現在、クイーンベルト女王は米蔵涼子だが、先日の女優因縁マッチ(香理奈VS石河亜沙美)の件で主催者との関係が悪化し、又、その件により疲労でコンディションも優れないようだ。

そんな中で、主催者はタイトルマッチの防衛戦を組んできた。

場面は涼子が主催者の部屋に呼び出される所からだ。

 

主催者:おい、涼子。喜べ、タイトルマッチを組んでやったぞ。相手は左藤江梨子だ。

涼子:やめてください。今はあんまり調子が良くないんです。

主催者:ああん?せっかく組んでやったんだぞ。喜べ馬鹿女!それからルールはプロレスルールだからちゃんと用意しとけよ。

 

涼子としては状態はあまり良くないが、主催者との力関係から逆らう訳にもいかず、従うしかない。

こうして米蔵涼子VS左藤江梨子のタイトルマッチが決定した。

 

 

《エキシビジョンマッチ》

第一試合

今回の大会ではタイトルマッチに先立ってエキシビジョンマッチが3試合組まれた。

初戦のカードはグラドルの実力者・杉元有美と、このエキシビジョンマッチに志願して参戦してきた藤原紀華だ。

紀華はこの前、香理奈とタイトルマッチを戦ったばかりだが、新たなファイトスタイルを模索するため意欲的に出場を希望したようだ。

『赤コーナー、171p、88-60-89 藤原紀華〜』

紀華は黒の競泳水着のようなコスチュームを着て、前座の女優のように走ってリングに登場してきた。

女帝・紀華は初心に戻ったのか初々しさを出している。

『青コーナー、168p、84-58-85 杉元有美〜』

一方の有美はバストを強調した白いビキニで手を挙げながら歩いて出てきた。

レフリーからの説明でこの一戦はプロレスルールで行われる。

 

『カーン』

試合が始まって早々、タックルを狙う紀華。

いきなりのタックルに驚く有美だが、上から被せて対応する有美。

しかし、紀華は強引にコーナーまで有美を押し込んでいった。

 

バシ、

 

紀華は有美のバストに水平チョップを叩き込んでいった。

すると、有美も水平チョップを紀華のバストに叩き込んでいく。

 

バシ、

 

紀華:そんなもん効かないわよ。もっと撃ってきなさい。

 

紀華はそう言うと胸を差し出した。

有美は意地になって紀華のバストに水平チョップを連打していく。

 

バシ、バシ、バシ、バシ、

 

険しい顔つきになる紀華だが、耐えていく。

すると、今度は紀華が水平チョップを有美のバストに撃っていった。

 

バシィ、

 

紀華の強烈な水平チョップに思わず胸を抑えて痛がる有美。

紀華は素早くスープレックスで有美を投げるとカバーに入った。

『ワン、ツー』

カウント2で返す有美。

紀華は速い動きで有美の髪の毛を掴んで起き上がらせると今度はロープに振っていった。

ラリアットで迎え撃つ紀華。

仰向けに倒れる有美だが、すぐさま起き上がると有美もラリアットで紀華を倒していく。

紀華が起き上がろうとすると、有美は自らロープに走ると反動をつけて紀華に自慢のボディーで体当たりにいった。

有美はそのままフォールに入る。

『ワン、』

カウント1で返す紀華。

早い攻防が続いたがここで一旦間を取る両者。

 

すると有美が手を出して力勝負を誘っている。

紀華は乗ったと言わんばかりに手を差し出した。

じっくり探り合うと、手を合せた瞬間、渾身の力を込める両者。

紀華も有美も自慢のボディーを相手に押し付けて押し合っていくと次第に紀華が押し始めた。ロープ際に有美を押し込む紀華。

押し込まれた有美は悔しそうな表情を浮かべる。

ここはクリーンに離れる紀華。

またしても間が出来る。

睨み合いながらリング上を回る両者。

すると、紀華がタックルで有美の脚を取りにいった。

有美も読んでいたようで、逆に紀華の腕を掴むが、グランドの攻防ではベテラン・紀華に一日の長があるようで、腕を取り返すと腕ひしぎに移行した。

耐える有美だが、顔は苦痛に歪んでいる。

懸命にロープに向かう有美は掴まれてない左手を懸命にロープに伸ばすとなんとか辿りついた。

ロープによりかかってぐったりする有美。

紀華は隙を突いて有美を丸め込む。

『ワン、ツー、ス』

あわやと言う所だが、カウント2で返す有美。

紀華は有美を掴まえてスープレックスで投げて中央に戻すと、今度はエビ固めをかけていった。

今日の紀華はクラシックでシンプルな技を使って攻めている。

しかし、シンプルな技もきっちり決めると強力なようで、実力者の有美が動けずに喘ぎ苦しんでいる。

しっかり、腰を据える紀華。

有美はまたしても苦痛に顔を歪めるが、豊満なボディーを揺すると力づくで体をロープに持って行った。

『ロープ』

紀華は試合を決めようと、呼吸が苦しくなってきた有美を掴まえてブレーンバスターの体勢に入ろうとするが、有美は振り払うと張り手を紀華の頬に打っていった。

 

バシィ、

 

有美の強烈な張り手にふらつく紀華。

紀華も有美の顔面に張り手を打ち返すと張り手の応酬になった。

 

バシィ、バシィ、バシィ、バシィ、バシィ、

 

頬を真っ赤にして張り合う両者。

 

バシィ、バシィ、バシィ、バシィ、

 

紀華:私の顔を張るなんて十年早いわよ、オリャー!

 

バシィィィ

 

有美:あうぅぅぅ

 

紀華の渾身の一撃にふらつく有美。

紀華は万全の態勢で有美を掴まえるとブレーンバスターで投げていった。

 

バターン、

 

叩きつけられてぐったりする有美。

紀華は有美の片足をクラッチしながらフォールに入った。

『ワン、ツー、スリー!』

有美に返す力は残って無かった。意識はあるものの、叩かれた頬を抑えながら涙目になっている。

『勝者:藤原紀華』

紀華はコールされると軽く手を挙げて応えると、リングから去っていった。

 

紀華はシンプルな技にシンプルな試合運びで有美を圧倒し、基本の重要性を印象付けた。

 

 

第二試合

第二試合は主催者の発表によりオープンフィンガーグローブの着用が許される事になった。

当然打撃自慢の2人による試合が期待される所だ。

『赤コーナー、178p、83-63-88 石河亜沙美〜』

石河亜沙美が久しぶりに登場してきた。亜沙美は香理奈との死闘{女優因縁マッチ(香理奈VS石河亜沙美)参照}以来の登場になる。以前のヒールキャラを一掃したいのか、白のビキニを着用している。

『青コーナー、172p、80-57-83 菜々央〜』

地下リング初登場となる菜々央が登場してきた。長身だが、自分よりも背が高い亜沙美との一戦にやや緊張している。菜々央は黒のビキニだ。

 

『カーン』

ゴングが鳴った。

K−1のようにファイティングポーズを取って相手との間合いを測る両者。

亜沙美が距離を詰めるとジャブを打っていった。

しかし、菜々央もガードして打たせない。

それでも亜沙美はなりふり構わず、前に出てパンチを打っていくと菜々央は引き気味になってしまい押される展開になった。

亜沙美はパンチで一気に畳み掛けていくと菜々央もガードを固めてからのカウンターを狙っていく。

 

バシ、バシ、バシ、

 

長身から繰り出される亜沙美のパンチは強力で、ガードを固めてもダメージは大きく徐々に顔が苦痛に歪む菜々央。

 

ドス、

 

亜沙美:あうぅ

 

しかし、菜々央の膝蹴りが亜沙美のボディーにヒットすると、動きが止まる亜沙美。

形勢逆転と言わんばかりに菜々央は亜沙美をボディースラムでリング中央に叩きつけた。

 

バターン、

 

背中を捩らせて痛がる亜沙美を尻目に菜々央はコーナーに登った。

 

菜々央:いくわよーー

 

菜々央はアピールするとボディープレスを放った。

 

ボシュ、

 

菜々央:うげぇぇぇーーー

 

しかし、そこに待ち構えていたのは亜沙美の膝だった。これがベテランの強かさと言うべきか。

亜沙美はきっちり試合の流れを引き戻した。

菜々央はお腹を押さえてまだ起き上がれない。

亜沙美はリング中央で蹲る菜々央を上からキックで痛めつける。

 

バシ、バキ、バシ、

 

亜沙美は菜々央を弱らせるとキャメルクラッチをかけていった。

早くも呼吸が荒くなる菜々央は苦しい表情になるが、激しく体を揺さぶると178pの亜沙美と云えども押さえつけるのは容易では無いようで、離してしまった。

亜沙美は菜々央が起き上がるのを待つと、背後に回ってバックドロップの体勢に入った。

そうはさせじと腰を振って逃れようとする菜々央。

しかし、亜沙美もしっかりロックして今度は離れない。

すると、エルボーを打つ菜々央。これは効いているようで、亜沙美は離してしまった。

 

バシ、

 

距離を取った菜々央はトラースキックで亜沙美の顔面を足の裏で蹴って反撃に出た。

顔を両手で抑える亜沙美。

菜々央は序盤こそ緊張していたものの、試合が進むにつれて体が解れてきた。

菜々央は構えると打撃戦を挑んでいくと亜沙美も応える。

 

バキ、バキ、ドス、バシ、ドカ、ボコ、バキ、

 

激しい打撃戦となる。

長身同士とあって試合前に期待していた展開となった。

やや、今女優業が乗ってきている菜々央の打撃の方が勢いがあり、押し始めた。

次第にガードを固める亜沙美は後退してコーナーに追い詰められていく。

亜沙美の頬は真っ赤に紅潮している。

 

バキ、

 

亜沙美:ああぁぁ

 

菜々央の右ストレートが亜沙美の鼻を強打すると亜沙美は鼻血を噴き出した。

亜沙美は菜々央の打撃を防げなくなってきて苦しい状況だ。

 

ドス、

 

菜々央:あう

 

亜沙美はここで痛めている菜々央のボディーに膝蹴りを打った。

動きを止められる菜々央。

亜沙美もダメージが大きくすぐには攻勢に出れない。

一瞬妙な間が空く両者。

ここで、レフリーが両者を離してリング中央に戻した。

菜々央も亜沙美も汗をビッショリかいてるので、手で拭っている。

『ファイト』

両者ともにファイティングポーズを取ると、再び打撃戦になる。

正面からぶつかると先程と同様に菜々央が優勢になる。

それにしても、つい最近まで最強ヒールとして君臨していた亜沙美を相手に押し込んでいくとは菜々央のパワーは凄まじいものがある。

 

バキ、バキ、ドス、

 

劣勢になる亜沙美。

亜沙美は苦痛に顔を歪めるが、菜々央の打撃を読み切るとタックルで菜々央を倒していった。

マウントポジションを取ろうと、菜々央の上に圧し掛かろうとする亜沙美。

しかし、菜々央は亜沙美の左腕を取ると腕ひしぎをかけていった。

菜々央の格闘センスの良さに驚く亜沙美。

 

亜沙美:く、(うそ、速い…)

 

うつ伏せになる亜沙美の上に乗り、がっちり亜沙美の左腕を極める菜々央。

 

(バキバキバキ)

 

亜沙美:ああああぁぁぁ

 

菜々央の腕ひしぎに絶叫する亜沙美。

必死にロープに向かう亜沙美だが、左腕に激痛が走って思うように動けない。

『ロープ』

なんとかロープに逃れた亜沙美。

菜々央は少しがっかりしたような表情を見せるが、すぐに攻勢に出た。

菜々央は亜沙美の髪の毛を掴んで起こすとバックドロップを放とうとするが、亜沙美もロープにしがみついて踏ん張る。

ここはなんとか防いだ亜沙美だが、もうフラフラになっている。

菜々央は仕方なく、亜沙美を引っ張るとロープに振っていった。

この辺りの動きはよくトレーニングを積んでいるようだ。

菜々央はボディーアタックで迎撃しようとするが、逆に亜沙美は勢いをつけてボディーアタックを打つと菜々央は大の字に倒されてしまった。

パワーでは亜沙美もまだまだ負けない。

亜沙美は菜々央を掴まえると、DDTで菜々央の頭を叩きつけた。

 

バターン

 

亜沙美はそのままカバーに入る。

力を込めて押さえつける亜沙美。

『ワン、ツー、ス、』

カウント2で返す菜々央。

頭を強打し、まだ菜々央はボーっとしている。

亜沙美はバックを取ると豪快にジャーマンスープレックスを放った。

 

バターン

 

後頭部を叩きつけられる菜々央。

亜沙美はそのままホールドしたい所だったが、衝撃が強すぎて、腕から菜々央が離れてしまった。

慌ててカバーに入り直す亜沙美。

『ワン、ツー、ス、』

菜々央はグッタリ倒れたままだが、近くにあったロープを握ってカウント2で逃れた。

菜々央に返す力が残って無かっただけに、リング中央で素早くホールドしてれば、試合は決まっていただろう。

亜沙美は悔しがるが後の祭りだ。

仕方なく亜沙美は菜々央を起き上がらせてブレーンバスターの体勢に入るが、間が空いたせいか菜々央が踏ん張ると、亜沙美のボディーにパンチを入れて逃れた。

 

バシ、

 

菜々央がミドルキックを亜沙美の脇腹に打っていくと、亜沙美は蹲ってしまった。

チャンスだが、菜々央もダメージが大きくてすぐには攻勢に出れない。

両者共に呼吸を整えるとリング中央で向かい合った。

菜々央がファイティングポーズを取って打撃戦を挑もうとすると、亜沙美も打撃戦では劣勢だったが、意地で立ち向かおうとファイティングポーズを取った。

 

バシ、バキ、バシ、

 

打撃戦になると、今度は亜沙美が押し込んでいく。

 

バキ、

 

菜々央:んあああーー

 

亜沙美の右ストレートが顔面にヒットし、悲鳴を上げる菜々央。

これがベテランの底力なのか一気に流れを掴んだ。

続けて亜沙美はミドルキックを打っていくが、菜々央は亜沙美の右脚を掴まえると押し込んで倒していった。

倒れている亜沙美の左肩にサッカーボールキックを打つ菜々央。

 

バシ、

 

亜沙美:うっ、、、

菜々央:オバサン、もう終わりよ

 

菜々央はそう言うと、今度は亜沙美の背中に強烈な蹴りを叩き込んだ。

 

バシィィィ

 

仰向けに倒れて悶絶する亜沙美。

菜々央はそのままカバーに入るかと思われたが、なんとマウントポジションを取った。

これには驚く亜沙美と観客。

 

菜々央:ボコボコにしてKOしてやるわよ。

 

菜々央は上から亜沙美の顔にパンチを連打すると、亜沙美はガードし切れずに鼻血が酷くなってきている。

 

バキ、バキ、バキ、

 

亜沙美:あううぅぅ

 

亜沙美も下から菜々央のボディーを狙っていくが、あまり効果的なパンチは打てない。

躍動感あふれる菜々央のパンチを亜沙美はガード出来ずにまともに喰らってしまっている。

 

バキ、バキ、バキ、

 

次第に、亜沙美はグッタリして動きが無くなってきた。

『カーンカーンカーン』

ここで、レフリーがコングを要請して試合を止めた。

菜々央は興奮してまだ、亜沙美の顔面を殴りつけているが、黒服に止められて、離された。

『勝者:菜々央』

菜々央が、元最強ヒールの石河亜沙美を相手に圧巻の勝利を収めた。

すると、菜々央は亜沙美の顔を踏みつけてガッツポーズをして見せた。

 

菜々央:感謝しなさい。これでボコボコにされた醜い顔を見られないで済むでしょ。

 

菜々央はそう言うと意気揚々とリングを後にした。

亜沙美はようやく意識を取り戻すと、悔しそうな表情を浮かべながら、セコンドに肩を貸してもらいながら、控室に戻った。

ヒールから脱しようと正統派ファイトで勝利を目指したが、及ばなかった。しかし、観客は評価しているようで、負けた亜沙美に拍手が送られている。

 

 

第三試合

エキシビジョンマッチのラストカードだ。

前の2試合は大型選手同士のファイトとなったが、このカードは北河景子と田中麗菜の一戦という事でスピーディーな試合展開が予想される。

景子と麗菜は、先日行われたK−1ベルトのタイトルマッチ(「K−1ベルト2」参照)でそれぞれ藤原紀華と香理奈のセコンドに付いたおり、その2人が戦う事になった。

当然今回の試合には反対に、景子の側には紀華、麗菜には香理奈がセコンドに入る事になっている。

『赤コーナー、160p 76-55-76 北河景子〜』

景子は白のスポーツビキニで登場してきた。紀華も試合を終えた後だが、駆け付けた。

『青コーナー、157p 77-56-82 田中麗菜〜』

麗菜も白のスポーツビキニだ。横には妹分の香理奈が付き添っている。

両コーナーに別れて試合への準備を整えている。

 

景子:紀華さんの仇取りますよ。

麗菜:いつまでも香理奈ばっかりに活躍させないわよ。私も頑張るわ。

 

意気込む両者だが、ここで試合のルールが発表された。

 

・プロレスルールで行う。

・場外戦についてはセコンドも闘いに参加できる。

・但し、セコンドの紀華と香理奈はリングには入れず、場外戦のみのファイトとなる。

 

追加のルールが発表されると、紀華と香理奈が戦いに加わるという事で観客のボルテージが上がってきた。

『カーン』

いよいよ試合が始まった。

もちろん試合は景子VS麗菜だ。

リングを回りながら様子を窺う両者。

時折ローキックを打って様子を見る両者だが、動きが少なく、試合が早くも膠着している。

セコンドからの声援の方がうるさいくらいだ。

観客も苛立ってきて、場外戦を望む声が飛び始めた。

すると、麗菜と景子は相手のビキニを掴んで取っ組み合いになった。

髪の毛を掴んで相手を振り回す両者。

景子は麗菜の体勢を崩すと自陣のコーナーに振っていった。

景子は麗菜をコーナーに追い込むと、座り込んだ麗菜の顔面を踏みつけていく。

麗菜はガードするが、上からのスタンピングにダメージを受けているようだ。

すると景子は麗菜を場外に蹴り飛ばした。

ここは景子側のコーナーなので、すぐ下には紀華が待ち構えている。

 

景子:頼みます。紀華さん。

紀華:OK、任せて。

 

麗菜に体格差のある紀華をぶつけるのは景子側の作戦だったようだ。

香理奈はこれはマズイと救出に向かうが、景子がブロックした。

 

香理奈:ちゃんと戦いなさいよ!

景子:これがこの試合のルールでしょ。

 

紀華は麗菜を掴まえると鉄柵に振っていった。

 

ガシャーン

 

鉄柵に叩きつけられてグッタリする麗菜。

紀華は場外でパワーボムの体勢に入った。

これが決まれば、早くも麗菜に決定的なダメージが与えられる。

が、ここで景子のブロックから抜け出した香理奈がカットに入った。

香理奈は紀華と一戦交えようとするが、景子が後ろから香理奈を羽交い絞めにした。

 

紀華:しっかり抑えときなさいよ。

 

紀華はそう言うと助走をつけて走り込んで、香理奈の顔面に足の裏を叩き込んで行った。

 

バシィ、

 

思わず仰け反って倒れる香理奈。

 

紀華:タイトルマッチの仕返しよ!

 

この間に麗菜はリングに戻った。

紀華&景子はもう少し香理奈を攻めたい所だが、場外カウントを考えて景子はリングへ戻った。

紀華が自陣のコーナーに戻ると、香理奈も顔を抑えながらゆっくり立ち上がって自陣に戻った。

さあ、リング上は再び麗菜と景子だ。

先にリングに戻った麗菜は体勢を整えて待っていた。

 

バターン

 

麗菜はドロップキックで景子を倒すとリング中央に引き戻してエビ固めをかけていった。

リング中央でがっちり極まる麗菜のエビ固めに苦悶の表情を浮かべる景子。

 

景子:あ、あ、あぁぁ

 

景子は喘ぎ声を上げながらもなんとかロープまで辿り着いた。

麗菜も踏ん張ったが、ここはロープブレイクを許した。

しかし、試合のペースは麗菜が握っている。

麗菜は景子をロープに振ると、返って来た景子をドロップキックで迎撃した。

 

バターン、

 

景子は倒れ込むと堪らずリング下に逃れた。

すると、これにいち早く反応したのは香理奈だ。

先程の場外戦では景子&紀華にいいようにやられたので、香理奈は仕返しの機会を狙っていた。

香理奈は景子をリフトアップすると鉄柱に背中を叩きつけていった。

 

景子:うっ、、

 

苦しい表情になる景子。

紀華も遅れて救出に駆け付けるが、香理奈が素早くブロックした。

 

香理奈:こっちは私に任せて。

麗菜:サンキュー。

 

体格差から麗菜に紀華の相手をさせると負担がかかるからと香理奈が紀香の相手をする。

麗菜は倒れ込んでいる景子を掴まえるとリングに戻した。

香理奈も紀華を蹴り飛ばすと、紀華を相手のコーナーに追いやった。

今度は麗菜&香理奈が息の合ったチームワークを見せた。

麗菜は景子をリング中央に引っ張っていくとジャーマンスープレックスの体勢に入った。

しかし、流石にこの大技は無理があったのか、景子がエルボーを打って逃れた。

エルボーを受けて仰け反る麗菜。

景子は麗菜をタックルで倒していくと馬乗りになって麗菜の顔面に張り手を打ち込んでいく。

 

バシ、バシ、バシ、

 

麗菜は顔面を叩かれて顔を紅潮させながら苦しい表情になっていく。

麗菜は暴れて、なんとか景子を撥ね退けるた。

 

麗菜:やってくれたわね〜

景子:何よ!

 

リング中央で睨み合う両者。

すると麗菜が景子の顔面に張り手を打っていった。

 

バシィ、

 

景子も麗菜の顔面に張り手を打ち返す。

 

バシィ、

 

女同士の意地の張り手合戦になった。

 

バシ、バシ、バシ、バシ、

 

顔を真っ赤にさせながら相手の顔面を張っていく両者。

ダメージの蓄積からか麗菜の方が険しい顔つきになってきた。

 

麗菜:ああぁん

景子:フンッ

 

バシィィ

 

景子が渾身の張り手を麗菜の顔面に叩き込むとうつ伏せに倒れる麗菜。

景子は麗菜の上に圧し掛かるとキャメルクラッチを仕掛けていった。

普段の綺麗な表情では無くなる麗菜。

景子がグイグイ締め上げていくと麗菜は険しい表情になっていく。

麗菜は呼吸が苦しくなってきた。

 

景子:ギブアップしなさいよ!

麗菜:ノー、ノー、いやよ。

 

麗菜は体を反り返らすと景子を撥ね退けた。

なんとか逃れた麗菜だが、呼吸が荒い。

 

麗菜:ハアハアハアハア

 

景子は麗菜の髪の毛を掴んで起き上がらせるとコーナーに振っていった。

景子は助走をつけて、ラリアットに行くが、麗菜が脚を上げてブロックした。

仰け反る景子。

すると麗菜は景子の髪の毛を引っ張ると場外にいる香理奈に渡した。

 

麗菜:ハアハア、任せたわ。

香理奈:OK。

 

景子を受け取った香理奈は景子を仰向けに叩きつけると、馬乗りになって景子の顔面を張り手で痛めつけていく。

麗菜は景子を香理奈に任せて場外には降りずにリング内に留まっている。

こうすれば、景子が帰ってくるまで、麗菜は安全に休める。この辺りはコンビの作戦といったところか。

もちろん紀華も黙っておらず、景子を救出に向かった。

 

紀華:ちょっと、あんた何休んでんのよ!ずるいわよ。

 

バシィィ

 

紀華は香理奈の背中を蹴って景子を助け出した。

強烈なキックに一瞬息が止まる香理奈。

リングに戻る景子。

場外では場外戦になった時に優位に展開出来るように、香理奈と紀華が戦い始めた。

《場外》

紀華が香理奈を起き上がらせて鉄柵に振っていった。

 

ガシャーン、

 

香理奈も負けられないと紀華にタックルを仕掛けるが、紀華は上から被せて香理奈を倒していった。脇腹にパンチを入れる紀華。

香理奈は抵抗するが、紀華が上手く押さえつけている。

《リング》

体を休めた麗菜が景子を捕まえるとボディースラムを放ってフォールに入った。

『ワン、ツー、ス』

カウント2で返す景子

麗菜は畳み掛けるように腕ひしぎをかけていった。

 

景子:ああぁぁ

 

景子は痛がるが必死に抵抗してロープに逃れた。

腕を抑えて痛がる景子。

しかし、景子は負けるわけにはいかないと起き上がると麗菜に組みついていった。

取っ組み合いになる麗菜と景子。

《場外》

上から押さえつけられている香理奈だが、下からバランスを崩して逃れた。

睨み合う紀華と香理奈。

紀華としては同郷の妹分の景子を勝たせてやりたいし、香理奈としても事務所の先輩である麗菜に勝利をプレゼントしたい。

 

ボシュ、

 

紀華は膝蹴りを打っていった。

しかし、香理奈は紀華の首を捕まえるとDDTを放った。

 

ゴン、

 

蹲る紀華。香理奈もボディーのダメージで動けない。

《リング》

取っ組み合いになっている麗菜と景子。

力づくで相手をなぎ倒そうとするが、体格的にも無理があるようだ。

互いに相撲のように組み合うと手を相手の腰に回してパンツを引っ張り合う。

股が締め上げられて苦悶の表情の両者になる。

 

バターン

 

するとバランスを崩して両者とも倒れてしまった。

グランドで関節の取り合う両者だが、汗で滑ってなかなか上手くいかない。

揉み合っている内に麗菜も景子も香理奈と紀華が争っているのとは反対側の場外に転げ落ちた。

香理奈と紀華は慌てて2人の方へ向かった。

 

ガシャーン

 

紀華は麗菜を捕まえると鉄柵に振っていった。

 

紀華:やっかいだから、先に香理奈から仕留めるわよ。

景子:ハイ。

 

景子は香理奈を羽交い絞めにすると紀華が助走をつけて香理奈のボディーに膝蹴りを打っていった。

 

ボシュ、

 

香理奈:うげぇぇ〜〜

 

紀華は場外のマットを剥ぐと景子をエプロンサイドに登らせた。

香理奈をリフトアップした紀華は景子に香理奈を渡した。

ボディープレスを放つ景子。

 

ドス

 

鈍い音が響くと香理奈は手足をじたばたさせて悶絶している。

 

バーン

 

景子:あう、、、

麗菜:何するのよ!

 

麗菜がパイプ椅子で景子の背中を殴打した。

香理奈に加えて景子も戦闘不能になった。

 

紀華:あんたこそなにすんのよ!

麗菜:私の可愛い香理奈が怪我したらどうすんのよ!

 

妹分がやられて激怒する麗菜と紀華は取っ組み合いになった。

体格、パワーに勝る紀華が麗菜を押し倒すと馬乗りになって麗菜の顔面に張り手を打ち込んでいく。

 

バシ、バシ、バシ、

 

麗菜も抵抗するが、紀華のパワーに負けて顔を叩かれている。

顔を紅潮させる麗菜。

麗菜は下から紀華のボディーにパンチを打つが、却って裏目に出た。

 

バキ、

 

怒った紀華が拳で麗菜の顔面を殴りつけると目が虚ろになる麗菜。

すると、香理奈と景子も起き上がってきた。

香理奈の方が早く起き上がると、景子をリフトアップしてボディープレスを放った。

 

ドン

 

景子:あぁぁぁ…

 

苦しそうに息をして倒れ込む景子。

香理奈もダメージが大きいが、麗菜の救出に向かった。

 

バシ、

 

紀華の肩に蹴りを見舞う香理奈。

蹴られて倒された紀華は香理奈を睨み付けると起き上がって香理奈に向かっていった。

香理奈も応戦しようとするが、ダメージが大きく、体が上手く反応しない。

紀華は香理奈のバックを取ってコブラツイストを仕掛けていた。

紀華が体重を落としていく、辛くなる香理奈。

 

紀華:ホラ、逃げないと落とすわよ。

 

場外戦なのでギブアップもロープも無く、香理奈はただ、耐えるだけになって顔が苦悶の表情になった。

 

香理奈:ハアハア、うん、ハアハア

 

喘ぎ声を上げる香理奈。

しかし、4人とも場外戦に必死になって場外カウントが進められている事を忘れていた。

『フィフティーン!』

既に15まで数えられている。

試合の権利がある麗菜と景子は倒れたままだ。

 

紀華:景子!戻りなさい!

香理奈:麗菜さん!戻ってください!

 

麗菜は倒れたままだが、景子が起き上がってリングに戻ろうとする。

必死の形相でリングに戻ろうとする景子。

しかし、香理奈が紀華のコブラツイストから逃れるとふらつきながらも景子にタックルをして妨害した。

『トウェンティー!カーンカーンカーン』

景子は場外に引き戻されてカウント20を迎えてしまった。

『只今の試合、両者リングアウトにより引き分けにします』

がっくりする景子。

紀華は景子の所へ行くと、麗菜の所へ向かう香理奈とすれ違った。

 

紀華:よく耐えたわね。

 

香理奈は返事せずに睨むと紀華も睨み返す、一瞬不穏な空気になるが、紀華が握手を求めると香理奈も応えて収まった。

試合後の二組の様子は対称的だ。

 

紀華:しっかり戻りなさいよ!勝てた試合よ!

景子:スイマセン…

紀華:せめて自分で立って帰りなさい。

 

紀華は鬼軍曹の如く景子を叱咤激励すると景子に肩を貸す事無く、ふらつきながらも一人で帰らせた。

 

香理奈:麗菜さん。顔大丈夫ですか?

麗菜:えぇ、なんとか

 

紀華に殴られて腫れ上がっている麗菜の顔をタオルで優しく抑える香理奈。

 

香理奈:すいません、私のサポートが悪くて。

麗菜:私の力不足よ。これからは香理奈に負けないようにもっと頑張るわ。

 

すると、香理奈は自分もダメージが大きいにもかかわらず、麗菜に肩を貸して会場を去った。

 

 

《タイトルマッチ》

さあ、いよいよクイーンベルトのタイトルマッチが始まる。

ルールは主催者の予告通りプロレスルールで行われる。

『赤コーナー、168cm 80,5−58−83 米蔵涼子〜』

涼子は黒のビキニにクイーンベルトを巻いて登場してきた。

主催者に痛めつけられてコンディション面が気になる所だが、流石経験豊富な女王・涼子。自信に溢れているようで、堂々としたリングインだ。

『青コーナー、173cm 90−56−91 左藤江梨子〜』

反対側のコーナーから挑戦者の江梨子が入場してきた。こちらは白のビキニだ。

江梨子もプロレスドラマの出演でファイトには自信があるようだ。

 

江梨子:今日で、あんたの持っているベルトが私の腰に来るんだから、何か言い残す事は無いかしら?

 

涼子は江梨子の挑発にも無言を貫いている。ファイトで証明すると言わんばかりだ。

 

江梨子:面白くない女ね。さあ、やりましょう。

 

『カーン』

ゴングが鳴ると相手の様子を見合う両者。

するといきなり組み合った。

リング中央で激しくぶつかり合う両者。ここは涼子が江梨子をロープに押し込んでいく。

涼子は気合十分だ。

ロープブレイクだが、離れ際に涼子が江梨子のバストを張っていった。

 

バシィ、

 

江梨子:何すんのよ!

 

江梨子が怒って涼子に向かっていくと涼子も一歩も引かない。

 

バキ、

 

江梨子が涼子の顔面を殴っていった。

 

バキ、

 

すると、涼子も殴り返す。

両者とも素手であるため拳でのパンチは反則だが、観客が盛り上がっているためレフリーは止めずに見ている。

涼子と江梨子は互いの頭を掴み合って殴り合う。

 

バキ、ドカ、バキ、ボコ

 

鈍い音が場内に響き渡ると、涼子が顔を抑えて仰向けに倒れこんだ。

江梨子は素早く涼子の上に馬乗りになって圧し掛かると涼子の顔に拳を落としていく。

 

バキ、バキ

 

レフリー:江梨子、それは反則だ。

 

ここで一旦試合を止めるレフリー。

場内が盛り上がっていたため一時的に拳での攻撃を認めていたが、本来は反則であるため涼子の回復を待って試合が再開された。

とはいえ、殴られた涼子の目の上には紫色の痣が出来ており、痛々しい。

『ファイト』

試合が再開された。

張り手を涼子の顔に叩き込もうと前に出る江梨子。

しかし、涼子は体勢を低くするとタックルで江梨子を倒していった。

グランド状態でもつれ合う両者。

グランドの攻防で勝ったのは涼子のようで、江梨子の右脚を掴むと極めていった。

 

江梨子:ああぁぁぁぁ

 

脚を極められて悲鳴を上げる江梨子だが、長身を生かしてロープに逃れた。

動きを止められた江梨子のバックを涼子は取った。

涼子はバックドロップの体勢に入るが、江梨子がロープにしがみついて踏ん張った。

膠着状態になったためレフリーが中央に戻るように指示した。

『ファイト』

ファイティングポーズを取って向かい合う両者。

 

バシィ

 

江梨子が強烈なミドルキックを涼子の脇腹に見舞った。

しかし、涼子は江梨子の右脚をキャッチすると押し倒していった。

再び江梨子の右脚を極めていく涼子。

江梨子は右脚をプルプル震わせながら悶えている。

 

涼子:ギブアップしなさいよ!

江梨子:イヤヨ!

 

江梨子は体を反転させるとロープに辿り着いた。

 

江梨子:ハアハアハア(いたい…)

 

江梨子は右脚をさすりながら涙目になっている。

涼子はスタンピングで江梨子の右脚を踏みつけて痛めつけると起き上がらせてコーナーに据え付けた。

涼子は反対側のコーナーから助走をつけて走り込んでくるが、江梨子は左足を上げてブロックした。

顔を蹴られて仰け反る涼子。

 

江梨子:やってくれたわね〜

 

江梨子は間合いを測ると涼子の顔面にハイキックを打っていった。

 

バシィ、

 

右脚を痛めつけられていたため威力は半減しているが、涼子の側頭部にヒットすると涼子はふらついている。

江梨子は涼子をリフトアップするとボディースラムで涼子を投げつけた。

 

バターン

 

江梨子はそのままフォールに入る。

『ワン、ツー、スリ』

カウント2でギリギリ返す涼子。

江梨子は残念がるが、涼子を起き上がらせるとアピールしてパワーボムの体勢に入った。

 

江梨子:決めるわよーー!

 

大技へのトライにどよめく観客。

しかし、涼子は踏ん張ると逆に投げ返していった。

 

バターン

 

背中を叩きつけられた江梨子。

すると涼子はうつ伏せに倒れる江梨子の上に乗るとキャメルクラッチを仕掛けていった。

涼子は江梨子の顎を掴むとグイグイ引っ張っていく。

苦しい表情になる江梨子だが、体を動かして抵抗している。

涼子も体勢を維持するのが難しくなってきた。

涼子は江梨子のバストに手をやった。

江梨子のビキニを剥がしてバストを露わにさせる涼子。

江梨子も懸命に抵抗するが、90cmの見事なバストが出てきてしまった。

 

江梨子:いやぁ〜、

 

思わずバストを両手で抑える江梨子。

涼子は素早く立ち上がって江梨子のビキニを振り回すと観客席に投げ入れた。

 

江梨子:何すんのよ!

 

恥ずかしがりながらも激怒する江梨子。

落ち着いてファイティングポーズを取る涼子。

『ファイト』

江梨子は突っ込む取っ組み合いに持って行こうとするが、涼子は張り手を江梨子のバストに叩き込んでいく。

 

バシィ、バシィ、

 

ダイレクトにバストに打撃を受けて痛がる江梨子。

涼子は動きの止まった江梨子のバックを取ると、後ろから江梨子の豊満なバストを揉み解していく。

涼子のテクニックに江梨子は汗をビッショリかきながらいやらしい声を出して感じている。

 

江梨子:あぅ、いやぁ、はああ〜

涼子:じっくりいくわよ〜

 

涼子の“乳揉み”で江梨子の乳房が徐々に固くなって敏感になってくると、涼子の指が江梨子の乳首に掛かった。

 

江梨子:いやよ!

 

江梨子はこのままでは落とされるとエルボーを打って抜け出すと、強引に組み合って涼子を押し倒していった。

江梨子は涼子の顔の上にバストを落としていった。

 

ムギュ、

 

江梨子は自慢のバストで涼子の顔を押さえつけていくと、涼子は江梨子のバストの圧力で呼吸が出来ない。

 

江梨子:涼子、あんたがビキニを剥がしてくれたおかげで、この威力よ。

 

依然、江梨子は“生乳”で涼子の顔を覆っている。

もがき苦しむ涼子。

 

江梨子:痛い!

 

涼子は江梨子のバストに噛みついたようだ。

痛がる江梨子だが、涼子もタイトル防衛に必死だ。

江梨子もタイトルマッチだからと噛まれたバストを痛がる素振りも見せず起き上がってファイティングポーズを取った。

涼子はすでに起き上がっている。

両者ともに体力的にきつくなってきているが、タイトルのために体に鞭を打って相手にぶつかっていく。

 

涼子:ハアハアハアハア

 

涼子は呼吸が苦しくなってきたが、江梨子に低いタックルを仕掛けていく。

しかし、江梨子は読んでいたようで、涼子を捕まえて上から覆いかぶさった。

 

ゴン、

 

涼子:んんんぅぅーーーー

 

江梨子が上から涼子の背中に肘打ちを打つと呼吸が止まって悶絶する涼子。

江梨子はエルボーが効果的と見て連発する。

 

涼子:ああ…ああ…ぁぁ

 

徐々に涼子は目が虚ろになってきて、体を震わせている。

江梨子は起き上がると涼子の背中にサッカーボールキックを撃っていった。

 

バシィィ

 

涼子:ああああ〜痛い。痛いよー

 

強烈な一撃に悶える涼子。

江梨子は人差し指を立ててアピールすると涼子の髪の毛を引っ張って起き上がらせてブレーンバスターの体勢に入った。

涼子は抵抗できずにあっさり持ち上げられた。

江梨子は滞空時間を長く保つとそのまま叩きつけた。

 

バターン

 

ぐったりする涼子。

江梨子はバストを涼子の上に乗せながらフォール!

『ワン、ツー、スリーー!!』

『カーンカーンカーン』

試合終了のゴングが鳴り響いた。

ガッツポーズをする江梨子は初タイトルに喜んでいる。

セコンドにクイーンベルトを巻いてもらうと、江梨子は試合中に脱がされて露出したバストを見せつけるかのように堂々としている。

観客も第二代のクイーンベルト女王の誕生に拍手を送っている。

一方の涼子はしばらくすると意識を取り戻すとうつ伏せになってリングに唾を吐くと新女王を無視するかのようにリングを去った。

女王の入れ替わりで幕を閉じたタイチルマッチ興業だが、今後の両者の振る舞いに注目が集まる。江梨子がどのような挑戦者を選択するのか?ベルトを失った涼子はどうするのか?

 

気になるので、涼子の控室を覗いてみた。

 

《涼子控室》

涼子:くそーーー、私が負けるなんて。

事務所職員:落ち着いて下さい。涼子さん。今は一旦休んで、又ベルトに挑戦しましょう。

 

冷静に涼子を諭す職員だが、涼子の反応は意外なものだった。

 

涼子:何言ってんのよ。負けたのはムカツクけど、元々あんなベルト要らないわよ!これからはベルトなんか気にせずに強い相手と試合を組んで頂戴。いいわね!

 

するとそこに主催者が入ってきた。

 

主催者:今の言葉聞いたぞ。次回は強敵と試合を組んでやる。

涼子:の、のぞむ所よ。誰が相手でも叩きのめしてやるわ!

 

慌てる職員だが、止めようがない。主催者はニヤついて控室を出ると、涼子は不機嫌に椅子に座りこんだ。

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