人気セクシー女優、藤原紀華の登場で話題となった地下プロレス。三回目となる次回興行を行うにあたって、都内某所の会議室で、地下プロレス組織委員会の定例議会が行われていた。
 紀華が出場した過去二回の興行がいずれも盛況だった為に、当然次の興行に寄せられる期待も大きかった。しかし寄せられる期待とは裏腹に、委員会の頭を悩ませる事があった。藤原紀華の不参加である。

 前回の大会、紀華は元レスラーの吉良カーンと対戦して、まさかの勝利を収め、地下プロレスの記念すべき初代チャンピオンとなった。しかし試合後紀華は、カーンとレフェリーの山本大鉄、セコンドについていた黒覆面、乱入した白覆面の四人になぶりものにされてしまい、精神的、肉体的に大きなダメージを負ってしまう。
 この事が原因で、本業のタレント活動に影響が出てくるのでは、という事務所社長の心配をよそに、紀華は持ち前のプロ根性で予定通りスケジュールをこなしていったのだが、それがかえって社長の目には痛々しく映った。

 他の委員からの要望とはいえ、紀華の地下プロマット参戦をきめたのは自分である。確かに高額な報酬で契約しているとはいえ、前回起こった事を考えると、またすぐに紀華をマットに上げる事に対して抵抗があった。多分責任感の強い紀華の性格を考えると、出場しろと言えばOKするだろう。しかしそれはさすがに酷だと思った社長は、結局今回の興行の事を紀華に伝えず、この定例議会で紀華の不参加を表明した。

 「…と言う事で、まことに申し訳ありませんが、今回ウチの藤原は出ません。」
と社長が言うと、他の委員達は一様に残念そうな表情を見せたが、異議を唱える者は一人もいなかった。それよりもむしろ、紀華不参加の原因を作った大鉄達に対する、非難の声があがっていた。
「ちょっと調子に乗りすぎたんじゃないですか?」
「でも会場は盛り上がりましたよ!」
「だからって、レスラーが出てくれなくなったら元も子も無いでしょう?だいたい紀華さんがリングに上がってくれるだけでも凄い事なのに、今回の事で二度と出てくれないかも
知れませんよ!」
委員達の口論が続く中、
「誠に面目無い。」
と平謝りする大鉄。谷山と山木も、返す言葉も無いといった感じで、俯いたまま顔を上げようとしない。ここで見るに見かねた社長が、今回は無理だが、チャンピオンになった以上、紀華をまた地下プロレスに出場させると委員達に約束。これで紀華不参加の件は治まったものの、次回興行に紀華が出場できない以上、代わりのレスラーを決めなければならなかった。

 地下プロレス組織委員会のメンバーには紀華の事務所の社長の他にも、他の芸能プロダクションの社長、映画監督、プロデューサー等、芸能関係の人間が何人かいた。
地下プロマットに出場するタレントを確保する為には欠かせない存在である。そしてその中の一人、巨乳タレントの宝庫として知られるYC&SのN社長が、自分の事務所の所属タレントの中から大野愛の名を挙げた。
 「ウチの中で一番、地下プロレス向きのコです!」
と、自信満々に語るN社長は、普段から持ち歩いているという所属タレントのリストから大野愛の水着写真付きの資料を委員達に見せた。
 「うわー、17歳ですか?!」
「165センチ、上から88、60、86、っかーっ!たまんないっすね!」
 「特技柔道!はーっ、こんな可愛い顔してねえ!」
 「確かに、地下プロレスにはぴったりですね!」 
愛のプロフィールを見て、感想を述べる委員達。まさにオンナ盛りの紀華とは対照的に弾けるような若さが売りの愛は、紀華とともに地下プロマットの看板になる素材だと、委員達も太鼓判を押す。こうして大野愛の参戦が決まった。

 今回、委員会はもう一名、女子レスラーを出場させようと考えていた。過去二回の大会は、藤原紀華というメジャーなタレントが出場した為にワンマッチ興行も成り立ったのだが、紀華クラスのタレントには早々出場してもらう事が出来ない。その為、この大会からは最低二試合以上のカードを組もうという事になったのだ。
 もう一人のレスラーの選考に入った組織委員会。一人が10代のレスラーなので、もう一人は紀華のような大人の女性がいいだろうという意見が上がる。すると、委員会のメンバーの一人、国民的美少女で知られるOプロの社長が、
 「じゃあウチにとっておきのがいますよ!」
と、自信満々に言い放つ。
 「一体誰ですか?」
委員達の質問にOプロの社長はこう答えた。
 「BBガールズの濱野裕子です!」

 Oプロの社長が名前を挙げたのは、OプロのセクシーユニットBBガールズの最年少のメンバー、濱野裕子であった。濱野は幾度かメンバーチェンジを行っているBBの中で、一番最近加入したメンバーであったが、そのエキゾチックなマスクと、95、58、87というダイナマイトボディーで人気を集めている。さらに大物お笑いタレントSとの噂もあり、知名度も申し分なかった。
 「いやーっ、さすがBB、色っぽいっすねえ!」
 「ほら、プルンプルンしてますよ!」
 「愛ちゃんもいいけど、こっちは大人の色気むんむんって感じですね!」
BBガールズのイメージビデオに釘付けになっている委員達を見て、Oプロの社長が得意げに語り始める。
 「彼女は昔水泳の選手だったんですよ。だから運動神経もボディも申し分無し!確かに紀華さん程の知名度は無いですけど、地下プロでは紀華さんに並ぶスターになること
は間違い無いと思いますよ!」
Oプロの社長の言葉に、紀華の事務所の社長を始め、他の委員達も一様に頷く。
 こうして地下プロマットに、新たに二名の女子レスラーが加わった。

 第三回目となる地下プロレス大会会場。藤原紀華の不参加が発表されていたにもかかわらず、会場には多くのファンが詰め掛けていた。17歳の大野愛が出場するとあって、これまでの興行にくらべると若干、客層が若くなっている。とはいえ、地下プロの入場料は決して安くはない為、若いといっても40代、50代が主な客層だったところに20代、30代の人間が増えたといった程度である。
 リングアナが大会の開催を宣言し、会場はたちまちヒートアップ。
 「あのYC軍団の格闘巨乳アイドルが地下プロマットに登場。赤コーナーより、大野愛選手の入場です!」
 リングアナのコールを受け、大野愛が花道に姿を現すと、会場から大きな歓声が沸き起こる。地下プロではおなじみとなったバスローブ姿で登場した愛は、地下プロレスの異様な雰囲気を察知してか、緊張した面持ちでリングに向かう。リングインした後も愛の表情は変わらず、緊張をほぐそうと軽くジャンプしながら愛は対戦相手の入場を待った。
 
 「青コーナーより、ザ・オタッキー選手の入場です!」
 リング上で愛が深呼吸していると、反対側の花道に今回の対戦相手であるザ・オタッキーが姿を見せた。オタッキーは白のTシャツに赤のジャージというコスチュームでデストロイヤーのような覆面を被っていた。177センチ、105キロという体は数字だけ見ればなかなかのものであるが、腹が出ていて引き締まった感が全く無く、旗揚げ戦で紀華と対戦した白覆面とほぼ同じような体型である。
 そしてその後ろには、オタッキーと同じような覆面を被った、セコンドらしき人物が付いて来ていた。赤い覆面を被ったその男はオタッキーより若干小さく173センチ、85キロという体は同じような中年太りで、こちらもどこかさえない印象である。

『結構大きい人ね。でもあれくらいだったら投げられるわ!』
 リングインするオタッキーを見て、愛はそう思った。
 『素人の男とプロレスをする』
 愛は今回出場するにあたって、地下プロレスがどんなものかという事を聞いていたので、男性が相手である事に驚きはしなかった。それどころか勝気な愛は、特技である柔道の腕前を存分に発揮できるというので、この日を楽しみにしていた様子。
 『何よセコンドまで付いちゃって…』
セコンドの存在を気にしてはいるものの、所詮素人が相手だということで愛の頭には警戒心というものが殆ど無かった。もっとも過去の大会で起こった事を愛が知っていればそんな事は無かったのだろうが、地下プロレス初登場の愛にはそれも無理のない話であった。


 地下プロレスでは興行の開催にあたって、出場する男性レスラーを募集していた。
 地下プロレスには組織委員会が運営するファンクラブがあり、入会すると入場チケットの優先購入、CSで放映される地下プロ興行のPPVの視聴といったサービスを受ける事ができる。そのファンクラブの会員を対象にレスラーを募集したところ、『美女タレントとプロレスができる。』ということで申し込みが殺到。地下プロレスは特にリアルファイトを目的としているわけではなかったので、格闘技経験者からスポーツとは全く無縁の者まで、様々な応募があった。

 ザ・オタッキーは今回その中から選ばれた一人で、特にスポーツの経験の無い、その名の通りいわゆる『アイドルおたく』の36歳の男性である。選ばれた理由は、巨漢であるという事と、彼が俗にいう『おっぱい星人』であるという事であった。組織委員会は、この男が地下プロのリング上でその『アイドルおたく』ぶりと『おっぱい星人』ぶりを発揮すれば、観客も委員も楽しむ事ができると考え、地下プロレスの男性レスラーとして採用したのだが、そういう意味では、今日の相手はうってつけといえよう。

 そしてセコンドの赤い覆面も、今回オタッキーと同じように選ばれたレスラーの一人であった。この男の場合は『脚フェチ』の『カメラ小僧』で、リングネームもそのまんま『カメラ小僧』という。年齢は38歳とオタッキーより年上で、アイドルの握手会イベントやサーキット場(当然RQが目的)によく出没しているらしい。今回は試合が組まれなかった為にザ・オタッキーのセコンドとしての登場となった。

 
 『うわあ、本物の大野愛ちゃんだ!本当に対戦出来るんだ!』
 リングに上がったオタッキーは、目の前にいる大野愛を見て興奮気味の様子。そしてリング下にいるセコンドのカメラ小僧も、愛のバスローブからすらりと伸びた長い脚に目を奪われている。
 一方愛は、そんな二人の覆面男のイヤらしい視線を感じたのか、鋭い眼差しで対戦相手のオタッキーを睨み返す。その表情は愛の勝気な性格を現していた。
 『Hな事したらタダじゃおかないわよ!』
 視線でそう語り掛けてくる愛に、気おされるオタッキー。試合前に先制パンチを食らわされてしまった感じである。そんなやりとりが行なわれる中、両者のコールが始まる。

 「本日の第一試合、シングルマッチ60分一本勝負を行ないます。青コーナー230パウンド、ザ・オタッキー!赤コーナー110パウンド、大野愛!レフェリーミスター高梨。」
 コールが終わり、愛がバスローブを脱いだ瞬間、観衆から大きな声があがる。愛は88、60、86のボディを強調するようなブルーの小さめの三角ビキニを身に着けており、観客だけでなくオタッキー、カメラ小僧、レフェリー、リングアナもそのはちきれんばかりの愛のボディに目を奪われている。
 『ヤダ、何かはずかしいわ!』
 愛も撮影で大勢の前で水着姿を見せる事に慣れている筈なのだが、この会場の男達のあからさまにいやらしさを感じさせる視線に抵抗を感じている様子。
 『愛ちゃんのオッパイがこんな近くに…』
 バスローブ姿ですでに興奮気味だったオタッキーは、愛のビキニ姿に昇天といった様子。そしてセコンドのカメラ小僧も口を半開きにしてビキニ姿の愛を見つめている。
 『うわあ、脚長えー。太腿もむちむちしてるし…』
 17歳のはちきれんばかりのボディは『おっぱい星人』オタッキーと『脚フェチ』カメラ小僧を完全に虜にしてしまった様子。しかし愛自身はまだその事に気付いていなかった。

 レフェリーの高梨が両者をリング中央に呼び寄せ、まずオタッキーのボディチェックを行なう。オタッキーのボディチェックを終えた高梨は、振り返って愛の方を見るがすぐにボディチェックを始めず、愛の身体を頭の上から足の先まで品定めするかのように、じろじろと見つめる。
 『ちょっと何よ?!』
 高梨の挙動不審な行動に眉をひそめる愛。高梨は愛の全身をじっくり観察した後、いきなり右手を伸ばし、愛のバストを掴む。
 「いやあっ!」
 バストを触られた愛は声を上げて後ろに下がり、両腕でバストを隠しながら高梨を睨みつける。そんな愛に対し高梨は悪びれることなくニヤニヤしながら、
 「いやあ、スマンスマン。」
と言い、あとリングシューズだけチェックさせてくれ、と愛に頼む。愛はムッとしながらも高梨の指示にしぶしぶ応じ、交互に膝を上げてリングシューズを触らせる。
 この時、目の前のオタッキーが自分の事を凝視している事に気付き、愛はオタッキーを睨みつけて牽制するが、愛がオタッキーに気を取られているのをいい事に、シューズをチェックしていた高梨が愛のふくらはぎや太ももを撫でまわし始める。

 「ちょっと!」
 高梨のいやらしい手つきに気づいた愛は、脚を触っている高梨に抗議するが、高梨はこれを無視。そして愛がうつむいたところを見計らって、オタッキーが愛に襲いかかった。
 『!!』
 レフェリーに気を取られていた愛はオタッキーに抱き付かれ、そのまま押し倒されてしまう。上になったオタッキーはここぞとばかりに愛のバストを揉み始める。
 「ちょっと、何してんのよ!」
 愛は必死になってオタッキーを押しのけようとするが、100キロ以上あるオタッキーはビクともしない。この状況のまま試合開始のゴングが打ち鳴らされる。

 「カアーン!」
 ゴングが鳴っても状況は変わらず、オタッキーは息を荒げながら愛の88センチのバストを無我夢中で揉みしだいている。そして最初は勝気な表情を見せていた愛も、この執拗なバスト責めに表情を曇らせている。
 「いやああっ!」
愛は泣きそうな声をあげながら身をよじって脱出を試みるが、憧れのアイドルのバストを手にしたオタッキーは、意地でも離すものかとばかりに必死にしがみ付いている。
 「はあっ、はあっ!」
オタッキーの息づかいがどんどん荒くなり、試合前はオタッキーの事を睨みつけていた愛も、今やそのオタッキーの異常な様子に恐怖心さえ感じ始めている。レフェリーの高梨はそんな愛の様子を楽しんで眺めていた。


 実は高梨は試合前、オタッキーのボディチェックを行なっている時に
「ボディチェックの時に行け!」
と、オタッキーに奇襲するよう耳打ちしていた。今回この試合を裁くにあたって、素人のオタッキーと柔道が得意な愛が普通に試合するとすぐに決着がつくのでは、と心配した高梨はオタッキーに有利になるようにと奇襲攻撃を考えたのだ。


 「もうやだあ!」
リング上では相変わらずオタッキーが愛のバストを揉み続けている。オタッキーのあまりのしつこさに泣きそうな表情を見せている愛。
 『そうだわ!』
愛はバストを掴んでいるオタッキーの指を掴むと、そのまま力いっぱい逆方向にねじ上げた。
 「あ痛ーっ!」
指に激痛を感じたオタッキーはたまらず手を離してしまう。バスト責めから何とか脱出した愛は素早くオタッキーから離れ、立ち上がって体勢を整える。
 『よくもやったわねえ!この変態!』
 散々バストを揉まれ、怒り心頭の愛は立ちあがったオタッキーに近づき、強烈な平手打ちを浴びせる。そしてオタッキーがたじろいだところを見計らって豪快な大外刈りをきめる。

 「バアーン!!」
愛の切れ味鋭い大外刈りでマットに叩きつけられてしまったオタッキー。当然柔道に関しては全くの素人だけに受身を取れる筈もなく、後頭部をまともに打ってしまう。
 愛は倒れているオタッキーの腕を取るとそのまま腕ひしぎ逆十字固めにきめる。
 「痛たたたっ!」
恐らく初めてきめられた逆十字固めの激痛にオタッキーはあっという間にタップ。高梨も一旦躊躇するものの、決まり具合は一目瞭然の為、やむなくゴングを要請する。
 
 大野の勝利がアナウンスされると、あまりの早い決着にどよめく観衆。なかにはブーイングを送る観客もいる。
 『何よ!そんなこと言われたって知ったこっちゃないわ!』
レフェリーに右手を上げられた愛はブーイングの声を聞いて憮然とした表情を見せている。そのそばには、腕を押さえて倒れているオタッキーと、それを心配そうに見つめるカメラ小僧の姿が。カメラ小僧は勝ち名乗りを受けるビキニ姿の愛のすらりと伸びた長い脚を見て、欲情を押さえきれなくなっている。しかし当の愛はその事に気づいていない。

 『もう!本当に腹が立つわ!』
 試合には勝った愛だが、どうしてもオタッキーの事が許せないらしく、リングから降りる前に倒れているオタッキーの脇腹にトーキックを入れる。
 「ぐふっ!」
脇腹を蹴られうめき声をあげるオタッキーを冷ややかに見つめる愛。しかし愛が踵を返して立ち去ろうとしたところ、背後からカメラ小僧が愛の長い脚に抱き着いていく。
 「いやああっ!」
 いきなり脚を掴まれ悲鳴をあげる愛。カメラ小僧は捕まえた愛の脚を離すものかとばかりにしがみ付き、太ももの感触を楽しんでいる。ここで高梨が消化不良を感じている会場の空気を察して再びゴングを鳴らす。

 「カアーン!」
 『!!』
 いきなり鳴らされたゴングに戸惑う愛。急遽始まった番外編ともいえる大野愛対カメラ小僧の一戦に観衆も大きく沸き上がる。
 「ちょっとふざけないでよ!」
愛は抗議の声をあげ、脚にしがみ付いているカメラ小僧を振りほどこうとするが、カメラ小僧は全く離れる気配を見せない。そうして二人がもみ合っている間にオタッキーが起き上がるが、愛は全く気付いていない。起き上がったオタッキーは愛とカメラ小僧がもみ合っているのを見てロープに走り、愛にラリアットを見舞う。

 無防備のままラリアートを受け、たまらずダウンする愛。ここでカメラ小僧がパワーボムのような体勢で愛を押さえつけ、レフェリーがカウントスリーを数える。
 「カンカンカンカン!」
 折角オタッキーを倒した愛だが、今度はカメラ小僧に逆にカウントスリーを奪われてしまう。しかしオタッキーとカメラ小僧にとってはそれほど重要な事ではなく、ゴングが鳴った後も愛の身体にまとわりついている。
 「いやあああっ!」
ラリアートのダメージが残る愛に襲いかかる覆面コンビ。オタッキーは愛のバストを揉みながら無理矢理キスしようとし、カメラ小僧は愛の長い脚を舐めまわしている。
 そのまま放っておくといつまでも愛にまとわりついていそうな二人の様子にスタッフもマズイと感じたのか、数人の男をリングに上げ、二人を愛から離れさせる。覆面コンビは物足りなさそうな態度を見せながらスタッフに促され、リングを後にする。
 リングに残された愛には試合前の勝気な表情は無く、泣きじゃくるその顔はいかにも17歳の女のコらしいものであった。

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