《エキシビジョンマッチ》

今回の興業では香理奈のK−1ベルト防衛戦が行われるが、タイトルマッチに先立ってエキシビジョンマッチが一試合行われる。

カードは瀧澤沙織VS黒樹メイサと発表されており、すでに両者がリングに立っている。

ここで、観客に向けてK−1ルールについての説明が行われた。

 

・1ラウンド3分×3ラウンド

・1ラウンドで2回のダウンか試合を通して3回ダウンすれば、KO

・3ラウンドで決着が着かなければ判定で決着。

 

『赤コーナー 174cm80―58―84、瀧沢沙織〜』

『青コーナー 165cm80−60−85、黒樹メイサ〜』

 

選手コールが行われると、手を挙げて声援に応える両者。

沙織は白のパンツ、メイサは黒のパンツを纏っている。

沙織は大きなヒットを飛ばしている訳ではないが、コンスタントにドラマに出演しており、好調ぶりが伺える。

一方のメイサは産後、復帰戦という事で少しふっくらした体形になっている。仕事を得るためにもアピールしたい所だ。

『カーン』

グローブを合せると試合が始まった。

ゆっくりフォームを固めながら、相手の様子を窺う両者。

開始20秒程は動きが無い両者だったが、沙織がローキックを打つと互いにスイッチが入った。

 

バシ、バシ、バシ

 

距離を取りながらもローキックで相手の動きを止めようとするが、それが却って互いの動きを速くしていく。

速い動きから、メイサが距離を詰めて沙織の顔にパンチを打っていくが、沙織は仰け反って躱した。

沙織もミドルキックを放つとメイサは避けきれずに腹部にヒットした。

 

バシィィ

 

一瞬顔を歪めるメイサだが、すぐに体勢を立て直した。

メイサも負けじと沙織の太ももに鋭い蹴りを撃っていった。

 

バシィィ

 

これには痛がる沙織。

打ち合いを期待する観客だが、両者とも相手の打撃を警戒しているのと、少しでも優位なタイミングで仕掛けたいと、じっくり相手の様子を見ている。

しばらく、ファイティングポーズを固めての睨み合いが続く。

均衡を破ったのは沙織の右ストレートだ。

 

バシィ

 

クリーンヒットはしなかったもののガードの上からでも威力があり、メイサにプレッシャーをかけていく。

 

メイサ:(これを喰らったらマズイわね)

 

メイサは沙織のパンチ力を警戒して顔のガードを固める。

それでも沙織はメイサの顔面を狙っていくが、流石にメイサがガードを固めているだけあってなかなか有効打を打てない。

 

バシィィ

 

するとメイサはカウンターでまたしても沙織の太ももにローキックを入れていった。

 

沙織:あううぅぅ

 

これには沙織も悲鳴を上げる。

沙織はメイサがガードを固めるので攻め込めず、むしろカウンターで足を削られてしまう。

沙織はここでメイサの顔を諦めてボディーを狙っていった。

 

ボシュ

 

沙織はメイサのがら空きのボディーにパンチを打っていた。

 

メイサ:あああぅぅぅぅ〜〜

 

メイサは産後鍛えてきたが、ボディーは出産のときに筋肉が脂肪に代わり、負担も大きく鍛え切れなかったので、沙織のボディーブローに大きなダメージを受けてしまった。

予想以上に有効打を打てて驚く沙織。

沙織は照準を顔からボディーに切り替えたようだ。

メイサは打撃を喰らいたくないからと前蹴りで距離を取る作戦に出るが、沙織はメイサの作戦に怖さは無いと踏み込んで、ボディーを狙ってきた。

 

ボシュ、ボシュ、

 

沙織のパンチが内臓に突き刺さるようにしてメイサのボディーを抉っていく。

メイサも対抗してボディーを狙っていく。

 

ボシュ、ボシュ、

 

沙織はやや苦しそうな表情を浮かべるが、鍛えられた腹筋に守られてダメージは少なそうだ。

沙織はボディーの打ち合いに手応えを感じてメイサのボディーを打ち込んでいく。

 

ボシュ、ボシュ、ボシュ

 

メイサ:ぐええぇぇ〜〜

 

メイサは苦悶の表情を浮かべて思わずガードを下げた。

するとすかさず、沙織はメイサの顔面を狙ってきた。

 

バキィ、

 

沙織の右フックがメイサの頬を一閃するとメイサは倒れ込んだ。

『ダウン』

メイサはダウンを喫した。

メイサは意識ははっきりしておりすぐに立ち上がろうとするが、ブランクがあるせいか思うように立ち上がれずふらついている。

あわやKO負けかと思われたが、なんとかメイサが立ち上がってファイティングポーズを取った。

『カーン』

ここで1ラウンド終了のゴングが鳴った。

沙織はやる気満々だったが、残念そうにコーナーに戻った。

一方のメイサはふらついていただけにホッとした表情でコーナーに帰った。

沙織は相手をしっかり見据えているのに対して、メイサは呼吸が荒くビッショリかいた汗をセコンドに拭ってもらっている。

『カーン』

2ラウンドが始まった。

1ラウンドの勢いそのままに沙織が攻め込んできた。

しかし、メイサもインターバルで少し回復したのか打ち合いに応じた。

 

バシィ、バシィ、バシィ、

 

実力派女優同士の殴り合いに盛り上がる観客。

観客の声援にヒートアップする両者。

 

バシィ、バシィ、ボシュ、

 

沙織の膝が入るとメイサは体を屈ませて苦しんでいる。

やはり174cmの長身女優の沙織と打ち合うのは復帰明けのメイサには厳しかったようだ。

沙織はチャンスと見てメイサのボディーを攻め込んでいく。

 

ボシュ、ボシュ、

 

メイサはボディーを殴られて、喘ぎながら後退を余儀なくされる。

 

メイサ:んんん〜〜〜〜

 

いつの間にかメイサはコーナポストを背にしていて焦るが、もう遅い。

沙織はメイサのボディーを強烈な膝蹴りで突き上げた。

 

ボシュュュュ

 

メイサ:ぐええぇぇぇぇ〜〜〜〜

 

前のめりに崩れ落ちるメイサ。

『ダウン』

二度目のダウンを喫するメイサ

お腹を抱えて懸命に起き上がろうとするが、体が言う事を聞かない。

 

メイサ:あああ〜〜、クッソーー

 

ドンドンドン

 

メイサはマットを叩きながら悔しがるが起き上がれなかった。

『カーンカーンカーン』

『勝者:瀧沢沙織』

沙織は手を挙げながら歓声に応えると、這いつくばるメイサを見下してリングを去った。

一方のメイサはお腹をさすりながら、黒服に付き添われて控室に向かった。

 

 

《タイトルマッチ》

K−1ベルトのタイトルマッチが行われる。

前回、藤原紀華から防衛した香理奈は女王の風格が出てきた。

そんな女王・香理奈に挑戦するのは、グラビアアイドルの守下悠里だ。

悠里は地下リングでの実績はあまりないが、主催者としてはK−1マッチはトップレスで行われるため巨乳美女を出場させようと事務所にオファーを出していた所、悠里からOKが出たため今回のカードが組まれた。

悠里としても表での露出が減ってアピールのチャンスを貰ったとあって張り切っている。

しかも、タイトルマッチとあって悠里には千載一遇の大チャンスとなった。

『赤コーナー 165cm 80−58−88 香理奈〜』

香理奈は黒のパンツに赤いグローブで入場してきた。腰にはK−1ベルトが巻かれており堂々とした入場だ。

『青コーナー 160cm 90−55−90 守下悠里〜』

160cmの身長にして90cmのバストを誇る悠里。

悠里はピンクのパンツをはいてグラドル界NO.1の美巨乳との呼び声高いバストを見せつけながらの登場だ。

花道の歓声では女王・香理奈よりも悠里の方が大きいくらいだ。

これには少しムッとする香理奈。

『カーン』

今、試合が始まった。

香理奈は素早い動きで前に出ると、悠里のバストに23発ジャブを打った。

 

ボシュ、ボシュ、

 

悠里は香理奈の早い動きについていけない。

香理奈は続けてボディーにミドルキックを撃っていく。

 

バシィ

 

開始早々の香理奈の攻撃に経験が浅い悠里は面食らって何も出来ずに痛めつけられていく。

香理奈は悠里がカウンターをしてくる気配もないので、ドンドン前に出る事にした。

 

ボシュ、ボシュ、ボシュ、

 

香理奈は悠里の商売道具であるバストに照準を絞った。

悠里も商売道具を傷つけられる訳にはいかないと必死にガードを固めている。

 

ボシュ、ボシュ、

 

悠里:あ、ああ〜、ヤメテ〜

 

悠里のガードの上からでも威力のある香理奈のパンチ。

香理奈は優位に試合を展開していくが、気を緩めずに攻めていく。

しかし、悠里もこのまま香理奈のいいようにバストを殴らせる訳にはいかないとカウンターのパンチを香理奈の頬に打っていった。

 

バシィ

 

悠里のパンチは香理奈の頬にヒットしたが、香理奈も上手くガードしたので、ダメージは少なそうだ。

香理奈はすぐさま、悠里のバストにパンチを打ち返す。

 

バシ、ボシュ、

 

悠里はバストを真っ赤にさせて悶えている。

香理奈の執拗なまでのバスト攻めに、悠里は苦しい状況に追い込まれるが、香理奈の攻撃がバストに集中しているので、悠里は徐々にガードを固めて対応出来るようになってきた。

 

バシィ

 

悠里はじっくり香理奈の様子を窺ってタイミングを計ると、香理奈のボディーに強烈なミドルキックを放った。

 

香理奈:あううぅぅ

 

香理奈は表情を歪ませるが、ファイティングポーズは崩さない。

悠里は一気に前に出てパンチを顔面に打っていと、香理奈も打ち返してきた。

打撃戦になる両者。

 

バシ、バキ、バシ、ボコ、バシ

 

激しく殴り合う両者だが、やはりここで実力差がでたのか、女王・香理奈の方が押し気味になってきた。

悠里はガードを固めるが、香理奈の打撃の衝撃に耐えられない。

 

バシ、バシ、バシィィ

 

香理奈の左右のパンチが悠里の顔面にヒットし始めると、悠里のガードが下がって、サンドバック状態になっていく。

 

バキィィ

 

香理奈の鋭い右ストレートが悠里の顔面にヒットすると、悠里はふらついてコーナーに押し込まれた。

意識が遠のく悠里の顔面に香理奈はパンチを浴びせ続ける。

 

バシ、バシィ、バキ、

 

顔面をボコボコにされていく悠里。

香理奈が上手く悠里が倒れないようにコントロールして痛めつけている。

それでも本来ならダウンをスタンディングダウンを採る所だが、盛り上がっているので、レフリーは続けさせている。

すると、香理奈は勝利を確信したのか再び悠里のバストに照準を合わせた。

 

ボシュ、バシュ、ボシュ、ボシュ

 

悠里の自慢のバストが、真っ赤に腫れ上がり、悠里に激痛が走る。

 

悠里:んあああぁぁぁ〜〜〜

 

悠里は悲鳴を上げながら倒れ込んだ。

 

『カーンカーンカーン』

1度目のダウンだが、悠里が立ち上がる事は無いと判断してすぐさまゴングが打ち鳴らされた。

悠里はグッタリして倒れたまま動けず、黒服に担架で運ばれ、医務室に直行した。

香理奈は3度目の防衛を果たすと、ベルトを巻いて堂々とポーズを取った。

女王として風格が出てきた香理奈。

これで、香理奈は地下リング10連勝(うちK−1ルールでは6勝)となった。

次回、香理奈を止める女は現れるのか?

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