第一回K−1グランプリビューティーマックスが開催される。参加選手は左藤江梨子、保田美沙子、石河亜沙美、香理奈、藤原紀華、肩瀬那奈、、戸多恵梨香、上都彩の予定だったが、優勝候補の藤原紀華は希望によりエキシビジョンマッチに回ることになり代わりに米蔵涼子が選出された。涼子も紀華と双璧の実力者とあって会場は突然の予定変更にやや戸惑いを見せるものの大きな混乱は無いようだ。いよいよ抽選だ。尚、準決勝の抽選は1回戦の後、再び抽選で決定する。一人ずつ順番にくじを引くと対戦カードが決定した。
第一試合石河亜沙美×肩瀬那奈
第二試合上都彩×保田美沙子
第三試合左藤江梨子×戸田恵梨香
第四試合米蔵涼子×香理奈
に決定した。睨み合いや牽制をしあうなどやり取りはあったものの、流石に一流女優達。無駄な喧嘩はせずに、もうすぐに迫る試合に向けて控え室で準備を開始している。ルールはもちろんK−1ルールで3ラウンドで1ラウンド2度のダウンか計3度のダウンでKOとなる。尚、コスチュームはパンツのみでトップレスとなる。
 
 
第一試合
いきなりの好カードとなった。身長178cmの亜沙美と172cmの那奈。どちらも170cmを越えておりダイナミックな打撃戦が見れそうだ。2人とも綺麗な大人のお姉さん系で決して人に弱味を見せなさそうなプライドの高いS女のどちらかが苦悶の表情を浮かべてひれ伏すかもしれないのだから必見の試合だ。いよいよ選手入場だ。『赤コーナー、178cm、83-63-88、石河亜沙美〜』亜沙美は黒のパンツに赤いグローブで登場してきた。母親になっても肉体美は健在で長い脚は相手にとって凶器となりそうだ。むしろ出産によってヒップが大きくなり蹴りの威力が増してる可能性も?『青コーナー、172cm、86-59-87、肩瀬那奈〜』同じく黒いパンツで青いグローブをつけて入場してきた。那奈にとっては自分よりも大きい相手と戦ったことはあまりないはずなのでどう攻略するのか興味深いところだ。グラビアならともかくモデル系のスレンダー女優のトップレスを見れるなんて機会はそうそうあるもんじゃないと観客のフラッシュが飛び交う。しかし、当の2人は怖い顔つきで睨み合っている。「私と初戦で当たるなんて運が悪いわね。救急車を呼んでおいた方がいいんじゃない」亜沙美は那奈を挑発すると那奈も負けてない。「あなたこそ気を付けなさい。マミーがボコボコにやれられたら子供はなんて言うかしら?」子供のことを言われてカチンとくる亜沙美。『カーン』今、1ラウンド開始のゴングが鳴った。試合前の舌戦で熱くなった亜沙美がいきなり飛び蹴りで飛び掛っていく。しかし、那奈は見切って避けると亜沙美はリングに尻餅をついて転んだ。「あははは、何焦ってんのよ」那奈はそう言うと亜沙美の腰のあたりに蹴りを入れた。倒れてる相手への攻撃は反則なので、那奈は減点された。「那奈、反則で1点減点」レフリーがコールするも「別にKOで決めるからいいわよ。それより早く起き上がってくれないかしら」那奈は全く意に介してない様子だ。「ママ、本気でやろうかしら。気をつけなさい!もうさっきほど優しく無いわよ。子供の前だから軽くあしらおうと思ってたけど覚悟しなさい」亜沙美は立ち上がると宣言した。ファイティングポーズを取る2人。一気に緊張感が出る。亜沙美がローキックを打つ。バシィィ、那奈は嫌がるが、同じくローキックを打った。バシィィ、互いにローキックでこの威力。顔にパンチやキックが当たれば大ダメージ必至だ。亜沙美が前のめりに那奈の顔面にパンチを打っていった。那奈もとっさにガードして防ぐが、がら空きになったボディーを亜沙美のミドルキックが一閃した。ボシュ、「うぅぅ」一瞬、那奈は倒れこみそうになるが、ここは堪える。亜沙美は強引に那奈の肩を掴まえると抱え込んで膝蹴りを打った。「ふんっ」ここは那奈は腹筋を入れてなんとか防いだようだが、依然苦しい。那奈の表情が険しくなる。「さっきまでの生意気な口はどうしたのかしら」亜沙美は勢いづいて那奈の顔面にパンチを打とうとするが、那奈もカウンターのパンチを打って反撃する。一旦、間ができるも亜沙美は休まず前に出ると、那奈も迎え撃って行く。激しく打ち合う亜沙美と那奈。バキ、バシ、バシ、那奈の右フックが亜沙美の頬にヒットすると亜沙美はふらつくが、亜沙美もハイキックを打っていく。しかし、これは避けられた。反対に那奈がミドルキックを亜沙美のボディーに打つと、長い脚をしならせたキックで亜沙美の動きを止めて、顔面にパンチを打った。バアァァン、クリーンヒットすると亜沙美の顔から鼻血が出てきた。「鼻血流しちゃって、子供が見てるわよ」「うるさい!今に見てなさい」那奈が煽ると亜沙美は激昂する。亜沙美は強引に前に出ると那奈は圧力に押されてコーナーに追い込まれた。那奈は押し返そうとするが、亜沙美のハイキックがガードが疎かになっている那奈の側頭部に炸裂した。目が虚ろになり倒れかける那奈だが、コーナーとロープにひっかかって倒れれない那奈に亜沙美は続けて那奈の顔面に2発パンチを打った。力なく倒れる那奈。カウントが進むが、那奈はまるでダメージなど無いかの様に気丈に立ち上がってファイティングポーズを取ったところで1ラウンド終了のゴングが鳴った。『カーン』亜沙美はコーナーに戻ると鼻血を拭き取ってもらいながらもまだまだ余裕はありそうだ。那奈の方は気丈には振舞っていたものの殴られた目の回りに紫の痣で輪ができているし、呼吸も荒い。2人ともコーナーから反対側の相手を睨みつけている。『カーン』2ラウンドのゴングが鳴った。亜沙美は距離を取りながらも時折前に詰めて那奈の顔面を狙っている。那奈は顔へのダメージを嫌ってガードを固めて距離を取る。亜沙美が距離を長く取るので那奈はなかなか攻撃にいけないが、亜沙美が時折詰めて来るので攻撃の事ばかり考えれない。那奈は警戒しながらもミドルキックを打つも亜沙美はなんなく避ける。那奈もやられっぱなしでは済まさないと前に出る。那奈は前に出て強引にパンチを打って行った。亜沙美も売られた喧嘩は買うとばかりに応戦する。激しく殴りあう両者。ほぼ交互に相手の頬をフックで殴っていく。意地になって殴りあう2人。相手が倒れるまで倒れるつもりはないと言わんばかりだ。那奈が流れを掴もうとフックは2発連打した。亜沙美の意識が一瞬飛びかけた瞬間に、那奈は自慢の長い脚を生かしたミドルキックを打っていった。ドス、鈍い音が鳴り響くと亜沙美はお腹を抑えて跪くようにしてダウンした。「くっそ〜、こんなんでダウンなんて」亜沙美は悔しさを滲ませるが、すぐに起き上がった。那奈はここがチャンスとばかりに攻め立てようとするも亜沙美が効果的に前蹴りを出してなかなか攻めさせない。反対に亜沙美がミドルキックを打っていくと那奈は踏み込めなくなってくる。距離を取ろうとする那奈だが、亜沙美は見逃さない。走りこむと豪快に飛び膝蹴りを顔面に打っていった。バキ、那奈は顔面がひしゃげそうになるくらいの衝撃を受けるも必死にガードを固めている。亜沙美はチャンスとばかりに狙いを定めて那奈の顔にパンチを打っていく。バシィィィ、亜沙美のパンチがクリーンヒットすると那奈は叫び声を上げながら大の字に倒れた。「ぎゃああぁぁぁ」那奈の顔面は流血が激しく血の海になっており、涙を流しながら表情が崩れている。「はぁ、はぁ、ブシュー、はぁ、ブシュー、ブシュー」呼吸のたびに血が流れ出て流血が止まらない。那奈は血を腕で拭いながら惨めになった顔を隠している。完全に勝負は決まり、レフリーストップのゴングが鳴るかと思われたが、亜沙美が無理矢理那奈を起き上がらせた。「まだまだ行けるわよね。私を本気にさせたんだからこんなもんじゃ済まさないわよ」「もうやめてー、顔が、顔が、壊れちゃう」那奈は嫌がるが観客が盛り上がるのでレフリーも試合続行を承諾した。那奈は仕方なくファイティングポーズを取るが、亜沙美の一方的な展開になる。亜沙美は那奈をコーナーに追い詰めるとパンチ、キックの雨霰を浴びせかけた。那奈はプライドだけで耐えようとするも身体も顔面も崩れ、泣き崩れた。『カーンカーンカーン』1ラウンド2度目のダウンで亜沙美のKO勝ちとなった。しかし、亜沙美は大の字に倒れている那奈の上に馬乗りになると上から顔面を殴りつけていく。那奈は辛うじて意識は保ってるが、身体が動かず抵抗できない。ただただ顔面をボコボコに殴られる屈辱に耐えるだけだ。「ざまぁみろ、私のたて突くからこうなるのよ。よく覚えときなさい」亜沙美はそう吐き捨てるとリングを後にした。那奈はしばらくすると身体をヒクつかせながらも担架を拒否して自ら起き上がり苦痛で顔を歪ませながらも自分の足でリングを後にした。那奈のせめてもの意地だろうか。
 
 
 
第二試合
第一試合の凄まじい試合で、会場は第二試合への期待が高まっている。第二試合はともにベビーフェイスの保田美沙子と上都彩だ。観客の高まる期待に応えれるかは疑問だが、2人とも着々と試合に向けて準備を進めている。データでは打撃はほとんど互角だが、スタミナ面ではフルマラソンを完走できる美沙子が大きく上回る分有利か。『赤コーナー、162cm、82-60-85、保田美沙子〜』美沙子がピンクのパンツをはいて入場してきた。さすがにグラビア界屈指の人気を誇るだけあって美乳だ。『青コーナー、162cm、82-58-84、上都彩〜』彩は白のパンツで登場してきた。グラビア、女優とジャンルは違うものの似たような体型だ。第一試合の2人は自信満々だったが、美沙子と彩は少し不安気にしている。『カーン』時間は待ってくれない。不安な気持ちを抱えたまま試合が始まった。しかし、2人ともまだ緊張してるのか遠く距離を取ってなかなか打ち合わない。たまにローキックを打つが、到底有効打とは言えない。時間だけが過ぎていく。イライラする観客は野次を飛ばし始める。「バカヤロー、早く殴り合えー」「金返せー」主催者も黙ってるわけにはいかず、2人に積極的なるように指示を出す。すると仕方なく前に出て打ち合う2人。しかし、両者のパンチはともにグローブの重さに振られてるようでイマイチ迫力を欠く。美沙子のスタミナを警戒してか彩は早く勝負を着けようと美沙子の顔面にパンチを打っていくも、避けられる。美沙子も時折前に出るが、なかなか相手にダメージを与えれない。『カーン』早くも衣1ラウンド終了のゴングが鳴った。明らかに不満が募っている観客と主催者。それを見て焦る美沙子と彩。なんとかいい試合をしないと今後に響くし、最悪制裁カードが組まれるかもしれない。いよいよ奮起が期待される2ラウンドが始まる。『カーン』ゴングが鳴り響くと同時に、前に出る2人。1ラウンドとは対照的な展開によほどの危機感が感じられる。美沙子は彩の動きを封じようとローキックを打つと、彩は美沙子の顔に狙いを定めてパンチを連打してくる。美沙子は顔のガードを固めると逆に前に出てローキックを2発連打した。バシ、バシィ、一瞬バランスを崩しかけるが、立て直すと美沙子のがら空きになったボディーにボディーブローを打っていった。「おええぇぇ」苦しむ美沙子だが、堪えてダウンは免れた。一気に攻めたい彩だが、迷っているのか攻め手に欠く。そうこうしてるうちに美沙子のダメージが回復してきてしまった。美沙子は距離を詰めてミドルキックを打っていった。クリーンヒットはしなかったものの彩は嫌がっている。美沙子は勢いづいて前に出ると顔面にパンチをヒットさせた。彩も目が覚めたのか右フックで美沙子の顔面を殴り返していく。殴りあう美沙子と彩。彩の右ストレートが美沙子の左胸に当たると美沙子は激怒する。「なにすんのよ」グラビアアイドルにとって乳を大事な商売道具だ。ましてや美沙子は巨乳ではなく美乳で売ってるので変形させられたら大変だ。美沙子は渾身のミドルキックを彩のボディーに打ち込んだ。ボシュ、苦悶の表情を浮かべる彩。蹲る彩に美沙子は連打を仕掛けていく。彩はダウンしかけるが、ここでゴングが鳴った。『カーン』彩は運良くダウンを逃れたが、ダメージを負ってしまった。しかもこのラウンドは美沙子が取ったと思われるので、判定の事を考えると彩は苦しくなった。2ラウンドは1ラウンドよりは試合が動いたラウンドだが、それでも消化不良に時間が進んでいく感は否めない。いよいよ運命の3ラウンドが始まる。『カーン』ゴングが鳴った。2人とも試合開始当初よりも随分顔つきが変わって好戦的になっている。2ラウンド終盤でダメージを負った彩だが、判定の事を考えて積極的にパンチを打つ強攻策に出た。一方の美沙子はしっかりガードを固めてカウンター狙いだ。彩のパンチが美沙子の顔面にヒットするも、美沙子は堪えている。彩は畳み掛けようとするが、美沙子が距離を取って攻めさせない。それでも攻めようとする彩に美沙子が強烈なローキックを打った。バシィィ、「ヒイィィ」彩は一瞬立ち止まって痛がる。美沙子は再び彩のボディーにパンチを入れると彩は苦悶の表情を浮かべてダウンした。リングに這いつくばって痛がる彩。ベビーフェイスが苦痛に歪むも勝利への執念を見せて立ち上がった。美沙子は一気に攻めずに細かく動いて彩を翻弄する。彩は逆転を狙って美沙子に大振りのパンチを当てようとするが、スタミナ切れと先程のローキックが効いているのか彩の足元はふらついていて、美沙子のスピードについていけない。彩は悔しそうな表情を浮かべる。ボコ、油断大敵。彩の大振りのパンチがたまたま美沙子の側頭部にヒットした。大きくふらつく美沙子。千載一遇のチャンスに彩は勝負を賭けて畳み掛けていく。彩は美沙子をコーナーに追い詰めるとガードを固めて動かなくなった美沙子をサンドバック状態にしていく。ボコ、バシ、バシ、「うぐ、うっ」美沙子は必死に耐えるが彩の連打は止まらない。美沙子はクリンチで逃れるもダウン寸前で彩にもたれかかるようにして抱きついた。美沙子も顔をくしゃくしゃにさせて頬を涙が流れる。彩のセコンドはスタンディングダウンをアピールするが、認められない。2人ともベビーフェイスを歪ませながらも勝利を掴もうと必死だ。彩は試合が再開されるや否や突っ込んできた。美沙子はローキックを打って距離を取ろうとするが、彩はなりふり構わない。彩のパンチが再び美沙子を襲う。しかし、美沙子は予測していたようでカウンターパンチを彩の顔面に綺麗にヒットさせた。ダメージ自体はそんなに無いようだが、このカウンターで彩の戦意は削がれていく。しかし、美沙子は判定狙いに絞ったのか攻めに出ない。彩も肉体的にも精神的にも疲れたのか動きが無くなってきた。『カーン』最後は無風の中試合終了を告げるゴングが鳴った。3ラウンドは最も試合らしい雰囲気が出てただけに最後は少し残念だった。美沙子も彩も汗を滴らせてやらしい身体になっても、本人達は試合をやりきって爽やかなようで、抱き合って健闘を讃えあっている。いよいよ判定に入る。レフリーの横に並んで審判を待つ2人。一人目「30-27、赤、美沙子」まずは美沙子に一人入った。よしよしと頷く美沙子。二人目「28-28ドロー」2人目はドローだ。判定に驚く美沙子。美沙子は勝利を確信していただけにガッカリだ。一方の彩は救われた。最後の3人目がドロー以上なら延長に夢を託す事ができる。3人目の判定に思いを募らせながら待つ。三人目「30-28、赤、美沙子!よって、勝者:美沙子」勝ったのは美沙子だ。やや危ない部分もあったが、2ラウンド終了間際の猛攻と3ラウンドで奪ったダウンが勝負を分けた。彩は勝機はあったのだが、決定力不足に泣いた。
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