、ノーガードの和香のバストへ蹴りを叩き込んでいく。
バシィィィィ・・・
バストへの強烈な蹴りに動きの止まる和香。
更に顔面へもサッカーボールキックを叩き込むと、和香がマットに崩れ落ちていく。
仰向けになって顔面を両手で押さえている和香。
和恵が観客席にアピールすると、ノーガードの和香のお腹へ踵で強烈なストンピングを叩き込む。
ドスッ・・
「ぐふっ・・・ううううっ・・・」
口から胃液の様な液体を垂れ流す和香。
動きの止まる和香に、和恵はマウントポジションを奪っていくと、一気に顔面へパンチを連打していく。
バシッ、バシッ、バシッ・・・
殴られて顔を腫らしていく和香。藻掻いている和香に、レフリーも試合を止めるべきか迷いの表情を浮かべている。
和恵が立ち上がってから顔面へストンピングを叩き込むと、蹴られる度にビクンと身体を反応させる和香。
数発顔面へ踵が叩き込まれると、和香が顔面を押さえてグッタリしていく。
レフリーが試合を止めないからと、和恵はグッタリしている和香のヒップへサッカーボールキックを叩き込んでから、ノーガードのお腹にサッカーボールキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「グエェェェェェ・・・・」
次の瞬間、和香が口から反吐を噴きだした。
その瞬間、レフリーが試合を止めてゴングを要請していく・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされて和恵の勝利が決まると、会場からは和香をフルボッコ状態にした和恵に対してブーイングも聞こえている。
そしてビキニ姿でグッタリしている和香には、リングドクターが応急処置をしていくのであった。
『勝者、吹石和恵っ!』
リングアナのコールに片手を挙げてアピールする和恵。
マットに横たわる和香を気遣いながらもリングを後にして、次の試合に備えるのであった・・・。



第22試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、グラビアアイドルの椙原杏璃。白いビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、Gカップバストを揺らしながら観客に手を振ってアピールしている。
その杏璃の対戦相手としてリングインするのは、グラビアアイドルの熊多曜子。勝負とばかりに黒いビキニに黒いリングシューズ姿でリングインすると、杏璃と視線を合わせる事なくコーナーに進んでいく。
『この試合は、新設されるアラサークイーン初代王者決定戦となります!』
リングアナのコールに観客席が盛り上がっていくと、早くもコールが始められていくリング上。
『青コーナー〜・・・身長157p、上から89、56、80・・・椙原杏璃〜っ!』
コールを受けてGカップバストを揺らしながら観客に手を振っていく杏璃。反対コーナーの曜子とは視線を合わそうとしない・・。
『赤コーナー〜・・・身長164p、上から92、56、84・・・熊多曜子〜っ!』
そして曜子がコールを受けると、堂々と片手を挙げてアピールしていく。
グラビアアイドルとして売れっ子の2人だが、長年低迷していた杏璃がバラエティ番組で、曜子に対して男ができたらグラビアアイドルとしてグラビアが甘くなると挑発した事から、直接対決が待たれていたのが今夜のタイトル戦で組まれる事になり、観客席からも激しい試合が期待されている。過去に75回大会で激突しているカードで、その時は曜子のギブアップ勝ちの結果であり、それから2人の経験もありどういう展開になるのか・・・。
そしてリング中央でルール説明がレフリーから行われると、曜子と杏璃は睨み合うようにしていくと、観客席からも盛り上がる歓声に包まれていく。
コーナーに別れる両者。そして初代アラサークイーンを決める試合のゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出す曜子と杏璃。
まずは距離を置いていくと、曜子も杏璃の動きを注意深く見つめた。
杏璃も飛び込まずに距離を置いていくと、曜子が手を伸ばしていく。
緊張した表情で手を伸ばす杏璃に、曜子が素早くロープに振っていく。
しかしロープを掴んでいく杏璃。曜子もロープから戻らない杏璃との距離を置いていくと、緊張感に包まれていくリング上。
ビキニを直しながらも杏璃が距離を詰めていくと、曜子も険しい表情を浮かべて構えていく。
軽くローキックを放つ曜子に、杏璃もバストを揺らしながらローキックを返した。
バシィィィ・・・
蹴られるとムキになって張り手を仕掛けた曜子。
バッシーン・・・
頬に強烈な張り手を受けてフラつく杏璃は、負けずに張り手を返していく。
バッシーン・・・
張り手を受けた曜子は、踏ん張ってからエルボースマッシュを放った。
ゴキィィィィ・・・
「んあぁぁぁぁ・・・」
側頭部に強烈なエルボーを受けて悲鳴をあげる杏璃。フラついていると、曜子が髪を掴んでコーナーに連れ出していく。
そしてコーナーポストに顔面を叩き付けていくと、続けてコーナーに押し込んで膝蹴りをボディに叩き込んだ。
ドスッ・・
「おらっ!」
「うっ・・うううっ・・」
苦悶の表情を浮かべて崩れ落ちていく杏璃。
曜子は両手を頭上で叩いてアピールすると、距離を置いてからコーナーに走り込んで顔面へ喧嘩キックを狙うも、これは杏璃が間一髪避けて自爆する曜子。
自爆した曜子に組み付いていく杏璃。Gカップバストがを揺らしながらタックルを仕掛けると、上手くテイクダウンを奪っていく。
バストを押しつけるようにサイドポジジョンを奪っていくと、腕を狙うも曜子がロープに足を伸ばして逃れた。
『ロープ・・・』
レフリーの指示に悔しがる杏璃。
逆にビキニを直しながら立ち上がる曜子は、呼吸を整えながら距離を置いた。
『ファイト!』
レフリーが掛け声をかけると、距離を詰めていく曜子と杏璃。
距離が詰まると、曜子が喧嘩キックを放っていく。
ドスッ・・
「うっ・・」
お腹に蹴りが炸裂して苦悶の表情を浮かべる杏璃に、曜子が素早くロープに振っていく。
Gカップバストを激しく揺らしながらロープから戻る杏璃に、曜子がジャンピングニーパッドを仕掛けると、杏璃の顔面を直撃してダウンを奪っていく。
顎に炸裂して両手で押さえて痛がる杏璃。
「立ちなさいよ!」
険しい表情で杏璃に言い放つ曜子は、髪を掴んで起こしていくと、容赦ない卍固めを仕掛けた。
グイッ・・
「ああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
全身に走る激痛に悲鳴をあげる杏璃。曜子が極めていくと、全身から汗を流しながら耐えていく杏璃。
バストがビキニから飛び出しそうになる中、耐える杏璃から技を解いていく曜子は、続けてコーナーに押し込んでからミドルキックを叩き込んでいく。
バシィィィ・・
「うっ・・」
フラつく杏璃の髪を鷲掴みにしてから、ゆっくりとトップロープに顔面を押しつけていく曜子。
ギュギュ・・ギュ・・
「あああああぁぁぁぁぁぁ・・・」
曜子のロープへ顔面を擦りつけると言う反則行為に、たまらず悲鳴をあげる杏璃。
意外なラフファイトに観客席からは歓声とブーイングが入り交じる中、コーナーポストに顔面を叩き付けていく曜子。
バッシーン・・・
「きゃあああぁぁぁ・・・」
杏璃の悲鳴に曜子はヘッドロックで痛めつけていくと、観客にアピールする様にリング内を動いていく。
しかし杏璃も踏ん張っていくと、曜子をロープに振っていく。
バストを揺らしながらロープから戻る曜子に、杏璃はGカップバストを激しく揺らしながらドロップキックを放った。
バッシーン・・・
打点が低くお腹にドロップキックを受けて苦悶の表情を浮かべて倒れ込む曜子。
立ち上がろうとする曜子に、杏璃はステップキックを放ってから、髪を掴んで起こしていく。
起こされると曜子が張り手で反撃すると、杏璃も負けずに張り手からエルボースマッシュと叩き込むと、勢いよくキチンシンクをボディに叩き込んだ。
ドスッ・・
「うっ・・・ううっ・・」
ボディを膝蹴りで抉られて苦悶の表情を浮かべる曜子。両手でお腹を押さえて痛がっていると、杏璃は曜子の髪を鷲掴みにして絶叫した。
「お返しよ!」
叫ぶと近くのトップロープに曜子の顔面を擦りつけていく。摩擦熱で曜子は絶叫して痛がった。
「んああぁぁぁぁぁ・・・」
曜子が悲鳴をあげると、杏璃はコーナーに顔面を叩き付けてからヘッドロックに捉えると、曜子が意地を見せてロープに振っていく。
激しくバストを揺らしながらロープから戻る杏璃に、曜子がラリアットを放つ。
しかし杏璃が腕をキャッチして脇固めに切り返すと、曜子が絶叫した。
「痛いぃぃぃぃ・・・」
曜子が両足をバタバタさせて痛がっていると、杏璃はギブアップ狙いで極めていく。
しかし曜子がロープに逃れると、レフリーの指示で技を解いていく杏璃。
『ロープ・・・ロープ・・・』
技を解くとビキニを直しながら立ち上がる杏璃。曜子も杏璃の動きを見ながらビキニを直してから、ゆっくりと立ち上がっていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に杏璃が前に出ると、曜子がタックルを仕掛けると杏璃が上手く潰していく。
俯せ状態でマットに押しつけられていく曜子。杏璃はGカップバストを押しつけながら押さえ込むと、曜子の表情が苦悶に歪んだ。
更に杏璃が体勢を入れ替えてバックを奪うと、そのままスリーパーを仕掛けるも曜子がガードしていく。
スリーパーが極まらないからと、杏璃が曜子の鼻に指を掛けて意識を逸らすと、一気にチョークスリーパーを仕掛けた。
グイッ・・
「うっ・・」
杏璃の細い腕が曜子の喉元を締めていくと、曜子は俯せのままロープに逃げようと必死になる。
杏璃も失神かギブアップを狙おうと締め上げるも、焦る余りに完全に極まらずに曜子に逃げる隙を与えていた。
『ロープ・・・』
そして曜子がロープを掴むと、レフリーが放させた。
悔しそうな表情を浮かべて立ち上がる杏璃と、咳き込みながら立ち上がる曜子。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく曜子と杏璃。
距離が詰まると、曜子がローキックで杏璃を止めていく。
バシッ・・
ローキックを受けてガードを固める杏璃。更に曜子が大振りの張り手を放つと、ガードの上から音を立てて炸裂していく。
バッシーン・・・
逆に杏璃が頬に張り手を叩き込むと、曜子も張り手を叩き込む。
バッシーン・・・バッシーン・・・
激しいビンタ合戦になっていくと、観客席もバストを揺らしながら叩き合う曜子と杏璃に歓声が送られていく。
次第に曜子の勢いが増していくと、杏璃の手数を上回って押し出していく。
更に首相撲の体勢に持ち込む曜子は、杏璃の自慢の巨乳に膝蹴りを叩き込んだ。
グニュ・・・
「きゃああぁぁぁぁぁ・・・・」
流石にGカップバストへの強烈な衝撃に絶叫する杏璃。
動きが止まったところへ、今度は拳を握りしめて観客にアピールする曜子。
歓声が起きると、杏璃の額にグーパンチを叩き込んだ。
ゴキィィィ・・
「ああぁぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげる杏璃に、容赦なく額へのナックルパートを叩き込んでいく曜子。鉄拳制裁とも言える展開に観客は盛り上がっていくと、杏璃は堪らず膝をついて悲鳴をあげていく。
杏璃も曜子のボディへパンチを返すも、曜子は拳を観客にアピールして額に叩き込んでいく。
ゴキィィィィ・・・
「んあぁぁぁぁぁ・・・」
動きの止まった杏璃に対して、髪を掴んで顔面をマットに叩き付けると、続けてキャメルクラッチを仕掛ける曜子。
グイッ・・
「ギブアップしなさいよ!」
曜子が激しく揺さぶっていくと、杏璃のバストがビキニから飛び出しそうになる。必死で耐える杏璃。
耐える杏璃に技を解いていく曜子は、そのまま髪を掴んで起こしていくと、ヘッドロックで締め上げた。
そして走り込んで豪快なブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けると、俯せ状態の杏璃の腰へヒップドロップを叩き込む曜子。
俯せでグッタリする杏璃に、曜子が両足を固めていくと鎌固めを仕掛けた。
ブリッジ状態の曜子の鍛えられたボディに観客の視線が集まる中、杏璃は苦悶の表情を浮かべて耐えていく。
続けて鎌固めを解いてから、STFに移行して杏璃を攻める曜子。
グイッ・・・
「あっ・・・ああっ・・・・い、痛いぃぃぃ・・・・ああっ・・・」
締め上げられて痛がる杏璃。曜子の猛攻の前にギブアップ寸前に見えるも、長らくグラビアなどでもブレイクしなかった遅咲きのグラビアアイドルだけに、この試合でベルトを腰に巻きたいと必死に耐えている杏璃。
耐える杏璃に曜子は技を解くと、仰向けにしてから立ち上がった。
そして杏璃のGカップバストへエルボードロップを落とすと、そのままフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・・』
しかし杏璃が返していくと、曜子が髪を掴んで起こしてから、トップロープとセカンドロープに両腕を絡ませて杏璃を磔状態にした。
「あんまり我慢ばっかりしてると、自慢のオッパイが壊れちゃうかもよ!」
曜子が意地悪く呟くと、磔状態の杏璃のバストへ拳を叩き付けた。
グニュ・・
「ああんっ・・・ああっ・・・」
曜子が容赦なく杏璃のバストを殴りつけていくと、激しく上下左右揺れていく杏璃のバスト。
曜子の激しいパンチ攻撃に、杏璃の白い乳房は次第に内出血を起こしてドス黒く変色していくと、更に残酷感を高めていく。
レフリーも反則と止めないから曜子のバストへの攻めは激しくなっていくと、杏璃は激痛に悲鳴をあげている。
「痛いぃぃぃ・・・いや、やめてぇぇぇぇぇ・・・」
「だったらギブしなさいよ!」
曜子も激しい口調で言い放つと、更に殴りつけていく。
流石にレフリーも曜子を止めて杏璃をロープから解放すると、曜子はビキニを直しながら距離を置いた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声にビキニを直しながら距離を置く杏璃。
激しく殴打されたバストを気にしていると、曜子が距離を詰めていく。
容赦なくローキックを叩き込む曜子に、杏璃は必死に組み付こうとバストを揺らしながらタックルを仕掛けた。
組み付いていくが倒せずにロープ際に縺れ込むと、曜子が冷静にフロントスリーパーを仕掛けていく。
首を極めていこうとする曜子に、杏璃が脇腹へパンチを入れて抵抗すると、曜子が素早くヘッドロックに移行した。
ヘッドロックから、杏璃の顔面へパンチを入れていく曜子。
バシッ、バシッ・・
痛がる杏璃を放すと、観客席にアピールしてからダブルアームスープレックスの体勢に持っていく曜子。
「いくよぉぉぉぉぉ・・・」
曜子が叫ぶと、投げるのではなく持ち上げてから前に落としていくダブルアーム式のフェイスバスターを仕掛けた。
バシィィィィィ・・・・
「きゃあああぁぁぁぁ・・・」
バストの大きな杏璃だから、バストバスターとでも言える大技に絶叫して悲鳴をあげる杏璃。
胸を押さえて俯せ状態で動けない杏璃に、曜子が立ち上がると背中にヒップドロップを叩き込んでから、無理矢理キャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・・
顎を押さえられて反らされて苦しむ杏璃。Gカップのバストが作り出す谷間に観客の視線が集中すると、白い乳房は打撃でドス黒く変色して痛々しい。レフリーもギブアップの確認をするが、杏璃が必死で耐えていく。
曜子が技を解くと、立ち上がれない杏璃の髪を掴んで起こしていくと、またもダブルアーム式フェイスバスターを狙うと、杏璃が押し出して逃れた。
しかし曜子はロープ際で、フェイスバスターは逃げられるも膝蹴りをバストへ叩き込むと、杏璃は堪らず座り込む様にダウンしていく。
両手で蹴りこまれたバストを押さえて苦悶の表情を浮かべる杏璃に、曜子はパイルドライバーの体勢に持ち込んだ。
逆さ状態になっている杏璃を、ゆっくりと脳天からマットに落とす曜子。
ドスッ・・・
「ああんっ・・・」
曜子が放すとグッタリとマットに倒れ込む杏璃。
曜子がアピールしながらフォールすると、レフリーがカウントを入れていく。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし杏璃が肩を浮かせて返すと、観客席からは歓声が起きた。
返されて驚きの表情を浮かべる曜子は、髪を鷲掴みにして起こしていくと、ヘッドロックで締め上げていく。
そして返されたから腹を立てたのかコーナーポストに脳天から叩き付けると、グッタリする杏璃を起こしてから、バックからのスリーパーを仕掛けた。
スリーパーで締め上げられそうになる杏璃がカンガルーキックを苦し紛れに放つと、曜子の足に当たって技が外れていく。
苦悶の表情を浮かべながらも杏璃が反転すると、お返しとばかりに髪を掴んでマットに豪快に叩き付けるフェイスバスターで反撃した。
バシィィィィ・・・
「きゃああぁぁぁぁぁ・・・」
堪らず絶叫する曜子。顔面を押さえて痛がっていると、杏璃がフラつきながら立ち上がっていく。
しかしバストへの攻撃の連続にスタミナが苦しい杏璃。苦しむ曜子のバストへニードロップを落とすと、そのままフォールした。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし曜子も簡単には負けるはずもなく返していくが、自慢のバストへの膝爆弾を落とされて痛がっている。
杏璃が絡みつくようにチョークスリーパーを狙うと、曜子も激しく抵抗してロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に放していく杏璃。曜子もビキニを直しながら立ち上がると、杏璃と睨み合っていくリング上。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰める杏璃と曜子。
曜子が前に出ると、ローキックで牽制していく。杏璃も蹴りを嫌がる仕草をするも、逆にローキックを返していく。
距離が詰まると、今度は強烈な張り手を放つ曜子。杏璃も負けずに張り手を返すと、激しい張り手合戦になっていくリング上。
次第に曜子の勢いが増していくと、杏璃がコーナーに追い込まれていくと、曜子は膝蹴りをボディに叩き込んだ。
ドスッ・・
「うっ・・ううっ・・・」
呻き声の様な悲鳴を漏らしてコーナーに崩れ落ちる杏璃。
「決めるわよぉぉぉぉ・・・!」
曜子が観客席にアピールすると、コーナーの杏璃の両足を抱え込んでいく。
そしてコーナーから引いていくと、一気に反転して逆エビ固めを仕掛けた。
グイッ・・
「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
技を極められて絶叫する杏璃。曜子も腰を落としていくと、激痛に杏璃が悲鳴をあげていく。
レフリーもギブアップの確認をするも杏璃は耐えていくと、曜子が揺さぶって痛めつけた。
「痛いぃぃぃ・・・・あああああああぁぁぁぁ・・・」
マットを叩きながら悲鳴をあげる杏璃。しかしギブアップの言葉が出ないと、曜子が更に反らしていく。
しかし杏璃も遂にギブアップを口にした・・・。
「ぎ、ギブアップ・・・ギブアップ・・・もうダメェェェェ・・・・・」
泣きながらギブアップする杏璃。レフリーがゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが連打されると、曜子は意地悪く揺さぶって放さないと、杏璃がマットを叩いて泣いている。
「ギブアップ・・・ギブアップぅぅぅ・・・」
レフリーが止めていくと、杏璃は俯せになってグッタリとして泣いていると、曜子は堂々とガッツポーズをしてアピールすると、杏璃の後頭部を踏みつけて更にアピールした。
『アラサークイーン初代チャンピオンは、熊多曜子と決まりました!』
リングアナのコールに拍手に包まれるリング上の曜子。
一方、負けた杏璃はダメージが大きく担架が呼ばれると、曜子がカッツポーズしている横で担架に乗せられてリングを降りるのであった。
試合後、杏璃は控え室で自らのバストのダメージに言葉を失った・・・。対して曜子はベルトを腰に巻くことができたのと、杏璃を徹底して痛めつける事ができて満足感に浸っているのであった・・・。




第23試合

『美女トーナメントベスト8が出揃いました・・・』
リングアナのコールに観客席が盛り上がると、リング上にはトーナメントを勝ち抜いてきた藤原紀華、長沢まさみ、香理奈、館野美穂、大池栄子、市河由衣、そして敗者復活戦で生き返った吹石和恵、末広涼子が姿を現していく。
『準々決勝、準決勝、決勝戦の組み合わせをここで組みたいと思います・・・各々に箱の中から紙を掴んでもらい、これより先の組み合わせを決めたいと思います・・・』
リングアナのコールに1人ずつ用意された箱から紙を取り出すと、その紙に書いてある番号を見つめる藤原紀華などのトーナメント参加者達。
そして黒服がボードを用意すると、番号が書かれているからと自らの試合順を確認していく参加者達。
『準々決勝第1試合、長沢まさみvs末広涼子、第2試合、藤原紀華vs館野美穂、第3試合、香理奈vs吹石和恵、第4試合、大池栄子vs市河由衣・・・順決勝第1試合は準々決勝第1と第2試合の勝者、第2試合は第3、第4試合の勝者。そして決勝となります!』
組み合わせが決まって対戦相手と握手してリングを降りていく参加者達。
そして長沢まさみと末広涼子は水着に着替えて試合に備えるのであった・・・。

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、まずは長沢まさみがリングインした。
白い競泳水着に白いリングシューズ姿のまさみは、落ち着いた様子で観客席にアピールしながらコーナーに進んでいく。
そのまさみの対戦相手としてリングインするのは、敗者復活戦でトーナメントに戻ってきた末広涼子。まさみと同じく白い競泳水着に白いリングシューズと言うリングコスチュームでリングインすると、観客席に向かって頭を下げていく涼子。
早くも盛り上がる観客席。そしてリングアナがコールを始めた・・・。
『青コーナー〜・・・身長168p、上から84、57、83・・・長沢まさみ〜っ!』
まずはまさみがコールを受けると、競泳水着姿でスタイルの良さがアピールされて観客席が盛り上がる。
『赤コーナー〜・・・身長161p、上から81、59、85・・・末広涼子〜っ!』
そして涼子がコールされると、同じくスタイルが良い涼子に歓声が起きると、お互いがコーナーに寄りかかって試合開始のゴングを待つ。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、まずはコーナーから飛び出して距離を置く両者。
まさみは笹木希との試合を、涼子は綾瀬遥との試合を勝ち上がっての準々決勝戦。距離が詰まると涼子が素早くタックルを仕掛けると、まさみが上手く捌いていく。
更にタックルを仕掛ける涼子。上手くまさみに組み付いていくと、まさみはバランスを崩しながらもロープに逃れた。
『ロープ・・・』
レフリーの指示に涼子が放すと、水着を直しながら距離を置いていく。まさみも水着を気にしながら距離を置くと、レフリーが試合続行を促した。
『ファイト!』
レフリーの指示に距離が詰まる涼子とまさみ。
涼子がタックルを狙うと、まさみがタックルを潰して涼子わマットに押しつける形で押さえていく。
押さえられた涼子が身体を動かして反転すると、素早く三角締めを狙うもまさみが逃れると、逆にまさみがアキレス腱固めを仕掛けた。
しかし涼子が極めさせずに逃げると、ロープに転がって逃れた。
『ロープ・・・』
レフリーが指示すると、まさみは立ち上がって距離を置いていく。
涼子も水着を直しながら立ち上がると、まさみとの距離を置いて睨み付けた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に今度はまさみがタックルを仕掛けると、涼子がフロントスリーパー気味にキャッチするも、まさみがマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
タックルで倒されてマットに叩き付けられた涼子は、一瞬呼吸が止まるほどの衝撃に苦しむが、まさみがサイドポジジョンを奪った。
横四方固めの様に押さえていくと、涼子もまさみの動きを注意深く見ている。
まさみは冷静に腕を狙っていくと、涼子もブリッジ気味に返そうとしていく。
涼子が抵抗すると、まさみが涼子に覆い被さると、ギロチンチョークを仕掛けた。
喉元に腕を押しつけられて苦しい涼子。
まさみもギブアップ狙いで圧力を増していくと、涼子は早くもギブアップ寸前に追い込まれていく。
しかし敗者復活戦でトーナメントに戻ったからと涼子も簡単にはギブアップしないと、まさみもギブアップ狙いで体重を乗せた。
激しく抵抗する涼子が何とか返すと、素早くスリーパーを狙うまさみ。
これには涼子がロープに手を伸ばすと、レフリーが別けていく・・・。
『ロープ・・・』
レフリーの指示にまさみが放して立ち上がると、涼子も喉元を気にしながら立ち上がろうとする。
まさみが距離を置いて水着を直していると、涼子も水着を直しながら立ち上がって構えた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離が詰まると、まさみが軽くローキックを放った。
蹴り技にガードを固める涼子に、まさみが踏み込んで左右の掌打を放つと、涼子の顔面を捉えた。
バシッ、バシッ・・
掌打の連打に嫌がる涼子に、まさみが組み付いて膝蹴りを狙っていく。
しかし涼子が組み付いて膝蹴りをガードすると、バランスを崩させてグラウンド状態に持ち込んだ。
涼子が腕を狙うと、まさみが嫌がるようにロープに足を伸ばすと、ここでレフリーが止めていく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に離れるまさみと涼子。
呼吸を荒げながら立ち上がるまさみと涼子。早くも全身を汗が覆っている。
『ファイト!』
立ち上がるとレフリーが試合続行を指示する。
距離が詰まると、まさみが掌打を放つと嫌がるようにガードを固める涼子。
更にまさみがボディへパンチを放つと、ロープ際に追い詰められていく涼子。
しかし喧嘩キックで反撃していくと、お腹を蹴られたまさみの動きが止まっていく。
更にエルボースマッシュを側頭部に入れてから、首投げでマットに叩き付けていく涼子。
素早く両足を首に絡めてヘッドシザースで締め上げると、まさみが激しく藻掻き苦しんでいく。
レフリーのギブアップの確認をするが、まさみも耐えてロープに逃れようと手を伸ばしていくが、ロープに届かず苦しんでいる。
しばらく苦しみながらもロープに足が届くと、レフリーが技を解かせてまさみが解放されるも、喉元を押さえながら咳き込んで苦しそうなまさみ。
涼子も呼吸を荒げながらも立ち上がると、まさみの髪を鷲掴みにして起こしてから、首筋にエルボーを叩き込んでからヘッドロックを仕掛けた。
堪らずまさみがロープに振っていくと、涼子がロープから戻るとドロップキックを放った。
バッシーン・・・
「きゃあ!」
悲鳴をあげてダウンするまさみ。
涼子が素早く立ち上がると、まさみの顔やバストを狙ってストンピングを叩き込んでいく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
嫌がるようにロープに逃げるまさみ。ロープを掴んでレフリーにアピールまさみに、涼子はサッカーボールキックをヒップに叩き込んだ。
ロープを掴んでいるからとレフリーが涼子を離していくと、まさみが水着を直しながら立ち上がっていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に涼子が走り込んで喧嘩キックを放つと、またもまさみのお腹に叩き込まれた。
苦悶の表情を浮かべるまさみにDDTを仕掛ける涼子。しかし踏ん張るまさみに、涼子は汗で滑って尻餅をついた形で自爆した。
するとまさみがロープに走っていくと、涼子の顔面にステップキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・バシッ・・バシッ・・
顔面への蹴りの連発に両手で顔面を押さえて痛がる涼子。
更にサッカーボールキックを叩き込んでいくまさみに、涼子は転がるようにリング下に逃れていく。
リング下に逃れた涼子に、まさみは挑発するように手招きするも涼子は応じず、水着を直しながら呼吸を整えている。
まさみもリング上で水着を直しながら涼子の動きを見つめると、涼子がゆっくりとエプロンサイドに上がった。
ロープ越しに挑発するまさみ。しかし涼子が素早くリングインすると、まさみが組み付きにいくも涼子がタックルで倒していく。
上手く倒した涼子は、そのまま腕を狙っていくもまさみがロープに逃れると、素早く立ち上がって距離を置いた。
まさみも立ち上がると、涼子が距離を詰めて張り手を叩き込むと、続けてエルボースマッシュと打撃で勝負に出ていく。
張り手を受けてフラつくまさみも、負けじと張り手を返していくと、涼子の頬に激しく叩き付けられていく張り手。
バッシーン・・・バッシーン・・・
気合いが入るまさみの張り手にフラつく涼子。
更にまさみが張り手を叩き込んでいくと、堪らずガードしようとするも、頬に叩き込まれていく。
バッシーン・・・
口の中が切れて血飛沫が舞うリング上。涼子の白い水着も血に染まりだした。
涼子も張り手を返していくが、まさみの手数が勝ってロープ際に追い込まれていくと、まさみが髪を鷲掴みにしてリング中央に連れ出していく。
嫌がる涼子に、激しくマットに顔面から叩き付けるフェイスクラッシャーを仕掛けると、涼子の悲鳴がリング上に響き渡る。
バシィィィィ・・・
「いやああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
両手で顔面を押さえて転がるようにして痛がる涼子。
痛がる涼子の髪を掴んで起こしていくまさみ。涼子は顔を押さえていると、ヘッドロックに捉えてからブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けた。
バシィィィィ・・・
大技を受けて俯せ状態で痛がって動けない涼子。まさみは観客席にアピールしてから、涼子の腰に座り込むようにしてから、キャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・・
「ううううっ・・・ううっ・・」
上半身を反らされて激痛に痛がる涼子。口だけでなく鼻血も流し出している。
両足を激しくバタバタさせて藻掻き苦しむ涼子。顎に手を掛けられて、鼻血を溢れさせて痛々しい展開に観客席から歓声が飛んでいる。
耐える涼子に、まさみはキャメルクラッチを解いてから、今度は両足をフックさせてロメロスペシャルを仕掛けた。
意外な大技に歓声が飛ぶ中、身体を浮かされそうとしている涼子が悲鳴をあげている。
「んあああぁぁぁぁ・・・いやあぁぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげる涼子を一気に浮かせていくまさみ。完全に技が極まると涼子が悲鳴をあげていく。
「痛いぃぃぃぃ・・・」
頭を激しく振って悲鳴をあげる涼子。その端正な顔が血に染まっていて痛々しく見える展開に歓声が飛ぶ。
「ギブアップ?・・・ギブ?」
まさみが揺すりながらギブアップを狙っていくと、涼子も必死で耐えていく。
「ノォォォォォォ・・・・・ノォォォォォォォ・・・・・」
耐える涼子。まさみもスタミナの消耗を気にして技を解くと、涼子がグッタリとして倒れているリング上。
まさみが立ち上がると、涼子の髪を鷲掴みにして起こしていくと、ロープ際に連れ出して喉元に水平チョップを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「あうっ・・」
チョップを受けてフラつく涼子。
しかし涼子も蹴りを放って抵抗すると、エルボースマッシュから首投げと反撃していく。
マットに叩き付けられたまさみが苦痛の表情を浮かべると、涼子が素早くヘッドシザースを仕掛けた。
グイッ・・
まさみが苦悶の表情で耐えていくと、涼子は揺さぶってはダメージを与えていく展開。
しかしまさみがロープに逃れると、涼子は呼吸を荒くしながら技を解いて立ち上がった。
まさみも水着を気にしながら立ち上がると、試合が続けられていくリング上。
鼻血の影響で呼吸が苦しくスタミナが気になりだした涼子。一方、スタミナ的には涼子を上回っているまさみの展開。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離が詰まっていくと、まさみがローキックを放った。
バシッ・・
ローキックを受けてバランスを崩しそうになる涼子に、まさみが踏み込んで左右の掌打を放つ。
バシッ、バシィィィ・・・
またも顔面を捉える掌打に涼子がガードを固めるも、ダメージを受けて距離を置く。
その涼子へ容赦のないミドルキックを放つまさみ。
バシィィィィ・・・
身体をくの字にして苦しむ涼子。前に出るまさみに組み付こうとしていくと、まさみに押し返された。
距離を置かれて、まさみがローキックからハイキックと打撃で前に出ると、側頭部にハイキックを受けて倒れ込む涼子。
転がるようにロープに逃れていくと、まさみはフォールにいけずに距離を置いた。
打撃のダメージで苦しい涼子はゆっくりとリング下に逃れていくと、まさみもリング下に追いかけていく。
リング下で苦悶の表情の涼子にヘッドロックを仕掛けるまさみ。
しかし涼子もまさみを鉄柱に振って叩き付けた。
ゴキィィィィ・・・
「痛いぃぃぃ・・・」
堪らず悲鳴をあげて鉄柱に抱きつく形で痛がるまさみ。
更に涼子が髪を掴んで起こしていくと、まさみみ鉄柱に叩き付けられたからと怒ってお腹を殴りつける。
ドスッ・・
「うぐっ・・ううっ・・」
ボディへのパンチに動きの止まる涼子。
「お返しをさせてもらうわね!」
まさみが叫ぶと、涼子の髪を鷲掴みにして鉄柱に額から叩き付けた。
ゴキィィィィ・・・
「きゃあああぁぁぁぁぁ・・・」
鉄柱に叩き付けられて絶叫する涼子。同時に観客席からはまさみのラフファイトに大歓声が起きていく。
観客席の反応にまさみは続けて涼子の額を鉄柱に叩き付けていくと、涼子の額が割れて流血してしまった・・・。
流血したからと、まさみは観客に見せつけようと髪を鷲掴みにしてグッタリする表情を見せていく。
『いいぞぉぉぉぉ・・・もっとやれぇぇぇぇぇ・・・』
『長沢のラフファイト最高っ!』
観客席からの声にまさみは涼子をリング上へ戻していくと、グッタリする涼子を起こしていく。
額から流れ落ちる血が白い競泳水着を赤く染める中、虚ろな目でフラつく涼子。
フラつく涼子に左右の張り手を叩き込んでから、一気にヘッドロックで締め上げるまさみ。
しかし涼子がバックドロップで切り返すと、油断していたまさみがマットに後頭部から叩き付けられた。
バッシーン・・・
バックドロップを受けて動きの止まるまさみに、涼子が素早くフォールする。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・』
しかしまさみが返していくと、涼子が立ち上がると観客席に向かってアピールする。
「いくぞぉぉぉぉぉ・・・」
涼子の叫びに観客席が盛り上がると、素早くトップロープに登っていく涼子。
そしてグッタリするまさみにフライングボディプレスを仕掛けた。
逆転の大技に観客席の視線が集まると、まさみが下から両足でお腹を蹴り返した。
ドスッ・・
「ホゲェェェ・・・・」
お腹を蹴り返されて、逆に大きなダメージを負ってしまった涼子。
マットに叩き付けられて両手でお腹を押さえて動きが止まると、まさみは涼子の反撃に驚きの表情を浮かべると、ノーガードの涼子の顔面へサッカーボールキックを叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・
激しい顔面への打撃に失神寸前でグッタリする涼子。
その涼子の足を抱え込んでまさみがフォールした。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィィ・・・・』
余裕のスリーカウントがリング上に響き渡ると、ここでまさみの勝利が確定するのであった。
『勝者、長沢まさみっ!』
リングアナのコールに笑顔を浮かべたまさみ。これでまさみのベスト4入りが決まったのであった。
しかしラフファイトで涼子を流血戦に追い込んでの勝利、これには観客席からもまさみの新たなファイトスタイルかと言う声も飛んでいるが、まさみにとっては勝利する事だけを考えての闘いで、試合が終わったら涼子に対して気遣いを見せて手を伸ばすのであった・・・。



第24試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、あの戸向美奈子から勝利した館野美穂。白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって頭を下げてコーナーに向かった。しかし戸向戦でラフファイトを受けての額の傷は痛々しく、絆創膏が外れたら流血戦も予想されるこの試合。
その美穂の対戦相手としてリングインするのは、現地下プロレスヘビー級チャンピオンでもある藤原紀華。胸の谷間が強調された白いワンピース水着に白いリングシューズ姿と、お互いが白い水着での対決。早くもコーナーの美穂に視線を送ってから自らのコーナーに進んでいく。
『青コーナー〜・・・身長158p、上から81、54、82・・・館野美穂〜っ!』
コールを受けて一礼していく美穂。流石に反対コーナーの紀華の姿に緊張を隠せない。
『赤コーナー〜・・・身長171p、上から88、60、89・・・藤原紀華〜っ!』
そしてコールを受けて紀華が堂々と片手を挙げていくと、観客席からは歓声が起きていく。
34歳の美穂と40歳の紀華のこの試合。体格、経験からも紀華が有利なのは否めないが、逆に紀華も簡単に試合が終わらせる事が出来るかと注目の集まるリング上。
『カァーン!』
そして試合開始のゴングが打ち鳴らされると、まずはコーナーから飛び出す美穂と紀華。
美穂がプロレス的に片手を出すと、紀華は組み合わずに格闘技的に打撃スタイルの構えを見せた。
身長差もあり圧力を受けてロープ際の追い込まれていく美穂。
紀華は険しい表情を浮かべて距離を詰めていくと、美穂は距離を置こうとリング内を動いていく展開。
しかし確実に追い詰めていく紀華は、美穂を少しずつコーナーに追い詰めていく。美穂も簡単に踏み込めずに逃げ回る形だが、紀華との試合では仕方ない展開になっている。
遂に美穂がコーナーに詰まると、紀華がローキックを放った。
バシィィィ・・・
「うっ・・・」
足を蹴られて堪らず声を漏らす美穂。
顔を攻められてはとガードを固めると、紀華がミドルキックを脇腹に放った。
バシィィィィィィ・・・
強烈なミドルキックに美穂の動きが鈍ると、紀華が距離を詰めて左右の張り手を叩き込む。
バッシーン・・バッシーン・・
早くも苦しい展開の美穂。しかし距離が詰まったからとタックル気味に組み付いた。
組み付かれると冷静にフロントヘッドロックに捉えていく紀華。
動きの止まった美穂に、膝を引くとボディへ膝蹴りを叩き込む紀華。
ドスッ・・
「あうっ・・・」
堪らず悲鳴を漏らす美穂。紀華の強烈な膝蹴りにダメージを増やしていた。
美穂も必死に紀華を押していくと、紀華をロープに押しつけていく。
必死にフロントヘッドロックの体勢から逃れると、紀華のバストへエルボースマッシュを叩き込んでいく美穂。
グニュ・・
「あうっ・・・くっ・・・」
流石にバストへの打撃に痛がる紀華。
動きの止まった紀華に、美穂は果敢にエルボーを打ち込むと、組み付いてスープレックス気味に投げようと踏ん張った。
しかし体格差もあり投げられず、逆に潰されるように倒れ込む美穂。紀華も上から押し潰すような格好で倒れ込むと、一気に腕を狙っていく紀華。
しかし美穂もロープに足を伸ばして逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの掛け声に紀華が立ち上がると、美穂も水着を気にしながら立ち上がった。
『ファイト!』
レフリーの続行の掛け声に距離が詰まる紀華と美穂。
突然美穂が走り込んでネックブリーカードロップを仕掛けると、上手く紀華をマットに叩き付けていく。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
後頭部をマットに叩き付けられて声を漏らす紀華。
素早くフォールしていく美穂。しかし紀華もレフリーがカウントする前に返した。
返されると美穂が紀華にスリーパーを仕掛けていくと、紀華の表情が険しくなってロープに手を伸ばしていく。
しかしロープに届かないと美穂は締め上げてスタミナを奪おうとしていた。
更に両足を絡ませてアナコンダスリーパーに移行すると、紀華の動きが止まっていくリング上。
両手で必死に美穂の腕を外そうとする紀華。美穂もチョークスリーパーにして締めるも、紀華が美穂の腕を外すのに成功して逃れた。
しかし美穂の両足がボディシザース気味に締めていると、美穂の両足を叩いていく紀華。
叩かれている美穂は、勢いをつけるとローリングクレイドルを仕掛けると、紀華の身体が上手く回った。
観客席からは歓声が起きていると、美穂が動きを止めてフォールする。
『ワン・・・ツー・・・』
焦るように返していく紀華。
更に押さえ込んでフォールを狙う美穂。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・・』
続けてフォールを仕掛ける美穂に焦って返していく紀華。
返した紀華が俯せ状態になると、美穂が足を掴んでいくが、紀華もロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの言葉に美穂が水着を直しながら立ち上がると、紀華も水着を直しながら立ち上がった。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に走り込んでドロップキックを放つ美穂。
しかし紀華が避ける様に叩き落とすと、立ち上がろうとする美穂の顔面へサッカーボールキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・・
顔面への強烈な蹴りに動きの止まる美穂。まさかの紀華への追い込みを見せるも、攻め疲れかスタミナが気になるところ。
動きの止まる美穂の髪を掴んで起こしていく紀華は、そのまま下を向かせるようにしてから、一気にパイルドライバーの体勢に持ち込んだ。
逆さにされている美穂の表情に悲壮感が漂う中、紀華がゆっくりとマットに脳天から叩き付けた。
ドスッ・・
「ふぐっ・・ううっ・・」
変な声を漏らしてグッタリする美穂。
紀華は追い込まれた事に対して制裁のつもりか、フォールにいかずに髪を掴んで起こしていく。
グッタリする美穂に、更に追い打ちのパイルドライバーの体勢に持ち込むと、容赦なく脳天からマットに叩き付けた。
ドスッ・・
脳天から叩き付けられて、紀華に放されてグッタリとしてからヒクヒクしていく美穂。
仰向けになっている美穂に対して、紀華が観客席に向かってアピールする。
「決めるわよ!」
まさにフィニッシュとも取れるアピールに観客席が盛り上がると、紀華が美穂の腹部を跨ぐ。
そしてヒップドロップをお腹に落とすと、美穂が堪らず口から胃液の様な物を噴き上げた。
「おげぇぇぇぇぇ・・・」
苦しむ美穂をフォールせず、紀華がゆっくりと立ち上がっていく。
美穂は立ち上がる事も出来ずにダウン状態になっていると、紀華は無理矢理に起こして抱え上げて、一気にマットにデスバレーボムで叩き付けると、余裕でフォールした。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィィ・・・・』
余裕のスリーカウント。美穂も失神寸前と言う表情でグッタリしていると、スリーカウントのゴングに紀華が片手を挙げて立ち上がる。
『ただ今の試合、藤原紀華の勝利となりました!』
リングアナのコールに呼吸を整えながら観客にアピールする紀華。
リングドクターが美穂を担架に乗せて運び出すと、紀華は観客席に向かって準決勝戦も勝利するとばかりにアピールするのであった。



第25試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、トーナメントを勝ち上がってきた香理奈。
白い競泳水着に白いリングシューズ、手にはオープンフィンガーグローブを着けてのリングイン。鈴本京香を打撃でKOしての勝ち上がりに次も格闘技戦スタイルで挑みたいが、次の対戦相手は米蔵涼子を事実上の戦闘不能に追い込んだ吹石和恵。
和恵は黒いワンピース水着に黒いリングシューズ、胸の谷間がアピールしている様な胸元、そして手にはオープンフィンガーグローブが着けられている。
しかし敗者復活戦からのトーナメント復帰に、スタミナ面とダメージが気になるが、体格では勝っているだけに余裕も感じられる和恵。
早くもリングアナがコールを始めると、まずは香理奈から呼ばれていく。
『青コーナー〜・・・身長165p、上から80、58、88・・・香理奈〜っ!』
コールを受けて片手を挙げていく香理奈。反対コーナーの和恵とは視線を合わさずにコールを受けていく。
『赤コーナー〜・・・身長170p、上から86、59、86・・・吹石和恵〜っ!』
そして和恵がコールを受けると、両手を挙げてアピールすると、コーナーに左右のパンチを入れてアピールする和恵。
そして試合開始のゴングが打ち鳴らされた・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出して距離が詰まる香理奈と和恵。
まずは軽くローキックで牽制する香理奈。
しかし和恵は打ち返さずにガードを固めると、香理奈が踏み込んでハイキックを放つ。
バシッ・・
ガードしている和恵は、まるで香理奈の打撃を確かめている様にも見える展開。
距離が置かれていくと、香理奈は和恵の様子を見つめた。
前に出ない和恵に香理奈が左右のジャブからローキックを放つと、和恵がローキックを返す。
バシッ・・・
ローキックを受けて一瞬動きの止まった香理奈。しかし膝蹴りを放って距離を置いていく。
和恵もガードするも膝蹴りには警戒した様で、距離置いて打撃で勝負しようとしていた。
香理奈がガードを固めて距離を詰めると、牽制のハイキックを放つ和恵。
その瞬間、香理奈がタックルを仕掛けると組み付いていく。
しかし和恵が踏ん張ってロープ際に押し込まれていくと、レフリーがロープだからと離していく。
『ブレーク・・・ブレーク・・・』
レフリーの指示に水着を直しながら距離を置いていく香理奈と和恵。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていくと、香理奈がローキックを放つと、和恵も蹴り返していく。
バシッ・・バシィィィ・・・
蹴り返されると、香理奈はミドルキックでボディへ蹴りを叩き込むと、和恵は左右のパンチを放った。
バシッ・・
顔へのパンチに避けようとする香理奈に、和恵が続けてローキックからミドルキックと叩き込む。
バッシーン・・・
「うっ・・」
ミドルキックを受けて動きの止まる香理奈。
その瞬間を逃さずに和恵の顔面へパンチの連打が始まった。
バシッ、バシッ・・・バシッ・・・バシッ・・・
顔を殴られて嫌がる香理奈が、苦し紛れに膝蹴りを放つ。
ドスッ・・・
「あうっ・・・」
香理奈の放った膝蹴りがボディを抉ると、和恵の表情が険しくなった。
続けて膝蹴りを放つと、嫌がるような和恵に左右のパンチを放つ香理奈。
バシッ・・・
頬を殴りつけていく香理奈に、和恵が組み付いた。
組み付くとコーナーに押し込んでいく和恵。香理奈も離れたいが和恵の圧力に押されていく。
コーナーに押しつけられる香理奈。和恵がお返しとばかりに膝蹴りを狙うと、香理奈が組み付いて足を掛けて倒していく。
グラウンド状態になっていくと、和恵が立ち上がろうとすると、香理奈がスリーパーを仕掛けた。
香理奈の腕が喉元に滑り込むと、和恵の喉元を締め上げた。
グイッ・・・
チョークスリーパーを仕掛けられて苦しい和恵は、必死にロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
和恵がロープを掴んだからとレフリーが放させると、香理奈は技を解いて立ち上がる。
和恵も水着を直しながら立ち上がると試合は続けられた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰める両者。
香理奈がローキックを放つと、和恵もローキックを返していく。
更にローキックを放つ和恵に、香理奈が蹴り足へタックルを仕掛けた。
上手くテイクダウンを奪っていく香理奈。和恵もタックルを決められて焦りの表情を浮かべると、堪らずハンマーパンチ気味に返していく。
身体を密着させていく香理奈は、ハンマーパンチが時折顔面に入ると嫌がるようにサイドポジションへ移行すると、押さえ込んでいく。
和恵が抵抗せずに様子を見ていると、香理奈もゆっくりと腰を浮かせてた。
そして和恵の脇腹へ膝蹴りを入れると、和恵の身体がビクンと反応した。
ドスッ・・
「うっ・・・」
堪らず組み付いていく和恵。香理奈は立ち上がると立ち上がろうとする和恵の顔面にサッカーボールキックを放つも避けられた。
しかし立ち上がれない和恵は香理奈の様子を見ていると、香理奈は和恵の足へサッカーボールキックを叩き込む。
バッシーン・・
蹴られても下手に立ち上がれない和恵。
香理奈が足を掴むと、和恵も抵抗して蹴りを放つも、グラウンド状態からの蹴りでダメージを与えられない。
香理奈が手招きして立ち上がる様に招くと、和恵が素早く立ち上がるも香理奈がハイキックを放った。
バシィィィィ・・・
顔面へハイキックが炸裂して膝を落とす和恵。
続けて顔面へ膝蹴りを狙う香理奈に、和恵が組み付いて倒していくと、今度は和恵が上から体重を乗せて押さえつけていく。
抵抗するとスタミナを消耗するだけに、苦しい展開の香理奈。
そして和恵が遂にマウントポジションを奪っていくと、香理奈の顔面に狙いを絞っていく。
両足で香理奈の身体を固定すると、狙いをつけて顔面にパンチを落とす和恵。
必死にガードする香理奈に、続けてパンチを落としていく和恵。
バシッ・・バキッ・・
容赦ないパンチが顔面を襲うと、ガードの間から顔面を襲う和恵の拳。
顔面を殴られてビクンと身体を反応させる香理奈。
『やれやれ〜・・・』
『顔面、顔面っ!』
観客席から和恵に対して声援が飛ぶと、和恵が激しいハンマーパンチを顔面に落としていく。
バキッ・・バキッ・・・
鈍い音がリング上に響く中、香理奈が鼻血を流し出した。
顔も腫れだして残酷な展開になっていく中、和恵も勝つためにハンマーパンチを容赦なく入れていく。
ブリッジ気味に返したい香理奈。しかし和恵が上手くバランスをとっていくと、香理奈は下半身を上手く使ってロープに逃げようとする。
和恵も動かれても、顔面へのパンチを狙っていくと、香理奈の足がロープに届いた。
『ロープ・・・』
レフリーの言葉に和恵はパンチを止めて立ち上がると、香理奈も顔を少し腫らしながらも立ち上がる。
しかし顔面パンチを多く受けて、女優の生命とも言える顔を腫らして痛々しい香理奈。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出る和恵。
対して香理奈はガードを固めていくと、和恵はローキックからミドルキックと前に出る。
必死にガードしていく香理奈。しかしガードの上からもダメージを増やしていく苦しい展開。
左右のパンチが顔面を襲うが、香理奈はパンチはガードするも和恵がお腹に前蹴りを放つ。
ドスッ・・
「ふぐうっ・・・ううっ・・」
お腹にめり込む和恵の前蹴り。堪らず口から胃液の様な液体が溢れ出す香理奈。
身体をくの字にして苦しむ香理奈に、和恵はエルボースマッシュを叩き込むと、ダウン寸前になってロープに逃れる香理奈。
ロープに寄りかかってガードを固める香理奈に、和恵はミドルキックを放つと、堪らず香理奈がコーナーに逃れていく。
香理奈が左右のジャブで抵抗を見せると、和恵が狙ったようにカウンターのパンチを顎に放った。
バキッ・・
香理奈の顎にパンチがヒットすると、その瞬間香理奈の身体がコーナーに崩れ落ちた。
その瞬間を見逃さずに和恵が襲いかかると、香理奈も必死に両足で和恵に抵抗していく。
和恵が香理奈を挑発する様に立ち上がるように手招きするも、香理奈は両足を浮かせて和恵に向けると、立ち上がるタイミングを計っている。
その立ち上がらない香理奈に、和恵は踏みつける様なストンピングを狙うと、香理奈が間一髪避けていく。
更にトップロープを掴んでストンピングを狙う和恵。
顔面を踏みつぶそうとすると、これには必死にガードしようとする香理奈。
ドスッ・・・
「あうっ・・・」
しかし顔面に強烈な踏み潰すようなストンピングが命中すると、香理奈が変な声を漏らして痛がった。
更に香理奈の顔面へストンピングが襲いかかると、香理奈の苦しい展開が続いていくリング上。
女優の命とも言える顔に強烈な打撃を受けて、少し腫れだした香理奈の顔面。
美人女優の顔面崩壊かと思われた瞬間、和恵もエキサイトして顔面崩壊を狙ったのかストンピングに固執していくと、その蹴り足に香理奈が両足を絡ませる様にしてヒールホールドを仕掛けた。
焦りの色を浮かべる和恵がバランスを崩してグラウンド状態になると、香理奈が足を極めていく。
「あああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
香理奈がヒールホールドを極めると、和恵の口から悲鳴が響き渡った。
完全に極まっていないのか、和恵が耐えるようにロープに逃れたいが、やせ我慢も耐えられずにマットを激しく叩いていく・・・。
「ぎ、ギブアップ・・・ギブアップ・・・」
和恵の口からギブアップが出ると、ここでレフリーが試合を止めたのであった。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされて香理奈も技を解くと、ここで香理奈の準決勝進出が決まるのであった。
『勝者、香理奈っ!』
リングアナのコールに笑顔を浮かべるも、蹴りこまれた顔など腫れが目立って痛々しい香理奈。
リングアナが腫れた部分を冷やしたり応急処置が施される中、準決勝に向けて控え室に引き上げる香理奈と、負けて呆然として表情でリングを下りていく和恵。しかし久しぶりの地下プロレスのリングで、米蔵涼子を事実上の戦闘不能状態に追い込んだ事など善戦したからと、観客席からは拍手が送られていくのであった。




第26試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、グラビアアイドルから女優に転身を遂げた市河由衣。胸の谷間を強調た様な白いスポーツビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、早くも観客席に向かって頭を下げてアピールしていく。
その由衣の対戦相手は、同じくグラビアアイドルから女優に転身した大池栄子。由衣とは対照的に黒い水着で、胸の谷間をアピールする様なワンピース水着に黒いリングシューズ姿の栄子。体格差もあり堂々として片手を挙げると、由衣を睨み付けてからコーナーに進んでいく。
地下プロレスでもヘビー級の栄子と、ジュニアヘビー級の由衣の対戦は、体格差もあり由衣にとって苦しい試合が予想されるが、観客席からは栄子と由衣の双方へ歓声が送られていた。
『青コーナー〜・・・身長163p、上から91、59、87・・・大池栄子〜っ!』
コールを受けて堂々と片手を挙げてアピールする栄子。
『赤コーナー〜・・・身長158p、上から83、55、85・・・市河由衣〜っ!』
コールを受けて観客席に向かって一礼していく由衣。体格差のある栄子との一戦に気合いを入れている。
そしてコールも終わってお互いがコーナーでゴングを待つと、レフリーが試合開始のゴングを要請して試合が始まった。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す由衣は、反対コーナーから歩み出る栄子に気合いの入ったドロップキックを放った。
バッシーン・・・
しかしフラつくだけで倒れない栄子。由衣は素早く立ち上がってドロップキックを叩き込む。
バッシーン・・・
しかし栄子がまたも倒れないと、由衣はマットを叩いて悔しがる。
ドロップキックでダウンを奪えなかったからと、由衣は立ち上がるとエルボースマッシュを叩き込むが、逆に栄子がエルボースマッシュを叩き込むと、由衣がフラつきながらロープに逃れた。
更に栄子がロープ際の由衣の腹に喧嘩キックを叩き込むと、由衣が倒れ込む様にリング下に転落してしまった。
リング下でお腹を押さえて呼吸を整える由衣。栄子のパワーに驚きを隠せないが、栄子も連戦プロレス的な試合運びを見せてスタミナの消耗が気になるところ。由衣としてもスタミナ勝負で試合を組み立てようかと考えながら水着を直していく。
そしてリングに戻っていくと、栄子が由衣の距離を計るように距離を置いていく展開。
由衣も栄子にどう試合を組み立てようか考えていると、栄子が挑発する様に前に出ると、由衣が素早くタックルを仕掛けた。
上手く両足タックルが炸裂してテイクダウンを奪うと、素早く横四方固めの体勢から腕を狙うも、栄子がブリッジ気味に跳ね返していく。
しかし由衣も簡単には諦めずにバックからスリーパーをグラウンド状態で極めた。
これには栄子の表情が苦悶に歪むと、ロープに素早く逃れていく。
『ロープ・・・』
レフリーの指示に由衣がスリーパーを解くと立ち上がっていく。
栄子も水着を直しながら立ち上がると、由衣がバストへサッカーボールキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・・
バストへの蹴りに表情を歪ませる栄子。
動きが止まったからと由衣が素早くDDTを仕掛けると、栄子を脳天からマットに叩き付けた。
バッシーン・・
DDTを受けてグッタリする栄子に、由衣は立ち上がるとバストへストンピングを叩き込むと、素早くヘッドシザースで締め上げていく。
これには栄子が両足をバタつかせて苦しむと、由衣もスタミナを奪おうと締め上げては痛めつけていく。
体格差もありスタミナを奪って勝負しようとする由衣。しかし栄子もパワーで勝るだけに、ロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に技を解く由衣。栄子も技から解放されたが、喉元を気にするなどダメージが気になるところ。
『ファイト!』
レフリーが続行の指示をすると、ロープ際で水着を直していく栄子。
対して由衣は注意深く見つめていると、距離を置いて様子をみている。
由衣が距離を置いているからと、栄子も距離を置いて呼吸を整えていると、由衣が仕掛けた。
距離を詰めてタックルを仕掛けると、栄子を上手く倒していく。しかし栄子がロープに逃れると、由衣は悔しそうな表情を浮かべて離れた。
お互いが立ち上がると、レフリーが試合続行を促した。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく栄子と由衣。
距離が詰まると、いきなり由衣が張り手を放った。
バッシーン・・・
栄子が一瞬動きを止めるも、次の瞬間に由衣の頬に強烈な張り手を叩き込む。
バッシーン・・・
栄子の張り手にフラつく由衣は、今度はグーパンチを放った。
バキッ・・・
反則攻撃の顔面パンチに栄子も殴り返すと、いきなり由衣が腕をキャッチして一本背負いで栄子をマットに叩き付けた。
まさに狙っていた展開だったのか、由衣が素早くグラウンド状態から腕拉ぎ逆十字固めを仕掛けると、栄子は腕関節を極められて苦悶の表情を浮かべた。
これには栄子は焦るようにロープに逃れると、由衣は技を解いて素早く立ち上がる、ロープに走っていく。
栄子が立ち上がろうとすると、由衣は勢いのついたドロップキックを顔面に叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・・
「あうっ・・」
これには栄子が両手で顔面を押さえて転がるようにリング下に逃れると、由衣もリング下に追いかけていく展開に。
リング下で栄子が顔面を押さえて痛がっていると、由衣は観客席からパイプ椅子を取り出していく。
そして角の部分で栄子を殴りつけていく由衣。
バシッ・・バシッ・・
栄子が痛々しく逃げようとすると、由衣はヘッドロックから場外でブルドッキングヘッドロックを炸裂させていく。
バシィィィィ・・・
「あああああぁぁぁ・・・」
流石の栄子も悲鳴をあげて転がっていると、由衣はストンピングを叩き込んでからリング上に戻っていった。
栄子も蹴られた部分を押さえながらも、水着を気にしながらリング上に戻っていく。
ロープ際の栄子に、由衣はロープ越しにエルボースマッシュを叩き込むと、栄子がバランスを崩してリング下に転落した。
水着を直しながら由衣がロープに走ると、更に何かを狙おうとするも止まって栄子を睨み付けていく。
栄子も呼吸を整えながらリングサイドを動き回ると、素早くリングに戻っていく。
リング上で由衣と距離を置いていく栄子は、水着を直しながらも距離を詰めていくと、由衣も距離を置こうと動き回る。
逃げ回る由衣に素早くタックルを仕掛けようとする栄子に、由衣が上手くフロントスリーパーに捉えるも、栄子が抱え上げるようにコーナーに押し込んだ。
更にトップロープに座らせる形で由衣を放すと、栄子が雪崩式ブレンバスターを狙う。
しかし由衣が蹴りを入れていくと、栄子も殴るも由衣が張り手からパンチでバランスを崩させて落とすと、由衣がトップロープからボディアタックを仕掛けた。
バッシーン・・・
由衣の反撃にカウントが数えられていくリング上。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・・』
しかし栄子も必死に返していく。
「んああぁぁぁぁ・・・」
気勢をあげて由衣を返した栄子。
続けて由衣が腕を狙っていくと、栄子がロープに逃れた。
『ロープ!』
レフリーの掛け声に由衣が放すと、素早く距離を置いていく。
体格差のある由衣に追い込まれていて、栄子の表情に焦りの色が見え隠れしているリング上。
『ファイト!』
そしてレフリーが試合続行を促すと、栄子と由衣の距離が詰まっていく。
バシッ・・
距離が詰まり由衣がローキックで牽制すると、栄子がガードを固めていく。
バシッ・・
更に由衣のローキックが炸裂すると、栄子が少しずつロープに逃れていく。
逃げる栄子に、由衣は左右の掌打を散らしていくと、栄子が負けずに気勢をあげて反撃した。
「市河〜っ!」
栄子が叫び声をあげると、いきなり至近距離からラリアットを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
いきなり強烈なラリアットを叩き込まれて倒れ込む由衣。
喉元を押さえて痛がる由衣に、栄子は観客席にアピールしてからバストへ強烈なストンピングを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「あうっ・・・ああんっ・・・ああっ・・・」
バストへの強烈なストンピングの連発に悲鳴をあげる由衣。
更に髪を鷲掴みにして起こしていくと、由衣もタックル気味に組み付くがロープ際に押し込まれていく。
そして栄子が由衣のボディにキチンシンクを叩き込むと、由衣の表情が苦悶に歪んだ。
ドスッ・・
「ぐえっ・・・うえっ・・おえっ・・」
両手でお腹を押さえて苦しむ由衣。
苦しむ由衣のお腹を栄子がグーパンチで殴りつけると、腹責め攻撃に苦しむ由衣。
バシッ、バシッ、バシッ・・・
「あうっ・・ぐふっ・・あふっ・・」
堪らず膝をついて苦しむ由衣。
栄子は観客席にアピールするように見回すと、由衣の額にグーパンチを叩き込む。
バキィィィ・・・
「痛いぃぃぃ・・」
堪らず悲鳴をあげる由衣。
しかし由衣も栄子のお腹にグーパンチで返すと、続けて股間へアッパーを叩き込んだ。
ゴキッ・・・
「ふぎっ!」
変な悲鳴を漏らした栄子が股間を押さえて動きを止めると、由衣が立ち上がってヘッドロックからブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けていく。
更に俯せでダウンした状態の栄子に、由衣はキャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・・
「あうっ・・・」
上半身を反らされて苦しい栄子。由衣も揺さぶってはギブアップを狙っていく。
しかし栄子も耐えていくと、全身に汗を浮かばせながらロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの掛け声に由衣が技を解くと立ち上がっていく。
栄子も水着を気にしながらも立ち上がると、由衣がドロップキックを仕掛けると、栄子は転がるようにリング下にに転落した。
明らかにスタミナが切れかかっている様な栄子。呼吸を荒くして表情も険しくなっている。
対して由衣も呼吸の乱れはあるも、栄子ほどスタミナを消耗している様には見えない・・・。
リング下でペットボトルの水を口に入れて呼吸を整えていく栄子。由衣はリング上から栄子の動きを睨み付けている。
そして栄子が素早くリングに戻ると、由衣との距離を詰めていった。
由衣がタックルを仕掛けようとすると、逆に栄子がタックルを仕掛けた。
これには体格差から由衣がタックルを決められると、そのまま担ぎ上げられていく。
両足をバタバタさせる由衣に、栄子は体勢を入れ替えるように由衣の身体をマットに落とすと、同時に膝でお腹を蹴り上げた。
ボシュ・・
「ぐえぇぇぇぇぇ・・・」
落とされると同時のお腹への膝蹴りに由衣が泣きそうな表情を浮かべると、マットに叩き付けられてグッタリしている。
「う・・ううっ・・い、痛い・・・」
由衣が両手でお腹を押さえて藻掻き苦しんでいると、栄子は観客席に向かってアピールしていく。
俯せ状態になって腰を浮かせて、お腹を押さえて苦しむ由衣。
その由衣に、ロープに走って勢いをつけた栄子がお腹を蹴り上げた。
バシィィィィ・・・
「うげぇぇぇぇぇ・・・」
力を抜いていたところへの衝撃に、口から胃液を溢れさせた由衣。
グッタリとして苦しんでいる由衣に、栄子は仰向けにしてバストを踏みつけた。
「レフリー、フォール!」
栄子のアピールにレフリーがカウントを数える。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし由衣が返していくと、観客席からは歓声が起きていく。
返された栄子が由衣の髪を掴んで起こしていくと、続けて下を向かせていくと、ゆっくりとパイルドライバーの体勢に持ち込んだ。
逆さ吊りにされた由衣。脳天からマットに叩き付けられると、栄子が放すとグッタリとしている。
「決めるぞぉぉぉ・・・」
観客に栄子がアピールすると、由衣を仰向け状態にしてからロープに走ると、飛び上がってフットスタンプを狙った。
しかし由衣もフットスタンプを受けたら危ないと転がるように逃れると、自爆した栄子が悔しがる。
逆に由衣が下から両足を絡ませるように足関節を狙うと、栄子はロープに逃れるのであった。
『ロープ・・・ロープ・・・』
栄子がロープに逃げてレフリーが別けるも、由衣もパイルドライバーのダメージからフラつきながら立ち上がると、水着を直しながら距離を置いた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく栄子。
ダメージの残る由衣が距離を置こうとすると、栄子が喧嘩キックから距離を詰めてからヘッドロックに捉えた。
返せない由衣に、そのままブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けていく栄子。
バッシーン・・・
「きゃああああぁぁぁ・・・」
堪らず絶叫する由衣。
栄子は近くのコーナーでトップロープへ登ると、苦しむ由衣が仰向けになって瞬間にお腹にフットスタンプを落としていく。
ドスッ・・
「あああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
栄子の揃えられた両足がお腹を直撃すると、その圧力を腹部に受けて絶叫して転がるようにして藻掻き苦しむ由衣。
泣きそうな表情からも相当なダメージが理解できるが、栄子はお腹へ更にニードロップを落とした。
ドスッ・・
「ぐえっ・・・」
ニードロップを受けて両手でお腹を押さえて身体を丸める由衣。
更にサッカーボールキックをお腹に叩き込むと言う非情な責めで追い込んでいく栄子。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
お腹への連続攻撃に動きの止まる由衣。口をパクパクさせて苦しんでいると、栄子は仰向けにしてトドメとばかりにバストにヒップドロップを叩き込んだ。
バッシーン・・・
そのまま両手で肩を押さえ込んでフォールする栄子。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィ・・・・・』
お腹責めでダメージを大きくした由衣は返すこともできず、余裕のスリーカウント負けに・・・。
『勝者、大池栄子っ!』
勝利した栄子は立ち上がると、水着を直しながらレフリーに手を挙げられていくのであった。
負けた由衣はダメージが大きく立ち上がれないと、リングドクターが担架を要請して乗せられていくが、観客席からは体格差のある栄子との互角の勝負に拍手が送られていくのであった・・・。
勝利した栄子もスタミナの消耗が激しく、勝ち名乗りを受けてからコーナーに寄りかかると、ゆっくりと控え室に消えていくのであった・・・。
この試合で準決勝は、長沢まさみvs藤原紀華、香理奈vs大池栄子と決定して、ベスト4が出揃った事になるのであった。




第27試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、戦隊モノで人気が出てグラビアなども人気の出てきている大池唯。白いビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、緊張した表情で観客席に向かって頭を下げた。
芸能界で生き残る為には、やはり地下プロレス参戦は避けては通れないと事務所の説得があったと言うが、実は地下プロレスの大物スポンサーサイドよりリクエストがあったと言うこの試合。
その唯の対戦相手としてリングインするのは、大型女子プロレスラーのアフリカンコング。豹柄のリングコスチュームで観客を威嚇しながらリングインするコングに、唯は初めての地下プロレス、そのデビュー戦がアフリカンコングが相手と知り動揺している。
「あ、あの人と試合なんて・・・こ、殺されちゃいます・・・・お、お願い、や、やめて・・・」
リングサイドの黒服に哀願する唯。
しかし黒服は無情にも死刑宣告とも言える言葉を返した。
『命まで奪われる事はないから心配するな・・・。今までも多くのアイドルが闘っているからな。ここで逃げたら芸能界では働けないぞ・・・』
その言葉に言葉を失う唯。
プロレス特訓は受けても、所詮は素人の唯。非情にも試合開始の為のコールが始まっていく・・・。
『サクリファイスマッチ第7弾・・・青コーナー〜身長173p、体重105s・・・アフリカンコング〜っ!』
まずはコングのコールが始まると、コングは今夜も生け贄を与えられて興奮気味にアピールしていく。
『赤コーナー〜・・・身長157p、上から78、54、78・・・大池〜唯〜っ!』
コールを受ける唯は、緊張あまり表情は固まっていたが、観客に歓声に恐怖心を必死に堪えている様子。
そのリングにドミネーションマッチの開始が告げられる様に、試合開始のゴングが打ち鳴らされた・・・。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、唯は恐怖のあまりにコーナーから動けない。
対して余裕の表情でコングがコーナーを離れると、早くも反対コーナーの唯を威嚇していく。
堪らず唯がドロップキックを放つと、コングは余裕でドロップキックを受けて仁王立ち。
マットに転がる唯は、素早く立ち上がってはアクションで鍛えただけにスピンキックを放つもダメージを与えられない。
逆にコングの笑みに恐怖心を覚える唯。
手招きするように挑発するコングに、唯は果敢もミドルキックから左右のパンチを叩き込むも、大したダメージも与えられない。
「くっ・・・」
余裕で技を受けるコングに悔しがる唯。
「モット、ホンキでナグッテミロ!」
コングの挑発的な言葉に唯が更に殴りつけていく。
バシッ・・バシッ・・
しかし上手く殴れず、逆に自らの手を痛めてしまう唯。
「い、痛いっ・・・」
自らの手を痛がる唯に、コングは余裕の笑みで距離を詰めると、軽く水平チョップを叩き込んでいく。
バシッ・・・
「あうっ・・・」
初めてリング上で受けるプロレス技に痛がる唯。しかしまだ軽い技でしかない。
手が痛いからと、スピンキックを更に仕掛けていくと、続けてトラースキックと戦隊モノらしい打撃を見せていく唯。
しかし演技と違い本当にダメージを与えないといけない地下プロレスのリング上。コングにダメージを与えられずにスタミナを消耗していく唯。
「はぁ・・はぁ・・」
異様な雰囲気の中、巨漢のアフリカンコング相手だけに、唯のスタミナの消耗は激しい様子。呼吸が早くも荒くなってきている。
そして遂にコングが動き出した・・・。
グイッ・・・
「きゃああぁぁぁぁ・・・」
まずはコングが唯の髪の毛を鷲掴みにすると、恐怖のあまり唯が絶叫する。
「は、放してよぉぉぉぉ・・・・痛いぃ・・・」
嫌がる唯の髪の毛を掴んでコーナーに連れ出していくコング。そして顔面をコーナーポストへ叩き付けた。
バシィィィィ・・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・・」
顔面を叩き付けられて悲鳴をあげる唯。観客席からは大歓声が起きていく。
『いいぞぉぉぉぉ・・・今夜も痛めつけてやれ!』
コングに対する歓声が起きると、コングも気をよくして笑みを浮かべて観客にアピールする。
そしてヘアーホイップでマットに投げつけると、唯はマットに叩き付けられて大の字になって痛がっていた。
仰向けになっている唯に、コングはバストを狙ったストンピングを落としていく。
バシッ、バシッ、バシッ・・・
「あうっ・・・ああんっ・・・んあっ・・・」
白いビキニに包まれた小振りのバストを蹴りこまれて痛がる唯。
堪らずバストを押さえて転がるように痛がっていると、横を向いた瞬間にコングのサッカーボールキックがお腹を襲った。
バッシーン・・・
「うっ・・ぐえっ・・」
お腹を蹴られて嘔吐感に襲われる唯。両手でお腹を押さえて苦しんでいると、コングが髪の毛を鷲掴みにして起こしていく。
そのままコーナーに押し込まれていく唯。表情はお腹へのダメージで苦しそうに見えるも、目の前のコングに恐怖感を溢れさせている。
そのコングは片手を突き上げて観客にパンチのアピールをすると、コーナーに押し込んだ唯のお腹にグーパンチを叩き込む。
バシッ・・
「ぐふっ・・ううっ・・・」
堪らずお腹を両手で押さえ込んで苦悶の表情で座り込むように崩れ落ちる唯。
しかしコングが髪を掴んで起こすと、またもお腹にパンチ攻撃していく。
バシッ・・
「あうっ・・・」
またもコーナーに崩れ落ちる唯。
お腹を押さえてリング下に逃げようとする唯に、コングが髪を掴んで無理矢理起こしていくと、唯が激痛に悲鳴をあげる。
「痛いぃぃぃ・・・・いやあぁぁぁぁ・・・・」
唯の悲鳴に観客席から歓声が起きると、コングは軽々とボディスラムでマットに投げつけた。
バッシーン・・・
「いやああぁぁぁ・・・・」
背中から叩き付けられて絶叫する唯。苦悶の表情で立ち上がられないと、コングがロープに走っていく。
そして勢いをつけてギロチンドロップを叩き込むと、唯の身体が一瞬跳ね上がるような衝撃が襲った。
バシィィィィ・・・
ギロチンドロップを受けてグッタリする唯。喉元を両手で押さえると、俯せ状態になって苦しんでいる。
グイッ・・・
その唯の髪を掴んで起こしていくコング。
ゆっくりとブレンバスターの体勢に持ち込むと、白いショーツを鷲掴みにして持ち上げると、唯の身体を垂直状態で止めていく。
そのままコングがロープ際に進むと、唯を投げずに前に落とすようにトップロープにお腹を当てた。
バシィィィィ・・・
「オエッ・・・」
お腹へのロープ攻撃に嘔吐感に苦しむ唯。続けてコングが反動を使ってブレンバスターでマットに叩き付けると、唯は衝撃に動けずに大の字状態へ。
その唯の柔らかいなお腹に片足をのせて、ゆっくりと体重を掛けていくコング。
「んあぁぁぁぁ・・・あああぁぁぁぁ・・・・」
お腹を潰される感覚に悲鳴をあげる唯。更にコングが両足を乗せると、100sを越える重量に口をパクパクさせて苦しむ唯。
両手を大きく開いて観客にアピールするコング。
そして、観客が期待を込めて歓声をあげると、コングは唯のお腹の上で飛び跳ねて、フットスタンプを仕掛けた。
ドスッ・・
「んぐっ・・・ホゲェェェェェェェ・・・・・」
一瞬唯の表情が険しくなるが、瞬間的に口から反吐が噴き上がる。
地下プロレスに初めての参戦で、食事を抜かずに試合に臨み、お腹責めに堪らず吐き出してしまう唯。
その端正な顔に自ら嘔吐した物体を撒き散らし、ヒクヒクしている唯にコングはリングサイドからペットボトルを持ち込むと、唯の顔などを水で洗い流していく。
虚ろな目をしている唯を起こしていくと、今度はロープに両腕を絡めてから、上を向かせて口に無理矢理ペットボトルを突っ込むと、水を飲ませていくコング。
「ングッ・・・ングッ・・・ングッ・・・ンンッ・・・」
無理矢理水を飲まされて苦悶の表情を浮かべている唯。
ペットボトルを投げると、コングはロープに磔にされて動けない唯のお腹にパンチを叩き込んでいく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「ううっ・・・あうっ・・・」
口から涎を垂れ流しながら藻掻き苦しむ唯。
更にコングが勢いをつけてキチンシンクをボディへ叩き込むと、またも唯の口から吐瀉物が撒き散らされた。
ドスッ・・
「おえぇぇぇぇぇぇ・・・・」
水で薄められた胃液など、まさに内容物が全て撒き散らされたと言っても過言でない状況に、観客席からは大歓声が起きていく。
グッタリする唯の髪を掴んでいくコング。
「や・・・や・・・やめて・・・」
ボディへの連続攻撃に失神寸前と言う感じの唯は、試合を止めてとばかりに哀願する。
しかし試合が止まるはずもなく、歓声に包まれていくリング上ではコングが唯をロープから放すと、そのままリング中央に連れ出していく。
そして遂に、フラフラしている唯を抱えるコング。アトミックドロップの体勢に持ち込むと、更に高く持ち上げてから一気に落として膝を股間へ叩き付ける、プッシークラッシャーが炸裂した。
ゴキィィィィィ・・・・
「ひぎいぃぃぃぃぃ・・・・」
初めて経験する股間への凄まじい衝撃に絶叫する唯。
同時にあまりの衝撃に失禁してしまい、白いビキニショーツから黄色い液体が溢れ出した。
コングが放すと、唯はマットにグッタリと倒れ込む。両手で股間を押さえて痛がっている唯に、コングは容赦なくビキニを鷲掴みにして起こしていく。
ビキニが脱げそうになって嫌がる唯。恥ずかしがるがコングとの力の差にはどうする事もできない残酷な現実。
コングは起こすと、またも抱え上げていった。まるで子供にオシッコでもさせるような格好にして、リング中央で四方に唯の泣きそうな表情をアピールすると、またもプッシークラッシャーを炸裂させた。
ゴキィィィィィ・・・・
「ひいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・・」
またもリング上に響き渡る唯の叫び声。
コングが放すと股間を押さえてヒクヒクしていると、コングが起こしていくと、エプロンサイドに連れ出して唯の両腕をトップロープとセカンドロープに絡めて磔状態にしていく。
「い、いや・・・やめ・・て・・・」
涙目で哀願する唯。
しかしコングは容赦なくビキニを剥ぎ取ると、小振りながら形の良いバストが露わになっていく。
「いやああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
トップレスの刑に悲鳴をあげる唯。観客席からは大歓声が起きていくと、コングは剥ぎ取ったビキニを観客席に投げ込んでいく。
更にショーツまで脱がしていくと、水着のグラビア用に整えられたアンダーヘアーまでもが露わになっていく。
白いリングシューズだけにされて、磔にされている唯。
コングがエプロンサイドに移動すると、観客に手をアピールしていく。
そして平手で唯のバストへ張り手を叩き込んでいく。
バシィィィィ・・・・
「痛いぃぃぃぃぃぃぃ・・・・」
堪らず悲鳴をあげる唯。白い乳房にはコングの手の痕が浮かび上がる程の衝撃。
更にコングの張り手がもう一方の乳房に炸裂すると、唯は激痛に泣き出してしまった。
バシィィィィ・・・・
「いやあぁぁぁぁぁ・・・やめてぇぇぇぇ・・・お願いぃぃぃぃぃぃ・・・」
泣き叫ぶ唯をニヤニヤしながらロープから放してから、今度は抱え上げてトップロープを跨がせていくコング。
唯は全裸にされているから、股間にロープを当てられて苦しい体勢に持ち込まれている。
すると、コングはトップロープを跨がせている唯の身体を、容赦なく擦りつけていく・・・。
敏感な部分がロープに擦られて、唯は激痛に悲鳴をあげていく。
「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
ゴムに覆われたロープが、唯の股間の秘裂に容赦なく襲いかかっていく。摩擦熱で激しい痛みに泣き叫ぶ唯。
泣き叫ぶ唯を楽しむかの様に、コングはゆっくりとトップロープを唯の股間に当てては滑らせていく。
観客席からも歓声が上がる中、コングが唯をロープからマットに投げつけた。
バッシーン・・・
マットに叩き付けられて、両手で股間を押さえて泣いている唯。
「い、痛い・・・痛い・・・・・」
その唯の全身にストンピングを叩き込んで痛めつけていくコング。
唯が俯せ状態になると、少しお腹を浮かせた瞬間にお腹を蹴り上げていくコング。
ドスッ・・・
「うげっ・・・」
仰向けになる全裸の唯。お腹への強烈な蹴り上げに水で薄められた胃液の様なものを吐き出している。
更に仰向けの唯のお腹を徹底的にストンピングで蹴りこんでいくコング。
ドスッ・・ドスッ・・ドスッ・・
「うえっ・・おえっ・・・ぐえっ・・・」
お腹への徹底した蹴りに唯は口をパクパクして藻掻き苦しんでいる。泣き叫ぶもレフリーも誰も止めてくれない残酷な試合。
全裸で口から胃液などを垂れ流しながら、一方的に痛めつけられている唯。
「やぁ・・や・・め・・・て・・・・く・・くだ・・・さい・・・」
お腹への徹底したストンピングに泣きながら哀願する唯。
身体を丸める様に苦しむ唯に、コングは余裕の表情で蹴りこむと、髪を鷲掴みにして起こしていく。
グイッ・・
「い、いや・・・・」
嫌がる唯を無理矢理起こしてから、コーナーに連れ出してからコーナーポストに顔面を叩き付けると、コーナーに寄りかからせていくコング。
更に唯の両足をセカンドロープに掛ける様にして、唯の秘部が露わになる格好で磔状態にすると、観客にアピールしてから唯の股間を蹴り上げるコング。
バシッ・・・
「ああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
股間を蹴られて絶叫する唯。
「や・・やめ・・・て・・・」
泣きながら哀願する唯。
すると、コングは観客席にアピールすると、唯をコーナーから放していく。
そして下を向かせると、一気に抱え上げるようにパワーボムの体勢へ持ち込んだ。
何が起きたか理解できない唯の身体を、そのままマットに叩き付けていくコング。
バシィィィィィ・・・・
「あんっ・・・」
一瞬声を漏らした唯だったが、凄まじい衝撃を受けて失神してしまった・・・。
その失神した唯をまんぐり返しの状態に持ち込むと、コングは勝ち誇った表情でレフリーにカウントを要求。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィィ・・・・・・』
余裕のスリーカウント。失神してまんぐり返しの状態で秘部を露わにされている唯。
『ただ今の試合、アフリカンコングの勝利となりました!』
リングアナのコールにコングが唯を放すと、無惨にもまんぐり返しの状態で失神している唯。
リングドクターなどがリングに上がって唯の応急処置を施すと、全裸でマットに寝かされている唯が意識を取り戻した。
全身にはコングの攻撃で浮かび上がる無数の痣。激しい攻撃に動く事も出来ない唯は、担架に乗せられていくのであった。
しかし全裸で、女性として大事な部分まで観客に露わにされて、身体の痛みと精神的ショックでリングを降りる唯。
コングがガッツポーズをとる横から、唯はリングを降りるのであった・・・。




第28試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、かつてはグラビアアイドルとして活躍していた乙羽。結婚して地下プロレスへの参戦も少なくなったも、今夜は格闘技戦マッチに挑戦の乙羽。黒いビキニに黒いリングシューズ姿、手にはオープンフィンガーグローブを着けている。しかし急なオファーで調整不足は明かで、不安げな表情を浮かべている。
その乙羽の対戦相手としてリングインするのは、人気グラビアアイドルから女優に転身をした仲島愛里。フットサル仕込みの打撃などでジュニアヘビーなどベルトも巻いた事もある逸材。今夜はグラビアアイドルとしては大先輩の乙羽との格闘技戦。
白いビキニに白いリングシューズ姿に、手にはオープンフィンガーグローブの愛里。
早くもリングアナのコールが始められていく。
『新旧グラビアアイドル格闘技戦・・・青コーナー〜っ・・・身長157p、上から89、59、85・・・乙羽っ!』
コールを受けて緊張気味の乙羽。対戦相手の愛里とは視線を合わさずにビキニを気にしながらコーナーで一礼した。
『赤コーナー〜・・・身長157p、上から86、58、88・・・仲島愛里っ!』
そしてコールを受けて堂々と片手を挙げてアピールする愛里。
31歳の乙羽と、21歳の愛里。年の差もあり乙羽にとって厳しい試合展開が予想されるこの試合。
Fカップの乙羽とGカップの愛里がコーナーで睨み合うと、レフリーがルールの説明をする為にリング中央に招いていく。
説明を聞きながらも睨み合う乙羽と愛里。地下リングでは第14回大会から参戦している乙羽としては、年齢差はあるも勝利して存在感をアピールしたいところ。一方、愛里としては過去のグラビアアイドルだからと、激しいKO勝利を狙いたいと思っていた・・・。
そしてコーナーに別れると、試合開始のゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出した乙羽と愛里。
距離を置いていくと、まずは愛里が軽くローキックを放つ。
しかし乙羽が避けると、逆にジャブを放って牽制していく。
意外な乙羽の打撃に観客席から歓声が起きると、愛里がハイキックで牽制して距離を置いた。
距離を置く両者。乙羽が構えて距離を置いていると、愛里は軽くジャブで牽制しながら距離を詰めると、膝蹴りを放っていく。
何とかガードするも、膝蹴りの威力にガードした腕にもダメージを負う乙羽。
更に愛里が左右のボディブローを叩き込むと、乙羽の表情が険しくなっていく。
柔らかいお腹へのパンチの連打に苦しい乙羽。更に愛里がローキックで足を痛めつけると、嫌がるように距離を置く乙羽。
しかし愛里は距離を詰めて、効いているボディへのパンチを打ち込んでは乙羽を追い込んでいく。
バシッ・・ボシュ・・
「ううっ・・・うっ・・・」
身体をくの字にして苦悶の表情を浮かべる乙羽。
動きが鈍ると、愛里が胴タックルを仕掛けると乙羽が対応出来ずにコーナーに押し込まれていく。
焦りの色が見える乙羽。
一方、身体を密着させて乙羽の脇腹へ拳を叩き込んでいく愛里。
バシッ・・・バシッ・・・
音を立てて炸裂する脇腹へのパンチ。殴られる度に乙羽の表情が苦痛に歪んだ。
堪らず乙羽がヘッドロックに持ち込むと、愛里がバックドロップで切り返す。
バッシーン・・・
バックドロップを受けて後頭部からマットに叩き付けられて苦しい乙羽。
愛里が素早くマウントポジションを奪うと、乙羽の動きを封じていく。
マウントポジションを奪われて焦る乙羽。激しく返そうと動くが、愛里が上手く押さえ込んで、乙羽はスタミナを消耗していく。
全身から汗を流しながら逃れようと必死な乙羽。
呼吸を荒げる乙羽に、愛里は素早く立ち上がって構えた。
乙羽が立ち上がろうとすると、愛里は牽制する様に蹴りを放つ。
当たらない蹴りに乙羽は警戒しながら立ち上がろうとタイミングを見ていると、誘うように愛里が手招きしていく。
愛里の挑発に立ち上がる乙羽。
構える乙羽。しかしスタミナを相当消耗しているのか、呼吸が荒くなって苦しそうな表情を浮かべている。
対して愛里は余裕の表情で構えて、乙羽に軽くローキックを放っては距離を置いていく。
バシッ・・・バシッ・・・
蹴られて嫌がるように前蹴りで抵抗する乙羽。
しかし愛里は踏み込んで顔面へパンチを放つと、乙羽の顔面に左右のパンチが炸裂した。
バシッ・・
「あうっ・・・ううっ・・・」
顔を殴られてフラつきながらロープ際に追い詰められる乙羽。
愛里は顔面へパンチを集中させて拳を放つと、必死に顔面をガードする乙羽。
ボディがガラ空きになったからと、狙ったように愛里のキチンシンクが炸裂すると、乙羽が身体をくの字にして動きが止まった。
柔らかいお腹への強烈な膝蹴りに、あまりの苦しさに動きの止まる乙羽。
ガードが下がったからと、愛里が一気に顔面へパンチを叩き込んでいくと、乙羽は堪らずコーナーに追い込まれていく。
顔をガードしようとする乙羽に、愛里が踏み込んでお腹へ前蹴りを叩き込む。
ドスッ・・
「うぐっ・・うううっ・・・」
愛里の爪先がお腹へめり込むと、乙羽は苦悶の表情で座り込むようにコーナーに崩れ落ちていく。
両手でお腹を押さえて苦しむ乙羽に、愛里はセカンドロープに登ると、両手でロープを掴んでから、苦しむ乙羽の後頭部などへ蹴りを入れていく。
これには観客席からもブーイングが起きていくが、愛里はトップロープに登ってはアピールしていく。
後頭部を蹴られて苦しい乙羽がコーナーに倒れ込んでいると、愛里は容赦なく膝蹴りなどでダメージを与えたお腹にフットスタンプを叩き込む。
ドスッ・・・
「うっ・・オエェェェェェ・・・」
堪らず口から胃液の様なものを噴き出す乙羽。
愛里のフットスタンプに両手でお腹を押さえてリング上を転がるように藻掻き苦しんでいる。
レフリーも乙羽に試合続行が可能かチェックすると、乙羽はお腹を押さえながら苦しんでいた。
「い、痛いぃ・・・・痛いぃぃぃぃ・・・・」
呻き声をあげて苦しむ乙羽。
その乙羽の髪を掴んで起こしていく愛里は、グッタリする乙羽のバストへ膝蹴りを入れると、続けて座り込むようにダウンする乙羽を倒してから、一気にマウントポジションを奪ってから顔面へパンチを落としていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「痛いっ・・・いやあっ・・・痛いぃぃぃぃ・・・」
お腹、バスト、顔と痛めつけられて悲鳴をあげる乙羽。
愛里の容赦ない顔面へのパンチ攻撃に鼻血を噴きだして、顔を赤く染めていく乙羽は、両足をバタバタさせて抵抗するも、愛里の勢いは止まらない。
愛里が殴るのを止めて立ち上がると、今度は強烈なストンピングを狙っていく。
ドスッ・・
「うっ・・・ううっ・・・」
お腹へ強烈なストンピングが炸裂すると、乙羽が呻き声をあげて動きを止めていく。
一方的な試合になってきて、愛里もレフリーに詰め寄った。
「まだ続けるんですか?・・・もっと痛めつけていいの?」
愛里の言葉にレフリーは続行を指示した。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に、愛里は距離を置いて水着を直していくと、乙羽も水着を直しながら立ち上がった。
しかしフラついてダメージが気になる乙羽。
鼻血を垂れ流して呼吸が苦しい乙羽。スタミナ面で更に追い込まれていく。
愛里は余裕すら感じられるが、少しずつローキックで蹴りこむと、乙羽が嫌がるように距離を置く。
バシッ・・
しかし愛里はローキックを蹴りこむと、乙羽が下を向いた瞬間にハイキックを顔面に叩き込んだ。
バッシーン・・・
ハイキックにダウンこそ免れるもフラついている乙羽。
更に後頭部へハイキックを放つ愛里。
バシィィィィ・・・・
「ああんっ・・・」
堪らず悲鳴をあげて倒れ込む乙羽。俯せの体勢でダウンすると、レフリーが試合を止めないからと愛里は髪を掴んで起こそうとする。
しかし乙羽も必死に愛里の足へ抱きつくように密着すると、愛里は上から頭部を激しく殴りつけていく。
バシッ、バシッ、バシッ・・・
殴られて苦しい乙羽。次第に一方的な展開に観客席からも試合を止めろと言う言葉も飛び出している・・・。
涙目で足に組み付いて耐えている乙羽。しかし愛里の激しいパンチの連打に朦朧としているのか、虚ろな表情になり始めた。
その殴る愛里も攻め疲れたのか、少しずつ手数が減ると、レフリーも試合を止めずに見守った。
殴る勢いが衰えると、乙羽が胴タックルの様に組み付いていくと、愛里がフロントスリーパーの様にキャッチする。
しかし乙羽が押し込む様にしていくと、愛里の身体をコーナーに押し込んだ。
愛里も首に腕を回して呼吸を整えようとするも、乙羽が膝蹴りを放っていく。
バシッ・・バシッ・・
乙羽の膝が愛里の足へ炸裂すると、愛里は嫌がるように藻掻いていく。
乙羽の反撃に観客席が盛り上がると、乙羽も必死に膝蹴りから何かを仕掛けようとする。
しかし愛里が首から腕を放すと、素早く髪を鷲掴みにして顔面を膝蹴りで蹴り上げる。
ゴキッ・・
「あっ・・う・・・」
顔面への強烈な膝蹴りを受けて乙羽がマットに崩れ落ちると、俯せ状態で倒れ込む乙羽の後頭部などへストンピングを叩き込む愛里。
乙羽が何も出来ないまま蹴られていると、ここでレフリーが愛里を止めて試合を終了させるのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが響き渡ると、愛里は不機嫌そうな表情を浮かべながらレフリーに手を挙げられていく。
『勝者、仲島愛里っ!』
勝った愛里の足元では、乙羽に対してリングドクターなどが応急処置をしていくと、担架が呼ばれて乗せられていく。
顔の血は拭き取られて、胸の谷間などに流れ落ちた血はそのままで、ビキニ姿のまま担架で運ばれていく乙羽。
その乙羽に対して、先輩の意地を見せた展開などに、観客席からは拍手が送られるのであった。




第29試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、美女トーナメント準決勝第1試合の藤原紀華と長沢まさみ。
紀華は胸の谷間をアピールする様な白いワンピース水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、観客にアピールする様に片手を挙げてコーナーに進んでいく。
対してまさみは黄色い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、紀華と視線を合わせる事もなく一礼してコーナーに進んでいった。
ワンナイトトーナメントだけに、紀華も順調に試合は勝ち続けるもスタミナが心配されたが、控え室ではスタミナ回復為に色々と取り入れている様子。対して年齢では有利のまさみも、予選での試合結果からも苦しい状態での準決勝戦で、相手は紀華が相手と言う事で、苦しい試合が予想されるが泣き言も言っていられないのが地下プロレスのリング。
そして準決勝戦第1試合のコールが始まると、試合を期待している観客達から大歓声が起きていく。
『2012美女トーナメント準決勝第1試合・・・青コーナー〜・・・身長171p、上から88、60、89・・・藤原紀華〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする紀華。一晩での多くの試合を消化する事には慣れないも、余裕の表情を浮かべている。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から84、57、83・・・長沢まさみ〜っ!』
そしてコールを受けるまさみは、観客席に向かって一礼していくと水着を気にしながらコーナーに寄りかかっていく。トーナメント戦だけに、全身に予選でのダメージを伺わせる内出血などが見えるまさみの身体。しかし紀華相手の試合に気合いを入れる様に身体を叩いていくまさみ。
そしてレフリーが早くも試合開始のゴングを要請した。
『カァーン!』
ゴングが打ち鳴らされると、まずはコーナーから飛び出して睨み合う紀華とまさみ。
格闘技戦の様にガードを上げて構える紀華。
対してまさみはプロレス的にガードを下げているも、紀華との距離を注意深く見つめている。
距離が詰まると、まずは紀華がが軽くローキックを放つと、まさみも足を浮かせてガードしていく。
更にローキックを放つ紀華に、まさみもローキックを返した。
早くも緊張感が高まるリング上。
ガードを固めた紀華が左右のローキックを放つと、距離を詰めて左右の掌打を放つ。
バシッ、バシッ・・・
まさみもガードするも、ガードの上から衝撃を受けていく。
更にローキックが炸裂すると、一瞬バランスを崩すまさみ。紀華はその瞬間を逃さずに首相撲の体勢に持ち込むと、膝蹴りを狙うがまさみが組み付いていく。
組み付かれて膝蹴りを出せない紀華。そのまま縺れていると、レフリーが割って入った。
『ブレーク・・・ブレーク・・・』
レフリーの指示に離れる紀華とまさみ。お互い呼吸を整えながら距離を置くと、レフリーが続行の指示を出す。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出る紀華。まさみもガードを上げていくと、紀華の伸びるようなミドルキックが脇腹に炸裂した。
バッシーン・・・
「うっ・・・」
堪らず呻き声みたいな声を漏らすまさみ。
更にローキックが炸裂すると、嫌がるようにガードを固めて距離を置くまさみ。
牽制する様にハイキックを紀華が放つと、まさみはガードしてからタックルを仕掛けた。
上手く組み付いていくと、紀華もロープに逃れようとするがまさみも倒そうとしていく。
そしてテイクダウンを奪うも、ロープが近く紀華の足がロープに伸びた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
ロープに逃げられてしまったまさみだが、テイクダウンする時に紀華の身体をマットに叩き付けてダメージを与えていた。
水着を直しながら立ち上がる紀華。まさみも呼吸を整えながら立ち上がっていくと、試合は続けられていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく紀華とまさみ。
今度は紀華から前に出ると、左右の張り手を放つもまさみが避けると、逆に紀華の頬に強烈な張り手を叩き付けた。
バシィィィィ・・・・
張り手を受けて動きの止まる紀華に、まさみは飛び込む様にキチンシンクを叩き込む。
ドスッ・・
「うっ・・ううっ・・」
紀華のボディを容赦なく襲うまさみの膝。これには紀華が苦悶の表情を浮かべてお腹を押さえている。
動きの止まった紀華に、まさみはヘッドロックで締めていくと、紀華も必死にロープに振っていく。
ロープから戻ったまさみは、何か仕掛けようとする紀華に対してボディアタックを仕掛けた。
バッシーン・・・
倒れ込むようにしてフォールの体勢に持ち込むまさみ。
『ワン・・・ツー・・・』
レフリーのカウントが進むも、紀華が返していく。
返されると、まさみが紀華の腕を掴んで関節を狙うと、紀華も必死に藻掻くように逃れていくが、俯せ状態になったところへまさみがチョークスリーパーを仕掛けると、喉元を締め上げられて苦悶の表情を浮かべる紀華。
しかしロープに手を伸ばして逃れると、まさみは悔しがっている。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示にまさみが放して立ち上がると、紀華も水着を直しながら立ち上がっていく。
『ファイト!』
レフリーの続行の掛け声に距離を詰めていくまさみと紀華。
紀華がガードを固めると、まさみが左右の張り手を放つ。
まさみの張り手をガードすると、紀華がローキックを返した。
バシッ・・
ローキックを受けて左右の掌打を放つまさみ。これには紀華がガードしてローキックを返す。
紀華のローキックを待っていた様に蹴り脚にタックルを仕掛けるまさみ。
まさみのタックルにグラウンド状態に持ち込まれていく紀華。両足でまさみの身体を挟もうとするも、まさみが素早くサイドポジジョンを奪った。
紀華の動きが止まると、まさみがサイドポジションから脇腹に軽くパンチを入れると、腰を浮かせて膝蹴りを狙う。
しかし紀華も身体を密着させて膝蹴りからガードすると、まさみは体重を掛けてスタミナを奪おうと狙っていく。
紀華が嫌がるようにロープに逃れようと体勢を入れ替えようとするが、まさみも上手くサイドポジションから押さえ込んでいる。
体重を掛けられて、スタミナの消耗が気になる紀華。全身から汗が滲み出ていると、まさみもサイドポジションから押さえ込むだけで、スタミナを奪おうとしている展開。
そして紀華の動きが鈍り出すと、まさみが一気に腕を狙っていくも紀華も堪えてロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの支持に悔しがるまさみ。
対して紀華は呼吸を荒げながら水着を直して立ち上がっていく。
『ファイト!』
レフリーの続行の支持にまさみが前に出ると、紀華はガードを固めていく。
まさみが左右の張り手で牽制すると、ローキックから組み付いていくと、紀華もお腹にパンチを入れて抵抗していく。
パンチを受けて、まさみがサイドヘッドロックで紀華を締め上げると、ロープに振る事もバックドロップで返す事も出来ない紀華が苦悶の表情を浮かべている。
スタミナを奪おうとまさみが締め上げるも、まさみ自身もトーナメント戦と激しい試合の連続に苦しそうな表情を時折浮かべている。
紀華がバックドロップを狙って身体を密着させるも、まさみは投げられないように踏ん張っていく。
更にそのままブルドッキングヘッドロックを仕掛けると、紀華をマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
これには紀華が苦悶の表情を浮かべて俯せでいると、まさみは立ち上がると背中にストンピングを入れてから、髪を掴んで起こしていく。
起こすと卍固めを仕掛けるも、紀華が腰を落として逃れた。
技が極められないまさみは、腰を落とした紀華のバックを奪うと、今度はサーフボードストレッチを仕掛けていく。
グイッ・・・
「ギブアップ?」
まさみが激しく紀華に問いかけると、紀華は胸の谷間を揺らしながら耐えていく。
「ノォォォォ・・・ノォォォォォ・・・・」
必死に耐えている紀華。まさみの技の連発に苦しい状態が続く紀華。
耐える紀華を技から解放すると、紀華は呼吸を荒げて俯せ状態になっていくと、豊満なバストもマットに押しつけられてひしゃげていく。
その紀華の髪を掴んで起こしていくまさみは、一気に大技の卍固めを仕掛けようとすると、紀華も押し込む様にロープ際に縺れ込んだ。
紀華もロープを掴んでいくと、まさみは突き放そうとするも、レフリーが2人を分けた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
呼吸を整えながら立ち上がる紀華。まさみも水着を直しながら距離を置くも、攻め続けていたのでスタミナの消耗が激しく苦しそうな表情も浮かべている。
『ファイト!』
レフリーの指示に前に出る紀華。まさみも前に進むも、表情からも疲れが見えている。
バシッ・・・
距離が詰まると紀華がローキックを放つと、まさみは苦悶の表情を浮かべた。
更に狙う紀華に、まさみも張り手を放つ。
しかし紀華が一気にタックルで組み付いていくと、上手くテイクダウンを奪って組み付いた。
素早くサイドポジションを奪うと、一気に腰を浮かせて膝蹴りをボディに叩き込む紀華。
ドスッ・・ドスッ・・
「うっ・・ううっ・・・」
呻き声の様な悲鳴をあげて苦しむまさみ。脇腹への鋭い膝蹴りがダメージを与えていく。
この辺は経験の差から、逆襲も上手い紀華。苦しむまさみを横向きにすると、お腹へ鋭い膝蹴りを叩き込む紀華。
ドスッ・・・ドスッ・・・
「ぐふっ・・うううっ・・・ううっ・・・」
お腹への強烈な膝蹴りに動きの止まるまさみ。
紀華が立ち上がると、お腹を押さえて立ち上がれないまさみのヒップにサッカーボールキックを叩き込むと、髪を掴んで起こしていく。
ロープに押しつけて、キチンシンクで更にお腹へ膝蹴りを入れていく紀華。
ドスッ・・
「うっ・・・うぐぐぐっ・・・」
強烈なキチンシンクに両手でお腹を押さえて座り込む様にダウンするまさみ。
紀華もスタミナを考えて勝負に出ようと、執拗なお腹責めでまさみの動きを止めていく。
更に紀華が髪を掴んで起こそうとすると、座り込む様にダウンしたまさみが紀華のお腹にグーパンチを叩き込んだ。
ドスッ・・
「うっ・・」
一瞬、紀華の表情が苦痛に歪むも、逆に額にグーパンチを叩き込んだ。
ゴキィィィ・・・
「きゃああぁぁぁ・・・」
額を殴られて絶叫するまさみ。更に紀華が額にパンチを入れると、無理矢理髪を掴んだまま起こしていくと、バックを奪ってチョークスリーパーを仕掛けた。
グイッ・・
逃れようと藻掻くまさみだが、完全にチョークスリーパーを極められて動きが鈍りだした。
紀華も左右に揺さぶりながら極めていくと、両腕を振りながらもまさみの腰が落ちていく・・・・。
座り込む様になったら紀華がグラウンドに持ち込むと、両足で身体を挟むようにアナコンダスリーパーで締め上げていく。
レフリーがまさみにギブアップの確認をすると、まさみの反応がなく紀華は締め上げていく。
レフリーも失神したと判断して試合を止めようとすると、紀華が技を解いていく。
グッタリとマットに横たわるまさみ。完全に失神状態に見えるが、レフリーも止めるか迷っていると、紀華が髪を掴んで起こそうとする。
しかし脱力しているまさみを起こすのは紀華も苦しいからと、俯せにしてからキャメルクラッチを仕掛けた。
まさみの顎に両手をかけて反らしていく紀華。
上半身を反らされて何も抵抗も出来ず、失神寸前のまさみは時折足をバタつかせていく。
紀華も揺さぶり出すと、まさみは激痛に何も出来ずに涙を浮かべていく展開。
レフリーもギブアップを確認するも、まさみが苦しんでいる展開に、試合を止めるか迷っている様子。
『ギブアップ?・・・長沢、ギブアップ・・・試合を止めるぞ?
レフリーの問いかけに涙を流して耐えるまさみ。しかしレフリーに反応がないと言う事で、レフリーがゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが鳴らされると、紀華が技を解いて立ち上がった。
『勝者、藤原紀華っ!』
リングアナのコールに紀華は片手を挙げてアピールすると、負けたまさみは悔し涙を流している。
試合途中、紀華を追い込めたまさみだけに勿体ないが、やはり経験の差などまだまだ課題の残るまさみであった。
こうして紀華が決勝戦に進む事が決定したが、果たして対戦相手は誰になるのか・・・。



第30試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、トーナメント戦を勝ち上がってきた香理奈と大池栄子。
しかしトーナメントの激戦から、栄子はスタミナを相当消耗している様子。対して香理奈は顔面への踏み込み式のストンピングに顔を腫らせていて、目の近くなど腫れて視界など心配されるも試合は構わず行われていく・・・。
しかし栄子は元プロレスラーの夫の借金問題もあり、多くの仕事が来る様にとこのトーナメントにはヒールファイトでも何でも優勝を狙っている様子。果たしてどんな試合が展開されのるのか・・・。
ゆっくりとリングに上がる栄子と香理奈。栄子は黒い胸の谷間を強調したワンピース水着、香理奈は白い競泳水着に手にはオープンフィンガーグローブを着けてのリングイン。
『美女トーナメント準決勝第2試合を行います!・・・青コーナー〜・・・身長163p、上から91、59、87・・・大池栄子〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする栄子。疲れは見えるも準決勝戦に気合いを入れている様子。
『赤コーナー〜・・・身長165p、上から80、58、88・・・香理奈〜っ!』
そしてコールを受けた香理奈が両手を挙げてアピールしていく。しかし顔の腫れなどダメージが大きそうで、苦しい試合が展開される事が観客にも予想できた・・・。
お互いがコーナーでゴングを待つ状態となると、観客席からも歓声が上がっていく。
盛り上がりを見せる会場内に、試合開始を告げるゴングの音が鳴り響いた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出す栄子。対して香理奈は冷静にゆっくりと前に出て行く。
栄子も香理奈の打撃を警戒してガードを上げると、香理奈は軽くジャブを放って距離を計っていく。
距離が詰まると栄子がタックルを仕掛けるも、香理奈が上手く潰していく。
グラウンド状態で潰されている栄子。香理奈はバックを奪おうと体勢を入れ替えていくと、栄子が四つん這いからロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーがロープとアピールして香理奈を離していくと、栄子も水着を直しながら立ち上がった。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出る香理奈。
栄子も構えていると、香理奈が踏み込んでハイキックを放つと、ガードが甘い栄子の顔面に炸裂。
バシィィィィ・・・
ハイキックを受けてフラつく栄子に、香理奈が一気に前に出て顔面へ左右のパンチを叩き込む。
バシッ、バシッ・・・
「あうっ・・くっ・・・」
オープンフィンガーグローブを着けているから顔面パンチが認められている香理奈。殴られてフラつきながらガードを固める栄子。
更にミドルキックが脇腹に決まると、栄子の表情が苦痛に歪んだ。
動きの止まる栄子に対して、香理奈が首相撲に捉えてから膝蹴りを叩き込むと、堪らず栄子がマットに崩れ落ちていく・・・。
ドスッ・・
「うっ・・・うううっ・・・」
呻き声みたいな悲鳴をあげてマットに崩れ落ちると、栄子は転がるようにリング下に逃れていく。
リング上では香理奈も呼吸を整えるも、体格差のある栄子への攻めにスタミナの消耗が大きい様子。
膝蹴りを受けた部分を押さえながら、栄子がリングサイドを呼吸を整えながら進むと、リング上の香理奈も睨み付けている。
そして栄子がリング上に戻ろうとすると、ロープ際で香理奈が挑発していく。
しかしレフリーが離して栄子をリングに戻すと、ここで試合が続けられた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰める香理奈。
栄子も香理奈の打撃を警戒してガードをあげると、香理奈が素早くタックルを仕掛けた。
打撃を警戒していた栄子がバランスを崩してテイクダウンを許すと、香理奈は素早く腕を狙っていく。
抵抗する栄子の腕をキャッチして腕拉ぎ逆十字固めを極めるも、ロープが近く栄子の足がロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの掛け声に香理奈が技を解くと、ゆっくりと立ち上がって距離を置いていく。
対して栄子も水着を直しながら立ち上がると距離を置いてから、レフリーが試合を続けさせた。
距離が詰まると、香理奈が軽くジャブで牽制していくと、栄子も張り手を振り回すも避けられていく。
逆にローキックからハイキックと打撃で攻める香理奈。蹴りを受けて苦しい栄子。
ガードを上げている栄子に、香理奈は下から崩そうとローキックを連発していく。
バシッ・・バシッ・・
「うっ・・・くっ・・・」
ローキックを受けて苦しむ栄子。太股なども内出血を起こして痛々しい姿で耐えている。
更に香理奈がミドルキックからハイキックと打撃技で前に出ると、栄子がコーナーに追い込まれていく。
コーナーを背にする栄子に、香理奈は距離を詰めてお腹にパンチを叩き込んだ。
バシッ・・バシッ・・
「うっ・・」
ボディブローに苦悶の表情を浮かべる栄子。
反撃とばかりに同じく香理奈のお腹を殴りつけると、香理奈の動きが一瞬止まった。
「お返しだよ!」
栄子が叫ぶと、そのまま香理奈の髪の毛を鷲掴みにしてから、コーナーポストに顔面を叩き付けていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
「ああん・・・ううっ・・・うっ・・・」
顔面をコーナーポストに叩き付けられて苦しむ香理奈。
しかし香理奈もトップロープを掴んでいくと、逆に栄子の顔面にパンチを叩き込む。
バキィィィィ・・・
香理奈のパンチが鼻を直撃すると、栄子が鼻血を噴きだしていく。
動きの止まった栄子に、香理奈はコーナーに押し込んで膝蹴りを連打していくと、必死にガードする栄子がダメージから崩れるように座り込んでしまった・・・。
その崩れ落ちた栄子に、顔面狙いのサッカーボールキックを叩き込む香理奈。
バッシーン・・・
これには栄子が顔面を押さえたまま、転がるようにリング下に逃れていく。
リング下でグッタリと顔面を押さえる栄子。香理奈は水着を直すとリング下に降りていってから、グッタリする栄子にバックマウントを奪うと、脇腹などへパンチを入れていく。
バシッ・・バシッ・・
痛々しく殴られていく栄子。堪らず顔面だけはガードしようと両手でガードするが、香理奈は脇腹などボディへのパンチを入れていく。
苦し紛れに藻掻く栄子。香理奈が立ち上がると、起き上がろうとする栄子の顔面にハイキックを狙うも栄子が運良く避けた。
逆に栄子がタックル気味に組み付いて抱え上げると、香理奈を場外のマットの上に叩き付けた。
バシィィィィ・・・
勢いよく叩き付けられて呼吸が一瞬止まるような感覚に苦しむ香理奈。
その香理奈に、栄子は跨るようにしてから飛び上がってヒップドロップを落としていく。
ドスッ・・
「ぐえっ!」
お腹に加えられた圧力に藻掻き苦しむ香理奈。口をパクパクして苦しむ香理奈に、栄子は髪を鷲掴みにして起こしていくと、今度はエプロンサイドに顔面を叩き付けてから、近くの鉄柱に額から叩き付けた。
ゴキィィィィ・・・
「ああんっ・・・」
鉄柱攻撃を受けてグッタリと倒れ込む香理奈。
鼻血を出されて頭に来ている栄子は、更に起こしてから鉄柱攻撃を仕掛けていく。
ゴキィィィィ・・・
額を鉄柱に叩き付けられて香理奈がフラフラしていると、栄子がリング上に香理奈を上げていく。
そして近くのコーナーポストカバーを外して金具を剥き出しにしていくと、倒れている香理奈の額にストンピングを叩き込んでから髪を掴んで起こしていった。
そして剥き出しにした金具に近づくと、香理奈の額を叩き付ける栄子。
ゴキィィィ・・・
「きゃああぁぁぁぁ・・・」
額を金具に叩き付けられて激痛に絶叫する香理奈。
会場内からはブーイングが起きているが、栄子は関係ないとばかりに叩き付ける。
ゴキィィィ・・・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・・」
香理奈が悲鳴をあげると、額が割れて端正な顔に血が流れ落ちていく。
コーナーで座り込んで痛がる香理奈に、栄子は観客席に拳をアピールしていくと、観客席からはブーイングが起きていく。
しかし香理奈の髪を掴んでから、握りしめた拳で傷口を殴りつけていく栄子。
ゴキィィィ・・・バキィィィィ・・・
「きゃああぁぁぁぁ・・・」
またもリング上に響き渡る香理奈の悲鳴。流血も酷くなる中、レフリーが素手での顔面パンチに反則だからと栄子を止めていく。
栄子が離されていくと、レフリーが香理奈の傷口をチェックするも、香理奈は試合続行を望んでいるから試合は続けられていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出る香理奈。しかし流血で目に血が入って視界を奪われて苦しい展開。逆に流血戦に持ち込んだからと、有利に試合を進めたい栄子。
香理奈も距離を置いていると、栄子がいきなり走り出してラリアットを顔面に叩き付けた。
バッシーン・・・
これには香理奈が大の字にダウンすると、栄子は観客を煽りながら髪を掴んで起こしていく。
すると香理奈がパンチから組み付いてスープレックスを狙うも栄子の体重に投げられないと、逆に栄子がロープに押し込んでいく。
エルボースマッシュからボディスラムでマットに香理奈を叩き付けると、余裕のエルボードロップを仕掛けるも香理奈が転がるように避けて自爆。
今度は香理奈がスリーパーを狙うも栄子がロープに逃げると、香理奈は立ち上がりながら額を気にして距離を置いていく。
栄子も水着を直しながら立ち上がると、香理奈との距離を計っていくのであった。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく栄子。香理奈は前蹴りから距離を計ると、顔面狙いのハイキックを放った。
そのハイキックに栄子がキャッチするようにドラゴンスクリューを決めると、香理奈の身体がマットに倒れ込んだ。
グイッ・・
「痛いっ・・・・」
堪らず声をあげる香理奈。いきなりドラゴンスクリューを仕掛けられて、足を捻られてダメージを負った様だ。
蹴り足を倒れ込んだまま押さえて痛がる香理奈に、栄子は痛めた足へストンピングを叩き込んでいく。
バシッ・・バシッ・・・
「おらっ・・おらっ・・・」
「痛いっ・・・ああっ・・・」
動きの止まった香理奈に、栄子はアピールする様にパイルドライバーを仕掛けると、ゆっくりと逆さにしていく。
そして脳天からマットに叩き付ける栄子。
ドスッ・・
「あうっ・・・」
声を漏らしてグッタリしていく香理奈。
動きの止まった香理奈を見て、栄子は近くのトップロープに登っていく。
そしてグッタリしている香理奈のお腹を狙って、市河由衣にも仕掛けたトップロープからフットスタンプを放った。
ドスッ・・
「うっ・・・ホゲェェェェェ・・・・」
揃えられた両足をお腹に受けて、香理奈は目を見開いて悲鳴と共に反吐を噴き上げた。
額から出血、口から噴き上げた吐瀉物で端正な顔を汚してヒクヒクする香理奈。
栄子は余裕を持って顔面を踏みつけてフォールすると、レフリーのカウントが響く。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・・』
しかし香理奈が肩を上げると、観客席からは大歓声が起きていく。
「これで終わりにしてやる・・・」
栄子も呼吸を荒げながら香理奈の髪を鷲掴みにして起こしていくと、両手で髪を掴んで一気に顔面からマットに叩き付けるフェイスバスターで香理奈の顔面を叩き付けた。
バッシーン・・・
「んああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
顔面からマットに叩き付けられて絶叫する香理奈。
その香理奈を睨み付けると、栄子がトップロープに登っていった。
そして苦しむ香理奈が仰向け状態になると、お腹へ2発目のフットスタンプを落としていく。
ドスッ・・・
「うっ、ウゲェェェェェ・・・・」
2発目のフットスタンプに胃液の様な吐瀉物を吐き出した香理奈。スレンダーな香理奈のボディに栄子の体重が落とされて、残酷そのものの展開のリング上。
身体を丸めてお腹を押さえて呻き声をあげる香理奈。
栄子はゆっくりと髪を掴んで起こしていくと、香理奈は苦悶の表情で苦しんでいる。
大技で仕留めようとする栄子は、ゆっくりと何かを狙うと、いきなり香理奈がバックを奪うと逆さ押さえ込みを仕掛けた。
『ワン・・・ツー・・・』
驚きの栄子が返していくが、まさかのフットスタンプで反吐を吐かせた後の反撃に驚きを隠せない。
しかしスリーカウントを奪えなかった香理奈も、精一杯の反撃に動く事ができなかった。
栄子は立ち上がると、倒れ込んでいる香理奈にヒップドロップを叩き込むと、そのまま両肩を押さえてフォールした。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィ・・・・』
ここで余裕のスリーカウントが決まると、栄子の決勝戦進出が決まるのであった。
『勝者、大池栄子っ!』
リングアナにコールされ、レフリーに手を挙げられていく栄子。しかし激闘の連続で流石の栄子の表情も疲れ切っていた。
対して香理奈はリングドクターに応急処置を受けると、担架に乗せられてリングを後にするのであった。



第31試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、人気女子アナの田仲みな実。数々の女子アナも激しい取っ組み合いをを展開したきた地下プロレスのリングに、遂に人気女子アナの田仲みな実が登場して、観客席からは大歓声が起きていた。
異様な雰囲気と大歓声の騒がしさに動揺を隠せないみな実。白い競泳水着に白いリングシューズ姿でコーナーに進んでいくと、コーナーに寄りかかるも落ち着かない様子のみな実。
そのみな実の対戦相手としてリングインするのは、同じく女子アナの加東真輝子。みな実と同じ白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、みな実と同じく地下プロレスの雰囲気に飲まれているのか落ち着きがなく緊張した表情でコーナーに進んでいく。
今回の試合は特別試合と言う事で、主催者側も引き分けを狙って10分1本勝負と言うマッチメーク。みな実も真輝子もプロレスの練習をしてきた様子だが、局アナ同士で引き分けでなく勝利したいと言う気持ちを抱く真輝子。
一方、反対コーナーの真輝子を見て女子アナ対決と言う事で、バラエティの延長で考えているみな実は、適当に取っ組み合いして終わりと呑気に思っているが、観客の前での水着姿には恥ずかしさを隠せない。
『特別試合、女子アナプロレス対決マッチを行います!』
リングアナのコールに大歓声に包まれるリング上。あまりの盛り上がりに緊張を隠せない真輝子とみな実。
『青コーナー〜身長160p、26歳・・・加東真輝子〜っ!』
コールを受けて一礼していく真輝子。下手なタレント顔負けのルックスに観客達も興奮していく。
『赤コーナー〜身長153p、25歳・・・田仲みな実〜っ!』
コールを受けて笑顔を浮かべて片手を挙げてアピールするみな実。まるでアイドルの様な振る舞いに観客席が盛り上がった。
コールが終わると、水着を気にしながらも身体を動かしてゴングに備える真輝子とみな実。
レフリーがリング中央に呼び出すと、ルールの確認がされていく中、身長差のある2人は睨み合っていく。
真輝子はアイドルぶっているみな実からギブアップ勝利をしたいと思っていると、みな実は10分を我慢して取っ組み合って終わりと考える。
ルールの確認が終わると、お互いがコーナーに別けられてからゴングを待った。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、同時に試合時間のカウントが始まった。
ゴングと同時に真輝子がコーナーから飛び出すと、反対コーナーのみな実にドロップキックを放った。
バッシーン・・・
「イッターイ!」
打点こそ高くはないドロップキックがみな実のお腹を抉ると、みな実が悲鳴をあげた。
「起きなさいよ!」
真輝子が素早く立ち上がると、みな実の髪を掴んで起こしていく。
そしてヘッドロックに捉えていくと、みな実もロープに振っていった。
ロープから戻る真輝子に、みな実もお返しとばかりのドロップキックを放った。
バッシーン・・・
ドロップキックを受けて倒れ込む真輝子。しかし素早く立ち上がると、みな実も立ち上がっていく。
みな実がお返しとばかりにヘッドロックに捉えると、真輝子がロープに振っていくと、みな実がロープから跳ね返ってくると、真輝子の鋭いドロップキックが炸裂した。
バッシーン・・・
「きゃああぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげてダウンするみな実。真輝子の鋭いドロップキックに威力に痛がっている。
そのみな実に真輝子はストンピングを叩き込んでいくと、髪を掴んで起こしていく。
そして水平チョップからエルボースマッシュを叩き込むと、打撃技に痛がるみな実。
フラつくみな実は、お返しにとエルボースマッシュを返すも、真輝子がヘッドロックで押さえつけていく。
藻掻くみな実をそのままブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けると、みな実の悲鳴がリング上に響き渡った。
バシィィィィ・・・
「痛いぃぃぃぃぃ・・・んああぁぁぁぁぁ・・・」
マットに叩き付けられてから両足をバタバタと激しく動かしながら悲鳴をあげるみな実。
一方険しい表情で素早くキャメルクラッチの体勢に持ち込んでいく真輝子。
グイッ・・・
「痛いならギブアップしなさいよ!」
「イタ〜い・・・」足をバタバタして痛がるみな実。
顎に掛けた両手を揺さぶってみな実を痛めつけていく真輝子。
必死に耐えていくみな実は、全身から汗を噴き出しながらもギブアップだけはしないと耐えていく。
耐えるみな実に真輝子が技を解くと、立ち上がってヒップにストンピングを叩き込むと、インディアンデスロックを仕掛けるもみな実がロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーがロープだからと真輝子を止めていくと、真輝子は立ち上がって水着を直しながら距離を置いた。
一方、みな実も水着を気にしながらも立ち上がると、ここで試合開始から5分が経過した事が告げられていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に真輝子が前に出ると、みな実がドロップキックを仕掛けるも、真輝子が払い落とすように避けていく。
マットに倒れ込むみな実が立ち上がろうとすると、真輝子がヘアーホイップでマットに叩き付けると、続けてスリーパーで締め上げていく。
グイッ・・
「ううっ・・ううっ・・」
締め上げられて呻き声の様な声を漏らすみな実。
真輝子も締め上げていくと、みな実はスタミナを奪われて額からは汗を流しながらギブアップ寸前と言う表情を浮かべている。
「ギブアップするの、まだ我慢するの?」
耳元でギブアップを迫るように囁く真輝子。
しかしみな実はギブアップ寸前と言うのは間違いなくても、締め上げられて声があまり出せず苦しい展開。
そして真輝子がスリーパーを解くと、苦しむみな実を仰向けに倒してから、両足を抱え込んだ。
「い、いや・・・」
「何時までもブリッコしてるのよ、今夜はプロレスなんだから覚悟しなさいよ!」
真輝子が言い放つと、一気にステップオーバーして逆エビ固めを極めていく。
グイッ・・・
「いやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
逆エビ固めが極まると、全身に走る激痛に絶叫するみな実。
真輝子が腰を落としていくと、更にみな実の身体には激痛が走った。
「痛いなら痛いって言えばいいでしょう、背骨が折れちゃうかもよ!」
意地悪く揺さぶる真輝子。
「い、痛くないもん・・・こ、こんな技・・・」
涙目で強がるみな実。しかし真輝子が揺さぶると強がりは一瞬で現実に戻されていく。
「あああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・い、痛いぃぃぃぃ・・・いやああぁぁぁぁぁぁ・・・」
「どうしたのよ、痛くなかったんじゃないの、田仲さん?」
真輝子が腰を落として極めていくと、みな実が泣きながら耐えていく。
泣き顔のみな実に観客席からは大歓声が起きていくと、真輝子も盛り上がりに揺さぶってはみな実を痛めつけた。
『試合時間残り1分!』
リングアナから試合時間のアナウンスが入ると、みな実はあと1分耐えればと泣きながらもロープに手を伸ばす。
しかし真輝子はギブアップ狙いで更に反らしていくと、みな実は遂に耐えられなくなっていく・・・。
「ぎ・・ぎ・・ぶ・・・ギブアップ・・・」
みな実の口からギブアップの言葉が飛び出すと、レフリーが試合を止めようとする。
しかし真輝子が叫んだ。
「ギブアップって言うなら、しっかりと言いなさいよ!もっと痛い目に遭わせるわよ!」
真輝子の言葉に、みな実は絶叫していく。
「ぎ、ギブアップ・・・ギブアップです!」
その瞬間、レフリーがゴングを要求した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、真輝子が技を解いて立ち上がった。
『勝者、加東真輝子っ!』
汗だくになりながらも、真輝子は地下プロレス参戦に満足げな表情を浮かべると、片手を挙げられていく。
対してみな実は泣きながら真輝子を睨み付けると、負け惜しみを口にする・・・。
「れ、練習時間もあまりなかったのに、こんなので負けて悔しい・・・」
その言葉に真輝子が返す。
「私だって時間のない中で練習してきたんだから、貴方が希望するならもう一回試合をしても良いわよ!」
その言葉に、みな実は黙ってリングを降りて控え室に消えていくのであった。




第32試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、アキバ48を卒業する前多敦子。白いスポーツビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、早くも笑顔で観客席に手を振ってアピールしていく。そして異例のセコンドではないが、地下プロレスデビューが予定されている柏樹由紀と渡邉麻友、そして地下プロレスではデビュー済みの大嶋優子が敦子と一緒に入場すると、リングサイドに座っていく。
その対戦相手としてリングインするのは、グラビアアイドルの杉元有美。スレンダーボディを黒いビキニに黒いリングシューズと言う敦子と対照的な水着でリングインすると、反対コーナーに進んで寄りかかっていく有美。
『グラビアクイーンタイトルマッチを行います!・・・・青コーナー〜・・・挑戦者・・・身長161p、上から76、60、83・・・前多敦子〜っ!』
コールを受けて一礼していく敦子。今回のグラビアクイーンタイトルへの挑戦は、アキバ48卒業記念マッチとして組まれたもので、本来ならば地下プロレスの実績からは挑戦権は与えられるはずもなかった敦子。
『赤コーナー〜・・・チャンピオン・・・身長168p、上から84、58、85・・・杉元有美〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする有美。しかし対戦相手の敦子に対して、ベルトに挑戦権があるのか疑問視しているのか、リングサイドの黒服に囁いている・・・。
「これって、グラビアアイドルとアキバ48の闘いって感じで良いんですか?」
黒服はその質問に迷うように答えた。
『このカードは事務所サイドからの圧力もあって組まれたんだ。地下リングの実績からしたらお前に不満もあるだろうけど、リング上だったら制裁でも認められるから暴れてこい・・・』
黒服の言葉に有美は黙って頷くと、試合開始のゴングを待った・・・・。
反対コーナーで敦子が落ち着かない表情で有美の顔を見たりしているが、有美は熊多曜子から奪ったベルトだけに、実力ある相手との試合を希望していただけに、敦子に鋭い視線を投げている。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、いきなり有美がコーナーから飛び出していく。
反対コーナーでゆっくりとコーナーから出る敦子に対して、いきなり喧嘩キックをお腹に叩き込む有美。
ドスッ・・
「ふぐっ・・ううっ・・」
お腹を蹴られて座り込むようにダウンする敦子。早くもお腹を蹴られてダメージを負ってしまった。
「まだ始まったばかりじゃないのよ、立ちなさいよ!」
有美が髪を鷲掴みにして起こしていくと、敦子が有美をロープに振っていく。
ロープから返ってきた有美にドロップキックを仕掛けた敦子。
バッシーン・・・
敦子のドロップキックにダウンする有美。続けて敦子がドロップキックを放つと、有美は避けて自爆させていく。
今度は立ち上がろうとする敦子の顔面にサッカーボールキックを叩き込む有美。
バシィィィィ・・・・
「あんっ・・・」
堪らず声を漏らす敦子。顔面への衝撃に動きが鈍っていく。
四つん這いになる敦子に、更にサッカーボールキックを狙う有美。
しかし蹴り足に低空タックルの様に組み付いて打撃から逃れようとする敦子。
必死に組み付いていく敦子に、有美は髪を鷲掴みにして引っ張っていく。
これにはレフリーが反則だからと有美に注意すると放していくが、敦子は足を抱えたまま倒そうとしていくが倒せない。
バランスを崩して有美が倒れ込むと、敦子は片足を掴んだまま足関節を狙う体勢になるも、プロレス技が上手く出せずに困った表情。
逆に有美はグラウンド状態から、長い足で身体をくの字にした敦子の顔面に蹴りを放った。
バシィィィィ・・・・
顔面へ蹴りが炸裂すると、掴んでいた足を放してしまう敦子。
素早く両足で敦子の足を絡めて俯せに倒していく有美は、素早くグラウンド状態でバックを奪ってスリーパーの様に腕を滑らせた。
ロープに逃れようとする敦子の顎を締め上げる有美。
しかし敦子の手がロープを掴むとレフリーが止めて放させていく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
水着を直しながら立ち上がる敦子。対して有美はビキニだからと直していくが、やはりグラビアクイーンタイトル保持者だけあって水着姿が様になっていた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離が詰まる有美と敦子。
バッシーン・・・
距離が詰まると有美が張り手を放つと、敦子が一瞬フラついた。
更に有美の激しい張り手攻撃が敦子を襲うと、堪らず敦子がガードを固めようとするも、有美が髪を鷲掴みにしてリング上で振り回していく。
「痛いぃぃぃ・・・」
髪の毛を鷲掴みにされて振り回されて悲鳴をあげる敦子。
悲鳴をあげる敦子をコーナーに押し込んでいく有美は、敦子の両腕をトップロープに乗せていく。
そしてノーガードのボディへ膝蹴りを叩き込んだ。
ドスッ・・
「ぐふっ・・・うううっ・・・」
お腹に膝蹴りを叩き込まれて崩れ落ちていく敦子。両手でお腹を押さえて苦悶の表情を浮かべている。
しかし有美はダウンを許さずに髪を掴んで起こすと、コーナーポストに顔面を叩き付けると、フラつく敦子にダブルアームスープレックスの体勢に持ち込んだ。
そして仕掛けると、投げずに前に落としていくダブルアーム式のフェイスバスターを炸裂させた。
バッシーン・・・
「きゃあああぁぁぁぁぁ・・・・」
顔面からマットに叩き付けられて絶叫する敦子。
有美が放すと敦子は顔面を押さえて転がるようにリング下に逃れると、有美もビキニを直しながらリング下に降りていく。
グイッ・・・
リング下で敦子を捕まえた有美は、そのまま鉄柵に敦子を振って叩き付けた。
ガッシャーン・・・
「きゃあああぁぁぁぁ・・・・」
鉄柵に叩き付けられて倒れ込む敦子は絶叫すると、有美は走り込んで顔面に喧嘩キックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
顔面への蹴りにグッタリと倒れ込む敦子。
グイッ・・
「休んでるんじゃないわよ、ほらっ!」
有美は髪を鷲掴みにして起こそうとすると、敦子も意地になってお腹にグーパンチで反撃していく。
バシッ・・
「何よ!」
やり返す敦子だったが、有美の怒りを買うはめになってしまった。
「何するのよ、、グラビアクイーンタイトル戦にビキニも着られない前多さん、覚悟は良いのね・・・」
有美が怒り出すと、下を向かせて首筋にエルボーを叩き込んでから、有美がリング上へ敦子を戻していく。
リング上で倒れている敦子に、有美は脇腹へストンピングを落としていくと、敦子が悲鳴をあげる。
バシッ・・バシッ・・
「あうっ・・・ああんっ・・・」
蹴られた部分を押さえて痛がる敦子に、有美は髪を掴んで起こしていくと、ロープに振っていく。
勢いよくロープから戻る敦子に、有美は腰を落として敦子のお腹に正拳突きを叩き込んだ。
ドスッ・・・
「うぐっ・・・うううっ・・・」
お腹への正拳突きに敦子は膝を着くようにダウンすると、口からは涎を垂れ流している。
苦悶の表情を浮かべて両手でお腹を押さえる敦子に、有美は観客を煽るようにアピールすると、敦子を起こしてからロープ際に押し込んでいくと、両腕をトップロープとセカンドロープに絡めて磔状態にしていく。
そして嫌がる敦子のノーガードのボディに、距離を詰めて左右のボディブローを叩き込んでいく有美。
ドスッ、ドスッ・・・バシッ、バシッ・・・
「うっ・・うぐっ・・・ううっ・・う・・えっ・・・」
お腹への容赦ないパンチ攻撃に涎を垂らして苦しむ敦子。
流石にレフリーも有美を止めていくと、観客席からは歓声が起きている。
更に有美は反対コーナーに走り出すと、勢いをつけて敦子のお腹にドロップキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「うっ・・ぐえっ・・・」
お腹への強烈な衝撃に堪らず胃液の様なものを垂れ流す敦子。
口から胃液の様な物を垂れ流しながら、ロープから腕が外れて前のめりにダウンする敦子。レフリーが敦子の様子をチェックするも、敦子は試合続行を訴えた・・・。
「ま、まだまだ・・・負けないわ・・・」
サードロープを掴んで起き上がろうとする敦子に、有美はヒップにストンピングを叩き込んでいく。
バシッ・・
「あんっ・・・んあっ・・」
ストンピングを叩き込まれて痛がる敦子。
必死にロープを掴んでアピールすると、レフリーが有美を離して敦子を立たせていく。
フラつきながら水着を直して立ち上がる敦子は、有美との距離を置いて睨み付ける。
有美も少し笑みを浮かべると、片手を出して力比べを誘うように距離を詰めていく。
有美の誘いに敦子が手を伸ばすと、有美が敦子の足を蹴ると、続けて水平チョップからロープに振っていく。
勢いよくロープから戻ってきた敦子に、有美がドロップキックを叩き込む。
バッシーン・・・
ドロップキックを受けて転がるように倒れ込む敦子。
グイッ・・・
更に髪を掴んで無理矢理に起こしていくと、ヘッドロックで締め上げていく有美。
敦子が反撃できないと、有美は走り込む様にブルドッキングヘッドロックでマットへ叩き付けた。
バッシーン・・・
「ああぁぁぁぁぁ・・・」
マットに叩き付けられて悲鳴をあげる敦子。苦しむように俯せ状態で痛がっていると、有美が両足を押さえてインディアンデスロックを極めていく。
泣きそうな表情でロープに手を伸ばす敦子。
しかし有美が弓矢固めを仕掛けると、両手を振るように藻掻く敦子。
有美がグイグイと揺さぶると、全身に走る激痛に藻掻き苦しむ敦子に、レフリーがギブアップの確認をするも、敦子は必死に耐えていく。
『前多っ、ギブっ?・・・ギブアップ?』
レフリーの問いかけに必死で耐える敦子。
「ノォ、ノォォォォ・・・・」
耐える敦子から技を解いて放す有美。
素早く立ち上がると、俯せで苦しむ敦子が立ち上がるのを待つ様に距離を置いていく。
敦子が手を突きながらゆっくりと立ち上がろうとすると、狙った様に有美がヒップに鋭いキックを叩き込む。
バシッ・・
「あんっ・・・」
堪らず声を漏らす敦子。
続けて顔面へキックが炸裂すると、崩れ落ちる様にマットにダウンする敦子。
バッシーン・・・
俯せ状態で顔面を両手で押さえて痛がっている敦子に、有美は髪を掴んで起こしていく。
敦子も意地を見せてお腹へのパンチで反撃を見せるも、有美が膝蹴りをお腹に入れてまたも座り込む様にダウンする敦子。
「うっ・・ううっ・・」
お腹を両手で押さえて苦しむ敦子。有美は観客席を煽るようにして盛り上げて距離を詰めた。
そして顔面狙いのサッカーボールキックを放つ有美に、敦子も意地を見せて蹴り足をキャッチしてタックルの様にテイクダウンを奪っていく。
足を掴んで足四の字固めを仕掛けようとする敦子に、有美は長い足で蹴りを放った。
バシッ・・・
顔面に炸裂する蹴りにフラつくも、敦子は足を掴んだまま足四の字固めを仕掛けた。
グイッ・・
「くっ・・・」
敦子の反撃に表情を歪ませる有美。
技を極めたからと両手でマットを叩いていく敦子。有美の両足に激痛が走るも、有美は悲鳴をあげずに耐えていく。
しかし有美が身体を反転すると、今度は仕掛けた敦子に激痛が・・・。
「痛いぃぃぃぃぃ・・・」
リング上に敦子の悲鳴が響き渡ると、転がるようにロープに逃れる敦子。
レフリーが技を解かせると、足を押さえて痛がる敦子に、有美は髪を掴んで起こしていく。
フラつく敦子をコーナーに押し込んでいくと、激しい張り手から髪を掴んで額にグーパンチを叩き込む有美。
ゴキッ・・
「きゃああぁぁぁ・・・」
リング上に響き渡る敦子の悲鳴。
必死に蹴りなどで抵抗する敦子に、有美が額にパンチを連打すると、敦子の動きが止まっていく。
更に髪の毛を鷲掴みにして、コーナーポストに顔面を叩き付けていく有美。
普段は見せない有美のラフファイトに観客席が盛り上がると、有美は観客を煽りながら敦子を下に向かせると、アピールしながらパイルドライバーの体勢に持ち込んでいく。
抵抗も出来ずに逆さ状態にされていく敦子。
有美は容赦なく脳天からマットに敦子を落としていくと、パイルドライバーが炸裂して敦子はグッタリとマットに倒れ込む。
有美がフォールすると、レフリーのカウントが始まった。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし有美が敦子の肩を浮かせていくと、リングサイドで観戦する優子、由紀、麻友に挑発する様に指を指すと、試合を簡単には終わらせないとばかりに敦子の髪を鷲掴みにして起こしていく。
パイルドライバーのダメージでグッタリする敦子。虚ろな目で起こされると、有美の鋭い膝蹴りをボディに受けて口をパクパクして涙目になって苦しんでいる。
苦しむ敦子に構わず有美がリング上から優子を挑発する。
「貴方たちがグラビアまでやりはじめて、多くのグラビアアイドルが仕事を失いかけたのよ!グラビア舐めるんじゃないわよ!」
有美が挑発すると、優子がリングサイドから言い返した。
「別にグラビアアイドルの人達から仕事を奪おうなんて考えていないわよ!私たちはただ、決められた仕事をしてるだけじゃないの!」
優子の言葉に有美が言い返す。
「だったら、このリング上でグラビアと貴方たちアキバと対抗戦でもやる?」
その言葉に観客席が盛り上がると、苦しんでいた敦子が有美の背後から逆さ押さえ込みを仕掛けた。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・・』
カウントが進む中、ギリギリで有美が両足をばたつかせて返していくと、突然ののフォール狙いに驚きの表情を浮かべた。
逆に敦子は悔しがると、素早く立ち上がってヘッドロックを極めていく。
しかし有美がバックドロップで返すと、後頭部をマットに叩き付けられて大の字状態でダウンする敦子。
有美は近くのトップロープに登ると、容赦なく敦子の柔らかいお腹にフットスタンプを落としていく。
ドスッ・・
「うっ・・グエッ・・・」
一瞬間を置くようにして、敦子の口から反吐が噴き上がる。
有美の全体重が勢いよくお腹を襲ったのだから、胃の中の内容物が口から溢れたのだった。
敦子が両手でお腹を押さえて転がるようにリング上で藻掻き苦しんでいると、有美は呟いた。
「試合前は食事はしてきちゃダメでしょ・・・」
お腹へのダメージから立ち上がれずに、呻き声の様な声をあげて苦しむ敦子。
更にダメージを与えようと、苦しむ敦子のバストへニードロップを落とす有美。
グニュ・・・
「いやああぁぁぁぁぁ・・・・」
バストへの鋭い膝爆弾に絶叫して藻掻き苦しむ敦子。
胸を押さえて痛がる敦子の両足をキャッチして、有美は足四の字固めを仕掛けていく。
グイッ・・・
「んああぁぁぁぁ・・・い、痛いぃぃぃ・・・・痛いぃぃぃぃぃ・・・・」
有美の足四の字固めに絶叫して痛がる敦子。
レフリーがギブアップの確認をするが、敦子は必死に耐えていく。
『前多っ、ギブアップ?』
しかし敦子は必死に耐えながらギブアップを拒んでいく。
「ノォォォォ・・・ノォォォォォ・・・・」
耐える敦子の両足を粉砕してやると言うくらいの気迫で技を極めていく有美。
汗だくになりながら耐える敦子に、レフリーも両足が危険ではないかと試合を止めようと戸惑いの表情を浮かべている。
「い、痛いぃぃぃぃ・・・あああぁぁぁぁぁ・・・」
更に泣き声に近い悲鳴で絶叫する敦子。
レフリーもこれ以上続けさせると危険と判断すると、ゴングを要請するのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、有美は試合が終わったと気づかずに技を極め続けた。
しかしレフリーが有美を止めていくと、技を解いて立ち上がっていく有美。
対して負けが決まった敦子は、涙目になりながらもレフリーに詰め寄る。
「わ、私・・・ギブアップしてない・・・・」
敦子の言葉にレフリーはレフリーストップだと説明するも、納得がいかない様子。
『勝者、杉元有美っ!』
リングアナのコールにベルトを渡される有美は観客にアピールすると、敦子に詰め寄った。
「貴方の負けなのよ、文句があるなら次回大会でもう一度勝負する?」
その有美の挑発に敦子が返す。
「ア、アキバ48とグラビアアイドルの対立より、私とシングルで勝負してください!」
その敦子の言葉に有美が言い返す。
「いいわよ、アキバとグラビアアイドルの対抗戦でも、私とシングルでも・・・ただ、デスマッチルールでやりましょうか、前多さん?」
デスマッチと言う言葉に一瞬言葉が詰まる敦子。
しかし言い返した。
「デ、デスマッチでも何でもいいです・・・ルールよりもう一回勝負させてください!」
その言葉にリングサイドの優子、由紀、麻友がリング上の敦子に詰め寄った。
「あとは主催者さん任せね、前多さん・・・」
そう言うと、有美はベルトを肩にかけてリングを去るのであった。
そしてリング上では試合でダメージを負った敦子を気遣い、優子などが肩を貸してリングを降りていくのであった・・・。



第33試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、女優美女とトーナメント決勝戦に勝ち進んだ藤原紀華。人気AV女優の吉澤明歩を破り、再現フィルムの女王こと片丘明日香、CMで人気の館野美穂、そして人気若手女優の長沢まさみに勝利しての紀華。
その紀華の対戦相手は大池栄子。CMなどで人気の上都彩、グラビアアイドルから女優へ転身した市河由衣、そして加藤愛、香理奈を破っての決勝進出。
流石にワンナイトトーナメントと言っても、5試合目と言う事もありスタミナ面で心配な2人。特に紀華は41歳と言う年齢からも栄子に比べてスタミナが心配されるが、控え室では高濃度酸素などスタミナ回復を行っていたと言う情報もあり、試合が始まるまで分からない状況。
対して栄子は控え室では横になっていたり、スポーツドリンクを口にしていたと言う事だったが、この決勝戦にはお互い負けられないと言うやる気を感じさせられるリング上。
『2012美女トーナメント決勝戦・・・青コーナー〜・・・身長171p、上から88、60、89・・・藤原紀華〜っ!』
コールを受ける紀華。決勝戦だからと見事な白いスポーツビキニに白いリングシューズ姿で片手を挙げてアピールしている。
『赤コーナー〜・・・身長163p、上から91、59、87・・・大池栄子〜っ!』
コールを受けるとガッツポーズみたいな格好でアピールする栄子。栄子はグラビアアイドル出身だけに、黒いビキニに黒いリングシューズ姿で試合に臨んできた。
身長では紀華が8p上回り、体重では50sの紀華に対して、60sの栄子と言う体重差。
この試合で5試合目と言う事もあり、お互いのダメージも気になるところだが、見た感じでは栄子が香理奈戦での打撃で受けたダメージか、太股など足に内出血や痣が見られる感じの両者。
『カァーン!』
盛り上がる中、遂に決勝戦開始のゴングが打ち鳴らされた。
まずはコーナーから飛び出して距離を置く紀華と栄子。
格闘技戦の様にガードを上げて距離を置く紀華に、プロレス的にガードせずに距離を置く栄子。
そして紀華が距離を詰めると、軽くローキックを放っていく。
バシッ・・・
太股に炸裂すると、栄子の表情が一瞬険しくなった。
更にローキックを放つ紀華に、栄子は蹴り脚を狙ってタックルを仕掛けると、上手く紀華が捌いていく。
バランスが崩れた栄子に、紀華はハイキックを放つも栄子が避けて空振りになると、栄子はロープを掴んで距離を置いた。
更に紀華がミドルキックを放つと、栄子は脇腹にキックを受けてから、蹴り足をキャッチしてグラウンドに持ち込もうとしていく。
バランスを崩して倒れ込む紀華に、栄子が素早くサイドポジションを奪うと、腕を狙おうとするも紀華の長い脚がロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの言葉に栄子が立ち上がると、紀華も水着を気にしながら立ち上がった。
『ファイト』
レフリーの掛け声に距離を詰める紀華と栄子。
そして栄子がタックルを仕掛けようとすると、紀華も潰そうとするも栄子がバックステップで距離を置くと、紀華もローキックを放っていく。
睨み合いになると、栄子がガードを固めて距離を詰めようとすると、紀華が牽制でローキックからハイキックと打撃技を出していく。
バシッ・・・
打撃では紀華にが有利なのか、栄子はガードを崩さずに喧嘩キックを放つと、紀華のお腹に炸裂した。
ドスッ・・
「うっ・・」
お腹への喧嘩キックに身体をくの字にする紀華。
続けて下を向いた紀華に、一気にDDTでマットに叩き付けていく栄子。
バッシーン・・・
DDTを受けてグッタリする紀華に、栄子は立ち上がってからバストを狙ってエルボードロップを落とすと、そのままフォールしていく。
『ワン・・・ツー・・・』
バストへの衝撃に痛がる紀華は、必死に返していく。
返されたからと、栄子は紀華の髪を掴んで起こしていくと、ロープに振ってからキチンシンクを叩き込んでいく。
ドスッ・・
「うっ・・うううっ・・・」
お腹への喧嘩キックに続き、強烈なキチンシンクに苦悶の表情で座り込む様にダウンする紀華。
栄子は薄ら笑いを浮かべながら、紀華の鼻に指を掛けて立たせていくと、今度はヘッドロックで締め上げる。
お腹を押さえる紀華の額にグーパンチを入れていく栄子。
ゴキッ・・
「痛いっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる紀華。しかし額へのグーパンチは反則だからとレフリーが注意していくと、栄子はヘッドロックで締め上げていく。
体重を掛けてスタミナを奪おうとしていく栄子。紀華もバックドロップで切り返したいが、栄子が重心を落としている為に、体重差もあり投げられない。
その紀華からヘッドロックを外して、首筋にエルボーを叩き込んでから、コーナーに押し込んでいく栄子。
コーナーに寄りかかるようにグッタリする紀華に、栄子が走り込んでラリアットを叩き込んだ。
バッシーン・・・
音を立てて炸裂するラリアットに、崩れ落ちるようにコーナーにダウンする紀華。
栄子は紀華の両足を抱え込むと、ロープから離してから逆エビ固めを仕掛けた。
グイッ・・
「あああああぁぁぁ・・・」
逆エビ固めを極められて悲鳴をあげる紀華。必死にロープに逃れようと手を伸ばしていく。
栄子も腰を落として紀華にダメージを増やしては、ギブアップを狙っていくが紀華も簡単にはギブアップを口にしない。
レフリーが紀華にギブアップの確認をすると、紀華は必死に拒んでロープを目指した。
「ノォォォォ・・・ノォォォォ・・・・」
そしてロープに手が届くと、レフリーが栄子に技を解くように指示していく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に技を解く栄子。技を解くと俯せ状態の紀華のヒップなどにストンピングを叩き込むと、距離を置くように離れた。
そして紀華は転がるようにリング下に降りると、栄子を睨み付けながらもリングサイドのペットボトルを口にしていく。
ゆっくりとリングサイドを回ってスタミナ回復を狙っているのか、リング上からは栄子が手招きして挑発していくが、紀華はゆっくりと呼吸を整えていく。
そしてリングに戻る紀華は、素早くリング内に戻ってから栄子との距離を置いて睨み付けていく。
栄子も紀華との距離を計りながら睨み付けていくと、紀華が踏み込んで左右の掌打を放った。
これには栄子も張り手で抵抗するも、紀華の掌打が顎に炸裂すると、流石の栄子もフラついてガードを固めていく。
ガードを固める栄子に組み付いて、一気にボディへ膝蹴りを連打していく紀華。
ドスッ・・ドスッ・・ドスッ・・
「うっ・・ううっ・・・ぐふっ・・」
膝蹴りの連発に苦しむ栄子は、苦し紛れに組み付いていくと、そのままロープ際に紀華を押し込んでいく。
ロープに押しつけられた紀華は、そのままフロントスリーパーで捉えると、栄子もロープを掴んでレフリーにアピールした。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に技を解く紀華。しかしその瞬間、栄子が紀華の頬に強烈な張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・・
技を解いた瞬間の張り手に腹を立てる紀華は、お返しに張り手を叩き込むと、栄子が蹴りを入れて距離を置いていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に試合は続けられていくと、紀華はローキックを放っていく。
バシッ・・
栄子の太股にローキックが決まると、栄子の表情が険しくなっていく。
内出血からどす黒く痣になる太股。トーナメント戦だけに苦しい栄子は、紀華の打撃に苦しんでいる。
バシッ・・
更にローキックが炸裂すると、栄子がガードを上げて距離を置こうと動き出した。
距離を置こうとする栄子に対して、紀華が前に出て大振りの張り手から、ローキックを叩き込んでいく。
バシィィィィ・・・
蹴られた瞬間、表情を険しくする栄子。
打撃技を受けて栄子の足は相当のダメージから、動きが鈍くなっていくが、栄子はこの試合に勝ちたいと言う執念が上回っているのか、紀華に向かっていく・・・。
距離が詰まると、栄子がタックルを仕掛けて組み付いていくと、紀華はステップバックで逃れながら掌打を放っていく。
バシッ・・
掌打を顔面に受けながら前に出る栄子。そして紀華に組み付くと、そのまま押し込んでコーナーへ進んで押しつけた。
コーナーに押しつけられて離そうとする紀華。
しかし栄子は紀華の生腹へパンチを叩き込むと、紀華の表情が苦痛に歪む。
更に髪を鷲掴みにしてコーナーポストに紀華の顔面を叩き付けると、トップロープに押しつけて擦りつけていく栄子。
ギュ・・ギュギュ・・・
「あああぁぁぁぁぁぁ・・・」
ロープに顔面を擦りつけられて絶叫する紀華。
そしてコーナーポストに顔面を叩き付ける栄子。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・」
顔面を叩き付けられてフラつく紀華に、栄子がヘッドロックかにブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けてフォールする。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし紀華も簡単にフォールは奪わせないとばかりに返すと、栄子は馬乗り状態になってから顔面へ張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・・
マウント状態からの張り手に焦る紀華。栄子の体重が重くのし掛かる中、体重が掛けられるだけでもスタミナを奪われる状態に苦しい展開。
栄子は上からギロチンチョークを仕掛けると、紀華もブリッジみたいに返そうとするも、栄子が上手くバランスを保ってから、逆にギロチンチョークを仕掛けた。
グイッ・・
「うぐっ・・ぐ・・ぐっ・・」
栄子が体重を掛けてギロチンチョークを仕掛けると、紀華の表情が苦痛に歪んでいる
返したいが返せず、苦しい展開に追い込まれていく紀華。
レフリーもギブアップの確認をするが、紀華は耐えていく。
栄子のギロチンチョークに集中すると、紀華がバランスを崩させて返した。
素早く取っ組み合う栄子だが、紀華が上手くロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの言葉も構わず、転がるようにロープを掴んだ紀華にストンピングを入れていく栄子。
ビキニに包まれたバストを激しく揺さぶりながら迫力のあるストンピングを叩き込む栄子に、レフリーは止めていくが紀華はリング下に転がるように逃れた。
リング下では呼吸を荒げて喉元を押さえる紀華。
リング上では栄子がビキニを直しながらも、リング下の紀華を挑発する様に手招きしているが、紀華は喉元を押さえて苦しんでいる。
フラつきながらエプロンサイドに手をつきながら立ち上がる紀華。水着を直しながら呼吸を整えていくが、時折喉元を押さえながらリングサイドを移動すると、リング上からは栄子が早くリングに戻ってこいとばかりに挑発を繰り返した。
ゆっくりとサードロープを掴んでリングに戻ろうとする紀華に、栄子は髪を掴むとエプロンサイドを連れ回す様にして、コーナーのロープを固定する金具に紀華の額を叩き付けた。
ゴキィィィ・・・
「きゃああぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる紀華。
更にロープ越しに栄子が組み付くと、必殺技のブレンバスターの体勢に持ち込んだ。
紀華のショーツに手を掛けると、一気にロープ越しのブレンバスターでマットに叩き付ける栄子。
バッシーン・・・
マットに叩き付けられてグッタリする紀華。
これには栄子もチャンスとばかりに観客席に向かって片手を挙げてアピールすると、近くのトップロープに登っていくと、香理奈を仕留めたと言っても過言でないフットスタンプを狙っていく。
ブレンバスターのダメージで動けない紀華に、栄子は容赦なくお腹を狙ってフットスタンプを落とした。
ドスッ・・
「ホゲェ!」
栄子の揃えられた両足がお腹を直撃すると、紀華は目を見開くように、そして口からは水に薄められた胃液の様な吐瀉物が噴き上がる。
堪らず紀華が転がるようにリング下に逃れると、栄子もリング下に降りていく。
リング下でダウンしている紀華にストンピングを叩き込むと、髪を掴んで起こしてから、近くの鉄柱へ連れ出すと、額から鉄柱に叩き付けた。
ゴッキーン・・・
「あああぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげて座り込む様にダウンする紀華。
その紀華を無理矢理リング上に戻していく栄子。
転がされるようにリングに上げられて、ロープ近くでグッタリする紀華。
栄子が髪を掴んで起こしていくと、パイルドライバーを狙って下を向かせていく。
しかし紀華もパイルドライバーを受けては危険とばかりに、栄子をロープに押し込んで抵抗していくと、バランスを崩してお互いが倒れ込んでしまう紀華と栄子。
レフリーが紀華と栄子を離していくと、紀華は大技のダメージから苦しそうな表情を浮かべて、栄子は攻め疲れか動きが鈍くなっている。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を置いていく紀華と栄子。
なかなか距離が詰まらないと、紀華が少し前に出る。
紀華に反応して栄子も前に出るも、積極的と言う感じになく見えた。
バシッ・・・
その栄子にローキックを放つ紀華。紀華の蹴りに明らかに嫌がる素振りの栄子。
更にローキックを放つ紀華に、栄子は嫌がるようにタックルを仕掛けた。
しかし足へのダメージもあり素早く組み付けず、逆に紀華がカウンター気味の膝蹴りを合わせた。
ゴキッ・・・
鈍い音がリング上に響くと、紀華の膝蹴りが栄子の顔面を直撃した。
しかし栄子はダウンせずに必死に足に組み付いていく。
組み付いても、顔面への衝撃に動きが続かない栄子に、紀華は髪を掴んで引き離そうとする。
そして更に膝蹴りを叩き込むと、栄子の豊満なバストへ炸裂していく。
グニュ・・グニュ・・
2発続けてバストに炸裂すると、流石の栄子もバストを押さえて座り込んだ。
動きの止まった栄子に、紀華は距離を置いて狙いをつけてから、ノーガードの顔面へサッカーボールキックを叩き込む。
バシィィィィィ・・・
「あんっ・・・」
堪らず俯せ気味にダウンする栄子。顔面への強烈な蹴りに意識を飛ばしそうになっていた。
栄子がダウンしたからと、紀華は口の周りを拭うと、ゆっくりとサイドへ回り込む。
「フットスタンプ・・・効いたじゃないの・・・お返しをさせてもらうわよ・・・」
紀華が呟くと、俯せ状態の栄子の脇腹へ強烈な蹴りを入れると、栄子が藻掻き苦しんだ。
バシィィィィ・・・
「んああぁぁぁ・・・あ・・・あ・・・」
脇腹への蹴りに苦しむ栄子。堪らず片手をお腹に当てて立ち上がろうとするも、紀華が顔面へ蹴りを入れた。
バシィィィィ・・・
グッタリと仰向けになる栄子に、紀華はロープに走って勢いをつけた。
そして飛び上がると、栄子のお腹にフットスタンプを叩き込んでいく。
ドスッ・・
「うっ・・ぐふっ・・・ううっ・・・」
紀華の飛び上がってのフットスタンプに口から涎を垂れ流す栄子。ボディへの責めの連続に虚ろな表情をしている。
その栄子を俯せにすると、バックからチョークスリーパーを仕掛ける紀華。
紀華の腕が栄子の喉元に滑り込むと、完全に極まって苦しい栄子。
ロープに逃れようと必死になる栄子だが、紀華の両足が身体を捉えると、アナコンダスリーパーで締め上げていく。
紀華の締め上げに次第に動きの鈍くなっていく栄子。
ロープまで遠く届きそうにないが、栄子は必死にロープに手を伸ばす。
レフリーもギブアップの確認をするが、栄子は必死に耐えようとしている。
しかし、ロープを目指す手から力が抜けていくと、レフリーが栄子の手を握って確認する。
握っても握り返してこない栄子。紀華のアナコンダスリーパーに失神してしまった様子・・・。
紀華もギブアップしない栄子に必死に締め上げていくと、ここでレフリーがゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされて、ここで紀華が止められていく。
『勝者、藤原紀華っ!』
技を解いた紀華は、自らの勝利に驚きの表情を浮かべるが、安心したのか座り込んでしまった。
対して栄子は失神してしまいリングドクターが応急処置をしていくが、紀華は自分が勝利して優勝したからと、信じられないと言う表情を浮かべながらも、レフリーに呼ばれて立ち上がると、片手を挙げられていくのであった。
こうして、2012年女優美女トーナメントは、優勝・藤原紀華、準優勝・大池栄子、そして長沢まさみ、香理奈と続いてトーナメントの幕を閉じたのであった。

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