時は遡って香理奈がニューヨークに遠征していた時の話。
香理奈はニューヨークでプロレスだけでなくもう一つのスポーツにも興じていた。
それが、『ランジェリーベースボール』だ。
ユニフォームはビキニのみのベースボールで、アメリカでは俄かに人気を博しているスポーツだ。スパイクどころかソックスすら履く事も許されない華やかながらも過酷なスポーツで、使える道具はバットとグローブのみで、プロ野球と同じ硬球を使ってプレイするため、体にボールが当たると身悶えしたり、ビキニ姿でダイビングして体を土まみれになったりする所が観客を魅了している。
出場する女優としても個人タイトルを獲得したりチームを優勝に導けば多額の報酬を貰えるとあって必死にプレイしている。
日本でも5年前からリーグを作っており、香理奈も藤原紀華や田中麗菜らと作った神戸ブルードラゴンズで初年度から参戦しており、5連覇を飾っている。その間5年連続MVP、5年連続ホームラン王に打点王、3度の首位打者等、輝かしい成績を残しているが、その香理奈も本場の『ランジェリーベースボール』には驚いた。
アメリカのランジェリーベースボールは50年以上の歴史を誇り、その中でも名門チーム・ニューヨークブルースターズの練習に香理奈は参加する事となった。
ブルースターズはミズティーブルーが4番と監督を務めているため、香理奈の参加が認められた。
ブルースターズは108回の最多優勝回数を誇り、ブルーやケイティレーらが所属する最強チームだ。丁度、香理奈が滞在中にランジェリーベースボールリーグのNO,1を決定するランジェリーシリーズが開催されるので、練習にも熱が入っている。
パワーとスピードに圧倒される香理奈だが、慣れてくると香理奈も徐々に実力を発揮できるようになってきた。
カーン、カーン、
鋭い打球を飛ばす香理奈にブルーが声をかけた。
ブルー:やっぱり香理奈はベースボールのセンスもあるわね。今度のランジェリーシリーズに4番で出すわよ。
ブルーの抜擢に驚く香理奈だが、喜んでいる。
香理奈:え!?いいんですか?
打撃練習にもより一層の力が入る香理奈。
いよいよ、ランジェリーシリーズの第一戦を迎えた。
スタジアムにオーダーが発表されると観客がどよめいた。
3、CF ケイティレー #4
4、RF 香理奈 #1
5、DH ミズティーブルー #3
普段は、4番RFで#1の所にはミズティーブルーが入るのだが、今日はこの前契約したばかりの香理奈だ。
ブルーは長年付けてきた愛着のある背番号を香理奈に渡して信頼を示している。
試合が始まると大活躍を見せる香理奈はあっという間に人気者になり、センセーショナルを巻き起こした。
香理奈の活躍もあって4連勝でロサンゼルスハリケーンズを下し、ニューヨークブルースターズは優勝を飾った。
これには香理奈よりもブルーも大喜びだ。
ブルー:ハーイ、新しい4番打者を見つけたわよ。私も年だからそろそろ4番を譲るわ。これからは毎試合4番で使うわよ。
香理奈:でも、もう日本に戻るんで…。
ブルー:ノーノーノー、心配はいらないわよ香理奈。プライベートッジェットで試合の度に迎えに行って、サポート体制も万全にするわよ。
香理奈:それなら来年から出れますね。楽しみにしてます。
ブルー:それもノーね。ランジェリーベースボールは春、夏、秋と1年に3シーズンあるわよ。1シーズンが30試合なのは日本と同じだけど、よりハードね。今回のランジェリーシリーズは春のシーズンだから香理奈は夏のシーズンから出場できるわね。
こうして、香理奈は夏のシーズンから出場する事となった。
香理奈は女優業に地下リング、ニューヨークブルースターズ、神戸ブルードラゴンズの活動と忙しい毎日を送るが、充実した毎日を送っていた。
そして、香理奈はこの夏と秋のニューヨークブルースターズで素晴らしいシーズンを送る。
共にフル出場し、夏は3冠王にMVP、秋はホームラン、打点の2冠王にMVPと主に4番で出場し、チームの優勝に貢献した。
MVP58回首位打者20回ホームラン王51回打点王44回のミズティーブルー、
MVP10回首位打者11回ホームラン王9回打点王9回のケイティレーを差し置いての活躍だった。
秋のシリーズが終わると順風満帆に日本のリーグに戻る事になっているが、世界最高峰のリーグでこれだけ活躍できたのだから、日本のリーグなんて軽いもんだと戻る香理奈。
しかし、日本のリーグでは少しずつ変化が起きていた。
幼少時代、リトルリーグで活躍したアン擁する東京レッドバーズが参入してきたのだ。
長身から投げ下ろすストレートは威力抜群でリーグを席巻している。他にも1チームに1人だけ認められているアスリート枠に女子バレーの加納舞子を4番打者として補強している。他にも有名女優を引き連れており、これも超有名俳優の父の資金力によるものだと思われる。
東京レッドバーズ、神戸ブルードラゴンズは共に目出度くリーグを制し、優勝決定戦に駒を進めた。
7戦勝負のシリーズは白熱した展開となり、3勝3敗でいよいよ第7戦に突入した。
レッドバーズは投手力が自慢だが、今日は大エースのアンが先発する。
一方のブルードラゴンズは強打が武器で、ベストオーダーを組んできた。
ブルードラゴンズ レッドバーズ
11B 能勢あんな #8 1SS 笹木希 #6
2SS 能勢えれな #6 2C 美月ありさ #2
3 CF 田中麗菜 #3 3P アン #18
4 RF 香理奈 #1 41B 加納舞子 #5
5 P 藤原紀華 #9
6C 納見佳代 #2
・
・
試合が始まるとアンはアメリカ帰りの4番香理奈とエースの紀華をデッドボールで潰す作戦に出た。
硬球が素肌に当たると呻き声を上げる香理奈と紀華。
最初のデッドボールでアンは判断したようで、鍛え上げられた肉体を持つ紀華よりも香理奈の方がダメージが大きそうだからと、2巡目からは香理奈を一方的に狙っていく。
ドスーン、ドスーン、ドスーン、
香理奈:あぁぁん、ああぁぁん。
4回目の打席でアンの投げた剛速球が香理奈の背中を直撃した。
一瞬蹲る香理奈だが、すぐさま立ち上がるとマウンドのアンに歩み寄った。
香理奈:何回当てるつもりなのよ!
アン:これがベースボールよ!
一触即発の雰囲気になると、両軍のベンチから女優陣が飛び出すと大乱闘になった。
マウンド付近で女優たちがもつれ合いながら取っ組み合いになると収集が付かず、試合は中止になってしまった。
優勝チームを決定することが困難になってしまったが、幸いにも地下プロレスの主催者はランジェリーベースボールの主催者も兼ねているためプロレスの試合で優勝チームを決定することになった。
この決定には大乱闘に鼻息が荒い女優陣のみならず、観客も大喜びだ。
マウンド付近で大乱闘が繰り広げられる中、オーロラビジョンに大乱闘の当事者である『香理奈VSアン』の対戦カードが表示されると大盛り上がりだ。
香理奈:今日は好き勝手やってくれたけど、リングじゃ逃がさないからね。覚悟しなさい!
アン:最初からそのつもりよ!やってやるわよ!
チームメイトに引き離されながらも激しく火花を散らし合うアンと香理奈。
《決戦当日》
リングで雌雄を決することは決まっているが、野球の優勝チームを決定するということで、特別ルールが採用される事となった。
・基本的にはプロレスルール
・リングにロープは張らず、四隅に置いてあるベースに触れるとブレイクとする。
・リング上は野球場と同じ黒土で、場外は芝生にする。(野球場っぽくするため)
・四隅のベースの内の一つであるホームベースにどちらかが触れると“道具”が触れた方に送られる。(得点の要領でボーナス)
・場外に落とされるとリング中央で相手のマウントポジションから試合が再開される。(表裏の様に攻撃権を与える)
・但し、落とした側も場外に落ちれば、場外戦となる。尚、場外戦ではそれぞれ3人まで認められたチームメイトも乱入可能となる。(野球はチーム戦なので)
・場外にはフェンスがあり、場外戦に参加するチームメイトはフェンスの向こう側の観客席に落とされたら場外戦に戻る事が出来ず、観客の男達に御奉仕しなければならない。
いよいよ試合の時を迎えた。
アンのセコンドには仲良しの美月ありさ、系列事務所の笹木希、アスリート枠ではチームがある東京出身の女子バレー選手・加納舞子がチームメイトとして入っている。
一方の香理奈サイドにはチームの監督兼エースでチームを神戸に創った藤原紀華、姉の能勢あんな、アスリート枠で香理奈と同郷の納見佳代が入った。
互いにユニフォームを着用しており、神戸ブルードラゴンズは青のビキニ、東京レッドバーズは赤のビキニを着て一列になって登場してきた。
『赤コーナー 174p アン〜』
『青コーナー 165p 香理奈〜』
身長差はアンに分があるが、香理奈がどう攻略するかが見ものだ。
両コーナーでスタンバイする両者。
セコンドも睨み合うと緊張感が増す。
『プレイボール』
試合が開始されると勢いよく飛び出してリング中央でぶつかり合う両者。
取っ組み合いになる両者は力比べの様になっていく。
どうやらリングアウトによるマウントポジションを狙っているようだ。
鼻息荒く体をぶつかり合わせる香理奈とアン。
相手を場外に押し出そうとする香理奈とアンだが、力が入りすぎて途中で崩れて倒れてっしまった。
少しでも良いポジションを取ろうと、体を土まみれにさせながら文字通りグランドでもつれ合っている。
転がり合っていく間に膠着状態になってきたので、レフリーがスタンディングでの再開を指示した。
《場外》
場外でもリング内と同様に戦いが始まっており、紀華とありさ、あんなと希、佳代と舞子が相対している。
《リング内》
香理奈とアンは先程は崩れてしまったので、今度はしっかり勝負したいと手と手、指と指を組ませてから力比べを挑んでいく。
長身のアンが上から押し込んでいくが、香理奈も4番打者のパワーを見せる。
懸命に押し合う両者だが、中々勝負が付かず、疲労から手や太ももをプルプル震わせている。
香理奈は力勝負に拘って押し込もうとするもアンは香理奈の思いを見透かしたかのように引き付けて足をさっと払って倒していった。
バランスを崩されて簡単に倒されてしまう香理奈。
グランドで上に圧し掛かり優位な体勢をとったアンは長い脚を絡ませて香理奈の腕を極めていく。
香理奈はしまったという表情を浮かべるが、力比べの時に押し込んでいたため、エスケープのベースが近くにあった。
香理奈がベースに手をかけるとレフリーはアンに離すように指示を出した。
アンは不服そうだが、指示に従って香理奈の腕を離した。
香理奈は起き上がろうとするが、アンは香理奈の肩口にキックを入れていった。
バシィ、
肩を抑えて蹲る香理奈。
すると、アンはホームベースを踏んだ。
最初の道具はボールのようで、アンは黒服からボールをいくつか受け取ると香理奈に投げつけた。
パァーン、
香理奈の素肌にボールがヒットすると痛がるが、香理奈も負けじとボールを投げ返す。
雪合戦の様にボールの投げ合いになるが、これでは相手に決定打を与えられないからと、両者は両手にボールを握りしめると相手に殴りかかっていった。
拳では無く手の形は平手に近いことから認めるレフリーだが、限りなく拳同士に近い殴り合いだ。
バキ、バキィ、バシィ、
互いの顔面を殴打し合って頬を赤く染めるアンと香理奈。
アンは左右に大振りなパンチで一発の威力に賭けるが、香理奈はK-1の経験を生かしてキックも織り交ぜている。
バキィ、バキィィ、バシィィ、バキィ、
激しさが増していくが、アンが香理奈のキックを上手くガード出来ないので、香理奈が徐々にペースを握り始める。
バキィィ、
しかし、ここでアンの大振りのパンチが香理奈の頬にクリーンヒットした。
身長174pのアンの長いリーチから繰り出される遠心力が大きなパンチを喰らってふらつく香理奈。
アンはこのまま殴り合いを続けるのは香理奈のキックが厄介だとタックルで場外に落としにかかった。
香理奈も場外に落とされれば、マウントポジションを取られるからと懸命に踏ん張るが、押し出されてしまった。
しまったという表情を浮かべる香理奈だが、アンは当然の如く場外戦では無く、リング内でのマウントポジションからのスタートを選択した。
仕方がないという表情で渋々リング内に戻る香理奈とは対照的にビックチャンスに思わず笑みがこぼれるアン。
アンは殴りつけるために両手にボールを握りしめている。
香理奈は恐怖の表情を浮かべるが、ルールだからと土の上に背中を着けて、仰向けになった。
香理奈はアンのパンチを防ぐためにボールを離して素手になった。
アンはヒップを香理奈のお腹にドロップさせるが、香理奈も予め腹筋を入れていたためダメージを最小限に抑えた。
『プレイボール』
香理奈はガードを固めるもアンは隙間を狙って拳を振り落す。
ドン、ドン、
鈍い音が鳴り響いて香理奈は厳しい展開になるが、アンの腕を取ろうと必死にもがいている。
ドン、
香理奈:ううぅぅ〜
アンのハンマーパンチが香理奈の鼻にヒットすると呻き声を上げる香理奈。
アンは一気に攻め込もうとするが、香理奈も冷静にガードを固めるので、上手く攻めれない。
香理奈が下から揺さぶるとアンはバランスを崩してしまった。
香理奈はこの間に一気にアンを退かせると、起き上がった。
アンは少し後悔しているが、両者はスタンディングで向かい合った。
《場外》
場外では紀華に押し出されたありさが早くも観客の餌食になっている。希とあんなはモデル同士白熱したバトルを繰り広げているが、佳代と舞子は舞子の一方的な展開になっている。
舞子は元レスラーの佳代を高々とリフトアップすると背中から芝生に叩きつけた。
ドン、
鈍い音がすると佳代は呼吸が出来ずに苦しんでいる。
佳代はアスリート枠だからと舞子とのマッチアップに臨んでいったが、佳代164p58sに対して、舞子186p68sと体格差がありすぎた。
佳代にとっては元レスラーの自分よりも見事な投げ技に受け身も取れない。
最早、ジャンルを超えてアスリートとしてオリンピックに出場するトップアスリートとの体の違いを見せつけられて悔しがる佳代。
叩きつけられた佳代を見て紀華が佳代の許に駆け寄って助けに入った。
《リング内》
リング内では香理奈とアンが向かい合っている。
役目を果たしたボールは既にリング内から除去されている。
『プレイボール』
相手の様子を伺って攻撃の機会を見定める両者。
香理奈の方は殴られた顔面を少し気にしているが、目はしっかりアンを見据えている。
場外の展開も気になる所だが、まず自分たちの戦いに集中している。
バシ、
香理奈がローキックを打っていくとアンは少し嫌がる素振りを見せるもすぐに蹴り返してきた。
バシ、
香理奈の太ももにアンのローキックがヒットするも香理奈はダメージがあるかは定かではないが、痛がる素振りは見せない。
リング内を回りながら互いの様子を見合う両者。
するとアンがホームベースに近くなってきた所で、道具を獲得しようとホームベースに飛び込もうとするとも香理奈がすぐに気付いたようで、後ろから捕まえた。
香理奈も道具が欲しい様で、ホームベースにタッチしようとするが、アンが阻止する。
グランドで土まみれになりながらホームベースを目指す両者はほぼ同時にホームベースに手をかけた。
リング内には両者に木製バットが投げ入れられた。
香理奈とアンは素早く立ち上がってバットを手に取ると向かい合った。
バットを振り回して相手を痛めつけにかかる香理奈とアンだが、ここは4番打者の香理奈が強烈なスウィングでアンを痛めつけていく。
バシィィ、バシィィィ、バシィィィ、
アン:いやぁ〜〜いたぁい〜。
アンも必死で対抗しようとするが投手のアンにとっては分が悪い様で上手くバットを扱えない。
バシィ、
アンが不恰好な構えでバットを構えると香理奈のキックが一閃した。
アンのバットが場外に飛ばされると、文字通りアンは丸腰になってしまった。
香理奈は俄然攻勢に出るとアンは必死にガードするもバットで殴打されて痛めつけられていく。
バシィィィ、バシィ、バシィィィ、バシィィィィィ、
アンの肌が真っ赤に染まり、顔が苦痛に歪む。
バシィィィィィィィィィィ、
香理奈の渾身のフルスイングがアンのお腹にクリーンヒットするとアンは場外に飛ばされてしまった。
“ホームラン”をかっ飛ばして誇らしげにポーズを取る香理奈。
バットを持つ香理奈は当然、リング内でのマウントポジションでの試合再開を望んだ。
アンは相手が凶器を持っているからとリングに入ることを嫌がるが、黒服に促されてリングに戻された。
リング内で仰向けになるようにレフリーに指示されると、アンは渋々寝そべった。
『プレイボール』
アンは殴られる事を警戒して顔をガードするが、香理奈はアンの顔の方では無く脚の方を向いてアンに圧し掛かった。
驚くアン、香理奈はアンの両脚を掴んで大股を開かせると、秘部に勢いよくバットを振り下ろした。
バキィィィ、
アン:ぎゃああああああぁぁぁぁーーーーー
バットが折れるほどの威力にアンは泣きながら悲鳴を上げている。
アンの穴はユニフォームでは隠し切れない程盛り上がっている。
アンは両手で股間を抑えながら内股になっている。
《場外》
叩きつけられて息が出来ない佳代は蹲ったまま倒れ込んでいる。
後は舞子が佳代を場外に放り出すだけになっているのだが、紀華が正面から止めに入った。
相撲の様な取っ組み合いになるが、体格差からすぐさま舞子に仰向けに倒される紀華。
舞子は紀華のお腹の上に圧し掛かると上から紀華の顔面に平手打ちを撃ち込んでいく。
バシィィ、
オリンピック選手の平手打ちを喰らっては流石の紀華もたった一発で意識を飛ばしそうになるが、なんとか耐える。
舞子は紀華を気絶させようと平手打ちを連発していく。
パァーン、パァーン、パァーン、パァーン、
紀華は頬を紅潮させて失神寸前になる。
なんとか逃れようとするも、圧し掛かられている相手が悪すぎてどうにもならない。
すると、そこにあんなを退けた希が紀華の前にやってきた。
希:舞子いいわよ。私にもやらせてよ。
希は以前、喧嘩ファイトで紀華に惨敗していた事もあり[女優因縁町マッチその3(香理奈の勇気と紀華の美貌)参照]、その時の仕返しをしようと張り切っている。
希はヒップを紀華の顔面に落としていった。
希:ほ〜ら、この前あんたにウ○コさせられたお尻ですよ〜。しっかり味わいなさいね〜。
希は紀華の顔にお尻を擦り付けていく。
紀華からすれば格下とも言える希に屈辱的なプレイをされているが、舞子の平手打ちを喰らうよりはマシなので、このまま抵抗しないことにした。
舞子も攻撃できない事へ不満を募らせている。
とここへ、先程投げられた佳代が舞子のバックを取った。
油断していた舞子はあっさりバックを取られると佳代に投げられそうになる。
佳代もプロレスラーの意地があるとばかりに強引に投げようとすると、諸共にフェンスを越えて場外に落ちた。
一瞬の隙を突かれた舞子は不満気な表情を浮かべるがもう遅い。
リング内には香理奈とアン、場外には紀華と希の戦いとなった。
場外戦では地力では紀華に分がありそうだが、何分体力を大幅に削がれているため希相手に苦戦している。
《リング内》
香理奈は今にも崩れ落ちそうなアンの股を掴んでブレーンバスターで投げていった。
バターン、
土の上に背中から叩きつけられて大ダメージを受けるアン。
香理奈はそのままフォールに入った。
『ワン、ツー、ス』
アンはカウント2で返すも顔は苦痛に歪んでいる。
香理奈は場外の情勢を見ながらタイミングを計っているが、まだ紀華が希相手に優位に立ってないからとリング内に留まる様に決めた。
香理奈は起き上がってアンの右脚を極めていく。
アンは秘部を痛めているので、股を拡げたくないが右脚だけを極められて股を拡げさせられている。
アン:ああ〜ん、股が、またが〜、ああぁん
逃げるために踏ん張ると秘部に激痛が走るため、股を閉じようとするが、逆に右脚に激痛が来るので、ジレンマに襲われている。
香理奈は場外の様子を見つつもアンの体力を削っている。
アンの踏ん張る左足は疲労でピクピクと痙攣させ始めている。
しかし、チームの優勝のためにも簡単に負ける訳にはいかないと懸命に我慢している。
《場外》
ガーン、
場外では徐々に息を吹き返してきた紀華が希を背中からフェンスに叩きつけた。
希はグッタリとして倒れた。
紀華も汗をビッショリかいて息遣いも荒いが、リングに近づいた。
紀華:待たせたわね、香理奈。早く降ろしなさい、仕留めるわよ。
《リング内》
リング上の香理奈は紀華の合図を聞いて、アンを場外に落として紀華に引き渡した。
香理奈も追って場外へ向かった。
《場外》
紀華はアンを受け取ると右脚をロックしてのボディープレスで芝生の上に叩きつけて弱らせていく。
アンは左脚が痺れて上手く踏ん張れずまともに投げられてしまった。
紀華は起き上がるとアンの髪の毛を引っ張って起き上がらせた。
紀華の10メートル程前方には香理奈が右脚をブンブン振り回して“素振り”をしている。
“ピッチャー”紀華がアンのバランスを崩して香理奈の方に投げる様にして振っていくと待ち構える“バッター”香理奈は右脚を振り抜いた。
ガーン、
香理奈がフルスイングした右脚はアンの頭を捉えた。
意識を飛ばしてばったりと倒れ込むアン。
香理奈は両手を叩いて拍手をして観客を煽りながら、リングに戻る。
紀華がアンを拾うとリングに戻した。
《リング内》
香理奈はリングに戻ると、既に紀華が戻して仰向けに倒れるアンを踏みつけてフォールに入った。
『ワン、ツー、スリー』
『カーンカーンカーン』
楽々スリーカウントが入って勝負が決した。
『勝者:香理奈、よって優勝は神戸ブルードラゴンズ!』
6度目の優勝が決まると監督でもある紀華に今回は外から試合を見てた3番打者の麗菜が駆け寄った。
紀華:よくやったわよ、香理奈。
麗菜:香理奈のおかげで優勝よ!
祝福を受ける香理奈。
他のチームメイトもフェンスの向こう側で男共に犯されて疲労困憊のあんなと佳代を連れてリング内に駆け寄った。
歓喜の輪が出来上がると香理奈、紀華の順に胴上げが行われた。
ひと段落すると、トロフィーの授与が行われて幕を閉じた。
敗れたアン擁するレッドバーズもその光景を目に焼き付けて、来年は自分たちがという思いを強くしている。
優勝:神戸ブルードラゴンズ
MVP:香理奈 6回目
首位打者:田中麗菜 藤原紀華 2回目
ホームラン王:香理奈 6回目
打点王:藤原紀華 1回目
盗塁王:田中麗菜 2回目
最優秀防御率:アン 1回目 藤原紀華 3回目
最多勝:藤原紀華 6回目
最多奪三振:藤原紀華 4回目
セーブ王:香理奈 2回目
アウォードも同時に発表された。
MVPは香理奈と紀華で票が割れたが、優勝決定戦で優勝を決定付けた香理奈が選ばれた。
香理奈ら神戸ブルードラゴンズは観客の声援に手を振りながら控室に引き上げると、控室ではシャンパンファイトが行われた。
香理奈や紀華、麗菜らの美女がはしゃぎ回っている。
チームの優勝や個人タイトルを獲得した女優が多いため賞金で酒を買うので、楽しい宴はいつまでも続く。