香織は初めての試合に緊張の面持ちで、リングへ通じる通路の端に立っていた。
 健康的な肉体はわずかに胸の先と足の付け根を極々小さな黄色の布切れで覆っている以
外、はちきれんばかりにそのみずみずしい素肌を晒していた。

「いいぞ〜! 香織ちゃ〜ん!」
「ヒューヒュー! 可愛いぞ〜!」

 歓声が上がる中、サングラスの男に押しやられるかのようにリングへ向かい、軽やかに
ロープをくぐりリングへと上がった。

 そしてさらに歓声のあがる中、対戦相手が勢い良く通路を駈け抜け、リングへと飛び上
がった。シンプルなグリーンのワンピース水着にリングシューズ、小柄ながらもがっちり
としたまさにレスラー然とした身体。しかしリング中央の香織の視線の中にはこの対戦相
手は入っていなかった。その視線はリング正面最前列のひときわ存在感を放った大柄な女
性、あの伝説の悪役女王、バッファロー斎藤の姿にくぎ付けにされていた。

 数分間の沈黙。そして香織の視線がその対戦相手を捕らえた瞬間、激しくゴングが鳴り
響いた。

      ☆第4戦「野島香織vs五月レオナ」

 序盤から激しい動きの試合となった。やはり経験のある香織はこれまでの3人とは違っ
た。巧みにレオナの技をかわし、逆に攻撃する。香織自身、現役時代にもなかったくらい
の軽快な自分の動きに若干戸惑いつつも、爽快感に身をゆだねていった。

 ロープに振って帰ってきたレオナの喉元へのキック、仰向けに倒れたところを見計らい
つつ素早くコーナーへ上がり、腹をめがけてニードロップ。そしてレオナの足をとると4
の字固めへ・・・・。苦悶しながらロープを掴もうと身を捩るレオナ。さらに固めようと
身体をひねる香織。そのひねった瞬間、再び香織の視線の中にバッファロー斎藤の大きな
姿が入った。

 香織が大日本女子プロレスに入門し、訓練の後いよいよデビューという頃だった。類ま
れなる美少女で、かつ小柄ながら軽快な動きに素質ありと見て取ったフロントは、ちょう
ど大黒柱バッファロー斎藤のブームにもやや陰りが見え始め、てこ入れを図ろうとしてい
た矢先ともあって、香織を商品価値大として新人ながらもベビーフェイスの柱として限り
なくメインに近い試合に出させるということを決断した。しかしレスラーを単なる商品と
しか見ていなかった当時のフロントは、これが香織にとって逆に不幸になろうと、まった
くかまわなかった。そんな状況に流されるかのように、香織は派手なデビューを飾ったの
であった。

 もちろん実力など無い。しかし美少女であること、これだけで十分な商品であった。技
を掛けられ、本気で痛がり、涙を流して苦しむ姿にファンは喜んだ。自分でもよく分から
ないのになぜか勝利は転がり込んできた。雑誌を中心に激しい取材攻勢。プロレスラーで
あるはずなのに試合の写真よりもビキニ姿で微笑むグラビアのほうが数多く出回った。ま
ったく自分の意志とは関係ないところで香織は流されつづけたのであった。

 こんな状況に先輩レスラー、特にベビーフェイスの諸先輩が面白いはずが無い。香織へ
のいじめはますます激しさを増していった。誰も話し掛けてくれない。話し掛けても答え
ない。物がなくなったりするのは日常茶飯事。普段は孤独な香織に、逆に練習のときはま
るで集団リンチのような状況であった。

 スパークリングの名のもとに、3人4人がかりで集中攻撃を受ける。血反吐を吐いて倒
れたところを無理やり立たせて、意味の無い運動の強制。しかしこれくらいのことならこ
の世界ではそう珍しいことではない。しかし香織の場合試合のときも同じだった。それも
相手ならともかく試合の混乱にまぎれてタッグを組んだ味方からも攻撃を受けることもあ
った。あるタッグマッチ戦では、助け出す振りをしたパートナーにロープに押さえつけら
れたまま、満員の観客の中でコスチュームを剥がされかけた。「美少女レスラーおっぱいポ
ロリ!」香織の丸く健康的な乳房が露にされた写真が雑誌などに大々的に取り扱われた。
そしてこれが香織の本職の試合の写真でもっとも広く出回ったものとなったのだった。

 そんな中で唯一香織を支えてくれていたのが、あの大物、バッファロー斎藤であった。
もっともただでさえベビーフェイスとヒールは別行動となるところへ、一介の新人にとっ
てあまりに雲の上の人であったため、直接接するようなことはほとんどなかった。しかし
間接的に香織に対するリンチを抑えてくれていることは香織にも十分に理解でき、彼女が
にらみをきかせてくれている、そう思うだけでも香織にとってどんなに支えになったかわ
からない。ある日香織が全裸にされ4人がかりで痛めつけられたリンチの後、そのリンチ
に加わったベビーフェイスの先輩をバッファローがいつになく激しい攻撃で血ダルマにし
たときは、香りにとってもまさに溜飲が下がる思いであった。

 そんなバッファローさんがこんな所にいる・・・・・・。

 心は揺れつつも、今日の香織は絶好調だった。素早い動きでレオナに攻撃の隙を与えな
い。香織がいたぶられる事を楽しみにしていた客も、汗に輝く香織の肌の健康的な色気に、
思わず魅せられていた。

 ロープの反動を利用しての胸元へのキックにマットにひっくり返るレオナ。朦朧と立ち
上がったところを、素早くコーナーに上った香織がジャンプ! 勢いをつけた足先がレオ
ナの後頭部に命中する。仰向けに倒れたレオナに覆いかぶさる香織。

「よし! レフリー! カウント! ワン! ツー!・・・あ、あれ・・・・・」

 完全に勝ったと思った香織の頭の中は、かつての華やかなリングにいた。しかし厳しい
現実が次に香織を襲った。

「な、なんで・・・。レフリーは・・・・?」

「ば、馬鹿め! ここのルールを知らないのかい!」

 これまで防戦一方だったレオナが突然目を見開くと、戸惑いに力が抜けた香織の腹を思
い切り蹴り飛ばした。

「きゃああ!」

 香織は呆然としたまま飛ばされ、尻餅をついた。

「これまではよくもやってくれたね! たっぷり仕返しをしてやるよ!」

 レオナは尻餅をついたままの香織に近づくと、渾身の力をこめて硬いリングシューズの
つま先で香織の裸の腹を何度も蹴り込んだ。

「ぐう、ううう、あああ!」

 香織は腹を守ろうとうつ伏せに返る。レオナは今度は香織の背中を何度も踏みつけ、髪
を掴んで引っ張りあげると、顔面にグーパンチを浴びせた。

「あああん!ああああ!」

 態勢は一気に逆転した。これまで華麗に攻めつづけていた香織はどうすることも出来ず、
コーナーに寄りかかる。そんな香織の顔面、胸、腹、下腹部と、レオナは容赦なくグーパ
ンチを浴びせ掛ける。サンドバッグ状態になった香織は切った口から血を流しながら必死
に耐えていた。

「そりゃあ!」

 次の瞬間、レオナの渾身のアッパーパンチが香織の股間を直撃した。1枚の薄い布切れ
だけでは何の防御にもならず、脳天に突き抜けるような痛みに、香織は股間を手で押さえ
ながらマットの上でのたうちまわる。

「ああああん・・あん」

 レオナは悶えのたうちまわる香織に容赦なく蹴りを入れる。腹に背中に、太ももに、激
しく重い蹴りが打ち込まれる。小さなビキニのみ、リングシューズすらない香織に比べ、
攻撃力を増すよう硬く重く加工されたレオナのリングシューズのつま先は、ほとんど全裸、
防御するものも無い香織の身体に確実にダメージを与えていく。そしてレオナは香織の脚
を掴んで股をこじ開けると、香織の股間をめがけて何度もつま先を打ち込んだ。

「いやああああ!! ああ!」

 必死のガードも効き目なく、大事な部分を容赦なく痛めつけられる香織。レオナはとど
めに逆に無防備に晒された香織の腹にスタンピングを与える。

「ぐううう!!」

 思わず血反吐を吐く香織。レオナはぐったりとした香織の髪の毛を掴んで起こすと、腰
にタックルのような形でしがみつき、そのまま香織の身体を担ぎ上げた。

「あああ、い、いや、やめて・・・・!」

 レオナは香織の身体をロープまで運び、そのまま場外へと投げ落とした。数メートルの
高さから落下する香織の身体を待ち受けていたのは床のコンクリートではなかった。いつ
のまにか準備したのだろうか、香織の視界にはぎっしりと敷き詰められた剣山の針が、あ
やしく輝きながら入ってきた。

「い、いやああああ!!」

 空中の香織はなすすべもなく、背中から剣山の山に飛び込んだ。何百本もの針が香織の
柔肌に突き刺さった。

「きゃああああああ!!」

 激しい痛みが香織を襲う、何とか逃れようにも身体が動かず、ただなすすべも無く横た
わっていた。

「そうりゃあ!」

 レオナはリングから場外へ飛び降りると、横たわったままの香織の腹に足をのせ、前後
左右に踏みにじりながら香織の身体を揺する。身体が揺すられるたび、鋭い針が香織の背
中や尻を傷つけていく。

「いやあああ!やめてえ!!」

 如何とも出来ずただ泣き叫ぶ香織。レオナは香織の髪を掴むと、強引に引き起こした。

「きゃああああああ!」

 メリメリという音とともに香織の背中から針が抜け、真っ赤な血が噴出し、激しい痛み
が香織を襲う。香織の艶やかな背中は、無残にも幾本もの赤い筋で埋め尽くされていた。

 レオナはさらに香織の髪を掴んで別のサイドまで引きずると、リングの角に香織の顔面
を打ちつける。何度も香織の髪を掴み引き上げては、角をめがけて香織の額を打ち付けた。
香織の額が割れ、端正な顔も真っ赤に染まっていく。

 ぐったりとリングに寄りかかる香織。レオナは観客席に用意されていたバケツを掴むと、
傷だらけの背中を向けている香織をめがけて中の液体をぶちまけた。

「いやあああああああああああ!!!」

 香織の悲鳴が響き渡る。背中の無数の傷が塩水に洗われ、たとえようの無い痛みが香織
の全身を襲う。香織はふらつきながら、床の上に四つんばいに倒れこむ。

「もっとやっちまえ〜!」
「いまだ!早く香織ちゃんの裸をみせろ〜!!」

 観客席のヴォルテージが上がる。レオナは応えるかのように朦朧とした香織を引き起こ
しリングに寄りかからせると、香織の胸のビキニを掴んだ。

「そ〜れ!!」

 観客席の大きな声にあわせて香織のビキニを引きちぎる。申し訳程度に香織の乳首を隠
していた小さな布を支えていた細い紐は簡単にちぎれ、香織の丸く健康的な膨らみと、そ
の先端でピンク色に輝く突起が露にされた。

「い、いやあ・・・」

 もう抵抗も出来ない香織をリングに寄りかからせたまま、レオナは香織の美しい乳房を
めがけて激しい攻撃を加える。平手打ち、パンチ、香織の乳房を捉えるたびに弾けるよう
な膨らみが右へ左へと揺れながら震える。やがてだんだん赤く染まっていく。

 激しい乳房への攻撃が一段落したところで、レオナは香織の背後から後ろ手にした手首
を掴み、もう片方の手で香織の髪を掴んで引き寄せ、香織のつんと立った乳首が前に突き
出るような格好にすると、反対側に向きを変えた。2人の視線の先には、控え選手が支え
ているのだろうか、先ほどの無数の剣山を敷き詰めたボードがそびえ立ち、鋭い針先を向
けていた。

「い、いやあああ・・・や、やめて・・・」

 声にならない声で叫ぶ香織。レオナは香織の身体をじわじわと針先へ近づけていく。

「い、いやあ・・」

 銀色に輝く無数の針先が香織の目の前に近づいてくる。思わず目をつむる香織。しかし
その一瞬先に、先端に突き出された香織の乳首に鋭い針先が触れた。

「いやああああああああああ!!!」

 レオナは力を込めると、体重をかけながら香織の身体を剣山ボードに押し付けていった。
香織の胸のふくらみに無数の針が吸い込まれていく。

「いやああああああああああああああああああ!!!」

 激しく首を振って苦痛の表情を見せる香織。レオナは香織の身体を押し付けたまま、上
下左右に激しく揺すぶった。

「いや、いや!いやああああああああああああああああああ!!!」

 揺すぶられるたび、香織の乳房に食い込んだ無数の針がそのやわらかい膨らみを切り裂
き、傷つけていく。真っ赤な血が香織の胸から腹を伝わって滴り落ちていく。香織の激し
い悲鳴が響き渡り、観客席はますます興奮の度を高めていく。

「あああああ、いやああああ!!!」

 レオナは香織の身体をボードから引き剥がし、前を向かせてリングに寄りかからせる。
そして血まみれになった香織の乳房をめがけて、再びバケツ一杯の塩水を浴びせ掛けた。

「いやあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

 断末魔の悲鳴が会場に響き渡り、ガクンと首をうなだれる香織。レオナはリングに上が
ると気を失った香織の腕を掴んで引き上げ、両腕をトップロープにからませる。そして香
織の下のビキニを掴んで引きちぎり、香織の両足を開かせると下のロープにからませ、全
裸の香織をまるでカエルの磔のような姿に晒した。そして例のフィニッシュの棍棒を掴む
と、思いっきり香織の大事な部分にぶち込んだ。

「ああ・・・・」

 香織は一瞬ピクンと顔を上げたが、そのまま再び気を失い首をうなだれた。レオナは2、
3回奥まで棍棒を突き上げると、力強く両腕を挙げ、リングを一周し、ものすごい歓声の
中花道を引き上げていった。そして、あとには無残な姿で残された全裸の少女がひとり、
股間に突っ込まれた棍棒から、伝わり落ちてきた鮮血がマットに滴り落ちていた。

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