大野愛が二人の素人レスラーに襲われている時、大野が使っていたのとは別の控え室で濱野裕子は自分の出番を待っていた。
『一体どんな相手なんだろう?』
 裕子は愛と違って、相手レスラーの事とか知らされていなかった。裕子が地下プロ女子レスラーのガウンといえるバスローブを羽織っていると、控え室のドアがノックされる。

「濱野さん、出番です。」
スタッフに呼ばれ、控え室のドアを開ける裕子。そのままスタッフの男の後をついて通路を歩いていくと、その先に覆面を被った巨漢の男の姿があった。
『誰だろう、この人?』
 その巨漢の覆面男を訝しげに見つめる裕子。スタッフの男はその男の方に歩み寄り、裕子にその男を紹介する。

「濱野さん、こちらが今日のパートナーの関取仮面さん。」
関取仮面と紹介されたその覆面レスラーは裕子を見てコクリと頷く。
『えっ、男の人?パートナーって…』
全く予期していなかった状況に戸惑う裕子。するとそんな裕子の心中を察したかのように、スタッフの男が口を開く。

「あれ、濱野さん知らなかったんですか?今日は男女混合タッグマッチですよ。」
その言葉を聞いてもまだ状況を理解できない裕子に、スタッフの男は説明を続ける。試合形式は男女混合タッグマッチで二組の男女が対戦するという事、そしてリング内で戦うのは男同士、女同士で男女の顔合わせになった場合、すみやかにパートナーにタッチしなければならない、というスタッフの説明にようやく裕子は頷くが、今一つ納得がいかない様子。

 『じゃあ相手も男女ペアって事?でもどんな人が相手なんだろう?女のコはやっぱりタレント?男は私のパートナーみたいな大きい人?』
 そんな事を考えながら裕子が関取仮面の方を見ると、関取仮面はあわてて視線をそらす。関取仮面はさっきから裕子の事を凝視していたらしく、裕子と目が合った事が恥ずかしかったらしい。
 『私の事を見てたの?ナンカ可愛い!』
おどおどする関取仮面の様子に好印象を抱いた裕子はニッコリ微笑んで、関取仮面に挨拶する。
 「よろしくお願いしまーす!」
 関取仮面はそんな裕子に対し、183センチ、130キロの巨体を丸くして照れくさそうに頷いた。

「赤コーナーより、濱野裕子、関取仮面組の入場です!」
 リングアナのコールを受け、裕子と関取仮面が花道に登場すると、会場から大きな歓声が上がる。しかしこの歓声は当然裕子に向けられたもので、大野愛の試合が短時間で終わった為に、その分裕子のファイトに期待が寄せられている。リングインするなり大きく両手を上げてリング内を歩き、観客にアピールする裕子。さすがに元祖セクシーユニットのメンバーだけあって、そのアピールの仕方も堂に入っている。この時点では笑みさえ浮かべていた裕子だが、その表情は相手チームの登場で一変する事になる。

 「青コーナーより、白覆面、黒覆面組の入場です!」
裕子達の対戦相手として登場したのは、地下プロマットではお馴染みとなった白覆面と黒覆面の覆面コンビであった。白覆面は旗揚げ戦で紀華と対戦していて今回が二度目の試合、黒覆面はこれまでセコンドでこのマットに登場していたが、今回がレスラーとしてのデビュー戦である。
 『えっ、二人とも男の人じゃ…?』
さっきまで笑顔を見せていた裕子は二人の姿を見て表情を曇らせる。男女混合マッチのはずなのに、現れた二人の覆面レスラーは二人ともどう見ても男である。白覆面と黒覆面が続いてリングインした後、リングアナが事情説明を始める。

 「えーっ、本日の第二試合、男女混合マッチの予定でしたが、当初出場予定だった女子レスラーが欠場となった為、通常ルールのタッグマッチに変更致します。」
 『えっ、どういう事?男の人と戦えって事?』
リングアナの説明を聞いて動揺する裕子。地下プロへの出場が決まってから裕子は独自にトレーニングを積み、この日に備えていたが、男性レスラーと対戦するとは思っても見なかっただけに、驚きを隠せない様子。するとそんな裕子を見て関取仮面が裕子に声をかける。
 「大丈夫。僕が頑張りますから!」
意外とも言える関取仮面のこの言葉に驚く裕子。さっきまでオドオドしていたこの男の印象がこの一言で一変し、裕子は関取仮面に頼もしさを感じていた。

 「本日のメインイベント、タッグマッチ60分一本勝負を行ないます。青コーナー165パウンド、黒覆面!210パウンド、白覆面!赤コーナー290パウンド、関取仮面!110パウンド、濱野裕子!レフェリーミスター高梨。」
 両チームの紹介が終わり、観衆の注目が集まる中バスローブの帯を解く裕子。バスローブを脱いだ裕子の肢体は面積の小さい豹柄のTバックビキニに包まれていた。168センチ、95、58、87のダイナマイトボディを惜しげも無く晒す裕子に白覆面と黒覆面は興奮を隠せない様子。
 『うわー紀華チャンに負けてないよ!』
 『豹柄がたまんないねえ!』
 ボディチェックを終えた白覆面と黒覆面は、続いてボディチェックを受けている裕子のセクシーなビキニ姿に釘付けになっている。そんな二人のいやらしい視線を感じ、思わず後ずさる裕子。ここでパートナーの関取仮面が二人の視線を遮るように裕子の前に立ち、裕子にコーナーに下がるよう指示。すると、白覆面と黒覆面が背を向けた関取仮面に襲いかかる。
 「あうっ!」 
 背後から覆面コンビの奇襲を受けた関取仮面は、その反動で裕子にぶつかってしまう。
 「きゃあっ!」
 関取仮面に突き飛ばされ、リング下に転落する裕子。さらに覆面コンビはひざまずいている関取仮面に二人掛かりのストンピングを見舞う。この二対一の状況の中、試合開始のゴングが鳴らされる。

 「カアーン!」
 ゴングが鳴らされたものの、リング下の裕子はなかなか立ちあがる事が出来ない。
 『いったーい!』
 裕子がようやく起きあがり、リング内の様子を伺うと、パートナーの関取仮面が相手コーナーに連れて行かれて覆面コンビに好き放題に蹴られている。この状況をみて裕子は慌ててリング内に入り、関取仮面を助けに行こうとするが、レフェリーの高梨に止められてしまう。
 「何よ!二人掛かりじゃないの!」
裕子は高梨に抗議するが、高梨は全く聞く耳を持たず、裕子をコーナーに下がらせようとする。高梨はそれでも関取仮面を助けに行こうとする裕子を捕まえ、強引にコーナーに押し戻そうとしながら、どさくさ紛れに裕子のバストを鷲づかみにする。
 「ちょっといやっ!」
バストを揉んでくる高梨に抗議する裕子。しかし高梨は手を離そうとしない。
 「わかったわよ、下がるわよ!」
裕子はやむなくコーナーに下がろうとするものの、裕子のバストがよほど気に入ったのか、さっきまで裕子を下がらせようとしていた高梨が裕子の腕を掴んでバストを揉み続けている。
 『うーん、いいオッパイだ!』
高梨はいやがる裕子に構う事無くバストの感触を楽しんでいる。一方相手コーナーでは、関取仮面が覆面コンビに蹴られ続けたまま、全く反撃できずにいる。130キロの巨体の割りには見掛け倒しといった感の関取仮面。やがて黒覆面が高梨ともみ合っている裕子に気付き、裕子の方に近づいてくる。

 「ヒヒヒヒヒ!」
奇妙な笑い声をあげて近づいてくる黒覆面に気付いた裕子は何とか高梨を振り払おうとするが、高梨は離してくれない。そして黒覆面の姿が目前に迫ってきた時、裕子はとっさに高梨に急所蹴りを見舞う。
 「ぐおっ!」
急所を蹴られ、股間を押さえる高梨。さらに高梨の手から逃れた裕子は、近づいてきた黒覆面にも急所蹴りを見舞うと、相手コーナーで関取仮面を蹴りつづけている白覆面に背後から近づき、白覆面にも急所蹴りを見舞う。
 「うおーっ!」
急所蹴りを受け、思わずひざまづく白覆面。裕子はそのスキにコーナーでへたり込んでいる関取仮面を自軍コーナーに連れて行こうとするが、130キロの関取仮面はビクとも動かない。裕子は関取仮面を連れて行く事を諦め、コーナーに戻ってくるよう指示する。

 「コーナーで待ってるから!」
裕子が関取仮面に声をかけ、自軍コーナーに戻ろうとすると、黒覆面がスピアー気味に裕子の腰に抱きついてくる。
 「きゃああっ!」
不意に黒覆面に抱きつかれた裕子はそのまま押し倒されてしまい、黒覆面にバストを鷲づかみにされてしまう。
 「いやーっ!」
バストを掴まれ悲鳴をあげる裕子。しかし黒覆面もさっきの股間蹴りのダメージが残っている為に力が入らない様子。裕子はそんな黒覆面を押しのけて立ちあがり、コーナーに戻ろうとするが、黒覆面がしぶとく裕子の脚にしがみ付いてくる。
 「ちょっと離してよ!」
裕子は何とか黒覆面を振り払おうとするが、黒覆面は裕子の太ももに抱きついて離れようとしない。そして二人がそうやってもみあっている間に白覆面がやってきて、背後から裕子のバストを鷲づかみにする。

 「いやああっ!」
覆面コンビにまとわりつかれ、身悶える裕子。覆面コンビはここぞとばかりに二人掛かりで裕子のボディを触りまくる。
 『うわーっ、すげーオッパイ!』
 『このむちむちした太もも!』
リング中央で裕子と覆面コンビがもみ合う中、ようやくコーナーにへたり込んでいた関取仮面が立ちあがり、裕子の救出にやってくる。関取仮面はまず裕子の脚にしがみ付いている黒覆面を捕まえて力任せに放り投げると、裕子の背後にいる白覆面にはヘッドバットを見舞う。130キロもあるだけにさすがにパワーだけは人並み外れている。
 関取仮面のフォローで覆面コンビから逃れた裕子は一旦コーナーに戻り、続いて戻ってきた関取仮面とタッチ。リング内には先程関取仮面の頭突きを受けた白覆面が頭を押さえてひざまづいている。一方、パートナーの黒覆面は投げ飛ばされた反動でリング下に転げ落ちたままである。タッチを受けた裕子はこの状況を見て、リングインせずにコーナーポストに上り、白覆面の様子を伺う。そして白覆面が立ち上がろうとするのを見て、コーナーポストからミサイルキックを放つ。

 「ぐおっ!」
裕子のミサイルキックを受け、マットに倒れる白覆面。裕子の美しいフォームのミサイルキックに観衆からもため息混じりの声があがる。裕子はすかさずカバーに入るが、さすがにこれは早過ぎで、白覆面にカウントツーで返される。
 『ここで畳み掛けなきゃ!』
裕子はロープに走り、次の攻撃を狙おうとするが、ロープ際でリング下にいる黒覆面に脚を掴まれ、転倒してしまう。
 「あっ!」
黒覆面は裕子をリング下に引きずり下ろすと、背後から抱きつき、裕子のバストを鷲づかむ。
 「いやあっ!」
裕子は何とか黒覆面から逃れようとするが、黒覆面の手は裕子のバストをがっしり掴んでいる。しかしここで関取仮面がやってきて黒覆面を裕子から離れさせる。難を逃れた裕子がリング内に戻ると、今度はリング内で待ちうけていた白覆面のタックルを受け、そのまま押し倒されてしまう。

 「きゃあっ!」
白覆面に組敷かれ、悲鳴を上げる裕子。白覆面は裕子にキスしながらバストを揉み始めるが、ここで関取仮面がリングに入り、覆い被さっている白覆面の背中を殴りつけて裕子を助ける。関取仮面はそのままコーナーに戻り、後を追うように戻ってきた裕子とタッチ。リングインするなり白覆面の立ち上がり様を狙ってタックルを浴びせ、白覆面を相手コーナーまで吹き飛ばしてしまう。ここで白覆面はコーナーに戻ってきた黒覆面とタッチ。しかし白覆面はコーナーに下がらず、リングインした黒覆面と二人掛かりで向かってきた関取仮面を捕まえる。

 「もう、何やっているのよ!」
 関取仮面にスイッチした裕子はコーナーでインターバルを取ろうとしていたが、関取仮面が相手コーナーに捕まっているのを見て再びリングに入る。相変わらず二人掛かりの攻撃を見せる覆面コンビに腹を立てるのと同時に、大きな体の割りに頼りにならないパートナーの関取仮面に呆れ返っている様子。
 リングインした裕子は関取仮面を助けに行こうとするが、レフェリーの高梨に捕まえられてしまう。
 「ちょっと、いい加減にしてよ!」
フォローの邪魔をする高梨に声を荒げて抗議する裕子。その視線の先では覆面コンビが関取仮面に好きなように殴る蹴るの攻撃を続けている。覆面コンビは裕子と高梨がもみ合っている事に気付くと、コーナーでへたり込んでいる関取仮面を置き去りにして、二人の方にやってくる。

 『!!』
 裕子は覆面コンビが自分の方に向かってきた事に気付き、高梨から離れようとするが、高梨は裕子を捕まえたまま離れようとしない。覆面コンビの二人は高梨に捕まっている裕子の両脇から近づき、一斉にバストに手を伸ばす。
 「いやああっ!」
白覆面と黒覆面にバストを掴まれ、悲鳴をあげる裕子。覆面コンビはこね回すようにして裕子のバストの感触を楽しんでいる。
 「離してっ!いやっ!」
レフェリーを含め三人の男達に囲まれてしまった裕子は、叫びながら自分のボディに群がる手を振り払おうとするが、六本の手が一斉に伸びてきてしまってはどうする事も出来ない。高梨、白覆面、黒覆面の三人は欲望のままに裕子のバストやヒップを揉み続けている。
 「こんなの卑怯よ!ねえ!」
裕子は懸命に男達に抗議するが、当然聞き入れてもらえない。しかしここで相手コーナーにへたりこんでいた関取仮面がようやく立ち上がり、リング中央の四人に突進する。

 関取仮面のタックルで四人がマットの方々に弾き飛ばされ、リング上は五人全てが倒れている状態である。しばらくして裕子が最初に起き上がってコーナーに戻り、続いて戻ってきた関取仮面とタッチ。
 スイッチした裕子はリングインするなり、まずは白覆面の立ち上がり様を狙ってドロップキックを浴びせる。これで白覆面がリング下に転落、リング内は試合権利のある裕子と黒覆面の二人だけとなる。 続いて裕子は黒覆面が起き上がろうとするのを見てロープに走り、背後から黒覆面に飛びついてフェイスクラッシャーをきめる。マットに顔面を打ちつけ苦悶する黒覆面。何と言っても正体は57歳の格闘ライターだけに、受けたダメージはかなり大きい。裕子がカバーに入るものの、カウントをとるはずのレフェリーはさっきの関取仮面のタックルのダメージからか、まだへたり込んでいる。
 『ねえ、早くしてよ!』
裕子があせる中、ようやくレフェリーがやってきてカウントを取り始めるが、これが超スローカウントで、黒覆面にカウントツーで返されてしまう。
 『もう、何やってるのよ!』
裕子はレフェリーのスローカウントに腹を立てながらも、気持ちを切り替えて、次の攻撃にかかる。黒覆面もカウントツーで返したとはいえ、何とか肩を上げたという感じで、とても反撃できる様子ではない。裕子は朦朧としている黒覆面を起こすと、何とブレーンバスターで黒覆面を投げ捨てる。

 「バーン!」
裕子が豪快にブレーンバスターをきめ、黒覆面がマットに叩きつけられると、観衆からどよめきの声があがる。
 『これでどう!』
勝利を確信し、カバーに入る裕子。高梨はさっきと同じようにゆっくりとカウントを数えるが、黒覆面に返す気配は無い。今度こそ決まった、と思った裕子だが、カウントスリー直前にリング下にいた白覆面がやってきて、カバーに入っている裕子の背中にパンチを振り下ろす。
 「うっ!」
無防備の背中を殴られ、カバーを解いてしまう裕子。そして白覆面が裕子の髪を掴んで立ち上がらせようとすると、コーナーにいた関取仮面がリング内に入ってくる。
 『あっ、関取仮面さん、助けて!』
リングインした関取仮面の姿を見て、安堵の表情を見せる裕子。しかし関取仮面はコーナー付近で待ち構えたまま、動こうとしない。そして白覆面が裕子を関取仮面の方にホイップすると、何と裕子の味方の筈の関取仮面が、ホイップされた裕子を捕まえ、豪快に喉輪落としをきめる。
 『何、どう言う事?』
マットに叩きつけられ、意識朦朧としている裕子は全く状況が理解できない。さらにここで、白覆面がロープに走り、倒れている裕子にボディプレスをきめると、関取仮面もロープに走り、裕子にとどめのボディプレスを見舞う。
 100キロと130キロのボディプレスを立て続けに食らった裕子は全く動く事が出来ない。ここで白覆面がまだふらふらしている黒覆面を連れてきてカバーに入らせ、レフェリーがカウントスリーを数える。試合終了のゴングが鳴る中、倒れたままの裕子の周りを四人の男達が取り囲んでいた。


 裕子の地下プロ参戦が決定した時、組織委員会では裕子の対戦相手についていろいろ議論がかわされていた。というのも、地下プロレスの試合形式を、シングルマッチばかりでなくタッグマッチもやってはどうか、という意見が出たからである。そして裕子のデビュー戦がタッグマッチに決定した後、今度はその対戦相手とパートナーを誰にするかという話題になり、何と裕子の所属するOプロ社長自ら、ちょっと趣向を凝らして見ては、と男女混合タッグの偽装案を掲げたのである。
 というのも前の大会であの藤原紀華が行き掛かり上とはいえ、四人の男を相手にした姿を見て、
『紀華程のタレントがあんなに頑張っているのだから、ウチのタレントもそれぐらいやらないと』
と対抗心を燃やしたのと同時に、他の委員から批判のあがったその紀華対カーン戦の展開に興奮させられた為、所属タレントの中でも、自分の気に入っている裕子のそういう姿が見てみたいという衝動に駆られ、今回のタッグマッチの罠を考えたのである。
 そして対戦相手として白覆面、黒覆面が選ばれ、パートナーとなる男性レスラーに、委員の一人で40歳のちゃんこ料理店経営者、関取仮面が抜擢された。

 関取仮面はその名の通り、元力士である。しかし関取になっている訳ではなく、ぱっとした成績を残す事無く廃業しており、その後もプロレスラーを目指したりしていたが、元々根性の無い性格で結局格闘技の道で大成する事無く、得意だったちゃんこ料理の店を始めて現在に至っている。
 今回出場が決まった関取仮面は委員会に呼ばれ、最初は裕子の味方としてファイトし、試合途中で覆面コンビに加勢するように指示を受け、この試合の最大の演出を成功させたのであった。


 試合が終了したにもかかわらず、リング上では、男達が裕子のナイスバディに群がっている。
「いやあ、試合中我慢できなかったっすよ!」
裕子を裏切った関取仮面はそういいながら、裕子の95センチのバストを大きな手でこねまわすようにして楽しんでいる。
「水泳で鍛えられたって言ってたけど、素晴らしいボディだね!」
「前回は紀華ちゃん、今回は裕子ちゃん、もう地下プロレス最高だね!」
「こんないい仕事をやってるなんて全然知らなかったよ!大鉄さんも人が悪いよ!」
他の三人も好きな事をいって裕子のボディを楽しんでいる。意識を失ったままの裕子は試合に負けた事も、自分の体を好きなようにされている事も理解していなかった。

 地下プロレス第3回大会試合結果
 第一試合
 シングルマッチ60分一本勝負
 大野愛(2分19秒 腕ひしぎ逆十字固め)ザ・オタッキー

 特別試合
 カメラ小僧(45秒 エビ固め)大野愛

 第二試合
 タッグマッチ60分一本勝負
 濱野裕子、関取仮面 対 白覆面、黒覆面

 黒覆面(10分4秒 体固め)濱野裕子

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