『ミス漫画人-7』

まずリングには、前回同様巨乳強調の為胸元を大きく開けた黒のワンピース水着の理緒が向かった。
そして、そこへ浴びせ掛けられる大きなブーイングと「ブ○」コール。
だが、そのヒール扱いを覚悟していた理緒はコールを浴びせる観客を睨みつけると、堂々とした
ふてぶてしいとも思える態度でリングインした。
そして、今回初めて着用したオープン・フィンガー・グローブの感覚を確かめるように、黙々と
シャドー・ボクシングでのウォーミングアップに励む。

次いでタプレンジャーでもお馴染みの、ピンクのスポーツビキニを着た桜怜がリングに上がった。
普段であればブーイングが浴びせられる事の多い桜怜で有ったが、今回は対戦相手の理緒が完全に
ヒールの立場となっている為か、喚声とブーイングが半ばする中途半端な状況となっており、
何と無く戸惑った様子を見せていた。

試合前の注意で両選手がレフリーに呼ばれ、リング中央で睨み合う。
156cm 98-58-85の理緒と、158cm 97-60-88の桜怜が近付くと、下半身はホッソリした理緒と、
全身がムッチリしている桜怜の違いは有るが、まさに胸同士が激しくぶつかり合う。
その状況にはブーイングを送っていた観客からも、歓声とため息が上がる。

「準決勝第二試合、夏芽 理緒 対 原多 桜怜を行ないます。」
"カーン"

ゴングと共に飛び出したのは理緒であった。
中途半端な状況に気合いが乗り切らない桜怜に対し、理緒は右,左と練習してきたパンチを振るい、
桜怜の顔面或いはボディを狙う。
理緒の先制攻撃に戸惑った桜怜は、ガードを充分に固められないまま理緒のパンチをボディに受けて
しまい、思わず前かがみとなる。
先制攻撃が功を奏した理緒は、桜怜のボディに更にパンチを連発し桜怜のガードが下がったところで、
顔面へも右フックを叩き込む。
"バシーーン!"
この一撃で桜怜が前のめりにダウンする。
理緒はダウンした桜怜にキックを数発叩き込むと髪の毛を掴んで立たせ、そのまま場外へ放り投げる。
観客のブーイングの中、自らも場外に降りた理緒はダウンしている桜怜にキックを連発する。
ダウンしたままの桜怜を場外に残したままリングに戻った理緒に対し、観客からは一層大きな
ブーイングが起こったが、理緒はむしろそれを快感と感じ始めていた。
暫らくして、桜怜がゆっくりとエプロンに上がってくる。
まだダメージが残っている様子の桜怜に対し、理緒は飛び込むと左右のパンチをボディから胸元へ
叩き込み、桜怜は再び場外に転落する。
リング中央で両手を上げる理緒に対し、観客からは再びブーイングが送られる。
一方、場外に再度落とされた桜怜は理緒が追ってこない事も有り、今度は先ほどよりも長めに場外で
休憩を取り、呼吸と気持ちを整える。
エプロンに上がった桜怜に対し再度理緒がパンチを狙うが、今度は桜怜がロープの反動を使った
ショルダー・タックルで理緒をリング中央にダウンさせる。
リングに入った桜怜に対し、理緒も素早く立ち上がると左右のパンチを狙う。
対する桜怜もここはガードをきっちり固めながら、早織ばりの嘗底で対抗する。
その嘗底の圧力に押された理緒が後退し、コーナーを背にするが上手くサイドステップで回り込み
逆に桜怜をコーナーに追い詰める。
"バシーーン!"
ここで理緒の右ストレートと桜怜の右嘗底が相打ちとなり、両者がダウンする。
先に立ち上がった理緒が桜怜に馬乗りになりパンチを落とそうとするが、桜怜もしっかりガードする。
更にパワーと体力で上回る桜怜は、上に乗った理緒の態勢を崩そうと狙う。
態勢が不充分で逆転される気配を感じた理緒はマウントを諦め、立ち上がるとコーナーへ移動し
ファイティングポーズを取る。
そしてゆっくり立ち上がった桜怜に近付くと左,右とパンチを振るうが、桜怜もガードを固めた
状態で前進し理緒をコーナーへと追い詰めようとする。
再びサイドステップで回り込もうとした理緒に対し、桜怜の重いローキックが飛んだ。
"バシン!"
タイミング良く決まったローに理緒の動きが止まると、桜怜がそのボディにタックルを仕掛ける。
"ドッスーン!"
桜怜の強烈なタックルに理緒は仰向けに転がり、その上に乗った形となった桜怜が今度はマウント
ポジションを狙う。
しかし理緒も下からのパンチを振るい、桜怜の自由は許さない。
理緒のパンチに手こずる桜怜はマウントを一旦諦め、立ち上がるとヒップを理緒のボディに落とした。
"ドスンッ!"
この一撃で動きの止まった理緒を引き摺り起こした桜怜は、ボディスラムでリング中央に投げ落とす。
"ドッシーン!"
そして素早く理緒の上に乗ると、袈裟固めの態勢に固める。
態勢を崩そうと暴れる理緒であるが、桜怜も慎重に対処し態勢は崩さない。
地味な攻撃ではあるが、下になった状態で肩と腕を極められ桜怜の体重を受けている理緒のスタミナが
徐々に奪われていく。
それでも何とか理緒の足がロープに届き、レフリーがブレイクを掛ける。
"ブレイク!"
素早く立ち上がった桜怜に対し、理緒はロープに足を掛けたまま荒い呼吸で立ち上がれない。
ここをチャンスと見た桜怜はダウンしたままの理緒にキックを連発すると引き摺り起こし、コーナーへ
叩き付ける。
"ドッスーーン!"
リングと共に、叩き付けられた理緒の胸も揺れる。
そのコーナーへ走り込んだ桜怜が、理緒の首筋に串刺しラリアットを叩き込む。
"バシーーーン!"
更にコーナーに崩れ落ちた理緒に対し、反転した桜怜がヒッププッシュを叩き込む。
"ドスーン!"
理緒を引きずり起こした桜怜は、今度は反対側のコーナーに叩き付けようとする。
しかし、投げられそうになった理緒も上手く身体を入替え、逆に桜怜をコーナーに叩き付ける。
"ドッスーーン!"
今度はリングと共に、叩き付けられた桜怜の胸が揺れる。
ピンチを逃れた理緒であったが、ダメージが大きくここは回復が先決と場外へエスケープする。
一方余裕が出来た桜怜もここは深追いせず、理緒がリングへ上がってくるのを待つ。
なかなかリングに上がらぬ理緒に観客からブーイングが起こるが、理緒はあくまでマイペースに体力の
回復を図る。
ようやくリングに上がった理緒に対し、前進した桜怜は嘗底を見せながらコーナーへ追い込もうと
するが、回復した理緒も左右へステップを踏みながらパンチで対応する。
理緒のパンチが数発桜怜の胸元からボディに入り、桜怜のガードが下がったと見た理緒は大降りの
パンチで桜怜の顔面を狙う。
しかし、これは桜怜の誘いであった。
理緒のパンチより一瞬早く、桜怜の嘗底が理緒の顔面にカウンターで炸裂する。
"バッシーーーン!"
この一撃で、その場に崩れ落ちる理緒。
倒れた理緒のボディに、桜怜はキックを連発する。
そして、うつ伏せになった理緒の背中に乗った桜怜はキャメル・クラッチを狙う。
理緒は必死にロープへ逃げ、ブレイクに助けられる。
立ち上がった理緒に対し、桜怜は胸元に水平チョップを叩き込み、更にベア・ハッグの態勢を取る。
理緒は腰を締め上げられながらも、パンチを桜怜の後頭部へ叩き込み何とか態勢を崩そうとする。
暫らく締め上げていた桜怜であったが、理緒のパンチによりベアハッグの態勢が崩れる。
場外エスケープを狙う理緒であったが、ここを勝負と見た桜怜はそれを許さず理緒の肩口を押さえ
付けると、ボディに膝蹴りを連発する。
"ボスッ、ボスッ!"
その場に崩れ落ちる理緒を見て、桜怜は勝利を確信する。
"よし、貰った!"
しかし、崩れ落ちた理緒も気持ちはまだ折れていない。
"クソッ! このまま負けるかっ!"
とどめを狙い、ゆっくりと理緒に近付いた桜怜の身体に衝撃が走った。
ダウンしていた理緒が、下からのパンチを桜怜の股間に叩き込んだのであった。
股間を押さえ、その場にうずくまる桜怜。
力を振り絞って立ち上がった理緒に更に大きなブーイングが浴びせられるが、それも聞こえぬ理緒は
ダウンした桜怜の全身にパンチを叩き込む。
"絶対に勝ってやる!"
桜怜を引き摺り起こした理緒は、桜怜をコーナーに叩き付け、そのままポストを背負わせ固定する。
顔面、ボディとパンチを叩き込んだ理緒は、次に桜怜のブラに手を伸ばした。
そして下から捲り上げると、桜怜の公称97cm,実際には1mオーバーとも言われるバストが剥き出しに
なる。
「あんたの偽乳を壊してやる! タプレンジャーが、なんだっ!」
剥き出しになった巨大なバストに、理緒のパンチが叩き込まれる。
理緒のパンチが炸裂する度にパンチング・ボールの様に揺れる桜怜のバストに、この時ばかりは
ブーイング一色だった観客席から喚声も上がる。
"偽乳じゃないっ!"
バストを晒し者にされた動揺で身体が動かなかった桜怜であったが、何発目かのパンチにカウンターで
キックを合わせる。
"ドスーン!"
この一発で理緒がリング中央まで飛ばされ、ダウンする。
"タプレンジャーは逃げないっ!"
慌てて立ち上がった理緒に対し、コーナーから腕を外して飛び込んだ桜怜のラリアットが炸裂する。
"バッシーーーン!"
桜怜渾身のラリアットに反対コーナーまで吹っ飛び、ダウンする理緒。
ブラを直す事よりも勝負に賭けた桜怜は、バスト剥き出しのまま理緒を立たせるとフロントネックの
態勢から、高々と持ち上げる。
そして十八番の垂直落下式DDTで、理緒の脳天をリングに叩き付ける。
"ドッスーーーーン!"
リングが激しく揺れ、叩き付けられた理緒が大の字でダウンする。
その理緒に体を覆い被せる桜怜。
「ワン、ツー、スリー」
"カーン"
「只今の試合は、フォールで原多 桜怜選手が勝ちました。」

試合終了のゴングに慌ててプラを直す桜怜の手が、レフリーに上げられた。
リング上でのドクターの処置で理緒が意識を取り戻す。
自らの敗北を確認した理緒は上半身だけを起こすと、勝者の桜怜に手を差し伸ばす。

桜怜が控え室、理緒が医務室にそれぞれ戻った後、アナウンスが流れた。

「決勝戦は、エキシビションマッチの後行なわれます。試合に出場する選手は入場して下さい。」

エキシビションマッチはミス漫画人フットサルチーム所属の橘 彩野,仲澤 優子,溝田 麻衣組と
そのライバルチームである東葛シューターズ所属の末原 渓,松元 さゆき,野咲 亜里沙組の全員が
地下リング未経験者による6人タッグが行なわれたが、体格と運動能力に勝るシューターズ組が終始
圧倒し、最後は渓が麻衣から逆エビでギブアップを奪い勝利した。

そして、リングには決勝戦へ進んだ両者が向かおうとしていた。

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