「何が地下格闘技よ・・・」

控え室で試合の準備をして呟くのは、あの阿部姉妹の友人でもある黒崎霧華だった。
学校でこの金網ファイトの事を聞いて、また痛めつけられる事にと怯える夏美に、だったら私が挑戦すると立候補したのだった。
それも、この霧華は女子高生でありながら、実戦派空手では全国的に顔を売れている程の実力者で、見世物程度の格闘技戦なら私でもと言う気持ちが見えていた。
まして、男性に対しては一定の距離を置いているのだが、ルックスはタレントとしても十分であり、身長が164pに、上から86(Eカップ)、59、88と言うプロポーションも男性から注目される理由でもあった。
本人としては、そんな事は気にする事もなく、ただ空手に打ち込むと言う感じだったが・・・。
その霧華の前に、今夜のリングコスチュームが用意された・・・。

「な、何よこれ・・・・」

そう、目の前に用意されたのは、白いビキニにリングシューズ、それと薄手のオープンフィンガーグローブ。
戸惑う霧華。今までは、いくら自らの身体が男子の視線に晒されていたとは言え、ビキニなど着たこともなく、競泳水着かスクール水着だけしか生まれて着たことがなかった。
生まれて初めてのビキニ・・・。

『時間だっ・・・』

その霧華の元に黒服が現れると、ただ試合の時間が来たと告げて消えていく。
流石の霧華も、金網の中での試合、それも始めてのリング上での試合に緊張感が漂う。
リングに向かうと、金網の入り口が開いて中に入れられていく霧華。
薄暗いリング上にライトが点けられると、反対コーナーに腕組みして立つ覆面男の姿が見えた。

「ま、負けないわ・・・」

霧華が小さな声で呟く。対戦相手の覆面男は、霧華より少し身長があるくらいだったが、筋肉の付き方などが流石は男と言う感じに見えた。
黙ったまま霧華を見つめる覆面男。

『カァーン!』

突然のゴング。その音に霧華は驚くが、すぐに構えて覆面男との距離を測っていった。

「せいっ・・・」

霧華がいきなり叫ぶと、覆面男に突進してボディに左右のパンチを叩き込む。
覆面男がガードを固めようとすると、今度は左右のローキックから、首相撲の状態から膝蹴りを叩き込んでいく霧華。
覆面男が後ずさりすると、霧華は牽制するようにローキックを叩き込むと、また構えて距離を取っていく。

覆面男に対して、攻めが上手くいったからと、霧華の緊張感が少し和らぐ。
同時に、攻めていく霧華。

バシッ・・・ボシュ・・・

覆面男の脇腹にミドルキック、続けて喉元へのパンチ。
意外な光景だが、霧華が優勢に試合を進めていた。
流石は空手経験者だろうか。この意外な光景に対して、観客達も叫びだしていた。当然だが、観客は全て生け贄にされる為に、女子選手を出すと期待しているのだから。
ビキニに包まれた大きな胸を揺らしながら攻め込む霧華に、覆面男が堪らず抱きついていく。

「離れなさい・・・よっ・・・」

抱きつかれることに嫌がるように、肘を覆面男の顔面に押しつける霧華。
更に膝蹴りが叩き込まれると、覆面男がダウンしていく。

「ふん、大した事ないわね・・・・」

霧華がダウンした覆面男を見下すようにコーナーに戻ると、ビキニを気にするように直していた。

「試合終了じゃないの?」

霧華が余裕の表情で叫ぶ。
しかし、ゴングが鳴らされることもなく、覆面男が立ち上がっていく。

「いいわよ、もっと痛めつけてあげるわよ・・・」

立ち上がった覆面男に対して、コーナーから飛び出して飛び膝蹴りを顔面へ叩き込んでいく霧華。

バキッ・・・

鈍い音と共に覆面男がリングに崩れ落ちる。
しかしゴングの音は鳴らない。自ら確かな手応えがあったからと、霧華も覆面男はもう立ち上がらないだろうと思い、コーナーに戻ってゴングを待つが、またもゴングは鳴らない・・・。
流石に霧華の顔にも焦りの色が見え始める。

その霧華の前に、覆面男が立ち上がって構えていく。
コーナーから出るが、覆面男との距離を多めに取っていく霧華。
すると覆面男は、今度は遊んでいられないとばかりに、顔面ガードから距離を詰めていく。

「なっ・・・何よ、倒れなさいよ!」

霧華が焦ったのか、顔面狙いのハイキックを繰り出すが、覆面男がガードしていく。
更に霧華がローキックを狙うと、覆面男は蹴り足に合わせるようにして、霧華にタックルを仕掛けていく。

「えっ・・・」

素早いタックルに驚く霧華。しかし覆面男はしっかりとタックルを決めていき、霧華の身体をリングに転がしていく。
空手では立ち技だけの練習をしていた霧華は、寝技状態になって焦り出す。
仰向けにされて押さえ込まれると、逃げようとブリッジの体制などになっていく。
しかし覆面男が上手くサイドポジションを取っていく。
片手が霧華の股間へ、片手が肩口にまわると、そのまま霧華を押さえ込んでいく。
額から汗を流して逃れようとする霧華だが、覆面男から逃れられずにいた。

ボシュ・・ボシュ・・・
「ぐっ・・・うぐっ・・・」

すると、覆面男の握られた拳が、ハンマーパンチとなって霧華のお腹を襲う。
数発叩き込まれると、霧華の表情が一変して苦痛に歪む。

ボシュ・・・
「んんっ・・・」

更にお腹へのパンチに、霧華が藻掻き出す。
しかし覆面男は逃がさずに、逆に自らの体制を変えようとしていく。
その覆面男の体制が入れ替わろうとする瞬間、霧華が逃れようと身体を動かす。
すると、覆面男が逆にコントロールする様に、霧華を四つん這い状態にしていく。
その霧華をまたサイドポジションから押さえ込むと、今度は膝蹴りを脇腹に叩き込んだ。

グシュ・・・
「ぐふっ・・・うううっ・・・・」

これには霧華の表情が苦悶に歪んで、同時に口からマットに涎を垂らしていく。
その霧華に素早く、キャメルクラッチの体制に持ち込む覆面男。

グイッ・・・
「んんっ・・・んあっ・・・ああっ・・・・」

顎に両手を掛けられて、上半身が反らされていくと初めて味わうプロレス技の、激痛の前に涙ぐむ霧華。
揺さぶられていくと、ビキニに包まれた乳房が揺れていく。同時に、霧華の苦悶の様子に歓声がおきていく。
両足をバタつかせて苦しむ霧華だが、覆面男は技を解いて立ち上がると、距離を置いて手招きして挑発していく。

「ううっ・・・」

フラフラしながらも立ち上がる霧華は、立ち技ならと構え出すが、プロレス技などの前にスタミナを大分消耗していた。
覆面男も空手の構えみたいに構えると、お互いが距離を詰めていく。

バシッ・・・

先に手を出したのは霧華。
覆面男にローキックを繰り出すと、更に左右の顔面へのパンチを出すと、膝蹴りで追い込もうとする。
しかし覆面男は膝蹴りをガードすると、逆に霧華の脇腹にパンチを叩き込んだ。

ボシュ・・
「んぐっ・・・」

強烈なパンチに、霧華は苦悶の表情を浮かべてガードを固める。
更に覆面男のパンチが出されようとすると、距離を置こうと霧華も小刻みなジャブみたいな突きを繰り出す。
霧華の抵抗に、覆面男の前蹴りが炸裂すると、霧華の動きが鈍りだしていた。
お腹への前蹴り。普通の女の子に比べて腹筋は鍛えているが、遠慮のない蹴りにダメージは大きかった。
次第にコーナーに追いつめられていく霧華。
コーナーを背にしてガードを固めていく霧華に、覆面男は大振りの前蹴りを放っていく。
必死にガードする霧華だが、この前蹴りは身体的ダメージを与える為でなく、ビキニブラジャーを狙ったものだった。

「きゃっ!」

前蹴りが上手く霧華のビキニを剥ぎ取ると、女子高生の見事な巨乳が露わになる。
同時に、霧華は自らの乳房が露わになった事に対して、女の子らしく悲鳴をあげて両手を胸に当てるのだった。
ガードが下がった事で、覆面男のパンチが容赦なく顔面に叩き込まれていく。

バキッ・・・バシッ・・・バキッ・・・
「んんっ・・・ああんっ・・・や、やめて・・・・」

コーナーに追い込まれながらも、必死に胸を隠そうとする霧華。
もうサンドバック状態で、コーナーで顔面からお腹と殴られていく。
次第に胸を隠していた両腕も下がりだすと、覆面男は露わになる白い乳房にパンチを叩き込む。

グニュ・・・バシッ・・・
「いやああぁぁぁぁ・・・・痛いぃぃぃぃ・・・・・」

乳房へのパンチに絶叫する霧華。
更にパンチが叩き込まれていくと、上下左右へと見事な霧華の乳房が激しく揺れていく。
次第に、霧華の白い乳房が変色していく。殴られた衝撃によって、内出血がおきていた。
女性の急所とも言える乳房への容赦ない打撃攻撃。
フラフラしている霧華に、覆面男は距離を置いてから、踏み込んで勢いをつけて股間への前蹴りを叩き込む。

バシッ・・・
「ふぎぃぃぃぃ・・・・・・」

霧華が変な声をあげてダウンすると、顔と胸、そして膝をマットにつけて、俯せ状態で倒れていく。
ヒップだけ突き上げる形で、胸はマットに押しつけられる格好で、両手は股間へ当てられていた。

バシィィィ・・・バシィィィ・・・・
「ひいっ・・・いやあぁぁぁぁ・・・」

更に覆面男が、倒れている霧華のヒップに蹴りを叩き込んでいくと、霧華が泣き叫んでいく。

「た、助けて・・・・も、もう・・・やめて・・・」

激痛に耐えながらも、霧華は泣きながらロープに手を伸ばす。
しかしリング上の光景に、観客たちは大歓声をあげて喜んでいた。

グイッ・・・
「あうっ・・・・」

その泣き出した霧華の髪を掴んで起こすと、覆面男は距離を置いて観客にアピールしていく。
霧華はフラフラしながら立っているが、もう顔は涙でグチャグチャになっていた。

バシィィィ・・・
「ひいぃぃぃぃ・・・」

素早いローキックが霧華の脚を襲うと、霧華がバランスを崩すように下を向く。
その瞬間・・・。

バキィィィィ・・・・
まるで蹴り上げるかのようなハイキックが霧華の側頭部を襲うと、そのまま意識を失ってリングに崩れ落ちる霧華。

『カンカンカンカン・・・』

ここでやっとゴングが鳴らされるが、霧華はビキニショーツと、リングシューズだけの姿で仰向けに倒れていた。
完全に失神KO状態のリング上。

こうして、今夜もまた生け贄が痛めつけられた金網リングだった・・・。



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