第三試合
 
「第三試合、選手入場っ!!」
そのコールと共に、ドライアイスの中から登場したのは坂木夕子であった。彼女もまた、巨乳タレントとして人気を博したものの、最近は表舞台から遠ざかっていた。しかし、かつては表の舞台で変則マッチとは言え、キャリー西野から勝利を奪った実績もあり、秘めたる実力があるのではないかという事での参戦であった。
一方の花道から登場したのは、同じくグラビアタレントとして人気を博した希内あきらであった。かつては雛形明子と同時期にテレビ局のキャンペーンガールに選ばれたり、彼女と同じ事務所に所属していた事もある彼女ではあったが、最近はあまり活躍の場が無く、今回のトーナメントの出場者の中でも最年長ということで体力的な不安はあるものの、再ブレイクを賭けての参戦であった。
「第3試合、赤コーナー、T158B86W56H86、坂木〜夕子〜っ!!」
その見事なボディを黄色のビキニで包んだ夕子は両手を挙げて観客にアピールしていく。
「青コーナー、T162B86W59H87、希内〜あきら〜っ!!」
コールと共に、シルバーのビキニに身を包んだボディをアピールしていくあきら。年齢を感じさせぬボディに会場からも溜息が上がっていた。
「尚、この第三試合は決勝へのシード権を賭けた試合となっており、勝者はそのままAブロックの決勝戦へと進出する事となります!」
そのアナウンスに、夕子とあきらの表情が険しいものとなっていく。お互いに再起をかけて参戦しているだけに、この試合は絶対に落とす事が出来なかった。
「カァーン!!」
ゴングと共にコーナーから飛び出すと、そのままリング中央で取っ組み合う2人。揉み合いになる中、あきらが気勢をあげて夕子の顔面にエルボーを叩き込んでいった。
「おらあぁぁぁぁっ…行くでぇぇぇぇっ!!」
バキッ…
「んあっ…」
小さく悲鳴を上げてフラ付く夕子。その隙を突いてあきらが夕子を一気にコーナーへ押し込んでいくと、そのまま夕子を倒してストンピングを見舞っていった。
「いやあぁぁぁぁっ…」
顔面を何度も蹴られて痛がる夕子の髪を掴んで立たせていくと、あきらはその身を抱きあげてコーナーポストに乗せると、観客は早くも雪崩式のブレーンバスターかと思ったが、あきらは雪崩式の一本背負いで夕子をマットに叩き付けた。
「ぐはっ…」
思わず悲鳴を上げて大の字になる夕子。その夕子の足を取ってあきらが足四の字固めを極めていった。
「きゃあぁぁぁぁっ…痛いぃぃぃぃ…」
「ほらほらっ…痛いならギブした方が身の為やでっ!!」
しかし夕子もやられてばかりではいられまいとばかりに、体を反転させて逆にあきらの足にダメージを与えていった。
「きゃあぁぁぁぁっ…」
技を返されて、今度はあきらが悲鳴を上げる展開になっていく。堪らず技を解いてしまったあきらの隙を突き、素早く反撃の態勢を整えた夕子があきらの顔面にケンカキックを入れていった。
「ぎゃあぁぁぁぁっ…」
顔面への衝撃に思わずあきらはリング下へ転がりながらエスケープしていく。そのあきらに対して夕子はリング上からあきらを挑発した。
「ほらっ…上がってきなさいよ!」
しかしあきらはそれに乗る事無く、冷静にリング下で態勢を立て直し、チャンスを伺っていた。そんなあきらに痺れを切らした夕子が追う様にリング下に降りると、あきらがドロップキックを放ってダウンを奪っていった。
「かかったな…ここで一気に決着をつけたる!リングには戻さへんでっ!」
倒れこんだ夕子の喉元にギロチンドロップを決め、そのまま馬乗りになると、あきらはその顔面に拳を叩き込んでいった。
バキッ…バキッ…
「ぐふっ…」
次第に夕子の口から血が滲んでいく。しかし殴られながらもどうにかこの状況を逃れようと策を巡らす夕子はあきらのバストに自らの拳を叩き込んだ。
グニュ…
「きゃっ…」
思わずあきらの拳が止まり、圧し掛かっていたその身が離れると、その隙を突いて夕子はあきらの股間に下からの膝蹴りを見舞っていった。
バキッ…
「ぎゃぁぁぁぁっ…」
悲鳴を上げて今度はあきらが倒れこんでいく。そのあきらに立ち上がった夕子がストンピングを叩き込んでいくと、髪を掴んで立たせ、腕を掴んで鉄柵目掛けて振っていく。背中への衝撃に態勢を崩すあきらのバスト目掛けて夕子がドロップキックを放っていった。
ガッシャーン…
「きゃぁぁぁぁっ…」
鉄柵と共に、あきらが観客席の方へ倒れこんでいく。そのあきらのビキニ姿に興奮した観客達がそのボディに一斉に手を伸ばし始めた。
「いやっ…触んな…今試合中やっ…」
観客の手にバストやヒップを揉まれたり撫で回されたりされ、必死にその手を振りほどこうとするあきら。どうにかその手を振り切って夕子の待つリングサイドへ戻るが、そのビキニを湿らす汗からは相当に体力を消耗してしまった様が伺えた。
「はぁ…はぁ…」
「ほらほらっ…いつまでも待たせるんじゃないわよ…それとも何?もうスタミナ切れかしら?三十路だし無理も無いか?」
言葉と共に、手招きであきらを挑発する夕子。その挑発があきらをキレさせた。
「くっ…なめるなあぁぁぁぁっ!!」
果敢にも夕子目掛けてドロップキックを放つあきら。しかしその攻撃は明らかに鋭さを欠き、夕子は簡単にそれを叩き落していく。
「何よその攻撃?そっちこそなめてんじゃないわよ!もっと歯ごたえのある攻撃して来なさいよ!」
「何やとぉぉぉっ!」
立ち上がって果敢にも殴りかかるあきら。しかし夕子は身を翻してそれをかわし、がら空きになったあきらの顔面目掛けてカウンターの裏拳を叩き込んだ。
バキィィィィッ…
「げふぅぅぅぅ…」
その瞬間、あきらの顔面からは鼻血が吹き出ていく。堪らずあきらはまたもダウンを喫していった。
「ほらっ…立ちなさいよ!決着はリングの上でつけるわよ!」
あきらの髪を掴んで立たせると、リングへと放り込む夕子。放り込まれたままグッタリとするあきらを尻目に、夕子は観客に向けて手を上げてアピールしていった。
「くっ…ここで負ける訳に行くかっ…」
あきらも勝利への執念が消えた訳では無かった。しかし先の場外での戦いはあきらの体力を予想以上に消耗させる結果になっていた。その上夕子の裏拳が更なるダメージを与え、あきらは苦しい状況にある事を認めざるを得なかった。
「うおぉぉぉぉっ…」
苦しい状況ながらも、あきらが夕子目掛けてタックルを仕掛けて組み付いていく。しかし技術が未熟な為に倒す事が出来ず膠着状態が続く。そんな中あきらは無意識の内に夕子のビキニショーツに手が掛けていった。
「やっ…ちょっと何するのよこの変態っ!」
夕子はあきらを振りほどこうとするが、あきらは状況を変えようと夕子のショーツを下ろそうとする。そして夕子のショーツが膝の辺りまで下げられてしまい、夕子の局部が露になってしまった。
「きゃあぁぁぁぁっ…!!」
思わず悲鳴を上げる夕子。その隙を突いてあきらが露になった夕子の股間目掛けてヘッドバットを仕掛けていった。
バキィィィィッ…
「んあぁぁぁぁっ…」
堪らず股間を押さえて倒れこむ夕子。しかしダメージ以上にあきらへの怒りが強かったのか、ダウンせずにその身をもたせると、あきらの髪を掴んでその顔面に膝蹴りを叩き込んだ。
「ぎゃぁぁぁぁっ…」
形勢が逆転したと思って油断していたあきらは堪らずマットに大の字になった。そして夕子はダメージを受けた股間を抑えながら下げられたショーツを直していく。
「よくも…こうなったらアンタを徹底的に潰してやる!」
そう言ってダウンするあきらを立たせると、ロープへと振り、鳩尾にキチンシンクを叩き込む夕子。堪らずあきらは口からは反吐が吹き出して膝を付いた。
「ぐおっ…ぐえぇぇぇぇっ…」
そのあきらの背中に夕子がヒップドロップを叩き込むと、そのまま背中に座り込んでキャメルクラッチを仕掛けていく夕子。自分の足であきらの手の抵抗を封じると、豚鼻状態にして晒し者にしていった。
「あが…あがががが…」
「ふふっ…いい表情ねっ…」
夕子が不適な笑みを浮かべながらあきらに揺さぶりを掛ける。
「…ギ…ギブ…ギブアップ…もう…許して…」
堪らずあきらがギブの意思表示をしていくが、夕子は顔に掛けていた手を離すが、何と今度はあきらの首に腕を回すと、背中に座り込んだままチョークスリーパーを極めていった。
「あうっ…」
あきらを締め上げていく夕子。堪らずあきらが手でギブの意思表示をしていくが、夕子は試合を終わらせるつもりは無い様であった。
「甘いのよ…これ位でギブなんかさせないわよ!」
しかし次第に締め上げられるあきらの目が虚ろになり、口からは涎を垂らしていく。その姿に夕子はそろそろ試合を決めんと技を解くと、グッタリとするあきらの髪を掴んで立たせていった。
「これで決めてあげるわ…喰らえぇぇぇぇっ!!」
そう叫ぶと、夕子は体を一回転させると、勢いのついた裏拳をフラつくあきらの顔面に再び叩き込んだ。
バキィィィィッ…
「ぐふうっ…」
次の瞬間、あきらは口から血反吐を吹き出し、白目を剥いてマットに大の字になって倒れこんだ。
「カンカンカンカン…」
あきらの失神を確認したレフリーの要請によってゴングが打ち鳴らされていくと、夕子の勝利が決定していった。観客に勝利をアピールする夕子に、観客から失神状態のあきらのビキニを脱がせとのコールが起きる。
「そうね…敗者は晒し者ってのもいいわね!」
そして夕子はあきらのビキニブラとショーツに手を掛け、あきらを全裸にしていく。全裸状態のあきらの顔面を踏みつけてアピールする夕子の姿に被せて、アナウンスが流れていく。
「只今の試合、坂木夕子選手の勝利となりました!尚、これにより、坂木選手は決勝のシード権獲得となり、次の黒多美礼VS吉口里深戦の勝者とAブロック優勝を掛けて戦って頂く事になります!」
そのアナウンスに、観客からの夕子に対する歓声は一段と大きくなる。その歓声の中、夕子はリングを後にする。
「ふう…でも決勝に来るのはどっちかしら?でもどっちが来ようと、叩き潰してやる!優勝するのは私よ!」
決勝に向けて闘志を燃やす夕子。果たして決勝で夕子と戦うのはどちらなのか?
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