「美少女サンドバッグ」

俺はムシャクシャしていた。テレクラで捕まえた女とは喧嘩別れ、おまけに仕事でも馬鹿みたいなミスで
怒られ、最悪の日だった。とにかく何かで発散したい、何かを求めて裏通りを歩いていた。
この町ではこの通りに風俗店が集まっている。ソープ、ファッション、ピンサロ、SMまで一応一通り店
が並んでいる。けばけばしいネオンを見ながら、俺は店を物色していた。

「いい娘いるよ!」

呼び込みの声がかかる。俺は無視しながらとにかく面白そうな店を探していた。といっても所詮田舎町。
大した店も無く、あきらめてそのうちの一つに入ろうとしたときに、ふとその看板が目に付いた。

『美少女サンドバッグ』

地味な看板だった。こんなに目を皿のようにして物色していない限り見落としそうな看板。特にそれ以上
の説明もない。ただ一言だけ。しかし妙に気になったのでその店を覗いてみることにした。

せまい階段を降りて地下の扉を開ける。正面に小さな窓口のようなものがあり、その横に古びたポスター
が貼ってある。ビキニの外人女の腹にパンチが入っている写真で、その下に美少女サンドバッグコース○○
円と書いてある。まさか本物の女を殴れるわけでもなし、キャットファイトか何かにはいくらなんでも狭す
ぎる。値段もそれほど高くないし多分ダッチワイフか何かでもサンドバッグ代わりに殴らせてくれるのだろ
う。こんな時でもなければ「インチキめ!」と出て行くところだったが、話の種にちょっと見てみたかった
のと、まあサンドバッグっていうのもストレス発散にはいいだろうと思って声をかけてみた。

「いらっしゃいませ!どうぞこちらへ。」

思いがけず腰の低い男が案内してきた。後について狭い通路を通り控え室に入る。

「お客様は初めてでいらっしゃいますか。」

「はあ。そうだけど。」

腰の低い男はガリ版刷りの説明書みたいなものを出して説明を始める。

「当店は名前のとおり女の子をサンドバッグ代わりに殴るところです。ルールさえ守っていただければ思う
存分、好きなように殴って頂いて結構です。但し次のルールだけは守ってください。守らない場合は直ちに
退場していただきます。ルールは次のとおりです。殴るときは必ずグローブを着用してください。女の子の
顔面及び頭は絶対に殴らないで下さい。女の子に本番行為は禁止です。これさえ守っていただければ、時間
内に何をしても結構です。最初は水着を着て出てきますが、水着は取ってしまっても構いません。」

そのくらいのルールなら構わない。下手に破って恐い人に絡まれるのもたまらない。むしろ口ぶりからダ
ッチワイフなんかでなく生の女の子のような感じだ。これは面白そうだ。

「女の子は選べたり出来るのですか。」

「申し訳ありませんが、本日は女の子は一人だけです。」

年増のオバンでも出てきたらいやだな、まあその時は殴るのに徹するか。などと思いながら、案内される
ままに次の扉の中へ入った。

「どうぞ十分にお楽しみください。」

男は出て行った。俺はその狭い部屋の中央に目が釘付けになった。そこにはビキニ姿の女が一人、天井か
ら吊るされたロープに手首を縛られ、万歳するような格好で立たされていた。それも年増のオバンどころか
恐らく20前後の上物の女だ。身長は155cmくらいだろうか、あまり体は大きくない。胸も巨乳ではない
が美乳といっても過言でなく、程よく膨らんでいる。柔らかそうで最高の質感だ。この胸がでかい乳首の女
ならはみ出してしまうくらいのおそろしく小さな三角形の白いビキニブラで覆われている、というよりも辛
うじて乳首だけ隠している。そして細くくびれたウエストに、形の良いへそ。対照的に健康的で肉感的な尻
と太股。股間も大事な部分だけが辛うじて覆われているような小さいビキニパンティーで、良く見ると毛が
少しはみ出している。なんと言ってもショートカットの髪に大きな瞳が印象的な、女優の奥菜恵に似た感じ
の顔、ちょっとやそっとではいないような本物の美少女だ。これは掘り出し物だ。そんな女が涙目で身体を
震わせている。本番禁止なのが物足りないが、俺は俄然やる気になった。

俺はグローブをはめると、両拳をぶつけながら女の方へ近づく。女の震えが激しくなり、唇がかすかに動
く。

「や・・・やめてください・・・・・」

「何!客に向かってなんと言う言葉だ! 俺は金を払ってるんだぞ!」

バスッ!!

「あああん!」

俺は思わず腹が立って、女の腹をめがけてパンチを一発お見舞いしてやった。へそのすぐ上の辺りに拳が
めり込む。思った以上に柔らかい感触だ。女の目から涙が、口から涎が飛び散る。俺は興奮してきた。

「俺はな、わざわざ金を払ってお前を殴りに来たんだよ!」

俺は左手で女の頭を押さえつけながら、右の拳を女の左胸に押し付ける。質感のある膨らみ。最高の感触
だ。俺は女の乳房を押し付けたまま捻りまわしてみる。

「あああ・・・や、やめて・・・」

「うるせえ!!」

ボムッ!!

「あああああ・・!」

女の左胸に強烈なフックを打ちつけてやった。女の身体が揺れ、乳房も小刻みに揺れる。さらに俺は女の
両胸に左右の連打を打ち込む。なんだか座布団か何かを打っているような感触だが、やわらかい膨らみが上
下左右に揺れ、思わず興奮してくる。女はがっくり首を落とした後、哀願するような瞳で俺を見上げる。

「お・・おねがい・・・・」

「何がして欲しいんだ? そうか!この邪魔なものを取って欲しいんだな。」

俺はグローブをはずして女のビキニのブラを引き剥がす。露になった女の乳房はほどよい大きさでピンク
色の乳首がそそり立ち、見とれてしまうような最高の美しさだ。透き通るような白い肌が先の連打で赤く変
色している。

「きれえなおっぱいじゃねえか!」

俺は二つの膨らみめがけてさらに強烈な連打をお見舞いする。

ボスッ! バスッ! ボコッ! ボム!!

「ああ! ああん! あふっ! ああああん!」

さらにわき腹をめがけて1・2の連発を繰り出す。

バシッ!ドスッ!ボム!パシッ!

「あう・・あん!ぐう・・・あああ!」

そして渾身の力を込めたストレートを女の鳩尾に打ち込んだ。

「ああう・・グフッ!」

口から涎のようなものを出して女は気を失ってしまった。

「おいおい、気を失っちゃったよ。俺の金はどうなるんだ!」

その時、女の背後に何かあるのを発見した。水の一杯入ったバケツだ。「ご自由にお使いください」と書い
てある。それはちょうど歯医者のうがい用コップのように、空になったバケツをおくと自動的に水が満たさ
れるようになっているらしい。「変なところに金をつかっているな・・・」 俺は苦笑しながらバケツを取り
上げると、女の頭からぶちまけた。

「ううう・・・」

女の意識が戻った。びしょぬれになった裸の身体が薄暗いライトに輝きなんとも色っぽい。俺はぐったり
とした女の乳房に右フックを放つ。そして腹へストレートを打ち込む。

「ぐうう・・・・」

濡れた裸体が揺れ、水飛沫が飛ぶ。何とも美しい。

「ほら、もっと綺麗な格好にしてやるよ!」

俺は右手のグローブを外すと、女のビキニパンティーの左右の結び目を解く。そして股間に挟まれた格好
になった薄い布切れを引き抜き放り投げた。黒々とした陰毛。特に剃ったりしていないようで逆に自然で色
っぽい。俺はフックでかけるかのように下から女の股間を掴み、中指で女の割れ目を弄り回す。

「あ、ああ、あああん・・・・・」

女は身体を捩じらせて抵抗しようとする。俺は強引に割れ目をこじ開け、中指を女の中に潜り込ませ、中
をかき回す。先端の小さな突起を突き、奥に潜り込ませては乱暴にいじりまわす。ねばっとした液体が指に
絡みつく。

「ああ、ああああ・・・い、いや・・・・」

「気持ちいいことしてやってるのに、客に向かってまだそんなこと言いやがるのか!」

俺は右手に再びグローブをはめると、女の股間をめがけて強烈なアッパーを打ち込んでやった。更に左手
で女の足をこじ開け、無防備にさらけ出した花びらをめがけて何発も何発もフックを打ち込む。そして下腹
部、臍の下の少し膨らんだ部分をめがけてストレート。陰毛の生え際へのフック。さらにもう一度アッパー
を女の性器へ直撃させる。

ボスッ! ドカッ! バシッ! バスッ!

「あう! ああん! ああ! あぐぅ!」

女は急所へのパンチを避けようと必死になって身体をよじり身悶える。しかし俺のパンチは正確に女の急
所である下腹部と性器を捕らえる。女の大陰唇が赤く腫れあがってくる。

「お・・・おね・・・や・・・やめ・・・て・・・」

まだ言いやがる。俺は更に強烈なパンチを下腹部へめり込ます。ふと時計に目がいくと制限時間はあと5
分。俺は最後のラッシュをかけることとした。

乳房へのワン・ツー! 鳩尾へのストレート! さらに左の乳房の下から膨らみへアッパー! 臍下にストレ
ート3連発! わき腹へのフック5連発! 臍をめがけて強烈なストレート! 乳房の左右からフック8連
発! すぐに左の乳首にストレート! 性器へのアッパー! 臍上に捻りを効かせたストレート1発! 鳩
尾から下腹部まで腹全体に渡ってワン・ツーとフックの10連発!・・・・・・これでもかこれでもかと裸
の女の身体めがけてパンチを繰り出す。その度に拳がやわらかい女の裸体に喰い込み、勢いで上下左右に揺
れる。女はほとんど意識もなく、涎と反吐が口から力なくこぼれ、かすかに開いた瞳から涙がこぼれる。俺
はそれでもやめない。拳が女の裸体に吸い込まれる。柔らかい乳房の膨らみに、くびれたウエストに、小さ
く膨らんだ下腹部に、黒々とした毛に覆われながらも醜く腫れあがった性器に・・・・。

時間を知らせるベルが鳴る。俺は最後に渾身の力を込めて、ストレートパンチを女の腹、臍の1cmくら
い上の部分をめがけて打ちこんだ。拳が女の腹に激しくめり込み、パンチを打ちこんだ部分を中心に女の身
体がVの字になりながら大きく後ろに揺れる。そしてそのままかすかに開いていた目を閉じ、女の身体は全
ての力が抜けてだらりと垂れ下がった。俺はグローブを外して女の裸体を撫でまわす。白い裸体は無数の痣
や内出血で赤や紫に変色している。どうやら息はあるようだが相当なダメージだろう。

「サンキュー」

俺は一言女に声をかけて部屋を後にした。

* * * * * *

別の日、俺は同じ道を歩いていた。ふと脳裏に浮かんだ一夜の出来事。俺はあの看板を探してみた。目を
凝らして探してみても見つからない。気配すらない。

「夢か、幻か・・・・・」

俺は呟くとその路地を後にした。

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