「ヒロインショー」

 

「何これ?実生ばっかりチョーカッコイイんじゃないの?」

「だって、私がヒロインだもんね。」

「でも、有得ないよねー。」

「いいのよ、私はグオホワイトなんだから。」

「ハイハイ、あなた様はヒロインですよ。」

「そうよ、私はヒロイン!…ナーンチャッテ。」

「アハハハハハ…」

控え室に、三人の少女の明るい笑い声がこだまする。

ここは、ある地方都市の大きな観光ホテル。これから大宴会場で始まるショーの控え室で

ある。

三人を紹介しておこう。

武内 実生:18才,身長157cm3サイズ79-56-79

背戸 早妃:17才,身長161 cm3サイズ83-58-87

渡辺 麻由:14才,身長157 cm3サイズ83-64-90

三人ともあの 黄色いキャブ系列の事務所に所属しているが、年齢や3サイズからも

分かる通り、この事務所にしては珍しく巨乳グラビアアイドルではなく、所謂

正統派アイドルと言って良いタイプである。

最年長でリーダー格の実生は、会話にもあった様に子供向け戦隊物 グオレンジャー

ヒロイン 麗しの女豹、グオホワイトを演じて、子供達からだけでなく、多くの若い

男性達からもヒロイン,或いはアイドルとして大人気であった。過去、戦隊物からは

千葉令子,さとう玉緒,栗栖あつ子等何人もの人気者が輩出されていたが、最近では

永沢奈央と並び今後のブレイク間違い無しと言われていた。

その実生が同じ事務所の二人、早妃,麻由とユニット ラズベリーを結成し活動することと

なったが、やはり今の所実生が知名度,人気共ダントツで、他の二人にジェラシーが無いと

言えば、それは嘘と言わざるを得なかった。

とはいえ、それは過去からのグループ総てに共通する事であり、実生は二人を刺激とし、

早妃と麻由は 実生に追付き,追い越せをモットーに、三人は仲良くプロモーション活動を

続けていたのだった。今回のこのホテルでのショーもその一環であったが、そのギャラが

通常イベントの数倍で有る事も彼女達を興奮させていた。

コンコン

「ハーイ」

ノックに続いて控え室のドアが開かれ、お喋りを続ける三人の所へ中年の男と若者二人が

入ってきた。慌てて、座っていた椅子から立ち上がる三人。

「あ、いいよ。座ってて。」

中年男が言ったが、三人は立ったままであった。

入ってきた中年男はこの地方の有力プロモーターにして、このホテルのオーナーでもある

N氏であった。いかにも、地方の有力者という感じの太って、脂ぎった肌の持ち主である。

この年頃の少女達が本能的に最も嫌うタイプであるが、今日の仕事が彼の力に寄る物で

ある事を知っている三人は、流石にプロである。心中の嫌悪感は一切外には見せず、

にこやかに対応していた。

「今日の予定は、その台本の通りで第一部が皆さん ラズベリーの歌謡ショー。

 バンドじゃなくてカラオケだけど、それは勘弁して下さいね。」

N氏の 歌謡ショーという時代外れのフレーズに思わず吹出しそうになる三人だが、

そこはグッと唇を噛み、堪えた。

「それから、第二部がヒロインショー ミオレンジャーで、捕らえられた早妃さんと

 エーット?」名前が出ず、口篭もるN氏。

「麻由です。」と、自ら口を挟む麻由。

「あ、そうだ。麻由さんだ。麻由さん。その二人をヒロイン ミオレンジャーに扮した

 実生さんが助ける、という出し物。一応、台本は見ておいてね。」

当初の三人の会話は、この台本を見ての物であった。

この 出し物にも必死に笑いを堪える三人。

「それからこの二人だけど、今日戦闘員A, Bに扮する二人。二人ともアクションを

 やっているから、思いっきりやっても大丈夫だからね。」

二人とも180cm前後の長身に筋肉質の体型をしていた。これでルックスが良ければ

アクションスターを目指せたのだろうが、残念ながらそこに難が有った。顔を隠した

戦闘員に成らざるを得なかった訳である。

「宜しくお願いします。でも、あまり全力で殴ったりしないでね。」と若者の一人が挨拶する。

「こちらこそ、宜しくお願いします。」とリーダー格の実生が返事する。更に

「でも、アクションの打合せはしなくていいんですか?もうあまり、時間が無いんですけど。」

と、元戦隊ヒロインらしい心配をする。

「大丈夫ですよ。実生さんが経験を活かして、やり易い様にやってくれれば。きちんと

 対応する訓練は出来てますから。」ともう一人の若者が答える。

「それなら、いいんですけど…」と実生。不安が残る様子だった。

「あと、ボスキャラに扮する人なんだけど。」N氏が口を挟んだ。

「実はまだ到着していないんだ。ちゃんと予め台本も渡してあるから、大丈夫だと思うけど。

 相当な大男だけど、気にしないでね。」

「気にしますよ。アクションの打合せをしておかないと、不安なんですよ。」

実生の心配に対して、若者が

「大丈夫、大丈夫。彼が到着したら、ちゃんと伝えておきますから安心して下さい。

 僕等と同じで自由にやって貰って結構ですので。」

「はい、分かりました。」と実生。不安は残るが、所詮は田舎ホテルの 出し物という事で

納得した。

「それじゃ、宜しくお願いします。」三人の男が出ていった。

気配が無くなったのを確認して、堪えていた笑いを爆発させる三人。大笑いが一息付いて、

実生「アー、チョー可笑しかった。もー、堪えるのがチョー大変。」

早妃「歌謡ショーって、演歌歌手じゃないんだから。」

麻由「ホントだよ。それに 出し物って、何か言い方ないのー?」

早妃「それ以前に、あのオッさん。チョー脂ぎってて、マジ嫌いなタイプ。チキン肌に

   なっちゃったよ。」

麻由「アタシも。それにさー、なんでアタシの名前だけ覚えて無いの?マジ、ムカツク。」

実生「もっと頑張らなくっちゃ、てことね。」

麻由「よーし、頑張るぞっと。ところで、あの若い二人もねー。」

早妃「身体だけなら格好いいのにねー。顔見てチョーガックシ。あれじゃ確かに戦闘員

   止まりだね。実生ちゃん。戦闘員の素顔って、みんなあんな物なの?」

実生「いや、戦闘員にしても、あんな酷いのはなかなかいないわよ。結構素顔がいい人も

   いるのよ。今日はキモいから、なるべく触れない様にアクションしなくっちゃね。」

麻由「そういえば、早妃ちゃんと私はあの二人に捕まるんだよね。ヤダなー。チョーキモい!」

早妃「仕方無いわね。仕事、仕事。でも、もし必要以上に触ったりしたら、ぶん殴ってやる。

   そしたらもう、ミオレンジャーの出番は無しよ。」

麻由「しかし、このネーミングもねー。少しはひねろうよ。」

実生「仕方ないよ。田舎ホテルの 出し物なんだから。」

三人「アハハハハハハハ」

また、大笑いする三人。だが、その 出し物の本当の内容はまだ知らなかった。

 

彼女達三人のユニット ラズベリー 歌謡ショーの最中、別な控え室に四人の男性が

集まっていた。先程のN氏と戦闘員の若い二人にもう一人 ボスキャラらしい大男である。

「それじゃ、こういう段取りで行きますので。」

「本当にこんなことしちゃっていいんですか?」

「いいよ、それを楽しみに皆集まってるんだから。」

「何か、可哀想なんですけど。」

「いいんだよ!事務所からも条件付きだけどちゃんとOK貰ってるし、彼女達のギャラ

 だって通常の数倍払ってるんだから。とにかく、このショーにホテルの運命が掛かって

 いるんだからね。しっかり頼むよ。」

「了解。」N氏の依頼に頷く三人。

 

歌謡ショーが終わり、実生達三人が控え室に戻ってきた。

実生「二人はその格好のままでいいんだよね。それじゃ、私は着替えて ミオレンジャー

   なるから。」

早妃「バックに本当に『ラズベリー歌謡ショー』って、書いてあるんだもんね。

   しかも、手書き。見た時、また笑いそうになっちゃったよ。」

麻由「ホントよね。それにノリの悪い客。手拍子が演歌風なのよね。しかも、ずれてるし。」

早妃「それはしょうがないよね。見事にオッさんばっかりだもん。私達の事、本当に

   知っているのかな?」

実生「知ってもらう為に来たんだから、気にしないの。」

麻由「でも、本当にオッさんばっかりよね。絶対私達のパパより年上だよ。それにさー、

   目付きもなんかチョー嫌らしいの。普段のイベントと違い過ぎ。」

早妃「お酒飲んでる人も、結構いたよね。後で、お酌させられたりなんかしないよね?」

実生「それは大丈夫だよ。そんな事させたら、事務所とケンカしちゃう。」

コンコン

ノックに続き、係員の声が聞こえた。

「すいませーん。背戸さん、渡辺さん、それじゃお願いしまーす。」

「ハーイ」

早妃「それじゃ、行ってくるわね。出し物。」

実生「それでは後程、救出に参ります。」敬礼する実生。

実生達が貰っていた台本の粗筋はこうであった。

1. ステージ終了後の早妃と麻由が戦闘員A, Bに攫われて、そのアジトへ連れて行かれ、

 捕われの身となる。(後ろ手に縛られ、猿ぐつわされる。)

2. そこへ、実生扮する ミオレンジャーが登場。戦闘員を倒し、二人を救い出す。

3. アジト脱出直前、ボスキャラ ザ・ストーム登場。ミオレンジャー苦戦するが、

 三人で力を合わせて何とか倒し、脱出する。

4. めでたし、めでたし。

遊園地の子供相手のヒーローショーでも、もう少しましなストーリーにしそうだが、

そこは田舎ホテルの 出し物ということで、三人は納得していた。

 

さて、出し物が始まったステージ上には、歌の衣装のままで後ろ手に縛られ、猿ぐつわを

された早妃と麻由が、その縄尻を安っぽい仮面をかぶった戦闘員A, Bに握られていた。

A「さて、どう料理してやろうかな?」

B「煮て食おうか?焼いて食おうか?」

台本通りでは有るが、その陳腐な台詞と大げさな動きに、早妃も麻由もまたもや笑いを

堪えるのに必死だった。猿ぐつわが無ければ、吹出していたかもしれない。

そこへ、白いミニのワンピース (勿論、下にはショートパンツだが)に白い仮面を付けた

ヒロイン ミオレンジャーが登場した。

観客からの歓声が上がる。

A「誰だ、お前は?」

実生「正義の味方 ミオレンジャー!その二人を離すんだ!」

B「うるさい。やっちまえ!」

格闘が始まった。とは言っても、実際に殴ったり、蹴ったりしている訳では無く、実生の

殴る,蹴る,投げるといったポーズに合わせ、二人が吹っ飛んだり、回ったりしているの

だが、観客は大歓声である。番組でこういったアクションシーンはよくやっていた

実生であったが、

キモチイー!この二人、上手いじゃない。本当、これで顔さえ良ければアクションスターに

成れるのに。と二人に感心していた。

「クソッ。覚えてろ!」

これまた陳腐な台詞と共に、戦闘員達が去っていった。

縛られている二人に駆け寄るミオレンジャー。後ろ手の縄を解こうとした時、

「待っていたぞ、ミオレンジャー。罠にはまったな、俺が相手だ。」

覆面をした大男が現れた。どうやらボスキャラ ザ・ストームの様である。

またまた起こる大歓声と拍手,口笛。

チョット!段取りが違うよ。ザ・ストームさん

実生はあせった。台本ではボスは二人の縄を解いてから登場する筈であった。しかも、

後ろには出番ではない筈の戦闘員A, Bもいる。注意したい実生であったが、ステージ上で

素になる訳にもいかないので、そのまま演技を続けることとした。

「よーし、ザ・ストーム、お前も退治してやる。悪は必ず滅びるのだ!」

台本通りの台詞を喋り、ザ・ストームに正対しポーズを決める。その時、戦闘員A, B

素早く後ろ手の早妃,麻由に近づき、再び縄尻を取った。さっきとは明らかに違う戦闘員の

雰囲気に、本能的な恐怖を感じる二人。

何するのよ?台本と違うよ!さっさと縄、解いてよ!猿ぐつわ、取ってよ!

「トオーー!」

叫びながら、ザ・ストームにパンチを入れる振りをする実生。が、ザ・ストームは全然

反応しない。

「トリャー!」

実生は今度はキックの振りをするが、これにも一切反応は無い。

何なのよ、この人?全然、段取りが分かってないの?本当に、アクションやったことが

有るの?

焦る実生。そこへ

バッシーーーーン

ザ・ストームの無雑作な、しかし強烈な張り手が実生に炸裂した。

吹っ飛ぶミオレンジャー、いや実生。早妃と麻由も我が目を疑う。

何なのよ、これは?演技?それとも?

プライベートは勿論、仕事でもこんな強烈な張り手の経験など無い実生であった。

痛み自体よりもそのショックで足がすくんだ実生に、ザ・ストームがゆっくり近づいてきた。

演技なのか、本気なのかまだ半信半疑だった実生だが、ザ・ストームの目を見て確信した。

本気だ!私を痛めつけるつもりだ!何でー!?

「ウオーーーー」

大声を上げながら圧し掛かろうとするザ・ストーム。寸前、実生が避ける。

ドォーーーン

床に激突するザ・ストーム。少し躊躇った実生だが、その背中へ今度は振りではない

全力のキックを打ちこむ。

「エイッ、エイッ、エイッ」

しかし、残念ながらまったく効果は無かった。ゆっくりと立ち上がるザ・ストーム。

「ウオーーーー」

再び、大声を上げて実生に襲い掛かるザ・ストーム。

捕まったら、殺される!

恐怖の余り、必死に逃げ回る実生。流石にスピードでは上回り、ザ・ストームは追付けない。

しかし、その時戦闘員A

「ミオレンジャー!逃げ回るなら、代わりにこいつがボスの餌食だ。」

と言いながら、後ろ手のままの麻由を立上がらせ、そしてそこへザ・ストームが歩を進める。

脅える麻由は、今にも泣出しそうである。

ここに進退極まった実生は逃げ足を止めた。

アタシ一人なら逃げられる。でも、麻由ちゃんと早妃ちゃんが。

ついに決心した。

「ミオレンジャーは逃げも隠れもしない。さあ、来い。ザ・ストーム!」

総ての勇気を振り絞り、大男の前に出た。役柄のヒロイン ミオレンジャー

アイドルユニット ラズベリーのリーダーが一体化した。

しかし、その頭の中はまだ混乱しており、色々な考えが渦巻いていた。

1. ザ・ストームが段取りを勘違いしている。この後彼が気付き、台本通りに形勢逆転する。

2. 自分達が知らされていないヒーローが現われ、助けてくれる。

3. ドッキリ企画で、直ぐにプラカードを持ったタレントが出てくる。

4. 自分達が騙されていた。最初から自分達が痛めつけられる段取りだった。

13のどれかであって欲しい実生,いや三人であった。

しかし、正解は4だと信じざるを得なかった。自分を睨み付ける大男の覆面から覗く目は

本気であり、凶悪であった。実生のファイナルアンサーは4でしかなかった。

正対はしたが、掴まったら最後であることは分かっていた。ザ・ストームの横へ、横へと

動き、ローキックを太腿に打ち込む実生。

ピシッ

「イタッ」

小さな悲鳴を上げたのは、キックした実生の方だった。自分のウェストよりも太く、固い

筋肉から出来たその太腿では、コンクリートの柱を蹴った様なものである。

もう一回蹴ってみたが、結果は同じであった。思わず蹴った足を押さえる実生。

どうすればいいのよ?

自らの無力さに泣きたくなる実生。しかし、泣いている暇は無かった。

今度は前蹴りで太腿や、お腹を蹴ってみるが、これも同じだった。何の効果も無く、自らの

足が痛くなるだけであった。

「クソー」

一声叫んだ実生は両足を揃えジャンプすると、ドロップキックをザ・ストームのお腹

当たりに打ち込んだ。

バ―ン

ドォーン

壁に向かってドロップキックをしたのと同じであった。実生は弾き飛ばされ、マットを

引いた床の上に落ちた。落ちた時に腰を打ち痛がる実生に、ザ・ストームが襲い掛かった。

踏み潰そうとするザ・ストームの足を、転がりながら必死に避ける実生。しかし、壁が

邪魔をした。

ア、ヤバイ!ヤバ…

ボスッ

「グッ」

ついに、ザ・ストームの太い足からのキックが、華奢な実生の身体を捕えた。

その一発だけで動けなくなる実生。

ウーーーン!” (実生ちゃん!) 猿ぐつわの下から叫ぶ、早妃と麻由。

「チョコチョコ、逃げ回りやがって。やっと捕まえたぞ。ミオレンジャー!」

ザ・ストームが実生の仮面を持って立たせ、その細く柔らかいお腹に膝蹴りを3発連続で

叩き込んだ。

「ウプッ」

胃の中身が逆流してきたが、必死に飲込む実生。その苦しさに涙目になる。

ザ・ストームは実生のコスチュームの腕と首筋を持つと、自分の腰に乗せ軽々と投げ付ける。

ドォーーン

「アウッ」

マットだけで、あまりクッションの無い床に叩き付けられ、息が詰まる実生。

更に、実生を引き起こしたザ・ストームはボディスラム,大外刈り,肩車,背負い投げと

次々に技を変えながら、何度も何度も立て続けに床へ叩きつけた。

段々、受身もうまく取れなくなり、人形の様に叩き付けられるだけの実生。

10回以上も投げ付けられて動けなくなり、仰向けにダウンしたままの実生のお腹に、

ジャンプしたザ・ストームがギロチンドロップを落とす。

「グプッ、グォーー」

今度は堪え切れず、反吐がミオレンジャーの仮面の口から噴出す。反吐で汚れる純白の仮面。

尚もザ・ストームは攻撃を続ける。胸元,ボディ,太腿へとキックを浴びせるが、顔への

攻撃は無い。どうも 顔は傷つけるなという指示が出ている模様である。

うつ伏せになった実生の背中にザ・ストームが腰を下ろす。

お、重い。骨が折れちゃう。息が出来ない。誰か何とかして。本当に死んじゃうよ!

140150Kgと思われる重量を受け、声も出せぬ実生。

ウー、ウー、ウー” (もう止めてー!実生ちゃんが死んじゃう!)
早妃と麻由も泣きながら叫ぶが、猿ぐつわで声にならない。しかも、次は自分達だと思うと

恐怖で気を失いそうになる。自分たちの叫びに何の反応も無い二人もまた不気味であった。

人間の心を持たぬ、本当の戦闘員の様に感じられた。

実生の背中の上でしばらく休んだザ・ストームは、そこからゆっくり立上がると、まったく

動けなくなった実生の首筋を左手一本で持ってその華奢な身体を持ち上げ、空いた右手で

パンチを打込んだ。

まずはストマックを殴り、再び胃の中身を吐き出させる。次には気を失いそうになる実生の

レバーにパンチを入れた。最も痛いと言われる個所である。その痛みに遠くなりかけた

実生の意識が戻る。ストマック,レバーと交互に繰返し打込み、失神することさえ許さない。

更には実生のバストにもパンチを入れた。女性の急所の一つでも有るが、ここへのパンチは、

むしろその柔らかい感触を楽しむ為の様であった。何故なら、明らかにパンチのスピードも

遅く、当てた後離すまでがゆっくりしていたのだ。

いずれにせよ、実生には抵抗はおろか、攻撃を避ける術も無かった。

二,三ダースものパンチを叩き込んだ次には、実生の身体をうつ伏せ状態で頭上高々と

持上げると、そのまま手を離し落下させた。そして、落下する実生のボディの部分には

ザ・ストームの膝が有った。

ドスッ

「グエッ,アオッ」

2m以上もの落差の有るストマックブロックにより、またもザ・ストームの膝が実生の

ボディに鋭く食い込んだ。しかしもはや吐く物が無く、えづくだけの実生。

「これで最期だ、ミオレンジャー!」
ザ・ストームは一声叫ぶと、右手で実生の首筋を掴むとそのまま右手一本で実生を高々と

持上げた。そして、喉輪落としで床に叩き付ける。

ドッカーーン

大きな音と共に床が揺れる。

「ウーーーーーン」(実生ちゃーーーーん!)

大歓声の観客達。そして、猿ぐつわの中で悲鳴を上げる早妃と麻由。

麻由は眼をそらしたが、一方早妃は眼をそらすことも出来ない。

仰向けに大の字になったまま、ピクリとも動かない実生。仮面の為、表情が見えない事が

二人の不安を更に大きくした。

実生ちゃん。大丈夫?まさか、死んじゃ…自分の最悪の想像を打消そうとする早妃。

戦闘員Aが二人の縄尻をBに預け、実生の様子を見に行く。そして、指で○印を作り、

ザ・ストームとBに示す。

「死んじゃいないようだな。気は失っているが。」Bが二人に告げる。

一瞬ホッとした二人だが、自分たちの危機が現実化していることには背筋を凍らせる。

ザ・ストームは気を失っている実生に近付くと、そのコスチュームを脱がせ始めた。

「ウーーーーーーン」(何すんのよ!そんな事しないでよ!ヘンタイ!)

叫ぶ早妃と麻由だが、猿ぐつわで言葉がはっきりしない。

ザ・ストームはミオレンジャーのコスチュームをワンピースに続き、ブラジャー,

ショートパンツそしてパンティーと脱がせて行くが、仮面だけは脱がせなかった。

バストもヘアーも顔以外は総てが露わにされた実生だが、まだ意識は戻らなかった。

 

「さて、次はお前等だな。」

戦闘員A, Bが早妃と麻由の猿ぐつわをようやく外し、後ろ手に縛っていた紐も取った。

目の前で実生が半殺しにされた上に、全裸にされるのを見た早妃と麻由は、もはや半狂乱と

なっていた。

「助けて下さい!許してください!」

その場に土下座し、泣きながら許しを請うだけの二人。

「許して下さい!お願いします!何でもしますから!」

泣き叫び続ける二人に、Aが口を聞いた。

「本当に何でもするか?」

「ハイッ、ハイッ、ハイッ」

必死に首を縦に振る二人。そこへAが条件を告げた。

「それじゃ、今から二人で闘うんだ。勝った方一人は許してやろう。」

耳を疑う早妃と麻由。本当に許して貰えるか、信用は出来ない。だがいずれにせよ、

もし闘わなければ二人共が実生と同じ目に遭わされるのは間違い無い。それならば、

ほんの僅かな望みにでも掛けるしかなかった。

「闘います!」先に返事したのは、麻由の方だった。殴られたりするのも嫌だが、こんな

人前で裸にされるのは14才の少女にとって耐えられることではなかった。

「私も!」早妃も返事した。17才の早妃にとってもそれは同じだった。

早速立上がり、睨み合う二人だが、そこへBが更に条件を付加えた。

「そのままだと動き難そうだし、折角のステージ衣装が汚れても困るだろ。衣装を脱いで

 闘いな。」

流石に直ぐには指示に従えない二人。だが、A

「じゃあ、俺達が手伝ってやろう。こっちへ来な。」と言い、A, Bの二人が近付いて来るのを

見て、二人とも決心した。

「来ないで下さい。自分で脱ぎます。」と早妃。

ついに二人がゆっくりとステージ衣装を脱ぎ出した。観客からの歓声が更に大きくなる。

上着とスカートを取去ると、上半身はブラジャーだけ、下半身はアンダースコートとなった。

半裸の胸を両手で押さえ、立ちつくす二人。

「それも衣装だろ。脱ぐんだよ!」とA

アンダースコートのことであった。二人とも拒否出来ず、半泣きになりながらも脱ぎ去る。

身に着けている物はブラジャーとパンティだけになってしまった。

観客席からの野卑な歓声が、少女達の恥ずかしさを倍増させる。

「よし、準備出来たな。それじゃ、試合開始。カーン」

Bの口ゴングで、下着姿のまま向き合う早妃と麻由。だが、こんな経験など無い二人は

お互いどうして良いか分からない。殴り合うでも、組み合うでも無く、ただ立ち尽していた。

「何をモタモタしているんだ!それじゃ、二人ともミオレンジャーと同じ運命だな!」

叫ぶAがステージの一方を指差す。そこでは失神したまま全裸にされた実生が、

ザ・ストームの手に寄って天井から下りた紐で手首を縛られ、吊るされようとしていた。

バストもヘアーもすべてが観客に曝け出されていた。

思わず息を飲む早妃と麻由。もう戸惑っている場合ではなかった。

「キャーーーー」

奇声を上げながら、麻由が早妃に殴りかかる。迎え撃つ早妃。お互いの顔目掛けて

グーパンチの応酬となった。

「おっと、ちょっと待った!」

Aが麻由,Bが早妃をそれぞれ羽交い締めに捕える。

「何するのよー!」叫ぶ麻由にA

「顔は止めろ!お互いアイドルなんだから、他を攻めるんだ!」と注意する。Bも同様で

あった。やはり、先程の実生に対しても 顔は傷つけるなという指示が有った様だ。

興奮状態の二人を一旦引き離す。再度向かい合う二人。体格的には早妃がやや背が高く、

麻由がやや横幅があるが、そう大きな違いでは無かった。顔は駄目ということで、お互いの

ボディを殴り合う二人。二人とも辛さ,痛さに涙が出そうになる。麻由の膝が早妃のお腹に

ヒットした。思わずひざまずく早妃。その背中にパンチを振り下ろす麻由。

うずくまっていた早妃だが、ヘッドバットを麻由の顎に突き刺した。

「アガッ」

後ろへ倒れる麻由。起き上がり、態勢を立て直す早妃。下着姿の美少女二人のファイトに

声援を贈る観客。A, B 結構やるなという目で見ていた。

再び近付く二人。早妃が組合うと見せ、麻由のボディに前蹴りを入れる。前のめりになる

麻由のボディに膝蹴りを連発する早妃。まったく、容赦の無い攻撃である。口から反吐を

吐き出す麻由。しかし、目は死んでいない。隙を見て麻由が早妃のお腹にヘッドバットを

入れる。早妃もお腹を押さえ苦しむ。更にタックルして早妃を仰向けにした麻由が上に乗り、

早妃の首に手を掛ける。締め上げようとする麻由。しかし、暴れた早妃の膝がちょうど

麻由の薄布一枚に覆われた股間を直撃した。

「アウッ」

突き抜ける衝撃に手の力が緩む麻由。チャンスと見た早妃は態勢を入れ替えた。

上になった早妃が今度は麻由の首を締め上げる。暴れる麻由だが、早妃が警戒しており、

手も足も届かない。更に体重を掛けつつ、手に力を込める早妃。

麻由の顔が真っ赤になり、大きく開いた口から ゼイゼイという喘ぎ声だけが聞こえる。

ついに、麻由の動きが止まった。これ以上はまずいと思ったA, Bが早妃を引き離す。

意識を失った麻由の首には、早妃の手の跡が赤くくっきりと残り、また失禁してしまった

様でパンティに黄色いシミが付いていた。

引離された早妃は横たわる麻由を見て我に帰った。自分のやった事の恐ろしさに気付き、

背筋が寒くなる早妃。

アタシ、何てことやっちゃったの!アタシ、麻由ちゃんを殺していたかも知れない!

呆然と自分の手を見つめる早妃に、Aが声を掛けた。

「良くやった。お前の勝ちだ。これでお前は俺達の仲間だ。助けてやる。その誓いとして

 こいつを晒し者にするのを手伝え。」

早妃は聞こえているのか、いないのか、ただ呆然としていた。

「さあ、まずこいつを裸にして、ミオレンジャーと同じ様にするんだ。」

Bの声にも身体が動かぬ早妃。ふと、目をやった先には仮面を着けた全裸の女性が腕を上に

上げて吊り下げられていた。更にはその右足の膝上辺りにも紐が付けられて、大きく上に

引き上げられていた。その結果足を90゜以上開くことになり、秘部を皆に曝け出していた。

早妃が、そのあられもない姿にされているのが、同じメンバーの実生である事に気付くまで

しばらく掛かった。そして、その事に対する感情もあまり湧いてこなかった。

早妃もまた、精神的に追い詰められているのだった。

早妃が動かない為、A, Bの二人が麻由を脱がせていった。といっても、既にブラジャーと

パンティだけなのであまり手間ではなかったが。

14才としては立派なバストと、自らの小水で濡れ、肌に張り付いてしまった、まだ薄く

頼りないヘアーが現われた。

A, Bの二人は麻由を実生と同じ様に天井からぶら下げ、次に膝上に紐を掛け開脚していった。

露わになる14才の美少女の秘部に、観客の大歓声が湧き起こり、視線が集中する。

双眼鏡で覗き込んでいる観客も多くいた。

 

まだ、現実感を失っている下着姿の早妃の周りに戦闘員AB、そしてしばらく控え室で

休んでいたボス,ザ・ストームが集まった。

「こいつはどうするんだ?」とザ・ストーム。

「一応、勝ったんですけど、その後はずっとこの調子で協力はしませんでした。」とA

「じゃあ、許すわけにはいかないな。」とザ・ストーム。

「仰せの通り!」A, Bが口を揃え、敬礼する。

「こいつはお前等に任せる!」ボスの声に、A, Bが動いた。

やっぱり、アタシもやられるんだ。仕方無いよね。

早妃の想いに不思議と 騙されたという気持ちは無かった。

他の二人があんな目に遭わされているのに、自分だけ助かるのは不自然だと思った。

しかも、麻由をあわや殺しそうになったのは自分自身なのである。

それも、自分だけが助かりたい為に。

無抵抗の早妃をまずAが立たせ、そのお腹に膝蹴りを入れた。

「ウッ」
次いでBも同じ膝蹴りを入れる。

「ウプッ」

逆流する胃液をこらえる早妃。

Aがお腹へパンチ、次にBがお腹へパンチ。

Aがローキック,Bがローキック。

Aがミドルキック,Bがミドルキック。

Aがボディスラム,Bがボディスラム。

楽しんでいるかの様な二人の攻撃に、早妃には二人の区別がつかなくなってきた。

感情を失ったかの様に、悲鳴も上げず、無抵抗で攻撃を受け続けるだけの早妃。

Aが早妃を羽交い締めにして、Bがパンチを繰り出す。ストマック,レバー,横腹そして

バストを打つ。次にはBが押さえ、Aが打つ。バストへのパンチでブラがずれてきた。

「邪魔だな。取っちゃおうか。」

「そうするか。」

ブラがむしり取られ、早妃の美形バストが露わになった。観客の歓声が起こる。

そこへAのパンチ。

しかし、全く悲鳴を上げない早妃にA, Bがいらついてきたようだった。

Aがいきなり早妃の両バストを鷲掴みにした。

「イターーー」

恥ずかしさはマヒしていた早妃だが、この痛さには堪らず悲鳴を上げた。

その悲鳴の為なのか、吊り下げられていた実生の意識が戻ってきた。

そして、自分の姿に気付いてしまった。

「イヤーーーーーーーーーーー」

ついに状況を把握した実生の叫び声が上がった。

自分は全裸開脚状態で吊り下げられており、隣には麻由も同じ状態。更に裸同然の早妃が

戦闘員二人に弄ばれている。

「止めてよー、こんな約束じゃないでしょ!卑怯者!ウソツキ!訴えて…」

叫ぶ仮面の下の実生の口を、ザ・ストームが猿ぐつわで塞ぐ。さっきまで、早妃がしていた

物だった。

「ウゴッ、ウア、ウア!」

涙をこぼしながら、猿ぐつわの中で叫び続ける実生。

「お前等もそんなことしてないで、サッサと片付けろ!」

ザ・ストームが、無抵抗の早妃のバストを弄んでいたA, Bに怒鳴る。

「ハイッ!」ボスに最敬礼する二人。

早妃を立たせるとAがフロントネックに捕らえ、その無防備なお腹にBが膝蹴りを

連発する。

戻しそうになる早妃をAがブレーンバスターで床に叩きつける。

「グー、ウッ、ゴボッ」

そのショックでついに早妃の口から大量の反吐が吐き出された。

目配せした二人は早妃の最後の一枚をも剥ぎ取った。露わになるやや濃い目のヘアー。

Bが早妃をカナディアンバックブリーカーの形に担ぎ、ヘアーを観客にアピールする。

アー、痛い、イタイ。麻由ちゃん、これで早妃を許して!

総ての攻撃を、その痛みも恥ずかしさも、自分があわや殺しそうになった麻由への償いと

する早妃。

そして、Bは早妃を頭から床に叩きつけた。パワーボムと同じ形である。

ドッカーーーン

「ムーーーーン!」(早妃ちゃーーん!)

実生が猿ぐつわの下から叫ぶ。

叩きつけられた勢いで、早妃の両足が開いた状態で肩越しに床まで着き、所謂

まんぐり返しの恥ずかしい姿勢になってしまった。

しかし、早妃もまた気を失ってしまっており、自分のその姿勢に気付かなかったのは

まだ幸いだったかもしれない。

そして、しばらくそのままにされていた早妃も、二人と同じ様に開脚状態で天井から

吊下げられた。

 

ラズベリーの三人が天井から吊下げられた所で、N氏がステージ上に現われた。

「えー、皆様、本日のショーはお楽しみ戴けましたでしょうか?」

沸き起こる大きな拍手と歓声,口笛が、その答えであった。

「それでは登場人物を紹介します。ザ・ストームこと嵐死選手。」

大男、ザ・ストームの正体がここで明らかにされた。190cm, 140Kgの巨体を誇る、

現役プロレスラーの嵐死であった。小柄なアイドルが手も足も出ないのは当然である。

ここで覆面を取り、観客の声援に応える嵐死。

「戦闘員A, Bこと…」

共に某アクションクラブに所属している若者であった。二人とも実際闘えば強いのだが、

そのルックスが災いして、いつも顔を隠してのやられ役ばかりであった。実生は気付いて

いなかったが、実はグオレンジャーにも何度か戦闘員として登場していたのである。

彼等にとっては、今日はその憂さ晴らしでもあった。

二人も仮面を取り、観客に手を振る。

ミオレンジャーこと武内 実生。」

一段と大きな拍手と声援が上がるが、実生には全裸開脚状態で吊るされたまま、仮面の下で

ただ涙を流し続けることしか出来ない。

「囚われのアイドル歌手、背戸 早妃,渡辺 麻由。」

こちらへも観客の声援が上がるが、二人とも実生と同じ全裸開脚状態で、こちらはまだ

気を失ったままである。

 

今日のショーの真相はこうであった。

バブルがはじけ、ホテルを始め会社の経営が苦しくなったN氏は資金繰りの為、アイドルが

痛めつけられ裸にされる、というショーを企画し、高価な入場料で観客を募集した。

どうやら、何かで地下プロレスの噂を聞き、その真似をしようとしたらしい。

そして、そのショーはチケットの高価さにも関わらず多くの客が集まり、大成功を収めた。

今回の収入でN氏の会社は持ち直す見込みとなった。

 

当初はここで終わる予定だったが、ここでN氏は更に欲を出した。実生達三人や嵐死に

払うギャラ (戦闘員二人は憂さ晴らしが目的で、安いギャラであった。)をも回収しようと

思ったのである。

N氏が観客に提案した。

「皆様も見ているだけではつまらないと思いますので、ステージに上がってこの三人と

 遊んでみませんか?」

勿論、この三人というのは嵐死+A, Bでは無く、全裸で吊下げられている ラズベリー

こと実生達三人の美少女の事である。

「これから、その権利を競りに掛けます。競り落とした方一名は30分間、その一人を

 殴るなり、蹴るなり、或いは触るなり、舐めるなり御自由にして下さい。ただし、

 事務所から固く注意されていますので、顔とオ○ンコを傷つける事だけはしないで

 下さい。」

何、言ってんのよ、このスケベ親父!誰か、助けてよ!

無論、実生の願いが通じる相手はいない。

「それでは、開始します。まずは麻由ちゃんから。」

20万!』

30万!』

50万!』

70万!』

先程からのショーに興奮していた観客は、金額をどんどん上げていく。

「もういませんか?はい、では落札しました。では次はこちらの早妃ちゃん。」

同じ様に金額が上がって行き、そして落札する。

「最後にミオレンジャーこと実生ちゃん。」

仮面の威力なのか、どんどん上がって行く金額。そして、先の二人より高い金額で落札した。

「それでは競り落とした三名の方、ステージに上がって下さい。さっきの注意だけは

 守って下さいよ。あ、その前にお金を。」

懐から取出した分厚い札束をN氏に渡し、生ツバを飲みながら興奮し血走った目を全裸の

少女達に向ける三人の中年男達。

三人共がN氏に負けず劣らず脂ぎっている。

仮面の顔をそむける実生。

そして、三人がそれぞれ競り落とした少女に取り付いた。

早妃と麻由も、それぞれ頭から水を掛けて意識を取り戻させられた。

「キャーーーーーーーーーー」

「イヤーーーーー、ヤメテーーーーーーー」

二人の悲鳴が上がる。

実生の猿ぐつわも外された。

「ヤメテーー!誰か助けてーーー!」

脂ぎった醜い中年男達は三人の美少女の身体ににパンチ、キックを浴びせては悲鳴を

上げさせ、次にはバストや開かれた秘部をいじくっては、別な悲鳴を上げさせる。

それはまるで、三人が少女達に悲鳴を上げさせることを競いあっているようだった。

絶え間無かった三人の美少女の悲鳴がかすれ、うめき声とすすり泣きの声だけに

なってしまった頃に時間が終了した。

 

ホテルの ヒロインショーはこうして終わりを告げた。

 

―「ヒロインショー」―  ()

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