決勝戦

準決勝が終わったあと歌田ヒカルが病に倒れ、久しぶりのpride2002の開催となっ
た。
『これより、pride2002決勝戦を行います。本日、総合裏格闘技チャンピオンが決ま
ります』
観客は嫌でも歓声を上げる。
21世紀を代表する二人がこれから夢のような一戦を行うのである。
『赤コーナー、アジアの歌姫〜、T156B80W53H82〜、濱崎〜あゆみ〜』
トレードマークとなった豹柄のビキニでコールを受けたあゆは観客の大歓声に答える
よう挨拶をする。、
『青コーナー、世界の歌姫〜、T158B85W59H84〜、歌田〜ヒカル〜』暫
くの間、ベッドの上で休養を取ったヒカルがグラビアアイドルにひけをとらないムッ
チリした体を漆黒のビキニに包んで挨拶をする。
ヒカルは観客にあいさつを済ませるとそのままあゆのコーナーへ行った。
「ん?」あゆはヒカルが奇襲をするような人間ではないと思っていた。
ヒカルがあゆと対峙する。
「あゆみさん、私事でかなり待たせてしまい申し訳ございませんでした」律儀に謝る
ヒカル。
「あ。はい・・いいえ。もう大丈夫なの?」いきなりのことで困惑したあゆであった
が、しっかりと返答する。
「はい。おかげさまで」ヒカルは一礼すると自分のコーナーへ戻って行った。
コーナーのヒカルは観客と笑顔で接し、これから決勝戦を迎えるようにはまったくと
いったほど見えない。真剣だったあゆはヒカルとのギャップに自分自身が滑稽になっ
た。
カーン!観客の声援が高まる中、世紀の一戦が始まった。
ゴングと同時にヒカルの顔から笑みが消え、一瞬にして真剣な表情になった。
ヒカルの変貌を目の当たりにしたあゆはヒカルが才女と言われることを納得した。
「(やるしかないっ)」あゆも気を引き締めリングの中央に向かった。
リングの中央に二人が対峙する。観客のボルテージは上がる一方である。
「ヒカルちゃんが病み上がりだからって手加減しないからね〜」あゆは独特のかすれ
た声で挨拶代わりに言った。
「もちろん。そうでなければファンのみんなに楽しんでもらえないから・・」意味あ
りげに返事をするヒカル。
「なにそれ?」ヒカルの言ったことを敏感に感じ取るあゆ。
「『なんか気分悪いね〜』とか、私はファンの前では絶対に言わない」ハスキーボイ
スであゆの真似をするヒカル。
「なっ・・」過去のコンサートでの汚点を責められ、言葉をなくすあゆ。
「インターネットとかって便利ですよね。なんにしても私には関係ないけど」細く口
元で微笑むヒカル。
「くっ・・」唇を噛むあゆ。
「今日のこの舞台ではとことんまでファンのみんなに楽しんでもらうのみ」ヒカルは
一歩前にでる。
「あゆだってっ!」あゆも一歩前に出る。身長がほぼ同じ二人は鼻先同士が触れ合う
ほど顔を近づけて睨み合う。
観客は唾を飲み、リング上の緊張感を楽しんだ。
二人はニヤと微笑みお互いに背を向けると、再び対峙して戦闘モードに切り替わっ
た。早くも失神者がでるほど客席のボルテージは最高潮に達していた。
「いくよおっ!」先に動いたのはあゆだった。大きく踏み込むとストレートをヒカル
に打ち込んでいく。
「そんなの返り討ちっ?」ヒカルがカウンターを合わせに行くと、ストレートをやめ
て肩からヒカルに突進するあゆ。
「っ!そんなのっ!」ヒカルもカウンターをやめて手を組み振り上げる。
ドガン・・「きゃっ」吹っ飛ぶヒカル。リングに片膝をつくあゆ。二人の悲鳴が同時
にあがる。
あゆのフェイントのショルダータックルとヒカルのハンマーが同時に炸裂したのだっ
た。
どよめく客席。
「次は私からっ!」素早く立ち上がると一歩だけ踏み込んで低空ドロップキックを叩
き込むヒカル。
「ぐっ」一瞬遅れたあゆが衝撃に耐えようとする。
バッシーン!「きゃっ・・」ガードごと飛ばされるあゆ。すぐさま、追い討ちを掛け
るヒカルが突進してくる。
バッシーン・・「あうっ」ヒカルの突進する勢いを使ってヒカルを投げるあゆ。
すぐに起き上がったヒカルにあゆはドロップキックを叩き込んだ。
ドガ・・「きゃっ」ロープまで飛ばされるヒカル。
あゆは素早く立ち上がると身構える。ヒカルはロープに手を掛けて立ち上がる。
一進一退の攻防が終わるとそれまで息を止めていたいた観客はため息をつく。
「(見てきた通りの強さ・・でもっ)」あゆはヒカルの強さを体験して改めて確信し
た。
「なんかさー。一人でがんばっちゃって感じ悪いよねー。ってか」身構えるあゆをあ
ざ笑うようにあゆの真似をするヒカル。
「なによっ、いきなりっ!」ヒカルにばかにされたあゆ。
「なによっだってー、感じ悪いねー。」再びあゆの真似をするヒカル。
「いきなりなんなのよおっ!」ヒカルの行動に理解できずに地団駄を踏むあゆ。
「ねぇ、どんな試合が観たい〜?」あゆのことを無視して観客に話しかけているヒカ
ル。
『あゆのボロボロな姿あっ!』
『あゆのヌードおっ!』
『あゆとやりて〜っ』
「あはは。やりたいって、できないでしょー」あゆを無視したまま観客と話すヒカ
ル。
ヒカルの問いかけに答える観客。
「ヒカルちゃんの相手はあゆでしょうっ!」トップシンガーとして、カリスマとして
絶大な支持を得ていたプライドがヒカルによってズタズタにされる気分のある。
「ヒカルちゃんにその気がなくてもおっ!」あゆはヒカルを警戒してかボクシングス
タイルで攻め始めた。
シュ・・シュ・・。あゆは速いジャブでヒカルを狙うがヒカルは対したガードもせず
スウェーだけで避けていた。
「あゆみさんってば、なにしてるのかな?」まったくの余裕のヒカル。
「ボクシングってこうするんですよ」一旦、あゆと距離を取ってボクシングスタイル
になるヒカル。
ビシっ・・バシっ・・「きゃ・・く・・」あゆのジャブを避けながら、逆にジャブを
あゆの顔にヒットさせていった。あゆも必死で避けようとする。
「ほらあ、ちゃんと避けないと顔が腫れちゃうよ」ヒカルはあゆに教えるようにして
ボクシングを続ける。
「このおっ!」ヒカルを黙らせたい一心のストレートを打ちこむあゆ。
バキイイイィ・・「きゃあああっ!」あゆのストレートはヒカルにヒットしたが、
ヒットしたというよりヒカル自身があゆのストレートに合わせて頭を動かし額で受け
とめた。
「あゆの手があ・・」ヒカルの額で受けとめられたあゆの拳が瞬く間に腫れあがって
いく。
「いったいなあ、もう」あゆの拳を受けとめて赤くなった額を擦るヒカル。
「私の番ですね」ヒカルはインファイタースタイルになると低めの姿勢であゆの懐に
潜った。
ズブ・・ドガ・・ズボ・・「ぐっ・・あう・・うぐっ・・」ヒカルのボディブローに
顔を歪めるあゆ。
「さすが濱崎あゆみ。なかなか鍛えてる」あゆに反撃を許さないラッシュであゆのボ
ディを打ち込んでいくヒカル。
ズブ・・ドガ・・ズボ・・「あう・・ぐぅ・・ぐえ・・」苦悶の表情を浮かべるあ
ゆ。
「いつまで・・やってるの」大きなステップでヒカルを横にかわすとヒカルの後から
腰に手を回すあゆ。
ズガアアアっ!「きゃうっ!」あゆがジャーマンスープレックスの態勢になると、抱
え上げられる前にヒカルがあゆのつま先を踵で踏み潰した。
「あああっ・・」つま先を押さえてうずくまるあゆ。
「さすがの私もあゆみさんの得意技を受けたら危ないからね」あゆと距離を取るヒカ
ルが見下ろす。
「こんなずるいことしてぇ・・」目に涙を浮かべているあゆ。
「ずるい?なに言ってんのかなっ!」大きく踏みこむヒカル。
バキィィィ・・「んぎゃっ」ヒカルの腰の高さにあったあゆの顔にヒカルの膝がめり
込んだ。鼻が折れ、大量の鼻血を出しながら大の字に倒れるあゆ。
「アジアでしか活動していない甘い人にずるいって言われたくなかったなあ」あゆの
両足を脇に抱えるヒカル。ジャイアントスイングをはじめた。
『1・2・3・・8・9・10』観客が回転数を数える。回転が増すごとに回転速度
も上がってくる。
『11・12・13・・15・・』遠心力であゆの頭に血が逆流していく。
バッシーン!「きゃう」ヒカルも目が回りあゆをジャイアントスイングから解放し
た。
「うう・・」あゆはロープを使って立ち上がろうとする。
「はいはい。いま、立ち上がらせてあげるよん」脇に手を回してあゆを抱き起こすヒ
カル。
「あ〜あ。こんなにいっぱい血をだしちゃって」あゆをロープに寄りかからせるヒカ
ル。
グシャア・・「むぎゅ」ヒカルはあゆの折れた鼻にヘッドパッドを打ちこむ。ヒカル
の額から鮮血が流れているように見えたが、あゆの鼻血がついていただけであった。

「お客さんの第一要望に答えるからよろしく」ぐったりするあゆをコーナーに連れて
行き、トップロープに腕を掛けると間を取る。
バキ・・グシャ・・ボキ・・ドガ・・ズボ・・「きゃんっ・・あう・・ぐはっ・・」
あゆをサンドバックのように殴っていくヒカル。
バキ・・グシャ・・ボキ・・ドガ・・ズボ・・。あゆの顔が腫れあがっていく。
バキ・・グシャ・・ボキ・・ドガ・・ズボ・・。
『・・・』観客は変形していくあゆの顔に言葉を失っていた。いくら自分たちでヒカ
ルに要求したと言え、冗談半分であったのだ。
バキ・・グシャ・・ボキ・・ドガ・・ズボ・・。
濱崎あゆみが濱崎あゆみでなくなるとヒカルは殴ることを止めた。あまりにも殴りす
ぎて拳が痛くなったのである。
あゆは腕をトップロープに掛けたまま両膝をリングにつき、頭をがっくりと下げてい
た。
ズボオオオッ!「ぐはっ」既に立つことすらできななくなったあゆのお腹にヒカルの
つま先が食いこむ。
ズボオオオッ!「げふっ」頭を垂れ下げていたあゆがお腹を蹴られる度に顔を上げ
る。
ズボオオオっ!「ぐふ・・。ぐえ・・」あゆが反吐した。嘔吐物には血も混ざってい
る。
ズボオオオッ!「ぐはっ・・」吐き出す物がなくなったあゆの口から赤く染まった胃
液が垂れた。
『まじかよ・・本当にあれあゆか・・』観客は目の前でボロボロにされているあゆが
あゆではないと思い始めた。それほどまでに凄惨で光景であった。
「さて、次、次・・」ヒカルはあゆを前から抱きしめるように立ち上がらせた。あゆ
は自力では立つことができずにヒカルの肩に顎を乗せ、身体をヒカルに預けている。

ヒカルはあゆの背中に手を回してビキニブラの紐を解きはじめる。ブラの紐を解き終
えるとやさしくリングの中央に座らせビキニショーツを脱がした。
歌姫あゆがリング中央で80センチのバストに53センチのくびれたウエストと82
センチのヒップが隠すものなく露わになった。それまでざわめいていた観客は乗り出
すようにしてあゆの肢体を見詰めている。
「せっかくなんだから、みんなに見てもらわないとね」ヒカルは後からあゆを立たせ
るとあゆを背負った。
「よいっしょっと」カナディアンバックブリーカーであゆを持ち上げるとヒカルはリ
ングの中を歩き回った。
一糸纏わぬ姿のあゆが高々と抱え上げられると観客の興奮度が増してきた。
「ん・・うう〜ん・・」観客のざわめきであゆが目を覚ました。
「(ん?ここどこ)」気が付いたあゆの視界には会場の天井が入った。誰かに抱え上
げられ動いているのもわかった。
『あゆのアソコも丸見えだぜ』
『くぅ〜〜〜っ。やりてえっ!』
観客の言葉にはっとしたあゆが顎を引き、自分の身体を見た。
「(裸っ!?)きゃあああっ!」あゆはビキニブラがなくなっていることに気付くと
悲鳴をあげた。
「あ。あゆみさんが起きた」あゆを抱え上げているヒカル。
「い・・いつのまに?」
「さっきです。結構、みんなには好評ですよ」
「やだ。降ろしてっ!」ヒカルの上で暴れはじめるあゆ。
「暴れないで下さいよぉ・・」ヒカルがヨタヨタとする。
「降ろしてよっ!歌田あっ!」恥ずかしさのあまり乱暴な口調になるあゆ。
バッシーン!「ぎゃう・・」ヒカルの表情が呼び捨てにされて一変すると、あゆをカ
ナディアンバックブリーカーボムでリングに突き刺した。
あゆは両足を開き、顔の真上に股間がある姿勢になった。
「プッシーをヒクヒクさせてる奴に呼び捨てにされる筋合いはないもんねっ!」ヒカ
ルのハスキーボイスが会場に響き渡る。
「そんなっ!ヒクヒクなんかさせてないからあっ!」後頭部のダメージよりヒカルの
言葉の方が恥ずかしかったあゆ。
「あなたとなんか議論したくないっ!」目の前にあるあゆの秘裂に肘を落とすヒカ
ル。
ブチャアアア・・「ひゃあっ!」あゆの股間に経験したことのない衝撃が走る。
「あゆの大事なとこになにするのおっ・・」顔のすぐ上にある自分の秘裂がヒカルの
肘を受けている状態を見たあゆ。
「大事なとこってどこ?」再び肘を振り上げるヒカル。
「いやっ!やめてえっ!」泣き叫ぶあゆ。
ブチャアアアッ・・「ヒイイイッ!」ヒカルはあゆの叫びを無視して肘を落とした。

「お願いだから、もうやめて・・」あゆは大粒の涙を流しながらヒカルにお願いす
る。
「やめてって言う前に言う事があるんじゃないのおっ!」ヒカルがまた肘を振り上げ
る。
「いやあああっ!」プシャーーー。あゆは恐怖のあまり失禁してしまった。
小便が噴水のように上げるとそのままあゆの顔に落ちていった。
「やだ・・見ないで・・お願いだから・・」自分では止められないあゆが小便を被り
ながら悲願する。
「きったないな、こんなとこで漏らなさいでよっ!」まだ小便を撒き散らすあゆの秘
裂に肘を落とした。
ビュチャアアア・・「ああんっ!」ヒカルの肘内であゆの失禁が止まった。
「私まで汚れちゃったじゃない」ヒカルはあゆから離れて立ち上がった。
あゆはそのまま横たわり、唇をかみ締めながら身体を小刻みに振るわせ涙を流してい
た。
「いつまで寝てるつもりなの、世間知らずさん」あゆの頭を踏むヒカル。
「いやああっ!」ヒカルの足を振り払うあゆ。
「いやしか言えないのって言ってるでしょう」あゆの頭を足の裏で小突くヒカル。
「やだああっ!」
裸で泣き叫ぶあゆをヒカルがいたぶっているリング上を唖然と見る観客。
「あゆだって女の子なんだからあっ!」あゆが泣き叫びながら言った。
「だからなんだって言うのかな?」
「いままでに女の子をこうやっていたぶって楽しいのおっ」
「別に楽しくはないけど。ここってそういうとこじゃないのかな」
「だからって、ここまで酷いことすることないじゃないのおっ」
「なにを言い出すと思ったら・・」笑うヒカル。
「どうせあなたなんか女の子を半分なくしてるからねえっ」
「ん?どういうことかな」
「あ・・」あゆは口を塞いだ。
「どういうことかってきいているんだけど?」ヒカルの表情が険しくなってきた。
「ごめんなさい・・ちょっと口が滑っ・・滑りました・・」言ったことを後悔するあ
ゆ。
「口が滑った・・って・・」ヒカルの身体か震えている。
「だから、謝ってる」あゆはなんとかヒカルの許しを被ろうとした。
「開けよ・・」
「えっ???」
「足を開いてその腐ったプッシーを見せろって言ってんだよっ!」ヒカルの怒りが頂
点に達していた。
ヒカルはアメリカで見てきた敗者の条件である足を開いて股間を相手に見せることを
あゆに言ったのだ。
「そんなことできるわけないでしょー。ちゃんと謝るから許してよおっ!」媚びるよ
うに謝るあゆ。
グシャアアア・・「ぎゃん」あゆの顔にヒカルの足の裏が叩きこまれた。仰向けに倒
れるあゆ。
「私だって好きで病気になったわけじゃないんだからあっ!」ヒカルはあゆの膝を抉
じ開けると、目の前にあるあゆの秘裂につま先を突き刺した。
ズボオオオ・・「ぎゃあああっ!」あゆの断末魔が上がった。あゆの秘裂はヒカルの
つま先から足首までスッポリと飲みこんでいた。
「あああ・・う・・」あゆは身体を痙攣させ、天井を見上げたまま口をパクパクさせ
ている。
ヒカルはあゆの足を開いたままにしてあゆとの距離を取った。
『やばいんじゃねーか・・。他のアイドルならともかく、あゆだぜ・・』観客には次
の光景が容易に想像できていた。ヒカルが勢いをつけてからあゆの秘裂を潰す光景で
ある。
観客の思った通り、ヒカルが助走をはじめた。
「あ・・やめ・・て・・」身体の力がまったく入らなくなったあゆは足を開いたまま
呟く。
ヒカルはあゆの股間を目指して真っ直ぐ進んできた。
「いやああっ!ちゃんと謝るからあっ!ごめんなさいっっっ!」ヒカルの足が振り上
げられると叫ぶように謝ったあゆ。
あゆは次の瞬間に襲ってくるであろう衝撃に耐えようと目を閉じて口を真一文字にし
た。
観客も想像通りの展開に目をそむけていた。黒服たちでさえ目を見開き驚きの表情を
浮かべていた。
次の瞬間、一瞬だけ会場がシンと静まり返った。
恐る恐る目を開けるあゆと観客。ヒカルは攻撃を途中で止めていたのである。
ほっと胸を撫で下ろす会場にいるヒカル以外の人。
「ヒカルちゃん・・」極度の緊張から解放されたあゆが笑みを浮かべる。
ヒカルもニコっと笑みを浮かべた。が、その次の瞬間・・。
ジュボオォォォ!!!「ぎゃう・・」ヒカルのつま先があゆの秘裂に突き刺さった。
顎を上げたあゆがそのままリングに倒れ失神した。
客席にいた観客と黒服、大会関係者にはあゆが崩れ落ちる瞬間がスローモーションで
映っていた。
カンカンカンカン!試合終了のゴングが乱打された。
ゴングの音で我に返った黒服は急いでリングに上がるとあゆを控え室に連れて行っ
た。

決勝戦が終了後、しばらくすると表彰式が行われた。
表彰式が行われている頃、ヒカルは既に空港にいた。
体調がまだ万全ではなく、pride2002の決勝のためだけに病院を抜け出して来日した
だけであった。
表彰式では優勝者に与えられるはずの賞金と賞品の授与に困り、観客の提案から今回
の出場者の希望者に分配された。

数日後、pride2002に出場した選手も含めて各事務所に地下リングから一通の手紙が
届いた。
『IWGP(International Galls Grand Prix)タッグ選手権のお知らせ』
辞退した者もいれば、地位と名誉のため出場を決意する者もいた。
ヒカルとあゆの元にも届いていた。
「(ばかみたい・・)」二人は手紙に目を通すことなく破り棄てていた。

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