「ねえ、ママ、小遣いくんない?」二十歳前後の男は、五十過ぎの女の肩に手を廻し耳元で甘えた声で囁いた。
「ええ、もう?この間遊びに行くからって、30万も渡したのに・・・」女は困惑しながらも、甘えてくる息子に満更でもないように、そっとその手に自分の手を重ねた。
「あれって、もう1週間も前の話じゃん。とっくに無くなっちゃったよ。ママがもう地下で遊んじゃダメっていうからさ、外へ遊びに行くから金なんてすぐに無くなっちゃうよ。」
「しょうがないわね・・・はい、これでいい?」女は財布から数えもせずに、一万円札の束を掴み男に手渡した。年の割には若作りな容姿、そして整った顔立ち。そう、女の方は大女優二田佳子である。そして男はその息子であり最近自宅の地下室で覚醒剤パーティーをしていたところを逮捕され、現在保釈中の高梁裕也であった。かつては親の名前と権力で若い女性タレント達に傍若無人な振る舞いをしていた裕也だったが、被告の身となり、表立った遊びは控えねばならなくなっていた。だが、元々甘やかされ、我儘に生きてきた裕也は、新たなはけ口を求めていた。そんなぎらついた欲望をちらつかせる息子に母佳子はそっと言い聞かせた。
「お願いだから、裕也ちゃん、今はおとなしくしてね。今度マスコミや警察に嗅ぎつけられたら、あたし達一家の生活はもう・・・・」
「わかってるよ、ママ・・・・でも、ママ・・・前に聞いた事があるんだけど、地下で女の子と闘わせてくれるプロレスがあるらしいんだけど、本当?」
裕也の問いに眉をひそめる佳子。長い間芸能界に大女優として君臨してきた佳子だけに、もちろんミックスファイト・カフェの事は知らないはずはなかった。何度か観たこともあったのだが、その凄惨な試合の光景は未だに脳裏に焼きついて離れないくらいだった。
(この子をあそこに連れて行ったら、凶暴な本性を目覚めさせてしまう・・・・でも、このまま家に置いていてもいつかは爆発してしまうんじゃあ・・・)
「ねえ、ママだったら知ってるんだろ。僕も上がってみたいな・・・そのリング。」舌なめずりをしながら、ミックスファイト・カフェへの参加をねだる裕也・・・佳子がその権力と財力をもってすればリングに上げる事は容易い事だろう。だが、そうすれば罪もない少女が裕也の毒牙にかかってしまう・・・それを充分にわかっていながら佳子は息子への歪んだ愛情を選んだ。
「ええ、わかったわ・・裕也、あなたの思い通りにさせてあげる!」
佳子は早速ミックスファイト・カフェ・ジャパンに連絡をとった・・・息子の歪んだ嗜虐心を満たす為に・・・・。
数日後、佳子はあるバラエティ番組の収録を終えて、スタジオの階段を降りていた。以前ならバラエティ番組等は女優としての格が落ちると出演しなかったのだが、失墜したイメージを取り戻す為プライベートな部分の切り売りもしていかなければならなかった。思わずため息を漏らす佳子・・・しかも、明後日には息子を連れてミックスファイト・カフェに行く日・・・その為に息子が喜んでくれる相手を見つけて連れて行かなければならなかった。
「二田さん、どうもお疲れ様でした!」
そう考え事をしている佳子の脇を、少女がはきはきとした口調で挨拶して通った。今収録で一緒だった新人グラビアアイドルの乙羽(おとは)である。少女といっても、もう二十歳なのだがつい最近まで実家のある長野にいたせいか、同い年の裕也よりも随分と幼く見える。だが私服の白いブラウスごしに大きく形の良いバストが見て取れた。
「ち、ちょっと待ってちょうだい!」(この娘だわ・・・)佳子は乙羽を呼び止めた。振り返り微笑む乙羽。
「何ですか?」
「いえ、あなたがあんまり可愛らしいから、一緒にお食事でもしたいんだけど、どうかしら?」
大女優の思わぬ誘いに怪訝な面持で戸惑う乙羽・・・しかし佳子の女優としての演技は既に始められていた。
「あなたも知ってらっしゃるでしょ、うちの息子の事。あの子が起きてるあいだに家に帰ると、あたしを責めるのよ・・・お前のせいで俺はこうなっちまったんだって・・・だから、甘えかもしれないけど、ついあなたみたいな娘がいてくれたらな、なんて・・・ごめんなさいね、我儘言っちゃって・・・」
大女優が堪えきれずに涙ぐむ姿を目の当たりにして乙羽は、自分のハンカチを手渡した。芸暦40年を数える佳子にとって田舎から出て来たばかりの新人タレントを手玉に取ることなどあまりに容易いことだった。
「あのぅ・・・あたしでよければ、ご一緒させていただきます。」
「ありがとうね・・・あなた本当にいい娘ね・・・」ハンカチの下でほくそえむ佳子・・・・この後、乙羽は数ヶ月間、謎の失踪をとげることなる。
「んん・・・・ぅうっ・・・・あ、ここは、一体、・・確か二田さんと一緒に食事してたら急に眠くなっちゃって・・・それから、どうしちゃったんだろぅ、あたし・・・・」
佳子の策略に嵌り、食事に睡眠薬を盛られ拉致された乙羽が、とある一室で意識を取り戻した。そして、程なくすると、監禁されていた部屋の扉が音を立てて開きフィクサーが入ってきた。
「お目覚めのようだね、乙羽君。」
「あ、あなたは・・・一体?・・・あっ、二田さん!一体どういう事なんですか?!」
フィクサーの後ろから付いて来た佳子を見つけた乙羽は、駆け寄ってコトの顛末を問い掛けた。だが、それもフィクサーのボディガードがすぐに制止し、引き離されてしまった。只ならぬ状況に、蒼ざめる乙羽・・・・。その乙羽にフィクサーがコトの顛末を説明し、明日の夜彼女が二田の息子の裕也と地下のリングで戦わなければならない事を告げると、乙羽は佳子を見つめた。
「そ、そんな・・・・うそですよね・・・・どうしてあたしがそんな目に遭わないといけないんですか?・・・何とか言って下さい、二田さん!」
良心の呵責からか、目を逸らす佳子・・・・親切心があまりに残酷な形で裏切られ、茫然と立ちすくむ乙羽にボディガードが足払いを仕掛け、乙羽は虚を突かれ倒れ込んだ。
「あうっ!・・・痛ぁいっ・・・・」
そしてボディーガードの一人が倒れている乙羽の両腕を押さえ込み、もう一人が両足を抱え込んで身動きできないようにした。フィクサーは床に磔状態になった乙羽に顔を近付けて語り掛けた。
「二田ファミリーは我々にとって大切なゲストなんでね、君がJrに抵抗したり、逃げ回られたりしては困るんだよ。そうですよね、Mrs.二田?」
フィクサーが佳子に話を振ると、佳子は狼狽しながらも頷いた。
「そ、そうよ!あなたには悪いけど、裕也の為に、そしてあたし達一家の為に犠牲になってもらうわ!」血走った目で佳子は金属バットを手に乙羽に迫っていった。
「いや、いやぁ!・・・やめてぇ!・・・やめてくだ、あぁ・・・キャアァァァァァァァ・・・・・ッ!!」身動きできずに無抵抗の状態となった乙羽の右足首に佳子の渾身の力を込めた金属バットが振り下ろされた。ボグッっという鈍い音と共に、乙羽の足首に激痛が走る。だが、佳子は狂ったかのように、何度も何度も凶器を逃げられない乙羽の足に振り下ろしてゆく。
「い、痛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!・・・うぅ、・・・・」完全に片足を潰された後にようやく両手両足の戒めを解かれ、痛みに苦しみのた打ち回る乙羽を嘲笑うかのように、フィクサーは笑みを浮かべながら手を叩いた。
「ふふふふ・・・お見事ですよ、Mrs.二田。これで右足は折れ、明日の試合、息子の裕也さんも心置きなく楽しんでいただけますよ・・・お嬢さん、試合は明日ですからね、テーピングだけはしてあげますよ。では、明日楽しみにしていますよ。」
「ひ、ひどい・・・・どうして、あたし・・・・えっ、えっ・・・ぐすっ・・・・」乙羽は痛みと恐怖と絶望で泣きじゃくった。
その夜足の怪我からくる痛みと発熱、そして恐怖心から一睡も出来ないまま、乙羽は試合1時間前を迎えていた。既に試合のコスチュームとしてピンクの紐ビキニを着せられ、足はフィクサーの言葉通りテーピングこそ施されていたが素足のままという姿で控室の隅で震えていた。
試合開始直前、今夜は人気グラビアアイドル乙羽の登場が急遽告知されており、場内はワンマッチ興行だというのに、既に異様な熱気に包まれていた。待ちわびる観客席の歓声がこだまする中、リングアナが姿を現した。
「本日もミックスファイトカフェへ起こし頂き、誠にありがとうございます!只今よりスペシャルマッチ、時間無制限ノーレフリー、ノールールデスマッチを行います!青コーナー、178cm、72kg、高梁裕也選手の入場ですっ!」耳をつんざく程の大音響の中、上半身は黒のタンクトップ、下はジーンズに編み上げのブーツ、両手には皮の手袋をはめた裕也が花道から嬉々とした表情で入場してきた。
「続きまして、赤コーナーより157cm、43kg、乙羽選手の入場です!」裕也の入場とは対照的に、小柄な肢体にはビキニの水着だけを身にまとい憔悴しきった表情で、両脇をセコンド陣に支えられながら、引き摺られるように入場してくる乙羽・・・。リング上で震える乙羽をよそに、リングアナによるルール説明が行われていた。
「この試合時間無制限、銃器の使用以外のあらゆる反則が認められます。又ノーレフリーの為、試合終了は選手の判断のみによって成立いたします!」
レフリーの言葉ににやりと嗤う裕也と沸き返る満員の観客たち・・・たった一人ぼっちで乙羽はこの悪鬼のような男と観客たちの気の済むまでいたぶられ、嬲られなければならないのだ。気の遠くなるような絶望の中、乙羽は無理矢理立ち上がらされ、試合、いや屠殺場のリングでゴングが、今鳴った!。
カアァァァァ・・・・・ン!!ゴングが鳴っても恐怖と足の痛みと恐怖でコーナーにもたれたままの乙羽・・・裕也は時間はたっぷりある、とばかりにゆっくりとコーナーへと距離を詰めていった。
ニヤニヤと嗤いながら裕也は怯える乙羽の心臓の音まで聞こえるほど近付いた。こうして向かい合うと小柄な乙羽と長身の裕也とでは首一つほどの差がある。
「・・・ぃ、いや・・・お願い・・・・許して・・・・もう、やめてよぅ・・・」
見上げながら首を振り哀願する乙羽に裕也は更に距離を詰め、乙羽のFカップの胸は水着ごしに裕也の腹の辺りに押し付けられた。
「ふうん、許してって・・・何謝ってんの?それとも君もやっぱり僕のことバカにしてたんだ・・・・親の七光りのドラ息子って・・・ええ、おらぁっ!お前だって水着着て乳見せて、ケツぷりぷりさせてよう、何様だよ、ええ、おらあっ!」怒声と共に突然キレた裕也のボディブローが乙羽の鳩尾に深々と突き刺さった。
ドスゥ・・・ッ!「あうっっ!・・・・ぁぁぁ、・・・・ぁぁ・・・」
一撃でくの字に体を折り、膝から崩れ落ちる乙羽・・・しかし、裕也は乙羽の髪を鷲掴みにし、倒れ込むことも許さず、もう一方の空いた手で更に連打をボディに打ち込んでゆく。
「うっ!・・・はうっ!・・・・うえっ!・・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・げふぉっ!・・・あうっ!・・・ぁぅ・・・」
腹を休む間もなく殴られ、乙羽は激痛と共に、口を開けても呼吸さえままならない窒息感に苦しみ悶えていた。口元からは鮮血と血の混じった胃液がこぼれ出し、早くもマットの上を紅く染めていった。そして乙羽がさすがに朦朧とし始めると裕也は観客の反応を窺いながら、乙羽の細い首を喉輪でコーナーに押し付けたまま拳を止めた。
「あんまり早く潰しちゃうと、もうリングに上がらせてもらえなくなっちゃうからね・・・・まだまだ愉しませてもらうよ。」
裕也は乙羽の股間に手を入れ軽々とボディスラムの態勢に持ち上げ、又してもコーナーに持ってゆき乙羽の痛めた足首に体重が掛かるように金具のところに引っ掛け、逆さ吊りにしていった。折れた足首が軋み、あまりの激痛に乙羽は涙を流しながら悲鳴を上げた。
「いぃ、痛あぁぁぁぁいぃぃぃ・・・・・!!いやあぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・!」
何とか逃れようと力を振り絞り身をよじるが、逃れるどころか逆にギシギシと足首に振動が加わり捻じられてゆく。それでも乙羽は少しでも足首に加わる重さを減らそうと宙吊りのまま両手でセカンドロープを掴み、体重を支えようとした。そうした精一杯の抵抗を嘲笑うかのように裕也は更なる責めを加えてゆく。
「へえ、結構頑張るじゃない?そうこなくっちゃねっ!」
「ぃ、いやぁ・・・きゃあっ!」
裕也は両手両足が塞がり、がら空きとなった乙羽の胸に蹴りを浴びせていったのだ。大きなモーションを伴う蹴りではないが、靴の最も硬い爪先で女の急所であり最も敏感な乳房の先を突き刺すように蹴っていった。
「あうっ!痛ぁい・・・きゃぁっ!・・・・はうっ!・・・・」乳房を嬲られる激痛に思わず手が離れると足首にがくんと衝撃が走り、又も激痛が乙羽を苛んだ。
「あああぁぁぁぁぁ・・・・・んんあぁぁぁぁぁぁ・・・・・・!!」
抵抗する術もなく裕也のされるがままにいたぶられ、悲痛な呻き声が乙羽の小さな体から絞り出される。しかし裕也は尚も情け容赦無く、トゥキックで乙羽の乳房を抉っていった。その度に呻き声を漏らし、極限の苦痛に苛まれるが、その限界を超えた苦痛はもはや乙羽に失神さえも許しはしなかった。口から紅い泡を吹き出した乙羽に、裕也は攻め手を変えようと一旦コーナーから乙羽を解放した。
「・・・ぅ、ぅぅぅ、はぁ、はぁ、はぁ、・・・痛ぁい・・・・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・・・」
うつ伏せに倒れ込み喘ぐ乙羽を裕也は乱暴に仰向けにひっくり返し、両足を抱え込んでいった。そのまま乙羽を休ませる間もなく、一気にステップオーバーし、逆エビ固めの態勢に持っていった。
「んああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!い、痛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁいぃっ!!!」
乙羽の細い腰骨の上に裕也の尻がどっかりと乗っかり、背骨が反り曲げられてゆく。悲鳴を上げながら乙羽は無意識のままに、力を振り絞りロープへと這いずっていった。
「ぅぅぅ・・・・ああぁぁぁっ!!」ロープに向かって必死に手を伸ばす乙羽・・・しかし、この試合はノーレフリーマッチの為たとえその手が届いても解放されるはずもないのだ。その乙羽の空しい抵抗を嘲笑うかのように裕也は更に絞り上げていった。
「きゃああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・!!」
「ふふふ、頑張り屋さんなんだ・・・じゃあ、まだ頑張れるよね?こんなことしてもさ!」
裕也は逆エビから片逆エビに移行し、又しても乙羽の痛めた片足を捻っていった。片エビに極めながら、そして空いた片方の手で今度は乙羽の足首のテーピングを剥がしに掛かっていったのだ。
「い、いっ痛ぁぁぁぁい・・・・!!!きゃあぁっ!やめてぇぇ・・・・・!!」
ただ一枚乙羽の折れた足を守っていたテープが裕也の手により乱暴に引き剥がされてゆく・・・・遂にテープが剥がされ露わになった足首は既に紫色に変色し、痛々しく腫れ上がっていた。裕也は剥き出しとなった足首を自分の脇で挟み込み、ぐりぐりと回していった。骨の砕ける音と、靭帯、腱の切断されてゆく音・・・生きたまま自分の身体の一部が破壊されてゆく・・・。
「もう、やめて!いやあぁぁ・・・も、もう、やめてくださいぃぃぃぃ!お願い、助けてぇ!」
乙羽は半狂乱になりながら、相手構わず救いを求めるが、もちろん地下プロレスのリングに味方など誰一人いようはずもない、むしろこの裕也の暴虐を観客は好奇と嗜虐に満ちた目で観戦していた・・・その中には裕也の実の母であり自分をこの地獄のリングに陥れた二田佳子の姿もあった。
(あたし・・・何で、こんな目に遭うの・・・・一体、いつまで・・・こんな目に・・・・・)
片エビで背骨を責められ、同時に足首を骨ごと潰され、地獄の責め苦に蹂躙される乙羽・・・彼女にとっては永遠とも思える時間・・・裕也は片エビから乙羽をようやく解放すると、今度はうつ伏せに倒れ咽び泣く乙羽の腰の辺りに馬乗りになり乙羽の右手を捻り上げていった。又しても悲鳴を上げる乙羽。
「きゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・!!やめてっ!・・・・もう・・・やめて下さい・・・・・お願い・・・」
「へえ、グラビアで見てたら肉付きいいように見えたんだけど、結構細いんだ。もうちょっと力入れたら、ポッキリとイッちゃいそうじゃん。」
哀願の声に耳を傾ける事もなく裕也は、体格差に物を言わせじわじわと乙羽の細い腕を逆に捻じり上げ、折れる一歩手前で力を抜いて弄び、乙羽に馬乗りになったまま、セコンドに声を掛け、手錠を持って来させた。目の前に突きつけられ、怯える乙羽。
「・・・な、何・・・・・まだ・・・これ以上・・・・まだ?!」
「ふふふ、そうだよ。僕がこの間まではめられてたのと同じヤツさ。君にも味わってもらうよ、この感触をね。」
裕也は嗤いながら後ろ手に手錠をはめ、乙羽の小柄な肢体を唐突に抱え上げ、ボディスラムでマットに叩きつけていった。
「かはぁっ!・・・・ぅぅぅ・・・・・」
後ろ手に拘束された状態で背中から叩きつけられ、受身も取れない上に手錠の金具部分が背骨に突き刺さり乙羽は悶絶した。だが裕也は構わず乙羽の身体を又も抱え上げ、今度は自分の膝にシュミット式バックブリーカーで腰から叩きつけた。裕也の膝の上で弓なりに身体を反り曲げられる乙羽・・・・先程までの逆エビ固めで痛めた腰を又も裕也は責めの標的とした。しかも押さえつける掌の片方は乙羽の喉を絞めつけ、もう片方は乙羽のビキニショーツの上から恥骨を押し潰していった。
「んああぁぁぁぁ・・・・・・ぅぅ・・・・く、くる・・・し・・・・・ぃ・・・・・ぁ、ぁぁ・・・」
呼吸を塞がれ、何とか少しでも空気を貪ろうと口をぱくぱくさせるが、徐々に裕也の手に掛けられた手から力が抜けてゆき、震え出し、痙攣を起こし始めた。
「ん、んんーっ・・・・・・ぁぁ、ぅぅ・・・・・」
朦朧とする中、辛うじて意識を繋ぎとめる乙羽は裕也の掌を必死に拒んだ。だが元々体も小さく、格闘技の経験などなく、傷つき衰弱しきった乙羽に抵抗する力など残ってはいなかった。
「ふふふ、前に聞いた事があるんだ・・・・人って死ぬとき糞や小便漏らしちゃうんだってね。君みたいな可愛い子もそうなのかな・・・・。」
裕也の凄惨な責めに力を振り絞って耐える乙羽・・・・今の彼女にできるのはそれだけなのだから。又裕也もそれを百も承知で殺してしまう一歩手前で僅かに力を加減し、苦痛の時を引き伸ばしていった。
「ぁぁぁぁ・・・!んぁぁぁぁぁぁぁっ!・・・ぅぅ、!」
裕也が舌なめずりをしながら乙羽を膝から乱暴に落とし、又うつ伏せとなった乙羽の手錠の掛けられた両腕の上に尻を乗せ、キャメルクラッチに固めた。そして裕也は再びセコンドから手錠に続く凶器を受け取った。その凶器は皮の手袋をはめた裕也の手にすっぽりと収まる小さなものだったが、それは又乙羽に地獄の苦痛を味わわせるものだった
「へへへ、これ何だかわかるかい?・・・・そう、画鋲。見た目ちっちゃいけど・・・結構楽しめると思うんだ。こういう風にね!」
裕也は無防備な乙羽の胸の先端、まず右の乳首に画鋲を突き刺した。
「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・!!」
最も敏感な剥き出しの神経への鋭利な異物の侵入に乙羽は、そのあまりの激痛に狂ったように悲鳴を上げた。
「そうそう、イイ声出すじゃん・・・でも画鋲はまだ10個位はあるからね!」
そう言いながら裕也は次々と乙羽の白く柔らかな乳房の先端に画鋲を突き刺していった。そして手持ちの画鋲を全て両方の乳房に突き刺すと今度はその画鋲をより深く喰い込ませるかのように両手の指で押し込んでいったのだ。
「そうれ、そうら!痛いか、ええ、そうらっ!」
「ひいぃっ!あああん・・・・やめて・・・あぁん!」
裕也は後ろからキャメルクラッチの態勢のまま乙羽の画鋲の刺さったままの乳房を鷲掴みにし、手前へと反り曲げていった。裕也の掌の間からは鮮血が滴り落ち、乙羽の水着のブラを紅く染めていった。
「・・・アアァァァァン!・・・・・いやああぁぁぁぁぁ・・・・・っ!!」
グラビアアイドルの命とも言える胸を潰されながらも両手を拘束され裕也の責めを全て受け続けるしかない乙羽・・・この哀れな娘に裕也はいよいよとどめが刺される瞬間が来ようとしていた。胸が血で紅く染まり、いよいよ限界と見たフィクサーからリング上の裕也に合図が出された・・・。死の一歩手前で終わるのがミックスファイトカフェの掟・・・素人の裕也にその判断は難しいという事で、潮時となった時にフィクサーから合図が送られる事となっていたのだ。裕也は舌打ちをしキャメルクラッチ(with画鋲)を解き、乙羽の髪を掴みコーナーまで引き摺っていった。
「ぅぅ・・・・・もう・・・・や、め・・・て・・・・」
うわ言のように哀願を繰り返す乙羽だが、裕也は構わずコーナーにもたれ掛けさせた。そして乙羽の髪を掴んだまま自分はコーナーの最上段に登っていった。
「さあ、自慢の胸、潰させてもらうよ!」コーナーで髪だけで吊り下げられる乙羽・・・胸にはまだ画鋲が刺さったままである・・・裕也は乙羽の背中に膝を当てコーナーから全体重を浴びせ雪崩れ込むように飛び降りていった。
ズダァァァァァ・・・・・ンッ!!!カーフ・ブランディング!通称仔牛の焼印押し・・・裕也が締めにと用意していた大技である。轟音と振動と共に2人分の体重と落下の勢いが、全て乙羽の胸に叩きつけられた。
「きゃあぁっ!・・・・・・はぅっ!・・・・・・ぅ・・・・・・・ぅぅ・・・・・・・・・・・・・・・」
うつ伏せに倒れピクピクと僅かに痙攣する乙羽の肢体。画鋲が刺さったまま下敷きになった胸からは、鮮血が溢れ出していった。そして非情にもそれをアピールするかのように乙羽の動かなくなった身体を仰向けに蹴りで引っくり返す裕也・・・・凄絶なフィニッシュに観客席からは一瞬の静寂、そしてどよめき・・・その後に歓声と拍手が巻き起こった。それに応え手を上げる裕也。傍らではカフェの医療班が乙羽の治療の為、早々に担架で運び出した。
(よかった・・・裕也がこんなに喜んでくれてる)試合後、客席で微笑む二田佳子の姿があった。

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