フラフラになりながらも麗子がファイティングポーズを取り試合続行となる。

「負けたくない…負けられないのよ…!まだ諦めては無いわ!」

観客の野次を聞くと闘志に火がついたのか眼光が鋭くなり、自分から桜田に掴みかかりにいきそのまま桜田を押し倒す。 うつ伏せにして背中に跨るとボストンクラブを掛けにいく。

「おらぁっ!」

叫びながらボストンクラブを極めると一気に力を入れ桜田の背中を痛めつける。

「ブレイク!ロープブレイクだ。菊池!」

力を入れて反らしていくとレフリーからストップがかかる。桜田がロープを掴んでいたのだ。

「桜田選手、1回目のロープブレイクです。」

場内にアナウンスが入る。

「これからだったのに…でもこれで流れが来る!」

技を解いて立ち上がると遅れて立ち上がった桜田にミドルキックを放っていく。

バシィィッ!!!
「ぐっ!?やるわね!」
バシィィン!!
「…かっ!?まさか返してくるなんて!うぅ…」

まともにミドルキックを受けた桜田はさすがに表情が歪むが、打ち終え無防備になっていた麗子の脇腹に同じくミドルキックを返していく。キャットファイトでは麗子のミドルキックを受けて反撃してきた相手はいなかったので麗子は打ち終えて隙ができてしまっていた。

「なかなかのキックね。少し効いたわ…でもあなたの方が効いてるみたいね。」

脇腹を押えて苦しそうにしている麗子の頭を掴むとそのまま首投げ。投げ飛ばされた麗子はリングの上で大の字になってしまう。

「さてと…腹筋弱いみたいだから鍛えてあげるわね。」

そう言うと麗子のボディにエルボードロップを落としていく。1発、2発、3発と連続で叩きこんだ。

「げぇっ…うえっ…」

麗子は体を起こして座りながら嗚咽を漏らして苦しがる。がこれで終わりでは無かった。

バァァン!

桜田が背中にサッカーボールキックを打ち込むと座っている麗子にロメロスペシャルを掛ける。

「わぁぁっ!…ぎ、ぎゃぁぁっ!!いやぁぁぁぁっ!!」

ロメロスペシャルが決まると肩の痛みに絶叫する麗子。逃れる術はなく観客に見せつけるように高く上げたりして麗子を追い込む。
「う!うぁぁっ!あぁぁぁぁ!!!」

麗子にとってかなりきつい姿勢。このままギブアップかと思われたが桜田はロメロスペシャルを外してマットに飛ばす。

「あ…ぁぁ…桜田由加里…強い…みくびってた。に、逃げなきゃ!」

ロメロスペシャルで完成に麗子の心は折れてしまう。四つん這いで必死に這っていくとエプロンからへ場外へ転がり落ちるようにエスケープ。これを見た桜田は麗子を追いかけ場外戦へと発展。

「菊池さんどこへ逃げるのかな?」

動きの鈍い麗子はすぐに捕まってしまった。そして桜田は四つん這いの麗子の後頭部を掴んで観客前のマットに顔面を叩きつける。

「いいぞー桜田!やれやれ!」
「菊池!意地見せろよ!何もしてないぞお前!!」
「お客さんの言う通りよ。菊池さん私に何かできた?私のおもちゃにされに来たの?」

「甘かった…もっとトレーニングしておけばよかった 」

うつ伏せの麗子の背中に跨がり勝ち誇る桜田。麗子の髪を掴んで無理矢理顔をあげさせると試合前の気合の入った表情と一変し恐怖とダメージで歪む表情を観客に見せつける。

「どう?みんな見てるわよ。菊池さん!リングに戻るわよ!」
「……いや…いやぁっ…」


麗子は肉体、精神とも限界だった。桜田に引っ張られ無理矢理リングに戻される。
「みんなーいくわよ!!ハイ!ハイ!ハイ!!」

桜田は掛け声と供に手拍子を始めると観客もそれに合わせて手を叩く。それを呆然と立ち尽くして見ることしかできない麗子。桜田はダッシュして麗子のボディにスピアータックルを突き刺した。

「あっ!?かっ!!!?うえぇぇっ…」

スピアーを刺された麗子は倒れて吐きそうなのを必死に堪えていた。

「うえぇ…も、もう無理…無理よ…」

吐くのは耐えられたものの戦意を完全に喪失。キャットファイトの女王も地下プロレス女王へは歯が立たなかった。

「さて!フィニッシュよ!」
「うぁぁっ!もう無理!レフリー、ギ…あぁぁぁぁーーーー」

倒れた麗子を起こすと麗子はこれ以上は無理とロープを掴んでギブアップしようとするも間に合わなかった。ロープを掴んだ瞬間首に腕を絡められ後ろに引き倒される。悲鳴とともにリングに倒されるとそのままスリーパーを極める桜田。

「終わったわね。菊池さん!弱すぎ(笑)!」

「く、苦しい…あっ…もうダメ……」

パン!パン!パン!!!

スリーパーを極められると耐えられずマットを叩いてタップしてしまった麗子。この瞬間桜田の勝ちがきまった。

「試合時間29分スリーパーにより桜田選手の勝ちとなります!なお敗れた菊池選手ですがペナルティとなります!!」

「またやろうね。菊池さん。リベンジマッチ期待してるわ!」
「はぁ…はぁ…はぁっ…強過ぎる…」

勝ち名乗りを受けるとリングを降りて控え室へ戻る桜田。一方リングに残った菊池。周りをマスクをした男達に囲まれていた。

「いやぁぁぁぁっ!何するの!?やめて!誰か助けて!」

リング上ではペナルティが行われている。キャットファイト女王のプライドをズタズタにされた麗子。負けたペナルティはこれだけではなく敗者は毎週決まった曜日にプロレスの試合をしなければならない。負ければその次の週も延々と。それまではホテルの一室へ監禁される。

次の菊池麗子の対戦相手は誰なのか?そして地下プロレス脱出なるのか?


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