4日目
試合会場にエレガントなベンツがやって来た。中から出て来たのは、あのWEEで活躍していたステージー・キーブラーだ。マネージャーとしての活動が主だったが、180cmの長身は破壊力抜群だ。今日の試合は香理奈側の要望でK-1ルールとなった。当初は、主催者側はこの要望を受ける気は無かったが、体格差が大きい事(ステージー180cmに対して香理奈165cm)と米蔵涼子が強く推してきたため実現した。主催者としてもエース涼子の意向は無視できない。K-1ルールは時間無制限で決着が着くまで続けられる。但し、セコンドが要求した時のみ1度だけインターバルを取ることが出来る。さらにステージー側の要望でトップレスでの対戦となった。控え室では既に香理奈が下はK-1ファイターのようにブルーのトランクスをはいているが、上半身は美乳をさらけ出した状態で涼子の持つミットに打撃を打ち込んでいる。「さあ行くわよ」気合を入れる香理奈。リングに先に登場したのは香理奈の方だった。観客の声援に応えながら涼子を引き連れてリングに入った。少し遅れてステージーも赤いトランクスにバストを揺らして登場してきた。長身に見事な美貌で既に観客を魅了している。しかし、どこか不満そうな素振りをみせている。「ビッグリーグでプレーしてた私がなんでこんなわけのわからない低俗な団体でこんなチビと試合をしなければならのいの」この発言にブチぎれる香理奈、涼子「誰がチビなのよ、あんたがデカイだけでしょ。試合でどっちが低俗かわからせてあげるわ」「地下プロレスを舐めると痛い目にあうわよ」興奮する香理奈陣営「絶対許さないわよ。叩き潰してやるわ」「カーン」今第一ラウンドが始まった。互いにリング中央で小刻みに牽制しあいながら様子を見ている。しびれを切らした香理奈が蹴りこんでいくが簡単にかわされてしまった。今度はステージーがミドルキックを打つと香理奈の横腹にヒットした。ステージーの足の長さに驚く香理奈。続けざまにステージーはミドルキックを打ってくるがこれはなんとか香理奈がかわした。ステージーは距離を取って攻めていくが、香理奈はこの間合いでは攻撃できないからと距離を詰めようとするが、ステージーが前蹴りなどを打ってくるので思うように距離を詰めれない。「もしかして足が短いからとどかないの?」ステイジーは挑発しながらローキックをどんどん打っていく。「うるさいわね、そんなへなちょこキックなんか何発当たっても効かないわよ」香理奈は強気に振舞ったが、言葉とは裏腹にステイジーの長い足から繰り出されるキックは相当威力がありそうだ。「距離を取りなさい」セコンドの涼子が叫ぶと香理奈は距離を取ってとりあえずステージーの打撃を避けようとするが「香理奈、逃げるな。距離を取りすぎだ」不満顔で距離を縮める香理奈に容赦なくステージーの打撃が浴びせられる。次第にコーナーに追い詰められてサンドバック状態になる香理奈。「アハハハ、全然話にならないわね。なによその顔は日本人は小さくて醜いわ」ステージーの言う通り香理奈の鼻から鼻血が出ている。香理奈は苦しさの中に悔しい表情を滲ませながら耐える。ステージーは挑発するかのように香理奈の胸を軽く小突き始めた。香理奈もステージーの胸を殴り始めた。ステージーも最初は挑発のつもりだったが、本気になって殴りつけていく。互いのバストをノーガードで殴り合っていくと、時折2人ともパンチが入ってしまうと喘ぎ声を出すが、女の一番のアピールポイントがかかってるので負けるわけにはいかないと平静を装って相手の胸を殴っていく。「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ」次第に両者とも苦しい表情を見せ始めるが止める気配はない。ボシュ、香理奈のパンチがステージーの胸にクリーンヒットするとステージーは胸を抱えながらうずくまる。「なんだ、外人ってデカいだけで意外とバストは弱いのね」勝ち誇る香理奈を悔しそうに見上げるステージー。チャンスとばかりに香理奈は一気に距離を詰めると主導権を奪おうとパンチやキックを積極的に打っていく。ステージーは勢いに押されてふらつくが、ガードを固めて香理奈の攻撃を見切ると距離が詰まってるのを利用して抱え込んでの膝蹴りを香理奈のボディーに打っていった。「うっ、ぐえっ」マウスピースを吐き出して苦しむ香理奈。「ちょっとショーに付き合ってあげただけで調子に乗るんだから、ここからショーの続きを見せてあげるわ」そう言うとステージーは香理奈の胸を下から突き上げるように蹴り上げた。「痛い、それはやめて〜」香理奈の声も空しくステージーはどんどん香理奈の胸を蹴り上げていく。垂れ下がってる胸を下から突き上げるので、香理奈の胸には相当のダメージがきてるはずだ。「あぅ、あぅ、あぅ」痛さとやらしさが混じったような声を上げる香理奈。香理奈の美乳が赤く腫れ上がってきた「良かったじゃない。おっぱいだけは私より大きいんじゃない」香理奈は軽く120cmは超えてそうなバストをぶらぶらさせながら蹴られ続けている。まるでステージーはサッカーのリフティングを楽しむかのように香理奈の胸を蹴っていく。一方的な展開になり、涼子がインターバルを要求したので試合が一時ストップした。ステージーは悠々とコーナーに戻ってタオルで汗を拭いて待つが、香理奈はふらふらになりながらコーナーに戻ると最後は倒れ掛かるようにコーナーに前のめりにもたれた。ロープ越しに涼子が抱きかかえるように支えると、付き人が汗を拭いたり、スポーツドリンクを飲ませたりして香理奈をサポートする。「頑張りなさいよ、あなたなら絶対に勝てるわよ」涼子の激励に頷く香理奈。涼子はそう言うとアイスパックを膨らんだ香理奈の胸に当てた。しみるので嫌がる香理奈だが「我慢しなさい。勝つためにはこうするしかないのよ」香理奈もきつく言われて理解したのか落ち着いてサポートを受けている。インターバルが終わり両者ともリング中央に並んだ。ほとんどダメージを受けてないステージーに対して香理奈はすでにボロボロだ。香理奈の姿を見てニンマリするステージーだが、香理奈はじっとステージーを睨みつけている。「カーン」試合再開の合図が鳴ると、序盤は上手く距離を詰めれなかった香理奈だが、積極的に前に出て行く。その分ステージーの打撃を受けてしまうがかまわず前に出て殴られた分殴り返していく。接近戦になるのを嫌って距離をとろうとするが、香理奈がしつこく詰めよるので距離をとることができない。「しつこいわね、本当に頭にくるわ」イライラを募らせるステージーに香理奈の右ストレートが入った。ステージーは押されるように倒れてダウンを奪われてしまった。香理奈はコーナーにもたれかかって上からステージーを見下ろしている。激昂したステージーが「お遊びはここまでよ」と叫ぶと素早く立ち上がってコーナーにもたれかかっている香理奈の顔面を串刺しにするかのように顔面にケンカッキックを打った。一瞬にして香理奈はダウンを奪われてしまった。しかもステージーは怒りが収まらずダウンした香理奈の顔面を上から踏みつけけていく。「反則だステージー」レフリーから言われるとステージーはコーナーに戻った。180cmから振り下ろされるスタンピングを何発も受けては香理奈はひとたまりもなく倒れたまま動かない。香理奈の顔面は血だらけになっている。しかしスタンピングは反則なので時間をとって試合が再開された。顔面を踏みつけられて今度は香理奈がキレた。「てめぇ、調子に乗るのもいいかげんにしろよ」香理奈は起き上がるとすぐさまステージーに向かって突っ込んで行った。ステージーもそれに応じて香理奈と殴り合いになっていく。もはやK-1の試合というより喧嘩に近い殴り合いだ。香理奈は一心不乱にステージーに殴りかかるが、体格的に余裕のあるステージーは相手を嘲笑う余裕は無いものの香理奈のパンチを確実にガードしてカウンターを入れていく。ボシュ、遂にステージーのカウンターが香理奈の腹を抉るように捉えた。「グェ、ゴホッゴホッ」香理奈は口から黄色い胃液のような液体を吐き出しながらダウンした。カウントが入るが立ち上がるとまたもや一直線にステージーに向かっていった。お互いに意地になって相手を倒そうとパンチとキックの激しい応酬になる。香理奈のミドルキックがステージーの脇腹にヒットするが、さすがに世界のWEEの一員。一発では顔を歪めたものの、体勢を立て直すと香理奈の顔面に右ストレートをクリーンヒットさせてみせた。香理奈は長いリーチから繰り出された一撃に押されて倒れそうになるがなんとか踏ん張ったが、ロープ際に追い詰められてしまった。ステージーは香理奈の顔に絞ってパンチを打ってくる。香理奈の顔面は先程の右ストレートでまたもや鼻血が出てきて呼吸がしづらそうだ。ステージーのパンチを懸命にガードするが、ガードの上からでも効いているようで、香理奈の身体が何度もロープに振られている。香理奈はサンドバック状態になっていく。香理奈の身体がずり落ちていくとチャンスとばかりにステージーは上からパンチを打っていく。香理奈はそのまま座り込むようにダウンした。通常のK-1のルールなら3ノックアウトシステムだが、この試合は10カウントを取るまで続けられる。必死に立ち上がろうとロープを伝いながら踏ん張ろうとするが足元がふらついて、身体が言う事を聞かない。言う事を聞かない身体にヒステリック気味に苛立つ香理奈「あぁん、絶対に負けるのは嫌よ」なんとか立ち上がった香理奈だが、身体は相当ボロボロだ。「まだやる気?どうせまた私にボコボコにされるだけよ」ステージーは勝ち誇るとさらに香理奈を痛めつけようとラッシュをかけようとするが、出端に香理奈の狙い済ましたかの様なハイキックがまともにくらってしまった。香理奈はふらついているステージーにアッパー気味にステージーの胸を突き上げると、ステージーは苦しそうな表情を浮かべながらのけぞった。一気に攻勢に出る香理奈、ステージーも体勢を立て直すと応戦していく。両者ともガードする事無く相手の顔や身体に自分の打撃をぶつけていく。気持ちで勝る香理奈が少しずつステージーをコーナーに追い詰めていく。ふらついてきたステージーの腹に香理奈がショートレンジのアッパーで抉ると、ステージーは腹を押さえて苦しんでいる。オウッ、その隙に香理奈がハイキックでステージーの側頭部を蹴り飛ばした。ステージーはダウンしそうになるが、香理奈が無理矢理ステージーをコーナーに押し付けると目が虚ろになり戦意喪失気味のステージーをパンチ、キックを浴びせていく。香理奈は興奮してガンガンステージーをボコボコにしていく。セコンドの涼子も興奮してリングサイドを何度も叩いて香理奈に声をかける。香理奈も涼子の声に応えてラッシュをかけていく。ステージーの身体がずり落ちはじめるとステージーの側頭部に再びハイキックを放った。元々戦意喪失のステージーは無抵抗にバタンと倒れた。カウントが数えられていくが、ステージーはピクリとも動かない。『カーンカーンカーン』ここで試合終了のゴングが鳴った。『勝者:香理奈』コールされるとガッツポーズをして喜ぶ香理奈。涼子と抱き合って喜んでいる。「本当に良くやってくれたわ」香理奈の頭を撫でながら涼子はまるで自分の事かのように喜んでいる。ステージーはしばらくたっても全く動かないので急いで担架で運ばれていった。大逆転勝利で会場からの香理奈コールのなか花道を声援に応えながら2人は去っていった。
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