リンチ〜水の星の戦士〜

 

「優美に会わせてください!ここにいるのはわかってるんです!」

セーラー服姿の少女が男に詰め寄る。男はまるで品定めをするかのように、少女の頭の先から足先まで舐めまわす様に見ている。

少女は黒髪が肩に届くか届かないかくらいで黒目がちで低くはないが少し丸みを帯びた鼻と美少女ながらもその顔立ちは幼く、中学生くらいに見える。一方の男は長髪に端正だが神経質そうな顔立ち、そしてその目は酷薄な光で少女を見下ろして薄笑いを浮かべるばかりだ。

「.・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「何?!何とか言ったらどうなんですか?」

「君・・・名前は?」

「谷野杏美・・・です。優美とは小学生の時からずっと親友だったんです。それが、この何ヶ月も連絡が取れなくて・・・優美のお母さんにもわからなくて・・・・・・それでもいろいろ聞いて回って、やっと戸林さんところにいるって聞いたんです。だから・・・・」

「あずみちゃん、か・・君・・・可愛いね」

そう、優美の写真を手に慣れない繁華街を聞いて回り、ようやくこの男の名まで辿り着いたのだ。

戸林泰威(とばやし・やすたけ)・・・24歳、かつて犯罪を犯したものの裕福な実家からの仕送りで今も高級マンションに住み、今も女性の出入りが頻繁に行われるというこの男・・・。

涙目になりながら行方不明となった優美の身を案じる杏美に、そんなことなどどうでもいいといったようなこの青年に少女は言い知れぬ恐怖を覚えた。しかしこと、ここに至っては優美を連れ戻すまでは引き下がるわけにはいかなかった。

「優美に会わせてって言ってるんです!」

「え、ああ、優美・・・ね、彼女は僕と結婚したんだ。それとここには今いないよ」

「・・・いないって」

「ああ、僕の父の仕事を手伝ってもらってるんでね、今ここにはいない」

柔らかい口調ながらキッパリと言い切る戸林。杏美も自らを冷静に戒めながら問い詰めた。

「じゃあ一体、どこにいってるんですか?それに、優美もあたしと同じ16歳なんです、それなのに何で優美のお母さんが結婚を知らされてないんですか?」

「うーん・・・・その辺のところは僕の口から説明しても納得してもらえないだろうな・・・よし、今から優美のいるところに一緒に行こうか」

「え?」

突然優美と会わせよう、と戸林が言い出したことに驚く杏美・・・その動揺を感じ取り、更に戸林が言葉をつないだ。

「君は優美と会いたかったんだろ・・・それとも、もういいのかい?」

笑みを浮かべ杏美を挑発するかのように話しかける戸林に杏美はいぶかしみながらも、勇気を振り絞り言い返した。

「ううん、行きます・・・そして直接優美と話をします!」

「よし!なら決まりだ・・・・車を出すから駐車場で待っててくれ」

そう言って杏美に背を向ける戸林・・・杏美から顔を背けた瞬間、その顔は悪魔の笑みを浮かべながら上唇を舐めていた。これから始まる宴を思い描きながら・・・。

戸林の高級外車に乗せられ、移動すること約1時間・・・。車内で戸林はよほど杏美に興味を抱いたのか、あれこれ質問をしてきた。車内という密室、そして親友を人質に取られているという感覚もあり、杏美は最小限ながらもその質問に答えていた。

「君、優美と同い年・・・にしては、幼い感じだね、背も小っちゃいし・・・身長いくつ?」

「え?・・・あ、151ですけど」

「ふぅ〜ん、優美は確か、168だから随分違うよね」

中学時代、並んで歩くと優美と杏美は同い年なのにまるで仲のいい姉妹のように見えた。ロングヘアーで長身の優美とショートで小柄な杏美・・・バレーボール部のエースアタッカーの優美と体操部でキャプテンを務めた杏美。そうした2人の中学時代の話を聞き出しては、笑みを浮かべる戸林・・・。不安で押しつぶされそうになる杏美だが、このまだ幼さの残る少女の芯の強さがそれに耐えた。

「さあ、着いた・・・・ここだ」

「ここ?」

埋立地の一角にぽつんと建てられた5階建てのビル・・・周りにはまったく人気はなく遠くからは工場の作業音が聞こえるだけだ。

「そう・・・このビルの3階の戸林開発っていうところにいるよ」

「そう・・・ここに」

入り口には警備員がいるが戸林の目配せで杏美を招き入れた。中は間接照明で薄ぼんやりと照らされ、案内板には確かに戸林開発の名が記されていた。エレベーターで3階へと行こうとする杏美・・・しかし、ここで戸林は杏美から離れた。

「僕はここの2階に用事があるから、君1人で先に行っててくれ、話はもう通してあるから」

「あ、はい・・・・」

不審に思いながらも、正直戸林とひとときでも離れられることにほっとする杏美・・・が、エレベーターから降りようとした瞬間、急に扉の左右からいきなり顔全体を大きな布のようなもので覆われた。

「んん!・・・・」

鼻を衝く薬品の匂い、むせる間もなく意識が遠のいてゆく杏美・・・間もなく両側から組み付かれた大きな腕の中で意識を失っていった。

 

「こ、ここは・・・・一体?」

昼だというのに薄暗い廃工場、広さはコンビニ3,4店舗分といったところだろうか、機械や資材などは全く残されてはいなかったが、錆びついた鋼材やパイプ椅子などが床に散乱し、その床も長い間放置されていたのか泥や埃が積もっている。薬物による眠りから目を覚まし、朦朧とする頭を軽く振り、ここまでのなりゆきを思い起こす杏美。

(確か、あの戸林とかいう人に連れてこられてビルに入って・・・)

徐々に意識がはっきりしてきだすと、杏美は自身の違和感に気づいた。

「何?これ・・・・・」

由美の華奢な肢体は奇妙な衣装へと着替えさせられていた。白い光沢のある薄手のレオタード、しかもそのレオタードには薄い水色のセーラー服型の襟と大きなリボンと股間をかろうじて隠すほどのヒラヒラとした超ミニ丈のスカート、そしてひざ下からつま先までピッチリと覆うブーツ、額にはカチューシャのようなティアラが髪留めによって装着されていた。子供の頃に見たTVアニメの水の星のセーラー戦士そのもののコスチューム・・・着た感じは杏美が中学時代打ち込んだ器械体操のレオタードと何ら変わりはないが、付属した極端に短いスカートやセーラーカラーといったギミックが少女の羞恥心をくすぐる。戸惑いながらも杏美はよろよろと立ち上がり辺りをうかがおうとした瞬間、工場の重い扉がギィィと錆び付いた音を立てて開いた。

「目が覚めたかい・・・思った通りよく似合うよ“マーキュリー”」

「あ、あなた戸林さん?!」

扉を開けて入ってきたのは、杏美を優美の元へと案内したはずの戸林・・・しかし、そのいでたちはまるで中世の貴族を模したかのような光沢のあるブラウンの衣装に身を包み、腰には刀まで差されていた。

「戸林?・・・“クンツァイト”って呼んでもらいたいな、“セーラーマーキュリー”」

「何のつもりですか?!こんなバカなことしてないで、早く優美に会わせて!」

「ククク、せっかちだな・・・しょうがない、オイ!」

戸林の一声でその背後から3つの巨大な影が現われる。1人は180を超えるだろう筋肉質の男で両手にはボクシンググラブがはめられ、1人は身長はほぼ同じながらも横幅はその倍はありそうな巨大な肉塊、上半身は裸で既に脂のような汗で濡れ光っており、もう1人は他の2人よりも更に10cmほど背が高く筋肉の上に分厚い脂肪が飾られていた。その3人の巨漢達は戸林の言うがままに無言で工場の中へと入っていった。

「“マーキュリー”お前の探す娘はここにいる!」

戸林の自らに陶酔するかのような口上で工場奥の3m四方ほどの黒いシートに囲まれた物体から3人の巨漢がシートを引き剥がした。・・・すると、そこには杏美の胸をえぐる惨状があった。

「え・...優美!優美ィ!」

そこには十字架を模した磔台が設けられ、そこには親友であり、囚われの身となっている優美の姿があった。両足首・両手首と拘束され、首にはコードにつながれた首輪をはめられながら薬物に侵されているのか、虚ろな目を杏美に向ける。杏美同様、セーラー戦士のコスチューム・・・こちらは主人公である月の戦士だが・・・を着せられて磔台に拘束される優美。しかしコスチュームはところどころ破れ、露出した部分は傷や痣だらけだった。しかし168cmと長身でスタイルのいい優美のその凄惨な姿はまるで極上のオブジェのように戸林を魅了していた。

「ククク・・・・・どうだい、感動のご対面は?」

「・・・・・ぁぁ・・・・・・・・・・・・」

何か薬物に侵されているのか言葉にならない呻き声をあげる優美・・・

「ひ、ひどい・・・・・」

しかし驚愕と恐怖もつかの間、戸林は台詞を続けた。

「優美は正義感の強い娘でね・・・僕が街でそのとき付き合ってた娘を追いかけていたら間に入ってその娘を逃がしちゃったんだよ・・・ククク、その時はすごく腹が立ったんだけど、でも優美は逃げた娘よりもずっとキレイだったし、僕のヒロインになる資格があると思って連れてきたんだ・・・僕は手元に揃えたかったんだよ、セーラー戦士を、月・水星・火星・木星・金星・・・とね」

自らの狂った妄想を得意げに語る戸林・・・もはや妄想と現実のボーダーを失い、自らの欲望に耽るその姿に怒りと恐怖で震える杏美は、恐怖に負けないようにコスチュームのスカートのすそをギュッと握り締め唇を噛みしめた。

「その僕の夢に協力してもらえるよう、優美にもお願いしたんだけどね・・・君の可愛い友達を僕の元に連れてきて欲しいって・・・けど、優美はそれを拒んだ・・・『そんなコトするくらいなら死んだ方がましだ』ってね・・・それを聞いて僕は喜んだよ、やっぱり優美は正義のヒロインだったんだ、と・・・それから優美は、僕とこの3人の妖魔を相手に戦い続けた・・・彼女が気を失ったら、何度でも起こしてね」

「そんな・・・ひどすぎる・・・・・」

膝を突き、崩れ落ちる杏美・・・自分を犠牲にして終わりのないリンチを受け続けていた優美の姿に涙がこぼれ出す。

「さあ、マーキュリー・・・君の手で我々によって捕らえられた“セーラームーン”を取り戻すがいい・・・それとも、傷ついた“セーラームーン”にもう一度戦ってもらうかい」

悪魔・戸林泰威が自らを妄想の世界に沈め、清らかな少女までもその妄想の地獄へと引きずり込み、さらにその親友・・・おそらくは優美がもっとも守りたかったであろう杏美・・・をも、地獄の責め苦で蹂躙しようとしていた。自らを贄として捧げるか、それとも友の傷ついた身を捧げるか・・・残酷な二択が杏美に突きつけられる。しかし杏美には迷う余地さえなかった

「・・・・・もう、優美には指一本触らないで・・・あたしが優美を守る!」

「ククク・・・それでこそ、セーラー戦士だ・・・・望みどおり今日から君が相手だ!」

自らの妄想のままの展開に喜びを隠せない戸林とそれを取り巻く3人の巨大な悪鬼達・・・彼等は更に恐怖を煽ろうと、この小柄な少女を取り囲んだ。

「じゃあ戦いの前に君の相手、妖魔三人衆を紹介しておこう・・・右から“妖魔ブロー”、人間のときにはミドル級で日本チャンピオンまでいった男だが、暴力事件でライセンスを剥奪されて彷徨っていたところを、僕の祖父に拾われたんだ、182cmでウエイトは現役の頃から10kg以上アップして85kg・・・そのパンチは岩をも砕く!」

黒のTシャツに黒のジャージ、そして顔には黒いモンスターのゴムマスクをはめ、威嚇するように手にはめたボクシンググラブでシャドーボクシングを繰り返し自らの力を誇示する。

「左は“妖魔ライデン”かつては相撲取りで結構いいトコまでいったんだけどね・・・ギャンブルで身を持ち崩しちゃって廃業して今は僕の用心棒にって祖父が付けてくれた・・・デカイだろ、183cm170kgだっけ?」

こちらは上半身裸に下半身は黒のロングスパッツ、顔にはやはり般若を模したようなゴムマスクが被せられていた。一番太っているだけあって、既に毛深い全身は汗に光っている。

「もう1人、真ん中が“妖魔グレン”元プロレスラーでね、喧嘩なら無敵って言われてたんだけどリング以外でもやりすぎたってことで、まあ、うちに来てもらったんだ、196cm130kg・・・強いぜ」

中央の巨漢はそのビルドアップした肉体を黒いワンショルダーのコスチュームに包み、顔はホッケーのフェイスマスクで隠し右手には鋼鉄製のチェーンまでも握られている。

「どうだ・・・“マーキュリー”、この“妖魔三人衆”を相手にせいぜい戦うがいい・・・ハハハハハ!」

従えた3人の巨大な悪鬼の強さ巨大さを杏美に言い聞かせ陶酔する戸林。また3人の巨漢の覆面からわずかに覗く目はもう待ち切れないといった感情がほとばしり、今にも杏美に襲い掛かろうとしていた。単に主従関係で戸林に従い優美や杏美をいたぶるのではなく、この3人も自らの欲望のままに少女の肉体を責め抜いてゆく・・・そういった歪んだ嗜虐心で満ち溢れていた。

「・・・・・・くッ・・・・」

絶望の中、拳を握り締め、下唇を噛み締める杏美に、いよいよ妖魔が襲い掛かっていった。グレンが杏美、いや“マーキュリー”の右手首を掴むとあっという間に肩口に抱え上げ、そこから更に頭上高くへとリフトアップしていった。

「キャア!・・・いや!離して・・・・いやあぁぁぁぁぁ!」

無人の廃工場に少女の悲鳴がこだまする。持ち上げるのが40kgにも満たない華奢な少女とあって、グレンの動きは驚くほど早い。

「グフフフ・・・・オリャアァァ!」

「きゃあぁぁぁ・・・・ッ!」

バン!と鈍い音をたてて“マーキュリー”の身体が固い床に叩きつけられる。杏美の体操で鍛えられた平衡感覚と反射神経で何とか背中で受身を取ったが、それでも、固いコンクリートの床に叩きつけられたために息が出来ないほどの衝撃である。

「かはっ!・・・・ぁぁぁ・・・・・」

「ほぉ、受身を取ったか・・・それでいい、まだ始まったばかりだからな」

仰向けに倒れ苦痛に喘ぐ“マーキュリー”の水色の胸元の大きなリボンを掴み、無理矢理引きずり起こすと、その顔に張り手を往復で喰らわせる。

パン!パァン!

「はうっ!・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・・」

手加減をしているとはいえグレンの張り手は少女にはあまりに苛烈すぎた。口の中はあっという間に切れ唇の端からは一筋の鮮血が糸を引いた。激痛に耐える“マーキュリー”は、眉間を寄せグレンを睨みつけるが、もちろんこの巨漢には何の脅威にもならない。

「ククク、可愛い顔してんなあ・・・たっぷりと愉しませてもらうぞ、おいブロー!」

「よっしゃ!」

グレンは“マーキュリー”の肩と髪を掴むと、待ち構えるブローの方向へと突き飛ばしていった。

「はうっ!・・・・・・げふぉっ!かはぁ・・・・・・・・」

倒れ込んでくる“マーキュリー”の腹、胃袋の辺りにブローのパンチがすくい上げるように突き刺さる。“マーキュリー”の身体は地面と平行に浮き上がり、今度はうつ伏せに倒れ込んだ。

「んあぁぁぁ・・・・・・・・・ぅぅぅ・・・・・・」

腹を押さえうずくまる“マーキュリー”・・・泥だらけの地面に這いつくばり、戦士のレオタードは黒く汚れが染み付いている。

「オイ、立たせろ!」

ブローの指示でライデンが丸まって腹を押さえ苦しむ“マーキュリー”を抱え上げ、両腕を背後から固めて立ち上がらせた。

「んうぅぅ・・・・・・・」

まだ息が詰まり呼吸もできない少女にブローは更にボディブローを、しかも連打で放っていった。

ドスッ!ドスッ!ドスッ!・・・・・・・・

「んあぁ!・・・はう!・・・・んぶっ!・・・かはっ!・・・」

休む間もない回転の速い連打を羽交い絞めされ無防備なまま喰らい続けるセーラー服の美少女戦士“セーラーマーキュリー”・・・口元からは赤黒い胃液、血痰とあふれ出し、いよいよ内臓からの鮮血がこみ上げ、口元からおびただしい量となってあふれ出した。

「がふっ!・・・・・うえっ!・・・・・・・ぁぁぁ・・・・・・」

“マーキュリー”の水色のブーツの足先には濁った赤色の水溜りが出来上がり、ライデンはそこに“マーキュリー”を浸すように両手を離した。

ビチャァ・・・!

「んうぅ・・・・・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・」

又しても少女を包むレオタードはその体液で染められ、白かった部分の大半が泥と血反吐で汚され華奢な肢体に張りついていた。

「どうした、もう立てんか?“マーキュリー”よ」

戸林、いやこの狂った妄想の王国では彼はクンツアィトそのものなのだ。

「くぅ・・・・・・はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・・・・」

死力を振り絞りこの自らが作り上げた血の池地獄から立ち上がろうとする少女戦士・・・しかし少女に刻み込まれたダメージは全身から力を奪っており、身体を震わせるのがやっとだった。

「だめか・・・・・ならば!」

クンツアィトが片手を指で鳴らすと突如ブゥンという音と共に断末魔が響き渡った。

「んぎゃあぁぁぁ・・・・・・・・・・ッ!!」

声の方向に首を向ける“マーキュリー”杏美、それは十字架に磔となった“セーラームーン”優美だった。傍らでグレンが首輪のコードにつながれたスイッチを持ち、蹂躙されている優美に電流を流していたのだ。首から電流を流され、絞り上げるような悲鳴を上げる優美。

「ギャァァァァァ・・・・・・・・・・!イヤアァァァァ!」

「や、やめて・・・・お願い、やめてぇ!」

杏美の哀願が空しく響く中、尚も電流責めは続けられる。杏美は這いつくばり懸命に立ち上がり優美の救出へ向かおうと四つん這いの体勢にまで身を起こした。そしてその様を見て戸林が指示を飛ばす。

「グレン!止めろ!」

電流が止められ、優美の首ががくんと一瞬、後に反り返ったあと前にうなだれた。肩が震え苦しげな吐息が僅かにこぼれる。

「さあ・・・これでわかったろう貴様がそうやって休めば、その分貴様の友がどういう目に遭うか」

「・・・・うぅぅ・・・・・・」

「さあ、わかったなら立て!」

「あうっ!」

強引に立ち上がらせるとグレンは“マーキュリー”をライデンへと突き飛ばした。よろよろと倒れ込む“マーキュリー”、そこに待ち構えていたライデンは力任せの拳をその腹へ叩き込む!

ドスゥゥゥゥ・・・・ッ!

「んぶぅ・・・・・・」

151cm38kgの小さな身体が木の葉のように舞い、捻れた体勢でブローへと飛んできた。それをカウンターで待ち構え、少女の膨らみきらない乳房めがけてパンチを打ちおろす黒い巨漢ボクサー。

バキイィィィィ・・・・・!

「あぐっ!・・・・痛ぁいィィ・・・・・・・」

女の急所である乳房をパンチで打ち抜かれ、激痛に身をよじる!が、その痛みをこらえる間さえも許さぬとばかりに膝を突きかける“マーキュリー”の髪を掴み、張り手でその頬を張り飛ばしていった。

パアァァ・・・・・・ン!

「キャァ!・・・・・あう!」

又も倒れ込ませずライデンへと回すグレン・・・。男達の荒い怒声と共に少女の肉体を殴る鈍い音が途絶えることなく廃工場に響き渡り、殴る時にこぼれるか細い呻き声が更に悪鬼達の嗜虐心をくすぐった。

「はぁ、はぁ・・・ぐふっ!」

「げふぉっ!・・・・・ぁぁぁ・・・・・・」

悪鬼の作り出す三角形の中でセーラー戦士のコスチュームに身を包んだ少女は終わりのない責めを受け続けていた。

(一体いつまで・・・・あたしを・・・・こんな酷いこと優美も・・・・・まだ?・・・まだ殴る?・・・・痛い・・・・)

数え切れないほどの殴打を浴び、悪鬼達の間を幾たびも彷徨う少女戦士・・・。それでも倒れ込むことは許されず、また少女自身も自らに気を失うことのないように使命を課し、地獄の責めを受け続けた。それでも少女の小さな身体に限界はほどなく訪れた。

ドサッ!

「・・・・うぅ・・・・はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・・・げふっ・・・・・・・・・ぁぁぁ・・・・」

ついに悪鬼達の中央にボロ人形のように崩れ落ち倒れ込んだ“マーキュリー”・・・しかしグレンはその肢体を抱え上げた。

「まだまだ・・・・だぁ!」

“マーキュリー”の身体を頭上まで抱え上げ、それから自らの膝へ“マーキュリー”の腰を叩きつけ、バックブリーカーを極めるグレン。

「はうっ!・・・・・・ああああああああああッ!」

“マーキュリー”のアゴと、そしてひざの辺りにグレンの大きな掌が圧し掛かり、少女の肢体は凄惨なまでにへし曲げられていった。

「んあぁぁぁ・・・・・・・・・ッ!!」

「よく曲がるじゃねえか!・・・・・面白れぇ!」

体操で育まれた柔軟な身体とはいえ、小さな身体を怪力で曲げられてはたまったものではない。腰、背骨、首、あばら骨とあちこちから骨の軋む音が耳を衝く。

メキ!メキ!メキ!メキ!メキィィィィ!

「うわあぁぁぁ・・・・・・・っ!.......・・・んくぅ・・・・・・・・・」

白い手袋をはめられた小さな手が、その激痛から逃れようと弱々しく宙をもがく。その少女のあがく姿を愉しみながら、ブローとライデンは技を極めるグレンの側に廻る。目当ては技を極められ無様に晒された“マーキュリー”の股間部分だ。

「ブハハハハ、いいザマだ!」

ライデンが水色のスカートを捲くり上げ、白いレオタードの股間部分が露わとなっている。ここまでビデオカメラを回していた戸林が、更に“マーキュリー”の股間と苦痛に泣きじゃくる表情をアップで撮ろうと接近していった。

「いいぞぉ・・・泣け!もっとわめけ!・・・・オイ、グレン!殺すなよ、そのままタップリといたぶるんだ!」

「オーライ、ソリャァァ!!」

「んあぁぁぁ・・・・・・・ッ!」

“マーキュリー”の小さな身体への拷問技は執拗に続けられた。口元から紅い泡を吹きながらも耐える“マーキュリー”の表情をカメラに捕らえると、又もあわただしく脚の方に回り、戸林が晒された股間に手を伸ばし、秘部を指先でグリグリと乱暴に嬲っていった。

「んくぅぅ・・・・・・・ああああああぁぁぁぁぁ・・・・・ッ!」

全身を真っ二つにへし折られんばかりの極限の苦痛のさなかにレオタードの薄い生地で覆われただけの、まだ幼い秘部への責め・・・激痛と屈辱・・・まだ汚れを知らない16歳の少女にとってはあまりにも惨い責めである。

「ほぉら・・・痛いだろ?貴様を着替えさせた時に身体を見たけど、すごくキレイだった・・・けど、何にもしなかったんだ・・・だって正義のヒロインは処女じゃないとね・・・そうだろ?」

「んあぁぁ・・・・・・・・・・!!いやあぁぁぁ・・・・・・・・」

ねっとりとした口調とは反対に戸林の責めは徐々に強くなっていった。指先はレオタードの上から少女の秘部の裂け目に捻じ込まれ、薄い生地は今にも破れてしまいそうなほどだ。グレンも戸林の責めに気を引かれ、バックブリーカーを緩め、“マーキュリー”を拘束する程度の力に押さえつけていた。

「んくうぅぅ・・・・・・・・ぁぁぁ・・・・・・・・・・」

まだ柔らかい少女に秘部に強引に捻じ込まれてゆく悪魔の指先・・・その初体験の激痛と穢されてゆく痛み、そして羞恥が少女戦士への一層の惨い責めとなって襲いかかる。

「いやあぁぁぁ・・・・・・・・!や、やめてぇ・・・・・・・・痛ぁぁいィィ!」

「クククク・・・いい声で泣くもんだな、セーラーマーキュリー!・・・・まだまだいたぶってやるぞ、たっぷりとな!」

戸林は秘部に突き刺した指をようやく引き抜き、三妖魔に目配せで合図した。

(もっといたぶってやれ!死んだ方がマシっていうような責めでな!)と・・・・。

その合図に呼応し,グレンが膝の上で弓なりになっている“マーキュリー”の髪を掴み、無雑作に地面に放り捨てた。

「はうっ!........痛ッ!・・・はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・・」

骨、内臓まで全身の激痛と秘部を掻き回された痛み・・・少女は秘部に捻じ込まれたレオタードの股布を懸命に引っ張り出すが、それも新たな痛みを生み出した。

「どうした?何を悶えてる?・・・・・・さあ、立て!」

ブローはうずくまる“マーキュリー”を引きずり起こし、ライデンへと放り捨てていった

「はうっ!・・・・・うぅ・・・・」

「ヨッシャ!」

「んあぁぁぁ・・・ッ!」

倒れ込む“マーキュリー”を正面から抱きつくように締め上げる巨大な肉の塊・・・。サバ折りの体勢からプロレス流のベアハッグを極め、少女の細い腰を一気に絞り上げてゆく。

メキ!メキ!メキ!・・・・メキッ!

「うわあぁぁぁ・・・・・・・!」(お、折れる・・・身体が・・・)

「グハハハハ!さっきのバックブリーカーで、お前の背骨はもはやボロボロ!これに耐えられるか?!」

グリグリと両手で更に絞り上げてゆくライデン・・・。

「痛ああぁぁぁぁぁいィィィィィィ!!あああああああああああッ!」

反り返り悲鳴を上げる少女戦士・・・背骨は軋み、内臓までもが押し潰され息も出来ない。

「んあぁぁぁ・・・・・・・・・っ!・・・・・・・・・ぁぁぁぁ・・・・・・」

「オイ!まだ潰すなよ!」

「ああ、わかっとる!」

「・・・・・・・・・・・ぁ・・ぁ・・・・・・・・・・・・・・ぶふっ!」

「ちっ!・・・・・脆いな!」

ライデンは少女の口から血の泡が吹き出されるのを見ると、無雑作に放り捨てた。ライデンのベアハッグを極める腕の中で失神した“マーキュリー”・・・放り捨てられた落下の衝撃でかろうじて意識を取り戻すが、立ち上がる力など残っていなかった。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・げふぉっ!げほっ!・・・あぁぁ・・・・い、・・痛あぁい・・・・・・・」

うつ伏せのまま激痛に悶える“マーキュリー”・・・その脇腹を今度はブローが蹴り上げる。

ドスゥッ!

「はうっ!・・・・あぁん・・・・」

「まだまだ・・・・だ!」

飛ばされ、床に叩きつけられ弾んで転がってきた“マーキュリー”を、ライデンが一旦、グリグリと踏み躙る。

「グフフフフ・・・柔らけえ・・・・・」

「うぅ・・・・ああああ・・・・・・痛ぁぃ・・・」

頬を硬いブーツの底で嬲られるも抗う術もない少女・・・散々いたぶると又もその肢体を蹴り上げグレンへと転がしていく。

「はうっ!・・・・げふぉっ!・・あうっ!・・・うぅ・・・んぐぅ!・・・・」

セーラー服型のレオタードに身を包む美少女が、薄汚れた廃工場の床をゴロゴロと転がってゆき、その度にか細い喘ぎ声が耳を衝く。全身、汗と体液で滲んだレオタードは、油と泥にまみれ黒く錆びたように汚れていき、露出している腕や脚は切り傷や擦り傷が柔肌に刻まれていった。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・・・ま、まだ?・・・・・・」(まだ・・・まだ?一体いつまで?)

少女にとっては永遠とも思える地獄の責め苦・・・数10分に渡って蹴り転がされ、レオタードの下の肌も傷とアザが切り刻まれていく。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・げふっ!・・・うぅぅ・・・・・」

「フ・・・さあ、これからだぜ!」

もはや倒れ込み力尽きた“マーキュリー”をブローとライデンが両脇から抱え上げた。

「・・・・・・うぅ・・・・・・」

「ブファファファ、本当に小っちゃいな!」

「ああ、腕なんかこうやって握ってるだけでも折れそうだぜ」

巨漢2人に挟まれるように抱えられる少女・・・182cm・85kgのボクサーと183cm170kgの力士に蹂躙される151cm38kgのレオタード姿の美少女・・・更に196cm130kgの超ヘビー級のレスラーが襲いかかろうとしていた。

「今から死ぬ瞬間を味わわせてやる・・・たっぷりとな!」

「・・・・・ぅぅ・・・・・・・」

がっくりとうなだれたままの“マーキュリー”・・・その髪を鷲掴みにして顔を上げるとグレンは自らの顔を近づけ唸るように囁いた。

「たっぷりと、苦しめてやる・・・こうやってな!」

グレンの巨大な掌が“マーキュリー”の首に絡みついた・・・びくんと震える少女を両側から尚も力を込めて押さえ込むライデンとブロー。

「はぅ・・・・・・うぅぅ・・・・・・・・」

両手の親指で“マーキュリー”ののどを押し潰してゆくグレン・・・息が出来ずに地獄の苦しみに悶える少女。あえて頚動脈には力を加えずに苦しめるだけのシンプルで残酷な責め・・・もちろん首の骨を折ってしまわぬよう悪魔は絶妙の力加減をしながら首を絞め続ける。

「ハハハハハ!いいぞ!もっと苦しめ!」

「・・・・・うぅぅ・・・・・・・・・・・」(・・・し、死ぬ?・・・・・死んじゃう・・・・・・・・)

少女の意識が朦朧としかけると、これもまた絶妙のタイミングで手を離し、頬にビンタが飛んだ。

「はくっ!・・・・・・い、痛ぁい・・・・げふぉっ!げふっ!・・・・・はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・んうぅ!」

意識が戻されると、又首を絞められる・・・延々と続けられる窒息地獄!死ぬことさえ許さない責めに身を捧げる少女戦士の苦しむ姿に歪んだ嗜虐心をぶつける悪鬼達。タイトなリングコスチューム姿のグレンとスパッツのライデンなどはいたぶり抜かれる“マーキュリー”に勃起しているのがわかるほどだ。

「グヘヘヘヘ、堪んねえな!」

「・・・・・んあぁぁぁ・・・・・・・・ぅぅぅ・・・・・・・・」

「おっと、休むなよ!」

パァン!パン!

「・・あうっ!・・・・げふぉっ!げほっ!・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・・・んうぅ!」

「あとで俺にもやらせろよ!なあ!」

「ああ・・・待ってろ!」

「・・・・・・ぁぁぁ・・・・・・・・・・」

「どうだ?!・・・・・今、昼の2時前だ・・・このまま殺さずに俺達3人、いやクンツアイト様を含めて4人で代わる代わる首を絞め続けてやる、日没までな!」

今は真夏の8月・・・日没までは優に5時間を越える。その永遠ともいえる時間、少女は窒息の苦しみに耐え続けねばならない。何度も何度も絞殺される・・・しかもたった1人の少女に対し異形をまとった巨大な悪鬼達が4人がかりとなって嬲り殺す・・・この悪夢が現実の苦痛となって小さな身体を責め続けるのだ。

「・・・・・・ぅぅ・・・・・・・・かはっ!・・・・・・・ぁぁ・・・・・・・・」

「グフフフ・・・・死ぬか?・・・死んじまうか?!・・・・・まだまだだ!」

「はうっ!・・・・げふっ!げふぉっ!げほっ!はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・はうっ!」

「まだ死なさねえよ・・・まだまだなっ!」

「・・・・あぁ・・・・・・・・ぅぅ・・・・・・・・」

絞殺地獄・・・絶命寸前まで嬲り抜き、意識を失いそうになるその刹那に殴打が地獄へと引きずり戻す。執拗な責めはついに夕暮れまで続けられた。血の気を失った少女の顔は数え切れないビンタで腫れ上がり口元には固まりかけた血がこびり付いていた。

「くっ!・・・こんな時間か!」

「ああ」

「まあいい・・・たった1日で潰すには惜しいタマだ」

「どうします?戸ば・・・いや、クンツアイト様!」

グレンがクンツアイトに伺いを立てる・・・憔悴しきった“マーキュリー”の姿を未だビデオに納めていた彼は、カメラを閉じ三妖魔へと振り返った。

「セーラームーン、セーラーマーキュリー、ともに我が父の息のかかった病院へ運ぶ!一週間後にまた楽しませてもらわねばな、ククク」

「了解!」

三妖魔は“マーキュリー”の両手首を掴み、外へと引きずっていった。廃工場の前には大型のワゴン車が待機しており、そこに乗り込んでいき、それを見送るクンツアイト・戸林・・・発車しようとしたときに静かに三妖魔に声をかけた。

「残りは“セーラーマーズ”“セーラージュピター”“セーラーヴィーナス”・・・来週には誰が揃うんだ?」

4人の悪魔達はニヤリと嗤った。

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