可憐なる大和撫子、壮絶に散る……

『脱出』(第3話)

************************

「お前はここから出たいか?  いよいよお前にもここから出るチャンスが巡ってきた。どうだ、出たいか?」

  虚ろな表情でうなずく少女。

「今度の試合で勝つこと。それだけがお前がここを出られる条件だ。いいか、次の試合で勝つこと。負けることは許されない。もし負けたら次のチャンスは当分先、いつになるかはわからない。それまでは再び地獄の日々が続くことになるだろう。いいか、勝つことだ。絶対に負けるな。勝つ以外に道はない。」

  少女はすがりつくように、きっと目を見張って何度もうなずいた。

***********************

建塚由紀恵  16歳  H152  B82  W56 H83

                   VS

  ジェーン・ワイルド   32歳  H187  B108  W90  H118

  不思議な雰囲気の会場設定であった。中央のリングの周りにはジャングルを模したような木々のセットに取り囲まれ、獣か鳥の鳴き声のような効果音が響き渡る。その中でかすかに聞こえてくる太鼓の音が段々と大きく響き渡ってくる。

「青コーナー!!偉大なる女探検家!!!ジェーーーン!!!ワ・イ・ル・ド!!!!」

  勢い好く通路を駆け上がってくる大柄な女、角刈り風の金髪に角張った顔、筋骨隆々としたボディを探検家風のカーキ色のボディスーツに包んでいる。そして大柄な身体に似合わず軽々とロープを飛び越えると、右手に持った黒い一本鞭を振りまわしマットに叩き付ける。乾いた音が会場に響き渡る。

「赤コーナー!!幻の女豹!!た・て・づ・か〜!!ゆ・き・え〜〜!!!」

  ゆっくりと通路を歩いてくる少女。肩下までの黒い艶やかなストレートヘア、大きな瞳の可愛い顔を何かを決心したかのように引き締めゆっくりとリングに近づいてくる。身に付けているものは、黒い猫耳風の髪飾りと、辛うじて乳房と股間の大事な部分を隠すだけの豹柄の極小紐ビキニのみ、ほとんど裸同然といってよいくらいの小柄でスリムな美しい身体に観客も目を奪われる。

  しなやかに身体をくねらせてロープをくぐると、由紀恵はコーナーに立ち、一方のコーナーで待つジェーンをまっすぐに見据える

「おやおや、今日の獲物はこんな可愛らしい小猫ちゃんかい、こんなんじゃ狩りのし甲斐がないね」

  ジェーンは不敵な笑みを浮かべたまま、右手の一本鞭を軽く振りまわす。由紀恵は覚悟を決めたように可愛らしい口を一文字に結んだまま、ちょっと垂れ目気味の可愛らしい大きな瞳でジェーンをじっと睨み続ける。

「この試合はノーレフリー、どちらか一方が試合続行不可能になるまでのデスマッチ形式で行ないます。なお、事前に申請のあった凶器については使用可能とします。」

  アナウンスに観客が盛り上がる。由紀恵は一瞬呆然とリングサイドを見回す。

「そ・・そんな・・そんなこと聞いてない・・」

 

  全く凶器も何も持たず、防御すらままならない裸同然の身体のみで戦わなくてはならない由紀恵。

 

「ひ・・ひどい・・」

 

  リングサイドの黒服の男を見る由紀恵、しかし男は無情にも首を振るのみ。由紀恵はしばらくギュッと目をつぶると、決心を固めたかのようにキッと見開き、相手のジェーンをじっと睨み続けた。

 

カー―――ン!!!

 

  ゴングが鳴り響いた。ゆっくりと、しなやかな動きでジェーンに近づき、周りながら鋭い瞳で隙を窺う由紀恵。くねらすようにしなやかな動きの、裸同然のスレンダーな身体が何ともセクシーで、観客席も息を呑む。一方微動だにしない岩のような巨体のジェーン。細い切れ長の鋭い目だけがゆっくりと左右に動きながら由紀恵の動きを捉える。

 

「たああっ!!」

 

  ゆっくりとジェーンの背後に回った瞬間、気合いの入った掛け声と共に、由紀恵はジェーンの首にしがみつくように飛びつき、自分の体重を利用して引きずり倒した。そして素早く身体を入れ替えると、ドシンとマットに仰向けに倒れたジェーンに馬乗りになり、ジェーンの頬に必死の平手打ち連発を叩き込んだ。

 

バシッ!バシィ!!バシッ!!バシン!!

 

  思いがけない動きに会場も沸く。しかし攻撃をし続けるにはあまりにも由紀恵の身体は小さく軽かった。顔をブルブルと振ったジェーンは、勢いをつけて由紀恵の身体など無かったかのように飛び起きる。

 

「きゃあんっ」

 

  振り飛ばされたものの、持ち前の運動神経で身体をコントロールし、素早く立ち上がってファイティングポーズをとる由紀恵。再びゆっくりとしなやかな動きでジェーンの周りを回りながら隙を窺う。そして再び背後にまわったところで、勢い良く自らの身体をロープへ預けると、反動を利用してジェーンの背中に見事な飛び蹴りをくらわし、再びマットに倒れ受け身を取ったジェーンの片腕に素早くしがみつき、見事なスピードで腕を極めに入った。

 

「たああああっっ!!!」

 

  必死に歯を食いしばり腕を極める由紀恵。セクシーな美少女の思いもよらない見事な攻撃に観客も大いに沸く。自らの全体重をかけて必死に極める由紀恵であったが、しかしゆっくりとマットと背中が離れ、身体が浮いてくる。ジェーンの怪力は、小柄な由紀恵の体重などものともせず、ゆっくりと腕を持ち上げ、やがてブンと振ると由紀恵の小さな身体は簡単に振り飛ばされた。

 

「ああん!」

 

  それでも軽やかな動きで体勢を立て直し、ファイティングポーズを取る由紀恵。しかし今度はジェーンも早かった。素早く由紀恵の両肩を掴むと、いきなりのヘッドパットを食らわしたのであった。

 

ゴンッ!!!

 

「あああああんん!!!!」

 

  鈍い音と激しく重い衝撃にふらつく由紀恵。そして無防備に晒された由紀恵の剥き出しのお腹に、ジェーンの拳が叩き込まれる。

 

「うぐううっっ!!!」

 

  息を詰まらせ、苦しそうに跪く由紀恵。今度は重い探検靴の爪先が由紀恵のお腹に突き刺さり、由紀恵の小さな身体は簡単に吹っ飛びマットに叩き付けられた。

 

「ああ・・ああん・・」

 

「この生意気なガキめ!!ここからが本番だよ!!」

 

  ジェーンは素早くリングサイドにおいてあった一本鞭を掴むと、苦しそうにうずくまる由紀恵の背中を目掛けて叩き付ける。太い鞭の先端の瘤が、裸同様に露出した由紀恵の背中の柔肌を勢いよく切り裂いていく。

 

バシイッッッッ!!!

 

「あああああああああんんん!!!!」

 

  由紀恵の白い背中に真っ赤な鮮血が滲む。痛みと衝撃でのた打ち回る。

 

バシイッッッッッ!!!!!

 

「いやああああああああん!!!!」

 

  転げまわるうち、むき出しに晒された由紀恵のお腹に鞭が命中する。白いお腹に赤いラインがくっきりと刻まれる。

 

ビシイッッ!!!バシイッッッ!!!ビシイッッッッ!!!

 

「あああん!!ああん!!!いやあああっ!!!ああああん!!!!」

 

  マット上を転げまわる由紀恵に向かって、一本鞭が何発も何発も打ち込まれる。裸同然に露出した由紀恵の白い身体に、何本もの赤い筋が刻まれ、じわりじわりと真っ赤な鮮血が滲み出してくる。

 

「いやあっ!!痛いっ!!!いやああっ!!!」

 

  泣きながら転げまわる由紀恵。ジェーンはうつ伏せ状態になった由紀恵の背中にドシンと馬乗りになると、すかさず鞭を二つ折りにし、由紀恵の喉元に引っかけて引っ張り上げた。

 

「あっ!あああん・・うう・・ああ・・く・・苦しい・・」

 

  ジェーンはぐいぐいと由紀恵の喉に引っかけた鞭を上へ引き上げる。あまりのくるしさに可愛い顔を大きく歪め耐えるが、息が詰まることから逃れるためには身体を大きく反らす以外に無い。由紀恵の身体はどんどん大きく反り上がり、ついにはお腹が完全に露になるくらいまで反り上がった。背骨が軋む。

 

「ああ・・うう・・い・・いや・・」

 

  小刻みに震え出す由紀恵の身体、口元から涎が流れ出す。そこでジェーンは由紀恵の髪を掴んで、身体を反らし上げた状態でキープすると、抜き取った鞭の先端を由紀恵の首に巻きつける。そして鞭の反対側の先端を、ちょうど真上にある大木のセットの枝に引っかけ、ぐっと引き降ろした。

 

「いやああああああああん!!!!」

 

  引き降ろすのと同時に由紀恵の身体が吊り上げられる。必死に首に巻き付いた鞭を掴んで、首吊り状態を避けようとする由紀恵。必死の抵抗も空しく徐々に浮き上がる身体、立ち上がった状態から由紀恵の踵が少しずつ浮き上がっていく。ジェーンは由紀恵が完全な首吊り状態になる寸前、つま先立ちの状態で鞭を固定した。

 

「ああ・・ああん・・いや・・いや・・はなして・・ああ・・」

 

  首に巻きつけられた鞭に体重がかかったら一巻の終わりとばかりに、必死につま先立ちで耐える由紀恵。裸同然のビキニ姿、傷だらけの身体がブルブルと震えだす。可愛い顔を歪め、ぎりぎりと歯を食いしばる。目からは涙が溢れ出す。

 

「おらおら小猫ちゃんよ!いつまで耐えられるかな!!」

 

「ああ・・あああ・・ああん・・ああ・・」

 

  ジェーンはリングサイドから別の鞭を受け取ると、先端をゆっくり回しながら由紀恵に近づいてくる。今度も黒い一本鞭だが、何と先端が鋭い刺状になっているものであった。

 

「ああ・・は・・離して・・いや・・」

 

  ジェーンが鞭を大きく振りかぶる。にやりと笑いながら叩き付けられた鞭は、由紀恵の女性としての大事な部分の一つである胸の膨らみを辛うじて守っているビキニブラの、左右の小さな布を結んだ細い紐の中央に見事に命中した。細い紐は簡単に真っ二つに切り裂かれる。

 

「いやあああああっ!!!!」

 

  ジェーンは宙ぶらりんになった由紀恵の豹柄のビキニブラを毟り取る。サイズ的にはむしろ小ぶりだが、均整の取れた最高の形に膨らんだ、由紀恵の見事な美乳が完全に露にされた。

 

「いや・・あああ・・いやあああっ!!」

 

  つま先立ち状態の由紀恵の足は限界に近づき、ブルブルと大きく震え出す。ジェーンは構わず鞭を大きく振り上げる。

 

「あんな奇麗なおっぱいもったいねえよ!!」

「壊す前に俺に吸わせてくれえ!!!」

 

  観客席が息を呑む中、由紀恵の乳房を目掛けて鞭が振り下ろされる。

 

バシイイイッッッッ!!!!

「いやああああああああああっっっ!!!」

 

  乾いた音と悲鳴とともに、血飛沫が舞い上がる。鞭先がものすごい勢いで由紀恵の左の乳房にぶち当たり、その鞭先の鋭い刺が、柔らかい膨らみを絡み付くようになぞり、繊細な白い柔肌を惜しげも無く切り裂いていく。そして鞭先の通った跡には吹き上げる真っ赤な血飛沫と共に、ぱっくり割れた赤いラインが刻まれていった。

 

ビシイイイッッッ!!!バシイイイイッッッ!!!

「いやあああああああああっっ!!!ああああああああっっっ!!!!!」

 

  そして何発も何発も狂ったように振り下ろされる鞭、鞭の先端は振り下ろされるたび、大きな音を立てて由紀恵の乳房とお腹へ命中する。血飛沫が飛び散り、悲鳴が響き渡り、由紀恵の白い柔肌は切り刻まれ、赤いラインで覆い尽くされていく。

 

「あああ・・ああん・・ああ・・」

 

  もはや力なくぐったりとした傷だらけの裸の美少女、由紀恵の美しい乳房はもはや見る影も無くボロボロに切り刻まれ、真っ赤な傷痕と流れ出る鮮血に覆われている。そして乳房から流れ出る鮮血が、由紀恵のお腹から太股を伝わり、足先からマットへと流れ落ちていく。

 

ビシイイイッッッ!!!

 

  それでも容赦なく由紀恵の身体に叩きつけられる鞭、由紀恵のおへそのあたりに命中し、お腹をも傷つけていく。鞭の攻撃の嵐は、乳房から最後に残された、まだ由紀恵の身体のうち唯一防護された状態の、露にされていない部分、女性の最も大事な部分へと少しずつ近づいてくる。

 

  そこでジェーンはおもむろに由紀恵を吊り下げている鞭を解く。どさりと崩れ落ちる由紀恵の身体。ジェーンは小柄な由紀恵の身体を軽々と持ち上げると、コーナーの左右のロープに由紀恵を足を引っかけるかのように、由紀恵を逆さ吊り状態に、大股を開いたあられもない姿で固定する。

 

ビシッ!!バシッ!!

 

  軽やかに振り回された鞭が由紀恵の腰に命中する。鞭の先端が、由紀恵の大事な部分を守る小さな布を支えている左右の細い紐に命中し、見事に切り裂いていく。支えを失った豹柄の小さな布はハラリとマットに落ち、由紀恵のやや薄めの陰毛と、その茂みの奥のまだ初々しい割れ目が露にされた。

 

「へん!!しょせんまだガキだね!!!」

 

  ジェーンは鞭の根元の部分を由紀恵の割れ目に突き入れるようにこねくり回す。

 

「ああ・・やめて・・いや・・お願い・・そ・・そこは・・」

 

「おいおい、由紀恵ちゃんのあそこも壊しちゃうのかよ…」

「もったいねえよ!壊す前にやらせてくれよ!!」

 

  観客がざわめく中、ジェーンは再び鞭を大きく振りかぶる。息をのみ静まり返る会場。一瞬の間・・。

 

バシイイイイイイイッッッッッッ!!!!!!

 

「いやあああああああああああああああああああああっっっっっ!!!!!!」

 

  振り下ろされた鞭の先端が、由紀恵の最も大事な、最も敏感な部分に見事に命中する。飛び散る血飛沫と響き渡る断末魔の悲鳴。

 

「ウオオオオオオオオッッッ!!!!」

 

  ジェーンの雄たけびが響き渡り、狂ったように何発も何発も黒い残酷な一本鞭が由紀恵の性器をめがけて振り下ろされる。

バシイイイイッッッッ!!!ビシイイイイイイッッッッ!!!バシイイイイッッッッ!!!!

「いやあああああああああああっっ!!やだ!!いやああ!!!やめてえええ!!!お願い!!!そこは!!やめてええ!!!あ・・あそこが・・お・・女の子の一番大事なところが・・こ・・壊れちゃう!!!!」

  何発も何発も、際限無く振り下ろされる鞭が、由紀恵の割れ目を、クリトリスを、そして何発かは勢いで割れ目の中にまで食い込み、確実に破壊していく。飛び散る血飛沫、流れ出る鮮血・・。

 

バシイイイイッッッッ!!!ビシイイイイイイッッッッ!!!バシイイイイッッッッ!!!!

 

「いやああああああっっっ!!!あああ・・あ・・ああ・・あ・・あ・・あん・・」

 

  悲鳴が突然止み、一瞬の静寂。由紀恵の身体を辛うじて支えてきた力が完全に抜け去る。逆さ吊り状態でぶらりとぶら下げる抜け殻のような身体。血まみれ傷だらけの全裸美少女。ジェーンはまるで狩りの獲物を扱うかのように、由紀恵の小柄な身体を肩に担ぎ上げると、観客に自慢の獲物を見せびらかすかのようにリングを一周し、そしてリング中央に捨て去るかのように由紀恵の身体を投げ下ろす。そして意気揚々とリングを去っていった。

 

  リング中央には、無残な姿の美少女が横たわるのみであった。

inserted by FC2 system