83回大会『2012年女祭り』

第1試合

『2012年を締めくくる、地下プロレス恒例・・・女祭り開催っ!』
リングアナのコールが始まると、早くもヒートアップした観客達が盛り上がっていく。そして第1試合の選手入場が始まった・・・。
『選手入場!』
リングアナのコールに恒例の地下プロレスのビックイベント『女祭り』が開催されていく・・・。
2012年女祭りのオープニングマッチは、前大会で因縁のあるカードからだった・・・。
大画面のスクリーンに映し出されるのは川岸舞彩。
「今夜は、ビーチの妖精と言われる麻尾さんと試合させてもらいますが、この前の田仲さんの顔を踏みつけたりと、ああいう行為は許せないから、今夜は覚悟してもらいます・・・」
舞彩の映像が終わると、次に美和の映像が流れだした。
「川岸さんも元は競技者だったみたいなので、今夜は容赦しないでいきますので、よろしくお願いします。私も地下プロレスでは勝ち星あげたいんで、今夜はもらいますので・・・。今夜の為に打撃を磨いたから、覚悟してもらうわよ・・・」
観客席が格闘技大会の煽りビデオみたいな感覚な映像に盛り上がると、選手入場が始まっていく会場内。
リングアナのコールに招かれてリングインするのは、川岸舞彩だった。黒いスポーツビキニに黒いリングシューズ姿でリングインすると、早くも気合いを入れていく舞彩。手にオープンフィンガーグローブを着けてコーナーに軽くパンチを叩き込むと、観客席に向かって手を挙げてアピールした。
その舞彩の対戦相手は、前大会では田仲みな実を痛めつけて勝利したアスリートの麻尾美和。余裕の表情でリングインすると、白いスポーツビキニに白いリングシューズ姿で観客席に向かって両手を挙げてアピールしていく。年内の競技引退を発表している美和だが、まだこの時点では現役アスリート。お互いが相手を意識する中、リングアナがコールを始めた・・・。
『青コーナー〜・・・身長168p、上から84、59、86・・・川岸舞彩〜っ!』
コールを受けて一礼していく舞彩。美和との試合を意識してから打撃技を磨いたとの情報もあるも、リング上で発揮されるのが期待された。
『赤コーナー〜・・・身長172p、上から83、62、86・・・麻尾美和〜っ!』
コールを受けて片手を挙げていく美和。現役アスリートと言う事で、今回は特に瞬発力を使った打撃技を練習したと言う事で、舞彩に対して激しい打撃が予想されていく・・・。
コールが終わると試合開始のゴングを待つだけとなると、お互いが相手を睨み付けていくリング上。
水着を気にしながらもゴングを待っていると、ここで試合開始のゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す舞彩と美和。
軽くジャブを放ちながら距離を詰める舞彩。
対して美和はガードを固めて距離を詰めると、まずは舞彩がジャブを放った。
しかしガードする美和は、そのままタックルを仕掛けると、舞彩が突き放していく。
またも距離が置かれるリング上。今度は美和がローキックを放つと、舞彩もパンチを放った。
舞彩のパンチをガードする美和は、素早く前蹴りで距離を置いていく。
前蹴りを受けて表情を少し変える舞彩。
更に美和が左右のジャブから前に出ると、上手くミドルキックを脇腹へ叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
脇腹に蹴りを受けて苦悶の表情を浮かべた舞彩。しかし素早く殴り返すが、美和がガードしていく。
逆に美和が大振りのフックを叩き込むと、バレー選手の腕の威力に驚く舞彩。
ガードしていてもダメージを受ける美和のラリアット気味のフック。この一撃に舞彩が距離を置こうとすると、美和は前に出てパンチを放った。
ガードを固める舞彩に、美和が強引に首相撲の体勢に持ち込んで膝蹴りを狙うと、これには組み付いて逃れる舞彩。
組み付いて距離を潰していくと、美和が踏ん張ってから投げようとするも、バランスが崩れてグラウンド状態に縺れる展開。
倒れ込んだ舞彩に、サイドポジジョンから押さえる形の美和。
両足を広げて踏ん張るように押さえつけながら体重を乗せていく美和に、ブリッジ気味に抵抗する舞彩。
抵抗を見せた舞彩に、美和のハンマーパンチが脇腹に炸裂していくと、嫌がるように藻掻く舞彩。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
殴られて嫌がりながらも膝蹴りを放つ舞彩。しかしグラウンド状態で上手くヒットせずに、逆に脇腹などへのハンマーパンチにダメージを増やした。
更に美和がマウントポジジョンを狙うと、舞彩は下から腕をキャッチして三角絞めを狙うも腕を引かれて逃げられると、美和が素早く立ち上がった。
舞彩がグラウンド状態になっていると、容赦なく踵のストンピングを放つ美和。
立ち上がりたい舞彩に、立ち上がらせない美和。
強烈なストンピングがお腹に炸裂すると、舞彩の表情が苦悶に歪む。
藻掻き苦しむようにロープに逃げる舞彩。
美和がサッカーボールキックで追撃するも、レフリーが舞彩がロープを掴んだからと離していく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが止めていくと美和が離れていくが、舞彩はお腹を押さえて痛がっている。
ロープを掴んで立ち上がる舞彩に、美和が距離を詰めようとするもレフリーが制止していくと、舞彩が水着を直しながらも構えていく。
『ファイト!』
そして試合が続けられていくと、ガードを固める舞彩に美和が小刻みのジャブで前に出る。
ガードの上から殴ると、そのままボディへパンチを入れていく美和。
ドスッ・・
「うっ・・」
ボディを打たれてフラつく舞彩。
しかし美和のボディへ素早く打ち返すと、今度は美和も表情を歪ませていく。
その瞬間、舞彩がタックル気味に組み付いていくと、美和がフロントスリーパーでキャッチしていくが、舞彩が押し込んでロープ際で縺れ合った。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが動きが止まったからと離していくと、舞彩と美和は水着を直しながら呼吸を整えていく。
舞彩の背中などからは大量の汗が流れ落ちているが、美和の発汗量は舞彩に比べて少なく、舞彩のスタミナが心配されるリング上。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出る舞彩は、小刻みのジャブからタックルを仕掛けるも、美和が見切ったのかタックルを潰して俯せ状態にしていく。
両足を開いて押しつけていく美和。動きが取れずに苦しい舞彩。
現役アスリートだけに力では美和が優勢で、舞彩も逃げようとするも、美和が首に腕を回すと、膝蹴りを頭部に仕掛けていく。
ゴキッ・・
頭部に炸裂する膝蹴り。舞彩が藻掻きながらも手でガードしようとすると、美和が一気に舞彩を仰向け状態にしていく。
更にサイドポジジョンから脇腹へハンマーパンチを叩き込むと、舞彩は嫌がるように身体を密着させていくが、プロレスマッチでのデビュー戦のあとの格闘技戦とも言える試合展開に、対応が出来ずに戸惑っている様にも見えるリング上。
対して美和は現役アスリート、また地下プロレスでは何度も試合を経験しているだけに、舞彩の苦戦は仕方ないのか・・・。
美和が突き放して、一気に馬乗りのマウントポジジョンを奪うと、観客席も盛り上がっていく。
藻掻く舞彩の顔面に容赦無く叩き込まれていく美和の拳。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
殴られる度にビクンビクンと身体を反応させる舞彩。
しかし目は死んでいない。殴られても反撃しようと狙っているのが分かる気迫。
殴りつける美和に下から組み付いてパンチから逃れようとする舞彩。
しかし美和が力ずくで押し返すと、またも顔面へパンチを放っていく。
バシッ・・バシッ・・
顔面パンチを何度も受けて、舞彩が鼻血を出している。
パンチを受けても、組み付こうと下から抱きつく舞彩。
しかしまたも美和が押し返すと、マットに押さえつけられて殴られていく舞彩。
バシッ・・バシッ・・
殴られながらも、少しずつポジションを移動させてロープ近くに来ている舞彩。そして足が届くとレフリーが止めていく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に動きを止める美和。ゆっくりと立ち上がると、水着を直しながら距離を置いた。
一方、殴られ続けた舞彩は呼吸を整えながらも立ち上がると、水着を直して距離を置くと、オープンフィンガーグローブも直していく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に、舞彩が積極的に前に出てパンチを放っていくと、美和はローキックを叩き込む。
ローキックを打たれて、舞彩もローキックを返していく。
バシィィィ・・・
舞彩のローキックにフラつく美和。
更に前に出る舞彩に大振りのフックで威嚇していく美和。
空振りのパンチに戸惑う舞彩。鼻血が垂れて呼吸が苦しくなって、口で呼吸をしているが分かるが、スタミナ面が心配された。
ガードを固めて呼吸を整える舞彩に、美和がガードの上からパンチを叩き込む。
バシッ、バシッ、バシッ・・・
ガードしながらもロープ際に追い込まれていく舞彩。
必死に膝を出したりして距離を置こうとすると、美和のフックが側頭部を抉った。
バッシーン・・・
フックを受けて足元がフラつく舞彩。
続けて美和が組み付いてから、ボディへ膝蹴りを連打していくと堪らず座り込む様にダウンしていく舞彩。
しかし崩れ落ちながらも美和の足に組み付いていく舞彩に、美和は頭部にパンチを連打していく。
バシッ、バシッ、バシッ・・・
痛がりながらも倒れないように必死な舞彩。
無理矢理とも言える程に、美和が髪を掴んで舞彩を離していくと、膝蹴りを狙うも舞彩がまたも組み付いていく。
組み付きながら、立ち上がろうとしていく舞彩。
美和も両脇に手を差して起こしていくと、そのままロープ際に押し込んでいく。
ロープ際に詰まると舞彩が膝を出すも、美和も膝を出して縺れる展開。
『ロープ・・・ロープ・・・』
ここでレフリーが両者を離していくと、呼吸が大きくなって苦しそうに見える舞彩は水着を直して距離を置いた。
美和はスタミナ面では心配なさそうに見えるも、舞彩の粘りに少々疲れ気味の様子。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出る舞彩と美和。
バシッ・・
美和の軽いジャブが顔面にヒットすると、フラつく舞彩。
ガードを固めると、今度はフックが炸裂してフラつく舞彩に、続けて左右のパンチが叩き込まれていく。
バシッ、バシッ・・
顔面へのパンチの連打に止まっていた鼻血が流れ出る舞彩。
しかし舞彩もローキックから左右のパンチと前に出ると、美和が膝で止める様にして殴り返す。
舞彩は小刻みのジャブを放ってから、一気に距離を詰めてボディへパンチを入れると、美和のお腹をパンチが抉っていく。
バスッ・・
「うっ・・」
お腹へのパンチに動きの止まった美和。
ガードが下がると舞彩がお腹を狙って左右のパンチを入れていくと、美和も意地になって振り下ろす様なバレー式パンチを叩き込む。
バシィィィィ・・・
バレー式パンチにフラつく舞彩。しかしタックル気味に組み付いていくと、美和は踏ん張って髪を鷲掴みにした。
下を向かせて顔面へ膝蹴りを狙う美和に、必死にテイクダウンを奪っていく舞彩。
踏ん張る美和を倒してグラウンド状態に持ち込んだ舞彩は、サイドポジジョンを奪って押さえていくと、美和も冷静に舞彩の出方を伺っている。
動きの止まる美和に、少しずつ脇腹へハンマーパンチを入れていく舞彩。しかし呼吸が苦しそうでスタミナ面が心配な状況になっていく・・・。
時折口を大きく開いて大きく呼吸する舞彩。対して美和はスタミナ面では舞彩に比べ余裕が感じられる。
バシッ・・
美和の脇腹へハンマーパンチを入れていく舞彩。
これには露骨に嫌がる美和。ブリッジ気味に返そうとするも、舞彩も上手く押さえ込んでいく。
そして舞彩がマウントポジジョンを狙っていくと、美和が体勢を入れ替えようとガードしていくが、舞彩も必死に馬乗り状態を奪おうと動いていく。
そして美和の上になる様にマウントポジジョンを奪うのに成功した舞彩。
しかしこの体勢を奪うのにスタミナを結構使ったのか、呼吸が荒く苦しそうな表情を浮かべている。
美和は下から小刻みにパンチを放つと、舞彩が一気に左右のパンチを連打していく。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
必死にガードする美和。しかしガードの上からも、ガードを外れて顔面にもヒットしていく舞彩のパンチ。
舞彩が顔面へダメージを与えようと殴りつけると、藻掻きながらも一瞬の隙を突いてブリッジ気味に返した美和。
バランスを崩して倒れかかる舞彩に、美和が立ち上がっていく。
舞彩も立ち上がると、美和がバレー式パンチを肩口に叩き込むと、苦悶の表情を浮かべてガードを固める舞彩。
続けて左右のフックから膝蹴りと打撃で前に出る美和に、舞彩は対応出来なくなってロープ際に逃げ出した。
前蹴りで距離を置こうとする舞彩に、美和はローキックからハイキックと牽制してから、距離を潰して顔面にパンチをまとめていく。
バシッ、バシッ、バシッ・・・
血飛沫をあげてフラついていく舞彩。しかし殴り返していくと、美和の顔面にもパンチがヒットした。
パンチが当たると舞彩が前に出るも、美和が上手くカウンターを顔面に当てた。
バシィィィ・・・
カウンターパンチを受けて動きの止まる舞彩。激しい鼻血の量に観客席からも声が上がった。
動きの止まった舞彩に、美和はローキックからハイキックと打撃で前に出ると、ハイキックを受けてフラフラになっていく舞彩。
しかし必死になってガードを固めると、美和も容赦せずに顔面にパンチを叩き込んでいく。
バシッ、バシッ、バシッ・・・
激しい鼻から出血にレフリーも戸惑いを隠せない。しかし舞彩は呼吸が苦しくても負けたくないとばかりに前に出ると、パンチを放った。
バシッ・・・
舞彩のパンチが美和の鼻を直撃すると、美和も鼻血を流していく。両者が流血の激しい試合展開。
更に舞彩が裏拳を放つも、美和が見切ってローキックを叩き込むと舞彩が膝をつく。
しかし低空タックルの様に組み付こうとする舞彩に、スタミナやダメージから素早いタックルでなかったから美和が見切ると、カウンターの膝蹴りが顔面を直撃した。
ゴキィィィィ・・・
鈍い音が響くリング上。
顔面への衝撃にダウンして当たり前の展開ながら、舞彩はそのまま美和に組み付いた。
しかし力が入らずに美和に押し返されると、馬乗り状態にされていく。
顔面への膝蹴りのダメージで抵抗が減っていると、美和は容赦なく顔面へ拳を叩き込んだ。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
顔を殴られて身体をビクンビクンとさせながら耐えていく舞彩。
次第に顔が腫れだして、酷い試合展開になっていくが、舞彩はギブアップせずに耐えていく。
レフリーも試合を止めるか迷う展開になっていくも、舞彩が反応しているからと試合を止めずに続けさせた。
顔面を血塗れにしながらも、美和に下から組み付いて打撃から逃れようとする舞彩。
しかし美和がマットに押しつけると、振り下ろすようなハンマーパンチを叩き込む。
バキッ・・バシッ・・バキッ・・
更に抵抗が少なくなる舞彩の両腕を足で固定して、ノーガードにしてから左右のパンチを顔面に落としていく美和。
バシッ、バシッ、バシッ・・
涙目で耐える舞彩。しかしマットに後頭部が固定されての連続パンチは危険だからと、レフリーがここでゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングと同時にレフリーが美和を止めていくと、美和は構わず殴りつけていく。
しかし抱きつくようにレフリーが止めていくと、エキサイトしている美和も立ち上がって距離を置いた。
『勝者、麻尾美和っ!』
リングアナのコールに片手を挙げていく美和。
対して、完全にKO状態と言う感じの舞彩は、顔面を血塗れにして、また顔は一部腫れ上がるなど残酷な結末に・・・。
リングドクターが舞彩の応急処置をしようとすると、美和が舞彩に近づいていく。
そして顔面を踏みつけると言い放った。
「こうなる覚悟はあったのかしら、川岸さん?・・・再戦は何時でもいいけど、しっかりと練習してからにしてね・・・」
その美和の言葉に沈黙する舞彩。
試合でのダメージからも、言い返す事も出来ずにリングドクターに処置をしてもらうと、担架に乗せられてリングを後にあるのであった。
激しいアスリートと元セミアスリートの闘いから幕を開けた2012年女祭り。激しい闘いが予感される大会に観客席は興奮するのであった。


第2試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、杉元有美を先頭に椙原杏璃、良樹りさ、山木梓、河村ゆきえ、高端亜由美、磯山紗耶香、鈴本ちなみ、原幹絵の9人のグラビアアイドルだった。
グラビアアイドルがリングに登場すると、続いてリングインするのは前多敦子を先頭に、大嶋優子、篠多麻里子、板乃友美、児嶋陽菜、柏樹由紀、渡部麻友、横川由依、左藤聖羅のアキバ48関係のメンバーだった。
『2012年女祭り・・・グラビアアイドル軍団vsアキバ48・・・全面戦争を行います!』
リングアナのコールに緊張の走るリング上。そう、最近の雑誌などでグラビア界を席巻するアキバ勢に対して、グラビアアイドル達の不安・苛立ちなどから地下プロレスのリング上で勝負と言う流れになったのだ。
大将戦は因縁の出来た杉元有美と前多敦子戦で、あとは各陣営がオーダー表を出して、勝ち星の多い陣営が勝利と言う事となる。
お互いの陣営が試合順を決めると、リングアナに渡してからリングを降りて控え室に戻っていくと、リングアナが対抗戦最初の試合を読み上げた。
『対抗戦第1試合・・・河村ゆきえvs板乃友美・・・』
リングアナのコールにリングインするゆきえと友美。ゆきえは黒ビキニ、友美は白ビキニでの対照的なリンコスでの登場。
『青コーナー〜・・・身長158p、上から87、59、87・・・Fカップ・・・河村ゆきえ〜っ!』
コールを受けて頭を下げるゆきえ。しかしビキニ姿だから素肌を多く晒しているも、所々に青痣が見えて痛々しい身体。
前大会でのアフリカンコング戦でのダメージから、ゆきえは練習などに時間が取れなかったとの情報もあり、どういう展開になるか見えない試合になる予感のこの試合・・・。
『赤コーナー〜・・・身長154p、上から78、55、78・・・板乃友美〜っ!』
コールを受けて片手を挙げていく友美。対戦相手のゆきえを睨み付けるとコーナーに戻っていく。
『カァーン!』
そしてグラドルとアキバ系の対抗戦の幕が切って落とされると、まずはコーナーから飛び出していく友美とゆきえ。
地下プロレスの経験からはゆきえが有利に見えるが、どこか動きが鈍く見えるゆきえ。
友美が距離を詰めると、片手を出して力比べを挑もうとすると、ゆきえが受ける形で手を出すと、友美が喧嘩キックを放った。
バシッ・・
「うっ・・」
お腹を蹴られて痛がるゆきえに、友美が腕を掴んで一気にロープに振っていく。
ロープから勢いよく戻るゆきえに、友美がドロップキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
ドロップキックを受けて転がるようにロープに逃げるゆきえ。
続けて友美がストンピングを叩き込むと、ゆきえはレフリーにロープだからとアピールした。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが友美を離していくと、ゆきえがビキニを直しながら立ち上がる。
『ファイト!』
レフリーが叫ぶと、今度はゆきえが近づいてヘッドロックに捉えると、友美がロープに振って返した。
ロープから戻るゆきえがボディアタックを仕掛けて倒していくと、そのままフォールの体勢に。
『ワン・・・ツー・・・』
カウントが入るも友美が返していくと、ゆきえがマットに座らせた状態でスリーパーを仕掛けた。
苦悶の表情を浮かべる友美がロープに手を伸ばすが届かない。
更に締め上げるゆきえ。
友美が少しずつロープに逃げようと体勢を動かしていくと、ゆきえも少しでもスタミナを消耗させようと締めていく。
『ロープ・・・』
そして友美の足がロープに掛かるとレフリーが止めていくと、ゆきえがスリーパーを放してから、蹴りを入れて距離を置いていく。
蹴られた友美は睨み付けながら距離を置いていくと、試合は続けられた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰める友美とゆきえ。
今度はゆきえが蹴りを放つと、フラついて友美にヘッドロックを仕掛けた。
ゆきえのヘッドロックに、友美が組み付いてバックドロップを仕掛けると、上手くゆきえをマットに叩き付けた友美。
バッシーン・・・
バックドロップを受けて動きの止まるゆきえ。後頭部を両手で押さえて痛がっていると、友美はゆきえのFカップバストを狙ってストンピングを連発していく。
グニュ・・グニュ・・グニュ・・
「あうっ・・ああんっ・・痛い・・」
バストへのストンピングに藻掻くゆきえ。
更に飛び上がるようにして友美がお腹にフットスタンプを仕掛けた。
ドスッ・・
「ぐふっ・・・」
バストに続いてお腹への強烈な圧力に身体を丸めるようにして苦しむゆきえ。
友美は観客席に向かってアピールすると、走り込む様にしてゆきえの顔面へサッカーボールキックを叩き込んでいく。
バシィィィィィ・・・
顔面へのサッカーボールキックに顔面を押さえて両足をバタバタさせて痛がるゆきえ。
更に友美が痛がるゆきえを俯せにしていくと、キャメルクラッチに捉えていく。
グイッ・・・
「あああああっ・・・」
キャメルクラッチを仕掛けられて悲鳴をあげるゆきえ。
友美もギブアップ狙いで揺さぶっていくと、ゆきえのビキニに包まれたバストが揺れていく。
両足をバタバタさせて痛がるゆきえに、友美は容赦なく極めていく。
必死に耐えるゆきえに、友美は技を解いてから立ち上がってからストンピングを叩き込む。
そして髪を掴んで起こしていくと、絡みつくようにコブラツイストを仕掛けるも、ゆきえがロープに逃れた。
レフリーが止める前に友美がゆきえをロープから離すと、一気にDDTでマットに叩き付けていく。
バシィィィィ・・・
脳天からマットに叩き付けられて苦しいゆきえ。グッタリと仰向け状態で呼吸を荒げている。
そのゆきえに、友美がトップロープに登っていくと、観客席にアピールしてからフットスタンプをお腹に叩き込んだ。
ドスッ・・
「ぐふっ・・・オエッ・・・」
流石に軽量の友美とは言え、トップロープからフットスタンプを受けて口から胃液の様なものを吐き出したゆきえ。
お腹を押さえてグッタリしていると、友美は続けてパイルドライバーを仕掛けようと狙っていくも、ゆきえがグッタリしたままで仕掛けられない。
俯せになって苦しんでいるゆきえに、友美は足首を掴んでから逆エビ固めを狙うも、上手くいかずに片逆エビ固めを仕掛けた。
グイッ・・
「痛いぃぃぃぃぃ・・・」
堪らず悲鳴をあげるゆきえ。全身に走る激痛に汗だくになりながら耐えている。
ロープに逃げようと手を伸ばすが、友美も腰を落として痛めつけていくと、ゆきえのバストがビキニから飛び出しそうになるも、ゆきえはロープに手を伸ばしていく。
必死に手を伸ばすゆきえの乳首がビキニから飛び出すと、観客席からは歓声が起きていく。
しかし歓声に構わずロープに手を必死になって伸ばすゆきえ。
友美もギブアップ狙いで締め上げるも、ゆきえがロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが友美を止めていくと、友美が技を解いていく。
同時にゆきえはビキニにバストを戻して直していくと、ロープを掴みながら立ち上がった。
『ファイト!』
レフリーの続行の言葉に距離を置こうとするゆきえ。
対して友美は踏み込んで挑発的に張り手を叩き込む。
バッシーン・・バッシーン・・
左右の張り手を受けてフラつくゆきえ。
更に友美が張り手を狙うと、ゆきえも踏み込んで返した。
バッシーン・・・
ゆきえの張り手に口の中を切った友美。口の中に拡がる鉄の味に怒り出すと、今度はグーパンチをゆきえに叩き込んだ。
バキッ・・
「あうっ・・・」
しかし素手の拳での顔面へのパンチは反則だからとレフリーが友美を注意していくと、友美は仕方ないとばかりに距離を置いていく。
顔を気にするゆきえ。しかしスタミナ切れか全身からは大量の汗を垂れ流して、また呼吸も荒くなっている。
友美も汗は流すもゆきえ程ではなく、スタミナもまだ残っている様に見えてゆきえが苦しい展開に。
呼吸を荒げているゆきえに、友美が踏み込んでローキック、ミドルキックと打撃で挑発していくと、ゆきえも打撃のガードに必死になる。
すると、友美がハイキックを放つと、当たりは弱いが側頭部に炸裂してゆきえが動揺する。友美の打撃に戸惑いを隠せないゆきえ。
自然とロープ際に逃げる展開になると、友美が走り込んでボディアタックを仕掛けた。
バッシーン・・・
『ワン・・・ツー・・・』
そのままフォールする友美に、ゆきえは返していく。
返されると、友美がグラウンド状態から腕を狙っていくと、嫌がるように藻掻きながらロープに逃げるゆきえ。
『ロープ・・・』
レフリーの指示に友美が立ち上がると、ビキニを直しながら距離を置いた。
ゆきえもビキニを気にしながら立ち上がると、試合は更に続けられていく。
『ファイト!』
試合が続けられると、友美が積極的に前に出ると、牽制する様に掌打的な張り手を放つ。
ゆきえも避けながらも上手くタックルで組み付きたいところ。
しかし友美の動きに組み付けないと、逆に友美がドロップキックを放った。
バッシーン・・・
「あうっ・・」
ドロップキックを受けて倒れ込むゆきえに、友美は素早く立ち上がるとヘッドロックに捉えていく。
そして走り込むようにしてブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けると、俯せのゆきえに素早くキャメルクラッチを極める友美。
グイッ・・
「ううっ・・うっ・・・」
上半身を反らされて、激痛に両足をバタつかせるゆきえ。
友美は観客席にアピールする為に、ゆきえの鼻の穴に指を入れていくと、ゆきえは痛さと恥ずかしさから苦しい展開。
更に友美が指を外すと、立ち上がってストンピングを叩き込むと、ゆきえが転がるようにロープに逃げた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが離していくと、友美はビキニを直しながらもゆきえを挑発していく。
手招きする様に挑発していく友美に、ゆきえはリング下に降りてからビキニを直すと、近くにあるペットボトルを口にして水を補給した。
苦しそうな表情を浮かべているゆきえ。やはりアフリカンコング戦のダメージが残っているのか、苦しい展開に追い込まれている。
ゆっくりとリングに戻ろうとするゆきえに、ロープ越しに髪を掴もうとする友美。
しかしゆきえがお腹にパンチを入れて怯ませると、一気にリングに戻ってヘッドロックに捉えた。
ゆきえの反撃に観客席が盛り上がると、そのまま締め上げていくゆきえ。
そしてヘッドロックを外すと、フラつく友美に膝蹴りを入れてからDDTでマットに叩き付けていくゆきえ。
『ワン・・・ツー・・・』
素早くフォールするも、友美は簡単には負けないとばかりに肩を浮かせていく。
続けてヘッドシザースに捉えると、友美が両足をバタバタさせて藻掻いていく展開になっていく。
ゆきえが必死に締め上げていくと、友美の表情が苦悶に歪んだ。
耐える友美に、ゆきえは技を解いてから起こしていくと、逆に友美がお腹にパンチを入れて抵抗した。
バシッ・・
「うっ・・」
友美のパンチに動きの止まったゆきえに、友美は踏み込んで後頭部にハイキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
後頭部へのハイキックにグッタリとダウンするゆきえ。
そのまま俯せ状態になっていると、友美が素早くSTFを仕掛けた。
足をロックされて、顔も締め上げられて苦しい展開のゆきえ。
藻掻きながらロープに逃げたいゆきえだが、ロープが遠くて苦しい展開。
『ギブアップ?・・・河村、ギブ?』
レフリーがギブアップの確認をするが、ゆきえは必死に耐えてロープを目指していく。
「の、ノォォォォ・・・・ノォォォォォ・・・」
締め上げられてギブアップ寸前と言う感じのゆきえ。必死にロープに手を伸ばすが、なかなか届かない。
友美も揺さぶるように締め上げていくと、ゆきえにギブアップを迫った。
「ギブアップ?・・・ギブしなさいよ!」
友美の言葉に必死に耐えるゆきえ。
遂に耐えられなくなってゆきえの口からギブアップの言葉が・・・。
「ぎ、ギブ・・・ギブアッ・・・プ・・・・」
ゆきえの言葉に友美が叫ぶ。
「聞こえないわよ、ギブアップするなら大きな声で言ってよね!」
更に締め上げる友美。
「ギブ、ギブアップ!・・・ギブアップ・・・ゆ、許し・・て・・・・」
ゆきえの叫びにレフリーがゴングを要請していく。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、友美が技を解いて立ち上がった。
『勝者、板乃友美っ!』
リングアナのコールにレフリーに片手を挙げられて笑顔を浮かべる友美。
対して、グッタリと俯せ状態で涙ぐむゆきえ。
普通だったらゆきえが勝利すると思われていたが、やはりアフリカンコング戦のダメージが残っていたゆきえにとって、可哀想な試合だった・・・・。
こうしてグラビアアイドル軍団とアキバ軍団の第1戦はアキバ側が勝利したのだった。



第3試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、グラビアアイドルからは山木梓が赤ビキニに白リングシューズ姿でリングインしていく。しかし、素肌を露わにしている梓だったが、その素肌には痣など傷が目立っている。そう、全大会でのアフリカンコング戦のダメージが残っている様だった。
その梓の待つリングに登場するのはアキバ48側からは横川由依がリングインした。白いビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、四方の観客席に向かって頭を下げてからコーナーに進んでいった。この試合が2試合目の由依だが、緊張しながらも必死になっている様子が伝わるリング上。
『対抗戦第2試合・・・青コーナー〜・・・身長157センチ、上から82、55、83・・・山木梓〜っ!』
コールを受けて笑顔を浮かべて観客席に頭を下げる梓。
『赤コーナー〜・・・身長158センチ、上から74、60、84・・・横川由依〜っ!』
コールを受けて観客にアピールする由依。地下プロレス2戦目と言う事で、緊張しながらもコーナーで身体を動かしては、試合開始に備えていく由依。
観客席からは経験からも梓の勝利と言う声が聞こえているが、梓自身は前回の試合のダメージもあり不安気な表情を浮かべている。
そんな中、試合開始のゴングが打ち鳴らされた・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出したのは由依で、反対コーナーへ走り込むとドロップキックを仕掛けた。
バッシーン・・・
由依の勢いあるドロップキックに倒れ込む梓。
素早く立ち上がると、今度は由依がネックブリーカードロップでマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
堪らず悲鳴をあげる梓。後頭部をマットに叩き付けられてフラつきながら立ち上がると、由依がロープに走っていく。
そして勢いのあるラリアットを仕掛けるも梓が避けると、そのまま由依が走り込んでロープの勢いを使って戻っていく。
反転する梓に、今度はジャンピングニーパッドを顔面に決めてダウンを奪った。
『ワン・・・ツー・・・』
早くもフォールの体勢になるも、梓も意地になってカウント2で返していく。
返されたからと、マットに座らせた体勢のままスリーパーで締め上げる由依。
これには梓も苦悶の表情を浮かべてロープに手を伸ばすも、ロープが遠く届かない。
試合開始から由依が試合のペースを握っていると、梓は苦しい展開に追い込まれていく。20歳の由依と31歳の梓。年齢的にも由依は勢いに乗っているところだろうか・・・。
『ギブ?ギヴァーップ?』
レフリーの問いかけにノーと応えていく梓。しかし表情は苦しそう。
由依もギブアップ狙いで締め上げると、少しずつスタミナを消耗させていく展開に。
梓が耐えていくと、由依はスリーパーを外してから立ち上がると、マットに座った状態の梓の背中にサッカーボールキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
背中への衝撃に苦しむ梓。
続けて由依が髪を掴んで起こそうとすると、梓がタックルの様に組み付いてロープ際に由依を押し込んだ。
更に脇腹へパンチを数発叩き込むと、そのまま抱え上げていく梓。
抱え上げられて両足をバタバタさせる由依を、梓はコーナーに投げつけていく。
バシィィィィ・・・
「んあぁぁぁぁぁ・・・・」
堪らず悲鳴をあげる由依。コーナーに背中から叩き付けられて、寄りかかる形でグッタリしていくと、梓が走り込んで喧嘩キックをお腹に叩き込んだ。
ドスッ・・
「ううっ・・・うっ・・・」
お腹への喧嘩キックに苦しむ由依。
苦しむ由依にエルボースマッシュを叩き込むと、首投げでマットに投げつける梓。
続けて首4の時固めで締め上げると、由依は両足をバタバタさせて藻掻いている。
藻掻きながらもロープに足を伸ばした由依。レフリーが止めていくと、梓が技を解いて立ち上がった。
技が解かれて首を気にしながらも立ち上がる由依。梓との距離を気にしながらリングを動いていくと、梓が前に出て行く。
梓がローキックを狙っていくと、逆に由依はミドルキック気味に打撃技で牽制した。
由依の打撃に驚く梓は、負けじとミドルキック気味に返すと、由依の脇腹を抉った。
バシィィィ・・・
脇腹を蹴られて動きの止まる由依に、梓は強引にヘッドロックを仕掛けると、由依も踏ん張って梓をロープに振った。
ロープから勢いよく戻ってきた梓に、由依がドロップキックを叩き込むと、豪快にマットに倒れ込む梓。
バッシーン・・・
「あうっ・・・」
倒れ込んだ梓に素早く片足を抱え込んでフォールする由依。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし梓が返していくと、由依は素早く腕を狙うも梓がロープに足を伸ばした。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが由依を止めていくと、梓は呼吸を整えながらリング下に降りていく。
リング上からは由依が梓を動きを見つめると、梓はビキニを気にしながらもゆっくりとリングサイドを動いては呼吸を整えた。
そしてエプロンサイドに上がってから、由依が離れているからと一気にリングに戻る梓。
由依も梓との距離を取りながら詰めていくと、今度はロックアップの体勢から力比べが始まった。
グイッ・・
お互いが譲らずに必死になって力で押していく展開に、観客席からも歓声が上がっていく。
顔を紅潮させて必死に相手を押し返そうとする両者。互角の力比べの展開に盛り上がる会場内。
しかし少しずつ由依が押し出していくと、梓の表情に焦りの色が浮かび上がる。
梓の背中がロープに近づくと、苦し紛れに梓が蹴りを出していくと、由依がフラついた。
しかし至近距離からのラリアットを仕掛けた由依。
バシィィィィ・・・
顔面に腕が叩き込まれるとフラつきながらロープに寄りかかる形の梓。
続けてキチンシンク気味に膝蹴りをボディに叩き込む由依。
ドスッ・・
「ううっ・・」
膝蹴りを受けて動きの止まる梓。
その梓をロープから離すと、素早く絡みつくようなコブラツイストを仕掛けた由依。
グイッ・・
「くっ・・・」
苦しそうな表情で耐えていく梓。全身に走る激痛に逃れようと必死だが、由依がガッチリと技を極めている。
レフリーも梓にギブアップの確認をしていく。
『山木っ、ギブアップ?・・・ギブ?』
レフリーの問いかけに必死に耐える梓。
「ノォォォォォ・・・・ギブなんてしない!」
必死に耐える梓に、由依がコブラツイストを外してから、一気に身体を密着させる様に大技の卍固めを仕掛けた。
グイッ・・・
「あああああっ・・・」
コブラツイストよりも苦しい状態に追い込まれていく梓。
悲痛な叫びとも言える悲鳴をあげると、レフリーが更に問いかける。
『ギブ?・・・ギブアップ?』
レフリーが問いかけると、梓は全身から汗を噴き出しながら耐えていく。
「ノ、ノォォォォ・・・・」
耐える梓から着実にスタミナ・気力などを奪っていく由依の技の数々。地下プロレス2戦目と言う由依だが、グループ内での存在のアピールの為に必死さが伺えた。
由依もギブアップ狙いで極めていくと、耐える梓の反応が少なくなっていく。
ギブアップ寸前だが、由依相手に簡単にギブアップしたくない梓。しかし身体は限界に近づいている・・・。
そして梓の口から遂にギブアップの言葉が・・・。
「ぎ・・ぎ・・・」
苦悶の表情の梓が、小さな声でギブアップの言葉を呟く・・・。
「ぶ・・・ぎ・・・ぶ・・・」
しかしレフリーも由依も気が付かないと、由依は締め上げていく。
「ギブ・・・ギブ・・・アッ・・・プ・・・・」
梓がギブアップを口にすると、レフリーが確認の為に問いかけた。
『ギブアップ?・・・山木っ、ギブアップ・・・』
再度行われるレフリーのギブアップの確認に、梓が口にした。
「ぎ、ギブアップ・・・」
その瞬間、レフリーが試合終了のゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、ここで由依が技を解いていく。
技が解かれるとグッタリとマットに倒れ込む梓。
『勝者、横川由依っ!』
リングアナのコールに笑顔を浮かべる由依。
そして由依の足元でグッタリと俯せにダウンして悔しがる梓。
やはり経験などから勝利すると思われた梓も、ゆきえと同じくアフリカンコング戦のダメージが影響したのではと観客席からは囁かれたが、試合は由依の勝利と言う事で終わりを告げたのであった。
対抗戦2戦目もアキバ48側が勝利しての2連勝。グラビアアイドル軍団としては勢いを止めたいところだが、次はどうなるのか・・・。


第4試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、黒ビキニに黒リングシューズ姿の磯山紗耶香。前回の大会ではアフリカンコングに残酷な負け方をしていただけに、コング戦をした3人目が3戦目に登場に、観客席からはグラビアアイドル軍団の連敗かと言う声が漏れだしている。
しかしグラビア側としても、連敗は想定していなかったので、紗耶香の試合順もそういう意味合いだった。ゆっくりとリングインする紗耶香は、観客席に向かって頭を下げていった。しかし、コング戦のダメージから素肌には痣なども残っていて、表情もどことなく辛そうな表情の紗耶香。
その紗耶香の対戦相手としてリングインするのは、アキバ48の中でも長身の篠多麻里子。麻里子は藤原紀華と同じ事務所でもある関係から、格闘技スタイルの試合にも対応できる様にと、紀華との合同練習なども行っての対抗戦と言う話も聞こえていて、白いビキニに白いリングシューズ、それに手にはオープンフィンガーグローブが着けられていた。
早くも威嚇する様に、コーナーにパンチを連打して身体を動かしていく麻里子。それを見た紗耶香としては、素手のプロレススタイルだけに、打撃系勝負になると危険だとばかりに考え出す。
『対抗戦第3試合・・・青コーナー〜・・・身長155p、上から88、60、86・・・磯山紗耶香〜っ!』
コールを受けて頭を下げていく紗耶香。ビキニから見える胸の谷間に視線が集まって歓声が起きていくリング上。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から82、57、85・・・篠多麻里子〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする麻里子。身長差もあり紗耶香としては苦しい試合が予想されていくリング上。
手にオープンフィンガーグローブを着けている麻里子は、紀華との格闘技戦形式の練習も積んだと言う情報も入っていて、今夜の対抗戦でその成果を出そうとしているのか、気合いを入れている麻里子。
両者のコールが終わると、早速試合開始のゴングが打ち鳴らされた・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出したのは紗耶香で、果敢に麻里子との距離を詰めていく。
しかし麻里子は打撃スタイルで構えると、少しずつ紗耶香との距離を詰めていく。
シュ・・・
軽くジャブを放つ麻里子に、紗耶香も大振りの張り手で牽制するが、お互いの手は当たらない。
すると、紗耶香が低空ドロップキックを放つと、麻里子の足を捉えた。
バシィィィ・・・
「あうっ・・・」
低空ドロップキックを受けて苦悶の表情でダウンする麻里子。
素早くグラウンドに持ち込もうとする紗耶香に、麻里子がロープに手を伸ばした。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが止めていくと、紗耶香がビキニを直しながら立ち上がっていく。
麻里子も呼吸を整えながら立ち上がると、距離を置いてから試合が続けられていくリング上。
身長差もあるので打撃合戦など持ち込んだら堪らないと、紗耶香は組み付こうと狙っていく。
麻里子も打撃の構えで前に出ると、紗耶香が低空タックルを仕掛けた。
地下プロレスでのキャリアも長い紗耶香のタックル。しかし麻里子が避ける様に身を引くと、紗耶香は素早くガードして距離を置いていく。
タックルに失敗して紗耶香の表情に焦りの色が浮かび上がると、麻里子がローキックで牽制しながら左右のジャブで距離を詰める。
紗耶香もガードしながら逃げると、次第にコーナーに追い込まれる形になる紗耶香。
堪らず前蹴り気味に蹴りを出して抵抗する紗耶香。
蹴りに嫌がるような表情を浮かべるも、蹴り返していく麻里子。
更に踏み込んで左右のパンチを顔面に放つ麻里子。
バシッ、バシィィィ・・・
不慣れながらも紗耶香の顔面を捉える左右のパンチ。
一瞬動きの止まる紗耶香は、次の瞬間には打撃を避ける為に麻里子に抱きつくように組み付いた。
組み付かれながらも麻里子が紗耶香をコーナーに押しつけると、膝蹴りを狙っていくが紗耶香がバランスを崩してグラウンド状態に持ち込んでいく。
倒れ込むと、紗耶香が麻里子の脇腹へパンチを叩き込むと、麻里子の表情が険しくなっていく。
バシッ、バシッ、バシッ・・・
スレンダーな麻里子だけに、内臓に響くようなパンチにダメージを負っていく。
紗耶香も組み付けば勝負になると必死に殴りつけていくと、麻里子が冷静にロープに足を伸ばした。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが紗耶香を止めていくと、殴るのを止めて立ち上がる紗耶香。
麻里子も脇腹などを気にしながらも立ち上がると距離を置いていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出る麻里子。
紗耶香もガードを上げると、果敢にミドルキックを放っていく。
しかし身長差と踏み込みの甘さから空振りに終わると、逆に麻里子がハイキックで牽制していく。
空を切るハイキック。しかし紗耶香へのプレッシャーは十分だった。
ガードを固めて距離を置いていく紗耶香に、麻里子が少しずつ距離を詰めていく。
ジャブを放ちながら距離を詰めていくと、パンチに気を取られた紗耶香にローキックを叩き込んでいく。
バシィィィ・・・
ローキックを受けてフラつく紗耶香。
更に左右のパンチを顔面に入れていく麻里子。初めての格闘技戦スタイルに少しずつ慣れ始めている様子。
顔面へのパンチの連打にフラつきながら距離を置こうとする紗耶香に、麻里子が距離を潰して組み付いた。
必死に組み付いて逃れようとする紗耶香に、麻里子の膝蹴りが襲いかかるが、距離が詰まって当たらない。
逆に紗耶香が押し込んでグラウンド状態に持ち込むと、横四方の様にサイドポジジョンを奪って押さえ込んだ。
麻里子もブリッジ気味に抵抗を見せるも、紗耶香がハンマーパンチ気味に麻里子の脇腹へ打撃を放つ。
ドスッ・・ドスッ・・
「うっ・・・」
肋骨に響くようなハンマーパンチに苦悶の表情を浮かべる麻里子。
両足を広げて返されないようにしながら、紗耶香が脇腹へのハンマーパンチで少しずつダメージを与えていくと、麻里子の表情から余裕の色が消えて焦りに近い表情に変わっていく。
しかし麻里子が少しずつロープへ近づこうとポジションを動かしていくと、足がサードロープに届いた・・・。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に紗耶香が立ち上がると、麻里子もビキニを気にしながら立ち上がった。
『ファイト!』
そして試合が続けられると、呼吸を整えながら麻里子が距離を詰めていく。
対して紗耶香は打撃を警戒してガードを固めると、麻里子が前蹴りからローキックと打撃で攻めた。
バシッ・・
ローキックを受けてガードを固める紗耶香。
更に麻里子がローキックを放つと、蹴り足に低空タックルを合わせていく紗耶香。
蹴り足に組み付かれてバランスを崩して倒れ込む麻里子に、紗耶香が組み付いていくと藻掻く麻里子が俯せ状態になっていく。
俯せになったからと、紗耶香がバックマウントを奪うと麻里子は両手で頭部をガードしていくが、紗耶香は髪を鷲掴みにして上を向かせた。
「あうっ・・」
苦悶の表情を浮かべる麻里子。
そのままキャメルクラッチを仕掛けていく紗耶香。容赦ないキャメルクラッチで上半身を反らされて藻掻き苦しむ麻里子。
両足をバタバタさせて苦しむが、レフリーの問いかけにも必死に耐えていく。
『篠多っ、ギブアップ?』
レフリーの問いかけにも耐えていく麻里子。紗耶香も必死に揺さぶったりギブアップを狙うも、麻里子も必死に耐えていく。
仕方なく技を解いていく紗耶香は、立ち上がるとストンピングを叩き込んでから、髪を掴んで起こしていくと、ヘッドロックで締め上げた。
しかし麻里子がロープに振って切り返すと、ロープから戻ってきた紗耶香にジャンピングニーパッドを叩き込んだ。
バキッ・・
顎に膝が当たって豪快にダウンする紗耶香。
麻里子が素早くフォールの体勢になると、レフリーがカウントを数えた。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし紗耶香が返すと、麻里子がサイドポジションから脇腹へ膝蹴りを叩き込む。
ドスッ・・
「うぐっ・・」
強烈な膝蹴りを受けて呻き声をあげる紗耶香。
抵抗が少なくなったからと、麻里子が一気にマウントポジションを奪っていくと、容赦ない顔面へのパンチを連打していく。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
オープンフィンガーグローブを着けているからと、容赦ないパンチが紗耶香の顔面を襲う。
藻掻くように抵抗する紗耶香だが、麻里子のパンチが容赦なく襲いかかった。
早くも紗耶香が鼻血を噴き出すと、殴りつける麻里子が一瞬躊躇するが、またも殴りつけていく展開。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
麻里子に体重を乗せられて返せず、顔面をただ殴られ続けている紗耶香。
あまりに一方的な展開と、血塗れの表情の紗耶香を見てレフリーがゴングを要求するのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、レフリーが麻里子を止めていく。
『勝者、篠多麻里子っ!』
リングアナが麻里子の勝利をコールすると、一方的に殴られて負けた紗耶香は試合を止めるのが早いとばかりにレフリーに抗議した。
「ま、まだ・・・わ、私・・・試合はできます・・・・止めるのが早くないですか・・・」
紗耶香の抗議にレフリーも返す。
『マウントポジションで一方的に顔面パンチは危険だから、試合は止めた・・・それだけだ・・・』
紗耶香は諦めた様子で黙ったまま鼻血を拭うと、フラつきながらもリングを後にする。
麻里子は笑顔を浮かべて観客にアピールすると、ここでアキバ側が3連勝と言う結果に終わったのだった。
次の試合にアキバ側が勝利したら、団体が勝利するのにリーチがかかると言う事に、グラビアアイドル側も試合順のオーダー表は出してはいるが、プレッシャーがかかる試合結果であった・・・。




第5試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、グラビアアイドル側は高端亜由美。白いビキニに白いリングシューズ姿で、その豊満なバストを揺らしながらのリングインに、観客席からも視線が集まっている。グラビアアイドルとしては遅咲き感のある亜由美。この試合で2試合目だったが、今後の芸能界での活動の為にも、観客にアピールしたいところ。そして負けたらグラビアアイドル側はリーチと言う事にもなり緊張も混じり合うリングイン。
その亜由美と対戦するのは、アキバ側で人気の渡邉麻友。ピンク色のビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって頭を下げていくと、体格差が感じられる亜由美との対戦に緊張気味にコーナーに進んでいく。
麻友もこの試合が2試合目だったが、デビュー戦は押される展開でのギブアップ負け。今回は少しでも粘って勝利したいところ。
そのリング上に早くもリングアナのコールが始まった。
『対抗戦第4戦・・・青コーナー〜・・・身長160p、上から86、58、85・・・高端亜由美〜っ!』
コールを受けて両手を挙げてアピールする亜由美。デビュー戦は勝利で飾っただけに、この試合も勝利したいところ。
『赤コーナー〜・・・身長156p、上から71、55、82・・・渡邉麻友〜っ!』
そして麻友はコールを受けると、片手を挙げてアピールするも、亜由美の存在感に自信がないようにも見え心配する観客もいた。
気合いの入る亜由美が身体を動かしながら試合開始のゴングを待つと、麻友も水着を直しながらゴングを待つ。
レフリーがリング中央でルールの確認をしていくと、睨み合う亜由美と麻友。
バッシーン・・・
するといきなり亜由美が麻友の頬に強烈な張り手を叩き込んだ。
いきなりの張り手に麻友が頬を押さえてレフリーに抗議すると、亜由美が言い放つ。
「甘い事を言ってるんじゃないわよ!・・・リングに上がったら勝負なのよ!」
亜由美の言葉に言い返せずに離れる麻友。
観客席からは歓声が起きると、ここで試合開始のゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時に飛び出したのは気合い十分の亜由美。
反対コーナーの麻友に突進すると、強烈な喧嘩キックを放った。
ドスッ・・
「きゃあああぁぁ・・・」
悲鳴をあげてダウンする麻友。
亜由美の気合いに怯えている様にも見えるが、亜由美が髪を鷲掴みにして麻友を起こすと、素早くボディスラムでマットに投げ飛ばす。
バッシーン・・・
「あうっ・・」
体格差もあり軽々ボディスラムで投げ飛ばす亜由美。地下プロレスでの活躍でアピールしようと必死さが伝わるファイトに歓声が響き渡る。
倒れた麻友に飛び上がるようにエルボードロップを喉元に堕とす亜由美。
ドスッ・・
「ああんっ・・・」
悲痛な麻友の悲鳴に歓声が起きると、亜由美が続けてフォールした。
『ワン・・・ツー・・・スリィ・・・』
カウントが決まったと思った瞬間、麻友がギリギリで返していく。
しかし試合開始から攻め込まれて苦しい麻友。
返されたからと亜由美が麻友を起こしていくと、ロープ際に押し込んでからキチンシンクを叩き込むと、首投げでマットに叩き付けてからヘッドシザースで締め上げていく。
グイッ・・・
「あうっ・・・うううっ・・・」
亜由美の両足がガッチリと麻友を締め上げると、麻友の顔が紅潮して苦しい展開になっていく。
レフリーもギブアップの確認をするが、必死で耐える麻友。
ロープに逃げようと足を伸ばす麻友。しかしロープが遠く届かない・・・。
泣きそうな表情で耐えていく麻友に、亜由美は技を解いていくと素早く立ち上がった。
そして立ち上がろうとする麻友に容赦ないストンピングを叩き込むと、堪らず麻友は転がるようにリング下に転落してしまった。
リング下で水着を気にしながら立ち上がる麻友は、リングサイドを呼吸を整えながら歩いていくと、リング上からは亜由美が挑発していく。
「早く上がってきなさいよ!」
気合い十分な亜由美。
しかし麻友はリングに戻る事なくリングサイドを動くと、亜由美がリング下に降りていく。
これには麻友が驚きながら逃げると、亜由美も追いかけた。
堪らず麻友がリング上に戻ると、亜由美もリング上に上がると、麻友が必死にドロップキックで応戦した。
バッシーン・・・
軽いドロップキックにフラつく亜由美。
麻友が素早く立ち上がってドロップキックを叩き込む。
バッシーン・・・
2発目で倒れ込む亜由美に、麻友は片足を抱え込んでフォールした。
『ワン・・・ツー・・・』
カウントが進むも亜由美が余裕で返していくと、麻友はマットに座らせた状態からスリーパーで締めていく。
グイッ・・
しかし亜由美がロープに逃げると、レフリーが麻友に技を解くように指示した。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に技を解いていく麻友。
亜由美もビキニを直しながら立ち上がると、麻友との距離を詰めていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離が詰まる亜由美と麻友。
ゆっくりと亜由美が距離を詰めると、麻友はプレッシャーを感じてか少しずつロープ際に下がりだした。
ロープ際に追い込まれた麻友に、亜由美は激しい張り手を叩き込む。
バッシーン・・・バッシーン・・・
「ううっ・・・あうっ・・・」
左右の張り手にフラつく麻友。
必死に張り手を返すと、亜由美は鋭い視線を投げつけながらお腹にグーパンチを叩き込む。
ドスッ・・
「ふぐうっ・・・ううっ・・・」
お腹を殴られて身体をくの字にして苦悶の表情を浮かべる麻友。
その麻友に容赦ない張り手の連打を叩き込む亜由美。
バシィィィ・・・バシィィィィ・・・バッシーン・・・
「あうっ・・・あんっ・・・ああっ・・・」
一方的に張り手を叩き込まれて苦しい麻友。
口の中を切ったのか血飛沫を上げて叩かれる姿は可哀想にも見えた。
麻友も反撃しようとエルボーなど出すも、亜由美の圧力に押されて膝蹴りをボディに受けると、苦悶の表情を浮かべて座り込む様にダウンしていまう麻友。
「立ちなさいよ!」
座り込む麻友の髪を掴んで起こしていく亜由美。
そしてダブルアームスープレックスの体勢に持ち込むと、観客席からも歓声が起きていく。
両足を踏ん張っていく亜由美が麻友を持ち上げると、後方へ投げずに前に落とすようにフェイスバスターを豪快に炸裂させた。
バッシーン・・・
「きゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
泣き声に近いような悲鳴をあげて痛がる麻友。
亜由美が放すと、両手で顔面を押さえて転がるように痛がって悲鳴をあげる麻友。顔面をマットに叩き付けられて相当なダメージを受けたのが観客席からも見えて取れた。
両手で顔面を押さえて痛がる麻友が仰向けになった瞬間、今度は亜由美が飛び上がるようにお腹にフットスタンプを叩き込んだ。
ドスッ・・
「ほげっ・・・」
フットスタンプを受けて更に藻掻き苦しむ麻友。
今度は両手でお腹を押さえて転がるように苦しんでいると、亜由美は片手を挙げてアピールしていく。
苦しむ麻友は口から胃液の様なものを垂れ流しているが、亜由美の全体重が柔らかいお腹を押し潰したのだから激しい嘔吐感に襲われていた。
そして亜由美が麻友の両足を抱え込むと、一気にステップオーバーして逆エビ固めを仕掛けた。
泣きそうな表情で耐える麻友。
腰を落として揺さぶる亜由美は、強引にギブアップを奪おうと揺さぶりかけていく。
「ギブアップしなさいよ!」
亜由美の激しい攻めに絶叫する麻友。
「ノォォォォォ・・・・ノォォォォォォ・・・・」
泣きそうな声で悲鳴をあげる麻友。
耐えるからと、亜由美が更に反らしていくと激痛に絶叫する麻友。
「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
背骨が折れたのかと観客が驚くほどの悲鳴をあげる麻友。
レフリーもギブアップの確認をしていくが、麻友は泣きながら耐えていく。
『ギブアップ?・・・ギブするか?』
レフリーの問いかけに耐える麻友。
「ノォォォォォォ・・・・ノォォォォォォォ・・・・ギブはしない・・・んああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
泣きながら耐える麻友に、観客席からも凄い試合になったと声が飛ぶ。
『渡邉ぇぇぇぇ・・・頑張れ!』
『高端っ、一気にギブアップ奪っちまえ!』
観客席からは亜由美と麻友の双方に対して声援が飛ぶ中、亜由美が腰を落として極めていく。
全身から汗を噴き出しながら耐えている麻友が、マットにグッタリとしないがら悲鳴をあげていくと、遂に限界が近づいていた・・・。
「背骨が折れちゃうかもよ、渡邉さん!」
亜由美が意地悪く囁きながら揺さぶると、麻友は遂にギブアップを口にした・・・。
「ぎ・・・ギブ・・・」
しかし亜由美もレフリーも気が付かないと、更に麻友が叫んだ。
「ギブ、ギブアッ〜プ!・・・・も、もうダメ〜ぇ、ギブアップ・・・許してぇぇぇぇぇぇ・・・・」
激しくマットを叩きながら泣き叫ぶ麻友。
『カンカンカンカン・・・』
レフリーがギブアップを確認すると、ゴングを要請して試合が終わりを告げた。
亜由美が技を解くと笑顔を浮かべて片手を挙げていく。
『勝者、高端亜由美っ!』
リングアナのコールにレフリーに片手を挙げられていく亜由美。
対してグッタリとして腰を気にしている麻友。
4戦目にしてやっとグラビアアイドル軍団が1勝をあげた試合。これで弾みがつくのか、今後の試合に観客達の期待が膨らむのであった。




第6試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、Gカップのグラビアアイドル原幹絵。白いビキニに白リングシューズ姿でリングインすると、早くも観客席に頭を下げていく。
リングインすると、ロープの張り具合を見ているのか寄りかかっていく幹絵。グラビアアイドル側はもう負けられない状態だけに、緊張を隠せない様子だが、気合い十分の幹絵。
その幹絵の対戦相手としてリングインするのは、あのじゃんけん大会ではビキニで登場した左藤聖羅。青いビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、早くも幹絵を挑発する様に睨み付けた。幹絵も睨み返すと、早くもお互いが臨戦態勢のリング上。
巨乳アイドルの睨み合いに観客席も盛り上がっていくと、レフリーが各コーナーに別けていくも、お互いが詰め寄る形で睨み合いが続いていく。
言葉は発せずとも睨み合う幹絵と聖羅。
しばらく睨み合いが続くと、お互いがコーナーに戻っていくと、ここでリングアナのコールが始まった。
『対抗戦第5戦・・・青コーナー〜・・・身長164p、上から94、61、88・・・原幹絵〜っ!』
コールを受けて片手を挙げていく幹絵。
『赤コーナー〜・・・身長158p、上から88、60、89・・・左藤聖羅〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする聖羅。地下プロレス2戦目ながら気合い十分と言う印象の聖羅。
Gカップの幹絵とFカップの聖羅の闘いのゴングが遂に打ち鳴らされるリング上。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す幹絵と聖羅。ビキニに包まれたバストが激しく揺れながらリング中央で睨み合う展開から始まった試合。
聖羅が片手を伸ばして力比べを誘うと、幹絵も片手を出して挑発に乗る様に組み付く。
しかし、組み付く瞬間に聖羅が喧嘩キックを叩き込むと、幹絵の髪を鷲掴みにしてロープに振っていく。
バッシーン・・・
ヘアーホイップで投げつける聖羅。幹絵がマットに叩き付けられると、座り込むようにして睨み付けた。
その幹絵に近づいて、容赦ないサッカーボールキックを背中を叩き込む聖羅。
バシィィィィ・・・
「痛っ・・・」
堪らず幹絵の表情が苦悶に歪んだ。
更に聖羅がサッカーボールキックを叩き込むと、幹絵は歯を食いしばって耐えていくと、白い背中に赤く内出血が浮かんでいる幹絵の素肌。
そして髪を掴んで起こしていくと、ヘッドロックで締め上げる聖羅。
しかし幹絵が聖羅をロープに振って返していくと、ロープから戻る聖羅にバストを揺らしながらラリアットを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「あうっ・・」
喉元を押さえて倒れ込む聖羅に、幹絵は狙いをつけてバストにストンピングを叩き込む。
グニュ・・グニュ・・
「あんっ・・・あああっ・・・」
聖羅の豊満なFカップバストに容赦ない蹴りが炸裂していくと、堪らず聖羅が悲鳴をあげる。
転がるようにロープに逃げる聖羅に、幹絵はヒップへもサッカーボールキックを叩き込んでリング下に落としていった。
リング下でビキニを気にしながら呼吸を整える聖羅。
そしてリング上では幹絵が挑発するように手招きしていくと、聖羅もリング下から挑発していく。
お互いの挑発に観客席が盛り上がると、聖羅がゆっくりとエプロンサイドに上がっていく。
エプロンサイドに上がったからと、幹絵がロープ越しに掴もうとすると、逆に聖羅がバストへグーパンチを叩き込む。
グニュ・・・
「あうっ・・・」
Gカップバストを殴られて痛がる幹絵に、聖羅は髪を鷲掴みにしてコーナーに連れ出すと、コーナーポストに幹絵の顔面を叩き付けた。
バッシーン・・・
「きゃあああぁぁ・・・」
顔面をコーナーに叩き付けられて悲鳴をあげる幹絵。
続けて聖羅がトップロープに登ると、フラつく幹絵にフライングボディアタックを仕掛けた。
バッシィィィィ・・・
見事に炸裂したフライングボディアタックで、幹絵のGカップバストがFカップバストに押し潰されると、聖羅はそのまま片足を抱え込んでフォールする。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし幹絵も返していくと、聖羅が悔しそうな表情を浮かべながら立ち上がった。
そして幹絵の髪を掴んで起こそうとすると、幹絵がお腹にパンチを入れて抵抗した。
バシッ、バシッ・・
お腹へのパンチに動きの止まった聖羅に、幹絵は立ち上がってから側頭部にエルボーを叩き込むと、続けてロープに振っていく。
勢いよくロープから戻る聖羅に、幹絵がネックブリーカードロップを仕掛けると、お互い自慢のバストが激しく揺れながら炸裂する技。
マットにダウンして苦しそうにする聖羅に、幹絵が立ち上がるとストンピングから髪を掴んで起こしていくと、ヘッドロックで締め上げる。
聖羅の脇腹へパンチを入れて抵抗すると、幹絵が更に締め上げて痛めつけると、一気にブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
マットに叩き付けると、素早く俯せ状態の聖羅にキャメルクラッチを仕掛ける幹絵。
グイッ・・
「ううっ・・あうっ・・・」
苦悶の表情を浮かべる聖羅。上半身を反らされてFカップバストがビキニから飛び出しそうになりながらも、両足をバタつかせて痛がっている。
幹絵もスタミナを奪おうと揺さぶったりして痛めつけると、観客席にアピールする様に揺さぶっていく。
アキバの中でも大きなバストを持っている聖羅だけに、バストを揺さぶられながら痛めつけられるシーンには、観客席からも歓声が起きていく。胸の谷間にも汗が流れ込んでいる中、必死に耐えていく聖羅。
『ギブアップ?・・・ギブアップ?』
レフリーの問いかけに必死に耐える聖羅。
「ノォォォォ・・・・」
耐える聖羅に、幹絵が技を解いて立ち上がると、髪を掴んで起こしていく。
すると聖羅がキチンシンクを仕掛けると、幹絵のボディを膝が抉った。
ドスッ・・
「うっ・・ううっ・・」
キチンシンクを受けて動きの止まった幹絵に、聖羅が素早く絡みつくようなコブラツイストを仕掛けると、今度は幹絵が苦悶の表情を浮かべていく。
グイッ・・
「あああああっ・・・」
幹絵の悲鳴が響くリング上。聖羅も締め上げてダメージを与えたいところ。
必死に耐える幹絵に、聖羅は揺さぶるように締め上げていくが、耐える幹絵に聖羅は技を解いていく。
技を解くとヘッドロックで締め上げていく聖羅。
幹絵がロープに振ったりしようとするが、聖羅も踏ん張って締め上げていくと、幹絵の表情が苦悶に歪む。
しかし幹絵も聖羅の脇腹へパンチを入れると、聖羅がフラつく。
続けてパンチを入れる幹絵。堪らず聖羅のヘッドロックが緩むと幹絵が脱出すると、素早くローキックを叩き込む。
バシッ・・
「あうっ・・」
足を蹴られて痛がる聖羅に、幹絵が延髄蹴りを仕掛けるも高さが不十分で背中に蹴りが入った形になると、聖羅がフラつきながらロープに逃れる。幹絵も立ち上がるがビキニを直しながら距離を置いていくリング上。
聖羅も呼吸を整えながらビキニを直していくと、レフリーが幹絵との距離を開けていった。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていく両者。そして踏み込んで蹴りを放つのは聖羅。
バシッ・・
バストを揺らしながら激しく蹴りを入れると、幹絵も負けずに蹴りを入れていくと、続けてヘッドロックに捉えていく。
聖羅がロープに振るように返していくと、ロープからバストを激しく揺らしながら戻ってきた幹絵が、飛び上がってボディアタックを仕掛けた。
バッシーン・・・
『ワン・・・ツー・・・』
ボディアタックから倒れ込んでフォールに入る幹絵だが、聖羅がカウント2で返していく。
返されたからと幹絵はマットに座らせた状態から、何とドラゴンスリーパーを仕掛けた。
グイッ・・
「んんんっ・・・」
ドラゴンスリーパーを極められて藻掻き苦しむ聖羅。
幹絵もギブアップ狙いで締め上げるが、聖羅も必死にロープに逃れようと粘っていく。
胸の谷間に汗が流れ込みながら、また青いビキニが汗ばみながらも必死な聖羅。
そして足が何とかロープに触れると、レフリーが幹絵に技を解かせた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に技を解いていく幹絵。聖羅は咳き込みながらロープを掴んで立ち上がると、幹絵もビキニを直しながら呼吸を整えていくリング上。
『ファイト!』
そして試合続行が告げられると、呼吸を荒げている聖羅に対して幹絵がタックル気味に組み付いた。
更に組み付いてから、聖羅を抱え上げていく幹絵。
そのまま背中からマットに叩き付けると、激しい衝撃に動きを止めた聖羅。
仰向けにダウンしている聖羅に、幹絵は立ち上がると観客席に向かってアピールしていくと、聖羅のバストへ容赦ないニードロップを叩き込む。
グニュ・・
「ああああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
バストに容赦なく幹絵の膝爆弾が叩き込まれると、聖羅がまるで狂ったように絶叫する。
体重の乗ったニードロップがバストを抉る、巨乳同士のある意味で残酷な展開に盛り上がる観客席。
バストを押さえて痛がる聖羅に、幹絵はバストへストンピングを連打すると、一気にキャメルクラッチの体勢に持ち込んだ。
嫌がる聖羅。しかし幹絵が上半身を反らしていくと、激しく両足をバタバタさせる様にして痛がっている聖羅。
幹絵が揺さぶると、聖羅のバストがビキニから飛び出しそうになるが、聖羅は痛さから激しく抵抗していく。
乳首が飛び出しそうな展開に観客席からは聖羅のトップレスを期待する声も上がり出す中、幹絵が激しく揺さぶっていくと遂に聖羅の心が折れた・・・。
「ぎ・・ぎゅ・・・ぶ・・・」
顎を押さえられてギブアップと言えない聖羅は、ギブアップを口にするがレフリーが気が付かない。
「ぎぃ・・ぶ・・・うっ・・・ぷ・・・」
更にギブアップを口にする聖羅。しかし幹絵も気が付かずに揺さぶると、激痛に泣き出している聖羅。
涙を見てレフリーがチェックすると、聖羅がギブアップの反応をしたからとゴングが要請された・・・。
『カンカンカンカン・・・』
レフリーが幹絵を止めていくと、ここで幹絵の勝利が決まった。
『勝者、原幹絵っ!』
技を解かれて俯せでグッタリしていく聖羅。
幹絵は立ち上がると、観客席に向かってガッツポーズを決めていく。
ここでグラビアアイドル軍団が2勝目を挙げて5戦2勝。この勢いを続けられるのか、次の試合にも注目の集まる対抗戦・・・。




第7試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、グラビアアイドル側からは杉元杏璃がリングイン。
現グラビアクイーンベルト保持者としても、気合いを入れてのリングイン。白いビキニに白いリングシューズと言うリンコスで、Gカップバストを揺らしながらのリングインに早くも歓声が起きていく。
その杏璃の相手となるのが、アキバ側からは柏樹由紀がリングイン。黒ビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、反対コーナーの杏璃とは視線を合わそうとはせずに、コーナーに寄りかかっていった。
『対抗戦第6戦・・・青コーナー〜・・・身長157p、上から89、56、80・・・椙原杏璃〜っ!』
コールを受けて片手を突き上げてアピールする杏璃。地下プロレスでは念願のベルトも奪取して、堂々と腰にはアラサークイーンベルトを巻いて観客の歓声に応えていく。
『赤コーナー〜・・・身長163p、上から75、54、81・・・柏樹由紀〜っ!』
そしてコールを受けて観客席に深々と頭を下げていく由紀。細いウエストにサイズ以上に見えるバスト。観客席からも水着姿に溜息が漏れていた。しかし地下プロレスでは初勝利が欲しい由紀だが、今夜の対戦相手は杏璃。キャリアなどからも苦しい闘いが予想されていた・・・。
お互いのコールが終わると、レフリーがルールの確認をしていくと、杏璃は早くも睨みつけて挑発すると、由紀は自信なさげに下を向いて視線を合わそうとしない。
そしてルール説明が終わると杏璃が由紀のバストを両手で押すと、由紀は挑発に応じる事もなくコーナーに進んでいった。
試合開始のゴングが鳴らされていくリング上。遂に試合開始のゴングが打ち鳴らされた・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す杏璃と由紀。
まずは距離を置いて睨み合うも、キャリアなどからも杏璃の鋭い視線に由紀が圧力を感じていると言う感じのリング上。
歓声に包まれていくリング上で、少しずつ杏璃が距離を詰めていくと、由紀が距離を離そうとする展開。
しかし由紀がロープに走ると、勢いあるドロップキックを仕掛けた。
バッシーン・・・
「あうっ・・」
打点の高いドロップキックが杏璃のGカップバストを抉ると、堪らず倒れ込む杏璃。
立ち上がろうとする杏璃に、由紀は続けてドロップキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
またも倒れ込む杏璃に、由紀が素早く起こしてからヘッドロックに捉えていく。
ヘッドロックを仕掛けられた杏璃は、踏ん張って由紀をロープに振っていくと、ロープから戻ってきた由紀にバストを激しく揺らしながらジャンピングニーパッドを叩き込む。
ゴキッ・・
「ああんっ・・・」
顎に膝を受けて倒れ込む由紀は、両手で顎の辺りを押さえて痛がっていると、杏璃が髪を鷲掴みにして起こしていく。
そしてバックをとってのスリーパーを仕掛けようとする杏璃に、由紀は藻掻くようにロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に離れる杏璃。
由紀も喉元を気にしながらも、水着を直しながら距離を置いた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に杏璃が蹴りを放って仕掛けると、お腹の辺りを蹴られて痛がる由紀。
続けてヘッドロックでスタミナを奪おうとする杏璃に、由紀は踏ん張ってロープに振っていくと、走り込んでフライングボディアタックを仕掛ける。
バッシーン・・・
勢いよくボディアタックが炸裂すると、そのまま縺れるようにフォールの体勢に。
『ワン・・・ツー・・・』
レフリーのカウントが進むが、杏璃がまだ余裕で返していく。
杏璃に返されると、由紀は素早く杏璃の細い腕をキャッチして腕拉ぎ逆十字固めを仕掛ける。
「うっ・・うううっ・・・」
杏璃の呻き声みたいな悲鳴がリングに響くが、由紀も仕掛けるのに焦って関節を極めていないから、杏璃は耐えている。
ここで下手に関節が極まれば、杏璃の肘関節が危ないが、由紀は伸ばしている様なプロレス的腕拉ぎ逆十字で必死になっている。
杏璃がバタバタ藻掻きながらロープに逃げると、ここでレフリーが由紀を止めていく・・・。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが放させると、杏璃は腕を気にしながら立ち上がると、由紀との距離を置いていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を置く杏璃に、由紀が踏み込むと形は悪いがミドルキックを放った。
バシッ・・
「あうっ・・」
杏璃の脇腹を抉る由紀のミドルキックに喘ぐ杏璃。
更にローキックを放つと、続けてヘッドロックで流れを掴む由紀に、杏璃も意地になってヘッドロックに来たからと、流れるようなバックドロップでマットに投げつけた。
バッシーン・・・
突然のバックドロップに上手く受け身が取れずにグッタリする由紀。
続けて杏璃はロープに走ると、飛び上がるようにして由紀のお腹にフットスタンプを叩き込む。
ドスッ・・
「ぐふうっ・・・」
これには由紀が両手でお腹を押さえて転がるように藻掻き苦しむと、畳み掛けるように杏璃がパイルドライバーを仕掛けた。
逆さにされて、容赦なく脳天からマットに落とされる由紀。
杏璃が放すとグッタリと崩れ落ちて、マットに大の字状態で倒れ込んでいる。
虚ろな視線で天井を見上げる由紀に、杏璃は観客席に向かって片手を挙げてアピールすると、近くのトップロープに登っていく。
そしてグッタリしている由紀のお腹に、トドメとばかりにフットスタンプを落とした。
Gカップバストが激しく揺れながらのトップロープからの急降下爆弾。由紀の柔らかいお腹を抉る杏璃の揃えられた両足。
ドスッ・・
「うっ・・・オエェェェェェ・・・」
一瞬強張る由紀の表情だったが、次の瞬間に口から激しく反吐が噴き上がる。
体重が軽い杏璃と言えども、トップロープからのノーガードのお腹へのフットスタンプを受けては、由紀も堪ったものではない。
反吐を噴き上げてヒクヒクする由紀は、身体をくの字にするようにダウンしていると、杏璃がバストに膝を乗せるようにしてフォールした。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィ・・・・』
返せるはずもない由紀から余裕のスリーカウント。ここで杏璃の勝利が決まった。
『勝者、椙原杏璃っ!』
リングアナのコールに笑顔を浮かべる杏璃だが、反吐を噴き上げて失神寸前の由紀を気遣ってリングドクターに近づく杏璃。
由紀の手を握りしめて健闘を讃え合うと、杏璃は観客席に向かって頭を下げるとリングを降りるのであった・・・。
これでせグラビアアイドル側も3勝して3勝3敗の結果に。残りの3試合がどうなるのか、観客席からは注目が集まっていた。




第8試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、写真集も好評の鈴本ちなみ。黒いビキニに黒いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって頭を下げていく。スレンダーボディに豊満なバストの持ち主のちなみ。過去地下リングでは藤原紀華、米蔵涼子との対戦経験もあるだけに、ここはグラビア側としても勝利を挙げたいところ。落ち着いた表情でコーナーに寄りかかって対戦相手を待った。
そのちなみの対戦相手として登場したのは、アキバ48の現在のセンターを務める大嶋優子。前大会では杉元有美に失神負けをしてしまった優子は、今回の対抗戦では気合いを入れての登場。白いビキニに白リングシューズでリングインすると、対戦相手のちなみに視線を投げることなくコーナーに進んだ。
『青コーナー〜・・・身長167p、上から80、59、86・・・鈴本ちなみ〜っ!』
早くもコールを受けて片手を挙げてアピールするちなみ。対戦相手優子との身長差もあり、少し余裕すら感じられる表情。
『赤コーナー〜・・・身長152p、上から82、55、81・・・大嶋優子〜っ!』
そしてコールを受けて一礼していく優子。小柄ながら豊満なバストが作り出す谷間に観客席からの視線が集まっているが、身長差は苦しいところ。また強敵相手の経験も積んでいるちなみに対して、不利は否めないカード。
しかしアキバ軍団の勝利の為、ここは少しでも勝てる様にと気合いを入れる優子。
対してちなみは優子をどう仕留めようかと考えている様子で、打撃でのKOか絞め技での失神KOかと、フォールで勝とうとは思っていない様子。
観客席の盛り上がる中、リング中央でちなみと優子がレフリーよりルール説明などを受けていると、身長差のあるカードに観客席からも優子が無惨な負け方をいると思い歓声をあげている。見上げる形の優子もちなみとの体格差には緊張を隠せない。
『カァーン!』
しかし構わず試合開始のゴングが打ち鳴らされると、コーナーから飛び出していく優子とちなみ。
素早くドロップキックを仕掛ける優子に、ちなみが避けると自爆する優子。
ちなみが仕掛けようとすると、優子が転がるようにロープに逃れた。
『ロープ・・・』
ちなみを止めていくレフリー。優子もちなみの動きに注意しながら立ち上がると試合は続けられていく。
『ファイト!』
レフリーの試合続行の掛け声に、今度はちなみが踏み込んでハイキックで牽制すると、優子は避けてからタックルの様に組み付いた。
上手くテイクダウンを奪う優子。ちなみも仰向けの様な体勢になりながらも、組み付いてくる優子に組み付いていく。
サイドポジジョンになって両足を広げて押さえ込もうとする優子だが、ちなみがブリッジで返すと離れそうになるも、必死に組み付いていく。
ちなみが体勢を反転させると、今度はバックを奪ってスリーパーを仕掛ける優子。
しかしちなみがスリーパーを極められるとロープを掴んで逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示にスリーパーを解く優子。技を解くと立ち上がっていくと、ちなみも水着を気にしながら立ち上がった。
『ファイト!』
そしてレフリーの掛け声に試合が続けられると、ちなみがガードを上げて距離を詰めていく。
打撃スタイルに優子が距離を置いていくが、少しずつ距離が詰まっていく両者。
コーナーを背にする形で優子が追い詰められていくと、ちなみがローキックを放った。
バシッ・・・
優子の太股に容赦なく叩き込まれるローキック。
一瞬、表情を険しくする優子。しかし蹴り返していく。
バシッ・・・
優子のローキックに観客席が盛り上がると、ちなみもローキックを返していく。
バシィィィ・・・
音を立てて炸裂したローキック。更に蹴ろうとするちなみに、優子がタックルを仕掛けた。
蹴る前に組み付いていく優子は、左右に揺さぶって倒したいところだが、ちなみが踏ん張ると逆に投げられてマットに転がされた優子。
ちなみがストンピングを仕掛けるも、転がるようにロープに逃れる優子。
『ロープ・・・』
更に蹴ろうとするちなみを止めていくレフリー。優子は転がるようにリング下に逃れると、ビキニを直しながら呼吸を整えていく。
リング上ではちなみが優子を睨み付けていくと、手招きして挑発していた。
優子は蹴られた太股を気にしている様子だが、リングサイドでダメージを回復してからリングに戻ろうとしていた。
そして優子がサードロープを掴むと、ちなみが挑発するように優子を威嚇する。
リング上からちなみが挑発していくと、優子はロープを手放して離れるが、レフリーがちなみを離して優子をリングに戻していく。
レフリーの招きでリングに戻る優子。ちなみも構えていると、試合は続けられた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出るちなみ。
そのちなみを迎え撃つ様に低空ドロップキックを放つ優子。
バシッ・・
「うっ・・」
膝へのドロップキックに転がりながら痛がるちなみ。
優子は素早く立ち上がると、今度は低空ドロップキックを脇腹へ叩き込んだ。
バシィィィ・・・
これには転がるようにリング下に転落するちなみ。意外な優子の動きに驚くと同時に、気合いを入れ直すような表情を浮かべている。
リング上では優子がビキニを気にしながらもトップロープを掴んでちなみの動きを見つめる。
しばらくしてちなみがエプロンサイドに上がると、優子はロープから離れていく。
そしてちなみがリングに戻ると、優子が距離を詰めて身長差に構わずヘッドロックを仕掛けた。
優子のヘッドロックにちなみがバックドロップを仕掛けようとすると、優子が藻掻いてバランスを崩させて縺れるように倒れ込んだ。
倒れた時にダメージを受けたちなみが苦悶の表情を浮かべると、優子はヘッドシザースで締め上げていく。
グイッ・・・
「ギブアップ?」
優子がちなみにギブアップを促すが、ちなみも必死に耐えていく。
「ノォォォ・・・、ノー・・・」
締め付けられる中、必死にギブアップを拒むちなみ。
少しずつロープに近づくと、ちなみの長い足がロープに掛かった・・・。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に技を解いていく優子。
ちなみは喉元などを気にしながら立ち上がると、優子との距離を離した。
『ファイト!』
そして試合続行レフリーの指示が掛かると、優子が積極的に前に出た。
しかしちなみがローキックを叩き込むと、優子の動きが止まっていく。
バシィィィ・・・
「痛っ・・・」
優子の口から悲鳴が漏れると、ちなみはローキックを続けて放っていく。
バシィィィ・・・バシィィィィ・・・
打撃技の連発に苦しい優子。太股が赤くなっていくが、次第に内出血でどす黒く変色していく優子の太股。
太股へのダメージから動きが鈍ってくる優子は、距離を置こうとするも、ちなみに追い詰められていく。
コーナーに追い詰められていく優子。ちなみは容赦なくローキックで太股を蹴り続けた。
バシィィィ・・・
堪らずトップロープを掴んでダウンは免れる優子だが、足への徹底した打撃に苦しい展開。
更に左右の張り手を頬に叩き込むちなみ。
バッシーン・・・バッシーン・・・
両頬への激しい張り手に動きが完全に止まる優子。ガードを固めるもちなみが髪を掴んでから、ボディへ膝蹴りを叩き込んだ。
ドスッ・・
「うっ・・・うううっ・・・」
呻き声を漏らしながら座り込むようにコーナーに崩れ落ちていく優子。
しかしちなみが無理矢理起こしていくと、両腕をトップロープに乗せてノーガードにしてから、両頬に張り手を叩き込む。
バシィィィ・・・バシィィィィ・・・
激しい張り手の連発に優子は口の中を切って、血飛沫を上げていく残酷な展開。
白いビキニのブラにも血が付いて痛々しい優子に、ちなみがセカンドロープに登ってから、髪を鷲掴みにして片手を握りしめると、額にグーパンチを連打する。
バキッ・・バキッ・・バキッ・・
「んああぁぁぁ・・・・ああああああぁぁぁ・・・」
殴られる度に優子の悲痛な叫び声が響き渡るリング上。
しかし素手でのパンチ攻撃にレフリーがちなみを止めていく。
レフリーに止められてパンチを止めると、セカンドロープから下りてから距離を置くちなみ。
優子は口の中を切って苦しい展開だが、簡単には負けられないとばかりに構えていく。
しかし太股がどす黒く変色して痛々しく、動きも鈍りだして苦しい展開に追い込まれていた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に、動きの鈍る優子に距離を詰めてローキックを連打するちなみ。
バシッ・・バシィィィ・・・
「うっ・・あうっ・・」
苦悶の表情で耐える優子。しかし太股がドス黒くなって限界が近いのか、足を引きずる様にロープに逃げた。
しかしちなみが逃がさずに、ロープ際で拳を握りしめると、ノーガードのお腹に左右のパンチを叩き込む。
ドスッ・・ドスッ・・
「ふぐうっ・・ううっ・・あうっ・・」
お腹へのパンチの連打に身体をくの字にして苦しむ優子。
堪らずちなみに組み付いていくが、ちなみがフロントスリーハーに捉えると、一気にDDTでマットに叩き付けた。
ドスッ・・・
脳天からマットに叩き付けられて、ちなみが放すとグッタリと俯せ状態でダウンする優子。
観客席が盛り上がると、ちなみが勢いをつけて後頭部にストンピングを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・
必死にロープに手を伸ばして逃げようとする優子。
ちなみは痛めつけるようにストンピングを入れると、優子はビキニに包まれたバストをマットに押しつけられて潰されながらも、何とかロープを掴む優子。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーがちなみを離していくと、優子はフラつきながらもロープを掴んで立ち上がると、水着を直しながら呼吸を整えていく。しかし口から滲む血が痛々しい。
ちなみも水着を直しながら距離を置いていくと、レフリーが試合を続けさせていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出るちなみ。
優子は打撃を警戒してガードを固めると、またもちなみのローキックが放たれた。
バシィィィ・・・
「うっ・・」
ローキックを叩き込まれて動きの止まる優子。顔は苦痛に歪んでいるが、ちなみは遠慮せずにローキックを叩き込む。
バシィィィ・・・
ドス黒くなった太股が痛々しい優子は、フラフラしながらも必死に耐えていく。
バシッ・・
更にバストへ強烈なミドルキックが叩き込まれると、優子は必死に倒れないようにと踏ん張っていく。
しかしダメージからフラついているからと、ちなみが動くと後頭部にハイキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「ああんっ・・・」
悲痛な声を漏らしてロープにもたれ掛かる優子。
限界に近いと思われた優子が倒れないからと、ちなみも汗だくになりながら蹴り込むと、ロープ際だからとキチンシンクをボディに叩き込んだ。
ドスッ・・
「うぐっ・・・うううっ・・・」
血の混じる涎を口から垂れ流す優子。痛々しい姿に観客席から歓声が飛ぶ。
更にちなみがキチンシンクを叩き込むと、優子のボディに容赦なく叩き込まれていくちなみの膝。
ドスッ・・
泣き出しそうな表情で耐えていく優子。堪らず組み付いていくと、ちなみが余裕を持ってヘッドロックに捉えていく。
抵抗出来ずに苦しい優子に、ちなみは締め上げてから放していくと、コーナーに押し込んで両腕をトップロープに絡ませるようにしていくと、打撃スタイルから左右の張り手を叩き込む。
バッシーン・・バッシーン・・
血飛沫を上げて痛々しい優子。サンドバック状態にされていく様子に、残酷な展開だからと歓声が起きていく。
「ギブアップしなさいよ!」
ちなみが張り手を叩き込みながら叫ぶと、優子は無言で耐えていく。
バッシーン・・バッシーン・・
「ほらっ、どうなのよ!」
ちなみも一方的な展開に、これ以上は痛めつけたくないとばかりに言い放つ。
しかし優子が言い返した。
「か、簡単には・・・ま、負けられな・・・い・・・・」
その優子の言葉に、ちなみは激しい張り手の連打をしていくと、ノーガードの優子は涙目で血飛沫をあげていく。
これにはレフリーがちなみを止めていくと、リングドクターが優子のチェックをしていくリング上。
ちなみは反対コーナーに進むと、リングドクターは優子の口の中などをチェックすると、切れていて痛々しく、また唇も切れたりしているからと、試合を止めるかどうか優子に問いかける。
しかし優子は試合を止めないでくださいと哀願すると、リングドクターがレフリーに試合続行を告げた。
コーナーから放されていく優子は、フラつきながらもリング中央に連れ出されると、ちなみもリング中央に進んだ。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に、ちなみは優子の髪を掴んで下を向かせると、一気に大技パイルドライバーを仕掛けた。
バシッ・・
脳天から叩き付けられてグッタリする優子。その優子の髪を掴んで起こしていくと、フラフラしている優子に練習台にするかの様に裏拳を狙うちなみ。
シュ・・
しかし優子がフラつきながらも避けると、素早く組み付いて逆さ押さえ込みを仕掛けた。
『ワン・・・ツー・・・スリ・・・・』
まさかの展開にどよめく観客席。しかしちなみが両足をバタバタさせて逃れると、優子は悔しがっている。
ちなみの表情にも焦りが浮かぶ中、優子が立ち上がると反撃とばかりに起きようとするちなみの顔面に膝蹴りを叩き込んだ。
ゴキィィィ・・
鈍い音が響くと、ちなみが四つん這いの状態になっていく。
顔面への膝蹴りのダメージが動きが止まると、優子がバックからチョークスリーパーを仕掛けようとする。
しかしちなみも頭を激しく振ると、後頭部が優子の顔面を直撃した。
バシィィィ・・
「痛いっ・・・」
堪らず放してしまう優子。同時に鼻から激しく出血していく。
ちなみも転がるようにロープに逃げると、優子との距離が開いていくリング上。
鼻血が流れ出て呼吸も苦しい優子は、鼻を気にしながらもロープを掴んでちなみとの距離を置いていく。
ちなみも水着を直しながら距離を置くと、呼吸を整えながら優子を睨み付けた。
『ファイト!』
レフリーは試合続行の掛け声をあげると、ちなみが前に出た。
優子はフラつきながらも前に出ると、ちなみがハイキックで牽制する。
更にローキックが入ると、優子の動きが止まった。
太股はドス黒く、もう限界を越えているのか、プルプルと足を震わせて必死にダウンを免れる優子。
その優子にちなみはダウンを奪おうとローキックを叩き込むと、遂に優子が座り込む様にダウンした。
バシッ・・
「あうっ・・・うううっ・・・」
座り込むようにダウンする優子。すると、ちなみは顔面への膝蹴りのお返しとばかりに、顔面へサッカーボールキックを叩き込む。
バッシーン・・・
顔面へのサッカーボールキックを受けて、グッタリと倒れ込む優子。仰向けにダウンする優子の顔面は血塗れで、目は虚ろになっていた。
その優子に、ちなみは顔面への膝蹴りのお返しは終わっていないとばかりに、両足を抱え込むと一気に反転しての逆エビ固めを仕掛けた。
グイッ・・・
「あうっ・・・あああぁぁぁぁ・・・」
逆エビ固めを極められて悲鳴をあげる優子。血塗れの苦痛の表情の優子は残酷感があり、観客席からも盛り上がっていく。
ちなみは少しずつ腰を落としていくと、優子への激痛は増していく・・・。
「きゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
リング上に響き渡る優子の悲鳴。
ちなみが痛めつけていくと、レフリーもギブアップの確認をしていく。
『ギブ?・・・ギブアップ?』
レフリーの問いかけに必死に耐える優子。
「ノォォォォォ・・・・ノォォォォォ・・・」
激痛に泣きながらギブアップを拒む優子。
ちなみは泣き出した優子を見て、更に腰を落として後頭部に座る勢いで極めていく。
「んああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
必死に耐える優子。負けたらアキバ軍団が不利になるとばかりに、現センターとしての責任感から耐えようとする優子。
しかし身体は正直で、確実に限界が近づいてきていた・・・・。
両足を開いて、腰を更に落として極めていくちなみ。優子は更に激痛に襲われて泣き叫ぶ。
「痛いぃぃぃぃぃ・・・」
レフリーが優子にギブアップの確認をするが、必死に耐えていく優子。
「ノォォォォォォ・・・・んああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
耐えるが泣き叫ぶ姿に、もうギブアップ寸前と言う優子。
ちなみが更に極めていく。
「背骨が折れちゃうかもよ、早くギブアップしなさいよ!」
険しい表情でギブアップを迫るちなみ。
遂に優子の口からギブアップの言葉が・・・。
「ぎ、ギブ・・・ギブアップ・・・ギブアップ・・・」
泣きながらマットを叩いてギブアップを叫ぶ優子。その瞬間にレフリーがゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、ちなみが技を解いて立ち上がった。
優子はグッタリとしていると、レフリーがちなみの手を挙げていく。
『勝者、鈴本ちなみっ!』
リングアナのコールに笑顔を浮かべるちなみ。一方、優子は腰を押さえて動けないと、リングドクターが担架を要請して乗せていくのであった。
しかし必死に耐えた優子に対して、観客席からは拍手が送られるのであった。
こうして対抗戦は4勝3敗でグラビアアイドル側が優勢となったが、次の試合でグラビアアイドル側が勝利が決まるのか、それともアキバ側も意地を見せるのかリング上に注目が集まっている・・・。



第9試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、人気グラビアアイドルの良樹りさ。グラビアアイドル側はこの試合に勝利すれば、アキバ側に勝利と言う事になるので、りさも気合いの入った表情でのリングイン。しかし地下プロレスの経験も少なく不安が残るのも否めないが、白いビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、早くも観客席から歓声を浴びていくりさ。
そのりさの対戦相手としてリングインするのは、アキバ側から児嶋陽菜。アキバ軍団の中でも豊満なバストを白いビキニに包んで、白いリングシューズを履いてのリングイン。陽菜にも観客席からは歓声が送られていく。
この試合がグラビアアイドル側にとってはリーチと言う状態と言うのと、前の試合で優子の頑張りを聞いて気合いの入る陽菜。
気合いの入るリング上に、リングアナによってコールが始まった・・・。
『青コーナー〜・・・身長162p、上から80、59、88・・・良樹りさ〜っ!』
コールを受けて一礼していくりさ。人気グラドルだけあって声援を受けると笑顔で手を振っているりさ。
『赤コーナー〜・・・身長164p、上から80、60、86・・・児嶋陽菜〜っ!』
そしてコールを受けた陽菜は、気合いを入れて片手を突き上げてアピールすると、その気合いの入る姿に大歓声に包まれる陽菜。
レフリーが2人をリング中央に呼んでルールの確認をすると、陽菜は早くもりさを睨み付けていく。
りさは陽菜の気合いの入り方に少々怯えている様にも見えるが、早くも闘いが始まっているリング上。
レフリーがコーナーに別けようとすると、突然陽菜が前に出た。
バッシーン・・・
いきなりりさの頬に強烈な張り手を叩き込んだ陽菜。
りさは驚いた表情を浮かべると、陽菜が叫ぶ。
「甘いんじゃないの、負けないから!」
陽菜の叫びに歓声が起きると、レフリーが陽菜をコーナーに下げると、りさも頬を押さえながらもコーナーに下がっていく。
そして試合開始のゴングが打ち鳴らされるのであった。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す陽菜。
対してりさは張り手に動揺しているのか、動きが鈍いスタート。
そのりさに対して、陽菜が気合いの入る喧嘩キックを叩き込む。
ドスッ・・
「うぐっ・・」
蹴られたお腹を押さえて痛がるりさ。
グイッ・・
「おらあぁぁぁ・・・」
そのりさの髪を鷲掴みにして叫びながらリング中央に連れ回す陽菜。
しかしりさもヘッドロックで反撃すると、陽菜は素早くロープに振っていく。
ロープから勢いよく返ってきたりさに、陽菜はドロップキックを叩き込む。
バッシーン・・・
「きゃあああああ・・・」
悲鳴をあげて倒れ込むりさ。陽菜は素早く立ち上がると、立ち上がろうとするりさにドロップキックを叩き込む。
バッシーン・・・
「ああんっ・・・」
顔面にドロップキックを受けて転がるようにダウンするりさ。
動きが鈍くなると、陽菜が髪を掴んで起こしていくと、りさはお腹にパンチを入れて抵抗していく。
一瞬苦悶の表情を浮かべた陽菜は、構わず髪を鷲掴みにしたまま、強引にマットに顔面を叩き付けるフェイスバスターを仕掛けた。
バッシーン・・・
「あああああああぁぁ・・・」
顔面をマットに叩き付けられて絶叫するりさ。両手で顔面を押さえて痛がるりさに、陽菜はストンピングを叩き込んでから、両足をクロスさせてインディアンデスロックで固めていく。
グイッ・・
「痛いっ・・・んああぁぁぁぁ・・・」
激痛に悲鳴をあげてロープに手を伸ばすりさ。
「どう、ギブアップする?」
技を極めながらギブアップを促す陽菜。しかしりさも簡単にはギブアップを口にしない。
「ノォォォォ・・・まだまだ・・・」
必死にロープに逃げるりさ。何とかロープを掴むとレフリーが陽菜を止めていく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に技を解いていく陽菜。りさはロープを掴んで立ち上がると、陽菜はビキニを直しながら距離を置いていく。
『ファイト!』
レフリーの指示に距離を詰めていく陽菜。表情は険しく負けられないと言う気迫が伝わっている。
対してりさは陽菜の気合いに負けているのか、積極的に前に出ようとしないリング上の展開。
歓声が送られていくと、りさも意地を見せて踏み込んで張り手を叩き込む。
バッシーン・・・
りさの張り手に歓声が起きると、陽菜も負けてはいない。
「上等じゃないの!」
りさに言い放つと、強烈な張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・・
陽菜の張り手にフラつくりさは、歯を食いしばると張り手を返す。
バッシーン・・・
陽菜も負けずに張り手を返していくと、激しい張り手合戦になっていくと、お互いが口の中を切って血を滲ませながら張り手を叩き込むリング上の2人。
次第に陽菜が優勢になっていくと、張り手が止まるりさに気合いの入ったボディスラムが炸裂する。
バッシーン・・・
マットに叩き付けられて仰向けにダウンしているりさに、陽菜はバストを狙って強烈なストンピングを叩き込んでいく。
バシッ、バシッ、バシッ・・
「うっ・・・ううっ・・・あうっ・・・」
バストを蹴りこまれて藻掻くりさ。
更に動きを止めようとお腹にも踵でストンピングを叩き込む陽菜。
ドスッ・・
「うぐうっ・・・ううっ・・・」
お腹への強烈なストンピングに、身体を丸めるようにして苦しむりさ。
グイッ・・・
そのりさの髪を掴んで起こしていく陽菜。りさは苦しそうに両手でお腹を押さえていると、陽菜は一気にパイルドライバーの体勢に持ち込んだ。
両足でしっかりとりさの頭部を挟むと、一気に持ち上げて逆さにしていく陽菜。タレント同士のプロレスだけに、逆さにしているだけで陽菜の身体はプルプルと震えている・・・。
りさも脳天から叩き付けられると顔を強張らせると、陽菜がりさを落としていく。
ドスッ・・
「あうっ・・」
脳天から叩き付けられて、陽菜が放すとグッタリとしていくりさ。
大技が炸裂してりさの動きが止まると、陽菜は立ち上がってから片手を挙げてアピールしていく。
そして近くのトップロープに登ると、プロレスらしくフライングボディプレスを仕掛けた。
しかしりさが転がるように間一髪避けると、陽菜はバストなどを打ち付けるように自爆してマット上で痛がっている。
避けたりさは転がるようにロープに逃れると、ダメージを回復させようとリング下にエスケープしていくと、陽菜はリング上で痛がったまま動けないでいた。
その姿にりさがリング上に戻ると、陽菜の髪を掴んで起こすと、そのまま場外に落として場外戦に誘い込んだ。
リング下で自爆のダメージが回復出来ずに痛がっている陽菜を、りさは鉄柵に振っていく。
ガッシャーン・・・
「ああんっ・・・」
鉄柵に叩き付けられてグッタリする陽菜。
続けてりさが走り込んでから、低空ドロップキックを顔面に叩き込むと、陽菜が鉄柵際でグッタリと倒れ込んだ。
グイッ・・
その陽菜の髪を掴んで起こしていくりさ。
しかし陽菜も意地を見せてりさを反対に近くの鉄柱に叩き付けた。
ゴキィィィ・・・
「きゃあああぁぁ・・・」
鉄柱に叩き付けられて悲鳴をあげるりさ。
更に陽菜は髪を掴んで額から鉄柱に叩き付けた。
ゴキィィィィ・・・
「いやあぁぁぁぁぁ・・・」
額から鉄柱に叩き付けられて絶叫するりさ。陽菜のラフファイトに歓声が起きていく。
フラつくりさをリング上に戻していく陽菜。
そしてリング上に戻ると、倒れているりさにストンピングを叩き込んでから、髪を掴んで起こしていく。
すると、りさが素早く組み付いて逆さ押さえ込みを仕掛けた。
『ワン・・・ツー・・・』
レフリーが素早くカウントを数えるも、陽菜も両足をバタバタさせて逃れた。
突然の反撃に驚きを隠せない陽菜だが、りさは続けてスリーパーを仕掛けるも、陽菜がロープに足を伸ばして逃れる。
『ロープ・・・』
レフリーの指示に放すりさ。陽菜が喉元を押さえてロープに転がるように逃げると、りさも水着を直しながら距離を置いた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰める両者。
距離が詰まると、いきなり陽菜がグーパンチを放った。
ゴキッ・・
「ああんっ・・」
顔面へのグーパンチにフラつくりさ。
レフリーに反則とばかりにアピールするりさに、レフリーも陽菜に注意すると、陽菜は構わず顔面へパンチを放つ。
ゴキッ・・
「痛いっ・・・、は、反則・・・反則でしょ・・・」
顔を押さえて痛がるりさ。レフリーも止めようとすると、陽菜は一気に組み付いてフロントスープレックスでマットに叩き付ける。
バッシーン・・・
「きゃああああぁ・・・・」
スープレックスで叩き付けられて絶叫するりさ。
グッタリしていくと、陽菜は立ち上がってからりさのバストの辺りにヒップドロップを落としていく。
ドスッ・・
「ふぐっ・・・」
変な悲鳴をあげて苦しむりさ。陽菜のヒップドロップに立ち上がれないと、陽菜はトドメとばかりに観客席に拳を突き上げてアピールする。
「いくよぉぉぉぉぉぉ・・・」
陽菜の叫びに歓声が上がると、ロープに走って勢いをつけてから、飛び上がるようにしてお腹にフットスタンプを叩き込んだ。
ドスッ・・
「グエッ・・・」
揃えられた両足がお腹を抉ると、りさは大きく口を開けてパクパクして藻掻き苦しんでいる。
そのりさの喉元に余裕のエルボードロップを落としてフォールする陽菜。
ドスッ・・
『ワン・・・ツー・・・スリィィ・・・・』
しかしカウントギリギリで返したりさ。
これには陽菜も驚きの表情を浮かべて、観客席からは歓声があがっていく。
しかし表情も虚ろで苦しい状態のりさに、陽菜は畳み掛けるように助走をつけてから、ボディプレスでフォールする。
『ワン・・・ツー・・・スリィィィィィ・・・・・』
陽菜の体重の乗ってボディプレスに返す事も出来ずにスリーカウントを奪われたりさ。
これで対抗戦はお互いが4勝4敗となって決勝とも言える杉元有美と前多敦子の試合で決まる事が決まった。
『勝者、児嶋陽菜っ!』
リングアナのコールにレフリーが陽菜の手を挙げていくと、陽菜は観客に向かって勝利のアピールをすると、エキサイトしているのか足元でグッタリとしているりさのバストを踏みつけてポーズを決めていく。
そしてリングを降りていくのであった・・・。りさはしばらくしてから立ち上がると、勝つことが出来なかったからと涙を浮かべてリングを降りていった。


第10試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、グラビアアイドル側の大将・杉元有美。地下プロレスではグラビアクイーンのベルトを巻いている有美は、堂々とリングインしていくと、早くも観客席に向かって片手を突き上げてアピールする。グラビアアイドルらしくビキニ、それも黒いビキニに黒いリングシューズ姿で、この試合に対しての気合いが伺えるリンコス。
その有美の待つリングに上がるのは、アキバ48のセンターで卒業した前多敦子。アキバ勢がグラビアで多くの雑誌などの表紙を飾るなどして、グラビアアイドル側の脅威となり、遂には地下プロレスのリング上で決着と言う流れになったが、抗争勃発時のセンターと言う事での決勝でのリングイン。赤いビキニに白いリングシューズ姿の敦子。歓声に包まれながらのリングインだが、有美とは視線を合わせずにコーナーに進んだ。81回大会でのタイトル挑戦で負けてから、気合いを入れて練習に取り組んだと言う情報もあるだけに、敦子の成長が気になるリング上。
激しい試合が予想されるリング上。有美も敦子もアキバ側、グラドル側の代表としての責任感からも、気合いの入った表情を浮かべている。
早くもリングアナがコールを始めた。
『対抗戦第9試合・・・青コーナー〜・・・身長168p、上から84、58、85・・・杉元有美〜っ!』
コールを受けて片手を挙げていく有美。気合いの入った表情で観客席に頭を下げていく。
『赤コーナー〜・・・身長161p、上から76、60、83・・・前多敦子〜っ!』
そしてコールを受けた敦子は、気合いを入れて一礼していくと、コーナーに戻って身体を軽く動かして試合開始のゴングを待った。
お互いが気合いの入るリング上。遂にアキバ側とグラドル側の決勝戦とも言える試合のゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出していく敦子と有美。
まずは距離を置いて睨み合う展開から始まると、ガードを上げて打撃を警戒している敦子。
有美も格闘技スタイルの様に構えると、少しずつ距離を詰めていく。
軽く有美がローキックを放つと、敦子は打撃対策をしてきたのか足を浮かせて対処していく。
更に有美がハイキックで牽制すると、敦子が軸足にタックルを仕掛けた。
敦子のタックルに歓声が起きる中、上手く組み付いてテイクダウンを奪っていく敦子。
有美もマットに倒されていくも冷静に下から動きを見ていると、敦子が素早くサイドポジジョンを奪っていく。
上手くテイクダウンを奪った敦子だったが、寝技対策はしていないのかここから攻めが止まっていく残念な展開。
逆に有美が組み付いて打撃対策をしていくと、敦子が有美の脇腹へ拳を叩き付けた。
バシッ・・
脇腹を殴られて痛がる有美。更に敦子のハンマーパンチが脇腹に入っていくと、有美の身体にダメージを与えていった。
バシッ・・バシッ・・ドスッ・・
敦子のパンチに身体を密着させていく有美は、体格差もあるからと体勢を入れ替えようとバランスを崩そうとしていく。
その有美に上からギロチンチョークを仕掛けようとする敦子に、有美がブリッジ気味に抵抗して返していくと、敦子が素早く立ち上がって距離を置いた。
有美も素早く立ち上がると大振りの張り手を放つも、敦子が避けて距離を置いて睨み合う展開になっていくリング上。
序盤は敦子が優勢なのかと言う展開に、観客席からも歓声が起きていく。
有美が打撃スタイルで構えるも、敦子のタックルを警戒して距離を置いていると、敦子が前に出て行く。
しかし敦子も有美の打撃を警戒しているから、顔面への打撃を気にしてガードを上げている。
ガードを上げている敦子に、有美はミドルキックを放っていくも、敦子が避けて空振りさせていくと、逆に敦子がミドルキックを放った。
バシッ・・・
意外にも敦子のミドルキックが炸裂していくと、有美がガードを固めて下がっていく。
有美が下がったからと、敦子が続けて拳を握りしめて左右のパンチを放ちながら距離を詰めた。
バッシーン・・・
その瞬間、有美がカウンターの張り手を叩き込むと、敦子の動きが一瞬止まった。
止まった敦子の髪を掴む有美は、そのまま下を向かせる様にして顔面への膝蹴りを狙うと、敦子も組み付いて防いだ。
そのまま押し込む様にロープ際へ縺れ込むと、有美は冷静に敦子の動きを見ていく。
対して敦子は組み付いたまま、ロープブレークを待つとレフリーが離した。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に離れて距離を置く敦子と有美。
お互いビキニを直しながら睨み付けていると、レフリーが試合を続けさせていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に敦子がガードを固めて前に出ると、有美が前蹴りで牽制していく。
前蹴りを避けてから、距離を置きながらタイミングを計る敦子。
対して有美は敦子のタックルを警戒しているのか、カウンターの打撃を狙っている様子。
そして敦子がタックルを仕掛けると、有美が左右の張り手を放つも組み付かれて倒されていく。
テイクダウンを許した有美が組み付いていくと、敦子も上からマウントポジジョンを狙おうとするも、有美がそれを許さない。
抵抗する有美の腕をキャッチすると、マウントポジションが取れないからと、腕拉ぎ逆十字固めを仕掛けた。
しかし有美が腕を引いてガードすると、敦子が素早く立ち上がる。
有美も転がるようにしてロープに逃れると、敦子が走り込んでストンピングを叩き込むと、レフリーがロープだからと敦子を止めていく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
有美は転がるようにリング下に降りると、呼吸を整えながら水着を直していくと、リング上からは敦子が有美の動きを睨み付けた。
リングサイドで呼吸を整えてから、有美が一気にリングに戻ると、敦子は距離を置いて構えていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰める敦子と有美。
距離が詰まると、有美がローキックを放つと、蹴りに合わせてタックルを狙う敦子。
しかし有美も簡単に踏み込まさずに、膝で牽制していくと敦子も組み付けずに距離を置いていく。
組み付けないならと低空ドロップキックで足を狙う敦子。
しかし避けた有美は、立ち上がろうとする敦子のバストへ強烈なサッカーボールキックを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「はふっ・・・」
バストへの強烈な衝撃に動きの止まる敦子。
続けて髪を掴んで立たせる有美は、強引にヘッドロックの体勢に持ち込んだ。
グイッ・・
ヘッドロックを極められて苦しい敦子。
苦悶の表情を浮かべながらも、有美をロープに振ろうとすると、逆に握った拳で頭を殴られる敦子。
ゴキッ・・
「痛いっ・・・」
堪らず声を漏らす敦子に、有美は強引なブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けると、続けて両手を掴んでから、背中に足を置いてサーフボードストレッチで敦子を痛めつけていく。
グイッ・・・
「んあぁぁぁ・・・」
苦悶の表情で苦しむ敦子。有美もダメージを増やそうと揺さぶると、敦子は汗を額から流しながら耐えていく。
耐える敦子から技を解くと、背中にストンピングを叩き込んでから髪を掴んで起こしていく有美。
そのままコーナーに振っていくと、敦子が背中からコーナーに叩き付けられてグッタリとしていく。
続けて有美が走り込んでジャンピングニーパッドを仕掛けると、敦子が焦るように避けて自爆させていく。
コーナーに自爆してフラつく有美に、敦子が素早く逆さ押さえ込みを仕掛けると、逆さにされる有美は焦るように両足をバタバタさせた。
『ワン・・・ツー・・・』
しかしカウント2で返した有美。
悔しそうな敦子だが、返されたからと素早くキャメルクラッチを仕掛けていく。
グイッ・・
「うっ・・・ぐっ・・・」
敦子に顎を押さえられて上半身を反らされていく有美は、時折足をバタつかせながら耐えていく。
更に敦子が鼻の穴に指を入れて、屈辱的な豚鼻キャメルクラッチで痛めつけると、有美が激しく藻掻いている。
観客席からはブーイングと歓声が混じり合う中、敦子がキャメルクラッチを解くと、有美は両手で顔面を押さえて痛がっていると、敦子が立ち上がってストンピングを叩き込んでいく。
更に俯せ状態の有美に、後頭部を踏みつけて観客にアピールする敦子。
しかし有美は顔面をマットに押しつけられるように踏みつけられた事に、激しい怒りを感じていた・・・。
グイッ・・
そして敦子が髪を掴んで起こそうとすると、有美は目の前の敦子の股間へグーパンチをアッパー気味に叩き込んだ。
ゴキィィィ・・・
「ひぎっ!」
変な悲鳴を漏らして動きの止まる敦子。両手で堪らず股間を押さえると、有美は鋭い視線で躊躇わず敦子の顔面を殴りつける。
ゴキィィィ・・・
「んあぁぁぁぁ・・・」
頬を殴られて悲鳴をあげて痛がる敦子。
更に目の辺りを殴りつける有美。
バキッ・・
「あうっ・・・」
痛々しい声を漏らして痛がる敦子。有美の激しい喧嘩ファイトに対応出来ずに痛がるだけの敦子。
レフリーも反則だからと有美を止めていくと、敦子はコーナーに逃げていくと、既に殴られた頬が腫れだしていた。
『ファイト!』
レフリーが有美に拳での顔面パンチを注意すると、試合は続けられていく。
有美がコーナーの敦子に迫ると、喧嘩キックをお腹に叩き込む。
ドスッ・・
「うげっ・・・うううっ・・・」
お腹を蹴られて座り込む様にダウンする敦子。有美は気迫に押されているリング上。
コーナーで座り込む様にダウンした敦子の髪を掴む有美は、拳を握りしめて額にグーパンチを連打すると、リング上に響き渡る敦子の悲鳴。
バキッ、バキッ、バキッ・・・
「ああんっ・・・ああっ・・・」
有美の拳が顔面に襲いかかると、敦子はただ痛さに悲鳴をあげていく。
時折殴り返そうとするも、有美の勢いに完全に押されて苦しい敦子。
有美が敦子をコーナーに寄りかからせると、鼻からは激しく出血して、口の中も切って痛々しい敦子の顔面。
フラつく敦子の髪を片手で鷲掴みにすると、有美は片手の拳を引くようにして観客にアピールすると、顔面に叩き付けていく。
バキッ・・
有美の容赦ない顔面パンチの連打に、敦子の片方の瞼が腫れ上がって、視界を奪われて苦しい敦子。年末年始の仕事に支障が出来ないのかとレフリーも戸惑いを隠せないが、観客席の盛り上がりに試合は止められない・・・。
更には有美はコーナーポストのカバーを外して金具を剥き出しにすると、後頭部を踏みつけられた屈辱からか敦子に容赦なく顔面を金具に叩き付けた。
ゴキィィィィ・・・
「きゃあああああぁぁぁぁ・・・」
リング上に響き渡る敦子の悲鳴。鼻血などで顔面を赤くした敦子の額が割れると、アキバ48勢初の流血戦になっていく敦子。
瞼が腫れて視界を奪われて、額からも流血して動揺を隠せない敦子。
有美が手を放すと、フラフラしながらも必死に踏ん張っていく敦子に、有美は拳を固めて構えていく。
バシッ・・バシッ・・
そして容赦なく顔面パンチを叩き込む有美。
血飛沫をあげてフラつく敦子は、流血と片目が腫れ上がって視界を奪われてしまって、避ける事も出来ずに殴られていく展開。
涙目で必死に殴り返すも、有美に避けられて反対に何発もパンチを叩き込まれて可哀想な展開の敦子。
血塗れ状態の敦子は、フラフラになりながらも練習したタックルを仕掛けると、有美は容赦なくカウンターの顔面への膝蹴りを叩き込んだ。
ゴキィィィィ・・・
膝蹴りが炸裂すると、敦子は俯せに崩れ落ちる様にダウンした。
ビキニ姿でピクリとも動かない敦子。有美も鮮やかとも言えるKO劇に驚きを隠せないが、レフリーがここで試合終了のゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、ここで有美の勝利が確定した。
『勝者、杉元有美っ!』
レフリーに片手を挙げられる有美。そして敦子はリングドクターなどの応急処置が行われていく。
仰向けにされる敦子は、顔を血に染めながら意識を取り戻していくが、試合が終わった事を理解していない様で、リングドクターなどに何か言っている。
『グラビアアイドルvsアキバ軍団対抗戦は、5勝4敗でグラビアアイドル軍団が勝利しました!』
リングアナのコールに敦子は動揺している様子だが、顔を腫らした無惨な姿で動く事も出来ない。
また乱入を防ぐために試合終了まで控え室のモニターで観戦していた両陣営がリングサイドからリング上に上がると、アキバ勢はボロボロな姿の敦子に涙を流すのであった。対してグラビアアイドル達は有美の勝利に抱き合って勝利を祝福した。
対抗戦が終わって、アキバ勢もグラドル勢も今後ともシングル戦などで抗争は続くと思われるが、敦子が担架に乗せられると、リングを降りる際にアキバ勢はグラドル達を睨み付けながらリングを降りるのであった・・・。



第11試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、女子プロレスラーから女優へ転身した元アイドルレスラーの納見佳代。今夜は白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、早くも四方の観客席に頭を下げていく。女優に転身後、大きな活躍がないまま過ぎた2012年。今後の活動の為にもと地下プロレスのリングに立つ佳代。
その佳代の対戦相手としてリングに上がったのは、モデルから女優と幅広く活動している香理奈。元プロレスラーの佳代が相手と言う事で緊張感が高まる香理奈だが、香理奈自身も地下プロレスでは実績を積んできているだけに、引退して時間の経つ佳代とどの様な試合になるか、観客席からも期待を込めた歓声が送られていく。白い競泳水着に白いリングシューズと佳代と同じスタイルでのリングイン。
36歳の佳代は、かつては鍛え込んでいたボディからは筋肉量が落ちたと水着の上からも分かる程になっているが、香理奈はモデルとしてのスタイル維持の為にも鍛えているのか、佳代より肉体的には有利にも見えるリング上。
『この試合は、地下プロレス特別格闘技戦ルールで、KO、ギブアップ、レフリーストップ等のみでの決着になります。』
リングアナのルール説明に、佳代は少し戸惑っている様子。対して香理奈は覚悟を決めてのリングインで、レフリーから手にオープンフィンガーグローブを着けてもらっている。
佳代もレフリーからオープンフィンガーグローブを着けてもらうと、慣れないオープンフィンガーグローブにコーナーなど殴ったりして慣れようとしている。
『青コーナー〜・・・身長164p、上から85、64、90・・・納見佳代〜っ!』
コールを受けて一礼していく佳代。
『赤コーナー〜・・・身長165p、上から80、57、88・・・香理奈〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする香理奈。流石に今夜は元女子プロレスラーだけに油断できず、また苦しい試合を予感して緊張している様子。
コールが終わると、口にマウスピースを入れて試合開始のゴングに備える佳代と香理奈。
『カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、コーナーから勢いよく飛び出す佳代と香理奈。
距離が詰まると、挨拶代わりのジャブを放つ香理奈。
香理奈のジャブにガードを上げるも、前に出て詰めていく佳代。
バシッ・・
その佳代にローキックを放つと、佳代は構わず前に出て左右のパンチを振っていく。
佳代のパンチをガードすると、またもローキックを放つ香理奈。
バシィィィ・・
蹴られて嫌がる佳代に、香理奈は左右のパンチを放つと、佳代も大振りのパンチを放った。
佳代のパンチを避けてから、ローキックを叩き込む香理奈。
バシィィィ・・・
香理奈のローキックを受けて、佳代も意地になって蹴り返した。
バシィィィ・・・
打撃が得意なレスラーではなく、形は悪いが重い蹴りを叩き込む佳代。
佳代のローキックに警戒する香理奈は、ステップを使ってジャブから顔面にパンチを入れ始める。
これには佳代も殴り返すと、香理奈も激しいパンチを連打した。
バシッ・・バシッ・・
お互いの顔面に叩き込み合うパンチ。香理奈も意地を見せて互角以上に殴り合っている。
佳代が意地になっていると、香理奈が意識を上に持ってきているからと、膝蹴りをボディに叩き込む。
ドスッ・・
「うっ・・・」
お腹への強烈な膝蹴りにマウスピースが口から顔を出す佳代。
動きが止まる佳代に、香理奈が続けて髪を掴むように下を向かせてから、顔面に膝蹴りを叩き込むと、堪らず膝を落としてダウンする佳代。
元プロレスラーと言っても、引退して時間も経っていて女優同士の試合と言う感じだが、佳代はダウンを喫して苦しい展開。
必死に組み付こうと抱きつくと、香理奈が突き放すように距離を置いた。
立ち上がろうとする佳代の顔面を狙ってサッカーボールキックを放つ香理奈。
しかし佳代も避けると蹴り足に組み付いていくと、香理奈がバランスを崩して倒れてグラウンドの展開になっていく。
グラウンド状態になると、素早く香理奈がヒールキックで抵抗していくと、佳代も蹴られながらもアキレス腱固めを仕掛けた。
グイッ・・
「んんっ・・」
アキレス腱固めを極められて苦悶の表情を浮かべる香理奈。
しかし佳代が完全に極めていないのと、ロープに近く手を伸ばした。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に佳代が技を解くと、香理奈は足を気にしながらも立ち上がる。
佳代が立ち上がっていくと、試合は続けられていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出る佳代。
対して香理奈は足を気にしながらも、前蹴りで牽制して距離を置こうとしている。
その香理奈に佳代がタックルを仕掛けると、香理奈はカウンターのパンチを放ってから、フロントスリーパーでキャッチした。
しかし力ずくでロープ際に押し込む佳代。香理奈もロープに押しつけられると、レフリーが離していく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示で離れる佳代と香理奈。しかし佳代は早くも汗だくになっていて、白い水着も湿りだしている。
対して香理奈も汗は流すが、発汗量は佳代程ではなかった。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に前に出る香理奈。
佳代も呼吸を荒げながらもガードを固めると前に出た。
バシッ・・
軽くローキックを放つ香理奈。
ローキックを受けると、踏み込んで左右のパンチを放つ佳代。
バシッ・・
香理奈の顔面を捉えるパンチ。しかし香理奈も膝蹴りを出していたから、佳代も軽い打撃しか与えられなかった。
逆にボディへの膝がダメージを与えて、佳代の腹筋にはダメージが蓄積していく。
苦しい状況になるも、佳代も元プロレスラーの意地で耐えているが、呼吸が荒くなっていてスタミナ面でも心配になってきている。
距離を置いて打撃技で仕掛けていく香理奈は、佳代のガードが下がると顔面狙いのハイキックを放つ。
シュ・・・
しかし佳代が避けると、香理奈は左右のパンチから首相撲に持ち込んでいく。
膝蹴りを警戒して佳代が組み付いていくと、強引にマットに投げるように叩き付けた。
バッシーン・・・
マットに叩き付けられて、一瞬呼吸が止まるような感覚に動きの止まる香理奈。
容赦なく佳代が馬乗り状態を狙うと、体重を乗せてハンマーパンチを仕掛ける佳代。
バシッ・・バシッ・・
ハンマーパンチが顔面に叩き込まれると香理奈が身体をビクンと反応させて痛がっている。
必死にガードしようとする香理奈。しかし上からパンチを叩き込む佳代の勢いに苦しい展開。
仕掛ける佳代が呼吸を荒げていると、香理奈が隙を突いて下から三角締めを仕掛けると、佳代が焦るように腕を抜いて逃れた。
その瞬間、ブリッジ気味に返したい香理奈だが、体重差もあり返せずにスタミナを消耗する結果に終わると、佳代が体重を乗せるようにギロチンチョークを仕掛けていく。
喉元を圧迫されて藻掻く香理奈。表情が険しくなっていくと、レフリーもギブアップするか見極めていく。
「うっ・・ううっ・・・んっ・・うっ・・・」
ギロチンチョークを受けて苦しい香理奈。
佳代もギブアップを狙って体重を乗せるが、慣れない技に技を掛ける事に集中してしまい、バランスが崩れた瞬間に香理奈が返した。
佳代を返すと、香理奈は転がるようにロープに逃れると、佳代も立ち上がるが深追いせずに呼吸を整えて水着を直していく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に香理奈は水着を直しながら立ち上がると、呼吸を整えながら距離を置いた。
佳代も構えて距離を詰めていくと、香理奈はローキックを放つ。
バシッ・・
ローキックを受けるも、佳代が左右のパンチを放った。
バシッ・・バシッ・・
佳代のパンチが顔面に当たると、フラついて苦しむ香理奈。
しかし負けずに殴り返すと、佳代も踏ん張って殴り返していく。
バシッ・・バシッ・・
佳代のパンチにフラつく香理奈に、組み付いてヘッドロックで締め上げていく佳代。体重を掛けて締め上げると、香理奈のスタミナを奪っていく。
元プロレスラーのヘッドロックに逃れられずに苦しい香理奈。脇腹などへパンチを入れて抵抗するも、佳代のヘッドロックが外れずに苦しい展開。
しかし汗で滑って技が緩むと、香理奈が強引に逃れてからローキックを放って距離を置いていく。
香理奈のローキックを何発も受けて、佳代も足へのダメージで嫌がる表情を浮かべて距離を置いていくと、改めてガードを上げて距離を詰めていく。
距離が詰まると、香理奈はミドルキック、ローキックとガードが上がっているからとお腹から下を狙って蹴りこんでいく。
バシッ・・バシィィィ・・・
蹴りを受けても意地で前に出て殴りつける佳代。
バシッ・・
佳代のパンチをガードすると、香理奈は膝蹴りを放つも佳代もガードしていく。
しかし顔面のガードが開いたからと、香理奈が小刻みのジャブを数発叩き込む。
バシッ、バシッ、バシッ・・・
顔へのパンチに嫌がる佳代。
更に踏み込んでハイキックを放つ香理奈。
バッシーン・・・
香理奈のハイキックが側頭部に当たると、佳代がフラついてダウン寸前に追い込まれた。
観客席が盛り上がる中、香理奈は更にハイキックを放つと、これには佳代もキャッチしてドラゴンスクリューで切り返す。
グラウンド状態になる試合展開。しかし倒すまでは良かったが、佳代の技が続かない。
呼吸を荒げながらグラウンド状態で抱きつくようにして、技が続かない佳代。スタミナが切れかかっているのか、苦しそうな表情を浮かべている。
対して香理奈もスタミナ面では佳代より有利の様に見えるも、ドラゴンスクリューを受けて足にダメージを受けたのか、動きが鈍くなっていた。
上から覆い被さる形の佳代だが、香理奈も体重を乗せられているだけでもスタミナを奪われていく展開。
観客席からも歓声が飛び交うと、佳代がマウントポジションの形を取ると、呼吸を荒くしているが必死に香理奈の顔面にパンチを落としていく。
バシッ、バキッ・・バシッ・・
顔を殴られて身体をビクンビクンとさせていく香理奈。佳代も元プロレスラーの意地で顔面パンチを連打すると、香理奈が鼻血を噴き出していく。
パンチを防ごうとする香理奈。しかし佳代が強引にガードを開けて顔面にパンチを落とすと、後頭部がマットに固定されている状態だからと、危険な状態になっていく。
レフリーもレフリーストップを考えるも、香理奈が必死に佳代のパンチを防ごうとしているからと、まだ試合を止めるのを躊躇った。
香理奈が佳代の手を掴むと、佳代は強引に払って顔面へパンチを叩き込む。
無意識にハンマーパンチ気味にパンチが叩き込まれると、香理奈の反応が鈍くなる。
バキッ・・バシッ・・
激しい鼻血で顔面を赤く染めていく香理奈。涙目になっても耐えて抵抗を見せる姿に観客席からも歓声が送られていく。
しかし意地を見せる佳代は、体重をしっかりと乗せて返されないようにすると、一気に両手でパンチを叩き込む。
佳代のパンチを防ぐことができず、顔面を腫らしていく香理奈。この状態にレフリーが試合を止めるのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが連打されると、ここで佳代の勝利となった。
『ただ今の試合、レフリーストップで納見佳代の勝利となりました!』
リングアナのコールに無言で立ち上がる佳代。レフリーに手を挙げられるも、笑顔は浮かべずに険しい表情の佳代。
そして香理奈はリングドクターによる応急処置がされると、担架が呼び込まれて医務室に運ばれていく。
元プロレスラーとしての意地で勝利した佳代だったが、スタミナ切れやレスラーとして受けの強さもなくなり、女優との試合で互角に抵抗された事に、内心はショックを受けてリングを降りるのであった・・・。



第12試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、ドラマなどで今年は人気を上げた掘北真希。今夜は初めてとなる格闘技戦と言う事で緊張を隠せない様子。白い競泳水着に白いリングシューズ、手には白いオープンフィンガーグローブを着けてのリングイン。早くも歓声が起きていくと、コーナーを背にして対戦相手を待つ真希。
その真希の対戦相手としてリングインするのは、女優としても売れている館野美穂。今夜は真希との格闘技戦と言う事で、プロレスルールと違い女優同士の意地の激突となるのか、リング上は緊張感が漂っている。
美穂も真希と同じく白い競泳水着に白いリングシューズ、そして手には白いオープンフィンガーグローブと言う姿。真希とは視線を合わせずにリングインすると、観客席に向かって頭を下げてコーナーに進んでいく美穂。
早くもリングアナがコールを始めていくと、歓声が大きくなっていく会場内・・・。
『女優特別格闘技戦を行います・・・・青コーナー〜・・・身長160p、上から78、58、83・・・掘北真希〜っ!』
コールされて一礼していく真希。格闘技戦と言う事で、地下プロレスでは流血戦も体験している真希だが、殴る蹴ると言う試合展開を予想して緊張を隠せない。
『赤コーナー〜・・・身長158p、上から81、54、82・・・館野美穂〜っ!』
コールを受けて一礼していく美穂。地下プロレスでのキャリアは真希より長いが、同じ様な体格の相手との格闘技戦と言う事で、真希同様に緊張感が高まっている様子。
コールが終わると、真希と美穂の口にマウスピースが入れられると、真希はマウスピースの違和感に嘔吐感すらおぼえるも、格闘技戦だからと我慢した。
『この試合は、KO、ギブアップ、レフリーストップ等での勝敗となります・・・なお、ダウンで試合は止められず、勝敗が着くまでは倒れた相手を殴る蹴るも認められています!』
女優同士の試合としては、残酷感があるからと観客席が盛り上がっていくと、真希と美穂は緊張しながら試合開始のゴングを待った・・・。
『カァーン!』
そして試合開始のゴングが打ち鳴らされると、まずはコーナーから前に出る真希と美穂。
ガードを上げて前に出て距離を詰める真希と美穂。
まずは真希が軽くジャブ気味にパンチを放つと、美穂はガードして距離を置いた。
続けて真希がローキック気味に蹴りを放つと、美穂も負けずに蹴り返す。
バシッ・・
蹴りが入ると、真希が前に出て左右のパンチを放つと、美穂も負けずに殴り返していくリング上。
バシッ、バシッ、バシッ・・・
女優同士が容赦なく顔を殴り合う展開に盛り上がる観客席。
バシッ、バシッ・・・
顔を殴られて、お互い険しい表情を浮かべていると、美穂が膝蹴りを狙うと咄嗟にガードする真希。
更に首相撲の体勢に持ち込んでから、膝蹴りを狙う美穂。
しかし真希も組み付いてバランスを崩してグラウンド状態に持ち込んでいく。
素早くサイドポジジョンを奪う真希。美穂は逃れようとするも、真希が押さえ込む形になってしまい、打撃をガードしようと組み付いていく。
動きの止まる状態から、真希が小刻みのハンマーパンチを脇腹などに入れると、美穂が嫌がるように藻掻いた。
馬乗り状態を狙いたい真希だが、美穂も簡単には奪わせないと、次第にロープに近くなって美穂の足がロープに届いた・・・。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に真希が立ち上がると、美穂も水着を直しながら立ち上がった。
『ファイト!』
そして試合が続けられると、ガードを固めた真希が距離を詰めた。
距離の詰まる真希に、美穂が踏み込んでミドルキックを放つと、真希は脇腹に蹴りを受けながらもパンチを放つ。
バシッ・・
真希のパンチが軽く当たると、美穂も殴り返す展開。
続けて美穂が左右のパンチを放って前に出ると、真希がタックルを仕掛けた。
上手く低空タックルが炸裂すると、美穂をマットに倒していく真希。
上になった状態から身体を密着させると、激しく左右のパンチをボディに叩き込む真希。
バシッ、バシッ、バシッ・・
大きなダメージは与えられないも、美穂にプレッシャーをかけていく真希の小刻みのボディへのパンチ。
美穂は殴られながら、どうやって返そうかと迷っている表情を浮かべていると、真希が一気に動いた。
動きの鈍った美穂のマウントポジションを取ると、体重を乗せて逃げられないようにしていく。
嫌がる美穂。顔へのパンチを恐れてガードしようとすると、真希が激しくパンチを落としていく。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
険しい表情で殴りつける真希。可愛らしいルックスからは想像もつかない攻撃に、観客席も盛り上がっていく。
更にハンマーパンチを叩き込んでいくと、美穂の顔面にダメージが・・・。
鼻血が流れ出した美穂。ブリッジ気味に返そうとするも、真希が上手くマウントポジジョンをキープして苦しい状態。
更に真希のパンチが顔面を襲って苦しい展開になっていく美穂。
堪らず俯せ状態で顔をガードしようとすると、真希は狙っていた様にサイドからパンチを入れていく。
バシッ・・・
ガードの上から殴られて嫌がる美穂。
真希は脇腹へパンチを入れると、美穂は脇腹をガードしようとすると、真希が一気にチョークスリーパーを仕掛ける。
しかし美穂も顎を引いて、素早く手を戻すとチョークスリーパーが極まらず、真希はまたもパンチを叩き込む。
防戦一方の美穂に、真希はサイドポジジョンに体勢を移動すると、一気に膝蹴りを脇腹へ叩き込んだ。
ドスッ・・
「うっ・・」
脇腹への膝蹴りに動きの止まる美穂。呻き声みたいなのを漏らしている。
真希はダメージを与えられたと思い、更に膝蹴りを叩き込むと、美穂が脇腹を押さえてグッタリした。
スレンダーな美穂だけに、脇腹への膝蹴りはダメージが大きく苦しい展開。
真希は抵抗の少なくなった美穂を放すと、立ち上がってから顔面へのサッカーボールキックを叩き込んでいく。
バシィィィ・・・バシィィィィ・・・
真希の容赦ない顔面蹴りの連打に、美穂は鼻血を激しく流しながらも耐えようとするも、一方的になってきたからとレフリーが危険と判断して試合を止めるのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、真希を止めていくレフリー。
『ただ今の試合、レフリーストップで掘北真希の勝利となりました!』
意外な激しい攻めでのレフリーストップ勝ちに、真希自身も驚いた表情を浮かべると、対戦相手の美穂を気遣っている真希。
リングドクターがタオルで顔を拭いてから、鼻血の止血処置をすると、涙目の美穂に試合とは言え激しい攻めをした事に対して、真希を頭を下げてリングを降りるのであった。




第13試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、前大会でデビュー戦を勝利で飾った比賀愛未。白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって頭を下げてコーナーに進んだ。早くも歓声に包まれるリング上。
その愛未の対戦相手としてリングに登場したのは、愛未のデビュー戦の相手だった長沢まさみ。白いスポーツビキニに白いリングシューズ、手にはオープンフィンガーグローブを着けてのリングイン。まさみの手を見て愛未は動揺した。プロレスルールと思っての女祭り参戦が、格闘技戦になると打撃対策をしていないからと、愛未は不安な表情を浮かべた。
『女祭り特別格闘技戦・・・青コーナー〜・・・身長169p、上から78、58、84・・・比賀愛未〜っ!』
コールを受けて一礼していく愛未。コールが終わると、コーナーで黒服からオープンフィンガーグローブが着けられていく。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から84、57、83・・・長沢まさみ〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールするまさみ。地下プロレスの経験は愛未より豊富だからと、余裕すら感じられるが前回は逆転負けしているだけに、今夜は打撃でKOを狙いたいところ。
コールが終わるとマウスピースを口に入れられていく愛未とまさみ。
愛未は初めて口にするマウスピースの違和感に、嘔吐感に襲われたのか咳き込んでいると、レフリーも試合開始のゴングを少し待っている。対戦相手のまさみは愛未の様子に、打撃で倒そうと考えている様子で、コーナーで軽く身体を動かしていると、愛未の咳が収まったようで試合開始のゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングが鳴らされると、まさみがコーナーから前に出て行く。
愛未もコーナーから出るも、格闘技戦の対応が出来ていないからと、ガードの下がったまま前に出た。
バシッ・・
いきなりまさみのジャブが顔面を捉えると、焦るように距離を置く愛未。
逃げる愛未に、まさみは距離を詰めてはローキックを放った。
バシィィィィ・・・
音を立てて炸裂するローキックに、痛がる愛未。
堪らずパンチを放つ愛未に、まさみはローキックからガードが下がるとハイキックを放つ。
バシィィィ・・・
ローキックを受けて痛がる愛未に、続けてハイキックが仕掛けられるが、愛未も避けて空振りに終わると、続けてまさみがパンチを連打する。
バシッ、バシッ、バシッ・・・
顔面を襲うパンチの連打に嫌がるようにロープ際に逃れる愛未。
背中がロープに当たって逃げ場を失う愛未に、まさみが強烈な膝蹴りをボディに叩き込む。
ドスッ・・
「ぐふっ・・うううっ・・・」
お腹への衝撃に、愛未は呻き声の様に漏らしながら座り込むようにダウンした。
マウスピースも吐き出してしまい涎を垂れ流す愛未。
四つん這いになって涎をマットに垂れ流す愛未。美人女優の残酷シーンに観客席が盛り上がると、まさみは距離を置いていく。
特別ルールだからとダウンカウントが入らないと、まさみは更にノーガード状態の愛未の顔面をサッカーボールキックで蹴り上げた。
バッシーン・・・
顔面への強烈なサッカーボールキックに愛未が完全に俯せ状態でダウンすると、まさみがバックマウントを奪って殴りかかる。
しかし愛未が失神寸前状態だからと、レフリーが急いで試合を止めるのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが連打されるリング上。まさみの一方的な勝利で試合が幕を閉じると、まさみはリベンジしたと言う感じの満足気な表情を浮かべて片手を挙げてアピールした。
『勝者、長沢まさみっ!』
リングアナのコールに笑顔を浮かべるまさみ。
対して負けた愛未は担架に乗せられていくと、初めての格闘技戦、それも打撃の練習もしていない試合形式に不満はあるも、まさみに一方的に負けた事に涙して運ばれるのであった・・・。




第14試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、壕プロの元気系グラビアアイドルの小嶋瑠璃子。今夜は地下プロレス参戦して以来初めての格闘技戦に挑戦と言う事で、白い競泳水着に白いリングシューズ、手にはオープンフィンガーグローブが着けられていた。
その瑠璃子の相手としてリングインするのは、地下プロレス2戦目、初の格闘技戦となる高柿麗子。活動の幅を広げようと地下プロレス参戦して、今夜は格闘技戦に挑戦。瑠璃子と同じく白い競泳水着でスレンダーボディを包み、手にはオープンフィンガーグローブと言う姿。
19歳の瑠璃子と、33歳の麗子の格闘技戦。観客席が盛り上がる中、緊張しながらコーナーに寄りかかる麗子。対して瑠璃子は軽く身体を動かしながらコーナーに数発パンチを叩き込んで動きを確認している様子。
『女祭り特別格闘技戦・・・・青コーナー〜・・・身長157p、上から81、57、85・・・小嶋瑠璃子〜っ!』
コールを受けて飛び跳ねながらアピールする瑠璃子。初の格闘技戦をどの様な試合を魅せるのか・・・。
『赤コーナー〜・・・身長170p、上から81、58、84・・・高柿麗子〜っ!』
そしてコールを受ける麗子は、深々と観客席に向かって頭を下げると、軽く身体を動かしていく。
瑠璃子と同様に初めての格闘技戦をどう闘うのか注目が集まるリング上。
そして両者の口にマウスピースが入れられると、初めてのマウスピースの感触に違和感を感じている両者。
準備が整うと試合開始のゴングが打ち鳴らされた・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナー〜前に出て行く麗子と瑠璃子。
瑠璃子がガードを上げて距離を詰めると、麗子が軽くジャブ気味にパンチを放った。
しかし瑠璃子は殴り返さないと、麗子が左右のパンチを放つ。
更にローキック気味に蹴りを放つ麗子に、瑠璃子が蹴り脚にタックルを仕掛けた。
上手くテイクダウンを奪った瑠璃子。
麗子もマットに倒されて焦るように藻掻くと、瑠璃子がバックを奪おうとするも無理矢理に立ち上がる麗子。
瑠璃子も立ち上がると、麗子が張り手気味の大振りのパンチを放つ。
バシッ・・
側頭部を殴られてフラつく瑠璃子。
瑠璃子がガードを固めると、麗子が左右のパンチを放っていく。
バシッ、バシッ・・
ガードの上から麗子のパンチが炸裂すると、距離を置こうと瑠璃子が膝蹴りを放つ。
膝蹴りを避けて距離を置いていく麗子。
そして距離が詰まると、麗子がパンチを放つも瑠璃子がガードすると、踏み込んで顔面へ続けてパンチが炸裂した。
バシッ、バシッ・・
顔面を殴られて怯む麗子。険しい表情を浮かべると、瑠璃子が一気に前に出て顔面にパンチを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・
必死にガードする麗子がロープ際に逃れると、瑠璃子がノーガードのボディへパンチを叩き込む。
ドスッ、ドスッ・・
「うっ・・」
スレンダーボディにパンチを叩き込まれて苦悶の表情を浮かべる麗子。
その瞬間、瑠璃子がタックルで組み付いた。
しかし倒されないようにと麗子もトップロープを掴んで抵抗すると、瑠璃子が膝蹴りをボディに叩き込む。
ドスッ・・
「うっ・・ううっ・・」
ボディに膝蹴りを受けて苦悶の表情を浮かべて動きが止まる麗子。
身体をくの字にして苦しむと、瑠璃子が顔面へパンチを叩き込む。
容赦ない顔面パンチの連打に麗子が逃げるも、追いかけては顔を殴りつける瑠璃子。
コーナーに追い込まれて、ガードを固める麗子に、瑠璃子は串刺しのドロップキックを放った。
ドスッ・・
「ぐふっ・・・ううっ・・」
お腹にドロップキックが炸裂すると、麗子の口からマウスピースが顔を出した。
苦悶の表情で座り込む様にダウンする麗子に、瑠璃子は起き上がってから片手で髪を鷲掴みにすると、容赦なく顔面にパンチを叩き込んでいく。
バシッ、バシッ、バシッ・・・
顔面パンチの連打に鼻血を流す麗子。必死に瑠璃子に組み付いて顔面へのパンチを防ぐと、そのまま押し込む様に瑠璃子を倒した。
今度はお返しとばかりに馬乗りを狙うと、瑠璃子が冷静に下から三角締めを狙うも、これは麗子も驚いて立ち上がっていく。
素早く瑠璃子が立ち上がると、距離を置いて構えていくが、早くも白い水着が赤く染まり出す麗子が痛々しい。
鼻血を流しながら呼吸が苦しい麗子に、瑠璃子は素早く踏み込むと、容赦ない顔面パンチを狙っていく。
バシッ・・・バシッ・・・
顔面にパンチが炸裂すると、麗子は血飛沫を上げるようにしてフラついていく。
しかし瑠璃子の顔面にお返しとばかりに殴り返すと、瑠璃子はフラつくも殴りつけていく。
バシッ・・バシッ・・
激しい鼻血に水着を赤く染めていく麗子は、呼吸も苦しくなってスタミナが切れてきたのか、動きが鈍くなっていく。
バシィィィ・・・
動きが鈍くなったからと、ローキックで太股を蹴りこむ瑠璃子。
足を蹴りこまれてフラつくも、必死に踏ん張ろうとして殴り返す麗子。
しかし麗子のパンチが避けられると、瑠璃子のパンチが顔面に入っていく。
バシッ・・バシッ・・
堪らず下がるも、コーナーに追い込まれた形の麗子。逃げ場を失い顔を必死にガードするも、瑠璃子がお腹に前蹴りを放った。
ドスッ・・
「ぐえっ・・」
お腹へ突き刺す様な前蹴りを受けて、麗子は口から血塗れのマウスピースを吐き出すと、身体をくの字にしてダウン寸前に追い込まれた。
両手でお腹を押さえて苦悶の表情を浮かべると、瑠璃子が踏み込んでハイキックを側頭部に叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
堪らずコーナーに崩れ落ちる麗子。俯せ状態でダウンすると、瑠璃子がバックマウントを奪って後頭部など容赦なく殴りつけていく。
バシッ・・バシッ・・バシッ・・
必死に顔を守ろうとする麗子。しかし瑠璃子の勢いに堪らずマットを叩いていく。
『カンカンカンカン・・・』
ここでレフリーがギブアップと確認して、試合を止めていく。
『勝者、小嶋瑠璃子っ!』
リングアナのコールに瑠璃子は立ち上がると、初めての格闘技戦勝利に笑顔を浮かべた。
対して、麗子は立ち上がるも鼻血が激しく、リングドクターが処置していく。
意外な打撃での勝利の瑠璃子。スポーツを多くこなしている瑠璃子だが、過去には空手の経験もあり、打撃も対応できたのだろうか。



第15試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、地下プロレスに参戦してから、一度の勝利もない上都彩。今夜は2012年最後の大会の女祭りで、格闘技戦に出る事となった彩。白いスポーツビキニに白いリングシューズ、手にはオープンフィンガーグローブと言う姿でリングインしていく彩。スポーツビキニだからと、彩のサイズ以上のボリュームのバストが観客の視線が集まっている。
その彩の対戦相手としてリングインするのは、前大会で米蔵涼子に一方的な試合で負けた荒垣結衣。彩と対照的に黒いスポーツビキニに黒いリングシューズとオープンフィンガーグローブを着けてのリングイン。今夜は勝利したいところ。しかし格闘技戦と言う事で、残酷な試合展開になる予感のリング上。
『女祭り特別格闘技戦・・・青コーナー〜・・・身長162p、上から82、58、84・・・上都彩〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする彩。しかし格闘技戦と言う事で、顔の殴り合いもあるからと表情は暗い・・・。
『赤コーナー〜・・・身長167p、上から82、62、87・・・荒垣結衣〜っ!』
そしてコールを受ける結衣は、彩と同じく顔を殴り合うなど激しい試合が予想されるからと、表情に明るさはなかった。
コールが終わるとマウスピースを口に入れられる彩と結衣。
準備が整うと、ここでレフリーが試合開始のゴングを要請した・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから前に出る彩と結衣。
緊張した表情を浮かべてリング中央で距離が詰まると、まずはお互いが軽くジャブ気味にパンチを放った。
お互いの手にパンチが当たるも、続けて結衣がローキック気味に蹴ると、彩も意地になって蹴り返す。
蹴られた結衣は、足が痛いからと殴り返すと、彩の顔面に容赦ないパンチを叩き込んだ。
バッシーン・・・
フォームは悪くても顔面へのパンチにフラつく彩。
しかし彩も負けずに殴り返すと、結衣の顔面へ炸裂した。
バシィィィィ・・・・
彩のパンチに早くも鼻血が流れ出て流血戦となっていくリング上。
結衣は鼻血に気づくと、意地になって彩の鼻にパンチを叩き込む。
バシィィィ・・・・
結衣のパンチにフラつく彩。
続けて結衣がボディにパンチを入れると、ガードが下がったところに顔面にパンチを連打する結衣。
バシッ、バシッ、バシッ・・・
顔を殴られて嫌がるようにロープに下がる彩。ロープに詰まって逃げ場を失うと、結衣が左右のパンチを顔面に叩き込んだ。
バシッ、バッシーン・・・
フラつく彩。そして彩も顔面へのパンチを受けて、唇をを切って血を滲ませて、また鼻血を流している。
白いスポーツビキニに血が垂れて痛々しい彩。
しかし必死に殴り返すと、結衣も血飛沫をあげてフラつく凄惨な試合展開。
結衣も意地になって踏ん張ると、彩の顔面にパンチを入れていく。
バシィィィ・・・
更に彩のバストにもパンチを叩き込むと、豊満なバストに拳が叩き込まれて、苦悶の表情で動きの止まる彩。
動きが止まったからと、飛び込むように膝蹴りを叩き込むと、堪らず彩が座り込むようにダウンした。
苦悶の表情を浮かべて苦しむ彩の髪を掴んで起こしていく結衣は、続けてボディに膝蹴りを叩き込むと、彩が涙目で耐えていく。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
更に結衣のパンチが顔面を襲うと、彩も必死に殴り返してお互いの顔を殴り合う彩と結衣。
既に彩は涙目になっていて、顔も腫らしていて痛々しい姿にされていくが、結衣も唇などを切っていて痛々しい姿になっている。
お互いが決定打のパンチを持っていないから、殴り合いも痛々しく観客には見えているが、逆にその殴り合いが盛り上がっていく会場内。
しかし彩の手数が減っていくと、結衣が首相撲の体勢に持ち込んでから膝蹴りを叩き込んだ。
ドスッ・・
「うううっ・・・」
呻き声みたいな悲鳴をあげて座り込むようにダウンする彩。
下を向いている彩に、結衣は片手で髪を掴んでから顔面を殴りつけていくと、彩は血飛沫をあげて殴られていく。
残酷な展開になってきたが、結衣も勝ちたいからと非情の攻めを見せていくリング上。
そして俯せに崩れ落ちる彩に、結衣はバックマウントを取ってから、容赦ない後頭部へ側頭部へのパンチを連打していく。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
もうガードしようにもタコ殴り状態の彩。両足をバタバタさせて痛がっている姿に観客席からは試合を止めろと声が飛んだ。
『カンカンカンカン・・・』
観客席の声もあるからと、レフリーはここでレフリーストップとして試合を止めていく。
『ただ今の試合、荒垣結衣のレフリーストップ勝ちとなりました!』
リングアナのコールに結衣が冷静さを取り戻すと、彩を殴りまくってのレフリーストップ勝ちに自らも驚きを隠せない。
レフリーが結衣の手を挙げていくと、結衣は笑みを浮かべるも顔は鼻血などで痛々しい姿になっていた。
一方、負けた彩は俯せ状態で泣いていると、リングドクターが応急処置をしていくのであった・・・。



第16試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、オークションなどで騒がれた星野亜希。白いビキニ姿に手にはオープンフィンガーグローブを着けてリングインすると、緊張した表情で観客席に向かって頭を下げていく。しかし観客席からはブーイングすら飛ぶ始末で、表舞台での活動が難しいからと女祭りに参戦してきた亜希。しかし、今夜の亜希の試合は、制裁マッチとも言えるマッチメークが組まれていた・・・。
対戦相手としてリングに上がるのは、Oプロ所属の元レースクイーン、そして地下プロレス2戦目の猪上貴美。黒いスポーツビキニに手にはオープンフィンガーグローブを着けてリングインすると、片手を挙げてアピールしていく。
キックボクシングの経験もあり、今夜の亜希をリング上で制裁する為にと、特別なオファーでの参戦。貴美も活動の幅を広げたいからと、地下プロレス参戦には積極的に参戦となった・・・。
『女祭り特別格闘技戦・・・青コーナー〜・・・身長165p、上から88、55、86・・・星野亜希〜っ!』
コールを受けて頭を下げていく亜希。35歳の亜希が白ビキニでリングに立っているが、流石はグラビアアイドルとして活動しているだけあって、見事なスタイルを披露している。
『赤コーナー〜・・・身長166p、上から85、60、88・・・猪上貴美〜っ!』
そして貴美がコールを受けると、笑みを浮かべて両手を挙げて観客にアピールしていくと、歓声に包まれていくリング上。
コールが終わると、両者の口にマウスピースが入れられて準備が終わると、試合開始のゴングを待つ貴美と亜希。
『カァーン!』
そして試合開始のゴングが打ち鳴らされると、コーナーから飛び出す貴美と亜希。
慣れないオープンフィンガーグローブに亜希は戸惑いながらも前に出ると、貴美がジャブを放ちながら距離を詰めた。
距離が詰まるといきなり貴美のハイキックが亜希を襲うと、頬にハイキックを受けてフラつく亜希。
ハイキックが顔面に炸裂したからと、観客席からは貴美に歓声が送られていく。
フラつきながらガードを固める亜希に、貴美が左右のパンチから、ローキックを放った。
バシィィィィ・・・
ローキックを受けてフラつく亜希。必死に顔のガードを固めていると、貴美は続けてローキックで太股を狙って蹴っていく。
バシィィィ・・・バシィィィ・・・
ローキックを受けて嫌がるように距離を置こうとする亜希に、貴美が距離を詰めてボディにパンチを叩き込む。
ドスッ・・
「うっ・・・」
お腹を殴られて苦しむ亜希に、貴美がハイキックを放つも亜希が避けていく。
逆にタックルの様に組み付いていく亜希は、そのままロープ際に押し込んでいくと、貴美がフロントスリーパーの様に首に腕を回した。
亜希も意地になって脇腹へパンチを小刻みに叩き込むと、貴美が脇腹を殴られながらも様子を見るように組み付いている。
そして貴美が一気に体勢を入れ替えて亜希をロープに押しつけると、今度は膝蹴りをボディに叩き込む。
ドスッ・・
「うぐっ・・」
ボディへの膝蹴りに動きの止まる亜希。続けて自慢のFカップバストへも貴美の膝蹴りが入ると、堪らずバストを押さえて座り込む亜希。
ダウンした亜希を攻めずに、貴美は観客にアピールする様に手を振ると、苦しむ亜希を小馬鹿にするように距離を置いた。
亜希がゆっくりとロープを掴んで立ち上がると、レフリーが試合続行を促した・・・。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に構える亜希。貴美はゆっくりと距離を置くと、軽くジャブを放っていく。
ジャブから左右のパンチと前に出る貴美に、亜希はガードを固めて距離を置こうとすると、観客席からはブーイングも出て行く。
逃げる亜希に、貴美は少しずつコーナーに追い込んでいくと、一気に前に出た。
バシッ、バシッ・・・
貴美のパンチが顔面を捉え出すと、嫌がるようにガードを固める亜希。
ガードを固める亜希に、貴美は誘ったようにお腹にパンチを叩き込む。
バシッ、バシッ・・・
「うっ・・ううっ・・・」
お腹へのパンチに苦しむ亜希。殴り返すと、亜希のパンチも貴美の頬を襲った。
バシッ・・・
反撃を受けると、ムキになって殴り返す貴美は、亜希のお腹へ連打していく。
ドスッ、ドスッ、ドスッ、ドスッ・・・
「ううっ・・・うぐっ・・・ぐっ・・・」
ボディへの連打に苦悶の表情を浮かべる亜希は、口からマウスピースが顔を見せている。
また涎を垂れ流して苦しんでいると、貴美はミドルキックでお腹を蹴りこんだ。
バシィィィィ・・・
これには両手でお腹を押さえ込んでダウンする亜希。
コーナーで座り込むようにダウンする亜希に、貴美は攻め込まずに観客席にアピールしながら距離を置いた。
レフリーが亜希に立ち上がるように指示するが、亜希はお腹を押さえたまま苦しんでいると、レフリーが試合続行を促していく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に貴美が亜希の髪を掴んで起こしていくと、コーナーに寄りかからせていく。
そしてノーガードの亜希に、痛めつけるようにお腹を殴りつける貴美。
バシッ、バシッ・・・ドスッ・・・
「ううっ・・うううっ・・・」
堪らずマウスピースを吐き出していく亜希。
更に激しいパンチの連打を顔面に叩き込んでいく貴美。
バシッ、バシッ、バシッ・・・
「あんっ・・あうっ・・・ぐふっ・・・」
顔面へのパンチの連打に口の中を切って血飛沫をあげて痛がる亜希。
またローキックを何発も受けていたからと、太股も内出血で痛々しい姿だが、貴美は容赦しない。
髪を掴んでリング中央に連れ出していくと、嫌がる亜希に膝蹴りを叩き込むと、膝をついてダウンする亜希の背中にサッカーボールキックを叩き込んでいく。
堪らず俯せ状態になる亜希に、貴美はキャメルクラッチを仕掛けた。
ビキニ姿で揺さぶられて、バストが揺さぶられ痛々しい亜希。両足をバタバタさせて痛がっていると、貴美が技を解いてから、髪を掴むと側頭部にパンチを入れていく。
そして亜希を仰向けにしていくと、今度はハンマーパンチを顔面に叩き込んでいく。
バキッ・・バシッ・・バキッ・・・
ハンマーパンチを叩き込まれると、亜希が鼻血を噴き出していく。
顔面を血に染めながら痛がる亜希。観客席からは歓声が起きていた。
堪らず亜希が抱きつくように貴美の打撃を避けると、貴美がマットに押し返していく。
バキッ・・バキッ・・
更に顔面へハンマーパンチを叩き込む貴美。グラウンド展開でも打撃を仕掛けると、亜希の顔面が更に血に染まっていった。
『ストップ・・・ストップ・・・』
ここでレフリーが貴美を止めていくと、貴美はコーナーに戻されると、リングドクターが亜希の鼻血のチェックをしていく。
涙目でリングドクターのチェックを受ける亜希。試合を止めて欲しいとばかりに哀願している様子だが、このチェックもダメージを回復させて、少しでも痛めつけられるようにとのレフリーの考えから止められたのだった。
しばらくすると、鼻血の止血処置がされると、亜希もコーナーに戻されていく。既に白いビキニは赤く染まりだしている亜希。素肌に垂れている自らの血も拭き取られていくと、貴美の肌にも亜希の返り血とも言える血が拭き取られていくと、試合が続けられた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声にコーナーから構えて出て行く貴美。
対して亜希は呼吸が苦しくコーナーを背に動かないと、貴美が少しずつ距離を詰めていく。
距離が詰まると、いきなり亜希が前に出て大振りのパンチを振り回した。
これには貴美が冷静にローキックで動きを止めていくも、亜希のパンチが顔面を捉えた。
バシッ・・・
しかし貴美が顔面を殴り返すと、亜希の動きが鈍くなる。
大振りのパンチを連打してスタミナを消耗したのか、呼吸が荒くなって苦しそうな亜希。
動きの止まった所へ、貴美がバストへパンチを飛ばしていくと、Fカップバストを殴られて痛がる亜希。
アッパー気味にバストへパンチが炸裂すると、ビキニから飛び出しそうになる亜希の乳房。
バストへの衝撃に泣きそうな表情で距離を置こうとする亜希に、貴美が踏み込んではバストを殴りつけた。
グニュ・・バスッ・・・
堪らずコーナーに追い込まれていく亜希。
必死にバストをガードしようとすると、貴美が顔面を殴りつけた。
バシッ、バシィィィィ・・・・
またも激しく鼻血を噴き出す亜希。鼻から流れ落ちる血が、胸の谷間などにも流れ込んで痛々しい姿になっているが、観客席からは歓声が起きていく。
堪らず顔面をガードする亜希に、貴美は狙いを定めて巨乳のバストを殴りつけていくと、もうサンドバック状態になっていく亜希。
コーナーで動けずにただ殴られている亜希。体中に痣などができて痛々しい展開になるも、観客席からも事務所側からも試合を止めろと言う言葉は出てこないから、容赦なく痛めつけられていく亜希。まさに公開処刑と言う展開・・・・。
コーナーの亜希に、貴美は狙いを定めると、ボディへ強烈な膝蹴りを叩き込む。
ドスッ・・
「うっ・・うううっ・・・」
ボディへの強烈な膝蹴りに、亜希の口からマウスピースがマットに落ちていく・・・。
続け口から胃液の様な液体が溢れると、膝をつくように倒れ込む亜希。
これには貴美も試合終了かと思い周りを見渡すと、観客席は盛り上がっていて、リングサイドの黒服などからは続けろとばかりに指示が出た。
戸惑いを隠せない貴美だが、黒服からの指示に亜希をコーナーに座らせると、両腕をセカンドロープに絡めてから、容赦ないサッカーボールキックをバストに叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
「あうっ・・・」
蹴りこまれた瞬間、亜希の口からは痛々しい悲鳴が飛び出していく・・・。
「ぎ・・・ギブ・・・・ギブ・・・アッ・・・プ・・・・」
呻き声の様にギブアップを口にする亜希。しかしレフリーがギブアップを認めないと、貴美がサッカーボールキックを顔面に叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・・
顔面へのサッカーボールキックに、堪らず亜希は失神寸前となってしまった・・・。
コーナーに座ったまま、強烈な顔面への蹴りでグッタリしている亜希。口からは血の混じる涎を垂れ流している・・・。
流石にこの展開は危険と判断されたのか、ここでレフリーが試合終了のゴングを要請するのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされてホッとした表情を浮かべる貴美。
『ただ今の試合、猪上貴美りレフリーストップ勝ちとなりました!』
リングアナのコールにレフリーに手を挙げられていく貴美。
複雑な表情を浮かべるも、亜希を徹底的に痛めつけての勝利に、控え室に戻ると主催者側より特別ボーナスを渡されて満足の貴美。
一方、亜希は担架に乗せられて医務室に運び込まれると、バストなど痣が出来て、顔は唇などを切って、口の中も切っていたり、顔の一部を腫らしたりと痛々しい姿での負けとなってしまった。しかし地下プロレスの怖さを知る亜希は、今後も制裁的なカードが組まれるのではと、口には出さないも恐怖するのであった・・・。


第17試合

『選手入場っ!』
リングアナコールにリングインするのは吹石和恵。体格差のある市河由衣に負けてグラウンド対応も練習しての女祭り参戦。
黒いスポーツビキニに手にはオープンフィンガーグローブで、得意の打撃で勝利を挙げたいところ。
その和恵の対戦相手としてリングインするのは、今夜が地下プロレス初参戦の闘うグラビアアイドル盛崎愛。キャットファイトなど多数参戦している愛が、遂に地下プロレスのリングに参戦となった。白いビキニに白いリングシューズ、手には格闘技戦と言う事でオープンフィンガーグローブが着けられているが、慣れないオープンフィンガーグローブに落ち着かない様子の愛。
『女祭り特別格闘技戦・・・青コーナー〜・・・身長170p、上から86、59、86・・・吹石和恵〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする和恵。落ち着いた表情でコーナーに寄りかかっていくと、対戦相手の愛を見つめている。
『赤コーナー〜・・・身長160p、上から87、58、84・・・盛崎愛〜っ!』
コールを受けて笑顔を浮かべて観客席にアピールする愛。しかし今夜立つリングはリアルファイトの地下プロレス。愛は地下プロレスを理解せずにリングに立っているのか、緊張感が感じられない態度に和恵が笑みを浮かべた。
レフリーが和恵と会いをリング中央に呼び出すと、ルールの確認が行われていくと、愛はKO、ギブアップ、レフリーストップ等と言う言葉に緊張感を増していくと、打撃ルールの経験がないだけに落ち着きが無くなっていく・・・。
マウスピースを口に入れるも、愛は慣れないマウスピースを吐き出すと黒服に返していくが、本人が要らないと言う事で愛はマウスピースなしで行われていく試合・・・。地下プロレスのリングは甘くはないので、ルール説明が終わるとコーナーに別れさせられると、試合開始のゴングが鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す和恵と愛。
ガードを上げて距離を詰めていく和恵に、愛はプロレススタイルの様に距離を詰めた。
そしてタックルを仕掛けようとすると、和恵が上手く捌いていく。
組み付けないからと、愛は喧嘩キックを放つと、またも和恵が避けていく。
愛が更に前に出ようとすると、今度は和恵がローキックを叩き込んだ。
バッシーン・・
太股に炸裂したローキックに険しい表情を浮かべる愛。
更に和恵がローキックを狙うと、蹴り足にタックルを仕掛ける愛だが、これには和恵がフロントスリーパー気味にキャッチされて苦しい愛。
グイッ・・
「うっ・・」
首を極められて苦しい愛は、和恵をロープ際に押し込みながらも逃れようと藻掻いていく。
しかし和恵も上手く締めていくと、愛のスタミナを早くも少しずつ奪いだしていた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
愛がロープを握りしめると、ここでレフリーがロープだからと放させていくと、和恵が距離を置いていく。
技を解かれた愛はビキニを直して距離を置くも、和恵の技に驚きを隠せない様子だが、試合は続けられていく・・・。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離が詰まる和恵と愛。
ガードを上げる愛に、和恵がローキックを叩き込んでいく。
バシィィィィ・・・
「痛いっ・・」
太股への強烈なローキックに悲鳴をあげる愛。
更に左右のパンチを放つ和恵に必死にガードする愛。ガードの上からダメージを与えていくと、次第に愛がロープ際に下がりだした。
バシィィィィ・・・
更にローキックが炸裂していくと、愛はリング上を回るように逃げ出すと、和恵は追いかけるように前に出た。
しかし意地を見せてドロップキックを放つと、和恵に命中してダウンを奪う。
続けて髪を掴んで起こしてからヘッドロックを仕掛けると、和恵の表情が苦悶に歪んだ。
必死に締め付ける愛に、和恵は脇腹へ小刻みのパンチを叩き付けると、愛も脇腹への打撃に嫌がっている様子。
バックドロップを狙う和恵に、愛が重心を下げてガードすると、一気に技を解いてからコブラツイストを仕掛けるも、和恵がロープに逃げた。
『ブレーク・・・ブレーク・・・』
レフリーが愛と和恵を離していくと、お互いが水着を直しながら距離を置いていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に和恵が距離を詰めると、愛はガードを固めて打撃を警戒すると、和恵がハイキックで牽制していく。
シュ・・
ハイキックを避けるも驚きを隠せない愛。
続けてミドルキックが炸裂すると、重い衝撃に愛の動きが止まった。
ドスッ・・
「ふぐっ・・ううっ・・」
動きの止まった愛に組み付くように膝蹴りをボディに叩き込む和恵は、ロープ際に追い込んで左右のパンチをお腹に連打した。
ドスッ・・ドスッ・・ドスッ・・
「あうっ・・ああっ・・ぐふっ・・・ああんっ・・・」
お腹への打撃の連発に藻掻く愛。逃げようとしても和恵が追いかけると、今度はコーナーに追い詰められた愛。
お腹へのパンチを嫌がるようにボディをガードする愛に、和恵はガードの空いている顔面へパンチを叩き込む。
バキッ・・
「あうっ・・」
顔面へのパンチを受けて顔を押さえて痛がる愛。
背中を向けてしまっている愛に、和恵が狙いをつけてヒップにミドルキックを叩き込む。
バシッ・・・
「あんっ・・」
ヒップへの蹴りに悲鳴をあげる愛。更に脇腹へミドルキックを叩き込む和恵。次第に愛の白い素肌が内出血して痛々しい姿にされていく。
更にヒップへの蹴りが炸裂していくと、愛はトップロープを掴んで悲鳴をあげている。
ここでレフリーが和恵を離していくと、愛に反撃など試合を積極的にするようにと注意を受けた。
『盛崎っ、戦意喪失か?』
レフリーの問いかけに頷く愛。
「こ、こんな・・・殴る蹴るがホンキの試合なんて・・・」
愛の言葉にレフリーが言い放つ。
『地下プロレスは何でもありだから、途中で試合が止まる事はないからな・・・覚悟しろ・・・』
レフリーの言葉に言葉を失う愛。
『ファイト!』
レフリーが掛け声をかけると、コーナーの愛にローキックからミドルキックと重い蹴りを叩き込んでいく和恵。
バシッ、バシィィィ・・・
堪らず顔をガードしている愛は、ボディを蹴られて苦しい展開。
和恵は挑発する様に手招きしてコーナーから出てこいとばかりに誘うも、愛はガードを固めて動けない。
出てこない愛に、ガードの上から左右のパンチで牽制してから、ローキックを太股に叩き込んでいく和恵。
バシィィィィィ・・・
「あうっ・・・」
痛々しい声を発して痛がる愛。既に和恵の打撃に怖がっている様子で、一方的な展開になってきた試合展開。
バシィィィィ・・・
「ああっ・・・」
更にローキックが太股に叩き込まれると、愛が悲鳴をあげて痛がっている。
太股が内出血でどす黒くなって痛々しい愛は、ロープを掴んで必死に倒れないように踏ん張ると、いきなり和恵に殴りかかった。
「んあああぁぁぁぁぁ・・・・」
気勢をあげて両腕を振り回すようにパンチを放つ愛。
和恵ガードすると、カウンターのパンチを顔面に叩き込んでいく。
バキィィィィ・・・
顎にパンチがヒットすると、愛の動きが止まっていく。
必死にガードする愛に、和恵は一気に左右のパンチをボディに入れてから、身体をくの字にして苦しむ愛の顔面にハイキックを叩き込む和恵。
バシィィィィ・・・
遂に愛の身体がマットに崩れ落ちると、容赦なく仰向けにする様にサッカーボールキックを叩き込むと、踵でお腹やバストなどへストンピングを叩き込む和恵。
ドスッ・・ドスッ・・
「うっ・・ううっ・・・」
お腹などへの強烈なストンピングに悲鳴をあげる愛。
和恵は容赦せずに馬乗りになっていくと、嫌がる愛の顔面にパンチを叩き込んだ。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
「んっ・・痛いっ・・・あああああっ・・・」
顔を殴られて藻掻き苦しむ愛。
一方的な展開に観客席からもブーイングも起きると、レフリーも試合を止めるかどうか迷いだした。
和恵も元祖キャットファイトアイドルと言う肩書きで聞いていたのに、一方的な試合展開に呆れ顔を浮かべると、制裁的に顔面へハンマーパンチを叩き込む。
バキッ・・
「痛いっ・・・うぅぅぅぅ・・・」
顔への強烈な打撃の連発に涙目で痛がる愛。ハンマーパンチを受けて鼻血が溢れ出した。
ビキニ姿で藻掻く愛。和恵は顔を狙って徹底的にハンマーパンチで殴りつけると、顔面を血に染めて痛がっている愛。
「ぎ、ギブ・・・ギブアップ・・・・」
遂に愛の口からギブアップが発せられるも、レフリーが試合を止めないからと和恵が殴りつけていく。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
「あうっ・・・し、試合・・・を・・・止めて・・・・」
泣きながら和恵の手を掴もうとする愛。
ここで和恵がレフリーを見つめると、レフリーがゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、ここで試合が止められていく。
『ただ今の試合、レフリーストップで吹石和恵の勝利となりました!』
レフリーに止められて立ち上がる和恵は、不機嫌そうな表情で片手を挙げられていく。
対して愛はマットに俯せになると、両手で顔を押さえて泣いている。
リングドクターが鼻血などの応急処置を行っていくと、愛は泣きながら処置を受けていくが、観客席からの期待はずれと言う視線も痛かった。
マウスピースを吐き出してから不機嫌そうな表情で詰め寄っていく和恵。
「少しはホンキで試合してくれない・・・舐めてるんじゃないの?」
その和恵の言葉に何も言い返せない愛。
和恵はそのままリングを降りて控え室に戻っていくのであった・・・。




第18試合

『選手入場っ』
リングアナのコールにリングインするのは、女優の笹木希。白いスポーツビキニに白いリングシューズ、手には白いオープンフィンガーグローブを着けてリングインすると、観客席に向かって頭を下げていく。歓声に包まれるリング上。
その希の対戦相手としてリングインするのは、同じく女優の末広涼子。地下プロレスのキャリアも長く、今夜は元ヤンキーと言われる希相手にどんな試合を展開するのか。白い競泳水着に白いリングシューズ、手にはオープンフィンガーグローブを着けてのリングイン。
対戦相手の希を気にしながらも、コーナーに寄りかかって水着を直したりする涼子。
希も涼子の登場にキャリアの差からも緊張感を隠せないが、体格などで負けないとばかりに気合いを入れていく。
『女祭り特別格闘技戦・・・青コーナー〜・・・身長168p、上から80、58、82・・・笹木希〜っ!』
コールを受けて片手を挙げていく希。スレンダーボディをスポーツビキニに包んでいる姿に、観客席からは歓声が起きている。
『赤コーナー〜・・・身長161p、上から81、59、85・・・末広涼子〜っ!』
そしてコールを受けた涼子は観客席に向かって深々と頭を下げていくと、白い競泳水着姿の涼子にも大きな歓声が送られていく。
コールが終わると、希と涼子の口にマウスピースが入れられると、試合開始のゴングを待つだけとなったリング上。
涼子としても女祭りで勝利して弾みをつけたいところ。対して希としても元ヤンキーなどと言われるだけに、格闘技戦での喧嘩ファイトで涼子をマットに沈めたいところ。お互い気合いが入るリング上に、試合開始のゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン』
ゴングと同時にコーナーから飛び出していく涼子と希。
距離が詰まると、希が激しい喧嘩キックを放つと、涼子が上手く避けていく。
避けられたからと、希が激しいパンチを放つと、涼子がガードするもガードする腕にもダメージを与えていった。
リング内を動き回る様にして逃げ回る涼子。
希は挑発するように手招きするも、涼子は構わず距離を置いていくと、希が距離を詰めてパンチを放った。
バシッ・・
涼子の顔面にパンチが炸裂すると、涼子はガードを固めて距離を置いていく。
更に希が距離を詰めてはハイキックまで放つも、これは涼子が避けていく。
シュ・・
続けてジャブ気味にパンチを放ちながら距離を詰めると、涼子を次第にコーナーに追い詰めていく希。
すると、涼子もパンチを返してくると、希が避けるも殴り返す。
その瞬間、涼子がタックルを仕掛けて組み付くと、体勢を入れ替えるようにして希の身体をコーナーに押し込んだ。
下を向いたまま組み付いて押し込む涼子に、希は涼子の首に腕を巻き付けていくが、突然のコーナーに押しつけられた状況に戸惑っている様子。
堪らず膝蹴りをボディに叩き込む希。
ドスッ・・
「くっ・・・」
流石に膝蹴りを受けると涼子の表情が険しくなる。
更に膝蹴りを狙う希に、涼子が一気に倒しにかかると、上手くマットに倒していく。
グラウンドの展開に持ち込むと、藻掻く希からサイドポジジョンを奪って押さえ込む涼子。
流石に希もどう対処しようかと迷っていると、涼子が小刻みに脇腹へハンマーパンチを叩き込む。
バシッ、バシッ・・・バシッ・・・
スレンダーな希だけに、ボディへハンマーパンチを叩き込まれると苦しい展開になっていく。
序盤でパンチを振り回していただけに、ボディへの打撃も受けるとスタミナ面が心配になっていく希。
体重を掛けて押さえ込んでいる涼子。次第に希は体重を乗せられているからスタミナを消耗して苦しい展開になっていく。 白い水着に汗が溢れていく・・・。
涼子がマウントポジジョンを狙おうと仕掛けると、希がブリッジ気味に返して跳ね返した。
素早く立ち上がる涼子。希が立ち上がろうとすると、容赦ない顔面へのサッカーボールキックを仕掛けると、間一髪で希が避けて空振りのサッカーボールキック。
しかしバランスを崩している希に、涼子が続けて背中にサッカーボールキックを叩き込むと、顔面へもサッカーボールキックを叩き込んだ。
バシィィィィィ・・・
強烈な顔面へのサッカーボールキックに両手で顔面を押さえて動きの止まる希。
座ったままで顔面を押さえる希に、涼子は髪を掴んで顔面への膝蹴りを叩き込むと、希も必死に組み付いていく。
強引に涼子を倒していくと、今度は希が覆い被さる様に組み付いていく展開に。
涼子は下から希の出方を伺っていると、希が涼子の脇腹へハンマーパンチを叩き込む。
バシッ、バシッ・・・
流石に脇腹を殴られて痛がる涼子に、一気に馬乗りを狙う希。
しかし下から冷静に三角締めを仕掛ける涼子。
驚いて腕を引き抜いてから、一気に顔面へ拳を振り上げる希。
バシッ・・
希の拳が涼子の顔面を捉えると、一瞬涼子の身体がビクンと反応する。
顔面へのパンチで動きの鈍くなった涼子に、一気に馬乗りになろうとする希。
涼子も抵抗を見せるも希がマウントポジジョンを奪うのに成功すると、観客席からも歓声が起きていく。
呼吸を荒げる希は、狙いを定めて涼子の顔面にパンチを叩き込む。
バシッ、バシッ・・・バシッ・・
音を立てて炸裂するパンチに、涼子は鼻血を噴き出していく痛々しい展開。
しかし涼子が希の身体に密着する様に組み付くと、希は引き離す様にマットに押さえつけては殴りつける。
バシッ・・
殴られては組み付いていく涼子。
一気に勝負に出たい希は殴るのに集中してしまい下半身は気にしないと、涼子が一気に返した。
まさかの返しに希は驚きを隠せない。しかし歓声が起きる中で涼子も立ち上がって構えた。
白い競泳水着に血が垂れていく涼子。
希も呼吸を荒くしてスタミナが心配だが、構えたまま距離を詰めていく。
シュ・・
希がローキック気味に蹴ると、涼子は避けていく。
更に希が前に出ると、涼子が上手くタックルを決めてテイクダウンを奪った。
藻掻く希を上手く押さえつけると、涼子が脇腹へパンチを叩き込む。
脇腹へのパンチを嫌がる希に、身体を密着させたまま大振り気味に顔面へパンチを落とす涼子。
バキッ・・バシッ・・・
涼子のハンマーパンチ気味の拳が顔面を捉えると、希の動きも鈍くなっていく。
更に涼子が顔面を狙っていくと、希の頬などが腫れだした。また鼻血を噴き出して両者流血する展開。
希が涼子のボディを両足で挟むと、涼子はスポーツビキニの希の生腹へパンチを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・
お腹を殴られて嫌がる希。ボディへの打撃は、少しずつスタミナを奪っていく・・・。
抵抗が弱くなる希に、ボディを挟む足を解いて、一気にアキレス腱固めを仕掛けた涼子。
グイッ・・
これには狂ったように希が痛がると、片足でヒールキックで必死に抵抗していく。
ヒールキックが激しくなって涼子が足を放すと、涼子が素早く立ち上がった。
希も起き上がろうとすると、涼子が走り込むようにバストへサッカーボールキックを叩き込む。
バシィィィィ・・・
強烈なサッカーボールキックに動きの止まる希。
続けて顔面へサッカーボールキックが叩き込まれると、堪らず顔面を押さえて崩れ落ちる希。
俯せで顔面を押さえて痛がる希に、涼子は容赦なくサイドポジジョンから膝蹴りをボディに叩き込む。
ドスッ・・ドスッ・・
スポーツビキニなので脇腹など蹴りこまれた部分は生腹で、赤くなり始めて痛々しい希の身体。
更に横にするようにしてお腹に膝蹴りを叩き込むと、希は堪らず口からマウスピースを吐き出してしまった・・・。
抵抗が弱まる希に涼子はトドメとばかりに馬乗りになると、一気に顔面を殴りつけていく。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
涼子の手を押さえようとしてもガードできず、ただ顔面を殴られていく痛々しい希。
鼻血や唇を切って残酷な展開になって可哀想な希。
涼子も容赦せずに顔面に拳を振り下ろすと、ここでレフリーが危険と判断して試合を止めていく。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングと同時に涼子を止めていくレフリー。
『勝者、末広涼子っ!』
リングアナのコールに涼子が立ち上がりながら鼻血を拭うと、少し笑顔を浮かべていく。
対して負けた希は何も言えずに倒れていると、リングドクターによって応急処置がされていくのであった。
元ヤンキーと言われる希も、芸能界に入ってから大きな喧嘩な話もなく、生活面からもスタミナ面で涼子に負けたのであったのか?



第19試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは人気女優の天美祐希。黒いワンピース水着に黒いリングシューズ、肘と膝にはサポーターを着けてのリングイン。祐希のリングインに観客席からは驚きと歓声が起きると、祐希は応える様に片手を挙げていく。
その祐希の地下プロレスデビュー戦の相手としてリングインするのは、「再現ドラマの女王」などと言われ、地下プロレスにはデビュー済みの片丘明日香。白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって頭を下げてからコーナーに進んでいく。
流石に対戦相手が天美祐希と言う事で、緊張を隠せない明日香。ヘビー級相手にも勝利を挙げているが、今夜は祐希の存在感に押されているのか落ち着きがない様に見える明日香。
祐希としては、表舞台では売れっ子女優であるも、ストレス解消を何か無いかと探していたところ、このタレント同士の地下プロレスの存在を聞き、プロレストレーニングなどを積んでの参戦。ただ祐希はベビーフェイスよりヒールファイトに興味を持ったと言う情報もあり、今夜の相手の明日香はベビーフェイスと言う事でのカードであった・・・。
『女祭り特別プロレスマッチ・・・青コーナー〜・・・身長173p、上から83、58、88・・・天美祐希〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする祐希。
『赤コーナー〜・・・身長155p、上から79、59、81・・・片丘明日香〜っ!』
そしてコールを受けて一礼していく明日香。体格差もあるも、表の世界でのトップクラス女優との対戦に緊張を隠せない。
45歳の祐希と34歳の明日香。果たしてどんな試合展開になるのか注目の集まるリング上に。そして試合開始を告げるゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出す明日香は、奇襲攻撃に近いドロップキックを放っていく。
バシィィィィ・・・
勢いあるドロップキックに倒れ込む祐希。素早く明日香が片足を抱え込んでフォールの体勢に持ち込むと、レフリーがカウントを入れていく。
『ワン・・・』
しかし祐希が素早く返していくと、明日香が腕を狙っていくと、祐希が腕を引いて逃れた。
転がるようにロープに逃げた祐希に、明日香は立ち上がるとストンピングを叩き込んでいく。
バシッ、バシッ・・
ヒップなどを蹴られながらも、ロープを掴んでレフリーにアピールする祐希。
レフリーが止めていくと明日香が距離を置いていくと、頭上で手を叩いて観客を煽った。
祐希が水着を直しながらゆっくりと立ち上がると、レフリーが続行の指示をしていく。
『ファイト』
レフリーの掛け声に距離を詰める祐希。
対して明日香が距離を置こうとして祐希の動きを見つめた。
ゆっくりと祐希が前に出ると、その存在感からか明日香がリング内を動き回るも、少しずつロープ際に追い込まれていく。
更にロープ際からコーナーに追い込まれると、明日香から喧嘩キックを放った。
バシッ・・・
蹴りを受けてフラつく祐希。しかし負けずに体格差もあるからとヘッドロックに捉えると、明日香が苦しんでいく。
腰を落とすようにして明日香を攻める祐希。
明日香も抵抗出来ずに痛がっていると、走り込む様にブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付ける祐希。
バッシーン・・・
「んああぁぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげる明日香。
転がるようにリング下に逃れる明日香。祐希は明日香がリング下に降りると、コーナーに進んでコーナーポストのカバーを外して金具を剥き出しにしていった。
観客席からも祐希の行動に驚きの声があがるも、明日香はリング上の事に気が付かずにリングサイドで水着を直しながら呼吸を整えていく・・・。
ゆっくりとリングに戻る明日香に、ロープ際から睨み付ける祐希。
その祐希をレフリーが離していくと、明日香が素早くリングに入った。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に明日香が距離を詰めていくと、祐希に喧嘩キックを叩き込むと、続けて腕を掴んでロープに振っていく。
ロープから勢いよく戻った祐希に、明日香が打点の高いドロップキックを放った。
バッシーン・・・
ドロップキックを受けて倒れ込む祐希。蹴られた部分を押さえて苦しんでいると、明日香が飛び上がってストンピングを叩き込む。
バシッ・・バシッ・・
堪らず転がるようにリング下に逃れる祐希に、明日香は低空ドロップキックでリングに叩き落とした。
リング上では明日香が片手を突き上げてアピールすると、観客席からは大歓声が起きていく。
対して祐希はリング下で水着を直しながらも、リング上の明日香を睨み付けながら呼吸を整えている。
ゆっくりとリングに戻ろうとする祐希に、ロープ越しに挑発するように構える明日香。
レフリーが明日香を離してから祐希をリングに入れると、試合が続けられた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に明日香が前に出ると、祐希が構えた。
構える祐希に素早くタックルを仕掛ける明日香。体格差もあるも上手くグラウンド状態に持ち込んでいく明日香は、素早くマウントポジジョンを奪うと張り手を叩き込む。
バッシーン・・・
大物女優に対して挑発するような明日香の行為に、観客席からは大歓声が起きていく。
観客席の反応に明日香は更に張り手を叩き込んでいくと、祐希のスイッチが入ったのか目つきが鋭くなっていた・・・。
更に明日香が首4の字固めを仕掛けて極めていくと、祐希が明日香の足を噛み付いた。
ガブ・・
「きゃああぁぁぁ・・・」
堪らず悲鳴をあげて技を解く明日香。レフリーに反則と抗議した。
「レフリー、噛み付きは反則でしょ!」
明日香の抗議にレフリーが祐希に注意すると、祐希は笑みを浮かべた。
お互いが立ち上がると噛み付かれた事に怒る明日香は、祐希に左右ののパンチを叩き込む。
バシッ、バシッ・・・
これにはレフリーが明日香を止めていくと、祐希は殴られた顔を押さえて距離を置いた。
更に明日香が喧嘩キックを叩き込むと、強引にヘッドロックに捉えていく。
明日香のヘッドロックに、体格差もあるからと強引にバックドロップを仕掛ける祐希。
バシィィィィ・・・
バックドロップを受けてグッタリとしていく明日香。後頭部を両手で押さえて痛がっていると、祐希がゆったりと立ち上がっていく。
そして観客席にアピールする様に何かを手にすると、髪の毛を鷲掴みにして明日香を無理矢理起こしていった。
嫌がる明日香をロープ越しに連れ出すと、観客席を向くようにロープに絡ませていく祐希。
そして手にしたメリケンサックを容赦なく額に叩き付ける祐希。
ゴキッ、バキッ・・
「きゃああぁぁぁぁぁ・・・・・」
明日香が凶器攻撃を受けて絶叫すると、観客席からも歓声が起きていく。
祐希は観客の反応を見ながらも、明日香の額にメリケンサックを叩き付けた。
バキッ・・
「んああぁぁぁぁぁ・・・」
明日香が悲鳴をあげていると、遂に額が割れて流血戦になっていく。
初めての流血に動揺を隠せない明日香。
額から流れ落ちる血が白い競泳水着に垂れていくと、痛々しくなっていく明日香。
更に顔面を掻き毟ると、凶器をリングサイドに投げ捨てる祐希。
「いくよおぉぉぉぉ・・・」
祐希がアピールすると、明日香をロープから放すと、そのままコーナーに連れ出して金具に顔面を叩き付けた。
ゴキッ・・
「いやああぁぁぁぁぁ・・・」
明日香の悲鳴が響き渡ると、額からの出血が酷くなっていく。
更にコーナーに押し込んでから、体格差を利用して額の傷口を噛み付いていく祐希。
ガブッ・・
「痛いぃぃぃぃ・・・いやああぁぁぁぁぁぁ・・・」
傷口を噛み付かれて絶叫する明日香。
祐希は口の周りに明日香の額から流れ出た血を付けながらも、観客にアピールする様に痛めつけていく。
そして明日香をリング下に落としていく祐希は、そのまま近くからパイプ椅子を持ち出すと、明日香のお腹などへ角の部分に叩き付けると、動きの止まる明日香の髪を掴んでは、鉄柱に額からに叩き付けた。
ゴキィィィィ・・・
「ああああぁぁぁ・・・・」
悲鳴をあげて倒れ込む明日香。額からの出血も酷くなり血ダルマ状態になっていくと、祐希は額を狙う様に倒れ込んだ明日香の額にストンピングを叩き込んだ。
バシッ、バシッ・・・
両手で顔面を押さえて痛がる明日香。
グイッ・・・
「立ちなさいよ・・・」
祐希が髪を掴んで明日香を無理矢理に起こしていくと、大流血状態の明日香の表情を観客席に向かって見せつけていく。
すると、明日香が祐希のバックに素早く回ると、逆さ押さえ込みを仕掛けるも、場外だからカウントが入る事もない・・・。
観客席からは歓声が起きるも、カウントが入らずに祐希が両足をバタバタさせてバランスを崩して逃れると、動きの鈍る明日香に場外でのパイルドライバーを仕掛けた。
ゴキッ・・
脳天から場外のマットに叩き付けられて動きの止まる明日香。
更に祐希がリングサイドからチェーンを手にすると、明日香の首に巻き始めた。
そしてリング上のトップロープに掛けてから、絞首刑とも言えるチェーンでの攻撃をすると、明日香の首が締め付けられて必死にチェーンに手を掛ける明日香。
真っ赤な顔で、苦悶の表情を浮かべている明日香。首が絞められて危険な状態になっていくと、観客席からも歓声とブーイングが起きる中、レフリーが危険と判断してゴングを要請した。
『カンカンカンカン・・・カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされると、レフリーが祐希を止めていく。
レフリーに止められてチェーンを放す祐希。明日香はグッタリと喉元を押さえて俯せ状態で倒れていると、リングドクターが駆け寄っていく。
『ただ今の試合、反則と言う事で片丘明日香の反則勝利となりました・・・』
リングドクターのコールに祐希はニヤリと笑みを浮かべて片手を突き上げてアピールすると、歓声を浴びながら控え室に戻っていくのであった。
一方、大流血でグッタリする明日香は担架に乗せられると、一方的な反則攻撃で痛めつけられた事に納得がいかないのか、何かアピールしながら担架での退場となったのであった・・・。



第20試合


『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、出産を経て地下プロレス復帰戦となる熊多曜子。出産後にトレーニング期間もあまりなく、スタミナ面など心配される事が多い中、オークション問題もあり地下リングに立つことになった曜子。
流石にビキニ姿はと言う事で、胸元の開いた白いワンピース水着に白いリングシューズ姿でリングインする曜子。胸の谷間をアピールしながら観客に頭を下げると、コーナーに向かって進んでいった。
その曜子の対戦相手としてリングインするのは、モデルの岩先名美。白いスポーツビキニに白いリングシューズ姿でリングインすると、女祭りでもデビュー戦と言う事で、特別格闘技戦と言う事で試合が行われる事となった。
曜子と名美の手にオープンフィンガーグローブが着けられると、体格的にも年齢的にも目の前の対戦相手に不安を隠せない曜子。
早くも名美は曜子に自信をもった表情で睨み付けていくと、曜子が視線を反らした・・・。
名美は地下プロレスデビュー戦に辺り、名門水着キャンペーンギャルと言う事からも、諸先輩から地下プロレスデビューについてのトレーニングやアドバイスを受けていた。特に打撃を磨いてきたと言う情報もあり、名美もオークションでの詐欺的な話に怒りを感じている様で、リング上で曜子をボコボコにしてやろうと思っているのか、視線が鋭かった・・・。
『女祭り特別格闘技戦・・・1ラウンド3分、無制限ラウンド制マッチ・・・・・・青コーナー〜・・・身長164p、上から92、56、84・・・熊多曜子〜っ!』
コールを受けて一礼していく曜子。しかし復帰戦と言う事もあり不安を隠せない表情。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から83、58、85・・・岩先名美〜っ!』
そしてコールを受けて16歳の名美が堂々と片手を挙げてアピールすると、観客席からは歓声が送られていく。
30歳の曜子と16歳の名美の格闘技戦。経験では曜子が上回るも、復帰戦と言う不安要素もあり、また名美は若さもあり勢いがあると言う点からも苦しい展開が予想される曜子。
そしてマウスピースが口に入れられると、試合が開始されようとしてるリング上。
曜子も復帰戦だからと緊張を隠せない表情を浮かべていると、対して名美はデビュー戦と言う緊張感はあるものの、挑戦すると言う意気込みが感じられ好勝負の予感が漂っている。
『第1ラウンド・・・カァーン!』
そして試合開始のゴングが打ち鳴らされると、まずはガードを上げて前に出る曜子。
名美もガードを上げて距離を詰めると、まずは曜子が軽くジャブを放っていく展開。
曜子のジャブをガードする名美は、逆にローキックを放った。
バシッ・・
名美のローキックに表情を険しくする曜子。意外な打撃に戸惑っているのか、ガードを固めている曜子。
更に名美が左右のジャブからパンチを繰り出して前に出ると、ガードを固めて前蹴りを放って距離を置こうとする曜子。
前蹴りを嫌がりながらも、牽制気味にハイキックを放つ名美。空振りするも曜子に対してのプレッシャーを与えるのには十分なハイキック。
打撃を警戒して動きが鈍くなる曜子に、名美は飛び込むように膝蹴りを放つと、ガードするも反撃できない曜子。
続けて首相撲の体勢に持ち込もうとする名美に、逆に曜子が組み付いて倒していくと、サイドポジジョンを奪っていく曜子。
しかし名美が藻掻いていくと、逃れられて立ち上がられてしまうと、素早くガードを固めて立ち上がった曜子。名美も水着を直しながら距離を置いていくと、曜子もバストが飛び出さないようにと直していく。
距離が詰まると、名美が左右のジャブからボディを狙ったパンチを放つ。
ドスッ・・
「うっ・・・」
名美のボディを受けて苦悶の表情を浮かべる曜子。
続けて名美がタックル気味に組み付いていくと、そのまま勢いよくマットに曜子を叩き付けた。
バッシーン・・・
マットに叩き付けられて動きの止まる曜子に、名美が一気に馬乗り状態になると、早くも顔面へパンチを叩き込んでいく。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
顔面へ容赦なく叩き込まれていくパンチ。曜子も嫌がるように組み付こうとするも、上から名美がマットに押しつけると、曜子の顔面を殴りつけていく。
バシッ、バシッ・・・
『カァーン!』
ここで第1ラウンドの終了のゴングが鳴らされると、レフリーが名美を止めていく。
マウントポジジョンからの顔面パンチの連打を受けて、曜子が鼻血を流している。しかしセコンドが止血したり、殴られた顔などを冷やしたりとしていくも、曜子は名美の勢いを脅威に考えている様子。
対して名美はセコンドから口に水を入れてもらうと、余裕すら感じられる様子。第1ラウンドの動きが若干固く感じられたが、第2ラウンドは動きが良くなるのではと思われた・・・。
『第2ラウンド・・・・カァーン!』
そして第2ラウンドが開始されると、コーナーから前に出る曜子と名美。
いきなり名美が左右のパンチを放つと、曜子がガードを固めるもガードの上から激しく殴りつける名美。
続けてローキックが放たれると、曜子が蹴られてフラついていく。
しかし負けずに殴り返す曜子。
バシィィィ・・・
名美の顔面をパンチが捉えると、一瞬動きが止まると曜子が強引にヘッドロックに捉えていく。
ヘッドロックで締められている名美は、身体を密着させるとバックドロップ狙いの動きをすると、曜子がロープ際に少し動いた。
そして名美がバックドロップを狙うと、身体が浮いた瞬間に曜子がロープに足を掛けると、バランスを崩して名美を押し潰した。
マットに押しつけられて苦しい名美に、サイドポジションから体重を掛ける様にボディを押しつける曜子。
バストが押しつけられると、水着から乳房が露わになりそうになるも、構わず押しつけてスタミナを奪おうとしている曜子。
名美もブリッジ気味に返そうとするも、曜子が上手く押しつけていく展開。
押しつけながら、曜子が名美のボディへパンチを叩き込んでいくと、名美も藻掻くように苦しむ。
更に曜子が攻めようとすると、名美が身体を密着させていく。
試合の動きが止まっていくと、ここで2ラウンドが終了していく・・・。
『カァーン!』
ゴングの音に離れる曜子と名美。曜子は全身から汗を噴き出していると、少し疲れたのか呼吸を荒くしている。
一方、名美はスタミナ面では余裕が見られるが、グラウンド状態での展開など戸惑っている様で、セコンドの黒服などに何か聞いている様子。
白い水着が汗ばむ曜子は、口に水を含ませるとマウスピースを口に入れて立ち上がると、名美も立ち上がって3ラウンド目が始まっていく。
『第3ラウンド・・・カァーン!』
試合が続けられると、曜子が構えたまま前に出ると、名美も前に出てからパンチを放つ。
名美のパンチにカウンター気味にパンチを放つ曜子。しかし名美のパンチが顔面を捉えると、一瞬動きが止まる曜子。
その瞬間を逃さずに、名美が一気にパンチを連打していくと、曜子がガードして苦しい状況に追い込まれていく。
下がっていくと、ロープ際に追い込まれて苦しい曜子。パンチを返すも名美が一気にラッシュを掛けてくると、防戦一方の曜子。
バシッ、バシッ・・・バシッ、バシッ・・・
必死に顔をガードする曜子に、がら空きとなったボディへ膝蹴りを放つ名美。
ドスッ・・
「ふぐうっ・・・うううっ・・・」
お腹への強烈な膝蹴りを受けてマウスピースを吐き出す曜子。身体をくの字にして動きが止まると、名美が下を向く曜子の顔面にアッパー気味にパンチを叩き込んでいく。
バシィィィィ・・・
顎にパンチを受けて痛がる曜子。堪らず組み付いて打撃から逃れようとすると、名美が後頭部へエルボーを叩き込んでから、バストへ膝蹴りを叩き込む。
グニュ・・・
「あうっ・・・」
堪らず悲鳴をあげて座り込む様にダウンする曜子。
自慢のバストを両手で押さえて痛がっていると、レフリーも試合を止めないからと名美は背中へサッカーボールキックを叩き込んだ。
バッシーン・・・
背中を蹴られて痛がる曜子。しかしバストへの衝撃に動けない。
バッシーン・・・
更にサッカーボールキックが叩き込まれると、苦悶の表情で耐えていく曜子。
名美は容赦なく顔面へもサッカーボールキックを叩き込むと、曜子の顔面を捉える蹴り。
バシィィィィ・・・
顔面への蹴りにグッタリとしていく曜子。両手で顔面を押さえていると、名美がストンピングを叩き込んで痛めつけていく。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
顔面、バスト、お腹と全身を蹴りまくる名美。曜子は藻掻き苦しむ様に必死に耐えると、3ラウンド終了のゴングが近くなる・・・。
しかし名美は仕留める勢いでお腹へサッカーボールキックを叩き込むと、曜子が目を見開いて苦しんだ。
バスッ・・
「オ・・エッ・・・」
口から涎を垂れ流して動きの止まる曜子。その瞬間、3ラウンド終了のゴングが打ち鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングに救われた感じの曜子。お腹を押さえたままコーナーに戻ると、苦悶の表情を浮かべながらもデビュー戦相手に負けたくないとばかりに、セコンドの黒服と話し始める・・・。
一方、名美は練習してきた打撃を試すかの様に、時折余裕すら感じられる打撃を見せていて、水を軽く口にすると次のラウンドでの展開を想い描いている様子・・・。
そしてインターバルの時間が過ぎると、第4ラウンドが始まろうとしていた。
『第4ラウンド・・・カァーン!』
そしてゴングが打ち鳴らされると、マウスピースを口に入れてコーナーから前に出る曜子と名美。
距離が詰まると、曜子がジャブから左右のパンチを放つ。
ガードする名美は、逆に顔面パンチを連打すると、ミドルキックを叩き込む。
バシィィィ・・・
ミドルキックを受けて苦しむ曜子に、一気に顔面パンチを叩き込んでコーナーに追い込む名美。
膝を出して距離を置こうとするも、名美は構わずパンチを放っていくと、曜子の顔面に容赦なくパンチが叩き込まれていく。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
ガードしようとする曜子。しかしバスト、ボディとパンチが散らされていくと、上手く顔面を捉えていく名美のパンチ。
堪らず鼻血を噴き出していく曜子。胸の谷間にも血が垂れて残酷感ある展開。白い水着にも血が垂れていて痛々しく見えている。
殴り返す曜子だが、スタミナが切れかかったのか動きが鈍くなると、名美がコーナーに押し込むようにしてから、下を向かせてからバストへ膝蹴りを叩き込んだ。
グニュ・・・
「ふぐっ・・・うううっ・・・」
自慢のバストへの膝蹴りを受けて動きが止まる曜子。バストを押さえて痛がっている曜子に、名美は後頭部へエルボーを落としてから、座り込む様にコーナーにダウンする曜子に対して、容赦ないサッカーボールキックを連打した。
バシィィィィ・・・・バシィィィィ・・・・
顔面をガードする曜子のバスト辺りに強烈な蹴りが連打されると、堪らずグッタリしていく曜子。
名美は更にトップロープを掴んでから、両足で全体重を乗せる様なストンピングを叩き込んでいくと、曜子が藻掻き苦しんでいくリング上。
ドスッ・・バシッ・・
観客席が盛り上がると、名美も更に曜子に対してエグいストンピングを叩き込んでいくと、曜子はコーナーでグッタリしながらも必死に顔面をガードすると、名美はお腹にも蹴りを入れてダメージを与えていく。
ドスッ・・
「ぐふっ・・ううっ・・」
マウスピースを口から吐き出して苦しむ曜子。
更にニードロップをお腹に叩き込む名美。遠慮無いボディへの攻めに曜子の口から胃液を噴きだした。
ドスッ・・・
「うっ・・ホゲェェェェ・・・」
流血した顔に、また胃液で汚していく曜子。動きが止まっても容赦ない打撃に苦しんでいる曜子へ、名美は激しいパンチを浴びせていく。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
コーナーで座り込むようにして、ただ名美のパンチに顔面を殴られていく曜子。必死に顔をガードしようとしても、名美の激しいパンチの連打に一方的になっていく展開。
涙目になりながらも、必死に名美に組み付こうとするも、名美が押し返してから殴りつけていく。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
胸の谷間にも血が流れ落ちて残酷な展開になってきたところで、ゴングに救われる曜子・・・。
『カァーン!』
第4ラウンド終了のゴングが鳴らされると、名美は片手を挙げてアピールしながら自軍のコーナーに戻っていく。
対して曜子は立ち上がれないと、黒服に両脇を抱えられながらコーナーに戻っていく。
名美は呼吸を荒げてはいるも、余裕も感じられる表情を浮かべている。
逆に曜子は苦しそうに呼吸をしながら、セコンドの黒服に止血してもらったり、流れ出た血などを拭き取ってもらっていた。
『第5ラウンド・・・カァーン!』
そして第5ラウンドが開始されると、疲れた表情でコーナーから出る曜子。
対してガードを固めて前に出ると、ジャブで牽制していく名美。
曜子も殴り返すが名美が避けると、バストへパンチを叩き込んだ。
グニュ・・
水着に包まれた乳房への衝撃に痛がる曜子。
ガードが下がったからと、名美が左右のフック気味のパンチを叩き込むと、曜子がフラつきながらロープ際に逃れた。
ロープを背にする曜子に、名美が左右のパンチを顔面に叩き込む。
バシッ、バシッ・・・
殴られて左右に頭が振れている曜子。堪らず殴り返すと、名美の顔面をヒットするも逆にパンチを叩き込まれていく。
バシッ、バシッ・・・
名美のパンチが炸裂すると、止血した鼻血が噴きだした。
鼻血で呼吸も苦しい曜子の動きが鈍くなると、名美がコーナーに押し込んでいくと、ガードを固めようとする曜子のボディに膝蹴りを叩き込む。
ドスッ・・ドスッ・・・
「うっ・・ううっ・・・」
ボディへの強烈な膝蹴りにマウスピースを吐き出してしまう曜子・・・。
身体をくの字にして苦しんでいると、バストへも膝蹴りを叩き込む名美。
グニュ・・・
「ああんっ・・・」
堪らず悲鳴をあげてコーナーに崩れ落ちる曜子。
バストを両手で押さえて痛がっていると、レフリーも試合を止めないからとセコンドがトドメとばかりに名美に叫ぶと、名美は容赦なくサッカーボールキックを顔面に叩き込むと、曜子がグッタリとマットに俯せ状態に崩れ落ちた・・・。
『カンカンカンカン・・・』
流石に危険と判断したレフリーが試合を止めると、名美は興奮しているのか更にストンピングを狙うも止められていくリング上。
『ただ今の試合、第5ラウンド、レフリーストップで岩先名美の勝利となりました!』
リングアナのコールに驚く名美。グラビアアイドルとして有名な曜子をフルボッコにしてのデビュー戦勝利に、観客席に向かって笑顔を浮かべている名美。
対してリングドクターの応急処置に試合に負けた事に呆然とする曜子。
出産を経て地下プロレス復帰戦を、勢いある新人に当てられての噛ませ犬状態での敗北に、納得がいかないのかフラつきながら名美にアピールする曜子。
「い、岩先さん・・・こ、今度はプロレスルールで勝負よ・・・今度はシッカリと準備してからリングに上がるわ・・・」
曜子のアピールに観客席からはブーイングも起きていくと、名美も返していく。
「プロレスルールでも受けますから、よろしくお願いします・・・熊多先輩っ・・・」
名美のアピールには観客席からは歓声が起きると、曜子は俯きながらリングを降りるのであった。
名美は曜子が降りた後にリングを降りると、観客席にアピールしながら控え室に戻っていった・・・。




第21試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、女優の鈴本京香。白いワンピース水着に白いリングシューズ姿でのリングイン。
豊満なボディを包む白い水着。その水着姿に観客席からは視線が集まっているリング上の京香。
その京香の対戦相手としてリングインするのは、グラビアアイドルから女優として活躍している大池栄子。黒いスポーツビキニに黒いリングシューズ姿で堂々とリングインすると、京香を睨み付けてからコーナーに進んだ。
年齢差からも、栄子が有利と見られるこのカード。しかしワンマッチでは意外な強さもある京香。地下プロレスキャリアの長さからも、京香のに対する期待も感じられる観客席。そしてリングアナによるコールが始まっていく・・・。
『女祭り特別プロレスマッチ・・・青コーナー〜・・・身長166p、上から88、59、89・・・鈴本京香〜っ!』
コールを受けて一礼していく京香。対戦相手の栄子に対して、体格的にも警戒している様子。
『赤コーナー〜・・・身長166p、上から91、59、87・・・大池栄子〜っ!』
そしてコールを受けた栄子は片手を突き上げてアピールすると、早くも京香を睨み付けて詰め寄った。
京香も睨み返すと、レフリーが2人を割っていく・・・。
既に臨戦態勢の2人をコーナーに別けると、ここで試合開始のゴングが鳴らされた。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーから飛び出す京香と栄子。
距離を置いて睨み合うと、リング中央で組み合った。
バンッ・・
お互いが踏み込む足音がリングに響くと、まずはロックアップ状態で組み合っていく展開。
しばらくすると、栄子が押し込むように京香をロープに押しつけると、張り手を叩き込んだ。
バッシーン・・・
京香の頬に張り手を叩き込んでから、リング中央に下がってアピールする栄子。
京香は張り手を受けたからと、頬を押さえながらも栄子を睨み付けた。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に栄子が近づくと、京香が蹴りを放った。
更にヘッドロックに持ち込むと、栄子がロープに振っていく。
ロープから戻る京香に、栄子がラリアットを狙うと、京香が上手く避けてから、逆に勢いをつけてロープに走ってからのラリアットを叩き込んだ。
バッシーン・・・
「ぐふっ・・」
京香のラリアットにフラつく栄子。倒れないからと、京香が素早く絡みつくようなコブラツイストを仕掛けると、栄子の表情が苦痛に歪む。
グイッ・・
「んあっ・・・ああっ・・・」
京香が締め上げるも、栄子は耐えていくと技を解く京香。
続けてフロントスリーパーからDDTでマットに叩き付けると、素早くフォールの体勢に持ち込んだ。
『ワン・・・』
しかし栄子が返していくと、マットに座らせた状態にしてスリーパーで締め上げる京香。
京香の腕を掴んで逃れようとする栄子。しかし京香も身体を密着させて締め上げているので、スタミナを消耗していく栄子。
更に京香はスリーパーを解くと、立ち上がってから、栄子の髪を掴んで上を向かせると、額にエルボースタンプを叩き込んだ。
ゴキッ・・
「あうっ・・・」
額へのエルボースタンプに悲鳴をあげる栄子。続けてサッカーボールキックを背中に叩き込んでから、京香が距離を置いていく。
観客席からは歓声が起きると、栄子は水着を直しながらも立ち上がった。
『ファイト!』
レフリーの続行の掛け声に距離を詰めていく京香と栄子。
距離が詰まると、栄子がタックル気味に組み付くと、京香を抱え上げてコーナーに押しつけた。
更にコーナー最上段に座らせる様にしてから、京香のお腹にパンチを入れていく栄子。
バシッ、バシッ・・
お腹を殴られて苦悶の表情を浮かべる京香。
栄子はセカンドロープに登ると、動きの止まる京香に雪崩式ブレンバスターを仕掛けようとすると、京香も雪崩式ブレンバスターを受けてはダメージを受けるとばかりに、必死に蹴りを出していく。
栄子も粘ると、京香が顔面へパンチを入れると、栄子がバランスを崩してマットに転落した。
その栄子に京香がトップロープからフットスタンプを仕掛けると、栄子のお腹を京香の両足が抉る・・・。
ドスッ・・・
「グエえぇぇぇぇぇ・・・・」
京香のフットスタンプに苦悶の表情で悲鳴をあげる栄子。
口から涎を垂れ流しながら両手でお腹を押さえて苦しむ栄子に、京香は髪を掴んで起こしていく。
起こされながらも両手でお腹を押さえて苦しんでいると、京香は一気に下を向かせるようにしてから、パイルドライバーを仕掛けた。
逆さ状態の栄子は抵抗も出来ずに脳天から落とされていくと、京香が放すとグッタリとしていく。
転がるようにして俯せ状態でダウンすると、京香がヒップなどへストンピングを激しく叩き込んでいくと、ロープを掴んでいく栄子。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが栄子がロープを掴んだからと京香を離していくと、京香も水着を直しながら距離を置いていく。
栄子も呼吸を整えながらも、ロープを掴みながら立ち上がっていくと、レフリーが両者の距離を置いていくと、試合を続けさせていった。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰める栄子と京香。
流石の栄子も京香の大技を何度も受けると、スタミナなど苦しそうな表情を浮かべている。
その栄子に、京香が走り込む様にしてドロップキックを放つと、京香の意外な打点の高いドロップキックに倒れ込む栄子。
続けて腕を掴んで腕拉ぎ逆十字固めを仕掛ける京香に、栄子が素早くロープに逃れた。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの掛け声に京香が放していくと、栄子が腕を気にする様に振りながら立ち上がった。
京香も呼吸を整えながら立ち上がると、試合は続けられていくリング上。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰める栄子と京香。
栄子も試合のペースを奪われて焦っていると、今度は京香がタックルを仕掛けた。
栄子が踏ん張るとテイクダウンは奪われないと、京香が素早く身を引こうとする。
しかし栄子も簡単に逃がさず、張り手を放った。
バッシーン・・・
張り手を受けてフラついた京香に、栄子が組み付いてボディスラムでマットに叩き付けていく。
更にエルボードロップをバストに落として流れを掴むと、そのままフォールの体勢に持ち込んだ。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし京香が返していくと、栄子が髪を掴んで起こしていく。
そして自らロープに走ると、喉元に強烈なラリアットを叩き込む栄子。
バシィィィィィ・・・・
ラリアットを受けて大の字にダウンする京香。後頭部をマットに打ち付けて苦悶の表情を浮かべている。
動きの止まる京香に、栄子がバストを狙ったニードロップを仕掛けると、これには転がるようにして避ける京香。
ドスッ・・
「んああぁぁぁぁ・・・」
ニードロップを自爆して悲鳴をあげる栄子。膝を押さえていると、京香が立ち上がっていく。
そして栄子を起こしてから、一気に組み付くようにして卍固めを仕掛けた。
グイッ・・
「あああああぁぁぁ・・・」
京香の卍固めに悲鳴をあげる栄子。必死で耐えていくが、京香も締め上げてダメージを与えていた。
耐える栄子から技を解くと、京香は額から汗を流しながらヘッドロックを仕掛けた。
ヘッドロックを仕掛けられて、逆にロープに振っていく栄子。
しかしロープから戻ってきた京香がジャンピングニーパッドで反撃すると、京香の膝が顎を捉えてダウンする栄子。
顎を押さえて痛がる栄子に、京香は栄子の生腹をストンピングで容赦なく蹴りこんでいくと、栄子は転がるようにロープに逃れる。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが京香を止めていくと、栄子は苦悶の表情を浮かべて場外に逃れた。
リング上では京香が呼吸を整えているが、白いワンピース水着も汗で湿ってスタミナが心配される京香。
栄子がゆっくりとエプロンサイドに上がると、ロープ越しに京香が捕まえていく。
しかし栄子がお腹へグーパンチを叩き込むと、京香の表情が苦悶に歪んだ。
更に張り手を叩き込んでから一気にリングに戻ると、栄子はヘッドロックで締め上げる。
その栄子をロープに振って反撃しようとする京香。
しかしロープから戻ってきた栄子は、強烈なラリアットを叩き込んだ。
バッシーン・・・
喉元に炸裂したラリアットにダウンする京香。
栄子がラリアットを多用しているが、京香はマットに叩き付けられる度にダメージを増やしていく。
その京香のバストへエルボードロップを叩き込む栄子。
グニュ・・
「ああああああっ・・・」
バストへのエルボーに悲鳴をあげる京香。
そのままフォールの体勢に持ち込む栄子。レフリーが素早くカウントを叩き込む。
『ワン・・・ツー・・・』
しかし京香が返していくと、栄子は髪を鷲掴みにして起こしていくと、ダブルアームスープレックスの体勢に持ち込んでいく。
踏ん張る栄子に、京香が押し込む様にしてロープに逃れると、体勢が崩れて逃れる京香。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーが離していくと、栄子は京香を放すも睨み付けながら距離を置いた。
対して京香は水着を直しながら距離を置いていくと、構えていく。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰まる両者。
いきなり栄子がダッシュしてラリアットを仕掛けると、咄嗟に京香が脇固めで切り返した。
グイッ・・
「うっ・・・ううっ・・」
ラリアットを狙った栄子が逆転をされて苦悶の表情を浮かべて耐えていると、ロープに逃れようと足を伸ばす。
しかし京香がロープに逃げられないように固めていくと、栄子は激痛に苦しむ。
レフリーもギブアップの確認をするが、栄子は耐えていく。
『ギブアップ?』
「ノォォォォォ・・・・」
耐える栄子に極めていく京香。
京香が素早く技を解くと、俯せ状態の栄子の脇腹へ膝蹴りを入れて動きを止めると、苦悶の表情の栄子を起こしていく。
そして首投げからマットに叩き付けてから、スリーパーで締め上げていくと、栄子の表情が苦痛に歪む。
京香の表情にも疲れの色が出ているリング上。京香は更にアナコンダスリーパーで栄子を追い込んでいく。
グイッ・・
「うっ・・くっ・・・」
苦悶の表情で耐える栄子。しかしジワジワとダメージを受けて苦しい展開に追い込まれていく・・・。
動きが止まる栄子から技を解くと、立ち上がってからストンピングを叩き込む京香。
栄子は転がるようにロープに逃れるも、京香にストンピングを叩き込まれていく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの掛け声に京香が離れると、栄子はゆっくりと立ち上がった。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に栄子が前に出ると、京香も構えた。
距離が詰まると、栄子がタックル気味に組み付いていく。
京香は対応しようとするも、栄子に抱え上げられるようにコーナーに押し込まれた。
背中をコーナーに叩き付けられて動きの止まる京香。
栄子は京香をトップロープに座らせる様にしてから、自らもアピールしてセカンドロープに登っていくと、雪崩式ブレンバスターを仕掛けようとしていく。
一度失敗しているからと、今度こそと気合いを入れる栄子に、京香が抵抗していく。
更に張り手を叩き込んでから、蹴り込んで体勢を崩させていく京香は、身体を反転させる様にさせてから、強引にカーフブランディングを仕掛けた。
後頭部に膝を押しつけられてマットに叩き付けられた栄子。
バシィィィィ・・・
これには栄子は抵抗できずにグッタリとすると、京香が仰向けにしてからフォールする。
『ワン・・・ツー・・・スリィィ・・・・』
しかしカウントギリギリで栄子が返すと、これには観客席から大歓声が起きていく。
しかし立ち上がれない栄子に、京香はトドメとばかりに両足を抱え込むと、容赦なく逆エビ固めを仕掛けた。
腰を落として痛めつける京香。栄子はカーフブランディングのダメージからも抵抗できずに、無念のタップアウト・・・。
バンバンバン・・・
マットを激しく叩く栄子に、レフリーがギブアップの確認をしていくと、栄子がギブアップを口にした・・・。
「ぎ、ギブアップ・・・」
栄子のギブアップにゴングが打ち鳴らされるリング上。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが鳴らされると、ここで京香が技を解いてからレフリーに手を挙げられていく。
『ただ今の試合、逆エビ固めで鈴本京香の勝利となりました!』
リングアナのコールに観客席からも京香に対して拍手が送られていくと、汗だくの京香は笑顔を浮かべるのであった。



第22試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、グラビアアイドルからタレントとして活躍する乙羽。地下プロレスも長く経験しているだけに、白いビキニ姿で堂々としたリングイン。リング上で笑顔で観客席にアピールしていく。
その乙羽の対戦相手としてリングインするのは、かつてはグラビアツートップ時代もあった戸向美奈子。黒いビキニ姿で堂々のリングイン。グラビアアイドルからAV嬢となった美奈子。地下プロレスでは飯嶋直子との長い抗争に終止符を打って、今ではヒールとして暴れている美奈子。
第70回大会ではノーロープ有刺鉄線デスマッチで激突した2人が、今夜は女祭り特別デスマッチと称して、2012年最後の大会で激突となった。
乙羽としてはデスマッチルールの試合は避けたいところだったが、地下プロレス側からのオファーに断れずにリングに立っている姿は、悲壮感すら漂っている・・・。対して美奈子は乙羽とのデスマッチと聞いて、新たな痛めつけ方を考えたのか笑みを浮かべていた。
『女祭り特別デスマッチ・・・青コーナー〜っ・・・身長157p、上から89、59、85・・・乙羽っ!』
コールされて一礼していく乙羽。31歳になった現在も、かつてのグラビアアイドル時代同様にビキニ姿が似合っている姿には、歓声が送られていく。
『赤コーナー〜・・・身長156p、上から96、61、88・・・戸向美奈子〜っ!』
コールを受けると片手を突き上げてアピールする美奈子。早くも片手にはチェーンが握られている。
コールが終わるとリングアナからルール説明が行われていくリング上。
『この試合は、レフリーストップ、ドクターストップなどにより決着がつくルールとなります。スリーカウント、ギブアップによる決着はない完全決着ルールとなります!』
ルール説明に足元を震わせる乙羽。美奈子はゴングが鳴らされるのを今や遅しとばかりに待っていると、コーナーには有刺鉄線ボード、蛍光灯、画鋲、五寸釘と地下プロレスらしい凶器の数々が用意されていく。
そして試合開始のゴングが打ち鳴らされた・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時に飛び出したのは乙羽で、反対コーナーの美奈子へ突進して勢いあるドロップキックを放った。
バッシーン・・・
まずは美奈子からダウンを奪うと、素早くヘッドロックで締め上げていく乙羽。
美奈子は締め上げられて苦しんでいると、脇腹へパンチを入れていくも、乙羽がヘッドロックで締め上げる。
続けてブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けると、素早く足を固めての、インディアンデスロックを仕掛ける乙羽。
これには美奈子が苦悶の表情を浮かべていると、乙羽が鎌固めに移行した。
意外な乙羽のプロレス技の数々に観客席から歓声が起きていく会場内。
鎌固めを外してから、乙羽が立ち上がってからバストを揺らしながらもストンピングで蹴りこむと、続けて髪を掴んで起こしていく。
起こされると、美奈子もお腹にパンチを入れて反撃すると、エルボースマッシュから首投げでマットに叩き付けると、素早く両足を絡める様にヘッドシザースを仕掛けた。
これには乙羽が苦しむと、美奈子は両足の力を入れて締め上げる。
顔が赤く紅潮する乙羽。両足をバタバタさせて痛がっていると、美奈子は髪を引っ張ったりして痛めつけていく。
そしてヘッドシザースを解いてから、美奈子が乙羽を起こしていくと、ゆっくりとヘッドロックで締め上げると、顔面にパンチを叩き込んだ。
バキッ、バキッ・・
「痛いっ・・・いやああぁ・・・」
殴られて悲鳴をあげる乙羽。しかし乙羽もロープに振って反撃すると、ロープから戻る美奈子にジャンピングニーパッドを叩き込んだ。
ゴキッ・・
美奈子の顎を捉えたジャンピングニーパッド。ダウンする美奈子に素早くフォールしていく乙羽。
しかし今夜の試合はフォールはないのでレフリーもカウントを入れないと、乙羽が立ち上がると、美奈子のバストにニードロップを落とす。
グニュ・・
「んあぁぁぁぁ・・・」
流石にバストへの膝爆弾には悲鳴をあげる美奈子。
凶器などの展開になる前に、KO状態に追い込もうと乙羽も非情のバストニードロップを落とすが、更にバストへニードロップを落としていくと、美奈子か狂ったように悲鳴をあげてロープに逃げていく。
乙羽がサッカーボールキックで背中など蹴りこむと、バストを押さえてリング下に逃れる美奈子。
流石にバストへの連続攻撃にはダメージを受けて苦しい様子。
乙羽もリング下に降りると、ダウン状態の美奈子の髪を掴んで起こしていくと、鉄柵に振って叩き付けた。
ガッシャーン・・・
乙羽のラフファイトに観客席が盛り上がる中、鉄柵にグッタリとする美奈子に低空ドロップキックを顔面に叩き込む乙羽。
バシィィィィ・・・
顔面へのドロップキックにグッタリとしていく美奈子。両手で顔面を押さえていると、口を切ったのか血が滲み出している。
グイッ・・
その美奈子を起こしてから、乙羽がリング上に戻していくと、美奈子は苦悶の表情を浮かべながらリング上へ。
仰向け状態の美奈子に、乙羽が体重を乗せたストンピングをバストに叩き込むと、96pHカップのスライム乳と言われる美奈子のバストが、ビキニに包まれたまま蹴りこまれて痛がる美奈子。
痛がる美奈子に、大技で早く決着を着けたい乙羽は、強引にパイルドライバーの体勢に持ち込もうとすると、美奈子が逆さにされる前に藻掻いていく。
乙羽もパイルドライバーに持ち込みたい様子だが、美奈子の抵抗に持ち上げられないと、逆にリバースのブレンバスターで返された。
バッシーン・・・
「あうっ・・」
マットに叩き付けられて痛がる乙羽に、美奈子はゆっくりと立ち上がると反撃とばかりに片手を突き上げた。
そして起き上がろうとする乙羽の髪を掴むと、額にグーパンチを叩き込む美奈子。
ゴキッ・・
「ああああああっ・・・」
額を殴られて悲鳴をあげる乙羽。
更にヘッドロックから顔面にパンチを連打する美奈子。
バキッ、バシッ、バキッ・・・
「きゃあああぁぁぁぁ・・・・」
堪らず悲鳴をあげる乙羽。美奈子は乙羽の悲鳴を楽しむかのように殴りつけると、技を解いてから首相撲の様な体勢に持ち込むと、膝蹴りをボディに叩き込んでいく。
ドスッ・・
「うっ・・うううっ・・」
お腹に膝蹴りを叩き込まれて苦悶の表情を浮かべる乙羽。
更に美奈子が飛び込むようにしてキチンシンクを叩き込むと、乙羽が両手でお腹を押さえて座り込む様にダウンしていくリング上。
そして美奈子が遂に凶器を手にしていくと、五寸釘を握りしめてアピールしていく。
そしてお腹を押さえて動きの止まる乙羽の髪を鷲掴みにすると、五寸釘を脳天に叩き付けようとするが、乙羽がお腹を殴り返して凶器攻撃から逃れた。
更に股間へアッパーを叩き込むようにして逃れると、美奈子の五寸釘を奪い返していく。
観客席からは乙羽が凶器攻撃で反撃するのかと期待が高まると、乙羽はリング外に五寸釘を投げ捨てると、首投げでマットに叩き付けていく。
更に首4の字固めで締め上げていく乙羽。正統派プロレスで攻め込んでいると、美奈子は甘いとばかりに噛み付いた。
ガブっ・・・
「きゃ!・・・い、痛いぃぃぃ・・・」
噛み付かれて技を解いてしまった乙羽。
美奈子は立ち上がると、乙羽の額へパンチを叩き込むと、そのまま髪を掴んでコーナーに連れ出した。そしてコーナーポストに顔面を何度も叩き付けると、フラつく乙羽にバックドロップを仕掛けた。
バッシーン・・・
「あうっ・・」
後頭部からマットに叩き付けられてグッタリとする乙羽。
その乙羽の髪を掴んで起こすと、コーナーに寄りかからせるようにして磔状態にしていく美奈子。更にコーナー近くにあった蛍光灯を手にすると、胸の谷間に差し込んでいく。
乙羽が胸の谷間の違和感に気が付くと、美奈子は走り込む様にしてコーナーの乙羽のバストをドロップキックを放った。
パァーン!
「きゃあああぁぁぁぁぁぁ・・・」
美奈子のドロップキックが炸裂すると、乙羽の胸の谷間で蛍光灯が砕け散った。
細かく散った破片が乙羽の乳房などを傷つけると、胸の谷間に血が滲み出ていく展開。乙羽はあまりの衝撃に悲鳴をあげた。
「お返しだよ、胸ばかり狙ってくれたね・・・」
美奈子がニヤリと笑みを浮かべると、割れた蛍光灯の鋭い部分を使って、乙羽のバストへ押しつけていく。
グサッ・・
「いやあぁぁぁぁ・・・・やめてぇぇぇぇぇぇ・・・痛いぃぃぃぃぃぃ・・・」
乙羽の激しい悲鳴が響き渡るリング上。
美奈子が蛍光灯を押しつけると、乙羽の乳房が傷つけられて血が流れ出していく。白いビキニブラジャーにも血が滲み出して、また残酷感を増していく。
バストへの凶器攻撃に乙羽はコーナーに寄りかかったまま痛がっていると、美奈子が更に蛍光灯を手にしていく。
そして嫌がる乙羽の脳天に叩き付けた。
パァーン!
「んああぁぁぁぁぁぁ・・・」
脳天に叩き付けられて砕け散る蛍光灯。乙羽が絶叫すると、脳天は叩き付けられても出血には至らなかった。
そしてコーナーから乙羽を引き離していく美奈子は、そのまま乙羽の痛がる表情を観客席に向けさせていくと、エルボースマッシュでフラつかせてから、ロープに振っていく。
苦悶の表情でロープに走る乙羽。美奈子が何か仕掛けようとすると、逆に乙羽がネックブリーカードロップで反撃した。
バッシーン・・・
乙羽の反撃に歓声が起きる中、乙羽が素早く美奈子を起こしていくと、張り手を叩き込んでからDDTでマットに叩き付けた。
更に俯せ状態に持ち込んでから、キャメルクラッチを仕掛ける乙羽。
上半身を反らされて苦しい美奈子。Hカップバストがビキニから飛び出しそうになるも構わず揺さぶる乙羽。
両足をバタつかせて痛がる美奈子に、乙羽は顔面を掻きむしっていくと、美奈子が悲鳴をあげていく。
「ああああぁぁぁ・・・・」
乙羽のヒールファイトに歓声が起きると、更に鼻の穴に指を掛けての鼻フック攻撃で美奈子を痛めつける乙羽。
そして立ち上がってからヒップドロップを落として、またもキャメルクラッチで痛めつける乙羽。
美奈子が痛がっていると、乙羽はスリーパーの様に締め上げていく。
しかし美奈子が乙羽の腕を噛み付くと、乙羽が堪らず放してしまった・・・。
技から解放された美奈子は、素早く立ち上がると乙羽に喧嘩キックを叩き込む。
ドスッ・・
「うっ・・・ううっ・・」
お腹を蹴りこまれて動きの止まる乙羽。
美奈子が踏ん張ってボディスラムでマットに叩き付けると、近くのコーナーに有刺鉄線ボードを立て掛けていく。
そして乙羽を起こしていくと、有刺鉄線ボード目掛けて振ろうとすると、咄嗟に乙羽が体勢を入れ替えて美奈子を有刺鉄線ボードに振っていく。
グサッ・・・
「んあああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
背中から有刺鉄線ボードに叩き付けられた美奈子が絶叫する。容赦なく美奈子の背中を棘が抉ると、美奈子の白い素肌に赤い筋が何本も流れ出していた。
続けて乙羽が走り込む様にしてドロップキックを放つと、更に美奈子の背中を傷つけていく有刺鉄線ボード。
有刺鉄線ボードから離れた美奈子の背中が赤く流血していると、観客席からは歓声が起きていく。
しかし美奈子の戦意は喪失されていないから試合は続けられると、乙羽が走り込んでラリアットを叩き込む。
バシィィィィ・・・
乙羽のラリアットに大の字にダウンする美奈子。有刺鉄線ボードのダメージが大きいのか苦しそうな表情を浮かべていると、乙羽が一気に勝負を決めようとトップロープに登っていくと、美奈子のお腹を狙ってフットスタンプを仕掛けた。
しかし美奈子が転がるように避けて自爆すると、乙羽は続けてストンピングでお腹を蹴りつける。
そして髪を掴んで起こしていくと、有刺鉄線ボードへ振っていこうとする乙羽。
しかし美奈子が踏ん張って逆に振っていくと、今度は乙羽が有刺鉄線ボードに背中から叩き付けられた・・・。
グサッ・・・
「いやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
乙羽が痛々しい悲鳴が響き渡るリング上。有刺鉄線の棘が容赦なく乙羽の素肌を切り刻んで血が溢れ出した。
有刺鉄線ボードに寄りかかる様にグッタリする乙羽を見て、美奈子は近くのコーナーのコーナーポストカバーを外して金具を剥き出しにしていくと、有刺鉄線ボードから乙羽を引き離していく美奈子。
ショーツなどビキニが引っかかるも引き離す美奈子は、乙羽を更に有刺鉄線ボードに振っていくと、続けてドロップキックを叩き込む美奈子。
バシィィィィ・・・
「んあああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
ドロップキックを受けて、背中を更に傷つけられて絶叫する乙羽。
白い背中が赤く染まっていくと、観客席からも残酷感が増して歓声が起きていく。
美奈子はもう一枚の有刺鉄線ボードをリング中央に置くと、コーナーの有刺鉄線ボードから乙羽を放すと、激痛で意識を朦朧とさせる乙羽をリング中央の有刺鉄線ボードにボディスラムで叩き付けた。
バッシーン・・・
「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
またも響き渡る乙羽の悲鳴。白いビキニも赤く染まり残酷な展開になっていくと、コーナーから有刺鉄線ボードを持ち出していく美奈子。
そして動けない乙羽の上に有刺鉄線ボードを乗せると、顔と下半身を除いた上半身が有刺鉄線に挟まれる形になる乙羽。
有刺鉄線の棘が容赦なくバスト、お腹、背中と傷つけていくと、逃げられない乙羽の顔面にストンピングを叩き込む美奈子。
更に割れた蛍光灯を持ち出すと、乙羽の脳天を抉っていく。
グサッ・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・んああぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
蛍光灯で痛めつけられて絶叫する乙羽。そして流血していくと、美奈子は額にも蛍光灯で抉りだした。
「きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
額からも出血していく乙羽。大流血戦となって残酷な展開になってくると、美奈子が蛍光灯を手放してから、有刺鉄線ボードを放してから、乙羽を起こしていく。
そして近くのコーナーに連れ出すと、剥き出しになった金具に額から叩き付けていく。
ゴキッ・・バキッ・・
「きゃあああああぁぁぁぁ・・・」
悲鳴をあげる乙羽。額が割れて出血が酷くなっていくと、まるで血ダルマ状態の乙羽。
もう意識も朦朧させている乙羽に、美奈子はトドメとばかりにアピールしてから、マットに倒してから逆エビ固めを仕掛けた。
グイッ・・・
「い、痛いぃぃぃぃぃ・・・いやああぁぁぁぁぁ・・・・も、もうダメぇぇぇぇぇ・・・・」
泣き叫ぶ乙羽を揺さぶっては痛めつける美奈子。
「ぎ、ギブアップ・・・ギブアップ・・・・」
泣きながらギブアップを口にする乙羽。しかしギブアップで試合は終わらないが、流血も酷くレフリーとリングドクターなども試合を止めるか迷っている展開。
美奈子は容赦なく腰を落としていくと、更に乙羽が泣き叫んだ。
「ああああああぁぁぁぁ・・・ゆ、許してぇぇぇぇ・・・ギブぅぅぅ・・ギブアップぅぅぅぅぅ・・・」
何度もギブアップと叫ぶ乙羽。
流石に流血も酷く、身体へのダメージを考えて試合終了のゴングが鳴らされるのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
試合終了のゴングに美奈子が技を解くと、泣いている乙羽を仰向けにすると、バストを踏みつけていく。
『ただ今の試合、レフリーストップで戸向美奈子の勝利となりました!』
リングアナのコールに歓声が起きると、美奈子は乙羽の顔面にストンピングを叩き込んでからリングを降りるのであった。
ガッツポーズで観客にアピールしながら引き上げる美奈子。
対して、リングドクターに応急処置を受けながらも、担架が呼び込まれて乗せられていく乙羽。白いビキニも赤く染まり痛々しい姿に対して、観客席からは拍手が送られていくのであった。




第23試合

『選手入場っ!』
戸向美奈子と乙羽のデスマッチが終わって、有刺鉄線ボードなどが置かれているリングに登場したのは・・・。
リングアナのコールにリングインするのは、女優の加藤愛。白いワンピース水着に白いリングシューズ、肘と膝にはサポーターを着けてのリングイン。有刺鉄線ボードのあるリングに立つ愛に歓声が送られていくと、愛は緊張しながらも片手を挙げてアピールしていく。
そして愛の対戦相手としてリングに上がるのは、地下プロレスでは因縁の対決となっている深多恭子。黒いワンピース水着に黒いリングシューズ、肘と膝にはサポーターを着けてのリングイン。愛とは対照的なリングコスチュームでリングインすると、観客席に向かって頭を下げていく。
数々の因縁の闘いを行ってきた愛と恭子。今夜は遂にデスマッチルールでの、それも素肌も切り刻まれるかも知れないと言う、有刺鉄線ボードなどを使った試合が組まれる事となった。
リング上には有刺鉄線ボードがニュートラルコーナーに置かれ、エプロンサイドには蛍光灯、五寸釘と凶器が置かれていると、観客席からは因縁ある2人だけに、凄まじい試合になると予想されて歓声が激しくなっていく会場内。
流石に愛と恭子も有刺鉄線ボードが置かれたリングは初めてで、緊張している様子。しかし因縁ある相手との女祭りでのカードと言う事に、お互いが相手を血塗れにしてKOしたいと心に思っていた・・・。
『女祭り特別デスマッチ・・・青コーナー〜・・・身長162p、上から86、58、88・・・加藤愛〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする愛。流石に有刺鉄線ボードの存在には落ち着きが無くなっている様子。
『赤コーナー〜・・・身長164p、上から86、60、87・・・深多恭子〜っ!』
そしてコールを受けて一礼していく恭子。愛と同じく有刺鉄線ボードの存在が気になっている様子で、ゴングが近づくと落ち着きが無くなっているのがわかるリング上。
『なお、この特別デスマッチはギブアップ、レフリーストップのみの決着となります!』
歓声に包まれるリング上。そして遂に因縁の対決のゴングが打ち鳴らされた・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出したのは愛で、格闘技の様に構えて左右の張り手を放った。
バッシーン・・・
張り手を受けてフラつく恭子。しかし負けずに張り手を返した。
バッシーン・・・
恭子の張り手にタックル気味に組み付いていく愛。そのまま近くのロープに押し込んでいくと、お腹にパンチを入れていく愛。
バシッ、バシッ・・
お腹を殴られて苦しむ恭子。しかし冷静にフロントスリーパーに捉えて締め上げていく。
更に首に腕を回していく恭子に、愛が苦悶の表情を浮かべて殴りつけると、恭子が体勢を反転させてDDTでマットに叩き付けた。
体重を乗せられてのDDTに動きの鈍くなる愛に、恭子は立ち上がるとストンピングで蹴りこむと、髪を掴んで起こしてから、ヘッドロックで締め上げた。
更にブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けると、素早く立ち上がってから俯せ状態の愛の後頭部にギロチンドロップを叩き込む恭子。
グイッ・・・
「立ちなさいよ!」
恭子が髪を鷲掴みにして起こしていくと、愛も負けずにやり返した。
バシッ、バシッ・・・
「調子に乗らないでよ!」
お腹にパンチを入れて返していく愛。愛の腹パンチに動きの鈍る恭子。
続けて張り手を叩き込んでから、ローキックを叩き込む愛。
バシッ・・・
フラつく恭子に対して、愛が素早くチョークスリーパーを仕掛けると恭子が振り解こうと藻掻いていくと、愛のスリーパーが外れた。
逆にエルボースマッシュを叩き込む恭子。
エルボーを受けて愛もエルボースマッシュを返すと、首投げからマットに倒していくと、素早く首4の字を仕掛けていく。
グイッ・・
首4の字を仕掛けられて苦しい恭子。両足をバタバタさせて苦しんでいると、愛も腰を浮かせたりして痛めつけていく。
更にヘッドシザースに移行すると、激しく苦しむ恭子。
苦しむ恭子の視界の中に、コーナーに立て掛けてある有刺鉄線ボードが目に入ると、恭子は苦しみながらも有刺鉄線ボードを使った攻撃を考えていた。
対して愛はプロレス技でのギブアップかKOで勝利しようと思っているので、締め上げていく。
そして技を解いて恭子の髪を掴んで起こしていくと、左右の張り手からミドルキックと打撃で前に出る愛。
打撃を受けながらも、恭子が距離を詰めるとタックル気味に組み付いた。
愛がフロントネックロックなど対応しようとするも、恭子が抱え上げる様にロープ際に出ると、有刺鉄線ボードに叩き付けようと狙っていた。
しかし進む方向を誤ってロープに叩き付ける形で、愛も大きなダメージを受けなかったが、恭子は有刺鉄線ボードに当てられず悔しがる。
恭子の有刺鉄線ボード狙いを察した観客達が盛り上がっていくと、続けて髪を掴んで起こしていく恭子。
しかし愛もエルボーで抵抗すると、ヘッドロックで無理矢理に恭子を押さえつけようとするも、恭子がヘッドロックを受けたまま有刺鉄線ボードに押し込んでいく。
目の前に迫る有刺鉄線ボードに焦る愛。踏ん張っていくも恭子が押し込むと、ヘッドロックを外して距離を置いた。
その瞬間、恭子が至近距離からのラリアットを叩き込むと、愛の喉元に叩き込まれてフラついていく。
続けて喧嘩キックをお腹に叩き込む恭子。
ドスっ・・・
「喰らえっ!」
恭子が叫ぶと、愛が身体をくの字にしながら有刺鉄線ボードに背中から叩き付けられた。
グサッ・・
「きゃあああぁぁぁぁ・・・」
初めて味わう有刺鉄線ボードの激痛に絶叫する愛。
背中を有刺鉄線ボードに傷つけられて痛々しい愛。構わず恭子が髪を掴んで有刺鉄線ボードから引き離すと、愛の白い水着に赤い染みの様なモノが浮かび上がっていく。
続けて下を向かせてから首筋にエルボーを落としてから、今度は顔面から有刺鉄線ボードに叩き付けようとする恭子。
しかし愛も踏ん張ると、逆に恭子を有刺鉄線ボードに振っていく。
グサッ・・・
「あああぁぁぁぁぁぁ・・・」
今度は恭子の悲鳴がリング上に響き渡ると、観客席からは歓声が起きていく。
続けて愛がドロップキックを叩き込むと、更に恭子の背中を有刺鉄線の棘が傷つけた。
苦悶の表情を浮かべながらも有刺鉄線ボードから離れる恭子。
更に愛が攻め込もうとすると、恭子が避けて距離を置いてリング上を動き出した。
そしてエプロンサイドに置いてあった蛍光灯の束を手にする恭子。
愛も近くの蛍光灯を掴むと、剣道の心得もある愛だけに構えていく。
恭子も蛍光灯で防ごうとすると、愛が踏み込んで蛍光灯を叩き付ける。
パァーン!
リング上に響き渡る蛍光灯の砕ける音。剣道の竹刀と違い砕け散る蛍光灯。愛も恭子も砕ける蛍光灯に驚きを隠せないも、恭子が蹴りを入れてから、蛍光灯を手放してから有刺鉄線ボードに愛を振っていく。
グサッ・・・
「ああああぁぁぁぁぁぁ・・・」
またも有刺鉄線ボードに叩き付けられて悲鳴をあげる愛。
更に有刺鉄線ボードに寄りかかる愛に、恭子は割れた蛍光灯を掴んでいくと、観客にアピールしてから愛の腕に突き刺していく。
グサッ・・・
「いやああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
腕に蛍光灯を突き立てられて、悲鳴をあげる愛。蛍光灯か押しつけられた部分からは血が溢れ出ている。凶器攻撃より出血が酷い状態に、恭子自身も驚いている様子。
腕から流血しながら有刺鉄線ボードから逃れる愛は、フラつきながら腕をを気にしていると、恭子が喧嘩キックを叩き込んだ。
ドスッ・・
喧嘩キックを受けて身体をくの字にして苦しむ愛。
続けて髪を鷲掴みにしてフェイスクラッシャーで顔面からマットに叩き付けると、愛が絶叫していく。
バシィィィィ・・・・
「ああああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
両手で顔面を押さえて痛がる愛。
俯せ状態で痛がっている愛に、恭子がキャメルクラッチを仕掛けると、愛の上半身が反らされていく。
両足をバタバタさせて痛がる愛に、恭子は容赦なく揺さぶったりして痛めつけていくと、愛はダメージを増やしていくのだった。
更に片手で髪を掴んで上を向かせていくと、恭子は五寸釘を手にしていく。
観客席からも驚きの声があがる中、愛の額に五寸釘を叩き付けた。
グサッ・・
「んああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
流石に愛が泣き叫ぶような悲鳴をあげて痛がると、恭子は押しつけてグリグリと額を傷つけていく。
五寸釘を押しつけられて額から出血していく愛。両足を激しくバタバタさせて痛がるも、恭子は構わず凶器で攻めていく。
そして立ち上がる恭子は、愛のヒップなどをストンピングで蹴り込むと、髪を掴んで無理矢理起こした。
起こされた愛がフラついていると、恭子が五寸釘で額を攻め込もうとすると、愛が蹴りを放った。
バシッ・・
「馬鹿にしないでよ!」
蹴りからグーパンチで頬を殴りつける愛。
殴られた恭子がフラつくと、一気に愛が恭子を有刺鉄線ボードに振っていく。
グサッ・・・
「きゃあああぁぁぁぁぁ・・・」
愛を流血させていた恭子が、逆に有刺鉄線ボードに叩き付けられると、背中などを容赦なく棘が食い込んでいくと、その激痛から絶叫する恭子。
更に愛が走り込んでドロップキックを放つと、恭子の背中に無数の有刺鉄線の棘が食い込んだ。
激痛で動きが止まる恭子に、愛は髪を鷲掴みにして有刺鉄線ボードから離すと、一気に大技を狙って下を向かせてパイルドライバーを狙った。
しかし恭子が藻掻いていくと、上手く技が仕掛けられないからと愛がチョップを叩き込んでから、自らロープに走っていく。
そして立ち上がった恭子の喉元にラリアットわ叩き込んだ。
バッシーン・・・
「ぐふっ・・・」
堪らず大の字にダウンする恭子。その恭子に続けてバスト狙いのエルボードロップを落としていく愛。
ドスッ・・
「んああぁぁぁぁ・・・」
バストへの強烈な肘爆弾に悲鳴をあげる恭子。
更に髪を掴んで起こしていく愛に、恭子は股間へパンチを入れて反撃していくと、愛が股間を押さえて動きが止まった。
動きの止まる愛に、一気に有刺鉄線ボードに振っていく恭子。
グサッ・・・
「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
またも有刺鉄線ボードの餌食になった愛の悲鳴が響き渡るリング上。
「お返しよ!」
恭子が叫ぶと、有刺鉄線ボードで痛がる愛にドロップキックを叩き込んだ。
グサッ・・・
「あああああああああぁぁぁぁぁ・・・」
またも絶叫していく愛。背中に無数の有刺鉄線の棘が食い込んで、その激痛に悲鳴をあげている。
そして有刺鉄線ボードから愛を引き離すと、恭子は近くのロープ際に連れ込んでいく。
愛の両腕をトップロープとセカンドロープを使って磔にしていくと、割れた蛍光灯を手にして愛に迫る恭子。
片手で髪を鷲掴みにすると、嫌がる愛の額に蛍光灯を押しつけた。
グサッ・・
「きゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
愛が絶叫すると、額が傷つけられて流血していく愛。端正な顔立ちを血で赤く染めていく光景は残酷そのもの。
恭子は容赦せずにグリグリと割れた蛍光灯を押しつけて流血させていくと、愛が顔面を真っ赤にして悲鳴をあげていく。
蛍光灯攻撃での激痛に動きの止まる愛は、流血も酷くなってスタミナを消耗していく展開。対して恭子は凶器攻撃を上手く使って追い込んでいく。
更にお腹に蹴りを入れて動きを止めてから、ロープから愛を放していく恭子。
両手でお腹を押さえて苦しむ愛に、膝蹴りを入れてからヘッドロックで締め上げていく。
そして五寸釘を手にすると、愛の頭部に突き刺した。
グサッ・・グサッ・・
「あああああぁぁぁぁ・・・・」
またも愛が悲鳴が響き渡るリング上。
すると、愛も必死に踏ん張るとバックドロップで恭子をマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
後頭部からマットに叩き付けられて動きが鈍る恭子に、愛は血ダルマ状態で馬乗りになっていくと、近くに転がる割れた蛍光灯を手にした。
凶器攻撃に戸惑っている愛だが、自らが大流血に追い込まれたからと恭子の額に突き刺していく。
グサッ・・
「んああぁぁぁ・・・・あああぁぁぁぁぁぁ・・・」
割れた蛍光灯を突き刺されて絶叫する恭子。恭子の顔面も流血で赤く染まっていくと、愛が五寸釘をお返しとばかりに突き刺していく。
グサッ・・
「きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
顔面を真っ赤にしながら悲鳴をあげる恭子。愛を血ダルマにしたら、お返しの凶器攻撃に絶叫している。
しかし恭子も負けていない。下から五寸釘を奪うと、愛の水着に包まれたバストへ突き刺していく。
グサッ・・・
「痛いぃぃぃぃ・・・」
堪らず力が抜ける愛を跳ね返していく恭子。
バストを凶器攻撃された愛は胸を押さえていると、恭子が立ち上がって髪を掴んでいく。
そして有刺鉄線ボードの上に連れ込むと、大流血状態の愛にパイルドライバーの体勢に持ち込んだ。
逆さ状態にされていく愛。恭子は容赦なくパイルドライバーを炸裂させると、有刺鉄線ボードに落とされて悲鳴をあげる愛。
もう白い水着も赤く染まって残酷な展開になって、更に有刺鉄線ボードにグッタリとする愛。
恭子はもう一枚の有刺鉄線ボードを持ち出すと、グッタリした愛の身体に乗せていく。
そして恭子は、愛の身体の上に置いた有刺鉄線ボードにフットスタンプを仕掛けると、無数の棘が愛の身体を傷つけていく。
グサグサグサッ・・・
「あああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
絶叫する愛。
有刺鉄線による激痛に意識を朦朧とさせている愛。
大流血と有刺鉄線の激痛に悲鳴をあげる愛に、レフリーが危険と判断するとここでゴングを要請するのであった・・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが鳴らされるも、恭子は構わず愛にストンピングを入れるなど痛めつけていく。
『カンカンカンカン・・・』
更に響き渡るゴングの音。レフリーが恭子を止めていくと、リングアナがコールしていく。
『勝者、深多恭子っ!』
リングアナのコールに片手を挙げられていく恭子。勝利した恭子も額などから激しく出血して痛々しい姿であったが、因縁の愛との試合に勝利した事には、満足げの表情を浮かべている恭子。
一方、激しく出血している愛はリングドクターが応急処置していくが、地下プロレスが誇る医療チームが素肌などに傷が残らないようにと、担架に乗せてから医務室に運び込んで処置していくのであった・・・。




第24試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、女子アナの田仲みな実。ガウンを着てのリングインに観客席の注目が集まるが、落ち着かない様子でリングに上がると、観客席に向かって頭を下げていくみな実。
そのみな実の待つリングに対戦相手としてリングインするのは、同じく女子アナでみな実も人気ある女子アナの1人だが、更に上をいく人気の富士テレビの女子アナの加東綾子だった。まさかの綾子の地下プロレス参戦に観客席が盛り上がる中、ガウンを着た綾子が緊張気味にリングインしていくと、歓声に包まれていくリング上。
綾子がリングインすると、みな実の視線が鋭くなっていく・・・。
「ビッチのくせに・・・」
小声で囁くみな実。いつもの可愛いぶっている表情と違う表情に、観客席からも違和感が感じられている。
対して綾子は初めての地下プロレスの異様な雰囲気に戸惑いを隠せない。その綾子とみな実は、レフリーの指示で着ていたガウンを脱ぐと、更に観客席が激しい歓声が起きていく・・・。
そう、ガウンを脱ぐと2人ともビキニを着ていたからだった。黒いビキニに素足と言うキャットファイト的なリングコスチュームの2人。特に綾子はEカップとも言われているボリュームあるバストに観客の視線が集まるが、みな実も小柄ながら豊満なバストに注目が集まっているリング上。
コーナーに寄りかかって試合開始のゴングを待つみな実。対して初めての地下プロレスと言う事と、慣れないビキニ姿を観客の前で披露している事への恥ずかしさから動きの鈍る綾子。
『女祭り特別女子アナビキニマッチを行います!』
リングアナのコールに大歓声に包まれるリング上。その歓声の大きさに驚きを隠せない綾子。
対してみな実は地下プロレスで負けは続いているが経験があるからと、ビキニ姿は気になるも綾子をリング上でブチのめすとばかりに気合いを入れている表情を浮かべている。
『青コーナー〜・・・身長166p、上から87、57、82・・・加東綾子〜っ!』
コールを受けて観客席に向かって頭を下げる綾子。そのFカップバストが作り出す谷間に注目が集まっている。
『赤コーナー〜・・・身長153p、上から83、57、84・・・田仲みな実〜っ!』
コールを受けて片手を挙げていくみな実。気合いが入っているも、観客席からは綾子のビキニ姿に視線が集まっているからと、みな実は内心は苛ついている様子。
『なお、特別女子アナビキニマッチは、スリーカウント、ギブアップ、レフリーストップなどで決着が着きます。また凶器攻撃、ビキニ剥ぎは反則負けとします!』
リングアナよりルール説明があると、水着剥ぎと言う言葉に動揺する綾子。対してみな実は反則も構わないと言った表情で笑みを浮かべると、リング中央に綾子とみな実が呼ばれてレフリーよりルールの確認が行われていく。
レフリーが説明している間にも、みな実は睨み付けているが、綾子はみな実の挑発的な視線に戸惑っている様子。アングラなイベントでのショーと思っていたのか、このリング上での雰囲気に緊張していく綾子。
そしてレフリーが綾子とみな実をコーナーに別けていくと、試合開始のゴングを要請した。
『カァーン!』
遂に女子アナ同士のビキニマッチが開始されると、まずはコーナーから緊張しながらガードを固めるように綾子が飛び出した。
みな実もコーナーから飛び出すと、リング中央辺りで距離を置いて睨み合っていく綾子とみな実。
観客席からの歓声に包まれていくリング上。綾子が前に出ると、みな実が強烈な張り手を叩き込む。
バシィィィィ・・・
張り手を受けてフラつく綾子。叩かれた頬を押さえると、気合いを入れて張り手を返す。
バッシーン・・・
「痛いじゃないの!」
叫びながらの張り手をみな実に叩き込むと、みな実もフラついた。
「上等じゃないの、今夜は覚悟しなさいよね!」
みな実が呟くと、踏み込んで張り手を叩き込む。
バッシーン・・・
みな実の張り手に綾子も張り手を返すと、容赦ない張り手合戦が続くリング上。
激しい張り手にビキニに包まれたバストを揺らしながら張り手を入れていく綾子。
みな実もブリッコキャラとは程遠い激しい張り手を連発すると、観客席は盛り上がっていく。
更にみな実は綾子のバストに目を付けると、張り手から拳を握りしめてバストを殴りつけた。
グニュ・・
「あんっ・・・」
バストへのパンチ攻撃に悲鳴をあげる綾子。自慢のEカップバストを殴られて、堪らずバストを押さえて動きが止まる。
更にみな実がお腹にパンチを叩き込むと、これには綾子も負けずと殴り返していく。
ドスッ・・
みな実もお腹を殴られて苦悶の表情を浮かべると、堪らずタックル気味に組み付いてロープ際に押し込んだ。
身長差があるも綾子がロープに押し込まれると、みな実が踏ん張る様にしてから綾子を押し倒すと、そのままサイドポジションを奪うようにして覆い被さった。
綾子もグラウンド状態の攻防に、どうして良いのか解らないと言う表情を浮かべていると、みな実はお腹にパンチと、股間に手を回して押さえ込む。
体重を乗せられて呼吸が苦しくスタミナを消耗していく綾子。みな実のバストと綾子のバストが押し合って、観客席からは歓声が上がっていく。早くもみな実と綾子の素肌には汗が浮かび上がって、スポットライトの光に輝いて見えている。
みな実の体重を乗せられて逃れようとブリッジ気味になど、抵抗していく綾子。
しかしみな実が上手く押さえていると、綾子のスタミナが消耗されて苦しい展開になっていく。
更にみな実が馬乗り状態に持ち込むと、身長差も関係なく下から見上げ綾子は、みな実の鋭い視線に恐怖した・・・。
「覚悟しなさいよ!」
「えっ・・・い、いやっ・・・」
綾子が怯えた様な声を漏らすと、馬乗り状態から激しく張り手を叩き込んでいくみな実。
バシィィィ・・・バシィィィ・・・
顔を叩かれて嫌がるように藻掻く綾子。下からやり返すも効果的な攻めも出来ずに、ただ頬を叩かれて痛がる綾子。
グイッ・・
「ほらぁぁぁ・・・」
更にみな実が髪を鷲掴みにすると、マットに後頭部を叩き付けて痛めつけていく。
両足をバタバタさせて痛がる綾子に、みな実は狙いを顔から胸へと変えていく。
拳を握りしめると、Eカップと言われる豊満なバストへパンチを叩き込むみな実。
グニュ・・
「きゃああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
バストを殴られて悲鳴をあげる綾子。
藻掻く綾子が俯せになると、みな実が髪を掴んで揺さぶると、そのままキャメルクラッチを仕掛けた。
グイッ・・
「うっ・・ううっ・・」
上半身を反らされていく綾子の表情が苦痛に歪むと、観客席からはみな実に対してブーイングも飛び出していた。
ブーイングを受けてみな実は怒ったようにしてから、鼻の穴に指を入れたりと綾子を痛めつけると、綾子が両足をバタバタさせて藻掻き苦しんでいく。
更に顔面を掻きむしる様に痛めつけると、綾子が両手で顔面を押さえて悲鳴をあげた。
「痛いぃぃぃぃ・・・いやあぁぁぁぁぁ・・・・」
悲鳴をあげる綾子に、みな実は立ち上がるとヒップなどへストンピングを叩き込むと、髪を掴んで起こしていく。
そしてヘッドロックで締め上げていくと、綾子も踏ん張ってロープ際に押し出していく。
しかしみな実が拳を握りしめると、綾子の顔面に数発叩き込む。
バシッ、バシッ・・・
顔面を殴られて動きの止まる綾子に、みな実はロープに押しつける様にしてから、強烈なキチンシンクをボディに叩き込んだ。
ドスッ、ドスッ・・・
「うっ・・うううっ・・・く、苦しい・・・」
お腹へ炸裂したキチンシンクに、綾子は堪らず涎を垂れ流すようにして苦しんでいる。
「汚いわねぇ・・・」
呆れたような表情を浮かべるみな実は、綾子の身体に絡みつくようなコブラツイストを仕掛けるも、綾子がロープに逃れた・・・。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示にみな実が放していくと、綾子がロープを掴んで距離を置く。
攻められ続けて苦しそうな綾子は、ビキニを直していくと、みな実が距離を詰めた。
しかし綾子も負けずに張り手を放つと、頬を叩かれて動きの止まるみな実に一気にDDTでマットに叩き付けた。
バッシーン・・・
綾子の反撃に大歓声が起きる観客席。
堪らずみな実が転がるようにしてロープに逃れると、綾子が必死にストンピングを叩き込んでいく。
バシッ、バシッ・・・
バストを揺らしながらみな実を蹴りこむ綾子。ビキニに包まれたバストが上下左右とエロチックに動いている。
歓声に包まれるリング上で、必死に蹴りこむ綾子。
しかしみな実は痛がりながらも何か狙っている様子・・・。
綾子も胸を狙われたからと、お返しとばかりにみな実のバストにもストンピングを叩き込むと、流石のみな実もバストへの打撃に悶えている。
更に綾子のストンピングが襲いかかると、ここでみな実が綾子の股間へアッパー気味のパンチを叩き込んだ。
ゴキッ・・
「ふぎっ!」
変な声を漏らして動きの止まる綾子。
そしてみな実が立ち上がると、お腹にパンチを入れてからヘッドロックを仕掛けると、綾子が意地を見せてロープに振っていく。
ロープから返ってきたみな実に、綾子が走り込んでボディアタックを仕掛けると、体格差もあって倒れ込む様にフォールの体勢に持ち込んだ。
『ワン・・・ツー・・・』
しかしみな実が返していくと、綾子が腕を狙うも技が解らず組み付いたままの状態になっていく。
対してみな実はロープに逃れようと足を伸ばすと、ここでレフリーが綾子を離していく。
『ロープ・・・ロープ・・・』
レフリーの指示に綾子が立ち上がると、みな実もビキニを気にしながらも転がるように距離を置いてから立ち上がった。
お互い素肌に汗を滲ませて、スポットライトの光に身体を輝かせているみな実と綾子。
『ファイト!』
レフリーの掛け声に距離を詰めていくみな実と綾子。
距離が詰まると、みな実がタックルを仕掛けると、綾子が対応できずに倒されると、みな実は身体を密着させたまま、激しいパンチをボディに叩き込んでいく。
バシッ、バシッ、バシッ・・・
脇腹などを殴られて苦しい綾子。意地になってみな実にグラウンド状態で殴り返すと、みな実も殴られて苦しい表情を浮かべた。
次第にエキサイトしていくと、みな実が髪を鷲掴みにすれば、綾子もやり返して取っ組み合いの喧嘩の様な状態になっていくリング上。
「ビッチのくせに、人気があるなんて生意気よ!」
「ブリッコしてて恥ずかしくないの!」
お互いが激しい言い合いをしながらの取っ組み合い。レフリーも呆れ顔で止めていく・・・。
レフリーが止めてもお互いが止まらないと、みな実が激しい張り手を連打する。
綾子も叩かれて張り手を返すと、お互いが口の中を切って血を滲ませている。
更にエキサイトすると、みな実がビキニに手を掛けた。
「きゃっ!」
流石にビキニに手を掛けられて、トップレスにされると思った恐怖から悲鳴をあげて動きを止める綾子。
堪らずビキニを押さえて俯せに倒れ込むと、みな実が綾子のビキニを剥ぎ取った。
必死に両手でバストを隠す綾子。レフリーはみな実のビキニ剥ぎにゴングを要請した・・・。
『カンカンカンカン・・・』
水着剥ぎは即反則と言うルールも、みな実は満足と言う表情で綾子のビキニをアピールすると、俯せでバストを隠す綾子のヒップなどを踏みつけていく。
『ただ今の試合、田仲みな実が水着剥ぎをしたので、加東綾子の反則勝ちとします!』
リングアナのコールに歓声があがるも、みな実は負けても満足した表情でガッツポーズをする。
必死にバストを隠そうとする綾子には、黒服が数名リング上に上がって大きなタオルを巻いていくのであった・・・。
試合は綾子の勝利に終わったが、綾子がマイクを要求した。
「ちょっと、水着剥ぐなんて酷いじゃないの。ここのルールがよく解ったから、今度は完全決着ルールでしましょうよ!」
ビキニを剥ぎ取られて涙ぐみながら綾子が挑発的に言い放つと、みな実も受けて立つ。
「いいわよ、今度が楽しみね・・・ちょっとくらい人気があるからって、調子に乗らないでよね・・・」
みな実のアピールに黙って睨み付ける綾子。
こうして週刊誌等で話題にもなった、2人の因縁が地下プロレスのリング上で激しさを増すのであった・・・・。



25試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、元バレー選手の太山加奈。
79回大会でグラビアアイドルの椙原杏璃との試合以来の地下プロレス参戦に、観客席からは歓声が起きていく。
バレー引退後は、指導者としてまた解説などテレビでも出ている加奈。今夜は白い競泳水着に白いリングシューズ姿で地下リングに立っている加奈。その大きな身体は存在感が抜群であった。
その加奈の対戦相手としてリングインするのは、数々のアイドルを痛めつけてきたアフリカンコング。豹柄のリングコスチュームで威嚇するようにリングインしていくコングの姿に、加奈も驚きを隠せないが体格的には負けていないとばかりに、加奈はコーナーに寄りかかってコングの動きを見つめていく。
コングも女子プロレスラーとしては主戦場もなく、最近の活躍の場もなく地下プロレスでのアイドル相手のドミマッチが多く、今回の元アスリートである加奈との試合には、ある意味で苦戦も予想されるリング上。
『女祭り特別格闘技戦を行います!・・・青コーナー〜・・・身長187p、体重84s・・・太山加奈〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする加奈。落ち着いた様子で歓声に応えていく。
『赤コーナー〜・・・身長173p、体重105s・・・アフリカンコング〜っ!』
コールを受けてガッツポーズでアピールするコング。同時に観客席からはブーイングも飛び出していた。
コールが終わると、お互いの手にはオープンフィンガーグローブが着けられていくと、ルールの説明が行われた。
『この試合は、殴る蹴る絞めると何でも有りの格闘技戦ルールとなり、ダウンした相手に対しての殴る蹴るなどの行為も認められます!勝敗はギブアップ、レフリーストップによるものとします!』
リングアナのアナウンスに歓声が大きくなると、マウスピースが加奈とコングの口に入れられていく。
そして試合開始のゴングが打ち鳴らされた・・・。
『カァーン!』
ゴングと同時にコーナーを飛び出す加奈とコング。
距離が詰まるとコングがジャブ気味にパンチを放つと、加奈はガードして膝を出していく。
体格で負けていない加奈は、積極的に前に出て行くと、大振りのパンチを数発出した。
ガードするコング。地下プロレスでは初めて自分より大きな相手との対戦に、少し戸惑いもある様な動きを見せている。
更に首相撲の体勢に持ち込むと、膝蹴りをボディに叩き込む加奈。
ドスッ・・
加奈の膝蹴りに表情を歪ませるコング。
しかしコングも殴り返すと、加奈のお腹にパンチが炸裂した。
ドスッ・・・
「うっ・・」
お腹を殴られてマウスピースを口から吐き出しそうになる加奈。
しかし踏ん張ると、逆にコングの顔面にパンチを叩き込んだ。
バシィィィィ・・・
顔を殴られて驚きを隠せないコング。素早く裏拳を狙うも加奈がタックル気味に抱きついてコーナーに押し込んでいく。
フロントヘッドロックを狙うコング。しかし身長差から逆にコーナーに押し込まれる形でパンチを叩き込まれていくと、加奈の背中にハンマーパンチを叩き込んでいく。
背中を殴られて、加奈はコーナーに押し込んだまま肩口でコーナーに押し潰すようにしてコングの動きを封じていくも、コングが水着に手を掛けた。
堪らず力が抜ける加奈に、コングが押し出すようにコーナーから弾き出していく。
同時に前に出ると、加奈の顔面狙うのパンチを放っていくと、加奈の顔面をコングの拳が襲った。
バシッ、バシィィィ・・・
顔を殴られて堪らずガードを固めて距離を置こうとする加奈。
更にラリアットの様な腕を使った強引なパンチに加奈がフラついていく。
しかし加奈もバレー式ともいうべき振り下ろすような激しいハンマーパンチを放つと、コングの首筋に炸裂して動きを止めていく。
バシィィィィィ・・・・
加奈の激しい振り下ろすハンマーパンチに動きが止まったコング。
同時に観客席から歓声が上がると、加奈が組み付くようにして膝蹴りを叩き込んでて行く。
ドスッ、ドスッ・・・
コングのボディに膝蹴りが炸裂していくと、コングの動きが鈍くなり始めた。同時に加奈は気合いを入れての膝蹴りでダメージを与えたいところ。
しかしコングが膝をキャッチしてバランスを崩させると、そのまま倒すようにしてグラウンド状態に持ち込んでいく。
サイドポジジョンを奪うコングは、ハンマーパンチを加奈の脇腹を狙って叩き込むと、加奈の表情が険しくなっていく。
体重を乗せるようにしてスタミナも消耗させようとするコング。しかしコング自身も大型選手との対戦に、予想以上のスタミナを消耗している様で、全身から汗が流れ出ている。
ブリッジ気味に返そうとする加奈に、コングが上手く押さえつけていくと、一気にマウントポジジョンを奪っていくコング。
焦るようにガードを固める加奈に、コングは顔面狙いのパンチを叩き込んでいく。
バシッ、バシッ、バシッ・・・
顔面パンチの連発に嫌がるように藻掻く加奈。ガードしていくから大きなダメージは受けないも、顔へのパンチに動きが止まっていく。
更にコングが顔面へパンチを振り下ろすと、加奈は藻掻くようにコングを倒すと、観客席から歓声が沸き起こった。
続けてコングから馬乗り状態を奪うと、お返しとばかりに顔面へハンマーパンチを叩き込む加奈。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
地下プロレスで初めて追い込まれているコングは、加奈のパワフルな攻撃に焦りだしている様子・・・。
更にかなが立ち上がってから、コングへストンピングを叩き込んでいくと、コングは堪らずロープに転がるように逃れた・・・。
しかし格闘技戦なので試合は止められないと、加奈は続けてストンピングを叩き込む。
コングはロープを掴みながらも耐えていくと、一気に立ち上がって加奈との距離を置いた。
立ち上がるコングとの距離を置いていく加奈は、構えながらコングの動きを見つめると、コングは呼吸を乱しながらも前に出た。
迫るコングに、加奈がジャブ気味のパンチを放つと、コングも振り回すようなパンチで前に出た。
バシィィィ・・・
加奈の左右のパンチが炸裂すると、コングが一瞬フラついた。
しかしコングも踏ん張って殴り返すと、加奈の側頭部にパンチがヒットしてフラつく加奈。
加奈も意地になって殴り返すと、コングと殴り合っていく展開になっていく。
大型選手同士の殴り合いに観客席も盛り上がっていくと、加奈もコングも鼻血を噴き出しながらも殴り合っていく。
白い競泳水着を赤く染めながらも殴りつける加奈。身長差がありクリーンヒットがないだけに殴り合いに持ち込む事ができたが、流石にパワーあるコングとの殴り合いには苦しそうな表情を浮かべている。
しかしコングも苦しそうな表情を浮かべて殴りつけていると、加奈がタックル気味に抱きついた。
そして100sを越えているコングを持ち上げる様にしてベアハッグを極めていくと、コングの表情が苦痛に歪んでいく。
『太山〜っ!』
『いいぞぉぉぉぉ・・・・コングをやっつけろ!』
観客席が盛り上がっていくと、加奈も必死に極めていく。
レフリーもコングにギブアップの確認をすると、コングは必死に藻掻いて耐えていく。
加奈もギブアップ狙いで揺さぶっていくと、コングの表情が険しくなっていく。
地下プロレスのリングでは初とも言える、コングの身体がマットを離れている光景に、観客席が盛り上がる。
しかし仕掛けている加奈の表情も険しくなると、突然技を解いて倒れ込んでしまった。
マットに崩れ落ちると腰の辺りを押さえて苦悶の表情を浮かべる加奈。
逆にコングは容赦なく加奈の顔面にパンチを浴びせていく。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・
パンチの連打に何も抵抗出来るずに殴られていく加奈。顔面を真っ赤に染めながら痛々しい展開に、観客席からは落胆の声が漏れた。
更にコングが加奈の髪を掴んでから、顔面狙いのパンチを叩き込むと、抵抗のなくなった加奈が危険と判断されてレフリーが止めていくのであった・・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが連打されてもコングは加奈を殴りつけていくと、リングサイドから黒服達が駆け上がって止めていくのであった。
『ただ今の試合、レフリーストップでアフリカンコングの勝利となりました!』
コングが離されると、加奈は血塗れの姿でマットにグッタリとして腰を押さえていると、リングドクターが応急処置をしていく。
そう、古傷でもある腰を痛めたようであった。巨漢のコングを持ち上げて無理をしたのか、加奈は苦しそうな表情を浮かべていると、リングドクターが担架を要請して乗せていくのであった。
地下プロレス初のコングの負けるシーン寸前まで追い込んだ加奈。この地下プロレスのリングでコングから勝利をするのは、果たして・・・。



第26試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、元シンクロ選手でオリンピック経験もある青樹愛。白い競泳水着に手にはオープンフィンガーグローブを着けてのリングイン。前大会で藍武紗季に勝利してデビューして、今回2回目のリングインの愛。
その愛の対戦相手としてリングに上がるのは、地下プロレスの実力者でもある女優の米蔵涼子。黒い競泳水着に手にはオープンフィンガーグローブを着けてのリングイン。しかし本業が忙しくトレーニング不足での女祭り参戦と言う情報もあり、今夜の愛との試合は厳しい展開も予想されているが、涼子は落ち着いた表情でコーナーに寄りかかった。
歓声に包まれるリング上、そしてリングアナがコールを始めていく・・・。
『女祭り特別格闘技戦・・・青コーナー〜・・・身長173p、上から85、60、83・・・青樹〜愛〜っ!』
コールを受けて一礼していく愛。涼子との対戦とあって表情に緊張感が漂っている。
『赤コーナー〜・・・身長168p、上から84、58、85・・・米蔵涼子〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする涼子。地下プロレスではベルトも巻いていた事もあり、堂々として観客の声援に応えている。
『この試合は、1ラウンド5分で、無制限ラウンドで行われます!』
リングアナがルールを説明すると、盛り上がっていく会場内。
そして涼子と愛の口にマウスピースが入れられると、お互いが試合開始のゴングを待つ状態に。
『カァーン!』
そして第1ラウンド開始のゴングが打ち鳴らされると、コーナーから構えて出て行く涼子と愛。
距離が詰まると、涼子が軽くジャブを放っていくと、愛はガードを固めていく。
続けてローキックを放つ涼子。
バシィィィィ・・・・
涼子のローキックに表情が険しくなる愛。
更に涼子が左右のジャブからローキックと攻めると、ガードを固めて下がる愛。
そのガードの上からパンチを叩き込む涼子。
十分なプレッシャーを掛けながら前に出る涼子に、焦るように殴り返す愛。
しかしグラビアの仕事で経験したテコンドーから、打撃技を経験した愛だけに、パンチからミドルキックと打撃を放った。
テコンドーにない技は、キックボクシングなど研究したのか、涼子の動きを止めていくミドルキック。
元アスリートだけに、鍛えられた脚から放たれるミドルキックに涼子も距離を置いた。
更に左右のジャブを放つ愛に、涼子がカウンター気味のパンチを返していく展開。
カウンターを嫌がる愛が、ハイキックを放ってからタックルを仕掛けようとすると、涼子が上手くフロントスリーパーに捉えた。
首を極められていくと、愛は組み付いて踏ん張ると、涼子の身体を持ち上げていく。
流石に涼子も持ち上げられて驚きの表情を浮かべると、首への極めが緩んでいくと、愛がマットに涼子を叩き付けた。
バッシーン・・・
マットに叩き付けられて動きの止まる涼子に、愛は一気にマウントポジションを奪っての顔面へのパンチを狙う。
しかし涼子が下から三角締めを狙うと、嫌がるようにガードする愛。
堪らず片手でパンチを放つ愛。
しかし上手くダメージを受けないように受け流す涼子。
地下プロレスの経験からも上手く試合を作り出していく涼子。
逆にバランスを崩させてから、涼子が上手くマウントポジションを奪った涼子は、一気に顔面にパンチを叩き込む。
バシッ、バシッ・・
顔面へのパンチを受けて、愛が藻掻いていく。
更に涼子がハンマーパンチを叩き込むと、愛の身体が激しく反応した。
ブリッジ気味に返したい愛だったが、涼子が上手くバランスをとっては殴りつけていく。
早くも愛の鼻から血が噴き出すと、涼子は容赦なく鼻を狙い出す。
『カァーン!』
しかしここで第1ラウンド終了のゴングが鳴らされると、レフリーが涼子を止めていく。
ゴングだからと立ち上がってコーナーに戻る涼子。愛も鼻を気にしながらもコーナーに戻ると、黒服などに止血されていく。
黒服に汗を拭いてもらったり、ペットボトルを手渡されて口に含む涼子。
対して愛もペットボトルの水を口にするが、白い水着に赤い血の痕が痛々しい。しかし鋭い視線を反対コーナーに投げていく愛。
そして第2ラウンドが始まろうとしていた。
『カァーン!』
第2ラウンド開始のゴングが打ち鳴らされると、距離を置いて構えていく涼子。
対して愛はガードを固めて距離を詰めようとすると、軽くジャブで牽制していく涼子。
更にローキックを叩き込むと、愛の表情が歪んだ。
続けてハイキックを放つ涼子に、愛がガードしてからタックルを仕掛けると、涼子が上手くヘッドロックに捉えた。
いきなり身体を反転させながらのヘッドロックに驚きを隠せない愛に、涼子は顔面にパンチを叩き込んでいく。
更にブルドッキングヘッドロックでマットに叩き付けると、続けてサイドポジジョンから膝蹴りをボディに叩き込もうとするが、愛が藻掻いて逃れていく。素早く立ち上がって距離を置く愛。しかし呼吸が乱れだしている。
バシッ・・・
立ち上がった愛の顔面にパンチを放つ涼子。
一瞬怯む愛に、涼子の左右のジャブ、そしてストレートとパンチが襲いかかっていく。
殴られて鼻血を噴き出す愛。堪らずタックルを仕掛けるも涼子が避けると、ミドルキックなど打撃で止めていく。
ガードを固めて呼吸を整えようとする愛。
対して距離を詰めてローキックなどで牽制していく涼子。
更に涼子のパンチが顔面に当たると、血飛沫が舞って痛々しい愛。
鼻血も出ていて呼吸も乱れているからと、涼子がグラウンドで仕留めようとタックルを仕掛けた。
その瞬間、愛が偶然にも膝蹴りを放って涼子の顔面を捉えた。
ゴキィィィィィ・・・・
鈍い衝撃音がリング上に響くと、顔面をカウンターの膝蹴りを当たられた涼子の身体がマットに崩れ落ちた。
あまりの衝撃に涼子が俯せでグッタリとすると、愛も驚きの表情を浮かべる。
半失神状態の涼子に、愛はバックマウントを奪うと一気に殴りつけていく。
バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・
激しいパンチに何も出来ない涼子。流石にレフリーも危険と判断してここで試合を止めるのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングが打ち鳴らされる中、愛がレフリーに手を挙げられていく。
対して涼子はグッタリとしていると、リングドクターが応急処置をしていくがカウンターの膝蹴りから記憶が飛んでいるらしく、試合中と思って起き上がろうとしているも、リングドクターに試合が終わった事を教えられて同様を隠せない様子。
『ただ今の試合、レフリーストップで青樹愛の勝利となりました!』
顔面を血塗れにしながらも、偶然とも言えるカウンターの一撃で勝利とした愛。地下プロレス参戦2戦目で涼子から勝利と、大勝利とも言える結果に観客席からも歓声がおきるのであった。



第27試合

『選手入場っ!』
リングアナのコールにリングインするのは、現地下プロレスヘビー級チャンピオンの藤原紀華。グラビアなどでも鍛え上げられた身体を惜しみもなく出している紀華が、今夜は白い競泳水着に白いリングシューズ姿でリングインすると、観客席に向かって頭を下げていく。
その紀華の対戦相手としてリングインするのは、アスリートのアリア・シャラポワだった。黒い競泳水着に黒いリングシューズ姿でリングインすると、反対コーナーの紀華とは視線を合わせる事なくコーナーに寄りかかっていくシャラポワ。
地下プロレスでのタレント勢の惨敗に、遂に紀華がシャラポワとの対戦を申し出ての今夜のカード。女祭りのメインカードに相応しいカードとなった。
格闘技戦と言う事で、リング上でお互いの手にはオープンフィンガーグローブが着けられていくと、気合い十分の紀華。リングサイドには大池栄子がセコンドについていた。
そしてシャラポワは冷静にオープンフィンガーグローブの装着具合を確認すると、軽くジャブ気味のパンチを放っては、ウォーミングアップしている様子。
紀華としてもシャラポワを倒して2012年を終えたいところだったが、シャラポワ自身も大物狩りと言う事で気合いを入れている様子。
『2012年女祭りメインイベントを行います!・・・・特別格闘技戦・・・青コーナー〜・・・身長171p、上から88、60、89・・・藤原紀華〜っ!』
コールを受けて片手を挙げてアピールする紀華。40歳を越えているのに見事なボディに視線が集まっている。
『赤コーナー〜・・・身長188p、上から88、60、90・・・アリア・シャラポワ〜っ!』
コールを受けて両手を挙げてアピールするシャラポワ。観客席からは歓声とブーイングが入り交じるも、世界的アスリートの登場に緊張感が走る地下プロレス会場。
『この試合は、特別格闘技戦となります。ギブアップ、レフリーストップ、ドクターストップのみ決着とします。なお、倒れた相手の顔面へのパンチ・キックを認められます。また股間への打撃等も反則となりません。目、鼻、耳、口への攻撃は反則となります!』
リングアナのルール説明に興奮していく観客席。
ルール説明が終わると、紀華とシャラポワの口にマウスピースが入れられていくと、試合開始のゴングが要請された・・・。
『カァーン!』
試合開始のゴングが打ち鳴らされると、ガードを固めて前に出る紀華。
対してガードを固めながらも、紀華との距離を慎重に計るシャラポワ。
お互いが手を出さないと、少しずつ微妙に距離が詰まっていくリング上。
紀華が軽くジャブを放つと、シャラポワがカウンター気味のパンチを放つ。
シャラポワのパンチをガードすると、紀華がローキックを叩き込んだ。
バシィィィ・・・
紀華のローキックが太股に炸裂すると、シャラポワが一瞬険しい表情を浮かべた。
ローキックを叩き込んでから、距離を置いていく紀華。
更に踏み込んでローキックを叩き込む紀華。
バシィィィィ・・・
ローキックを叩き込まれたシャラポワは、蹴りこんだ紀華にお返しのパンチを叩き込んでいく。
バシッ・・
紀華の顔面を襲うシャラポワのパンチ。
ガードを固めて距離を置いていく紀華に、今度はシャラポワが前に出て左右のジャブを放つ。
堪らず膝蹴りを放って勢いを止めようとする紀華。
膝蹴りをガードすると、更に踏み込んで左右のフックを放つシャラポワ。
ガードする紀華だが、ガードの上からもダメージを与えていくシャラポワのパンチ。
しかし紀華がステップバックしてローキックを叩き込むと、嫌がる表情を浮かべるシャラポワ。
更に紀華がローキックを叩き込むと、シャラポワがロープ際に下がりだした。
歓声に包まれるリング上。紀華が誘うように左右のジャブを放つと、シャラポワはカウンター狙いのパンチを返していく。
テニスのアスリートだけに、紀華のパンチも見切っているのか大きなダメージをパンチでは受けないシャラポワ。しかしローキックではダメージを受けているのか、痛そうな表情を浮かべている。
紀華が前に出ると、シャラポワも前に出て必殺ロシアンフックを放つと、紀華の側頭部を襲ってフラつかせていく。
紀華も上手くダメージを流したからダウンを免れたが、シャラポワの必殺パンチに驚きを隠せない。
更にシャラポワが左右のパンチから前に出ると、紀華の顔面に炸裂するシャラポワのパンチ。
バシッ、バシッ・・・
パンチを受けてフラつく紀華。堪らずガードを固めて下がるも、シャラポワが前に出て大振りのパンチを叩き込んでいく。
前に出られてガードを固めて苦しい紀華は、前蹴りを放つもシャラポワがパンチで前に出て苦しい展開。
ロープ際に押し込まれて殴られて、身長差からも苦しい紀華。
膝蹴りを放つと、シャラポワも膝蹴りを返すと紀華が組み付くようにしてテイクダウンを奪っていく。
グラウンドになると身長差も関係ないとばかりに紀華が素早くサイドポジションを狙うと、シャラポワが藻掻くように抵抗した。
しかし紀華が脇腹へハンマーパンチを叩き込むと、シャラポワが痛がるように嫌がっていく。
一気に腕を狙う紀華。しかしシャラポワがガードすると、紀華は一気に馬乗り状態に持ち込んだ。
マウントポジジョンを奪われて同様を隠せないシャラポワ。
一方、チャンスとばかりに顔面へパンチを叩き込んでいく紀華。
しかしシャラポワも紀華のパンチを見切って頭を動かして避けると、紀華は体勢を変えて両足で頭部を挟むようにして動きを止めると、容赦なく顔面へ拳を叩き落とす。
バシッ・・・バシッ・・・
藻掻くシャラポワ。しかし顔面へ叩き込まれるパンチに身体をビクンビクンと反応させては、ダメージを増やしていく。
地下プロレス参戦で初めてのマウントポジションからの顔面パンチに、焦りを隠せないシャラポワ。
紀華が顔面へパンチを落としていくと、嫌がるシャラポワがブリッジ気味に返していくと、バランスを崩した紀華を跳ね除けた。
しかし紀華も簡単に逃がさないとばかりにグラウンド状態で組み付くと、サイドポジジョンから押さえ込んだ。
俯せ状態のシャラポワ。呼吸を荒くして紀華の動きを気にしているが、顔面パンチのダメージから鼻血が噴きだしていた。端正な顔立ちのシャラポワの顔が、鼻血で赤く染まっている。
流石に鼻血を流して気にしているシャラポワ。そのシャラポワに、紀華がグラウンド状態ながらも腰を浮かせると、膝蹴りを脇腹へ叩き込んだ。
ドスッ・・・ドスッ・・・
脇腹への膝蹴りに藻掻き苦しむシャラポワ。
更に紀華が膝蹴りを狙うと、シャラポワが一気に立ち上がると、紀華は押さえ込めずに逃げられてしまう展開に。
素早く立ち上がる紀華に、シャラポワは軽くジャブ気味のパンチを放ちながら距離を置いていく。
紀華は前に出ると、ローキックを叩き込んでいくと、シャラポワが嫌な表情で距離を置いていくが、紀華が前に出てローキックを蹴りこむて展開に。
コーナーに追い込まれていくシャラポワ。紀華が左右のパンチを放つと、ここでシャラポワが左右のパンチを振り回した。
ガードする紀華に、更にガードの上からパンチを叩き込んでいくシャラポワ。
紀華が前蹴りで牽制すると、シャラポワがお腹を蹴られながらも、踏み込んで大振りの必殺ロシアンフックを放った。
バシィィィィィ・・・
咄嗟にガードする紀華。しかしガードした腕が痺れるようなロシアンフックに驚きを隠せない。
更にパンチを連打するシャラポワはガードを固める紀華をコーナーに追い込むと、一気に顔面、バスト、お腹とパンチを叩き込んでいく。
コーナーを背にシャラポワの圧力に逃げられずにサンドバッグ状態になる紀華。流石に顔面はガードしているも、バストやお腹へパンチが炸裂すると苦悶の表情を浮かべている。
堪らず膝蹴りを出して離そうとする紀華だが、シャラポワは一気に顔面狙いのパンチを放つと、ロシアンフックが側頭部を襲った。
ダウン寸前の紀華は、堪らず抱きつくようにシャラポワに組み付くと、脇腹などへ小刻みなパンチを叩き込むシャラポワ。
紀華はロシアンフックのダメージを回復させようと抱きついたままにしていると、シャラポワがフロントスリーパーを仕掛けた。
しかし汗で滑って技が解けると、紀華が至近距離からの強烈な膝蹴りをボディに叩き込む。
ドスッ・・
「ウゲッ・・」
次の瞬間、変な声を漏らしてマウスピースを吐き出すシャラポワ。口から血の混じる涎を垂れ流すと、両手をお腹に当てていく。
紀華はチャンスと見て顔面にパンチを叩き込んでいくと、シャラポワも苦しそうな表情を浮かべながらも紀華との距離を置いて逃げ出した。
紀華が追い込むように前に出ると、ハイキックも放つとシャラポワが避ける。
逆に意地を見せてのロシアンフックを放つと、避けようとした紀華の顔面を直撃した。
バシィィィィ・・・
フラつく紀華に、シャラポワが左右のジャブを放ってから、アッパーと放った。
ドスッ・・バシィィィィ・・・
アッパーが炸裂すると、堪らず紀華がマウスピースを口から吐き出した。涎の糸を引いて宙を舞う紀華のマウスピース。
必死に紀華が踏ん張ると、シャラポワが顔面狙いのパンチを放つと、紀華の顔面を拳が襲った。
バシッ、バシッ・・・
フラつく紀華。シャラポワが鼻を狙ったのか、紀華の鼻から鼻血が噴き出していく。
お互いが血塗れの激闘を繰り広げていくリング上。
更にシャラポワがフックを叩き込むと、紀華が血飛沫をあげていく。
しかし紀華がローキックを放つと、流石に何度も蹴りこまれていたシャラポワの足が悲鳴をあげた。
太股などがドス黒くなってダメージが蓄積していたのか、シャラポワの動きが鈍くなっていくリング上。
呼吸を整えながら紀華が前に出ると、動きの鈍るシャラポワの足へ、更にローキックで打撃を加えていく。
バシィィィ・・・
「ウッ・・」
蹴られて呻き声みたいな悲鳴をあげるシャラポワ。
距離を置こうとパンチを放つも、足が気になっているのか上手く出せない。
逆に紀華が狙いを定めてパンチを放つと、シャラポワの顔面を抉った。
血飛沫をあげてフラつくシャラポワ。
しかしアスリートの意地で殴り返すと、紀華の顔面を捉えた。
バシィィィ・・・
紀華も血飛沫をあげてフラつくも、タックル気味に組み付いていく。
足へのダメージから踏ん張りきれずにテイクダウンを奪われるシャラポワ。
紀華が上手くサイドポジジョンを奪っていくと、動きの鈍るシャラポワの脇腹へ膝蹴りを叩き込む。
嫌がるシャラポワに、紀華がハンマーパンチを顔面に叩き込むと、藻掻くシャラポワの出血が酷くなっていく。
激しい鼻血にシャラポワの戦意が喪失されていく様に見えるリング上。
しかし紀華は構わず顔面にハンマーパンチを叩き込むと、シャラポワの動きが鈍くなっていく。
シャラポワの動きが鈍くなったからと、一気にマウントポジジョンを奪っていく紀華。
体重がのし掛かり、呼吸も苦しくシャラポワは焦りだす。
返そうと藻掻くシャラポワだが、ダメージからも紀華を跳ね返せずにスタミナを消耗していくと、逆に紀華が顔面に容赦ないパンチを落としていく。
バシッ、バシッ・・・バキッ・・
顔を殴られては、ビクンビクンと身体を反応させていくシャラポワ。鼻血が激しく残酷な展開。
更にはシャラポワの顔が腫れだしていくと、リングサイドの黒服を始め主催者からも戸惑いの声が上がっていた・・・。
殴られ続けるシャラポワに、一方的展開で危険と判断したレフリーが試合を止めていくのであった・・・。
『カンカンカンカン・・・』
ゴングの音に紀華が殴るのを止めると、シャラポワはダメージから立ち上がる事も出来ない。
『勝者、藤原紀華っ!』
リングアナのコールに大歓声に包まれるリング上の紀華。
鼻血などを流しながらも、苦しい試合を勝利した紀華。遂に地下プロレスのリングで、多くのタレントを沈めたシャラポワを倒すことに成功した紀華。
シャラポワにはリングドクターが応急処置を施していくが、担架も同時に要請されるのであった。
「2012年の最後の試合で、世界的アスリートから勝利できて嬉しいです。来年も地下プロレスで活躍が出来るように、更に頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします!」
紀華がマイクでアピールすると、観客席が盛り上がっていく。
こうして2012年の地下プロレスが幕を閉じるのであった・・・。

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