「赤コーナー。史上最年少レスラー、入栄紗綾〜。」コールを受けたのは僅か11歳の入栄紗綾だ。小学生にして既に地下プロレスのリングに上がっているが、その理由は日頃の仕事のストレスを発散させるためである。彼女は史上最年少のグラビアアイドルでもあるのだ。彼女は可愛らしいピンクのビキニに、身を包んでいた。「青コーナー。一気に名声を得られるか?伊藤仁美〜」続いてコールされたのは、15歳の中学生アイドル、伊藤仁美だった。体格的に恵まれているとも言えないが、この地下プロレスで活躍し、更に知名度を上げようとしているのである。彼女は、青いビキニに身を包んでいた。今2人は、リング中央で向かい合っていた。「あらら〜、可愛そうに。お譲ちゃんは一体何処の迷子さんかな?」「ふん、何よ。一寸ばっかし年上だからって威張るんじゃないわよ。売れないお姉さん。」仁美の挑発に対し、紗綾は小学生とは思えぬ毒舌で反撃した。流石に、11歳で地下プロレスのリングに上がっているだけはある。「調子に乗るんじゃないわよ。このチビ。」仁美は相手の毒舌はともかく、売れないお姉さん等と言われるのは、彼女にとってのプライドを傷つけられた。「今に後悔するわよ。」「どうぞ。勝手にほざけば。どうせ、勝つのは私ですから」仁美は紗綾の言葉を無視した。そして、2人がコーナーに戻って間もなく、ゴングがなった。
カァァーン!
2人は詰め寄った。先に手を出したのは、仁美だった。「オラァ!喰らえ!」仁美は紗綾の体にローキックを打ち込んでいった。いきなりの攻撃に、手も足も出ない紗綾。「くっ!まだまだ・・・きゃ!」紗綾は耐え切れずに転倒してしまった。そこをチャンスとばかりにストンピングで攻め込む仁美。「ほらほら。さっきの勢いはどうした。チビ!」仁美がこんな風に挑発して、尚もストンピングを叩き込んでいると、突然後ろにひっくり返った。紗綾が、仁美の足を掴んで転倒させたのである。「きゃあ!」悲鳴を上げて倒れこむ仁美。「ほ〜ら、お返しよ」紗綾は、仁美の足を取ると、彼女をうつ伏せに寝かせ、逆エビの体勢をとった。苦しむ仁美。しかし、「負けるかー!」仁美は根性でロープブレイクした。「やったな」技を解かれ、立ち上がった仁美は正面から紗綾に抱きつくと、ベアハッグを極めていった。「ぐわぁぁぁぁ・・・!!」仁美の圧倒的なパワーの前に絶叫する紗綾。しかし、紗綾も負けてはいない。両足をばたつかせると、その足が仁美の股間に直撃した。「ふぐっ・・・!」いきなりの急所攻撃に悶絶し、思わず両手を離して股間を押さえる仁美。「残念だったわねぇ。綺麗なお姉さん」言い終わるのが早いか、紗綾は顔を上げた仁美の顔面に低空ドロップキックをお見舞いした。「ふぎっ!」紗綾の連続攻撃に成す術も無い仁美。しかし、その目は死んでいなかった。「調子に乗るな!この、糞ガキ」立ち上がった仁美は紗綾の後ろに回り、背中に蹴りをお見舞いした。「きゃあ!」今度は、紗綾が悲鳴を上げる番だった。仁美はうつ伏せに倒れた紗綾の背中を跨ぐと、片足を取って、片エビ固めを極めていった。「ぐわぁぁ!ま・け・る・も・ん・か」紗綾はロープに逃れようとするが、後一歩の所で、リング中央に戻されてしまう。「ロープブレイクなんかさせるもんですか」勝ち誇ったように言う仁美。すると紗綾は突然自由な方の足で、仁美の股間を蹴った。「ふぐぅ・・・」二度の股間攻撃に悶絶する仁美。「どうしたの?もう終わり?んじゃ、こっちから行かせてもらうわよ」そう言うと、紗綾は仁美の股間を押さえている手を強引に掴んで後ろに回した。「何時までも押さえてんじゃねぇよ!」仁美は、まだ股間のダメージが残っていた。余りの痛みに、反撃できないでいた。「喰らえ!」紗綾は弓矢固めを繰り出した。両腕を後ろに引っ張り、膝を自分の足で固定した。「ほらほら!反撃してみろ」そうしている間に、w)仁美の骨は軋み、遂に両肩が外れてしまった。
カン・カン・カン!
ゴングが鳴り響いた。紗綾は仁美を放すと仁美は肩の痛みに耐えかね、大絶叫した。その後彼女は担架で医務室に運ばれた。幸い、軽い脱臼のようなもので、手術すれば治るという。試合後、紗綾はマイクを取ってこう言った。「次はもっとまともな奴を連れてこい。もっといい勝負がしたいんだ」それだけいうと、彼女は控え室に戻っていった。会場からは、彼女を賞賛する拍手が起こったのもしらずに・・・。

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