「なんでこんな田舎モノばっかり!」浦松亜弥は見ていたTV雑誌をテーブルに叩きつけると亜弥の側にいたマネージャは亜弥の行動に冷や汗をかいていた。
「亜弥ちゃん・・・他の人に見られたら・・・」マネージャは売りでもある”ブリッ子・亜弥”のイメージが崩れることを恐れていた。
「誰もいないでしょ。こんな高知の田舎モノが注目を浴びるってどゆこと!」亜弥はマネージャに詰め寄る。
亜弥の言っている田舎モノとは3枚目のシングルを売り出した翌月にアルバムを発売するショニンのことであった。
「そんなにめくじらたてなくても・・・亜弥ちゃんの方が売れているわけだし・・・」亜弥をなだめるマネージャ。
「なんでもいいからあややが一番なの!こんな田舎モンが注目浴びてることじたい許せないの!」言いたい放題の亜弥。公共の前では絶対に見せない亜弥の一面であった。
コンコン・・・「お疲れ様です〜♪」亜弥が暴走をしているところにプロモーション活動を終えたショニンが戻ってきた。
「ショ・・・ショ・・・ショ・・・」亜弥が暴走した原因がくると亜弥のマネージャは慌てた。
「証城寺の庭は〜♪・・・」ショニンが続いた。大好きな仕事で忙しく、嬉しいのである。
「さすが田舎モン・・・古い歌知ってるわ・・・」亜弥がボソっと言った。
「ん?なぁ〜に?」ショニンの耳には亜弥の言っていることが入りきっていなかった。
「ショニン、お疲れ様!疲れたでしょう、あっちで休めば・・・」亜弥のマネージャは慌ててショニンを奥の部屋に移動させた。
「・・・亜弥ちゃん〜、トラブル起こさないで。マスコミがどこで見ているかわからないんだから・・・」必死なマネージャ。
「あっそう・・・」亜弥は立ち上がるとショニンの入った奥の部屋へと行った。
「亜弥ちゃん・・・」マネージャは経ち尽くした。
「ちょっと、ショニン!」年下にも関わらず亜弥はショニンを呼び捨てにした。
「なに?あやや・・・。どうしたの怖い顔して・・・」呼び捨てにされ、少しムッとしたショニンであるが、平常を保った。
「少しぐらい売れ始めたからっていい気にならないでよねっ!」いきなり自分の怒りをショニンにぶつけた亜弥。
「はあ?なに言ってんの?」亜弥の興奮ぶりに半ば呆れたショニン。
ショニンの平然な態度で亜弥の怒りは高まっていった。
「あ〜っもうっ!超ムカツク!ショニン、あんたがいくら私にライバル心持ってもね、私にはぜ〜んぜん関係ないのっ!わかる?あんたなんかぜんぜん相手にしてないってこと!」TVなどメディアから仕入れた情報を口にした亜弥。
「あはは。そんな古いこと言っているんだ」軽く笑い飛ばすショニン。
「・・・ちょぉぉぉ〜ムカツク。ウザイ奴がいなくなってせーせーしたわ」赤面しながら言い返す亜弥。
ドラマ出演語、3枚目シングルのリリース、TVなどへの出演、1stアルバムのリリースなどショニンは今が旬であった。いくら人気があっても、濱崎あゆみなど常にトップでない限り旬にはかなわないのである。
「むかついてうざかったんだ。それは申し訳ございませんでした」今の勝ち組みであるショニンは負け組みになにを言われても怒ることはなかった。
「エ、エロ女のくせに、ウザイんだよおっ!」亜弥は手元にあった紙の束を亜弥に投げつけた。
部屋中に紙が散った。
「なによ、その『エロ女』って!?」さすがのショニンも亜弥の一言に怒った。
1stシングル、2ndシングルとドラマで豊満な乳房を予感させる演出をしたが、本人の意思ではなく”仕事”でのことである。
「そうじゃないのっ!胸出してさ、ばかみたい。ヘロプロからAV女優なんてやめてよねっ!」一瞬、亜弥も『しまった』と思ったが、言い出してしまったため退くに退けなくなった。
「誰がAV女優よ!新曲は脱いでないでしょう!」亜弥の胸をどつくショニン。
「痛っ!なにすんのよっ!」亜弥もショニンの胸をどつき返す。
「な〜にが、『デートを一度もしたことない』よ。男の前で股開いているくせに」適当なことを言い出す亜弥。
「誰が男の前で股開いたのよっ!」既に冷静でなくなったショニン。
「そうかっ!いつも男に餓えているんだ。だから、胸とか見せているわけか・・・。私ってば天才っ!」亜弥は自分で言ったことを納得した。
「ふざけないでよ!この勘違い女あっ!」ショニンが亜弥に掴みかかると、亜弥もショニンを掴みかかり揉み合いになった。
「なにごとやっ!」亜弥とショニンが揉み合っているところにつむくが入ってきた。
つむくが部屋に入っても止めない亜弥とショニン。
「おまえら・・・ええかげんにせーよっ!」つむくが珍しく感情を剥き出しにした。乱暴にも亜弥とショニンの髪を掴んで引っ張った。
「痛あっ!」亜弥とショニンが同時に悲鳴をあげた。
「なにやっているんやっ!」厳しくてもやさしいつむくの顔が阿修羅となっていた。
「つむくさん!ショニン酷いんですよぉ。いきなり暴力振ってきて・・・」いきなり態度を変えた亜弥がつむくに媚びる。
「・・・。まあ、ええわ。で、なにが原因なんや?」つむくは亜弥の行動に言葉をなくしたが、自分を落ち着かせるとソファに座った。
「それは・・・」ショニンが説明をはじめようとする。
「それは、ちょっと売れ始めたからっていい気になってたショニンに私が注意したんです。『浮き足立ったらだめ』だって、そしたらショニンがいきなり・・・」ショニンの話しを遮って、亜弥が適当な説明をする。
「な、なにそれ!」ショニンが亜弥に振り向く。
「本当のことじゃん!」言い切る亜弥。
「テキトーなことばっかり言わないで!」亜弥に迫るショニン。
「ほら、こうやってすぐ暴力振るうんですよ」つむくに訴える亜弥。
ショニンと亜弥がまた喧嘩をはじめる。
「・・・。ええかげんしろ言うてるやろ!」つむくの冷静であるが怒りの声が部屋に響いた。
亜弥とショニンはつむくの迫力に圧倒されるとおとなしくなった。
つむくが携帯を取り出すと無言のまま電話をかけはじめた。
「・・・」つむくの行動を見て黙る亜弥とショニン。
「どうも、お世話になってます。ちょっと、お願いがあるんですわ。・・・うちの浦松とショニンを出して欲しいんですわ・・・。はい。それではよろしくお願いします」つむくは電話を終えると亜弥とショニンの方を向いた。
「面倒やから単刀直入に言う」亜弥とショニンに真剣な視線を送るつむく。
「はい・・・」直立でつむくの話しを聞く亜弥とショニン。
「喧嘩の原因はこの際どうでもいい。ただし、白黒はっきりせえへんといかんから二人には例の場所に行ってもらう」二人に地下リングへ出場することを指示するつむく。
「日程はショニンもプロモがあるし、浦松も仕事があるから追って連絡する」つむくは亜弥とショニンの話しも聞かずに続けた。
「それまで、また今日みたいなことしたら二人には辞めてもらう。ええな!」つむくは話終えると部屋から出ていった。
「・・・」つむくが部屋を出ていっても、亜弥とショニンはうつむいたままその場に立ち尽くしていた。
「あ〜あ、また派手にやったもんやなぁ・・・」ヘロプロのリーダーを務める中澤祐子である。祐子はつむくとヘロプロの仕事でTV局など回っていた。
「あ、中澤さん。聞いてくださいよぉ」祐子にも媚びを売る亜弥。
「はいはい。さっきつむくさんが言ったやろ。私はな〜んも知らへん」簡単に亜弥をあしらう祐子。
「なんです、その言い方!どうせ、中澤さんもショニンの味方なんですよねっ!」祐子の態度にムッとした亜弥。
「あやや、少しは大人になってよね。私はどちらの味方でもない。まあ、逆に言えば二人の味方でもあるということかな。ま、どうであれ、そろそろ、娘たちが帰ってくる頃だから、しっかり片付けておいてね」祐子はすぐにつむくの後を追った。
「ショニンが悪いんだからね・・・」渋々と片付けをはじめる亜弥。
「あややがずるんでしょ・・・」ショニンも一緒になって片付けをはじめた。

会場は早くも熱気に溢れていた。
『これより、つむくプロデュース対決を行います。赤コーナー、浦松〜亜弥〜!』星条旗デザインのビキニで観客に媚びを売る亜弥。
『あやや、かわいい〜!』観客は亜弥のぶりっ子に歓声を上げる。
『青コーナー、ショニン〜!』スポーツビキニのショニンが観客に深々と頭を下げた。
『がんばれー!』
亜弥に負けないくらいの感性がショニンにも浴びせられた。
「みんなーっ、聞いてよ。ショニンちゃんって亜弥をいじめるんですよー」いきなりマイクパフォーマンスをはじめる亜弥。
「今回だって、私がショニンちゃんよりちょっとだけ人気があるからって私にいやがらせするんですよぉ」勝手なことを口にする亜弥。
『えーーーーっ!』亜弥に乗せられる観客。
「私のことをライバルだと思ってくれるのはうれしいんですよぉ。でも、それが私にいやがらせするんですよぉ
「あやや、そこまでして・・・」ショニンは亜弥を睨んだ。
「きゃー、怖い。こうやって睨むんですよぉ・・・」亜弥のマイクパフォーマンスが続く。
『ショニンー!少しくらい胸がでかいからっていい気になんなあー!』観客は亜弥の加勢をした。
カーン!ショニンにとって最悪の状況で試合がはじまった。
「ずいぶん、好き勝手に言ってくれたね。でも、試合となったらあややの思い通りにはならないから」ショニンが亜弥に迫る。
「さーて、どうかしら」亜弥は不適な笑みを浮かべる。
「強がるのもいい加減にしたら!」ショニンが平手を放った。
「きゃっ!」亜弥がその場にしゃがむとショニンの平手は空を切りバランスを崩した。
「ひぇ〜、あぶない、あぶない・・・」ショニンの攻撃に驚いたが、平常を装う亜弥。
バキ「ぎえ・・・」しゃがみこんだ亜弥を足裏で蹴るショニン。亜弥は尻餅をつき両手を後についた姿勢になった。
「ぶりっ子だけでなにができるって言うのっ!」ショニンの喧嘩キックが座り込んだ亜弥にの顔面をふっ飛ばす。
グジャァァァ・・・「ぎゃう・・・」勢いよく後に倒れた亜弥。ショニンはストンビンを浴びせた。
バシィ!バシィ!バシィ!「きゃっ!やんっ!きゃん!」亜弥はショニンのストンピングの嵐から逃れようとするがショニンはそれを許さなかった。
「いったあ〜い・・・なんで、そうやって虐めるのよぉ〜」亜弥の白い肌に痣ができはじめると亜弥は観客に話しかけるように言った。
『ショニン〜っ!てめ〜、あややがかわいそうだろ!』亜弥の声をきっかけに観客の罵声がショニンに浴びせられる。
「そ、そんなぁ〜・・・」ショニンは観客の態度に戸惑った。
「わかったでしょ、あなたは私には勝てないんだった!」亜弥は転がりながらショニンから離れると立ち上がった。
「おとなしく、私に負けなさいよぉ〜」亜弥は経ち尽くすショニンの左頬を張った。
パチーン!「きゃっ」乾いた音が響く。
『あやや、いいぞー!そんなエロ女、やっちまえー!』ショニンへの罵声から亜弥への声援にかわった。
「ほら、お客さんだってエロ女って言ってるでしょ。ショニンはエロなの!股関節が鳴るとか言ってないでヘロプロ辞めて股でも開いたら!」観客の後押しで調子に乗る亜弥。
「なんだかんだ言って、私のことチェックしてるじゃん」ショニンが言い返した。
「チェックぅ〜?誰がショニンなんかっ!」亜弥は再びショニンの頬を張りに行った。
「こどものお遊戯じゃないんだからっ!」亜弥の平手を避けたショニンのカウンタービンタが亜弥の頬を張った。
パッチィィィン!「きゃっ!・・・いたぁ〜い・・・」頬を押さえてうずくまる亜弥。
「その手になんかのるもんか」相変わらず観客の罵声は浴びせられていたが、無視して亜弥を捕まえに行くショニン。
「ちょっと待って!ほんと、ちょっと・・・」亜弥は真剣に言っていた。ショニンのカウンタービンタが本気で痛かったのである。
「待ってといわれて待つわけないでしょう!」亜弥を捕まえにいくショニン。
「ちょっとぐらい待ってくれたっていいでしょう!」亜弥はショニンから逃げた。
リングで亜弥とショニンの鬼ごっこがはじまったが、日頃からトレーイニングをしているショニンから亜弥は逃げることができず、すぐに捕まった。
「やだあっ!放して!」ショニンから逃れようとする亜弥。
「このっ!」ショニンは亜弥の脇から腕を回すと羽交い締めにして亜弥を締め上げた。
「いたあっ!肩が痛いってばあっ!」亜弥は藻掻くように足をばたつかせた。
「ふんしょっ!」ショニンは掛け声とともに亜弥の体を浮かべると回り始めた。
「ああ〜ん・・・」ショニンのチキンアームスイングで肩と首を締め上げられた亜弥は悲鳴をあげた。
バシーン!「きゃんっ!」ショニンが亜弥を放すと亜弥の体はマットに叩きつけられた。
「痛いよぉ・・・」うずくまる亜弥。
「なにもできないくせに、調子に乗ってるから!」うずくまる亜弥の後ろから近づくショニン。
「いやっ!なにするの!」ショニンの腕が亜弥の腰に巻かれると亜弥は慌ててショニンから逃げようとした。
「こっのぉ・・・」ショニンはリングに座る亜弥を引っこ抜く様に抱え上げた。
「なに?やめてよ、おろしてぇ〜!」ショニンに抱え上げられた状態で喚く亜弥。
「いま、降ろすから!」ショニンは反動をつけて亜弥を降ろした。
ガキィィィ!「ぎぇ・・・」亜弥が降ろされたところにショニンの膝があった。
ショニンのアトミックドロップで尾骨を砕かれた亜弥は内股でヨタヨタと前に2、3歩進むとロープに寄り掛かった。
「あんまり痛い思いさせるのも悪いからこれで終わりにしてあげる」亜弥の背中にショニンの乳房が押しつけられた。
「ぐぅぅぅ・・・」ショニンのスリーパーで苦悶に歪む亜弥の顔。
亜弥とショニンの力の差は歴然であった。亜弥の顔色が赤から青に変わってくるとレフリーは試合を中止しようとした。
「ショニンー!」試合が終了する瞬間、ショニンの名を呼びながらリングに上がってくる人物がいた。
バキィ!「きゃんっ!」リングに乱入した人物はショニンの背中にハンマーパンチを落とした。
「あややをいじめるなよなあっ!」藤元美貴であった。美貴はショニンの背中にエルボーを落とす。
ズガッ!「がふ・・・っ」美貴の鋭い肘がショニンの背中にめり込んだ。
「み・・・みきてぃ・・・」膝を落とし、苦痛の表情を浮かべるショニン。
「ほらほら、あややを虐めたんだからこんなもんで済むとは思わないでね」ショニンの髪を掴んだ美貴は、ショニンの顔をリングに叩きつけた。
バシンっ!バシンっ!バシンっ!美貴は何度もショニンの顔をリングに叩きつけた。
ショニンの額から血が滲んでいた。
「あなたの自慢のたらこ唇がもっと大きくなったかしら」美貴は髪を引いてショニンの顔を上げると、嫌味っぽく毒づいた。
「はぁ・・・はぁ・・・。みきてぃ、さんきぅ」ショニンのスリーパーから回復した亜弥が美貴の側に寄った。
「よくもさっきは・・・」美貴が持ち上げたショニンの顔を足裏で踏む亜弥。
「く・・・卑怯・・・」ショニンは亜弥を睨みつけた。
「卑怯もなにも、私が頼んだわけじゃないし。それに、お友達のいないショニンが悪いんじゃん」亜弥は美貴に合図を送るとショニンを立ち上がらせた。
「さっきのお返しはちゃんとさせてもらうからね」美貴に羽交い締めされたショニンの頬に思いっきりビンタを浴びせる亜弥。
パチィィィン!パチィィィン!「きゃっ・・・あうっ・・・」ショニンの顔が赤く腫れ上がった。
「私が痛かったのはこんなもんじゃないいだからね」拳を振り上げる亜弥。
ドガァ!「ぎゃう」亜弥の拳がショニンの顔を歪ませた。ショニンは口の中を切り、口元から血を流した。
『おい・・・なんかよ・・・』さっきまで声援を送っていた亜弥の非道なやり方に観客は顔を曇らせた。
「やべぇ、やべぇ・・・そろそろショータイムにしなきゃ・・・やべぇやべぇ・・・」ざわめき始めた客席に気付いた亜弥はニコリと笑った。
「それにしても、ショニンちゃんのおっぱい大きいよね」亜弥はショニンのバストに視線を集中させた。
「な、なによ・・・」ショニンの顔が引きつる。
「リバウンドで太ったって言ってたよね。その分だけまた大きくなったんじゃないのぉ?」観客に話すようなしゃべり方をする亜弥。
「ちょっと・・・まさか・・・でしょ?」自分の胸に危機感を感じるショニン。
ショニンの予感が当り、亜弥の手がショニンの胸に近づく。
「やだっ!やめてよ!」ショニンは亜弥の手がスポーツブラに伸びると胸で亜弥の手を振り払おうとした。
「いいじゃん、自慢のおっぱいなんでしょう」身動きのとれないショニンを相手に余裕の亜弥。
「やめてよ!ヘンタイっ!」ショニンの必死な叫び。しかし、この一言が亜弥を怒らせた。
「ヘンタイって誰がよ!おっぱいを見せて喜んでいる奴に言われたくない!」亜弥の手がショニンの胸を掴んだ。
「痛いっ!」亜弥に乳房ごと掴まれたショニン。
「気持ちいいの間違いでしょうっ!亜弥はショニンの乳房ごと乱暴に持ち上げた。ショニンの乳房が上に引っ張られ、最後にはブラからこぼれてしまった。
ショニンの白いバストには強引に引っ張られ亜弥の指の跡がくっきり残っていた。
「もう、いいでしょう・・・」ショニンは自分の傷付いた乳房を見て観念した。
「なんかムカツク!」ショニンに関係なく亜弥は自分より大きくて美しい形のショニンのバストに嫉妬した。
「なによ、私より少しくらい大きいからって!」亜弥拳を振り上げた。
バニュ・・・「きゃあっ!」亜弥は拳をショニンの乳房に飲み込ませた。ショニンは胸を潰されたような衝撃が走った。
プルン・・・「あん・・・」亜弥の拳がショニンの乳房から離れると、ほっとした声を漏らしたショニン。
「なにが『あん』よっ!こんなの潰してあげるっ!」再び亜弥の拳が振り上げられた。
バニュ・・・ブニュ・・・ボニュ・・・「あんっ・・・いやっ・・・やめてっ!」亜弥の拳によって踊らされるショニンの乳房。
「やめてでやめる人なんかいないでしょうっ!」ショニンの悲鳴で乳房への攻撃を喜ぶ亜弥。
「こっちの方が気持ちいい?」亜弥は殴り飽きると両手でショニンの乳房を鷲掴みにした。
ブニュ〜・・・「ああ〜ん!」亜弥の細い指がショニンの柔らかい乳房に埋まった。
「気持ちいいんでしょっ!エロ女あっ!」亜弥はショニンの乳房に埋まった指を動かし始めた。
「痛い・・・。やだ・・・やめて・・・やめてって言っているでしょう!」ショニンは無意識に自由に動く足を振り上げた。
ゴキィィィ!「ギュエ・・・」ショニンの振り上げた足は亜弥の股間を蹴り上げていた。亜弥は恥骨を粉砕された衝撃が脳天までに一気に達して股間を押さえその場にうずくまった。
お尻を突き上げ、頭をマットについた姿勢の亜弥。
「あややっ!大丈夫!」美貴は亜弥に声を掛けるが、亜弥はうずくまったままで返事がなかった。
「みきてぃもいつまで・・・」羽交い締めにしている美貴を背負い投げの様に投げたショニン。
ベチャ!「ぎゃうっ×2」美貴の体はリングではなく、うずくまる亜弥の上に落とされた。
かえるが潰れたような声を同時にあげる亜弥と美貴。美貴は受身が取れずに気を失った。
「私じゃなくても、女の子の大事なとこ・・・許さない!」ショニンはブラを直すと美貴を除けて、亜弥のビキニブラの後ろを掴んだ。
「立ちなさいよっ!」亜弥のビキニブラを強引に引き上げ、亜弥を立たせたショニン。
「ああ〜ん・・・」亜弥は股間のダメージから内股で立った。
「一人じゃなんにもできなくせに、いい気になるからあっ!」ショニンは亜弥のブラを持ったまま回り始めた。
「いやああ〜〜〜〜」亜弥はブラに引っ張られショニンに背中を向けたままショニンの回りを回り始める。
「きゃっ・・・」後向きで回された亜弥は躓いて転んだ。
ビリ・・・。亜弥のブラは亜弥の体重を支えきれずに千切れた。
「いや〜〜〜ん・・・・」亜弥は抱き込む様にして乳房を隠した。
「ほらあっ!一人でやり返してみなよっ!」亜弥の背中にサッカーボールキックを叩きこむショニン。
バッシィィィン!「ぎゃふ・・・!」亜弥の呼吸が一瞬止まる。両手を放して背中をすぼめたため、亜弥の乳房が大きく露になった。
「こんなんで許されると思うなあっ!」ショニンは亜弥の腕を掴むと膝を亜弥の背中に当て、腕を後に引っ張った。
「あぐぅぅぅ・・・」肩を締め上げられた亜弥は苦痛の表情を浮かべる。
「ちっぽけだけどあややのおっぱい丸見えよ!」ショニンは亜弥に苦痛だけでなく、恥ずかしい思いもさせるため言った。
「いや〜ん・・・見ないでぇ・・・」苦痛で歪む亜弥の顔が赤らむ。
「小さいから見えないって」ショニンは両膝を亜弥の背中に当てると仰向けに寝転がった。
「やだあぁぁぁっ・・・」亜弥はショニンの膝の上で仰向けになった。亜弥の乳房がふっくらと盛り上がっている。
「ギュブ・・・ギュブしま・・・」痛さより恥ずかしさでギブアップを宣言しようとする亜弥。
「これぐらいで寝言を言わないで!」ショニンは亜弥を降ろすと足を亜弥のウエストに回した。
「グェェェ・・・」レッグシザースで締め上げれた亜弥は苦悶の悲鳴を上げる。
「だめ・・・ギュ・・・」ギャブアップを宣言しようとした亜弥の口にショニンの腕が回ってきた。
「ムグゥゥゥ・・・」スリーパーに似たショニンのフェイスロックが亜弥のギブアップを許さない。
体を締め付けられ、顔を捻り上げられる亜弥はタップでギブアップを宣言しようとするが、ショニンはたまに亜弥の体を浮かせるなどして亜弥を逃げれない状態にしていた。
「う・・・ぅ〜〜〜ん・・・」美貴が気が付く。
「あ、あややは?」亜弥の姿を探す美貴。ショニンに締め上げられているトップレスの亜弥が目に飛び込んできた。
「あやや!」美貴は条件反射的に立ち上がるとショニンの背中へ低空ドロップキックを叩きこんだ。
ドガァァァ!「ぎゃう・・・」美貴の全体中を背中で不意打ちで受けたショニン。
「そんな太い足であややを苦しめるなあっ!]美貴はショニンの首に足を回すと首四の字でショニンを締め上げた。
「ぎゅぅぅぅ・・・」ショニンはなんとか美貴の足のロックを外そうとするが、いくらトレーニングしているショニンの腕力でも足の力にはかなわなかった。
「もう、遅いよう・・・」亜弥が美貴に声を掛ける。
「ごめん、あやや」美貴はすまなそうに亜弥に謝るが、ショニンの首を締める足には力を入れた。
「なかなかお似合いのポーズだよ、ショニン!」亜弥はショニンの下腹部にエルボーを落とした。
ズガァァァ・・・「ぐぅっ」腹部攻撃のような苦痛ではなく、腹を押し上げられるような苦痛に悶えるショニン。
「えっちな声だなあ。そういえば、さっきはよくもっ!」亜弥はショニンの股間を踏みつけた。
ガジュ・・・「がうっ!」ショニンの股間から軋む音がした。
「女の子の一番大事なとこなんだからあっ!」亜弥はショニンの股間に集中してストンピングを落とした。
ガジュ・・・グジュ・・・「ぎゃふ・・・ぎゃんっ・・・」亜弥の股間攻撃に妙な悲鳴をあげるショニン。ストンピングが落とされるたびにショニンの体を押さえこもうと美貴の足にも力が入っていた。
ガジュ・・・グジュ・・・「いや・・・やめて・・・」ショニンは美貴の股間で悲願した。
「当分の間、えっちできないかもね」美貴は冷たく言い放った。
「仕事なくなっちゃうかな。体で仕事貰ってるからね」亜弥は好き放題言いながらストンピングを落としていた。
ジュワーーーー。ショニンの股間から液体が溢れた。ショニンの失禁であった。
股間から溢れ出た液体は赤く濁っていた。亜弥の執拗な股間攻撃はショニンの膣内にもダメージを与えていたのである。
「やだあ・・・ショニン、漏らしちゃったのぉ?キョショイ!」亜弥は大きく膝を持ち上げた。
ゴギ・・・「ぎゅあ・・・」亜弥の踵がショニンの恥骨に落とされるとショニンは体を跳ね上げてぐったりした。
「あらら、寝ちゃったよ・・・。これって私の勝ち?」亜弥はレフリーに尋ねるため顔を上げると、レフリーの背後からリングに上がってくる影が見えた。
「なに?」亜弥はその影を判別しようとした。
「ふ・じ・も・と・ぉ〜!」影が美貴の背後に迫った。
「みき!危ないっ!」亜弥は美貴の危機を知らせようとした。その瞬間・・・
ガッシャァァァ・・・「ぎゅみゃ・・・」パイプイスが美貴の背中に叩きつけれた。
変な擬音を残したままその場に倒れた美貴。
パイプイスは仰向けに倒れた美貴の顔面にも叩き落された。
ガッシャァァァッ・・・!「びゅぎゃ・・・」美貴は大量の鼻血を出しながら体をピクピクさせまた失神した。
「みきてぃ!ごっちん、なにすんのよぉ?」亜弥は美貴の鼻を潰し失神させた影、後藤真稀の名を呼んだ。
「なにすんの、ってふざけないでよ!一人を二人でいたぶるなんてあんたことなに考えてんの!」怒りで顔を真っ赤する真稀。
「ショニンなんてウザイだけじゃん!」真稀に唾を飛ばしながら言う亜弥。
「”ごまとう”してた私にはあんたが一番ウザイよ。ヘロプロの中でもぶりっ子のあんたがウザイ!言っておくけど、ヘロプロで一番性格悪くって嫌われてんのあなたよ」はっきり言い返す真稀。
「そんな・・・」弱々しく言う亜弥。
「それにショニンはごっちんのユウキくんを裏切ったから・・・」亜弥は必死で自分を弁解しようとした。
「他人のせいばっかりにして・・・そういうが一番・・・」真稀はパイプイスを振り上げた。
ガッシャァァァ・・・ッ!「がうっ・・・」亜弥の脳天にパイプイスが落とされた。
ヨタヨタとする亜弥。真稀はもう一度パイプイスを構えた。
ガッシャァァァ・・・ッ!「ぎゅびゅ・・・」パイプイスがバットスイングの軌道を描くと亜弥の顔面にジャストミートした。
大の字に倒れる亜弥。
「嫌いなんだよね・・・」髪を掻き上げながら真稀。
「ふん・・・」真稀は亜弥が失神するとパイプイスを投げ捨てた。
カンカンカンカン・・・。試合終了のゴングが乱打された。
リング場には真稀だけが立っていた。
『ただいまの試合、後藤真稀の乱入によりノーコンテストとします』試合結果が言い放たれた。
観客も含め誰も予想しなかった試合に会場は静まり返っていた。
リングドクターと担架が用意される中、真稀は足元で横たわるショニンに視線を落とした。
「別に、ショニンを助けたわけじゃないから・・・」
真稀はリングを後にした。

「ごっちんらしいやり方・・・」会場を後にしようとする真稀に声が掛かる。保多圭であった。
「・・・」無言の真稀。
「相変わらずなんでもかんでも一人でやろうとするカッコツケやさん」圭は嫌味っぽく言った。
「ゆーちゃんが卒業して、ゆーちゃんの紐だった誰かさんは居場所がなくなって、やっと卒業。それも藤元に追い出されて・・・。それよりマシだと思うけど?」真稀が言い返した。
「なによ、ソレ!私に喧嘩売ってンの?」真稀のペースに飲みこまれる圭。
「勘違いしないで。私は圭ちゃんにはなんの恨みもないから。じゃあね」真稀は圭に背中を向けると去って行った。
「わかったわよ。藤元に追い出されていないっていう証拠見せてやるからっ!」圭は真稀の背中に言った。

亜弥と美貴は顔面にパイプイスを受けたが、外傷もなく打傷による出血と診断され数時間後には帰っていった。
「後藤真稀、あいつだけは許せない・・・」亜弥は真稀への復讐を誓っていた。
「あやや、私も手伝うから」美貴も亜弥に賛同していた。

乳房と股間と女の急所にダメージを負ったショニンは病室のベッドにいた。
乳房は痣だけで済み、地下リングの医療レベルにとって、跡はもちろん、元のショニンの美乳に戻すことはなにも問題はなかった。
また、股間も乳房同様で元通りになることはわかっていた。
地下リングの医療であっても、完治までの時間は短縮できるもののすぐに完治させることは無理なのである。
ベッドの上で天井を眺めるショニンに客人が尋ねてきた。
「どう?調子は?」祐子であった。
「ゆーちゃん・・・」ショニンは懐かしい顔を見るように祐子を見た。
「こんなベッドにいないで、TVとかステージに立ちたいやろ?」祐子はショニンの枕元に座った。
「うん・・・」うなずくショニン。目に涙が浮かんでいた。
「ショニン、いままで一生懸命してきたんやろ?みんな一生懸命には変わらへんけど、ショニンはいろんなことに耐えて努力してきた。これは私だけでなくつむくさんも認めとるよ」祐子の表情が優しかった。
「せっかくここまで努力してきたんやから。あんなことでキレたらショニンじゃなくなるでしょう?」祐子は続けた。
「お客さんもみんな待っているからはよ治さんとね。がんばりぃや」祐子はそれだけを伝えると病室を後にした。



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