第八試合
このカードはエキシビジョンだが、超豪華カードと言っても過言ではない。何と言ってもキャメロンティアス×藤原紀華だ。世界で活躍するハリウッド女優のキャメロンが1試合限定なら参戦すると言うので、日本を代表する女優である紀華がトーナメントを辞退してまで対戦を希望して実現した。まさかのエキシビジョンで勃発した日米決戦はどちらが勝つのか?さあいよいよ試合が始まる。『赤コーナー、171cm、88−60−89、藤原紀華〜』紀華が赤のトランクスを履いてトップレスで出てきた。バスト、ヒップとウェストが20cmも差があり凹凸が凄い。『青コーナー、175cm、86−61−86、キャメロンティアス〜』キャメロンは金色のトランクスを履いている。ボディーラインは紀華ほどの魅力は無いが、より長身で、オーラが出ている。日米のトップ女優同士の対戦にヒートアップする場内。両者、コーナーに肘をかけて睨み合うとそれだけで空気が凍りついた。盛り上がった場内が静かになるとゴングが鳴った。
『カーン』
開始直後に紀華が飛び出した。キャメロンの顔を目掛けて飛び蹴りを打って行った。
いきなりの攻撃に驚くキャメロンだが、なんとかかわす。紀華は一発先制して流れを作りたかったところだが、かわされてしまった。
キャメロンは少し焦ったようだが、まだまだ落ち着いていいる。
今度はキャメロンがジャブで前進しようとするが、紀華もガードしてローキックを打って押し返す。紀華はローキックを連打して足を痛めつけようとするが、キャメロンは素早いフットワークを見せて連打を許さない。
するとキャメロンがまたしても積極的に前に出てきてパンチを打ってきた。紀華はガードしきれないからと、紀華もハイキックを打って前に出て強行策で対応する。キャメロンのパンチが紀華の頬を捉えると同時に紀華のハイキックがキャメロンの側頭部を捉えた。
ボコ、鈍い音が場内に鳴り響く。
2人ともふらつくがすぐに態勢を立て直してきた。キャメロンは再び紀華の顔を狙って左ストレートを打つと紀華はボディーブローで対抗する。キャメロンの鍛えられたボディーは紀華の攻撃を寄せ付けない。キャメロンのストレートが紀華の顔面にクリーンヒットする。
ドン、重い一撃に表情をボーっとさせながら動きが止まる紀華。
チャンスとばかりにキャメロンはラッシュをかける。キャメロンの重たいパンチが紀華の顔面やボディーに炸裂する。
ボコ、ドカ、一気ににロープ際に追い詰められた紀華はガードを固めてなんとか凌ごうとするが、キャメロンの猛攻は止まらない。日本のエースの紀華が反撃すら出来ずにサンドバックにされていく。紀華は意識が遠のいて目が虚ろになっていくが、ここは日本のリングだ。劣勢の紀華に声援が送られる。「紀華〜、踏ん張れー」観客もこんなに一方的にやられる紀華は初めてなので困惑している。
声援を受けて紀華は力を振り絞って右フックをキャメロンの顔面に当てていった。キャメロンはカウンター攻撃に一瞬ふらついて態勢を崩すと紀華はその隙に逃れた。しかし、紀華のダメージは大きく、肩で息をしている。
態勢を立て直したキャメロンが紀華に襲い掛かる。
「全然ダメね。日本のトップのあんたですらこんなに弱いんじゃ日本からは永遠に世界トップクラスの女優は出ないわね」キャメロンは紀華を馬鹿にして高笑いするとミドルキックを打って行った。
紀華はキャメロンの足を抱え込むようにして掴むと、左ストレートを打った。
ドン、キャメロンの顔面に突き刺さる。キャメロンは後ろに仰け反るが、こらえる。
続けざまに紀華はキャメロンの足を離すと、右ストレートをまたしてもキャメロンの顔面にヒットさせた。
ドン、キャメロンは顔をしかめて痛そうにするが、ダウンはしない。
紀華からすればいつもなら倒せているはずのパンチを2発もヒットさせたにも関わらずダウンもしないので焦っている。(「いつもなら倒せているはずなのに、なんでかしら?そんなに私には世界が遠いの?」)
『カーン』
早くも第1ラウンドが終わった。キャメロンがハリウッドのパワーを見せて、やや有利か。紀華は自分の攻撃があまり効かないので焦っているが、早く切り替えたいところだ。2人ともベテランで40歳近い年齢なのでスタミナ的に次のラウンドが勝負か?
『カーン』
2ラウンドが始まった。
両者素早いフットワークで攻撃の機会を探っている。
紀華がローキックで探ると、キャメロンはジャブで前進してきた。キャメロンのジャブはジャブとは思えないほどの威力で紀華に襲い掛かると紀華は後退を余儀なくされる。紀華もこのままではまたサンドバックにされてしまうと懸命に押し返そうと体ごとぶつけていく。
紀華の身を挺したブロックにキャメロンは上手く攻め込むことができないが、紀華のがら空きのボディーにパンチを叩き込んだ。
ボシュ、「ああぁあぁぁぁん」紀華はもろに受けてしまい、悲鳴を上げて蹲りそうになるが、ダウンはなんとか免れる。
キャメロンは一気に決めようとするが、勝負を焦ったキャメロンに今度は紀華が膝蹴りをボディーに浴びせた。
ボコ、「ぐぅぅぅ〜」キャメロンも苦しそうな表情を浮かべる。
紀華は畳み掛けようと抱え込んでの膝蹴りを打とうとするが、これは反則とレフリーが制して引き離す。
互いに一旦離れて落ち着く2人。キャメロンは流石に呼吸が荒くなってきた。紀華も先ほどパンチを受けたお腹をさすっている。ややダメージが大きいのか?
「ファイト」
試合が再開された。
紀華はここで勝負に出ないとスタミナが持たないと前に出る。「ハアァ、ハアァ」キャメロンも疲労と紀華の気迫に押されて反撃できない。
疲労困憊の紀華が攻め込んでいくと観客は盛り上がっていくので、紀華は益々勢いづく。
紀華の打撃が次々とヒットするが、体力的に厳しいのか威力がイマイチだ。「ハアァ、ハアァ、ハアァ」キャメロンも疲労からかガードが下がってきた。
ボコ、ドカ、紀華は声援に乗せられてミドルキックも混ぜながらパンチを打っていく。しかし、身長175pで世界最高クラスの女優・キャメロンをサンドバック状態にしても中々倒せない。紀華の一発一発も軽くなってきている。それでも紀華の猛攻が続く。
「ダウン」ここでなんとレフリーがスタンディングダウンを取った。この判定に驚くキャメロン
「WHAT’S?全然効いてないわよ!」キャメロンはレフリーに食って掛かる。確かにキャメロンは疲労はしているように見えるもののそこまで大きなダメージは受けていない。しかし、反撃やガードが出来てなかったのでダウンを取られてしまった。キャメロンはダメージなんか無いわよ!と言わんばかりにすぐさまファイティングポーズを取った。
「ファイト」
両者ともやや鈍くなっているもののフットワークで動いて相手を探っている。
キャメロンはダウンで喝を入れられたのかより積極的な動きだ。紀華も疲れているが、負けるわけにはいかないと応戦する。
次第に接近戦になってきて、互いのボディーをボディーブローで抉ってスタミナを削っていく。
「ん〜、あう、、、ぐっ」
両者、嗚咽を漏らしてボディーを赤く染めながらも力を振り絞って戦っている。普段テレビで見れるような笑顔はもう無く、苦悶の表情を浮かべている。
『カーン』
2ラウンド終了のゴングが鳴り響いた。共に疲労困憊の両者はふらつきながらコーナーに戻っていく。どっしりとコーナーに腰かけて水を飲む姿は貫録十分で本物のファイターみたいだ。このラウンドはダウンを奪ったことにより紀華が取ったのは明らかだが、ダメージの蓄積は両者同等と見る。そろそろ束の間のインターバルも終わり、疲れた身体に鞭を入れて最終決戦のラウンドに向かう。
『カーン』
泣いても笑っても最後の3分間が始まった。エキシビジョンのため判定でドローの場合でも延長は無く引き分けとなる。
紀華が前に出た。
紀華としては40歳を超えてようやく手にした世界レベルの女優との真剣勝負。すべてを出し切ろうと勝負を仕掛ける。
キャメロンもハリウッドのプライドに掛けても負けられない。紀華の攻撃に応えるかのようにパンチを打っていく。
バキ、バキ、もの凄い音が会場に響き渡る。紀華のパンチがキャメロンの顎を捉えるとキャメロンのパンチも紀華の顔面を殴っていた。
女優とは思えない肉弾戦に観客はヒートアップしている。しかし、当の本人達は格闘技に関してはプロではなく体が悲鳴を上げている。女優同士では限界を超えてしまっている。
ドス、「あああぁぁぁぁ〜」キャメロンのミドルキックが紀華の脇腹にヒットすると紀華が今までに聞いたことがないような弱弱しい悲鳴を上げた。「ひっ、ひい」それでもファイティングポーズを取って戦おうとしているが、ダメージが大きいのは明らかだ。
キャメロンはここで畳み掛けたいところだが、紀華がガードを固めるので中々攻め込めない。
逆に、紀華のカウンターのフックがキャメロンの頬を捉えた。
ふらつくキャメロンだが、すぐさま態勢を立て直す。紀華は攻め込ませないようにガードを固めながらもしっかり打撃も打っている。
それでもこのままでは判定では不利になるからとダウンを奪いたいキャメロンは躍起になって攻める。紀華も応戦するが、体格とパワーで勝るキャメロンの強引な攻めに次第に紀華はコーナーに追い詰められていく。
紀華はキャメロンの攻撃を断ち切ろうとクリンチをしようとキャメロンに抱き着きにいくと、その際にキャメロンの膝が先ほど痛めた紀華のボディーに入った。
ドス、「あ、あぅ、、、」喘ぎ声を上げて悶絶する紀華だが、なんとかキャメロンにもたれかかるようにクリンチして逃れた。
キャメロンはダウンを奪えなかった事で苛立ちクリンチした紀華を振り払う。紀華はフラフラになっているが、もうこれが最後の踏ん張り所と満身創痍の身体を奮い立たせて立ち向かっていく。
リング中央でぶつかり合う両者。
キャメロンがハイキックを打つと紀華はガードするが、それでも大きく体が揺れてしまう。
『カーンカーンカーン』
試合終了のゴングが鳴った。これから攻め込もうという時にゴングが鳴って不満顔のキャメロン。一方の紀華は一杯一杯といったところで立っているのも厳しそうだ。
「クソー、これからっていうところなのに」悔しさを露わにするキャメロンと苦痛から解放されてホッとする紀華の姿があまりにも対照的だ。
これから判定に入るが、かなりの僅差が予想される。紀華が一度ダウンを奪っているものの試合展開自体はほとんどキャメロンペースだったこともあり、どちらが勝つのか全く読めない。尚、エキシビジョンのため決着が着かない場合延長戦は無く引き分けとなる。
アナウンスが流れいよいよ判定を発表するようだ。場内は判定を聞こうと耳を澄まし静粛になる。
「一人目、28−28ドロー」一人目からドローという珍しい展開だ。
「二人目、29−27、赤、紀華」二人目は紀華に入って観客は盛り上がる。これで紀華の負けはなくなり、キャメロンの勝ちは無くなった。その様子が両者の表情に鮮明に表れている。
『三人目、28−27、、、、赤、紀華!勝者:藤原紀華』
紀華は勝利が決まった瞬間喜びに打ち震えて、紀華陣営に歓喜の輪が出来上がった。
「ついにやったわよ〜」
一方のキャメロンは悔しさと憤りあ隠せないようだが、自分は世界的なハリウッド女優でここで取り乱すわけにはいかないと必死で感情を抑えている。
しばらくして紀華が握手を求めるとキャメロンは軽く応えてリングを去った。
 
 
 
第九試合
白熱のエキシビジョンが終わり、いよいよ決勝戦が始まろうとしている。カードは香理奈VS左藤江梨子だ。準決勝の内容から香理奈優位は動かないが、一発逆転も大いにありうるK−1においてはまだまだわからない。さあ、選手入場だ。
『赤コーナー、173cm、90-56-91、左藤江梨子〜』江梨子は前の試合の青のパンツは血で染まってしまったためこの試合は黒のパンツで入場してきた。身体中は試合前から傷だらけで、特に股間のあたりは未だにもっこりしている。
『青コーナー、165cm、80-57-88、香理奈〜』香理奈が青コーナーから江梨子とは対照的に元気に出てきた。香理奈は準々決勝から3試合続けて青のパンツだ。香理奈は準々決勝こそ大きなダメージを負ったものの準決勝では楽々KO勝ちし、2試合のインターバルを挟んでの試合となった。休養十分の香理奈は試合前から積極的に体を動かしてウォーミングアップに励んでいる。
『カーン』
待ちに待った決勝のゴングが鳴り響いた。
予想通り香理奈は開始早々飛び出していったが、疲れが目立つ江梨子も前に来た。おそらく試合が長引くよりも一発に賭けようとしている。
江梨子のパンチは大振りだが、身長が8cm高い分リーチが長く香理奈の顔面に届いた。
バシィ、いきなりのパンチに驚く香理奈はまともに喰らってしまうが、しっかりファイティングポーズを取って構えている。
一発当てて勢いに乗る江梨子はさらに攻勢に出ようとするが、香理奈のミドルキックが江梨子のボディーにヒットした。
香理奈は身長こそ165cmとそれほど高くないものの、ヒップは88cmとあるようにしっかりとした下半身から繰り出されるキックは強烈だ。
ドス、江梨子は一瞬動きを止められた。
香理奈は攻め込むチャンスだったが、立ち上がりのヒートアップした展開から落ち着こうとしっかりファイティングポーズを取って構え直した。
その間に、江梨子も体勢を立て直す。
両者、ガード越しから相手を睨み合って攻撃の機会を探っている。
香理奈が再びミドルキックを打ってきたが、今度は江梨子は躱した。
しかし、香理奈は続けてパンチを江梨子の顔面に浴びせる。すると、江梨子も負けじとパンチで応戦していく。
バキ、バキ、ボコ、リング中央で激しく打ちあう両者。
香理奈のパンチが的確にヒットするのに対して江梨子は疲労からかやや精彩を欠いている。
次第に香理奈のパンチが江梨子を追い詰めていく。江梨子も懸命にガードしながらカウンターで反撃のチャンスを窺うが、香理奈はコンパクトにパンチを打って隙を作らせない。
香理奈はロープ際に江梨子を追い詰めていくと、早くもフィニッシュを決めようとハイキックを撃った。
ガツーン、江梨子の側頭部にクリーンヒットすると江梨子はふらつきながら倒れこんだ。
香理奈の格闘家さながらの迫力あるハイキックに観客は盛り上がっている。
江梨子は頭をボーっとさせながらもゆっくり立ち上がってきた。汗を巨乳の谷間に滴らせて、試合開始前よりも妖艶になっている。
江梨子のガッツか妖艶さに惹かれてかのどちらかはわからないが、今度は逆に江梨子への歓声が多くなってきた。
歓声の大きさに関わらず、試合は香理奈優位なのは間違いなく、江梨子が立ち上がって試合が再開されると香理奈が一気に距離を詰めて江梨子に襲い掛かる。
疲労困憊の江梨子は厳しそうな表情を浮かべるが、前蹴りで距離を取って回復の時間を作ろうとする。
この作戦は中々有効で香理奈に距離を簡単には詰めさせない。
強引に前に出ようとした香理奈に今度は江梨子が右アッパーを香里奈の顎に見舞った。
ゴキ、まともに喰らってふらつく香理奈。厳しい表情になるが、ダウンは免れる。
一転して攻守交代だ。江梨子はチャンスとばかりにミドルキックを放つとガードが出来てない香理奈の腹にヒットした。
体勢を低くした香理奈の顔面に江梨子はフックを打とうとするが、香理奈はすぐに体勢を立て直していた。しっかりガードすると逆にミドルキックを打ち返す。
バシィィ、疲労度の違いからか江梨子の連打が香理奈にはあまり効いてない。
反対に香理奈の一撃に江梨子はかなりダメージを受けている。
「ぐへー」思わず一瞬腹を抱え込む江梨子の谷間がよく見える!
攻勢に出ようとする香理奈に懸命にしがみついてクリンチで逃れる江梨子。
レフリーはクリンチを認めて2人を引き離すとリング中央ですぐさま試合が再開された。
「ファイト」
香理奈は素早いフットワークで動き回って様子を窺うが、江梨子は動きを少なくし一発に賭けようとしている。
香理奈が思い切ってハイキックで狙っていった。すると同じタイミングで江梨子も一発を狙ってハイキックを打っていった。
ガァン、2本の美脚が激しくぶつかり合った。打点では江梨子の方が高いものの、香理奈のパワーが押し勝った。
バランスを崩して倒れる江梨子。しかし、これはスリップと判定された。
江梨子は起き上がろうとするが、足のダメージよりもパワーで負けた精神的なダメージで焦りが見える。
香理奈は気分を良くして俄然勢いに乗ってきそうだ。
予想通り香理奈はパンチとキックをバランス良く混ぜながら前に出てきた。江梨子はガードしようにも香理奈が的を絞らせないので打撃がまともにヒットしてしまっている。
江梨子はガードは諦めて最後の力を振り絞ってノーガードで打撃戦に臨む。
ドン、バシ、ガン、バキ、激しくぶつかり合う両者。
決死の覚悟で臨む江梨子が徐々に香理奈を押し始める。
「うわぁぁ〜」気迫を前面に押し出して打撃を打ってくる江梨子に香理奈は上手く対応できずに次々とヒットさせられていく。
傷だらけの江梨子が奮闘する姿に観客も乗ってきた。
バシィィ、「あううぅぅ」しかし、ペースを取り戻した香理奈のパンチが江梨子の胸にクリーンヒットした。
「調子に乗るんじゃないわよ!」
香理奈は吠えると凄い勢いで打撃を連打してきた。
バキ、バキ、ボコ、江梨子は最早応戦する気力も無くサンドバックにされていく。
香里奈の鋭く重たい打撃が次々とヒットすると江梨子は目が虚ろにさせている。
ドォーン、香理奈がハイキックで江梨子の頭を撃ち貫くと江梨子は大の字に倒れた。
『カーンカーンカーン』試合終了を告げるゴングが打ち鳴らされた。
仰向けに倒れた江梨子の視線の先にはガッツポーズで観客の声援に応える香理奈の姿が見える。
『勝者:香理奈』優勝は香理奈に決まった。
香理奈は花束と優勝トロフィーを受け取ると満面の笑みを浮かべる。
初戦の涼子戦こそ3ラウンドかかったものの、準決勝の美沙子、決勝の江梨子戦は1ラウンドKO勝ちと得意のハイキックで相手を沈めてきた。
やはりトーナメントではKO勝ちの方が優位に進める事ができると言う事か?いずれにしても打撃がメインのK−1でKO勝ちは爽快だ。
準優勝の江梨子も立派だったが、準決勝でのダメージが大きすぎた。紀華はなんとか日本のエースの役割を果たした。
すると敗れた江梨子が起き上がると互いに握手して健闘を讃え合った。麗しい場面に拍手を送る観客。
そこに紀華が現れた。緊張が走るが、紀華は笑顔で香理奈に手を差し伸べた。
「ナイスファイトよ。優勝おめでとう」
「ありがとうございます」香理奈が応えると紀華は香理奈の腰にベルトを巻きつけた。
「このベルトは私がK−1を盛り上げるために作ったのよ。そのうち私が挑戦するからそれまで絶対守りなさいよ!」
紀華はそう言うと香理奈の手を取って江梨子と3人で万歳した。
 
興業は大成功に終わったK−1大会でしたが、このベルトの行方はどうなるのでしょうか?
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