『ミス漫画人-1』

「この中で、誰が一番強いのかね?」
切っ掛けは、そんな一言だった。
老舗漫画雑誌である『少年漫画人』は毎年ミスコン『ミス漫画人』を主催しており、特にここ数年は毎年
グラビアだけでなく、CMやTVバラエティを賑わすアイドルを次々に輩出しているのであった。
本年度のグランプリ決定を前に、過去のそのメンバー達を見渡した社長がフト漏らしたこの言葉が地下リングに
伝わり、両者共同での大会『ミス漫画人最強決定トーナメント』のプロジェクトが組まれることとなった。

プロジェクトメンバー達は、まずは参加するメンバーの選定を開始した。
その結果 '02〜'05年度のメンバーからグランプリを含む3名づつ、計12名を選び、それぞれの事務所に通達した。

そのメンバーは
'02年度
和喜 沙也 :22歳 160cm 84-58-83
康田 美沙子:23歳 161cm 82-60-85 
中河 翔子 :20歳 158cm 84-58-84

'03年度
岩浅 真悠子:19歳 155cm 83-58-86
背戸 早妃 :20歳 161cm 83-58-87 
夏芽 理緒 :21歳 156cm 98-58-85

'04年度
小坂 由佳 :20歳 168cm 88-58-84
山咲 真実 :20歳 169cm 84-59-87
原多 桜怜 :20歳 158cm 97-60-88 

'05年度 
北野 きい :15歳 155cm 80-58-81
時藤 ぁみ :18歳 154cm 85-58-83
古林 ユリ :18歳 150cm 94-60-86
(年齢は '06年4月1日現在,サイズは公称)

芸能界での実績や現在の売れ方は様々であり、地下リングについても経験者もいれば存在すら知らなかった者も
いたが、いずれにせよ『少年漫画人』と「地下リング」からのオファーでは、如何に大手プロダクションや
売れっ子アイドルとて拒否することは不可能であった。

12名の参加選手達はそれぞれにトレーニングを開始した。優勝すれば、或いは良い試合をすれば今後の活動に
大きなプラスになる事は事務所の先輩等から聞かされ分かっているだけに、皆必死であった。

試合形式は各年のグランプリ受賞者 (沙也,真悠子,由佳,きい)をシードしたトーナメント戦で行なわれ、
初日に1, 2回戦、日を改めて準決勝と決勝が行なわれることとなった。
負け抜きで最弱決定戦をやり、ペナルティを与えようかという案も出たが、以前似た形式の大会を行ない遺恨が
遺恨を産む結果となった事も有って、今回は見送られることとなった。

それぞれの選手からのコメントも入ってきた。

和喜 沙也「モリ・プロ代表として頑張ります。輪田さんに、恥をかかせる訳にはいきません。」
康田 美沙子「優勝して、またCMに出たいです。私だって経験者だし、強いんですよ。」
中河 翔子「ブログで見ているみんなも応援してくれてるし、負けません。」
岩浅 真悠子「私が本当にヤンキーだったかどうか、これで分かりますね。小さいからってバカにしちゃ、
      大怪我しますよ。」
背戸 早妃「頑張ります。」
夏芽 理緒「相手を叩き潰して、絶対優勝します。特に、タプとか言ってる奴には絶対負けません。」
小坂 由佳「真実ちゃんが強そうだけど、他の子には負けない自信が有ります。」
山咲 真実「優勝は、私しか無いでしょ。ライバルはいません。闘ってみたいのは、由佳ちゃんかな。」
原多 桜怜「タプレンジャーは負けない。それだけです。」
北野 きい「良く分からないんだけど、ともかく頑張ります。」
時藤 ぁみ「地下リングって、メガネ掛けたままでもやれるんですか?」
古林 ユリ「私が一番チビなのかな? でも、負けませんよ。」

注目の組み合わせ抽選が行なわれ、対戦相手が決定した。

大会初日
第一試合:康田 美沙子vs. 背戸 早妃
第二試合:中河 翔子vs. 山咲 真実
第三試合:夏芽 理緒vs. 時藤 ぁみ
第四試合:原多 桜怜vs. 古林 ユリ
第五試合:岩浅 真悠子vs. 第一試合勝者
第六試合:小坂 由佳vs. 第二試合勝者
第七試合:北野 きいvs. 第三試合勝者
第八試合:和喜 沙也vs. 第四試合勝者

大会二日目
準決勝-1:第五試合勝者vs. 第六試合勝者
準決勝-2:第七試合勝者vs. 第八試合勝者
決勝

予想では、体格と運動神経に恵まれた真実とタプレンジャーとして実績の有る桜怜が高評価であったが、大会に
賭ける思いの強い理緒も伏兵視され、また予想外の実力者の存在も否定出来なかった。

組み合わせを見てのコメントも入ってきた。

康田 美沙子「早妃ちゃんに、真悠子ちゃんか。誰が上がってもおかしくないけど、二日目までは行きたいな。」
背戸 早妃「誰が相手でも、頑張るだけです。」
岩浅 真悠子「どちらが上がって来ても、負けません。作戦は出来ています。」
中河 翔子「真実ちゃんは強そうだけど、全力で闘います。」
山咲 真実「由佳ちゃんと当たれるのは嬉しいですね。決勝までは確実に上がれるでしょう。」
小坂 由佳「真実ちゃんですか…  最悪… 」
夏芽 理緒「一、二回戦は全然問題無いです。次のタプを叩き潰す事に集中します。」
時藤 ぁみ「で、メガネ掛けたまま試合しても良いんですか?」
北野 きい「一回戦を見てから、闘い方は考えます。理緒ちゃんかな〜」
原多 桜怜「タプレンジャーは負けない。それだけです。」
古林 ユリ「一回戦に全力投入です。一番やりたかった相手です。」
和喜 沙也「桜怜ちゃんでも、ユリちゃんでも、好勝負出来る様輪田さんにしっかり鍛えてもらいます。」

それぞれの思いを胸に、大会初日を迎えた。

超満員となった会場にアナウンスが流れる。
「只今より、『ミス漫画人最強決定トーナメント』初日を行ないます。本日はトーナメントの一,二回戦を
 取り行ないます。
 選手入場!」
そのアナウンスと共に、12名の選手達が色取り取りの水着姿で入場し、リングに上がった。
観客達は、それぞれお目当ての選手に声援を送りつつ、由佳や真実の脚の長さ,桜怜,理緒,ユリの巨乳,
スラっとした美沙子や早妃、ロリっぽい翔子やきいの身体をを見比べていた。また、メガネを掛けたままのぁみの
姿には心配する声も上がっていた。
そんな中、選手紹介に続き、ルールの説明が流れた。
「今大会の勝負の決着は通常のプロレスルールに準じ、フォール,ギブアップ,KO,レフリーストップ,
 ドクターストップ,反則等ですが、場外カウントアウトは有りません。」
フォールが有る分、返し技での逆転も考えられるルールである。

「第一試合、康田 美沙子対背戸 早妃を行ないます。その他の選手は控え室へ戻って下さい。」
リングの上には美沙子と早妃が残り、他の選手は一旦控え室へと戻っていったが、勝者と対戦する事になる真悠子は
そのまま観客席に座り、試合を見ることとした。

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